有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、経営理念「創意と熱意で新たな価値を生み出し、共にある未来を実現する」のもと、長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」を掲げ、その実現への長期戦略と2025年度を起点とする3カ年の中期経営計画を策定しております。次のとおり目標数値を定め、既存事業の基盤強化と成長に向けた足場固めとなる各種施策に取り組み、計画達成に邁進しております。 ■長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」 ■経営目標数値(2027年度)連結営業利益ROE45億円以上8.0%以上 (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、「情報系事業」と「生活・産業資材系事業」の二つの柱を軸に、選択と集中によるポートフォリオの変革を推進し、資本効率の向上に取り組んでおります。当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスクによる物価上昇やサプライチェーンの混乱が、企業の収益性悪化や個人消費の下押しにつながることが懸念され、先行き不透明な状況が予想されます。加えて、デジタル化の進展や消費者ニーズの多様化による紙媒体の縮小を受け、厳しさが増しております。さらに、中東情勢が原材料調達に影響を及ぼすことが懸念されており、当社グループにおいても引き続き状況を注視し、今後の動向に応じて迅速に対処してまいります。このような環境のもと、当社グループは長期ビジョン「NexTOMOWEL2034」を掲げ、事業ポートフォリオの変革により生活・産業資材系事業を成長させて情報系事業との売上高比率を1:1とし、2034年度に売上高1.5倍(2024年度比)、営業利益120億円の達成をめざしてまいります。これらの目標に向けファーストステップと位置付けている2025年度起点の中期経営計画では、既存事業の基盤強化と成長に向けた足場固めとなる各種施策を推進してまいります。情報系事業では、事業の重心を印刷から情報加工サービスを中心とした非印刷へと移行する取り組みを強化いたします。期待事業であるオリジナルコンテンツ事業では、IP(知的財産)を活用したイベント企画やグッズ販売の取り組み、デジタルコミックのオリジナル作品の制作・販売、法人向け教育プログラムなどの開発に注力します。情報サービスBPOでは、質の高いサービス提供と市場でのプレゼンス向上に努めます。あわせて、当社グループ内の出版印刷事業の組織を再編し、さらなる合理化と柔軟な運用体制の構築を進めることで、量産型から高付加価値型へ生産モデルを転換し、収益性の向上を図ってまいります。生活・産業資材系事業では、主力商品である、ラミネートチューブやトップシール材をはじめとする軟包装の売上拡大に向け、新規市場の開拓や環境に配慮した包材の開発などに取り組んでおります。また、期待事業である産業用包材については、梱包・物流資材分野を中心に開拓を進めております。さらに東南アジアを中心とした海外市場での事業拡大をめざし、協業も視野に入れた取り組みを進めてまいります。こうした取り組みと並行し、新たな経営理念の実現に向け特定した3つのマテリアリティに取り組むことで、社会が求める価値の継続的な提供を図り、自社の持続的成長と中期的な企業価値の向上を着実に実現してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、経営理念「創意と熱意で新たな価値を生み出し、共にある未来を実現する」のもと、長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」を掲げ、その実現への長期戦略と2025年度を起点とする3カ年の中期経営計画を策定しております。次のとおり目標数値を定め、既存事業の基盤強化と成長に向けた足場固めとなる各種施策に取り組み、計画達成に邁進しております。 ■長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」 ■経営目標数値(2027年度)連結営業利益ROE45億円以上8.0%以上 (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、「情報系事業」と「生活・産業資材系事業」の二つの柱を軸に、選択と集中によるポートフォリオの変革を推進し、資本効率の向上に取り組んでおります。当社グループを取り巻く経営環境は、地政学リスクによる物価上昇やサプライチェーンの混乱が、企業の収益性悪化や個人消費の下押しにつながることが懸念され、先行き不透明な状況が予想されます。加えて、デジタル化の進展や消費者ニーズの多様化による紙媒体の縮小を受け、厳しさが増しております。さらに、中東情勢が原材料調達に影響を及ぼすことが懸念されており、当社グループにおいても引き続き状況を注視し、今後の動向に応じて迅速に対処してまいります。このような環境のもと、当社グループは長期ビジョン「NexTOMOWEL2034」を掲げ、事業ポートフォリオの変革により生活・産業資材系事業を成長させて情報系事業との売上高比率を1:1とし、2034年度に売上高1.5倍(2024年度比)、営業利益120億円の達成をめざしてまいります。これらの目標に向けファーストステップと位置付けている2025年度起点の中期経営計画では、既存事業の基盤強化と成長に向けた足場固めとなる各種施策を推進してまいります。情報系事業では、事業の重心を印刷から情報加工サービスを中心とした非印刷へと移行する取り組みを強化いたします。期待事業であるオリジナルコンテンツ事業では、IP(知的財産)を活用したイベント企画やグッズ販売の取り組み、デジタルコミックのオリジナル作品の制作・販売、法人向け教育プログラムなどの開発に注力します。情報サービスBPOでは、質の高いサービス提供と市場でのプレゼンス向上に努めます。あわせて、当社グループ内の出版印刷事業の組織を再編し、さらなる合理化と柔軟な運用体制の構築を進めることで、量産型から高付加価値型へ生産モデルを転換し、収益性の向上を図ってまいります。生活・産業資材系事業では、主力商品である、ラミネートチューブやトップシール材をはじめとする軟包装の売上拡大に向け、新規市場の開拓や環境に配慮した包材の開発などに取り組んでおります。また、期待事業である産業用包材については、梱包・物流資材分野を中心に開拓を進めております。さらに東南アジアを中心とした海外市場での事業拡大をめざし、協業も視野に入れた取り組みを進めてまいります。こうした取り組みと並行し、新たな経営理念の実現に向け特定した3つのマテリアリティに取り組むことで、社会が求める価値の継続的な提供を図り、自社の持続的成長と中期的な企業価値の向上を着実に実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績の状況当期におけるわが国の経済は、米国の通商政策による影響が一部に見られるものの、雇用・所得環境の改善の動きなどにより、緩やかな回復傾向が続きました。その一方で、ビジネスを取り巻く環境は、生成AI技術の急速な発達や、人権や地球環境問題といった社会課題への対応など、複雑かつ多様になっております。さらに、足元では中東情勢の動向や物価上昇が企業業績や個人消費を下押しする懸念があり、景気の先行きには注意を要する状況となっております。このような状況の中、当社グループは、2025年5月に公表した2025年度を起点とする3カ年の中期経営計画の目標達成に向け、既存事業の収益性向上と期待事業の着実な育成を進めております。情報系事業では、事業の重心を印刷から情報加工サービスを中心とした非印刷へと移行する取り組みを強化しており、IP(知的財産)を活用した各種企画や法人向け教育プログラム、健康管理支援サービスなど、高品質なサービスの開発・提供に注力しております。生活・産業資材系事業では、食品や日用品向けに、高い機能性や意匠性を兼ね備え、環境負荷の低減にも配慮した包装資材を提供しております。加えて、産業用包装資材など新たな市場の開拓に努めるとともに、東南アジアを中心とした成長市場における販売拡大に注力しております。以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は982億5百万円(前期比1.8%減)、営業利益は21億3千4百万円(前期比8.4%減)、経常利益は27億2千7百万円(前期比0.7%減)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益34億4百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は39億6千万円(前期比19.6%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 情報コミュニケーション部門出版印刷は、書籍ではコミックスが好調だったものの単行本や絵本が減少し、雑誌では収益性向上に向けて不採算案件から撤退するなど受注管理を強化したこともあり、前期を下回りました。一般商業印刷は、統合報告書制作などのIR分野や店頭什器・イベント制作などの店頭販促分野が伸長したものの、カタログ・情報誌が大きく減少し、前期を下回りました。一方、注力分野であるオリジナルコンテンツ事業は、法人向け教育プログラム開発支援や電子コミックの販売促進強化により、前期を上回りました。以上の結果、部門全体の売上高は323億4千4百万円(前期比6.7%減)、営業損失は2億2千2百万円(前期は営業損失1億7千6百万円)となりました。 情報セキュリティ部門ビジネスフォームは、企業の健康経営支援サービスを中心とするヘルスケア分野と、非対面での手続きを可能にする口座開設アプリなど金融機関向けの情報サービスBPOが引き続き好調に推移しました。一方で官公庁向けのデータプリントは減少したため、全体では前期を下回りました。証券類とカードは、乗車券類が増加したものの交通系ICカードが減少し、前期を下回りました。以上の結果、部門全体での売上高は304億7千8百万円(前期比0.9%減)、営業利益は11億2千8百万円(前期比42.3%減)となりました。 生活・産業資材部門チューブは、歯磨き向けをはじめ、UV製品やヘアケア製品などの化粧品向けが増加し、調味料向けのブローチューブやブローボトルも堅調に推移した結果、前期を上回りました。軟包装は、即席めん向けやカイロ向けのフィルム包装が伸長したほか、フタ材の需要が増加したこともあり、前期を上回りました。紙器は、ラップカートンの生産体制を強化したことにより受注が増加し、前期を上回りました。産業資材は医薬品向けの受注が減少するも、全体としては堅調な推移となりました。以上の結果、部門全体での売上高は331億7千万円(前期比2.6%増)、営業利益は15億2千1百万円(前期比25.7%増)となりました。 その他不動産や物流などの事業から構成され、売上高は22億1千1百万円(前期比0.9%減)、営業利益は2億7千万円(前期比67.1%増)となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億8千2百万円増加し123億6千6百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、65億8千9百万円(前期比1億5千4百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益58億1千4百万円、減価償却費57億9千5百万円の計上、売上債権の減少12億6千2百万円と、仕入債務の減少12億8千7百万円、法人税等の支払額17億2千1百万円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、11億2千1百万円(前期比2億1千9百万円増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出49億2千8百万円と投資有価証券の売却による収入40億8千2百万円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、53億6千万円(前期比7億2千2百万円増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億3千8百万円、自己株式の取得による支出9億5千8百万円、配当金の支払17億2千8百万円があったことによるものです。 生産、受注及び販売の状況(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門32,58094.0情報セキュリティ部門30,08397.4生活・産業資材部門33,443103.0その他2,17196.2合計98,27898.0(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門31,42387.47,02088.4情報セキュリティ部門29,62896.28,66991.1生活・産業資材部門34,501104.59,525116.2その他2,255101.957418.5合計97,80895.925,27398.5 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門32,34493.3情報セキュリティ部門30,47899.1生活・産業資材部門33,170102.6その他2,21199.1合計98,20598.2(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①財政状態の分析総資産は、1,238億1百万円(前連結会計年度末1,261億6千8百万円)となり、23億6千7百万円減少しました。これは主に、売上債権が12億8千5百万円減少したことによるものです。負債は、585億4千万円(前連結会計年度末632億5千5百万円)となり、47億1千5百万円減少しました。これは主に、仕入債務が13億3百万円、長期借入金が24億4千6百万円減少したことによるものです。純資産は、652億6千1百万円(前連結会計年度末629億1千3百万円)となり、23億4千7百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益39億6千万円の計上、その他有価証券評価差額金5億8千7百万円の増加と、剰余金の配当17億2千8百万円、自己株式の取得9億5千8百万円があったことによるものです。 ②経営成績の分析当社グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としております。当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1.8%減の982億5百万円でした。生活・産業資材系事業では、チューブ、軟包装が増加したものの、情報系事業では、収益管理を強化した影響でカタログ・情報誌が減少し、全体として前期を下回りました。売上原価は前期比3.2%減の773億1千万円、対売上高比率は78.7%となり、前期の79.9%から1.2ポイント低下しました。販売費及び一般管理費は前期比5.4%増の187億5千9百万円となりました。対売上高比率は19.1%で人件費などの増加により、前期の17.8%から1.3ポイント上昇しました。この結果、営業利益は前期比8.4%減の21億3千4百万円となり、売上高営業利益率は2.2%と、前期から0.1ポイント低下しました。また、税金等調整前当期純利益は前期比25.6%増の58億1千4百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比19.6%増の39億6千万円となりました。また、自己資本利益率(ROE)は、前期の5.3%から6.2%へ0.9ポイント上昇しました。なお、セグメントごとの経営成績については「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載のとおりです。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は108億5千3百万円、現金及び現金同等物の残高は123億6千6百万円となっております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、前中期経営計画(2021年度から2024年度までの4ヵ年計画)において、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」のもと、グループ経営ビジョン「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を掲げ、全社視点での重点施策と各事業における施策を遂行してまいりました。その間、社会環境の変化が加速度を増し、企業に対する社会や市場からの要請が高度化してまいりました。そこで、当社グループがステークホルダーの期待に応えて持続的な成長を続けるには成長戦略の明確化が不可欠との認識のもと、当社グループの価値観やマテリアリティ等をつぶさに見直し、2025年5月に理念体系を再構築しております。新しい経営理念「創意と熱意で新たな価値を生み出し、共にある未来を実現する」と、経営理念の実現に向け10年後の2034年度にありたい姿として長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」を定め、達成への長期戦略と2025年度を起点とする3カ年の中期経営計画を策定しております。新たな長期戦略と中期経営計画の概要は、次の(2)に記載のとおりです。 (2) 中長期的な経営戦略<長期戦略>当社グループは、大きく出版印刷や販促・業務支援、ICカードなどを扱う「情報系事業」と、チューブや紙器などの各種包材と吸湿フィルムなどの機能性材料を扱う「生活・産業資材系事業」を行っております。長期戦略はこの二つを柱とし、選択と集中による事業ポートフォリオの変革を進め、資本効率を高めながら営業利益120億円以上を実現することを目標としております。情報系事業では、売上高の規模を維持しつつ事業の重心を印刷から情報サービス(非印刷)へ移し、情報加工を中心とした質の高いサービスの提供をめざします。生活・産業資材系事業では、食品や日用品の包材製造を引き続き中心としつつ、コア技術である材料加工技術を生かした独自製品の開発で国内外の成長市場・事業分野への展開を強化してまいります。投資については、2034年度までに総額700億円規模を計画しております。研究開発や人的投資、M&Aを含めた成長投資に400億円程度、生産性向上に向けた設備やDX投資など既存事業への投資に300億円程度を見込んでおります。 <中期経営計画>2025年度からの新たな中期経営計画は長期戦略のファーストステップの位置付けであり、躍進に向けた足場を固めるフェーズです。従来の延長線上ではない新しい挑戦によって既存事業の収益性向上と成長事業の着実な育成に取り組むとともに、事業戦略を支える財務戦略、サステナビリティ経営の深化や人的資本の強化などの非財務戦略にも注力してまいります。目標は、最終年度にあたる2027年度に営業利益45億円以上、ROE8%以上といたしました。さらに、企業価値の向上と安定的な株主還元を実現するため、DOE3.5%を目安とした配当を行ってまいります。情報系事業では、まんがなどのIP(知的財産)を活用したオリジナルコンテンツや、BPO等の情報サービス機能の開発及び拡販の強化などで収益を拡大し事業の柱に育てるとともに、生産改革を一層推進してまいります。生活・産業資材系事業では、効率化投資や継続的な価格改定も進めて食品・日用品向け包材の事業規模を拡大しつつ、高い成長性と収益性が見込める「海外パッケージ」「機能性材料」「産業用包材」の育成に注力します。海外パッケージはラミネートチューブだけでなく軟包装等にも注力して多角化を進めます。機能性材料と産業用包材は、材料加工技術を核とした高付加価値製品の開発・拡販に努めて、早期収益化に取り組みます。各施策の着実な実行により、中期経営計画の達成と長期戦略で描いた事業ポートフォリオ像の実現を確かなものとしてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループは、前中期経営計画(2021年度から2024年度までの4ヵ年計画)において、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」のもと、グループ経営ビジョン「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を掲げ、全社視点での重点施策と各事業における施策を遂行してまいりました。その間、社会環境の変化が加速度を増し、企業に対する社会や市場からの要請が高度化してまいりました。そこで、当社グループがステークホルダーの期待に応えて持続的な成長を続けるには成長戦略の明確化が不可欠との認識のもと、当社グループの価値観やマテリアリティ等をつぶさに見直し、2025年5月に理念体系を再構築しております。新しい経営理念「創意と熱意で新たな価値を生み出し、共にある未来を実現する」と、経営理念の実現に向け10年後の2034年度にありたい姿として長期ビジョン「NexTOMOWEL2034 共に挑もう、共に超えよう。」を定め、達成への長期戦略と2025年度を起点とする3カ年の中期経営計画を策定しております。新たな長期戦略と中期経営計画の概要は、次の(2)に記載のとおりです。 (2) 中長期的な経営戦略<長期戦略>当社グループは、大きく出版印刷や販促・業務支援、ICカードなどを扱う「情報系事業」と、チューブや紙器などの各種包材と吸湿フィルムなどの機能性材料を扱う「生活・産業資材系事業」を行っております。長期戦略はこの二つを柱とし、選択と集中による事業ポートフォリオの変革を進め、資本効率を高めながら営業利益120億円以上を実現することを目標としております。情報系事業では、売上高の規模を維持しつつ事業の重心を印刷から情報サービス(非印刷)へ移し、情報加工を中心とした質の高いサービスの提供をめざします。生活・産業資材系事業では、食品や日用品の包材製造を引き続き中心としつつ、コア技術である材料加工技術を生かした独自製品の開発で国内外の成長市場・事業分野への展開を強化してまいります。投資については、2034年度までに総額700億円規模を計画しております。研究開発や人的投資、M&Aを含めた成長投資に400億円程度、生産性向上に向けた設備やDX投資など既存事業への投資に300億円程度を見込んでおります。 <中期経営計画>2025年度からの新たな中期経営計画は長期戦略のファーストステップの位置付けであり、躍進に向けた足場を固めるフェーズです。従来の延長線上ではない新しい挑戦によって既存事業の収益性向上と成長事業の着実な育成に取り組むとともに、事業戦略を支える財務戦略、サステナビリティ経営の深化や人的資本の強化などの非財務戦略にも注力してまいります。目標は、最終年度にあたる2027年度に営業利益45億円以上、ROE8%以上といたしました。さらに、企業価値の向上と安定的な株主還元を実現するため、DOE3.5%を目安とした配当を行ってまいります。情報系事業では、まんがなどのIP(知的財産)を活用したオリジナルコンテンツや、BPO等の情報サービス機能の開発及び拡販の強化などで収益を拡大し事業の柱に育てるとともに、生産改革を一層推進してまいります。生活・産業資材系事業では、効率化投資や継続的な価格改定も進めて食品・日用品向け包材の事業規模を拡大しつつ、高い成長性と収益性が見込める「海外パッケージ」「機能性材料」「産業用包材」の育成に注力します。海外パッケージはラミネートチューブだけでなく軟包装等にも注力して多角化を進めます。機能性材料と産業用包材は、材料加工技術を核とした高付加価値製品の開発・拡販に努めて、早期収益化に取り組みます。各施策の着実な実行により、中期経営計画の達成と長期戦略で描いた事業ポートフォリオ像の実現を確かなものとしてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績の状況当期におけるわが国の経済は、一部に足踏みがみられたものの、雇用や所得環境が改善する中で緩やかな回復が続きました。しかし、国内景気の先行きは、米国の通商政策の影響による下振れリスクが懸念されるほか、金融資本市場の変動等の影響に対しても、一層の注意を要する状況となっております。このような状況の中、当社グループは、中期経営方針「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」に基づき、各施策を推進しました。情報系事業では、「印刷事業で培った強みを軸とし、新たな価値創出を実現」するため、版権元との関係性を生かした企画展開催などライセンスビジネスの拡大を進めました。また、当社グループの高いセキュリティ環境を生かし、業務のデジタルシフトを支援する製品・サービスの提案で事業機会の獲得に取り組むとともに、引き続き旺盛な旅客流動に対応するべく、乗車券類とICカードの安定供給体制の維持・整備に努めました。生産体制の効率化に向けては、グループ会社の統廃合及び製造拠点の集約を行いました。生活・産業資材系事業では、「パッケージソリューションベンダーの地位確立」に向け、製品ラインアップを拡充するべく、生活利便性向上とプラスチック使用量削減の両立に貢献する製品の開発を進め、高付加価値製品の拡販に努めました。また、原材料費の高騰に対応し、適切な価格交渉を推進しました。以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は999億7千7百万円(前期比3.1%増)、営業利益は23億3千1百万円(前期比47.8%増)、経常利益は27億4千6百万円(前期比31.8%増)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益28億2千1百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千万円(前期比121.3%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 情報コミュニケーション部門出版印刷は、定期刊行物は雑誌の堅調な推移と付録などの増加で前期並みでしたが、書籍はコミックスや単行本の減少により全般的に低調となり、全体では下回りとなりました。一般商業印刷は、Webカタログなどのデジタル制作関連やカタログ・情報誌が好調に推移しましたが、POPの大型案件の減少による不振などが影響し、前期並みとなりました。以上の結果、部門全体の売上高は346億5千8百万円(前期比0.2%減)、営業損失は1億7千6百万円(前期は営業損失2億8千6百万円)となりました。 情報セキュリティ部門ビジネスフォームは、金融機関向けBPOが低調でしたが、官公庁向けのデータプリントが増加し、前期を上回りました。証券類とカードは、インバウンド需要をはじめとする旺盛な旅客流動の継続により、乗車券類が増加、交通系ICカードも堅調に推移し、前期を上回りました。以上の結果、部門全体での売上高は307億5千5百万円(前期比7.2%増)、営業利益は19億5千4百万円(前期比45.1%増)となりました。 生活・産業資材部門紙器はラップカートンが減少しましたが、ティシューカートンが増加し、前期を上回りました。軟包装は即席めんなどの食品向けフタ材が好調、日用品向け詰替え用パウチなどのリキッドパッケージも順調に推移し、前期を上回りました。チューブは、歯磨き向けが減少したものの、ヘアケア製品向けの好調により化粧品向けが増加し、前期並みに推移しました。調味料向けのブローチューブは受注が好調、ブローボトルも堅調に推移し、前期を上回りました。産業資材は医薬品向けの受注が増加し、前期を上回りました。以上の結果、部門全体での売上高は323億3千1百万円(前期比2.8%増)、営業利益は12億1千1百万円(前期比6.4%増)となりました。 その他売上高は22億3千1百万円(前期比5.5%増)、営業利益は1億6千1百万円(前期比20.3%減)となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億4千万円増加し121億8千4百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、67億4千4百万円(前期比36億3千6百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益46億2千8百万円、減価償却費59億1千3百万円の計上と、仕入債務の減少36億円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、9億2百万円(前期比20億6百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出41億1千7百万円と投資有価証券の売却による収入31億5千万円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、46億3千7百万円(前期は2億6千6百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億9千万円、自己株式の取得による支出10億円、配当金の支払7億9千2百万円があったことによるものです。 生産、受注及び販売の状況(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門34,66499.7情報セキュリティ部門30,884107.2生活・産業資材部門32,468104.6その他2,256106.5合計100,274103.6(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門35,943105.37,940119.3情報セキュリティ部門30,813101.69,520100.6生活・産業資材部門33,007107.28,195109.0その他2,213104.11342.3合計101,976104.725,670108.4 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門34,65899.8情報セキュリティ部門30,755107.2生活・産業資材部門32,331102.8その他2,231105.5合計99,977103.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①財政状態の分析総資産は、1,261億6千8百万円(前連結会計年度末1,318億1千5百万円)となり、56億4千6百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が30億4千8百万円、売上債権が16億9千3百万円減少したことによるものです。負債は、632億5千5百万円(前連結会計年度末686億9千5百万円)となり、54億3千9百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が35億8千万円、借入金が24億6千1百万円減少したことによるものです。純資産は、629億1千3百万円(前連結会計年度末631億2千万円)となり、2億7百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益33億1千万円の計上と剰余金の配当7億9千2百万円、自己株式の取得10億円、その他有価証券評価差額金20億2千5百万円の減少があったことによるものです。 ②経営成績の分析当社グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としております。当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3.1%増の999億7千7百万円でした。インバウンド需要をはじめとする旺盛な旅客流動継続による乗車券類の好調など、全体として前期を上回りました。売上原価は前期比2.6%増の798億4千4百万円、対売上高比率は79.9%となり、前期の80.2%から0.3ポイント低下しました。販売費及び一般管理費は前期比1.2%増の178億1百万円となりました。対売上高比率は17.8%でのれん償却費の減少などにより、前期の18.1%から0.3ポイント低下しました。この結果、営業利益は前期比47.8%増の23億3千1百万円となり、売上高営業利益率は2.3%と、前期から0.7ポイント上昇しました。また、税金等調整前当期純利益は前期比107.2%増の46億2千8百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比121.3%増の33億1千万円となりました。また、自己資本利益率(ROE)は、前期の2.5%から5.3%へ2.8ポイント上昇しました。なお、セグメントごとの経営成績については「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載のとおりです。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は130億1千8百万円、現金及び現金同等物の残高は121億8千4百万円となっております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」のもと、将来ありたい姿として、グループ経営ビジョン「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を掲げております。その実現に向けて、市場環境の変化を見据えた事業戦略及び生産体制の合理化を推進する経営基盤を構築し、持続的な成長と企業価値向上を確かなものとするため、中期経営計画(2021年度から2024年度までの4ヵ年計画)では、方針及び目標数値を次のとおりといたしました。全社視点での重点施策及び、各事業における施策を着実に実行することで計画達成に邁進してまいります。 ■中期経営方針 「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」 ■経営目標数値(2024年度)連結営業利益ROE配当性向38億円5.0%30%以上 (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題新型コロナウイルス感染症は、引き続き当社グループ業績に影響を及ぼしました。情報系事業では、生活様式の変化によるデジタル化の加速を受けた一般商業印刷の減少、旅客需要の回復遅れに伴う交通系ICカードの低迷など、業績の回復に遅れがみられました。生活・産業資材系事業では、日用品向け包材が減少したものの、外出自粛の継続により、即席麺向けの包材・フタ材や調味料向けチューブが増加しました。今後は、新型コロナウイルスの影響から持ち直しの動きが見られるものの、原材料価格や電力価格及び物流コスト上昇圧力の高まりを受けて収益面のリスク増大も懸念され、依然として厳しい経営環境が予想されます。一方で、アフターコロナの新しいライフスタイルを見据えた、新事業・新市場への期待も高まっています。このような状況の中、当社グループは2021年度からの中期経営方針を「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」と定め、既存事業における安定的な収益基盤の確立とともに、グループの柱となる新規事業の育成をめざし、各種施策に取り組んでおります。情報系事業においては、従来のアナログ媒体の強みに加え、デジタルコンテンツ制作・配信を含めた高度な企画開発力により、多様な生活者のライフスタイルに適したコミュニケーションを最適化するサービスメニューを拡充させています。教育分野ではオンライン上での学びを支援する講師プラットフォーム提供、販促支援分野ではライブ配信や店頭でのデジタルコンテンツ提供で新たな顧客体験を生み出す総合提案によって受注を拡大させます。また、業務支援分野では、法人向け健康管理サービス提供や高齢者向けプリペイドカード決済プラットフォームの共同開発など、生活者のより良い暮らしに貢献するサービスを通じた事業拡大をめざします。同時に抜本的な生産改革を推進し、収益力の向上に取り組んでまいります。生活・産業資材系事業においては、従来から環境配慮製品及び高機能包材の開発によって事業規模の拡大を進めてきました。近年は特に、プラスチックの代替として紙を利用した容器包装関連の開発に注力しています。森林認証紙を使用した紙仕様の食品用一次包装材や、プラスチック製蓋との嵌合性の高い紙製カートンなど、容器包装としての機能性及び生活者の利便性を損なわず、脱プラスチックに貢献する高付加価値製品の提供を通じて、売上拡大を図ってまいります。また、一部モデル工場を皮切りに製造部門のデジタル化を進め、利益創出に取り組みます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」のもと、将来ありたい姿として、グループ経営ビジョン「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を掲げております。その実現に向けて、市場環境の変化を見据えた事業戦略及び生産体制の合理化を推進する経営基盤を構築し、持続的な成長と企業価値向上を確かなものとするため、中期経営計画(2021年度から2024年度までの4ヵ年計画)では、方針及び目標数値を次のとおりといたしました。全社視点での重点施策及び、各事業における施策を着実に実行することで計画達成に邁進してまいります。 ■中期経営方針 「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」 ■経営目標数値(2024年度)連結営業利益ROE配当性向38億円5.0%30%以上 (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題新型コロナウイルス感染症は、引き続き当社グループ業績に影響を及ぼしました。情報系事業では、生活様式の変化によるデジタル化の加速を受けた一般商業印刷の減少、旅客需要の回復遅れに伴う交通系ICカードの低迷など、業績の回復に遅れがみられました。生活・産業資材系事業では、日用品向け包材が減少したものの、外出自粛の継続により、即席麺向けの包材・フタ材や調味料向けチューブが増加しました。今後は、新型コロナウイルスの影響から持ち直しの動きが見られるものの、原材料価格や電力価格及び物流コスト上昇圧力の高まりを受けて収益面のリスク増大も懸念され、依然として厳しい経営環境が予想されます。一方で、アフターコロナの新しいライフスタイルを見据えた、新事業・新市場への期待も高まっています。このような状況の中、当社グループは2021年度からの中期経営方針を「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」と定め、既存事業における安定的な収益基盤の確立とともに、グループの柱となる新規事業の育成をめざし、各種施策に取り組んでおります。情報系事業においては、従来のアナログ媒体の強みに加え、デジタルコンテンツ制作・配信を含めた高度な企画開発力により、多様な生活者のライフスタイルに適したコミュニケーションを最適化するサービスメニューを拡充させています。教育分野ではオンライン上での学びを支援する講師プラットフォーム提供、販促支援分野ではライブ配信や店頭でのデジタルコンテンツ提供で新たな顧客体験を生み出す総合提案によって受注を拡大させます。また、業務支援分野では、法人向け健康管理サービス提供や高齢者向けプリペイドカード決済プラットフォームの共同開発など、生活者のより良い暮らしに貢献するサービスを通じた事業拡大をめざします。同時に抜本的な生産改革を推進し、収益力の向上に取り組んでまいります。生活・産業資材系事業においては、従来から環境配慮製品及び高機能包材の開発によって事業規模の拡大を進めてきました。近年は特に、プラスチックの代替として紙を利用した容器包装関連の開発に注力しています。森林認証紙を使用した紙仕様の食品用一次包装材や、プラスチック製蓋との嵌合性の高い紙製カートンなど、容器包装としての機能性及び生活者の利便性を損なわず、脱プラスチックに貢献する高付加価値製品の提供を通じて、売上拡大を図ってまいります。また、一部モデル工場を皮切りに製造部門のデジタル化を進め、利益創出に取り組みます。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染状況に大きく影響を受けつつ推移しました。緊急事態宣言は9月末に、まん延防止等重点措置は3月下旬に全面解除されたものの、新たな変異ウイルスによる感染再拡大に加え、エネルギー価格の高騰、ロシア・ウクライナ情勢による世界経済の落ち込みが懸念されるなど、景気の先行きに注意を要する状況が続いております。印刷業界においては、一部で持ち直しの動きはあったものの、販促や旅客需要の回復遅れに加え、生活様式の変化によるデジタル化の加速を受けた紙媒体の需要減少、原材料価格の高騰等により、既存の印刷事業で厳しい経営環境が続きました。このような状況の中、共同印刷グループは当連結会計年度を初年度とする4ヵ年の中期経営計画を策定し、中期経営方針「豊かな社会と新たな価値を創造するために未来起点の変革に挑戦」に基づいて、各種施策に取り組みました。情報系事業では、「印刷事業で培った強みを軸とし、新たな価値創出を実現」することをめざし、コンテンツを生かした事業機会の獲得や、販促及び業務支援事業のデジタルシフトを支援する製品・サービスの提案など、注力領域の強化とデジタル領域の伸長に取り組みました。生活・産業資材系事業では、「パッケージソリューションベンダーの地位確立」に向け、環境配慮製品の開発や提案を強化するとともに、食品・日用品向けのパッケージやラミネートチューブの受注拡大の取り組みを進めました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は、884億1千6百万円(前期比2.9%減)となり、営業利益は7億5千6百万円(前期比16.8%増)、経常利益は12億9千8百万円(前期比3.6%減)となりました。また、特別利益に投資有価証券売却益12億2千4百万円、補助金収入3億2千7百万円、特別損失に独占禁止法関連損失7億6百万円、特別転進支援費用5億2千5百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千3百万円(前期比17.1%減)となりました。なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 情報コミュニケーション部門出版印刷では、各種コンテンツ制作や、知育・教育関連分野の受注拡大に取り組みました。書籍の好況を受けて、辞典や教材などの教育関連や単行本・新書などが前期を上回ったほか、雑誌の付録、人気まんがの原画展等の販促物・グッズといったコンテンツ周辺領域も増加しました。しかし、定期刊行物を中心に雑誌が減少、また、収益認識会計基準の適用等の影響もあり電子書籍が減少したため、売上高は前期を下回りました。一般商業印刷では、販促需要の回復は不十分ながら、POPやパンフレット等は、新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだ前期を上回りました。また、発送作業などを含むロジスティクス関連業務やDMも好調に推移しました。しかし、カタログは廃止やデジタル媒体への移行等で減少し、前期を下回りました。以上の結果、部門全体の売上高は334億2千7百万円(前期比5.8%減)、営業損失は1億8千6百万円(前期は営業利益9千2百万円)となりました。 情報セキュリティ部門金融機関や官公庁・自治体への提案推進による受注獲得に取り組むとともに、法人決済ソリューション事業の拡大のため、法人向けプリペイドカードサービス「Bizプリカ」の拡販に注力しました。ビジネスフォームは、データプリントやBPOが新型コロナワクチン関連など自治体を中心に増加し、前期を上回りました。また、証券類は、コロナ禍における人流停滞の動きが依然として残る中、乗車券類が前期を上回ったほか、抽選券類も前期並みに推移したため、前期を上回りました。しかし、カードについては、金融系が順調に推移したものの、交通系ICカードが旅客需要の回復遅れ等の影響を受けたことにより、前期を大きく下回りました。以上の結果、部門全体での売上高は251億8千7百万円(前期比3.2%減)、営業利益は6億4千8百万円(前期比5.9%増)となりました。 生活・産業資材部門紙器は、業務用を中心としたラップカートン等が減少した一方で、密を避けた行動推奨等でデリバリーなど中食市場向けの耐油性カートンが好調に推移したことなどから前期並みとなりました。軟包装は、即席麺のフィルム包材や蓋材が増加したことに加え、中容量フレキシブルコンテナー「ハンディキューブ」などの液体向け包材も堅調に推移し、増加しました。チューブは、UVケア製品など化粧品向けの需要回復が遅れているものの、歯磨き向けが堅調に推移し、食品向けが調味料用を中心に好調だったため、前期を上回りました。ブローボトルは家庭での需要が一服したものの前期並みで推移しました。しかし、産業資材は医薬品向けを中心に減少しました。以上の結果、部門全体での売上高は280億2百万円(前期比3.4%増)、営業利益は1億2千3百万円(前期は営業損失1億1千7百万円)となりました。 その他売上高は、物流業務の受注減などで17億9千7百万円(前期比26.2%減)、営業利益は1千5百万円(前期比92.1%減)となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ38億6千9百万円減少し88億9千万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、54億2千1百万円(前期比2億1千7百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益13億9千4百万円、減価償却費54億6千2百万円の計上があった一方、売上債権の増加6億3千万円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、66億3千2百万円(前期比7億6千9百万円減)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出78億9千4百万円と、投資有価証券の売却による収入14億4千1百万円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、26億1千8百万円(前期は15億2千9百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億8百万円、配当金の支払8億3千4百万円があったことによるものです。 生産、受注及び販売の状況(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門33,43594.4情報セキュリティ部門24,55496.4生活・産業資材部門27,885103.4その他1,79073.0合計87,66697.1(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門33,28796.46,25297.8情報セキュリティ部門24,730105.56,52593.4生活・産業資材部門28,615107.67,399109.0その他1,80481.671110.1合計88,437101.920,249100.1 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門33,42794.2情報セキュリティ部門25,18796.8生活・産業資材部門28,002103.4その他1,79773.8合計88,41697.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容(1) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①財政状態の分析総資産は、1,291億2千1百万円(前連結会計年度末1,290億7千7百万円)となり、4千3百万円増加しました。これは主に、新社屋竣工などにより有形固定資産が41億8千8百万円増加した一方、現金及び預金が38億5千9百万円減少したことによるものです。負債は、678億4千3百万円(前連結会計年度末661億3千3百万円)となり、17億9百万円増加しました。これは主に、短期借入金が68億4千万円増加したことと、一年内償還予定の社債が50億円減少したことによるものです。純資産は、612億7千7百万円(前連結会計年度末629億4千4百万円)となり、16億6千6百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益6億8千3百万円に対し、配当金の支払8億3千4百万円、自己株式の取得10億円があったことによるものです。 ②経営成績の分析当社グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としております。情報コミュニケーション部門及び情報セキュリティ部門においては、新型コロナウイルス感染症の影響による「新しい生活様式」の定着等を受けてデジタル化が一層加速し、紙媒体の需要減少が続きました。当グループの経営にとって大きな課題となる一方、非対面・非接触のコミュニケーション促進やパーソナルデータの活用など新たな付加価値を訴求したサービスの提案機会が増加しております。生活・産業資材部門においては、密を避けた行動推奨等により、デリバリーなどの中食市場向けカートンや即席麺向け軟包装といった包材の需要が拡大しました。また、気候リスクへの認識が世界的に高まる中、生活者の意識向上によって持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進展し、環境配慮製品の需要と受注の機会が拡大しております。このような中、当社グループは当連結会計年度の計画を、売上高930億円、営業利益9億円、経常利益14億円、親会社株主に帰属する当期純利益8億5千万円といたしました。計画達成をめざし、情報コミュニケーション部門においてはデジタルコンテンツや知育・教育関連分野の受注拡大とともに、新しい接客の形を実現するソリューション提案の推進等に取り組みました。情報セキュリティ部門では、豊富なノウハウと高いセキュリティ環境を武器に金融機関や官公庁・自治体等への提案を推進するとともに、法人決済ソリューション事業の拡大に注力しました。生活・産業資材部門においては、外出自粛で需要が拡大した食品・日用品向けのパッケージの受注拡大に取り組むとともに、持続可能な社会の構築に貢献するため、軟包装やチューブで環境配慮製品の開発を推進しました。以上の結果、売上高は、教育関連の書籍のほか、自治体を中心にデータプリントやBPOが増加、また、歯磨き向けチューブ等が堅調に推移しましたが、定期刊行物や、緊急事態宣言延長に伴う人流停滞等の影響で乗車券類及び交通系ICカードの需要が減少したため、情報コミュニケーション部門及び情報セキュリティ部門で計画を下回り、全体で884億1千6百万円と前期を下回りました。利益については、売上高の下回りのほか、特に生活・産業資材部門において原材料費が価格転嫁を上回る速度で上昇したため、営業利益は7億5千6百万円、経常利益は12億9千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千3百万円となり、いずれも計画を下回りました。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。当連結会計年度は、株式会社みずほ銀行などの金融機関から、運転資金として18億円、社債償還資金として50億円の資金調達を実行しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は282億7千8百万円、現金及び現金同等物の残高は88億9千万円となっております。また、複数の金融機関との間で合計50億円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高50億円)。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向け、過去にとらわれない柔軟で合理的な思考と変革の視点によって、「印刷関連事業で培った企業力を生かし、あらゆる関係者から評価・信頼され、従業員にとって働く魅力にあふれた躍動的な企業グループ」をめざし邁進してまいりました。この活動を受け継ぎさらに進化していくため、2018年度をスタートとする新たなグループ経営ビジョンを設定いたしました。その中で「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を将来ありたい姿として掲げ、その実現に向けた中期経営計画(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)を次のとおりといたしました。各事業における施策を着実に実行することで計画達成を確かなものにしてまいります。 ■中期経営方針 「強みの育成・拡大と事業基盤の改革に挑戦し、成長を続ける」 ■経営目標数値(2020年度)連結売上高連結営業利益連結経常利益ROEEBITDA1,080億円35億円42億円5.0%100億円 (2) 経営環境及び対処すべき課題近年の印刷業界は、デジタルメディアやインターネット広告の急速な普及による紙媒体の需要減少に加え、原材料価格の高騰や人件費の上昇が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。こうした印刷市場の成熟化やIT化の急速な進展によって経営課題は複雑化しており、従来の延長線上ではない、新たな視点をもった事業運営が求められています。このような状況の中、当グループでは、変化の激しい経営環境においても持続的に利益を創出することができる収益体質を確立するため、抜本的な構造改革を進めながら経営計画の達成に向けて各種施策に取り組んでまいります。情報系事業においては、当グループの持つ営業ノウハウとソフト資産との融合によって付加価値の高いサービスメニューを開発し、お客さまの潜在的な課題発掘から解決に至るまでのトータルソリューション提案を推進してまいります。また、今後も増加が見込まれるBPOでは、高いセキュリティ環境や豊富なノウハウを最大限活用し、既存顧客からの受注拡大を図るとともに、各企業が注目する「健康経営」などで市場拡大が期待される医療分野にも積極的に参入し、事業領域拡大を目指します。さらに、外部とのアライアンスを活用したソリューションサービスの共同開発や決済ソリューション事業への進出など、これまでにない価値を生み出す施策も意欲的に展開してまいります。生活・産業資材系事業においては、強みを持つ製品のさらなるシェア拡大とそれを支える生産体制の拡充とともに、独自技術による新製品開発のスピードアップを図ってまいります。チューブ関連では、国内外における生産能力強化を目的として、和歌山工場の新棟建設に加え、インドネシアでのジャカルタ工場の建設にも着手いたしました。クリーンかつ最新鋭の製造環境を活かし、国内はもちろん、成長が期待できるASEAN地域において、化粧品向けを中心としたラミネートチューブの拡販を目指します。軟包装関連では、守谷第一工場に新設した専用棟の安定稼働を最優先課題とし、早期に効率改善を図り、生産能力を最大限発揮できる生産体制の確立に取り組んでまいります。あわせて、液体包材として提供している「ハンディキューブ」のバリア性向上による用途拡大や、開封のしやすさと安全性を追求した「Tパウチ」のラインアップ拡充など、社会や消費者の生活に貢献できる利便性の高い製品の提案を推し進めてまいります。当グループのコーポレートブランドである「TOMOWEL(トモウェル)」には、ビジネスパートナー・家族・地域・社会など、関わるすべてと共に良い関係であり、未来を創り拓げていきたいという想いが込められています。これからも当グループは、印刷にとどまらない領域へ事業を拡げ、あらゆるステークホルダーの皆さまから評価され、信頼される企業グループを目指してまいります。社員一人ひとりが自らのありたい姿と志を胸に、豊かな未来へ向けて挑戦し続けます。 (3) 株式会社の支配に関する基本方針について ① 基本方針の内容の概要上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合においても、これに応じるか否かは最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。しかしながら近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付提案またはこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しています。こうした大量買付の中には、対象会社の企業価値および株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、さまざまな企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値および株主共同の利益を中長期的に確保、向上させるものでなければならないと考えております。従いまして、企業価値および株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。 ② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要当社の企業価値の源泉は、長い歴史の中で築き上げてきたお客さまとの信頼関係、お客さまのニーズを形にするための高い技術とノウハウを持つ従業員、そして株主・取引先や地域社会等の皆様からの継続的なご支援です。当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向けてグループ経営ビジョンを制定しております。その中で「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を将来ありたい姿として掲げ、お客さまと共に成長する企業グループとして邁進していく決意を表明しております。営業・製造・技術・管理などあらゆる部門で働く従業員ひとり一人が「お客さま第一」の視点に立ち、企画提案力と独自技術、徹底した品質管理に支えられた付加価値の高い製品・サービスを幅広い業界のお客さまに提供し続けることで、顧客満足度を向上させるとともに、市場での評価を高め、当社のめざす真に豊かな未来の実現に取り組んでまいります。 ③ 当社株式の大量買付行為への対応策(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)の概要当社は、2019年6月27日開催の第139期定時株主総会の承認を得て、当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新しました。本プランは、買付者または買付提案者(以下「買付者等」といいます。)が当社株式の一定数以上の買付けその他の有償の譲受けまたはその提案(以下「買付け等」といいます。)を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従った場合であっても当該買付け等が当社の企業価値および株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる買付け等に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。なお、本プランの有効期間は、2019年6月27日開催の定時株主総会の終結の時から2022年3月期に係る定時株主総会の終結の時までとします。本プランの対象となる買付け等は、(ⅰ)当社の株券等の保有者が保有する当社株券等に係る株券等保有割合の合計、(ⅱ)当社の株券等の買付けその他の有償の譲受けまたはこれらに類似する行為を行う者が所有しまたは所有することとなる当社の株券等およびその者の特別関係者が所有する当社の株券等に係る株券等所有割合の合計のいずれかが、20%以上となる者による当社の株券等の買付けその他の有償の譲受けもしくはこれらに類似する行為またはその提案とします(ただし、当社取締役会があらかじめ承認したものを除きます。このような買付け等を行いまたは行おうとする者を以下「大量買付者」といいます。)。本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、(ⅰ)大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、(ⅱ)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。 ④ 上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由イ.経済産業省・法務省、東京証券取引所の買収防衛策に関する指針や基準を完全に充足しています。ロ.株主の皆様の判断のための情報や時間を確保するためのものであり、企業価値および株主共同の利益の確保または向上を目的として導入されたものです。ハ.定時株主総会での承認を経ており、株主意思を重視するものとなっています。ニ.対抗措置の発動は、当社と特別な利害関係のない社外役員や有識者に該当する委員3名以上により構成される独立委員会を設置し、その勧告を最大限尊重した上で取締役会が決定するので、当社取締役会の恣意的判断を排除できます。ホ.対抗措置の発動に関し、合理的な客観的要件を予め定めています。ヘ.独立委員会は独立した地位にある第三者の助言を得ることができ、判断の公正性、合理性をより強く担保できます。ト.本プランは取締役会の決議によりいつでも廃止することが可能であり、デッドハンド型買収防衛策ではありません。また、当社は取締役の任期を1年としており、期差任期制度を採用していないため、スローハンド型買収防衛策でもありません。 以上の理由で当社取締役会は上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向け、過去にとらわれない柔軟で合理的な思考と変革の視点によって、「印刷関連事業で培った企業力を生かし、あらゆる関係者から評価・信頼され、従業員にとって働く魅力にあふれた躍動的な企業グループ」をめざし邁進してまいりました。この活動を受け継ぎさらに進化していくため、2018年度をスタートとする新たなグループ経営ビジョンを設定いたしました。その中で「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を将来ありたい姿として掲げ、その実現に向けた中期経営計画(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)を次のとおりといたしました。各事業における施策を着実に実行することで計画達成を確かなものにしてまいります。 ■中期経営方針 「強みの育成・拡大と事業基盤の改革に挑戦し、成長を続ける」 ■経営目標数値(2020年度)連結売上高連結営業利益連結経常利益ROEEBITDA1,080億円35億円42億円5.0%100億円 (2) 経営環境及び対処すべき課題近年の印刷業界は、デジタルメディアやインターネット広告の急速な普及による紙媒体の需要減少に加え、原材料価格の高騰や人件費の上昇が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。こうした印刷市場の成熟化やIT化の急速な進展によって経営課題は複雑化しており、従来の延長線上ではない、新たな視点をもった事業運営が求められています。このような状況の中、当グループでは、変化の激しい経営環境においても持続的に利益を創出することができる収益体質を確立するため、抜本的な構造改革を進めながら経営計画の達成に向けて各種施策に取り組んでまいります。情報系事業においては、当グループの持つ営業ノウハウとソフト資産との融合によって付加価値の高いサービスメニューを開発し、お客さまの潜在的な課題発掘から解決に至るまでのトータルソリューション提案を推進してまいります。また、今後も増加が見込まれるBPOでは、高いセキュリティ環境や豊富なノウハウを最大限活用し、既存顧客からの受注拡大を図るとともに、各企業が注目する「健康経営」などで市場拡大が期待される医療分野にも積極的に参入し、事業領域拡大を目指します。さらに、外部とのアライアンスを活用したソリューションサービスの共同開発や決済ソリューション事業への進出など、これまでにない価値を生み出す施策も意欲的に展開してまいります。生活・産業資材系事業においては、強みを持つ製品のさらなるシェア拡大とそれを支える生産体制の拡充とともに、独自技術による新製品開発のスピードアップを図ってまいります。チューブ関連では、国内外における生産能力強化を目的として、和歌山工場の新棟建設に加え、インドネシアでのジャカルタ工場の建設にも着手いたしました。クリーンかつ最新鋭の製造環境を活かし、国内はもちろん、成長が期待できるASEAN地域において、化粧品向けを中心としたラミネートチューブの拡販を目指します。軟包装関連では、守谷第一工場に新設した専用棟の安定稼働を最優先課題とし、早期に効率改善を図り、生産能力を最大限発揮できる生産体制の確立に取り組んでまいります。あわせて、液体包材として提供している「ハンディキューブ」のバリア性向上による用途拡大や、開封のしやすさと安全性を追求した「Tパウチ」のラインアップ拡充など、社会や消費者の生活に貢献できる利便性の高い製品の提案を推し進めてまいります。当グループのコーポレートブランドである「TOMOWEL(トモウェル)」には、ビジネスパートナー・家族・地域・社会など、関わるすべてと共に良い関係であり、未来を創り拓げていきたいという想いが込められています。これからも当グループは、印刷にとどまらない領域へ事業を拡げ、あらゆるステークホルダーの皆さまから評価され、信頼される企業グループを目指してまいります。社員一人ひとりが自らのありたい姿と志を胸に、豊かな未来へ向けて挑戦し続けます。 (3) 株式会社の支配に関する基本方針について ① 基本方針の内容の概要上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合においても、これに応じるか否かは最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。しかしながら近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付提案またはこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しています。こうした大量買付の中には、対象会社の企業価値および株主共同の利益に資さないものも少なくありません。当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、さまざまな企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値および株主共同の利益を中長期的に確保、向上させるものでなければならないと考えております。従いまして、企業価値および株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。 ② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要当社の企業価値の源泉は、長い歴史の中で築き上げてきたお客さまとの信頼関係、お客さまのニーズを形にするための高い技術とノウハウを持つ従業員、そして株主・取引先や地域社会等の皆様からの継続的なご支援です。当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向けてグループ経営ビジョンを制定しております。その中で「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を将来ありたい姿として掲げ、お客さまと共に成長する企業グループとして邁進していく決意を表明しております。営業・製造・技術・管理などあらゆる部門で働く従業員ひとり一人が「お客さま第一」の視点に立ち、企画提案力と独自技術、徹底した品質管理に支えられた付加価値の高い製品・サービスを幅広い業界のお客さまに提供し続けることで、顧客満足度を向上させるとともに、市場での評価を高め、当社のめざす真に豊かな未来の実現に取り組んでまいります。 ③ 当社株式の大量買付行為への対応策(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)の概要当社は、2019年6月27日開催の第139期定時株主総会の承認を得て、当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新しました。本プランは、買付者または買付提案者(以下「買付者等」といいます。)が当社株式の一定数以上の買付けその他の有償の譲受けまたはその提案(以下「買付け等」といいます。)を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従った場合であっても当該買付け等が当社の企業価値および株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる買付け等に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものです。なお、本プランの有効期間は、2019年6月27日開催の定時株主総会の終結の時から2022年3月期に係る定時株主総会の終結の時までとします。本プランの対象となる買付け等は、(ⅰ)当社の株券等の保有者が保有する当社株券等に係る株券等保有割合の合計、(ⅱ)当社の株券等の買付けその他の有償の譲受けまたはこれらに類似する行為を行う者が所有しまたは所有することとなる当社の株券等およびその者の特別関係者が所有する当社の株券等に係る株券等所有割合の合計のいずれかが、20%以上となる者による当社の株券等の買付けその他の有償の譲受けもしくはこれらに類似する行為またはその提案とします(ただし、当社取締役会があらかじめ承認したものを除きます。このような買付け等を行いまたは行おうとする者を以下「大量買付者」といいます。)。本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、(ⅰ)大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、(ⅱ)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。 ④ 上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由イ.経済産業省・法務省、東京証券取引所の買収防衛策に関する指針や基準を完全に充足しています。ロ.株主の皆様の判断のための情報や時間を確保するためのものであり、企業価値および株主共同の利益の確保または向上を目的として導入されたものです。ハ.定時株主総会での承認を経ており、株主意思を重視するものとなっています。ニ.対抗措置の発動は、当社と特別な利害関係のない社外役員や有識者に該当する委員3名以上により構成される独立委員会を設置し、その勧告を最大限尊重した上で取締役会が決定するので、当社取締役会の恣意的判断を排除できます。ホ.対抗措置の発動に関し、合理的な客観的要件を予め定めています。ヘ.独立委員会は独立した地位にある第三者の助言を得ることができ、判断の公正性、合理性をより強く担保できます。ト.本プランは取締役会の決議によりいつでも廃止することが可能であり、デッドハンド型買収防衛策ではありません。また、当社は取締役の任期を1年としており、期差任期制度を採用していないため、スローハンド型買収防衛策でもありません。 以上の理由で当社取締役会は上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】業績等の概要(1) 業績当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境が改善する中で個人消費も持ち直しの動きをみせるなど、緩やかな回復傾向が続きました。印刷業界におきましては、電子書籍市場やインターネット広告市場が拡大する一方で紙媒体の需要減少が一層進み受注価格が下落するなど、厳しい経営環境が続きました。このような状況の中、共同印刷グループは2018年度を初年度とする3カ年の中期経営方針「強みの育成・拡大と、事業基盤の改革に挑戦し、成長を続ける。」に基づいた取り組みを進めました。情報系事業では、お客さまの課題解決に向けた販促支援サービスや業務支援サービスの提案を推進しました。情報コミュニケーション部門では、デジタル領域を中心としたプロモーション分野での受注拡大に取り組むとともに、紙媒体の受注量確保による生産設備の安定稼働をめざし、共同日本写真印刷株式会社の子会社化を行いました。情報セキュリティ部門では、官公庁・金融機関をはじめとする既存得意先の深耕を図るとともに、ヘルスケア分野など新規市場の開拓に努めました。生活・産業資材系事業では、2018年4月に竣工した守谷工場の軟包装専用棟の立ち上げに注力し、安定稼働に向け人員確保と人材育成に取り組みました。チューブ事業では、国内外における化粧品向けチューブの受注拡大をめざし、国内及び東南アジアの生産拠点の強化を図りました。その結果、当連結会計年度における売上高は、977億8千2百万円(前期比2.8%増)となり、営業利益は10億2千7百万円(前期比40.5%減)、経常利益は17億4千8百万円(前期比33.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は11億5百万円(前期比45.7%減)となりました。 セグメント別の概況は、次のとおりであります。 情報コミュニケーション部門出版印刷では、電子コミックの画質を向上させる「eComicScreen+」の提案など、マンガを中心としたコンテンツをデジタル展開するデジタルソリューションを推進するとともに、デジタル印刷機を活用した小ロット印刷の提案により教育分野等での受注拡大に取り組みました。コミックの電子配信は増加しましたが、出版市場の縮小の影響により定期刊行物と書籍がともに減少したため、売上高は前期を下回りました。一般商業印刷では、プロモーション分野での受注拡大に注力しました。デジタルサイネージや、企業と会員をつなぐパーソナルマーケティングツール「CRooM+」などのスマートフォン用アプリを組み合わせ、顧客と店舗・Webをつないで新しい売り場や売り方を提供する販促ソリューションの提案を推進するとともに、店頭での購買促進に効果的なPOPの提案に取り組みました。その結果、カタログや情報誌の減少はありましたが、POPなど店頭プロモーション関連の受注が拡大し、キャンペーン等の受注によりノベルティも増加しました。また共同日本写真印刷株式会社の子会社化によりパンフレット等が増加したため、売上高は前期を上回りました。以上の結果、部門全体の売上高は391億6千8百万円(前期比1.1%減)となり、固定費削減施策の進捗の遅れなどから営業損失も拡大し8億2千8百万円(前期は営業損失1億9千9百万円)となりました。 情報セキュリティ部門情報セキュリティ部門では、データプリント及びBPOの受注拡大をめざし、金融機関や官公庁・自治体、教育機関等への提案活動を推進するとともに、医療やヘルスケアといった新たな市場の開拓に努めました。抽選券・乗車券などの証券類では、安定した受注量確保に努めるとともに、品質向上や生産効率向上への取り組みを進めました。ICカードでは、金融関連での受注拡大を図るとともに、強みを持つ交通系ICカードを中心に発行業務の受託拡大に注力しました。金融機関及び官公庁・自治体、教育機関などからBPOの受注が増加したためビジネスフォームが増加し、抽選券の受注増により証券類も増加しました。ICカードは、交通系カードに加え金融関連カードの受注が増加したことから前期を上回りました。以上の結果、部門全体での売上高は311億6千5百万円(前期比3.6%増)、営業利益は14億1千2百万円(前期比126.3%増)となりました。 生活・産業資材部門生活・産業資材部門では、食品分野を中心に機能性の高い軟包装材を提供するため、守谷工場に軟包装専用棟を建設しその立ち上げに注力するとともに、「パーシャルオープン」をはじめとするフタ材の拡販と、液体向け包材「Tパウチ」やフィルム製コンテナー「ハンディキューブ」の提案を進めました。チューブでは、安定供給に向け生産体制の強化を図るとともに、化粧品向けチューブの受注拡大をめざし、フレキソ印刷やフルプリント仕様による美麗性の高い製品や店頭での訴求力が高いオーバル型チューブの提案を進めました。また東南アジア市場での事業拡大をめざし、ベトナム及びインドネシアの拠点強化に向けた取り組みを進めました。「モイストキャッチ」をはじめとする高機能製品については、新規得意先の開拓や中国市場をはじめとする海外市場への拡販に取り組みました。紙器については、既存製品を中心に安定した収益確保をめざしました。建材製品は減少しましたが、歯磨き向けや化粧品向けを中心にチューブが増加し、軟包装も増加となりました。紙器では、ラップカートンは減少しましたがティシューカートンが増加しました。産業資材では医薬品向け包材が増加しました。以上の結果、部門全体での売上高は252億7千万円(前期比8.4%増)となりましたが、人員不足などに起因する守谷工場の軟包装専用棟の生産体制構築の遅れにより、営業利益は2億8百万円(前期比73.9%減)となりました。 その他売上高は、物流業務等は減少したものの偽造防止関連製品の受注により21億7千8百万円(前期比4.5%増)となりましたが、営業利益は3億6千9百万円(前期比23.9%減)となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ41億7千4百万円減少し104億3千2百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、24億7千6百万円(前期比15億6千3百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益17億2千5百万円及び減価償却費50億2千8百万円の計上があった一方、売上債権の増加11億3百万円、投資有価証券売却益10億2千2百万円及び法人税等の支払22億9千7百万円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、100億2千3百万円(前期比41億8千8百万円増)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出105億2千4百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出6億9千8百万円があった一方、投資有価証券の売却による収入13億7千6百万円があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、34億1千1百万円(前期は10億7千6百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50億円があった一方、配当金の支払8億8千1百万円があったことによるものです。生産、受注及び販売の状況(1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門39,05598.7情報セキュリティ部門31,341103.8生活・産業資材部門25,568107.0その他2,178105.2合計98,144102.5(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。 (2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門39,323100.04,783103.4情報セキュリティ部門30,84198.38,14696.2生活・産業資材部門25,705106.67,192106.4その他2,331111.8152-合計98,202101.420,274102.1 (3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)情報コミュニケーション部門39,16898.9情報セキュリティ部門31,165103.6生活・産業資材部門25,270108.4その他2,178104.5合計97,782102.8(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容(1) 重要な会計方針及び見積り当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 (2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①財政状態の分析総資産は1,253億9千万円となり、前期比で48億4千6百万円増加しました。これは主に、守谷第一工場の軟包装専用棟の取得や印刷・物流機能を併せ持つ越谷工場の新棟の取得等により固定資産の建物及び構築物が64億6千8百万円増加し、また、生活・産業資材部門の生産設備増設等により機械装置及び運搬具が28億2千2百万円増加した一方で、流動資産の現金及び預金が41億7千8百万円減少したことによるものです。負債は、620億5百万円となり、前期比で56億7千8百万円増加しました。これは主に、大型の設備投資による資金需要への対応として銀行借り入れを実施したことにより長期借入金が50億円増加したことや、設備関係未払金及び設備関係支払手形が21億6千6百万円増加した一方、未払法人税等が13億4千5百万円減少したことによるものです。純資産は、633億8千4百万円となり、前期比で8億3千2百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益11億5百万円があった一方、配当金の支払8億8千1百万円に加え、その他有価証券評価差額金の減少3億1千3百万円、退職給付に係る調整累計額3億5百万円がそれぞれ減少したことによるものです。 ②経営成績の分析当グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としています。デジタル技術の発達と活用の広がりにより人と人、人と物との関係性が急激に変化する中で、出版印刷や商業印刷を中心に紙媒体需要が減少し、当グループの経営にとって大きな課題となっております。一方、中食市場の広がりや個食化の進行により軟包装を中心に包材の需要拡大がみられるとともに、ラミネートチューブは、歯磨きやスキンケア、ヘアケアなどの日用品用途においてバリア性や美麗性への関心が高まると同時に食品用途でのチューブの伸長と相まって、当社にとって受注拡大の機会が広がっています。このような中、当グループは当連結会計年度の計画を、売上高1,000億円、営業利益26億円、経常利益34億円、当期純利益19億円といたしました。計画達成をめざし、情報コミュニケーション部門においては出版印刷分野におけるデジタルコンテンツの受注拡大と電子書籍事業の拡大を図るとともに、プロモーション分野におけるソリューション提案を推進に取り組みました。情報セキュリティ部門では、豊富なノウハウ及び高いセキュリティ環境を武器に金融機関や官公庁・自治体等を中心にBPOの受注拡大に取り組みました。ICカードでは、IC乗車券の受注量確保とともにクレジット機能等を搭載した多機能カードの受注拡大を図りました。生活・産業資材部門においては、軟包装の受注拡大と紙器の収益力向上に向けて守谷工場の再編を進めるとともに、チューブの受注拡大をめざして国内外の生産体制強化に取り組みました。以上の結果、売上高については共同日本写真印刷の子会社化による一般商印の増加、BPOやICカードの受注増、化粧品向けを中心とするチューブの受注拡大があったものの、出版商印分野において紙媒体需要が大幅に減少したことや、プロモーション分野での受注拡大が想定通りに進まなかったことから計画を下回り977億8千2百万円となりました。利益につきましては、情報コミュニケーション部門における固定費削減施策の進捗の遅れや、守谷工場に新設した軟包装専用棟の立ち上げの遅れ及び紙器事業の生産体制再構築に取り組む過程で生産効率が低下し外注加工費が増加したことなどから、営業利益は10億2千7百万円、経常利益は17億4千8百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は11億5百万円と、いずれも計画を下回る結果となりました。 (3) 資本の財源及び資金の流動性当グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。当グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。当連結会計年度は設備投資において、パッケージ事業再編拡大(守谷工場新棟等)に伴い、総額120億円のシンジケートローンのうち50億円の借入を実行しております。今後の主な資金需要としては、和歌山工場新棟建設等を進めており、資金調達方法としてシンジケートローンのうち30億円の借入実行を予定しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は219億6百万円、現金及び現金同等物の残高は107億6千2百万円となっております。