有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。OKIは1881年の創業以来、情報通信機器企業として幾度もの環境変化を乗り越え、当社の強みである技術力と人財を活かし、社会インフラを支えてきました。中期経営計画2025の最終年度となる2025年度は、前年度までの特需の剥落等により売上高が一部影響を受けましたが、業績は堅調に推移し、更には2025年10月に実施したプリンターの開発・生産機能のエトリア株式会社への統合に伴う特別利益を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅な増益となりました。 (1)中期経営計画2025の振り返り2023年度から2025年度までの3ヶ年を対象とする中期経営計画2025において、「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」ことを基本方針とし、2019年度水準へ業績を回復し、棄損した財務基盤の回復を目指して取り組んできました。計画策定時には、新型コロナウイルス感染症の影響や部材調達難の長期化により事業環境が大きく悪化し、OKIグループは厳しい経営状況にありましたが、新たな事業体制のもと、事業ポートフォリオの見直しや事業運営体制の再構築を進め、収益構造の改善に注力してまいりました。これらの取り組みの結果、売上高及び営業利益は想定を上回るペースで回復し、業績面では計画で掲げた目標水準に早期に到達することができました。最終年度においては、前年度までの特需の剥落により売上高が一部影響を受けたものの、成長事業であるパブリックソリューションを中心に安定的な利益創出力を確保し、収益性の改善と安定配当が可能な事業基盤の構築に一定の成果を上げることができたものと認識しております。一方で、中期経営計画2025は、成長に向けた第一段階として、傷んだ状態からの回復に主眼を置いたものであり、将来事業の本格的な成長や新たな収益の柱の確立については、なお道半ばにあります。また、外部環境の不確実性が高まる中で、事業の持続的な成長と企業価値向上を実現していくためには、更なる成長戦略の具体化と実行力の強化が重要な課題であると認識しております。 (2)経営計画2031と企業理念の再制定 2026年度から、2031年度までの6ヶ年にわたる経営計画2031をスタートいたします。経営計画2031の実行にあたり、新しいOKIを社内外のステークホルダーに発信するため、創業者の思いに立ち返り、企業理念をPurpose、Vision、Value、OKI Spiritの4つに整理し、再制定いたしました。この新たな企業理念を当社の進むべき未来の羅針盤とし、知的資本経営の実践に基づく取り組みを通じて、社会価値を創出し続けてまいります。 (3)経営計画2031の事業戦略 社会変化の加速下において、中期経営計画2025の延長線上を超えた成長の実現に向け、知的資本の強化を基軸として「守りから攻めへ」転換し、未来創造及びグローバル成長を通じた企業価値向上を図るべく、計画期間を2026年度から2031年度とする経営計画2031を策定いたしました。 1881年創業以来培った現場力と信頼を基盤に、OKIは、社会インフラを「止めない」運用責任を競争軸として位置づけ、導入・売り切り型から運用・保守・更新を含む長期契約型へ収益構造を転換してまいります。領域横断の運用基盤と標準サービスを整備し、レイヤーマスターとしての地位確立を目指してまいります。 <パブリックソリューション> 政府成長戦略分野に注力し、強化を図っております。防衛需要増への生産能力増強を着実に実行するとともに、海外装備移転への対応を強化いたします。また、公共需要への対応力強化、次世代ネットワークへの対応を推進いたします。 <金融ソリューション> ATMなどの機器・システム販売に加え、金融機関の窓口や現場業務を設計から運用まで担う総合サービス事業の確立を目指してまいります。全国の保守網とATMを中心とした金融端末を活かし、「止めない」運用と業務効率化をワンストップで実現してまいります。これにより金融機関のサービス向上を支援し、社会インフラである現金・決済サービスの持続性確保に貢献してまいります。 <コンポーネント&マニュファクチャリング> アドバンストコンポーネント事業の飛躍と、コンポーネントプロダクツ事業・EMS事業の構造改革という二つの軸を実行してまいります。アドバンストコンポーネント事業ではCFB・シリコンフォトニクス・光ファイバー部品を強みに光電融合市場やGaNパワー半導体市場での事業化を加速してまいります。また、AIサーバーや半導体テスター向けの高付加価値プリント基板事業を強化し高成長へと育成してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。OKIは1881年の創業以来、情報通信機器企業として幾度もの環境変化を乗り越え、当社の強みである技術力と人財を活かし、社会インフラを支えてきました。中期経営計画2025の最終年度となる2025年度は、前年度までの特需の剥落等により売上高が一部影響を受けましたが、業績は堅調に推移し、更には2025年10月に実施したプリンターの開発・生産機能のエトリア株式会社への統合に伴う特別利益を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅な増益となりました。 (1)中期経営計画2025の振り返り2023年度から2025年度までの3ヶ年を対象とする中期経営計画2025において、「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」ことを基本方針とし、2019年度水準へ業績を回復し、棄損した財務基盤の回復を目指して取り組んできました。計画策定時には、新型コロナウイルス感染症の影響や部材調達難の長期化により事業環境が大きく悪化し、OKIグループは厳しい経営状況にありましたが、新たな事業体制のもと、事業ポートフォリオの見直しや事業運営体制の再構築を進め、収益構造の改善に注力してまいりました。これらの取り組みの結果、売上高及び営業利益は想定を上回るペースで回復し、業績面では計画で掲げた目標水準に早期に到達することができました。最終年度においては、前年度までの特需の剥落により売上高が一部影響を受けたものの、成長事業であるパブリックソリューションを中心に安定的な利益創出力を確保し、収益性の改善と安定配当が可能な事業基盤の構築に一定の成果を上げることができたものと認識しております。一方で、中期経営計画2025は、成長に向けた第一段階として、傷んだ状態からの回復に主眼を置いたものであり、将来事業の本格的な成長や新たな収益の柱の確立については、なお道半ばにあります。また、外部環境の不確実性が高まる中で、事業の持続的な成長と企業価値向上を実現していくためには、更なる成長戦略の具体化と実行力の強化が重要な課題であると認識しております。 (2)経営計画2031と企業理念の再制定 2026年度から、2031年度までの6ヶ年にわたる経営計画2031をスタートいたします。経営計画2031の実行にあたり、新しいOKIを社内外のステークホルダーに発信するため、創業者の思いに立ち返り、企業理念をPurpose、Vision、Value、OKI Spiritの4つに整理し、再制定いたしました。この新たな企業理念を当社の進むべき未来の羅針盤とし、知的資本経営の実践に基づく取り組みを通じて、社会価値を創出し続けてまいります。 (3)経営計画2031の事業戦略 社会変化の加速下において、中期経営計画2025の延長線上を超えた成長の実現に向け、知的資本の強化を基軸として「守りから攻めへ」転換し、未来創造及びグローバル成長を通じた企業価値向上を図るべく、計画期間を2026年度から2031年度とする経営計画2031を策定いたしました。 1881年創業以来培った現場力と信頼を基盤に、OKIは、社会インフラを「止めない」運用責任を競争軸として位置づけ、導入・売り切り型から運用・保守・更新を含む長期契約型へ収益構造を転換してまいります。領域横断の運用基盤と標準サービスを整備し、レイヤーマスターとしての地位確立を目指してまいります。 <パブリックソリューション> 政府成長戦略分野に注力し、強化を図っております。防衛需要増への生産能力増強を着実に実行するとともに、海外装備移転への対応を強化いたします。また、公共需要への対応力強化、次世代ネットワークへの対応を推進いたします。 <金融ソリューション> ATMなどの機器・システム販売に加え、金融機関の窓口や現場業務を設計から運用まで担う総合サービス事業の確立を目指してまいります。全国の保守網とATMを中心とした金融端末を活かし、「止めない」運用と業務効率化をワンストップで実現してまいります。これにより金融機関のサービス向上を支援し、社会インフラである現金・決済サービスの持続性確保に貢献してまいります。 <コンポーネント&マニュファクチャリング> アドバンストコンポーネント事業の飛躍と、コンポーネントプロダクツ事業・EMS事業の構造改革という二つの軸を実行してまいります。アドバンストコンポーネント事業ではCFB・シリコンフォトニクス・光ファイバー部品を強みに光電融合市場やGaNパワー半導体市場での事業化を加速してまいります。また、AIサーバーや半導体テスター向けの高付加価値プリント基板事業を強化し高成長へと育成してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】2026年3月期の活動の成果は、次のとおりであります。日本経済は、雇用及び所得環境の改善のもと、各種政策の効果によって緩やかな回復基調で推移しました。一方、物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向、金融資本市場の変動、中東情勢等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境下、社会インフラを止めず、その維持に貢献する企業として、「安心・便利な社会インフラ」「働きがいと生産性向上」「地球環境の保全」の3つの貢献分野で社会課題の解決につながる価値を提供していくことが、創業150年を迎える2031年に向けたOKIのありたい姿です。このありたい姿の実現に向け、2023年度から中期経営計画2025(中計2025)をスタートさせました。中計2025の最終年度となる今年度は、中計2025の完遂を目指すとともに、その先の持続的な成長に向けた取り組みを加速しております。当連結会計年度の業績は、以下のとおりであります。売上高は4,216億円、前年度比308億円の減収、営業利益は188億円、同2億円増益、経常利益は208億円、同40億円増益、親会社株主に帰属する当期純利益は215億円、同90億円増益となりました。エンタープライズソリューションの大型案件の剥落影響がありましたが、パブリックソリューションが好調に推移し、売上高は一定水準を確保、営業利益もほぼ前年並みを確保しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、エトリア株式会社への参画に伴う事業譲渡益等により、大幅な増益となりました。 事業別の業績状況は、以下のとおりであります。パブリックソリューション事業の売上高は1,397億円、前年度比92億円増収、営業利益は181億円、同40億円増益となりました。社会インフラソリューション事業の伸長により増収増益、特機システム事業は前年度を下回るも、防衛需要拡大を背景に水中音響を中心に堅調に推移しました。エンタープライズソリューション事業の売上高は1,506億円、前年度比292億円減収、営業利益は103億円、同28億円減益となりました。大型案件の反動等により減収減益となりましたが、生産効率化等を推進し、営業利益率は7%を確保しました。コンポーネントプロダクツ事業の売上高は682億円、前年度比76億円減収、営業利益は20億円、同9億円減益となりました。国内外の需要変動影響を受け減収減益となった一方、事業の安定化に向けた構造改革を実行しました。EMS事業の売上高は627億円、前年度比32億円減収、営業利益は10億円、同18億円改善となりました。D/EMS事業は市況低迷の影響を受け苦戦も、部品事業の回復がセグメント全体の損益改善に寄与しました。その他の事業の売上高は5億円、前年度比1億円増収、営業損失は将来事業創出に向けたR&Dなど成長に不可欠な投資を行ったため、16億円、同1億円悪化となりました。 総資産は前年度末から342億円増加の4,452億円となりました。自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益を215億円計上したこと及びその他の包括利益累計額が171億円増加した一方で、普通配当を39億円実施したこと等により、前年度末に対して347億円増加の1,803億円となりました。その結果、自己資本比率は40.5%となりました。資産では主に、受取手形、売掛金及び契約資産が180億円、退職給付に係る資産が127億円増加しております。負債では主に、借入金が減少しており、前年度末982億円から42億円減少し、940億円となりました。 また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは103億円の収入(前年度197億円の収入)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を計上したことにより、206億円の収入(同393億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出があったことにより、103億円の支出(同196億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金及びリース債務の返済による支出により、119億円の支出(同179億円の支出)となりました。以上の要因により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前年度末の362億円から358億円となりました。事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、事業活動に必要な運転資金、設備投資等の資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。現在保有している手元現預金に加え、コミットメントラインも保有しており十分な流動性を確保しております。OKIグループは財務規律を重視し、成長に必要となる投資に重点をおいて実行してまいります。また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、850億円となっております。なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下のとおりであります。 (単位:億円)契約債務年度別要支払額合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金192192---長期借入金748215381151-リース債務571920126(注)1.連結貸借対照表上、「短期借入金」として表示されている1年内に返済予定の長期借入金(215億円)は、本表においては、「長期借入金」として表示しております。2.オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は85億円であります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。OKIは、創業以来の「進取の精神」を脈々と受け継ぎ、140年を超える歴史の中で常に現場のお客さまの課題に寄り添い、止まることが許されないミッションクリティカルな社会インフラを支える商品・サービスを提供してきました。「社会の大丈夫を作っていく。」企業として、地球上のすべての人々の生活の基盤を向上させていくことがOKIの使命であります。中期経営計画2025は「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」という基本方針のもと、「2019年度水準へ業績を回復し、棄損した財務基盤を回復」することと「2026年度以降の将来事業の創出」をテーマに、2025年度の売上高4,500億円、営業利益180億円、自己資本比率30%という経営目標を立てました。「成長への舵切り1st Stage」として掲げた施策をやり切ってこの目標を達成し、創業150周年となる2031年をターゲットに将来事業を拡大する「成長への舵切り2nd Stage」(2026年度~)へとつなげてまいります。 (1)中期経営計画2025経営目標の状況2024年度は、売上高・営業利益が2019年度水準まで回復し、財務基盤も着実に回復しております。2025年度は、中期経営計画2025で掲げた当期純利益目標100億円に対して140億円、ROE目標8%に対して9.4%、自己資本比率目標30%に対して37%、ネットD/Eレシオ目標0.7倍に対して0.5倍と、いずれも目標を上回る水準を目指しております。 (2)事業戦略の状況<成長事業>◇パブリックソリューション成長事業として堅調に推移しております。社会インフラソリューションは、消防・防災・道路市場への対応強化継続とともに、キャリア向けプロダクツの自営ネットワーク市場への展開などに取り組んでおります。特機システムは、防衛力整備需要拡大を追い風に、技術開発・生産能力増強、海外展開強化に取り組んでおります。◇EMS半導体市場やFA・ロボット市場の低迷長期化による減収減益を踏まえ、2025年度は収益力回復に注力しております。さらに次期中期経営計画に向けて戦略を再検討してまいります。 <安定化事業>◇エンタープライズソリューション2023年度・2024年度の新紙幣対応案件終了後も、国内金融市場における更改需要は継続し、市場機会の獲得にも取り組んでおります。さらに、ベトナム・アジア市場におけるビジネス拡大、ベトナムへの生産移管によるコストダウンに取り組んでおります。規模・収益ともに安定化のうえ、次期中期経営計画では「安定化事業」からの脱却を目指してまいります。◇コンポーネントプロダクツプリンターの開発・生産に関する事業統合によるエトリア株式会社への参画をテコに構造改革の推進に目途をたて、その効果を実現し、中長期での安定収益化を目指してまいります。 <将来事業創出>・CFBは、フォトニクス、パワー半導体の2026年度量産化に向け、2025年度での準備完了に取り組んでおります。・グローバルでは、シリコンバレーを拠点にオープンイノベーション活動に取り組むとともに、共創ファンドを活用しながら、グローバルサウス地域での社会課題解決を目指し、スタートアップ企業との連携を加速しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。OKIは、創業以来の「進取の精神」を脈々と受け継ぎ、140年を超える歴史の中で常に現場のお客さまの課題に寄り添い、止まることが許されないミッションクリティカルな社会インフラを支える商品・サービスを提供してきました。「社会の大丈夫を作っていく。」企業として、地球上のすべての人々の生活の基盤を向上させていくことがOKIの使命であります。中期経営計画2025は「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」という基本方針のもと、「2019年度水準へ業績を回復し、棄損した財務基盤を回復」することと「2026年度以降の将来事業の創出」をテーマに、2025年度の売上高4,500億円、営業利益180億円、自己資本比率30%という経営目標を立てました。「成長への舵切り1st Stage」として掲げた施策をやり切ってこの目標を達成し、創業150周年となる2031年をターゲットに将来事業を拡大する「成長への舵切り2nd Stage」(2026年度~)へとつなげてまいります。 (1)中期経営計画2025経営目標の状況2024年度は、売上高・営業利益が2019年度水準まで回復し、財務基盤も着実に回復しております。2025年度は、中期経営計画2025で掲げた当期純利益目標100億円に対して140億円、ROE目標8%に対して9.4%、自己資本比率目標30%に対して37%、ネットD/Eレシオ目標0.7倍に対して0.5倍と、いずれも目標を上回る水準を目指しております。 (2)事業戦略の状況<成長事業>◇パブリックソリューション成長事業として堅調に推移しております。社会インフラソリューションは、消防・防災・道路市場への対応強化継続とともに、キャリア向けプロダクツの自営ネットワーク市場への展開などに取り組んでおります。特機システムは、防衛力整備需要拡大を追い風に、技術開発・生産能力増強、海外展開強化に取り組んでおります。◇EMS半導体市場やFA・ロボット市場の低迷長期化による減収減益を踏まえ、2025年度は収益力回復に注力しております。さらに次期中期経営計画に向けて戦略を再検討してまいります。 <安定化事業>◇エンタープライズソリューション2023年度・2024年度の新紙幣対応案件終了後も、国内金融市場における更改需要は継続し、市場機会の獲得にも取り組んでおります。さらに、ベトナム・アジア市場におけるビジネス拡大、ベトナムへの生産移管によるコストダウンに取り組んでおります。規模・収益ともに安定化のうえ、次期中期経営計画では「安定化事業」からの脱却を目指してまいります。◇コンポーネントプロダクツプリンターの開発・生産に関する事業統合によるエトリア株式会社への参画をテコに構造改革の推進に目途をたて、その効果を実現し、中長期での安定収益化を目指してまいります。 <将来事業創出>・CFBは、フォトニクス、パワー半導体の2026年度量産化に向け、2025年度での準備完了に取り組んでおります。・グローバルでは、シリコンバレーを拠点にオープンイノベーション活動に取り組むとともに、共創ファンドを活用しながら、グローバルサウス地域での社会課題解決を目指し、スタートアップ企業との連携を加速しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】2025年3月期の活動の成果は、次のとおりであります。日本経済は、雇用及び所得環境の改善のもと、各種政策の効果によって緩やかな回復基調で推移しました。一方、物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や為替変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境下、社会インフラを止めず、その維持に貢献する企業として、「安心・便利な社会インフラ」「働きがいと生産性向上」「地球環境の保全」の3つの貢献分野で社会課題の解決につながる価値を提供していくことが、創業150年を迎える2031年に向けたOKIのありたい姿です。このありたい姿の実現に向け、昨年度から中期経営計画2025(中計2025)をスタートさせました。中計2025の2年目となる今年度は、カルチャー改革とスタイルチェンジを加速させ、成長への舵切りを更に進めております。当連結会計年度の業績は、以下のとおりであります。パブリックソリューション事業、エンタープライズソリューション事業、コンポーネントプロダクツ事業が堅調に推移し、EMS事業の需要低迷によるマイナスをカバーした結果、売上高は4,525億円、前年度比306億円の増収となりました。利益面につきましては、人件費や成長投資による固定費の増加があったものの、増収によるプラス影響により、営業利益は前年度比1億円減益となる186億円となりました。経常利益は、為替差損益の悪化等により、前年度比15億円減益となる168億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比131億円減益の125億円となりました。 事業別の業績状況は、以下のとおりであります。パブリックソリューション事業の売上高は1,305億円、前年度比365億円増収、営業利益は141億円、同97億円増益となりました。社会インフラソリューション、特機システムともに伸長し、売上高は1.4倍規模に拡大、営業利益率も2倍の10%水準になりました。エンタープライズソリューション事業の売上高は1,798億円、前年度比3億円減収、営業利益は131億円、同89億円減益となりました。前年度後半からの大型案件等により売上・利益とも高水準で推移しました。コンポーネントプロダクツ事業の売上高は758億円、前年度比24億円増収、営業利益は29億円、同23億円増益となりました。利益重視のマネジメントにより営業利益は改善しました。EMS事業の売上高は659億円、前年度比80億円の減収、営業損失は8億円、同19億円悪化となりました。半導体市場やFA・ロボット市場の低迷長期化により、2期連続減収減益となりました。その他の事業の売上高は4億円、前年度比と同等、営業損失は将来事業創出に向けたR&Dなど成長に不可欠な投資を行ったため、15億円、前年度比4億円悪化となりました。 総資産は前年度末から124億円減少の4,110億円となりました。自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益を125億円計上した一方で、その他の包括利益累計額が55億円減少したこと及び普通配当を26億円実施したこと等により、前年度末に対して44億円増加の1,456億円となりました。その結果、自己資本比率は35.4%となりました。資産では主に、棚卸資産が58億円、投資有価証券が49億円減少しております。負債では主に、借入金が減少しており、前年度末1,100億円から118億円減少し、982億円となりました。 また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは197億円の収入(前年度104億円の収入)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を計上したことにより、393億円の収入(同247億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出があったことにより、196億円の支出(同143億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金及びリース債務の返済による支出により、179億円の支出(同157億円の支出)となりました。以上の要因により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前年度末の344億円から362億円となりました。事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、事業活動に必要な運転資金、設備投資等の資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。現在保有している手元現預金に加え、コミットメントラインも保有しており十分な流動性を確保しております。OKIグループは財務規律を重視し、成長に必要となる投資に重点をおいて実行してまいります。また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、804億円となっております。なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下のとおりであります。 (単位:億円)契約債務年度別要支払額合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金231231---長期借入金750182378190-リース債務762826149(注)1.連結貸借対照表上、「短期借入金」として表示されている1年内に返済予定の長期借入金(182億円)は、本表においては、「長期借入金」として表示しております。2.オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は37億円であります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、“OKIは「進取の精神」をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する。”という企業理念のもと、創業150周年となる2031年に目指す姿として“モノづくり・コトづくりを通して、より安全で便利な社会のインフラを支える企業グループ”を掲げております。気候変動、新型コロナウイルスの感染拡大など地球規模の課題を背景に、持続可能な社会を実現するための取り組みが待ったなしで求められる中、「中期経営計画2022」においては、キーメッセージ「社会の大丈夫をつくっていく。」のもと、構造改革を実行するとともに、マテリアリティ(後述)を特定し、社会課題の解決を通じた持続的成長を実現するための土台作りを着実に実行してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染収束の見通しがたたない中、半導体を中心とした部材不足と物流の混乱による減産を余儀なくされました。このような事業環境の変化が与える影響は大きく、現中期経営計画の最終年度でもある2022年度については中期経営計画で掲げた経営目標値を下回る見通しであります。現下の状況に鑑み、当該年度については「サプライチェーン影響等への対策強化」を喫緊の優先課題として、全社を挙げて取り組んでまいります。そのうえで「成長に向けた土台作り」のために、AIエッジ技術やモノづくりなどOKIの技術的な優位性をさらに強化するためのモノづくり基盤の強化やグループ共通機能のコスト改革などの構造改革を引き続き実行いたします。あわせて次期中期経営計画策定に向け、取り組むべき課題としては「成長への舵切」、「環境変化への対応力」であり、その課題解決のためには組織横断型の技術・商品・ソリューション創出が必要であるとの認識でおります。具体的な戦略、施策などについては2022年度中にその策定を進めてまいります。 <サステナビリティの取り組み>OKIは長年にわたり、企業理念に基づいて広義の社会インフラを支え、社会に貢献してきたことを誇りとしております。「中期経営計画2022」においては、こうした姿勢を長期に継続し、「社会の大丈夫をつくっていく。」ために必要なマテリアリティ(重要課題)の特定を行いました。これは、OKIの事業が目指す方向性と、社会・ステークホルダーの期待・要請の両面から取り組むべき課題を抽出し、社会価値創出および経営基盤強化の観点から優先度を整理したものであります。マテリアリティに掲げた各項目については、表に示すとおり、関連する環境・社会・ガバナンス(ESG)のテーマを設定し、具体的な取り組みに落とし込んで実行しております。また推進体制として、社長執行役員をオーナーに、コーポレートの関係部門と事業本部・営業本部の代表者で構成する「サステナビリティ推進ワーキンググループ(WG)」を設置しております。WGはグループの一人ひとりが「我が事」としてサステナビリティに取り組むことも大きなテーマとしており、2021年度は社内向けのオンラインフォーラムなどを実施しました。引き続き、取り組みの進捗の的確な開示、これに基づくステークホルダーとの対話と活動へのフィードバックなどを進めてまいります。 OKIグループのマテリアリティとESGへの取り組み <環境への対応>OKIグループは、深刻化する気候変動、社会課題の解決を通してより良い地球環境を次世代に継承することをミッションと捉え、環境に関連する経営上のリスクや機会を中長期の視点で考慮し、環境経営を推進しております。製造工程におけるCO2排出など環境負荷の軽減とともに、環境課題の解決に寄与する商品・サービスの提供を推進しております。 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)に沿った開示情報OKIは経済と環境の好循環の観点から2019年5月にTCFDに賛同し、気候関連のリスクや機会とそれらに対する対応策を組織的に管理するとともに、その内容の情報開示の充実を図っております。ガバナンス気候関連リスクの取締役の監視体制と経営者の役割●気候関連リスク管理をはじめとする環境経営推進の最高責任者は、代表取締役社長であります。環境に関する重要事項については、経営会議などの場において決定しております。●サステナビリティ推進WGは、気候変動を含む持続的成長に関連する議題を検討し、経営会議への報告を行っております。●取締役会に対しては、事業に大きな影響を及ぼす事項が報告されます。戦略シナリオ分析●国際機関が発行する気候変動に関するレポートなどを踏まえて、物理的/移行リスクを特定し、気温上昇が4℃になった場合の気候変動の激甚化、気温上昇を2℃や1.5℃に抑えるための社会変動を念頭にシナリオ分析を行っております。●シナリオ分析には、気候変動、資源循環、汚染の予防の観点も網羅し、これらのシナリオ下におけるリスクと機会を特定し、次ページ以降のように対応策を設定しております。リスク管理リスクの選別・評価プロセス●年に1回以上、気候変動やその他の最近の事象を抽出し、これらがもたらすリスクや機会の影響度/頻度/発生時期などを評価し重要度を特定しております。リスクの管理プロセス●上記のリスクと機会に対する対応策を検討し、環境経営のグループ全体の計画を策定し、各組織や各拠点の環境実行計画に落とし込んでおります。これら計画の実行状況は内部監査などによりチェックされ、必要に応じて是正されます。総合的リスク管理の統合方法●社長の責任のもと、OKIグループ全体の環境マネジメントシステムにおいて統合的に管理されております。各事業本部とコーポレート本部が連携し、計画・実行・監視・是正を行っております。グループ全体のリスクを管理するリスク管理委員会が定める「共通リスク」として、顕在化予防のための施策をグループ内に展開しております。指標・目標使用する指標●CO2排出量●環境貢献売上高SCOPE1,2,3●当社Webサイトをご参照ください。目標<CO2排出量>●ライフサイクルCO2※2:目標は2030年40%削減、2050年80%削減(2013年対比)としております。●拠点からのエネルギー起源CO2排出量:目標は2030年度50%削減(2013年対比)、2050年度までに実質ゼロとしております。<環境貢献売上高>●目標を対グループ全体売上高比率2030年度50%としております。※1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):気候変動に対する企業の対応について、投資家への情報開示の必要性を勧告する提言※2 ライフサイクルCO2:調達→事業拠点→物流→お客様による製品使用*→使用済み製品の廃棄の各プロセスにおけるグループ全体のCO2排出量 *お客様による製品使用=製品の想定耐用年数×年間消費電力×販売台数×排出原単位 シナリオ分析を踏まえた戦略気温上昇を2℃未満に抑えるための社会の変化が進むと、炭素税などの法制、技術進化、市場ニーズの変化などが生じ、OKIの脱炭素ソリューションへのニーズが高まると分析しております。気温上昇が3〜4℃となった場合、気候変動の影響による激甚災害に伴う物理的リスクが高まり、OKIの自社拠点を含むサプライチェーンに重大な影響が生じる可能性があります。また、激甚災害の予防策としての防災情報システムなどのニーズが高まると考えられます。 シナリオ分析戦略・施策カテゴリー想定する事象リスク/機会将来の財務への影響気候変動2℃シナリオ【移行リスク】 IEAの持続可能な開発シナリオ(SDS)とIPCCのRCP2.6を参照●脱炭素ニーズの一層の高まり、広範囲化リスク●ハードウェア製品に対する省エネ基準や顧客要求未達による販売機会の喪失●製造プロセスに対するお客様からの再生可能エネルギー使用の要請への対応●事業拠点における脱炭素強化に伴うコストアップ●商品:ハードウェア製品の省電力化・規制強化を先取りした開発目標の設定・研究開発の強化●拠点:CO2排出量削減施策の効果的な組み合わせによる推進・生産設備の効率化、生産工程の効率化・革新・工場のネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化・再生可能エネルギーの導入機会●脱炭素/省力化ソリューション需要の拡大●再生可能エネルギー普及を支援する技術ニーズの拡大●ハードウェア製品に対する再生可能エネルギー駆動型製品の需要拡大●商品:環境貢献商品の拡大と創出・環境貢献売上高の見える化と訴求・IoTやAIを活用した脱炭素/省力化ソリューションの創出 例:交通分野、建設/インフラ分野、金融・流通分野、海洋分野、ビジネスコミュニケーション分野、ビルエネルギー管理分野・業務受託によるお客様業務の効率化支援 例:ATMのフルアウトソースサービス・再生可能エネルギー駆動型ハードウェア製品の拡大 例:ゼロエナジーゲートウェイ・研究開発の強化(AI軽量化など)気候変動4℃シナリオ【物理的リスク】 RCP8.5を参照●異常気象の増加と激甚化(風水害の増加/極端な熱波・寒波/落雷増加)リスク●拠点・調達先:工場や調達先の被災による、事業所資産の損失/稼働停止/サプライチェーンの寸断●拠点:気温上昇に伴う装置故障●拠点:気候変動BCP/BCMの強化・止水板の設置、設備の嵩上げ・製造設備の落雷時停止装置・検査装置における空調設備の冗長化●調達先:調達BCPの強化・調達先に対する気候変動リスクの調査の強化機会●商品:防災・減災高度化需要の拡大(防災分野、海洋分野)●商品:防災情報システムなどの事業展開強化 シナリオ分析戦略・施策カテゴリー想定する事象リスク/機会将来の財務への影響化学物質による汚染の予防●対象法令物質の拡大、複雑化リスク●商品:含有化学物質の基準違反●拠点:施設老朽化に伴う排出基準違反●商品:グループ全体の運用共通化の強化●拠点:点検・交換基準の見直し機会●商品:化学物質管理の効率化需要の拡大(製造分野)●商品:製品含有化学物質の分析サービス、調査システムの展開資源循環●海洋プラスチック、マイクロプラスチック対応の法令強化リスク●拠点:廃棄物処理費用の高騰、処分業者による引き取り拒否●商品:資源の枯渇リスク、部材の供給不足リスク●拠点:廃棄物削減・プラスチック梱包材のリユース・金属素材からの採取率向上による廃棄率削減●商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品からの部品回収とリユース機会●商品:省資源製品やリサイクルサービスの需要拡大●商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品回収によるお客様負担の軽減 <当社ネットワークに対する不正アクセスへの対応>当社は、2021年11月8日、当社ネットワークに対する第三者からの不正アクセスを確認しました。当社といたしましては不正アクセスの確認後、速やかに該当するネットワークの切断や外部からのアクセス制限など必要な対策を講じるとともに、対策本部を立ち上げ、外部の専門機関の協力も得て調査を進め、全容解明と再発防止に取り組んでまいりました。調査の結果判明した事実と、当社の対応については、以下のとおりであります。 調査で判明した事実と対応内容調査の結果、第三者が当社海外子会社のサーバーを経由して日本のファイルサーバーに不正アクセスを行った事実が確認されましたが、業務システムを含め当該サーバー以外への不正アクセスは確認されませんでした。なお、不正アクセスを受けたファイルの外部流出について調査を尽くした結果、外部流出の確証を得る事実は見つかっておりませんが、不正アクセスを受けたファイルが流出した可能性を想定し下記の対応を進めてまいりました。不正アクセスを受けたファイルに含まれていた情報とその対応内容は以下のとおりであります。 お取引先個人情報当社のお取引先の役職員の個人情報が含まれていることが確認されました。会社名、会社内での役職情報が主な情報であり、対象の方には個別にご連絡をいたしました。 お取引先情報お取引先から提供を受けた業務関連情報や当社の社内情報が含まれていることが確認されました。当社にてその影響を分析するとともに、対象となるお取引先には個別にご報告をいたしました。 対策及び今後の対応当社は海外拠点からの通信制限、ファイルサーバーへの不正アクセスに用いられたアカウントのパスワードの変更、挙動検知の仕組みの導入と監視などのセキュリティ強化策を講じております。引き続き、より高度なセキュリティ対策として認証基盤の強化、海外を含めたセキュリティ監視体制の強化により、再発防止を徹底してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、“OKIは「進取の精神」をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する。”という企業理念のもと、創業150周年となる2031年に目指す姿として“モノづくり・コトづくりを通して、より安全で便利な社会のインフラを支える企業グループ”を掲げております。気候変動、新型コロナウイルスの感染拡大など地球規模の課題を背景に、持続可能な社会を実現するための取り組みが待ったなしで求められる中、「中期経営計画2022」においては、キーメッセージ「社会の大丈夫をつくっていく。」のもと、構造改革を実行するとともに、マテリアリティ(後述)を特定し、社会課題の解決を通じた持続的成長を実現するための土台作りを着実に実行してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染収束の見通しがたたない中、半導体を中心とした部材不足と物流の混乱による減産を余儀なくされました。このような事業環境の変化が与える影響は大きく、現中期経営計画の最終年度でもある2022年度については中期経営計画で掲げた経営目標値を下回る見通しであります。現下の状況に鑑み、当該年度については「サプライチェーン影響等への対策強化」を喫緊の優先課題として、全社を挙げて取り組んでまいります。そのうえで「成長に向けた土台作り」のために、AIエッジ技術やモノづくりなどOKIの技術的な優位性をさらに強化するためのモノづくり基盤の強化やグループ共通機能のコスト改革などの構造改革を引き続き実行いたします。あわせて次期中期経営計画策定に向け、取り組むべき課題としては「成長への舵切」、「環境変化への対応力」であり、その課題解決のためには組織横断型の技術・商品・ソリューション創出が必要であるとの認識でおります。具体的な戦略、施策などについては2022年度中にその策定を進めてまいります。 <サステナビリティの取り組み>OKIは長年にわたり、企業理念に基づいて広義の社会インフラを支え、社会に貢献してきたことを誇りとしております。「中期経営計画2022」においては、こうした姿勢を長期に継続し、「社会の大丈夫をつくっていく。」ために必要なマテリアリティ(重要課題)の特定を行いました。これは、OKIの事業が目指す方向性と、社会・ステークホルダーの期待・要請の両面から取り組むべき課題を抽出し、社会価値創出および経営基盤強化の観点から優先度を整理したものであります。マテリアリティに掲げた各項目については、表に示すとおり、関連する環境・社会・ガバナンス(ESG)のテーマを設定し、具体的な取り組みに落とし込んで実行しております。また推進体制として、社長執行役員をオーナーに、コーポレートの関係部門と事業本部・営業本部の代表者で構成する「サステナビリティ推進ワーキンググループ(WG)」を設置しております。WGはグループの一人ひとりが「我が事」としてサステナビリティに取り組むことも大きなテーマとしており、2021年度は社内向けのオンラインフォーラムなどを実施しました。引き続き、取り組みの進捗の的確な開示、これに基づくステークホルダーとの対話と活動へのフィードバックなどを進めてまいります。 OKIグループのマテリアリティとESGへの取り組み <環境への対応>OKIグループは、深刻化する気候変動、社会課題の解決を通してより良い地球環境を次世代に継承することをミッションと捉え、環境に関連する経営上のリスクや機会を中長期の視点で考慮し、環境経営を推進しております。製造工程におけるCO2排出など環境負荷の軽減とともに、環境課題の解決に寄与する商品・サービスの提供を推進しております。 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)に沿った開示情報OKIは経済と環境の好循環の観点から2019年5月にTCFDに賛同し、気候関連のリスクや機会とそれらに対する対応策を組織的に管理するとともに、その内容の情報開示の充実を図っております。ガバナンス気候関連リスクの取締役の監視体制と経営者の役割●気候関連リスク管理をはじめとする環境経営推進の最高責任者は、代表取締役社長であります。環境に関する重要事項については、経営会議などの場において決定しております。●サステナビリティ推進WGは、気候変動を含む持続的成長に関連する議題を検討し、経営会議への報告を行っております。●取締役会に対しては、事業に大きな影響を及ぼす事項が報告されます。戦略シナリオ分析●国際機関が発行する気候変動に関するレポートなどを踏まえて、物理的/移行リスクを特定し、気温上昇が4℃になった場合の気候変動の激甚化、気温上昇を2℃や1.5℃に抑えるための社会変動を念頭にシナリオ分析を行っております。●シナリオ分析には、気候変動、資源循環、汚染の予防の観点も網羅し、これらのシナリオ下におけるリスクと機会を特定し、次ページ以降のように対応策を設定しております。リスク管理リスクの選別・評価プロセス●年に1回以上、気候変動やその他の最近の事象を抽出し、これらがもたらすリスクや機会の影響度/頻度/発生時期などを評価し重要度を特定しております。リスクの管理プロセス●上記のリスクと機会に対する対応策を検討し、環境経営のグループ全体の計画を策定し、各組織や各拠点の環境実行計画に落とし込んでおります。これら計画の実行状況は内部監査などによりチェックされ、必要に応じて是正されます。総合的リスク管理の統合方法●社長の責任のもと、OKIグループ全体の環境マネジメントシステムにおいて統合的に管理されております。各事業本部とコーポレート本部が連携し、計画・実行・監視・是正を行っております。グループ全体のリスクを管理するリスク管理委員会が定める「共通リスク」として、顕在化予防のための施策をグループ内に展開しております。指標・目標使用する指標●CO2排出量●環境貢献売上高SCOPE1,2,3●当社Webサイトをご参照ください。目標<CO2排出量>●ライフサイクルCO2※2:目標は2030年40%削減、2050年80%削減(2013年対比)としております。●拠点からのエネルギー起源CO2排出量:目標は2030年度50%削減(2013年対比)、2050年度までに実質ゼロとしております。<環境貢献売上高>●目標を対グループ全体売上高比率2030年度50%としております。※1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):気候変動に対する企業の対応について、投資家への情報開示の必要性を勧告する提言※2 ライフサイクルCO2:調達→事業拠点→物流→お客様による製品使用*→使用済み製品の廃棄の各プロセスにおけるグループ全体のCO2排出量 *お客様による製品使用=製品の想定耐用年数×年間消費電力×販売台数×排出原単位 シナリオ分析を踏まえた戦略気温上昇を2℃未満に抑えるための社会の変化が進むと、炭素税などの法制、技術進化、市場ニーズの変化などが生じ、OKIの脱炭素ソリューションへのニーズが高まると分析しております。気温上昇が3〜4℃となった場合、気候変動の影響による激甚災害に伴う物理的リスクが高まり、OKIの自社拠点を含むサプライチェーンに重大な影響が生じる可能性があります。また、激甚災害の予防策としての防災情報システムなどのニーズが高まると考えられます。 シナリオ分析戦略・施策カテゴリー想定する事象リスク/機会将来の財務への影響気候変動2℃シナリオ【移行リスク】 IEAの持続可能な開発シナリオ(SDS)とIPCCのRCP2.6を参照●脱炭素ニーズの一層の高まり、広範囲化リスク●ハードウェア製品に対する省エネ基準や顧客要求未達による販売機会の喪失●製造プロセスに対するお客様からの再生可能エネルギー使用の要請への対応●事業拠点における脱炭素強化に伴うコストアップ●商品:ハードウェア製品の省電力化・規制強化を先取りした開発目標の設定・研究開発の強化●拠点:CO2排出量削減施策の効果的な組み合わせによる推進・生産設備の効率化、生産工程の効率化・革新・工場のネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化・再生可能エネルギーの導入機会●脱炭素/省力化ソリューション需要の拡大●再生可能エネルギー普及を支援する技術ニーズの拡大●ハードウェア製品に対する再生可能エネルギー駆動型製品の需要拡大●商品:環境貢献商品の拡大と創出・環境貢献売上高の見える化と訴求・IoTやAIを活用した脱炭素/省力化ソリューションの創出 例:交通分野、建設/インフラ分野、金融・流通分野、海洋分野、ビジネスコミュニケーション分野、ビルエネルギー管理分野・業務受託によるお客様業務の効率化支援 例:ATMのフルアウトソースサービス・再生可能エネルギー駆動型ハードウェア製品の拡大 例:ゼロエナジーゲートウェイ・研究開発の強化(AI軽量化など)気候変動4℃シナリオ【物理的リスク】 RCP8.5を参照●異常気象の増加と激甚化(風水害の増加/極端な熱波・寒波/落雷増加)リスク●拠点・調達先:工場や調達先の被災による、事業所資産の損失/稼働停止/サプライチェーンの寸断●拠点:気温上昇に伴う装置故障●拠点:気候変動BCP/BCMの強化・止水板の設置、設備の嵩上げ・製造設備の落雷時停止装置・検査装置における空調設備の冗長化●調達先:調達BCPの強化・調達先に対する気候変動リスクの調査の強化機会●商品:防災・減災高度化需要の拡大(防災分野、海洋分野)●商品:防災情報システムなどの事業展開強化 シナリオ分析戦略・施策カテゴリー想定する事象リスク/機会将来の財務への影響化学物質による汚染の予防●対象法令物質の拡大、複雑化リスク●商品:含有化学物質の基準違反●拠点:施設老朽化に伴う排出基準違反●商品:グループ全体の運用共通化の強化●拠点:点検・交換基準の見直し機会●商品:化学物質管理の効率化需要の拡大(製造分野)●商品:製品含有化学物質の分析サービス、調査システムの展開資源循環●海洋プラスチック、マイクロプラスチック対応の法令強化リスク●拠点:廃棄物処理費用の高騰、処分業者による引き取り拒否●商品:資源の枯渇リスク、部材の供給不足リスク●拠点:廃棄物削減・プラスチック梱包材のリユース・金属素材からの採取率向上による廃棄率削減●商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品からの部品回収とリユース機会●商品:省資源製品やリサイクルサービスの需要拡大●商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品回収によるお客様負担の軽減 <当社ネットワークに対する不正アクセスへの対応>当社は、2021年11月8日、当社ネットワークに対する第三者からの不正アクセスを確認しました。当社といたしましては不正アクセスの確認後、速やかに該当するネットワークの切断や外部からのアクセス制限など必要な対策を講じるとともに、対策本部を立ち上げ、外部の専門機関の協力も得て調査を進め、全容解明と再発防止に取り組んでまいりました。調査の結果判明した事実と、当社の対応については、以下のとおりであります。 調査で判明した事実と対応内容調査の結果、第三者が当社海外子会社のサーバーを経由して日本のファイルサーバーに不正アクセスを行った事実が確認されましたが、業務システムを含め当該サーバー以外への不正アクセスは確認されませんでした。なお、不正アクセスを受けたファイルの外部流出について調査を尽くした結果、外部流出の確証を得る事実は見つかっておりませんが、不正アクセスを受けたファイルが流出した可能性を想定し下記の対応を進めてまいりました。不正アクセスを受けたファイルに含まれていた情報とその対応内容は以下のとおりであります。 お取引先個人情報当社のお取引先の役職員の個人情報が含まれていることが確認されました。会社名、会社内での役職情報が主な情報であり、対象の方には個別にご連絡をいたしました。 お取引先情報お取引先から提供を受けた業務関連情報や当社の社内情報が含まれていることが確認されました。当社にてその影響を分析するとともに、対象となるお取引先には個別にご報告をいたしました。 対策及び今後の対応当社は海外拠点からの通信制限、ファイルサーバーへの不正アクセスに用いられたアカウントのパスワードの変更、挙動検知の仕組みの導入と監視などのセキュリティ強化策を講じております。引き続き、より高度なセキュリティ対策として認証基盤の強化、海外を含めたセキュリティ監視体制の強化により、再発防止を徹底してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】2022年3月期の活動の成果は、以下の通りであります。ソリューションシステム事業では、DX領域での共創が開発から成果を目指すフェーズへ移行しつつあり、また推進の要となるDXエコシステムの構築が進みました。OKIの注力分野である交通、建設/インフラ、防災、金融・流通、製造、海洋の各分野における共創パートナーは105社、そして技術的なアライアンスをするAIエッジパートナーは115社に増えました。これらパートナーの拡大、新商品の投入、POCなどの活動によりDXを推進しております。コンポーネント&プラットフォーム事業では、今後の成長を支えるための構造改革は計画通り進捗しており、一定程度の効果も出ております。また、情報機器事業におけるプリンターエンジンの共同開発など新たなパートナー戦略などの成果も出てきました。これらの一方で、コロナ禍の想定以上の長期化、サプライチェーン影響の拡大といった非常に厳しい事業環境が続いております。そのような厳しい事業環境ではありましたが、将来に向けた投資と構造改革は着実に実行しました。収益性の改善は十分とはいえないものの、持続的成長に向け引き続き取り組んでまいります。2022年3月期の業績については、以下の通りであります。売上高は3,521億円、前連結会計年度比408億円の減収となりました。前期末から回復基調にあるFA/半導体製造装置向けは好調を維持し、為替による増収影響もありました。しかしながら、不安定な部材供給状況が長期化しており、調達できない部材の範囲が拡大したことにより、生産遅延が継続しております。加えて、前期の大型案件の影響も重なり、大きく減収となりました。利益面につきましては、部材不足や部材価格の高騰を中心としたサプライチェーン影響が大きく、構造改革効果による固定費減や中国向けATM債権に対する貸倒引当金32億円の戻入によるプラスがあったものの、営業利益は前連結会計年度比30億円減益となる59億円となりました。なお、部材不足による生産遅延影響として売上高で約300億円、営業利益では約83億円のマイナス影響があったと想定しております。経常利益は、営業外区分に含まれる為替差損益の改善などにより、前連結会計年度比11億円減益となる77億円となりました。これらに加えて、資産売却に伴う特別利益が11億円あった一方で、特別損失として中国プリンター工場の収束や欧米販社の構造改革等に伴う事業構造改善費用28億円、並びに法人税等21億円を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比29億円良化し、21億円となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用していることに伴い、売上高は6億円減少しております。また、国際財務報告基準(IFRS)を適用している在外子会社において、当連結会計年度第4四半期より、2021年4月に公表されたIFRS解釈指針委員会(IFRIC)によるアジェンダ決定「クラウド・コンピューティング契約にかかるコンフィギュレーション又はカスタマイズのコスト(IAS第38号)」を踏まえ、会計方針を変更しました。これに伴い、前連結会計年度の数値については、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。 事業別の業績状況は、以下の通りであります。なお、当連結会計年度の期首より、報告セグメントの区分及び測定方法を変更しております。そのため、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分及び測定方法により組み替えた数値で比較しております。ソリューションシステム事業の売上高は1,626億円、前連結会計年度比で282億円の減収、営業利益は95億円、同68億円減益となりました。不安定な部材供給状況が継続しており、事業全般において生産・売上影響を受けたほか、前期大型案件の反動減、期ズレなどあり、エンタープライズソリューション事業領域及びパブリックソリューション事業領域を中心に減収となりました。なお、部材不足については、主に、エンタープライズソリューション事業領域及びDXプラットフォーム事業領域のネットワーク端末やPBXなどの製品のほか、サーバーやネットワーク装置など機器にも影響が広がっております。コンポーネント&プラットフォーム事業の売上高は、1,890億円、前連結会計年度比で125億円の減収となりました。モノづくりプラットフォーム事業領域においてはFA/半導体製造装置向けが好調を維持するものの、部材不足による生産・売上影響が大きく、減収となりました。利益面につきましては、減収影響の一方で、情報機器の構造改革による固定費削減効果及び中国向けATM債権に対する貸倒引当金32億円の戻入などあり、営業利益は35億円、同45億円良化となりました。その他の事業の売上高は4億円、前連結会計年度比で2億円の減収、営業利益は3億円、同4億円良化となりました。 総資産は前連結会計年度末から23億円減少の3,692億円となりました。自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益を21億円計上した一方で、その他の包括利益累計額が43億円減少したこと及び普通配当を17億円実施したこと等により、前連結会計年度末に対して40億円減少の1,074億円となりました。その結果、自己資本比率は29.1%となりました。資産では主に、棚卸資産が108億円、有形固定資産が64億円増加した一方で、現金及び預金が81億円、受取手形、売掛金及び契約資産が109億円減少しております。負債については、前連結会計年度末並みの2,615億円となりました。借入金が92億円増加した一方で、リース債務が32億円、繰延税金負債が29億円減少しております。なお、当連結会計年度末の借入金は872億円となりました。 また、当連結会計年度の営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは117億円の支出(前連結会計年度36億円の収入)となりました。営業キャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を計上したことにより、59億円の収入(同174億円の収入)となりました。投資キャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出等があったことにより、176億円の支出(同138億円の支出)となりました。財務キャッシュ・フローは、主に借入れによる収入等があったことにより、17億円の収入(同89億円の支出)となりました。以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加15億円により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末の418億円から334億円となりました。事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。このうち、運転資金については短期借入金及び長期借入金で調達しております。また、生産設備などの長期資金については長期借入金により調達しております。長期資金については固定金利で調達し、金融機関等との個別借入の他、シンジケートローンも合わせて利用しております。また、資金繰りについては、国内キャッシュ・マネジメント・システムを活用し、連結子会社の資金を当社に集中することで資金効率化を図り、借入金の圧縮に努めております。現在保有している手元現預金は余裕を持った水準で推移しております。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、事業活動に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しておりますが、部材不足や原材料の高騰を中心としたサプライチェーン影響や新型コロナウイルス感染症等の不測の事態に備え資金調達の安定化を図るため、コミットメントライン契約を継続しております。OKIグループ(当社及び連結子会社)は財務上の規律を重視し、今後も事業活動により創出されたフリー・キャッシュ・フローを基本的な原資としたうえで、必要な資金については効率的な調達を行うことを基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、541億円となっております。なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下の通りであります。(単位:億円)契約債務年度別要支払額合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金223223---長期借入金649211311127-リース債務1373964285注1)連結貸借対照表上、「短期借入金」として表示されている1年内に返済予定の長期借入金(211億円)は、本表においては、「長期借入金」として表示しております。注2)オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は56億円であります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、"OKIは「進取の精神」をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する。"という企業理念のもとに、クリティカルなモノづくり・コトづくりを通して社会課題を解決することを目指しております。また、OKIグループは、企業活動を通して、2015年9月「国連持続可能な開発サミット」で採択された重要な指針である「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献してまいりたいと考えております。経営の各種課題について優先順に目標設定を行い、企業運営に取り組んでまいります。現在、OKIグループを取り巻く市場環境や経済環境には大きな変化が起きております。グローバルでは景気変動や紛争などの不確実性、環境問題、相次ぐ自然災害、そして5G/AIをはじめとする技術革新などがあります。国内では特に労働力不足、少子高齢化の進展、インフラ老朽化などがあります。さらには新型コロナウイルスがもたらすパラダイムシフトが予想されます。すなわちナショナリズムの高まり、個人の行動変容、非対面型サービスの進展などであります。こうした環境変化は一部のビジネスにおいては脅威と捉えられますが、同時に新たなニーズの拡大が事業機会をもたらすものであると考えております。たとえばリモートワークの拡大については、オフィスでのプリンティング需要の減少をもたらすリスクがありますが、一方でネットワークインフラの高速・大容量化ニーズをこれまで以上に拡大するものになります。また、非対面型サービスのニーズについては、従来の自動化、省人化を目指した機器・サービスのひとつに位置づけられます。結果として近年のデジタルトランスフォーメーションというメガトレンドがさらに加速されていくことが考えられます。そのような環境の中、当社にとっては現在取り組んでいる事業ポートフォリオの再編成を強力に推し進めることが最重要課題の1つであります。ソリューションビジネスにおいては長年通信インフラに携わり、業務に特化したエッジ領域に端末のインストールベースを持つOKIグループの強みを活かせる、AIエッジ戦略に代表される成長領域での事業を拡大することであります。また、ハードウェアビジネスにおいては新しいニーズにマッチした自動化機器、省人化機器の開発が重要となります。これを推し進めるため、既存製品の絞り込みと開発リソースの再配置、そして組織体制の再構築を実施することになります。OKIグループはリアルな世界でのモノづくりと、クラウドサービスをリアルタイムに連携させるネットワークの技術に強みがあります。こうした技術力をベースに優良な顧客基盤とさまざまな社会基盤を支える端末のインストールベースとサービスを企業価値の源泉としてきました。今後とも社会インフラ領域を中心にお客様の業務に特化したエッジ端末のモノづくりと、クラウドとをリアルタイムに連携させるソリューションやサービスのコトづくりの両輪で、社会課題を解決してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】OKIグループ(当社及び連結子会社)は、"OKIは「進取の精神」をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する。"という企業理念のもとに、クリティカルなモノづくり・コトづくりを通して社会課題を解決することを目指しております。また、OKIグループは、企業活動を通して、2015年9月「国連持続可能な開発サミット」で採択された重要な指針である「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献してまいりたいと考えております。経営の各種課題について優先順に目標設定を行い、企業運営に取り組んでまいります。現在、OKIグループを取り巻く市場環境や経済環境には大きな変化が起きております。グローバルでは景気変動や紛争などの不確実性、環境問題、相次ぐ自然災害、そして5G/AIをはじめとする技術革新などがあります。国内では特に労働力不足、少子高齢化の進展、インフラ老朽化などがあります。さらには新型コロナウイルスがもたらすパラダイムシフトが予想されます。すなわちナショナリズムの高まり、個人の行動変容、非対面型サービスの進展などであります。こうした環境変化は一部のビジネスにおいては脅威と捉えられますが、同時に新たなニーズの拡大が事業機会をもたらすものであると考えております。たとえばリモートワークの拡大については、オフィスでのプリンティング需要の減少をもたらすリスクがありますが、一方でネットワークインフラの高速・大容量化ニーズをこれまで以上に拡大するものになります。また、非対面型サービスのニーズについては、従来の自動化、省人化を目指した機器・サービスのひとつに位置づけられます。結果として近年のデジタルトランスフォーメーションというメガトレンドがさらに加速されていくことが考えられます。そのような環境の中、当社にとっては現在取り組んでいる事業ポートフォリオの再編成を強力に推し進めることが最重要課題の1つであります。ソリューションビジネスにおいては長年通信インフラに携わり、業務に特化したエッジ領域に端末のインストールベースを持つOKIグループの強みを活かせる、AIエッジ戦略に代表される成長領域での事業を拡大することであります。また、ハードウェアビジネスにおいては新しいニーズにマッチした自動化機器、省人化機器の開発が重要となります。これを推し進めるため、既存製品の絞り込みと開発リソースの再配置、そして組織体制の再構築を実施することになります。OKIグループはリアルな世界でのモノづくりと、クラウドサービスをリアルタイムに連携させるネットワークの技術に強みがあります。こうした技術力をベースに優良な顧客基盤とさまざまな社会基盤を支える端末のインストールベースとサービスを企業価値の源泉としてきました。今後とも社会インフラ領域を中心にお客様の業務に特化したエッジ端末のモノづくりと、クラウドとをリアルタイムに連携させるソリューションやサービスのコトづくりの両輪で、社会課題を解決してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】2020年3月期の活動の成果は、以下の通りであります。情報通信事業では、成長領域である社会インフラやネットワークシステムのビジネスを拡大し、大幅な増収増益を実現したこと。メカトロシステム事業では、海外子会社の事業を譲渡によりビジネスの採算改善を行ったことや、アジア市場の販売拡大を進めたこと。プリンター事業では大幅な円高影響を除く実質の減益幅を抑制したこと。EMS事業では、一部の顧客の需要減少や期央に台風の影響による部材調達の遅れなどがあったものの第4四半期には前年同期並みの業績にまで回復したこと。財務指標は引き続き安定しており当期純利益を確保し、安定した配当を継続したことであります。これらの一方で、社会の構造変化にあわせた持続可能な成長のロードマップの策定と実行が課題であると認識しております。 2020年3月期の業績については、以下の通りであります。売上高は4,572億円、前連結会計年度比157億円の増収となりました。営業利益は168億円、同7億円の減益となりました。これは、情報通信事業の増収効果や前期に実施した事業構造改革等の効果があった一方、年度末に向けて新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による深セン工場の操業減等があったほか、円高による減益影響もありました。経常利益は前連結会計年度比17億円減少となる138億円となりました。親会社株式に帰属する当期純利益は、特別損益として、事業所等の見直しによる固定資産売却益48億円、政策保有株式の縮減による投資有価証券売却益47億円を計上した一方で、ブラジル子会社の事業譲渡等に係る事業構造改善費用24億円を計上したことなどにより、前連結会計年度比57億円増加となる141億円となりました。なお、当連結会計年度より、主に情報通信事業において工事進行基準の適用範囲を拡大しており、その影響として売上高は105億円増加し、営業利益及び経常利益は1億円それぞれ減少しております。 事業別の業績状況は、以下の通りであります。情報通信事業の売上高は2,291億円、前連結会計年度比で448億円の増収となりましたが、これは売上基準の影響やキャリア向けのネットワーク構築の大型案件に加えて、社会インフラ関連の引き合いも多く、さらに一部官公庁向け案件が増加したことによります。売上高の増加にともない、営業利益は208億円、同61億円の増益となりました。メカトロシステム事業は、売上高707億円、前連結会計年度比で120億円の減収となりました。前連結会計年度にあった現金処理機の大型案件が一巡したほか、新型コロナウイルスの感染拡大を受け主力の深セン工場の操業が停止し、再開後も稼働が低調であったことが影響しました。営業損失は前連結会計年度に実施した事業構造改革効果により売上の減少分を補うものの、工場の操業減が生産及び販売に影響し3億円、同4億円の悪化となりました。プリンター事業の売上高は923億円、前連結会計年度比で103億円の減収となりました。欧州市場におけるオフィス向けの売上が振るわなかったほか、ユーロに対する円高の影響もありました。売上の減少と為替の影響により、営業利益は28億円、同29億円の減益となりました。EMS事業の売上高は598億円、前連結会計年度比で64億円の減収となりました。FAや半導体関連の売上が減少したこと、台風の影響により一部の部材調達に遅れが発生したことによります。営業利益は21億円、同16億円の減益となりました。その他事業の売上高は54億円、前連結会計年度比で2億円の減収となりました。営業利益は4億円、同5億円の減益となりました。 総資産は前連結会計年度末から70億円増加の3,725億円でした。自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益を141億円計上した一方で、その他の包括利益累計額が28億円減少したこと及び普通配当を43億円実施したこと等により、前連結会計年度末に対して63億円増加の1,062億円となりました。その結果、自己資本比率は28.5%となりました。資産では主に、現金及び預金が195億円増加した一方で、たな卸資産が124億円減少しております。負債については前連結会計年度末並みの2,660億円となりました。なお、借入金は前連結会計年度末786億円から9億円減少し、777億円となりました。 また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローは295億円の収入(前連結会計年度57億円の支出)となりました。主に税金等調整前当期純利益を計上したことにより、営業キャッシュ・フローは325億円の収入(同64億円の収入)となりました。投資キャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出があった一方で、投資有価証券や固定資産の売却による収入があったことから、30億円の支出(同121億円の支出)となりました。財務キャッシュ・フローは主に普通配当の実施、借入金の返済に充当したことにより92億円の支出(同130億円の支出)となりました。この他、換算差額により手元資金で7億円の取り崩しがありました。この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末268億円から465億円となりました。事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。このうち、運転資金については短期借入金及び長期借入金で調達しております。また、生産設備などの長期資金については長期借入金により調達しております。長期資金については固定金利を中心に調達し、金融機関等との個別借入の他、シンジケートローンも合わせて利用しております。なお、当連結会計年度において、資金の安定調達を目的に、短期借入金から長期借入金への一部借り換えを行いました。また、国内キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、連結子会社に分散していた資金を当社に集中することで資金効率化を図り、借入金の圧縮に努めております。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、現在保有している手元現預金は余裕を持った水準で推移しております。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する等の更なる悪化リスクに備え、コミットメントライン契約の締結を検討しております。OKIグループ(当社及び連結子会社)は財務上の規律を重視し、今後も事業活動により創出されたフリー・キャッシュ・フローを基本的な原資としたうえで、必要な資金については効率的な調達を行うことを基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、322億円となっております。なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下の通りであります。(単位:億円)契約債務年度別要支払額合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超短期借入金214214---長期借入金563140267157-リース債務20045775522注1)連結貸借対照表上、「短期借入金」として表示されている1年内に返済予定の長期借入金(140億円)は、本表においては、「長期借入金」として表示しております。注2)オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は60億円であります。 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、以下の通りであります。当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者の判断に基づく会計方針の選択適用、会計上の見積りを必要としますが、その見積りや当該見積りに用いた仮定は予測不能な事象の発生等により実際の結果と異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は次の通りであります。(1)貸倒引当金当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えるため、回収不能見積額を貸倒引当金として計上しております。従って、顧客の財務状況が変化した場合には、貸倒引当金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。また、係争等により支払を求めている債権については、弁護士等の専門家による最新の見解を踏まえ、訴訟の結果を予測し、回収不能額を見積もっております。そのため、今後の訴訟の動向や結果によっては貸倒引当金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。(2)工事進行基準信頼性のある工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度の見積りに基づき、進捗部分の成果の確実性が認められる部分について、工事進行基準(工事進捗度の見積りは原価比例法)を適用しております。工事原価総額は工事監理者や経営者によって信頼性をもって見積もっておりますが、想定していなかった原価の発生等があった場合は、当社グループの業績を変動させるリスクがあります。