6845

アズビル(6845)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

  • 人を中心としたオートメーション
    アズビルグループは「人を中心としたオートメーション」を理念に掲げ、建物、工場、ライフラインの3つの市場で事業を展開しています。これは、単に機械を自動化するだけでなく、人の安心や快適さ、地球環境への貢献を目指すという考え方です。各市場のニーズに合わせた製品やサービスを提供し、社会の持続可能性に貢献しています。
  • フルラインナップと一貫体制
    ビルディングオートメーション(BA)事業では、ビル管理システムからセンサー、バルブまで自社で開発・製造し、設計から販売、エンジニアリング、保守、省エネ提案までを一貫して提供しています。これにより、顧客の多様なニーズにきめ細かく対応し、快適で効率的な空間創造と環境負荷低減を実現しています。
  • ライフサイクル支援と価値創造
    アドバンスオートメーション(AA)事業では、石油化学や自動車、半導体などの工業市場向けに、装置の最適運用を支援する製品やソリューションを提供しています。製品のライフサイクル全体をサポートし、先進的な計測制御技術で安全かつ効率的な生産現場を実現。顧客との協働を通じて新たな価値を創造しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ビルディングオートメーション事業
    この事業は、建物市場においてビルディングオートメーションシステムやセキュリティシステムを提供しています。室内用温湿度センサーや空調設備用コントローラなどが主な製品で、2023年度の売上高は1,483.55億円、営業利益は243.63億円と、グループ内で最も大きな収益を上げています。快適で効率的な執務・生産空間の創造と環境負荷低減に貢献しています。
  • アドバンスオートメーション事業
    工業市場向けに、石油、化学、鉄鋼、自動車、半導体などの産業で利用される計測制御機器やソリューションを提供しています。調節弁や差圧・圧力発信器、協調オートメーションシステムなどが主要製品で、2023年度の売上高は1,057.02億円、営業利益は159.97億円です。安全で人の能力を発揮できる生産現場の実現を目指しています。
  • ライフオートメーション事業
    ガス・水道などのライフラインや生活の場に、計測・制御・計量技術を提供しています。超音波ガスメーター、スマートメーター、電子式水道メーター、全館空調システムなどが主な製品です。2023年度の売上高は462.68億円、営業利益は11.71億円と、他の事業に比べて規模は小さいですが、人々の安全と快適な暮らしに貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BuildingAutomationBusiness 地域 1,484 244 16.4%
AdvancedAutomationBusiness 地域 1,057 160 15.1%
LifeAutomationBusiness 地域 463 12 2.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,517 文字
3【事業の内容】 azbilグループは、当社と子会社39社及び関連会社1社により構成され、人々の安心、快適、達成感と地球環境への貢献を目指す「人を中心としたオートメーション」を追求し、建物市場でビルディングオートメーション(BA)事業を、工業市場でアドバンスオートメーション(AA)事業を、ライフラインや生活に密着した市場において、ライフオートメーション(LA)事業を展開しております。その事業内容は、以下のとおりであります。BA事業では、ビルディングオートメーションシステム、セキュリティシステムから、アプリケーションソフト、コントローラ、バルブ、センサまでのフルラインナップを自社にて開発、製造し、また計装設計から販売、エンジニアリング、サービス、省エネソリューション、設備の運営管理までを一貫した体制で提供し、独自の環境制御技術で、快適で効率の良い執務・生産空間の創造と、環境負荷低減に貢献する事業を展開しております。AA事業では、石油、化学、鉄鋼、紙パルプ等の素材産業や、自動車、電気・電子、半導体、食品等の加工・組立産業の課題解決に向け、装置や設備の最適運用をライフサイクルで支援する製品やソリューション、計装・エンジニアリング、保守サービスを提供し、先進的な計測制御技術を発展させ、安全で人の能力を発揮できる生産現場の実現を目指すとともに、お客様との協働により新たな価値を創造する事業を展開しております。また、LA事業では、建物市場や工業市場で永年培った計測・制御・計量の技術を、ガス・水道等のライフライン、生活の場に提供し、人々の安全と快適な暮らしに貢献する事業を展開しております。 事業内容及びazbilグループの当該事業に係る位置付け並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。セグメントの名称主 要 製 品主 要 会 社ビルディングオートメーション事業室内用温湿度センサ、天井用温度センサ、室内用温湿度調節器、赤外線アレイセンサ、WP(ワークプレース)センサ、デジタル設定器、マルチエリア対応ユーザターミナル、統合型ユーザターミナル、ビルディングオートメーションシステム、入退室管理システム、非接触ICカードリーダ、空調設備用コントローラ、熱源設備用コントローラ、吹出口ダンパ、流量計測制御機能付電動二方弁 等当社アズビルベトナムプロダクション㈲アドバンスオートメーション事業調節弁、グラフィカル調節計、デジタルマスフローコントローラ、計装ネットワークモジュール、差圧・圧力発信器、電磁流量計、スマート・バルブ・ポジショナ、協調オートメーションシステム、プロセス・コントローラ、アジャスタブル近接センサ、光電スイッチ、アドバンストUVセンサ、リミットスイッチ、熱式微小液体流量計、重要プロセス変数変動監視システム、オンライン異常予兆検知システム 等当社アズビルトレーディング㈱アズビルノースアメリカ㈱アズビルプロダクションタイランド㈱アズビル機器(大連)有限公司ライフオートメーション事業クラウドサービス、超音波ガスメーター、膜式スマートメーター、マイコンメーター(普及型)、高圧ガバナ、電池電磁™水道メーター、電子式水道メーター、超音波式水道スマートメーター、全館空調システム、全館空気清浄換気システム 等当社アズビル金門㈱ その他保険代理業 ソフトウエア開発業務等 (注)上記の4区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自の環境制御技術、先進的な計測制御技術、長年培った技術を強みとしているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
ビルディングオートメーション、アドバンスオートメーション、ライフオートメーションにおける独自の技術開発力。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:製品の設計・製造品質の確保不足によるリコール発生リスク / 情報漏洩やサイバー攻撃による損害賠償・信用低下リスク / 技術革新への対応遅れや研究開発不足による市場撤退・事業成長停滞リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

アズビルは、ビルディングオートメーション(BA)およびメディカル分野で長年の実績と高い技術力を有する。特に、BA分野では、省エネルギーや快適性向上に貢献する独自の制御技術と、顧客の施設運用ノウハウを蓄積したサービスが強み。メディカル分野でも、高度な医療機器の開発・製造で培った信頼とブランド力が競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

アズビルのビルディングオートメーションシステムは、導入に多額の初期投資が必要であり、一度導入すると他のシステムへの切り替えは運用停止リスクや再教育コストを伴うため、顧客のスイッチングコストは非常に高い。また、保守・メンテナンス契約も長期にわたることが多く、顧客との継続的な関係性が構築されている。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アズビルの事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すものではない。個々の顧客との関係性や技術力に依存しており、ユーザー数の増加が直接的にサービス価値を向上させる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

アズビルは、FAシステムや制御機器の製造において、一定の生産効率を追求しているが、業界全体として価格競争が激しい分野も含まれるため、構造的なコスト優位性は限定的。ただし、長年の経験に基づく効率的な生産プロセスは存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

アズビルは、ビルディングオートメーション市場において、国内大手の一角を占めており、一定の規模の経済性を享受している。特に、大規模なビルやプラント向けのシステムインテグレーションにおいては、その規模が強みとなる。しかし、グローバル市場では、より巨大な競合も存在する。

  • 一貫したソリューション提供力
    ビルディングオートメーション事業では、システム開発から製造、設計、販売、保守、省エネ提案までを自社で一貫して提供できる体制が強みです。これにより、顧客の多様な要望に柔軟に対応し、高品質なサービスを継続的に提供することで、顧客との長期的な信頼関係を築いています。
  • 高度な計測制御技術
    長年にわたり培ってきた計測・制御・計量技術は、アズビルグループの核となる競争優位性です。この技術は、ビルディングオートメーション、アドバンスオートメーション、ライフオートメーションの各事業に共通して活用されており、特に工業市場では、安全で人の能力を発揮できる生産現場の実現に貢献しています。
  • 広範な顧客基盤とストック事業
    工場・プラント、商業ビル、ライフラインといった幅広い顧客基盤を構築しており、顧客の現場のライフサイクル全体を支える「ストック事業」を展開しています。これは、一度導入された製品のメンテナンスや改修を通じて継続的な収益を生み出すビジネスモデルであり、安定した収益基盤となっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • パーパスと目指す姿の追求
    アズビルグループは「人と社会の可能性を、技術で解き放つ。」というパーパスを掲げ、創業者の「人間の苦役からの解放」という想いを継承しています。このパーパスに基づき、10年後の理想像として売上高4,200億円、営業利益650億円、ROE15%を目標に設定し、持続的な企業価値向上を目指しています。
  • 中期経営計画と財務目標
    2030年度の長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする中期経営計画を推進しています。最終年度には売上高3,400億円、営業利益510億円、ROE14%の達成を目標としており、株主価値増大のために連結ROEの向上を重視しています。経済状況の変化に応じて計画の見直しも検討するとしています。
  • サステナビリティ経営の推進
    ダブルマテリアリティの考え方を取り入れ、環境・社会への影響と企業活動の重要性を評価し、5分野10項目の重点課題を特定しています。SDGs目標やCSR活動における具体的な目標を設定し、これらの達成を通じて「サステナビリティ経営」を推進することで、持続的な成長と社会貢献の両立を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、azbilグループが判断したものであります。(1)経営方針 azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」のグループ理念のもと、事業拡大を通じて、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献により、継続的な企業価値の向上を図り、社会と社員のWell-beingを実現し、あらゆるステークホルダーと信頼関係を構築してまいりたいと考えております。 2026年5月、当社グループの社会に対する提供価値や存在意義を示すものとして、私たちがステークホルダーに共有すべきパーパスを「人と社会の可能性を、技術で解き放つ。」と定めました。人と社会が潜在的に有する多くの可能性を、オートメーションを含む幅広い技術で解き放つことで、“効率から創造へ。不可能を可能へ。”と、お客様の現場での新しい価値創造に繋げていくことを本パーパスで表しています。また、人と社会の可能性を解き放つという表現は、「人を中心としたオートメーション」という当社のグループ理念に加え、「人間の苦役からの解放」を目指してきた創業者の想いも込められています。あわせて、本パーパスの追求を通じて、当社グループが実現したい具体的な理想像及び目標として、10年後の将来、我々がなりたい将来像を目指す姿として定めました。azbil Group Wayグループの未来に向けて想いを一つにする共通の価値観ブランドステートメント さらにこのパーパス及び目指す姿の実現に向けた当社グループの決意を端的に表現するものとして、ブランドステートメントに「Engineering the Impossible」を掲げました。当社グループは、技術による革新と新たな可能性の解放、そして、目指す姿に掲げる“不可能を可能へ。”の実現に向け、力強く未来志向の経営を推進してまいります。 (2)目標とする経営指標等 当社グループは、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安全・安心や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標と設定したうえで段階的に中期経営計画を立案し、この目標達成に向けた取組みを行っております。株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、2030年度をゴールとする長期目標※1において、売上高4,200億円、営業利益650億円、営業利益率15.5%、ROE15%を目標としております。この長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする3ヵ年の現中期経営計画(2025~2027年度)※1では、最終年度の売上高3,400億円、営業利益510億円、営業利益率15.0%、ROE14%を達成することを目標としております。 また、ダブルマテリアリティ(環境・社会が企業に与える財務的な影響と、企業活動が環境・社会に与える影響という2つの側面から重要性を評価する考え方)を取り入れ、長期にわたり取り組む重点課題として5分野10項目のマテリアリティを特定しています。これらのマテリアリティに基づき、事業や企業活動に関する7つの項目については、SDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)の領域において目標を「azbilグループSDGs目標」として具体的に定めるとともに、企業が社会に存立するうえで果たさなければならない基本的責務である3つの項目については、CSR活動において具体的な目標を定めております。なお、現在、経営環境の変化やパーパスを制定したことを踏まえて、取締役会での議論も経てマテリアリティの見直しの検討を進めています。このようなSDGs及びCSR活動における各目標の達成に向けて様々な取組みを行うことにより、当社グループの「サステナビリティ経営」の推進を通じ、持続的な成長を目指してまいります。 ※1 2025年5月13日、長期目標(2030年度)を見直し、中期経営計画(2025~2027年度)を公表いたしました。これらの目標値は、策定時点における日本基準に基づき算定しております。なお、2027年度の計画値については、現時点で変更はいたしませんが、中期経営計画の進捗状況に加えて、現状の不透明な情勢が見通せるようになった段階で見直しを検討いたします。 (3)経営戦略等 2025年度から始まった現中期経営計画は、2030年度の長期目標を見据えた第二期間であるとともに、2026年に迎える創業120周年を超えて、“持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献”に向けた進化、共創を実現する計画と位置付けております。 その初年度である2025年度は、生成AIをはじめとする技術革新やインフレ、地政学的リスクの高まりなどにより、事業環境の変化が激しい一年となりました。このような環境下、当社グループは、こうした変化に着実に対応するとともに、価格転嫁を含む収益力強化、業務効率化を推進することで、事業基盤の強化を図ってきました。この結果、営業利益は過去最高益を更新しました。 2026年に入り、中東情勢(米国・イラン間の緊張を含む)の緊迫化を背景に、資源価格、物流、調達面等において、一部で事業環境への影響が顕在化しています。こうした地政学的リスクは不確実性が高く、エネルギー価格の動向等を通じて業績に影響を与える可能性がありますが、当社グループでは、状況を注視しながら適切な情勢対応とリスク管理を行い、事業運営への影響を最小限に抑えるべく対応していきます。 azbilグループは今後とも、技術革新及び社会環境の変化に伴う新たな社会課題解決を事業機会と捉え、人的資本強化、商品力強化、DX推進等の投資を着実に実行していきます。当社グループの特長である、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場・プラント、商業ビル、ライフライン等)との強い関係に基づく「基盤事業」と、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪のサイクルを回す、azbilグループらしい事業モデルを推進しています。 また、基盤事業を中心に、お客様の現場のライフサイクル全体(新設から改修、メンテナンスまで)を支えるビジネスを「ストック事業」として展開しています。ストック事業は、すでに納入した製品を起点としたビジネスであり、グループ全体での収益性の持続的な向上に貢献しております。今後も、「成長事業」・「基盤事業」のサイクルによる成長に加え、「ストック事業」を一層強化することで、不透明な環境下においても売上、利益面での持続的な成長を実現してまいります。 (4)対処すべき課題① 国内事業 ビルディングオートメーション(BA)事業は、都市再開発計画に基づく需要が高い水準で継続し、省エネ・CO2排出量削減対策を含めた改修案件の需要も堅調に推移することが今後も見込まれます。こうした好調な事業環境を踏まえ、今後も人員を含めたリソースの適切な配置、負荷平準化及びDX推進による効率化等を継続するとともに、AIやクラウド等の技術活用を志向するお客様のニーズや、需要が拡大するデータセンター市場への対応を重要な課題と捉え、ソリューション力の強化に取り組んでいきます。そのために、2025年12月には株式会社DATAFLUCTと資本業務提携契約を締結し、AI技術を活用した、より高付加価値な建物運用向けサービスの実現を目指しております。 また、省エネ・CO2排出量削減対策の具体的な取組み事例としては、当社と株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービスが、地方独立行政法人広島市立病院機構による「広島市立広島市民病院設備改修PFI事業(ESCO事業※2)」の公募にて、最優秀事業者に選定された事例が挙げられます。病院施設を対象とする官民連携の大規模ESCO事業であり、持続可能な地域医療体制の実現に向けて2026年10月より15年間の省エネルギー保証サービスを開始する予定です。地元企業との協力や雇用の創出等、地域密着型の事業展開で、広島市民病院の医療サービスの維持及び地球環境の負荷低減を目指しています。 ▲広島市立広島市民病院設備改修PFI事業(ESCO事業) スキーム アドバンスオートメーション(AA)事業では、景気の循環による変動影響はあるものの、脱炭素化、サーキュラーエコノミー、生産高度化、安全・安定操業、人手不足対応等の要望に対して、計測・制御分野を中心に貢献できる領域は大きく、更なる事業領域の拡大と事業成長が期待できると考えています。成長戦略として、新たな計測・制御技術需要に対して、MEMS※3センサや自動調節弁関連技術、プラント自律化等の当社グループ独自の技術を活用したソリューションを「シン・オートメーション」と定義し、その創造による事業拡大を進めてまいります。あわせて、原価低減、販売価格適正化等の各種収益力強化施策をCP事業、IAP事業、SS事業の3つの事業単位でのオペレーションを通じて着実に実行してまいります。 シン・オートメーション領域におけるプラント自律化の商品として、AIを活用した最適生産計画立案システム「VIRTUAL PLANNER™ PP」の販売を開始しました。VIRTUAL PLANNER PPは、強化学習によりAIが最適な生産計画を短時間で立案し、生産中の状況変化に応じて自動で計画を見直し、再立案を行うシステムで、生産の高度化とともに多様な働き方を推進、生産計画担当者の負担を軽減しWell-beingの向上にも寄与します。 ▲AI最適生産計画立案システム VIRTUAL PLANNER PPの機能 ライフオートメーション(LA)事業では、ライフライン分野において、主体であるガス・水道メーターの安定した需要を基に、超音波メーターのような新製品の投入や価格転嫁等を通じて収益性の改善に努めています。さらに、ガス・水道メーターのスマート化と、これに通信とクラウドシステムを融合したSmart Metering as a Service (SMaaSTM※4) 事業を推進しています。また、住宅用全館空調システム分野では、既設建物や小規模建物まで、対象建物の拡大により収益性を向上し、長期的にはサービスエンジニアリング力にIoT技術をプラスして現場対応力を強化し、お客様の健康で快適な暮らしに省エネを加えた快適住空間プロバイダーへ事業の拡大を目指します。 新しい水道スマートメーターの商品としては、Kamstrup社(本社:デンマーク)と「次世代超音波式水道スマートメーター」の日本市場における協業を開始しました。同メーターの国内展開、及びスマートメーターで収集したノイズデータを利活用した漏水検知クラウドサービスにより、水道インフラの効率的な維持管理に対する社会的ニーズに応える事業開発を進めてまいります。 ※2 ESCO(Energy Service Company)事業:工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスの提供を通じて、そこで得られる効果をサービス提供者が保証する事業。資金を顧客が負担し、ESCO事業者が省エネ保証を行う「ギャランティード・セイビングス契約」と、ESCO事業者が資金提供を行い、顧客が省エネ効果を含めたサービス料を支払う「シェアード・セイビングス契約」という2つの契約形態がある。※3 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基板の上に微細加工技術によって集積した機器。※4 SMaaS(Smart Metering as a Service):従来のメーターの計測機能に加え、データを活用し新たな付加価値をサービスとして提供する事業モデル。 ② 海外事業 当社が策定した現中期経営計画において、飛躍的な成長を目指す海外事業については、これまでに構築・蓄積したお客様との信頼関係を基盤に、積極的な事業拡大を図ってまいります。あわせて、地域特性を踏まえた事業推進及び管理体制の強化を進めることで、海外事業の成長を一層加速してまいります。 BA事業では、アジア地域での都市化の進展が継続し、建物市場を中心にオフィスのグレードアップが進むことが見込まれています。国内事業モデルでの強みである省エネルギーのアプリケーション技術、エンジニアリング、サービス力を活用した製品・サービスの提供を推進していきます。特に、成長が期待されるデータセンター市場においては、2025年9月、マレーシアのジョホール州に子会社を設立し、同地区で建設が活況であるデータセンターや、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)における新築建物を重点対象として、当社システムの導入案件獲得を加速するとともに、稼働後の保守・メンテナンス契約をセットで提案することで、ライフサイクルを通じた受注拡大を図ります。 また、AA事業では、中長期的な視点で循環的な景気変動はあるものの、グローバルでの経済成長の継続、更なる生産性改善の要求、設備老朽化への対応、環境規制の拡大、新技術の活用に対する期待等を背景とした生産設備の自動化投資は引き続き拡大が見込まれています。そのような状況下において、脱炭素社会へ向けた産業構造の転換を見据え、新市場向けの拡張製品開発や異常予兆検知・AI設備診断等、シン・オートメーション領域の開拓を進めていきます。2025年10月には国際標準規格IEC60534※5に準拠した新しい調節弁「6000シリーズ」を販売開始しました。継続してグローバル市場における競争力の強化に努めてまいります。▲調整弁「6000シリーズ」 以上のような国内外の事業軸の取組みに加えて、技術探索及び新技術の獲得、事業基盤の強化と事業領域の拡大を目指し、バイオエコノミー実現に向けたバイオ生産次世代化プロジェクト「メトリクスMATSURI」に参画しました。計測と制御を基盤とした「進化」と「共創」を通じてバイオエコノミーを推進し、バイオものづくりにおける生産性向上に貢献してまいります。 ※5 国際標準規格IEC60534:国際電気標準会議(IEC)が公開した国際標準。IEC60534とは、工業プロセス用調節弁の設計、性能、試験、騒音、寸法等に関する一連の標準を定めている。 ③ 生産・開発 海外事業の拡大に向けてグローバル生産体制を構築するとともに、商品力強化に向けた開発投資の拡充を進めてまいりました。国内においては、生産機能の中核拠点である湘南工場と、藤沢テクノセンターにおける技術開発機能との連携を強化するとともに、湘南工場のグループ内マザー工場としての機能整備を進めています。また、2026年4月には、開発力強化領域であるMEMS・センシングデバイス技術、アクチュエータ関連技術、AI技術、クラウド技術を活かし、顧客ニーズに基づいた商品開発力を一層強化するための開発組織体制の再構築を実施しました。 海外では、グローバルな事業拡大にあわせた生産体制の整備を進めています。2025年3月に登記が完了したベトナムの生産子会社アズビルベトナムプロダクション有限会社は、生産能力の増強と競争力向上のためのコスト削減や持続的な製品供給を実現するための適切な生産体制の構築のみならず、近年懸念される地政学的リスクに対応するための強化策と位置付けています。なお国内BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)対策としては、2025年4月に京都事業所内に新たに物流の拠点となる「京都配送センター」を設立するなど、自然災害や不測の事態、感染症の拡大等、生産・物流に関わるリスクを考慮し、国内外の生産体制を構築しています。 また、2025年10月には、計測・制御・システムの分野における研究をはじめ、産官学との連携、情報発信の役割を担う中核的な学会である計測自動制御学会より、「技術賞」及び「新製品開発賞」を受賞しました。今後も、お客様の「安心、快適、達成感」を実現する製品や新技術の開発により社会課題解決に貢献してまいります。 ▲新製品開発賞「サファイア隔膜真空計 形V8」④ 経営管理と人的資本 経営管理面では、事業環境の不確実性が高まるなか、リスクマネジメントの高度化を継続的な課題として位置付け、リスク管理と対応力の向上に取り組んでいます。今後起こりうるリスク事象の影響を最小化すべく、毎年、外部環境の変化を加味して網羅的にリスクを抽出し、シナリオごとの検証を実施しています。そのうえで、リスク発生時の影響金額や発生頻度の定量的な評価基準に基づき、現場部門と経営層の双方から検証した重要リスクに対し、具体的な対策に取り組むことで、不確実性への対応力を強化しております。日々巧妙化するサイバー攻撃に対しても、総合的なサイバー攻撃への対処能力向上や最新のサイバーセキュリティ動向の更なる知見を得るため、2025年5月にはNATO(北大西洋条約機構:North Atlantic Treaty Organization)サイバー防衛協力センターが主催するサイバー防衛演習「ロックド・シールズ2025」に参加しました。当社製品・サービスのサイバーセキュリティ強化に活かし、お客様の重要インフラ防衛への取組みに貢献してまいります。 また、2026年度より国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を行うことでグローバル経営の更なる推進及び資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を図るとともに、会計レベルの向上及び内部統制の強化も進めています。 azbilグループでは、人材を持続的成長のための「資本」として捉えており、事業環境の変化に対応できる人材の確保・育成と、長期的な視点での人的資本強化を重要な経営課題として位置付けています。2026年4月には、人事・人材育成の一体運営を目指し、今後の技術発展や社会情勢の新たな展開等に合わせた事業構造の変化に対応するため、長期目標、中期経営計画の達成に向けて必要となる多様な人材の採用、育成を一気通貫で行う組織体制を整備しました。リファラル採用やアルムナイ採用等の様々な手段を活用し、新卒採用・キャリア採用ともに入社時期を問わず、国内外での優秀な人材の確保を図っております。加えて、社員が長期にわたって活躍できるよう人事制度を整えるとともに、事業戦略にあわせて育成を行い、適材適所の配置を進めてまいります。 なお、当社グループとして、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からも積極的な活動・取組みを進めております。 E(環境)では、地球環境保全への取組みを経営の最重要課題の一つと捉え、持続可能な社会の実現に向けて、気候変動対策、資源循環対策、生物多様性保全対策等、幅広い環境課題への対応と当社グループの事業活動の融合を進めております。気候変動対策においては、2050年温室効果ガス排出量ネットゼロの実現を中長期目標として掲げ、その達成に向けた具体的な取組みを推進しています。当該目標に基づき、2025年6月には中国の生産子会社、2026年2月には京都の生産拠点において再生可能エネルギー設備を導入するなど、再生可能エネルギーの活用を着実に進めています。これらの取組みが評価され、2026年2月には環境省が主催する第7回ESGファイナンス・アワード・ジャパンにおいて、「環境サステナブル企業」に4年連続で選定されました。 S(社会)では、2022年よりサプライチェーンにおける人権尊重の取組みを開始し、2024年には、当社の事業がステークホルダー全体に与える人権に対する負の影響に関する人権デュー・ディリジェンスを開始しました。さらに、サプライチェーンの上流にあたる二次お取引先様にまで遡ってリスクの判定及び是正について継続的にフォローを行っています。企業活動のグローバル化・多様化により、拡大かつ複雑化している人権リスクに対して、その防止・低減を図ることで、企業の社会的責任を果たしてまいります。また、「azbilグループ健幸宣言※6」を制定し、総労働時間の削減やハラスメント防止といった職場環境改善等の「働き方改革」、一人ひとりの個性を尊重し、その特徴を活かすことができるよう「ダイバーシティ推進」に関わる各種施策を展開しています。 G(ガバナンス)では、監督機能と執行機能の明確な分離、さらに意思決定の迅速さと透明性を高める目的で「指名委員会等設置会社」へ移行して4年が経過しました。2025年度には、取締役会議長に独立社外取締役が就任し、また役員報酬においては、業績連動比率の更なる拡充(賞与・株式報酬の構成割合の拡大)及びKPIの見直しに加え、重大な非違行為等が発生した場合に返還請求ができるよう、クローバックの対象範囲を拡大しました。また、取締役会の実効性を高めるためにアズビル独自の「取締役執行役連絡会」を設置するなどの工夫により、経営戦略や事業ポートフォリオに関する議論、法定委員会活動等につき従来以上に活発な議論を行っています。 2026年度においても、更なる企業価値の向上を目指し、事業課題を通じたESGの観点からの各活動を推進し、持続可能な社会の実現に「直列」に繋がる取組みを継続してまいります。 ※6 azbilグループ健幸宣言(健康で幸せを目指すため「康」の字を「幸」に替えています):健康で幸せ、活き活きとした「働きの場と人」を創る。azbilグループは、社員一人ひとりの健康が企業活動の重要な基盤であるととらえ 、会社で働くすべての人々が安心・安全で、快適に、活き活きと、自分らしく健やかに働き、それぞれが持つ多様な能力を発揮し、公私ともに充実した人生を送ることが、生産性や業績の向上、イノベーション、社会への貢献につながると考えています。健幸な「働きの場と人」を創るために、会社とそこで働く社員が協働し、快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、azbilグループが判断したものであります。(1)経営方針 azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」のグループ理念のもと、事業拡大を通じて、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献により、継続的な企業価値の向上を図り、社会と社員のWell-beingを実現し、あらゆるステークホルダーと信頼関係を構築してまいりたいと考えております。 2026年5月、当社グループの社会に対する提供価値や存在意義を示すものとして、私たちがステークホルダーに共有すべきパーパスを「人と社会の可能性を、技術で解き放つ。」と定めました。人と社会が潜在的に有する多くの可能性を、オートメーションを含む幅広い技術で解き放つことで、“効率から創造へ。不可能を可能へ。”と、お客様の現場での新しい価値創造に繋げていくことを本パーパスで表しています。また、人と社会の可能性を解き放つという表現は、「人を中心としたオートメーション」という当社のグループ理念に加え、「人間の苦役からの解放」を目指してきた創業者の想いも込められています。あわせて、本パーパスの追求を通じて、当社グループが実現したい具体的な理想像及び目標として、10年後の将来、我々がなりたい将来像を目指す姿として定めました。azbil Group Wayグループの未来に向けて想いを一つにする共通の価値観ブランドステートメント さらにこのパーパス及び目指す姿の実現に向けた当社グループの決意を端的に表現するものとして、ブランドステートメントに「Engineering the Impossible」を掲げました。当社グループは、技術による革新と新たな可能性の解放、そして、目指す姿に掲げる“不可能を可能へ。”の実現に向け、力強く未来志向の経営を推進してまいります。 (2)目標とする経営指標等 当社グループは、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安全・安心や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標と設定したうえで段階的に中期経営計画を立案し、この目標達成に向けた取組みを行っております。株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、2030年度をゴールとする長期目標※1において、売上高4,200億円、営業利益650億円、営業利益率15.5%、ROE15%を目標としております。この長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする3ヵ年の現中期経営計画(2025~2027年度)※1では、最終年度の売上高3,400億円、営業利益510億円、営業利益率15.0%、ROE14%を達成することを目標としております。 また、ダブルマテリアリティ(環境・社会が企業に与える財務的な影響と、企業活動が環境・社会に与える影響という2つの側面から重要性を評価する考え方)を取り入れ、長期にわたり取り組む重点課題として5分野10項目のマテリアリティを特定しています。これらのマテリアリティに基づき、事業や企業活動に関する7つの項目については、SDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)の領域において目標を「azbilグループSDGs目標」として具体的に定めるとともに、企業が社会に存立するうえで果たさなければならない基本的責務である3つの項目については、CSR活動において具体的な目標を定めております。なお、現在、経営環境の変化やパーパスを制定したことを踏まえて、取締役会での議論も経てマテリアリティの見直しの検討を進めています。このようなSDGs及びCSR活動における各目標の達成に向けて様々な取組みを行うことにより、当社グループの「サステナビリティ経営」の推進を通じ、持続的な成長を目指してまいります。 ※1 2025年5月13日、長期目標(2030年度)を見直し、中期経営計画(2025~2027年度)を公表いたしました。これらの目標値は、策定時点における日本基準に基づき算定しております。なお、2027年度の計画値については、現時点で変更はいたしませんが、中期経営計画の進捗状況に加えて、現状の不透明な情勢が見通せるようになった段階で見直しを検討いたします。 (3)経営戦略等 2025年度から始まった現中期経営計画は、2030年度の長期目標を見据えた第二期間であるとともに、2026年に迎える創業120周年を超えて、“持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献”に向けた進化、共創を実現する計画と位置付けております。 その初年度である2025年度は、生成AIをはじめとする技術革新やインフレ、地政学的リスクの高まりなどにより、事業環境の変化が激しい一年となりました。このような環境下、当社グループは、こうした変化に着実に対応するとともに、価格転嫁を含む収益力強化、業務効率化を推進することで、事業基盤の強化を図ってきました。この結果、営業利益は過去最高益を更新しました。 2026年に入り、中東情勢(米国・イラン間の緊張を含む)の緊迫化を背景に、資源価格、物流、調達面等において、一部で事業環境への影響が顕在化しています。こうした地政学的リスクは不確実性が高く、エネルギー価格の動向等を通じて業績に影響を与える可能性がありますが、当社グループでは、状況を注視しながら適切な情勢対応とリスク管理を行い、事業運営への影響を最小限に抑えるべく対応していきます。 azbilグループは今後とも、技術革新及び社会環境の変化に伴う新たな社会課題解決を事業機会と捉え、人的資本強化、商品力強化、DX推進等の投資を着実に実行していきます。当社グループの特長である、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場・プラント、商業ビル、ライフライン等)との強い関係に基づく「基盤事業」と、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪のサイクルを回す、azbilグループらしい事業モデルを推進しています。 また、基盤事業を中心に、お客様の現場のライフサイクル全体(新設から改修、メンテナンスまで)を支えるビジネスを「ストック事業」として展開しています。ストック事業は、すでに納入した製品を起点としたビジネスであり、グループ全体での収益性の持続的な向上に貢献しております。今後も、「成長事業」・「基盤事業」のサイクルによる成長に加え、「ストック事業」を一層強化することで、不透明な環境下においても売上、利益面での持続的な成長を実現してまいります。 (4)対処すべき課題① 国内事業 ビルディングオートメーション(BA)事業は、都市再開発計画に基づく需要が高い水準で継続し、省エネ・CO2排出量削減対策を含めた改修案件の需要も堅調に推移することが今後も見込まれます。こうした好調な事業環境を踏まえ、今後も人員を含めたリソースの適切な配置、負荷平準化及びDX推進による効率化等を継続するとともに、AIやクラウド等の技術活用を志向するお客様のニーズや、需要が拡大するデータセンター市場への対応を重要な課題と捉え、ソリューション力の強化に取り組んでいきます。そのために、2025年12月には株式会社DATAFLUCTと資本業務提携契約を締結し、AI技術を活用した、より高付加価値な建物運用向けサービスの実現を目指しております。 また、省エネ・CO2排出量削減対策の具体的な取組み事例としては、当社と株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービスが、地方独立行政法人広島市立病院機構による「広島市立広島市民病院設備改修PFI事業(ESCO事業※2)」の公募にて、最優秀事業者に選定された事例が挙げられます。病院施設を対象とする官民連携の大規模ESCO事業であり、持続可能な地域医療体制の実現に向けて2026年10月より15年間の省エネルギー保証サービスを開始する予定です。地元企業との協力や雇用の創出等、地域密着型の事業展開で、広島市民病院の医療サービスの維持及び地球環境の負荷低減を目指しています。 ▲広島市立広島市民病院設備改修PFI事業(ESCO事業) スキーム アドバンスオートメーション(AA)事業では、景気の循環による変動影響はあるものの、脱炭素化、サーキュラーエコノミー、生産高度化、安全・安定操業、人手不足対応等の要望に対して、計測・制御分野を中心に貢献できる領域は大きく、更なる事業領域の拡大と事業成長が期待できると考えています。成長戦略として、新たな計測・制御技術需要に対して、MEMS※3センサや自動調節弁関連技術、プラント自律化等の当社グループ独自の技術を活用したソリューションを「シン・オートメーション」と定義し、その創造による事業拡大を進めてまいります。あわせて、原価低減、販売価格適正化等の各種収益力強化施策をCP事業、IAP事業、SS事業の3つの事業単位でのオペレーションを通じて着実に実行してまいります。 シン・オートメーション領域におけるプラント自律化の商品として、AIを活用した最適生産計画立案システム「VIRTUAL PLANNER™ PP」の販売を開始しました。VIRTUAL PLANNER PPは、強化学習によりAIが最適な生産計画を短時間で立案し、生産中の状況変化に応じて自動で計画を見直し、再立案を行うシステムで、生産の高度化とともに多様な働き方を推進、生産計画担当者の負担を軽減しWell-beingの向上にも寄与します。 ▲AI最適生産計画立案システム VIRTUAL PLANNER PPの機能 ライフオートメーション(LA)事業では、ライフライン分野において、主体であるガス・水道メーターの安定した需要を基に、超音波メーターのような新製品の投入や価格転嫁等を通じて収益性の改善に努めています。さらに、ガス・水道メーターのスマート化と、これに通信とクラウドシステムを融合したSmart Metering as a Service (SMaaSTM※4) 事業を推進しています。また、住宅用全館空調システム分野では、既設建物や小規模建物まで、対象建物の拡大により収益性を向上し、長期的にはサービスエンジニアリング力にIoT技術をプラスして現場対応力を強化し、お客様の健康で快適な暮らしに省エネを加えた快適住空間プロバイダーへ事業の拡大を目指します。 新しい水道スマートメーターの商品としては、Kamstrup社(本社:デンマーク)と「次世代超音波式水道スマートメーター」の日本市場における協業を開始しました。同メーターの国内展開、及びスマートメーターで収集したノイズデータを利活用した漏水検知クラウドサービスにより、水道インフラの効率的な維持管理に対する社会的ニーズに応える事業開発を進めてまいります。 ※2 ESCO(Energy Service Company)事業:工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスの提供を通じて、そこで得られる効果をサービス提供者が保証する事業。資金を顧客が負担し、ESCO事業者が省エネ保証を行う「ギャランティード・セイビングス契約」と、ESCO事業者が資金提供を行い、顧客が省エネ効果を含めたサービス料を支払う「シェアード・セイビングス契約」という2つの契約形態がある。※3 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems):センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基板の上に微細加工技術によって集積した機器。※4 SMaaS(Smart Metering as a Service):従来のメーターの計測機能に加え、データを活用し新たな付加価値をサービスとして提供する事業モデル。 ② 海外事業 当社が策定した現中期経営計画において、飛躍的な成長を目指す海外事業については、これまでに構築・蓄積したお客様との信頼関係を基盤に、積極的な事業拡大を図ってまいります。あわせて、地域特性を踏まえた事業推進及び管理体制の強化を進めることで、海外事業の成長を一層加速してまいります。 BA事業では、アジア地域での都市化の進展が継続し、建物市場を中心にオフィスのグレードアップが進むことが見込まれています。国内事業モデルでの強みである省エネルギーのアプリケーション技術、エンジニアリング、サービス力を活用した製品・サービスの提供を推進していきます。特に、成長が期待されるデータセンター市場においては、2025年9月、マレーシアのジョホール州に子会社を設立し、同地区で建設が活況であるデータセンターや、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)における新築建物を重点対象として、当社システムの導入案件獲得を加速するとともに、稼働後の保守・メンテナンス契約をセットで提案することで、ライフサイクルを通じた受注拡大を図ります。 また、AA事業では、中長期的な視点で循環的な景気変動はあるものの、グローバルでの経済成長の継続、更なる生産性改善の要求、設備老朽化への対応、環境規制の拡大、新技術の活用に対する期待等を背景とした生産設備の自動化投資は引き続き拡大が見込まれています。そのような状況下において、脱炭素社会へ向けた産業構造の転換を見据え、新市場向けの拡張製品開発や異常予兆検知・AI設備診断等、シン・オートメーション領域の開拓を進めていきます。2025年10月には国際標準規格IEC60534※5に準拠した新しい調節弁「6000シリーズ」を販売開始しました。継続してグローバル市場における競争力の強化に努めてまいります。▲調整弁「6000シリーズ」 以上のような国内外の事業軸の取組みに加えて、技術探索及び新技術の獲得、事業基盤の強化と事業領域の拡大を目指し、バイオエコノミー実現に向けたバイオ生産次世代化プロジェクト「メトリクスMATSURI」に参画しました。計測と制御を基盤とした「進化」と「共創」を通じてバイオエコノミーを推進し、バイオものづくりにおける生産性向上に貢献してまいります。 ※5 国際標準規格IEC60534:国際電気標準会議(IEC)が公開した国際標準。IEC60534とは、工業プロセス用調節弁の設計、性能、試験、騒音、寸法等に関する一連の標準を定めている。 ③ 生産・開発 海外事業の拡大に向けてグローバル生産体制を構築するとともに、商品力強化に向けた開発投資の拡充を進めてまいりました。国内においては、生産機能の中核拠点である湘南工場と、藤沢テクノセンターにおける技術開発機能との連携を強化するとともに、湘南工場のグループ内マザー工場としての機能整備を進めています。また、2026年4月には、開発力強化領域であるMEMS・センシングデバイス技術、アクチュエータ関連技術、AI技術、クラウド技術を活かし、顧客ニーズに基づいた商品開発力を一層強化するための開発組織体制の再構築を実施しました。 海外では、グローバルな事業拡大にあわせた生産体制の整備を進めています。2025年3月に登記が完了したベトナムの生産子会社アズビルベトナムプロダクション有限会社は、生産能力の増強と競争力向上のためのコスト削減や持続的な製品供給を実現するための適切な生産体制の構築のみならず、近年懸念される地政学的リスクに対応するための強化策と位置付けています。なお国内BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)対策としては、2025年4月に京都事業所内に新たに物流の拠点となる「京都配送センター」を設立するなど、自然災害や不測の事態、感染症の拡大等、生産・物流に関わるリスクを考慮し、国内外の生産体制を構築しています。 また、2025年10月には、計測・制御・システムの分野における研究をはじめ、産官学との連携、情報発信の役割を担う中核的な学会である計測自動制御学会より、「技術賞」及び「新製品開発賞」を受賞しました。今後も、お客様の「安心、快適、達成感」を実現する製品や新技術の開発により社会課題解決に貢献してまいります。 ▲新製品開発賞「サファイア隔膜真空計 形V8」④ 経営管理と人的資本 経営管理面では、事業環境の不確実性が高まるなか、リスクマネジメントの高度化を継続的な課題として位置付け、リスク管理と対応力の向上に取り組んでいます。今後起こりうるリスク事象の影響を最小化すべく、毎年、外部環境の変化を加味して網羅的にリスクを抽出し、シナリオごとの検証を実施しています。そのうえで、リスク発生時の影響金額や発生頻度の定量的な評価基準に基づき、現場部門と経営層の双方から検証した重要リスクに対し、具体的な対策に取り組むことで、不確実性への対応力を強化しております。日々巧妙化するサイバー攻撃に対しても、総合的なサイバー攻撃への対処能力向上や最新のサイバーセキュリティ動向の更なる知見を得るため、2025年5月にはNATO(北大西洋条約機構:North Atlantic Treaty Organization)サイバー防衛協力センターが主催するサイバー防衛演習「ロックド・シールズ2025」に参加しました。当社製品・サービスのサイバーセキュリティ強化に活かし、お客様の重要インフラ防衛への取組みに貢献してまいります。 また、2026年度より国際財務報告基準(IFRS)の任意適用を行うことでグローバル経営の更なる推進及び資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を図るとともに、会計レベルの向上及び内部統制の強化も進めています。 azbilグループでは、人材を持続的成長のための「資本」として捉えており、事業環境の変化に対応できる人材の確保・育成と、長期的な視点での人的資本強化を重要な経営課題として位置付けています。2026年4月には、人事・人材育成の一体運営を目指し、今後の技術発展や社会情勢の新たな展開等に合わせた事業構造の変化に対応するため、長期目標、中期経営計画の達成に向けて必要となる多様な人材の採用、育成を一気通貫で行う組織体制を整備しました。リファラル採用やアルムナイ採用等の様々な手段を活用し、新卒採用・キャリア採用ともに入社時期を問わず、国内外での優秀な人材の確保を図っております。加えて、社員が長期にわたって活躍できるよう人事制度を整えるとともに、事業戦略にあわせて育成を行い、適材適所の配置を進めてまいります。 なお、当社グループとして、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からも積極的な活動・取組みを進めております。 E(環境)では、地球環境保全への取組みを経営の最重要課題の一つと捉え、持続可能な社会の実現に向けて、気候変動対策、資源循環対策、生物多様性保全対策等、幅広い環境課題への対応と当社グループの事業活動の融合を進めております。気候変動対策においては、2050年温室効果ガス排出量ネットゼロの実現を中長期目標として掲げ、その達成に向けた具体的な取組みを推進しています。当該目標に基づき、2025年6月には中国の生産子会社、2026年2月には京都の生産拠点において再生可能エネルギー設備を導入するなど、再生可能エネルギーの活用を着実に進めています。これらの取組みが評価され、2026年2月には環境省が主催する第7回ESGファイナンス・アワード・ジャパンにおいて、「環境サステナブル企業」に4年連続で選定されました。 S(社会)では、2022年よりサプライチェーンにおける人権尊重の取組みを開始し、2024年には、当社の事業がステークホルダー全体に与える人権に対する負の影響に関する人権デュー・ディリジェンスを開始しました。さらに、サプライチェーンの上流にあたる二次お取引先様にまで遡ってリスクの判定及び是正について継続的にフォローを行っています。企業活動のグローバル化・多様化により、拡大かつ複雑化している人権リスクに対して、その防止・低減を図ることで、企業の社会的責任を果たしてまいります。また、「azbilグループ健幸宣言※6」を制定し、総労働時間の削減やハラスメント防止といった職場環境改善等の「働き方改革」、一人ひとりの個性を尊重し、その特徴を活かすことができるよう「ダイバーシティ推進」に関わる各種施策を展開しています。 G(ガバナンス)では、監督機能と執行機能の明確な分離、さらに意思決定の迅速さと透明性を高める目的で「指名委員会等設置会社」へ移行して4年が経過しました。2025年度には、取締役会議長に独立社外取締役が就任し、また役員報酬においては、業績連動比率の更なる拡充(賞与・株式報酬の構成割合の拡大)及びKPIの見直しに加え、重大な非違行為等が発生した場合に返還請求ができるよう、クローバックの対象範囲を拡大しました。また、取締役会の実効性を高めるためにアズビル独自の「取締役執行役連絡会」を設置するなどの工夫により、経営戦略や事業ポートフォリオに関する議論、法定委員会活動等につき従来以上に活発な議論を行っています。 2026年度においても、更なる企業価値の向上を目指し、事業課題を通じたESGの観点からの各活動を推進し、持続可能な社会の実現に「直列」に繋がる取組みを継続してまいります。 ※6 azbilグループ健幸宣言(健康で幸せを目指すため「康」の字を「幸」に替えています):健康で幸せ、活き活きとした「働きの場と人」を創る。azbilグループは、社員一人ひとりの健康が企業活動の重要な基盤であるととらえ 、会社で働くすべての人々が安心・安全で、快適に、活き活きと、自分らしく健やかに働き、それぞれが持つ多様な能力を発揮し、公私ともに充実した人生を送ることが、生産性や業績の向上、イノベーション、社会への貢献につながると考えています。健幸な「働きの場と人」を創るために、会社とそこで働く社員が協働し、快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度におけるazbilグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における業績につきましては、受注高が3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)と、前連結会計年度比0.8%の減少となりました。 売上高につきましては、2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)と、前連結会計年度比0.5%の減少となりました。 損益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益は、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。(単位:百万円) 2025年3月期前連結会計年度2026年3月期当連結会計年度増減増減率受注高304,723302,366△2,356△0.8%売上高300,378298,930△1,447△0.5%営業利益(利益率)41,486(13.8%)47,304(15.8%)5,818(2.0pp)14.0% 経常利益42,17048,7606,59015.6%親会社株主に帰属する当期純利益(利益率)40,955(13.6%)38,565(12.9%)△2,390(△0.7pp)△5.8% 当連結会計年度末の財政状態につきましては、以下のとおりです。資産の状況 当連結会計年度末の資産の状況は、前連結会計年度末に比べて171億6千7百万円増加し、資産合計で3,322億4千万円となりました。これは主に、現金及び預金が67億6千1百万円、保有株式の時価の上昇等により投資有価証券が63億2百万円それぞれ増加したことによるものであります。負債の状況 当連結会計年度末の負債の状況は、前連結会計年度末に比べて16億8千5百万円増加し、負債合計で762億4千万円となりました。これは主に、社員株式給付制度において、譲渡制限付き制度へ改定後の初回の給付が在職中の社員へ実施されたことなどにより、流動負債の株式給付引当金が24億3百万円減少した一方で、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームにより借り入れたことなどにより長期借入金が44億5千3百万円増加したことによるものであります。純資産の状況 当連結会計年度末の純資産の状況は、前連結会計年度末に比べて154億8千2百万円増加し、純資産合計で2,559億9千9百万円となりました。これは主に株主資本が取締役会決議に基づく自己株式の取得により149億9千9百万円、配当金の支払いにより136億2千3百万円それぞれ減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により385億6千5百万円増加し、また、その他有価証券評価差額金が37億4千万円増加したことによるものであります。 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の75.3%から76.1%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は380億3千2百万円となり、前連結会計年度に比べて59億2千1百万円の減少となりました。これは主に、法人税等の支払額が増加したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における投資活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、設備投資等の支出により、64億7千2百万円となりました。前連結会計年度においては、設備投資等の支出があった一方で、関係会社出資金の売却等の収入があり、20億3千2百万円の資金の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度における財務活動に使用された資金(支出と収入の純額)は、前連結会計年度と同水準の300億6千6百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に一部の海外子会社で短期借入金の返済による支出がありましたが、当連結会計年度において、配当による支出が増加したことなどによるものであります。 以上の結果、資金の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より52億9千3百万円増加し、979億3千1百万円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ビルディングオートメーション事業46,659102.0アドバンスオートメーション事業31,13293.7ライフオートメーション事業23,11172.4報告セグメント計100,90491.0その他--合計100,90491.0 (注)上記金額は、azbilグループにおける製品の製造に係る費用及び工事の施工に係る原価を集計したものであり、商品の仕入及び役務収益に対応する費用は含まれておりません。 b.受注実績 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)ビルディングオートメーション事業163,750106.698,792109.3アドバンスオートメーション事業106,242100.244,68191.8ライフオートメーション事業33,93672.45,277115.4報告セグメント計303,92999.2148,752103.6その他965-117-消去△2,527-△433-連結302,36699.2148,435103.5 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ビルディングオートメーション事業156,351105.1%アドバンスオートメーション事業110,726103.6%ライフオートメーション事業33,33671.5%報告セグメント計300,41499.4%その他934-消去△2,418-連結298,93099.5% (注)総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点によるazbilグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 azbilグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項においては合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、特に次の項目が連結財務諸表作成における重要な会計上の見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 (請負工事に関する収益認識) 請負工事契約については、履行義務の充足に係る工事の進捗度を合理的に見積もり、履行義務を充足する一定の期間にわたり収益を認識しております。工事の進捗度の見積りは主に、当連結会計年度末までに実施した工事に関して発生したコストが見積総原価に占める割合に基づく方法(インプット法)によっております。 なお、収益総額、見積総原価及び決算日における進捗度について、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって当初の見積りが変更された場合、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。 (受注損失引当金) 受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注残案件のうち売上時に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金に計上しております。 なお、将来発生する可能性のある損失をカバーするだけの十分な引当金残高を有しているかどうかを判断するために、様々な仮定や要素を考慮しておりますが、新技術・新領域の案件等において、見積り時には予見不能な事象の発生やプロジェクト案件の進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 azbilグループを取り巻く事業環境認識は次のとおりです。 国内大型建物向け空調制御機器・システムにつきましては、都市再開発計画に基づく需要が高い水準で継続し、省エネ・CO2排出量削減対策を含めた改修案件の需要も堅調に推移しています。生産設備向けの各種機器・システムにつきましては、工場・プラントの脱炭素化やDX推進に向けた需要が継続しましたが、ファクトリーオートメーション(FA)市場は、地域・市場により需要動向に差異が見られました。 この結果、当連結会計年度における業績につきましては次のとおりとなりました。 受注高は、各種の施策展開に加えて堅調な市況を背景に国内外で大型案件の計上もあったことからビルディングオートメーション(BA)事業が増加しましたが、ライフオートメーション(LA)事業が、前連結会計年度にライフサイエンスエンジニアリング分野を担うアズビルテルスター有限会社(以下、「アズビルテルスター」という。)の出資持分を譲渡※1したことの影響を主因に大きく減少し、全体としては前連結会計年度比0.8%減少の3,023億6千6百万円(前連結会計年度は3,047億2千3百万円)となりました。 売上高は、BA事業が既設建物向け・サービス分野を中心に増加し、アドバンスオートメーション(AA)事業も主に国内外プロセスオートメーション(PA)市場で増加しましたが、LA事業が前述の理由から大きく減少したため、全体として前連結会計年度比0.5%減少の2,989億3千万円(前連結会計年度は3,003億7千8百万円)となりました。 損益面につきましては、営業利益は、中期経営計画に基づく研究開発費の計上、DX関連費用、人件費やその他費用の増加がありましたが、価格転嫁も含めた収益力強化施策により大きく改善し、前連結会計年度比14.0%増加の473億4百万円(前連結会計年度は414億8千6百万円)となりました。経常利益も、主に営業利益の増加により大きく改善し、前連結会計年度比15.6%増加の487億6千万円(前連結会計年度は421億7千万円)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度にアズビルテルスターの出資持分譲渡による売却益(約76億円)を特別利益として計上していたことを主因に、前連結会計年度比5.8%減少の385億6千5百万円(前連結会計年度は409億5千5百万円)となりました。 ※1 アズビルテルスターの出資持分全てを、2024年10月31日(中央ヨーロッパ時間)付で譲渡しました。この譲渡に伴いアズビルテルスター及びその子会社を2025年3月期第3四半期末にて当社の連結の範囲から除外しております。 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては次のとおりです。 ビルディングオートメーション(BA)事業 BA事業を取り巻く環境は、国内市場においては、都市再開発のオフィスビル向け新設需要が堅調で引き続き高い水準が見込まれます。また建物改修に関する需要も堅調に推移しております。省エネ・CO2排出量削減の需要に加えて、安全や新しい働き方にも対応するオフィス環境の創造への関心も高い状況です。また、海外市場での投資も堅調です。 こうした堅調な事業環境のもと、人員を含めたリソースの適切な配置を進め、施工・サービスの現場を主体に業務遂行能力を強化するとともに、年間を通しての負荷平準化、DX推進による効率化等を進め、獲得した受注案件に着実に対応することで売上を拡大してまいりました。また、AIやクラウド等の技術活用を志向する国内外のお客様のニーズに対応するための製品・サービスの開発や、需要が拡大するデータセンター向けに他社との提携を含めソリューション力の強化を進めてまいりました。 この結果、BA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。 受注高は、堅調な市況に加えて、新設・既設建物向け分野・海外事業それぞれで大型案件の計上があったことから、前連結会計年度比6.6%増加の1,637億5千万円(前連結会計年度は1,536億4千万円)となりました。売上高は、大型案件の計上等により前連結会計年度の水準が高かった新設建物向け分野が減少しましたが、負荷平準化の取組みの進展もあり既設・サービス分野が着実に増加し、海外事業も伸長したことから、前連結会計年度比5.1%増加の1,563億5千1百万円(前連結会計年度は1,487億7千万円)となりました。セグメント利益は、人件費、DX関連費用や外注費が増加しましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化の効果により大きく改善し、前連結会計年度比18.6%増加の289億1百万円(前連結会計年度は243億6千3百万円)となりました。 中長期的には、引き続き大型の再開発案件が計画されており、建物の改修計画も多数見込まれています。AI等の新技術を活かしたクラウドアプリケーションの開発等、独自のソリューション力を強化するとともに、他社との事業提携も含めて、カーボンニュートラル実現に向けた省エネ・再生可能エネルギー利活用ニーズに応えるESP(Energy Service Provider)事業や、投資が拡大するデータセンター市場の更なる拡張に取り組んでまいります。さらに、海外市場においては、現地ビルオーナーやグローバルアカウント顧客開拓等による事業成長を実現してまいります。これら事業拡大施策と並行して、BIM(Building Information Modeling)等のDX推進及び省施工・工事レス製品の開発・投入により、更なる効率性向上、収益体質の強化を目指してまいります。(単位:百万円) 2025年3月期前連結会計年度2026年3月期当連結会計年度増減増減率受注高153,640163,75010,1106.6%売上高148,770156,3517,5815.1%セグメント利益(利益率)24,363(16.4%)28,901(18.5%)4,537(2.1pp)18.6% アドバンスオートメーション(AA)事業 AA事業を取り巻く国内外の市場の動向につきましては、PA市場は、国内の保守・改造需要を中心に堅調に推移しました。FA市場では、足元で需要の回復が見られますが、地域・市場で差異があり、全体としての回復は緩やかなものに留まりました。米国相互関税政策自体の当社グループ業績への直接的影響は限定的なものに留まっていますが、中東における地政学的リスクや米中貿易摩擦がサプライチェーンや製造業の設備投資へ与える影響には、今後の動向に留意が必要です。 このような事業環境のもと、国内事業で培った競争力あるソリューションをグローバルに展開するとともに、新たな計測・制御技術需要に対して、MEMS※2センサや自動調節弁関連技術、プラント自律化等の当社グループ独自の技術を活用したシン・オートメーションの創造による事業拡大を進めてまいりました。あわせて、製品・サービスの原価改善、価格転嫁等、更なる収益力強化に継続して取り組みました。 この結果、AA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。 受注高は、前連結会計年度末において先行的な大型発注がなされたことの影響から海外PA市場が減少しましたが、国内PA市場が大型案件の計上を含めて堅調に推移・増加し、FA市場も下期から増加したことから、全体としては前連結会計年度同水準の1,062億4千2百万円(前連結会計年度は1,059億8千6百万円)となりました。売上高は、国内外でPA市場が増加し、FA市場も受注同様下期から増加に転じたことから、全体としては前連結会計年度比3.6%増加の1,107億2千6百万円(前連結会計年度は1,068億3千6百万円)となりました。セグメント利益は、人件費をはじめとした各種経費の上昇や海外市場への投資、DX投資の増加がありましたが、増収に伴う増益及び価格転嫁を含む収益力強化施策の効果や商品ミックス等の要因により大きく改善し、前連結会計年度比11.3%増加の178億円(前連結会計年度は159億9千7百万円)となりました。 下期以降FA市場の回復が進みつつあり、海外事業の成長、シン・オートメーションの創造・拡大の2つの成長施策も着実に進展しています。中長期的には、景気の循環による変動影響はありますが、脱炭素化、生産高度化、安全・安定操業、人手不足対応や設備老朽化対応等の社会的ニーズに対して、計測・制御分野を中心に貢献できる領域は広がっており、更なる事業成長が期待されます。引き続き3つの事業単位※3(CP事業、IAP事業、SS事業)を軸に、原価低減、販売価格適正化等の各種収益力強化施策に取り組むとともに、海外事業をはじめとした成長領域への展開を推し進め、AIやクラウド、MEMS等の先進的な技術を取り入れた製品・サービスの開発、市場投入を加速し、当社グループならではのシン・オートメーションを創造することで、高い競争力を持った事業成長を目指してまいります。(単位:百万円) 2025年3月期前連結会計年度2026年3月期当連結会計年度増減増減率受注高105,986106,2422550.2%売上高106,836110,7263,8893.6%セグメント利益(利益率)15,997(15.0%)17,800(16.1%)1,802(1.1pp)11.3% ※2 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサ、アクチュエータ、電子回路を一つの基板の上に微細加工技術によって集積した機器 ※3 3つの事業単位(管理会計上のサブセグメント)CP事業 :コントロールプロダクト事業(コントローラやセンサ等のファクトリーオートメーション向けプロダクト事業)IAP事業:インダストリアルオートメーションプロダクト事業(差圧・圧力発信器やコントロールバルブ等のプロセスオートメーション向けプロダクト事業)SS事業 :ソリューション&サービス事業(制御システム、エンジニアリングサービス、メンテナンスサービス、省エネソリューションサービス等を提供する事業) ライフオートメーション(LA)事業 LA事業は、ガス・水道等のライフライン、住宅用全館空調システムの生活関連の2つの分野で事業を展開しており、事業環境はそれぞれ異なります。 ライフライン分野は、売上高の一部を占めるLPガスメーター市場には循環的な需要変動がありますが、法定の検定有効期間満了によるメーターの交換需要を主体として都市ガスメーター、水道メーターを中心に一定の需要が継続的に見込まれます。住宅用全館空調システム分野では、建設費の高騰が戸建て住宅の着工の動きに影響を与えています。 こうした事業環境のもと、安定した交換需要を基盤として、スマートメーターからのデータを活用したサービスの展開等に取り組むとともに、価格転嫁を含む収益力強化に継続して取り組んでまいりました。 なお、前述のとおり事業ポートフォリオ再構築の観点から、ライフサイエンスエンジニアリング分野を担っていたアズビルテルスターの出資持分を2024年10月31日に譲渡いたしました。同社及びその子会社の損益は2024年度第3四半期累計期間までを連結対象としていたことから、当連結会計年度業績には出資持分譲渡による減少影響が含まれております。 この結果、LA事業の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。 受注高は、アズビルテルスター譲渡による影響(155億円の減少)により、前連結会計年度比27.6%減少の339億3千6百万円(前連結会計年度は468億4千5百万円)となりました。売上高も同様に、同社を譲渡したことによる影響(146億円の減少)により、前連結会計年度比28.5%減少の333億3千6百万円(前連結会計年度は466億3千4百万円)となりました。セグメント利益については、価格転嫁を含む収益力強化施策のほか、経費の削減等を行いましたが、同社譲渡による影響に加えて、部材価格高騰や人件費の上昇の影響等により前連結会計年度比46.2%減少の6億3千万円(前連結会計年度は11億7千1百万円)となりました。 LA事業では、新規戦略投資や他社協業※4の推進を含めた事業拡大に取り組むとともに、引き続き価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果、並びにDXの推進による業務プロセスの見直しなどを進め、事業環境変化に対応した成長を目指します。ライフライン分野では、計量法に基づく安定した更新需要を基盤事業として、ガス・水道メーターのスマート化と、これに通信とクラウドシステムを融合したSmart Metering as a Service (SMaaS※5)事業を推進して、成長を目指します。住宅用全館空調システム分野では新設建物から既設建物まで、省エネや空気質の向上も含めて、幅広く生活空間の快適性を提供する製品とサービスエンジニアリング力の組合せにより、事業を推進してまいります。(単位:百万円) 2025年3月期前連結会計年度2026年3月期当連結会計年度増減増減率受注高46,84533,936△12,909△27.6%売上高46,63433,336△13,297△28.5%セグメント利益(利益率)1,171(2.5%)630(1.9%)△540(△0.6pp)△46.2% ※4 他社協業ライフライン分野のアズビル金門株式会社は、2025年7月にスマート水道メータリングの分野において漏水検知クラウドサービス等で実績を持つKamstrup社(本社:デンマーク)と協業することで合意しました。※5 Smart Metering as a Service(SMaaS)従来のメーター計測機能に加え、データを活用し新たな付加価値をサービスとして提供する事業モデル。 2026年度の見通し azbilグループは、2030年度をゴールとする長期目標を設定し、中期経営計画を段階的に策定して目標達成に向けた取組みを進めております。「持続可能な社会」の実現に向けて、現在、様々な社会課題やお客様の課題が生まれており、こうした課題への解決策を提供できるオートメーションの役割が拡大、需要が増加しています。3ヵ年の現中期経営計画初年度である2025年度は、インフレの急激な進行など事業環境の変化が激しい1年ではありましたが、こうした需要の増加を捉えるとともに、事業収益性を高めることで、当初計画を上回る業績を上げることができました。こうした成果を踏まえ、事業環境の不透明さは増してはいますが、次期においても各事業において見込まれる需要を着実に取り込むことを前提に、以下の見通しを策定しております。 2027年3月期(2026年度)の当社グループを取り巻く事業環境は空調制御機器・システムに関する需要は引き続き堅調が見込まれており、工場・プラント等の生産設備に関する需要につきましても、半導体製造装置等のFA市場の需要回復が見込まれています。法定によるメーターの交換需要等、安全・安心のためのメンテナンスや機器交換需要も継続して各事業で見込まれます。一方で、グローバルでの地政学的リスク、とりわけ中東情勢の緊迫化を背景とした資源価格や物流、調達面への影響、インフレの継続による人件費を含む各種コストの上昇等、不確実性の高い状況が続くことが見込まれます。当社グループとしては適切な情勢判断・リスク管理のうえで、動向に注視しつつ、過去のコロナ禍やサプライチェーンの混乱に対応した知見も活かし、迅速、適切な対応に努めてまいります。 以上の事業環境認識及び各事業における需要見通しを前提として、2027年3月期(2026年度)の連結業績予想につきましては、売上収益3,150億円、事業利益482億円、税引前利益500億円、親会社の所有者に帰属する当期利益353億円を見込んでおります。なお、中東情勢を主とする地政学的リスクの業績への影響は不透明であることから、2027年3月期(2026年度)の業績予想には、現時点で確認できる影響を織り込んでおります。今後の情勢の変化、事業への影響を注視してまいります。 事業別の見通しは以下のとおりです。 BA事業では、国内外ともに堅調な市場環境が継続しており、豊富な受注残を背景に、既設・サービス分野及び海外事業を中心に増収を見込みます。外注費や人件費等の増加はあるものの、増収効果に加え、受注時採算性の改善や価格転嫁を進めることにより、事業利益も増益を見込みます。 AA事業では、中東情勢のマクロ経済や設備投資への影響が懸念されますが、国内の人手不足への対応やメンテナンス需要を含めたPA市場における投資継続に加えて、半導体製造装置市場等のFA市場での回復を見込み、増収を見込みます。一方、部材価格の高騰や人件費の増加に加えて、前年度に高収益案件を計上していたことの影響等から、事業利益は前年度同水準を見込みます。 LA事業では、ガス・水道メーター等のライフライン分野において、法定による交換需要を着実に取り込むとともに、SMaaS(Smart Metering as a Service)関連市場の開拓を進めることなどにより増収を見込みます。銅等の部材価格高騰や人件費の増加はあるものの、価格転嫁や収益性を重視した営業施策、スマートメーターへの更改等の収益改善施策の効果により、事業利益は増益を見込みます。 インフレの進行や中東情勢をはじめとする地政学的リスクの高まりなど、不透明かつ厳しい事業環境が継続すると思われますが、人的資本強化、商品力強化、DX推進等の投資を着実に実施し、当社グループの特長である、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場・プラント、商業ビル、ライフライン等)との強い関係に基づく「基盤事業」と、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」の両輪のサイクルを回す、azbilグループらしい事業モデルを推進してまいります。 業績予想は、現時点で入手可能な情報と合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は今後様々な要因により異なる可能性があります。 なお、当社グループは2027年3月期第1四半期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するため、以下の連結業績予想はIFRSに基づいて作成しております。 (単位:億円) 2026年3月期実績日本基準※62026年3月期実績IFRS(試算)※72027年3月期見通しIFRS増減増減率ビルディングオートメーション事業売上収益1,5631,5631,660966.2%事業利益(利益率)289(18.5%)283(18.1%)300(18.1%)16(△0.1pp)5.9% アドバンスオートメーション事業売上収益1,1071,1071,150423.9%事業利益(利益率)178(16.1%)173(15.7%)172(15.0%)△1(△0.8pp)△1.1% ライフオートメーション事業売上収益333333353195.9%事業利益(利益率)6(1.9%)5(1.5%)10(2.8%)4(1.3pp)99.9% その他売上収益991007.0%事業利益(利益率)0(1.3%)0(1.3%)0(0.0%)△0(△1.3pp)- 連結売上収益2,9892,9893,1501605.4%事業利益(利益率)473(15.8%)462(15.5%)482(15.3%)19(△0.2pp)4.3% 営業利益-466497306.5%税引前利益507479500204.3%親会社の所有者に帰属する当期利益(利益率)385(12.9%)364(12.2%)353(11.2%)△11(△1.0pp)△3.1% ※6 日本基準における「売上高」を「売上収益」、「セグメント利益」及び「営業利益」を「事業利益」、「税金等調整前当期純利益」を「税引前利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「親会社の所有者に帰属する当期利益」として表示しております。※7 監査未了の暫定値を掲載しているため、数値は今後変更となる可能性があります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 azbilグループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり健全な財務基盤を維持し、必要な運転資金等への十分な流動性も確保しております。加えて、パンデミック、大規模な自然災害の発生等、不測の事態でも事業を継続し、供給責任を果たすことのできる強固な財務基盤を引き続き維持しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上のため、当社グループは格付投資情報センターより発行体格付「シングルA+(安定的)」を取得して社債発行枠200億円を設定するとともに、コマーシャル・ペーパーについて格付「a-1」を取得して発行枠200億円を設定しております。さらには、複数の金融機関との間で合計100億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性を確保しております。あわせて、国内子会社については親会社を通じたキャッシュ・マネジメントにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図るとともに、海外の一部地域においても域内でのグループファイナンスを実施しております。 当社グループの資金需要としましては、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払いなどを見込んでおり、主に営業活動によるキャッシュ・フローや内部資金のほか、一部借入による資金調達も行っております。借入による資金調達に関しましては、当連結会計年度末現在で短期借入金の残高は48億1千6百万円、長期借入金の残高は50億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べて借入金の合計残高は44億7百万円増加しております。なお、長期借入金については、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴い当社株式を取得するための必要資金を信託スキームに基づき借り入れたものであります。 他方、営業活動によるキャッシュ・フローや内部留保を含めた資本を活用し、持続的な成長の実現や事業基盤の整備・強化に向けて、国内外生産拠点の再編・拡充をはじめとする設備投資や技術革新に対応した研究開発、サービスの高付加価値化や事業の効率化に必要なDX等への投資を実現しております。当連結会計年度の設備投資の総額は79億6千2百万円、研究開発費の総額は127億1千3百万円となりました。今後につきましても、成長に向けた商品・サービスの拡充、先進的なグローバル生産・開発の構造改革等、事業基盤の強化・拡充に注力するとともに、M&Aといった将来の成長投資を進めてまいります。 株主還元につきましては、経営の重要課題の一つと位置付けており、連結業績、純資産配当率(DOE)・自己資本当期純利益率(ROE)等の水準に加え、上記の成長投資及び健全な財務基盤の確保のための内部留保等を総合的に勘案し、配当水準の向上に努めつつ安定した配当を維持していきたいと考えております。詳細は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本当期純利益率)の向上を基本的な目標としており、2030年度をゴールとする長期目標※において、売上高4,200億円、営業利益650億円、営業利益率15.5%、ROE15%を目標としております。 この長期目標達成に向け、2027年度を最終年度とする3ヵ年の現中期経営計画(2025~2027年度)※では、最終年度の売上高3,400億円、営業利益510億円、営業利益率15.0%、ROE14%を達成することを目標としております。 ※2025年5月13日、長期目標(2030年度)を見直し、中期経営計画(2025~2027年度)を公表いたしました。これらの目標値は、策定時点における日本基準に基づき算定しております。なお、2027年度の計画値については、現時点で変更はいたしませんが、中期経営計画の進捗状況に加えて、現状の不透明な情勢が見通せるようになった段階で見直しを検討いたします。

事業リスク

  • 製品品質問題とブランド毀損
    製品の設計・製造品質に問題が生じたり、量産工程での不備により不適合品が発生したりすると、リコールや多額のコストが発生する可能性があります。アズビルの強みである「高い品質」への評価や信用が低下し、SNSでの風評拡散により影響が重大化・長期化するリスクがあります。対策として、開発プロセスや生産工程の標準化、審査制度、ISO9001監査、化学物質規制への対応、品質問題発生時の迅速な情報伝達と再発防止活動、製造物責任保険への加入などを実施しています。
  • 情報セキュリティ侵害
    事業上の重要情報や個人情報、顧客・取引先の機密情報を保有しており、メール誤送信や端末紛失、サイバー攻撃などにより情報漏洩のリスクがあります。また、サイバー攻撃によるシステム停止で業務継続が困難になる可能性もあります。個人情報保護法やGDPRなどの法令強化に対応するため、セキュリティ体制の整備と対策の継続的な強化が求められています。
  • 地政学的リスクと事業環境変化
    中東情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりは、資源価格、物流、調達面に影響を及ぼし、業績に影響を与える可能性があります。また、生成AIなどの技術革新やインフレといった事業環境の急速な変化も、事業運営に不確実性をもたらします。アズビルグループは、これらの状況を注視し、適切な情勢対応とリスク管理を通じて事業運営への影響を最小限に抑えるよう努めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|10,944 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載の「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、経営者がazbilグループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社グループでは、スリーラインディフェンスに基づくリスク管理を行っております。azbilグループ全般の活動において、責任を明確にした3つの防衛線を通じて、組織の内部統制・リスク対応機能の向上を図っております。特に第一の防衛線については、確実にリスクを低減するため、リスクごとに担当役員を明確にし、防衛線での自律的管理の強化を図っております。また、リスクマネジメント事務局がリスク管理活動全体の管理と支援を行うなかで、第二の防衛線では、主に各間接管理部門が組織全体で対応すべきリスクに対する対策の展開と管理、支援の責任を果たすことで、リスク管理に対する牽制・支援の役割を担っております。さらに、内部監査部門が第三の防衛線として第一線・第二線によるリスク管理体制の検証・保証を行います。 当社グループでは、ボトム(現場部門)の情報をトップ(経営層)が十分に把握し、意思決定を行うことが重要だと認識しており、ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチを一体としたリスクマネジメントを実施するための体制として、「azbilグループ総合リスク管理部会」、「azbilグループ総合リスク委員会」、「azbilグループCSR推進会議」を設置しております。 「azbilグループ総合リスク管理部会」は部門の責任者等をメンバーとして開催され、主にリスクの抽出と評価に関して現場側の意見集約を行います。なお、リスクの抽出と評価については経営層の意見も別途ヒアリングを行って集約し、経営層と現場部門の意見を統合するプロセスを構築しております。 「azbilグループ総合リスク委員会」はリスク管理担当役員を委員長、経営層をメンバーとして半期に一度開催され、一連のリスクマネジメント活動に対する経営層による状況確認と方針決定を行います。具体的には、「azbilグループ総合リスク管理部会」や経営層へのヒアリングから得られた情報に基づくリスクの対応優先度の決定(azbilグループが優先して対処すべき「azbilグループ重要リスク」とそれ以外の「部門管理リスク」の選定)、リスク対応計画の進捗確認を行います。なお、「azbilグループ総合リスク委員会」での審議結果は取締役会に報告しております。 「azbilグループCSR推進会議」は部門の責任者等をメンバーとして四半期に一度開催しており、リスクマネジメントの推進状況について確認・検討を行っております。リスク対応計画の進捗確認を「azbilグループ総合リスク委員会」よりも高頻度に行うことで、タイムリーな状況変化に対応できるようにしております。 (2)リスクマネジメントプロセスの運用当社グループでは、経営に重大な影響を与える可能性のあるリスクの網羅的な抽出と影響度及び発生可能性の評価を行っております。具体的には、経営層に対するヒアリングによる経営目線でのリスクの抽出・評価と、「azbilグループ総合リスク管理部会」での審議に基づく現場目線でのリスクの抽出・評価を行い、結果を統合リスク台帳(抽出されたリスクの内容と評価結果を一覧化した資料)とリスクマップ(リスクを影響度と発生可能性に基づき5×5のマトリックスに配置した資料)に取りまとめます。なお、リスクの評価にあたってはリスク発生時の影響金額やリスクの発生可能性に基づく定量的な評価基準を設定し、評価結果を客観的に比較・統合できるようにしております。上記のアウトプットを参照資料として「azbilグループ総合リスク委員会」にて経営層による審議を行い、「azbilグループ重要リスク」及びそれ以外の「部門管理リスク」を決定し、結果については取締役会に報告します。抽出された各リスクに対しては、期初に年間のリスク対応計画を策定し、期中と期末に行われる「azbilグループ総合リスク委員会」にて計画の進捗報告を行い、計画の遅延や推進上の課題を都度認識・改善することでPDCAサイクルを回しております。「azbilグループ重要リスク」についてはリスクごとに担当役員が直接状況報告を行いますが、「部門管理リスク」については、計画の進捗状況を集約した台帳ベースで確認を行います。また、四半期に一度開催される「azbilグループCSR推進会議」では、より高頻度にリスク対応計画の進捗確認を行っております。 影響度と発生可能性でリスクをプロットすることにより、管理すべき優先順位を視覚的に把握する (3)事業等のリスク 今回選定されたazbilグループ重要リスクに関する詳細は以下のとおりです。 ①品質に関するリスクリスク認識 製品の設計・製造品質の確保不足、あるいは量産工程における教育不徹底や意識不足等によるデータの不備や不適合品等が発生した場合、製品不適合によるリコールが必要となり、多額のコストが事業の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社の事業上の強みが「高い品質」にあることから、上記の事象が顧客からの評価や信用の低下を引き起こし、影響が重大化もしくは長期化する可能性も考えられます。昨今ではSNSの普及により品質トラブルを含む風評が広まりやすく、当該リスクの影響度及び発生可能性が以前よりも高まっていると認識しております。当社は法人向け事業の割合が高く、SNSによる影響は限定的と考えられるものの、経営としては引き続き適切な備えが必要だと考えております。対策 当社グループでは、製品の設計・製造品質を確保するための対策として、開発プロセスや安全設計に関する標準の運用や、生産現場の各工程で不適合品を「①入れない②つくらない③出さない」ための手順の標準策定・運用、安全な製品提供のための審査制度、適正な検査作業工程維持のための生産ラインの管理・改善、グループワイドでの業務プロセス点検やISO9001の内部監査を活用した取組みを行っております。また、法規制の変化に対応するため、製品に含有する化学物質規制や製品安全関連の法規制・規格等について、製品開発時や量産段階における確認プロセスを標準化し、厳格に運用しております。 製品品質に関わる重大な問題が発生した場合、市場品質情報として即座にグループ品質保証担当役員と事業責任者へ伝達され、関連部門での共有と必要な対策・情報開示が迅速に行われる仕組みを整備しております。また、発生した品質問題に対し、原因の解析、対策の実施、技術・評価基準への反映及び設計知識データベースへの登録をはじめとした技術継承にも繋げる活動を行い、再発防止に努めております。なお、問題発生に際しての備えとして、製造物責任や製品欠陥に起因する損害賠償に対する保険加入等の対策も強化しております。加えて、当社の品質に関するレピュテーションに影響を与える可能性が考えられるSNS上の事象を検出する仕組みも強化しております。 品質管理対応に関連する情報は、グループ品質保証担当役員を委員長とした品質保証委員会をはじめとする会議体にて定期的に共有・可視化するよう努めております。 ②情報セキュリティに関するリスクリスク認識 当社グループでは、事業上の重要情報及び事業活動の過程で入手した個人情報や顧客、取引先、提携先等の機密情報を保有しております。 近年、国内外において、個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)をはじめとする情報関連法令の整備・強化が進んでおり、これらの法令を遵守するための体制整備や情報セキュリティの強化が求められております。また、サイバー攻撃の手法が日々高度化、巧妙化している状況を踏まえ、サイバーセキュリティ対策を継続的に強化することも必要であると考えております。 これらに関連するリスクとして、① メールの誤送信、業務用端末の紛失盗難等により、個人情報・顧客情報・機密情報が外部に漏洩するリスク② サイバー攻撃により個人情報・顧客情報・機密情報が外部に漏洩するリスク③ 社内システムや顧客向けクラウドサービスがサイバー攻撃を受け停止し、業務継続ができなくなるリスク等が存在しております。 これらの事象が発生した場合は、法令に基づく罰金や損害賠償の支払いや社会的な信用の低下等により業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 当社グループでは2020年度に発生したコンピューターウイルス感染事案を重く受け止め、日々変化する脅威に対応するため、情報セキュリティ対策の強化及び運用体制の継続的な改善に一層努めてまいります。対策 当社グループでは、情報セキュリティ及び個人情報保護に関するリスクの低減を目的として、関連法令の遵守、社内規程の整備・運用並びに従業員への教育を継続的に実施しております。 具体的には、業務用端末の暗号化、誤送信防止策の導入、デバイス管理の強化及びアクセス管理等の技術的対策に加え、情報セキュリティ教育やインシデント発生時の対応体制(CSIRT※1)の整備・訓練等、組織的・人的対策を講じております。 また、サイバー攻撃への備えとして、ネットワーク及び端末に対する監視・防御体制の強化、生産設備と業務系ネットワークの分離、並びにバックアップの整備等による対応力の向上に努めております。 さらに、商品・サービスに関しては、セキュリティ専門組織によるリリース前のセキュリティ審査や、リリース後の脆弱性情報の収集・対応を行うことで、セキュリティ事故の未然防止に努めております。 これらの取組みを、azbilグループ情報セキュリティ基本方針のもと、継続的に遂行してまいります。 ※1 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):当社のセキュリティ事故対応チーム ③技術・商品開発に関するリスクリスク認識 近年急速に進展しているメタバース※2やWeb3.0※3、生成AI※4等といったDX関連の技術革新や、国際標準動向への対応が遅れた場合、商品の陳腐化と顧客離れが進み、市場拡大ができないリスク、市場からの撤退を迫られるリスク、及び事業領域が広がらず縮小均衡に陥ってしまい事業成長できないリスクが想定されます。また、研究開発投資について、現時点では適切なテーマ設定に基づく技術・商品開発プロジェクトへの人的、資金的リソースの投入を行っておりますが、開発テーマを継続的に確保するための対応が不十分な場合、中長期的には開発テーマ不足に至る可能性があり、リニューアル商品、新規商品が不足し、中長期目標の達成が不達になることが考えられます。加えて、製品・技術の研究開発を進めていても、研究開発プロセスの管理不備やリソース不足、開発力自体の低下が生じた場合には、新製品の投入遅延や開発自体の失敗によってマーケットシェアが減少し、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ※2メタバース:一つの仮想空間内において、様々な領域のサービスやコンテンツが生産者から消費者へ提供される場 ※3Web3.0(ウェブスリー):ブロックチェーンによる相互認証、データの唯一性・真正性、改ざんに対する堅牢性を基に、個人がデータを所有・管理し、中央集権不在で個人同士が自由に繋がり交流・取引する世界 ※4生成AI:自らの訓練に使用されたデータを基に、テキストや写真、動画、コード、データ、3D画像等の出力を生成又は作成する人工知能アルゴリズム対策 技術革新に対しては、関連技術動向、競合動向、国際標準動向を各開発組織やマーケティング組織で継続して注視しております。加えて、全社マーケティング・開発横断で実施される技術開発担当役員を議長とした商品力強化会議にて情報の捕捉や課題認識に努め、全社開発検討会では、より具体的なテーマ(重点商品開発テーマ、MEMS、アクチュエータ、AI、クラウド等の領域)について、取組み状況を確認しております。 技術・商品開発の具体的なテーマの抽出においては、ニーズ・シーズマッチング活動※5等により、マーケティング・開発一体でのテーマ創出活動を強化・推進しております。また、外部環境の変化を捉えるため、特に海外開発拠点であるアズビル北米R&D株式会社や東南アジア戦略企画推進室では、海外の技術開発パートナーとの連携によるエコシステム構築への対応も進めております。加えて、“現場で価値を創る”ことを目指した商品提案力強化のため、azbilグループシステム・プロダクト事業ポートフォリオ検討タスクを構成して対応を進めております。具体的な施策としては、保有する技術の競争優位性を高めるためにコア技術としてのセンシング技術領域、アクチュエータ技術領域、クラウド技術領域において、Corporate R&D(全社研究開発部門)及び事業ラインのR&D組織改定を実施し、顧客ニーズに基づいた商品力強化に繋げる体制構築を図っております。 研究開発プロセスの管理不備による開発遅延に対しては、開発プロセス標準の改良(リスク要因の抽出プロセスの設定、リスク検証における管理技術の導入による後戻り防止や遅延リスクの事前検討、伝承すべき技術要素のドキュメント化等)を実施しております。また、技術開発担当役員を委員長とした技術委員会を定期的に開催し、更なる全社での開発の連携強化や人材リソース配置の調整によるリソース確保を実施しております。 中長期的な開発力向上については、開発プロジェクト推進の根幹となる開発人材(マネジメント及びスペシャリスト等)の育成が必要だと認識しております。当社グループでは、技術委員会傘下の開発系人材専門部会によるタレントマネジメントシステムの導入・運用等を進めており、開発人材の育成や最適配置に関する企画立案と施策展開を強化しております。また、イノベーションを起こす風土づくりを推進するため、国内外における外部連携(大学やスタートアップ企業等)の拡大や全社研究開発の中核拠点である藤沢テクノセンターの新実験棟に協創エリアの設置等、協創活動をより一層強化しております。 ※5ニーズ・シーズマッチング活動:ニーズ(お客様が求めている必要性)とシーズ(メーカの持っている特別な技術や材料)のマッチングを推進する活動 ④国際情勢変化への対応に関するリスクリスク認識 グローバル事業の拡大に伴い、進出先における政治経済情勢の変化、現地の法律や規制等の改正、自然災害、テロ、ストライキ、戦争、感染症の蔓延の発生や世界各国における紛争や政治的対立による地政学的リスクの増大等、不測の事態に遭遇する危険性が増しております。そのような中、予期せぬ戦争状態の発生や主要国における経済措置等を原因とした対立の激化、それに対する各国の制裁措置等が発動された場合、当社のグループ企業の従業員の安全性が損なわれる可能性があることに加え、事業、与信管理も含めた業績及び財政状態に一定の影響が出る可能性があります。 また、国際情勢の変化に伴い、国内外の輸出管理関連法令が当社グループの想定しない形で突発的に強化又は変更される可能性があります。これにより、新たに規制当局の許可等が必要となるなど、当社グループの事業活動に一定の影響を及ぼす可能性があります。 加えて、急激な為替レートの変動は、売上高、原材料・部品の価格、販管費等の経費に影響し、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。 さらに、米国による相互関税措置をはじめとする各国の通商政策の不透明性に加え、中東地域の情勢不安定化により、エネルギー価格や国際物流を含む世界経済の先行き不確実性が一層高まっています。これにより、原材料・エネルギーコストの変動、物流の停滞、調達期間の長期化等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に一定の影響を及ぼす可能性があります。対策 国際情勢変化に伴う従業員の安全や事業継続を脅かすリスクに対して、当社グループでは、進出先の各国・各地域の地政学的リスクの変化に十分な注意を払い、各国・各地域ごとに情報収集・リスク判断を行っております。また、当社グループにとって致命的な影響を及ぼすイベントについては重点的な検討を行い、人命安全マニュアルやBCP(Business Continuity Plan-事業継続計画)等の整備を進め、人命第一の対策を講じております。これら対策の実効性担保のため、専門家への相談、海外現地法人におけるマニュアル整備や本社との通信テストの実施のほか、関連部門で情報共有体制の構築をしております。加えて、既獲得案件については案件単位で状況を把握し、適切に対応しております。 輸出管理関連法令等については、国際情勢及び国内外の関連法規制の変化に十分な注意を払い、常に情報の収集に努めております。法規制の変更があった場合には、社内の運用体制の見直し等を通じて輸出取引審査を厳格化するなど、輸出管理の適正性を担保するための取組みを行っております。また、法規制変更やこれに伴う運用体制の見直しについては、当社グループ内の各種会議体において報告や議論を行い、周知徹底するとともに、継続的な改善に努めております。 為替変動に対しては、適切な財務上の為替ヘッジを行いつつ、海外生産の拡大等によるリスク軽減に取り組んでおります。 相互関税の発動を含む通商政策の急激な変化や、中東情勢の不安定化によるエネルギー供給及び物流への影響に対しては、当社グループでは各国の政策動向に関する情報収集体制を強化しております。また、特定国への依存を回避する観点から、調達先の分散や複数調達先の確保、柔軟なサプライチェーンの再構築を推進し、国際情勢変化に対する対応力の強化に努めております。 ⑤自然災害に関するリスクリスク認識 当社グループのBA事業、AA事業、LA事業の国内拠点(本社、支社等)や、マザー工場として生産機能の中核となる湘南工場及びグループ製造子会社、海外の生産拠点において、地震・津波、噴火といった自然災害や火災・爆発など不測の事態が発生した場合、当社のグループ企業の従業員の安全を脅かす可能性があります。これに加え、建屋や生産設備・機械、出荷前の製品等に損傷が生じ、復旧費用が必要となり、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。また、当社の生産ラインに限らず、社会インフラやサプライヤーにも被害が生じた場合、当社の工場生産や事業活動が阻害され、当社の製品・サービス提供、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。対策 当社グループでは地震等の自然災害の発生時に生じる損害を最小限に抑えるべく、人員や生産設備等に求められる対応準備を進めております。具体的には、工場等の重要施設や建物における耐震化、非常用電源や非常用通信網の整備、災害備蓄品の配備に加え、社員の安否確認システムの導入や各拠点における安全確保のため初動対応ガイドラインの作成、定期的な防災訓練や初期消火訓練といった対策を行っております。 また、これらの対策にもかかわらず当社の建屋等に損傷が生じてしまった場合への備えとして、予想される損害に対する保険加入及び、保険の対象や保険金の適正性の見直しを通して、復旧にかかる財務上の影響の平準化も図っております。 さらに、事業の中断、阻害に対処するためのBCM(Business Continuity Management-事業継続マネジメント)にも取り組んでおり、実効性を確保できるよう継続的に改善を進めております。災害による事業停止に対しては事業継続目標を設定のうえ実行可能性を検証し、そのために必要な資金及び製品や部品の在庫の確保、最優先業務を継続するための代替拠点の設定とその体制の整備をしております。具体的には、本社の代替拠点としての関西・九州事業所の設定、サービス・エンジニアリング機能の拠点間支援体制の整備、国内複数地域、中国、タイ、ならびにベトナムの工場における主要生産品目の生産拠点の分散化、また、物流拠点の京都と神奈川との2拠点体制の設定による相互でのバックアップ可能な体制構築等、重要な機能・業務停止時における代替性を高める対策を進めております。さらに、首都圏の活動制限等のロックダウン相当の事態を想定した生産対応計画を策定しております。 ⑥人材の確保・育成に関するリスクリスク認識 今後の技術発展や社会情勢の変化等に誘発される事業構造の変化、採用競争の激化、あるいは働き方をめぐる社会的議論を背景に、既存の人事施策にとらわれない柔軟かつ適切な人材配置の必要性が高まる可能性があります。 また、少子高齢化や多様性の進展、働き方改革をはじめとした新労働法制の施行等を背景に、労働者の意識や絶対数の変化に加え、事業に必要な人員の質と量にも変化が生じており、従来の人材戦略を継続することでは中長期的な人材不足が発生し、事業のパフォーマンスが慢性的に低下する可能性があります。 加えて、当社グループの成長においては海外事業及び新規事業の展開・拡大が不可欠であり、目的に合致した人材の確保やスキル教育等が順調に進捗しない場合には、事業成長目標の達成を阻害する要因となる可能性があります。対策 当社グループは、「社員は重要な財産であり、新たな企業文化と企業価値の創造の源泉である」という普遍の考え方をベースに、「健幸経営」の推進を掲げて各種人事施策を展開しております。 事業構造の変化に対しては、人材のローテーション、再配置、また新しい部署で必要となるスキル・知識のリスキリングの実施により、環境変化に柔軟に対応できる人材の育成・確保と、最適配置の実現に努めております。これらに加えて、DX教育を含む人材育成全般の強化も行っております。 社員の就労観の変化に対しては、オープンチャレンジ制度(社内公募による異動制度)やキャリア意向調査制度を整備・運用し、適材適所の人材配置を計画的に進めております。加えて、特に技術・技能レベルの高いベテランスペシャリストに関しては、技術・技能の継承に向けた個別の後継者育成計画の立案や、DXを活用した技術継承等の施策を行っています。 これらの施策の実効性向上のため社員エンゲージメントサーベイによる検証を行い、一年間に仕事を通じて成長を実感している社員の割合を2030年までに65%とする目標を立てております。現時点での割合は約60%となっており、サーベイの結果を分析し、継続的な施策改善を推進しております。 採用環境の変化に対しては、事業部門と人事・人材開発部門が一体となって策定した人員計画に基づく採用活動の強化に加えて、継続的な処遇の改善、定年延長(雇用延長)、及びライフイベントに応じた柔軟な働き方を支援する勤務制度の導入等を通じて、人材確保・定着を図っております。あわせて、生成AIの活用を含むデジタル技術による業務改革やアウトソースを活用した適正負荷配分等を通じて、生産性の向上を図っております。 海外事業や新規事業の展開に必要な人材の確保に対しては、当社グループでは採用手法の多様化を進めるとともに海外事業における採用を強化しております。採用手法としては、即戦力として期待できるキャリア採用の強化に加え、社員による紹介採用(リファラル採用)やアルムナイ採用を実施しております。また、海外事業の人材基盤強化を目的として、新卒採用において海外出身者を10名以上採用する目標を掲げ、海外大学の卒業生を積極的に採用しております。さらに、海外現地法人における採用促進に向けて、本社で培った採用方法やノウハウを各現地法人へ展開しているほか、国内外の大学から当社の海外拠点を含む各拠点へのインターンシップ学生の受入れ・派遣を通じて、採用チャネルの拡充に努めております。 ⑦生成AIに関するリスクリスク認識 生成AIの急速な技術進歩と普及はビジネス及び社会全体に多大な影響を及ぼしております。生成AIの利活用により、業務効率化や製品・サービスの新規開発・高付加価値化が期待される一方で、個人情報や営業秘密等の漏洩、知的財産権侵害、誤情報の生成・拡散、意図しないバイアスによる不適切な判断等のリスクが生じる可能性があります。 他方、当社が生成AIを活用した製品・サービスを提供する場合においても、上記と同様のリスクに加え、生成AIに関する法規制への不適合や違反に伴うリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、当社の社会的信用及びブランド価値の毀損、罰金の支払、損害賠償請求等が発生し、当社の事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 生成AIに関する法規制は世界各国において整備が進んでおり、今後の規制強化により当社の業務効率化や製品・サービスの新規開発・高付加価値化に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点では規制対象や適用範囲が流動的であり、その動向及び影響度を合理的に見積もることが難しい状況にあります。 さらに、生成AIを活用した新規参入事業者の登場により、当社の事業基盤及び競争力に影響を及ぼすリスクも考えられます。対策 当社グループでは、生成AIの利活用に伴うリスクを適切に管理するために、いくつかの具体的な対策を講じております。まず、生成AIの利用に関するガイドラインを策定し、その内容に基づいた利用統制を実施しております。さらに、技術動向、法規制の変化や製品・サービスへの組込みに対応するため、ガイドラインの見直しを継続的に行っております。 また、技術的な対策として、生成AI利用時における機密情報の漏洩防止措置を講じるとともに、万が一漏洩が発生した場合を想定した対応体制を整備しております。さらに、全社員に対する教育研修を実施し、生成AIの利用に伴うリスクへの意識を高め、著作権侵害リスクの回避、安全性と正確性の確保、倫理的配慮等の徹底を図っております。 これらの対策を通じて、法規制の動向を踏まえて必要に応じた対処を実施することで、生成AIの利用に伴うリスクの低減を図っています。また、生成AIを活用した製品・サービスを検討していく中では、新規参入事業者による事業影響を複数の情報源により可視化し、競争優位性を確保する対処を施すようにすることをし、当社グループの競争力維持・向上に努めております。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が アズビル の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →