経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、企業理念「KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。」に謳われた使命を果たすために、社員一人ひとりが持つべき考え方、価値観、行動規範を「KDDIフィロソフィ」として定めております。このフィロソフィをグループ全従業員で共有・実践し、持続的な成長を目指しております。また、KDDIグループは「サステナビリティ経営」を経営の柱に位置づけ、マテリアリティの解決を通じた事業成長と社会価値創出を両立させ、その好循環により持続的な企業価値向上を目指しています。長期的な視点から、「社会への影響」と「KDDIグループの経営への影響」を総合的に評価し、本年5月に重点的に取り組むべき6つの新重要課題を策定しました。 (1)中長期的な会社の経営戦略 <KDDI経営フレーム> ■企業理念KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。■ブランドSpark Your Journey■KDDI VISION 2030「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。■目指す姿夢中に挑戦できる会社挑戦1.未来をつくる仲間とつながる。挑戦2.つなぐチカラを世界に広める。挑戦3.お客さまの今とこれからにつながる。 当社は本年5月、中期経営戦略(2026年度-2028年度)「Power-to-Connect 2028」を発表しました。現代社会において、通信は社会を支える基幹インフラとしての役割を一層高めています。さらに今後はAI技術の進化が、生活や産業をはじめとする社会全般に新たな価値を創出する時代が到来しつつあります。今後、AIが社会インフラとして広く浸透する「AI前提社会」では、AIを使う時代から当たり前の時代へと移ります。テクノロジーが効率化や高度化をもたらす一方、AI自体が急速に同質化し、代替性が低くAIに壊されにくい価値こそが差別化につながると考えています。この「AI前提社会」において、当社はお客さま起点での価値づくりを重視し、日々の中で効果を実感いただける具体的な価値として、お客さまの事業成長に貢献する「AI労働力」、暮らしや体験を変革する「AI生活力」を支える新事業を創造し、社会実装を先導するフロントランナーを目指します。 また、新ブランドスローガン「Spark Your Journey」を策定しました。KDDIグループが有する全てのテクノロジーと品質でお客さま一人ひとりの挑戦を支え、その人らしく輝ける未来を後押しする存在となることを目指し、グループ一丸で挑戦し続けます。 (2)中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」当社グループは「中期経営戦略(2026年度-2028年度)」の取り組みを通じ、グループ全体の持続的な成長と企業価値のさらなる向上を実現していきます。 ■新たな価値創造手法「Fusion」AI前提社会の新たな成長構造として、異分野融合による価値創造手法である「Real-Tech Fusion(お客さま体験におけるリアルとテクノロジーの融合)」、「Infrastructure Fusion(通信基盤とAI基盤の融合)」、「HR Fusion(多様なスキル・経験の融合)」の3つの「Fusion」を推進し、持続的成長を目指してまいります。 <Real-Tech Fusion(お客さま体験におけるリアルとテクノロジーの融合)>AIやテクノロジーが進化する中、その社会実装を加速させ、お客さまに新たな価値を実感いただくためには、リアルな接点やアセットとの融合が重要であると考えています。この課題に対し、価値創造の中核として、AIに代替されにくいリアルなアセットの持つ強みとテクノロジーを掛け合わせ、お客さま体験を変革するとともにリアルならではの差異化に注力します。盤石なインフラ(Infrastructure Fusion)と、それを使いこなす人財(HR Fusion)の力を結集し、企業の事業成長に貢献する「AI労働力」と、お客さま一人ひとりの暮らしを変革する「AI生活力」を創出・提供してまいります。 <Infrastructure Fusion(通信基盤とAI基盤の融合)>AIが前提となる社会において、低遅延かつ高信頼な通信ネットワークと、膨大なデータを処理する計算基盤(AI基盤)の一体的な提供が不可欠であると認識しています。この課題に対し、当社は「デジタルベルト構想」を掲げ、通信基盤の進化に加えてAI基盤を組み合わせた次期デジタルインフラの構築を目指します。日本の地理的優位性を活かしながら、陸・海・空を網羅する「全国低遅延網・AI計算資源基盤」の構築を進め、Real-Tech Fusionの土台を支えるとともに強固な競争優位性を確立してまいります。 <HR Fusion(多様なスキル・経験の融合)>AI前提社会における新たな成長戦略を推進するためには、多様な専門性やスキル、経験を持つ人財の育成と、その能力を最大限に発揮できる環境の構築が急務であると認識しています。当社は既存のネットワーク技術者やフロント人財が、新技術の専門スキル習得(アドスキル)や「AI武装」を通じ、国内外のグループ各社で実践経験を積むことで、社会実装を担う「両利きの人財」へと進化することを推進します。外部からのハイスキル人財の獲得も進めながら、イノベーションを生み出し続ける企業風土を醸成してまいります。 ■セグメント別の重点取組みFusionによって創出された価値を、具体的な事業成長へと転換するため、報告セグメントを以下の3領域に定義しました。中核事業である「テレコムコア」が生み出す安定的な利益・投資原資を、高い成長を牽引する「パーソナルグロース」「ビジネスグロース」に再投資することで、グループ全体の成長を加速させます。さらに、グロース領域のサービスがお客さまのエンゲージメントを高め、テレコムコアの解約率を低減させるといった、事業間の好循環を創出していきます。 <テレコムコアセグメント>LTV(ライフタイムバリュー)を重視した構造改革を推進し、モバイル収入と営業利益の安定成長を追求します。さらに、AIの活用により通信品質の更なる高度化と運用の効率化を推進し、筋肉質な利益構造へと変革することで、グループ成長のための投資原資を創出します。 <パーソナルグロースセグメント>AIを活用しお客さまの生活に寄り添う「AI生活力」を提供するために、通信を核とした多様なサービスを融合させ、新たな体験価値を創出します。金融・エネルギーに加え、デバイス、Pontaパス・ローソンの領域で、新たなビジネスモデルの創出に向けた取組を加速させるとともに、日本国内で得た知見や成功モデルの海外展開を図り、さらなる成長を目指します。 <ビジネスグロースセグメント>AIやロボティクスなどを社会実装し、「AI労働力」を提供することで、法人のお客さまの事業変革を強力に支援します。AIインテグレーション、サイバーセキュリティの領域で、AI活用ニーズや制度変更機会などを捉え、成長を加速します。また、コネクティッド、データセンターの領域では、次なるデジタルインフラとして高付加価値化と安定成長の両立を目指し、AI-BPOではAIを駆使しお客さま体験価値向上と企業業務の変革を推進していきます。 ■財務目標さらなる企業価値向上に向け、持続的成長とクオリティ向上に注力し、リターンに基づくキャピタルアロケーションを実行します。「テレコムコアセグメント」の安定成長を維持しつつ、「グロースセグメント」において2桁成長を実現することで、調整後営業利益(注)の年平均成長率(CAGR)5%を目指します。また、資本効率をより意識し、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)スプレッドを重要な経営指標として掲げ、役員報酬と連動させることで、その実行力を高めてまいります。株主還元については、調整後当期利益(注)に対する配当性向40%超、事業成長に沿った安定増配を継続、自己株式取得については、成長投資とのリターンを比較検討しながら機動的に実施する方針としています。 (注)上記の調整後利益は、非経常的かつ大規模なコストやポートフォリオ見直しに伴う一時損益を除外したものです。 ■グループガバナンスの強化当社の連結子会社であるビッグローブ株式会社及び同社の子会社であるジー・プラン株式会社(以下、併せて「本件子会社」といいます。)の広告代理事業に関し、本件子会社の社員により不適切な取引が行われていた疑いが確認されたことに伴い、外部の弁護士・公認会計士で構成される特別調査委員会による調査を実施した結果、実体が存在しない架空循環取引が行われていたことが認められました。当該調査結果を受け、過年度の有価証券報告書等の訂正を行うとともに、2026年6月2日に東京証券取引所へ改善報告書を提出いたしました。当社グループは、本件を厳粛に受け止め、グループガバナンスの更なる強化による信頼回復と再発防止を重要な経営課題と認識しております。当該課題への対応に向け、新規事業を含む事業内容への理解の深化およびリスク感度の向上を図るとともに、事業計画、収益構造ならびに資金需要の妥当性を多面的に検証する体制の整備を進めております。また、グループ会社に対する管理・モニタリング体制の充実、出資先管理部門とコーポレート部門との連携強化ならびにグループ内部監査機能の高度化を進めることで、財務報告の信頼性向上および実効性の高いグループガバナンス体制の構築に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、企業理念「KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。」に謳われた使命を果たすために、社員一人ひとりが持つべき考え方、価値観、行動規範を「KDDIフィロソフィ」として定めております。このフィロソフィをグループ全従業員で共有・実践し、持続的な成長を目指しております。また、KDDIグループは「サステナビリティ経営」を経営の柱に位置づけ、マテリアリティの解決を通じた事業成長と社会価値創出を両立させ、その好循環により持続的な企業価値向上を目指しています。長期的な視点から、「社会への影響」と「KDDIグループの経営への影響」を総合的に評価し、本年5月に重点的に取り組むべき6つの新重要課題を策定しました。 (1)中長期的な会社の経営戦略 <KDDI経営フレーム> ■企業理念KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。■ブランドSpark Your Journey■KDDI VISION 2030「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。■目指す姿夢中に挑戦できる会社挑戦1.未来をつくる仲間とつながる。挑戦2.つなぐチカラを世界に広める。挑戦3.お客さまの今とこれからにつながる。 当社は本年5月、中期経営戦略(2026年度-2028年度)「Power-to-Connect 2028」を発表しました。現代社会において、通信は社会を支える基幹インフラとしての役割を一層高めています。さらに今後はAI技術の進化が、生活や産業をはじめとする社会全般に新たな価値を創出する時代が到来しつつあります。今後、AIが社会インフラとして広く浸透する「AI前提社会」では、AIを使う時代から当たり前の時代へと移ります。テクノロジーが効率化や高度化をもたらす一方、AI自体が急速に同質化し、代替性が低くAIに壊されにくい価値こそが差別化につながると考えています。この「AI前提社会」において、当社はお客さま起点での価値づくりを重視し、日々の中で効果を実感いただける具体的な価値として、お客さまの事業成長に貢献する「AI労働力」、暮らしや体験を変革する「AI生活力」を支える新事業を創造し、社会実装を先導するフロントランナーを目指します。 また、新ブランドスローガン「Spark Your Journey」を策定しました。KDDIグループが有する全てのテクノロジーと品質でお客さま一人ひとりの挑戦を支え、その人らしく輝ける未来を後押しする存在となることを目指し、グループ一丸で挑戦し続けます。 (2)中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」当社グループは「中期経営戦略(2026年度-2028年度)」の取り組みを通じ、グループ全体の持続的な成長と企業価値のさらなる向上を実現していきます。 ■新たな価値創造手法「Fusion」AI前提社会の新たな成長構造として、異分野融合による価値創造手法である「Real-Tech Fusion(お客さま体験におけるリアルとテクノロジーの融合)」、「Infrastructure Fusion(通信基盤とAI基盤の融合)」、「HR Fusion(多様なスキル・経験の融合)」の3つの「Fusion」を推進し、持続的成長を目指してまいります。 <Real-Tech Fusion(お客さま体験におけるリアルとテクノロジーの融合)>AIやテクノロジーが進化する中、その社会実装を加速させ、お客さまに新たな価値を実感いただくためには、リアルな接点やアセットとの融合が重要であると考えています。この課題に対し、価値創造の中核として、AIに代替されにくいリアルなアセットの持つ強みとテクノロジーを掛け合わせ、お客さま体験を変革するとともにリアルならではの差異化に注力します。盤石なインフラ(Infrastructure Fusion)と、それを使いこなす人財(HR Fusion)の力を結集し、企業の事業成長に貢献する「AI労働力」と、お客さま一人ひとりの暮らしを変革する「AI生活力」を創出・提供してまいります。 <Infrastructure Fusion(通信基盤とAI基盤の融合)>AIが前提となる社会において、低遅延かつ高信頼な通信ネットワークと、膨大なデータを処理する計算基盤(AI基盤)の一体的な提供が不可欠であると認識しています。この課題に対し、当社は「デジタルベルト構想」を掲げ、通信基盤の進化に加えてAI基盤を組み合わせた次期デジタルインフラの構築を目指します。日本の地理的優位性を活かしながら、陸・海・空を網羅する「全国低遅延網・AI計算資源基盤」の構築を進め、Real-Tech Fusionの土台を支えるとともに強固な競争優位性を確立してまいります。 <HR Fusion(多様なスキル・経験の融合)>AI前提社会における新たな成長戦略を推進するためには、多様な専門性やスキル、経験を持つ人財の育成と、その能力を最大限に発揮できる環境の構築が急務であると認識しています。当社は既存のネットワーク技術者やフロント人財が、新技術の専門スキル習得(アドスキル)や「AI武装」を通じ、国内外のグループ各社で実践経験を積むことで、社会実装を担う「両利きの人財」へと進化することを推進します。外部からのハイスキル人財の獲得も進めながら、イノベーションを生み出し続ける企業風土を醸成してまいります。 ■セグメント別の重点取組みFusionによって創出された価値を、具体的な事業成長へと転換するため、報告セグメントを以下の3領域に定義しました。中核事業である「テレコムコア」が生み出す安定的な利益・投資原資を、高い成長を牽引する「パーソナルグロース」「ビジネスグロース」に再投資することで、グループ全体の成長を加速させます。さらに、グロース領域のサービスがお客さまのエンゲージメントを高め、テレコムコアの解約率を低減させるといった、事業間の好循環を創出していきます。 <テレコムコアセグメント>LTV(ライフタイムバリュー)を重視した構造改革を推進し、モバイル収入と営業利益の安定成長を追求します。さらに、AIの活用により通信品質の更なる高度化と運用の効率化を推進し、筋肉質な利益構造へと変革することで、グループ成長のための投資原資を創出します。 <パーソナルグロースセグメント>AIを活用しお客さまの生活に寄り添う「AI生活力」を提供するために、通信を核とした多様なサービスを融合させ、新たな体験価値を創出します。金融・エネルギーに加え、デバイス、Pontaパス・ローソンの領域で、新たなビジネスモデルの創出に向けた取組を加速させるとともに、日本国内で得た知見や成功モデルの海外展開を図り、さらなる成長を目指します。 <ビジネスグロースセグメント>AIやロボティクスなどを社会実装し、「AI労働力」を提供することで、法人のお客さまの事業変革を強力に支援します。AIインテグレーション、サイバーセキュリティの領域で、AI活用ニーズや制度変更機会などを捉え、成長を加速します。また、コネクティッド、データセンターの領域では、次なるデジタルインフラとして高付加価値化と安定成長の両立を目指し、AI-BPOではAIを駆使しお客さま体験価値向上と企業業務の変革を推進していきます。 ■財務目標さらなる企業価値向上に向け、持続的成長とクオリティ向上に注力し、リターンに基づくキャピタルアロケーションを実行します。「テレコムコアセグメント」の安定成長を維持しつつ、「グロースセグメント」において2桁成長を実現することで、調整後営業利益(注)の年平均成長率(CAGR)5%を目指します。また、資本効率をより意識し、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)スプレッドを重要な経営指標として掲げ、役員報酬と連動させることで、その実行力を高めてまいります。株主還元については、調整後当期利益(注)に対する配当性向40%超、事業成長に沿った安定増配を継続、自己株式取得については、成長投資とのリターンを比較検討しながら機動的に実施する方針としています。 (注)上記の調整後利益は、非経常的かつ大規模なコストやポートフォリオ見直しに伴う一時損益を除外したものです。 ■グループガバナンスの強化当社の連結子会社であるビッグローブ株式会社及び同社の子会社であるジー・プラン株式会社(以下、併せて「本件子会社」といいます。)の広告代理事業に関し、本件子会社の社員により不適切な取引が行われていた疑いが確認されたことに伴い、外部の弁護士・公認会計士で構成される特別調査委員会による調査を実施した結果、実体が存在しない架空循環取引が行われていたことが認められました。当該調査結果を受け、過年度の有価証券報告書等の訂正を行うとともに、2026年6月2日に東京証券取引所へ改善報告書を提出いたしました。当社グループは、本件を厳粛に受け止め、グループガバナンスの更なる強化による信頼回復と再発防止を重要な経営課題と認識しております。当該課題への対応に向け、新規事業を含む事業内容への理解の深化およびリスク感度の向上を図るとともに、事業計画、収益構造ならびに資金需要の妥当性を多面的に検証する体制の整備を進めております。また、グループ会社に対する管理・モニタリング体制の充実、出資先管理部門とコーポレート部門との連携強化ならびにグループ内部監査機能の高度化を進めることで、財務報告の信頼性向上および実効性の高いグループガバナンス体制の構築に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.経営成績の状況中期経営戦略の最終年度である当連結会計年度は、増収増益となりました。2025年度の主な取組みについて、パーソナルセグメントでは、「お客さまの体験価値向上」を重要な柱と位置づけ、通信品質の向上およびエリア拡大に継続的に取り組んだ結果、Opensignal社が実施する通信体感分析の日本市場での「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」において、4期連続で国内最多の部門において1位(※1)を獲得することができました。こうした高品質なネットワークでのデータ通信の使い放題(※2)をベースとし、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」、混雑時でもより快適な通信を可能にする「au 5G Fast Lane(ファストレーン)」、海外でもデータ通信が使い放題(※3)になる「au海外放題」等を組み合わせた「auバリューリンクプラン」を2025年6月より提供開始しました。 本プランは、お客さまに価値あるサービスを提供し、いただいた対価をパートナーさまへの還元や未来への投資につなげる「経済の好循環」の実現にも資するものです。今後も、価値あるサービスの提供を通じて、社会の持続的成長と企業価値の向上を目指してまいります。ビジネスセグメントでは、法人向けモバイルサービス、IoT関連サービス、データセンター事業が成長を牽引しました。なかでもデータセンター事業では、2025年5月にタイ・バンコクのデータセンターが、開業から約2年でタイ国内のコネクティビティ第1位(※4)を獲得するなど、世界最大のコネクティビティを誇るロンドン拠点、フランス国内最大のパリ拠点、カナダ国内最大のトロント拠点とあわせ、世界のお客さまから高い評価をいただいています。また、日本国内においても、2026年1月に最先端のAIサービスを提供する「大阪堺データセンター」を開業しており、製薬業界や製造業界など、多様な分野でのAI社会実装を加速してまいります。なお、当社連結子会社における不適切な取引が判明した点につき、本年3月に調査結果等を公表いたしましたとおり、再発防止策の徹底および当社グループ全体のガバナンス強化に取り組むとともに、これを当社グループが一層結束する契機とし、より強靭で一体感のある企業グループへと生まれ変わることで、信頼回復に努めてまいります。 当社は本年5月、中期経営戦略(2026年度-2028年度)「Power-to-Connect 2028」を発表いたしました。AIが社会インフラとして広く浸透する「AI前提社会」において、当社は、お客さまとの接点、全国に展開したインフラ、多様なスキルを持つ人財など、AIに代替されにくいリアルなアセットを生かし、異分野融合による価値創造手法「Fusion」を通じて、事業の強化・創出に取り組んでまいります。お客さま起点での価値づくりを重視し、お客さまの事業成長に貢献する「AI労働力」、暮らしや体験を変革する「AI生活力」を支える新事業を創造し、社会実装を先導するフロントランナーを目指してまいります。また、KDDIグループは新たなブランドメッセージ「Spark Your Journey」を策定いたしました。「Spark」とは、夢中になれる何かに出会えた瞬間に、胸の奥で生まれる小さな「ときめき」の火花。そして、「Your Journey」は、お客さま一人ひとりが歩む、かけがえのない「人生の旅路」を表しています。お客さま一人ひとりの人生に寄り添い、その挑戦の火を灯し、後押しする存在でありたいという、強い決意を込めています。当社はこれからも、つなぐチカラを進化させ、「KDDI VISION 2030」の実現に向け、グループ一丸となって挑戦してまいります。 ※1 2026年4月23日 Opensignal社発表「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」 (https://insights.opensignal.com/reports/2026/04/japan/mobile-network-experience)※2 テザリング、データシェアのご利用にはデータ容量の上限があります。月間データ利用量が200GBを超えた場合、当月末までの通信速度を通常のご利用に影響のない範囲(最大5Mbps)に制限します。なお、当社設備などの状況により、制限の適用が遅れる場合または適用されない場合があります。混雑時間帯は通信速度を制限する場合があります。※3 一定期間内(24時間単位)に大量のデータ通信があった場合、通信速度を制限することがあります。※4 データセンター内で低遅延かつ安定的・効率的な相互接続が可能な事業者数のこと。2025年5月時点。 ■連結業績 (単位:百万円) 2025年3月期自 2024年4月1日至 2025年3月31日2026年3月期自 2025年4月1日至 2026年3月31日比較増減 増減率(%) 売上高 5,835,5256,071,915236,3904.1 売上原価 3,343,6553,481,279137,6234.1 売上総利益 2,491,8702,590,63698,7664.0 販売費及び一般管理費 1,429,4651,529,37099,9067.0 その他の損益(△損失) △2,438△2,031407- 持分法による投資損益(△損失) 27,50139,89012,38945.1 営業利益 1,087,4681,099,12511,6571.1 金融損益(△損失) △19,513△5,48514,028- その他の営業外損益(△損失) 5,46424,26418,800344.1 税引前当期利益 1,073,4181,117,90444,4854.1 法人所得税費用 337,573337,243△330△0.1 当期利益 735,846780,66144,8156.1 親会社の所有者 655,416707,11251,6977.9 非支配持分 80,43073,549△6,881△8.6当期より、組織変更及び業績管理区分の見直しに伴い、連結子会社及び関連会社の一部所管セグメントを見直しております。これに伴い、前期のセグメント情報については、変更後のセグメント区分に基づき作成したものを開示しております。当期の売上高は、通信を基盤としたモバイル収入に加え、金融事業収入やIoT関連サービス・データセンター等で構成されるグロース領域の成長による収入の増加等により、6,071,915百万円(4.1%増)となりました。営業利益は、前期と比較し、売上高の増加等により、1,099,125百万円(1.1%増)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、707,112百万円(7.9%増)となりました。 b.セグメント別の状況パーソナルセグメント パーソナルセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。 ■業 績 (単位:百万円) 2025年3月期自 2024年4月1日至 2025年3月31日2026年3月期自 2025年4月1日至 2026年3月31日比較増減 増減率(%)売上高4,709,2924,812,737103,4452.2営業利益846,317828,337△17,979△2.1 当期の売上高は、前期と比較し、通信を基盤としたモバイル収入に加え、金融事業収入の増加等により、4,812,737百万円(2.2%増)となりました。営業利益は、前期と比較し、売上高の増加等があったものの、過去に資産計上した短期解約者に係る契約コストの減損等により、828,337百万円(2.1%減)となりました。 モバイルはLTV重視・価値創出への構造変革が奏功し、前期比で成長が加速しました。モバイル収入は前期比で326億円、アクセスチャージ影響を除くと前期比で約500億円の増加となり、期初予想を大きく上回り増収しました。成長を支えた他社に先駆けた価値創出について、史上初の4連覇を達成したつながる体感No.1の通信品質に加え、1周年を迎えたau Starlink Directは接続数400万人(※1)を突破、5G Fast Laneも累計約250万人(※2)の方にご利用いただいております。この結果、モバイルARPUは前期比で100円の増加、解約率安定も寄与してスマホ稼働数は前期比で36万契約の増加と、ARPU増とID増を両立することができました。注力領域の金融事業は前期比で増益、2023年3月期から2026年3月期にかけてCAGRは30.4%となり、順調に成長いたしました。※1 2026年4月時点※2 2026年3月時点 ビジネスセグメント ビジネスセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。 ■業 績 (単位:百万円) 2025年3月期自 2024年4月1日至 2025年3月31日2026年3月期自 2025年4月1日至 2026年3月31日比較増減 増減率(%)売上高1,405,7621,527,914122,1518.7営業利益235,253263,88428,63112.2当期の売上高は、前期と比較し、IoT関連サービス・データセンター等で構成されるグロース領域の成長による収入の増加等により、1,527,914百万円(8.7%増)となりました。営業利益は、前期と比較し、売上高の増加等により、263,884百万円(12.2%増)となりました。 ベース領域は近年の働き方改革や柔軟なワークスタイルニーズを背景に、モバイルを活用したDX需要が堅調で、ID・ARPU共に着実に伸長し、増益となりました。グロース領域ではIoT関連サービスにおいて、コネクティッドカーを中心とした回線数の伸びとIoT関連ソリューション案件の確実な進捗により成長を牽引いたしました。データセンターも引き続き旺盛な需要により販売の進捗が堅調、Starlink、ドローン等の新規商材なども堅調に推移し、増益に寄与しました。本年1月22日に稼働を開始した大阪堺データセンターについては順調にお申し込みをいただいております。 c. 財政状態の状況 2025年3月期2026年3月期比較増減資産合計(百万円)16,714,70819,063,3642,348,656負債合計(百万円)11,159,71313,470,6742,310,961資本合計(百万円)5,554,9955,592,69037,695親会社の所有者に帰属する持分(百万円)5,032,4955,076,73844,242親会社所有者帰属持分比率(%)30.126.6△3.51株当たり親会社所有者帰属持分(円)1,264.941,333.5068.56有利子負債残高(百万円)4,437,5625,375,351937,789(注)当社は2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っており、前連結会計年度の期首 に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり親会社所有者帰属持分を算定しております。 (資産)資産は、コールローン等が減少したものの、金融事業の貸出金、営業債権及びその他の債権等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、2,348,656百万円増加し、19,063,364百万円となりました。 (負債)負債は、金融事業の預金、借入金及び社債等が増加したことにより、前連結会計年度末と比較し、2,310,961百万円増加し、13,470,674百万円となりました。 (資本)資本は、親会社の所有者に帰属する持分の増加等により、5,592,690百万円となりました。以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の30.1%から26.6%となりました。 (有利子負債)auフィナンシャルホールディングス株式会社(連結)を除く、有利子負債残高は、前連結会計年度末が2,818,884百万円、当連結会計年度末が3,269,350百万円となっております。 (※)auフィナンシャルホールディングス株式会社(連結)を除く、当社連結における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末が50.9%、当連結会計年度末が48.5%、親会社所有者帰属持分当期利益率は、前連結会計年度末が13.0%、当連結会計年度末が14.0%となっております。 ② キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期比較増減営業活動によるキャッシュ・フロー1,249,0421,788,853539,811投資活動によるキャッシュ・フロー△1,180,103△1,080,45599,648フリー・キャッシュ・フロー ※68,939708,398639,460財務活動によるキャッシュ・フロー△33,555△553,130△519,575現金及び現金同等物に係る換算差額△1,4152,3633,778現金及び現金同等物の増減額(△は減少)33,969157,632123,663現金及び現金同等物の期首残高887,207921,17533,969現金及び現金同等物の期末残高921,1751,078,807157,632※ フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。 営業活動によるキャッシュ・フロー(収入)は、前期と比較し、金融事業の借入金の増加幅が小さくなったこと等により収入が減少したものの、金融事業の預金の増加幅が大きくなったこと等による収入の増加により、539,811百万円増加し、1,788,853百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前期と比較し、前期にあったローソン等の関連会社株式の取得による支出の減少等により、99,648百万円減少し、1,080,455百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フロー(支出)は、前期と比較し、社債発行及び長期借入による収入の減少等により、519,575百万円増加し、553,130百万円の支出となりました。また、上記キャッシュ・フローに加えて、現金及び現金同等物に係る換算差額により2,363百万円増加した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較し、157,632百万円増加し、1,078,807百万円となりました。 ③ 営業実績 当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)パーソナル4,812,7372.2ビジネス1,527,9148.7その他121,449△0.1セグメント間の内部売上高△390,185- 合計6,071,9154.1(注)金額は外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高の合計であります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により、国際財務報告基準(IFRS)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析(売上高) 前期と比較し、通信を基盤としたモバイル収入に加え、金融事業収入やIoT関連サービス・データセンター等で構成されるグロース領域の成長による収入の増加等により、6,071,915百万円(4.1%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 24.売上高」をご参照ください。 (売上原価、販売費及び一般管理費)前期と比較し、短期解約者に係る契約コストの減損等により、5,010,649百万円(5.0%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 25.費用の性質別内訳」をご参照ください。 (その他の収益及びその他の費用) 当社連結子会社における架空循環取引に伴う代理店手数料に係る外部流出額の計上等により2,031百万円の損失(前期は2,438百万円の損失)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 26.その他の収益及びその他の費用」をご参照ください。 (持分法による投資損益) 持分法適用共同支配企業の株式会社ローソンにおける投資利益の増加等により、39,890百万円(45.1%増)となりました。 (営業利益) 以上の結果、営業利益は1,099,125百万円(1.1%増)となりました。なお、営業利益率は、18.1%(0.5ポイント減)となりました。 (金融収益及び金融費用) 受取配当金6,112百万円、支払利息30,542百万円、為替差益15,886百万円の計上等により、5,485百万円の損失(前期は19,513百万円の損失)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 27.金融収益及び金融費用」をご参照ください。 (その他の営業外損益) 持分法適用除外に伴う再測定益19,818百万円の計上等により、24,264百万円の利益(344.1%増)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 28.その他の営業外損益」をご参照ください。 (法人所得税費用) 前期に税率の変更による影響等があったこと等により337,243百万円(0.1%減)となりました。なお、2026年3月期の法人税等負担率は30.2%となりました。法人所得税費用に関する詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.繰延税金及び法人所得税」をご参照ください。 (非支配持分に帰属する当期利益) 主に一部の海外子会社の利益減少等の影響により、73,549百万円(8.6%減)となりました。 (親会社の所有者に帰属する当期利益) 上記の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は707,112百万円(7.9%増)となりました。 なお、報告セグメントの売上と営業利益の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。 b.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。当社グループは、運転資金及び設備投資については、自己資金及び借入金等により資金調達することとしております。このうち、借入金等による資金調達に関しては、通常の運転資金については短期借入金及びコマーシャル・ペーパーで、設備投資などの長期資金は固定金利の長期借入金及び社債で調達することを基本としております。また金融事業については、資金調達やリスクアセットの削減を目標として、債権流動化を行っております。なお、当連結会計年度末における借入金等を含む有利子負債の残高は5,375,351百万円、現金及び現金同等物の残高は1,078,807百万円となっております。流動性リスクとその管理方法につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記31.金融商品」に記載しております。 c.経営上の財務目標の達成状況について財務目標において、営業利益については、持続的な成長を目指し、株主還元については、安定的な配当を継続し、連結配当性向は40%超を掲げておりました。当連結会計年度においては、通信ARPU収入はじめ、注力領域が順調に成長し、配当性向40%超を達成いたしました。当社は本年5月、AIが前提となる社会を見据えた新たな成長構造実現に向けて、中期経営戦略(2026年度-2028年度)「Power-to-Connect 2028」を発表しました。財務目標において、「テレコムコアセグメント」の安定成長を維持しつつ、「グロースセグメント」において2桁成長を実現することで、調整後営業利益(注)の年平均成長率(CAGR)5%を目指します。また、資本効率を重視し、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)スプレッドを重要な経営指標として掲げ、役員報酬と連動させることで、その実行力を高めてまいります。株主還元については、調整後当期利益(注)に対する配当性向40%超、事業成長に沿った安定増配を継続、自己株式取得については、成長投資とのリターンを比較検討しながら機動的に実施する方針としています。当社グループは、引き続きサステナビリティ経営を根幹に、社会の持続的な成長と企業価値の向上を目指していきます。 (注)上記の調整後利益は、非経常的かつ大規模なコストやポートフォリオ見直しに伴う一時損益を除外したものです。