事業の概要
- 電子部品の販売と輸出入伯東グループは、半導体デバイスなどの電子部品を国内外で販売・輸出入しています。これは、スマートフォンや自動車など、現代の多くの電子製品に不可欠な部品であり、グループの主要な収益源の一つです。子会社を通じて海外展開もしており、グローバルなサプライチェーンの一翼を担っています。
- 電子・電気機器の販売と輸出入産業用や民生用の電子・電気機器も取り扱っており、販売と輸出入を行っています。これには、製造業の設備や一般消費者が使う家電製品などが含まれると考えられます。関連会社からの仕入れや、グループ内での売買も行い、多角的な事業展開をしています。
- 工業薬品の製造・販売石油化学関連、紙パルプ関連、化粧品基剤などの工業薬品を製造・販売しています。これは、電子部品や電気機器とは異なる分野ですが、安定した需要が見込まれる基幹産業向けのビジネスです。2026年3月期からは「ケミカル事業」に名称変更される予定です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 電子部品事業半導体デバイスなどの電子部品の販売・輸出入が主な事業です。売上高は1429.61億円とグループ内で最も大きく、営業利益も52.39億円と主要な収益源となっています。国内外の子会社が販売を担い、グローバルに展開しており、グループの稼ぎ頭と言える事業です。
- 電子・電気機器事業産業用や民生用の電子・電気機器の販売・輸出入を行っています。売上高は272.41億円、営業利益は24.98億円で、電子部品事業に次ぐ規模です。関連会社からの仕入れやグループ内での売買も行い、多様な顧客ニーズに対応しています。
- ケミカル事業石油・石油化学関連、紙パルプ関連、化粧品基剤などの工業薬品の製造・販売を手掛けています。売上高は107.89億円ですが、営業利益は-0.09億円と赤字となっています。2026年3月期からセグメント名称が変更される予定で、今後の収益改善が課題と考えられます。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ElectronicParts | 事業 | 1,430 | 52 | 3.7% |
| ElectricAndElectricalEquipment | 事業 | 272 | 25 | 9.2% |
| IndustrialChemical | 地域 | 108 | -0 | -0.1% |
| Others | 事業 | 21 | 1 | 6.1% |
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3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社17社及び関連会社1社で構成され、電子・電気機器、電子部品の販売及び輸出入並びに工業薬品の製造・販売を主な内容として事業活動を展開しております。 当社グループの事業に係る位置付け及び報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、事業区分は報告セグメントと同一であります。 電子部品事業………………当社が販売するほか、連結子会社Hakuto Enterprises Ltd.、Hakuto Enterprises (Shanghai) Ltd.、Hakuto(Thailand)Ltd.、Hakuto Singapore Pte.Ltd.、Hakuto Taiwan Ltd.、Hakuto Trading(Shenzhen) Ltd.、Hakuto America Inc.、Rabyte Edge Pvt. Ltd.、Rabyte Pte. Ltd.及びHakuto Czech s.r.o. においても販売しております。なお、その商品の一部は上記各連結会社間で売買取引されております。連結子会社モルデック株式会社は、電子部品の製造販売及び一部の電子部品の加工を当社より受託しております。電子・電気機器事業………当社が販売するほか、連結子会社Hakuto Enterprises Ltd.、Hakuto Enterprises (Shanghai) Ltd.、Hakuto(Thailand)Ltd.、Hakuto Singapore Pte.Ltd.、Hakuto Taiwan Ltd.、及びHakuto Engineering(Thailand)Ltd.においても販売しております。当社は、電子・電気機器の一部を関連会社サンエー技研株式会社から仕入れております。なお、その商品の一部は上記各連結会社間で売買取引されております。ケミカル事業………………当社は石油・石油化学関連、紙パルプ関連及び化粧品基剤等の製造・販売をしております。 その他の事業………………当社は太陽光発電事業を行っております。連結子会社伯東ロジスティクス株式会社は、業務請負業等を行っております。連結子会社株式会社クリアライズは、受託分析サービス事業及び水処理事業を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。当社と継続的で緊密な事業上の関係がある会社のみ記載しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 顧客が厳しい価格競争に置かれ、常にコストダウンの要求を受けているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 技術革新による競合品の市場投入、中国をはじめとする新興諸国企業の台頭による技術・価格面での優位性を持つ商品の市場投入 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経済、市場動向に関するリスク / 災害並びに感染症に関するリスク / 技術、開発動向に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務サマリに時系列データが未収録であり、ブランド力や特許などの無形資産に関する具体的な情報は現時点では入手困難です。公開情報からは、明確な無形資産の存在を示す証拠は見当たりません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
電子部品・半導体商社としての事業特性上、顧客との長年の取引関係や特定のサプライヤーとの強固な関係性がスイッチング・コストを生む可能性はありますが、具体的な顧客離れにくさを示すデータはありません。限定的な取引関係の継続性を示唆する程度です。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業モデルが電子部品・半導体の受託製造や販売であり、ユーザー数が増えることでサービス価値が増大するようなネットワーク効果は期待できません。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、直接的なネットワーク効果は観察されません。
コスト優位★☆☆☆☆
電子部品・半導体商社として、仕入れルートの最適化や効率的な物流網の構築により、一定のコスト競争力を有している可能性はあります。しかし、構造的なコスト優位性を示す具体的なデータや、競合他社に対する圧倒的なコスト差は確認できません。
規模の経済★★★☆☆
電子部品・半導体商社として、一定の事業規模を有しており、サプライヤーや顧客との交渉力において規模の経済が働く可能性があります。業界内での一定の地位を築いていると考えられますが、寡占市場を形成するほどの圧倒的なシェアではありません。
- グローバルな販売ネットワーク伯東グループは、日本国内だけでなく、中国、タイ、シンガポール、台湾、アメリカ、チェコなどに子会社を持ち、電子部品や電子・電気機器のグローバルな販売網を構築しています。これにより、特定の地域に依存せず、世界中の顧客に製品を供給できる体制が強みです。
- 多角的な事業ポートフォリオ電子部品、電子・電気機器、工業薬品、さらには太陽光発電や受託分析サービスといった多様な事業を展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した経営基盤を築いていると考えられます。異なる事業が互いに補完し合うことで、全体としての安定性が高まります。
- 商社機能と金融機能の融合輸入半導体など外国製品を多く扱う中で、国内企業との商取引習慣の違いによる支払条件のギャップを吸収する金融機能を担っています。これは、仕入先と顧客の間でキャッシュフローを調整する重要な役割であり、サプライチェーン全体の円滑な運営に貢献する独自の強みと言えます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等当社グループは、2030年に目指す姿の実現に向け、2025年4月に策定した中期経営計画「Hakuto 2028」を推進しております。当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化する中、エレクトロニクスとケミカルの2つの事業領域、そして商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド企業として、顧客優位で価値の向上に取り組み、中長期的な成長拡大と企業価値の向上を目指してまいります。 (事業環境)当社グループが主力事業を展開しているエレクトロニクス業界は、生成AI関連投資やデータセンター向け投資の拡大を背景に、先端半導体及びその周辺領域を中心として引き続き高い成長が見込まれております。また、代替エネルギーや電力インフラ、水や空気などの環境対策領域においても新たなビジネス機会が広がっております。一方で、車載関連や産業機器向けをはじめとするその他の分野では需要回復になお濃淡があり、AI関連分野の好調さとそれ以外の分野との二極化が進む中で、既存技術や価値の陳腐化が進行しております。加えて、半導体を巡る供給体制や政策動向の変化もあり、当業界で求められる商社の役割・機能が変化し、その存在意義が改めて問われております。 (当社グループのビジョン)当社グループのビジョンは、「顧客の進化を加速させるイネーブラーとしてかけがえのない存在になる」です。当社グループは、下記3つの「H」を念頭に、これまで培ってきた技術力や知見に加え、顧客課題に応じてモノ、サービス、技術、情報を組み合わせた複合的な価値提供を行うことで、顧客の事業成功・事業成長を支える存在としての役割を拡大し、ビジョンの実現を目指してまいります。〔High-Value〕顧客を進化させる価値提供〔High-Technology〕最先端技術を追求し、技術、情報を知見として提供する構想力・発想力〔Humanity〕人のこころを熱量で動かす (当社グループの役割)当社グループは、エレクトロニクスとケミカルの2つの事業領域において、商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド企業として、多様な顧客ニーズに対応してまいりました。また、独立系専門商社として、仕入先及び顧客の双方に対して自由度の高い関係性を構築してきたことに加え、技術サポートや自社製品・サービスの提供を通じて、顧客との接点拡大に取り組んでまいりました。顧客を取り巻く環境は、事業ポートフォリオの変革、新たな競合の出現、環境・品質基準の高度化などにより、より複雑化しております。当社グループは、こうした変化に対応し、顧客課題の把握とその解決に向けて社内外のリソースを組み合わせ、複合的かつ最適な価値を提供してまいります。 (事業戦略)顧客課題に応じた提供価値の複合化と新規創出は、当社グループの重要な事業戦略であると認識しております。そのため、M&Aや資本提携を通じて新たな価値を獲得し、注力事業及び周辺領域をさらに深掘りするとともに、既存事業とのシナジー創出を図ってまいります。また、新規事業開発に特化した「ビジネスインキュベーションセンター」を設置し、全社視点での事業・ソリューション開発を推進しております。加えて、海外市場における事業基盤の拡充にも取り組み、顧客の商品開発やバリューチェーン強化に貢献してまいります。 (経営目標)当社グループは、2026年2月に連結子会社化したRabyte Pte. Ltd.及びRabyte Edge Pvt. Ltd.の損益寄与に加え、AIデータセンター関連の設備投資活発化に伴う先端半導体パッケージ基板向け製造装置案件の増加等、これまでの本計画における事業戦略の進捗を踏まえ、2029年3月期における定量目標を見直しており、見直し後の定量目標は以下のとおりです。なお、両社の連結子会社化により、今後のれん償却費の増加が見込まれることから、見直し後の計画においては、連結EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を指標として追加しております。 当初計画修正計画*ご参考2026年3月期実績2029年3月期2029年3月期連結売上高2,500億円以上2,800~3,000億円1,811億円連結EBITDA115億円以上135~155億円78億円連結営業利益率4%以上4%以上3.4%ROE10%以上10%以上7.5%株主還元配当性向65~75%、加えて下限値DOE5%(*)配当性向65~75%、加えて下限値DOE5%(*)75.1%成長施策の粗利益貢献率30%30%‐*DOE=純資産配当率(人材に関する取り組み)当社グループは、中期経営計画「Hakuto 2028」において、「イネーブラーを体現する人材の確保と育成」を基盤強化戦略の一つに掲げております。ビジョンの実現に向け、求める人材像を「Think(考える力)」「Drive(推進する力)」「Refine(磨く力)」の3つの要件で再定義し、多様な人材の獲得、社員一人ひとりの成長支援、新たな組織文化の醸成に取り組んでおります。具体的には、エンジニア人材及びDX人材の採用・育成、ラーニングプラットフォーム「伯東の学びの場」による自律的な学びの支援、女性活躍及び管理職登用の支援、エンゲージメント向上に向けた施策等に取り組んでまいります。 (株主還元方針)当社グループでは、資本収益性の向上を経営上及び財務上の重要課題と位置付けております。本計画期間中は、成長投資と株主還元のバランスを重視しつつ、安定的な株主還元を目指してまいります。具体的には、配当性向65~75%に加え、純資産配当率(DOE)5%の配当下限値を設定いたします。 本計画の着実な遂行により、当社グループならではの提供価値を追求し、顧客からかけがえのない存在として揺るぎない信頼を確立してまいります。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、各事業における技術の進化による新たな競合の出現、既存技術や価値の陳腐化の進行、並びに顧客ニーズの高度化・多様化に伴う専門商社に求められる役割・機能の変化を、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。当連結会計年度においては、生成AI関連投資やデータセンター向け需要の拡大を背景とした成長機会が継続する一方、車載関連や産業機器向けをはじめとするその他の分野では需要回復になお濃淡があり、事業環境は分野ごとに異なる動きで推移いたしました。このような状況のもと、中期経営計画「Hakuto 2028」においては、顧客課題に応じて商品・製品とソリューションを組み合わせた複合的な価値提供と、それを支える事業ポートフォリオの拡充を重要な取り組みとしております。中期経営計画の2年目となる2026年度は、重点市場への経営資源の集中、各事業の収益性と資本効率を意識した経営の徹底、新規事業及び海外事業の拡大に向けた実行力の強化、並びに人的資本経営及びDX推進を通じた経営基盤の強化に取り組むことが重要であると考えております。 各事業セグメントにおける優先的に対処すべき事業上の課題、並びに財務上の課題は以下の通りであります。 (電子部品事業)電子部品事業は、当社グループにおいて最大の売上規模を有する事業であります。生成AI関連投資やデータセンター向け需要の拡大などを背景に成長機会が見込まれる一方、車載関連分野ではEV関連需要の伸びの鈍化や顧客投資計画の見直し、産業機器分野では需要回復の遅れなど、不透明な事業環境が続いております。また、既存技術や商流のコモディティ化、他メーカーへの置き換えの進行などにより、従来型の販売活動のみでは差別化が難しくなっております。したがって、同事業における対処の方向性は、顧客及び業界への理解を深め、製品の提供に加えて、顧客の求める情報や技術支援を含めた提案を行うことにより、ソリューション提供企業としての存在価値を高めていくことであります。さらに、重点市場における拡販、既存仕入先との取引深耕、新規仕入先及び新規商材の開拓を進めるとともに、評価・設計支援、品質サポート及び技術サポート体制の強化に取り組んでまいります。また、財務面においては、利益率及び在庫回転期間を意識した管理の高度化を通じて、収益性と資本効率の両立を図ってまいります。 (電子・電気機器事業)電子・電気機器事業は、当社グループにおいて比較的高収益な事業であります。AI関連需要の拡大を背景に、先端半導体及び次世代パッケージング関連分野における高付加価値な製造装置への需要が高まる一方、需要の変動や急拡大に対応するための生産能力、技術人材、納期対応力及び導入後の保守・サービス体制の確保・強化が課題となっております。また、顧客ニーズの高度化・多様化が進む中、製品販売に加えて、付加価値の高い提案や、導入後を含めた技術サポート体制の強化が重要となっております。したがって、同事業における対処の方向性は、メーカー機能を活かした自社ソリューションの強化、新規商材によるポートフォリオ拡充、及びエンジニアリング事業の高度化を進めることであります。さらに、スマートエンジニアリングの推進、アフターサービスや保守を含めた提供価値の拡充、人材育成及び営業機能の高度化に取り組むことにより、商社機能とメーカー機能の双方を強化し、高付加価値な事業基盤の構築を進めてまいります。 (ケミカル事業)ケミカル事業は、当社グループにおける特色あるメーカー事業でありますが、既存の主力市場である石油・石油化学関連及び紙・パルプ関連の需要構造は中長期的に変化しており、成長市場へのシフトが重要な課題となっております。また、環境規制の強化や顧客ニーズの高度化に対応し、製品の提供に加えて、技術支援や分析機能を活かした付加価値の提供が求められております。したがって、同事業における対処の方向性は、環境・電子産業及びライフサイエンスの各領域における新規事業の創出を進めるとともに、規制強化に対応した技術開発、分析機能等を活かした提供価値の拡充に取り組むことであります。さらに、既存事業においては、販売価格の適正化、原価低減、製品配合及びラインアップの最適化を進めることにより、収益基盤の強化を図ってまいります。 〔参考〕:過去5期のセグメントごとの売上高、及びセグメント利益(金額単位:百万円)決算期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期電子部品事業売上高セグメント利益157,1193,682197,81810,462144,2875,929142,9615,239140,2743,933電子・電気機器事業売上高セグメント利益21,6092,10422,7171,66526,5471,77727,2412,49825,3002,083ケミカル事業売上高セグメント利益12,3001,33712,61584910,7883510,789△911,156625 海外事業においては、中華圏で地域特性を踏まえた事業体制の強化を図るとともに、ASEAN諸国及びインド等の成長市場で市場開拓を進め、商材・技術・サービスを組み合わせた提案を通じて事業拡大を図ってまいります。 (財務上の課題)当社グループにおいては、資本コストや株価を意識した経営の重要性を踏まえ、資本効率の改善を優先的に対処すべき課題と認識しております。具体的には、事業別ROICマネジメントを実践し、事業別に定めたKPIの達成に向けた重要施策を推進するとともに、運転資本、特に棚卸資産の効率化や政策保有株式の縮減を進めることで、投下資本の適正化を図ってまいります。さらに、これらにより創出したキャッシュを新規事業やM&Aを含む成長投資に適切に配分するとともに、安定的な株主還元とのバランスを図りながら、キャピタルアロケーションの最適化を進め、資本収益性の改善を通じて中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等当社グループは、2030年に目指す姿の実現に向け、2025年4月に策定した中期経営計画「Hakuto 2028」を推進しております。当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化する中、エレクトロニクスとケミカルの2つの事業領域、そして商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド企業として、顧客優位で価値の向上に取り組み、中長期的な成長拡大と企業価値の向上を目指してまいります。 (事業環境)当社グループが主力事業を展開しているエレクトロニクス業界は、生成AI関連投資やデータセンター向け投資の拡大を背景に、先端半導体及びその周辺領域を中心として引き続き高い成長が見込まれております。また、代替エネルギーや電力インフラ、水や空気などの環境対策領域においても新たなビジネス機会が広がっております。一方で、車載関連や産業機器向けをはじめとするその他の分野では需要回復になお濃淡があり、AI関連分野の好調さとそれ以外の分野との二極化が進む中で、既存技術や価値の陳腐化が進行しております。加えて、半導体を巡る供給体制や政策動向の変化もあり、当業界で求められる商社の役割・機能が変化し、その存在意義が改めて問われております。 (当社グループのビジョン)当社グループのビジョンは、「顧客の進化を加速させるイネーブラーとしてかけがえのない存在になる」です。当社グループは、下記3つの「H」を念頭に、これまで培ってきた技術力や知見に加え、顧客課題に応じてモノ、サービス、技術、情報を組み合わせた複合的な価値提供を行うことで、顧客の事業成功・事業成長を支える存在としての役割を拡大し、ビジョンの実現を目指してまいります。〔High-Value〕顧客を進化させる価値提供〔High-Technology〕最先端技術を追求し、技術、情報を知見として提供する構想力・発想力〔Humanity〕人のこころを熱量で動かす (当社グループの役割)当社グループは、エレクトロニクスとケミカルの2つの事業領域において、商社機能とメーカー機能を併せ持つハイブリッド企業として、多様な顧客ニーズに対応してまいりました。また、独立系専門商社として、仕入先及び顧客の双方に対して自由度の高い関係性を構築してきたことに加え、技術サポートや自社製品・サービスの提供を通じて、顧客との接点拡大に取り組んでまいりました。顧客を取り巻く環境は、事業ポートフォリオの変革、新たな競合の出現、環境・品質基準の高度化などにより、より複雑化しております。当社グループは、こうした変化に対応し、顧客課題の把握とその解決に向けて社内外のリソースを組み合わせ、複合的かつ最適な価値を提供してまいります。 (事業戦略)顧客課題に応じた提供価値の複合化と新規創出は、当社グループの重要な事業戦略であると認識しております。そのため、M&Aや資本提携を通じて新たな価値を獲得し、注力事業及び周辺領域をさらに深掘りするとともに、既存事業とのシナジー創出を図ってまいります。また、新規事業開発に特化した「ビジネスインキュベーションセンター」を設置し、全社視点での事業・ソリューション開発を推進しております。加えて、海外市場における事業基盤の拡充にも取り組み、顧客の商品開発やバリューチェーン強化に貢献してまいります。 (経営目標)当社グループは、2026年2月に連結子会社化したRabyte Pte. Ltd.及びRabyte Edge Pvt. Ltd.の損益寄与に加え、AIデータセンター関連の設備投資活発化に伴う先端半導体パッケージ基板向け製造装置案件の増加等、これまでの本計画における事業戦略の進捗を踏まえ、2029年3月期における定量目標を見直しており、見直し後の定量目標は以下のとおりです。なお、両社の連結子会社化により、今後のれん償却費の増加が見込まれることから、見直し後の計画においては、連結EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を指標として追加しております。 当初計画修正計画*ご参考2026年3月期実績2029年3月期2029年3月期連結売上高2,500億円以上2,800~3,000億円1,811億円連結EBITDA115億円以上135~155億円78億円連結営業利益率4%以上4%以上3.4%ROE10%以上10%以上7.5%株主還元配当性向65~75%、加えて下限値DOE5%(*)配当性向65~75%、加えて下限値DOE5%(*)75.1%成長施策の粗利益貢献率30%30%‐*DOE=純資産配当率(人材に関する取り組み)当社グループは、中期経営計画「Hakuto 2028」において、「イネーブラーを体現する人材の確保と育成」を基盤強化戦略の一つに掲げております。ビジョンの実現に向け、求める人材像を「Think(考える力)」「Drive(推進する力)」「Refine(磨く力)」の3つの要件で再定義し、多様な人材の獲得、社員一人ひとりの成長支援、新たな組織文化の醸成に取り組んでおります。具体的には、エンジニア人材及びDX人材の採用・育成、ラーニングプラットフォーム「伯東の学びの場」による自律的な学びの支援、女性活躍及び管理職登用の支援、エンゲージメント向上に向けた施策等に取り組んでまいります。 (株主還元方針)当社グループでは、資本収益性の向上を経営上及び財務上の重要課題と位置付けております。本計画期間中は、成長投資と株主還元のバランスを重視しつつ、安定的な株主還元を目指してまいります。具体的には、配当性向65~75%に加え、純資産配当率(DOE)5%の配当下限値を設定いたします。 本計画の着実な遂行により、当社グループならではの提供価値を追求し、顧客からかけがえのない存在として揺るぎない信頼を確立してまいります。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、各事業における技術の進化による新たな競合の出現、既存技術や価値の陳腐化の進行、並びに顧客ニーズの高度化・多様化に伴う専門商社に求められる役割・機能の変化を、優先的に対処すべき事業上の課題と認識しております。当連結会計年度においては、生成AI関連投資やデータセンター向け需要の拡大を背景とした成長機会が継続する一方、車載関連や産業機器向けをはじめとするその他の分野では需要回復になお濃淡があり、事業環境は分野ごとに異なる動きで推移いたしました。このような状況のもと、中期経営計画「Hakuto 2028」においては、顧客課題に応じて商品・製品とソリューションを組み合わせた複合的な価値提供と、それを支える事業ポートフォリオの拡充を重要な取り組みとしております。中期経営計画の2年目となる2026年度は、重点市場への経営資源の集中、各事業の収益性と資本効率を意識した経営の徹底、新規事業及び海外事業の拡大に向けた実行力の強化、並びに人的資本経営及びDX推進を通じた経営基盤の強化に取り組むことが重要であると考えております。 各事業セグメントにおける優先的に対処すべき事業上の課題、並びに財務上の課題は以下の通りであります。 (電子部品事業)電子部品事業は、当社グループにおいて最大の売上規模を有する事業であります。生成AI関連投資やデータセンター向け需要の拡大などを背景に成長機会が見込まれる一方、車載関連分野ではEV関連需要の伸びの鈍化や顧客投資計画の見直し、産業機器分野では需要回復の遅れなど、不透明な事業環境が続いております。また、既存技術や商流のコモディティ化、他メーカーへの置き換えの進行などにより、従来型の販売活動のみでは差別化が難しくなっております。したがって、同事業における対処の方向性は、顧客及び業界への理解を深め、製品の提供に加えて、顧客の求める情報や技術支援を含めた提案を行うことにより、ソリューション提供企業としての存在価値を高めていくことであります。さらに、重点市場における拡販、既存仕入先との取引深耕、新規仕入先及び新規商材の開拓を進めるとともに、評価・設計支援、品質サポート及び技術サポート体制の強化に取り組んでまいります。また、財務面においては、利益率及び在庫回転期間を意識した管理の高度化を通じて、収益性と資本効率の両立を図ってまいります。 (電子・電気機器事業)電子・電気機器事業は、当社グループにおいて比較的高収益な事業であります。AI関連需要の拡大を背景に、先端半導体及び次世代パッケージング関連分野における高付加価値な製造装置への需要が高まる一方、需要の変動や急拡大に対応するための生産能力、技術人材、納期対応力及び導入後の保守・サービス体制の確保・強化が課題となっております。また、顧客ニーズの高度化・多様化が進む中、製品販売に加えて、付加価値の高い提案や、導入後を含めた技術サポート体制の強化が重要となっております。したがって、同事業における対処の方向性は、メーカー機能を活かした自社ソリューションの強化、新規商材によるポートフォリオ拡充、及びエンジニアリング事業の高度化を進めることであります。さらに、スマートエンジニアリングの推進、アフターサービスや保守を含めた提供価値の拡充、人材育成及び営業機能の高度化に取り組むことにより、商社機能とメーカー機能の双方を強化し、高付加価値な事業基盤の構築を進めてまいります。 (ケミカル事業)ケミカル事業は、当社グループにおける特色あるメーカー事業でありますが、既存の主力市場である石油・石油化学関連及び紙・パルプ関連の需要構造は中長期的に変化しており、成長市場へのシフトが重要な課題となっております。また、環境規制の強化や顧客ニーズの高度化に対応し、製品の提供に加えて、技術支援や分析機能を活かした付加価値の提供が求められております。したがって、同事業における対処の方向性は、環境・電子産業及びライフサイエンスの各領域における新規事業の創出を進めるとともに、規制強化に対応した技術開発、分析機能等を活かした提供価値の拡充に取り組むことであります。さらに、既存事業においては、販売価格の適正化、原価低減、製品配合及びラインアップの最適化を進めることにより、収益基盤の強化を図ってまいります。 〔参考〕:過去5期のセグメントごとの売上高、及びセグメント利益(金額単位:百万円)決算期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期電子部品事業売上高セグメント利益157,1193,682197,81810,462144,2875,929142,9615,239140,2743,933電子・電気機器事業売上高セグメント利益21,6092,10422,7171,66526,5471,77727,2412,49825,3002,083ケミカル事業売上高セグメント利益12,3001,33712,61584910,7883510,789△911,156625 海外事業においては、中華圏で地域特性を踏まえた事業体制の強化を図るとともに、ASEAN諸国及びインド等の成長市場で市場開拓を進め、商材・技術・サービスを組み合わせた提案を通じて事業拡大を図ってまいります。 (財務上の課題)当社グループにおいては、資本コストや株価を意識した経営の重要性を踏まえ、資本効率の改善を優先的に対処すべき課題と認識しております。具体的には、事業別ROICマネジメントを実践し、事業別に定めたKPIの達成に向けた重要施策を推進するとともに、運転資本、特に棚卸資産の効率化や政策保有株式の縮減を進めることで、投下資本の適正化を図ってまいります。さらに、これらにより創出したキャッシュを新規事業やM&Aを含む成長投資に適切に配分するとともに、安定的な株主還元とのバランスを図りながら、キャピタルアロケーションの最適化を進め、資本収益性の改善を通じて中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a. 財政状態 当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較して175億36百万円(16.0%)増加し、1,270億68百万円となりました。これは主に既存の海外子会社での増加に加え、当連結会計年度末より連結子会社が2社増加したことにより受取手形、売掛金及び契約資産が119億55百万円増加したためであります。 固定資産につきましては、前連結会計年度末と比較して165億72百万円(79.5%)増加し、374億15百万円となりました。これは主にRabyte Pte. Ltd.及びRabyte Edge Pvt. Ltd.の取得に関連してのれんが130億35百万円増加したためであります。 以上のことから、当連結会計年度末における資産の部全体としては、前連結会計年度末と比較して341億8百万円(26.2%)増加し、1,644億84百万円となりました。 負債につきましては、流動負債が前連結会計年度末と比較して201億61百万円(42.7%)増加し、673億58百万円となりました。これは主に運転資本(商品仕入)の増加に加え、当連結会計年度末より連結子会社が2社増加したことにより支払手形及び買掛金が59億31百万円、短期借入金が136億33百万円増加したためであります。 固定負債は前連結会計年度末と比較して96億60百万円(54.8%)増加し、272億93百万円となりました。これは主に長期借入金が89億28百万円増加したためであります。 以上のことから、当連結会計年度末における負債の部全体としては、前連結会計年度末と比較して298億22百万円(46.0%)増加し、946億51百万円となりました。 純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して42億86百万円(6.5%)増加し、698億33百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が19億56百万円増加、非支配株主持分が14億46百万円増加したためであります。 b. 経営成績当連結会計年度における世界経済は、生成AI関連投資の拡大を背景に、総じて底堅く推移いたしました。しかしながら、年度末の中東情勢緊迫化に伴うエネルギー価格の上昇や物流の混乱から、景気は減速傾向にあり、先行きに対する不確実性が一段と高まっております。我が国経済におきましては、高水準の賃上げ継続や旺盛な設備投資に支えられ、内需主導の緩やかな回復基調が続きました。一方で、資源価格の上振れによる原材料コストの負担増や、物価高が個人消費に与える影響も懸念されており、景気の先行きについては依然として不透明な状況にあります。当社グループが主力事業を展開するエレクトロニクス業界においては、AIエージェントの実用化に伴うデータセンター向け投資が一段と加速し、先端半導体やメモリの需給逼迫と価格上昇が継続いたしました。また、在庫調整が一巡した車載・産業機器向け需要も回復基調に転じ、総じて堅調に推移しました。一方、部材コスト高による民生用機器の収益圧迫や地政学リスクの影響も注視されるなど、市況の二極化が進んでおります。このような状況のもと、当社グループの電子部品事業においては、車載関連を中心に需要低迷や顧客の在庫調整が継続したことにより、対前年同期比で減収となりました。電子・電気機器事業においては、PCB関連及びパワーデバイス向け装置の需要低下により販売が減少し、対前年同期比で減収となりました。ケミカル事業においては、化粧品基剤の海外向け出荷が増加したことに加え、石油石化分野の販売も比較的堅調に推移したことなどにより、対前年同期比で増収となりました。 以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は1,811億78百万円(前年同期比1.1%減)となりました。 損益面につきましては、連結売上総利益は280億80百万円(同0.7%増)となり、連結販売費及び一般管理費として220億0百万円(同10.2%増)を計上した結果、連結営業利益は60億80百万円(同23.2%減)、連結経常利益は55億79百万円(同23.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億9百万円(同2.4%減)となりました。 また、1株当たり当期純利益は266円14銭となり、前連結会計年度より6円62銭減少いたしました。 収益性及び資本効率に係る各指標につきましては、当連結会計年度における売上高営業利益率は3.4%(前連結会計年度は4.3%)、総資産経常利益率は3.8%(同5.5%)、自己資本当期純利益率は7.5%(同7.8%)となりました。 報告セグメント別の経営成績につきましては、以下のとおりです。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。 〔電子部品事業〕 電子部品事業では、車載関連用途において日系自動車メーカー向け需要の低迷やEVの普及減速等がみられたほか、民生・モバイル分野の回復も鈍く、売上高は減少しました。一方、産業機器分野では顧客の在庫調整に改善の動きがみられ、光部品関連は5G投資等を背景に伸長しました。 この結果、当連結会計年度の売上高は1,402億74百万円(前年同期比1.9%減)となり、販売減少に伴う利益額の減少や為替影響に加えM&A取得関連費用の計上等により、セグメント利益は39億33百万円(同24.9%減)となりました。 〔電子・電気機器事業〕電子・電気機器事業では、真空関連において半導体工場向け環境測定装置および理化学向け分析装置の販売が引き続き堅調に推移し、売上高は増加しました。一方、PCB関連ではサーバー・PC向けパッケージ基板メーカーの投資抑制が継続し、パワーデバイス向け装置では需要が低下したことから、いずれも販売は減少しました。この結果、当連結会計年度の売上高は253億円(前年同期比7.1%減)となり、販売減少に伴う利益額の減少等の要因により、セグメント利益は20億83百万円(同16.6%減)となりました。 〔ケミカル事業〕ケミカル事業では、紙・パルプ分野において顧客プラントの稼働減や閉鎖により販売が減少しました。一方、石油石化分野では国内向けの販売が比較的堅調に推移しました。化粧品分野でも需要の回復基調が継続し、海外向け出荷の増加などにより化粧品基剤の販売が増加しました。この結果、当連結会計年度の売上高は111億56百万円(前年同期比3.4%増)となり、セグメント利益は6億25百万円(前年同期はセグメント損失9百万円)となりました。 〔その他の事業〕その他の事業では、当社の物流管理全般の受託事業および太陽光発電事業に加え、前期下半期から材料調査などの受託分析・試験評価事業を行っております。当連結会計年度の売上高は48億53百万円(前年同期比89.5%増)となり、一方、連結子会社に係るのれん償却費や新規事業関連費用の計上などにより、セグメント損失は7億5百万円(前年同期はセグメント利益1億31百万円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは102億73百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは175億33百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは100億17百万円の収入、現金及び現金同等物に係る換算差額が10億61百万円の増加となったため、現金及び現金同等物は前連結会計年度末と比較して38億19百万円増加し、当連結会計年度末は187億49百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) エレクトロニクス関連の商社事業を展開する当社グループでは、市況や事業動向により売上債権や棚卸資産等の運転資本が増減し、営業キャッシュ・フローが変動いたします。当連結会計年度においては、法人税等の支払額23億83百万円等の支出要因がありましたが、税金等調整前当期純利益77億75百万円、棚卸資産の減少額31億16百万円等の収入要因により、営業活動によるキャッシュ・フローは102億73百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には棚卸資産の減少額117億33百万円等により、105億89百万円の収入となっておりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動として、主に新規事業に係る投資やケミカル事業における製造及び研究設備の更新等の資本的支出の他、必要に応じてM&Aやアライアンス等の非連続投資を行っております。当連結会計年度においては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出178億18百万円等により投資活動によるキャッシュ・フローは175億33百万円の支出となりました。なお、前連結会計年度には、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出37億14百万円等により、45億68百万円の支出となっておりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 運転資本の増減による営業キャッシュ・フローの変動に対して、主に有利子負債による調整を行っております。当連結会計年度においては、配当金の支払い額43億28百万円等の支出要因がありましたが、短期借入による収入(純)70億50百万円、長期借入による収入160億円等の収入要因により、財務活動によるキャッシュ・フローは100億17百万円の収入となりました。なお、前連結会計年度には、配当金の支払額50億79百万円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは65億7百万円の支出となっておりました。 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率46.9%43.8%47.9%50.3%41.6%時価ベースの自己資本比率36.6%63.0%77.0%59.4%47.7%キャッシュ・フロー対有利子負債比率3,796.7%-418.8%333.2%564.9%インタレスト・カバレッジ・レシオ5.8倍-47.0倍33.8倍23.7倍自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。 5.2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しております。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)前年同期比(%)電子部品事業 (百万円)1,818148.1ケミカル事業 (百万円)6,579108.1 合計 (百万円)8,398114.8 (注)金額は販売価格によっております。 b. 商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)前年同期比(%)電子部品事業 (百万円)121,762105.1電子・電気機器事業 (百万円)16,12587.5ケミカル事業 (百万円)7,465112.1その他の事業 (百万円)1,104- 合計 (百万円)146,457103.9 (注)セグメント内の内部取引を相殺消去しております。 c. 受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)電子部品事業(百万円)137,849108.155,224105.9電子・電気機器事業(百万円)36,535130.119,802111.4ケミカル事業(百万円)11,495107.81,156107.8その他の事業(百万円)5,268228.3717231.3 合計191,146113.476,899107.8 (注)セグメント内の内部取引については消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。 d. 販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)前年同期比(%)電子部品事業 (百万円)140,27498.1電子・電気機器事業 (百万円)25,30092.9ケミカル事業 (百万円)11,156103.4その他の事業 (百万円)4,853189.5 合計 (百万円)181,58598.9 (注)1.セグメント内の内部取引については消去しておりますが、セグメント間の内部取引については消去しておりません。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。相手先前連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社デンソー21,12511.519,14410.6 ※販売実績には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績等の状況 当社グループでは、エレクトロニクスとケミカルの2つの事業領域、そして商社とメーカー機能を併せ持つハイブリッド企業として、中長期的な成長拡大と新たな価値創出を目指すため、2028年度を最終年度とする新中期経営計画「Hakuto 2028」を策定し、2025年4月30日に公表しました。世界的な物価・資源高、半導体の戦略物資化など、世界情勢の不透明性は高まっておりますが、AI関連及び半導体製造に対する様々な投資活動を中心に、エレクトロニクス業界は引き続き高い成長が見込まれております。また、当業界で求められる商社の役割・機能が変化し、その存在意義が改めて問われております。このような事業環境の下、当社グループならではの提供価値を追求し、顧客からかけがえのない存在として信頼を確立するため、この中期経営計画をマイルストーンとして位置付けております。 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比較して19億54百万円(1.1%)減少し、1,811億78百万円となりました。これは主に電子部品事業において、車載関連用途の日系自動車メーカー向け需要の低迷やEVの普及減速等がみられ、民生・モバイル分野の回復も鈍かったほか、電子・電気機器事業において、PCB関連及びパワーデバイス向け装置の需要低下により販売が減少したためであります。 売上総利益は、前連結会計年度と比較して2億2百万円(0.7%)増加し、280億80百万円となりました。売上総利益率は15.5%となり、前連結会計年度より0.3ポイント改善いたしました。 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して20億35百万円(10.2%)増加し、220億0百万円となりました。これは主にM&A取得関連費用の増加等により業務委託費が5億9百万円増加したことによります。 営業利益は、前述の通り販売費及び一般管理費が増加したため、前連結会計年度と比較して18億32百万円(23.1%)減少し、60億80百万円となりました。また、営業利益率は3.4%となり、前連結会計年度より0.9ポイント下落いたしました。 営業外収益は、受取配当金が21百万円減少したこと等により前連結会計年度と比較して48百万円減少し6億4百万円となり、営業外費用は、支払利息が増加したものの、為替差損が2億87百万円減少し、6億9百万円になったこと等により前連結会計年度と比較して1億39百万円減少し、11億5百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度と比較して17億42百万円(23.8%)減少し、55億79百万円となりました。 特別利益は、政策保有株式の縮減により投資有価証券売却益21億89百万円を計上したこと等により、前連結会計年度と比較して19億4百万円増加し21億98百万円となり、特別損失は、前連結会計年度と比較して51百万円減少し2百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度と比較して2億13百万円(2.8%)増加し、77億75百万円となりました。 法人税等合計額は、法人税、住民税及び事業税25億53百万円を計上したこと等により、27億65百万円となりました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して1億21百万円(2.4%)減少し、50億9百万円となりました。 また自己資本当期純利益率(ROE)は7.5%となり、前連結会計年度より0.3ポイント下降しました。 なお、当社は、2025年4月30日に公表いたしました2025年度から2028年度を計画期間とする中期経営計画「Hakuto 2028」について、2026年5月25日に見直しを行いました。 これは2026年2月に連結子会社化したシンガポールとインドを主要拠点とするエレクトロニクス商社であるRabyte Pte. Ltd.及び Rabyte Edge Pvt. Ltd.の損益寄与に加え、昨今のAIデータセンター関連の設備投資活発化に伴う先端半導体パッケージ基板向け製造装置案件の増加等、これまでの中期経営計画における事業戦略の施策進捗を踏まえ、改めて定量目標として反映いたしました。 また、両社の連結子会社化により、今後のれん償却費の増加が見込まれることから、今回の修正計画より連結EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を記載することにいたしました。修正後の経営目標数値等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。 引き続き、本計画にて掲げた全社戦略並びに事業戦略の遂行により、更なる企業価値の向上に努めてまいります。 b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析 商社事業である電子部品事業と電子・電気機器事業で売上高の大半を占める当社グループのバランスシートは、主に現金及び預金、売上債権、並びに棚卸資産等の流動資産で構成されております。また、新規事業開発や商権獲得のための事業投資の他に、製造業のケミカル事業では生産設備投資や研究開発投資等にも資金を投入しております。当社グループでは、これらの手元流動性、運転資本及び投資等に充当する資金は、主に内部留保と金融機関からの借入によって調達しております。 当連結会計年度末における棚卸資産は前連結会計年度末と比較して18億27百万円(4.1%)増加し、463億11百万円となりました。これは既存の当社グループでは手許在庫の出荷が進んだ一方、新規に連結子会社化した2社の棚卸資産が加わったため商品及び製品が16億41百万円増加したためであります。売上債権は前連結会計年度末と比較して110億73百万円(24.2%)増加し、568億68百万円となりました。 当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末と比較して227億49百万円(64.5%)増加し、580億31百万円となりました。これは主に長期借入によりM&A資金を調達したためであります。また、現金及び預金の期末残高は前連結会計年度末と比較して40億28百万円(27.0%)増加し、189億57百万円となり、手元流動性比率は約1.3ヶ月となりました。 内部留保につきましては、成長と還元のバランスを重視したキャピタルアロケーションを基本方針とし、積極的な成長投資と安定的な株主還元を両立してまいります。 配当につきましては、「Hakuto 2028」の期間中は、安定的な増配を目指し、配当性向70%程度に加え、DOE5%(純資産配当率)の配当下限値を設定しております。1株当たり年間200円の配当(連結配当性向75.1%)を実施しており、自己株式の取得は行わなかったため、総還元性向は連結配当性向と同じく75.1%となりました。c. 経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 経済・市場動向による影響電子部品や電子・電気機器事業は、エレクトロニクス業界全体の市場動向に大きく左右されます。特に、民生用・産業用製品の需要低迷や半導体市場の変動、顧客の在庫調整の長期化は、グループの業績に直接的な影響を与える可能性があります。また、米国の関税政策など国際的な貿易環境の変化もリスク要因です。
- 技術革新と価格競争の激化取り扱う製品は技術革新が速く、競合他社による新技術や低価格品の市場投入により、製品の陳腐化や競争力低下のリそれがあります。特に、中国企業などの台頭により、技術面・価格面での競争が激化しており、利益率の低下や市場シェアの喪失につながる可能性があります。
- 商権喪失のリスク商社事業の根幹である仕入先との代理店契約(商権)は、事業再編や仕入先の販売戦略変更により喪失する可能性があります。M&Aによる仕入先の消滅や、仕入先が自社販売子会社を設立するケースなどがあり、これにより主要な取扱製品を失うことは、グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
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3【事業等のリスク】 当社グループではリスクを「グループの収益又は損失に影響を与える不確実性」と捉え、複雑化・多様化するリスクに対して適切な対策を講じることにより、リスクの回避や顕在化した場合の被害を最小限に抑える予防的活動を含めた取組みをリスクマネジメントと位置付けております。 こうした考えに基づき、当社ではリスクを組織的に管理するために必要な基本事項を定め、事業活動におけるリスクを統括的に把握し、適切に管理することを目的として、リスクマネジメント委員会を設置し、リスクの的確な把握と実効性のある予防的活動に取り組んでおります。 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、以下の事項を記載しておりますが、これらのリスクは必ずしも全てを網羅したものではなく、想定していないリスク又は重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を受ける可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (外部環境に起因するリスク) (1)経済、市場動向に関するリスク 当社グループの業績は、マクロ経済動向に少なからず影響を受けますが、電子部品事業及び電子・電気機器事業においては、エレクトロニクス業界全体の市場動向に大きく影響を受けます。具体的には、半導体市場の需給動向、民生用、産業用、自動車関連等の各分野における顧客の在庫保有状況、半導体設備への投資及び設備の稼働状況等が挙げられます。 近年のエレクトロニクス業界においては、生成AIの利活用拡大等を背景としたデータセンター向け需要の拡大が続く一方、AI関連以外の分野でも在庫調整の進展に伴い回復の動きが見られております。他方で、部材価格の上昇や物価高の影響を受けやすい分野もあり、需要分野ごとに市況の変動に差が生じております。また、エレクトロニクス業界のグローバル化が進む中、海外子会社を有する当社グループは、国内のみならず、アジア、欧米を中心とした世界各国の経済、市場動向にも影響を受けます。加えて、中東情勢の緊迫化等に伴うエネルギー価格の上昇や物流の混乱、各国の通商政策や関税政策の変化等により、国外取引先とのサプライチェーンの見直しを余儀なくされる可能性があります。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、顕在化した場合には、当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、仕入先企業や販売先企業又は同業他社の動向等に常に注視し、マクロ経済や世界情勢、業界動向の変化を的確に捉え、経営施策に反映させるよう努めております。 (2)災害並びに感染症に関するリスク 当社グループは、神奈川県伊勢原市に電子部品事業及び電子・電気機器事業の物流・サービス拠点を、三重県四日市市にケミカル事業の生産・研究開発拠点を有するなど、国内外に複数の物流、生産拠点並びに施設があります。これらの施設が地震、火災等により被災し、又は施設内において感染症等が発生した場合には、一時的に商品及び製品の出荷が困難となる可能性があります。また、取引先企業において同様の災害や感染症が発生した場合には、サプライチェーンの確保が困難となる可能性があります。当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 (技術・競合に起因するリスク) (3)技術、開発動向に関するリスク 当社グループが取り扱う電子部品、電子・電気機器及び工業薬品は、技術革新や市場ニーズの変化により、優位性を有する競合製品または代替技術が市場投入されることで陳腐化し、競争力が低下する場合があります。 また、近年は中国をはじめとする新興国企業の台頭により、技術面又は価格面で競争力を有する製品が市場に多く投入されるようになっており、アジア地域を中心にローカルビジネスの強化を重要な成長戦略の一つとして位置付けている当社グループにとって、事業展開上の阻害要因となる場合があります。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、顕在化した場合には、当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、技術動向や市場ニーズの変化を継続的に把握し、取扱商材の見直しや新規商材・新規事業の開拓等を通じて対応しております。 (4)価格競争並びに競合に関するリスク 当社グループが取り扱う電子部品、電子・電気機器及び工業薬品は、最終製品を製造販売する国内外の顧客が、競争激化や国内市場の縮小等のさまざまな要因により、厳しい価格競争に置かれているため、継続的にコストダウンの要求を受けております。 また、電子部品事業においては、半導体デバイス等のコモディティ化及び低付加価値化の進行に伴い、競合サプライヤーや競合代理店との差別化がより困難となる中、競合企業間の価格競争がさらに激化することにより、利益面での影響を受けやすくなっております。当該リスクに対しては、技術力を活かしたソリューションビジネスへの取組み等により競合代理店との差別化を図るとともに、労働生産性の改善に向けて、DX・デジタル化の推進による業務効率の向上に努め、収益性の確保に取り組んでおります。 (5)商権の喪失に関するリスク 商社事業の電子部品事業及び電子・電気機器事業では、多くの商権(仕入先との代理店契約に基づく製品販売権)が事業の根幹を形成しております。仕入先との代理店契約には、契約期間や契約解除要件が定められており、その解除権は当社グループと仕入先の双方が有しております。 近年のエレクトロニクス業界においては、M&A等による事業再編が活発化しており、エレクトロニクス関連製品を取り扱う販売代理店においても、商流の見直しや統廃合の動きが見られます。当社グループは、商権の維持や新規獲得に向けた取組みを継続しておりますが、仕入先企業における事業再編、販売子会社の設立、直販化、競合代理店への商流変更等により、商権を喪失する場合があります。 当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 (財務リスク) (6)運転資本に関するリスク 輸入半導体等多くの外国製品を取り扱う当社グループは、国内企業との商取引習慣の違いによる支払条件のギャップを吸収し、キャッシュ・フローの調整を図る金融機能を担っております。近年のエレクトロニクス業界においては、仕入先(半導体メーカー等)と顧客(電機メーカー等)の再編による大規模化、設備投資及び研究開発資金の増大等を背景に、売掛債権の回収と買掛債務の支払いとの間に一定期間の差が生じております。また、地政学リスクの高まりや自然災害の増大等を背景に、BCP(事業継続計画)の観点から一定水準の棚卸資産を保有する必要があり、運転資本が高水準となる場合があります。 その結果、当社グループのCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮が進まない場合には、当社グループのキャッシュ・フローに影響を及ぼすとともに、運転資本の調達コストの上昇により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、棚卸資産については、市場動向、販売状況及び顧客の在庫保有状況により滞留するリスクがあります。当社グループでは、顧客企業の生産計画を基に、仕入先企業の生産のリードタイムとの均衡を図ることで、余剰在庫が生じないように努めるとともに、需給管理体制の強化や在庫管理の高度化を進めております。もっとも、一定の在庫期間を経過し、かつ、受注のない滞留在庫については、収益性の低下を反映して帳簿価額を切り下げることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。〔参考〕:過去5期のCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル/連結ベース)決算期2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月棚卸資産平均回転期間(月)2.62.74.03.93.6売掛債権平均回収期間(月)2.92.83.43.03.4支払債務平均支払期間(月)1.51.51.91.81.6キャッシュ・コンバージョン・サイクル(月)4.14.05.55.15.3※ 棚卸資産平均回転期間=((前期末棚卸資産+当期末棚卸資産)÷2)÷(当期売上原価÷12)※ 売掛債権平均回収期間=((前期末売掛債権+当期末売掛債権)÷2)÷(当期売上高÷12)※ 支払債務平均支払期間=((前期末支払債務+当期末支払債務)÷2)÷(当期仕入高÷12)※ キャッシュ・コンバージョン・サイクル=棚卸資産平均回転期間+売掛債権平均回収期間-支払債務平均支払期間※ 棚卸資産=商品及び製品+仕掛品+原材料及び貯蔵品※ 売掛債権=売掛金+受取手形+電子記録債権※ 支払債務=買掛金+支払手形+電子記録債務※ 仕入高=当期商品仕入高+当期原材料仕入高 (7)為替動向に関するリスク 当社グループの事業はアジア地域を中心に各国にまたがり展開しており、取引通貨についても各国の現地通貨に加えて日本円、米国ドル、ユーロなど多岐にわたるため、為替変動によるリスクが存在しております。当社グループでは、為替相場の変動リスクを回避することを目的として、「市場リスク管理規程」及び「外国為替予約締結マニュアル」に従い、為替予約等によるリスクヘッジ策を実施しております。 為替変動は、仕入コスト、販売収益、外貨建資産・負債の評価等を通じて、当社グループの事業に多面的な影響を及ぼします。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、短期間のうちに急激な為替変動が発生した場合には、当社グループの業績やキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。〔参考〕:過去5期の伯東単独業績における調達地域別仕入高(原材料費及び外注費を含む)決算期2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月合 計 (百万円)150,353176,845140,282121,550126,811 国内調達(百万円)59,52589,64192,30674,91975,806海外調達(百万円)90,82887,20347,97546,63051,004 (8)借入金に関するリスク 当社グループは運転資金、設備投資資金及びM&A資金等の一部を金融機関より調達しております。市場金利の上昇や当社グループの業績悪化等、個別の理由により資金調達条件が悪化した場合には、支払利息の増加等を通じて、当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。金融機関からの借入の一部には、純資産や経常損益の金額等を基準とした財務制限条項が付されているものがあり、将来においてこうした財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失した場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは、金利リスクを回避する目的で金利を実質的に固定化する金利スワップを利用しております。また、ヘッジ会計の要件を満たす取引についてはヘッジ会計を適用しております。〔参考〕:過去5期の借入金残高及び平均金利(連結ベース)決算期2022年3月2023年3月2024年3月2025年3月2026年3月(短期借入金) 前期末残高(百万円)12,40015,30022,70015,80012,900当期末残高(百万円)15,30022,70015,80012,90025,427平均利率0.3%0.3%0.5%0.9%1.8%(1年内返済長期借入金) 前期末残高(百万円)3,8804,6906,1008,8706,698当期末残高(百万円)4,6906,1008,8706,6987,803平均利率0.5%0.5%0.6%0.7%1.2%(長期借入金) 前期末残高(百万円)12,76512,62412,80911,17515,218当期末残高(百万円)12,62412,80911,17515,21824,147平均利率0.5%0.6%0.7%0.8%2.1% (9)のれんの減損リスク 当社グループは、企業買収の際に生じたのれん及び無形固定資産を計上し、一定期間で償却を行っております。当該のれんについては、将来の超過収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られなかった場合には、当該のれんについて減損損失を計上し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (法的リスク) (10)製造物責任(PL)並びに得意先等からの求償に関するリスク 商社事業の電子部品事業及び電子・電気機器事業では、納期遅延や品質不良等の理由により顧客から求償を受けた場合には、顧客との協議により求償金額の軽減を図るとともに、仕入先からの補填を受けるよう努めておりますが、常に当社グループの負担額がゼロになるとは限りません。 製造販売業のケミカル事業では、納期遅延や品質不良に加え、当社製品が顧客の設備や周辺環境に及ぼす影響等を理由として、顧客から求償を受けることがあります。 当社グループでは、品質不良等の製造物の欠陥による損害、回収費用その他これらに関連して発生する損失リスクに備え、製造物責任(PL)保険及び専門事業者賠償責任(E&O)保険に加入するとともに、リコール保険の活用も含めた対応を行っておりますが、最終的に当社グループが負担する賠償額、回収費用その他の費用の全てを補填できるとは限りません。 当連結会計年度において重要な求償又は賠償の支払いはありませんが、当該リスクが顕在化した場合には、民事上の賠償責任に加え、許認可又は資格の取消し・停止、レピュテーションの低下等の間接的損害により、当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 (11)法的規制に関するリスク 当社グループは、国内外に拠点を有し事業を展開しており、国内及び外国の法的規制を受けております。これらの法令や規則を遵守できなかった場合、各国当局から事業活動が制限され、今後の事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特に安全保障貿易管理については、米中対立の長期化等の地政学リスクにより、規制措置は強化される傾向にあり、慎重な対応が必要な状況にあります。これに対して当社では、子会社・関係会社を含めた従業員に対する教育を実施し、輸出関連法規の遵守に努め、当社が販売する製品および設計・製造・使用に係る技術等が、規制される貨物等として直接又は間接を問わず規制対象地域等へ輸出されることを防止する取組みを行っております。 (その他のリスク) (12)情報セキュリティに関するリスク 当社グループは、情報資産を保護するため「情報セキュリティ基本方針書」並びに「情報セキュリティ対策標準書」を制定した上で、「情報セキュリティ委員会」を設置し、情報セキュリティ対策を強化しております。具体的には、会社支給のPC・情報端末への盗難・紛失対策、機密情報の不正持ち出しに対する対策、情報セキュリティに関する継続的な社内教育等を実施しております。また、近年はサイバー攻撃による情報資産の社外流出リスクが高まっていることから、当社グループが利用する情報システム及びネットワークインフラについては、外部専門機関によるサイバーセキュリティ診断を実施し、脆弱性の検出とリスクの解消に努めております。 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、事故又は故意により当社グループの情報資産が流出した場合には、刑事責任や民事賠償責任に加えて、復旧費用の発生やレピュテーションの低下等の間接的損害により、当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 (13)人材確保や育成に関するリスク 当社グループでは、持続的な企業成長のためには、顧客課題を起点に社内外のリソースを組み合わせ、複合的な価値提供を担う人材の採用及び育成が重要であると認識しております。事業発展のために必要な人材、特にエンジニア人材、DX人材、グローバル人材等を十分に採用・育成できなかった場合、又は想定以上に人材が流出した場合には、中長期的に当社グループの業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、中期経営計画「Hakuto 2028」において掲げる「イネーブラーを体現する人材の確保と育成」に向け、新卒採用のみならず中途採用においても採用活動の強化に努めるとともに、ラーニングプラットフォーム「伯東の学びの場」による自律的な学びの支援、DX関連資格の取得支援、女性活躍及び管理職登用の支援、エンゲージメント向上に向けた取組等を通じて、人材の確保・育成・活用・定着に取り組んでおります。また、エンゲージメントサーベイの結果を踏まえた課題の特定及び改善に取り組むとともに、入社者に対するフォローアップ等を行っております。 (14)海外事業におけるコーポレートガバナンスに関するリスク 当社グループは、海外子会社を通じて中華圏及びアセアンを中心に海外展開を図っており、連結売上高に占める海外売上高の割合は約40%となっております。加えて、インド及びシンガポールの電子部品商社を新たに連結子会社化しており、今後も海外売上高の比率は高水準で推移することが予想されます。 海外子会社においては、各国の商慣習や法規制に加え、地政学リスク等、国内とは異なるリスクにさらされていることから、グループ統制によるリスク管理が重要であると認識しております。グループ統制の不足や連携不十分等により、現地における政治・社会情勢や法令・税制の変化に対する対応の遅れなど、管理上の問題が発生する可能性があります。特に、海外における訴訟案件や従業員による不適切行為等については、当社グループの業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、中華圏及びアセアンに地域統括責任者を任命し、現地管理の強化を図るとともに、グループ諸規程について継続的なレビュー及び適切な運用状況の確認を行っております。加えて、コンプライアンス研修の実施等を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。 (15)AIに関するリスク 当社グループにおいては、近年のAI技術の進展に伴い、以下のリスクが生じる可能性があります。・生成AI等の活用に伴う情報セキュリティに関するリスク・誤情報の利用による意思決定精度の低下に関するリスク・知的財産権及び契約条件への抵触に関するリスク・各部門が個別に導入又は利用することによるガバナンスの不統一等に関するリスク また、AI技術の活用方針や投資判断が適切に管理されない場合には、業務効率化や新規事業創出の機会を十分に活かせず、当社グループの事業運営、業績及び今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループでは2026年度より、リスクマネジメント委員会の配下に全社横断的な「AIワークフォース」を設置し、既存のリスク管理体制及び内部統制の枠組みのもとで、AI活用に関するガバナンス体制の整備を進めてまいります。当該ワークフォースでは、国の「AI事業者ガイドライン」に即したAIの導入・利用に関するガイドラインの整備、投資案件の評価及び優先順位付け、データ管理及び情報セキュリティの観点からのリスク評価、並びに導入後の運用状況のモニタリング等を実施いたします。 さらに、法務部、デジタル戦略推進部、経営企画部及び事業部門等が連携し、AI利用に伴うリスクの把握及び対応策の検討を継続的に行うことにより、内部統制の強化及びリスク管理体制の高度化に努めてまいります。これらの取組みを通じて、AI技術の活用に伴うリスクの低減及び適切な管理に努めてまいります。