事業の概要
- テクニカルドキュメント制作クレステックは、企業の新製品に必要な取扱説明書や修理マニュアルなどの「テクニカルドキュメンテーション」を制作しています。具体的には、デジタル製品、輸送機器、情報機器、一般家電、医療機器、産業機器といった幅広い製品群のドキュメントを、仕様書や実機をもとに執筆し、イラスト作成、データ組版、翻訳、印刷まで一貫して手掛けています。これにより、製品使用者が安全かつ分かりやすく操作できるよう、専門的な情報を理解しやすい形で提供しています。
- 周辺業務への拡大ドキュメント制作だけでなく、顧客の新製品開発における市場動向調査、各国の法令確認、販売促進支援、製品パッケージの梱包設計、梱包緩衝材の調達、マニュアルを含むアクセサリーのアッセンブリー対応など、ドキュメント制作以外の周辺業務にも事業を拡大しています。これにより、顧客企業の新製品開発から販売までを「川上」から「川下」まで一貫してサポートする体制を構築し、サービス提供範囲を広げています。
- ドキュメント作成ソフト開発ドキュメント制作の効率化を支援するため、原稿作成支援ソフト、翻訳支援ソフト、データ管理システムなど、顧客が自社でドキュメント開発を行えるようなソフトウェアの開発・販売も手掛けています。これは、単なるドキュメント制作受託だけでなく、顧客の業務効率化を支援するソリューション提供へとビジネスモデルを多角化していることを示しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 日本地域国内の事業では、主に企業の新製品に添付される取扱説明書や修理マニュアルなどのテクニカルドキュメンテーションの制作を行っています。具体的には、ライティング、イラスト作成、データ組版、翻訳、印刷といった一連のドキュメント作成業務が中心です。売上高は54.72億円、営業利益は3.19億円で、安定した収益源となっています。
- 東南アジア/南アジア地域この地域はクレステックグループにとって最も大きな売上と利益を上げています。海外でのテクニカルドキュメンテーションサービスに加え、顧客の工場への部材供給(マニュアル、箱、ラベルなどの印刷物、緩衝材、パレットなど)や販促活動支援も行っています。売上高は67.12億円、営業利益は7.26億円と、グループ全体の稼ぎ頭となっています。
- 中国地域中国地域でもテクニカルドキュメンテーションサービスを提供しており、海外における重要な拠点の一つです。顧客の工場への部材供給や販促支援を通じて、日系メーカーの海外での製品開発・販売をサポートしています。売上高は42.89億円、営業利益は0.90億円で、東南アジア/南アジアに次ぐ規模ですが、利益率は他の地域と比較してやや低い傾向にあります。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 55 | 3 | 5.8% |
| China | 地域 | 43 | 1 | 2.1% |
| SoutheastAsia | 地域 | 67 | 7 | 10.8% |
| EuropeAndAmerica | 地域 | 23 | 2 | 7.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社を中核として、国内子会社7社、海外子会社15社(うち、1社は非連結子会社)で構成されており、ドキュメント事業及びソリューション事業を行っています。当社グループの事業内容及び当社と関係会社に関わる位置づけは以下のとおりです。 なお、当社グループにおけるドキュメント事業の占める割合が高いため、セグメント情報については地域別の情報としております。各セグメントに属する会社については事業系統図に記載のとおりです。 (1)国内 当社グループは、顧客である企業の新製品に添付する取扱説明書及びメカニック向けの修理マニュアルなどのライティング(仕様書や実機等をもとに製品ユーザーに向けた文章を執筆)から、イラスト作成、データ組版、翻訳、印刷などのドキュメンテーション作成に関わる業務を中心に行っております。具体的には企業の新製品に必要なドキュメント(取扱説明書、修理マニュアル、設置マニュアル等)の制作に開発段階から関わり、当社グループのドキュメントを読んだ使用者がその新製品を安全かつ分かりやすく操作できるよう、専門的な技術情報をより理解しやすく説明・表現し、最終提供形態である形(データもしくは印刷物等)のあるものに変える創造性の高い業務を行っております。当社グループではこの分野を“テクニカルドキュメンテーション”と呼んでおります。なお、このテクニカルドキュメンテーションにおいて当社グループが関与しております主な製品群は以下のとおりとなります。 ・デジタル製品(デジタルカメラ、ビデオ、携帯電話、ゲーム機器等) ・輸送機器(2輪車、4輪車、建機、汎用エンジン、船舶等) ・情報機器(プリンター、コピー機、パソコン等) ・一般家電(洗濯機、冷蔵庫、ミシン、電子レンジ、エアコン等) ・医薬品・医療機器(各種分析・検査機器) ・産業機器(産業用ロボット、工作機械等) 現在、このテクニカルドキュメンテーションのビジネスをベースに、顧客の新製品開発に際しての市場動向調査や各国の法令確認、販売における販促支援(プロモーション活動)、更には、製品を入れるパッケージの梱包設計や梱包緩衝材の調達、マニュアルを含めたアクセサリー関連のアッセンブリー対応など、ドキュメント制作以外の周辺業務まで幅を広げ、顧客である企業へのサービスを「川上」から「川下」まで一貫してサポートしています。また、ドキュメント制作の効率化に合わせ、原稿作成支援ソフト、翻訳支援ソフト、加えてデータ管理システムなど、顧客が自身でドキュメントの開発を行えるよう、ドキュメント作成ソフトの開発・販売にもビジネス展開を行っております。 (2)海外 当社グループは、テクニカルドキュメンテーションサービスを提供する中で、海外でのサポート体制も重要な事業要素のひとつとして捉えており、1984年の創業時から海外への進出を行ってきました。海外において10か国に15社(うち、1社は非連結子会社)、19拠点を配し、顧客の工場への部材供給(マニュアル・箱・ラベル等の印刷物、緩衝材、パレット等)や販促活動の支援業務(広告媒体、展示会、販売代行業務等)を通じて、海外に販売拠点を持つ顧客の新製品開発・販売を支援しております。このような当社グループのグローバルネットワークにより、日本から海外まで販売拠点を持つ顧客を当社グループ全体でサポートすることで、海外においても国内と同等の品質(信頼)でサービスを提供することが可能となっております。これらのネットワークと品質を兼ね備えたサービスが、同業他社では提供されていないきめ細やかなものとなっており、これが当社グループの特徴と考えております。 [事業系統図] (注)1.ドキュメント事業を行っている連結子会社の地域セグメント及び会社の正式名称は次のとおりであります。地域セグメント略称正式社名日本PSG株式会社パセイジCPS株式会社シープラスNAV株式会社ナビMID株式会社マインズHEP株式会社ヘッププロモーションDLK株式会社ドゥルック中国地域CASCRESTEC (ASIA) LTD.CDGCRESTEC PRINTING (DONGGUAN) LTD.ZCRCRESTEC ELECTRONICS TECHNOLOGY(ZHUHAI) CO., LTD.CSHCRESTEC SYSTEM SOFTWARE (SHANGHAI) CO., LTD.SCRSUZHOU CRESTEC PRINTING CO., LTD.東南アジア/南アジア地域CINPT. CRESTEC INDONESIACPHCRESTEC PHILIPPINES, INC.CTHCRESTEC (THAILAND) CO., LTD.CMACRESTEC (MALAYSIA) SDN. BHD.CVNCRESTEC VIETNAM CO., LTD.CIDCRESTEC DIGITAL SOLUTION INDIA PVT. LTD.欧米地域CEUCRESTEC EUROPE B.V.CUSCRESTEC USA, INC.2.上記のほか、非連結子会社としてSUZHOU CRESTEC DIGITAL TECHNOLOGY CO., LTD.(略称 Artwork)が存在しており、中間持株会社として㈱エイチエムインベストメントとBANGKOK CRESTEC CO., LTD.が存在しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い マニュアル制作業界の縮小傾向と競合他社のQCD向上により優位性が低下しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 テクニカルドキュメンテーションにおける専門的な技術情報理解と表現力、グローバルネットワーク。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
会社が挙げる主要リスク:景気変動による業績悪化リスク / 主要顧客への依存リスク / 主要顧客の日系メーカーにおけるグローバルな製造拠点の移転リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
公開情報からは、特許、ブランド力、規制ライセンスなどの具体的な無形資産に関する情報は確認できませんでした。同社は主に工業用ゴム製品の製造・販売を行っており、これらの製品分野で顕著な無形資産の存在を示す証拠は見当たりません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
工業用ゴム製品は、特定の用途や顧客の要求仕様に合わせてカスタマイズされる場合があり、その場合、仕様変更やサプライヤー変更には一定のコストや手間が発生する可能性があります。しかし、汎用的な製品も多く、スイッチング・コストは限定的と考えられます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、製品の利用者が増えることで価値が増大するネットワーク効果を生み出す性質のものではありません。個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのような構造は見られません。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造業としての経験や、特定の生産技術の蓄積により、一定のコスト競争力を持っている可能性はあります。しかし、業界全体での規模の経済や、圧倒的なコスト優位性を示す具体的な情報は確認できませんでした。
規模の経済★☆☆☆☆
工業用ゴム製品市場において、同社が市場規模に対して最適化された少数寡占を形成しているという証拠は乏しいです。競合他社も複数存在し、特定のニッチ市場での地位は考えられますが、業界全体を代表するような規模の経済は限定的と推測されます。
- グローバルなサポート体制クレステックは1984年の創業時から海外進出を進め、現在では10カ国に15社、18拠点を展開しています。この広範なグローバルネットワークにより、海外に販売拠点を持つ顧客に対し、日本国内と同等の高品質なテクニカルドキュメンテーションサービスを提供できる点が強みです。これにより、顧客は国内外で一貫した品質のサービスを受けられ、同業他社にはないきめ細やかなサポートを実現しています。
- 「川上から川下まで」の一貫支援単にマニュアルを制作するだけでなく、製品開発の初期段階における市場調査や法令確認から、販促支援、梱包設計、資材調達、アッセンブリーまで、製品ライフサイクル全体をカバーするサービスを提供しています。この「川上から川下まで」の一貫したサポート体制は、顧客にとっての利便性が高く、他社との差別化要因となっています。これにより、顧客は複数のベンダーとやり取りする手間を省き、クレステックにまとめて依頼できるメリットがあります。
- 特殊分野の制作能力とQCD国内においては、テクニカルライティングや翻訳といった特殊分野の制作能力を追求し、他社では対応が難しい独自のサービスを提供しています。また、海外事業においては、品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)のQCDを徹底的に追求することで、競合するローカルメーカーに対する優位性を確立しようとしています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、競争の激しい市場での地位を維持・強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「クレステックは企業として、社会に通用する企業を目指す。(情報の創造と提供により安心して暮らせる社会に貢献する)」、「クレステックの社員は、社会人として通用する人間を目指す。(グローバル社会から尊敬される人間を目指す)」を経営理念に掲げ、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界中の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指します。 (2)経営戦略等 当社グループは、テクニカルドキュメンテーションを事業の中核として、マニュアル制作・ローカリゼーション、印刷・パッケージ製造など幅広い事業を展開し、成長を実現してまいりました。そして現在、この中核事業をベースに、マーケット・リサーチをはじめとした川上の事業領域からアフターマーケットのユーザーサポートである川下の事業領域まで、ドキュメントソリューションサービスとして事業領域をグローバルに展開しております。しかしながら、次なる10年に向けた持続的な成長を目指すには、更なる変革が急務となっております。そこで、41期からスタートしました新経営体制のもと、次なる10年に向けた新領域への挑戦に取り組むことで、更なる事業の拡大を長期的に図ってまいります。今回の新中期経営計画「CR Challenge 27」では、引き続き、前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の企業基盤の確立と安定化を図りつつも、“Challenge”をテーマに、当社の強みであるグローバルネットワークを最大限に活用し、サービス力、グループの連携力で、グローバル/外資系企業との取引拡大や既存企業との取引拡充などを図りながら、ドキュメント業界で世界に誇れる日本企業を目指してまいります。 前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の企業基盤の確立と安定化を継続的に図りつつも、新経営体制のもと、“新たな挑戦”として、以下の経営重点戦略に取り組んでまいります。 ① 事業強化戦略 1)グローバル/外資系企業との取引拡大 2)既存企業との取引拡充 3)新規企業との連携やM&Aの推進 ② 体制強化戦略 1)事業強化に沿った人事戦略 2)既存事業領域の再構築 3)認知度向上への取り組み (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2027年6月期を最終年度とする中期経営計画「CR Challenge 27」においては、「グローバル化に向けた新たな挑戦」を基本方針とし、2027年6月期において、連結売上高200億円、連結営業利益14億円、連結営業利益率7.0%の経営数値目標の達成を設定しております。 (4)経営環境 当社グループを取り巻くビジネス環境は、スマートフォンの登場によるデジタル化(製品)への商品集約、更にペーパーレス化も加速したことで、当社グループの取引にも大きな影響を及ぼしてきました。また、近年では、世界的なインフレによる購買力の低迷が続いており、当社グループの主要顧客である一部の日系メーカーでは生産活動の低下や新製品開発の手控えなどの影響も出ております。加えて、米国の関税政策への今後の影響が不透明であることから、中国経済も米国との対立や不動産市況の悪化による景気の停滞、更に、ロシアによるウクライナ侵略、パレスチナ・イスラエル戦争、米国とイランの軍事衝突など、世界経済の回復は不透明な状態であり、引き続き先行きの見えない状況が続いております。 このような中、当社グループでは、次なる10年に向けた「新領域への挑戦」として事業強化に注力し、当社の強みであるグローバルネットワークを活かしたサービス力やグループの連携力を図り、更なるグローバル取引の拡充を目指すとともに、41期からスタートした新経営体制のもと、新中期経営計画「CR Challenge 27」各経営重点戦略(事業強化戦略と体制強化戦略)の目標達成に向け積極的に取り組んでおります。今後も、新経営体制(業務執行役員で構成する経営会議)のもと、積極的に取り組んでいる各施策に対し迅速かつ効果的に推し進めるとともに、次なる10年を見据えた組織改編や次世代のマネジメント層が活躍できる機会創出など、全体最適(個人の能力が最大限に発揮できる適所適材に人材を配置)を意識した、更なる企業基盤の確立と安定化に向け、引き続き以下に掲げる対処すべき課題に全力で取り組んでまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① グローバルネットワークを活用した取引拡大とサポート体制の強化 当社グループは、日系メーカーを中心にマニュアルの前工程である原稿作成やデータ作成を日本国内で行い、印刷・製造の後工程を顧客の海外拠点の近くで対応することで、マニュアルの制作から印刷・製造までの全工程を当社グループのネットワークにて一気通貫で対応できるサポート体制を構築し、日系メーカーとの信用を獲得してきました。 近年では、多様化したユーザーのニーズに迅速な対応が求められている顧客をサポートすべく、サプライチェーンとして、市場調査や販促プロモーションなどの「川上」業務から製品販売後のユーザーサポートなどの「川下」業務まで「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」をスローガンに、グローバルで全領域をサポートできる体制強化を進めてまいりました。 今後は、このグローバルネットワークを更に活用し、日系メーカーだけでなく、外資系メーカー(グローバル企業)との取引拡大や医薬品・ヘルスケア製品・生活用品等のメーカー等、幅広い事業分野の取引拡大にも積極的に挑戦していくことで、持続的成長が可能な事業ポートフォリオを構築してまいります。 ② 専門的な技術の確立と人材の育成 当社グループの強みは、マニュアルの原稿作成から翻訳・データ作成、更に多品種小ロットの印刷・製造に対応できるグローバルサポート体制であるため、それを支える技術の確立と人材の継続的な育成は経営の最重要課題のひとつとして捉えております。 現在、自動車から家電など各製品分野に対応できるテクニカルライターや世界各国語に展開できる翻訳ディレクターなど専門的な技術の確立のため、製品やサービスの仕様説明を扱う専門の団体(一般財団法人)テクニカルコミュニケーター協会(JTCA)、産業翻訳の業界団体(一般社団法人)日本翻訳連盟に加盟し、各業界に対応できる人材の育成に努めています。更に、昨今の技術革新に対応すべく「AI戦略三本の矢」という方針を策定し、その横断的な組織として「AI推進チーム」を立ち上げ、AIを活用した制作効率化(制作工数の削減、サポートや自動化、分析等)や社員教育も兼ねながら、社員による社内DX化(データベースをRAG化等)に取り組むことで、AIに対応できる人材の育成にも努めております。制作効率化、ひいては外部販売用に向けた開発に積極的に取り組んでおります。加えて、海外各拠点との交流による現地各市場の把握、JTCA主催のジャパンマニュアルアワード、日本包装協会主催の日本パッケージングコンテストへの応募など様々な取り組みを実施することで、グローバル社会で活躍できる人材や次世代を担う人材を育成し、「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」で対応できるサポート体制をより一層強化してまいります。 ③ 国内での新規ビジネス展開近年、日本を始め世界的な動きとして製品のデジタル化やデータの集約が加速し、今までの業務形態であるマニュアル制作の市場規模は縮小傾向にあります。今後もこのような傾向が継続するものと予想されるため、当社グループでは、「AI推進チーム」が中心となり、開発したAIソリューションを製品化し、「ManuAI bot(マニュアルボット)」や「Ai-RU」等のAIサービスを市場に投入しております。更に、海外進出支援サービスである国際規格対応サポート、生成AIや大規模言語モデル(LLM)を活用したソリューション提供や、新たな体験と感動を創出するXR(※)技術、デジタルサイネージ用プレイヤーなどを駆使した新空間提供など、既存事業で培ったノウハウや人的資産を有効活用し、「川上」業務であるコンサルティングや販促プロモーション、業務支援マニュアルなどへの事業領域の拡大を図っております。加えて、M&Aにより子会社化したヘッププロモーション社やドゥルック社を介して、新たな事業領域(インバウンド事業や保険業界への参入)にも挑戦しており、今後も事業ポートフォリオの構築に向け、他社との業務提携やM&Aを積極的に推進してまいります。 ※ XR(Extended Reality):拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)などの画像技術の総称で、現実世界と仮想世界を融合させ、これまでにない新たな現実を創出させる技術のこと ④ サステナブルな社会の構築 当社グループは、「GLOBAL COMMUNICATIONS」“世界を繋ぐ人に優しいコミュニケーションの創造へ”をテーマに、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指し、グローバルに事業を展開しています。 そして、この事業活動を通して、年齢・性別・人種・宗教・言語・経済的地位などに関係なく、世界のすべての人に必要な情報を平等に提供できる環境づくり、つまり、言葉の障壁を越えて、世界のすべての人が不自由なく相互にコミュニケーションができる社会の構築を目指し、新たなツール開発やサービス、ソリューションの提供に努め、誰にでも分かりやすい情報を創造することで、サステナブルな社会づくりに貢献できるよう、取り組んでいます。 その具体的な取り組みとして、新設したサステナビリティ推進室を中心に、地域社会への貢献や循環型社会の構築を目指した活動を本格化させております。現在は、地元地域の棚田の維持・管理や、子ども食堂への食材の提供といった社会貢献活動へ積極的に挑戦しており、持続可能な地域社会の発展に向けて尽力しております。 ⑤ 株主との対話・株主還元 当社グループでは、株主の皆様との対話を通じた企業価値向上を目指すため、株主の皆様に有益な企業情報の発信やIR活動を積極的に推進していく方針です。現在では、海外向けの情報発信を強化するグローバルWebサイトの新設や、国内向けの情報発信を強化するコーポレートWebサイトのリニューアルを実施いたしました。更に、認知度向上に向けオウンドメディア「シテン」の運営、マスメディアへの出演、SNS「LinkedIn」等への配信などを通して、株主・投資家の皆様との対話の機会を増やしております。今後もこうした方針のもと、株主還元の充実を経営の最重要課題のひとつとして捉え、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保は残しつつも、充実した株主還元が実施できるよう努めてまいります。詳しくは「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「クレステックは企業として、社会に通用する企業を目指す。(情報の創造と提供により安心して暮らせる社会に貢献する)」、「クレステックの社員は、社会人として通用する人間を目指す。(グローバル社会から尊敬される人間を目指す)」を経営理念に掲げ、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界中の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指します。 (2)経営戦略等 当社グループは、テクニカルドキュメンテーションを事業の中核として、マニュアル制作・ローカリゼーション、印刷・パッケージ製造など幅広い事業を展開し、成長を実現してまいりました。そして現在、この中核事業をベースに、マーケット・リサーチをはじめとした川上の事業領域からアフターマーケットのユーザーサポートである川下の事業領域まで、ドキュメントソリューションサービスとして事業領域をグローバルに展開しております。しかしながら、次なる10年に向けた持続的な成長を目指すには、更なる変革が急務となっております。そこで、41期からスタートしました新経営体制のもと、次なる10年に向けた新領域への挑戦に取り組むことで、更なる事業の拡大を長期的に図ってまいります。今回の新中期経営計画「CR Challenge 27」では、引き続き、前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の企業基盤の確立と安定化を図りつつも、“Challenge”をテーマに、当社の強みであるグローバルネットワークを最大限に活用し、サービス力、グループの連携力で、グローバル/外資系企業との取引拡大や既存企業との取引拡充などを図りながら、ドキュメント業界で世界に誇れる日本企業を目指してまいります。 前中期経営計画「CR Vision 20+(Plus)」の企業基盤の確立と安定化を継続的に図りつつも、新経営体制のもと、“新たな挑戦”として、以下の経営重点戦略に取り組んでまいります。 ① 事業強化戦略 1)グローバル/外資系企業との取引拡大 2)既存企業との取引拡充 3)新規企業との連携やM&Aの推進 ② 体制強化戦略 1)事業強化に沿った人事戦略 2)既存事業領域の再構築 3)認知度向上への取り組み (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2027年6月期を最終年度とする中期経営計画「CR Challenge 27」においては、「グローバル化に向けた新たな挑戦」を基本方針とし、2027年6月期において、連結売上高200億円、連結営業利益14億円、連結営業利益率7.0%の経営数値目標の達成を設定しております。 (4)経営環境 当社グループを取り巻くビジネス環境は、スマートフォンの登場によるデジタル化(製品)への商品集約、更にペーパーレス化も加速したことで、当社グループの取引にも大きな影響を及ぼしてきました。また、近年では、世界的なインフレによる購買力の低迷が続いており、当社グループの主要顧客である一部の日系メーカーでは生産活動の低下や新製品開発の手控えなどの影響も出ております。加えて、米国の関税政策への今後の影響が不透明であることから、中国経済も米国との対立や不動産市況の悪化による景気の停滞、更に、ロシアによるウクライナ侵略、パレスチナ・イスラエル戦争、米国とイランの軍事衝突など、世界経済の回復は不透明な状態であり、引き続き先行きの見えない状況が続いております。 このような中、当社グループでは、次なる10年に向けた「新領域への挑戦」として事業強化に注力し、当社の強みであるグローバルネットワークを活かしたサービス力やグループの連携力を図り、更なるグローバル取引の拡充を目指すとともに、41期からスタートした新経営体制のもと、新中期経営計画「CR Challenge 27」各経営重点戦略(事業強化戦略と体制強化戦略)の目標達成に向け積極的に取り組んでおります。今後も、新経営体制(業務執行役員で構成する経営会議)のもと、積極的に取り組んでいる各施策に対し迅速かつ効果的に推し進めるとともに、次なる10年を見据えた組織改編や次世代のマネジメント層が活躍できる機会創出など、全体最適(個人の能力が最大限に発揮できる適所適材に人材を配置)を意識した、更なる企業基盤の確立と安定化に向け、引き続き以下に掲げる対処すべき課題に全力で取り組んでまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① グローバルネットワークを活用した取引拡大とサポート体制の強化 当社グループは、日系メーカーを中心にマニュアルの前工程である原稿作成やデータ作成を日本国内で行い、印刷・製造の後工程を顧客の海外拠点の近くで対応することで、マニュアルの制作から印刷・製造までの全工程を当社グループのネットワークにて一気通貫で対応できるサポート体制を構築し、日系メーカーとの信用を獲得してきました。 近年では、多様化したユーザーのニーズに迅速な対応が求められている顧客をサポートすべく、サプライチェーンとして、市場調査や販促プロモーションなどの「川上」業務から製品販売後のユーザーサポートなどの「川下」業務まで「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」をスローガンに、グローバルで全領域をサポートできる体制強化を進めてまいりました。 今後は、このグローバルネットワークを更に活用し、日系メーカーだけでなく、外資系メーカー(グローバル企業)との取引拡大や医薬品・ヘルスケア製品・生活用品等のメーカー等、幅広い事業分野の取引拡大にも積極的に挑戦していくことで、持続的成長が可能な事業ポートフォリオを構築してまいります。 ② 専門的な技術の確立と人材の育成 当社グループの強みは、マニュアルの原稿作成から翻訳・データ作成、更に多品種小ロットの印刷・製造に対応できるグローバルサポート体制であるため、それを支える技術の確立と人材の継続的な育成は経営の最重要課題のひとつとして捉えております。 現在、自動車から家電など各製品分野に対応できるテクニカルライターや世界各国語に展開できる翻訳ディレクターなど専門的な技術の確立のため、製品やサービスの仕様説明を扱う専門の団体(一般財団法人)テクニカルコミュニケーター協会(JTCA)、産業翻訳の業界団体(一般社団法人)日本翻訳連盟に加盟し、各業界に対応できる人材の育成に努めています。更に、昨今の技術革新に対応すべく「AI戦略三本の矢」という方針を策定し、その横断的な組織として「AI推進チーム」を立ち上げ、AIを活用した制作効率化(制作工数の削減、サポートや自動化、分析等)や社員教育も兼ねながら、社員による社内DX化(データベースをRAG化等)に取り組むことで、AIに対応できる人材の育成にも努めております。制作効率化、ひいては外部販売用に向けた開発に積極的に取り組んでおります。加えて、海外各拠点との交流による現地各市場の把握、JTCA主催のジャパンマニュアルアワード、日本包装協会主催の日本パッケージングコンテストへの応募など様々な取り組みを実施することで、グローバル社会で活躍できる人材や次世代を担う人材を育成し、「ONE STOP GLOBAL SOLUTION」で対応できるサポート体制をより一層強化してまいります。 ③ 国内での新規ビジネス展開近年、日本を始め世界的な動きとして製品のデジタル化やデータの集約が加速し、今までの業務形態であるマニュアル制作の市場規模は縮小傾向にあります。今後もこのような傾向が継続するものと予想されるため、当社グループでは、「AI推進チーム」が中心となり、開発したAIソリューションを製品化し、「ManuAI bot(マニュアルボット)」や「Ai-RU」等のAIサービスを市場に投入しております。更に、海外進出支援サービスである国際規格対応サポート、生成AIや大規模言語モデル(LLM)を活用したソリューション提供や、新たな体験と感動を創出するXR(※)技術、デジタルサイネージ用プレイヤーなどを駆使した新空間提供など、既存事業で培ったノウハウや人的資産を有効活用し、「川上」業務であるコンサルティングや販促プロモーション、業務支援マニュアルなどへの事業領域の拡大を図っております。加えて、M&Aにより子会社化したヘッププロモーション社やドゥルック社を介して、新たな事業領域(インバウンド事業や保険業界への参入)にも挑戦しており、今後も事業ポートフォリオの構築に向け、他社との業務提携やM&Aを積極的に推進してまいります。 ※ XR(Extended Reality):拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)などの画像技術の総称で、現実世界と仮想世界を融合させ、これまでにない新たな現実を創出させる技術のこと ④ サステナブルな社会の構築 当社グループは、「GLOBAL COMMUNICATIONS」“世界を繋ぐ人に優しいコミュニケーションの創造へ”をテーマに、「情報創造企業」として、世界の人とヒト、人とモノを繋ぐコミュニケーションを創造することで、伝えたい情報にカタチを与え、世界の人々の心に感動と喜びを創出し、楽しく安心して暮らせる社会の構築を目指し、グローバルに事業を展開しています。 そして、この事業活動を通して、年齢・性別・人種・宗教・言語・経済的地位などに関係なく、世界のすべての人に必要な情報を平等に提供できる環境づくり、つまり、言葉の障壁を越えて、世界のすべての人が不自由なく相互にコミュニケーションができる社会の構築を目指し、新たなツール開発やサービス、ソリューションの提供に努め、誰にでも分かりやすい情報を創造することで、サステナブルな社会づくりに貢献できるよう、取り組んでいます。 その具体的な取り組みとして、新設したサステナビリティ推進室を中心に、地域社会への貢献や循環型社会の構築を目指した活動を本格化させております。現在は、地元地域の棚田の維持・管理や、子ども食堂への食材の提供といった社会貢献活動へ積極的に挑戦しており、持続可能な地域社会の発展に向けて尽力しております。 ⑤ 株主との対話・株主還元 当社グループでは、株主の皆様との対話を通じた企業価値向上を目指すため、株主の皆様に有益な企業情報の発信やIR活動を積極的に推進していく方針です。現在では、海外向けの情報発信を強化するグローバルWebサイトの新設や、国内向けの情報発信を強化するコーポレートWebサイトのリニューアルを実施いたしました。更に、認知度向上に向けオウンドメディア「シテン」の運営、マスメディアへの出演、SNS「LinkedIn」等への配信などを通して、株主・投資家の皆様との対話の機会を増やしております。今後もこうした方針のもと、株主還元の充実を経営の最重要課題のひとつとして捉え、将来の事業展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保は残しつつも、充実した株主還元が実施できるよう努めてまいります。詳しくは「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、サービス業の回復や企業の旺盛な設備投資意欲などにより緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や長期金利の上昇などによる資源・資金調達コストへの転嫁など、依然として先行き不透明な状況が続いています。一方、世界経済においては、米国の関税政策の影響や中東情勢を背景とした資源・エネルギー価格の高騰などによるインフレ懸念が強まるなど、急速に不透明感が高まっています。米国では、関税政策による景気の下押し圧力がある中、個人消費や設備投資は底堅く推移しました。欧州では、物価安定による消費拡大が後押しとなるものの、景気は低迷傾向にあります。中国では、長引く不動産市況の悪化などによる景気停滞で不透明な状況となっています。東南アジア/南アジアでは、多くの製造企業で生産活動は概ね回復傾向にありました。こうした経済状況のもと、当社グループの主要顧客である日系メーカーの一部の顧客では、インフレや景気不安による販売低迷が続いていますが、全体的には回復傾向にあります。このような中、当社グループでは前期からスタートした新経営体制のもと、新中期経営計画「CR Challenge27」の目標達成に向け、まず“事業強化戦略”の一環として、新規企業の連携やM&Aの推進を図っており、同業である有限会社アルファ・ティーを2025年7月4日付で子会社化し、2025年9月1日付で吸収合併、更に、事業領域の拡大に向け、2025年12月23日付で株式会社ヘッププロモーションや2026年4月1日付で株式会社ドゥルックを子会社化しました。引き続き、新事業領域の拡大に向けた攻めの投資として、次なる事業戦略に挑戦してまいります。グローバル化/外資系企業との取引拡大や既存企業との取引拡充については、国内外拠点間における「つなぐプロジェクト」を立ち上げ、業務執行役員で構成する経営会議にて情報共有を図りつつグローバル化に向けた新たな挑戦として、2026年5月にベトナム・ハノイにオフィスを開設しました。今後も事業ポートフォリオの拡充に向け、既存企業の川上、川下領域の深耕拡充にも取り組んでまいります。また、AI活用による事業基盤の高度化に向けては、新たな「AI推進チーム」を立ち上げ、マニュアル制作のノウハウと最新の生成AI技術を融合した「ManuAI bot(マニュアルボット)」や「Ai-RU」等のAIサービスを開始し、新たな事業戦略としてサービスを展開しています。つぎに“体制強化戦略”として、次なる事業戦略を迅速かつ効率的に推し進めるため、AIを活用した社内システムを再構築することで、サービス品質の向上と経営効率化に取り組んでおります。認知度向上への取り組みについては、横断的なプロジェクトチームを立ち上げ、グローバルサイトの新設やコーポレートサイト(IRサイトを含む)のリニューアルに取り組み、より一層の認知度向上を目指しております。事業強化に沿った人事戦略については、すでにリニューアルしたコーポレートサイト(採用サイト)を活用し、グローバル人材の獲得に向け取り組んでおります。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度より2,475,412千円増加し、20,259,777千円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度より426,701千円増加し、9,279,660千円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度より2,048,711千円増加し、10,980,116千円(前連結会計年度比22.9%増)となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高は18,273,423千円(前連結会計年度比2.7%減)、営業利益は1,342,920千円(前連結会計年度比1.8%増)、経常利益は1,524,625千円(前連結会計年度比31.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は982,250千円(前連結会計年度比33.3%増)となりました。 セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。 日本は、外部顧客への売上高は5,416,475千円(前連結会計年度比1.0%減)、セグメント利益は85,796千円(前連結会計年度比73.1%減)となりました。 中国地域は、外部顧客への売上高は4,468,251千円(前連結会計年度比4.2%増)、セグメント利益は384,954千円(前連結会計年度比327.1%増)となりました。 東南アジア/南アジア地域は、外部顧客への売上高は5,980,562千円(前連結会計年度比10.9%減)、セグメント利益は571,914千円(前連結会計年度比21.3%減)となりました。 欧米地域は、外部顧客への売上高は2,408,132千円(前連結会計年度比4.1%増)、セグメント利益は299,152千円(前連結会計年度比63.1%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,483,856千円増加し、当連結会計年度末には6,920,828千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、2,206,719千円の収入(前連結会計年度は1,981,469千円の収入)となりました。これは主として、法人税等の支払額309,613千円があったものの、税金等調整前当期純利益1,595,435千円、減価償却費846,349千円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、743,801千円の支出(前連結会計年度は297,763千円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出391,102千円、定期預金の預入による支出328,905千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(純額)165,861千円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、475,042千円の支出(前連結会計年度は1,454,707千円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入850,000千円、短期借入金の純増額398,661千円があったものの、長期借入金の返済による支出899,214千円、リース債務の返済による支出275,729千円、配当金の支払額239,410千円、社債の償還による支出181,000千円、自己株式の取得による支出149,685千円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)生産高(千円)前連結会計年度比(%)生産高(千円)前連結会計年度比(%)日本5,270,375106.65,247,53699.6中国地域3,398,95694.33,694,305108.7東南アジア/南アジア地域5,576,26892.64,937,78188.5欧米地域2,411,29898.32,491,196103.3合計16,656,89897.916,370,81998.3(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.受注実績 当社グループの主要な事業であるドキュメント事業では、提供するサービスの性格上、受注から売上までの期間が短いことから、受注実績の記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)販売高(千円)前連結会計年度比(%)販売高(千円)前連結会計年度比(%)日本5,472,006103.45,416,47599.0中国地域4,288,93396.64,468,251104.2東南アジア/南アジア地域6,711,84795.35,980,56289.1欧米地域2,312,219100.92,408,132104.1合計18,785,00698.518,273,42397.3(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)当連結会計年度(自 2025年7月1日至 2026年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)エプソングループ3,031,06516.12,374,80413.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、この作成にあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 また、当社の連結財務諸表作成において、損益及び資産の状況に影響を与える見積り及び判断については、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針としては次のものがあると考えております。 a.退職給付債務及び退職給付費用 退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されており、これらの前提条件には、割引率や年金資産の期待運用収益率等が含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。b.貸倒引当金 債権の貸倒れによる損失に備えるため回収不能見込額を見積り、引当金を計上しておりますが、将来、債務者の財政状態が著しく悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。c.繰延税金資産 連結財務諸表と税務上の一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、税務計画を考慮し見積っておりますが、予測不可能な前提条件の変更等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。d.棚卸資産 当社グループは、棚卸資産の評価を行うに当たっては、製品及び商品については正味売却価額、原材料については再調達原価に基づき、収益性の低下を検討しております。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、状況に変化が生じた場合には、棚卸資産の簿価を切り下げ、売上原価を増加させることになります。 e.固定資産の減損処理 当社グループは、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。そのため、将来の市況悪化等が見込まれることとなった場合、減損損失の計上が発生するなど当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。f.のれん及び顧客関連資産の評価 当社グループは、のれん及び顧客関連資産に関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1) 財政状態(資産合計) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度より2,475,412千円増加し、20,259,777千円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。これは主として、現金及び預金が1,718,834千円、有形固定資産が470,779千円、のれんが124,344千円増加したことによるものであります。(負債合計) 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度より426,701千円増加し、9,279,660千円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。これは主として、社債が181,000千円減少しましたが、短期借入金が442,200千円、未払法人税等が131,927千円増加したことによるものであります。(純資産合計) 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度より2,048,711千円増加し、10,980,116千円(前連結会計年度比22.9%増)となりました。これは主として、為替換算調整勘定が1,106,917千円、利益剰余金が742,840千円増加したことによるものであります。 2) 経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は18,273,423千円(前連結会計年度比2.7%減)となりました。国内では、前期において取引先が実施した新製品投入効果や、開発案件などのプラス要因による反動の影響で取引の減少がありました。海外では、中国にて一部の医薬品メーカーとの取引が回復傾向であったことや欧州にて主要顧客との取引が堅調であったものの、フィリピンの事業再編の影響などにより売上高が減少しております。(売上総利益) 売上総利益は5,683,653千円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。これは、売上高の減少はありましたが、中国での原価改善効果等によるものです。(営業利益) 営業利益は1,342,920千円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。これは、売上総利益の増加によるものです。(経常利益) 経常利益は1,524,625千円(前連結会計年度比31.6%増)となりました。これは、営業利益の増加と為替差益の発生によるものです。(親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は982,250千円(前連結会計年度比33.3%増)となりました。1株当たり当期純利益金額は、当連結会計年度は328.81円(前連結会計年度比36.9%増)となりました。 3) キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 b.資本の財源及び資金の流動性 当社の事業では、国内ではそのほとんどが役務提供型の業務であるため、多額の設備投資が必要となる事業ではありません。一方、海外では工場型拠点と商社型拠点があり、商社型拠点では多額の設備投資は発生しませんが、工場型拠点では新規投資や現状設備維持の投資が必要になります。 運転資金につきましては、当社グループの製品は受注から納品・検収・回収までのサイトが比較的短く、多額に先行で費用が発生することはありません。現在は、事業資金の効率的かつ安定的な調達を図るため、取引金融機関数行との間で複数のコミットメントライン契約を締結しております。また、既存設備維持の投資に関しては営業活動によるキャッシュ・フローより行うこととしておりますが、新たな追加の投資が必要な場合には、リース契約、社債及び長期借入金でまかなっております。 c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、第43期(2027年6月期)を最終年度とする中期経営計画「CR Challenge 27」において、「グローバル化に向けた新たな挑戦」を基本方針とし、最終年度の連結経営指標について以下の数値目標を設定しております。第43期の数値目標に対する第42期の実績につきましては、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰や長期金利の上昇など、先行きの見えない状況が続くなか、当社グループの主要顧客との取引は概ね回復傾向となりました。一方でフィリピンでの事業再編の影響などにより売上高は前期より減少しております。営業利益や営業利益率については原価改善により前期より増加しております。引き続き目標達成に向け邁進してまいります。 中期経営計画「CR Challenge 27」の最終年度である2027年6月期の数値目標及び2026年6月期の実績指標第43期目標(2027年6月期)第42期実績(2026年6月期)売上高200億円182億円営業利益14億円13億円営業利益率7.0%7.3% d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(日本) 前期において取引先が実施した新製品投入効果や、開発案件などのプラス要因による反動の影響で取引が減少したことに加え、一部、取引拡充に向けた営業戦略上の取引(先行投資的な取引)もあり、利益率は悪化しました。 このような状況のもとで、日本では、外部顧客への売上高は5,416,475千円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益は85,796千円(前年同期比73.1%減)となりました。 (中国地域) 華東地区では、長引く中国経済の停滞などによる日系メーカーとの取引は引き続き低調でしたが、一部の医薬品メーカーとの取引は回復傾向になりました。また、中国国内市場向けプロモーション関連の取引は引き続き低調な推移となりましたが、販路拡大に向けた新たな取引(中国系メーカーのライティング業務など)および商材(キャラクター関連など)を取り扱い始めたことや、新たな設備を導入し生産性向上を図ったことで利益は改善しています。華南地区では、完全商社化以降は継続的に収益を維持しております。 このような状況のもとで、中国では、外部顧客への売上高は4,468,251千円(前年同期比4.2%増)、セグメント利益は384,954千円(前年同期比327.1%増)となりました。 (東南アジア/南アジア地域) フィリピンでは、前々期から進めている体制変更や事業の見直しにより取引は減少傾向にあるものの、2025年7月から稼働している自社工場への一部内製化などにより、税引後の収益性は改善傾向にあります。インドネシアでは、医薬品関連の新規取引や生活用品・ヘルスケア用品などの新事業分野の顧客との取引は堅調に推移しました。タイでは、主要顧客の生産調整が落ち着き、取引は改善傾向になりました。ベトナムでは、ハノイオフィス開設にかかる準備費用は発生しているものの、全般的に取引は軟調でした。インドでは、生産活動は回復傾向にあり、取引が増加しています。 このような状況のもとで、東南アジア/南アジアでは、外部顧客への売上高は5,980,562千円(前年同期比10.9%減)、セグメント利益は571,914千円(前年同期比21.3%減)となりました。 (欧米地域) 米国では、関税政策の影響による個人消費や設備投資の鈍化などが懸念される中、主要顧客である輸送機器メーカーとの取引は引き続き安定しているものの、翻訳関係の取引は軟調であったことや、前期のようなスポット的な大型印刷案件もなく、全体的に利益は減少しています。その一方で、欧州では引き続き主要顧客との取引が安定していることで利益も増加しています。 このような状況のもとで、欧米では、外部顧客への売上高は2,408,132千円(前年同期比4.1%増)、セグメント利益は299,152千円(前年同期比63.1%増)となりました。
事業リスク
- 景気変動と顧客依存クレステックの事業はBtoBが中心であり、主要顧客である日系メーカーの生産活動や製品開発の動向に大きく左右されます。景気悪化や顧客の事業再編、開発縮小などが発生した場合、クレステックの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。最大顧客への売上依存度は約16%と分散されているものの、特定の地域セグメントで主要顧客の生産動向が悪化すると、全体業績に影響が出るリスクがあります。
- グローバルな製造拠点移転と競合激化主要顧客である日系メーカーの製造拠点が海外で移転したり、事業再編が進んだりするリスクがあります。また、マニュアル制作業界は縮小傾向にあり、国内外で競合他社(特に海外のローカルメーカー)の品質・コスト・納期(QCD)が向上しているため、クレステックの優位性が失われると、顧客が他社に切り替える「転注リスク」が高まり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
- ペーパーレス化とカントリーリスクデジタル化の進展により、取扱説明書のペーパーレス化が進み、特にコンシューマー向けデジタル製品市場の縮小は、クレステックの売上減少に繋がっています。今後、オフィスでのDX化によるペーパーレス化が進むと、複合機やプリンター市場の縮小も業績に影響する可能性があります。また、売上高の約59%を占める中国や東南アジア・南アジア地域における法改正、政策変更、人件費高騰、外交問題などが、カントリーリスクとして業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 本報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 また、当社グループとして、必ずしも事業遂行上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)景気変動によるリスク BtoB(企業間の商取引)をメインビジネスとした当社グループの業績は、景気の影響を受けやすい傾向にあります。今後、景気が悪化し、主要顧客である日系メーカーにおいて生産活動や事業の縮小、製造拠点の撤廃・統廃合などによる事業再編、製品開発の縮小や先送り・中止などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、景気変動によるリスクを受けにくい医薬・生活用品など新しい事業分野への拡大や、新領域の事業を含めたサービス内容の多様化、日系メーカーのみならず外資系メーカーを含めた取引顧客の多様化、サービス提供地域の事業拡大等を図りながら、リスクを最小限に抑えられるよう事業ポートフォリオの構築に努めております。 (2)主要顧客への依存リスク 当社グループの当連結会計年度の最大顧客の売上高は約13%であるため、特定の顧客の生産動向による依存リスクはある程度、分散されております。しかしながら、主要顧客の生産動向の変化により特定の地域セグメントの損益が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、主要顧客の生産動向による依存リスクの軽減に向け、新規顧客の開拓や既存顧客の拡充に努めております。 (3)主要顧客である日系メーカーにおけるグローバルな製造拠点の移転リスク 当社グループの売上高は、国内のみならず海外においても日系メーカーの比率が高く、現在、当社グループの海外現地法人(外資系医薬品メーカーが主要顧客である中国現地法人は除く。)の主要顧客となっております。今後、主要顧客である日系メーカーにおいて生産活動のグローバルな再編や各国の法改正・政策変更に伴う製造拠点の移転が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、製造拠点の移転リスクの軽減に向け、取引顧客との連携を更に強化し、主要なサプライチェーンの要として移転後も取引の継続に務めるとともに、海外においてサポート拠点の拡大や外資系メーカーとの更なる取引拡大にも努めております。 (4)競合他社による転注リスク 近年、国内の電機メーカーなどにおける事業再編により、マニュアル制作業界は縮小傾向にあると言われております。今後、更に海外メーカーの拡大により国内メーカーの事業再編が加速し、縮小したマニュアル制作業界での競争が更に激しくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 また、海外においても同様に、日系メーカーの事業再編が進む中、当社と競合しているローカルメーカーのQCDは向上しており、以前に比べ当社の優位性が保てなくなっております。今後、この優位性が維持できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、転注リスクの軽減に向け、国内においては特殊分野の制作能力(テクニカルライティング・翻訳等)やAIソリューションを更に追求し、他社では対応できない独自性を高め、海外事業においては他社に負けないQCDを更に追求しております。更に、提案型のサービスを展開することで顧客とのより強固な関係を構築するとともに、グローバルなサプライチェーンとして「川上」業務から「川下」業務まで一気通貫でサービスできる体制“One Stop Global Solution”を強化し、競合他社に対する優位性の構築にも努めております。 (5)ペーパーレス化による影響 近年、コンシューマー向けデジタル製品を中心に取扱説明書(マニュアル)のペーパーレス化に加え、スマートフォンの普及に伴うデジタル製品そのものの市場が縮小していることを受け、同製品向けの販売は大きく減少しております。現在、当社グループは主にオフィス向けの複合機やプリンターなどの情報機器メーカーとの取引が多いことから、今後、オフィスでのDX化に伴うペーパーレス化が進み、デジタル製品同様、複合機やプリンターそのものの市場が縮小した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、グローバルネットワークを有効活用し、ペーパーレス化の影響を相対的に受けにくい医薬・生活用品メーカーへの販売活動に注力するとともに、これまで培った梱包設計のノウハウを活かしたパッケージ製品(化粧箱、梱包材、緩衝材等)の取引拡大にも努めております。 (6)仕入価格変動による影響 海外の当社グループでは、主に紙製品(取扱説明書、パッケージ製品、ラベル等)を取り扱っており、その原材料である紙の価格変動により仕入価格は影響を受けております。今後、この仕入価格の上昇に対し、速やかに製品への価格転嫁ができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、仕入価格の上昇に対するリスクの軽減に向け、購入ルートの選択肢を広げるための新たなサプライヤーを開拓するとともに、引き続き市場動向を意識しながら充分な原材料在庫を確保することにも努めております。 (7)カントリーリスク 当社グループの当連結会計年度の中国及び東南アジア/南アジアにおける売上高は約57%を占めております。今後、これらの地域において法改正・政策変更や人件費高騰、外交問題などに起因し、主要顧客の撤退や生産活動の縮小などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、カントリーリスクの軽減に向け、各国の政治・経済情勢の把握や取引顧客との連携強化を図るとともに、そのリスクを分散する事業ポートフォリオの構築にも努めております。 (8)為替変動による影響 当社グループの当連結会計年度の海外における売上高は約70%を占めていることから、為替レートの変動による為替換算後の金額に影響を受けております。また、外貨取引により生じた資産・負債についても為替レートの変動リスクに晒されております。今後、急激な円高もしくは円安に進行した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、為替変動によるリスクの軽減に向け、外貨建て債権債務においては、外貨建ての銀行借入等の残高を調整することで、ネットポジションをほぼ均衡させることに努めております。 (9)有利子負債の残高にかかるリスク 当社グループの当連結会計年度末の有利子負債(社債、借入金、リース債務の合計額)の残高は6,287百万円と総資産の約31%を占めております。当社グループの借入は、原則、変動金利で対応しているため、今後、市場金利の上昇により金融費用が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、一部について固定金利で借入を行うことで、金利変動リスクの軽減に努めております。 (10)優秀な人材の確保・育成 当社グループが持続的な成長を実現していくためには、優秀な人材を確保・育成していくことが最重要項目のひとつとして捉えており、当社グループが求める人材を計画通り確保・育成できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、優秀な人材の確保・育成に向け、採用サイトのリニューアルや様々な採用手法を活用しながら当社グループが求める人材を確保するとともに、次なる10年を見据えた組織改編や次世代のマネジメント層が活躍できる機会創出など、全体最適(個人の能力が最大限に発揮できる適所適材に人材を配置)を意識しながら、グローバル及びマネジメント人材が挑戦しやすい職場環境の整備にも努めております。 (11)制作・製造工程における品質リスク 当社グループは、デジタル製品や家電、輸送機器などの取扱説明書の制作・編集・印刷や、パッケージ製品などを顧客に供給しております。これらの制作・製造工程において、企画・編集・制作時のミスや印刷時のミスプリント、製本時の乱丁などによる不具合の製品が市場に流出し、当社の瑕疵により発生した損害金額の規模や頻度、事後対応、更には顧客からの信用が失墜した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、品質リスクの軽減に向け、従業員への品質教育研修による啓蒙活動を継続的に図るとともに、代表取締役社長執行役員直轄の品質保証室にてグループ全体の品質管理を統括することで、顧客のニーズに対応した品質の向上・改善にも努めております。 (12)情報漏洩によるリスク当社グループは、顧客の未公表の新製品及びリニューアル品に関する開発情報や、限定的ではあるものの、一部、業務上で顧客に関する個人情報等にも接しております。今後、当社の情報漏洩により発生した顧客からの損害賠償請求や信用の低下、取引停止などが生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティをリスクマネジメントの最重要項目のひとつとして捉え、担当役員が分科委員長を務める情報セキュリティ分科委員会において、情報セキュリティに関する諸規程の整備や役員・従業員への啓蒙活動、管理体制の体系化及びシステム・運用の強化に取り組むとともに、外部によるネットワーク脆弱性診断やサイバー攻撃へのセキュリティ対策(EDR)にも努めております。 (13)大規模災害や感染症等によるリスク 当社グループは、国内外に多くの拠点があるため、局地的な水害や地震などの自然災害や火災、暴動、テロなどの人災等の大規模災害による拠点の損壊やそこで働く従業員が被災、又は、感染症等の世界的蔓延(パンデミック)により従業員が罹患し、生産活動の停止又は、遅延などが発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、グループ全体の事業継続をリスクマネジメントの最重要項目のひとつとして捉え、BCM分科委員会を設置し、緊急時における事業継続のバックアップ体制を構築するとともに、リスクを最小限に抑えられるよう、テレワーク勤務や時差出勤など、多様な働き方の導入にも努めております。