事業の概要
- 多角的な事業展開日東電工グループは、インダストリアルテープ、オプトロニクス、ヒューマンライフ、その他の4つの主要部門で事業を展開しています。これにより、特定の市場や製品に依存せず、幅広い産業分野に製品を提供することで収益源を分散し、安定した経営基盤を築いています。
- グローバルな事業活動子会社88社と関連会社4社を擁し、世界中で事業を展開しています。これにより、各地域の市場ニーズに対応した製品やサービスを提供し、国際的な競争力を高めるとともに、地域ごとのリスクを分散しています。
- 多様な製品群基盤機能材料、情報機能材料、ライフサイエンス関連製品、高分子分離膜など、多岐にわたる製品を提供しています。これらの製品は、自動車、エレクトロニクス、医療、環境など、様々な産業の基盤を支える重要な役割を担っており、幅広い顧客層からの収益を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- インダストリアルテープ部門この部門は、基盤機能材料(接合材料、保護材料、プロセス材料、自動車材料など)を幅広く提供しています。情報デバイス・ディスプレイ、半導体・電子部品、モビリティといった多様な業界向けに製品を展開しており、特に高付加価値製品への需要に応えることで、市場変動に強い体質を目指しています。
- オプトロニクス部門情報機能材料(光学フィルムなど)や回路材料(CIS、高精度基板など)を主要製品としています。この部門は、エレクトロニクス製品や半導体市場の動向に影響を受けやすい特性がありますが、独自の技術で高性能な材料を提供し、市場での競争力を維持しています。
- ヒューマンライフ部門ライフサイエンス(核酸受託製造、核酸合成材料、核酸創薬、医療関連材料など)、メンブレン(高分子分離膜)、パーソナルケア材料(衛生材料等機能性フィルム)といった、人々の生活や健康に貢献する製品・サービスを提供しています。この分野は、医療や環境意識の高まりを背景に、将来的な成長が期待される部門です。
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3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(当社、子会社87社及び関連会社1社(2026年3月31日現在)により構成)においては、インダストリアルテープ、オプトロニクス、ヒューマンライフ、その他の4部門に関係する事業を主として行っており、その製品は多岐にわたっております。各事業における当社及び関係会社の位置づけは次のとおりであります。 なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業区分主要製品又は事業インダストリアルテープ基盤機能材料(接合材料、保護材料、プロセス材料、自動車材料等)オプトロニクス情報機能材料(光学フィルム等)、回路材料(CIS(Circuit Integrated Suspension)、高精度基板等)ヒューマンライフライフサイエンス(核酸受託製造、核酸合成材料、核酸創薬、医療関連材料等)、メンブレン(高分子分離膜)、パーソナルケア材料(衛生材料等機能性フィルム)その他新規事業、その他製品 事業系統図 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 高付加価値製品への要望増、ニッチトップ戦略、コスト競争力強化への取り組み |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 粘接着、光学設計、回路形成、薄膜形成、多孔、分離、核酸合成、ドラッグデリバリーシステムの8つの基幹技術 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:海外取引・為替リスク / 顧客の財務状況 / 原材料確保
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
日東電工は、光学機能性フィルム、粘着テープ、メディカル分野などで長年の研究開発により培われた高い技術力と、それに基づく多数の特許を保有している。特に、スマートフォンやディスプレイ向けの光学フィルム分野では、独自の技術で高いシェアを維持しており、これが無形資産となっている。
スイッチングコスト★★★☆☆
同社の製品は、顧客の製造プロセスに深く組み込まれており、特に光学フィルムや粘着テープは、代替品への切り替えに際して、性能評価や製造ラインの調整に多大なコストと時間を要する。そのため、顧客は容易に他社製品へ移行しにくい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
日東電工の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すものではない。製品の価値は、個々の技術力や品質に依存しており、ユーザー数の増加によって価値が向上するような構造ではない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の生産ノウハウや規模の経済により、一定のコスト競争力は有していると考えられるが、化学業界全体として原材料価格の変動リスクや、競合他社との技術開発競争による研究開発費の増加など、構造的なコスト優位性は限定的である。
規模の経済★★★★☆
光学機能性フィルム、粘着テープ、半導体関連材料などの主要事業分野において、グローバルで高い市場シェアを有しており、業界内でもトップクラスの規模を誇る。この規模が、研究開発投資や生産能力の維持・拡大を可能にし、競合に対する優位性を築いている。
- 独自の技術と製品開発力日東電工は「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発に注力しており、特にESGを重視した「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」の創出にリソースを集中しています。これにより、市場の変化に対応し、他社にない高付加価値製品を生み出すことで競争優位性を確立しています。
- 強固な知的財産権多くの知的財産権を保有し、維持・管理することで、市場競争力を高めています。技術知財戦略本部と事業部が連携し、他社の知的財産権侵害に注意を払う一方で、自社の知的財産権を保護する活動も積極的に行い、模倣品対策や参入障壁の構築に努めています。
- グローバルなサプライチェーンサプライチェーンにおけるリスクの可視化や物流BCP(事業継続計画)の構築を通じて、強靭なサプライチェーンを構築しています。これにより、原材料の安定調達や製品の安定供給を可能にし、世界中の顧客ニーズに迅速かつ確実に応える体制を整えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社、以下同じ)が判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、当社グループが現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、経営理念のミッションである「新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。」の下、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営の中心に置いて、事業を通じた社会課題の解決に努め、持続可能な未来を実現するために、地球環境と社会に貢献しながら成長し続ける企業グループを目指します。そのため、これまでの歴史で培ってきた基幹技術、多様な事業領域や強い知的財産、さらには幅広い業界における顧客基盤といった強みを結集し、「三新活動」※1と「ニッチトップ戦略」※2でイノベーションを加速させます。そして環境・人類への貢献度合いが特に高い「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」※3の認定基準をも満たすことで社会課題の解決と経済価値の創造の両立を実現した「ダブル認定」※4製品・サービスを創出及び拡大していきます。また、地球環境や人類社会にとって「なくてはならない」存在となり、持続的な成長をさらに加速させるために、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定しています。ESG領域に対して定めた10のマテリアリティに取り組むことで、さらなる企業価値の向上を図ります。 領域ありたい姿マテリアリティE(環境)未来の地球を守る気候変動への対応循環型社会の実現生物多様性の保全PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの創出S(社会)人と社会を豊かにする労働者の安全確保多様な人財の活躍製品の安定供給人権の支持と尊重G(ガバナンス)ステークホルダーの期待と信頼に応えるコンプライアンスの向上情報セキュリティの強化 サステナビリティに関する考え方及び取組みについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 ※1.新用途開拓と新製品開発に取り組むことで、新しい需要を創造する当社グループ独自のマーケティング活動です。※2.変化しながら成長するマーケットを見極め、その中のニッチな領域を対象に、当社グループ固有の技術・知見の融合と、ステークホルダーとの共創により、なくてはならない「製品」「機能」「ビジネスモデル」を継続的に生み出し、シェアNo.1を狙う、当社グループ独自の差別化戦略です。※3.当社グループは環境・人類に貢献する製品・サービスの認定スキームを2022年度に制定しました。当社グループの生み出す製品・サービスの環境・人類への貢献を可視化し、特に貢献度合いの高い製品・サービスをPlanetFlagsTM/HumanFlagsTMとして認定しています。※4.PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM※3とニッチトップ※2双方の認定基準を満たす厳選された製品・サービスです。当社グループは、ダブル認定を通じて、高い社会貢献と収益性を実現し、企業価値を向上します。 (2)中長期的な会社の経営戦略前中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」の振り返り当社グループは、2023年度から2025年度を対象期間とする中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」を策定し、「ニッチトップ戦略×Nitto流ESG戦略」の実践をスローガンに掲げ、重点項目として「環境・人類に貢献する事業ポートフォリオ変革」「ニッチトップを生み出すイノベーションモデルの進化」「人財・チームの挑戦を加速する組織文化の改革」「変化を先取る経営インフラへの変革」に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度における財務目標として掲げた営業利益1,700億円、営業利益率17%を達成しました。一方で、ROE15%の目標には至らず、次の中期経営計画では、さらなる資本効率の向上に取り組みます。 財務指標2025年度目標2025年度実績営業利益1,700億円1,836億円営業利益率17%17.9%ROE15%12.2% 未財務目標については、製品系・環境系・人財系に分けて9指標を設定し、製品系指標の「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMカテゴリ売上収益比率」「新製品比率」、及び環境系指標の「廃プラスチックリサイクル率」「サステナブル材料使用率」「CO2排出量(Scope1+2)」、並びに人財系指標の「エンゲージメントスコア」について目標を達成しました。一方、製品系指標の「ニッチトップ売上収益比率」、及び人財系指標の「チャレンジ比率」「女性リーダー比率」は目標には至りませんでした。 未財務指標2025年度目標2025年度実績関連するマテリアリティ製品系ニッチトップ売上収益比率50%49.7%※-PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMカテゴリ売上収益比率40%46%PlanetFlagsTMの創出HumanFlagsTMの創出新製品比率35%以上40%-環境系廃プラスチックリサイクル率50%54%循環型社会の実現サステナブル材料使用率20%24%CO2排出量(Scope1+2)470kton/年361kton/年脱炭素社会の実現人財系エンゲージメントスコア7881多様な人財の活躍チャレンジ比率70%58%女性リーダー比率24%22% ※当社では、実績値については従来、小数点以下を四捨五入して表示しておりますが、当該項目につきましては、目標値(50%)に対する達成状況をより明確に示すため、例外的に小数点以下第1位まで表示しております。 「Nitto for Everyone 2025」重点項目の振り返りa.環境・人類に貢献する事業ポートフォリオ変革当連結会計年度においては、既存事業領域におけるさらなる事業拡大に向けた新工場を豊橋事業所に建設することを決定しました。新工場ではスマートフォンなどに使用される電気剥離テープ、次世代ハイエンドデバイスで注目されている有機EL(OLED)を採用したフォルダブル(折り畳み式)製品に使用される光学用透明粘着シートや、部品固定用テープの生産を予定しています。新規領域では、重点分野における事業創出に向けパートナー企業様との共同開発契約を締結しました。デジタルインターフェースにおいてはIBM社と半導体パッケージにおける熱機械的信頼性の向上を目指した新材料の評価を進めます。また、環境ビジネスにおいては、先進材料のイノベーションにおける世界的リーダーであり、金属有機構造体材料のパイオニアであるNumat Technologies社及び、膜ベースのCO2分離技術における先駆者であるAqualung Carbon Capture社と、次世代脱炭素技術開発を進めます。 b.ニッチトップを生み出すイノベーションモデルの進化当連結会計年度においては、PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMとして新たに4製品(累計38製品)を認定しました。その一つとしてPlanetFlagsTMに認定されたOLEDディスプレイパネル出荷保護フィルムは、製品重量の大半に国際認証されたリサイクル材を使用することで、従来製品と比較してライフサイクルCO2排出量を21%削減しています。また、PlanetFlagsTMかつHumanFlagsTMに認定されたバッテリー固定用電気剥離テープは、スマートフォンのバッテリーの取り外しを容易にすることで製造時のロスを削減する(従来工法と比較してライフサイクルCO2排出量50%以上削減)とともに、消費者の修理する権利(Right to Repair)を実現しています。当製品はGlobal Niche TopTM製品にも認定されています。当社グループは、ESG経営をさらに加速させるため、このような社会課題の解決と経済価値の創造の両立を実現するPlanetFlagsTM/HumanFlagsTMとGlobal Niche TopTM/Area Niche TopTMの双方に認定されるダブル認定製品・サービスを創出及び拡大していきます。 c.人財・チームの挑戦を加速する組織文化の改革当連結会計年度において、価値創造にチャレンジした従業員の割合を計る指標であるチャレンジ比率は58%となり、2025年度目標には届きませんでした。しかしながら「Nitto Innovation Challenge」や職場での小集団改善活動などを通じて価値創造にチャレンジしたグループ従業員数は1万5千人を超えました。「Nitto Innovation Challenge」では、新規事業創出のためのアイデアをグループ全社から募り、その中から有望なアイデアについては会社として実現に向け支援を行っています。当連結会計年度は開催6回目を迎え、エントリー数は過去最高となった前回の約1.7倍となる2,683件となりました。当取組みはPlanetFlagsTM/HumanFlagsTM及びGlobal Niche TopTM製品/Area Niche TopTM製品創出を促進する仕組みの一つにもなっています。女性リーダー比率については22%となりました。多くのエリアで目標を上回ったものの、日本におけるさらなる比率の向上が課題となっています。組織・チームをけん引できる女性リーダーの育成に向けた社内施策である「FLOWERプログラム」を通じて、モデルケースとなる女性従業員の意識改革を図るとともに、将来のキャリアを想定した育成プランに沿って成長の機会を提供し、さらなる女性活躍を推進します。エンゲージメントサーベイについては、2023年度に続いて実施し、グループ全体のスコアは2025年度目標を上回る81となりました。国内外の各拠点でエンゲージメントを高める独自の取組みを行っており、効果が見られた取組みについてはグループ内で共有しています。 d.変化を先取る経営インフラへの変革当社グループが掲げる「ニッチトップ戦略×Nitto流ESG戦略」の実践には、事業環境の変化を先取ることが必要であるとの認識の下、外部環境の影響を受けにくい強靭な経営インフラへの変革を進めました。重点項目の施策に掲げた「資本効率性が高い強靭な財務体質の維持・向上」においては、中期経営計画期間である2023年度から2025年度までの3年間で総額1,420億円の自己株式取得を実施しました。なお、2026年3月に総額500億円(上限)の自己株式取得を発表しました。今後も資本効率性のさらなる向上を目指します。「ESG先進企業への取組加速」においては、自然関連課題に関わる対応を経営上の重要課題と認識し、自然への依存・影響及びリスク・機会によってもたらされる事業への影響について評価し、対応を進めています。2025年8月に自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、TNFD)の提言に賛同し、TNFD Adopterに登録しました。なお、当社グループのESGを経営の中心に置いた各種取組みが評価され、当連結会計年度において世界的な調査・格付け会社であるS&P Global社が発行した「The Sustainability Yearbook 2026」※1において、「Sustainability Yearbook Member」に2年連続で選定されました。「ブランド認知獲得」においては、ATPとのパートナーシップを2030年まで5年間延長することを決定しました。当社グループは、ATPツアーの中で最もサステナブルな大会のひとつとして位置づけられる「Nitto ATP Finals」※2への協賛を通じ、驚きと感動を提供し、グローバル企業としてさらなる飛躍を目指します。 ※1.S&P Global社は、世界の企業を対象に経済・環境・社会の側面から企業の持続可能性を同社独自の評価手法であるCSA(Corporate Sustainability Assessment)より、各産業において特に評価の高い上位15%の企業を掲載した「The Sustainability Yearbook」を毎年発行しています。※2.「Nitto ATP Finals」は、男子プロテニスシーズンのクライマックスを飾るイベントとして、世界のシングルス並びにダブルスから選抜されたベスト8が進出し、シーズンの最終タイトルを競う大会です。1970年に始まり、現在はイタリアのトリノで開催されています。当社グループでは2017年からタイトルスポンサーを務めています。 2030年目指す姿と新中期経営計画「Nitto RISE 2028」の策定新たな中期経営計画の策定にあたり、これまで2030年ありたい姿として掲げていた「なくてはならないESGトップ企業」を、2030年目指す姿「なくてはならないESGニッチトップ企業」へと改定しました。これは、新中期経営計画「Nitto RISE 2028」では実行と成果を重視する段階へ移行すること、収益性のさらなる向上とNittoらしさの明確化を図ることを意図したものです。新中期経営計画「Nitto RISE 2028」は、2030年目指す姿の実現に向けたセカンドステップと位置づけ、2028年度の財務目標として「営業利益」「営業利益率」「ROE」を、また未財務目標として8つの指標を掲げ、企業価値の向上に取り組みます。当社グループは、「Nitto RISE 2028」の推進を通じて、お客様やパートナー様との共創イノベーションにより新たな価値を創出し、持続可能な地球環境・人類社会に「なくてはならない」存在として、ステークホルダーからの信頼と期待に応えてまいります。 新中期経営計画「Nitto RISE 2028」の重点取組み新中期経営計画「Nitto RISE 2028」では、「ダブル認定による新しい成長の実現」を重点取組みとし、社会課題の解決と経済価値の創造の両立を実現するためPlanetFlags™/HumanFlags™とGlobal Niche Top™/Area Niche Top™双方の認定基準を満たす「ダブル認定」製品・サービスの創出及び拡大を推進していきます。「デジタルインターフェース」「グリーンテック」「ヒューマンライフ」を重点分野として設定し、当社グループの基幹技術や三新活動といった強みを市場成長が見込まれるデジタル・次世代情報通信、半導体、環境・再生可能エネルギー、ライフサイエンス領域で展開し、経営資源を重点的に配分することで事業ポートフォリオの変革を進めます。この重点取組みを支える施策として、「人的資本経営」「デジタル利活用」「脱炭素経営」に取り組むことで成長を確かなものとしていきます。 a.人的資本経営当社グループは、持続的な成長を実現していくために「人財は最も重要な財産」と位置づけています。新しいイノベーションを創出・加速する土台となる「チャレンジを楽しむ」文化の醸成と、人事・育成制度の変革に取り組んでいきます。また、人財戦略である「誰もが活き活きとやりがいをもって活躍できる環境の構築」の下、「個人の活性化」と「組織の活性化」を図る施策を推進し、事業の成長を目指します。 b.デジタル利活用当社グループは、デジタル技術の使いこなしが企業の競争力を高めると認識し、データとAIの活用により経営と現場の変革を進めていきます。価値創造に直結する「攻め」の施策として、デジタル利活用によりニッチトップ戦略や三新活動の確度・スピードを高める取組みを加速するとともに、これらのリソースを捻出する「守り」の取組みとして、サプライチェーンマネジメントの強靭化や業務効率化を推進します。また、「攻め」と「守り」を支えるインフラとしてデータ業務基盤の整備、データガバナンスやサイバーセキュリティの強化にも継続的に取り組みます。 c.脱炭素経営当社グループは、気候変動への対応を経営上の重要課題と認識しており、脱炭素社会の実現に貢献していくことを目指します。PlanetFlagsTMの創出・拡大、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギーの活用、製造プロセスの革新を進めるとともに、原材料を供給いただけるパートナー様や、製品を使っていただいているお客様との協働を通じたサプライチェーン全体を視野に入れた環境負荷低減を推進していきます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは「Nitto RISE 2028」において、事業の稼ぐ力と収益性を重視した経営指標として営業利益及び営業利益率を、資本コストを意識した企業価値向上の達成度を測る指標としてROEを掲げています。 財務指標2025年度実績2028年度目標2030年度目標営業利益1,836億円2,200億円2,400億円以上営業利益率17.9%20%20%以上ROE12.2%14%15%以上 また、当社グループでは、現時点では未だ財務には至っていないが将来的に財務となり得る要素、あるいは財務に転換していく要素を“未財務”と呼び、8つの未財務指標を設定しています。これら未財務指標の目標達成に向けた活動を推進することで変革を加速し、さらなる企業価値の向上を図ります。 未財務指標2025年度実績2028年度目標2030年度目標関連するマテリアリティ製品系ダブル認定売上収益比率(1)40%40%50%以上PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの創出ニッチトップ売上収益比率(2)49.7%50%50%以上Flags売上収益比率(3)46%50%50%以上環境系GHG排出量(4)Scope1272kton300kton330kton以下気候変動への対応循環型社会の実現Scope289kton100kton70kton以下Scope3(5)1,391kton1,520kton1,460kton以下人財系エンゲージメントスコア(6)818485以上多様な人財の活躍チャレンジ比率(7)58%70%85%以上 (1)社会課題の解決と経済価値の創造を実現した製品・サービスの創出・拡大を計る指標(2)ニッチな領域でシェアNo.1を獲得した「なくてはならない」Nitto製品の創出・拡大を計る指標(3)社会課題の解決に「なくてはならない」製品・サービスの創出・拡大を計る指標。Flagsは、PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの略称(4)Greenhouse Gas(温室効果ガス)の排出量を指し、気候変動に対する取組みの進捗を計る指標、GHG排出量の2025年度実績数値については、提出日時点の集計値であり、第三者保証を取得した数値については、Nittoグループ サステナビリティデータブック 2026にて開示(5)対象カテゴリー:1.原材料の調達、3.燃料・電力の製造、4.輸送(調達・出荷物流)、5.廃棄物処理、12.製品廃棄(6)組織の活性化を示す3要素(従業員の「帰属意識・貢献意欲」「生産的な職場環境」「心身の健康・活力」)を計る指標(7)新たな価値創造に向けて自分の経験や可能性を拡げるチャレンジをした従業員の割合を計る指標 (4)各報告セグメントの戦略と取組み各報告セグメントにおける主な戦略と取組みは、次のとおりであります。 ・インダストリアルテープ欧州においてスマートフォンなどの電子機器における修理する権利 (Right to Repair)の義務化が進む中、バッテリー固定用電気剥離テープの需要が拡大する見通しです。当社グループの剥離技術を活用し、さらなる事業拡大を図るべく、豊橋事業所に過去最大規模となる390億円の投資を決定しました。また、生成AIの普及を背景に、半導体やセラミックコンデンサー向け工程用材料の新たな用途展開による拡販を進め、インダストリアルテープ全体としてさらなる利益率の向上を目指します。 ・オプトロニクス情報機能材料は、半導体メモリ不足がIT機器やスマートフォンの生産台数に与える影響に注視が必要となるものの、成長領域である車載ディスプレイやフォルダブル(折り畳み式)スマートフォン向けのハイエンド製品に引き続き注力していきます。これらの領域では、単一商材だけではなく、関連する複数の商材を組み合わせたトータルソリューションを顧客に提供することでディスプレイの進化に貢献します。また、市場環境の変化を踏まえ、中長期的な成長に向けて非ディスプレイ市場における新規事業創出に取り組んでいきます。回路材料は、HDD市場においてデータセンター向けのストレージ需要が引き続き増加することに加え、HAMR(Heat-Assisted Magnetic Recording)などの新たな技術の進展によりHDDのさらなる高容量化が進むことが想定され、CIS(Circuit Integrated Suspension)の需要が伸びる見通しです。また、ハイエンドスマートフォン向け高精度基板は、既存顧客に対し、既存用途に加え、新用途での新製品販売を予定しています。 ・ヒューマンライフライフサイエンスは、核酸医薬の受託製造事業において、商用化ステージへ移行した大型案件の需要が増加する見通しです。また、核酸材料(NittoPhaseTM)の需要増加を見据え、生産能力を増強した国内及び米国の新工場が本格稼働する予定です。核酸創薬においては、核酸DDS(Drug Delivery System)設計技術の開発及びライセンス契約の締結に注力していきます。なお、難治性癌治療薬のライセンスアウトに向けた活動については、事業環境などを勘案しながら方向性を判断してまいります。メンブレンは、各国における排水規制の強化を背景に、排水・廃液のゼロ化に貢献する製品の需要が増加する見通しです。また、顧客のコスト削減に貢献する省エネ・長寿命な製品の開発に注力していきます。パーソナルケア材料は、引き続きおむつ向け衛生材料の新製品と生分解性技術を用いた環境貢献型製品の拡販を進め、収益性の改善を図ります。 ・その他その他における新規事業では、先端半導体、環境ソリューション、医療デバイスの分野でPlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの候補となるテーマに経営資源を集中的に投入し、早期の事業化を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社、以下同じ)が判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、当社グループが現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、経営理念のミッションである「新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。」の下、ESG(環境・社会・ガバナンス)を経営の中心に置いて、事業を通じた社会課題の解決に努め、持続可能な未来を実現するために、地球環境と社会に貢献しながら成長し続ける企業グループを目指します。そのため、これまでの歴史で培ってきた基幹技術、多様な事業領域や強い知的財産、さらには幅広い業界における顧客基盤といった強みを結集し、「三新活動」※1と「ニッチトップ戦略」※2でイノベーションを加速させます。そして環境・人類への貢献度合いが特に高い「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」※3の認定基準をも満たすことで社会課題の解決と経済価値の創造の両立を実現した「ダブル認定」※4製品・サービスを創出及び拡大していきます。また、地球環境や人類社会にとって「なくてはならない」存在となり、持続的な成長をさらに加速させるために、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定しています。ESG領域に対して定めた10のマテリアリティに取り組むことで、さらなる企業価値の向上を図ります。 領域ありたい姿マテリアリティE(環境)未来の地球を守る気候変動への対応循環型社会の実現生物多様性の保全PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの創出S(社会)人と社会を豊かにする労働者の安全確保多様な人財の活躍製品の安定供給人権の支持と尊重G(ガバナンス)ステークホルダーの期待と信頼に応えるコンプライアンスの向上情報セキュリティの強化 サステナビリティに関する考え方及び取組みについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 ※1.新用途開拓と新製品開発に取り組むことで、新しい需要を創造する当社グループ独自のマーケティング活動です。※2.変化しながら成長するマーケットを見極め、その中のニッチな領域を対象に、当社グループ固有の技術・知見の融合と、ステークホルダーとの共創により、なくてはならない「製品」「機能」「ビジネスモデル」を継続的に生み出し、シェアNo.1を狙う、当社グループ独自の差別化戦略です。※3.当社グループは環境・人類に貢献する製品・サービスの認定スキームを2022年度に制定しました。当社グループの生み出す製品・サービスの環境・人類への貢献を可視化し、特に貢献度合いの高い製品・サービスをPlanetFlagsTM/HumanFlagsTMとして認定しています。※4.PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM※3とニッチトップ※2双方の認定基準を満たす厳選された製品・サービスです。当社グループは、ダブル認定を通じて、高い社会貢献と収益性を実現し、企業価値を向上します。 (2)中長期的な会社の経営戦略前中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」の振り返り当社グループは、2023年度から2025年度を対象期間とする中期経営計画「Nitto for Everyone 2025」を策定し、「ニッチトップ戦略×Nitto流ESG戦略」の実践をスローガンに掲げ、重点項目として「環境・人類に貢献する事業ポートフォリオ変革」「ニッチトップを生み出すイノベーションモデルの進化」「人財・チームの挑戦を加速する組織文化の改革」「変化を先取る経営インフラへの変革」に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度における財務目標として掲げた営業利益1,700億円、営業利益率17%を達成しました。一方で、ROE15%の目標には至らず、次の中期経営計画では、さらなる資本効率の向上に取り組みます。 財務指標2025年度目標2025年度実績営業利益1,700億円1,836億円営業利益率17%17.9%ROE15%12.2% 未財務目標については、製品系・環境系・人財系に分けて9指標を設定し、製品系指標の「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMカテゴリ売上収益比率」「新製品比率」、及び環境系指標の「廃プラスチックリサイクル率」「サステナブル材料使用率」「CO2排出量(Scope1+2)」、並びに人財系指標の「エンゲージメントスコア」について目標を達成しました。一方、製品系指標の「ニッチトップ売上収益比率」、及び人財系指標の「チャレンジ比率」「女性リーダー比率」は目標には至りませんでした。 未財務指標2025年度目標2025年度実績関連するマテリアリティ製品系ニッチトップ売上収益比率50%49.7%※-PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMカテゴリ売上収益比率40%46%PlanetFlagsTMの創出HumanFlagsTMの創出新製品比率35%以上40%-環境系廃プラスチックリサイクル率50%54%循環型社会の実現サステナブル材料使用率20%24%CO2排出量(Scope1+2)470kton/年361kton/年脱炭素社会の実現人財系エンゲージメントスコア7881多様な人財の活躍チャレンジ比率70%58%女性リーダー比率24%22% ※当社では、実績値については従来、小数点以下を四捨五入して表示しておりますが、当該項目につきましては、目標値(50%)に対する達成状況をより明確に示すため、例外的に小数点以下第1位まで表示しております。 「Nitto for Everyone 2025」重点項目の振り返りa.環境・人類に貢献する事業ポートフォリオ変革当連結会計年度においては、既存事業領域におけるさらなる事業拡大に向けた新工場を豊橋事業所に建設することを決定しました。新工場ではスマートフォンなどに使用される電気剥離テープ、次世代ハイエンドデバイスで注目されている有機EL(OLED)を採用したフォルダブル(折り畳み式)製品に使用される光学用透明粘着シートや、部品固定用テープの生産を予定しています。新規領域では、重点分野における事業創出に向けパートナー企業様との共同開発契約を締結しました。デジタルインターフェースにおいてはIBM社と半導体パッケージにおける熱機械的信頼性の向上を目指した新材料の評価を進めます。また、環境ビジネスにおいては、先進材料のイノベーションにおける世界的リーダーであり、金属有機構造体材料のパイオニアであるNumat Technologies社及び、膜ベースのCO2分離技術における先駆者であるAqualung Carbon Capture社と、次世代脱炭素技術開発を進めます。 b.ニッチトップを生み出すイノベーションモデルの進化当連結会計年度においては、PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMとして新たに4製品(累計38製品)を認定しました。その一つとしてPlanetFlagsTMに認定されたOLEDディスプレイパネル出荷保護フィルムは、製品重量の大半に国際認証されたリサイクル材を使用することで、従来製品と比較してライフサイクルCO2排出量を21%削減しています。また、PlanetFlagsTMかつHumanFlagsTMに認定されたバッテリー固定用電気剥離テープは、スマートフォンのバッテリーの取り外しを容易にすることで製造時のロスを削減する(従来工法と比較してライフサイクルCO2排出量50%以上削減)とともに、消費者の修理する権利(Right to Repair)を実現しています。当製品はGlobal Niche TopTM製品にも認定されています。当社グループは、ESG経営をさらに加速させるため、このような社会課題の解決と経済価値の創造の両立を実現するPlanetFlagsTM/HumanFlagsTMとGlobal Niche TopTM/Area Niche TopTMの双方に認定されるダブル認定製品・サービスを創出及び拡大していきます。 c.人財・チームの挑戦を加速する組織文化の改革当連結会計年度において、価値創造にチャレンジした従業員の割合を計る指標であるチャレンジ比率は58%となり、2025年度目標には届きませんでした。しかしながら「Nitto Innovation Challenge」や職場での小集団改善活動などを通じて価値創造にチャレンジしたグループ従業員数は1万5千人を超えました。「Nitto Innovation Challenge」では、新規事業創出のためのアイデアをグループ全社から募り、その中から有望なアイデアについては会社として実現に向け支援を行っています。当連結会計年度は開催6回目を迎え、エントリー数は過去最高となった前回の約1.7倍となる2,683件となりました。当取組みはPlanetFlagsTM/HumanFlagsTM及びGlobal Niche TopTM製品/Area Niche TopTM製品創出を促進する仕組みの一つにもなっています。女性リーダー比率については22%となりました。多くのエリアで目標を上回ったものの、日本におけるさらなる比率の向上が課題となっています。組織・チームをけん引できる女性リーダーの育成に向けた社内施策である「FLOWERプログラム」を通じて、モデルケースとなる女性従業員の意識改革を図るとともに、将来のキャリアを想定した育成プランに沿って成長の機会を提供し、さらなる女性活躍を推進します。エンゲージメントサーベイについては、2023年度に続いて実施し、グループ全体のスコアは2025年度目標を上回る81となりました。国内外の各拠点でエンゲージメントを高める独自の取組みを行っており、効果が見られた取組みについてはグループ内で共有しています。 d.変化を先取る経営インフラへの変革当社グループが掲げる「ニッチトップ戦略×Nitto流ESG戦略」の実践には、事業環境の変化を先取ることが必要であるとの認識の下、外部環境の影響を受けにくい強靭な経営インフラへの変革を進めました。重点項目の施策に掲げた「資本効率性が高い強靭な財務体質の維持・向上」においては、中期経営計画期間である2023年度から2025年度までの3年間で総額1,420億円の自己株式取得を実施しました。なお、2026年3月に総額500億円(上限)の自己株式取得を発表しました。今後も資本効率性のさらなる向上を目指します。「ESG先進企業への取組加速」においては、自然関連課題に関わる対応を経営上の重要課題と認識し、自然への依存・影響及びリスク・機会によってもたらされる事業への影響について評価し、対応を進めています。2025年8月に自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、TNFD)の提言に賛同し、TNFD Adopterに登録しました。なお、当社グループのESGを経営の中心に置いた各種取組みが評価され、当連結会計年度において世界的な調査・格付け会社であるS&P Global社が発行した「The Sustainability Yearbook 2026」※1において、「Sustainability Yearbook Member」に2年連続で選定されました。「ブランド認知獲得」においては、ATPとのパートナーシップを2030年まで5年間延長することを決定しました。当社グループは、ATPツアーの中で最もサステナブルな大会のひとつとして位置づけられる「Nitto ATP Finals」※2への協賛を通じ、驚きと感動を提供し、グローバル企業としてさらなる飛躍を目指します。 ※1.S&P Global社は、世界の企業を対象に経済・環境・社会の側面から企業の持続可能性を同社独自の評価手法であるCSA(Corporate Sustainability Assessment)より、各産業において特に評価の高い上位15%の企業を掲載した「The Sustainability Yearbook」を毎年発行しています。※2.「Nitto ATP Finals」は、男子プロテニスシーズンのクライマックスを飾るイベントとして、世界のシングルス並びにダブルスから選抜されたベスト8が進出し、シーズンの最終タイトルを競う大会です。1970年に始まり、現在はイタリアのトリノで開催されています。当社グループでは2017年からタイトルスポンサーを務めています。 2030年目指す姿と新中期経営計画「Nitto RISE 2028」の策定新たな中期経営計画の策定にあたり、これまで2030年ありたい姿として掲げていた「なくてはならないESGトップ企業」を、2030年目指す姿「なくてはならないESGニッチトップ企業」へと改定しました。これは、新中期経営計画「Nitto RISE 2028」では実行と成果を重視する段階へ移行すること、収益性のさらなる向上とNittoらしさの明確化を図ることを意図したものです。新中期経営計画「Nitto RISE 2028」は、2030年目指す姿の実現に向けたセカンドステップと位置づけ、2028年度の財務目標として「営業利益」「営業利益率」「ROE」を、また未財務目標として8つの指標を掲げ、企業価値の向上に取り組みます。当社グループは、「Nitto RISE 2028」の推進を通じて、お客様やパートナー様との共創イノベーションにより新たな価値を創出し、持続可能な地球環境・人類社会に「なくてはならない」存在として、ステークホルダーからの信頼と期待に応えてまいります。 新中期経営計画「Nitto RISE 2028」の重点取組み新中期経営計画「Nitto RISE 2028」では、「ダブル認定による新しい成長の実現」を重点取組みとし、社会課題の解決と経済価値の創造の両立を実現するためPlanetFlags™/HumanFlags™とGlobal Niche Top™/Area Niche Top™双方の認定基準を満たす「ダブル認定」製品・サービスの創出及び拡大を推進していきます。「デジタルインターフェース」「グリーンテック」「ヒューマンライフ」を重点分野として設定し、当社グループの基幹技術や三新活動といった強みを市場成長が見込まれるデジタル・次世代情報通信、半導体、環境・再生可能エネルギー、ライフサイエンス領域で展開し、経営資源を重点的に配分することで事業ポートフォリオの変革を進めます。この重点取組みを支える施策として、「人的資本経営」「デジタル利活用」「脱炭素経営」に取り組むことで成長を確かなものとしていきます。 a.人的資本経営当社グループは、持続的な成長を実現していくために「人財は最も重要な財産」と位置づけています。新しいイノベーションを創出・加速する土台となる「チャレンジを楽しむ」文化の醸成と、人事・育成制度の変革に取り組んでいきます。また、人財戦略である「誰もが活き活きとやりがいをもって活躍できる環境の構築」の下、「個人の活性化」と「組織の活性化」を図る施策を推進し、事業の成長を目指します。 b.デジタル利活用当社グループは、デジタル技術の使いこなしが企業の競争力を高めると認識し、データとAIの活用により経営と現場の変革を進めていきます。価値創造に直結する「攻め」の施策として、デジタル利活用によりニッチトップ戦略や三新活動の確度・スピードを高める取組みを加速するとともに、これらのリソースを捻出する「守り」の取組みとして、サプライチェーンマネジメントの強靭化や業務効率化を推進します。また、「攻め」と「守り」を支えるインフラとしてデータ業務基盤の整備、データガバナンスやサイバーセキュリティの強化にも継続的に取り組みます。 c.脱炭素経営当社グループは、気候変動への対応を経営上の重要課題と認識しており、脱炭素社会の実現に貢献していくことを目指します。PlanetFlagsTMの創出・拡大、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギーの活用、製造プロセスの革新を進めるとともに、原材料を供給いただけるパートナー様や、製品を使っていただいているお客様との協働を通じたサプライチェーン全体を視野に入れた環境負荷低減を推進していきます。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは「Nitto RISE 2028」において、事業の稼ぐ力と収益性を重視した経営指標として営業利益及び営業利益率を、資本コストを意識した企業価値向上の達成度を測る指標としてROEを掲げています。 財務指標2025年度実績2028年度目標2030年度目標営業利益1,836億円2,200億円2,400億円以上営業利益率17.9%20%20%以上ROE12.2%14%15%以上 また、当社グループでは、現時点では未だ財務には至っていないが将来的に財務となり得る要素、あるいは財務に転換していく要素を“未財務”と呼び、8つの未財務指標を設定しています。これら未財務指標の目標達成に向けた活動を推進することで変革を加速し、さらなる企業価値の向上を図ります。 未財務指標2025年度実績2028年度目標2030年度目標関連するマテリアリティ製品系ダブル認定売上収益比率(1)40%40%50%以上PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの創出ニッチトップ売上収益比率(2)49.7%50%50%以上Flags売上収益比率(3)46%50%50%以上環境系GHG排出量(4)Scope1272kton300kton330kton以下気候変動への対応循環型社会の実現Scope289kton100kton70kton以下Scope3(5)1,391kton1,520kton1,460kton以下人財系エンゲージメントスコア(6)818485以上多様な人財の活躍チャレンジ比率(7)58%70%85%以上 (1)社会課題の解決と経済価値の創造を実現した製品・サービスの創出・拡大を計る指標(2)ニッチな領域でシェアNo.1を獲得した「なくてはならない」Nitto製品の創出・拡大を計る指標(3)社会課題の解決に「なくてはならない」製品・サービスの創出・拡大を計る指標。Flagsは、PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの略称(4)Greenhouse Gas(温室効果ガス)の排出量を指し、気候変動に対する取組みの進捗を計る指標、GHG排出量の2025年度実績数値については、提出日時点の集計値であり、第三者保証を取得した数値については、Nittoグループ サステナビリティデータブック 2026にて開示(5)対象カテゴリー:1.原材料の調達、3.燃料・電力の製造、4.輸送(調達・出荷物流)、5.廃棄物処理、12.製品廃棄(6)組織の活性化を示す3要素(従業員の「帰属意識・貢献意欲」「生産的な職場環境」「心身の健康・活力」)を計る指標(7)新たな価値創造に向けて自分の経験や可能性を拡げるチャレンジをした従業員の割合を計る指標 (4)各報告セグメントの戦略と取組み各報告セグメントにおける主な戦略と取組みは、次のとおりであります。 ・インダストリアルテープ欧州においてスマートフォンなどの電子機器における修理する権利 (Right to Repair)の義務化が進む中、バッテリー固定用電気剥離テープの需要が拡大する見通しです。当社グループの剥離技術を活用し、さらなる事業拡大を図るべく、豊橋事業所に過去最大規模となる390億円の投資を決定しました。また、生成AIの普及を背景に、半導体やセラミックコンデンサー向け工程用材料の新たな用途展開による拡販を進め、インダストリアルテープ全体としてさらなる利益率の向上を目指します。 ・オプトロニクス情報機能材料は、半導体メモリ不足がIT機器やスマートフォンの生産台数に与える影響に注視が必要となるものの、成長領域である車載ディスプレイやフォルダブル(折り畳み式)スマートフォン向けのハイエンド製品に引き続き注力していきます。これらの領域では、単一商材だけではなく、関連する複数の商材を組み合わせたトータルソリューションを顧客に提供することでディスプレイの進化に貢献します。また、市場環境の変化を踏まえ、中長期的な成長に向けて非ディスプレイ市場における新規事業創出に取り組んでいきます。回路材料は、HDD市場においてデータセンター向けのストレージ需要が引き続き増加することに加え、HAMR(Heat-Assisted Magnetic Recording)などの新たな技術の進展によりHDDのさらなる高容量化が進むことが想定され、CIS(Circuit Integrated Suspension)の需要が伸びる見通しです。また、ハイエンドスマートフォン向け高精度基板は、既存顧客に対し、既存用途に加え、新用途での新製品販売を予定しています。 ・ヒューマンライフライフサイエンスは、核酸医薬の受託製造事業において、商用化ステージへ移行した大型案件の需要が増加する見通しです。また、核酸材料(NittoPhaseTM)の需要増加を見据え、生産能力を増強した国内及び米国の新工場が本格稼働する予定です。核酸創薬においては、核酸DDS(Drug Delivery System)設計技術の開発及びライセンス契約の締結に注力していきます。なお、難治性癌治療薬のライセンスアウトに向けた活動については、事業環境などを勘案しながら方向性を判断してまいります。メンブレンは、各国における排水規制の強化を背景に、排水・廃液のゼロ化に貢献する製品の需要が増加する見通しです。また、顧客のコスト削減に貢献する省エネ・長寿命な製品の開発に注力していきます。パーソナルケア材料は、引き続きおむつ向け衛生材料の新製品と生分解性技術を用いた環境貢献型製品の拡販を進め、収益性の改善を図ります。 ・その他その他における新規事業では、先端半導体、環境ソリューション、医療デバイスの分野でPlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの候補となるテーマに経営資源を集中的に投入し、早期の事業化を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要(1)財政状態当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ119,836百万円増加し、1,441,757百万円となりました。流動資産は47,085百万円増加の797,294百万円、非流動資産は72,751百万円増加の644,463百万円となりました。流動資産の増加は、現金及び現金同等物が3,538百万円減少したこと、売上債権及びその他の債権が21,461百万円増加したこと、棚卸資産が14,937百万円増加したこと、その他の金融資産が11,703百万円増加したこと、その他の流動資産が2,520百万円増加したことによるものであります。非流動資産の増加は、有形固定資産が49,324百万円増加したこと、使用権資産が1,549百万円増加したこと、のれんが6,958百万円増加したこと、金融資産が2,419百万円増加したこと、繰延税金資産が1,222百万円増加したこと、その他の非流動資産が11,993百万円増加したこと等によるものであります。当期末の負債合計は、前期末に比べ15,847百万円増加し、292,653百万円となりました。流動負債は4,235百万円増加の225,970百万円、非流動負債は11,612百万円増加の66,683百万円となりました。流動負債の増加は、仕入債務及びその他の債務が3,097百万円増加したこと、未払法人所得税等が10,251百万円減少したこと、その他の金融負債(流動)が3,726百万円増加したこと、その他の流動負債が8,118百万円増加したこと等によるものであります。非流動負債の増加は、その他の金融負債(非流動)が1,551百万円増加したこと、繰延税金負債が7,923百万円増加したこと、その他の非流動負債が1,319百万円増加したこと等によるものであります。当期末の資本合計は、前期末に比べ103,989百万円増加し、1,149,103百万円となりました。これは、利益剰余金が前期末に比べ21,968百万円増加したこと、自己株式が17,950百万円減少したこと、その他の資本の構成要素が64,025百万円増加したこと等によるものであります。 (2)経営成績当連結会計年度における経済環境は、米国による一連の関税措置が世界各国の経済や貿易政策に混乱をもたらし、主要国では金融政策や財政政策によって景気を下支えする動きが見られました。また、年度終盤には中東情勢が急速に緊迫化するなど、事業環境の不透明感が高まりました。米国では、インフレ高止まりへの懸念や雇用情勢の鈍化を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和策が個人消費や設備投資に底堅さをもたらしました。欧州では、防衛関連支出やIT分野への投資が景気の悪化を和らげる一方、自動車など製造業の回復は依然として緩慢な状況が続きました。中国では、政府による消費財買い替え促進策が継続され、個人消費を下支えするとともに、半導体やIT関連製品の需要が堅調に推移しました。また、米国の関税回避を目的に、東南アジア諸国を経由した輸出の増加がみられました。日本では、人手不足などを背景に設備投資の増加や企業による賃上げの動きが広がるなど企業マインドは底堅く推移しました。このような状況の中、当社グループの主要な市場では、IT機器やハイエンドスマートフォンの生産台数が想定を上回り、当社製品の需要が増加しました。また、核酸受託製造分野では、大型疾患に関する案件が臨床段階から商用化ステージへと移行し、収益の改善が進みました。当連結会計年度の対米ドル為替レートは、前連結会計年度と比較し1.7%円高の1ドル150.2円となり、円高による影響は、営業利益で81億円の減益要因となりました。以上の結果、売上収益は前連結会計年度と比較し、1.4%増(以下の比較はこれに同じ)の1,028,171百万円となりました。また、営業利益は1.1%減の183,615百万円、税引前当期利益は0.2%減の184,976百万円、当期利益は2.7%減の133,537百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は2.7%減の133,498百万円となりました。 セグメント別の経営成績① インダストリアルテープ 基盤機能材料は、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。ハイエンドスマートフォン向け組み立て用部材は、バッテリー固定用電気剥離テープの採用モデル拡大などにより需要が増加しました。また、半導体メモリやセラミックコンデンサー等の生産に使用される工程用材料の需要が増加しました。自動車材料は、中国における日系メーカーの自動車生産台数の減少により減収となりました。 以上の結果、売上収益は366,607百万円(4.2%増)、営業利益は51,662百万円(12.6%増)となりました。 ② オプトロニクス 情報機能材料は、売上収益が前連結会計年度に及びませんでした。ハイエンドノートパソコンやタブレット端末の生産台数が好調に推移し、光学フィルムの需要が増加しました。一方で、LCDスマートフォン向け光学フィルムの戦略的撤退を進めたことや、工程保護フィルムの材料合理化による値下げを実施したことで売上収益が減少しました。 回路材料は、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。ハイエンドスマートフォンの生産拡大に伴い、高精度基板の需要が増加しました。また、CIS(Circuit Integrated Suspension)は、生成AIの普及によるデータセンター向けの高容量ハードディスクドライブ(HDD)の需要が増加し、堅調に推移しました。 以上の結果、売上収益は527,812百万円(2.6%減)、営業利益は149,871百万円(13.4%減)となりました。 ③ ヒューマンライフ ライフサイエンスは、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。核酸受託製造とその製造に使用される核酸材料(NittoPhaseTM)の需要が増加しました。また、第2四半期連結会計期間より将来商用化が見込まれる大型案件の生産を開始しました。核酸医薬の創薬においては、難治性癌治療薬の臨床第1相試験が前第1四半期連結会計期間に完了し、ライセンスアウトに向けた活動を継続しております。 メンブレン(高分子分離膜)は、売上収益が前連結会計年度に及びませんでした。排水規制強化に伴い、中国において排水・廃液のゼロ化に貢献するZLD(Zero Liquid Discharge)の需要が堅調に推移した一方で、各種産業用途向けの高分子分離膜の需要が減少しました。 パーソナルケア材料は、前連結会計年度に対して売上収益が伸長しました。おむつ向け衛生材料の新製品と生分解性技術を用いた環境貢献型製品の拡販を進めました。なお、第3四半期連結会計期間において、固定資産の減損損失1,452百万円を計上しました。 以上の結果、売上収益は143,702百万円(8.5%増)、営業損失は5,041百万円(前年同期は営業損失11,718百万円)となりました。 ④ その他 当セグメントには未だ十分な売上収益を伴っていないその他製品が含まれております。次世代半導体、環境ソリューション、デジタルヘルスの分野でPlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの候補となるテーマに経営資源を集中的に投入し、早期の事業化を目指しています。 以上の結果、売上収益は11百万円(40.6%減)、営業損失は6,971百万円(前年同期は営業損失12,229百万円)となりました。 当連結会計年度において、マネジメント体制の変更を行った結果、報告セグメントの分類に一部変更があります。 当該変更を反映した組替後の数値で前連結会計年度との比較を行っております。 (3)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は359,805百万円となり、前連結会計年度末より3,538百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、増加した資金は192,183百万円(前連結会計年度は217,908百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期利益184,976百万円、減価償却費及び償却費70,677百万円、減損損失4,717百万円、利息及び配当金の受入額3,214百万円による増加、確定給付負債の増減額1,196百万円、売上債権及びその他の債権の増減額4,670百万円、棚卸資産の増減額5,957百万円、利息の支払額1,036百万円、法人税等の支払額又は還付額57,302百万円、その他2,111百万円による減少の結果であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、減少した資金は107,436百万円(前連結会計年度は115,105百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出96,607百万円、定期預金の増減額12,110百万円、投資有価証券の取得による支出3,123百万円による減少、有形固定資産及び無形資産の売却による収入4,534百万円による増加の結果であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、減少した資金は106,597百万円(前連結会計年度は78,890百万円の減少)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出6,626百万円、自己株式の増減額60,287百万円、配当金の支払額39,667百万円による減少の結果であります。 なお当社グループのキャッシュ・フロー指標の推移は以下のとおりであります。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期 親会社所有者帰属持分比率(%)78.278.779.079.6 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)108.1155.8143.8143.2 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.10.20.10.2 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)337.4255.0269.3185.5 (注)1 各指標はいずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。 親会社所有者帰属持分比率(%) 親会社所有者帰属持分÷総資産 時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%) 株式時価総額÷総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) 有利子負債÷キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) キャッシュ・フロー÷利払い2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。4 有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。 生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)インダストリアルテープ240,144104.2オプトロニクス511,31182.1ヒューマンライフ137,105110.1その他2482.4合計888,56490.9 (注)金額は、売価換算値によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)受注実績 当社グループは、おおむね需要動向から見た見込み生産を行い、それ以外の製品については一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。(3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)インダストリアルテープ364,827104.5オプトロニクス524,59897.5ヒューマンライフ137,246109.3その他1,499100.3合計1,028,171101.4 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対応する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手が無いため記載を省略しております。3 当連結会計年度において、報告セグメントの分類に一部変更があります。前年同期比は、当該変更を反映した前連結会計年度の数値に基づき算定しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当連結会計年度(以下「当期」という。)は、売上収益は前連結会計年度(以下「前期」という。)と比べて1.4%増の1,028,171百万円となりました。これは基盤機能材料等の売上収益が増加したこと等によるものです。売上原価は、前期比3.1%増の637,408百万円となりました。売上収益に対する売上原価の比率は、前期比1.0ポイント増の62.0%となりました。販売費及び一般管理費は、前期比3.0%増の156,322百万円となりました。売上収益に対する販売費及び一般管理費の比率は、前期比0.2ポイント増の15.2%となりました。研究開発費は、前期比2.7%増の48,025百万円となりました。売上収益に対する研究開発費の比率は、前期より0.1ポイント増加し4.7%となりました。以上の結果、営業利益は前期比1.1%減の183,615百万円となりました。税引前当期利益は前期比0.2%減の184,976百万円となりました。法人所得税費用は、前期の48,021百万円から、当期は51,438百万円となり、税効果会計適用後の法人税等の負担率は27.8%(前期は25.9%)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比2.7%減の133,498百万円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前期比0.7%増の197円20銭となりました。 なお、経営成績の概況及びセグメント別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要」に記載しております。資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、変化の激しい事業環境下においても継続的に企業価値を向上させていくために、資金の使途を①設備投資、②配当、③M&A、④自己株式取得と順位付けし、経営の目安としています。 当社グループの資金の源泉は、主として自己資金であり、トレジャリーマネジメントシステムを活用し、グループ内資金をタイムリーに漏れなく把握するとともに、各エリアに設置した資金統括拠点へ配当やキャッシュ・プーリングを活用して集約し、資金効率の向上に努めています。 なお、当連結会計年度末の連結借入金総額は前連結会計年度末に比べ455百万円減少しました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は359,805百万円となっております。 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針の要約 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
事業リスク
- 海外取引・為替変動リスク日東電工グループは海外売上収益比率が8割を超え、約40社の関係会社が貿易取引を行っています。進出国の電力供給停止、人件費上昇、サイバーテロ、紛争、感染症、為替レートや金利の変動、保護主義の台頭などが、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- 顧客の財務状況悪化リスクエレクトロニクスやライフサイエンス分野など、変化の激しい市場の顧客において、事業環境の急変により財務上の問題が発生する可能性があります。特に債権額の大きい顧客で貸倒れが発生した場合、多額の回収不能額が生じ、日東電工グループの業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 原材料確保・調達リスク一部の原材料を特定の購入先に依存しているため、自然災害、事故、倒産などにより供給が停止・縮小した場合、原材料の確保が困難になったり、コストが上昇したりする可能性があります。これにより、製品の生産に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】(1)基本的な考え方有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクについて、事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として以下に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (2)リスクマネジメント体制当社グループでは、主要なリスクについて、「内部統制基本方針」に定めたリスクマネジメント体制にて、リスクマネジメントを推進しています。事業執行部署が「事業リスク」を、専門機能部署が「業務リスク」を管理しています。またグローバルなリスクモニタリングを実現するため、海外主要地域にエリア統括を配置し、エリアごとのモニタリングを実施します。各責任部署が管理するリスク情報については、取締役、執行役員が出席する経営戦略会議で毎月報告され、審議されます。ここでの審議結果は直ちに各責任部署に指示され、対策の実施、統制の強化を速やかに実行し、実行内容、改善状況は再び経営戦略会議に報告されることでグループのリスクマネジメントについて実効性を高めています。 [リスクマネジメント体制図] (3)リスクの選定と管理の状況当連結会計年度の主要なリスクについては、前連結会計年度から継続するリスクに加え、リスクマネジメント担当役員及び担当部署によって、取締役及び各責任部署、監査法人等からの意見聴取、取締役会及び経営戦略会議での議題、審議内容を分析の上、経営戦略会議での審議を経て選定されます。これらリスクについては、実際に発生・顕在化した場合の事業への「影響度」を縦軸に、実際に起こる「発生可能性」を横軸として、二軸での分析を行い、リスクの重要性を以下のように分類し、各リスクの相対的な重要性を認識しています。 [当連結会計年度末のリスクマップ] 当連結会計年度末において、これら主要なリスク(事業リスク・業務リスク)の管理体制、統制・対策の実行、インシデントの発生と対応などについては、責任部署が自己評価したものをリスクマネジメント担当部署及びリスクマネジメント担当役員が評価基準に基づき独立的に評価し、経営戦略会議及び取締役会に報告します。当連結会計年度末の各リスクの評価結果は以下のとおりであります。各リスクの評価は期初からリスクが増加したか否かを示しています。 [各リスクの当連結会計年度評価] ※矢印の向きは期初からのリスクの増減を表す(↗:リスク増加、→:増減なし、↘:リスク減少) [各リスクの当連結会計年度末の状況](1)事業リスク[財務・為替リスク][関連するマテリアリティ] -当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は8割を超え、海外との貿易取引の大半は米ドルにて取引を行っています。武力衝突など国家間の紛争や、感染症の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レート、株式や金利などの市場変動や金融システム不安、米国の関税政策など保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、グループ内資金残高、資金繰り、通貨別の資産負債の状況などをタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して資金集約や為替リスクヘッジなどに取り組むことで、財務・為替リスクの低減に努めています。 [海外取引][関連するマテリアリティ] コンプライアンスの向上・製品の安定供給当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は8割を超え、約40社の関係会社が貿易取引を行っています。進出国において輸出入規制、電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議、サイバーテロ、環境影響によるリードタイム長期化などのリスクがあります。また中東における軍事衝突、ホルムズ海峡封鎖などによる国際物流網の混乱は運送コストの急騰、輸送能力の逼迫や遅延などによる貨物の停滞などを招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではサプライチェーンにおけるリスクの可視化、物流BCP(事業継続計画)の構築により物流を管理し、サプライチェーンの強靭化を図っています。 [顧客の財務状況][関連するマテリアリティ] -当社グループが、売上債権を有するお客様において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きいお客様で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権管理部署を設け、お客様について十分な信用調査のうえ、取引を行うほか、取引信用保険の付保などによるリスクの軽減も行っています。 [原材料確保][関連するマテリアリティ] 製品の安定供給当社グループは、石油由来の原材料を調達しています。中東における軍事衝突、ホルムズ海峡封鎖などによる情勢の悪化や混乱、自然災害や事故により、原材料供給を縮小したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストの上昇などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、原材料調達先を複数にする、一定期間分の在庫を決めて管理するなど、主要原材料の確保においてリスクを低減するよう取り組んでいます。これまでサプライチェーンにおける持続可能な調達を目指して複数部署を横断したチーム編成でサプライチェーンコミッティを発足させ、近年高まりつつある地政学リスクや化学物質規制リスクなどを可視化し、サプライチェーン上流へのリスク対策を講じてきました。当連結会計年度はコミッティを恒久的体制として調達本部内に組織化し、さらなるサプライチェーンの強靭化を図るべく取り組んでいます。 [研究開発][関連するマテリアリティ] PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの創出当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発や、その設備への投資に取り組んでいます。さらに、ESGを経営の中心に置くとのグループ方針に従い、独自に制定した「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」の候補となるテーマにリソースを集中的に投入しています。こうして得た製品を、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創り守っています。 [知的財産権][関連するマテリアリティ] PlanetFlagsTM/HumanFlagsTMの創出・コンプライアンスの向上当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。しかし、第三者から無効を主張される可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは技術知財戦略本部と事業部が一体となり、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。 各セグメントの事業リスクは、次のとおりであります。[インダストリアルテープ事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般基盤機能材料は、重点三分野である情報デバイス・ディスプレイ、半導体・電子部品、モビリティを含む幅広い業界に向けて、多種多様な製品をグローバルに提供しています。現在、各分野でお客様から付加価値の高い製品を要望されることが増えています。情報デバイス・ディスプレイ、半導体・電子部品分野では、市場の変化が早く、国内外の競合との厳しい競争があり、それら市場の変動により業績に影響を与える可能性があります。「ニッチトップ戦略」と「三新活動」による「Global Niche TopTM」製品・サービス及び「Area Niche TopTM」製品・サービス創出の取組みの中で「PlanetFlagsTM/HumanFlagsTM」を新たな成長の軸とするとともに、ポートフォリオ変革・構造改革を進めることで市場の影響を受け難い体質作りを進めています。さらに、お客様のプロセスを理解し、ニーズに合ったラインナップを揃えることで、材料と設備を合わせた提案を行い、お客様の生産性向上にも貢献します。モビリティ分野では、自動車の構造接着材料や気密、防水用途のシーリング材料を、グローバル市場に提供しており、エレクトロニクス製品や半導体の市況と同様の要因による、自動車生産台数の変動が業績に影響を与える可能性を含んでいます。EV(電気自動車)やCASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)等の成長領域への取組みを進め、既存ビジネスに付加して成長分野でのビジネスを取り込むことで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。成長領域の取組みにおいてはグループ企業間のコラボレーションを強化し、幅広い製品群での対応を推し進めています。中東地域を巡る地政学的情勢の緊迫化や、ホルムズ海峡周辺における物流不安を背景として、原油及び石油化学製品を中心とした原材料価格の上昇や物流環境の悪化により業績に影響を与える可能性があります。原材料調達先の多様化や販売価格の適切な見直しを継続的に行っていきます。 [オプトロニクス事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般情報機能材料の主要市場であるディスプレイ業界は、市場の変化が早く、競合との厳しい競争に晒されています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の汎用化、市場の成熟による売上収益の低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。米国の関税政策の転換により、ディスプレイ業界関連製品に高い関税が課せられる場合やAI需要の急増により半導体が不足し価格が高騰する場合には、対象製品の販売動向やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。その他にも、ホルムズ海峡封鎖などに見られる地政学リスクや環境規制などが、材料価格高騰、安定供給に影響を及ぼす場合、当社グループの生産や製品供給に影響を与える可能性があります。ディスプレイ業界をリードするお客様の新たなニーズを早期に把握し、技術力を基に新製品の開発、市場投入を継続するとともに、非ディスプレイ市場への製品投入を加速し、自社製品の対象市場を拡大します。また様々な外部環境の変化に対応すべく、安定的な調達先を確保する、生産拠点を分散させる、DX化を進めデータドリブン経営を推進するなど、事業のBCP対策を取っています。回路材料は、データ社会/スマート社会を支え成長が期待される市場や製品に集中して対応し、高シェア製品を供給しています。世界的なインフレの継続による原材料価格及び動力費の高騰、生成AIサービス需要の拡大に伴うデータセンター投資動向の変化、またホルムズ海峡封鎖など地政学リスクの高まりや各国の通商政策の動向など国際情勢の変化等により、製品の供給に影響が生じた場合、当社グループの業績が一時的に影響を受ける可能性があります。また、市場の成長が中長期的に維持された場合においても、需要動向に応じた安定的な製品供給体制の構築及び供給責任の履行が、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクへの対応として、複数拠点による生産バックアップ体制の構築及び原材料調達に関するBCPの整備を進めるとともに、デジタル技術(自動化、AI、DX)の利活用による生産性改革を推進し、需要変動に柔軟に対応可能な生産能力の確保に取り組んでいます。 [ヒューマンライフ事業][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般ヒューマンライフは、ライフサイエンス事業、メンブレン事業、及びパーソナルケア材料事業から構成されます。ライフサイエンス事業は、核酸医薬関連事業を中心に当社グループの新たな事業分野として取組みを強化しています。核酸医薬市場は、後期臨床テーマや新薬承認の増加が見込まれ、今後の拡大が見込まれている市場です。当事業における核酸医薬の受託製造は、お客様が進めている研究開発活動や臨床試験の進捗により需要が変動するため、科学的根拠に基づいてお客様の臨床試験が中断又は中止された場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。米国の関税政策や中東情勢により、原材料の調達において調達額が上昇したり、調達が困難になった場合、業績に対して影響を及ぼす可能性があります。また、当事業における核酸医薬の創薬は、当社グループで研究開発を進めた後に製薬業界のお客様へ技術を提供するため、お客様への価値提供に繋がる、競争優位性を持った技術の研究開発の進捗状況によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。核酸医薬の受託製造は、お客様の研究開発活動や臨床試験の案件を幅広く受託することで、需要の変動による影響を緩和することに努めています。米国の関税政策や地政学リスクに対しては、原材料のさらなる原価低減を図るなど、影響を緩和することに努めています。一方、核酸医薬の創薬においては、外部機関との連携を含め、安全性と有効性を確保するために、着実に研究開発活動を進めています。メンブレン事業は、様々な産業における水処理装置や排水処理用途向けを中心に部材を供給しています。当事業においては、中国景気の減速や需要低迷により、お客様の設備投資計画の遅延や価格競争の激化が生じた場合、販売量・販売価格に影響を及ぼす可能性があります。また、中東情勢の悪化により、紅海・スエズ運河・ホルムズ海峡を含む物流網の混乱、海上運賃・保険料・エネルギーコストの上昇が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、米国の関税政策に伴い、米国内生産拠点の製造原価が上昇するリスクがあります。これらリスクに対しては、重点市場・重点用途への販売強化、高付加価値品の拡販、新製品投入の加速により、価格競争の影響低減に努めます。また、調達先・物流ルート・生産場所の最適化、在庫の適正運用、必要に応じた販売価格への転嫁により、地政学リスクや関税影響の低減を図ります。パーソナルケア材料事業の主要市場は、おむつ部材・ラベルフィルムを中心に衛生材料・日用品向けとなっており、比較的需要は安定していますが、一方で、一般消費が世界情勢や物価変動に左右されやすい背景があります。コモディティー市場であるがゆえに、競合他社が多く存在し市場参入しやすい環境から販売価格の低下が業績に影響を及ぼす可能性が有ります。さらに、地政学的影響(ロシア-ウクライナ戦争の長期化、中東情勢の激化など)に伴うエネルギーコストの上昇及びインフレによる物価高(原材料費高騰、購買意欲の低下)及び米国の関税政策の変更に伴うビジネス機会の損失が業績に影響を及ぼす可能性があります。原材料調達において、BCP対策(2社購買化あるいはサプライヤーの分散)で、原材料費の高騰や供給停止のリスクに備えます。加えて、適切な設備投資及びデジタリゼーションを推進し、生産効率の向上による原価低減に努めます。販売面では技術差別化された高付加価値品の拡販と環境対応製品を展開することで、外部環境の影響を受けにくい安定した黒字化を実現します。 [その他][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般新規事業が計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、定期的に当該市場やお客様の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。 [その他・補足事項: M&A][関連するマテリアリティ] マテリアリティ全般当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しております。しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通りの収益を確保することができない場合、のれんや固定資産の減損により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、他社との協業に際し、市場動向やお客様のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っております。 (2)業務リスク[製品安全][関連するマテリアリティ] 製品の安定供給当社グループは、最高品質のモノづくりを目標に、厳しい品質管理基準に従い中間材料又は製品を製造し、お客様に納入しています。加えて近年はフッ素化合物を始めとした環境影響、人体への健康被害を危惧した化学物質の増加やその規制への対応を求められる機会が増えています。製品に対し品質不具合等の欠陥や化学物質に関しての法令違反、品質不正などの品質コンプライアンス違反が生じた場合、同欠陥に対する賠償責任や法令等の違反に対する罰則等を負うことに加え、近年ではSNSによるレピュテーションリスク等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。当社グループでは、業界に準じた国際的な品質マネジメントシステムの認証を維持し継続的な品質改善に努めています。品質コンプライアンス問題に対してはその教育に加え未然防止を目的にリスクアセスメント活動にも着手、さらに製造や検査環境のハード対策、3線ディフェンスを利用した品質監査などの取組みも強化しています。加えて、規制の強化が予想されるPFASの代替製品検討や化学物質自主管理規程によるランク付け管理導入など化学物質管理体制の強化に取り組んでいます。化学物質関連の規制に対しては先取り対応の一環として特定の業界団体に所属し、審議段階から規制情報を入手して業界団体全体で順法対応を推進するなど、取組みを強化しています。 [環境(脱炭素社会の実現)][関連するマテリアリティ] 気候変動への対応当社グループは、気候変動が事業継続と社会の持続性に大きな影響を与える重要課題であると認識し、「脱炭素社会の実現」をサステナビリティのマテリアリティとして位置づけています。当連結会計年度においても、国際的な排出削減要請の高まり、Scope1、2、3開示義務強化、再エネ需要拡大に伴う市場変化など、脱炭素に向けた圧力は一層強まっています。脱炭素移行期における政策・規制強化、炭素価格の上昇、再生可能エネルギー調達コストの増加などの要因により、製造に関わる直接・間接コストが上昇する可能性があります。加えて、顧客企業やグローバル市場からの脱炭素・環境性能要求が高まる中、環境対応の遅れが競争力低下につながる懸念も存在します。「Nittoグループカーボンニュートラル2050」の下、GHG(Greenhouse Gas)排出削減を中長期の最重要テーマの1つとして推進しています。厳格化される関連法令・規則を遵守するとともに、GHG排出に対する社会的要求を満たすべく製造工程における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を図っているほか、製品やソリューションを通じてお客様のGHG排出量削減にも取り組んでいます。また、当社グループはSBTi(Science Based Targets initiative)による目標の認定を受けており、2030年に向けてScope1と2で46.3%の削減、Scope3で25%の削減を目標にサプライチェーン全体でのGHG排出量削減に取り組んでいます。 [環境(循環型社会の実現)][関連するマテリアリティ] 循環型社会の実現当社グループは、資源の枯渇やプラスチック廃棄物による環境負荷、海洋汚染など、持続可能性を揺るがす地球規模の課題が深刻化する中、「循環型社会の実現」をサステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)として位置づけています。プラスチックや有機溶剤などの廃棄物について、廃棄物業者による引き取り拒否や処理料金の高騰が発生した場合、廃棄物処理が滞り、生産活動に支障が生じる可能性があります。これにより、操業停止や生産遅延を通じて当社グループの業績に影響が及ぶ懸念があります。さらに、今後強化される環境規制(素材リサイクル義務化、資源循環関連法制の拡大など)に対する対応遅れは、追加的な投資負担やサプライチェーン上の混乱をもたらす可能性があります。当社グループは、関連する法令・規則を遵守するとともに、循環型社会実現に向けて、プラスチック資源の循環化と資源の有効活用促進の取組みを推進しています。製品製造から発生する廃棄プラスチック類をリサイクル利用する比率の向上目標を掲げ、取組みを強化しています。これに加えて使用する全ての資源を無駄なく活用するため、資源有効活用率を定めて、循環型社会の実現に向けた取組みを推進しています。 [環境(生物多様性の保全)][関連するマテリアリティ] 生物多様性の保全当社グループは、生態系の破壊や生物種の急速な減少が世界的に深刻化する中、「生物多様性の保全」をサステナビリティの重要課題(マテリアリティ)に位置づけています。企業活動は自然資源に依存する一方で、排出物や化学物質の使用などを通じて生態系へ負荷を与える可能性があるため、自然の回復と再生をめざす“ネイチャーポジティブ”の実現を企業の責務と考えています。設備故障や異常などにより、揮発性有機化合物(VOC)や汚染・有害物質が大気・水域へ排出された場合、周辺地域の環境汚染が発生し、生態系に悪影響を及ぼす可能性があります。実際、当社グループもVOCの排出が地域環境や従業員の健康に影響を与え得るリスクを認識し、削減を重要課題として掲げています。当社グループでは、「生物多様性の保全」を実現するために、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)アダプターに登録し、TNFDが推奨するLEAP(Locate, Evaluate, Assess, Prepare)アプローチを活用、事業活動における自然への依存、影響の把握、及びリスク・機会の特定により、TNFDフレームワークに沿った情報開示を行いました。今後は、特定されたリスクの低減と機会の向上に向け、対応策を実行していきます。 [情報セキュリティ][関連するマテリアリティ] 情報セキュリティの強化当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っております。一方、サイバー犯罪の巧妙化や、内部不正・過失など人為的リスクも高まっています。当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、お客様情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、サイバー攻撃に対する、多層防御、早期検知、対応体制「CSIRT」整備に加え、有事を想定したBCP訓練を行うなどのハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、役員・従業員への情報セキュリティの重要性を説く教育や標的型攻撃メール訓練、情報の持ち出し手段の制限など、当社の情報管理ルールを徹底することで、経営の安全性向上を図っています。 [法規制の変化][関連するマテリアリティ] コンプライアンスの向上当社グループは、日本を含め27の国と地域で事業を展開しているほか、海外売上高比率は8割を上回る水準になっています。本国日本の法律のみならず、事業展開先や貿易相手国の法制度、多国間による取り決めや国際的ルールなどに従って、事業活動を行っています。輸出入など貿易や関税に関する規制、特定化学物質の使用などを含む環境・サステナビリティ規制、拠点所在国でのガバナンス、税制、財務・会計、雇用・労働に関する規制、そのほか多国籍企業としての社会的責任など、幅広い法律、ルール、規制などを遵守できない場合、罰則などのペナルティに加え、事業活動の継続が困難になることがあります。また、これら法律、ルール、規制の変更や強化などにより、これまで可能であった事業活動に突然制約が生じる場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。事業に大きな影響を及ぼす法規制に関しては、法制化や法改正に関する動向を注視し、事前に規制変更による影響のアセスメントを行い、事業への影響を回避、最小化するための対応を実行していきます。 [コンプライアンス][関連するマテリアリティ] コンプライアンスの向上当社グループでは、法規制や社内ルールを遵守することのみならず、社会規範や倫理への適合も含めて、コンプライアンスを推進しています。一方、当社グループは27の国と地域で事業展開を行っており、それぞれの法規制、社会規範や倫理観などに対応するため、コンプライアンスの対象が多面化しています。企業によるコンプライアンス違反は、企業価値に影響を与えるだけではなく、お客様の調達や消費、サプライヤーの生産、地域住民の日常生活などステークホルダーへも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、コンプライアンスにおける基盤と位置付けている、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」を18言語に翻訳し、グループ全役員・従業員へ周知しています。また、当社グループでは内部通報制度をグローバル全エリアで運用しており、法令違反や倫理違反の早期発見並びに是正に努めています。また、サプライヤーからの通報に関する社外受付窓口についてもグローバル全エリアでの設置を完了し、周知活動を進めています。 [グループのガバナンス][関連するマテリアリティ] コンプライアンスの向上当社グループは、世界27の国と地域に展開する当社、子会社87社及び関連会社1社により、グローバルに幅広い分野で事業展開を行っています。これら関係会社の役員・従業員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断により、ガバナンスや内部統制が機能せず、当社グループに損失を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは基盤機能材料、情報機能材料、回路材料、ライフサイエンス、メンブレン、パーソナルケア材料などによる事業軸、世界を7つの地域に分けたエリア軸、人事、経理などの専門機能部署については機能軸という、3つの軸が互いに補完、協力して経営を行う、3軸経営を推進しています。事業軸はガバナンスと内部統制体制を構築し、エリア軸と機能軸は、その統制状況を地域レベル、業務レベルで適切に監査・モニタリングしています。ここで報告、発見された事業・業務上の課題やリスクを毎月の経営戦略会議で共有し、速やかに改善を実施することで緊密なガバナンス、内部統制強化を図っています。 [自然災害・気候変動][関連するマテリアリティ] 気候変動への対応当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本国内及び海外に複数の生産拠点及び販売拠点を有しています。国内外で発生する、気候変動により激甚化する暴風雨や、地震などの自然災害により、当社グループの従業員、拠点や施設が被災する可能性があります。さらに電力、ガス、水道などのユーティリティや陸海空の物流網、インフラに被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、お客様、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針の下、事故や災害に備えた、各拠点での避難訓練や災害対策本部設立時の意思決定訓練を実施しているほか、事業機能停止を防止する対策として、BCP(事業継続計画)を策定して経営の安全性向上を図っています。 [人財確保][関連するマテリアリティ] 多様な人財の活躍当社グループが事業活動を推進し、将来にわたって発展するためには、研究開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。従業員一人ひとりが働きがいをもってチャレンジを楽しむ組織風土の醸成が重要であり、併せて、社会環境の変化に合致した労働環境を構築するためにDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進が必要です。加えて、国内の少子高齢化に伴う労働人口減少を始めグローバルでの人財獲得・競争が激化する中、働き方・キャリアに関する価値観が多様化して人財の流動性が高まっているため、人財の定着に向けた人事制度や処遇水準の見直しが継続的な課題となっています。人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。このように人的資本経営の重要性が高まる中、当社グループでは、従業員のエンゲージメント向上のため全グループ従業員に対しエンゲージメントサーベイを実施し、結果を各組織へ共有のうえ、部署単位でエンゲージメントを高めるためのくるま座を実施するなどボトムアップ型の活動を活性化させるとともに、サーベイ実施半年後にフォローアップアンケートを行い、実効性のあるPDCAサイクルを回す形としました。また、新規事業創出大会(Nitto Innovation Challenge)への提案や海外トレーニーなど様々な分野でチャレンジできる環境整備と、採用ブランディングの向上やインターンシップの拡充による採用力強化で、多様な人財の採用と育成に取り組んでいます。また、育児・介護等との両立支援やテレワーク勤務制度など多様な人財が働きやすい職場環境づくり、競争力のある報酬水準となるように賃金の引上げ等を実施し、人財の定着と動機付けを図っています。 [労働安全衛生][関連するマテリアリティ] 労働者の安全確保当社グループは、安全な社会の実現を目指し、「あらゆる事故災害ゼロ」をスローガンに、安全をすべてに優先したモノづくりを行っています。死亡・後遺症が残る又はそれらに準じる怪我や疾病など人的被害が発生した場合や、生産に影響が出る火災が発生した場合には、社会的な信用が低下するとともに、操業停止、お客様からの取引が停止することにより、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、怪我や疾病につながるリスクや火災につながるリスクの低減に向け、予見可能なリスクを漏れなく抽出し、リスクの低減策に努めるとともに、実施されたハード対策や決められたルールの順守など維持管理策にも取り組んでいます。 [人権][関連するマテリアリティ] 人権の支持と尊重昨今、企業の人権に対する取組みは、ステークホルダーにおいて関心が高まっています。2011年に国連人権理事会で承認された、「ビジネスと人権に関する指導原則」では、人権尊重に関するコミットメント、救済・是正への取組みは、企業の責任として定められています。また、企業の責任範疇は自社内だけではなく自社のサプライチェーン全体に及んでいます。企業が児童労働、強制労働、外国人労働者への差別など、種々の人権に係る課題をマネジメントする仕組みを構築していない場合、お客様やサプライヤーは取引の継続を控え、株式市場では投資を見送る傾向が高まっています。当社グループでは、Nittoグループ人権基本方針を全グループ従業員に10言語で周知し、その他のステークホルダーにも日英2言語で公開しています。また、コンプライアンスマネジメント活動の1つとしてコンプライアンスサーベイを実施し、各拠点のリスク度の可視化と低減活動に取り組んでいます。当連結会計年度は、教育・啓蒙を目的とした、人権尊重に関するESG教育プログラムを国内外のグループ全従業員を対象に展開しました。一方、グローバルでパートナーシップミーティングを開催し、主要サプライヤーへ当社グループのCSR調達方針や人権・労働など順守すべきルールを示したサプライヤー行動規範を周知しています。また、サプライヤー評価については客観性・妥当性の確認、外部要求に対応するため、第三者評価としてEcoVadisによるCSR評価を導入し、グローバル展開を進めてきました。評価結果よりハイリスクと判断したサプライヤーに対して是正活動を行い、人権リスクの高い原材料を扱うサプライヤーに対しては、原産地調査と人権ポリシーに関するアンケートへの回答を依頼し、原材料調達における人権配慮への理解・協力を仰いでいます。