経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営理念当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、創業以来一貫して情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業に取り組み、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ、企業価値の最大化に取り組んでいます。 (2) マテリアリティ(重要課題)当社は、上記の経営理念・ビジョンと成長戦略「Activate AI for Society」を結びつける6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。これらは、当社の企業価値向上と持続可能な社会の実現の両立に向け、優先的に取り組むべき課題と位置づけています。各マテリアリティ(重要課題)の概要については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 c.戦略 (b)マテリアリティの特定 d. 指標と目標」をご参照ください。 (3) 経営方針a. 中期経営計画(2026年度〜2030年度)当社は、2030年度にありたい姿として長期ビジョン「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を掲げています。2023年度から2025年度までの中期経営計画においては、通信事業の収益基盤の強化と非通信事業の成長を通じて、事業基盤の再構築を進めてきました。これに続く2026年度から2030年度までの中期経営計画では、さらなる事業成長を推進するとともに、次世代社会インフラの実現を目指します。 b. 事業戦略当社グループは、成長戦略「Activate AI for Society」を掲げています。全ての事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指します。 (a) 通信事業のさらなる成長当社グループの事業基盤である通信事業では、継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益を目指すとともに、快適かつ強靭なネットワークの提供を通じて競争力の強化を図ります。 ⅰ.継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益魅力的な付加価値サービスを提供する料金プランの浸透を進めるとともに、グループ経済圏を活用し、長期利用が期待できるユーザー層の獲得と定着を図ることで、モバイルサービス売上の継続的な増収と、セグメント利益の継続的な増益を目指します。 ⅱ.快適かつ強靭なネットワークの構築を通じた競争力の強化5G SA(スタンドアローン)エリアの拡大などによるネットワークの高度化を進めるほか、自律的に最適なサービスを提供するネットワークに向けてAIとの融合に取り組むことで、ユーザー体感を重視した快適なネットワークの構築を目指します。加えて、衛星通信サービスやLTA(Lighter Than Air)型(注1)HAPS(注2)(空飛ぶ基地局)を活用し、災害時などにおける通信の確保に取り組むことで、より強靭なネットワークの構築を図ります。 (注)1.LTA(Lighter Than Air)型:空気よりも軽いヘリウムガスを利用した方式。 2.HAPS(High Altitude Platform Station):成層圏において長期間滞空する通信プラットフォームを運用し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称。 (b) クラウド・AI領域の伸長などを通じたエンタープライズ事業の成長当社グループは、企業のDX需要の高度化や生成AI活用の急速な進展を背景に、エンタープライズ事業のさらなる成長を目指します。基盤となる事業である法人顧客向け通信サービスにおいては、顧客のニーズに応じた付加価値を提供することで安定的な成長を維持します。この強固な顧客基盤を土台として、DXソリューションをさらに高度化させながら、注力しているクラウド・AI領域でさらなる成長を目指します。具体的には、最先端のGPUを搭載した国内最大規模のAI計算基盤やAIデータセンター、機微データを国内で安全に管理・運用するソブリンクラウドなど、インフラ層の整備を行うことに加え、企業向け最先端AIである「Crystal intelligence」をはじめとする高付加価値なAIサービスの展開に注力します。 これらを通じて、企業におけるAIの実装およびデータの利活用ニーズに対し、柔軟にサービスを提供することで、顧客基盤の拡大と顧客1社当たりの取引額(ARPA)拡大を推進し、事業全体の収益性向上を図ります。 (c) メディア・EC事業の成長当社グループはメディア・EC事業において、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」など、国内最大級のユーザー基盤を有するインターネットサービスを提供しています。同事業では、検索やニュース、オンラインショッピングなど、多様なサービスを展開しています。 ⅰ.メディア領域の拡大インターネット広告などを扱うメディア領域では、グループの技術やアセットを活用した配信精度の向上などにより広告単価を高めることで、既存広告の売上の最大化を図ります。加えて、データの連携によるマーケティング分析の強化やコミュニケーションアプリを通じたリピート購入の促進により、新規顧客の獲得から継続的な利用の促進まで一貫したマーケティング支援を行うことで、さらなる売上成長を目指します。また、「LINE公式アカウント」と法人向けサービスを連携し、オンライン・オフラインを問わず顧客接点を一気通貫でつなぐプラットフォーム「Connect One」構想を推し進めることで、顧客との継続的な関係構築を支援し、広告にとどまらない収益機会の拡大を目指します。さらに、「LINEミニアプリ」の活用により、予約・注文・決済・会員化等のサービス連携を強化し、利用者接点からトランザクションまでを一体的に提供することで、新たな収益基盤の確立を図ります。加えて、グループ横断の有料会員サービス「LYPプレミアム」を通じて、「LINE」や「Yahoo! JAPAN」をはじめとするグループサービスのクロスユースを促進し、会員基盤およびサービス利用の拡大を目指します。 ⅱ.コマース領域の成長オンラインショッピングなどを扱うコマース領域では、ユーザーのニーズが多様化する中、「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」など、特長の異なる複数のコマースサービスを展開することで幅広いユーザーの取り込みを図っています。引き続き、「LINE」「Yahoo! JAPAN」「PayPay」という国内最大級のユーザー基盤を持つグループサービスの相互利用をさらに促進し、グループ経済圏を拡大することで、収益の持続的な成長を目指します。また、2025年度下期から段階的に実施している「LINE」アプリのリニューアルにおいて、新たに「ショッピング」タブを追加することで、メッセンジャーアプリを起点とした購入体験を提供します。「LINE」アプリのリニューアルを通じて、「LINE」の利便性向上と、さらなるクロスユースの促進強化に取り組みます。 ⅲ.セキュリティガバナンスの確保メディア・EC事業の中心的な企業であるLINEヤフー㈱は、多数のユーザーを抱えるプラットフォーム事業者として、個人情報の保護をはじめとするセキュリティガバナンスの確保を重視しています。当社は、同社の親会社として、定期的なリスク状況の評価や緊急事態発生時の連絡体制の強化など、実効的なセキュリティガバナンスの確保に向けた取り組みを進めています。なお、LINEヤフー㈱は、2023年11月に公表した不正アクセスによる情報漏えいに関して、2023年度に総務省から行政指導を、個人情報保護委員会から勧告および報告等の求めを受け、また2024年度においても総務省から追加の行政指導を受けました。これを受けて、同社は再発防止策を推進し、2026年3月末をもってNAVER社およびNAVER Cloud社とのシステム分離やプライベートネットワーク分離を完了するなど、策定した主要な対応を完了しています。また、昨今はランサムウェア等による被害が深刻化しており、事業継続性に直結する脅威となっています。2025年10月には、LINEヤフー㈱の連結子会社であるアスクル㈱において、ランサムウェア攻撃によるシステム障害が発生し、一部事業活動に影響が生じました。当社は、こうした脅威の拡大やグループ会社における事案の発生を踏まえ、事業継続性の確保に向け、データ保全や復旧手順の検証をはじめとする対策をグループ会社と連携して進めています。 (d) ファイナンス事業の成長ファイナンス事業には、PayPay㈱およびその子会社であるPayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱が含まれます。また、決済代行サービスを提供するSBペイメントサービス㈱等も含まれます。ファイナンス事業の中核を担うPayPay㈱は、コード決済を基盤として、カード、銀行、証券等の金融サービスとの連携を深めることにより、利便性の高いデジタル金融プラットフォームの構築を進めています。同社は、決済領域における利用拡大、金融サービス領域におけるサービス利用の拡大および決済領域と金融サービス領域の連携強化を通じて、収益源の多角化と持続的な利益成長を図ります。なお、PayPay㈱は2026年3月12日に米ナスダック市場に上場しました。同社はこれを機に、国外における事業機会を追求するとともに、国内における新たなサービス展開を検討していきます。 ⅰ.決済領域における成長と収益性の向上オフライン・オンライン双方における利用機会の拡大、効率的なプロモーションおよび「PayPay」のプラットフォーム価値の向上により、月間取引ユーザー数(注)(MTU)の増大と決済回数の最大化を目指します。加えて、PayPayカード㈱との連携強化を通じて「PayPayクレジット」の浸透を加速させることで、決済取扱高の拡大を推進するとともに、金利収入の拡大を図り、収益性の継続的な向上を実現します。 (注)1ヶ月に1回以上、決済を行ったユニークユーザー数。「PayPay残高」、「PayPayデビット」、「PayPay残高カード」、「PayPayクレジット」、「Alipay」、「LINE Pay」等経由の決済を含みます。ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。 ⅱ.金融サービス領域における成長加速2025年4月に完了したPayPay㈱によるPayPay銀行㈱およびPayPay証券㈱の子会社化を通じて、決済・銀行・証券が一体となった金融プラットフォームの構築を推進します。具体的には、「PayPay」アプリ内における銀行・証券サービスのUI/UXを高度化し、決済と金融の各機能をよりシームレスに連携させることで、預金、貸出、証券口座等の拡大に努めます。加えて、決済データ等を活用した与信モデルの高度化により、個人向けローンや加盟店向け融資の提供拡大を通じた収益力の強化を図ります。さらに、決済サービスと金融サービスの連携を強化し、ユーザーの利便性および金融サービスの利用率向上を通じて、ユーザー当たりの収益性の向上、収益源の多角化および持続的な利益成長を推進します。 (e) 新規事業の創出・拡大当社グループは、通信、eコマース、決済、SNSといった複数の事業領域で培った顧客基盤や事業基盤を活用し、今後の成長が見込まれる分野において新規事業の創出・拡大を目指します。AI、FinTech、モビリティ、ヘルスケア、エネルギーなどの領域において、最先端テクノロジーを活用した新たな事業機会の創出に取り組みます。その一環として、日本語に特化したLLM「Sarashina」や「HAPS(空飛ぶ基地局)」の開発を進めるとともに、革新型バッテリーの事業化などに取り組みます。 (f) コスト効率化当社グループは、事業投資を機動的に実施する一方で、コストの効率化に継続的に取り組みます。コールセンター業務やネットワーク運用・監視業務の自動化などを始め、あらゆる領域でAIの活用を検討し、さらなる業務の効率化を図ります。また、PHS・3GサービスやADSLサービスの終了などに合わせ、通信設備の最適化を継続します。加えて、グループ企業との共同購買や、グループ企業を活用した業務の内製化などを推進し、グループ全体のコスト効率化を図ります。 c. 財務戦略ⅰ.財務運営の基本方針当社グループは、「中長期的な成長」と「株主還元」の両方を重視する方針の下、2026年度から2028年度までの3年間累計(LINEヤフー㈱およびPayPay㈱等を除く)におけるキャピタル・アロケーションの方針に基づき、財務運営を行っています。具体的には、主に通信事業からの安定的な営業キャッシュ・フローにより、通信関連の設備投資(注)および配当総額を賄うとともに、AI関連事業等の収益化により追加的な投資余力や財務改善原資の確保につなげていきます。その上で、財務健全性と資本効率性の両立を追求しつつ、AI関連をはじめとする戦略的投資を実行し、中長期的な企業価値の向上を目指していきます。 (注)基地局設置のための土地・建物のリース料の支払いを含みます。 ⅱ.株主還元方針当社では、中長期的な企業価値の向上を図るとともに、株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。詳細は、「剰余金の配当等の決定に関する方針」をご参照ください。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営理念当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、創業以来一貫して情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業に取り組み、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ、企業価値の最大化に取り組んでいます。 (2) マテリアリティ(重要課題)当社は、上記の経営理念・ビジョンと成長戦略「Activate AI for Society」を結びつける6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。これらは、当社の企業価値向上と持続可能な社会の実現の両立に向け、優先的に取り組むべき課題と位置づけています。各マテリアリティ(重要課題)の概要については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 c.戦略 (b)マテリアリティの特定 d. 指標と目標」をご参照ください。 (3) 経営方針a. 中期経営計画(2026年度〜2030年度)当社は、2030年度にありたい姿として長期ビジョン「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を掲げています。2023年度から2025年度までの中期経営計画においては、通信事業の収益基盤の強化と非通信事業の成長を通じて、事業基盤の再構築を進めてきました。これに続く2026年度から2030年度までの中期経営計画では、さらなる事業成長を推進するとともに、次世代社会インフラの実現を目指します。 b. 事業戦略当社グループは、成長戦略「Activate AI for Society」を掲げています。全ての事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指します。 (a) 通信事業のさらなる成長当社グループの事業基盤である通信事業では、継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益を目指すとともに、快適かつ強靭なネットワークの提供を通じて競争力の強化を図ります。 ⅰ.継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益魅力的な付加価値サービスを提供する料金プランの浸透を進めるとともに、グループ経済圏を活用し、長期利用が期待できるユーザー層の獲得と定着を図ることで、モバイルサービス売上の継続的な増収と、セグメント利益の継続的な増益を目指します。 ⅱ.快適かつ強靭なネットワークの構築を通じた競争力の強化5G SA(スタンドアローン)エリアの拡大などによるネットワークの高度化を進めるほか、自律的に最適なサービスを提供するネットワークに向けてAIとの融合に取り組むことで、ユーザー体感を重視した快適なネットワークの構築を目指します。加えて、衛星通信サービスやLTA(Lighter Than Air)型(注1)HAPS(注2)(空飛ぶ基地局)を活用し、災害時などにおける通信の確保に取り組むことで、より強靭なネットワークの構築を図ります。 (注)1.LTA(Lighter Than Air)型:空気よりも軽いヘリウムガスを利用した方式。 2.HAPS(High Altitude Platform Station):成層圏において長期間滞空する通信プラットフォームを運用し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称。 (b) クラウド・AI領域の伸長などを通じたエンタープライズ事業の成長当社グループは、企業のDX需要の高度化や生成AI活用の急速な進展を背景に、エンタープライズ事業のさらなる成長を目指します。基盤となる事業である法人顧客向け通信サービスにおいては、顧客のニーズに応じた付加価値を提供することで安定的な成長を維持します。この強固な顧客基盤を土台として、DXソリューションをさらに高度化させながら、注力しているクラウド・AI領域でさらなる成長を目指します。具体的には、最先端のGPUを搭載した国内最大規模のAI計算基盤やAIデータセンター、機微データを国内で安全に管理・運用するソブリンクラウドなど、インフラ層の整備を行うことに加え、企業向け最先端AIである「Crystal intelligence」をはじめとする高付加価値なAIサービスの展開に注力します。 これらを通じて、企業におけるAIの実装およびデータの利活用ニーズに対し、柔軟にサービスを提供することで、顧客基盤の拡大と顧客1社当たりの取引額(ARPA)拡大を推進し、事業全体の収益性向上を図ります。 (c) メディア・EC事業の成長当社グループはメディア・EC事業において、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」など、国内最大級のユーザー基盤を有するインターネットサービスを提供しています。同事業では、検索やニュース、オンラインショッピングなど、多様なサービスを展開しています。 ⅰ.メディア領域の拡大インターネット広告などを扱うメディア領域では、グループの技術やアセットを活用した配信精度の向上などにより広告単価を高めることで、既存広告の売上の最大化を図ります。加えて、データの連携によるマーケティング分析の強化やコミュニケーションアプリを通じたリピート購入の促進により、新規顧客の獲得から継続的な利用の促進まで一貫したマーケティング支援を行うことで、さらなる売上成長を目指します。また、「LINE公式アカウント」と法人向けサービスを連携し、オンライン・オフラインを問わず顧客接点を一気通貫でつなぐプラットフォーム「Connect One」構想を推し進めることで、顧客との継続的な関係構築を支援し、広告にとどまらない収益機会の拡大を目指します。さらに、「LINEミニアプリ」の活用により、予約・注文・決済・会員化等のサービス連携を強化し、利用者接点からトランザクションまでを一体的に提供することで、新たな収益基盤の確立を図ります。加えて、グループ横断の有料会員サービス「LYPプレミアム」を通じて、「LINE」や「Yahoo! JAPAN」をはじめとするグループサービスのクロスユースを促進し、会員基盤およびサービス利用の拡大を目指します。 ⅱ.コマース領域の成長オンラインショッピングなどを扱うコマース領域では、ユーザーのニーズが多様化する中、「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」など、特長の異なる複数のコマースサービスを展開することで幅広いユーザーの取り込みを図っています。引き続き、「LINE」「Yahoo! JAPAN」「PayPay」という国内最大級のユーザー基盤を持つグループサービスの相互利用をさらに促進し、グループ経済圏を拡大することで、収益の持続的な成長を目指します。また、2025年度下期から段階的に実施している「LINE」アプリのリニューアルにおいて、新たに「ショッピング」タブを追加することで、メッセンジャーアプリを起点とした購入体験を提供します。「LINE」アプリのリニューアルを通じて、「LINE」の利便性向上と、さらなるクロスユースの促進強化に取り組みます。 ⅲ.セキュリティガバナンスの確保メディア・EC事業の中心的な企業であるLINEヤフー㈱は、多数のユーザーを抱えるプラットフォーム事業者として、個人情報の保護をはじめとするセキュリティガバナンスの確保を重視しています。当社は、同社の親会社として、定期的なリスク状況の評価や緊急事態発生時の連絡体制の強化など、実効的なセキュリティガバナンスの確保に向けた取り組みを進めています。なお、LINEヤフー㈱は、2023年11月に公表した不正アクセスによる情報漏えいに関して、2023年度に総務省から行政指導を、個人情報保護委員会から勧告および報告等の求めを受け、また2024年度においても総務省から追加の行政指導を受けました。これを受けて、同社は再発防止策を推進し、2026年3月末をもってNAVER社およびNAVER Cloud社とのシステム分離やプライベートネットワーク分離を完了するなど、策定した主要な対応を完了しています。また、昨今はランサムウェア等による被害が深刻化しており、事業継続性に直結する脅威となっています。2025年10月には、LINEヤフー㈱の連結子会社であるアスクル㈱において、ランサムウェア攻撃によるシステム障害が発生し、一部事業活動に影響が生じました。当社は、こうした脅威の拡大やグループ会社における事案の発生を踏まえ、事業継続性の確保に向け、データ保全や復旧手順の検証をはじめとする対策をグループ会社と連携して進めています。 (d) ファイナンス事業の成長ファイナンス事業には、PayPay㈱およびその子会社であるPayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱が含まれます。また、決済代行サービスを提供するSBペイメントサービス㈱等も含まれます。ファイナンス事業の中核を担うPayPay㈱は、コード決済を基盤として、カード、銀行、証券等の金融サービスとの連携を深めることにより、利便性の高いデジタル金融プラットフォームの構築を進めています。同社は、決済領域における利用拡大、金融サービス領域におけるサービス利用の拡大および決済領域と金融サービス領域の連携強化を通じて、収益源の多角化と持続的な利益成長を図ります。なお、PayPay㈱は2026年3月12日に米ナスダック市場に上場しました。同社はこれを機に、国外における事業機会を追求するとともに、国内における新たなサービス展開を検討していきます。 ⅰ.決済領域における成長と収益性の向上オフライン・オンライン双方における利用機会の拡大、効率的なプロモーションおよび「PayPay」のプラットフォーム価値の向上により、月間取引ユーザー数(注)(MTU)の増大と決済回数の最大化を目指します。加えて、PayPayカード㈱との連携強化を通じて「PayPayクレジット」の浸透を加速させることで、決済取扱高の拡大を推進するとともに、金利収入の拡大を図り、収益性の継続的な向上を実現します。 (注)1ヶ月に1回以上、決済を行ったユニークユーザー数。「PayPay残高」、「PayPayデビット」、「PayPay残高カード」、「PayPayクレジット」、「Alipay」、「LINE Pay」等経由の決済を含みます。ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。 ⅱ.金融サービス領域における成長加速2025年4月に完了したPayPay㈱によるPayPay銀行㈱およびPayPay証券㈱の子会社化を通じて、決済・銀行・証券が一体となった金融プラットフォームの構築を推進します。具体的には、「PayPay」アプリ内における銀行・証券サービスのUI/UXを高度化し、決済と金融の各機能をよりシームレスに連携させることで、預金、貸出、証券口座等の拡大に努めます。加えて、決済データ等を活用した与信モデルの高度化により、個人向けローンや加盟店向け融資の提供拡大を通じた収益力の強化を図ります。さらに、決済サービスと金融サービスの連携を強化し、ユーザーの利便性および金融サービスの利用率向上を通じて、ユーザー当たりの収益性の向上、収益源の多角化および持続的な利益成長を推進します。 (e) 新規事業の創出・拡大当社グループは、通信、eコマース、決済、SNSといった複数の事業領域で培った顧客基盤や事業基盤を活用し、今後の成長が見込まれる分野において新規事業の創出・拡大を目指します。AI、FinTech、モビリティ、ヘルスケア、エネルギーなどの領域において、最先端テクノロジーを活用した新たな事業機会の創出に取り組みます。その一環として、日本語に特化したLLM「Sarashina」や「HAPS(空飛ぶ基地局)」の開発を進めるとともに、革新型バッテリーの事業化などに取り組みます。 (f) コスト効率化当社グループは、事業投資を機動的に実施する一方で、コストの効率化に継続的に取り組みます。コールセンター業務やネットワーク運用・監視業務の自動化などを始め、あらゆる領域でAIの活用を検討し、さらなる業務の効率化を図ります。また、PHS・3GサービスやADSLサービスの終了などに合わせ、通信設備の最適化を継続します。加えて、グループ企業との共同購買や、グループ企業を活用した業務の内製化などを推進し、グループ全体のコスト効率化を図ります。 c. 財務戦略ⅰ.財務運営の基本方針当社グループは、「中長期的な成長」と「株主還元」の両方を重視する方針の下、2026年度から2028年度までの3年間累計(LINEヤフー㈱およびPayPay㈱等を除く)におけるキャピタル・アロケーションの方針に基づき、財務運営を行っています。具体的には、主に通信事業からの安定的な営業キャッシュ・フローにより、通信関連の設備投資(注)および配当総額を賄うとともに、AI関連事業等の収益化により追加的な投資余力や財務改善原資の確保につなげていきます。その上で、財務健全性と資本効率性の両立を追求しつつ、AI関連をはじめとする戦略的投資を実行し、中長期的な企業価値の向上を目指していきます。 (注)基地局設置のための土地・建物のリース料の支払いを含みます。 ⅱ.株主還元方針当社では、中長期的な企業価値の向上を図るとともに、株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。詳細は、「剰余金の配当等の決定に関する方針」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 連結経営成績の状況a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況(a) 事業全体の状況ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業を展開しています。そして、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ企業価値の最大化に取り組んでいます。このため、取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)(注1)を特定し、事業を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献しています。2026年3月期における国内景気は、物価高、人手不足および金利上昇等の影響がある中においても、総じて底堅く推移しました。一方で、米国の関税動向や中東情勢の緊迫化等を背景として、先行き不透明な状況が続いています。こうした経営環境の下、企業や行政においては、人手不足への対応や競争力強化に向け、デジタル化が進展するとともに、AI活用が急速に広がっています。特に、AIの進化・普及に伴い、データ処理需要や電力需要の拡大が見込まれる中、これらを支えるインフラの重要性は一段と高まっています。当社は2030年までにありたい姿として長期ビジョン「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を掲げています。この長期ビジョンは、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持ったインフラを構築し、未来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在となることを企図しています。2024年3月期から2026年3月期までの中期経営計画においては、通信事業の収益基盤の強化と非通信事業の成長を通じて、事業基盤の再構築を進めてきました。また、最終年度である当期の親会社の所有者に帰属する純利益は5,508億円と過去最高となり、親会社の所有者に帰属する純利益の目標5,430億円(注2)を上回り達成しました。2026年5月に発表した2027年3月期から2031年3月期までの中期経営計画においては、さらなる事業成長を推進するとともに、次世代社会インフラの完成を目指します。具体的には、新たな成長戦略「Activate AI for Society」の推進を通じて、本中期経営計画期間において、2031年3月期に連結営業利益1兆7,000億円、親会社の所有者に帰属する純利益7,000億円を達成し、最高益の更新を目指します。新たな成長戦略「Activate AI for Society」とは、全事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指すものです。AIインフラやAIサービスを収益化するとともに、全事業セグメントがAIで進化し成長することで、グループ全体での持続的な事業成長を推進しています。 <主な取り組み>・通信分野では、2025年6月、当社はLTA型(注3)のHAPS(注4)を開発するSceye, Inc.に出資し、日本国内におけるHAPSのサービス展開に係る独占権を取得する契約を締結しました。LTA型HAPSを活用し早期の商用化を推進することで、2026年にはHAPSのプレ商用サービスを日本国内で開始する予定です。HAPSの商用化により、大規模災害時の通信サービスの提供に加え、6G(第6世代移動通信システム)時代を見据えて、ドローンやUAV(注5)向けに安定した通信環境を提供する次世代の3次元通信ネットワークの構築を目指します。また、2025年8月、当社は物価高騰に伴う各種費用の上昇をはじめとする昨今の社会情勢を踏まえ、携帯電話およびブロードバンドサービスに関する各種手数料の改定を実施しました。2025年9月からは、「ワイモバイル」ブランドで「シンプル3 S/M/L」(以下「シンプル3」)の提供を開始しました。「シンプル3」は、多くのユーザーが重視するデータ容量、経済圏サービスのメリット、追加料金不要の海外データ通信などを拡充した新料金プランです。さらに、2026年1月、当社とソニーネットワークコミュニケーションズ㈱は、両社の出資による合弁会社の設立、および当社の加入者終端装置(OLT)(注6)ならびに加入者回線の構築・管理・運用事業を吸収分割により合弁会社に承継させる最終契約を締結しました。本件は、両社が同数の役員を指名するガバナンス体制のもと、オペレーションの効率化およびネットワーク品質の向上を図ることを目的としています。両社のシナジーを最大限に発揮し、ユーザーへの提供価値の向上を図っていきます。・AI等の新規領域では、2025年10月、当社はオラクル・コーポレーション(以下「オラクル」)と、クラウド上のデータやシステムを自国の管理下で運用し、データ主権(ソブリン性)を備えたサービスの提供に向けて協業を開始しました。この協業に基づき、2026年4月より「Cloud PF Type A(クラウド・プラットフォーム・タイプ・エー)」の提供を順次開始しています。「Cloud PF Type A」では、オラクルの「Oracle Alloy(オラクル・アロイ)」(注7)を活用したクラウド基盤を当社の日本国内のデータセンターに導入し、当社が管理・運用することで、ソブリン性を備えたクラウドサービスを日本市場向けに提供します。2025年11月、当社とSB Intuitions㈱は、国産の大規模言語モデル(LLM)「Sarashina mini」のAPI(Application Programming Interface)と接続できるサービス「Sarashina API」の提供を法人のお客さま向けに開始しました。「Sarashina mini」は、SB Intuitions㈱が構築した4,600億パラメーター規模の国産LLM「Sarashina」で培った知見を基に開発された軽量モデルで、日本語性能に優れ、日本特有の文化や慣習に精通しています。法人のお客さまは、自社のシステムやアプリケーションと「Sarashina API」を連携させることで、幅広い業務の効率化が可能になります。当社とSB Intuitions㈱は、「Sarashina mini」の展開に加え、企業や業界に特化した国産LLMの開発にも取り組み、さまざまなニーズに応えるソリューションの提供を目指します。また、同月、当社、ソフトバンクグループ㈱、およびOpenAI Group PBC(以下「OpenAI」)は、合弁会社SB OAI Japan合同会社(以下「SB OAI Japan」)を発足させました。SB OAI Japanは、OpenAIのAI技術を活用し、同社のエンタープライズ向け最新プロダクトと、日本市場に最適化した導入支援・運用サポートを組み合わせたAIソリューション「クリスタル・インテリジェンス(Crystal intelligence)」を、2026年に日本国内で独占展開する予定です。SB OAI Japanは、本ソリューションの展開を通して、企業の経営・業務プロセスに深く根差したAI活用を支援し、日本の企業の経営変革を目指します。さらに、同月、当社の子会社であるGen-AX㈱は、コンタクトセンターにおける自律思考型AIの音声応対ソリューション「X-Ghost(クロスゴースト)」の正式提供を開始しました。「X-Ghost」は、AIが自律的に思考し、自然な音声対話で顧客応対を行う「AIオペレーター」として、企業の業務効率化と優れた顧客体験の両立を支援します。加えて2026年1月、当社は、AIデータセンター向けのソフトウエアスタック(注8)「Infrinia AI Cloud OS」を開発し、今後自社のGPU(Graphics Processing Unit)クラウドサービスへ「Infrinia AI Cloud OS」を導入していくことを発表しました。「Infrinia AI Cloud OS」を導入することで、マルチテナント環境に対応したKubernetes(注9) as a Service (KaaS)と、大規模言語モデル(LLM)の推論機能をAPI(Application Programming Interface)として提供するInference as a Service (Inf-aaS)を自社のGPUクラウドサービスの機能として構築することが可能となります。また、「Infrinia AI Cloud OS」のグローバルでの普及に向けて、海外のデータセンターやクラウド環境への展開を進めていきます。 ・ファイナンス事業では、2025年5月、当社は三井住友カード㈱とデジタル分野における包括的な業務提携に関し、基本合意書を締結しました。SMBCグループが提供している個人のお客さま向け総合金融サービス「Olive」が持つさまざまな機能と、当社グループが提供するヘルスケアなどの幅広い商品サービスを掛け合わせること、また「Olive」と「PayPay」の相互連携を実現することにより、便利でお得なキャッシュレスサービスの創出を目指します。また、当社の子会社であるPayPay㈱は、同社の普通株式を対象とした54,987,214個の米国預託株式(以下「ADS」)の米国の証券取引所での新規公開(以下「本新規公開」)を行い、2026年3月12日(米国時間)に上場しました。本新規公開において、合計63,235,295ADSの募集および売出しが行われ、PayPay㈱の発行済株式数は2026年3月末時点で676,955,535株となりました。差引手取概算額は、引受手数料およびPayPay㈱が負担する募集関連費用控除後で946億円(603百万米ドル)です。なお、PayPay㈱は引き続き当社の連結子会社となります。・2025年4月、当社は経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構が選定する「DX銘柄2025」に、5年連続で選定されました。さらに、選定企業31社の中から、「デジタル時代を先導する企業」として、初の「DXグランプリ企業」にも選ばれました。これは、デジタル・AI人材の育成やスキル向上といったDX(注10)の実現能力の高さ、既存ビジネスモデルの業務効率化および高度化、さらにIR活動をはじめとしたステークホルダーへの積極的な情報発信が高く評価された結果です。また、2025年5月、SX(注11)を通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群として「SX銘柄2025」に初めて選定されました。これは、テクノロジーを競争優位性として社会価値を創出する当社の価値創造ストーリーや、中長期的な成長の指標としてTSR(株主総利回り)を設定し、役員報酬と連動させている点が高く評価されたことによるものです。・2025年7月に、当社は海外市場において、初の米ドル建て無担保普通社債を発行しました。これに先立ち、当社はS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱から「BBB」(注12)、フィッチ・レーティングス・ジャパン㈱から「BBB+」の格付けを取得しています。国内に限定されない資金調達手段を確保することで、為替や世界的な金利動向を踏まえた柔軟な財務戦略を可能とし、調達コストの改善や返済スケジュールの平準化を図ります。 (注1) マテリアリティ(重要課題)の詳細については、「第2 事業の状況2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2) サステナビリティ全般c.戦略(b)マテリアリティの特定 d.指標と目標」をご参照ください。(注2) 2023年5月の中期経営計画発表時の目標は5,350億円。その後、好調な業績を背景に2025年5月、2026年2月の2回の修正を経て5,430億円へと目標を引き上げました。(注3) LTA(Lighter Than Air)型とは、空気より軽く、浮力を利用して飛行を維持するHAPSのことを指します。(注4) HAPS(High Altitude Platform Station)とは、成層圏において長期間滞空する通信プラットフォームを運用し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称のことを指します。 (注5) UAV(Uncrewed Aerial Vehicle)とは、無人航空機のことを指します。 (注6) 加入者終端装置(OLT:Optical Line Terminal)とは、通信事業者の局舎に設置される光回線サービスを提供するための終端装置です。 (注7) 「Oracle Alloy」は、パートナーとなる事業者がクラウドプロバイダーとなり、お客さまのニーズに合わせてカスタマイズも可能にする包括的なクラウド・インフラストラクチャー・プラットフォームです。 (注8) ソフトウエアスタックとは、システムやアプリケーションの構築・運用に必要な複数のソフトウエアや機能を組み合わせて提供するものです。(注9) Kubernetes(クバネティス)とは、アプリケーションのデプロイやスケーリングを自動化したり、コンテナ化されたアプリケーションを管理したりするためのオープンソースのシステムです。(注10) DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術の活用による新たな価値・体験の提供および社会の変革を指します。(注11) SX(Sustainability Transformation)とは、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを同期させ、そのために必要な経営・事業変革を行い、長期的かつ持続的な企業価値向上を図っていくための取り組みのことを指します。(注12) S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱のスタンドアローン評価(当社単独ベースでの信用力評価)はbbb+です。 ⅱ.連結経営成績の概況(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高65,44370,3874,9437.6%営業利益9,89010,4265365.4%税引前利益8,8019,3005005.7% 法人所得税△2,248△2,034214△9.5%純利益6,5537,26671310.9% 親会社の所有者5,2615,5082464.7% 非支配持分1,2921,75946736.2% 調整後EBITDA(注)17,53118,1966643.8% (注) 調整後EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費(固定資産除却損含む)+株式報酬費用±その他の調整項目。詳細は「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。 当期の連結経営成績の概況は、以下の通りです。(ⅰ) 売上高当期の売上高は、全報告セグメントで増収となり、前期比4,943億円(7.6%)増の70,387億円と過去最高になりました。ディストリビューション事業は法人向けICT関連商材、継続収入商材、およびコンシューマ向け商材の堅調な増加などにより1,668億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより805億円、ファイナンス事業はPayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加などにより790億円、コンシューマ事業は物販等売上およびモバイル売上の増加などにより622億円、メディア・EC事業はアスクル㈱のシステム障害の影響があった一方で、アスクル㈱を除いたコマース売上および戦略売上の増加により391億円、それぞれ増収となりました。 (ⅱ) 営業利益当期の営業利益は、前期比536億円(5.4%)増の10,426億円となりました。メディア・EC事業がアスクル㈱のシステム障害の影響などにより184億円の減益となった一方、ファイナンス事業が446億円、エンタープライズ事業が221億円、コンシューマ事業が204億円、ディストリビューション事業が48億円、それぞれ増益となりました。 (ⅲ) 純利益当期の純利益は、前期比713億円(10.9%)増の7,266億円となりました。これは主として、営業利益の増加536億円および法人所得税の減少によるものです。法人所得税の減少は、主として、前期に計上した関係会社の再編に係る税効果の反動に伴い費用が増加した一方で、PayPay㈱における繰延税金資産の回収可能性の見直しに伴い、繰延税金資産を追加計上したことで費用が減少したことによるものです。 (ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益当期の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比246億円(4.7%)増の5,508億円となりました。また、非支配持分に帰属する純利益は、主としてPayPay㈱を含むLINEヤフーグループの純利益が増加したことに伴い、前期比467億円(36.2%)増の1,759億円となりました。 (ⅴ) 調整後EBITDA当期の調整後EBITDAは、前期比664億円(3.8%)増の18,196億円となりました。これは主として、営業利益が増加したことによるものです。 (b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況ⅰ.コンシューマ事業<事業概要>コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高29,52930,1516222.1%営業費用(注)24,22424,6434181.7% うち、減価償却費及び償却費3,7883,743△45△1.2%セグメント利益5,3045,5082043.8% (注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 売上高の内訳(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率サービス売上22,39022,215△175△0.8% モバイル15,74515,9181731.1% ブロードバンド4,0884,1941062.6% でんき2,5582,103△454△17.8%物販等売上7,1397,93679711.2% 売上高合計29,52930,1516222.1% コンシューマ事業の売上高は、前期比622億円(2.1%)増の30,151億円となりました。そのうち、サービス売上は前期比175億円(0.8%)減の22,215億円となり、物販等売上は前期比797億円(11.2%)増の7,936億円となりました。サービス売上のうち、モバイルは前期比173億円(1.1%)増加しました。これは主として、通信料の平均単価が安定基調にある中、スマートフォン契約数が「ワイモバイル」ブランドを中心に前期比で伸びたことによるものです。なお、顧客獲得施策影響を除いた各四半期連結会計期間のモバイル売上は2024年3月期第3四半期以降、前年同期比で増収に転じています。当第4四半期連結会計期間においては減収となっていますが、接続会計における接続料(アクセスチャージ)の遡及精算の影響を除くと、前年同期比で増収を継続しています。 (単位:億円) 2025年3月期2026年3月期 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期モバイル売上3,9233,9653,8823,9753,9754,0094,0463,887うち、顧客獲得施策影響(注)--△112△20--△26△93モバイル売上(顧客獲得施策影響を除く)3,9233,9653,9943,9953,9754,0094,0723,981前年同期比76456364524478△15 (注) 一部の顧客獲得施策はIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、モバイル売上から控除しています。 ブロードバンドは前期比106億円(2.6%)増加しました。これは主として、光回線サービス「SoftBank 光」契約数(注1)が前期比で増加したことによるものです。でんきは前期比454億円(17.8%)減少しました。これは主として、電力市場での取引が減少したことによるものです。物販等売上の増加は、主として、携帯端末の平均単価の上昇によるものです。営業費用は24,643億円となり、前期比で418億円(1.7%)増加しました。これは主として、でんきの原価が減少した一方で、販売促進費、スマートフォンなどの仕入原価が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比204億円(3.8%)増の5,508億円となりました。(注1)「SoftBank Air」契約数を含みます。 ⅱ.エンタープライズ事業<事業概要>エンタープライズ事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。 <業績全般> (単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高9,22410,0298058.7%営業費用(注)7,5218,1055847.8% うち、減価償却費及び償却費1,6631,7831207.2%セグメント利益1,7031,92422113.0% (注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 売上高の内訳(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率モバイル3,1593,4062487.8%固定1,6931,673△21△1.2%ソリューション等4,3724,95057813.2% 売上高合計9,22410,0298058.7% エンタープライズ事業の売上高は、前期比805億円(8.7%)増の10,029億円となりました。そのうち、モバイルは前期比248億円(7.8%)増の3,406億円、固定は前期比21億円(1.2%)減の1,673億円、ソリューション等は前期比578億円(13.2%)増の4,950億円となりました。モバイル売上の増加は、主として、契約数の増加に伴い端末売上が増加したこと、および通信売上が増加したことによるものです。固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。ソリューション等売上の増加は、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドやセキュリティソリューションなどの売上が増加したことによるものです。営業費用は8,105億円となり、前期比で584億円(7.8%)増加しました。これは主として、上記ソリューション等売上の増加に伴い原価が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比221億円(13.0%)増の1,924億円となりました。 ⅲ.ディストリビューション事業<事業概要>ディストリビューション事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高8,89510,5631,66818.8%営業費用(注)8,59110,2111,62018.9% うち、減価償却費及び償却費4341△2△3.9%セグメント利益3043534815.9% (注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 ディストリビューション事業の売上高は、前期比1,668億円(18.8%)増の10,563億円となりました。これは主として、法人向けのICT関連の商材や注力しているクラウドやSaaSなどの継続収入商材の堅調な伸長、GIGAスクール構想第2期やサポートが終了するWindows10からの移行に伴うPC売上の増加、およびコンシューマ向け商材の堅調な伸長によるものです。営業費用は10,211億円となり、前期比で1,620億円(18.9%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比48億円(15.9%)増の353億円となりました。 ⅳ.メディア・EC事業<事業概要>メディア・EC事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechサービス等の提供を行っています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高16,28916,6803912.4%営業費用(注1)13,70014,2765754.2% うち、減価償却費及び償却費1,5861,6941086.8%セグメント利益2,5882,404△184△7.1% (注) 2025年6月30日に終了した3カ月間より、「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行㈱を「ファイナンス事業」に移管しました。これに伴い、2025年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。(注1) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 売上高の内訳(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率メディア7,2397,287480.7%コマース8,4688,552841.0%戦略51173822744.4%その他711023244.8% 売上高合計16,28916,6803912.4% (注) 2025年6月30日に終了した3カ月間より、LINEヤフーグループにおける事業の管理区分の見直しに加え、「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行㈱を「ファイナンス事業」に移管しました。これらに伴い、2025年3月31日に終了した1年間の「メディア・EC事業」の売上高の内訳すべてを遡及修正しています。 メディア・EC事業の売上高は、前期比391億円(2.4%)増の16,680億円となりました。そのうち、メディアは前期比48億円(0.7%)増の7,287億円、コマースは前期比84億円(1.0%)増の8,552億円、戦略は前期比227億円(44.4%)増の738億円、その他は前期比32億円(44.8%)増の102億円となりました。メディア売上の増加は、主として、検索広告が減収した一方で、アカウント広告が増収したことによるものです。コマース売上の増加は、主として、2025年10月に発生したシステム障害に伴いアスクル㈱の取扱高が減少した一方で、LINE MAN CORPORATION PTE. LTD.およびBEENOS㈱の子会社化、ならびにZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)における取扱高が増加したことによるものです。戦略売上の増加は、主として、LINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことによるものです。営業費用は14,276億円となり、前期比で575億円(4.2%)増加しました。主な増減要因は以下の通りです。・前期に計上した子会社の支配喪失に伴う利益の剥落および当期に計上した企業結合に伴う再測定による利益により、営業費用が157億円減少 (単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減企業結合に伴う再測定による利益(注2)-△589△589子会社の支配喪失に伴う利益(注3)△432-432 合計△432△589△157 (注2)LINEヤフーがLINE MAN CORPORATION PTE. LTD.およびLINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことに伴い、企業結合に伴う再測定による利益を認識しました。(注3)IPX Corporation、LINE NEXT Corporation、バリューコマース㈱のそれぞれにつき子会社の支配喪失に伴う利益を計上しました。 ・システム障害に伴い、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)の営業費用が減少・LINE MAN CORPORATION PTE. LTD.、LINE Bank Taiwan Limited、およびBEENOS㈱の子会社化により営業費用が増加・販売促進費の増加に伴い、営業費用が増加上記の結果、セグメント利益は、前期比184億円(7.1%)減の2,404億円となりました。 ⅴ.ファイナンス事業<事業概要>ファイナンス事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、銀行や資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高3,2554,04579024.3%営業費用(注1)2,8383,18234412.1% うち、減価償却費及び償却費2823234114.5%セグメント利益417863446107.1% (注) 2025年6月30日に終了した3カ月間より、「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行㈱を「ファイナンス事業」に移管しました。これに伴い、2025年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。(注1) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 ファイナンス事業の売上高は、前期比790億円(24.3%)増の4,045億円となりました。これは主として、PayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高が増加したことによるものです。営業費用は3,182億円となり、前期比で344億円(12.1%)増加しました。これは主として、前述の決済取扱高の増加に伴い、ポイント還元などに係る販売促進費が増加したこと、および上場に伴う費用が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比446億円(107.1%)増の863億円となりました。 b. 生産、受注及び販売の実績当社グループは、コンシューマ、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア・EC、ファイナンスの5つのセグメントと、それ以外の事業から構成されています。いずれも、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。なお、当連結会計年度における販売の状況については以下の通りです。 セグメントの名称金額(億円)前期比(%)コンシューマ30,1512.1エンタープライズ10,0298.7ディストリビューション10,56318.8メディア・EC16,6802.4ファイナンス4,04524.3その他1,42215.2セグメント間の内部売上高または振替高△2,503△16.1合計70,3877.6 (注1) 金額は、外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高または振替高の合計です。(注2)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しています。 (2) 連結財政状態の状況 (単位:億円) 2025年3月31日2026年3月31日増減増減率 流動資産48,58754,0555,46911.3% 非流動資産112,435130,96618,53116.5%資産合計161,022185,02224,00014.9% 流動負債68,35285,25216,90024.7% 非流動負債50,01653,0853,0696.1%負債合計118,368138,33719,96916.9%資本合計42,65446,6854,0319.5% (単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減設備投資(注1)9,1287,453△1,675 うち、コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資(注2)3,2183,412194 (注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。(注2) コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資は、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)、4.9GHz帯の特定基地局開設料およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。 (資産)当期末の資産合計は、前期末から24,000億円(14.9%)増加し、185,022億円となりました。これは主として、その他の金融資産の増加11,597億円、銀行事業の有価証券の増加5,334億円、営業債権及びその他の債権の増加2,204億円、のれんの増加1,209億円によるものです。その他の金融資産の増加は、主として、LINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことおよびPayPay銀行㈱における顧客への貸付金が増加したことによるものです。銀行事業の有価証券の増加は、主として、PayPay銀行㈱の資金運用による有価証券の取得およびLINE Bank Taiwan Limitedの子会社化によるものです。 (負債)当期末の負債合計は、前期末から19,969億円(16.9%)増加し、138,337億円となりました。これは主として、銀行事業の預金の増加7,600億円、有利子負債の増加5,224億円、営業債務及びその他の債務の増加4,567億円によるものです。銀行事業の預金の増加は、主として、LINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことおよびPayPay銀行㈱において顧客からの預金残高が増加したことによるものです。有利子負債の増加は、債権流動化や米ドル建て無担保普通社債の発行等の各種の資金調達を実施したことによるものです。営業債務及びその他の債務の増加は、主として、PayPay㈱の加盟店に対する未払金の増加によるものです。 (資本)当期末の資本合計は、前期末から4,031億円(9.5%)増加し、46,685億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は2,142億円の増加、非支配持分は1,889億円の増加となりました。親会社の所有者に帰属する持分の増加は、主として、剰余金の配当による減少4,192億円があった一方で、当期の純利益の計上による増加5,508億円、新株予約権の権利行使に伴う新株発行による増加324億円によるものです。 (設備投資)当期の設備投資は、前期比1,675億円減の7,453億円となりました。これは主として、データセンターに係る賃貸借契約の締結に伴う使用権資産の増加304億円があった一方で、前期にはAIデータセンター構築に向けたシャープ㈱の堺工場の土地建物の取得約1,000億円および4.9GHz帯を使用する特定基地局開設料(注3)665億円によるものです。(注3) 特定基地局開設料の支払期間は16年間です。認定期間にわたる長期の支払い方式である点を踏まえ、現在価値に割り引いて算出しています。 (3) 連結キャッシュ・フローの状況(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減営業活動によるキャッシュ・フロー13,67913,938259投資活動によるキャッシュ・フロー△9,952△12,708△2,756財務活動によるキャッシュ・フロー△9,564△1,3698,196現金及び現金同等物の期末残高14,35514,38833フリー・キャッシュ・フロー(注1)3,7271,230△2,497調整後フリー・キャッシュ・フロー (LINEヤフーグループ、PayPay等除く)(注1、2)4,3656,0921,727プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー(注1、3)6,0336,336303 (注1) フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、プライマリー・フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。(注2) 調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)=フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)+Aホールディングス㈱からの受取配当-PayPay㈱への出資+PayPay証券㈱株式の売却収入-LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フローなど。なお、LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス㈱、LINEヤフー㈱および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱などを含みます。(注3) プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)に、長期性の成長投資として支出した金額を足し戻した指標です。なお、長期性の成長投資はAI計算基盤・AIデータセンター関連投資を含みます。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー当期の営業活動によるキャッシュ・フローは13,938億円の収入となり、前期比では259億円収入が増加となりました。これは主として、法人所得税に係る支出が増加した一方で、EBITDAの増加、銀行事業・証券事業を含む営業債権・債務・棚卸資産他の運転資本が減少したことによるものです。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー当期の投資活動によるキャッシュ・フローは12,708億円の支出となり、前期比では2,756億円支出が増加となりました。これは主として、銀行事業の有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。なお、この投資活動によるキャッシュ・フローには、長期性の成長投資に係る支出245億円が含まれています。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー当期の財務活動によるキャッシュ・フローは1,369億円の支出となりました。これは、銀行借入・リース・社債・債権流動化などの資金調達による収入が20,931億円あった一方で、借入金の弁済・配当金支払などの支出が22,299億円あったことによるものです。 d.現金及び現金同等物の期末残高a.~c.ほかの結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比33億円増の14,388億円となりました。 e.プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー当期のプライマリー・フリー・キャッシュ・フローは6,336億円の収入となり、前期比では303億円の収入の増加となりました。指標の詳細は「(4)<財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」の「b.フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フロー」をご覧ください。 f.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の財務戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営方針 c. 財務戦略」をご参照ください。 (キャッシュ・フロー関連指標の推移) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年親会社所有者帰属持分比率17.0%16.0%キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.44.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)22.319.8 <各指標の計算方法> 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(※1)/キャッシュ・フロー(※2)インタレスト・カバレッジ・レシオ:調整後EBITDA(※3)/支払利息(※4)(※1) 有利子負債は連結財政状態計算書の流動負債と非流動負債の中の有利子負債の合計値を使用しています。(※2) キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。(※3) 算出方法は、「(4)<財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標 a.調整後EBITDA」をご参照ください。(※4) 支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 (4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。 a.調整後EBITDA調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。 営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。(単位:億円) 2025年3月31日に終了した1年間 2026年3月31日に終了した1年間営業利益 9,890 10,426(加算)減価償却費及び償却費(注) 7,700 8,059(加算)株式報酬費用 193 132(加算(△は減算))その他の調整項目:減損損失 138 73(加算(△は減算))その他の調整項目:企業結合に伴う再測定による利益 - △589(加算(△は減算))その他の調整項目:子会社の支配喪失に伴う利益 △390 -(加算(△は減算))その他の調整項目:その他 - 95調整後EBITDA 17,531 18,196 (注) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 d. 連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2025年3月31日に終了した1年間7,480億円 2026年3月31日に終了した1年間7,853億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2025年3月31日に終了した1年間220億円 2026年3月31日に終了した1年間206億円)が含まれています。 b.フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フローフリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)は、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算するとともに、Aホールディングス㈱からの受取配当を加算し、LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フローを除くなどして計算される指標です。プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)から中長期的な成長に資するAI計算基盤の構築などの戦略投資を除いた指標であり、主として当社および当社の完全子会社での既存事業における継続的な資金創出能力すなわち債務返済能力や配当金の支払い能力を評価するために有用な指標であると考えています。なお、連結キャッシュ・フロー計算書上、割賦債権流動化による資金調達額および返済額は、財務活動によるキャッシュ・フローに含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。従って、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フローの算出の過程において、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算しています。 フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、プライマリー・フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。(単位:億円) 2025年3月31日に終了した1年間 2026年3月31日に終了した1年間営業活動によるキャッシュ・フロー 13,679 13,938投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)(注1) △7,435 △5,698投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)(注2) △2,517 △7,011フリー・キャッシュ・フロー 3,727 1,230割賦債権の流動化による影響 △86 2,022 割賦債権流動化取引:調達額(注3) 3,706 6,310 割賦債権流動化取引:返済額(注3) △3,792 △4,288LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フローによる影響(注4) △152 2,509その他(注5) 877 332調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く) 4,365 6,092長期性の成長投資(注6) △1,669 △245プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー 6,033 6,336 (注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」、「子会社の支配喪失による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。(注4) LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス㈱、LINEヤフー㈱および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱などを含みます。(注5) Aホールディングス㈱からの受取配当(2025年3月期第2四半期連結会計期間に同社が実施したLINEヤフー㈱株式の売却に伴う、当社への当該手取金の配当を含みます)、PayPay㈱への出資、およびPayPay証券㈱株式 の売却収入などを含みます。(注6) AI計算基盤・AIデータセンター関連投資を含みます。 (5) 重要な判断を要する会計方針及び見積りIFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、当社グループにとって最適な会計方針を採用し、一定の前提条件に基づく見積りを行う必要があります。連結財政状態計算書上の資産および負債、連結損益計算書上の収益および費用、または開示対象となる偶発負債および偶発資産などに重要な影響を与える可能性がある項目に関して、経営者は、過去の経験や決算日時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき見積りを行っています。以下の各項目は、その認識および測定にあたり、経営者の重要な判断および会計上の見積りを必要とするものです。 a.企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値測定ならびに減損に係る見積り企業結合により取得した無形資産およびのれんは、支配獲得日における公正価値で認識しています。企業結合時の取得対価の配分に際しては、経営者の判断および見積りが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。企業結合により識別した無形資産(顧客基盤や商標権など)およびのれんは、見積将来キャッシュ・フローや割引率、既存顧客の逓減率、対象商標権から生み出される将来売上収益やロイヤルティレート等の仮定に基づいて測定しています。企業結合により取得した無形資産およびのれんの取得価額は、当連結会計年度は2,020億円(前連結会計年度は223億円)です。また、無形資産およびのれんの減損を判断する際に、資金生成単位の回収可能価額の見積りが必要となりますが、減損テストで用いる回収可能価額は、資産の耐用年数、資金生成単位により生じることが予想される見積将来キャッシュ・フロー、市場成長率見込、市場占有率見込および割引率等の仮定に基づいて測定しています。これらの仮定は、経営者の最善の見積りによって決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.企業結合」をご参照ください。無形資産およびのれんの減損に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (11) 有形固定資産、使用権資産、無形資産およびのれんの減損」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 14.のれんおよび無形資産」をご参照ください。 b.有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積り有形固定資産および無形資産は、当社グループの総資産に対する重要な構成要素です。見積りおよび仮定は、資産の帳簿価額および減価償却費または償却費に重要な影響を及ぼす可能性があります。資産の減価償却費は、耐用年数の見積りおよび残存価額(有形固定資産の場合)を用いて算出されます。資産の耐用年数および残存価額は、資産を取得または創出した時点で見積りを行い、その後、各連結会計年度末に見直しを行います。資産の耐用年数および残存価額の変更は、連結財務諸表に対して重要な調整を必要とする可能性があります。経営者は、資産を取得または創出した時点ならびに見直し時に、同種資産に対する経験に基づき、予想される技術上の変化、除却時の見積費用、当該資産の利用可能見込期間、既存顧客の逓減率、当該資産から得られると見込まれる生産高またはこれに類似する単位数および資産の耐用年数に制約を与える契約上の取決めなどの関連する要素を勘案して、当該資産の耐用年数および残存価額を決定しています。有形固定資産の減価償却費は、当連結会計年度は3,253億円(前連結会計年度は3,073億円)であり、無形資産の償却費は、当連結会計年度は2,874億円(前連結会計年度は2,720億円)です。有形固定資産および無形資産の帳簿価額・減価償却費または償却費に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 13.有形固定資産」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 14.のれんおよび無形資産」をご参照ください。有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積りに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (7) 有形固定資産、(9) 無形資産」をご参照ください。 c.金融商品の公正価値の測定方法当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。市場で観察可能ではないインプットを用いた金融資産の公正価値は、当連結会計年度末は4,708億円(前連結会計年度末は3,750億円)です。金融商品の公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 29.金融商品の公正価値 (1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類、(2) レベル3に分類した金融商品の公正価値測定」をご参照ください。 d.契約獲得コストの償却期間の見積り当社グループは、契約獲得コストについて、契約獲得コストに直接関連する財またはサービスが提供されると予想される期間(すなわち、契約獲得コストの償却期間)にわたって、定額法により償却しています。契約獲得コストの償却期間は、契約条件および過去の実績データなどに基づいた解約率や機種変更までの予想期間などの関連する要素を勘案して決定しています。契約獲得コストの償却期間の変更は、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。契約獲得コストに係る償却費は、当連結会計年度は2,575億円(前連結会計年度は2,415億円)です。契約獲得コストに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (16) 収益 b.契約コスト」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.契約コスト」をご参照ください。