7747

朝日インテック(7747)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • 医療機器と産業機器の製造販売:朝日インテックグループは、医療機器分野と産業機器分野で製品の開発、製造、販売を行っています。特に医療機器では、患者の負担が少ない「低侵襲治療」に使われるガイドワイヤーやカテーテルが主力製品です。これらの製品は、血管を通じて病気を治療する際に使用され、国内外の病院に提供されています。
  • メディカル事業が収益の柱:グループの主要な収益源はメディカル事業で、主に血管内治療用のガイドワイヤーやカテーテルといった低侵襲治療製品を開発・製造・販売しています。国内では直接病院へ販売し、海外では販売代理店を通じて広範囲に展開していますが、米国や欧州の一部では直接販売も行い、収益を上げています。
  • デバイス事業で部材を提供:デバイス事業では、医療機器や産業機器に使われる部材を開発・製造し、国内外のメーカーに販売しています。これは、同社の持つ高度な素材加工技術やワイヤーフォーミング技術などを活かし、完成品だけでなく、その構成部品も提供することで、幅広い顧客ニーズに応えるビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • メディカル事業:この事業は朝日インテックグループの主力であり、売上高1077.79億円、営業利益334.45億円を計上しています。主に血管内治療に用いられる、患者の負担が少ないガイドワイヤーやカテーテルなどの医療機器を開発、製造、販売しており、国内外の病院が主要な顧客です。特にPCIガイドワイヤーは連結売上高の48.2%を占める稼ぎ頭です。
  • デバイス事業:この事業は、売上高122.45億円、営業利益46.24億円を計上しています。医療機器分野と産業機器分野で使用される部材の開発、製造、販売を行っており、国内外のメーカーに提供しています。同社の持つ高度な素材加工技術やワイヤーフォーミング技術を活かし、幅広い産業のニーズに応える事業です。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Medical 事業 1,078 334 31.0%
Device 事業 122 46 37.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,099 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社20社(ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.、ASAHI INTECC USA,INC.、朝日インテックJセールス株式会社、朝日英達科貿(北京)有限公司、フィルメック株式会社、Filmecc USA,Inc.、TOYOFLEX CEBU CORPORATION、ASAHI INTECC LATIN PROMOCAO DE VENDAS LTDA.、ASAHI Medical Technologies, Inc.、ASAHI INTECC EUROPE B.V.、ASAHI INTECC CIS LLC、ASAHI INTECC Deutschland GmbH、朝日サージカルロボティクス株式会社、Rev.1 Engineering, Inc.、Pathways Medical Corporation、KARDIA S.R.L.、朝日英達医療器械(南寧)有限公司、ニッタモールド株式会社、NITTA M&T(THAILAND)CO.,LTD.) で構成されており、医療機器分野及び産業機器分野における製品の開発・製造・販売を主な事業としております。なお、当社グループは非連結子会社及び関連会社7社を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。当社及び連結子会社の当該事業に係る位置づけとセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、以下の事業区分はセグメント情報における事業区分と同一であります。(メディカル事業)当事業は、当社グループの主体事業であり、主に血管内治療に使用される低侵襲治療(注)製品(治療用のガイドワイヤー・カテーテル製品)を開発・製造しており、国内におきましては主に直接販売により、また海外におきましては、大半は販売代理店を通じ、米国、フランス、ドイツ、イタリアは主に直接販売により、病院等へ販売しております。[会社](製造) ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.、TOYOFLEX CEBU CORPORATION、朝日インテック株式会社、フィルメック株式会社、朝日英達医療器械(南寧)有限公司(注1) (販売) 朝日インテック株式会社、朝日インテックJセールス株式会社、ASAHI INTECC USA, INC.、朝日英達科貿(北京)有限公司、ASAHI INTECC LATIN PROMOCAO DE VENDAS LTDA.、フィルメック株式会社、ASAHI INTECC EUROPE B.V.、ASAHI INTECC CIS LLC、ASAHI INTECC Deutschland GmbH、Filmecc USA,Inc.、Rev.1 Engineering, Inc.(注2)、KARDIA S.R.L. (開発)朝日インテック株式会社、ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC USA, INC.、ASAHI Medical Technologies, Inc.、朝日サージカルロボティクス株式会社、Pathways Medical Corporation(注3)、朝日英達医療器械(南寧)有限公司(注1) (デバイス事業)当事業は、医療機器分野及び産業機器分野における部材について開発・製造し、国内外のメーカーへ販売しております。[会社](製造) ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.、TOYOFLEX CEBU CORPORATION、NITTA M&T(THAILAND)CO.,LTD.、ニッタモールド株式会社、 朝日インテック株式会社 (販売) 朝日インテック株式会社、ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.、Filmecc USA,Inc.、NITTA M&T(THAILAND)CO.,LTD.、ニッタモールド株式会社 (開発) 朝日インテック株式会社、ASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD. 注1 朝日英達医療器械(南寧)有限公司は、製造工場建設中(2030年12月生産開始予定)であることから系統図の記載を省略しております。 2 Rev.1 Engineering, Inc.は、医療機器の設計開発に関する受託業務を事業として行っており、当該成果をもって売上を計上していることから、販売拠点として記載しております。3 Pathways Medical Corporationは、技術の獲得を目的に買収を行っており、事業の実態がないことから、系統図の記載はございません。 〔注釈説明〕注:低侵襲治療 / 患者の精神的・身体的ダメージを最小限に抑えるために、外科手術をすること無く、大腿や手首などから血管を通じて行う傷口や痛みが少ない治療のことをいいます。通常の外科手術と比較し、患者へのダメージが軽減されるほか、入院期間が短縮される等の利点があり、また付随して患者の経済的負担の軽減や、政府の医療費抑制策にも貢献する治療法といわれております。当社グループは低侵襲治療製品として、循環器・末梢・腹部・脳血管系のカテーテル関連製品を開発・製造・販売しております。 事業の系統図は、次のとおりであります。 当社の技術内容は、次のとおりであります。当社は、研究開発型メーカーとして、素材から完成品までの一貫した開発・製造が可能であり、お客様からの幅広いご要望にお応えすることが可能となっております。当社技術のコアテクノロジーである伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、コーティング技術、トルク技術を応用した製品は、循環器系のみならず、腹部・末梢・脳血管系など幅広い領域における医療機器製品や、レジャー、建築、自動車など多分野での産業機器製品として活躍しております。 当社技術のコアテクノロジーの詳細は、次のとおりであります。① 伸線技術自社加工によるダイヤモンドダイスを用いて、ステンレス・プラチナ・チタン等の合金線を、目的に応じた硬度・線径の極細線(ワイヤー)に仕上げる技術であります。この技術は、当社のすべての製品の素となる技術であり、この技術により高い抗張力や特殊な特性を備えた高精度の製品の開発・製造が可能となっております。 ② ワイヤーフォーミング技術伸線された極細線を、撚り合わせる、平たく圧延する、コイル状に巻く、筒状に編み込む等の技術であります。この技術は、製品構造による基本技術であり、この技術により、ミクロンレベルで様々に形成された多様な製品の開発・製造が可能となっております。 ③ コーティング技術ワイヤーロープやコイルの表面に、ナイロン・ポリエチレン等のコーティングを施す技術であります。大別して、熱可塑性樹脂を押出し成形機により製品上に被覆する技術と、PTFE等の高潤滑剤を製品上に被覆する技術があります。この技術により様々な機能性を付与した多層構成を持つ製品の開発・製造が可能となっております。 ④ トルク技術当社独自の加工設備と高い技術力を駆使し、ワイヤーやワイヤーロープに高度な回転追従性を持たせる技術であります。この技術により、高度な操作性を有した目標到達性の高い製品の開発・製造が可能となっております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
医療制度改革による保険償還価格の引下げや販売価格の下落の影響を受ける可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品医療機器等法、MDR、MDD、FD&C法、医療機器監督管理条例などによる規制
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:医療機器分野の法的規制 / 医療制度改革 / 特定製品(PCIガイドワイヤー)への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

同社は、医療用ワイヤーガイドやステントグラフトなどの医療機器分野で、高度な技術力と品質管理体制を構築している。特に、カテーテル治療に不可欠なワイヤーガイドでは、高いシェアとブランド認知度を持つ。しかし、特許の有効期限や競合他社の技術革新リスクは存在する。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療機器、特にカテーテル治療に使用されるワイヤーガイドやステントグラフトは、医師の習熟度や病院の採用実績が重視されるため、スイッチング・コストは比較的高い。一度採用された製品は、安全性や有効性の観点から、容易に変更されにくい傾向がある。しかし、新しい技術やより優れた性能を持つ製品が登場すれば、乗り換えの可能性は否定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

該当するネットワーク効果は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

精密機器の製造において、長年の経験とノウハウによる一定の生産効率は期待できるが、構造的なコスト優位性を示す具体的な証拠は乏しい。グローバルな競争環境下で、価格競争力は限定的である可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

医療用ワイヤーガイド市場において、同社は世界でもトップクラスのシェアを誇る。この規模の経済性は、生産効率の向上や研究開発への投資余力に繋がる可能性がある。しかし、市場全体の成長性や競合の規模によっては、さらなる効率化の余地も残されている。

  • 独自のコアテクノロジー:朝日インテックは、伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、コーティング技術、トルク技術という独自のコアテクノロジーを保有しています。これらの技術は、ステンレスやプラチナなどの素材を極細線に加工したり、それを複雑な形状にしたり、表面に特殊なコーティングを施したり、高い操作性を持たせたりすることを可能にし、高精度な医療機器や産業機器の製造を支えています。
  • 素材から完成品まで一貫生産:研究開発型メーカーとして、素材の加工から最終製品の製造までを一貫して行える体制を確立しています。これにより、顧客の多様な要望に柔軟に対応できるだけでなく、製品の品質管理を徹底し、高い技術力を要する医療機器分野において、安定した製品供給と品質保証を実現しています。
  • 低侵襲治療製品の専門性:同社は、患者の身体的負担を最小限に抑える「低侵襲治療」に特化した製品開発に強みを持っています。循環器、末梢、腹部、脳血管系など幅広い領域で使用されるカテーテル関連製品を提供しており、高齢化社会における医療ニーズの高まりに対応する形で、専門性の高い製品群で市場での優位性を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。(1)経営方針当社グループは、研究開発型企業として、『医療及び産業機器の分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現するとともに、広く社会に貢献すること』を企業理念としております。特に、当社グループの医療機器分野事業では、主に傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えています。今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会及び市場から評価される企業として、更なる成長を目指してまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略① 長期経営ビジョン当社グループは、「2035年のありたい姿」として、『健康寿命の延伸に貢献することを使命とし、低侵襲治療において、臨床課題を総合的に解決できるグローバルニッチトップ企業』を目指しております。当該長期経営ビジョンの実現に向け、事業環境の変化、各事業の進捗状況及び今後の成長機会等を踏まえ、長期的な経営目標を見直し、2035年6月期に連結売上高3,300億円、営業利益率33%の達成を目指しております② 中期経営計画「2035年のありたい姿」の実現に向けて、新中期経営計画「Building the Future 2030」の2026年6月期~2030年6月期の5会計期間は、「成長戦略加速のための5年間」と位置付け、2035年6月期における長期目標の達成に向けた重要な期間として、事業ポートフォリオの構築と収益力の強化を基本方針とし、以下の重点テーマに取り組みます。新規事業(高付加価値治療デバイス等)の本格的な売上貢献は2031年度以降に期待されるため、当中期経営計画期間は既存事業の収益力強化によって成長を支えてまいります。当社グループは、当中期経営計画の初年度における業績の進捗及び今後の成長見通しを踏まえ、中期経営計画の数値目標を見直しました。見直し後の目標として、2030年6月期において連結売上高2,125億円、営業利益率32.0%を掲げ、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めることにより、企業価値の拡大を目指してまいります。 (a)グローバル市場での成長再加速に向けた事業ポートフォリオの構築・循環器領域でのグローバルニッチトップの維持・強化・非循環器領域でのグローバルニッチトップを目指した販売戦略と製品ポートフォリオ強化・新規事業の創出と高付加価値治療デバイスへの参入当社グループは現在、世界121を超える国と地域に製品を供給しております。当社グループの製品が使用される血管内疾患の症例数は、引き続き新興国を中心にグローバル規模で拡大すると予測されております。こうした中、それぞれの地域において販売・マーケティングの機能をより一層充実させることにより、グローバル規模での収益基盤の強化を図る所存であります (日本)日本市場では、病院などに対して自社ブランド製品の直接販売を行い、循環器・非循環器ともに高いシェアを獲得しています。循環器領域では、世界に発信できる医師の方々との関係性をより強固にしていくことで、引き続き高いシェアを保持していくことを目指し、また、非循環器領域では、自社ブランド製品に加えて、直接販売体制を活かした他社製品の販売の強化を進めるなどして多面的な販売力向上に努めてまいります。償還価格下落などの厳しい外部環境がある中、引き続き、シェア拡大と収益拡大を目指します。 (米国)米国市場では、循環器・非循環器ともに自社ブランド製品の直接販売を行っております。循環器領域の継続的な伸長に加え、非循環器領域の末梢・脳・腹部を重点市場と位置付け、新製品の積極的な投入や、医師に当社製品の技術的優位性と臨床的価値を実感していただける販売体制・活動の強化を通じて、シェア拡大と収益拡大を目指します。 (欧州)欧州市場では、自社ブランド製品を、直接販売若しくは現場に密着した複数の代理店を通じて販売しており、主に循環器系製品で高いシェアを獲得しています。段階的に、直接販売化を進めており、2019年7月よりフランス、2021年1月よりドイツ、2021年7月よりイタリアで直接販売に移行し、欧州地域の約半分が直接販売地域です。欧州地域は、薬事法改正などにより、新製品投入に時間を要する地域ですが、医師との関係性強化や営業強化を進め、シェア拡大と収益拡大を目指します。 (中国)中国市場では、主に自社ブランド製品について、物流プラットフォームを通した現地代理店による販売を行い、主に循環器系製品で高いシェアを獲得しています。中国市場は循環器・非循環器ともに、症例数の増加が堅調であり、グローバル市場の中でも特に高い成長と発展が見込まれます。入札制度などの環境変化が進む中でも、物流プラットフォームを通じた複数の現地代理店との協力的な関係構築や支援体制の強化、医師との関係性強化、新製品の投入、販売活動の充実などにより、更なるシェア拡大と収益拡大を目指します。 (その他地域)アジア・中近東・オセアニア・南米地域などにおいて、潜在成長力のある新興国を中心に、現地代理店を通じて、自社ブランド製品を販売しており、循環器系製品において高いシェアを獲得しております。循環器・非循環器領域ともに、現地代理店支援などの販売活動強化により、更なるシェア拡大と収益拡大を目指します。 (ニッチトップNumber One製品戦略)循環器領域の主力製品PCIガイドワイヤーや貫通カテーテルについては、引き続き総合的なラインナップの充実などにより、ナンバーワンのポジションを盤石化してまいります。さらには、循環器領域のみならず、末梢血管・脳血管・腹部血管・消化器、加えて動物治療・ロボティクス(外科)などの非循環器領域への製品展開を強化する施策を継続して進めてまいります。非循環器領域については、循環器領域で培った技術を応用した横展開や、事業提携の強化などにより、新製品の拡充に努めると同時に、特に海外地域における販売体制を強化し、グローバル規模での市場シェアの獲得に努めてまいります。 (Only One製品及び高付加価値品戦略)戦略製品の拡大の一環として、高付加価値治療製品領域への進出を目指してまいります。現在、治療が困難とされている石灰化病変については、循環器及び非循環器領域(末梢)ともに、依然として臨床的な課題が残っていると認識しております。当社グループは、これまで循環器領域を中心としたCTO病変などの難易度の高い治療も可能な製品群を開発し、CTO領域におけるPCI治療選択率の拡大に寄与してきました。今後も、研究開発型企業として、CTO病変も含む石灰化病変などの臨床課題に対して、先端技術を使った新しい機能を保持した製品群を開発し、低侵襲治療の普及や発展に寄与してまいります。また、非循環器領域(脳)を中心に、高付加価値品も含めた製品群の拡充を目指し、シナジーを追求してまいります。自社製品での開発に加えて、必要に応じて技術提携、M&A、少数株主投資などを駆使し、外部からの新技術導入や有力パートナーとの戦略的提携も検討してまいります。事業ポートフォリオの強化に努め、グローバルで持続的に成長する企業を目指してまいります。 (b)持続的成長に向けた強固な経営基盤の構築と収益力の強化・グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の強化・生産性向上への取り組み研究開発体制のグローバル化として、米国の直接販売の拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA, INC.において、最終顧客である医師からのニーズや評価をダイレクトに反映でき、試作レベルまでの対応を可能とした研究開発体制を構築しております。また、連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.の研究開発拠点を更に拡充させ、製品仕様の検討を含めた既存製品の改良などをより積極的に進めてまいります。国内においては、当社グループの研究開発拠点の中心であるグローバル本社・R&Dセンター(愛知県瀬戸市)において臨床現場と密に連携した製品開発を行っております。また、基盤技術開発強化を目的とした大阪R&Dセンター、次世代医療機器技術の研究開発を目的とした東京R&Dセンター、樹脂技術開発強化を目的とした静岡R&Dセンター、精密加工技術開発強化を目的とした東北R&Dセンターなど、リスク管理のために開発機能の分散を図りつつ、国内の研究開発体制についてはより付加価値の高い開発機能にシフトさせながら更なる充実を進めてまいります。また、当社グループでは、現在、日本においては研究開発・試作に特化し、量産品については原則として海外の連結子会社に生産移管しており、素材から完成品までの一貫生産が海外工場(ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.(タイ工場)、ASAHI INTECC HANOI CO., LTD.(ハノイ工場)、及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場))で実現できる体制が整っております。その中で、リスク管理や事業継続計画(BCP)の観点から、グループ全体での生産拠点の最適化を図っており、現地事情などにより、一部の工場が操業不能に陥った場合においても、別の工場にて代替生産の大部分を担えるよう体制の構築を進めております。これらの目的に加えて、更なる増産体制を構築するために、ハノイ工場の増設を行っております。今後も、グローバル展開に最適な研究開発拠点や生産体制の構築・拡充により、当社グループの成長戦略を下支えしていきます。 ・事業戦略と連動した経営基盤の構築「Building the Future 2030」では、事業戦略を中心に持続的な価値創出の具体策を実行するとともに、それを支える経営基盤の強化に向けて「財務戦略」と「非財務戦略」を推進し、企業価値・株主価値を高めていきます。当社グループの重要な経営管理指標である売上高、営業利益及び営業利益率について、前述の施策などにより、売上高の拡大、生産性の向上及び適切なコストコントロールを通じた収益体質の強化を図り、キャッシュ創出力や資本効率を持続的に高めていきます。加えて、財務の健全性を保ちながら、資本コストを踏まえた資本政策を推進してまいります。当社グループは、中期経営計画の初年度における業績の進捗及び今後の成長見通しを踏まえ、重要な財務指標であるROE(自己資本利益率:Return On Equity)及びROIC(投下資本利益率:Return on Invested Capital)のKPIを見直しました。見直し後の目標として、2030年6月期において、ROE20.0%以上、ROIC19.0%以上を掲げ、更なる向上を目指してまいります。これらのKPIの分析及びモニタリングを継続して行い、改善施策を立案・実行することで、資本コストを意識した取り組みを強化してまいります。非財務戦略としては、人的資本の強化、DXの推進、コーポレート・ガバナンスの最適化、サステナビリティの推進などに取り組んでまいります。 (c)持続的成長に向けた経営基盤の確立サステナビリティへの取り組みを推進する体制を構築し、各サステナビリティの重要課題につき基本方針をとりまとめ、戦略的に推進しております。 現在、この7つの重要課題を中心に、全社的な取り組みを進めております。サステナビリティに関わる当社の考え方や、取り組みにつきましては、統合報告書やウェブサイトにて随時開示してまいります。 重要課題1 イノベーションを通じた医療現場の課題解決重要課題2 環境負荷低減への取り組み重要課題3 サプライチェーンマネジメント重要課題4 安全・安心な製品の供給重要課題5 グローバル人財基盤の強化重要課題6 リスクマネジメントの強化重要課題7 コーポレート・ガバナンスの強化 〔注釈説明〕注:CTO/(慢性完全閉塞)長期間完全に閉塞した状態の病変のことをいいます。従来は、このような病変は外科手術(バイパス手術)の領域でしたが、当社グループがCTOにも使用可能なPCIガイドワイヤーの開発に成功したことから、現在では、国内においてはPCI治療(カテーテル治療)が主流となっております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。(1)経営方針当社グループは、研究開発型企業として、『医療及び産業機器の分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現するとともに、広く社会に貢献すること』を企業理念としております。特に、当社グループの医療機器分野事業では、主に傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えています。今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会及び市場から評価される企業として、更なる成長を目指してまいります。 (2)中長期的な会社の経営戦略① 長期経営ビジョン当社グループは、「2035年のありたい姿」として、『健康寿命の延伸に貢献することを使命とし、低侵襲治療において、臨床課題を総合的に解決できるグローバルニッチトップ企業』を目指しております。当該長期経営ビジョンの実現に向け、事業環境の変化、各事業の進捗状況及び今後の成長機会等を踏まえ、長期的な経営目標を見直し、2035年6月期に連結売上高3,300億円、営業利益率33%の達成を目指しております② 中期経営計画「2035年のありたい姿」の実現に向けて、新中期経営計画「Building the Future 2030」の2026年6月期~2030年6月期の5会計期間は、「成長戦略加速のための5年間」と位置付け、2035年6月期における長期目標の達成に向けた重要な期間として、事業ポートフォリオの構築と収益力の強化を基本方針とし、以下の重点テーマに取り組みます。新規事業(高付加価値治療デバイス等)の本格的な売上貢献は2031年度以降に期待されるため、当中期経営計画期間は既存事業の収益力強化によって成長を支えてまいります。当社グループは、当中期経営計画の初年度における業績の進捗及び今後の成長見通しを踏まえ、中期経営計画の数値目標を見直しました。見直し後の目標として、2030年6月期において連結売上高2,125億円、営業利益率32.0%を掲げ、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めることにより、企業価値の拡大を目指してまいります。 (a)グローバル市場での成長再加速に向けた事業ポートフォリオの構築・循環器領域でのグローバルニッチトップの維持・強化・非循環器領域でのグローバルニッチトップを目指した販売戦略と製品ポートフォリオ強化・新規事業の創出と高付加価値治療デバイスへの参入当社グループは現在、世界121を超える国と地域に製品を供給しております。当社グループの製品が使用される血管内疾患の症例数は、引き続き新興国を中心にグローバル規模で拡大すると予測されております。こうした中、それぞれの地域において販売・マーケティングの機能をより一層充実させることにより、グローバル規模での収益基盤の強化を図る所存であります (日本)日本市場では、病院などに対して自社ブランド製品の直接販売を行い、循環器・非循環器ともに高いシェアを獲得しています。循環器領域では、世界に発信できる医師の方々との関係性をより強固にしていくことで、引き続き高いシェアを保持していくことを目指し、また、非循環器領域では、自社ブランド製品に加えて、直接販売体制を活かした他社製品の販売の強化を進めるなどして多面的な販売力向上に努めてまいります。償還価格下落などの厳しい外部環境がある中、引き続き、シェア拡大と収益拡大を目指します。 (米国)米国市場では、循環器・非循環器ともに自社ブランド製品の直接販売を行っております。循環器領域の継続的な伸長に加え、非循環器領域の末梢・脳・腹部を重点市場と位置付け、新製品の積極的な投入や、医師に当社製品の技術的優位性と臨床的価値を実感していただける販売体制・活動の強化を通じて、シェア拡大と収益拡大を目指します。 (欧州)欧州市場では、自社ブランド製品を、直接販売若しくは現場に密着した複数の代理店を通じて販売しており、主に循環器系製品で高いシェアを獲得しています。段階的に、直接販売化を進めており、2019年7月よりフランス、2021年1月よりドイツ、2021年7月よりイタリアで直接販売に移行し、欧州地域の約半分が直接販売地域です。欧州地域は、薬事法改正などにより、新製品投入に時間を要する地域ですが、医師との関係性強化や営業強化を進め、シェア拡大と収益拡大を目指します。 (中国)中国市場では、主に自社ブランド製品について、物流プラットフォームを通した現地代理店による販売を行い、主に循環器系製品で高いシェアを獲得しています。中国市場は循環器・非循環器ともに、症例数の増加が堅調であり、グローバル市場の中でも特に高い成長と発展が見込まれます。入札制度などの環境変化が進む中でも、物流プラットフォームを通じた複数の現地代理店との協力的な関係構築や支援体制の強化、医師との関係性強化、新製品の投入、販売活動の充実などにより、更なるシェア拡大と収益拡大を目指します。 (その他地域)アジア・中近東・オセアニア・南米地域などにおいて、潜在成長力のある新興国を中心に、現地代理店を通じて、自社ブランド製品を販売しており、循環器系製品において高いシェアを獲得しております。循環器・非循環器領域ともに、現地代理店支援などの販売活動強化により、更なるシェア拡大と収益拡大を目指します。 (ニッチトップNumber One製品戦略)循環器領域の主力製品PCIガイドワイヤーや貫通カテーテルについては、引き続き総合的なラインナップの充実などにより、ナンバーワンのポジションを盤石化してまいります。さらには、循環器領域のみならず、末梢血管・脳血管・腹部血管・消化器、加えて動物治療・ロボティクス(外科)などの非循環器領域への製品展開を強化する施策を継続して進めてまいります。非循環器領域については、循環器領域で培った技術を応用した横展開や、事業提携の強化などにより、新製品の拡充に努めると同時に、特に海外地域における販売体制を強化し、グローバル規模での市場シェアの獲得に努めてまいります。 (Only One製品及び高付加価値品戦略)戦略製品の拡大の一環として、高付加価値治療製品領域への進出を目指してまいります。現在、治療が困難とされている石灰化病変については、循環器及び非循環器領域(末梢)ともに、依然として臨床的な課題が残っていると認識しております。当社グループは、これまで循環器領域を中心としたCTO病変などの難易度の高い治療も可能な製品群を開発し、CTO領域におけるPCI治療選択率の拡大に寄与してきました。今後も、研究開発型企業として、CTO病変も含む石灰化病変などの臨床課題に対して、先端技術を使った新しい機能を保持した製品群を開発し、低侵襲治療の普及や発展に寄与してまいります。また、非循環器領域(脳)を中心に、高付加価値品も含めた製品群の拡充を目指し、シナジーを追求してまいります。自社製品での開発に加えて、必要に応じて技術提携、M&A、少数株主投資などを駆使し、外部からの新技術導入や有力パートナーとの戦略的提携も検討してまいります。事業ポートフォリオの強化に努め、グローバルで持続的に成長する企業を目指してまいります。 (b)持続的成長に向けた強固な経営基盤の構築と収益力の強化・グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の強化・生産性向上への取り組み研究開発体制のグローバル化として、米国の直接販売の拠点である連結子会社ASAHI INTECC USA, INC.において、最終顧客である医師からのニーズや評価をダイレクトに反映でき、試作レベルまでの対応を可能とした研究開発体制を構築しております。また、連結子会社ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.の研究開発拠点を更に拡充させ、製品仕様の検討を含めた既存製品の改良などをより積極的に進めてまいります。国内においては、当社グループの研究開発拠点の中心であるグローバル本社・R&Dセンター(愛知県瀬戸市)において臨床現場と密に連携した製品開発を行っております。また、基盤技術開発強化を目的とした大阪R&Dセンター、次世代医療機器技術の研究開発を目的とした東京R&Dセンター、樹脂技術開発強化を目的とした静岡R&Dセンター、精密加工技術開発強化を目的とした東北R&Dセンターなど、リスク管理のために開発機能の分散を図りつつ、国内の研究開発体制についてはより付加価値の高い開発機能にシフトさせながら更なる充実を進めてまいります。また、当社グループでは、現在、日本においては研究開発・試作に特化し、量産品については原則として海外の連結子会社に生産移管しており、素材から完成品までの一貫生産が海外工場(ASAHI INTECC THAILAND CO., LTD.(タイ工場)、ASAHI INTECC HANOI CO., LTD.(ハノイ工場)、及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(セブ工場))で実現できる体制が整っております。その中で、リスク管理や事業継続計画(BCP)の観点から、グループ全体での生産拠点の最適化を図っており、現地事情などにより、一部の工場が操業不能に陥った場合においても、別の工場にて代替生産の大部分を担えるよう体制の構築を進めております。これらの目的に加えて、更なる増産体制を構築するために、ハノイ工場の増設を行っております。今後も、グローバル展開に最適な研究開発拠点や生産体制の構築・拡充により、当社グループの成長戦略を下支えしていきます。 ・事業戦略と連動した経営基盤の構築「Building the Future 2030」では、事業戦略を中心に持続的な価値創出の具体策を実行するとともに、それを支える経営基盤の強化に向けて「財務戦略」と「非財務戦略」を推進し、企業価値・株主価値を高めていきます。当社グループの重要な経営管理指標である売上高、営業利益及び営業利益率について、前述の施策などにより、売上高の拡大、生産性の向上及び適切なコストコントロールを通じた収益体質の強化を図り、キャッシュ創出力や資本効率を持続的に高めていきます。加えて、財務の健全性を保ちながら、資本コストを踏まえた資本政策を推進してまいります。当社グループは、中期経営計画の初年度における業績の進捗及び今後の成長見通しを踏まえ、重要な財務指標であるROE(自己資本利益率:Return On Equity)及びROIC(投下資本利益率:Return on Invested Capital)のKPIを見直しました。見直し後の目標として、2030年6月期において、ROE20.0%以上、ROIC19.0%以上を掲げ、更なる向上を目指してまいります。これらのKPIの分析及びモニタリングを継続して行い、改善施策を立案・実行することで、資本コストを意識した取り組みを強化してまいります。非財務戦略としては、人的資本の強化、DXの推進、コーポレート・ガバナンスの最適化、サステナビリティの推進などに取り組んでまいります。 (c)持続的成長に向けた経営基盤の確立サステナビリティへの取り組みを推進する体制を構築し、各サステナビリティの重要課題につき基本方針をとりまとめ、戦略的に推進しております。 現在、この7つの重要課題を中心に、全社的な取り組みを進めております。サステナビリティに関わる当社の考え方や、取り組みにつきましては、統合報告書やウェブサイトにて随時開示してまいります。 重要課題1 イノベーションを通じた医療現場の課題解決重要課題2 環境負荷低減への取り組み重要課題3 サプライチェーンマネジメント重要課題4 安全・安心な製品の供給重要課題5 グローバル人財基盤の強化重要課題6 リスクマネジメントの強化重要課題7 コーポレート・ガバナンスの強化 〔注釈説明〕注:CTO/(慢性完全閉塞)長期間完全に閉塞した状態の病変のことをいいます。従来は、このような病変は外科手術(バイパス手術)の領域でしたが、当社グループがCTOにも使用可能なPCIガイドワイヤーの開発に成功したことから、現在では、国内においてはPCI治療(カテーテル治療)が主流となっております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年6月30日)現在において判断したものであります。(1) 経営成績当社グループは、2026年6月期を初年度とする新たな中期経営計画「Building the Future 2030」における成長戦略を着実に推進することで、高い成長性を維持し、企業価値の拡大に努めていく所存です。当社グループの当連結会計年度の業績は好調に推移し、下記のとおりとなっております。売上高は、メディカル事業・デバイス事業ともに好調に推移したことに加え、為替相場の影響も寄与し、1,454億19百万円(前年同期比21.2%増)となりました。売上総利益は、米国関税の増加があったものの、売上高の増加、為替相場の影響及び生産性改善に伴う売上総利益率の上昇により、1,024億47百万円(同26.1%増)となりました。営業利益は、米国における販売強化を目的とした営業関係費用や研究開発費などにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、増収効果や生産性改善、為替相場の影響などにより、452億18百万円(同50.3%増)となりました。経常利益は、補助金収入が減少した一方、営業利益の増加や為替差損の減少などにより、451億85百万円(同52.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加に加え、減損損失が大幅に減少したことにより、320億75百万円(同151.8%増)となりました。なお、当連結会計年度における外国為替レート実績は、下記となります。1米ドル=154.45円(前年同期149.72円、比3.2%増)1ユーロ=180.11円(前年同期162.83円、比10.6%増)1中国元=22.10円(前年同期20.73円、比6.6%増)1タイバーツ=4.80円(前年同期4.41円、比8.8%増)セグメントごとの経営業績は、次のとおりであります。(メディカル事業)メディカル事業は、国内・海外ともに全地域において売上高が増加いたしました。国内市場は、非循環器領域において末梢血管用の仕入製品が好調なため、売上高は増加いたしました。海外市場は、循環器領域及び非循環器領域ともに増加し、為替相場の影響も寄与いたしました。循環器領域は、PCIガイドワイヤーや貫通カテーテルを中心に、全地域において売上高が増加しております。非循環器領域では、腹部・末梢血管系製品が全地域で伸長したほか、脳血管系製品も海外市場全体で増加したことから、売上高は増加いたしました。以上の結果、売上高は1,267億98百万円(前年同期比17.6%増)となりました。また、セグメント利益は、461億90百万円(同38.1%増)となりました。 (デバイス事業)デバイス事業は、医療部材・産業部材ともに好調に推移したことに加え、為替相場の影響も寄与し、売上高は増加いたしました。また、当期よりニッタモールド社を連結子会社化したことに伴い、当該会社の損益が当社グループの連結対象となっております。医療部材については、米国企業向け循環器系検査用カテーテル部材の取引や、アジア向け循環器系超音波カテーテル部材の取引が増加したほか、ニッタモールド社の連結子会社化に伴い売上高が増加いたしました。産業部材については、海外市場のレジャー関連取引が増加したほか、ニッタモールド社の連結子会社化に伴い売上高が増加いたしました。以上の結果、売上高は、186億20百万円(前年同期比52.1%増)となりました。また、セグメント利益は、外部顧客への売上高の増加により、84億85百万円(同83.5%増)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)メディカル事業95,93218.2デバイス事業54,28136.1合計150,21324.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 金額は販売価格によっております。 ② 受注実績当社グループの製品は、見込み生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)メディカル事業126,79817.6デバイス事業18,62052.1合計145,41921.2 (注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)北京嘉事唯衆医療器械有限公司16,86514.117,79312.24 (2) 財政状態当連結会計年度末の資産につきましては、総資産額が2,182億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ250億98百万円増加しております。主な要因は、現金及び預金が100億63百万円、受取手形及び売掛金が31億56百万円それぞれ増加したことによるものであります。負債につきましては、負債合計額が439億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億94百万円増加しております。主な要因は、支払手形及び買掛金が19億96百万円、未払法人税等が26億26百万円それぞれ増加したことによるものであります。純資産につきましては、純資産合計額が1,743億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ230億4百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金が134億87百万円、為替換算調整勘定が72億85百万円それぞれ増加したことによるものであります。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、642億64百万円(前年同期比20.8%増)となっております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、400億95百万円(前年同期比4億47百万円減)となりました。これは主に、法人税等の支払額が91億68百万円であったことに加え、前受金が51億78百万円減少し、売上債権が15億94百万円増加、棚卸資産が15億28百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益が446億95百万円、減価償却費が87億99百万円であったことに加え、仕入債務が22億69百万円増加したことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、117億39百万円(前年同期比16億94百万円減)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が40億20百万円あったものの、投資有価証券の取得による支出が68億86百万円、有形固定資産の取得による支出が83億83百万円であったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、199億71百万円(前年同期比118億64百万円増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が23億81百万円、配当金の支払額が65億34百万円、自己株式の取得による支出が105億53百万円であったことによるものであります。 (4) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。(繰延税金資産の回収可能性)当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、スケジューリングの結果に基づき回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ課税所得が減少した場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 (固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、継続的に損益の把握を実施している単位ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。回収可能価額の算定にあたっては、外部の情報源に基づく情報等を含む決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。 (のれん及びその他の無形固定資産の評価)資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 (5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年6月30日)現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 今後の見通し当社グループは、中期経営計画「Building the Future 2030 ~Unlocking Sustainable Growth~」に掲げる各戦略・施策を着実に推進しております。足元では、各地域・事業における販売拡大や市場シェアの拡大に加え、生産性改善が当初の想定を上回って進展しております。 2027年6月期の連結業績予想については、こうした事業進捗および足元の為替動向等を踏まえて策定しております。なお、中期経営計画の数値目標の見直しについては、2026年8月14日付け公表の「中期経営計画『Building the Future 2030』の目標数値および長期ビジョンの数値目標の見直し(上方修正)に関するお知らせ」をご参照ください。(単位:百万円) 2026年6月期 実績2027年6月期 予測増減額増減率売上高145,419161,79416,37411.3売上総利益102,447114,73712,28912.0(率)70.470.90.5―営業利益45,21852,1276,90815.3(率)31.132.21.1―親会社株主に帰属する当期純利益32,07537,8325,75617.9 なお、本業績予想において、主な外国為替レートは、下記を見込んでおります。(単位:円)US$EURO中国元BAHT2027年6月期 予想前提155.00179.0022.004.902026年6月期 実績154.45180.1122.104.80 <売上高> (メディカル事業)メディカル事業においては、特に海外売上高の成長が高く、増収となる見込みです。 <自社ブランド>国内市場では、非循環器領域において末梢血管用の仕入製品が好調なため、売上高は増加する見込みです。 海外市場では、全海外地域において、シェア拡大を引き続き推し進めることなどにより、循環器領域及び非循環器領域共に増加する見込みです。循環器領域においては、特に中国市場において、症例数の拡大が著しく、シェア拡大も含めて引き続き着実に売上拡大を目指してまいります。非循環器領域においては、腹部・末梢・脳血管系ともに全地域にて増加する予定です。<OEM>米国向けの末梢動脈用アテレクトミーカテーテル取引等が増加し、海外取引を中心に売上高が増加する見込みです。 (デバイス事業) デバイス事業は、医療部材・産業部材ともに売上高が増加し、増収となる見込みです。医療部材については、米国の大手医療機器メーカー向けを中心に、循環器領域における検査・治療用カテーテル向け部材の需要拡大が継続することから、売上高は増加する見込みです。産業部材については、自動車向け取引が減少するものの、レジャー関連およびOA機器向けの取引が好調に推移することなどから、売上高は増加する見込みです。 <売上総利益>売上総利益は、売上高の増加に伴い増加する見込みです。なお、売上総利益率については、材料費高騰などの影響があるものの、生産性改善効果などにより、上昇する予定です。 <販売費及び一般管理費>販売費及び一般管理費については、業績連動賞与の減少を見込む一方、将来の持続的な成長に向けた先行投資を引き続き実施することから、増加する見込みです。研究開発費については、将来の成長を見据えて継続的に増額し、売上高に対する比率は9.4%となる見込みです。販売関連費用については、各地域における営業・マーケティング活動の強化に伴い、増加する見込みです。また、今後の事業拡大に対応するため、全社的な組織体制の強化に伴う人件費の増加を見込んでおります。加えて、2030年の稼働開始を予定している朝日英達医療器械(南寧)有限公司(南寧工場)について、操業開始に向けた準備の本格化に伴い、立ち上げ関連費用が増加する見込みです。 <営業外損益・特別損益>営業外損益及び特別損益におきましては、影響額の大きな取引などは、現在のところ見込んでおりません。 (b) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループを取り巻く事業環境に関連して経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (c) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、資本の財源及び資金の流動性について、運転資金の確保は自己資金でまかない、事業成長するための設備投資・株式投資は手元資金のほか、金額規模が著しく大きい場合等を除き、原則、銀行借入にて対応することとしております。

事業リスク

  • 医療機器の法的規制リスク:医療機器事業は、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)、EU当局、中国当局など、各国の厳しい法的規制を受けています。これらの規制が強化されたり、承認・許可が遅延したり、取り消されたりする場合には、事業展開に大きな影響を及ぼし、業績に悪影響を与える可能性があります。
  • 医療制度改革による影響:日本を含む世界各国で医療制度改革が進められており、国民医療費抑制策や保険償還価格の引き下げなどが実施される可能性があります。このような改革によって製品の販売価格が下落したり、市場環境が変化したりした場合、同社の売上や利益に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 特定製品への依存と中国市場リスク:連結売上高の約48.2%をPCIガイドワイヤーが占めており、この製品の売上動向が業績に大きく影響します。また、メディカル事業の中国売上高が連結売上高の約23.6%を占めており、米中貿易摩擦の激化や中国政府の政策変更(国産優遇策、集中購買など)により、中国市場での事業展開が困難になるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,883 文字
3 【事業等のリスク】 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。① 医療機器分野について(法的規制について)当社グループの事業は、厚生労働省、米国食品医薬品局、EU当局、並びに中国当局等による諸規制を受けており、当社グループに関連する主な法的規制は次のとおりであります。(a) 医薬品医療機器等法及び厚生労働省令当社グループは、各種の医療機器及びその関連製品の設計・製造・販売を行うに際し、日本国内では医薬品医療機器等法、医薬品医療機器等法施行令、医薬品医療機器等法施行規則及びQMS省令等により規制を受けております。医薬品医療機器等法では、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることが目的とされております。製造販売業者・製造業者は、安全で有用な医療機器を提供するために、品質、有効性及び安全性を確保した継続的な生産体制を維持するためのシステムとしてQMS(Quality Management System:品質マネジメントシステム)を確立し、設計・製造から市販後に至るまで管理する必要があります。厚生労働省は、国際的な整合性や、科学技術の進歩、企業行動の多様化等、社会情勢の変化を踏まえ、医薬品・医療機器規制及び制度について常に見直しを図っており、承認・許可制度の見直し、市販後安全対策の充実等当該法規制の変更等により、規制が強化された場合には、当社グループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。また、今後、医薬品医療機器等法に関連し、当社グループの承認、許可及び登録が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。(b) MDR(Medical Devices Regulation / 医療機器規則)及びMDD(Medical Devices Directive / 医療機器指令)欧州市場で医療機器を流通させるためには、MDR又はその経過措置が適用されるMDDに基づく要求事項を満たす必要があり、製造業者は定められた適合性評価基準に適合しなければなりません。また、これらの法規制に適合していることを示すCEマーキングを製品に表示する必要があるほか、品質マネジメントシステム(EN ISO 13485)の認証を維持することが求められます。これらの規制内容や要求事項が変更又は強化された場合には、追加的な対応や費用が必要となり、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、MDDからMDRへの移行認証を順次進めており、その対応は最終段階にあります。一方、MDRはMDDと比較して認証に係る要求事項が厳格であり、移行完了後においても、新製品の認証取得及び既存製品の認証維持には一定の期間と対応を要します。今後、当社グループの品質マネジメントシステム若しくは製品の適合性が認められない場合、必要な認証若しくは登録を取得・維持できない場合、又はその審査に遅延が生じた場合には、製品の上市若しくは販売継続に支障が生じ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (c) FD&C法(The Federal Food,Drug, and Cosmetic Act / 連邦食品・医薬品・化粧品法)米国市場で医療機器を流通させるためには、FD&C法に基づき、品質、有効性及び安全性確保が必要になります。この法律は、食品、食品添加物、医薬品、医療機器、化粧品等の規制を目的としており、米国内での流通に際して、必須要求事項であるQSR(Quality System Regulation)に基づく体制の維持・確立が必要であります。当該法規制等が変更若しくは強化され施行された場合には、当社グループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。また、今後、FD&C法に関連し、当社グループの登録、認可が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。(d) 医療機器監督管理条例中国市場で医療機器を流通させるためには、医療機器監督管理条例に基づき、品質、有効性及び安全性の確保が必要になります。医療機器監督管理条例の下に、医療機器の分類、登録、生産監督、経営許可、品質管理システムの審査、ラベリング等に関する規則が定められており、中国国内において医療機器の販売及び使用を行うにあたっては、NMPA(National Medical Products Administration /国家薬品監督管理局)の審査を経て、「医療機器登録証」を取得する必要があります。当該法規制等が変更若しくは強化され施行された場合には、当社グループが事業展開を行ううえで、影響を受ける可能性があります。また、今後、医療機器監督管理条例に関連し、当社グループの登録、承認が認められない場合、取り消された場合、あるいは遅延した場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。(医療制度改革について)当社グループはグローバル規模にて販売を行っておりますが、日本を含め世界各国では医療制度改革が進められております。今後、予想を超える大規模な医療制度改革が行われた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また国内では、高齢化の急速な進展等に伴う国民医療費抑制策及び内外価格差問題の解決として、医療制度改革が進められております。2003年4月に特定機能病院において診療報酬包括制が導入されたほか、2002年4月より隔年で保険償還価格の改定が実施されております。医療制度改革の動向により販売価格が大幅に下落する等の影響があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(品質管理体制について)当社グループは、人命に関わる高度な技術を要する医療機器を取り扱うことから、社内において徹底した品質管理体制を確立しておりますが、特異な要因による不良品の発生や、臨床現場での不適切な取扱いの可能性は完全に否定出来ません。医療事故が発生した場合には、製造物責任により、係争事件等に発展する可能性があります。また医療機器規制 により、関連する製品の回収責任が生じる事も予測されます。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(特定製品への依存について)当社グループの主力製品であるPCIガイドワイヤーの、当連結会計年度における連結売上高は704億24百万円となっており、連結売上高全体の48.4%を占めています。従ってPCIガイドワイヤーの売上動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (中国向け売上高について)当社グループの当連結会計年度における連結売上高のうち、メディカル事業の中国売上高は374億17百万円となっており、連結売上高全体の25.7%を占めています。中国市場は、中長期的に高い成長性を有する重要な市場と認識しておりますが、米中貿易摩擦の激化、中国政府・当局による国産優遇策や集中購買の推進など、不確実性が高まっております。今後の政治情勢や政府・当局の政策・規制の動向などによっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(技術革新への対応について)医療機器市場では、技術の変革は著しく速く、企業が成長を続けるためには、新技術・新製品の研究開発は必須であります。当社グループにおいても、研究開発型企業として研究開発活動に注力しておりますが、現行の検査及び治療方法を革新する新技術が開発され、当社グループの対応が遅れた場合、あるいは他社から極めて優良又は革新的な製品が販売された場合には、当社グループの提供する製品が陳腐化し、その結果、当社グループシェアが低下する可能性があります。そのような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(研究開発及び新規事業について)当社グループは、新製品及び新規事業の創出に向けて研究開発、臨床試験、薬事申請、事業提携等への投資を行っております。しかしながら、開発上の技術的課題、臨床試験の結果、薬事承認の遅延、保険償還価格、市場環境の変化等により、開発を中止し、又は当初想定した時期若しくは規模で事業化できない可能性があります。この場合、投資の回収が困難となり、研究開発費、固定資産又は投資資産に関する損失が発生する可能性があります。(特定取引先からの仕入について)当社グループは、原材料の一部について、特定の仕入先に依存している場合があります。当社グループではこうした特定仕入先との関係を密接に保ちながら、安定的な調達に努めております。需要の急増による原材料不足や天災地変、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻・合併等により調達に重大な支障をきたした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 産業機器分野について(客先仕様である事について)当社グループの産業機器分野の製品は、レジャー、建築、自動車、OA機器等広範囲にわたって使用されております。今後も新素材及び新製品の開発体制の充実を図り、新規分野の需要開拓に注力する所存ですが、大半が客先仕様に基づく部材レベルの製品であるため、客先の仕様変更等により当社グループの製品に替わる他社の製品が採用された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 ③ 各事業共通事項について(海外事業展開について)当社グループは現在、世界120以上の国と地域へ製品を供給しており、当連結会計年度の連結売上高に占める海外売上の割合は85.7%となっておりますが、今後、当社グループがさらに飛躍するために、海外販売をより積極的に展開する方針であり、今後は需要拡大に備え、海外生産拠点の強化・拡充を引続き進めていく所存であります。当社グループが引続き成長を続けるためには、新たな市場における販売ルートの確立や設備投資を引続き慎重に進めていく所存ですが、海外環境の動向等により、海外事業が計画どおりに展開されない可能性があります。仮にこのような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、戦争、テロ、内乱その他の地政学的事象や社会的混乱等により、販売活動、生産活動又は物流網に支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。(海外生産への依存について)当社グループは、日本国内施設を主に研究開発拠点と位置付ける一方、タイ、ベトナム及びフィリピンの連結子会社を重要な生産拠点として位置付け、量産品の生産を行っております。当社グループでは、生産拠点の分散化や代替生産体制の整備を進めることでリスク低減に努めておりますが、政治・経済情勢の変化、法規制の変更、労働力不足や賃金水準の上昇、感染症の流行、インフラ障害その他の現地事情等により、生産活動に支障が生じる可能性があります。また、当社グループは原材料の調達及び製品供給において国際物流網を利用しております。港湾・空港の混乱、輸送能力不足、燃料価格の上昇、地政学的情勢の変化その他の要因により、物流費の上昇や製品及び原材料の供給遅延が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。(関税、貿易規制及び経済安全保障について)当社グループは、複数の国及び地域に生産・販売拠点を有し、国境を越えた製品、原材料及び部材の取引を行っております。各国における関税の新設・引上げ、輸出入規制、経済制裁、原産地規則、現地調達要求その他の通商政策の変更により、調達・生産・物流コストが増加し、又は製品及び原材料の輸出入に支障が生じる可能性があります。当社グループでは、各国の政策及び規制動向を継続的に把握し、生産・物流体制の見直し等を進めておりますが、これらの政策や規制が急速に変更された場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。(原材料価格の高騰について)当社グループが製造する製品には、ステンレス、プラチナ、樹脂材料、化学品等の各種原材料を使用しております。これらの原材料の価格は、資源価格、原油・天然ガス価格、為替相場、需給バランス、地政学的情勢、環境規制等の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、安定的な調達、適正在庫の確保、複数購買先の検討、生産性の向上等に努めておりますが、原材料価格が予想を上回って高騰した場合、又は原材料の供給不足や調達の遅延が生じた場合には、製造コストの増加や生産・供給への支障を通じて、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、プラチナその他の代替が困難な原材料については、価格高騰又は供給制約の影響が大きくなる可能性があります。 (競合状況について)当社グループが主力とするガイドワイヤー等の医療機器製品については、長年にわたり培ってきた技術力、品質及び生産ノウハウ等を背景に、一定の競争優位性を有しております。また、産業機器製品についても、これまで培ってきた技術力や品質等を背景に、顧客ニーズに対応した製品を提供しております。一方、医療機器及び産業機器の分野では、中国等のメーカーにおいて技術力、生産能力等の向上が進んでおり、今後、一定の品質・性能を有する低価格製品が市場に供給される可能性があります。当社グループは、技術力及び開発力の更なる向上、高性能・高付加価値製品の開発、生産性の改善並びに新たな市場・領域の開拓等に取り組み、競争優位性の維持・向上に努めております。しかしながら、今後、低価格製品の普及等により価格競争が進展し、当社グループの製品について販売価格の低下や販売数量の減少等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。(知的財産権について)当社グループは製品の開発・製造・販売に関し、知的財産権の確保に努めておりますが、他社から当該権利を侵害される可能性は完全に否定できず、当該権利期間経過後は、他社による同一製品の新規参入の可能性も予測されます。また、製品に関連し得る他社の知的財産権の侵害防止に努めておりますが、万一、侵害の事実が発生した場合は、係争事件に発展することも含めて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(疫病や感染症による影響について)当社グループは、グローバルに製品を販売しており、医療機関におけるカテーテル治療の症例数や生産拠点の稼働状況等が事業活動に影響を及ぼす可能性があります。今後、疫病や感染症の世界的な拡大により、医療機関における治療・手術の制限や延期等が生じ、カテーテル治療の症例数が大幅に減少する場合や、生産工場の稼働制限、サプライチェーンの混乱、従業員への感染拡大等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。(気候変動によるリスク)気候変動への対応は世界的な重要課題となっており、当社グループを取り巻く事業環境にも様々な影響を及ぼす可能性があります。気候変動の進行に伴う洪水、台風、高潮、異常気象その他自然災害の激甚化により、生産拠点、物流網及びサプライチェーンに支障が生じる可能性があります。また、気候変動に起因する原材料調達への影響やエネルギー価格の上昇により、事業コストが増加する可能性があります。加えて、脱炭素社会への移行に伴う炭素税導入、温室効果ガス排出規制の強化、化学物質管理規制の強化及び追加設備投資等により、事業コストが増加する可能性があります。また、顧客・投資家その他のステークホルダーからのサステナビリティに関する要請に適切に対応できない場合には、取引機会の喪失又は企業価値の低下につながる可能性があります。当社グループではTCFD提言に基づきリスク評価及び対策を推進しておりますが、これらの影響が想定を上回った場合には、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 全社的な事項について(為替リスクについて)当社は、日本に本社を置き事業運営を行っているため、連結財務諸表作成等のために、海外子会社の現地通貨建て財務諸表を円換算しています。従って換算の為替レートに変動があると、円換算後の損益に影響を及ぼすこととなります。大きな変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当連結会計年度の連結売上高に占める海外売上の割合は85.7%であり、その大半は米ドル建てですが、ユーロや元などの外貨についても、取引量の増加に比例し、増加しつつあります。一方、当社グループの主要な生産拠点はタイ、ベトナム、フィリピンにあり、連結子会社のASAHI INTECC THAILAND CO.,LTD.(タイバーツ建決算)、ASAHI INTECC HANOI CO.,LTD.(米ドル建決算)及びTOYOFLEX CEBU CORPORATION(円建決算)との取引は、原則的に全て円建てで取引をしております。したがって、為替が円高米ドル安タイバーツ安に進んだ場合、海外売上高の円換算額が目減りするとともに、タイ及びベトナムの連結子会社の業績変動を通じて主に売上原価等の円換算額が減少します。また逆に、為替が円安米ドル高タイバーツ高に進んだ場合、海外売上高の円換算金額が増加するとともに、タイ及びベトナムの連結子会社の業績変動を通じて売上原価の円換算額が増加いたします。米ドルとタイバーツが連動すれば、為替変動によるメリット・デメリットは概ね相殺されますが、円に対し米ドル安タイバーツ高に進んだ場合には収益が圧迫されるなど、当社グループの業績にマイナスの影響を与える可能性があります。また、前述の通り米ドルの流入量が多く、タイ及びベトナムの連結子会社においては円の流入量が多いため、急激な為替相場の変動時には、これらの決算通貨への交換時に発生する為替差損益が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。(保有株式に関するリスクについて)当社は、原則として、取引先や業務提携先とのさらなる事業発展やシナジー効果等を目的として保有しております。したがって、将来、株式相場の悪化や投資先の業績不振等により、大幅な株価下落が発生した場合には、保有株式に減損が発生し、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。(減損・評価損に係るリスクについて)当社は、中長期の成長戦略に基づき、各事業における効率的な経営資源の活用、投資回収の最大化に努めています。しかしながら、当初見込まれた成長を実現できなかった場合、固定資産や投資などの資産の減損により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。(企業買収に関するリスクについて)当社グループは、企業価値を向上させるために必要な技術やその他の要素の外部からの獲得が、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合や、市場における優位性の確立に資するといった効果が見込める場合には、必要に応じて、企業買収を実施しております。企業買収の実施にあたっては、市場動向や、当該企業の財務内容、契約内容、技術優位性や市場競争力、当社グループの事業ポートフォリオ並びに企業買収に伴うリスクなどについてデューデリジェンスを行い、事前にリスク回避するように努めております。しかしながら、事前の調査・検討にも関わらず、買収後の事業環境に急激な変化が生じた場合、不測の事態が発生した場合、買収した事業が計画通りに展開することができず投下した資金が回収できない場合、追加的費用が発生した場合や、のれんやその他無形固定資産等の減損が必要となった場合などにおいて、当社グループの事業展開、業績などに影響を及ぼす可能性があります。 (情報セキュリティについて)当社グループは、事業全般においてITシステムを活用しております。コンピューターウイルス対策などの外部攻撃への対応や、セキュリティ遵守に関する従業員教育などにより、リスクの低減に努めておりますが、ITシステムへの不正アクセス、サイバー攻撃、ランサムウェア、なりすまし、不正送金、内部不正、取引先等を経由した攻撃又は自然災害などの不測の事態により、ITシステムの長期間の停止、個人情報や機密情報の流出、資金の流出その他の損害が発生した場合には、当社グループの財務状態、業績及び事業活動に影響を及ぼす可能性があります。(人材確保に関わるリスクについて)グローバル規模にて、多様で優秀な人材の獲得競争は激化しております。当社グループが今後も高い成長性を持続するためには、多様で優秀な人材を確保し、育成し続けることが重要です。しかしながら、そのような人材の獲得が困難となり、高い専門性や豊富な経験を持つ多様な人材が計画どおりに採用、定着化できない場合、又は成長に必要な機会、教育、リソースを提供できない場合、競争力低下につながり当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 朝日インテック の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →