事業の概要
- 生命保険事業の展開:かんぽ生命保険は、保険業法に基づき生命保険業を営んでおり、主に保険の引き受けと資産運用を通じて収益を得ています。個人保険、個人年金保険、財形保険といった多様な保険商品を顧客に提供し、将来の保障や資産形成のニーズに応えています。
- 資産運用による収益確保:保険契約者から預かった保険料は、有価証券の取得、不動産投資、金銭の貸付など多岐にわたる資産運用に充てられています。これにより、安定的な運用益を確保し、保険金の支払いや会社の成長資金として活用しています。運用業務は、会社の財務健全性を保つ上で非常に重要です。
- 他社保険商品の販売代行:自社商品の販売に加え、アフラック生命保険や日本生命保険など、複数の他社保険会社の商品の受託販売も行っています。これにより、顧客に対してより幅広い選択肢を提供できるだけでなく、販売手数料収入を得ることで収益源の多様化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 生命保険業の単一セグメント:かんぽ生命保険は、生命保険業を単一のセグメントとして事業を展開しています。これは、主に保険引受業務と資産運用業務で構成されており、会社の収益の大部分を占めています。他の事業セグメントは存在しないため、事業全体が生命保険業に集中しています。
- 保険引受業務の内訳:生命保険業の中核をなす保険引受業務には、個人保険、財形保険、個人年金保険、財形年金保険、そして再保険が含まれます。再保険は、郵政管理・支援機構から簡易生命保険契約の保険責任を受再しており、これはかんぽ生命保険独自の重要な業務です。
- 資産運用業務の多様性:保険引受業務で得た資金は、多岐にわたる資産運用業務に充てられています。具体的には、有価証券や不動産の取得、金銭債権の取得、金銭の貸付、預金、信託、デリバティブ取引などがあり、これらの運用を通じて安定的な収益を確保し、会社の成長を支えています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は、保険業法に基づく免許・認可を得て生命保険業を営んでおり、主に保険引受業務及び資産運用業務を行っております。当社及び当社の関係会社は、当社、連結子会社1社及び持分法適用関連会社1社を中心に構成されており、当社グループは、生命保険業の単一セグメントであります。なお、当社の連結子会社であるかんぽシステムソリューションズ株式会社は、情報システムの設計、開発、保守及び運用業務の受託を行っております。また、当社グループのセグメントについては、単一セグメントであるため記載を省略しております。 当社の営む事業の主な内容は次のとおりであります。(1) 生命保険業当社は、生命保険業免許に基づき、次の①~③の保険引受業務及び④~⑫の資産運用業務を行っております。ただし、当社には、他の生命保険会社にはない、業務を行うにあたっての郵政民営化法による制約があります。詳細は下記「(参考) 郵政民営化法による特例措置(4)~(6)」に記載のとおりであります。 業務の種類内訳保険引受業務① 個人保険及び財形保険② 個人年金保険及び財形年金保険③ 再保険(注)資産運用業務④ 有価証券の取得⑤ 不動産の取得⑥ 金銭債権の取得⑦ 金銭の貸付(コールローンを含む。)⑧ 有価証券の貸付⑨ 預金又は貯金⑩ 金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託⑪ 有価証券関連デリバティブ取引、金融等デリバティブ取引又は先物外国為替取引⑫ その他郵政民営化法第138条に定められた方法等 (注) 当社と郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを当社が受再しております。 (2) 他の保険会社(外国保険業者を含む。)その他金融業を行う者の業務の代理又は事務の代行当社の支店では、当社の保険商品の販売に加え、次の保険会社の商品の受託販売等を行っております。・アフラック生命保険株式会社・エヌエヌ生命保険株式会社・住友生命保険相互会社・第一生命保険株式会社・東京海上日動あんしん生命保険株式会社・日本生命保険相互会社・第一ネオ生命保険株式会社・三井住友海上あいおい生命保険株式会社・明治安田生命保険相互会社・メットライフ生命保険株式会社 (3) 郵政管理・支援機構から委託された簡易生命保険管理業務当社は、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約の管理業務を、郵政管理・支援機構から受託しております。 (事業の系統図)2026年3月31日現在 (注) 1.簡易生命保険契約の保険責任のすべてを再保険。2.簡易生命保険契約の管理業務(保険料の収納、保険金の支払、契約の維持・管理、資産運用業務等)を委託。3.当社の生命保険契約の募集及び維持・管理業務を委託。4.郵政管理・支援機構から委託を受けた簡易生命保険契約の管理業務の一部を再委託。5.簡易郵便局に対する当社の生命保険契約に係る教育・指導・管理を委託。6.当社の生命保険契約の募集業務を委託。7.当社から委託を受けた当社の生命保険契約の維持・管理業務を再委託。8.当社から再委託を受けた簡易生命保険契約の管理業務の一部を再々委託。9.持分法を適用していない非連結子会社13社及び関連会社2社については、記載を省略しております。 (参考) 郵政民営化法による特例措置当社の事業運営は、生命保険会社として保険業法を遵守することに加え、郵政民営化法及び関係政省令を遵守して遂行する必要があります。郵政民営化法及び関係政省令の主な目的は、郵政事業の改革を通じて、国内における公正かつ自由な競争を促進し、皆さまの利便向上及び経済の活性化を目指すことに加えて、日本郵政グループ各社の業務と同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じることにあります。このため、(1)に定める期間においては、新規業務を開始する場合に他の生命保険会社には課されていない追加的な手続きが求められ、また、当社が提供する商品の設計についても、他の生命保険会社には課されていない法令上の制約(以下、これらの制約等を「本特例措置」といいます。)が適用されることとなります。詳細は次のとおりであります。 (1) 本特例措置が継続する期間本特例措置が継続する期間は、次に掲げる日のいずれか早い日までであります(郵政民営化法第134条)。・日本郵政株式会社が保有している当社株式を全部処分した日・郵政民営化法第135条第1項の決定(※)があった日※ 内閣総理大臣及び総務大臣は、日本郵政株式会社から総務大臣に当社株式の2分の1以上を処分した旨の届出があり、その旨を総務大臣が内閣総理大臣に通知した日以後に、当社と他の生命保険会社との適正な競争関係等を阻害するおそれがないと認められるときには、本特例措置を適用しないことを決定しなければなりません。内閣総理大臣及び総務大臣は、かかる決定を行うにあたっては、郵政民営化委員会の意見を聴取することとされております。 「2 沿革 (参考) 当社の設立経緯等」に記載のとおり、2021年6月に日本郵政株式会社の当社に対する議決権比率は49.9%程度まで低下し、2021年6月9日付けで、日本郵政株式会社は当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出ております。 <郵政民営化委員会とは>郵政民営化委員会は、内閣に設置されております。主な所掌事務は次のとおりであります(郵政民営化法第18条、第19条)。・3年ごとに、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社の経営状況並びに国際金融市場の動向その他内外の社会経済情勢の変化を勘案しつつ、郵政民営化の進捗状況について総合的な検証を行い、その結果に基づき、内閣総理大臣に意見を述べること・郵政民営化法の各条において、内閣総理大臣及び総務大臣が郵政民営化委員会への通知を行うとされている事項について、必要があると認めるときは、内閣総理大臣を通じて関係各大臣に意見を述べること・上記のほか、郵政民営化に関する事項について調査審議し、その結果に基づき、内閣総理大臣に意見を述べること等 (2) 新規業務等に係る郵政民営化法の手続き当社は、これまで新規業務、新商品の開発・販売、新たな方法による資産運用を行う場合には、郵政民営化法上、内閣総理大臣及び総務大臣の認可が必要とされておりましたが(郵政民営化法第138条)、上記(1)に記載のとおり、2021年6月9日付けで、日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出たことから、この日以後は、新規業務等に係る認可手続きは不要となり、届出制(※)へと移行しております。※ 日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分した旨を総務大臣に届け出た日以後は、本特例措置が終了する日まで、従前の認可手続きに代わり、新たな業務を行おうとするときは、その内容を定めて内閣総理大臣及び総務大臣に届け出るとともに、業務を行うにあたっては、他の生命保険会社との適正な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮しなければならないとされております(郵政民営化法第138条の2)。なお、郵政民営化委員会から2021年10月14日に公表された「株式会社かんぽ生命保険の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針(令和3年10月)」において、届出後に必要に応じて郵政民営化委員会による調査審議が実施される場合があり、その場合の調査審議に要する期間はこれまでの認可制に比べて短縮される旨の方針が示されております。 新規業務、新商品、資産運用方法に係る規制の詳細は、それぞれ下記(3)~(5)に記載のとおりであります。 (3) 業務範囲① 保険業法による定め生命保険会社が営むことのできる業務の範囲については、保険業法第97条の規定により行う業務(以下「固有業務」といいます。)として定められており、「保険の引受け」と「資産の運用」がその範囲に含まれます。また、生命保険会社は、固有業務のほか、当該業務に付随する業務(以下「付随業務」といいます。)を行うことができるとされていますが、付随業務のうち、他の保険会社等の業務の代理又は事務の代行を行う場合は、内閣総理大臣の認可が必要となります(保険業法第98条)。 ② 郵政民営化法による定め当社が付随業務を行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。手続きの詳細については、上記(2)に記載のとおりであります。 (4) 新商品の開発・販売① 保険業法による定め新たな商品の開発・販売にあたり、生命保険業免許の申請時に添付書類として提出した事業方法書、普通保険約款、保険料及び責任準備金の算出方法書の内容に変更が必要となる場合には、内閣総理大臣の認可が必要となります(保険業法第4条、第123条)。 ② 郵政民営化法による定め当社が事業を承継した公社が旧簡易生命保険法の定めにより2006年6月30日現在において引受けを行っていた以下の保険種類以外の保険について、当社が引受けを行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります。また、以下の保険種類であっても、公社が引受けを行っていた商品と、契約者配当の有無等、一定の差異のある保険について、当社が引受けを行う場合には、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。手続きの詳細については、上記(2)に記載のとおりであります。 <公社が引受けを行っていた保険種類>・終身保険、定期保険、養老保険、家族保険、財形貯蓄保険・終身年金保険、定期年金保険、夫婦年金保険・次の二つの保険を一体として提供する保険終身保険及び終身年金保険で被保険者を同じくするもの終身保険及び定期年金保険で被保険者を同じくするもの養老保険及び定期年金保険で被保険者を同じくするもの家族保険及び夫婦年金保険で主たる被保険者及び配偶者たる被保険者を同じくするもの・特約 (5) 新たな資産運用の方法① 保険業法による定め生命保険会社の資産運用は、以下の方法によらなければならないとされております(保険業法第97条、保険業法施行規則第47条)。・有価証券、不動産、金銭債権、短期社債等、金地金の取得・金銭、有価証券の貸付け・民法第667条第1項に規定する組合契約又は商法第535条に規定する匿名組合契約に係る出資・預金又は貯金・金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託・金融商品取引法第2条第20項、第28条第8項第6号、保険業法第98条第1項第8号に規定するデリバティブ取引・先物外国為替取引・上記に掲げる方法に準ずる方法 ② 郵政民営化法による定め当社が以下に掲げる方法以外の方法により資産を運用しようとするときには、郵政民営化法上の届出が必要となります(郵政民営化法第138条の2)。手続きの詳細については、上記(2)に記載のとおりであります。 <手続きが不要な資産運用>・保険契約者に対する資金の貸付け・地方公共団体に対する資金の貸付け・コール資金の貸付け・日本郵政株式会社又は日本郵便株式会社に対する資金の貸付け・郵政管理・支援機構に対する資金の貸付け・郵便貯金銀行及び郵便保険会社に係る移行期間中の業務の制限等に関する命令第16条に定める次の方法国債証券、地方債証券、政府保証債、社債券、外国債、不動産の取得(投資の目的をもって取得するものを除く)、金融機関への預金、先物外国為替取引等<認可・届出を行った資産運用>・有価証券、不動産、金銭債権の取得・金銭(シンジケートローン(参加型)に限る)、有価証券の貸付け・民法第667条第1項に規定する組合契約又は商法第535条に規定する匿名組合契約に係る出資・金銭、金銭債権、有価証券又は不動産等の信託 ・金融商品取引法第2条第20項、第28条第8項第6号に規定するデリバティブ取引 (6) 引受け可能な保険金額等の制約郵政民営化法及び同施行令上、被保険者一人につき当社が引受け可能な保険金額等の限度(加入限度額)が定められております。また、この加入限度額については、簡易生命保険契約の被保険者一人あたりの保険金額等との合算であります(郵政民営化法第137条及び郵政民営化法施行令第6条から第8条)。 ① 保険(基本契約)の加入限度額財形貯蓄保険及び年金保険を除く保険契約(終身保険、定期保険、養老保険、家族保険)については、保険金額に関して、以下の限度額が定められております。・被保険者が満15歳以下の場合・・・被保険者一人あたり:700万円・被保険者が満16歳以上の場合・・・被保険者一人あたり:1,000万円 (注) 1.被保険者が満20歳以上満55歳以下の場合で、加入後4年以上経過した契約がある場合には、当該契約の保険金額のうち、1,000万円までは上記限度額には含みません。2.特定養老保険(保険契約加入後早期に病気で死亡した場合等の保険金額を低く設定した養老保険)については、年齢にかかわらず、被保険者一人あたり500万円が上限となっております。3.被保険者が満55歳以上の場合は、普通定期保険、普通定期保険(R04)及び特別養老保険(死亡保険金額を満期保険金額の2倍、5倍又は10倍とする養老保険)については、被保険者一人あたり800万円が上限となっております。 <当社が引受け可能な保険金額の限度額の概要>(2026年3月31日現在) ② 財形貯蓄保険財形貯蓄保険(勤労者財産形成促進法第6条第1項第2号及び第4項第2号に規定する契約に係る保険業法第3条第4項第1号に掲げる保険)については、払込保険料の総額に関して、以下の限度額が定められております。被保険者一人あたり:550万円 ③ 年金(基本契約)の加入限度額年金保険については、年金の年額に関して、以下の限度額が定められております。被保険者一人あたり:初年度の基本年金額 90万円 (注) 1.過去に販売していた年金保険の中には、年金の支払い開始の2年目以降から年金額が逓増する種類がありますが、この逓増額は上記限度額に含まれません。2.過去に販売していた年金保険の中には、契約者配当金を年金の支払い時に積み増ししてお支払いする種類がありますが、この積み増す額は上記限度額に含まれません。3.過去に販売していた年金保険の中には、夫婦が被保険者となる種類の年金保険がありますが、この場合、配偶者である被保険者に係る額は、上記限度額に含まれません。 ④ 特約の加入限度額特約については、それぞれの事由において、保険金額に関して、以下の限度額が定められております。a.疾病にかかったこと、傷害を受けたこと又は疾病にかかったことを原因とする人の状態、傷害を受けたことを直接の原因とする死亡及びこれらに類するものに対する保障・・・被保険者一人あたり:合計1,000万円b.上記に掲げるものに関し、治療を受けたことに対する保障・・・被保険者一人あたり:1,000万円 (注) 上記の法令で定める加入限度額以外にも、基本契約の保険種類等により付加できる特約の保険金額に一定の制限があります。 (7) 子会社の保有に関する特例① 保険業法による定め生命保険会社が子会社として保有できる会社は、保険業法により、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、銀行等、特定の業を営む会社に限定されております。また、保有が認められている会社を子会社とする場合は、内閣総理大臣の認可又は内閣総理大臣への届出が必要となります(保険業法第106条、第127条)。 ② 郵政民営化法による定め郵政民営化法において、当社は、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、保険業を行う外国の会社を子会社としてはならないと定められております(郵政民営化法第139条)。また、保有が認められている会社を子会社とする場合、郵政民営化法上の認可又は届出が必要となります(郵政民営化法第139条、第149条)。なお、当社が、子会社化することが禁じられている業種の会社に対して、子会社化に至らない議決権割合で出資する場合であっても、監督官庁からの監督上の措置(郵政民営化法第147条)により、当該出資が制限される可能性があります。 (8) 事業再編等に関する特例① 保険業法による定め生命保険会社が以下の行為を行う場合、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております(保険業法第139条、第142条、第167条、第173条の6)。・保険契約の移転・事業の譲渡又は譲受け・合併・会社分割 ② 郵政民営化法による定め郵政民営化法上、当社が以下の行為を行う場合、郵政民営化法上の認可を受けなければ、その効力を生じないとされております(郵政民営化法第141条)。・保険業法第135条に規定する保険契約の移転・当社を当事者とする事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け・当社を当事者とする合併・当社を当事者とする会社分割 ただし、以下の場合には、認可を受けられないこととされております。・保険契約の移転について、移転先会社が日本郵政株式会社又は当社の子会社であるとき・事業の譲渡又は譲受けについて、保険の引受けに係る事業の全部の譲渡であるとき及び保険の引受けに係る事業の譲受けであるとき・合併について、合併により当社が消滅するとき及び合併の相手方が保険会社であるとき・会社分割について、吸収分割承継会社又は新設分割設立会社に保険契約を承継させるものであり、かつ、吸収分割承継会社等が日本郵政株式会社又は当社の子会社となるとき
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 日本の人口動態、国内の雇用水準、家計所得、貯蓄・投資スタンス、代替商品、社会的信用に影響されるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 保険業法に基づく免許・認可が必要であり、郵政民営化法による制約も存在する。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:事業戦略・経営計画に関するリスク / 企業風土又は組織文化に関するリスク / 営業態勢に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
かんぽ生命は、日本郵政グループの一員として、長年にわたり培ってきた高いブランド認知度と信頼性を有する。全国に広がる郵便局網を活用した販売チャネルは、他社にはない強力な無形資産となっている。特に高齢者層からの根強い支持は、ブランド価値の源泉である。
スイッチングコスト★★★☆☆
生命保険は、契約内容の複雑さや解約時の損失、手続きの手間から、顧客のスイッチングコストは比較的高い。特に長期契約や、既に給付を受けている契約の場合、乗り換えは困難になる。かんぽ生命の顧客基盤は、こうしたスイッチングコストの恩恵を受けやすい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
生命保険業において、ネットワーク効果は限定的である。顧客が増えることで保険料率が劇的に改善したり、サービス価値が向上したりする構造ではない。
コスト優位★☆☆☆☆
保険料率の競争力は存在するが、他社も同様の競争環境にあり、構造的なコスト優位性は確立されていない。グループシナジーによる効率化の可能性はあるが、現時点では顕著な優位性とは言えない。
規模の経済★★★★☆
かんぽ生命は、日本郵政グループの広範なネットワークと膨大な顧客基盤を背景に、国内有数の規模を誇る。この規模は、保険引受リスクの分散、運用資産の効率的な運用、そして販売チャネルの維持・拡大において有利に働く。業界内での寡占的な地位を維持している。
- 強固な顧客基盤とネットワーク:かんぽ生命保険は、全国に広がる郵便局ネットワークを通じて、多くの顧客にアクセスできる強みを持っています。これにより、地域に密着した営業活動が可能となり、幅広い層の顧客に対して保険商品を提案・提供できる基盤を確立しています。
- 郵政民営化法による特例措置:事業運営において、郵政民営化法に基づく特別な制約がある一方で、これにより簡易生命保険契約の再保険や管理業務を受託しています。これは他の生命保険会社にはない独自の事業機会であり、安定した収益源となっています。
- 多様な金融機関との連携:他社の保険商品を販売代行することで、顧客はかんぽ生命保険の窓口で複数の保険会社の選択肢を検討できます。これにより、顧客の利便性を高めるとともに、各社の強みを活かした商品提供が可能となり、競争力を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 顧客信頼の回復と持続的成長:過去の募集品質問題の反省を活かし、顧客から真に信頼される企業への再生を目指しています。中期経営計画では、お客さま本位の活動を徹底し、法令遵守を実践することで、持続的な成長を実現することを最優先課題としています。
- 営業態勢の強化と商品拡充:「かんぽ営業スタンダード」に基づき、丁寧な情報収集と顧客の意向把握を徹底し、アフターフォローを充実させることで、顧客満足度を高めます。また、多様な顧客ニーズに応えるため、商品ラインアップの拡充を図り、保有契約の維持・拡大を目指します。
- 資産・負債の金利リスク管理:保険契約の特性に応じた小区分を設定し、責任準備金対応債券と責任準備金のデュレーション(金利変動に対する価格感応度)を一定幅で一致させる運用方針を採用しています。これにより、金利変動リスクを抑制し、安定的な資産運用を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社が掲げる経営理念には、お客さまによりそい、一人ひとりの人生を守り続けていくために、全社員一丸となって歩んでいくという、当社の決意が込められております。この経営理念を実現するため、当社が目指していく具体的な姿を経営方針として制定しております。(経営理念)いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。(経営方針)かんぽ生命保険は、お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指します。① お客さま一人ひとりの人生によりそい、分かりやすい商品と質の高いサービスを提供します。② お客さまにより良いサービスを提供するため、お客さまと接する社員が力を発揮する態勢を整備します。③ 社員一人ひとりが成長でき、明るく生き生きと活躍できる環境をつくります。④ コーポレート・ガバナンスの確立による健全な経営を行い、常に新しい価値を創造することで、持続的な成長を生み出します。⑤ 健康促進、環境保護、地域と社会の発展に積極的に貢献します。⑥ すべてのステークホルダーと密接なコミュニケーションを図ります。 (2) 経営環境2025年度の日本経済は、米国の関税政策の影響により自動車関連を中心に外需は弱含んだものの、個人消費や企業の設備投資など内需が大きくプラスに寄与し、緩やかに回復しました。米国経済は、高所得層の力強い個人消費やAI関連投資を中心とした旺盛な設備投資が牽引し堅調に推移するも、政府閉鎖に伴う政府支出の減少や関税による財価格上昇を背景に、足元では景気拡大ペースがやや鈍化しました。欧州経済は、米国の関税政策による外需の弱含みが続いたものの、物価の安定と実質賃金の改善により個人消費が持ち直し、防衛分野への財政支援も寄与して、緩やかな回復基調を維持しました。こうした経済状況の中、運用環境は以下のようになりました。国内長期金利は、堅調な賃上げや物価上昇を背景とした日本銀行の金融政策正常化期待を受けて上昇して推移しました。10月には新政権による経済政策に対する財政拡張懸念から一段と上昇し、さらに12月には日本銀行から0.75%へ政策金利の引き上げが発表されたことも重なり、2.0%と27年ぶりの水準まで上昇しました。3月には中東情勢の緊迫化による原油価格上昇も金利上昇圧力となり、3月末には2.3%程度となりました。日経平均株価は、米国の関税政策の影響により、4月には一時30,000円台まで下落したものの、その後は、米国の関税の引き下げや日本経済の脱デフレ期待、日本企業へのガバナンス改革への期待などから上昇し、8月には43,000円台となりました。その後も、経済政策期待や2月の衆議院選挙における与党の安定議席確保から58,000円台まで上昇し、史上最高値を更新しました。その後は中東情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇などの景気悪化懸念から下落し、3月末は51,000円台となりました。ドル円は、米国の関税政策による景気悪化懸念を背景に4月に140円台までドル安円高が進行したものの、その後は米国の関税引き下げや米中貿易協議の合意を背景に反発し、概ね140円台前半から140円後半の範囲内で推移しました。10月には日本の新政権による経済政策の財政拡張懸念からドル高円安となり、さらに2月末には米国のイラン侵攻を受けたドル高進行も相まって円安が一段と進行し、3月末には159円台となりました。なお、中東情勢は不安定な状況が継続しておりますが、長期化しない限りはグローバル経済への影響は一時的なものだと考えております。また、近年、生命保険業界を取り巻く経営環境は大きく変化しております。少子高齢化の進展や単身世帯の増加に伴い、伝統的な死亡保障へのニーズが縮小する一方で、社会保障制度に対する不安感や自助努力意識の高まりに加え、「金利のある世界」への移行を背景として、医療・介護等の第三分野商品や老後資金準備を含む「生きるための保障」へのニーズが拡大しております。その結果、円建て一時払商品の再投入や販売増加の動きも見られるなど、金利環境の変化も事業運営に大きな影響を与えております。加えて、自然災害、資源価格の高騰、為替の変動等、先行きが読めない不確実な状況が続くとともに、ライフスタイルの変化や、生成AIの急速な広まり等による社会のデジタル化の進展等、社会全体が大きく変化している現在、万が一の保障に備えるお客さまの自助努力を支援し、安心を提供するという生命保険事業の社会的役割は、より一層その重要性を増しております。当社としても、時代とともに加速するお客さまの価値観やライフスタイルの変化・多様化に合わせて最適なサービスを提供できるよう、引き続きお客さま本位の業務運営の推進・定着に取り組んでおります。販売チャネルにつきましては、生命保険会社各社において、従来からの営業職員チャネルや銀行を中心とした金融機関の窓口販売チャネル等の対面チャネルに加え、デジタル技術の活用により、非対面・非接触で保険サービスを提供する取り組みが進んでおります。当社におきましては、創業以来、養老保険・終身保険を中心とした簡易で小口な商品を、全国津々浦々の郵便局を通じて、家庭市場を中心に多くのお客さまにご提供するという独自のビジネスモデルを展開してまいりました。商品・チャネル・顧客基盤といったこれらの特徴は、他社にはない当社の大きな強みである一方、時代や環境の変化に適応したビジネスモデルの転換を図る必要性を認識しております。かかる課題認識を踏まえた当社の成長戦略の詳細は、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。 (3) 目標とする経営指標当社は、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおり、2026年5月、2026年度から2028年度までの中期経営計画を公表しました。本中期経営計画においても、ご契約の継続を重視し、経営基盤を維持していくためのストックベースの目標として、「保有契約件数(個人保険)」を設定するとともに、お客さまのご評価を主要目標として設定し、「お客さま満足度※1」の向上を目指してまいります。また、財務目標として、「修正利益※2」、「修正ROE※3」、「1株当たりEV成長率※4」及び「総還元性向・1株当たり配当額」を設定しております。なお、前中期経営計画における主要目標の達成状況については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 目標とする経営指標の達成状況等」に記載のとおりであります。 ※1 お客さま満足度を5段階評価として、上位2段階に相当する「満足」「やや満足」として回答いただいた合計割合です。※2 修正利益とは、当社の本来の収益力を反映するため、新契約の増加が短期的に利益を押し下げる生命保険会社特有の影響等を一部調整した当社独自の指標であり、連結当期純利益に「責任準備金の調整額(税引後)」及び「のれん償却額」を加算したものです。※3 修正ROEとは、修正利益を、のれん未償却残高を除いた期中平均の連結株主資本で除したものです。なお、有価証券等の売却損益は価格変動準備金の繰入・戻入により修正利益に影響を与えないこと、その他有価証券評価差額金は主に簡易生命保険契約区分に由来し、簡易生命保険契約区分は契約者配当比率が高いことを踏まえ、株主資本を分母に採用しております。※4 EVとは、Embedded Valueの頭文字をとったもので、生命保険会社の株主に帰属する企業価値を表す指標の一つです。1株当たりEV成長率は、EVの成長に加えて、株主の皆さまとの一層の価値共有を高める観点から、1株当たりの価値を重視する指標として目標に設定しております。EVの計算方法については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考5) 当社のEV」をご参照ください。 (4) 経営戦略及び対処すべき課題当社は、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念のもと、当社がお客さまに届ける価値を明確にした上で、2026年5月、2026年度から2028年度までの新たな中期経営計画を公表しました。中期経営計画では、お客さまの人生や社会に必要不可欠な存在であり続けたいという想いを込めて、2040年に目指す姿として、「新たな価値を生み出し続け、安心を全国に届けるエッセンシャル・カンパニー」となることを掲げております。これに向け、中期経営計画期間を「成長・挑戦フェーズ」と位置づけ、3つの重要戦略とそれを支える経営基盤の確立に取り組むことで、日本全国のお客さまとのつながりを拡大・深化させ、安心を届けてまいります。 ※ 運用関係損益とは、当社の経営実態をより適切に表現するために導入した指標であり、利差損益から当社予定利率と標準利率に基づくかんぽ生命保険契約区分に係る予定利息の差分を控除したものです。 ① 3つの重要戦略ア.「かんぽ価値提供モデル」の確立 日本全国のお客さまの潜在的保険ニーズに十分に応えるべく、当社ではAI・デジタル、お客さまデータに基づくマーケティング手法を駆使し、質と量を伴った、お客さま本位の業務モデルである「かんぽ価値提供モデル」を確立してまいります。これにより、リモート、デジタルとの連携によりリアルチャネルの価値を向上し、お客さまに合った「分かりやすい商品」と「便利で手厚いサービス」を提供することで、当社ならではの安心を届けてまいります。 イ . 運用環境の変化を捉えた資産運用と社会課題の解決 当社は、国内金利上昇等の運用環境の好転を捉え、運用関係損益の持続的な増加を目指し、ポートフォリオの再構築を推進してまいります。併せて、インパクト投資の推進や産学連携により、資産運用を通じた社会課題の解決や次世代産業構造の柱となる企業の発掘にも貢献してまいります。 ウ.みらいへの挑戦 当社は、経営基盤を強化しながら、既存の提携関係の強化等に取り組むとともに、当社の事業と親和性がありシナジー効果と利益貢献が見込める新たな領域を探索することで、さらなる収益獲得に向けたインオーガニック成長等による提供価値拡大に挑戦してまいります。加えて、AI・デジタル等を駆使し、サービスの変革と業務の再構築に取り組むことで、事業変革に挑戦してまいります。 ② 経営基盤の確立 上記の3つの重要戦略を支えるため、「人的資本経営」、「ガバナンスの強化」、「ステークホルダーとの対話」、「財務・資本政策」といった経営基盤の確立に取り組んでまいります。 上記の取り組み等を通して、株主・投資家の皆さまをはじめとする様々なステークホルダーのご期待に沿えるよう、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社が掲げる経営理念には、お客さまによりそい、一人ひとりの人生を守り続けていくために、全社員一丸となって歩んでいくという、当社の決意が込められております。この経営理念を実現するため、当社が目指していく具体的な姿を経営方針として制定しております。(経営理念)いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。(経営方針)かんぽ生命保険は、お客さまから選ばれる真に日本一の保険会社を目指します。① お客さま一人ひとりの人生によりそい、分かりやすい商品と質の高いサービスを提供します。② お客さまにより良いサービスを提供するため、お客さまと接する社員が力を発揮する態勢を整備します。③ 社員一人ひとりが成長でき、明るく生き生きと活躍できる環境をつくります。④ コーポレート・ガバナンスの確立による健全な経営を行い、常に新しい価値を創造することで、持続的な成長を生み出します。⑤ 健康促進、環境保護、地域と社会の発展に積極的に貢献します。⑥ すべてのステークホルダーと密接なコミュニケーションを図ります。 (2) 経営環境2025年度の日本経済は、米国の関税政策の影響により自動車関連を中心に外需は弱含んだものの、個人消費や企業の設備投資など内需が大きくプラスに寄与し、緩やかに回復しました。米国経済は、高所得層の力強い個人消費やAI関連投資を中心とした旺盛な設備投資が牽引し堅調に推移するも、政府閉鎖に伴う政府支出の減少や関税による財価格上昇を背景に、足元では景気拡大ペースがやや鈍化しました。欧州経済は、米国の関税政策による外需の弱含みが続いたものの、物価の安定と実質賃金の改善により個人消費が持ち直し、防衛分野への財政支援も寄与して、緩やかな回復基調を維持しました。こうした経済状況の中、運用環境は以下のようになりました。国内長期金利は、堅調な賃上げや物価上昇を背景とした日本銀行の金融政策正常化期待を受けて上昇して推移しました。10月には新政権による経済政策に対する財政拡張懸念から一段と上昇し、さらに12月には日本銀行から0.75%へ政策金利の引き上げが発表されたことも重なり、2.0%と27年ぶりの水準まで上昇しました。3月には中東情勢の緊迫化による原油価格上昇も金利上昇圧力となり、3月末には2.3%程度となりました。日経平均株価は、米国の関税政策の影響により、4月には一時30,000円台まで下落したものの、その後は、米国の関税の引き下げや日本経済の脱デフレ期待、日本企業へのガバナンス改革への期待などから上昇し、8月には43,000円台となりました。その後も、経済政策期待や2月の衆議院選挙における与党の安定議席確保から58,000円台まで上昇し、史上最高値を更新しました。その後は中東情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇などの景気悪化懸念から下落し、3月末は51,000円台となりました。ドル円は、米国の関税政策による景気悪化懸念を背景に4月に140円台までドル安円高が進行したものの、その後は米国の関税引き下げや米中貿易協議の合意を背景に反発し、概ね140円台前半から140円後半の範囲内で推移しました。10月には日本の新政権による経済政策の財政拡張懸念からドル高円安となり、さらに2月末には米国のイラン侵攻を受けたドル高進行も相まって円安が一段と進行し、3月末には159円台となりました。なお、中東情勢は不安定な状況が継続しておりますが、長期化しない限りはグローバル経済への影響は一時的なものだと考えております。また、近年、生命保険業界を取り巻く経営環境は大きく変化しております。少子高齢化の進展や単身世帯の増加に伴い、伝統的な死亡保障へのニーズが縮小する一方で、社会保障制度に対する不安感や自助努力意識の高まりに加え、「金利のある世界」への移行を背景として、医療・介護等の第三分野商品や老後資金準備を含む「生きるための保障」へのニーズが拡大しております。その結果、円建て一時払商品の再投入や販売増加の動きも見られるなど、金利環境の変化も事業運営に大きな影響を与えております。加えて、自然災害、資源価格の高騰、為替の変動等、先行きが読めない不確実な状況が続くとともに、ライフスタイルの変化や、生成AIの急速な広まり等による社会のデジタル化の進展等、社会全体が大きく変化している現在、万が一の保障に備えるお客さまの自助努力を支援し、安心を提供するという生命保険事業の社会的役割は、より一層その重要性を増しております。当社としても、時代とともに加速するお客さまの価値観やライフスタイルの変化・多様化に合わせて最適なサービスを提供できるよう、引き続きお客さま本位の業務運営の推進・定着に取り組んでおります。販売チャネルにつきましては、生命保険会社各社において、従来からの営業職員チャネルや銀行を中心とした金融機関の窓口販売チャネル等の対面チャネルに加え、デジタル技術の活用により、非対面・非接触で保険サービスを提供する取り組みが進んでおります。当社におきましては、創業以来、養老保険・終身保険を中心とした簡易で小口な商品を、全国津々浦々の郵便局を通じて、家庭市場を中心に多くのお客さまにご提供するという独自のビジネスモデルを展開してまいりました。商品・チャネル・顧客基盤といったこれらの特徴は、他社にはない当社の大きな強みである一方、時代や環境の変化に適応したビジネスモデルの転換を図る必要性を認識しております。かかる課題認識を踏まえた当社の成長戦略の詳細は、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。 (3) 目標とする経営指標当社は、下記「(4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおり、2026年5月、2026年度から2028年度までの中期経営計画を公表しました。本中期経営計画においても、ご契約の継続を重視し、経営基盤を維持していくためのストックベースの目標として、「保有契約件数(個人保険)」を設定するとともに、お客さまのご評価を主要目標として設定し、「お客さま満足度※1」の向上を目指してまいります。また、財務目標として、「修正利益※2」、「修正ROE※3」、「1株当たりEV成長率※4」及び「総還元性向・1株当たり配当額」を設定しております。なお、前中期経営計画における主要目標の達成状況については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 目標とする経営指標の達成状況等」に記載のとおりであります。 ※1 お客さま満足度を5段階評価として、上位2段階に相当する「満足」「やや満足」として回答いただいた合計割合です。※2 修正利益とは、当社の本来の収益力を反映するため、新契約の増加が短期的に利益を押し下げる生命保険会社特有の影響等を一部調整した当社独自の指標であり、連結当期純利益に「責任準備金の調整額(税引後)」及び「のれん償却額」を加算したものです。※3 修正ROEとは、修正利益を、のれん未償却残高を除いた期中平均の連結株主資本で除したものです。なお、有価証券等の売却損益は価格変動準備金の繰入・戻入により修正利益に影響を与えないこと、その他有価証券評価差額金は主に簡易生命保険契約区分に由来し、簡易生命保険契約区分は契約者配当比率が高いことを踏まえ、株主資本を分母に採用しております。※4 EVとは、Embedded Valueの頭文字をとったもので、生命保険会社の株主に帰属する企業価値を表す指標の一つです。1株当たりEV成長率は、EVの成長に加えて、株主の皆さまとの一層の価値共有を高める観点から、1株当たりの価値を重視する指標として目標に設定しております。EVの計算方法については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考5) 当社のEV」をご参照ください。 (4) 経営戦略及び対処すべき課題当社は、「いつでもそばにいる。どこにいても支える。すべての人生を、守り続けたい。」という経営理念のもと、当社がお客さまに届ける価値を明確にした上で、2026年5月、2026年度から2028年度までの新たな中期経営計画を公表しました。中期経営計画では、お客さまの人生や社会に必要不可欠な存在であり続けたいという想いを込めて、2040年に目指す姿として、「新たな価値を生み出し続け、安心を全国に届けるエッセンシャル・カンパニー」となることを掲げております。これに向け、中期経営計画期間を「成長・挑戦フェーズ」と位置づけ、3つの重要戦略とそれを支える経営基盤の確立に取り組むことで、日本全国のお客さまとのつながりを拡大・深化させ、安心を届けてまいります。 ※ 運用関係損益とは、当社の経営実態をより適切に表現するために導入した指標であり、利差損益から当社予定利率と標準利率に基づくかんぽ生命保険契約区分に係る予定利息の差分を控除したものです。 ① 3つの重要戦略ア.「かんぽ価値提供モデル」の確立 日本全国のお客さまの潜在的保険ニーズに十分に応えるべく、当社ではAI・デジタル、お客さまデータに基づくマーケティング手法を駆使し、質と量を伴った、お客さま本位の業務モデルである「かんぽ価値提供モデル」を確立してまいります。これにより、リモート、デジタルとの連携によりリアルチャネルの価値を向上し、お客さまに合った「分かりやすい商品」と「便利で手厚いサービス」を提供することで、当社ならではの安心を届けてまいります。 イ . 運用環境の変化を捉えた資産運用と社会課題の解決 当社は、国内金利上昇等の運用環境の好転を捉え、運用関係損益の持続的な増加を目指し、ポートフォリオの再構築を推進してまいります。併せて、インパクト投資の推進や産学連携により、資産運用を通じた社会課題の解決や次世代産業構造の柱となる企業の発掘にも貢献してまいります。 ウ.みらいへの挑戦 当社は、経営基盤を強化しながら、既存の提携関係の強化等に取り組むとともに、当社の事業と親和性がありシナジー効果と利益貢献が見込める新たな領域を探索することで、さらなる収益獲得に向けたインオーガニック成長等による提供価値拡大に挑戦してまいります。加えて、AI・デジタル等を駆使し、サービスの変革と業務の再構築に取り組むことで、事業変革に挑戦してまいります。 ② 経営基盤の確立 上記の3つの重要戦略を支えるため、「人的資本経営」、「ガバナンスの強化」、「ステークホルダーとの対話」、「財務・資本政策」といった経営基盤の確立に取り組んでまいります。 上記の取り組み等を通して、株主・投資家の皆さまをはじめとする様々なステークホルダーのご期待に沿えるよう、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。 ① 金融商品の時価の算定方法有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、公表された相場価格に基づいて算定しておりますが、公表された相場価格がない場合には合理的な見積りに基づいて算定された価額によっております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積額は変動する可能性があります。なお、金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)に記載のとおりであります。 ② 有価証券の減損処理金銭の信託で運用する有価証券を含め売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価又は実質価額が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、多額の減損損失を計上する可能性があります。なお、有価証券の減損処理に係る基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金銭の信託関係)に記載のとおりであります。 ③ 繰延税金資産の回収可能性の評価繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積もっております。当該課税所得の見積りは、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。当連結会計年度における新契約の実績は、一時払終身保険の販売減少等の影響により経営計画の水準まで達しておらず、今後の新契約水準が将来の経営環境や営業施策の効果発現による影響を受けることから、繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。以上のとおり、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社を取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。 ④ 貸倒引当金の計上基準債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積額を計上しております。将来、債務者の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。なお、貸倒引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。 ⑤ 支払備金の計上方法連結会計年度末時点において支払義務が発生したが保険金等の支出をしていないもの、または、まだ支払事由の報告を受けていないが支払事由が既に発生したと認められるもののうち保険金等の支出をしていないものについて支払備金を積み立てております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積額から変動する可能性があります。 ⑥ 責任準備金の積立方法保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。責任準備金の計算に使用される予定死亡率、予定利率及び予定事業費率などの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。 ⑦ 退職給付債務及び退職給付費用退職給付債務及び退職給付費用は、割引率など将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に記載のとおりであります。 (2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析営業面においては、当連結会計年度における個人保険の新契約件数は、一時払終身保険の販売減少等の影響により、前連結会計年度と比べ36.6万件減少し42.8万件(前期比46.1%減)となりました。個人保険の保有契約件数(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)は、前連結会計年度末と比べ108.4万件減少し1,772.5万件(前期比5.8%減)となりました。新契約年換算保険料は、個人保険が前連結会計年度と比べ777億円減少し、973億円(前期比44.4%減)となり、第三分野が15億円減少し56億円(同21.3%減)となりました。保有契約年換算保険料については、個人保険が1,724億円減少し2兆6,833億円(前期比6.0%減)(受再している簡易生命保険契約(保険)を含む)、第三分野が255億円減少し5,123億円(同4.7%減)(受再している簡易生命保険契約を含む)といずれも減少となりました。なお、個人保険の保有契約年換算保険料(受再している簡易生命保険契約(保険)を含まない)は、2兆179億円(前期比5.6%減)となっております。資産運用面においては、円金利資産と円金利負債のマッチングを図るALMの観点から、公社債を中心に運用しております。総資産残高は、前連結会計年度末に比べ1兆1,135億円減少し、58兆4,421億円(前期比1.9%減)となりました。株式、外国証券等の収益追求資産については、日経平均株価等の上昇により、主に国内株式の含み益が増加したことにより、前期比で残高は増加し、収益追求資産の占率も総資産比で上昇し22.1%となりました。平均予定利率は一時払終身保険の販売や再保険の活用等により前期比で0.02ポイント下落し1.59%、基礎利益上の運用収支等の利回り(利子利回り)は、国内株式・オルタナティブなど収益追求資産の収益貢献等により前期比で0.23ポイント増加し2.14%となり、順ざやは前期比で1,130億円増加し2,555億円となりました。キャピタル損益は、国債及び社債の売却損の増加等により、1,231億円のキャピタル損となりました。当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、新契約の獲得に伴う短期的な費用(初年度に係る標準責任準備金の積増負担)の減少や運用環境の好転等による順ざやの増加等により、1,687億円と前連結会計年度と比べ453億円の増益(前期比36.7%増)となりました。なお、連結当期純利益に対し、新契約の初年度に係る標準責任準備金の積増負担及びのれん償却による影響を調整した修正利益は、前連結会計年度と比べ257億円増加し、1,715億円(前期比17.7%増)となりました。 ① 財政状態の状況及び分析・検討当連結会計年度末の総資産額は、保有契約の減少に伴い保険契約準備金が減少したことに対応し、有価証券及び貸付金が減少したこと等から、前連結会計年度末に比べ1兆1,135億円減少し58兆4,421億円(前期比1.9%減)となりました。 a.資産の部資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ1兆1,135億円減少し、58兆4,421億円(前期比1.9%減)となりました。主な資産構成は、有価証券44兆9,312億円(同3.4%減)、金銭の信託8兆398億円(同24.5%増)及び貸付金2兆1,347億円(同15.6%減)となっております。 b.負債の部負債の部合計は、前連結会計年度末に比べ2兆257億円減少し、54兆2,885億円(前期比3.6%減)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は、保有契約の減少により前連結会計年度末と比べ減少し48兆1,023億円(同4.1%減)となりました。 c.純資産の部純資産の部合計は、前連結会計年度末に比べ9,122億円増加し、4兆1,536億円(前期比28.1%増)となりました。純資産の部のうち、その他有価証券評価差額金は、前連結会計年度末に比べ8,968億円増加し、2兆4,485億円(同57.8%増)となりました。 なお、当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率(経済価値ベースのソルベンシー比率)(大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つ)は、181%(監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値)となっております。当社は、適切な資本管理の観点で、連結ソルベンシー・マージン比率の適正水準を150%~220%と設定しており、当連結会計年度末においては適正水準の範囲内となっております。 ② 経営成績の状況及び分析・検討a.経常収益経常収益は、前連結会計年度と比べ5,395億円減少し、5兆6,257億円(前期比8.8%減)となりました。経常収益の内訳は、保険料等収入2兆1,886億円(同30.6%減)、資産運用収益1兆3,107億円(同9.6%増)、その他経常収益2兆1,262億円(同17.2%増)となっております。 (a) 保険料等収入保険料等収入は、一時払終身保険の販売減少の影響等により、前連結会計年度に比べ9,662億円減少し、2兆1,886億円(前期比30.6%減)となりました。(b) 資産運用収益資産運用収益は、主に有価証券売却益が減少したものの、金銭の信託運用益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ1,151億円増加し、1兆3,107億円(前期比9.6%増)となりました。(c) その他経常収益その他経常収益は、責任準備金戻入額の増加等により、前連結会計年度に比べ3,114億円増加し、2兆1,262億円(前期比17.2%増)となりました。 b.経常費用経常費用は、前連結会計年度と比べ6,412億円減少し、5兆3,538億円(前期比10.7%減)となりました。経常費用の内訳は、保険金等支払金が4兆4,177億円(同15.1%減)、資産運用費用が4,448億円(同59.4%増)、事業費が4,133億円(同4.2%減)、その他経常費用が701億円(同10.7%減)等となっております。 (a) 保険金等支払金保険金等支払金は、満期保険金等の保険金支払の減少及び再保険料の支払の減少等により、前連結会計年度に比べ7,875億円減少し、4兆4,177億円(前期比15.1%減)となりました。(b) 資産運用費用資産運用費用は、金融派生商品費用は減少したものの、有価証券売却損等が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1,657億円増加し、4,448億円(前期比59.4%増)となりました。(c) 事業費事業費は、業務委託手数料の減少等により、前連結会計年度に比べ180億円減少し、4,133億円(前期比4.2%減)となりました。(d) その他経常費用その他経常費用は、税金の減少等により、前連結会計年度に比べ83億円減少し、701億円(前期比10.7%減)となりました。 c.経常利益経常利益は、主として、新契約の獲得に伴う短期的な費用(初年度に係る標準責任準備金の積増負担)の減少等による保険関係損益が増加するとともに、順ざやの増加等により、前連結会計年度に比べ1,016億円増加し、2,719億円(前期比59.7%増)となりました。提出会社の経常利益等の明細については、「(参考4) 健全性の状況 (1) 基礎利益」の(経常利益等の明細(基礎利益))に記載のとおりであります。 d.特別損益特別損益は、キャピタル損益相当額及び順ざやに含まれる為替に係るヘッジコストに対応した価格変動準備金の戻入額の増加等により、前連結会計年度に比べ641億円増加し、1,078億円の利益となりました。 e.契約者配当準備金繰入額契約者配当準備金繰入額は、前連結会計年度に比べ465億円増加し、1,435億円(前期比48.0%増)となりました。 f.親会社株主に帰属する当期純利益経常利益に特別損益を加減し、契約者配当準備金繰入額及び法人税等合計を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、新契約の獲得に伴う短期的な費用(初年度に係る標準責任準備金の積増負担)の減少や運用環境の好転等による順ざやの増加等により、前連結会計年度に比べ453億円増加し、1,687億円(前期比36.7%増)となりました。 なお、当社の当事業年度における基礎利益は、4,189億円(前期比73.0%増)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況及び分析・検討a.営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、保有契約の減少等により保険金支払が減少した一方で、一時払終身保険の販売減少の影響等により保険料等収入が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ2,570億円支出増の1兆8,849億円の支出となりました。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、一時払終身保険の販売減少に伴う運用額の減少等により有価証券の取得による支出が減少した一方で、有価証券の売却・償還による収入、売現先勘定の純増額及び貸付金の回収による収入が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ6,003億円収入減の1兆7,860億円の収入となりました。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度にあった社債の発行による収入がなかったこと及び自己株式の取得による支出が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ1,843億円収入減の1,242億円の支出となりました。 d.現金及び現金同等物の残高上記a.~c.の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首から2,230億円減少し、1兆7,529億円となりました。 e.資本の財源及び資金の流動性に係る情報「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載の設備投資を含む当面の設備投資及び株主還元などは自己資金又は社債の発行による調達資金で賄う予定であります。 (3) 目標とする経営指標の達成状況等当社グループは、前中期経営計画において、財務目標として「修正利益」、「修正ROE」、「1株当たり配当額」及び「EV成長率」を、非財務目標として「お客さま満足度」、「ネットプロモータースコア(NPS®※1)」及び「保有契約件数(個人保険)」を主要目標と掲げ、達成に向けて取り組んでまいりました。このうち、「修正利益」、「修正ROE」及び「EV成長率」について、順ざやの過去最高水準の達成や金利の上昇等により、「修正利益」は1,715億円、「修正ROE」は10.1%、「EV成長率」は9.5%※2となり、それぞれ目標を達成しました。「1株当たり配当額」についても、目標に掲げたとおり、前中期経営計画期間中の毎期の増配を実現しました。一方、新契約実績の回復は道半ばであり、「保有契約件数(個人保険)」は1,772万件と目標を下回りました。また、「お客さま満足度」は84%となり、「ネットプロモータースコア(NPS®)」も含めて向上したものの、目標の達成には至りませんでした。本中期経営計画においては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載した主要目標の達成に向けて取り組んでまいります。(注)1. NPS®とは、Net Promoter Scoreの略語であり、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標です。 2. EV成長率は、2026年3月末における経済価値ベースのソルベンシー規制の適用開始に伴い見直しを実施した計算基準によって算出しております。EVの計算方法については、下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考5) 当社のEV」をご参照ください。なお、「(4) 前事業年度末EVからの変動要因」に記載しているEVの変動要因から「経済前提と実績の差異」を除いているほか、のれんの影響を除いて算出しております。 (4) 生産、受注及び販売の状況生命保険事業における業務の特殊性により、該当する情報がないため記載しておりません。 (参考1) 当社の保険引受の状況(個人保険及び個人年金保険は、当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。) (1) 保有契約高明細表(単位:千件、百万円)区分前事業年度末(2025年3月31日)当事業年度末(2026年3月31日)件数金額件数金額個人保険12,78635,407,96012,14933,358,414個人年金保険421579,627329440,027 (注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。 (2) 新契約高明細表(単位:千件、百万円)区分前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)件数金額新契約転換による純増加件数金額新契約転換による純増加個人保険7952,121,2372,121,23434281,165,8621,165,77487個人年金保険01,1951,195-0630630- (注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。 2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。 (3) 保有契約年換算保険料明細表(単位:百万円)区分前事業年度末(2025年3月31日)当事業年度末(2026年3月31日)個人保険2,137,2612,017,920個人年金保険151,796118,796合計2,289,0582,136,716 うち医療保障・生前給付保障等296,496284,454 (注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。 (4) 新契約年換算保険料明細表(単位:百万円)区分前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)個人保険175,07597,327個人年金保険9951合計175,17497,378 うち医療保障・生前給付保障等7,1555,634 (注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。 (参考2) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況(1) 保有契約高(単位:千件、百万円)区分前事業年度末(2025年3月31日)当事業年度末(2026年3月31日)件数保険金額・年金額件数保険金額・年金額保険6,02416,016,5565,57614,838,522年金保険1,107358,8351,056341,424 (注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。 (2) 保有契約年換算保険料(単位:百万円)区分前事業年度末(2025年3月31日)当事業年度末(2026年3月31日)保険718,552665,401年金保険365,570349,490合計1,084,1221,014,891 うち医療保障・生前給付保障等241,412227,925 (注) 当社が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記「(参考1) 当社の保険引受の状況 (3) 保有契約年換算保険料明細表」に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、当社が算出した金額であります。 (参考3) 当社の資産運用の状況(1) 一般勘定資産の構成 区分前事業年度末(2025年3月31日)当事業年度末(2026年3月31日)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)現預金・コールローン2,000,3433.41,779,7463.0買現先勘定604,9141.0472,4820.8債券貸借取引支払保証金----買入金銭債権23,2150.021,2290.0商品有価証券----金銭の信託6,460,02910.88,039,83613.8有価証券46,528,66278.144,930,78176.9 公社債41,639,88869.939,768,14268.0株式594,6081.0787,4341.3外国証券2,024,5103.42,104,9523.6 公社債1,828,5393.11,865,2053.2 株式等195,9710.3239,7470.4その他の証券2,269,6553.82,270,2513.9貸付金2,530,0514.22,134,7643.7 保険約款貸付159,0740.3164,7910.3一般貸付754,6041.3676,5531.2機構貸付1,616,3722.71,293,4182.2不動産120,0660.2116,1710.2 うち投資用不動産----繰延税金資産728,3621.2327,4340.6その他560,6350.9629,1951.1貸倒引当金△766△0.0△864△0.0合計59,555,517100.058,450,779100.0 うち外貨建資産4,131,1836.94,626,6827.9 (注) 1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。 (2) 一般勘定資産の資産別運用利回り(単位:%)区分前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)現預金・コールローン0.020.05買現先勘定--債券貸借取引支払保証金--買入金銭債権1.171.28商品有価証券--金銭の信託5.269.92有価証券1.410.97 うち公社債1.250.80うち株式8.7510.59うち外国証券3.042.14貸付金1.741.74 うち一般貸付1.021.08不動産--一般勘定計1.571.54 うち海外投融資3.494.12 (注) 1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。 (参考4) 健全性の状況(1) 基礎利益基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。当社の当事業年度における基礎利益は、4,189億円となりました。 (経常利益等の明細(基礎利益))(単位:百万円)項目前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)基礎利益(A)242,166418,938キャピタル収益 421,042500,625金銭の信託運用益 199,152397,705売買目的有価証券運用益 --有価証券売却益 110,64052,634金融派生商品収益 --為替差益 20,9996,229その他キャピタル収益 90,25044,056キャピタル費用 418,368623,825金銭の信託運用損 --売買目的有価証券運用損 --有価証券売却損 193,470364,721有価証券評価損 --金融派生商品費用 68,32943,974為替差損 --その他キャピタル費用 156,568215,129キャピタル損益(B)2,674△123,199キャピタル損益含み基礎利益(A)+(B)244,840295,739臨時収益 524,3678,126再保険収入 --危険準備金戻入額 506,171-個別貸倒引当金戻入額 --その他臨時収益 18,1968,126臨時費用 598,22630,618再保険料 --危険準備金繰入額 -30,618個別貸倒引当金繰入額 --特定海外債権引当勘定繰入額 --貸付金償却 --その他臨時費用 598,226-臨時損益(C)△73,859△22,492経常利益(A)+(B)+(C)170,981273,247 (参考) その他項目の内訳(単位:百万円)項目前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)基礎利益への影響額48,122162,946投資信託の解約益△23,202△603金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額156,568215,129為替に係るヘッジコスト△67,047△43,453既契約の出再に伴う損益△18,196△8,126その他キャピタル収益90,25044,056投資信託の解約益23,202603金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額--為替に係るヘッジコスト67,04743,453その他キャピタル費用156,568215,129金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額156,568215,129為替に係るヘッジコスト--その他臨時収益18,1968,126既契約の出再に伴う損益18,1968,126その他臨時費用598,226-追加責任準備金繰入額598,226-既契約の出再に伴う損益-- (2) 連結ソルベンシー・マージン比率 ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。当社は、適切な資本管理という観点で、連結ソルベンシー・マージン比率の適正水準を150%~220%と設定しております。当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は181%(監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値)となっており、円金利の上昇による大量解約リスクの影響等により、前連結会計年度末から15ポイントの低下となっておりますが、適正水準の範囲内となっております。 (単位:兆円)項目前連結会計年度末 (2025年3月31日)当連結会計年度末 (2026年3月31日)適格資本合計額(A)4.474.76所要資本合計額(B)2.282.63連結ソルベンシー・マージン比率(A)/(B)196%181% (注)1. 令和7年金融庁告示第74号「保険業法施行規則第八十六条及び第八十七条等の規定に基づき保険金等の支払能力に相当する額及び通常の予測を超える危険に相当する額の計算方法等を定める件」に基づいて算出しております。2. 当連結会計年度末の数値は、監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値であります。また、前連結会計年度末の数値は、当連結会計年度末における計算方法を適用した試算値であります。 (3) 負債中の内部留保(危険準備金及び価格変動準備金)の積立状況生命保険会社では、大災害の発生、金融資産の価格変動等、生命保険事業の経営環境の変化に伴うリスクに備え、将来にわたる健全で安定的な経営を確保するために、危険準備金と価格変動準備金を積み立てることとしております。当連結会計年度末における残高は危険準備金1兆2,497億円、価格変動準備金7,192億円となり、合計で1兆9,690億円となりました。(単位:億円) 前連結会計年度末(2025年3月31日)当連結会計年度末(2026年3月31日)危険準備金12,19112,497価格変動準備金8,2997,192合計20,49019,690 (4) 追加責任準備金追加責任準備金とは、加入時の計算基礎で計算した積立額では、逆ざや等により保険金等の支払いに不足する額として追加して積み立てている責任準備金であります。当連結会計年度末における追加責任準備金は4兆7,395億円を積み立てております。なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。(単位:億円)前連結会計年度末(2025年3月31日)当連結会計年度末(2026年3月31日)50,73047,395 (参考5) 当社のEV(1) EVの概要① EVについてエンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。 ② 計算方法の変更について当社では、前事業年度末まで、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー原則に則り、市場整合的手法を用いた計算方法(以下「旧基準」といいます。)により計算したヨーロピアン・エンベディッド・バリューを開示しております。このたび、2026年3月末の経済価値ベースのソルベンシー規制導入を踏まえ、当事業年度末のEVについては、経済価値ベースのバランスシートにおける連結純資産から、株主に帰属しない要素を控除したものとして計算する方法(以下「新基準」といいます。)に変更しております。旧基準と新基準の計算方法の違いがEVに与える影響は、主に、保険負債の割引率としてリスク・フリー・レートに調整後スプレッドを上乗せすることによる差や、旧基準ではリスク・コストとしてヘッジ不能リスクに係る費用という形で反映していたものを、経済価値ベースのバランスシートにおけるMOCEを反映する手法に変更したことによる差であります。これらの影響によるEVの変動については「(4) 前事業年度末EVからの変動要因」をご参照ください。 (2) 簡易生命保険契約について当社は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、当社が受再しております。当社は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。 (3) EVの計算結果国内株価上昇による国内株式の含み益の増加を主な理由として、当事業年度末におけるEVは前事業年度末から増加しております。(単位:億円) 前事業年度末(2025年3月末)(注1)当事業年度末(2026年3月末)増減EV39,40942,5653,155 修正純資産相当額(注2、3)20,06319,996△67 保有契約価値相当額(注2、4)19,34522,5693,223 (注) 1.前事業年度末は旧基準の数値であります。2.保険契約に係る有価証券、貸付金および不動産の含み損益、ならびに旧簡易生命保険契約に係る危険準備金および価格変動準備金は、修正純資産相当額には含めず、保有契約価値相当額に含めております。3.前事業年度末については、2025年3月31日に取得(約定)した自己株式330億円を控除しております。4.保有契約価値相当額は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約および保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。 新契約価値は、当期間に獲得した新契約(更新特則による加入契約を含む。条件付解約による加入契約及び転換契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。新契約価値及び新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。(単位:億円) 前事業年度(2025年3月期) (注1)当事業年度(2026年3月期)増減新契約価値679615△63保険料収入現価(注2)19,70710,375△9,332新契約マージン3.45%5.93%2.48ポイント (注) 1.前事業年度は旧基準の数値であります。2.将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いた割引率で割り引いております。 (4) 前事業年度末EVからの変動要因(単位:億円) EV前事業年度末EV(旧基準)39,409 ① 旧基準から新基準への調整617前事業年度末EV(新基準)40,027② 前事業年度末EVの調整△899前事業年度末EV(調整後)39,127③ 当事業年度新契約価値615④ 期待収益(割引率解放分)603⑤ 期待収益(超過収益分)1,789 ⑥ 前提条件(非経済前提)と実績の差異△49 ⑦ 前提条件(非経済前提)の変更703 ⑧ 前提条件(経済前提)と実績の差異△223当事業年度末EV42,565 ① 旧基準から新基準への調整旧基準と新基準の計算方法の違いによる差を表したものであります。旧基準と新基準の計算方法の違いについては「(1) EVの概要 ②計算方法の変更について」をご参照ください。 ② 前事業年度末EVの調整当社は当事業年度において429億円の株主配当金を支払っており、EVがその分減少しております。また、当事業年度において469億円の自己株式の取得(約定)を行っており、EVがその分減少しております。 ③ 当事業年度新契約価値新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。 ④ 期待収益(割引率解放分)EVの計算にあたっては、将来の期待収益を割引率で割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、調整後スプレッドに相当する割引率の解放ならびに保証とオプションの時間価値およびMOCEのうち当事業年度分の解放を含んでおります。 ⑤ 期待収益(超過収益分)EVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。当事業年度の超過収益を計算するために使用した期待収益率は、「付録B EV計算における主な前提条件 (1) 経済前提」に記載のとおりであります。なお、期待収益率のうちの調整後スプレッド分に相当する期待収益は「④ 期待収益(割引率解放分)」に含めており、この項目で表される期待収益には調整後スプレッド分は含まれておりません。 ⑥ 前提条件(非経済前提)と実績の差異前事業年度末の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。 ⑦ 前提条件(非経済前提)の変更前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支等が変化することによる影響であります。 ⑧ 前提条件(経済前提)と実績の差異市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。国内金利上昇の影響による含み益の減少等により、EVは223億円減少しました。 (5) 感応度(センシティビティ)前提条件を変更した場合のEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に一つの前提のみを変化させることとしており、同時に二つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。(単位:億円)前提条件EV増減額当事業年度末EV42,565―感応度1:国内金利50bp上昇41,479△1,085感応度2:国内金利50bp低下43,554989感応度3:米ドル金利50bp上昇42,163△401感応度4:米ドル金利50bp低下42,988423感応度5:株式・不動産価値10%下落40,035△2,529感応度6:為替10%円高41,533△1,031感応度7:事業費率(維持費)10%減少43,9731,407感応度8:解約失効率10%減少43,068503 前提条件を変更した場合の新契約価値の感応度は以下のとおりであります。(単位:億円)前提条件新契約価値増減額当事業年度新契約価値615―感応度1:国内金利50bp上昇793178感応度2:国内金利50bp低下412△203感応度7:事業費率(維持費)10%減少66953感応度8:解約失効率10%減少64732 ① 感応度1:国内金利50bp上昇a.日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させてEVを再計算しております。b.イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ② 感応度2:国内金利 50bp低下a.日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。b.イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ③ 感応度3:米ドル金利50bp上昇a. アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。b. イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ④ 感応度4:米ドル金利50bp低下a. アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。b. イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。 ⑤ 感応度5:株式・不動産価値10%下落株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。 ⑥ 感応度6:為替10%円高日本円の評価日時点の為替レートが10%上昇した場合の影響を表しております。 ⑦ 感応度7:事業費率(維持費)10%減少事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。 ⑧ 感応度8:解約失効率10%減少解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。 (6) 注意事項EVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。これらの理由により、本EV開示は、EV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。 付録A EVの計算手法 (1) 対象事業計算の対象範囲は、当社及びその子会社の取り扱う生命保険事業であります。なお、当社は生命保険事業のみを取り扱っております。また、当社は日本郵政グループの一員ですが、本計算は当社単独の計算となっております。 (2) 新契約価値の計算方法当事業年度の新契約価値は、当期間に獲得した新契約の獲得時点における価値であります。計算対象は、新契約、特約の中途付加及び更新特則による加入契約を対象としております。なお、将来時点における更新特則による加入契約については、EV及び新契約価値には反映しておりません。また、条件付解約による加入契約及び転換契約の新契約価値としては、旧契約の価値からの正味増加分を反映しております。また、経済前提は四半期毎の新契約に対してそれぞれ当該四半期末時点のもの、その他の前提はEVと同一の期末時点のものを用いております。新契約価値の評価について、当社では、実際の契約者配当の水準を、保有契約全体の損益に基づいて決定していることを踏まえ、新契約を獲得した場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVと、新契約を獲得しなかった場合の保有契約全体の損益に基づいて計算したEVの差とするマージナル方式としております。マージナル方式では、新契約獲得に伴う分散効果によるリスクの軽減の影響等も新契約価値として評価されております。 付録B EV計算における主な前提条件 (1) 経済前提① 金利保険負債の評価に用いる金利は、金融庁が提示する経済価値ベースのソルベンシー規制におけるリスク・フリー・レートを基礎とし、調整後スプレッドを反映した金利を使用しております。計算に使用したリスク・フリー・レート(スポット・レート換算)の年限別数値は以下のとおりであります。 EVの計算に用いるリスク・フリー・レート期間2025年3月31日2026年3月31日1年0.641%1.116%2年0.857%1.353%3年0.893%1.482%4年1.023%1.653%5年1.114%1.795%10年1.521%2.396%15年1.957%2.919%20年2.323%3.485%25年2.412%3.817%30年2.685%3.973%40年3.043%4.000%50年3.210%3.967%60年3.312%3.939% (注) 2025年3月31日については、旧基準のEVの計算に使用したリスク・フリー・レートを記載しております。 ② 経済シナリオ(リスク中立シナリオ)a.金利モデル金利モデルとして、日本円、米ドル、ユーロ、豪ドルを通貨とする確率論的αβρ-LIBOR マーケットモデルを構築しました。各金利変動の相関を考慮するとともに、日本円を基準通貨とするリスク中立アプローチに基づきモデルを調整しております。金利モデルは、評価日時点の市場にキャリブレートされており、パラメータはイールド・カーブと期間の異なる複数の金利スワップションのインプライド・ボラティリティから推計しております。保証とオプションの時間価値を算出するための確率論的手法では5,000シナリオを使用しております。これらのシナリオは保険数理に関する専門知識を有する第三者機関により生成されたものを使用しております。 b.株式・通貨のインプライド・ボラティリティ主要な株式のインデックス及び通貨のボラティリティについては、市場で取引されているオプションのインプライド・ボラティリティのデータに基づいてキャリブレーションを行っております。なお、当社が実際に使用する国内株式インデックスは、主にTOPIXをベンチマークとした運用がなされていることを踏まえ、TOPIXの日経225に対するヒストリカル・ボラティリティ比を日経225のインプライド・ボラティリティに乗じて算出しております。 c.相関係数前述のインプライド・ボラティリティに加え、相関係数を元に当社の資産構成を反映させたインプライド・ボラティリティを計算しております。相関係数については、十分な流動性を有するエキゾチック・オプションに基づく市場整合的なデータが存在しておりません。このため、評価日時点の直近10年間の市場データから計算した値を使用しております。 ③ 将来の資産構成当社の評価日時点の資産構成の実態を考慮するとともに、将来の新規購入資産は、負債特性を踏まえた年限での運用を想定しております。また、当社の外貨建資産の通貨別構成を踏まえ、すべての外貨建資産は米ドル建、ユーロ建及び豪ドル建から構成されるとみなしております。 ④ 期待収益計算上の期待収益率「前事業年度末EVからの変動要因」の期待収益(超過収益分)の計算に用いた主な資産の期待収益率(割引率解放分と超過収益分の合計)は以下のとおりであります。 国債0.742%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド短資0.742%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド地方債0.942%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド+信用スプレッド(0.200%)政府保証債0.942%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド+信用スプレッド(0.200%)普通社債等1.292%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド+信用スプレッド(0.550%)外国国債(ヘッジ)2.242%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド+リスク・プレミアム(1.500%)外国国債(オープン)3.742%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド+リスク・プレミアム(3.000%)国内株式5.742%:リスク・フリー・レート(1年)+調整後スプレッド+リスク・プレミアム(5.000%) 期待収益(超過収益分)の計算に用いる期待収益率は、前事業年度末における資産占率に上記の期待収益率を乗じることにより算出しております。会社全体における資産占率考慮後の期待収益率は、1.700%であります。 (2) その他の前提保険料、事業費、保険金・給付金、解約返戻金、税金等のキャッシュ・フローは、契約消滅までの期間にわたり、保険種類別に、直近までの経験値及び期待される将来の実績を勘案して予測しております。 ① 事業費a.事業費の前提は、事業費実績を基に算出し、子会社に係るルック・スルー調整を行っております。また、将来、経常的に発生しないと考えられる一時費用(将来の業務効率化に資する施策の経費)を控除する一方、追加的に発生すると考えられる費用を加算する調整を行っております。b.消費税については、10%としております。c.将来のインフレ率は、リスク・フリー・レートの補外開始年度(経過30年)までは、物価連動国債に織り込まれたブレーク・イーブン・インフレ率を参考に1.42%としております。なお、インフレ率の適用にあたっては、当社の事業費構造を考慮して調整を行っております。リスク・フリー・レートの補外開始年度を超える期間についてはフォワード・レートの上昇に応じてインフレ率が上昇し、終局水準を2%としております。 ② 契約者配当現行の配当実務に基づき、配当率の前提を設定しております。なお、郵政管理・支援機構への再保険配当については、郵政管理・支援機構との再保険契約に基づく額を支払うこととしております。 ③ 実効税率直近の実効税率に基づき、以下の実効税率を用いております。当事業年度:28.00%翌事業年度以降:28.93% (参考6) 主要な財務数値等の新旧区分別実績当社は、郵政管理・支援機構との間で再保険契約を締結し、郵政民営化法により公社から郵政管理・支援機構に承継された、簡易生命保険契約に基づく郵政管理・支援機構の保険責任のすべてを受再しております。また、当該再保険契約に基づき、簡易生命保険契約及びそこから生じた利益を他の保険契約と区分して管理しており、過年度の実績の推移は下表のとおりであります。下表における旧区分の数値は、上記に基づき算出した簡易生命保険契約に係るものであり、新区分の数値は、全体から旧区分の数値を差し引いたものであります。よって、下表は当社の内部管理上の数値であり、企業会計原則に則って作成される数値ではありません。回次第16期第17期第18期第19期第20期決算年月2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月総資産(億円)671,748626,852608,570595,555584,507旧区分 359,291336,921324,049305,971295,907新区分 312,457289,930284,521289,583288,600保有契約件数(千件)22,80220,98719,70118,81017,725旧区分(保険) 8,0617,2656,6056,0235,576新区分(個人保険) 14,74013,72213,09512,78612,149保険料等収入(億円)24,18922,00924,84031,54821,886旧区分 2,8682,2261,7171,5591,506新区分 21,32119,78323,12229,98920,380経常利益(億円)3,5571,1761,6251,7092,732旧区分 1,0897041,018△8751,420新区分 2,4674716072,5851,312当期純利益(億円)1,5789778851,2401,701旧区分 9169109310491新区分 1,4879087769301,210危険準備金繰入額(億円)796108234△5,061306旧区分 735569234△3,681224新区分 60△460△0△1,38081価格変動準備金繰入額(億円)677△826△161△438△1,106旧区分 400161386△1,685△511新区分 277△987△5481,246△595追加責任準備金繰入額(億円)△2,393△2,456△4,6371,638△3,335旧区分 △2,369△2,438△4,6241,646△3,330新区分 △23△18△12△8△5
事業リスク
- 事業戦略・経営計画の未達リスク:2019年度の募集品質問題の反省を踏まえ、中期経営計画を策定していますが、市場金利や経済状況、法制度の変化など、多くの前提が計画通りに進まない可能性があります。これにより、目標達成が困難となり、業績や財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 企業風土・組織文化に関するリスク:過去の募集品質問題で指摘された企業風土の課題が完全に解消されない場合、類似の事案が再発する可能性があります。これにより、会社の社会的信用が失墜し、業績や財政状態に深刻な影響を与える恐れがあります。
- サイバー攻撃に関するリスク:現代社会において、サイバー攻撃は企業にとって大きな脅威です。かんぽ生命保険も、顧客情報や機密情報が漏洩した場合、多額の損害賠償や信用失墜につながる可能性があります。情報セキュリティ対策の強化は、経営上の重要な課題です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) リスク管理体制と「事業等のリスク」の特定・管理等プロセス当社では、「リスク管理基本方針」に基づき、リスク管理に関する規程を整備するとともに、リスク管理統括部担当執行役を委員長とするリスク管理委員会を設置し、定期的に開催しております。リスク管理委員会では、リスク管理に関する方針、リスク管理体制の整備及び運営に関する事項並びにリスク管理の実施に関する事項の協議を行うとともに、各種リスクの状況等を把握及び分析することにより適切なリスク管理を行い、リスク管理統括部担当執行役は、重要な事項を経営会議、監査委員会及び取締役会に付議又は報告しております(詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 b.リスク管理体制の整備の状況」に記載のとおりであります。)。「事業等のリスク」は、本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況並びに企業価値を表すEV(Embedded Value)及び健全性を表すソルベンシー・マージン比率(経済価値ベースのソルベンシー比率)等の指標に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとし、「影響度」と「発生可能性」を勘案した上で「最も重要なリスク」及び「2026年度にかけてリスク認識が高まっている又は2026年度にリスク認識が高まると認識しているリスク」を特定し、年度を通じて管理しております。なお、当該リスクの分類及び各リスク情報の記載に当たっては、当社の経営陣の各リスクの影響、発生可能性、対応策等に関する認識を適切に反映させるため、2026年3月末現在の経営会議の構成員である常務以上の執行役及び業務を統轄する執行役に対して、「事業等のリスク」に関するアンケート(以下「経営陣アンケート」といいます。)を実施し、その集計結果を踏まえ、リスク管理委員会及び経営会議で協議を行うとともに、社外取締役からの意見聴取を行っております。また、当該アンケートを通じて、リスク項目の洗い替えも行っております。 (2) リスクマップと「最も重要なリスク」等「リスクマップ」経営陣アンケートの集計結果を踏まえ、リスクの影響度と発生可能性を勘案して策定した事業等のリスクの「リスクマップ」は、次のとおりです。 「最も重要なリスク」当社では、経営陣アンケートを踏まえたリスク管理委員会での協議により、リスクマップにおいて、相対的に影響度が大きく発生可能性が高いリスクを当社における「最も重要なリスク」と位置づけております。2026年度に「最も重要なリスク」に選定された事業等のリスクは次のとおりです。 最も重要なリスクサイバー攻撃に関するリスク経済環境の変動に伴うリスク資産運用に関するリスク日本郵便株式会社との関係に関するリスクコンプライアンスに関するリスク商品、顧客構成に関するリスク当社の企業風土又は組織文化に関するリスク情報漏えいに関するリスク保険業法、その他関連業規制に関するリスク郵政民営化法に基づく法規制等に関するリスク保険募集プロセスにおける品質確保に関するリスクシステムリスク営業態勢に関するリスク競合他社との競争に関するリスク人材に関するリスク 「2026年度にかけてリスク認識が高まっている又は2026年度にリスク認識が高まると認識しているリスク」「2026年度にかけてリスク認識が高まっている又は2026年度にリスク認識が高まると認識しているリスク」に選定された事業等のリスクは次のとおりです。 2026年度にかけてリスク認識が高まっている又は2026年度にリスク認識が高まると認識しているリスクサイバー攻撃に関するリスク保険業法、その他関連業規制に関するリスク経済環境の変動に伴うリスク資産運用に関するリスクシステムリスクお客さま体験価値及びAI・デジタル投資に関するリスク保険引受に関するリスク風評・風説等に関するリスク業務提携及び戦略的提携に伴うリスクAIに関するリスク地政学リスクなど社会経済環境を巡る不確実性に関するリスク (3) 各リスク項目各リスク項目は、その特性に応じて、「Ⅰ 経営戦略」、「Ⅱ 財務・資産運用」、「Ⅲ 事業固有」、「Ⅳ オペレーション」、「Ⅴ その他」に分類し、記述しております。 Ⅰ 経営戦略(1) 事業戦略・経営計画に関するリスク当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおり、「中期経営計画(2026年度から2028年度)」(以下、「中計」といいます。)において、2040年に目指す姿として「新たな価値を生み出し続け、安心を全国に届けるエッセンシャル・カンパニー」を掲げ、2026年度から2028年度までの3年間に、ア.「かんぽ価値提供モデル」の確立、イ.運用環境の変化を捉えた資産運用と社会課題の解決、ウ. AI・デジタル等を駆使した事業変革やインオーガニック成長等による提供価値拡大を通じた「みらいへの挑戦」という3つの重要な戦略に取り組んでまいります。こうした事業戦略・経営計画に含まれる取り組みには、本「事業等のリスク」に記載の各種のリスクが内在しているほか、将来において、当社による上記取り組みの実施を阻害するリスクが高まる、又は新たなリスクが生じる可能性もあります。また、事業戦略・経営計画は、市場金利、外国為替、株価、事業環境等の一般的経済状況や法制度などの多くの前提を置き作成されておりますが、かかる前提どおりとならない場合や、各施策に対する十分な事業評価が行われず、投資額やコストに見合った成果が得られない場合には、当該事業戦略又は経営計画における目標を達成できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。事業戦略・経営計画に含まれる各種取り組みに内在するリスクや、当該取り組みの策定に当たって置かれた前提に関するリスクのうち、特に重要なものは以下のとおりであります。 ① 営業態勢に関するリスク当社及び日本郵政グループと接点のあるお客さまは多数存在し、大きな潜在的保険ニーズを抱えております。こうしたニーズに対し、当社はお客さま本位の「かんぽ価値提供モデル」を通じてお応えしてまいります。また、営業活動においては、保険営業における行動原則である「かんぽ営業スタンダード」に基づく、丁寧な情報収集・意向把握、お客さま本位の商品提案、丁寧でわかりやすい説明を基本としたお客さまに寄り添った課題解決の提案ができる当社社員及び日本郵便株式会社における郵便局社員の育成を継続してまいります。また、営業実績だけでなく募集プロセスやアフターフォロー等を網羅的・定量的に評価する「かんぽGD制度」や、コンサルタント育成・営業活動の均質化を図る仕組み、さらに全国の支店における郵便局との協働体制等を通じて、営業力の強化と持続的な営業態勢の確保にも引き続き注力してまいります。しかしながら、こうした取り組みにより、お客さまからの信頼を得られない、又はお客さまのニーズに十分にお応えできずに保有契約の反転につながらない場合には、当社グループの事業、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 商品、顧客構成に関するリスク1970年代半ば以降、日本の出生率は総じて徐々に低下する傾向にあり、現在は世界で最低の水準にあります。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、総人口及び15歳から64歳までの人口は今後も減少し続けるであろうと予測されており、この傾向が日本国内における生命保険の総保有契約高減少の主要な要因であると考えております。また、当社の顧客基盤は中高齢層や女性の割合が高く、青壮年層の割合が相対的に低くなっております。当社の取り扱う商品は、個人向け生命保険、とりわけ養老保険・終身保険などの貯蓄性商品の割合が高く、前述の長期的な日本の人口動態等の要因のほか、国内の雇用水準及び家計所得、貯蓄・投資スタンス、金利を始めとする国内金融市場動向、代替商品であるその他の商品に対する相対的魅力、保険会社の財務健全性・社会的信用が、新契約数や保有契約の消滅率に影響を及ぼしております。当社では、2023年4月より、昨今の教育費用の高まりやお客さまからのご要望を受け、学資保険「はじめのかんぽ」の改定を行い、また、2024年1月より、中高齢層のお客さまがお持ちの「一生涯の死亡保障ニーズ」にお応えするために一時払終身保険「つなぐ幸せ」の取り扱いを開始するなど、青壮年層を含めたあらゆる世代の多様なお客さまニーズを把握し、それらに応えられる「商品ラインアップの拡充」に取り組んでおります。また、国内金利の上昇を踏まえ、2025年7月及び2026年1月に一時払終身保険の予定利率の改定を、2026年5月に一時払終身保険を除く基本契約及び特約の予定利率の改定を実施しております。さらに、「かんぽ価値提供モデル」では、金利上昇や資産形成ニーズの高まりといった環境変化を踏まえつつ、青壮年層を含む幅広いお客さまのニーズにお応えする分かりやすい保険商品の拡充を進めております。しかしながら、お客さまニーズの多様化や金融商品への選好・アクセスへの変化などに当社商品・サービスがタイムリーに応じられない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 競合他社との競争に関するリスク当社は、日本の生命保険市場において、国内生命保険会社、外資系生命保険会社、各種協同組合等との激しい競争に直面しており、近年は、商品内容・ラインアップ、販売チャネル・手法、保険料水準等に関して、当社より優位に立っている会社もあります。また、株式会社形態と相互会社形態の保険会社が共存・競争する中で、海外保険市場やアセットマネジメント市場も見据えた統合や再編、異業種との提携等、又は新技術等(生成AIなど)を応用した魅力的な商品・サービス、販売チャネル・手法の開発・充実により、競合他社が今後より高い競争力を備える可能性もあります。さらに、当社が業務範囲を拡大した場合や当社を取り巻く規制緩和、新規参入等に伴い市場構造に変化が生じた場合に、現時点では競合関係にない会社との競合関係が新たに生じる可能性もあります。このように、競合他社との競争は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ お客さま体験価値及びAI・デジタル投資に関するリスク当社は、お客さま体験価値(Customer Experience、以下「CX」といいます。)を最優先とするビジネスモデルに取り組み、AI・デジタル等の活用を進めてまいりました。また、生成AIを含むAI技術の著しい進展や、他社によるAIを活用した新商品・サービスの開発・提供、営業手法の多様化・効率化の急速な進展を踏まえ、お客さま対応力の強化や業務効率化に向けてAIの活用にも取り組んでまいりました。さらに、中計においては、お客さまデータとAI・デジタルの活用による手厚いアフターフォローと便利な手続きの実現や、AIを前提とした業務の再構築に注力してまいります。こうした取り組みの下で、中計期間である2028年度末までに900億円規模のビジネス成長戦略投資を実施し、AI・デジタルを前提とした業務の再構築及び業務プロセスの抜本的見直しや業務量の削減等による生産性向上に取り組んでまいります。しかしながら、AI・デジタル等の活用によるCXの強化や生産性の向上が想定どおりに進まない場合、又はAIの技術等が当社の想定以上に進展し、他社との競争に劣後した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの投資は減価償却等を通じて今後数年間にわたり費用化されるとともに、その管理・維持には相当程度のコストが生じる見込みでありますが、投資額やコストに見合った成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ AIに関するリスクAIの活用には、機密情報の漏洩や著作権等の知的財産権の侵害といったコンプライアンスリスクが潜んでいる可能性があるほか、AIの出力におけるハルシネーションや判断のブラックボックス化、バイアス(偏見・差別)や分断の助長など、技術面・倫理面に潜むリスクも大きいと認識する必要があります。また、AIのデファクト・スタンダードが定まっておらず、AI技術の急速な進歩に鑑みると、当社が採用した技術等が競争力を失う可能性や新たなAI技術が既存のデジタル技術に対する脅威になる可能性もあります。さらに、国内においては「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)」が2025年に施行するなど、AIに関する規制環境が急速に整備されつつあり、これらの規制変化への対応の遅れが当社の事業展開に悪影響を及ぼすリスクも存在します。AI技術に潜むリスクが顕在化(不適切なAI利用によるお客さまへの不利益提供など)した場合には、業務に多大な影響が生じ、復旧及び再発防止、信頼回復に時間と費用が発生し、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、委託先等の第三者を経由したサプライチェーンにおいてAIリスクが顕在化した場合も、同様に大きな影響が生じる可能性があります。そのため、日本郵政グループでは、AI 活用の更なる推進と、それを支えるガバナンス態勢の強化を目的に、グループ統一のAIポリシーを策定し、当社では、AI利用に関するルールを定め、AIの導入に当たっては事前のアセスメントを実施しています。また、全社的なリスク管理体制の下で重要なリスクを特定し必要な対応策を講じられるよう、態勢整備を順次進めています。しかしながら、かかる対策にもかかわらず、未知の脅威等により当社の対策が機能せず、業務に多大な影響が生じることとなった場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 業務提携及び戦略的提携に伴うリスク当社グループは、これまでにアセットマネジメント事業及び海外保険市場において複数の提携・出資に取り組み、収益源の多様化を実現してまいりました。具体的には、アセットマネジメント事業について、2022年6月に三井物産株式会社と、2024年5月に大和証券グループと提携し、収益獲得に取り組んでまいりました。2024年10月に株式の20%を取得して持分法適用関連会社とした大和アセットマネジメント株式会社については、2026年3月期末時点で319億円ののれん相当額を計上しております。2025年度は、三井物産株式会社との合弁会社である三井物産かんぽアセットマネジメント株式会社及び大和アセットマネジメント株式会社を通じたオルタナティブ資産運用会社への出資や新興国市場に特化した英国の大手資産運用会社であるAshmore Groupへの出資を決定しました。また、海外を含む保険市場への取り組みとしては、2023年6月よりKKR & Co. Inc(以下「KKR」といいます。)、及びその子会社のGlobal Atlantic Financial Group(以下「GA」といいます。)との戦略的提携契約を締結し、GAが運用する再保険共同投資ビークルへの投資を行い、2025年7月には、新たに再保険ビークルへ約20億米ドルの投資を決定しました。さらに、2026年3月にはKKRとの戦略的提携の一環として、保険見直し本舗グループへの少数出資を決定しました。他社等との提携等に当たっては、必要に応じて外部専門家を活用してリスクを認識し、当社の管理態勢を整備した上で実行し、提携後には、提携先等の経営・財務状況を把握するほか、出資先には必要に応じ内部統制の状況を点検するなど、リスクの顕在化の未然防止に取り組んでおります。今後も、中計に掲げた「みらいへの挑戦」において、これまでの取り組みを深化させるとともに、当社の事業と親和性のある新たな領域を継続的に探索し、中長期的な成長と資本効率の向上を目指してまいります。しかしながら、提携先等において業務遂行又は内部統制上の問題が生じた場合や計画どおりに事業が行われない場合、提携等によって期待した成果が得られない場合等には、減損処理が発生し、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、提携対象が海外にも拡がる中で、海外保険市場において業績が振るわない事態やアセットマネジメント市場の悪化に直面した場合にも、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 人材に関するリスク当社グループは、生命保険会社としての業務遂行のため、保険営業、保険数理、資産運用、リスク管理等各分野において安定した業務遂行と高い専門性を有する優秀な人材を必要としております。特に、昨今のデジタル技術(AIを含む)の進化・普及に伴い、当社のDX推進を担う人材や、戦略的提携等の進展に伴い、海外業務に精通した人材の確保・育成も喫緊の課題と認識しております。加えて、高年齢層の定年退職等を念頭に、次世代の幹部の充実・育成も重要になっています。しかし、少子化等の影響を受けて、人材獲得競争が強まる中で、当社が期待する量及び質の人材の採用は一段と厳しさを増しており、採用ができたとしても定着が難しい可能性があります。また、競合他社に比べて魅力的な労働条件・職場環境を提供できない場合や、ハラスメントなどの人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等が発生した場合には、人材の流出、不足等を招く可能性があります。当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、専門性の高い人材の確保・育成や、当社の将来を担う幹部・社員の充実・育成、社員のモチベーション・満足度の向上、退職者数の抑制など、人的資本経営の強化に取り組んでおりますが、これらの取り組みが奏功しない又は奏功するまでに想定以上の期間を要する場合には、お客さまサービスが低下することにより、当社グループの競争力の相対的な低下や新契約及び保有契約の減少を招き、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 経済環境の変動に伴うリスク当社グループが行う事業は、その収益の多くが日本国内において生み出されるものであるため、国内の経済物価情勢や家計所得の動向、貯蓄・投資スタンスなどが、当社グループの行う事業に影響を及ぼす可能性があります。また、近年、各国の通商政策の動向や国家間紛争などが国内経済に与える影響が懸念されております。このように、経済物価情勢等の動向は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。消費者物価は、労働需給のひっ迫、賃金上昇の販売価格への転嫁が続く中で、原材料価格上昇の影響から高水準となっています。こうした状況が当社の想定を超えて継続する場合には、事業費の高騰とそれによる保険料採算の悪化、人材確保の困難化等が懸念されます。また、物価の上昇等を受けて金利水準が想定以上に上昇した場合には、資産運用における国内金利リスクの顕在化のほか、保険契約者がより高い収益を得られる別の金融商品へ資金を移動させることにより、保険契約の解約・乗換が増加する可能性があります。こうした経路を通じ、国内経済のインフレ傾向は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 地政学リスクなど社会経済環境を巡る不確実性に関するリスク近年、社会経済環境を巡る不確実性が経済物価情勢や家計の動向に深刻な影響を与えることが懸念されています。中でも、地政学リスクは、スタグフレーションのように経済物価情勢に大きな影響を与える可能性があるほか、重要物資の調達困難化など、社会経済活動そのものに深刻な打撃をもたらす可能性もあります。地政学リスクなど社会経済環境を巡る不確実性が顕在化した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 当社の企業風土又は組織文化に関するリスク当社は、2019年度に発生した、お客さまに不利益が生じた契約乗換等の募集品質に係る事案(以下、「募集品質問題」といいます。)の事実関係及び原因等の究明に関して、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び当社のいずれとも利害関係を有しない弁護士3名から構成される「かんぽ生命保険契約問題 特別調査委員会」が2019年12月に公表した調査報告書において、当社グループにおいて、「リスク事象を探知した際の原因追究・解決の先送り」、「問題の矮小化」並びに「部門間の横での連携不足及び上意下達の下での情報伝達の目詰まり」といった企業風土又は組織文化が従前から存在してきたことが指摘されました。当社グループでは、経営陣主導の下、健全な企業風土の醸成に取り組んでおり、着実に改善が進んでおります。しかしながら、日本郵政グループにおいて非公開金融情報の不適切な取扱い(以下、「非公開金融情報の不適切利用事案」といいます。)や一時払終身保険等の販売に係る認可前の勧誘(以下、「認可取得前勧誘事案」といいます。)といった事案が確認されており、これらの事案を踏まえた再発防止策も含め、企業風土・組織文化改善の取り組みが奏功しない、又は奏功するまでに想定以上の期間を要する場合には、類似の事案が再発するなど、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 格付けの低下に関するリスク当社は、各格付会社より信用格付けを取得しており、2026年3月末現在における信用格付けは、下表のとおりであります。これらの格付けにより、当社の財務の健全性に対して一定の評価を得ているものと認識しております。格付会社信用格付株式会社格付投資情報センター(R&I)「AA-」(保険金支払能力)株式会社日本格付研究所(JCR)「AA」(保険金支払能力格付)S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)「A+」(保険財務力格付け)ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody’s)「A1」(保険財務格付) 中計では、保有契約の底打ち・反転及び事業費の抑制などに取り組んでまいりますが、これらが計画どおりに進捗せず、当社の将来的な財務内容の見通しが悪化することにより、各社の信用格付けが引き下げられた場合には、当社グループの資本市場における負債性資金の調達が有利な条件で行えない可能性があるとともに、当社に対する不安を想起させ、新契約及び保有契約の減少等につながる可能性があります。このように、各格付会社による当社に対する信用格付けは、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 気候変動及び生物多様性・自然資本に関するリスク当社は、気候変動によるリスクと機会を認識し、2019年4月にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言へ賛同を表明しており、これまでの気候変動に関する取り組みを一層推進するとともに、情報開示の充実を図っております(詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。)。気候変動は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、当社は、その影響を評価するためのシナリオ分析を行っております。なお、気候変動による生命保険事業への主な影響としては、自然災害などの被害が増加することによる保険金等支払額の増加、平均気温上昇や異常気象の健康への影響により中長期的な死亡率や罹患率が変化することによる保険金等支払額の増加の可能性を認識しております。また、資産運用への主な影響としては、自然災害などの増加に伴う投融資先企業の損失拡大による投融資資産の価値毀損、低炭素社会への移行に伴う制度変更、規制強化、消費者選好の変化の影響による投融資先企業の価値毀損の可能性を認識しております。加えて、温室効果ガス排出量を踏まえた投資ポートフォリオの管理を行うため、投資ポートフォリオの温室効果ガス排出量を測定・分析し、分析結果を踏まえた上で投融資先企業等に対するエンゲージメント(目的を持った対話)を行っております。また、当社は、気候変動とともにグローバルな重要課題となっている、生物多様性・自然資本に関して、自然資本に関する開示の枠組みを構築する国際的なイニシアチブであるTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)の理念に賛同し、2023年6月にはその活動をサポートするTNFDフォーラムへの参画、2023年12月にはEarly AdopterとしてTNFD提言に基づく開示を行う意思表明を行っており、生物多様性・自然資本に関する取り組みを推進するとともに、TNFD提言に沿った情報開示の充実を行っております。当社生命保険事業への主な影響として、生態系バランスが崩れることに起因する感染症の蔓延等による保険金等支払額の増加や、各種自然災害によって当社のデータセンターが運用遅延・停止に陥る可能性を認識しております。また、資産運用においては、投融資先企業が依存する自然資本の枯渇等に伴う投融資資産の価値棄損のほか、環境保全に関する法規制の厳格化や社会的要請の変化等に伴う投融資資産の価値棄損の可能性を認識しております。なお、当社の投資ポートフォリオにおける主な自然関連の依存と影響に関する分析を実施しており、分析結果や社会的要請等を踏まえた資産運用に取り組んでおります。このように、気候変動及び生物多様性・自然資本に関する各種取り組みを推進しておりますが、これらの対応が不十分と評価された場合には、当社グループの資本市場における評価、その他社会的な評価の低下につながる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅱ 財務・資産運用(1) 保険引受に関するリスク① 保険料設定・責任準備金の積立に関するリスク当社は、保険の種類及び内容、契約時の被保険者の年齢、性別、保険金額等を考慮して、次に掲げる計算基礎率(予定死亡率、予定利率、予定事業費率)等に基づいて保険料を設定しております。予定死亡率過去の統計を基に、性別・年齢別の死亡者数を予測し、将来の保険金の支払等に充てるために必要な保険料を設定いたします。この計算に用いる予測された死亡率を予定死亡率といいます。予定利率資産運用による一定の収益を予め見込み、その分を割り引いて保険料を設定いたします。この割引率を予定利率といいます。予定事業費率保険会社の事業運営上必要な経費を予め見込んで保険料を設定いたします。この割合を予定事業費率といいます。 保険契約においては、実際の死亡率が事前に設定した予定死亡率を超過した場合や実際の運用利回りが事前に設定した予定利率を下回った場合、実際の経費が事前に設定した予定事業費を超過した場合には、保険期間中の保険料等の受取総額を保険金・経費等の支払総額が上回ることにより損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、保険業法及び関連業規制に基づき、保険料収入の大部分を責任準備金として将来の保険金等の支払いに備えて積み立てております。責任準備金は、当社の負債の最も大きな部分を占めているものであり、各保険契約の保障対象となる事象の起こる頻度や時期、保険金等支払額、資産運用額等について一定の前提を置き、これらに基づく見積りによって計算されるものであります。これらの前提と実際の結果が乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、金融当局である金融庁等は、責任準備金の積立に関する規制や標準利率・標準生命表を定めていますが、これらに変更があった場合には、保険料の見直しや責任準備金の積増しが必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 再保険に関するリスク当社は、民営化前の高い予定利率の終身年金保険契約を出再することにより、保険引受リスク及び資産運用リスクを削減し、将来収益及び資本効率の向上を図ることを目的として、再保険契約を締結しております。出再先については、当社の定める信用基準を満たした保険会社を選定し、出再した保険会社に対するモニタリング等を実施しておりますが、今後、カウンターパーティリスク(出再先会社が破綻するリスク)やリキャプチャー(再保険契約の打ち切りによる出再先に移転していた資産やリスクの回収義務)が発生するリスク、資産運用リスク(再保険契約に係る担保資産価値が下落するリスク)が顕在化した場合等には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 会計基準、税制の変更等に関するリスク当社の繰延税金資産は、現行の会計基準及び税制に従い、一定の前提に基づいて見積もった課税所得により将来の税金負担額が軽減することが認められる範囲内で計上しております。したがって、新契約の実績が想定どおりに進捗しない期間がより長期にわたり継続した場合や、経済環境の大幅な悪化が継続した場合における見積りの前提の変更や、税制改正に伴う税率の引き下げにより、繰延税金資産額が減少する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国際会計基準審議会は、2020年6月に国際財務報告基準(以下「IFRS(International Financial Reporting Standards)」といいます。)第17号「保険契約」の修正を公表し、2023年1月1日以降に開始する事業年度より適用しております。当該基準は保険契約を経済価値で評価するため、毎期の変動が純資産に影響を及ぼす可能性があります。今後、IFRS又は同基準に準じる基準を当社グループの会計基準において適用する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 資産運用に関するリスク当社は、中計において、国内金利上昇等の運用環境の好転を捉え、運用関係損益の持続的な増加を目指し、ポートフォリオの再構築を推進してまいります。併せて、インパクト投資の推進や産学連携により、資産運用を通じた社会課題の解決や次世代産業の柱となる企業の発掘にも貢献してまいります。他方、これらの資産運用は、国内金利や為替、株式・不動産等の価格変動、信用状況の悪化、地政学リスクの顕在化等の影響を受ける可能性があり、以下の①~③を始め、多様な資産運用リスクにさらされております。当社では、こうしたリスクに備え、保険契約の引受けによって生じる負債に見合った運用資産を適切に管理し、損益の安定を図るALM及び財務健全性の維持に配意したERMの高度化に取り組んでおります。また、定期的にストレステストを実施し、ストレス事象発生時の対応力を検証するとともに、特に資産運用力の強化に当たっては、審査やモニタリングの体制を強化しております。しかしながら、そうした対応が奏功しない場合や国内外の景気変動、各国の金融・財政政策の変更等により市場環境が想定を超える変動をした場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① 国内金利に関する市場リスク当社の資産構成は、円金利資産の割合が高く、当社の保険契約者に対する債務のデュレーションが運用資産より長期であるため、資産と負債のデュレーションのミスマッチによる国内金利の変動リスクを有しております。2024年3月の日本銀行によるマイナス金利政策解除以降、国内経済の緩やかな回復・物価の上昇傾向を映じ、国内金利は上昇していますが、幾分不安定な状況にあります。こうした金利環境の下では、資産運用利回りが上昇することにより、利息収入などの収益が向上するものの、既に保有している債券価格の下落により、評価損・減損損失や売却損が発生・拡大する可能性があります。一方、国内金利が現在の水準より低下した場合には、当初想定していた運用収益が確保できないあるいは逆ざや(資産運用ポートフォリオの平均運用利回りが既契約の責任準備金の積立に用いた予定利率を下回る現象)となる可能性があります。このように、国内金利の変動は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② ①以外の市場リスク当社は外貨建資産を保有しており、その一部については、為替リスクをヘッジするため為替予約等をしておりますが、為替リスクがヘッジされていない部分について、為替相場の変動が発生した場合や、為替リスクをヘッジしていたとしても、各国の金融・財政政策の動向等による国内外の金利差拡大によりヘッジコストが高まり、これまでの条件でロールによる為替予約等ができない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の金融・財政政策の変更や外国金利の変動により、当社の保有する外国証券の価値が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、国内外の経済状況又は市場環境の悪化等によって、当社の保有する株式の価格が下落した場合には、保有株式に評価損・減損損失や売却損等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産を含むオルタナティブ運用などの資産運用力の強化が期待した結果を生まない可能性があります。 ③ 信用リスク当社グループの取引先・投融資先・当社が保有する有価証券の発行者において、国内外の景気動向や特定の業種を取り巻く経営環境の変化、不祥事の発生等の不測の事態により、財政状態が悪化した場合には、信用リスク及び与信関係費用の増加又は当社が保有する有価証券の価値の下落等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、外国公社債運用などの資産運用力の強化が、期待した結果を生まない可能性があります。 (4) 市場流動性・資金繰りに関するリスク① 市場流動性リスク金融市場の混乱等により、市場において正常に金融商品の取引・資金決済ができなくなった場合や通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることになった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の金融市場及び経済状況の悪化等により、市場の流動性が減退した場合には、当社の保有する資産の売却可能性や価値が減少する可能性があります。 ② 資金繰りリスク大量の保険契約の解約に伴う解約返戻金支出の増加や巨大災害に伴う保険金支出の増加等により資金繰りが逼迫し、資金の確保のため通常の評価額よりも低い価格での資産売却を余儀なくされた場合や、保険金等の支払いが滞った場合には、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 Ⅲ 事業固有(1) 法制度及び各種規制に関するリスク① 郵政民営化法に基づく法規制等に関するリスク当社は、郵政民営化法及び関係政省令の下、金融庁及び総務省の監督下にあります。また、郵政民営化法により、内閣に設置された郵政民営化推進本部が運営する郵政民営化委員会から意見を述べられる場合があるとともに、他の日本の生命保険会社にはない業務制限規制が課されております(以下「上乗せ規制」といいます。詳細は「第1 企業の概況 3 事業の内容 (参考) 郵政民営化法による特例措置」に記載のとおりであります。)。これらの規制により、将来的に当社の競争力や収益機会がさらに制限された場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。このほか、日本は、WTO(World Trade Organization:世界貿易機関)の加盟国として「政府調達に関する協定を改正する議定書」を定めておりますが、この中で、公社を承継した機関には、この議定書に定められたルールが適用されるため、当社が物品等を調達する場合には、WTOによる政府調達のルールを遵守する必要があります。当社の作為又は不作為により、これらのルールを遵守できなかった場合には、調達行為が成立しないあるいは調達行為に遅れが生じる可能性があり、当初想定していた計画が実施できないなど、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 保険業法、その他関連業規制に関するリスク当社は日本の生命保険会社であり、保険業法及び関連業規制の下、他の日本の生命保険会社と同様に、金融庁による監督下にあります。保険業法は、内閣総理大臣(金融庁長官に権限委任)に対して、免許取消しや業務停止、報告徴求、会計記録等に関する厳格な立入り検査の実施等、保険業に係る広範な監督権限を与えております。また、保険業法に基づき、金融庁長官は、新商品の創設若しくは既存商品の改定に係る認可申請・届出が行われた場合に審査を行うこととされております。生命保険業免許は、当社の主要な事業活動の前提であり、当該免許に期限はなく、当連結会計年度末現在、免許取消事由等に該当する事象は発生していないと認識しておりますが、当該事象が発生した場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。保険業法その他の法令等により、業務の健全性・適切性の観点から重大な問題が認められる場合や特に重要なものに違反した場合には、報告徴求命令、業務改善命令、業務の全部若しくは一部の停止又は免許の取消しなどの行政処分を受ける可能性があります。なお、金融庁は保険代理店管理態勢に係る法令及び保険会社向けの総合的な監督指針等の改正を行っており(2026年6月1日施行。保険会社の代理店に対する指導等の実効性確保に関する監督指針の改正等、一部については、2025年8月28日適用。)、乗合代理店管理態勢を強化しています。当社では、保険会社(委託元)としての代理店管理を行う観点だけでなく、乗合代理店(受託者)としての観点からも、法令等改正に則した態勢整備を順次進めております。このほか、金融庁による保険業法上の認可が得られない、又は当社が想定するタイミングで認可がなされない、当社では取り扱いが難しいあるいは態勢整備に時間を要する商品を取り扱う競争力のある他保険会社を買収することが法令上認められない等の事由により、新商品を予定どおりの内容及びタイミングで販売できない場合、又は当該認可を得て新商品を販売した場合であっても外部要因等により想定した収益が確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。金融庁は、契約者保護、保険会社のリスク管理の高度化、消費者・市場関係者等への情報提供を目的として、国際的に活動する保険会社グループに適用する保険資本基準(ICS)に準じた経済価値ベースのソルベンシー規制を2026年3月末より導入しています。生命保険会社の健全性を判断する指標であるソルベンシー・マージン比率は、2026年3月期末より、本規制に基づいて算出されるものに改められますが、これは経済価値に基づく健全性指標であるため、市場環境の変動により大きく影響を受ける可能性があります。当社では、ソルベンシー・マージン比率を内部管理の重要な指標と位置づけ、金融庁が求める水準に比べて十分高い水準に維持する経営を進めております。しかしながら、このソルベンシー・マージン比率が金融庁の求める水準を下回った場合、内閣総理大臣による早期是正措置が発動される可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 日本郵便株式会社との関係に関するリスク① ユニバーサルサービスの提供に関するリスク日本郵便株式会社は、郵政民営化法上のユニバーサルサービスに係る規定を遵守するため、当社と生命保険募集・契約維持管理業務委託契約及び保険窓口業務契約を締結して当社の保険代理業務を受託し、全国の各郵便局において当社の商品及びサービスを提供しております(詳細は「5 重要な契約等」に記載のとおりであります。)。特に、保険窓口業務契約は期間の定めのない契約であり、本契約に定める特段の事情がない限り、当社から一方的に解除することはできないこととされております。また、当社の定款上、当社は日本郵便株式会社との間で、保険窓口業務契約を締結する旨の規定が存在し、当該契約を終了させる場合には当社の定款変更が必要となります。したがって、当社が日本郵便株式会社との間の保険窓口業務契約を終了させるには、これらの手続等を充足する必要があります。これらの契約により、日本郵便株式会社がユニバーサルサービスを提供する上での関連保険会社としての地位を維持する義務を負うため、当社の柔軟な事業展開が困難となる可能性があります。さらに、今後のユニバーサルサービスの確保に関する政府の施策、法令や規制等の改正等の内容によっては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、2018年12月に独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法の一部を改正する法律が施行され、従来は日本郵便株式会社と関連銀行・関連保険会社との間の契約に基づく委託手数料により賄われていた郵便局ネットワーク維持に要する費用のうち、ユニバーサルサービス確保のために不可欠な費用(日本郵便株式会社が負担すべき額を除く)は、同法に基づき、2020年3月期から、関連銀行・関連保険会社からの拠出金を原資として、郵政管理・支援機構から日本郵便株式会社に交付される交付金で賄われております。拠出金・交付金の額の算出の基礎となる当該不可欠な費用は、直近の郵便局ネットワークの維持の状況を基礎とした以下の費用の合計額として算定されます。ア 郵便局ネットワークを最小限度の規模の郵便局により構成するものとした場合における人件費、賃借料・工事費その他の郵便局の維持に要する費用、現金の輸送及び管理に要する費用、固定資産税・事業所税イ 簡易郵便局で郵政事業に係る基本的な役務が利用できるようにすることを確保するための最小限度の委託に要する費用当社が郵政管理・支援機構に支払う拠出金(2026年3月期に当社が支払った拠出額は576億円)は、当該不可欠な費用及び拠出金・交付金の算定等に係る郵政管理・支援機構の事務費用の合計額を、郵便窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務において見込まれる郵便局ネットワークの利用の度合いに応じて按分し、保険窓口業務に按分された費用です。このように、当社の拠出金額は関係法令に基づき郵政管理・支援機構が算定するため、当社の意向が反映されるものではありません。当社は、日本郵便株式会社がユニバーサルサービスを提供する上での関連保険会社として、当該拠出金を拠出する必要があり、これは当社特有の固定的事業費となります。郵政管理・支援機構により算定された当該不可欠な費用の額が当社の想定よりも多額である場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 日本郵便株式会社への委託手数料に関するリスク当社は、日本郵便株式会社と締結している生命保険募集・契約維持管理業務委託契約、保険窓口業務契約等及び代理店手数料規程等に基づき、日本郵便株式会社に対して委託手数料を支払っております。委託手数料には、日本郵便株式会社が当社に提供する業務に必要な経費単価に郵便局数等を乗じて算定するものや、保有契約の維持管理に必要なものなど、営業活動量に左右されず発生する固定的事業費となるものが含まれており、直ちに削減することができない可能性があるほか、当社からの委託業務に応じて費用が増加する可能性があります。当社は、上記に加え、各年度における当社グループの事業戦略と整合させた手数料の仕組みの導入を検討する場合があります。当該手数料の仕組みを含めた委託手数料体系の設定を適切に行わなかった場合には、当社グループへの信用が毀損する可能性や、新契約の実績又は保有契約の維持、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります(詳細は「5 重要な契約等 (参考)日本郵便株式会社に支払う委託手数料」に記載のとおりであります。)。 ③ 郵便局ネットワーク及び代理店管理に関するリスク当社の商品及びサービスの提供の多くは、郵便局ネットワークを通じて行われておりますが、近年はコミュニケーション手段の多様化により、生活に必要な様々なサービスがインターネット等によって簡便に利用できるようになっており、非対面サービスへのニーズが高まっております。これに伴う郵便局数及び郵便局の利用者数又は利用頻度の減少により、郵便局ネットワークの販売力や魅力が損なわれる場合には、当社の新契約の実績や保有契約の維持に影響を及ぼす可能性があります。当社は、郵便局ネットワークを補完又は一部代替する商品・サービスの提供手段を今後も検討・導入してまいりますが、これらの対応が奏功しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は、保険業法並びに日本郵便株式会社への生命保険募集・契約維持管理業務委託契約及び保険窓口業務契約に基づき、委託元として日本郵便株式会社の社員の保険窓口業務に関する教育等の代理店管理に係る責任を負っております。こうした中で、日本郵政グループにおける非公開金融情報の不適切利用事案や認可取得前勧誘事案が確認されました。当社は、これら事案の真因に対する理解を深め、再発防止策の実効性を確保するとともに、代理店管理の責任を負う保険会社として、委託業務全般における代理店管理態勢の実効性も確保してまいります。また、「(1) 法制度及び各種規制等に関するリスク ② 保険業法、その他関連業規制に関するリスク」に記載のとおり、金融庁は保険代理店管理態勢に係る法令等の改正を行っており、当社も順次態勢強化に取り組んでおります。しかしながら、かかる取り組みにもかかわらず代理店管理態勢が想定どおりに機能しない場合等には、当社の商品及びサービスの提供が期待どおりに行われない、予期せぬ損失を被る又は行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 日本郵政株式会社との関係に関するリスク① 日本郵政株式会社が議決権を保有することによる影響力及び他の一般株主との利益相反に関するリスク日本郵政株式会社の当社に対する議決権比率は、当連結会計年度末現在、49.7%となっておりますが、日本郵政株式会社は依然として、当社の役員の選解任、他社との合併等の組織再編、減資、定款の変更等の当社の株主総会決議の結果に影響を及ぼす可能性があります。また、日本郵政株式会社は、日本郵政グループの利益、ユニバーサルサービスの提供及び日本国政府による日本郵政株式会社株式の保有(日本国政府は、郵政民営化法に基づき、日本郵政株式会社の株式について3分の1を超える株式を保有する義務があり、2026年3月末現在において、日本郵政株式会社の議決権の38.0%程度を保有しております。)等の観点から、当社及び当社の一般株主の利益と異なる議決権の行使等を行う可能性があります。 さらに、日本郵政株式会社は、当社との業務委託関係その他の取引・契約関係等にあるほか、子会社等を通じて当社と競合し又は競合する可能性のある事業(当社以外の生命保険会社の商品の受託販売等)を行うなど、当社の一般株主と異なる利害関係を有しております。例えば、2018年12月に、日本郵政株式会社は、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社との間で、「資本関係に基づく戦略提携」に関する基本合意書を締結いたしました。この合意に基づき、日本郵政株式会社は、アフラック・インコーポレーテッドの普通株式の発行済株式総数の7%(2018年12月時点)を取得したほか、がん保険に関する取り組みの再確認、新たな協業の取り組みの検討を行うこととし、2021年6月には、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び当社は、アフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社と「資本関係に基づく戦略提携」をさらに発展させることに合意いたしました。2024年3月には、日本郵政株式会社がアフラック・インコーポレーテッドに持分法適用を行うこととし、2024年度からアフラック・インコーポレーテッドの利益の一部が日本郵政株式会社の連結業績に反映されております。また、日本郵政株式会社は、日本郵便株式会社及び楽天グループ株式会社との間で、物流、モバイル、DXなど様々な領域での連携を強化することを目的とした業務提携合意書を2021年3月に締結し、さらに2021年4月に、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行及び当社は、楽天グループ株式会社と業務提携合意書を改めて締結いたしました。これらの合意において、日本郵政株式会社は、保険分野での協業に関する協議・検討を行うこととしておりますが、協業の内容が当社グループの業績等に影響を及ぼすなど、当社及び当社の一般株主の利益と相反する可能性があります。なお、当社と日本郵政グループとの人的関係及び取引関係は、以下のとおりです。 a.日本郵政グループとの人的関係当社では、日本郵政グループの役員を兼任する役員が在職しており、そのうち、本書提出日現在において、主な日本郵政グループの役員を兼任する役員は下表のとおりであります。また、当社の経営会議には、経営会議の構成員である当社の常務以上の執行役及び業務を統轄する執行役を兼任している者を除き、原則、日本郵政株式会社の役員は出席しておりませんが、議題又は報告事項に応じて、出席が必要と当社が考える日本郵政株式会社の代表執行役に出席を要請することとしております。氏名当社における役職主な日本郵政グループにおける役職兼任の理由谷垣 邦夫取締役兼代表執行役社長日本郵政株式会社取締役(非常勤)グループの経営管理の実効性及び経営の効率性を高めるため大西 徹取締役兼代表執行役副社長日本郵政株式会社常務執行役(非常勤)国が資本金の3分の1以上を出資している法人である日本郵政株式会社として国会において当社に関する専門的な質問への答弁に対応するため根岸 一行(注)取締役(非常勤)日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長グループガバナンス強化のため (注) 同氏は、日本郵政株式会社の子会社である、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行の取締役(非常勤)も兼任しております。 当社の役員の状況については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況」に記載のとおりであります。また、当社は、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行との間で、出向者を受け入れて人事交流を行っておりますが、このうち、当社において事業運営に重要な影響を及ぼす役職に就いている者はおりません。 b.日本郵政グループとの取引当社は日本郵政グループに属する他社との取引を行っており、当連結会計年度における主な取引は以下のとおりであります。取引内容取引先金額(百万円)取引条件の決定方法等ブランド価値使用料の支払日本郵政株式会社1,852下記「② 日本郵政株式会社に対するブランド価値使用料に関するリスク」に記載のとおり。システム利用料の支払日本郵政株式会社1,648システムの提供に係る必要経費に、他企業の利益率を考慮して設定した一定の利益率を乗じた金額を、当社、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行がシステムの利用状況等に応じて負担。代理店業務に係る委託手数料の支払日本郵便株式会社 89,830各契約の保険金額及び保険料額に、保険種類ごとに設定した手数料率を乗じて算定した募集手数料、保険料の収納や保険金の支払事務など委託業務ごとに設定した業務単価に保有契約件数等を乗じて算定した維持・集金手数料等を支払。郵便料金等日本郵便株式会社5,227郵便料金は、約款に基づき、一般の顧客と同一料金で利用。日本郵便株式会社所有の建物の賃借日本郵便株式会社7,154賃料(共益費含む)は、積算法に準ずる方法により設定することで、妥当性を担保。窓口端末機使用料の支払株式会社ゆうちょ銀行1,250端末業務の取扱件数に応じて、当社と株式会社ゆうちょ銀行の分担割合を定めており、窓口端末機の保守費用のうち、当社の分担割合に応じた額を支払。 (注) 上記のほか、「Ⅲ 事業固有 (2) 日本郵便株式会社との関係に関するリスク ① ユニバーサルサービスの提供に関するリスク」に記載のとおり、郵便局ネットワーク維持に係る郵政管理・支援機構への拠出金の支払いが、2026年3月期において576億円あります。 なお、日本郵政グループに属する他社との取引条件の適切性を確保するため、新たに重要な取引を実施する場合や既存の重要な取引条件を変更する場合には、社外取締役を含む取締役会で決議する態勢を整備しております。 ② 日本郵政株式会社に対するブランド価値使用料に関するリスク当社は、「5 重要な契約等」に記載のとおり、日本郵政グループ内各社との間で「日本郵政グループ協定」等を締結しており、グループ運営を適切・円滑に行うために必要な事項や、法令等に基づき日本郵政株式会社による管理等が必要な事項については、日本郵政株式会社との事前協議又は日本郵政株式会社への報告の対象とされております。また、当社は日本郵政株式会社から「かんぽ生命」等の商標の使用を許諾されるとともに、日本郵政株式会社に対し、日本郵政グループが持つブランド力を当社の事業活動に活用できることによる利益の対価として、ブランド価値使用料を支払っております。なお、当社が日本郵政グループに属することにより享受するブランド価値は当社の業績に反映されるとの考え方に基づき、当該利益が反映された業績指標である前年度末時点の保有保険契約高に対して、一定の料率(0.0036%)を掛けて算出しており、この料率は、重大な経済情勢の変化等、特段の事情が生じない限り変更しないこととしております。また、ブランド価値使用料は、当社が日本郵政グループに属している限り、継続して支払うこととなり、当社が日本郵便株式会社法に定める関連保険会社としての業務を行っている間は、日本郵政株式会社の当社株式の保有割合にかかわらず、当該使用料の支払義務が継続いたします。これら協定等の終了又は見直し等により、現在の条件での商標の使用ができなくなった場合や、重大な経済情勢の変化等の特段の事情に起因してブランド価値使用料の算定方法が変更された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 日本郵政株式会社による当社株式の追加処分に関するリスク「Ⅲ 事業固有 (3) 日本郵政株式会社との関係に関するリスク ① 日本郵政株式会社が議決権を保有することによる影響力及び他の一般株主との利益相反に関するリスク」に記載のとおり、日本郵政株式会社の当社に対する議決権比率は、当連結会計年度末現在、49.7%となっておりますが、郵政民営化法上、日本郵政株式会社が保有する当社株式は、その全部を処分することを目指し、当社の経営状況及びユニバーサルサービスの提供への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に処分するものとされております。なお、本書提出日現在、当社株式の処分に係る規定を含む郵政民営化法の改正案が国会に提出されている状況です。こうした状況の中で、日本郵政株式会社は、当社株式について、郵政民営化法の趣旨、グループ経営の観点を踏まえて株式処分の検討を引き続き進める旨を公表しております。当社は、郵政民営化法に基づき、同業他社にはない上乗せ規制に服しておりますが、かかる規制は、(ⅰ)日本郵政株式会社が当社株式の全部を処分した場合や、(ⅱ)日本郵政株式会社が当社株式の2分の1以上を処分し、かつ、内閣総理大臣及び総務大臣が、他の金融機関等との間の適切な競争関係及び利用者への役務の適切な提供を阻害するおそれがないと認め、当該規制を適用しない旨を決定した場合に適用されなくなります。当連結会計年度末現在、日本郵政株式会社が保有する当社株式の保有割合は50%を下回っており、日本郵政株式会社は総務大臣に対し、当社株式の2分の1以上を処分した旨の届出を行っておりますが、現時点において上記(ⅱ)の決定は行われておらず、上乗せ規制がいつどのように撤廃されるかは、明らかでない状況にあります。かかる状況の中で、日本郵政株式会社による当社株式の売却が進まない場合には、上乗せ規制の撤廃が行われず、日本郵政株式会社及び当社が期待する経営の自由度の拡大等が実現しない可能性もあります。他方、仮に将来、日本郵政株式会社による当社株式の追加的な売却が行われた場合、又は当該売却により市場で流通する当社株式の数が増加し、需給が悪化するとの認識が市場で広まった場合には、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。加えて、日本郵政株式会社による当社株式の売却に伴い、当社が日本郵便株式会社との間で締結している生命保険募集・契約維持管理業務委託契約、保険窓口業務契約その他の契約の条件が当社に不利な内容に変更された場合や当該契約が終了した場合には、当社が郵便局ネットワークを利用できなくなるなど、当社の事業を従前どおり維持するために莫大なコストと時間等が必要となり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が日本郵政グループとの間で締結している日本郵政グループ協定及び日本郵政グループ商標管理協定、並びに当社が日本郵政株式会社との間で締結している日本郵政グループ運営に関する契約及びグループ商標管理契約について、当社が関連保険会社に該当しないこととなり、協定や契約そのものを適用しないこととなった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社は、日本国政府その他の公的機関から何らの保証その他の信用補完を受けておりませんが、日本郵政株式会社が当社の親会社ではなくなることに伴い、当社の経済的信用力が低下したという誤認や錯誤が社会に広く伝播した場合等には、社員採用活動への悪影響や、顧客その他の取引先による取引停止、取引量の減少、保険契約の解約、当社にとって不利な取引条件の変更等を誘発する可能性があります。 Ⅳ オペレーション(1)コンプライアンスに関するリスク、オペレーショナルリスク管理当社グループが業務を遂行していく過程には、コンプライアンス違反が発生するリスクやオペレーショナルリスクが存在し、内部及び外部の不法・不正行為、労務管理及び職場環境面での問題発生、顧客本位の業務運営への対応が不十分であることによる信用失墜、システム障害等に伴う事業中断、不適切な業務、保険金等の支払いに係る不備や業務態勢の逼迫、商標出願等の業務不備、代理店管理の不備、外部委託業務から生じる契約違反・問題発生等が生じる可能性があります。特に、当社の商品及びサービスの提供の多くは郵便局ネットワークを通じて行われており、そこでは当社の事業のみならず、銀行・物流のサービスも並行して提供されるため、これらのオペレーショナルリスクが顕在化する可能性が相対的に高く、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ① コンプライアンスに関するリスク当社グループは、保険業法及び郵政民営化法に基づき、金融庁及び総務省の監督下にあります。加えて、保険法、消費者契約法、個人情報の保護に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律等、生命保険契約を取り扱う事業者として、各種関係法令の遵守の義務を負っており、従来から「コンプライアンス・プログラム」を策定し、役員・社員への定期的なコンプライアンス研修、情報管理の徹底、犯罪防止やマネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策の強化等を通じ、法令遵守の徹底を図っております。しかしながら、役員・社員による作為若しくは不作為による法令等の違反が発生した場合や、法令等の違反を防止するための対策が効果を発揮しなかった場合には、当社グループの社会的信用及び事業に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は膨大な保険契約や業務委託・物品購入等の契約を締結しておりますが、契約の相手方による詐欺的行為の被害を受けた場合や、反社会的勢力との契約を締結した場合等には、当社グループの社会的信用及び事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループは、社員、代理店、業務委託先、保険契約者等による詐欺その他の不正による潜在的な損失リスクにさらされております。当社の社員及び代理店は、保険契約者との対話を通じて保険契約者の個人情報を保有しており、違法な販売手法、詐欺、なりすまし、個人情報の紛失・漏えい又は不適切な利用等が発生してしまう可能性があります。当社はこのような違法行為等を未然に防止し、又は発見するための対策を講じておりますが、当社の取り組みがこれらを排除できない場合には、当社グループの社会的信用及び事業に影響を及ぼす可能性があります。このように、当社グループは、保険法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等、各種の規制の適用を受けており、その改正、その執行に関する政府方針の変更等が行われることにより、新たな対応・費用が発生するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② コンダクトリスク当社グループは、募集品質問題等の反省を踏まえ、法令等の遵守のみならず、利用者視点を欠く行為など社会的な期待に反する行為によりお客さまをはじめとするステークホルダーの信頼を失い、その結果、企業価値を毀損するリスクを「コンダクトリスク」として定義し、コンプライアンス部門を統括部署として、全社的なリスク管理態勢の整備・強化を行っております。これにより、高いリスク感度をもってリスク情報を検知するとともに、社員一人ひとりに社会の期待に応える行動を定着させることで、保険募集プロセス及びその他業務全般におけるコンダクトリスクの顕在化を抑制してまいります。さらに、お客さま本位の理念に基づく行動規範等を策定し、郵便局等の営業現場まで浸透させるための研修を実施するなど、全社を挙げて、より一層のコンプライアンスの強化に取り組んでおりますが、これらの指導・教育が十分な効果を発揮しないこと等により、不適正な募集活動などの法令等の違反が発生した場合には、当社グループの社会的信用、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 保険募集プロセスにおける品質確保に関するリスク当社グループは、募集品質問題の発生を受け、お客さまからの信頼の早期回復、並びに保険募集プロセスにおける法令遵守及びお客さま本位の意識の徹底による募集品質の確保・向上を図ることを、最優先かつ着実に取り組んでまいりました。しかし、お客さまのご意向に沿わず不利益となる事例や法令違反・社内ルール違反となる事例、違反には至らなくともお客さまに適合する契約ではない事例やお客さまの契約に対するご理解が十分とはいえない事例、保険契約に対する苦情・無効申請が行われる事例が発生した場合には、当社グループの社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このように、今後、当社グループにおいて遵守すべき法令等の義務に反する行為が発生する場合、当該違反行為の規模や程度又は当社の取り組み状況によっては、監督当局から再度業務停止命令等の行政処分を受けるなど、当社グループの経営や事業の存続に影響を及ぼす可能性があります。なお、日本郵政グループにおける非公開金融情報の不適切利用事案や認可取得前勧誘事案の真因に対する理解を一段と深め、再発防止策の実効性を確保するとともに、保険募集プロセスにおける品質の確保・向上を図り、法令遵守及びお客さま本位の活動の徹底・実践を確保してまいります。 ④ サイバー攻撃に関するリスク当社の商品・サービス等の提供においては、DX推進及びAIの利活用が一段と進んでおり、それを支える業務・システムにおいては、クラウド等オープン環境の使用も増加しています。こうした中で、足もと、システムに対するサイバー攻撃手法は、一段と高頻度化・高度化・巧妙化・組織化しており、サイバーリスクは日々深刻化しております。加えて、かかるリスクは、委託先等の第三者を経由したサプライチェーンによるリスクとしても顕在化しており、社外情勢の変化に伴う地政学的リスクに起因するものを含め、さらに拡大・増加する可能性があります。このようなリスクを踏まえ、当社は、防御・検知の仕組みを組み合わせた多層防御の考え方に基づいた未然防止態勢及びサイバー攻撃発生時にセキュリティ専門組織であるかんぽCSIRT(シーサート:Computer Security Incident Response Team)により、被害拡大防止に向けた適切な対応等を実施する態勢を整備しております。さらに、経済安全保障やサプライチェーンリスクも勘案した情報セキュリティ管理態勢を整備するとともに、これらの土台となる全社的な情報リテラシーの向上及び情報管理ルールの徹底を図っております。加えて、サイバー攻撃に起因する危機が発生・長期化した場合に備え、通常の業務遂行態勢が困難となった場合の危機管理対応、お客さまを始めとする対外対応、代替手段による業務継続対応を改めて再確認し、必要な対策を強化・整備した上で訓練等を通じて、その実効性の確保に取り組んでおります。このように、当社は恒常的にサイバーセキュリティ対策の高度化に取り組んでおりますが、かかる対策にもかかわらず未知の脅威等により当社の情報システムが機能しなくなり、業務に多大な影響が生じることとなった場合には、影響範囲の調査・分析、復旧及び再発防止に時間と費用が生じることにより、当社グループの事業、社会的信用、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 情報漏えいに関するリスク当社グループは、事業を行う上で当社が直接に又は当社の代理店である日本郵便株式会社を通して、大量の情報を取得し保有しております。この情報には、保険契約者等の個人や法人のお客さまの情報のほか、業務上知り得た様々な内部情報が含まれます。その中でも、個人情報(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に定める個人番号を含む。以下同じ。)については、個人情報の保護に関する法律をはじめとする関係法等に基づき、適切な取扱いが求められております。特に、近年、企業・団体が保有する個人情報の漏えい・紛失等が多発しているほか、外部委託先においても当社グループが保有する個人情報の漏えいが発生しており、より厳格な管理が要求されております。当社グループでは、プライバシーポリシーを策定するとともに、情報管理に関する規程等を整備し、外部委託先を含め厳正な情報管理に努めております。また、働き方改革として在宅勤務を推進することに併せて、情報管理に関する注意喚起等を徹底しております。しかし、社員(退職者を含む)、代理店、業務委託先又はその他の者により、当社が保有する個人情報やその他重要な情報が外部に漏えい等し、損害賠償請求や行政調査、指導又は処分を受けることとなった場合には、かかる事案に対応するための時間及び費用が生じること、また、当社グループの社会的信用が失墜すること等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ システムリスク当社グループは、当社グループが保有するシステムだけでなく、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社及び株式会社ゆうちょ銀行が所有するシステム等も利用して生命保険の募集及び管理業務を行い、また、全国の郵便局や当社の各種拠点等と通信を行っており、情報システムは当社の事業にとって極めて重要な機能を担っております。かかる情報システムには、地震、噴火、津波、台風、洪水、大雪、火災等の自然災害やテロリズム等の外的要因に加えて、人的過失、事故、停電、システムの新規開発・更新における瑕疵、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵等により重大な障害や故障等が発生する可能性があります。こうしたシステム障害・故障等が生じた場合に備え、当社グループにおいては、基盤の多重化・冗長化等、障害等に強いシステムを構築するとともに、障害等が発生・長期化した場合に備え、危機管理対応、お客さまを始めとする対外対応、代替手段によるオペレーショナル・レジリエンス(業務の強じん性・復旧力)を改めて再確認し、必要な対策を強化・整備した上で訓練等を通じて、その実効性の確保に取り組んでおります。しかしながら、障害等を契機とする業務の停止・混乱及びそれに伴う損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損、これらに対する対応や対策のためのコスト等が発生することにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 訴訟等に関するリスク当社グループは、事業の遂行に関して、訴訟その他の法的手続が提起又は開始されるリスクを有しております。また、保険契約者等から訴訟を提起される可能性や、人事処遇、勤務管理、ハラスメントなどの人事労務上の問題、職場の安全衛生管理上の問題等に関連する訴訟等を当社グループの社員等から提起される可能性もあります。当社に対する新たな訴訟が提起された場合、その解決には相当の時間及び費用を要する可能性があります。また、社会的関心・影響の大きな事象についての訴訟等が発生し、当社に対して損害賠償の支払いが命じられる等、不利益となる判断がなされた場合には、当社グループの社会的信用、事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 風評・風説等に関するリスク当社グループが行っている事業全般に対する風評・風説が、報道機関・市場関係者への情報伝播、インターネット上の掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービスへの書き込み等により拡散し、報道機関により否定的報道が行われる場合や、AIの悪用等により、当社グループが提供するサービスの公益性、事業規模、社会における認知度・注目度等を背景に、当該風評・風説、報道等が事実に基づくか否かにかかわらず、顧客や市場関係者等から否定的理解・認識をされる可能性や、強い批判を受ける可能性があり、それにより、商品・サービス、事業のイメージ・社会的信用がさらに毀損し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) コンプライアンスに関するリスク、リスク管理の有効性に関するリスク当社グループは、内部統制の基本方針の下、コンプライアンス及びリスク管理に関する規程を定め、コンプライアンス及びリスク管理態勢を整備し、法令等の遵守管理並びに保険引受リスク、資産運用リスク、市場流動性リスク、資金繰りリスク及びオペレーショナルリスクの全般の管理を実施しております。当社グループの保険引受リスク、資産運用リスク、市場流動性リスク及び資金繰りリスク等のリスク管理は、過去の経験・データに基づき構築されておりますが、必ずしも将来発生するリスクを正確に予測することができないため、新しい業務分野への進出や外部環境の変化等により、リスク管理が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループがリスク管理の方針及び手続を策定する際、参考又は前提とした情報が正確性、完全性又は合理性を欠く可能性があります。さらに、当社グループのコンプライアンス及びリスク管理においては、膨大な取引や事象の適切な記録、審査、調査等に係る方針及び手続の有効性や効率性等が重要ですが、今後、かかる方針や手続が必ずしも有効に機能しない可能性があります。加えて、コンプライアンス及びリスク管理の実施及びその遵守状況の監督