有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
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経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題2025年3月に「持続的な企業価値向上に向けた取組み方針」を公表、同年9月にマテリアリティを改定し、それらを踏まえ、グループ経営ビジョン「Compass2030」の前倒し実現を目指して、同年10月に2026-2028年度中期経営計画を策定しました。2026-2028年度中期経営計画(2025年10月29日発表)https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20251029-02.pdf *第1 企業の概況 3 事業の内容 の事業区分とは異なる**全社ROICは決算資料上の調整額を含め算出***バリューチェーン 各事業の具体的な戦略については2026-2028年度中期経営計画(2025年10月29日発表)(https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20251029-02.pdf)をご覧ください。 (2)中期経営計画の進捗について ■主要計数 26-28年度中計26年度見通し25年度実績財務指標セグメント利益(営業利益+持分法利益)2,100億円(注)11,950億円2,011億円ROIC5%4.7%6.3%ROE9%8.0%13.2%D/Eレシオハイブリッド社債・ハイブリッドローン考慮後(注)20.9程度0.850.810.740.70 キャッシュフロー・投資計画26-28年度中計(3か年累計)26年度見通し(単年度)25年度実績カッコ内:23-25年度累計営業キャッシュフロー純利益+減価償却費(長期前払費用償却含む)1.2兆円3,980億円4,974億円(12,176億円)投資投資回収分含まず1.1~1.3兆円4,777億円3,331億円(11,767億円)投資回収分含む4,145億円2,791億円(9,089億円) (注)1 固定資産売却損益含む2 発行済みハイブリッド社債及びハイブリッドローンの資本性50%を調整
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題2025年3月に「持続的な企業価値向上に向けた取組み方針」を公表、同年9月にマテリアリティを改定し、それらを踏まえ、グループ経営ビジョン「Compass2030」の前倒し実現を目指して、同年10月に2026-2028年度中期経営計画を策定しました。2026-2028年度中期経営計画(2025年10月29日発表)https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20251029-02.pdf *第1 企業の概況 3 事業の内容 の事業区分とは異なる**全社ROICは決算資料上の調整額を含め算出***バリューチェーン 各事業の具体的な戦略については2026-2028年度中期経営計画(2025年10月29日発表)(https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20251029-02.pdf)をご覧ください。 (2)中期経営計画の進捗について ■主要計数 26-28年度中計26年度見通し25年度実績財務指標セグメント利益(営業利益+持分法利益)2,100億円(注)11,950億円2,011億円ROIC5%4.7%6.3%ROE9%8.0%13.2%D/Eレシオハイブリッド社債・ハイブリッドローン考慮後(注)20.9程度0.850.810.740.70 キャッシュフロー・投資計画26-28年度中計(3か年累計)26年度見通し(単年度)25年度実績カッコ内:23-25年度累計営業キャッシュフロー純利益+減価償却費(長期前払費用償却含む)1.2兆円3,980億円4,974億円(12,176億円)投資投資回収分含まず1.1~1.3兆円4,777億円3,331億円(11,767億円)投資回収分含む4,145億円2,791億円(9,089億円) (注)1 固定資産売却損益含む2 発行済みハイブリッド社債及びハイブリッドローンの資本性50%を調整
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】① 経営成績等の状況の概要(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)(1) 当連結会計年度の経営成績の分析① 経営環境当連結会計年度における我が国の経済は、輸出入や生産が横ばいとなったものの、雇用・所得環境の改善を受けて緩やかに回復しました。世界経済についても緩やかな持ち直しが続いているものの、中東情勢の物価・経済への影響が懸念されます。加えて、金融資本市場の変動、米国の政策動向をめぐる影響を注視する必要があります。そのような環境変化の中、2025年10月に経営ビジョン「Compass 2030」を前倒し達成すべく、「2026-2028年度 中期経営計画」を策定しました。当社グループの強みである「顧客基盤」「エネルギーアセット」「オペレーション能力」を組み合わせ、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3事業の成長に注力します。また、生成AI等デジタルの社会実装が加速度的に進展する中、AIとデジタル技術の積極的な活用により、顧客接点の強化から市場競争力の向上まで幅広く取り組んでいきます。そして、事業ポートフォリオマネジメントを徹底するために、セグメント別ROIC管理を導入し、各事業の収益性を向上させつつ、リソースの最適配分によりさらなる成長を目指します。② 売上高売上高は、電力の販売量の増加及び北米シェールガス事業での販売単価上昇等により、前連結会計年度比7.5%増の2,834,749百万円となりました。③ 営業費用及び営業利益売上原価、販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度比5.3%増の2,637,071百万円となりました。電源調達コストが増加したこと等により、売上原価は前連結会計年度比4.3%増の2,327,493百万円となりました。人件費が増加したこと等により販売費及び一般管理費は前連結会計年度比13.3%増の309,578百万円となりました。営業費用の増加を上回る売上高の増加となったことから、営業利益は前連結会計年度比48.5%増の197,677百万円となりました。④ 営業外損益及び経常利益営業外収益の合計は、前連結会計年度の27,154百万円から、36,212百万円となりました。これは、デリバティブ利益が前連結会計年度比11,625百万円増の15,414百万円となったことが主な要因です。営業外費用の合計は、前連結会計年度の46,646百万円から、40,187百万円となりました。これは、支払利息が前連結会計年度比12,309百万円減の18,897百万円となったことが主な要因です。この結果、経常利益は前連結会計年度比70.5%増の193,701百万円となりました。⑤ 特別損益特別利益の合計は、前連結会計年度の6,807百万円から、128,742百万円となりました。これは、前連結会計年度になかった為替換算調整勘定取崩益68,013百万円を当連結会計年度に計上したことが主な要因です。特別損失の合計は、前連結会計年度の14,190百万円から、33,334百万円となりました。これは、前連結会計年度になかった減損損失30,196百万円を当連結会計年度に計上したことが主な要因です。⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益以上の結果から、親会社株主に帰属する当期純利益は同205.8%増の226,857百万円となりました。売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度の2.8%から5.2ポイント増加し、8.0%となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の192円22銭から、654円76銭となりました。 ⑦ セグメント情報イ エネルギー・ソリューション売上高は、ガスの原料費調整による売上単価の減少があったものの、電力の販売量の増加等により、前連結会計年度から145,626百万円(6.2%)増加し、2,486,107百万円となりました。営業費用は、前連結会計年度から116,569百万円(5.3%)増加し、2,336,361百万円となりました。持分法による投資利益は、501百万円と前連結会計年度比513百万円(50.6%)減少しました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度から28,544百万円(23.5%)増加し、150,247百万円となりました。(ガス)都市ガス販売量は、前連結会計年度比0.4%減の11,175百万m3となりました。家庭用需要は、低気温影響等による需要増等により、前連結会計年度比2.1%増の2,719百万m3となりました。業務用需要は、低気温影響等による需要増等により、同0.3%増の2,275百万m3となりました。工業用需要は、需要家の稼働減等により、同1.1%減の4,630百万m3となりました。また、他事業者向け供給は、供給先の稼働減等により、同3.2%減の1,552百万m3となりました。 [2025年度連結都市ガス販売量] 2025年度2024年度増減増減率(%)小売お客さま件数千件8,8618,826350.4取付メーター数千件12,69312,5641291.0都市ガス販売量家庭用百万m32,7192,663562.1 業務用百万m32,2752,26780.3 工業用百万m34,6304,681△51△1.1計百万m36,9056,948△43△0.6他事業者向け供給百万m31,5521,604△52△3.2合計百万m311,17511,215△40△0.4平均気温℃17.417.6△0.2- (注) 1 小売お客さま件数は、ガス小売事業者としてのガス料金請求対象件数2 取付メーター数は、導管事業者としてのメーター取付数3 業務用は、商業用、公用及び医療用4 都市ガス販売量は45MJ(メガジュール)/m3(電力)販売量は、前連結会計年度比19.5%増の28,021百万kWhとなりました。小売では、件数増により、前連結会計年度比14.0%増の16,461百万kWhとなりました。卸他では、卸先の需要増により、同28.4%増の11,560百万kWhとなりました。 [2025年度連結電力販売量] 2025年度2024年度増減増減率(%)小売お客さま件数千件4,3374,1521854.5電力販売量小売百万kWh16,46114,4372,02414.0卸他百万kWh11,5609,0032,55728.4合計百万kWh28,02123,4404,58119.5 (注) 小売お客さま件数は、電力小売事業者としての電気料金請求対象件数ロ ネットワーク売上高は前連結会計年度から6,573百万円(2.0%)増加し、334,422百万円となりました。営業費用は、前連結会計年度から659百万円(0.2%)減少し、330,319百万円となりました。この結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べ7,231百万円増加し、4,103百万円となりました。ハ 海外売上高は、前連結会計年度から60,218百万円(33.2%)増加し、241,460百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から8,427百万円(5.2%)増加し、170,729百万円となりました。持分法による投資利益は、3,106百万円と前連結会計年度比822百万円(20.9%)減少しました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ50,969百万円(222.9%)増加し、73,837百万円となりました。 ニ 都市ビジネス売上高は、前連結会計年度から4,391百万円(5.6%)減少し、73,436百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から9,194百万円(16.9%)増加し、63,588百万円となりました。持分法による投資損益は前連結会計年度に比べ691百万円悪化し、104百万円の損失となりました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ14,277百万円(59.4%)減少し、9,743百万円となりました。 なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示します。区分前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)エネルギー・ソリューション2,340,48180.02,486,10779.3ネットワーク327,84911.2334,42210.7海外181,2426.2241,4607.7都市ビジネス77,8272.773,4362.3合計2,927,402100.03,135,428100.0調整額△290,592-△300,678-連結2,636,809-2,834,749- (注) 各セグメントの売上高には、事業間の内部取引を含んでいます。 (2) 経営成績に重要な影響を与える経済フレームについて① 原料購入価格の変動当社グループが供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受けます。また、ドル建てのLNG価格は主として原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受けます。ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)で都市ガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生(スライドタイムラグ)しますが、中長期的には収支への影響は軽微です。為替及び原油価格の変動が翌連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりです。為替:1円/ドルの円安により、約6億円減原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約7億円減翌連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、当連結会計年度が150.67円/ドル、71.41ドル/バレルであったのに対し、それぞれ155.00円/ドル、85.00ドル/バレルを想定しています。(注) 1 都市ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もあります。2 調整の上限があり、原料費調整制度に基づき算定される平均原料価格(1トン当たり)が、2022年3月から5月までの平均原料価格の160%を超過した場合には超過分は未回収となります。② 気温の変動当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受けます。家庭用においては、主な都市ガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合には都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれ都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。当連結会計年度の平均気温(※)は上期で23.9℃、下期で10.8℃(通期で17.4℃)でしたが、翌連結会計年度の平均気温は通期で16.9℃を想定しています。(※)平均気温は、各日における平均気温を月間で平均したものです。③ 金利の変動当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利ですが、一定割合が変動金利であり、変動金利分は借入れ期間中の金利変動リスクに晒されています。④ 株価の変動当社の保有する株式のうち、上場株式の株価はマーケットリスクに晒されています。保有株式の取扱いについては、管理規則を設けています。 (3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析① 連結キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)451,837△206,934△296,337前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)363,120△263,526△255,979 当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益の計上及び減価償却費の計上等があったものの、長期借入金の返済、自己株式の取得及び有形固定資産の取得等により、期末の現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ57,277百万円減少し、187,043百万円となりました(前期末比23.4%減)。イ 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果増加した資金は、451,837百万円となりました。これは、為替換算調整勘定取崩益の計上(68,013百万円)等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上(289,109百万円)及び減価償却費の計上(264,299百万円)等があったことによるものです。また、これは、前連結会計年度に比べて88,717百万円の収入の増加となります(前期比24.4%増)。ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果減少した資金は、206,934百万円となりました。これは、固定資産の売却による収入(63,483百万円)等があったものの、設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出(160,909百万円)及び無形固定資産の取得による支出(134,738百万円)等により資金が減少したことによるものです。また、これは、前連結会計年度に比べて56,592百万円の支出の減少となります(前期比21.5%減)。ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果減少した資金は、296,337百万円となりました。これは、長期借入れによる収入(170,345百万円)等があったものの、長期借入金の返済による支出(266,524百万円)、自己株式の取得による支出(200,071百万円)及び配当金の支払(33,887百万円)等があったことによるものです。また、これは、前連結会計年度に比べて40,358百万円の支出の増加となります(前期比15.8%増)。② 資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から37,175百万円(1.0%)増加し、3,892,268百万円となりました。これは、現金及び預金の減少があったものの、投資有価証券が増加したこと等によるものです。また、総資産利益率(ROA)は、前連結会計年度末の1.9%から5.9%に上昇しました。③ 負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から42,077百万円(2.0%)増加し、2,095,700百万円となりました。これは、長期借入金の減少があったものの、未払法人税等が増加したこと等によるものです。④ 有利子負債長期借入金の減少等に伴い、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ59,059百万円(4.4%)減少し、1,277,239百万円となりました。有利子負債比率(有利子負債÷総資産)は、有利子負債の下落率の方が大きかったため、前連結会計年度末の34.7%から32.8%に下落しました。⑤ 純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4,903百万円(0.3%)減少し、1,796,567百万円となりました。これは、株主資本について剰余金の配当や自己株式の取得等により7,536百万円減少したこと等によるものです。自己資本比率は、前連結会計年度末の44.8%から44.1%に下落し、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の4.3%から13.2%に上昇しました。負債資本倍率(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末の0.77から0.74へと下落しました。また、ハイブリッドファイナンスを考慮した後の負債資本倍率(D/Eレシオ)は、0.70となりました。 (生産、受注及び販売の実績)当社グループの製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくありません。また、都市ガスの販売が外部顧客に対する売上高及び営業費用の多くを占めています。このため、以下は、エネルギー・ソリューションセグメントにおける都市ガスの生産実績について記載しています。(1) 生産実績最近2連結会計年度の都市ガスの生産実績は次のとおりです。区分前連結会計年度当連結会計年度都市ガス(千m3)11,844,21813,339,700 (2) 受注実績都市ガスについては、その性質上受注生産は行いません。 (3) 販売実績都市ガスは導管を通じて直接需要家に販売していますが、一部については他事業者向け供給を行っています。最近2連結会計年度の都市ガスの販売実績は次のとおりです。区分前連結会計年度当連結会計年度数量(千m3)金額(百万円)数量(千m3)金額(百万円)家庭用2,662,964468,8882,718,733464,598その他8,551,703830,0718,456,281750,522計11,214,6671,298,95911,175,0141,215,120 ② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。重要な会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 事業全体及びセグメントごとの経営成績等<事業全体>当連結会計年度の連結決算は、3期ぶりの増収増益となりました。増益となった主な要因は、エネルギー・ソリューションセグメントにおいて、①都市ガス事業の春先の低気温影響に伴う家庭用の都市ガス販売量増加や競争優位性のある原料調達により粗利が増加したこと、②電力事業の小売件数増加や夏場の高気温影響に伴い電力販売量が増加したこと、海外セグメントにおいて、北米シェールガス事業の販売単価が上昇したことです。 <セグメント別>エネルギー・ソリューションセグメントは、電力事業における小売件数増加や夏場の高気温影響による電力販売量増加などにより、売上高は前期比+1,457億円(+6.2%)の2兆4,861億円となり、都市ガス事業の競争優位性のある原料調達や原油価格下落に伴い原材料費が減少したことで、セグメント利益は前期比+285億円(+23.5%)の1,502億円となりました。ネットワークセグメントは、低気温影響で託送供給収益が増加したことにより、売上高は前期比+66億円(+2.0%)の3,344億円となり、減価償却費の減少により営業費用が減少し、セグメント利益は+72億円の41億円となりました。海外セグメントは、北米シェールガス事業の販売単価が上昇したことにより、売上高が前期比+602億円(+33.2%)の2,414億円、セグメント利益は前期比+510億円(+222.9%)の738億円となりました。都市ビジネスセグメントは、不動産販売収益の減少により、売上高が前期比△44億円(△5.6%)の734億円となり、パークハイアット東京のリニューアルに伴う改装費用などの増加により、セグメント利益は前期比△143億円(△59.4%)の97億円となりました。 売上高(億円)セグメント利益(億円)2025年度2024年度増減増減率(%)2025年度2024年度増減増減率(%)エネルギー・ソリューション24,86123,4041,4576.21,5021,21728523.5ネットワーク3,3443,278662.041△3172-海外2,4141,81260233.2738228510222.9都市ビジネス734778△44△5.697240△143△59.4調整額△3,006△2,905△101-△367△268△99-連結28,34726,3681,9797.52,0111,38662545.1 <認識>当期は3期ぶりの増収増益で、売上高及び当期純利益が歴代2位の好決算となりました。主な要因は、エネルギー・ソリューションセグメントにおける夏場の高気温による電力販売量の増加や、海外セグメントにおける北米シェールガス事業の販売単価上昇などによるものです。また、中期経営計画「Compass Transformation 23-25」の最終年度の結果として、当期セグメント利益が2,011億円(目標1,500億円)、ROEが13.2%(目標8%程度)となり、それぞれ目標達成となりました。足元の事業環境については、生成AIなどデジタルにおける社会実装の加速度的な進展、金利・物価上昇、中東情勢の悪化など、先行きの不透明感は増すばかりです。このような状況下においても、事業ポートフォリオ改革による収益性及び資産効率性の持続的な改善を続けたことで、「Compass Transformation 23-25」で掲げたセグメント利益及びROEの目標を達成できました。今後も2026-2028年度中期経営計画で掲げる主要計数目標をコンスタントかつ早期に達成するため、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3つの成長ドライバーを中心とした取り組みを加速していきます。② 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金です。当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フロー4,518億円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△2,069億円となり、フリーキャッシュフロー(営業活動によるキャッシュ・フローから、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた額)が2,449億円となりました。③ 経営計画上の客観的な指標等2025年10月29日発表の「東京ガスグループ 2026-2028年度 中期経営計画」に基づき、事業ポートフォリオマネ ジメントの強化を通じて、健全な財務体質と成長投資を両立し、持続的な成長・企業価値向上を実現していきます。イ 投資・資本効率性投資に伴うリスク及び採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努めます。また、稼ぐ力を考慮した投資・資産売却により、資本効率性を向上していきます。具体的には、ROIC(投下資本利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2028年度における到達点を、ROICは5%、ROEは9%と定め、上記を実現していきます。ロ 財務体質現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努めます。具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を財務規律とし、2028年度までの期間において0.9倍を目安に財務運営していきます。ハ 株主還元中長期的な1株当たり利益の成長に合わせた増配を株主還元の中核と位置付け、累進配当により、成長の成果を安定的に還元していきます。また、余剰資金は、成長投資と資本コントロールのための自己株式取得へと最適に配分し、持続的な資本効率の向上を実現していきます。上記方針に則り、2026-2028年度3カ年累計の株主還元は2,000億円以上、累進配当により28年度には1株当たり配当金140円を目指します。 2025年度実績2028年度(中期経営計画)ROIC6.3%5%ROE13.2%9%D/Eレシオ0.740.9程度
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの対応方針新型コロナウイルス感染症の終息時期は予測不能であり、当社グループに及ぼす影響を見極めることは困難ですが、そうした経営環境が極めて不透明な中においても、ステークホルダーのみなさまに安心・安全を提供し、信頼していただく企業グループであり続けるために、以下3つの取り組みを引き続き進めていきます。(a)エネルギー事業者としての公益的使命 国民生活・経済活動を維持するためのエネルギーの安定供給と安全確保を最優先に、今後も「ライフライン事業者としての公益的使命」と「子会社・協力企業を含めた従業員等の健康・安全への配慮」を両立させていきます。(b)企業市民としての社会的責任 困難に直面しているお客さまや協力企業・取引先・従業員をはじめ、あらゆるステークホルダーに寄り添い、社会からの理解・共感を得られる活動・発信を実施していきます。(c)株式会社としての永続的発展 当社グループの経営に与えるインパクトは広範かつ長期にわたることが想定される中にあっても、グループ経営ビジョン「Compass2030」の実現に向けた2020-2022年度グループ中期経営計画、「Compass Action」で掲げた施策及びコロナ禍を踏まえた東京ガスグループ経営改革の取り組みを着実に実行していきます。 〈ご参考:当社グループ内外におけるこれまでの主な取り組み〉<お客さまへの対応>・ガス及び電気料金の特別措置(支払期限の延長)・感染拡大防止を最優先に求めるお客さまの声を踏まえ、非面対での点検作業の実施・ガスの製造や保安に関わる部門の勤務シフトの変更や代替拠点への分散配置等を通じた安定供給の確保<従業員等への対応>・感染予防対策の徹底(エチケット励行、毎朝の検温、時差勤務の活用等)・在宅勤務やWeb会議等の積極活用及び健康管理の推進・職場メンバーの状況変化にも配慮した職場コミュニケーションの充実・子会社・協力企業を含めた従業員等の安全確保と感染防止を前提に、当社と子会社・協力企業における相互理解の下での作業体制構築 (2) 対処すべき課題
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの対応方針新型コロナウイルス感染症の終息時期は予測不能であり、当社グループに及ぼす影響を見極めることは困難ですが、そうした経営環境が極めて不透明な中においても、ステークホルダーのみなさまに安心・安全を提供し、信頼していただく企業グループであり続けるために、以下3つの取り組みを引き続き進めていきます。(a)エネルギー事業者としての公益的使命 国民生活・経済活動を維持するためのエネルギーの安定供給と安全確保を最優先に、今後も「ライフライン事業者としての公益的使命」と「子会社・協力企業を含めた従業員等の健康・安全への配慮」を両立させていきます。(b)企業市民としての社会的責任 困難に直面しているお客さまや協力企業・取引先・従業員をはじめ、あらゆるステークホルダーに寄り添い、社会からの理解・共感を得られる活動・発信を実施していきます。(c)株式会社としての永続的発展 当社グループの経営に与えるインパクトは広範かつ長期にわたることが想定される中にあっても、グループ経営ビジョン「Compass2030」の実現に向けた2020-2022年度グループ中期経営計画、「Compass Action」で掲げた施策及びコロナ禍を踏まえた東京ガスグループ経営改革の取り組みを着実に実行していきます。 〈ご参考:当社グループ内外におけるこれまでの主な取り組み〉<お客さまへの対応>・ガス及び電気料金の特別措置(支払期限の延長)・感染拡大防止を最優先に求めるお客さまの声を踏まえ、非面対での点検作業の実施・ガスの製造や保安に関わる部門の勤務シフトの変更や代替拠点への分散配置等を通じた安定供給の確保<従業員等への対応>・感染予防対策の徹底(エチケット励行、毎朝の検温、時差勤務の活用等)・在宅勤務やWeb会議等の積極活用及び健康管理の推進・職場メンバーの状況変化にも配慮した職場コミュニケーションの充実・子会社・協力企業を含めた従業員等の安全確保と感染防止を前提に、当社と子会社・協力企業における相互理解の下での作業体制構築 (2) 対処すべき課題
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】① 経営成績等の状況の概要(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)(1) 当連結会計年度の経営成績の分析① 経営環境当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の波が断続的に訪れ、経済活動はいまだに制限がなされているものの、感染対策の効果や海外経済の改善により、景気が持ち直していくことが期待されます。しかし、変異株による感染再拡大の懸念やウクライナ情勢等により、経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。 そのような経済環境の中、2016年4月の電力小売全面自由化に続く2017年4月のガス小売全面自由化により、エネルギー業界ではエネルギー事業者間の競争、さらには業種の垣根を越えた競争が激しさを増しています。また脱炭素化が世界的な潮流となる等、エネルギー事業を取り巻く環境は大きく変化しました。そうした中、当社グループは、総合エネルギー事業化とグローバル化によって、国内外のお客さまにお届けする付加価値を増大し、引き続き当社グループを選んでいただけるよう、様々な施策に積極的に取り組んできました。 ② 売上高売上高は、前連結会計年度比21.5%増の2,145,197百万円となりました。ガス販売量が前連結会計年度を上回ったことに加え、原油価格上昇影響に伴う原料費調整による売上単価増があったため、ガス売上高が前連結会計年度比25.9%増加し、さらに電力売上高も18.2%増加しました。 ③ 営業費用及び営業利益売上原価、供給販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度比20.1%増の2,027,420百万円となりました。都市ガス販売量増及び原油価格上昇影響等による都市ガス原材料費が増加したこと等により、売上原価は前連結会計年度比27.5%増の1,546,590百万円となりました。経営効率化の一層の推進を図り、費用の抑制に最大限の努力を重ねてきたものの、減価償却費の増加等により供給販売費及び一般管理費は前連結会計年度比1.3%増の480,829百万円となりました。売上高の増加が営業費用の増加を上回ったことから、営業利益は前連結会計年度比51.6%増の117,777百万円となりました。 ④ 営業外損益及び経常利益営業外損益純額は、前連結会計年度の△7,175百万円から、8,955百万円となりました。営業外収益の合計は、前連結会計年度の21,204百万円から、49,399百万円となりました。これは、為替差益が前連結会計年度比12,931百万円増の14,550百万円となったことが主な要因です。営業外費用の合計は、前連結会計年度の28,379百万円から、40,444百万円となりました。これは、支払利息が前連結会計年度比1,837百万円増の14,466百万円となったことが主な要因です。この結果、経常利益は前連結会計年度比79.8%増の126,732百万円となりました。 ⑤ 特別損益特別損益純額は、前連結会計年度の△4,316百万円から、133百万円となりました。特別利益の合計は、前連結会計年度の10,406百万円から、6,344百万円となりました。これは、前連結会計年度に2,008百万円計上した負ののれん発生益が当連結会計年度はなかったこと、及び投資有価証券売却益4,118百万円、固定資産売却益2,226百万円を計上したことが要因です。特別損失の合計は、前連結会計年度の14,722百万円から、6,211百万円となりました。これは、不動産事業等の減損損失3,742百万円及び投資有価証券評価損2,468百万円を計上したことが要因です。 ⑥ 税金等調整前当期純利益、法人税等、並びに親会社株主に帰属する当期純利益税金等調整前当期純利益は、経常利益及び特別損益の増加により、前連結会計年度比91.7%増の126,865百万円となりました。法人税等は、同132.9%増の36,589百万円となりました。以上の結果から、親会社株主に帰属する当期純利益は同79.3%増の88,745百万円となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」といいます。)等の適用により、売上高は47,090百万円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ4,361百万円増加しました。売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度の2.8%から1.3ポイント増加し、4.1%となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の112円26銭から、201円84銭となりました。 ⑦ セグメント情報イ ガス都市ガス販売量は、前連結会計年度比1.1%増の13,131百万m3となりました。家庭用需要は、前連結会計年度と比較して巣ごもり需要の減少等により、前連結会計年度比4.0%減の3,077百万m3となりました。業務用需要は、前連結会計年度と比較して件数減等により、同0.6%減の2,248百万m3となりました。工業用需要は、発電専用向け販売量増等により、同7.1%増の6,197百万m3となりました。また、他事業者向け供給は、供給先の需要減等により、同7.2%減の1,609百万m3となりました。 [2021年度連結都市ガス販売量] 2021年度2020年度増減増減率(%)小売お客さま件数千件8,6888,863△175△2.0取付メーター数千件12,20212,0831191.0都市ガス販売量家庭用百万m33,0773,207△130△4.0 業務用百万m32,2482,261△13△0.6 工業用百万m36,1975,7874107.1計百万m38,4458,0493964.9他事業者向け供給百万m31,6091,735△126△7.2合計百万m313,13112,9901411.1平均気温℃16.316.5△0.2- (注) 1 小売お客さま件数は、ガス小売事業者としてのガス料金請求対象件数2 取付メーター数は、休止中・閉栓中・他社小売分を含む導管事業者としてのメーター取付数3 業務用は、商業用、公用及び医療用4 都市ガス販売量は45MJ(メガジュール)/m35 平均気温は、お客さまそれぞれの、ご使用期間(前月の検針日から当月の検針日まで)における気温を平均したもの ガス売上高は、都市ガス販売量が前連結会計年度を上回ったことに加え、原料費調整による売上単価増等により、前連結会計年度から297,212百万円(25.9%)増の1,444,003百万円となりました。都市ガス販売量の増加や原油価格が前期より上昇傾向にあったこと等により都市ガスの原材料費が増加した結果、営業費用は前連結会計年度から283,026百万円(26.7%)増加し、1,341,356百万円となりました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ14,185百万円(16.0%)増加し、102,646百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は4,568百万円減少し、営業利益は69百万円増加しました。ロ 電力電力販売量は、小売件数増等により前連結会計年度比14.2%増の28,288百万kWhとなりました。 [2021年度連結電力販売量] 2021年度2020年度増減増減率(%)小売お客さま件数千件3,0142,71729710.9電力販売量小売百万kWh11,30510,4828237.9卸他百万kWh16,98314,2792,70418.9合計百万kWh28,28824,7613,52714.2 (注) 小売お客さま件数は、電力小売事業者としての電気料金請求対象件数 電力売上高は、電力販売量増等により前連結会計年度から71,884百万円(18.2%)増加し、467,804百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から69,463百万円(17.9%)増加し、456,687百万円となりました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ2,421百万円(27.8%)増加し、11,117百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は38,485百万円減少し、営業利益は4,371百万円増加しました。 ハ 海外海外売上高は、前第2四半期連結会計期間にTG Natural Resources LLCを連結子会社化したこと等により前連結会計年度から39,997百万円(87.1%)増加し、85,931百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から17,910百万円(42.1%)増加し、60,444百万円となりました。持分法による投資利益は、2,765百万円と前連結会計年度比2,269百万円(457.4%)増加しました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ24,357百万円(625.2%)増加の、28,252百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による、売上高及び営業利益への影響は生じていません。ニ エネルギー関連エンジニアリングソリューション、ガス器具、ガス工事、建設及びクレジット等の売上で構成されるエネルギー関連売上高は、ガス器具売上高の減少等により、前連結会計年度から8,143百万円(2.4%)減少し、331,312百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から3,916百万円(1.2%)減少し、318,494百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ4,227百万円(24.8%)減少し、12,818百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は3,891百万円減少し、営業利益は11百万円減少しました。ホ 不動産不動産売上高は、前連結会計年度から9,539百万円(19.7%)増加し、57,961百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から3,572百万円(8.5%)増加し、45,429百万円となりました。持分法による投資利益は、934百万円と前連結会計年度比46百万円(4.6%)減少しました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ5,921百万円(78.5%)増加し、13,466百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は224百万円減少しましたが、営業利益への影響は発生していません。ヘ その他情報処理サービス及び船舶等の売上で構成されるその他売上高は、前連結会計年度から2,882百万円(2.6%)減少し、107,542百万円となりました。営業費用は前連結会計年度から1,079百万円(1.0%)減少し、105,544百万円となりました。持分法による投資利益は、25百万円と前連結会計年度比20百万円(332.3%)増加しました。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ1,783百万円(46.8%)減少し、2,024百万円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1,743百万円減少し、営業利益は67百万円減少しました。なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示します。 区分前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)ガス1,146,79154.91,444,00357.9電力395,92019.0467,80418.8海外45,9342.285,9313.4エネルギー関連339,45516.3331,31213.3不動産48,4222.357,9612.3その他110,4245.3107,5424.3合計2,086,950100.02,494,556100.0調整額△321,803―△349,359―連結1,765,146―2,145,197― (注) 各セグメントの売上高には、事業間の内部取引を含んでいます。 (2) 経営成績に重要な影響を与える経済フレームについて① 原料購入価格の変動当社が供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受けます。また、ドル建てのLNG価格は主として原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受けます。ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)で都市ガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生(スライドタイムラグ)しますが、中長期的には収支への影響は軽微です。為替及び原油価格の変動が翌連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりです。為替:1円/ドルの円安により、約8億円減原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約8億円減翌連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、当連結会計年度が112.39円/ドル、77.15ドル/バレルであったのに対し、それぞれ120.00円/ドル、85.00ドル/バレルを想定しています。(注) 1 都市ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もあります。2 調整の上限があり、変動幅が基準原料価格の160%を超過した場合には超過分は未回収となります。 ② 気温の変動当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受けます。家庭用においては、主な都市ガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合には都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれ都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。当連結会計年度の平均気温(※)は上期で21.5℃、下期で11.1℃(通期で16.3℃)でしたが、翌連結会計年度の平均気温は通期で16.2℃を想定しています。(※)平均気温は、お客さまそれぞれの、ご使用期間(前月の検針日から当月の検針日まで)における気温を平均したものです。 ③ 金利の変動当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利であるため、借入れ期間中の金利変動リスクは軽微ですが、借換え時等においては金利変動のリスクを受ける可能性があります。 ④ 株価の変動当社の保有する株式のうち、上場株式の株価はマーケットリスクに晒されています。保有株式の取扱いについては、管理規則を設けています。 (3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析① 連結キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)145,227△224,65690,490前連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)255,574△295,91152,009 当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益の計上に対し、有形固定資産の取得、無形固定資産の取得及び長期借入金の返済による支出等があったものの、減価償却費の計上及び長期借入れによる収入等により、現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ21,888百万円増加し、当連結会計年度末には179,699百万円となりました(前期末比13.9%増)。 イ 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動の結果増加した資金は、当連結会計年度において145,227百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上(126,865百万円)に対し、売上債権の増加(113,362百万円)、棚卸資産の増加(22,491百万円)、法人税等の支払(16,123百万円)及びデリバティブ利益の計上(15,362百万円)等があったものの、減価償却費が計上(196,810百万円)されたこと及び仕入債務が増加(10,132百万円)したこと等によるものです。また、これは、前連結会計年度に比べて110,347百万円の収入の減少となります(前期比43.2%減)。ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動の結果減少した資金は、当連結会計年度において224,656百万円となりました。これは、投資有価証券の売却及び償還による収入(8,841百万円)等があったものの、都市ガス供給体制整備のための設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出(167,197百万円)、無形固定資産の取得による支出(29,777百万円)、投資有価証券の取得による支出(16,214百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(15,074百万円)等により資金が減少したことによるものです。また、これは、前連結会計年度に比べて71,255百万円の支出の減少となります(前期比24.1%減)。ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動の結果増加した資金は、当連結会計年度において90,490百万円となりました。これは、長期借入金の返済による支出(123,252百万円)、配当金の支払(26,424百万円)及び社債の償還による支出(20,000百万円)等があったものの、長期借入れによる収入(165,014百万円)及び新たな社債の発行による収入(73,620百万円)があったこと等によるものです。また、これは、前連結会計年度に比べて38,481百万円の収入の増加となります(前期比74.0%増)。 ② 資産当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から478,594百万円(17.5%)増加し、3,216,942百万円となりました。これは、既存設備の減価償却が進んだものの、原油価格上昇影響等に伴う原料費調整による都市ガス料金の売上単価増等に基づいた受取手形、売掛金及び契約資産の増加に加え、その他流動資産の増加があったこと等により、流動資産が前連結会計年度末から362,206百万円増加し、912,931百万円となったこと等によるものです。また、総資産利益率(ROA)は、前連結会計年度末の1.9%から3.0%に上昇しました。 ③ 負債当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から400,298百万円(25.7%)増加し、1,960,375百万円となりました。これは、社債の新規発行や長期借入金の増加に加え、その他流動負債に含まれるデリバティブ債務の額が増加したこと等によるものです。 ④ 有利子負債社債や長期借入金の増加等に伴い、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ154,601百万円(14.5%)増加し、1,220,589百万円となりました。有利子負債比率(有利子負債÷総資産)は、総資産の増加率の方が大きかったため、前連結会計年度末の38.9%から37.9%に下落しました。 ⑤ 純資産当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ78,295百万円(6.6%)増加し、1,256,566百万円となりました。これは、株主資本について剰余金の配当26,423百万円等による減少に対し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上88,745百万円等による増加が大きく60,922百万円増加したことや、為替換算調整勘定の増加等によりその他の包括利益累計額が12,462百万円増加したことによるものです。自己資本比率は、前連結会計年度末の42.1%から38.1%に下落し、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の4.3%から7.5%に上昇しました。負債資本倍率(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末の0.92から0.99へと上昇しました。 (生産、受注及び販売の実績)当社グループの製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も少なくありません。また、都市ガス事業が外部顧客に対する売上高及び営業費用の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産及び販売活動の中心となっています。このため、以下は都市ガス事業について記載しています。(1) 生産実績最近2連結会計年度の都市ガスの生産実績は次のとおりです。区分前連結会計年度当連結会計年度都市ガス(千m3)12,974,97913,190,246 (2) 受注実績都市ガスについては、その性質上受注生産は行いません。 (3) 販売実績都市ガス販売実績都市ガスは導管を通じて直接需要家に販売していますが、一部については他事業者向け供給を行っています。最近2連結会計年度の都市ガスの販売実績は次のとおりです。区分前連結会計年度当連結会計年度数量(千m3)金額(百万円)数量(千m3)金額(百万円)家庭用3,206,793417,8273,077,127441,652その他9,783,128549,88710,054,065730,181計12,989,921967,71513,131,1921,171,833 ② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。重要な会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 事業全体及びセグメントごとの経営成績等<事業全体>当連結会計年度の連結決算は、3期ぶりの増収、当期純利益ベースでは2期連続の増益で、営業利益、経常利益ベースでもいずれも増益でした。以下では、経常利益ベースで増益となった理由について説明します。増益となった主な要因は、①海外事業において北米上流事業会社の連結子会社化により利益が増加したこと、及び豪州上流プロジェクトで利益が増加したこと、②ガス事業においてスライドタイムラグ(*)が改善したことにより粗利が増加したことです。(*)原油価格や為替レートの変動に伴う原材料費の変動が、原料費調整制度によりガス売上高に反映されるまでの時期ずれにより発生する年度毎の利益変動 <セグメント別>ガスセグメントは、原油価格上昇に伴う原料費調整制度による販売単価増等により、売上高が前期比+2,973億円(+25.9%)の1兆4,440億円となりました。スライドタイムラグ及び年金数理差異償却額影響の改善等により、セグメント利益は前期比+142億円(+16.0%)の1,026億円となりました。電力セグメントは、小売お客さま件数の増加及び卸先の需要増等に伴う販売量の増加等により、売上高が前期比+719億円(+18.2%)の4,678億円となりました。セグメント利益はフレーム影響等に伴う粗利減等があったものの、小売販売件数増に伴う粗利増等により、前期比+25億円(+27.8%)の111億円となりました。海外セグメントは、前期に子会社化した北米上流事業会社の通期での貢献及び原油価格上昇に伴う豪州上流プロジェクトの売上高増等により、売上高は前期比+400億円(+87.1%)の859億円となりました。持分法適用関連会社の利益増等もあり、セグメント利益は前期比+244億円(+625.2%)の282億円となりました。エネルギー関連セグメントは、ガス器具販売における販売台数減等により、売上高は前期比△81億円(△2.4%)の3,313億円となりました。器具保証契約損失引当金の繰入による費用増等により、セグメント利益は前期比△42億円(△24.8%)の128億円となりました。不動産セグメントは、ムスブ田町の賃貸料収入の増加等により、売上高は前期比+95億円(+19.7%)の579億円となりました。セグメント利益は前期比+59億円(+78.5%)の134億円となりました。その他セグメントは、情報処理サービスでのシステム受注の減少等により、売上高が前期比△29億円(△2.6%)の1,075億円となりました。船舶事業における借船費用の増加等もあり、セグメント利益は△18億円(△46.8%)の20億円となりました。 売上高(億円)セグメント利益(億円)2021年度2020年度増減増減率(%)2021年度2020年度増減増減率(%)ガス14,44011,4672,97325.91,02688414216.0電力4,6783,95971918.2111862527.8海外85945940087.128238244625.2エネルギー関連3,3133,394△81△2.4128170△42△24.8不動産5794849519.7134755978.5その他1,0751,104△29△2.62038△18△46.8調整額△3,493△3,218△275―△488△50214―連結21,45117,6513,80021.51,21579142453.5 <認識>当期の経常利益は前期比+562億円の1,267億円、一過性の要因である気温影響、スライドタイムラグ、年金数理差異償却額を除いた補正経常利益は+328億円の1,200億円となりました。(億円) 2021年度2020年度増減経常利益①1,267705562補正項目気温影響②△36△5418スライドタイムラグ③(都市ガス+LNG販売)△6△121115年金数理差異償却額④1098101補正経常利益①-(②+③+④)1,200872328 補正経常利益ベースの増益は、海外事業における北米上流事業会社の連結子会社化及び原油価格の高騰等に伴う売上単価の上昇、並びに不動産事業におけるムスブ田町の賃貸料収入の増加が主な要因です。「東京ガスグループ 2020-2022年度 中期経営計画」の最終年である2022年度は、利益目標としているセグメント利益1,400億円に対して、1,435億円を見込んでいます。一方、足下ではウクライナをめぐる国際情勢の不安定化や、これを起因とする原油価格の高騰に加え、まだ収束が見通せない新型コロナウイルス感染症の状況等、不確実性が高まっており、今後の事業環境の変化や市場ボラティリティの高まりに的確に対応しつつ、ホールディングス型グループ体制のもと各事業の取り組みを着実に進め、さらにはグループ全体でのコスト改革を確実に実行していくことで、目標達成に向けて挑戦していきます。 ② 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金です。当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フロー1,452億円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは海外事業を中心とする投資拡大に伴い△2,246億円となり、不足資金を社債や長期借入金により調達しました。引き続き、将来に向けた成長投資を実行していきますが、その原資確保のために資金が不足する場合には、主に社債・長期借入金で対応する方針です。なお、短期運転資金は主にコマーシャル・ペーパーで賄っていく方針です。 ③ 経営計画上の客観的な指標等2020年3月25日発表の「東京ガスグループ 2020-2022年度 中期経営計画」に基づき、持続的成長に向け積極的な原資投入を行うとともに、投資・資本効率性、財務体質、株主還元にも留意し、長期的な企業価値向上に資するバランスのとれた財務戦略を実現していきます。イ 投資・資本効率性投資に伴うリスク及び採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努めます。具体的には、ROA(総資産利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2022年度における目標を、ROAは4%程度、ROEは8%程度と定め上記の実現を図ります。ロ 財務体質現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努めます。具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を主要経営指標と位置付け、2022年度に至るまで各年度0.9倍程度を目標と定め上記の実現を図ります。ハ 株主還元経営の成果を、お客さまサービス向上と持続可能な社会の実現に振り向けるとともに、株主のみなさまに適切・タイムリーに配分します。株主のみなさまには、配当に加え、消却を前提とした自社株取得を株主還元の一つとして位置付け、総還元性向(連結当期純利益に対する配当と自社株取得の割合)の目標を、2022年度に至るまで各年度5割程度とします。また、配当については、安定配当を維持しつつ、中長期の利益水準を総合的に勘案し、成長に合わせて緩やかな増配を実現していきます。n年度総還元性向=((n年度の年間配当金総額)+(n+1年度の自社株取得額))÷n年度連結当期純利益 2021年度実績2022年度(中期経営計画)ROA3.0%4%程度ROE7.5%8%程度D/Eレシオ0.990.9程度総還元性向50.2%50%程度
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、2011年11月に、長期経営ビジョン「エネルギーと未来のために東京ガスグループがめざすこと。 ~チャレンジ2020ビジョン~」を発表した。これまでのホップ期(2012-14年度)、ステップ期(2015-17年度)では、総合エネルギー・グローバル企業を目指し、事業領域・エリアを大幅に拡大して7つの事業ドメインを確立するとともに、新たなグループフォーメーションを構築した。ジャンプ期(2018-20年度)は、ビジョンの集大成として、引き続き非連続の改革(これまでにない大胆な事業変革・抜本的な組織構造改革)を進めつつ、「できること」として具体的に新たな価値=東京ガスグループならではの“GPS×G”を展開し、2020年代の発展・飛躍を確実なものとしていく。 ≫東京ガスグループ 2018-20年度経営計画「GPS2020」の概要2016年4月の電力小売全面自由化に引き続き、2017年4月にはガス小売全面自由化が始まり、当社グループを取り巻く環境が大きく変化している。こうした環境変化を踏まえ、2017年10月に東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」を策定した。これは、ガス(Gas)&電気(Power)に、お客さまのニーズに合ったサービス(Service)を組み合わせて、さまざまな手段で国内外のお客さまへ(Global)お届けする(GPS×G)という計画である。 ≫「GPS2020」実現に向けた取り組み首都圏においてさまざまな企業がエネルギー市場に参入し、当社の都市ガス小売お客さま件数が他社への契約切り替え等により2018年度38万8千件減少する等、競争は激しさを増している。そうした中にあっても、攻守一体となる電力契約件数の拡大等、「GPS2020」は着実に進展している。2020年代における発展・飛躍の基盤を固めるためにも、2019年度は、総合エネルギー事業の進化(GPS)、グローバル展開の加速(×G)により、「GPS2020」の達成に道筋をつけるべく取り組んでいく。<LNGバリューチェーンの強化>新たなLNG生産プロジェクトの立ち上げに貢献するとともに、LNGネットワークを拡大している。これからも国内外パートナーとのグローバルアライアンスを一層推進する等、安定かつ安価なLNG調達に向けた原料調達の多様化に取り組んでいく。<お客さまへの電気・サービスのお届け>2020年度までの電力契約件数目標240万件を1年前倒しで達成することで、より多くのお客さまに当社の電気をお届けすることを目指す。また、さまざまなビジネスパートナーとの協業等により新たな共創サービスをさらに拡大するとともに、家庭用では「ガス機器スペシャルサポート」や「くらし見守りサービス」等の拡充、業務用・工業用のお客さまへはエネルギーサービス等の拡大を図っていく。<グローバル展開の加速>国内外で培った天然ガス・LNG分野の事業経験を基に、天然ガス・LNGインフラの建設・運営、エネルギー供給に加え、各地域の特性に応じた再生可能エネルギー案件への参画等を推進している。今後も、既存のプロジェクトを着実に進めるとともに、各国において新たな案件の獲得を進めていく。<低炭素社会の実現に向けた取り組み>再生可能エネルギー電源の獲得、スマートエネルギーネットワークを通じた街全体の低炭素化、お客さまのRE100実現の計画策定や再エネ電力調達支援を行うコンサルティングサービスのご提供等を進めていく。<デジタルイノベーションの取り組み>今年度新たに“新事業創造プロジェクト部”を設置し、2019年度内に別会社化することにより、デジタル技術を活用した新事業・サービスの創造を加速していく。また、新たに“企業革新プロジェクト部”を設置し、効率化・高度化を図る業務プロセス改革等を通じた生産性向上に取り組んでいく。 当社グループは、以上のような取り組みを通じて、「安心・安全・信頼」を確かなものとし、今後とも企業価値・株主価値をさらに高め、株主の皆さま、お客さまのご期待にお応えできるよう努めていく。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。なお、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」①経営成績等の状況の概要<経営計画上の客観的な指標等>に記載している。 株式会社の支配に関する基本方針について 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、2012年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり「当社グループの経営理念および経営の支配に関する基本方針」の改定を決議した。 当社グループは、首都圏を中心に1000万件超のお客さまへ安全かつ安定的に都市ガスを供給するとともに、ガス、熱、電力等各種エネルギーやそれらの付加価値のベストミックスをお客さまへ提供し、「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」に貢献するなど、極めて公益性の高い事業を展開しており、お客さま、株主の皆さまをはじめ、社会から常に信頼を得て発展し続けることを経営理念としている。当社は、この経営理念および中長期の経営戦略に基づき、長期に安定した経営を行うとともに、お客さま、株主の皆さま、その他のステークホルダーの皆さまに対し安定的かつバランスの取れた利益の配分を行うことにより、着実な企業価値の向上を実現していくことを経営の基本方針としている。株主さまへの還元については、別に定める「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づいて実施していく。 当社は上場会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われることも考えられるが、その場合に応じるか否かは、最終的には当社の株主さま全体のご意思に基づき決定されるべきものと考えている。しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的・方法等からみて企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものがあり、当社はこうした大量買付行為を不適切であると判断する。判断にあたっては、買付者の事業内容や将来の事業計画、並びに過去の投資行動等から、当該買付行為または買収提案による当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に検討していく。当社としては、不適切な大量買付行為に対する最大の防衛策は「企業価値の向上」であると考えている。現在のところ、当社は具体的な買収の脅威にさらされておらず、いわゆる「買収防衛策」を予め導入することはしないが、市場動向等を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じていく。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、2011年11月に、長期経営ビジョン「エネルギーと未来のために東京ガスグループがめざすこと。 ~チャレンジ2020ビジョン~」を発表した。これまでのホップ期(2012-14年度)、ステップ期(2015-17年度)では、総合エネルギー・グローバル企業を目指し、事業領域・エリアを大幅に拡大して7つの事業ドメインを確立するとともに、新たなグループフォーメーションを構築した。ジャンプ期(2018-20年度)は、ビジョンの集大成として、引き続き非連続の改革(これまでにない大胆な事業変革・抜本的な組織構造改革)を進めつつ、「できること」として具体的に新たな価値=東京ガスグループならではの“GPS×G”を展開し、2020年代の発展・飛躍を確実なものとしていく。 ≫東京ガスグループ 2018-20年度経営計画「GPS2020」の概要2016年4月の電力小売全面自由化に引き続き、2017年4月にはガス小売全面自由化が始まり、当社グループを取り巻く環境が大きく変化している。こうした環境変化を踏まえ、2017年10月に東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」を策定した。これは、ガス(Gas)&電気(Power)に、お客さまのニーズに合ったサービス(Service)を組み合わせて、さまざまな手段で国内外のお客さまへ(Global)お届けする(GPS×G)という計画である。 ≫「GPS2020」実現に向けた取り組み首都圏においてさまざまな企業がエネルギー市場に参入し、当社の都市ガス小売お客さま件数が他社への契約切り替え等により2018年度38万8千件減少する等、競争は激しさを増している。そうした中にあっても、攻守一体となる電力契約件数の拡大等、「GPS2020」は着実に進展している。2020年代における発展・飛躍の基盤を固めるためにも、2019年度は、総合エネルギー事業の進化(GPS)、グローバル展開の加速(×G)により、「GPS2020」の達成に道筋をつけるべく取り組んでいく。<LNGバリューチェーンの強化>新たなLNG生産プロジェクトの立ち上げに貢献するとともに、LNGネットワークを拡大している。これからも国内外パートナーとのグローバルアライアンスを一層推進する等、安定かつ安価なLNG調達に向けた原料調達の多様化に取り組んでいく。<お客さまへの電気・サービスのお届け>2020年度までの電力契約件数目標240万件を1年前倒しで達成することで、より多くのお客さまに当社の電気をお届けすることを目指す。また、さまざまなビジネスパートナーとの協業等により新たな共創サービスをさらに拡大するとともに、家庭用では「ガス機器スペシャルサポート」や「くらし見守りサービス」等の拡充、業務用・工業用のお客さまへはエネルギーサービス等の拡大を図っていく。<グローバル展開の加速>国内外で培った天然ガス・LNG分野の事業経験を基に、天然ガス・LNGインフラの建設・運営、エネルギー供給に加え、各地域の特性に応じた再生可能エネルギー案件への参画等を推進している。今後も、既存のプロジェクトを着実に進めるとともに、各国において新たな案件の獲得を進めていく。<低炭素社会の実現に向けた取り組み>再生可能エネルギー電源の獲得、スマートエネルギーネットワークを通じた街全体の低炭素化、お客さまのRE100実現の計画策定や再エネ電力調達支援を行うコンサルティングサービスのご提供等を進めていく。<デジタルイノベーションの取り組み>今年度新たに“新事業創造プロジェクト部”を設置し、2019年度内に別会社化することにより、デジタル技術を活用した新事業・サービスの創造を加速していく。また、新たに“企業革新プロジェクト部”を設置し、効率化・高度化を図る業務プロセス改革等を通じた生産性向上に取り組んでいく。 当社グループは、以上のような取り組みを通じて、「安心・安全・信頼」を確かなものとし、今後とも企業価値・株主価値をさらに高め、株主の皆さま、お客さまのご期待にお応えできるよう努めていく。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。なお、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、3「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」①経営成績等の状況の概要<経営計画上の客観的な指標等>に記載している。 株式会社の支配に関する基本方針について 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、2012年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり「当社グループの経営理念および経営の支配に関する基本方針」の改定を決議した。 当社グループは、首都圏を中心に1000万件超のお客さまへ安全かつ安定的に都市ガスを供給するとともに、ガス、熱、電力等各種エネルギーやそれらの付加価値のベストミックスをお客さまへ提供し、「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」に貢献するなど、極めて公益性の高い事業を展開しており、お客さま、株主の皆さまをはじめ、社会から常に信頼を得て発展し続けることを経営理念としている。当社は、この経営理念および中長期の経営戦略に基づき、長期に安定した経営を行うとともに、お客さま、株主の皆さま、その他のステークホルダーの皆さまに対し安定的かつバランスの取れた利益の配分を行うことにより、着実な企業価値の向上を実現していくことを経営の基本方針としている。株主さまへの還元については、別に定める「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づいて実施していく。 当社は上場会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われることも考えられるが、その場合に応じるか否かは、最終的には当社の株主さま全体のご意思に基づき決定されるべきものと考えている。しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的・方法等からみて企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものがあり、当社はこうした大量買付行為を不適切であると判断する。判断にあたっては、買付者の事業内容や将来の事業計画、並びに過去の投資行動等から、当該買付行為または買収提案による当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に検討していく。当社としては、不適切な大量買付行為に対する最大の防衛策は「企業価値の向上」であると考えている。現在のところ、当社は具体的な買収の脅威にさらされておらず、いわゆる「買収防衛策」を予め導入することはしないが、市場動向等を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じていく。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】① 経営成績等の状況の概要(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)(1) 当連結会計年度の経営成績の分析① 経営環境当連結会計年度における我が国の経済は、輸出や生産の一部に弱さが残るものの、雇用環境や所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復している。そうした状況に伴い、個人消費や民間設備投資も持ち直す等、経済の好循環のさらなる拡大が期待されている。そのような経済環境の中、2016年4月の電力小売全面自由化に続く2017年4月のガス小売全面自由化、第4次産業革命における技術革新などエネルギー事業を取り巻く環境は大きく変化した。そうした中、当社グループは、総合エネルギー事業化とグローバル化によって、国内外のお客さまにお届けする付加価値を増大し、引き続き当社グループを選んでいただけるよう、さまざまな施策に積極的に取り組んできた。② 売上高 売上高は、前連結会計年度比10.4%増の1,962,308百万円となった。ガス販売量が前連結会計年度を下回ったものの、原油価格上昇影響に伴う原料費調整による売上単価増があったため、ガス売上高が前連結会計年度比8.3%増加し、さらに電力売上高も28.2%増加した。③ 営業費用及び営業利益 売上原価、供給販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度比12.5%増の1,868,603百万円となった。 原油価格上昇影響から都市ガス原材料費が増加したこと等により、売上原価は前連結会計年度比16.9%増の1,407,345百万円となった。経営効率化の一層の推進を図り、諸経費及び人件費等の抑制に最大限の努力を重ねたものの、供給販売費及び一般管理費は、退職給付に係る数理計算上の差異の費用処理額の増等により、前連結会計年度0.9%増の461,258百万円となった。 この結果、営業利益は前連結会計年度比19.4%減の93,704百万円となった。④ 営業外損益及び経常利益 営業外損益純額は、前連結会計年度の△4,756百万円から、△4,317百万円となった。 営業外収益の合計は、前連結会計年度の13,057百万円から、13,771百万円となった。これは、雑収入に含めている専用設備料収入が前連結会計年度比674百万円増の708百万円となったことが主な要因である。 営業外費用の合計は、前連結会計年度の17,813百万円から、18,089百万円となった。 この結果、経常利益は前連結会計年度比19.9%減の89,386百万円となった。⑤ 特別損益 特別損益純額は、前連結会計年度の3,239百万円から、27,861百万円となった。 特別利益の合計は、前連結会計年度の6,452百万円から、35,727百万円となった。これは、前連結会計年度に3,403百万円計上した固定資産売却益が29,306百万円であったこと、及び前連結会計年度に3,049百万円計上した投資有価証券売却益が6,420百万円であったことが要因である。 特別損失の合計は、前連結会計年度の3,213百万円から、7,865百万円となった。これは、投資有価証券評価損7,865百万円の計上があったこと、及び前連結会計年度に減損損失の計上が3,213百万円であったが、当連結会計年度の計上はなかったことが要因である。⑥ 税金等調整前当期純利益、法人税等(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)並びに親会社株主に帰属する当期純利益 税金等調整前当期純利益は、経常利益の減少及び特別損失の増加があったものの、特別利益の増加により、前連結会計年度比2.1%増の117,248百万円となった。法人税等は、同16.6%減の32,936百万円となった。 以上の結果から、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.8%増の84,555百万円となった。 売上高に対する当期純利益率は、前連結会計年度の4.2%から0.1ポイント増加し、4.3%となった。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の164円12銭から、187円60銭となった。(注) 当社は、2017年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行った。前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定している。⑦ セグメント情報 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較については、変更後の報告セグメントに基づいている。変更の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載している。イ ガス 都市ガス販売量は、前連結会計年度比2.4%減の15,198百万m3となった。家庭用需要は、前連結会計年度と比較して高気温であった影響で給湯需要が減少したこと、及びお客様件数が減少したこと等により、前連結会計年度比9.2%減の3,240百万m3となった。業務用需要は、前連結会計年度と比較して需要家件数が減少したこと等により、同4.2%減の2,609百万m3となった。工業用需要は、発電用需要の増加等により、同1.7%増の7,413百万m3となった。また、他事業者向け供給は、供給先の需要減少等により、同2.5%減の1,936百万m3となった。 [2018年度連結都市ガス販売量] 2018年度2017年度増減増減率(%)小売お客さま件数千件9,82110,209△388△3.8取付メーター数千件11,81811,6781401.2都市ガス販売量家庭用百万m33,2403,570△330△9.2 業務用百万m32,6092,722△113△4.2 工業用百万m37,4137,2901231.7計百万m310,02210,012100.1他事業者向け供給百万m31,9361,985△49△2.5合計百万m315,19815,568△370△2.4平均気温℃17.015.71.3-(注)1 小売お客さま件数は、ガス小売事業者としてのガス料金請求対象件数2 取付メーター数は、休止中・閉栓中・他社小売分を含む導管事業者としてのメーター取付数3 業務用は、商業用、公用及び医療用4 都市ガス販売量は45MJ(メガジュール)/m35 平均気温は、お客さまそれぞれの、ご使用期間(前月の検針日から当月の検針日まで)における気温を平均したもの ガス売上高は、都市ガス販売量が前連結会計年度を下回ったものの、原料費調整による売上単価増等により、前連結会計年度から108,879百万円(8.3%)増の1,413,709百万円となった。経営効率化の一層の推進を図り、費用の抑制に最大限の努力を重ねてきたものの、原油価格上昇影響から都市ガス原材料費が増加したこと等により、営業費用は前連結会計年度から135,711百万円(11.4%)増加し、1,321,482百万円となった。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ26,831百万円(22.5%)減少し、92,227百万円となった。ロ 電力 電力販売量は、前連結会計年度比5.6%増の15,482百万kWhとなった。 [2018年度連結電力販売量] 2018年度2017年度増減増減率(%)小売お客さま件数千件1,7741,13064456.9電力販売量小売百万kWh6,5554,5691,98643.5卸他百万kWh8,92610,087△1,161△11.5合計百万kWh15,48214,6568265.6(注)小売りお客さま件数は、電力小売事業者としての供給中件数 電力売上高は、前連結会計年度から61,624百万円(28.2%)増加し、280,308百万円となった。営業費用は前連結会計年度から61,076百万円(29.2%)増加し、270,144百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ549百万円(5.7%)増加し、10,164百万円となった。ハ 海外 海外売上高は、前連結会計年度から9,359百万円(22.5%)増加し、50,913百万円となった。営業費用は前連結会計年度から1,446百万円(4.0%)増加し、37,778百万円となった。持分法による投資利益は、2,174百万円と前連結会計年度比305百万円(12.3%)減少した。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ7,609百万円(98.8%)増加の、15,309百万円となった。ニ エネルギー関連 エンジニアリングソリューション、ガス器具、ガス工事、建設及びクレジット等の売上で構成されるエネルギー関連売上高は、エンジニアリング売上高及びガス器具売上高の増加等により、前連結会計年度から29,967百万円(9.0%)増加し、363,598百万円となった。営業費用は前連結会計年度から30,726百万円(9.6%)増加し、352,409百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ760百万円(6.4%)減少し、11,188百万円となった。ホ 不動産 不動産売上高は、前連結会計年度から2,270百万円(5.4%)増加し、44,601百万円となった。営業費用は前連結会計年度から1,705百万円(5.0%)増加し、36,065百万円となった。持分法による投資利益は、599百万円を当連結会計年度から計上している。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ1,165百万円(14.6%)増加し、9,135百万円となった。ヘ その他 情報処理サービス及び船舶等の売上で構成されるその他売上高は、前連結会計年度から22,833百万円(26.9%)増加し、107,862百万円となった。営業費用は前連結会計年度から20,877百万円(25.9%)増加し、101,590百万円となった。持分法による投資利益は、19百万円と前連結会計年度比6百万円(43.3%)増加した。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ1,963百万円(45.3%)増加し、6,292百万円となった。 なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示す。 区分前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)ガス1,304,83064.41,413,70962.5電力218,68410.8280,30812.4海外41,5542.150,9132.3エネルギー関連333,63116.5363,59816.1不動産42,3312.144,6012.0その他85,0294.2107,8624.8合計2,026,061100.02,260,994100.0調整額△248,716-△298,685-連結1,777,344-1,962,308-(注)各セグメントの売上高には、事業間の内部取引を含んでいる。 (2) 経営成績に重要な影響を与える経済フレームについて① 原料購入価格の変動 当社が供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受ける。また、ドル建てのLNG価格は原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受ける。ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)で都市ガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生する(スライドタイムラグ)が、中長期的には収支への影響は軽微である。 為替及び原油価格の変動が翌連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりである。 為替:1円/ドルの円安により、約700百万円減 原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約1,300百万円減 翌連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、当連結会計年度が110.92円/ドル、72.12ドル/バレルであったのに対し、それぞれ110.00円/ドル、70.00ドル/バレルを想定している。 (注) 1 都市ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もある。2 調整の上限がある。② 気温の変動 当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受ける。家庭用においては、主な都市ガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合には都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となる。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれ都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となる。 当連結会計年度の平均気温(※)は上期で22.3℃、下期で11.6℃(通期で17.0℃)だったが、翌連結会計年度の平均気温は通期で15.9℃を想定している。 (※)平均気温は、お客さまそれぞれの、ご使用期間(前月の検針日から当月の検針日まで)における気温を平均したもの。③ 金利の変動 当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利であるため、借入れ期間中の金利変動リスクは軽微である。しかし、借換え時等においては金利変動のリスクを受ける可能性がある。④ 株価の変動 当社の保有する株式のうち、上場株式の株価はマーケットリスクにさらされている。保有株式の取扱いについては、管理規則を設けている。(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析① 連結キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)当連結会計年度(自 2018年4月1日至 2019年3月31日)141,306△203,46227,628前連結会計年度(自 2017年4月1日至 2018年3月31日)259,738△247,162△16,651 当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益の計上に対し、減価償却費の計上等があったものの、有形固定資産の取得及び売上債権の増加等により、現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ35,238百万円減少し、当連結会計年度末には93,032百万円となった(前期末比27.5%減)。イ 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果増加した資金は、当連結会計年度において141,306百万円となった。 これは、税金等調整前当期純利益の計上(117,248百万円)に対し、売上債権の増加(46,191百万円)、固定資産売却損益の組替(29,283百万円)及び法人税等の支払(26,571百万円)等があったものの、減価償却費が計上(157,574百万円)されたこと等によるものである。 また、これは、前連結会計年度に比べて118,432百万円の収入の減少となる(前期比45.6%減)。ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動の結果減少した資金は、当連結会計年度において203,462百万円となった。 これは、固定資産の売却による収入(25,050百万円)、投資有価証券の売却及び償還による収入(12,082百万円)等があったものの、製造・供給体制整備のための設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出(168,144百万円)及び無形固定資産の取得による支出(39,491百万円)等により資金が減少したことによるものである。 また、これは、前連結会計年度に比べて43,700百万円の支出の減少となる(前期比17.7%減)。ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動の結果増加した資金は、当連結会計年度において27,628百万円となった。 これは、社債の償還による支出(40,000百万円)、配当金の支払(24,936百万円)及び長期借入金の返済による支出(23,726百万円)等があったものの、新たな社債の発行による収入(70,000百万円)及び長期借入れによる収入(59,354百万円)があったこと等によるものである。 また、これは、前連結会計年度に比べて44,279百万円の収入の増加(支出の減少)となる(前期は16,651百万円の支出)。② 資産、負債及び純資産 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から93,833百万円(4.0%)増加し、2,428,149百万円となった。総資産利益率(ROA)は、前連結会計年度末の3.3%から3.6%に上昇した。③ 固定資産 有形固定資産は、田町プロジェクトや茨城幹線の建設が進んだこと等により、前連結会計年度末から12,388百万円(0.9%)増加し、1,425,634百万円となった。製造設備はLNG基地の増強があったものの、既存設備の減価償却が進んだことにより、前連結会計年度末から1,901百万円減少し、234,433百万円となった。供給設備は導管網の増強があったものの、既存設備の減価償却が進んだことにより、前連結会計年度末から11,687百万円減少し、548,529百万円となった。その他の設備は既存資産の減価償却が進んだものの、海外上流事業の稼働開始による増加等があったことにより、前連結会計年度末から41,387百万円増加し447,608百万円となった。建設仮勘定は、田町プロジェクトや茨城幹線等への設備投資が増加したものの、海外上流事業の稼働開始に伴うその他の設備への振替等があったことにより、前連結会計年度末から12,753百万円減少し、145,160百万円となった。 無形固定資産は、既存設備の減価償却が進んだものの、ソフトウェア投資等があったことにより、前連結会計年度末から26,937百万円(28.8%)増加し、120,359百万円となった。 また、投資その他の資産は、海外上流事業等への投融資が増加したこと等により、前連結会計年度末から10,912百万円(3.2%)増加し、355,409百万円となった。④ 流動資産 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から43,595百万円(9.0%)増加し、526,745百万円となった。受取手形及び売掛金は、前連結会計年度末と比べ48,991百万円増加し、265,225百万円となった。⑤ 固定負債 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から89,622百万円(10.8%)増加し、919,176百万円となった。社債は、前連結会計年度末から40,000百万円増加し、334,998百万円となった。また、長期借入金は、前連結会計年度末から35,862百万円増加し、394,542百万円となった。⑥ 流動負債 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から18,702百万円(5.2%)減少し、337,626百万円となった。支払手形及び買掛金は、前連結会計年度末から11,214百万円減少し、69,605百万円となった。また、1年以内固定負債は、前連結会計年度末から6,528百万円減少し、51,566百万円となった。一方、流動比率(流動資産÷流動負債)は、前連結会計年度末の135.6%から156.0%に上昇した。⑦ 有利子負債 社債の増加等に伴い、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ78,276百万円(10.8%)増加し、803,216百万円となった。有利子負債比率(有利子負債÷総資産)は、前連結会計年度末の31.1%から33.1%に上昇した。⑧ 純資産 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ22,912百万円(2.0%)増加し、1,171,345百万円となった。これは、為替換算調整勘定の減少等によりその他の包括利益累計額が16,154百万円減少したものの、株主資本については、剰余金の配当24,932百万円、自己株式の市場買付19,999百万円等による減少に対し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上84,555百万円等による増加が大きく、39,182百万円増加したこと等によるものである。自己資本比率は、前連結会計年度末の48.7%から47.7%に下落し、自己資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の6.7%から7.4%に上昇した。負債資本倍率(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末の0.64から0.69へと上昇した。 (注) 当連結会計年度より、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を適用し、遡って適用した後の前連結会計年度末の数値と比較している。 (生産、受注及び販売の実績) 当社グループの製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も少なくない。また、都市ガス事業が外部顧客に対する売上高及び営業費用の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産及び販売活動の中心となっている。 このため、以下は都市ガス事業について記載している。(1) 生産実績 最近2連結会計年度の都市ガスの生産実績は次のとおりである。区分前連結会計年度当連結会計年度都市ガス(千m3)15,457,73315,116,365 (2) 受注実績 都市ガスについては、その性質上受注生産は行わない。(3) 販売実績 都市ガス販売実績 都市ガスは、導管を通じて直接需要家に販売しているが、一部については他事業者向け供給を行っている。 最近2連結会計年度の都市ガスの販売実績は次のとおりである。区分前連結会計年度当連結会計年度数量(千m3)金額(百万円)数量(千m3)金額(百万円)家庭用3,570,045483,2563,240,026473,239その他11,997,606665,60211,957,984769,424計15,567,6511,148,85915,198,0101,242,663 ② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。(1) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載している。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 事業全体およびセグメントごとの経営成績等<事業全体> 当期の連結決算は、2期連続の増収、当期純利益ベースでは2期連続の増益であった。しかし、営業利益、経常利益ベースではいずれも減益であった。当期純利益ベースで増益であったのは、主に特別損益の部で多額の固定資産売却益の計上があったためである。以下では、経常利益ベースで減益となった理由について説明する。 減益となった主な要因は、①年間を通じて高気温で推移したこと、及びガス全面自由化の進展でお客さま件数が減少したことにより都市ガス販売量が減少した結果、ガス事業で粗利が減少したこと、②退職給付に係る数理計算上の差異の費用処理額が増加したこと、である。 なお、例年大きな利益変動要因であるスライドタイムラグ(*)については、原油価格が2017年度・2018年度を通じて上昇基調にあったため、引き続き多額の未回収が発生したものの、対前期では大きな差ではなかった。(*)原油価格や為替レートの変動に伴う原材料費の変動が、原料費調整制度によりガス売上高に反映されるまでの時期ずれにより発生する年度毎の利益変動 <セグメント別> ガスセグメントは、都市ガス販売量の減少はあったものの、原油価格上昇に伴う原料費調整制度による販売単価増等により、売上高が前期比+1,089億円(+8.3%)の1兆4,137億円となった。一方、高気温の影響・お客さま件数減少の影響により粗利が悪化したこと、また退職給付に係る数理計算上の差異の費用処理額の増加もあったため、セグメント利益は減少し、前期比△268億円(△22.5%)の922億円となった。 電力セグメントは、小売販売量の増加等により、売上高が前期比+617億円(+28.2%)の2,803億円となった。その結果、粗利は増加したものの、委託作業費や需要開発費等の固定費も増加したため、セグメント利益は前期比+5億円(+5.7%)の101億円にとどまった。 海外セグメントは、豪州ゴーゴンプロジェクトのLNG販売が増加したこと、豪州プルートプロジェクトの販売数量・単価が増加したこと等により、売上高が前期比+94億円(+22.5%)の509億円となった。持分法適用関連会社の利益減少はあったものの、豪州ゴーゴン・プルート両プロジェクトの利益増加等により、セグメント利益は前期比+76億円(+98.8%)の153億円となった。 エネルギー関連セグメントは、プラント建設、エネルギーサービスが好調で売上高・利益とも増加した一方、ガス器具販売にて器具保証引当金を追加計上した。その結果、売上高は前期比+299億円(+9.0%)の3,635億円となったものの、セグメント利益は前期比△8億円(△6.4%)の111億円となった。 不動産セグメントは、建物賃貸料収入の増加等により、売上高が前期比+23億円(+5.4%)の446億円となり、セグメント利益は前期比+12億円(+14.6%)の91億円となった。 その他セグメントは、船舶事業において北米LNGの輸送が始まったこと等により、売上高が前期比+228億円(+26.9%)の1,078億円となり、セグメント利益は+19億円(+45.3%)の62億円となった。 売上高(億円)セグメント利益(億円)2018年度2017年度増減増減率(%)2018年度2017年度増減増減率(%)ガス14,13713,0481,0898.39221,190△268△22.5電力2,8032,18661728.21019655.7海外5094159422.5153777698.8エネルギー関連3,6353,3362999.0111119△8△6.4不動産446423235.491791214.6その他1,07885022826.962431945.3調整額△2,986△2,487△499-△478△418△60-連結19,62317,7731,85010.49641,187△223△18.8(注)当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較については、変 更後の報告セグメントに基づいている。変更の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載している。 <認識> 当社は東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」において、自由化後の厳しい競争環境のもとでもガス・電力事業トータルの利益を維持するとともに、海外・サービス事業で収益性の向上を図り、東京ガスグループ全体で2020年度においてセグメント利益1,300億円水準を目指すとしている。 2018年度においては、セグメント利益の実績は964億円であるが、気温影響、スライドタイムラグ影響、退職給付に係る数理計算上の差異の費用処理額影響といった一過性の要因を除けば、海外事業の利益拡大等により、セグメント利益で1,300億円レベルは確保していると分析している。 ② 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金である。 2018年度は、営業活動によるキャッシュ・フロー1,413億円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△2,034億円であり、投資活動に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローでは賄えなかった。これは、都市ガス販売量の減少等により営業利益が伸びなかった一方、ガス事業の設備投資や海外事業を中心とする投融資が引き続き高水準だったためである。 この資金不足を賄うため、社債や長期借入金による資金調達を積極的に行い、その結果2018年度末の有利子負債残高は8,032億円となり、前期比で783億円増加している。 東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」の2年度目である2019年度は、GPSの利益実現、将来に向けた仕込み・種まきの両立を図っていく。そのため、引き続き各分野で新たな投資・取組みを実行していくが、その原資確保のために、資金が不足する場合には主に社債・長期借入金で対応していく方針である。なお、短期運転資金は主に短期借入金、コマーシャル・ペーパーで賄っていく方針である。 ③ 経営計画上の客観的な指標等 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、2012年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり当社グループの「財務方針」を決議した。 チャレンジ2020ビジョンに基づき、持続的成長に向け積極的な原資投入を行うとともに、投資・資本効率性、財務体質、株主配分にも留意し、長期的な企業価値向上に資するバランスのとれた財務戦略を実現していく。イ 投資・資本効率性 投資に伴うリスクおよび採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努める。 具体的にはROA(総資産利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2020年度における目標を、ROAは4%程度、ROEは8%程度と定め上記の実現を図る。ロ 財務体質 現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努める。 具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を主要経営指標と位置付け、2020年度に至るまで各年度0.8倍程度を目標と定め上記の実現を図る。ハ 株主配分 創出されるキャッシュ・フローを、新たな成長に向けた「LNGバリューチェーンの高度化」に資する投資に振り向けるとともに、株主の皆さまに経営の成果を適切・タイムリーに配分する。 具体的には、配当に加え、消却を前提とした自社株取得を株主還元策の一つとして位置付け、総分配性向(連結当期純利益に対する配当と自社株取得の割合)の目標を、2020年度に至るまで各年度6割程度とする。 また、配当については、安定配当を維持しつつ、中長期の利益水準を総合的に勘案し、成長に合わせて緩やかな増配を実現していく。n年度総分配性向=((n年度の年間配当金総額)+(n+1年度の自社株取得額))÷n年度連結当期純利益 なお、上記「ロ 財務体質」に関し、2017年10月5日発表の東京ガスグループ2018-20年度経営計 画「GPS2020」において、2020年度のD/Eレシオは0.9程度と想定している。 上記の各主要経営指標に連結営業キャッシュ・フローを加えた指標につき、参考までに2018年度実績 との比較表を以下に示す。2019年度以降も引き続き、上記財務方針を実現していく。 2018年度実績2020年度の姿(2020ビジョン、GPS2020)連結営業キャッシュ・フロー(*)2,464億円2,800億円ROE7.4%8%程度ROA3.6%4%程度D/Eレシオ0.690.9程度総分配性向60.3%60%程度(*)連結営業キャッシュ・フロー=親会社株主に帰属する当期純利益+減価償却費+長期前払費用償却費
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、東日本大震災から約半年が経過した2011年11月にチャレンジ2020ビジョンを策定し、当社グループが将来に向かって成長、発展する絵姿と、そこに至る道筋を明らかにした。その中で、当社グループは今後ともお客さま・社会・時代のニーズに応え、「豊かで潤いのある生活」「競争力ある国内産業」「環境に優しい安心できる社会」の実現に貢献していくとともに、企業の社会的責任を自覚し、地域と共生を図りながら、透明で公正な経営を行うことにより、グループの持続的成長を図っていくこととしている。一方、2016年4月の電力小売全面自由化に引き続き、2017年4月にはガス小売全面自由化が始まり、当社グループを取り巻く環境が大きく変化している。こうした環境変化を踏まえ、2017年10月に東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」を策定した。これは、ガス(Gas)&電気(Power)に、お客さまのニーズに合ったサービス(Service)を組み合わせて、さまざまな手段で国内外のお客さまへ(Global)お届けする(GPS×G)という計画であり、この「GPS2020」を確実に実現することで、2020年代の当社グループのさらなる発展・飛躍を確かなものとしていく。<お客さまとの絆の強化と新たな価値提供>家庭用分野については、ガス事業を通じて築き上げた1,167万件のお客さまとの信頼の絆を活かし、最適なエネルギーをご提供することにより、2020年度までに220万件のお客さまへ当社グループの電気をお届けすることを目指す。また、当社グループだからこそできる、暮らしの最適提案により、「生活まわりで困ったときには東京ガス」と想起いただけるよう、お客さま一人ひとりのライフステージに応じた生活まわりのメニューを幅広く準備する。また、GPS(Gas&Power+Service)を首都圏のお客さまに広くお届けできるよう、周辺ガス事業者さまやLPガス事業者さまとの連携も深めていく。業務用・工業用分野については、導管延伸・ローリー供給による天然ガスの普及拡大を進め、ガスコージェネレーションシステム等の導入による省エネ・省CO2・省コスト等、エネルギーソリューションのほか、当社グループ各社と連携し、大口電力の供給も展開していく。また、お客さまのニーズに沿ったエネルギーサービスの提案や、基地・パイプライン建設等のエンジニアリング事業も積極的に展開し、当社グループを選んでいただけるよう努めていく。不動産事業については、「保有地における賃貸事業」を基本コンセプトに、都心部を中心としたオフィス・住宅の賃貸事業を展開する。賃貸事業に適した良質な資産形成に向け、2020年代のさらなる事業拡大を目指す。海外事業については、国内外で培ったLNGバリューチェーンに関わる経験を活かし、エリア毎の特性に応じた事業を深化・拡大させつつ、「LNGと言えば東京ガス」というポジションを高めていく。国際的な天然ガスのマーケット構造の変化の中、海外事業ポートフォリオにおいて中下流事業の割合を高めていき、安定的な収益基盤の構築を目指す。急速な経済成長の中、天然ガス需要の高まりやLNG輸入の拡大が見込まれる東南アジアの国々において中下流事業に取り組むほか、天然ガスインフラ整備へも貢献し、当社グループの存在感を高めていく。<重点戦略を支える経営基盤強化>原料調達・製造分野については、自由化等の環境変化によりLNG需要変動の可能性が増す中、調達の多様化を図ることで調達の柔軟性を高めていく。また、LNG共同基地におけるシナジー効果を活かした最適な基地運用を継続し、より競争力のある設備形成を図る。電源開発については、販売ストックの成長に合わせ、2020年度300万kW規模の自社電源確保を目指す。また、2020年代前半に再生可能エネルギー電源40万kWの獲得も目指す。デジタル化、イノベーションの取り組みについては、地域密着の営業体制や技術力といった強みを活かしながら、IoT・AI・モバイル化やビッグデータ活用等、デジタル技術の効果的な導入に向けて取り組むとともに、お客さまのニーズに合ったサービスや情報をお届けできるよう、デジタル基盤の整備も進めていく。また、これまでの「ガスエネルギー」を中心とした研究開発から、「幅広いエネルギー革新的技術」を中心とした「オープンイノベーション」型の研究開発へとシフトし、国内外の先進的なベンチャー企業等と協業して新たな技術を吸収し、イノベーションを創出していく。導管分野については、自由化時代における新生ガス導管事業者として、透明性・中立性・公平性を確保するとともに、天然ガスの普及拡大の前提となる安全・安定供給の確保に向け、保安対策や地震防災対策を継続していく。また、託送料金の低減に向け、さらなる経営効率化を図るとともに、導管網拡充と需要獲得を進めてガス輸送量を拡大していく。 当社グループは、以上のような取り組みを通じて、「安心・安全・信頼」を確かなものとし、今後とも企業価値・株主価値をさらに高め、株主の皆さま、お客さまのご期待にお応えできるよう努めていく。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 株式会社の支配に関する基本方針について 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、平成24年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり「当社グループの経営理念および経営の支配に関する基本方針」の改定を決議した。 当社グループは、首都圏を中心に1000万件超のお客さまへ安全かつ安定的に都市ガスを供給するとともに、ガス、熱、電力等各種エネルギーやそれらの付加価値のベストミックスをお客さまへ提供し、「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」に貢献するなど、極めて公益性の高い事業を展開しており、お客さま、株主の皆さまをはじめ、社会から常に信頼を得て発展し続けることを経営理念としている。当社は、この経営理念および中長期の経営戦略に基づき、長期に安定した経営を行うとともに、お客さま、株主の皆さま、その他のステークホルダーの皆さまに対し安定的かつバランスの取れた利益の配分を行うことにより、着実な企業価値の向上を実現していくことを経営の基本方針としている。株主さまへの還元については、別に定める「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づいて実施していく。 当社は上場会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われることも考えられるが、その場合に応じるか否かは、最終的には当社の株主さま全体のご意思に基づき決定されるべきものと考えている。しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的・方法等からみて企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものがあり、当社はこうした大量買付行為を不適切であると判断する。判断にあたっては、買付者の事業内容や将来の事業計画、並びに過去の投資行動等から、当該買付行為または買収提案による当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に検討していく。当社としては、不適切な大量買付行為に対する最大の防衛策は「企業価値の向上」であると考えている。現在のところ、当社は具体的な買収の脅威にさらされておらず、いわゆる「買収防衛策」を予め導入することはしないが、市場動向等を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じていく。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、東日本大震災から約半年が経過した2011年11月にチャレンジ2020ビジョンを策定し、当社グループが将来に向かって成長、発展する絵姿と、そこに至る道筋を明らかにした。その中で、当社グループは今後ともお客さま・社会・時代のニーズに応え、「豊かで潤いのある生活」「競争力ある国内産業」「環境に優しい安心できる社会」の実現に貢献していくとともに、企業の社会的責任を自覚し、地域と共生を図りながら、透明で公正な経営を行うことにより、グループの持続的成長を図っていくこととしている。一方、2016年4月の電力小売全面自由化に引き続き、2017年4月にはガス小売全面自由化が始まり、当社グループを取り巻く環境が大きく変化している。こうした環境変化を踏まえ、2017年10月に東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」を策定した。これは、ガス(Gas)&電気(Power)に、お客さまのニーズに合ったサービス(Service)を組み合わせて、さまざまな手段で国内外のお客さまへ(Global)お届けする(GPS×G)という計画であり、この「GPS2020」を確実に実現することで、2020年代の当社グループのさらなる発展・飛躍を確かなものとしていく。<お客さまとの絆の強化と新たな価値提供>家庭用分野については、ガス事業を通じて築き上げた1,167万件のお客さまとの信頼の絆を活かし、最適なエネルギーをご提供することにより、2020年度までに220万件のお客さまへ当社グループの電気をお届けすることを目指す。また、当社グループだからこそできる、暮らしの最適提案により、「生活まわりで困ったときには東京ガス」と想起いただけるよう、お客さま一人ひとりのライフステージに応じた生活まわりのメニューを幅広く準備する。また、GPS(Gas&Power+Service)を首都圏のお客さまに広くお届けできるよう、周辺ガス事業者さまやLPガス事業者さまとの連携も深めていく。業務用・工業用分野については、導管延伸・ローリー供給による天然ガスの普及拡大を進め、ガスコージェネレーションシステム等の導入による省エネ・省CO2・省コスト等、エネルギーソリューションのほか、当社グループ各社と連携し、大口電力の供給も展開していく。また、お客さまのニーズに沿ったエネルギーサービスの提案や、基地・パイプライン建設等のエンジニアリング事業も積極的に展開し、当社グループを選んでいただけるよう努めていく。不動産事業については、「保有地における賃貸事業」を基本コンセプトに、都心部を中心としたオフィス・住宅の賃貸事業を展開する。賃貸事業に適した良質な資産形成に向け、2020年代のさらなる事業拡大を目指す。海外事業については、国内外で培ったLNGバリューチェーンに関わる経験を活かし、エリア毎の特性に応じた事業を深化・拡大させつつ、「LNGと言えば東京ガス」というポジションを高めていく。国際的な天然ガスのマーケット構造の変化の中、海外事業ポートフォリオにおいて中下流事業の割合を高めていき、安定的な収益基盤の構築を目指す。急速な経済成長の中、天然ガス需要の高まりやLNG輸入の拡大が見込まれる東南アジアの国々において中下流事業に取り組むほか、天然ガスインフラ整備へも貢献し、当社グループの存在感を高めていく。<重点戦略を支える経営基盤強化>原料調達・製造分野については、自由化等の環境変化によりLNG需要変動の可能性が増す中、調達の多様化を図ることで調達の柔軟性を高めていく。また、LNG共同基地におけるシナジー効果を活かした最適な基地運用を継続し、より競争力のある設備形成を図る。電源開発については、販売ストックの成長に合わせ、2020年度300万kW規模の自社電源確保を目指す。また、2020年代前半に再生可能エネルギー電源40万kWの獲得も目指す。デジタル化、イノベーションの取り組みについては、地域密着の営業体制や技術力といった強みを活かしながら、IoT・AI・モバイル化やビッグデータ活用等、デジタル技術の効果的な導入に向けて取り組むとともに、お客さまのニーズに合ったサービスや情報をお届けできるよう、デジタル基盤の整備も進めていく。また、これまでの「ガスエネルギー」を中心とした研究開発から、「幅広いエネルギー革新的技術」を中心とした「オープンイノベーション」型の研究開発へとシフトし、国内外の先進的なベンチャー企業等と協業して新たな技術を吸収し、イノベーションを創出していく。導管分野については、自由化時代における新生ガス導管事業者として、透明性・中立性・公平性を確保するとともに、天然ガスの普及拡大の前提となる安全・安定供給の確保に向け、保安対策や地震防災対策を継続していく。また、託送料金の低減に向け、さらなる経営効率化を図るとともに、導管網拡充と需要獲得を進めてガス輸送量を拡大していく。 当社グループは、以上のような取り組みを通じて、「安心・安全・信頼」を確かなものとし、今後とも企業価値・株主価値をさらに高め、株主の皆さま、お客さまのご期待にお応えできるよう努めていく。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 株式会社の支配に関する基本方針について 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、平成24年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり「当社グループの経営理念および経営の支配に関する基本方針」の改定を決議した。 当社グループは、首都圏を中心に1000万件超のお客さまへ安全かつ安定的に都市ガスを供給するとともに、ガス、熱、電力等各種エネルギーやそれらの付加価値のベストミックスをお客さまへ提供し、「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」に貢献するなど、極めて公益性の高い事業を展開しており、お客さま、株主の皆さまをはじめ、社会から常に信頼を得て発展し続けることを経営理念としている。当社は、この経営理念および中長期の経営戦略に基づき、長期に安定した経営を行うとともに、お客さま、株主の皆さま、その他のステークホルダーの皆さまに対し安定的かつバランスの取れた利益の配分を行うことにより、着実な企業価値の向上を実現していくことを経営の基本方針としている。株主さまへの還元については、別に定める「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づいて実施していく。 当社は上場会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われることも考えられるが、その場合に応じるか否かは、最終的には当社の株主さま全体のご意思に基づき決定されるべきものと考えている。しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的・方法等からみて企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものがあり、当社はこうした大量買付行為を不適切であると判断する。判断にあたっては、買付者の事業内容や将来の事業計画、並びに過去の投資行動等から、当該買付行為または買収提案による当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に検討していく。当社としては、不適切な大量買付行為に対する最大の防衛策は「企業価値の向上」であると考えている。現在のところ、当社は具体的な買収の脅威にさらされておらず、いわゆる「買収防衛策」を予め導入することはしないが、市場動向等を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じていく。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】① 経営成績等の状況の概要(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)(1) 当連結会計年度の経営成績の分析① 概要当連結会計年度における我が国の経済は、雇用環境や所得環境の改善、海外経済の回復による輸出や生産の持ち直し等、緩やかに回復している。そうした状況に伴い、個人消費や民間設備投資も持ち直すなど、経済の好循環が実現しつつある。そのような経済環境の中、平成28年4月の電力小売全面自由化に続く平成29年4月のガス小売全面自由化、第4次産業革命における技術革新などエネルギー事業を取り巻く環境は大きく変化した。そうした中、当社グループは、総合エネルギー事業化とグローバル化によって、国内外のお客さまにお届けする付加価値を増大し、引き続き当社グループを選んでいただけるよう、さまざまな施策に積極的に取り組んできた。このような経済情勢や環境変化の下、都市ガスの販売について、他事業者向け供給の供給先減により販売量は減少したものの、原油価格上昇影響に伴う原料費調整による売上単価増があったため都市ガス売上高が増加したこと等により、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ190,259百万円増加し、1,777,344百万円となった(前期比12.0%増)。一方、営業費用については、経営効率化の一層の推進を図り、費用の抑制に最大限の努力を重ねてきたものの、原油価格上昇影響から都市ガス原材料費が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ132,322百万円増加し、1,661,041百万円となった(前期比8.7%増)。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ57,937百万円増加し、116,302百万円となり(前期比99.3%増)、経常利益は111,546百万円(前期比100.3%増)となった。これに加え、特別利益として固定資産売却益3,403百万円、投資有価証券売却益3,049百万円、特別損失としてLNG販売事業のうち内航船事業出荷設備等の減損損失3,213百万円を計上し、法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は74,987百万円となった(前期比41.1%増)。② 売上高 売上高は、前連結会計年度比12.0%増の1,777,344百万円となった。ガス販売量が前連結会計年度を下回ったものの、原油価格上昇影響に伴う原料費調整による売上単価増があったため、都市ガス売上高が前連結会計年度比10.5%増加し、さらに電力売上高も50.0%増加した。③ 営業費用及び営業利益 売上原価、供給販売費及び一般管理費を合計した営業費用は、前連結会計年度比8.7%増の1,661,041百万円となった。 原油価格上昇影響から都市ガス原材料費が増加したこと等により、売上原価は前連結会計年度比14.5%増の1,203,991百万円となった。経営効率化の一層の推進を図り、諸経費及び人件費等の抑制に最大限の努力を重ねた結果、供給販売費及び一般管理費は、退職給付に係る数理計算上の差異の費用処理額の減等により、前連結会計年度比4.1%減の457,050百万円となった。 この結果、営業利益は前連結会計年度比99.3%増の116,302百万円となった。④ 営業外損益及び経常利益 営業外損益純額は、前連結会計年度の△2,678百万円から、△4,756百万円となった。 営業外収益の合計は、前連結会計年度の14,293百万円から、13,057百万円となった。これは、持分法による投資利益が前連結会計年度比1,090百万円減の2,493百万円となったことが主な要因である。 営業外費用の合計は、前連結会計年度の16,971百万円から、17,813百万円となった。これは、雑支出が前連結会計年度比1,471百万円増の4,364百万円となったことが主な要因である。 この結果、経常利益は前連結会計年度比100.3%増の111,546百万円となった。⑤ 特別損益 特別損益純額は、前連結会計年度の13,322百万円から、3,239百万円となった。 特別利益の合計は、前連結会計年度の15,730百万円から、6,452百万円となった。これは、前連結会計年度に6,610百万円計上した固定資産売却益が3,403百万円であったこと、及び前連結会計年度に9,120百万円計上した投資有価証券売却益が3,049百万円であったことが要因である。 特別損失の合計は、前連結会計年度の2,408百万円から、3,213百万円となった。これは、前連結会計年度に2,408百万円計上した減損損失が3,213百万円となったことが要因である。⑥ 税金等調整前当期純利益、法人税等(法人税、住民税及び事業税・法人税等調整額)並びに親会社株主に帰属する当期純利益 税金等調整前当期純利益は、特別利益の減少及び特別損失の増加があったものの、経常利益の増加により、前連結会計年度比66.3%増の114,784百万円となった。法人税等は、同163.8%増の39,484百万円となった。 以上の結果から、親会社株主に帰属する当期純利益は同41.1%増の74,987百万円となった。 売上高に対する当期純利益率は、前連結会計年度の3.3%から0.9ポイント増加し、4.2%となった。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の115円09銭から、164円12銭となった。(注) 当社は、平成29年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行った。前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定している。⑦ セグメント情報イ 都市ガス ガス販売量は、前連結会計年度比1.0%減の15,568百万m3となった。家庭用需要は、前連結会計年度と比較して冬場が低気温であった影響で給湯需要が増加したこと等により、前連結会計年度比3.0%増の3,570百万m3となった。業務用需要は、前連結会計年度と比較して夏場の高気温により空調需要が増加したこと等により、同0.5%増の2,722百万m3となった。工業用需要は、ほぼ前期並みの7,290百万m3となった。また、他ガス事業者向け供給は、供給先の減少等により、同11.8%減の1,985百万m3となった。 [平成29年度連結ガス販売量] 29年度28年度増減増減率(%)お客さま件数千件11,67811,5361421.2ガス販売量家庭用百万m33,5703,4661043.0 業務用百万m32,7222,709130.5 工業用百万m37,2907,293△3△0.0計百万m310,01210,002100.1他事業者向け供給百万m31,9852,252△267△11.8合計百万m315,56815,720△152△1.0平均気温℃15.716.3△0.6-(注)1 お客さま件数は、当社の供給区域内の平成30年3月末都市ガス取り付けメーター数2 業務用は、商業用、公用及び医療用3 ガス販売量は45MJ(メガジュール)/m34 平均気温は、お客さまそれぞれの、ご使用期間(前月の検針日から当月の検針日まで)における気温を平均したもの 都市ガス売上高は、ガス販売量が前連結会計年度を下回ったものの、原料費調整による売上単価増等により、前連結会計年度から108,798百万円(10.5%)増の1,148,859百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の57.5%から56.7%となった。経営効率化の一層の推進を図り、費用の抑制に最大限の努力を重ねてきたものの、原油価格上昇影響から都市ガス原材料費が増加したこと等により、営業費用は前連結会計年度から68,680百万円(7.1%)増加し、1,032,219百万円となった。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ40,118百万円(52.4%)増加し、116,639百万円となった。ロ 電力 電力販売量は、前連結会計年度比15.8%増の14,656百万kWhとなった。 [平成29年度連結電力販売量] 29年度28年度増減増減率(%)電力販売量小売百万kWh4,5692,2542,315102.7卸他百万kWh10,08710,400△313△3.0合計百万kWh14,65612,6542,00215.8 電力売上高は、前連結会計年度から72,912百万円(50.0%)増加し、218,684百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の8.1%から10.8%となった。営業費用は前連結会計年度から67,750百万円(47.9%)増加し、209,068百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ5,161百万円(115.9%)増加し、9,615百万円となった。ハ 海外 海外売上高は、前連結会計年度から9,617百万円(30.1%)増加し、41,554百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の1.8%から2.1%となった。営業費用は前連結会計年度から5,240百万円(16.9%)増加し、36,332百万円となった。持分法による投資利益は、2,479百万円と前連結会計年度比1,079百万円(30.3%)減少した。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ3,298百万円(74.9%)増加の、7,700百万円となった。 ニ エネルギー関連 エンジニアリングソリューション、リキッドガス、LNG販売、ガス器具、ガス工事及び建設等の売上で構成されるエネルギー関連売上高は、LNG販売売上高及びエンジニアリング売上高の増加等により、前連結会計年度から21,309百万円(4.6%)増加し、480,879百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の25.4%から23.7%となった。営業費用は前連結会計年度から21,330百万円(4.8%)増加し、467,108百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ22百万円(0.2%)減少し、13,770百万円となった。ホ 不動産 不動産売上高は、前連結会計年度から926百万円(2.2%)増加し、42,331百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の2.3%から2.1%となった。営業費用は前連結会計年度から811百万円(2.4%)増加し、34,360百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ115百万円(1.5%)増加し、7,970百万円となった。ヘ その他 情報処理サービス、船舶及びクレジット・リース等の売上で構成されるその他売上高は、前連結会計年度から3,624百万円(4.1%)増加し、92,706百万円となった。セグメント間売上消去前の売上高合計に占める割合は、前連結会計年度の4.9%から4.6%となった。営業費用は前連結会計年度から1,905百万円(2.2%)増加し、87,805百万円となった。持分法による投資利益は、13百万円と前連結会計年度比12百万円(45.2%)減少した。この結果、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ1,709百万円(53.3%)増加し、4,915百万円となった。 なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示す。 区分前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)都市ガス1,040,06157.51,148,85956.7電力145,7728.1218,68410.8海外31,9371.841,5542.1エネルギー関連459,57025.4480,87923.7不動産41,4052.342,3312.1その他89,0824.992,7064.6合計1,807,828100.02,025,015100.0調整額△220,743-△247,670-連結1,587,085-1,777,344- (2) 経営成績に重要な影響を与える要因について事業推進上の外部リスク要因① 気温変動リスク 当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受ける。家庭用においては、主なガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合にはガスの販売量が減少し減収・減益要因となる。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれガス販売量が減少し減収・減益要因となる。 当連結会計年度の平均気温(※)は上期で21.2℃、下期で10.3℃(通期で15.7℃)だったが、翌連結会計年度の平均気温は通期で15.9℃を想定している。 (※)平均気温は、お客さまそれぞれの、ご使用期間(前月の検針日から当月の検針日まで)における気温を平均したもの。② 原料購入価格変動リスク 当社が供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受ける。また、ドル建てのLNG価格は原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受ける。ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)でガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生するが、中長期的には収支への影響は軽微である。 為替及び原油価格の変動が翌連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりである。 為替:1円/ドルの円安により、約900百万円減 原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約1,000百万円減 翌連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、当連結会計年度が110.85円/ドル、57.03ドル/バレルであったのに対し、それぞれ110.00円/ドル、65.00ドル/バレルを想定している。 (注) 1 ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もある。2 調整の上限がある。③ 金利変動リスク 当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利であるため、借入れ期間中の金利変動リスクは軽微である。しかし、借換え時等においては金利変動のリスクを受ける可能性がある。④ 株価変動リスク 当社の保有する株式は、業務上必要な企業との関係を維持するためのものが大部分である。そのうちマーケットリスクにさらされる可能性があるのは、上場株式の株価である。これら株式の扱いについては、管理規則を設けている。(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析① 連結キャッシュ・フロー 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)当連結会計年度(自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日)259,738△247,162△16,651前連結会計年度(自 平成28年4月1日至 平成29年3月31日)238,734△204,873△70,899 当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益の計上に対し、減価償却費の計上等があったものの、有形固定資産の取得等により、現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,295百万円減少し、当連結会計年度末には128,271百万円となった(前期末比3.2%減)。イ 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果増加した資金は、当連結会計年度において259,738百万円となった。 これは、税金等調整前当期純利益の計上(114,784百万円)に対し、法人税等の支払(22,312百万円)等があったものの、減価償却費が計上(161,093百万円)されたこと等によるものである。 また、これは、前連結会計年度に比べて21,004百万円の収入の増加となる(前期比8.8%増)。ロ 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動の結果減少した資金は、当連結会計年度において247,162百万円となった。 これは、投資有価証券の売却及び償還による収入(5,021百万円)等があったものの、製造・供給体制整備のための設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出(177,671百万円)及び無形固定資産の取得による支出(27,638百万円)等により資金が減少したことによるものである。 また、これは、前連結会計年度に比べて42,289百万円の支出の増加となる(前期比20.6%増)。ハ 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動の結果減少した資金は、当連結会計年度において16,651百万円となった。 これは、長期借入れによる収入(60,471百万円)及び社債の発行による収入(20,000百万円)等があったものの、長期借入金の返済による支出(62,065百万円)及び配当金の支払(25,187百万円)があったこと等によるものである。 また、これは、前連結会計年度に比べて54,248百万円の支出の減少となる(前期比76.5%減)。② 資産、負債及び純資産 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末から104,452百万円(4.7%)増加し、2,334,721百万円となった。総資産利益率(ROA)は、前連結会計年度末の2.4%から3.3%に上昇した。③ 固定資産 有形固定資産は、田町プロジェクトの建設が進んだこと等により、前連結会計年度末から21,097百万円(1.5%)増加し、1,413,246百万円となった。製造設備は既存設備の減価償却が進んだものの、LNG基地の増強があったことにより、前連結会計年度末から1,182百万円増加し、236,334百万円となった。供給設備は既存設備の減価償却が進んだものの、古河~真岡幹線等の導管網の増強があったことにより、前連結会計年度末から20,376百万円増加し、560,216百万円となった。その他の設備は海外上流事業の稼働開始による増加等があったものの、既存資産の減価償却が進んだことにより、前連結会計年度末から9,921百万円減少し406,221百万円となった。建設仮勘定は、古賀~真岡幹線の事業供用に伴う供給設備への振替等があったものの、田町プロジェクトや清原スマートエネルギーセンターへの設備投資が増加したこと等により、前連結会計年度末から10,839百万円増加し、157,913百万円となった。 無形固定資産は、既存設備の減価償却が進んだものの、ソフトウェア投資があったことにより、前連結会計年度末から14,207百万円(17.9%)増加し、93,422百万円となった。 また、投資その他の資産は、海外上流事業等への投資が増加したことにより、前連結会計年度末から45,049百万円(15.6%)増加し、334,505百万円となった。④ 流動資産 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から24,100百万円(5.1%)増加し、493,547百万円となった。受取手形及び売掛金は、前連結会計年度末と比べ21,994百万円増加し、216,234百万円となった。⑤ 固定負債 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から41,485百万円(5.3%)増加し、829,959百万円となった。長期借入金は、前連結会計年度末から31,928百万円増加し、358,680百万円となった。また、その他固定負債は、前連結会計年度末から29,922百万円増加し、61,572百万円となった。一方、社債は、前連結会計年度末から19,999百万円減少し、294,998百万円となった。⑥ 流動負債 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から27,341百万円(8.3%)増加し、356,328百万円となった。その他流動負債は、前連結会計年度末から33,533百万円増加し、179,376百万円となった。また、未払法人税等は、前連結会計年度末から10,237百万円増加し、30,237百万円となった。一方、支払手形及び買掛金は、前連結会計年度末から15,594百万円減少し、80,819百万円となった。流動比率は、前連結会計年度末の142.7%から138.5%に下落した。⑦ 有利子負債 社債の増加等に伴い、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ11,344百万円(1.6%)増加し、724,940百万円となった。有利子負債比率は、前連結会計年度末の32.0%から31.1%に下落した。⑧ 純資産 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ35,626百万円(3.2%)増加し、1,148,433百万円となった。これは、退職給付に係る調整累計額の減少等によりその他の包括利益累計額が8,131百万円減少したものの、株主資本については、剰余金の配当25,187百万円、自己株式の市場買付6,999百万円等による減少に対し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上74,987百万円等による増加が大きく、42,660百万円増加したこと等によるものである。自己資本比率は、前連結会計年度末の49.4%から48.7%に下落し、自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度末の4.8%から6.7%に上昇した。負債資本倍率(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末の0.65から0.64へと下落した。 (生産、受注及び販売の実績) 当社グループの製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も少なくない。また、都市ガス事業が外部顧客に対する売上高及び営業費用の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産及び販売活動の中心となっている。 このため、以下は都市ガス事業について記載している。(1) 生産実績 最近2連結会計年度のガスの生産実績は次のとおりである。区分前連結会計年度当連結会計年度ガス(千m3)15,660,76715,457,733 (2) 受注実績 ガスについては、その性質上受注生産は行わない。(3) 販売実績 ガス販売実績 ガスは、導管を通じて直接需要家に販売しているが、一部については他ガス事業者向け供給を行っている。 最近2連結会計年度のガスの販売実績は次のとおりである。区分前連結会計年度当連結会計年度数量(千m3)金額(百万円)数量(千m3)金額(百万円)家庭用3,466,389455,2623,570,045483,256その他12,253,262584,79811,997,606665,602計15,719,6511,040,06115,567,6511,148,859 ② 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。(1) 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っている。 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載している。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 事業全体およびセグメントごとの経営成績等 平成29年度の連結営業利益は1,163億円、連結経常利益は1,115億円となり、いずれも対前期比較でほぼ倍増という大幅な増益となった。 増益となった主な要因は、①他事業者向け供給で供給先減少があったものの、冬場の低気温の影響で販売単価の高い家庭用を中心にガス販売量が増加したことにより都市ガスセグメントで粗利が改善したこと、②年金数理計算上の差異が317億円減少したことにより人件費が大幅に減少したこと、である。なお、例年大きな利益変動要因であるスライドタイムラグ(*)については、平成29年度の原油価格が前年同様に緩やかながらも上昇基調にあったため、ほぼ前年並みとなった。 主なセグメント別に分析すると、都市ガスセグメントでは上述のように家庭用を中心としたガス販売量の増加、および年金数理計算上の差異の減少等によりセグメント利益が改善(前期比+401億円、52.4%の増益)した。電力セグメントでは電力小売りの件数獲得に取組んだ結果、お客さま件数が順当に伸び、前期比+52億円、115.9%の増益となった。また豪州の上流プロジェクトの本格稼働により海外セグメントも前期比+33億円、74.9%の増益となった。 全体として、チャレンジ2020ビジョン及び東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」の実現に向けたこれまでの取組みが、着実に成果を挙げつつあるものと評価している。(*)原油価格や為替レートの変動に伴う原材料費の変動が、原料費調整制度によりガス売上高に反映 されるまでの時期ずれにより発生する年度毎の利益変動 ② 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの主な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資および投融資向けの資金である。 平成29年度は、営業活動によるキャッシュ・フロー2,597億円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△2,471億円であり、投資活動に必要な資金は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で賄うことができた。 東京ガスグループ2018-20年度経営計画「GPS2020」の実行初年度である2018年度は、スタートダッシュの年であるとともに、2020年代に至る成長戦略の達成・実現に向けた準備の年である。 そのため各分野で新たな投資・取組みを実行していくが、その原資確保のために、資金が不足する場合には主に社債・長期借入金で対応していく方針である。 なお、短期運転資金は主に短期借入金・コマーシャルペーパーで賄っていく方針である。 ③ 経営計画上の客観的な指標等 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、平成24年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり当社グループの「財務方針」を決議した。 チャレンジ2020ビジョンに基づき、持続的成長に向け積極的な原資投入を行うとともに、投資・資本効率性、財務体質、株主配分にも留意し、長期的な企業価値向上に資するバランスのとれた財務戦略を実現していく。イ 投資・資本効率性 投資に伴うリスクおよび採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上および株主資本の有効活用に努める。 具体的にはROA(総資産利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2020年度における目標を、ROAは4%程度、ROEは8%程度と定め上記の実現を図る。ロ 財務体質 現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努める。 具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を主要経営指標と位置付け、2020年度に至るまで各年度0.8倍程度を目標と定め上記の実現を図る。ハ 株主配分 創出されるキャッシュ・フローを、新たな成長に向けた「LNGバリューチェーンの高度化」に資する投資に振り向けるとともに、株主の皆さまに経営の成果を適切・タイムリーに配分する。 具体的には、配当に加え、消却を前提とした自社株取得を株主還元策の一つとして位置付け、総分配性向(連結当期純利益に対する配当と自社株取得の割合)の目標を、2020年度に至るまで各年度6割程度とする。 また、配当については、安定配当を維持しつつ、中長期の利益水準を総合的に勘案し、成長に合わせて緩やかな増配を実現していく。n年度総分配性向=((n年度の年間配当金総額)+(n+1年度の自社株取得額))÷n年度連結当期純利益 (注) 平成29年10月5日発表の「東京ガスグループ2018-20年度経営計画GPS2020」において、2020年度のD/Eレシオは0.9程度と想定している。 上記の各主要経営指標に連結営業キャッシュ・フローを加えた指標につき、参考までに2017年度実績との比較表を以下に示す。2018年度以降も引き続き、上記財務方針を実現していく。 2017年度実績2020年度の姿(2020ビジョン、GPS2020)連結営業キャッシュ・フロー(*)2,403億円2,800億円ROE6.7%8%程度ROA3.3%4%程度D/Eレシオ0.640.9程度総分配性向60.2%60%程度(*)連結営業キャッシュ・フロー=親会社株主に帰属する当期純利益+減価償却費+長期前払費用償却費
経営方針・経営戦略
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、東日本大震災から約半年が経過した2011年11月にチャレンジ2020ビジョンを策定し、当社グループが将来に向かって成長、発展する絵姿と、そこに至る道筋を明らかにした。その中で、当社グループは今後ともお客さま・社会・時代のニーズに応え、「豊かで潤いのある生活」「競争力ある国内産業」「環境に優しい安心できる社会」の実現に貢献していくとともに、企業の社会的責任を自覚し、地域と共生を図りながら、透明で公正な経営を行うことにより、グループの持続的成長を図っていくこととしている。一方、2016年4月の電力小売全面自由化に引き続き、2017年4月にはガス小売全面自由化が始まり、当社グループを取り巻く環境が大きく変化している。こうした環境変化を踏まえ、2015~2017年度をチャレンジ2020ビジョンのステップ期間と位置づけて(※2012~2014年度はホップ期間、2018~2020年度はジャンプ期間)、チャレンジ2020ビジョンの実現に向け「総合エネルギー事業の進化」「グローバル展開の加速」「新たなグループフォーメーションの構築」を主要施策に掲げ、グループの総力を結集し大胆かつスピーディーにチャレンジしている。<総合エネルギー事業の進化> 原料調達・製造分野においては、原料調達の多様化を図るため、2017年度は、当社初の米国産シェールガスLNGとしてコーブポイントプロジェクトや、オーストラリアのイクシスプロジェクトからの調達開始を予定しているほか、輸送コストの最適化を目指したスワップ等の新たなLNGトレーディングにも取り組んでいく。また、原料調達の多様化に対応したLNG基地運営にも取り組んでいく。 供給分野においては、計画的な導管網の整備により、供給安定性の一層の強化を図るとともに、ガス小売全面自由化後も安心してガスをお使いいただけるよう、保安への取り組みはこれまで同様に注力していく。 電力分野においては、新たに電力本部を設立し、調達と販売の最適化を図り、より安価で安定的な電力調達、販売拡大を実現する。また、電力小売全面自由化1年目であった2016年度は約72万8千件の電気契約をいただき、自由化された低圧分野において「新電力NO.1」のポジションを確立することができた。エネルギー大競争時代2年目となる2017年度は電気契約件数累計100万件の達成に向け、「満足度NO.1の真の電力会社=真電力NO.1」を目指していく。 家庭用のお客さまに対しては、ガス小売全面自由化に合わせて新たなガス料金メニュー・サービスを設定し、ガス・電気・サービスを総合的にお選びいただけるよう、これまで以上に当社グループ員が一丸となってお客さまの暮らしを豊かにするご提案を実施していく。業務用・工業用のお客さまに対しては、これからもニーズに沿ったエネルギーソリューション提案を進めていくほか、スマートエネルギーネットワーク事業の推進をはじめ、環境性・経済性・都市防災力強化を考慮した新たな都市づくりにも貢献していく。<グローバル展開の加速> これまで拡充してきた海外拠点及び人員を活かし、さらなる収益の向上、安定化を目指す。東南アジアや北米を中心とした新規案件への参画、新たなエリアでの事業展開の検討を進めていく。また、新たに海外本部を設立し、エリア拡大や事業展開の加速により増大するリスクを踏まえ、過去の事業経験も活用したリスク管理並びに事業の付加価値向上を進めていく。<新たなグループフォーメーションの構築> 都市ガス事業、電力事業、海外事業に加え、今後成長及び育成する事業として明確化したエンジニアリングサービス事業、リキッドガス事業、暮らしサービス事業、地域開発サービス(不動産)事業についても、それぞれの事業における成長戦略を策定、実行する。 エンジニアリングサービス事業では、東京ガスエンジニアリングソリューションズを中心に、お客さまニーズに沿ったエンジニアリングサービスをご提供し、事業エリアや事業領域の拡大を図っていく。 リキッドガス事業では、LPガス事業において様々なプレーヤーとの連携を通じ、物流の効率化や保安レベル並びに顧客サービスの向上を図る。また、産業ガス事業におけるLNGとエンジニアリングサービス等を組み合わせたワンストップ・ソリューションを強化していく。 暮らしサービス事業では、お客さまとの接点機会において、より良い価値やサービスをご提供できるよう、ライフバル・エネスタ・エネフィット等が一丸となってサービス向上に努める。また、新たに設立した東京ガスリビングホールディングスでは、総合設備領域において、当社グループの一体的な事業推進体制の構築を進めていく。 地域開発サービス事業では、東京ガス不動産ホールディングスを中心に、当社グループの不動産活用や管理等を通じた地域密着のエネルギー提案や災害に強いまちづくり等に貢献するとともに、業界において強みを持つプレーヤーとの連携も進めながら、収益拡大を目指す。 当社グループは、以上のような取り組みを通じて、「安心」「安全」「信頼」を確かなものとし、今後とも企業価値・株主価値をさらに高め、株主の皆さま、お客さまのご期待にお応えできるよう努めていく。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 株式会社の支配に関する基本方針について 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、平成24年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり「当社グループの経営理念および経営の支配に関する基本方針」の改定を決議した。 当社グループは、首都圏を中心に1000万件超のお客さまへ安全かつ安定的に都市ガスを供給するとともに、ガス、熱、電力等各種エネルギーやそれらの付加価値のベストミックスをお客さまへ提供し、「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」に貢献する等、極めて公益性の高い事業を展開しており、お客さま、株主の皆さまをはじめ、社会から常に信頼を得て発展し続けることを経営理念としている。当社は、この経営理念及び中長期の経営戦略に基づき、長期に安定した経営を行うとともに、お客さま、株主の皆さま、その他のステークホルダーの皆さまに対し安定的かつバランスの取れた利益の配分を行うことにより、着実な企業価値の向上を実現していくことを経営の基本方針としている。株主さまへの還元については、別に定める「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づいて実施していく。 当社は上場会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われることも考えられるが、その場合に応じるか否かは、最終的には当社の株主さま全体のご意思に基づき決定されるべきものと考えている。しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的・方法等からみて企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものがあり、当社はこうした大量買付行為を不適切であると判断する。判断にあたっては、買付者の事業内容や将来の事業計画、並びに過去の投資行動等から、当該買付行為又は買収提案による当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に検討していく。当社としては、不適切な大量買付行為に対する最大の防衛策は「企業価値の向上」であると考えている。現在のところ、当社は具体的な買収の脅威にさらされておらず、いわゆる「買収防衛策」を予め導入することはしないが、市場動向等を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じていく。
対処すべき課題
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、東日本大震災から約半年が経過した2011年11月にチャレンジ2020ビジョンを策定し、当社グループが将来に向かって成長、発展する絵姿と、そこに至る道筋を明らかにした。その中で、当社グループは今後ともお客さま・社会・時代のニーズに応え、「豊かで潤いのある生活」「競争力ある国内産業」「環境に優しい安心できる社会」の実現に貢献していくとともに、企業の社会的責任を自覚し、地域と共生を図りながら、透明で公正な経営を行うことにより、グループの持続的成長を図っていくこととしている。一方、2016年4月の電力小売全面自由化に引き続き、2017年4月にはガス小売全面自由化が始まり、当社グループを取り巻く環境が大きく変化している。こうした環境変化を踏まえ、2015~2017年度をチャレンジ2020ビジョンのステップ期間と位置づけて(※2012~2014年度はホップ期間、2018~2020年度はジャンプ期間)、チャレンジ2020ビジョンの実現に向け「総合エネルギー事業の進化」「グローバル展開の加速」「新たなグループフォーメーションの構築」を主要施策に掲げ、グループの総力を結集し大胆かつスピーディーにチャレンジしている。<総合エネルギー事業の進化> 原料調達・製造分野においては、原料調達の多様化を図るため、2017年度は、当社初の米国産シェールガスLNGとしてコーブポイントプロジェクトや、オーストラリアのイクシスプロジェクトからの調達開始を予定しているほか、輸送コストの最適化を目指したスワップ等の新たなLNGトレーディングにも取り組んでいく。また、原料調達の多様化に対応したLNG基地運営にも取り組んでいく。 供給分野においては、計画的な導管網の整備により、供給安定性の一層の強化を図るとともに、ガス小売全面自由化後も安心してガスをお使いいただけるよう、保安への取り組みはこれまで同様に注力していく。 電力分野においては、新たに電力本部を設立し、調達と販売の最適化を図り、より安価で安定的な電力調達、販売拡大を実現する。また、電力小売全面自由化1年目であった2016年度は約72万8千件の電気契約をいただき、自由化された低圧分野において「新電力NO.1」のポジションを確立することができた。エネルギー大競争時代2年目となる2017年度は電気契約件数累計100万件の達成に向け、「満足度NO.1の真の電力会社=真電力NO.1」を目指していく。 家庭用のお客さまに対しては、ガス小売全面自由化に合わせて新たなガス料金メニュー・サービスを設定し、ガス・電気・サービスを総合的にお選びいただけるよう、これまで以上に当社グループ員が一丸となってお客さまの暮らしを豊かにするご提案を実施していく。業務用・工業用のお客さまに対しては、これからもニーズに沿ったエネルギーソリューション提案を進めていくほか、スマートエネルギーネットワーク事業の推進をはじめ、環境性・経済性・都市防災力強化を考慮した新たな都市づくりにも貢献していく。<グローバル展開の加速> これまで拡充してきた海外拠点及び人員を活かし、さらなる収益の向上、安定化を目指す。東南アジアや北米を中心とした新規案件への参画、新たなエリアでの事業展開の検討を進めていく。また、新たに海外本部を設立し、エリア拡大や事業展開の加速により増大するリスクを踏まえ、過去の事業経験も活用したリスク管理並びに事業の付加価値向上を進めていく。<新たなグループフォーメーションの構築> 都市ガス事業、電力事業、海外事業に加え、今後成長及び育成する事業として明確化したエンジニアリングサービス事業、リキッドガス事業、暮らしサービス事業、地域開発サービス(不動産)事業についても、それぞれの事業における成長戦略を策定、実行する。 エンジニアリングサービス事業では、東京ガスエンジニアリングソリューションズを中心に、お客さまニーズに沿ったエンジニアリングサービスをご提供し、事業エリアや事業領域の拡大を図っていく。 リキッドガス事業では、LPガス事業において様々なプレーヤーとの連携を通じ、物流の効率化や保安レベル並びに顧客サービスの向上を図る。また、産業ガス事業におけるLNGとエンジニアリングサービス等を組み合わせたワンストップ・ソリューションを強化していく。 暮らしサービス事業では、お客さまとの接点機会において、より良い価値やサービスをご提供できるよう、ライフバル・エネスタ・エネフィット等が一丸となってサービス向上に努める。また、新たに設立した東京ガスリビングホールディングスでは、総合設備領域において、当社グループの一体的な事業推進体制の構築を進めていく。 地域開発サービス事業では、東京ガス不動産ホールディングスを中心に、当社グループの不動産活用や管理等を通じた地域密着のエネルギー提案や災害に強いまちづくり等に貢献するとともに、業界において強みを持つプレーヤーとの連携も進めながら、収益拡大を目指す。 当社グループは、以上のような取り組みを通じて、「安心」「安全」「信頼」を確かなものとし、今後とも企業価値・株主価値をさらに高め、株主の皆さま、お客さまのご期待にお応えできるよう努めていく。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 株式会社の支配に関する基本方針について 当社は、チャレンジ2020ビジョンの策定を踏まえ、平成24年1月31日開催の取締役会において、以下のとおり「当社グループの経営理念および経営の支配に関する基本方針」の改定を決議した。 当社グループは、首都圏を中心に1000万件超のお客さまへ安全かつ安定的に都市ガスを供給するとともに、ガス、熱、電力等各種エネルギーやそれらの付加価値のベストミックスをお客さまへ提供し、「快適な暮らしづくり」と「環境に優しい都市づくり」に貢献する等、極めて公益性の高い事業を展開しており、お客さま、株主の皆さまをはじめ、社会から常に信頼を得て発展し続けることを経営理念としている。当社は、この経営理念及び中長期の経営戦略に基づき、長期に安定した経営を行うとともに、お客さま、株主の皆さま、その他のステークホルダーの皆さまに対し安定的かつバランスの取れた利益の配分を行うことにより、着実な企業価値の向上を実現していくことを経営の基本方針としている。株主さまへの還元については、別に定める「剰余金の配当等の決定に関する方針」に基づいて実施していく。 当社は上場会社であり、当社株式の大量取得を目的とする買付けや買収提案が行われることも考えられるが、その場合に応じるか否かは、最終的には当社の株主さま全体のご意思に基づき決定されるべきものと考えている。しかしながら、株式の大量買付行為の中には、その目的・方法等からみて企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるものがあり、当社はこうした大量買付行為を不適切であると判断する。判断にあたっては、買付者の事業内容や将来の事業計画、並びに過去の投資行動等から、当該買付行為又は買収提案による当社企業価値・株主共同の利益への影響を慎重に検討していく。当社としては、不適切な大量買付行為に対する最大の防衛策は「企業価値の向上」であると考えている。現在のところ、当社は具体的な買収の脅威にさらされておらず、いわゆる「買収防衛策」を予め導入することはしないが、市場動向等を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最も適切と考えられる措置を講じていく。