8043

スターゼン(8043)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 食肉の総合サプライヤー:スターゼンは、食肉の処理加工からハム・ソーセージなどの製造販売、さらには豚や牛の生産・肥育まで、食肉に関する幅広い事業を手掛けています。自社だけでなく、子会社や関連会社と連携し、食肉の安定供給と多様な加工品の提供を通じて収益を上げています。
  • 食肉関連事業が中核:グループの主要な収益源は食肉関連事業です。食肉の処理加工、ハム・ソーセージの製造、食肉の販売、そして豚・牛の生産・肥育といった一連のバリューチェーンをグループ内で完結させることで、効率的な事業運営と品質管理を実現しています。
  • 多角的な事業展開:食肉事業を支える形で、貨物運送事業を行う子会社スターゼンロジスティクスや、調味料製造を行う関連会社ゼンミ食品など、食肉関連事業のサポートを行う「その他の事業」も展開しています。これにより、グループ全体の事業活動を円滑にし、収益基盤を強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 食肉関連事業:スターゼングループの中核を成す事業で、食肉の処理加工、ハム・ソーセージや食肉加工品の製造販売、豚・牛の生産・肥育といった幅広い活動を含みます。当社が製造販売するほか、子会社や関連会社が製造・販売を担い、グループ全体で食肉の安定供給と多様な商品提供を行っています。
  • 食肉の販売・流通:当社が食肉を販売するだけでなく、子会社や関連会社も販売活動を行っており、グループ内で仕入れ販売も実施しています。これにより、全国各地の顧客に効率的に食肉を届け、市場シェアを維持・拡大しています。
  • その他のサポート事業:食肉関連事業を円滑に進めるためのサポート事業も展開しています。具体的には、子会社スターゼンロジスティクスによる貨物運送事業や、関連会社ゼンミ食品による調味料製造などがあり、これらがグループ全体の事業活動を支える重要な役割を担っています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,009 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(スターゼン株式会社)、子会社19社、関連会社14社により構成され、主に食肉の処理加工、ハム・ソーセージ及び食肉加工品の製造販売、豚・牛の生産・肥育等の食肉事業活動を行っております。事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 (1)食肉関連事業 食肉の処理加工……………当社が製造販売するほか、子会社スターゼンミートプロセッサー株式会社他3社、関連会社プライフーズ株式会社他4社でも製造し、当社が仕入販売しているほか、当該子会社関連会社においても販売しております。 ハム・ソーセージの製造…子会社ローマイヤ株式会社は、当社及び子会社スターゼンミートプロセッサー株式会社から原材料の供給を受け製造販売し、当社が仕入販売しているほか一部当該子会社においても販売しております。 食肉の販売…………………当社が販売するほか、子会社株式会社丸全他8社、関連会社プライフーズ株式会社、株式会社サニーサイド他2社でも販売しており、当社及び当該子会社間においても仕入販売しております。 生産・肥育…………………子会社BROAD WATER DOWNS Pty Ltd、YORKRANGE Pty Ltd、株式会社雲仙有明ファーム、関連会社プライフーズ株式会社他5社において生産・肥育を行っております。 (2)その他の事業…………当社、子会社スターゼンロジスティクス株式会社(貨物運送事業)他1社、関連会社ゼンミ食品株式会社(調味料製造)で主に食肉関連事業のサポートを行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注)1.当連結会計年度において、有限会社ゼンチクサービス及びスターゼンファーム株式会社は当社を存続会社とする吸収合併により消滅しております。2.当連結会計年度において、YORKRANGE Pty Ltd、BROAD WATER DOWNS Pty Ltd、ADiRECT SINGAPORE PTE. LTD.及びMEATLOVERS PTE. LTD.を子会社としております。このうち、YORKRANGE Pty Ltd、BROAD WATER DOWNS Pty Ltd及びADiRECT SINGAPORE PTE. LTD.は連結子会社、MEATLOVERS PTE. LTD.は非連結子会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料高騰が続き、値上げや配合の変更で対応しており、廉価アイテムの需要が増加しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
食肉の処理加工、ハム・ソーセージ製造、生産・肥育には大規模な設備投資が必要と推測される。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:食の安全問題 / 食肉需給の変動 / 伝染病や感染症の流行拡大
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

スターゼンは食肉卸売業界において、長年の業歴と一定のブランド認知度を持つ。しかし、特定の特許や強力なブランド力による独占的な優位性は限定的であり、業界内での差別化要因としては弱い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

スーパーマーケットや外食産業など、顧客との長年の取引関係は一定のスイッチング・コストを生む。しかし、食肉市場は多様なサプライヤーが存在し、価格や品質によっては乗り換えの可能性も否定できないため、スイッチング・コストは中程度。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

食肉卸売業は、プラットフォーム型のネットワーク効果が働くビジネスモデルではないため、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

スターゼンは、食肉の加工・流通において、規模の経済を活かした効率的なサプライチェーンを構築している。子会社による一貫生産体制や、物流網の最適化により、コスト競争力を維持していると考えられる。ただし、絶対的なコスト優位性は限定的。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

スターゼンは国内有数の食肉卸売業者であり、業界内での高いシェアを持つ。大規模な仕入れ・加工・販売ネットワークは、中小競合他社に対する強力な優位性となっている。この規模が効率的なオペレーションを支えている。

  • 食肉事業の垂直統合:食肉の生産・肥育から処理加工、製造、販売までを一貫して手掛ける垂直統合型のビジネスモデルを構築しています。これにより、品質管理の徹底、安定した原材料調達、そして効率的なサプライチェーンを実現し、競争優位性を確立しています。
  • 広範なグループネットワーク:当社、子会社17社、関連会社14社からなる広範なグループネットワークを有しており、食肉の処理加工、ハム・ソーセージ製造、食肉販売、生産・肥育など、各工程で専門性を発揮しています。この連携により、多様な顧客ニーズに対応し、市場での存在感を高めています。
  • 品質管理体制の強化:食品の安全性を最重要課題と認識し、57ヵ所の事業所で国際的な食品安全認証である『SQF』を取得しています。また、品質保証本部を設置し、グループ全体の品質管理・保証を統括する体制を構築することで、消費者からの信頼獲得とブランド価値向上に努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 収益構造の再構築と持続可能な事業運営:中期経営計画では「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに掲げ、国内事業の強化と海外事業の拡大を両輪で進めています。これにより、長期的な成長基盤を確立し、持続可能な企業価値向上を目指しています。
  • 新規事業への挑戦と海外展開:国内市場の課題に対応するため、海外事業の積極展開と国内成長市場へのアプローチ強化を基本戦略としています。豪州の牛肥育企業買収や、日本産和牛の輸出基盤強化を通じて、中国・東南アジア市場のニーズを開拓し、新たな収益源を確立することを目指しています。
  • 国内事業改革とDX推進:国内事業の効率化、高付加価値商品の開発、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による業務プロセス改革に取り組んでいます。具体的には、製造・販売・物流拠点の再整備や新基幹システムの導入により、コスト削減と生産性向上を図り、競争力を強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」「スターゼンと取引をしてよかったといわれる会社にしよう」「スターゼンで働いてよかったと思える会社にしよう」「仕事を通じて自ら成長しよう」を経営理念として掲げており、人々の食生活の向上に資するべく、創業以来、食肉卸売業を中核として様々な機能を強化してまいりました。人々の豊かな食生活の実現に一層貢献するべく、グループ一丸となって食肉関連製品の安定供給と、多様化が加速する食への要望に的確に応えうる商品提供の実現に取り組んでまいります。また、人々の生活に欠かせない「食」を扱う企業として、環境・社会・経済を巡るさまざまな課題解決に「食」を通じて取り組み、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に努めてまいります。 (2)経営環境及び経営戦略(対処すべき課題)①経営環境物価高による個人消費の低迷が続いているものの、訪日観光客の増加、設備投資の拡大を背景に、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、雇用環境の改善や各種政策の効果が期待されるものの、中東情勢の緊迫に伴うエネルギー価格の高騰や供給網の目詰まりなどが日本の経済・物価にどの程度波及するか懸念される状況にあり、先行き不透明な状況が続くものと思われます。 ②長期ビジョン当社は、10年後のありたい姿として長期ビジョン「世界中のお客様のニーズに応えるサプライチェーンの実現」を定め、その実現に向けた「中期経営計画2030」を策定しました。この長期ビジョンは、「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」という経営理念をより具体化したもので、お客様の声を生産者へフィードバックし、商品・サービスを進化させるとともに、生産者や職人の技術・価値を“かたち”にしてお客様にお届けするサプライチェーンの構築を目指すものです。 ③中期経営計画2030「世界中のお客様のニーズに応えるサプライチェーンの実現」 「長期ビジョン」の実現に向けたマイルストーンとして、「中期経営計画2030」を策定しました。中期経営計画2030では、強みのさらなる進化とグローバル市場への挑戦をテーマに掲げ3つの基本方針に取り組みます。 Ⅰ.市場シェア拡大へのアプローチⅡ.事業基盤の強靭化Ⅲ.持続成長を支えるコーポレート機能強化 なお、「中期経営計画2030」のテーマとなる“グローバル市場への挑戦”には、基盤の構築に一定の時間がかかることから、5ヶ年の計画としております。 a.目標数値 [最終年度] 売上高 5,500億円経常利益 160億円(うち、海外比率15%)EBITDA 210億円ROIC 6%以上ROE 10%以上 以下の投資計画の実現により、償却負担は増加するものの、「成長市場」である海外市場への進出や商品力・提案力の強化により、最終年度に過去最高益を計画。[ご参考] 直近の業績2025年3月期実績 : 売上高4,361億円、経常利益106億円、EBITDA 123億円2026年3月期実績 : 売上高4,482億円、経常利益110億円、EBITDA 130億円 b.投資計画 [5ヶ年計] 700億円(うち、成長投資560億円) ・国内市場向け 240億円 ・海外市場向け 260億円 ・DX、業務効率化 60億円 ・維持更新 140億円 ③優先的に対処すべき課題第88期は、「信頼と感謝の気持ちでつなぐバトン」というテーマのもと、グループ社員が一丸となり、以下の課題に取り組んでまいります。 a. 市場シェア拡大へのアプローチ 国内の食肉マーケットは、コストプッシュ型のインフレが続く中、中東情勢の悪化に伴うエネルギーコスト上昇で消費者マインドが低迷しています。また、ライフスタイルの変化により消費者ニーズはますます多様化、高度化しています。当社グループは、国内外の強固な調達基盤や高い商品化技術・衛生水準、全国の営業拠点の情報収集力と提案力といった強みを活かし、顧客から価値で選ばれる存在になるための取り組みを進めています。4月、ハンバーグを中心とした加工食品の製造・販売を行っている株式会社オサベフーズを子会社化しました。本株式取得により、お客様ニーズを商品化する技術や開発スピードをさらに磨き上げ、市場ニーズにマッチした商品を開発してまいります。また、消費者視点で国産豚肉の価値を再定義し、生産者がこだわり育てた栄養豊富な豚肉をみなさまの笑顔へつなぐ新たな取り組み、「元気のばとん」を始動しました。食を通して健康になりたいという消費者に、ビタミンB1が通常豚の2倍、あっさりした味わいが特徴の国産銘柄豚の価値を提案してまいります。海外の食肉マーケットは、人口や所得の増加で食肉需要が拡大しています。東南アジアや北米などでは、食文化の多様化から和食・和牛の需要が高まっており、日系外食や小売企業の海外進出も加速しています。当社グループは、国内で培った食肉の商品化技術と提案力に加え、世界的に希少である日本産和牛と豪州Wagyuの供給力を有しており、現地ニーズに合わせた商品提案をスピーディーに実践することで成長市場を獲得してまいります。昨年は豪州Wagyu肥育企業の全株式を取得したことに続き、10月にシンガポールの食肉加工販売会社を完全子会社化しました。豪州Wagyuの生産に直接関与しつつ、中国や東南アジアを中心とした第三国の販売までトータルに手掛けることで、サプライチェーンの強化に取り組んでまいります。日本産和牛の輸出拡大には、グループ工場で生産された和牛輸出の2ブランド、「AKUNE GOLD」と「AOMORI GOLD」の販売をさらに強化します。加えて、海外営業にあたる組織を再編成し、製品設計・製造・マーケティング・営業・配送などの各工程を繋げ「オールスターゼン」で取り組みます。海外のお客様ニーズに応えるサプライチェーンを構築し、「刺激的な体験で食を楽しく人生を豊かにする情報をグローバルに発信する和牛」という価値を世界中にお届けしてまいります。 b.事業基盤の強靭化少子高齢化や人手不足、各種法改正から、物流コストや環境負荷低減は経営課題となっており、グループ内物流の骨太な改革とスターゼン版DX(Zeusプロジェクト)の進化に取り組んでいます。物流改革として、新たな基幹物流拠点が8月に稼働する予定です。保管能力を既存比2.5倍に増強し、分散する在庫の集約と仕分け作業などの効率化を図ります。また、ITシステムを活用しつつ物流ルールを見直すことで、上昇するコストの抑制を図り、持続的な物流運営体制を構築します。スターゼン版DXでは、自社のICT部隊にて自前で基幹システムの刷新が進行しています。食肉事業は業務が複雑でシステム化が困難といわれておりますが、「食肉実務部隊」と「食肉業務を知るシステム部隊」、双方の部署が協力し実業に適したオリジナルの基幹システムを構築しています。26年3月期において、他の領域に先駆けて物流配送システムと国産鶏肉の受発注業務のシステムを刷新しました。データ連携により業務工数の削減と作業時間の短縮化が図れました。現在は輸入食肉のシステム刷新に取り組んでいます。輸入食肉は当社事業の半分を占めるコア事業であり、本システム導入によりグループ内での受発注業務が大幅に短縮化されるとともに、有用なデータ抽出と分析により、経営の意思決定の高度化や迅速化が図られます。 c.持続成長を支えるコーポレート機能強化環境変化に対応しつつ事業戦略を実現するためには、多様な挑戦を促す人材ポートフォリオの構築が欠かせません。当社グループは、人材情報の見える化と適所適材の人材配置に取り組んでいます。今後は、社員自らの成長とチャレンジ意欲を高める評価報酬体系を整備するとともに、多様な人材の採用や能力開発に取り組んでまいります。また、当社グループは本業を通じた社会課題の解決を目指しています。中期経営計画2030の対象期間では、特にGHG削減推進と人権対応、アニマルウェルフェア促進を重点的に取り組んでまいります。GHG削減については2030年までに42%削減を目標としており、エネルギーコスト構造の改善とリスク低減を進めています。また、人権及びアニマルウェルフェアへの対応は、多様なパートナーとともに行動することで、社会課題の解決と持続可能な成長基盤の構築を両立します。中期経営計画2030では、グローバルに成長する戦略を支える財務戦略としてキャッシュアロケーション計画とバランスシートマネジメント方針を掲げています。資金面では、営業キャッシュフロー拡大と有利子負債の積極的活用で成長投資を支えるとともに、DOE目標3.0%の早期達成とさらなる株主還元の拡充を実現します。バランスシートマネジメント方針では、資本効率を意識した投資と資産効率の最大化を進めつつ、自己資本比率40%程度を維持し、財務健全性と株主還元拡充の両立を図ります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」「スターゼンと取引をしてよかったといわれる会社にしよう」「スターゼンで働いてよかったと思える会社にしよう」「仕事を通じて自ら成長しよう」を経営理念として掲げており、人々の食生活の向上に資するべく、創業以来、食肉卸売業を中核として様々な機能を強化してまいりました。人々の豊かな食生活の実現に一層貢献するべく、グループ一丸となって食肉関連製品の安定供給と、多様化が加速する食への要望に的確に応えうる商品提供の実現に取り組んでまいります。また、人々の生活に欠かせない「食」を扱う企業として、環境・社会・経済を巡るさまざまな課題解決に「食」を通じて取り組み、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に努めてまいります。 (2)経営環境及び経営戦略(対処すべき課題)①経営環境物価高による個人消費の低迷が続いているものの、訪日観光客の増加、設備投資の拡大を背景に、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、雇用環境の改善や各種政策の効果が期待されるものの、中東情勢の緊迫に伴うエネルギー価格の高騰や供給網の目詰まりなどが日本の経済・物価にどの程度波及するか懸念される状況にあり、先行き不透明な状況が続くものと思われます。 ②長期ビジョン当社は、10年後のありたい姿として長期ビジョン「世界中のお客様のニーズに応えるサプライチェーンの実現」を定め、その実現に向けた「中期経営計画2030」を策定しました。この長期ビジョンは、「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」という経営理念をより具体化したもので、お客様の声を生産者へフィードバックし、商品・サービスを進化させるとともに、生産者や職人の技術・価値を“かたち”にしてお客様にお届けするサプライチェーンの構築を目指すものです。 ③中期経営計画2030「世界中のお客様のニーズに応えるサプライチェーンの実現」 「長期ビジョン」の実現に向けたマイルストーンとして、「中期経営計画2030」を策定しました。中期経営計画2030では、強みのさらなる進化とグローバル市場への挑戦をテーマに掲げ3つの基本方針に取り組みます。 Ⅰ.市場シェア拡大へのアプローチⅡ.事業基盤の強靭化Ⅲ.持続成長を支えるコーポレート機能強化 なお、「中期経営計画2030」のテーマとなる“グローバル市場への挑戦”には、基盤の構築に一定の時間がかかることから、5ヶ年の計画としております。 a.目標数値 [最終年度] 売上高 5,500億円経常利益 160億円(うち、海外比率15%)EBITDA 210億円ROIC 6%以上ROE 10%以上 以下の投資計画の実現により、償却負担は増加するものの、「成長市場」である海外市場への進出や商品力・提案力の強化により、最終年度に過去最高益を計画。[ご参考] 直近の業績2025年3月期実績 : 売上高4,361億円、経常利益106億円、EBITDA 123億円2026年3月期実績 : 売上高4,482億円、経常利益110億円、EBITDA 130億円 b.投資計画 [5ヶ年計] 700億円(うち、成長投資560億円) ・国内市場向け 240億円 ・海外市場向け 260億円 ・DX、業務効率化 60億円 ・維持更新 140億円 ③優先的に対処すべき課題第88期は、「信頼と感謝の気持ちでつなぐバトン」というテーマのもと、グループ社員が一丸となり、以下の課題に取り組んでまいります。 a. 市場シェア拡大へのアプローチ 国内の食肉マーケットは、コストプッシュ型のインフレが続く中、中東情勢の悪化に伴うエネルギーコスト上昇で消費者マインドが低迷しています。また、ライフスタイルの変化により消費者ニーズはますます多様化、高度化しています。当社グループは、国内外の強固な調達基盤や高い商品化技術・衛生水準、全国の営業拠点の情報収集力と提案力といった強みを活かし、顧客から価値で選ばれる存在になるための取り組みを進めています。4月、ハンバーグを中心とした加工食品の製造・販売を行っている株式会社オサベフーズを子会社化しました。本株式取得により、お客様ニーズを商品化する技術や開発スピードをさらに磨き上げ、市場ニーズにマッチした商品を開発してまいります。また、消費者視点で国産豚肉の価値を再定義し、生産者がこだわり育てた栄養豊富な豚肉をみなさまの笑顔へつなぐ新たな取り組み、「元気のばとん」を始動しました。食を通して健康になりたいという消費者に、ビタミンB1が通常豚の2倍、あっさりした味わいが特徴の国産銘柄豚の価値を提案してまいります。海外の食肉マーケットは、人口や所得の増加で食肉需要が拡大しています。東南アジアや北米などでは、食文化の多様化から和食・和牛の需要が高まっており、日系外食や小売企業の海外進出も加速しています。当社グループは、国内で培った食肉の商品化技術と提案力に加え、世界的に希少である日本産和牛と豪州Wagyuの供給力を有しており、現地ニーズに合わせた商品提案をスピーディーに実践することで成長市場を獲得してまいります。昨年は豪州Wagyu肥育企業の全株式を取得したことに続き、10月にシンガポールの食肉加工販売会社を完全子会社化しました。豪州Wagyuの生産に直接関与しつつ、中国や東南アジアを中心とした第三国の販売までトータルに手掛けることで、サプライチェーンの強化に取り組んでまいります。日本産和牛の輸出拡大には、グループ工場で生産された和牛輸出の2ブランド、「AKUNE GOLD」と「AOMORI GOLD」の販売をさらに強化します。加えて、海外営業にあたる組織を再編成し、製品設計・製造・マーケティング・営業・配送などの各工程を繋げ「オールスターゼン」で取り組みます。海外のお客様ニーズに応えるサプライチェーンを構築し、「刺激的な体験で食を楽しく人生を豊かにする情報をグローバルに発信する和牛」という価値を世界中にお届けしてまいります。 b.事業基盤の強靭化少子高齢化や人手不足、各種法改正から、物流コストや環境負荷低減は経営課題となっており、グループ内物流の骨太な改革とスターゼン版DX(Zeusプロジェクト)の進化に取り組んでいます。物流改革として、新たな基幹物流拠点が8月に稼働する予定です。保管能力を既存比2.5倍に増強し、分散する在庫の集約と仕分け作業などの効率化を図ります。また、ITシステムを活用しつつ物流ルールを見直すことで、上昇するコストの抑制を図り、持続的な物流運営体制を構築します。スターゼン版DXでは、自社のICT部隊にて自前で基幹システムの刷新が進行しています。食肉事業は業務が複雑でシステム化が困難といわれておりますが、「食肉実務部隊」と「食肉業務を知るシステム部隊」、双方の部署が協力し実業に適したオリジナルの基幹システムを構築しています。26年3月期において、他の領域に先駆けて物流配送システムと国産鶏肉の受発注業務のシステムを刷新しました。データ連携により業務工数の削減と作業時間の短縮化が図れました。現在は輸入食肉のシステム刷新に取り組んでいます。輸入食肉は当社事業の半分を占めるコア事業であり、本システム導入によりグループ内での受発注業務が大幅に短縮化されるとともに、有用なデータ抽出と分析により、経営の意思決定の高度化や迅速化が図られます。 c.持続成長を支えるコーポレート機能強化環境変化に対応しつつ事業戦略を実現するためには、多様な挑戦を促す人材ポートフォリオの構築が欠かせません。当社グループは、人材情報の見える化と適所適材の人材配置に取り組んでいます。今後は、社員自らの成長とチャレンジ意欲を高める評価報酬体系を整備するとともに、多様な人材の採用や能力開発に取り組んでまいります。また、当社グループは本業を通じた社会課題の解決を目指しています。中期経営計画2030の対象期間では、特にGHG削減推進と人権対応、アニマルウェルフェア促進を重点的に取り組んでまいります。GHG削減については2030年までに42%削減を目標としており、エネルギーコスト構造の改善とリスク低減を進めています。また、人権及びアニマルウェルフェアへの対応は、多様なパートナーとともに行動することで、社会課題の解決と持続可能な成長基盤の構築を両立します。中期経営計画2030では、グローバルに成長する戦略を支える財務戦略としてキャッシュアロケーション計画とバランスシートマネジメント方針を掲げています。資金面では、営業キャッシュフロー拡大と有利子負債の積極的活用で成長投資を支えるとともに、DOE目標3.0%の早期達成とさらなる株主還元の拡充を実現します。バランスシートマネジメント方針では、資本効率を意識した投資と資産効率の最大化を進めつつ、自己資本比率40%程度を維持し、財務健全性と株主還元拡充の両立を図ります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a. 経営成績当連結会計年度における日本経済は、物価高による個人消費の低迷が続いているものの、訪日観光客の増加、設備投資の拡大を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。先行きについては、雇用環境の改善や各種政策の効果が期待されるものの、中東情勢の緊迫に伴うエネルギー価格の高騰や供給網の目詰まりなどが日本の経済・物価にどの程度波及するか懸念される状況にあります。 食肉業界におきましては、食肉相場が全般的に高値で推移しました。特に、鶏肉においては消費者の低価格志向を背景に需要が高まる中、ブラジルやタイなどの輸出国における供給制約もあり相場が高騰しました。また、米国産牛肉の現地価格高もあり、厳しい調達環境が続きました。販売環境においては、訪日観光客の増加を背景に需要の押し上げ効果があったものの、節約志向の強まりから消費者の慎重な購買姿勢が続き、食肉マーケット全体としては力強さを欠く環境となりました。 このような状況下、当社グループは「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに据えた中期経営計画の最終年度を迎え、計画達成に向けた施策に取り組んでまいりました。 中期経営計画における「海外事業の積極展開」として、昨年4月に豪州Wagyuの肥育企業であるYORKRANGE社の全株式を取得しました。また、昨年10月にシンガポールの食肉加工販売会社ADiRECT SINGAPORE社を完全子会社化しました。今後は豪州Wagyuの生産に直接関与しつつ、東南アジアを中心とした第三国への販売までトータルに手掛けてまいります。また、拡大する海外での和牛マーケットに向けて、当社は九州の阿久根を拠点とした輸出専用ブランド「AKUNE GOLD」を中心に輸出を推進してきましたが、より安定した供給体制を構築するため東北エリアを拠点とした新たなブランド「AOMORI GOLD」を立ち上げました。当社の輸出ブランドは、味や見た目の品質だけでなく、同じ価値観を共有する生産者との連携、徹底した衛生管理体制、牛部分肉製造マイスターによる高度な加工技術、そしてこれまで培ってきた営業ノウハウといった、それぞれの“匠の技”によって支えられています。これらが一体となることで、サプライチェーン全体として他に類を見ない独自の強みを発揮できるのが当社ブランドの特徴です。今後は「AKUNE GOLD」と「AOMORI GOLD」の2ブランド体制で、「刺激的な体験で食を楽しく人生を豊かにする情報をグローバルに発信する和牛」という価値を世界中にお届けしてまいります。また、「国内成長市場へのアプローチ強化」として、1月より関西の基幹拠点として伊丹営業センターを新築移転しました。新伊丹営業センターの敷地面積は従来の3倍、保管能力は従来の5倍であり、西日本エリアでの販売拡大と物流の効率化を実現します。サステナブルな事業運営の一環として、昨年6月、アニマルウェルフェアポリシーを策定・公表しました。また、昨年12月にスターゼンミートプロセッサー阿久根工場にLNGタンクを設置しました。加えて、1月には協力農場である北海道はまなか肉牛牧場株式会社の一部において、牛由来の温室効果ガス削減を目的とした「AjiPro®-L」の給餌を開始するとともに、環境省主導の「バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業」に参画いたしました。今後も環境に配慮し、社会に貢献できる取り組みを続けてまいります。当社グループは「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」という経営理念のもと、食の持つさまざまなチカラを通じて、感動を届け、世の中を元気に、笑顔にしていくことを目指しています。引き続き経営理念の実現と持続的な企業価値向上に取り組んでまいります。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は448,213百万円(前期比2.8%増)、営業利益は8,762百万円(前期比3.1%減)、経常利益は11,027百万円(前期比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,338百万円(前期比31.6%減)となりました。 事業部門別の営業概況は、次のとおりです。(単位:百万円)各事業部門の売上高当連結会計年度前期増減額増減率(%)食肉関連事業444,921432,778+12,142+2.8食肉350,018343,369+6,648+1.9加工食品84,64978,385+6,264+8.0ハム・ソーセージ8,3659,173△807△8.8その他1,8871,850+37+2.0その他の事業3,2923,334△41△1.3 また、部門別の業績は次のとおりであります。(食肉)国内事業は、長引く物価高による消費者マインドの低下から、比較的安価な食肉へ需要のシフトが見られ、国産牛肉の販売に苦戦しました。一方、輸入食肉は現地高や円安により価格が上昇したものの、概ね適正価格で販売を行い利益確保につながりました。また、和牛の輸出や市場ニーズに応じた商品ミックスに取り組んだことに加え、国産豚肉の販売が堅調に推移したことから、売上高・売上総利益ともに前期を上回りました。カテゴリー別の業績は次のとおりです。国産食肉においては、国産牛肉の販売に苦戦しましたが、国産豚肉の販売を強化したことで、売上高・売上総利益はともに前期を上回りました。輸入食肉においては、現地高や円安により調達価格が高騰しましたが、在庫の管理を徹底し余剰在庫の発生を抑えるとともに価格転嫁を進めました。その結果、売上高は前期を下回るものの、売上総利益は前期を上回りました。輸出事業においては、台湾の展示会「Food Taipei」において当社の輸出専用ブランド「AKUNE GOLD」「AOMORI GOLD」の展示等、販売促進活動や既存・新規取引先への積極的な営業活動に取り組んだ結果、好調に推移しました。 (加工食品)加工食品においては、ハンバーグ商品群が堅調に推移したため、売上高・売上総利益はともに前期を上回りました。 (ハム・ソーセージ)ハム・ソーセージにおいては、原材料価格のコスト上昇を踏まえ、価格改定や商品の統廃合、工場オペレーションの改善、新標品の開発に努めましたが、売上高・売上総利益は前期を下回りました。 b. 財政状態イ. 資産当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて、14,023百万円増加し、125,440百万円となりました。これは、主として商品及び製品、前渡金が増加したことによります。固定資産は、前連結会計年度末と比べて16,200百万円増加し、76,693百万円となりました。これは、主として土地、投資有価証券、のれん、建物及び構築物、建設仮勘定が増加したことによります。この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べて、30,218百万円増加し、202,134百万円となりました。 ロ.負債流動負債は、前連結会計年度末と比べて、17,952百万円増加し、68,220百万円となりました。これは、主として短期借入金、1年内償還社債、1年内返済予定の長期借入金、買掛金が増加したことによります。固定負債は、前連結会計年度末と比べて、5,279百万円増加し、38,180百万円となりました。これは、主として社債が減少したものの、長期借入金、繰延税金負債が増加したことによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べて、23,231百万円増加し、106,400百万円となりました。 ハ.純資産純資産合計は、前連結会計年度末と比べて、6,986百万円増加し、95,733百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ1,950百万円増加し、18,032百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加、前渡金の増加があるものの、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加等により2,946百万円の収入となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出等により14,692百万円の支出となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出、配当金の支払があるものの、長期借入れによる収入等により13,393百万円の収入となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)前年同期比(%)食肉関連事業140,113105.0その他の事業2,015101.3合計142,129104.9 (注) 金額は生産価額によっております。 b. 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)前年同期比(%)食肉関連事業264,320101.5その他の事業3,063100.9合計267,384101.5 (注) 1.金額は仕入価額によっております。 2.セグメント間取引については、相殺消去しております。 c. 受注実績 当社グループは受注生産を行っておりません。 d. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)前年同期比(%)食肉関連事業444,921102.8その他の事業3,29298.7合計448,213102.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当社は生産肥育から食肉の処理加工、製造、販売に至るまでの事業を主に国内で行う「食肉関連事業」を中心に事業活動を展開しており、報告セグメントは「食肉関連事業」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 概要及び売上高4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。 b. 売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は前連結会計年度と比べて9,821百万円増加し、404,051百万円となりました。これは主に、前連結会計年度と比べ、食肉相場高値等によるコストが増加したことによります。販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べて2,564百万円増加し、35,400百万円となりました。これは主に、人件費、電算費、運賃等が増加したことによるものです。 c. 営業利益営業利益は前連結会計年度と比べて284百万円減少し、8,762百万円となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上拡大による販売利益でこれらの増加分を十分に吸収できなかったことによるものです。 d. 営業外損益 営業外損益は前連結会計年度と比べ、営業外収益が795百万円増加し3,759百万円に、営業外費用が144百万円増加し1,494百万円となりました。これは主に、営業外収益については、持分法による投資利益、受取保険金及び配当金が増加したことによるものです。営業外費用については、支払利息が増加したことによるものです。 e. 特別損益特別損益は前連結会計年度と比べ、特別利益が7,085百万円減少し775百万円に、特別損失が693百万円減少し241百万円となりました。これは主に、特別利益については固定資産売却益が減少したことによるものです。特別損失については、生産事業構造改善費用、固定資産売却損が減少したことによるものです。 f. 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて3,858百万円減少し、8,338百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の208円87銭に対し、145円82銭となりました。なお、当社は2025年4月1日を効力発生日として1株につき3株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり当期純利益」を算定しております。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。 b. 資金需要当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備資金等であります。 c. 有利子負債(リース債務を除く)2026年3月31日現在の有利子負債(リース債務を除く)の状況は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円)合計1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超短期借入金13,04913,049-----長期借入金41,49112,35611,0068,3886,2633,38492社 債5,0005,000----- d. 偶発債務当社グループの第三者に対する保証は、関連会社の借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2026年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来において追加的に損失負担する可能性がある額の合計は3,128百万円であります。 e. 財務政策当社グループは、運転資金及び設備資金等の資金需要について、内部資金又は借入や社債による資金調達により対応することとしております。また、グループ全体の資金効率を高めるため、2003年3月以降、主要子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、資金集中及び配分を行い、余剰資金の発生を抑制しております。合わせて、2026年1月、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとして金額10,000百万円(期間3年2ヶ月)のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を10の金融機関と締結いたしました。これにより中長期的に手元流動性を補完し、より安定的かつ効率的な資金運用及び調達を可能にしております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高10,000百万円)。 ③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 食の安全と信頼の喪失:食品を取り扱う企業として、食の安全確保は最重要課題です。製品の欠陥や品質問題が発生した場合、大規模な製品回収や製造物責任賠償、社会的信用の失墜により、多額の費用負担や販売量減少を招き、経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 食肉需給と相場の変動:異常気象による家畜の生育遅れ、家畜疾病の発生、国内外の需給変化により、食肉の調達量減少や調達価格の高騰、あるいは販売価格の低下が生じるリスクがあります。これにより、売上総利益が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 伝染病・感染症の流行:伝染病や感染症の流行が長期化した場合、消費者の低価格志向の高まり、外食需要の低迷、輸入商材の価格変動、取引先の信用不安などにより、営業利益が減少するリスクがあります。また、従業員の感染により操業停止に至る可能性もあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,493 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、当社グループでは、「リスク管理規程」に従い、「リスク管理委員会」においてグループ全社的なリスク管理・推進に関わる課題・対応策を協議するとともに、リスク管理部門を中心に事業を取り巻くさまざまなリスクに対する的確な管理と顕在化したリスクへの対応等を可能とする体制を整えております。以下、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)食の安全について当社グループは、人々の生活に必要不可欠な食品を取り扱っており、食品の安全性の確保が社会に対する責務であると認識しております。当社グループは、当該責務を果たすために食の安全性確保のための様々な取り組みを推進しておりますが、社会全般にわたる品質問題等、取り組みの範囲を超えた事象が発生するリスクがあります。また、食品衛生、安全衛生の両基準に従って、万全の注意をもって製品の製造をしておりますが、製品の欠陥が生ずるリスクを完全に回避できる保証はありません。当該リスクが顕在化した場合、大規模な製品回収や製造物責任賠償の発生、社会的信用の失墜等により、多額の費用負担や販売量の減少等を招き、ひいては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、食品の「安全性」と「品質」を確保するために、現在56ヵ所の事業所が『SQF』(Safe Quality Food)を取得し、安全・安心な食品を提供する体制を構築しております。また、会社組織として品質保証本部を設け、グループ各所に当本部員を配置することで、当社グループの品質管理・保証を統括して管理する体制を整えております。なお当社グループは、食の安全・安心の確保について最重要取組課題の一つと認識しており、今後も品質管理・保証体制のさらなる強化を図ってまいります。 (2)食肉需給の変動について当社グループの主要取扱商品である食肉につき、異常気象による家畜の生育遅れや家畜疾病発生により調達量が減少するリスクがあります。また、国内外の需給変化により食肉相場が大幅に変動するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、食肉の調達量の減少や調達価格の上昇、あるいは販売価格の低下により売上総利益の減少を招く可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、当社国内関連農場の地理的分散化、多数の国内協力生産者からの調達や複数国からの輸入により家畜疾病等による調達量減少リスクを分散化しております。また、食肉相場の変動リスクに対しては、先の食肉需給の変動を見込んだ調達や、適正水準での在庫管理の徹底、より付加価値の高い食肉製品の開発・販売の強化に取り組むことでリスク低減を図っております。 (3)伝染病や感染症等の流行拡大について伝染病や感染症等が発生し蔓延が長期化する場合には、景気の冷え込みによる消費者の低価格志向の高まり、外食需要の低迷、海外の需給バランス変化による輸入商材の大幅な価格変動、取引先の信用不安の高まり等のリスクが想定されます。また、当社グループ従業員に感染が確認された場合には、一部操業停止等により商品供給が停滞するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、相対的に高価な和牛や外食産業向け業務用製品の販売不振、商品調達コストの高騰、売上債権の貸し倒れ、操業停止に起因する販売機会の喪失等により、営業利益の減少を招く可能性があります。このようなリスクがある状況下においても、当社は生活に必要不可欠な食品を安定的に供給する責務があると認識しており、以下の対策を講じながら当該責務を果たしてまいります。 ・手洗い、うがいの徹底した啓蒙活動。毎日の検温。 ・在宅勤務、テレワークの推奨。Web会議の環境構築及び促進 ・感染者が発生した場合のBCP対策 ・債権管理の徹底及び資金管理 (4)公的規制について①アフリカ豚熱、豚熱、BSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫、鳥インフルエンザをはじめとする家畜疾病の発生に伴い、輸入や移動の規制を受けた場合、需給バランスに大幅に影響し、相場が急激に変動するリスクや商品調達が制限されるリスクがあります。②関税に係るセーフガード等の規制が発動された場合、相場が急激に変動するリスクや商品調達が制限されるリスクがあります。③当社商品は品質表示関連の法規制の適用を受けており、将来において新たな規制が設けられた場合には、当該規制への追加対応が必要となるリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、調達コストの増加や販売機会の喪失、新たな規制へ対応するための費用発生等により営業利益の減少を招く可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、多数の国内協力生産者からの調達や複数国からの輸入によりリスクの分散を図っております。また、当社グループは会社組織として品質保証本部を設けており、品質管理と品質表示について常に厳重なるチェックを行うとともに、新たな公的規制に対しても適切かつ迅速に対応できる体制を整えております。 (5)自然災害や気候変動について大地震、火災などの自然災害やそれに伴う大規模停電、大型の台風、豪雪などをはじめとする異常気象が発生し、生産設備や保管設備、出荷に使用される道路、港などのインフラストラクチャーが甚大な被害を受けた場合、その復旧までに生産、出荷が長期間に亘り滞るリスクがあります。それに付随して国内需給バランスが乱れ食肉相場が大幅に変動するリスクがあります。また、自然災害により、従業員や事務所・設備に対する被害が発生し当社グループの事業運営が困難になるリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、出荷の滞りによる売上高の減少や相場の変動による売上総利益の変動、保管在庫の品質低下や当社設備の破損により一時的な損失を計上する等の影響を受ける可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループでは、全国各地に食肉製品の製造・保管・販売拠点を有しており、当該リスクが顕在化した場合でも一定程度相互補完できる体制を整えております。 (6)海外進出について当社グループは、北米、欧州、オセアニア、アジアなどの日本国外でも事業活動を行っており、今後も海外事業のさらなる強化を図ってまいります。しかしながら、海外での事業活動を拡大していく上で、当社グループは以下を含む様々な要因による制約を受けるリスクがあります。 ・契約条項などの商慣習の相違 ・法律又は規制の変更 ・テロ、戦争、伝染病、自然災害などによる社会的混乱 ・予期せぬ水準での市場・為替レートの変動 ・不利な政治的及び社会的要因 ・対日感情、地域住民感情 ・知的財産、技術の流出 当該リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に様々な制限が生じ財政状態、経営成績の悪化を招く可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、新たに海外進出する際に、対象国に関する情報収集とメガトレンド分析等による情報整理に努め、リスクの程度を見極めながら意思決定を進めてまいります。また、万が一社会的混乱が発生した場合には、速やかに駐在社員及び家族の安全確認を行うとともに、現地政府及び日本国大使館の指示に従い、身の安全を図るよう指示・教育してまいります。 (7)コンプライアンスについて役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合、当社グループの社会的信用を失うリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動の広範囲に制約を受け、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、コンプライアンス委員会の設置をはじめ、コンプライアンス体制の整備を行うとともに、グループ共通のコンプライアンス規程、行動規範と行動指針を全役職員に周知するなど、コンプライアンス意識の醸成と向上を図っております。 (8)情報セキュリティについて当社グループは、事業活動を行う上で多種多様の情報を取り扱っております。このような状況下、予期できない水準の自然災害、長期間の停電、コンピュータ・ウイルスの感染や不正アクセスなどにより、情報の漏えい、情報の破壊・改ざん・消失、情報への長期間のアクセス制限等が発生するリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、機密情報の漏えいなどにより社会的信用を失うことや、情報の完全性・可用性の喪失により事業活動が広範囲に制約を受けることで、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、主に次のような対策を講じております。 ・「情報システム/セキュリティ規程」を設け、個人情報(特に顧客情報)や機密情報の安全管理と漏洩防止、適切なセキュリティ対策を実施・当社グループ役職員に対して、定期的にITセキュリティ研修や教育啓発活動を実施・遠隔でデータを削除する仕組みを導入し、端末の紛失や盗難の際にも被害を低減させることが可能。また、万が一ウイルスに感染した場合も即座に隔離し、感染の拡散を防ぐ仕組みを構築・情報システムのサーバを国内2箇所に設置し常時データを同期させることで、一方に災害等の被害が発生した場合でも他方のサーバによって、事業継続を担保できるようリスクを分散化 (9)環境保護について当社グループは事業活動を行う上で、事故・過失等による環境汚染やそれに対する損害賠償責任の発生、あるいは社会的な環境保護に関する追加要請を受けるリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、環境の原状回復に係る費用負担や、損害賠償金の支払い、社会的追加要請に対する費用負担、もしくは社会的要請に応えられない場合の社会的信用の失墜等により、当社グループの利益減少を招く可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、環境関連規制を遵守するとともに、近年社会的に強く要請されている環境に配慮した経営につき、一例として次のような取り組みを推進しております。 ・消費期限延長技術、食品循環飼料を用いた養豚事業による食品ロス低減への取り組み ・モーダルシフト、営業冷蔵庫集約、営業車両輸配送ルートの再構築、低排出ガス車への順次切り替え ・サステナビリティ委員会を設置、TCFD賛同、GHG削減委員会における温室効果ガス削減に向けた KPI策定、施策立案、省エネ活動推進 (10)為替について当社グループは、原材料及び商品の一部の輸出入取引を外貨建で行っており、また、海外関係会社の財務諸表は外貨建で作成されております。従いまして、当社グループは外国為替相場の変動に係るリスクを有しております。外国為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る収益費用及び外貨建債権債務の円換算額に影響を与え、海外関係会社の財務諸表の円貨への換算において当社グループの財政状態、経営成績に影響を与えます。当社グループは、外国為替相場の変動による輸出入取引に係る影響を軽減するため、為替予約を行っておりますが、想定した範囲を超えた為替変動が起こった場合、軽減の効果が十分に得られない可能性があります。 (11)固定資産の収益性の低下について当社グループが保有する固定資産は、投資時に想定していなかった、世界的な需給変動による調達コストの上昇や、人手不足による製造コストの上昇、国内市場の縮小による競争激化等の環境変化に起因する収益性の低下により、投資額の回収が見込めなくなるリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、回収可能価額まで対象固定資産の帳簿価額を減額するとともに、減損損失を計上することとなります。当該リスクに対し、当社グループは、重要な投資を行う際に、関係各部門から集めた委員による投融資審査会を開催し、投資計画の前提条件を含めた妥当性を検証することでリスクを最小限に抑えるよう努めております。また投資後は、継続的な投資効果のモニタリングと計画実績の差異分析により、適切な改善策を講じてまいります。 (12)人材の確保・育成について少子高齢化に伴う労働人口の減少、雇用環境の変化による人材流出等を受け、企業の人材確保及び人材育成はますます難しくなっており、当社グループが必要とする従業員数の確保や人材育成が出来なかった場合、当社グループの競争力低下や製品・商品の供給不足等を招き、当社グループの業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。このようなリスクに対し、当社グループは、人材を最も重要な経営資源と位置づけ、経営理念に「スターゼンで働いてよかったと思える会社にしよう」、「仕事を通じて自ら成長しよう」を掲げ、多様な人材が活躍できる職場環境の整備、人材育成に繋がる評価制度・教育研修を推進してまいります。

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