事業の概要
- コンテンツ制作と広告販売日本テレビホールディングスは、テレビ番組の企画・制作から無料放送による広告枠販売、さらには番組コンテンツの配信・ライセンス供与までを一貫して手掛けています。映画製作、イベント開催、リテール事業も展開し、多角的な収益源を確保しています。特に地上波テレビ広告収入が売上高の約半分を占める主力事業です。
- 動画配信とIP活用Huluなどの動画配信事業やITサービス事業、Webソリューション事業も手掛けています。アニメーション制作会社(タツノコプロ、スタジオジブリ)を傘下に持ち、音楽著作権管理やパッケージメディアの企画制作・販売も行っています。これにより、制作したコンテンツの知的財産(IP)を多角的に活用し、収益を最大化するビジネスモデルを構築しています。
- ウェルネス・不動産事業スポーツクラブの運営やウェルネスイベントの開催を通じて、人々の健康をサポートするウェルネス事業を展開しています。また、オフィスや商業テナント、土地の賃貸、ビルマネジメント、太陽光発電事業など、不動産関連事業も手掛けており、安定的な収益基盤を構築しています。これらの事業は、コンテンツ事業とは異なる収益源としてグループ全体の安定に貢献しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- コンテンツ・メディア事業テレビ番組の企画制作、無料放送によるテレビ広告枠販売、コンテンツ配信・ライセンス、映画製作、イベント開催、リテール事業などが含まれます。売上高は4309.34億円、営業利益は521.9億円と、グループの売上・利益の大部分を占める主力事業です。日本テレビ放送網やBS日本、CS日本、動画配信のHJホールディングスなどがこのセグメントに属します。
- ウェルネス事業スポーツクラブの運営やウェルネスイベントの開催などが主な事業内容です。売上高は264.08億円、営業利益は1.87億円で、コンテンツ・メディア事業に次ぐ規模の事業です。日本テレビ放送網やティップネスなどがこのセグメントに含まれ、人々の健康をサポートするサービスを提供しています。
- 不動産関連事業オフィス・商業テナントおよび土地の賃貸、ビルマネジメント、建物の設備・警備・清掃、資産管理、太陽光発電事業などを行っています。売上高は45.72億円、営業利益は44.45億円と、売上規模は小さいものの利益率の高い事業です。日本テレビ放送網や日テレリアルエステートなどがこのセグメントに属し、安定的な収益源となっています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MediaAndContentBusinessReportableSegment | 地域 | 4,309 | 522 | 12.1% |
| LifestyleAndHealthBusinessReportableSegment | 地域 | 264 | 2 | 0.7% |
| RealEstateRelatedBusinessReportableSegment | 地域 | 46 | 44 | 97.2% |
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3 【事業の内容】当社及び当社のその他の関係会社である㈱読売新聞グループ本社は、それぞれに子会社・関連会社から構成される企業集団を有し広範囲に事業を行っております。このうち、当社グループは、認定放送持株会社である当社と子会社60社及び関連会社33社から構成されており、セグメント区分ごとの事業内容は以下のとおりです。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 ① コンテンツ・メディア事業 ― 会社総数77社日本テレビ放送網㈱及び㈱BS日本は、テレビ番組を企画制作し、無料放送を行うことによるテレビ広告枠の販売、番組などのコンテンツの配信及びライセンス、映画の製作・公開、イベント・美術展の開催並びにリテール事業を行っております。㈱CS日本は、110度CS衛星基幹放送事業及び番組供給事業を行っております。㈱日テレ・テクニカル・リソーシズ、㈱日テレ アックスオン、㈱日本テレビアート及びNTV International Corporationは映像コンテンツの制作関連業務を行っております。日本テレビ音楽㈱は音楽著作権の管理及びレコード原盤の企画制作、商品化権事業を行い、㈱バップはパッケージメディアの企画制作及び販売を行っております。また、HJホールディングス㈱は動画配信事業を、㈱日テレWandsはITサービス事業、インターネット配信及びWebソリューション事業等を行っております。㈱PLAYは動画ソリューション事業を、㈱タツノコプロと㈱スタジオジブリはアニメーション映画等の企画制作及びライセンスを、㈱日テレイベンツはイベントの企画運営を、㈱ACM及び㈱ライツ・インはアンパンマンこどもミュージアム、アンパンマンテラス及びミュージアムショップ等の企画・運営を、㈱ムラヤマはイベントや展示物等の企画及び制作を、㈱日本テレビサービスは、番組キャラクターグッズ等の企画販売を、la belle vie㈱はフラッシュセール事業を行っております。その他、非連結子会社31社、関連会社26社は、テレビ放送、ラジオ放送、アニメーション制作、映画製作、インターネット広告事業等を行っております。なお、日本テレビ放送網㈱は関連当事者である㈱読売新聞東京本社よりプロ野球のテレビ放映権の購入等を行っております。 ② ウェルネス事業 ― 会社総数7社当社、日本テレビ放送網㈱、㈱ティップネス及び関連会社4社は、スポーツクラブ、ウェルネスイベント等の運営事業を行っております。 ③ 不動産関連事業 ― 会社総数9社当社及び日本テレビ放送網㈱は、オフィス・商業テナント及び土地の賃貸を行っております。㈱日テレリアルエステートはビルマネジメント、建物の設備・警備・清掃等を行っております。その他、非連結子会社4社及び関連会社2社は資産管理、資産活用及び太陽光発電事業等を行っております。なお、㈱日本テレビワーク24は2025年4月1日付で㈱日テレリアルエステートに商号変更いたしました。 ④ その他 ― 会社総数4社その他、非連結子会社3社及び関連会社1社は人材派遣、人材教育事業等を行っております。 なお、当連結会計年度より、従来「メディア・コンテンツ事業」としていた報告セグメントの名称を「コンテンツ・メディア事業」に、「生活・健康関連事業」としていた報告セグメントの名称を「ウェルネス事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。 企業集団の状況を事業系統図によって示すと次のとおりです。 ※2026年4月24日付で株式を追加取得し連結子会社といたしました。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 広告市況は経済マクロ動向と連動し、メディア多様化で地上波テレビ広告の絶対的優位性維持が課題。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 認定放送持株会社であること、電波という公共資源を預かる放送事業者であること。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:地上波テレビ広告収入の大幅な縮小 / メディア多様化による競争激化 / 放送権・配信許諾等ライセンスの高騰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
日本テレビは長年にわたり築き上げた強力なブランド力と、国民的な人気を誇る番組コンテンツ(例:「笑点」、「世界の果てまでイッテQ!」など)を保有。これらは新規参入者にとって容易に模倣できない無形資産である。また、長年の放送実績に基づく信頼性も強み。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
視聴者はテレビ番組の視聴方法を容易に変更できるため、特定の放送局へのスイッチング・コストは低い。ただし、長年のファン層や特定の番組への愛着は、完全な乗り換えを抑制する可能性はある。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
テレビ放送自体に直接的なネットワーク効果は限定的。ただし、人気番組がSNS等で話題になることで視聴者を呼び込む間接的な効果はある。また、TVerなどのプラットフォームを通じた視聴者増加は、コンテンツのリーチを広げる。
コスト優位★☆☆☆☆
放送権料や番組制作費は高額であり、コスト優位性は低い。ただし、長年の放送インフラや制作ノウハウの蓄積は、新規参入者に対する一定の参入障壁となり得る。
規模の経済★★★★☆
国内地上波テレビ放送業界において、日本テレビはキー局の一つであり、圧倒的な視聴率と広告収入を誇る。広告主にとって、広範なリーチを確保できるプラットフォームとしての地位は確立されており、規模の経済が競争優位性を支えている。
- 強力なコンテンツ制作力長年にわたり地上波テレビ放送で培ってきた番組制作力は、日本テレビグループの最大の強みです。国民の視聴ニーズを捉え、高視聴率を維持するコンテンツを継続的に生み出すことで、広告収入の安定化に貢献しています。また、デジタルテクノロジーの導入による制作体制の強化と効率化も進めています。
- 多様なメディア展開力地上波テレビ放送だけでなく、BS・CS放送、動画配信サービス(Hulu、TVer)、映画、イベント、リテール事業など、多岐にわたるチャネルでコンテンツを展開できる点が強みです。これにより、一つのコンテンツから複数の収益機会を創出し、IP(知的財産)の価値を最大化しています。スタジオジブリ作品の海外展開もその一例です。
- 安定した収益基盤コンテンツ・メディア事業を主軸としつつも、スポーツクラブ運営などのウェルネス事業や、オフィス・商業テナントの賃貸などの不動産関連事業も展開しています。これらの事業は、広告市況の変動リスクを分散し、グループ全体の安定した収益基盤を構築する上で重要な役割を担っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- グローバルコンテンツ企業への変革2033年度に連結売上高7,000億円(うち海外売上高1,000億円)、連結営業利益700億円を目指し、コンテンツ製作領域に注力することでグローバルコンテンツ企業への変革を推進します。海外向け制作スタジオ「GYOKURO STUDIO」の新設や米国ロサンゼルスへのビジネス拠点開設、海外有力スタジオとのパートナーシップ締結を進め、2027年度の海外売上高300億円達成を目指します。
- IP創出にこだわったコンテンツビジネスオリジナルコンテンツの開発や他社とのアライアンスを強化し、ドラマ、映画、音楽、キャラクタービジネスでIP(知的財産)を生み出す基盤を構築します。これにより、多面的な収益を獲得し、コンテンツビジネスをグループの中核事業に育成します。企画開発におけるAI活用やテクノロジーの積極的導入も推進します。
- ウェルネス事業の拡大と社会貢献生活者に貢献するウェルネス事業の拡大を目指し、スポーツクラブ運営やウェルネスイベントの強化を図ります。また、報道の信頼性向上と社会課題解決への貢献も重点目標として掲げています。さらに、1,000億円の投資枠を設定し、成長支援を加速させることで、グループ全体の持続的な成長を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1)経営環境及び対処すべき課題当社グループは、コンテンツ・メディア事業においては、地上波テレビ放送で長年培ってきたコンテンツ制作力と媒体力をコアコンピタンスとし、事業を拡大し成長させてまいりました。しかし、インターネットメディアの普及等に伴うコンテンツ視聴環境の変化や、それに伴う広告手法の進化によって、インターネット広告へのシフト、動画配信市場の拡大等が進み、テレビが持つメディアとしてのパワーの維持が大きな課題となっています。また、オリンピック等の大型スポーツイベントを中心に放送権料が高騰しているほか、生成AIをはじめとする新技術対応のためのコストも必要となり、収益の確保が難しくなってきていると認識しています。加えて、インターネットを通じた動画配信事業は、社会のデジタルシフトを受け、成長が続くものの、豊富な資金力を有するグローバル配信プラットフォームや、国内競合他社との会員獲得競争は依然として厳しく、多額の投資が必要なビジネスモデルとなっていることから、厳しい競争環境に晒されています。 ウェルネス事業においては、総合型スポーツクラブから特化型スポーツクラブへの利用者ニーズの移行に伴い、小規模事業者の新規参入が容易な状況となっており、24時間営業のトレーニングジム、ホットヨガ、ストレッチ専門店等に加え、アプリ等を利用した自主トレーニングなど多様化が進んでおります。また、コロナ禍において減少した会員数の回復に時間を要しているなど、厳しい状況が継続しています。 また、人権尊重のために企業が果たすべき社会的責任として、人権方針の策定、人権デューデリジェンスなどを進めてきました。しかし、メディア業界全体についてハラスメントなど重大な人権課題を指摘されており、今後はより一層、実効的な人権救済システムの整備、取引先を含めた意識の啓発、ガバナンス全体の体制強化などが求められております。 これらに加えて、急激な社会のデジタル化へのシフト、不安定な世界情勢、甚大な被害を伴う自然災害といった外的要因による大きな経営環境の変化が生じております。当社グループはこのような経営環境の変化に適切に対処し、進化していくことが重要な課題であると認識しております。 当社グループは2025年5月、経営理念を改定し、経営ビジョンを新しく定めるとともに、2025年度から2027年度を計画期間とする中期経営計画を策定し、当連結会計年度はその1年目に該当します。中期経営計画2025-2027は、10年後にありたい姿としての経営ビジョン「コンテンツの力で、“世界”を変える。」実現に向け、強靱な地上波テレビネットワークを基盤とし、「日テレ、開国! Gear up, go global」をスローガンに、コンテンツ製作領域に注力することでグローバルコンテンツ企業への変革を推進する取り組みと目標を示すものです。 (2) 経営理念及び経営ビジョン 経営理念 正確で速やかな報道、良質なコンテンツの提供と、多彩な文化の創造により、人々の生活を豊かなものにする。 経営ビジョン コンテンツの力で、“世界”を変える。Change the‘World’ Through the Power of Content 日本テレビグループが「感動×信頼のNo.1企業」として実現したいのは、私たち1人1人が紡ぎ出す様々なサービス、プロダクトを含めた「コンテンツ」を通じて、豊かな未来を創り出すこと。よりよい未来が拡がる“世界”に向けて、私たちはこれからも「コンテンツ」を生み出し、作り、そして届けていきます。 (3) 長期目標 当社グループは、今後3つの中期経営計画を経て、2033年度に連結売上高7,000億円(うち海外売上高1,000億円)、連結営業利益700億円を目指します。 地上波広告ビジネスとコンテンツビジネスの両輪で売上を創出し、2033年度にはコンテンツビジネスをグループの中核事業にしていきます。 (4) 中期経営計画2025-2027 中期経営計画2025-2027のスローガン 日テレ、開国!Gear up, go global 日本発グローバルコンテンツメーカーへ 中期経営計画2025-2027 重点目標 グローバルコンテンツ企業への変革IP(知的財産)創出にこだわったコンテンツビジネスの展開企画開発におけるAIの活用、テクノロジーの積極的導入生活者に貢献するウェルネス事業の拡大1,000億円の投資枠設定による成長支援の加速報道の信頼性向上と社会課題解決への貢献 「売上高5,400億円」、「営業利益580億円」へ ①中期経営計画2025-2027定量目標 最終年度(2027年度)に、連結売上高は過去最高の5,400億円、連結営業利益は580億円を目指します。 (単位:億円) 2025年度実績2027年度目標連結売上高4,844 5,400 コンテンツ・メディア事業4,526 4,960 コンテンツビジネス1,402 1,870 広告事業2,5952,500物販事業340360イベント・テーマパーク事業187 230 ウェルネス事業272 400 不動産関連事業45 40 連結営業利益693 580 ②中期経営計画2025-2027の取り組み A グローバルコンテンツ企業への変革 放送や国内市場を主なターゲットとしてきた企画・制作体制を、海外市場を強く意識した体制に再構築し、海外市場での売上拡大を実現していきます。 コンテンツのグローバル化ドラマの世界配信や国際共同製作のほか、海外でのバラエティフォーマット販売を拡充します。また、細田守監督の最新作「果てしなきスカーレット」の全米公開など、コンテンツのグローバル展開を進めていきます。2027年度の海外売上高300億円を実現します。 コンテンツのグローバル展開体制を構築海外向け制作スタジオ「GYOKURO STUDIO」を新設するとともに、米国ロサンゼルスに新たなビジネス拠点を開設します。また、海外の有力スタジオとのパートナーシップ契約の締結を進めていきます。 「見たい」コンテンツを多様なチャネルで展開TVer、Huluでのリーチ拡大を軸に、グローバル配信プラットフォームとの連携を通じてコンテンツの世界展開を進めます。地上波放送でも、リアルタイムで視聴されるコンテンツの開発を強化していきます。 スタジオジブリ作品の海外展開スタジオジブリ作品は、劇場公開や配信を通じて、海外でも多くの方にご覧いただいています。関連商品や出版物の展開や、展示や舞台なども継続的に開催予定です。 (当連結会計年度の取り組み)ドラマ「ホットスポット」は、全世界に配信されたこともあり各国で高く評価され、権威ある海外アワード「ContentAsia Awards 2025」の2部門で受賞しました。また、海外市場を目指して企画開発されたバラエティー「ANTS~ぜんぶ運べば一攫千金~」は、ヨーロッパで最も権威ある国際テレビ賞の1つ「ローズ・ドール賞」など2つの海外アワードで最優秀賞を受賞し、イギリスの大手配給会社フリーマントル社と共に世界各国へのフォーマットセールスが進行中です。以上のようなコンテンツに加え、日本テレビが自社開発した、直感的オンデバイスAIソリューション「viztrick AiDi」が、アメリカ3大ネットワークの一つであるNBC Sportsにおいて採用され、2026年から開始される複数のライブイベント中継で使用される予定です。今後も引き続き、ドラマ・バラエティーの海外展開や自社技術の海外輸出を進めていきます。また、スタジオジブリについては、イギリス・ロンドンウェストエンドで無期限ロングラン上映中の舞台「となりのトトロ」が引き続き好調だったほか、「もののけ姫」4Kデジタルリマスター版を世界各地で上映したことに加え、フランス・パリでの高畑勲展の開催等世界各地で展覧会が開催されました。今後も引き続き海外展開を続けていきます。 B IP(知的財産)創出にこだわったコンテンツビジネスの展開 オリジナルコンテンツの開発や他社とのアライアンスを強化し、ドラマ、映画、音楽、キャラクタービジネスでIPを生み出す基盤を作り、多面的な収益を獲得します。 多様なオリジナルIP創出とIP協業の推進アーティスト、キャラクター、アニメなどを中心に、パートナー企業との連携や協業を進めてオリジナルIPの創出を実現します。国内のみならずグローバル市場でのIPビジネス拡大を進めます。 組織強化とコンテンツプロダクション連携による製作体制の増強社内組織の強化に加え、KANAMEL社をはじめとした多くのコンテンツプロダクションとの連携を強め、IP創出を実現する確固たる製作体制を築きます。 (当連結会計年度の取り組み)アーティストIP事業では、パートナー企業との共創によるアーティストの発掘・育成を加速させました。㈱スターダストプロモーション、㈱ソニー・ミュージックレーベルズと共同展開する「龍宮城」は、結成から着実に支持を広げ、本年度はTOYOTAアリーナ2Daysを完売させるなど、国内屈指のグループへと成長を遂げています。また、本年の高校サッカー応援歌「未来へ」で反響を呼んだ4人組ロックバンド「T.N.T」は、初の全国ツアーや冠番組の放送を通じ、将来を担う新たなIPとしての足がかりを築きました。㈱LDH JAPANとの共同プロジェクトでは、ガールズバトル・オーディションから誕生した「CIRRA」が、正式デビューを果たしたほか、ダンス競技に特化した「LDH SCREAM」が、ダンスバトル・オーディションを経て始動し、「D.LEAGUE」を舞台に新たなエンターテインメントの形を追求しています。今後も番組、イベントと連動した多角的なIP展開を推進し、収益の柱として育成していきます。また、キャラクターIP事業では、自社キャラクターIP「らぶいーず」が各種商品化に加え全国4都市でのキャラクターカフェ展開やミラノ・コルティナオリンピックの公式SNSサポーターに就任するなど、多角的な活動を通じて成長しています。新規キャラクターIPの開発も鋭意進めており、成長領域として今後もさらなる拡大を目指します。 C 企画開発におけるAIの活用、テクノロジーの積極的導入 AIの活用によるコンテンツ開発・制作モデルを確立し、よりクリエイティブな環境の下、ヒットコンテンツの量産につなげます。また、テクノロジーによるテレビ広告ビジネスの変革を主導します。 コンテンツ企画制作へのAIエージェントの実装AIによる支援を通じ、限られたリソースを最適化することでクリエイティブ力を強化する「コンテンツテクノロジー戦略」を推進し、コンテンツ制作数の拡大や質向上につなげます。 アドテクを活用した地上波広告ビジネスの変革2025年4月にスタートした運用型地上波広告「スグリー」を拡大していきます。2027年度には取引先数を2倍とすることを目指します。 (当連結会計年度の取り組み)コンテンツテクノロジー戦略を推進するべく、AIを活用した業務プロセスの抜本的な変革を進めています。当連結会計年度には、全番組を対象とした視聴率分析や、番組の企画リサーチなどを支援する複数のAIエージェントを開発・導入しました。これまで属人的な経験や勘に委ねられてきた判断を可視化・構造化し、コンテンツ評価から打ち手の検討に至るまでのサイクルを加速させるとともに、意思決定の質の向上を図っています。また、2026年1月には、実写と生成AI映像を融合させたドラマ「TOKYO 巫女忍者」を制作・放送しました。当該作品は、KANAMELグループの㈱AOI Pro.が制作を、㈱TREE Digital StudioがVFX(視覚効果)を担当しました。AI技術を活用した新たな表現に挑戦し、これまでにないコンテンツ製作体制を追求しています。2025年4月に開始したテレビにデジタルの利便性を取り入れたプログラマティック広告サービス「スグリー」は、既に広告主130社にご利用いただき、高い評価を得ています。読売中京FSホールディングス㈱(FYCSHD)や㈱TBSテレビの参画基本合意も成され、TVer広告とテレビ広告の統合セールスも開始するなど、業界を進化させるアドプラットフォームとして成長を続けています。 D 生活者に貢献するウェルネス事業の拡大 成長ポテンシャルが高いウェルネス市場の中で、まずは当社グループのウェルネス事業の中核であるティップネスを中心とした“運動”分野から、人々の生活を豊かにする活動を推進します。併せて、日本テレビグループの基盤である信頼性をもとに、エビデンスに基づいた最先端のウェルネス情報を発信していきます。 (当連結会計年度の取り組み)㈱ティップネスでは、キッズ事業が堅調に推移したことに加え、成人会員数についても既存店舗においてコロナ禍以降で最多を記録し、増収増益を達成しました。また、24時間ジム「FASTGYM24」では基幹システムの更新を行い、入会手続きのWEB化などDXを推進し新規入会者の増加を達成しました。さらに、2025年4月には居心地の良さを追求した新業態のサードプレイスジム「MiiBA(ミィーバ)」 を埼玉県草加市に開業し、新たな顧客層の獲得と事業領域の拡大に取り組んでいます。フィットネス領域においては、2025年9月に日本テレビ初の直営の次世代型ジム「WELL HACK GYM」を「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」内に開業し、[「鍛える」から「整える」へ]という新たなコンセプトのフィットネスとして更なるフィットネス人口の拡大を目指しています。 2025年4月には、エビデンスに基づく最先端のウェルネス情報を継続的に発信する情報シンクタンク「コンディショニング イノベーション Lab」のサイトをオープンし、本編動画50本以上を配信しました。8月にはショート動画、テキスト記事も配信を開始し、ショート動画100本以上、テキスト記事50本以上を配信しています。2025年11月にはウォーキングイベント「Sunrise to Sunset Walk」の第2回大会を開催しました。参加者は前年比140%超となる1,980名となり、ウォーキング人口拡大に向けたウェルネスイベントとして成長を続けています。 E 1,000億円の投資枠設定による成長支援の加速 戦略的な投資と予算の投下により、各事業の成長支援を加速することに加え、新規事業開発や不動産事業の推進により、収益基盤の強化を目指します。 戦略的投資と戦略費投下による成長投資の加速合計で1,000億円の成長投資枠を設定します。コンテンツ・グローバル領域、ウェルネス領域、新規事業領域に戦略的投資を行うほか、社内事業の育成や業務を変革するための戦略的な費用投下を進めます。 人材と資金の積極投入による新規事業開発の推進収益基盤の多様化に向け、事業のフェーズに応じて、戦略的予算の投下や分社化、M&Aなどの施策を迅速に実施していきます。売上高50億円以上の事業を継続的に創出、育成していきます。 既存アセットの有効活用とコンテンツビジネスを支える不動産事業の推進保有する資産の有効活用を通じ、コンテンツビジネスを持続可能なものにする不動産事業を推進します。また、スポーツ・エンタメの興行会場をはじめとした多様なアセット投資を行っていきます。 (当連結会計年度の取り組み)戦略的投資については、コンテンツ・グローバル領域において、世界市場に向けたコンテンツ製作力を強化するべく、KANAMEL㈱の全株式の取得に関する株式譲渡契約を締結した他(2026年4月に同社を完全子会社化)、新規事業領域において、宇宙ビジネスへの挑戦を加速するべくFrontier Innovations㈱が運営するFrontier Innovations 1号投資事業有限責任組合への出資を行いました。また、インパクト投資第3号案件として、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開する㈱Nature Innovation Groupへの出資を実行しました。以上に加え、社内の新規事業育成及びAI活用に対し、戦略的予算である「戦略費」を投下しました。今後も引き続き戦略的投資と戦略費の投下による持続的な価値創出を目指してまいります。新規事業開発については、企業における人材育成ニーズの高まりを受け、同分野を強化するため、新会社㈱日テレHR総合研究所を設立し、2025年度は福利厚生プラットフォームの提供を開始したほか、アスリートが競技と仕事を両立できるサービスを立ち上げ、事業拡大を推進しております。不動産事業については、千代田区の旧本社跡地を有効活用するため、二番町再開発の基本計画を本格的に推進しております。また、多様なアセット投資として、旧奈良監獄保存活用事業への出資を皮切りに、新領域へ挑戦するほか、ベニュービジネスの本格検討を開始しました。今後は日本テレビのグループリソースを活用した取り組みもさらに推進してまいります。 F 報道の信頼性向上と社会課題解決への貢献 報道機関として信頼性を追求し、ネットワークの強靱化を図るとともに、サステナビリティ活動を通じて社会課題の解決に貢献していきます。 報道機関としての信頼性追求国民から信頼される正確・迅速かつ公平・公正なニュースを提供し、日本テレビのニュースブランドを世界に確立します。また、調査報道の強化で日本の社会課題解決のきっかけを生み出していきます。 日本テレビネットワークの強靭化新たに設立された読売中京FSホールディングス㈱(FYCSHD)及び、ネットワーク各社とさらに緊密な連携を進め、地域社会の発展や活性化に貢献していきます。 サステナブルな社会に向けた取り組み「サステナビリティポリシー」で定めた6つの重要課題へ積極的に取り組みます。企業や自治体のメディアパートナーとして、社会課題解決に向けた共創事業を推進し、社会的価値の創出と拡大に努めます。 すべての人の人権が尊重される社会に向けた取り組み人権がより尊重されるビジネス実現のための人権デューデリジェンスを推進していきます。また、多様性をテーマにした番組キャンペーンや啓発イベント等を積極的に発信していきます。 (当連結会計年度の取り組み)日本テレビ報道局では、国政選挙に際したファクトチェックシリーズ「それって、本当?」など、時代の要請に応える報道を牽引しました。また、ウクライナ市民への継続的な取材活動が2025年度ボーン・上田記念国際記者賞の特別賞を受賞したほか、マスメディア初となるインパクト測定・マネジメントを導入しました。引き続き、報道の価値を構造的に把握し、組織全体への浸透を図っていきます。 ネットワーク強靭化については、読売中京FSホールディングス㈱とともにネットワークの連携を深めると共に、「NNSガバナンス対応事務局」を発足し、ネットワーク各局のコーポレート・ガバナンス強化を図りました。 サステナビリティ関連では、GHG排出量算定のScope1・2・3をグループ6社へ拡大しました。また、日本列島ブルーカーボンプロジェクト「アマモ場再生活動」の取り組みをグループ8社に拡大しました。これまでのESG分野におけるIR活動等が評価され、ESG投資の代表的な指数である「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されました。3つの指数に1度に選定されたのは今回が初となります。 人権関連では、2024年度の社内アンケートに続き、2025年8月に取引先172社に対する人権に関するアンケートと事後ヒアリングを実施したことに加え、2026年2月にはグループ各社に対しても同様のアンケートを実施しました。 G 資本政策・株主還元方針 2025年度から2027年度の間に生み出したキャッシュフローで成長投資を賄い、収益基盤の拡大を目指します。政策保有株を縮減し、継続的で安定的な株主還元を基本方針としつつ、総還元性向35%以上を新たな目標とします。果敢な投資を通じて成長戦略を推進し、企業価値の向上に邁進していきます。 (当連結会計年度の取り組み)政策保有株については、第3四半期と第4四半期に上場有価証券1銘柄を売却しました。また、自己株式については2025年11月7日~12月17日にかけて2,601,900株を取得し、取得した全ての自己株式を消却しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。 (1)経営環境及び対処すべき課題当社グループは、コンテンツ・メディア事業においては、地上波テレビ放送で長年培ってきたコンテンツ制作力と媒体力をコアコンピタンスとし、事業を拡大し成長させてまいりました。しかし、インターネットメディアの普及等に伴うコンテンツ視聴環境の変化や、それに伴う広告手法の進化によって、インターネット広告へのシフト、動画配信市場の拡大等が進み、テレビが持つメディアとしてのパワーの維持が大きな課題となっています。また、オリンピック等の大型スポーツイベントを中心に放送権料が高騰しているほか、生成AIをはじめとする新技術対応のためのコストも必要となり、収益の確保が難しくなってきていると認識しています。加えて、インターネットを通じた動画配信事業は、社会のデジタルシフトを受け、成長が続くものの、豊富な資金力を有するグローバル配信プラットフォームや、国内競合他社との会員獲得競争は依然として厳しく、多額の投資が必要なビジネスモデルとなっていることから、厳しい競争環境に晒されています。 ウェルネス事業においては、総合型スポーツクラブから特化型スポーツクラブへの利用者ニーズの移行に伴い、小規模事業者の新規参入が容易な状況となっており、24時間営業のトレーニングジム、ホットヨガ、ストレッチ専門店等に加え、アプリ等を利用した自主トレーニングなど多様化が進んでおります。また、コロナ禍において減少した会員数の回復に時間を要しているなど、厳しい状況が継続しています。 また、人権尊重のために企業が果たすべき社会的責任として、人権方針の策定、人権デューデリジェンスなどを進めてきました。しかし、メディア業界全体についてハラスメントなど重大な人権課題を指摘されており、今後はより一層、実効的な人権救済システムの整備、取引先を含めた意識の啓発、ガバナンス全体の体制強化などが求められております。 これらに加えて、急激な社会のデジタル化へのシフト、不安定な世界情勢、甚大な被害を伴う自然災害といった外的要因による大きな経営環境の変化が生じております。当社グループはこのような経営環境の変化に適切に対処し、進化していくことが重要な課題であると認識しております。 当社グループは2025年5月、経営理念を改定し、経営ビジョンを新しく定めるとともに、2025年度から2027年度を計画期間とする中期経営計画を策定し、当連結会計年度はその1年目に該当します。中期経営計画2025-2027は、10年後にありたい姿としての経営ビジョン「コンテンツの力で、“世界”を変える。」実現に向け、強靱な地上波テレビネットワークを基盤とし、「日テレ、開国! Gear up, go global」をスローガンに、コンテンツ製作領域に注力することでグローバルコンテンツ企業への変革を推進する取り組みと目標を示すものです。 (2) 経営理念及び経営ビジョン 経営理念 正確で速やかな報道、良質なコンテンツの提供と、多彩な文化の創造により、人々の生活を豊かなものにする。 経営ビジョン コンテンツの力で、“世界”を変える。Change the‘World’ Through the Power of Content 日本テレビグループが「感動×信頼のNo.1企業」として実現したいのは、私たち1人1人が紡ぎ出す様々なサービス、プロダクトを含めた「コンテンツ」を通じて、豊かな未来を創り出すこと。よりよい未来が拡がる“世界”に向けて、私たちはこれからも「コンテンツ」を生み出し、作り、そして届けていきます。 (3) 長期目標 当社グループは、今後3つの中期経営計画を経て、2033年度に連結売上高7,000億円(うち海外売上高1,000億円)、連結営業利益700億円を目指します。 地上波広告ビジネスとコンテンツビジネスの両輪で売上を創出し、2033年度にはコンテンツビジネスをグループの中核事業にしていきます。 (4) 中期経営計画2025-2027 中期経営計画2025-2027のスローガン 日テレ、開国!Gear up, go global 日本発グローバルコンテンツメーカーへ 中期経営計画2025-2027 重点目標 グローバルコンテンツ企業への変革IP(知的財産)創出にこだわったコンテンツビジネスの展開企画開発におけるAIの活用、テクノロジーの積極的導入生活者に貢献するウェルネス事業の拡大1,000億円の投資枠設定による成長支援の加速報道の信頼性向上と社会課題解決への貢献 「売上高5,400億円」、「営業利益580億円」へ ①中期経営計画2025-2027定量目標 最終年度(2027年度)に、連結売上高は過去最高の5,400億円、連結営業利益は580億円を目指します。 (単位:億円) 2025年度実績2027年度目標連結売上高4,844 5,400 コンテンツ・メディア事業4,526 4,960 コンテンツビジネス1,402 1,870 広告事業2,5952,500物販事業340360イベント・テーマパーク事業187 230 ウェルネス事業272 400 不動産関連事業45 40 連結営業利益693 580 ②中期経営計画2025-2027の取り組み A グローバルコンテンツ企業への変革 放送や国内市場を主なターゲットとしてきた企画・制作体制を、海外市場を強く意識した体制に再構築し、海外市場での売上拡大を実現していきます。 コンテンツのグローバル化ドラマの世界配信や国際共同製作のほか、海外でのバラエティフォーマット販売を拡充します。また、細田守監督の最新作「果てしなきスカーレット」の全米公開など、コンテンツのグローバル展開を進めていきます。2027年度の海外売上高300億円を実現します。 コンテンツのグローバル展開体制を構築海外向け制作スタジオ「GYOKURO STUDIO」を新設するとともに、米国ロサンゼルスに新たなビジネス拠点を開設します。また、海外の有力スタジオとのパートナーシップ契約の締結を進めていきます。 「見たい」コンテンツを多様なチャネルで展開TVer、Huluでのリーチ拡大を軸に、グローバル配信プラットフォームとの連携を通じてコンテンツの世界展開を進めます。地上波放送でも、リアルタイムで視聴されるコンテンツの開発を強化していきます。 スタジオジブリ作品の海外展開スタジオジブリ作品は、劇場公開や配信を通じて、海外でも多くの方にご覧いただいています。関連商品や出版物の展開や、展示や舞台なども継続的に開催予定です。 (当連結会計年度の取り組み)ドラマ「ホットスポット」は、全世界に配信されたこともあり各国で高く評価され、権威ある海外アワード「ContentAsia Awards 2025」の2部門で受賞しました。また、海外市場を目指して企画開発されたバラエティー「ANTS~ぜんぶ運べば一攫千金~」は、ヨーロッパで最も権威ある国際テレビ賞の1つ「ローズ・ドール賞」など2つの海外アワードで最優秀賞を受賞し、イギリスの大手配給会社フリーマントル社と共に世界各国へのフォーマットセールスが進行中です。以上のようなコンテンツに加え、日本テレビが自社開発した、直感的オンデバイスAIソリューション「viztrick AiDi」が、アメリカ3大ネットワークの一つであるNBC Sportsにおいて採用され、2026年から開始される複数のライブイベント中継で使用される予定です。今後も引き続き、ドラマ・バラエティーの海外展開や自社技術の海外輸出を進めていきます。また、スタジオジブリについては、イギリス・ロンドンウェストエンドで無期限ロングラン上映中の舞台「となりのトトロ」が引き続き好調だったほか、「もののけ姫」4Kデジタルリマスター版を世界各地で上映したことに加え、フランス・パリでの高畑勲展の開催等世界各地で展覧会が開催されました。今後も引き続き海外展開を続けていきます。 B IP(知的財産)創出にこだわったコンテンツビジネスの展開 オリジナルコンテンツの開発や他社とのアライアンスを強化し、ドラマ、映画、音楽、キャラクタービジネスでIPを生み出す基盤を作り、多面的な収益を獲得します。 多様なオリジナルIP創出とIP協業の推進アーティスト、キャラクター、アニメなどを中心に、パートナー企業との連携や協業を進めてオリジナルIPの創出を実現します。国内のみならずグローバル市場でのIPビジネス拡大を進めます。 組織強化とコンテンツプロダクション連携による製作体制の増強社内組織の強化に加え、KANAMEL社をはじめとした多くのコンテンツプロダクションとの連携を強め、IP創出を実現する確固たる製作体制を築きます。 (当連結会計年度の取り組み)アーティストIP事業では、パートナー企業との共創によるアーティストの発掘・育成を加速させました。㈱スターダストプロモーション、㈱ソニー・ミュージックレーベルズと共同展開する「龍宮城」は、結成から着実に支持を広げ、本年度はTOYOTAアリーナ2Daysを完売させるなど、国内屈指のグループへと成長を遂げています。また、本年の高校サッカー応援歌「未来へ」で反響を呼んだ4人組ロックバンド「T.N.T」は、初の全国ツアーや冠番組の放送を通じ、将来を担う新たなIPとしての足がかりを築きました。㈱LDH JAPANとの共同プロジェクトでは、ガールズバトル・オーディションから誕生した「CIRRA」が、正式デビューを果たしたほか、ダンス競技に特化した「LDH SCREAM」が、ダンスバトル・オーディションを経て始動し、「D.LEAGUE」を舞台に新たなエンターテインメントの形を追求しています。今後も番組、イベントと連動した多角的なIP展開を推進し、収益の柱として育成していきます。また、キャラクターIP事業では、自社キャラクターIP「らぶいーず」が各種商品化に加え全国4都市でのキャラクターカフェ展開やミラノ・コルティナオリンピックの公式SNSサポーターに就任するなど、多角的な活動を通じて成長しています。新規キャラクターIPの開発も鋭意進めており、成長領域として今後もさらなる拡大を目指します。 C 企画開発におけるAIの活用、テクノロジーの積極的導入 AIの活用によるコンテンツ開発・制作モデルを確立し、よりクリエイティブな環境の下、ヒットコンテンツの量産につなげます。また、テクノロジーによるテレビ広告ビジネスの変革を主導します。 コンテンツ企画制作へのAIエージェントの実装AIによる支援を通じ、限られたリソースを最適化することでクリエイティブ力を強化する「コンテンツテクノロジー戦略」を推進し、コンテンツ制作数の拡大や質向上につなげます。 アドテクを活用した地上波広告ビジネスの変革2025年4月にスタートした運用型地上波広告「スグリー」を拡大していきます。2027年度には取引先数を2倍とすることを目指します。 (当連結会計年度の取り組み)コンテンツテクノロジー戦略を推進するべく、AIを活用した業務プロセスの抜本的な変革を進めています。当連結会計年度には、全番組を対象とした視聴率分析や、番組の企画リサーチなどを支援する複数のAIエージェントを開発・導入しました。これまで属人的な経験や勘に委ねられてきた判断を可視化・構造化し、コンテンツ評価から打ち手の検討に至るまでのサイクルを加速させるとともに、意思決定の質の向上を図っています。また、2026年1月には、実写と生成AI映像を融合させたドラマ「TOKYO 巫女忍者」を制作・放送しました。当該作品は、KANAMELグループの㈱AOI Pro.が制作を、㈱TREE Digital StudioがVFX(視覚効果)を担当しました。AI技術を活用した新たな表現に挑戦し、これまでにないコンテンツ製作体制を追求しています。2025年4月に開始したテレビにデジタルの利便性を取り入れたプログラマティック広告サービス「スグリー」は、既に広告主130社にご利用いただき、高い評価を得ています。読売中京FSホールディングス㈱(FYCSHD)や㈱TBSテレビの参画基本合意も成され、TVer広告とテレビ広告の統合セールスも開始するなど、業界を進化させるアドプラットフォームとして成長を続けています。 D 生活者に貢献するウェルネス事業の拡大 成長ポテンシャルが高いウェルネス市場の中で、まずは当社グループのウェルネス事業の中核であるティップネスを中心とした“運動”分野から、人々の生活を豊かにする活動を推進します。併せて、日本テレビグループの基盤である信頼性をもとに、エビデンスに基づいた最先端のウェルネス情報を発信していきます。 (当連結会計年度の取り組み)㈱ティップネスでは、キッズ事業が堅調に推移したことに加え、成人会員数についても既存店舗においてコロナ禍以降で最多を記録し、増収増益を達成しました。また、24時間ジム「FASTGYM24」では基幹システムの更新を行い、入会手続きのWEB化などDXを推進し新規入会者の増加を達成しました。さらに、2025年4月には居心地の良さを追求した新業態のサードプレイスジム「MiiBA(ミィーバ)」 を埼玉県草加市に開業し、新たな顧客層の獲得と事業領域の拡大に取り組んでいます。フィットネス領域においては、2025年9月に日本テレビ初の直営の次世代型ジム「WELL HACK GYM」を「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」内に開業し、[「鍛える」から「整える」へ]という新たなコンセプトのフィットネスとして更なるフィットネス人口の拡大を目指しています。 2025年4月には、エビデンスに基づく最先端のウェルネス情報を継続的に発信する情報シンクタンク「コンディショニング イノベーション Lab」のサイトをオープンし、本編動画50本以上を配信しました。8月にはショート動画、テキスト記事も配信を開始し、ショート動画100本以上、テキスト記事50本以上を配信しています。2025年11月にはウォーキングイベント「Sunrise to Sunset Walk」の第2回大会を開催しました。参加者は前年比140%超となる1,980名となり、ウォーキング人口拡大に向けたウェルネスイベントとして成長を続けています。 E 1,000億円の投資枠設定による成長支援の加速 戦略的な投資と予算の投下により、各事業の成長支援を加速することに加え、新規事業開発や不動産事業の推進により、収益基盤の強化を目指します。 戦略的投資と戦略費投下による成長投資の加速合計で1,000億円の成長投資枠を設定します。コンテンツ・グローバル領域、ウェルネス領域、新規事業領域に戦略的投資を行うほか、社内事業の育成や業務を変革するための戦略的な費用投下を進めます。 人材と資金の積極投入による新規事業開発の推進収益基盤の多様化に向け、事業のフェーズに応じて、戦略的予算の投下や分社化、M&Aなどの施策を迅速に実施していきます。売上高50億円以上の事業を継続的に創出、育成していきます。 既存アセットの有効活用とコンテンツビジネスを支える不動産事業の推進保有する資産の有効活用を通じ、コンテンツビジネスを持続可能なものにする不動産事業を推進します。また、スポーツ・エンタメの興行会場をはじめとした多様なアセット投資を行っていきます。 (当連結会計年度の取り組み)戦略的投資については、コンテンツ・グローバル領域において、世界市場に向けたコンテンツ製作力を強化するべく、KANAMEL㈱の全株式の取得に関する株式譲渡契約を締結した他(2026年4月に同社を完全子会社化)、新規事業領域において、宇宙ビジネスへの挑戦を加速するべくFrontier Innovations㈱が運営するFrontier Innovations 1号投資事業有限責任組合への出資を行いました。また、インパクト投資第3号案件として、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を展開する㈱Nature Innovation Groupへの出資を実行しました。以上に加え、社内の新規事業育成及びAI活用に対し、戦略的予算である「戦略費」を投下しました。今後も引き続き戦略的投資と戦略費の投下による持続的な価値創出を目指してまいります。新規事業開発については、企業における人材育成ニーズの高まりを受け、同分野を強化するため、新会社㈱日テレHR総合研究所を設立し、2025年度は福利厚生プラットフォームの提供を開始したほか、アスリートが競技と仕事を両立できるサービスを立ち上げ、事業拡大を推進しております。不動産事業については、千代田区の旧本社跡地を有効活用するため、二番町再開発の基本計画を本格的に推進しております。また、多様なアセット投資として、旧奈良監獄保存活用事業への出資を皮切りに、新領域へ挑戦するほか、ベニュービジネスの本格検討を開始しました。今後は日本テレビのグループリソースを活用した取り組みもさらに推進してまいります。 F 報道の信頼性向上と社会課題解決への貢献 報道機関として信頼性を追求し、ネットワークの強靱化を図るとともに、サステナビリティ活動を通じて社会課題の解決に貢献していきます。 報道機関としての信頼性追求国民から信頼される正確・迅速かつ公平・公正なニュースを提供し、日本テレビのニュースブランドを世界に確立します。また、調査報道の強化で日本の社会課題解決のきっかけを生み出していきます。 日本テレビネットワークの強靭化新たに設立された読売中京FSホールディングス㈱(FYCSHD)及び、ネットワーク各社とさらに緊密な連携を進め、地域社会の発展や活性化に貢献していきます。 サステナブルな社会に向けた取り組み「サステナビリティポリシー」で定めた6つの重要課題へ積極的に取り組みます。企業や自治体のメディアパートナーとして、社会課題解決に向けた共創事業を推進し、社会的価値の創出と拡大に努めます。 すべての人の人権が尊重される社会に向けた取り組み人権がより尊重されるビジネス実現のための人権デューデリジェンスを推進していきます。また、多様性をテーマにした番組キャンペーンや啓発イベント等を積極的に発信していきます。 (当連結会計年度の取り組み)日本テレビ報道局では、国政選挙に際したファクトチェックシリーズ「それって、本当?」など、時代の要請に応える報道を牽引しました。また、ウクライナ市民への継続的な取材活動が2025年度ボーン・上田記念国際記者賞の特別賞を受賞したほか、マスメディア初となるインパクト測定・マネジメントを導入しました。引き続き、報道の価値を構造的に把握し、組織全体への浸透を図っていきます。 ネットワーク強靭化については、読売中京FSホールディングス㈱とともにネットワークの連携を深めると共に、「NNSガバナンス対応事務局」を発足し、ネットワーク各局のコーポレート・ガバナンス強化を図りました。 サステナビリティ関連では、GHG排出量算定のScope1・2・3をグループ6社へ拡大しました。また、日本列島ブルーカーボンプロジェクト「アマモ場再生活動」の取り組みをグループ8社に拡大しました。これまでのESG分野におけるIR活動等が評価され、ESG投資の代表的な指数である「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に選定されました。3つの指数に1度に選定されたのは今回が初となります。 人権関連では、2024年度の社内アンケートに続き、2025年8月に取引先172社に対する人権に関するアンケートと事後ヒアリングを実施したことに加え、2026年2月にはグループ各社に対しても同様のアンケートを実施しました。 G 資本政策・株主還元方針 2025年度から2027年度の間に生み出したキャッシュフローで成長投資を賄い、収益基盤の拡大を目指します。政策保有株を縮減し、継続的で安定的な株主還元を基本方針としつつ、総還元性向35%以上を新たな目標とします。果敢な投資を通じて成長戦略を推進し、企業価値の向上に邁進していきます。 (当連結会計年度の取り組み)政策保有株については、第3四半期と第4四半期に上場有価証券1銘柄を売却しました。また、自己株式については2025年11月7日~12月17日にかけて2,601,900株を取得し、取得した全ての自己株式を消却しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要、及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成には、予想される将来のキャッシュ・フローや経営者の定めた会計方針に従って財務諸表に報告されている数値に影響を与える項目について、経営者が見積りを行うことが要求されます。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」にて記載しておりますが、経営者による見積りを要する主な会計方針及びそれらに内在する見積り要素は下記のとおりです。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは第5「経理の状況」の連結財務諸表の「重要な会計上の見積り」に記載しております。① 貸倒引当金の計上売上債権等の貸倒損失に備えるため回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、債務者の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 ② 棚卸資産、番組勘定の評価棚卸資産、番組勘定は、評価基準として原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しております。市場の需給動向や回収可能額を超える番組制作費の発生等により、棚卸資産、番組勘定の収益性が低下した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。 ③ 繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 ④ 退職給付に係る負債及び退職給付費用の算定退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上使用される前提条件に基づいて算定されております。これらの前提条件には、長期的な金利水準、将来の給付水準、退職率等が含まれますが、実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。 ⑤ 固定資産の減損処理固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失として計上しております。回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか大きい方としていることから、不動産取引相場や賃料相場が変動した場合や固定資産の収益性が低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ⑥ 投資の減損処理所有する有価証券、投資有価証券及び出資金の投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振など、現在の投資簿価に反映されていない損失が発生するなどにより投資簿価の回収が困難となった場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。 (2) 経営成績の概要・分析当連結会計年度における我が国の経済を概観すると、景気は緩やかに回復しており、先行きについても雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要があります。また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要があります(政府「月例経済報告」2026年3月)。こうした経済環境の中、2025年の日本の総広告費(暦年、㈱電通調べ)は、8兆623億円(前年比+5.1%)と4年連続で過去最高を更新しました。このうち地上波テレビ広告費は1兆6,333億円(△0.1%)となりました。インターネット広告費は4兆459億円(+10.8%)と引き続き好調に推移し、このうちテレビ番組の見逃し配信やリアルタイム配信サービスなどテレビメディア放送事業者が主体となったインターネット動画配信の広告費である「テレビメディア関連動画広告費」が805億円(+23.3%)と引き続き大きく伸長しました。 テレビメディア広告費(関連動画広告費含む)とインターネット広告費(暦年)(単位:億円) 2022年2023年2024年2025年テレビメディア広告費18,01917,34717,60517,556(うち地上波テレビ関連)16,76816,09516,35116,333インターネット広告費30,91233,33036,51740,459テレビメディア関連動画広告費350443653805 (㈱電通調べ「2024年/2025年 日本の広告費」) このような状況の下、当社グループは、在京キー局間の2025年の年間の平均個人視聴率では、ゴールデン帯(19時~22時)でトップを獲得しました。また、平均コア視聴率(男女13歳~49歳)では、全日帯(6時~24時)・プライム帯(19時~23時)・ゴールデン帯(19時~22時)のすべてでトップとなり、年間は13年連続・年度は14年連続で「コア視聴率三冠王」を獲得しました。 日本テレビの年度平均個人視聴率と在京キー局間の順位(関東地区個人視聴率) 2022年度2023年度2024年度2025年度全日帯3.6%(1位)3.5%(1位)3.4%(2位)3.3%(2位)プライム帯5.4%(2位)5.2%(2位)5.0%(2位)4.7%(2位)ゴールデン帯5.8%(1位)5.6%(1位)5.3%(1位)5.1%(2位) (㈱ビデオリサーチ調べ) 日本テレビの年度平均コア視聴率と在京キー局間の順位(関東地区コア視聴率) 2022年度2023年度2024年度2025年度全日帯2.9%(1位)2.6%(1位)2.4%(1位)2.2%(1位)プライム帯4.7%(1位)4.3%(1位)3.9%(1位)3.6%(1位)ゴールデン帯4.9%(1位)4.5%(1位)4.1%(1位)3.8%(1位) (㈱ビデオリサーチ調べ) 当連結会計年度における当社グループの売上高は、スポット収入やデジタル広告収入が好調であったほか、ドラマ制作受託等のコンテンツ制作収入や、イベント事業等の興行収入が増収となったことなどにより、前連結会計年度に比べ225億3百万円(+4.9%)増収の4,844億1千8百万円となりました。売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、スポット収入の増加に伴い代理店手数料が増加したことや、コンテンツ制作収入及び興行収入の増収に伴う売上原価増などにより、前連結会計年度に比べ80億8千7百万円(+2.0%)増加の4,150億8千5百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ144億1千5百万円(+26.2%)増益の693億3千2百万円、経常利益は163億5千7百万円(+24.9%)増益の820億8千1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は107億6千6百万円(+23.4%)増益の567億6千7百万円となりました。 セグメント別の経営成績は次のとおりです。 (コンテンツ・メディア事業)a.広告事業地上波テレビ広告収入のうちタイム収入は、レギュラー番組セールスが前年度並みの水準を維持したものの、「パリ2024オリンピック」などの反動により、前連結会計年度に比べ9億3千万円(△0.9%)減収の1,041億9百万円となりました。スポット収入は、地区投下量が前連結会計年度を上回ったことに加えて、在京キー局の中で高いシェアを獲得したことにより、107億1千2百万円(+9.2%)増収の1,276億3千7百万円となりました。BS・CS広告収入は、前連結会計年度に比べ1億6千6百万円(+1.1%)増収の159億3千7百万円となりました。デジタル広告収入は、民放公式テレビ配信サービス「TVer」における動画広告セールスが好調に推移し、前連結会計年度に比べ13億6千7百万円(+13.0%)増収の118億9千万円となりました。以上より、広告事業の売上高は、前連結会計年度に比べ113億1千6百万円(+4.6%)増収の2,595億7千5百万円となりました。 b.コンテンツビジネスコンテンツ販売収入は、前連結会計年度に比べ4億8千8百万円(△0.5%)減収の927億4千8百万円となりました。コンテンツ制作収入は、㈱ムラヤマにおける各種施設案件の受注が堅調だったことや、ドラマの制作受託収入の増加などにより、前連結会計年度に比べ56億8千4百万円(+19.6%)増収の347億4千7百万円となりました。その他の収入は、前連結会計年度に比べ21億8千2百万円(+20.6%)増収の127億8千7百万円となりました。以上より、コンテンツビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ73億7千7百万円(+5.6%)増収の1,402億8千2百万円となりました。 c.物販事業物販事業における物品販売収入は、la belle vie㈱でのアパレル商材の販売が好調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ6億3千4百万円(+1.9%)増収の340億4千7百万円となりました。 d.イベント・テーマパーク事業興行収入は、イベント事業において舞台「となりのトトロ」や「久石譲コンサート2025」、「ジブリの立体造型物展」などが好調であったことにより、前連結会計年度に比べ23億円(+14.7%)増収の179億8千5百万円となり、イベント・テーマパーク事業の売上高は、前連結会計年度に比べ23億9千3百万円(+14.6%)増収の187億5千1百万円となりました。 この結果、コンテンツ・メディア事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ217億6千8百万円(+5.0%)増収の4,528億8千8百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ149億2千4百万円(+28.6%)増益の671億1千4百万円となりました。 コンテンツ・メディア事業の外部顧客への売上高の内訳は次の表のとおりです。当社グループにおける地上波テレビ広告収入は、漸減傾向が続くタイム収入に対して、2025年度はスポット収入の増加によって全体として増収となっています。引き続き、地上波テレビ広告収入の在京キー局間トップを継続しながら、媒体力を明確に示す為のデータ活用や、クライアントのニーズに即したセールス改革を通じて、テレビ広告の価値向上に努めてまいります。また、デジタル広告収入においては、動画配信市場の拡大が続く中で、民放公式テレビポータル「TVer」での増収を継続しております。加えて、スタジオジブリ作品の海外展開や、グローバル配信事業者に向けたドラマセールスなど、収益基盤の多角化に努めております。当社グループは、2025年5月に公表した中期経営計画における「日テレ、開国! Gear up, go global」をスローガンに、海外市場を強く意識した企画・制作体制を推進し、海外市場での売上拡大を実現してまいります。 外部顧客への売上高(コンテンツ・メディア事業)(単位:百万円) 2022年度2023年度2024年度2025年度広告事業地上波テレビ広告収入タイム111,392105,153105,039104,109スポット120,343113,874116,925127,637計231,735219,027221,964231,746BS・CS広告収入15,18414,97515,77115,937デジタル広告収入5,1556,86010,52211,890小計252,076240,863248,258259,575コンテンツビジネスコンテンツ販売収入73,71679,77193,23792,748コンテンツ制作収入22,00624,23529,06234,747その他の収入7,9759,34510,60412,787小計103,698113,351132,905140,282物販事業物品販売収入18,09523,30433,41234,047イベント・テーマパーク事業興行収入9,87914,54015,68517,985不動産賃貸収入608676672765小計10,48715,21616,35718,751 合計384,358392,736430,934452,656 (ウェルネス事業)スポーツクラブ運営による施設利用料収入を主とするウェルネス事業の売上高は、月会費収入やキッズ会費収入の増加などにより、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ9億1千万円(+3.4%)増収の276億6千5百万円となったものの、7千2百万円の営業損失となりました(前連結会計年度は1億8千7百万円の営業利益)。 (不動産関連事業)汐留及び番町地区を主とする不動産関連事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ2千4百万円(+0.2%)増収の115億5千4百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ3億9百万円(△7.0%)減益の41億3千6百万円となりました。 なお、当連結会計年度より、従来「メディア・コンテンツ事業」としていた報告セグメントの名称を「コンテンツ・メディア事業」に、「生活・健康関連事業」としていた報告セグメントの名称を「ウェルネス事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。 (3) 財政状態の概要・分析(資産)流動資産は、現金及び預金の増加や、前払費用を含むその他流動資産の増加、1年内償還予定の公社債の振替による有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ276億8千9百万円増加し、3,795億2百万円となりました。固定資産は、KANAMEL㈱の関連会社化を含む投資有価証券の取得や時価上昇に伴う投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ227億5千5百万円増加し、9,030億6千万円となりました。この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ504億4千5百万円増加し、1兆2,825億6千2百万円となりました。(負債)流動負債は、未払金や未払費用の増加などにより、前連結会計年度末に比べ106億2千2百万円増加し、1,292億2千1百万円となりました。固定負債は、長期借入金や退職給付に係る負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ2億6千8百万円減少し、1,222億5千8百万円となりました。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ103億5千4百万円増加し、2,514億7千9百万円となりました。(純資産)純資産は、取締役会決議に基づく自己株式の取得や、持分法適用会社に対する持分変動に伴う自己株式の増加があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加や、投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加、非支配株主持分の増加などにより、前連結会計年度末に比べ400億9千万円増加し、1兆310億8千3百万円となりました。なお、主要な自己資本比率の推移は下記のとおりです。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)80.877.677.977.6時価ベースの自己資本比率(%)28.149.462.160.9 (4) キャッシュ・フローの状況の概要・分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は下記の通りです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、607億8千1百万円となりました(前連結会計年度は478億9千8百万円の資金の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益870億2百万円や減価償却費の計上123億2千3百万円による増加があった一方で、投資有価証券売却損益83億4千6百万円の計上や法人税等の支払い265億1千3百万円による減少があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、275億2千7百万円となりました(前連結会計年度は263億7千5百万円の資金の減少)。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,074億5千5百万円や有価証券の取得による支出300億円による減少があった一方で、有価証券の償還等による収入1,100億円や投資有価証券の売却による収入86億8千5百万円による増加があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、配当金の支払い103億1百万円や自己株式の取得による支出100億2百万円等により207億7千4百万円となりました(前連結会計年度は160億6千5百万円の資金の減少)。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より113億1千2百万円増加し、1,295億5千1百万円となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性に係る情報は下記の通りです。(基本的な考え方)当社グループは2025年5月、経営理念を改定し、経営ビジョンを新しく定めるとともに、2025年度から2027年度を計画期間とする中期経営計画を策定いたしました。これは10年後にありたい姿としての経営ビジョン「コンテンツの力で、“世界”を変える。」実現に向け、強靭な地上波テレビネットワークを基盤とし、「日テレ、開国! Gear up, go global」をスローガンに、コンテンツ製作領域に注力することでグローバルコンテンツ企業への変革を推進する以下の取り組みと目標を示すものです。(ア) グローバルコンテンツ企業への変革(イ) IP(知的財産)創出にこだわったコンテンツビジネスの展開(ウ) 企画開発におけるAIの活用、テクノロジーの積極的導入(エ) 生活者に貢献するウェルネス事業の拡大(オ) 1,000億円の投資枠設定による成長支援の加速(カ) 報道の信頼性向上と社会課題解決への貢献(キ) 資本政策・株主還元方針中期経営計画2025-2027の詳細につきましては、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]をご覧ください。また、株主還元の詳細につきましては、「第4[提出会社の状況]2[自己株式の取得等の状況]及び3[配当政策]」をご参照ください。 (経営資源の配分に関する考え方)当社グループは、上記経営計画に従い、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めてまいります。また、安定的な経営及び事業展開に伴う資金需要等に対して機動的に対応するため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。特に報道機関としての使命を果たすべく、いかなる有事でも放送を継続し、従業員の雇用を維持するために一定程度の資金を継続保有することとしております。これらの事業活動等にかかわる資金以外につきましては金融情勢や流動性等を勘案しつつ、適切な金融商品にて運用してまいります。 (資金需要の主な内容と資金調達)当社グループにおける資金需要の主な内容は、当社及び子会社が事業活動を行っていく上で必要な運転資金、投資枠設定による成長支援の加速に沿った投資資金、現有設備の更新を中心とした設備投資や当社グループの人的資本にかかわる投資資金、株主還元方針に沿った株主還元にかかわる資金及び有利子負債の返済資金等であります。これらの資金需要につきましては、主に事業活動によって獲得する自己資金によって賄う予定ですが、加えて、一部の政策保有株式の縮減によって得た資金を充当する予定です。これらを超える資金需要が発生する場合には、当社グループを取り巻く環境や金融情勢等を勘案しつつ、当該時点で最適と考えられる方法により資金調達を行います。 (5) 生産、受注及び販売の実績① 制作(生産)実績当社グループの主たる事業であるコンテンツ・メディア事業の大きな柱は地上波テレビ放送事業であり、下記に記載のプライム帯(19~23時)などの番組を中心にタイムテーブルを編成し、広告枠の販売を行いました。当連結会計年度における日本テレビ放送網㈱の番組制作費は、レギュラー番組を中心にコストコントロールを行ったものの、祝祭性の高い大型特番やミラノ・コルティナオリンピックの編成等により、前連結会計年度に比べ18億1千万円(+2.1%)増加の895億2千6百万円となりました。 (主な地上波レギュラー番組)[プライム帯(19~23時)](バラエティ他) (ドラマ)番組名 番組名月有吉ゼミ 水4月期恋は闇 世界まる見え!テレビ特捜部 7月期ちはやふる-めぐり- しゃべくり007 10月期ESCAPE それは誘拐のはずだった 月曜から夜ふかし 1月期冬のなんかさ、春のなんかね火ヒューマングルメンタリーオモウマい店 土4月期なんで私が神説教 踊る!さんま御殿!! 7月期放送局占拠 ザ!世界仰天ニュース 10月期良いこと悪いこと X秒後の新世界(注) 1月期パンダより恋が苦手な私たち水有吉の壁 日4月期ダメマネ!-ダメなタレント、マネジメントします- 千鳥かまいたちゴールデンアワー 7月期DOCTOR PRICE 上田と女が吠える夜 10月期ぼくたちん家 木THE突破ファイル 1月期パンチドランク・ウーマン-脱獄まであと××日- ぐるぐるナインティナイン 秘密のケンミンSHOW極 見取り図の間取り図ミステリー(注) [情報・報道番組]金ニノさん 番組名 沸騰ワード10 月~金ZIP! 金曜ロードショー DayDay.土嗚呼!!みんなのどうぶつ園 ヒルナンデス! 1億人の大質問!?笑ってコラえて! news every. with MUSIC news zero日ザ!鉄腕!DASH!! 土 シューイチ 世界の果てまでイッテQ! 日シューイチ Golden SixTONES 真相報道バンキシャ! (注) 当連結会計年度内に改編を行っております。 (主な地上波単発番組)[当連結会計年度] [(参考)前連結会計年度]番組名 番組名 5月ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ2025 5月ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ20247月THE MUSIC DAY 2025 わたしの歌 NNN参院選 zero選挙2025 7月THE MUSIC DAY 2024 サプライズ 7~8月パリ2024オリンピック8月24時間テレビ48「愛は地球を救う」 あなたのことを教えて 8~9月 24時間テレビ47「愛は地球を救う」 愛は地球を救うのか? 10月NNN衆院選 zero選挙202412月ヒロミの大晦日リホーム 12月史上最大32名×超高額自腹!!ピタリでたら1000万円 大晦日もゴチになります!SP1月第102回東京箱根間往復大学駅伝競走 1月第101回東京箱根間往復大学駅伝競走2月NNN衆院選 zero選挙2026 ミラノ・コルティナオリンピック 3月MLB開幕シリーズ2025 ② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円) 前年同期比(%)コンテンツ・メディア事業64622.12,88252.1ウェルネス事業----不動産関連事業----合計64622.12,88252.1 (注) 当初に予想される契約期間が1年以内の契約については受注実績に含めておりません。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)前年同期比(%)コンテンツ・メディア事業452,656105.0ウェルネス事業27,202103.0不動産関連事業4,56099.7合計484,418104.9 (注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.当社グループは、主要な顧客である広告主に対し、広告代理店を通じてテレビ広告枠の販売などを行っております。最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合を広告代理店別に示すと次のとおりです。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)㈱電通115,42525.0122,12325.2㈱博報堂 ※74,05216.075,21415.5 ※㈱博報堂及び㈱博報堂DYメディアパートナーズは2025年4月1日に㈱博報堂を承継会社とする吸収分割により統合しており、前連結会計年度は㈱博報堂DYメディアパートナーズへの販売実績を記載しております。 (6) 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。 (7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (4) 中期経営計画 2025-2027 ①中期経営計画2025-2027定量目標」に記載のとおりです。
事業リスク
- 視聴率低下と広告収入減日本国内の人口減少やコンテンツ視聴環境の多様化により、地上波テレビ放送の視聴率が大幅に低下する可能性があります。これにより、主力である地上波テレビ広告収入が減少し、グループ全体の経営成績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
- 放送権・ライセンス料高騰オリンピックやFIFAワールドカップなどのスポーツイベントの放送権料、および動画配信事業におけるコンテンツライセンス料が高騰する傾向にあります。高騰に見合う広告収入や収益を確保することが困難になった場合、採算性が悪化し、グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
- IP構築と人材確保の課題多様な収益源を確保するためのIP(知的財産)構築には、時間と費用がかかる可能性があります。また、番組制作における働き方改革や技術革新への対応、優秀な人材の確保には、人件費や設備投資の増加が伴います。これらが想定以上に進んだ場合、グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。当社グループは、これらのリスクの存在を認識した上で、その回避及び顕在化した場合の対応に努める方針です。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。 (1) コンテンツ・メディア事業① コンテンツ(地上波テレビ放送の視聴動向)テレビ広告収入に大きな影響を及ぼすのが視聴率動向です。当社グループは、国民の皆さまの視聴ニーズを的確に捉え、最も視聴され共感されるコンテンツの制作を目指しております。地上波での2025年の平均視聴率は、情報発信や経済活動が活発なコア(13歳~49歳男女)層において、全日帯、ゴールデン帯、プライム帯の3部門全てでトップとなり、年間で13年連続、年度で14年連続となる三冠を維持しました。コンテンツ制作においては、新たなデジタルテクノロジーの導入を進めるなどして制作体制を強化するとともに効率化を進めております。当社グループが有するコンテンツ制作力を結集し、引き続き、視聴者の皆さまから支持される良質なコンテンツを開発してまいります。しかしながら、日本国内の人口減少やコンテンツの視聴環境の多種多様化により、地上波のタイムテーブル全般で視聴率の大幅な低下があった場合には、地上波テレビ広告収入の大幅な減少等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (放送権・配信許諾等ライセンスの高騰)コンテンツ・メディア事業を主たる事業とする当社グループは、オリンピックやFIFAワールドカップ等、全国民が注目するスポーツイベントの放送をテレビ放送事業者の使命として行ってまいりました。しかしながら、近年これらのスポーツイベントの放映権料が高騰する一方で、高額なテレビ放映権料に見合う広告収入の確保は年々困難になっており、その採算性は悪化する傾向にあります。当社グループといたしましては、今後も、国民の皆さまに娯楽を提供するという放送事業者としての使命を全うすべく、スポーツイベントのテレビ放送に携わっていく所存ですが、テレビ放映権料のさらなる高騰は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。動画配信事業においては豊富なコンテンツを安価で提供することが、サービスが顧客から選ばれる要因となっていることから、近年、コンテンツホルダーの交渉力が高まっており、配信許諾等ライセンスが高騰する傾向にあります。当社グループといたしましては、コンテンツの選別を精緻に行い、慎重に収支のシミュレーションを行った上で、ライセンスを購入しております。また、購入したライセンスは効果的に利用すべく、コンテンツ中心主義の下、当社グループが有する地上波テレビ放送をはじめとする各メディアとの連携を図り、収益の最大化を進めております。しかしながら、配信許諾ライセンスのさらなる高騰により、投下資本の回収が困難なケースが増えた場合は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (コンテンツ制作の取り組み)当社グループでは、今後、多様化するメディアの中で、制作したコンテンツのテレビ放送での利用は、ゲーム・商品化・映画・舞台等様々な利用方法と並列と捉えてマネタイズを組み立てる必要があり、IP(知的財産)の構築及び確保が重要であると考えております。当初より様々な利用を前提とし、権利処理関係においてより上流に位置することになるIPの構築には、これまでのテレビ放送を前提としたコンテンツ制作とは異なるケースも多々発生し、構築までに時間と費用がかかる場合があります。今後、当社グループの収入源の多様化を図るためにもIPを構築し確保することは重要でありますが、想定した通りのIPの構築が進まない場合、あるいはIPの構築に想定以上のコストが必要となった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。番組制作においては、働き方改革の促進に伴い、クラウド上での編集システムの検討など効率化に取り組んでおります。しかしながら、現状の番組クオリティを維持するためには、スタッフの人員増や編集システムへの投資など、費用が増加する傾向にあります。また近年、SNS等のインターネットメディアの拡大に伴い、テレビ番組以外の制作物も増加しております。その対応のための人材確保や外部リソースの活用などを推進しておりますが、業種を問わずニーズが高い分野のため、優秀な人材を確保できない場合や確保できたとしても高コストになってしまうことも想定されます。計画的な設備投資、人材の採用を行い、コスト抑制に努めてまいりますが、想定を超える技術革新、人件費の高騰が進んだ場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。映画・イベント等への展開に関しては、慎重にシミュレーションを行った上で、投資判断を行っております。しかしながら、実際の映画の興行収入や劇場公開後の二次利用収入・イベントチケット販売収入や関連グッズなどの物品販売収入等がシミュレーション通りの収益を確保する保証はなく、当初計画した収益を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (著作権等の知的所有権)当社グループの制作するテレビ番組は、原作者、脚本家、音楽の作詞・作曲者、レコード製作者、実演家等多くの人々(以下、「著作者等」という。)の知的・文化的な創作活動の成果としての著作権や著作隣接権(以下、「著作権等」という。)が密接に組み合わされた創作物です。著作権法は、その第1条においてこれらの創作活動を行う著作者等の権利を定め、その公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、文化の発展に寄与することを目的としています。当社グループは制作したテレビ番組を、地上波テレビ放送や動画配信、BS・CS等の衛星放送、DVD / Blu-ray Disc等によるパッケージメディア化、海外への番組販売等によるグローバル展開、番組キャラクター等のマーチャンダイジングや出版化等によりマルチユース利用することで収益を獲得しております。この際、様々な著作者等が保有する著作権等に十分配慮しつつ展開することが求められます。しかしながら、当社グループの制作するテレビ番組は、原則として日本国内における地上波放送や衛星放送を前提として著作者等から著作権等の利用を許諾されており、これら以外への利用に際しては別途許諾が必要なテレビ番組が存在します。このため、テレビ番組をインターネット等の新たなメディアでマルチユース利用する場合や、海外展開をしていく上で、予め著作者等の許諾を得るか、放送と並行して、あるいは放送後に著作者等の許諾を再度取得することが必要不可欠となります。これらの権利処理には多くの時間と費用が必要となる可能性があります。当社グループでは、新たに番組を制作する際には予めマルチユース利用を前提とした著作権等の許諾を得て制作を進めていくほか、これまでに制作した番組については、必要に応じて適切に著作者等から著作権等の許諾を取得する作業を行い、コンテンツのマルチユースがスムーズに進められるよう心掛けております。万が一、当社グループが著作者等に対し、不適切な対応を行った場合には、放送等の差し止め要請や損害賠償請求を受ける可能性があります。このような場合には、収益の大幅な減少・訴訟等に伴う費用の大幅な増加等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② メディア(地上波テレビ放送の媒体価値と収益性) 当社グループの主たる事業であるコンテンツ・メディア事業は、地上波テレビ広告枠の販売による地上波テレビ広告収入に依存しており、当連結会計年度における地上波テレビ広告収入は総売上高の47.8%を占めています。一般に、広告市況は経済のマクロ動向と連動する傾向があり、日本国内においては、少子高齢化と人口減少により大きな市場の伸びが期待できない状況です。これらに加え、メディアの多様化やデジタル広告市場拡大等の外部環境の変化により、地上波テレビ放送事業は厳しい状況に晒されており、広告価値において地上波テレビ放送が有してきた全国ネットワークによるマスへのリーチといった絶対的優位性の維持・確保が課題であると認識しております。 当社グループとしましては、視聴者から支持される番組を作り続けることにより、視聴率・視聴質の維持・向上に努め、全国ネットワーク体制を維持・強靱化し、今後厳しさが増すと予想される市場環境の中でも、地上波テレビ広告市場におけるシェアを拡大することで地上波テレビ広告収入の確保に努めております。これに加え、地上波広告でインターネット広告と同様のリアルタイムなプログラマティック取引を実現するアドプラットフォーム「Ad Reach MAXプラットフォーム」(以下、「アドリーチマックス」)の運用開始などで、地上波テレビ広告の高度化と価値の維持、広告体験の向上に努めております。広告の効果分析に対するニーズに対しては、非特定データ基盤の構築を目指し、獲得したデータの有効な処理や活用のためのデータサイエンティストの確保などを推進しております。また、視聴データの整備を進めると同時に、さらに広告価値を高める方法についても引き続き研究を行っております。 しかしながら、今後の日本経済のマクロ動向や広告市場の動向により、地上波テレビ広告収入が大幅に縮小し、かつ、地上波テレビ広告収入の落ち込みを補う非放送広告収入を創出できなかった場合は、当社グループの存続に関わる、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (メディアの多様化) 通信環境の進化とともにスマートフォンやタブレット端末、コネクテッドTVが広く普及して視聴スタイルが多様化し、テレビのみならず様々なメディア間でユーザーの可処分時間の奪い合いが激しさを増しております。当社グループは、地上波・BS・CSの3波協業を皮切りに、2014年4月にアメリカの動画配信会社 Hulu,LLC の日本市場向け事業(定額制動画配信サービス「Hulu」の運営)を承継し、SVOD(Subscription Video On Demand:定額動画配信)事業に参入し、現在はTVOD(Transactional Video On Demand:都度課金型動画配信)事業に加え、2025年度より電子コミック事業も開始しております。また、「日テレ無料!(TADA)by日テレオンデマンド」において、2014年度より放送事業者として初めて、一部放送コンテンツで広告付き無料見逃し配信(キャッチアップ)のサービスを開始し、インターネット環境下での放送コンテンツ視聴のBtoB事業化に着手、2015年には民放公式テレビポータル「TVer」をスタートし、AVOD(Advertising Video On Demand:広告付き無料動画配信)事業も順調に成長しております。 当社グループといたしましては、今後も地上波テレビ放送にとどまらず多様化するメディアに積極的に参入するとともに、積極的に競争力のあるコンテンツを創出あるいは獲得し、供給することで事業の拡大を図り、収益源の多様化を進めてまいります。 しかしながら、これらの事業は成長分野であるとともに、豊富な資金力を有する外資系企業が参入するほか、国内配信事業の統合など競争環境は年々厳しくなっております。事業が想定通りに伸長しない場合や、ネットワークインフラと端末の高機能化等により、市場を取り巻く環境が大きく変容する可能性もあります。このような場合には、投下資本の回収が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2) ウェルネス事業当社グループは、2014年12月に総合スポーツクラブ事業を営む㈱ティップネスを連結子会社化し、ウェルネス事業を展開しています。ウェルネス関連の市場規模は拡大傾向にあるものの、新規事業者の参入などにより事業の競争環境は厳しさを増しております。㈱ティップネスは従来の総合型スポーツクラブ「ティップネス」や24時間営業のトレーニングジム「FASTGYM24」、心地いい居場所を提供するカフェ併設型ジム「MiiBA」を展開し、顧客層の獲得へ取り組んでおります。また、2020年3月には水泳スクールを営む㈱ジェイエスエスを関連会社とし、㈱ティップネスとのシナジーも含め、本セグメントにおけるスクール事業の強化に努めております。しかしながら、スポーツ施設の運営において、同業他社や他のスポーツ関連サービス等との競合により会員を計画通りに確保できない場合や、価格競争により平均単価が低下した場合、あるいは賃貸契約を更新できずに店舗を閉鎖せざるを得ない場合には、安定的な収益が得られない可能性があります。また、新規出店やリニューアルなどには、規模に応じた投資を要するため、会員の確保が計画通り進まない場合には投下資本の回収が困難になる可能性があります。特に昨今では、コロナ禍において減少した会員数の回復に時間を要しております。当社グループといたしましては、不採算店舗の閉鎖も実施しつつ、コスト構造の見直しを通じて収益性の回復を図るほか、デジタル化を通じた新規事業の創出やデータの活用を通じ、健康ニーズに迅速・的確に応えるコンテンツ・サービスの開発に取り組んでまいります。しかし、引き続き会員数の回復が見込めない場合や想定外の多額の費用投下が必要になった場合などには、収益の大幅な減少やさらなる不採算店舗の閉鎖コストの発生、固定資産のさらなる減損リスクが発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3) 不動産関連事業① 番町再開発事業当社グループは、汐留及び番町地区等において不動産賃貸事業を計画、実施しており、保有地の活用検討を進めております。当社グループといたしましては、建設費の高騰等を想定し、できる限りコストコントロールに努めた上で事業を進めてまいりますが、予期せぬ事情により今後の計画に何らかの影響が及んだ場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 太陽光発電事業当社グループは、クリーンエネルギーの創生を、環境に配慮した社会的に意義のある取り組みと位置付け、熊本県に営農型太陽光発電所を稼働させております。当該発電所につきましては、電力会社との固定価格買取制度に基づく契約を締結することで安定的な収益確保に努めております。なお、2025年度には営農型太陽光発電における作物を椎茸から榊へ変更し、営業リスクの低減を図りました。一方で、今後も合理的な理由に基づく電力会社からの出力抑制等により、計画どおりの電力買取が行われない可能性があります。また、営農の継続性に疑義が生じ、発電所から撤退する場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4) M&A当社グループは、2025年度から2027年度を計画期間とする中期経営計画2025-2027において戦略的投資と戦略費投下を合わせた成長投資枠を1,000億円とし、コンテンツ・グローバル領域、ウェルネス領域、新規事業領域を対象にM&A等の戦略的投資を行ってまいります。しかしながら、M&Aについては、適切な候補先が見つからない場合や、条件に合致しないなどの理由により、当社グループの想定通りに取引が進まない可能性があります。M&Aを行うにあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行い、十分にリスクを回避するように努めていますが、対象企業に偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査で把握できない問題が生じる可能性も否定できません。また、M&Aにおいては、対象企業とのシナジー効果を含んだ金額での合併・買収価額となることが通常であるため、事前段階から綿密な統合計画を作成し、合併・買収後において、速やかに統合計画を実行することにより、早期のシナジー発現を目指しております。しかしながら、合併・買収後に重要な役員・従業員の退職や取引先との関係悪化といった躓きが生じた場合や、事業環境の変化その他の理由により統合後の事業展開が計画通りに進まず、シナジー効果が発現できない場合には、のれん等の減損リスクが発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5) 人材・組織・制度① 人材の確保及び人材の育成当社グループが事業活動を行う上で、人材の確保は重要な課題と捉えています。様々なプラットフォーム・デバイスや海外に向けたコンテンツ制作等、現在の事業をさらに拡大するために、また、新たなビジネス・サービスを創出するためには、それぞれに必要なスキルを有した人材が不可欠です。しかしながら、昨今、労働需要がひっ迫し、労働力及び人材の確保が難しくなってきております。また、DXやAIがますます重要になり、デジタル技術を用いた新規サービス・業務改善につながるシステム等を開発するエンジニアや、獲得した大量のデータを適切に分析・活用できるデータサイエンティストに対するニーズが一段と高まってきております。当社グループにおきましても、このような「デジタル系人材」を獲得することが非常に重要と考えておりますが、様々な業界・企業が求める人材であるため、採用は容易ではありません。当社グループでは、テレワークやコミュニケーションツールの活用をはじめとした働き方改革に全社を挙げて取り組み、社員や協力スタッフにとって働きやすい環境の整備に努めることで、人材の確保に注力しております。さらに、キャリア採用の強化等で多彩な人材を迎え入れ、当社グループの一番の強みであるコンテンツ制作力を強化するとともに、海外戦略や新規事業にも積極的に取り組んでおります。このほか、経理等の重要な管理部門においても、専門スキルを有する「コーポレート人材」を継続して採用するなどし、ガバナンス機能の強化に努めております。これらに加え、優秀な人材の永続的な確保という観点では、社員の流出を防ぐことも重要であると考え、より働きやすい環境を目指して絶えず制度を改善しております。また、女性が働きやすい職場作りに注力しており、出産を経た女性が復職しキャリアを積み上げていくことが可能な環境を整えております。人材の確保のみならず、人材の育成も事業の成長において重要な要素であると考えております。当社グループでは、業務に必要なスキル・知識、マネジメント能力等の習得に向けて、OJT(On-the-Job Training)を軸とした育成に加え、Off-JT(Off-the-Job Training)の機会を増やしております。また、部署の横断プロジェクトの立上げや社内あるいはグループ内外の人事交流を深めること等を通じて、優秀な人材の育成に努めております。評価制度を充実させるとともに、報酬については成果・業績に基づく賃金体系を導入しており、社員のモチベーション及びパフォーマンス向上に取組んでおります。しかしながら、労働力・人材を十分に確保できなかった場合、また労働関係の法令や制度の改正等により人材に関わる費用が増加する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 組織及び人材の活用当社グループでは、人的資本を活かす上で、適切な組織の構築と適材適所の人材の配置が重要であると考えております。組織においては、当社グループが創り出すコンテンツの価値最大化とDXを実現するための組織改編や、ウェルネス事業を強力に推進・統括する部署の創設、社内ベンチャーとして誕生した事業の分社化等、既存事業の強化と新規事業の創出等に向けて、適切な組織の構築に努めております。また、会計システムにおける伝票の申請・承認・保管及び受取請求書の電子化、クラウドサービスの導入等ITテクノロジーの活用、社内横断プロジェクトを通じた業務のボトルネックの改善等、業務の効率化を図り、余裕が生じた労働力を新規事業に充当することにより、事業の拡大に努めております。しかしながら、人的資本が有機的に機能しない事態に陥った場合、企業活動が停滞し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、2[サステナビリティに関する考え方及び取組]では「人的資本(人材の多様性を含む。)に関する取組と指標及び目標」に関する記載、第4[提出会社の状況]の5[従業員の状況等]では「人材戦略に関する基本方針等」に関する記載がありますので併せてご覧ください。 (6) 保有資産① 保有不動産の価値低下当社グループは、事業の用に供する様々な不動産を保有しております。このうち、汐留地区にある本社ビル「日本テレビタワー」及び番町地区に保有する不動産は、コンテンツ・メディア事業及び不動産関連事業に供している資産で、当連結会計年度末における汐留地区の「日本テレビタワー」及び番町地区の保有不動産の帳簿価額は合わせて、2,072億9千8百万円(建物及び構築物と土地の合計額)であり、当社グループの総資産の16.2%を占めております。当連結会計年度末現在、汐留地区の「日本テレビタワー」及び番町地区の保有不動産に関して減損の兆候は認識しておらず、将来における回収可能性はあるものと認識しており、当面、減損の兆候を認識するような事態にはならないと考えております。しかしながら、将来において、経営環境の著しい悪化等により当社グループの収益性や営業キャッシュ・フローの大幅な悪化が見込まれた場合や、地価が著しく下落した場合、保有する不動産に対して減損損失を計上する必要があるため、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。 ② システムの開発・投資当社グループは、放送事業における基幹システムの更新・改修に加え、動画配信事業におけるシステムの開発、さらにはAIやクラウドを利用する番組制作システムや業務システム、AIを用いた映像や音声のコンテンツ解析など、次世代技術を含めた開発・新規投資を行っております。加えて、新規に事業を開始する際には新たに対応するシステムの構築が必要となる場合もあります。事業の効率性を高め、競争力のあるサービスを提供するためには、これら様々なシステムの重要性はますます高まっています。必要と認められるシステムは、初期費用、ランニング費用、その後の必要な改修費用等を慎重にシミュレーションし、外部ベンダーへの依頼やグループでの内製及びクラウドサービス等の利用により、システム開発及び改修の必要性を精査することでコストコントロールに努めて構築しております。加えて、アジャイル開発も導入し、変化に耐えうる開発を推進しています。しかしながら、近年の技術革新のスピードや消費者ニーズの変化はとても速く、当初の予想を超えて開発・投資した技術やシステムが陳腐化する等、当初計画値以上の再投資が必要になる場合、さらに投資額に見合った収入の確保あるいは業務の効率化が見込めない場合には、固定資産の減損及び減価償却費の増加等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、近年ではサイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化していることから、各種システムのセキュリティリスクは年々高まっています。当社グループとしても様々な高度なセキュリティ対策を講じていますが、これらを超える新たなセキュリティ上の脅威が発覚し、その対策として多額の投資が発生した場合、あるいは個人情報や営業上の機密の漏洩をはじめとするリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 保有有価証券当社グループは、事業上の結びつきまたは資金運用を目的とし、複数の会社・組合及び債権等に投資を行っています。一方で、当社グループは、保有有価証券等の評価に当たり、会計基準に則した社内ルールを設定し、減損処理等の必要な措置を適宜施し、投資先企業の業績や市場での取引価額が当社グループの業績に適切に反映されるよう厳格に運用しています。新規の投資案件に関しては、リスク及びリターンを充分に考慮し、投資判断を行っています。また、保有している有価証券等につきましても、投資先との関係、取引状況、協業機会、シナジー効果及び市場の動向や投資先企業の業績並びに時価を定期的にチェックし、最大限の収益獲得に努めています。しかしながら、これらの投資先企業の業績や市場動向を確実に予想することは困難であり、将来的に当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (7) 法的規制等① 認定放送持株会社に対する法的規制認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることで、複数の地上波放送局とBS放送局及びCS放送局を子会社として保有することが認められています。当社は日本テレビ放送網㈱、㈱BS日本、㈱CS日本を子会社とする認定放送持株会社として認定を受けています。今後、認定放送持株会社の資産に関する基準等、放送法で定める基準を満たさなくなった場合には、認定の取り消し(放送法第166条)を受ける可能性があります。仮に認定の取り消しを受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。また、放送法で定める外国人等が直接及び間接に占める議決権の割合が、当社の議決権の20%以上となる場合には、認定放送持株会社としての認定が取り消されることになります。このため、このような事態に至る場合は、放送法に基づき、外国人等が取得した当社株式につき、株主名簿への記載または記録を拒むことができ、その議決権は制限されることとなります。 ② テレビ放送事業者に対する法的規制当社グループの主たる事業であるコンテンツ・メディア事業におけるテレビ放送は、「放送法」及び「電波法」等の法令による規制を受けています。このうち、放送法は放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置、BS・CS放送等の衛星基幹放送の業務の認定に関する基準等を定めています。また、電波法は電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的としています。電波法第4条は電波を送信する「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。」、電波法第13条では「免許の有効期間は、免許の日から起算して五年を超えない範囲内において総務省令で定める。」など、地上基幹放送の免許を定めています。当社グループのテレビ放送事業については、当社が1952年7月31日に我が国初のテレビ放送免許を取得し、それ以来、放送局の再免許を受けてきました。2012年10月1日には認定放送持株会社化した当社に代わって、子会社の日本テレビ放送網㈱が同日免許を承継し、現在に至っております。また、㈱BS日本、㈱CS日本につきましてはそれぞれ衛星基幹放送の業務の認定を受けており、放送法等の法令による規制を受けています。所定の事態が生じた場合における総務大臣の権限として、衛星基幹放送に関しては放送法の「業務の停止」(第174条)や「認定の取り消し等」(第103条、第104条)、地上基幹放送に関しては電波法の「電波の発射の停止」(第72条)や「無線局の免許の取り消し等」(第75条、第76条)を定めております。当社グループは、こうした事態が生じることのないよう常に公平・公正さを保ち、信頼される番組作りを心掛け、放送の社会的使命を果たしていく所存です。具体的には視聴者センターを設け、視聴者の皆様の声を伺い番組作りに役立てるほか、考査部や番組審議会を組織し、定期的に放送番組をチェックすることで放送倫理を保つことを心掛けます。しかしながら、仮に放送法や電波法に反するような状態が生じ、放送事業の免許や認定の取り消し等を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。 ③ 個人情報の取り扱い当社グループでは、動画配信サービスや通信販売事業、スポーツクラブ事業等のサービスを展開するにあたり、顧客の氏名、住所、電話番号などの基本情報に加え、口座情報などを扱うほか、放送事業においては番組の観覧者や出演者などの個人情報を取り扱っております。これらの個人情報は、当社グループの事業運営に際し必要不可欠な資産であると認識しておりますので、当社グループとしては、全ての方々に安心して個人情報を預けていただける体制を整備することが重要と考えます。このため、個人情報の安全な管理のための社内体制を構築するとともに、従業員等に対する研修を行い、個人情報保護についての周知啓発を徹底するほか、情報セキュリティの強化にも注力しております。その一方で、デジタル社会の進展に伴い、個人情報が様々な形で利活用される昨今、個人情報を取り扱う事業者に課せられる責任は増しています。情報管理の脅威となるサイバー攻撃の手口も一層高度化・巧妙化し、個人情報のさらなる適正管理が求められることから、個人情報の保護に関する法律及びこれ関連するガイドライン、その他業界の自主ルール等による規律を的確に把握した上で、これらに適切に対応する必要があります。万一、不正アクセスまたは不正利用などのインシデントにより当社グループが保有する個人情報が漏洩した場合、または関連法規等の遵守状況が十分でない場合、当社グループの情報管理に対する信頼性が低下し、各事業の円滑な遂行に影響を及ぼすおそれがあるとともに、損害賠償責任等の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。 (8) 災害及び感染症等① 自然災害・気候変動等我が国は元来、地殻変動や火山活動が発生しやすい地理特性にあり、地震・津波や噴火及びそれに伴う事故といった大きな被害が度々発生しております。これに加え、近年、地球温暖化に伴う異常気象の影響もあり、大型台風や局所的な集中豪雨といった風水害の危険性も高まってきております。日本テレビ放送網㈱等は放送法により「暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をするようにしなければならない」と災害時の放送を義務付けられております。当社グループは、報道機関としてこのような有事の際に、携わる社員・スタッフの安全を確保しつつ、国民の皆さまにいち早く正確な情報を伝達する使命を有しております。大規模災害が発生し、報道特別番組等を放送する場合には、事前に予定されていたCM放送を休止することがあるほか、被害状況によっては、当社グループの放送設備が被災し、テレビ放送自体に支障が生じる可能性があります。当社グループではこのような大規模災害時でもテレビ放送を続けられるよう、番町地区に耐震性が高くBCPに対応したスタジオ棟を建設する等の対策を講じております。また、首都圏が甚大な被害に見舞われ、東京地区からのテレビ放送が困難な事態に陥った場合には関西地区からの放送が実施できる仕組みを整えることで放送の継続を可能とする体制を築いております。このほか、テレビ放送以外の事業におきましても、保有または利用する設備等が被災した場合、あるいは携わる社員・スタッフが何らかの被害にあった場合でも事業への影響を最小限に抑えられるよう、様々なケースを想定してシミュレーションを行い、対策を講じております。しかしながら、想定以上の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。なお、気候変動に関しましては、2[サステナビリティに関する考え方及び取組]「○ガバナンス及びリスク管理 ②リスク管理」及び「(1) 気候変動問題に関する重要な戦略並びに指標及び目標」に記載しております。 ② 新型コロナウイルス感染症を含む感染症の拡大等新型コロナウイルス感染症を含む感染症の拡大等により、テレビ広告収入への影響や公開映画・イベント等の延期・中止、スポーツクラブの時短営業やテーマパークの入場制限などの影響が広範囲に及ぶことが想定されます。これらにより、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。