有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、創業時より掲げる「企業目的」のもと、良い商品の供給やモノづくりを通じて、文化の進歩向上に貢献してきました。企業目的を達成するために定めたものが「経営基本方針」をはじめとする方針類であり、これらに基づき、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を目指した経営を実践しております。 企業目的われわれは、つねに品質を第一とする。いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献することを目的とする。 経営基本方針社内一体となって、品質保証活動の徹底化を図り、適正な利潤を確保する。世界をリードする商品をつくるために、あらゆる部門の固有技術を高め、もって企業の発展を期する。健全かつ安定な生活を確保し、豊かな人間性と知性をみがき、もって社会に貢献する。広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。 また、不変の企業目的を再認識するとともに、新たな社会基盤における当社の使命を明確にするために策定したのが「ステートメント」や「経営ビジョン」です。当社グループはこれからも、「エレクトロニクスの技術で社会が抱える様々な課題を解決し、未来に向けて、人々の豊かな暮らしと社会の発展を支え続ける会社」を目指してまいります。 (2)優先的に対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略上記の基本方針のもと、エレクトロニクス業界における国際競争の激化や技術革新の加速を背景に、大きな転換期を迎える事業環境において、当社グループが中長期的に国際競争力を高めていくためには、事業ポートフォリオの見直しや技術開発力の強化に加え、経営統合を含めた事業規模の確保等、さまざまな選択肢を検討することが重要であると認識しております。こうした状況を踏まえ、現在は、2025年11月に公表した第2期中期経営計画“MOVING FORWARD to 2028”に基づき、持続的な成長の実現及び強固な事業基盤の構築に向けた構造改革に取り組んでいます。 第2期中期経営計画 財務目標(2028年度)売上高営業利益ROE5,000億円以上20%以上9%以上 加えて、2026年3月27日付「東芝デバイス&ストレージ株式会社の半導体事業及び三菱電機株式会社のパワーデバイス事業との事業・経営統合に関する協議開始に向けた基本合意書の締結に関するお知らせ」で開示したとおり、両社との経営・事業統合に関する協議を進め、世界市場で競争し得る事業規模や技術基盤の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、創業時より掲げる「企業目的」のもと、良い商品の供給やモノづくりを通じて、文化の進歩向上に貢献してきました。企業目的を達成するために定めたものが「経営基本方針」をはじめとする方針類であり、これらに基づき、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を目指した経営を実践しております。 企業目的われわれは、つねに品質を第一とする。いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献することを目的とする。 経営基本方針社内一体となって、品質保証活動の徹底化を図り、適正な利潤を確保する。世界をリードする商品をつくるために、あらゆる部門の固有技術を高め、もって企業の発展を期する。健全かつ安定な生活を確保し、豊かな人間性と知性をみがき、もって社会に貢献する。広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。 また、不変の企業目的を再認識するとともに、新たな社会基盤における当社の使命を明確にするために策定したのが「ステートメント」や「経営ビジョン」です。当社グループはこれからも、「エレクトロニクスの技術で社会が抱える様々な課題を解決し、未来に向けて、人々の豊かな暮らしと社会の発展を支え続ける会社」を目指してまいります。 (2)優先的に対処すべき課題及び中長期的な会社の経営戦略上記の基本方針のもと、エレクトロニクス業界における国際競争の激化や技術革新の加速を背景に、大きな転換期を迎える事業環境において、当社グループが中長期的に国際競争力を高めていくためには、事業ポートフォリオの見直しや技術開発力の強化に加え、経営統合を含めた事業規模の確保等、さまざまな選択肢を検討することが重要であると認識しております。こうした状況を踏まえ、現在は、2025年11月に公表した第2期中期経営計画“MOVING FORWARD to 2028”に基づき、持続的な成長の実現及び強固な事業基盤の構築に向けた構造改革に取り組んでいます。 第2期中期経営計画 財務目標(2028年度)売上高営業利益ROE5,000億円以上20%以上9%以上 加えて、2026年3月27日付「東芝デバイス&ストレージ株式会社の半導体事業及び三菱電機株式会社のパワーデバイス事業との事業・経営統合に関する協議開始に向けた基本合意書の締結に関するお知らせ」で開示したとおり、両社との経営・事業統合に関する協議を進め、世界市場で競争し得る事業規模や技術基盤の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績の状況業績の全般的概況当連結会計年度における世界情勢は、日本経済及び海外経済ともに緩やかな成長を示したものの、米国の通商政策の動向や中東情勢の緊迫化などを背景に、地政学リスクに伴う不透明感が継続しました。エレクトロニクス業界におきましては、自動車市場では当初の見立てを下回ったものの、堅調に推移しました。産業機器市場ではサプライチェーンの在庫解消が進み、回復基調となりました。民生機器市場ではアミューズメント向けの需要が大幅に伸長しました。コンピュータ&ストレージ市場においては、サーバー向けを中心に堅調に推移しました。このような経営環境の中、当社グループは、2028年度を最終年度とする第2期中期経営計画“MOVING FORWARD to 2028”(以下、「中期経営計画」)を策定しました。市況変動に左右されない強固な事業基盤の構築と、将来の企業規模拡大に向けた収益性の改善に向けて、生産拠点再編、事業ポートフォリオ適正化、価格適正化などの構造改革や、SiC事業の収益化などの施策を推進しています。直近では、設備投資を必要最小限にすることで固定費の増加を抑制したほか、原材料費などのコスト上昇を踏まえた価格転嫁の交渉を進めました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、自動車市場及び民生機器市場における増収に加え、産業機器市場においても増収となったことにより、前期比7.3%増の4,811億4千8百万円となりました。営業利益は、売上高の増加に加え、前連結会計年度の構造改革による固定費削減の効果が寄与した結果、108億6千4百万円(前連結会計年度は営業損失400億6千1百万円)となりました。経常利益は、受取利息の減少及び為替差損の発生があったものの、前述の営業利益の増加に伴い、192億2千2百万円(前連結会計年度は経常損失296億9千8百万円)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、バッテリー式電気自動車(BEV)市場の成長見通しが従来想定を下回るものになったことを受け、SiC事業の固定資産を中心に多額の減損損失を計上した結果、1,584億2千4百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 業績のセグメント別概況<LSI>市場別では、自動車市場では、ADAS向け製品が調整局面となりましたが、ボディ向けやxEV向けを中心とした高付加価値商品が伸長した結果、全体では売上が増加しました。産業機器市場向けについては、回復傾向となりました。民生機器市場ではアミューズメント向け製品が堅調に推移し、コンピュータ&ストレージ市場ではサーバー向け製品を中心に回復傾向が見られました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,183億9千万円(前期比7.1%増)、セグメント利益は245億3千5百万円(前連結会計年度は7億6千7百万円のセグメント損失)となりました。 <半導体素子>事業セグメント別では、SiCパワーデバイスにつきましては、自動車市場のxEV向け製品の売上が堅調に推移しました。Siパワーデバイスにつきましては、自動車市場向け製品や産業機器市場向け製品が堅調に推移しました。汎用デバイスや発光ダイオードにつきましては、産業機器市場向け製品を中心に売上が改善しました。半導体レーザーにつきましては、コンピュータ&ストレージ市場向け製品の売上が伸長しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,052億6千3百万円(前期比9.7%増)、セグメント損失は227億4百万円(前連結会計年度は458億9千9百万円のセグメント損失)となりました。 <モジュール>事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、事務機向け製品の売上が増加しました。オプティカル・モジュールにつきましては、車載向けLEDモジュールの売上が減少しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は315億8千9百万円(前期比3.0%減)、セグメント利益は35億2千2百万円(前期比30.9%増)となりました。 <その他>事業セグメント別では、抵抗器につきましては、自動車市場及び産業機器市場向けを中心としたシャント抵抗や高電力の高信頼品は、売上が順調に推移しました。一方で、汎用抵抗器については、民生機器市場及び自動車市場向けを中心に売上が減少しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は259億3百万円(前期比3.5%増)、セグメント利益は41億4百万円(前期比62.6%増)となりました。 上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。 (2)生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)220,11010.4半導体素子(百万円)201,68111.6モジュール(百万円)32,1562.1 報告セグメント計(百万円)453,94810.3その他(百万円)25,9428.5合計(百万円)479,89010.2 (注)上記の金額は期中平均販売価格によっております。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)LSI236,68918.689,77225.6半導体素子242,94240.6114,63149.0モジュール31,3760.312,375△1.7 報告セグメント計511,00726.6216,77934.6その他26,5473.87,8558.9合計537,55525.2224,63433.5 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)218,3907.1半導体素子(百万円)205,2639.7モジュール(百万円)31,589△3.0 報告セグメント計(百万円)455,2447.5その他(百万円)25,9033.5合計(百万円)481,1487.3 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。 (3)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 棚卸資産当社グループでは、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留若しくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 ② 有形固定資産及び無形固定資産当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、有形固定資産及び無形固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 退職給付費用及び債務当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付を有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 繰延税金資産当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、通算グループ又は納税主体ごとに十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報と共に将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う通算グループ又は各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 (4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の売上高は、自動車市場及び民生機器市場における増収に加え、産業機器市場においても増収となったことにより、前期比7.3%増の4,811億4千8百万円となりました。営業利益は、売上高の増加に加え、前連結会計年度の構造改革による固定費削減の効果が寄与した結果、108億6千4百万円(前連結会計年度は営業損失400億6千1百万円)となりました。経常利益は、受取利息の減少及び為替差損の発生があったものの、前述の営業利益の増加に伴い、192億2千2百万円(前連結会計年度は経常損失296億9千8百万円)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、バッテリー式電気自動車(BEV)市場の成長見通しが従来想定を下回るものになったことを受け、SiC事業の固定資産を中心に多額の減損損失を計上した結果、1,584億2千4百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。また、当期のEBITDA(※)は前期比56.6%増の678億9千万円となりました。当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は現金及び預金などが増加した一方で、投資有価証券や有形固定資産などが減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1,572億6百万円減少し、1兆2,835億5千9百万円となりました。負債は支払手形及び買掛金などが増加した一方で、未払金などが減少したことにより、前連結会計年度末に比べ261億6千8百万円減少し、5,249億4千2百万円となりました。純資産は為替換算調整勘定などが増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上で利益剰余金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ1,310億3千8百万円減少し、7,586億1千6百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の61.7%から59.1%に低下しました。営業活動による資金は、税金等調整前当期純損失1,709億2百万円に対して、為替差損益などの減少要因もありましたが、減損損失などの増加要因により、894億4千8百万円の増加(前年同期は839億5千6百万円の増加)となりました。投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出などがある一方で、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入などにより、1,085億9千4百万円の増加(前年同期は1,156億7千8百万円の減少)となりました。財務活動による資金は、配当金の支払いによる支出などにより、208億8百万円の減少(前年同期は390億5千2百万円の増加)となりました。当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から1,937億4千7百万円増加(前年同期は68億6千2百万円の増加)し、4,287億1千4百万円となりました。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバル企業などの収益力を比較する際によく利用される指標。当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (参考)当社グループが重視している主な経営指標の推移回次第64期第65期第66期第67期第68期決算年月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月営業利益率(%)15.818.29.3△8.92.3EBITDA(百万円)113,507148,456115,39643,35767,890自己資本利益率(ROE)(%)8.39.25.7△5.4△19.2総資産利益率(ROA)(%)6.87.54.1△3.4△11.6総資産回転率(回)0.460.470.360.310.35固定資産回転率(回)1.161.160.690.510.68株価収益率(PER)(倍)14.113.417.5--株価純資産倍率(PBR)(倍)1.121.180.970.621.55棚卸資産回転月数(月)3.734.465.586.175.45※1.各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。・営業利益率:営業利益/売上高・EBITDA:営業利益+減価償却費・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産・総資産回転率:売上高/総資産・固定資産回転率:売上高/固定資産・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産・棚卸資産回転月数:棚卸資産/(第4四半期売上高/3)※2.第67期及び第68期の株価収益率(PER)につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。 (5)資本の財源及び資金の流動性当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常に目指しております。資金の流動性確保のため、当社及び一部の連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上をはかっております。主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。当連結会計年度の設備投資額は、前期比38.1%減の824億3百万円、研究開発費は前期比18.6%減の466億5百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。当社グループのキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。回次第64期第65期第66期第67期第68期決算年月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月減価償却費(百万円)42,02756,14072,06983,41857,026研究開発費(百万円)36,12642,56044,42357,24546,605設備投資額(百万円)79,985126,116186,755133,01782,403年間配当金総額(百万円)18,15619,62919,29819,29919,302配当性向(%)27.224.436.0--※第67期及び第68期の配当性向につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、創業時より掲げる「企業目的」のもと、良い商品の供給やモノづくりを通じて、文化の進歩向上に貢献してきました。企業目的を達成するために定めたものが「経営基本方針」をはじめとする方針類であり、これらに基づき、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を目指した経営を実践しております。 企業目的われわれは、つねに品質を第一とする。いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献することを目的とする。 経営基本方針社内一体となって、品質保証活動の徹底化を図り、適正な利潤を確保する。世界をリードする商品をつくるために、あらゆる部門の固有技術を高め、もって企業の発展を期する。健全かつ安定な生活を確保し、豊かな人間性と知性をみがき、もって社会に貢献する。広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。 また、不変の企業目的を再認識するとともに、新たな社会基盤における当社の使命を明確にするために策定したのが「ステートメント」や「経営ビジョン」です。当社グループはこれからも、「エレクトロニクスの技術で社会が抱える様々な課題を解決し、未来に向けて、人々の豊かな暮らしと社会の発展を支え続ける会社」を目指してまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略上記の基本方針のもと、当社グループは、2021年度から2025年度までの5年間の中期経営計画“MOVING FORWARD to 2025”を策定し、「“自動車”“海外”での成長実現とさらなる成長に向けた基盤作り」に取り組んでおります。当初は、半導体市場全体の好況にも支えられ順調に推移し、2年目には最終年度の財務目標を引き上げました。しかしながら、3年目となる2023年度以降は、市場環境が想定以上に悪化し、業績の低迷を招きました。まずは、いかなる市場環境でも利益を創出できる企業体質への立て直しを最重要課題と捉え、2024年度の第3四半期からいち早く収益性改善策に着手しました。2025年度から2027年度までの3年間を構造改革期間と位置づけ、引き続き、売上成長以外での収益性改善策に取り組んでおります。 現在、上記施策を含めて、より強固な経営基盤を構築するための新たな中期経営計画を策定中です。加えて、“資本コストや株価を意識した経営の実現”に取り組み、企業価値の向上をはかってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、創業時より掲げる「企業目的」のもと、良い商品の供給やモノづくりを通じて、文化の進歩向上に貢献してきました。企業目的を達成するために定めたものが「経営基本方針」をはじめとする方針類であり、これらに基づき、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を目指した経営を実践しております。 企業目的われわれは、つねに品質を第一とする。いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献することを目的とする。 経営基本方針社内一体となって、品質保証活動の徹底化を図り、適正な利潤を確保する。世界をリードする商品をつくるために、あらゆる部門の固有技術を高め、もって企業の発展を期する。健全かつ安定な生活を確保し、豊かな人間性と知性をみがき、もって社会に貢献する。広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。 また、不変の企業目的を再認識するとともに、新たな社会基盤における当社の使命を明確にするために策定したのが「ステートメント」や「経営ビジョン」です。当社グループはこれからも、「エレクトロニクスの技術で社会が抱える様々な課題を解決し、未来に向けて、人々の豊かな暮らしと社会の発展を支え続ける会社」を目指してまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略上記の基本方針のもと、当社グループは、2021年度から2025年度までの5年間の中期経営計画“MOVING FORWARD to 2025”を策定し、「“自動車”“海外”での成長実現とさらなる成長に向けた基盤作り」に取り組んでおります。当初は、半導体市場全体の好況にも支えられ順調に推移し、2年目には最終年度の財務目標を引き上げました。しかしながら、3年目となる2023年度以降は、市場環境が想定以上に悪化し、業績の低迷を招きました。まずは、いかなる市場環境でも利益を創出できる企業体質への立て直しを最重要課題と捉え、2024年度の第3四半期からいち早く収益性改善策に着手しました。2025年度から2027年度までの3年間を構造改革期間と位置づけ、引き続き、売上成長以外での収益性改善策に取り組んでおります。 現在、上記施策を含めて、より強固な経営基盤を構築するための新たな中期経営計画を策定中です。加えて、“資本コストや株価を意識した経営の実現”に取り組み、企業価値の向上をはかってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績の状況業績の全般的概況当連結会計年度における世界情勢は、中国における不動産市場の停滞や中東情勢の不安定化を背景としたリスクが継続したことに加え、通商政策など米国の政策動向による影響等が景気を下押しするリスクとなり、全体として弱含みの展開となりました。エレクトロニクス業界におきましては、自動車市場では電装化、電動化の向上、自動運転技術の進展に伴って自動車1台当たりの電子部品搭載点数が増加する方向に変化はないものの、足元の生産台数の伸び悩みを受け調整局面を迎えました。産業機器市場では前年からの在庫調整が長期化しており、回復の兆候は見られませんでした。民生機器市場では白物家電を中心に堅調に推移しました。通信機器市場ではスマートフォン向けを中心に、またコンピュータ&ストレージ市場ではパソコンや周辺機器向けを中心に持ち直しの動きが見られました。このような経営環境の中、当社グループでは、昨年11月に公表した構造改革を順次進めており、当連結会計年度においては、材料事業(Siウエハ事業)の撤退に加え、希望退職による人員削減を実施いたしました。また、SiCをはじめとするパワーデバイスにおいては、昨今のEV市場の停滞を受けて必要最小限に設備投資を抑制いたしました。生産面においては年間を通して生産調整を行うことで製品・仕掛品在庫の圧縮を強く推し進め、原材料在庫についても適正化に取り組みました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、産業機器市場の大幅な減収のほか、自動車市場においても売上が減少したことにより、前期比4.1%減の4,484億6千6百万円となりました。営業利益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制及びSiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加により400億6千1百万円の営業損失(前連結会計年度は433億2千7百万円の営業利益)となりました。経常利益は、受取利息や受取配当金の計上がありましたが、296億9千8百万円の経常損失(前連結会計年度は692億円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、多額の固定資産の減損損失や構造改革に伴う特別退職金の計上等により500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は539億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 業績のセグメント別概況<LSI>市場別では、民生機器市場向けでは、省エネ性能エアコン向けモータドライバが引き続き好調に推移しました。また、コンピュータ&ストレージ市場向けではサーバー市場を中心にSSD及びPC関連向けのモータドライバICや電源IC、その他FANモータドライバICなどの売上が回復傾向となりました。自動車市場向けにつきましても、ADAS向けなどの高付加価値商品が伸長しましたが、電動車(xEV)向けの製品は調整局面となり、全体としては減収となりました。産業機器市場及び通信機器市場向けにつきましては前連結会計年度に引き続き厳しい状況となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は2,038億3千3百万円(前期比1.6%減)、セグメント損失は7億6千7百万円(前連結会計年度は212億6千9百万円のセグメント利益)となりました。 <半導体素子>事業セグメント別では、パワーデバイスにつきましては、自動車市場向けの売上はSiCデバイスでの増加は見られるものの足元ではEVを中心に需要は低迷しており、成長は想定を下回りました。産業機器市場向けの売上はエネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受けて減少しました。汎用デバイスにつきましては、自動車市場向けの売上が全般的に低調だったことに加え、産業機器市場のFA向けの売上が大きく落ち込みました。また、発光ダイオードにつきましては、産業機器市場向けを中心に売上が低迷しましたが、半導体レーザーにつきましては、コンピュータ&ストレージ市場向けや産業機器市場向けで売上を伸ばしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,870億5千2百万円(前期比7.4%減)、セグメント損失は458億9千9百万円(前連結会計年度は129億6千4百万円のセグメント利益)となりました。 <モジュール>事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、事務機向けの売上が減少しましたが、決済端末向けの売上の増加がこれを補填しました。オプティカル・モジュールにつきましては、スマートフォン向けでセンサモジュールの売上が増加したものの、それ以外の売上が全般的に減少しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は325億5千7百万円(前期比1.1%減)、セグメント利益は26億9千1百万円(前期比34.2%増)となりました。 <その他>事業セグメント別では、抵抗器につきましては、産業機器市場向け・民生機器市場向けの高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が順調に推移しましたが、汎用品の抵抗器については自動車市場向けを中心に減少しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は250億2千3百万円(前期比2.6%減)、セグメント利益は25億2千4百万円(前期比17.1%増)となりました。 上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。 (2)生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)199,313△6.0半導体素子(百万円)180,756△7.7モジュール(百万円)31,499△3.7 報告セグメント計(百万円)411,569△6.6その他(百万円)23,908△1.6合計(百万円)435,478△6.3 (注)上記の金額は期中平均販売価格によっております。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)LSI199,58412.071,474△5.6半導体素子172,763△6.476,952△15.7モジュール31,2886.712,588△9.2 報告セグメント計403,6362.9161,015△11.0その他25,5776.57,2118.3合計429,2133.1168,227△10.3 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)203,833△1.6半導体素子(百万円)187,052△7.4モジュール(百万円)32,557△1.1 報告セグメント計(百万円)423,443△4.2その他(百万円)25,023△2.6合計(百万円)448,466△4.1 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。 (3)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 棚卸資産当社グループでは、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留若しくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 ② 有形固定資産及び無形固定資産当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 退職給付費用及び債務当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付を有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 繰延税金資産当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、通算グループ又は納税主体ごとに十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報と共に将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う通算グループ又は各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 (4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の売上高は、産業機器市場の大幅な減収のほか、自動車市場においても売上が減少したことにより、前期比4.1%減の4,484億6千6百万円となりました。営業利益は売上高の減少、生産調整に伴う稼働率の抑制及びSiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費の増加により400億6千1百万円の営業損失(前連結会計年度は433億2千7百万円の営業利益)となりました。経常利益は、受取利息や受取配当金の計上がありましたが、296億9千8百万円の経常損失(前連結会計年度は692億円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、多額の固定資産の減損損失や構造改革に伴う特別退職金の計上等により500億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は539億6千5百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。また当社グループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDA(※)は前期比62.4%減の433億5千7百万円となり、当連結会計年度のROEは前連結会計年度の5.7%から△5.4%に低下しました。当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ405億9百万円減少し、1兆4,407億6千5百万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が453億6千1百万円、有形固定資産が129億7千5百万円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が413億3千4百万円、投資有価証券が221億3千6百万円、棚卸資産が202億1千3百万円、受取手形及び売掛金が116億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ379億3千8百万円増加し、5,511億1千万円となりました。主な要因といたしましては、短期借入金が2,000億円、1年内償還予定の社債が401億3千6百万円、それぞれ減少した一方、社債が2,000億円、長期借入金が1,000億円、それぞれ増加したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ784億4千7百万円減少し、8,896億5千5百万円となりました。主な要因といたしましては、退職給付に係る調整累計額が12億4千8百万円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により株主資本が692億7千5百万円、その他有価証券評価差額金が112億4千9百万円、それぞれ減少したことによるものであります。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の65.3%から61.7%に低下しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(828億5千8百万円のプラス)に比べ10億9千8百万円収入が増加し、839億5千6百万円のプラスとなりました。主な収入の増加要因としては、棚卸資産が増加から減少に転じたこと、減損損失の増加、法人税等の支払額の減少、減価償却費の増加によるものであります。一方、主な収入の減少要因としては、税金等調整前当期純利益が税金等調整前当期純損失に転じたことによるものであります。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(4,319億5千2百万円のマイナス)に比べ3,162億7千3百万円支出が減少し、1,156億7千8百万円のマイナスとなりました。主な支出の減少要因としては、有価証券及び投資有価証券の取得による支出の減少によるものであります。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(2,650億6千3百万円のプラス)に比べ2,260億1千1百万円支出が増加し、390億5千2百万円のプラスとなりました。主な支出の増加要因としては、短期借入金の増加が減少に転じたこと、主な支出の減少要因としては、社債の発行による収入の増加、長期借入れによる収入の増加によるものであります。当連結会計年度における現金及び現金同等物は、上記の要因に換算差額による減少が4億6千8百万円加わり、前連結会計年度末に比べ68億6千2百万円増加し、当連結会計年度末には2,349億6千6百万円となりました。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバル企業などの収益力を比較する際によく利用される指標。当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (参考)当社グループが重視している主な経営指標の推移回次第63期第64期第65期第66期第67期決算年月2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月営業利益率(%)10.715.818.29.3△8.9EBITDA(百万円)78,656113,507148,456115,39643,357自己資本利益率(ROE)(%)5.08.39.25.7△5.4総資産利益率(ROA)(%)4.26.87.54.1△3.4総資産回転率(回)0.410.460.470.360.31固定資産回転率(回)1.031.161.160.690.51株価収益率(PER)(倍)28.714.113.417.5-株価純資産倍率(PBR)(倍)1.381.121.180.970.62棚卸資産回転月数(月)3.753.734.465.586.17※1.各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。・営業利益率:営業利益/売上高・EBITDA:営業利益+減価償却費・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産・総資産回転率:売上高/総資産・固定資産回転率:売上高/固定資産・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産・棚卸資産回転月数:棚卸資産/(第4四半期売上高/3)※2.第67期の株価収益率(PER)につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。 (5)資本の財源及び資金の流動性当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常に目指しております。資金の流動性確保のため、当社及び一部の連結子会社においてはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、資金効率の向上をはかっております。主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。当連結会計年度の設備投資額は、前期比28.8%減の1,330億1千7百万円、研究開発費は前期比28.9%増の572億4千5百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。当社グループのキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。回次第63期第64期第65期第66期第67期決算年月2021年3月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月減価償却費(百万円)40,16742,02756,14072,06983,418研究開発費(百万円)31,53736,12642,56044,42357,245設備投資額(百万円)44,11479,985126,116186,755133,017年間配当金総額(百万円)14,72018,15619,62919,29819,299配当性向(%)39.927.224.436.0-※第67期の配当性向につきましては、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な商品開発や質の高いモノづくりを進めることが、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置付け、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする商品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な商品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、ROEといった資本効率を示す指標を重視しております。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、摺り合わせ技術・垂直統合・商品の総合力・顧客志向を強みに中長期の成長を目指してまいります。また、地球環境問題の解決に向けた取り組みを推進してまいります。具体的な戦略は以下の通りです。 <1>市場戦略①自動車・産業機器関連市場電動化と省エネルギー化の流れの中で自動車関連市場、産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。成長を続ける自動車関連市場や産業機器関連市場におきましては、SiCをはじめ、IGBT、MOSFETなどのパワーデバイスや絶縁ゲートドライバIC、電源ICなどを電動車やサーバー向けに拡充し、売上を伸ばしてまいります。また、電動車向けのSiCパワーモジュールや基地局・データセンター向けに先進の技術を搭載したLSIなどの新商品を開発し、中長期での新しい需要を獲得してまいります。 ②民生機器関連市場省エネ家電やデータストレージ向けなど小型化や高効率化が要求される分野については、LSIやパワーデバイスなどで高付加価値化を追求しシェアを拡大する一方、汎用デバイスについては高シェアを維持し、継続して高収益を獲得してまいります。<2>営業・開発・モノづくり戦略①営業戦略新設したシステムソリューションエンジニアリング本部が商品単体に加え、顧客視点でのソリューション提案を行うと共に、技術サポート力の強化を図ります。また、営業本部を再編し国内営業本部と海外営業本部の2本部体制とすることで、全社戦略に沿った拡販体制を、全拠点で一体として取り組んでまいります。 ②開発戦略顧客志向を重視するため、先端技術とマーケット情報に精通したPME(※)を海外に配置し、商品企画力を強化することで、顧客の課題に配慮した強い商品を効率的に開発してまいります。 ※ PME(Product Marketing Engineer)高度な技術バックボーンを持ち、商品のマーケティング・企画を行うエンジニア ③モノづくり戦略中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに安定した商品供給ができる生産体制の強化を進めてまいります。具体的には、既存の同一品種・大量生産に適した生産ラインの生産性向上の推進に加えて多品種・少量生産に適した自動化されたフレキシブルラインの拡充を図り、BCPを強化してまいります。 <3>地球環境への貢献サステナブル社会の実現に向けて、ロームグループでは、環境問題の解決に向けた取り組みを推進しております。「気候変動」「資源循環」「自然共生」の3つのテーマを柱にした「ロームグループ環境ビジョン2050」では、カーボンゼロ(CO2排出量実質ゼロ)及びゼロエミッションを目指すとともに、生物多様性の保護に向けて自然サイクルと調和した事業活動をより一層推進することとしております。「脱炭素」社会の実現に向けて、ロームの主力製品である半導体の役割は、ますます大きくなっております。なかでも、全世界の電力消費量の大半を占めると言われる「モーター」や「電源」の効率改善に向けて、様々な省エネルギーデバイスの開発を進め、商品を通じた環境負荷削減への取り組みを進めてまいります。加えて、生産工程など事業活動全般における環境負荷軽減についても重視し、今年度より国内主要事業所(京都駅前ビル、新横浜駅前ビル)を再生可能エネルギー100%としたほか、SiCウェハ製造の主要な生産工程についても再生可能エネルギー100%を導入するなど、環境配慮型の事業体制構築にも取り組んでまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大や自動車の電動化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、技術競争はより激化してきており、グローバル市場に対応した新商品・新技術の開発を進めるとともに、コストダウンにも取り組み、国際的に競争力の高い商品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、自動車関連市場、産業機器関連市場に重点を置くとともに、白物家電や情報通信関連などの幅広い市場において、継続して業界のニーズを先取りする高付加価値商品の開発に努めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。新型コロナウイルス感染症に関する事項については、「2.事業等のリスク」に記載しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な商品開発や質の高いモノづくりを進めることが、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置付け、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする商品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な商品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、ROEといった資本効率を示す指標を重視しております。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、摺り合わせ技術・垂直統合・商品の総合力・顧客志向を強みに中長期の成長を目指してまいります。また、地球環境問題の解決に向けた取り組みを推進してまいります。具体的な戦略は以下の通りです。 <1>市場戦略①自動車・産業機器関連市場電動化と省エネルギー化の流れの中で自動車関連市場、産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。成長を続ける自動車関連市場や産業機器関連市場におきましては、SiCをはじめ、IGBT、MOSFETなどのパワーデバイスや絶縁ゲートドライバIC、電源ICなどを電動車やサーバー向けに拡充し、売上を伸ばしてまいります。また、電動車向けのSiCパワーモジュールや基地局・データセンター向けに先進の技術を搭載したLSIなどの新商品を開発し、中長期での新しい需要を獲得してまいります。 ②民生機器関連市場省エネ家電やデータストレージ向けなど小型化や高効率化が要求される分野については、LSIやパワーデバイスなどで高付加価値化を追求しシェアを拡大する一方、汎用デバイスについては高シェアを維持し、継続して高収益を獲得してまいります。<2>営業・開発・モノづくり戦略①営業戦略新設したシステムソリューションエンジニアリング本部が商品単体に加え、顧客視点でのソリューション提案を行うと共に、技術サポート力の強化を図ります。また、営業本部を再編し国内営業本部と海外営業本部の2本部体制とすることで、全社戦略に沿った拡販体制を、全拠点で一体として取り組んでまいります。 ②開発戦略顧客志向を重視するため、先端技術とマーケット情報に精通したPME(※)を海外に配置し、商品企画力を強化することで、顧客の課題に配慮した強い商品を効率的に開発してまいります。 ※ PME(Product Marketing Engineer)高度な技術バックボーンを持ち、商品のマーケティング・企画を行うエンジニア ③モノづくり戦略中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに安定した商品供給ができる生産体制の強化を進めてまいります。具体的には、既存の同一品種・大量生産に適した生産ラインの生産性向上の推進に加えて多品種・少量生産に適した自動化されたフレキシブルラインの拡充を図り、BCPを強化してまいります。 <3>地球環境への貢献サステナブル社会の実現に向けて、ロームグループでは、環境問題の解決に向けた取り組みを推進しております。「気候変動」「資源循環」「自然共生」の3つのテーマを柱にした「ロームグループ環境ビジョン2050」では、カーボンゼロ(CO2排出量実質ゼロ)及びゼロエミッションを目指すとともに、生物多様性の保護に向けて自然サイクルと調和した事業活動をより一層推進することとしております。「脱炭素」社会の実現に向けて、ロームの主力製品である半導体の役割は、ますます大きくなっております。なかでも、全世界の電力消費量の大半を占めると言われる「モーター」や「電源」の効率改善に向けて、様々な省エネルギーデバイスの開発を進め、商品を通じた環境負荷削減への取り組みを進めてまいります。加えて、生産工程など事業活動全般における環境負荷軽減についても重視し、今年度より国内主要事業所(京都駅前ビル、新横浜駅前ビル)を再生可能エネルギー100%としたほか、SiCウェハ製造の主要な生産工程についても再生可能エネルギー100%を導入するなど、環境配慮型の事業体制構築にも取り組んでまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大や自動車の電動化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、技術競争はより激化してきており、グローバル市場に対応した新商品・新技術の開発を進めるとともに、コストダウンにも取り組み、国際的に競争力の高い商品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、自動車関連市場、産業機器関連市場に重点を置くとともに、白物家電や情報通信関連などの幅広い市場において、継続して業界のニーズを先取りする高付加価値商品の開発に努めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。新型コロナウイルス感染症に関する事項については、「2.事業等のリスク」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)経営成績の状況業績の全般的概況当連結会計年度における世界経済は、前半は新型コロナウイルス感染症が各国の生産や個人消費に大きな影響を与えました。夏以降は中国における鉱工業生産が回復に向かい始め、また、米国においても秋以降はプラス成長に転じるなど、後半は各国における財政出動の効果もあり回復に向かいました。しかしながら欧州や日本などでは再度感染が拡大するなど予断を許さない厳しい状況が続きました。エレクトロニクス業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の悪影響を受け大きく落ち込みましたが、感染症対策としてのステイホームやテレワークなどライフスタイルの変化等による民生機器関連市場での需要増が市場に対して好影響をもたらしました。また、秋以降は自動車生産台数や産業機器関連市場が回復したことなども加わり、一部の製品については品不足の状況となりました。このような経営環境の中、中長期的に成長が期待される産業機器関連市場やEV化へのシフトが期待される自動車関連市場などへの製品ラインアップを強化し、顧客ニーズを先取りする提案型の営業体制への見直しなどを進めました。また、ロームグループが強みを持つ「パワー」、「アナログ」及び「汎用デバイス」などの技術領域を中心とした新製品・新技術の開発を進めました。生産面においても、マトリクス型組織とすることにより、品質やサプライチェーンの全社最適化を進めるとともに、省人化・自動化の推進などの「モノづくり改革」や、新型コロナウイルス感染症への感染防止対策の徹底等によるお客様への安定供給に努め、更に後半は急増する受注に対応した生産能力増強を進めました。また、SiCパワーデバイス生産能力強化のためローム・アポロ㈱の筑後工場に新棟を竣工しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,598億8千8百万円(前期比0.8%減)となり、営業利益は384億8千8百万円(前期比30.5%増)となりました。経常利益につきましては、406億7千2百万円(前期比13.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は370億2百万円(前期比44.4%増)となりました。 業績のセグメント別概況<LSI>前半は新型コロナウイルス感染症の影響により大きく落ち込みましたが、秋以降は回復傾向となりました。市場別では、自動車関連市場につきましては、市場低迷によりインフォテインメント(※1)向けの電源、各種ドライバICなどの売上が減少しましたが、xEV(※2)向けパワートレインなどの分野では絶縁ゲートドライバICなどが順調に売上を伸ばしました。産業機器関連市場につきましては、FA(ファクトリーオートメーション)関連市場向けの売上が増加するなど、下げ止まり感が見られました。民生機器関連市場につきましては、アミューズメント向けが好調であった一方、市況悪化によりスマートフォンやAV向けなどでは厳しい状況となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,681億3百万円(前期比1.4%減)、セグメント利益は157億5千2百万円(前期比25.2%増)となりました。 ※1.インフォテインメント主に自動車について用いられる言葉で、「情報:インフォメーション」の提供と「娯楽:エンターテインメント」の提供を実現するシステムの総称。※2.xEV電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)など電力を駆動力として使用する各種自動車の総称。 <半導体素子>前半は新型コロナウイルス感染症が全体として市場に悪影響を及ぼしましたが、後半は回復基調となりました。事業セグメント別では、トランジスタとダイオードにつきましては、通信関連市場向けで売上は減少しましたが、FA(ファクトリーオートメーション)関連市場や民生機器関連市場向けで売上が増加しました。パワーデバイス部門につきましては、産業機器関連市場向けで売上は減少しましたが、自動車関連市場向けで回復傾向が見られました。また、発光ダイオードにつきましては、産業機器関連市場向けで回復しましたが、家電市場向けなどで売上が減少しました。半導体レーザーにつきましては、家電市場向けを中心に売上が増加しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,423億8千9百万円(前期比2.4%増)、セグメント利益は210億5千3百万円(前期比102.3%増)となりました。 <モジュール>事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、プリンタやスキャナ向けを中心に売上が減少しました。オプティカルモジュールにつきましては、スマートフォン向けなどでセンサモジュールの売上が減少しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は292億1千3百万円(前期比12.2%減)、セグメント利益は21億4千5百万円(前期比38.6%減)となりました。 <その他>前半は新型コロナウイルス感染症により市場が低迷しましたが、秋以降は回復に向かいました。事業セグメント別では、抵抗器につきましては、自動車関連市場向けを中心に売上が減少しましたが、後半は回復基調となりました。一方、タンタルコンデンサにつきましては、PC向けなどで売上が継続して好調に推移しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は201億8千1百万円(前期比0.2%増)、セグメント利益は18億4千6百万円(前期比5.2%減)となりました。 上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。(2)生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)171,0381.9半導体素子(百万円)149,3548.9モジュール(百万円)27,857△16.2 報告セグメント計(百万円)348,2503.0その他(百万円)20,6452.7合計(百万円)368,8952.9 (注)上記の金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)LSI198,78013.667,82082.6半導体素子171,01919.665,19578.3モジュール33,026△0.112,20345.5 報告セグメント計402,82714.8145,21976.9その他24,43722.38,77394.2合計427,26415.2153,99377.8 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 2.当連結会計年度において、LSIの受注残高に著しい変動がありました。これは主に、自動車関連市場及び民生機器関連市場等の需要が増加したことによるものです。 3.当連結会計年度において、半導体素子の受注残高に著しい変動がありました。これは主に、自動車関連市場、民生機器関連市場及び産業機器関連市場等の需要が増加したことによるものです。 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)168,103△1.4半導体素子(百万円)142,3892.4モジュール(百万円)29,213△12.2 報告セグメント計(百万円)339,706△0.9その他(百万円)20,1810.2合計(百万円)359,888△0.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(3)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① たな卸資産当社グループでは、たな卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超えるたな卸資産を滞留もしくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 ② 有形固定資産及び無形固定資産当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 退職給付費用及び債務当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 繰延税金資産当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、各社・各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社・各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(追加情報)」に記載しております。(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の売上高は前期比0.8%減の3,598億8千8百万円、営業利益は前期比30.5%増の384億8千8百万円となりました。当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の8.1%から10.7%に上昇しました。経常利益につきましては、営業利益の増加、受取利息の減少や為替差損などにより前期比13.7%増の406億7千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少があった一方、100%子会社であるローム滋賀㈱の吸収合併(2020年4月1日付)や連結子会社の業績改善による、グループ全体の繰越欠損金に係る繰延税金資産の評価性引当額の減少等があったことにより、前期比44.4%増の370億2百万円となりました。また、ロームグループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比6.6%増の786億5千6百万円となり、当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の3.5%から5.0%に上昇しました。当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ773億6千7百万円増加し、9,262億4千万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が407億1千1百万円、投資有価証券が295億1千2百万円、たな卸資産が170億3千7百万円、受取手形及び売掛金が114億5千3百万円、それぞれ増加した一方、現金及び預金が370億4百万円減少したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ233億5千7百万円増加し、1,567億5千万円となりました。主な要因といたしましては、繰延税金負債が107億1千9百万円、流動負債のその他が53億6百万円(うち設備関係電子記録債務が31億6百万円)、支払手形及び買掛金が30億5千4百万円、未払金が29億7千5百万円、それぞれ増加したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ540億1千1百万円増加し、7,694億9千万円となりました。主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が249億8千6百万円、為替換算調整勘定が136億3千9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が134億9千6百万円、それぞれ増加したことによるものであります。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の84.2%から83.0%に低下しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(791億3千万円のプラス)に比べ331億5千5百万円収入が減少し、459億7千5百万円のプラスとなりました。これは主に、マイナス要因としてたな卸資産が減少から増加に転じたこと、売上債権が減少から増加に転じたことによるものであります。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(86億7千6百万円のマイナス)に比べ321億6千8百万円支出が増加し、408億4千4百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として有形固定資産の取得による支出の減少、マイナス要因として定期預金が減少から増加に転じたこと、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の減少によるものであります。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度(170億7千5百万円のマイナス)に比べ77億6千5百万円支出が増加し、248億4千万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として自己株式の取得による支出の減少、マイナス要因として社債の発行による収入の減少によるものであります。上記の要因に、換算差額による増加が63億3千8百万円加わり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ133億7千1百万円減少し、2,621億6千8百万円となりました。また、次期のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象といたしまして、設備投資額は700億円、また減価償却費は472億円を予定しております。(参考)ロームグループが重視している主な経営指標の推移回次第59期第60期第61期第62期第63期決算年月2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月2021年3月営業利益率(%)9.014.414.08.110.7EBITDA(百万円)72,628100,411101,32573,81778,656自己資本利益率(ROE)(%)3.75.06.03.55.0総資産利益率(ROA)(%)3.24.45.23.04.2総資産回転率(回)0.430.470.460.420.41固定資産回転率(回)1.051.141.111.051.03株価収益率(PER)(倍)29.628.816.023.928.7株価純資産倍率(PBR)(倍)1.081.430.940.831.38たな卸資産回転月数(月)2.992.973.724.173.75※各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。・営業利益率:営業利益/売上高・EBITDA:営業利益+減価償却費・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産・総資産回転率:売上高/総資産・固定資産回転率:売上高/固定資産・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産・たな卸資産回転月数:たな卸資産/(第4四半期売上高/3) (5)資本の財源及び資金の流動性ロームグループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常にめざしております。主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。自動車・産業機器関連市場、海外市場を注力市場とし、また、「パワー」、「アナログ」、「汎用デバイス」を注力商品としてそれぞれ定め、設備投資、研究開発及びM&Aなどの事業成長のための投資や、グローバルに安定した製品供給が出来る生産体制の強化を最優先に行うことを通じて、業績拡大に注力してまいります。当連結会計年度の設備投資額は、前期比13.3%増の441億1千4百万円、研究開発費は前期比5.5%減の315億3千7百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。当社のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。回次第59期第60期第61期第62期第63期決算年月2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月2021年3月減価償却費(百万円)40,80143,40745,41544,32840,167研究開発費(百万円)37,27738,85239,57833,38431,537設備投資額(百万円)42,18255,91157,29138,94144,114年間配当金総額(百万円)13,75025,38515,77115,30014,720配当性向(%)52.068.234.860.639.9
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることが、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置付け、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、各種資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>注力市場①自動車・産業機器関連市場電子化と省エネルギー化の流れの中で自動車関連市場、産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。成長を続けるこれらの市場におきましては、生産体制の強化などにより売上の拡大を目指してまいります。また、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 ②海外市場欧米に加えて中国や新興国などの海外市場の急速な拡大やグローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を推進してまいります。<2>注力商品①パワー省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイス(※1)の開発とラインアップの強化を進めており、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。SiCデバイス以外についてもロームグループが得意とするあらゆるパワーデバイスやモジュール技術を結集し、高性能な電源ICやドライバIC、IGBT(※2)、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを提案してまいります。 ※1.SiC(炭化ケイ素)デバイスSi(ケイ素)とC(炭素)で構成される化合物半導体デバイス。従来用いられているSi(ケイ素)と比べて、さらに高耐圧、低オン抵抗、高速動作の特長を持ち、電力変換効率を飛躍的に改善できる。また、高温でも安定して動作するという特長も持つ。※2.IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor=絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)MOSFETとバイポーラトランジスタを複合化したトランジスタで、低オン抵抗と比較的速いスイッチング特性の両方を備えており、現在、大電力を電圧制御する分野で幅広く使用される。 ②アナログ自動車の電子化の加速や産業機器関連市場、白物家電市場などの省エネルギー化が進む中で、高機能電源ICやモータードライバIC、LEDドライバICなど、高度なアナログソリューションを展開してまいります。 ③スタンダードプロダクツ小信号半導体や抵抗器、汎用ICにつきましては成長する自動車関連市場や産業機器関連市場向けを軸に、高品質・高信頼な製品を安定して供給いたします。 <3>モノづくりの強化中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに安定した製品供給ができる生産体制の強化を進めてまいります。また、RPS活動(※3)を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコスト競争力強化に努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 ※3.RPS(Rohm Production System)活動ロームグループの各生産拠点で進めている生産改善活動で、より高品質なモノづくりを進めるとともにリードタイムの短縮や在庫など、あらゆるムダを徹底的に排除する活動。段違い(ダントツ)の高効率、高品質生産体制を構築することで利益体質の強化を図る。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大や自動車の電子化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、技術競争はより激化してきており、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに、コストダウンにも取り組み、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、自動車関連市場、産業機器関連市場に重点を置くとともに、白物家電や情報通信関連などの幅広い市場において、継続して業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。新型コロナウイルス感染症に関する事項については、「2.事業等のリスク」に記載しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることが、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置付け、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、各種資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>注力市場①自動車・産業機器関連市場電子化と省エネルギー化の流れの中で自動車関連市場、産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。成長を続けるこれらの市場におきましては、生産体制の強化などにより売上の拡大を目指してまいります。また、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 ②海外市場欧米に加えて中国や新興国などの海外市場の急速な拡大やグローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を推進してまいります。<2>注力商品①パワー省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイス(※1)の開発とラインアップの強化を進めており、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。SiCデバイス以外についてもロームグループが得意とするあらゆるパワーデバイスやモジュール技術を結集し、高性能な電源ICやドライバIC、IGBT(※2)、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを提案してまいります。 ※1.SiC(炭化ケイ素)デバイスSi(ケイ素)とC(炭素)で構成される化合物半導体デバイス。従来用いられているSi(ケイ素)と比べて、さらに高耐圧、低オン抵抗、高速動作の特長を持ち、電力変換効率を飛躍的に改善できる。また、高温でも安定して動作するという特長も持つ。※2.IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor=絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)MOSFETとバイポーラトランジスタを複合化したトランジスタで、低オン抵抗と比較的速いスイッチング特性の両方を備えており、現在、大電力を電圧制御する分野で幅広く使用される。 ②アナログ自動車の電子化の加速や産業機器関連市場、白物家電市場などの省エネルギー化が進む中で、高機能電源ICやモータードライバIC、LEDドライバICなど、高度なアナログソリューションを展開してまいります。 ③スタンダードプロダクツ小信号半導体や抵抗器、汎用ICにつきましては成長する自動車関連市場や産業機器関連市場向けを軸に、高品質・高信頼な製品を安定して供給いたします。 <3>モノづくりの強化中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに安定した製品供給ができる生産体制の強化を進めてまいります。また、RPS活動(※3)を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコスト競争力強化に努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 ※3.RPS(Rohm Production System)活動ロームグループの各生産拠点で進めている生産改善活動で、より高品質なモノづくりを進めるとともにリードタイムの短縮や在庫など、あらゆるムダを徹底的に排除する活動。段違い(ダントツ)の高効率、高品質生産体制を構築することで利益体質の強化を図る。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大や自動車の電子化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、技術競争はより激化してきており、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに、コストダウンにも取り組み、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、自動車関連市場、産業機器関連市場に重点を置くとともに、白物家電や情報通信関連などの幅広い市場において、継続して業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。新型コロナウイルス感染症に関する事項については、「2.事業等のリスク」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)経営成績の状況業績の全般的概況当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦や中国の景気減速などにより低迷が続いたことに加えて、年明け以降の新型コロナウイルス感染症蔓延が中国をはじめ各国の生産・個人消費などに対して甚大な影響を与えはじめ、総じて厳しい一年となりました。地域別では、米国は企業の設備投資が抑制傾向をたどり、また個人消費についてもその伸びは鈍化傾向となりました。中国では、伸び悩みが見られた個人消費が年明け以降急減速しました。ヨーロッパやアジア各国では、中国における景気減速の影響等を受け停滞が続きました。日本においても、設備投資や輸出の減少や個人消費の鈍化などにより、厳しい状況となりました。エレクトロニクス業界におきまして、自動車関連市場では、「安全」、「環境」などに対するニーズの高まりからエレクトロニクス製品の実装率の向上が続きましたが、自動車販売台数悪化が続き、全体として市場は低迷しました。産業機器関連市場では、工作機械や産業機械などの市況が悪化し、民生機器関連市場でも需要が低迷しました。こうした状況を受け、半導体をはじめとする電子部品市場は、厳しい状況が続きました。このような経営環境の中、ロームグループにおきましては、従来に引き続き、中長期的に成長が期待される自動車関連市場や産業機器関連市場などへの製品ラインアップの強化と、中国市場での販売体制の強化を進めました。また、「アナログ」、「パワー」及び「スタンダードプロダクツ」など、ロームグループが強みを持つ技術領域を中心とした新製品・新技術の開発に取り組むと共に、顧客へのシステムソリューション提案など技術サポート体制を整えました。生産面においても、引き続き品質と生産効率の改善を推進し、先進の品質管理体制の構築やスマートファクトリー(※1)化の推進などの「生産革新」を継続して進め、加えて安定供給体制強化や生産効率改善のための工場の一元管理化などに取り組みました。さらに、今後の成長が見込めるSiCデバイスの専用工場の建設を進めるなど中長期的な生産能力増強の為の設備投資を進めました。このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は3,628億8千5百万円(前期比9.0%減)となり、営業利益は294億8千9百万円(前期比47.3%減)となりました。経常利益につきましては、357億7千4百万円(前期比44.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は256億3千2百万円(前期比43.6%減)となりました。 ※1.スマートファクトリー生産設備などをネットワークで相互に接続し、より高度な品質改善や、生産効率の改善を進めた製造工場のこと。 業績のセグメント別概況<LSI>当連結会計年度の売上高は1,704億3千2百万円(前期比7.0%減)、セグメント利益は125億7千8百万円(前期比21.3%減)となりました。自動車関連市場につきましては、xEV(※2)向けの絶縁ゲートドライバIC(※3)や、カーボディならびにADAS分野向けの各種電源ICなどの新規採用が広がりましたが、市場低迷により自動車関連市場で主力のインフォテインメント(※4)向けの各種ドライバICなどの売上は減少しました。産業機器関連市場につきましては、FA(ファクトリーオートメーション)関連市場向けのモータドライバICや電源ICなどの売上が減少しました。民生機器関連市場につきましては、スマートフォンやPC向けのほか、TVなどのAV機器向けなどは総じて厳しい状況となりました。 ※2.xEV電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)など電力を駆動力として使用する各種自動車の総称。※3.絶縁ゲートドライバICSiCやIGBTなどのパワー半導体を駆動し、人体・システム保護に必須の絶縁素子を内蔵したIC。※4.インフォテインメント主に自動車について用いられる言葉で、「情報:インフォメーション」と「娯楽:エンターテインメント」を実現するシステムの総称。 <半導体素子>当連結会計年度の売上高は1,390億3千8百万円(前期比9.0%減)、セグメント利益は104億7百万円(前期比65.4%減)となりました。トランジスタにつきましては、PCストレージ向けなどで売上が増加しましたが、民生機器関連市場向けや産業機器関連市場向けを中心に総じて厳しい状況が続きました。ダイオードにつきましては、スマートフォン向けの売上が増加しましたが、自動車関連市場向けはインフォテインメント向けを中心に売上が減少しました。パワーデバイス部門につきましては、IGBTは売上を伸ばしましたが、SiCについては自動車・産業機器関連市場における市況悪化の影響を受けました。また、発光ダイオードにつきましては、民生機器関連市場向けに加えて産業機器関連市場向けの売上も減少しました。半導体レーザーにつきましても、民生機器関連市場向けを中心に売上が減少しました。 <モジュール>当連結会計年度の売上高は332億7千5百万円(前期比17.1%減)、セグメント利益は34億9千1百万円(前期比41.0%減)となりました。プリントヘッドにつきましては、決済端末向けなどで売上が減少しました。オプティカルモジュールにつきましては、スマートフォン向けのセンサモジュールなどは売上が減少しましたが、自動車関連市場向けではリアランプ用LEDモジュールの採用機種が増加し、売上を伸ばしました。 <その他>当連結会計年度の売上高は201億3千9百万円(前期比11.1%減)、セグメント利益は19億4千8百万円(前期比52.4%減)となりました。抵抗器につきましては、自動車関連市場向けはカーボディ向けで売上を伸ばしましたが、インフォテインメント向けを中心に売上は減少しました。また、民生機器関連市場向けについても売上が減少しました。タンタルコンデンサにつきましては、PC向けなどで売上が減少しました。 上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。(2)生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)167,862△8.5半導体素子(百万円)137,100△12.9モジュール(百万円)33,261△16.6 報告セグメント計(百万円)338,224△11.2その他(百万円)20,101△11.5合計(百万円)358,325△11.2 (注)上記の金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)LSI174,916△2.537,14313.7半導体素子143,003△1.536,56512.2モジュール33,059△12.78,390△2.5 報告セグメント計350,978△3.282,09811.1その他19,976△12.14,518△3.5合計370,955△3.786,61710.3 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)170,432△7.0半導体素子(百万円)139,038△9.0モジュール(百万円)33,275△17.1 報告セグメント計(百万円)342,745△8.9その他(百万円)20,139△11.1合計(百万円)362,885△9.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(3)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① たな卸資産当社グループでは、たな卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超えるたな卸資産を滞留もしくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 ② 有形固定資産及び無形固定資産当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 退職給付費用及び債務当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 繰延税金資産当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、各社・各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社・各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(追加情報)」に記載しております。(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の売上高は民生機器関連市場及び産業機器関連市場を中心に減少し、前期比9.0%減の3,628億8千5百万円となりました。営業利益は売上高の減少に加え、固定費負担率の上昇などにより前期比47.3%減の294億8千9百万円となり、当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の14.0%から8.1%に低下しました。経常利益につきましては、営業利益の減少に加え、為替差益の減少により前期比44.7%減の357億7千4百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、主に経常利益が減少したことにより前期比43.6%減の256億3千2百万円となりました。またロームグループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比27.1%減の738億1千7百万円となり、当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の6.0%から3.5%に低下しました。当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ255億5千4百万円減少し、8,488億7千3百万円となりました。主な要因といたしましては、投資有価証券が214億4千6百万円、たな卸資産が92億4千4百万円、有形固定資産が78億6千1百万円、それぞれ減少した一方、現金及び預金が300億4千2百万円増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ257億2千万円増加し、1,333億9千3百万円となりました。主な要因といたしましては、社債が409億3千5百万円増加した一方、未払金が56億5千万円、未払法人税等が41億4千7百万円、流動負債のその他が27億4千7百万円(うち、未払費用が26億2千3百万円)、それぞれ減少したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ512億7千5百万円減少し、7,154億7千9百万円となりました。主な要因といたしましては、自己株式の取得により412億9千6百万円、為替換算調整勘定が120億3千万円減少したことによるものであります。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の87.6%から84.2%に低下しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(659億9千万円のプラス)に比べ131億4千万円収入が増加し、791億3千万円のプラスとなりました。これは主に、プラス要因としてたな卸資産が増加から減少に転じたこと、売上債権の減少額の増加、マイナス要因として税金等調整前当期純利益の減少によるものであります。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(539億9千7百万円のマイナス)に比べ453億2千1百万円支出が減少し、86億7千6百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として定期預金が増加から減少に転じたこと、有形固定資産の取得による支出の減少、有価証券及び投資有価証券の取得による支出の減少によるものであります。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度(306億4千7百万円のマイナス)に比べ135億7千2百万円支出が減少し、170億7千5百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として社債の発行による収入の増加、配当金の支払額の減少、マイナス要因として自己株式の取得による支出の増加によるものであります。上記の要因に、換算差額による減少が59億4百万円加わり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ474億7千4百万円増加し、2,755億3千9百万円となりました。(参考)ロームグループが重視している主な経営指標の推移回次第58期第59期第60期第61期第62期決算年月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月営業利益率(%)9.59.014.414.08.1EBITDA(百万円)71,97372,628100,411101,32573,817自己資本利益率(ROE)(%)3.53.75.06.03.5総資産利益率(ROA)(%)3.13.24.45.23.0総資産回転率 0.420.430.470.460.42固定資産回転率 1.051.051.141.111.05株価収益率(PER)(倍)19.629.628.816.023.9株価純資産倍率(PBR)(倍)0.711.081.430.940.83たな卸資産回転月数(月)3.622.992.973.724.17※各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。・営業利益率:営業利益/売上高・EBITDA:営業利益+減価償却費・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産・総資産回転率:売上高/総資産・固定資産回転率:売上高/固定資産・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産・たな卸資産回転月数:たな卸資産/(第4四半期売上高/3) (5)資本の財源及び資金の流動性ロームグループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常にめざしております。主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。自動車・産業機器関連市場、海外市場を注力市場とし、またパワー、アナログ、スタンダードプロダクツを注力商品としてそれぞれ定め、設備投資、研究開発及びM&Aなどの事業成長のための投資や、グローバルに安定した製品供給が出来る生産体制の強化を最優先に行うことを通じて、業績拡大に注力してまいります。当連結会計年度の設備投資額は、前期比32.0%減の389億4千1百万円、研究開発費は前期比15.7%減の333億8千4百万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。また、当連結会計年度において、当社の財務状況及び資金需要並びに株式市場の動向を総合的に勘案した結果、市場環境の変化に耐えうる堅固な財務基盤を維持しつつも、手元現金及び負債性資金を活用した自己株式取得を一定規模で行うことにより、株主還元の一層の強化を伴いつつ、資本の再構築を通じた資本効率の改善によって企業価値・株主価値向上を図ることが現時点において望ましいと判断し、自己株式412億8千7百万円の取得を行うと同時に、その一部資金の調達手段として新株予約権付社債を発行いたしました。当社のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。回次第58期第59期第60期第61期第62期決算年月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月減価償却費(百万円)38,33840,80143,40745,41544,328研究開発費(百万円)40,86837,27738,85239,57833,384設備投資額(百万円)56,68642,18255,91157,29138,941年間配当金総額(百万円)13,75013,75025,38515,77115,300配当性向(%)53.752.068.234.860.6
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることは、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置づけ、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>注力市場①自動車・産業機器関連市場電子化と省エネルギー化の流れの中で自動車関連市場、産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な製品の供給が求められる市場です。成長を続けるこれらの市場においては、生産体制の強化などにより売上の拡大を目指してまいります。また、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 ②海外市場欧米に加えてアジアや新興国などの海外市場の急速な拡大やグローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を推進してまいります。 <2>注力商品①パワー省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイスの開発とラインアップの強化を進めており、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。SiCデバイス以外についてもロームグループが得意とするあらゆるパワーデバイスやモジュール技術を結集し、高性能な電源ICやドライバIC、IGBT(※1)、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを提案してまいります。 ※1.IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor=絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)MOSFET(※2)をバイポーラトランジスタ(※3)のゲート部分に組み込むことで動作抵抗を小さくしたもの。大電力のスイッチングに向き、電圧制御に用いられる。※2.MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)電界効果トランジスタの一種でバイポーラトランジスタと比較して、低消費電力や高速スイッチングが可能で、各種電子機器に幅広く使われている。※3.バイポーラトランジスタN型とP型の半導体がP-N-PまたはN-P-Nの接合構造を持つ3端子の半導体で、電流増幅・スイッチングなどの信号処理を行い、各種電子機器に幅広く使われている。 ②アナログ自動車の電子化の加速や産業機器関連市場、白物家電市場などの省エネルギー化が進む中で、高機能電源ICやモータードライバ、LEDドライバICなど、高度なアナログソリューションを展開してまいります。また、自動車関連市場や産業機器関連市場向けを中心に、主要なプロセッサメーカーとの連携によるリファレンスビジネスを拡大してまいります。 ③スタンダードプロダクツ小信号半導体や抗抵器、汎用ICについては成長する自動車関連市場や産業機器関連市場向けを軸に、高品質・高信頼な製品を安定して供給いたします。 <3>モノづくりの強化中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに安定した製品供給ができる生産体制の強化を進めてまいります。また、RPS活動(※4)を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコスト競争力強化に努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 ※4.RPS(Rohm Production System)活動ロームグループの各生産拠点で進めている生産改善活動で、より高品質なモノづくりを進めるとともにリードタイムの短縮や在庫などあらゆるムダを徹底的に排除する活動。段違い(ダントツ)の高効率、高品質生産体制を構築することで利益体質の強化を図る。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大や自動車の電子化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、技術競争はより激化してきており、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに、コストダウンにも取り組み、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、自動車関連市場、産業機器関連市場に重点を置くとともに、白物家電や情報通信関連などの幅広い市場において、継続して業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。なお、当社の株式会社の支配に関する基本方針は、以下のとおりであります。 基本方針当社は、「つねに品質を第一とし、いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献すること」を企業目的としております。そして、この企業目的を遂行することが、当社の永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上をもたらすと同時に、株主の皆様を始めとする全てのステークホルダーへの利益貢献につながるものと考えております。また、株主の皆様から負託を受けた当社取締役会は、上記企業目的を遂行し、持続的成長に向けて不断の経営努力を尽くすことで、更なる企業価値の向上を図る責務を負っているものと理解しております。いわゆる買収防衛に関しては、企業価値向上による株価の上昇や、積極的なIR活動による株主説明責任の貫徹及び株主の皆様との常日頃からの対話による信頼関係の確立こそが、その最善の方策であると考えております。そして、当社に対して買収の提案が行われた場合には、これを受け入れるか否かの最終判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきであり、その際に当社取締役会が自己の保身を図るなど恣意的判断が入ってはならないと考えております。また、買収提案の局面においては、株主の皆様が十分な情報に基づき相当な検討期間をかけて適正な判断を下すことができること(インフォームド・ジャッジメント)が、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保と向上のために不可欠であると考えております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることは、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置づけ、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>注力市場①自動車・産業機器関連市場電子化と省エネルギー化の流れの中で自動車関連市場、産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な製品の供給が求められる市場です。成長を続けるこれらの市場においては、生産体制の強化などにより売上の拡大を目指してまいります。また、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 ②海外市場欧米に加えてアジアや新興国などの海外市場の急速な拡大やグローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を推進してまいります。 <2>注力商品①パワー省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイスの開発とラインアップの強化を進めており、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。SiCデバイス以外についてもロームグループが得意とするあらゆるパワーデバイスやモジュール技術を結集し、高性能な電源ICやドライバIC、IGBT(※1)、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを提案してまいります。 ※1.IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor=絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)MOSFET(※2)をバイポーラトランジスタ(※3)のゲート部分に組み込むことで動作抵抗を小さくしたもの。大電力のスイッチングに向き、電圧制御に用いられる。※2.MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)電界効果トランジスタの一種でバイポーラトランジスタと比較して、低消費電力や高速スイッチングが可能で、各種電子機器に幅広く使われている。※3.バイポーラトランジスタN型とP型の半導体がP-N-PまたはN-P-Nの接合構造を持つ3端子の半導体で、電流増幅・スイッチングなどの信号処理を行い、各種電子機器に幅広く使われている。 ②アナログ自動車の電子化の加速や産業機器関連市場、白物家電市場などの省エネルギー化が進む中で、高機能電源ICやモータードライバ、LEDドライバICなど、高度なアナログソリューションを展開してまいります。また、自動車関連市場や産業機器関連市場向けを中心に、主要なプロセッサメーカーとの連携によるリファレンスビジネスを拡大してまいります。 ③スタンダードプロダクツ小信号半導体や抗抵器、汎用ICについては成長する自動車関連市場や産業機器関連市場向けを軸に、高品質・高信頼な製品を安定して供給いたします。 <3>モノづくりの強化中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに安定した製品供給ができる生産体制の強化を進めてまいります。また、RPS活動(※4)を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコスト競争力強化に努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 ※4.RPS(Rohm Production System)活動ロームグループの各生産拠点で進めている生産改善活動で、より高品質なモノづくりを進めるとともにリードタイムの短縮や在庫などあらゆるムダを徹底的に排除する活動。段違い(ダントツ)の高効率、高品質生産体制を構築することで利益体質の強化を図る。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大や自動車の電子化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、技術競争はより激化してきており、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに、コストダウンにも取り組み、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、自動車関連市場、産業機器関連市場に重点を置くとともに、白物家電や情報通信関連などの幅広い市場において、継続して業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。なお、当社の株式会社の支配に関する基本方針は、以下のとおりであります。 基本方針当社は、「つねに品質を第一とし、いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献すること」を企業目的としております。そして、この企業目的を遂行することが、当社の永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上をもたらすと同時に、株主の皆様を始めとする全てのステークホルダーへの利益貢献につながるものと考えております。また、株主の皆様から負託を受けた当社取締役会は、上記企業目的を遂行し、持続的成長に向けて不断の経営努力を尽くすことで、更なる企業価値の向上を図る責務を負っているものと理解しております。いわゆる買収防衛に関しては、企業価値向上による株価の上昇や、積極的なIR活動による株主説明責任の貫徹及び株主の皆様との常日頃からの対話による信頼関係の確立こそが、その最善の方策であると考えております。そして、当社に対して買収の提案が行われた場合には、これを受け入れるか否かの最終判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきであり、その際に当社取締役会が自己の保身を図るなど恣意的判断が入ってはならないと考えております。また、買収提案の局面においては、株主の皆様が十分な情報に基づき相当な検討期間をかけて適正な判断を下すことができること(インフォームド・ジャッジメント)が、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保と向上のために不可欠であると考えております。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)経営成績の状況業績の全般的概況当連結会計年度における世界経済は、前半は日米などの主要国を中心に堅調に推移しましたが、後半は米中貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題などの影響を受け、落ち込みが見られました。地域別では、米国や日本では個人消費や企業の設備投資が高水準を維持し、年間を通して堅調に推移しましたが、中国においては、特に後半は自動車販売台数が大幅に悪化するなど個人消費が低迷し、設備投資も抑制傾向となりました。また欧州においては、前半は概ね堅調でしたが、後半は英国のEU離脱問題などの政治的背景や中国における景気停滞の影響を受け減速傾向となりました。エレクトロニクス業界におきまして、自動車関連市場では、中国での新車販売台数が減速しましたが、「安全」、「環境」などに対するニーズの高まりからエレクトロニクス製品の実装率の向上が続き、世界全体では年間を通して堅調に推移しました。産業機器関連市場につきましては、前半は工場の自動化や省エネルギー化の進展などによりFA(※1)機器関連市場が堅調に推移しましたが、後半は米中貿易摩擦問題の影響を受け減速しました。民生機器関連市場では、前半は省エネルギー型エアコンなどの白物家電を中心に堅調に推移しましたが、後半は米中貿易摩擦の影響などによる在庫調整局面となりました。また、スマートフォン関連市場は、普及率が高まってきたことなどから市場が成熟し需要が減速しました。このような経営環境の中、ロームグループにおきましては、従来に引き続き、中長期的に成長が期待される自動車関連市場や産業機器関連市場などへの製品ラインアップ強化や、海外市場への販売強化を進めました。また、「アナログ」や「パワー」など、ロームグループが強みを持つ技術領域を中心とした、新製品・新技術の開発に取り組み、RPS活動を継続して推進し、「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けた先進の品質管理体制の構築やスマートファクトリー(※2)化の推進などの「生産革新」を進めました。さらに、SiCデバイス関連など今後の成長が見込める分野を中心に生産能力増強に向けた設備投資を積極的に進めました。また、取引先企業との関係強化など、調達活動の強化にも取り組みました。このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は3,989億8千9百万円(前期比0.5%増)となり、営業利益は559億9百万円(前期比1.9%減)となりました。経常利益につきましては、646億8千9百万円(前期比19.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は454億4千1百万円(前期比22.0%増)となりました。 ※1.FA(Factory Automation)工場における様々な工程を自動化するシステムのこと。※2.スマートファクトリー生産設備などをネットワークで相互に接続し、より高度な品質改善や、生産効率の改善を進めた製造工場のこと。 業績のセグメント別概況<LSI>当連結会計年度の売上高は1,833億1千3百万円(前期比0.1%減)、セグメント利益は159億9千万円(前期比20.8%減)となりました。自動車関連市場につきましては、カーオーディオ向けの電源ICなどで売上が減少しましたが、xEV(※3)向けの絶縁ゲートドライバIC(※4)が売上を伸ばしたほか、インストルメント・パネル向けのドライバICや、カーボディ向けの各種電源ICなどが幅広く採用されたことにより売上は堅調に推移しました。産業機器関連市場につきましては、エネルギー関連市場やFA関連市場向けの電源ICなどで売上が減少しました。民生機器関連市場につきましては、アミューズメントやPC向けが好調であった一方、TV向けのLCDドライバICや電源IC、カメラ向けのドライバICなどの売上が減少しました。 ※3.xEV電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)など電力を駆動力として使用する各種自動車の総称。※4.絶縁ゲートドライバICSiCやIGBTなどのパワー半導体を駆動させるためのICで、絶縁素子を内蔵することにより人体・システム保護に必須の絶縁用外付け部品を不要にした。 <半導体素子>当連結会計年度の売上高は1,528億6千1百万円(前期比2.0%増)、セグメント利益は300億5千4百万円(前期比6.6%減)となりました。トランジスタとダイオードにつきましては、民生機器関連市場向けは調整が続きましたが、自動車関連市場向けが好調に推移し、全体として堅調に推移しました。パワーデバイスにつきましては、SiCデバイスやIGBTなどが自動車関連市場向けなどで堅調に推移しました。一方、発光ダイオードにつきましては、民生機器関連市場向けを中心に売上が減少しました。半導体レーザーにつきましても、光ディスク市場の不調により売上が減少しました。 <モジュール>当連結会計年度の売上高は401億5千8百万円(前期比4.0%減)、セグメント利益は59億1千8百万円(前期比56.0%増)となりました。プリントヘッドにつきましては、決済端末向けなどで売上が好調に推移しました。オプティカルモジュールにつきましては、スマートフォンやウェアラブル向けのセンサモジュールの売上が減少しました。 <その他>当連結会計年度の売上高は226億5千5百万円(前期比3.3%増)、セグメント利益は40億9千3百万円(前期比37.9%増)となりました。抵抗器につきましては、スマートフォン向けの売上が減少した一方、自動車関連市場向けなどで幅広く売上を伸ばしました。タンタルコンデンサにつきましては、スマートフォン市場低迷の影響を受け売上が減少しました。 上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。(2)生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)183,526△1.1半導体素子(百万円)157,3482.0モジュール(百万円)39,897△5.2 報告セグメント計(百万円)380,772△0.3その他(百万円)22,7061.4合計(百万円)403,478△0.2 (注)上記の金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)LSI179,341△4.832,659△10.8半導体素子145,174△11.232,599△19.1モジュール37,885△16.58,606△20.9 報告セグメント計362,401△8.773,865△15.9その他22,7152.14,6801.3合計385,117△8.278,546△15.0 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)183,313△0.1半導体素子(百万円)152,8612.0モジュール(百万円)40,158△4.0 報告セグメント計(百万円)376,3330.3その他(百万円)22,6553.3合計(百万円)398,9890.5 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(3)重要な会計方針及び見積り当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。 (4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の売上高は民生機器関連市場やスマートフォン関連市場の売上が減少したものの、自動車関連市場及び産業機器関連市場の売上拡大などにより前期比0.5%増の3,989億8千9百万円となりました。営業利益は主に減価償却費等の固定費の増加により前期比1.9%減の559億9百万円となり、当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の14.4%から14.0%に低下しました。経常利益につきましては、前連結会計年度の為替差損の発生とは異なり為替差益が発生したことや受取利息の増加により前期比19.3%増の646億8千9百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、主に経常利益が増加したことにより前期比22.0%増の454億4千1百万円となりました。またロームグループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比0.9%増の1,013億2千5百万円となり、当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の5.0%から6.0%に上昇しました。当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ103億5千5百万円増加し、8,744億2千7百万円となりました。主な要因といたしましては、有価証券が197億3千万円、投資有価証券が69億3千2百万円、それぞれ減少した一方、たな卸資産が226億7千8百万円、有形固定資産が114億1千8百万円、現金及び預金が36億5千4百万円、それぞれ増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ45億2千1百万円減少し、1,076億7千3百万円となりました。主な要因といたしましては、流動負債のその他が24億5千3百万円(うち、未払費用が27億3千1百万円)増加した一方、未払法人税等が22億8千6百万円、支払手形及び買掛金が19億1千5百万円、繰延税金負債が17億7千1百万円、それぞれ減少したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ148億7千7百万円増加し、7,667億5千4百万円となりました。主な要因といたしましては、その他有価証券評価差額金が50億8千1百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が148億1千3百万円、為替換算調整勘定が51億7千9百万円、それぞれ増加したことによるものであります。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の87.0%から87.6%に上昇しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(747億2千7百万円のプラス)に比べ87億3千7百万円収入が減少し、659億9千万円のプラスとなりました。これは主に、マイナス要因として法人税等の支払額の増加、たな卸資産の増加、プラス要因として税金等調整前当期純利益の増加によるものであります。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(545億1千7百万円のマイナス)に比べ5億2千万円支出が減少し、539億9千7百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の増加、マイナス要因として定期預金の増加によるものであります。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(211億8千6百万円のマイナス)に比べ94億6千1百万円支出が増加し、306億4千7百万円のマイナスとなりました。これは主に、マイナス要因として自己株式の取得による支出の増加によるものであります。上記の要因に、換算差額による増加が27億4千6百万円加わり、当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ159億8百万円減少し、2,280億6千5百万円となりました。また、次期のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象といたしまして、設備投資額は590億円、また減価償却費は476億円を予定しております。なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。 (5)資本の財源及び資金の流動性ロームグループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常にめざしております。運転資金及び設備資金につきましては、主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることは、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置づけ、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>4つのソリューション①アナログソリューションカーエレクトロニクス技術の飛躍的な進化やIoT(※1)の拡大が進む中で、デジタル制御を内蔵した高機能電源ICや多機能LEDドライバICなど、高度なアナログソリューションを展開してまいります。また、自動車関連市場や産業機器関連市場向けを中心に、主要なプロセッサメーカーとの連携によるリファレンスビジネスを拡大してまいります。 ※1.IoT(Internet of Things)様々なモノがインターネットに接続され、他と情報交換することにより相互にコントロールする仕組みのこと。 ②パワーソリューション省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイスの開発とラインアップの強化を進めており、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。引き続きロームグループが得意とするアナログパワー技術を結集し、高性能な電源ICやドライバIC、IGBT(※2)、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを推進してまいります。 ※2.IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor=絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)MOSFET(※3)とバイポーラトランジスタ(※4)のゲート部分に組み込むことで動作抵抗を小さくしたもの。大電力のスイッチングに向き、電圧制御に用いられる。※3.MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)電界効果トランジスタの一種でバイポーラトランジスタと比較して、低消費電力や高速スイッチングが可能で、各種電子機器に幅広く使われている。 ※4.バイポーラトランジスタN型とP型の半導体がP-N-PまたはN-P-Nの接合構造を持つ3端子の半導体で、電流増幅・スイッチングなどの信号処理を行い、各種電子機器に幅広く使われている。 ③センサソリューションセンサ関連デバイスの用途が増加し市場が広がりを見せる中、ロームグループが持つ生産技術やセンサコントロール技術を活かし、MEMS加速度センサや照度センサ、磁気センサ、薄膜ピエゾ素子(※5)などセンサ関連デバイスのラインアップを強化しています。また、様々な無線通信技術や制御技術と組み合わせることによりIoTなどの多様化するニーズに対応してまいります。 ※5.薄膜ピエゾ素子ピエゾ素子とは、圧電体(ピエゾ素子)に加えられた圧力を電圧に変換する、またはその逆の動作を行う素子で、センサのほか発振回路などにも使われている。 ④モバイルソリューションスマートフォンの高機能化やウエアラブル機器市場の拡大など、半導体や電子部品への小型化に対するニーズが高まる中で、ロームグループは半導体メーカーとして培ってきた幅広い技術を活かして、劇的な小型化と高い寸法精度を実現した革新的な「RASMID®」シリーズ(※6)のラインアップ充実を図るなど、世界最小デバイスの開発を進めてまいります。 ※6.「RASMID®(ROHM Advanced Smart Micro Device)」シリーズ従来とまったく違う工法を用いて、これまでに無い超小型化と高い寸法精度(±10μm)を実現したロームグループ独自の世界最小電子部品シリーズ。 <2>自動車、産業機器、新市場の強化戦略電子化が進む自動車関連市場、着実な成長を続ける産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。自動車関連市場や産業機器関連市場においては、生産体制の強化などにより売上の拡大を目指してまいります。また、IoT関連市場などその他の成長が見込まれる新市場においても、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 <3>海外系顧客への販売強化戦略欧米に加えてアジアや新興国などの海外市場の急速な拡大やグローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を目指してまいります。 <4>生産革新中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに迅速な製品供給ができる生産拠点展開を進めてまいります。また、RPS活動(※7)を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコスト競争力強化に努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 ※7.RPS(Rohm Production System)活動ロームグループの各生産拠点で進めている生産改善活動で、より高品質なモノづくりを進めるとともにリードタイムの短縮や在庫などあらゆるムダを徹底的に排除する活動。段違い(ダントツ)の高効率、高品質生産体制を構築することで利益体質の強化を図る。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大やIoT市場の普及、自動車の電子化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、価格競争や技術競争はより激化する方向にあり、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに徹底したコストダウンに取り組むことにより、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、継続して車載電装品分野、産業機器分野を中心として、情報通信やモバイル機器などの幅広い市場において、業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。なお、当社の株式会社の支配に関する基本方針は、以下のとおりであります。 基本方針当社は、「つねに品質を第一とし、いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献すること」を企業目的としております。そして、この企業目的を遂行することが、当社の永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上をもたらすと同時に、株主の皆様を始めとする全てのステークホルダーへの利益貢献につながるものと考えております。また、株主の皆様から負託を受けた当社取締役会は、上記企業目的を遂行し、持続的成長に向けて不断の経営努力を尽くすことで、更なる企業価値の向上を図る責務を負っているものと理解しております。いわゆる買収防衛に関しては、企業価値向上による株価の上昇や、積極的なIR活動による株主説明責任の貫徹及び株主の皆様との常日頃からの対話による信頼関係の確立こそが、その最善の方策であると考えております。そして、当社に対して買収の提案が行われた場合には、これを受け入れるか否かの最終判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきであり、その際に当社取締役会が自己の保身を図るなど恣意的判断が入ってはならないと考えております。また、買収提案の局面においては、株主の皆様が十分な情報に基づき相当な検討期間をかけて適正な判断を下すことができること(インフォームド・ジャッジメント)が、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保と向上のために不可欠であると考えております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることは、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置づけ、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。ロームグループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>4つのソリューション①アナログソリューションカーエレクトロニクス技術の飛躍的な進化やIoT(※1)の拡大が進む中で、デジタル制御を内蔵した高機能電源ICや多機能LEDドライバICなど、高度なアナログソリューションを展開してまいります。また、自動車関連市場や産業機器関連市場向けを中心に、主要なプロセッサメーカーとの連携によるリファレンスビジネスを拡大してまいります。 ※1.IoT(Internet of Things)様々なモノがインターネットに接続され、他と情報交換することにより相互にコントロールする仕組みのこと。 ②パワーソリューション省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイスの開発とラインアップの強化を進めており、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。引き続きロームグループが得意とするアナログパワー技術を結集し、高性能な電源ICやドライバIC、IGBT(※2)、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを推進してまいります。 ※2.IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor=絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)MOSFET(※3)とバイポーラトランジスタ(※4)のゲート部分に組み込むことで動作抵抗を小さくしたもの。大電力のスイッチングに向き、電圧制御に用いられる。※3.MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)電界効果トランジスタの一種でバイポーラトランジスタと比較して、低消費電力や高速スイッチングが可能で、各種電子機器に幅広く使われている。 ※4.バイポーラトランジスタN型とP型の半導体がP-N-PまたはN-P-Nの接合構造を持つ3端子の半導体で、電流増幅・スイッチングなどの信号処理を行い、各種電子機器に幅広く使われている。 ③センサソリューションセンサ関連デバイスの用途が増加し市場が広がりを見せる中、ロームグループが持つ生産技術やセンサコントロール技術を活かし、MEMS加速度センサや照度センサ、磁気センサ、薄膜ピエゾ素子(※5)などセンサ関連デバイスのラインアップを強化しています。また、様々な無線通信技術や制御技術と組み合わせることによりIoTなどの多様化するニーズに対応してまいります。 ※5.薄膜ピエゾ素子ピエゾ素子とは、圧電体(ピエゾ素子)に加えられた圧力を電圧に変換する、またはその逆の動作を行う素子で、センサのほか発振回路などにも使われている。 ④モバイルソリューションスマートフォンの高機能化やウエアラブル機器市場の拡大など、半導体や電子部品への小型化に対するニーズが高まる中で、ロームグループは半導体メーカーとして培ってきた幅広い技術を活かして、劇的な小型化と高い寸法精度を実現した革新的な「RASMID®」シリーズ(※6)のラインアップ充実を図るなど、世界最小デバイスの開発を進めてまいります。 ※6.「RASMID®(ROHM Advanced Smart Micro Device)」シリーズ従来とまったく違う工法を用いて、これまでに無い超小型化と高い寸法精度(±10μm)を実現したロームグループ独自の世界最小電子部品シリーズ。 <2>自動車、産業機器、新市場の強化戦略電子化が進む自動車関連市場、着実な成長を続ける産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。自動車関連市場や産業機器関連市場においては、生産体制の強化などにより売上の拡大を目指してまいります。また、IoT関連市場などその他の成長が見込まれる新市場においても、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 <3>海外系顧客への販売強化戦略欧米に加えてアジアや新興国などの海外市場の急速な拡大やグローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を目指してまいります。 <4>生産革新中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに迅速な製品供給ができる生産拠点展開を進めてまいります。また、RPS活動(※7)を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコスト競争力強化に努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 ※7.RPS(Rohm Production System)活動ロームグループの各生産拠点で進めている生産改善活動で、より高品質なモノづくりを進めるとともにリードタイムの短縮や在庫などあらゆるムダを徹底的に排除する活動。段違い(ダントツ)の高効率、高品質生産体制を構築することで利益体質の強化を図る。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、省エネルギー化のニーズ拡大やIoT市場の普及、自動車の電子化などにより中長期的な成長が続くものと考えられますが、価格競争や技術競争はより激化する方向にあり、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに徹底したコストダウンに取り組むことにより、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような状況のもと、ロームグループにおきましては、継続して車載電装品分野、産業機器分野を中心として、情報通信やモバイル機器などの幅広い市場において、業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。なお、当社の株式会社の支配に関する基本方針は、以下のとおりであります。 基本方針当社は、「つねに品質を第一とし、いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献すること」を企業目的としております。そして、この企業目的を遂行することが、当社の永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上をもたらすと同時に、株主の皆様を始めとする全てのステークホルダーへの利益貢献につながるものと考えております。また、株主の皆様から負託を受けた当社取締役会は、上記企業目的を遂行し、持続的成長に向けて不断の経営努力を尽くすことで、更なる企業価値の向上を図る責務を負っているものと理解しております。いわゆる買収防衛に関しては、企業価値向上による株価の上昇や、積極的なIR活動による株主説明責任の貫徹及び株主の皆様との常日頃からの対話による信頼関係の確立こそが、その最善の方策であると考えております。そして、当社に対して買収の提案が行われた場合には、これを受け入れるか否かの最終判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきであり、その際に当社取締役会が自己の保身を図るなど恣意的判断が入ってはならないと考えております。また、買収提案の局面においては、株主の皆様が十分な情報に基づき相当な検討期間をかけて適正な判断を下すことができること(インフォームド・ジャッジメント)が、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保と向上のために不可欠であると考えております。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)業績業績の全般的概況当連結会計年度における世界経済は、米国経済が好調に推移したことに加え、欧州や日本経済も回復基調を維持し、さらに中国経済も安定した成長が続いたことにより、堅調に推移しました。エレクトロニクス業界におきましては、自動車関連市場は、アメリカで後半減速しましたが、中国やアジアで新車販売台数が増加したことに加え、「安全」、「環境」などに対するニーズの高まりからエレクトロニクス製品の実装率の向上が続き、好調に推移しました。産業機器関連市場につきましては、工場の自動化やIoT化の進展などによりFA(※1)機器関連市場が大きく伸び、民生機器関連市場につきましては、AV、PC関連機器市場は調整が続き、スマートフォンも年後半は高級機種が失速しましたが、ゲーム機関連市場が好調に推移し、また家電関連市場では省エネ型エアコンなども堅調に推移しました。このような経営環境の中、ロームグループにおきましては、従来に引き続き中長期的に成長が期待される自動車関連市場や産業機器関連市場などへの製品ラインアップ強化や、両市場を中心とした販売強化を進めました。また、①アナログソリューション、②パワーソリューション、③センサソリューション、④モバイルソリューションを「4つのソリューション」と位置づけ、新製品・新技術の開発と、それらを組み合わせたソリューション提案の強化にも努めました。また、RPS活動を継続して推進したほか、「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けた先進の品質管理体制の構築やスマートファクトリー(※2)化の推進など、「生産革新」を進めました。さらに、パワーデバイスなど今後の成長が見込める分野を中心に生産能力増強に向けた設備投資を積極的に進めました。また、半導体市場の拡大に伴なう旺盛な需要によりウェハなどの半導体材料や製造装置市場が逼迫する中で、取引先企業との関係強化など、調達活動の強化にも取り組みました。 このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は3,971億6百万円(前期比12.8%増)となり、営業利益は570億4百万円(前期比79.1%増)となりました。経常利益につきましては、542億1千3百万円(前期比52.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は372億4千9百万円(前期比40.9%増)となりました。 ※1.FA(Factory Automation)工場における様々な工程を自動化するシステムのこと。※2.スマートファクトリー生産設備などをネットワークで相互に接続し、より高度な品質改善や、生産効率の改善を進めた製造工場のこと。 業績のセグメント別概況<LSI>当連結会計年度の売上高は1,834億3千万円(前期比13.8%増)、セグメント利益は201億8千1百万円(前期比122.7%増)となりました。自動車関連市場では、カーオーディオ向けの電源ICなどが調整局面となりましたが、xEV(※3)向けの絶縁ゲートドライバIC(※4)が売上を伸ばしたほか、インストルメント・パネル向けのドライバICなど、カーボディ向けの各種電源ICなどが幅広く採用されたことにより売上は好調に推移しました。産業機器関連市場では、FA・計測器向け等の電源ICやモータドライバICなどが順調に推移しました。民生機器関連市場では、TV向けのLCDドライバや電源ICが調整局面となった一方で、家電向けの電源IC、ゲーム機向けのカスタムICやメモリICなどが売上を伸ばし、また事務機向けのモータドライバICなどの売上も回復傾向となりました。 ※3.xEV電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)など電力を駆動力として使用する自動車の総称。※4.絶縁ゲートドライバICIGBTなどのパワー半導体を駆動させるためのICで、絶縁素子を内蔵することにより人体・システム保護に必須の絶縁用外付け部品を不要にした。 <半導体素子>当連結会計年度の売上高は1,499億1千5百万円(前期比15.3%増)、セグメント利益は321億9千3百万円(前期比53.9%増)となりました。トランジスタにつきましては、自動車関連やゲーム機市場向けなどに電源用のパワーMOSFETが売上を伸ばしたほか、小信号トランジスタにつきましても産業機器関連、民生機器関連市場向けで堅調に推移しました。ダイオードにつきましては、自動車関連市場向けのパワーダイオードの売上が好調に推移しました。パワーデバイスにつきましては、中国向けの太陽光発電や自動車関連市場向けなどにSiCデバイスが大きく売上を伸ばしました。また、オプティカルデバイスにつきましても売上が堅調に推移しました。 <モジュール>当連結会計年度の売上高は418億2千9百万円(前期比5.6%増)、セグメント利益は37億9千3百万円(前期比111.6%増)となりました。プリントヘッドにつきましては、決済端末向けなどで売上が好調に推移しました。オプティカルモジュールにつきましては、スマートフォンやウェアラブル向けのセンサモジュールの採用が進みました。 <その他>当連結会計年度の売上高は219億3千万円(前期比3.6%増)、セグメント利益は29億6千8百万円(前期比98.2%増)となりました。抵抗器につきましては、スマートフォン市場での調整の影響を受けましたが、自動車関連市場向けなどが売上を牽引しました。なお、前期にLED照明事業から撤退しております。 上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。(2)生産、受注及び販売の実績①生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)185,59517.5半導体素子(百万円)154,23821.3モジュール(百万円)42,0808.6 報告セグメント計(百万円)381,91417.9その他(百万円)22,38910.9合計(百万円)404,30417.5 (注)上記の金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。 ②受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)LSI188,32813.336,63015.4半導体素子163,42419.940,28650.4モジュール45,39112.010,88048.7 報告セグメント計397,14415.887,79733.4その他22,2512.44,6207.5合計419,39615.092,41831.8 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ③販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)前年同期比(%)LSI(百万円)183,43013.8半導体素子(百万円)149,91515.3モジュール(百万円)41,8295.6 報告セグメント計(百万円)375,17513.4その他(百万円)21,9303.6合計(百万円)397,10612.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(3)重要な会計方針及び見積り当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。 (4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の売上高は自動車関連市場、産業機器関連市場及びゲーム機新機種向けの売上拡大などにより前期比12.8%増の3,971億6百万円となりました。営業利益は主に増収効果により前期比79.1%増の570億4百万円となり、当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の9.0%から14.4%に上昇しました。経常利益につきましては、営業利益が増加した一方で為替差損が増加したことなどにより前期比52.4%増の542億1千3百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加した一方で減損損失が増加したことなどにより前期比40.9%増の372億4千9百万円となりました。またロームグループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比38.3%増の1,004億1千1百万円となり、当連結会計年度のROEは、前連結会計年度の3.7%から5.0%に上昇しました。当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ355億3千1百万円増加し、8,700億3千4百万円となりました。主な要因といたしましては、無形固定資産が51億3百万円減少した一方、投資有価証券が135億3千1百万円、たな卸資産が115億9千2百万円、有形固定資産が89億5千7百万円、受取手形及び売掛金が85億9千2百万円、それぞれ増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ91億5百万円増加し、1,181億5千6百万円となりました。主な要因といたしましては、電子記録債務が37億5千4百万円減少した一方、未払法人税等が66億3千3百万円、未払金が35億5千4百万円、それぞれ増加したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ264億2千5百万円増加し、7,518億7千7百万円となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が160億8千3百万円、その他有価証券評価差額金が84億9千3百万円、それぞれ増加したことによるものであります。これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の86.9%から86.4%に低下しました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(673億9千7百万円のプラス)に比べ73億3千万円収入が増加し、747億2千7百万円のプラスとなりました。これは主に、プラス要因として税金等調整前当期純利益の増加及び減損損失の増加、マイナス要因としてたな卸資産の増加額が増加したことによるものであります。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(387億4千2百万円のマイナス)に比べ157億7千5百万円支出が増加し、545億1千7百万円のマイナスとなりました。これは主に、マイナス要因として有形固定資産の取得による支出の増加及び有価証券及び投資有価証券の取得による支出の増加によるものであります。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(121億7千3百万円のマイナス)に比べ90億1千3百万円支出が増加し、211億8千6百万円のマイナスとなりました。これは主に、マイナス要因として配当金の支払額の増加によるものであります。上記の要因に、換算差額による減少が10億6千3百万円加わり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ20億4千1百万円減少し、2,439億7千3百万円となりました。また、次期のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象といたしまして、設備投資額は780億円、また減価償却費は495億円を予定しております。 (5)資本の財源及び資金の流動性ロームグループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常にめざしております。運転資金及び設備資金につきましては、主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。
経営方針・経営戦略
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることは、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置づけ、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)営業利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>4つのソリューション①アナログソリューションカーエレクトロニクス技術の飛躍的な進化やIoTの拡大が進む中で、デジタル制御を内蔵した高機能電源ICや多機能LEDドライバICなど、デジタル技術を融合した高度なアナログソリューションを展開してまいります。また、自動車・産業機器市場向けを中心に、主要なプロセッサメーカーとの連携によるリファレンスビジネスを拡大してまいります。 ②パワーソリューション省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイスの開発とラインアップの強化を進めてきたことにより、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。引き続きロームグループが得意とするアナログパワー技術を結集し、高機能な電源ICや、IGBT、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを推進してまいります。 ③センサソリューションセンサ関連デバイスの用途が増加し市場が広がりを見せる中、ロームグループが持つ生産技術やセンサコントロール技術を活かし、MEMS加速度センサや照度センサデバイス、薄膜ピエゾ素子(※1)などセンサ関連デバイスのラインアップを強化しています。また、様々な無線通信技術や制御技術と組み合わせることによりIoTなどの多様化するニーズに対応してまいります。 ※1.薄膜ピエゾ素子ピエゾ素子とは、圧電体(ピエゾ素子)に加えられた圧力を電圧に変換する、またはその逆の動作を行う素子で、センサのほか発振回路などにも使われている。 ④モバイルソリューションスマートフォンの高機能化やウエアラブル機器市場の拡大など、半導体や電子部品への小型化に対するニーズが高まる中で、ロームグループは半導体メーカーとして培ってきた幅広い技術を活かして、劇的な小型化と高精度を実現した革新的な「RASMID®」シリーズ(※2)のラインアップ充実を図るなど、世界最小デバイスの開発を進めてまいります。 ※2.「RASMID®(ROHM Advanced Smart Micro Device)」シリーズ従来とまったく違う工法を用いて、これまでに無い超小型化と高い寸法精度(±10μm)を実現したロームグループ独自の世界最小電子部品シリーズ。 <2>自動車、産業機器、新市場の強化戦略電子化が進む自動車関連市場、着実な成長を続ける産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。自動車関連市場や産業機器関連市場においては、生産体制の強化などにより売上比率のアップを目指してまいります。また、IoT関連市場などその他の成長が見込まれる新市場においても、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 <3>海外系顧客への販売強化戦略市場のグローバル化が急速に進む中で、欧米に加えてアジアや新興国などの海外市場の急速な拡大、グローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を目指してまいります。 <4>生産革新中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに迅速な製品供給ができる生産拠点展開を進めてまいります。また、RPS(Rohm Production System)活動を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコストダウンに努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、デジタル情報家電やIoT市場の普及、自動車の電子化などにより中長期的には成長が続くものと考えられますが、価格競争や技術競争はより激化する方向にあり、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに徹底したコストダウンに取り組むことにより、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような経営環境のもと、ロームグループにおきましては、車載電装品分野、産業機器分野、情報通信やモバイル機器などの幅広い市場において、業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。 なお、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は、以下のとおりであります。 基本方針当社は、「つねに品質を第一とし、いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献すること」を企業目的としております。そして、この企業目的を遂行することが、当社の永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上をもたらすと同時に、株主の皆様を始めとする全てのステークホルダーへの利益貢献につながるものと考えております。また、株主の皆様から負託を受けた当社取締役会は、上記企業目的を遂行し、持続的成長に向けて不断の経営努力を尽くすことで、更なる企業価値の向上を図る責務を負っているものと理解しております。いわゆる買収防衛に関しては、企業価値向上による株価の上昇や、積極的なIR活動による株主説明責任の貫徹及び株主の皆様との常日頃からの対話による信頼関係の確立こそが、その最善の方策であると考えております。そして、当社に対して買収の提案が行われた場合には、これを受け入れるか否かの最終判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきであり、その際に当社取締役会が自己の保身を図るなど恣意的判断が入ってはならないと考えております。また、買収提案の局面においては、株主の皆様が十分な情報に基づき相当な検討期間をかけて適正な判断を下すことができること(インフォームド・ジャッジメント)が、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保と向上のために不可欠であると考えております。
対処すべき課題
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてロームグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針ロームグループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るにあたって、事業活動の中で革新的な製品開発や質の高いモノづくりを進めることは、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、社員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、または還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。ロームグループでは、こうした活動の循環をCSV(共通価値の創造)活動と位置づけ、真摯に取り組むことで、ロームグループをステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題のひとつとして位置付けております。このような観点のもと、ロームグループは、世界市場をリードする製品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な製品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。 (2)目標とする経営指標ロームグループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、資産回転率といった投資効率を示す指標を重視しております。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるROEの改善にも取り組んでおります。 ※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)営業利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。 (3)中長期的な会社の経営戦略ロームグループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、中長期的に新たな成長の基盤固めを行うため、以下の重点戦略を進めてまいります。 <1>4つのソリューション①アナログソリューションカーエレクトロニクス技術の飛躍的な進化やIoTの拡大が進む中で、デジタル制御を内蔵した高機能電源ICや多機能LEDドライバICなど、デジタル技術を融合した高度なアナログソリューションを展開してまいります。また、自動車・産業機器市場向けを中心に、主要なプロセッサメーカーとの連携によるリファレンスビジネスを拡大してまいります。 ②パワーソリューション省エネルギー化のニーズがますます高まる中で、従来のシリコン半導体と比較して大幅な低損失と小型化が実現できるSiCデバイスの開発とラインアップの強化を進めてきたことにより、自動車関連市場や産業機器関連市場を中心に様々なアプリケーションで採用実績が広がってまいりました。引き続きロームグループが得意とするアナログパワー技術を結集し、高機能な電源ICや、IGBT、パワーMOSFETなどを組み合わせ、お客様に最適なパワーソリューションを推進してまいります。 ③センサソリューションセンサ関連デバイスの用途が増加し市場が広がりを見せる中、ロームグループが持つ生産技術やセンサコントロール技術を活かし、MEMS加速度センサや照度センサデバイス、薄膜ピエゾ素子(※1)などセンサ関連デバイスのラインアップを強化しています。また、様々な無線通信技術や制御技術と組み合わせることによりIoTなどの多様化するニーズに対応してまいります。 ※1.薄膜ピエゾ素子ピエゾ素子とは、圧電体(ピエゾ素子)に加えられた圧力を電圧に変換する、またはその逆の動作を行う素子で、センサのほか発振回路などにも使われている。 ④モバイルソリューションスマートフォンの高機能化やウエアラブル機器市場の拡大など、半導体や電子部品への小型化に対するニーズが高まる中で、ロームグループは半導体メーカーとして培ってきた幅広い技術を活かして、劇的な小型化と高精度を実現した革新的な「RASMID®」シリーズ(※2)のラインアップ充実を図るなど、世界最小デバイスの開発を進めてまいります。 ※2.「RASMID®(ROHM Advanced Smart Micro Device)」シリーズ従来とまったく違う工法を用いて、これまでに無い超小型化と高い寸法精度(±10μm)を実現したロームグループ独自の世界最小電子部品シリーズ。 <2>自動車、産業機器、新市場の強化戦略電子化が進む自動車関連市場、着実な成長を続ける産業機器関連市場は、ロームグループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。自動車関連市場や産業機器関連市場においては、生産体制の強化などにより売上比率のアップを目指してまいります。また、IoT関連市場などその他の成長が見込まれる新市場においても、ロームグループがこれまで培ってきた半導体技術を活かし、積極的に市場開拓を進めてまいります。 <3>海外系顧客への販売強化戦略市場のグローバル化が急速に進む中で、欧米に加えてアジアや新興国などの海外市場の急速な拡大、グローバル化にともない、海外系顧客の開拓、営業活動の強化を進めてまいります。製品構成から開発、営業、技術サポートまで、海外のお客様のニーズに幅広く対応できる体制作りを進め、海外市場における売上及びシェア拡大を目指してまいります。 <4>生産革新中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに迅速な製品供給ができる生産拠点展開を進めてまいります。また、RPS(Rohm Production System)活動を通じてあらゆるムダの削減や効率化を進め、リードタイムの短縮と品質のさらなる向上によりコストダウンに努めてまいります。さらに先進の品質管理体制構築に向けた技術開発や設備投資を進めることで「Zero Defect(不良ゼロ)」の実現に向けて取り組んでまいります。 (4)経営環境及び対処すべき課題世界のエレクトロニクス市場におきましては、デジタル情報家電やIoT市場の普及、自動車の電子化などにより中長期的には成長が続くものと考えられますが、価格競争や技術競争はより激化する方向にあり、グローバル市場に対応した新製品・新技術の開発を進めるとともに徹底したコストダウンに取り組むことにより、国際的に競争力の高い製品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。このような経営環境のもと、ロームグループにおきましては、車載電装品分野、産業機器分野、情報通信やモバイル機器などの幅広い市場において、業界のニーズを先取りする高付加価値製品の開発に努めてまいります。また、海外市場の拡大に対応するため、グローバルな開発、販売体制の強化を引き続き推し進めてまいります。さらに、持続可能な社会の実現に貢献するためのCSV活動や、事業継続のためのリスク管理体制も継続して強化してまいります。 なお、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は、以下のとおりであります。 基本方針当社は、「つねに品質を第一とし、いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献すること」を企業目的としております。そして、この企業目的を遂行することが、当社の永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上をもたらすと同時に、株主の皆様を始めとする全てのステークホルダーへの利益貢献につながるものと考えております。また、株主の皆様から負託を受けた当社取締役会は、上記企業目的を遂行し、持続的成長に向けて不断の経営努力を尽くすことで、更なる企業価値の向上を図る責務を負っているものと理解しております。いわゆる買収防衛に関しては、企業価値向上による株価の上昇や、積極的なIR活動による株主説明責任の貫徹及び株主の皆様との常日頃からの対話による信頼関係の確立こそが、その最善の方策であると考えております。そして、当社に対して買収の提案が行われた場合には、これを受け入れるか否かの最終判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきであり、その際に当社取締役会が自己の保身を図るなど恣意的判断が入ってはならないと考えております。また、買収提案の局面においては、株主の皆様が十分な情報に基づき相当な検討期間をかけて適正な判断を下すことができること(インフォームド・ジャッジメント)が、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保と向上のために不可欠であると考えております。