有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。また、当該事項については、取締役会等の社内会議体で合理的な根拠に基づき適切な検討を行ったものです。これらの記載は実際の結果と異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 2030年度に向けた主な取組み<連結売上収益目標>2030年度の経営目標を売上収益8兆円、営業利益8,000億円、営業利益率10%、ROE13%としました。BEV比率の増加や労務費の上昇、原材料費が高騰する中でもしっかりと収益体質を改善させ、2030年代前半にはROE15%を達成することを見据えながら、必要な投資を進めていきます。 <各事業>○四輪事業それぞれの国、地域のエネルギー事情等に応じて、お客様がご自身に合った商品を選んでいただけるよう、BEV・HEV・CNG(CBG)車・エタノール混合燃料対応車(FFV、E20)などの商品を投入していきます。※パワートレイン比率は2030年度時点(2025年2月公表の中期経営計画から抜粋)(注)BEV:バッテリーEVHEV:マイルドハイブリッド、ストロングハイブリッド、シリーズハイブリッド、プラグインハイブリッドの組み合わせを含む合計CNG:圧縮天然ガス、CBG:圧縮バイオメタンガス、FFV:フレックス燃料車、E20:エタノール20%混合 日本スズキにとって成長市場と捉えています。登録車販売を伸ばし、収益を高めていきます。お客様と社会に必要とされる会社となることを目指し、日常の足として軽自動車をお使いのお客様の生活を守っていきます。商品に込めた想い、こだわりを丁寧に発信し、お客様が感じるスズキの価値を向上させ、商品価値に見合う、適正な価格で商品を販売していきます。また、お客様に寄り添った営業活動により、新たなお客様の獲得、代替の増加、サービス売上の増加により利益を増やし、お客様とともに成長していきます。 インド今後も成長が続くスズキにとっての最重要市場です。自動車のリーディングカンパニーとしてシェア50%、BEVの生産・販売・輸出1位を目指します。SUVやMPVセグメントでの商品力を強化しつつ、中間層のお客様が初めて購入する車として、エントリーモデルの開発にも注力します。インド各地の事情に合わせて、BEV・HEV・CNG(CBG)車・FFVなど選択肢を示していきます。そのためにも、お客様との物理的な距離が近いマルチ・スズキの商品企画・開発能力を向上させ、インドのお客様の嗜好に合った商品をタイムリーに提供する体制にしていきます。販売については、NEXA店を上級志向、ARENA店を幅広いお客様向けとして、役割を明確化し2つのチャネルをさらに磨きあげていきます。 欧州要求性能が極めて高く、先進的な環境・安全規制が導入される市場です。欧州のお客様が必要とする商品を供給することで、スズキの技術・製品を磨いていきます。インド生産のモデルも活用し、必要な商品ラインアップを揃え、販売・サービス網を維持していきます。また、デジタルを活用した営業活動強化も進めていきます。 中東・アフリカ大きな成長可能性を秘めた市場です。インドと地理的な距離が近く、道路事情などお客様のニーズがインドと似ているため、インド製モデルを活用して開拓し、販売・利益を増やすことを目指します。スズキの得意とする小型車の需要が見込める国で、お客様満足度の向上を図りながら、販売増を目指します。 アジア(インドを除く)ASEAN市場については、インドネシアを中心に事業を再構築し販売台数を伸ばすことを目指します。インドネシアの生産・販売のボリュームを増やし、競争力の高い商品をインドネシアからASEAN各国に供給できる体制を構築していきます。高いシェアを持つパキスタンでは、さらなる事業規模拡大を進めることに取り組みます。パキスタンでは、日本の軽自動車が受け入れられていますので、軽自動車のグローバル化の一拠点として、商品ラインアップを充実させ、スズキの強みである販売網も駆使して、拡販していきます。 中南米・大洋州中南米では、小型SUVのさらなる拡販をしていきます。インド製商品を拡充し、より市場における競争力を高めていきます。大洋州では、低燃費商品の拡充をしていきます。各国で進む燃費規制の動向を踏まえ、スズキらしい“小型で低燃費”の機種を売り込むことで、スズキの存在感を高めていきます。 ○二輪事業妥協しない商品づくりを通じてお客様が求める「価値ある製品」を提供し、作り手の想いを伝え、お客様の信頼獲得を推進していきます。欧米を中心とした趣味嗜好で使用する商品とインド等の市場で生活の足、業務に使用する商品に層別し、商品づくりや販売・サービス活動を強化していきます。 ○マリン事業世界中のお客様に耐久性と信頼性に優れた製品を提供し、お客様にとって、水上の「楽しむ」と「働く」を支える頼れるパートナーとなれるよう取り組みます。「楽しむ」お客様と、「働く」お客様とで層別し、商品づくりや販売・サービス活動を行います。マイクロプラスチック回収装置などマリンのお客様の大切な場所である水辺の環境を整備する活動にも力を入れていきます。技術について、カーボンニュートラルに取り組むのはもちろんのこと、船体の統合制御、操作支援の技術開発、商品化も進め、お客様が求める、より高い価値を提供していきます。 ○新事業既存事業の強みを活かし、サービスモビリティやエネルギー分野で新規事業を立ち上げ、事業規模の拡大と収益化を目指します。スズキに足りない技術やノウハウは、他社との積極的な協業により実現していきます。スズキの強みを生かし、インドの社会課題を解決することでともに成長する取組みであるバイオガス事業では、牛糞からバイオメタン、CBGを精製し、エネルギーが乏しいルーラルエリアの方の生活・炊事に、また、CNG(CBG)車の燃料として使っていただき、移動の自由を提供する取組みを推進していきます。 <技術戦略>地球に寄り添う技術哲学「エネルギー極少化」で技術を磨き、人に寄り添う技術で、モビリティの本質価値を極大化し、By Your Sideで日々の移動における社会課題を解決する製品・サービスを提供していきます。上記実現のため、全ての基本として全体を支える「軽くて安全な車体」、お客様の用途に合わせた適所適材な「バッテリーリーンなBEVとHEV」、「効率良いICEとCNF技術の組み合わせ」、アフォーダブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」、サーキュラーエコノミーに向けた「リサイクルしやすい易分解設計」、CO2を吸い取る技術「カーボンネガティブ」、これらを6つの柱として技術開発を進めます。 (注)ICE:ガソリン等を燃料としたエンジン(内燃機関) CNF技術:バイオエタノールやCBGなどカーボンニュートラル燃料を少量で上手く燃やす技術 SDV:ソフトウエアの追加・更新により販売後にも機能を拡張・変更できる自動車 <カーボンニュートラル>事業活動からのCO2排出[Scope1,2]について、グローバル(インド含む)で2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に取り組みます。パリ協定の1.5℃水準に沿った目標に移行し、中間目標として、総量で2030年度に2022年度比42%削減を目指します。 <研究開発・設備投資>収益性・効率性を改善させ投資資金を最大限確保し、積極的に成長投資を実行していきます。企業価値を最大化できるように、外部状況に応じて柔軟に経営資源を適所適材に振り分けていきます。成長投資は主にインドの需要拡大に応える生産能力増強とエネルギー極少化に向けた技術開発に取り組みます。具体的には、成長投資として、2030年度までに、設備投資に2兆円、研究開発費に2兆円、あわせて4兆円を計画しており、設備投資のうちインド関連で1兆2,000億円、研究開発費のうちエネルギー極少化に向けたもので1兆3,500億円を計画しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。また、当該事項については、取締役会等の社内会議体で合理的な根拠に基づき適切な検討を行ったものです。これらの記載は実際の結果と異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 2030年度に向けた主な取組み<連結売上収益目標>2030年度の経営目標を売上収益8兆円、営業利益8,000億円、営業利益率10%、ROE13%としました。BEV比率の増加や労務費の上昇、原材料費が高騰する中でもしっかりと収益体質を改善させ、2030年代前半にはROE15%を達成することを見据えながら、必要な投資を進めていきます。 <各事業>○四輪事業それぞれの国、地域のエネルギー事情等に応じて、お客様がご自身に合った商品を選んでいただけるよう、BEV・HEV・CNG(CBG)車・エタノール混合燃料対応車(FFV、E20)などの商品を投入していきます。※パワートレイン比率は2030年度時点(2025年2月公表の中期経営計画から抜粋)(注)BEV:バッテリーEVHEV:マイルドハイブリッド、ストロングハイブリッド、シリーズハイブリッド、プラグインハイブリッドの組み合わせを含む合計CNG:圧縮天然ガス、CBG:圧縮バイオメタンガス、FFV:フレックス燃料車、E20:エタノール20%混合 日本スズキにとって成長市場と捉えています。登録車販売を伸ばし、収益を高めていきます。お客様と社会に必要とされる会社となることを目指し、日常の足として軽自動車をお使いのお客様の生活を守っていきます。商品に込めた想い、こだわりを丁寧に発信し、お客様が感じるスズキの価値を向上させ、商品価値に見合う、適正な価格で商品を販売していきます。また、お客様に寄り添った営業活動により、新たなお客様の獲得、代替の増加、サービス売上の増加により利益を増やし、お客様とともに成長していきます。 インド今後も成長が続くスズキにとっての最重要市場です。自動車のリーディングカンパニーとしてシェア50%、BEVの生産・販売・輸出1位を目指します。SUVやMPVセグメントでの商品力を強化しつつ、中間層のお客様が初めて購入する車として、エントリーモデルの開発にも注力します。インド各地の事情に合わせて、BEV・HEV・CNG(CBG)車・FFVなど選択肢を示していきます。そのためにも、お客様との物理的な距離が近いマルチ・スズキの商品企画・開発能力を向上させ、インドのお客様の嗜好に合った商品をタイムリーに提供する体制にしていきます。販売については、NEXA店を上級志向、ARENA店を幅広いお客様向けとして、役割を明確化し2つのチャネルをさらに磨きあげていきます。 欧州要求性能が極めて高く、先進的な環境・安全規制が導入される市場です。欧州のお客様が必要とする商品を供給することで、スズキの技術・製品を磨いていきます。インド生産のモデルも活用し、必要な商品ラインアップを揃え、販売・サービス網を維持していきます。また、デジタルを活用した営業活動強化も進めていきます。 中東・アフリカ大きな成長可能性を秘めた市場です。インドと地理的な距離が近く、道路事情などお客様のニーズがインドと似ているため、インド製モデルを活用して開拓し、販売・利益を増やすことを目指します。スズキの得意とする小型車の需要が見込める国で、お客様満足度の向上を図りながら、販売増を目指します。 アジア(インドを除く)ASEAN市場については、インドネシアを中心に事業を再構築し販売台数を伸ばすことを目指します。インドネシアの生産・販売のボリュームを増やし、競争力の高い商品をインドネシアからASEAN各国に供給できる体制を構築していきます。高いシェアを持つパキスタンでは、さらなる事業規模拡大を進めることに取り組みます。パキスタンでは、日本の軽自動車が受け入れられていますので、軽自動車のグローバル化の一拠点として、商品ラインアップを充実させ、スズキの強みである販売網も駆使して、拡販していきます。 中南米・大洋州中南米では、小型SUVのさらなる拡販をしていきます。インド製商品を拡充し、より市場における競争力を高めていきます。大洋州では、低燃費商品の拡充をしていきます。各国で進む燃費規制の動向を踏まえ、スズキらしい“小型で低燃費”の機種を売り込むことで、スズキの存在感を高めていきます。 ○二輪事業妥協しない商品づくりを通じてお客様が求める「価値ある製品」を提供し、作り手の想いを伝え、お客様の信頼獲得を推進していきます。欧米を中心とした趣味嗜好で使用する商品とインド等の市場で生活の足、業務に使用する商品に層別し、商品づくりや販売・サービス活動を強化していきます。 ○マリン事業世界中のお客様に耐久性と信頼性に優れた製品を提供し、お客様にとって、水上の「楽しむ」と「働く」を支える頼れるパートナーとなれるよう取り組みます。「楽しむ」お客様と、「働く」お客様とで層別し、商品づくりや販売・サービス活動を行います。マイクロプラスチック回収装置などマリンのお客様の大切な場所である水辺の環境を整備する活動にも力を入れていきます。技術について、カーボンニュートラルに取り組むのはもちろんのこと、船体の統合制御、操作支援の技術開発、商品化も進め、お客様が求める、より高い価値を提供していきます。 ○新事業既存事業の強みを活かし、サービスモビリティやエネルギー分野で新規事業を立ち上げ、事業規模の拡大と収益化を目指します。スズキに足りない技術やノウハウは、他社との積極的な協業により実現していきます。スズキの強みを生かし、インドの社会課題を解決することでともに成長する取組みであるバイオガス事業では、牛糞からバイオメタン、CBGを精製し、エネルギーが乏しいルーラルエリアの方の生活・炊事に、また、CNG(CBG)車の燃料として使っていただき、移動の自由を提供する取組みを推進していきます。 <技術戦略>地球に寄り添う技術哲学「エネルギー極少化」で技術を磨き、人に寄り添う技術で、モビリティの本質価値を極大化し、By Your Sideで日々の移動における社会課題を解決する製品・サービスを提供していきます。上記実現のため、全ての基本として全体を支える「軽くて安全な車体」、お客様の用途に合わせた適所適材な「バッテリーリーンなBEVとHEV」、「効率良いICEとCNF技術の組み合わせ」、アフォーダブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」、サーキュラーエコノミーに向けた「リサイクルしやすい易分解設計」、CO2を吸い取る技術「カーボンネガティブ」、これらを6つの柱として技術開発を進めます。 (注)ICE:ガソリン等を燃料としたエンジン(内燃機関) CNF技術:バイオエタノールやCBGなどカーボンニュートラル燃料を少量で上手く燃やす技術 SDV:ソフトウエアの追加・更新により販売後にも機能を拡張・変更できる自動車 <カーボンニュートラル>事業活動からのCO2排出[Scope1,2]について、グローバル(インド含む)で2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に取り組みます。パリ協定の1.5℃水準に沿った目標に移行し、中間目標として、総量で2030年度に2022年度比42%削減を目指します。 <研究開発・設備投資>収益性・効率性を改善させ投資資金を最大限確保し、積極的に成長投資を実行していきます。企業価値を最大化できるように、外部状況に応じて柔軟に経営資源を適所適材に振り分けていきます。成長投資は主にインドの需要拡大に応える生産能力増強とエネルギー極少化に向けた技術開発に取り組みます。具体的には、成長投資として、2030年度までに、設備投資に2兆円、研究開発費に2兆円、あわせて4兆円を計画しており、設備投資のうちインド関連で1兆2,000億円、研究開発費のうちエネルギー極少化に向けたもので1兆3,500億円を計画しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営成績当連結会計年度の業績は、売上収益は6兆2,930億円となり前期に比べ4,678億円(8.0%)増加しました。これは主に、インドにおけるGST(物品・サービス税)改定を背景に市場環境が想定以上に活発化する中、生産及び物流体制を柔軟に見直し、需要増に迅速に対応した結果、販売が堅調に推移したことによるものです。営業利益は6,229億円となり前期に比べ199億円(3.1%)減少しました。原材料価格上昇を販売台数の増加や車種構成の改善、原価低減等の稼ぐ力の向上による増益効果が上回ったものの、持続的な成長に向けた人財や技術への投資を拡大したことから減益となりました。税引前利益は7,307億円となり前期に比べ5億円(0.1%)増加しました。為替差益など金融収益が改善したことにより、営業利益の減少を一定程度補う結果となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、4,393億円となり前期に比べ232億円(5.6%)増加しました。 当社は中期経営計画において、2030年度に売上高8兆円、営業利益率10.0%、ROE13.0%の達成を目標としています。当連結会計年度においては、営業利益率9.9%、ROE13.8%となり、中期経営計画初年度としては、概ね計画に沿った水準を確保することができました。引き続き、売上及び営業利益の拡大と資本効率を重視しつつ、中長期的な企業価値の向上に取り組んでいきます。 事業別セグメントの業績は、次のとおりです。 ① 四輪事業 売上収益は5兆7,064億円と前期に比べ4,012億円(7.6%)増加しました。営業利益は5,476億円と前期に比べ200億円(3.5%)減少しました。 ② 二輪事業 売上収益は4,545億円と前期に比べ564億円(14.2%)増加しました。営業利益は448億円と前期に比べ39億円(9.7%)増加しました。インド、コロンビアなどで販売が伸びたことが増収増益に寄与しました。 ③ マリン事業 売上収益は1,195億円と前期に比べ98億円(8.9%)増加しました。営業利益は266億円と前期に比べ40億円(13.0%)減少しました。主に、米国関税の影響により、減益となりました。 ④ その他事業 売上収益は126億円と前期に比べ5億円(3.9%)増加しました。営業利益は39億円と前期に比べ1億円(2.0%)増加しました。 生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。 ① 生産実績セグメントの名称当連結会計年度(千台)前年比(%)四輪事業3,533+7.2二輪事業1,765+15.4マリン事業109△0.4 ② 受注実績当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注生産について該当事項はありません。 ③ 販売実績セグメントの名称当連結会計年度(億円)前年比(%)四輪事業57,064+7.6二輪事業4,545+14.2マリン事業1,195+8.9その他事業126+3.9合計62,930+8.0 (注) 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。 (2) 財政状態当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産は、6兆6,368億円(前期末比6,432億円)となりました。負債は、2兆4,837億円(前期末比1,781億円増加)となりました。借入金につきましては、世界情勢の不安定さを踏まえ、現在の借入水準を当面維持していく考えです。資本は、4兆1,531億円(前期末比4,650億円増加)となりました。これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は51.0%(前期末:49.6%)となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュフローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は9,733億円となり、前連結会計年度末に比べ1,306億円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は、7,175億円(前期は6,698億円の増加)となりました。主な要因は、税引前利益7,307億円等です。 (ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は、4,995億円(前期は4,756億円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出3,774億円等です。 (ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の減少は、1,273億円(前期は1,860億円の減少)となりました。主な要因は、親会社の所有者への配当金の支払額830億円、及び非支配持分への配当金の支払額306億円等です。 ② 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、2025年2月に発表した中期経営計画のなかで、2026年3月期から2031年3月期の6年間のキャピタル・アロケーションを示しました(下図参照)。資金使途に関しては、主に設備投資と研究開発費の成長投資に計4兆円を配分し、中期経営計画の実現を通して企業価値を向上させていく考えです。財源に関しては、主に営業活動から得る現金により調達していく考えです。外部調達に関しては、資金調達の多様化の観点から様々な手法を検討しており、そのひとつとして社債発行枠2,000億円を設定しています。当社グループの資金の流動性管理にあたっては、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保する方針としています。また、国内及び欧州においてはキャッシュプールシステムを通してグループ内で機動的に対応できる体制を構築しています。加えて、当社は取引銀行6行と総額3,000億円のコミットメントライン契約を締結しています。なお、当連結会計年度末においてコミットメントラインは未使用となっています。 当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は9,733億円(連結ベース)です。更にこれとは別に、インドの子会社マルチ・スズキ・インディア社では営業活動から得た現金を主にオープンエンドの投資信託にて運用しており、その残高は約1兆円規模であり、十分な流動性を確保しています。今後の主な設備投資としてインドでの四輪車の生産能力増強投資がありますが、マルチ・スズキ・インディア社の資金にて実施していく考えです。また、当社グループは国内格付機関である格付投資情報センターから格付を取得しており、当報告書提出日現在における格付は「シングルAプラス(安定的)」となっています。 (ご参考)中期経営計画スライド資料 37ページ「キャピタル・アロケーション」 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものの内容及び金額は「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。また、当該事項については、取締役会等の社内会議体で合理的な根拠に基づき適切な検討を行ったものです。これらの記載は実際の結果と異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 2030年度に向けた主な取組み<連結売上収益目標>2030年度の経営目標を売上収益8兆円、営業利益8,000億円、営業利益率10%、ROE13%としました。BEV比率の増加や労務費の上昇、原材料費が高騰する中でもしっかりと収益体質を改善させ、2030年代前半にはROE15%を達成することを見据えながら、必要な投資を進めていきます。 <各事業>○四輪事業各国の規制に対応すべく、適切なBEVモデルを投入していきます。それぞれの国、地域のエネルギー事情等に応じて、お客様がご自身に合った商品を選んでいただけるよう、CNG(CBG)車・エタノール混合燃料対応車(FFV、E20)などの商品も投入していきます。 (注)CNG:圧縮天然ガス、CBG:圧縮バイオメタンガス、FFV:フレックス燃料車、E20:エタノール20%混合 日本スズキにとって成長市場と捉えています。登録車販売を伸ばし、収益を高めていきます。お客様と社会に必要とされる会社となることを目指し、日常の足として軽自動車をお使いのお客様の生活を守っていきます。商品に込めた想い、こだわりを丁寧に発信し、お客様が感じるスズキの価値を向上させ、商品価値に見合う、適正な価格で商品を販売していきます。また、お客様に寄り添った営業活動により、新たなお客様の獲得、代替の増加、サービス売上の増加により利益を増やし、お客様とともに成長していきます。 インド今後も成長が続くスズキにとっての最重要市場です。自動車のリーディングカンパニーとしてシェア50%、BEVの生産・販売・輸出1位を目指します。SUVやMPVセグメントでの商品力を強化しつつ、中間層のお客様が初めて購入する車として、エントリーモデルの開発にも注力します。インド各地の事情に合わせて、BEV・HEV・CNG(CBG)車・FFVなど選択肢を示していきます。そのためにも、お客様との物理的な距離が近いマルチ・スズキの商品企画・開発能力を向上させ、インドのお客様の嗜好に合った商品をタイムリーに提供する体制にしていきます。販売については、NEXA店を上級志向、ARENA店を幅広いお客様向けとして、役割を明確化し2つのチャネルをさらに磨きあげていきます。 欧州要求性能が極めて高く、先進的な環境・安全規制が導入される市場です。欧州のお客様が必要とする商品を供給することで、スズキの技術・製品を磨いていきます。インド生産のモデルも活用し、必要な商品ラインアップを揃え、販売・サービス網を維持していきます。また、デジタルを活用した営業活動強化も進めていきます。 中東・アフリカ大きな成長可能性を秘めた市場です。インドと地理的な距離が近く、道路事情などお客様のニーズがインドと似ているため、インド製モデルを活用して開拓し、販売・利益を増やすことを目指します。スズキの得意とする小型車の需要が見込める国で、お客様満足度の向上を図りながら、販売増を目指します。 アジア(インドを除く)ASEAN市場については、インドネシアを中心に事業を再構築し販売台数を伸ばすことを目指します。インドネシアの生産・販売のボリュームを増やし、競争力の高い商品をインドネシアからASEAN各国に供給できる体制を構築していきます。45%のシェアを持つパキスタンでは、さらなる事業規模拡大を進めることに取り組みます。パキスタンでは、日本の軽自動車が受け入れられていますので、軽自動車のグローバル化の一拠点として、商品ラインアップを充実させ、スズキの強みである販売網も駆使して、拡販していきます。 中南米・大洋州中南米では、小型SUVのさらなる拡販をしていきます。インド製商品を拡充し、より市場における競争力を高めていきます。大洋州では、低燃費商品の拡充をしていきます。各国で進む燃費規制の動向を踏まえ、スズキらしい“小型で低燃費”の機種を売り込むことで、スズキの存在感を高めていきます。 ○二輪事業妥協しない商品づくりを通じてお客様が求める「価値ある製品」を提供し、作り手の想いを伝え、お客様の信頼獲得を推進していきます。欧米を中心とした趣味嗜好で使用する商品とインド等の市場で生活の足、業務に使用する商品に層別し、商品づくりや販売・サービス活動を強化していきます。 ○マリン事業世界中のお客様に耐久性と信頼性に優れた製品を提供し、お客様にとって、水上の「楽しむ」と「働く」を支える頼れるパートナーとなれるよう取り組みます。「楽しむ」お客様と、「働く」お客様とで層別し、商品づくりや販売・サービス活動を行います。マイクロプラスチック回収装置などマリンのお客様の大切な場所である水辺の環境を整備する活動にも力を入れていきます。技術について、カーボンニュートラルに取り組むのはもちろんのこと、船体の統合制御、操作支援の技術開発、商品化も進め、お客様が求める、より高い価値を提供していきます。 ○新事業既存事業の強みを活かし、サービスモビリティやエネルギー分野で新規事業を立ち上げ、事業規模の拡大と収益化を目指します。スズキに足りない技術やノウハウは、他社との積極的な協業により実現していきます。スズキの強みを生かし、インドの社会課題を解決することでともに成長する取組みであるバイオガス事業では、牛糞からバイオメタン、CBGを精製し、エネルギーが乏しいルーラルエリアの方の生活・炊事に、また、CNG(CBG)車の燃料として使っていただき、移動の自由を提供する取組みを推進していきます。 <技術戦略>製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現し、世界中の人々に移動する喜びをご提供しつつ、カーボンニュートラルな世界を目指します。上記実現のため、全ての基本として全体を支える「軽くて安全な車体」、お客様の用途に合わせた適所適材な「バッテリーリーンなBEVとHEV」、「効率良いICEとCNF技術の組み合わせ」、アフォーダブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」、サーキュラーエコノミーに向けた「リサイクルしやすい易分解設計」、これらを5つの柱として技術開発を進めます。(注)ICE:ガソリン等を燃料としたエンジン(内燃機関) CNF技術:バイオエタノールやCBGなどカーボンニュートラル燃料を少量で上手く燃やす技術 SDV:ソフトウエアの追加・更新により販売後にも機能を拡張・変更できる自動車 <カーボンニュートラル>事業活動からのCO2排出[Scope1,2]について、グローバル(インド含む)で2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に取り組みます。パリ協定の1.5℃水準に沿った目標に移行し、中間目標として、総量で2030年度に2022年度比42%削減を目指します。 <研究開発・設備投資>収益性・効率性を改善させ投資資金を最大限確保し、積極的に成長投資を実行していきます。企業価値を最大化できるように、外部状況に応じて柔軟に経営資源を適所適材に振り分けていきます。成長投資は主にインドの需要拡大に応える生産能力増強とエネルギー極少化に向けた技術開発に取り組みます。具体的には、成長投資として、2030年度までに、設備投資に2兆円、研究開発費に2兆円、あわせて4兆円を計画しており、設備投資のうちインド関連で1兆2,000億円、研究開発費のうちエネルギー極少化に向けたもので1兆3,500億円を計画しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。また、当該事項については、取締役会等の社内会議体で合理的な根拠に基づき適切な検討を行ったものです。これらの記載は実際の結果と異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 2030年度に向けた主な取組み<連結売上収益目標>2030年度の経営目標を売上収益8兆円、営業利益8,000億円、営業利益率10%、ROE13%としました。BEV比率の増加や労務費の上昇、原材料費が高騰する中でもしっかりと収益体質を改善させ、2030年代前半にはROE15%を達成することを見据えながら、必要な投資を進めていきます。 <各事業>○四輪事業各国の規制に対応すべく、適切なBEVモデルを投入していきます。それぞれの国、地域のエネルギー事情等に応じて、お客様がご自身に合った商品を選んでいただけるよう、CNG(CBG)車・エタノール混合燃料対応車(FFV、E20)などの商品も投入していきます。 (注)CNG:圧縮天然ガス、CBG:圧縮バイオメタンガス、FFV:フレックス燃料車、E20:エタノール20%混合 日本スズキにとって成長市場と捉えています。登録車販売を伸ばし、収益を高めていきます。お客様と社会に必要とされる会社となることを目指し、日常の足として軽自動車をお使いのお客様の生活を守っていきます。商品に込めた想い、こだわりを丁寧に発信し、お客様が感じるスズキの価値を向上させ、商品価値に見合う、適正な価格で商品を販売していきます。また、お客様に寄り添った営業活動により、新たなお客様の獲得、代替の増加、サービス売上の増加により利益を増やし、お客様とともに成長していきます。 インド今後も成長が続くスズキにとっての最重要市場です。自動車のリーディングカンパニーとしてシェア50%、BEVの生産・販売・輸出1位を目指します。SUVやMPVセグメントでの商品力を強化しつつ、中間層のお客様が初めて購入する車として、エントリーモデルの開発にも注力します。インド各地の事情に合わせて、BEV・HEV・CNG(CBG)車・FFVなど選択肢を示していきます。そのためにも、お客様との物理的な距離が近いマルチ・スズキの商品企画・開発能力を向上させ、インドのお客様の嗜好に合った商品をタイムリーに提供する体制にしていきます。販売については、NEXA店を上級志向、ARENA店を幅広いお客様向けとして、役割を明確化し2つのチャネルをさらに磨きあげていきます。 欧州要求性能が極めて高く、先進的な環境・安全規制が導入される市場です。欧州のお客様が必要とする商品を供給することで、スズキの技術・製品を磨いていきます。インド生産のモデルも活用し、必要な商品ラインアップを揃え、販売・サービス網を維持していきます。また、デジタルを活用した営業活動強化も進めていきます。 中東・アフリカ大きな成長可能性を秘めた市場です。インドと地理的な距離が近く、道路事情などお客様のニーズがインドと似ているため、インド製モデルを活用して開拓し、販売・利益を増やすことを目指します。スズキの得意とする小型車の需要が見込める国で、お客様満足度の向上を図りながら、販売増を目指します。 アジア(インドを除く)ASEAN市場については、インドネシアを中心に事業を再構築し販売台数を伸ばすことを目指します。インドネシアの生産・販売のボリュームを増やし、競争力の高い商品をインドネシアからASEAN各国に供給できる体制を構築していきます。45%のシェアを持つパキスタンでは、さらなる事業規模拡大を進めることに取り組みます。パキスタンでは、日本の軽自動車が受け入れられていますので、軽自動車のグローバル化の一拠点として、商品ラインアップを充実させ、スズキの強みである販売網も駆使して、拡販していきます。 中南米・大洋州中南米では、小型SUVのさらなる拡販をしていきます。インド製商品を拡充し、より市場における競争力を高めていきます。大洋州では、低燃費商品の拡充をしていきます。各国で進む燃費規制の動向を踏まえ、スズキらしい“小型で低燃費”の機種を売り込むことで、スズキの存在感を高めていきます。 ○二輪事業妥協しない商品づくりを通じてお客様が求める「価値ある製品」を提供し、作り手の想いを伝え、お客様の信頼獲得を推進していきます。欧米を中心とした趣味嗜好で使用する商品とインド等の市場で生活の足、業務に使用する商品に層別し、商品づくりや販売・サービス活動を強化していきます。 ○マリン事業世界中のお客様に耐久性と信頼性に優れた製品を提供し、お客様にとって、水上の「楽しむ」と「働く」を支える頼れるパートナーとなれるよう取り組みます。「楽しむ」お客様と、「働く」お客様とで層別し、商品づくりや販売・サービス活動を行います。マイクロプラスチック回収装置などマリンのお客様の大切な場所である水辺の環境を整備する活動にも力を入れていきます。技術について、カーボンニュートラルに取り組むのはもちろんのこと、船体の統合制御、操作支援の技術開発、商品化も進め、お客様が求める、より高い価値を提供していきます。 ○新事業既存事業の強みを活かし、サービスモビリティやエネルギー分野で新規事業を立ち上げ、事業規模の拡大と収益化を目指します。スズキに足りない技術やノウハウは、他社との積極的な協業により実現していきます。スズキの強みを生かし、インドの社会課題を解決することでともに成長する取組みであるバイオガス事業では、牛糞からバイオメタン、CBGを精製し、エネルギーが乏しいルーラルエリアの方の生活・炊事に、また、CNG(CBG)車の燃料として使っていただき、移動の自由を提供する取組みを推進していきます。 <技術戦略>製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現し、世界中の人々に移動する喜びをご提供しつつ、カーボンニュートラルな世界を目指します。上記実現のため、全ての基本として全体を支える「軽くて安全な車体」、お客様の用途に合わせた適所適材な「バッテリーリーンなBEVとHEV」、「効率良いICEとCNF技術の組み合わせ」、アフォーダブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」、サーキュラーエコノミーに向けた「リサイクルしやすい易分解設計」、これらを5つの柱として技術開発を進めます。(注)ICE:ガソリン等を燃料としたエンジン(内燃機関) CNF技術:バイオエタノールやCBGなどカーボンニュートラル燃料を少量で上手く燃やす技術 SDV:ソフトウエアの追加・更新により販売後にも機能を拡張・変更できる自動車 <カーボンニュートラル>事業活動からのCO2排出[Scope1,2]について、グローバル(インド含む)で2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に取り組みます。パリ協定の1.5℃水準に沿った目標に移行し、中間目標として、総量で2030年度に2022年度比42%削減を目指します。 <研究開発・設備投資>収益性・効率性を改善させ投資資金を最大限確保し、積極的に成長投資を実行していきます。企業価値を最大化できるように、外部状況に応じて柔軟に経営資源を適所適材に振り分けていきます。成長投資は主にインドの需要拡大に応える生産能力増強とエネルギー極少化に向けた技術開発に取り組みます。具体的には、成長投資として、2030年度までに、設備投資に2兆円、研究開発費に2兆円、あわせて4兆円を計画しており、設備投資のうちインド関連で1兆2,000億円、研究開発費のうちエネルギー極少化に向けたもので1兆3,500億円を計画しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。※当社グループは当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っています。 (1) 経営成績当連結会計年度の業績は、売上収益は5兆8,252億円となり前期に比べ4,676億円(8.7%)増加しました。営業利益は6,429億円となり前期に比べ1,490億円(30.2%)増加しました。税引前利益は7,302億円となり前期に比べ1,385億円(23.4%)増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、4,161億円となり前期に比べ990億円(31.2%)増加しました。売上収益は販売台数の増加、価格改定、及び為替影響等により増収となりました。営業利益は、研究開発費や労務費等の固定費の増加、及び取引先基盤強化の取組みによる影響等を、増収効果や原価低減等によりカバーし、増益となりました。収益性に関して、当期の営業利益率は11.0%となり前期9.2%から改善、また、ROEは14.6%となり前期12.6%から改善し、稼ぐ力の向上に取り組んできた成果が出たと認識しています。 事業別セグメントの業績は、次のとおりです。 ① 四輪事業 売上収益は5兆3,052億円と前期に比べ4,356億円(8.9%)増加しました。営業利益は5,676億円と前期に比べ1,437億円(33.9%)増加しました。 ② 二輪事業 売上収益は3,981億円と前期に比べ331億円(9.1%)増加しました。営業利益は408億円と前期に比べ17億円(4.4%)増加しました。主にインドでの販売拡大が増収増益に寄与しました。 ③ マリン事業 売上収益は1,097億円と前期に比べ20億円(1.8%)減少しました。営業利益は306億円と前期に比べ31億円(11.4%)増加しました。 ④ その他事業 売上収益は121億円と前期に比べ9億円(7.9%)増加しました。営業利益は38億円と前期に比べ5億円(13.5%)増加しました。 生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。 ① 生産実績セグメントの名称当連結会計年度(千台)前年比(%)四輪事業3,296+0.9二輪事業1,530+12.6マリン事業110△1.8 ② 受注実績当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注生産について該当事項はありません。 ③ 販売実績セグメントの名称当連結会計年度(億円)前年比(%)四輪事業53,052+8.9二輪事業3,981+9.1マリン事業1,097△1.8その他事業121+7.9合計58,252+8.7 (注) 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。 (2) 財政状態当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産は、5兆9,937億円(前期末比2,360億円増加)となりました。負債は、2兆3,056億円(前期末比676億円減少)となりました。借入金につきましては、世界情勢の不安定さを踏まえ、現在の借入水準を当面維持していく考えです。資本は、3兆6,881億円(前期末比3,036億円増加)となりました。その内、親会社の所有者に帰属する持分は、主に当期利益の計上等により利益剰余金が3,779億円増加したこと、及び為替換算調整勘定の減少等によりその他の資本の構成要素が1,182億円減少したことに伴い、2兆9,707億円(前期末比2,509億円増加)となりました。これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は49.6%(前期末:47.2%)となりました。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュフローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は8,427億円となり、前連結会計年度末に比べ27億円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 (ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は、6,698億円(前年同期は5,018億円の増加)となりました。主な要因は、税引前利益7,302億円等です。 (ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は、4,756億円(前年同期は4,774億円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出3,447億円等です。 (ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の減少は、1,860億円(前年同期は929億円の減少)となりました。主な要因は、親会社の所有者への配当金の支払額709億円、及び非支配持分への配当金の支払額299億円等です。 ② 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、2025年2月に発表した中期経営計画のなかで、2026年3月期から2031年3月期の6年間のキャピタル・アロケーションを示しました(下図参照)。資金使途に関しては、主に設備投資と研究開発費の成長投資に計4兆円を配分し、中期経営計画の実現を通して企業価値を向上させていく考えです。財源に関しては、主に営業活動から得る現金により調達していく考えです。外部調達に関しては、資金調達の多様化の観点から様々な手法を検討しており、そのひとつとして社債発行枠2,000億円を設定しています。当社グループの資金の流動性管理にあたっては、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保する方針としています。また、国内及び欧州においてはキャッシュプールシステムを通してグループ内で機動的に対応できる体制を構築しています。加えて、当社は取引銀行6行と総額3,000億円のコミットメントライン契約を締結しています。なお、当連結会計年度末においてコミットメントラインは未使用となっています。 当社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は5,743億円(単独ベース)で、これは月商2.6ヶ月に相当し十分な流動性を確保しています。流動性向上の取組みのひとつとして、子会社から受け取る配当金について一定のルールにて本社への還元を図っており、当連結会計年度では464億円のキャッシュインがありました。当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は8,427億円(連結ベース)です。更にこれとは別に、インドの子会社マルチ・スズキ・インディア社では営業活動から得た現金を主にオープンエンドの投資信託にて運用しており、その残高は約1兆円規模であり、十分な流動性を確保しています。今後の主な設備投資としてインドでの四輪車の生産能力増強投資がありますが、マルチ・スズキ・インディア社の資金にて実施していく考えです。また、当社グループは国内格付機関である格付投資情報センターから格付を取得しており、当報告書提出日現在における格付は「シングルAプラス(安定的)」となっています。2024年9月実施の格付にて、前回の格付「シングルA(ポジティブ)」から1ランクアップとなりました。 (ご参考)中期経営計画スライド資料 37ページ「キャピタル・アロケーション」 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものの内容及び金額は「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。 (5) 並行開示情報「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第3編から第6編までを除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりです。なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切り捨てして表示しています。 ① 要約連結貸借対照表 (単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)資産の部 流動資産2,437,6382,557,593 固定資産 有形固定資産1,329,8401,461,109 無形固定資産7,80412,936 投資その他の資産1,610,3341,554,042 固定資産合計2,947,9803,028,089 資産合計5,385,6185,585,683負債の部 流動負債1,741,0461,560,319 固定負債506,174618,216 負債合計2,247,2202,178,536純資産の部 株主資本2,198,2452,508,657 その他の包括利益累計額292,768200,221 新株予約権4141 非支配株主持分647,342698,226 純資産合計3,138,3973,407,147負債純資産合計5,385,6185,585,683 ② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書要約連結損益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)売上高5,374,2555,843,087売上原価3,959,8184,253,829売上総利益1,414,4371,589,257販売費及び一般管理費948,874995,967営業利益465,563593,289営業外収益58,11165,574営業外費用35,14936,775経常利益488,525622,089特別利益3,48644,896特別損失2,7342,186税金等調整前当期純利益489,276664,799法人税等合計145,049190,592当期純利益344,227474,206非支配株主に帰属する当期純利益76,50984,040親会社株主に帰属する当期純利益267,717390,166 要約連結包括利益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当期純利益344,227474,206 その他の包括利益合計377,835△92,281包括利益722,062381,925(内訳) 親会社株主に係る包括利益552,832297,619 非支配株主に係る包括利益169,23084,306 ③ 要約連結株主資本等変動計算書前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計当期首残高2,070,3637,65341430,5612,508,620当期変動額127,881285,114-216,781629,777当期末残高2,198,245292,76841647,3423,138,397 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額新株予約権非支配株主持分純資産合計当期首残高2,198,245292,76841647,3423,138,397当期変動額310,412△92,546-50,883268,749当期末残高2,508,657200,22141698,2263,407,147 ④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー446,045596,949投資活動によるキャッシュ・フロー△433,855△419,630財務活動によるキャッシュ・フロー△81,225△171,108現金及び現金同等物に係る換算差額40,526△4,707現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△28,5081,502現金及び現金同等物の期首残高882,146853,637現金及び現金同等物の期末残高853,637855,140 ⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(連結の範囲の変更)新たに設立した1社を連結の範囲に含めました。また、清算結了により2社を連結の範囲から除きました。 (持分法適用範囲の変更)株式の追加取得により1社を持分法適用の範囲に含めました。また、清算結了等により2社を持分法適用の範囲から除きました。 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(連結の範囲の変更)新たに設立した2社を連結の範囲に含めました。 (持分法適用範囲の変更)新たに出資した関係会社等2社を持分法適用の範囲に含めました。 (6)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「39.初度適用」をご参照ください。 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(有形固定資産)日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しています。また、IFRSの適用に伴い、見積耐用年数を見直しています。この処理により従来の方法によった場合に比べて、税引前利益は90億円増加しています。 (無形資産)日本基準では、発生時費用処理していた研究開発費について、IFRSでは資産化の要件を満たす支出額を資産計上しています。この処理により従来の方法によった場合に比べて、税引前利益は246億円増加しています。 (負債性金融商品)日本基準では投資有価証券に含まれる一部の負債性金融商品について、公正価値の変動をその他の包括利益で認識していましたが、IFRSでは「金融収益」及び「金融費用」として認識しています。この処理により従来の方法によった場合に比べて、税引前利益は239億円増加しています。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げています。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品・サービスの提供に努めてまいります。法令遵守のもと、安全及び品質を第一とし、「小・少・軽・短・美」を徹底し、効率的な健全経営に取り組んでまいります。スズキのこだわりは「世界の『生活の足』を守り抜く」こと、「新興国は今後も成長の柱」としていくことです。次の100年もお客様の立場になって、「小・少・軽・短・美」による価値ある製品・サービスの提供に挑戦してまいります。 (2) 会社の対処すべき課題当社は、昨年2月、「中期経営計画(2021年4月~2026年3月)~「小・少・軽・短・美」~」を策定いたしました。「小・少・軽・短・美」の考え方は、1993年以来、スズキの思想、文化の端的な表現として定着してきましたが、現在のカーボンニュートラル化の取組みにおいても、まさに相応しいものであります。 <中期経営計画で優先的に取り組む3つの課題> ① 走行時CO2排出当社は、積極的にCO2削減に取り組んできました。全世界でCO2排出量の少ない車の販売を進めており、当連結会計年度の当社の販売において、日本ではハイブリッドシステム搭載車が52%、インドではハイブリッドシステム搭載車が10%、CNG車が17%を占めています。今後とも、ハイブリッドシステム搭載車、CNG車の販売を拡大するとともに、2025年までにEVを投入してまいります。四輪以外につきましても、二輪ではEVスクーターの投入を計画しております。船外機でも電動化等の新技術への対応に取り組んでまいります。 ② 製造時CO2排出2050年の製造時CO2排出「0」に向けて挑戦いたします。カーボンニュートラルに向けて、省エネや再生可能エネルギーの活用などを通したCO2削減とともに、様々なカーボンニュートラル化の技術開発を積極的に進めてまいります。第一歩に実証実験モデルとして、浜松工場のカーボンニュートラルの2030年達成に挑戦してまいります。 ③ 高品質な製品づくり品質につきましては、お客様の立場になって品質が良くお求めやすい価値ある製品をつくってまいります。迅速な原因究明と対策、ばらつきを抑えた製品づくり、トレーサビリティ管理の拡充など、品質問題の発生防止、早期発見、流出防止に取り組んでまいります。 <各事業において取り組むべき課題> ④ 四輪事業日本は、軽自動車シェア30%以上、登録車販売1.5倍(2021年3月期比)を目標に取り組んでまいります。業販網の維持強化を図るとともに、拠点の大型化と、それに伴って人材確保も進めることで、直販力を強化し、登録車拡販を目指します。ソフト面でも販売のデジタル化を進めます。インドは、ハイブリッド車の普及促進、CNG車の展開及びEVの投入に取り組み、環境問題に対し社会から求められる電動化を率先して推進してまいります。さらに、販売力の強化や商品力の強化、及び生産体制の整備を通して、乗用車シェア50%以上を目指してまいります。 ⑤ 二輪事業プラットフォームの共通化や魅力的で多様なラインナップを構築し、中期経営計画で掲げた販売200万台・営業利益率5%以上を目指し活動してまいります。 ⑥ マリン事業「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR」のスローガンのもと、中期経営計画で掲げた売上高目標1,000億円を目指し活動してまいります。 また、SUZUKI CLEAN OCEAN PROJECT を推進し、美しい海を守る活動を世界中で展開いたします。 <基盤強化に向け取り組むべき課題>⑦ 半導体を含む部品の安定した調達昨年からの半導体を含む部品供給不足は、生産へ甚大な影響を及ぼしており、今後の見通しも不透明な状況です。その中、在庫の積み増しや長期契約による調達強化、部品不足が発生した際に迅速な対応ができる体制作りに加え、お取引先様とのコミュニケーションを重ねお互いの信頼関係を構築していくことで、安定した部品調達ができるよう取り組んでまいります。 ⑧ SDGsへの取組み当社は環境に配慮した製品の開発・普及、新興国の雇用創出に、これまでも貢献してまいりました。今後も、サステナブルな社会の実現に向け、スズキの特長を活かした事業活動を通じて、収益を上げながら、様々な社会課題の解決に取り組んでまいります。 ⑨ 人材への取組みカーボンニュートラル化やCASEへの取組みを含め、会社の持続的な成長にとって、今後、人材の重要性がますます高まっていきます。人を大切にする風土作りを進め、従業員一人一人が積極的にチャレンジすることができる環境をつくっていきます。そのために、人材育成、リスキル、人事制度をさらに整備し、個人の生産性の向上を加速してまいります。 ⑩ トヨタとのアライアンス電動車の協業、アフリカでの協業、商品・ユニット補完など提携を深化させてまいります。電動車の協業につきましては、ハイブリッド車の相互供給、インドで生産するハイブリッド車用の電池の相互利用、小型EVプラットフォーム開発を推進してまいります。アフリカでの協業につきましては、インドからの商品投入、物流・サービス体制構築の推進など、市場開拓を推進してまいります。商品・ユニット補完につきましては、車両とパワートレインの相互補完を拡大してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げています。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品・サービスの提供に努めてまいります。法令遵守のもと、安全及び品質を第一とし、「小・少・軽・短・美」を徹底し、効率的な健全経営に取り組んでまいります。スズキのこだわりは「世界の『生活の足』を守り抜く」こと、「新興国は今後も成長の柱」としていくことです。次の100年もお客様の立場になって、「小・少・軽・短・美」による価値ある製品・サービスの提供に挑戦してまいります。 (2) 会社の対処すべき課題当社は、昨年2月、「中期経営計画(2021年4月~2026年3月)~「小・少・軽・短・美」~」を策定いたしました。「小・少・軽・短・美」の考え方は、1993年以来、スズキの思想、文化の端的な表現として定着してきましたが、現在のカーボンニュートラル化の取組みにおいても、まさに相応しいものであります。 <中期経営計画で優先的に取り組む3つの課題> ① 走行時CO2排出当社は、積極的にCO2削減に取り組んできました。全世界でCO2排出量の少ない車の販売を進めており、当連結会計年度の当社の販売において、日本ではハイブリッドシステム搭載車が52%、インドではハイブリッドシステム搭載車が10%、CNG車が17%を占めています。今後とも、ハイブリッドシステム搭載車、CNG車の販売を拡大するとともに、2025年までにEVを投入してまいります。四輪以外につきましても、二輪ではEVスクーターの投入を計画しております。船外機でも電動化等の新技術への対応に取り組んでまいります。 ② 製造時CO2排出2050年の製造時CO2排出「0」に向けて挑戦いたします。カーボンニュートラルに向けて、省エネや再生可能エネルギーの活用などを通したCO2削減とともに、様々なカーボンニュートラル化の技術開発を積極的に進めてまいります。第一歩に実証実験モデルとして、浜松工場のカーボンニュートラルの2030年達成に挑戦してまいります。 ③ 高品質な製品づくり品質につきましては、お客様の立場になって品質が良くお求めやすい価値ある製品をつくってまいります。迅速な原因究明と対策、ばらつきを抑えた製品づくり、トレーサビリティ管理の拡充など、品質問題の発生防止、早期発見、流出防止に取り組んでまいります。 <各事業において取り組むべき課題> ④ 四輪事業日本は、軽自動車シェア30%以上、登録車販売1.5倍(2021年3月期比)を目標に取り組んでまいります。業販網の維持強化を図るとともに、拠点の大型化と、それに伴って人材確保も進めることで、直販力を強化し、登録車拡販を目指します。ソフト面でも販売のデジタル化を進めます。インドは、ハイブリッド車の普及促進、CNG車の展開及びEVの投入に取り組み、環境問題に対し社会から求められる電動化を率先して推進してまいります。さらに、販売力の強化や商品力の強化、及び生産体制の整備を通して、乗用車シェア50%以上を目指してまいります。 ⑤ 二輪事業プラットフォームの共通化や魅力的で多様なラインナップを構築し、中期経営計画で掲げた販売200万台・営業利益率5%以上を目指し活動してまいります。 ⑥ マリン事業「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR」のスローガンのもと、中期経営計画で掲げた売上高目標1,000億円を目指し活動してまいります。 また、SUZUKI CLEAN OCEAN PROJECT を推進し、美しい海を守る活動を世界中で展開いたします。 <基盤強化に向け取り組むべき課題>⑦ 半導体を含む部品の安定した調達昨年からの半導体を含む部品供給不足は、生産へ甚大な影響を及ぼしており、今後の見通しも不透明な状況です。その中、在庫の積み増しや長期契約による調達強化、部品不足が発生した際に迅速な対応ができる体制作りに加え、お取引先様とのコミュニケーションを重ねお互いの信頼関係を構築していくことで、安定した部品調達ができるよう取り組んでまいります。 ⑧ SDGsへの取組み当社は環境に配慮した製品の開発・普及、新興国の雇用創出に、これまでも貢献してまいりました。今後も、サステナブルな社会の実現に向け、スズキの特長を活かした事業活動を通じて、収益を上げながら、様々な社会課題の解決に取り組んでまいります。 ⑨ 人材への取組みカーボンニュートラル化やCASEへの取組みを含め、会社の持続的な成長にとって、今後、人材の重要性がますます高まっていきます。人を大切にする風土作りを進め、従業員一人一人が積極的にチャレンジすることができる環境をつくっていきます。そのために、人材育成、リスキル、人事制度をさらに整備し、個人の生産性の向上を加速してまいります。 ⑩ トヨタとのアライアンス電動車の協業、アフリカでの協業、商品・ユニット補完など提携を深化させてまいります。電動車の協業につきましては、ハイブリッド車の相互供給、インドで生産するハイブリッド車用の電池の相互利用、小型EVプラットフォーム開発を推進してまいります。アフリカでの協業につきましては、インドからの商品投入、物流・サービス体制構築の推進など、市場開拓を推進してまいります。商品・ユニット補完につきましては、車両とパワートレインの相互補完を拡大してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。 (1) 経営成績当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、半導体を含む部品供給不足、原材料価格の高騰、及び新型コロナウイルス感染の影響により、非常に厳しい状況が続きました。このような状況のなか、部品の確保や生産計画の見直し等を行うことで、1台でも多く、お客様にお車をお届けできるよう努めてまいりました。加えて、収益改善の取組みとしまして、販売面の努力や緊縮予算等の施策を年間を通して継続してまいりました。 当連結会計年度の業績につきましては、売上高は3兆5,684億円となり、コロナ禍で落ち込んだ前連結会計年度に比べると3,902億円(12.3%)増加しました。営業利益は原材料価格の高騰等により1,915億円と前連結会計年度に比べ29億円(1.5%)減少しました。 経常利益は金融収支改善等により2,629億円と前連結会計年度に比べ146億円(5.9%)増加、親会社株主に帰属する当期純利益は1,603億円と前連結会計年度に比べ139億円(9.5%)増加しました。 事業別セグメントの業績は、次のとおりです。なお、報告セグメントの区分について、従来の「マリン事業他」を、当連結会計年度より「マリン事業」および「その他事業」の2区分に分けました。前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しています。 ① 四輪事業売上高は3兆2,048億円と前連結会計年度に比べ3,282億円(11.4%)増加しましたが、営業利益は原材料価格高騰等により1,528億円と前連結会計年度に比べ192億円(11.2%)減少しました。 ② 二輪事業売上高は新型ハヤブサ等高価格モデルの拡販等により2,535億円と前連結会計年度に比べ470億円(22.7%)増加、営業利益は109億円と前連結会計年度に比べ83億円(321.6%)増加しました。 ③ マリン事業北米での船外機の販売が引き続き堅調に推移しており、売上高は980億円と前連結会計年度に比べ146億円(17.5%)増加、営業利益は240億円と前連結会計年度に比べ69億円(40.5%)増加しました。売上高、営業利益とも過去最高となりました。 ④ その他事業売上高は121億円と前連結会計年度に比べ4億円(3.4%)増加、営業利益は38億円と前連結会計年度に比べ11億円(39.3%)増加しました。 所在地別の業績につきましては、日本、欧州、及びその他は、コロナ禍で落ち込んだ前連結会計年度に比べ増益となりましたが、アジアは鉄鋼に加え樹脂やアルミ等の原材料の価格高騰の影響を大きく受け減益となりました。 また、ROEにつきましては、当連結会計年度は9.0%となりました。当社では株主還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、引き続き資本効率の向上に取り組んでまいります。 生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。 ① 生産実績セグメントの名称当連結会計年度(千台)前年比(%)四輪事業2,821+6.9二輪事業1,177+23.1マリン事業160+35.5 ② 受注実績当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注生産について該当事項はありません。 ③ 販売実績セグメントの名称当連結会計年度(億円)前年比(%)四輪事業32,048+11.4二輪事業2,535+22.7マリン事業980+17.5その他事業121+3.4合計35,684+12.3 (注) 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。 (2) 財政状態当連結会計年度末の財政状態は、総資産は4兆1,552億円(前連結会計年度末比1,188億円増加)となりました。負債の部は、1兆8,915億円(前連結会計年度末比1,129億円減少)となりました。純資産の部は、2兆2,637億円(前連結会計年度末比2,317億円増加)となりました。 借入金につきましては、前第1四半期連結累計期間において新型コロナウイルス感染拡大にあたり4,000億円の借入を実施しましたが、半導体不足等の今後の経営環境の不透明さを踏まえ、現在の借入水準を維持していく考えです。自己資本比率につきましては、当連結会計年度末では45.2%となり、2020年3月期末の水準にまで回復しました。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は8,580億円となり、前連結会計年度末に比べ664億円減少しました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。① 営業活動によるキャッシュ・フロー2,213億円の資金増加となりました。税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ増益となりましたが、仕入債務の減少等により、前連結会計年度の4,154億円の資金増加に比べ、1,941億円の減少となりました。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー1,535億円の資金減少となりました。有形固定資産の取得による支出は増加しましたが、豊川工場跡地等の有形固定資産の売却による収入の増加等により、前連結会計年度の2,330億円の資金減少に比べ、795億円の増加となりました。 これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは678億円の増加となり、前連結会計年度の1,824億円の資金増加と比べ、1,146億円の減少となりました。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー1,546億円の資金減少となりました。新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた資金調達等により3,026億円の資金が増加した前連結会計年度に比べ、4,572億円の減少となりました。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものの内容及び金額は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げてきました。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品づくりに努めてまいります。法令遵守のもと、安全及び品質を第一とし、「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」を徹底し、効率的な健全経営に取り組んでまいります。 (2) 中期経営計画 当社グループは、2015年からの5ヵ年における「中期経営計画SUZUKI NEXT 100」を策定し、「チームスズキ」、「ものづくりの強化」を中心に、社是の第一に掲げる「消費者(お客様)の立場になって価値ある製品を作ろう」の原点に立ち戻り、様々な改革を実行してまいりました。 新中期経営計画につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により、当社が製造拠点を置く日本、インド、パキスタン、ハンガリー、フィリピン等の工場稼働や世界各国での販売に影響が出ており、現時点では業績予想をする上での未確定要素が多く、適正かつ合理的な予想値の算出が困難であることから、公表を延期しております。 (3) 経営環境 自動車産業は大変革の時代を迎えています。このような変革期には、現在からの延長線ではなく、長期展望として10年、15年先に目指す姿を描き、そこから現在に遡って今後行うべきことを考え、未来を切り拓くことが必要です。 特にインド市場は13億人の人口を抱え、今後、大規模市場に成長する可能性があります。我々は、2030年においても、現在のシェア50%を維持したいと考えており、今後の成長に向けてチャレンジしてまいります。 また、インドを充実させることは、開発した商品を世界に展開することを通じて、他の市場の充実にもつながると考えております。 しかし、今と比べれば、全く未知の領域です。経営陣をはじめ全社員が発想を変えて、経営資源を効果的に配分していかなければなりません。 その意味でこの長期展望に向けた活動は、猶予の許されない、当社グループの未来をかけた挑戦です。 足元では新型コロナウイルスの対策に迅速に取り組むとともに、長期的な展望に基づいて価値ある製品づくりとサービスの提供、企業価値の向上に努めてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題<品質>品質については、今後とも最も重要な課題であることに変わりありません。 当社グループは、お客様の安全・安心を最優先に考え、高品質でお客様に安心してお使いいただける製品の開発・生産・検査とアフターサービスの提供に努めております。 今後とも、お客様の求める品質を的確に捉えながら、全部門が品質意識を高く持ち続け、お客様が引き続き安心して製品をお使いいただけるように全力を尽くしてまいります。 <商品と研究開発>商品については、お客様の期待を超える価値をもつ独創的な商品を引き続き投入するとともに、2030年に向かって販売台数を拡大していくために効率的に開発車種を設定してまいります。 また、地球環境問題への対応として、従来の延長線上の技術だけでなく、新たな技術への取組みを加速してまいります。当社が得意とする小さなクルマづくりに加え、新しい高効率のパワートレインの開発、ハイブリッドの拡大・強化、EVの新規開発にも積極的に取り組んでまいります。 さらに、安全技術やコネクティッドなど情報通信技術にも取り組んでまいります。 <生産>完成検査は、国土交通大臣に代わって自動車の保安基準への適合性を確認するものであり、厳格に実施してまいります。 また、2030年を踏まえ、生産体制の拡充を進めてまいりますが、安全及び品質を第一とし、世界最適生産体制を常に念頭に置き進めてまいります。特にインドについては、政府が提唱するメイク・イン・インディアの観点からグジャラート工場や電池工場等の生産体制の強化に積極的に取り組んでまいります。 <販売・サービス>日本、世界各国、各地域において、販売網・サービス網の強化に取り組んでまいります。 特にインドでは現在、乗用車市場で過半数のシェアを獲得していますが、2030年にも過半数のシェアを確保したいと考えています。この具体的な実現方法について積極的に対処してまいります。 <トヨタグループとの提携>自動車業界は、従来の自動車そのものの開発技術にとどまらず、環境や安全、情報等の分野において先進・将来技術の開発が求められるなど、取り巻く環境がこれまでにない速さで、大きく変化しております。また、こうした分野では、個別の技術開発に加えて、インフラとの協調や新たなルールづくりを含め、他社との連携の重要性が増してきております。 当社は、小さなクルマを中心に、価格競争力の高いクルマをつくる技術を一貫して磨いてきましたが、トヨタグループとの提携を進めることで、環境や安全、情報等に関する技術開発を加速するとともに、インド市場のさらなる拡大やアフリカ市場など新たな市場の開拓を進めてまいります。 <四輪事業>日本はグローバル車開発の要、生産の基盤と位置付けています。商品戦略につきましては、市場やお客様の動向を的確に把握しながら魅力的な商品を投入してまいります。 地域戦略としては、日本、インド、インドネシア、パキスタンなど引き続きアジアを主力に事業基盤を強化してまいります。 <二輪事業>2019年4月より社長直属の社内カンパニー「二輪カンパニー」として、収益事業への転換を図るため取り組んでまいりましたが、固定費削減による黒字定着化など一定の成果をみることができました。次なるステップとして、二輪事業本部に戻し、引き続き、事業の正常化を進めてまいります。 <マリン事業>大型4ストローク船外機の強化、充実を図り、プレジャー市場、業務市場の開拓を進め、「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR」のブランドスローガンのもと、世界一の船外機ブランドを構築してまいります。 <ESG(環境、社会、ガバナンス)の取組み強化>スズキグループはSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を支持し、ESGの取組みを通じて目標達成に貢献できる項目について、積極的にその責任を果たしてまいります。「環境」については、当社グループの持続的成長を左右する重要な要素の一つとして捉え、気候変動などの環境課題に積極的に取り組んでまいります。その取組みの一つとして、当社は2020年4月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。今後は、気候変動に対する開示の拡充にも努めてまいります。 「社会」については、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、安全・品質を第一に、地域社会への貢献、人への投資、人材育成、労働安全などに積極的に取り組んでまいります。 「ガバナンス」については、会社のあらゆる業務を網羅するようコンプライアンス体制やリスク管理体制を根本から見直し、内部統制を強化してまいります。 環境、社会、ガバナンスの各課題の取組みや製品づくりを通じて、ステークホルダーの皆様から信頼されるグループを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げてきました。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品づくりに努めてまいります。法令遵守のもと、安全及び品質を第一とし、「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」を徹底し、効率的な健全経営に取り組んでまいります。 (2) 中期経営計画 当社グループは、2015年からの5ヵ年における「中期経営計画SUZUKI NEXT 100」を策定し、「チームスズキ」、「ものづくりの強化」を中心に、社是の第一に掲げる「消費者(お客様)の立場になって価値ある製品を作ろう」の原点に立ち戻り、様々な改革を実行してまいりました。 新中期経営計画につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により、当社が製造拠点を置く日本、インド、パキスタン、ハンガリー、フィリピン等の工場稼働や世界各国での販売に影響が出ており、現時点では業績予想をする上での未確定要素が多く、適正かつ合理的な予想値の算出が困難であることから、公表を延期しております。 (3) 経営環境 自動車産業は大変革の時代を迎えています。このような変革期には、現在からの延長線ではなく、長期展望として10年、15年先に目指す姿を描き、そこから現在に遡って今後行うべきことを考え、未来を切り拓くことが必要です。 特にインド市場は13億人の人口を抱え、今後、大規模市場に成長する可能性があります。我々は、2030年においても、現在のシェア50%を維持したいと考えており、今後の成長に向けてチャレンジしてまいります。 また、インドを充実させることは、開発した商品を世界に展開することを通じて、他の市場の充実にもつながると考えております。 しかし、今と比べれば、全く未知の領域です。経営陣をはじめ全社員が発想を変えて、経営資源を効果的に配分していかなければなりません。 その意味でこの長期展望に向けた活動は、猶予の許されない、当社グループの未来をかけた挑戦です。 足元では新型コロナウイルスの対策に迅速に取り組むとともに、長期的な展望に基づいて価値ある製品づくりとサービスの提供、企業価値の向上に努めてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題<品質>品質については、今後とも最も重要な課題であることに変わりありません。 当社グループは、お客様の安全・安心を最優先に考え、高品質でお客様に安心してお使いいただける製品の開発・生産・検査とアフターサービスの提供に努めております。 今後とも、お客様の求める品質を的確に捉えながら、全部門が品質意識を高く持ち続け、お客様が引き続き安心して製品をお使いいただけるように全力を尽くしてまいります。 <商品と研究開発>商品については、お客様の期待を超える価値をもつ独創的な商品を引き続き投入するとともに、2030年に向かって販売台数を拡大していくために効率的に開発車種を設定してまいります。 また、地球環境問題への対応として、従来の延長線上の技術だけでなく、新たな技術への取組みを加速してまいります。当社が得意とする小さなクルマづくりに加え、新しい高効率のパワートレインの開発、ハイブリッドの拡大・強化、EVの新規開発にも積極的に取り組んでまいります。 さらに、安全技術やコネクティッドなど情報通信技術にも取り組んでまいります。 <生産>完成検査は、国土交通大臣に代わって自動車の保安基準への適合性を確認するものであり、厳格に実施してまいります。 また、2030年を踏まえ、生産体制の拡充を進めてまいりますが、安全及び品質を第一とし、世界最適生産体制を常に念頭に置き進めてまいります。特にインドについては、政府が提唱するメイク・イン・インディアの観点からグジャラート工場や電池工場等の生産体制の強化に積極的に取り組んでまいります。 <販売・サービス>日本、世界各国、各地域において、販売網・サービス網の強化に取り組んでまいります。 特にインドでは現在、乗用車市場で過半数のシェアを獲得していますが、2030年にも過半数のシェアを確保したいと考えています。この具体的な実現方法について積極的に対処してまいります。 <トヨタグループとの提携>自動車業界は、従来の自動車そのものの開発技術にとどまらず、環境や安全、情報等の分野において先進・将来技術の開発が求められるなど、取り巻く環境がこれまでにない速さで、大きく変化しております。また、こうした分野では、個別の技術開発に加えて、インフラとの協調や新たなルールづくりを含め、他社との連携の重要性が増してきております。 当社は、小さなクルマを中心に、価格競争力の高いクルマをつくる技術を一貫して磨いてきましたが、トヨタグループとの提携を進めることで、環境や安全、情報等に関する技術開発を加速するとともに、インド市場のさらなる拡大やアフリカ市場など新たな市場の開拓を進めてまいります。 <四輪事業>日本はグローバル車開発の要、生産の基盤と位置付けています。商品戦略につきましては、市場やお客様の動向を的確に把握しながら魅力的な商品を投入してまいります。 地域戦略としては、日本、インド、インドネシア、パキスタンなど引き続きアジアを主力に事業基盤を強化してまいります。 <二輪事業>2019年4月より社長直属の社内カンパニー「二輪カンパニー」として、収益事業への転換を図るため取り組んでまいりましたが、固定費削減による黒字定着化など一定の成果をみることができました。次なるステップとして、二輪事業本部に戻し、引き続き、事業の正常化を進めてまいります。 <マリン事業>大型4ストローク船外機の強化、充実を図り、プレジャー市場、業務市場の開拓を進め、「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR」のブランドスローガンのもと、世界一の船外機ブランドを構築してまいります。 <ESG(環境、社会、ガバナンス)の取組み強化>スズキグループはSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を支持し、ESGの取組みを通じて目標達成に貢献できる項目について、積極的にその責任を果たしてまいります。「環境」については、当社グループの持続的成長を左右する重要な要素の一つとして捉え、気候変動などの環境課題に積極的に取り組んでまいります。その取組みの一つとして、当社は2020年4月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。今後は、気候変動に対する開示の拡充にも努めてまいります。 「社会」については、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、安全・品質を第一に、地域社会への貢献、人への投資、人材育成、労働安全などに積極的に取り組んでまいります。 「ガバナンス」については、会社のあらゆる業務を網羅するようコンプライアンス体制やリスク管理体制を根本から見直し、内部統制を強化してまいります。 環境、社会、ガバナンスの各課題の取組みや製品づくりを通じて、ステークホルダーの皆様から信頼されるグループを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、米中貿易問題を中心に世界経済の見通しが不透明さを増すなか、当社グループの重要市場であるインドにおいても昨年度後半からの景気悪化が長期化しています。日本におきましても、消費増税の影響や米中貿易問題の影響等、景気の先行きについて注意が必要な状況にあります。さらに、本年に入ってからは、新型コロナウイルスの影響が世界的に広まっており、厳しい状況が続くものと予想されます。 当社グループは、2015年に5ヵ年の経営計画「中期経営計画SUZUKI NEXT 100」を策定し、計画の3年目にあたる2017年度には、連結売上高、営業利益率、ROEなどの主要目標値を早期に達成することができました。しかし、5ヵ年計画の最終年度にあたる当連結会計年度につきましては、インド四輪市場の回復遅れと為替影響に加え、年度末に発生した新型コロナウイルスの影響等により、残念ながら未達に終わりました。当連結会計年度の具体的な経営成績ですが、連結売上高は3兆4,884億円と前連結会計年度に比べ3,831億円(9.9%)減少しました。利益面では、営業利益は2,151億円と前連結会計年度に比べ1,093億円(33.7%)減少、経常利益は2,454億円と前連結会計年度に比べ1,341億円(35.3%)減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は1,342億円と前連結会計年度に比べ446億円(24.9%)減少しましたが、特別損失(前連結会計年度に完成検査対策費813億円を計上)が大幅に減少したことにより経常利益に対し減少幅は縮小しました。 営業利益につきまして、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は128億円の減益要因となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりです。 ① 四輪事業四輪事業につきましては、売上高はインド、パキスタンでの販売減少や為替円高の影響に加え、当連結会計年度末に発生した新型コロナウイルスの影響により3兆1,574億円と前連結会計年度に比べ3,751億円(10.6%)減少しました。営業利益は売上減少に加え、為替円高、減価償却費増加等により1,971億円と前連結会計年度に比べ1,067億円(35.1%)減少しました。営業利益につきまして、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は107億円の減益要因となりました。② 二輪事業二輪事業につきましては、売上高はインドでの販売増加の一方、欧米、インドネシアでの販売減少や為替円高の影響により2,426億円と前連結会計年度に比べ125億円(4.9%)減少しました。営業利益は当連結会計年度末に発生した新型コロナウイルスの影響もあり7億円と前連結会計年度に比べ29億円(80.9%)減少しました。営業利益につきまして、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は18億円の減益要因となりました。③ マリン事業他マリン事業他につきましては、売上高は欧州での船外機や国内での電動車いすの販売増等により884億円と前連結会計年度に比べ45億円(5.4%)増加、営業利益は173億円と前連結会計年度に比べ3億円(1.6%)増加しました。この内、マリン事業の売上高は745億円、前連結会計年度に比べ15億円(2.1%)増加しましたが、営業利益は1~3月期での北米市場の減速もあり141億円、前連結会計年度に比べ4億円(3.1%)減少しました。 所在地別につきましては、日本、欧州およびアジアで減収減益となりました。営業利益につきましては、日本で1,232億円と前連結会計年度に比べ276億円(18.3%)減少、欧州で177億円と前連結会計年度に比べ53億円(23.1%)減少、アジアで627億円と前連結会計年度に比べ815億円(56.5%)減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、営業利益につきまして、インドで45億円の減益要因、欧州で28億円の減益要因となりました。 生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。 セグメントの名称生産実績販売実績 前期比 前期比四輪事業2,948,785台△12.2%31,574億円△10.6%二輪事業1,332,412台△0.2%2,426億円△4.9%マリン事業他818億円+12.5%884億円+5.4%合計――34,884億円△9.9% (注) 1 マリン事業他の生産実績は販売価格によります。2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。3 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。4 当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注状況について該当事項はありません。 (2) 財政状態当連結会計年度末の財政状態は、総資産3兆3,398億円(前連結会計年度末比622億円減)、負債の部は1兆5,461億円(前連結会計年度末比1,399億円減)、純資産の部は1兆7,937億円(前連結会計年度末比777億円増)となりました。 自己資本比率につきましては、トヨタ自動車株式会社への第三者割当による自己株式処分の払込完了もあり44.5%と2015年9月に実施した4,603億円の自己株式取得以前の水準にまで回復することができました。 足元では新型コロナウイルスによる影響が懸念されますが、当連結会計年度末の現金及び預金と有価証券を合計した手元資金は6,044億円、月商比で2.1ヵ月あり、さらに未使用のコミットメントライン枠3,000億円も確保していますので、当面の資金繰り上の問題はありません。 今後の見通しの不透明さから、できるだけ手元キャッシュを厚くしたいと考えており、今後、さらなる資金調達についても検討してまいります。 なお、内部留保資金の使途につきましては、品質・安全などの更なる向上のための投資、インドなど成長市場への投資、地球環境問題への対応、安全技術、情報通信技術など価値ある製品づくりのための研究開発などに投入していく予定です。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは業績低下に伴い1,715億円の増加(前連結会計年度は3,834億円の資金増加)に留まり、投資活動によるキャッシュ・フローはインドでの設備投資など2,970億円の資金を使用(前連結会計年度は2,508億円の資金減少)しました。その結果、フリー・キャッシュ・フローは1,255億円の減少(前連結会計年度は1,326億円の資金増加)となりました。財務活動では、トヨタ自動車株式会社への第三者割当による自己株式処分の払込完了もあり、807億円の資金が増加(前連結会計年度は2,561億円の資金減少)しました。 その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は4,204億円となり、前連結会計年度末に比べ527億円減少しました。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。 ① 製品保証引当金当社グループは、販売した製品に対し一定期間、保証を付与しています。また、主務官庁へ届出等に基づいた個別の無償修理を行っています。製品保証は、製品の種類、販売地域及びその他の要因によって異なります。製品保証引当金は、製品の保証書に基づく補修費用、主務官庁への届出等に基づく個別の補修費用で構成されます。保証書に基づく補修費用は、製品を販売した時点で認識しています。主務官庁への届出等による個別の補修費用については、費用発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合に認識しています。販売した製品の保証期間に対応する補修費用や、製品不良等に対する補修費用を、過去の売上実績、補修実績、経験等、現在入手可能な情報に基づいて見積り、計上しています。当該見積りは、仕入先への補償請求により回収が見込まれる金額も反映しています。製品保証引当金は、見積りによって算出されるため、本質的に不確実性を内包しています。従って、実際の補修費用は、当該見積りと異なることがあります。② 退職給付費用当社グループの退職給付費用、退職給付債務は、割引率、長期期待運用収益率、再評価率、昇給率、死亡率などさまざまな仮定に基づいて算出しています。このうち割引率は、安全性の高い長期の債券の利回りを基礎として決定しており、また、長期期待運用収益率は各年金制度の年金資産運用方針に基づき決定しています。長期債券の利回りの低下は、割引率の低下をもたらし、退職給付費用の計算に悪影響を及ぼしますが、当社が採用しているキャッシュバランス型の年金制度においては、基礎率の一つである再評価率が割引率の低下による悪影響を減殺する効果があります。また、年金資産の運用利回りが、長期期待運用収益率を下回る場合には、退職給付費用の計算に悪影響を及ぼしますが、安定運用を心掛けている当社の企業年金及び当社グループの企業年金基金においては、その影響は軽微と考えられます。これらの仮定と実績の結果との差額は発生時にその他の包括利益として認識し、将来の会計期間において、原則費用化されます。当社は、現在使用している仮定は妥当であると考えていますが、実績との差異や仮定自体の変更により、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があることから、この仮定を重要な会計上の見積りに該当すると考えています。③ 繰延税金資産繰延税金資産の回収可能性は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除の一部又は全部について、将来の税金負担等を軽減する効果を有するかどうかを検討しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される将来加算一時差異の解消、将来課税所得の見積り、タックス・プランニングを考慮しています。当該見積りについては、当社グループに関わる将来の市場動向、事業活動の状況、その他の前提に変化が生じた場合、翌連結会計年度以降の繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げてきました。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品づくりに努めてまいります。「小さなクルマ、大きな未来。」をスローガンに、お客様の求める小さなクルマづくり、地球環境にやさしい製品づくりに邁進いたします。あらゆる面で「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」を徹底し、ムダのない効率的な健全経営に取り組んでまいります。 (2) 対処すべき課題現在、自動車産業は大変革の時代を迎えています。このような変革期には、現在からの延長線ではなく、長期展望として10年、15年先に目指す姿を描き、そこから現在に遡って今後行うべきことを考え、未来を切り拓くことが必要です。2030年頃に、インド市場は1,000万台規模に成長する可能性があります。現在のシェア50%を維持すると、スズキは500万台の規模です。そのほかの市場を200万台とすると、スズキ全体で700万台となります。これは計画というよりは理論値ですが、今後の成長に向けてスズキはチャレンジしてまいります。また、インドを充実させることは、開発した商品を世界に展開することを通じて、他の市場の充実にもつながると考えております。しかし今と比べれば、倍以上の規模となる全く未知の領域です。経営陣をはじめ全社員が発想を変えて、ヒト、モノ、カネの経営資源を効果的に配分していかなければなりません。その意味でこの長期展望に向けた活動は、猶予の許されない、スズキの未来をかけた挑戦です。全社をあげて取り組んでまいります。そのような中、当社グループは、以下の課題に取り組んでまいります。 <品質>品質問題については、今後とも最も重要な課題であることに変わりありません。当社グループは、お客様の安全・安心を最優先に考え、高品質でお客様に安心してお使い頂ける製品の開発・生産とアフターサービスの提供に努めております。今後とも、お客様の求める品質を的確に捉えながら、全部門が品質意識を緩めることなく活動し、お客様が引き続き安心して製品をお使い頂けるように全力を尽くしてまいります。 <商品と研究開発>商品については、お客様の期待を超える価値をもつ独創的な商品を引き続き投入するとともに、2030年を踏まえ、販売台数が拡大する中で開発車種も効率的に設定していかなければなりません。また、環境問題については、従来の延長線上の技術だけでなく、新たな技術への取り組みを加速しなければなりません。当社が得意とする小さなクルマづくり、高効率のパワートレイン開発とともに、ハイブリッドの拡大・強化、EVの新規開発にも積極的に取り組んでまいります。さらに、安全技術やコネクティッドなど情報通信技術にも取り組んでまいります。 <生産>生産については、安全第一、世界最適生産体制の構築に尽力してまいりますが、特にインドについては、政府が提唱するメイク・イン・インディアの観点からグジャラート工場や電池工場等の生産体制の強化に積極的に取り組んでまいります。 <販売・サービス>世界各国、各地域において、販売網・サービス網の強化に取り組んでまいります。特にインドでは現在、乗用車市場で過半数のシェアを獲得していますが、我々は2030年にも過半数のシェアを確保したいと考えています。この具体的な実現方法について積極的に対処してまいります。 <四輪事業>日本はグローバル車開発の要、生産の基盤と位置付けています。商品戦略としては、軽、A、Bセグメントに集中し、拡大する世界の小型車市場に対応してまいります。地域戦略としては、日本、インド、インドネシア、パキスタンなど引き続きアジアを主力に事業基盤を強化してまいります。 <二輪事業>「150cc以上」、「バックボーン」、「スポーツ」のカテゴリーに注力することを基本に、大排気量車から小排気量車までシリーズ化を行い、一貫したスズキブランドの強化を行っています。これに加えて、成長市場インドでの「スクーター」強化、アセアン生産モデルの域内外への展開による稼働率改善、浜松工場への開発~生産~営業の集約など、引き続き緊張感を持って経営改善を進めることにより、黒字体質の定着を目指してまいります。 <マリン事業>大型4ストローク船外機の強化、充実を図り、プレジャー市場、業務市場の開拓を進め、「THE ULTIMATE 4-STROKE OUTBOARD」のブランドスローガンのもと、世界一の4ストローク船外機ブランドを構築してまいります。 <ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み強化>「環境」については、「スズキ環境計画2020」を推進し、環境技術の開発と普及、CO2排出量の削減に取り組んでまいります。「社会」については、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、製品の安全・品質、地域社会への貢献、人への投資、人財育成、労働安全などに積極的に取り組んでまいります。「ガバナンス」については、コーポレートガバナンス・コンプライアンス体制を推進し、マネジメント体制、法令遵守への取り組みを強化してまいります。環境、社会、ガバナンスの各課題に積極的に取り組み、世界中のお客様に愛され、信頼されるグループを目指してまいります。 冒頭に記載したとおり、長期展望に向けた活動は、猶予の許されない、スズキの未来をかけた挑戦です。全社をあげて取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げてきました。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品づくりに努めてまいります。「小さなクルマ、大きな未来。」をスローガンに、お客様の求める小さなクルマづくり、地球環境にやさしい製品づくりに邁進いたします。あらゆる面で「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」を徹底し、ムダのない効率的な健全経営に取り組んでまいります。 (2) 対処すべき課題現在、自動車産業は大変革の時代を迎えています。このような変革期には、現在からの延長線ではなく、長期展望として10年、15年先に目指す姿を描き、そこから現在に遡って今後行うべきことを考え、未来を切り拓くことが必要です。2030年頃に、インド市場は1,000万台規模に成長する可能性があります。現在のシェア50%を維持すると、スズキは500万台の規模です。そのほかの市場を200万台とすると、スズキ全体で700万台となります。これは計画というよりは理論値ですが、今後の成長に向けてスズキはチャレンジしてまいります。また、インドを充実させることは、開発した商品を世界に展開することを通じて、他の市場の充実にもつながると考えております。しかし今と比べれば、倍以上の規模となる全く未知の領域です。経営陣をはじめ全社員が発想を変えて、ヒト、モノ、カネの経営資源を効果的に配分していかなければなりません。その意味でこの長期展望に向けた活動は、猶予の許されない、スズキの未来をかけた挑戦です。全社をあげて取り組んでまいります。そのような中、当社グループは、以下の課題に取り組んでまいります。 <品質>品質問題については、今後とも最も重要な課題であることに変わりありません。当社グループは、お客様の安全・安心を最優先に考え、高品質でお客様に安心してお使い頂ける製品の開発・生産とアフターサービスの提供に努めております。今後とも、お客様の求める品質を的確に捉えながら、全部門が品質意識を緩めることなく活動し、お客様が引き続き安心して製品をお使い頂けるように全力を尽くしてまいります。 <商品と研究開発>商品については、お客様の期待を超える価値をもつ独創的な商品を引き続き投入するとともに、2030年を踏まえ、販売台数が拡大する中で開発車種も効率的に設定していかなければなりません。また、環境問題については、従来の延長線上の技術だけでなく、新たな技術への取り組みを加速しなければなりません。当社が得意とする小さなクルマづくり、高効率のパワートレイン開発とともに、ハイブリッドの拡大・強化、EVの新規開発にも積極的に取り組んでまいります。さらに、安全技術やコネクティッドなど情報通信技術にも取り組んでまいります。 <生産>生産については、安全第一、世界最適生産体制の構築に尽力してまいりますが、特にインドについては、政府が提唱するメイク・イン・インディアの観点からグジャラート工場や電池工場等の生産体制の強化に積極的に取り組んでまいります。 <販売・サービス>世界各国、各地域において、販売網・サービス網の強化に取り組んでまいります。特にインドでは現在、乗用車市場で過半数のシェアを獲得していますが、我々は2030年にも過半数のシェアを確保したいと考えています。この具体的な実現方法について積極的に対処してまいります。 <四輪事業>日本はグローバル車開発の要、生産の基盤と位置付けています。商品戦略としては、軽、A、Bセグメントに集中し、拡大する世界の小型車市場に対応してまいります。地域戦略としては、日本、インド、インドネシア、パキスタンなど引き続きアジアを主力に事業基盤を強化してまいります。 <二輪事業>「150cc以上」、「バックボーン」、「スポーツ」のカテゴリーに注力することを基本に、大排気量車から小排気量車までシリーズ化を行い、一貫したスズキブランドの強化を行っています。これに加えて、成長市場インドでの「スクーター」強化、アセアン生産モデルの域内外への展開による稼働率改善、浜松工場への開発~生産~営業の集約など、引き続き緊張感を持って経営改善を進めることにより、黒字体質の定着を目指してまいります。 <マリン事業>大型4ストローク船外機の強化、充実を図り、プレジャー市場、業務市場の開拓を進め、「THE ULTIMATE 4-STROKE OUTBOARD」のブランドスローガンのもと、世界一の4ストローク船外機ブランドを構築してまいります。 <ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み強化>「環境」については、「スズキ環境計画2020」を推進し、環境技術の開発と普及、CO2排出量の削減に取り組んでまいります。「社会」については、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、製品の安全・品質、地域社会への貢献、人への投資、人財育成、労働安全などに積極的に取り組んでまいります。「ガバナンス」については、コーポレートガバナンス・コンプライアンス体制を推進し、マネジメント体制、法令遵守への取り組みを強化してまいります。環境、社会、ガバナンスの各課題に積極的に取り組み、世界中のお客様に愛され、信頼されるグループを目指してまいります。 冒頭に記載したとおり、長期展望に向けた活動は、猶予の許されない、スズキの未来をかけた挑戦です。全社をあげて取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、全体としては緩やかな景気回復が続いている一方で、米国の関税政策の行方や、中国やアジア新興国での経済の先行き等、不透明さが増している状況です。当社グループにとって重要市場であるインドにおいては内需を中心に景気は拡大しています。日本においても政府による各種政策を背景に景気は緩やかな回復を続けています。このような状況下、当社グループは、平成27年からの5ヵ年における「中期経営計画SUZUKI NEXT 100」を策定し、「チームスズキ」、「ものづくりの強化」を中心に、社是の第一に掲げる「消費者(お客様)の立場になって価値ある製品を作ろう」の原点に立ち戻り、様々な改革を実行してまいりました。これら施策の効果もあり、3年目にあたる平成29年度は以下のとおり連結売上高で平成31年度目標の3兆7千億円を超え、営業利益率も10%と目標の7%を大きく超えることができました。具体的な当連結会計年度の経営成績ですが、連結売上高は3兆7,572億円と前連結会計年度に比べ5,877億円(18.5%)増加しました。国内売上高は四輪車販売の増加等により1兆1,167億円と前連結会計年度に比べ792億円(7.6%)増加しました。海外売上高はインド、欧州等での四輪車や二輪車の販売増等により2兆6,405億円と前連結会計年度に比べ5,085億円(23.8%)増加しました。連結利益の面では、営業利益は、アジア、日本、欧州での損益改善等により3,742億円と前連結会計年度に比べ1,075億円(40.3%)増加、経常利益は3,828億円と前連結会計年度に比べ961億円(33.5%)増加、親会社株主に帰属する当期純利益は2,157億円と前連結会計年度に比べ557億円(34.9%)増加しました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりです。 ① 四輪事業四輪事業につきましては、国内売上高は昨年度に投入した「ワゴンR」、「スイフト」に加え、12月に投入した「スペーシア」、「クロスビー」など新型車の販売貢献等により前連結会計年度を上回りました。海外売上高は、新型「ディザイア」、「スイフト」を投入したインドをはじめ、欧州等での販売増等により前連結会計年度を上回りました。この結果、四輪事業の売上高は3兆4,358億円と前連結会計年度に比べ5,402億円(18.7%)増加しました。営業利益はアジア、日本、欧州での損益改善等により3,551億円と前連結会計年度に比べ1,000億円(39.2%)増加しました。② 二輪事業二輪事業につきましては、売上高はインドでのスクーターや先進国での大型バイクの販売貢献等により2,464億円と前連結会計年度に比べ401億円(19.4%)増加しました。営業利益は前連結会計年度の営業損失9億円から営業利益46億円へと黒字になりました。③ マリン事業他マリン事業他につきましては、売上高は船外機の新型「DF350A」の北米、欧州を中心とした販売貢献等により750億円と前連結会計年度に比べ74億円(11.0%)増加しました。営業利益は145億円と前連結会計年度に比べ20億円(15.9%)増加しました。 所在地別の経営成績につきましては、アジア、日本、欧州、その他の各所在地で増収増益となりました。 生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。 セグメントの名称生産実績販売実績 前期比 前期比四輪事業3,249,475台+10.4%34,358億円+18.7%二輪事業1,078,174台+22.7%2,464億円+19.4%マリン事業他634億円+12.3%750億円+11.0%合計――37,572億円+18.5% (注) 1 マリン事業他の生産実績は販売価格によります。2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。3 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。4 当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注状況について該当事項はありません。 (2) 財政状態平成27年9月にフォルクスワーゲンAGから、その保有する当社株式を取得するために、4,603億円の自己株式取得を行いましたが、その結果、連結自己資本比率は平成27年3月末の45.6%から平成28年3月末には35.4%にまで低下しました。一方、インドなど成長投資のための多額の投資を計画していることから、平成28年4月に転換社債型新株予約権付社債により2,000億円の資金を調達しました。当連結会計年度末の財政状態は、総資産は3兆3,408億円(前連結会計年度末比2,248億円増)、負債の部は1兆7,456億円(前連結会計年度末比167億円増)、純資産の部は1兆5,952億円(前連結会計年度末比2,082億円増)となり、業績拡大を背景に自己資本比率は38.8%にまで回復しましたが、引き続き自己資本比率の改善が重要な課題となっています。 (3) 資本の財源、資金の流動性及びキャッシュ・フロー当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは業績拡大により4,452億円の増加(前連結会計年度は3,663億円の資金増加)となり、投資活動ではインドでの能力増強投資や各生産拠点での新機種投資、及び有価証券の取得など3,416億円の資金を使用(前連結会計年度は2,886億円の資金減少)しました結果、フリー・キャッシュ・フローは1,036億円の増加(前連結会計年度は777億円の資金増加)となりました。財務活動では長期借入金の返済など有利子負債の圧縮を図るとともに増配による株主還元の拡大などにより1,139億円の資金が減少(前連結会計年度は895億円の資金増加)しました。その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は6,008億円となり、前連結会計年度末に比べ132億円減少しました。 なお、当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。 ① 貸倒引当金の計上基準当社グループは売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しています。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。② 製品保証引当金の計上基準当社グループは販売した製品のアフターサービスに対する費用の見積額を製品保証引当金として計上しています。このアフターサービス費用は、製品不良の発生率や修理コストに影響されますが、この見積りは原則として保証書の約款に従い過去の実績に基づいています。従って、製品不良の発生率や修理コストが見積りと異なる場合、製品保証引当金の修正が必要となる可能性があります。③ 製造物賠償責任引当金の計上基準北米向け輸出製品に対して、「製造物賠償責任保険」(PL保険)で補填されない損害賠償金の支払に備えるため、過去の実績を基礎に会社負担見込額を計上しています。従って、今後の訴訟の発生状況により、製造物賠償責任引当金の見積額の修正が必要となる可能性があります。④ 投資有価証券の評価当社グループは、価格変動性の高い上場会社の株式と、株価の算定が困難な非上場会社の株式を保有していますが、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて評価損を計上しています。なお、将来株式市場の悪化や投資先の業績不振などにより、多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。⑤ 固定資産の減損処理当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、減損の測定に際し、将来キャッシュ・フロー及び割引率を合理的に見積っています。なお、将来、資産グループに使用されている事業に関連して、経営環境に著しい変化が生じ、将来キャッシュ・フロー及び割引率の見積りに修正が必要となる場合には、多額の減損損失を計上する可能性があります。⑥ 繰延税金資産の回収可能性の評価当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用を計上する可能性があります。⑦ 退職給付費用当社グループの退職給付費用、退職給付債務は、数理計算上設定される前提条件に基づき計算されており、これらの前提条件には、割引率、長期期待運用収益率、再評価率、昇給率、退職率、死亡率などがあります。このうち、割引率は、安全性の高い長期の債券の利回りを基礎として決定しており、また、長期期待運用収益率は、各年金制度の年金資産運用方針等に基づき決定しています。長期債券の利回りの低下は、割引率の低下をもたらし、退職給付費用の計算に悪影響を及ぼしますが、当社が採用しているキャッシュバランス型の年金制度においては、基礎率の一つである再評価率が割引率の低下による悪影響を減殺する効果があります。また、年金資産の運用利回りが、長期期待運用収益率を下回る場合には、退職給付費用の計算に悪影響を及ぼしますが、安定運用を心掛けている当社の企業年金及び当社グループの企業年金基金においては、その影響は軽微と考えられます。