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レオパレス21(8848)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • 賃貸事業が主軸
    レオパレス21グループは、自社所有物件や一括借上物件の賃貸・管理を主に行っています。家具・家電付きの単身者向けアパートが特徴で、入居者への家財保険販売やブロードバンドサービス提供など、賃貸関連の幅広いサービスを展開し収益を得ています。
  • 介護施設の運営
    子会社と連携し、関東・中部エリアで介護施設「あずみ苑」を運営しています。高齢化社会に対応したサービスを提供し、賃貸事業とは異なる分野で収益源を確保しています。
  • その他事業
    グアムでのゴルフ場・ホテル運営や、グループ会社の事務代行、ファイナンス事業など多角的な事業も展開しています。これにより、事業ポートフォリオを多様化し、リスク分散を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 賃貸事業
    レオパレス21グループの主力事業で、売上高4,169.18億円、営業利益380.59億円と最も大きな収益を上げています。自社物件や一括借上物件の賃貸・管理、建築請負、関連サービス提供など、多岐にわたる事業を展開し、グループ全体の収益を牽引しています。
  • シルバー事業
    介護施設「あずみ苑」の運営が中心で、売上高137.26億円ですが、営業利益は-8.03億円と赤字です。関東・中部エリアを中心に展開しており、高齢化社会のニーズに応える事業ですが、現時点では収益貢献には至っていません。
  • その他事業
    グアムでのゴルフ場・ホテル運営、ファイナンス事業、グループ会社の事務代行などが含まれ、売上高11.86億円、営業利益は-26.08億円と赤字です。多角化の一環として展開されていますが、現時点ではグループ全体の収益に貢献する段階ではありません。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LeasingBusinessReportableSegment 地域 4,169 381 9.1%
ElderlyCareBusinessReportableSegment 地域 137 -8 -5.9%
OtherBusinessesReportableSegment 地域 12 -26 -219.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,091 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社11社、持分法適用関連会社3社及びその他の関係会社1社により構成されており、賃貸事業を主たる事業としております。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。賃貸事業……………当社は自社所有物件の賃貸及び管理、建築請負したアパート等の一括借上による賃借物件の賃貸及び管理、アパート等の営繕工事、賃貸関連諸サービス及びブロードバンドサービス、アパート等建築工事の請負等を主に行っております。子会社の㈱レオパレス・リーシングは社宅代行・不動産仲介事業、プラザ賃貸管理保証㈱は賃料債務保証事業、㈱レオパレス・パワーは屋根借りによる太陽光発電事業、あすか少額短期保険㈱は賃貸住宅入居者への家財保険等の販売を行っております。海外子会社のレオパレス21ビジネスコンサルティング(上海)有限公司及びLeopalace21 Singapore Pte. Ltd.はコンサルティング事業等を行っております。シルバー事業………当社及び子会社である㈱アズ・ライフケアは、関東・中部エリアを中心に介護施設「あずみ苑」の運営を行っております。なお、当社のシルバー事業については、2026年4月1日を効力発生日として、当社を分割会社、子会社である㈱アズ・レジデンスを承継会社とする会社分割(吸収分割)により、同社に継承しております。その他事業…………当社はファイナンス事業を行っております。海外子会社のLeopalace Guam Corporationは、グアム島においてゴルフ場やホテルなどを運営するレオパレスリゾートグアムを展開しております。子会社の㈱レオパレス・スマイルは、グループ各社の事務代行事業を行っております。 なお、その他の関係会社である千鳥合同会社は、当社の議決権の15.4%を所有しておりますが、当社グループが行う事業との直接的な関係はありません。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(注)1.当連結会計年度において、株式会社アズ・レジデンスを新たに設立したため、連結の範囲に含めております。2.前連結会計年度において持分法適用非連結子会社でありましたTRUMAN HOLDING LIMITEDについては、会社清算に伴い、当期末において持分法適用の範囲から除外しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
賃貸事業は参入障壁が低いと考えられるため。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自然災害・気候変動に関するリスク / ITシステム及び情報セキュリティに係るリスク / 法的規制に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

レオパレス21は、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPによる持続的な競争優位性は見られない。不動産開発・賃貸業において、これらの無形資産が競争優位の源泉となるケースは限定的である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

賃貸契約の更新時には一定のスイッチング・コスト(引越し費用、手間)が発生するが、賃貸物件の選択肢は多く、借主が他社物件へ乗り換える際の障壁は低い。解約時の違約金等で一部抑制される可能性はあるが、限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

レオパレス21の事業モデルにおいて、ユーザー(入居者)が増えることでサービスの価値が増大するネットワーク効果は発生しない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、入居者間の相互作用が物件価値に影響を与える構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的。同業他社と比較して、土地取得、建設、管理運営における構造的なコスト優位性を示す具体的な証拠はない。物件の立地や仕様によりコストは変動する。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

一定規模の物件ポートフォリオを保有しており、管理戸数や物件数においては一定の規模がある。しかし、業界全体で見ると多数の競合が存在し、寡占状態とは言えず、効率規模による圧倒的な優位性は見出しにくい。

  • 単身者向け特化
    家具・家電付きのワンルームを大都市圏に集中して提供しており、単身世帯の増加が見込まれる日本市場において、競合他社とは異なる独自のポジションを確立しています。これにより、特定の顧客層からの安定した需要を確保しています。
  • 法人需要の取り込み
    企業の寮や社宅としての利用が多く、有効求人倍率と連動して入居率が推移する傾向があります。採用市場の活況を背景に、法人顧客からの安定的な需要が見込まれ、これが収益基盤を支える強みとなっています。
  • 外国籍入居者の獲得
    外国籍入居者が約14%を占めており、労働力不足や留学生増加を背景とした外国人の入国・在留拡大は、同社にとって追い風となる外部環境です。多文化対応のノウハウが、今後の成長を後押しする可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 賃貸事業基盤の強化
    2026年3月期からの3カ年を対象とする中期経営計画「New Growth 2028」に基づき、エリア戦略の実行により地域ごとの収益性を最大化します。法人利用の拡大、個人契約の改善、外国籍入居者の獲得、賃貸管理業の基盤再構築を通じて、入居率と稼働家賃単価の向上を目指します。
  • 開発事業の本格再開とポートフォリオ最適化
    2026年3月期より開発事業を本格的に再開し、収益性の高い管理物件の確保と新たな事業基盤の構築に取り組みます。老朽化物件の建替えや不動産開発、法人市場開拓を通じて、管理物件の平均築年数引き下げとポートフォリオの最適化を図ります。
  • DX・人的資本経営の推進
    デジタル技術を活用したデータドリブン経営の基盤構築とデジタル人材の育成を進め、持続可能な組織体制を整備します。社長自らが人的資本経営・ウェルビーイング経営を推進し、従業員が主役となる組織を実現することで、企業価値の向上を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、原則として当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社は、2026年3月期から2028年3月期までの3カ年を対象とする中期経営計画「New Growth 2028」を策定いたしました。レオパレス21の価値創造で、賃貸住宅を中心とする住まいの領域において、イノベーティブで持続可能なサービスの提供を続け、これからも社会に必要とされる企業であり続けることを重点テーマとし、将来の事業環境を見据えて当社のあるべき姿を明確にし、賃貸事業及び開発事業を主軸とする事業基盤の強化を図るとともに、経済価値と社会価値の両立を目指した4つの戦略を推進することで、長期的な企業価値向上を目指してまいります。(2) 経営環境及び対処すべき課題(経営環境)日本国内における世帯総数は、2030年をピークに減少に転じる一方、当社の主要ターゲットである単身世帯は、 2035年にかけて増加する見通しであり、単身者向け賃貸住宅の需要は今後も高い水準で推移すると見込まれることから、賃貸事業の持続的な成長を支える外部環境が継続すると想定しております。賃貸事業を主な事業とする他社は、ファミリー層をターゲットにした長期間の居住を前提としたビジネスモデルであるのに対し、単身者向けに家具・家電を備えたワンルームを大都市圏に集中して提供している当社は、賃貸住宅市場において競合他社とは異なる独自のポジションを確立していると認識しております。また、当社の入居率は、企業の人材採用に伴う寮・社宅としての需要から、有効求人倍率と連動して推移する傾向があります。現在、採用市場は活況であり、今後も法人顧客による寮・社宅需要の拡大が見込まれます。加えて、日本人の生産年齢人口の減少が続くなか、労働力不足や留学生の増加を背景に、外国人の入国・在留が拡大しており、外国籍入居者が約14%を占める当社においては、今後も追い風となる外部環境が継続する見通しです。(対処すべき課題)■基盤戦略エリア戦略の実行(入居率及び稼働家賃単価の向上)2026年3月期からの3カ年は、エリア支社制に向けた事業基盤の強化に引き続き取り組む重要な期間であり、エリア戦略の実行により地域ごとの収益性を最大化するとともに、以下の取組みを通じて、入居率及び稼働家賃単価の向上を図り、総合賃貸管理業としての地位を確立してまいります。<法人利用の拡大>・トップ営業は継続する一方、法人部から地域へ顧客・人員の移管を行い、エリア制による営業力強化を目指す。・商工会議所や自治体との連携を通じて、地場企業、特に外国籍人材の受け入れに積極的な企業との関係を強化し、利用率向上を図る。<個人契約の改善>・個人契約の増加を目指し、自治体との連携、留学生を含めた学生市場の開拓を推進する。・需要に応じた柔軟な価格設定を行うダイナミックプライシングを導入し、入居率と収益性の両面の向上を目指す。 <外国籍入居者の獲得>・今後も外国籍人材や留学生の需要拡大が見込まれる中、当社の強みとノウハウを活かし、自治体や企業との連携を通じて、外国籍入居者の獲得を図る。<賃貸管理業の基盤再構築>・協力会社との連携強化やサービス品質の向上により、物件価値の維持と顧客満足度の向上を図る。・オーナー様との定期的なコミュニケーションに加え、資産運用やリスク管理の支援を通じ、満足度向上と長期的な関係強化を図る。 DX・人的資本経営の推進による持続可能な組織体制の整備当社は、デジタル技術の活用によりお客様への価値創造を拡大し、従業員が主役になる組織の実現を目指しています。データに基づいて迅速な意思決定を行うデータドリブン経営の基盤構築を目指し、デジタル人材の育成にも力を入れていきます。また、人材戦略として、社長自らが先頭に立ち人的資本経営・ウェルビーイング経営を推進しており、その詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)戦略」に記載しております。■成長戦略開発事業の本格再開(管理物件ポートフォリオの最適化)2026年3月期より開発事業を本格的に再開し、2027年3月期は、大阪、広島、福岡への営業拠点の拡充を行い、引き続き収益性の高い管理物件の確保と新たな事業基盤の構築に取り組んでまいります。管理物件のポートフォリオ最適化(平均築年数の引き下げ、収益性のある管理物件の確保)を図るため、老朽化が進む既存物件の建替えに加え、不動産開発(ファンド、ランドセット販売等)や法人市場の開拓(法人保有遊休地の開発支援等)を通じて、新規物件の供給に積極的かつ多様性をもって取り組んでまいります。ZEH物件の供給による脱炭素社会への貢献環境配慮に向けた現在の取り組み(CO2排出量削減・省エネ配慮・廃材削減)に加えて、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)物件の供給を引き続き推進してまいります。ZEH-M水準の省エネ性能仕様は2026年3月期内に検討を完了し、2029年3月期には建築請負契約におけるZEH-M比率50%(ZEH-M Oriented相当を含む)を目標としております。なお、施工不備物件の改修については、2024年12月までに、入居者様及び建物所有者様のご協力が得られた明らかな不備のすべてについて、調査及び改修などの対応が完了しております。当社は引き続き入居者様及び建物所有者様の要望に対応できる体制を維持し、特定行政庁との協議の上、入居者様及び建物所有者様の個別の事情に配慮した丁寧な対応を行い、各物件の状況に応じた対応計画に基づき、改修等を進めてまいります。(3) 目標とする経営指標2026年5月15日に、最新の事業環境・業績動向を踏まえて数値目標を修正いたしました。賃貸事業において、2026年3月期の期末入居率を踏まえて入居率計画を調整したことに加え、法人需要を背景とした堅調な需要環境を反映し成約家賃単価の見通しを引き上げました。また、開発事業において、2026年3月期の受注実績が好調であったことを踏まえ、管理戸数計画を上方修正いたしました。インフレの影響を考慮し、各種コストの増加を織り込んだ結果、売上高から親会社株主に帰属する当期純利益に至るまで、いずれも上方修正となりました。(単位:百万円) 2026年3月期2027年3月期2028年3月期 11月修正計画実績計画計画売上高444,100444,820465,000477,800営業利益34,80035,96638,50043,100経常利益33,00034,84238,10042,700親会社株主に帰属する当期純利益13,00014,93322,20025,000 (4) 資本コストや株価を意識した経営当社は、中長期的な企業価値の向上に向けて、資本コストや株価を意識した経営に取り組んでおります。持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、経営資源の最適な配分と資本効率の改善を重視しつつ、事業構造の変革を推進しています。企業価値の向上に向けては、ROIC、WACC、PBRなどを重要な経営指標と位置づけ、経営判断に活用しています。当社のWACCは約5.0%と認識しており、これを上回る資本収益性の確保を前提として、効率的かつ戦略的な成長投資を通じた企業価値の最大化を図っています。さらに、PBRの向上に向けては、ROE及びPER等の指標改善が重要であると認識しており、その主要なドライバーとして、「EBITDAの増加」「自己資本の最適化」「期待成長率の向上」「株主資本コストの低減」に取り組んでいます。また、統合報告書や決算説明資料の充実、ESG情報の積極的な開示、説明会・IRイベントの開催等、IR活動の強化を通じて株主との建設的な対話を促進し、株主価値の最大化を図っています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、原則として当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社は、2026年3月期から2028年3月期までの3カ年を対象とする中期経営計画「New Growth 2028」を策定いたしました。レオパレス21の価値創造で、賃貸住宅を中心とする住まいの領域において、イノベーティブで持続可能なサービスの提供を続け、これからも社会に必要とされる企業であり続けることを重点テーマとし、将来の事業環境を見据えて当社のあるべき姿を明確にし、賃貸事業及び開発事業を主軸とする事業基盤の強化を図るとともに、経済価値と社会価値の両立を目指した4つの戦略を推進することで、長期的な企業価値向上を目指してまいります。(2) 経営環境及び対処すべき課題(経営環境)日本国内における世帯総数は、2030年をピークに減少に転じる一方、当社の主要ターゲットである単身世帯は、 2035年にかけて増加する見通しであり、単身者向け賃貸住宅の需要は今後も高い水準で推移すると見込まれることから、賃貸事業の持続的な成長を支える外部環境が継続すると想定しております。賃貸事業を主な事業とする他社は、ファミリー層をターゲットにした長期間の居住を前提としたビジネスモデルであるのに対し、単身者向けに家具・家電を備えたワンルームを大都市圏に集中して提供している当社は、賃貸住宅市場において競合他社とは異なる独自のポジションを確立していると認識しております。また、当社の入居率は、企業の人材採用に伴う寮・社宅としての需要から、有効求人倍率と連動して推移する傾向があります。現在、採用市場は活況であり、今後も法人顧客による寮・社宅需要の拡大が見込まれます。加えて、日本人の生産年齢人口の減少が続くなか、労働力不足や留学生の増加を背景に、外国人の入国・在留が拡大しており、外国籍入居者が約14%を占める当社においては、今後も追い風となる外部環境が継続する見通しです。(対処すべき課題)■基盤戦略エリア戦略の実行(入居率及び稼働家賃単価の向上)2026年3月期からの3カ年は、エリア支社制に向けた事業基盤の強化に引き続き取り組む重要な期間であり、エリア戦略の実行により地域ごとの収益性を最大化するとともに、以下の取組みを通じて、入居率及び稼働家賃単価の向上を図り、総合賃貸管理業としての地位を確立してまいります。<法人利用の拡大>・トップ営業は継続する一方、法人部から地域へ顧客・人員の移管を行い、エリア制による営業力強化を目指す。・商工会議所や自治体との連携を通じて、地場企業、特に外国籍人材の受け入れに積極的な企業との関係を強化し、利用率向上を図る。<個人契約の改善>・個人契約の増加を目指し、自治体との連携、留学生を含めた学生市場の開拓を推進する。・需要に応じた柔軟な価格設定を行うダイナミックプライシングを導入し、入居率と収益性の両面の向上を目指す。 <外国籍入居者の獲得>・今後も外国籍人材や留学生の需要拡大が見込まれる中、当社の強みとノウハウを活かし、自治体や企業との連携を通じて、外国籍入居者の獲得を図る。<賃貸管理業の基盤再構築>・協力会社との連携強化やサービス品質の向上により、物件価値の維持と顧客満足度の向上を図る。・オーナー様との定期的なコミュニケーションに加え、資産運用やリスク管理の支援を通じ、満足度向上と長期的な関係強化を図る。 DX・人的資本経営の推進による持続可能な組織体制の整備当社は、デジタル技術の活用によりお客様への価値創造を拡大し、従業員が主役になる組織の実現を目指しています。データに基づいて迅速な意思決定を行うデータドリブン経営の基盤構築を目指し、デジタル人材の育成にも力を入れていきます。また、人材戦略として、社長自らが先頭に立ち人的資本経営・ウェルビーイング経営を推進しており、その詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)戦略」に記載しております。■成長戦略開発事業の本格再開(管理物件ポートフォリオの最適化)2026年3月期より開発事業を本格的に再開し、2027年3月期は、大阪、広島、福岡への営業拠点の拡充を行い、引き続き収益性の高い管理物件の確保と新たな事業基盤の構築に取り組んでまいります。管理物件のポートフォリオ最適化(平均築年数の引き下げ、収益性のある管理物件の確保)を図るため、老朽化が進む既存物件の建替えに加え、不動産開発(ファンド、ランドセット販売等)や法人市場の開拓(法人保有遊休地の開発支援等)を通じて、新規物件の供給に積極的かつ多様性をもって取り組んでまいります。ZEH物件の供給による脱炭素社会への貢献環境配慮に向けた現在の取り組み(CO2排出量削減・省エネ配慮・廃材削減)に加えて、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)物件の供給を引き続き推進してまいります。ZEH-M水準の省エネ性能仕様は2026年3月期内に検討を完了し、2029年3月期には建築請負契約におけるZEH-M比率50%(ZEH-M Oriented相当を含む)を目標としております。なお、施工不備物件の改修については、2024年12月までに、入居者様及び建物所有者様のご協力が得られた明らかな不備のすべてについて、調査及び改修などの対応が完了しております。当社は引き続き入居者様及び建物所有者様の要望に対応できる体制を維持し、特定行政庁との協議の上、入居者様及び建物所有者様の個別の事情に配慮した丁寧な対応を行い、各物件の状況に応じた対応計画に基づき、改修等を進めてまいります。(3) 目標とする経営指標2026年5月15日に、最新の事業環境・業績動向を踏まえて数値目標を修正いたしました。賃貸事業において、2026年3月期の期末入居率を踏まえて入居率計画を調整したことに加え、法人需要を背景とした堅調な需要環境を反映し成約家賃単価の見通しを引き上げました。また、開発事業において、2026年3月期の受注実績が好調であったことを踏まえ、管理戸数計画を上方修正いたしました。インフレの影響を考慮し、各種コストの増加を織り込んだ結果、売上高から親会社株主に帰属する当期純利益に至るまで、いずれも上方修正となりました。(単位:百万円) 2026年3月期2027年3月期2028年3月期 11月修正計画実績計画計画売上高444,100444,820465,000477,800営業利益34,80035,96638,50043,100経常利益33,00034,84238,10042,700親会社株主に帰属する当期純利益13,00014,93322,20025,000 (4) 資本コストや株価を意識した経営当社は、中長期的な企業価値の向上に向けて、資本コストや株価を意識した経営に取り組んでおります。持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、経営資源の最適な配分と資本効率の改善を重視しつつ、事業構造の変革を推進しています。企業価値の向上に向けては、ROIC、WACC、PBRなどを重要な経営指標と位置づけ、経営判断に活用しています。当社のWACCは約5.0%と認識しており、これを上回る資本収益性の確保を前提として、効率的かつ戦略的な成長投資を通じた企業価値の最大化を図っています。さらに、PBRの向上に向けては、ROE及びPER等の指標改善が重要であると認識しており、その主要なドライバーとして、「EBITDAの増加」「自己資本の最適化」「期待成長率の向上」「株主資本コストの低減」に取り組んでいます。また、統合報告書や決算説明資料の充実、ESG情報の積極的な開示、説明会・IRイベントの開催等、IR活動の強化を通じて株主との建設的な対話を促進し、株主価値の最大化を図っています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況及び分析の内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1) 経営成績の状況及び分析(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額増減率売上高431,831444,820+12,989+3.0%売上原価354,537355,611+1,074+0.3%売上総利益(売上総利益率)77,293(17.9%)89,208(20.1%)+11,914+15.4%(+2.2p)販売費及び一般管理費48,06253,242+5,179+10.8%営業利益(営業利益率)29,231(6.8%)35,966(8.1%)+6,735+23.0%(+1.3p)EBITDA(営業利益+減価償却費)32,73439,211+6,477+19.8%経常利益26,93634,842+7,906+29.4%親会社株主に帰属する当期純利益17,86114,933△2,927△16.4% 当連結会計年度における国内経済は、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響に加え、中東情勢緊迫化や金融環境の変化、米国の通商政策をめぐる動向等を背景に、先行き不透明な状況が続きました。一方で、雇用・所得環境は底堅く、景気は総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。賃貸住宅市場においては、国土交通省の建築着工統計調査によると、貸家の新設着工戸数は308,906戸(前年度比13.5%減)となりました。また、人口減少や少子高齢化の進行等を背景に空き家は高水準で推移しており、賃貸住宅の需給環境は地域間で濃淡がみられる状況が続いております。このような状況の中、当社グループは、安定した入居率の確保に向け、今後も増加が見込まれる単身世帯を主要ターゲットとして、地域及び顧客特性に応じた販売戦略を推進するとともに、適切なメンテナンスによる物件価値の維持・向上に努めてまいりました。また、市場動向を踏まえた賃料の適正化や、強みである法人需要の獲得を強化したほか、DXの推進を通じた顧客利便性の高いサービスの提供に加え、業務効率化・生産性向上を推進してまいりました。① 売上高売上高は、前連結会計年度比12,989百万円(3.0%)増加の444,820百万円となりました。これは主に、家賃単価が上昇基調で推移したことにより、賃貸事業売上高が前連結会計年度比12,705百万円(3.0%)増加の429,623百万円となったことによるものであります。② 売上総利益売上総利益は、前連結会計年度比11,914百万円(15.4%)増加の89,208百万円、売上総利益率は20.1%(前連結会計年度比2.2ポイント上昇)となりました。③ 営業利益営業利益は、前連結会計年度比6,735百万円(23.0%)増加の35,966百万円となりました。これは主に、人的投資(従業員数の増加や待遇改善)等に伴う販管費の増加があったものの、増収及び売上原価の抑制による収益性の向上がこれを上回ったことによるものであります。なお、営業利益率は8.1%(前連結会計年度比1.3ポイント改善)となりました。また、当連結会計年度のEBITDAは39,211百万円(前連結会計年度比19.8%増)となりました。④ 経常利益経常利益は、前連結会計年度比7,906百万円(29.4%)増加の34,842百万円となりました。なお、経常利益率は7.8%(前連結会計年度比1.6ポイント上昇)となりました。⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比2,927百万円(16.4%)減少の14,933百万円となりました。これは主に、特別損失として自己新株予約権消却損10,068百万円を計上したこと、並びに繰延税金資産の一部取り崩しに伴い法人税等調整額8,224百万円を計上したこと等によるものです。なお、1株当たり当期純利益は45.14円(前連結会計年度比11.08円減少)となりました。(セグメント別の経営成績の状況及び分析)(単位:百万円) 売上高 営業利益 前期当期増減額前期当期増減額賃貸事業416,918429,623+12,70538,05944,295+6,235シルバー事業13,72613,652△74△803△1,062△258その他事業1,1861,544+357△2,608△2,677△68調整額---△5,416△4,589+826合計431,831444,820+12,98929,23135,966+6,735 ① 賃貸事業当連結会計年度末の入居率は、新生活の需要を着実に捉えたことにより、88.78%(前期末比+1.21ポイント)となりました。期中平均入居率は、外国籍を中心とした法人契約の獲得が好調に推移したことにより、85.78%(前期比+0.22ポイント)となりました。また、当連結会計年度末の成約家賃単価指数(2016年4月を100とする)は、法人契約における家賃単価の上昇がけん引したことにより、111(前期末比+4ポイント)となり、高水準を維持しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、入居率及び家賃単価の上昇により、429,623百万円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。営業利益は、物件のメンテナンス費用の増加はあったものの、増収効果に加え、コスト構造の適正化により収益性が向上したことから、44,295百万円(前連結会計年度比16.4%増)となりました。② シルバー事業シルバー事業においては、各種営業施策や原価抑制策を継続しているものの、売上高13,652百万円(前連結会計年度比0.5%減)、営業損失1,062百万円(前連結会計年度比258百万円損失増加)となりました。なお、当連結会計年度末の施設数は85施設(前期末比増減なし)となっております。③ その他事業グアムリゾート施設の運営等を行っているその他事業においては、リゾート施設の稼働率がわずかに改善したものの、グアム経済の低迷に加え、人件費及びメンテナンス費用等が増加したことにより、売上高1,544百万円(前連結会計年度比30.2%増)、営業損失2,677百万円(前連結会計年度比68百万円損失増加)となりました。 (生産、受注及び販売の実績)a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)賃貸事業2,10260.3 (注)生産実績の著しい増加は、主にアパート建築請負工事原価の増加によるものであります。b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称総受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)賃貸事業10,005173.411,331267.5 (注)1.上記以外の事業につきましては、受注の形態を取っておりませんので記載しておりません。2.総受注高及び受注残高の著しい増加は、アパート建築請負工事の新規契約によるものであります。c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)賃貸事業429,623+3.0シルバー事業13,652△0.5その他事業1,544+30.2合計444,820+3.0 (注)1.当社グループの相手先は不特定の法人・個人であるため、主要な販売先の記載は省略しております。2.セグメント間の取引については相殺消去しております。(2) 財政状態の状況及び分析(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額増減率資産216,625176,574△40,051△18.5%負債128,356130,180+1,823+1.4%純資産88,26846,393△41,875△47.4%自己資本比率37.5%23.0%-△14.5p 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比40,051百万円減少の176,574百万円となりました。これは主にリース資産(純額)が841百万円増加した一方、現金及び預金が30,499百万円、建物及び構築物(純額)が1,361百万円、繰延税金資産が8,696百万円それぞれ減少したことによるものであります。負債の合計は、前連結会計年度末比1,823百万円増加の130,180百万円となりました。これは主に買掛金が1,082百万円、前受金が2,182百万円、株式給付引当金が1,479百万円それぞれ増加した一方、長期前受金が685百万円、空室損失引当金が1,423百万円、退職給付に係る負債が1,001百万円それぞれ減少したことによるものであります。純資産の合計は、前連結会計年度末比41,875百万円減少の46,393百万円となりました。これは主に、資本剰余金の減少15,105百万円、利益剰余金の減少21,140百万円、自己株式の増加4,389百万円によるものであります。主要な増減要因については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末比14.5ポイント下降し23.0%となりました。(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額営業活動によるキャッシュ・フロー25,89938,467+12,568投資活動によるキャッシュ・フロー△604△815△211財務活動によるキャッシュ・フロー△6,404△68,794△62,389現金及び現金同等物残高87,07555,924△31,150 営業活動によるキャッシュ・フローは、38,467百万円の収入(前連結会計年度比12,568百万円の収入増加)となりました。これは主に、空室損失引当金の減少額が1,423百万円、その他(完成工事補償引当金ほか)の減少額が1,449百万円となった一方、税金等調整前当期純利益が24,924百万円、減価償却費が3,245百万円、株式給付引当金の増加額が1,479百万円、前受金の増加額が1,496百万円、自己新株予約権消却損が10,068百万円となったことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、815百万円の支出(前連結会計年度比211百万円の支出増加)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が202百万円となった一方、有形固定資産の取得による支出が809百万円、無形固定資産の取得による支出が188百万円となったことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、68,794百万円の支出(前連結会計年度比62,389百万円の支出増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入が18,969百万円となった一方、自己株式の取得による支出が72,212百万円、自己新株予約権の取得による支出が10,102百万円、配当金の支払額が3,247百万円となったことによるものであります。この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は55,924百万円となり、前連結会計年度末比31,150百万円減少いたしました。また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー)は、前連結会計年度比12,356百万円増加し37,652百万円となりました。(契約債務)2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超長期借入金30,000-30,000--リース債務2,6006371,2626965 (財務政策)当社グループは、設備投資計画等に照らして、必要な資金を主に銀行借入や社債発行等により調達する方針としております。当連結会計年度においては、2025年3月に株式会社みずほ銀行より調達した短期借入金30,000百万円について、支払利息の低減及び資金調達の長期安定化を目的として、2026年2月に同行からの長期借入金30,000百万円へのリファイナンスを実施いたしました。 翌年度以降については、賃貸事業の収益力強化並びにキャッシュ・フローの改善に努め、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保してまいります。なお、2026年3月31日現在、長期借入金の残高は30,000百万円であります。(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 原価高騰とサプライチェーンの混乱
    原材料価格や人件費の高騰、サプライチェーンの混乱が発生した場合、建設コストや物件備品調達コストが増加し、収益性が悪化する可能性があります。これにより、事業運営や価格設定に影響が生じ、財政状態に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
  • 自然災害・気候変動
    地震、台風、水害などの大規模な自然災害が発生した場合、施設や物件への直接的な被害に加え、事業活動の中断や復旧費用が発生する可能性があります。特に首都直下地震では、本社機能への影響も想定され、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
  • 施工不備に関するリスク
    過去の施工不備問題は、改修が完了しているものの、引き続き入居者や建物所有者への丁寧な対応が求められます。新たな問題発生や対応の遅れは、企業の信頼性やブランドイメージを損ない、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,300 文字
3 【事業等のリスク】当社グループでは、物理的、経済的、または信用上の損失、不利益を生じさせる可能性のある潜在的なものをリスクとして特定し、潜在リスクについて組織的に対策を行って管理することにより、リスクの低減及び未然防止を図る対応を行っております。(1)グループのリスク管理体制①リスク分類と報告体制当社グループでは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) リスク管理」に記載の通り、全体のリスクを大きく6つに分類しています。各々の分類をさらに細分化し、合計16種類のリスクを想定しております。これらのリスクが顕在化しないよう、業務執行の各部門でリスク管理責任者及びリスク管理担当者を選任し、各々の役割と責任を明確にしてリスク管理を行っております。なお、各関係会社の社長は、リスク管理責任者としての役割を担っており、関係会社のリスク情報を当社へ報告する体制となっております。②リスク管理体制当社グループでは、全社的なリスクを網羅的に把握・管理するため、取締役会の諮問機関としてリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会は、代表取締役社長を委員長とし、弁護士等の専門的知識を有する社外委員も含めた構成員でリスク検討を行っており、四半期に1回開催しております。なお、リスク管理委員会におけるリスク管理状況については、半期に1回、取締役会に報告しております。昨今の外部環境の変化に伴うリスクの増大傾向を踏まえ、潜在リスクに対する「起きる前の予防策」や「顕在化した時の対応を準備する取組み」を強化したリスク管理体制へ整備・拡充を図るため、下図の通りリスク管理委員会の分科会として6つの会議体を設置しております。各会議体で押さえるべきリスクを定め、専門性の観点からリスクアセスメント及び顕在化したインシデントについて協議を行っております。また、全国7エリアによる現場ごとの部署横断的な会議体として現場会を設置し、リスクの高い事象(事件・事故)やクレーム情報をいち早く全国へ水平展開するように分科会へ情報共有しております。また、これらの情報をもとに各分科会にて協議した対応策は、各エリアの現場会に対して共有しております。 ③リスク管理プロセス当社グループでは、各部門にて洗い出して特定されたリスクを下図のプロセスで管理しております。外的要因リスクについては、リスク管理委員会の場で経営層を中心に検討しております。戦略ガバナンス、財務、レピュテーションに関するリスクについては『経営戦略・財務』、コンプライアンスリスクについては『リーガル管理』、オペレーショナルリスクについては『品質管理』、『クレーム管理』、『情報・システム管理』、『介護事業』の各分科会で部署横断的に協議した上で、リスクを分析、評価しております。分科会で協議したリスクに対する対応策及びインシデントの再発防止策等についてはリスク管理委員会へ報告し、グループ全体のリスク評価を実施した上でリスク対応を行う優先順位を決定しております。リスク管理委員会での評価結果をもとに各分科会にて対応策を協議し、所管部署にて実行しております。④リスクマップ当社グループでは、リスク対応の優先順位付けを行う際に、「影響度」及び「発生可能性」の大小によってリスクの大きさの程度を認識し、下図のリスクマップにて可視化しております。「影響度」については「メディア注目度」、「直接的なインパクト」、「原因から発生に至るまでの期間」の3つの指標を総合して3段階で評価しております。「発生可能性」については今後起こりうる頻度を3段階で評価しております。「影響度×発生可能性」でリスクの大きさを5段階(「極大」、「大」、「中」、「小」、「極小」)評価しております。リスクマップにおいて「極大」、「大」、「中」に分類されたリスクは、各分科会で対応策を協議し、所管部署で実行することで業績等への影響を最小限に抑えております。また、「小」、「極小」に分類されたリスクについては、定期的にモニタリングを行い、リスクの大きさの変動について注視しております。高 影響度 低3中極大極大2小中大1極小極小小 123 低 発生可能性 高 (2)主要なリスク有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、「3 事業等のリスク (1)グループのリスク管理体制 ③ リスク管理プロセス」に記載のプロセスに即してリスク管理委員会にてグループ全体のリスク評価を実施した結果、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に特に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。ただし、以下のリスクは当社の全てのリスクを網羅したわけではなく、対応策もこれらのリスクを完全に排除するものではありません。なお、下記の事項及び文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 原価高騰及び事業環境の変化が収益性に影響を及ぼすリスク[リスクシナリオ]当社グループの事業は、多数の協力会社との協業や、原材料や資材の調達等によるサプライチェーンにより成り立っておりますが、国内外の経済情勢や物価動向の変化、テロや政情不安等による大規模なデモ・紛争・内乱、感染症の流行等の不測の事態が発生、または長期にわたって継続した場合、原材料や資材の高騰、または調達遅延や供給制約、物流の停滞等を含むサプライチェーンの混乱が生じる可能性があります。これに伴い、管理物件の備品調達コストや建設コストをはじめとする原材料価格や人件費等の変動、工期の遅延、代替調達に伴うコスト上昇等が生じ、当社グループにおける原価構造及び収益性、取引条件や価格設定を含む事業運営に影響が生じる可能性があります。また、協力会社との取引に関しては、社会的要請や関連法規の動向を踏まえた対応が求められており、これらの動向への対応状況によっては、取引条件の見直しや調達先の変更を行う可能性があり、サプライチェーンの安定性に影響を及ぼす可能性があります。これらの要因が単一的または複合的に生じた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。[対応策]賃貸事業部門では、原価構造の変動を考慮しつつ、エリア特性や需給動向に応じた適切な家賃設定に加え、中長期的なコスト構造や物件価値を考慮した価格水準の改定を行い、稼働率向上に向けた施策とあわせて収益性の確保に努めております。開発事業部門では、設計、施工の標準化や工法の見直しによる原価低減の推進、主要資材の価格動向の継続的な把握及び複数調達先の確保、工事実行予算及び工期管理の高度化により、コストの抑制に努めています。これらの取組みによって、特定の協力会社や供給先への依存を低減し、サプライチェーンの混乱が生じた場合における事業への影響の最小化を図っております。また、受注段階においては、外部環境を踏まえた収益性の検証を行い、価格動向や市場環境を適切に反映した価格条件や新築供給エリアの設定及び契約内容の慎重な検討を行うことで、原価変動による収益への影響の低減を図っております。加えて、協力会社との取引においては、社会的要請や関連法規の動向を踏まえつつ、安定的な取引構築に努めております。今後も経営環境の変化に注視しつつ、原価管理体制の強化及び収益性を重視した事業運営を継続することで、業績への影響を可能な限り低減するよう努めて参ります。② 自然災害・気候変動に関するリスク[リスクシナリオ]当社グループは、国内及び海外に事務所、アパート物件等の施設を展開しておりますが、地震や台風、水害等の大規模な自然災害により、従業員や顧客、施設、物件等への直接的な被害のほか、通信ネットワークの遮断等による間接的な被害を受ける可能性があります。これらの災害が発生した場合、事業活動の中断等による損失、各事業で管理、運営している物件に対する点検や応急処置の実施、その他社会的な支援活動を行うための費用等が発生する可能性があります。特に、首都直下地震が発生した場合には、本社及び本社従業員の被災が想定され、事業活動や社内システムに大きな影響を受ける可能性があります。これらにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 [対応策]当社グループでは、重要な事業を中断させない、中断しても短い期間で復旧させるために、「社内被害」と「事業被害」を速やかに把握し、復旧活動・被害拡大抑止に向けた適切な事業継続計画(BCP)を策定しております。その一環として、被災時における指揮命令系統の明確化及び権限委譲の整理を行い、より機動的な初動対応が可能となる体制の整備を進めております。また、復旧工事における体制・対応基準・プロセス等を定め、安全確保と早期入居再開に向けた指針を整備しております。さらに、当事業年度においては、災害発生時の迅速な意思決定及び対応体制の強化を図るため、役員を対象とした実動訓練を実施しました。加えて、54期以降は訓練の対象を従業員まで広げる計画としており、当社グループ全体で迅速な対応が可能となる体制の整備を併せて進めております。引き続き、リスク管理委員会の下部組織である分科会の一つの「経営戦略・財務」に関する分科会において、自然災害・気候変動への対策に焦点を当てた協議と対応を行ってまいります。③ ITシステム及び情報セキュリティに係るリスク[リスクシナリオ]モバイルPC業務や外部パートナーとの連携により、重要な情報データにアクセス可能な端末が増えることで、サイバー攻撃の標的となる可能性が高まっています。ランサムウェア被害等における意図的な行為により、システム停止やお客さま情報の漏洩、建物管理全般業務遂行の停滞、お客さまやお取引先さまへの損害賠償責任や当社への信頼低下がおこる可能性があります。また、取引先である企業を踏み台にしたサプライチェーン攻撃や委託先におけるセキュリティリスクが顕在化した場合、外部に個人情報が流出する可能性があります。さらに、AIの急速な技術進歩と普及に伴い、様々な分野でのAIの活用が進み、当社でもAIの利活用を段階的に拡大している中、プライバシー侵害・個人データの外部流出、ハルシネーションによる誤情報の使用、著作物を意図せず商用利用してしまった等の知的財産権の侵害により損害が発生する可能性があります。これらにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。[対応策]ISO や NIST(National Institute of Standards and Technology「米国国立標準技術研究所」) のセキュリティフレームワークを参考に、当社ではさまざまな情報セキュリティ対策を実施しています。まず、情報セキュリティに関する専門部署を中心とする連携体制と統制を強化し、外部からの攻撃への対応や非常時を想定した定期的な訓練、さらには脆弱性診断を継続的に実施しています。また、新規取引の事前審査に加えて、既存取引についても定期的なセキュリティチェックを実施し、情報セキュリティマネジメント体制を継続的に確認しています。さらに、AIにより高度化・多様化するサイバー攻撃に備え、中長期的視点でフィルタリングやPC端末、クラウド環境のセキュリティ対策も強化しています。外部セキュリティ企業との密な連携により、SOC(セキュリティオペレーションセンター)でのモニタリングを実施し、サイバーセキュリティに関する国家資格である「情報処理安全確保支援士」を専門人材として社内に配置しています。機密情報の漏洩防止については、予防・検知・発生後の3段階における対応強化を進めるとともに、外部環境の脅威動向だけでなく、脆弱性診断などを通じて現状の対策実施状況を的確に評価し、リスクレベルを定量的に把握しています。環境変化に対応するため、情報セキュリティ及びデータ保護に関する関連規程の改訂を継続的に行い、全社員に対してはコンプライアンス研修や情報セキュリティ啓発を継続的に実施し、eラーニングや標的型攻撃メール訓練を含めた社員教育を行っています。社員によるAIの使用についてはガイドラインを作成し、リテラシー向上に努めています。サードパーティAIを使用する場合には、「学習不使用」「保存不可」「オプトアウト可否」について導入時に審査を行い、その可否判断を実施しています。引き続き、リスク管理委員会の下部組織であり、分科会の一つである「情報・システム管理」に関する分科会において、ITシステム及び情報セキュリティ対策に焦点を当てた協議と対応を行ってまいります。

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