9735

セコム(9735)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    セコムグループは、警備請負サービスを核とするセキュリティ事業に加え、防災、医療、保険、地理空間情報、BPO・ICTといった多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存しない安定した収益基盤を構築し、社会の「安全・安心」に関する幅広いニーズに対応しています。
  • グループシナジーの追求
    連結子会社148社と持分法適用関連会社17社がそれぞれの専門分野で事業を展開し、グループ全体で連携しています。例えば、セキュリティ事業では、国内子会社が地域に密着したサービスを提供し、セコム工業が安全機器の製造・開発を担うなど、相互に協力し合うことで効率的な事業運営とサービス品質の向上を図っています。
  • 社会インフラとしての役割
    警備、防災、医療といった事業は、人々の生活や社会活動を支える上で不可欠なインフラとしての側面を持っています。特にセキュリティサービスは、オンラインシステムや常駐警備を通じて、企業や個人の安全を確保し、社会の安定に貢献することで、継続的な需要を創出しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • セキュリティサービス事業
    売上高6,333.92億円、営業利益1,149.9億円と、グループ全体の売上・利益の大部分を占める基幹事業です。オンライン・セキュリティシステムや常駐警備など、法人・個人向けの多様な警備請負サービスを提供しており、国内外の子会社が展開しています。
  • 防災事業
    売上高1,770.95億円、営業利益201.09億円。能美防災とニッタンが中心となり、自動火災報知設備や消火設備などの研究開発、製造、販売、工事、保守までを一貫して手掛けています。社会の安全を支える重要な事業として、安定した需要があります。
  • BPO・ICT事業
    売上高1,284.56億円、営業利益91.65億円。セコムトラストシステムズが情報セキュリティ、大規模災害対策、クラウドサービス、データセンター事業などを展開し、株式会社アット東京がデータセンター事業を、株式会社TMJがコンタクトセンター業務などのBPOサービスを提供しています。企業の業務効率化や情報インフラを支える成長分野です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SecurityServices 事業 6,334 1,150 18.2%
FireProtectionServices 事業 1,771 201 11.4%
MedicalServices 事業 863 54 6.3%
InsuranceServices 事業 594 42 7.1%
GeospatialInformationServices 事業 584 35 5.9%
BPOICT 事業 1,285 92 7.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,937 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社148社および持分法適用関連会社17社で構成され、警備請負サービスを中心としたセキュリティサービス事業、総合防災サービスを中心とした防災事業、在宅医療およびシニアレジデンスの運営を柱にしたメディカルサービス事業、損害保険業を中心とした保険事業、測量・計測事業を中心とした地理空間情報サービス事業、情報セキュリティや大規模災害対策、データセンター、BPO業務を中心としたBPO・ICT事業、不動産賃貸および建築設備工事などのその他事業を主な内容とし、事業活動を展開しております。当社グループの事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。 <セキュリティサービス事業>当社が提供しておりますセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)をはじめとする各種のセキュリティサービスは、国内の子会社ではセコム上信越株式会社、セコム北陸株式会社、セコム山梨株式会社、セコム三重株式会社、株式会社アサヒセキュリティ、株式会社セノン、セコムジャスティック株式会社および日本原子力防護システム株式会社他23社が事業を展開しております。関連会社では、東洋テック株式会社他5社がセキュリティサービスを提供しております。当社はこれらのグループ各社に対して技術指導や安全機器の売渡しを行っております。海外子会社では、上海西科姆保安服務有限公司他9社(中国)、PT.セコムインドネシア、タイセコムセキュリティ Co., Ltd.、セコムPLC(英国)などが、また、海外の関連会社では株式会社エスワン(韓国)、タイワンセコム Co., Ltd.(英文商号)などが、セントラライズドシステムおよび常駐システムの警備請負と安全機器の販売等を行っております。以下の各社他5社は国内のグループ各社のセキュリティサービス事業を側面から支援しております。セコム工業株式会社はグループ各社の使用する安全機器の一部の製造および開発を行っております。セコムアルファ株式会社は各種安全商品の販売を行っており、当社は同社から安全商品の一部を購入しております。 <防災事業>能美防災株式会社およびニッタン株式会社が自動火災報知設備や消火設備をはじめとする各種防災システムの研究開発、設計、製造、販売、取付工事および保守業務を行っております。 <メディカルサービス事業>セコム医療システム株式会社が在宅医療サービス、電子カルテや遠隔画像診断支援サービス、医療機関向けの不動産の賃貸事業等を行っております。また、株式会社マックが医療機器・器材の販売を、セコムフォート株式会社、セコムフォートウエスト株式会社および株式会社アライブメディケアがシニアレジデンスの運営を、株式会社荒井商店が医療機関向けに不動産の賃貸、セコムメディファーマ株式会社が医薬品の卸売りをそれぞれ行っております。 <保険事業>セコム損害保険株式会社が損害保険業を、セコム保険サービス株式会社が保険会社代理店業務を行っております。 <地理空間情報サービス事業>株式会社パスコが航空機や車両、人工衛星などを利用した測量や計測で地理情報を集積し、加工・処理・解析した空間情報サービスを、国および地方自治体などの公共機関や民間企業、諸外国政府機関に提供しております。 <BPO・ICT事業>セコムトラストシステムズ株式会社が情報セキュリティサービス、大規模災害対策サービス、クラウドサービス、データセンター事業、国内グループ各社のコンピュータシステムの運営管理およびソフトウエアの開発・販売を行っております。株式会社アット東京が情報通信システムを一括して集中管理するデータセンター事業を行っております。株式会社TMJがコンタクトセンター業務やバックオフィス業務全般のBPOサービス事業を行っております。関連会社では、アルテリア・ネットワークス株式会社が全国規模の光ファイバーネットワークによる通信事業を行っております。 <その他事業>株式会社荒井商店が賃貸ビル・賃貸マンションの運営等を行っております。セコムエンジニアリング株式会社が各種建築設備の設計・施工および監理を、株式会社東光クリエートが電気工事の請負を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) 1 上記の会社の分類は主セグメントによっております。2 上記のうち、国内の証券市場に上場している連結子会社ならびに持分法適用関連会社と公開市場は以下のとおりであります。(2026年3月31日現在)連結子会社能美防災㈱ 東京証券取引所プライム市場持分法適用関連会社東洋テック㈱ 東京証券取引所スタンダード市場

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
セキュリティサービス事業への新規参入障壁は高いが、競合の低価格戦略や新サービス展開による競争激化リスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
セキュリティサービス事業への新規参入は、設備等の初期投資額が膨大であることや、即応体制の整備やノウハウの取得が困難であるため。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:社会・経済の低迷による契約への影響 / 国際的な事業活動に伴う政治・経済リスク / 自然災害・パンデミックによる事業支障
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

セコムは、長年にわたり培ってきた「セコム」ブランドの信頼性と、高度なセキュリティ技術に関するノウハウという無形資産を持つ。特に、警備サービスにおけるブランド認知度は高く、顧客は安心・安全をセコムに期待している。また、長年の実績に裏打ちされた高度な技術力とオペレーションノウハウは、容易に模倣できない強みとなっている。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

個人向けホームセキュリティや法人向け施設警備サービスにおいて、一度契約すると、機器の設置やシステム導入の手間、契約解除に伴うリスク、新たな業者選定の労力などから、顧客が他社へ乗り換えることには一定のスイッチング・コストが伴う。特に、長期間利用している顧客や、高度なセキュリティシステムを導入している法人顧客ほど、乗り換えのハードルは高くなる傾向がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

セコムの主要事業である警備サービスは、現時点では明確なネットワーク効果は見られない。個々の顧客の加入が増加しても、それが直接的にサービス全体の価値を向上させる構造にはなっていない。IoTを活用したサービス展開もあるが、現時点ではネットワーク効果を主たる競争優位とする段階ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

警備員の人件費や、全国に展開する拠点の維持費など、サービス提供には一定の固定費・変動費がかかる。規模の経済によるコスト削減効果はある程度期待できるものの、競合他社と比較して構造的に圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。人件費の上昇はコスト圧迫要因となりうる。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

セコムは、日本国内における警備・セキュリティサービス業界で圧倒的なシェアと事業規模を誇るリーディングカンパニーである。全国に張り巡らされた基地局網、多数の警備員、高度な監視センターなどのインフラは、新規参入企業にとって容易に構築できない障壁となっている。この規模の経済が、サービス提供の安定性と効率性を支えている。

  • 強固なブランド力と信頼
    セコムは「安全・安心」の代名詞として広く認知されており、長年の実績と高い信頼性を誇ります。これは、セキュリティサービスにおいて顧客が最も重視する要素であり、新規参入企業が容易に築けない強固な競争優位となっています。
  • 多角化によるリスク分散
    セキュリティ、防災、医療、保険など多岐にわたる事業を展開することで、特定の市場変動や経済状況に左右されにくい事業ポートフォリオを構築しています。これにより、安定した収益を確保し、持続的な成長を可能にしています。
  • 技術開発と即応体制
    セコム工業による安全機器の製造・開発や、グループ各社による技術指導を通じて、常に最新のセキュリティシステムやサービスを提供しています。また、全国に広がる拠点と即応体制は、緊急時に迅速な対応を可能にし、顧客からの高い評価を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、社業を通じて社会に貢献することを企業理念とし、セキュリティサービス事業を中心として、防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、その他の様々な分野の事業を展開しており、これらを複合的・融合的に提供することで、より「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築を目指しております。(2)中長期的な会社の経営戦略及び業績目標当社グループは、2040年に向けて目指す方向を明確にするために2026年5月に策定した、「セコムグループ2040年ビジョン」の実現に取り組んでまいります。「セコムグループ2040年ビジョン」では、インシデント前の予兆を捉え、あらゆる不安の発生に先回りするプロアクティブ(事前対応型)と、それによるお客様の価値としての「先回りの安心」をキーメッセージとし、インシデントへの対処だけでなく、その前から、いつもずっと、安心できる毎日を生み出していくことを掲げています。想いを共にするパートナーやお客様をはじめとする多様なステークホルダーとの接点を通じて得られるデータ・技術・知見などを、当社グループが有する様々なリソースと組み合わせながら「人とテクノロジーの融合」を進歩させて、「あんしんプラットフォーム構想」を強化し、プロアクティブなサービスを生み出していきます。また、日本にとどまらず世界にも「先回りの安心」を届け、現地のニーズや特性に応じたサービスを展開してまいります。その過程でグローバルな連携を強め、「あんしんプラットフォーム構想」をより強固なものにしていきます。このビジョンのもと、「セコムグループ ロードマップ2027」に引き続き取り組み、新たな価値創造による新事業の創出・育成や、既存業務の拡充を着実に進め、当社グループの成長スピードをさらに加速させていきます。以上の経営戦略のもと、実効性のあるコーポレート・ガバナンスを実現し、ESG(E:環境、S:社会、G:企業統治)課題へ適切に対処するとともに、社会とのつながりを強め、様々な社会課題を解決することで、社会と共に成長を続け、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題当社は、日本のセキュリティサービス事業のパイオニアとして、創業以来社会の変化に先んじてサービスを進化させ、業界をリードしてまいりました。現在は、セキュリティサービス事業を中心に、防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、その他事業を展開しています。また、海外では、18の国と地域に進出し、現地の状況を踏まえた当社グループならではのサービスを提供し、セコムブランドのグローバル市場への浸透を進めております。一方、当社グループを取り巻く環境においては、AI等のテクノロジーの進化、労働力人口の減少、体感治安の悪化、高齢化の進行、自然災害の頻発化・激甚化等への対応が課題となっております。このような状況下において、当社グループは、これらの課題解決に貢献するため、以下の取り組みを推進しております。①新しい技術・ノウハウの積極的な活用AI等のテクノロジーの進化が進む中、最先端技術を活用した付加価値創造・サービス品質向上等を実現するため、新しい技術やノウハウを積極的に情報収集し、活用してまいります。また、こうした取り組みを通じて、警備DXを加速させ、国内および海外において、最新技術と人財を融合した新商品・新サービスの創出に取り組んでまいります。 ②国内事業(サービス・商品の競争力の向上)国内事業においては、広告宣伝をはじめとした販売促進や営業活動を強化し、法人マーケット向けのサービスや商品の品質向上・機能向上を図り競争力を高めていくとともに、高齢者見守り等の新サービスを提供することにより、個人マーケットの更なる開拓等に注力してまいります。また、セコムグループの経営資源を最大限に活用することにより、多様化するお客様のニーズに応える付加価値の高いサービスを提供することで、「安全・安心・快適・便利」な社会の構築を目指してまいります。③海外事業の強化海外事業においては、高まる安心ニーズに対して、最先端技術を積極的に取り入れ、現地ニーズに合った海外のローカルマーケット向けの事業企画・商品開発や大型物件への対応など、事業展開を強化していくとともに、新たな成長基盤を獲得するM&Aの実行を図ってまいります。また、現地における積極的な採用、教育・研修の充実により、海外事業におけるサービス品質を向上してまいります。④業務効率化及び業務品質の向上労働力人口の減少による人手不足への対応に当たり、システムへの投資により機能改善を図ることで業務の効率化を推進し、生産性向上、収益性向上、サービス品質の向上に繋げてまいります。あわせて、業務プロセスおよび社内の事務処理や組織の見直しを図り、省力化やコスト削減を促進してまいります。⑤競争力向上のための人財確保当社グループでは、国内事業におけるサービス提供体制の維持やサービス品質の向上の面において人員の確保が必要であることに加え、最新技術の活用や海外展開のためのIT人財およびグローバル人財も必須としています。労働力人口が減少する中でも、事業展開を支える人財の確保や採用強化を進め、成長分野を強化するための人財の再配置などの組織戦略を推進してまいります。また、既存社員の育成、変化適応力の向上のための教育・研修の強化、社員それぞれの個性を活かし、公私ともに豊かで充実した人生を送る基盤としての環境整備等への取り組みを継続して進めてまいります。⑥コンプライアンス・ガバナンス体制の強化上記の取り組みを推進するに当たり、「安全・安心」を提供する当社グループにとって、法および法の精神の遵守によりお客様からの信頼を確保・維持し続けることは、経営上極めて重要な課題であります。当社グループでは、当社の社員・組織の基本的な考え方やあるべき姿・行動原理として培われてきた「セコムの理念」を通じて、より一層のコンプライアンス体制の強化に努めております。また、ガバナンス体制の強化も継続して推進し、ステークホルダーの皆様から選ばれ続ける会社づくりに取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、社業を通じて社会に貢献することを企業理念とし、セキュリティサービス事業を中心として、防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、その他の様々な分野の事業を展開しており、これらを複合的・融合的に提供することで、より「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築を目指しております。(2)中長期的な会社の経営戦略及び業績目標当社グループは、2040年に向けて目指す方向を明確にするために2026年5月に策定した、「セコムグループ2040年ビジョン」の実現に取り組んでまいります。「セコムグループ2040年ビジョン」では、インシデント前の予兆を捉え、あらゆる不安の発生に先回りするプロアクティブ(事前対応型)と、それによるお客様の価値としての「先回りの安心」をキーメッセージとし、インシデントへの対処だけでなく、その前から、いつもずっと、安心できる毎日を生み出していくことを掲げています。想いを共にするパートナーやお客様をはじめとする多様なステークホルダーとの接点を通じて得られるデータ・技術・知見などを、当社グループが有する様々なリソースと組み合わせながら「人とテクノロジーの融合」を進歩させて、「あんしんプラットフォーム構想」を強化し、プロアクティブなサービスを生み出していきます。また、日本にとどまらず世界にも「先回りの安心」を届け、現地のニーズや特性に応じたサービスを展開してまいります。その過程でグローバルな連携を強め、「あんしんプラットフォーム構想」をより強固なものにしていきます。このビジョンのもと、「セコムグループ ロードマップ2027」に引き続き取り組み、新たな価値創造による新事業の創出・育成や、既存業務の拡充を着実に進め、当社グループの成長スピードをさらに加速させていきます。以上の経営戦略のもと、実効性のあるコーポレート・ガバナンスを実現し、ESG(E:環境、S:社会、G:企業統治)課題へ適切に対処するとともに、社会とのつながりを強め、様々な社会課題を解決することで、社会と共に成長を続け、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題当社は、日本のセキュリティサービス事業のパイオニアとして、創業以来社会の変化に先んじてサービスを進化させ、業界をリードしてまいりました。現在は、セキュリティサービス事業を中心に、防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、その他事業を展開しています。また、海外では、18の国と地域に進出し、現地の状況を踏まえた当社グループならではのサービスを提供し、セコムブランドのグローバル市場への浸透を進めております。一方、当社グループを取り巻く環境においては、AI等のテクノロジーの進化、労働力人口の減少、体感治安の悪化、高齢化の進行、自然災害の頻発化・激甚化等への対応が課題となっております。このような状況下において、当社グループは、これらの課題解決に貢献するため、以下の取り組みを推進しております。①新しい技術・ノウハウの積極的な活用AI等のテクノロジーの進化が進む中、最先端技術を活用した付加価値創造・サービス品質向上等を実現するため、新しい技術やノウハウを積極的に情報収集し、活用してまいります。また、こうした取り組みを通じて、警備DXを加速させ、国内および海外において、最新技術と人財を融合した新商品・新サービスの創出に取り組んでまいります。 ②国内事業(サービス・商品の競争力の向上)国内事業においては、広告宣伝をはじめとした販売促進や営業活動を強化し、法人マーケット向けのサービスや商品の品質向上・機能向上を図り競争力を高めていくとともに、高齢者見守り等の新サービスを提供することにより、個人マーケットの更なる開拓等に注力してまいります。また、セコムグループの経営資源を最大限に活用することにより、多様化するお客様のニーズに応える付加価値の高いサービスを提供することで、「安全・安心・快適・便利」な社会の構築を目指してまいります。③海外事業の強化海外事業においては、高まる安心ニーズに対して、最先端技術を積極的に取り入れ、現地ニーズに合った海外のローカルマーケット向けの事業企画・商品開発や大型物件への対応など、事業展開を強化していくとともに、新たな成長基盤を獲得するM&Aの実行を図ってまいります。また、現地における積極的な採用、教育・研修の充実により、海外事業におけるサービス品質を向上してまいります。④業務効率化及び業務品質の向上労働力人口の減少による人手不足への対応に当たり、システムへの投資により機能改善を図ることで業務の効率化を推進し、生産性向上、収益性向上、サービス品質の向上に繋げてまいります。あわせて、業務プロセスおよび社内の事務処理や組織の見直しを図り、省力化やコスト削減を促進してまいります。⑤競争力向上のための人財確保当社グループでは、国内事業におけるサービス提供体制の維持やサービス品質の向上の面において人員の確保が必要であることに加え、最新技術の活用や海外展開のためのIT人財およびグローバル人財も必須としています。労働力人口が減少する中でも、事業展開を支える人財の確保や採用強化を進め、成長分野を強化するための人財の再配置などの組織戦略を推進してまいります。また、既存社員の育成、変化適応力の向上のための教育・研修の強化、社員それぞれの個性を活かし、公私ともに豊かで充実した人生を送る基盤としての環境整備等への取り組みを継続して進めてまいります。⑥コンプライアンス・ガバナンス体制の強化上記の取り組みを推進するに当たり、「安全・安心」を提供する当社グループにとって、法および法の精神の遵守によりお客様からの信頼を確保・維持し続けることは、経営上極めて重要な課題であります。当社グループでは、当社の社員・組織の基本的な考え方やあるべき姿・行動原理として培われてきた「セコムの理念」を通じて、より一層のコンプライアンス体制の強化に努めております。また、ガバナンス体制の強化も継続して推進し、ステークホルダーの皆様から選ばれ続ける会社づくりに取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況(経営成績の状況)当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の日本経済は、雇用・所得環境が改善する下で、設備投資や個人消費などで回復の動きが見られました。一方、中東情勢の影響や、金融資本市場の変動の影響、アメリカの通商政策をめぐる動向などに留意が必要な状況が続きました。このような状況において、当社グループは、「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築をめざし、「セコムグループ2030年ビジョン」の実現に取り組んできました。また、ビジョン実現に向けて今後の目指すべき方向性をより明確化し、成長をさらに確かなものとするために「セコムグループ ロードマップ2027」を策定し、各種取り組みを積極的に展開しました。なお、社会課題の複雑化が一層加速するなかで、2040年に向けて目指す方向を明確にするために、2026年5月に「セコムグループ2040年ビジョン」を策定しました。詳細については、2026年5月12日公表の「セコムグループ2040年ビジョン策定のお知らせ」をご参照ください。2025年3月には、セキュリティロボット「cocobo」が遠隔操作型小型車の適合審査に合格し、警備会社が提供するロボットとして初めて公道を含む道路の走行が可能になりました。これにより、敷地周辺の公道で昼夜を問わず活用できるようになり、人とロボットの力を融合させた高度なセキュリティをより多くの場所に提供いたしました。また7月には、家庭向けAEDとしては日本初となるオートショック機能を搭載したAED「セコム・MyAED」を販売開始しました。2026年2月には、国内大手電気通信事業者と共同で陸上自衛隊向けリモート警備システムの構築を受託するなど、様々な取り組みを通じて、ますます多様化・高度化するお客様の安心ニーズに対し、きめ細やかな切れ目のないサービスを提供することに努めました。2025年4月から10月にかけて開催された2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)では、会場内全域の人的警備で主要な役割を果たしたほか、監視カメラや入退室管理システムなどを多数導入し、安全な会場運営をサポートしました。また、2025年10月には、世界各地で建設が相次いでいるデータセンターを運営する欧米企業などを中心に、強固な顧客基盤を持つグローバルセキュリティSI(注1)企業のAVTEL Holdings Pte. Ltd.を完全子会社化しました。さらに、2025年12月には、国際的な環境NGOのCDPが2025年に実施した気候変動及び水セキュリティへの取り組みに関する調査において、最高評価となる「Aリスト」に2年連続でダブル選定されました。加えて、2025年10月と2026年2月には、日本経済新聞社の新たな株価指数である「日経平均株主還元株40指数」(注2)と「日経モート株指数」(注3)に選定されました。(注1)グローバルセキュリティSI(System Integration):世界各地で事業展開するグローバル企業から、国・地域を跨いで統一した入退室管理システムや監視カメラ等のセキュリティシステムの導入コンサルティング、販売、工事等を請け負うサービス(注2)日経平均株主還元株40指数:日経平均株価の構成銘柄(金融・不動産を除く)のうち株主還元利回りの高い40銘柄から構成される時価総額×利回りウエート方式の株価指数(注3)日経モート株指数:東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄(金融を除く)から「モート(経済の濠)」を備えるとみなされる30銘柄を選定した等ウエート方式の株価指数 セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。セキュリティサービス事業では、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、常駐警備や現金護送のサービスを提供するとともに、安全商品を販売しております。事業所向けでは、防犯や防災をはじめ、従業員の就業管理などによる事業効率化に至るまで、企業の事業運営に有益な機能をオールインワンで提供するシステムセキュリティ「AZ」を提供しております。当連結会計年度は、「AZ」と監視カメラとの連携を強化し、セキュリティ機能および操作性の向上を図ることで拡販に努めました。また、従業員が店舗や訪問先などでカスタマーハラスメント被害にあった際、あらかじめ登録した上司に通報すると同時に音声を録音するアプリを開発し、10月から実証実験を開始しました。 家庭向けでは、防犯・防火ニーズに加え、お客様の生活スタイルに柔軟に対応でき、様々な機器と接続することでサービスを拡張できる「セコム・ホームセキュリティNEO」を提供しております。当連結会計年度は、「セコム・ホームセキュリティNEO」に顔認証機能を搭載した操作機器をラインアップし、操作性の向上とセキュリティ機能の強化を図ることで、ホームセキュリティシステムを積極的に拡販しました。海外では、経済発展が続く東南アジアを中心に、緊急対処サービスや画像監視を特長とするセキュリティサービスの拡販に努めるとともに、最先端技術を取り込みながら機械警備のデジタルトランスフォーメーションを推進し、現地市場に適応したサービス、システムの開発・導入を推進しました。当連結会計年度は事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したことおよび価格改定(値上げ)の影響や、常駐警備サービスの増収などにより、売上高は6,606億円(前期比4.3%増加)となり、営業利益は1,238億円(前期比7.7%増加)となりました。防災事業では、オフィスビル、プラント、トンネル、文化財、船舶、住宅といった様々な施設に対し、お客様のご要望に応えた高品質な自動火災報知設備や消火設備などの各種防災システムを提供しております。当連結会計年度も、国内防災業界大手2社である能美防災株式会社およびニッタン株式会社が、それぞれの営業基盤や商品開発力などを活かした防災システムの受注に努めました。当連結会計年度は火災報知設備などの増収により、売上高は1,868億円(前期比5.5%増加)となり、営業利益は原価率の改善により、247億円(前期比23.1%増加)となりました。メディカルサービス事業では、訪問看護サービスや薬剤提供サービスなどの在宅医療サービスを中心として、シニアレジデンスの運営、電子カルテの提供、医療機器・医薬品等の販売、介護サービス、医療機関向け不動産賃貸等様々なメディカルサービスを提供しております。当連結会計年度は医療機器・医薬品の販売が好調だったことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt. Ltd.の増収などにより、売上高は920億円(前期比6.8%増加)となり、営業利益は62億円(前期比15.6%増加)となりました。保険事業では、当連結会計年度もセキュリティシステム導入によるリスク軽減を保険料に反映した事業所向けの「火災保険セキュリティ割引」や家庭総合保険「セコム安心マイホーム保険」、ガン治療費の実額を補償する「自由診療保険メディコム」、セコムの緊急対処員が要請に応じて事故現場に急行するサービスを付帯した自動車総合保険「セコム安心マイカー保険」など、当社グループならではの保険の販売を推進しました。当連結会計年度はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」および自動車保険の販売が堅調に推移したこと、運用収益の増収などにより、売上高は654億円(前期比10.2%増加)となり、営業利益は自然災害による損害の減少、販売費及び一般管理費の減少などにより、59億円(前期比41.2%増加)となりました。地理空間情報サービス事業では、航空機や車両、人工衛星などを利用した測量や計測で地理情報を集積し、加工・処理・解析した空間情報サービスを、国および地方自治体などの公共機関や民間企業、さらには新興国や発展途上国を含めた諸外国政府機関に提供しております。当連結会計年度は国内公共部門の増収により、売上高は606億円(前期比3.9%増加)となり、営業利益は国内公共部門の原価率の改善、販売費及び一般管理費の減少により、53億円(前期比55.9%増加)となりました。BPO・ICT事業では、データセンターを中核に、セコムならではのBCP(事業継続計画)支援や情報セキュリティ、クラウドサービス、認証サービスの提供に加えて、コンタクトセンター業務を含む様々なBPO業務の受託・運営を行っています。当連結会計年度はデータセンター事業の増収およびサーバーなどの機器販売が好調だったことなどにより、売上高は1,299億円(前期比1.1%増加)となり、営業利益は前連結会計年度に稼働開始した新たなデータセンターの影響などによる原価の増加により、89億円(前期比1.9%減少)となりました。その他事業には、不動産賃貸および建築設備工事などが含まれます。当連結会計年度は売上高は613億円(前期比7.6%増加)となり、営業利益は92億円(前期比7.6%増加)となりました。これらの結果、当連結会計年度における連結売上高はすべての事業セグメントの増収により、1兆2,568億円(前期比4.7%増加)となり、営業利益は1,603億円(前期比11.1%増加)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益が123億円減少したことなどにより、1,821億円(前期比4.0%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,126億円(前期比4.2%増加)となりました。なお、当連結会計年度の売上高、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を達成することができました。 (財政状態の状況)当連結会計年度末の総資産は、前期末比845億円(3.9%)増加の2兆2,301億円となりました。流動資産は、有価証券が114億円(32.9%)増加の463億円、受取手形、売掛金及び契約資産が110億円(6.5%)増加の1,809億円、仕掛品が72億円(105.0%)増加の141億円、現金及び預金が137億円(3.4%)減少の3,949億円となり、流動資産合計は前期末比128億円(1.3%)増加の9,816億円となりました。固定資産は、投資有価証券が451億円(10.4%)増加の4,808億円、有形固定資産が152億円(3.4%)増加の4,644億円、退職給付に係る資産が114億円(15.7%)増加の847億円となり、固定資産合計は前期末比717億円(6.1%)増加の1兆2,484億円となりました。 当連結会計年度末の負債は、前期末比326億円(4.7%)増加の7,304億円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金が77億円(18.8%)増加の488億円、未払法人税等が63億円(24.4%)増加の321億円、現金護送業務用預り金が43億円(3.6%)増加の1,253億円、未払消費税等が40億円(42.7%)増加の136億円となり、流動負債合計は前期末比260億円(6.9%)増加の4,053億円となりました。固定負債は、保険契約準備金が25億円(1.4%)増加の1,929億円、繰延税金負債が25億円(9.9%)増加の278億円となり、固定負債合計は前期末比65億円(2.1%)増加の3,250億円となりました。 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が715億円(5.8%)の増加、自己株式が599億円(33.9%)の減少、その他有価証券評価差額金が266億円(69.0%)の増加、退職給付に係る調整累計額が43億円(58.0%)の増加、非支配株主持分が77億円(4.4%)の増加となり、純資産合計は前期末比519億円(3.6%)増加の1兆4,996億円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の59.2%から58.9%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の3,056.12円から3,250.15円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物の状況は、以下のとおりであります。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー167,842203,56635,723投資活動によるキャッシュ・フロー△100,798△ 88,60712,190財務活動によるキャッシュ・フロー△ 85,246△118,110△ 32,864現金及び現金同等物に係る換算差額2,4321,422△ 1,009現金及び現金同等物の増減額△ 15,769△ 1,72914,039現金及び現金同等物の期首残高424,173408,404△ 15,769現金及び現金同等物の期末残高408,404406,675△ 1,729 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、全体で2,035億円の資金の増加(前連結会計年度は1,678億円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益1,800億円、減価償却費739億円であります。また、主な資金の減少要因は、法人税等の支払額506億円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、全体で886億円の資金の減少(前連結会計年度は1,007億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出704億円、投資有価証券の取得による支出336億円、無形固定資産の取得による支出200億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得100億円であります。また、主な資金の増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入467億円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、全体で1,181億円の資金の減少(前連結会計年度は852億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、自己株式の増加額600億円、配当金の支払額411億円であります。 これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ17億円減少して4,066億円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a. 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)セキュリティサービス事業11,59415.28,65156.7防災事業208,65813.2109,67224.8地理空間情報サービス事業60,7293.426,6060.3BPO・ICT事業7,2563.51,537△ 7.4その他事業14,30127.38,8716.1合計302,54111.5155,34019.5 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 b. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)(百万円)前期比(%)セキュリティサービス事業660,6024.3防災事業186,8845.5メディカルサービス事業92,0866.8保険事業65,40110.2地理空間情報サービス事業60,6453.9BPO・ICT事業129,9011.1その他事業61,3757.6合計1,256,8964.7 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。 経営成績の分析(概要)当社グループは、セキュリティサービスを中心に防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、不動産賃貸などの事業活動全般にわたってサービスの拡充、営業の拡大、システムの構築、商品の開発に努めるなど、積極的な事業展開を図ってまいりました。当連結会計年度における連結売上高はすべての事業セグメントの増収により、1兆2,568億円(前期比4.7%増加)となり、営業利益は1,603億円(前期比11.1%増加)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益が123億円減少したことなどにより、1,821億円(前期比4.0%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,126億円(前期比4.2%増加)となりました。 (売上高)すべての事業セグメントの増収により、売上高は前期比4.7%増加の1兆2,568億円となりました。各事業セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティサービス事業が52.6%、防災事業が14.9%、メディカルサービス事業が7.3%、保険事業が5.2%、地理空間情報サービス事業が4.8%、BPO・ICT事業が10.3%、その他事業が4.9%となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費)当連結会計年度の売上原価は、前期比3.5%増加の8,580億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の69.1%から68.3%になりました。販売費及び一般管理費は、前期比5.1%増加の2,384億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の18.9%から19.0%になりました。これらの結果、当連結会計年度の営業利益は1,603億円(前期比11.1%増加)となりました。 (経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度は、米国などにおける投資事業組合運用益の減少などにより、営業外収益が前期比97億円(26.7%)減少となり、営業外費用が前期比7億円(12.9%)減少したことにより、経常利益は1,821億円(前期比4.0%増加)となりました。法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計は519億円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は前連結会計年度の28.3%から28.9%に上昇しました。また、非支配株主に帰属する当期純利益が前期比17億円(10.2%)減少の154億円となりました。これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,126億円(前期比4.2%増加)となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度と同率の9.0%になりました。また、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の259.97円から276.17円、ROEは前連結会計年度と同率の8.7%となりました。なお、当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 セキュリティサービス事業は、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したことおよび価格改定(値上げ)の影響や、常駐警備サービスの増収などにより、売上高は6,737億円(前期比4.2%増加)となり、営業利益は1,238億円(前期比7.7%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の17.8%から18.4%になりました。資産は、長期貸付金などが減少しましたが、短期貸付金、退職給付に係る資産、仕掛品、無形固定資産、有形固定資産、リース債権及びリース投資資産などの増加により、1兆112億円(前期比2.3%増加)となりました。防災事業は、火災報知設備などの増収により、売上高は1,899億円(前期比5.0%増加)となり、営業利益は原価率の改善により、247億円(前期比23.1%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の11.1%から13.0%になりました。資産は、現金及び預金などが減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産、有形固定資産、投資有価証券、無形固定資産、退職給付に係る資産などの増加により、2,256億円(前期比8.9%増加)となりました。メディカルサービス事業は、医療機器・医薬品の販売が好調だったことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt. Ltd.の増収などにより、売上高は921億円(前期比6.8%増加)となり、営業利益は62億円(前期比15.6%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の6.3%から6.8%になりました。資産は、受取手形、売掛金及び契約資産などが増加しましたが、短期貸付金、長期貸付金などの減少により、1,428億円(前期比0.3%減少)となりました。保険事業は、セコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」および自動車保険の販売が堅調に推移したこと、運用収益の増収などにより、売上高は686億円(前期比10.0%増加)となり、営業利益は自然災害による損害の減少、販売費及び一般管理費の減少などにより、59億円(前期比41.2%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の6.8%から8.7%になりました。資産は、コールローン、現金及び預金などが減少しましたが、投資有価証券などの増加により、2,770億円(前期比8.2%増加)となりました。地理空間情報サービス事業は、国内公共部門の増収により、売上高は608億円(前期比4.0%増加)となり、営業利益は国内公共部門の原価率の改善、販売費及び一般管理費の減少により、53億円(前期比55.9%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の5.9%から8.9%になりました。資産は、現金及び預金、投資有価証券などが減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産、退職給付に係る資産などの増加により、705億円(前期比2.5%増加)となりました。BPO・ICT事業は、データセンター事業の増収およびサーバーなどの機器販売が好調だったことなどにより、売上高は1,396億円(前期比0.4%増加)となり、営業利益は前連結会計年度に稼働開始した新たなデータセンターの影響などによる原価の増加により、89億円(前期比1.9%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の6.6%から6.4%になりました。資産は、無形固定資産などが減少しましたが、有形固定資産、現金及び預金などの増加により、1,931億円(前期比1.6%増加)となりました。その他事業は、売上高は626億円(前期比6.8%増加)となり、営業利益は92億円(前期比7.6%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の14.7%から14.8%になりました。資産は、短期貸付金などが減少しましたが、現金及び預金、有形固定資産、リース債権及びリース投資資産などの増加により、1,568億円(前期比2.8%増加)となりました。なお、以上のセグメント売上高および営業損益はセグメント間取引を含む数値であり、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(経営成績の状況)」に記載した売上高(セグメント間取引を含まない外部顧客に対する売上高)とは一致しません。 財政状態の分析財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(財政状態の状況)」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が506億円となりましたが、税金等調整前当期純利益が1,800億円、減価償却費が739億円となったことなどにより、全体では2,035億円の資金の増加となりました。前連結会計年度との比較では、棚卸資産の増減額が前連結会計年度の7億円の減少に対し89億円の増加となりましたが、投資事業組合運用益が123億円減少、仕入債務の増減額が前連結会計年度の36億円の減少に対し59億円の増加、現金護送業務用現金預金及び預り金の増減額が前連結会計年度の48億円の減少に対し30億円の増加、未払消費税等の増減額が前連結会計年度の20億円の減少に対し37億円の増加、税金等調整前当期純利益が52億円増加、利息及び配当金の受取額が43億円増加となったことなどにより、営業活動から得た資金は前期比357億円(21.3%)の増加となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入が467億円となりましたが、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出704億円、投資有価証券の取得による支出336億円、無形固定資産の取得による支出200億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得100億円となったことなどにより、全体では886億円の資金の減少となりました。前連結会計年度との比較では、投資有価証券の取得による支出が172億円増加、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得が94億円増加となりましたが、投資有価証券の売却及び償還による収入が251億円増加、定期預金の増減額が前連結会計年度の127億円の増加に対し31億円の減少となったことなどにより、投資活動に使用した資金は前期比121億円(12.1%)の減少となりました。 この結果、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの純額)は、1,149億円の資金の増加(前連結会計年度は670億円の資金の増加)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の増加額600億円、配当金の支払額411億円となったことなどにより、全体では1,181億円の資金の減少となりました。前連結会計年度との比較では、自己株式の増加額が299億円増加、短期借入金の純増減額が前連結会計年度の41億円の増加に対し34億円の減少となったことなどにより、財務活動に使用した資金は前期比328億円(38.6%)の増加となりました。 これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比17億円(0.4%)減少の4,066億円となりました。 当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。 第61期2022年3月期第62期2023年3月期第63期2024年3月期第64期2025年3月期第65期2026年3月期自己資本比率(%)58.858.558.859.258.9時価ベースの自己資本比率(%)101.488.1110.998.6109.5キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.40.40.40.40.3インタレスト・カバレッジ・レシオ195.9165.6152.4126.8138.4 ※ 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い (注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりであります。 当社グループは、柔軟な事業活動を行い、強固な財務基盤を保つために、高い流動性を維持することを基本方針としております。また、「社会システム産業」の構築に向けて、営業活動から得た資金や、市場調達および金融機関からの借入等により調達した資金で、積極的に事業投資活動を行っております。当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は687億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,066億円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告金額に影響を与える判断、見積りの設定を行うことが必要となります。これらの見積りは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 a. 有形固定資産当社グループでは、有形固定資産の評価において、減損損失の兆候がある場合には、減損の判定を行っています。事業用資産においては管理会計上の区分で資産グルーピングを行い、賃貸不動産および遊休資産などは個別物件単位で区分を行い、当連結会計年度で収益性が著しく低下した場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、資産グループの回収可能価額の見積りは、処分価額、不動産鑑定評価額などで算出する正味売却価額、将来キャッシュ・フロー、割引率などで算出する使用価値などにより測定しております。正味売却価額上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資産グループの使用期間中および使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率などの仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。b. のれん及びその他無形資産当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産の評価において、減損損失の兆候がある場合には、減損の判定を行っています。のれん及びその他の無形固定資産の回収可能価額の見積りや減損判定に当たっては、必要に応じて外部専門家などによる評価を活用しております。なお、回収可能価額の測定で使用する、将来キャッシュ・フロー、割引率などの仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。c. 貸倒引当金当社グループでは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、過去の実績、将来の見通し等を総合的に勘案して見積もられた回収不能見込額を、貸倒引当金として計上しております。回収不能見込額の見積りにおいて使用される仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収不能見込額が増減し、貸倒引当金を増額または減額する可能性があります。d. 繰延税金資産当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、将来の課税所得の見積りにあたっては、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されていますが、見積りは、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化などにより、影響を受ける可能性があり、また、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。 e. 退職給付費用及び退職給付に係る負債当社および当社と同一の退職給付制度を有する国内連結子会社においては、退職金制度と確定拠出型年金制度を採用しております。退職給付費用及び退職給付に係る負債について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定した割引率、予想昇給率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。これら年金数理計算の前提条件には将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって影響を受ける可能性があるため、前提条件と実際の結果が異なる場合、または前提条件の変更がある場合には、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

  • 国内景気低迷の影響
    主要事業を日本国内で展開しているため、国内の社会情勢や経済状況、金利変動による景気低迷は、新規契約の減少や既存契約への影響を通じて、セコムグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 国際事業活動のリスク
    17の国と地域に進出しており、現地の政治・経済情勢、法規制の変更、テロや紛争の発生、為替レートの変動などが、海外事業の収益性や財務状況に影響を与える可能性があります。
  • 技術変化と競争激化
    新しい技術の急速な発展や技術環境の変化に対応するための大規模な開発・投資が必要となる可能性があります。また、他社の新規参入や低価格戦略、新サービス展開により、競争が激化し、収益性が圧迫されるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,032 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。以下のリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の早期対応に努める所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)事業環境に起因するリスク①社会・経済当社グループは、日本国内において主要事業を展開しているため、我が国の社会情勢、経済状況、金利変動等により国内の景気が低迷すると、当社グループの様々な契約の新規受注や既存の契約などに影響を及ぼす可能性があります。また、原材料不足などに起因する部品提供の停止等により、システムやサービスを計画通り販売・提供できない可能性があります。そのため、当社グループは社会情勢や経済政策などを注視し、市場のニーズを取り込んで常に最新の警備システムやサービスの開発・販売を行うとともに、サプライチェーンの動向を踏まえた計画的な物流管理など適時適切に対応しております。②国際的な事業活動に伴うリスク当社グループは、18の国と地域に進出しており、現地の政治、経済、社会情勢、労使関係、商慣習・文化等の相違、外資規制等の法規制の変更、インフラの整備状況、テロや紛争の発生など、日本国内とは異なるリスクがあります。当社グループは、海外進出時には、起こり得る各種リスクの十分な検討を行い、進出後は、現地での不断の情報収集を行い、速やかに対策を講じております。なお、当社の連結財務諸表は、通貨の円換算時の為替レートの変動による影響を受けます。③自然災害・パンデミック 気候変動の進行などによる自然災害の頻発・甚大化、大規模な地震、火災や大規模停電、広域回線障害やインフラ損壊などの大事故、ウイルス・伝染病等の集団感染(パンデミック)などの事態が発生した場合、情報システムの停止、電子データの消失の可能性、及び当社グループのサービス提供や事業遂行などに支障をきたす可能性があります。当社グループでは、災害等の発生やパンデミックなどに備え、マニュアルの整備、対策品の備蓄、機動的な対応体制、訓練の実施などの対応策を講じております。④法規制の変更 「安全・安心」というサービスを主に提供している当社グループの事業は、警備業法をはじめとした厳格かつ詳細な法令や規制に従うことを要求されております。このような法令や規制に変更が生じた場合には、速やかに対応する必要があり、大きな負担が発生する可能性があります。法規制の変更に基づくリスクを回避するため、当社グループでは関係当局の動向を注視し、適時適切に対応してまいります。⑤技術環境の変化 当社グループが展開している事業分野において、新しい技術の急速な発展や技術環境の大きな変化により、迅速で大規模な開発・投資が必要となる可能性があります。当社グループは、専門組織を中心に研究・開発を推進するとともに、他社とも協業等で連携し、最先端技術などを広く活用して、常に最適なサービスやシステムの創出に努めております。⑥労働市場の逼迫 少子化の進行などに伴い、当社グループが展開している各事業に必要な人財を確保できない場合、サービス提供体制が維持できず、事業運営に支障をきたす可能性があります。当社グループは、給与改訂や処遇改善などの人財投資を継続して行うとともに、グループ横断的な採用活動や適正な人員配置を実施し、人財育成のための研修・教育体系の整備を進めるなど、必要な人財の確保・維持に努めています。また、社員エンゲージメントの向上や、より少ない労働力でも事業運営を推進できるよう先端技術を活用した業務の効率化や生産性の向上に努めております。 ⑦競争激化 当社グループの各事業分野への他社の新規参入や、競合会社の低価格戦略や新サービス展開などにより、当社グループの競争環境が激化するリスクがあります。これらの環境においても、サービス品質の向上、商品価値の拡大を進めるとともに、適切なコスト管理を通じて適正な収益の確保に努めます。なお、当社グループの主要事業であるセキュリティサービス事業への新規参入は、設備等の初期投資額が膨大であることや、即応体制の整備やノウハウの取得が困難であることなどから、参入障壁は高いものと考えております。⑧年金債務 当社グループの年金資産の時価が下落し、年金資産の運用利回りが期待運用収益率を下回った場合や、予定給付債務を計算する基礎となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、数理計算上の差異が発生する可能性があります。厚生年金基金の代行部分を国に返上したことや、退職給付制度を確定拠出型年金制度およびキャッシュバランス制度(在籍期間中の年収に応じて毎年累積した額に10年国債応募者利回りの3年平均の利息を付与する制度)に移行したことにより、将来の数理計算上の差異発生リスクを低減しております。 (2)事業活動に起因するリスク①契約先・取引先にかかる信用リスク当社グループは、営業活動や投融資活動などにおいて、主に国内の取引先に対し発生する信用リスクにさらされています。当社グループは、取引先の経営状況を把握するなど、リスクの早期発見・対応に努めております。また、契約先が不測の事態に陥った場合、警備契約やリース契約などにおいて当社の初期投資等が損失になる可能性がありますが、特定の大口契約を有していないため、リスクは分散されております。②情報漏洩当社グループは、膨大な顧客情報や機密情報を取り扱っているため、当該情報が外部に漏洩した場合は、信用失墜や損害賠償請求などが発生するリスクがあります。当社グループは、外部からのネットワーク不正侵入への対策に加え、内部からの情報漏洩防止のため、規則・マニュアルを整備し、社員教育を徹底するとともに、ソフト・ハードの両面から情報漏洩対策を日々強化するなど、システム・人財の両面から情報流出の防止に努めております。③投資 当社グループは、株式等、価格変動リスクを有する様々な有価証券を有しております。そのため、保有する有価証券の価値が下落した場合、評価損が発生する可能性があります。当社グループは、投資効率が低く保有意義の乏しい投資にならないよう厳格に審査の上、総合的な経営判断のもと、投資・売却を決定しております。また、M&A、他社との資本提携・業務提携などの戦略的投資においては、当初想定したシナジー効果等が得られなかった場合、のれんの減損損失等が発生する可能性があります。当社グループは、M&A等の戦略的な投資に当たっては、専門機関も活用しながら各種デューデリジェンスを慎重かつ重点的に実施することで、リスクを低減させております。④オペレーショナルリスク当社グループは、業務遂行上の事故、情報管理・労務管理・職場環境での不適切な行為、顧客への営業等に関する不適切行為、事務処理や会計処理における誤入力や入力漏れ、ヒューマンエラー、プロセス・システムなどの機能不全、委託業者・取引先業者による不適切行為などが発生するリスクがあります。当社グループでは、リスク対策委員会による会社横断的な対策の検討や、会社理念の透徹、行動規範の遵守、定期的な研修、運用・ルールの徹底、システム管理、カメラの導入などにより、不適切な行為の防止・抑止に努めております。⑤グループガバナンス当社グループは、セキュリティサービス事業を中心とした様々な分野において、グループ各社が主体となり事業活動を推進しております。そのため、グループ各社における経営判断・投資判断、内部における不適切な行為などによりグループ経営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当社の内部監査部門による監査、定期的なグループ経営会議を通じたグループ情報および運営理念の共有、内部通報制度などによりグループガバナンスを強化しております。 (3)その他①メディカルサービス事業におけるリスク当社グループは、メディカルサービス事業において、医療機関に対し貸付および債務保証等を実施しており、診療報酬の引き下げなど医療制度の改定等による事業環境の変化などにより影響を受ける可能性があります。メディカルサービスの事業運営においては、事業環境変化への柔軟かつ迅速な対応、医療機関の経営状況の継続的な監視および経営改善支援などを行うことにより、適正なリスクコントロールに努めております。②保険事業におけるリスク当社グループは、保険事業において火災保険などの損害保険を販売しており、地震・風水害などの自然災害、火災その他の大事故により影響を受ける可能性があります。当社グループは保険引受にあたっては、「契約引受規程」に基づき引受を行い、継続的な損害率の検証を行うなど、適正なリスクコントロールに努めており、また巨大災害・集積リスクについては再保険カバーや異常危険準備金積立てにより対応しております。資金運用にあたっては、流動性の確保を重視するなど、様々なリスク・負債特性に合わせた運用を行っております。③不動産価値変動のリスク当社グループは、不動産賃貸事業などにおいて、不動産を有しております。不動産の価値は、マクロ経済など様々な要因により変動するリスクを有しております。当社グループは、その様々な要因やその資産の活用状況、タイミングなどを総合的に勘案し、取得・保有・売却などの意思決定を行っております。

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