事業の概要
- ゲーム専用機の開発・製造・販売任天堂は、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機のハードウェアとソフトウェアの開発、製造、販売を主な事業としています。自社で開発したゲーム機とゲームソフトを世界中で提供し、収益を得ています。特に「ゲーム専用機」は、同社のビジネスモデルの中核をなしています。
- IPを活用した多角化ゲーム専用機事業に加え、マリオなどの人気キャラクター(IP)を活用した映像コンテンツ制作やモバイルアプリ開発、テーマパーク、キャラクターグッズ販売なども展開しています。これにより、ゲーム以外の接点でも収益源を多様化し、ブランド価値を高めています。
- グローバルな事業展開製品は全世界で販売されており、海外での売上比率が7割を超えています。開発、製造、販売の各プロセスにおいて、国内外の子会社や関連会社と連携し、グローバルなサプライチェーンと販売網を構築することで、世界中の顧客に製品を届けています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ホームエンターテインメント事業任天堂の主要な事業は、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機の開発、製造、販売を行うホームエンターテインメント分野です。これは同社の収益の大部分を占める稼ぎ頭であり、世界中で「Nintendo Switch」などのゲーム専用機とそのソフトウェアを提供しています。
- IP活用事業の展開ゲーム専用機事業だけでなく、自社の強力な知的財産(IP)を活用した事業も展開しています。具体的には、マリオなどのキャラクターが登場する映像コンテンツの制作、スマートフォン向けアプリの開発、テーマパークへの展開、キャラクターグッズの販売などが含まれます。
- 単一セグメントでの事業運営任天堂は、事業内容がホームエンターテインメント分野に集約されているため、単一セグメントとして事業を運営しています。開発、製造、販売の各機能は、任天堂株式会社と国内外の子会社・関連会社が連携して担っており、グローバルに事業を展開しています。
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3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社(当社、子会社32社及び関連会社4社[2026年3月31日現在]により構成)においては、ホームエンターテインメントの分野で娯楽製品の開発、製造及び販売等を事業としています。主な製品は、コンピューターを利用した娯楽機器である「ゲーム専用機」とキャラクターグッズ・トランプ等です。「ゲーム専用機」とは、携帯ゲームやホームコンソールゲームのハードウェア及びソフトウェアであり、当社及び関係会社が開発し、当社において製造し、主に関係会社が国内外で販売しています。また、映像コンテンツやモバイルアプリなどのIPを活用した事業も展開しています。当社及び主な関係会社の位置付けは次のとおりです。なお、単一セグメントのため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。 [開発]任天堂株式会社、Nintendo Technology Development Inc.、Nintendo Software Technology Corporation、Retro Studios, Inc.、Next Level Games Inc.、Shiver Entertainment, Inc.、Nintendo European Research and Development SAS、神游科技有限公司、ニンテンドーキューブ株式会社、1-UPスタジオ株式会社、株式会社モノリスソフト、マリオクラブ株式会社、株式会社SRD、ニンテンドーピクチャーズ株式会社、ニンテンドーシステムズ株式会社 [製造]任天堂株式会社 [販売]任天堂株式会社、Nintendo of America Inc.、Nintendo of Canada Ltd.、Nintendo of Europe SE、Nintendo Australia Pty Limited、韓国任天堂株式会社、任天堂(香港)有限公司、台灣任天堂股份有限公司、任天堂販売株式会社 (事業系統図)前述の事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 強い 「任天堂独自の遊び」を提供し、ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスを中核に置いているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド 「任天堂独自の遊び」の提供と、ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスを中核に置くこと。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:為替レートの変動 / 市場環境の変化や他社との競争 / 新製品等の開発の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★★
任天堂は「マリオ」「ゼルダの伝説」「ポケットモンスター」といった世界的に認知され、長年にわたり愛され続ける強力なキャラクターIPを多数保有している。これらのIPは、ゲームソフトだけでなく、映画、グッズ、テーマパークなど多角的な展開を可能にし、他社が容易に模倣できない無形資産となっている。
スイッチングコスト★★★☆☆
任天堂のゲーム機(Switchなど)は、独自のゲームラインナップとハードウェアの親和性により、ユーザーが他のプラットフォームへ移行する際の心理的・技術的ハードルが存在する。特に、長年任天堂プラットフォームでプレイしてきたコアゲーマー層には一定のスイッチング・コストが働く。
ネットワーク効果★★☆☆☆
Nintendo Switch Onlineなどのオンラインサービスは、フレンドとのプレイや限定コンテンツ提供により、一定のネットワーク効果を生み出している。しかし、他社のオンラインサービスと比較すると、その規模や必須性は限定的であり、強力なネットワーク効果とは言えない。
コスト優位☆☆☆☆☆
任天堂は、ゲーム開発やハードウェア製造において、他社と比較して構造的なコスト優位性を持っているという明確な証拠はない。むしろ、高品質なゲーム体験の提供のために、研究開発費や製造コストは相当額に上ると推測される。
規模の経済★★★☆☆
家庭用ゲーム機市場において、ソニー(PlayStation)やマイクロソフト(Xbox)といった主要プレイヤーと共に、寡占的な地位を築いている。特に、独自のニッチ市場を開拓し、その分野では強力な市場シェアを維持している。
- ハード・ソフト一体型の独自体験任天堂は、ゲーム機のハードウェアとソフトウェアを自社で開発・製造することで、他社には真似できない独自のゲーム体験を提供しています。これにより、顧客は任天堂ならではの直感的で楽しい遊びを体験でき、強いブランドロイヤルティを築いています。
- 強力なIPとブランド力マリオ、ゼルダ、ポケモンといった世界的に認知された強力なキャラクター(IP)を多数保有しており、これが任天堂の最大の強みです。これらのIPはゲームだけでなく、映画、テーマパーク、グッズなど多岐にわたる展開を通じて、幅広い層にアピールし、顧客との接点を拡大しています。
- グローバルな開発・販売体制世界中に開発子会社と販売子会社を持つことで、各地域の市場ニーズに合わせた製品開発と効率的な販売を実現しています。これにより、世界中の顧客に製品を届け、高い市場シェアを維持できるだけでなく、為替変動リスクの軽減にも努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 独自の娯楽体験の追求任天堂は「娯楽を通じて人々を笑顔にする会社」として、他にはない「任天堂独自の遊び」を提供することを目指しています。年齢や性別、ゲーム経験に関わらず、誰もが直感的に楽しめる独創的な商品やサービスの提案に挑戦し、企業価値の向上を図っています。
- ハード・ソフト一体型ビジネスの中核化経営の中核に「ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネス」を据え、この強みを最大限に活かしています。ゲーム機とソフトウェアを連携させることで、他社には真似できない独自のゲーム体験を創出し、顧客との長期的な関係構築を目指しています。
- IP活用の拡大とプラットフォーム連携基本戦略として「任天堂IPに触れる人口の拡大」を掲げ、ゲーム専用機以外の分野(映像、モバイル、テーマパーク、グッズなど)でもIPを展開しています。ニンテンドーアカウントを通じて、様々な娯楽体験をプラットフォームの世代を超えてつなげ、顧客との接点を広げ、ゲーム体験への興味を喚起します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、娯楽を通じて人々を笑顔にする会社として、健全な企業経営を維持しつつ新しい娯楽の創造を目指しています。事業の展開においては、世界中のお客様へ、かつて経験したことのない楽しさ、面白さを持った娯楽を提供することを最も重視しています。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、常に新しい楽しさと面白さを持った商品やサービスの提供を追求し、継続性のある健全な成長と利益の増加による企業価値の向上を目指しています。また、取扱商品・コンテンツは娯楽品であり、その特性から事業運営上に不確定要素が多く、取り組みの結果や事業環境の変化に対して柔軟な経営判断を行えるように特定の経営指標を目標として定めていません。 (3) 経営環境並びに中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループを取り巻く市場環境は、お客様が求める娯楽の多様化や技術の進歩、それによる競争の激化により、変化の激しい状況が続いています。このような市場環境の中で、当社グループは、独創的な楽しさを追求すると同時に、ご家族が安心して楽しむことができ、リビングの中心にあっても違和感のないような娯楽をお届けすることを通じて、「ユニークで安心な娯楽として任天堂を選んでいただく」ことを目指しています。そのため、ハード・ソフト一体型のゲーム専用機はもちろんのこと、映像コンテンツやモバイルアプリ、ロケーション、キャラクターグッズといったゲーム専用機ビジネスの枠外の分野においても、お客様にご満足いただけるよう、一つひとつの商品やサービスの開発に丁寧に取り組み、「任天堂ならではのユニークな娯楽」を充実させることで、「ユニークで安心な娯楽として任天堂を選んでいただく」理由を増やしていきます。こうしたすべての事業活動は、「任天堂IPのファン拡大」と「長期間にわたるお客様との関係づくり」という2つの指針に基づいたものです。そして、これらの取り組みを通じて生まれたお客様とのつながりを、ニンテンドーアカウントを通じて「任天堂ならではのユニークな娯楽」を直接お届けすることができる関係へと発展させ、世代を超えて末長く続く関係へと継続させていきます。当社は、Nintendo Switch 2 を2025年6月に発売しました。世界中の多くのお客様に受け入れていただいたNintendo Switchの後継機種として、その普及基盤を引き継ぎ、さらに多くのお客様に楽しんでいただけるよう、継続的にビジネスの活性化を推し進めます。その一環として、魅力的なソフトウェアの継続的な投入のほか、開発の複雑化・長期化に対応した開発体制の強化、人材育成及び開発効率の向上に優先的に取り組みます。また、研究開発及び広告宣伝活動を実施するとともに、設備投資等の事業基盤への投資を行いつつ、財務健全性の維持を図り、中長期的な企業価値の向上を目指します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、娯楽を通じて人々を笑顔にする会社として、健全な企業経営を維持しつつ新しい娯楽の創造を目指しています。事業の展開においては、世界中のお客様へ、かつて経験したことのない楽しさ、面白さを持った娯楽を提供することを最も重視しています。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、常に新しい楽しさと面白さを持った商品やサービスの提供を追求し、継続性のある健全な成長と利益の増加による企業価値の向上を目指しています。また、取扱商品・コンテンツは娯楽品であり、その特性から事業運営上に不確定要素が多く、取り組みの結果や事業環境の変化に対して柔軟な経営判断を行えるように特定の経営指標を目標として定めていません。 (3) 経営環境並びに中長期的な経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループを取り巻く市場環境は、お客様が求める娯楽の多様化や技術の進歩、それによる競争の激化により、変化の激しい状況が続いています。このような市場環境の中で、当社グループは、独創的な楽しさを追求すると同時に、ご家族が安心して楽しむことができ、リビングの中心にあっても違和感のないような娯楽をお届けすることを通じて、「ユニークで安心な娯楽として任天堂を選んでいただく」ことを目指しています。そのため、ハード・ソフト一体型のゲーム専用機はもちろんのこと、映像コンテンツやモバイルアプリ、ロケーション、キャラクターグッズといったゲーム専用機ビジネスの枠外の分野においても、お客様にご満足いただけるよう、一つひとつの商品やサービスの開発に丁寧に取り組み、「任天堂ならではのユニークな娯楽」を充実させることで、「ユニークで安心な娯楽として任天堂を選んでいただく」理由を増やしていきます。こうしたすべての事業活動は、「任天堂IPのファン拡大」と「長期間にわたるお客様との関係づくり」という2つの指針に基づいたものです。そして、これらの取り組みを通じて生まれたお客様とのつながりを、ニンテンドーアカウントを通じて「任天堂ならではのユニークな娯楽」を直接お届けすることができる関係へと発展させ、世代を超えて末長く続く関係へと継続させていきます。当社は、Nintendo Switch 2 を2025年6月に発売しました。世界中の多くのお客様に受け入れていただいたNintendo Switchの後継機種として、その普及基盤を引き継ぎ、さらに多くのお客様に楽しんでいただけるよう、継続的にビジネスの活性化を推し進めます。その一環として、魅力的なソフトウェアの継続的な投入のほか、開発の複雑化・長期化に対応した開発体制の強化、人材育成及び開発効率の向上に優先的に取り組みます。また、研究開発及び広告宣伝活動を実施するとともに、設備投資等の事業基盤への投資を行いつつ、財務健全性の維持を図り、中長期的な企業価値の向上を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。また、当社グループは単一セグメントのため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。 (1) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等をもとに適切な仮定を設定し、合理的な判断をしていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。 (2) 経営成績等の状況①業績の概要・分析当連結会計年度は、6月に発売したNintendo Switch 2 が順調な立ち上がりを見せ、その後も全世界で販売を伸ばしました。期末にかけては、3月に発売した『ぽこ あ ポケモン』(※)がハードウェアの販売に貢献したことも加わり、通期の販売台数は1,986万台となりました。ソフトウェアについても、本体と同時に発売した『マリオカート ワールド』が本体セットの販売分を含め1,470万本となったほか、7月に発売した『ドンキーコング バナンザ』が452万本の販売を記録しました。また、10月に発売した『Pokémon LEGENDS Z-A Nintendo Switch 2 Edition』はパッケージ版のみで394万本の販売となりました。なお、本タイトルを含むNintendo Switch 2 Editionソフトのダウンロード版の販売本数は、Nintendo Switchソフトウェアとして集計しています。これらの結果、Nintendo Switch 2 ソフトの販売本数は4,871万本となりました。3月に発売から10年目を迎えたNintendo Switchも一定の需要が継続し、ハードウェアの販売台数は380万台となりました。ソフトウェアでは、『Pokémon LEGENDS Z-A』が885万本(『Pokémon LEGENDS Z-A Nintendo Switch 2 Edition』のダウンロード版を含む)の販売を記録したほか、10月に発売した『スーパーマリオギャラクシー 2』が276万本、『スーパーマリオギャラクシー』が260万本の販売となりました。Nintendo Switch 2 では専用のソフトウェアに加えてNintendo Switchソフトも遊んでいただけることから、『マリオカート8 デラックス』や『Nintendo Switch Sports』など、前期以前に発売した定番タイトルも安定した販売となりました。また、『スーパー マリオパーティ ジャンボリー』や『あつまれ どうぶつの森』など、Nintendo Switch 2 Editionが発売された定番タイトルも安定した販売となっています。このような要因もあり、Nintendo Switchソフトの販売本数は1億3,691万本となりました。ゲーム専用機におけるデジタルビジネスにおいては、パッケージ併売ダウンロードソフトの売上が増加したことなどにより、デジタル売上高は4,076億円(前年同期比25.0%増)となりました。IP関連収入等については、主に映画関連の売上が減少したことにより、売上高は735億円(前年同期比9.7%減)となりました。なお、当社グループの経営方針・経営戦略等は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。また、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) 経営成績等に重要な影響を与えている要因」に記載のとおり、ヒット商品の有無やその規模が経営成績等に大きな影響を与えていると考えています。※国内では株式会社ポケモンが、海外では当社が発売・販売するタイトルです。 ②経営成績の状況の概要・分析当連結会計年度は前年同期と比較しますと、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。売上高は2兆3,130億円(前年同期比98.6%増)となり、このうち海外売上高は1兆7,781億円(前年同期比99.8%増、海外売上高比率76.9%)となりました。営業利益は3,601億円(前年同期比27.5%増)となり、持分法による投資利益が増加したことなどにより経常利益は5,421億円(前年同期比45.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は4,240億円(前年同期比52.1%増)となりました。 (売上高及び営業利益)売上高は、前年同期に比べて1兆1,481億円の増収で、2兆3,130億円(前年同期比98.6%増)となりました。売上総利益は前年同期に比べ1,987億円増加し、9,089億円(前年同期比28.0%増)となりました。また、研究開発費や広告宣伝費などが増加したことにより、販売費及び一般管理費は前年同期に比べて1,212億円増加し、営業利益は3,601億円(前年同期比27.5%増)となりました。 (営業外損益及び経常利益)営業外損益は、㈱ポケモンなどに係る持分法による投資利益の計上や、受取利息、為替差益が発生したことなどにより、1,820億円の収益(純額)となりました。この結果、経常利益は5,421億円(前年同期比45.6%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)主に経常利益が前年同期に比べて増加したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,240億円(前年同期比52.1%増)となりました。 ③財政状態の状況の概要・分析(総資産)総資産は、前連結会計年度末に比べ4,067億円増加し、3兆8,053億円となりました。有価証券などが減少したものの、現金及び預金や受取手形及び売掛金などが増加したことが主な要因です。 (負債)負債は、前連結会計年度末に比べ1,770億円増加し、8,501億円となりました。支払手形及び買掛金や未払法人税等などが増加したことが主な要因です。 (純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ2,297億円増加し、2兆9,551億円となりました。利益剰余金などが増加したことが主な要因です。 ④キャッシュ・フローの状況の概要・分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から974億円減少(前年同期は5,606億円の増加)し、1兆3,166億円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とその要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益5,681億円に対して、主に法人税等の支払いや持分法による投資損益の計上、売上債権の増加などの減少要因により、2,897億円の増加(前年同期は120億円の増加)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金は、定期預金の預入による支出や有価証券及び投資有価証券の取得による支出が、定期預金の払戻による収入や有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入を上回ったことなどにより、2,100億円の減少(前年同期は7,530億円の増加)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金は、主に配当金の支払いや自己株式の取得による支出により2,497億円の減少(前年同期は1,951億円の減少)となりました。 (3) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。種類金額(百万円)前年同期比(%)ゲーム専用機1,919,326+98.4その他8,941△37.7合計1,928,268+96.4 (注) 上記金額は、販売価格により算出しています。 ② 受注状況主にゲーム専用機ソフトウェアについて一部受注生産を行うほかは、見込生産のため記載を省略しています。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、製品の種類別に記載しています。種類金額(百万円)前年同期比(%)ゲーム専用機2,239,541+106.7IP関連収入等 73,510△9.7合計2,313,051+98.6 (4) 経営成績等に重要な影響を与えている要因当社グループは、ホームエンターテインメントの分野で事業を展開しており、ヒット商品の有無や、その規模によって経営成績等が大きく変わります。また、娯楽の範囲は広く、ゲーム以上に面白さや驚きを人々に与えるものが流行れば、その影響も受けます。海外での売上割合は7割を超え、このほとんどを現地通貨で取引しており、為替レートの変動による影響を軽減するために米ドル建等の仕入を継続しているものの、当該リスクを完全に排除することは困難であり、為替相場の変動は当社グループの業績に影響を与えます。主要製品であるゲーム専用機と対応するソフトウェアが、当社グループの売上の多くを占めますが、それぞれの利益率が大きく異なるため、これらの売上割合の変動は売上総利益及び売上総利益率に影響を与えます。その他にも経営成績等には、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載する変動要因が考えられます。 (5) 資本の財源及び資金の流動性について当連結会計年度末において、流動比率は396%、総負債額に対する現金及び現金同等物は1.5倍です。当社グループは将来の経営環境への対応や業容拡大等のために必要な資金を内部留保しています。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、広告宣伝費や研究開発費のほか、配当金や法人税等の支払いです。この他、会社の成長に必要な設備投資等を含め、全てを自己資金でまかなうことを原則としており、ゲーム専用機等の販売等の営業活動によるキャッシュ・フローによって自己資金を確保しています。なお、当社グループの株主還元の考え方は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」、具体的な設備投資計画は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。新製品の発売時期や年末商戦時期には、一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増加があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。また、3か月を超える定期預金の預入・払戻の時期や、有価証券の取得・売却の時期等により投資活動によるキャッシュ・フローが増減します。
事業リスク
- 為替レートの変動リスク任天堂は海外売上比率が7割を超え、多額の外貨建て資産を保有しているため、為替レートの変動が業績に大きく影響します。円高に振れた場合、海外での売上が円換算で減少し、利益が圧迫される可能性があります。外貨建ての仕入れを継続することで、影響の軽減を図っています。
- 市場環境の変化と競争激化ゲーム業界は技術革新が早く、顧客の嗜好も常に変化するため、市場環境の変化や他社との競争が激しいです。新しい娯楽の出現や競合他社の台頭により、ゲーム市場が縮小したり、利益確保が困難になったりする可能性があります。独自の遊びを提供し、IP活用で対抗しています。
- 新製品開発の不確実性新しいゲーム機やソフトウェア、映像コンテンツの開発には多大な時間と費用がかかりますが、必ずしも顧客に受け入れられる保証はありません。開発の遅延や中断、中止のリスクもあり、これが業績に悪影響を及ぼす可能性があります。常に斬新で魅力的な製品開発に努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく記載した事項以外の予見し難いリスクも存在します。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経済環境に関するリスク為替レートの変動当社グループは、全世界で製品を販売し海外での売上割合は7割を超えていますが、そのほとんどを現地通貨で取引しています。また、当社は多額の外貨建資産も保有しており、円建資産に転換する場合だけでなく財務諸表作成のための換算においても為替レートの変動の影響を強く受けます。そのため、為替レートが大幅に変動した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、為替レートの変動による影響を軽減するために外貨建の仕入を継続しています。 (2) 事業活動に関するリスク市場環境の変化や他社との競争当社グループの事業は、幅広い娯楽の中の一分野であり、他の様々な娯楽の趨勢による影響を受けます。他の娯楽へのお客様の志向が強くなると、ゲーム市場が縮小する可能性があります。また、技術の進歩や革新で新たな競争相手が出現した場合、大きな影響を受ける可能性があります。ゲーム業界は、多額の研究開発費や広告宣伝費等が必要とされる一方で、巨大な同業他社や他のエンターテインメント業界との競合等の可能性もあり、これまで以上に利益を確保し難い状況になる可能性があります。また、急激な構造変化などに対応できない場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、一つひとつの商品やサービスの開発に丁寧に取り組み、任天堂のキャラクターや世界に親しみを持っていただけるよう努力することで、世代を超えて末永く愛される存在となることを目指し、「ユニークで安心な娯楽として任天堂を選んでいただく」理由を増やしています。 新製品等の開発ゲーム専用機ソフトウェア、スマートデバイス向けアプリケーション及び映像コンテンツの企画・開発には、かなりの時間と費用を必要とする一方で、お客様の嗜好は常に変化しており、全ての新製品や新サービスがお客様に受け入れられる保証はありません。ハードウェアの開発には長い期間を必要とする一方で、技術は絶えず進歩しており、娯楽に必要な技術を装備出来ない可能性があります。さらに、発売が遅れた場合、市場シェアの確保が難しくなる可能性があります。また、当社製品及びサービスは、その特性から予定の期間内での開発が困難になるケースがあり、計画どおりの販売や提供開始ができないことがあります。さらに開発を中断または中止することもあり、計画から大きく乖離する可能性があります。エンターテインメントの分野において、これらの開発プロセスは複雑かつ不確実なものであるため、上記のリスクに対応できない場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続して斬新で魅力ある新製品の開発に努めています。 製品の評価、適正在庫の確保ゲーム業界における一般的な製品は、ライフサイクルが比較的短く、嗜好性が強く季節性があるため、過剰な在庫を抱えることや保有する棚卸資産が陳腐化することにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。正確な販売予測は困難なため、市場に必要な量を供給できず、商機を逃す可能性がありますが、当社グループでは、需要に見合った供給を確保するために、見込生産の実施や、ダウンロードソフトの販売推進を行っています。 外部企業への製造依存当社グループは、主要な部品の製造や製品への組立てをグループ外企業に委託しており、グループ外企業の倒産等により重要部品の調達及び製造に支障が生じる可能性があります。また、部品の製造業者が当社グループの必要とする数量を予定どおりに供給出来ない可能性もあります。重要部品が不足すると、部品の価格高騰による利益率の低下にとどまらず、製品の供給不足や品質管理等で問題が発生し、お客様との関係悪化をも引き起こす可能性があります。さらに、製造委託先の生産拠点が海外に多く、現地で治安の悪化や自然災害、感染症の拡大等が起これば、生産が妨げられ業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、生産面において、ほとんどの部材調達先及び生産外注先を複数社としており、リスクヘッジを行っています。また、重要な部品については、全てのプロセス・生産場所・担当責任者などを把握し、予想し得ない事故の場合にも可能な限り迅速な罹災状況の把握と代替対応ができるように管理体制を整えています。 業績の季節的変動当社製品の需要の多くは、年末商戦期や正月時期等に集中するため、季節によって変動します。この時期に魅力的な新製品を投入出来なかった場合や、製品の供給が間に合わなかった場合等においては、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、発売後も長い期間にわたり手に取っていただけるゲームの開発や継続的に楽しんでいただけるデジタルビジネスにおける有償サービスの提供などにより、年間を通して安定した業績となるよう努めています。 システムのトラブル当社グループは、情報発信だけではなく、ゲームのオンラインプレイやソフトウェアのダウンロード販売、インターネットを介した様々なサービスを提供しています。しかし、万一これらの運営システムに対し、サイバー攻撃が行われる、自然災害や事故が発生するなどして、システムの停止や破壊、データの流出や不正利用等が起きた場合には、事業活動の停止、将来の経営成績、当社ブランドへの評価、株価及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、当社の事業におけるネットワーク機能の重要性が高まっていることを考慮し、割り当てる社内リソースの増強、必要な人材の採用、社外専門業者との連携等により、対応力の強化に努めています。 事業活動に影響を及ぼす諸事情当社グループは、グローバルにビジネスを展開しています。国内外での事業活動においては、不利な政治または経済要因の発生、多国間税制度における不統一性及び税法解釈の相違における不利な取扱い、人材の採用と確保の困難、ストライキ等の労働争議、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが存在します。製品やサービスの企画・開発・製造・物流・販売等に支障をきたす場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に必要な措置を講じていきます。 (3) 法的規制・訴訟に関するリスク製造物責任当社グループの製品は、世界各地域で認められている安全・品質管理基準に従って開発・製造していますが、世界各地域で販売されていることから、万一欠陥等が見つかった場合、大規模な返品要求が発生する可能性があります。また、製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、追加のコストの発生や当社ブランドへの評価に影響を与え、将来の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、製品に対する責任を充分認識しており、設計、製造、付帯サービスの面から製品の品質管理、品質保証に引き続き積極的に取り組んでいきます。 知的財産保護の限界当社グループは、他社製品と差別化出来る様々な知的財産を蓄積してきましたが、インターネットを使った違法なアップロードや、不正品への効果的な対処が困難な地域があり、将来の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に必要な措置を講じていきます。 システムへの不正アクセス・機密情報の流出当社グループは、お客様等に関する情報や開発・営業機密情報を保有しています。万一、システムへの不正なアクセス等により、これらの情報が流出、漏洩または第三者に不正利用された場合、将来の経営成績、当社ブランドへの評価、株価及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に必要な措置を講じていきます。 法律・規則等の変更当社グループが予期しない法律や規則の施行または変更、会計基準や税制の新たな導入・変更等により、業績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、追加の税負担が生じる可能性があります。当社グループでは、行政機関などの外部機関からウェブサイトなどを通じて発せられる情報のフォローに加え、外部機関が主催するセミナーへの参加や専門書の定期購読などによる情報収集を行うとともに、実施に向けて様々な検討を進めています。 訴訟等当社グループは、国内及び海外における事業活動等に関し、訴訟、紛争またはその他の法的手続等の対象とされることで、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、訴訟リスクを軽減するよう様々な措置を講じています。 (4) その他上記のほか、売上債権の回収不能、金融機関の破綻、環境に関する規制、あるいは、不測の事態によるコーポレートブランドの毀損、政情の変化、急激な気候変動、自然災害や感染症の拡大等により業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、継続的に必要な措置を講じていきます。