有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
FY2026 FY2025 FY2024 FY2022 FY2019 FY2018 FY2017
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をグループスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。現在、わが国では、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定や長期収載品への選定療養の導入、OTC類似薬の追加負担の検討など医療費抑制のための様々な施策が導入されております。あわせて、質の高い医療・ケアを提供するための医療DXの推進や、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みも加速しております。さらに、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額かつ厳密な管理を要する医薬品の登場によりモダリティ(注)が多様化しており、これらに対応し得る営業・物流体制の構築が急務となっております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速している中、医療機関・健康を願う人々をはじめとするステークホルダーへの付加価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるべく、本年4月に2028年度を最終年度とする、中期経営計画2026-2028「次代を翔ける」を新たに策定いたしました。当中期経営計画は、前中期経営計画期間で築き上げた次代に向けての「基盤」を土台にし、成長を目指した更なる投資による「収益化フェーズ」として営業利益の非連続な飛躍の実現にフォーカスした戦略、施策を実行する期間と位置付けております。コア事業である医薬品卸売事業の収益力強化とともに、積極的なアライアンスの実行による新規事業の早期拡大を通して、ヘルスケアビジネスに関わるあらゆるステークホルダーの皆様に新たな価値を創造し、提供する「ヘルスケア・トータルソリューション・プロバイダー」へと転換いたします。挑戦を恐れない自律型の社員がリードする価値創造組織への進化を通して、変化の激しい次代を力強く飛躍し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスのそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けて取り組むサステナビリティ経営を推進しております。医薬品流通を担う社会的責任として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題の一つと位置づけ、温室効果ガス排出量の中長期的な削減目標のもと、配送効率の向上による走行距離の削減や事業拠点への太陽光パネルの設置をはじめとした再生可能エネルギーへの切り替えを強力に進めてまいります。こうした自社の取り組みに加え、他社との協業によるサプライチェーン全体での環境負荷低減にも取り組んでまいります。人財活用に関しては、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、性別・国籍・障がい・年齢・価値観等を問わない幅広い登用を行っております。社員一人ひとりの成長と組織強化を促す制度改革、経営戦略を見据えた適切な人財配置と教育システムの導入、心理的安全性を軸とした企業風土改革を実践し、挑戦を恐れない自律型人財への転換をはかり、価値創造組織へと進化させてまいります。また、経営の透明性と公正性を担保すべく、取締役会による監督機能の強化や、実効性の高い内部統制システムの運用を通じて、高度なガバナンス体制を確立してまいります。リスクの的確な把握と評価を行うリスクマネジメント体制を整備し、損失の未然防止と影響の最小化を図ることで、経営の健全性を堅持してまいります。そして、全ての役職員が「関連法規の遵守」を最優先事項として行動し、ステークホルダーからの確固たる信頼を築くべく、規律ある経営を実践いたします。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。(注)モダリティとは、創薬技術や手法等の治療手段の種別のことであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をグループスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。現在、わが国では、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定や長期収載品への選定療養の導入、OTC類似薬の追加負担の検討など医療費抑制のための様々な施策が導入されております。あわせて、質の高い医療・ケアを提供するための医療DXの推進や、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みも加速しております。さらに、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額かつ厳密な管理を要する医薬品の登場によりモダリティ(注)が多様化しており、これらに対応し得る営業・物流体制の構築が急務となっております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速している中、医療機関・健康を願う人々をはじめとするステークホルダーへの付加価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるべく、本年4月に2028年度を最終年度とする、中期経営計画2026-2028「次代を翔ける」を新たに策定いたしました。当中期経営計画は、前中期経営計画期間で築き上げた次代に向けての「基盤」を土台にし、成長を目指した更なる投資による「収益化フェーズ」として営業利益の非連続な飛躍の実現にフォーカスした戦略、施策を実行する期間と位置付けております。コア事業である医薬品卸売事業の収益力強化とともに、積極的なアライアンスの実行による新規事業の早期拡大を通して、ヘルスケアビジネスに関わるあらゆるステークホルダーの皆様に新たな価値を創造し、提供する「ヘルスケア・トータルソリューション・プロバイダー」へと転換いたします。挑戦を恐れない自律型の社員がリードする価値創造組織への進化を通して、変化の激しい次代を力強く飛躍し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスのそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けて取り組むサステナビリティ経営を推進しております。医薬品流通を担う社会的責任として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題の一つと位置づけ、温室効果ガス排出量の中長期的な削減目標のもと、配送効率の向上による走行距離の削減や事業拠点への太陽光パネルの設置をはじめとした再生可能エネルギーへの切り替えを強力に進めてまいります。こうした自社の取り組みに加え、他社との協業によるサプライチェーン全体での環境負荷低減にも取り組んでまいります。人財活用に関しては、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、性別・国籍・障がい・年齢・価値観等を問わない幅広い登用を行っております。社員一人ひとりの成長と組織強化を促す制度改革、経営戦略を見据えた適切な人財配置と教育システムの導入、心理的安全性を軸とした企業風土改革を実践し、挑戦を恐れない自律型人財への転換をはかり、価値創造組織へと進化させてまいります。また、経営の透明性と公正性を担保すべく、取締役会による監督機能の強化や、実効性の高い内部統制システムの運用を通じて、高度なガバナンス体制を確立してまいります。リスクの的確な把握と評価を行うリスクマネジメント体制を整備し、損失の未然防止と影響の最小化を図ることで、経営の健全性を堅持してまいります。そして、全ての役職員が「関連法規の遵守」を最優先事項として行動し、ステークホルダーからの確固たる信頼を築くべく、規律ある経営を実践いたします。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。(注)モダリティとは、創薬技術や手法等の治療手段の種別のことであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度の医薬品業界においては、2025年4月に全品目の53%を対象とした薬価の中間年改定が実施されたことに加え、不採算品再算定の特例的適用や最低薬価の引き上げなどが行われました。また、5月に薬機法が改正され、市販薬の販売規制緩和や医療用医薬品の安定供給体制の強化、調剤業務の一部外部委託をはじめとする薬局機能の強化などが段階的に施行されることとなり、医療提供体制・医薬品流通の変革がさらに加速するものと予想されます。医療用医薬品市場は、コロナ関連製品が引き続き縮小したものの、抗がん剤やスペシャリティ医薬品、糖尿病治療薬、帯状疱疹ワクチンなどが伸長し、前年を上回る成長となりました。このような状況の中、当社グループは中期経営計画2023-2025「次代を創る」の最終年度として、2024年11月に発表した実行計画に基づき、以下の施策を推進いたしました。・事業変革への取り組み医薬と検査薬の融合を通じた医薬MSによる検査薬市場の開拓に注力するとともに、DXによる経営管理機能の高度化、流通コストの可視化による適正な配送体制の確立、および収益性の高い領域への戦略的アプローチの推進などにより、事業基盤のさらなる強化を図りました。この4月からは中期経営計画期間中に構築した基盤を軸に、機動力のある組織体制へと移行しております。・物流機能およびスペシャリティ領域の強化メーカー物流倉庫と卸物流倉庫を併設した複合型物流センター「TBC(注1)東海」(2027年度稼働予定)の建設に着手したほか、品質管理体制のさらなる高度化を目的としたISO9001の新規認証取得、GDP(Good Distribution Practice:適正流通基準)に関する社内教育の徹底・強化を実施いたしました。また、成長分野であるスペシャリティ領域への対応として、医薬品二次包装施設「羽田パッケージングセンター」の稼働準備を進めるとともに、帝人リジェネット株式会社・伊藤忠商事株式会社との協業による再生医療エコシステムを活用した新規案件への参画も進んでおります。さらに、2025年5月にはイシンファーマ株式会社、2026年1月にはサーブ・バイオファーマ株式会社への出資を行うとともに、スペシャリティ製品の患者宅配送サービス「L1MON」を開始するなど、スペシャリティ製品フルラインサービスの構築を進めました。・顧客支援ビジネスの進化2025年6月に株式会社ファルモと資本業務提携契約を締結し、同社のクラウド型ピッキング監査システム『EveryPick』の取り扱いを開始いたしました。また、同社と公益社団法人日本薬剤師会が提供する薬局DX基盤サービス『N-Bridge』および処方箋情報送信端末『NB station』の開発に向けた協力を行っております。さらに、診療予約システムにおいては、『LXMATE HeLios cloud』を新たにリリースし、販売促進活動に注力いたしました。他にも、既存システムへのAI機能の搭載、プロモーションの強化を進めております。・成長投資オープンイノベーションを推進することで既存事業の強化に加えて、次世代を担う新たな事業創出を目的とし、CVCファンド「TOHO Ventures」を設立いたしました。創薬・バイオテクノロジー領域および医療DXを中心に、主に海外の先進的スタートアップ企業の選定を進め、本年4月には「Metaphore Biotechnologies Inc.」への出資を行いました。・ガバナンスの強化2024年8月に取締役会の諮問機関として設置された「ガバナンス強化特別委員会」からの最終答申に基づき、ガバナンスの一層の強化に努めました。具体的には当社グループのコーポレートガバナンス改善を遂行する執行責任者として、CGO(チーフ・ガバナンス・オフィサー)を新たに設置し、実効的なガバナンスを推進するとともに、コンプライアンス推進部やグループガバナンス部を設置するなど推進体制の構築を行っております。・資本効率の改善と株主還元の向上「DOE(株主資本配当率)2%以上」との配当方針に沿って、前年度より100円増配し、年間配当を165円とするとともに、100億円の自己株式の取得および政策保有株式の継続的な売却も進めました。当連結会計年度の経営成績は、売上高1,553,364百万円(前期比2.3%増)、営業利益16,601百万円(前期比12.3%減)、経常利益16,631百万円(前期比19.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益17,327百万円(前期比12.7%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。医薬品卸売事業においては、新型コロナウイルス関連製品が引き続き縮小したものの、抗がん剤やスペシャリティ医薬品をはじめとする取扱卸限定製品、糖尿病治療薬、帯状疱疹ワクチンなどの売上が伸長しました。施策面では、営業と配送の役割の明確化や、共創未来ポータル・新配送端末などのデジタルツールの導入により生産性を向上するとともに、営業担当者のスキル向上のため、顧客支援ビジネスをはじめとする各種研修にも注力しました。さらに、厚生労働省が定める「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に沿った価格交渉を引き続き進めるとともに、製品・お得意先ごとの流通コストの見える化と適正化に取り組みました。その一方で、医薬品の仕入原価の上昇の影響を受けた結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,494,868百万円(前期比2.1%増)、セグメント利益(営業利益)16,820百万円(前期比11.6%減)となりました。調剤薬局事業においては、事業会社の再編を進め、2024年3月末時点で24社あったファーマクラスター株式会社傘下の調剤薬局事業会社を、2026年4月1日時点で4社にまで集約しました。また、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、省人化と薬剤師の対人業務の充実を図るため、処方箋入力センターを設置し、各店舗の処方箋入力業務を集約化しております。当連結会計年度の業績は、事業会社再編に伴う費用が先行しましたが、売上高は100,538百万円(前期比5.2%増)、セグメント利益(営業利益)は1,397百万円(前期比64.0%増)となりました。医薬品製造販売事業においては、2025年12月にジェネリック医薬品1成分3品目を新たに発売しました。また、独自の検証システムに基づく徹底した品質管理と、計画的な生産・調達体制の構築により、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組みました。TBCダイナベースと同一施設内に開設した医療用医薬品二次包装施設「羽田パッケージングセンター」では、2026年度内での受託開始に向けて準備を進めております。当連結会計年度の経営成績は、売上高11,564百万円(前期比0.9%増)、セグメント利益(営業利益)282百万円(前期比61.3%減)となりました。その他周辺事業における当連結会計年度の経営成績は、売上高7,048百万円(前期比2.9%増)、セグメント利益(営業利益)832百万円(前期比26.9%増)となりました。(注)1.TBCとは、Toho Butsuryu Center(東邦物流センター)の略称であります2.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績及び受注実績当社グループの生産実績及び受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。 ② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,400,976102.0調剤薬局事業(百万円)16,036106.1医薬品製造販売事業(百万円)8,503101.7その他周辺事業(百万円)1,504106.4合計(百万円)1,427,021102.1 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,444,698102.1調剤薬局事業(百万円)100,535105.2医薬品製造販売事業(百万円)2,654101.5その他周辺事業(百万円)5,475108.2合計(百万円)1,553,364102.3 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。 (2) 財政状態 ① 総資産当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて17,975百万円増加し、740,781百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて22,097百万円増加し、571,044百万円となりました。これは、売掛金が14,826百万円、有価証券が7,000百万円それぞれ増加したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて4,121百万円減少し、169,737百万円となりました。これは、建物及び構築物が2,862百万円増加し、投資有価証券が4,796百万円減少したこと等によります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて12,621百万円増加し、597,950百万円となりました。これは、売掛金が増加したこと等によります。調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて2,441百万円増加し、61,132百万円となりました。これは、現金及び預金、売掛金がそれぞれ増加し、非連結子会社株式が減少したこと等によります。医薬品製造販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,985百万円減少し、17,460百万円となりました。これは、関係会社株式が減少したこと等によります。その他周辺事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて255百万円増加し、6,118百万円となりました。 ② 負債当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて3,313百万円増加し、469,221百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて17,911百万円増加し、441,920百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が16,520百万円増加したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて14,598百万円減少し、27,300百万円となりました。これは、社債が11,327百万円減少したこと等によります。 ③ 純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて14,662百万円増加し、271,560百万円となりました。これは、利益剰余金が11,445百万円増加し、自己株式が2,044百万円減少したこと等によります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し5,059百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は83,286百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果獲得した資金は、19,243百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比45,919百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益26,141百万円を計上、減価償却費6,056百万円、仕入債務の増加額15,764百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額14,014百万円、法人税等の支払額7,528百万円があったこと等によるものであります。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果獲得した資金は、822百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比5,002百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、定期預金の払戻による収入9,490百万円、有価証券の売却及び償還による収入3,000百万円、有形固定資産の売却による収入2,219百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入14,826百万円がありましたが、資金減少要因として、定期預金の預入による支出4,642百万円、有価証券の取得による支出10,000百万円、有形固定資産の取得による支出6,221百万円があったこと等によるものであります。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果支出した資金は、16,346百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比4,018百万円増加)となりました。これは、資金減少要因として、自己株式の取得による支出10,002百万円、配当金の支払額5,449百万円があったこと等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ① 市場価格のないその他有価証券の評価当社グループは、市場価格のないその他有価証券は移動平均法による原価法を採用し、その評価は1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が50%を下回っている場合に減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案してその実質価額が合理的な期間内に回復可能であるか判断しております。なお、将来の超過収益力等を反映した価額を実質価額とすることが合理的と判断される場合には、当該金額を純資産額に代えて減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案して、超過収益力等の毀損が生じていないか、または当社グループの投資価値回復計画を作成し、実質価額が取得価額に比して50%超下回るものの、実行可能で合理的な投資価値回復計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるかにより判断しております。従って、事業計画等が達成されない場合、投資有価証券の減損処理を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。市場価格のないその他有価証券の評価のうち、市場価格のない非連結子会社株式の評価は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 繰延税金資産の回収可能性の判断当社グループは、繰延税金資産について四半期毎に回収可能性を検討し、回収可能性がないと考えられる金額に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断は、業績を踏まえた将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の企業分類が分類2、分類3に該当する会社は、繰延税金資産の回収可能性を判断する際に、課税所得見込額やタックス・プランニングは予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため、見積可能期間は3年でスケジューリングを行っております。将来の課税所得見込額は業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の見直しを行うため法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 ③ 固定資産の減損当社グループは、固定資産の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を実施することとしております。回収可能価額の算定において用いられる資産グループごとの割引前将来キャッシュ・フローは事業計画に基づいて見積りを実施しており、当該事業計画は予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため長期的な売上成長率を見込まずに作成しております。固定資産の回収可能価額の評価にあたっては、見積った将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値等を考慮した割引率を用いて算出した割引後将来キャッシュフローもしくは正味売却価額を用いております。これらの主要な仮定について、市場環境の変化等により見直しが必要となる場合、固定資産の減損が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。 ④ 貸倒引当金の見積り当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過去3年間の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当処理が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定や長期収載品への選定療養の導入など医療費抑制のための様々な施策が導入されております。また、国民が良質な医療やケアを受けられるために、医療DXの促進や、「地域包括ケアシステム」の構築への取り組み等が進められております。さらに、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額で厳密な管理が必要とされる医薬品が多く登場するなど医薬品のモダリティ(注)が大きく変化しており、医薬品等の多様性に対応できる営業・物流体制の構築が求められております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、この先の次代においても医療機関・健康を願う人々をはじめとするステークホルダーへの付加価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるべく、2023年5月に2025年度を最終年度とする、中期経営計画2023-2025「次代を創る」を策定いたしました。さらに、2024年11月には当中期経営計画の実効性を高めるための実行計画を定め、ロードマップに沿った取り組みを着実に進めております。また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスのそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けて取り組むサステナビリティ経営を推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、温室効果ガス排出量の短期および中長期的な削減目標を設定し、配送管理システムの導入による配送効率の向上や太陽光パネルの設置、EV車の導入、再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替え等に取り組んでおります。当社グループは、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、人財によって成長してきた歴史と、社員の自由な発想を尊重してきた企業文化を大切に継承するとともに、性別・国籍・年齢・価値観等を問わない幅広い人財活用と、各種研修やプロジェクトへの参画を通じた人財育成、働き方改革の推進にも取り組んでおります。今後も社員一人ひとりの声に耳を傾け、その人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成するとともに、人的資本価値の最大化を図ってまいります。さらに、健全な事業活動を行うべく、ガバナンスの一層の強化を図るとともに、全ての役職員が「関連法規の遵守」と「コンプライアンス・リスクマネジメント」を最優先事項として行動してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。(注)モダリティとは、創薬技術や手法等の治療手段の種別のことであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定や長期収載品への選定療養の導入など医療費抑制のための様々な施策が導入されております。また、国民が良質な医療やケアを受けられるために、医療DXの促進や、「地域包括ケアシステム」の構築への取り組み等が進められております。さらに、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額で厳密な管理が必要とされる医薬品が多く登場するなど医薬品のモダリティ(注)が大きく変化しており、医薬品等の多様性に対応できる営業・物流体制の構築が求められております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、この先の次代においても医療機関・健康を願う人々をはじめとするステークホルダーへの付加価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるべく、2023年5月に2025年度を最終年度とする、中期経営計画2023-2025「次代を創る」を策定いたしました。さらに、2024年11月には当中期経営計画の実効性を高めるための実行計画を定め、ロードマップに沿った取り組みを着実に進めております。また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスのそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けて取り組むサステナビリティ経営を推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、温室効果ガス排出量の短期および中長期的な削減目標を設定し、配送管理システムの導入による配送効率の向上や太陽光パネルの設置、EV車の導入、再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替え等に取り組んでおります。当社グループは、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、人財によって成長してきた歴史と、社員の自由な発想を尊重してきた企業文化を大切に継承するとともに、性別・国籍・年齢・価値観等を問わない幅広い人財活用と、各種研修やプロジェクトへの参画を通じた人財育成、働き方改革の推進にも取り組んでおります。今後も社員一人ひとりの声に耳を傾け、その人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成するとともに、人的資本価値の最大化を図ってまいります。さらに、健全な事業活動を行うべく、ガバナンスの一層の強化を図るとともに、全ての役職員が「関連法規の遵守」と「コンプライアンス・リスクマネジメント」を最優先事項として行動してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。(注)モダリティとは、創薬技術や手法等の治療手段の種別のことであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における医療用医薬品市場は、2024年4月に実施された薬価改定において薬剤費ベースで4.67%の薬価基準の引き下げが行われたほか、2024年10月から導入された長期収載品の選定療養に伴い、後発医薬品への切り替えが加速するなど、引き続き医療費抑制策の推進による影響を受けました。新型コロナウイルス感染症については、医療費の公費負担が2024年3月をもって終了し、4月からは新型コロナワクチンの一般流通が開始されました。当社グループにおいては、コロナ治療薬や検査薬の売上の減少があった一方で、スペシャリティ医薬品をはじめとする取扱卸を限定する製品の売上が引き続き伸長したことなどにより、売上については前連結会計年度を上回る結果となりました。当社グループは、2023年5月に2023年度からの3カ年を期間とする中期経営計画2023-2025「次代を創る」を策定し、(1)事業変革、(2)成長投資・収益性向上、(3)サステナビリティ経営、(4)資本効率の改善と株主還元の向上、の4つを基本方針として掲げ、積極的なアライアンスやDXの推進などにより持続的成長と企業価値向上のための具体的施策に取り組んでおります。また、当中期経営計画の実効性を高め、その取り組みを加速させるため、2024年4月に経営戦略委員会を立ち上げ、利益成長戦略の検証等を行い、新たな数値目標やロードマップを織り込んだ実行計画を2024年11月に策定いたしました。具体的には、2029年3月期に連結ベースで営業利益率1.5%以上、及び、ROE8%以上を達成することを目標に掲げ、事業戦略の実行と数値目標の達成に必要な投資とその資金の確保に向けたキャピタルアロケーションを明確化しております。さらに、本実行計画をトランスフォーメーションプロジェクトと名付け、代表取締役CEOをプロジェクトオーナーとした推進体制を構築し、全社一丸となった取り組みを開始いたしました。中期経営計画、ならびにその実行計画に基づき、以下の具体的な取り組みを着実に進めております。基幹事業である医薬品卸売事業においては、2026年4月のスタートを目指し、二次医療圏を軸とした「チーム制」への移行に向けた準備を進めており、医薬MSと検査薬MSによる共同施策の展開や、事業拠点の統廃合などを推進いたしました。また、営業担当者の業務効率化と医療機関・薬局等のお得意先の利便性向上を図るため、過去の注文履歴、納品予定、欠品状況などを一目で確認できる「共創未来ポータル」の提供を開始いたしました。成長が期待されるスペシャリティ製品については、その競争優位を確立するため、サイノスバイオ株式会社の再生医療等製品「サクラシー®」の流通を受託するとともに、同社の事業開発および生産能力向上を支援するための出資を実施いたしました。また、スペシャリティ製品の取り扱い拡大を見据え、医薬品の定温輸送容器をはじめとした物流機器の製造・販売を行うワコン株式会社と資本業務提携を締結いたしました。さらに、スペシャリティ製品のフルラインサービス拡充を目指し、TBCダイナベースと同一施設内に、共創未来ファーマ株式会社の医薬品二次包装施設「羽田パッケージングセンター」を新設いたしました。TBCダイナベースにCDMO機能、メーカー倉庫機能、卸倉庫機能を集約することで、効率的なワンストップサプライチェーンを構築するとともに、一部のスペシャリティ医薬品や希少疾病用医薬品に求められる厳格な温度管理や振動リスクの低減を実現し、医療機関や患者様への迅速かつ安定的な医薬品供給に貢献してまいります。「地域ヘルスケアデザインの構築」および「顧客支援ビジネスの進化」に向けては、薬局向けICT事業を展開する株式会社ファルモと業務提携を行い、同社のクラウド型ピッキング監査システム「EveryPick」の取り扱いを開始いたしました。また、物流の質的向上と生産性向上を図るため、配送業務の合理化と効率化を目的とした新しい配送端末と計画配送システムを導入いたしました。これにより、配送状況の可視化と最適な配送スケジュールの策定が可能となっております。さらに、新たな配送手段の確立に向け、ドローン・ロボットを活用したDXソリューションを開発・提供するブルーイノベーション株式会社と戦略的業務提携を締結し、大規模災害時の被災地や遠隔地、アクセス困難な地域への医薬品・医療機器の安定的な配送体制構築に向けた検討を開始いたしました。加えて、株式会社 T2 と戦略的パートナーシップを構築し、医薬品流通における自動運転トラックの可能性と、よりシームレスな輸送方法の研究・開発に着手いたしました。株主還元については、「2026年3月期までにDOE(株主資本配当率)2%以上」との配当方針に基づき、前年度より25円増配し、年間配当を65円といたしました。また、資本政策においては、150億円の自己株式取得を実施し、取得した全株式を消却いたしました。政策保有株式については継続的な縮減を進めており、2025年3月末時点での政策保有株式の純資産比率は16.2%となっております。 サステナビリティ経営においては、お取引先の皆様との信頼関係をより一層深め、責任ある調達活動を推進するため、「グループ調達方針」を策定し公表するとともに、その実行体制を強化するべく「購買管理室」を新設いたしました。また、サプライチェーン全体における共存共栄関係を構築することを目的とした「パートナーシップ構築宣言」に、当社グループより13社が参画いたしました。さらに、ガバナンスの一層の強化を図るため、2024年8月には取締役会の諮問機関として「ガバナンス強化特別委員会」を設置いたしました。同委員会は、法律、財務、企業経営等の専門性を有し、当社から独立したメンバーで構成されており、客観的かつ専門的な視点から当社グループのコンプライアンス、リスクマネジメントを含むガバナンス全般の課題と改善策について数カ月にわたりご議論いただいております。2025年2月には同委員会より中間答申が報告されており、今夏には最終答申が報告される予定です。当社グループは、この中間答申に基づき、2025年4月に「コンプライアンス推進部」ならびに「関係会社管理部」を新設するなど、改善すべき案件について早急に対応を進めております。当連結会計年度の経営成績は、売上高1,518,495百万円(前期比2.8%増)、営業利益18,936百万円(前期比2.0%減)、経常利益20,716百万円(前期比4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益19,844百万円(前期比3.9%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。医薬品卸売事業においては、コロナ治療薬・検査薬の需要減少や、選定療養導入による後発医薬品の使用促進に伴う影響がみられました。その一方で、2024年10月からの自治体による新型コロナワクチンの定期接種開始に伴い、ワクチンの売上が増加しました。また、スペシャリティ医薬品をはじめとする取扱卸限定製品の売上が引き続き好調に推移し、全体の売上を牽引しました。医療機関との価格交渉においては、2024年3月に改訂された流通改善ガイドラインを遵守すべく、個々の製品価値と流通コストに見合った単品単価交渉に引き続き取り組むとともに、特に医療上の必要性の高い医薬品については別枠での交渉に努めました。顧客支援システムについては簡易版ミザルや病院なびPRサービス等の新製品・新サービスの提案に努めるとともに、市場ニーズや将来性を精査し、高付加価値製品への注力と、より効率的な資源配分を進めることで、事業全体のさらなる成長を図るべく、製品ポートフォリオの最適化を進めております。これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,463,520百万円(前期比2.7%増)、セグメント利益(営業利益)19,033百万円(前期比2.2%減)となりました。調剤薬局事業においては、中期経営計画の重要施策である「調剤薬局事業の変革」を実践すべく、事業会社の再編を進め、2024年3月末時点で24社あったファーマクラスター株式会社傘下の調剤薬局事業会社を、今年4月1日時点で11社にまで再編し、東日本における再編はほぼ完了いたしました。また、採算性を重視した新規開局と閉局を引き続き行いました。さらに、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、マイナ保険証の利用促進等による薬局DXの推進や、在宅医療への貢献に向けた変革を推進するため、在宅専門診療所との連携強化に取り組みました。一方で、事業会社の統合に伴う一時的な費用の発生や人件費の増加により、当連結会計年度の経営成績は、売上高は95,553百万円(前期比1.9%増)、セグメント利益(営業利益)は852百万円(前期比44.9%減)となりました。医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づく徹底した品質管理と、計画的な生産・調達体制の構築により、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組みました。また、TBCダイナベースと同一施設内に、低温もしくは抗体医薬品を含むバイアル製剤等を主とした検査・包装および保管業務が行える医療用医薬品二次包装施設として「羽田パッケージングセンター」を開設し、今秋より製薬メーカー様からの受託を行うべく準備を進めております。当連結会計年度の経営成績は、売上高11,459百万円(前期比8.2%増)、セグメント利益(営業利益)729百万円(前期比3.5%減)となりました。その他周辺事業における当連結会計年度の経営成績は、売上高6,850百万円(前期比11.4%増)、セグメント利益(営業利益)655百万円(前期比46.2%増)となりました。(注)1.TBCとは、Toho Butsuryu Center(東邦物流センター)の略称であります2.CDMOとは、製造開発受託のことであります3.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績及び受注実績当社グループの生産実績及び受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。 ② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,372,900103.3調剤薬局事業(百万円)15,112103.6医薬品製造販売事業(百万円)8,360109.7その他周辺事業(百万円)1,414113.5合計(百万円)1,397,787103.4 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,415,289102.9調剤薬局事業(百万円)95,531101.9医薬品製造販売事業(百万円)2,615107.1その他周辺事業(百万円)5,059107.6合計(百万円)1,518,495102.8 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。 (2) 財政状態 ① 総資産当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて50,621百万円減少し、722,805百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて48,941百万円減少し、548,946百万円となりました。これは、商品及び製品が3,679百万円増加し、現金及び預金が46,437百万円、売掛金が5,955百万円それぞれ減少したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,679百万円減少し、173,858百万円となりました。これは、投資有価証券が6,117百万円減少したこと等によります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて12,948百万円減少し、585,328百万円となりました。これは、商品及び製品が増加し、CMS預け金及び売掛金がそれぞれ減少したこと等によります。調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,928百万円増加し、58,691百万円となりました。これは、CMS預け金が増加したこと等によります。医薬品製造販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて108百万円増加し、19,446百万円となりました。これは、リース資産が増加したこと等によります。その他周辺事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて454百万円増加し、5,863百万円となりました。 ② 負債当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて58,082百万円減少し、465,907百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて47,296百万円減少し、424,008百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が40,349百万円減少したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて10,785百万円減少し、41,899百万円となりました。これは、社債が9,010百万円減少したこと等によります。 ③ 純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて7,460百万円増加し、256,897百万円となりました。これは、利益剰余金が9,185百万円増加し、自己株式が2,088百万円減少した一方、その他有価証券評価差額金が3,680百万円減少したこと等によります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し50,446百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は78,226百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果支出した資金は、26,675百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比86,609百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益28,056百万円を計上、減価償却費5,929百万円がありましたが、資金減少要因として、仕入債務の減少額40,755百万円、棚卸資産の増加額3,489百万円、法人税等の支払額10,143百万円があったこと等によるものであります。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果支出した資金は、4,180百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比13,271百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、有形固定資産の売却による収入2,980百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入7,933百万円がありましたが、資金減少要因として、定期預金の預入による支出5,131百万円、長期性預金の預入による支出4,000百万円、有形固定資産の取得による支出4,056百万円があったこと等によるものであります。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果支出した資金は、20,364百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比1,830百万円増加)となりました。これは、資金減少要因として、短期借入金の減少額1,269百万円、自己株式の取得による支出15,004百万円、配当金の支払額3,017百万円があったこと等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ① 市場価格のないその他有価証券の評価当社グループは、市場価格のないその他有価証券は移動平均法による原価法を採用し、その評価は1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が50%を下回っている場合に減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案してその実質価額が合理的な期間内に回復可能であるか判断しております。なお、将来の超過収益力等を反映した価額を実質価額とすることが合理的と判断される場合には、当該金額を純資産額に代えて減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案して、超過収益力等の毀損が生じていないか、または当社グループの投資価値回復計画を作成し、実質価額が取得価額に比して50%超下回るものの、実行可能で合理的な投資価値回復計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるかにより判断しております。従って、事業計画等が達成されない場合、投資有価証券の減損処理を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。市場価格のないその他有価証券の評価のうち、市場価格のない非連結子会社株式の評価は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 独占禁止法関連損失引当金「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ③ 繰延税金資産の回収可能性の判断当社グループは、繰延税金資産について四半期毎に回収可能性を検討し、回収可能性がないと考えられる金額に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断は、業績を踏まえた将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の企業分類が分類2、分類3に該当する会社は、繰延税金資産の回収可能性を判断する際に、課税所得見込額やタックス・プランニングは予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため、見積可能期間は3年でスケジューリングを行っております。将来の課税所得見込額は業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の見直しを行うため法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 ④ 固定資産の減損当社グループは、固定資産の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を実施することとしております。回収可能価額の算定において用いられる資産グループごとの割引前将来キャッシュ・フローは事業計画に基づいて見積りを実施しており、当該事業計画は予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため長期的な売上成長率を見込まずに作成しております。固定資産の回収可能価額の評価にあたっては、見積った将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値等を考慮した割引率を用いて算出した割引後将来キャッシュフローもしくは正味売却価額を用いております。これらの主要な仮定について、市場環境の変化等により見直しが必要となる場合、固定資産の減損が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。 ⑤ 貸倒引当金の見積り当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過去3年間の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当処理が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。 我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定や長期収載品への選定療養の導入など医療費抑制のための様々な施策が導入されております。また、国民が良質な医療やケアを受けられるために、医療DXの促進や、「地域包括ケアシステム」の構築への取り組み等が進められております。さらに、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額で厳密な管理が必要とされる医薬品が多く登場するなど医薬品のモダリティが大きく変化しており、医薬品等の多様性に対応できる営業・物流体制の構築が求められております。 このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速している中、この先の次代においても医療機関・健康を願う人々をはじめとするステークホルダーへの付加価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるべく、2025年度を最終年度とする、中期経営計画2023-2025「次代を創る」を策定し、(1)事業変革、(2)成長投資・収益性向上、(3)サステナビリティ経営、(4)資本効率の改善と株主還元の向上、の4つの基本方針のもと、当社グループの目指す姿の実現に向けて各施策を進めております。 また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスのそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けて取り組むサステナビリティ経営を推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、CO2排出量の短期および中長期的な削減目標を設定し、配送回数の適正化をはじめとする配送効率の向上や太陽光パネルの設置、EV車の導入、再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替え等に取り組んでおります。 当社グループは、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、人財によって成長してきた歴史と、社員の自由な発想を尊重してきた企業文化を大切に継承するとともに、性別・国籍・年齢等を問わない幅広い人財活用と、各種研修やプロジェクトへの参画を通じた人財育成、働き方改革の推進にも取り組んでおります。今後も社員一人ひとりの人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成するとともに、人的資本価値の最大化を図ってまいります。 さらに、健全な事業活動を行うべく、ガバナンスの一層の強化を図るとともに、全ての役職員が「関連法規の遵守」と「コンプライアンス・リスクマネジメント」を最優先事項として行動してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。 このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。 我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定や長期収載品への選定療養の導入など医療費抑制のための様々な施策が導入されております。また、国民が良質な医療やケアを受けられるために、医療DXの促進や、「地域包括ケアシステム」の構築への取り組み等が進められております。さらに、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額で厳密な管理が必要とされる医薬品が多く登場するなど医薬品のモダリティが大きく変化しており、医薬品等の多様性に対応できる営業・物流体制の構築が求められております。 このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速している中、この先の次代においても医療機関・健康を願う人々をはじめとするステークホルダーへの付加価値を提供し、社会に貢献する企業であり続けるべく、2025年度を最終年度とする、中期経営計画2023-2025「次代を創る」を策定し、(1)事業変革、(2)成長投資・収益性向上、(3)サステナビリティ経営、(4)資本効率の改善と株主還元の向上、の4つの基本方針のもと、当社グループの目指す姿の実現に向けて各施策を進めております。 また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスのそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けて取り組むサステナビリティ経営を推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、CO2排出量の短期および中長期的な削減目標を設定し、配送回数の適正化をはじめとする配送効率の向上や太陽光パネルの設置、EV車の導入、再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替え等に取り組んでおります。 当社グループは、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、人財によって成長してきた歴史と、社員の自由な発想を尊重してきた企業文化を大切に継承するとともに、性別・国籍・年齢等を問わない幅広い人財活用と、各種研修やプロジェクトへの参画を通じた人財育成、働き方改革の推進にも取り組んでおります。今後も社員一人ひとりの人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成するとともに、人的資本価値の最大化を図ってまいります。 さらに、健全な事業活動を行うべく、ガバナンスの一層の強化を図るとともに、全ての役職員が「関連法規の遵守」と「コンプライアンス・リスクマネジメント」を最優先事項として行動してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。 このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における医療用医薬品市場は、2023年4月に中間年の薬価改定が実施されるなど、引き続き医療費抑制策の推進による影響を受けたほか、医療用医薬品の供給状況において一部製品の出荷調整が継続するなど、先行き不透明な状況が続きました。当社グループにおいては、コロナ検査試薬や検査キットの売上が前年度に比べて大きく減少したものの、コロナ関連製品全体の売上については当初想定していたほどの減少には至らず、スペシャリティ医薬品をはじめとする取扱卸を限定する製品の売上が引き続き伸長したことや、一部の製薬メーカーによる流通体制の変更などにより、売上・利益とも前年度を上回る結果となりました。また、当社グループは、2023年5月に2024年3月期から2026年3月期までの3年間の中期経営計画2023-2025「次代を創る」を新たに策定し、(1)事業変革、(2)成長投資・収益性向上、(3)サステナビリティ経営、(4)資本効率の改善と株主還元の向上、の4つを基本方針として掲げ、積極的なアライアンスやDXの推進などにより持続的成長と企業価値向上のための具体的施策に取り組んでおります。事業変革においては、「卸売事業の変革」を推進すべく、2023年7月に東邦薬品株式会社において営業部門を中心とした大幅な組織変更を行い、地域に根ざした取り組みを推進するための二次医療圏をベースとした営業体制に再編すべく検討を加速しております。変革の大きなテーマに医薬と検査薬の融合を掲げ、医薬MSと検査薬MSによる共同プロモーション等を推進するとともに、事業拠点の統廃合やMSとEMSの役割の明確化による営業と配送の効率化にも取り組みました。また、積極的なアライアンスにより、最先端技術と当社独自の顧客支援システムをはじめとする様々な機能との融合による新たな付加価値創造を図るため、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と連携研究ラボを設立し、ユニバーサルメディカルアクセスの構築を目的とした共同研究をスタートさせたほか、オンライン医療事業や臨床開発デジタルソリューション事業等を展開する株式会社MICINと資本業務提携を行い、6つの分科会から構成されるプロジェクトチームを立ち上げ、一部の事業では協業を開始しております。成長投資・収益性向上のための取り組みについては、今後、市場成長が期待される再生医療等製品の取り扱いを開始するとともに、適正流通にむけた体制を構築するため、東邦薬品株式会社内に再生医療管理室を新設いたしました。また、投資案件の財務視点、事業戦略視点での妥当性や収益性、成長性、リスク等を検証することで規律ある投資を実行するため、取締役会の諮問機関として「投資委員会」を設置いたしました。サステナビリティの推進については、短期および中長期的なCO2排出量削減目標を策定し、その達成に向けて物流センターや事業所において再生可能エネルギー由来の電力プランへの切り替え、太陽光パネルの設置やEV車の導入を進めております。また、2024年3月からはノボ ノルディスク ファーマ株式会社が日本で初めて試験運用を開始する、使用済みプレフィルド型ペン型注入器のリサイクルプロジェクト「ReMedTM 使用済み医療機器に、新たな使命を。」に東邦薬品株式会社ならびに当社グループ薬局15店舗が参画し、プラスチック廃棄物(フットプリント)の削減に貢献しております。資本政策においては、政策保有株式の継続的な縮減や、2回の自己株式取得(各60億円、合計120億円)を実施し、2回目に取得した株式についてはその全株を消却するなど、資本効率の改善と株主還元の向上に取り組みました。また、これらの中期経営計画の取り組みを加速し、その実効性を高めるため、重要な経営戦略や事業戦略等について議論・検討を行う「経営戦略委員会」を取締役会の諮問機関として設置することを決定いたしました。さらに、2024年3月には東邦ホールディングス株式会社の組織を再編し、経営戦略本部と物流・システム企画本部を新設し、具体的施策の取り組み強化を図っております。当連結会計年度の経営成績は、売上高1,476,712百万円(前期比6.1%増)、営業利益19,331百万円(前期比18.1%増)、経常利益21,787百万円(前期比13.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益20,657百万円(前期比51.5%増)となりました。なお、当連結会計年度より、従来営業外収益として計上していた情報提供料収入等を売上高に含めることといたしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の情報提供料収入等についても売上高に組替えを行っております。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。医薬品卸売事業においては、解熱鎮痛薬や鎮咳薬、去痰薬、麻しんワクチン等の需給ひっ迫による出荷調整への対応に努めました。スペシャリティ医薬品をはじめとする、取扱卸を限定する製品の売上は引き続き順調に伸長しており、一部の製薬メーカーによる流通体制の変更も売上に寄与いたしました。医療機関との価格交渉においては個々の製品価値と流通コストに見合った単品単価交渉に継続して努め、顧客支援システムについては動画やリモートディテーリングを活用したプロモーションの強化、ドラッグストアを中心とした『ENIFvoice』シリーズの導入促進、『ENIF』から『FutureENIF』への切り替えの推進、『病院なびホームページサービス』の提案強化等に取り組みました。これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,424,488百万円(前期比6.3%増)、セグメント利益(営業利益)19,453百万円(前期比39.0%増)となりました。調剤薬局事業においては、中期経営計画の重要施策である「調剤薬局事業の変革」を実践すべく、事業会社の再編や採算性を重視した新規開局と閉局を行うとともに、在宅専門診療所との連携強化に取り組みました。また、デジタル化への対応を進めるため、処方箋送信機能と電子お薬手帳を備えたポータルアプリ『共創未来 薬局けんこうナビ』の提供を開始いたしました。当連結会計年度の経営成績は患者さまの受診抑制の回復に伴い処方箋応需枚数が増加した一方で、地域支援体制加算の経過措置が終了したことなどにより技術料が減少し、売上高は93,789百万円(前期比1.6%増)、セグメント利益(営業利益)は1,546百万円(前期比36.4%減)となりました。医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づく徹底した品質管理と、計画的な生産・調達体制の構築により、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組みました。また、共創未来ファーマ株式会社が販売するジェネリック医薬品が200床以上の大病院において1,000軒を超える採用をいただくまでになりました。これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高10,593百万円(前期比6.5%増)、セグメント利益(営業利益)755百万円(前期比12.6%減)となりました。その他周辺事業における当連結会計年度の経営成績は、売上高6,147百万円(前期比7.4%減)、セグメント利益(営業利益)448百万円(前期比27.9%減)となりました。(注)1.EMSとは、配送担当者のことであります。2.ユニバーサルメディカルアクセスとは、医療・介護者のスキルの多寡に関わらず、誰もが不安なく質の高い医療・介護を提供できる仕組みであります。また、住む場所に関わらず、災害・緊急時でも、必要十分な医療・介護にアクセスできる、究極の医療アクセシビリティのことであります。3.リモートディテーリングとは、医療従事者に専門担当者がオンライン経由で情報を提供することであります。4.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績及び受注実績当社グループの生産実績及び受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。 ② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,328,828105.1調剤薬局事業(百万円)14,585103.1医薬品製造販売事業(百万円)7,618105.0その他周辺事業(百万円)1,24667.5合計(百万円)1,352,278105.0 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,375,794106.4調剤薬局事業(百万円)93,774101.6医薬品製造販売事業(百万円)2,442116.0その他周辺事業(百万円)4,70194.3合計(百万円)1,476,712106.1 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。 (2) 財政状態 ① 総資産当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて58,138百万円増加し、773,427百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて64,368百万円増加し、597,888万円となりました。これは、現金及び預金が46,769百万円、売掛金が22,234百万円それぞれ増加し、商品及び製品が4,110百万円減少したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて6,230百万円減少し、175,538百万円となりました。これは、有形固定資産が2,792万円、投資有価証券が2,391百万円それぞれ減少したこと等によります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて35,439百万円増加し、598,277百万円となりました。これは、CMS預け金及び売掛金がそれぞれ増加し、商品及び製品が減少したこと等によります。調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて917百万円増加し、56,763百万円となりました。これは、CMS預け金が増加したこと等によります。医薬品製造販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,215百万円増加し、19,338百万円となりました。これは、CMS預け金が増加したこと等によります。その他周辺事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて162百万円減少し、5,408百万円となりました。 ② 負債当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて51,617百万円増加し、523,990百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて31,116百万円増加し、471,305百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が52,931百万円増加し、1年内償還予定の社債が20,003百万円減少したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて20,501百万円増加し、52,684百万円となりました。これは、社債が22,092百万円増加したこと等によります。 ③ 純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて6,520百万円増加し、249,437百万円となりました。これは、利益剰余金が18,215百万円増加した一方、資本剰余金が3,933百万円減少、自己株式が7,800百万円増加したこと等によります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し46,833百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は128,673百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果獲得した資金は、59,934百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比59,943百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益30,783百万円を計上、減価償却費6,244百万円、仕入債務の増加額51,410百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額20,356百万円、法人税等の支払額7,773百万円があったこと等によるものであります。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果獲得した資金は、9,091百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比4,775百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、投資有価証券の売却及び償還による収入13,233百万円がありましたが、資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出2,505百万円、投資有価証券の取得による支出2,113百万円があったこと等によるものであります。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果支出した資金は、22,195百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比9,135百万円減少)となりました。これは、資金増加要因として、社債の発行による収入22,110百万円がありましたが、資金減少要因として、長期借入金の返済による支出9,622百万円、社債の償還による支出20,000百万円、自己株式の取得による支出12,002百万円、配当金の支払額2,235百万円があったこと等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ① 市場価格のないその他有価証券の評価当社グループは、市場価格のないその他有価証券は移動平均法による原価法を採用し、その評価は1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が50%を下回っている場合に減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案してその実質価額が合理的な期間内に回復可能であるか判断しております。なお、将来の超過収益力等を反映した価額を実質価額とすることが合理的と判断される場合には、当該金額を純資産額に代えて減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案して、超過収益力等の毀損が生じていないか、または当社グループの投資価値回復計画を作成し、実質価額が取得価額に比して50%超下回るものの、実行可能で合理的な投資価値回復計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるかにより判断しております。従って、事業計画等が達成されない場合、投資有価証券の減損処理を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。市場価格のないその他有価証券の評価のうち、市場価格のない非連結子会社株式の評価は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 独占禁止法関連損失引当金「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ③ 繰延税金資産の回収可能性の判断当社グループは、繰延税金資産について四半期毎に回収可能性を検討し、回収可能性がないと考えられる金額に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断は、業績を踏まえた将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の企業分類が分類2、分類3に該当する会社は、繰延税金資産の回収可能性を判断する際に、課税所得見込額やタックス・プランニングは予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため、見積可能期間は3年でスケジューリングを行っております。将来の課税所得見込額は業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の見直しを行うため法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 ④ 固定資産の減損当社グループは、固定資産の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を実施することとしております。回収可能価額の算定において用いられる資産グループごとの割引前将来キャッシュ・フローは事業計画に基づいて見積りを実施しており、当該事業計画は予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため長期的な売上成長率を見込まずに作成しております。固定資産の回収可能価額の評価にあたっては、見積った将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値等を考慮した割引率を用いて算出した割引後将来キャッシュフローもしくは正味売却価額を用いております。これらの主要な仮定について、市場環境の変化等により見直しが必要となる場合、固定資産の減損が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。 ⑤ 貸倒引当金の見積り当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過去3年間の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当処理が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定など医療費抑制のための様々な施策が推進されております。また、改正医薬品医療機器等法が段階的に施行され、2022年1月には「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」が改訂されるなど、これらのガイドラインや制度改正の趣旨を踏まえた対応が求められております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大は、人々の生活様式を一変させ、「新たな日常」に対応した医療提供体制の再構築が喫緊の課題となっております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化や課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。中期的な収益性向上のための施策として、医薬品卸売事業につきましては、デジタル社会を見据え、患者様、医療機関、在宅医療・介護に携わる専門職等の利便性を向上させる顧客支援システムの開発・提案に一層取り組んでまいります。また、22,000軒以上の調剤薬局が参画する薬局共創未来との連携強化を図るとともに、TBCダイナベースを起点とした治験物流やメーカー物流の推進、さらにバイオ医薬品・遺伝子治療薬・再生医療等製品・バイオシミラーといった今後の成長が期待される事業領域にも挑戦してまいります。調剤薬局事業につきましては、店舗数の拡大や調剤報酬改定への対応を進めることで収益の確保を図ってまいります。また、DXの推進により薬剤師業務の効率化と患者様の利便性の向上を図るとともに、オンライン服薬指導の体制強化やSNSを活用した服薬フォロー、物販の拡大など健康サポート薬局としての機能を強化してまいります。また、地域医療に密着したサービスの提供と、高度な薬学管理知識を有する薬剤師の育成により、それぞれ地域連携薬局と専門医療機関連携薬局としての機能を果たすことで調剤薬局事業の高付加価値化を推進してまいります。医薬品製造販売事業におきましては、自社ブランドでの新たな製品を発売するなど引き続き製品ラインナップの拡大を図り、独自の検証により品質を担保した後発医薬品を安定的に提供することで、患者様や医療機関の信頼に応えてまいります。また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスというそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けた取り組みを推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、物流センターからお得意先への直送や配送回数の適正化、共同物流など配送効率の向上に取り組んでまいります。また、性別・国籍・年齢等を問わない幅広い人材活用と、社員一人ひとりの人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成してまいります。さらに、関連法規を遵守し健全な事業活動を行うべくガバナンスの一層の強化を図るなどESG経営を推進してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。このような取り組みを推進することで、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定など医療費抑制のための様々な施策が推進されております。また、改正医薬品医療機器等法が段階的に施行され、2022年1月には「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」が改訂されるなど、これらのガイドラインや制度改正の趣旨を踏まえた対応が求められております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大は、人々の生活様式を一変させ、「新たな日常」に対応した医療提供体制の再構築が喫緊の課題となっております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化や課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。中期的な収益性向上のための施策として、医薬品卸売事業につきましては、デジタル社会を見据え、患者様、医療機関、在宅医療・介護に携わる専門職等の利便性を向上させる顧客支援システムの開発・提案に一層取り組んでまいります。また、22,000軒以上の調剤薬局が参画する薬局共創未来との連携強化を図るとともに、TBCダイナベースを起点とした治験物流やメーカー物流の推進、さらにバイオ医薬品・遺伝子治療薬・再生医療等製品・バイオシミラーといった今後の成長が期待される事業領域にも挑戦してまいります。調剤薬局事業につきましては、店舗数の拡大や調剤報酬改定への対応を進めることで収益の確保を図ってまいります。また、DXの推進により薬剤師業務の効率化と患者様の利便性の向上を図るとともに、オンライン服薬指導の体制強化やSNSを活用した服薬フォロー、物販の拡大など健康サポート薬局としての機能を強化してまいります。また、地域医療に密着したサービスの提供と、高度な薬学管理知識を有する薬剤師の育成により、それぞれ地域連携薬局と専門医療機関連携薬局としての機能を果たすことで調剤薬局事業の高付加価値化を推進してまいります。医薬品製造販売事業におきましては、自社ブランドでの新たな製品を発売するなど引き続き製品ラインナップの拡大を図り、独自の検証により品質を担保した後発医薬品を安定的に提供することで、患者様や医療機関の信頼に応えてまいります。また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスというそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けた取り組みを推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、物流センターからお得意先への直送や配送回数の適正化、共同物流など配送効率の向上に取り組んでまいります。また、性別・国籍・年齢等を問わない幅広い人材活用と、社員一人ひとりの人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成してまいります。さらに、関連法規を遵守し健全な事業活動を行うべくガバナンスの一層の強化を図るなどESG経営を推進してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。このような取り組みを推進することで、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における医療用医薬品市場は、2021年4月に中間年における薬価改定が初めて実施されるなど引き続き医療費抑制策の影響を受けました。また、一部の後発医薬品メーカーのGMP違反に端を発した製品の回収や出荷調整への対応を余儀なくされました。新型コロナウイルス感染症については変異株の流行により緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置が講じられるなどいまだ収束の見通しはたっておらず、医療機関を取り巻く環境も依然として厳しい状況にありますが、患者様の受診抑制の影響は前年度に比べ回復傾向にあります。当社グループは、①患者様、医療機関、在宅医療・介護に携わる専門職等の課題解決と利便性向上のため、初診受付サービスや薬局本部システム「ミザル」をはじめとする顧客支援システムの開発・提案、②災害時においても医薬品等を安定供給するという社会的使命を果たすための物流機能の強化、③後発医薬品数量シェア80%時代において独自の検証により品質を担保した後発医薬品の安定供給、の3点を重要施策として取り組んでおります。顧客支援システムについては、リモートディテーリングサービス、オンライン診療・服薬指導システム「KAITOS(カイトス)」、初診受付サービス、薬局本部システム「ミザル」、医薬品発注・情報端末「Future ENIF」といった、接触機会の低減や患者様の利便性とお得意先の業務効率向上等に貢献するシステムの提案活動に取り組み、お得意先より月々いただく課金額が着実に増え、利益の底上げに寄与いたしました。物流機能につきましては、2020年9月に開設した物流センター「TBCダイナベース」(東京都大田区)の稼働が軌道に乗り、ノー検品やセンター直送便など効率的な配送体制を一層推進いたしました。同時に、世界最高水準の自動化技術の導入により少人数でのオペレーションが可能となったことで生産性も向上しております。また北陸エリアの物流の要として「TBC北陸」(石川県金沢市)の建設を進めました。中期的な収益性向上のための施策につきましては、再生医療等製品やバイオ医薬品、遺伝子治療薬、バイオ後続品(バイオシミラー)など成長分野への経営資源の投下による新たな収益モデルの構築を進めております。その一環として、革新的な凍結乾燥技術を有するモリモト医薬グループや、脂肪細胞を用いた遺伝子治療用細胞医薬品の開発を進めるセルジェンテック株式会社、iPS細胞由来角膜内皮代替細胞を用いた水疱性角膜症の治療法の開発に取り組む株式会社セルージョン等に出資いたしました。当社グループは今後も先端技術を有する製薬・ベンチャー企業への出資を通じて、その社会実装へ向けた事業開発を支援するとともに、原材料の輸送、治験物流、メーカー物流、卸物流などの流通課題にも全面的に協力してまいります。また、2022年3月にはリウマチ・整形外科領域のスペシャリティファーマであり、生物学的製剤・バイオシミラーの開発・導入等を行うあゆみ製薬株式会社の全株式を保有するAYM HD株式会社の株式の一部を取得いたしました。新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、感染拡大防止と医療提供体制の維持に貢献するため、治療薬、ワクチン、針・シリンジ、検査試薬・キット等の新型コロナウイルス関連製品の配送・提供に注力するとともに、全社を挙げて感染防止策に取り組み、グループ社員とその家族等を対象に3回のワクチン職域接種を実施いたしました。また、健全な企業経営を行うため、2021年6月には取締役構成を大きく見直し、独立社外取締役の比率を3分の1以上に引き上げました。さらに、指名・報酬委員会を新たに設置するなど、ガバナンスの強化を図っております。当連結会計年度の経営成績は、売上高1,266,171百万円(前期比4.6%増)、営業利益12,527百万円(前期比191.1%増)、経常利益18,182百万円(前期比76.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13,379百万円(前期比168.1%増)となりました。なお、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)を発注者とする医療用医薬品の入札に関する独占禁止法違反で、2021年6月30日に当社連結子会社である東邦薬品株式会社と当社従業員が東京地方裁判所よりそれぞれ罰金刑と懲役刑(執行猶予付き)の判決を受け、さらに、2022年3月30日に東邦薬品株式会社が公正取引委員会より排除措置命令および課徴金納付命令を受けました。また、2021年11月9日には当社連結子会社である九州東邦株式会社が、独立行政法人国立病院機構本部を発注者とする、九州エリアにおける医療用医薬品の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査を受けました。当社グループはこれらの事態を厳粛に受けとめ、コンプライアンスの再徹底に全力で努めております。信頼回復に向けて健全かつ透明性の高い事業活動をグループ一体となって推進してまいります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、株式会社ネグジット総研、株式会社e健康ショップ、株式会社eヘルスケアの3社を新たに連結子会社とするとともに報告セグメントの区分方法を見直しております。従来の「治験施設支援事業」と「情報機器販売事業」に上記3社を新たに加え「その他周辺事業」とし、報告セグメントは、「医薬品卸売事業」、「調剤薬局事業」、「医薬品製造販売事業」、「その他周辺事業」の4区分となります。 医薬品卸売事業においては、独占禁止法違反による入札指名停止の影響を受けたものの、当社グループの物流機能ならびに価格管理体制を製薬メーカー様から評価いただいたことにより、スペシャリティ医薬品をはじめとする、取扱卸を限定した製品の取り扱いが順調に拡大し、さらに、治療薬や検査キット等の新型コロナウイルス関連製品の売上も伸長し、業績に大きく貢献しました。また、新型コロナワクチン・治療薬、針・シリンジの配送や、後発医薬品の回収・出荷調整の対応に注力するとともに、医療機関との価格交渉においては製品価値と流通コストに見合った適切な価格での妥結に努め、顧客支援システムの提案活動にも引き続き積極的に取り組みました。この結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,216,019百万円(前期比4.6%増)、セグメント利益(営業利益)9,967百万円(前期比151.1%増)となりました。調剤薬局事業においては、患者様の受診抑制が緩和されたことに伴い処方箋応需枚数の改善がみられました。また、安全で質の高い医療サービスの提供を行うべく、オンライン服薬指導の体制を強化するとともに、かかりつけ薬剤師の育成やOTC医薬品をはじめとする物販の拡充に積極的に取り組みました。また、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、顧客支援システムの活用による在庫の適正化や店舗業務の標準化・効率化と、経費の全面的な見直しによる収益性の改善に取り組みました。さらに新型コロナウイルス感染症の早期収束に向け、店舗における感染症対策を徹底するとともに、抗原検査キットの販売や、行政が推進するPCR等検査無料化事業に応じた無料PCR検査・抗原検査も実施いたしました。この結果、売上高91,801百万円(前期比0.8%増)、セグメント利益(営業利益)2,963百万円(前期比10.2%増)となりました。医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムに基づき製品の品質を厳しく監視することで、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組むとともに、当連結会計年度に後発医薬品8成分15品目を新たに発売するなど引き続き製品ラインナップの拡充を図り、2022年3月末時点での販売製品は88成分209品目となりました。この結果、売上高9,093百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益(営業利益)884百万円(前期比21.3%増)となりました。その他周辺事業においては、売上高は5,717百万円、セグメント利益(営業利益)は395百万円となりました。(注)1.GMP(Good Manufacturing Practice)とは、医薬品の製造業者および製造販売業者に求められる、 医薬品の製造管理および品質管理の基準であります。 2.TBCはToho Butsuryu Center(東邦物流センター)の略称であります。3.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績及び受注実績当社グループの生産実績及び受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。 ② 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,137,408104.4調剤薬局事業(百万円)13,558104.8医薬品製造販売事業(百万円)6,583119.2その他周辺事業(百万円)1,471165.0合計(百万円)1,159,022104.5 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,168,155104.7調剤薬局事業(百万円)91,786100.8医薬品製造販売事業(百万円)1,89984.4その他周辺事業(百万円)4,329614.1合計(百万円)1,266,171104.6 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。 (2) 財政状態 ① 総資産当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて19,194百万円増加し、702,376百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて26,195百万円増加し、513,107百万円となりました。これは、売掛金が15,828百万円、商品及び製品が3,960百万円それぞれ増加し、その他のうち返品資産が4,807百万円新規で発生したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて7,000百万円減少し、189,268百万円となりました。これは、有形固定資産が3,184百万円減少し、投資有価証券が政策保有株式の売却や時価下落等により3,807百万円減少したこと等によります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて23,865百万円増加し、535,156百万円となりました。これは、売掛金、商品及び製品がそれぞれ増加し、その他のうち返品資産が新規で発生したことしたこと等によります。調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,060百万円増加し、54,230百万円となりました。これは、CMS預け金が増加したこと等によります。医薬品製造販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて12,439百万円増加し、17,796百万円となりました。これは、関係会社株式の取得等によるものです。その他周辺事業のセグメント資産は、新規連結等により5,580百万円となりました。 ② 負債当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて15,319百万円増加し、461,095百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて26,102百万円増加し、402,819百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が13,043百万円、1年内返済予定の長期借入金が3,631百万円、未払法人税等が3,380百万円それぞれ増加し、その他のうち返金負債が5,025百万円新規で発生したこと等によります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べて10,782百万円減少し、58,275百万円となりました。これは、長期借入金が6,411百万円、繰延税金負債が3,669百万円それぞれ減少したこと等によります。 ③ 純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて3,875百万円増加し、241,281百万円となりました。これは、利益剰余金が11,381百万円増加し、その他有価証券評価差額金が7,714百万円減少したこと等によります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し1,131百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は90,014百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果獲得した資金は、16,341百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比7,572百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益20,110百万円を計上、減価償却費6,634百万円、仕入債務の増加額13,040百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額16,045百万円、棚卸資産の増加額3,859百万円、法人税等の支払額3,205百万円があったこと等によるものであります。 ② 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果支出した資金は、11,032百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比11,712百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、投資有価証券の売却及び償還による収入5,243百万円がありましたが、資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出3,621百万円、関係会社株式の取得による支出11,095百万円があったこと等によるものであります。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果支出した資金は、4,473百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比3,792百万円減少)となりました。これは資金減少要因として、長期借入金の返済による支出2,780百万円、配当金の支払額2,116百万円があったこと等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ① 市場価格のないその他有価証券の評価当社グループは、市場価格のないその他有価証券は移動平均法による原価法を採用し、その評価は1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が50%を下回っている場合に減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案してその実質価額が合理的な期間内に回復可能であるか判断しております。なお、将来の超過収益力等を反映した価額を実質価額とすることが合理的と判断される場合には、当該金額を純資産額に代えて減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案して、超過収益力等の毀損が生じていないか、または当社グループの投資価値回復計画を作成し、実質価額が取得価額に比して50%超下回るものの、実行可能で合理的な投資価値回復計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるかにより判断しております。従って、事業計画等が達成されない場合、投資有価証券の減損処理を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。市場価格のないその他有価証券の評価のうち、市場価格のない非連結子会社株式の評価は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 独占禁止法関連損失引当金「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ③ 繰延税金資産の回収可能性の判断当社グループは、繰延税金資産について四半期毎に回収可能性を検討し、回収可能性がないと考えられる金額に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断は、業績を踏まえた将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の企業分類が分類2、分類3に該当する会社は、繰延税金資産の回収可能性を判断する際に、課税所得見込額やタックス・プランニングは予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため、見積可能期間は3年でスケジューリングを行っております。将来の課税所得見込額は業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の見直しを行うため法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。 ④ 固定資産の減損当社グループは、固定資産の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を実施することとしております。回収可能価額の算定において用いられる資産グループごとの割引前将来キャッシュ・フローは事業計画に基づいて見積りを実施しており、当該事業計画は予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため長期的な売上成長率を見込まずに作成しております。固定資産の回収可能価額の評価にあたっては、見積った将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値等を考慮した割引率を用いて算出した割引後将来キャッシュフローもしくは正味売却価額を用いております。これらの主要な仮定について、市場環境の変化等により見直しが必要となる場合、固定資産の減損が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。 ⑤ 貸倒引当金の見積り当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過去3年間の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当処理が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。 我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に医療費抑制のための施策が推進されております。2018年4月には、地域包括ケアシステムの構築に向けた診療報酬・調剤報酬改定とともに薬価制度の抜本改革が行われ、毎年薬価調査・毎年薬価改定が実施されることとなりました。一方で、2018年1月には、安定的な医薬品流通が確保されることを目的とした「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」、2018年9月には、医薬品製造販売業者等が医療用医薬品の販売情報提供活動において行う広告または広告に類する行為を適正化することにより医療用医薬品の適正使用を確保することを目的とした「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」、さらに、2018年12月には、医薬品の適切な流通経路管理を目的とした「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」がそれぞれ厚生労働省より発出され、医薬品医療機器等法の改正に向けた動きも本格化しております。 このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化や課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関様、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、調剤薬局事業については、地域連携薬局ならびに専門医療機関連携薬局への機能変革を進めるなど、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック医薬品数量シェア80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を安定供給してまいります。なお、株式会社スズケンとの新たな流通モデルの共同展開につきましては、お得意様の声を反映した患者様視点での安全、安価で高品質なジェネリック医薬品の安定供給を目指し、2019年4月1日にジェネリック医薬品の合弁会社「株式会社TSファーマ」を設立いたしました。このような取り組みにより、患者様や医療機関様の課題を解決するとともに、当社グループの収益性向上に寄与させてまいります。 一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益性の向上を目指してまいります。 さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。 以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。 我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に医療費抑制のための施策が推進されております。2018年4月には、地域包括ケアシステムの構築に向けた診療報酬・調剤報酬改定とともに薬価制度の抜本改革が行われ、毎年薬価調査・毎年薬価改定が実施されることとなりました。一方で、2018年1月には、安定的な医薬品流通が確保されることを目的とした「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」、2018年9月には、医薬品製造販売業者等が医療用医薬品の販売情報提供活動において行う広告または広告に類する行為を適正化することにより医療用医薬品の適正使用を確保することを目的とした「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」、さらに、2018年12月には、医薬品の適切な流通経路管理を目的とした「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」がそれぞれ厚生労働省より発出され、医薬品医療機器等法の改正に向けた動きも本格化しております。 このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化や課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関様、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、調剤薬局事業については、地域連携薬局ならびに専門医療機関連携薬局への機能変革を進めるなど、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック医薬品数量シェア80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を安定供給してまいります。なお、株式会社スズケンとの新たな流通モデルの共同展開につきましては、お得意様の声を反映した患者様視点での安全、安価で高品質なジェネリック医薬品の安定供給を目指し、2019年4月1日にジェネリック医薬品の合弁会社「株式会社TSファーマ」を設立いたしました。このような取り組みにより、患者様や医療機関様の課題を解決するとともに、当社グループの収益性向上に寄与させてまいります。 一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益性の向上を目指してまいります。 さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。 以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における医療用医薬品市場は、2018年4月の診療報酬改定において薬価ベースで7.48%の薬価基準引き下げが実施されるなど引き続き厳しい環境下で推移しました。このような状況のもと、当社グループは、医療・健康・介護に携わる企業集団として、医薬品卸売、調剤薬局、医薬品製造販売等の事業を展開するとともに、患者様や医療機関様が抱える課題を解決する顧客支援システムの開発・提案や地域包括ケアシステムの構築に貢献することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革をグループ一体となって推進いたしました。中長期的な収益性向上のための事業戦略の一つとして、2016年11月に発足させました共創未来ファーマ株式会社につきましては、富士フイルムファーマ株式会社が製造販売元ならびに販売元であったジェネリック医薬品の承継・販売移管を受けるなどラインナップの拡充を図り、2019年3月末現在、ジェネリック医薬品の取り扱いは73成分156品目となりました。また、2018年11月に新たな物流拠点としてこれまでに培ってきた自動化の技術を一層進化させた物流センター「TBC広島」が稼働するなど、災害時にも医薬品を安定的に供給出来るよう物流体制の更なる高機能化に取り組みました。さらに、株式会社スズケンと2018年7月に顧客支援システムの共同利用について、また、2019年2月に新たな流通モデル(ジェネリック医薬品・スペシャリティ医薬品)の共同展開について基本合意いたしました。当連結会計年度の業績は、売上高は1,222,199百万円(前期比0.7%増)、営業利益は15,783百万円(前期比17.0%減)、経常利益は21,452百万円(前期比14.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,863百万円(前期比3.6%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。医薬品卸売事業におきましては、2018年1月に厚生労働省より発出された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に沿って、個々の製品価値に見合った単品単価交渉に努めるとともに、当社・顧客双方の大きな業務負担となっている急配・頻回配送を改善し、最適な配送回数を実現するための施策を推進いたしました。また、ENIF本部や初診受付サービス、ENIFvoice SP+A、ENIFvoice Core、Core-POS等の当社独自の顧客支援システムの普及促進に取り組みました。その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,175,413百万円(前期比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)は16,084百万円(前期比6.2%減)となりました。調剤薬局事業におきましては、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、当社の顧客支援システムの活用などによる店舗業務の標準化や効率化を引き続き推進することで、収益性の改善に取り組みました。当連結会計年度の業績は、売上高93,222百万円(前期比4.9%減)、セグメント利益(営業利益)は1,425百万円(前期比60.0%減)となりました。治験施設支援事業では、売上高280百万円(前期比13.1%減)、セグメント利益(営業利益)は55百万円(前期比38.4%減)、情報機器販売事業では、売上高1,385百万円(前期比18.3%減)、セグメント利益(営業利益)は36百万円(前期比43.1%減)となりました。 (注)1.TBCはToho Butsuryu Center(東邦物流センター)の略称であります。2.ENIF本部は薬局業務一元管理本部システム、ENIFvoice SP+Aは自動音声認識・電子薬歴一体型システム、ENIFvoice Coreは自動音声認識・電子薬歴一体型レセプトコンピュータ、Core-POSはレセコン連動型POSシステムの名称であります。3.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 仕入及び販売の実績は、次のとおりであります。①仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,099,053101.7調剤薬局事業(百万円)15,35494.9情報機器販売事業(百万円)73286.2合計(百万円)1,115,140101.5 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ②販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,127,836101.3調剤薬局事業(百万円)92,92695.2治験施設支援事業(百万円)28086.9情報機器販売事業(百万円)1,15679.0合計(百万円)1,222,199100.7 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。 (2) 財政状態① 総資産当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて17,927百万円増加し、663,727百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて21,703百万円増加し、479,427百万円となりました。これは、社債の発行をした一方、自己株式の取得等による支出があり現金及び預金が11,664百万円増加し、受取手形及び売掛金が5,548百万円、商品及び製品が5,501百万円それぞれ増加したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,776百万円減少し、184,299百万円となりました。これは、有形固定資産が1,614百万円、のれんが1,254百万円、投資有価証券が1,042百万円それぞれ減少したこと等によります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて2,232百万円減少し、510,467百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金、商品及び製品が増加し、現金及び預金が減少したこと等によります。調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,151百万円減少し、46,062百万円となりました。これは、のれん償却額1,517百万円等によります。治験施設支援事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて35百万円減少し、898百万円となりました。情報機器販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて166百万円増加し、2,219百万円となりました。 ② 負債当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて11,850百万円増加し、449,878百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて9,438百万円増加し、400,265百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が5,143百万円、1年内償還予定の社債が7,955百万円それぞれ増加し、未払法人税等が2,131百万円減少したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて2,412百万円増加し、49,612百万円となりました。これは、社債が5,057百万円増加し、リース債務が1,382百万円、繰延税金負債が1,089百万円それぞれ減少したこと等によります。③ 純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて6,076百万円増加し、213,848百万円となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により11,626百万円増加した一方、自己株式が3,644百万円増加、その他有価証券評価差額金が2,422百万円減少したこと等によります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し11,710百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は75,382百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。①営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果獲得した資金は、13,428百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比38,549百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益20,913百万円を計上、減価償却費4,869百万円、のれん償却額1,572百万円、仕入債務の増加額5,027百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額5,355百万円、たな卸資産の増加額5,394百万円、法人税等の支払額9,750百万円があったこと等によるものであります。②投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果支出した資金は、7,649百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比4,799百万円増加)となりました。これは資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出2,799百万円、無形固定資産の取得による支出1,000百万円、投資有価証券の取得による支出2,952百万円があったこと等によるものであります。③財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果獲得した資金は、5,329百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比9,083百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、社債の発行による収入20,100百万円がありましたが、資金減少要因として、自己株式の取得による支出10,002百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,808百万円、配当金の支払額2,025百万円があったこと等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に医療費抑制のための施策が推進されております。平成30年4月の診療報酬・介護報酬改定において地域包括ケアシステムの構築に向けた改定が行われ、また、薬価制度の抜本改革として新薬創出等加算の見直し、長期収載品やジェネリック医薬品の薬価の見直しが実施され、薬価調査と薬価改定の毎年実施も検討課題となっております。さらに、平成30年1月には、安定的な医薬品流通が確保されることを目的として「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」が策定されております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは、医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化、最先端の課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、地域包括ケアシステムの構築に貢献することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック医薬品数量割合80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を安定供給してまいります。この取り組みにより患者様や医療機関の皆様の課題を解決するとともに、当社グループの収益向上に寄与させてまいります。一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益レベルの向上を目指してまいります。さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に医療費抑制のための施策が推進されております。平成30年4月の診療報酬・介護報酬改定において地域包括ケアシステムの構築に向けた改定が行われ、また、薬価制度の抜本改革として新薬創出等加算の見直し、長期収載品やジェネリック医薬品の薬価の見直しが実施され、薬価調査と薬価改定の毎年実施も検討課題となっております。さらに、平成30年1月には、安定的な医薬品流通が確保されることを目的として「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」が策定されております。このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは、医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化、最先端の課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、地域包括ケアシステムの構築に貢献することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック医薬品数量割合80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を安定供給してまいります。この取り組みにより患者様や医療機関の皆様の課題を解決するとともに、当社グループの収益向上に寄与させてまいります。一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益レベルの向上を目指してまいります。さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における医療用医薬品市場は、ジェネリック医薬品の使用促進等による医療費抑制策の影響により引き続き厳しい環境下で推移しました。このような状況のもと、当社グループは、医療・健康・介護に携わる企業集団として、医薬品卸売、調剤薬局、医薬品製造販売等の事業を展開するとともに、患者様や医療機関が抱える課題を解決するための様々な顧客支援システムの開発・提供や地域医療連携への取り組みを推進することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を加速させました。平成28年11月に発足させました共創未来ファーマ株式会社につきましては、高品質・高付加価値なジェネリック医薬品の安定的な供給を推進し、平成30年3月現在、販売製品は14成分40品目となりました。また、平成31年7月の稼働を目指し京浜トラックターミナル「ダイナベース」内に総合物流センターの建設を決定するなど、災害時にも医薬品等を安定供給するための高機能な物流体制の構築に取り組みました。当連結会計年度の業績は、売上高は1,213,342百万円(前期比1.4%減)、営業利益は19,016百万円(前期比33.5%増)、経常利益は25,045百万円(前期比26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,384百万円(前期比1.1%増)となりました。 ① 売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比17,704百万円減(前期比1.4%減)の1,213,342百万円となりました。医療用医薬品市場は、ジェネリック医薬品の使用促進等による医療費抑制策の影響により引き続き厳しい環境下で推移しました。当社におきましては、C型肝炎治療薬市場の縮小の影響を大きく受け、減収となりました。② 営業利益当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比4,772百万円増(前期比33.5%増)の19,016百万円となりました。当社グループは、医療・健康・介護に携わる企業集団として、患者様や医療機関が抱える課題を解決する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を加速させるとともに、人員・組織の最適化や、業務の効率化による収益性の向上に努めました。③ 経常利益当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比5,201百万円増(前期比26.2%増)の25,045百万円となりました。④ 親会社株主に帰属する当期純利益税金等調整前当期純利益は23,196百万円となり、法人税等合計は8,812百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比159百万円増(前期比1.1%増)の14,384百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。医薬品卸売事業においては、製品価値に応じた価格体系に基づく単品単価での価格交渉を推進するなど適正利益の確保に注力するとともに、当社独自の顧客支援システムを大きな収益の柱と位置付け、「初診受付サービス」、「ENIFvoice SP+A/ENIFvoice Core」等の契約件数拡大を積極的に図るとともに、提案活動を通じた医療機関との関係強化に努めました。その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,160,739百万円(前期比1.7%減)、セグメント利益(営業利益)は17,155百万円(前期比22.5%増)となりました。調剤薬局事業においては、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、当社の顧客支援システムの活用などによる店舗業務の標準化と効率化を引き続き推進することで、収益性の改善に取り組んだ結果、当連結会計年度の業績は、売上高98,019百万円(前期比2.3%増)、セグメント利益(営業利益)は3,564百万円(前期比186.5%増)となりました。治験施設支援事業では、売上高323百万円(前期比0.3%増)、セグメント利益(営業利益)は89百万円(前期比19.2%増)となりました。情報機器販売事業では、売上高1,695百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益(営業利益)は64百万円(前期比20.2%減)となりました。(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 仕入及び販売の実績は、次のとおりであります。①仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,081,13898.1調剤薬局事業(百万円)16,17696.0情報機器販売事業(百万円)849115.3合計(百万円)1,098,16498.1 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ②販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日)前年同期比(%)医薬品卸売事業(百万円)1,113,90398.2調剤薬局事業(百万円)97,651102.3治験施設支援事業(百万円)323100.3情報機器販売事業(百万円)1,463110.2合計(百万円)1,213,34298.6 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。 (2) 財政状態① 総資産当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて47,643百万円増加し、646,514百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて32,503百万円増加し、459,556百万円となりました。これは、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったことにより現金及び預金が35,976百万円増加したこと等によります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて15,139百万円増加し、186,958百万円となりました。これは、有形固定資産が4,337百万円、投資有価証券が株式時価の上昇等により12,936百万円それぞれ増加し、のれんが1,685百万円減少したこと等によります。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて32,734百万円増加し、513,326百万円となりました。これは、広島物流センターの新築及び物流設備等により有形固定資産及び無形固定資産の増加額が8,524百万円あったことと、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったこと等により現金及び預金が増加したことによるものです。調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて2,384百万円増加し、47,243百万円となりました。これは、のれん償却額が1,830百万円ありましたが、主にCMS預け金の増加によるものです。治験施設支援事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて116百万円増加し、934百万円となりました。情報機器販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて43百万円増加し、2,053百万円となりました。 ② 負債当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて28,142百万円増加し、438,741百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて22,069百万円増加し、390,827百万円となりました。これは、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったことにより支払手形及び買掛金が20,139百万円増加したこと等によります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて6,073百万円増加し、47,914百万円となりました。これは、長期借入金が3,936百万円、繰延税金負債が3,445百万円それぞれ増加したこと等によります。③ 純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて19,500百万円増加し、207,772百万円となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により12,194百万円、その他有価証券評価差額金が株式時価の上昇等により7,872百万円それぞれ増加したこと等によります。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し35,949百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は63,671百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。①営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果獲得した資金は、51,978百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比35,915百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益23,196百万円を計上、減価償却費4,498百万円、のれん償却額1,957百万円、売上債権の減少額2,466百万円、当連結会計年度末が休日のため買掛金の支払が翌連結会計年度となったことによる仕入債務の増加額20,138百万円がありましたが、資金減少要因として、法人税等の支払額4,829百万円があったこと等によるものであります。②投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果支出した資金は、12,448百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比6,153百万円減少)となりました。これは資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出8,456百万円、投資有価証券の取得による支出3,329百万円があったこと等によるものであります。③財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果支出した資金は、3,754百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比6,145百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、長期借入による収入5,000百万円がありましたが、資金減少要因として、短期借入金の純減少額2,454百万円、長期借入金の返済による支出1,725百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,889百万円、配当金の支払額2,059百万円があったこと等によるものであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。
経営方針・経営戦略
3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指してまいります。 我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に「地域包括ケアシステム」の確立と医療費抑制のための施策が推進されております。地域包括ケアシステムにおける医療提供体制については、施設完結型から地域完結型への変革に向けた取り組みが進められております。また、医療費抑制のための取り組みとして、市場拡大再算定の特例が施行され、薬価の毎年改定を含む薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が決定され、また、ジェネリック医薬品の使用促進のための施策が推進されております。 このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化、最先端の課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、調剤薬局事業については、健康サポート薬局への機能変革を推進するなど地域包括ケアシステムの構築に貢献することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック数量80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を需要予測に基づき安定的に供給する製造販売一体型のサプライチェーンを構築していくことで、患者様や医療機関の皆様の課題を解決するとともに、当社グループの収益向上に寄与させてまいります。 一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益レベルの向上を目指してまいります。 さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。 以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
対処すべき課題
3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 当社グループは「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指してまいります。 我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に「地域包括ケアシステム」の確立と医療費抑制のための施策が推進されております。地域包括ケアシステムにおける医療提供体制については、施設完結型から地域完結型への変革に向けた取り組みが進められております。また、医療費抑制のための取り組みとして、市場拡大再算定の特例が施行され、薬価の毎年改定を含む薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が決定され、また、ジェネリック医薬品の使用促進のための施策が推進されております。 このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化、最先端の課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、調剤薬局事業については、健康サポート薬局への機能変革を推進するなど地域包括ケアシステムの構築に貢献することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック数量80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を需要予測に基づき安定的に供給する製造販売一体型のサプライチェーンを構築していくことで、患者様や医療機関の皆様の課題を解決するとともに、当社グループの収益向上に寄与させてまいります。 一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益レベルの向上を目指してまいります。 さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。 以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。