8002

丸紅(8002)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 総合商社の多角的な事業展開
    丸紅は、国内外の広範なネットワークを活かし、輸出入、外国間取引、国内取引、各種サービス業務、国内外の事業投資、資源開発など、多岐にわたる事業活動を展開しています。これにより、特定の事業に依存せず、様々な分野から収益を得る安定したビジネスモデルを構築しています。
  • グローバルな事業投資と開発
    同社は、ライフスタイル、食料、金属、エネルギー、電力、インフラプロジェクトなど、幅広い分野で事業投資や資源開発を積極的に行っています。これにより、新たな収益源の確保や既存事業の強化を図り、持続的な成長を目指しています。
  • 多様な商品とサービスの提供
    アパレルから製紙原料、ICTソリューション、食料品、化学品、航空機、金融サービスまで、非常に多種多様な商品やサービスを提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに応え、市場の変化にも柔軟に対応できる体制を整えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ライフスタイル事業
    国内外でアパレル、フットウェア、生活用品、スポーツ用品、産業資材、繊維原料、タイヤ、ゴム資材など多岐にわたる商品を取り扱っています。商品の企画・製造・卸売/小売販売から事業投資・運営まで幅広く展開しており、消費者の生活に密着した分野で収益を上げています。
  • 食料事業(第一・第二)
    乳製品、砂糖、加工食品・飲料、飼料穀物、大豆、小麦など、食料品全般を取り扱っています。原料調達から生産・加工、流通、卸売まで一貫したバリューチェーンを構築し、フードサイエンス領域や畜産営農支援など新分野にも注力しており、食の安定供給と高付加価値化に貢献しています。
  • 金属・エネルギー・電力・インフラプロジェクト事業
    鉄鋼・非鉄軽金属の原料開発、製造・加工・販売、リサイクルに加え、天然ガス、石油・ガスの探鉱・開発・生産、電力発電事業、電力サービス事業、エネルギー関連インフラ、交通インフラ、社会インフラの開発・投資・運営など、社会基盤を支える大規模な事業を展開しています。これらの事業は、資源開発やインフラ整備を通じて安定的な収益源となっています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,652 文字
3【事業の内容】当社及び連結子会社は、国内外のネットワークを通じて、ライフスタイル、食料・アグリ、金属、エネルギー・化学品、電力・インフラサービス、金融・リース・不動産、エアロスペース・モビリティ、情報ソリューション、次世代事業開発、次世代コーポレートディベロップメント、その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引のほか、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しております。当社グループにおいてかかる事業を推進する連結対象会社は、連結子会社324社、関連会社等153社、合計477社から構成されております。(注)1当連結会計年度より、「ライフスタイル」、「フォレストプロダクツ」、「情報ソリューション」、「食料第一」、「食料第二」、「アグリ事業」、「化学品」、「金属」、「エネルギー」、「電力」、「インフラプロジェクト」、「航空・船舶」、「金融・リース・不動産」、「建機・産機・モビリティ」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」としていたオペレーティング・セグメントを、「ライフスタイル」、「食料・アグリ」、「金属」、「エネルギー・化学品」、「電力・インフラサービス」、「金融・リース・不動産」、「エアロスペース・モビリティ」、「情報ソリューション」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」に再編しております。当社グループのオペレーティング・セグメントごとの取扱商品・サービスの内容及び主要な関係会社名は以下のとおりであります。オペレーティング・セグメント(注)23取扱商品・サービスの内容主要な関係会社名ライフスタイル国内及び海外において、アパレル、服飾雑貨、生活用品、ゴム、産業資材、繊維資材、コンベヤベルト、タイヤ、チップ、パルプ、紙・板紙製品、衛生用品、スマートデバイス等多岐にわたる商品を取り扱い、企画・製造・卸売/小売販売から事業投資・運営まで様々な事業を展開しております。子会社興亜工業、丸紅インテックス(注)2、丸紅テクノラバー(注)2、丸紅ファッションリンク(注)3、 丸紅フォレストリンクス、MXモバイリング、Musi Hutan Persada、Tanjungenim Lestari Pulp and Paper、Viacore Holding関連会社等SAIDE GROUP DIS TICARET(注)4、Santher - Fabrica de Papel Santa Therezinha食料・アグリ国内及び海外において、乳製品、業務用食材、油脂、小麦粉、砂糖、飲料及びその原料、食肉及び食肉加工品、飼料穀物、油糧種子、小麦、配合飼料、水産物等、食に係る多様な商材を取り扱っております。原料調達から高付加価値商品の生産・加工・卸までサプライチェーン全体で事業を展開しております。加えて、農業資材リテール及び肥料ホールセール事業を米州、欧州等で展開し、精密農業等のデジタル技術を活用したソリューションも提供しております。ライフサイエンス分野では、飼料添加剤や食品機能材、香辛料・調味料等の機能素材を通じ、健康・栄養価値の向上と安全・安心に資する製品・サービスを強化しております。子会社アトリオン製菓、ウェルファムフーズ、日清丸紅飼料、日本チャンキー、パシフィックグレーンセンター、丸紅シーフーズ、丸紅食料、山星屋、Columbia Grain International、Creekstone Holding、Euroma Holding、Helena Agri-Enterprises、Iguaçu de Café Solúvel、Iguacu Vietnam、MacroSource、Olympus Holding(注)5関連会社等エスフーズ、片倉コープアグリ、日清オイリオグループ、Acecook Vietnam金属鉄鋼・非鉄軽金属の原料資源の海外における開発事業、及び鉄鋼製品全般・非鉄軽金属の製造・加工・販売、鉄鋼・非鉄軽金属の原料資源やセメント関連資材の売買、並びに鉄・非鉄軽金属・EV用バッテリーのリサイクル等を行っております。子会社丸紅エコマテリアルズ、丸紅テツゲン(注)6、丸紅メタル(注)6、Marubeni Aluminium Australia、Marubeni Iron Ore Australia、Marubeni LP Holding(注)7、Marubeni Metals & Minerals (Canada)、Marubeni Resources Development関連会社等伊藤忠丸紅鉄鋼、パンパシフィック・カッパー、丸建リース(注)8 オペレーティング・セグメント(注)23取扱商品・サービスの内容主要な関係会社名エネルギー・化学品国内及び海外において、天然ガス事業(生産、液化、トレード)、石油・ガスの開発・生産、石油・LPGのトレード・物流・マーケティング、原子力事業(ウラン鉱山開発、原子燃料サイクル、関連機器販売・サービス)並びに環境価値の開発・売買等の幅広いエネルギー関連事業を展開するとともに、化学品領域においては、石油化学品や工業塩等の川上分野からディスプレイ・半導体・電池材料等のエレクトロニクス分野、オレオケミカル・工業用機能化学品等のスペシャリティケミカル分野といった川下分野に至るまで、幅広い領域で製品・サービスを提供しており、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでおります。子会社丸紅エネックス、丸紅エネルギー、丸紅ケミックス(注)9、丸紅プラックス(注)9、丸紅ユティリティ・サービス、Marubeni Oil & Gas (USA)、MIECO関連会社等ENEOSグローブ、Dampier Salt電力・インフラサービス国内及び海外において、電力・インフラサービス事業(電力卸売・小売事業、再エネ・蓄電池等の分散型電源事業、水・鉄道の運営保守事業等)、インフラ事業(発電・水・ガス・交通等の開発・投資・事業管理)、新エネルギー事業(アンモニアやSAFの製造・トレード等)、及びインフラ資産を対象としたファンド運営事業を行っております。子会社丸紅新電力、丸紅プロテックス、丸紅洋上風力開発、三峰川電力、MM Capital Partners、AGS MCUK Holdings、SmartestEnergy関連会社等秋田洋上風力発電、Lion Power (2008)、Southern Cone Water(注)10金融・リース・不動産国内及び海外において、金融・リース分野では、自動車販売金融、航空機・航空機エンジンリース、商用車フリートマネジメント、総合リース及びノンバンク、次世代金融、フェムテック、PEファンド運営、国内企業投資事業等を、保険分野では、保険仲介、キャプティブ事業等を行っております。不動産分野では、国内においてアセットマネジメントを主軸に、開発からプロパティマネジメントまで一貫したサービスを提供しており、海外においては不動産開発・運用事業を行っております。子会社丸紅アビエーション(注)11、丸紅セーフネット、MAI Holding(注)12、MAI Holding Ⅳ(注)13関連会社等第一ライフ丸紅リアルエステート(注)14、みずほ丸紅リース、みずほリース、MARUBENI FUYO AUTO INVESTMENT (CANADA)(注)15、PLM Fleetエアロスペース・モビリティ国内及び海外において、航空機・防衛宇宙関連機器・建設機械・鉱山機械・自動車等の輸出入、並びにこれらの多様な商材を取り扱う卸売・小売・製品開発・各種サービス等の分野への事業展開・投融資、また、貨物船・タンカー・LNG船等各種船舶の取引仲介・ファイナンス、保有・運航・管理等の事業を展開するとともに、船舶関連資材の取扱いを行っております。子会社スカーレットLNG輸送、丸紅エアロスペース、MMSLジャパン、MAIHO Ⅲ(注)16、Marubeni Aviation Asset Investment、MARUBENI DAGITIM VE SERVIS、MMSL、Royal Maritime関連会社等スイスポートジャパン、Hitachi Construction Machinery (Australia)情報ソリューション国内及び海外において、ICT分野では、システムソリューション事業、ネットワーク事業等、物流分野では、フォワーディング事業、物流センター運営事業等、デジタル技術を活用した多様なサービスを提供しております。子会社 アルテリア・ネットワークス、 丸紅ロジスティクス、 丸紅I-DIGIOホールディングス関連会社等-次世代事業開発医薬品・医療機器、医療サービス、卓越技術、次世代産業基盤、DX・ITサービス、ビューティー・パーソナルケア、コンシューマーブランド、産業機械、電子部品ディストリビューション、エンターテインメント・コンテンツ等、今後飛躍的な市場成長が見込まれる領域において、当社が培ってきた成功事業の“勝ち筋”を次世代事業開発の要諦として定め、実践することによって、事業投資・事業開発を推進しております。子会社 オーエスエレクトロニクス、 丸紅エレネクスト、 丸紅グローバルファーマ(注)17、 丸紅コンシューマーブランズ(注)3、 丸紅テクノシステム、 丸紅ファーマシューティカルズ、 Marubeni Citizen-Cincom、 Megalopolis Manunggal Industrial Development関連会社等Karmarts Public Company オペレーティング・セグメント(注)23取扱商品・サービスの内容主要な関係会社名次世代コーポレートディベロップメント成長性の高い東南アジア・インド、新しいビジネストレンドの発信地である米国及び人口構成や社会通念の変化によって新たな消費者ニーズが生まれる日本を中心にコンシューマービジネスへの規模感のある投資を通じ、新たな戦略プラットフォーム型事業の創出を目的としたコーポレートディベロップメントの取組みを推進しております。また、革新的な技術やビジネスモデルを有する国内外のスタートアップ企業への投資を行うコーポレートベンチャーキャピタルを運営しており、これらの取組みを通じて、当社グループの中長期的な企業価値向上を目指しております。子会社丸紅コンシューマープラットフォーム、丸紅コンシューマープラットフォームインド、丸紅ベンチャーズ、Marubeni Consumer Platform Asia(注)18、Marubeni Consumer Platform U.S.(注)19、MCPU Management(注)20、MGCA Cafe(注)21、MRGB Hold(注)22関連会社等-その他(本部・管理等)グループファイナンス及びグループ会社向けの財務・金融業務等を行っております。子会社丸紅フィナンシャルサービス、Marubeni Finance America、Marubeni Finance Europe (注)1. 連結子会社及び関連会社の数には、当社が直接連結経理処理を実施している会社のみ含めており、連結子会社が連結経理処理している関係会社(371社)はその数から除外しております。なお、関連会社等にはジョイント・ベンチャー(共同支配企業)、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)を含めております。2. 丸紅インテックスと丸紅テクノラバーは、2026年4月、丸紅インテックスを存続会社とする合併を行っております。3. 丸紅ファッションリンクと丸紅コンシューマーブランズは、2026年4月、丸紅ファッションリンクを存続会社とする合併を行い、丸紅コンシューマーリンクに商号変更しております。4. SAIDE GROUP DIS TICARETは、当社グループが従来保有していたSaide Tekstil Sanayi ve Ticaretが、2025年5月に商号変更したものです。5. Olympus Holdingは、世界各国において飼料添加剤ディストリビューション事業を展開するOrffa International Holdingの持株会社であります。6. 丸紅テツゲンと丸紅メタルは、2026年4月、丸紅テツゲンを存続会社とする合併を行い、丸紅テツゲンメタルズに商号変更しております。7. Marubeni LP Holdingは、チリにおいて銅事業への投資を行う持株会社であります。8. 丸建リースは、当社グループが従来保有していた丸紅建材リースが、2025年10月に商号変更したものです。9. 丸紅ケミックスと丸紅プラックスは、2026年4月、丸紅ケミックスを存続会社とする合併を行い、丸紅イノベクシスに商号変更しております。10. Southern Cone Waterは、チリにおいて上下水道のフルサービスを提供するAguas Nuevasの持株会社であります。11. 丸紅アビエーションは、米国において航空機オペレーティングリース事業を展開するAircastleの持株会社であります。12. MAI Holdingは、米国において自動車販売金融事業を展開するWestlake Services及びNowcomへの投資を行うNowlake Technologyの持株会社であります。13. MAI Holding Ⅳは、米国においてフリートマネジメント事業を展開するWheels Topcoへの投資を行う持株会社であります。14. 第一ライフ丸紅リアルエステートは、2025年7月1日に、第一生命ホールディングス株式会社(現、株式会社第一ライフグループ)と当社の国内不動産事業を統合したことにより発足した持株会社であります。本事業統合に伴い、「金融・リース・不動産」の主要な関係会社であった丸紅都市開発、丸紅リアルエステートマネジメント、丸紅リートアドバイザーズについて、当連結会計年度より主要な関係会社から除いております。15. MARUBENI FUYO AUTO INVESTMENT (CANADA)は、北米において商用車レンタル・リース事業への投資を行うThe Driving Forceの持株会社であります。16. MAIHO Ⅲは、米国において自動車アフターマーケット関連事業を営むXL Parts、TPH Holdings及びAutomotive Parts and Services Holdingsの持株会社であります。17. 丸紅グローバルファーマは、それぞれアジア・中東・アフリカにおいて医薬品販売事業等を営む丸紅ファーマシューティカルズ、Lunatus Marketing & Consulting、Phillips Healthcare等の持株会社であります。18. Marubeni Consumer Platform Asiaは、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、Marubeni Growth Capital Asiaであります。19. Marubeni Consumer Platform U.S.は、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、MGCU Holdingsであります。20. MCPU Managementは、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、Marubeni Growth Capital U.S.であります。21. MGCA Cafeは、シンガポール・マレーシア・インドネシアにおいてコーヒーチェーン事業を展開するMGCA Cafe SG等の持株会社であります。 22. MRGB Holdは、米国においてライフスタイルブランド運営事業を展開するR.G.Barryの持株会社であります。23. 2026年度より、「電力・インフラサービス」の一部を「エネルギー・化学品」に、「次世代事業開発」の一部を「ライフスタイル」に、それぞれ編入しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
取り扱い商品(穀物、化学品、原油、ガス、非鉄金属、電力、パルプ等)の価格変動リスクにさらされているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
国内外の広範なネットワークと多角的な事業展開。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:世界経済及び産業構造の変化 / 投資等に係るリスク / 取引先の信用リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 15 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

丸紅は長年にわたり築き上げたグローバルなネットワークと、多様な事業ポートフォリオにおける長年の経験からくるノウハウが強み。特に、資源開発やインフラ事業におけるプロジェクト遂行能力や、食料・アグリビジネスにおけるサプライチェーン構築力は、模倣困難な無形資産と言える。ただし、特定のブランド力や特許による独占性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

丸紅の顧客は、特定のサプライヤーに依存する度合いは事業分野によって異なる。例えば、資源やインフラ分野では、長期契約やプロジェクト単位での取引が多く、スイッチング・コストは比較的高くなる傾向がある。しかし、一般的な商品取引においては、価格や供給安定性で競合他社に乗り換える余地も存在する。

ネットワーク効果★★★★☆
根拠:強い利用者増が価値を生む

丸紅の強みは、世界中に張り巡らされた情報網とビジネスパートナーとの強固なネットワーク。このネットワークを通じて、新たなビジネス機会の発見、リスク分散、そして効率的なサプライチェーンの構築が可能となる。特に、新興国市場における現地企業との関係性は、新規参入企業にとって大きな障壁となる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

総合商社として、多岐にわたる事業を展開しており、規模の経済によるコスト削減効果は一部事業で発揮されている。しかし、事業ポートフォリオが広範であるため、全ての事業において構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に、競争の激しいコモディティ取引においては、価格競争力が重要となる。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

丸紅は世界有数の総合商社であり、その事業規模は業界内でもトップクラス。多様な事業分野でグローバルに展開し、大規模なプロジェクトを遂行する能力を持つ。この規模により、資金調達力、情報収集力、そして交渉力において圧倒的な優位性を持ち、業界の寡占構造を維持している。

  • 広範なグローバルネットワーク
    丸紅は日本を含む60カ国以上に拠点を持ち、国内外の広範なネットワークを通じて事業を展開しています。この強固なネットワークは、多様な地域でのビジネス機会を創出し、安定的な収益基盤を支える重要な競争優位性となっています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    ライフスタイル、食料、エネルギー、金属、インフラなど、非常に多岐にわたる事業分野を手掛けています。これにより、特定の市場や商品に依存することなく、リスクを分散し、経済状況の変化にも強い事業構造を構築しています。
  • 事業投資と開発の専門性
    長年の経験と実績に基づき、国内外での事業投資や資源開発において高い専門性を有しています。これにより、有望な事業機会を早期に発見し、リスクを適切に管理しながら、新たな価値創造と収益拡大を実現できる強みを持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 企業価値向上と利益成長の加速
    中期経営戦略「GC2027」では、次の成長ステージに向けて経営のギアチェンジを図り、利益成長と企業価値の向上を加速させることを基本方針としています。2030年度までに時価総額10兆円超を目指し、連結純利益6,200億円以上(2027年度)を定量目標としています。
  • つの成長ドライバーの実践
    企業価値向上に向けた具体的な手段として、「既存事業の磨き込み・拡張」、「成長への資本配分・投資戦略」、「Global crossvalue platformの追求」の3つを掲げています。特に、成長なき事業からの回収と注力領域への重点投資を通じて、効率的な資本活用を目指しています。
  • 株主還元とグリーンへの取り組み
    総還元性向40%程度を目標とし、累進配当の継続と機動的な自己株式取得により、株主還元を強化する方針です。また、「グリーン」を事業価値の構成要素と捉え、気候変動長期ビジョンに基づき2050年までにGHG排出ネットゼロを達成するなど、サステナビリティを重視した経営を推進しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営環境当社グループを取り巻く経営環境を見ますと、既成概念のディスラプションにより、経営環境の急激な変化に直面しております。生成AI等の急速な発展による産業変革の加速・ビジネスモデルのライフサイクル短期化、景気後退懸念と金融政策転換の予測困難性の増大、地政学的リスクの続発、経済と安全保障の連環の高まり、環境課題・ガバナンス・人的資本等のサステナビリティ経営への要請等、当社グループにとって機会と脅威が同時に到来しております。変化は成長オポチュニティとなる一方で、既存ビジネスモデルは陳腐化リスクにさらされており、これまでのように商品軸をベースとするアプローチだけではもはやソリューションは作り出せなくなると考えております。 (2)中東情勢の影響について当社グループは、中東地域における軍事的緊張の高まり及びこれに伴う地政学リスクの拡大を踏まえ、人員の安全確保を最優先事項として対応しております。今後の情勢次第では事業環境の不確実性が一段と高まる可能性があり、現地関係先との連携を維持しつつ、状況の変化に応じた必要な対応を講じております。事業面においては、原油・ガス等の資源価格の変動、海上物流の混乱、輸送ルートの制約、運賃の上昇等により、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。また、治安悪化への懸念や人員移動の制約等により、建設・操業・保守の進捗に遅延が生じることが想定されます。加えて、こうした影響は周辺国・地域にも波及し、一部の国・地域において景気への下押し圧力となる可能性があります。一方で地域情勢の変化に伴い、代替輸送ルートや物流機能を有する国・地域の戦略的重要性が高まるほか、安定的なエネルギー供給の確保、電力・インフラの運営・保守、物流網の再構築等の分野において、新たな需要や事業機会が生じる可能性があります。当社グループは、既存事業の安定運営に努めるとともに、こうした環境変化を踏まえた中長期的な成長機会の取り込みにも取り組んでまいります。当社グループは、各国政府及び国際社会の対応、制裁措置の動向並びにエネルギー・物流市場の変化を注視し、個別案件への影響の有無及びその程度について、継続的に評価・分析を行っております。当社グループとしては、引き続き安全確保を前提として、既存事業の安定的な運営及び中長期的な成長機会の両面から適切に対応してまいります。 (3)会社の経営の基本方針当社グループは、中期経営戦略「GC2021」(2019年度-2021年度)、「GC2024」(2022年度-2024年度)期間を通じて、収益基盤を確立させてきました。2030年度へ向けた長期的な経営戦略の第3段階として、次なる高みへ向け成長を加速させるべく、中期経営戦略「GC2027」を策定し、2025年度よりスタートしております。<中期経営戦略「GC2027」>「基本方針」○次の成長ステージに向け経営のギアチェンジを図り、利益成長・企業価値向上を加速○企業価値向上に向けた3つの成長ドライバーとして以下を実践①既存事業の磨き込み・拡張②成長への資本配分・投資戦略─成長なき事業からの回収、注力領域への重点投資、長期目線の種まき─③Global crossvalue platformの追求 「長期目線の新たな目標とGC2027定量目標」○GC2027で掲げた時価総額目標10兆円は2026年2月に達成。当社グループの相対的な位置づけは年々向上してきている○丸紅グループの在り姿である Global crossvalue platform の追求とは、世界最善との掛け合わせ、自らを常に新しくしていくこと○世界最善を謙虚に学び、「規律ある資本配分」×「オペレーショナルエクセレンス・改善」×「次の世代への仕掛け=永続成長力向上」を継続していく 〇世界の高みに向けた着実な成長を続け、時価総額で世界100位圏内を長期的に目指す経営指標GC2027定量目標連結純利益(2027年度)6,200億円以上(CAGR*10%程度)基礎営業キャッシュ・フロー(3ヵ年累計)20,000億円総還元性向40%程度 累進配当の継続ROE15% *年平均成長率。CAGR10%程度は、2025年2月5日時点の2024年度見通し実態純利益(連結純利益から一過性要因を控除した概数)4,600億円を起点とした2027年度までの数値 「利益成長計画」(グラフは2025年2月5日時点の見通し)○既存事業の磨き込みを中心に利益成長を実現「地域別利益」○レジリエンスの高い地域ポートフォリオの強化 「資本配分方針」○既存事業からの基礎営業キャッシュ・フロー最大化と投資の回収促進により、キャッシュ創出力を強化○創出したキャッシュは、優良な成長投資に優先配分し、更なる企業価値の向上を実現○収益力の向上を踏まえ、株主還元を更に強化○3ヵ年累計で株主還元後フリーキャッシュ・フロー黒字*を維持(*営業資金の増減等を除く) 「投資戦略」(グラフは2025年2月5日時点の見通し)○「成長領域×高付加価値×拡張性」を有する戦略プラットフォーム型事業に注力○競争優位性のある既存事業領域へ優先的に配分 「株主還元方針」○長期にわたり安定した配当を行いつつ、中長期的な利益成長により増配する基本方針を継続○中期経営戦略「GC2024」における収益力の向上を踏まえ、総還元性向を40%程度に引き上げ○1株当たり年間配当金100円を基点とする累進配当を実施○機動的な自己株式取得を実施 2025年度2026年度見通し(2026年5月1日公表)1株当たり年間配当金107.5円115円(予想)自己株式取得*550億円450億円 *資本配分ベースのため、連結キャッシュ・フロー計算書の金額とは異なる 「Global crossvalue platformの追求」○持続的な企業価値向上の仕掛けを実践 「グリーンへの取組み」○グリーンを事業価値の構成要素の1つとして捉え、収益力を強化○気候変動長期ビジョン*に基づき、2050年までにGHG排出ネットゼロを達成○「自然と共生する社会」に向け、脱炭素社会・循環経済への移行に貢献し、ネイチャーポジティブを実現*『気候変動長期ビジョン』 ~温室効果ガス排出のネットゼロに向けて~(2021年3月公表) (将来に関する記述等についてのご注意)本報告書に記載されている将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営環境当社グループを取り巻く経営環境を見ますと、既成概念のディスラプションにより、経営環境の急激な変化に直面しております。生成AI等の急速な発展による産業変革の加速・ビジネスモデルのライフサイクル短期化、景気後退懸念と金融政策転換の予測困難性の増大、地政学的リスクの続発、経済と安全保障の連環の高まり、環境課題・ガバナンス・人的資本等のサステナビリティ経営への要請等、当社グループにとって機会と脅威が同時に到来しております。変化は成長オポチュニティとなる一方で、既存ビジネスモデルは陳腐化リスクにさらされており、これまでのように商品軸をベースとするアプローチだけではもはやソリューションは作り出せなくなると考えております。 (2)中東情勢の影響について当社グループは、中東地域における軍事的緊張の高まり及びこれに伴う地政学リスクの拡大を踏まえ、人員の安全確保を最優先事項として対応しております。今後の情勢次第では事業環境の不確実性が一段と高まる可能性があり、現地関係先との連携を維持しつつ、状況の変化に応じた必要な対応を講じております。事業面においては、原油・ガス等の資源価格の変動、海上物流の混乱、輸送ルートの制約、運賃の上昇等により、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。また、治安悪化への懸念や人員移動の制約等により、建設・操業・保守の進捗に遅延が生じることが想定されます。加えて、こうした影響は周辺国・地域にも波及し、一部の国・地域において景気への下押し圧力となる可能性があります。一方で地域情勢の変化に伴い、代替輸送ルートや物流機能を有する国・地域の戦略的重要性が高まるほか、安定的なエネルギー供給の確保、電力・インフラの運営・保守、物流網の再構築等の分野において、新たな需要や事業機会が生じる可能性があります。当社グループは、既存事業の安定運営に努めるとともに、こうした環境変化を踏まえた中長期的な成長機会の取り込みにも取り組んでまいります。当社グループは、各国政府及び国際社会の対応、制裁措置の動向並びにエネルギー・物流市場の変化を注視し、個別案件への影響の有無及びその程度について、継続的に評価・分析を行っております。当社グループとしては、引き続き安全確保を前提として、既存事業の安定的な運営及び中長期的な成長機会の両面から適切に対応してまいります。 (3)会社の経営の基本方針当社グループは、中期経営戦略「GC2021」(2019年度-2021年度)、「GC2024」(2022年度-2024年度)期間を通じて、収益基盤を確立させてきました。2030年度へ向けた長期的な経営戦略の第3段階として、次なる高みへ向け成長を加速させるべく、中期経営戦略「GC2027」を策定し、2025年度よりスタートしております。<中期経営戦略「GC2027」>「基本方針」○次の成長ステージに向け経営のギアチェンジを図り、利益成長・企業価値向上を加速○企業価値向上に向けた3つの成長ドライバーとして以下を実践①既存事業の磨き込み・拡張②成長への資本配分・投資戦略─成長なき事業からの回収、注力領域への重点投資、長期目線の種まき─③Global crossvalue platformの追求 「長期目線の新たな目標とGC2027定量目標」○GC2027で掲げた時価総額目標10兆円は2026年2月に達成。当社グループの相対的な位置づけは年々向上してきている○丸紅グループの在り姿である Global crossvalue platform の追求とは、世界最善との掛け合わせ、自らを常に新しくしていくこと○世界最善を謙虚に学び、「規律ある資本配分」×「オペレーショナルエクセレンス・改善」×「次の世代への仕掛け=永続成長力向上」を継続していく 〇世界の高みに向けた着実な成長を続け、時価総額で世界100位圏内を長期的に目指す経営指標GC2027定量目標連結純利益(2027年度)6,200億円以上(CAGR*10%程度)基礎営業キャッシュ・フロー(3ヵ年累計)20,000億円総還元性向40%程度 累進配当の継続ROE15% *年平均成長率。CAGR10%程度は、2025年2月5日時点の2024年度見通し実態純利益(連結純利益から一過性要因を控除した概数)4,600億円を起点とした2027年度までの数値 「利益成長計画」(グラフは2025年2月5日時点の見通し)○既存事業の磨き込みを中心に利益成長を実現「地域別利益」○レジリエンスの高い地域ポートフォリオの強化 「資本配分方針」○既存事業からの基礎営業キャッシュ・フロー最大化と投資の回収促進により、キャッシュ創出力を強化○創出したキャッシュは、優良な成長投資に優先配分し、更なる企業価値の向上を実現○収益力の向上を踏まえ、株主還元を更に強化○3ヵ年累計で株主還元後フリーキャッシュ・フロー黒字*を維持(*営業資金の増減等を除く) 「投資戦略」(グラフは2025年2月5日時点の見通し)○「成長領域×高付加価値×拡張性」を有する戦略プラットフォーム型事業に注力○競争優位性のある既存事業領域へ優先的に配分 「株主還元方針」○長期にわたり安定した配当を行いつつ、中長期的な利益成長により増配する基本方針を継続○中期経営戦略「GC2024」における収益力の向上を踏まえ、総還元性向を40%程度に引き上げ○1株当たり年間配当金100円を基点とする累進配当を実施○機動的な自己株式取得を実施 2025年度2026年度見通し(2026年5月1日公表)1株当たり年間配当金107.5円115円(予想)自己株式取得*550億円450億円 *資本配分ベースのため、連結キャッシュ・フロー計算書の金額とは異なる 「Global crossvalue platformの追求」○持続的な企業価値向上の仕掛けを実践 「グリーンへの取組み」○グリーンを事業価値の構成要素の1つとして捉え、収益力を強化○気候変動長期ビジョン*に基づき、2050年までにGHG排出ネットゼロを達成○「自然と共生する社会」に向け、脱炭素社会・循環経済への移行に貢献し、ネイチャーポジティブを実現*『気候変動長期ビジョン』 ~温室効果ガス排出のネットゼロに向けて~(2021年3月公表) (将来に関する記述等についてのご注意)本報告書に記載されている将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 当連結会計年度における経済環境及びオペレーティング・セグメント別の事業の状況経済環境世界経済は、米国の関税措置導入による下押し圧力は生じたものの企業部門が一定の対応力を発揮し、主要国・地域における物価安定とそれに伴う金融緩和に加えて、情報産業分野での投資増等により、景気は底堅く推移しました。しかし年度末の中東情勢緊迫化を受けて、世界的にインフレ・景気悪化のリスクが高まりました。先進国では、米国で労働市場の減速感が出た一方で、情報産業の設備投資が経済成長を下支えし、欧州では外需が停滞したなかでも、インフレ率の低下で内需が盛り返したため、景気は緩やかに拡大しました。日本は個人消費、設備投資が増加した一方で、外需が停滞しました。新興国では、中国で住宅市場や設備投資の低迷が重しとなる一方、米国以外への輸出が拡大し、経済成長率は前年並みでした。アセアン諸国では、インフレ率低下とそれを背景とする利下げ、情報産業関連財を含む米国向け輸出の増加が景気を下支えしました。一次産品価格は、原油、石炭等幅広い品目が前年度よりも安値圏で推移しましたが、年度末には中東情勢緊迫化により特に化石燃料が上昇しました。銅は脱炭素や情報産業等での構造的な需要増加に加えて、銅鉱石の供給制約もあり上昇しました。債券市場では、日米欧で財政への懸念がくすぶるなかで長期金利が上昇しました。円相場は、財政規律に対する不安や燃料供給不安により、年度末にかけて円安・ドル高圧力が強まりました。主要国・地域の株式市場は、昨年4月の米国の関税措置導入による急落後は総じて上昇基調が続きましたが、年度末の中東情勢緊迫後は下落に転じました。 オペレーティング・セグメント別の事業の状況当連結会計年度におけるオペレーティング・セグメント別の事業の状況は、以下のとおりであります。 ・ライフスタイルカーメンテナンス事業では、タイ・インドネシア・メキシコで小売店舗網を拡大し、全世界で約380店舗を展開しています。コンベヤソリューション事業では、北米地域において同業他社を買収する等、拠点を拡充しています。森林事業では、インドネシアと豪州で約12万haの森林を有する植林事業を展開し、パルプやチップの製造・販売に注力するとともに環境植林事業にも着手しています。衛生用品事業では、ブラジルのSanther - Fabrica de Papel Santa Therezinhaにて、ブランド力向上により高品質な衛生用品の拡販を図っています。モバイルソリューション事業では携帯電話販売代理店の拠点拡大に加え、循環型経済の進展に向けたスマートデバイスのリユース事業を推進しています。 ・食料・アグリ農業、肥料、基礎食品、飲料、畜水産、穀物等、農業と食に関する多様な商品・サービスを展開しています。強みを活かした製造とトレードの拡充に加え、農業資材販売及び食品製造・マーケティングを戦略プラットフォーム型事業と位置づけて推進し、資産入替えを通じた事業ポートフォリオの再構築を進めています。農業資材販売事業では、米国のHelena Agri-Enterprises、ブラジルのADUBOS REAL、米国のMacroSourceを中心に事業を拡大し、グローバルな供給体制を強化しています。食品製造・マーケティング事業では、菓子・油脂・インスタントコーヒー等既存事業の磨き込みを進める一方、米国のBubbiesを子会社化し新たに冷菓製造事業に参入しました。 ・金属AI・データセンターやEVの普及に牽引され需要が飛躍的に拡大する銅をはじめ、経済成長に不可欠な金属資源について、鉱山事業の価値最大化を図るとともに鉱山事業を起点とした金属バリューチェーンの強化、成長領域・地域へのビジネス拡大に取り組んでいます。チリ・センチネラ銅鉱山拡張プロジェクトは2027年の増産開始に向け順調に進捗し、2025年6月にはコスト競争力が高い豪州原料炭権益を追加取得しました。鉱山事業の拡充により事業基盤を一層強化する一方で、小規模操業を開始したカナダCCS(*)事業やリサイクル・脱炭素素材含む川中・川下の成長領域・地域での新規事業開拓を推進し、重層的な価値の創出・事業拡張を目指しています。(*)CCS:Carbon dioxide Capture and Storage(CO2回収・貯留) ・エネルギー・化学品エネルギー・化学品部門では、強みであるトレード・マーケティングと競争力の高い事業投資の磨き込みにより、事業ポートフォリオの最適化を進めています。事業投資ではエネルギー転換期に重要性が高まる天然ガス・LNG事業や、当社に強みのある機能材料分野への取組みを通じて、成長領域での事業拡大を推進しています。また、トレード・マーケティングでは、天然ガス・LNG、石油、ウラン、石油化学品をはじめとする既存トレード事業の収益拡大を図りつつ、アンモニアやバイオ燃料等のサステナブルエネルギーのサプライチェーン構築や環境価値取引の拡大を通じて、安定供給と低炭素・持続可能な社会の実現に取り組んでいます。 ・電力・インフラサービス電力サービス事業分野では、丸紅新電力及び英国のSmartestEnergyが出資する丸紅パワートレーディングにて国内で電力トレーディング事業を開始し、米国テキサス州において電力小売事業を新たに展開する等、戦略プラットフォーム型事業を強化しました。また、シンガポールで発電事業を行うSenoko Energyへの追加出資や、昨年上場を果たしたフィリピンの上下水道会社Maynilad Water Servicesを通じて、電力や水インフラのサービス向上と安定化に貢献しています。新エネルギー分野では、脱炭素社会に向けた取組みとして米国における低炭素水素・アンモニア製造プロジェクトの開発を進めています。 ・金融・リース・不動産資産入替えによる事業ポートフォリオの強化を図るため、北米で貨車リース事業を行う持分法適用会社の全株式を譲渡しました。不動産事業では、当社と第一生命ホールディングス株式会社(*)がそれぞれの機能、実績やノウハウを融合させ、国内トップ水準の不動産運用資産規模を目指して、国内不動産事業を統合しました。また、当社としてインドで5件目の住宅開発・分譲事業に参画したほか、豪州では賃貸集合住宅開発事業に参画しました。海外不動産事業の柱の一つであるインド市場において良質な住宅供給に引き続き貢献するとともに、米国に続いて豪州においてもアセットマネジメント事業を確立し、運用資産残高の規模拡大を追求しています。(*)2026年4月1日に「株式会社第一ライフグループ」に商号変更 ・エアロスペース・モビリティ航空分野では、航空アフターマーケット・アセットトレード事業の強化や空港グランドハンドリング事業の機能拡充に注力したほか、大阪・関西万博では空飛ぶクルマのデモ飛行を実施しました。船舶分野では、新たな収益基盤確立に向け、世界最大手のオープンハッチ船運航会社であるスイスのGearbulkに出資参画しました。建機分野では既存代理店事業の機能拡充による収益力強化、モビリティ分野では北米における事業拡大を企図し、カナダの大手自動車延長保証会社であるLGMに出資参画したほか、国内外で商用EV向けフリートマネジメント事業を推進中です。今後も陸・海・空のモビリティバリューチェーンにおける価値創造を追求していきます。 ・情報ソリューション生成AIやクラウド需要の拡大等に伴うDX需要を受け、戦略立案からシステム開発・運用までDXを一気通貫で支援する戦略プラットフォームを拡張しています。丸紅I-DIGIOホールディングスは、IT子会社5社を統合し、セグメントごとに事業を推進する体制へ移行するとともに、M&Aやアライアンスを通じて製品ラインアップを拡充しています。DXコンサルティングサービスを展開するドルビックスコンサルティングは、採用・人材育成・M&Aを通じて組織力強化を図ります。両社の連携により、経営・DX戦略の立案からIT基盤の構築、運用・保守までを一気通貫で提供できる体制を整え、顧客企業のDX推進を支援していきます。 ・次世代事業開発次世代が評価する事業創出をミッションに、医薬品、医療サービス、卓越技術、次世代産業基盤、産業機械、電子部品、ウェルネス等の成長領域で、事業開発・投資を推進しています。医薬品領域では、健康志向の高まりや生活習慣の変化をとらえたグローバルでの事業展開、ウェルネス領域では、タイ・日本でビューティー・パーソナルケア事業に取り組んでいます。卓越技術領域では、エストニア・ドイツの次世代蓄電池事業に参画しており、電子部品領域では、半導体等の需要拡大を受け、取扱商材と提供機能の拡充により製造業の多様なニーズに応えています。また、IPコンテンツ領域や、今後大きな社会変革をもたらす先端技術等、新たな高成長領域の事業創出機会も探索しています。 ・次世代コーポレートディベロップメントコーポレートディベロップメント事業では、高成長が見込まれる消費者向け領域において投資による新たな戦略プラットフォーム型事業の創出を目指しています。2025年度は米国R.G.Barryが、英国フットウェアブランドのJacobson Groupへの出資等2件のロールアップ投資を行い、ライフスタイルブランドのプラットフォーム構築を進めています。日本ではスキンケア・コスメブランドのエトヴォスに出資し、ビューティー・ヘルス事業の中核となるプラットフォームを獲得しました。スタートアップ事業では、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて、世界の革新的なビジネスモデルの取り込みを推進しています。 ② 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」に記載のとおりであります。 ③ 仕入、成約及び販売の実績(a)仕入の実績仕入と販売との差異は僅少であるため、仕入高の記載は省略しております。 (b)成約の実績成約と販売との差異は僅少であるため、成約高の記載は省略しております。 (c)販売の実績「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記4 セグメント情報」に記載のとおりであります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 当連結会計年度の経営成績の分析 (単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度 増減収益77,90282,658 4,757売上総利益11,46611,827 361営業利益2,7232,567 △156持分法による投資損益2,9293,383 454親会社の所有者に帰属する当期利益5,0305,439 409 (注)「営業利益」は、投資家の便宜を考慮し、日本の会計慣行に従った自主的な表示であり、IFRS会計基準で求められている表示ではありません。「営業利益」は、連結包括利益計算書における「売上総利益」、「販売費及び一般管理費」及び「貸倒引当金繰入額」の合計額として表示しております。 収益は前連結会計年度比(以下「前年度比」という。)4,757億円(6.1%)増収の8兆2,658億円となりました。オペレーティング・セグメント別には、主に金属、食料・アグリ、次世代事業開発で増収となりました。 売上総利益は前年度比361億円(3.1%)増益の1兆1,827億円となりました。オペレーティング・セグメント別の主な増減は以下のとおりであります。 次世代事業開発272億円増益医薬品販売事業及び電子部品関連事業取得に伴う増益食料・アグリ232億円増益国内鶏肉事業及び米国肥料卸売事業の増益電力・インフラサービス198億円減益電力卸売・小売事業の減益 営業利益は、売上総利益の増益があったものの、販売費及び一般管理費の増加により、前年度比156億円(5.7%)減益の2,567億円となりました。 持分法による投資損益は前年度比454億円(15.5%)増益の3,383億円となりました。オペレーティング・セグメント別の主な増減は以下のとおりであります。 金属243億円増益商品価格の上昇に伴うチリ銅事業の増益電力・インフラサービス231億円増益前年度に計上した米国石油・ガス開発関連事業投資の減損損失の反動 上記のほか、前年度に認識したカタールLNG事業終了に伴う為替換算調整勘定の実現益457億円(税後)の反動があった一方、当年度において第一生命ホールディングス株式会社(現、株式会社第一ライフグループ)との国内不動産事業の統合に伴う評価益765億円(税後)を認識した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度比409億円(8.1%)増益の5,439億円となりました。 当連結会計年度のオペレーティング・セグメント別の業績(親会社の所有者に帰属する当期利益)は以下のとおりであります。 (単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度 増 減主な増減内容ライフスタイル295259 △36・豪州チップ製造販売・植林事業の減益・パルプ市況悪化及び販売数量減少等に伴うムシパルプ事業の減益食料・アグリ689815 125・国内鶏肉事業の増益・海外インスタントコーヒー製造・販売事業の増益・米国肥料卸売事業の増益金属1,2351,343 108・商品価格の上昇に伴うチリ銅事業の増益・商品価格の下落に伴う豪州原料炭事業及び豪州鉄鉱石事業の減益・鉄鋼製品事業の減益エネルギー・化学品862232 △630・前年度に計上したカタールLNG事業終了に伴う為替換算調整勘定の実現益の反動・石油・ガス開発事業における有形固定資産の評価損・石油化学品取引の減益電力・インフラサービス611536 △75・電力卸売・小売事業の減益・インドネシア地熱発電事業投資の減損損失・前年度に計上した米国石油・ガス開発関連事業投資の減損損失の反動等金融・リース・不動産5911,620 1,029・第一生命ホールディングス株式会社(現、株式会社第一ライフグループ)との国内不動産事業の統合に伴う評価益・北米貨車リース事業の売却益・北米モビリティ事業及び航空機リース事業の増益・前年度に計上したみずほリース株式追加取得に伴う負ののれん発生益の反動エアロスペース・モビリティ514478 △35・船舶保有運航事業の減益情報ソリューション3554 18・IT・デジタルソリューション事業の増益次世代事業開発47196 149・電子部品関連事業取得に伴う負ののれん発生益・医薬品販売事業の増益次世代コーポレートディベロップメント△22△17 5 その他173△77 △250・税金費用の悪化全社合計5,0305,439 409 (注)1.当連結会計年度より、「ライフスタイル」、「フォレストプロダクツ」、「情報ソリューション」、「食料第一」、「食料第二」、「アグリ事業」、「化学品」、「金属」、「エネルギー」、「電力」、「インフラプロジェクト」、「航空・船舶」、「金融・リース・不動産」、「建機・産機・モビリティ」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」としていたオペレーティング・セグメントを、「ライフスタイル」、「食料・アグリ」、「金属」、「エネルギー・化学品」、「電力・インフラサービス」、「金融・リース・不動産」、「エアロスペース・モビリティ」、「情報ソリューション」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」に再編しております。この変更に伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。2.セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。3.「その他」には、特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない本部経費等の損益、セグメント間の内部取引消去等が含まれております。 ② 当連結会計年度のキャッシュ・フロー及び財政状態の状況の分析、並びに資本の財源及び資金の流動性 (a)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末比(以下「前年度末比」という。)181億円減少の5,511億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業資金負担等の増加があった一方で、営業収入及び配当収入により、5,354億円の収入となりました。前年度比では625億円の収入の減少であります。 基礎営業キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローから、営業資金の増減等を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」は、5,751億円となりました。その内訳は以下のとおりであります。 (収入:+、支出:△)調整後営業利益(売上総利益+販売費及び一般管理費)+2,691億円減価償却費等+2,091億円利息の受取額及び支払額△556億円配当金の受取額+2,209億円法人所得税の支払額△684億円基礎営業キャッシュ・フロー+5,751億円 (投資活動によるキャッシュ・フロー)持分法適用会社の株式売却収入等があった一方で、海外事業における資本的支出や子会社及び持分法適用会社の株式取得等を行った結果、1,180億円の支出となりました。前年度比では2,773億円の支出の減少であります。 回収当連結会計年度における投資の回収等(*1)による収入は、2,912億円となりました。(*1)投資活動によるキャッシュ・フローのうち、「有形固定資産の売却による収入」、「貸付金の回収による収入」、「子会社の売却による収入(処分した現金及び現金同等物控除後)」及び「持分法で会計処理される投資及びその他の投資等の売却による収入」の合計額 新規投資・CAPEX(資本的支出)当連結会計年度における新規投資・CAPEX(資本的支出)等(*2)による支出は、4,092億円となりました。(*2)投資活動によるキャッシュ・フローのうち、「有形固定資産の取得による支出」、「貸付による支出」、「子会社の取得による支出(取得した現金及び現金同等物控除後)」、「持分法で会計処理される投資及びその他の投資等の取得による支出」及び「定期預金の純増減額」の合計額 ビジネスモデル別の主な新規投資は以下のとおりであります。 戦略プラットフォーム型事業(成長領域×高付加価値×拡張性)・医薬品販売事業(住友ファーマアジア事業承継、アフリカ Phillips Healthcare)・フットウェアブランド事業(英国 Jacobson Group)・アイスクリーム製造事業(米国 Bubbies)・ビューティー&ヘルス事業(日本 エトヴォス)・自動車延長保証事業(カナダ LGM)・化粧品製造販売事業(タイ Karmarts Public Company)・農業資材販売事業(米国 Helena Agri-Enterprises)・電子部品関連事業(日本 オーエスエレクトロニクス) 資源投資・原料炭事業(豪州 Jellinbah Group)・チリ・センチネラ銅鉱山の拡張プロジェクト インフラ事業・ファイナンス事業・オープンハッチ船運航事業(スイス Gearbulk)・電力IPP事業(シンガポール Senoko Energy) 以上により、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは、4,174億円の収入となりました。前年度比では2,148億円の収入の増加であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)社債及び借入金等の返済、配当金の支払及び自己株式の取得を行った結果、4,662億円の支出となりました。前年度比では3,442億円の支出の増加であります。 (b)財政状態の状況 (単位:億円) 前連結会計年度末当連結会計年度末 増減総資産92,020105,318 13,298ネット有利子負債19,65518,587 △1,068親会社の所有者に帰属する持分合計36,29243,637 7,345ネットDEレシオ0.54倍0.43倍 △0.11ポイント (注)ネット有利子負債は、社債及び借入金(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物、定期預金を差し引いて算出しております。 当連結会計年度末における総資産は、円安の影響及び持分法で会計処理される投資等の増加により、前年度末比1兆3,298億円増加の10兆5,318億円となりました。ネット有利子負債は、支払配当や自己株式の取得等があった一方で、フリーキャッシュ・フローでの収入により、前年度末比1,068億円減少の1兆8,587億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分合計は、純利益の積上げによる利益剰余金の増加及び円安による在外営業活動体の換算差額の増加により、前年度末比7,345億円増加の4兆3,637億円となりました。この結果、ネットDEレシオは0.43倍となりました。 (c)資本政策及び資本コストに関する考え方当社は、中長期的な企業価値の向上を追求するため、稼ぐ力の継続強化、ROEの維持・向上、株主資本コストの低減を目指しております。現中期経営戦略「GC2027」では、既存事業からの基礎営業キャッシュ・フローの最大化と投資の回収促進によりキャッシュ創出力を強化します。創出したキャッシュは優良な成長投資へ優先配分し、更なる企業価値向上を実現する方針を掲げています。また、収益力の向上を踏まえ株主還元を更に強化するとともに、GC2027期間の3ヵ年累計で株主還元後フリーキャッシュ・フロー(営業資金の増減等を除く)の黒字を維持します。そして、株主資本コストを十分に意識した経営を実施すべく、財務レバレッジの適正化のみならず、投資規律の徹底や投資の精度向上、資産の優良化といった業績ボラティリティの低減に向けた取組みを行っています。配当の安定は株主資本コストの低減にも資すると考えており、株主還元方針として累進配当を導入しています。加えて、コーポレート・ガバナンスや気候変動対策を含むサステナビリティへの取組み、人財戦略等、非財務面での施策も推進することで、中長期的な企業価値向上に向けた株主資本コストの低減に取り組んでいます。 当社は、財務基盤の強化に資する具体策として、ハイブリッド社債やハイブリッドローンを活用しております。これらの資金調達は、負債であるため株式の希薄化が生じない一方、利息の任意繰延、超長期の期限、清算手続及び倒産手続における劣後性等、資本に類似した性質及び特徴を有していることから、資本と負債の中間的な性質を有しております。格付会社からは、資金調達額の50%について資本性の認定を受けております。なお、ハイブリッド社債やハイブリッドローンの内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記21 金融商品及び関連する開示」に記載のとおりです。 当連結会計年度における資本配分の状況は以下のとおりであります。当連結会計年度における基礎営業キャッシュ・フローは5,751億円の収入となり、子会社や持分法で会計処理される投資の売却等の投資活動による収入と合わせた収入合計額は8,662億円となりました。一方で、新規投資・CAPEX等の投資活動による支出は4,092億円となり、更に親会社の株主に対する配当金及び自己株式の取得資金2,353億円を控除した株主還元後フリーキャッシュ・フロー(営業資金増減等を除く)(※)は、2,218億円の収入となっております。また、当社の資本配分方針、株主還元方針は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第4 提出会社の状況」における「3 配当政策」に記載のとおりであります。(※)基礎営業キャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額から、親会社の株主に対する配当金及び自己株式の取得資金を控除したもの。 (d)資金調達の方針及び手段当社及び連結子会社の資金調達に関しては、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針としております。銀行、生保等の国内金融機関を中心とした間接調達、及び社債(国内社債発行登録枠2,500億円を設定)、コマーシャル・ペーパーの発行を通じた直接調達をバランスよく組み合わせることにより、必要資金を確保するとともに、長年にわたり金融機関・市場関係者と培った関係性を活かしながら、安定的な資金調達と金融費用の削減を目指しております。また、財務基盤の強化に資する調達として、2021年3月4日にハイブリッド社債(劣後特約付)750億円を発行し、2021年8月16日にハイブリッドローン(コミット型劣後特約付)250億円を実行しましたが、ハイブリッド社債(劣後特約付)については2026年3月4日に期限前償還しております。その充当資金として、2026年1月19日に1,000億円のハイブリッドローン(劣後特約付)契約を締結し、リファイナンスを実施しております。連結子会社を含む当社グループの資金管理については、原則として、当社及び国内外の金融子会社、海外現地法人等の調達拠点を通じて、資金余剰のあるグループ会社の余資を、他のグループ会社の資金需要に機動的に活用することで、グループ全体における効率的な調達体制を維持しております。 格付について、当社はムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)、株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の4社から格付を取得しております。当連結会計年度末現在の長期格付は、Moody'sがBaa1(見通し「安定的」)、S&PがA-(見通し「安定的」)、R&IがAA-(見通し「安定的」)、JCRがAA(見通し「安定的」)となっております。なお、S&Pは2025年11月18日に長期格付をA-(見通し「安定的」)に引き上げました。 (e)流動性の状況当社及び連結子会社では、基礎営業キャッシュ・フロー等の収入や手元流動性(現金及び現金同等物並びに定期預金の保有)の確保に加え、コミットメントラインの設定により、営業資金や新規投資・CAPEX(資本的支出)といった資金需要、並びに1年以内に返済予定の長期債務を含む短期債務に対する流動性を準備しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物並びに定期預金の残高は5,513億円となっております。設定しているコミットメントラインは以下のとおりであります。 ・大手邦銀を主としたシンジケート団による3,000億円(長期)・欧米主要銀行を主としたシンジケート団及び大手邦銀による1,350百万米ドル(長期) ③ 重要性がある会計方針及び見積り当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しており、連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に特に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下のとおりであります。 有形固定資産及び無形資産の減損当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。資産が減損している可能性を示す兆候の内容は、主に、事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容の見直し等によるものです。有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産については、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。公正価値は独立の第三者による評価結果を使用する等市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の算定にあたって使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された事業計画や、それが入手できない場合は、直近の資産状況を反映した事業計画によって見積っております。石油・原油等の資源事業に係る開発設備及び鉱業権においては、将来油価・ガス価、鉱区ごとの開発コスト及び埋蔵量等を主要な仮定としております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。これらの主要な仮定について、事業戦略の変更や市場環境の変化等により見直しが必要となった場合並びに割引率の見直しが必要となった場合に減損損失が発生する可能性があります。減損損失認識後は、各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損損失の戻入額は純損益として認識しております。なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。 関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損当社及び連結子会社が保有している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、各報告期間の期末日に総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。減損の客観的証拠の内容は、主に、市場性のある投資の市場価格の下落、事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容の見直し等によるものです。また、回収可能価額は売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としております。公正価値は主に、売却予定価格等に基づき算定しており、使用価値は主に、経営者により承認された事業計画等に基づき算定しております。これらの主要な仮定について、事業戦略の変更や市場環境の変化等により見直しが必要となった場合並びに割引率の見直しが必要となった場合に減損損失が発生する可能性があります。減損損失認識後は、認識した減損損失がもはや存在しない、又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。 偶発負債及び引当金引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。訴訟案件に関する重要な引当金や偶発負債の見積りにあたっては、見積時点における訴訟プロセスの状況、訴訟戦略上の様々な選択肢や想定される将来の訴訟の趨勢も考慮のうえ、関連する事実関係や法律関係について、社外専門家を起用のうえ、当社の主張する法的立場の客観的な分析及び評価を実施しております。訴訟において当社が最終的に損失を被る可能性が高い状況であると考えられる場合に、信頼性をもって見積ることができる金額の引当金を計上しております。 当社の経営陣は、これらの見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。その他、重要性がある会計方針についての詳細は、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。 ④ 経営戦略の現状と今後の見通し当社グループは、中期経営戦略「GC2021」(2019年度-2021年度)、「GC2024」(2022年度-2024年度)期間を通じて、収益基盤を確立させてきました。2030年度へ向けた長期的な経営戦略の第3段階として、次なる高みへ向け成長を加速させるべく、中期経営戦略「GC2027」を策定し、2025年度よりスタートしております。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)会社の経営の基本方針」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 世界経済と産業構造の変化
    世界経済の悪化や主要国の政策変更、地政学的リスク(ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢など)は、丸紅のグローバルな事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また、生成AIなどの技術革新や脱炭素化といった価値観の変化による産業構造の変化への対応が不十分な場合、業績に影響が出る可能性があります。
  • 投資活動に伴うリスク
    新規事業の設立や既存会社の買収といった事業投資は多額の資金を必要とし、投資価値の低下や追加資金拠出が必要となる可能性があります。徹底したリスク分析を行っていますが、想定外の事態が発生した場合、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 市場価格の変動リスク
    穀物、化学品、原油、ガス、非鉄金属、電力などの商品価格は市場の需給によって変動し、これらの価格変動は丸紅の業績に直接的な影響を与える可能性があります。また、商品の輸送に利用する船舶の市況変動も、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|15,500 文字
3【事業等のリスク】当社及び連結子会社の営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しておりますが、当社及び連結子会社は広範にわたる事業活動を行っているため、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。なお、本項における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき合理的であると当社が判断したものです。 (1)リスク管理方針について当社及び連結子会社は事業活動を営むなかで、多面的な視点でリスク管理を行っており、昨今のグローバルビジネス環境の変化に伴い、複雑化・多様化するリスクに対してそれぞれリスク管理の基本方針・社内規則を定め、それを遂行するための組織、管理体制、管理手法を整備しております。事業投資に代表される個別案件については、意思決定に先立ち、稟議制度に基づく審議において徹底的なリスク分析を実施しており、中でも案件の成否に及ぼし得る影響が大きいと判断されるリスク要因に対しては、当該リスクを排除又は軽減する措置等を講じたうえで最終的な意思決定を行っております。また、実行済の案件に対しても進捗状況のモニタリングによる問題の早期発見と対策立案を徹底し、重要案件については経営会議体への定期的な進捗報告を実施しております。こうしたプロセスを通じて事業の戦略性、成長性、収益性、リスクの顕在化状況に関する検証を行い、進捗状況が当初想定から著しく乖離する案件については、必要に応じてその方向性について再検討を行う等、リスクの最小化を図っております。また、多岐にわたる業種及び地域における事業のリスクを俯瞰的に把握し、規律をもって管理するため、統合リスク管理を実施しております。具体的には、連結ベースのエクスポージャーについて、国別、事業領域別など様々な切り口で集計し、懸念すべき変化や集中が無いことをモニターする他、ストレスシナリオ下での最大下落リスク額(リスクアセット)を計量し、これを資本や収益性等と対比することで、ポートフォリオの健全性を定期的に確認しております。一方で、コンプライアンスリスク等の定量化が困難なリスクについては、コーポレート・ガバナンスの強化、内部統制システムの整備、及びコンプライアンス体制の強化を通じて、リスクの顕在化を未然に防止する体制を整えております。しかしながら、当社及び連結子会社の幅広い事業活動から生じる、又は将来新たに発生する可能性のある多種多様なリスクに対して、当社及び連結子会社のリスク管理の枠組みでは十分に対応しきれない可能性があり、その場合には当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2)個別のリスクについて① 世界経済及び産業構造の変化等が当社及び連結子会社に与える影響について当社は、日本を含む60ヵ国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開している総合商社です。当社及び連結子会社は、日本及び海外の様々な国・地域における、幅広い産業分野において、一次産業の生産・調達や、製品の製造・販売、役務提供等、様々な商業活動及び投資活動を展開しております。このため、当社では、世界経済に影響を与える事象、例えば、米国や中国をはじめとする主要国の政治・経済情勢や通商政策の動向、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢、気候変動・自然災害が事業活動に及ぼす影響を検討し、必要な対応を行っております。なお、中東情勢が当社及び連結子会社の事業活動に及ぼす影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)中東情勢の影響について」に記載のとおりであります。また、生成AI等に代表される技術革新や、サステナビリティ、脱炭素化等、価値観の変化・多様化による産業構造の変化に対し、既存ビジネスモデルの見直しや新たなビジネスモデルの構築を図っております。世界経済の悪化や低迷、あるいは、産業構造の変化等への不十分な対応は、当社及び連結子会社の営業活動、業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 投資等に係るリスクについて当社及び連結子会社は、単独又は他社と共同で新会社の設立や既存会社の買収等の事業活動を行っております。これら事業投資の多くは多額の資本を必要とし、撤退の時期や方法に制約が生じる可能性や、追加資金拠出を余儀なくされる可能性があります。投資等に係るリスクの未然防止のため、当社及び連結子会社は、新規投資等の実施に際して、定性面でのリスク分析に加え、ROIC等の社内で定められた投資基準に基づき、リスクに見合うリターンが得られているかの定量的検証を実施し、リスク管理を徹底しておりますが、これら投資等の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要になる場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 取引先の信用リスクについて当社及び連結子会社は、営業活動の一環として取引先との間で商品売買契約、請負契約、業務委託契約等の契約を締結しており、取引先の債務不履行や契約不履行等に伴う損失負担(信用リスク)が生じた場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。上記の信用リスクの未然防止のため、取引先の信用状態、取引の期待リターン(利益率)や戦略的な適合性等を見極めつつ、一取引先に対する信用供与の上限である「信用限度」を設定し、その範囲内にて運用することを当社の与信管理の基本としております。なお、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、当社及び連結子会社では取引先の信用状態に応じて判定した社内格付、担保価値等に基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。 ④ 資金調達力及び調達コストについて当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達と安定的な流動性の確保を重視した資金調達を行っております。しかしながら、国内及び海外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合、あるいは営業活動によるキャッシュ・フローの不足、収益性の低下又は資産及び負債管理の失敗、更には格付会社による当社及び連結子会社の信用格付の大幅な格下げが行われた場合には、資金調達が制約されるか、又は調達コストが増加する可能性があり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 市場リスクについて当項目内において、親会社の所有者に帰属する当期利益(以下「当期利益」という。)への影響額は、ほかに記載のない限り、当社の当連結会計年度の業績を踏まえて試算した翌連結会計年度に対する影響額を記載しております。(a)商品売買取引における各種商品価格の変動について当社及び連結子会社は、様々な商品を扱っており、一部の商品、契約、予定取引については、それらに係る市況変動リスクを軽減するため、商品先物・先渡等の契約を締結しておりますが、食料・アグリ部門が取り扱うトウモロコシ・小麦等の穀物や尿素やリン酸質肥料等の肥料、エネルギー・化学品部門が取り扱う原油・ガス等のエネルギー商品やエチレン・プロピレン等の化学品、金属部門が取り扱う非鉄金属、電力・インフラサービス部門が取り扱う電力、ライフスタイル部門が取り扱うパルプといった商品は、その価格変動によって当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これら商品を輸送するためにドライバルク船やタンカー等の船舶を利用しておりますが、これら船舶市況も当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、商品売買取引における価格変動リスクに関し、組織や商品ごとに設定したポジション限度枠の範囲内での取引実施、及び商品ごとのポジションの適時モニタリングを柱とする商品ポジション管理を通じて、各商品市場に対して過大なリスクを負うことや不測の損失が発生することのないように管理しております。これらの商品売買取引における各種商品価格の変動の影響に加え、当社及び連結子会社は、資源・エネルギー開発事業やその他製造事業に参画しており、それらの事業を通じて販売する生産物や製品に関連する商品市況の変動が当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの詳細については、「⑥長期性資産に係るリスクについて」をご参照下さい。 (b)為替変動について当社及び連結子会社は、様々な通貨・条件での取引を行っており、主に外貨建取引及び外貨建債権・債務残高等に係る為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ契約を締結しておりますが、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当期利益に占める海外連結子会社、持分法適用会社の持分損益や海外事業からの受取配当金の割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に影響を与えます。当期利益への影響額は、日本円が米ドルに対して1円変動した場合には年間約19億円、豪ドルに対して1円変動した場合には年間約6億円と試算されます。 (c)金利変動について当社及び連結子会社は、金融機関からの借入及び社債等を通じた資本市場からの資金調達により事業資金を手当てしております。変動金利の調達は、その相当部分は変動の影響を転嫁できる営業資産に見合っておりますが、金利変動の影響を完全に回避できないものもあり、金利変動リスクにさらされております。当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、投資有価証券や固定資産等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジションとして捉え、ポジションの総量や市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等の活用も含めた金利変動リスクへの対応策を決定しております。しかしながら、これら手段の活用を通じても、金利の変動が与える影響を完全に回避できるものではなく、金利動向によっては、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (d)活発な市場のある有価証券の価格変動について当社及び連結子会社は、関係強化あるいはその他の目的で、活発な市場のある有価証券に投資を行っております。活発な市場のある有価証券は、その公正価値の変動に伴い、本源的に価格変動リスクを有しており、公正価値の下落は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、過去一定期間の価格変動データをもとに、VaR(Value at Risk)の手法でリスク量を定量化し、統計的に計測した保有銘柄全体の予想最大損失額を定期的にモニタリングしております。 (e)退職後給付に係るリスクについて当社及び連結子会社の年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれております。その運用にあたっては、社内に設置した年金資産管理運用委員会での定期的なモニタリング等を通して、許容できるリスクの範囲内で常に年金資産の極大化に努めております。しかしながら、想定を超える証券市場の低迷等により年金資産の価値が減少した場合、退職給付費用が増加し、年金資産の積み増し等が必要となることがあります。また、確定給付債務の現在価値は割引率や昇給率等につき仮定をおいて算定しておりますが、当該仮定と実際の数値が異なる場合、確定給付債務の金額に変動が生じる可能性があります。これらの場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、2025年4月に退職給付制度を改定しました。それに伴い、確定給付企業年金への新規加入及び積立てが停止されたことで、年金資産及び確定給付債務はそれぞれ減少傾向となる見込みです。なお、退職給付制度の改定については「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記11 従業員給付及び役員の報酬」に記載のとおりであります。 ⑥ 長期性資産に係るリスクについて当社及び連結子会社の保有する長期性資産のなかには、不動産・機械装置等の事業用資産に加えて、資源権益への投資や、企業買収時に認識するのれんを含む無形資産、当社がマジョリティを持たずに持分法で会計処理される投資(以下「持分法投資」という。)等が含まれております。当社及び連結子会社は、これらの長期性資産について、IFRS会計基準に準拠し、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。なお、耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。しかしながら、経済及び業界環境の変化や、事業計画の見直し、保有方針の転換等の理由により、現時点の想定に比べて資産価値が著しく下落した場合には、減損損失や、投下資金の回収不能、撤退時の追加損失等が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 <資源権益への投資について>当連結会計年度末における資源権益への投資について、商品別のエクスポージャーは以下のとおりであります。 商品エクスポージャー金額主な内容銅約5,900億円持分法投資(チリ)鉄鉱石約1,900億円持分法投資(豪州)原料炭約1,500億円持分法投資・有形固定資産(豪州)原油・ガス約700億円有形固定資産(米国陸上等)LNG約500億円持分法投資(パプアニューギニア等)合計約10,500億円 (*) 概数で表示している関係で、合計値が合わない場合があります。 主な商品の価格変動が当社利益に与える影響は以下のとおりであります。原油の商品価格が1バレル当たり1米ドル変動した場合における当期利益への影響額は、年間約2億円と試算されますが、生産・操業状況、操業費用、生産坑井掘削及び生産設備の建設等の開発費用、探鉱費用、廃坑費用等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、原油の商品価格のみで単純に決定されない場合があります。銅の商品価格が1トン当たり100米ドル変動した場合における当期利益への影響額は、年間約13億円と試算されますが、生産・操業状況、生産・輸送設備の維持に伴う資本的支出及び営業的支出等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の商品価格のみで単純に決定されない場合があります。 また、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある銅事業・鉄鉱石事業・原料炭事業への投資においては、以下の要因により資産価値の変動が生じる可能性があります。 銅事業・鉄鉱石事業・原料炭事業当社及び連結子会社が参画する銅事業・鉄鉱石事業・原料炭事業において、銅価格、鉄鉱石価格や、原料炭価格等の商品価格は、世界及び各地域での需給の不均衡、景気変動、為替変動、地政学的情勢や、感染症の拡大の影響等、当社及び連結子会社が管理できない要因により変動する可能性があります。当社及び連結子会社の参画する銅事業の長期性資産の主な内容は持分法投資(チリのロスペランブレス銅鉱山、センチネラ銅鉱山、アントコヤ銅鉱山)であります。鉄鉱石事業の長期性資産の主な内容は持分法投資(豪州のロイヒル鉄鉱山)であります。また、原料炭事業の長期性資産の主な内容は持分法投資・有形固定資産(豪州のジェリンバイースト炭鉱、レイクバーモント炭鉱、ヘイルクリーク炭鉱)であります。なお、これらの持分法投資・有形固定資産は、第三者から提供されたデータや、市況状況、ファンダメンタル等を考慮のうえで、当社及び連結子会社にて策定した価格見通しを使用した事業計画に基づいて評価しておりますが、商品価格や生産量の変動、生産・輸送設備の維持に伴う資本的支出及び営業的支出の高騰、事業環境の変化及び電力・水等のインフラに起因するオペレーション上の問題等が生じた場合には、事業計画が修正される可能性があります。 <事業計画に契約延長を織り込んでいる案件について>当社及び連結子会社の電力・インフラIPP・IWP・コンセッション事業、長期傭船事業等において、一部の事業計画は、策定時における事業環境に鑑み、相応の蓋然性を確認のうえで、締結済みの長期販売契約等の契約の延長を前提としている場合があります。しかし、これらの前提は、事業環境の変化、世界及び地域での需給の不均衡、景気変動等、様々な要因による影響を受けるため、実際には契約の延長を実現できない場合や、延長後の契約条件が当初事業計画における想定よりも悪化する場合があり、それに伴う事業計画の見直しにより資産価値が著しく下落し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 法的規制等について当社及び連結子会社の事業は、日本及び諸外国において、広範な法令及び規制に服しております。それらは、事業及び投資に関する許認可、安全保障上の規制を含む輸出入に関する規制、関税及び各種税法、独占禁止法を含む不公正取引規制、マネーロンダリング規制、汚職・贈収賄防止関連法、個人情報保護法・GDPR(EU一般データ保護規制)、環境保護関連法等の多岐の分野にわたります。例えば、事業及び投資に関する許認可に係るものとしては、日本における主なものとして、ライフスタイル部門では景品表示法等、食料・アグリ部門では食品衛生法及び飼料安全法等、エネルギー・化学品部門では毒物劇物取締法及び石油備蓄法等、電力・インフラサービス部門では電気事業法等、金融・リース・不動産部門では投資信託及び投資法人に関する法律並びに宅地建物取引業法等、エアロスペース・モビリティ部門では航空法及び海上運送法等、情報ソリューション部門では電気通信事業法等が挙げられ、諸外国においても、これらの法令及び規制と同一又は類似のものが存在します。加えて、当社は、法令及び規制の遵守だけでなく、いち企業市民として高い倫理観を持ち、全てのステークホルダーの期待に応え社会的責任を果たすことをコンプライアンスと捉えております。法令及び規制の遵守を含むコンプライアンスの実践のため、当社は社長直轄のコンプライアンス委員会を設置しております。コンプライアンス委員会の詳細は、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 <コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況> ① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況(l)内部統制システムの整備の状況」に記載のとおりであります。しかしながら、当社及び連結子会社が事業を行う国・地域によっては、法制度が十分に機能していない場合があり、予期しえない法令、規制、解釈の変更や、規制当局、司法機関等による一貫性のない法令の適用・解釈、運用の一方的な変更等が発生する可能性があること、当社及び連結子会社が行う事業(全く新しいビジネスモデルによるものを含む)のなかには法令・規制が十分に整備されていない事業分野も含まれること、当社及び連結子会社は、リスクベース・アプローチに基づくコンプライアンスリスク管理を徹底しているものの、当社及び連結子会社の行う事業活動が極めて広範であること等から、コンプライアンス違反が生じる可能性があり、当社及び連結子会社のコンプライアンス遵守のための負担が増加する可能性があります。このような事態が発生した場合には、事業の中断を含む罰則の適用を受け、又は信用の低下等が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 <税制・税務リスクについて>当社及び連結子会社は、様々な活動をグローバルに展開していることから、日本及び諸外国において納税義務を負っております。そのため、将来的に、各国税務当局による課税が強化され、課税ベースの拡大・税率変更といったルール変更が行われた場合には、当社及び連結子会社が納付すべき税額が増加する可能性があります。また、当社及び連結子会社は、必要に応じて外部専門家を活用し、各国の税法に従い適切な税務申告を行っておりますが、各国当局との見解の相違により、予想外の課税を受ける可能性があります。仮に課税問題が発生した場合には、外部専門家を起用し問題解決を図る等の対策を講じますが、追加的な課税が生じる可能性を完全に排除できるものではありません。このような場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 重要な訴訟について当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続の対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社はインドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業(以下「Sugar Group」という。)を相手にした訴訟(以下「旧訴訟」という。)について、2011年にインドネシア最高裁判所(以下「最高裁」という。)において当社の勝訴が確定したにもかかわらず、Sugar Groupから、旧訴訟と請求内容が同一である別途訴訟(以下「グヌンスギ訴訟及び南ジャカルタ訴訟」という。)を提起され、グヌンスギ訴訟及び南ジャカルタ訴訟につき2017年に最高裁で当社の敗訴が一旦確定しておりますが、当社はインドネシア最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立てました。このうち、南ジャカルタ訴訟については、当社は最高裁再審理決定の決定書を、2020年12月30日に受領しております。当該決定書には、2020年8月24日付で当社の司法審査(再審理)請求を認容し、当社が2017年5月17日に受領した当社敗訴の南ジャカルタ訴訟最高裁判決を取り消したうえで、原告であるSugar Groupの請求を全て棄却する旨が記載されております。他方、グヌンスギ訴訟については、当社は、2018年10月8日付で当社の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、2020年2月3日に受領しております。当社は、2020年5月18日、最高裁に対して2回目の司法審査(再審理)を申し立てましたが、申立書類の提出先であるグヌンスギ地方裁判所(以下「グヌンスギ地裁」という。)は2020年5月20日付で、最高裁再審理決定と旧訴訟最高裁判決間の矛盾の不存在を理由に当社の申立を受理せず申立書類を最高裁に回付しないことを決定しました。インドネシア最高裁判所法等関連法令上、かかる判断は司法審査(再審理)の実施機関である最高裁の職責に属する事項であるとされており、グヌンスギ地裁の決定が不当であることは明らかであること、また、上述のとおり当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟司法審査(再審理)の結果を踏まえて、当社は最高裁に対して、改めてグヌンスギ訴訟に関する2回目の司法審査(再審理)を2021年5月31日付で申し立て、グヌンスギ地裁に受理されましたが、2022年7月28日付で当社の2回目の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、2024年1月30日に受領しております。当社は、1回目のグヌンスギ訴訟の司法審査(再審理)の不受理決定と、当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟の司法審査(再審理)の決定との間に矛盾があることを理由に、2回目の司法審査(再審理)を申し立てておりましたが、前者については不受理という手続的判断であり、実体審理のうえで判断がなされた後者とは矛盾があるとは評価できないと判断され、司法審査(再審理)の要件を満たさないため不受理とされております。また、当社はSugar Groupの不法行為による当社の信用毀損等を原因としてSugar Groupに対し損害賠償請求訴訟を提起しておりますが、これに対し、Sugar Groupは当該訴訟(以下「本訴」という。)の手続のなかで、当社に対して当該訴訟の提起が不法行為であるとして損害賠償請求訴訟(以下「反訴」という。)を提起しておりました。第一審及び第二審にて本訴請求及び反訴請求いずれも棄却されたことを受け、当社は、2021年11月19日付で本訴につき最高裁に上告していたところ、本訴及び反訴について当社の本訴請求につき一部認容するとともに、Sugar Groupの反訴請求を全て棄却する内容の最高裁判決を2022年11月8日付で受領しました。Sugar Groupは当該最高裁判決を不服とし、当該最高裁判決の取消及び反訴請求と同様の損害賠償を求める司法審査(再審理)の申立を2023年3月24日に行い、当社は当該再審理申立書面を2023年12月11日付で受領していたところ、今般、Sugar Groupによる司法審査(再審理)が認容された決定書(以下、本決定書)を2026年1月19日付で当社が受領しました。本決定書によれば、最高裁は、司法審査(再審理)の結果、当社が2022年11月8日に受領した最高裁判決を取り消すことを決定した旨記載されております。また、Sugar Groupによる司法審査(再審理)における再度の反訴請求は棄却されております。当社に不利な裁定を最高裁が下したグヌンスギ訴訟等Sugar Groupとの一連の訴訟の今後の趨勢や裁判手続次第では、敗訴判決に基づく損害賠償額・金利・訴訟費用の合計金額の全部又は一部について当社が負担を強いられ損失を蒙る等、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります(注)。各訴訟の詳細及び経緯については「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記25 約定及び偶発負債」に記載のとおりであります。(注)南ジャカルタ訴訟においては被告に丸紅欧州会社も含まれております。 ⑨ 環境・社会リスクについて当社及び連結子会社は、グローバルかつ幅広い産業分野に関連する営業活動を行っており、環境・社会、並びに取引先、従業員等のステークホルダーに対し様々な影響を及ぼします。当社は、社長直轄のサステナビリティ委員会を設置のうえ、サステナビリティの観点で重要度の高いリスクについて、サステナビリティ委員会で管理・モニタリングを行い、リスクの低減に努めています。また、リスク管理の一環として、環境、社会(安全衛生を含む)に関する潜在的リスク評価手法を構築し、投融資プロセス等において運用しております。サステナビリティの観点で重要度の高いリスクの管理については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の「(3)リスク管理」に記載のとおりであります。 当社及び連結子会社の営業活動により生じる環境汚染等の環境リスク(事業の停止、汚染除去費用、あるいは住民訴訟対応費用等の発生、社会的評価の低下につながる可能性等)に対応するため、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを導入し、連結子会社並びに仕入先に対する調査を実施する等、環境負荷等の把握と環境リスクの低減に努めております。 喫緊の課題である気候変動に関しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、気候変動関連リスクの把握と業績への影響を同提言に基づき分析しています。炭素税の導入及び強化等のGHG排出規制や脱炭素化に貢献する技術の急激な発展等の低炭素経済に移行する取組みから生じる移行リスクは、発電事業や資源権益・販売事業等の化石燃料に関連する事業を中心に、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。気候変動により自然災害の激甚化や異常気象の深刻化、降雨や気象パターンの変化、平均気温の上昇や海面の上昇等といった物理的リスクが顕在化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、気候パターンの変化による穀物不作や、異常気象の激甚化による物流機能の麻痺、乾燥化や落雷の増加による森林における山火事等が、農業資材ビジネス、植林事業や木質資源供給ビジネスの収益を悪化させる可能性があります。これらの気候変動リスクの発生可能性は、パリ協定の枠組みの下での気候変動対策の状況に大きく左右されます。 当社及び連結子会社は、気候変動リスクの低減に努めており、2050年までに事業活動に伴うGHG排出ネットゼロ(*)の達成を目指すことを基本方針としております。また、本方針の実効性を高めるため、2030年に向けたアクションプラン(行動計画)を策定しております。更に、個別の事業に関しても、以下を中心とした取組み方針を定めております。 ・新規石炭火力発電事業には取り組まず、石炭火力発電事業によるネット発電容量を2018年度末対比で2025年までに半減させ、2050年までにゼロとする・一般炭権益に関して、新規の資産獲得は行わない しかしながら、これらの取組みが奏功しない場合や今後想定を上回る速度又は規模で気候変動が進行する場合、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (*) GHG排出削減を行ったうえで、削減できない残余排出を、自然を基盤とした手段や技術的手段により除去し、大気中への人為的なGHG排出をネットゼロとすること。なお、ネットゼロの対象範囲は当社及び連結子会社のScope 1(直接排出)及びScope 2(間接排出)に加え、Scope 3(Scope 1、Scope 2以外の間接排出・サプライチェーン排出)カテゴリ15(投資)に含まれる持分法適用関連投資先の排出としております。 自然資本に係るリスクに関しては、上述の従来のリスク管理に加えて、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言を踏まえ、当社グループの事業に関連する自然への依存・インパクトについて分析・評価を実施し、一部事業・案件を対象にそこから生じ得るリスクと機会についても分析を進めています。しかしながら何らかの自然関連リスクが発生した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 社会面では、当社グループのみならず、コントラクターやビジネスパートナーを含む事業関係者やサプライチェーン全体において、人権尊重意識の向上と、人権問題の発見と是正に向けて、継続的な改善と強化を図っています。「丸紅グループ人権基本方針」「サプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針」及び「丸紅グループ労働安全衛生基本方針」に基づき、人権デューデリジェンスの実施、苦情処理(救済)を行う社内プロセスの構築とその適切な運用、労働安全衛生の確保をはじめ連結子会社へのサステナビリティ調査、サプライヤーに対する調査及び改善に向けた働きかけ等に取り組んでいます。しかしながら、このようなリスク対策を実施したとしても、当社の事業活動により社会に対し負の影響が発生した場合には、事業の遅延や停止、損害賠償等の追加的費用、レピュテーション低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 自然災害等のリスクについて当社及び連結子会社が事業活動を展開する国や地域において、地震、津波、大雨、台風等の自然災害が発生した場合、また新型インフルエンザ等による感染症が流行、拡大した場合、社員・事業所・設備やシステム等への被害及び交通、情報通信、水道・ガス・電力等の公共インフラに機能不全等が発生し、当社及び連結子会社の事業活動に支障が生じる可能性があります。BCP(事業継続計画)の策定、耐震対策、感染症対策、防災訓練、必要物資の備蓄、各種保険への加入等、個々に対策を講じておりますが、自然災害等による被害や影響を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ カントリーリスクについて当社及び連結子会社はグローバルに営業活動を展開しているため、活動地域・国における経済環境の変化、戦争・テロ・暴動を含む社会情勢の悪化、営業活動に関わる法制度や政策の変更等、様々なカントリーリスクにさらされており、これらの地域・国の事業環境が悪化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、当社及び連結子会社が活動する国に対し、各国のリスク度を評価して国分類に区分し、国分類又は国ごとのカントリーリスク管理基準を設けております。この基準の下で、国分類又は国ごとの取組み方針を定め、特定の国分類又は国に対してリスク許容度を超えるようなエクスポージャーの集中を防ぐ等の管理を行っております。また、新規投資案件等の検討にあたっては、カントリーリスクに見合った適正なリターンが得られるのかという観点も考慮した投資基準を設定しております。更に、案件ごとに必要に応じて、貿易保険や投資保険を付保する、第三国からの保証等を取得する等、適切なリスクヘッジ策を講じるべく努めております。 当連結会計年度末における主なカントリーリスクエクスポージャー(*)は以下のとおりであります。(*) 当社及び連結子会社の保有資産のうち、長期与信、固定資産、投資等の長期性資産の金額の合計。エクスポージャーが1,000億円以上の国を抽出。 日本15,635億円米国13,683億円チリ6,772億円オーストラリア4,507億円インドネシア2,622億円シンガポール2,424億円ブラジル2,032億円ベトナム1,359億円カナダ1,209億円オランダ1,079億円 ⑫ 情報システム及び情報セキュリティに関するリスクについて当社及び連結子会社は、情報資産の適切な管理及び高い情報セキュリティレベルの確保を重要事項と認識し、グループ全体のセキュリティリスクの低減を図っております。CDIOを委員長とするIT戦略委員会を設け、セキュリティ面での課題把握及び対応方針の策定を行うとともに、セキュリティインシデント発生時にインシデントを統括管理するセキュリティマネジメントチーム(M-CSIRT)にて対応を行う体制を構築しています。また、対策の3つの柱として、① グループ各社が遵守すべき情報セキュリティ全般のグループ共通ITガバナンスルールを整備し、② 当該ルールに準拠したセキュアなグループ共通ITサービスのグループ会社への提供、③ 連結子会社・主要関連会社に対するITガバナンスルール遵守状況の検査(アセスメント)を定期的に実施しております。さらに、近年のECサイト、IoT、制御システム(OT)等のビジネスITのセキュリティリスク増大を踏まえ、既にグループ全体のビジネスIT資産の可視化は完了しており、ビジネスIT関連ルール追加や重要なグループ会社に対するビジネスITの診断を計画中です。しかしながら、サイバー攻撃は年々巧妙化しており、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性を完全に排除できるものではありません。このような場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 重要性がある会計方針及び見積りによるリスクについて当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下のとおりであります。 ・棚卸資産の評価・有形固定資産の減損・無形資産の減損・関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損・繰延税金資産の回収可能性・確定給付制度債務・引当金・金融商品の評価・偶発負債 当社の経営陣は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあります。重要性がある会計方針及び見積りについての詳細は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」の「③ 重要性がある会計方針及び見積り」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。 (3)中期経営戦略について当社及び連結子会社は、2025年度より「中期経営戦略(2025-2027年度)GC2027」をスタートしております。内容については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)会社の経営の基本方針」に記載のとおりであります。これらの定量目標は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、経営環境の変化、上記個別リスクの発現、その他様々な要因により達成できない可能性があります。

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