有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ミッションを実現した先に目指す将来像を「ビジョン」とし、「Globalization」「Innovation」「Function」「Trust」を定めています。この「GIFT」に基づき、2030年に向けて実現を目指す長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。私たちは、祖業である紙の可能性を追求しつつ事業ポートフォリオの転換を進め、新たなビジネスの創出や事業領域の拡大に取り組むことで、お客様のニーズに応える高品質かつ付加価値の高い製品・サービス・ソリューションを提供し続ける、世界トップクラスのグローバル企業を目指します。 (2) 経営環境、中長期の経理戦略及び対処すべき課題 当社グループを取り巻く経営環境は、世界的なデジタル化の進展によるグラフィック用紙需要の減少、地政学的リスクと資源・エネルギー供給制約懸念、気候変動をはじめとする環境課題への対応要請の高まりなど、先行き不透明感が一層強まっています。このような環境下において、当社グループは、長期経営ビジョン「GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定し、事業戦略、サステナビリティ戦略および財務戦略の三つを軸とした経営課題に取り組んでいます。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ 1.事業戦略① 事業領域の拡大グラフィック用紙市場の中長期的な縮小を踏まえ、当社グループは祖業である紙の可能性を追求しつつも、パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング分野など成長が見込まれる周辺領域への展開を進めています。また、新製品・新顧客・新ビジネスモデルの獲得を通じ、事業領域の拡大を加速して参ります。 ② 事業ポートフォリオの転換当社グループはこれまで、紙・板紙事業を中核に安定的なキャッシュ・フローを創出してきましたが、今後の事業環境を見据え、より成長性・収益性の高い分野への経営資源配分を進めます。海外で実績を有するパッケージング事業やビジュアルコミュニケーション事業を補完するボルトオン型M&Aや事業構造に抜本的な変化をもたらす戦略的案件を通じ、事業ポートフォリオの転換を進めます。 ③ グローバルシナジーの追求当社グループは、世界各地に広がる事業基盤とグローバルネットワークが強みであり、このネットワークを活用しグループ全体としての付加価値創出を図ることが重要な課題です。購買、製品・顧客情報、営業・マーケティング等の領域における連携を強化し、各地域で培われた事業モデルや専門性を共有することで、グループ全体の競争力向上を実現してまいります。 ④ Eビジネスの拡大・DXの推進顧客ニーズの多様化・高度化に対応し、生産性を向上させるため、Eビジネスの拡大およびDXの推進に取り組みます。当社グループでは、WebショップやEDIを活用したEビジネスを拡大し、顧客の購買利便性向上と取引プロセスの効率化を進めています。また、生成AIをはじめとするデジタル技術を活用し、グループ会計システムの統一を含む業務プロセスの革新やデータ活用の高度化を進め、新たな付加価値創出につなげる「攻めのDX」を段階的に推進します。 2. サステナビリティ戦略① グリーンビジネスの展開循環型社会の実現をミッションとする当社グループにとって、グリーンビジネスは重要な成長分野です。脱プラスチック・紙化ソリューション、持続可能な森林資源を活用した製品、古紙をはじめとした資源回収・再資源化を軸とする事業を拡大し、環境価値と経済価値を両立した事業成長を実現してまいります。 ② 気候変動対策気候変動は事業活動やサプライチェーンに影響を及ぼす重要な課題と認識しており、TCFD提言およびISSB(IFRSS2)の開示基準に沿って、2050年までにScope1・2排出量のネットゼロを目指します。中期的には、省エネルギー施策、再生可能エネルギーの導入、物流効率化などを通じて排出原単位の低減に取り組み、脱炭素化を着実に推進してまいります。 ③ 人的資本経営の推進当社グループは、事業戦略を支える基盤として人的資本経営を重視し、「自律的に成長する人材の育成」を掲げています。研修やリスキリング支援を通じて社員の成長を促すとともに、多様性・公平性・包摂を尊重した人材活用を進め、変化に強い組織づくりを進めます。 ④ ガバナンスの強化グローバルに事業を展開する当社グループにとって、実効性の高いガバナンス体制の構築は重要な経営課題です。取締役会を中心とした監督機能の強化、リスクマネジメントおよびコンプライアンス体制の高度化、内部統制の整備を進め、健全で透明性の高い経営を推進しています。今後も、事業の高度化・複雑化に対応したガバナンス体制の進化を図り、ステークホルダーからの信頼を基盤とした持続可能な企業価値向上を目指してまいります。 3. 財務戦略① 成長投資資金の確保事業領域の拡大や事業ポートフォリオの転換を推進するにあたり、M&Aや新規事業、DXや人的資本への投資など、中長期的な企業価値向上につながる成長投資を機動的に実行できる財務基盤の構築が重要です。当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を軸に、有利子負債の活用や政策保有株式の削減を戦略的に組み合わせ、成長投資資金の確保を図ってまいります。 ② 資本効率と財務健全性の両立当社グループは、成長投資を積極的に推進しつつ、過度な財務リスクを抑制し、強固で安定的な財務基盤の維持に努めています。「ROE」や「ROIC」といった資本効率指標に加え、「自己資本比率20~25%」を目安とした財務健全性の指標を重視し、資本コストを意識した投資判断および事業運営を徹底します。あわせて、運転資本の効率化や収益構造の改善を継続的に進めることで、全社的な資本生産性の向上を図ってまいります。 ③ 株主還元の充実当社グループは、持続的な企業価値向上を通じた安定的な株主還元を重要な経営課題と位置付けています。連結配当性向30%を目安としつつ、DOE3.0%を下限とする配当方針のもと、自己株式の取得を含む柔軟な株主還元策を実施し、成長投資との最適なバランスを図りながら、資本効率の向上と適切な資本配分に努めてまいります。 第4次中期経営計画における目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ミッションを実現した先に目指す将来像を「ビジョン」とし、「Globalization」「Innovation」「Function」「Trust」を定めています。この「GIFT」に基づき、2030年に向けて実現を目指す長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。私たちは、祖業である紙の可能性を追求しつつ事業ポートフォリオの転換を進め、新たなビジネスの創出や事業領域の拡大に取り組むことで、お客様のニーズに応える高品質かつ付加価値の高い製品・サービス・ソリューションを提供し続ける、世界トップクラスのグローバル企業を目指します。 (2) 経営環境、中長期の経理戦略及び対処すべき課題 当社グループを取り巻く経営環境は、世界的なデジタル化の進展によるグラフィック用紙需要の減少、地政学的リスクと資源・エネルギー供給制約懸念、気候変動をはじめとする環境課題への対応要請の高まりなど、先行き不透明感が一層強まっています。このような環境下において、当社グループは、長期経営ビジョン「GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定し、事業戦略、サステナビリティ戦略および財務戦略の三つを軸とした経営課題に取り組んでいます。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ 1.事業戦略① 事業領域の拡大グラフィック用紙市場の中長期的な縮小を踏まえ、当社グループは祖業である紙の可能性を追求しつつも、パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング分野など成長が見込まれる周辺領域への展開を進めています。また、新製品・新顧客・新ビジネスモデルの獲得を通じ、事業領域の拡大を加速して参ります。 ② 事業ポートフォリオの転換当社グループはこれまで、紙・板紙事業を中核に安定的なキャッシュ・フローを創出してきましたが、今後の事業環境を見据え、より成長性・収益性の高い分野への経営資源配分を進めます。海外で実績を有するパッケージング事業やビジュアルコミュニケーション事業を補完するボルトオン型M&Aや事業構造に抜本的な変化をもたらす戦略的案件を通じ、事業ポートフォリオの転換を進めます。 ③ グローバルシナジーの追求当社グループは、世界各地に広がる事業基盤とグローバルネットワークが強みであり、このネットワークを活用しグループ全体としての付加価値創出を図ることが重要な課題です。購買、製品・顧客情報、営業・マーケティング等の領域における連携を強化し、各地域で培われた事業モデルや専門性を共有することで、グループ全体の競争力向上を実現してまいります。 ④ Eビジネスの拡大・DXの推進顧客ニーズの多様化・高度化に対応し、生産性を向上させるため、Eビジネスの拡大およびDXの推進に取り組みます。当社グループでは、WebショップやEDIを活用したEビジネスを拡大し、顧客の購買利便性向上と取引プロセスの効率化を進めています。また、生成AIをはじめとするデジタル技術を活用し、グループ会計システムの統一を含む業務プロセスの革新やデータ活用の高度化を進め、新たな付加価値創出につなげる「攻めのDX」を段階的に推進します。 2. サステナビリティ戦略① グリーンビジネスの展開循環型社会の実現をミッションとする当社グループにとって、グリーンビジネスは重要な成長分野です。脱プラスチック・紙化ソリューション、持続可能な森林資源を活用した製品、古紙をはじめとした資源回収・再資源化を軸とする事業を拡大し、環境価値と経済価値を両立した事業成長を実現してまいります。 ② 気候変動対策気候変動は事業活動やサプライチェーンに影響を及ぼす重要な課題と認識しており、TCFD提言およびISSB(IFRSS2)の開示基準に沿って、2050年までにScope1・2排出量のネットゼロを目指します。中期的には、省エネルギー施策、再生可能エネルギーの導入、物流効率化などを通じて排出原単位の低減に取り組み、脱炭素化を着実に推進してまいります。 ③ 人的資本経営の推進当社グループは、事業戦略を支える基盤として人的資本経営を重視し、「自律的に成長する人材の育成」を掲げています。研修やリスキリング支援を通じて社員の成長を促すとともに、多様性・公平性・包摂を尊重した人材活用を進め、変化に強い組織づくりを進めます。 ④ ガバナンスの強化グローバルに事業を展開する当社グループにとって、実効性の高いガバナンス体制の構築は重要な経営課題です。取締役会を中心とした監督機能の強化、リスクマネジメントおよびコンプライアンス体制の高度化、内部統制の整備を進め、健全で透明性の高い経営を推進しています。今後も、事業の高度化・複雑化に対応したガバナンス体制の進化を図り、ステークホルダーからの信頼を基盤とした持続可能な企業価値向上を目指してまいります。 3. 財務戦略① 成長投資資金の確保事業領域の拡大や事業ポートフォリオの転換を推進するにあたり、M&Aや新規事業、DXや人的資本への投資など、中長期的な企業価値向上につながる成長投資を機動的に実行できる財務基盤の構築が重要です。当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を軸に、有利子負債の活用や政策保有株式の削減を戦略的に組み合わせ、成長投資資金の確保を図ってまいります。 ② 資本効率と財務健全性の両立当社グループは、成長投資を積極的に推進しつつ、過度な財務リスクを抑制し、強固で安定的な財務基盤の維持に努めています。「ROE」や「ROIC」といった資本効率指標に加え、「自己資本比率20~25%」を目安とした財務健全性の指標を重視し、資本コストを意識した投資判断および事業運営を徹底します。あわせて、運転資本の効率化や収益構造の改善を継続的に進めることで、全社的な資本生産性の向上を図ってまいります。 ③ 株主還元の充実当社グループは、持続的な企業価値向上を通じた安定的な株主還元を重要な経営課題と位置付けています。連結配当性向30%を目安としつつ、DOE3.0%を下限とする配当方針のもと、自己株式の取得を含む柔軟な株主還元策を実施し、成長投資との最適なバランスを図りながら、資本効率の向上と適切な資本配分に努めてまいります。 第4次中期経営計画における目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当社は、本年度より、2030年に向けた新長期経営ビジョン「GIFT2030」、「KPPグループサステナビリティビジョン2030」並びに2028年3月期を最終年度とする「第四次中期経営計画」をスタートさせました。事業戦略では、事業領域の拡大、事業ポートフォリオの転換、グローバルシナジーの追求、Eビジネスの拡大・DXの推進を重要施策とし、事業ポートフォリオをペーパー&ペーパーボード事業からパッケージング、ビジュアルコミュニケーション、製紙原料(パルプ・古紙)、環境関連事業などへと多角化を推し進めています。初年度の2025年は、世界経済は全体としては緩やかな回復基調を維持したものの、トランプ関税の影響や地政学リスクの高まりにより不確実性が増し、国・地域によっては物価上昇が個人消費を抑制する場面も見られ、総じて厳しい市場環境となりました。こうしたマクロ経済環境の中、ペーパー事業では、世界各地でグラフィックペーパーの需要が減少、欧州や中国など一部の地域では2025年の後半まで価格の下落も見られたことから、減収、売上総利益も減益となりました。一方で、ビジュアルコミュニケーション事業は、総じて需要が底堅かったことに加えて、M&Aで買収した企業の貢献もあったことから前年対比増収、売上総利益は増益となりました。パッケージング事業は一部の地域で産業用の需要が横ばいとなったものの、アジアパシフィック地域での食品等の小売向けが好調であったことや前年のM&Aで買収した会社による貢献もあり、増収、売上総利益は増益となりました。全体としては、ペーパー事業が落ち込んだことから、当連結会計年度の業績は、売上高6,503億68百万円(前年同期比2.9%減)となり、営業利益は100億75百万円(前年同期比25.6%減)、経常利益は61億75百万円(前年同期比36.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、56億18百万円(前年同期比29.7%減)となりました。 当連結会計年度の業績については、以下のとおりです。 (単位:百万円)2025年3月期2026年3月期 売上比(%) 売上比(%)前年同期比増減率(%)売 上 高670,042100.0650,368100.0△19,674△2.9売 上 総 利 益129,11619.3130,04220.009250.7販 売 費 及 び一 般 管 理 費115,57217.2119,96618.454,3943.8営 業 利 益13,5442.010,0751.55△3,468△25.6経 常 利 益9,7121.46,1750.95△3,537△36.4親会社株主帰属当 期 純 利 益7,9861.25,6180.86△2,368△29.7 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少及び短期借入金の増加により獲得した資金を、子会社株式の取得及び長期借入金の返済に充当したことにより、前連結会計年度末比13億14百万円増加し、126億30百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は198億14百万円(前期は111億69百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び売上債権の減少によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は111億9百万円(前期は166億44百万円の使用)となりました。これは主に、子会社株式の取得及び固定資産の取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は81億18百万円(前期は111億90百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金及びリース債務の返済によるものであります。 ③ 仕入及び販売の実績 当社グループは卸売事業が主な事業のため、生産実績の重要性が乏しいことから仕入実績を記載し、受注実績については受注から納品まで短期であるため、受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。(1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)265,46293.4欧州/米州(百万円)213,838101.6アジアパシフィック(百万円)44,68287.4合計(百万円)523,98296.0 (注) 当連結会計年度における仕入実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)285,18993.9欧州/米州(百万円)298,997100.2アジアパシフィック(百万円)64,65997.3不動産賃貸事業(百万円)1,521101.2合計(百万円)650,36897.1 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。 品種別前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)紙数量(トン)1,593,3321,587,397金額(百万円)327,120305,820板紙数量(トン)786,772769,822金額(百万円)85,25389,771紙二次加工品数量(トン)16,96413,434金額(百万円)24,06221,910パルプ・古紙数量(トン)1,373,4531,331,137金額(百万円)51,38042,466その他金額(百万円)182,225190,399合計数量(トン)3,770,5213,701,790金額(百万円)670,042650,368 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.賃貸収入は「その他」に含まれております。 (2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。当社グループは長期経営ビジョン『GIFT 2030』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載のとおり、対処すべき課題に対応してまいります。 (a) 報告セグメントの実績(単位:百万円)2025年3月期2026年3月期 前年同期比増減率(%)北東アジア売 上 高303,649285,189△18,460△6.1セグメント利益2,8951,872△1,022△35.3利 益 率 (%)1.00.7△0.3―欧州/米州売 上 高298,460298,9975360.2セグメント利益7,7575,818△1,939△25.0利 益 率 (%)2.61.9△0.7―アジアパシフィック売 上 高66,42864,659△1,768△2.7セグメント利益3,0002,807△193△6.5利 益 率 (%)4.54.3△0.2―不 動 産 賃 貸 売 上 高1,5041,521171.2セグメント利益602625223.8利 益 率 (%)40.141.11.0―合 計売 上 高670,042650,368△19,674△2.9セグメント利益14,25511,123△3,132△22.0調 整 額△711△1,047△33547.2営 業 利 益13,54410,075△3,468△25.6利 益 率 (%)2.11.7△0.4― (b) 北東アジアセグメントについてペーパー&ペーパーボード事業の紙分野では、グラフィック用紙の需要減少により販売数量が前年を下回り、減収、売上総利益も減益となりました。板紙分野では、国内の段ボール原紙の需要が堅調に推移し、輸出及びトレーディングカードゲーム関連需要の増加もあり販売数量・売上高・売上総利益ともに前年を上回りました。製紙原料分野では、古紙の販売数量は前年を維持したものの、継続した市況低迷の影響により、売上高・売上総利益ともに前年を下回りました。市販パルプは数量・売上高は前年を下回りましたが、売上総利益は前年を上回りました。中国では需給環境が好転せず本格的な業績回復には至りませんでした。全体としては、紙分野での減少が響き、当連結会計年度の売上高は2,851億89百万円(前年同期比6.1%減)となり、営業利益は18億72百万円(前年同期比35.3%減)となりました。 (c) 欧州/米州セグメントについてペーパー事業は、需要低迷と販売価格の下落から、売上高・売上総利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業は一部の地域の製造業が低調となった影響から、売上は前期比減少しましたが、前期に買収した各社の収益貢献もあり、売上総利益は前年比横ばいとなりました。ビジュアルコミュニケーション事業は、今期買収したClub GroupeやFortuna Digital Holding(旧Fortuna Komers d.o.o)、Texo Groupの業績貢献に加えて、ハードウエアの販売が好調だったことから、売上高・売上総利益ともに前年を上回りました。全体としては、ペーパー事業の落ち込み分をカバーするには至らず、当連結会計年度の売上高は2,989億97百万円(前年同期比0.2%増)となり、営業利益は58億18百万円(前年同期比25.0%減)となりました。(d) アジアパシフィックセグメントについてペーパー事業は、商業印刷及び板紙の需要が回復せず、販売数量および売上高・売上総利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業は、前期買収したSignet社の好調な業績に加えて、今期ABL Distribution Pty Ltdから買収した事業の貢献もあり、売上高・売上総利益ともに前年を大幅に上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業は、豪州や東南アジアにおいて印刷機等のハードウエアや、パネル、POPといった硬質のリジッドメディアの販売が伸長し、売上高・売上総利益ともに前年を上回りました。ただし、為替の影響があり、円ベースでは当連結会計年度の売上高は646億59百万円(前年同期比2.7%減)となり、営業利益は28億7百万円(前年同期比は6.5%減)となりました。 (e) 不動産賃貸事業について2025年のオフィス需要は概ね安定した状況で推移しました。稼働状況が安定的に推移したことにより、賃料収入は前年同期比で微増となりました。また、利益面では修繕費等のコスト管理に努めた結果、前年同期比で増益となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は15億21百万円(前年同期比1.2%増)となり、営業利益は6億25百万円(前年同期比3.8%増)となりました。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、3,747億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ226億72百万円増加しました。これは主に、商品及び製品、固定資産等の増加によるものであります。負債は、2,852億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ194億34百万円増加しました。これは主に、短期借入金、リース債務等の増加によるものであります。純資産は、894億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億37百万円増加し、自己資本比率は23.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、為替換算調整勘定の増加によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT 2030』に基づく第4次中期経営計画(2025年度~2027年度)を推進中ですが、事業で創出される営業活動によるキャッシュ・フローや政策保有株式の売却、有利子負債を活用し、M&Aを中心とした成長投資や株主還元を実施していく方針です。株主還元への支出については、安定的かつ継続的な配当に加え業績に応じた利益還元を図ることを目的として、2025年3月期より連結配当性向30%を目安にするとともに、 DOE(連結株主資本配当率)3.0%を下限とする配当方針を採用しています。また、自己株式の取得については、政策保有株式の売却によって得た資金の一部に加え、成長投資に充てる資金に余剰が生じた際には、その相当額を自己株式取得の原資として充当する方針としています。なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で13億17百万円、海外で113億12百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。 ④ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しているとおりです。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ビジョンである「GIFT」に基づき、2030年に向けて策定した長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。このビジョンの下、当社ではグループ全体で環境負荷低減に資する商品やサービスの開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案に取り組み、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、デジタル化の進展により、情報媒体としての紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いています。また、パッケージング用紙についても飲料向け等で一部堅調な分野があるものの、全体として需要は伸び悩んでいます。海外市場でもグラフィック用紙の需要低下のトレンドは変わらず、また欧州の一部や中国における景気の低迷が紙の需要を下振れさせています。一方で、海洋プラスチック汚染に対する世界的な問題意識から、代替素材としての「紙化」需要の高まりが引き続き見られます。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきています。このような状況下、当社グループは、「グローバル展開」「DXへの対応」「グリーンビジネスの展開」「気候変動対策」「人的資本経営の推進」「ガバナンスの強化」「資本コストを意識した経営」を課題として取り組んでおります。 ① グローバル展開情報媒体は先進国を中心に、「紙」から「電子」への移行が進み、特に新聞、雑誌、カタログ、帳票類などの需要減は業界の構造改革を促しています。一方で、世界の紙・板紙市場は2040年にかけて年率1.7%の成長が見込まれるとも言われています。今後の紙パルプ市場を牽引するのは段ボール原紙、紙器用板紙などパッケージ系の紙と衛生用紙であり、地域的には中国、インド、アセアンを含むアジア市場及びアフリカ諸国になります。当社グループはこのような紙パルプ産業の転換期に、地域戦略と事業ポートフォリオ戦略を着実に進めるとともに、事業会社間の事業シナジーを追求することでグループの総合力の強化を図っていきます。 ② DXへの対応デジタル技術の活用による生産性向上やサービスの改善はグループの各事業会社に共通する課題であり、各社の状況に合わせ、内部管理システムの高度化・共通化やeコマース事業の基盤強化・利用推進等を進めています。また、グループ社員のコミュニケーションツールの導入やグループ会計システムの共通化検討等、グループ横断での施策も進展しています。 ③ グリーンビジネスの展開当社グループは、ミッションである「循環型社会の実現に貢献する」を具体化するべく、環境対応商品・ソリューションの展開を強化しています。具体的には、日本における紙を代替素材とする衣料品・人工芝の販売や、企業の製品から発生する古紙の再利用ソリューションを提供する「クローズドリサイクル」等が挙げられます。また、新規事業として、最新のテクノロジーを活用したデータ分析によって発電プラントの稼働率を向上させるソリューション提供や、バイオマス発電所への燃料供給、バイオエタノール原料のソルガムの生産・販売等、新しい分野にも積極的に展開を図っています。 ④ 気候変動対策気候変動は、事業の継続性や財務状況に影響を及ぼす重要な経営課題であると認識しています。当社は2022年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連リスクおよび機会の分析結果を経営戦略に反映しています。今後は、グループ全体でGHG排出量の削減を実効的に進めるべく、本年度中にスコープ1およびスコープ2の排出量を連結ベースで可視化する予定です。併せて、第4次中期経営計画において設定した排出原単位の削減目標に基づき、物流効率の向上や再生可能エネルギーの導入など、具体的施策を推進していきます。 ⑤ 人的資本経営の推進当社は、「人」を最も重要な経営資源と捉え、これを人的資本として位置づけています。トップマネジメントで構成される人事委員会の主導のもと、人的資本戦略の策定を進めるとともに、採用・育成・評価に関する制度整備を推進しています。また、グループ全体での人的資本の可視化を目的として、リスキリング分野では「教育にかける時間」、労働安全分野では「休業災害強度率」といったKPIの策定に取り組んでいます。エンゲージメントについては、各拠点で調査を実施し、その結果を加重平均することで、グループ全体の指標として反映していく方針です。 ⑥ ガバナンスの強化2022年のホールディングス化以降、当社は取締役への多様な人材登用を含め、コーポレートガバナンスの強化を進めてきました。グループガバナンスに関しては、リスク管理やコンプライアンスに関する共通基盤や投資基準などの整備は完了しており、今後は本社と各拠点の役割分担をさらに明確化し、自律性と統制の両立を図ることが重要な課題です。このため、本社によるガイドライン策定と現地判断の尊重を両立させる体制の構築を進めており、具体的には、各拠点の権限明確化やモニタリングKPIの整備などに取り組んでいます。今後も、地域起点での価値創出とグループ全体の持続的成長を両立するガバナンス体制の強化に取り組んでいきます。 ⑦ 資本コストを意識した経営当社グループは、各事業会社の事業活動を通じて、「ROE8%以上」及び「資本コスト(WACC)<ROIC」を継続的に達成することで、持続的な株主価値創造の実現を図っていきます。具体的には、利益率の高い事業の拡大、資本コストを上回る事業や将来を見据えた成長事業への投資を推進していく他、株主資本と有利子負債の最適資本構成の構築による資本コストの低減及び資本コスト経営の情報開示の充実を今後も図っていきます。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョン GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定しています。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ(基本戦略)「事業戦略」・事業領域の拡大・事業ポートフォリオの転換・グローバルシナジーの追求・Eビジネスの拡大・DXの推進「サステナビリティ戦略」・グリーンビジネスの展開・気候変動対策・人的資本経営の推進・ガバナンスの強化「財務戦略」・成長投資資金の確保・資本効率と財務健全性の両立・株主還元の充実 目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ビジョンである「GIFT」に基づき、2030年に向けて策定した長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。このビジョンの下、当社ではグループ全体で環境負荷低減に資する商品やサービスの開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案に取り組み、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、デジタル化の進展により、情報媒体としての紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いています。また、パッケージング用紙についても飲料向け等で一部堅調な分野があるものの、全体として需要は伸び悩んでいます。海外市場でもグラフィック用紙の需要低下のトレンドは変わらず、また欧州の一部や中国における景気の低迷が紙の需要を下振れさせています。一方で、海洋プラスチック汚染に対する世界的な問題意識から、代替素材としての「紙化」需要の高まりが引き続き見られます。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきています。このような状況下、当社グループは、「グローバル展開」「DXへの対応」「グリーンビジネスの展開」「気候変動対策」「人的資本経営の推進」「ガバナンスの強化」「資本コストを意識した経営」を課題として取り組んでおります。 ① グローバル展開情報媒体は先進国を中心に、「紙」から「電子」への移行が進み、特に新聞、雑誌、カタログ、帳票類などの需要減は業界の構造改革を促しています。一方で、世界の紙・板紙市場は2040年にかけて年率1.7%の成長が見込まれるとも言われています。今後の紙パルプ市場を牽引するのは段ボール原紙、紙器用板紙などパッケージ系の紙と衛生用紙であり、地域的には中国、インド、アセアンを含むアジア市場及びアフリカ諸国になります。当社グループはこのような紙パルプ産業の転換期に、地域戦略と事業ポートフォリオ戦略を着実に進めるとともに、事業会社間の事業シナジーを追求することでグループの総合力の強化を図っていきます。 ② DXへの対応デジタル技術の活用による生産性向上やサービスの改善はグループの各事業会社に共通する課題であり、各社の状況に合わせ、内部管理システムの高度化・共通化やeコマース事業の基盤強化・利用推進等を進めています。また、グループ社員のコミュニケーションツールの導入やグループ会計システムの共通化検討等、グループ横断での施策も進展しています。 ③ グリーンビジネスの展開当社グループは、ミッションである「循環型社会の実現に貢献する」を具体化するべく、環境対応商品・ソリューションの展開を強化しています。具体的には、日本における紙を代替素材とする衣料品・人工芝の販売や、企業の製品から発生する古紙の再利用ソリューションを提供する「クローズドリサイクル」等が挙げられます。また、新規事業として、最新のテクノロジーを活用したデータ分析によって発電プラントの稼働率を向上させるソリューション提供や、バイオマス発電所への燃料供給、バイオエタノール原料のソルガムの生産・販売等、新しい分野にも積極的に展開を図っています。 ④ 気候変動対策気候変動は、事業の継続性や財務状況に影響を及ぼす重要な経営課題であると認識しています。当社は2022年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連リスクおよび機会の分析結果を経営戦略に反映しています。今後は、グループ全体でGHG排出量の削減を実効的に進めるべく、本年度中にスコープ1およびスコープ2の排出量を連結ベースで可視化する予定です。併せて、第4次中期経営計画において設定した排出原単位の削減目標に基づき、物流効率の向上や再生可能エネルギーの導入など、具体的施策を推進していきます。 ⑤ 人的資本経営の推進当社は、「人」を最も重要な経営資源と捉え、これを人的資本として位置づけています。トップマネジメントで構成される人事委員会の主導のもと、人的資本戦略の策定を進めるとともに、採用・育成・評価に関する制度整備を推進しています。また、グループ全体での人的資本の可視化を目的として、リスキリング分野では「教育にかける時間」、労働安全分野では「休業災害強度率」といったKPIの策定に取り組んでいます。エンゲージメントについては、各拠点で調査を実施し、その結果を加重平均することで、グループ全体の指標として反映していく方針です。 ⑥ ガバナンスの強化2022年のホールディングス化以降、当社は取締役への多様な人材登用を含め、コーポレートガバナンスの強化を進めてきました。グループガバナンスに関しては、リスク管理やコンプライアンスに関する共通基盤や投資基準などの整備は完了しており、今後は本社と各拠点の役割分担をさらに明確化し、自律性と統制の両立を図ることが重要な課題です。このため、本社によるガイドライン策定と現地判断の尊重を両立させる体制の構築を進めており、具体的には、各拠点の権限明確化やモニタリングKPIの整備などに取り組んでいます。今後も、地域起点での価値創出とグループ全体の持続的成長を両立するガバナンス体制の強化に取り組んでいきます。 ⑦ 資本コストを意識した経営当社グループは、各事業会社の事業活動を通じて、「ROE8%以上」及び「資本コスト(WACC)<ROIC」を継続的に達成することで、持続的な株主価値創造の実現を図っていきます。具体的には、利益率の高い事業の拡大、資本コストを上回る事業や将来を見据えた成長事業への投資を推進していく他、株主資本と有利子負債の最適資本構成の構築による資本コストの低減及び資本コスト経営の情報開示の充実を今後も図っていきます。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョン GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定しています。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ(基本戦略)「事業戦略」・事業領域の拡大・事業ポートフォリオの転換・グローバルシナジーの追求・Eビジネスの拡大・DXの推進「サステナビリティ戦略」・グリーンビジネスの展開・気候変動対策・人的資本経営の推進・ガバナンスの強化「財務戦略」・成長投資資金の確保・資本効率と財務健全性の両立・株主還元の充実 目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,700億42百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は135億44百万円(前年同期比14.4%減)、経常利益は97億12百万円(前年同期比22.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、79億86百万円(前年同期比24.8%減)となりました。 当連結会計年度の業績については、以下のとおりです。 (単位:百万円)2024年3月期2025年3月期 売上比(%) 売上比(%)前年同期比増減率(%)売 上 高644,435100.0670,042100.025,6064.0売 上 総 利 益119,89918.6129,11619.39,2177.7販 売 費 及 び一 般 管 理 費104,07916.2115,57217.211,49211.0営 業 利 益15,8192.513,5442.0△2,275△14.4経 常 利 益12,4751.99,7121.4△2,762△22.1親会社株主帰属当 期 純 利 益10,6131.67,9861.2△2,627△24.8 売上高の主な増減要因営業利益の主な増減要因 北東アジアは、国際紙パルプ商事において紙分野はグラフィック用紙の需要減少により販売数量が前年を下回る。板紙分野では、飲料向け段ボール原紙が堅調な一方、紙器用板紙は訪日外国人のインバウンド需要に勢いが無く、販売数量減。中国は紙の需要の低下が回復せず、紙の需給バランスの崩れも改善せず。 欧州/米州は、欧州経済の不振の中、ペーパー事業は需要の低迷と価格競争の激化により紙の価格が下落。 アジアパシフィックのペーパー事業では、オフィス分野やデジタル分野は好調も、オセアニア地域の商業印刷および板紙市場が低迷。 北東アジアは国際紙パルプ商事においてグラフィック用紙は需要減少により減益。板紙分野では紙器用板紙は売上減も、市況維持により利益は前年比で増加。中国は紙の需要減少と需給バランスが要因となり減益。 Antalisを中心とした欧州/米州、Spicersを中心としたアジアパシフィックの各地域においては、ペーパー事業は需要低下により減益。 国際紙パルプ商事において、古紙は販売数量が前年並みを維持、また市況価格も安定。一方、市販パルプは市況が大幅下落。 国際紙パルプ商事において、古紙は市況価格の安定により増益も、市販パルプは、市況下落と為替の影響により損失計上となる。 パッケージング事業は、欧州の景気後退の影響を受けるも、 欧州・豪州での買収が業績を押し上げ。 パッケージング事業は、欧州・豪州での買収により増益。 ビジュアルコミュニケーション事業は、需要が堅調に推移していることに加え、前期・当期の買収が業績に貢献。 ビジュアルコミュニケーション事業は、需要が堅調に推移していることに加え、前期・当期の買収が貢献し増益。 報告セグメントごとの業績は次のとおりです。 <北東アジア>国内の紙分野においては、グラフィック用紙の需要減少により販売数量が前年を下回り、減収減益となりました。板紙分野では、飲料向け段ボール原紙の需要は堅調に推移し、販売数量・売上高・利益ともに前年を上回りました。紙器用板紙は、期待された訪日外国人によるインバウンド需要に勢いが無く、全体で販売数量・売上高ともに前年を下回りましたが、市況維持により利益は前年を上回りました。高級板紙ではトレーディングカードゲーム関連で減収減益となりました。製紙原料分野では、古紙は販売数量が前年並みを維持しました。また、市況価格の安定により、売上高・利益ともに前年を上回りました。一方、市販パルプは、市況の大幅下落と為替の影響により損失計上となりました。中国では、紙の需要の低下が年内に回復を見せず、また紙の需給バランスにも大きな改善が見られない中、本格的な業績回復には至りませんでした。この結果、北東アジア事業の売上高は3,036億49百万円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は28億95百万円(前年同期比15.4%減)となりました。 <欧州/米州>欧州経済は依然、冴えない状況にあり政治面での不安も加わり消費マインドは冷え込みました。こうした環境の中、ペーパー事業は需要の低迷と価格競争の激化により紙の値上げも浸透せず、むしろ価格は下落となり、売上高・利益共に前年を下回りました。パッケージング事業では、ドイツを中心とした景気後退の影響から製造業や小売業の業績低迷がありましたが、当期新たに買収した3社が業績を押し上げたことから、売上高・利益ともに前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、需要が堅調に推移していることに加え、前期および当期に買収した2社の貢献もあり、売上高・利益ともに前年を上回りました。一方、南米を含む米州では景気も底堅く推移し、パッケージングの販売が好調となり売上高・利益ともに前年を上回りました。この結果、欧州/米州事業の売上高は2,984億60百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益は77億57百万円(前年同期比25.9%減)となりました。 <アジアパシフィック>ペーパー事業では、オフィス分野やデジタル分野は好調だったものの、オセアニア地域における商業印刷および板紙市場の低迷により、売上高・利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業では、4月に買収したSignet社の業績が堅調に推移し、売上高・利益ともに前年を大きく上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、引き続きハードウェア及びロールメディアの販売が寄与し、売上高・利益ともに前年を上回りました。トレーディング事業は、東南アジア地域や南アジア地域などで好調に推移し、売上高・利益ともに前年を上回りました。この結果、アジアパシフィック事業の売上高は664億28百万円(前年同期比26.3%増)、セグメント利益は30億円(前年同期比39.5%増)となりました。 <不動産賃貸事業>好調な企業業績と過熱する人材獲得競争を背景にオフィス需要は増加傾向にあります。新規供給についても迅速に吸収されており、今後も同様の傾向が続くと予想されています。かかる状況下において、賃料の改定が寄与し、増収となった物件があるものの、一部に空室が発生したため、賃料収入は微減となりましたが、修繕費等の減少により利益面では増益となりました。この結果、不動産賃貸事業の売上高は15億4百万円(前年同月比1.1%減)、セグメント利益は6億2百万円(前年同期比4.0%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少及び短期借入金の増加により獲得した資金を、子会社株式の取得及び長期借入金の返済に充当したことにより、前連結会計年度末比149億28百万円減少し、113億16百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は111億69百万円(前期は198億17百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び売上債権の減少によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は166億44百万円(前期は55億8百万円の使用)となりました。これは主に、子会社株式の取得及び固定資産の取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は111億90百万円(前期は223億75百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金及びリース債務の返済によるものであります。 ③ 仕入及び販売の実績 当社グループは卸売事業が主な事業のため、生産実績の重要性が乏しいことから仕入実績を記載し、受注実績については受注から納品まで短期であるため、受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。(1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)284,311101.3欧州/米州(百万円)210,407105.2アジアパシフィック(百万円)51,101139.0合計(百万円)545,819105.5 (注) 当連結会計年度における仕入実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)303,64999.7欧州/米州(百万円)298,460104.5アジアパシフィック(百万円)66,428126.3不動産賃貸事業(百万円)1,50498.9合計(百万円)670,042104.0 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。 品種別前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)紙数量(トン)1,677,1131,593,332金額(百万円)331,267327,120板紙数量(トン)725,265786,772金額(百万円)77,22785,253紙二次加工品数量(トン)16,07916,964金額(百万円)23,76724,062パルプ・古紙数量(トン)1,336,3081,373,453金額(百万円)45,85951,380その他金額(百万円)166,314182,225合計数量(トン)3,754,7653,770,521金額(百万円)644,435670,042 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.賃貸収入は「その他」に含まれております。 (2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。当社グループは長期経営ビジョン『GIFT 2030』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載のとおり、対処すべき課題に対応してまいります。 (a) 報告セグメントの実績(単位:百万円)2024年3月期2025年3月期 前年同期比増減率(%)北東アジア売 上 高304,594303,649△944△0.3セグメント利益3,4212,895△526△15.4利 益 率 (%)1.11.0△0.1―欧州/米州売 上 高285,726298,46012,7334.5セグメント利益10,4747,757△2,716△25.9利 益 率 (%)3.72.6△1.1―アジアパシフィック売 上 高52,59366,42813,83426.3セグメント利益2,1513,00084939.5利 益 率 (%)4.14.50.4―不 動 産 賃 貸 売 上 高1,5211,504△17△1.1セグメント利益579602234.0利 益 率 (%)38.140.12.0―合 計売 上 高644,435670,04225,6064.0セグメント利益16,62614,255△2,370△14.3調 整 額△807△71195△11.8営 業 利 益15,81913,544△2,275△14.4利 益 率 (%)2.42.1△0.3― (b) 北東アジアセグメントについて当連結会計年度における、北東アジアセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。<日本>2025年3月期の日本市場については、紙分野では、グラフィック用紙の構造的な需要減少により、数量・売上高・利益のいずれも前年を下回りました。紙板分野では、段ボール原紙が飲料向けの需要が堅調に推移したことから増収・増益となりましたが、高級板紙の減収により、板紙分野全体としては減収・増益となりました。製紙原料分野では、古紙は市況価格が安定したことから売上高・利益とも前年を上回った一方、パルプは市況の大幅下落と為替の影響により損失となりました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、日本での事業拡大を目指す所存です。 [国内基本戦略]1.営業力強化やクロスセル推進等により、基幹ビジネスにおけるシェア向上を図る。2.古紙・化成品分野において既存事業を拡大するとともに、インオーガニック戦略を通じてパッケージング・ビジュアルコミュニケーションを新たな事業の柱とすることを目指し、事業ポートフォリオ構造改革を進める。3.DXによる業務改革を強力に推進し、バックオフィスの効率化を図る。 <中国>2025年3月期の中国市場については、前年から継続する紙の需要低下が年内に回復せず、また需給バランスにも大きな改善が見られなかったことから、本格的な業績回復には至りませんでした。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、中国での事業拡大を目指す所存です。 [中国基本戦略]1.大手メーカーのシェア拡大と商材強化、新規顧客開拓により国内紙卸売事業を推進する。2.サプライソース開拓、商材強化およびKPPグループ各拠点とのコミュニケーション強化を通じて輸出事業を推進する。 (c) 欧州/米州セグメントについて当連結会計年度における、欧州/米州セグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。2025年3月期の欧州経済は依然として低迷が続いており、また、政治的不安も重なったことで、消費マインドは一段と冷え込みました。ペーパー事業では、需要の低迷と価格競争の激化により紙の値上げが浸透せず、むしろ販売価格は下落し、売上高・利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業では、ドイツを中心とした景気後退の影響により製造業や小売業の業績が低迷しましたが、当期に新たに買収した会社(3社)が業績を押し上げたことにより、売上高・利益ともに前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、需要が堅調に推移したことに加え、前期および当期に買収した会社(2社)の業績貢献もあり、売上高・利益ともに前年を上回りました。一方、南米を含む米州では、景気が底堅く推移し、パッケージングの販売が好調となったことから、売上高・利益ともに 前年を上回りました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、欧州/米州での事業拡大を目指す所存です。 [欧州/米州基本戦略]1.ペーパー&ボード事業は注力分野における市場シェアの拡大を図るとともに、適正な価格設定とコスト削減により売上と利益率を確保する。パッケージング分野およびビジュアルコミュニケーション分野は売上の回復のため、M&Aによるシナジーを最大限に活用する。2.Eビジネスにおいて、ペーパー&ボード分野の既存顧客の利用推進を図るとともに、パッケージング分野とビジュアルコミュニケーション分野の新規顧客の獲得を進め、利益率のさらなる向上と業務効率の改善を図る。3.人材の維持・育成、新しいスキルを持った人材の採用強化により、社内のモチベーションを高く維持する。 (d) アジアパシフィックセグメントについて当連結会計年度における、アジアパシフィックセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。2025年3月期のアジアパシフィック市場については、ペーパー&ペーパーボード事業では、オフィス分野やデジタル分野は好調だったものの、オセアニア地域における商業印刷および板紙 市場の低迷により、売上高・利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業では、2024年4月に買収したSignet社の業績が堅調に推移し、売上高・利益ともに前年を大きく上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、引き続きハードウェア及びロールメディアの販売が寄与し、売上高・利益ともに前年を上回りました。トレーディング事業では、東南アジア地域や南アジア地域などで好調に推移し、売上高・利益ともに前年を上回りました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、アジアパシフィックでの事業拡大を目指す所存です。 [アジアパシフィック基本戦略]1.ペーパー&ボード事業においては、豪州等で市場規模の縮小が見込まれる中、アジアでの取扱量増により売上の維持を目指す。2.パッケージ事業やビジュアルコミュニケーション事業はペーパー&ボードに比し利益率が高く、M&Aとオーガニック成長により利益全体に占める両事業の割合を増加させていく。3.豪州にeコマース・プラットフォームを展開し、Eビジネスの強化を図る。 (e) 不動産賃貸事業について当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。当該事業セグメントにつきましては、所有不動産の有効活用による安定的な収益獲得を基本方針としております。引き続き、物件ごとの将来性を勘案した上で再開発や修繕等の投資判断を行い、安定的な収益獲得に努めてまいります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、3,520億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ74億73百万円増加しました。これは主に、商品及び製品、使用権資産等の増加によるものであります。負債は、2,658億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億56百万円増加しました。これは主に、リース債務、コマーシャル・ペーパー等の増加によるものであります。純資産は、862億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億16百万円増加し、自己資本比率は24.5%となり、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、為替換算調整勘定の増加によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT 2030』に基づく第4次中期経営計画(2025年度~2027年度)を推進中ですが、事業で創出される営業活動によるキャッシュ・フローや政策保有株式の売却、有利子負債を活用し、M&Aを中心とした成長投資や株主還元を実施していく方針です。株主還元への支出については、安定的かつ継続的な配当に加え業績に応じた利益還元を図ることを目的として、2025年3月期より連結配当性向30%を目安にするとともに、 DOE(連結株主資本配当率)3.0%を下限とする配当方針を採用しています。また、自己株式の取得については、政策保有株式の売却によって得た資金の一部に加え、成長投資に充てる資金に余剰が生じた際には、その相当額を自己株式取得の原資として充当する方針としています。なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で8億93百万円、海外で104億23百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。 ④ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しているとおりです。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPP GROUP WAY」を定めています。「KPP GROUP WAY」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層と「KPPグループ憲章」から形成されています。 理念体系のうち、ビジョンである「GIFT+1(ギフトプラスワン)」に基づき、当社100周年である2024年に向けて策定された長期経営ビジョンが「GIFT+1 2024」です。ビジョンの「+1」は、「GIFT」の全ての要素にESGの要素を取り込むという意味が込められています。当社ではグループ全体で環境関連商品の開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案など様々な取り組みを推進しています。このビジョンの下、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、情報媒体のデジタル化が加速しており、紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いております。一方、堅調と見られていたパッケージング用紙についても物価の高騰による商品全般の買い控えや、人流の回復がインバウンド需要に結びついていない事に加え、巣籠需要(通販・宅配)も一服感がある事から需要は伸び悩んでいます。海外市場では、昨年の数次にわたる価格改定もあり需要の減少が進み、グラフィック用紙離れが見られてきています。一方で、海洋プラスチック汚染が世界規模の問題となり、石油由来のプラスチック製品に厳しい目が向けられるようになっているため、代替素材として紙の需要が高まっています。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきております。また、新型コロナウイルス感染症も日本では5月に感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ、社会活動の制約はほぼ解消され、アフターコロナ期に移行したことにより、社会経済活動の正常化を背景に個人消費の回復が期待されます。こうした中で当社を取り巻く環境を見てみると、国内市場においては紙分野では、経済活動の再開に伴い観光・イベント事業は回復傾向にあるものの、情報媒体のデジタル化が加速し、グラフィック用紙の減少に歯止めが掛かっておりません。一方、板紙分野は消費の減退やインバウンド需要の回復は限定的でありましたが、飲料用包装資材向けは堅調に推移しました。海外市場におきましては、パッケージ事業は需要の回復がみられている他、ビジュアルコミュニケーション事業も各種イベントの需要が活発になっています。中国では、「ゼロコロナ政策」による経済の停滞やその後の感染爆発による社会混乱の影響で景気は後退し、紙の市況が大幅に下落しました。 このような状況下、当社は経営ビジョン「GIFT+1」の達成に向け、総合循環型経営の促進、海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー、環境事業の推進・拡大、コーポレート・ガバナンスの充実、サステナビリティ・マネジメントの推進、コンプライアンス体制の強化を課題として取り組んでおります。 ① 総合循環型経営の促進当社グループは、サステナブルな社会の実現に貢献する循環型ビジネスモデルの構築を進めています。古紙などの再生資源を供給するマテリアルリサイクルと、バイオマス発電所運転支援等によって再生可能エネルギーを供給するカーボンニュートラルによってサーキュラーエコノミーを推進し、環境負荷低減に向けた事業の拡大を図っています。 ② 海外グループ企業とのグループシナジー当社グループはグローバルネットワークを持ち、各地域の特性に応じたビジネスモデルを展開しています。各中核事業会社(国際紙パルプ商事、Antalis、Spicersの3社)での利益最大化と収益基盤確立のため、戦略的アライアンスを推進しグループシナジーの創出に取り組んでいます。 ③ 環境事業の推進・拡大化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する「グリーントランスフォーメーション」(以下「GX」(Green Transformation))について、「GX実現に向けた基本方針」が2023年2月10日に閣議決定され、クリーンエネルギーへの転換が一段と進んでいます。このような状況下、当社グループでは、経済産業省が公表した「GX リーグ基本構想」への賛同を表明しています。また、紙の緩衝材ソリューションを提供するRanpak B.V.との販売代理店契約を締結し、環境商品の拡販に向けた取り組みを積極的に進めています。 ④ グローバル・ガバナンスの充実2022年10月1日付で持株会社体制への移行を完了した事により、中核事業会社3社の権限移譲を拡大するとともに、情報の一元管理及び適切なグループマネジメントや迅速な情報管理体制の構築等各種施策を推進し、グローバル・ガバナンスの強化と資本政策の効率化を目指してまいります。 ⑤ サステナビリティ・マネジメントの推進カーボンニュートラル、ダイバーシティ、DXへの対応や気候変動対策等特定したマテリアリティに対するKPIとそのPDCA管理の実行に加え、グローバルスケールでのサステナビリティ・マネジメントと事業計画とのインテグレーションを図ってまいります。 ⑥ コンプライアンス体制の強化当社の連結子会社である国際紙パルプ商事株式会社は、2023年4月11日、独立行政法人国立印刷局が発注する再生巻取用紙の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立入検査を受けました。当社と国際紙パルプ商事株式会社は、立入検査を受けた事実を真摯に受け止め、公正取引委員会の検査に全面的に協力するとともに、コンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョンGIFT+1 2024」の最終期である第3次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。以下は、第3次中期経営計画の基本方針(テーマ・メッセージ・基本戦略)になります。 「基本方針」(テーマ)長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の達成と創立 100 周年に向けて(メッセージ)循環型ビジネスによる持続可能な社会への貢献と事業ポートフォリオ改革による企業価値向上(基本戦略)「収益基盤の確立・深化」・各事業会社の利益最大化・戦略的アライアンス、M&Aの推進・グローバルシナジーの追求・DXの推進「グローバルグループ経営の強化」・ESG経営の実現・グローバルオペレーション体制構築・グループコミュニケーション強化・経営資源の適正配分 目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第3次中期経営計画 最終年度(2025.3期)数値目標営業利益営業利益率ROEROAD/Eレシオ※145億2.2%12.0%以上2.5%以上1.0倍以下 ※D/Eレシオ=有利子負債残高÷純資産
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPP GROUP WAY」を定めています。「KPP GROUP WAY」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層と「KPPグループ憲章」から形成されています。 理念体系のうち、ビジョンである「GIFT+1(ギフトプラスワン)」に基づき、当社100周年である2024年に向けて策定された長期経営ビジョンが「GIFT+1 2024」です。ビジョンの「+1」は、「GIFT」の全ての要素にESGの要素を取り込むという意味が込められています。当社ではグループ全体で環境関連商品の開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案など様々な取り組みを推進しています。このビジョンの下、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、情報媒体のデジタル化が加速しており、紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いております。一方、堅調と見られていたパッケージング用紙についても物価の高騰による商品全般の買い控えや、人流の回復がインバウンド需要に結びついていない事に加え、巣籠需要(通販・宅配)も一服感がある事から需要は伸び悩んでいます。海外市場では、昨年の数次にわたる価格改定もあり需要の減少が進み、グラフィック用紙離れが見られてきています。一方で、海洋プラスチック汚染が世界規模の問題となり、石油由来のプラスチック製品に厳しい目が向けられるようになっているため、代替素材として紙の需要が高まっています。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきております。また、新型コロナウイルス感染症も日本では5月に感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ、社会活動の制約はほぼ解消され、アフターコロナ期に移行したことにより、社会経済活動の正常化を背景に個人消費の回復が期待されます。こうした中で当社を取り巻く環境を見てみると、国内市場においては紙分野では、経済活動の再開に伴い観光・イベント事業は回復傾向にあるものの、情報媒体のデジタル化が加速し、グラフィック用紙の減少に歯止めが掛かっておりません。一方、板紙分野は消費の減退やインバウンド需要の回復は限定的でありましたが、飲料用包装資材向けは堅調に推移しました。海外市場におきましては、パッケージ事業は需要の回復がみられている他、ビジュアルコミュニケーション事業も各種イベントの需要が活発になっています。中国では、「ゼロコロナ政策」による経済の停滞やその後の感染爆発による社会混乱の影響で景気は後退し、紙の市況が大幅に下落しました。 このような状況下、当社は経営ビジョン「GIFT+1」の達成に向け、総合循環型経営の促進、海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー、環境事業の推進・拡大、コーポレート・ガバナンスの充実、サステナビリティ・マネジメントの推進、コンプライアンス体制の強化を課題として取り組んでおります。 ① 総合循環型経営の促進当社グループは、サステナブルな社会の実現に貢献する循環型ビジネスモデルの構築を進めています。古紙などの再生資源を供給するマテリアルリサイクルと、バイオマス発電所運転支援等によって再生可能エネルギーを供給するカーボンニュートラルによってサーキュラーエコノミーを推進し、環境負荷低減に向けた事業の拡大を図っています。 ② 海外グループ企業とのグループシナジー当社グループはグローバルネットワークを持ち、各地域の特性に応じたビジネスモデルを展開しています。各中核事業会社(国際紙パルプ商事、Antalis、Spicersの3社)での利益最大化と収益基盤確立のため、戦略的アライアンスを推進しグループシナジーの創出に取り組んでいます。 ③ 環境事業の推進・拡大化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する「グリーントランスフォーメーション」(以下「GX」(Green Transformation))について、「GX実現に向けた基本方針」が2023年2月10日に閣議決定され、クリーンエネルギーへの転換が一段と進んでいます。このような状況下、当社グループでは、経済産業省が公表した「GX リーグ基本構想」への賛同を表明しています。また、紙の緩衝材ソリューションを提供するRanpak B.V.との販売代理店契約を締結し、環境商品の拡販に向けた取り組みを積極的に進めています。 ④ グローバル・ガバナンスの充実2022年10月1日付で持株会社体制への移行を完了した事により、中核事業会社3社の権限移譲を拡大するとともに、情報の一元管理及び適切なグループマネジメントや迅速な情報管理体制の構築等各種施策を推進し、グローバル・ガバナンスの強化と資本政策の効率化を目指してまいります。 ⑤ サステナビリティ・マネジメントの推進カーボンニュートラル、ダイバーシティ、DXへの対応や気候変動対策等特定したマテリアリティに対するKPIとそのPDCA管理の実行に加え、グローバルスケールでのサステナビリティ・マネジメントと事業計画とのインテグレーションを図ってまいります。 ⑥ コンプライアンス体制の強化当社の連結子会社である国際紙パルプ商事株式会社は、2023年4月11日、独立行政法人国立印刷局が発注する再生巻取用紙の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立入検査を受けました。当社と国際紙パルプ商事株式会社は、立入検査を受けた事実を真摯に受け止め、公正取引委員会の検査に全面的に協力するとともに、コンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョンGIFT+1 2024」の最終期である第3次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。以下は、第3次中期経営計画の基本方針(テーマ・メッセージ・基本戦略)になります。 「基本方針」(テーマ)長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の達成と創立 100 周年に向けて(メッセージ)循環型ビジネスによる持続可能な社会への貢献と事業ポートフォリオ改革による企業価値向上(基本戦略)「収益基盤の確立・深化」・各事業会社の利益最大化・戦略的アライアンス、M&Aの推進・グローバルシナジーの追求・DXの推進「グローバルグループ経営の強化」・ESG経営の実現・グローバルオペレーション体制構築・グループコミュニケーション強化・経営資源の適正配分 目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第3次中期経営計画 最終年度(2025.3期)数値目標営業利益営業利益率ROEROAD/Eレシオ※145億2.2%12.0%以上2.5%以上1.0倍以下 ※D/Eレシオ=有利子負債残高÷純資産
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナ感染も下火となり、政府による入国時の水際対策の緩和や旅行支援などもあり、漸く、景気に回復の兆しが見え始めてきましたが、その一方で、原燃料価格の高騰によるコストプッシュ型インフレの進行や、深刻な人手不足が新たな課題となっています。世界経済においても欧米を中心に金融引き締めや高インフレによるリセッションによって、需要に陰りが見え始め、中国もゼロコロナ政策の後遺症で経済の停滞が続いています。以上の環境下、当社グループでは価格政策とM&Aによるパッケージ事業の拡大などによって国内、海外共に業績を伸ばすことが出来ました。このような状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,596億56百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益は204億1百万円(前年同期比117.5%増)、経常利益は184億4百万円(前年同期比108.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、157億22百万円(前年同期比109.7%増)となりました。 当連結会計年度の業績については、以下のとおりです。 (単位:百万円)2022年3月期2023年3月期 売上比(%) 売上比(%)前年同期比増減率(%)売 上 高563,414100.0659,656100.096,24117.1売 上 総 利 益92,95116.5120,58418.327,63329.7販 売 費 及 び一 般 管 理 費83,57114.8100,18215.216,61019.9営 業 利 益9,3791.720,4013.111,022117.5経 常 利 益8,8441.618,4042.89,560108.1親会社株主帰属当 期 純 利 益7,4971.315,7222.48,224109.7 売上高の主な増減要因営業利益の主な増減要因 紙分野は北東アジア、欧州/南米、アジアパシフィックの各地域において、数次の価格修正により販売価格が上昇したことで大幅増益 国際紙パルプ商事を中心とした北東アジア、Antalisを中心とした欧州/南米、Spicersを中心としたアジアパシフィックの各地域において、主にペーパー事業を中心として販売価格が上昇 古紙は発生量が減少の中、回収手段の多様化を図り大きく伸長 ストックビジネス(在庫販売ビジネス)における旧値在庫販売により利益率が向上 パルプは販売単価の上昇が大きく寄与 日本における古紙・パルプの売上高及び売上総利益の増加が寄与 パッケージ事業は需要の回復とM&Aにより事業規模が拡大 ビジュアルコミュニケーション事業は各種イベント需要が活発化 報告セグメントごとの業績は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。 <北東アジア><日本>紙分野では、情報媒体のデジタル化が加速し、グラフィック用紙の減少に歯止めがかからず、数量は前年を下回りましたが、二次から三次に亘る価格修正によって増収となりました。板紙分野は、段ボール原紙は飲料用包装資材向けの販売は堅調に推移したものの、輸出の減少やインフレによる消費の減退もあり、通年での販売数量は前年を下回りました。紙器用板紙はインバウンド需要を期待しましたが、回復は限定的であり、販売数量は前年を下回りました。製紙原料分野では、国内の古紙発生量が減少する中、回収手段の多様化を図り、販売数量・売上高共に大きく伸長しました。市販パルプは、国内家庭紙メーカー向けの需要が減少し、数量は前年を下回ったものの、販売単価の上昇によって売上高は前年を大きく上回りました。<中国>2022年12月上旬まで続いたゼロコロナ政策による経済停滞、及びその後の感染爆発による社会混乱の影響を受け、販売数量・売上高いずれも前年を下回りました。また、景気の後退や、需給バランスの悪化に伴い、年度の後半は紙の市況が大幅に下落し、利益においても前年を大幅に下回りました。この結果、北東アジア事業の売上高は3,054億61百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益は34億32百万円(前年同期比1.3%減)となりました。 <欧州/南米>欧州事業は、コンテナ不足や大手製紙メーカーのストライキなどが重なり、年央まで需給がタイトな状況が続きました。また、原燃料高騰による数次の価格修正も加わり、特にペーパー事業の業績は大きく改善しました。パッケージ事業においても、需要の回復と、M&Aによる事業規模拡大によって前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業も、各種イベントや車両グラフィックの需要が活発となり、業績は堅調に推移しました。ラテンアメリカはパッケージ事業を中心に底堅く堅調でした。この結果、欧州/南米事業の売上高は3,037億9百万円(前年同期比28.5%増)、セグメント利益は164億53百万円(前年同期比176.0%増)となりました。 <アジアパシフィック><オセアニア>ANZ市場(豪州・ニュージーランド)については、コロナ禍からの回復に加え、原燃料価格の高騰による価格上昇基調が続きました。また、これまで行ってきたM&Aによる事業規模拡大の効果もあり、増収・増益となりました。<東南アジア>アセアン地域では、依然として経済が完全回復には至っていないものの、事業再構築の効果により損益面では改善が進みました。また、シンガポールにおけるビジュアルコミュニケーション事業の投資案件が業績に貢献し、売上高は前年を上回りました。この結果、アジアパシフィック事業の売上高は49,269百万円(前年同期比28.3%増)、セグメント利益は2,186百万円(前年同期比77.2%増)となりました。 <不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、新型コロナウイルス感染拡大以降上昇基調にあった平均空室率は緩やかに改善しつつあるものの、新築ビルの竣工を控え、先行きは不透明な状況にあります。また、賃料相場については、テナント確保のための賃料調整などから弱含みで推移しております。当社グループにおきましては、一部テナントビルの管理体系見直しによる増収があったものの、賃貸駐車場の再開発やKPP八重洲ビルの入居者入れ替えによる空室期間の発生などから賃料収入が減少し、前年比で減収・減益となりました。この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億16百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益は1億15百万円(同34.3%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益及び社債の発行で獲得した資金を、棚卸資産の取得及び固定資産の取得に充当したことで、前連結会計年度末比80億68百万円増加し、306億99百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は103億8百万円(前期は48億21百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の獲得及び減価償却費の計上、棚卸資産の取得によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は85億30百万円(前期は26億78百万円の使用)となりました。これは主に、固定資産の取得及び子会社株式の取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は42億5百万円(前期は118億3百万円の使用)となりました。これは主に、社債の発行、リース債務の返済によるものであります。 ③ 仕入及び販売の実績 (1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)288,216106.4欧州/南米(百万円)231,827132.8アジアパシフィック(百万円)38,888110.5合計(百万円)558,932116.3 (2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)305,461106.3欧州/南米(百万円)303,709128.5アジアパシフィック(百万円)49,269128.3不動産賃貸事業(百万円)1,21698.8合計(百万円)659,656117.1 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 (参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。 品種別前連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)紙数量(トン)2,248,1402,029,908金額(百万円)298,369358,276板紙数量(トン)636,475730,466金額(百万円)66,67071,821紙二次加工品数量(トン)16,95921,764金額(百万円)24,67222,164パルプ・古紙数量(トン)1,303,4301,360,061金額(百万円)40,75550,735その他金額(百万円)132,946156,658合計数量(トン)4,205,0044,142,199金額(百万円)563,414659,656 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.賃貸収入は「その他」に含まれております。 (2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。欧米を中心に金融引き締めや高インフレによるリセッションによって、需要に陰りが見え始め、中国もゼロコロナ政策の後遺症で経済の停滞が続いており、世界経済の成長は鈍化しております。このような状況下、当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載のとおり、対処すべき課題に対応してまいります。 (a) 報告セグメントの実績(単位:百万円)2022年3月期2023年3月期 前年同期比増減率(%)北東アジア売 上 高287,390305,46118,0706.3セグメント利益3,4793,432△46△1.3利 益 率 (%)1.21.1△0.1-欧州/南米売 上 高236,383303,70967,32628.5セグメント利益5,96116,45310,491176.0利 益 率 (%)2.55.42.9-アジアパシフィック売 上 高38,40949,26910,85928.3セグメント利益1,2342,18695277.2利 益 率 (%)3.24.41.2-不 動 産 賃 貸 売 上 高1,2301,216△14△1.2セグメント利益176115△60△34.3利 益 率 (%)14.39.5△4.8-合 計売 上 高563,414659,65696,24117.1セグメント利益10,85022,18711,337104.5調 整 額△1,471△1,786△314-営 業 利 益9,37920,40111,022117.5利 益 率 (%)1.73.11.4- (b) 北東アジアセグメントについて当連結会計年度における、北東アジアセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。<日本>2024年3月期の日本国内市場においては、ウィズコロナ政策が継続する中、更なるインバウンド需要の回復が見込まれ、個人消費マインドの高まりが期待されるものの、各種消費財の値上がりや賃金上昇の抑制などにより、依然として景気の先行きは不透明な状況が続くものと考えられます。ペーパー事業、特にグラフィック用紙は需要の減少を見込む中、販売価格の維持を想定しており一定の利益は確保するものの、昨年発生した在庫販売における一過性の利益は消失する想定をしております。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、日本での事業拡大を目指す所存です。 [国内基本戦略]1.総合循環型経営の促進古紙などの再生資源を供給するマテリアルリサイクルとバイオマス発電所運転支援等によって再生エネルギーを供給するサーキュラーエコノミーを推進。2.海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー各中核事業会社での利益最大化と収益改善のため、戦略的アライアンスを推進し、グループシナジーを創出。3.環境事業の推進・拡大「王子ファイバー」「アミカテラ」が手掛ける新たな製品やサービスの研究、業務提携、出資等を積極的に推進。紙の緩衝材ソリューションを提供するRanpakと販売代理店契約を締結し、環境商品の拡販に向けた取り組みを実施。4.販売手法の見直しによる既存事業の強化ペーパー&ボードは販売シェアと利益を確実に確保しつつ、Eコマースを中心としたマーケティング手法の見直しにより販売を拡大。 <中国>中国については、ゼロコロナ政策による経済停滞の影響により、販売数量・売上高共に前年を下回りました。また、景気後退と需給バランスの悪化に伴い、2023年度3月期後半には紙の市況が大幅に低下し、利益も前年を大幅に下回りました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、中国での事業拡大を目指す所存です。 [中国基本戦略]1.メーカーとの戦略的提携強化による差別化戦略。それに伴うシェア拡大。2.経営合理化による競争力強化。利益率の向上。 (c) 欧州/南米セグメントについて当連結会計年度における、欧州/南米セグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。2023年3月期の欧州/南米市場については、欧州事業は、コロナ禍からの物流網の混乱に伴うコンテナ不足や大手製紙メーカーのストライキなどが重なり、年央まで需給がタイトな状況が続きました。このような中、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した原燃料高騰に伴う数次の価格修正も加わり、特にペーパー事業の業績は大きく改善しました。パッケージ事業においても、プラスチック系包装材から繊維系包装材への移行が進んでおり、需要の回復とM&Aによる事業規模拡大によって業績は前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業も、各種イベントや車両グラフィックの需要が活発となり、業績は堅調に推移しました。ラテンアメリカは、パッケージが非常に堅調に推移するとともに、チリに於いてビジネスが大きく伸長しました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、欧州/南米での事業拡大を目指す所存です。 [欧州/南米基本戦略]1.ペーパー&ボード事業の拡充ペーパー&ボードは域内№1を堅持し、増収・増益を確保する。2.インオーガニック・グロースパッケージ事業やビジュアルコミュニケーション事業などの成長分野においてカスタマイズソリューション機能を提供する企業を買収し、Antalisの製品及びサービスを強化することで、市場での存在感を向上させる。3.Eコマース事業の推進3つの事業すべてにおいて、Eコマースを強力に推進し、利益率の更なる向上を目指す。 (d) アジアパシフィックセグメントについて当連結会計年度における、アジアパシフィックセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。2023年3月期のアジアパシフィック市場については、ANZ市場(豪州・ニュージーランド)については、コロナ禍からの回復に加え、原燃料価格の高騰による価格上昇基調が続きました。インフレの影響による物流・在庫関連費用の増加はあったものの、これまで行ってきたM&Aによる事業規模拡大の効果もあり、増収・増益となりました。アセアン地域では、依然として経済が完全回復には至っていないものの、事業再構築の効果により損益面では改善が進みました。タイ・マレーシアが比較的堅調であったことに加え、シンガポールにおけるビジュアルコミュニケーション事業の投資案件が業績に貢献し、売上高は前年を上回りました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、アジアパシフィックでの事業拡大を目指す所存です。 [アジアパシフィック基本戦略]1.ペーパー&ボード事業の強化ペーパー&ボード事業は域内シェアを維持する。2.インオーガニック・グロースパッケージ事業やビジュアルコミュニケーション事業などの既存事業と親和性の高い事業を手掛ける企業を買収し、強力なSpicersブランドを構築する。また同時に、即戦力となる人材を獲得することで、更なる成長を目指す。3.Eコマース事業の推進Eコマース事業を推進し、利益率の更なる向上を目指す。 (e) 不動産賃貸事業について当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。当該事業セグメントにつきましては、所有不動産の有効活用による安定的な収益獲得を基本方針としております。所有不動産につきましては、物件ごとの将来性を勘案した上で再開発や修繕等の投資判断を行い、安定的な収益獲得に努めてまいります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、3,306億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ399億55百万円増加しました。これは主に、商品及び製品の増加、現金及び預金の増加によるものであります。負債は、2,628億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ285億21百万円増加しました。これは主に、短期借入金の増加、社債の増加によるものであります。純資産は、678億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ114億33百万円増加し、自己資本比率は20.5%となり、前連結会計年度末に比べ1.1ポイント増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、為替換算調整勘定の増加によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第3次中期経営計画(2022年度~2024年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的としております。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。株主還元への支出につきましては、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと認識し、安定的かつ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針としております。なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で111億38百万円、海外で195億60百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。 ④ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しているとおりです。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、共通の価値観としてすべての活動の基本となる考え方として「KPP GROUP WAY」を定めています。「KPP GROUP WAY」は「経営理念」「グループ企業行動指標」「経営ビジョン」の3層から形成され、当社のミッション、行動指標、経営ビジョンを表しています。 中でも、長期経営ビジョンとしてGIFT+1(ギフトプラスワン)を掲げ、+1(プラスワン)は環境貢献・ESG経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族などのステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に「環境」を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに、経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、IT技術の進化によってデジタル社会が出現し、紙の需要がいわゆるグラフィック系(新聞出版や商業印刷用途)からパッケージ系(包装資材用途)へと変化する傾向が強くなってきております。また、海外市場では、新興国を中心に家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大している他、包装資材用途の板紙製造設備が東南アジアを中心に稼働し、その原料である古紙の需要が高まってきております。一方、先進諸国では国内市場と同様にグラフィック系用紙の需要が減速する一方で、パッケージ系用紙の需要は堅調に推移しております。また、海洋プラスチック汚染が世界規模の問題となり、石油由来のプラスチック製品に厳しい目が向けられるようになっているため、持続的な成長という観点からバイオマス由来の紙資源が注目されており、石油由来のプラスチックからバイオマス由来の紙への製品シフトが見られるようになってきております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大継続による影響についてですが、世界経済は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が普及するにつれ制限が緩和され、国・地域や産業ごとにばらつきはあるものの、財政・金融政策の後押しもあり、景気の回復傾向は継続する見込みです。我が国におきましては、新型コロナウィルス感染症の拡大防止策の浸透や、ワクチン接種の進捗により、景気は徐々に回復基調となることが見込まれますが、現状では感染拡大の収束時期が見通せず、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。国内市場においては経済活動の再開に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年度からは回復基調にあるものの、オフィス需要の減少やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言の再発令などによる観光・イベント事業は回復途上にあり、コロナ禍前の実績を回復するまでには至っておりません。一方、板紙については、Eコマースによる宅配事業や経済再開によるプラス要因により、飲料、食品向けを中心とした段ボール原紙や紙器用板紙の需要は堅調に推移いたしました。海外市場におきましては、欧州及び豪州ではウイズコロナ政策を背景に経済活動が再開され需要の回復がみられており、紙の需要も前年を上回っております。また供給不足やエネルギーコスト問題により価格は上昇基調が続いています。中国では、「ゼロコロナ政策」による断続的な都市封鎖による社会経済への影響が影を落としており、紙需要も弱含んでおります。 このような状況下、当社は経営ビジョン「GIFT+1」の達成に向け、総合循環型経営の促進、海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー、環境事業の推進・拡大、コーポレート・ガバナンスの充実、新型コロナウイルス感染症の対応継続を課題として取り組んでおります。 ① 総合循環型経営の促進当社は、サステナブルな社会の実現を目指し、紙・板紙の卸売事業と古紙回収による再資源事業を両立させたマテリアルリサイクル及びバイオマス発電所運転支援システムによるサーマルリサイクルを両輪とする総合循環型経営を推進していきます。 ② 海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー国内市場が成熟化するなか、海外事業の拡大、ポートフォリオ改革は当社の最重要課題となっています。また、環境問題やEC市場の成熟による世界的なパッケージ需要の拡大に対応するため、この分野で先行する海外子会社のノウハウとシナジーによるブランドオーナー開拓をします。グラフィック用紙事業は、他社との差別化戦略によるシェア拡大を図ります。 ③ 環境事業の推進・拡大2022年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行され、使い捨てプラスチック商品の紙化やバイオ素材対応などが一段と進んでいます。このような状況下、当社グループでは「Green Biz Project」を中心とした脱プラ関連需要への取組みを強化し、海洋プラスチック汚染問題などの社会課題の解決に向けた取り組みを進めています。また、2022年3月1日に「株式会社BMエコモ」設立し、高度なIoTを活用したバイオマス発電所の運転最適化支援システム「BMecomo」の事業を通じて、脱炭素化社会やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現化を加速させます。 ④ グローバル・ガバナンスの充実2019年に豪州、2020年には欧州の紙関連業界におけるリーディングカンパニーを続けて買収し、海外事業の売上規模は当社グループ売上高の55%を占め、海外拠点も133都市を数えるグローバル企業へと変貌しました。2022年10月1日にはグローバル・ガバナンス強化や資本政策の効率化を目指し持株会社へ移行する予定です。 ⑤ 新型コロナウイルス感染症の対応継続感染症は人類にとって長い闘いの歴史であり、一過性の課題として片付けず、従業員と家族の健康・安全とBCPの視点を軸に、その対応策のマニュアルを日々改善していきます。特にエッセンシャルワーカーへのインセンティブなどグループ企業全体の共通課題の検討も必要となっています。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョンGIFT+1 2024」の最終期である第3次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。以下は、第3次中期経営計画の基本方針(テーマ・メッセージ・基本戦略)になります。 【基本方針】(テーマ)長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の達成と創立 100 周年に向けて(メッセージ)循環型ビジネスによる持続可能な社会への貢献と事業ポートフォリオ改革による企業価値向上(基本戦略)「収益基盤の確立・深化」・各事業会社の利益最大化・戦略的アライアンス、M&Aの推進・グローバルシナジーの追求・DXの推進「グローバルグループ経営の強化」・ESG経営の実現・グローバルオペレーション体制構築・グループコミュニケーション強化・経営資源の適正配分 目標とする経営指標と数値は、以下の通りです。 第3次中期経営計画 最終年度(2025.3期)数値目標営業利益営業利益率ROEROAD/Eレシオ※145億2.2%12.0%以上2.5%以上1.0倍以下 ※D/Eレシオ=有利子負債残高÷純資産
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、共通の価値観としてすべての活動の基本となる考え方として「KPP GROUP WAY」を定めています。「KPP GROUP WAY」は「経営理念」「グループ企業行動指標」「経営ビジョン」の3層から形成され、当社のミッション、行動指標、経営ビジョンを表しています。 中でも、長期経営ビジョンとしてGIFT+1(ギフトプラスワン)を掲げ、+1(プラスワン)は環境貢献・ESG経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族などのステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に「環境」を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに、経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、IT技術の進化によってデジタル社会が出現し、紙の需要がいわゆるグラフィック系(新聞出版や商業印刷用途)からパッケージ系(包装資材用途)へと変化する傾向が強くなってきております。また、海外市場では、新興国を中心に家庭紙、衛生紙市場の拡大でパルプ需要が増大している他、包装資材用途の板紙製造設備が東南アジアを中心に稼働し、その原料である古紙の需要が高まってきております。一方、先進諸国では国内市場と同様にグラフィック系用紙の需要が減速する一方で、パッケージ系用紙の需要は堅調に推移しております。また、海洋プラスチック汚染が世界規模の問題となり、石油由来のプラスチック製品に厳しい目が向けられるようになっているため、持続的な成長という観点からバイオマス由来の紙資源が注目されており、石油由来のプラスチックからバイオマス由来の紙への製品シフトが見られるようになってきております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大継続による影響についてですが、世界経済は新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が普及するにつれ制限が緩和され、国・地域や産業ごとにばらつきはあるものの、財政・金融政策の後押しもあり、景気の回復傾向は継続する見込みです。我が国におきましては、新型コロナウィルス感染症の拡大防止策の浸透や、ワクチン接種の進捗により、景気は徐々に回復基調となることが見込まれますが、現状では感染拡大の収束時期が見通せず、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。国内市場においては経済活動の再開に伴い、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前年度からは回復基調にあるものの、オフィス需要の減少やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言の再発令などによる観光・イベント事業は回復途上にあり、コロナ禍前の実績を回復するまでには至っておりません。一方、板紙については、Eコマースによる宅配事業や経済再開によるプラス要因により、飲料、食品向けを中心とした段ボール原紙や紙器用板紙の需要は堅調に推移いたしました。海外市場におきましては、欧州及び豪州ではウイズコロナ政策を背景に経済活動が再開され需要の回復がみられており、紙の需要も前年を上回っております。また供給不足やエネルギーコスト問題により価格は上昇基調が続いています。中国では、「ゼロコロナ政策」による断続的な都市封鎖による社会経済への影響が影を落としており、紙需要も弱含んでおります。 このような状況下、当社は経営ビジョン「GIFT+1」の達成に向け、総合循環型経営の促進、海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー、環境事業の推進・拡大、コーポレート・ガバナンスの充実、新型コロナウイルス感染症の対応継続を課題として取り組んでおります。 ① 総合循環型経営の促進当社は、サステナブルな社会の実現を目指し、紙・板紙の卸売事業と古紙回収による再資源事業を両立させたマテリアルリサイクル及びバイオマス発電所運転支援システムによるサーマルリサイクルを両輪とする総合循環型経営を推進していきます。 ② 海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー国内市場が成熟化するなか、海外事業の拡大、ポートフォリオ改革は当社の最重要課題となっています。また、環境問題やEC市場の成熟による世界的なパッケージ需要の拡大に対応するため、この分野で先行する海外子会社のノウハウとシナジーによるブランドオーナー開拓をします。グラフィック用紙事業は、他社との差別化戦略によるシェア拡大を図ります。 ③ 環境事業の推進・拡大2022年4月1日に「プラスチック資源循環促進法」が施行され、使い捨てプラスチック商品の紙化やバイオ素材対応などが一段と進んでいます。このような状況下、当社グループでは「Green Biz Project」を中心とした脱プラ関連需要への取組みを強化し、海洋プラスチック汚染問題などの社会課題の解決に向けた取り組みを進めています。また、2022年3月1日に「株式会社BMエコモ」設立し、高度なIoTを活用したバイオマス発電所の運転最適化支援システム「BMecomo」の事業を通じて、脱炭素化社会やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現化を加速させます。 ④ グローバル・ガバナンスの充実2019年に豪州、2020年には欧州の紙関連業界におけるリーディングカンパニーを続けて買収し、海外事業の売上規模は当社グループ売上高の55%を占め、海外拠点も133都市を数えるグローバル企業へと変貌しました。2022年10月1日にはグローバル・ガバナンス強化や資本政策の効率化を目指し持株会社へ移行する予定です。 ⑤ 新型コロナウイルス感染症の対応継続感染症は人類にとって長い闘いの歴史であり、一過性の課題として片付けず、従業員と家族の健康・安全とBCPの視点を軸に、その対応策のマニュアルを日々改善していきます。特にエッセンシャルワーカーへのインセンティブなどグループ企業全体の共通課題の検討も必要となっています。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョンGIFT+1 2024」の最終期である第3次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を策定いたしました。以下は、第3次中期経営計画の基本方針(テーマ・メッセージ・基本戦略)になります。 【基本方針】(テーマ)長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の達成と創立 100 周年に向けて(メッセージ)循環型ビジネスによる持続可能な社会への貢献と事業ポートフォリオ改革による企業価値向上(基本戦略)「収益基盤の確立・深化」・各事業会社の利益最大化・戦略的アライアンス、M&Aの推進・グローバルシナジーの追求・DXの推進「グローバルグループ経営の強化」・ESG経営の実現・グローバルオペレーション体制構築・グループコミュニケーション強化・経営資源の適正配分 目標とする経営指標と数値は、以下の通りです。 第3次中期経営計画 最終年度(2025.3期)数値目標営業利益営業利益率ROEROAD/Eレシオ※145億2.2%12.0%以上2.5%以上1.0倍以下 ※D/Eレシオ=有利子負債残高÷純資産
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。そのため、売上高についての当連結会計年度における経営成績に関する説明は、前連結会計年度と比較しての前年同期比(%)を記載せずに説明しております。 ①経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、ワクチン接種の進展や各種政策の効果等により一部で景気持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異株(オミクロン株)の感染拡大の懸念から、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社の主力事業である紙・パルプ業界におきましては、紙・板紙の内需は前年比でやや回復微増したものの、新型コロナウィルス感染拡大前の水準までの回復には至りませんでした。一方、世界経済においては、ワクチン接種が進んだ欧米諸国と発展途上国に経済の回復スピードの差が生じ、特に中国においては、「ゼロコロナ政策」による断続的な都市封鎖による社会・経済への影響が影を落としています。また、港湾労働者不足やコンテナ不足によるサプライチェーンの分断によって品不足も常態化している最中、新たな課題としてロシアのウクライナ侵攻により出口が見通せない状況となっております。このような状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高5,634億14百万円、営業利益は93億79百万円(前期は90億35百万円の営業損失)、経常利益は88億44百万円(前期は120億41百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、74億97百万円となりました。 当連結会計年度の業績については、以下の通りです。 (単位:百万円)2021年3月期2022年3月期 売上比(%) 売上比(%)前年同期比増減率(%)売 上 高430,404100.0563,414100.0133,01030.9売 上 総 利 益51,91512.192,95116.541,03679.0販 売 費 及 び一 般 管 理 費60,95014.283,57114.822,62137.1営 業 利 益又は営業損失(△)△9,035-9,3791.718,414-経 常 利 益又は経常損失(△)△12,041-8,8441.620,885-親会社株主帰属当 期 純 利 益1,4160.37,4971.36,080429.3 売上高の主な増減要因営業利益の主な増減要因+128,849百万円(海外拠点紙パルプ等卸売事業)+1,272百万円(国内拠点紙パルプ等卸売事業) Antalis S.A.S.の業績が通期で寄与 売上高増収要因 欧州・オセアニアの需要回復及び販売価格上昇+17,717百万円(海外拠点紙パルプ等卸売事業)+4,178百万円(国内拠点紙パルプ等卸売事業) 前期発生した香港・中国における貸倒引当金繰入額(△11,475百万円)の影響がなくなる 紙:コロナウィルス影響を大きく受けた前年度から売上高は回復基調 Antalis S.A.S.の業績が通期で寄与したことによる売上高増収要因 古紙:古紙発生量は減少も価格は上昇 パルプ:輸出の増加及び販売単価の上昇 事業別セグメントの業績は次の通りです。 <国内拠点紙パルプ等卸売事業> 紙分野では、経済活動の再開に伴い、新型コロナウィルス感染症の影響を大きく受けた前年度を数量・売上高共に上回りましたが、オフィス需要の減少やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言の再発令などによる観光・イベント事業が回復途上にあり、コロナ禍前の実績を回復するまでには至りませんでした。一方、板紙分野では、Eコマースによる宅配事業や経済再開によるプラス要因が紙器用板紙や段ボール原紙の需要を押し上げて前年度実績を共に上回りました。製紙原料分野では、古紙は緊急事態宣言の発令延長により家庭からの古紙発生量が減少した結果、数量では前年度割れとなりましたが、価格の上昇により売上高は前年度を上回りました。パルプは、国内家庭紙メーカー向けの需要が減少しましたが、中国向け輸出の増加や販売単価の上昇によって数量・売上高共に前年度を上回りました。この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は2,562億82百万円、セグメント利益は49億82百万円(同34.3%増)となりました。 <海外拠点紙パルプ等卸売事業>●トレード事業トレード事業は、サプライチェーンの分断やコンテナ不足に加え、製紙メーカーの生産枠制限により取扱い数量は低調に推移しました。●域内事業ANZ市場(豪州・ニュージーランド)及び欧州市場については、ウィズコロナ政策を背景に経済活動が再開され需要の回復がみられました。更に供給不足やエネルギーコスト問題によって、価格は上昇基調が続いています。このような状況下、前年度に買収したAntalis S.A.S.の業績が通期で貢献したこともあり、大幅な増収・増益となりました。アセアン地域では、経済の回復が遅れているものの、重複拠点の整理統合によるシナジー効果が出ております。中国事業については、子会社、及び新たに設立した分公司における紙卸売事業での販売が寄与し、売上高は前年を上回り、経常利益も前年を上回りました。この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,059億1百万円、セグメント利益は71億60百万円(前期は105億57百万円のセグメント損失)となりました。 <不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、コロナ禍の影響による景気の悪化やテレワークの普及等からオフィス需要は減退し、平均空室率の上昇や平均賃料の下落基調が続いております。今後も各地で新築ビルの竣工が控えるなど、需給バランスに注視が必要な状況です。当社グループでは主力のKPP八重洲ビルが満室稼働を継続しましたが、所有物件の再開発に伴う賃料収入減もあり、前年比で減収となりました。この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億30百万円、セグメント利益は1億76百万円(同72.0%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益で獲得した資金を、固定資産の取得及び短期借入金の減少等に充当したことで、前連結会計年度末比79億12百万円減少し、226億31百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は48億21百万円(前期は64億72百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の獲得、仕入債務の増加等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は26億78百万円(前期は230億46百万円の獲得)となりました。これは主に、固定資産の取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は118億3百万円(前期は65億97百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の減少によるものであります。 ③ 仕入及び販売の実績 (1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)前年同期比(%)国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)245,245103.0海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)235,390147.2合計(百万円)480,635120.7 (2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)前年同期比(%)国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)256,282101.7海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)305,901172.8不動産賃貸事業(百万円)1,23098.7合計(百万円)563,414130.9 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 (参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。 品種別前連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)紙数量(トン)2,139,0662,248,140金額(百万円)228,021298,369板紙数量(トン)872,418636,475金額(百万円)70,33466,670紙二次加工品数量(トン)25,91616,959金額(百万円)21,02824,672パルプ・古紙数量(トン)1,257,3511,303,430金額(百万円)31,11940,755その他金額(百万円)79,900132,946合計数量(トン)4,294,7514,205,004金額(百万円)430,404563,414 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.賃貸収入は「その他」に含まれております。 提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。 品種別前事業年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)当事業年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)紙数量(トン)1,049,5351,066,545金額(百万円)121,447121,328板紙数量(トン)699,165680,566金額(百万円)55,26854,102紙二次加工品数量(トン)15,14414,860金額(百万円)19,77320,587パルプ・古紙数量(トン)1,211,4221,254,491金額(百万円)28,98239,895その他金額(百万円)27,63821,908合計数量(トン)2,975,2663,016,462金額(百万円)253,111257,822 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.賃貸収入は「その他」に含まれております。 提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。 用途前事業年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)当事業年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)金額(百万円)構成比(%)前年比(%)金額(百万円)構成比(%)前年比(%)新聞用2,0810.888.91,9210.792.3印刷用98,18639.081.3100,40039.1102.3包装・容器用66,79426.595.363,66724.895.3情報用紙36,46514.583.336,24614.199.4製紙原料用28,98211.594.339,89515.6137.6その他19,3187.786.514,4165.674.6合計251,830100.086.8256,545100.0101.9 (注) 1.用途の分類は当社独自の基準によっております。2.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。 (2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。ワクチン接種率の向上に伴い、各地域や事業にて新型コロナウイルス感染症による景気低迷から回復が見られるものの、ロシアのウクライナ侵攻による混乱やインフレの長期化を反映し、世界経済の成長は鈍化しております。このような状況下、当社グループは長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載の通り、対処すべき課題に対応してまいります。 (a) 事業別セグメントの実績(単位:百万円)2021年3月期2022年3月期 前年同期比増減率(%)国 内 拠 点紙パルプ等卸売事業売 上 高252,104256,2824,1781.7セグメント利益3,7104,9821,27234.3利 益 率 (%)1.51.90.4-海 外 拠 点紙パルプ等卸売事業売 上 高177,052305,901128,84872.8セグメント利益又 は 損 失△10,5577,16017,718-利 益 率 (%)-2.3--不 動 産 賃 貸 事 業売 上 高1,2471,230△16△1.3セグメント利益629176△453△72.0利 益 率 (%)50.414.3△36.1-合 計売 上 高430,404563,414133,01030.9セグメント利益又 は 損 失△6,21712,31918,536-調 整 額△2,817△2,940△122-営 業 利 益又は営業損失△9,0359,37918,414-利 益 率 (%)-1.7-- (b) 国内紙パルプ等卸売事業について当連結会計年度における、国内紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。2023年3月期の日本国内市場におきましては、紙事業、特にグラフィック用紙事業については経済活動の再開により回復が見込まれるものの、前連結会計年度の需要まで回復するのは難しいと見込んでおります。板紙事業につきましては、当連結会計年度より飲料関係及び通販関連の段ボール原紙需要の増加が下支えし、2023年3月期も全体的には需要の増加を見込んでおります。また紙需要の減退を紙・板紙の価格修正により当連結会計年度の実績を上回ると見込んでおります。古紙につきましては、世界的な古紙需要の増加及び国内古紙発生量の減少もあり国内市況の大きな変動は見込んでおりません。パルプにつきましては、ロシア・ウクライナ情勢の影響により世界的な供給減となっており価格の上昇を見込んでおります。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、国内紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。 [国内基本戦略]1.総合循環型経営の促進製品販売と古紙回収による循環型事業モデルの確立マテリアルリサイクルとサーマルリサイクルによる事業の拡大2.海外グループ企業とのコラボレーションとシナジー 海外子会社のノウハウとシナジーによるブランドオーナー開拓グラフィック用紙事業の他社との差別化戦略によるシェア拡大3.環境事業の推進・拡大環境配慮型素材や製品の開発・販売バイオマス発電所の運転最適化支援システム「BMecomo」 を3月1日に子会社化。脱炭素化社会やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現化を加速 (c) 海外紙パルプ等卸売事業について当連結会計年度における、海外紙パルプ等卸売事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。2022年3月期の海外市場につきましては、欧州・豪州ともに、グラフィック用紙の需要は回復基調にありますが、コロナ前の需要水準にはいたりませんでした。また、欧州におけるパッケージ事業では、Eコマース市場の成長に伴う需要増加により好調を維持しております。ビジュアルコミュニケーション事業では、欧州にて公共イベントや展示会の再開が進み、市場は拡大しておりますが、コロナ前の水準までは完全には回復しておりません。一方、豪州においては、ビジュアルコミュニケーション事業でのM&A効果が業績に寄与しております。中国については、新たに中国国内市場での販売体制を再構築した結果、業績は回復しました。なお、2022年3月期より、2020年7月に買収した仏Antalis S.A.S.の業績が通期で寄与するため、大幅な増収増益を達成しました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、海外紙パルプ等卸売事業の拡大を目指す所存です。 [海外基本戦略]1.インオーガニック・グロースパッケージやビジュアルコミュニケーションにて、積極的な外部経営資源の獲得(インオーガニック)によって事業領域の拡大を目指します。2.Eコマース事業 Eコマース事業を推進し、利益率のさらなる向上を目指します。3.グローバルネットワークを活かした展開ハイブリッド型ビジネスモデル(※)の展開 ※ハイブリッド型ビジネスモデル (d) 不動産賃貸事業について当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りです。当該事業セグメントにつきましては、前連結会計年度でのKPP八重洲ビルの底地売却による地代負担増はあるものの、本社隣地の再開発事業による収益確保を進めてまいります。当社グループでは賃貸物件の安定稼働を重視しており、資産価値を維持するための修繕等を計画的に実施しております。今後も引き続き、安定稼働とローコストでの運用を心掛け、安定した収益を確保する事業として推進してまいります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、2,907億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ155億87百万円増加しました。これは主に、商品及び製品の増加及び退職給付に係る資産の増加によるものであります。 負債は、2,343億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億94百万円増加しました。これは主に、有利子負債が減少した一方で、仕入債務の増加したことによるものであります。 純資産は、563億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ127億92百万円増加し、自己資本比率は19.4%となり、前連結会計年度末に比べ3.8ポイント増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、退職給付に係る調整累計額の増加等によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』に基づく第3次中期経営計画(2022年度~2024年度)を推進中ですが、事業で創出される営業キャッシュ・フローにつきましては、成長投資と株主還元に、適正に配分していく所存です。成長投資への支出につきましては、海外事業の拡大と事業ポートフォリオの多角化を目的としております。今後も海外投資を中心に、投資先の事業内容、投資時点の当社グループの財政状態及び資金需要を勘案し、適切に判断してまいります。株主還元への支出につきましては、株主への利益還元を経営の重要課題の一つと認識し、安定的かつ継続的に配当を行うとともに、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針としております。なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で25億58百万円、海外で200億72百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。 ④ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り及び追加情報」に記載しているとおりです。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営の基本方針当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1(ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。 +1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。 GLOBALIZATION グローバルにビジネスフィールドを展開する INNOVATION “創紙力”で未来を開拓する FUNCTION 提案力・企画力で付加価値を創造する TRUST ステークホルダーの信頼に応える (2) 経営環境及び対処すべき課題 当社グループは、海外事業の推進や包装資材事業の拡大、新規事業の立ち上げと育成、コーポレート・ガバナン スの充実を課題として取組んでおります。① 海外事業の推進当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中で、特に 「Globalization」を重視しております。国内では印刷・情報用紙を中心に需要の低迷が続いている中、世界の紙・板紙の消費量は継続して増加しております。中でも潜在需要の高いアジアパシフィック地域の市場において、現地と一体化した需要の掘り起こしを行い、収益源の多様化を目指しております。2019年度には、紙・包装資材及び紙関連製品等の卸売事業を行うオーストラリア証券取引所上場の「Spicers Limited」の発行済株式の100%を取得し、完全子会社化を予定しております。同社はサイン・ディスプレイ事業の強化に加え、ラベルやパッケージング製品へも注力しており、ワインラベルや複写紙などの市場にも強みを持っております。 ② 包装事業の拡大印刷・筆記用途の需要が減少する一方で、パッケージ系の紙・板紙の需要はeコマースの拡大、インバウンド需要等に伴い堅調に推移しております。また、海洋プラスチック汚染問題から脱プラスチックの流れも世界的に広がりを見せており、大手ファストファッションも環境への配慮から手提げ袋を紙袋へ切り替える等、紙化への動きが具体化しております。このような状況下、当社グループでは経済産業省主催による企業連合 「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」や環境省主催の「プラスチック・スマート」フォーラムへ参画することにより、国際機関・研究機関・メーカー・ユーザーなどと情報を共有し、脱プラ関連需要への取組みを強化してまいります。 ③ 新規事業の立ち上げと育成当社グループでは、新規事業であるソリューション事業は課題解決型の提案を行うことでビジネスチャンスを広げ、今後の持続的発展の一翼を担う分野と位置付けております。当社は、バイオマス燃料サプライヤーとなる一方で、開発に着手しているバイオマス発電所の運転支援システムは、運転効率改善に繋がるものと期待されます。ソリューションビジネスは既存事業である紙とその周辺素材ならびに原料販売との連携も視野に入れ、事業活動そのものが環境問題への対応・社会貢献に繋がるものとして進めております。さらに、ITの浸透が人々の生活を良い方向に変えていくというデジタルトランスフォーメーションの時代に対応できるIT基盤を形成するため、体制構築を行ってまいります。 ④ コーポレートガバナンスの充実当社は、2018年6月26日に東京証券取引所市場第一部へ新規上場を果たし、より一層ステークホルダーの信頼と高い評価を得ていくため、コーポレートガバナンス・コードへの対応を通じてガバナンスの充実を進めております。今後は、IR活動等を通じてステークホルダーへの適切な情報開示によって当社をより深くご理解いただき、ESG経営による企業価値の向上を図るとともに社会貢献を果たすことを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営の基本方針当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1(ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。 +1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。 GLOBALIZATION グローバルにビジネスフィールドを展開する INNOVATION “創紙力”で未来を開拓する FUNCTION 提案力・企画力で付加価値を創造する TRUST ステークホルダーの信頼に応える (2) 経営環境及び対処すべき課題 当社グループは、海外事業の推進や包装資材事業の拡大、新規事業の立ち上げと育成、コーポレート・ガバナン スの充実を課題として取組んでおります。① 海外事業の推進当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中で、特に 「Globalization」を重視しております。国内では印刷・情報用紙を中心に需要の低迷が続いている中、世界の紙・板紙の消費量は継続して増加しております。中でも潜在需要の高いアジアパシフィック地域の市場において、現地と一体化した需要の掘り起こしを行い、収益源の多様化を目指しております。2019年度には、紙・包装資材及び紙関連製品等の卸売事業を行うオーストラリア証券取引所上場の「Spicers Limited」の発行済株式の100%を取得し、完全子会社化を予定しております。同社はサイン・ディスプレイ事業の強化に加え、ラベルやパッケージング製品へも注力しており、ワインラベルや複写紙などの市場にも強みを持っております。 ② 包装事業の拡大印刷・筆記用途の需要が減少する一方で、パッケージ系の紙・板紙の需要はeコマースの拡大、インバウンド需要等に伴い堅調に推移しております。また、海洋プラスチック汚染問題から脱プラスチックの流れも世界的に広がりを見せており、大手ファストファッションも環境への配慮から手提げ袋を紙袋へ切り替える等、紙化への動きが具体化しております。このような状況下、当社グループでは経済産業省主催による企業連合 「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」や環境省主催の「プラスチック・スマート」フォーラムへ参画することにより、国際機関・研究機関・メーカー・ユーザーなどと情報を共有し、脱プラ関連需要への取組みを強化してまいります。 ③ 新規事業の立ち上げと育成当社グループでは、新規事業であるソリューション事業は課題解決型の提案を行うことでビジネスチャンスを広げ、今後の持続的発展の一翼を担う分野と位置付けております。当社は、バイオマス燃料サプライヤーとなる一方で、開発に着手しているバイオマス発電所の運転支援システムは、運転効率改善に繋がるものと期待されます。ソリューションビジネスは既存事業である紙とその周辺素材ならびに原料販売との連携も視野に入れ、事業活動そのものが環境問題への対応・社会貢献に繋がるものとして進めております。さらに、ITの浸透が人々の生活を良い方向に変えていくというデジタルトランスフォーメーションの時代に対応できるIT基盤を形成するため、体制構築を行ってまいります。 ④ コーポレートガバナンスの充実当社は、2018年6月26日に東京証券取引所市場第一部へ新規上場を果たし、より一層ステークホルダーの信頼と高い評価を得ていくため、コーポレートガバナンス・コードへの対応を通じてガバナンスの充実を進めております。今後は、IR活動等を通じてステークホルダーへの適切な情報開示によって当社をより深くご理解いただき、ESG経営による企業価値の向上を図るとともに社会貢献を果たすことを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、好調な米国経済に牽引される形で企業収益は過去最高水準となり、良好な雇用環境による個人消費と、技術革新への取組みや人手不足感の高まりに対応した省力化投資の取組みなどが設備投資の押し上げに寄与し、全体としては底堅く推移しました。世界経済を見ますと、米国では大型減税による企業収益の大幅な増加と良好な雇用環境に伴う雇用者数の増加により、個人消費は堅調に推移し、失業率も3%台と低水準で推移したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)は年間4回の利上げを実施しました。中国では、債務圧縮の本格化と米中貿易摩擦の影響で経済成長率は鈍化しました。欧州では、英国のブレグジット(EU離脱)やイタリアの財政問題など欧州政治の混乱が懸念されていますが、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費と政府消費支出がプラスに寄与しました。新興国では、インドは政府支出の抑制や個人消費の減速があり実質GDP成長率は3四半期連続で低下しましたが、依然として6%台中盤と高い成長率を維持し、ブラジルやロシアでは低位で推移しました。国内紙パルプ業界におきましては、ITや広告分野の電子化の更なる加速によって主に雑誌・チラシ・カタログなどが低迷し、洋紙の消費は前年割れが続いております。一方、板紙では、企業のコストダウンに伴い省包装や簡易包装などの動きがみられますが、eコマース市場の拡大に伴う段ボール需要の増加もあり、前年に比べ増加しております。この様な状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,849億73百万円(前期比1.9%増)、営業利益は22億80百万円(同3.5%減)、経常利益は25億18百万円(同18.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億97百万円(同2.6%増)となりました。セグメントの業績は次のとおりであります。<国内拠点紙パルプ等卸売事業> 紙分野では、需要構造の変化に伴い出版物が減少の影響を受けましたが、輸出の増加により売上は横ばいとなりました。板紙分野では、エンドユーザー向けの拡販に加え、販売単価の上昇も寄与し、売上は増加しました。製紙原料分野では、古紙は中国の輸入規制に伴い日本国内の在庫が増加し、価格が弱含みに推移したことによって、数量・金額ともに減少しました。パルプは価格の高止まりや輸入品を中心に販売が好調に推移したことにより、数量・金額ともに増加しました。この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,123億1百万円(同0.8%増収)、セグメント利益は45億67百万円(同1.0%増)となりました。 <海外拠点紙パルプ等卸売事業>米国では、輸入塗工紙の販売が好調に推移した結果、全体として売上は増加しました。東南アジアでは、宣伝広告用途の紙媒体の需要減少、古紙輸入規制の強化ならびに欧米古紙の価格下落に伴う競争力低下により売上は低調でした。東アジアでは主要得意先への販売が好調で、特に香港では塗工紙、板紙ともに売上高は大きく伸長しました。一方、中国では米中貿易摩擦の影響による古紙の輸入規制もあって段ボール原紙の販売は大きく伸長したものの、全体としてはほぼ横ばいとなりました。豪州では、既存取引は低調でしたが機能紙を中心とした新規取引の獲得により売上はほぼ横ばいとなりました。この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は714億74百万円(同7.0%増収)、セグメント利益は30百万円(前年同期は91百万円のセグメント損失)となりました。 <不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、拡張移転や館内増床、分室の開設などオフィス拡張の動きがみられたことから、平均空室率は低下傾向で推移しました。また、平均賃料も空室率の低下を背景に上昇傾向で推移しました。このような状況下、当社グループは主力の「KPP八重洲ビル」を中心に高稼働率を維持し、安定収益を確保しましたが、資産効率を高めることを目的に一部所有不動産を売却したことから、賃料収入は減収となりました。この結果、不動産賃貸事業の売上高は11億97百万円(同2.9%減収)、セグメント利益は5億99百万円(同6.9%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益、株式の発行による収入及び期末たな卸資産の減少等で獲得した資金を、短期借入金の純減及びコマーシャル・ペーパーの純減に充当したことで、前連結会計年度末比12億96百万円減少し、28億38百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は42億17百万円(前年同期は40億19百万円の獲得)となりました。これは主にたな卸資産の減少及び税金等調整前当期純利益の獲得等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は11億30百万円(前年同期は79億20百万円の使用)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の売却による収入によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は66億23百万円(前年同期は57億60百万円の獲得)となりました。これは株式の発行による収入等を、運転資金等のために借り入れた短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの返済に充当したことによるものであります。 ③ 仕入及び販売の実績 (1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)前年同期比(%)国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)294,82399.6海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)65,520107.5合計(百万円)360,343101.0 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)前年同期比(%)国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)312,301100.8海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)71,474107.0不動産賃貸事業(百万円)1,19797.1合計(百万円)384,973101.9 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)金額(百万円) 割合(%) 金額(百万円) 割合(%)サムソンペーパーホールディングスグループ 42,55411.345,20011.7 3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。 品種別前連結会計年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)当連結会計年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)紙数量(トン)1,901,0761,858,146金額(百万円)199,238199,069板紙数量(トン)855,613884,093金額(百万円)65,95372,623紙二次加工品数量(トン)32,42435,044金額(百万円)33,93230,266パルプ・古紙数量(トン)1,495,9671,414,001金額(百万円)44,48945,217その他金額(百万円)34,10037,796合計数量(トン)4,285,0804,191,284金額(百万円)377,714384,973 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.賃貸収入は「その他」に含まれております。 提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。 品種別前事業年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)当事業年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)紙数量(トン)1,402,2561,411,238金額(百万円)149,982150,052板紙数量(トン)729,614724,703金額(百万円)56,26259,784紙二次加工品数量(トン)19,50418,297金額(百万円)29,68025,000パルプ・古紙数量(トン)1,460,3601,370,066金額(百万円)43,03044,116その他金額(百万円)30,74533,298合計数量(トン)3,611,7343,524,304金額(百万円)309,702312,253 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。 提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。 用途前事業年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)当事業年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)金額(百万円)構成比(%)前年比(%)金額(百万円)構成比(%)前年比(%)新聞用2,4540.890.52,5010.8101.9印刷用122,27739.593.7124,05839.7101.5包装・容器用72,85423.5104.275,08224.0103.1情報用紙43,41714.099.843,86114.0101.0製紙原料用43,03413.9111.444,11914.1102.5その他25,6668.398.122,6327.288.2合計309,702100.099.4312,253100.0100.8 (注) 1.用途の分類は当社独自の基準によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。 (2) 経営者の視点による認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。当社グループは、以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。 (a) 貸倒引当金 当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。(b) 投資有価証券の減損当社グループは、取引先との良好な取引関係の維持・強化を図るため、取引先の株式を保有しております。時価のある有価証券については、投資価値の下落が30%を超え一時的ではないと判断した場合に減損を行っております。また、時価評価されていない有価証券については、当該会社の1株当たりの純資産額が帳簿価額を50%以上下回り、業績回復の可能性がない場合に減損を行っております。(c) のれんの減損当社グループは、のれんについて減損の兆候があると判定された場合、減損の認識の判定を行っております。のれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 (d) 繰延税金資産当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより利益が変動する可能性があります。② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a) 経営成績の分析 (売上髙) 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ72億58百万円増収の3,849億73百万円(前年同期比1.9%増)となりました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(売上総利益) 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ56百万円増益の220億64百万円(前年同期比0.3%増)となりました。また、売上総利益率は、主に板紙・パルプ・フィルムの利益率の低下により、前連結会計年度に比べ0.10ポイント減少し5.7%となりました。(営業利益)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、退職給付費用、物流費の削減により販売諸掛が減少しましたが、研究開発費や海外M&A等の投資費用が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1億38百万円増加し、197億83百万円(前年同期比0.7%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ82百万円減益の22億80百万円(同3.5%減)となりました。(経常利益) 当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に計上した為替差益が為替差損に転じたことにより、前連結会計年度に比べ1億4百万円減少し12億59百万円(前年同期比7.6%減)となりました。 営業外費用は、為替差損の計上、海外連結子会社の借入利息及び持分法投資損失の増加等により前連結会計年度に比べ3億81百万円増加し10億21百万円(同59.6%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ5億67百万円減益の25億18百万円(同18.4%減)となりました。(税金等調整前当期純利益) 当連結会計年度における特別利益は、九州支店跡地等の固定資産の売却、投資有価証券を売却したことにより、前連結会計年度に比べ10億1百万円増加し16億25百万円(前年同期比160.6%増)となりました。 特別損失は、のれんの減損及び投資有価証券の評価損を計上したことにより、前連結会計年度に比べ1億15百万円増加し1億86百万円(同162.0%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ3億18百万円増益の39億57百万円(同8.7%増)となりました。 (b) 財政状態の分析 (資産) 当連結会計年度末の総資産は、1,916億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ65億55百万円減少しました。これは主に、当連結会計年度に行ったソフトウェア等の設備投資による増加を、積送品の減少によるたな卸資産の減少、借入金返済に伴う現金及び預金の減少、上場株式の株価下落に伴う投資有価証券の減少等が上回ったことによるものです。 (負債) 負債は、1,413億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ90億86百万円減少しました。これは主に借入金及びコマーシャル・ペーパー等の有利子負債の減少によるものです。 (純資産) 純資産は、502億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億30百万円増加し、自己資本比率は26.2%となり、前連結会計年度末に比べ2.2ポイント増加しました。これは主に公募増資及び第三者割当増資に伴う資本金及び資本準備金の増加、利益の計上に伴う利益剰余金の増加によるものであります。(c) キャッシュ・フローの分析 当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。(d) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。(e) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは経常運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、当連結会計年度は研究開発、M&A、ソフトウエア等の購入といった投資活動を行っております。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入、コマーシャル・ペーパーを基本としており、投資を目的とした資金調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。2018年6月26日付で、当社株式は東京証券取引所市場第一部に上場しており、新株発行による手取額25億61百万円については、社内基幹システム関連への設備投資を行っており、さらに継続して投資を行う予定でおります。また、調達資金の残額については金融機関からの借入金の返済に充当しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は413億57百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は28億38百万円となっております。(f) 経営方針/経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、次のとおりです。 当社グループでは、ROA及びROEを経営指標として重視し、効率的な経営の実現に取り組んでおります。当連結会計年度の実績は、ROA1.3%、ROE5.1%となりました。(g) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析は・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営の基本方針当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1 (ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。+1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。GLOBALIZATIONグローバルにビジネスフィールドを展開するINNOVATION“創紙力”で未来を開拓するFUNCTION提案力・企画力で付加価値を創造するTRUSTステークホルダーの信頼に応える (2)経営環境及び対処すべき課題 当社グループは、海外展開の強化や新規事業の立ち上げによる事業ポートフォリオ改革、透明性の高いガバナンスの実現、人材の育成・確保を課題として取り組んでおります。①海外展開の強化 長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中で、特に「Globalization」を重視しております。主力商品である印刷・情報用紙は、依然として内需低迷が続いており、収益機会の多様化を進めるため、海外展開の強化を推進しております。中でも成長市場である、中国・東南アジア・インドへの展開が課題と捉えており、現地化と業容の拡大を図っていますが、特に包装関連需要は、経済成長に伴い底堅い需要が見込まれることから、紙・板紙に化成品及び製品も含めたトータル・パッケージ分野へ注力しております。既に中国において軟包装印刷事業への投資を行い、同国の環境規制に対応した日本の先進技術を導入する等競争力の強化も進めております。また、インドビジネスの再構築を目的として、新会社設立に向けた準備を進めております。アジアにおける投資機会を継続的に模索していくため、昨年6月にはグローバルビジネス統括本部にグローバルビジネス業務本部を新設し、営業と管理が一体となり機動的に動けるよう組織を改編しております。 ②新規事業の立ち上げ 昨年6月に、「Society 5.0」の実現を目指す「未来投資戦略2017」が閣議決定されました。AI、IoT、ロボットなどを活用した、来たるべき新たな社会においても価値を生み出し続ける企業となるため、次期成長戦略としてシステム開発をベースとしたソフトサービス産業分野への進出を図り、現在3つの案件を進めております。まず1つ目は、ラベル等に印刷可能な感温センサーの開発を目指す「温度管理物流ソリューション事業」です。2つ目は、燃焼効率を最適化するソフトウエアを開発し販売につなげる「バイオマス発電最適化システムソリューション事業」です。そして3つ目が、昨年4月にスタートした「地域包括ケアシステムソリューション事業」です。これらのソリューション事業を通して当社グループは「Society 5.0」の実現に貢献してまいります。 ③透明性の高いガバナンスの実現企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上のため、「コーポレートガバナンス・コード」を重視しており、より一層のガバナンスの充実という観点から、新システムの導入準備を進めております。また、アジア地域統括会社のKPP ASIA-PACIFIC PTE. LTD.の傘下に、DAIEI AUSTRALASIA PTY LTD及びDAIEI PAPERS (S) PTE LTDを再配置し、DAIEI PAPERS BRAZIL LTDA.を本社の直轄とするなど、海外におけるガバナンスも強化しております。さらに、海外子会社を対象としたグローバル与信会議や、現地管理担当者研修会を継続的に実施し、海外法人の管理体制の強化を図っております。 ④人材の育成・確保 当社グループでは、ダイバーシティをさらに推進するために、継続的に人材の多様化を図っており、国内外のグローバル人材の中途採用や、女性管理職への登用を見据えた女性総合職の採用などにも取り組んでおります。また、昨年4月より開始した社内改革プロジェクトによって、働き方改革につながる業務の効率化を進めております。さらに、Eラーニングを積極的に活用し、「Society 5.0」という新しい環境に対応できる、幅広い知識を基盤とした高い専門性を持つ「T型人材」の育成を進めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営の基本方針当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1 (ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。+1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。GLOBALIZATIONグローバルにビジネスフィールドを展開するINNOVATION“創紙力”で未来を開拓するFUNCTION提案力・企画力で付加価値を創造するTRUSTステークホルダーの信頼に応える (2)経営環境及び対処すべき課題 当社グループは、海外展開の強化や新規事業の立ち上げによる事業ポートフォリオ改革、透明性の高いガバナンスの実現、人材の育成・確保を課題として取り組んでおります。①海外展開の強化 長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中で、特に「Globalization」を重視しております。主力商品である印刷・情報用紙は、依然として内需低迷が続いており、収益機会の多様化を進めるため、海外展開の強化を推進しております。中でも成長市場である、中国・東南アジア・インドへの展開が課題と捉えており、現地化と業容の拡大を図っていますが、特に包装関連需要は、経済成長に伴い底堅い需要が見込まれることから、紙・板紙に化成品及び製品も含めたトータル・パッケージ分野へ注力しております。既に中国において軟包装印刷事業への投資を行い、同国の環境規制に対応した日本の先進技術を導入する等競争力の強化も進めております。また、インドビジネスの再構築を目的として、新会社設立に向けた準備を進めております。アジアにおける投資機会を継続的に模索していくため、昨年6月にはグローバルビジネス統括本部にグローバルビジネス業務本部を新設し、営業と管理が一体となり機動的に動けるよう組織を改編しております。 ②新規事業の立ち上げ 昨年6月に、「Society 5.0」の実現を目指す「未来投資戦略2017」が閣議決定されました。AI、IoT、ロボットなどを活用した、来たるべき新たな社会においても価値を生み出し続ける企業となるため、次期成長戦略としてシステム開発をベースとしたソフトサービス産業分野への進出を図り、現在3つの案件を進めております。まず1つ目は、ラベル等に印刷可能な感温センサーの開発を目指す「温度管理物流ソリューション事業」です。2つ目は、燃焼効率を最適化するソフトウエアを開発し販売につなげる「バイオマス発電最適化システムソリューション事業」です。そして3つ目が、昨年4月にスタートした「地域包括ケアシステムソリューション事業」です。これらのソリューション事業を通して当社グループは「Society 5.0」の実現に貢献してまいります。 ③透明性の高いガバナンスの実現企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上のため、「コーポレートガバナンス・コード」を重視しており、より一層のガバナンスの充実という観点から、新システムの導入準備を進めております。また、アジア地域統括会社のKPP ASIA-PACIFIC PTE. LTD.の傘下に、DAIEI AUSTRALASIA PTY LTD及びDAIEI PAPERS (S) PTE LTDを再配置し、DAIEI PAPERS BRAZIL LTDA.を本社の直轄とするなど、海外におけるガバナンスも強化しております。さらに、海外子会社を対象としたグローバル与信会議や、現地管理担当者研修会を継続的に実施し、海外法人の管理体制の強化を図っております。 ④人材の育成・確保 当社グループでは、ダイバーシティをさらに推進するために、継続的に人材の多様化を図っており、国内外のグローバル人材の中途採用や、女性管理職への登用を見据えた女性総合職の採用などにも取り組んでおります。また、昨年4月より開始した社内改革プロジェクトによって、働き方改革につながる業務の効率化を進めております。さらに、Eラーニングを積極的に活用し、「Society 5.0」という新しい環境に対応できる、幅広い知識を基盤とした高い専門性を持つ「T型人材」の育成を進めております。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、世界的な好景気と円安基調を背景に輸出主導の景気拡大が続き、実質GDPが2017年12月までの8四半期連続でプラス成長となるなど、デフレ脱却に向けて確かな足取りで前進を続けました。また、今年1月には失業率が24年9か月ぶりに2.4%にまで低下し、雇用情勢は継続的に改善しましたが、宿泊・飲食サービス、及び運輸・郵便等の業界では、労働力不足が深刻な状況にあります。昨年11月に発足した第4次安倍内閣は、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪として税や予算などの政策を総動員すると発表しました。このうち、生産性革命は、IoT、ビッグデータ、人工知能による産業構造の変革などを「鍵となる施策」に掲げており、新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。一方、世界経済は、北朝鮮問題やシリア問題などの地政学的リスクを抱えていますが、リーマンショック以降初めての全面的な景気回復局面をたどりました。米国では、保護主義的な貿易政策の影響が懸念されますが、実質GDP成長率が2.6%(2017年10~12月期)と高い水準で推移しました。また、昨年末にトランプ政権が1.5兆ドルに及ぶ過去最大の減税を決定したことから、国内投資や雇用情勢がさらに改善に向かいました。欧州や中国、新興国などにおいても、世界的に景気が回復していることを背景に、輸出部門中心に景気が堅調に推移しました。国内紙パルプ業界におきましては、人口の減少や少子高齢化による構造的な変化に加え、出版物や広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。一方、板紙は、Eコマース市場の拡大が段ボール需要をけん引し、前年に比べ増加しました。また衛生用紙は、生活必需品としての底堅い需要に加え、インバウンド需要等も取込み、比較的堅調に推移しました。当業界においても労働力不足は運賃値上げを通して企業業績に影響を与えることが懸念されます。この様な状況下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,777億14百万円(前期比3.0%増)、営業利益は23億62百万円(同129.2%増)、経常利益は30億86百万円(同177.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は24億33百万円(同9.9%増)となりました。セグメントの業績は次のとおりであります。<国内拠点紙パルプ等卸売事業>紙分野では、需要構造の変化による出版印刷市場の縮小や、広告の電子媒体への移行などが要因となり、販売数量・金額ともに前年割れとなりました。また、板紙分野では、食料品用途の堅調な伸びや、販路の拡大により、販売金額は増加となりました。製紙原料分野では、古紙は国内販売が堅調に推移し、販売金額が前年に比べ増加しました。パルプは輸入品を中心に需要が伸長したことに加え、価格の上昇も寄与し、販売数量・金額ともに前年増となりました。この結果、国内拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は3,096億70百万円(同0.1%減収)、セグメント利益は45億21百万円(同14.1%増)となりました。<海外拠点紙パルプ等卸売事業>海外紙パルプ等卸売事業に関しては、米国では、段ボール原紙の輸出は伸長したものの、価格問題・供給メーカーの数量確保困難等の理由により塗工紙及びコピー用紙、ならびにブラジル向けの特殊紙等が振るわず、売上高は低調に推移しました。東南アジアにおいては、一部日本メーカーの取扱商品については好調であったものの、成長鈍化に加えパルプの入札が価格面で折り合わず不振となり、売上は伸び悩みました。東アジアにおいては主要得意先への販売が好調で、香港で塗工紙、板紙等全般的に販売が増加すると共に、中国でも上質紙・塗工紙・板紙の販売が拡大しました。豪州においては、上質紙やコピー用紙の取扱増により売上を伸ばしました。この結果、海外拠点紙パルプ等卸売事業の売上高は668億10百万円(同21.0%増収)、セグメント損失は91百万円(前年同期は10億8百万円のセグメント損失)となりました。<不動産賃貸事業>全国主要都市のオフィスビル市場は、館内増床や拡張移転など底堅いオフィス需要を背景に、平均空室率は低下傾向にあります。また、平均賃料につきましても緩やかな上昇傾向で推移しております。このような状況下、当社グループでは主力物件の「KPP八重洲ビル」をはじめ、テナントビルは高稼働を維持しておりますが、一部所有不動産の売却により、賃料収入は減収となりました。 この結果、不動産賃貸事業の売上高は12億33百万円(同19.8%減収)、セグメント利益は5億61百万円(同17.8%減)となりました。②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に有形及び無形固定資産の取得による支出を、税金等調整前当期純利益、仕入債務の増加及びコマーシャル・ペーパーの純増等により賄うことで、前連結会計年度末比18億43百万円増加し、41億35百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は40億19百万円(前年同期は11億14百万円の獲得)となりました。これは主に国内拠点における在庫増等による資金支出と、仕入債務の増加及び税金等調整前当期純利益の獲得等による資金獲得によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は79億20百万円(前年同期は55億96百万円の獲得)となりました。これは主に、経費削減のための本社の取得、物流戦略に基づく戸田物流センターの取得及び社内基幹システムへの投資への資金支出等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果獲得した資金は57億60百万円(前年同期は67億91百万円の使用)となりました。これは投資活動による支出を賄うため、翌連結会計年度の増資による資金調達を勘案したうえで短期借入金及びコマーシャル・ペーパー等による資金調達を行ったためであります。 ③仕入及び販売の実績 (1)仕入実績 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)前年同期比(%)国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)295,88399.8海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)60,931126.3合計(百万円)356,815103.5 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)前年同期比(%)国内拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)309,67099.9海外拠点紙パルプ等卸売事業(百万円)66,810121.0不動産賃貸事業(百万円)1,23380.2合計(百万円)377,714103.0 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のおとりであります。相手先前連結会計年度(自 2016年4月1日至 2017年3月31日)当連結会計年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)サムソンペーパーホールディングスグループ--42,55411.3(注)前連結会計年度については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。(参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。品種別前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)紙数量(トン)1,792,285 1,901,076 金額(百万円)185,300 199,238 板紙数量(トン)1,050,588 855,613 金額(百万円)73,892 65,953 紙二次加工品数量(トン)38,304 32,424 金額(百万円)34,795 33,932 パルプ・古紙数量(トン)1,572,410 1,495,967 金額(百万円)39,905 44,489 その他金額(百万円)32,883 34,100 合計数量(トン)4,453,588 4,285,080 金額(百万円)366,777 377,714 (注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.賃貸収入は「その他」に含まれております。 提出会社の商品販売実績は以下のとおりであります。品種別前事業年度(自 2016年4月1日至 2017年3月31日)当事業年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)紙数量(トン)1,448,260 1,402,256 金額(百万円)157,902 149,982 板紙数量(トン)741,270 729,614 金額(百万円)55,907 56,262 紙二次加工品数量(トン)23,106 19,504 金額(百万円)29,798 29,680 パルプ・古紙数量(トン)1,539,984 1,460,360 金額(百万円)38,623 43,030 その他金額(百万円)29,272 30,745 合計数量(トン)3,752,621 3,611,734 金額(百万円)311,505 309,702 (注)1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。 提出会社の用途別販売実績は以下のとおりであります。用途前事業年度(自 2016年4月1日至 2017年3月31日)当事業年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)金額(百万円)構成比(%)前年比(%)金額(百万円)構成比(%)前年比(%)新聞用2,7130.979.42,4540.890.5印刷用130,55641.995.2122,27739.593.7包装・容器用69,94722.594.072,85423.5104.2情報用紙43,49914.097.443,41714.099.8製紙原料用38,62612.498.443,03413.9111.4その他26,1618.398.925,6668.398.1合計311,505100.095.8309,702100.099.4 (注)1.用途の分類は当社独自の基準によっております。 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.上記の金額には、賃貸収入は含まれておりません。 (2)経営者の視点による認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上の見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。当社グループは、以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。(a)貸倒引当金当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率に基づき、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。(b)投資有価証券の減損当社グループは、取引先との良好な取引関係の維持・強化を図るため、取引先の株式を保有しております。時価のある有価証券については、投資価値の下落が30%を超え一時的ではないと判断した場合に減損を行っております。また、時価評価されていない有価証券については、当該会社の1株当たりの純資産額が帳簿価額を50%以上下回り、業績回復の可能性がない場合に減損を行っております。(c)のれんの減損 当社グループは、のれんについて減損の兆候があると判定された場合、減損の認識の判定を行っております。のれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。(d)繰延税金資産当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより利益が変動する可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)経営成績の分析(売上髙) 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ109億36百万円増収の3,777億14百万円(前年同期比3.0%増)となりました。セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 (売上総利益) 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ8億93百万円増益の220億8百万円(前年同期比4.2%増)となりました。また、売上総利益率は、主にパルプ・古紙の利益率の増加が寄与し、前連結会計年度に比べ0.07ポイント増加し5.8%となりました。 (営業利益) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、販売諸掛、従業員給与手当が増加したものの、海外拠点紙パルプ等卸売事業において貸倒引当金繰入額が減少したことにより、前連結会計年度に比べ4億38百万円減少し、196億45百万円(前年同期比2.2%減)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ13億31百万円増益の23億62百万円(同129.2%増)となりました。 (経常利益) 当連結会計年度における営業外収益は、円高による為替差益及び貸倒引当金戻入額の計上等により、前連結会計年度に比べ3億18百万円増加し13億63百万円(前年同期比30.4%増)となりました。 営業外費用は、前連結会計年度に計上した為替差損が為替差益に転じたこと及び持分法投資損失の減少等により前連結会計年度に比べ3億22百万円減少し6億40百万円(同33.5%減)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ19億72百万円増益の30億86百万円(同177.0%増)となりました。 (税金等調整前当期純利益) 当連結会計年度における特別利益は、物流戦略に基づく春日井倉庫の売却等があったものの、前連結会計年度に固定資産売却益27億73百万円及び投資有価証券売却益4億83百万円を計上した事等から、前連結会計年度に比べ26億34百万円減少し6億23百万円(前年同期比80.9%減)となりました。 特別損失は、前連結会計年度に固定資産売却損5億88百万円を計上したことから、前連結会計年度に比べ8億3百万円減少し71百万円(同91.9%減)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億41百万円増益の36億39百万円(同4.0%増)となりました。 (b)財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末の総資産は、1,986億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ143億86百万円増加しました。これは主に、経費削減のための本社の取得及び物流戦略に基づく戸田物流センターの取得等による有形固定資産の増加、社内基幹システム投資による無形固定資産の増加等によるものです。(負債) 負債は、1,509億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億36百万円増加しました。これは主に借入金及びコマーシャル・ペーパーによる有利子負債の増加、仕入債務の増加によるものです。(純資産) 純資産は、476億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億50百万円増加し、自己資本比率は23.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.1ポイント増加しました。これは主に利益剰余金の増加、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加、年金資産の時価上昇等による退職給付に係る調整累計額の増加によるものであります。 (c)キャッシュ・フローの分析 当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 (d)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。 (e)当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは経常運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資等を目的とした資金需要は、固定資産の購入及びソフトウエア投資等によるものであります。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入、コマーシャル・ペーパーを基本としており、投資を目的とした資金調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。 2018年6月26日付で、当社株式は東京証券取引所市場第一部に上場しており、新株発行による手取額22億12百万円については、社内基幹システム関連の設備投資に8億51百万円、残額を金融機関からの借入金の返済に充当する予定であります。 なお、当連結会計年度末における借入金及びコマーシャル・ペーパーの残高は496億93百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は41億35百万円となっております。 (f)経営方針/経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、次のとおりです。 当社グループでは、ROA及びROEを経営指標として重視し、効率的な経営の実現に取り組んでおります。当連結会計年度の実績は、ROA1.3%、ROE5.3%となりました。 (g)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析は・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営の基本方針当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1 (ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。+1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。GLOBALIZATIONグローバルにビジネスフィールドを展開するINNOVATION“創紙力”で未来を開拓するFUNCTION提案力・企画力で付加価値を創造するTRUSTステークホルダーの信頼に応える (2)経営環境及び対処すべき課題 国内紙パルプ業界におきましては、人口減・少子高齢化等の構造変化や、出版物・広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。板紙は、段ボール原紙の軽量化が進んでいますが、猛暑による飲料関連の伸びや、好調なネット通販などに支えられ、消費が前年に比べ増加しました。海外紙パルプ業界におきましては、北米や欧州を中心に印刷用紙が減少する一方、中国等の堅調な需要に支えられ板紙や衛生用紙は堅調に推移しています。 このような状況下、当社グループは、海外展開の強化や新規事業の立ち上げによる事業ポートフォリオ改革、透明性の高いガバナンスの実現、人材の育成・確保を課題として取り組んでおります。①海外展開の強化長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中でも、当社グループは「Globalization」を特に重視しています。海外においてもトータル・パッケージ分野への投資を進めており、3月には中国の新希望六和食品控股有限公司との合弁事業である成都新国富包装材料有限公司の工場竣工式を執り行いました。同工場は中国の厳しいVOC(揮発性有機化合物)規制に対応した設備を有し、ケーシング用シュリンクフィルムなど低環境負荷製品の生産で中国におけるフィルム化成品事業の展開を加速させます。今後とも、ASEAN諸国などの世界の成長市場を捉え、海外事業展開を積極的に進めてまいります。 ②新規事業の立ち上げ 当社グループは、紙の専門商社として紙・板紙の販売を行う一方で、製紙原料となる古紙を回収し製紙会社へ納入するマテリアル・リサイクル事業を展開していますが、これに加え、木質バイオマス発電燃料を販売するサーマル・リサイクル事業にも進出しました。この一環としてすでにバイオマス発電会社に一部出資をしており、マテリアル・リサイクルとサーマル・リサイクルの二つの事業を両輪とした「総合循環型企業」の地位を確かなものにします。また、事業ポートフォリオ拡充のために設置した事業創造推進室を中心に、訪問看護事業の起業支援及び設立後の運営支援を行う、「ホウカンTOKYOビジネスサービス株式会社」を設立しました。同社は、厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」事業の一翼を担い、高齢化問題のソリューションを提供していきます。 ③透明性の高いガバナンスの実現企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上を確実なものとするためには、「コーポレートガバナンス・コード」を重視し、ステークホルダーとの積極的なコミュニケーションをとることが欠かせません。当社グループはすでに監査等委員会設置会社へ移行しており、今後さらに透明性・機動性が高い経営の実現を目指します。また、一層のガバナンスの充実という観点から、新たな基幹システムの構築と導入を進めています。さらに、包括的な経営実態の開示を目的とした「統合報告書」の発行を開始しました。この中では、財務情報に加え、経営戦略、企業統治、環境経営などについても発信しています。 ④人材の育成・確保 当社グループでは「ダイバーシティ推進方針」を掲げ、商社として最大の資産である「社員」が意欲的に活躍できる環境づくりを進めています。さらにグローバルな企業へと進化していくために、海外大学の新卒人材の採用や、海外拠点の幹部人材の中途採用にも取り組んでいます。また、女性活躍推進の一環として、女性管理職への登用を見据えた女性総合職の継続的な採用と、これまで女性総合職の少なかった職種への積極的な配属を実施しています。研修制度としては、新たな事業環境に対応できる柔軟な能力を引き出すため、eラーニングを導入しています。人材育成では、新入社員研修に始まり、職場の先輩社員によるOJT教育、各階層別の社内外研修、資格取得支援制度などを実施しています。
対処すべき課題
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営の基本方針当社グループは、「1.グローバル経営の充実と持続的な成長を目指します。2.社員とその家族の幸福を追求するとともに株主・顧客・取引先・地域社会より信頼される企業を目指します。3.循環型社会の実現と教育・文化・産業の振興に広く貢献します。」の経営理念のもと、GIFT(GLOBALIZATION,INNOVATION,FUNCTION,TRUST)+1 (ギフトプラスワン)を経営ビジョンとしております。+1(プラスワン)は環境貢献・CSR経営の推進に留まらず、環境関連商品の開発・販売、資源循環型ビジネスの構築・提案、従業員やその家族、ステークホルダーに対する啓蒙活動など、GIFTそれぞれの要素に環境を付加した活動を強力に推進するものです。この経営ビジョンの下、株主、顧客、取引先、社会、世界へ貢献するとともに経営内容の積極的開示を進め、開かれた会社として成長していく所存であります。GLOBALIZATIONグローバルにビジネスフィールドを展開するINNOVATION“創紙力”で未来を開拓するFUNCTION提案力・企画力で付加価値を創造するTRUSTステークホルダーの信頼に応える (2)経営環境及び対処すべき課題 国内紙パルプ業界におきましては、人口減・少子高齢化等の構造変化や、出版物・広告の電子媒体へのシフトにより、洋紙の消費は前年割れが続いています。板紙は、段ボール原紙の軽量化が進んでいますが、猛暑による飲料関連の伸びや、好調なネット通販などに支えられ、消費が前年に比べ増加しました。海外紙パルプ業界におきましては、北米や欧州を中心に印刷用紙が減少する一方、中国等の堅調な需要に支えられ板紙や衛生用紙は堅調に推移しています。 このような状況下、当社グループは、海外展開の強化や新規事業の立ち上げによる事業ポートフォリオ改革、透明性の高いガバナンスの実現、人材の育成・確保を課題として取り組んでおります。①海外展開の強化長期経営ビジョン『GIFT+1 2024』の中でも、当社グループは「Globalization」を特に重視しています。海外においてもトータル・パッケージ分野への投資を進めており、3月には中国の新希望六和食品控股有限公司との合弁事業である成都新国富包装材料有限公司の工場竣工式を執り行いました。同工場は中国の厳しいVOC(揮発性有機化合物)規制に対応した設備を有し、ケーシング用シュリンクフィルムなど低環境負荷製品の生産で中国におけるフィルム化成品事業の展開を加速させます。今後とも、ASEAN諸国などの世界の成長市場を捉え、海外事業展開を積極的に進めてまいります。 ②新規事業の立ち上げ 当社グループは、紙の専門商社として紙・板紙の販売を行う一方で、製紙原料となる古紙を回収し製紙会社へ納入するマテリアル・リサイクル事業を展開していますが、これに加え、木質バイオマス発電燃料を販売するサーマル・リサイクル事業にも進出しました。この一環としてすでにバイオマス発電会社に一部出資をしており、マテリアル・リサイクルとサーマル・リサイクルの二つの事業を両輪とした「総合循環型企業」の地位を確かなものにします。また、事業ポートフォリオ拡充のために設置した事業創造推進室を中心に、訪問看護事業の起業支援及び設立後の運営支援を行う、「ホウカンTOKYOビジネスサービス株式会社」を設立しました。同社は、厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」事業の一翼を担い、高齢化問題のソリューションを提供していきます。 ③透明性の高いガバナンスの実現企業の持続的成長と中長期的な企業価値向上を確実なものとするためには、「コーポレートガバナンス・コード」を重視し、ステークホルダーとの積極的なコミュニケーションをとることが欠かせません。当社グループはすでに監査等委員会設置会社へ移行しており、今後さらに透明性・機動性が高い経営の実現を目指します。また、一層のガバナンスの充実という観点から、新たな基幹システムの構築と導入を進めています。さらに、包括的な経営実態の開示を目的とした「統合報告書」の発行を開始しました。この中では、財務情報に加え、経営戦略、企業統治、環境経営などについても発信しています。 ④人材の育成・確保 当社グループでは「ダイバーシティ推進方針」を掲げ、商社として最大の資産である「社員」が意欲的に活躍できる環境づくりを進めています。さらにグローバルな企業へと進化していくために、海外大学の新卒人材の採用や、海外拠点の幹部人材の中途採用にも取り組んでいます。また、女性活躍推進の一環として、女性管理職への登用を見据えた女性総合職の継続的な採用と、これまで女性総合職の少なかった職種への積極的な配属を実施しています。研修制度としては、新たな事業環境に対応できる柔軟な能力を引き出すため、eラーニングを導入しています。人材育成では、新入社員研修に始まり、職場の先輩社員によるOJT教育、各階層別の社内外研修、資格取得支援制度などを実施しています。