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ソフトバンク(9434)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 通信事業が基盤:ソフトバンクは、個人向けには「SoftBank」「Y!mobile」「LINEMO」の3ブランドで携帯電話サービスを、法人向けにはモバイル・固定通信サービスを提供しています。これらの通信回線利用料が主要な収益源です。また、個人向けには「SoftBank 光」などのブロードバンドサービスも展開し、安定した通信インフラを基盤としています。
  • 多角的なITサービス:通信事業に加え、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」といったインターネットサービス、キャッシュレス決済の「PayPay」など、幅広いITサービスを提供しています。これらのサービスは広告収入や決済手数料、EC取引手数料など、多様な収益源を生み出しており、通信事業との連携で顧客基盤を拡大しています。
  • 電力・金融サービス:個人向けに「おうちでんき」などの電力供給サービスを提供し、生活インフラ領域にも事業を広げています。さらに、PayPay銀行やPayPay証券といった金融サービスも展開し、決済から資産運用まで、顧客の金融ニーズに応えることで収益機会を創出しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • コンシューマ事業:主に個人の顧客向けに、携帯電話(SoftBank、Y!mobile、LINEMO)、ブロードバンド(SoftBank 光)、電力(おうちでんき)などのサービスを提供しています。携帯電話の通信料や端末販売、インターネット接続料などが主な収益源で、ソフトバンクグループの中核をなす事業です。
  • エンタープライズ事業:法人顧客向けに、モバイル・固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、AI、IoTソリューションなど、幅広いITサービスを提供しています。企業のデジタル変革を支援することで、安定した法人顧客からの収益を得ています。
  • メディア・EC事業:LINEヤフー株式会社を中心に、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」での広告サービス、「Yahoo!ショッピング」「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピング、キャッシュレス決済のPayPayなどのFinTechサービスを展開しています。広告収入、EC手数料、決済手数料などが主な収益源で、日本最大級のユーザー基盤を強みとしています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|19,996 文字
3 【事業の内容】(1) 事業内容の概要当企業集団は、2026年3月31日現在、当社と子会社271社(以下「当社グループ」)、関連会社53社および共同支配企業14社により構成されています。当社の親会社はソフトバンクグループ㈱です。以下、「ソフトバンクグループ㈱」はソフトバンクグループ㈱単体、「ソフトバンクグループ」はソフトバンクグループ㈱およびその子会社を含む企業集団、「LINEヤフーグループ」はLINEヤフー㈱およびその子会社を含む企業集団とします。ソフトバンクグループは、創業以来一貫して、情報革命を通じ人類と社会に貢献してきました。「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図ってきました。その中において、当社グループはソフトバンクグループの日本における中心的な事業会社として、ソフトウエアの卸販売、ブロードバンド、固定通信等の事業を受け継ぎつつ、最先端テクノロジーを用いて快適で利便性の高い通信サービスを競争力のある価格で提供し、日本における通信と社会の発展に貢献してきました。日本でも有数の通信ネットワークに加え、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」など日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループとなりました。今後も、成長戦略「Activate AI for Society」の推進を通じて、全事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指します。AIインフラやAIサービスを収益化するとともに、全事業セグメントがAIで進化し成長することで、グループ全体での持続的な事業成長を推進します。 a. コンシューマ事業主として、国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。(a) モバイルサービスモバイルサービスでは、次の3つのブランドを展開しています。-「ソフトバンク」ブランド:最新のスマートフォンや携帯端末、大容量データプランを求めるお客さま向け高付加価値ブランド-「ワイモバイル」ブランド:ライトユーザーや月々の通信料を抑えることを重視するお客さま向けのブランド-「LINEMO」ブランド :コミュニケーションアプリ「LINE」がデータ容量を消費せずに使い放題となるプランを提供するほか、全ての手続きをオンライン上で完了できるオンライン専用ブランド 「ソフトバンク」および「ワイモバイル」のスマートフォンユーザーに対しては、追加料金を支払うことなく、LINEヤフー㈱提供の「LYPプレミアム」(注1)をご利用いただけるサービスを提供しています。これに加え、「ソフトバンク」ブランドにおいて、「PayPay」の利用状況などに応じたPayPayポイント付与率やデータ容量が異なる料金プランを提供しています。 (b) ブロードバンドサービスブロードバンドサービスでは、主として、個人のお客さま向けの高速・大容量通信回線サービスである「SoftBank 光」(注2)、「フレッツ光」とセットで提供するISPサービス(注3)である「Yahoo! BB 光 with フレッツ」を展開しています。 また、2015年より、「SoftBank 光」等のブロードバンドサービスを移動通信サービスとセットで契約するお客さまに対し、移動通信サービスの通信料金を割り引くサービス「おうち割 光セット」を提供しています。 (c) 電力サービス電力サービスでは、主として、個人のお客さま向けに「おうちでんき」、「自然でんき」などの電力供給サービスを提供しています。 (主要な関係会社)当社、Wireless City Planning㈱、SBモバイルサービス㈱、SBパワー㈱ b. エンタープライズ事業法人のお客さまに対し、モバイル回線や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI(注4)、IoT(注5)、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。 (主要な関係会社)当社、Wireless City Planning㈱、SBエンジニアリング㈱、㈱IDCフロンティア、㈱イーエムネットジャパン、Cubic Telecom Ltd.、SBテクノロジー㈱(注6)、サイバートラスト㈱、SB OAI Japan合同会社(注7) c. ディストリビューション事業変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。 (主要な関係会社)SB C&S㈱ d. メディア・EC事業メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTech(注8)サービス等の提供を行っています。 (主要な関係会社)LINEヤフー㈱、アスクル㈱、㈱ZOZO、㈱一休、LINE Pay Taiwan Limited、LINE Bank Taiwan Limited(注9)、LINE Financial Corporation、LINE Plus Corporation、LINE SOUTHEAST ASIA CORP. PTE. LTD.、クラシル㈱(注10)、LINE MAN CORPORATION PTE. LTD.(注11)、DECACORN CO., LTD.(注11)、LINE MAN (THAILAND) COMPANY LIMITED(注11) e. ファイナンス事業QRコード(注12)決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、銀行や資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。 (主要な関係会社)PayPay㈱(注13)、PayPayカード㈱、PayPay銀行㈱(注14)、PayPay証券㈱、SBペイメントサービス㈱ f. その他の事業その他の事業として、デジタルメディア・デジタルコンテンツの企画・制作などを行っています。当社グループでは最先端の技術革新をビジネスチャンスとして常に追求しており、FinTech、IoT、クラウドなどの分野に積極的に投資を行い、事業展開を図っています。 (主要な関係会社)当社、アイティメディア㈱ (注1) 「LYPプレミアム」(月額会員費508円(税込)から)は、旧「Yahoo!プレミアム」で提供していた、「Yahoo!ショッピング」利用によるPayPayポイント(譲渡不可)の付与などに加え、「LINE」でLINEスタンプ プレミアムのベーシックコースが適用されるなど、さまざまなサービスで特典を受けられる会員サービスです。「ソフトバンク」ユーザーは「スマートログイン」設定により、また、「ワイモバイル」ユーザーは初期登録により、追加料金の支払いなしに利用できます。(注2) 「SoftBank Air」を含みます。(注3) ISPサービスとは、ユーザーのコンピューターをインターネットに接続するための手段を提供するサービスを意味します。ISPはInternet Service Providerの略称です。(注4) AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人工知能のことです。(注5) IoTとは、Internet of Thingsの略称で、モノがインターネット経由で通信することです。(注6) 当社は、2025年11月26日に開催された取締役会において、2026年4月1日を合併効力発生日として、当社の完全子会社であるSBテクノロジー㈱を吸収合併することを決議しました。これに伴い、SBテクノロジー㈱は解散しました。(注7) 当社、ソフトバンクグループ㈱、およびOpenAI Group PBCは、合弁会社SB OAI Japan合同会社を2025年11月5日に発足させました。(注8) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けたさまざまな革新的なサービスのことです。(注9) LINEヤフー㈱は、子会社を通じて、2025年6月に持分法適用会社であったLINE Bank Taiwan Limitedに対して増資を行いました。その結果、LINEヤフー㈱はLINE Bank Taiwan Limitedに対する支配を獲得し、同社を子会社化しました。(注10) 2025年10月1日付でdely㈱はクラシル㈱へ商号変更しています。(注11) LINEヤフー㈱は、子会社を通じて、2025年9月に持分法適用会社であったLINE MAN CORPORATION PTE. LTD.に対して株式取得等を行いました。その結果、LINEヤフー㈱はLINE MAN CORPORATION PTE. LTD. に対する支配を獲得し、同社の子会社であるDECACORN CO., LTD.およびLINE MAN (THAILAND) COMPANY LIMITEDも子会社となりました。(注12) QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。(注13) PayPay㈱は、2026年3月12日(米国時間)に米国の証券取引所へ上場し、当社の議決権所有割合は66.00%から62.16%となりました。(注14) 2025年4月にPayPay㈱がPayPay銀行㈱を子会社化したことに伴い、2026年3月期より「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行㈱を「ファイナンス事業」に移管しました。 下図は、2026年3月31日現在における議決権所有割合を示しています。 事業系統図は次の通りです。(2026年3月31日現在) (2) 事業に係る法的規制当社グループのうち、国内において電気通信サービスを提供する会社は電気通信事業に係る登録電気通信事業者および認定電気通信事業者であるため、電気通信事業を行うにあたり、電気通信事業法に基づく法的規制事項があります。また、無線局に係る電気通信設備の設置にあたっては、電波法に基づく免許等を受ける必要があります。事業に係る法的規制の概要は以下の通りです。 a. 電気通信事業法(a) 登録電気通信事業に係る規制ⅰ.電気通信事業の登録(第9条)電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。ⅱ.登録の拒否(第12条)総務大臣は、第10条第1項(電気通信事業の登録)の申請書を提出した者が次の各号のいずれかに該当するとき、または当該申請書もしくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。(ⅰ) 電気通信事業法、有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。(ⅱ) 第14条第1項(登録の取消し)の規定により登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者または電気通信事業法に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者又は国内における代理人を定めていない者。(ⅴ) その電気通信事業が電気通信の健全な発達のために適切でないと認められる者。ⅲ.登録の更新(第12条の2)第9条(電気通信事業の登録)の登録は、第12条の2第1項各号に掲げる事由が生じた場合において、当該事由が生じた日から起算して3箇月以内にその更新を受けなかったときは、その効力を失う。ⅳ.変更登録等(第13条)第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者は、業務区域または電気通信設備の概要の事項を変更しようとするときは、総務大臣の変更登録を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。ⅴ.登録の取消し(第14条)総務大臣は、第9条(電気通信事業の登録)の登録を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同条の登録を取り消すことができる。(ⅰ) 当該第9条の登録を受けた者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。(ⅱ) 不正の手段により第9条の登録、第12条の2第1項の登録の更新または第13条第1項の変更登録を受けたとき。(ⅲ) 第12条(登録の拒否)第1項第1号から第4号まで(第2号にあっては、電気通信事業法に相当する外国の法令の規定に係る部分に限る。)のいずれかに該当するに至ったとき。ⅵ.承継(第17条)電気通信事業の全部の譲渡しがあったとき、または電気通信事業者について合併、分割(電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、当該電気通信事業の全部を譲り受けた者または合併後存続する法人もしくは合併により設立した法人、分割により当該電気通信事業の全部を承継した法人は、電気通信事業者の地位を承継し、電気通信事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。ⅶ.事業の休止および廃止ならびに法人の解散(第18条)(ⅰ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。(ⅱ) 電気通信事業者は、電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、当該休止または廃止しようとする電気通信事業の利用者に対し、その旨を周知させなければならない。ⅷ.基礎的電気通信役務の契約約款(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、その提供する基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、契約約款で定める料金その他の提供条件については、届け出た契約約款によらなければ基礎的電気通信役務を提供してはならない。(ⅰ)災害時など総務省令で定める基準に従い、届出契約約款に定める当該基礎的電気通信役務の料金を減免する場合(ⅱ)当該基礎的電気通信役務の提供の相手方と料金その他の提供条件について別段の合意がある場合(注) 基礎的電気通信役務とは、国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべきサービスとして、電気通信事業法施行規則において指定されています。第一号基礎的電気通信役務としては「アナログ電話の加入者回線」や「公衆電話」等が該当し、第二号基礎的電気通信役務としては「FTTHアクセスサービス」等が指定されています。当社の主たるサービスで該当するものは、第一号基礎的電気通信役務としては「おとくライン」の基本料、第二号基礎的電気通信役務としては「SoftBank光」です。ⅸ.電気通信回線設備との接続(第32条)電気通信事業者は、他の電気通信事業者から当該他の電気通信事業者の電気通信設備をその設置する電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、これに応じなければならない。(ⅰ) 電気通信役務の円滑な提供に支障が生ずるおそれがあるとき。(ⅱ) 当該接続が当該電気通信事業者の利益を不当に害するおそれがあるとき。(ⅲ) 前2号に掲げる場合のほか、総務省令で定める正当な理由があるとき。ⅹ.第一種指定電気通信設備との接続(第33条)第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関する接続料および接続条件について接続約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。(注1) 第一種指定電気通信設備とは、加入者回線およびこれと一体として設置される設備であって、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便の向上および電気通信の総合的かつ合理的な発達に欠くことができない電気通信設備をいいます。現在、第一種指定電気通信設備には、NTT東日本㈱(以下「NTT東日本」)とNTT西日本㈱(以下「NTT西日本」)が設置するNGN、加入光ファイバー等が指定されています。(注2) 当社は、当連結会計年度末現在、第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に該当していません。 ⅺ.外国政府等との協定等の認可(第40条)電気通信事業者は、外国政府または外国人もしくは外国法人との間に、電気通信業務に関する協定または契約であって総務省令で定める重要な事項を内容とするものを締結し、変更し、または廃止しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。 (b) 認定電気通信事業に係る規制ⅰ.事業の認定(第117条)電気通信回線設備を設置して電気通信役務を提供する電気通信事業を営む電気通信事業者または当該電気通信事業を営もうとする者は、次節の規定(土地の使用)の適用を受けようとする場合には、申請により、その電気通信事業の全部または一部について、総務大臣の認定を受けることができる。ⅱ.欠格事由(第118条)次の各号のいずれかに該当する者は、前条の認定を受けることができない。(ⅰ) 電気通信事業法または有線電気通信法もしくは電波法またはこれらに相当する外国の法令の規定により罰金以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その執行を終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。(ⅱ) 第125条(認定の失効)第2号に該当することにより認定がその効力を失い、その効力を失った日から2年を経過しない者または第126条(認定の取消し)第1項の規定により認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。(ⅲ) 法人または団体であって、その役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの。(ⅳ) 外国法人等であって国内における代表者等又は国内における代理人を定めていない者。ⅲ.変更の認定等(第122条)(ⅰ) 認定電気通信事業者は、業務区域、電気通信設備の概要を変更しようとするときは、総務大臣の認定を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。(ⅱ) 認定電気通信事業者は、前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。ⅳ.承継(第123条)(ⅰ) 認定電気通信事業者たる法人が合併または分割(認定電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人もしくは合併により設立された法人または分割により当該認定電気通信事業の全部を承継した法人は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。(ⅱ) 認定電気通信事業者が認定電気通信事業の全部の譲渡しをしたときは、当該認定電気通信事業の全部を譲り受けた者は、総務大臣の認可を受けて認定電気通信事業者の地位を承継することができる。ⅴ.事業の休止および廃止(第124条)認定電気通信事業者は、認定電気通信事業の全部または一部を休止し、または廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。ⅵ.認定の取消し(第126条)総務大臣は、認定電気通信事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。(ⅰ) 第118条(欠格事由)第1号、第3号または第4号に該当するに至ったとき。(ⅱ) 第120条(事業の開始の義務)第1項の規定により指定した期間(同条第3項の規定による延長があったときは、延長後の期間)内に認定電気通信事業を開始しないとき。(ⅲ) 前2号に規定する場合のほか、認定電気通信事業者が電気通信事業法または同法に基づく命令もしくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。 (c) 電気通信事業者の禁止行為ⅰ.電気通信事業者の禁止行為(第27条の2)(ⅰ) 電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。(1) 利用者に対し、第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約に関する事項であって、利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為(2) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘に先立って、その相手方(電気通信事業者である者を除く。)に対し、自己の氏名若しくは名称又は当該契約の締結の勧誘である旨を告げずに勧誘する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)(3) 第26条第1項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘を受けた者(電気通信事業者である者を除く。)が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為(利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く。)(4) 前3号に掲げるもののほか、利用者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがあるものとして総務省令で定める行為 (d) 移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為ⅰ.移動電気通信役務を提供する電気通信事業者の禁止行為(第27条の3)(ⅰ) 総務大臣は、総務省令で定めるところにより、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務を提供する電気通信事業者を(ⅱ)の規定の適用を受ける電気通信事業者として指定することができる。(注) 当連結会計年度末現在、電気通信役務の提供の状況その他の事情を勘案して電気通信事業者間の適正な競争関係を確保する必要があるものとして総務大臣が指定する移動電気通信役務として、携帯電話端末サービスおよび無線インターネット専用サービス(一定の電気通信役務を除く。)が指定されています(2019年9月6日号外総務省告示第166号)。(ⅱ) 指定された電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。 (1) その移動電気通信役務の提供を受けるために必要な移動端末設備となる電気通信設備の販売等(販売、賃貸その他これらに類する行為をいう。)に関する契約の締結に際し、当該契約に係る当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該移動電気通信役務の料金を当該契約の締結をしない場合におけるものより有利なものとすることその他電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがある利益の提供として総務省令で定めるものを約し、または第三者に約させること。(2) その移動電気通信役務の提供に関する契約の締結に際し、当該移動電気通信役務の利用者に対し、当該契約の解除を行うことを不当に妨げることにより電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがあるものとして総務省令で定める当該移動電気通信役務に関する料金その他の提供条件を約し、または届出媒介等業務受託者に約させること。 (e) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に係る規制 当連結会計年度末現在、当社の有する電気通信設備が第二種指定電気通信設備に指定されており、当社は、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者として以下のような規制の適用を受けます。(注) 第二種指定電気通信設備とは、電気通信事業法第34条第1項に基づき総務大臣が指定する電気通信設備をいいます。ⅰ.第二種指定電気通信設備との接続(第34条)(ⅰ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第二種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額および接続条件について接続約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。(ⅱ) 総務大臣は、届け出た接続約款が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該接続約款を変更すべきことを命ずることができる。(1) 次に掲げる事項が適正かつ明確に定められていないとき。a.他の電気通信事業者の電気通信設備を接続することが技術的および経済的に可能な接続箇 所のうち標準的なものとして総務省令で定める箇所における技術的条件b.総務省令で定める機能ごとの第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得す べき金額c.第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者およびこれとその電気通信設備を接続 する他の電気通信事業者の責任に関する事項d.電気通信役務に関する料金を定める電気通信事業者の別e.a.からd.までに掲げるもののほか、第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために 必要なものとして総務省令で定める事項(2) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が取得すべき金額が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを算定するものとして総務省令で定める方法により算定された金額を超えるものであるとき。(3) 接続条件が、第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者がその第二種指定電気通信設備に自己の電気通信設備を接続することとした場合の条件に比して不利なものであるとき。(4) 特定の電気通信事業者に対し不当な差別的な取扱いをするものであるとき。(ⅲ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、届け出た接続約款によらなければ、他の電気通信事業者との間において、第二種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、または変更してはならない。(ⅳ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、届け出た接続約款を公表しなければならない。(ⅴ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、第二種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理し、およびこれに基づき当該接続に関する収支の状況その他総務省令で定める事項を公表しなければならない。(ⅵ) 第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、他の電気通信事業者がその電気通信設備と第二種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために必要な情報の提供に努めなければならない。ⅱ.第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供(第38条の2)(ⅰ) 第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始したときは、総務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨、総務省令で定める区分ごとの卸電気通信役務の種類その他総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。届け出た事項を変更し、又は当該業務を廃止したときも、同様とする。(ⅱ) 特定卸電気通信役務(第一種指定電気通信設備又は第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が少ないものとして総務省令で定めるもの以外のものをいう。以下同じ。)を提供する電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における当該特定卸電気通信役務の提供を拒んではならない。(ⅲ) 特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者は、当該特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結の申入れを受けた場合において、当該特定卸電気通信役務に関し、当該申入れをした電気通信事業者の負担すべき金額その他の提供の条件について提示をする時までに、当該申入れをした電気通信事業者から、当該提示と併せて当該金額の算定方法その他特定卸電気通信役務の提供に関する契約の締結に関する協議の円滑化に資する事項として総務省令で定める事項を提示するよう求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。(ⅳ) 総務大臣は、特定卸電気通信役務を提供する電気通信事業者が前項の規定に違反したときは、当該電気通信事業者に対し、公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。 b. 電波法ⅰ.無線局の開設(第4条)無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ⅱ.欠格事由(第5条第3項)次の各号のいずれかに該当する者には、無線局の免許を与えないことができる。(ⅰ) 電波法又は放送法に規定する罪を犯し罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者。(ⅱ) 無線局の免許の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。(ⅲ) 特定基地局の開設計画に係る認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。(ⅳ) 特定高周波数無線局の開設に係る認定の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。(ⅴ) 無線局の登録の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者。 ⅲ.免許の申請(第6条)(ⅰ) 無線局の免許を受けようとする者は、申請書に、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、総務大臣に提出しなければならない。(1) 目的(2) 開設を必要とする理由(3) 通信の相手方及び通信事項(4) 無線設備の設置場所(5) 電波の型式並びに希望する周波数の範囲および空中線電力(6) 希望する運用許容時間(7) 無線設備の工事設計及び工事落成の予定期日(8) 運用開始の予定期日(9) 他の無線局の免許人等との間で混信その他の妨害を防止するために必要な措置に関する契約を締結しているときは、その契約の内容(10) 法人又は団体にあっては、次に掲げる事項イ 代表者の氏名又は名称並びに日本の国籍を有しない人、外国政府又はその代表者及び外国の法人又は団体により占められる役員の割合ロ 外国人等直接保有議決権割合(ⅱ) 次に掲げる無線局(総務省令で定めるものを除く。)であって総務大臣が公示する周波数(下記(4)に掲げる無線局にあっては、6000メガヘルツを超えるものに限る。)を使用するものの免許の申請は、総務大臣が公示する期間内に行わなければならない。(1) 電気通信業務を行うことを目的として陸上に開設する移動する無線局(1又は2以上の都道府県の区域の全部を含む区域をその移動範囲とするものに限る。)。(2) 電気通信業務を行うことを目的として陸上等(陸上及び地表又は水面から50キロメートル以下の高さの空域をいう。)に開設する移動しない無線局であって、前号に掲げる無線局を通信の相手方とするもの。(3) 電気通信業務を行うことを目的として開設する人工衛星局。(4) 同一の周波数を使用する相当数の無線局を一定の区域において一体的に運用するために開設する無線局(当該相当数の無線局の間で行われる通信の最大距離が総務省令で定める距離を超えるもの又は当該一定の区域に総務大臣が公示する区域が含まれるものに限る。)ⅳ.免許の有効期間(第13条)免許の有効期間は、免許の日から起算して5年を超えない範囲内において総務省令で定める。ただし、再免許を妨げない。ⅴ.変更等の許可(第17条)免許人は、無線局の目的、通信の相手方、通信事項、無線設備の設置場所を変更し、又は無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。ⅵ.免許の承継等(第20条)(ⅰ) 免許人たる法人が合併又は分割(無線局をその用に供する事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該事業の全部を承継した法人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができる。(ⅱ) 免許人が無線局をその用に供する事業の全部の譲渡しをしたときは、譲受人は、総務大臣の許可を受けて免許人の地位を承継することができるⅶ.無線局の廃止(第22条)免許人は、その無線局を廃止するときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。ⅷ.検査等事業者の登録(第24条の2)無線設備等の検査又は点検の事業を行う者は、総務大臣の登録を受けることができる。ⅸ.登録の取消し等(第24条の10)総務大臣は、登録検査等事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてその登録に係る検査又は点検の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。(ⅰ) 電波法に規定する罪を犯し、刑に処せられることに至ったとき(第24条の2第5項各号(第2号を除く。)(ⅱ) 登録検査等事業者の氏名、住所等の変更(第24条の5)又は登録検査等事業者の地位継承の届出(第24条の6第2項)の規定に違反したとき。(ⅲ) 総務大臣による適合命令(第24条の7第1項又は第2項)に違反したとき。(ⅳ) 工事落成後の検査(第10条第1項)、無線局の変更検査(第18条第1項)若しくは定期検査(第73条第1項)を受けた者に対し、その登録に係る点検の結果を偽って通知したこと又は第73条第3項に規定する証明書に虚偽の記載をしたことが判明したとき。(ⅴ) その登録に係る業務の実施の方法によらないでその登録に係る検査又は点検の業務を行ったとき。(ⅵ) 不正な手段により第24条の2第1項の登録(検査等事業者の登録)又はその更新を受けたとき。ⅹ.特定基地局の開設指針(第27条の12)(ⅰ) 総務大臣は、既に開設されている電気通信業務用基地局(以下「既設電気通信業務用基地局」という。)が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものに限り、特定基地局とすることができる。(1) 電波法第26条の3第4項の規定により有効利用評価の結果の報告を受けた場合において、既設電気通信業務用基地局(電波法第27条の15第3項に規定する認定計画に従って開設されているものであって、当該認定計画に係る認定の有効期間が満了していないものを除く。)が現に使用している周波数に係る当該結果が総務省令で定める基準を満たしていないと認めるとき(2) 申出に係る開設指針を定める必要がある旨を決定したとき(3) 電波に関する技術の発達、需要の動向その他の事情を勘案して、既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数の再編を行い、当該周波数の再編により新たに区分された周波数を使用する電気通信業務用基地局の開設を図ることが電波の公平かつ能率的な利用を確保するために必要であると認めるときⅺ.開設指針の制定の申出(第27条の13)既設電気通信業務用基地局が現に使用している周波数を使用する電気通信業務用基地局を特定基地局として開設することを希望する者(当該既設電気通信業務用基地局の免許人を除く。)は、総務省令で定めるところにより、当該特定基地局の開設指針について、制定すべきことを総務大臣に申し出ることができる。ⅻ.開設計画の認定(第27条の14)特定基地局を開設しようとする者は、通信系(通信の相手方を同じくする同一の者によって開設される特定基地局の総体をいう。)ごとに、特定基地局の開設に関する計画(以下「開設計画」)を作成し、これを総務大臣に提出して、その開設計画が適当である旨の認定を受けることができる。xⅲ.開設計画の認定の取消し等(第27条の16)(ⅰ) 総務大臣は、認定特定基地局開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消さなければならない。(1) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定特定基地局開設者が電気通信事業法第14条第1項の規定により同法第9条の登録を取り消されたとき。(ⅱ) 総務大臣は、認定特定基地局開設者が次に該当するときは、その認定を取り消すことができる。 (1) 正当な理由がないのに、認定計画に係る特定基地局を当該認定計画にしたがって開設せず、又は認定計画に係る高度既設特定基地局を当該認定計画に従って運用していないと認めるとき。(2) 正当な理由がないのに、認定計画に係る開設指針に定める納付の期限までに特定基地局開設料を納付していないとき。(3) 不正な手段により開設計画の認定を受け、又は周波数指定の変更を行わせたとき。(4) 認定特定基地局開設者が電波法又は放送法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないとき。(5) 電気通信業務を行うことを目的とする特定基地局に係る認定特定基地局開設者が次のいずれかに該当するとき。a.電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたときb.電気通信事業法第12条の2第1項の規定により同法第9条の登録がその効力を失ったときc.電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が認定計画に係る特定基地局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)d. 電気通信事業法第18条の規定によりその電気通信事業の全部の廃止又は解散の届出があったときxⅳ.特定高周波数無線局の開設に係る価額競争実施指針(第27条の20の2)総務大臣は、特定高周波数無線局について特定高周波数無線局の開設の認定を受けることができる者を価額競争(参加者に入札又は競りの方法により納付する意思のある金銭の額の申出をさせ、最も高い価額を申し出た参加者を落札者として決定する手続をいう。以下同じ。)により決定することが電波の公平かつ能率的な利用を確保するために有効であると認めるときは、価額競争の実施に関する指針(以下「価額競争実施指針」という。)を定めることができる。xⅴ.価額競争の実施及び特定高周波数無線局の開設の認定等(第27条の20の3)(ⅰ) 特定高周波数無線局の開設の認定を受けるため価額競争に参加しようとする者は、総務大臣が公示する1か月を下らない期間内に、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。 (1) 氏名又は名称及び住所並びに法人又は団体にあっては、その代表者の氏名(2) 開設しようとする特定高周波数無線局の範囲(3) 希望する周波数の範囲及び周波数の使用区域(4) その他総務省令で定める事項(ⅱ) 総務大臣は、上記(ⅰ)の申請があったときは、その申請が次の各号のいずれにも適合しているかどうかを審査しなければならない。 (1) その申請の内容が価額競争実施指針に照らし適切なものであること。(2) その申請をした者が価額競争実施指針に定める価額競争の参加者の資格を有すること。(ⅲ) 総務大臣は、上記(ⅱ)による審査の結果に基づいて、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を上記(ⅰ)の申請をした者に通知しなければならない。 (1) その申請の内容が上記(ⅱ)各号のいずれにも適合していると認める場合 価額競争に参加することができる旨(2) その申請の内容が上記(ⅱ)各号のいずれかに適合していないと認める場合 価額競争に参加することができない旨及びその理由(ⅳ) 上記(ⅲ)により価額競争に参加することができる旨の通知を受けた者は、価額競争実施指針の定めるところにより、保証金を提供しなければならない。(ⅴ) 総務大臣は、上記(ⅳ)により保証金を提供した者を参加者として、価額競争実施指針の定めるところにより、価額競争を実施しなければならない。(ⅵ) 総務大臣は、上記(ⅴ)により実施した価額競争における落札者について、周波数及び周波数の使用区域を指定して、特定高周波数無線局を開設することができる旨の認定をするものとする(ⅶ) 上記(ⅵ)認定の有効期間は、当該認定の日から起算して10年(一定の場合は20年)を超えない範囲内において総務省令で定める。xⅵ.特定高周波数無線局の開設の認定の取消し等(第27条の20の4)総務大臣は、認定特定高周波数無線局開設者が次の各号のいずれかに該当するときは、特定高周波数無線局の開設の認定を取り消すことができる。(ⅰ) 正当な理由がないのに、当該認定に係る価額競争実施指針に定める納付の期限までに落札金を納付していないとき。(ⅱ) 特定高周波数無線局の開設の期限までに特定高周波数無線局を開設しないとき(ⅲ) 認定特定高周波数無線局開設者が遵守しなければならない条件に違反したと認めるとき。(ⅳ) 不正な手段により特定高周波数無線局の開設の認定を受け、又は指定周波数若しくは指定区域の変更を行わせたとき。(ⅴ) 認定特定高周波数無線局開設者が電波法又は放送法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないとき。xⅶ.無線局の免許の取消し等(第76条)(ⅰ) 総務大臣は、免許人等が電波法、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3か月以内の期間を定めて無線局の運用の停止を命じ、又は期間を定めて運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限することができる。(ⅱ) 総務大臣は、包括免許人又は包括登録人が電波法、放送法若しくはこれらの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、3か月以内の期間を定めて、包括免許又は第27条の32第1項の規定による登録に係る無線局の新たな開設を禁止することができる。(ⅲ) 総務大臣は、(ⅰ)および(ⅱ)の規定によるほか、登録人が電波法第3章に定める技術基準に適合しない無線設備を使用することにより他の登録局の運用に悪影響を及ぼすおそれがあるとき、その他登録局の運用が適正を欠くため電波の能率的な利用を阻害するおそれが著しいときは、3か月以内の期間を定めて、その登録に係る無線局の運用の停止を命じ、運用許容時間、周波数若しくは空中線電力を制限し、又は新たな開設を禁止することができる。(ⅳ) 総務大臣は、免許人(包括免許人を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許を取り消すことができる。(1) 正当な理由がないのに、無線局の運用を引き続き6か月以上休止したとき。 (2) 不正な手段により無線局の免許若しくは変更の許可(第17条)を受け、又は周波数の指定の変更(第19条)を行わせたとき。(3) 第76条第1項の規定による命令又は制限に従わないとき。(4) 免許人が電波法又は放送法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないとき。(ⅴ) 総務大臣は、包括免許人が次の各号のいずれかに該当するときは、その包括免許を取り消すことができる。(1) 第27条の5第1項第4号の期限(第27条の6第1項の規定による期限の延長があったときは、その期限)までに特定無線局の運用を全く開始しないとき。(2) 正当な理由がないのに、その包括免許に係るすべての特定無線局の運用を引き続き6か月以上休止したとき。(3) 不正な手段により包括免許若しくは第27条の8第1項の許可を受け、又は第27条の9の規定による指定の変更を行わせたとき。(4) (ⅰ)の規定による命令若しくは制限又は(ⅱ)の規定による禁止に従わないとき。(5) 包括免許人が電波法又は放送法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないとき。(ⅵ) 総務大臣は、登録人が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。(1) 不正な手段により無線局の登録又は変更登録を受けたとき。(2) (ⅰ)の規定による命令若しくは制限、(ⅱ)の規定による禁止又は(ⅲ)の規定による命令、制限若しくは禁止に従わないとき。(3) 登録人が電波法又は放送法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないとき。(ⅶ) 総務大臣は、(ⅳ)から(ⅵ)の規定によるほか、電気通信業務を行うことを目的とする無線局の免許人等が次の各号のいずれかに該当するときは、その免許等を取り消すことができる。(1) 電気通信事業法第12条第1項の規定により同法第9条の登録を拒否されたとき。(2) 電気通信事業法第13条第4項において準用する同法第12条第1項の規定により同法第13条第1項の変更登録を拒否されたとき(当該変更登録が無線局に関する事項の変更に係るものである場合に限る。)。(3) 電気通信事業法第15条の規定により同法第9条の登録を抹消されたとき。(ⅷ) 総務大臣は、(ⅳ)((4)を除く。)及び(ⅴ)((5)を除く。)の規定により免許の取消しをしたとき、並びに(ⅵ) ((3)を除く。)の規定により登録の取消しをしたときは、当該免許人等であった者が受けている他の無線局の免許等又は第27条の14第1項(特定基地局の開設計画)の認定、第27条の20の3第7項(特定高周波数無線局の開設)の認定若しくは無線設備等保守規程の認定を取り消すことができる。 (注)上記の内容は提出日現在における電気通信事業法及び電波法に基づき記載しています。 (3) その他ⅰ.NTT東日本およびNTT西日本と、当社をはじめとする他の電気通信事業者との接続条件等の改善については、公正競争条件を整備し利用者の利便性向上に資する観点から、電気通信事業法(1997年法律第97号、1997年11月17日改正施行)により、NTT東日本およびNTT西日本は指定電気通信設備を設置する第一種指定電気通信事業者として接続料金および接続条件を定めた接続約款の認可を受けることが必要とされています。また、㈱NTTドコモ、KDDI㈱、沖縄セルラー電話㈱、Wireless City Planning㈱、UQコミュニケーションズ㈱および当社は、接続約款を届け出る義務等を負う第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者に指定されています。ⅱ.NTT東日本とNTT西日本の第一種指定電気通信設備と接続する際の接続料は、電気通信事業法第33条に基づく「接続料規則」に拠って算定されています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競争促進政策の強化や異業種からの新規参入により、低廉で多様なサービスを求める動きが高まっているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
日本でも有数の通信ネットワークに加え、総合インターネットサービス、コミュニケーションアプリ、キャッシュレス決済サービスなど日本最大級のユーザー基盤を有する。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:日本の人口減少と市場拡大の不透明性 / 通信関連市場における競争激化と規制強化 / DX/ソリューション商材が企業のニーズを捉えられないリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ソフトバンクグループは、通信事業だけでなく、ビジョン・ファンドを通じたテクノロジー企業への多額の投資で知られる。特に、AI、IoT、5Gといった先端技術分野における投資ポートフォリオは、将来的な技術革新や市場支配力に繋がる可能性を秘めている。しかし、その価値は将来の成功に依存する部分が大きく、現時点でのブランド力や特許による直接的な競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ソフトバンクの通信事業(Y!mobile、ソフトバンクブランド)は、MNOとしてのインフラを持つが、顧客の乗り換えコストは相対的に低い。料金プランやサービス内容の競争が激しく、顧客は比較的容易に他社へ乗り換え可能。ただし、特定のキャンペーンやセット割引などが一定の囲い込み効果を生んでいる可能性はある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

通信事業においては、基地局網の広がりや利用者数が増えることで通信品質が向上するという側面もあるが、これはNTTドコモやKDDIといった競合も同様に享受しており、ソフトバンク独自の強力なネットワーク効果とは言えない。むしろ、投資事業における情報網や提携関係が間接的なネットワーク効果を生む可能性はある。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

通信インフラの構築・維持には莫大なコストがかかる。ソフトバンクは、過去の設備投資や技術開発により一定の効率化を図っていると考えられるが、NTTのようなレガシーインフラを持つ企業や、KDDIのような規模を持つ競合と比較して、構造的なコスト優位性を確立しているとは断言しにくい。特に、5G投資の負担は大きい。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

ソフトバンクグループは、通信事業だけでなく、世界中のテクノロジー企業への投資を通じて巨大なエコシステムを構築している。ビジョン・ファンドの規模は圧倒的であり、これにより先端技術へのアクセスや影響力を確保している。この規模と投資力は、他の追随を許さないレベルであり、業界内での少数寡占的な地位を確立していると言える。

  • 強固な通信ネットワーク:長年にわたり培ってきた日本有数の通信ネットワークは、高品質で安定したサービス提供の基盤であり、新規参入企業に対する大きな障壁となります。5Gへの積極的な投資により、高速・大容量通信の優位性を維持し、顧客の利便性を高めています。
  • 日本最大級の顧客基盤:「Yahoo! JAPAN」や「LINE」といった国民的インターネットサービス、そして「PayPay」という圧倒的なシェアを持つキャッシュレス決済サービスを擁しています。これらのサービスが相互に連携し、膨大なユーザーを囲い込むことで、強力なネットワーク効果を生み出しています。
  • マルチブランド戦略:「SoftBank」で高付加価値層、「Y!mobile」で通信料を抑えたい層、「LINEMO」でオンライン完結を好む層と、異なるニーズを持つ顧客層に合わせた3つのモバイルブランドを展開しています。これにより、幅広い顧客を取り込み、市場シェアを最大化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営理念当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、創業以来一貫して情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業に取り組み、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ、企業価値の最大化に取り組んでいます。 (2) マテリアリティ(重要課題)当社は、上記の経営理念・ビジョンと成長戦略「Activate AI for Society」を結びつける6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。これらは、当社の企業価値向上と持続可能な社会の実現の両立に向け、優先的に取り組むべき課題と位置づけています。各マテリアリティ(重要課題)の概要については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 c.戦略 (b)マテリアリティの特定 d. 指標と目標」をご参照ください。 (3) 経営方針a. 中期経営計画(2026年度〜2030年度)当社は、2030年度にありたい姿として長期ビジョン「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を掲げています。2023年度から2025年度までの中期経営計画においては、通信事業の収益基盤の強化と非通信事業の成長を通じて、事業基盤の再構築を進めてきました。これに続く2026年度から2030年度までの中期経営計画では、さらなる事業成長を推進するとともに、次世代社会インフラの実現を目指します。 b. 事業戦略当社グループは、成長戦略「Activate AI for Society」を掲げています。全ての事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指します。 (a) 通信事業のさらなる成長当社グループの事業基盤である通信事業では、継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益を目指すとともに、快適かつ強靭なネットワークの提供を通じて競争力の強化を図ります。 ⅰ.継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益魅力的な付加価値サービスを提供する料金プランの浸透を進めるとともに、グループ経済圏を活用し、長期利用が期待できるユーザー層の獲得と定着を図ることで、モバイルサービス売上の継続的な増収と、セグメント利益の継続的な増益を目指します。 ⅱ.快適かつ強靭なネットワークの構築を通じた競争力の強化5G SA(スタンドアローン)エリアの拡大などによるネットワークの高度化を進めるほか、自律的に最適なサービスを提供するネットワークに向けてAIとの融合に取り組むことで、ユーザー体感を重視した快適なネットワークの構築を目指します。加えて、衛星通信サービスやLTA(Lighter Than Air)型(注1)HAPS(注2)(空飛ぶ基地局)を活用し、災害時などにおける通信の確保に取り組むことで、より強靭なネットワークの構築を図ります。 (注)1.LTA(Lighter Than Air)型:空気よりも軽いヘリウムガスを利用した方式。 2.HAPS(High Altitude Platform Station):成層圏において長期間滞空する通信プラットフォームを運用し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称。 (b) クラウド・AI領域の伸長などを通じたエンタープライズ事業の成長当社グループは、企業のDX需要の高度化や生成AI活用の急速な進展を背景に、エンタープライズ事業のさらなる成長を目指します。基盤となる事業である法人顧客向け通信サービスにおいては、顧客のニーズに応じた付加価値を提供することで安定的な成長を維持します。この強固な顧客基盤を土台として、DXソリューションをさらに高度化させながら、注力しているクラウド・AI領域でさらなる成長を目指します。具体的には、最先端のGPUを搭載した国内最大規模のAI計算基盤やAIデータセンター、機微データを国内で安全に管理・運用するソブリンクラウドなど、インフラ層の整備を行うことに加え、企業向け最先端AIである「Crystal intelligence」をはじめとする高付加価値なAIサービスの展開に注力します。 これらを通じて、企業におけるAIの実装およびデータの利活用ニーズに対し、柔軟にサービスを提供することで、顧客基盤の拡大と顧客1社当たりの取引額(ARPA)拡大を推進し、事業全体の収益性向上を図ります。 (c) メディア・EC事業の成長当社グループはメディア・EC事業において、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」など、国内最大級のユーザー基盤を有するインターネットサービスを提供しています。同事業では、検索やニュース、オンラインショッピングなど、多様なサービスを展開しています。 ⅰ.メディア領域の拡大インターネット広告などを扱うメディア領域では、グループの技術やアセットを活用した配信精度の向上などにより広告単価を高めることで、既存広告の売上の最大化を図ります。加えて、データの連携によるマーケティング分析の強化やコミュニケーションアプリを通じたリピート購入の促進により、新規顧客の獲得から継続的な利用の促進まで一貫したマーケティング支援を行うことで、さらなる売上成長を目指します。また、「LINE公式アカウント」と法人向けサービスを連携し、オンライン・オフラインを問わず顧客接点を一気通貫でつなぐプラットフォーム「Connect One」構想を推し進めることで、顧客との継続的な関係構築を支援し、広告にとどまらない収益機会の拡大を目指します。さらに、「LINEミニアプリ」の活用により、予約・注文・決済・会員化等のサービス連携を強化し、利用者接点からトランザクションまでを一体的に提供することで、新たな収益基盤の確立を図ります。加えて、グループ横断の有料会員サービス「LYPプレミアム」を通じて、「LINE」や「Yahoo! JAPAN」をはじめとするグループサービスのクロスユースを促進し、会員基盤およびサービス利用の拡大を目指します。 ⅱ.コマース領域の成長オンラインショッピングなどを扱うコマース領域では、ユーザーのニーズが多様化する中、「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」など、特長の異なる複数のコマースサービスを展開することで幅広いユーザーの取り込みを図っています。引き続き、「LINE」「Yahoo! JAPAN」「PayPay」という国内最大級のユーザー基盤を持つグループサービスの相互利用をさらに促進し、グループ経済圏を拡大することで、収益の持続的な成長を目指します。また、2025年度下期から段階的に実施している「LINE」アプリのリニューアルにおいて、新たに「ショッピング」タブを追加することで、メッセンジャーアプリを起点とした購入体験を提供します。「LINE」アプリのリニューアルを通じて、「LINE」の利便性向上と、さらなるクロスユースの促進強化に取り組みます。 ⅲ.セキュリティガバナンスの確保メディア・EC事業の中心的な企業であるLINEヤフー㈱は、多数のユーザーを抱えるプラットフォーム事業者として、個人情報の保護をはじめとするセキュリティガバナンスの確保を重視しています。当社は、同社の親会社として、定期的なリスク状況の評価や緊急事態発生時の連絡体制の強化など、実効的なセキュリティガバナンスの確保に向けた取り組みを進めています。なお、LINEヤフー㈱は、2023年11月に公表した不正アクセスによる情報漏えいに関して、2023年度に総務省から行政指導を、個人情報保護委員会から勧告および報告等の求めを受け、また2024年度においても総務省から追加の行政指導を受けました。これを受けて、同社は再発防止策を推進し、2026年3月末をもってNAVER社およびNAVER Cloud社とのシステム分離やプライベートネットワーク分離を完了するなど、策定した主要な対応を完了しています。また、昨今はランサムウェア等による被害が深刻化しており、事業継続性に直結する脅威となっています。2025年10月には、LINEヤフー㈱の連結子会社であるアスクル㈱において、ランサムウェア攻撃によるシステム障害が発生し、一部事業活動に影響が生じました。当社は、こうした脅威の拡大やグループ会社における事案の発生を踏まえ、事業継続性の確保に向け、データ保全や復旧手順の検証をはじめとする対策をグループ会社と連携して進めています。 (d) ファイナンス事業の成長ファイナンス事業には、PayPay㈱およびその子会社であるPayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱が含まれます。また、決済代行サービスを提供するSBペイメントサービス㈱等も含まれます。ファイナンス事業の中核を担うPayPay㈱は、コード決済を基盤として、カード、銀行、証券等の金融サービスとの連携を深めることにより、利便性の高いデジタル金融プラットフォームの構築を進めています。同社は、決済領域における利用拡大、金融サービス領域におけるサービス利用の拡大および決済領域と金融サービス領域の連携強化を通じて、収益源の多角化と持続的な利益成長を図ります。なお、PayPay㈱は2026年3月12日に米ナスダック市場に上場しました。同社はこれを機に、国外における事業機会を追求するとともに、国内における新たなサービス展開を検討していきます。 ⅰ.決済領域における成長と収益性の向上オフライン・オンライン双方における利用機会の拡大、効率的なプロモーションおよび「PayPay」のプラットフォーム価値の向上により、月間取引ユーザー数(注)(MTU)の増大と決済回数の最大化を目指します。加えて、PayPayカード㈱との連携強化を通じて「PayPayクレジット」の浸透を加速させることで、決済取扱高の拡大を推進するとともに、金利収入の拡大を図り、収益性の継続的な向上を実現します。 (注)1ヶ月に1回以上、決済を行ったユニークユーザー数。「PayPay残高」、「PayPayデビット」、「PayPay残高カード」、「PayPayクレジット」、「Alipay」、「LINE Pay」等経由の決済を含みます。ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。 ⅱ.金融サービス領域における成長加速2025年4月に完了したPayPay㈱によるPayPay銀行㈱およびPayPay証券㈱の子会社化を通じて、決済・銀行・証券が一体となった金融プラットフォームの構築を推進します。具体的には、「PayPay」アプリ内における銀行・証券サービスのUI/UXを高度化し、決済と金融の各機能をよりシームレスに連携させることで、預金、貸出、証券口座等の拡大に努めます。加えて、決済データ等を活用した与信モデルの高度化により、個人向けローンや加盟店向け融資の提供拡大を通じた収益力の強化を図ります。さらに、決済サービスと金融サービスの連携を強化し、ユーザーの利便性および金融サービスの利用率向上を通じて、ユーザー当たりの収益性の向上、収益源の多角化および持続的な利益成長を推進します。 (e) 新規事業の創出・拡大当社グループは、通信、eコマース、決済、SNSといった複数の事業領域で培った顧客基盤や事業基盤を活用し、今後の成長が見込まれる分野において新規事業の創出・拡大を目指します。AI、FinTech、モビリティ、ヘルスケア、エネルギーなどの領域において、最先端テクノロジーを活用した新たな事業機会の創出に取り組みます。その一環として、日本語に特化したLLM「Sarashina」や「HAPS(空飛ぶ基地局)」の開発を進めるとともに、革新型バッテリーの事業化などに取り組みます。 (f) コスト効率化当社グループは、事業投資を機動的に実施する一方で、コストの効率化に継続的に取り組みます。コールセンター業務やネットワーク運用・監視業務の自動化などを始め、あらゆる領域でAIの活用を検討し、さらなる業務の効率化を図ります。また、PHS・3GサービスやADSLサービスの終了などに合わせ、通信設備の最適化を継続します。加えて、グループ企業との共同購買や、グループ企業を活用した業務の内製化などを推進し、グループ全体のコスト効率化を図ります。 c. 財務戦略ⅰ.財務運営の基本方針当社グループは、「中長期的な成長」と「株主還元」の両方を重視する方針の下、2026年度から2028年度までの3年間累計(LINEヤフー㈱およびPayPay㈱等を除く)におけるキャピタル・アロケーションの方針に基づき、財務運営を行っています。具体的には、主に通信事業からの安定的な営業キャッシュ・フローにより、通信関連の設備投資(注)および配当総額を賄うとともに、AI関連事業等の収益化により追加的な投資余力や財務改善原資の確保につなげていきます。その上で、財務健全性と資本効率性の両立を追求しつつ、AI関連をはじめとする戦略的投資を実行し、中長期的な企業価値の向上を目指していきます。 (注)基地局設置のための土地・建物のリース料の支払いを含みます。 ⅱ.株主還元方針当社では、中長期的な企業価値の向上を図るとともに、株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。詳細は、「剰余金の配当等の決定に関する方針」をご参照ください。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営理念当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、創業以来一貫して情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業に取り組み、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ、企業価値の最大化に取り組んでいます。 (2) マテリアリティ(重要課題)当社は、上記の経営理念・ビジョンと成長戦略「Activate AI for Society」を結びつける6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。これらは、当社の企業価値向上と持続可能な社会の実現の両立に向け、優先的に取り組むべき課題と位置づけています。各マテリアリティ(重要課題)の概要については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) サステナビリティ全般 c.戦略 (b)マテリアリティの特定 d. 指標と目標」をご参照ください。 (3) 経営方針a. 中期経営計画(2026年度〜2030年度)当社は、2030年度にありたい姿として長期ビジョン「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を掲げています。2023年度から2025年度までの中期経営計画においては、通信事業の収益基盤の強化と非通信事業の成長を通じて、事業基盤の再構築を進めてきました。これに続く2026年度から2030年度までの中期経営計画では、さらなる事業成長を推進するとともに、次世代社会インフラの実現を目指します。 b. 事業戦略当社グループは、成長戦略「Activate AI for Society」を掲げています。全ての事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指します。 (a) 通信事業のさらなる成長当社グループの事業基盤である通信事業では、継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益を目指すとともに、快適かつ強靭なネットワークの提供を通じて競争力の強化を図ります。 ⅰ.継続的なモバイルサービス売上の増収とセグメント利益の増益魅力的な付加価値サービスを提供する料金プランの浸透を進めるとともに、グループ経済圏を活用し、長期利用が期待できるユーザー層の獲得と定着を図ることで、モバイルサービス売上の継続的な増収と、セグメント利益の継続的な増益を目指します。 ⅱ.快適かつ強靭なネットワークの構築を通じた競争力の強化5G SA(スタンドアローン)エリアの拡大などによるネットワークの高度化を進めるほか、自律的に最適なサービスを提供するネットワークに向けてAIとの融合に取り組むことで、ユーザー体感を重視した快適なネットワークの構築を目指します。加えて、衛星通信サービスやLTA(Lighter Than Air)型(注1)HAPS(注2)(空飛ぶ基地局)を活用し、災害時などにおける通信の確保に取り組むことで、より強靭なネットワークの構築を図ります。 (注)1.LTA(Lighter Than Air)型:空気よりも軽いヘリウムガスを利用した方式。 2.HAPS(High Altitude Platform Station):成層圏において長期間滞空する通信プラットフォームを運用し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称。 (b) クラウド・AI領域の伸長などを通じたエンタープライズ事業の成長当社グループは、企業のDX需要の高度化や生成AI活用の急速な進展を背景に、エンタープライズ事業のさらなる成長を目指します。基盤となる事業である法人顧客向け通信サービスにおいては、顧客のニーズに応じた付加価値を提供することで安定的な成長を維持します。この強固な顧客基盤を土台として、DXソリューションをさらに高度化させながら、注力しているクラウド・AI領域でさらなる成長を目指します。具体的には、最先端のGPUを搭載した国内最大規模のAI計算基盤やAIデータセンター、機微データを国内で安全に管理・運用するソブリンクラウドなど、インフラ層の整備を行うことに加え、企業向け最先端AIである「Crystal intelligence」をはじめとする高付加価値なAIサービスの展開に注力します。 これらを通じて、企業におけるAIの実装およびデータの利活用ニーズに対し、柔軟にサービスを提供することで、顧客基盤の拡大と顧客1社当たりの取引額(ARPA)拡大を推進し、事業全体の収益性向上を図ります。 (c) メディア・EC事業の成長当社グループはメディア・EC事業において、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」など、国内最大級のユーザー基盤を有するインターネットサービスを提供しています。同事業では、検索やニュース、オンラインショッピングなど、多様なサービスを展開しています。 ⅰ.メディア領域の拡大インターネット広告などを扱うメディア領域では、グループの技術やアセットを活用した配信精度の向上などにより広告単価を高めることで、既存広告の売上の最大化を図ります。加えて、データの連携によるマーケティング分析の強化やコミュニケーションアプリを通じたリピート購入の促進により、新規顧客の獲得から継続的な利用の促進まで一貫したマーケティング支援を行うことで、さらなる売上成長を目指します。また、「LINE公式アカウント」と法人向けサービスを連携し、オンライン・オフラインを問わず顧客接点を一気通貫でつなぐプラットフォーム「Connect One」構想を推し進めることで、顧客との継続的な関係構築を支援し、広告にとどまらない収益機会の拡大を目指します。さらに、「LINEミニアプリ」の活用により、予約・注文・決済・会員化等のサービス連携を強化し、利用者接点からトランザクションまでを一体的に提供することで、新たな収益基盤の確立を図ります。加えて、グループ横断の有料会員サービス「LYPプレミアム」を通じて、「LINE」や「Yahoo! JAPAN」をはじめとするグループサービスのクロスユースを促進し、会員基盤およびサービス利用の拡大を目指します。 ⅱ.コマース領域の成長オンラインショッピングなどを扱うコマース領域では、ユーザーのニーズが多様化する中、「Yahoo!ショッピング」や「ZOZOTOWN」など、特長の異なる複数のコマースサービスを展開することで幅広いユーザーの取り込みを図っています。引き続き、「LINE」「Yahoo! JAPAN」「PayPay」という国内最大級のユーザー基盤を持つグループサービスの相互利用をさらに促進し、グループ経済圏を拡大することで、収益の持続的な成長を目指します。また、2025年度下期から段階的に実施している「LINE」アプリのリニューアルにおいて、新たに「ショッピング」タブを追加することで、メッセンジャーアプリを起点とした購入体験を提供します。「LINE」アプリのリニューアルを通じて、「LINE」の利便性向上と、さらなるクロスユースの促進強化に取り組みます。 ⅲ.セキュリティガバナンスの確保メディア・EC事業の中心的な企業であるLINEヤフー㈱は、多数のユーザーを抱えるプラットフォーム事業者として、個人情報の保護をはじめとするセキュリティガバナンスの確保を重視しています。当社は、同社の親会社として、定期的なリスク状況の評価や緊急事態発生時の連絡体制の強化など、実効的なセキュリティガバナンスの確保に向けた取り組みを進めています。なお、LINEヤフー㈱は、2023年11月に公表した不正アクセスによる情報漏えいに関して、2023年度に総務省から行政指導を、個人情報保護委員会から勧告および報告等の求めを受け、また2024年度においても総務省から追加の行政指導を受けました。これを受けて、同社は再発防止策を推進し、2026年3月末をもってNAVER社およびNAVER Cloud社とのシステム分離やプライベートネットワーク分離を完了するなど、策定した主要な対応を完了しています。また、昨今はランサムウェア等による被害が深刻化しており、事業継続性に直結する脅威となっています。2025年10月には、LINEヤフー㈱の連結子会社であるアスクル㈱において、ランサムウェア攻撃によるシステム障害が発生し、一部事業活動に影響が生じました。当社は、こうした脅威の拡大やグループ会社における事案の発生を踏まえ、事業継続性の確保に向け、データ保全や復旧手順の検証をはじめとする対策をグループ会社と連携して進めています。 (d) ファイナンス事業の成長ファイナンス事業には、PayPay㈱およびその子会社であるPayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱が含まれます。また、決済代行サービスを提供するSBペイメントサービス㈱等も含まれます。ファイナンス事業の中核を担うPayPay㈱は、コード決済を基盤として、カード、銀行、証券等の金融サービスとの連携を深めることにより、利便性の高いデジタル金融プラットフォームの構築を進めています。同社は、決済領域における利用拡大、金融サービス領域におけるサービス利用の拡大および決済領域と金融サービス領域の連携強化を通じて、収益源の多角化と持続的な利益成長を図ります。なお、PayPay㈱は2026年3月12日に米ナスダック市場に上場しました。同社はこれを機に、国外における事業機会を追求するとともに、国内における新たなサービス展開を検討していきます。 ⅰ.決済領域における成長と収益性の向上オフライン・オンライン双方における利用機会の拡大、効率的なプロモーションおよび「PayPay」のプラットフォーム価値の向上により、月間取引ユーザー数(注)(MTU)の増大と決済回数の最大化を目指します。加えて、PayPayカード㈱との連携強化を通じて「PayPayクレジット」の浸透を加速させることで、決済取扱高の拡大を推進するとともに、金利収入の拡大を図り、収益性の継続的な向上を実現します。 (注)1ヶ月に1回以上、決済を行ったユニークユーザー数。「PayPay残高」、「PayPayデビット」、「PayPay残高カード」、「PayPayクレジット」、「Alipay」、「LINE Pay」等経由の決済を含みます。ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。 ⅱ.金融サービス領域における成長加速2025年4月に完了したPayPay㈱によるPayPay銀行㈱およびPayPay証券㈱の子会社化を通じて、決済・銀行・証券が一体となった金融プラットフォームの構築を推進します。具体的には、「PayPay」アプリ内における銀行・証券サービスのUI/UXを高度化し、決済と金融の各機能をよりシームレスに連携させることで、預金、貸出、証券口座等の拡大に努めます。加えて、決済データ等を活用した与信モデルの高度化により、個人向けローンや加盟店向け融資の提供拡大を通じた収益力の強化を図ります。さらに、決済サービスと金融サービスの連携を強化し、ユーザーの利便性および金融サービスの利用率向上を通じて、ユーザー当たりの収益性の向上、収益源の多角化および持続的な利益成長を推進します。 (e) 新規事業の創出・拡大当社グループは、通信、eコマース、決済、SNSといった複数の事業領域で培った顧客基盤や事業基盤を活用し、今後の成長が見込まれる分野において新規事業の創出・拡大を目指します。AI、FinTech、モビリティ、ヘルスケア、エネルギーなどの領域において、最先端テクノロジーを活用した新たな事業機会の創出に取り組みます。その一環として、日本語に特化したLLM「Sarashina」や「HAPS(空飛ぶ基地局)」の開発を進めるとともに、革新型バッテリーの事業化などに取り組みます。 (f) コスト効率化当社グループは、事業投資を機動的に実施する一方で、コストの効率化に継続的に取り組みます。コールセンター業務やネットワーク運用・監視業務の自動化などを始め、あらゆる領域でAIの活用を検討し、さらなる業務の効率化を図ります。また、PHS・3GサービスやADSLサービスの終了などに合わせ、通信設備の最適化を継続します。加えて、グループ企業との共同購買や、グループ企業を活用した業務の内製化などを推進し、グループ全体のコスト効率化を図ります。 c. 財務戦略ⅰ.財務運営の基本方針当社グループは、「中長期的な成長」と「株主還元」の両方を重視する方針の下、2026年度から2028年度までの3年間累計(LINEヤフー㈱およびPayPay㈱等を除く)におけるキャピタル・アロケーションの方針に基づき、財務運営を行っています。具体的には、主に通信事業からの安定的な営業キャッシュ・フローにより、通信関連の設備投資(注)および配当総額を賄うとともに、AI関連事業等の収益化により追加的な投資余力や財務改善原資の確保につなげていきます。その上で、財務健全性と資本効率性の両立を追求しつつ、AI関連をはじめとする戦略的投資を実行し、中長期的な企業価値の向上を目指していきます。 (注)基地局設置のための土地・建物のリース料の支払いを含みます。 ⅱ.株主還元方針当社では、中長期的な企業価値の向上を図るとともに、株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。詳細は、「剰余金の配当等の決定に関する方針」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 連結経営成績の状況a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況(a) 事業全体の状況ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業を展開しています。そして、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ企業価値の最大化に取り組んでいます。このため、取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)(注1)を特定し、事業を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献しています。2026年3月期における国内景気は、物価高、人手不足および金利上昇等の影響がある中においても、総じて底堅く推移しました。一方で、米国の関税動向や中東情勢の緊迫化等を背景として、先行き不透明な状況が続いています。こうした経営環境の下、企業や行政においては、人手不足への対応や競争力強化に向け、デジタル化が進展するとともに、AI活用が急速に広がっています。特に、AIの進化・普及に伴い、データ処理需要や電力需要の拡大が見込まれる中、これらを支えるインフラの重要性は一段と高まっています。当社は2030年までにありたい姿として長期ビジョン「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を掲げています。この長期ビジョンは、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持ったインフラを構築し、未来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在となることを企図しています。2024年3月期から2026年3月期までの中期経営計画においては、通信事業の収益基盤の強化と非通信事業の成長を通じて、事業基盤の再構築を進めてきました。また、最終年度である当期の親会社の所有者に帰属する純利益は5,508億円と過去最高となり、親会社の所有者に帰属する純利益の目標5,430億円(注2)を上回り達成しました。2026年5月に発表した2027年3月期から2031年3月期までの中期経営計画においては、さらなる事業成長を推進するとともに、次世代社会インフラの完成を目指します。具体的には、新たな成長戦略「Activate AI for Society」の推進を通じて、本中期経営計画期間において、2031年3月期に連結営業利益1兆7,000億円、親会社の所有者に帰属する純利益7,000億円を達成し、最高益の更新を目指します。新たな成長戦略「Activate AI for Society」とは、全事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指すものです。AIインフラやAIサービスを収益化するとともに、全事業セグメントがAIで進化し成長することで、グループ全体での持続的な事業成長を推進しています。 <主な取り組み>・通信分野では、2025年6月、当社はLTA型(注3)のHAPS(注4)を開発するSceye, Inc.に出資し、日本国内におけるHAPSのサービス展開に係る独占権を取得する契約を締結しました。LTA型HAPSを活用し早期の商用化を推進することで、2026年にはHAPSのプレ商用サービスを日本国内で開始する予定です。HAPSの商用化により、大規模災害時の通信サービスの提供に加え、6G(第6世代移動通信システム)時代を見据えて、ドローンやUAV(注5)向けに安定した通信環境を提供する次世代の3次元通信ネットワークの構築を目指します。また、2025年8月、当社は物価高騰に伴う各種費用の上昇をはじめとする昨今の社会情勢を踏まえ、携帯電話およびブロードバンドサービスに関する各種手数料の改定を実施しました。2025年9月からは、「ワイモバイル」ブランドで「シンプル3 S/M/L」(以下「シンプル3」)の提供を開始しました。「シンプル3」は、多くのユーザーが重視するデータ容量、経済圏サービスのメリット、追加料金不要の海外データ通信などを拡充した新料金プランです。さらに、2026年1月、当社とソニーネットワークコミュニケーションズ㈱は、両社の出資による合弁会社の設立、および当社の加入者終端装置(OLT)(注6)ならびに加入者回線の構築・管理・運用事業を吸収分割により合弁会社に承継させる最終契約を締結しました。本件は、両社が同数の役員を指名するガバナンス体制のもと、オペレーションの効率化およびネットワーク品質の向上を図ることを目的としています。両社のシナジーを最大限に発揮し、ユーザーへの提供価値の向上を図っていきます。・AI等の新規領域では、2025年10月、当社はオラクル・コーポレーション(以下「オラクル」)と、クラウド上のデータやシステムを自国の管理下で運用し、データ主権(ソブリン性)を備えたサービスの提供に向けて協業を開始しました。この協業に基づき、2026年4月より「Cloud PF Type A(クラウド・プラットフォーム・タイプ・エー)」の提供を順次開始しています。「Cloud PF Type A」では、オラクルの「Oracle Alloy(オラクル・アロイ)」(注7)を活用したクラウド基盤を当社の日本国内のデータセンターに導入し、当社が管理・運用することで、ソブリン性を備えたクラウドサービスを日本市場向けに提供します。2025年11月、当社とSB Intuitions㈱は、国産の大規模言語モデル(LLM)「Sarashina mini」のAPI(Application Programming Interface)と接続できるサービス「Sarashina API」の提供を法人のお客さま向けに開始しました。「Sarashina mini」は、SB Intuitions㈱が構築した4,600億パラメーター規模の国産LLM「Sarashina」で培った知見を基に開発された軽量モデルで、日本語性能に優れ、日本特有の文化や慣習に精通しています。法人のお客さまは、自社のシステムやアプリケーションと「Sarashina API」を連携させることで、幅広い業務の効率化が可能になります。当社とSB Intuitions㈱は、「Sarashina mini」の展開に加え、企業や業界に特化した国産LLMの開発にも取り組み、さまざまなニーズに応えるソリューションの提供を目指します。また、同月、当社、ソフトバンクグループ㈱、およびOpenAI Group PBC(以下「OpenAI」)は、合弁会社SB OAI Japan合同会社(以下「SB OAI Japan」)を発足させました。SB OAI Japanは、OpenAIのAI技術を活用し、同社のエンタープライズ向け最新プロダクトと、日本市場に最適化した導入支援・運用サポートを組み合わせたAIソリューション「クリスタル・インテリジェンス(Crystal intelligence)」を、2026年に日本国内で独占展開する予定です。SB OAI Japanは、本ソリューションの展開を通して、企業の経営・業務プロセスに深く根差したAI活用を支援し、日本の企業の経営変革を目指します。さらに、同月、当社の子会社であるGen-AX㈱は、コンタクトセンターにおける自律思考型AIの音声応対ソリューション「X-Ghost(クロスゴースト)」の正式提供を開始しました。「X-Ghost」は、AIが自律的に思考し、自然な音声対話で顧客応対を行う「AIオペレーター」として、企業の業務効率化と優れた顧客体験の両立を支援します。加えて2026年1月、当社は、AIデータセンター向けのソフトウエアスタック(注8)「Infrinia AI Cloud OS」を開発し、今後自社のGPU(Graphics Processing Unit)クラウドサービスへ「Infrinia AI Cloud OS」を導入していくことを発表しました。「Infrinia AI Cloud OS」を導入することで、マルチテナント環境に対応したKubernetes(注9) as a Service (KaaS)と、大規模言語モデル(LLM)の推論機能をAPI(Application Programming Interface)として提供するInference as a Service (Inf-aaS)を自社のGPUクラウドサービスの機能として構築することが可能となります。また、「Infrinia AI Cloud OS」のグローバルでの普及に向けて、海外のデータセンターやクラウド環境への展開を進めていきます。 ・ファイナンス事業では、2025年5月、当社は三井住友カード㈱とデジタル分野における包括的な業務提携に関し、基本合意書を締結しました。SMBCグループが提供している個人のお客さま向け総合金融サービス「Olive」が持つさまざまな機能と、当社グループが提供するヘルスケアなどの幅広い商品サービスを掛け合わせること、また「Olive」と「PayPay」の相互連携を実現することにより、便利でお得なキャッシュレスサービスの創出を目指します。また、当社の子会社であるPayPay㈱は、同社の普通株式を対象とした54,987,214個の米国預託株式(以下「ADS」)の米国の証券取引所での新規公開(以下「本新規公開」)を行い、2026年3月12日(米国時間)に上場しました。本新規公開において、合計63,235,295ADSの募集および売出しが行われ、PayPay㈱の発行済株式数は2026年3月末時点で676,955,535株となりました。差引手取概算額は、引受手数料およびPayPay㈱が負担する募集関連費用控除後で946億円(603百万米ドル)です。なお、PayPay㈱は引き続き当社の連結子会社となります。・2025年4月、当社は経済産業省、東京証券取引所、独立行政法人情報処理推進機構が選定する「DX銘柄2025」に、5年連続で選定されました。さらに、選定企業31社の中から、「デジタル時代を先導する企業」として、初の「DXグランプリ企業」にも選ばれました。これは、デジタル・AI人材の育成やスキル向上といったDX(注10)の実現能力の高さ、既存ビジネスモデルの業務効率化および高度化、さらにIR活動をはじめとしたステークホルダーへの積極的な情報発信が高く評価された結果です。また、2025年5月、SX(注11)を通じて持続的に成長原資を生み出す力を高め、企業価値向上を実現する先進的企業群として「SX銘柄2025」に初めて選定されました。これは、テクノロジーを競争優位性として社会価値を創出する当社の価値創造ストーリーや、中長期的な成長の指標としてTSR(株主総利回り)を設定し、役員報酬と連動させている点が高く評価されたことによるものです。・2025年7月に、当社は海外市場において、初の米ドル建て無担保普通社債を発行しました。これに先立ち、当社はS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱から「BBB」(注12)、フィッチ・レーティングス・ジャパン㈱から「BBB+」の格付けを取得しています。国内に限定されない資金調達手段を確保することで、為替や世界的な金利動向を踏まえた柔軟な財務戦略を可能とし、調達コストの改善や返済スケジュールの平準化を図ります。 (注1) マテリアリティ(重要課題)の詳細については、「第2 事業の状況2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2) サステナビリティ全般c.戦略(b)マテリアリティの特定 d.指標と目標」をご参照ください。(注2) 2023年5月の中期経営計画発表時の目標は5,350億円。その後、好調な業績を背景に2025年5月、2026年2月の2回の修正を経て5,430億円へと目標を引き上げました。(注3) LTA(Lighter Than Air)型とは、空気より軽く、浮力を利用して飛行を維持するHAPSのことを指します。(注4) HAPS(High Altitude Platform Station)とは、成層圏において長期間滞空する通信プラットフォームを運用し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称のことを指します。 (注5) UAV(Uncrewed Aerial Vehicle)とは、無人航空機のことを指します。 (注6) 加入者終端装置(OLT:Optical Line Terminal)とは、通信事業者の局舎に設置される光回線サービスを提供するための終端装置です。 (注7) 「Oracle Alloy」は、パートナーとなる事業者がクラウドプロバイダーとなり、お客さまのニーズに合わせてカスタマイズも可能にする包括的なクラウド・インフラストラクチャー・プラットフォームです。 (注8) ソフトウエアスタックとは、システムやアプリケーションの構築・運用に必要な複数のソフトウエアや機能を組み合わせて提供するものです。(注9) Kubernetes(クバネティス)とは、アプリケーションのデプロイやスケーリングを自動化したり、コンテナ化されたアプリケーションを管理したりするためのオープンソースのシステムです。(注10) DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術の活用による新たな価値・体験の提供および社会の変革を指します。(注11) SX(Sustainability Transformation)とは、社会のサステナビリティと企業のサステナビリティを同期させ、そのために必要な経営・事業変革を行い、長期的かつ持続的な企業価値向上を図っていくための取り組みのことを指します。(注12) S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱のスタンドアローン評価(当社単独ベースでの信用力評価)はbbb+です。 ⅱ.連結経営成績の概況(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高65,44370,3874,9437.6%営業利益9,89010,4265365.4%税引前利益8,8019,3005005.7% 法人所得税△2,248△2,034214△9.5%純利益6,5537,26671310.9% 親会社の所有者5,2615,5082464.7% 非支配持分1,2921,75946736.2% 調整後EBITDA(注)17,53118,1966643.8% (注) 調整後EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費(固定資産除却損含む)+株式報酬費用±その他の調整項目。詳細は「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。 当期の連結経営成績の概況は、以下の通りです。(ⅰ) 売上高当期の売上高は、全報告セグメントで増収となり、前期比4,943億円(7.6%)増の70,387億円と過去最高になりました。ディストリビューション事業は法人向けICT関連商材、継続収入商材、およびコンシューマ向け商材の堅調な増加などにより1,668億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより805億円、ファイナンス事業はPayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加などにより790億円、コンシューマ事業は物販等売上およびモバイル売上の増加などにより622億円、メディア・EC事業はアスクル㈱のシステム障害の影響があった一方で、アスクル㈱を除いたコマース売上および戦略売上の増加により391億円、それぞれ増収となりました。 (ⅱ) 営業利益当期の営業利益は、前期比536億円(5.4%)増の10,426億円となりました。メディア・EC事業がアスクル㈱のシステム障害の影響などにより184億円の減益となった一方、ファイナンス事業が446億円、エンタープライズ事業が221億円、コンシューマ事業が204億円、ディストリビューション事業が48億円、それぞれ増益となりました。 (ⅲ) 純利益当期の純利益は、前期比713億円(10.9%)増の7,266億円となりました。これは主として、営業利益の増加536億円および法人所得税の減少によるものです。法人所得税の減少は、主として、前期に計上した関係会社の再編に係る税効果の反動に伴い費用が増加した一方で、PayPay㈱における繰延税金資産の回収可能性の見直しに伴い、繰延税金資産を追加計上したことで費用が減少したことによるものです。 (ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益当期の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比246億円(4.7%)増の5,508億円となりました。また、非支配持分に帰属する純利益は、主としてPayPay㈱を含むLINEヤフーグループの純利益が増加したことに伴い、前期比467億円(36.2%)増の1,759億円となりました。 (ⅴ) 調整後EBITDA当期の調整後EBITDAは、前期比664億円(3.8%)増の18,196億円となりました。これは主として、営業利益が増加したことによるものです。 (b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況ⅰ.コンシューマ事業<事業概要>コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高29,52930,1516222.1%営業費用(注)24,22424,6434181.7% うち、減価償却費及び償却費3,7883,743△45△1.2%セグメント利益5,3045,5082043.8% (注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 売上高の内訳(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率サービス売上22,39022,215△175△0.8% モバイル15,74515,9181731.1% ブロードバンド4,0884,1941062.6% でんき2,5582,103△454△17.8%物販等売上7,1397,93679711.2% 売上高合計29,52930,1516222.1% コンシューマ事業の売上高は、前期比622億円(2.1%)増の30,151億円となりました。そのうち、サービス売上は前期比175億円(0.8%)減の22,215億円となり、物販等売上は前期比797億円(11.2%)増の7,936億円となりました。サービス売上のうち、モバイルは前期比173億円(1.1%)増加しました。これは主として、通信料の平均単価が安定基調にある中、スマートフォン契約数が「ワイモバイル」ブランドを中心に前期比で伸びたことによるものです。なお、顧客獲得施策影響を除いた各四半期連結会計期間のモバイル売上は2024年3月期第3四半期以降、前年同期比で増収に転じています。当第4四半期連結会計期間においては減収となっていますが、接続会計における接続料(アクセスチャージ)の遡及精算の影響を除くと、前年同期比で増収を継続しています。 (単位:億円) 2025年3月期2026年3月期 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期モバイル売上3,9233,9653,8823,9753,9754,0094,0463,887うち、顧客獲得施策影響(注)--△112△20--△26△93モバイル売上(顧客獲得施策影響を除く)3,9233,9653,9943,9953,9754,0094,0723,981前年同期比76456364524478△15 (注) 一部の顧客獲得施策はIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、モバイル売上から控除しています。 ブロードバンドは前期比106億円(2.6%)増加しました。これは主として、光回線サービス「SoftBank 光」契約数(注1)が前期比で増加したことによるものです。でんきは前期比454億円(17.8%)減少しました。これは主として、電力市場での取引が減少したことによるものです。物販等売上の増加は、主として、携帯端末の平均単価の上昇によるものです。営業費用は24,643億円となり、前期比で418億円(1.7%)増加しました。これは主として、でんきの原価が減少した一方で、販売促進費、スマートフォンなどの仕入原価が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比204億円(3.8%)増の5,508億円となりました。(注1)「SoftBank Air」契約数を含みます。 ⅱ.エンタープライズ事業<事業概要>エンタープライズ事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。 <業績全般> (単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高9,22410,0298058.7%営業費用(注)7,5218,1055847.8% うち、減価償却費及び償却費1,6631,7831207.2%セグメント利益1,7031,92422113.0% (注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 売上高の内訳(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率モバイル3,1593,4062487.8%固定1,6931,673△21△1.2%ソリューション等4,3724,95057813.2% 売上高合計9,22410,0298058.7% エンタープライズ事業の売上高は、前期比805億円(8.7%)増の10,029億円となりました。そのうち、モバイルは前期比248億円(7.8%)増の3,406億円、固定は前期比21億円(1.2%)減の1,673億円、ソリューション等は前期比578億円(13.2%)増の4,950億円となりました。モバイル売上の増加は、主として、契約数の増加に伴い端末売上が増加したこと、および通信売上が増加したことによるものです。固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。ソリューション等売上の増加は、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドやセキュリティソリューションなどの売上が増加したことによるものです。営業費用は8,105億円となり、前期比で584億円(7.8%)増加しました。これは主として、上記ソリューション等売上の増加に伴い原価が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比221億円(13.0%)増の1,924億円となりました。 ⅲ.ディストリビューション事業<事業概要>ディストリビューション事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高8,89510,5631,66818.8%営業費用(注)8,59110,2111,62018.9% うち、減価償却費及び償却費4341△2△3.9%セグメント利益3043534815.9% (注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 ディストリビューション事業の売上高は、前期比1,668億円(18.8%)増の10,563億円となりました。これは主として、法人向けのICT関連の商材や注力しているクラウドやSaaSなどの継続収入商材の堅調な伸長、GIGAスクール構想第2期やサポートが終了するWindows10からの移行に伴うPC売上の増加、およびコンシューマ向け商材の堅調な伸長によるものです。営業費用は10,211億円となり、前期比で1,620億円(18.9%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比48億円(15.9%)増の353億円となりました。 ⅳ.メディア・EC事業<事業概要>メディア・EC事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechサービス等の提供を行っています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高16,28916,6803912.4%営業費用(注1)13,70014,2765754.2% うち、減価償却費及び償却費1,5861,6941086.8%セグメント利益2,5882,404△184△7.1% (注) 2025年6月30日に終了した3カ月間より、「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行㈱を「ファイナンス事業」に移管しました。これに伴い、2025年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。(注1) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 売上高の内訳(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率メディア7,2397,287480.7%コマース8,4688,552841.0%戦略51173822744.4%その他711023244.8% 売上高合計16,28916,6803912.4% (注) 2025年6月30日に終了した3カ月間より、LINEヤフーグループにおける事業の管理区分の見直しに加え、「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行㈱を「ファイナンス事業」に移管しました。これらに伴い、2025年3月31日に終了した1年間の「メディア・EC事業」の売上高の内訳すべてを遡及修正しています。 メディア・EC事業の売上高は、前期比391億円(2.4%)増の16,680億円となりました。そのうち、メディアは前期比48億円(0.7%)増の7,287億円、コマースは前期比84億円(1.0%)増の8,552億円、戦略は前期比227億円(44.4%)増の738億円、その他は前期比32億円(44.8%)増の102億円となりました。メディア売上の増加は、主として、検索広告が減収した一方で、アカウント広告が増収したことによるものです。コマース売上の増加は、主として、2025年10月に発生したシステム障害に伴いアスクル㈱の取扱高が減少した一方で、LINE MAN CORPORATION PTE. LTD.およびBEENOS㈱の子会社化、ならびにZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)における取扱高が増加したことによるものです。戦略売上の増加は、主として、LINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことによるものです。営業費用は14,276億円となり、前期比で575億円(4.2%)増加しました。主な増減要因は以下の通りです。・前期に計上した子会社の支配喪失に伴う利益の剥落および当期に計上した企業結合に伴う再測定による利益により、営業費用が157億円減少 (単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減企業結合に伴う再測定による利益(注2)-△589△589子会社の支配喪失に伴う利益(注3)△432-432 合計△432△589△157 (注2)LINEヤフーがLINE MAN CORPORATION PTE. LTD.およびLINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことに伴い、企業結合に伴う再測定による利益を認識しました。(注3)IPX Corporation、LINE NEXT Corporation、バリューコマース㈱のそれぞれにつき子会社の支配喪失に伴う利益を計上しました。 ・システム障害に伴い、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)の営業費用が減少・LINE MAN CORPORATION PTE. LTD.、LINE Bank Taiwan Limited、およびBEENOS㈱の子会社化により営業費用が増加・販売促進費の増加に伴い、営業費用が増加上記の結果、セグメント利益は、前期比184億円(7.1%)減の2,404億円となりました。 ⅴ.ファイナンス事業<事業概要>ファイナンス事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、銀行や資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。 <業績全般>(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高3,2554,04579024.3%営業費用(注1)2,8383,18234412.1% うち、減価償却費及び償却費2823234114.5%セグメント利益417863446107.1% (注) 2025年6月30日に終了した3カ月間より、「メディア・EC事業」に区分されていたPayPay銀行㈱を「ファイナンス事業」に移管しました。これに伴い、2025年3月31日に終了した1年間の数値を遡及修正しています。(注1) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。 ファイナンス事業の売上高は、前期比790億円(24.3%)増の4,045億円となりました。これは主として、PayPay㈱およびPayPayカード㈱が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高が増加したことによるものです。営業費用は3,182億円となり、前期比で344億円(12.1%)増加しました。これは主として、前述の決済取扱高の増加に伴い、ポイント還元などに係る販売促進費が増加したこと、および上場に伴う費用が増加したことによるものです。上記の結果、セグメント利益は、前期比446億円(107.1%)増の863億円となりました。 b. 生産、受注及び販売の実績当社グループは、コンシューマ、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア・EC、ファイナンスの5つのセグメントと、それ以外の事業から構成されています。いずれも、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産の規模および受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。なお、当連結会計年度における販売の状況については以下の通りです。 セグメントの名称金額(億円)前期比(%)コンシューマ30,1512.1エンタープライズ10,0298.7ディストリビューション10,56318.8メディア・EC16,6802.4ファイナンス4,04524.3その他1,42215.2セグメント間の内部売上高または振替高△2,503△16.1合計70,3877.6 (注1) 金額は、外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高または振替高の合計です。(注2)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しています。 (2) 連結財政状態の状況 (単位:億円) 2025年3月31日2026年3月31日増減増減率 流動資産48,58754,0555,46911.3% 非流動資産112,435130,96618,53116.5%資産合計161,022185,02224,00014.9% 流動負債68,35285,25216,90024.7% 非流動負債50,01653,0853,0696.1%負債合計118,368138,33719,96916.9%資本合計42,65446,6854,0319.5% (単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減設備投資(注1)9,1287,453△1,675 うち、コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資(注2)3,2183,412194 (注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。(注2) コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資は、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)、4.9GHz帯の特定基地局開設料およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。 (資産)当期末の資産合計は、前期末から24,000億円(14.9%)増加し、185,022億円となりました。これは主として、その他の金融資産の増加11,597億円、銀行事業の有価証券の増加5,334億円、営業債権及びその他の債権の増加2,204億円、のれんの増加1,209億円によるものです。その他の金融資産の増加は、主として、LINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことおよびPayPay銀行㈱における顧客への貸付金が増加したことによるものです。銀行事業の有価証券の増加は、主として、PayPay銀行㈱の資金運用による有価証券の取得およびLINE Bank Taiwan Limitedの子会社化によるものです。 (負債)当期末の負債合計は、前期末から19,969億円(16.9%)増加し、138,337億円となりました。これは主として、銀行事業の預金の増加7,600億円、有利子負債の増加5,224億円、営業債務及びその他の債務の増加4,567億円によるものです。銀行事業の預金の増加は、主として、LINE Bank Taiwan Limitedを子会社化したことおよびPayPay銀行㈱において顧客からの預金残高が増加したことによるものです。有利子負債の増加は、債権流動化や米ドル建て無担保普通社債の発行等の各種の資金調達を実施したことによるものです。営業債務及びその他の債務の増加は、主として、PayPay㈱の加盟店に対する未払金の増加によるものです。 (資本)当期末の資本合計は、前期末から4,031億円(9.5%)増加し、46,685億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は2,142億円の増加、非支配持分は1,889億円の増加となりました。親会社の所有者に帰属する持分の増加は、主として、剰余金の配当による減少4,192億円があった一方で、当期の純利益の計上による増加5,508億円、新株予約権の権利行使に伴う新株発行による増加324億円によるものです。 (設備投資)当期の設備投資は、前期比1,675億円減の7,453億円となりました。これは主として、データセンターに係る賃貸借契約の締結に伴う使用権資産の増加304億円があった一方で、前期にはAIデータセンター構築に向けたシャープ㈱の堺工場の土地建物の取得約1,000億円および4.9GHz帯を使用する特定基地局開設料(注3)665億円によるものです。(注3) 特定基地局開設料の支払期間は16年間です。認定期間にわたる長期の支払い方式である点を踏まえ、現在価値に割り引いて算出しています。 (3) 連結キャッシュ・フローの状況(単位:億円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減営業活動によるキャッシュ・フロー13,67913,938259投資活動によるキャッシュ・フロー△9,952△12,708△2,756財務活動によるキャッシュ・フロー△9,564△1,3698,196現金及び現金同等物の期末残高14,35514,38833フリー・キャッシュ・フロー(注1)3,7271,230△2,497調整後フリー・キャッシュ・フロー (LINEヤフーグループ、PayPay等除く)(注1、2)4,3656,0921,727プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー(注1、3)6,0336,336303 (注1) フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、プライマリー・フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。(注2) 調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)=フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)+Aホールディングス㈱からの受取配当-PayPay㈱への出資+PayPay証券㈱株式の売却収入-LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フローなど。なお、LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス㈱、LINEヤフー㈱および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱などを含みます。(注3) プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)に、長期性の成長投資として支出した金額を足し戻した指標です。なお、長期性の成長投資はAI計算基盤・AIデータセンター関連投資を含みます。 a.営業活動によるキャッシュ・フロー当期の営業活動によるキャッシュ・フローは13,938億円の収入となり、前期比では259億円収入が増加となりました。これは主として、法人所得税に係る支出が増加した一方で、EBITDAの増加、銀行事業・証券事業を含む営業債権・債務・棚卸資産他の運転資本が減少したことによるものです。 b.投資活動によるキャッシュ・フロー当期の投資活動によるキャッシュ・フローは12,708億円の支出となり、前期比では2,756億円支出が増加となりました。これは主として、銀行事業の有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。なお、この投資活動によるキャッシュ・フローには、長期性の成長投資に係る支出245億円が含まれています。 c.財務活動によるキャッシュ・フロー当期の財務活動によるキャッシュ・フローは1,369億円の支出となりました。これは、銀行借入・リース・社債・債権流動化などの資金調達による収入が20,931億円あった一方で、借入金の弁済・配当金支払などの支出が22,299億円あったことによるものです。 d.現金及び現金同等物の期末残高a.~c.ほかの結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比33億円増の14,388億円となりました。 e.プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー当期のプライマリー・フリー・キャッシュ・フローは6,336億円の収入となり、前期比では303億円の収入の増加となりました。指標の詳細は「(4)<財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」の「b.フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フロー」をご覧ください。 f.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の財務戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営方針 c. 財務戦略」をご参照ください。 (キャッシュ・フロー関連指標の推移) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年親会社所有者帰属持分比率17.0%16.0%キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.44.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)22.319.8 <各指標の計算方法> 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分合計/資産合計キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(※1)/キャッシュ・フロー(※2)インタレスト・カバレッジ・レシオ:調整後EBITDA(※3)/支払利息(※4)(※1) 有利子負債は連結財政状態計算書の流動負債と非流動負債の中の有利子負債の合計値を使用しています。(※2) キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。(※3) 算出方法は、「(4)<財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標 a.調整後EBITDA」をご参照ください。(※4) 支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。 (4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。 a.調整後EBITDA調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。 営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。(単位:億円) 2025年3月31日に終了した1年間 2026年3月31日に終了した1年間営業利益 9,890 10,426(加算)減価償却費及び償却費(注) 7,700 8,059(加算)株式報酬費用 193 132(加算(△は減算))その他の調整項目:減損損失 138 73(加算(△は減算))その他の調整項目:企業結合に伴う再測定による利益 - △589(加算(△は減算))その他の調整項目:子会社の支配喪失に伴う利益 △390 -(加算(△は減算))その他の調整項目:その他 - 95調整後EBITDA 17,531 18,196 (注) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 d. 連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2025年3月31日に終了した1年間7,480億円 2026年3月31日に終了した1年間7,853億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2025年3月31日に終了した1年間220億円 2026年3月31日に終了した1年間206億円)が含まれています。 b.フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フローフリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)は、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算するとともに、Aホールディングス㈱からの受取配当を加算し、LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フローを除くなどして計算される指標です。プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)から中長期的な成長に資するAI計算基盤の構築などの戦略投資を除いた指標であり、主として当社および当社の完全子会社での既存事業における継続的な資金創出能力すなわち債務返済能力や配当金の支払い能力を評価するために有用な指標であると考えています。なお、連結キャッシュ・フロー計算書上、割賦債権流動化による資金調達額および返済額は、財務活動によるキャッシュ・フローに含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。従って、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)およびプライマリー・フリー・キャッシュ・フローの算出の過程において、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算しています。 フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)、プライマリー・フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。(単位:億円) 2025年3月31日に終了した1年間 2026年3月31日に終了した1年間営業活動によるキャッシュ・フロー 13,679 13,938投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)(注1) △7,435 △5,698投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)(注2) △2,517 △7,011フリー・キャッシュ・フロー 3,727 1,230割賦債権の流動化による影響 △86 2,022 割賦債権流動化取引:調達額(注3) 3,706 6,310 割賦債権流動化取引:返済額(注3) △3,792 △4,288LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フローによる影響(注4) △152 2,509その他(注5) 877 332調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く) 4,365 6,092長期性の成長投資(注6) △1,669 △245プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー 6,033 6,336 (注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」、「子会社の支配喪失による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。(注4) LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス㈱、LINEヤフー㈱および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay銀行㈱、PayPay証券㈱などを含みます。(注5) Aホールディングス㈱からの受取配当(2025年3月期第2四半期連結会計期間に同社が実施したLINEヤフー㈱株式の売却に伴う、当社への当該手取金の配当を含みます)、PayPay㈱への出資、およびPayPay証券㈱株式 の売却収入などを含みます。(注6) AI計算基盤・AIデータセンター関連投資を含みます。 (5) 重要な判断を要する会計方針及び見積りIFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、当社グループにとって最適な会計方針を採用し、一定の前提条件に基づく見積りを行う必要があります。連結財政状態計算書上の資産および負債、連結損益計算書上の収益および費用、または開示対象となる偶発負債および偶発資産などに重要な影響を与える可能性がある項目に関して、経営者は、過去の経験や決算日時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき見積りを行っています。以下の各項目は、その認識および測定にあたり、経営者の重要な判断および会計上の見積りを必要とするものです。 a.企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値測定ならびに減損に係る見積り企業結合により取得した無形資産およびのれんは、支配獲得日における公正価値で認識しています。企業結合時の取得対価の配分に際しては、経営者の判断および見積りが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。企業結合により識別した無形資産(顧客基盤や商標権など)およびのれんは、見積将来キャッシュ・フローや割引率、既存顧客の逓減率、対象商標権から生み出される将来売上収益やロイヤルティレート等の仮定に基づいて測定しています。企業結合により取得した無形資産およびのれんの取得価額は、当連結会計年度は2,020億円(前連結会計年度は223億円)です。また、無形資産およびのれんの減損を判断する際に、資金生成単位の回収可能価額の見積りが必要となりますが、減損テストで用いる回収可能価額は、資産の耐用年数、資金生成単位により生じることが予想される見積将来キャッシュ・フロー、市場成長率見込、市場占有率見込および割引率等の仮定に基づいて測定しています。これらの仮定は、経営者の最善の見積りによって決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.企業結合」をご参照ください。無形資産およびのれんの減損に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (11) 有形固定資産、使用権資産、無形資産およびのれんの減損」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 14.のれんおよび無形資産」をご参照ください。 b.有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積り有形固定資産および無形資産は、当社グループの総資産に対する重要な構成要素です。見積りおよび仮定は、資産の帳簿価額および減価償却費または償却費に重要な影響を及ぼす可能性があります。資産の減価償却費は、耐用年数の見積りおよび残存価額(有形固定資産の場合)を用いて算出されます。資産の耐用年数および残存価額は、資産を取得または創出した時点で見積りを行い、その後、各連結会計年度末に見直しを行います。資産の耐用年数および残存価額の変更は、連結財務諸表に対して重要な調整を必要とする可能性があります。経営者は、資産を取得または創出した時点ならびに見直し時に、同種資産に対する経験に基づき、予想される技術上の変化、除却時の見積費用、当該資産の利用可能見込期間、既存顧客の逓減率、当該資産から得られると見込まれる生産高またはこれに類似する単位数および資産の耐用年数に制約を与える契約上の取決めなどの関連する要素を勘案して、当該資産の耐用年数および残存価額を決定しています。有形固定資産の減価償却費は、当連結会計年度は3,253億円(前連結会計年度は3,073億円)であり、無形資産の償却費は、当連結会計年度は2,874億円(前連結会計年度は2,720億円)です。有形固定資産および無形資産の帳簿価額・減価償却費または償却費に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 13.有形固定資産」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 14.のれんおよび無形資産」をご参照ください。有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積りに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (7) 有形固定資産、(9) 無形資産」をご参照ください。 c.金融商品の公正価値の測定方法当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。市場で観察可能ではないインプットを用いた金融資産の公正価値は、当連結会計年度末は4,708億円(前連結会計年度末は3,750億円)です。金融商品の公正価値に関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 29.金融商品の公正価値 (1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類、(2) レベル3に分類した金融商品の公正価値測定」をご参照ください。 d.契約獲得コストの償却期間の見積り当社グループは、契約獲得コストについて、契約獲得コストに直接関連する財またはサービスが提供されると予想される期間(すなわち、契約獲得コストの償却期間)にわたって、定額法により償却しています。契約獲得コストの償却期間は、契約条件および過去の実績データなどに基づいた解約率や機種変更までの予想期間などの関連する要素を勘案して決定しています。契約獲得コストの償却期間の変更は、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。契約獲得コストに係る償却費は、当連結会計年度は2,575億円(前連結会計年度は2,415億円)です。契約獲得コストに関連する内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (16) 収益 b.契約コスト」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 15.契約コスト」をご参照ください。

事業リスク

  • 通信ネットワークの安定性:通信サービスは社会インフラとして極めて重要であり、大規模な通信障害が発生した場合、顧客からの信頼失墜や補償費用発生により、経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。安定したネットワーク運用と災害対策が常に求められます。
  • 情報セキュリティリスク:顧客の個人情報や企業の機密情報を多数取り扱っているため、サイバー攻撃や情報漏洩が発生した場合、企業の社会的信用が大きく損なわれ、損害賠償やシステム復旧費用など多額の損失が発生する可能性があります。厳重なセキュリティ対策が不可欠です。
  • 競争環境の激化:通信業界では、新規参入や料金プランの多様化、MVNO(仮想移動体通信事業者)の台頭などにより、価格競争が激化する可能性があります。また、インターネットサービスや金融サービスにおいても、競合他社との競争が激しく、収益性や市場シェアの維持が課題となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|21,838 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクならびにリスクの管理体制および管理手法を記載しています。なお、主要なリスクは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、文中における将来に関する事項は別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 1.リスク管理体制当社では、さまざまな角度から全社的なリスクを特定し、リスクの顕在化を防止するため、「3線モデル」の考え方に基づく管理体制を整えています。第1線として、本社各部門が現場で各種施策を立案する際にリスクを含めた検討を実施するとともに、自部門におけるリスク管理を遂行しています。第2線として、リスク管理の最高責任者である「チーフ・リスク・オフィサー(CRO:Chief Risk Officer)」のもと、事業部門から独立した組織であるリスクマネジメント室が、全社的・網羅的にリスクの把握と対策状況を確認し(年2回実施)、社長、副社長、CFO、CROなどを委員とし、監査役や関係部門長が参加するリスク管理委員会では、リスクの重要度や対応する責任者(リスクオーナー)を定め、リスクマネジメント室からの報告を受けて対策指示などを行い、CROを通じて状況を取締役会に報告しています。なお、リスク管理委員会では、情報セキュリティ経験を有する取締役(代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川 潤一)が中心となり当社グループに重要な影響を与えるリスク(通信サービスリスク、情報セキュリティリスク、情報システムリスク等を含む)を監督しています。内部監査室は第3線として、第1線と第2線から独立した立場から、これら全体のリスク管理体制・状況を監査しています。また、リスク抽出プロセス等を含むリスク管理委員会における検討の内容を、CROより会社業務の執行を監督する社外取締役に報告しています。これに加えて、CROが監査役会にも報告を行い、社外取締役および監査役から得たリスク管理手法や改善点等に関する意見や助言をリスク管理の対策等に反映しています。なお、グループ全体のリスク管理の観点から、子会社・関連会社からの報告体制を整備するとともに、それぞれが抽出した事業に関連するリスクとその対策状況の定期的なチェックを実施しています。 当社はインシデントの未然防止に努めていますが、万が一インシデントが発生した場合には、発生部門が第1線としてインシデントの内容および影響を確認し、インシデント影響度判断基準に定める報告基準に従ってリスクマネジメント室へ報告を行っています。リスクマネジメント室は都度インシデントの影響度を評価し、当社グループの経営に重要な影響を及ぼす可能性のあるインシデントについては、速やかに経営陣、社外取締役、監査役等へ報告を行っています。また、インシデントの影響低減や再発防止策の検討・実施に関しては、第1線である本社各部門や子会社・関連会社が主体的に具体的な対策を検討・実行し、リスクマネジメント室は第2線としてこれらの対策内容や実施状況を確認・評価するとともに、必要に応じて助言・指導を行う体制を整えています。第1線の現場に即した実効性の高い対応策を推進しつつ、第2線がリスク管理の枠組みやルールに基づいて適切な監督を行い、インシデントの再発防止と影響の最小化に努めています。 ※1 リスクトレンド分析:最新のニュースや公開情報をもとにした分析を行い、新しい視点でのリスク抽出の材料とする手法※2 KRI(Key Risk Indicators):重要リスク評価指標※リスク管理と監査について、それぞれの責任者であるCROと内部監査室長が、それぞれの職責に基づき独立して取締役会に報告しています。※当社では、外部からのリスク管理に関する評価として、金融商品取引法で定められている内部統制報告制度およびSSAE18に準拠した第三者機関による内部統制の評価(年に1回)を受け、リスク体制の更なる精度向上に努めています。 2.リスク管理手法当社は、各種施策の立案時にビジネスの機会とあわせて潜在するリスクも検討することに加え、当社グループのリスクを幅広く抽出、選定、評価するため、リスクの見直しを含めて、年度ごとに以下のようなPDCAサイクルを回すことにより、複雑化・多様化するリスクの発見、低減、顕在化の未然防止に取り組んでいます。 (1) Plan:リスクマネジメント室は、リスク分類表(当社と当社の子会社・関連会社の事業遂行に関わりのあるリスクシナリオから構成)を用いたリスクアセスメントや、当社の各本部長および主要子会社・関連会社の経営陣へのヒアリングを実施することに加え、当該年度のリスクオーナー(リスクの責任者)等へのインタビューを行っています。リスク管理委員会においては、現場と経営の双方の目線に基づき抽出したリスクを対象に、当社に重要な影響を与えるリスクを選定し、リスクオーナーを指名しています。その際、さまざまな観点からリスクを抽出するために、事前にリスクおよび機会を含めた外部環境レポート等の情報提供や、短期/中長期の観点も含めた質問を通じ、情報を収集することで、より多面的なリスク分析を行っています。(2) Do:リスクオーナーは、リスク管理委員会が選定した当社に重要な影響を与えるリスクに基づき、リスクの対策等を検討し、実施しています。(3) Check:リスクマネジメント室は、リスクオーナーによる対策状況を月次でモニタリングし、経営陣に報告するとともに、リスク管理委員会に対策状況等を報告し、リスク管理委員会は、報告に基づき、対策の実施状況等の確認やリスクの見直しおよび追加対策の必要性等を確認しています。(4) Action:リスクオーナーは、リスク管理委員会で追加対策が必要と判断された場合には、改善策や追加対策等を検討し、実施しています。 ※「取締役会」には、社外取締役・監査役への事前説明会を含みます。 当社では、広くリスクと機会を抽出し、重要度と優先度を判断した上で、対策や各種施策内容に反映させていくための仕組みを導入しています。 リスクアセスメントやインタビューに際して、従来のリスクだけでなく、機会を含めてヒアリングするとともに、会社への影響を検討する時期軸を短期(数年以内)、中期(3年から5年程度)、長期(10年から30年程度)と設定し、より適切な分析を目指しています。 集約されたリスクについては、リスク管理委員会を中心に対策を講じるとともに、機会についての情報は、組織間で情報連携を行い、サステナビリティ戦略の立案やマテリアリティの策定等にも活用しています。 研修等の実施新入社員を含む当社の全社員に向けては、取り組むべきリスクの社内周知やリスク管理に関する研修(eラーニングなど)等を実施し、加えて社内からの相談窓口を設置しているほか、子会社・関連会社に対しては当社と共通の研修資料を共有し、必要に応じて研修を実施しています。加えて、リスク管理は管理職を含めた従業員の能力評価に組み込まれるとともに、報酬に関する評価に反映されています。また、取締役・監査役に向けては、定期的に、リスク管理、コンプライアンスなどに関する社内外の研修等を実施しており、社外取締役や社外監査役に対しても、リスク管理に関する適切な助言を得るため、就任時、また就任後も定期的に、リスクの選定と対策状況、リスクの見直し結果をはじめ、当社グループの事業内容、直近のリスク動向・技術動向を含めた最新のリスク関連情報などを説明し、理解する機会を設けています。 3.事業等のリスク(1) 経営戦略上のリスク当社グループは、成長戦略「Activate AI for Society」の下、全ての事業でAIの可能性を起動させ、社会への実装を推進し、企業価値の最大化を目指しています。AIインフラやAIサービスを収益化するとともに、全事業セグメントがAIで進化し成長することで、グループ全体での持続的な事業成長を推進しています。係る戦略に関連して経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。 a. 経済情勢、規制環境および市場環境の変化、他社との競合について(a)市場環境の変化 日本では、高齢化および少子化の進行に伴い人口減少が進んでおり、国内市場の継続的な拡大については、不透明な要素があります。また、こうした事業環境の変化は、当社グループの国内事業の継続的な拡大に影響を及ぼす可能性があります。・通信関連市場 当社グループは、特長の異なる3つのブランド(「ソフトバンク」、「ワイモバイル」、「LINEMO」)を提供するなど、消費者の志向に合った商品・サービス・販売方法を導入していますが、当社グループが料金プランや通話・データ通信の品質等の面で消費者の期待に沿えない場合や当社グループが提供する商品・サービスに重大な瑕疵が存在した場合、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、法令・規制・制度などの制定、改正または解釈・適用の変更等により、当社グループが顧客に提供できる商品・サービス・販売方法および料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加が起きることにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。その他にも、予期せぬ市場環境の変化によりコストが増大する、または想定しているコスト効率化が実現できない可能性があります。・DX/ソリューション関連市場 当社グループは、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要の高度化や生成AI活用の急速な進展を背景に、エンタープライズ事業の拡大に向け、企業のデジタル化ニーズに対応したDX/ソリューション商材の販売等や、パートナーとの「共創」を通じた取り組みを進めています。しかし、当社グループの提供する商品またはサービスが企業のニーズを的確に捉えることができなかった場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。・インターネット関連市場 当社グループの事業は、日本のインターネット全体の利用規模、景気の動向、有料会員数、有料サービスの利用状況などに影響を受ける可能性があります。当社グループでは、利用者にとって正確で有益なサービスの提供、安心、安全な利用体験、広告媒体としての価値を向上させる活動、啓発、有料会員向けの魅力的な特典、コンテンツの提供などを通じ、利用者の維持拡大に努めています。また、グループサービス間の連携強化やクロスユースの促進を通じ、グループ経済圏の拡大および収益機会の拡大にも取り組んでいます。しかし、これらの施策が十分に奏功せず、市場環境の変化や利用者の嗜好・ニーズの変化に適切に対応できない場合、またはグループサービス間の連携効果等が想定通りに得られない場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 a. 経済情勢、規制環境および市場環境の変化、他社との競合について(a)市場環境の変化・金融関連市場 政府や自治体の経済対策の進展を受け、日本ではキャッシュレス化が進んでいます。当社グループでは、利用者にとって利便性の高いサービスを提供するために、キャッシュレス決済サービスの機能の見直し、拡充に取り組むとともに、当社グループのキャッシュレス決済サービスが利用可能な加盟店の拡大にも努めています。また、決済サービスとカード、銀行、証券等の金融サービスとの連携強化を通じ、利便性の高い金融サービスの提供や収益機会の拡大にも取り組んでいます。しかし、市場環境や規制の変化に当社グループが適時かつ適切に対応できず、または何らかの事由により当社グループの期待通りにサービスを提供できない場合、もしくは顧客を維持・獲得できない場合、またはこれらの連携施策が想定通りに進まない場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。・新規事業関連市場 当社グループは、当社グループが有する通信、eコマース、決済、SNSといった複数の事業領域で培った顧客基盤や事業基盤を活用し、AI、FinTech、モビリティ、ヘルスケア、エネルギーなど、今後の成長が見込まれる分野において、新規事業の創出・拡大に取り組んでいます。しかし、経済情勢、規制環境および市場環境の変化等により、当社グループの事業が想定通りに進展せず、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。(b)他社との競合 日本の市場において、当社グループの競合他社は、資本力、商品・サービス、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度およびこれらの総合力などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用して商品やサービスの販売を強化した場合、当社グループが価格競争を含む販売競争で劣勢に立たされ、顧客を維持・獲得できない、またはARPU(注)が低下すること等により、収益性が低下する可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、通信、インターネットおよびキャッシュレス決済に係る市場では、新興企業や新規参入者による商品・サービスがユーザーの支持を集め、急速に広まることがあります。当社グループでは、ユーザーの意見や動向を捉え、ユーザーの支持を得られる商品・サービスの提供に努めていますが、これらの企業が競合となる可能性があります。また、当社グループが競争優位性を維持・確保するために、新規商品・サービスの開発や販売促進等に係る費用が増加し、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注) ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入 b. 技術・ビジネスモデルへの対応について 当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。情報産業においては、AI、IoT、ビッグデータの活用が急速に進展し、DXの動きが加速するに連れて、業界を超えたより多様かつ高度なサービスの提供が求められるようになってきています。特に生成AIやAIエージェントに関する技術の発展はめざましく、既存のビジネスモデルに大きな影響を与えています。当社グループは、常に最新の技術動向や市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験、および他社とのアライアンスの検討などの施策を講じていますが、新たな技術への対応が想定通りの時間軸に沿って進むこと、想定通りの効果を上げること、共通の基準や仕様が確立すること、および商用性を持つようになることについての保証もなく、また、これらの施策を行ったとしても、新たな技術やビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に当社グループが適時かつ適切に対応できず、または迅速かつ効率的に設備を配備できないことにより、市場変化に適した優れたサービス、技術やビジネスモデルを創出または導入できない可能性があります。その場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、当社グループが維持・獲得できる契約数が抑制される、またはARPUが低下することにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。c. 情報の流出や不適切な取り扱いおよび当社グループの提供する商品やサービスの不適切な利用について 当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます)やその他の機密情報を取り扱っています。これらの情報を適切に管理するため、当社グループは、チーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO)および最高情報セキュリティ責任者であるチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)が主導し、顧客情報やその他の機密情報に関する作業場所を所定のエリアに限定し、当該エリア専用の入退室管理ルールを設けるなど徹底した物理的管理を行っています。技術的管理としても、当該エリア内にあるセキュリティ・オペレーション・センター(SOC)などにおいて、AIを活用した内部不正の予兆検知(ふるまい検知)を強化し、役職員による業務端末の使用状況、社内ネットワークの利用状況、社内の各サーバーへのアクセス状況等を監視するとともに、社外からのサイバー攻撃による不正アクセスを監視・防御することで、セキュリティレベルの維持・管理を行っています。また、情報のセキュリティレベルに応じて、当該情報に対するアクセス権限や使用するネットワークなどの分離・独立を実施しています。さらに、データ管理に係る責任者のもと、関係部門が連携し、社内外データの管理・戦略的利活用の方針およびルールを整備するとともに、通信の秘密・個人情報等の取り扱いに関する社内管理体制を強化しています。加えて、国内外で事業を展開する上で必要となる各国の個人情報保護等に関する法令への対応も行っています。対策の実施にあたり、役職員にセキュリティ教育・訓練を徹底し、当社の情報資産に関わる全員が、情報セキュリティリテラシーを持って業務を遂行できる体制の構築や、OA環境および業務用スマートフォンの管理の強化を行っています。これらの取り組みにもかかわらず、当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。 また、当社グループの提供する商品やサービスが詐欺等の犯罪に不正に利用された場合、当社グループの信用および信頼の低下を招く可能性があります。 こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下や、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 c. 情報の流出や不適切な取り扱いおよび当社グループの提供する商品やサービスの不適切な利用について なお、特に主要な関係会社であるLINEヤフー㈱においては、同社が2023年11月27日に公表した不正アクセスの事案に関し、総務省および個人情報保護委員会への報告を行い、行政指導および勧告を踏まえて推進していた再発防止策は、2026年3月末をもって、システム基盤を共有していた関係会社等とのシステム・ネットワークの分離、LINEヤフー㈱の環境における全体的な多要素認証の導入、業務委託先の管理高度化等の主要な技術的・組織的対策の実装を完了し、定常的・継続的な運用フェーズへと移行しています。また、2024年11月に同社が提供するサービスである「LINEアルバム」においてアルバムのサムネイル画像に他の利用者の画像データが紛れ込むという不具合が発生し、2025年3月28日に総務省より行政指導を受けました。同社は、再発防止策を講じるとともに、総務省への報告を完了しています。さらに、LINEヤフー㈱としての組織再編以降、同社およびそのグループ会社においては、グループ全体のデータガバナンスが円滑かつ適切に機能するよう体制を整備し、継続的にその強化に取り組んでいます。一方、昨今のサイバー脅威動向においては、ランサムウェア等による被害が深刻化しており、2025年10月にLINEヤフー㈱の連結子会社であるアスクル㈱において、ランサムウェア攻撃に起因するシステム障害により一部事業活動に影響が生じました。LINEヤフー㈱およびそのグループ会社では、こうした新たな脅威環境とグループ会社において発生した事案を重く受け止め、従来のセキュリティの取り組み全般に加え、ランサムウェア等の攻撃によるシステム停止を想定したデータの保全や、実効性のある復旧手順の検証をはじめとする対策を重点的に推進しています。 しかし、LINEヤフー㈱およびそのグループ会社におけるこれらの取り組みならびに当社によるグループガバナンス上の対応が適切ではない、または十分ではないと判断された場合、当社グループの信用の毀損、当社グループのサービスへの需要の減少等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。d. 国際情勢の不安定化について 当社グループは、通信機器・設備、顧客向け商品や開発資材などを国内外の取引先からも調達しています。これらの調達等に伴う為替変動リスクに対しては、リスクの低減を図るため、必要に応じて為替予約取引を利用しています。また、通信サービスを提供する上では、基地局やネットワーク設備、データセンターなどで多くの電力を使用しています。当社グループは、商品・サービスの提供を安定的に行うため、国際情勢に関する情報収集やサプライヤーの分散化・多様化などによりサプライチェーンの強化に努めています。また、中長期的には環境負荷の少ない通信インフラや次世代電池の実用化に向けた研究開発のほか、政府や業界団体との連携により、電力価格の変動による事業運営への影響を最小限に抑えるよう取り組んでいます。これらの対策にもかかわらず、国際社会における国家間の対立、地域紛争や武力行使等により、世界的な輸送遅延、半導体などの不足、サイバー攻撃などに起因する取引先の事業停滞・停止によるサプライチェーンの分断などが起こった場合には、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原油価格の高騰による輸送費等の増加や、国際情勢の変化による国家の政策や法規制などの変更により、基地局やネットワーク設備などに関する取引先の変更や設備の切り替えのための費用が発生する可能性があります。さらに、継続的に電力価格が上昇する場合や、エネルギー調達に支障が生じて商品・サービスの安定的な供給が困難となる場合には、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、1kWhあたりの電力料金が1円上がった場合の年間影響額は約23億円です(当社および連結子会社における2025年3月期の電気使用量2,286,427MWhに基づいた試算です)。 加えて、米国の第二次トランプ政権の発足後、相互関税やスマートフォン等の電子関連製品に関する分野別課税等、昨今の政策の状況はきわめて不透明です。今後の米国の政策や各国の対応により、端末価格の上昇やそれに伴う消費者の購買意欲の低下による需要の減少、また、サプライチェーンの分断や再編等が発生した場合には、部品の調達遅延やコストの増加を招き、サービスの提供や製品の供給に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 d. 国際情勢の不安定化について また、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」(以下、経済安全保障推進法)に基づき、2023年11月16日付で当社およびLINEヤフー㈱は電気通信事業における特定社会基盤事業者(基幹インフラ事業者)に指定されました。2024年5月17日から本制度の規律が適用されていますが、当社またはLINEヤフー㈱が経済安全保障推進法が定める国による審査に適切に対応できなかった場合、当局からの当社またはLINEヤフー㈱に対する事業の是正や中止の勧告、命令等の行政措置、それに伴う事業の一時停止、遅延、追加の設備投資ならびに追加の対策やコスト、当社グループの信用の毀損が生じる可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。e. 安定的なネットワークの提供について(a) 通信ネットワークの増強について 当社グループは、競争力の維持および顧客基盤の維持・拡大を目的として通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていく方針ですが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強(例えば、必要な周波数の確保を含みますが、これに限りません)を適時に行えなかった場合、サービスの品質および信頼性や企業イメージの低下を招き顧客の維持・獲得に影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの通信サービスの提供はネットワークシステムのパフォーマンスおよび十分な周波数帯の確保に依存しています。将来において、必要な周波数帯を確保できなかった場合、競合他社と比べてサービスの品質が低下し、または計画通りにネットワークを拡大することができなくなり、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。さらに、周波数割当てについてオークション方式が導入されたことにより、従来の行政による割当方式と比べて周波数取得コストが大幅に上昇する場合や、割当ての要件として一定の費用負担を行うことが求められるようになる場合など、多額の資金拠出が必要になる可能性があり、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があるとともに、新規事業者の参入が容易になる可能性があります。(b) 自然災害など予測困難な事情について 当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。近年、南海トラフ地震や首都圏直下型地震の発生確率の高まりや気候変動の進行等から、地震や台風など大型の自然災害の被害を受けるリスクが増加しています。地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害および近年の気候変動に伴うこれら災害の大規模化、火災や停電・電力不足、テロ行為、感染症の世界的な流行などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。当社グループは、こうした事態が発生した場合においても安定した通信環境を確保できるようにネットワークの冗長化、応急復旧体制の構築、ネットワークセンターおよび基地局での停電対策等を導入しているほか、ネットワークセンターやデータセンター等の重要拠点やIT監視体制の拠点を全国に分散することでサービス提供への影響の低減を図る対策を講じています。 もっとも、係る対策はあらゆる障害を回避できるものではなく、実際に各種サービスの提供に支障を来す場合、およびこれらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 f. 他社の買収、業務提携、合弁会社設立、グループ内組織再編等について 当社グループは、戦略を実行していく上で、合弁企業の設立や子会社化を行うなど、他社の買収やその他の株式投資を行う可能性があります。また、当社グループの事業、財政状態および業績にとって戦略的に重要と思われる他の資産を買収する可能性があります。加えて、当社グループの内部においても戦略上の必要に応じて株式や資産の移動を伴う再編を実施する可能性があります。 当社グループは、各投資の実行の検討に際し、必要十分なデュー・ディリジェンスを実施した上で、定められた承認プロセスを経て投資判断を行っていますが、当社グループの投資先会社が見込み通りの業績を上げることができない場合、当社グループが投資時の企業価値算定を過大に見積もっていた場合、または既存事業への新規事業の統合や統合後の内部管理体制の構築が奏功しない場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが将来的な買収や投資のために資金を借り入れた場合、または買収した企業に未払いの負債があることが判明した場合、当社グループの債務負担が増加し、キャッシュ・フローを悪化させ、事業運営資金の不足に陥る可能性があります。これらのリスクの顕在化は当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの業務提携先や合弁先と共同事業を行う場合には、一般的に当局の許認可の取得や、当該業務提携先や合弁先と共同事業の内容についての合意が前提となります。また、当社グループの業務提携先や合弁先に対して当社グループが支配権を有するとは限らず、これらの会社が、当社グループの意向にかかわらず、事業戦略を大幅に変更する可能性があります。さらに、第三者割当増資や当社グループ以外の株主がコールオプションを行使したことによる当社グループの持株比率の低下や、その経営成績や財政状態の大幅な悪化の可能性もあります。これらの場合、当該業務提携、合弁事業などが期待通りの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループ内部における再編を行う場合には、重複する経営資源の効率化、意思決定の迅速化や事業間におけるより大きなシナジーの創出などを目的としています。しかし、期待した再編の効果を十分に発揮できない場合や少数の経営陣に権限が集中する場合、展開するサービスの連携の不調・遅れ、戦略やシナジーへの悪影響、再編に伴う混乱、ガバナンスの不全などの問題が発生することにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 g. 他社経営資源への依存について(a) 業務の委託 当社グループは、提供する各種商品・サービスに係る販売、顧客の維持・獲得、通信ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。 当社グループは、業務委託先を含むサプライヤーの選定時には購買規程に則った評価・選定を行うとともに、新規取引開始時には、当社の「サプライヤー倫理行動規範」を遵守することを盛り込んだ取引基本契約書を締結した上で、取引開始後もサステナビリティ調達調査を通じたリスクアセスメントの実施、サプライヤー評価および課題の抽出、サプライヤーへのヒアリング実施などPDCAサイクルの構築によって、サプライチェーン上のリスクの低減に努めています。しかし、これらの対策にもかかわらず、業務委託先(役職員や関係者を含みます)が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合や、顧客に関する情報の不正取得や人権侵害等に関連する問題を起こした場合、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 また、上述のような事象により当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の維持・獲得に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。(b) 他社設備などの利用 当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。当社グループでは、原則として、複数の事業者の通信回線設備などを利用していく方針を採用していますが、今後、複数の事業者の当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられるなど利用契約が当社グループにとって不利な内容に変更された場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。(c) 各種機器の調達 当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません)を調達しています。当社グループでは、原則として複数のサプライヤーから機器を調達してネットワークを構築していく方針を採用していますが、それでもなお特定のサプライヤーへの依存度が高い機器が残ることも予想されます。特定のサプライヤーへの依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生しサプライヤーや機器の切り替えが適時に多額のコストを要さずに行うことができない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性やサプライヤーの変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、各種機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 h. 「ソフトバンク」ブランドの使用および侵害について 当社は、2018年3月にソフトバンクグループ㈱との間で締結した契約に基づき、ライセンス料一括支払いにより、同年3月31日から原則無期限の「ソフトバンク」ブランド使用権および再許諾権の付与を受けています。当社は、当該契約に基づき、「ソフトバンク」ブランドを社名、社標、商標およびドメインネームとして使用するとともに、当社の子会社に対して当該使用を再許諾(サブライセンス)することができます。なお、移動体通信における通信サービスおよび携帯端末などに関する商標使用については、専用的使用が認められています。 当社グループは、「ソフトバンク」ブランドのイメージの維持・向上を図り、顧客からの信頼を守るため、各種ブランド保護施策を推進しています。しかし、当社または再許諾を受けた当社の子会社が、当該契約への違反を一定期間継続した場合やソフトバンクグループ㈱の信用または利益を害する行為をした場合などには、ソフトバンクグループ㈱は、当該契約を解約することができます。これにより当社は「ソフトバンク」ブランドの使用および再許諾を継続できなくなり、関連して資産計上している商標利用権の減損損失が発生する可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱が保有している「ソフトバンク」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害された場合には、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。i. 関連システムの障害などによるサービスの中断・品質低下について 当社グループでは、通信ネットワークや顧客向けのシステム、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」、「PayPay」をはじめとする各種サービスを提供しています。これらのサービスにおいて人為的なミスや設備・システム上の問題、第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。当社グループは、提供サービスに応じた責任者(CTO、チーフ・ネットワーク・オフィサー(CNO)、およびチーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO)など)を設置しており、それらの者が主導し、ネットワークを冗長化するとともに、障害やその他事故が発生した場合に備え、復旧手順を明確にしています。また、障害やその他事故が発生した場合、規模に応じて事故対策本部を設置するなど、適切な体制を構築して復旧にあたっています。これらの対策にもかかわらず、サービスの中断や品質低下を回避できず、サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。j. 人材の育成・確保について 当社グループは、技術革新に即応できる人材の育成・確保が重要であるとの考えから、人材育成に注力していますが、期待通りの効果が出るまで一定の期間を要することがあります。また、人材の育成・確保のための人材投資コストが将来的に増加する可能性があります。当社グループでは、チーフ・ヒューマン・リソーシズ・オフィサー(CHRO)および人事部門長などの責任者が主導し、高市場価値の人材に対し、その専門性の高さを踏まえた報酬制度を導入することで人材の確保を図っています。加えて、各社員の職場への適応状況や今後のキャリアについての定期的な面談や調査等の実施により、事業の持続的な成長を支える優秀な人材の定着を図っています。これらの取り組みにもかかわらず、事業運営に必要な技術者等の人材を予定通り確保できない場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループはダイバーシティの推進に力を入れており、多様な人材が活躍できる環境整備や社内周知の徹底、研修実施等に取り組んでいますが、多様性を認め合い、生かすことに関する社会的要求に応えられなかった場合、当社グループの信頼性や企業イメージの低下、人材を予定通りに確保できないことなどにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 k. 気候変動について 当社グループは、基地局設備をはじめとして多くの電力を使用する通信事業を営んでいることから、気候変動への対応が不可欠と捉えています。そのため、当社グループでは、気候変動への取り組みをマテリアリティ(重要課題)の1つと認識し、温室効果ガス排出量をサプライチェーン全体で実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現に向けて、当社グループの事業活動で使用する電力などによる温室効果ガスの排出量(注1)を2030年度までに実質ゼロにするカーボンニュートラル目標を設定し、2050年度までに取引先などで排出される温室効果ガスの排出量(注2)も含めたサプライチェーン排出量を実質ゼロとすることに取り組んでいます。また、「ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標」のフレームワークに沿って、積極的な情報開示とその充実に努めています。これら評価結果や温室効果ガス排出量等の環境負荷データについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方および取組 (3) 気候変動 c.戦略」および「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方および取組 (3) 気候変動 d.指標と目標」に記載しています。 これらの対策にもかかわらず、気候変動の進行に伴い、自然災害による甚大な被害が発生した場合や、脱炭素化社会の実現に向けた新たな法令・規制の導入や強化がなされた場合等には、当社グループの所有する通信ネットワークや情報システム設備に係る費用の負担が増加するなど、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注1) スコープ1(自らによる温室効果ガスの直接排出)とスコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)(注2) スコープ3(事業者の活動に関連する他社の排出) (2) 法令・コンプライアンスに関するリスクa. 法令・規制・制度などについて 当社グループは、電気通信、金融、電力、デジタルプラットフォーム、AIなどの事業固有の法令はもとより、企業活動に関わる各種法令・規制・制度(環境、公正な競争・取引の透明性、消費者保護、個人情報・プライバシー保護、贈収賄禁止、労務、知的財産権、租税、為替、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません)の規制を受けています。また、事業を営むために必要な許認可等の多くには、さまざまな条件が付されることがあり、その遵守が求められます。 当社グループ(役職員を含みます)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政指導や行政処分(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。 当社グループは、法務部門主導で、各種法令および法令に基づくガイドラインの改正のモニタリングを行うとともに、改正がある場合には必要に応じて業務の運用方法の変更などの対策を講じているほか、必要に応じて弁護士等の外部専門家への相談を行っていますが、すべての違反行為を未然に防ぐことは困難な場合があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭を含む経営資源に係る負担の発生等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当連結会計年度末現在において、これらの免許および登録の取消事由および更新拒否事由は存在していません。 また、当社は、各子会社・関連会社からの報告体制の整備やコミュニケーション強化、リスクアセスメント等による子会社・関連会社のリスク把握に努めていますが、不正等を未然に防止することができなかった場合には、当社グループの信用の毀損、当社グループのサービスへの需要の減少等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、将来、当社グループの事業に不利な影響を与え得る法令・規制・制度の導入や改正が実施される可能性があります。当社が事業基盤としている移動通信事業は、無線周波数の割当てを行政機関より受けていること、AIなど新技術に関する事業は新たな法令・規制・制度の導入が行われる可能性があることから、法令・規制・制度の変化による直接的・間接的な影響を受けやすい事業です。今後、当社グループの事業に不利な影響を与え得る法令・規制・制度が導入されるかどうか、および、その導入による当社グループ事業への影響を正確に予測することは困難ですが、仮に導入された場合には、当社グループが顧客に提供できる商品・サービスおよび料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加が起きることにより、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。b. 訴訟などについて 当社グループは、事業活動を行うにあたり、適用のある法令・規則・制度や契約書等に記載されている契約条件を確認し、これに違反することのないよう十分留意していますが、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます)および従業員等を含む第三者の権利(知的財産権を含みます)および法的に保護されている利益を侵害した場合、権利侵害の差止め、損害賠償、対価等の請求を受ける、または行政機関による調査等の対象となる可能性があります。その結果、当社グループの企業イメージが低下する可能性があるほか、商品・サービスおよび事業上の慣行について変更を余儀なくされたり、金銭を含む経営資源に係る負担の発生等により、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 財務・経理に関するリスクa. 資金調達について 当社グループは、銀行借入や社債発行、債権流動化、リース等による資金調達を行っています。よって、金利が上昇した場合、または当社および子会社の信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社グループは長期有利子負債の9割程度について固定金利での借り入れを行っており、金利上昇による支払利息への短期的な影響を一定程度抑制しています(注)。また、当社グループでは、財務部門長が主導し、資金調達手段(銀行借入や社債発行、債権流動化による借入、リースを含みますが、これらに限りません)の多様化等を通じて十分な資金および融資枠を保持する財務基盤を構築するとともに、手元流動性を考慮しつつ、資金調達のコントロールを行っていますが、金融市場の環境によっては、資金調達が当社グループの想定通り行えず、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの金融機関からの借入に際しては財務制限条項が付帯されています。内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 23.有利子負債」をご参照ください。 当社グループでは、財務制限条項に抵触しないよう、財務部門において各事業部門の事業計画を横断的にモニタリングするとともに、債務保証や貸付等の財務制限条項に抵触する可能性のある取引の実行は、財務部門の事前の承認があることを前提条件としています。これらの対応策にもかかわらず、財務制限条項を遵守することができない場合、当社グループは期限の利益を失い、借入金の一部または全額の返済を求められ、または新規借入が制限される可能性があります。 (注) 長期有利子負債は、短期借入金およびIFRS第16号「リース」適用による影響を除いた有利子負債(銀行ローン・社債・リース負債・債権流動化)を指します。固定金利での借り入れは、固定金利および金利スワップ取引等により支払利息の固定化を行った一部の変動金利の借入金を含みます。b. 会計制度・税制の変更などについて 当社グループでは、研修などを通じて従業員に会計制度や税制の変更などについて周知徹底するとともに、必要に応じて会計士・税理士等の外部専門家への相談を行っていますが、会計基準や税制が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。c. 減損損失について 当社グループは、事業を遂行する過程で、資金をさまざまな資産に投資します。その結果、例えば、通信ネットワークの構築に必要な無線設備、交換機、鉄塔、アンテナ、その他ネットワーク機器、建物、備品などの有形固定資産や、ソフトウエア、商標利用権、周波数関連費用、のれんなどの無形資産、他社との業務提携や合弁会社設立にあたり出資した関連会社株式等の金融資産を含む資産を保有しています。 当社グループではこれらの資産につき定期的にモニタリングする体制を構築し、IFRSに基づき、適切に減損の判定を実施していますが、その結果、投資金額を回収するのに十分な将来の経済的便益が見込めないと判断した場合には、減損損失が発生し、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該判断には当社グループによる見積りの要素が大きく、また減損損失の発生時期および金額を正確に予測することはできません。 (4) 上記以外に、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項a. 経営陣について 当社グループの重要な経営陣に不測の事態が発生した場合に備え、他の役員による職務の代行が可能な体制を構築していますが、代行が十分に機能しない場合、当社グループの事業に支障が生じる可能性があります。 b. 親会社との関係について(a) 親会社が株主総会の決議事項に関する支配権または重大な影響力を有することについて 当社の親会社であるソフトバンクグループ㈱は、当連結会計年度末において、当社の議決権のうち40.1%をソフトバンクグループジャパン㈱を介して実質保有しています。ソフトバンクグループ㈱の当社株式の所有割合および当社に対する議決権保有割合は、当社による自己株式の取得や新株予約権の保有者による行使などの状況により変動しますが、ソフトバンクグループ㈱は、株主総会の特別決議を要する事項(例えば、吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません)および普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません)に関して、その時々の議決権保有割合に応じて特別決議を要する事項についての拒否権を含む重大な影響力を有することになります。当社は、独立性を確保するため、取締役会の構成において社外取締役が過半数を占める体制としています。また、独立社外取締役およびCEOで構成され独立社外取締役が議長を務める指名委員会および報酬委員会の2つの委員会を任意に設けることで、コーポレート・ガバナンスの更なる強化を図っています。しかし、それでもなお株主総会の承認を必要とする事項に関し、ソフトバンクグループ㈱が影響を及ぼす可能性があります。なお、事前承認事項等はありません。 また、ソフトバンクグループ㈱との良好な関係は当社グループの事業の核であり、何らかの理由により関係が現実に悪化した場合または悪化したと受け取られた場合には、当社グループの事業、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社とソフトバンクグループ㈱との間の主な関係等についての詳細は、下記「(b)役員の兼任について」から「(e)ソフトバンクグループとの取引関係について」に記載の通りです。(b) 役員の兼任について 当社の取締役のうち、孫正義氏がソフトバンクグループ㈱の役員を兼任しています。孫氏は、親会社であるソフトバンクグループ㈱の代表取締役会長 兼 社長執行役員を兼任しています。これは、孫氏がソフトバンクグループを率いてきた豊富な実績と経験が、当社取締役会の機能強化に資すると考えているためです。 また、当社の監査役のうち、君和田和子氏はソフトバンクグループ㈱の常務執行役員を兼任しています。これは当社の監査体制強化を目的とするものです。(c) 従業員の出向および兼任について ソフトバンクグループでは、業務の効率性、事業上の必要性、人材育成および各職員の将来像を踏まえたキャリアパス形成の観点から、積極的なグループ内での人材交流が行われており、当社においてもソフトバンクグループ㈱を含めたグループ内他社から出向社員を受け入れています。 ただし、この場合には業務分掌を受けた組織体の責任者であるライン長(各組織体における組織長)以上については、親会社からの独立性および経営の安定性の観点から、グループ内他社との兼務はしない方針です。また、ソフトバンクグループ㈱との間の出向については、当社の事業上必要と判断するものを除きライン長以外の社員の兼務も解消しています。 当社からソフトバンクグループ㈱を含めたグループ内他社への出向については、当社の事業上必要と判断するもののみ実施しており、その範囲において、今後も継続する方針です。 b. 親会社との関係について(d) ソフトバンクグループ内の他社との競合について 現在当社グループの方針決定および事業展開の決定については、当社グループ独自に決定しており、また、ソフトバンクグループ内の他社との競合関係はありません。しかし、ソフトバンクグループ㈱およびその子会社は世界中でさまざまな事業の運営に関わっており、また、新たな事業や投資の検討を日々行っていることから、今後、当社グループは投資機会の追求にあたりグループ内他社と競合する可能性があります。当社グループとしては、それらの会社との連携を検討するなどの対応を行っていきますが、当社グループの事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。(e) ソフトバンクグループとの取引関係について 当社グループは、ソフトバンクグループ内の各社と取引を行っています。 当社は、独立性の観点を踏まえ、ソフトバンクグループ㈱も含めた関連当事者との取引について「関連当事者規程」および「関連当事者取引管理マニュアル」を定めており、特に重要な取引については、これらの規程やマニュアルに基づき、その取引が当社グループの経営上合理的なものであるか、取引条件が外部取引と比較して適正であるかなどの観点から、都度取締役会の承認を得ることとしています。

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