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KPPグループホールディングス(9274)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • グローバルな紙の専門商社
    KPPグループホールディングスは、王子製紙や日本製紙などの大手製紙会社から紙類を仕入れ、国内外に販売することを主要な事業としています。このビジネスモデルは、製紙会社と顧客の間を取り持ち、多様な紙製品を効率的に流通させることで収益を上げています。世界中に広がる販売ネットワークが強みです。
  • 不動産賃貸事業も展開
    主要な紙の販売事業の他に、不動産の賃貸業も行っています。これは、安定的な収益源の一つとして、事業ポートフォリオの多角化に貢献しています。紙製品の加工業も手掛けており、顧客のニーズに合わせた付加価値を提供しています。
  • 多様な製品と地域展開
    紙、板紙、パルプ、古紙、その他関連物資など幅広い製品を取り扱っており、北東アジア、欧州/米州、アジアパシフィックの3つの地域セグメントで事業を展開しています。これにより、特定の地域や製品に依存しない、バランスの取れた収益構造を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 北東アジア事業の堅調な収益
    北東アジア地域は、売上高3036.49億円、営業利益28.95億円を計上しており、KPPグループの主要な収益源の一つです。この地域では、国際紙パルプ商事や大同紙販売などが紙、板紙、パルプ・古紙などの販売を担っており、安定した事業基盤を築いています。
  • 欧州/米州事業が最大の稼ぎ頭
    欧州/米州地域は、売上高2984.6億円に対し、営業利益77.57億円と最も高い利益を上げています。Antalis S.A.S.などの子会社が紙、板紙、その他関連物資の販売を主導しており、KPPグループ全体の収益性を大きく牽引する稼ぎ頭となっています。
  • アジアパシフィック事業と不動産賃貸
    アジアパシフィック地域は売上高664.28億円、営業利益30億円を計上しており、Spicers Limitedなどが紙、板紙、パルプ・古紙の販売を行っています。また、不動産賃貸事業は売上高15.04億円、営業利益6.02億円と規模は小さいものの、安定した収益を確保し、事業の多角化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
NortheastAsia 地域 3,036 29 1.0%
EuropeAmericas 地域 2,985 78 2.6%
AsiaPacificReportableSegment 地域 664 30 4.5%
LeasingRentingOfRealEstate 事業 15 6 40.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|904 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社111社(国内15社、海外96社)及び関連会社7社(国内6社、海外1社)により構成されており、王子製紙㈱、日本製紙㈱等の大手製紙会社等より仕入れた紙類を国内外に販売することを主要業務とし、ほかに不動産の賃貸業、紙製品の加工業等を営んでおります。当社は特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の4事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。事業区分主な業務主な関係会社北東アジア紙、板紙、パルプ・古紙、その他関連物資の販売国際紙パルプ商事㈱、大同紙販売㈱、むさし野紙業㈱、KPP ロジスティックス㈱、KPP Antalis (Shanghai) TradeCo., Ltd.、DaiEi Papers Taiwan Co., Ltd.、ANTALIS (HONGKONG) LIMITED、DaiEi Papers Korea Company Limited欧州/米州紙、板紙、その他関連物資の販売Antalis S.A.S.、Antalis France、Antalis Ltd、Antalis Gmbh、Antalis Verpackungen Gmbh、Antalis AG、Lovepac Inc.、Antalis Chile SpAアジアパシフィック紙、板紙、パルプ・古紙、その他関連物資の販売Spicers Limited、Spicers Australia Pty Ltd、Spicers(NZ)Limited、KPP ASIA-PACIFIC PTE. LTD.、KPP-ANTALIS(SINGAPORE) PTE. LTD.、Signet Pty Ltd不動産賃貸不動産の賃貸当社 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社との代理店指定に係る基本契約書
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:カントリーリスク / 競争力/業績(海外投資) / サプライチェーンマネジメント(主要取引先への依存等)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

KPPグループホールディングスは卸売業であり、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産による競争優位性は見られない。主要な競争優位性は、長年の事業活動で培われたノウハウや顧客との関係性に起因すると考えられるが、数値化・定量化できる無形資産は確認できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

KPPグループは、自動車補修部品・用品の専門商社として、整備工場やカーディーラーとの長年の取引関係を築いている。これらの顧客は、部品の品質、納期、品揃え、技術サポートなどを総合的に評価して取引先を選定しており、取引先の変更には一定のコスト(情報収集、評価、切り替え手続き等)が発生する可能性がある。しかし、部品の汎用性や競合他社の存在から、スイッチング・コストは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

卸売業であるKPPグループのビジネスモデルにおいて、ネットワーク効果は基本的に見られない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、顧客やサプライヤーが増加しても、それ自体がサービスや製品の価値を直接的に高める構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

自動車補修部品・用品の卸売業において、効率的な物流網の構築や仕入れ交渉力がコスト競争力に影響を与える可能性がある。KPPグループは長年の事業経験から一定の効率性を有していると考えられるが、業界全体として価格競争が激しく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。競合他社も同様の効率化を図っている可能性が高い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

KPPグループは、自動車補修部品・用品の専門商社として、国内有数の規模を誇る。広範なサプライヤーネットワークと、全国に展開する販売・物流網を活かし、多様な顧客ニーズに対応できる品揃えと迅速な供給体制を構築している。この規模の経済性は、中小規模の競合他社に対して一定の優位性をもたらし、効率的な事業運営を可能にしている。

  • 広範なグローバルネットワーク
    KPPグループは、国内12社、海外88社の子会社と7社の関連会社からなる広範なグローバルネットワークを持っています。これにより、世界中の製紙会社から多様な紙製品を調達し、各地域の顧客に効率的に供給できる体制を構築しており、国際的な市場での競争優位性を確立しています。
  • 大手製紙会社との強固な関係
    王子ホールディングス株式会社および日本製紙株式会社のグループ会社は、KPPグループの主要な仕入先であり、総仕入金額の26.7%を占めています。これらの大手製紙会社との長年にわたる強固な関係は、安定的な商品供給を可能にし、仕入れにおける交渉力を高める要因となっています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    紙・板紙の販売を主軸としつつも、不動産賃貸業や紙製品加工業、さらにはバイオマス発電関連事業など、事業領域を多角化しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。特に、環境対応商品やソリューションの展開は、将来の成長機会を捉える上で重要です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • グローバル展開と事業ポートフォリオ転換
    KPPグループは、情報媒体のデジタル化による紙需要の減少に対応し、成長が見込まれる段ボール原紙や紙器用板紙などのパッケージ系、衛生用紙市場に注力します。特に中国、インド、アセアンを含むアジア市場およびアフリカ諸国での事業拡大を目指し、海外投資や事業シナジーを通じてグループの総合力を強化します。
  • DX推進とグリーンビジネスの展開
    生産性向上とサービス改善のため、内部管理システムの高度化やeコマース事業の基盤強化を進めます。また、「循環型社会の実現に貢献する」というミッションに基づき、環境対応商品・ソリューションの展開を強化。紙代替素材の衣料品販売や古紙のクローズドリサイクル、バイオマス発電関連事業など、グリーンビジネスを積極的に展開します。
  • 人的資本経営とガバナンス強化
    人を最も重要な経営資源と捉え、人的資本戦略の策定と採用・育成・評価制度の整備を進めます。リスキリングや労働安全に関するKPIを設定し、エンゲージメント向上を図ります。ホールディングス化以降、取締役の多様化やリスク管理・コンプライアンス基盤の整備を進め、本社と各拠点の役割分担を明確化し、自律性と統制の両立を図るガバナンス体制を強化します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ミッションを実現した先に目指す将来像を「ビジョン」とし、「Globalization」「Innovation」「Function」「Trust」を定めています。この「GIFT」に基づき、2030年に向けて実現を目指す長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。私たちは、祖業である紙の可能性を追求しつつ事業ポートフォリオの転換を進め、新たなビジネスの創出や事業領域の拡大に取り組むことで、お客様のニーズに応える高品質かつ付加価値の高い製品・サービス・ソリューションを提供し続ける、世界トップクラスのグローバル企業を目指します。 (2) 経営環境、中長期の経理戦略及び対処すべき課題 当社グループを取り巻く経営環境は、世界的なデジタル化の進展によるグラフィック用紙需要の減少、地政学的リスクと資源・エネルギー供給制約懸念、気候変動をはじめとする環境課題への対応要請の高まりなど、先行き不透明感が一層強まっています。このような環境下において、当社グループは、長期経営ビジョン「GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定し、事業戦略、サステナビリティ戦略および財務戦略の三つを軸とした経営課題に取り組んでいます。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ 1.事業戦略① 事業領域の拡大グラフィック用紙市場の中長期的な縮小を踏まえ、当社グループは祖業である紙の可能性を追求しつつも、パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング分野など成長が見込まれる周辺領域への展開を進めています。また、新製品・新顧客・新ビジネスモデルの獲得を通じ、事業領域の拡大を加速して参ります。 ② 事業ポートフォリオの転換当社グループはこれまで、紙・板紙事業を中核に安定的なキャッシュ・フローを創出してきましたが、今後の事業環境を見据え、より成長性・収益性の高い分野への経営資源配分を進めます。海外で実績を有するパッケージング事業やビジュアルコミュニケーション事業を補完するボルトオン型M&Aや事業構造に抜本的な変化をもたらす戦略的案件を通じ、事業ポートフォリオの転換を進めます。 ③ グローバルシナジーの追求当社グループは、世界各地に広がる事業基盤とグローバルネットワークが強みであり、このネットワークを活用しグループ全体としての付加価値創出を図ることが重要な課題です。購買、製品・顧客情報、営業・マーケティング等の領域における連携を強化し、各地域で培われた事業モデルや専門性を共有することで、グループ全体の競争力向上を実現してまいります。 ④ Eビジネスの拡大・DXの推進顧客ニーズの多様化・高度化に対応し、生産性を向上させるため、Eビジネスの拡大およびDXの推進に取り組みます。当社グループでは、WebショップやEDIを活用したEビジネスを拡大し、顧客の購買利便性向上と取引プロセスの効率化を進めています。また、生成AIをはじめとするデジタル技術を活用し、グループ会計システムの統一を含む業務プロセスの革新やデータ活用の高度化を進め、新たな付加価値創出につなげる「攻めのDX」を段階的に推進します。 2. サステナビリティ戦略① グリーンビジネスの展開循環型社会の実現をミッションとする当社グループにとって、グリーンビジネスは重要な成長分野です。脱プラスチック・紙化ソリューション、持続可能な森林資源を活用した製品、古紙をはじめとした資源回収・再資源化を軸とする事業を拡大し、環境価値と経済価値を両立した事業成長を実現してまいります。 ② 気候変動対策気候変動は事業活動やサプライチェーンに影響を及ぼす重要な課題と認識しており、TCFD提言およびISSB(IFRSS2)の開示基準に沿って、2050年までにScope1・2排出量のネットゼロを目指します。中期的には、省エネルギー施策、再生可能エネルギーの導入、物流効率化などを通じて排出原単位の低減に取り組み、脱炭素化を着実に推進してまいります。 ③ 人的資本経営の推進当社グループは、事業戦略を支える基盤として人的資本経営を重視し、「自律的に成長する人材の育成」を掲げています。研修やリスキリング支援を通じて社員の成長を促すとともに、多様性・公平性・包摂を尊重した人材活用を進め、変化に強い組織づくりを進めます。 ④ ガバナンスの強化グローバルに事業を展開する当社グループにとって、実効性の高いガバナンス体制の構築は重要な経営課題です。取締役会を中心とした監督機能の強化、リスクマネジメントおよびコンプライアンス体制の高度化、内部統制の整備を進め、健全で透明性の高い経営を推進しています。今後も、事業の高度化・複雑化に対応したガバナンス体制の進化を図り、ステークホルダーからの信頼を基盤とした持続可能な企業価値向上を目指してまいります。 3. 財務戦略① 成長投資資金の確保事業領域の拡大や事業ポートフォリオの転換を推進するにあたり、M&Aや新規事業、DXや人的資本への投資など、中長期的な企業価値向上につながる成長投資を機動的に実行できる財務基盤の構築が重要です。当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を軸に、有利子負債の活用や政策保有株式の削減を戦略的に組み合わせ、成長投資資金の確保を図ってまいります。 ② 資本効率と財務健全性の両立当社グループは、成長投資を積極的に推進しつつ、過度な財務リスクを抑制し、強固で安定的な財務基盤の維持に努めています。「ROE」や「ROIC」といった資本効率指標に加え、「自己資本比率20~25%」を目安とした財務健全性の指標を重視し、資本コストを意識した投資判断および事業運営を徹底します。あわせて、運転資本の効率化や収益構造の改善を継続的に進めることで、全社的な資本生産性の向上を図ってまいります。 ③ 株主還元の充実当社グループは、持続的な企業価値向上を通じた安定的な株主還元を重要な経営課題と位置付けています。連結配当性向30%を目安としつつ、DOE3.0%を下限とする配当方針のもと、自己株式の取得を含む柔軟な株主還元策を実施し、成長投資との最適なバランスを図りながら、資本効率の向上と適切な資本配分に努めてまいります。 第4次中期経営計画における目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ミッションを実現した先に目指す将来像を「ビジョン」とし、「Globalization」「Innovation」「Function」「Trust」を定めています。この「GIFT」に基づき、2030年に向けて実現を目指す長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。私たちは、祖業である紙の可能性を追求しつつ事業ポートフォリオの転換を進め、新たなビジネスの創出や事業領域の拡大に取り組むことで、お客様のニーズに応える高品質かつ付加価値の高い製品・サービス・ソリューションを提供し続ける、世界トップクラスのグローバル企業を目指します。 (2) 経営環境、中長期の経理戦略及び対処すべき課題 当社グループを取り巻く経営環境は、世界的なデジタル化の進展によるグラフィック用紙需要の減少、地政学的リスクと資源・エネルギー供給制約懸念、気候変動をはじめとする環境課題への対応要請の高まりなど、先行き不透明感が一層強まっています。このような環境下において、当社グループは、長期経営ビジョン「GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定し、事業戦略、サステナビリティ戦略および財務戦略の三つを軸とした経営課題に取り組んでいます。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ 1.事業戦略① 事業領域の拡大グラフィック用紙市場の中長期的な縮小を踏まえ、当社グループは祖業である紙の可能性を追求しつつも、パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング分野など成長が見込まれる周辺領域への展開を進めています。また、新製品・新顧客・新ビジネスモデルの獲得を通じ、事業領域の拡大を加速して参ります。 ② 事業ポートフォリオの転換当社グループはこれまで、紙・板紙事業を中核に安定的なキャッシュ・フローを創出してきましたが、今後の事業環境を見据え、より成長性・収益性の高い分野への経営資源配分を進めます。海外で実績を有するパッケージング事業やビジュアルコミュニケーション事業を補完するボルトオン型M&Aや事業構造に抜本的な変化をもたらす戦略的案件を通じ、事業ポートフォリオの転換を進めます。 ③ グローバルシナジーの追求当社グループは、世界各地に広がる事業基盤とグローバルネットワークが強みであり、このネットワークを活用しグループ全体としての付加価値創出を図ることが重要な課題です。購買、製品・顧客情報、営業・マーケティング等の領域における連携を強化し、各地域で培われた事業モデルや専門性を共有することで、グループ全体の競争力向上を実現してまいります。 ④ Eビジネスの拡大・DXの推進顧客ニーズの多様化・高度化に対応し、生産性を向上させるため、Eビジネスの拡大およびDXの推進に取り組みます。当社グループでは、WebショップやEDIを活用したEビジネスを拡大し、顧客の購買利便性向上と取引プロセスの効率化を進めています。また、生成AIをはじめとするデジタル技術を活用し、グループ会計システムの統一を含む業務プロセスの革新やデータ活用の高度化を進め、新たな付加価値創出につなげる「攻めのDX」を段階的に推進します。 2. サステナビリティ戦略① グリーンビジネスの展開循環型社会の実現をミッションとする当社グループにとって、グリーンビジネスは重要な成長分野です。脱プラスチック・紙化ソリューション、持続可能な森林資源を活用した製品、古紙をはじめとした資源回収・再資源化を軸とする事業を拡大し、環境価値と経済価値を両立した事業成長を実現してまいります。 ② 気候変動対策気候変動は事業活動やサプライチェーンに影響を及ぼす重要な課題と認識しており、TCFD提言およびISSB(IFRSS2)の開示基準に沿って、2050年までにScope1・2排出量のネットゼロを目指します。中期的には、省エネルギー施策、再生可能エネルギーの導入、物流効率化などを通じて排出原単位の低減に取り組み、脱炭素化を着実に推進してまいります。 ③ 人的資本経営の推進当社グループは、事業戦略を支える基盤として人的資本経営を重視し、「自律的に成長する人材の育成」を掲げています。研修やリスキリング支援を通じて社員の成長を促すとともに、多様性・公平性・包摂を尊重した人材活用を進め、変化に強い組織づくりを進めます。 ④ ガバナンスの強化グローバルに事業を展開する当社グループにとって、実効性の高いガバナンス体制の構築は重要な経営課題です。取締役会を中心とした監督機能の強化、リスクマネジメントおよびコンプライアンス体制の高度化、内部統制の整備を進め、健全で透明性の高い経営を推進しています。今後も、事業の高度化・複雑化に対応したガバナンス体制の進化を図り、ステークホルダーからの信頼を基盤とした持続可能な企業価値向上を目指してまいります。 3. 財務戦略① 成長投資資金の確保事業領域の拡大や事業ポートフォリオの転換を推進するにあたり、M&Aや新規事業、DXや人的資本への投資など、中長期的な企業価値向上につながる成長投資を機動的に実行できる財務基盤の構築が重要です。当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を軸に、有利子負債の活用や政策保有株式の削減を戦略的に組み合わせ、成長投資資金の確保を図ってまいります。 ② 資本効率と財務健全性の両立当社グループは、成長投資を積極的に推進しつつ、過度な財務リスクを抑制し、強固で安定的な財務基盤の維持に努めています。「ROE」や「ROIC」といった資本効率指標に加え、「自己資本比率20~25%」を目安とした財務健全性の指標を重視し、資本コストを意識した投資判断および事業運営を徹底します。あわせて、運転資本の効率化や収益構造の改善を継続的に進めることで、全社的な資本生産性の向上を図ってまいります。 ③ 株主還元の充実当社グループは、持続的な企業価値向上を通じた安定的な株主還元を重要な経営課題と位置付けています。連結配当性向30%を目安としつつ、DOE3.0%を下限とする配当方針のもと、自己株式の取得を含む柔軟な株主還元策を実施し、成長投資との最適なバランスを図りながら、資本効率の向上と適切な資本配分に努めてまいります。 第4次中期経営計画における目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当社は、本年度より、2030年に向けた新長期経営ビジョン「GIFT2030」、「KPPグループサステナビリティビジョン2030」並びに2028年3月期を最終年度とする「第四次中期経営計画」をスタートさせました。事業戦略では、事業領域の拡大、事業ポートフォリオの転換、グローバルシナジーの追求、Eビジネスの拡大・DXの推進を重要施策とし、事業ポートフォリオをペーパー&ペーパーボード事業からパッケージング、ビジュアルコミュニケーション、製紙原料(パルプ・古紙)、環境関連事業などへと多角化を推し進めています。初年度の2025年は、世界経済は全体としては緩やかな回復基調を維持したものの、トランプ関税の影響や地政学リスクの高まりにより不確実性が増し、国・地域によっては物価上昇が個人消費を抑制する場面も見られ、総じて厳しい市場環境となりました。こうしたマクロ経済環境の中、ペーパー事業では、世界各地でグラフィックペーパーの需要が減少、欧州や中国など一部の地域では2025年の後半まで価格の下落も見られたことから、減収、売上総利益も減益となりました。一方で、ビジュアルコミュニケーション事業は、総じて需要が底堅かったことに加えて、M&Aで買収した企業の貢献もあったことから前年対比増収、売上総利益は増益となりました。パッケージング事業は一部の地域で産業用の需要が横ばいとなったものの、アジアパシフィック地域での食品等の小売向けが好調であったことや前年のM&Aで買収した会社による貢献もあり、増収、売上総利益は増益となりました。全体としては、ペーパー事業が落ち込んだことから、当連結会計年度の業績は、売上高6,503億68百万円(前年同期比2.9%減)となり、営業利益は100億75百万円(前年同期比25.6%減)、経常利益は61億75百万円(前年同期比36.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、56億18百万円(前年同期比29.7%減)となりました。 当連結会計年度の業績については、以下のとおりです。 (単位:百万円)2025年3月期2026年3月期 売上比(%) 売上比(%)前年同期比増減率(%)売 上 高670,042100.0650,368100.0△19,674△2.9売 上 総 利 益129,11619.3130,04220.009250.7販 売 費 及 び一 般 管 理 費115,57217.2119,96618.454,3943.8営 業 利 益13,5442.010,0751.55△3,468△25.6経 常 利 益9,7121.46,1750.95△3,537△36.4親会社株主帰属当 期 純 利 益7,9861.25,6180.86△2,368△29.7 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少及び短期借入金の増加により獲得した資金を、子会社株式の取得及び長期借入金の返済に充当したことにより、前連結会計年度末比13億14百万円増加し、126億30百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は198億14百万円(前期は111億69百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び売上債権の減少によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は111億9百万円(前期は166億44百万円の使用)となりました。これは主に、子会社株式の取得及び固定資産の取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は81億18百万円(前期は111億90百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金及びリース債務の返済によるものであります。 ③ 仕入及び販売の実績 当社グループは卸売事業が主な事業のため、生産実績の重要性が乏しいことから仕入実績を記載し、受注実績については受注から納品まで短期であるため、受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。(1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)265,46293.4欧州/米州(百万円)213,838101.6アジアパシフィック(百万円)44,68287.4合計(百万円)523,98296.0 (注) 当連結会計年度における仕入実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)285,18993.9欧州/米州(百万円)298,997100.2アジアパシフィック(百万円)64,65997.3不動産賃貸事業(百万円)1,521101.2合計(百万円)650,36897.1 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。 品種別前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)紙数量(トン)1,593,3321,587,397金額(百万円)327,120305,820板紙数量(トン)786,772769,822金額(百万円)85,25389,771紙二次加工品数量(トン)16,96413,434金額(百万円)24,06221,910パルプ・古紙数量(トン)1,373,4531,331,137金額(百万円)51,38042,466その他金額(百万円)182,225190,399合計数量(トン)3,770,5213,701,790金額(百万円)670,042650,368 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.賃貸収入は「その他」に含まれております。 (2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。当社グループは長期経営ビジョン『GIFT 2030』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載のとおり、対処すべき課題に対応してまいります。 (a) 報告セグメントの実績(単位:百万円)2025年3月期2026年3月期 前年同期比増減率(%)北東アジア売 上 高303,649285,189△18,460△6.1セグメント利益2,8951,872△1,022△35.3利 益 率 (%)1.00.7△0.3―欧州/米州売 上 高298,460298,9975360.2セグメント利益7,7575,818△1,939△25.0利 益 率 (%)2.61.9△0.7―アジアパシフィック売 上 高66,42864,659△1,768△2.7セグメント利益3,0002,807△193△6.5利 益 率 (%)4.54.3△0.2―不 動 産 賃 貸 売 上 高1,5041,521171.2セグメント利益602625223.8利 益 率 (%)40.141.11.0―合 計売 上 高670,042650,368△19,674△2.9セグメント利益14,25511,123△3,132△22.0調 整 額△711△1,047△33547.2営 業 利 益13,54410,075△3,468△25.6利 益 率 (%)2.11.7△0.4― (b) 北東アジアセグメントについてペーパー&ペーパーボード事業の紙分野では、グラフィック用紙の需要減少により販売数量が前年を下回り、減収、売上総利益も減益となりました。板紙分野では、国内の段ボール原紙の需要が堅調に推移し、輸出及びトレーディングカードゲーム関連需要の増加もあり販売数量・売上高・売上総利益ともに前年を上回りました。製紙原料分野では、古紙の販売数量は前年を維持したものの、継続した市況低迷の影響により、売上高・売上総利益ともに前年を下回りました。市販パルプは数量・売上高は前年を下回りましたが、売上総利益は前年を上回りました。中国では需給環境が好転せず本格的な業績回復には至りませんでした。全体としては、紙分野での減少が響き、当連結会計年度の売上高は2,851億89百万円(前年同期比6.1%減)となり、営業利益は18億72百万円(前年同期比35.3%減)となりました。 (c) 欧州/米州セグメントについてペーパー事業は、需要低迷と販売価格の下落から、売上高・売上総利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業は一部の地域の製造業が低調となった影響から、売上は前期比減少しましたが、前期に買収した各社の収益貢献もあり、売上総利益は前年比横ばいとなりました。ビジュアルコミュニケーション事業は、今期買収したClub GroupeやFortuna Digital Holding(旧Fortuna Komers d.o.o)、Texo Groupの業績貢献に加えて、ハードウエアの販売が好調だったことから、売上高・売上総利益ともに前年を上回りました。全体としては、ペーパー事業の落ち込み分をカバーするには至らず、当連結会計年度の売上高は2,989億97百万円(前年同期比0.2%増)となり、営業利益は58億18百万円(前年同期比25.0%減)となりました。(d) アジアパシフィックセグメントについてペーパー事業は、商業印刷及び板紙の需要が回復せず、販売数量および売上高・売上総利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業は、前期買収したSignet社の好調な業績に加えて、今期ABL Distribution Pty Ltdから買収した事業の貢献もあり、売上高・売上総利益ともに前年を大幅に上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業は、豪州や東南アジアにおいて印刷機等のハードウエアや、パネル、POPといった硬質のリジッドメディアの販売が伸長し、売上高・売上総利益ともに前年を上回りました。ただし、為替の影響があり、円ベースでは当連結会計年度の売上高は646億59百万円(前年同期比2.7%減)となり、営業利益は28億7百万円(前年同期比は6.5%減)となりました。 (e) 不動産賃貸事業について2025年のオフィス需要は概ね安定した状況で推移しました。稼働状況が安定的に推移したことにより、賃料収入は前年同期比で微増となりました。また、利益面では修繕費等のコスト管理に努めた結果、前年同期比で増益となりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は15億21百万円(前年同期比1.2%増)となり、営業利益は6億25百万円(前年同期比3.8%増)となりました。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、3,747億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ226億72百万円増加しました。これは主に、商品及び製品、固定資産等の増加によるものであります。負債は、2,852億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ194億34百万円増加しました。これは主に、短期借入金、リース債務等の増加によるものであります。純資産は、894億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億37百万円増加し、自己資本比率は23.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、為替換算調整勘定の増加によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT 2030』に基づく第4次中期経営計画(2025年度~2027年度)を推進中ですが、事業で創出される営業活動によるキャッシュ・フローや政策保有株式の売却、有利子負債を活用し、M&Aを中心とした成長投資や株主還元を実施していく方針です。株主還元への支出については、安定的かつ継続的な配当に加え業績に応じた利益還元を図ることを目的として、2025年3月期より連結配当性向30%を目安にするとともに、 DOE(連結株主資本配当率)3.0%を下限とする配当方針を採用しています。また、自己株式の取得については、政策保有株式の売却によって得た資金の一部に加え、成長投資に充てる資金に余剰が生じた際には、その相当額を自己株式取得の原資として充当する方針としています。なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で13億17百万円、海外で113億12百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。 ④ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しているとおりです。

事業リスク

  • 海外事業におけるカントリーリスク
    KPPグループは連結売上高の61.7%を海外事業が占めており、投資先の国・地域の政治、経済、社会情勢の変化に大きく影響を受けます。政情不安や経済の低迷が発生した場合、代金回収の遅延や事業遂行上の問題が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 海外投資に伴う減損リスク
    インオーガニック戦略として海外投資を積極的に進めており、多額の「のれん」が計上されています。事業環境の変化により、これらの投資から期待する成果が得られないと判断された場合、減損損失が発生し、財政状態や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
  • サプライチェーンの特定仕入先依存
    主要な仕入先である王子ホールディングスと日本製紙グループへの依存度が高く、総仕入金額の26.7%を占めています。天災やその他の要因でこれら主要仕入先からの商品供給に支障が生じた場合、KPPグループの事業展開や財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,264 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 当社のリスク管理体制及びリスク管理プロセス当社は、当社グループのリスク管理体制の維持、向上を図るため、リスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会は、グループ経営上重要なリスクの抽出・評価を行い、重点対応策を決定し、重点対応策の実行状況のモニタリングを定期的に行い、その結果についてESG委員会を通じて取締役会へ報告を行うこととしています。なお、2025年度はリスク管理委員会を2回開催し、重要なリスクについて、2024年度との比較・評価・重点対応策について協議しました。 ■ 当社のリスク管理体制 ■ 当社のリスク管理プロセス (2) 事業等のリスク当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。最初に、各リスク項目を影響度と発生頻度で評価したリスクマップを掲載いたします。 上記リスクのうち重要と認識しているリスクは以下の通りです。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。また、リスクを低減するための対応を記載しておりますが、リスクを完全に回避することは困難です。 ① 経営リスクリスク競争力/業績内容 当社グループはインオーガニック戦略として、事業ポートフォリオの改革と持続的な成長を目的に、M&Aを主として国内外への投資を進めております。 これらの投資によるのれんの額につきましては、将来のシナジー効果が発揮されることによる収益力を適切に反映しているものと考えておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合は減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当連結会計年度は、Antalis S.A.S.によるTexo Group B.V.の株式取得、及びSpicers Limitedの事業会社であるSignet Pty Ltdによる ABL Distribution Pty Ltdの事業譲受等により、当連結会計年度末現在、149億17百万円ののれん額が計上されております。対応 これらのリスクについては、取締役会において適切に管理しております。具体的には、投資意思決定時において、各投資案件の採算性及び戦略的意義について十分な審議を行った上で投資を実行しております。投資後は、業績の推移や事業計画の進捗状況を定期的に確認するとともに、のれんに係る減損損失の兆候の有無に留意し、継続的なモニタリングを行っております。 ② オペレーショナルリスクリスクサプライチェーンマネジメント(主要取引先への依存等)内容 王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社は、当社グループの主要商品である紙及び板紙を仕入れている主要仕入先であり、当連結会計年度における2社グループからの仕入金額合計は総仕入金額の26.8%になります。当社は現在、両社と代理店指定に係る基本契約書を締結しており、天災及び何かしらの影響により、両社グループから当社への商品供給に著しい支障が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 海外事業会社のペーパー事業においても、少数のサプライヤーが供給を担う製紙業界の特性から、特定のサプライヤーへの依存リスクは高く、商品供給の支障の他、購買交渉力低下のリスクも認識されています。 また、当社グループでは、事業活動に必要な許認可等を取得し、予め定めた業務プロセスに則り事業を行っておりますが、業務プロセスの不全により許認可等の喪失が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績ならびにサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。対応 サプライヤーへの依存については、さまざまな仕入先を国内外問わず開拓して仕入ソースを確保するとともに、事業ポートフォリオ改革により新たな事業領域を開拓し、紙及び板紙販売以外の事業比率を上げていくことで対応をしてまいります。 また、許認可等については事業活動の妨げとなるリスクを抽出・排除するとともに、業務プロセスの確実な遂行に資する監査を行っております。 リスク情報システム内容 当社は基幹業務や各種業務を情報システムに依存しており、システム変更時の設定不備や機器の故障、災害、サイバー攻撃等によりシステムが停止した場合、業務処理の遅延や停止が発生し、事業活動に重大な支障を及ぼす可能性があります。また、長期間にわたる停止は顧客対応力の低下や機会損失を招くなど、業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。対応 当社では、システム変更時に開発・検証環境での事前確認を徹底し、本番適用時の障害発生リスクの低減を図っています。また、機器の老朽化対策として定期的な更新及び保守契約の締結を行い、障害発生時の早期復旧体制を確保しています。加えて、重要データについてはバックアップを取得し、復旧可能な体制を整備しております。今後は、全システムのバックアップ状況、保守状況の一元管理を進めるとともに、復旧手順の標準化と訓練を実施し、対応力を強化します。さらに、サイバー攻撃被害を前提としたシステム復旧計画の策定を行い、復旧優先順位及び可用性水準を明確化することで、システム停止時の影響を最小化してまいります。 リスク情報セキュリティ内容 当社は業務遂行にあたり多様な情報資産を保有しており、不正アクセスやウイルス感染、標的型攻撃等により情報漏えいやシステム障害が発生するリスクがあります。特にランサムウェア被害等によりシステムが利用不能となった場合、業務停止や重要情報の毀損・漏えいが生じ、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、規程不備や周知不足により従業員の不適切な対応が発生することも、セキュリティリスクの一因となります。対応 当社では、セキュリティ対策としてエンドポイントの保護、アクセス制御、ログ監視等の技術的対策に加え、情報セキュリティ管理規程の整備及び社内研修の実施により人的対策を強化しています。また、標的型攻撃メール訓練を継続的に実施し、従業員のリテラシー向上に努めています。さらに、機器紛失時のアクセス遮断やUSB媒体の利用制限等により情報漏えい防止を図っています。今後は、各セキュリティ施策の運用整備を進めます。また、関係会社を含めた教育の展開により、グループ全体でのセキュリティ水準の底上げを図ってまいります。 ④ 財務リスクリスク市場リスク(商品市況変動の影響)内容① 紙・板紙等 当社グループの主要な取扱商品である紙、板紙等の製品仕入価格は、原材料であるパルプ、チップ、古紙等の全世界での需要及び原油等の燃料価格の動向の影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、製品の仕入価格に影響を与える可能性があります。② 製紙原料(パルプ・古紙)等 古紙の販売価格は、世界の主要な古紙消費国の輸入により、大きく価格が変動する為、短期間で大幅に価格が下落した場合、完全にはリスクを回避できない可能性があります。また、日本国内の古紙需要における供給量との需給バランスにより、古紙販売に影響を及ぼす可能性もあります。 また、紙・板紙等の原材料であるパルプについては、当社の主要な取扱商品でもありますが、世界的な市況商品であるため販売価格及び仕入価格が市況に応じて変動いたします。それに伴い、価格変動のリスクが内包されており、短期間での大幅な価格下落の場合、完全にはリスクを回避できない可能性があります。③ パッケージング・ビジュアルコミュニケーション等 パッケージングに使用する紙、板紙、フィルムなどの素材は、燃料価格や海上輸送費用などの影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、仕入価格に影響を与える可能性があります。対応① 紙・板紙等 当社グループでは、適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っています。② 製紙原料(パルプ・古紙)等 日本国内のみならず、世界中の古紙需要先を対象として、特に今後需要の増加が見込まれるエリアを中心に販路の拡大に努め、仕入先の確保にも注力してまいります。 パルプについては、仕入成約時の販売価格決定や、在庫の低減などを行っていきます。③ パッケージング・ビジュアルコミュニケーション等 仕入価格の変動に合わせた販売価格の形成に努めると共に、仕入ソースの多様化を進め、適正な利潤の確保に努めています。 リスク市場リスク(為替変動)内容 当社グループは、「北東アジア」「欧州/米州」「アジアパシフィック」のエリアでそれぞれ事業を展開する、国際紙パルプ商事、Antalis、Spicersの3社を事業地域統括会社と位置付け、世界各国に事業を展開しております。 連結財務諸表の作成に際しては、各国における現地通貨建ての売上高、費用等を円換算しておりますが、外国通貨に対して円高が進むと連結当期純利益にマイナスのインパクトを与えます。 また、当社グループでは、紙、板紙、古紙等のクロスボーダー取引を行っており、これらの商品の価格競争力は為替レートの変動による影響を受けます。 為替レートが当社グループの想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応 為替予約取引等により、為替レートの変動による影響を最小限に止めることに努めております。 リスク市場リスク(金利変動)内容 当社グループでは、運転資金等の調達は金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に行っております。 当社グループの想定を超えて金利変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの残高は967億41百万円です。対応 長期借入金(固定金利)や社債による調達、金利スワップ等を取り入れ、金利変動による影響を想定の範囲に止めることに努めております。 リスク市場リスク(所有株式の時価変動)内容 当社グループが保有する株式は、仕入先企業、販売先企業等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向及び当該企業の業績等によって当該株式の価格に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応 所有株式につきましては、2026年4月1日に当社ホームページにてご報告しております「コーポレート・ガバナンス報告書」の『コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示』における[原則1-4 政策保有株式]に、その所有に関する方針を記載しております。適宜適切に売却を進めることで、当該リスクの低減に努めております。 リスク市場リスク(退職給付債務)内容 当社グループでは、確定給付年金制度及び退職一時金制度を採用しており、これに伴う退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。年金資産の一部には株式信託を採用しております。また、イギリスにおける確定給付年金制度については、新規の加入者を停止していることから平均残存勤務期間が短くなる可能性があり、その場合数理計算上の差異の償却期間も短くなります。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託した株式の時価の低下及び多額の数理計算上の差異の償却が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの年金資産及び退職給付債務の残高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」をご参照ください 。対応 年金資産の見直し等を定期的に行い、安全性の高い資産の割合を増やすなどの検討をしてまいります。 また、2024年3月期には、当社グループの英国所在の年金制度の一部について、年金受給者を対象に年金バイインを実施し、年金受給者の制度資産の運用リスク、割引率の下落及び受給者の長寿化等による確定給付債務の増加リスクを軽減しており、継続して軽減対応策を検討しております。

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