有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」に10年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、独自の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めております。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、IoTやクラウドコンピューティング、生成AI市場等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.6%となり、6期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。(3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 今後の我が国の経済見通しにつきましては、賃金引上げ等の所得環境が改善する一方、原材料費の高騰等による物価上昇により、実質賃金の低下が続き、国内消費は足踏み状態が続くものと思われます。また、世界的にはウクライナや中東、東アジア情勢等の地政学リスクに加え、今般の米国の関税措置による影響等、世界経済は混迷を深めており、景気の先行きは不透明感が強まっています。 一方、当社グループを取り巻くマーケット環境は、IoTやクラウドシフトの加速、生成AIの実用化、サイバーセキュリティ需要の拡大など、持続的な成長を支える構造的な変化が進展しており、引き続き旺盛な需要状況が続くものと考えられます。こうした状況下においても機動的かつ柔軟に対応できるよう、引き続き人的資本投資の拡充を進めてまいります。また、中期経営計画「Blue Wind ChapterⅡ」においても、「事業の強靭化」「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み」「人と組織の強靭化」を重点課題としており、資本効率向上及び各ステークホルダーとの関係強化を図ってまいります。具体的な指標として中期経営計画の最終年度である2027年3月期に、自己資本当期純利益率(ROE)12%を目指し、配当性向に関しては1年前倒しで2026年3月期に配当性向50%を目指してまいります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) LSIやFPGAなどの半導体設計を中心としたシステムデバイス事業、組み込みソフトウェア開発からIoTソリューションまでを提供するIoTソリューション事業、そして、社会を守り、IoTにつながるモノの機械/電気設計を中心としたメカトロニクスデザイン事業の3つからなっています。本事業は事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) パッケージソフトウェアの開発、アプリケーションソフトウェアの受託開発、CADシステム開発、Webシステム開発、モバイル実機検証サービス、データエントリー業務、オペレーター派遣業務などを中心に業務を行っております。 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。 (ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。 ① 事業の高収益体質への転換に向けた取組みDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に伴うクラウド環境の整備や、IoT、生成AI関連市場の拡大に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合など市場はダイナミックに変化しております。このような環境の変化に適応し持続的成長を実現するため、成長が期待できる分野へ経営資源を投入し、柔軟かつ戦略的な業務シフトを行うことにより、優良顧客主体の安定した既存ビジネスの収益力強化に注力してまいります。その一方で、市場環境の変化に応じた高付加価値の新規ビジネス創出にも取り組んでまいります。② 健全で活力の漲る組織風土の醸成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、加速度的にさらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このように目まぐるしく変化する環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、当社グループが重視するチーム活動をさらに革新的で創造性豊かなチーム制へと変革し、人と組織が信頼と共感でつながる健全で活力漲る組織風土をより一層強固なものにする必要があります。当社グループでは、人材の確保と育成、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、健康経営並びに様々なエンゲージメント施策を展開するとともに処遇改善により、Well-beingな職場環境を構築してまいります。③ SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み経営理念「敬天愛人」並びにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループは人間中心の経営を進め、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、経営トップも参加する「サステナビリティ委員会」が中心となり、環境や脱炭素、人権に配慮したエシカル調達・購買やダイバーシティ等、SDGsの環境問題、社会課題への取組みに主体的に貢献することで、安定的・持続的な成長を実現してまいります。④ 技術力及び品質の向上品質に加え技術力と専門性に裏付けられた付加価値の高いITサービスを提供し続けるべく、当社グループでは、2017年4月以降展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。また、2020年10月に発足し経営トップも参加する「全社技術力向上委員会」では、スキルロードマップやタレントマネジメントシステムの活用等、技術力向上に向けた各種施策を引き続き実施してまいります。⑤ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に2025年まで7年連続で選定されたほか、経済産業省からは10年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。 ⑥ 情報セキュリティ対策のさらなる強化昨今、情報セキュリティを取り巻く環境は厳しさを増しており、地政学リスクの高まりから様々な脅威が顕在化しております。企業が存続していくためには、このような状況の変化にいち早く対応する必要があります。当社グループでは「KSK-CSIRT」を設置することによって、標的型メール攻撃やランサムウェアなど外部からの攻撃に、より強固でフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、ウイルスや不正アクセス等に対する識別・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の検知・対応・復旧など適切な対応の整備にも今後取り組んでまいります。⑦ コーポレートガバナンスの強化社会的要請や関連法令改正等に応え、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるためには、コーポレートガバナンスの一層の強化が重要であると認識しております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に、多様性に配慮した社外取締役を複数名選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑧ 今後予想される災害等への対応当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定しており、近年、全国的に頻発している地震や台風などの自然災害、火災や停電などの人災、感染症拡大のリスク、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、有事への備えを徹底することでリスクを軽減するための対策を講じています。より実効性のあるものに随時見直しを行うことで、引き続き従業員の安全確保、事業継続に必要な体制整備、設備増強を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」に10年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、独自の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めております。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、IoTやクラウドコンピューティング、生成AI市場等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.6%となり、6期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。(3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 今後の我が国の経済見通しにつきましては、賃金引上げ等の所得環境が改善する一方、原材料費の高騰等による物価上昇により、実質賃金の低下が続き、国内消費は足踏み状態が続くものと思われます。また、世界的にはウクライナや中東、東アジア情勢等の地政学リスクに加え、今般の米国の関税措置による影響等、世界経済は混迷を深めており、景気の先行きは不透明感が強まっています。 一方、当社グループを取り巻くマーケット環境は、IoTやクラウドシフトの加速、生成AIの実用化、サイバーセキュリティ需要の拡大など、持続的な成長を支える構造的な変化が進展しており、引き続き旺盛な需要状況が続くものと考えられます。こうした状況下においても機動的かつ柔軟に対応できるよう、引き続き人的資本投資の拡充を進めてまいります。また、中期経営計画「Blue Wind ChapterⅡ」においても、「事業の強靭化」「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み」「人と組織の強靭化」を重点課題としており、資本効率向上及び各ステークホルダーとの関係強化を図ってまいります。具体的な指標として中期経営計画の最終年度である2027年3月期に、自己資本当期純利益率(ROE)12%を目指し、配当性向に関しては1年前倒しで2026年3月期に配当性向50%を目指してまいります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) LSIやFPGAなどの半導体設計を中心としたシステムデバイス事業、組み込みソフトウェア開発からIoTソリューションまでを提供するIoTソリューション事業、そして、社会を守り、IoTにつながるモノの機械/電気設計を中心としたメカトロニクスデザイン事業の3つからなっています。本事業は事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) パッケージソフトウェアの開発、アプリケーションソフトウェアの受託開発、CADシステム開発、Webシステム開発、モバイル実機検証サービス、データエントリー業務、オペレーター派遣業務などを中心に業務を行っております。 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。 (ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。 ① 事業の高収益体質への転換に向けた取組みDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に伴うクラウド環境の整備や、IoT、生成AI関連市場の拡大に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合など市場はダイナミックに変化しております。このような環境の変化に適応し持続的成長を実現するため、成長が期待できる分野へ経営資源を投入し、柔軟かつ戦略的な業務シフトを行うことにより、優良顧客主体の安定した既存ビジネスの収益力強化に注力してまいります。その一方で、市場環境の変化に応じた高付加価値の新規ビジネス創出にも取り組んでまいります。② 健全で活力の漲る組織風土の醸成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、加速度的にさらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このように目まぐるしく変化する環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、当社グループが重視するチーム活動をさらに革新的で創造性豊かなチーム制へと変革し、人と組織が信頼と共感でつながる健全で活力漲る組織風土をより一層強固なものにする必要があります。当社グループでは、人材の確保と育成、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、健康経営並びに様々なエンゲージメント施策を展開するとともに処遇改善により、Well-beingな職場環境を構築してまいります。③ SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み経営理念「敬天愛人」並びにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループは人間中心の経営を進め、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、経営トップも参加する「サステナビリティ委員会」が中心となり、環境や脱炭素、人権に配慮したエシカル調達・購買やダイバーシティ等、SDGsの環境問題、社会課題への取組みに主体的に貢献することで、安定的・持続的な成長を実現してまいります。④ 技術力及び品質の向上品質に加え技術力と専門性に裏付けられた付加価値の高いITサービスを提供し続けるべく、当社グループでは、2017年4月以降展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。また、2020年10月に発足し経営トップも参加する「全社技術力向上委員会」では、スキルロードマップやタレントマネジメントシステムの活用等、技術力向上に向けた各種施策を引き続き実施してまいります。⑤ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に2025年まで7年連続で選定されたほか、経済産業省からは10年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。 ⑥ 情報セキュリティ対策のさらなる強化昨今、情報セキュリティを取り巻く環境は厳しさを増しており、地政学リスクの高まりから様々な脅威が顕在化しております。企業が存続していくためには、このような状況の変化にいち早く対応する必要があります。当社グループでは「KSK-CSIRT」を設置することによって、標的型メール攻撃やランサムウェアなど外部からの攻撃に、より強固でフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、ウイルスや不正アクセス等に対する識別・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の検知・対応・復旧など適切な対応の整備にも今後取り組んでまいります。⑦ コーポレートガバナンスの強化社会的要請や関連法令改正等に応え、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるためには、コーポレートガバナンスの一層の強化が重要であると認識しております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に、多様性に配慮した社外取締役を複数名選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑧ 今後予想される災害等への対応当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定しており、近年、全国的に頻発している地震や台風などの自然災害、火災や停電などの人災、感染症拡大のリスク、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、有事への備えを徹底することでリスクを軽減するための対策を講じています。より実効性のあるものに随時見直しを行うことで、引き続き従業員の安全確保、事業継続に必要な体制整備、設備増強を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、雇用環境や賃金引上げ等の所得環境が改善する状況下にインバウンド需要が引き続き旺盛であることも相まって緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、円安基調の継続に伴う資材高騰や供給不足等による物価上昇により、実質賃金の伸び悩みが続いたことから、国内消費は足踏み状態となっております。また、世界的には、混迷が続くウクライナ・中東情勢の長期化や、米国の通商政策や外交姿勢の影響に加え、欧州主要国における政治的不安定性の継続などにより、経済の不確実性が一段と高まっております。さらに、台湾情勢をめぐる日中関係の緊張等、東アジアの地政学リスクも高まっており、景気の先行きは依然として不透明かつ流動的な状況が続くものと思われます。 当社グループが属する情報サービス産業界におきましては、企業の競争力強化や業務効率化を目的としたDX(デジタル・トランスフォーメーション)への取り組みが引き続き進展しており、クラウドコンピューティング、IoTに加え、生成AIの活用を見据えた投資需要が拡大いたしました。特に、ハードウェアとソフトウェアの融合によるシステム全体の最適化や、業務プロセスの高度化・自動化を志向する動きが一層強まっております。一方で、サイバー攻撃の高度化・巧妙化を背景としたサイバーセキュリティ対策の強化、個人情報保護や各種法規制への対応に加え、IT人材の需給逼迫による人件費の上昇など、事業環境は複雑性を増しており、情報サービス企業には、技術力の高度化が求められております。 このような変化が激しく、不確実性が高まる市場におきまして、技術の知識と経験を兼ね備えた人材を確保すべく、報酬水準の見直し、就労環境の改善等、人的資本投資の拡充を進めております。また、2026年度を最終年度とする3か年の中期経営計画「Blue Wind ChapterⅡ」におきましても、「事業の強靭化」「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み」「人と組織の強靭化」を重点課題とし、市場に柔軟かつ的確に対応できる人材の育成に向けた成長投資を積極的に行っております。さらに、持続的な事業発展には欠かせない新卒社員等の採用活動につきましても引き続き積極的に推進しております。 なお、当社グループでは、持続的な成長と生産性の向上を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、健康増進に向け様々な活動を継続的に行っております。本年3月には「健康経営優良法人(ホワイト500)」に10年連続で認定されました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は25,767百万円で前連結会計年度比2,159百万円(前連結会計年度比9.1%増)の増収となりました。利益面では、契約単価の見直しによる収益改善や、成長分野へのシフト等が進んでおります。一方、売上原価等の費用面におきまして、人的資本拡充の一環として、給与水準の引き上げを3期連続で実施したこと等の処遇改善に対し、前連結会計年度に発生していた50周年記念一時金の反動から、営業利益につきましては、2,740百万円で前連結会計年度比320百万円の増(同13.2%増)となりました。経常利益は2,878百万円で前連結会計年度比372百万円の増(同14.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,182百万円で前連結会計年度比321百万円の増(同17.3%増)となりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,166百万円増加し、26,110百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,275百万円増加し、7,500百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,890百万円増加し、18,609百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高は25,767百万円(前連結会計年度比9.1%増)、経常利益は2,878百万円(同14.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,182百万円(同17.3%増)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。(イ)システムコア事業 今後成長が期待されるイメージセンサーなどの半導体分野、通信機器部品の機構設計、並びに組込ソフトウェア開発の受注が伸長しております。医療装置の設計開発業務に関しても引き続き堅調に推移していること等から、売上高は4,675百万円(前連結会計年度比11.9%増)、セグメント利益は1,098百万円(同1.8%増)となりました。(ロ)ITソリューション事業 自社開発したパッケージソフトウェアの受注がセグメント収益を牽引しています。その他のシステム開発、モバイル関連ビジネスも契約条件の改善が進み、堅調に推移していること等から、売上高は6,058百万円(前連結会計年度比10.1%増)、セグメント利益は1,612百万円(同9.8%増)となりました。(ハ)ネットワークサービス事業 ネットワーク新規構築や運用・保守業務、情報セキュリティ関連など、企業や官公庁等の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう積極的に人材投資を行っております。その結果、売上高は15,032百万円(前連結会計年度比7.9%増)、セグメント利益は3,210百万円(同2.1%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,553百万円増加し、6,677百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、3,417百万円の収入(前連結会計年度は1,825百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払870百万円等による資金の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上2,863百万円、賞与引当金の増加1,030百万円等の増加要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,138百万円の支出(前連結会計年度は931百万円の支出)となりました。これは主に有価証券の償還による収入6,500百万円等による資金の増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出4,400百万円、投資有価証券の取得による支出3,169百万円等の減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、724百万円の支出(前連結会計年度は1,268百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払による支出748百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前連結会計年度比(%)システムコア事業4,677111.8ITソリューション事業6,071110.0ネットワークサービス事業15,026107.9合計25,775109.1(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比(%)受注残高(百万円)前連結会計年度比(%)システムコア事業5,004116.71,051145.5ITソリューション事業6,365110.82,047117.6ネットワークサービス事業16,217111.14,932131.6合計27,587112.08,031129.3(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(2025年4月1日から2026年3月31日まで)前連結会計年度比(%)システムコア事業4,675111.9ITソリューション事業6,058110.1ネットワークサービス事業15,032107.9合計25,767109.1(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等(イ)財政状態(資産合計) 当連結会計年度末における流動資産は16,302百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,782百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1,553百万円、有価証券が101百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定資産は9,807百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,383百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が1,192百万円、繰延税金資産が258百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 この結果、総資産は26,110百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,166百万円増加いたしました。 (負債合計) 当連結会計年度末における流動負債は5,761百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,581百万円増加いたしました。これは主に、賞与引当金が1,030百万円、未払法人税等が268百万円、流動負債のその他に含まれる未払費用が227百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定負債は1,738百万円となり、前連結会計年度末に比べ305百万円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債が305百万円減少したこと等によるものであります。 この結果、負債合計は7,500百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,275百万円増加いたしました。 (純資産合計) 当連結会計年度末の純資産は、18,609百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,890百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,432百万円、退職給付に係る調整累計額が240百万円、その他有価証券評価差額金が157百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 (ロ)経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、事業規模の拡大などにより、前連結会計年度に比べ9.1%増の25,767百万円となりました。その内、システムコア事業は、今後成長が期待されるイメージセンサーなどの半導体分野並びに組込ソフトウェア開発の受注が伸長しております。また、通信機器部品の機構設計、医療装置の設計開発業務に関しても、引き続き堅調に推移していること等から、売上高は4,675百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。 ITソリューション事業は、自社開発のパッケージソフトウェアやスマートデバイス検証サービスの受注が順調に積み上がっていることに加え、その他システム開発案件も契約条件の改善が徐々に進んでいること等から、売上高は6,058百万円(前連結会計年度比10.1%増)となりました。 ネットワークサービス事業はポスト・コロナの新常態を見据えた、企業のネットワーク新規構築や運用・保守業務の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう、継続的かつ積極的に人材投資を行ってまいりました。その結果、売上高は15,032百万円(前連結会計年度比7.9%増)となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の売上原価は、新入社員や中途採用の人員増に加え、一時金の支給に伴う費用増などを、契約単価の見直しによる収益改善や、成長分野へのシフト等のが吸収し、前連結会計年度に比べ10.8%増の19,845百万円となりました。一方、売上原価率は前連結会計年度に比べ1.1ポイント増加し77.0%となりました。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、引き続き人材育成や処遇改善、社内DX推進に伴う物件費等が増加した一方、採用活動の一部前年度前倒し実施に伴う支出減等から、前連結会計年度に比べ2.7%減の3,181百万円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比17.3%増の2,182百万円となりました。b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。そのため具体的な経営指標としては、売上高目標や成長率といったものではなく利益率に注目し、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.3%となり、5期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、人材の確保と育成が挙げられます。より多くの案件を受注することで業績を向上させることは可能ですが、そのためには必要な能力を備えた技術者をどれだけ確保できるかがポイントとなります。不足分を外部のビジネスパートナーに依存した場合、その経験や技術ノウハウが当社グループ内に残らないことや情報セキュリティ面でのリスクもあり、当社グループでは、新卒や中途採用を問わず人材の確保とその育成を戦略的に進めております。採用部門では、リアル体験型の独自プログラムやワークショップを通じて、会社の施策や風土をイメージし理解してもらうなど、当社にマッチした人材を採用しております。育成部門では、技術研修に加え人間力研修にも力を入れ、独自の教育研修機関であるKSKカレッジでの研修を核に、技術力と人間力、バランスの取れた人材の育成を行い、人的資本の拡充を図っております。 また、別の要因として同業他社との差別化が挙げられます。圧倒的な競争力を得るためには、高品質なサービスを提供し続けることでお客様満足度を向上させる必要があります。そのため、当社グループでは2017年4月に「品質ナンバーワン」をビジョンに掲げた「かがやきプロジェクト」を立ち上げ、「人質向上」「標準化」「自動化」の3つの取り組みを行い、品質を高めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値も高めてまいります。 各事業セグメントの業績については、異なる3つの事業セグメントをバランスよく成長させることを目指しておりますが、刻々と変化する環境や需要に機動的に対応していく中で、そのバランスが変わってきております。 システムコア事業セグメントでは、今後、成長が期待される国内の半導体分野、通信機器部品の機構設計の需要や、組み込みソフトウェア開発に注力してまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存をすることは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化を図ることが必要となってまいります。 ITソリューション事業セグメントは、自社開発の住宅建設会社向け総合管理システムのパッケージソフトウェアがセグメント全体の収益を牽引しております。その他のシステム開発、モバイル関連ビジネスに関しても契約条件の改善を進める一方、高付加価値の新規ビジネス創出にも取り組んでまいります。 ネットワークサービス事業セグメントは、クラウド環境構築(パブリッククラウド/プライベートクラウドやゼロトラスト、ネットワークセキュリティの強靭化等の需要が高まっており、全体に占める同セグメントの比率は売上で約58%、利益で約54%にまで増加しております。今後も、旺盛な需要に応えるため、クラウドサービスや仮想ネットワークといった技術を活用し、データセンター、キャリア系ベンダ、一般企業、学校、病院などにおいて、各種インフラの設計・構築・運用のすべてにワンストップで対応してまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(資金需要) 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業で必要な人件費、不動産賃借料、開発に使用するPCやサーバーの購入費用等があります。また、採用活動に伴う費用や従業員の教育費用、全社的な規模で使用する基幹システムの導入・保守などの一般管理費や、新規事業や新たなサービスや製品を生み出すための研究開発費用があります。(資金運用) 当社グループの事業活動に必要な運転資金を確保した後に残る資金を有効利用するため、資金運用を行っております。運用対象とする金融商品の選定に当たっては、換金性の高さと安全性を優先しております。(財務政策) 当社グループの事業活動に必要な運転資金は、主として内部資金を活用し金融機関からの借入に依存しておりません。また、事業活動に必要の無い資産は極力保有しないことにしております。 ③特に重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。 経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。(貸倒引当金) 当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒れの懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもあるビジネスユニットごとに固定資産のグルーピングを行っております。 当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。 その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境の悪化により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。(投資の減損) 当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と市場価格のない未上場株式が含まれます。 当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性が明らかではないと判断した場合に減損損失を計上しております。 なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。(繰延税金資産) 「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。(退職給付に係る負債) 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。 割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。(請負契約の売上高) 当社グループは、請負契約の売上高のうち、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に測定できる場合には、期末日における見積り総原価に対する累積実際発生原価の割合に基づくインプット法を使用して売上高を計上しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び履行義務の充足に係る進捗度について、当初の見積りに反して合理的な見積りができなくなった場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。 ただし、当連結会計年度末に進行中の案件で、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に算定できる案件はなく、原価回収基準を適用した案件の金額及び件数は僅少であり重要性は高くありません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、2024年3月には経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から「健康経営」に優れた企業を選出する「健康経営銘柄」に6年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも8年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、独自の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めております。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、IoTやクラウドコンピューティング、生成AI市場等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.6%となり、4期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。(3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 今後の我が国の経済見通しにつきましては、雇用環境や賃金引上げ等の所得環境が改善する一方、急速な円安が物価上昇に拍車をかけ、実質賃金の低下が続き、国内消費は足踏み状態が続くものと思われます。また、世界的にはウクライナや中東情勢等の地政学リスクに加え、金融引き締めや中国経済の停滞を背景とした景気後退の懸念等、景気の先行きは依然として不透明かつ流動的な状況が続くものと思われます。 一方、当社グループを取り巻くマーケット環境は、デジタル技術の進化が加速し、引き続き需要が旺盛な状況が続くものと考えられます。このような状況下においても受注機会を的確に捉え対応できるよう、引き続き人的資本投資の拡充を進めてまいります。 当社グループは本年5月に創立50周年を迎えることができました。ここまでの50年の歩みを踏まえ、来る100周年を目指し持続的な成長の基盤を作るべく、今年度からスタートする中期経営計画「Blue Wind ChapterⅡ」を策定しました。 本中期経営計画では、「KSKを強靭化し再生することでVUCA環境を克服し、創業100周年の未来に向けて持続的成長の基盤づくりを行う」「KSKの事業活動の価値を環境価値・社会価値と中・長期的に整合させる経営革新(SX)に取組む」を基本方針とし、資本効率向上及び各ステークホルダーとの関係強化を図ってまいります。具体的な指標として中期経営計画の最終年度である2027年3月期に、自己資本当期純利益率(ROE)12%、配当性向50%を目指してまいります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) LSIやFPGAなどの半導体設計を中心としたシステムデバイス事業、組み込みソフトウェア開発からIoTソリューションまでを提供するIoTソリューション事業、そして、社会を守り、IoTにつながるモノの機械/電気設計を中心としたメカトロニクスデザイン事業の3つからなっています。本事業は事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) パッケージソフトウェアの開発、アプリケーションソフトウェアの受託開発、CADシステム開発、Webシステム開発、モバイル実機検証サービス、データエントリー業務、オペレーター派遣業務などを中心に業務を行っております。 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。 (ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。 ① 事業の高収益体質への転換に向けた取組みDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に伴うクラウド環境の整備や、IoT、生成AI関連市場の拡大に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合など市場はダイナミックに変化しております。このような環境の変化に適応し持続的成長を実現するため、成長が期待できる分野へ経営資源を投入し、柔軟かつ戦略的な業務シフトを行うことにより、優良顧客主体の安定した既存ビジネスの収益力強化に注力してまいります。その一方で、市場環境の変化に応じた高付加価値の新規ビジネス創出にも取り組んでまいります。② SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み経営理念「敬天愛人」並びにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループは人間中心の経営を進め、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、経営トップも参加する「サステナビリティ委員会」が中心となり、環境や脱炭素、人権に配慮したエシカル調達・購買やダイバーシティ等、SDGsの環境問題、社会課題への取組みに主体的に貢献することで、安定的・持続的な成長を実現してまいります。③ 健全で活力の漲る組織風土の醸成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、加速度的にさらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このように目まぐるしく変化する環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、当社グループが重視するチーム活動をさらに革新的で創造性豊かなチーム制へと変革し、人と組織が信頼と共感でつながる健全で活力漲る組織風土をより一層強固なものにする必要があります。当社グループでは、人材の確保と育成、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、健康経営並びに様々なエンゲージメント施策を展開するとともに処遇改善により、Well-beingな職場環境を構築してまいります。④ 技術力及び品質の向上品質に加え技術力と専門性に裏付けられた付加価値の高いITサービスを提供し続けるべく、当社グループでは、2017年4月以降展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。また、2020年10月に発足し経営トップも参加する「全社技術力向上委員会」では、スキルロードマップやタレントマネジメントシステムの活用等、技術力向上に向けた各種施策を引き続き実施してまいります。⑤ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に6年連続で選定されたほか、経済産業省からは8年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。 ⑥ コーポレートガバナンスの強化社会的要請や関連法令改正等に応え、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるためには、コーポレートガバナンスの一層の強化が重要であると認識しております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に、多様性に配慮した社外取締役を複数名選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑦ 情報セキュリティ対策のさらなる強化昨今、情報セキュリティを取り巻く環境は厳しさを増しており、地政学リスクの高まりから様々な脅威が顕在化しております。企業が存続していくためには、このような状況の変化にいち早く対応する必要があります。当社グループでは「KSK-CSIRT」を設置することによって、標的型メール攻撃やランサムウェアなど外部からの攻撃に、より強固でフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、ウイルスや不正アクセス等に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備にも同時に取り組んでまいります。⑧ 今後予想される災害等への対応当社グループでは、近年、全国的に頻発している地震や台風などの自然災害、火災や停電などの人災、感染症拡大のリスク、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、有事への備えを徹底することでリスクを軽減するための対策を講じています。具体的には、地震や台風の発生時に備え各拠点での非常用品や非常食の備蓄、防災訓練の実施などを行っております。また、感染症拡大のリスクに対しては、感染予防対策を強化することで社員の健康を守りつつ、事業継続を図るためにテレワークや分散勤務など柔軟な対応を実施しております。当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定しており、地震や台風等の暴風雨による水害を想定した自然災害対策に加え、パンデミックや都市封鎖への対応等、より実効性のあるものに随時見直しを行っております。引き続き従業員の安全確保、事業継続に必要な体制整備、設備増強を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、2024年3月には経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から「健康経営」に優れた企業を選出する「健康経営銘柄」に6年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも8年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、独自の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めております。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、IoTやクラウドコンピューティング、生成AI市場等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.6%となり、4期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。(3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 今後の我が国の経済見通しにつきましては、雇用環境や賃金引上げ等の所得環境が改善する一方、急速な円安が物価上昇に拍車をかけ、実質賃金の低下が続き、国内消費は足踏み状態が続くものと思われます。また、世界的にはウクライナや中東情勢等の地政学リスクに加え、金融引き締めや中国経済の停滞を背景とした景気後退の懸念等、景気の先行きは依然として不透明かつ流動的な状況が続くものと思われます。 一方、当社グループを取り巻くマーケット環境は、デジタル技術の進化が加速し、引き続き需要が旺盛な状況が続くものと考えられます。このような状況下においても受注機会を的確に捉え対応できるよう、引き続き人的資本投資の拡充を進めてまいります。 当社グループは本年5月に創立50周年を迎えることができました。ここまでの50年の歩みを踏まえ、来る100周年を目指し持続的な成長の基盤を作るべく、今年度からスタートする中期経営計画「Blue Wind ChapterⅡ」を策定しました。 本中期経営計画では、「KSKを強靭化し再生することでVUCA環境を克服し、創業100周年の未来に向けて持続的成長の基盤づくりを行う」「KSKの事業活動の価値を環境価値・社会価値と中・長期的に整合させる経営革新(SX)に取組む」を基本方針とし、資本効率向上及び各ステークホルダーとの関係強化を図ってまいります。具体的な指標として中期経営計画の最終年度である2027年3月期に、自己資本当期純利益率(ROE)12%、配当性向50%を目指してまいります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) LSIやFPGAなどの半導体設計を中心としたシステムデバイス事業、組み込みソフトウェア開発からIoTソリューションまでを提供するIoTソリューション事業、そして、社会を守り、IoTにつながるモノの機械/電気設計を中心としたメカトロニクスデザイン事業の3つからなっています。本事業は事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) パッケージソフトウェアの開発、アプリケーションソフトウェアの受託開発、CADシステム開発、Webシステム開発、モバイル実機検証サービス、データエントリー業務、オペレーター派遣業務などを中心に業務を行っております。 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。 (ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。 ① 事業の高収益体質への転換に向けた取組みDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展に伴うクラウド環境の整備や、IoT、生成AI関連市場の拡大に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合など市場はダイナミックに変化しております。このような環境の変化に適応し持続的成長を実現するため、成長が期待できる分野へ経営資源を投入し、柔軟かつ戦略的な業務シフトを行うことにより、優良顧客主体の安定した既存ビジネスの収益力強化に注力してまいります。その一方で、市場環境の変化に応じた高付加価値の新規ビジネス創出にも取り組んでまいります。② SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)への取組み経営理念「敬天愛人」並びにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループは人間中心の経営を進め、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、経営トップも参加する「サステナビリティ委員会」が中心となり、環境や脱炭素、人権に配慮したエシカル調達・購買やダイバーシティ等、SDGsの環境問題、社会課題への取組みに主体的に貢献することで、安定的・持続的な成長を実現してまいります。③ 健全で活力の漲る組織風土の醸成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、加速度的にさらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このように目まぐるしく変化する環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、当社グループが重視するチーム活動をさらに革新的で創造性豊かなチーム制へと変革し、人と組織が信頼と共感でつながる健全で活力漲る組織風土をより一層強固なものにする必要があります。当社グループでは、人材の確保と育成、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、健康経営並びに様々なエンゲージメント施策を展開するとともに処遇改善により、Well-beingな職場環境を構築してまいります。④ 技術力及び品質の向上品質に加え技術力と専門性に裏付けられた付加価値の高いITサービスを提供し続けるべく、当社グループでは、2017年4月以降展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。また、2020年10月に発足し経営トップも参加する「全社技術力向上委員会」では、スキルロードマップやタレントマネジメントシステムの活用等、技術力向上に向けた各種施策を引き続き実施してまいります。⑤ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に6年連続で選定されたほか、経済産業省からは8年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。 ⑥ コーポレートガバナンスの強化社会的要請や関連法令改正等に応え、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるためには、コーポレートガバナンスの一層の強化が重要であると認識しております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に、多様性に配慮した社外取締役を複数名選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑦ 情報セキュリティ対策のさらなる強化昨今、情報セキュリティを取り巻く環境は厳しさを増しており、地政学リスクの高まりから様々な脅威が顕在化しております。企業が存続していくためには、このような状況の変化にいち早く対応する必要があります。当社グループでは「KSK-CSIRT」を設置することによって、標的型メール攻撃やランサムウェアなど外部からの攻撃に、より強固でフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、ウイルスや不正アクセス等に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備にも同時に取り組んでまいります。⑧ 今後予想される災害等への対応当社グループでは、近年、全国的に頻発している地震や台風などの自然災害、火災や停電などの人災、感染症拡大のリスク、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、有事への備えを徹底することでリスクを軽減するための対策を講じています。具体的には、地震や台風の発生時に備え各拠点での非常用品や非常食の備蓄、防災訓練の実施などを行っております。また、感染症拡大のリスクに対しては、感染予防対策を強化することで社員の健康を守りつつ、事業継続を図るためにテレワークや分散勤務など柔軟な対応を実施しております。当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定しており、地震や台風等の暴風雨による水害を想定した自然災害対策に加え、パンデミックや都市封鎖への対応等、より実効性のあるものに随時見直しを行っております。引き続き従業員の安全確保、事業継続に必要な体制整備、設備増強を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5月に5類感染症に変更され、社会経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善する状況下にインバウンド需要の回復等も相まって、緩やかな回復基調にあります。一方、ウクライナ情勢の長期・膠着状態化、中東情勢等の地政学リスクの高まりに伴う、原材料価格の高騰、エネルギー価格の不安定さに加え、世界的な金融引き締めや中国経済の停滞を背景とした景気後退の懸念等、景気の先行きは依然として不透明かつ流動的な状況が続くものと思われます。 当社グループが属する情報サービス産業界におきましては、企業の事業構造改革や働き方改革を促進しているDX(デジタル・トランスフォーメーション)に関わる、IoTや5G、クラウドコンピューティング、生成AI関連市場等の拡大に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合などがダイナミックな変革をもたらしています。また、「標的型攻撃」に代表されるサイバー攻撃への防衛策等、情報セキュリティ対策の重要性も一層高まっております。 このような環境の中、当社グループでは、デジタル技術の進化が加速する市場において、技術の知識と経験を兼ね備えた人材を確保すべく、報酬水準の見直し、就労環境の改善等、人的資本投資の拡充を進めてまいりました。また、新卒新入社員に対し5ヶ月にわたる基礎教育を実施する等、市場に柔軟かつ的確に対応できる人材の育成に向けた成長投資も積極的に行っております。これら人的投資によって培われた高い技術力をもって提供する付加価値の高いサービスにより、利益率の向上に努めてまいりました。さらに、持続的な事業発展には欠かせない新卒社員等の採用活動につきましても引き続き積極的に推進しております。 なお、当社グループでは、持続的な成長と生産性の向上を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、健康増進に向け様々な活動を継続的に行っております。本年3月には、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に6年連続で選定されました。また、「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも8年連続で認定されました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は21,778百万円で前連結会計年度比1,419百万円の増加(前連結会計年度比7.0%増)となりました。利益面では、一部プロジェクトの契約条件見直しによる収益改善や、成長分野へのシフト等により、売上総利益は5,334百万円で前連結会計年度比664百万円の増加(同14.2%増)の増益となりました。一方、販売費及び一般管理費のうち、採用活動や研修・教育、エンゲージメント向上等の人的資本拡充に向けた積極投資が前連結会計年度比302百万円増加(同37.2%増)したこと等から、営業利益につきましては2,306百万円で前連結会計年度比81百万円の増加(同3.6%増)となりました。経常利益につきましては2,381百万円で前連結会計年度比88百万円の増加(同3.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,702百万円で前連結会計年度比112百万円の増加(同7.1%増)となりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,712百万円増加し、21,885百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ389百万円増加し、5,769百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,322百万円増加し、16,116百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高は21,778百万円(前連結会計年度比7.0%増)、経常利益は2,381百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,702百万円(同7.1%増)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。(イ)システムコア事業 今後成長が期待されるイメージセンサーなどの半導体設計並びに組込ソフトウェア開発の受注が伸長しております。医療装置の設計開発業務に関しても、より上流工程を担う等、引き続き堅調に推移している一方、半導体関連受注の回復の遅れ等から、売上高は3,823百万円(前連結会計年度比2.6%増)、セグメント利益は1,044百万円(同6.2%増)となりました。(ロ)ITソリューション事業 モバイル関連ビジネスや自社開発したパッケージソフトウェアの受注が引き続き伸長しております。その他のシステム開発、モバイルアプリ開発案件も契約条件の改善が進み、堅調に推移していること等から、売上高は5,239百万円(前連結会計年度比6.9%増)、セグメント利益は1,234百万円(同25.8%増)となりました。(ハ)ネットワークサービス事業 ネットワーク新規構築や運用・保守業務、情報セキュリティ関連など、企業や官公庁等の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう積極的に人材投資を行っております。その結果、売上高は12,714百万円(前連結会計年度比8.4%増)、セグメント利益は2,586百万円(同11.8%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ991百万円増加し、5,499百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,936百万円の収入(前連結会計年度は1,431百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払665百万円、売上債権の増加234百万円等による資金の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上2,372百万円等の増加要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、470百万円の支出(前連結会計年度は1,607百万円の支出)となりました。これは主に有価証券の償還による収入5,100百万円等による資金の増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出4,400百万円、投資有価証券の取得による支出908百万円等の減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、474百万円の支出(前連結会計年度は458百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払による支出476百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,824102.6ITソリューション事業5,310107.0ネットワークサービス事業12,709108.3合計21,844107.0(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比(%)受注残高(百万円)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,853102.4615105.0ITソリューション事業5,211102.51,49598.2ネットワークサービス事業13,521110.93,083135.4合計22,585107.35,194118.4(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(2023年4月1日から2024年3月31日まで)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,823102.6ITソリューション事業5,239106.9ネットワークサービス事業12,714108.4合計21,778107.0(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等(イ)財政状態(資産合計) 当連結会計年度末における流動資産は12,681百万円となり、前連結会計年度末に比べ947百万円増加いたしました。これは主に、有価証券が300百万円減少した一方で、現金及び預金が991百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が212百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定資産は9,203百万円となり、前連結会計年度末に比べて764百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が519百万円、建物及び構築物に含まれる建物付属設備が159百万円、投資その他の資産のその他に含まれる敷金及び保証金が96百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 この結果、総資産は21,885百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,712百万円増加いたしました。 (負債合計) 当連結会計年度末における流動負債は3,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ264百万円増加いたしました。これは主に、賞与引当金が48百万円減少した一方で、流動負債のその他に含まれる未払費用が178百万円、預り金が112百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定負債は1,949百万円となり、前連結会計年度末に比べ125百万円増加しました。これは主に退職給付に係る負債が97百万円、資産除去債務が34百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 この結果、負債合計は5,769百万円となり、前連結会計年度末に比べ389百万円増加いたしました。 (純資産合計) 当連結会計年度末の純資産は、16,116百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,322百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,224百万円、その他有価証券評価差額金が93百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 (ロ)経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、事業規模の拡大などにより、前連結会計年度に比べ7.0%増の21,778百万円となりました。その内、システムコア事業は、今後成長が期待されるイメージセンサーなどの半導体分野並びに組込ソフトウェア開発の受注が伸長しております。また、通信機器部品の機構設計、医療装置の設計開発業務に関しても、引き続き堅調に推移していること等から、売上高は3,823百万円(前連結会計年度比2.6%増)となりました。 ITソリューション事業は、自社開発のパッケージソフトウェアやスマートデバイス検証サービスの受注が順調に積み上がっていることに加え、その他システム開発案件も契約条件の改善が徐々に進んでいること等から、売上高は5,239百万円(前連結会計年度比6.9%増)となりました。 ネットワークサービス事業はポスト・コロナの新常態を見据えた、企業のネットワーク新規構築や運用・保守業務の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう、継続的かつ積極的に人材投資を行ってまいりました。その結果、売上高は12,714百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の売上原価は、新入社員や中途採用の人員増に加え、一時金の支給に伴う費用増などを、取引採算の改善、売上増の効果等が吸収し、前連結会計年度に比べ4.8%増の16,444百万円となりました。一方、売上原価率は前連結会計年度に比べ1.6ポイント減少し75.5%となりました。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、積極的な採用活動による募集費や対面型の集合研修を徐々に再開することに伴う教育図書費等の人材投資が増加したことに加え、社内DX推進に伴う物件費が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ23.9%増の3,027百万円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 特別損益において、受給済助成金の一部過誤払い分の返還に応じた一方、当連結会計年度において「賃上げ税制」の適用申請を行ったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7.1%増の1,702百万円となりました。b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。そのため具体的な経営指標としては、売上高目標や成長率といったものではなく利益率に注目し、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.6%となり、4期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、人材の確保と育成が挙げられます。より多くの案件を受注することで業績を向上させることは可能ですが、そのためには必要な能力を備えた技術者をどれだけ確保できるかがポイントとなります。不足分を外部のビジネスパートナーに依存した場合、その経験や技術ノウハウが当社グループ内に残らないことや情報セキュリティ面でのリスクもあり、当社グループでは、新卒や中途採用を問わず人材の確保とその育成を戦略的に進めております。採用部門では、リアル体験型の独自プログラムやワークショップを通じて、会社の施策や風土をイメージし理解してもらうなど、当社にマッチした人材を採用しております。育成部門では、技術研修に加え人間力研修にも力を入れ、独自の教育研修機関であるKSKカレッジでの研修を核に、技術力と人間力、バランスの取れた人材の育成を行い、人的資本の拡充を図っております。 また、別の要因として同業他社との差別化が挙げられます。圧倒的な競争力を得るためには、高品質なサービスを提供し続けることでお客様満足度を向上させる必要があります。そのため、当社グループでは2017年4月に「品質ナンバーワン」をビジョンに掲げた「かがやきプロジェクト」を立ち上げ、「人質向上」「標準化」「自動化」の3つの取り組みを行い、品質を高めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値も高めてまいります。 各事業セグメントの業績については、異なる3つの事業セグメントをバランスよく成長させることを目指しておりますが、刻々と変化する環境や需要に機動的に対応していく中で、そのバランスが変わってきております。 システムコア事業セグメントでは、成長が期待される運転支援システムの普及によるCMOSイメージセンサーの需要や、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)に関する組み込みソフトに注力してまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存をすることは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化を図ることが必要となってまいります。 ITソリューション事業セグメントは、モバイル関連ビジネスが好調です。自社開発の住宅建設会社向け総合管理システムのパッケージソフトウェアは、販売と並行して改良と開発体制の整備を実施しております。今後、中長期的には既存パッケージソフトウェアからの更新も含め、その販売が業績向上に寄与するものと考えております。 ネットワークサービス事業セグメントは、「働き方改革」やポストコロナの「新常態」への対応を踏まえた、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の「デジタル・シフト」への変容により、需要が高まっており、全体に占める同セグメントの比率は売上で約58%、利益で約53%にまで増加しております。今後も、DX社会のあらゆるニーズに応えるため、クラウドサービスや仮想ネットワークといった技術を活用し、データセンター、キャリア系ベンダ、一般企業、学校、病院などにおいて、各種インフラの設計・構築・運用のすべてにワンストップで対応してまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(資金需要) 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業で必要な人件費、不動産賃借料、開発に使用するPCやサーバーの購入費用等があります。また、採用活動に伴う費用や従業員の教育費用、全社的な規模で使用する基幹システムの導入・保守などの一般管理費や、新規事業や新たなサービスや製品を生み出すための研究開発費用があります。(資金運用) 当社グループの事業活動に必要な運転資金を確保した後に残る資金を有効利用するため、資金運用を行っております。運用対象とする金融商品の選定に当たっては、換金性の高さと安全性を優先しております。(財務政策) 当社グループの事業活動に必要な運転資金は、主として内部資金を活用し金融機関からの借入に依存しておりません。また、事業活動に必要の無い資産は極力保有しないことにしております。 ③特に重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。 経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。(貸倒引当金) 当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒れの懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもあるビジネスユニットごとに固定資産のグルーピングを行っております。 当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。 その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境の悪化により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。(投資の減損) 当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と市場価格のない未上場株式が含まれます。 当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性が明らかではないと判断した場合に減損損失を計上しております。 なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。(繰延税金資産) 「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。(退職給付に係る負債) 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。 割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。(請負契約の売上高) 当社グループは、請負契約の売上高のうち、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に測定できる場合には、期末日における見積り総原価に対する累積実際発生原価の割合に基づくインプット法を使用して売上高を計上しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び履行義務の充足に係る進捗度について、当初の見積りに反して合理的な見積りができなくなった場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。 ただし、当連結会計年度末に進行中の案件で、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に算定できる案件はなく、原価回収基準を適用した案件の金額及び件数は僅少であり重要性は高くありません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、2023年3月には経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から「健康経営」に優れた企業を選出する「健康経営銘柄」に5年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも7年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、独自の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めております。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、5GやIoT等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.9%となり、3期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 (3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは困難な状況であり、ウクライナ情勢の緊迫化等、地政学リスクも高まっていることから、いましばらくは不透明な状況が続くものと予想されます。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、行政のデジタル化や働き方改革など新常態の定着化を強く促しており、今後も5GやIoT、仮想化等の技術に対する需要は高まるものと期待されます。 このような環境下において、さらなる発展を追究し、将来にわたる持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指し、当社グループでは、2024年5月に迎える創立50周年を視野に入れて策定した中期経営計画「TRUST50」において、「究極の品質」「考える現場」「プレミアムサービスの提供」を目標に掲げております。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、組み込みソフトウェアの開発業務及びハードウェアの装置設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。 ① 技術力及び品質の向上DX(デジタルトランスフォーメーション)や5G、IoT等、変化が激しい市場において、柔軟かつ的確に対応できるよう、当社グループでは、2017年4月以降展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。また、経営トップも参加する「全社技術力向上委員会」では、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を実施しております。今後とも、品質に加え、技術力と専門性に裏付けられた付加価値の高いITサービスを提供し続けることで、将来にわたり持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。② 人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、加速度的に、さらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このように目まぐるしく変化する環境の中で競争力を高め、勝ち残っていくためには、高い技術力と品質を兼ね備えた技術者やサービスをタイムリーに提供する体制を整える必要があります。当社グループでは、人材の確保と育成を経営の最重要課題のひとつに位置づけており、エンジニア未経験者も含めた一人ひとりが「自立したエンジニア」になるための教育支援を行うなど人材育成への投資を積極的に行っております。また、独自の研修機関(KSKカレッジ)を通じ、常に最新技術の動向に対応すべくグループ社員の研修を行う等、人材育成投資を積極的に行っております。引き続き、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本投資を強化してまいります。③ 事業構造の見直しDX推進に伴うクラウド環境整備や仮想化技術の活用、イメージセンサーなどの半導体分野や組込ソフトウェア開発等に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合など市場はダイナミックに変化しております。このような環境に対し機動的に対応すべく、成長が期待できる分野へ経営資源を投入し、柔軟かつ戦略的な業務シフトを行ってまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存することは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化も図ってまいります。また、当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、さらなる意思決定のスピードアップを目指し、販売管理システムやタレントマネジメントシステム等、今後も社内DXを推進してまいります。④ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に5年連続で選定されたほか、経済産業省からは7年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤ コーポレートガバナンスの強化社会的要請や関連法令改正等に応え、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるためには、コーポレートガバナンスの一層の強化が重要であると認識しております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に、多様性に配慮した社外取締役を複数名選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑥ 情報セキュリティ対策のさらなる強化昨今、情報セキュリティを取り巻く環境は厳しさを増しており、地政学リスクの高まりから様々な脅威が顕在化しております。企業が存続していくためには、このような状況の変化にいち早く対応する必要があります。当社グループでは「KSK-CSIRT」を設置することによって、標的型メール攻撃やランサムウェアなど外部からの攻撃に、より強固でフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、ウイルスや不正アクセス等に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備にも同時に取り組んでまいります。 ⑦ 今後予想される災害等への対応当社グループでは、近年、全国的に頻発している地震や台風などの自然災害、火災や停電などの人災、感染症拡大のリスク、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、有事への備えを徹底することでリスクを軽減するための対策を講じています。具体的には、地震や台風の発生時に備え各拠点での非常用品や非常食の備蓄、防災訓練の実施などを行っております。また、感染症拡大のリスクに対しては、感染予防対策を強化することで社員の健康を守りつつ、事業継続を図るためにテレワークや分散勤務など柔軟な対応を実施しております。また、サイバー攻撃に対しては標的型メール訓練を定期的に実施しており、高いセキュリティ意識の維持に努めております。当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定しており、地震や台風等の暴風雨による水害を想定した自然災害対策に加え、パンデミックや都市封鎖への対応等、より実効性のあるものに随時見直しを行っております。引き続き従業員の安全確保、事業継続に必要な体制整備、設備増強を図ってまいります。⑧ サステナビリティへの取り組み経営理念「敬天愛人」並びにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループが社会の構造変化に適切に対応し、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、経営トップも参加する「サステナビリティ委員会」を中心に、環境や地域社会との共存に資するボランティア清掃活動や里山保全活動、地域図書館との連携によるオープンカレッジの開催や書籍・雑誌の寄贈等を推進しております。従来から取り組んでいる健康経営や各種エンゲージメント施策の推進などと合わせ、今後も人間中心の経営を進めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、2023年3月には経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から「健康経営」に優れた企業を選出する「健康経営銘柄」に5年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも7年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、独自の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めております。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、5GやIoT等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.9%となり、3期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 (3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは困難な状況であり、ウクライナ情勢の緊迫化等、地政学リスクも高まっていることから、いましばらくは不透明な状況が続くものと予想されます。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、行政のデジタル化や働き方改革など新常態の定着化を強く促しており、今後も5GやIoT、仮想化等の技術に対する需要は高まるものと期待されます。 このような環境下において、さらなる発展を追究し、将来にわたる持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指し、当社グループでは、2024年5月に迎える創立50周年を視野に入れて策定した中期経営計画「TRUST50」において、「究極の品質」「考える現場」「プレミアムサービスの提供」を目標に掲げております。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、組み込みソフトウェアの開発業務及びハードウェアの装置設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。 ① 技術力及び品質の向上DX(デジタルトランスフォーメーション)や5G、IoT等、変化が激しい市場において、柔軟かつ的確に対応できるよう、当社グループでは、2017年4月以降展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。また、経営トップも参加する「全社技術力向上委員会」では、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を実施しております。今後とも、品質に加え、技術力と専門性に裏付けられた付加価値の高いITサービスを提供し続けることで、将来にわたり持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。② 人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、加速度的に、さらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このように目まぐるしく変化する環境の中で競争力を高め、勝ち残っていくためには、高い技術力と品質を兼ね備えた技術者やサービスをタイムリーに提供する体制を整える必要があります。当社グループでは、人材の確保と育成を経営の最重要課題のひとつに位置づけており、エンジニア未経験者も含めた一人ひとりが「自立したエンジニア」になるための教育支援を行うなど人材育成への投資を積極的に行っております。また、独自の研修機関(KSKカレッジ)を通じ、常に最新技術の動向に対応すべくグループ社員の研修を行う等、人材育成投資を積極的に行っております。引き続き、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本投資を強化してまいります。③ 事業構造の見直しDX推進に伴うクラウド環境整備や仮想化技術の活用、イメージセンサーなどの半導体分野や組込ソフトウェア開発等に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合など市場はダイナミックに変化しております。このような環境に対し機動的に対応すべく、成長が期待できる分野へ経営資源を投入し、柔軟かつ戦略的な業務シフトを行ってまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存することは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化も図ってまいります。また、当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、さらなる意思決定のスピードアップを目指し、販売管理システムやタレントマネジメントシステム等、今後も社内DXを推進してまいります。④ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に5年連続で選定されたほか、経済産業省からは7年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤ コーポレートガバナンスの強化社会的要請や関連法令改正等に応え、すべてのステークホルダーから信頼される企業であり続けるためには、コーポレートガバナンスの一層の強化が重要であると認識しております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に、多様性に配慮した社外取締役を複数名選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑥ 情報セキュリティ対策のさらなる強化昨今、情報セキュリティを取り巻く環境は厳しさを増しており、地政学リスクの高まりから様々な脅威が顕在化しております。企業が存続していくためには、このような状況の変化にいち早く対応する必要があります。当社グループでは「KSK-CSIRT」を設置することによって、標的型メール攻撃やランサムウェアなど外部からの攻撃に、より強固でフレキシブルに対応できる体制を整えております。また、ウイルスや不正アクセス等に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備にも同時に取り組んでまいります。 ⑦ 今後予想される災害等への対応当社グループでは、近年、全国的に頻発している地震や台風などの自然災害、火災や停電などの人災、感染症拡大のリスク、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、有事への備えを徹底することでリスクを軽減するための対策を講じています。具体的には、地震や台風の発生時に備え各拠点での非常用品や非常食の備蓄、防災訓練の実施などを行っております。また、感染症拡大のリスクに対しては、感染予防対策を強化することで社員の健康を守りつつ、事業継続を図るためにテレワークや分散勤務など柔軟な対応を実施しております。また、サイバー攻撃に対しては標的型メール訓練を定期的に実施しており、高いセキュリティ意識の維持に努めております。当社グループでは事業継続計画(BCP)を策定しており、地震や台風等の暴風雨による水害を想定した自然災害対策に加え、パンデミックや都市封鎖への対応等、より実効性のあるものに随時見直しを行っております。引き続き従業員の安全確保、事業継続に必要な体制整備、設備増強を図ってまいります。⑧ サステナビリティへの取り組み経営理念「敬天愛人」並びにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループが社会の構造変化に適切に対応し、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、経営トップも参加する「サステナビリティ委員会」を中心に、環境や地域社会との共存に資するボランティア清掃活動や里山保全活動、地域図書館との連携によるオープンカレッジの開催や書籍・雑誌の寄贈等を推進しております。従来から取り組んでいる健康経営や各種エンゲージメント施策の推進などと合わせ、今後も人間中心の経営を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大による厳しい状況から、ワクチン接種率の高まりや各種政策の効果等による感染者数の減少に伴い、社会経済活動の制限が段階的に緩和され、個人消費を中心に回復の兆しが見え始めました。しかしながら、ロシアによるウクライナへの侵攻の長期化や東アジアにおける地政学リスクの高まり等に伴う原材料価格の上昇に加え、欧米での金融不安等の世界的な経済情勢の変動が企業収益や個人消費に影響を及ぼしており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。 当社グループが属する情報サービス産業界においては、行政のデジタル化や民間企業の事業改革に伴うDX(デジタル・トランスフォーメーション)や5G、IoT等に関連する市場の拡大により、一層の需要の伸長が期待されております。また「標的型攻撃」に代表されるサイバー攻撃への防衛策等、情報セキュリティ対策の重要性も一層高まっております。 このような環境の中、当社グループでは、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、持続的成長に向けた人材育成への投資を積極的に行ってまいりました。また、品質向上とともに技術力向上を果たすべく、「全社技術力向上委員会」を中心に様々な施策を検討し実行しております。こうした人的投資によって培われた高い技術力をもって提供する付加価値の高いサービス、並びに成長が期待できる分野への戦略的かつ柔軟な業務シフト等により、利益率の向上に努めてまいりました。 なお、当社グループでは、持続的な成長と生産性の向上を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、健康増進に向け様々な活動を継続的に行っております。本年3月には、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に5年連続で選定されました。また、「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも7年連続で認定されました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は20,358百万円で前連結会計年度比1,735百万円の増加(前連結会計年度比9.3%増)となりました。利益面では、募集費・教育図書費等の人材投資や、社内DX推進に向けた取り組み、事業の拡大に伴う拠点の拡張移転等により経費が増加したものの、契約条件の改善、稼働率の向上等により、営業利益は2,225百万円で前連結会計年度比156百万円の増加(同7.5%増)となりました。営業外損益において、前連結会計年度まで受給していた助成金収入が当連結会計年度は発生しなかったことから、経常利益は2,292百万円で前連結会計年度比63百万円の増加(同2.8%増)となりました。特別損益において、受給済助成金の一部過誤払い分の返還に応じた一方、当連結会計年度において「賃上げ税制」の適用申請を行ったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,589百万円で前連結会計年度比88百万円の増加(同5.9%増)となりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,675百万円増加し、20,173百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ514百万円増加し、5,379百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,161百万円増加し、14,793百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高は20,358百万円(前連結会計年度比9.3%増)、経常利益は2,292百万円(同2.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,589百万円(同5.9%増)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。(イ)システムコア事業 今後成長が期待されるイメージセンサーなどの半導体分野並びに組込ソフトウェア開発の受注が伸長しております。また、通信機器部品の機構設計、医療装置の設計開発業務に関しても、引き続き堅調に推移していること等から、売上高は3,727百万円(前連結会計年度比9.9%増)、セグメント利益は984百万円(同16.0%増)となりました。(ロ)ITソリューション事業 自社開発のパッケージソフトウェアやスマートデバイス検証サービスの受注が順調に積み上がっていることに加え、その他システム開発案件も契約条件の改善が徐々に進んでいること等から、売上高は4,901百万円(前連結会計年度比9.5%増)、セグメント利益は981百万円(同15.1%増)の増益となりました。(ハ)ネットワークサービス事業 ポスト・コロナの新常態を見据えた、ネットワーク新規構築や運用・保守業務、情報セキュリティ関連の運用等、企業の旺盛な需要に対し受注機会を的確に捉え対応できるよう、継続的かつ積極的に人材投資を行ってまいりました。その結果、売上高は11,729百万円(前連結会計年度比9.1%増)、セグメント利益は2,313百万円(同4.0%増)となりました。②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ634百万円減少し、4,507百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,431百万円の収入(前連結会計年度は991百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払766百万円、売上債権の増加642百万円等による資金の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上2,156百万円、賞与引当金の増加242百万円等の増加要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,607百万円の支出(前連結会計年度は1,640百万円の支出)となりました。これは主に有価証券の償還による収入5,300百万円等による資金の増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出4,400百万円、投資有価証券の取得による支出2,521百万円等の減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、458百万円の支出(前連結会計年度は463百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払による支出458百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,727109.9ITソリューション事業4,961109.0ネットワークサービス事業11,730109.1合計20,419109.3(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比(%)受注残高(百万円)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,761107.8585106.2ITソリューション事業5,084112.21,523113.7ネットワークサービス事業12,197112.22,276125.8合計21,043111.44,386118.5(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(2022年4月1日から2023年3月31日まで)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,727109.9ITソリューション事業4,901109.5ネットワークサービス事業11,729109.1合計20,358109.3(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等(イ)財政状態(資産合計) 当連結会計年度末における流動資産は11,734百万円となり、前連結会計年度末に比べ135百万円減少いたしました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が642百万円増加した一方で、現金及び預金が634百万円、有価証券が201百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。固定資産は8,439百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,811百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が1,573百万円、繰延税金資産が135百万円増加したこと等によるものです。 この結果、総資産は20,173百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,675百万円増加いたしました。 (負債合計) 当連結会計年度末における流動負債は3,555百万円となり、前連結会計年度末に比べ468百万円増加いたしました。これは主に、賞与引当金が242百万円、流動負債のその他に含まれる未払費用が108百万円、未払消費税等が76百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定負債は1,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円増加しました。これは主に退職給付に係る負債が46百万円増加したこと等によるものであります。 この結果、負債合計は5,379百万円となり、前連結会計年度末に比べ514百万円増加いたしました。 (純資産合計) 当連結会計年度末の純資産は、14,793百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,161百万円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が19百万円減少する一方で、利益剰余金が1,130百万円、新株予約権が23百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 (ロ)経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、事業規模の拡大などにより、前連結会計年度に比べ9.3%増の20,358百万円となりました。その内、システムコア事業は、今後成長が期待されるイメージセンサーなどの半導体分野並びに組込ソフトウェア開発の受注が伸長しております。また、通信機器部品の機構設計、医療装置の設計開発業務に関しても、引き続き堅調に推移していること等から、売上高は3,727百万円(前連結会計年度比9.9%増)となりました。 ITソリューション事業は、自社開発のパッケージソフトウェアやスマートデバイス検証サービスの受注が順調に積み上がっていることに加え、その他システム開発案件も契約条件の改善が徐々に進んでいること等から、売上高は4,901百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。 ネットワークサービス事業はポスト・コロナの新常態を見据えた、企業のネットワーク新規構築や運用・保守業務の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう、継続的かつ積極的に人材投資を行ってまいりました。その結果、売上高は11,729百万円(前連結会計年度比9.1%増)となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の売上原価は、新入社員や中途採用の人員増に加え、一時金の支給に伴う費用増などを、取引採算の改善、売上増の効果等が吸収し、前連結会計年度に比べ9.7%増の15,688百万円となりました。一方、売上原価率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント増加し77.1%となりました。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、積極的な採用活動による募集費や対面型の集合研修を徐々に再開することに伴う教育図書費等の人材投資が増加したことに加え、社内DX推進に伴う物件費が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ8.7%増の2,444百万円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 特別損益において、受給済助成金の一部過誤払い分の返還に応じた一方、当連結会計年度において「賃上げ税制」の適用申請を行ったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比5.9%増の1,589百万円となりました。b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。そのため具体的な経営指標としては、売上高目標や成長率といったものではなく利益率に注目し、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は10.9%となり、3期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、人材の確保と育成が挙げられます。より多くの案件を受注することで業績を向上させることは可能ですが、そのためには必要な能力を備えた技術者をどれだけ確保できるかがポイントとなります。不足分を外部のビジネスパートナーに依存した場合、その経験や技術ノウハウが当社グループ内に残らないことや情報セキュリティ面でのリスクもあり、当社グループでは、新卒や中途採用を問わず人材の確保とその育成を戦略的に進めております。採用部門では、リアル体験型の独自プログラムやワークショップを通じて、会社の施策や風土をイメージし理解してもらうなど、当社にマッチした人材を採用しております。育成部門では、技術研修に加え人間力研修にも力を入れ、独自の教育研修機関であるKSKカレッジでの研修を核に、技術力と人間力、バランスの取れた人材の育成を行い、人的資本の拡充を図っております。 また、別の要因として同業他社との差別化が挙げられます。圧倒的な競争力を得るためには、高品質なサービスを提供し続けることでお客様満足度を向上させる必要があります。そのため、当社グループでは2017年4月に「品質ナンバーワン」をビジョンに掲げた「かがやきプロジェクト」を立ち上げ、「人質向上」「標準化」「自動化」の3つの取り組みを行い、品質を高めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値も高めてまいります。 各事業セグメントの業績については、異なる3つの事業セグメントをバランスよく成長させることを目指しておりますが、刻々と変化する環境や需要に機動的に対応していく中で、そのバランスが変わってきております。 システムコア事業セグメントでは、成長が期待される運転支援システムの普及によるCMOSイメージセンサーの需要や、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)に関する組み込みソフトに注力してまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存をすることは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化を図ることが必要となってまいります。 ITソリューション事業セグメントは、モバイル実機検証サービスが好調です。自社開発の住宅建設会社向け総合管理システムのパッケージソフトウェアは、販売と並行して改良と開発体制の整備を実施しております。今後、中長期的には既存パッケージソフトウェアからの更新も含め、その販売が業績向上に寄与するものと考えております。 ネットワークサービス事業セグメントは、「働き方改革」やポストコロナの「新常態」への対応を踏まえた、5Gやデジタルトランスフォーメーション(DX)等の「デジタル・シフト」への変容により、需要が高まっており、全体に占める同セグメントの比率は売上で約58%、利益で約54%にまで増加しております。今後も、DX社会のあらゆるニーズに応えるため、クラウドサービスや仮想ネットワークといった技術を活用し、データセンター、キャリア系ベンダ、一般企業、学校、病院などにおいて、各種インフラの設計・構築・運用のすべてにワンストップで対応してまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(資金需要) 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業で必要な人件費、不動産賃借料、開発に使用するPCやサーバーの購入費用等があります。また、採用活動に伴う費用や従業員の教育費用、全社的な規模で使用する基幹システムの導入・保守などの一般管理費や、新規事業や新たなサービスや製品を生み出すための研究開発費用があります。(資金運用) 当社グループの事業活動に必要な運転資金を確保した後に残る資金を有効利用するため、資金運用を行っております。運用対象とする金融商品の選定に当たっては、換金性の高さと安全性を優先しております。(財務政策) 当社グループの事業活動に必要な運転資金は、主として内部資金を活用し金融機関からの借入に依存しておりません。また、事業活動に必要の無い資産は極力保有しないことにしております。 ③特に重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。 経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。(貸倒引当金) 当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒れの懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもあるビジネスユニットごとに固定資産のグルーピングを行っております。 当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。 その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境の悪化により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。(投資の減損) 当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と市場価格のない未上場株式が含まれます。 当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性が明らかではないと判断した場合に減損損失を計上しております。 なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。(繰延税金資産) 「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。(退職給付に係る負債) 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。 割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。(請負契約の売上高) 当社グループは、請負契約の売上高のうち、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に測定できる場合には、期末日における見積り総原価に対する累積実際発生原価の割合に基づくインプット法を使用して売上高を計上しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び履行義務の充足に係る進捗度について、当初の見積りに反して合理的な見積りができなくなった場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。 ただし、当連結会計年度末に進行中の案件で、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に算定できる案件はなく、原価回収基準を適用した案件の金額及び件数は僅少であり重要性は高くありません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、2022年3月には経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から「健康経営」に優れた企業を選出する「健康経営銘柄」に4年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも6年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、社内の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めてまいります。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、5GやIoT等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は11.1%となり、2期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 (3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは困難な状況であり、ウクライナ情勢の緊迫化等、地政学リスクも高まっていることから、いましばらくは不透明な状況が続くものと予想されます。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、行政のデジタル化や働き方改革など新常態の定着化を強く促しており、今後も5GやIoT、仮想化等の技術に対する需要は高まるものと期待されます。 このような環境下において、さらなる発展を追究し、将来にわたる持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指し、当社グループでは、2024年5月に迎える創立50周年を視野に入れて策定した中期経営計画「TRUST50」において、「究極の品質」「考える現場」「プレミアムサービスの提供」を目標に掲げております。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、組み込みソフトウェアの開発業務及びハードウェアの装置設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。① 技術力及び品質の向上技術力と高品質に裏付けられた、付加価値の高いITサービスを提供し続けることがCS(顧客満足)を向上させ、圧倒的な競争力の獲得につながるものと考えております。今後一層の拡大が期待される、DX(デジタル・トランスフォーメーション)や5G、IoT等に関連する市場において、柔軟かつ的確に対応できるよう、当社グループでは、2017年4月以降、「品質ナンバーワン」を掲げ展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。さらに2021年8月、「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めることで、将来にわたり持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。② 人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ情勢の緊迫化等の不安定要素により、その変化が加速し、さらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このような環境の中で競争力を高め、勝ち残っていくためには、タイムリーに技術者やサービスを提供する体制を整える必要があります。当社グループでは、技術の知識と経験を持った人材の確保と育成を経営の最優先課題と捉えており、新卒・中途採用を問わず技術者の確保に努めております。また、独自の研修機関(KSKカレッジ)を通じ、常に最新技術の動向に対応すべくグループ社員の研修を行う等、人材育成投資を積極的に行っております。引き続き、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行ってまいります。③ 事業構造の見直し5GやIoT等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、市場は想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後、コロナ禍における企業の新常態としてのテレワークの浸透や、DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進に伴うクラウド環境整備、仮想化技術の活用、サイバーセキュリティ強化等の「デジタル・シフト」に向けて、成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入すべく、重点分野を適宜見直し、戦略的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存することは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化を図ってまいります。また、当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、さらなる意思決定のスピードアップを目指し、今後も社内DXを推進してまいります。④ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役社長を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に4年連続で選定されたほか、経済産業省からは6年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤ コーポレートガバナンスの強化コーポレートガバナンス・コードの改正、東京証券取引所の市場再編等を背景に、コーポレートガバナンスの一層の強化が求められております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に社外取締役を選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑥ 情報セキュリティ対策のさらなる強化近年脅威を増しているサイバー攻撃は、その手法が高度化するなどして被害が拡大しており、また、テレワークの浸透など働き方の多様化により、企業のシステムやネットワークに対するセキュリティはより強固でフレキシブルな対応が求められております。当社グループでは、特定の組織を狙った標的型サイバー攻撃など、外部からの脅威に対する情報セキュリティ対策として「KSK-CSIRT」を設置しており、ウイルスや不正アクセス等の外部からの攻撃に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備に取り組んでまいります。⑦ 今後予想される災害等への対応今般の新型コロナウイルス感染拡大への対応に加え、近い将来に首都圏直下型地震の発生が予想されており、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、災害等発生時に備えた対策の強化が、より広範囲に求められております。当社グループで策定済の事業継続計画(BCP)は、震災や台風等の暴風雨による水害を想定した自然災害対策に加え、パンデミックや都市封鎖への対応等、より実効性のあるものに随時見直しを行っております。引き続き従業員の安全確保や事業継続に必要な体制や設備等を整備・強化してまいります。 ⑧ サステナビリティへの取り組み経営理念「敬天愛人」ならびにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループが社会の構造変化に適切に対応し、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、社内に設置したサステナビリティ委員会を中心に、環境や地域社会との共存に資する地域ボランティア清掃活動、地域図書館との連携策等を推進しております。従来から取り組んでいる健康経営や各種エンゲージメント施策の推進などと合わせ、今後も人間中心の経営を進めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 現在、当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、「エンゲージメント(企業風土)」「人材育成(仕組み)」「CS向上(戦略)」を経営の基軸として位置付けております。 「エンゲージメント(企業風土)」として、社員の働きやすい環境整備の観点から、当社グループのすべての活動のベースとなる「チーム制」と各種エンゲージメント施策を積極的に展開しております。また、当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指す「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの持続可能な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、代表取締役社長を健康経営担当の最高責任者に任命し、会社、従業員が一丸となって取り組んでおります。その結果、2022年3月には経済産業省と東京証券取引所が共同で、上場企業の中から「健康経営」に優れた企業を選出する「健康経営銘柄」に4年連続で選定されました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で取り組んでいる「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも6年連続で認定されました。今後もさらにその活動を推進してまいります。 「人材育成(仕組み)」では、お客様の新たな技術的ニーズにお応えすべく、社内の教育研修機関である「KSKカレッジ」の体制・機能を一層充実させる等の人材育成投資を積極的に行っております。技術研修と合わせ、高い人間力を形成するためのヒューマンスキル研修や、先輩社員とコミュニケーションを図る「新入社員帰社日」制度など、多角的な育成プログラムを運用し、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行っております。 「CS向上(戦略)」では、当社グループの強みの一つでもある現場力のさらなる強化に向け、全社一丸となって「品質向上運動」を展開するほか、お客さまに感動をお届けできるようなサービスの提供を目指した「CS向上運動」に長年取り組み、お客様満足度の向上に努めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めてまいります。 また、当社グループでは、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて、社会貢献活動に積極的に参加するほか、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力がお客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、5GやIoT等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化する市場を勝ち抜くための源泉であると考えております。あらゆる変化に対応し、さらなる発展へ全社員が考える集団となり、お客様に新たな価値を提供し続けるエクセレントカンパニーを目指し、将来にわたり持続的成長を実現してまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。具体的な指標としては、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は11.1%となり、2期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 (3)経営環境並びに中長期的な経営戦略と事業戦略 新型コロナウイルス感染症の収束時期を見通すことは困難な状況であり、ウクライナ情勢の緊迫化等、地政学リスクも高まっていることから、いましばらくは不透明な状況が続くものと予想されます。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大は、行政のデジタル化や働き方改革など新常態の定着化を強く促しており、今後も5GやIoT、仮想化等の技術に対する需要は高まるものと期待されます。 このような環境下において、さらなる発展を追究し、将来にわたる持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指し、当社グループでは、2024年5月に迎える創立50周年を視野に入れて策定した中期経営計画「TRUST50」において、「究極の品質」「考える現場」「プレミアムサービスの提供」を目標に掲げております。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、組み込みソフトウェアの開発業務及びハードウェアの装置設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計では、よりネットワーク端末に近い所での処理を行う、「エッジコンピューティング」に必要なプロセッサーの開発技術等への対応を目指します。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器がネットワークにつながる「コネクテッド社会」の実現に向け、各種センサーや通信機能付き制御機器に関する技術力の提供を目指します。ハードウェアの装置設計では、計測装置の回路設計やプリント配線基板設計までを最先端技術で一貫してサポートしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っておりますが、AIやIoTの技術に関する研究開発を通じて提案力を強化し、シェア拡大と新規顧客の獲得を目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーションテストのアウトソーシングにおいては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させました。今後も、さらなる改良を続け、ユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行うとともに、この分野でのデファクト化を目指します。 アウトソーシング業務では、人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどにおいて、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、AIやRPA技術等も活用し高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援などを中心に行っており、新規分野や成長分野へ業務や技術要員をシフトするとともに、新規採用者の早期戦力化を目指します。 具体的にはクラウドの運用や仮想ネットワークの構築といったクラウド関係業務、データセンターのクラウド基盤運用や障害監視などのデータセンター業務、キャリア系ベンダーへのネットワーク構築・運用支援、5Gネットワークの展開支援の業務、ソリューションベンダーやセキュリティベンダに対する、インフラ基盤の構築・運用・障害監視や、CSIRT運用支援、脆弱性診断やSOC運用業務など、幅広いサービスを提供してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。① 技術力及び品質の向上技術力と高品質に裏付けられた、付加価値の高いITサービスを提供し続けることがCS(顧客満足)を向上させ、圧倒的な競争力の獲得につながるものと考えております。今後一層の拡大が期待される、DX(デジタル・トランスフォーメーション)や5G、IoT等に関連する市場において、柔軟かつ的確に対応できるよう、当社グループでは、2017年4月以降、「品質ナンバーワン」を掲げ展開している「かがやきプロジェクト」において、品質向上に向けた各種施策を実施し、成果をあげてまいりました。さらに2021年8月、「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値を高めることで、将来にわたり持続可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。② 人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化は、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ情勢の緊迫化等の不安定要素により、その変化が加速し、さらに新たな変化が起きる可能性を秘めております。このような環境の中で競争力を高め、勝ち残っていくためには、タイムリーに技術者やサービスを提供する体制を整える必要があります。当社グループでは、技術の知識と経験を持った人材の確保と育成を経営の最優先課題と捉えており、新卒・中途採用を問わず技術者の確保に努めております。また、独自の研修機関(KSKカレッジ)を通じ、常に最新技術の動向に対応すべくグループ社員の研修を行う等、人材育成投資を積極的に行っております。引き続き、社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための人的資本への投資強化を行ってまいります。③ 事業構造の見直し5GやIoT等に関連する新たなサービスの提供、自動運転支援などのソフトウェア開発業務の急拡大など、市場は想定した以上に速いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後、コロナ禍における企業の新常態としてのテレワークの浸透や、DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進に伴うクラウド環境整備、仮想化技術の活用、サイバーセキュリティ強化等の「デジタル・シフト」に向けて、成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入すべく、重点分野を適宜見直し、戦略的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存することは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化を図ってまいります。また、当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、さらなる意思決定のスピードアップを目指し、今後も社内DXを推進してまいります。④ 健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、当社グループでは2014年に「健康経営宣言」を発表して以来、代表取締役社長を健康経営の最高責任者とし全社体制で健康経営を推進しております。こうした取り組みを継続的に行う中で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に4年連続で選定されたほか、経済産業省からは6年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けております。今後とも従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、さらなる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤ コーポレートガバナンスの強化コーポレートガバナンス・コードの改正、東京証券取引所の市場再編等を背景に、コーポレートガバナンスの一層の強化が求められております。当社グループでは、独立役員である社外監査役の他に社外取締役を選任しております。加えて、非執行部門という共通性を持った社外役員等からなる「社外役員協議会」を設置し、経営の監視について十分に機能する体制を整備しております。今後も意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑥ 情報セキュリティ対策のさらなる強化近年脅威を増しているサイバー攻撃は、その手法が高度化するなどして被害が拡大しており、また、テレワークの浸透など働き方の多様化により、企業のシステムやネットワークに対するセキュリティはより強固でフレキシブルな対応が求められております。当社グループでは、特定の組織を狙った標的型サイバー攻撃など、外部からの脅威に対する情報セキュリティ対策として「KSK-CSIRT」を設置しており、ウイルスや不正アクセス等の外部からの攻撃に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備に取り組んでまいります。⑦ 今後予想される災害等への対応今般の新型コロナウイルス感染拡大への対応に加え、近い将来に首都圏直下型地震の発生が予想されており、さらには外国からの武力攻撃、テロ、サイバー攻撃など、災害等発生時に備えた対策の強化が、より広範囲に求められております。当社グループで策定済の事業継続計画(BCP)は、震災や台風等の暴風雨による水害を想定した自然災害対策に加え、パンデミックや都市封鎖への対応等、より実効性のあるものに随時見直しを行っております。引き続き従業員の安全確保や事業継続に必要な体制や設備等を整備・強化してまいります。 ⑧ サステナビリティへの取り組み経営理念「敬天愛人」ならびにグループ企業行動憲章に則った「サステナビリティ基本方針」に基づき、当社グループが社会の構造変化に適切に対応し、責任ある企業の一員として持続可能な社会の実現に向けて貢献していくことで、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。具体的な取り組みとして、社内に設置したサステナビリティ委員会を中心に、環境や地域社会との共存に資する地域ボランティア清掃活動、地域図書館との連携策等を推進しております。従来から取り組んでいる健康経営や各種エンゲージメント施策の推進などと合わせ、今後も人間中心の経営を進めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を当連結会計年度の期首から適用しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大や、それに伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出もあり、厳しい状況が続きました。秋口以降は、ワクチン接種率の高まりや各種政策の効果等による感染者数の減少に伴い、経済活動の正常化、景気回復への展望も開けてまいりました。しかしながら、その後、オミクロン株による感染症の再拡大やウクライナ情勢の緊迫化等から、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。 当社グループが属する情報サービス産業界におきましても、早期の新型コロナウイルス収束が期待されるとともに、コロナ禍において、行政のデジタル化や働き方改革等、新常態へのシフトは加速度的に進行し、定着しつつあります。DX(デジタル・トランスフォーメーション)や5G、IoT等に関連する市場は、今後一層の拡大が期待されております。 このような環境の中、当社グループでは、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応しつつ、品質及び技術力向上施策を基盤とした、付加価値の高いITサービスの提供に努めてまいりました。また、新卒新入社員に対し、技術力・人間力のバランスが取れた基礎教育を実施する等、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行うことで、新常態に向け拡大する市場の需要に適応できる体制を整えてまいりました。さらに、将来の事業発展には欠かせない新卒社員等の採用活動につきましても積極的に推進してまいりました。 なお、当社グループでは従業員一人ひとりの健康を最大の経営資源と捉え、健康増進に向け様々な活動を継続的に行っておりますが、本年3月、経済産業省と東京証券取引所が共同で選出する「健康経営銘柄」に4年連続で選定されました。また、「健康経営優良法人(ホワイト500)」にも6年連続で認定されました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は18,623百万円で前連結会計年度比1,075百万円の増加(前連結会計年度比6.1%増)となりました。利益面では、募集費・教育図書費等の人材投資や、社内DX推進に向けた取り組み、新宿技術センターの拡張移転等により経費が増加したものの、契約条件の改善、稼働率の向上等により利益率が改善したこと等から、営業利益は2,069百万円で前連結会計年度比261百万円の増加(同14.5%増)となりました。営業外損益において、助成金収入が前連結会計年度比大幅に減額となったことから、経常利益は2,229百万円で前連結会計年度比45百万円の減少(同2.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,501百万円で前連結会計年度比32百万円の減少(同2.1%減)となりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ873百万円増加し、18,497百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ212百万円減少し、4,865百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,085百万円増加し、13,632百万円となりました。b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高は18,623百万円(前連結会計年度比6.1%増)、経常利益は2,229百万円(同2.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,501百万円(同2.1%減)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。(イ)システムコア事業 通信機器部品の機構設計、医療装置の設計開発業務に関しては堅調に推移しております。一方、車載関連の半導体設計並びに組込ソフトウェア開発に関しては、市況の悪化に伴い受注量が減少したものの、通期では回復の兆しも一部に見え始めていること等から、売上高は3,392百万円(前連結会計年度比4.5%増)、セグメント利益は848百万円(同11.3%増)となりました。(ロ)ITソリューション事業 スマートデバイス検証サービスが堅調です。自社開発のパッケージソフトウェアの受注も積み上がる一方、その他システム開発案件の一部受注実績が伸び悩んでいること等から、売上高は4,475百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。費用面においては、自社開発のパッケージソフトウェアの減価償却が終了し、改良等の追加投資も一巡したこと等から、セグメント利益は852百万円(同43.9%増)の大幅増益となりました。(ハ)ネットワークサービス事業 ポストコロナの新常態を見据えた、企業のネットワーク新規構築や運用・保守業務の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう、継続的かつ積極的に人材投資を行ってまいりました。その結果、売上高は10,756百万円(前連結会計年度比7.0%増)、セグメント利益は2,224百万円(同11.8%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,112百万円減少し、5,141百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、991百万円の収入(前連結会計年度は2,296百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払1,057百万円、売上債権の増加359百万円等による資金の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上2,228百万円等の増加要因があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,640百万円の支出(前連結会計年度は574百万円の支出)となりました。これは主に有価証券の償還による収入3,800百万円等による資金の増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出4,100百万円、投資有価証券の取得による支出1,618百万円等の減少要因があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、463百万円の支出(前連結会計年度は427百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払による支出459百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,391104.2ITソリューション事業4,550104.3ネットワークサービス事業10,747106.6合計18,690105.6(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比(%)受注残高(百万円)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,489107.6552121.4ITソリューション事業4,531102.71,340104.4ネットワークサービス事業10,868104.61,809106.6合計18,889104.73,702107.7(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度 (百万円)(2021年4月1日から2022年3月31日まで)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,392104.5ITソリューション事業4,475105.2ネットワークサービス事業10,756107.0合計18,623106.1(注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等(イ)財政状態(資産合計) 当連結会計年度末における流動資産は11,869百万円となり、前連結会計年度末に比べ493百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1,112百万円減少した一方で、有価証券が1,197百万円、受取手形、売掛金及び契約資産のうちの受取手形、売掛金が457百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。固定資産は6,628百万円となり、前連結会計年度末に比べて379百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が278百万円、繰延税金資産が44百万円、投資その他の資産のその他に含まれる敷金及び保証金が34百万円増加したこと等によるものです。 また、「収益認識基準に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)の適用に伴い、仕掛品が116百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産のうち契約資産が40百万円増加いたしました。 この結果、総資産は18,497百万円となり、前連結会計年度末に比べ873百万円増加いたしました。(負債合計) 当連結会計年度末における流動負債は3,086百万円となり、前連結会計年度末に比べ259百万円減少いたしました。これは主に、賞与引当金が116百万円増加した一方で、未払法人税等が281百万円、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が141百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。固定負債は1,778百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円増加しました。これは主に退職給付に係る負債が35百万円増加したこと等によるものであります。 この結果、負債合計は4,865百万円となり、前連結会計年度末に比べ212百万円減少いたしました。(純資産合計) 当連結会計年度末の純資産は、13,632百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,085百万円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が15百万円減少する一方で、利益剰余金が1,058百万円、新株予約権が32百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 (ロ)経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、事業規模の拡大などにより、前連結会計年度に比べ6.1%増の18,623百万円となりました。その内、システムコア事業は、通信機器部品の機構設計、医療装置の設計開発業務に関しては堅調に推移しております。一方、車載関連の半導体設計並びに組込ソフトウェア開発に関しては、市況の悪化に伴い受注量が減少したものの、通期では回復の兆しも一部に見え始めていること等から、売上高は3,392百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。 ITソリューション事業はスマートデバイス検証サービスが堅調です。自社開発のパッケージソフトウェアの受注も積み上がる一方、その他システム開発案件の一部受注実績が伸び悩んでいること等から、売上高は4,475百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。 ネットワークサービス事業はポストコロナの新常態を見据えた、企業のネットワーク新規構築や運用・保守業務の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう、継続的かつ積極的に人材投資を行ってまいりました。その結果、売上高は10,756百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の売上原価は、売上増加に加え、新入社員や中途採用の人員増およびコロナ対策一時金の支給に伴う費用増などにより、前連結会計年度に比べ3.3%増の14,306百万円となりました。一方、売上高原価率は前連結会計年度に比べ2.1ポイント改善し76.8%となりました。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、募集費・教育図書費等の人材投資が増加したことに加え、コロナ対策費を含む福利厚生費や社内DX推進に伴う物件費が増加したこと等から、前連結会計年度に比べ18.6%増の2,247百万円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、募集費・教育図書費等の人材投資が増加したこと、コロナ対策費を含む福利厚生費や社内DX推進に伴う物件費が増加したこと等に加え、雇用調整助成金等の助成金収入が前連結会計年度に比べ大幅に減額となったことから、前連結会計年度比2.1%減の1,501百万円となりました。b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、マーケットが求める新たなニーズに柔軟かつ的確に対応するべく、人材育成、早期戦力化に向けた成長投資を積極的に行い、品質及び技術力向上施策を基盤とした付加価値の高いITサービスの提供に努めております。そのため具体的な経営指標としては、売上高目標や成長率といったものではなく利益率に注目し、売上高営業利益率10%を目標としております。当連結会計年度において、売上高営業利益率は11.1%となり、2期連続で売上高営業利益率は10%以上を確保いたしました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、人材の確保と育成が挙げられます。より多くの案件を受注することで業績を向上させることは可能ですが、そのためには必要な能力を備えた技術者をどれだけ確保できるかがポイントとなります。不足分を外部のビジネスパートナーに依存した場合、その経験や技術ノウハウが当社グループ内に残らないことや情報セキュリティ面でのリスクもあり、当社グループでは、新卒や中途採用を問わず人材の確保とその育成を戦略的に進めております。採用部門では、リアル体験型の独自プログラムやワークショップを通じて、会社の施策や風土をイメージし理解してもらうなど、当社にマッチした人材を採用しております。育成部門では、技術研修に加え人間力研修にも力を入れ、社内の教育研修機関であるKSKカレッジでの研修を核に、技術力と人間力、バランスの取れた人材の育成を行っております。 また、別の要因として同業他社との差別化が挙げられます。圧倒的な競争力を得るためには、高品質なサービスを提供し続けることでお客様満足度を向上させる必要があります。そのため、当社グループでは2017年4月に「品質ナンバーワン」をビジョンに掲げた「かがやきプロジェクト」を立ち上げ、「人質向上」「標準化」「自動化」の3つの取り組みを行い、品質を高めております。さらに2021年8月には「全社技術力向上委員会」を発足させ、スキルロードマップの活用等、技術力向上に向けた各種施策を通じ、品質に加え、技術者としての価値も高めてまいります。 各事業セグメントの業績については、異なる3つの事業セグメントをバランスよく成長させることを目指しておりますが、刻々と変化する環境や需要に機動的に対応していく中で、そのバランスが変わってきております。 システムコア事業セグメントでは、成長が期待される運転支援システムの普及によるCMOSイメージセンサーの需要や、CASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)に関する組み込みソフトに注力してまいります。ただし、特定の分野や取引先に過度に集中や依存をすることは業績変動リスクを伴うため、必要に応じて適度な分散や多様化を図ることが必要となってまいります。 ITソリューション事業セグメントは、モバイル実機検証サービスが好調です。自社開発の住宅建設会社向け総合管理システムのパッケージソフトウェアは、販売と並行して改良と開発体制の整備を実施しております。今後、中長期的には既存パッケージソフトウェアからの更新も含め、その販売が業績向上に寄与するものと考えております。 ネットワークサービス事業セグメントは、「働き方改革」やポストコロナの「新常態」への対応を踏まえた、5Gやデジタルトランスフォーメーション(DX)等の「デジタル・シフト」への変容により、需要が高まっており、全体に占める同セグメントの比率は売上で約58%、利益で約57%にまで増加しております。今後も、DX社会のあらゆるニーズに応えるため、クラウドサービスや仮想ネットワークといった技術を活用し、データセンター、キャリア系ベンダ、一般企業、学校、病院などにおいて、各種インフラの設計・構築・運用のすべてにワンストップで対応してまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(資金需要) 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業で必要な人件費、不動産賃借料、開発に使用するPCやサーバーの購入費用等があります。また、採用活動に伴う費用や従業員の教育費用、全社的な規模で使用する基幹システムの導入・保守などの一般管理費や、新規事業や新たなサービスや製品を生み出すための研究開発費用があります。(資金運用) 当社グループの事業活動に必要な運転資金を確保した後に残る資金を有効利用するため、資金運用を行っております。運用対象とする金融商品の選定に当たっては、換金性の高さと安全性を優先しております。(財務政策) 当社グループの事業活動に必要な運転資金は、主として内部資金を活用し金融機関からの借入に依存しておりません。また、事業活動に必要の無い資産は極力保有しないことにしております。 ③特に重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。 経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等[注記事項](重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。(貸倒引当金) 当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒れの懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。 (固定資産の減損) 当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもあるビジネスユニットごとに固定資産のグルーピングを行っております。 当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。 その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境の悪化により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。(投資の減損) 当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と時価のない未上場株式が含まれます。 当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性が明らかではないと判断した場合に減損損失を計上しております。 なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。(繰延税金資産) 「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。(退職給付に係る負債) 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。 割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。(請負契約の売上高) 当社グループは、請負契約の売上高のうち、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に測定できる場合には、期末日における見積り総原価に対する累積実際発生原価の割合に基づくインプット法を使用して売上高を計上しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び履行義務の充足に係る進捗度について、当初の見積りに反して合理的な見積りができなくなった場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。 ただし、当連結会計年度末に進行中の案件で、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に算定できる案件はなく、原価回収基準を適用した案件の金額及び件数は僅少であり重要性は高くありません。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、高品質な技術やサービス、製品を提供し、それぞれの顧客企業にご満足していただくことで当社グループの企業価値を高め、競争力の強化と事業の成長を図ることを経営の基本方針としております。そのため当社グループでは、顧客満足度向上のための取組みとして、お客様ニーズを把握して改善するためのVOC(顧客満足度調査)による改善活動に加え、昨年より3年間の計画で高品質なサービスや付加価値を提供できる企業を目指し、全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでおります。 また、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて社会貢献活動に参加する他、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 更に、当社グループの経営資源は人材であり、優秀な技術者の採用と育成は事業推進の生命線であります。そのために、技術力や人間力、それらが形成されて一体となった時に発揮される現場力の向上を目指し、社内研修機関であるKSKカレッジを持ち業界トップクラスの教育投資を継続して行っております。 当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指すとする「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、会社、従業員が一丸となって取り組み、本年2月に経済産業省より「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を2年連続で受けることができました。今後も更にその活動を推進してまいります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力が、お客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、加速する技術革新と厳しいグローバル経済に勝ち抜くための源泉であると考えております。Team KSKのスローガンのもと、21世紀のパラダイムシフトに適応するプロフェッショナル集団として、お客様に新たな価値を提供し続ける企業を目指し、これからも全力で事業に取り組んでまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、単なる量の追求から質の向上を重視する成長を志向し、筋肉質で効率的な企業体質づくりを推進してまいります。具体的な指標としては、売上営業利益率8%を目標としております。 (3)中長期的な経営戦略と事業戦略 新興国の台頭による市場の変化、お客様ニーズの高度化・多様化、市場プレイヤーの流動化、人口減少による労働力の不足など、21世紀における当社グループを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、更に激しさが増すものと思われます。 当社グループは、創立40周年を迎えたのを契機に策定した5ケ年の新中期経営計画「共創∞」により、新たな視点から事業を再構築することで、将来にわたる継続的な成長が可能なエクセレントカンパニーの実現を目指しております。また、当社グループではKSKブランドを確立するため、ブランドメッセージ(「マジメな未来をかたちにする We are Team KSK」)を制定しております。自らの強みを正しく認識し、その強みを更に磨き発揮することにより社員一人ひとりの自信と誇りにつなげ、当社グループの持続的な成長をはかっていくものであります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、車載機器用ソフトウェア開発及びコンピュータのシステム設計や回路設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計ではこれまでの開発経験を活かし、情報機器、情報家電、携帯情報端末、自動車電装のコアとなるシステムLSIの回路設計から評価に至るまでの全ての工程を一貫して対応してまいります。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器に搭載されているソフトウェアの開発を行っております。また、ソフトウェア開発以外にも要件定義、品質管理といったマネージメント業務も行っております。 コンピュータのシステム設計では、これまでハードウェアの開発支援やシステム構成支援で培った経験を活かして、各種ミドルウェアの構築業務にも携わってまいります。また、回路設計では仕様設計からプリント配線基盤設計までを最先端技術で一貫してサポートし、計測系のパフォーマンスボードなどに特化した設計を強みとしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っております。また、選択と集中を推進して、得意分野に注力してまいります。 オープン系及びWebサイト構築・開発、ネットワークを含むインフラまで、幅広い分野に対応しワンストップでトータルソリューションを提供することを目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーション開発支援においては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させる全面的改良を行い、今後市場に投入してまいります。また、更なる改良を続け、AI技術を活用したユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行ってまいります。 人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどといった、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与するアウトソーシング業務を拡大してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援業務などを中心に行っており、今後クラウド関連業務や、データセンター構築・運用業務を拡大してまいります。 グローバルネットワークから小規模LANまで、マルチベンダーに対応し、高信頼性、セキュアなネットワークシステムの設計・構築サービス、さらには運用・保守までのワンストップソリューションを提供してまいります。 ネットワークに関する様々な技術的課題を機動的かつ効率的に解決することを目的とし、プロフェッショナルなサービスを提供することを目指します。 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。①品質の向上高品質なサービスや付加価値を提供し続けることがCS(顧客満足)を向上させ、圧倒的な競争力の獲得につながるものと考えております。そのため、昨年より3年計画で品質向上を目的にスタートした「かがやきプロジェクト」で、スタッフ部門を含む全ての業務処理に応じた「標準書」を制定し100%適用させるほか、「プロジェクト管理規程」を新規に制定しました。引き続き全社を挙げて品質向上に取り組み、品質が全てに優先する企業風土を創り上げてまいります。②事業構造の見直しIoT技術やAIを活用した新たなサービスの提供、自動車向けソフトウェア開発業務の急拡大など、既存の技術分野から新たな技術分野へ需要のシフトが発生するなど、市場は想定した以上に早いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入していくため、重点分野を適宜見直し積極的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。③人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化、人手不足による技術者の採用環境の競争激化等が当社グループ経営に様々な影響を及ぼしております。このような環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、タイムリーに技術者やサービスを提供する体制を整える必要があります。そのために、新卒中途を問わず人材の確保とその育成をより戦略的に進めることを目的に、採用部門と育成部門を統合し「HR本部(Human Resources)」を新設しました。今後も積極的な採用活動により技術者の確保に努めるとともに、KSKカレッジを核として社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための教育投資を継続的に行ってまいります。④健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え「健康経営」宣言を行っております。既に各種施策を展開することにより、経済産業省から「ホワイト500(健康経営優良法人)」の認定を2年続けて受けておりますが、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、更なる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤スピード経営企業競争力の重要な要因として、迅速な意思決定と実行が挙げられます。現在当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確かつ迅速な収集を実現しておりますが、より柔軟で効率の良いシステムの導入を行い、意思決定のスピードアップを目指しております。⑥コーポレートガバナンスの強化相次ぐ企業不祥事の影響を受け、コーポレートガバナンスの強化が求められていることから、独立役員である社外監査役の他に社外取締役を選任しております。意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家やお客様の信頼とニーズに応えてまいります。⑦今後予想される災害等への対応近い将来に首都圏直下型地震の発生が予想され、東アジア周辺での有事の際には日本にも被害が及ぶ可能性があるなど、災害等発生時に備えた対策の強化が求められております。当社グループで策定済の事業継続計画(BCP)は、先般の東日本大震災での経験や反省点を踏まえ、より実効性のあるものに見直しを行っておりますが、従業員の安全確保や事業継続に必要な体制や設備等を整備・強化してまいります。また、近年脅威を増しているサイバー攻撃は、その手法が高度化するなどして被害が拡大しており、企業のシステムやネットワークに対するセキュリティの強化が求められております。当社グループでは、ウイルスや不正アクセス等の外部からの攻撃に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備に取り組んでまいります。⑧売上債権の回収当社グループの外部調達に対する支払は原則1ケ月以内としておりますが、売上債権の回収サイクルについては平均で約3ケ月程度と支払が先行しており、売上債権と仕入債務の回転期間に大きな差が生じております。リスク回避の観点からも、売上債権の回収期間の短縮に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援、並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、高品質な技術やサービス、製品を提供し、それぞれの顧客企業にご満足していただくことで当社グループの企業価値を高め、競争力の強化と事業の成長を図ることを経営の基本方針としております。そのため当社グループでは、顧客満足度向上のための取組みとして、お客様ニーズを把握して改善するためのVOC(顧客満足度調査)による改善活動に加え、昨年より3年間の計画で高品質なサービスや付加価値を提供できる企業を目指し、全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでおります。 また、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて社会貢献活動に参加する他、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。 更に、当社グループの経営資源は人材であり、優秀な技術者の採用と育成は事業推進の生命線であります。そのために、技術力や人間力、それらが形成されて一体となった時に発揮される現場力の向上を目指し、社内研修機関であるKSKカレッジを持ち業界トップクラスの教育投資を継続して行っております。 当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指すとする「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。当社グループの長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、会社、従業員が一丸となって取り組み、本年2月に経済産業省より「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を2年連続で受けることができました。今後も更にその活動を推進してまいります。 当社グループでは、社員一人ひとりの高い技術力や人間力が、お客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、加速する技術革新と厳しいグローバル経済に勝ち抜くための源泉であると考えております。Team KSKのスローガンのもと、21世紀のパラダイムシフトに適応するプロフェッショナル集団として、お客様に新たな価値を提供し続ける企業を目指し、これからも全力で事業に取り組んでまいります。(2)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、単なる量の追求から質の向上を重視する成長を志向し、筋肉質で効率的な企業体質づくりを推進してまいります。具体的な指標としては、売上営業利益率8%を目標としております。 (3)中長期的な経営戦略と事業戦略 新興国の台頭による市場の変化、お客様ニーズの高度化・多様化、市場プレイヤーの流動化、人口減少による労働力の不足など、21世紀における当社グループを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、更に激しさが増すものと思われます。 当社グループは、創立40周年を迎えたのを契機に策定した5ケ年の新中期経営計画「共創∞」により、新たな視点から事業を再構築することで、将来にわたる継続的な成長が可能なエクセレントカンパニーの実現を目指しております。また、当社グループではKSKブランドを確立するため、ブランドメッセージ(「マジメな未来をかたちにする We are Team KSK」)を制定しております。自らの強みを正しく認識し、その強みを更に磨き発揮することにより社員一人ひとりの自信と誇りにつなげ、当社グループの持続的な成長をはかっていくものであります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、車載機器用ソフトウェア開発及びコンピュータのシステム設計や回路設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計ではこれまでの開発経験を活かし、情報機器、情報家電、携帯情報端末、自動車電装のコアとなるシステムLSIの回路設計から評価に至るまでの全ての工程を一貫して対応してまいります。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車をはじめとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器に搭載されているソフトウェアの開発を行っております。また、ソフトウェア開発以外にも要件定義、品質管理といったマネージメント業務も行っております。 コンピュータのシステム設計では、これまでハードウェアの開発支援やシステム構成支援で培った経験を活かして、各種ミドルウェアの構築業務にも携わってまいります。また、回路設計では仕様設計からプリント配線基盤設計までを最先端技術で一貫してサポートし、計測系のパフォーマンスボードなどに特化した設計を強みとしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデータエントリー業務などを中心に行っております。また、選択と集中を推進して、得意分野に注力してまいります。 オープン系及びWebサイト構築・開発、ネットワークを含むインフラまで、幅広い分野に対応しワンストップでトータルソリューションを提供することを目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーション開発支援においては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、お客様のニーズの反映や、機能の充実と操作性を向上させる全面的改良を行い、今後市場に投入してまいります。また、更なる改良を続け、AI技術を活用したユーザーにとって使い易いシステムの提案等を行ってまいります。 人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどといった、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与するアウトソーシング業務を拡大してまいります。 データエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援業務などを中心に行っており、今後クラウド関連業務や、データセンター構築・運用業務を拡大してまいります。 グローバルネットワークから小規模LANまで、マルチベンダーに対応し、高信頼性、セキュアなネットワークシステムの設計・構築サービス、さらには運用・保守までのワンストップソリューションを提供してまいります。 ネットワークに関する様々な技術的課題を機動的かつ効率的に解決することを目的とし、プロフェッショナルなサービスを提供することを目指します。 (4)事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。①品質の向上高品質なサービスや付加価値を提供し続けることがCS(顧客満足)を向上させ、圧倒的な競争力の獲得につながるものと考えております。そのため、昨年より3年計画で品質向上を目的にスタートした「かがやきプロジェクト」で、スタッフ部門を含む全ての業務処理に応じた「標準書」を制定し100%適用させるほか、「プロジェクト管理規程」を新規に制定しました。引き続き全社を挙げて品質向上に取り組み、品質が全てに優先する企業風土を創り上げてまいります。②事業構造の見直しIoT技術やAIを活用した新たなサービスの提供、自動車向けソフトウェア開発業務の急拡大など、既存の技術分野から新たな技術分野へ需要のシフトが発生するなど、市場は想定した以上に早いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入していくため、重点分野を適宜見直し積極的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。③人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化、人手不足による技術者の採用環境の競争激化等が当社グループ経営に様々な影響を及ぼしております。このような環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、タイムリーに技術者やサービスを提供する体制を整える必要があります。そのために、新卒中途を問わず人材の確保とその育成をより戦略的に進めることを目的に、採用部門と育成部門を統合し「HR本部(Human Resources)」を新設しました。今後も積極的な採用活動により技術者の確保に努めるとともに、KSKカレッジを核として社員の技術力と人間力をバランスよく向上させるための教育投資を継続的に行ってまいります。④健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人ひとりの健康が不可欠であると考え「健康経営」宣言を行っております。既に各種施策を展開することにより、経済産業省から「ホワイト500(健康経営優良法人)」の認定を2年続けて受けておりますが、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、更なる従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤スピード経営企業競争力の重要な要因として、迅速な意思決定と実行が挙げられます。現在当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確かつ迅速な収集を実現しておりますが、より柔軟で効率の良いシステムの導入を行い、意思決定のスピードアップを目指しております。⑥コーポレートガバナンスの強化相次ぐ企業不祥事の影響を受け、コーポレートガバナンスの強化が求められていることから、独立役員である社外監査役の他に社外取締役を選任しております。意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家やお客様の信頼とニーズに応えてまいります。⑦今後予想される災害等への対応近い将来に首都圏直下型地震の発生が予想され、東アジア周辺での有事の際には日本にも被害が及ぶ可能性があるなど、災害等発生時に備えた対策の強化が求められております。当社グループで策定済の事業継続計画(BCP)は、先般の東日本大震災での経験や反省点を踏まえ、より実効性のあるものに見直しを行っておりますが、従業員の安全確保や事業継続に必要な体制や設備等を整備・強化してまいります。また、近年脅威を増しているサイバー攻撃は、その手法が高度化するなどして被害が拡大しており、企業のシステムやネットワークに対するセキュリティの強化が求められております。当社グループでは、ウイルスや不正アクセス等の外部からの攻撃に対する検知・防御能力のさらなる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備に取り組んでまいります。⑧売上債権の回収当社グループの外部調達に対する支払は原則1ケ月以内としておりますが、売上債権の回収サイクルについては平均で約3ケ月程度と支払が先行しており、売上債権と仕入債務の回転期間に大きな差が生じております。リスク回避の観点からも、売上債権の回収期間の短縮に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国経済は、好調な企業業績を背景に雇用や所得環境の改善が続く中、政府の各種政策の効果もあり景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外では地政学的リスクの高まりや、中国をはじめとするアジア新興国等の経済動向や欧米の政策動向により世界経済の不確実性が高まるなど、景気の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの属する情報サービス産業界におきましては、第4次産業革命に向けてIoT技術によるビッグデータの収集や、AIを使ったその分析や活用などといった新たなビジネスチャンスが生まれています。企業のシステム投資が増加することにより対応する技術者への需要は拡大していますが、一方で供給が追い付かず人件費や採用コストが上昇する状況となっております。 このような環境の中、当社グループでは拡大する市場の需要へ対応すべく、新卒採用を技術者増強の柱として強化するとともに、引き続き人材育成にも注力してまいりました。また、自社開発の住宅建設業者向けパッケージソフトウェアの全面改良といった投資を行いつつ、採用や教育といった将来に向けての投資を実施することで経費は増加しましたが、稼働率の向上や受注単価改善などに努めた結果、経費増加分を吸収し増益となりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ930百万円増加し、14,311百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ151百万円増加し、3,981百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ778百万円増加し、10,330百万円となりました。b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高は15,351百万円(前連結会計年度比5.6%増)、経常利益は1,389百万円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は941百万円(同5.1%増)となりました。 セグメント別の業績は次のとおりであります。(イ)システムコア事業 売上高は3,135百万円(前連結会計年度比10.7%増)、セグメント利益は834百万円(同17.6%増)となりました。(ロ)ITソリューション事業 売上高は3,986百万円(前連結会計年度比1.7%減)、セグメント利益は564百万円(同5.6%減)となりました。(ハ)ネットワークサービス事業 売上高は8,229百万円(前連結会計年度比7.5%増)、セグメント利益は1,563百万円(同9.6%増)となりました。 (注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度より220百万円増加し、当連結会計年度末には4,383百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は966百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりましたが、これは主に税金等調整前当期純利益の計上(1,397百万円)や減価償却費(99百万円)、賞与引当金の増加(33百万円)、退職給付に係る負債の増加(90百万円)、利息及び配当金の受取額(35百万円)といった増加要因があった一方で、売上債権の増加(239百万円)、仕入債務の減少(21百万円)や、法人税等の支払(501百万円)などといった減少要因があったことなどによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は479百万円(前連結会計年度比34.7%増)となりましたが、これは主に有価証券の償還による収入(3,000百万円)といった増加要因があった一方で、有価証券の取得による支出(2,800百万円)や無形固定資産の取得による支出(254百万円)及び投資有価証券の取得による支出(411百万円)といった減少要因があったことなどによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は267百万円(前連結会計年度比31.9%減)となりましたが、これは主に短期借入れによる収入(200百万円)といった増加要因があった一方で、短期借入金の返済による支出(180百万円)や自己株式の取得による支出(20百万円)、配当金の支払による支出(264百万円)といった減少要因があったことなどによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日)前連結会計年度比(%)システムコア事業(百万円)3,140110.7ITソリューション事業(百万円)4,344102.1ネットワークサービス事業(百万円)8,121106.2合計(百万円)15,606105.9(注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比(%)受注残高(百万円)前連結会計年度比(%)システムコア事業3,212110.7469119.7ITソリューション事業4,03797.5918105.8ネットワークサービス事業8,395107.71,334114.2合計15,644105.42,722112.1(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)前連結会計年度比(%)システムコア事業(百万円)3,135110.7ITソリューション事業(百万円)3,98698.3ネットワークサービス事業(百万円)8,229107.5合計(百万円)15,351105.6(注)1.金額は販売価格で表示しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、債権の回収可能性、法人税等、退職金などに関する見積り及び判断に対して評価を行っております。 経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる根拠・要因に基づいて、資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字について判断を行っております。なお、見積りは特有の不確実性を有しているため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表の作成時に、以下の項目において使用される重要な判断と見積りが大きな影響を及ぼすと考えております。(貸倒引当金) 当社グループは、顧客から債権が回収できない時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払い能力が低下したことにより貸倒の懸念が発生した場合、回収不能見込額を追加引当する可能性があります。(固定資産の減損) 当社グループは、管理会計上の区分であり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でもあるビジネスユニットごとに固定資産のグルーピングを行っております。 当該固定資産のグルーピングの方法による資産グループに減損の兆候が見られた場合、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フロー等をもとに減損損失の認識の必要性を検討しております。 その結果、減損損失の認識が必要と判断された場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失の計上を行うこととしておりますが、将来の経済的環境により新たに減損損失の計上が必要となる可能性があります。(投資の減損) 当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には変動する時価がある上場株式と時価のない未上場株式が含まれます。 当社グループでは時価が著しく下落したと判断した場合、投資の減損を計上しております。未上場会社の投資の場合は、それらの会社の純資産額が簿価に比べ著しく下落し回復の可能性がないと判断した場合に減損を計上しております。 なお、当連結会計年度末における保有株式については、将来の株式市況悪化又は投資先の業績不振等により評価損の計上が必要となる可能性があります。(繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産の計上に当たっては、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を基に検討し、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、費用として計上する可能性があります。(退職給付に係る負債) 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。 割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員の平均残存勤務年数で調整して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。(工事進行基準) 当社グループは、進捗部分について成果の確実性が認められる契約については、売上高及び売上原価について工事進行基準を採用し、工事の進捗率の見積りは原価比例法を採用しておりますが、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗について、当初の見積りに反して信頼性のある見積りができなくなった結果、成果の確実性が失われたと判断した場合、認識された収益額に影響を及ぼす可能性があります。②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等(イ)財政状態(資産合計) 当連結会計年度末の資産は、総資産が14,311百万円で前連結会計年度末比930百万円の増加(前連結会計年度末比7.0%増)となりましたが、これは主に現金及び預金が220百万円、受取手形及び売掛金が239百万円、有価証券が498百万円、無形固定資産その他に含まれているソフトウェア仮勘定が218百万円、それぞれ増加した一方で、投資有価証券が206百万円減少したことなどによるものであります。(負債合計) 当連結会計年度末の負債は3,981百万円で前連結会計年度末比151百万円の増加(前連結会計年度末比4.0%増)となりましたが、これは主に、賞与引当金が33百万円、流動負債その他に含まれる未払費用が107百万円、同預り金が87百万円、退職給付に係る負債が63百万円、それぞれ増加した一方で、買掛金が21百万円、流動負債その他に含まれる未払金が107百万円減少したことなどによるものであります。(純資産合計) 当連結会計年度末の純資産は10,330百万円で前連結会計年度末比778百万円の増加(前連結会計年度末比8.1%増)となりましたが、これは主に利益剰余金が675百万円、その他有価証券評価差額金が79百万円、退職給付に係る調整累計額が18百万円、新株予約権が14百万円増加した一方で、自己株式の取得により12百万円減少したことなどによるものであります。(ロ)経営成績(売上高) 当連結会計年度の売上高は、事業規模の拡大などにより、前連結会計年度に比べ5.6%増の15,351百万円となりました。その内、システムコア事業は車載関連業務を中心に受注を拡大させ、優良な外部ビジネスパートナーを積極活用することで技術者不足を解消したことなどから、売上高は前連結会計年度に比べ10.7%増の3,135百万円に、ITソリューション事業はパッケージソフトウェア開発の長期化や大口開発案件の開発遅延の発生により開発要員が不足し、計画していた新規受注の一部が実現できなかったことなどから、売上高は前連結会計年度に比べ1.7%減の3,986百万円に、ネットワークサービス事業は新卒採用者や中途採用者の積極投入を続けたことなどから、前連結会計年度に比べ7.5%増の8,229百万円となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費) 当連結会計年度の売上原価は、新入社員や中途採用者が加わったことや、案件受注拡大のために外部ビジネスパートナーを積極的に活用したことなどから、前連結会計年度に比べ5.5%増の12,067百万円となりました。 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、厳しい採用環境下の新卒採用者数の増加や新入社員教育の実施に伴う費用の増加や、ソフトウェアのバージョンアップによる一時的な費用の増加があったことなどから、前連結会計年度に比べ3.8%増の1,928百万円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 親会社株主に帰属する当期純利益は、新卒採用や新入社員教育に対するコスト増はあったものの、新入社員の早期戦力化による稼働率の向上や外部ビジネスパートナーを使った受注促進などによる事業規模拡大と、低採算案件から高採算案件へのシフトや生産性の向上による利益率の改善に努めてきたことなどから、前連結会計年度に比べ5.1%増の941百万円となりました。(ハ)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、単なる量の追求から質の向上を重視する成長を志向し、筋肉質で効率的な企業体質づくりを推進しております。そのため具体的な経営指標としては、売上高目標や成長率といったものではなく利益率に注目し、売上高営業利益率8%を目標として掲げてまいりました。直近の3期ではその水準を維持出来ております。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、人材の確保と育成が挙げられます。より多くの案件を受注することで業績を向上させることは可能ですが、そのためには必要な能力を備えた技術者をどれだけ確保できるかがポイントとなります。不足分を外部のビジネスパートナーに依存した場合、その経験や技術ノウハウが当社グループ内に残らないことや情報セキュリティ面でのリスクもあり、当社グループでは、新卒や中途採用を問わず人材の確保とその育成を戦略的に進めるため、採用部門と育成部門を統合し「HR本部(Human Resources)を新設しております。育成面では、高い技術力を身に付けるための資格取得を推奨するとともに、社内教育機関であるKSKカレッジを中心に全面的に従業員をバックアップする体制を整えております。 また、別の要因として同業他社との差別化が挙げられます。圧倒的な競争力を得るためには、高品質なサービスを提供し続けることでお客様満足度を向上させる必要があります。そのため、より高い品質レベルを目指した全社レベルの品質向上プロジェクトをスタートさせております。 各事業セグメントの業績については、異なる3つの事業セグメントをバランスよく成長させることを目指してまいりましたが、近年はそのバランスが変わってきております。 システムコア事業セグメントは、半導体不況に伴う国内半導体メーカーの再編、携帯電話からスマートフォンへの移行に伴う国内市場の縮小などの影響を受け近年縮小傾向でありましたが、IoTを背景に半導体需要が伸び、車載機器等の組込技術への技術者転換の効果がでてきたことで業績が回復してきております。 ただし、専門的な技術が必要なことから技術者の確保が厳しく、需要はありながらも対応する技術者を確保できない状況が続いておりました。当連結会計年度は外部の優良なビジネスパートナーを確保できたことで、需要を取り込みことが出来、業績の向上に大きく貢献しました。 ITソリューション事業セグメントは、独自開発のパッケージソフトウェアが、機能面や技術面で陳腐化してきたことなどから、市場競争力を回復する為に全面改良することを決定しました。開発過程で更なる改良などを行ったため、開発期間が予定より大幅に伸延したことで、当初予定していた新規案件の受注の一部を断念せざるを得ず業績悪化要因となりましたが、来期以降パッケージソフトウェア販売が業績向上に寄与するものと考えております。なお、大口開発案件で納期が遅延したことについては、品質向上を目指したプロジェクトを発足させ、同様の問題が再発しない仕組みを整えることで、顧客満足度を向上させ業績の回復に努めてまいります。 ネットワークサービス事業セグメントは、売上、利益ともに成長著しいセグメントで、その比率は全体の50%を超えております。インターネットの高速化、企業内ネットワークからクラウド環境へと、市場の発展に伴い関連する需要が急拡大しておりますが、当社グループでは将来需要が増加することを予想しネットワークに特化したグループ会社を設立するなど、これまで拡大する需要に対応してまいりました。ネットワーク設計や施工だけではなく、運用・保守といった安定受注につながる分野までカバーしており、今後は更に先進分野や高採算案件に人的資源を重点的に投入し当社グループ業績の牽引役としてまいります。 c.資本の財源及び資金の流動性(資金需要) 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、各事業で必要な人件費、不動産賃借料、開発に使用するPCやサーバーの購入費用等があります。また、採用活動に伴う費用や従業員の教育費用、全社的な規模で使用する基幹システムの導入・保守などの一般管理費や、新規事業や新たなサービスや製品を生み出すための研究開発費用があります。(資金運用) 当社グループの事業活動に必要な運転資金を確保した後に残る資金を有効利用するため、資金運用を行っております。運用対象とする金融商品の選定に当たっては、換金性の高さと安全性を優先しております。(財務政策) 当社グループの事業活動に必要な運転資金は、主として内部資金を活用し金融機関からの借入に依存しておりません。また、事業活動に必要の無い資産は極力保有しないことにしております。
経営方針・経営戦略
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、高品質な技術やサービス、製品を提供し、それぞれの顧客企業にご満足していただくことで当社グループの企業価値を高め、競争力の強化と事業の成長を図ることを経営の基本方針としております。そのため当社グループでは、顧客満足度向上のための取組として、お客様ニーズを把握して改善するためのVOC(顧客満足度調査)による改善活動に加え、今後3年間は高品質なサービスや付加価値を提供できる企業を目指し、全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでまいります。 また、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて社会貢献活動に参加する他、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。さらに、当社の経営資源は人材であり、優秀な技術者の採用と育成は当社グループ事業推進の生命線であります。そのために、当社は技術力や人間力、それらが形成されて一体となった時に発揮される現場力の向上を目指し、社内研修機関であるKSKカレッジを持ち業界トップクラスの教育投資を継続して行っております。 当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指すとする「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。KSKグループの長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体であるKSKグループの従業員一人一人の健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、会社、従業員が一丸となって取り組み、2017年2月には経済産業省より「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。 当社グループでは、社員一人一人の高い技術力や人間力が、お客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、加速する技術革新と厳しいグローバル経済に勝ち抜くための源泉であると考えております。Team KSKのスローガンのもと、21世紀のパラダイムシフトに適応するプロフェッショナル集団として、お客様に新たな価値を提供し続ける企業を目指し、これからも全力で事業に取り組んでまいります。(2)目標とする経営指標等 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、単なる量の追求から質の向上を重視する成長を志向し、筋肉質で効率的な企業体質づくりを推進してまいります。具体的な指標としては、営業利益率8%を目標としております。 (3)中長期的な経営戦略と事業戦略 新興国の台頭による市場の変化、お客様ニーズの高度化・多様化、市場プレイヤーの流動化、人口減少による労働力の不足など、21世紀における当社グループを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、更に激しさが増すものと思われます。 当社グループは、創立40周年を迎えたのを契機に策定した5ケ年の新中期経営計画「共創∞」により、新たな視点から事業を再構築することで、将来にわたる継続的な成長が可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。また、当社グループではKSKブランドを確立するため、ブランドメッセージ(「マジメな未来をかたちにする We are Team KSK」)を制定しました。自らの強みを正しく認識し、その強みを更に磨き発揮することにより社員一人一人の自信と誇りにつなげ、当社グループの持続的な成長をはかっていくものであります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、車載機器用ソフトウェア開発及びコンピュータのシステム設計や回路設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計ではこれまでの開発経験を活かし、情報機器、情報家電、携帯情報端末、自動車電装のコアとなるシステムLSIの回路設計から評価に至るまでの全ての工程を一貫して対応することを行ってまいります。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車を初めとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器に搭載されているソフトウェアの開発を行っております。また、ソフトウェア開発以外にも要件定義、品質管理といったマネージメント業務もおこなっております。 コンピュータのシステム設計では、これまでハードウェアの開発支援やシステム構成支援で培った経験を活かして、各種ミドルウェアの構築業務にも携わってまいります。また、回路設計では仕様設計からプリント配線基盤設計までを最先端技術で一貫してサポートし、計測系のパフォーマンスボードなどに特化した設計を強みとしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデーターエントリー業務などを中心に行っております。また、選択と集中を推進して、得意分野に注力してまいります。 オープン系及びWebサイト構築・開発、ネットワークを含むインフラまで、幅広い分野に対応しワンストップでトータルソリューションを提供することを目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーション開発支援においては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、導入していただいたお客様からのニーズに応え、機能の充実と操作性を向上させる全面的改良を行って市場に投入してまいります。また、今後はAI技術を活用したユーザーにとって使い易いシステムの提案を行ってまいります。 人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどといった、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与するアウトソーシング業務を拡大してまいります。 データーエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援業務などを中心に行っており、今後クラウド関連業務や、データセンター構築・運用業務を拡大してまいります。 グローバルネットワークから小規模LANまで、マルチベンダーに対応し、高信頼性、セキュアなネットワークシステムの設計・構築サービス、さらには運用・保守までのワンストップソリューションを提供してまいります。 ネットワークに関する様々な技術的課題を機動的かつ効率的に解決することを目的とし、プロフェッショナルなサービスを提供することを目指します。 (4)事業上の対処すべき課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。①スピード経営企業競争力の重要な要因として、迅速な意思決定と実行が挙げられます。現在当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、より柔軟で効率の良いシステムの導入を行い、意思決定のスピードアップを目指します。②事業構造の見直しAIの実用化やIoTの進展、自動車向けソフト開発業務の急拡大など、既存の技術分野から新たな技術分野へ需要のシフトが発生するなど、市場は想定した以上に早いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入していくため、重点分野を適宜見直し積極的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。③人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化、技術者の採用環境の悪化等が、当社グループ経営に様々な影響を及ぼしております。このような環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、タイムリーに技術者やサービスを提供する体制を整える必要があります。積極的な採用により技術者の確保に努めるとともに、常にお客様の視点に立った積極的な支援や提案を行うCS(顧客満足)活動の更なる深化と、それを実践する社員の技術力と人間力を向上させるため、業界トップクラスの教育投資を継続的に行ってまいります。④健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人一人の健康が不可欠であると考え「健康経営」宣言を行っております。従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤品質の向上高品質なサービスや付加価値を提供し続けることがCS(顧客満足)を向上させ、圧倒的な競争力の獲得につながるものと考えております。そのため、今後3年間で全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでまいります。⑥コーポレートガバナンスの強化相次ぐ企業不祥事の影響を受け、コーポレートガバナンスの強化が求められていることから、独立役員である社外監査役の他に社外取締役を選任しております。意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑦今後予想される災害等への対応近い将来に首都圏直下型地震の発生が予想され、東アジア周辺での有事の際には日本にも被害が及ぶ可能性があるなど、災害等発生時に備えた対策の強化が求められております。当社グループで策定済の事業継続計画(BCP)は、先般の東日本大震災での経験や反省点を踏まえ、より実効のあるものに見直しを行っておりますが、従業員の安全確保や事業継続に必要な体制や設備等を整備・強化してまいります。また、近年脅威を増しているサイバー攻撃は、その手法が高度化するなどして被害が拡大しており、企業のシステムやネットワークに対するセキュリティの強化が求められております。当社グループでは、ウイルスや不正アクセス等の外部からの攻撃に対する検知・防御能力の更なる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備に取り組んでまいります。
対処すべき課題
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは設立以来、大手IT企業に対する技術の提供及び開発支援並びにパッケージソフトを核としたエンドユーザー向けのソリューション提供を中心に事業を推進してまいりました。さらに、ネットワークの高速化と普及・拡大に伴い、ネットワークシステムの構築・保守業務及びコールセンターなどのネットワークサポート事業、また、モバイル端末用のWebサイトの構築やコンテンツ変換ツールの開発など、市場の要求に応じたビジネスを追加し事業を拡大してまいりました。 当社グループは、「システムコア事業」、「ITソリューション事業」及び「ネットワークサービス事業」を主力事業とし、高品質な技術やサービス、製品を提供し、それぞれの顧客企業にご満足していただくことで当社グループの企業価値を高め、競争力の強化と事業の成長を図ることを経営の基本方針としております。そのため当社グループでは、顧客満足度向上のための取組として、お客様ニーズを把握して改善するためのVOC(顧客満足度調査)による改善活動に加え、今後3年間は高品質なサービスや付加価値を提供できる企業を目指し、全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでまいります。 また、企業の社会的責任を果たすために、CSR担当部署を中心に法令遵守の徹底を推進するとともに、社員有志により清掃活動等のエコ活動を行っている「Team KSK ECO CLUB」に対する活動支援などを通じて社会貢献活動に参加する他、環境ISO、品質ISO、個人情報保護、情報セキュリティ対策の強化などにも取り組んでおります。さらに、当社の経営資源は人材であり、優秀な技術者の採用と育成は当社グループ事業推進の生命線であります。そのために、当社は技術力や人間力、それらが形成されて一体となった時に発揮される現場力の向上を目指し、社内研修機関であるKSKカレッジを持ち業界トップクラスの教育投資を継続して行っております。 当社グループでは、従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指すとする「健康経営宣言」を2014年10月に行っております。KSKグループの長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体であるKSKグループの従業員一人一人の健康が不可欠であると考え、「心(人間力)・技(知識・技術・スキル)・体(心身の健康)」三位一体の真の人づくりに、会社、従業員が一丸となって取り組み、2017年2月には経済産業省より「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。 当社グループでは、社員一人一人の高い技術力や人間力が、お客様の期待に応え、その個々の能力が集団で発揮できる組織力こそが、加速する技術革新と厳しいグローバル経済に勝ち抜くための源泉であると考えております。Team KSKのスローガンのもと、21世紀のパラダイムシフトに適応するプロフェッショナル集団として、お客様に新たな価値を提供し続ける企業を目指し、これからも全力で事業に取り組んでまいります。(2)目標とする経営指標等 当社グループは、企業価値向上と競争力強化のため、単なる量の追求から質の向上を重視する成長を志向し、筋肉質で効率的な企業体質づくりを推進してまいります。具体的な指標としては、営業利益率8%を目標としております。 (3)中長期的な経営戦略と事業戦略 新興国の台頭による市場の変化、お客様ニーズの高度化・多様化、市場プレイヤーの流動化、人口減少による労働力の不足など、21世紀における当社グループを取り巻く環境は目まぐるしく変化し、更に激しさが増すものと思われます。 当社グループは、創立40周年を迎えたのを契機に策定した5ケ年の新中期経営計画「共創∞」により、新たな視点から事業を再構築することで、将来にわたる継続的な成長が可能なエクセレントカンパニーの実現を目指してまいります。また、当社グループではKSKブランドを確立するため、ブランドメッセージ(「マジメな未来をかたちにする We are Team KSK」)を制定しました。自らの強みを正しく認識し、その強みを更に磨き発揮することにより社員一人一人の自信と誇りにつなげ、当社グループの持続的な成長をはかっていくものであります。 セグメント別の事業戦略は次のとおりであります。(システムコア事業) 本事業は半導体設計業務、車載機器用ソフトウェア開発及びコンピュータのシステム設計や回路設計業務を中心に行っており、事業環境の変化に対応したお客様の開拓を進め、事業構造の変革を目指します。 半導体設計ではこれまでの開発経験を活かし、情報機器、情報家電、携帯情報端末、自動車電装のコアとなるシステムLSIの回路設計から評価に至るまでの全ての工程を一貫して対応することを行ってまいります。 組み込みソフトウェアの開発では、自動車を初めとして、家電製品、ロボットといったあらゆる機器に搭載されているソフトウェアの開発を行っております。また、ソフトウェア開発以外にも要件定義、品質管理といったマネージメント業務もおこなっております。 コンピュータのシステム設計では、これまでハードウェアの開発支援やシステム構成支援で培った経験を活かして、各種ミドルウェアの構築業務にも携わってまいります。また、回路設計では仕様設計からプリント配線基盤設計までを最先端技術で一貫してサポートし、計測系のパフォーマンスボードなどに特化した設計を強みとしてまいります。(ITソリューション事業) 本事業は、大手IT企業への技術支援業務、エンドユーザーからの受託ソフトウェア開発及びパッケージソフトウェアを中核にしたソリューション事業、官公庁、自治体及び民間企業の健康保険組合を中心としたオペレーター派遣やデーターエントリー業務などを中心に行っております。また、選択と集中を推進して、得意分野に注力してまいります。 オープン系及びWebサイト構築・開発、ネットワークを含むインフラまで、幅広い分野に対応しワンストップでトータルソリューションを提供することを目指します。 多様化し続けるモバイル端末向けのコンテンツ・アプリケーション開発支援においては、独自に培ったナレッジを活用し、サービスを提供する事業者や開発会社向けに、サービスの開発・運用をサポートする製品やサービスを引き続き提供してまいります。 独自に開発した住宅建設業者向けパッケージソフト「住宅マネージャー」は、導入していただいたお客様からのニーズに応え、機能の充実と操作性を向上させる全面的改良を行って市場に投入してまいります。また、今後はAI技術を活用したユーザーにとって使い易いシステムの提案を行ってまいります。 人材派遣、業務全般をサポートする総合支援サービスなどといった、官公庁や健康保険組合などの事務効率化とコストセーブに寄与するアウトソーシング業務を拡大してまいります。 データーエントリーにおいては、万全の機密保持と個人情報管理の対策を整え、厳重なセキュリティ設備のもとで、高速・高精度なサービスを提供してまいります。(ネットワークサービス事業) 本事業は、ネットワークシステムの構築支援、運用・保守サービス及びサポートセンター支援業務などを中心に行っており、今後クラウド関連業務や、データセンター構築・運用業務を拡大してまいります。 グローバルネットワークから小規模LANまで、マルチベンダーに対応し、高信頼性、セキュアなネットワークシステムの設計・構築サービス、さらには運用・保守までのワンストップソリューションを提供してまいります。 ネットワークに関する様々な技術的課題を機動的かつ効率的に解決することを目的とし、プロフェッショナルなサービスを提供することを目指します。 (4)事業上の対処すべき課題当社グループが対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。①スピード経営企業競争力の重要な要因として、迅速な意思決定と実行が挙げられます。現在当社グループでは、基幹システムを通じて経営情報の的確な収集を実現しておりますが、より柔軟で効率の良いシステムの導入を行い、意思決定のスピードアップを目指します。②事業構造の見直しAIの実用化やIoTの進展、自動車向けソフト開発業務の急拡大など、既存の技術分野から新たな技術分野へ需要のシフトが発生するなど、市場は想定した以上に早いテンポでかつダイナミックに変化しております。今後成長が期待できる分野へ経営資源を集中して投入していくため、重点分野を適宜見直し積極的かつ柔軟に業務シフトを行ってまいります。③人材の確保と育成IT業界の技術変化の速さやお客様ニーズの多様化、技術者の採用環境の悪化等が、当社グループ経営に様々な影響を及ぼしております。このような環境の中で競争力を高め勝ち残っていくためには、タイムリーに技術者やサービスを提供する体制を整える必要があります。積極的な採用により技術者の確保に努めるとともに、常にお客様の視点に立った積極的な支援や提案を行うCS(顧客満足)活動の更なる深化と、それを実践する社員の技術力と人間力を向上させるため、業界トップクラスの教育投資を継続的に行ってまいります。④健康経営企業の長期的、継続的な成長を実現するためには、その主体である従業員一人一人の健康が不可欠であると考え「健康経営」宣言を行っております。従業員の健康増進を経営の重要な課題として捉え、従業員の健康の維持・増進と企業生産性の向上を目指してまいります。⑤品質の向上高品質なサービスや付加価値を提供し続けることがCS(顧客満足)を向上させ、圧倒的な競争力の獲得につながるものと考えております。そのため、今後3年間で全社を挙げて更なる品質の向上に取り組んでまいります。⑥コーポレートガバナンスの強化相次ぐ企業不祥事の影響を受け、コーポレートガバナンスの強化が求められていることから、独立役員である社外監査役の他に社外取締役を選任しております。意思決定プロセスの適正性の確保と内部統制システムの適切な運用が行われるよう監視することで、投資家や顧客の信頼とニーズに応えてまいります。⑦今後予想される災害等への対応近い将来に首都圏直下型地震の発生が予想され、東アジア周辺での有事の際には日本にも被害が及ぶ可能性があるなど、災害等発生時に備えた対策の強化が求められております。当社グループで策定済の事業継続計画(BCP)は、先般の東日本大震災での経験や反省点を踏まえ、より実効のあるものに見直しを行っておりますが、従業員の安全確保や事業継続に必要な体制や設備等を整備・強化してまいります。また、近年脅威を増しているサイバー攻撃は、その手法が高度化するなどして被害が拡大しており、企業のシステムやネットワークに対するセキュリティの強化が求められております。当社グループでは、ウイルスや不正アクセス等の外部からの攻撃に対する検知・防御能力の更なる強化を図る一方、万一事故が発生した場合の適切な対応の整備に取り組んでまいります。