7003

三井E&S(7003)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    三井E&Sグループは、成長事業推進、舶用推進システム、物流システム、周辺サービス、海洋開発の5つの主要事業を展開しています。これは、産業機械から船舶用エンジン、港湾クレーン、さらには発電プラントの運用・保守まで、幅広い分野で製品の製造・販売・設計、アフターサービスを提供することで収益を上げています。特定の事業に依存せず、多様な収益源を持つビジネスモデルです。
  • 個別受注生産と長期プロジェクト
    多くの事業が顧客からの個別受注生産を基本としており、製品によっては契約から引き渡しまで長期間を要するプロジェクト型ビジネスが中心です。これにより、顧客の具体的なニーズに応じたカスタマイズが可能ですが、プロジェクト期間中の社会情勢や原材料価格の変動が原価に影響を与えるリスクも伴います。
  • グローバルな事業展開
    国内外に多数の連結子会社や持分法適用関連会社を持ち、アジアを中心にグローバルに事業を展開しています。特に舶用推進システムや物流システムでは、海外のグループ会社が重要な役割を担っており、国際的なサプライチェーンと販売網を構築することで、世界市場での競争力を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 成長事業推進
    産業機械や水理実験設備の製造・販売・設計、および各種機器のアフターサービスを手掛ける事業です。売上高400.17億円、営業利益68.31億円と、グループ全体の収益に大きく貢献しており、新たな成長分野を牽引する役割を担っています。
  • 舶用推進システム
    船舶用エンジンや二元燃料エンジン用燃料供給装置の製造・販売・設計、アフターサービスを行う事業です。売上高1355.06億円、営業利益74.76億円と、グループ内で最も売上規模が大きく、主力事業の一つとして安定した収益基盤を形成しています。
  • 物流システム
    コンテナクレーンや産業用クレーンの製造・販売・設計、コンテナターミナルマネジメントシステムの販売、アフターサービスを提供する事業です。売上高627.67億円、営業利益59.54億円を計上しており、港湾物流の効率化に貢献する製品・サービスを提供しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
NewBusinessDevelopment 地域 400 68 17.1%
MarinePropulsionSystems 事業 1,355 75 5.5%
LogisticsSystems 事業 628 60 9.5%
PeripheralBusinesses 地域 752 -16 -2.1%
OceanDevelopment 事業 − 38 −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|962 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び当社の関係会社(連結子会社42社及び持分法適用関連会社13社)により構成されており、成長事業推進、舶用推進システム、物流システム、周辺サービスの4つの事業を主として行っております。これら事業は、セグメント情報の報告セグメントの区分と同一です。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 また、当社の持分法適用関連会社であった三井E&S造船株式会社(現 常石ソリューションズ東京ベイ株式会社)の全株式を売却し、2025年6月に同社を持分法適用の範囲から除外しております。 各事業の主な事業内容及び主要なグループ会社は以下のとおりであります。 (2026年3月31日現在) 事業区分主な事業内容主要グループ会社成長事業推進産業機械、水理実験設備の製造・販売・設計、サービス・ソリューションズの開発・販売、各種機器のアフターサービスほか㈱三井E&Sパワーシステムズ㈱加地テック舶用推進システム舶用エンジン、二元燃料エンジン用燃料供給システムの製造・販売・設計、各種エンジン・機器のアフターサービスほか三井ミーハナイト・メタル㈱㈱三井E&S DUMitsui E&S Asia Pte. Ltd.上海中船三井造船柴油机有限公司※物流システムコンテナクレーン、産業用クレーンの製造・販売・設計、コンテナターミナルマネジメントシステムの販売、各種クレーンのアフターサービスほかPACECO CORP.㈱三井三池製作所※周辺サービスガス関連エンジニアリング事業、陸上発電プラントの運転・保守、システム開発、システム関連機器の販売、鋼構造物・船舶ブロックの製造、機械・電気設備メンテナンスほか三井造船特機エンジニアリング㈱三井E&Sシステム技研㈱Burmeister & Wain Scandinavian Contractor A/STGE Marine Gas Engineering GmbH三井E&S(中国)有限公司その他エンジニアリング事業ほか㈱三井E&Sエンジニアリング市原バイオマス発電㈱※(注)無印:連結子会社 ※:持分法適用関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
新造船市場等顧客企業の市場環境の変化によっては、競合企業との価格競争が激化する。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
アンモニア焚きエンジンや燃料供給装置、ゼロエミッション型港湾クレーンなどの開発・提供。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:個別受注生産における原価差異の発生 / 法的規制の改廃やカントリーリスク / 大規模災害や感染症による事業活動への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三井E&Sは、造船・舶用エンジン分野で長年の実績と技術力を有するが、特定の特許やブランド力が決定的な無形資産となっているとは言えない。防衛関連事業における技術ノウハウは一定の強みとなりうる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

大型プラントや艦船建造においては、顧客(政府、大手エネルギー企業等)と長期的な信頼関係と仕様のカスタマイズが必要であり、容易な乗り換えは難しい。しかし、汎用的な船舶分野では競合他社へのスイッチングコストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、特定のプラットフォームやサービス上でユーザーが増えることで価値が増すネットワーク効果を生む構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大規模な設備投資と熟練労働力が必要なため、新規参入障壁は高いが、同業他社とのコスト競争力において決定的な優位性を示すデータはない。為替変動の影響を受けやすい。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

日本国内における大型LNG船、コンテナ船、護衛艦などの建造において、限られたプレイヤーの中で高いシェアと生産能力を有している。特に防衛分野では、国内で事実上の寡占状態にある。

  • 技術力と製品開発力
    舶用エンジンやコンテナクレーンなど、各事業分野において長年の経験と実績に裏打ちされた高い技術力を持っています。特に、環境規制に対応した二元燃料エンジンやゼロエミッション型港湾クレーンなど、脱炭素社会に向けた製品開発に注力しており、技術革新を通じて競争優位性を確立しています。
  • アフターサービスとソリューション提供
    製品の製造・販売だけでなく、各種機器のアフターサービスやメンテナンス、システム開発、エンジニアリングなど、顧客のライフサイクル全体をサポートするソリューションを提供しています。これにより、顧客との長期的な関係を構築し、安定した収益源を確保するとともに、顧客満足度を高めています。
  • グローバルなネットワークと実績
    世界各地に広がるグループ会社と販売・サービスネットワークを有しており、国際的なプロジェクトの遂行能力や、多様な顧客ニーズに対応できる体制が強みです。特に、海洋開発分野では浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備の設計・建造・運用など、高度な専門知識と実績が競争優位の源泉となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、持続可能社会への急速な移行、環境変化や当社自体の変革をふまえ、グループの企業理念・ビジョン・経営姿勢・行動規準を以下の通り定義しております。■企業理念エンジニアリングとサービスを通じて、人に信頼され、社会に貢献する。■ビジョン2030年までに、マリンの領域を軸に、脱炭素社会の実現と、人口縮小社会の課題解決を目指す。■経営姿勢 ※新しい価値の創造を顧客と共に実現 ▶ 事業視点-潜在ニーズのマーケティングと周辺技術のイノベーションで事業を推進していく。健全な財務体質と堅実な利益を追求 ▶ 財務視点-限界利益/固定費の適時評価を軸に、事業や子会社を堅実に管理運営していく。人的資本経営の推進 ▶ 人事視点-社会や顧客と共に課題解決に挑み、その成果を分かち合い、三方良しの関係を築く。※当社は、2026年5月25日に開示した「三井E&S Rolling Vision 2026」の中で、「経営姿勢」の一部を改訂しております。■行動規準シンプル、ユニーク、プラクティカルな製品やサービスに挑戦-常に顧客目線で3つの価値が重なる製品やサービスを考え、堅実な事業へと育み、社会に貢献する。 (2)経営戦略等為替や市況など、当社グループを取り巻く事業環境は依然として大きく、かつ急激に変化を続けています。こうした環境下において、当社は持続的な成長を実現するため、ローリング方式による新たな中期経営計画「三井E&S Rolling Vision 2024」を2024年8月に開始し、「三井E&S Rolling Vision 2026」を2026年5月に策定しました。本計画では、2030年を見据えた長期ビジョンのもと、「脱炭素社会の実現」と「人口縮小社会の課題解決」をマテリアリティとして掲げ、機能戦略(財務・人材)及び事業戦略を一体的に推進します。中核事業である舶用推進システム事業及び物流システム事業については、「グリーン」と「デジタル」の視点からの進化を図り、環境対応型製品や自動化・遠隔化技術の開発・展開を強化します。さらに、第三の柱となる事業創生を担う成長事業推進事業は、保守・メンテナンスビジネスの拡大や新規事業の創出に注力し、将来の収益基盤の多様化を図ります。財務面では、ROICやWACCを意識した資本効率の向上を図りつつ、適正な配当政策を通じた株主還元を継続し、株主資本コストと負債コストのバランスを踏まえた企業価値向上に努めてまいります。 (3)経営環境等当連結会計年度の世界経済は、インフレの落ち着きや貿易量の持ち直しなどを背景に、底堅く推移しました。しかし、中東情勢の悪化に伴い、原油価格の急騰や物流・サプライチェーンの混乱が生じており、世界経済の不確実性を一層高めています。一方、国内経済は、中東情勢による不確実性は見込まれるものの、先行きは家計所得の改善による個人消費の持ち直しや企業業績及び設備投資の伸びなどによりゆるやかに回復していくものと想定されます。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「三井E&S Rolling Vision 2026」では、2028年度に、連結売上高:4,400億円、連結営業利益率:9.5%、自己資本比率:50%及びROIC:10%を経営数値目標として掲げております。また、当社グループは、以下の社会課題を経営上も重要と認識・対応しており、2030年度目標を設定しております。各課題の解決及び人材育成・多様性の確保に注力してまいります。マテリアリティ2030年度目標脱炭素社会の実現・環境対応製品の2022~30年度累積販売・稼働台数によるCO2削減▲1,000万t-CO2/年以上※2・グリーン電力拡大による生産活動のCO2削減▲1.0万t-CO2/年以上人口縮小社会の課題解決・港湾関連製品の自動化・システム化2022~30年度累積販売・稼働台数1,000件以上多様化確保への取り組み※1・従業員全体 女性比率:10%、外国人比率: 7%※1:提出会社単体として目標を設定しております。※2:同じ量の従来仕様(重油/軽油焚き)製品による排出量との比較による。 2025年度の達成・進捗状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④経営計画の達成・進捗状況」に記載のとおりです。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2024年度より、3年先までの目標をローリング方式で更新し続け、成長し続ける姿を描く中期経営計画を採用しており、2025年5月に、2024年度の決算実績及び事業環境の変化を踏まえ、3年後となる2027年度までの機能戦略(財務・人材)、事業戦略をローリングした「三井E&S Rolling Vision 2025」を策定しました。当社グループが中長期的に目指す姿へ向けて持続的な成長をしていくため、必要な事業投資を進めるとともに、適正な配当政策による株主還元を行い、株主資本コストと負債コストのバランスを意識し企業価値向上に努めてまいります。なお、当社グループはローリング方式による中期経営計画を継続しており、新たに「三井E&S Rolling Vision 2026」を策定し公表しております。 (財務戦略)当社グループは、財務基盤の改善を継続しつつ、資本コストや株価を意識した経営管理へ移行し、ROE(自己資本利益率)・PBR(株価純資産倍率)にも留意しながら、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回る姿を目指します。また、成長フェーズに向けたキャッシュ配分として、2025年度から2027年度の営業キャッシュフローの約75%を事業成長投資・事業開発投資を中心に配分し、約25%を株主還元と財務基盤の強化に配分する方針です。株主還元については、株主の皆様に長期保有いただけるよう還元強化を進めており、直近では中間配当・増配を実施しております。これらの取り組みにより、収益力強化と資本効率改善の両立を図ってまいります。 (人材戦略)環境変化に柔軟に対応し持続的成長を実現するため、目指す組織風土と人材像を明確化し、「人材多様性の推進」、「人材流動化への対応」、「人的資本と環境整備への投資」を柱に取り組みを推進しております。また、取締役会は社外取締役の独立性・多様性を高めた少数精鋭の7名体制とし、機動性と監督機能の両立を図っております。加えて、キャリア採用の強化や、入社5~10年目までの人材ローテーション継続、選抜研修・階層別研修・基礎研修の再構築により、経営視点・広い視野・基礎的ビジネスリテラシーの獲得を支援するとともに、エンゲージメント・サーベイ等を通じたウェルビーイング向上施策も継続してまいります。さらに、持続的な企業価値向上に向けた成長加速のため、従業員と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、2026年度より従業員持株会を活用した譲渡制限付株式報酬制度を導入いたします。 (事業戦略)当社グループでは、マテリアリティとして「脱炭素社会の実現」、「人口縮小社会の課題解決」の2つの柱を掲げ、中核事業の舶用推進システム事業・物流システム事業を「グリーン」と「デジタル」の切り口で発展させる戦略を継続しております。具体的な施策は次のとおりです。 ①中核事業の更なる成長中核事業を「舶用推進システム」、「物流システム」と明確にし、中核事業を軸に収益力強化を進めております。舶用推進システム分野では、LNG・LPG・メタノール等の二元燃料エンジンの需要増に対応した生産体制強化に加え、アンモニア焚きエンジン及び燃料供給装置等の開発・供給体制強化を通じて、海上物流分野の脱炭素化に貢献してまいります。物流システム分野では、米国・東南アジアをターゲットとする世界市場展開を加速し、生産能力拡大や輸送能力強化(クレーン運搬船の保有・活用等)により、需要拡大に確実に対応するとともに、水素駆動クレーン等の環境対応や、自動化クレーンなどの技術開発・市場投入を進めてまいります。 ②新規事業の展開中核事業の周辺領域において新しい製品やサービスを推進する事業を成長事業と位置づけ、新製品・新サービスの開発に注力しております。産業機械分野の経験を活かし、水素供給関連施設やSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)製造向けなど、エネルギー転換・化石燃料依存からの脱却に向けた市場へ製品供給を目指していきます。また、ドローン点検や船体汚損管理等のデジタル新事業、港湾ターミナル運営の効率化等のデジタルソリューションを通じて、保守・メンテナンス領域のサービス型ビジネスを拡大し、人口縮小社会の課題解決に貢献してまいります。 (サステナビリティ課題の取り組み)気候変動や人口縮小社会の到来は、当社グループの事業運営における重要な経営課題であると同時に事業機会と捉え、その対応として、戦略マテリアリティを「脱炭素社会の実現」と「人口縮小社会の課題解決」と設定しました。当社グループは舶用エンジン、港湾クレーンのリーディングカンパニーとして、環境対応製品や自動化・システム化の提供を通じた社会課題解決を推進してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、持続可能社会への急速な移行、環境変化や当社自体の変革をふまえ、グループの企業理念・ビジョン・経営姿勢・行動規準を以下の通り定義しております。■企業理念エンジニアリングとサービスを通じて、人に信頼され、社会に貢献する。■ビジョン2030年までに、マリンの領域を軸に、脱炭素社会の実現と、人口縮小社会の課題解決を目指す。■経営姿勢 ※新しい価値の創造を顧客と共に実現 ▶ 事業視点-潜在ニーズのマーケティングと周辺技術のイノベーションで事業を推進していく。健全な財務体質と堅実な利益を追求 ▶ 財務視点-限界利益/固定費の適時評価を軸に、事業や子会社を堅実に管理運営していく。人的資本経営の推進 ▶ 人事視点-社会や顧客と共に課題解決に挑み、その成果を分かち合い、三方良しの関係を築く。※当社は、2026年5月25日に開示した「三井E&S Rolling Vision 2026」の中で、「経営姿勢」の一部を改訂しております。■行動規準シンプル、ユニーク、プラクティカルな製品やサービスに挑戦-常に顧客目線で3つの価値が重なる製品やサービスを考え、堅実な事業へと育み、社会に貢献する。 (2)経営戦略等為替や市況など、当社グループを取り巻く事業環境は依然として大きく、かつ急激に変化を続けています。こうした環境下において、当社は持続的な成長を実現するため、ローリング方式による新たな中期経営計画「三井E&S Rolling Vision 2024」を2024年8月に開始し、「三井E&S Rolling Vision 2026」を2026年5月に策定しました。本計画では、2030年を見据えた長期ビジョンのもと、「脱炭素社会の実現」と「人口縮小社会の課題解決」をマテリアリティとして掲げ、機能戦略(財務・人材)及び事業戦略を一体的に推進します。中核事業である舶用推進システム事業及び物流システム事業については、「グリーン」と「デジタル」の視点からの進化を図り、環境対応型製品や自動化・遠隔化技術の開発・展開を強化します。さらに、第三の柱となる事業創生を担う成長事業推進事業は、保守・メンテナンスビジネスの拡大や新規事業の創出に注力し、将来の収益基盤の多様化を図ります。財務面では、ROICやWACCを意識した資本効率の向上を図りつつ、適正な配当政策を通じた株主還元を継続し、株主資本コストと負債コストのバランスを踏まえた企業価値向上に努めてまいります。 (3)経営環境等当連結会計年度の世界経済は、インフレの落ち着きや貿易量の持ち直しなどを背景に、底堅く推移しました。しかし、中東情勢の悪化に伴い、原油価格の急騰や物流・サプライチェーンの混乱が生じており、世界経済の不確実性を一層高めています。一方、国内経済は、中東情勢による不確実性は見込まれるものの、先行きは家計所得の改善による個人消費の持ち直しや企業業績及び設備投資の伸びなどによりゆるやかに回復していくものと想定されます。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「三井E&S Rolling Vision 2026」では、2028年度に、連結売上高:4,400億円、連結営業利益率:9.5%、自己資本比率:50%及びROIC:10%を経営数値目標として掲げております。また、当社グループは、以下の社会課題を経営上も重要と認識・対応しており、2030年度目標を設定しております。各課題の解決及び人材育成・多様性の確保に注力してまいります。マテリアリティ2030年度目標脱炭素社会の実現・環境対応製品の2022~30年度累積販売・稼働台数によるCO2削減▲1,000万t-CO2/年以上※2・グリーン電力拡大による生産活動のCO2削減▲1.0万t-CO2/年以上人口縮小社会の課題解決・港湾関連製品の自動化・システム化2022~30年度累積販売・稼働台数1,000件以上多様化確保への取り組み※1・従業員全体 女性比率:10%、外国人比率: 7%※1:提出会社単体として目標を設定しております。※2:同じ量の従来仕様(重油/軽油焚き)製品による排出量との比較による。 2025年度の達成・進捗状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④経営計画の達成・進捗状況」に記載のとおりです。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2024年度より、3年先までの目標をローリング方式で更新し続け、成長し続ける姿を描く中期経営計画を採用しており、2025年5月に、2024年度の決算実績及び事業環境の変化を踏まえ、3年後となる2027年度までの機能戦略(財務・人材)、事業戦略をローリングした「三井E&S Rolling Vision 2025」を策定しました。当社グループが中長期的に目指す姿へ向けて持続的な成長をしていくため、必要な事業投資を進めるとともに、適正な配当政策による株主還元を行い、株主資本コストと負債コストのバランスを意識し企業価値向上に努めてまいります。なお、当社グループはローリング方式による中期経営計画を継続しており、新たに「三井E&S Rolling Vision 2026」を策定し公表しております。 (財務戦略)当社グループは、財務基盤の改善を継続しつつ、資本コストや株価を意識した経営管理へ移行し、ROE(自己資本利益率)・PBR(株価純資産倍率)にも留意しながら、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を上回る姿を目指します。また、成長フェーズに向けたキャッシュ配分として、2025年度から2027年度の営業キャッシュフローの約75%を事業成長投資・事業開発投資を中心に配分し、約25%を株主還元と財務基盤の強化に配分する方針です。株主還元については、株主の皆様に長期保有いただけるよう還元強化を進めており、直近では中間配当・増配を実施しております。これらの取り組みにより、収益力強化と資本効率改善の両立を図ってまいります。 (人材戦略)環境変化に柔軟に対応し持続的成長を実現するため、目指す組織風土と人材像を明確化し、「人材多様性の推進」、「人材流動化への対応」、「人的資本と環境整備への投資」を柱に取り組みを推進しております。また、取締役会は社外取締役の独立性・多様性を高めた少数精鋭の7名体制とし、機動性と監督機能の両立を図っております。加えて、キャリア採用の強化や、入社5~10年目までの人材ローテーション継続、選抜研修・階層別研修・基礎研修の再構築により、経営視点・広い視野・基礎的ビジネスリテラシーの獲得を支援するとともに、エンゲージメント・サーベイ等を通じたウェルビーイング向上施策も継続してまいります。さらに、持続的な企業価値向上に向けた成長加速のため、従業員と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、2026年度より従業員持株会を活用した譲渡制限付株式報酬制度を導入いたします。 (事業戦略)当社グループでは、マテリアリティとして「脱炭素社会の実現」、「人口縮小社会の課題解決」の2つの柱を掲げ、中核事業の舶用推進システム事業・物流システム事業を「グリーン」と「デジタル」の切り口で発展させる戦略を継続しております。具体的な施策は次のとおりです。 ①中核事業の更なる成長中核事業を「舶用推進システム」、「物流システム」と明確にし、中核事業を軸に収益力強化を進めております。舶用推進システム分野では、LNG・LPG・メタノール等の二元燃料エンジンの需要増に対応した生産体制強化に加え、アンモニア焚きエンジン及び燃料供給装置等の開発・供給体制強化を通じて、海上物流分野の脱炭素化に貢献してまいります。物流システム分野では、米国・東南アジアをターゲットとする世界市場展開を加速し、生産能力拡大や輸送能力強化(クレーン運搬船の保有・活用等)により、需要拡大に確実に対応するとともに、水素駆動クレーン等の環境対応や、自動化クレーンなどの技術開発・市場投入を進めてまいります。 ②新規事業の展開中核事業の周辺領域において新しい製品やサービスを推進する事業を成長事業と位置づけ、新製品・新サービスの開発に注力しております。産業機械分野の経験を活かし、水素供給関連施設やSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)製造向けなど、エネルギー転換・化石燃料依存からの脱却に向けた市場へ製品供給を目指していきます。また、ドローン点検や船体汚損管理等のデジタル新事業、港湾ターミナル運営の効率化等のデジタルソリューションを通じて、保守・メンテナンス領域のサービス型ビジネスを拡大し、人口縮小社会の課題解決に貢献してまいります。 (サステナビリティ課題の取り組み)気候変動や人口縮小社会の到来は、当社グループの事業運営における重要な経営課題であると同時に事業機会と捉え、その対応として、戦略マテリアリティを「脱炭素社会の実現」と「人口縮小社会の課題解決」と設定しました。当社グループは舶用エンジン、港湾クレーンのリーディングカンパニーとして、環境対応製品や自動化・システム化の提供を通じた社会課題解決を推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績等の状況当連結会計年度の世界経済は、国際情勢や通商環境が不安定な中、主要国におけるインフレ率の安定化が進み、総じて底堅く推移しました。しかしながら、2月以降中東情勢が緊迫化し、供給制約に伴う資源価格の上昇、それに伴う物価上昇や個人消費の低迷など各国の経済が下振れる可能性も想定されます。国内経済においても、個人消費の持ち直しや企業業績の堅調さを背景に、緩やかな回復基調が続くものの、資源価格の動向や物価の上振れ懸念など引き続き注意が必要です。当社グループの舶用推進システム事業と関連性の高い造船業界では、日米協力に関する覚書の締結や「造船業再生ロードマップ」の策定など、建造能力拡大に向けた動きが徐々に進展しております。また、足元の建造船台はすでに埋まっており、一部の造船所では2030年納期の新造船を受注するなど、国内造船所各社は十分な手持ち工事量を確保しています。物流システム事業においても、米国市場での競争優位性を引き続き維持しており、アジア地域及び国内における新設、既存設備の増設、老朽化に伴う更新需要が堅調に推移しております。当社グループの主力事業の受注環境は当面、概ね良好な状況が続くものと見込んでおります。国際情勢の動向や、金利・為替レートの急激な変動といった要因には引き続き注意が必要ですが、当社グループでは、有利子負債を適切な水準に維持することや為替予約の活用などにより、これらのリスクに対して適切に対応しております。このように不確実性が高く、かつ変化の激しい外部環境の下で持続的な成長を実現するため、当社グループは、今後3年間の姿を固定的に定めるのではなく、常に計画を更新し続けるローリング方式の中期経営計画を採用しております。2024年度の決算実績も踏まえ、3年後となる2027年度までを対象とした機能戦略(財務・人材)及び事業戦略をローリングした「三井E&S Rolling Vision 2025」を2025年5月に策定しました。本計画では、中長期的に目指す姿へ向けて中核事業のさらなる成長と新規事業の拡大への事業投資を進めるとともに、適正な配当政策による株主還元を行い、株主資本コストと負債コストのバランスを意識し企業価値向上に努めてまいります。舶用推進システム事業においては、当社グループのグリーン技術に基づき、アンモニア焚きエンジンなどの二元燃料エンジンの開発・製造を強化するとともに、関連する周辺機器事業の拡大を進めております。また、舶用推進システムのサプライヤーとして、海上物流分野における脱炭素社会の実現に引き続き貢献してまいります。こうした取り組みの一環として、川崎重工業株式会社と共同で、液化アンモニアを燃料として使用可能なLPG/アンモニア運搬船について、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)より基本設計承認(AiP)を取得いたしました。これにより、アンモニア焚きエンジンの実用化に向けた技術的信頼性が一段と高まりました。また、環境省と国土交通省の連携事業である「ゼロエミッション船等の建造促進事業」に、「アンモニア燃料推進システムの生産能力増強」を応募し、採択されております。物流システム事業においては、2025年4月にクレーン輸送船「YAMATO」の引渡しを受け、同船を自社保有することで海上輸送能力を強化いたしました。これにより、世界市場への展開に向けた基盤を構築するとともに、将来の生産能力拡大に向けた投資も進めております。また、横浜港において水素燃料電池を用いた荷役機械の実証運転を開始し、環境対応技術の開発を推進しております。国内向け受注では、東京港中央防波堤外側コンテナ埠頭Y3バース向けにヤード用コンテナクレーン(トランステーナ)を17基受注、東南アジア向けでは、Westports Malaysia Sdn Bhd向けヤード用コンテナクレーンを15基受注するなど引き続き好調で、更に米国ロングビーチ港向けに岸壁用コンテナクレーン(ポーテーナ)2基を受注するなど、海外展開も着実に進展しております。こうした取り組みを通じて、国内外コンテナターミナル事業の発展に、より一層の貢献を果たしてまいります。成長事業推進事業においては、デジタル技術を活用した保守・メンテナンス分野の強化を進めております。具体的には、船体汚損の管理を行う新サービス「FALCONs(Fouling Advanced Lifecycle Control Service)」の提供、港湾クレーンや各種プラントなど多様な設備を対象としたドローンによる点検・保守サービスの展開、さらに港湾ターミナルの運営効率を向上させるソリューションの提供などを推進しております。また、財務基盤の強化や収益構造の改善に取り組んだ結果、当社は2025年12月24日付で、株式会社格付投資情報センター(R&I)より、発行体格付「A-」、方向性「ポジティブ」を新規に取得いたしました。 当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a. 財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ453億41百万円増加の4,945億54百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ143億23百万円減少の2,607億34百万円となりました。当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べ596億64百万円増加の2,338億19百万円となりました。 b. 経営成績当連結会計年度の経営成績は、受注高は3,158億4百万円(前期比△25.1%)、売上高は3,531億96百万円(前期比+12.1%)、営業利益は376億41百万円(前期比+62.7%)、経常利益は448億92百万円(前期比+61.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は384億56百万円(前期比△1.6%)となりました。 〔経営成績の推移:連結ベース〕 受注高(百万円)売上高(百万円)営業利益(百万円)経常利益(百万円)親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)1株当たり当期純利益(円)2026年3月期315,804353,19637,64144,89238,456381.152025年3月期421,699315,11223,13027,75639,074385.392024年3月期336,987301,87519,63020,71125,051255.73 セグメントごとの経営成績は次のとおりとなりました。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (成長事業推進) 受注高は432億85百万円(△5.8%)、売上高は437億57百万円(+9.3%)、営業利益は87億72百万円(+28.4%)となりました。 (舶用推進システム)受注高は1,310億51百万円(△38.5%)、売上高は1,497億37百万円(+10.5%)、営業利益は144億74百万円(+93.6%)となりました。 (物流システム)受注高は665億58百万円(△12.6%)、売上高は651億85百万円(+3.9%)、営業利益は139億39百万円(+134.1%)となりました。 (周辺サービス)受注高は747億80百万円(△13.6%)、売上高は943億33百万円(+25.5%)、営業利益は8億26百万円(前期は16億15百万円の損失)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて212億12百万円増加して545億89百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、284億19百万円(前連結会計年度は148億52百万円の収入)となりました。これは主として、仕入債務の減少及び法人税等の支払などによる支出があった一方、税金等調整前当期純利益の計上並びに売上債権及び契約資産の減少などによる収入があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の収入は、25億52百万円(前連結会計年度は609億2百万円の収入)となりました。これは主として、有形及び無形固定資産の取得などによる支出があった一方、有形及び無形固定資産の売却及び関係会社株式の売却などによる収入があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、104億17百万円(前連結会計年度は765億66百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済及び配当金の支払などによる支出があったことによるものであります。 〔財政状態の推移:連結ベース〕 総資産(百万円)純資産(百万円)自己資本比率(%)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)有利子負債残高(百万円)2026年3月期494,554233,81946.328,4192,552△10,41792,7212025年3月期449,212174,15437.814,85260,902△76,56697,8502024年3月期467,140146,51030.4△34,435△35424,110162,012 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)成長事業推進44,62214.9舶用推進システム158,70414.0物流システム64,4624.0周辺サービス93,62727.3その他364△75.2合計361,78114.8 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。 b. 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)成長事業推進43,285△5.839,150△2.4舶用推進システム131,051△38.5142,295△12.1物流システム66,558△12.697,7261.9周辺サービス74,780△13.6183,461△2.8その他128△7.184△19.2合計315,804△25.1462,718△4.9 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)成長事業推進43,7579.3舶用推進システム149,73710.5物流システム65,1853.9周辺サービス94,33325.5その他182△88.8合計353,19612.1 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、主な内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載しております。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 財政状態当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ453億41百万円増加の4,945億54百万円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産が120億30百万円、流動資産その他が108億47百万円それぞれ減少した一方、現金及び預金が217億2百万円、投資有価証券が253億30百万円、投資その他の資産その他が190億75百万円それぞれ増加したことなどによります。負債は、前連結会計年度末と比べ143億23百万円減少の2,607億34百万円となりました。これは、電子記録債務が75億63百万円、長期借入金が63億80百万円それぞれ減少したことなどによります。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、その他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ596億64百万円増加の2,338億19百万円となりました。 b. 経営成績当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度と比べて1,058億95百万円減少(△25.1%)の3,158億4百万円となりました。売上高は、舶用推進システム事業において大型エンジン及び二元燃料エンジンが増加したことや物流システム事業において大型工事が順調に進捗したことなどにより、前連結会計年度と比べて380億83百万円増加(+12.1%)の3,531億96百万円となりました。営業利益は、売上高の増加に加えて、舶用推進システム事業及び物流システム事業の損益が改善したことなどにより、前連結会計年度と比べて145億11百万円増加(+62.7%)の376億41百万円となりました。経常利益は、営業利益の増加などにより前連結会計年度と比べて171億36百万円増加(+61.7%)の448億92百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、関係会社株式売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度と比べて6億17百万円減少(△1.6%)の384億56百万円となりました。 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度との比較については、変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (成長事業推進)脱炭素分野では、国内初となる洋上水素ステーション向け高圧大流量水素圧縮機を納入しました。水素市場を含む脱炭素市場の立上りの遅れにより、高圧大流量水素圧縮機の新規受注には至りませんでしたが、国内製鉄所向け高炉用送風機は2024年度に引き続き大型案件2件を連続受注しました。デジタル分野では、設備点検における人手依存の解消を目的とし、ドローンによる点検からデータ管理・評価までを一体化した新しいデジタルソリューションの提供を開始しました。ドローン自動飛行ルート作成アプリ「ドローンスナップ」により同一画角で撮影した点検画像データを、一元管理する「ドローンスナップクラウド」上に蓄積し、時系列での比較・分析を可能とすることで、点検業務の安全性向上と共に効率化を実現しています。今後も様々な機能拡張を図り、点検品質の向上と設備保全の高度化を推進し、引き続き、人口縮小化社会における保守・メンテナンス分野の課題解決に取り組み、お客様の安定稼働・安全運転に貢献してまいります。受注高は、前期に産業機械製品の大型案件の受注があったことなどにより、前期と比べて26億68百万円減少(△5.8%)の432億85百万円となりました。売上高及び営業利益は、産業機械製品の増加に加えてアフターサービス事業が好調に推移したことにより、それぞれ前期と比べて37億39百万円増加(+9.3%)の437億57百万円、19億41百万円増加(+28.4%)の87億72百万円となりました。(舶用推進システム)GHG排出量削減を目的とした国際的な環境規制の強化を背景に、LNG、LPG、メタノール等を燃料とする舶用低速二元燃料エンジンの需要が拡大してきており、2025年度は当社においても受注・生産ともに堅調に推移しました。二元燃料エンジンについては、グループ会社である株式会社三井E&S DU(MESDU)が受注したWinterthur Gas & Diesel(WinGD)ライセンスのメタノール焚きエンジンを当社玉野工場において製造し、両ライセンスのエンジン生産体制を確立しました。MESDUではWinGDエンジンの引合いが増加しており、当社玉野・MESDU相生両工場でEverllence/WinGD両ライセンスエンジンを柔軟に生産し、顧客ニーズに応える高品質なエンジンを供給してまいります。将来のゼロエミッション燃料として期待されるアンモニアについては、2026年2月にEverllenceライセンスのアンモニア焚きエンジン及び当社製アンモニア燃料供給装置の船級・客先立会試験を完了しました。グループ会社であるTGE Marine Gas Engineering GmbHの知見も生かし、当社グループは推進システムサプライヤーとして燃料供給装置を含むアンモニア燃料推進システムを提供してまいります。アフターサービス事業については、ドック工事増加や環境規制対応需要を背景に、高水準の受注・売上を確保しています。受注高は、前期に大型エンジンの複数基を一括受注したことなどにより、前期と比べて818億81百万円減少(△38.5%)の1,310億51百万円となりました。売上高は、大型エンジン及び二元燃料エンジンが増加したことなどにより、前期と比べて142億30百万円増加(+10.5%)の1,497億37百万円となり、営業利益は、売上高の増加に加えて、アフターサービス事業が好調に推移したことなどにより、前期と比べて69億97百万円増加(+93.6%)の144億74百万円となりました。 (物流システム)ベトナムにおける大型案件の連続受注、カンボジアのODA案件など、海外での受注は好調を維持しております。国内においては、2025年度は案件が少ない状況でありましたが、ほぼ100%の受注率を達成し、国内外ともに目標値を達成しました。米国においては、国家安全保障に基づくコンテナクレーンの需要が高まる中、ポーテーナ2基を受注しました。これにより、米国港湾の顧客に信頼されるパートナーとしての地位をさらに確固たるものとしていきます。ベトナムにおいては、現地で生産したトランステーナ4基を納入しました。今後も引き続き、ベトナムでの生産拡大に向けて取り組んでまいります。また、今後拡大が見込まれる遠隔操作案件に関しては、東京港向けに遠隔操作トランステーナ17基を受注しました。さらに、製鉄所向けの製品出荷用クレーンについて、無線リモコン化改造工事を完了し、今後、デジタルという切り口で製品の価値を高め、人口縮小社会への課題解決に貢献してまいります。アフターサービス関連は、コンテナクレーンの稼働状況に応じた維持管理計画を含む予防保全の提案や大型案件の創出により引き続き好調です。パーツサプライでは、顧客が在庫の拡充を図る売れ筋部品や新規案件の推奨予備品、予備スプレッダなどの受注が好調です。受注高は、国内向けを始めアジア諸国や米国など海外向けにおいても着実に積み上げましたが、過去最高の受注高を記録した前期と比べて95億53百万円減少(△12.6%)の665億58百万円となりました。売上高は、大型工事の順調な進捗などにより、前期と比べて24億17百万円増加(+3.9%)の651億85百万円となり、営業利益は、売上高の増加や大型工事の採算改善などにより、前期と比べて79億84百万円増加(+134.1%)の139億39百万円となりました。 (周辺サービス)周辺サービス事業においては、国内子会社におけるシステム関連や鋼構造物等の安定した受注により売上を牽引しました。一方、海外子会社では受注契約時期の遅延などにより受注高は減少したものの、既受注工事が順調に進捗したことにより、売上高は増加し、採算も改善いたしました。受注高は、前期に大口工事の受注があったことなどにより、前期と比べて117億82百万円減少(△13.6%)の747億80百万円となりました。売上高は、主に海外子会社において増加したことにより、前期と比べて191億39百万円増加(+25.5%)の943億33百万円となり、営業損益は、海外子会社における採算の改善などにより、前期の16億15百万円の損失から8億26百万円の利益となりました。 c. キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析a. 資金需要当社グループの資金需要の主なものは、当社グループの製品製造のための材料費、外注費、人件費等の運転資金需要や、投資資金需要であります。このうち、運転資金需要については、今般の豊富な受注残高を背景に旺盛な状況が継続しております。投資資金需要は、主に中核事業のグリーン技術・デジタル技術を活用するために必要な成長投資資金及び製造工場を維持・増強するための設備投資資金になります。当社グループでは、有利子負債の過度な増加を抑制する観点から、運転資金の増加を適切にコントロールしていくとともに、設備投資、投融資などの長期性資金については、主力事業への成長投資資金に集中させることで、一時的な多額の資金支出を抑制していく方針としております。 b. 資金調達当社グループの運転資金需要、投資資金需要に対しては、事業活動で得たキャッシュ・フローにて賄うことを基本とし、日々の資金の動きで不足が生じた場合は、金融機関からの借入等により調達しております。借入金を適時調達できる状態を維持するため、取引金融機関とは長年にわたる良好な取引関係を維持・構築しており、加えて、一部の金融機関とはコミットメントラインを設定することにより、緊急の資金需要にも備えております。また、上場子会社を除いた国内連結子会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ全体での資金効率を高め、安定的に資金の流動性を確保できる体制を構築しております。 なお、当連結会計年度末の有利子負債の内訳は次のとおりであります。(単位:百万円) 合計返済・償還1年以内返済・償還1年超短期借入金49,04049,040-長期借入金43,6816,23237,449有利子負債 計※92,72155,27237,449リース債務5,8312,0503,780総計98,55257,32241,229 ※当社では、リース債務を別管理しております ④ 経営計画の達成・進捗状況当社グループは、2024年8月に公表したローリング方式の中期経営計画「三井E&S Rolling Vision 2024」及び2025年5月に公表した「三井E&S Rolling Vision 2025」(以下、「RV2025」)において、株主資本コスト及び負債コストを意識した経営へ移行し、投下資本利益率(ROIC)が加重平均資本コスト(WACC)を上回る状態の実現を目指しております。RV2025の初年度に当たる2025年度においては、ROIC9%を目標として設定しておりましたが、実績は16%となり、WACC9%を上回る結果となりました。また、同年度の配当性向についても、目標水準である15%を達成いたしました。一方で、2025年度は豊富な工事量を背景に計画を大幅に上回る営業利益を計上したものの、中東情勢の緊迫化や資源価格の上昇に伴う物価上昇などにより、不確実性の高い事業環境が継続しております。こうした状況を踏まえ、当社グループは、2028年を目標年度とする機能戦略(財務・人材)及び事業戦略をローリングした「三井E&S Rolling Vision 2026」(以下、「RV2026」)を2026年5月に策定いたしました。RV2026では、「グリーン技術」及び「デジタル技術」を活用し、マーケティングとイノベーションの両輪を回すことにより、中核事業である舶用推進システム事業、物流システム事業並びに新規事業の持続的な成長を図ることを成長戦略としております。また、戦略の推進に向けて投資活動の加速を図るとともに、人的資本経営の推進にも取り組んでまいります。当社グループの主力事業における受注環境は、当面、比較的良好な状況が継続するものと見込まれます。一方で、事業環境の不透明性を踏まえ、持続的な成長の実現に向けて必要な事業投資を着実に実行するとともに、適正な配当政策を通じた株主還元に努めてまいります。あわせて、株主資本コストと負債コストのバランスを意識した財務運営を行い、これらの取り組みを通じて中長期的な株主価値の向上を図ってまいります。 なお、RV2026の各施策につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。 <三井E&S Rolling Vision 2026 数値目標>指標(参考)2025年度計画 2025年度実績 2026年度計画 2027年度計画 2028年度計画連結売上高3,400億円3,532億円3,700億円4,100億円4,400億円連結営業利益率7.0%10.7%8.6%9.3%9.5%連結営業利益240億円376億円320億円380億円420億円自己資本比率39%46.3%48%48%50%ROIC(※)9%16.1%10%10%10%WACC-9%---※ ROIC=(営業利益-法人税等合計)÷(株主資本と有利子負債の前当期末平均) マテリアリティ項目(参考)2025年度目標 2025年度実績 2030年度目標環境対応製品の2022~30年度累積販売・稼働台数によるCO2削減 (単位:万t-CO2/年)88万t81万t1,000万t港湾関連製品の自動化・システム化2022~30年度累積販売・稼働台数 (単位:件)460件509件1,000件

事業リスク

  • 個別受注生産による原価変動リスク
    同社グループの事業は個別受注生産が中心であり、契約から引き渡しまでの長期間にわたる工事が多いです。そのため、契約時の見積原価と実際の原価に社会情勢の変化などで差異が生じ、収益性を圧迫する可能性があります。慎重な見積もりや多様な調達先の確保でリスク軽減を図っています。
  • 法的規制・カントリーリスク
    国内外での事業展開において、各国の法令、許認可、規制遵守が必要です。法令改正や新たな規制、あるいは政情不安、経済制裁、経済情勢の急変、商習慣の違いなどが、事業活動や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。貿易保険の活用や現地専門家からの情報収集でリスク低減に努めています。
  • 市場変動と金利上昇リスク
    為替レートの大幅な変動は、海外取引の受注・売上・損益に影響を与える可能性があります。また、新造船市場などの顧客企業の市場環境変化による価格競争激化や、金利レートの大幅な上昇による金融コスト増加もリスクです。為替予約や有利子負債の適正水準維持でこれらのリスクをコントロールしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,339 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 <重要なリスク>(1)当社グループの事業の特性によるリスク当社グループの事業は、個別受注生産が中心であり、製品の特性によっては契約から引き渡しまで長期間に亘る工事もあります。その間の社会情勢等の変化により、契約を締結した時点の見積原価と実際の原価との間に差異が生じる可能性があります。当社グループでは対策として、慎重な見積り、多様な調達先の確保をすすめることや、客先の与信リスクに対しては、代金の早期回収、海外事業においては貿易保険を利用する等リスクの回避に努めております。また、納めた製品の性能、品質、納期の遅れに起因するクレーム等が発生した場合や、生産活動の過程で、不測の事態により有害物質が外部へ漏洩する等環境汚染が発生した場合には、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償等による費用が発生する可能性があります。そのような事態を回避すべく、当社グループでは、品質や安全、環境保全に関する法令等を遵守し、製品の品質及び信頼性の追求と環境汚染防止に努めております。 (2)法的規制及びカントリーリスク国内外での事業の遂行にあたっては、それぞれの国の各種法令、行政による許認可や規制等を遵守しております。しかしながら、法令の改廃や新たな法的規制が設けられる等の場合や、工事を行う国や地域によっては、政情不安(戦争、テロ)、国家間対立による経済制裁、経済情勢の急変に伴う工事従事者の動員及び資機材調達の遅れ、現地の労使関係等のリスク、商習慣に関する障害、資金移動の制約、特別な税金及び関税等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これを回避するため、貿易保険の付保、現地の法律や会計コンサルタント等からの情報収集及び顧客や取引先との間で最適な責任分担を図ることにより、リスクの低減に努めております。また、米国の関税政策や中東情勢の悪化がサプライチェーンや世界経済に影響を与える可能性があります。当社グループの事業においても間接的な影響が想定されますが、依然として不透明であります。当社グループはその動向を慎重に見極めつつ、適切なリスクコントロールに努めてまいります。 (3)大規模災害のリスク地震や風水害など各種災害が発生した場合には、物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等により、当社グループの生産活動を中心とした事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザなどの感染症が大流行(パンデミック)した場合、経済の混乱や、感染拡大防止のための外出自粛・渡航禁止等により商談機会の減少や、顧客の投資意思決定が遅れることが考えられます。これらが受注の遅れにつながった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、地震、風水害など各種災害やパンデミックに対して発生時の損失を最小限に抑えるため、設備の点検・訓練の実施、緊急連絡体制、感染症対応ガイドラインの整備など、事業継続計画(BCP)を策定しております。また、損害保険の利用等を通じて負担限度額のコントロールに努めております。 (4)情報セキュリティに関するリスク事業活動の過程では取引先の機密情報や個人情報、当社グループの技術・事務管理に関する機密情報や個人情報を取り扱う場合があります。パソコン、サーバー及びネットワーク機器の障害や紛失・盗難、外部からの攻撃やコンピュータウイルスの感染等によりこれらの情報が流出あるいは消失した場合や会社資産が喪失した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これら情報セキュリティ上のリスクについては、情報セキュリティ統括責任者の指示のもと経営企画部IT統制室を中心に、セキュリティポリシーの策定、外部機関連携による各種情報の入手、ネットワークやIT機器の監視、外部からの攻撃に対する網羅的かつ多層的な対策、及び教育や訓練等の具体的施策を推進しております。 (5)市場変動によるリスク当社グループの国内会社の売上高には、一定程度の海外向け取引が含まれており、為替レートに大幅な変動がある場合には、受注・売上及び損益に影響を受ける可能性があります。ただし、為替レートの変動による影響を軽減する対策として、為替予約の活用や海外調達により外貨建コストの比率を高めるなど、リスク量を適正な水準に調整しております。また、海外子会社においては大部分のコストは自国通貨建てのため、為替レートが当社グループの損益に与える影響は軽微であります。新造船市場等顧客企業の市場環境の変化によっては、当社グループと競合企業との価格競争が激化し、収益性に影響を及ぼす可能性があります。競合企業との価格競争に勝ち残るため、中核事業である「舶用推進システム」「物流システム」の各事業を、「グリーン技術」と「デジタル技術」を活用し、更に強化してまいります。グリーン技術としては、環境対応製品のエンジニアリングに注力し、新燃料エンジン、ゼロエミッション型港湾クレーンなど脱炭素関連製品の開発・提供を進めてまいります。また、デジタル技術としては、当社グループのサービス網とデジタル技術の掛け合わせにより、海上輸送と港湾荷役の連携など強みを持つ分野で、デジタル技術・ドローン技術を活用した高度予防保全・遠隔保守サービスなどを開発・提供してまいります。当社グループでは一定程度の有利子負債を有しており、金利レートが大幅に上昇する場合には、金融コストが増加する可能性があります。金融コストの増加に対しては、資金管理を厳格に行い有利子負債を適正な水準に維持することで、金利上昇リスクをコントロールしてまいります。 (6)材料調達リスク当社グループは、舶用エンジン、コンテナクレーン、産業機械等各種製品の製造及びサービス事業を展開しており、多種多様な原材料・部品等の調達を行っております。例えば鋼材については、その急激な価格上昇・需給逼迫等が生じた場合、コスト増加、工程の遅れにより当社グループの損益を悪化させる可能性があります。また、原油価格の急騰や石油化学製品の需給逼迫も同様に当社グループの損益を悪化させる可能性があります。そのため、種々の原材料・部品等について長期安定供給の体制を確保するとともに、価格交渉等を通じて、その影響を軽減するよう努めております。 (7)会計処理に関するリスク当社グループが保有する固定資産について、経営環境の変化等により収益性が低下した場合、また、遊休資産について時価等が下落し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。また、保有する株式についても同様に、経営環境の変化等により収益性が低下した場合や時価等が著しく下落し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。税効果会計においては、将来の予想・前提に基づいて、その資産・債務等の算定を行っております。そのため、予想・前提となる数値に変更がある場合もしくはこれらの算定を行うための会計基準の変更がある場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)SDGsに関するリスク当社グループが事業活動を続ける中で、炭素税の導入やCO2排出規制の強化など持続可能な社会のために急速な制度移行等が進んだ場合、燃料調達コストに対する課税や製造コスト等の増加により、当社事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。一方で、既存のビジネスモデルからの変革が求められる環境の中で低炭素化へ向けた動きが加速し、非化石燃料を使用した製品の需要が拡大する場合、当社に強みのある環境対応製品の販売機会の増大が期待できます。

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