事業の概要
- 文具事務用品事業ファイルやテプラなどの文具事務用品の企画・製造・販売が主な収益源です。特にファイルは海外子会社で製造し、とじ具も海外で製造することで効率的な生産体制を構築しています。中国や東南アジアにも販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
- ライフスタイル用品事業家具、雑貨、時計、アーティフィシャルフラワー、生活家電、ルームフレグランスなどの企画・販売を行っています。子会社がそれぞれ専門分野を担当し、インターネット通販や実店舗を通じて多様な商品を展開しており、事業領域の多角化を進めています。
- 多角的な事業展開文具事務用品で培った企画・開発力を活かし、ライフスタイル用品へと事業領域を広げています。これにより、特定の市場に依存しない収益構造を目指し、変化する市場環境に対応できるビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 文具事務用品事業キングジムグループの主力事業であり、ファイル、テプラなどの電子製品、ステーショナリーの企画・製造・販売を行っています。最新年度の売上高は約251.78億円、営業利益は約3.83億円を計上しており、グループ全体の収益の大部分を占めています。
- ライフスタイル用品事業家具、雑貨、時計、アーティフィシャルフラワー、生活家電、ルームフレグランスなどの企画・販売を行う事業です。子会社がそれぞれの専門分野を担当し、多様な商品を展開しています。最新年度の売上高は約144.61億円、営業利益は約1.31億円となっており、事業の多角化を推進する重要な柱です。
- 海外事業の展開文具事務用品事業では、インドネシアやベトナムに製造子会社、中国や香港に販売子会社を置き、グローバルな生産・販売体制を構築しています。ライフスタイル用品事業でも、M&Aや海外販路強化を通じて、海外売上比率の向上を目指しており、国際的な事業展開を強化しています。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| StationeryAndOfficeSupply | 事業 | 252 | 4 | 1.5% |
| LifeStyleProductsReportableSegment | 事業 | 145 | 1 | 0.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社および子会社12社により構成されており、電子製品・生活環境用品・ステーショナリーなどの企画・製造販売およびこれらに附帯する事業活動を行う文具事務用品事業と、家具・雑貨・時計・アーティフィシャルフラワー・生活家電・ルームフレグランス等の企画・販売等を行うライフスタイル用品事業を展開しております。 文具事務用品事業においては、ファイルの製造は、海外子会社でありますPT.KING JIM INDONESIAおよびKING JIM(VIETNAM)CO., LTD.で行っており、ファイル用とじ具の製造は、KING JIM(MALAYSIA)SDN.BHD.で行っております。また、海外の販売子会社として、中国市場での文具事務用品の企画・販売を行う錦宮(上海)貿易有限公司と、東南アジア市場および中国市場に対する販売拠点として、電子製品機器などの販売および開発・調達関連業務を行う錦宮(香港)有限公司と、その子会社の錦宮(深圳)商貿有限公司があります。ライフスタイル用品事業においては、㈱ぼん家具がインターネットによるオリジナル家具の通信販売を、㈱ラドンナがキッチン雑貨・フォトフレーム・アロマ関連商品・時計の企画・販売を、㈱アスカ商会がアーティフィシャルフラワーやインテリア雑貨の輸入・企画・販売を、ライフオンプロダクツ㈱が生活家電・雑貨・ルームフレグランス等の企画・販売を、ウインセス㈱が作業手袋等の製造・販売をそれぞれ営んでおります。 事業系統図は下記のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド 「キングファイル」「テプラ」に続く第3の柱の構築を目指しており、既存ブランドの強みがある。 |
|---|---|
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:研究開発投資が市場に受け入れられない可能性 / 知的財産権侵害訴訟や模倣のリスク / 製造物責任による顧客信頼喪失や賠償額超過
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
キングジムは「テプラ」や「ポメラ」など、長年培ってきた独自のブランド力と製品開発力を持つ。特に「テプラ」は、ラベルライター市場において高い認知度と一定のシェアを維持している。しかし、特許による独占的な優位性は限定的であり、模倣品のリスクも存在する。
スイッチングコスト★★☆☆☆
「テプラ」のテープカートリッジは、互換品も多く存在し、ユーザーが他社製品へ乗り換える際の直接的な経済的損失は小さい。ただし、長年使い慣れたインターフェースや、特定の用途に合わせた豊富なテープの種類などが、一定のスイッチングコストを生んでいる可能性はある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
キングジムの製品群には、ユーザー数の増加が製品価値を直接高めるようなネットワーク効果は見られない。各製品は独立して利用されることが一般的である。
コスト優位★☆☆☆☆
大量生産によるスケールメリットはある程度期待できるが、他社と比較して構造的に著しく低い生産コストや販売コストを持つという証拠は乏しい。特に、ニッチな製品開発においては、コスト優位性を築くことは難しい。
規模の経済★★☆☆☆
オフィス用品、特にラベルライターやデジタル文具の分野では一定の規模を持つが、業界全体で見ると寡占状態ではなく、多数の競合が存在する。業界規模に対して最適な少数寡占とは言えない。
- 独創的な商品開発力キングジムは1927年の創業以来、「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」という経営理念のもと、世の中にない新しい価値の提供を目指しています。長年の経験と実績に裏打ちされた開発力は、競争優位の源泉となっています。
- 海外生産体制によるコスト効率ファイルの製造をインドネシアやベトナムの海外子会社で行い、ファイル用とじ具の製造をマレーシアで行うことで、生産コストの最適化を図っています。これにより、価格競争力のある製品を提供し、市場での優位性を保っています。
- 多様なブランドと販路文具事務用品だけでなく、家具の「ぼん家具」、キッチン雑貨の「ラドンナ」、アーティフィシャルフラワーの「アスカ商会」、生活家電の「ライフオンプロダクツ」など、複数の子会社がそれぞれの分野でブランドを展開しています。インターネット通販を含む多様な販売チャネルを持つことで、幅広い顧客層にアプローチし、収益機会を拡大しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「おどろき、快適、仕事と暮らし」の追求キングジムは、仕事と暮らしを快適にする「あたらしさ」にこだわり、独創的な商品開発を通じて社会に貢献することを目指しています。これは、同社のコーポレートメッセージにも表れており、顧客の期待を超える価値提供を重視しています。
- 第11次中期経営計画の推進2027年6月期を最終年度とする中期経営計画では、「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げています。既存ビジネスの強化に加え、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針を掲げ、持続的な成長を目指しています。
- ESGを重視した経営サステナビリティ基本方針に基づき、「独創的な商品の開発による社会貢献」「環境への配慮」「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの充実」を重要課題(マテリアリティ)として特定しています。企業活動を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指す方針です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、1927年の創業以来約100年にわたって、時代の変化をとらえ、世の中にないものをつくり続けてまいりました。経営理念を「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」と定め、新しい価値の提供を目指して事業を展開しております。これまで事業の中心であった文具事務用品に加えて、インテリアライフスタイルの分野に事業領域を広げ、グループ経営を推進する中で、2021年にコーポレートメッセージ「おどろき、快適、仕事と暮らし」を制定しました。今後も仕事と暮らしを快適にし、「あたらしさ」にこだわり続けてまいります。また、サステナビリティ向上のための基本的な指針を明示するものとして「キングジムグループ サステナビリティ基本方針」を定めております。キングジムグループ サステナビリティ基本方針キングジムグループは、企業活動を通じて持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な発展を目指します。■仕事と暮らしを便利で快適にする商品を開発し、世の中に新しい価値を提供することで社会に貢献します。■社会の責任ある一員として資源の有効活用を積極的に行い、企業活動の全域で地球環境の保全につとめます。■多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮し、自分らしく活躍するための職場環境づくりを推進します。■健全なガバナンスにより社会から信頼される経営を行い、継続的な企業価値の向上を目指します。 当社グループは、上記経営方針の実践によって、引き続き企業価値を高めてまいります。 (2) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境としては、DXの加速によるペーパーレスが進行する中、主力のファイル市場が縮小しており、ファイル依存の収益構造からの脱却が課題となっております。一方でEC市場の伸長により、EC事業は業績を伸ばしております。このような環境のもと、当社グループは第11次中期経営計画の達成に向けて、課題に取り組んでまいります。 (3) 目標とする経営指標2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画は次のとおりであります。 2025年6月期2026年6月期2027年6月期実績実績計画売上高(百万円)内訳-文具事務用品事業 -ライフスタイル用品事業39,63925,17814,46139,13424,90214,23142,00026,30015,700経常利益(百万円)売上高経常利益率(%)8362.11,5103.91,6203.9自己資本当期純利益率(ROE)(%) 1.84.04.0 (注) 2027年6月期計画は修正後の計画であります。 (4) 会社の中長期的な経営戦略と対処すべき課題当社の経営理念およびサステナビリティの考え方に基づき、ESGの観点から当社の事業活動と社会課題の関連性が高い4つの項目、「独創的な商品の開発による社会貢献」「環境への配慮」「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの充実」をマテリアリティ(重要課題)として特定しております。マテリアリティ(重要課題)の解決を通して、持続可能な社会の実現と更なる企業価値の向上を目指してまいります。当社グループは、2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画において、「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げ、既存ビジネスを強化しながら、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針を遂行してまいります。 2年目となる当連結会計年度におきましては、期初に売上高420億円、経常利益16億円を計画しておりましたが、生活環境用品の売上低迷や、㈱ぼん家具の業績低迷が影響し、売上高は391億3,478万円(計画比93.2%)となりました。利益面では、価格改定の効果による売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の効率化が進んだこともあり、前期比で増益となりましたが、計画値には及ばず、経常利益は15億1,094万円(計画比94.4%)、自己資本当期純利益率(ROE)は4.0%となりました。第11次中期経営計画の最終年度である2027年6月期については、引き続き既存ビジネスの強化として、社会の変化に合わせ、働く現場と暮らしに寄り添う開発戦略と、お客様と商品の特性に合った販売チャネルに商品を提供する販売戦略を進めてまいります。サービス事業への展開は、2026年5月に事業を開始したネット印刷サービス「TEPLABO(テプラボ)」を本格稼働へと移行します。ラベルやチラシを誰でも簡単にプロ級にデザインできるこのサービスを通じて、「表示」ニーズをビジネスに結び付け、新しい価値を創造します。ライフスタイル分野の拡大は、グループ各社の成長とグループシナジー強化を進めます。グループ会社間で成功事例や強み、課題を共有しあうグループマネジメントコミッティにより、各社の成長とグループシナジーを高めます。また、M&Aによるライフスタイル用品のジャンルの拡大も検討いたします。海外事業の強化は、海外向けにマーケットインでの商品展開を進めます。お客様・商品・チャネル・生産の一気通貫モデルを実現し、海外売上比率の向上を目指します。また、海外販路を強化する戦略的M&Aも検討します。ファンとのコミュニケーション展開では、新価値を創造するカスタマーエンゲージメントの向上を目指し、強みのSNSとECを連動させ、お客様中心のブランディング・商品づくりを推進します。人的資本経営においては、会社と社員が共に成長し、挑戦し続ける組織を目指します。上記の施策を実施してまいりますが、M&A案件の未成約やサービス事業における事業立ち上げの遅れに加え、事業環境の変化や想定を上回る為替変動の影響などを踏まえ、第11次中期経営計画の最終年度である2027年6月期の業績目標を見直すことといたしました。修正後の目標数値は、売上高420億円、経常利益16億2,000万円、経常利益率3.9%、自己資本当期純利益率(ROE)4.0%といたします。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、1927年の創業以来約100年にわたって、時代の変化をとらえ、世の中にないものをつくり続けてまいりました。経営理念を「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」と定め、新しい価値の提供を目指して事業を展開しております。これまで事業の中心であった文具事務用品に加えて、インテリアライフスタイルの分野に事業領域を広げ、グループ経営を推進する中で、2021年にコーポレートメッセージ「おどろき、快適、仕事と暮らし」を制定しました。今後も仕事と暮らしを快適にし、「あたらしさ」にこだわり続けてまいります。また、サステナビリティ向上のための基本的な指針を明示するものとして「キングジムグループ サステナビリティ基本方針」を定めております。キングジムグループ サステナビリティ基本方針キングジムグループは、企業活動を通じて持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な発展を目指します。■仕事と暮らしを便利で快適にする商品を開発し、世の中に新しい価値を提供することで社会に貢献します。■社会の責任ある一員として資源の有効活用を積極的に行い、企業活動の全域で地球環境の保全につとめます。■多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮し、自分らしく活躍するための職場環境づくりを推進します。■健全なガバナンスにより社会から信頼される経営を行い、継続的な企業価値の向上を目指します。 当社グループは、上記経営方針の実践によって、引き続き企業価値を高めてまいります。 (2) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境としては、DXの加速によるペーパーレスが進行する中、主力のファイル市場が縮小しており、ファイル依存の収益構造からの脱却が課題となっております。一方でEC市場の伸長により、EC事業は業績を伸ばしております。このような環境のもと、当社グループは第11次中期経営計画の達成に向けて、課題に取り組んでまいります。 (3) 目標とする経営指標2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画は次のとおりであります。 2025年6月期2026年6月期2027年6月期実績実績計画売上高(百万円)内訳-文具事務用品事業 -ライフスタイル用品事業39,63925,17814,46139,13424,90214,23142,00026,30015,700経常利益(百万円)売上高経常利益率(%)8362.11,5103.91,6203.9自己資本当期純利益率(ROE)(%) 1.84.04.0 (注) 2027年6月期計画は修正後の計画であります。 (4) 会社の中長期的な経営戦略と対処すべき課題当社の経営理念およびサステナビリティの考え方に基づき、ESGの観点から当社の事業活動と社会課題の関連性が高い4つの項目、「独創的な商品の開発による社会貢献」「環境への配慮」「多様な人材の活躍推進」「ガバナンスの充実」をマテリアリティ(重要課題)として特定しております。マテリアリティ(重要課題)の解決を通して、持続可能な社会の実現と更なる企業価値の向上を目指してまいります。当社グループは、2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画において、「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げ、既存ビジネスを強化しながら、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針を遂行してまいります。 2年目となる当連結会計年度におきましては、期初に売上高420億円、経常利益16億円を計画しておりましたが、生活環境用品の売上低迷や、㈱ぼん家具の業績低迷が影響し、売上高は391億3,478万円(計画比93.2%)となりました。利益面では、価格改定の効果による売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の効率化が進んだこともあり、前期比で増益となりましたが、計画値には及ばず、経常利益は15億1,094万円(計画比94.4%)、自己資本当期純利益率(ROE)は4.0%となりました。第11次中期経営計画の最終年度である2027年6月期については、引き続き既存ビジネスの強化として、社会の変化に合わせ、働く現場と暮らしに寄り添う開発戦略と、お客様と商品の特性に合った販売チャネルに商品を提供する販売戦略を進めてまいります。サービス事業への展開は、2026年5月に事業を開始したネット印刷サービス「TEPLABO(テプラボ)」を本格稼働へと移行します。ラベルやチラシを誰でも簡単にプロ級にデザインできるこのサービスを通じて、「表示」ニーズをビジネスに結び付け、新しい価値を創造します。ライフスタイル分野の拡大は、グループ各社の成長とグループシナジー強化を進めます。グループ会社間で成功事例や強み、課題を共有しあうグループマネジメントコミッティにより、各社の成長とグループシナジーを高めます。また、M&Aによるライフスタイル用品のジャンルの拡大も検討いたします。海外事業の強化は、海外向けにマーケットインでの商品展開を進めます。お客様・商品・チャネル・生産の一気通貫モデルを実現し、海外売上比率の向上を目指します。また、海外販路を強化する戦略的M&Aも検討します。ファンとのコミュニケーション展開では、新価値を創造するカスタマーエンゲージメントの向上を目指し、強みのSNSとECを連動させ、お客様中心のブランディング・商品づくりを推進します。人的資本経営においては、会社と社員が共に成長し、挑戦し続ける組織を目指します。上記の施策を実施してまいりますが、M&A案件の未成約やサービス事業における事業立ち上げの遅れに加え、事業環境の変化や想定を上回る為替変動の影響などを踏まえ、第11次中期経営計画の最終年度である2027年6月期の業績目標を見直すことといたしました。修正後の目標数値は、売上高420億円、経常利益16億2,000万円、経常利益率3.9%、自己資本当期純利益率(ROE)4.0%といたします。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、賃上げや設備投資に支えられ緩やかな回復が続いています。一方で円安の進行によりエネルギー資源を中心として物価の上昇基調は続いており、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。このような状況のもと、「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げ、第11次中期経営計画(2025年6月期から2027年6月期)の目標達成に向けた取り組みを実行し、既存ビジネスを強化しながら、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針を遂行してまいりました。当連結会計年度の業績につきましては、売上高は 391億3,478万円(前連結会計年度比 1.3%減)となりました。利益面では、売上総利益率の改善(前連結会計年度比 1.1ポイント増)と販売費及び一般管理費率の改善(前連結会計年度比 0.4ポイント減)により、営業利益は 11億2,891万円(前連結会計年度比 109.9%増)、経常利益は 15億1,094万円(前連結会計年度比 80.7%増)となりました。また、投資有価証券売却益の増加、減損損失の減少もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は 10億44万円(前連結会計年度比 135.4%増)となりました。 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。・文具事務用品事業 ステーショナリーにおいて価格改定効果や海外事業の売上増があったものの、生活環境用品において当社EC事業の一部を子会社へ移管したことや防災用品等の売上減などにより、売上高は 249億291万円(前連結会計年度比 1.1%減)となりました。利益面では、売上総利益率の改善や販管費率の改善により、営業利益は 6億6,030万円(前連結会計年度比72.6%増)となりました。各領域の主な内容は、以下のとおりであります。「テプラ」では、現場向けにより役立つPC/スマートフォン専用の新型モデル、「テプラ」PRO SR-R5600Pを発売いたしました。本機は発売から10年以上にわたって親しまれてきたロングセラー商品(「テプラ」PRO SR5500P)を、さらに使いやすく、現場のニーズに応える仕様へとリニューアルしたモデルで、乾電池駆動に対応し、電源の確保が難しい製造現場や倉庫などでもコードレスで使用できます。また、さまざまな「機能性テープ」の利便性を訴求する全3編のWeb CMを公開いたしました。これに合わせて、販売パートナー各社との協働企画や「テプラ」店頭陳列コンテストなど、各種販促活動を実施いたしました。テープの活用シーン拡大を目的とした販売施策の効果により、「テプラ」テープの売上は堅調に推移しました。オフィス・生活環境用品では、近年の自然災害のリスクの高まりを受け、2025年8月に防災ブランド『KOKOBO(ココボ)』を立ち上げました。『KOKOBO』は、日々の生活に溶け込み、無理なく取り入れられる“日常に寄り添った防災”をコンセプトにした防災ブランドです。2025年10月に「縦横使える防災テント」、「屋根が開く防災テント」、「自動で膨らむ防災マット」を発売し、官公庁を中心に導入されておりますが、特需的な需要増があった前年同期の売上には及びませんでした。2026年3月に発売した、A4ファイルサイズの箱に瞬間冷却パックや保存水などの防災用品をまとめた「災害暑さ対策セット」が、東京都と公益財団法人東京都環境公社が主催する「暑さ対策グッズコンテスト」の水分・塩分補給部門においてグランプリを受賞いたしました。このほか、暑さ対策への意識の高まりを背景に、2026年6月に3種の暑さ指数計を発売いたしました。ステーショナリーでは、㈱大創産業が運営する「Standard Products」との初のコラボレーションを実現いたしました。両社が共同開発した多機能で使いやすいファイル、マグネットケース、クリップボードなど全13種のアイテムを、全国の「Standard Products」店舗にて発売いたしました。加えて、インバウンド向け文房具シリーズ「Japan Design Collection(ジャパン デザイン コレクション)」を立ち上げ、2026年6月に「おはしボールペン」「カードウォレット」「プライバシーローラー」を発売いたしました。2026年5月にキングジム公式SNSを通じてご応募いただいたお客様を対象に「キングジムファンミーティング2026」を開催し、同年6月には日本最大級の文具の祭典「文具女子博トーキョー2026」に出店いたしました。イベントを通じてファンの皆さまと直接交流し、開発メンバーも参加のうえ当社商品についてのご意見を伺うとともに、当社についてより深く知っていただく機会となりました。 EC事業では、自社商品直販サイトにおいては、新商品の予約受注実施に加えて、「ポメラ」EC限定カラーなどのオリジナル商品の投入などにより売上が伸長いたしました。ラチュナ事業においても、新商品を投入し売上の拡大に努めました。海外事業では、第11次中期経営計画において海外事業戦略の重点地域と位置付ける中国、ベトナムおよびその他ASEAN諸国を中心に販売が好調に推移し、売上高が大幅に伸長いたしました。中国では、オリジナルブランド「可麗塔(クリータ)」シリーズの商品を継続的に投入しております。なかでも「折りたたみカッターマット」は、現地の手帳ブームを背景にラインアップ拡充が奏功し、販売が大きく伸長いたしました。また、推し活に焦点を当てた「SUGArrr」シリーズを投入するなど、市場ニーズを捉えたマーケットイン型の商品展開を積極的に進めております。ベトナムでは、BtoB流通チャネルの開拓・深耕を進め、「テプラ」および自社工場であるKINGJIM(VIETNAM) CO., LTD.で生産した事務用ファイルの販売が大きく伸長いたしました。アメリカでは、テキスト入力に特化したデジタルメモ「ポメラ」の現地向けモデル「DM250US」が順調に販売を伸ばしているほか、BtoC向けステーショナリー製品の販売も拡大しております。(注)「可麗塔(クリータ)」には中国語簡体字を含んでいるため、日本語常用漢字で代用しております。 ・ライフスタイル用品事業㈱ラドンナをはじめとするグループ会社の売上は堅調に推移したものの、㈱ぼん家具が低調に推移したため、売上高は 142億3,187万円(前連結会計年度比 1.6%減)となりました。利益面では、売上原価率の改善や販管費率の改善により、営業利益は4億5,124万円(前連結会計年度比 243.5%増)となりました。各子会社の主な内容は、以下のとおりであります。㈱ぼん家具では好調な若年層向け「Toffy PUTUPUTU」コレクションや、「完成品サービス」を軸としたふるさと納税市場への参入、法人向けサイト「ゲキカグビジネス」のオープンなどの施策が売上に寄与いたしましたが、家具EC業界における競争激化や大型商品の配送料の上昇により、厳しい事業環境が続いており、減収となりました。利益面では、価格改定や値引き抑制による売上総利益率の改善に加え、物流網の再編による保管料の圧縮効果もあり、黒字には届かなかったものの改善傾向となりました。㈱ラドンナでは主力のキッチンカテゴリーにおいて、電子レンジ用調理器がOEM受注拡大とあわせて好調に推移し、売上を牽引いたしました。加えて季節商材の販売も好調に推移したことで増収となりました。利益については、EC事業の移管に伴う収益性の改善に加え、大口案件の獲得による売上総利益率の改善や金型償却費の減少、販管費の抑制により、大幅増益となりました。ライフオンプロダクツ㈱では3月より夏物商材の展開を開始し、「ターボハンディファン」をはじめとする新商品の売上が順調に推移したほか、OEM商品の導入も計画通り進捗しましたが、暖冬の影響による冬物商材の不振を補うには至らず減収となりました。利益面においては、売上減ながら値付けの見直しなど売上総利益率の改善により、大幅増益となりました。㈱アスカ商会では観葉類のオフィス装飾需要の取り込みが成功したこともあり、年間を通じて好調に推移し、売上高は前年を上回りました。利益面では、上期において前年に比べ円高に推移したことにより、売上総利益率が改善し、過去最高水準の利益となりました。ウインセス㈱では主要販売先である半導体・電子部品関連業界向けの需要が引き続き堅調に推移したことに加え、前期に実施した価格改定の効果により収益性も向上したことで、増収・増益となりました。また、ナフサ市況の不安定化等を背景に、原材料価格の上昇や納期の長期化が発生し、一部では先行手配や駆け込み需要も見られました。また、財政状態の状況については、次のとおりであります。当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して18億3,891万円増加し、373億5,208万円となりました。これは主に、投資有価証券や退職給付に係る資産が増加したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末と比較して3億4,148万円減少し、111億1,939万円となりました。これは主に、短期借入金や長期借入金が減少したことによるものであります。純資産合計は、前連結会計年度末と比較して21億8,040万円増加し、262億3,269万円となりました。これは主に、利益剰余金やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して3,594万円減少し、63億6,351万円(前連結会計年度比 0.6%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ6億4,527万円増加し、21億1,425万円となりました。これは主に、法人税等の支払額4億6,687万円等があった一方、税金等調整前当期純利益16億3,409万円や減価償却費6億4,908万円等があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ2億7,573万円減少し、5億5,021万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入2億5,634万円があった一方、有形固定資産の取得による支出5億8,577万円や無形固定資産の取得による支出1億6,979万円等があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、18億7,652万円(前連結会計年度は 1億7,573万円の資金獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減額10億4,000万円や長期借入金の返済による支出4億3,780万円等があったことによるものであります。 ③ 生産、受注および販売の状況イ.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、文具事務用品のみ生産活動を行っております。セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)文具事務用品事業電子製品14,063,19695.2生活環境用品1,362,86090.8ステーショナリー8,377,394100.3合計23,803,45196.7 (注) 金額は標準出荷価格で表示しております。 ロ.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)文具事務用品事業 ステーショナリー1,863,255102.23,55950.2 (注) 当社および連結子会社においては、大部分は見込生産であり、特注品のみ受注生産であります。 ハ.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)文具事務用品事業電子製品13,797,16899.7生活環境用品2,482,71585.0ステーショナリー8,623,033102.4文具事務用品事業計24,902,91698.9ライフスタイル用品事業14,231,87198.4合計39,134,78898.7 (注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)アスクル㈱5,026,27212.74,145,66010.6エコール流通グループ㈱4,344,80211.04,366,07811.2 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 イ.売上高「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。 ロ.売上原価、販売費及び一般管理費当連結会計年度の売上原価につきましては、売上原価率は 61.4%となり、前連結会計年度の売上原価率 62.5%より 1.1ポイントの低下となりました。販売費及び一般管理費率は 35.7%となり、前連結会計年度の 36.1%より 0.4ポイントの低下となりました。 ハ.営業利益当連結会計年度につきましては、売上総利益率の改善(前連結会計年度比 1.1ポイント増)、販売費及び一般管理費率の改善(前連結会計年度比 0.4ポイント減)により、営業利益11億2,891万円(前連結会計年度比109.9%増)となりました。 ニ.親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度につきましては、特別利益として政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益1億7,944万円等があり、親会社株主に帰属する当期純利益10億44万円(前連結会計年度比135.4%増)となりました。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について 「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」をご参照ください。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報 イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ロ.資本の財源および資金の流動性に係る情報当社グループの主な資金需要は、原材料調達や製品の製造費用、商品仕入費用、販売費及び一般管理費等の運転資金、企業価値向上を目的とした各種設備投資資金、また、事業拡大の一つの手段として実施しているM&Aのための資金等であります。これらは、自己資金、借入金により調達しております。 ④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、特に重要なものは以下のとおりであります。 (棚卸資産)「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 (固定資産の減損)当社グループは、原則として継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分を考慮し資産のグルーピングを行い、遊休資産については個別に資産のグルーピングを行っております。固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、この検討は一定の仮定に基づき見積もった割引前将来キャッシュ・フロー等を基に行っております。対象となる資産または資産グループの帳簿価額に減損が生じていると判断した場合、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては、将来キャッシュ・フロー等の見積りやその前提となる仮定を用いており、今後、経営環境等の変化により前提条件や仮定に変動が生じた場合には、固定資産の減損処理に影響を及ぼす可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性)繰延税金資産については、将来の利益計画に基づく課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。市場環境の変化等により、課税所得の見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。 ⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2027年6月期を最終年度とする第11次中期経営計画において、「社会の変化の波をチャンスと捉え新たな成長へ」をテーマに掲げ、既存ビジネスを強化しながら、「サービス事業への展開」「ライフスタイル分野の拡大」「海外事業の強化」の3つの骨太の方針に基づき、売上高520億円、経常利益28億円、経常利益率5.4%、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%を目標としておりました。しかし、M&A案件の未成約やサービス事業における事業立ち上げの遅れに加え、事業環境の変化や想定を上回る為替変動の影響などを踏まえ、第11次中期経営計画の最終年度である2027年6月期の目標を、売上高420億円、経常利益16億2,000万円、経常利益率3.9%、自己資本当期純利益率(ROE)4.0%に修正いたしました。 なお、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4)会社の中長期的な経営戦略と対処すべき課題」をご参照ください。
事業リスク
- 研究開発投資の不確実性デジタル化によるペーパーレス化で主力ファイル市場が縮小傾向にあるため、新たな商品開発に積極的な投資を行っています。しかし、これらの投資が必ずしも市場に受け入れられるとは限らず、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 海外情勢と為替変動リスク製品の多くを海外で生産しており、海外の経済・政治情勢の変動、戦争、感染症拡大などにより、部品調達や製造が困難になる可能性があります。また、外貨建て取引や外貨建て債権債務があるため、為替の急激な変動が業績に影響を与えるリスクがあります。
- 情報セキュリティと製造物責任サイバー攻撃や不正アクセス、情報漏洩のリスクがあり、発生した場合は事業活動に支障をきたし、業績に影響する可能性があります。また、製品に予期せぬ欠陥が生じ、顧客に損害が発生した場合には、製造物責任による賠償や信頼喪失が業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社は、当社グループの事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、リスク項目ごとに所管部を定めて常時リスクを管理しております。各所管部は、担当するリスクの危険度をモニタリングし、経営上重要と思われる事象が発生するおそれが生じた場合は、直ちに担当役員を通じてリスクマネジメント委員会に報告するとともに、リスクマネジメント委員会が対応策を協議・承認しております。各所管部は、毎年1回、リスクの発生回避、対策、管理状況等を取締役会へ報告しております。また、リスク項目については、当社グループの事業活動を取り巻く環境の変化、影響度合いや発生頻度に応じて見直しております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 研究開発投資当社グループの事業環境は、デジタル化の進展に伴うペーパーレス化の影響により、主力のファイル市場が縮小傾向にあります。こうした環境変化に対応すべく、当社グループでは、多様化するワークスタイルやライフスタイルに適応した新たな商品開発に積極的な投資を行っております。しかしながら、これらすべての開発投資が市場に受け入れられるとは限らず、その結果によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、新たな市場の創出を目指した商品開発や、働く人々の安全を守る商品、さらにはサステナビリティの観点から環境に配慮した商品の開発に注力しております。これにより、「キングファイル」「テプラ」に続く第3の事業の柱の構築を模索してまいります。 (2) 知的財産の保護当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないように、侵害回避のための体制を整えております。また、当社グループが販売する商品の形態が模倣等されないように、知的財産保護のための体制を整えております。しかしながら、第三者から知的財産権を侵害する旨の訴訟が提起されたり、第三者により商品の形態が模倣等されたりする可能性があります。このような事態は、当社グループの業績に影響を与えるおそれがあります。リスクへの対応として当社グループは、商品化に際して、第三者の知的財産権の有無等を調査するとともに、第三者から訴訟を提起されたときは、社外の弁護士・弁理士と連携して対応しております。また、当社グループの知的財産権を侵害する疑いがある商品を発見した場合は、警告文を送る等、販売停止や製造中止を求める対応を行っております。 (3) 製造物責任当社グループは、定められた品質管理基準に従って管理体制を確立し運用しております。しかしながら、予期せぬ欠陥が生じ顧客に損害が発生した場合には、顧客の信頼を喪失する可能性があり、また、製造物責任保険に加入しておりますが、保険で賠償額をカバーできない可能性もあるため、このような事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、品質管理基準を適宜アップデートし、その基準に従った管理体制の整備・構築と運用の遵守・徹底を図ってまいります。 (4) 原材料等の価格変動当社グループの製品は、主な原材料として合成樹脂、紙、鋼板、半導体等を使用しており、これらは中東情勢等による原油価格の市況の不安定化や、世界的な需給バランスの乱れによる原料不足により、価格が大きく変動する場合があります。原油価格や原材料価格が予期せず急激に高騰し、原材料の安定的な調達が困難となった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、原材料の複数社購買、仕入先との連携、代替品対応、生産の効率化による原価低減等の施策を実施し、リスク低減に取り組んでおります。 (5) 海外情勢当社グループの製品は、主に海外で生産を行っております。海外における経済情勢や政治情勢の変動、戦争やテロに起因する輸送障害、感染症拡大による操業停止等により部品の調達や製造が困難になり、当社グループ製品の安定的供給に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、主要商品の調達先については特定の国や地域に集中せず分散化を図っており、また部品の市場動向等の情報を収集して安全在庫を確保しております。また、当社グループはアジアを中心に世界各国へ営業活動を展開しております。予測できない急激な政治的・経済的変動、法規制の大幅な改定、テロや戦争の勃発、感染症による混乱は、海外における販売状況に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、海外事業担当部門および海外現地法人が連携を図ることによって、営業活動を展開している国のカントリーリスクを事前に調査、把握し対処するよう努めております。さらに、当社グループは各国の税法に準拠し適正な納税を行っておりますが、税務申告における税務当局との見解の相違等により、追加での税負担が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、特に移転価格税制等の国際税務リスクに対しては、外部専門家の助言を受け、移転価格文書の整備等を行っております。 (6) 為替変動当社グループは、主に海外で生産を行っており、製品および原材料等の輸出入において、一部外貨建取引を行っております。また、外貨建債権債務を保有しているため、大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、為替予約取引等を行っております。 (7) 棚卸資産当社グループでは、需要予測に基づいた生産計画等を行い、適切な在庫管理に努めております。しかしながら、市場環境の変化や販売見込みの相違により、販売実績が当初の予測を大きく下回る結果となる場合もあります。市場環境の変化や商品の陳腐化等による価値の大幅な減少や、収益性低下により、正味売却価額が取得原価よりも下落した場合、棚卸資産の評価損を計上することとなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、外部環境や営業情報などを適宜収集し需要予測の精度を向上させるとともに、在庫水準を随時監視し生産調整を図っております。 (8) M&A当社グループは、M&Aを事業拡大の一つの手段と考え、当社グループの成長戦略に十分貢献することができる案件、当社の既存ビジネスとのシナジー効果が期待できる案件を中心に鋭意検討しております。M&Aにあたっては、対象企業の主力商品および事業の競争力、強みと弱み、財務内容、契約関係、特許等の訴訟関係等について事前調査を行い、決定しております。しかしながら、事前調査で把握できなかった偶発債務や未認識債務等が存在した場合や、市場環境の変化等により事業の展開が計画通りに進まなかった場合には、対象企業の投資価値の減損処理を行う等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、M&Aの検討時においては、詳細な事前調査の徹底で調査漏れを防ぎ、経営統合後の事業展開や損益計画について討議・検証を実施し決定します。また、シナジー効果を早期に発揮するために、社内に部門横断の委員会を設置し、経営統合を円滑に進めております。 (9) 情報セキュリティ当社グループは、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ソフトウエアや情報機器の欠陥、ならびに内部からの不正な情報持ち出し等により、情報の流出、改ざん等が発生するリスクを認識しております。これらの事象が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、情報セキュリティに関する各種規程の整備・運用、システム面での防御対策の実施、従業員に対する教育・啓発活動の継続的な実施、ならびに情報持ち出しに関する統制の強化等、多層的な対策を講じております。 (10) 自然災害・感染症当社グループは、想定範囲を超えた自然災害等により事業活動の中断や設備の損傷が発生した場合には、商品供給が停止し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、これらの復旧にも多大の費用を要する可能性があります。リスクへの対応として当社グループは、「キングジムグループ危機管理規程」「危機管理細則」および「緊急災害時行動マニュアル」等を定めております。危機が発生し、またはそのおそれが差し迫ったとの情報を把握した場合は、当該規程等に定める危機管理体制に基づいて、直ちに対策を講じます。また、感染症対策として、感染症対応マニュアルを制定し、テレワークや時差勤務制度を整備しております。 (11)人材確保当社グループは、従業員を会社の最も大切な資産、かつ成長の原動力であると考えております。しかしながら、有能な人材の確保をめぐる競争は激化しており、労働人口が減少する中、必要な人材の獲得・確保ができない可能性があります。また、急激な円安、突発的な景気の変動などによっても、採用数を抑えなければならなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対応策として、個人の知識や能力を最大限に引き出すための教育機会を提供するとともに、適正な評価と成果に応じた報酬、テレワーク等の柔軟な働き方を可能にする勤務体系の提供等、DE&Iの推進に取り組んでおります。また、エンゲージメントサーベイを実施し、組織課題を可視化することで、その改善に取り組んでまいります。