経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、㈱テレビ東京による地上波放送事業を中核として、BS放送(㈱BSテレビ東京)、CS放送(㈱エー・ティー・エックス)、そしてインターネットによる配信事業を総合的に運用してコンテンツの制作とメディアビジネス展開の戦略機能を担う認定放送持株会社です。 2024年4月のテレビ東京開局60周年を契機に、グループは新しい企業理念「心を温かく、時に熱く。一人ひとりに深く届け、 ちょっといい明日へ。」(パーパス=存在理由)、「『あたりまえ』に挑み、 まだ見ぬ『おもしろい』を共に創る。」(ミッション=果たすべき使命)などを制定しました。 そして2025年度に、これらのパーパス・ミッションに基づき2035年にテレビ東京グループが目指すべき姿として、「テレ東VISION2035」を策定しました。 「テレ東VISION2035」まだ見ぬ「おもしろい」を世界に発信し一人ひとりの「ちょっといい明日」に寄り添う2035年、グローバルIPメディア「テレ東」として第4の創業ヘ 1.「まだ見ぬおもしろい」コンテンツやサービスを創り、挑戦し続ける「まだ見ぬおもしろい」とは… ・他がやらないことをやる、見る人ひとりひとりの心に深く刺さる ・AIをはじめ最先端のテクノロジーで時代の先を行く 2.乳幼児からシニアまで、ユーザー本位で貢献する 「ちょっといい明日」のために… ・正確で客観的な報道・情報で、信頼されるメディアであり続ける ・社会課題解決につながる新規事業を創出する ・つながるすべての人の人権を尊重する 3.グローバルIPメディア「テレ東」として第4の創業を果たす「グローバルIPメディア」とは… ・既存のマス・メディアの枠を超え、コンテンツIPを起点として放送、配信などに広角展開する ・専門人材を採用、育成し、多様なコンテンツを国内だけでなく世界に届ける これらを体現するため、報道、アニメ、バラエティ、ドラマ、音楽、スポーツ、イベントなど各分野で競争力のあるコンテンツやIP(知的財産)を制作・発信するとともに、社会課題解決にも貢献し、テレビ東京グループの存在感を一段と高めていきます。グループの成長戦略としては、アニメ・経済報道・独自IP事業を一段と強化し、IPを国際的に展開する「グローバルIPメディア」を目指します。同時に、新規事業の開発などでフロンティアを開拓し、収益源をさらに多様化させてまいります。こうしたコンテンツ・IP起点の考え方を「CaaS(Contents as a Service)」と規定し、長期ビジョンの中核戦略に位置付けました。2026年度からは「CaaS・IP推進会議」を新設し、KPI管理を徹底しながら本格的な運用を始めています。 (2) 経営環境2025年の日本の広告費(㈱電通調べ)は前年比5.1%増の8兆623億円と過去最高となりました。テレビ広告(地上波・衛星メディア関連の合計)は、1兆7,556億円と前年より0.3%減少しました。一方、ネット広告は前年比10.8%増の4兆459億円となりました。 (3) 目標とする経営指標当社は各ステークホルダー(視聴者、社会全般、株主、取引先、社員)への責任をバランスよく果たし、企業価値の向上を通じて満足の総和を高めていくことを基本方針としております。2020年代後半にROE(自己資本利益率)8%の達成を目指すとともに、連結ベースで配当性向35%を目途とし、総還元性向については40%程度を目指すことを新しい株主還元方針とします。当社は資本コストを含む様々な経営指標を適切に認識しつつ、コーポレートガバナンス・コードを着実に実行してまいります。 (4) 中長期的な会社の経営戦略地上波放送事業を中核として、BS放送、CS放送、配信事業を一体的に運用し、放送・配信に加え、アニメ・経済報道・独自IP開発を一段と強化してさらなる成長を目指します。様々なルートでコンテンツを提供し、下記の経営戦略を着実に実施することで、放送と配信との相乗効果によりコンテンツの価値を高めていきます。 ① コンテンツ力を強化、あらゆるルートで発信グループの収益の源泉はコンテンツです。「まだ見ぬおもしろい」コンテンツを追求すると同時に、放送・配信・商品化・イベント・海外販売など、コンテンツをマルチユースし収益源を多様化します。また、クリエイティブ体制を強化し、ゴールデン・プライム帯で新たなテレ東の顔となるヒットコンテンツを創出するほか、レギュラーコンテンツ以外にも「世界卓球」で放送・配信・セールス・プロモーションを横断的に展開するなど、スポーツコンテンツの発信力も高めます。イベントでは「行方不明展」に代表されるような新たな人気の催しを開拓するほか、市場が成長するeスポーツへの取り組みも強化します。コンテンツのラインナップ編成にあたっては視聴データを駆使し、収益の最大化を目指します。 ② アニメを中心としたコンテンツのグローバル展開を加速人口減少による国内市場の縮小を見据え、コンテンツのグローバル展開を加速します。テレビ東京の強みであるアニメを主軸に、実写コンテンツ(ドラマ、バラエティ)や、2024年度から配信を開始したグローバル向け配信事業のFASTも合わせて海外売上比率を高めます。アニメは北米・欧州・中国の収益を拡大すると同時に、インドや南米市場を開拓します。新たな有力作品を積極的に発掘して海外窓口を獲得するほか、商品化やゲーム化を推し進めます。アニメ以外にも、海外展開できるコンテンツの開発を進めます。バラエティは2024年度から海外の放送局や配信事業者等にフォーマット販売が可能な作品をトライしており、その本数を増やします 。ドラマは有力な海外プラットフォームとの取引拡大や、外国人俳優を起用した作品を制作することで、海外で稼ぐ力を高めます。特にアジアで伸びているショートドラマについても作品数を増やしていきます。 ③ AVOD(広告付き動画配信)・SVOD(定額制動画配信)を底上げ、収益多角化を推進「孤独のグルメ」や「夫の家庭を壊すまで」などに代表される独自性の強いドラマはテレビ東京の得意分野となりました。今後も個性的なドラマを作り続けるとともに、バラエティコンテンツを強化して再生数を底上げし、AVODの売り上げを増加させます。また、市場が拡大しているショートドラマの配信では、新しいヒットジャンルの開拓と有力な制作事業者との提携を推し進め、国内外で「テレ東のショートドラマ」ブランド確立を目指します。SVODは海外有力プラットフォームとの提携を強化し、海外販売を拡大します。FASTは世界に通用するコンテンツやIPを制作し、広告、eコマース、サブスクリプションなどグローバルメディアビジネスの起点となるチャンネルを開発していきます。 ④ 信頼される経済報道を貫き、次なる成長の核にSNSの情報が影響力を拡大するなか「信頼できる報道メディア」として強みである経済報道にさらに磨きをかけます。経済動画配信サービス「テレ東BIZ」をニュース発信のハブとし、放送と配信の双方で情報を届けます。マーケット情報や企業取材を強化するとともに、「学べる」「見つかる」「つながる」コンテンツを拡充し、経済に関心が高いビジネスパーソンの視聴を取り込みます。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」「WBS」やBSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」などのニュース番組は、日本経済新聞社との連携や独自取材を強化し、より新しくより深い情報を届けます。2026年4月からは「カンブリア宮殿」をリニューアルし、また、新たに「モーサテサタデー」「アンパラレルド」といった経済報道番組もスタートさせており、これからも多くの視聴層に対して必要な経済報道コンテンツを展開していきます。 ⑤ IP収益化に向けた戦略投資と先端技術による生産性向上長期ビジョン「テレ東VISION2035」および2025-27中期経営計画に基づき、200億円の成長投資枠を活用し、新規事業開発、投資・M&A、資本業務提携、DX投資等を機動的に推進しております。2025年度は、eスポーツ領域を中心とするイベント事業の強化を目的にQ-nine㈱を子会社化したほか、IPのデジタル展開・海外展開に強みを持つ㈱Mintoに戦略的出資を行い、コンテンツIPの収益力強化を図りました。あわせて、社内公募により選定された新規の事業企画についても、実証実験を進めながら事業化の可能性を検証しております。また、当社グループの基幹システムの刷新は段階的に進展しており、DX投資を通じた業務の最適化と効率化によって創出した時間と人材は、成長領域へ再配分していく方針です。さらに、VP(バーチャルプロダクション)やAIを含む先端技術については、報道やドラマ、バラエティのコンテンツ制作、映像・音声表現への活用を広げ、多彩な表現力と生産性向上の両立を目指してまいります。 (5) 会社が対処すべき課題① コーポレート・ガバナンス強化コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化は社会の要請であり、テレビ東京グループにとっても重要な課題です。当社は取締役の3分の1を独立社外取締役にしており、取締役会の諮問機関として独立社外取締役と代表取締役社長により構成する「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」を設置しております。両委員会とも独立社外取締役が委員の過半数を占め、独立社外取締役を委員長に選任しています。委員会は㈱テレビ東京ホールディングスの取締役の人事案や報酬の方針などについて議論し、取締役会に答申しています。また、代表取締役社長の助言機関として、社外取締役と代表取締役などが出席する「経営懇談会」を設けております。「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」「経営懇談会」があわせて機能することでコーポレート・ガバナンスを強化し、経営の透明度を高めてまいります。 ② 気候変動リスクへの対応当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置して、地球環境問題をはじめ、人権の尊重、従業員の健康、労働環境への配慮や公正・適切な処遇を実現するための啓発活動などサステナビリティを巡るあらゆる課題に対してグループ全体で取り組んでいます。気候変動への対応については、消費電力の削減や再生可能エネルギーの導入、自社のCO2排出を相殺できる「J-クレジット」等の活用を組み合わせて2023年度からグループ全体のCO2排出量の実質ゼロを継続しています(対象はScope1とScope2)。また、当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」へ賛同し、TCFDが提言するフレームワークを活用して定期的に情報開示をしています。複数の将来シナリオを用いて気候変動が事業に与えるリスクと機会を評価し、気温上昇に伴う事業活動への恒常的な悪化と、緊急的かつ頻発の恐れのある自然災害の影響を分析してBCP(事業継続計画)体制をグループ全体で構築しています。世界的な課題となっている気候変動リスクへの対応はメディアグループとしても、企業としても重要な課題の1つと認識しています。当社グループではSDGs(持続可能な開発目標)に本格的に取り組むため、国連が報道機関に協力を呼び掛ける「SDGメディア・コンパクト」に署名・加盟しております。報道機関だからこそ出来る取り組みとして、放送や配信、イベントなどを通じてサステナビリティの浸透に取り組んでいます。 ③ 人材の多様性に向けた取り組み 当社グループは、「挑戦・成長を続ける社員が安心して長く活躍できる会社」の実現を人事戦略に掲げ、人材の多様性と専門性を両立する組織づくりを進めております。 中核会社である㈱テレビ東京において、2023年度からいち早く同性パートナーを配偶者と同等に扱うパートナーシップ制度を導入しています。また、外国籍社員は17名在籍しており、グローバル展開やIPビジネスの拡大において中核的な役割を担っています。2025年度の採用実績は新卒25名、キャリア採用33名でキャリア採用比率は56.8%。2026年度も引き続きAI・グローバル・IPビジネス領域の即戦力人材を強化配置するため、前年同等の採用数を目指します。 働き方の面では、在宅勤務(サテライトオフィスの利用含む)、フレックスタイム、育児介護時短制度等を活用することで、誰もが能力を発揮しやすい環境を整備しています。また、2026年度には異業種企業との人材交流を開始し、就業経験を通じて視野を拡げ、本業に活かせるスキルアップに繋げていきます。 さらに、2025年度からシニア再雇用制度を改定し、報酬水準の見直しや成果評価の導入を行うことで、今後増加するシニアが意欲的に活躍できる環境を整備。若手からベテランまで、多様な層が活躍する企業風土を醸成しています。 ④ 人権尊重の取り組み当社グループは、2023年11月に策定した「テレビ東京グループ人権方針」を指針とし、人権尊重の取り組みをグループおよびサプライチェーン全体で深化させております。同年に設置した「人権委員会」が中心となり、人権デューデリジェンスの取り組みを継続しております。事業活動における人権への負の影響を特定・評価し、その防止および軽減に向けた具体的な進捗管理を行っております。このプロセスのなかで、従業員の安全と尊厳を守る重要性を再確認し、新たに「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定いたしました。また、社内研修を継続的に実施することでグループ全体の理解を深めるとともに、取引先に対しても当社グループの人権方針への理解と尊重を求め、サプライチェーン全体で人権侵害の予防・改善に取り組む体制を強化しております。 ⑤ コンプライアンスを重視したコンテンツ制作 当社グループは放送の公共的使命を自覚するとともに、法令を遵守し社会規範に基づいてコンテンツを制作することが求められています。2024年にテレビ東京内に「コンテンツ審査室」を設置し、制作するコンテンツの事前チェック・審査体制を強化しております。また、放送番組の適正を図り、外部有識者の声を聞く場として「放送番組審議会」をおよそ1ヵ月に1回開催しております。こうした取り組みを通じ、当社グループはコンプライアンスを重視し、信頼されるコンテンツ制作に努めてまいります。 ⑥ 激動する国際情勢への対応国際通貨基金(IMF)の予測によると世界経済の成長ペースの鈍化が見込まれています。特に中東情勢の緊迫化にともなうエネルギー価格の上昇や供給網の混乱は、世界経済の重荷となっています。ウクライナ侵攻の長期化に加え、米国の保護主義的通商政策、米中対立に伴う地政学的分断も懸念材料であり、これらの影響を引き続き注視してまいります。こうした国際情勢のもと、当社グループは経済報道の質を一層高めるとともにリスク管理を強化することで、持続的に成長できる経営基盤を強化してまいります。 ⑦ 景気の下振れリスク中東での紛争や米国の関税政策、インフレ長期化、金利上昇、中国経済の減速、サプライチェーンの混乱などにより、世界経済の下押し懸念があります。国内では、物価高による消費マインドの低迷、急激な為替の変動、資源高による企業業績への圧迫などにより、景気の下振れリスクが指摘されています。経済の不透明感が増すなかでも、当社グループは着実な利益の計上に努めます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、㈱テレビ東京による地上波放送事業を中核として、BS放送(㈱BSテレビ東京)、CS放送(㈱エー・ティー・エックス)、そしてインターネットによる配信事業を総合的に運用してコンテンツの制作とメディアビジネス展開の戦略機能を担う認定放送持株会社です。 2024年4月のテレビ東京開局60周年を契機に、グループは新しい企業理念「心を温かく、時に熱く。一人ひとりに深く届け、 ちょっといい明日へ。」(パーパス=存在理由)、「『あたりまえ』に挑み、 まだ見ぬ『おもしろい』を共に創る。」(ミッション=果たすべき使命)などを制定しました。 そして2025年度に、これらのパーパス・ミッションに基づき2035年にテレビ東京グループが目指すべき姿として、「テレ東VISION2035」を策定しました。 「テレ東VISION2035」まだ見ぬ「おもしろい」を世界に発信し一人ひとりの「ちょっといい明日」に寄り添う2035年、グローバルIPメディア「テレ東」として第4の創業ヘ 1.「まだ見ぬおもしろい」コンテンツやサービスを創り、挑戦し続ける「まだ見ぬおもしろい」とは… ・他がやらないことをやる、見る人ひとりひとりの心に深く刺さる ・AIをはじめ最先端のテクノロジーで時代の先を行く 2.乳幼児からシニアまで、ユーザー本位で貢献する 「ちょっといい明日」のために… ・正確で客観的な報道・情報で、信頼されるメディアであり続ける ・社会課題解決につながる新規事業を創出する ・つながるすべての人の人権を尊重する 3.グローバルIPメディア「テレ東」として第4の創業を果たす「グローバルIPメディア」とは… ・既存のマス・メディアの枠を超え、コンテンツIPを起点として放送、配信などに広角展開する ・専門人材を採用、育成し、多様なコンテンツを国内だけでなく世界に届ける これらを体現するため、報道、アニメ、バラエティ、ドラマ、音楽、スポーツ、イベントなど各分野で競争力のあるコンテンツやIP(知的財産)を制作・発信するとともに、社会課題解決にも貢献し、テレビ東京グループの存在感を一段と高めていきます。グループの成長戦略としては、アニメ・経済報道・独自IP事業を一段と強化し、IPを国際的に展開する「グローバルIPメディア」を目指します。同時に、新規事業の開発などでフロンティアを開拓し、収益源をさらに多様化させてまいります。こうしたコンテンツ・IP起点の考え方を「CaaS(Contents as a Service)」と規定し、長期ビジョンの中核戦略に位置付けました。2026年度からは「CaaS・IP推進会議」を新設し、KPI管理を徹底しながら本格的な運用を始めています。 (2) 経営環境2025年の日本の広告費(㈱電通調べ)は前年比5.1%増の8兆623億円と過去最高となりました。テレビ広告(地上波・衛星メディア関連の合計)は、1兆7,556億円と前年より0.3%減少しました。一方、ネット広告は前年比10.8%増の4兆459億円となりました。 (3) 目標とする経営指標当社は各ステークホルダー(視聴者、社会全般、株主、取引先、社員)への責任をバランスよく果たし、企業価値の向上を通じて満足の総和を高めていくことを基本方針としております。2020年代後半にROE(自己資本利益率)8%の達成を目指すとともに、連結ベースで配当性向35%を目途とし、総還元性向については40%程度を目指すことを新しい株主還元方針とします。当社は資本コストを含む様々な経営指標を適切に認識しつつ、コーポレートガバナンス・コードを着実に実行してまいります。 (4) 中長期的な会社の経営戦略地上波放送事業を中核として、BS放送、CS放送、配信事業を一体的に運用し、放送・配信に加え、アニメ・経済報道・独自IP開発を一段と強化してさらなる成長を目指します。様々なルートでコンテンツを提供し、下記の経営戦略を着実に実施することで、放送と配信との相乗効果によりコンテンツの価値を高めていきます。 ① コンテンツ力を強化、あらゆるルートで発信グループの収益の源泉はコンテンツです。「まだ見ぬおもしろい」コンテンツを追求すると同時に、放送・配信・商品化・イベント・海外販売など、コンテンツをマルチユースし収益源を多様化します。また、クリエイティブ体制を強化し、ゴールデン・プライム帯で新たなテレ東の顔となるヒットコンテンツを創出するほか、レギュラーコンテンツ以外にも「世界卓球」で放送・配信・セールス・プロモーションを横断的に展開するなど、スポーツコンテンツの発信力も高めます。イベントでは「行方不明展」に代表されるような新たな人気の催しを開拓するほか、市場が成長するeスポーツへの取り組みも強化します。コンテンツのラインナップ編成にあたっては視聴データを駆使し、収益の最大化を目指します。 ② アニメを中心としたコンテンツのグローバル展開を加速人口減少による国内市場の縮小を見据え、コンテンツのグローバル展開を加速します。テレビ東京の強みであるアニメを主軸に、実写コンテンツ(ドラマ、バラエティ)や、2024年度から配信を開始したグローバル向け配信事業のFASTも合わせて海外売上比率を高めます。アニメは北米・欧州・中国の収益を拡大すると同時に、インドや南米市場を開拓します。新たな有力作品を積極的に発掘して海外窓口を獲得するほか、商品化やゲーム化を推し進めます。アニメ以外にも、海外展開できるコンテンツの開発を進めます。バラエティは2024年度から海外の放送局や配信事業者等にフォーマット販売が可能な作品をトライしており、その本数を増やします 。ドラマは有力な海外プラットフォームとの取引拡大や、外国人俳優を起用した作品を制作することで、海外で稼ぐ力を高めます。特にアジアで伸びているショートドラマについても作品数を増やしていきます。 ③ AVOD(広告付き動画配信)・SVOD(定額制動画配信)を底上げ、収益多角化を推進「孤独のグルメ」や「夫の家庭を壊すまで」などに代表される独自性の強いドラマはテレビ東京の得意分野となりました。今後も個性的なドラマを作り続けるとともに、バラエティコンテンツを強化して再生数を底上げし、AVODの売り上げを増加させます。また、市場が拡大しているショートドラマの配信では、新しいヒットジャンルの開拓と有力な制作事業者との提携を推し進め、国内外で「テレ東のショートドラマ」ブランド確立を目指します。SVODは海外有力プラットフォームとの提携を強化し、海外販売を拡大します。FASTは世界に通用するコンテンツやIPを制作し、広告、eコマース、サブスクリプションなどグローバルメディアビジネスの起点となるチャンネルを開発していきます。 ④ 信頼される経済報道を貫き、次なる成長の核にSNSの情報が影響力を拡大するなか「信頼できる報道メディア」として強みである経済報道にさらに磨きをかけます。経済動画配信サービス「テレ東BIZ」をニュース発信のハブとし、放送と配信の双方で情報を届けます。マーケット情報や企業取材を強化するとともに、「学べる」「見つかる」「つながる」コンテンツを拡充し、経済に関心が高いビジネスパーソンの視聴を取り込みます。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」「WBS」やBSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」などのニュース番組は、日本経済新聞社との連携や独自取材を強化し、より新しくより深い情報を届けます。2026年4月からは「カンブリア宮殿」をリニューアルし、また、新たに「モーサテサタデー」「アンパラレルド」といった経済報道番組もスタートさせており、これからも多くの視聴層に対して必要な経済報道コンテンツを展開していきます。 ⑤ IP収益化に向けた戦略投資と先端技術による生産性向上長期ビジョン「テレ東VISION2035」および2025-27中期経営計画に基づき、200億円の成長投資枠を活用し、新規事業開発、投資・M&A、資本業務提携、DX投資等を機動的に推進しております。2025年度は、eスポーツ領域を中心とするイベント事業の強化を目的にQ-nine㈱を子会社化したほか、IPのデジタル展開・海外展開に強みを持つ㈱Mintoに戦略的出資を行い、コンテンツIPの収益力強化を図りました。あわせて、社内公募により選定された新規の事業企画についても、実証実験を進めながら事業化の可能性を検証しております。また、当社グループの基幹システムの刷新は段階的に進展しており、DX投資を通じた業務の最適化と効率化によって創出した時間と人材は、成長領域へ再配分していく方針です。さらに、VP(バーチャルプロダクション)やAIを含む先端技術については、報道やドラマ、バラエティのコンテンツ制作、映像・音声表現への活用を広げ、多彩な表現力と生産性向上の両立を目指してまいります。 (5) 会社が対処すべき課題① コーポレート・ガバナンス強化コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化は社会の要請であり、テレビ東京グループにとっても重要な課題です。当社は取締役の3分の1を独立社外取締役にしており、取締役会の諮問機関として独立社外取締役と代表取締役社長により構成する「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」を設置しております。両委員会とも独立社外取締役が委員の過半数を占め、独立社外取締役を委員長に選任しています。委員会は㈱テレビ東京ホールディングスの取締役の人事案や報酬の方針などについて議論し、取締役会に答申しています。また、代表取締役社長の助言機関として、社外取締役と代表取締役などが出席する「経営懇談会」を設けております。「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」「経営懇談会」があわせて機能することでコーポレート・ガバナンスを強化し、経営の透明度を高めてまいります。 ② 気候変動リスクへの対応当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置して、地球環境問題をはじめ、人権の尊重、従業員の健康、労働環境への配慮や公正・適切な処遇を実現するための啓発活動などサステナビリティを巡るあらゆる課題に対してグループ全体で取り組んでいます。気候変動への対応については、消費電力の削減や再生可能エネルギーの導入、自社のCO2排出を相殺できる「J-クレジット」等の活用を組み合わせて2023年度からグループ全体のCO2排出量の実質ゼロを継続しています(対象はScope1とScope2)。また、当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」へ賛同し、TCFDが提言するフレームワークを活用して定期的に情報開示をしています。複数の将来シナリオを用いて気候変動が事業に与えるリスクと機会を評価し、気温上昇に伴う事業活動への恒常的な悪化と、緊急的かつ頻発の恐れのある自然災害の影響を分析してBCP(事業継続計画)体制をグループ全体で構築しています。世界的な課題となっている気候変動リスクへの対応はメディアグループとしても、企業としても重要な課題の1つと認識しています。当社グループではSDGs(持続可能な開発目標)に本格的に取り組むため、国連が報道機関に協力を呼び掛ける「SDGメディア・コンパクト」に署名・加盟しております。報道機関だからこそ出来る取り組みとして、放送や配信、イベントなどを通じてサステナビリティの浸透に取り組んでいます。 ③ 人材の多様性に向けた取り組み 当社グループは、「挑戦・成長を続ける社員が安心して長く活躍できる会社」の実現を人事戦略に掲げ、人材の多様性と専門性を両立する組織づくりを進めております。 中核会社である㈱テレビ東京において、2023年度からいち早く同性パートナーを配偶者と同等に扱うパートナーシップ制度を導入しています。また、外国籍社員は17名在籍しており、グローバル展開やIPビジネスの拡大において中核的な役割を担っています。2025年度の採用実績は新卒25名、キャリア採用33名でキャリア採用比率は56.8%。2026年度も引き続きAI・グローバル・IPビジネス領域の即戦力人材を強化配置するため、前年同等の採用数を目指します。 働き方の面では、在宅勤務(サテライトオフィスの利用含む)、フレックスタイム、育児介護時短制度等を活用することで、誰もが能力を発揮しやすい環境を整備しています。また、2026年度には異業種企業との人材交流を開始し、就業経験を通じて視野を拡げ、本業に活かせるスキルアップに繋げていきます。 さらに、2025年度からシニア再雇用制度を改定し、報酬水準の見直しや成果評価の導入を行うことで、今後増加するシニアが意欲的に活躍できる環境を整備。若手からベテランまで、多様な層が活躍する企業風土を醸成しています。 ④ 人権尊重の取り組み当社グループは、2023年11月に策定した「テレビ東京グループ人権方針」を指針とし、人権尊重の取り組みをグループおよびサプライチェーン全体で深化させております。同年に設置した「人権委員会」が中心となり、人権デューデリジェンスの取り組みを継続しております。事業活動における人権への負の影響を特定・評価し、その防止および軽減に向けた具体的な進捗管理を行っております。このプロセスのなかで、従業員の安全と尊厳を守る重要性を再確認し、新たに「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を策定いたしました。また、社内研修を継続的に実施することでグループ全体の理解を深めるとともに、取引先に対しても当社グループの人権方針への理解と尊重を求め、サプライチェーン全体で人権侵害の予防・改善に取り組む体制を強化しております。 ⑤ コンプライアンスを重視したコンテンツ制作 当社グループは放送の公共的使命を自覚するとともに、法令を遵守し社会規範に基づいてコンテンツを制作することが求められています。2024年にテレビ東京内に「コンテンツ審査室」を設置し、制作するコンテンツの事前チェック・審査体制を強化しております。また、放送番組の適正を図り、外部有識者の声を聞く場として「放送番組審議会」をおよそ1ヵ月に1回開催しております。こうした取り組みを通じ、当社グループはコンプライアンスを重視し、信頼されるコンテンツ制作に努めてまいります。 ⑥ 激動する国際情勢への対応国際通貨基金(IMF)の予測によると世界経済の成長ペースの鈍化が見込まれています。特に中東情勢の緊迫化にともなうエネルギー価格の上昇や供給網の混乱は、世界経済の重荷となっています。ウクライナ侵攻の長期化に加え、米国の保護主義的通商政策、米中対立に伴う地政学的分断も懸念材料であり、これらの影響を引き続き注視してまいります。こうした国際情勢のもと、当社グループは経済報道の質を一層高めるとともにリスク管理を強化することで、持続的に成長できる経営基盤を強化してまいります。 ⑦ 景気の下振れリスク中東での紛争や米国の関税政策、インフレ長期化、金利上昇、中国経済の減速、サプライチェーンの混乱などにより、世界経済の下押し懸念があります。国内では、物価高による消費マインドの低迷、急激な為替の変動、資源高による企業業績への圧迫などにより、景気の下振れリスクが指摘されています。経済の不透明感が増すなかでも、当社グループは着実な利益の計上に努めます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%) (自2024年4月1日至2025年3月31日)(自2025年4月1日至2026年3月31日)売上高155,837164,9159,0785.8営業利益7,78911,4023,61246.4経常利益8,25511,9373,68244.6親会社株主に帰属する当期純利益6,0347,7001,66527.6売上高営業利益率5.0%6.9%1.9%- 当連結会計年度(2025年4月~2026年3月)の日本経済は、物価上昇の影響を受けつつも個人消費や企業業績が底堅く推移しました。一方で、地政学リスクの高まりやエネルギー価格の高騰もあり、先行きは見通しにくくなっています。こうした状況のなかで、当期においては、売上高は前年同期比5.8%増の164,915百万円、営業費用は3.7%増の153,513百万円となりました。営業利益は46.4%増の11,402百万円、経常利益は44.6%増の11,937百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は27.6%増の7,700百万円となりました。 ② 財政状態の状況(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額 2025年3月31日2026年3月31日資産合計147,843155,7837,939負債合計45,94348,2282,285純資産101,900107,5545,654 (資産)流動資産は98,315百万円、前連結会計年度末に比べて7,879百万円増加しております。その他が580百万円減少した一方、現金及び預金、制作勘定がそれぞれ7,476百万円、1,397百万円増加したことが主な要因です。固定資産は57,467百万円、前連結会計年度末に比べて60百万円増加しております。有形固定資産が1,843百万円減少した一方で、無形固定資産、投資その他の資産がそれぞれ213百万円、1,689百万円増加したことが主な要因です。 (負債)流動負債は44,973百万円、前連結会計年度末に比べて2,611百万円増加しております。支払手形及び買掛金、未払法人税等がそれぞれ624百万円、1,233百万円増加したことが主な要因です。固定負債は3,254百万円、前連結会計年度末に比べて326百万円減少しております。リース債務、退職給付に係る負債がそれぞれ158百万円、81百万円減少したことが主な要因です。 (純資産)純資産は107,554百万円、前連結会計年度末に比べて5,654百万円増加しております。株主資本の控除項目である自己株式が253百万円増加した一方で、利益剰余金、その他有価証券評価差額金がそれぞれ5,299百万円、754百万円増加したことが主な要因です。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、7,476百万円の増加となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は45,156百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度 (自2024年4月1日至2025年3月31日)(自2025年4月1日至2026年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー7,56916,130投資活動によるキャッシュ・フロー△2,015△5,253財務活動によるキャッシュ・フロー△4,055△3,399現金及び現金同等物の増減額1,5277,476現金及び現金同等物の期末残高37,68045,156 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は16,130百万円、前年同期比8,560百万円の収入増となりました。 これは主に、税引前当期純利益、売上債権の増減額がそれぞれ2,699百万円、2,431百万円の収入増加となったことに加え、法人税等の支払額が796百万円の支出減少となったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は5,253百万円、前年同期比3,237百万円の支出増となりました。 これは主に、投資有価証券の売却による収入が1,242百万円減少したことや有形固定資産の取得による支出が1,126百万円増加したことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は3,399百万円、前年同期比655百万円の支出減となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が1,115百万円の減少となったことによるものです。 (参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移 前連結会計年度当連結会計年度 (自2024年4月1日至2025年3月31日)(自2025年4月1日至2026年3月31日)自己資本比率(%)68.868.9時価ベースの自己資本比率(%)64.370.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)86.939.5インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)191.4275.7 (注1)自己資本比率 : 自己資本 ÷ 総資産時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額 ÷ 総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債 ÷ キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い(注2)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。(注3)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。(注4)キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 ④ 生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績及び受注実績当社グループの取引形態は一般的な製造業等における「生産」や「受注」といった概念が存在しないため記載しておりません。(b) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%) 地上波・BS放送事業103,4014.8 地上波放送事業83,2425.4 タイム(T)45,7401.8 スポット(S)31,62712.3 (T+S)77,3675.9 番組販売4,213△1.5 その他1,6603.1 BS放送事業15,9910.6 その他4,1679.1 アニメ・配信事業52,31011.5 アニメ27,21917.8 配信ビジネス13,90818.3 イベント1,446△5.9 その他9,735△7.5 ショッピング・その他事業16,818△2.1 売上高合計172,5296.0 調整額△7,614- 合計164,9155.8 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)㈱電通40,49326.042,07525.5㈱博報堂17,36711.117,88910.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等当社グループは、収益力向上に向け、強みである「アニメ」「経済報道」の強化、また「独自IP(知的財産)」の開発に努めております。この結果、売上高は前年同期比5.8%増の164,915百万円、営業費用は、3.7%増の153,513百万円、営業利益は46.4%増の11,402百万円となりました。経常利益は、44.6%増の11,937百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、27.6%増の7,700百万円となり、売上高及び各段階利益は過去最高額を記録しました。 当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下の通りです。 (地上波・BS放送事業)(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%) (自2024年4月1日至2025年3月31日)(自2025年4月1日至2026年3月31日)連結売上高98,696103,4014,7044.8連結営業利益4,0695,5501,48036.4 地上波・BS放送事業は当社グループ各社が行う放送事業となっております。①地上波放送事業(㈱テレビ東京)放送事業収入(売上高)の合計は5.4%増の83,242百万円となりました。このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)において新規番組のセールスが好調に推移し、前年を上回りました。首都圏放送(ローカル部門)でも、新規番組の決定により、前年を上回りました。また、特別番組(特番)部門においても「世界卓球2025」の過去最高売上や、「テレ東音楽祭」など大型特番のセールスも好調に推移しました。以上の結果、タイム収入全体では1.8%増の45,740百万円となりました。スポット収入は、上期は前年のオリンピックの反動増や市場環境の変化に伴う需要増を戦略的に取り込み、下期は『金融・保険』や『教育・医療サービス』など好調業種の出稿を獲得し、売上増に繋げました。以上の結果、スポット収入は前年同期比12.3%増の31,627百万円となりました。地方放送局などへの番組販売では、他系列の地方放送局において土日昼間帯に新番組が編成されたことや深夜枠が縮小したことで、特に下期において番組購入需要が減少する傾向となりました。番組別では、「JAPANをスーツケースにつめ込んで!」「バカリズムのちょっとバカりハカってみた!」などの新番組は販売が好調に推移しましたが、全体としては前年実績には届かず番組販売収入は1.5%減の4,213百万円となりました。コストの面では、放送収入の増加に伴う代理店手数料の増加などにより、放送事業の費用は2.5%増の63,630百万円となりました。以上の結果、㈱テレビ東京単体の放送事業利益は16.2%増の19,611百万円となりました。 ②BS放送事業(㈱BSテレビ東京)BS放送事業収入(売上高)の合計は0.6%増の15,991百万円となりました。このうちタイム収入は、レギュラー部門において、新番組「全力YELL!ボートレーススピリッツ」がスタートしたほか、「日経モーニングプラスFT」や「NIKKEI NEWS NEXT」等のセールス、およびゴールデン帯番組を中心としたセールスが好調に推移した結果、前年同期を大きく上回りました。一方、スポット収入は、下期から例年上位を占めていた通販系広告主の出稿減が響き、前年同期を下回りましたが、放送収入全体としては前年同期を上回る結果となりました。営業費用は、番組制作費や人件費等の増加により、前年同期比1.5%増の13,571百万円となりました。以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の営業利益は4.6%減の2,419百万円となりました。 これらに加えて㈱テレビ東京メディアネットなど放送関連会社の売上を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は4.8%増の103,401百万円、営業利益は36.4%増の5,550百万円となりました。 (アニメ・配信事業)(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%) (自2024年4月1日至2025年3月31日)(自2025年4月1日至2026年3月31日)連結売上高46,92352,3105,38611.5連結営業利益4,2506,5872,33655.0 アニメ・配信事業は、㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し放送による広告以外に収入を上げている「ライツ事業」や、㈱テレビ東京コミュニケーションズ、㈱エー・ティー・エックスなどのグループ会社が行うアニメのCS放送や音楽関連ビジネス事業を指します。主に海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、インターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入となります。①ライツ事業(㈱テレビ東京) 当連結会計年度におけるライツ事業の収入(売上高)は、17.0%増の42,574百万円となりました。この主軸であるアニメ部門は、海外において「NARUTO」および「BORUTO」のオンラインゲーム展開や「NARUTO」の商品化が好調に推移いたしました。これにより、アニメ部門全体の収入は17.8%増の27,219百万円と過去最高額となりました。ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを配信プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、広告付き無料動画配信(AVOD)の広告収入や「シナントロープ」の世界配信権販売、「笑ゥせぇるすまん」などの新作ドラマ、「孤独のグルメ」シリーズなどアーカイブ作品の国内配信権販売が好調に推移しました。映画部門は、「劇映画 孤独のグルメ」の興行収入や商品販売が好調に推移したことに加え、テレ東BIZも有料会員売上を伸ばし、配信ビジネス部門全体の収入としては18.3%増の13,908百万円となりました。イベント部門は、前年に引き続き「STAGE:0」や「田村淳のTaMaRiBa」など放送や配信と連動したイベントを積極的に実施しました。また全国ツアーとして6都市で開催した「ぷしゅソングフェス」や、昨年の「行方不明展」に続き、第二弾として実施したホラー型展示会「恐怖心展」も好調だったものの、前年には届かず、イベント収入は5.9%減の1,446百万円となりました。ライツ事業の全体の費用は、アニメの新規作品が増えたことや制作コストの増加により、14.8%増の25,336百万円となりました。以上の結果、ライツ事業の利益は20.3%増の17,238百万円となりました。 ②その他アニメ・配信事業音楽出版関連の㈱テレビ東京ミュージックは、「NARUTO-ナルト-疾風伝 BGM」「残酷な天使のテーゼ:高橋洋子」を筆頭に国内外の印税収入が全体的に堅調に推移しました。また、「SAKAMOTO DAYS」「ホテル・インヒューマンズ」等アニメ番組におけるタイアップ楽曲のコーディネートにより音楽広告収入が好調でした。これにより、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は前年同期比4.6%増の4,451百万円となりました。CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛ける㈱エー・ティー・エックスは、「AT-X」の加入者減少に伴い放送売上が減少しました。ライツ売上についても「Re:ゼロから始める異世界生活」などは健闘したものの前年には及びませんでした。この結果、㈱エー・ティー・エックスの売上高は前年同期比4.2%減の3,194百万円となりました。 これらに加えて㈱テレビ東京コミュニケーションズの売上高を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は11.5%増の52,310百万円、営業利益は55.0%増の6,587百万円となりました。 (ショッピング・その他事業)(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%) (自2024年4月1日至2025年3月31日)(自2025年4月1日至2026年3月31日)連結売上高17,18316,818△365△2.1連結営業利益685453△231△33.8 ショッピング・その他事業は㈱テレビ東京ダイレクトほか3社が手掛けるテレビ通販やeコマース、グループ全体のサポート事業を指しております。 ㈱テレビ東京ダイレクトは、「テレ東本舗。」において「40までにしたい10のこと」のDVDやグッズがドラマ関連商品の売上新記録を達成しました。また、「テレ東本舗。WEB」「羽田空港店」「東京駅店」の年間売上がそれぞれ過去最高となるなど非常に好調に推移しました。しかしながら、主力の「テレビ東京ショッピング」において高付加価値商品の「リフォーム」や「純金コインペンダント」が伸びたものの、前年のヒット商品「遮熱クールアップ」「炭八」などの売れ筋商品が前年に及ばず減収となりました。「虎ノ門市場」においても定期便やおせちが苦戦し、減収となりました。全体として、物価高による消費の冷え込みなどにより日用品・雑貨や食品の売れ行きが厳しく、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は4.9%減の11,178百万円となりました。これらに加えて㈱テレビ東京システム、㈱テレビ東京ビジネスサービス、㈱リアルマックスの売上高を合計して、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は2.1%減の16,818百万円、営業利益は33.8%減の453百万円となりました。 (参考) ㈱テレビ東京単体の業績 (単位:百万円) 25年3月期通期26年3月期通期前年同期比 増減額増減率(%)売上高115,836126,37610,5409.1営業費用110,147116,6326,4845.9営業利益5,6889,7444,05671.3経常利益7,00310,9473,94456.3税引前当期純利益7,20810,4923,28445.6 放送事業 放送事業売上(主なもの)タイム(T)44,92445,7408151.8スポット(S)28,15831,6273,46912.3T+S 計73,08377,3674,2845.9番組販売4,2794,213△65△1.5放送事業売上 計78,97383,2424,2685.4放送事業費用62,10263,6301,5282.5うち放送コンテンツ制作費34,39434,5711760.5放送事業 利益16,87119,6112,74016.2 ライツ事業 ライツ事業売上アニメ23,10327,2194,11617.8配信ビジネス11,75913,9082,14918.3イベント1,5361,446△89△5.9ライツ事業売上 計36,39842,5746,17517.0ライツ事業費用22,07025,3363,26614.8ライツ事業 利益14,32817,2382,90920.3 (単位:百万円) 22年3月期通期23年3月期通期24年3月期通期25年3月期通期26年3月期通期総コンテンツ制作費52,21652,82750,78254,13156,857 ※従来「番組制作費」として表示していた地上波放送のコンテンツ制作に関する費用を「放送コンテンツ制作費」として表示しております。また、上記に加えてアニメ・配信ビジネス・イベントの製作委員会への出資額等を含めたテレビ東京のコンテンツ制作のための費用を「総コンテンツ制作費」として表示しております。 ②資本の財源及び資金の流動性資本の財源当社グループの自己資本比率は68.9%であり、安定した財務体質となっております。借入金など有利子負債は総資産に対し4.1%と低い比率になっております。今後も企業価値向上のための成長投資を継続的に行うために財務体質の健全化に努めてまいります。 資金の源泉と配分当社グループの短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によるキャッシュ・フローです。設備投資など事業への資源配分や株主還元は、営業活動によるキャッシュ・フローや営業利益との適正なバランスを考慮しつつ判断しております。多額の設備投資・出資については、効果の及ぶ期間を見積もり、当該期間の利益計画などとの検討の上、設備投資委員会・投融資委員会で決定しております。設備投資に関しては、引き続きDX関連設備への投資や業務効率化に向けたオフィスのレイアウト変更への積極的な投資を実施しました。また、事業を維持するためのインフラ投資も継続的に実施し、放送クオリティの維持に努めてまいりました。戦略的な出資についても、過去3年で国内外の配信事業者やアニメ・IP関連企業、イベント会社等、当社の最大の経営資源であるコンテンツの有効活用を図るべく着実に行ってまいりました。今後も採算性を吟味し、財務規律を守ったうえで、成長のための投資を積極的に推進してまいります。 資金需要の主な内容と資金の流動性当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、放送・配信等のためのコンテンツ制作費、コンテンツ購入費用、放送・配信のための業務委託費用、広告代理店手数料、賃借料、人件費などがあります。売上債権と棚卸資産から営業前受金と仕入債務を引いた運転資金は、今年度末で157億円です。また、投資活動に係る資金支出は、コンテンツ制作のための設備、放送・配信のための設備、放送やマーケティングのためのIT投資などがあります。当社グループの現金及び現金同等物の残高は、前年度末に比べ74億円増の451億円となりました。売上高の3.3か月分の手元流動性となっており、短期的な資金の安全性は十分であると認識しております。 ③重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。重要な会計方針及び見積りに関しましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 重要な会計上の見積り」に記載しております。