9509

北海道電力(9509)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気・ガス業 電気・ガス

事業の概要

  • 発電・小売電気事業
    北海道電力は、自社で電気を作り(発電)、それを家庭や企業に販売する(小売電気事業)のが主なビジネスです。電気を作る方法には、火力発電や原子力発電、再生可能エネルギーなど多様な手段があります。この事業を通じて、北海道地域の電力供給を支え、収益を得ています。
  • 送配電事業
    子会社の北海道電力ネットワークは、発電所で作られた電気を、電線や変電所を使って各家庭や工場に届ける「一般送配電事業」を担っています。これは、電気を安定的に供給するために欠かせないインフラ事業であり、離島での発電事業も行い、地域の生活を支えています。
  • 多角的な事業展開
    ほくでんグループ全体では、電力事業だけでなく、情報通信、土木建築、設備工事など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、電力事業で培った技術やノウハウを活かし、グループ全体の収益基盤を強化し、安定した経営を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 電力事業
    北海道電力の主要事業であり、発電した電力を顧客に販売することで収益を得ています。売上高は7302.09億円とグループ内で最も大きく、電力小売りの自由化が進む中でも、安定した電力供給と顧客基盤を維持しています。
  • 送配電事業
    子会社の北海道電力ネットワークが担う事業で、発電所から各家庭や企業へ電気を届ける役割を担っています。売上高は1311.26億円であり、電力の安定供給を支える重要なインフラ事業として、グループの基盤を支えています。
  • その他事業
    ほくでんグループは、電力事業以外にも情報通信、土木建築、設備工事など多岐にわたる事業を展開しています。これらの事業は、電力事業で培った技術やノウハウを活かし、グループ全体の収益源の多様化と安定化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
HokkaidoElectricPowerReportableSegment 事業 7,302 − −
HokkaidoElectricPowerNetworkReportableSegment 事業 1,311 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|596 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社は、当社、子会社16社及び関連会社12社により構成されている。 当社は、発電・小売電気事業等を営んでおり、また、子会社である北海道電力ネットワーク㈱は、一般送配電事業、離島における発電事業等を営んでいる。その他の関係会社は、発電、一般送配電、小売に関する事業、及び情報通信等の事業を営んでいる。以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりである。 [事業系統図] (注)1 (同)ゆうにじは、 2025年11月21日に設立したことに伴い、新たに連結子会社とした。 2 ㈱ほくでん寅福ファームは、2025年8月18日に設立したことに伴い、新たに関連会社とした。3 石狩湾新港洋上風力(同)は、2025年9月10日に設立したことに伴い、新たに持分法適用関連会社とした。 上記の関係会社のうち、ほくでんグループは出資、人事及び取引等の関係から、グループ本社である北海道電力㈱と特に密接な関係にある会社で、本社がグループ会社として指定する以下の会社(13社)で構成される。 北海道電力ネットワーク㈱、㈱北海電工、北電興業㈱、北電総合設計㈱、北海道パワーエンジニアリング㈱、苫東コールセンター㈱、ほくでんエコエナジー㈱、ほくでんサービス㈱、北海道総合通信網㈱、ほくでん情報テクノロジー㈱、㈱ほくでんアソシエ、石狩LNG桟橋㈱、北海道レコードマネジメント㈱

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
燃料費調整制度や燃料費等調整制度により、価格変動を顧客に転嫁できるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
電気事業は国の制度変更や新規制基準への適合性審査など、規制の影響を強く受ける。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原子力発電所の停止長期化による燃料費増大 / 設備障害・供給支障による費用増加 / 電気事業を取り巻く制度変更
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

北海道電力は、地域独占的な電力供給事業を営んでおり、国や自治体からの許認可に依存している。しかし、ブランド力や特許による明確な競争優位性は限定的であり、規制緩和や新規参入のリスクも存在する。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

電力自由化が進んでいるものの、家庭や中小企業が電力会社を切り替える際の心理的・手続き的ハードルは依然として存在する。特に、インフラへのアクセスや信頼性から、既存の電力会社からの乗り換えは限定的であると考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

電力供給事業には、ユーザーが増えることでサービスの価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

北海道電力は、地域特性(広大な土地、冬季の厳しい寒さ)に対応した発電・送電インフラを保有している。しかし、燃料価格の変動や再生可能エネルギー導入コストなど、コスト構造の優位性は限定的であり、他社とのコスト競争力は高くない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

北海道電力は、北海道という広大な地域における電力供給のインフラを独占的に保有・運営しており、その規模は地域内で最適化されている。しかし、全国的な電力市場においては、より大規模な電力会社と比較して効率規模の優位性は限定的である。

  • 地域に根差した電力供給
    北海道電力は、北海道という広大な地域に特化して電力供給を行っており、地域の特性やニーズに合わせたサービス提供が可能です。長年にわたる電力供給の実績と信頼は、地域社会における強固な基盤となっています。
  • 多様な電源構成と安定供給
    原子力発電所である泊発電所の再稼働を目指すとともに、再生可能エネルギーの導入拡大やLNG火力発電所の新設を進めています。これにより、特定の燃料価格変動リスクを分散し、安定した電力供給体制を構築することで、競争優位性を確保しています。
  • グループシナジーの活用
    北海道電力グループは、発電、送配電、小売だけでなく、情報通信や設備工事など多様な事業を展開する子会社・関連会社で構成されています。これにより、グループ内で技術やノウハウを共有し、効率的な事業運営や新たな価値創造を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • GX実現への挑戦
    北海道の発展に貢献するため、カーボンニュートラル(GX)の実現を経営テーマに掲げています。泊発電所の再稼働、再生可能エネルギーの導入拡大、火力発電の脱炭素化を進め、2030年度に46%削減、2035年度に60%削減の排出量目標達成を目指します。
  • 新たな価値創造
    デジタル産業の北海道への立地など、変化する経営環境を捉え、新たな事業機会を創出することを目指しています。エネルギー分野に留まらず、多様な商品やサービスを一体的に提供するインタラクションサービスなどを通じて、持続的な成長を図ります。
  • 経営基盤の強化
    事業ポートフォリオの最適化、投下資本利益率(ROIC)の拡大、キャッシュの最適配分、成長投資を通じて、持続的な企業価値向上を目指します。特に次世代エネルギー投資にも積極的に取り組み、2035年に向けた経営目標達成を追求します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】2025年度のわが国経済は、米国の通商政策等の影響を受け、企業収支の改善に足踏みがみられたが、個人消費に持ち直しの動きがみられる等、緩やかに回復した。北海道経済については、物価上昇の影響から個人消費等に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直した。当社においては、卸電力市場価格が低位で推移し厳しい競争環境にあったことに加え、労務費・物価の上昇が進む等、事業環境は厳しさを増した。このような状況のもと、2025年3月に策定した「ほくでんグループ経営ビジョン2035」で掲げた経営目標の達成に向け、泊発電所の再稼働や新たなエネルギーサプライチェーンの構築に向けた取り組みを進めるとともに、カイゼンやDX(デジタルトランスフォーメーション)及び資機材調達の工夫等を通じた効率化・コスト低減を図ってきた。 [ほくでんグループ経営ビジョン2035](1) ほくでんグループの経営テーマほくでんグループが事業基盤とする北海道では、人口減少や少子高齢化による地域活力の低下等の社会課題がある一方で、次世代半導体工場やデータセンターといったGX※産業立地が着実に進展しており、減少傾向であった電力需要が反転し、中長期的には大きく増加していく見通しとなっている。2025年3月に策定した「ほくでんグループ経営ビジョン2035」では、北海道の持つポテンシャルを活かしながらほくでんグループが地域の発展に貢献し、力強く成長していく姿を示しており、経営テーマとして掲げた「北海道の発展に向けたGX実現への挑戦」「新たな価値創造に向けた挑戦」「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」に着実に取り組むことで、ほくでんグループの事業成長と北海道の発展の両立を目指している。※ GX(グリーントランスフォーメーション):カーボンニュートラルの実現に向けた対応を成長の機会と捉え国際的な産業競争力を高めていくために、経済社会システム全体を変革させることを目指すもの。 < 2035年に向けたほくでんグループの経営テーマ > (2) 経営目標の進捗状況経営目標に対する2025年度実績は以下のとおり。引き続き、泊3号機再稼働前、2030年度、2035年度の各時点における目標の達成を目指していく。 ※1 未確定の諸元があるため、速報値を記載。※2 泊発電所再稼働に伴う料金値下げを考慮。 [2026年度の取り組み事項](1)北海道の発展に向けたGX実現への挑戦①泊発電所の再稼働とさらなる安全性向上に向けた取り組み原子力発電は、燃料供給の安定性や長期的な価格安定性、発電時にCO2を排出しない等の特長があり、電力の安定供給の確保とカーボンニュートラルの実現を支える重要な電源である。泊発電所3号機については、2027年のできるだけ早期の再稼働に向け、設計及び工事の計画の認可や保安規定変更認可の審査、使用前事業者検査、防潮堤等の安全対策工事に総力を挙げて取り組んでいく。また、再稼働後には、再稼働に伴う費用の低減効果を反映したうえで、カイゼンやDXの推進等の経営効率化のさらなる深掘りによる費用の削減効果を最大限織り込み、電気料金の値下げを実施する。福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないという強い決意のもと、これまでの安全対策にとどまることなく、重大事故リスクの一層の低減に取り組んでいる。「世界最高水準の安全性」を目指し、継続的に技術力の維持・向上を図るとともに、さまざまな機会を捉えて安全性向上の取り組みについて分かりやすくお伝えし、みなさまから信頼いただけるよう努めていく。 ②再生可能エネルギー電源の導入拡大に向けた取り組み再生可能エネルギー(再エネ)電源については、「2035年度までに300万kW以上の増(開発規模ベース)」という目標を掲げている。目標の達成に向けて、新規地点の開発や出資参画、水力発電所のリプレース等を着実に進めていく。 ③火力発電の脱炭素化に向けた取り組み中長期的な北海道エリアの電力需要増加を見据えた供給力の確保のため、LNG火力発電所である石狩湾新港発電所2号機及び3号機(計画出力:各58万kW、運転開始予定:2号機は2030年度、3号機は2033年度)の運転開始に向けて着実に取り組んでいく。また、次期LNG火力発電所の設置についても、発電出力等の詳細な検討を進めていく。さらに、火力発電所については、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアや水素等の脱炭素燃料への転換やCCUS※の導入による脱炭素化を目指していく。石炭を燃料とする苫東厚真発電所4号機では、アンモニアへの燃料転換やCCUS技術の活用等による脱炭素化を進めることとしており、燃料転換については、2030年度に燃料の20%(熱量比)をアンモニアに転換し、その後、段階的に拡大していく計画としている。LNGを燃料とする石狩湾新港発電所2号機及び3号機においては、水素への燃料転換を進めていく。※ CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・有効活用・貯留)の略。 ④新たなエネルギーサプライチェーン構築に向けた取り組み北海道では、最終エネルギー消費に占める石油・石炭の比率が高く、カーボンニュートラルの実現に向けては、電力やガスへのエネルギー転換により低炭素化・脱炭素化を進めていく必要がある。加えて、北海道では、将来的なエネルギー需要の大幅な増加が見込まれている。当社は、泊発電所の再稼働や再エネの導入拡大、電化の推進に加え、ガス事業への本格的な参入、次期LNG電源・LNG基地の整備、水素・アンモニア・e-メタン※といった次世代エネルギーやCCUSの社会実装に向けた取り組みを進め、苫小牧・厚真地域を起点とした新たなエネルギーサプライチェーンを構築し、多様な脱炭素ソリューションを提供することで、2050年の北海道のカーボンニュートラル実現に貢献していく。※ e-メタン:脱炭素製造された水素とCO2を原料として製造するメタン。 ⑤送配電事業における取り組み北海道電力ネットワーク㈱※では、北海道の豊富な再エネポテンシャルの最大限の活用に向け、新たな技術・知見をもとに北海道の電力系統における安定供給の確保と再エネの導入拡大の両立に努めている。再エネのさらなる導入拡大による脱炭素化、大規模・長時間停電を回避するためのレジリエンス強化を図るとともに、大規模需要の進出等に適切に対応するため、中長期を見据えた次世代型電力ネットワークの構築に向けた取り組みを進めていく。自然災害が激甚化する中においても、大規模災害を想定した訓練の実施や停電予防等の取り組みを通じて、ほくでんグループ一体となって電力インフラのレジリエンス強化を含めた安定供給に努めている。※ 送配電事業は、2020年4月以降、中立性を高める観点から100%子会社である北海道電力ネットワーク㈱が実施。 (2)新たな価値創造に向けた挑戦①お客さまの幅広いニーズに応えるソリューション・サービスの提供ESP(エネルギーサービスプロバイダ)事業によるエネルギー利用の最適化や再エネの活用等、お客さまの幅広いニーズに応えるソリューションを提供している。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を満たす住宅に、高効率ヒートポンプシステムを導入した「スマートエネルギー住宅」の普及促進等を通じ、お客さまの省エネやCO2排出量の削減に貢献していく。 ②快適・あんしんな暮らしにつながる多様なサービスの提供当社が提供するウェブサービス「ほくでんエネモール」を起点とした、お客さまや地域とのコミュニケーションを通じて、お困りごとや社会課題の解決等につながるサービスラインアップの拡充を進めている。そのサービスとして、光回線インターネットサービス「ほくでん光」や住まい修理サポート、ヘルスケア関連サービスの提供、ECサイト「きらめくストア」の運営等を行っている。 ③事業共創の取り組み北海道の持続的な発展に貢献するため、北海道が有する強み・ポテンシャルや地域社会が抱える課題を把握するとともに、そこから事業機会を見出し、農林水産業、観光・食、福祉等のさまざまな分野において共創の取り組みを進めることで新たな価値を創出していく。 (3)持続的な成長に向けた経営基盤の強化①カイゼン・DXの推進による事業変革ほくでんグループはカイゼンやDXの推進を通じて、従来の枠組みにとらわれず業務や価値観を変革し、生産性や付加価値の向上、持続的な成長を目指していく。 ②人的資本経営の推進ほくでんグループの持続的な成長を支える原動力は「人」であるとの認識のもと、従業員一人ひとりが働きがいを感じ、一層成長し活躍できるよう、「ほくでんグループ人材戦略」に基づき、人材育成や環境整備を進めていく。事業変革や持続的な成長には、多様な視点や価値観が重要であるとの認識のもと、性別等にとらわれず多様な人材が、能力を十分に発揮するための取り組みを進めている。女性の活躍推進に向けては、女性管理職・管理職候補者のキャリア形成意識の醸成を目的とした社内セミナーや他社・他業種との懇談会等を実施している。また、従業員が活き活きと働ける環境をつくることを経営の柱として推進する「健康経営」に取り組んでいる。 ③地域・社会に関する取り組みほくでんグループは、経営環境が絶えず変化する中においても地域のみなさまとともに発展していけるよう、地域社会に根差した取り組みを通じて、地域との結びつきを強めている。北海道で生まれ育った若き“どさんこアスリート”の挑戦を応援するどさんこアスリートRISEプロジェクトや植樹活動、SDGs教育支援等に取り組んでいる。 ④コンプライアンス・リスク管理の徹底透明・公正な事業活動を確実に継続していくため、コンプライアンスを徹底する組織風土を醸成するとともに、内外の環境変化を踏まえて、事業に関わるリスクを的確に認識し、リスク管理の徹底に努めていく。2025年7月、当社及び北海道電力ネットワーク㈱は、非公開情報を含む資料を当社従業員が所持・閲覧し、発電事業の業務において利用した事案に関し、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会より業務改善勧告を受けた。当社及び北海道電力ネットワーク㈱では、本事案を重く受け止めており、同様の事案を二度と起こさないという強い決意のもと、再発防止に取り組んでいる。引き続き、再発させないという意識を強く持ち、取り組みを進めていく。 なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであるが、将来に関する事項については、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において判断したものである。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】2025年度のわが国経済は、米国の通商政策等の影響を受け、企業収支の改善に足踏みがみられたが、個人消費に持ち直しの動きがみられる等、緩やかに回復した。北海道経済については、物価上昇の影響から個人消費等に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直した。当社においては、卸電力市場価格が低位で推移し厳しい競争環境にあったことに加え、労務費・物価の上昇が進む等、事業環境は厳しさを増した。このような状況のもと、2025年3月に策定した「ほくでんグループ経営ビジョン2035」で掲げた経営目標の達成に向け、泊発電所の再稼働や新たなエネルギーサプライチェーンの構築に向けた取り組みを進めるとともに、カイゼンやDX(デジタルトランスフォーメーション)及び資機材調達の工夫等を通じた効率化・コスト低減を図ってきた。 [ほくでんグループ経営ビジョン2035](1) ほくでんグループの経営テーマほくでんグループが事業基盤とする北海道では、人口減少や少子高齢化による地域活力の低下等の社会課題がある一方で、次世代半導体工場やデータセンターといったGX※産業立地が着実に進展しており、減少傾向であった電力需要が反転し、中長期的には大きく増加していく見通しとなっている。2025年3月に策定した「ほくでんグループ経営ビジョン2035」では、北海道の持つポテンシャルを活かしながらほくでんグループが地域の発展に貢献し、力強く成長していく姿を示しており、経営テーマとして掲げた「北海道の発展に向けたGX実現への挑戦」「新たな価値創造に向けた挑戦」「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」に着実に取り組むことで、ほくでんグループの事業成長と北海道の発展の両立を目指している。※ GX(グリーントランスフォーメーション):カーボンニュートラルの実現に向けた対応を成長の機会と捉え国際的な産業競争力を高めていくために、経済社会システム全体を変革させることを目指すもの。 < 2035年に向けたほくでんグループの経営テーマ > (2) 経営目標の進捗状況経営目標に対する2025年度実績は以下のとおり。引き続き、泊3号機再稼働前、2030年度、2035年度の各時点における目標の達成を目指していく。 ※1 未確定の諸元があるため、速報値を記載。※2 泊発電所再稼働に伴う料金値下げを考慮。 [2026年度の取り組み事項](1)北海道の発展に向けたGX実現への挑戦①泊発電所の再稼働とさらなる安全性向上に向けた取り組み原子力発電は、燃料供給の安定性や長期的な価格安定性、発電時にCO2を排出しない等の特長があり、電力の安定供給の確保とカーボンニュートラルの実現を支える重要な電源である。泊発電所3号機については、2027年のできるだけ早期の再稼働に向け、設計及び工事の計画の認可や保安規定変更認可の審査、使用前事業者検査、防潮堤等の安全対策工事に総力を挙げて取り組んでいく。また、再稼働後には、再稼働に伴う費用の低減効果を反映したうえで、カイゼンやDXの推進等の経営効率化のさらなる深掘りによる費用の削減効果を最大限織り込み、電気料金の値下げを実施する。福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないという強い決意のもと、これまでの安全対策にとどまることなく、重大事故リスクの一層の低減に取り組んでいる。「世界最高水準の安全性」を目指し、継続的に技術力の維持・向上を図るとともに、さまざまな機会を捉えて安全性向上の取り組みについて分かりやすくお伝えし、みなさまから信頼いただけるよう努めていく。 ②再生可能エネルギー電源の導入拡大に向けた取り組み再生可能エネルギー(再エネ)電源については、「2035年度までに300万kW以上の増(開発規模ベース)」という目標を掲げている。目標の達成に向けて、新規地点の開発や出資参画、水力発電所のリプレース等を着実に進めていく。 ③火力発電の脱炭素化に向けた取り組み中長期的な北海道エリアの電力需要増加を見据えた供給力の確保のため、LNG火力発電所である石狩湾新港発電所2号機及び3号機(計画出力:各58万kW、運転開始予定:2号機は2030年度、3号機は2033年度)の運転開始に向けて着実に取り組んでいく。また、次期LNG火力発電所の設置についても、発電出力等の詳細な検討を進めていく。さらに、火力発電所については、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアや水素等の脱炭素燃料への転換やCCUS※の導入による脱炭素化を目指していく。石炭を燃料とする苫東厚真発電所4号機では、アンモニアへの燃料転換やCCUS技術の活用等による脱炭素化を進めることとしており、燃料転換については、2030年度に燃料の20%(熱量比)をアンモニアに転換し、その後、段階的に拡大していく計画としている。LNGを燃料とする石狩湾新港発電所2号機及び3号機においては、水素への燃料転換を進めていく。※ CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・有効活用・貯留)の略。 ④新たなエネルギーサプライチェーン構築に向けた取り組み北海道では、最終エネルギー消費に占める石油・石炭の比率が高く、カーボンニュートラルの実現に向けては、電力やガスへのエネルギー転換により低炭素化・脱炭素化を進めていく必要がある。加えて、北海道では、将来的なエネルギー需要の大幅な増加が見込まれている。当社は、泊発電所の再稼働や再エネの導入拡大、電化の推進に加え、ガス事業への本格的な参入、次期LNG電源・LNG基地の整備、水素・アンモニア・e-メタン※といった次世代エネルギーやCCUSの社会実装に向けた取り組みを進め、苫小牧・厚真地域を起点とした新たなエネルギーサプライチェーンを構築し、多様な脱炭素ソリューションを提供することで、2050年の北海道のカーボンニュートラル実現に貢献していく。※ e-メタン:脱炭素製造された水素とCO2を原料として製造するメタン。 ⑤送配電事業における取り組み北海道電力ネットワーク㈱※では、北海道の豊富な再エネポテンシャルの最大限の活用に向け、新たな技術・知見をもとに北海道の電力系統における安定供給の確保と再エネの導入拡大の両立に努めている。再エネのさらなる導入拡大による脱炭素化、大規模・長時間停電を回避するためのレジリエンス強化を図るとともに、大規模需要の進出等に適切に対応するため、中長期を見据えた次世代型電力ネットワークの構築に向けた取り組みを進めていく。自然災害が激甚化する中においても、大規模災害を想定した訓練の実施や停電予防等の取り組みを通じて、ほくでんグループ一体となって電力インフラのレジリエンス強化を含めた安定供給に努めている。※ 送配電事業は、2020年4月以降、中立性を高める観点から100%子会社である北海道電力ネットワーク㈱が実施。 (2)新たな価値創造に向けた挑戦①お客さまの幅広いニーズに応えるソリューション・サービスの提供ESP(エネルギーサービスプロバイダ)事業によるエネルギー利用の最適化や再エネの活用等、お客さまの幅広いニーズに応えるソリューションを提供している。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を満たす住宅に、高効率ヒートポンプシステムを導入した「スマートエネルギー住宅」の普及促進等を通じ、お客さまの省エネやCO2排出量の削減に貢献していく。 ②快適・あんしんな暮らしにつながる多様なサービスの提供当社が提供するウェブサービス「ほくでんエネモール」を起点とした、お客さまや地域とのコミュニケーションを通じて、お困りごとや社会課題の解決等につながるサービスラインアップの拡充を進めている。そのサービスとして、光回線インターネットサービス「ほくでん光」や住まい修理サポート、ヘルスケア関連サービスの提供、ECサイト「きらめくストア」の運営等を行っている。 ③事業共創の取り組み北海道の持続的な発展に貢献するため、北海道が有する強み・ポテンシャルや地域社会が抱える課題を把握するとともに、そこから事業機会を見出し、農林水産業、観光・食、福祉等のさまざまな分野において共創の取り組みを進めることで新たな価値を創出していく。 (3)持続的な成長に向けた経営基盤の強化①カイゼン・DXの推進による事業変革ほくでんグループはカイゼンやDXの推進を通じて、従来の枠組みにとらわれず業務や価値観を変革し、生産性や付加価値の向上、持続的な成長を目指していく。 ②人的資本経営の推進ほくでんグループの持続的な成長を支える原動力は「人」であるとの認識のもと、従業員一人ひとりが働きがいを感じ、一層成長し活躍できるよう、「ほくでんグループ人材戦略」に基づき、人材育成や環境整備を進めていく。事業変革や持続的な成長には、多様な視点や価値観が重要であるとの認識のもと、性別等にとらわれず多様な人材が、能力を十分に発揮するための取り組みを進めている。女性の活躍推進に向けては、女性管理職・管理職候補者のキャリア形成意識の醸成を目的とした社内セミナーや他社・他業種との懇談会等を実施している。また、従業員が活き活きと働ける環境をつくることを経営の柱として推進する「健康経営」に取り組んでいる。 ③地域・社会に関する取り組みほくでんグループは、経営環境が絶えず変化する中においても地域のみなさまとともに発展していけるよう、地域社会に根差した取り組みを通じて、地域との結びつきを強めている。北海道で生まれ育った若き“どさんこアスリート”の挑戦を応援するどさんこアスリートRISEプロジェクトや植樹活動、SDGs教育支援等に取り組んでいる。 ④コンプライアンス・リスク管理の徹底透明・公正な事業活動を確実に継続していくため、コンプライアンスを徹底する組織風土を醸成するとともに、内外の環境変化を踏まえて、事業に関わるリスクを的確に認識し、リスク管理の徹底に努めていく。2025年7月、当社及び北海道電力ネットワーク㈱は、非公開情報を含む資料を当社従業員が所持・閲覧し、発電事業の業務において利用した事案に関し、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会より業務改善勧告を受けた。当社及び北海道電力ネットワーク㈱では、本事案を重く受け止めており、同様の事案を二度と起こさないという強い決意のもと、再発防止に取り組んでいる。引き続き、再発させないという意識を強く持ち、取り組みを進めていく。 なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであるが、将来に関する事項については、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において判断したものである。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績の分析① 経営成績当連結会計年度の小売販売電力量は、卸電力市場価格や燃料価格が低位で推移したため、厳しい競争環境となったことなどから、対前年度増減率△3.0%となった。他社販売電力量は、再生可能エネルギーの買取増加に伴う販売量の増加などにより、対前年度増減率11.8%となった。売上高は、燃料価格などの低下に伴う燃料費等調整額の減少などにより、前連結会計年度に比べ460億70百万円(△5.1%)減の8,559億83百万円となり、営業外収益を加えた経常収益は、422億28百万円(△4.7%)減の8,633億99百万円となった。経常利益は、燃料価格などの低下に伴う燃料費等調整制度の期ずれ差益の拡大や水力発電量の増加に伴う燃料費の減少はあったが、泊発電所の再稼働に向けた取り組みや労務費・物価及び金利の上昇などにより、前連結会計年度に比べ27億2百万円(△4.2%)減の613億48百万円となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少に加え、特別利益に計上した核燃料売却益の減少などにより、前連結会計年度に比べ202億20百万円(△31.5%)減の439億98百万円となった。 セグメント別の経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。 [北海道電力]当連結会計年度の売上高は、燃料価格などの低下に伴う燃料費等調整額の減少などにより、前連結会計年度に比べ522億42百万円(△6.6%)減の7,358億8百万円となった。経常利益は、燃料価格などの低下に伴う燃料費等調整制度の期ずれ差益の拡大や水力発電量の増加に伴う燃料費の減少はあったが、泊発電所の再稼働に向けた取り組みや労務費・物価及び金利の上昇などにより、前連結会計年度に比べ90億71百万円(△16.9%)減の446億18百万円となった。 [北海道電力ネットワーク]当連結会計年度の売上高は、託送料金見直しの影響や夏季の高気温によるエリア需要の増加に伴う託送収益の増加などにより、前連結会計年度に比べ17億60百万円(0.5%)増の3,229億49百万円となった。経常利益は、労務費・物価及び金利の上昇などはあったが、売上高の増加に加え、経営全般にわたる効率化などにより、前連結会計年度に比べ14億5百万円(126.0%)増の25億20百万円となった。 [その他]当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ217億62百万円(14.1%)増の1,757億17百万円となり、経常利益は、建設業における売上高の増加及び継続的な原価低減などにより、前連結会計年度に比べ68億85百万円(56.6%)増の190億57百万円となった。 ② 生産、受注及び販売の実績当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、「北海道電力」が担う発電・小売事業や「北海道電力ネットワーク」が担う一般送配電事業、離島における発電事業が事業の大半を占めることから、当該事業の発受電実績、販売実績及び資材の状況についてのみ記載している。 a.発受電実績種別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前年度増減率(%)発受電電力量(百万kWh)水力発電電力量3,64621.9火力発電電力量15,186△6.1原子力発電電力量--新エネルギー等発電等電力量59△49.9計18,891△2.0他社受電電力量18,2054.5揚水発電所の揚水用電力量等△386△14.5合計36,7101.3出水率(自流)(%)103.6- (注) 1 他社受電電力量には、連結子会社や持分法適用会社からの受電電力量が含まれている。2 揚水発電所の揚水用電力量等とは貯水池運営のための揚水用に使用する電力量及び蓄電池の充電電力量である。 3 出水率は、自社の1994年度から2023年度までの当該累計期間の30ヶ年平均に対する比である。 b.販売実績[販売電力量]種別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前年度増減率(%)小売(百万kWh)低圧電灯7,719△1.1電力1,711△3.0 計9,430△1.5高圧・特別高圧12,628△4.0 小計22,058△3.0その他60△15.4 合計22,118△3.0他社販売(百万kWh)12,04211.8 (注) 1 小計欄は、北海道電力㈱の販売電力量を示す。2 その他欄は、北海道電力ネットワーク㈱の販売電力量を示す。[料金収入]種別当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前年度増減率(%)電灯・電力料(百万円)564,543△5.8地帯間・他社販売電力料(百万円)163,606△7.5託送収益(百万円)52,33920.9 (注) 1 北海道電力㈱、北海道電力ネットワーク㈱の合計(内部取引消去後)の実績を示す。2 「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」、「米国関税措置を受けた緊急対応パッケージ」及び「「強い経済」を実現する総合経済対策」に基づき実施される「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、国が定める値引き単価による電気料金の値引きを行っており、その原資として受領する補助金19,057百万円については、「電気事業雑収益」に計上している。 c.資材の状況 石炭、重油及びLNGの状況 品名当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)期首残高受入量 対前年度 増減率(%)払出量 対前年度 増減率(%)期末残高石炭(t)623,6754,006,340△3.5%4,033,806△0.9%596,209重油(kL)169,323246,437△23.4%327,95516.7%87,805LNG(t)126,971234,488△48.4%305,643△33.8%55,816 (注) 本表には、当社及び北海道電力ネットワーク㈱の主な使用燃料を記載している。 (2)財政状態の分析 [資産] 当連結会計年度末の総資産は、減価償却の進行などはあったが、電力需要の増加やカーボンニュートラルの実現に向けた投資に伴う固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,270億47百万円増の2兆4,710億51百万円となった。 [負債] 当連結会計年度末の負債合計は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,607億47百万円増の1兆9,974億14百万円となった。 [純資産] 当連結会計年度末の純資産合計は、配当金の支払いはあったが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ663億円増の4,736億36百万円となった。 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.0ポイント増の18.5%となった。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ282億84百万円増の1,846億7百万円となった。 [営業活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少などにより、前連結会計年度に比べ110億42百万円減の1,145億45百万円の収入となった。 [投資活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出の増加や核燃料の売却による収入の減少などにより、前連結会計年度に比べ1,223億66百万円増の2,130億69百万円の支出となった。 [財務活動によるキャッシュ・フロー] 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度に比べ1,160億81百万円増の1,268億7百万円の収入となった。 (4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報ほくでんグループの資金需要は、主に電気事業に係る設備投資や債務償還に必要な資金であり、自己資金のほか、社債の発行及び金融機関からの借入により調達を行っている。グリーン/トランジション・ファイナンスの活用に加え、米ドル建て社債や転換社債型新株予約権付社債の発行など、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めていく上での資金調達手段の多様化・安定化に努めている。資金調達にあたっては、月次での資金繰計画に基づく適切な資金管理を行っており、緊急の資金需要に対しては、現金及び現金同等物の保有に加え、当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保している。また、ほくでんグループキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)により、参加会社の資金管理・資金調達・外部支払を一元化しており、グループ内における資金の効率化を図っている。 (5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定ほくでんグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5 経理の状況」に記載している。ほくでんグループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載している。 (6)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「ほくでんグループ経営ビジョン2035」で掲げた連結経常利益に関する泊発電所3号機再稼働前の目標「400億円以上」、ROICに関する2030年度の目標「3.0%以上」に対し、2025年度の連結経常利益は613億48百万円、ROICは2.8%となった。また、連結自己資本比率に関する2030年度の目標「20%以上」に対し、2025年度末の連結自己資本比率は18.5%となった。

事業リスク

  • 原子力発電所の状況
    泊発電所の再稼働は、新規制基準適合性審査の進捗や防潮堤設置工事の遅延などにより、停止期間が長期化する可能性があります。これにより燃料費が増大し、会社の業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
  • 設備障害と供給支障
    自然災害や設備の故障、燃料供給網の途絶などにより、発電設備や送配電設備に障害が発生する可能性があります。これにより復旧費用や代替発電費用が増加し、電力の安定供給に支障をきたすことで業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 制度変更と環境規制
    電気事業を取り巻く国の制度変更や、カーボンプライシングなどの地球温暖化対策に関する環境規制の強化は、ほくでんグループの業績に影響を与える可能性があります。脱炭素化への対応が遅れると、競争力が低下するリスクも考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,459 文字
3 【事業等のリスク】ほくでんグループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがある。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月23日)現在において判断したものである。ほくでんグループでは、これらのリスクを認識した上で、発現の回避や発現した場合の対応に努めていく。 (1) 原子力発電の状況泊発電所の安全確保を経営の最重要課題と位置づけ、社長のトップマネジメントのもと、「安全性向上計画」に基づき、安全性のより一層の向上に取り組んでいる。具体的には、原子力発電所の新規制基準への適合はもとよりさらなる安全性・信頼性向上に向けた安全対策工事や、重大事故などを想定した原子力防災訓練の実施など、安全対策の多様化や重大事故等対応体制の強化・充実に取り組んでいる。また、2024年3月には泊発電所の津波対策として新たな防潮堤の設置工事を開始した。着工から完成まで3年数ヵ月程度を要する見込みであるが、工程短縮方策を検討し、少しでも早い安全対策工事の完了を目指して取り組んでいる。泊発電所の再稼働に向けて、新規制基準の適合性審査への対応に取り組んでおり、2025年7月に原子力規制委員会より泊発電所3号機の原子炉設置変更許可を受けた。引き続き、詳細設計に係る「設計及び工事計画の認可申請」及び運転管理体制などを定めた「保安規定変更認可申請」に係る審査などについても対応していく。しかしながら、今後の審査の状況や防潮堤設置工事の進捗などによって泊発電所の停止がさらに長期化し燃料費の増大が続く場合などには、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (2) 設備障害・供給支障発電設備や流通設備については、点検・保守の着実な実施等による設備の信頼性維持や、安定的な燃料調達、資機材サプライチェーンの維持管理に努めているが、自然災害や故障等により設備に障害が生じた場合、燃料供給や資機材サプライチェーンの途絶により設備の運転・維持管理が困難になる場合には、その復旧工事や発電所の停止に伴う他の発電所の焚き増し等のために費用が増加する等、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (3) 電気事業を取り巻く制度の変更等電気事業のさらなる競争活性化等を目的とした市場やルールの整備・見直し等、国の制度変更により、業績に影響が及ぶ可能性がある。原子力発電に伴う原子力バックエンド事業は、超長期にわたる事業であり不確実性を伴うが、使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分のために必要となる費用については、法令等に基づき定められた単価を用いて算定した金額を拠出する制度が措置されており、廃炉の実施に必要となる費用については、法令等に基づき定められた金額を拠出する制度が措置されている。これらの制度措置により、事業者のリスクは軽減されているが、当該制度が見直される場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (4) 気候変動に関する影響気候変動への関心が高まる中、ほくでんグループのサプライチェーン排出量(スコープ1+2+3)について、2013年度比で2030年度に46%削減、2035年度に60%削減の目標を掲げており、この達成に向けて、泊発電所の全基再稼働や再生可能エネルギー電源の導入拡大、火力発電所の脱炭素化などに取り組んでいく。また、再生可能エネルギー電源の開発や、脱炭素に向けたお客さまサポート、省エネのご提案、空気熱を活用したヒートポンプ機器などでの電化推進を通じて、2030年度に150万トン、2035年度に250万トンの排出削減に貢献していく。これらの取り組みにより、2050年の北海道におけるエネルギー全体のカーボンニュートラルの実現に向けて最大限挑戦していく。しかしながら、カーボンプライシング等の地球温暖化対策に関する環境規制の強化、脱炭素化に的確に対応できない場合における競争力の低下等により、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (5) 燃料・卸電力市場価格の変動燃料調達費用については、燃料価格や為替レートの変動による影響を、電力購入費用については、卸電力市場価格の変動による影響を受ける。足元では中東情勢の緊迫化に伴い燃料・卸電力市場価格が上昇している。引き続き、バランスのとれた電源構成を目指すとともに、長期契約・スポット調達の組み合わせや調達先等契約方法の多様化、デリバティブ取引の活用等により価格変動リスクの分散・回避に努めていく。また、自社による発電と電力市場取引による電気の調達を経済合理性の観点から最適に組み合わせることで費用低減を図っている。低圧のお客さまには燃料価格の変動を一定の範囲内で反映する燃料費調整制度、高圧・特別高圧のお客さまには卸電力市場価格の変動についても反映する燃料費等調整制度を適用することにより、燃料・卸電力市場価格の変動による業績への影響は緩和される。 (6) 電力需要・販売電力量の変動景気の悪化等による経済活動・生産活動の低下、省エネルギーの進展、人口の減少、気温の影響等により電力需要が減少した場合や、他事業者との競争激化により販売電力量が減少した場合には、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (7) 降雨降雪量の変動年間の降雨降雪量により、豊水の場合は燃料費の低減要因、渇水の場合は燃料費の増加要因となることから、業績に影響が及ぶ可能性がある。なお、「渇水準備引当金制度」により一定の調整が図られるため、業績への影響は軽減される。 (8) 金利・物価等の変動今後の市場金利の動向によっては新たな資金調達に係るコストが増加し、業績に影響が及ぶ可能性がある。ただし、ほくでんグループの有利子負債残高の大部分は固定金利で調達した社債や長期借入金であることなどから、金利の変動による業績への影響は限定的と考えられる。また、資機材調達の工夫等を通じた効率化・コスト低減を図っているが、今後の物価や人件費の動向によっては、資機材調達コストが増加し、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (9) 電気事業以外の事業電気事業以外の事業については、事業内容の事前評価、事業運営の適切な管理に努めているが、事業環境の悪化等により、当初の見込みどおりの事業遂行が困難になる可能性がある。 (10) 人材の確保「ほくでんグループ人材戦略」に基づき、自律的に挑戦・変化していくことができる人材の育成や、多様な人材が認め合い、働きがいと成長を感じながら活躍する環境の整備に向けた施策を推進しているが、深刻な人材不足が生じた場合は、業務遂行に支障が生じ、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (11) 感染症の拡大電力の安定供給確保に向け、感染症の拡大を防止する対策を実施しているが、感染拡大により業務遂行への支障が生じた場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (12) コンプライアンスの遵守「ほくでんグループCSR行動憲章」や「コンプライアンス行動指針」を定め、法令やコンプライアンスの遵守を徹底するとともに、コンプライアンスに関わる取り組みを円滑かつ効果的に推進するため、社長を委員長とする「企業倫理委員会」を四半期毎に開催し、外部有識者が取り組みの有効性を確認している。また、当社及び北海道電力ネットワーク㈱において、行為規制遵守に関する委員会を設置し、一般送配電事業の中立性・信頼性確保のための全社的な活動を推進している。しかしながら、法令違反や企業倫理等に反する行為が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。 (13) 情報セキュリティほくでんグループが保有するお客さま等に関する業務情報については、情報セキュリティの確保や社内ルールの整備、従業員教育の実施により厳正な管理に努めているが、情報流出等の問題が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。また、サイバー攻撃への備えとして、システムへの不正侵入や攻撃を防止するための適切な措置を講じるとともに、サイバー攻撃の早期検知と迅速な対応のための体制構築や訓練等により、インシデント対応レベルの向上に努めている。しかしながら、サイバー攻撃に起因するシステム障害等が発生した場合、業務遂行に支障が生じるとともに、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。 なお、上記のリスクのうち、合理的に予見することが困難であるものについては、可能性の程度や時期、影響額を記載していない。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 北海道電力 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →