6703

沖電気工業(6703)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 社会インフラ支援
    OKIグループは、道路、航空、消防・防災、官公庁、防衛といった公共性の高い分野で、システム構築、製品製造・販売、ソリューション提供、工事・保守サービスを一貫して行っています。これにより、社会の基盤となるインフラを支え、安定的な収益源を確保しています。
  • 金融・流通ソリューション
    ATMや現金処理機、営業店端末、予約発券端末など、金融機関や流通業界向けのメカトロ製品の製造・販売、および関連システムの構築・保守サービスを提供しています。キャッシュレス化が進む中でも、現金処理のニーズに応え、効率的な店舗運営を支援することで収益を上げています。
  • IoT・通信機器提供
    エッジデバイス(IoT)、センサーネットワーク、PBX、ビジネスホン、コンタクトセンター、クラウドサービス、LEDプリンターなど、企業や社会のデジタル化を支える多様な製品やサービスを提供しています。特にIoT関連は、今後の成長が期待される分野であり、新たな収益源としての役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 公共ソリューション事業
    この事業は、道路、航空、消防・防災、官公庁、防衛関連システム、航空機器、通信キャリア向け通信機器など、社会インフラを支える製品やサービスを提供しています。売上高は1,305.06億円、営業利益は140.93億円と、OKIグループの稼ぎ頭であり、安定した収益を上げています。
  • 企業ソリューション事業
    ATM、現金処理機、営業店端末、予約発券端末など、金融機関や企業向けのメカトロ製品の製造・販売、工事・保守サービスを提供しています。売上高は1,798.04億円、営業利益は131.08億円で、新紙幣対応案件終了後も更改需要を取り込み、ベトナム・アジア市場での拡大と生産移管によるコストダウンを進めています。
  • 部品製品事業
    エッジデバイス(IoT)、センサーネットワーク、PBX、ビジネスホン、コンタクトセンター、クラウドサービス、LEDプリンターなどの製品の製造・販売を行っています。売上高は757.8億円、営業利益は29.29億円です。プリンター事業の構造改革を進め、中長期的な安定収益化を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PublicSolutions 事業 1,305 141 10.8%
EnterpriseSolutions 事業 1,798 131 7.3%
ComponentProducts 事業 758 29 3.9%
EMS 事業 659 -8 -1.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,116 文字
3【事業の内容】 OKIグループ(当社及び関係会社)は、「パブリックソリューション」、「エンタープライズソリューション」、「コンポーネントプロダクツ」、「EMS」の4事業及び「その他」について、製品の製造・販売、システムの構築・ソリューションの提供、工事・保守及びその他のサービスを行っております。 事業区分別の事業の内容は、以下のとおりであります。なお、以下の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 <パブリックソリューション事業> 当事業では、主に以下の製品の製造・販売、システムの構築・ソリューションの提供及びその他サービスを行っております。道路関連システム、航空関連システム、消防・防災関連システム、官公庁向けシステム、防衛関連システム、航空機器、通信キャリア向け通信機器など <エンタープライズソリューション事業> 当事業では、主に以下の製品の製造・販売、工事・保守及びその他サービスを行っております。ATM、現金処理機、営業店端末、予約発券端末、チェックイン端末、外貨両替機、ATM監視・運用サービス、金融営業店システム、事務集中システム、予約発券システム、工事・保守サービスなど <コンポーネントプロダクツ事業> 当事業では、主に以下の製品の製造・販売及びその他サービスを行っております。エッジデバイス(IoT)、センサーネットワーク、PBX、ビジネスホン、コンタクトセンター、クラウドサービスなど なお、LEDプリンターについては、2025年10月1日付で開発・生産に関する事業をエトリア株式会社に承継させたため、当社は製品の販売及びその他サービスを行っております。 <EMS事業> 当事業では、主に以下の製品の製造・販売及びその他サービスを行っております。設計・生産受託サービス、プリント配線板、ケーブル・電極線、エンジニアリングなど <その他> その他では、主に用役提供を行うとともに、将来事業創出に向けた活動も推進しております。 (注)2026年度より、コア事業の革新と成長市場への挑戦を進めるため、3セグメント(パブリックソリューション/金融ソリューション/コンポーネント&マニュファクチャリング)に再編しております。 OKIグループにおける、OKI(親会社)及び関係会社の取引関係を図示すると、概ね以下のとおりになります。(2026年3月31日現在)(注)OKI Data Manufacturing (Thailand)は、2025年10月1日付でエトリア株式会社へ承継されたことに伴い、連結の範囲から除外しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
EMS事業で市況好調な領域へのポートフォリオ多角化やタイムリーな価格転嫁で収益減少リスク解消を図ると記載があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
光ファイバーセンサー技術、シリコンフォトニクス技術、荷物位置自動測位技術、CFB技術など独自の技術開発を行っているため。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:世界の政治経済の動向に係るもの / カントリーリスクに係るもの / 外国為替の影響に係るもの
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

沖電気工業は、長年にわたり培ってきたセキュリティ技術や認証技術に関する特許を保有している。特に、生体認証技術においては、指紋認証や顔認証などの分野で複数の特許を取得しており、これが一定の競争優位性をもたらしている可能性がある。しかし、これらの特許が市場で独占的な地位を確立するほどの強力なものではない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社の製品やソリューションは、金融機関や官公庁など、高いセキュリティが求められる分野で採用されている。これらの顧客は、一度導入したシステムを切り替える際には、多大なコストとリスクを伴うため、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、競合他社も同様のソリューションを提供しており、顧客の囲い込みは限定的である。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

沖電気工業の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すプラットフォーム型ではない。個々の製品やソリューションの価値は、ユーザー数の増加によって飛躍的に高まるものではなく、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

同社は、長年の製造業としての経験から、一定の生産効率やサプライチェーン管理能力を有していると考えられる。しかし、グローバルな競争環境において、構造的に圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に、競合他社との価格競争においては、コスト面での優位性は限定的である。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

沖電気工業は、情報通信システムやプリンター事業など、一定の事業規模を有している。特に、プリンター事業においては、一定の市場シェアを確保しており、規模の経済による効率化の恩恵を受けている可能性がある。しかし、業界全体で見ると、多数の競合が存在し、寡占状態とは言えない。

  • 社会インフラの信頼性
    長年にわたり培ってきた社会インフラ分野での実績と信頼が強みです。道路、航空、消防・防災、防衛といったミッションクリティカルな領域で、止まることの許されないシステムや製品を提供しており、高い技術力と安定供給能力が競争優位性となっています。
  • メカトロニクス技術
    ATMや現金処理機、各種発券端末など、精密なメカトロニクス技術を要する製品群に強みを持っています。これらの製品は、単なるハードウェア提供だけでなく、運用サービスやシステム構築と組み合わせることで、顧客の業務効率化に貢献し、高いスイッチングコストを生み出しています。
  • 多様な事業ポートフォリオ
    パブリックソリューション、エンタープライズソリューション、コンポーネントプロダクツ、EMSといった多岐にわたる事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散できるポートフォリオを構築しています。これにより、安定的な経営基盤を維持し、将来の成長に向けた投資余力を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 縮小均衡からの脱却
    OKIグループは、中期経営計画2025において「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」ことを基本方針としています。2025年度までに売上高4,500億円、営業利益180億円、自己資本比率30%という目標を掲げ、2019年度水準への業績回復と財務基盤の強化を目指しています。
  • 成長事業の強化
    パブリックソリューション事業は、社会インフラソリューションの強化と特機システムにおける防衛力整備需要の拡大を捉え、技術開発・生産能力増強、海外展開を推進しています。EMS事業は、半導体市場の低迷から収益力回復に注力し、次期中期経営計画に向けた戦略再検討を進めています。
  • 将来事業の創出
    2026年度以降の成長を見据え、将来事業の創出にも注力しています。特にCFB(フォトニクス、パワー半導体)の2026年度量産化に向けた準備を進めるとともに、シリコンバレーを拠点としたオープンイノベーション活動や、共創ファンドを活用したグローバルサウス地域での社会課題解決を目指し、スタートアップ企業との連携を加速させています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。OKIは1881年の創業以来、情報通信機器企業として幾度もの環境変化を乗り越え、当社の強みである技術力と人財を活かし、社会インフラを支えてきました。中期経営計画2025の最終年度となる2025年度は、前年度までの特需の剥落等により売上高が一部影響を受けましたが、業績は堅調に推移し、更には2025年10月に実施したプリンターの開発・生産機能のエトリア株式会社への統合に伴う特別利益を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅な増益となりました。 (1)中期経営計画2025の振り返り2023年度から2025年度までの3ヶ年を対象とする中期経営計画2025において、「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」ことを基本方針とし、2019年度水準へ業績を回復し、棄損した財務基盤の回復を目指して取り組んできました。計画策定時には、新型コロナウイルス感染症の影響や部材調達難の長期化により事業環境が大きく悪化し、OKIグループは厳しい経営状況にありましたが、新たな事業体制のもと、事業ポートフォリオの見直しや事業運営体制の再構築を進め、収益構造の改善に注力してまいりました。これらの取り組みの結果、売上高及び営業利益は想定を上回るペースで回復し、業績面では計画で掲げた目標水準に早期に到達することができました。最終年度においては、前年度までの特需の剥落により売上高が一部影響を受けたものの、成長事業であるパブリックソリューションを中心に安定的な利益創出力を確保し、収益性の改善と安定配当が可能な事業基盤の構築に一定の成果を上げることができたものと認識しております。一方で、中期経営計画2025は、成長に向けた第一段階として、傷んだ状態からの回復に主眼を置いたものであり、将来事業の本格的な成長や新たな収益の柱の確立については、なお道半ばにあります。また、外部環境の不確実性が高まる中で、事業の持続的な成長と企業価値向上を実現していくためには、更なる成長戦略の具体化と実行力の強化が重要な課題であると認識しております。 (2)経営計画2031と企業理念の再制定 2026年度から、2031年度までの6ヶ年にわたる経営計画2031をスタートいたします。経営計画2031の実行にあたり、新しいOKIを社内外のステークホルダーに発信するため、創業者の思いに立ち返り、企業理念をPurpose、Vision、Value、OKI Spiritの4つに整理し、再制定いたしました。この新たな企業理念を当社の進むべき未来の羅針盤とし、知的資本経営の実践に基づく取り組みを通じて、社会価値を創出し続けてまいります。 (3)経営計画2031の事業戦略 社会変化の加速下において、中期経営計画2025の延長線上を超えた成長の実現に向け、知的資本の強化を基軸として「守りから攻めへ」転換し、未来創造及びグローバル成長を通じた企業価値向上を図るべく、計画期間を2026年度から2031年度とする経営計画2031を策定いたしました。 1881年創業以来培った現場力と信頼を基盤に、OKIは、社会インフラを「止めない」運用責任を競争軸として位置づけ、導入・売り切り型から運用・保守・更新を含む長期契約型へ収益構造を転換してまいります。領域横断の運用基盤と標準サービスを整備し、レイヤーマスターとしての地位確立を目指してまいります。 <パブリックソリューション> 政府成長戦略分野に注力し、強化を図っております。防衛需要増への生産能力増強を着実に実行するとともに、海外装備移転への対応を強化いたします。また、公共需要への対応力強化、次世代ネットワークへの対応を推進いたします。 <金融ソリューション> ATMなどの機器・システム販売に加え、金融機関の窓口や現場業務を設計から運用まで担う総合サービス事業の確立を目指してまいります。全国の保守網とATMを中心とした金融端末を活かし、「止めない」運用と業務効率化をワンストップで実現してまいります。これにより金融機関のサービス向上を支援し、社会インフラである現金・決済サービスの持続性確保に貢献してまいります。 <コンポーネント&マニュファクチャリング> アドバンストコンポーネント事業の飛躍と、コンポーネントプロダクツ事業・EMS事業の構造改革という二つの軸を実行してまいります。アドバンストコンポーネント事業ではCFB・シリコンフォトニクス・光ファイバー部品を強みに光電融合市場やGaNパワー半導体市場での事業化を加速してまいります。また、AIサーバーや半導体テスター向けの高付加価値プリント基板事業を強化し高成長へと育成してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。OKIは1881年の創業以来、情報通信機器企業として幾度もの環境変化を乗り越え、当社の強みである技術力と人財を活かし、社会インフラを支えてきました。中期経営計画2025の最終年度となる2025年度は、前年度までの特需の剥落等により売上高が一部影響を受けましたが、業績は堅調に推移し、更には2025年10月に実施したプリンターの開発・生産機能のエトリア株式会社への統合に伴う特別利益を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅な増益となりました。 (1)中期経営計画2025の振り返り2023年度から2025年度までの3ヶ年を対象とする中期経営計画2025において、「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」ことを基本方針とし、2019年度水準へ業績を回復し、棄損した財務基盤の回復を目指して取り組んできました。計画策定時には、新型コロナウイルス感染症の影響や部材調達難の長期化により事業環境が大きく悪化し、OKIグループは厳しい経営状況にありましたが、新たな事業体制のもと、事業ポートフォリオの見直しや事業運営体制の再構築を進め、収益構造の改善に注力してまいりました。これらの取り組みの結果、売上高及び営業利益は想定を上回るペースで回復し、業績面では計画で掲げた目標水準に早期に到達することができました。最終年度においては、前年度までの特需の剥落により売上高が一部影響を受けたものの、成長事業であるパブリックソリューションを中心に安定的な利益創出力を確保し、収益性の改善と安定配当が可能な事業基盤の構築に一定の成果を上げることができたものと認識しております。一方で、中期経営計画2025は、成長に向けた第一段階として、傷んだ状態からの回復に主眼を置いたものであり、将来事業の本格的な成長や新たな収益の柱の確立については、なお道半ばにあります。また、外部環境の不確実性が高まる中で、事業の持続的な成長と企業価値向上を実現していくためには、更なる成長戦略の具体化と実行力の強化が重要な課題であると認識しております。 (2)経営計画2031と企業理念の再制定 2026年度から、2031年度までの6ヶ年にわたる経営計画2031をスタートいたします。経営計画2031の実行にあたり、新しいOKIを社内外のステークホルダーに発信するため、創業者の思いに立ち返り、企業理念をPurpose、Vision、Value、OKI Spiritの4つに整理し、再制定いたしました。この新たな企業理念を当社の進むべき未来の羅針盤とし、知的資本経営の実践に基づく取り組みを通じて、社会価値を創出し続けてまいります。 (3)経営計画2031の事業戦略 社会変化の加速下において、中期経営計画2025の延長線上を超えた成長の実現に向け、知的資本の強化を基軸として「守りから攻めへ」転換し、未来創造及びグローバル成長を通じた企業価値向上を図るべく、計画期間を2026年度から2031年度とする経営計画2031を策定いたしました。 1881年創業以来培った現場力と信頼を基盤に、OKIは、社会インフラを「止めない」運用責任を競争軸として位置づけ、導入・売り切り型から運用・保守・更新を含む長期契約型へ収益構造を転換してまいります。領域横断の運用基盤と標準サービスを整備し、レイヤーマスターとしての地位確立を目指してまいります。 <パブリックソリューション> 政府成長戦略分野に注力し、強化を図っております。防衛需要増への生産能力増強を着実に実行するとともに、海外装備移転への対応を強化いたします。また、公共需要への対応力強化、次世代ネットワークへの対応を推進いたします。 <金融ソリューション> ATMなどの機器・システム販売に加え、金融機関の窓口や現場業務を設計から運用まで担う総合サービス事業の確立を目指してまいります。全国の保守網とATMを中心とした金融端末を活かし、「止めない」運用と業務効率化をワンストップで実現してまいります。これにより金融機関のサービス向上を支援し、社会インフラである現金・決済サービスの持続性確保に貢献してまいります。 <コンポーネント&マニュファクチャリング> アドバンストコンポーネント事業の飛躍と、コンポーネントプロダクツ事業・EMS事業の構造改革という二つの軸を実行してまいります。アドバンストコンポーネント事業ではCFB・シリコンフォトニクス・光ファイバー部品を強みに光電融合市場やGaNパワー半導体市場での事業化を加速してまいります。また、AIサーバーや半導体テスター向けの高付加価値プリント基板事業を強化し高成長へと育成してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】2026年3月期の活動の成果は、次のとおりであります。日本経済は、雇用及び所得環境の改善のもと、各種政策の効果によって緩やかな回復基調で推移しました。一方、物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向、金融資本市場の変動、中東情勢等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境下、社会インフラを止めず、その維持に貢献する企業として、「安心・便利な社会インフラ」「働きがいと生産性向上」「地球環境の保全」の3つの貢献分野で社会課題の解決につながる価値を提供していくことが、創業150年を迎える2031年に向けたOKIのありたい姿です。このありたい姿の実現に向け、2023年度から中期経営計画2025(中計2025)をスタートさせました。中計2025の最終年度となる今年度は、中計2025の完遂を目指すとともに、その先の持続的な成長に向けた取り組みを加速しております。当連結会計年度の業績は、以下のとおりであります。売上高は4,216億円、前年度比308億円の減収、営業利益は188億円、同2億円増益、経常利益は208億円、同40億円増益、親会社株主に帰属する当期純利益は215億円、同90億円増益となりました。エンタープライズソリューションの大型案件の剥落影響がありましたが、パブリックソリューションが好調に推移し、売上高は一定水準を確保、営業利益もほぼ前年並みを確保しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、エトリア株式会社への参画に伴う事業譲渡益等により、大幅な増益となりました。 事業別の業績状況は、以下のとおりであります。パブリックソリューション事業の売上高は1,397億円、前年度比92億円増収、営業利益は181億円、同40億円増益となりました。社会インフラソリューション事業の伸長により増収増益、特機システム事業は前年度を下回るも、防衛需要拡大を背景に水中音響を中心に堅調に推移しました。エンタープライズソリューション事業の売上高は1,506億円、前年度比292億円減収、営業利益は103億円、同28億円減益となりました。大型案件の反動等により減収減益となりましたが、生産効率化等を推進し、営業利益率は7%を確保しました。コンポーネントプロダクツ事業の売上高は682億円、前年度比76億円減収、営業利益は20億円、同9億円減益となりました。国内外の需要変動影響を受け減収減益となった一方、事業の安定化に向けた構造改革を実行しました。EMS事業の売上高は627億円、前年度比32億円減収、営業利益は10億円、同18億円改善となりました。D/EMS事業は市況低迷の影響を受け苦戦も、部品事業の回復がセグメント全体の損益改善に寄与しました。その他の事業の売上高は5億円、前年度比1億円増収、営業損失は将来事業創出に向けたR&Dなど成長に不可欠な投資を行ったため、16億円、同1億円悪化となりました。 総資産は前年度末から342億円増加の4,452億円となりました。自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益を215億円計上したこと及びその他の包括利益累計額が171億円増加した一方で、普通配当を39億円実施したこと等により、前年度末に対して347億円増加の1,803億円となりました。その結果、自己資本比率は40.5%となりました。資産では主に、受取手形、売掛金及び契約資産が180億円、退職給付に係る資産が127億円増加しております。負債では主に、借入金が減少しており、前年度末982億円から42億円減少し、940億円となりました。 また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは103億円の収入(前年度197億円の収入)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を計上したことにより、206億円の収入(同393億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出があったことにより、103億円の支出(同196億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金及びリース債務の返済による支出により、119億円の支出(同179億円の支出)となりました。以上の要因により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前年度末の362億円から358億円となりました。事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、事業活動に必要な運転資金、設備投資等の資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。現在保有している手元現預金に加え、コミットメントラインも保有しており十分な流動性を確保しております。OKIグループは財務規律を重視し、成長に必要となる投資に重点をおいて実行してまいります。また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、850億円となっております。なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下のとおりであります。 (単位:億円)契約債務年度別要支払額合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金192192---長期借入金748215381151-リース債務571920126(注)1.連結貸借対照表上、「短期借入金」として表示されている1年内に返済予定の長期借入金(215億円)は、本表においては、「長期借入金」として表示しております。2.オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は85億円であります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 世界経済の変動
    OKIグループは、日本国内だけでなく米州、欧州、アジアなど海外でも事業を展開しており、海外売上高は連結売上高の11.1%を占めています。エネルギー不足、物価上昇、サプライチェーンの混乱、金融引き締めによる景気後退、輸入規制、関税政策、環境規制、情報保護規制などの変更は、製品需要の縮小や製造遅延を引き起こし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • カントリーリスク
    海外に30の子会社と多数の販売・生産拠点を持ち、特にタイ、ベトナム、欧州、米国、インドなどが主要拠点です。これらの国や地域での感染症蔓延による社会的混乱、生産・物流の停滞、クーデター、紛争、テロ、自然災害などが発生した場合、原材料調達の支障、生産遅延、資産の接収、人的・物的被害が発生し、事業継続に重大な影響を与える可能性があります。
  • 為替・金利変動
    海外事業展開や主要製品の海外生産を行っているため、為替変動リスクにさらされています。例えば、ユーロ円安は営業利益に約1億円のプラス影響、米ドル円安は調達・製造コスト増により約2億円のマイナス影響を及ぼす可能性があります。また、有利子負債982億円(DEレシオ0.7倍)を抱えており、金利上昇は支払利息の増加(当期23億円)を通じて業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|10,650 文字
3【事業等のリスク】 OKIグループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(経営成績等)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、当該事項は2026年3月31日現在においてOKIグループが判断したものであります。 また、業績に影響を与える要因は、これらに限定されるものではありません。OKIグループはこれらのリスクを認識し、その影響の低減に取り組んでまいります。 (1)世界の政治経済の動向に係るもの OKIグループの製品に対する需要は、製品を販売している日本国内、海外の各地域の政治経済状況の影響を受けます。 OKIグループの海外市場は米州、欧州、アジア等であり、当該地域における売上は当連結会計年度においては469億円(連結売上高比率11.1%)を占めております。これらの海外市場をはじめとする各地域においてエネルギー不足、物価上昇、サプライチェーンの混乱等が発生した場合、OKIグループ製品への需要縮小や、部品供給不足によるハードウェア製品の製造遅延等が発生し、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、製品に対する輸入規制、関税政策、世界的に強化されつつある環境規制や各国で施行される情報保護関係等の各地域の法律・規制等の変更により、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 なお、各事業における海外向け売上については、定期的に売上状況等をモニタリングするとともに、海外各国の政治経済の変動による影響を極力早期に認識するよう努め、また各種規制、法律の動向についても日本本社で把握、対応を行い、さらに売上が個別地域に過度に集中しないようにする等適切な対策が必要であることを認識しております。また、サプライチェーンリスクについては、調達先の拡大や設計変更による代替部材対応等によりその影響の低減を図っております。 (2)カントリーリスクに係るもの OKIグループは海外に26の子会社を有しており、数多くの販売・生産拠点が存在しております。対象地域は、主な生産・製造拠点としてベトナム、また、主な販売拠点として欧州のほか、インド等があります。 それらの国、地域において、クーデター・紛争・革命、または、暴動・テロ・自然災害・感染症の蔓延等による社会的混乱、生産、物流の停滞等が発生する可能性があり、その影響を受け、原材料部品の調達の支障、生産の遅延等により事業そのものに影響が及ぶ可能性があることを認識しております。 さらには、それらに関連して、OKIグループの資産の接収、収用、また、人的・物的被害が発生する可能性があることを認識しております。 そのようなリスクが高まる場合、または、具体的な危機事象が発生した場合は、代替の原材料部品・物流ルートの確保、また、関連する拠点の機能の移管、それらの影響により人財が不足する場合は、補完人員の確保等の代替手段の確保が必要であると考えております。 また、発生した事象を的確に分析し、採算性等から適切な事業運営が継続できないと判断した場合には、撤退も含めた対応の検討が必要であることを認識しております。 (3)外国為替の影響に係るもの OKIグループは海外での事業展開、主要製品の生産を行っており、日本国内、海外の政治経済の状況に影響を受ける為替変動リスクにさらされております。その結果、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 しかしながら、外貨建て資産と負債のポジション不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリー取引等によりリスクヘッジを実施しております。さらに、投機的な取引は原則禁止しております。これらにより、OKIグループとして外国為替の影響を極力抑制するよう努めております。 なお、当連結会計年度における具体的に為替レートが1円円安に変動した場合の各通貨が営業利益に与える影響は、ユーロは欧州での利益増により約0.5億円の良化、米ドルは調達・製造コスト増等により約1億円の悪化となっております。 (4)金融市場・金利変動に係るもの OKIグループの有利子負債は、金融市場及び金利変動の影響を受けるため、金融市場やOKIグループの信用力の変動等による借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生した場合、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 しかしながら、借入水準を極力抑えることに加え、金利スワップ取引を行う等さまざまな対策を講じることで、金利上昇影響を抑制するよう努めております。 また、株式市場の低迷や資産の運用環境が悪化した場合には、OKIグループが保有する上場株式や年金資産の価値が下落し、評価損の計上や純資産の減少により、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 保有する上場株式の縮減や年金資産の定期的なポートフォリオの見直しなどによりOKIグループとして金融市場の影響を極力抑制するよう努めております。 (5)法規制に係るもの OKIグループは事業展開する日本国内及び海外の各地域において、事業・投資の許認可、国家安全保障、環境関連法規制、情報保護関連規制、外国貿易及び外国為替法関連規制、競争法関連規制、贈収賄関連規制、経済制裁規制等の理由による輸出入制限、税務制度等といったさまざまな法規制の適用を受けております。 このため日本国内及び海外において、これらの法規制(類似・同種の法規制含む)等を遵守できなかった場合、追加費用が発生し、事業活動に支障をきたす可能性があります。加えて、お客様の信用、社会の負託を失うこととなり、結果としてOKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 しかしながら、上記の法規制をはじめとしてOKIグループの事業に密接に関係する各法規制については、OKIグループ内にて法規制の遵守を徹底させるべく、統括する主体となる部署を指定し、社員教育の推進、遵守状況のモニタリング等、全社横断的に法規制の遵守を推進しております。 また、必要に応じ、弁護士、コンサルタント等の専門家及び専門機関の協力を得て、対策を講じております。 (6)市場の動向・製品・サービスに係るもの①市場動向・顧客需要の変動に係るリスク 防衛の事業領域においては、国内防衛予算の増加や防衛装備移転三原則の運用指針改定による海外の事業機会などの市場環境変化を捉え、生産能力増強のための工場拡大、グループ内での要員シフトなどの供給能力向上に取り組んでおります。 この事業領域においては、地政学的リスクに伴う部材調達の懸念や労働者不足等から、製品の供給遅延が生じて、成長機会を捉えきれない可能性が考えられます。 部材調達の懸念に対しては、入手性と調達コストとのバランスを考慮しつつも、お客様への製品供給責任を果たすことが重要と考え、内製化や代替品採用も視野に入れながら、その都度対応策を見極めてまいります。労働者不足に対しては、グループ内での要員シフトに加え、キャリア採用・新人採用の拡大も図りながら、中長期にわたる要員確保に努めております。 金融、リテール及びグローバル市場においては、デジタル化、セルフ化・省人化ニーズの高まり、並びに担い手不足の深刻化を背景に、市場環境及び顧客需要が変化しております。これらの市場構造や需要変化に十分対応できない場合、売上収益及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。 OKIグループは、セルフ化・省人化に対応した製品の拡充、現金管理及び運用負荷低減に資するソリューションの強化、並びに機器販売に加えた保守・運用・監視等を含むサービスの拡大により、これらのリスクへの対応を進めております。 社会インフラとして重要な自動化機器の安定的な供給体制を維持・強化する観点から、株式会社日立製作所との合弁会社(JV)の設立に向けた検討を開始しております。両社の有する知見、技術及び事業基盤を活かし、今後、新たな価値の創出につなげていくことを目指してまいります。 プリンター、PBXは成熟から減少へ市場が変化しており、この分野は事業の縮小が避けられない状況にあります。プリンターは海外販売比率が高く、海外景況の悪化により売上が減少する可能性があります。さらに商品をグローバルに展開する上で各地域の規制に適切に対応できない場合、市場で受け入れられない可能性があります。 これらのリスクに対し、プリンター、PBXでは販売力強化と市場シェア維持施策により影響の最小化・残存者利益の最大化を図ってまいります。お客様ニーズに即した商品増強を進めるとともに、重点地域・重点チャネルでの販売強化を行い、収益基盤の維持・拡大に取り組みます。同時に、残存者利益により得た利益を今後成長が期待できる領域へ積極的に投資・育成することで、事業全体の規模維持と安定化を進めてまいります。 また、各国の規制情報を素早く把握し製品への適用を進めるとともに、省エネ・省資源といった環境性能を一段と高める製品を提供してまいります。 プリンター事業については、2025年10月から開発・生産に関する事業をエトリア株式会社と統合しました。当該統合により、開発・生産の一体運営による開発力強化とコスト競争力の向上を図るとともに、ラインアップ強化及び安定供給体制の確立を通じて、お客様に付加価値の高い商品を継続的に提供できるようエトリア株式会社と協力してまいります。 ネットワークインフラ事業の提供する6G、APN(All-Photonics Network)等の次世代通信・光ネットワーク技術は、標準化、制度整備、ユースケース形成等の進捗により商用化時期や投資規模が変動する可能性があり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対しては、次世代技術領域の開発・提案を進めつつ、既設ネットワークの高度化・更改、運用保守等を含む事業ポートフォリオの構築により需要変動リスクの影響を極力抑制するよう努めております。 ②競争激化に係るリスク お客様が現場で使う業務システムには、安定稼働、高度化、利便性向上など様々なニーズが求められます。これらお客様のニーズの変化に迅速に対応できなかった場合、計画通りにビジネスを獲得できないリスクが考えられます。このリスクに対応するため、研究開発への積極的な投資による技術開発と人的投資を進めるとともに、常にお客様の現場業務を理解し課題を解決するという取り組みを続けてまいります。 ネットワークインフラ事業の市場には既存の競合事業者が存在することから、価格競争の激化、受注獲得の不確実性の増大、提案・獲得コストの上昇等により、受注機会、販売単価及び利益率に影響を及ぼす可能性があります。また、海外ベンダーの日本市場参入が進展した場合、競争環境が変化し、同様に業績に影響を及ぼす可能性があります。これまでの事業活動で培った通信キャリア市場に対するシステム構築力及び電力会社向け提案ノウハウを活用し、顧客課題に即した提案力及び導入支援力を高めることで差別化を図り、価格競争や受注環境の不確実性への対応を進めております。また、海外ベンダーの動向を注視しつつ、案件特性に応じた協業等も選択肢として、競争激化への対応を図っております。 金融、リテール及びグローバル市場においては、機器単体の性能や価格に加え、運用、監視、保守等を含めた総合的なサービス提供力、営業・保守体制、並びに重点市場における事業基盤等が競争優位性を左右する要素となっており、競争が一層激化する可能性があります。これらの競争環境の変化に適切に対応できない場合には、受注機会の逸失、販売価格の下落、シェアの低下等により、売上収益及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対しては、機器販売に加え、監視、運用、保守等を組み合わせたサービス提供力の強化を進めるとともに、商品ラインアップの拡充、販売・保守体制の強化及び重点市場における事業基盤の整備を通じて、競争力の維持・向上に取り組んでおります。 ③サプライチェーンに係るリスク 社会インフラ市場、及びキャリアネットワークを中心とする通信インフラ市場は、次世代社会インフラや次世代ネットワークなどへ大きく変化・発展していくものと予想されます。 この領域における主要なリスクとして、世界的に需要が増加しているサーバー機器、半導体、光ファイバーなどの製品・部材の供給不足や価格変動、石油由来材料の供給不足や価格変動により、生産停止、製品供給の停止、案件失注などの売上・利益の減少リスクがあります。 これらのリスクに対応するため、主要製品や部品の調達先の多様化を進めるとともに、内製化を進め、国内外のサプライチェーン環境の変化に対応する力を強化してまいります。また、開発製品の省電力化、クラウド化によるサーバーやストレージ機器共有の合理化を通じて、省電力化への貢献にも取り組んでまいります。 メカトロ製品、プリンター、PBX、各種IoT製品は、部品・原材料の安定調達に努めておりますが、天災、事故、労働力不足等によるサプライヤーの供給能力低下のほか、DRAMを含む半導体部材の需給逼迫、価格高騰、各国・地域における関税政策や輸出入規制の変更、保護主義的な通商政策の強化、並びに主要海上輸送ルートにおける物流停滞等により、部品・原材料の調達遅延、価格上昇又は供給停滞が生じる可能性があります。これらの事象が発生した場合、生産計画、納期及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、OKIグループは、サプライヤーとの連携強化、重要部材の需給・価格動向の継続的なモニタリング、複数調達先の確保、代替部材採用及び在庫水準の適正化等を通じて、影響を極力抑制するよう努めております。 ④新規事業に係るリスク OKIは、これまで4つの領域をイノベーション注力領域と位置付け、パートナー各社との共創を通じて市場参入を加速しております。「物流」「ヘルスケア・医療」「高度遠隔運用」の3領域では、海外も含めたグローバルなマーケティングを推進し、成長市場でのプレゼンス拡大を目指しております。さらに、「CFB(Crystal Film Bonding)」は、アドバンストコンポーネント事業部を創設し、2026年度の量産・事業化に向けた取り組みを本格化しております。 新規事業におけるリスクとしては、研究・開発投資が市場のニーズに合致せず想定ユーザー数を獲得することができない可能性や、開発遅延、品質問題、競合技術の台頭等の発生により、ビジネス機会の逸失や売上が想定を下回る可能性があります。これらに対してはリスクに応じて技術開発の軌道修正、パートナー戦略の見直し等により影響を極力抑制するよう努めてまいります。 (7)調達に係るもの OKIグループの資材調達においては、国内外の自然災害、紛争、テロ、各国による輸出規制や貿易制限、さらには調達先の事業方針転換等の不測の事態が発生する可能性があることを認識しております。特に、重要資源の輸出規制、中東情勢悪化による石油製品の貿易制限、半導体関連部品を中心とした市況の変化に伴う需給逼迫と価格高騰は、調達にかかる重要なリスク要因として注視しております。 これらのリスクが顕在化した場合、資材調達不足や遅延によるOKIグループの工場稼働率の低下、生産・出荷の遅延、及び原価悪化を招き、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 OKIグループでは特定の製品、部品や材料を複数の調達先から調達する体制を整えております。資材不足や生産設備の稼働停止が生じた場合には、代替調達先の確保や代替生産設備の確保、適切な在庫管理等に努める体制を構築しております。 これらの施策により、OKIグループとして調達に係るリスクの低減に取り組んでおります。 (8)重要な知的財産関連契約及び技術援助契約に係るもの OKIグループは、日本国内、海外の複数の企業との間で知的財産関連契約または技術援助契約を締結しております。これらの契約が適正に遂行されない場合の他、不公平な内容で契約が締結された場合、また、その知的財産、援助技術が適正に活用されない場合には、OKIグループの関連する日本国内、海外の事業に影響を及ぼす可能性があります。 なお、OKIグループの製品・サービスには、OKIグループ独自の技術を効果的に活用し、多方面にわたり、その性能に反映させております。他方で、他者の知的財産を尊重するとともに、OKIグループの製品・サービスに許可なく実施することのないように侵害予防調査を実施しております。 また、関連する契約に関しては、社内の知的財産及び法務に関連する専門部署による内容の精査等を実施しております。あわせて専門人財の育成、配置や経験豊富かつ知見ある国内外の弁護士との連携を積極的に行っております。 (9)品質に係るもの OKIグループは、国内外の生産拠点及び生産委託先において厳格な品質管理を実施し、製品・サービスの品質向上に努めております。しかしながら、品質保証が十分に機能しない場合、その欠陥によりリコール対応費用やお客様への賠償責任が発生する可能性があります。さらに、欠陥への対応に多額の対策費用を必要とするほか、企業ブランドや製品ブランドを毀損することで顧客の信頼を失い、OKIグループの経営に影響を及ぼす可能性があります。 こうしたリスクを抑制するために、OKIグループでは「OKIグループ企業行動憲章/行動規範」に基づき、事業ごとに品質責任と権限を定め、各事業の特性に応じた品質マネジメントシステムを構築しております。製品・サービスの企画から製造・保守・運用に至るまで、すべての業務プロセスにおいて品質向上を追求し、継続的な改善に努めております。 また、品質問題に関係する情報はグループ全体で一元管理され、適時かつ適切に関連部門と共有される体制を整備しております。これにより迅速な対応を可能とし、品質問題の早期解決につなげております。 特に安全性の確保については、法令遵守を基本としつつ、OKIグループが掲げる「OKIグループ企業行動憲章/行動規範」に基づき、安全・安心の確保に取り組んでおります。 さらに、品質不正の防止に向けた取り組みとして、教育・品質アンケート・現場調査などの施策を実施し、現場レベルでの運用徹底を図っております。これらの施策を通じ、OKIグループとして品質に関するリスクの低減に取り組んでおります。 (10)M&A、アライアンスに係るもの OKIグループは、業容拡大、経営の効率化等を目的に、研究開発、製造、販売等、多岐にわたり他社とのアライアンス、事業買収及び売却、関係会社の統廃合等を国内、海外で適宜推進しております。これらの活動はグループの事業ポートフォリオ強化にとって有効な手段であると考えております。双方が有する技術、お客様基盤、人財等経営資源の有効活用につながり、持続的な事業成長の機会に直結するものと認識しております。 しかしながら、経営戦略、製品・技術開発、資金調達等について相手先と当初想定した協力関係が維持できない場合や、不公平な内容の契約締結、関連契約の相手先による一方的な反故、契約違反等が発生した場合、また、M&A、アライアンスにより参入を計画した市場において、当初想定した市場の開拓がなされない場合は、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 その対策として相手先との取引開始時には、先方についての信用調査、コンサルタントの活用、また、各種の契約締結時には、社内外の知的財産、及び法務に関連する専門部署による内容の精査、市場調査等を実施し、M&A及びアライアンスに関するリスクの低減に取り組んでおります。 (11)環境保全に係るもの OKIグループでは、生産活動において、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる化学物質等を使用・排出する工場があります。また、工場やオフィスにおける電力等のエネルギーの使用やお客様による製品使用を通じて間接的にCO2を排出しております。 気候変動に伴う社会変動リスク(移行リスク)としては、投資家やお客様等から、再生可能エネルギーの導入等による温室効果ガスの排出量の抑制等への要求が急速に高まりつつあり、こうした要求に応えられない場合や、OKIが得意とするIoT、AI、制御等の技術を気候変動に伴うビジネス機会に活かせない場合には、販売機会の逸失等につながる可能性があるものと考えられます。 OKIグループでは当該リスクを低減するために、ISO14001統合認証を取得し、環境法規制等の遵守、環境負荷の低減活動、環境関連データの監視、再生可能エネルギーの導入検討のほか環境貢献売上高の拡大等を推進しております。 これらの活動により、OKIグループに関連する環境リスクは限定的と考えております。 (12)情報セキュリティに係るもの OKIグループでは、業務において多種多様なコンピューターシステムを利用、運用しております。システムの利用、運用については、適切な使用、システムトラブルの回避、情報の社外漏洩の防止等を実施すべく、各種マニュアル類の制定、システム機器の適切な取扱いの励行、情報の暗号化、多要素認証導入等、多方面にわたり様々な対応を行っております。 しかしながら、防御策を講じてもなお外部からのサイバー攻撃、コンピューターウイルスの感染、システム機器の不適切な取扱い等により、システムの停止、データの紛失・改ざんや個人情報、機密情報といった情報漏洩の発生等の可能性があること、及びそれらの事象発生による企業価値やブランドの毀損、信用低下などのレピュテーションリスクを招く可能性があることを認識しております。 OKIグループでは、昨今、企業を狙ったサイバー攻撃が多発している状況を踏まえ、エンドポイント・セキュリティツールの全端末への導入及び24時間365日の監視体制の構築、データセンター/クラウドサービスの活用を含むITインフラに係る対策強化を進めるとともに、リスクを極力抑制するため、社員教育の徹底、システムの運用状況のモニタリング、情報セキュリティの推進体制の整備を継続、推進しております。特に新たに認識した課題については、是正策を講じるとともに防御の強化に向けた対応を推進しております。 また、サプライチェーン全体における情報セキュリティレベルの向上を目指し、重要な秘密情報を取り扱うお取引先を対象に、情報セキュリティ施策に関する取り組み状況の確認を継続的に実施しております。この取り組みでは、OKIが作成したチェックリストを基にお取引先がセルフチェックを実施し、その結果を独自の評価指標で点数化しております。この取り組みを通じて、OKIとお取引先が課題を共有し、情報セキュリティレベルの改善に向け、対策を進めております。 (13)人財に係るもの OKIグループは、人財を最も重要な経営資本と位置づけており、新たな社会課題の解決や社会に対する価値創造に挑んでいくためには、経営から現場まであらゆる領域で多様性を持ちながら適材を確保する必要があります。AIやDXの進展等の状況を鑑みると、DX人財や競争力あるモノづくりを実現する人財等は労働市場での獲得競争が激しさを増すことが想定されております。 こうした背景の中、離脱者の補完や事業計画で必要としている人財が確保できない場合、今後のOKIグループの中長期的な事業推進に影響を及ぼす可能性があります。 OKIグループでは、質・量ともに十分な人財を確保するために、採用方法の見直し・強化、種々の採用形態・チャネル開拓等を推進しております。また、特に若手・中堅社員には、自らの意思で成長の場を獲得できる機会を増やしていくことで成長を促し、会社全体の人財の質を高め、事業場間の人員シフトやシニア人財の活用にもつなげてまいります。 さらに、多様な人財が自分らしく安心・安全に働くことができるよう、育休サポート報奨金制度の導入等、仕事とプライベートの両立支援制度などの拡充や社員の健康と安全の実現に向けた各種取り組みを推進しております。 (14)人権に係るもの OKIグループでは、事業活動を行う国や地域における法規制を遵守しつつ、国際的な人権の原則の尊重に取り組んでおります。しかしながら、予期せぬ事態によりOKIグループで差別やハラスメント等の人権問題が発生した場合、行政罰や顧客との取引停止の可能性に加え、OKIグループの社会的信頼の失墜や企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を与えるとともに、経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 OKIグループは、「国連グローバル・コンパクト」の署名企業として、「国際人権章典」、「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」などの人権に関わる国際規範を尊重し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に基づいた取り組みを推進しております。こうした考え方について、グループのすべての役員・社員、そしてOKIグループの事業、製品やサービスに直接関わるサプライヤーその他の関係者にも理解を得るため、UNGPを踏まえた「OKIグループ人権方針」を制定するとともに、調達先に対しては「OKIグループサステナブル調達ガイドライン」に基づいた人権、労働などの取り組みに関する調査を定期的に実施する等、OKIグループ内外における人権尊重への取り組みに力を入れております。 また、「一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)」が提供する苦情処理プラットフォームを設置し、人権に関する意見を幅広く受け付ける体制を整備しております。

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