経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。なお、当該将来に関する事項については、取締役会で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。 (1) 経営方針当社グループの経営理念に「全員経営」「商品開発の考え方」「販売のための考え方」があります。・「全員経営」では、社員のオープンでフラットな体制でプライドと人権を尊重します。・「商品開発の考え方」は、商品の良し悪しを決定できるのはお客様のみであるという考え方です。・「販売のための考え方」は、商品をお客様にお使いいただくようになるまでが販売であるとの考え方を示しております。さらに、経営理念のこの3つの考え方には、社員の立場、お客様の立場、お取引先様の立場と、いずれも「相手の立場に立ちきる」という共通する考え方があります。当社グループは、この考え方の下、人類の叡知により築き上げられた科学的成果を全社員の探求心と努力により発展、継承するとともに、次代の夢をコンピュータのソフトウエアという商品として実現させ、社会に提供することにより、社会の進歩と発展に寄与することを会社の目的としております。 (2) 経営戦略等当社グループでは2024年11月に2025年度から2027年度を対象とする中期経営計画をリリースいたしました。中期経営計画では当社グループ並びに当社グループのステークホルダーが抱える課題や建設業界全体の中長期的な外部環境の変化を見据え、当社グループが提供する価値が社会的なインパクトを創出し、ステークホルダーとともに成長していくことを基本方針とし中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画の基本方針に則し、当社グループではコアビジネスであるCADシステムの漸進的成長を企図し、データプラットフォーム機能の提供、アプリケーションの拡充に取り組んでまいります。また、新たなビジネスモデルの展開として、サービスプラットフォームをローンチし、当社ユーザーに対し、当社グループ以外のソリューションも提供することで、ユーザーの生産性向上に資する幅広いサービスを提供してまいります。さらには共通データ環境の構築によりデータを一元管理することで、総合的な省力化・省人化の支援を進めてまいります。コアビジネスの拡大、新たなビジネスモデルの展開そして共通データ環境の構築などのイノベーションを加速させるため、データドリブン経営の推進、営業機能の効率化によるユーザーへの機能提供の向上にも取り組んでまいります。最後に、中期経営計画の実現のために、人的資本やその他成長投資、R&D、設備投資にも積極的に取り組むことで、着実かつスピード感を持って計画を進めてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2025年度から2027年度を対象とする中期経営計画において、ROEを目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として新たに定めました。リソースの最適な配分により、更なる売上の増加、また収益の向上を目指し、各事業においてバリューチェーンを見直すことで、ROEの目標達成に努めてまいります。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、建築業界では少子高齢化や世帯数の減少により市場の縮小が見込まれております。測量土木業界では、公共投資は短期的には一定の需要が見込まれますが、中長期的には人口減少や財政上の制約などを背景に市場の縮小が見込まれております。一方で、建設業界で急速に広まったテレワークや遠隔臨場への対応は、今後の当社グループがソリューションの提供により支援できる課題として捉えております。このように、建築・測量・土木分野に携わる企業は、厳しい経営環境の下、生き残りをかけた経営が求められております。当社グループは、こうした企業の遅れているとされるICTの活用を積極的かつ総合的に支援していくことが社会的使命であると認識しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの市場である建設業界は、少子高齢化、財政の逼迫に伴って中長期的に市場規模の縮小が懸念されます。また、建設業界は、BIM図面審査の開始や、働き方改革による労働時間短縮・週休二日を前提とした工程計画の見直しの対応に加え、気候変動対策として建築分野では省エネ基準への適合義務化、土木分野では防災・減災を図る国土強靭化需要の拡大など、人的リソースを制限しつつ、従来を上回る基準の達成が求められる状況となっております。そのような状況の中、当社グループでは、業務のより一層の効率化を支援するべく、新たな製品・サービスの開発を含めた当社ソリューションによる建設業界全体のDX推進を重要な課題として捉えております。建設業界の課題解決を推進することで市場の活性化を促し、当社グループの製品・サービスの需要を増加させる好循環のビジネスモデルを構築するため、以下の課題に取り組み、対応力の増強を図るとともにサステナビリティ経営の強化に努めてまいります。また、公表しております当社と株式会社ダイテックホールディングとの合併におきましては、株主総会における合併契約の承認を前提に、当社の既存の事業に同社の建築設備業の設計~施工~維持管理を網羅するシステム事業を加えることで建設ライフサイクルの全てを網羅する事業体制を構築し、強力なシナジーの創出及び事業領域の拡大を見込んでおります。合併効力発生日の2027年4月1日に向け、経営統合に必要な各種手続きの処理や綿密な社内調整に努め、経営統合の効果を最大限に発揮することで、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様に持続的な価値を提供できる企業を目指してまいります。 ① 新製品・新サービスの創出及び新規事業開発当社グループでは、中期経営計画にサービス領域とステークホルダーへの影響範囲の拡大を掲げており、新たな製品・サービスの創出及び提供方法の見直しが課題であると考えております。この課題に対処するため、2024年12月より新たに展開しております建設業界に特化したサービス提供プラットフォーム「FC Apps Direct」につきましては、着実に掲載企業・サービスの数を増やしており、引き続き、自社の製品・サービスのみならず、建設テック企業の革新的なサービスの紹介・提供を通じて、各ユーザーの多様なニーズに応えていくとともに、建設業界のDX推進及び当社グループの営業基盤のより一層の拡大を図ってまいります。また、投資事業(CVC:コーポレートベンチャーキャピタル)を通じ、当社グループの事業領域と関連性の高い優れたサービスやビジネスモデルを持つスタートアップやベンチャー企業との技術・ノウハウの共有、ビジネスパートナーシップの構築などを図り、新規事業開発に取り組んでまいります。② 建設業のDX推進当社グループは、調査・設計分野の建築・測量システムにおいて大きなシェアを有しておりますが、建設業界のDX推進にあたり、さらに施工・維持管理・情報共有分野における製品・サービスの開発強化を課題として捉えております。引き続き、ユーザーニーズに合致したシステムの開発及びサポート体制を充実させることにより、既存ユーザーの満足度向上を図るとともに、国策や法改正等を踏まえた市場のニーズを見極め、建設業界のDX推進を支援してまいります。③ コーポレートガバナンスの強化当社グループでは、独立社外取締役の選任やリスク管理、コンプライアンス活動、任意の諮問委員会の導入等を通じて、コーポレートガバナンスを強化してまいりました。また、毎年第三者機関を通じて取締役会の実効性評価を実施しており、その都度会社の意思決定機関として改善すべき課題を抽出のうえ、社外を含む全取締役で議論し実効性の確保及びそのブラッシュアップに努めております。加えて、昨今の課題であるサステナビリティ経営をより一層推進するため、当社グループ各社の経営トップを委員とし、社外取締役をオブザーバーとするサステナビリティ推進委員会を設けております。また、リスク・コンプライアンス委員会と連携し、当社グループを中心とした取引先やユーザーを取り巻く外部環境の変化及びそのリスクと機会を見極め、グループ全体でのサステナビリティ経営をより一層進めてまいります。引き続き、着実な事業の推進を支え、持続的な企業価値向上を後押しする経営基盤の強化の観点から、ガバナンス機能の強化及び法令遵守・内部統制の組織的整備に取り組んでまいります。④ 人的資本への投資と職場環境等への配慮当社グループでは、中期経営計画における重点施策を迅速かつ確実に遂行するためには、人的資本の充実が重要であり、イノベーティブ挑戦や事業持続性の向上を実現できる優秀な人材の確保及び社員教育が欠かせないと考えております。また、当社が求める人物像を明確にしたうえで、公正性・納得性・透明性の高い人事制度を構築し、経営戦略と強く結びつけながら、積極的な人的資本投資に取り組んでおります。その上で、等級や役職に応じたスキルコンピテンシーや行動基準を確立のうえ、透明度高く社内展開することで、社員一人一人の目標をより明確なものとし、社員が最大限のパフォーマンスを発揮し、さらなる成長と活躍を達成できる職場環境整備や企業風土の醸成にも取り組んでまいります。⑤ 気候変動対策・環境配慮の取り組み当社グループでは、TCFD提言に沿ったシナリオ分析を行い、気候変動がもたらす直接的な影響は軽微であると判断しておりますが、当社グループの市場である建設業界における影響は大きくなると予想され、市場の変化を見越した機会とリスクの見極めが課題となります。そのため、自社の再生エネルギー活用等の取り組みを進めるだけでなく、建設業界に対して最先端のICTソリューションを提供することで、建設業界のDX推進を通じてGHG排出量低減に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。なお、当該将来に関する事項については、取締役会で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。 (1) 経営方針当社グループの経営理念に「全員経営」「商品開発の考え方」「販売のための考え方」があります。・「全員経営」では、社員のオープンでフラットな体制でプライドと人権を尊重します。・「商品開発の考え方」は、商品の良し悪しを決定できるのはお客様のみであるという考え方です。・「販売のための考え方」は、商品をお客様にお使いいただくようになるまでが販売であるとの考え方を示しております。さらに、経営理念のこの3つの考え方には、社員の立場、お客様の立場、お取引先様の立場と、いずれも「相手の立場に立ちきる」という共通する考え方があります。当社グループは、この考え方の下、人類の叡知により築き上げられた科学的成果を全社員の探求心と努力により発展、継承するとともに、次代の夢をコンピュータのソフトウエアという商品として実現させ、社会に提供することにより、社会の進歩と発展に寄与することを会社の目的としております。 (2) 経営戦略等当社グループでは2024年11月に2025年度から2027年度を対象とする中期経営計画をリリースいたしました。中期経営計画では当社グループ並びに当社グループのステークホルダーが抱える課題や建設業界全体の中長期的な外部環境の変化を見据え、当社グループが提供する価値が社会的なインパクトを創出し、ステークホルダーとともに成長していくことを基本方針とし中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画の基本方針に則し、当社グループではコアビジネスであるCADシステムの漸進的成長を企図し、データプラットフォーム機能の提供、アプリケーションの拡充に取り組んでまいります。また、新たなビジネスモデルの展開として、サービスプラットフォームをローンチし、当社ユーザーに対し、当社グループ以外のソリューションも提供することで、ユーザーの生産性向上に資する幅広いサービスを提供してまいります。さらには共通データ環境の構築によりデータを一元管理することで、総合的な省力化・省人化の支援を進めてまいります。コアビジネスの拡大、新たなビジネスモデルの展開そして共通データ環境の構築などのイノベーションを加速させるため、データドリブン経営の推進、営業機能の効率化によるユーザーへの機能提供の向上にも取り組んでまいります。最後に、中期経営計画の実現のために、人的資本やその他成長投資、R&D、設備投資にも積極的に取り組むことで、着実かつスピード感を持って計画を進めてまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2025年度から2027年度を対象とする中期経営計画において、ROEを目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として新たに定めました。リソースの最適な配分により、更なる売上の増加、また収益の向上を目指し、各事業においてバリューチェーンを見直すことで、ROEの目標達成に努めてまいります。 (4) 経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、建築業界では少子高齢化や世帯数の減少により市場の縮小が見込まれております。測量土木業界では、公共投資は短期的には一定の需要が見込まれますが、中長期的には人口減少や財政上の制約などを背景に市場の縮小が見込まれております。一方で、建設業界で急速に広まったテレワークや遠隔臨場への対応は、今後の当社グループがソリューションの提供により支援できる課題として捉えております。このように、建築・測量・土木分野に携わる企業は、厳しい経営環境の下、生き残りをかけた経営が求められております。当社グループは、こうした企業の遅れているとされるICTの活用を積極的かつ総合的に支援していくことが社会的使命であると認識しております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの市場である建設業界は、少子高齢化、財政の逼迫に伴って中長期的に市場規模の縮小が懸念されます。また、建設業界は、BIM図面審査の開始や、働き方改革による労働時間短縮・週休二日を前提とした工程計画の見直しの対応に加え、気候変動対策として建築分野では省エネ基準への適合義務化、土木分野では防災・減災を図る国土強靭化需要の拡大など、人的リソースを制限しつつ、従来を上回る基準の達成が求められる状況となっております。そのような状況の中、当社グループでは、業務のより一層の効率化を支援するべく、新たな製品・サービスの開発を含めた当社ソリューションによる建設業界全体のDX推進を重要な課題として捉えております。建設業界の課題解決を推進することで市場の活性化を促し、当社グループの製品・サービスの需要を増加させる好循環のビジネスモデルを構築するため、以下の課題に取り組み、対応力の増強を図るとともにサステナビリティ経営の強化に努めてまいります。また、公表しております当社と株式会社ダイテックホールディングとの合併におきましては、株主総会における合併契約の承認を前提に、当社の既存の事業に同社の建築設備業の設計~施工~維持管理を網羅するシステム事業を加えることで建設ライフサイクルの全てを網羅する事業体制を構築し、強力なシナジーの創出及び事業領域の拡大を見込んでおります。合併効力発生日の2027年4月1日に向け、経営統合に必要な各種手続きの処理や綿密な社内調整に努め、経営統合の効果を最大限に発揮することで、株主の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様に持続的な価値を提供できる企業を目指してまいります。 ① 新製品・新サービスの創出及び新規事業開発当社グループでは、中期経営計画にサービス領域とステークホルダーへの影響範囲の拡大を掲げており、新たな製品・サービスの創出及び提供方法の見直しが課題であると考えております。この課題に対処するため、2024年12月より新たに展開しております建設業界に特化したサービス提供プラットフォーム「FC Apps Direct」につきましては、着実に掲載企業・サービスの数を増やしており、引き続き、自社の製品・サービスのみならず、建設テック企業の革新的なサービスの紹介・提供を通じて、各ユーザーの多様なニーズに応えていくとともに、建設業界のDX推進及び当社グループの営業基盤のより一層の拡大を図ってまいります。また、投資事業(CVC:コーポレートベンチャーキャピタル)を通じ、当社グループの事業領域と関連性の高い優れたサービスやビジネスモデルを持つスタートアップやベンチャー企業との技術・ノウハウの共有、ビジネスパートナーシップの構築などを図り、新規事業開発に取り組んでまいります。② 建設業のDX推進当社グループは、調査・設計分野の建築・測量システムにおいて大きなシェアを有しておりますが、建設業界のDX推進にあたり、さらに施工・維持管理・情報共有分野における製品・サービスの開発強化を課題として捉えております。引き続き、ユーザーニーズに合致したシステムの開発及びサポート体制を充実させることにより、既存ユーザーの満足度向上を図るとともに、国策や法改正等を踏まえた市場のニーズを見極め、建設業界のDX推進を支援してまいります。③ コーポレートガバナンスの強化当社グループでは、独立社外取締役の選任やリスク管理、コンプライアンス活動、任意の諮問委員会の導入等を通じて、コーポレートガバナンスを強化してまいりました。また、毎年第三者機関を通じて取締役会の実効性評価を実施しており、その都度会社の意思決定機関として改善すべき課題を抽出のうえ、社外を含む全取締役で議論し実効性の確保及びそのブラッシュアップに努めております。加えて、昨今の課題であるサステナビリティ経営をより一層推進するため、当社グループ各社の経営トップを委員とし、社外取締役をオブザーバーとするサステナビリティ推進委員会を設けております。また、リスク・コンプライアンス委員会と連携し、当社グループを中心とした取引先やユーザーを取り巻く外部環境の変化及びそのリスクと機会を見極め、グループ全体でのサステナビリティ経営をより一層進めてまいります。引き続き、着実な事業の推進を支え、持続的な企業価値向上を後押しする経営基盤の強化の観点から、ガバナンス機能の強化及び法令遵守・内部統制の組織的整備に取り組んでまいります。④ 人的資本への投資と職場環境等への配慮当社グループでは、中期経営計画における重点施策を迅速かつ確実に遂行するためには、人的資本の充実が重要であり、イノベーティブ挑戦や事業持続性の向上を実現できる優秀な人材の確保及び社員教育が欠かせないと考えております。また、当社が求める人物像を明確にしたうえで、公正性・納得性・透明性の高い人事制度を構築し、経営戦略と強く結びつけながら、積極的な人的資本投資に取り組んでおります。その上で、等級や役職に応じたスキルコンピテンシーや行動基準を確立のうえ、透明度高く社内展開することで、社員一人一人の目標をより明確なものとし、社員が最大限のパフォーマンスを発揮し、さらなる成長と活躍を達成できる職場環境整備や企業風土の醸成にも取り組んでまいります。⑤ 気候変動対策・環境配慮の取り組み当社グループでは、TCFD提言に沿ったシナリオ分析を行い、気候変動がもたらす直接的な影響は軽微であると判断しておりますが、当社グループの市場である建設業界における影響は大きくなると予想され、市場の変化を見越した機会とリスクの見極めが課題となります。そのため、自社の再生エネルギー活用等の取り組みを進めるだけでなく、建設業界に対して最先端のICTソリューションを提供することで、建設業界のDX推進を通じてGHG排出量低減に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における日本経済は、諸外国の施策による影響や資源・エネルギー価格の高騰、物価高の影響が続いており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。建設業界では、人手不足や長時間労働の課題に加え、人件費や資材価格の高騰、働き方改革による残業時間上限規制への対応が求められており、積極的なDXやデジタル化への投資が行われています。このような環境の下、当社グループ(当社及び連結子会社)における当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高16,653百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益7,263百万円(前年同期比19.4%増)、経常利益7,483百万円(前年同期比20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,313百万円(前年同期比3.0%増)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(建築システム事業)建築システム事業の売上高は8,032百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益は3,181百万円(前年同期比26.3%増)となりました。当連結会計年度は、建築システム事業の全事業において新規顧客の獲得が進むとともに、既存顧客におけるライセンス(アカウント)増設が順調に推移したことに加え、価格改定による単価改善効果が通期にわたり寄与し、ARR(注1)及びARPA(注2)の拡大に結びつきました。また、製品売上も好調に推移し、住宅建材事業では2025年4月に施行された建築基準法改正に伴う設計対応需要の高まりを的確に捉え、法改正対応プログラムの販売が大きく伸長いたしました。BIM事業においては、BIM確認申請制度の開始に向けた制度整備の進展を背景に、市場の関心が段階的に高まる中で国産BIMソフトの強みを活かし、売上が伸長いたしました。これらの結果、前年同期比で増収増益となりました。(測量土木システム事業)測量土木システム事業の売上高は7,861百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益は3,691百万円(前年同期比7.4%増)となりました。当連結会計年度においては、国土交通省が推進するi-ConstructionやBIM/CIMの普及、国土地理院による作業規程の改正等の市場動向を的確に捉え、これらに対応した製品・機能の提供を進めたほか、新たな3次元表現技術である3D Gaussian Splatting(3DGS)の読込みへの対応を行ったことにより、関連ソフトウエアの売上増加につながりました。 また、上記製品に関するストック型サービス売上の増加および価格改定による単価改善効果が通期にわたり寄与し、ARR(注1)及びARPA(注2)の拡大に結びつきました。各事業では、測量事業において、3次元対応ソフトウエアの導入及び更新に関する提案強化に加え、設計分野への提案拡大を図った結果、売上は堅調に推移いたしました。土木事業においても、従来の3次元関連製品の拡販に加え、AR技術への対応が奏功し、売上拡大に寄与いたしました。 これらの結果、前年同期比で増収増益となりました。(ITソリューション事業)ITソリューション事業の売上高は759百万円(前年同期比18.0%増)、営業利益は580百万円(前年同期比20.0%増)となりました。当連結会計年度は、2025年7月に行われた参議院議員選挙及び2026年2月に行われた衆議院議員選挙にかかわる売上を計上しており、前年同期比で増収増益となりました。(投資事業)当社グループの事業領域と関連性の高い優れたサービスやビジネスモデルを持つスタートアップやベンチャー企業を投資対象としております。技術やノウハウの共有、ビジネスパートナーシップの構築などを図ることにより、相互に成長を促進し、社会的な課題解決に貢献するシステムの構築にも積極的に取り組んでおります。なお、当連結会計年度の営業損失は運営経費による4百万円(前年同期は営業損失4百万円)となっております。 (注1)ARR:ストック売上(使用権、保守サービス売上)における年間定期収益(注2)ARPA:ARRを3月末時点の契約企業社数で割り返し算出 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)期末残高は、前連結会計年度末より312百万円増加し21,485百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因につきましては以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、6,089百万円(前連結会計年度は5,652百万円の獲得)となっております。主な要因としましては、税金等調整前当期純利益6,800百万円、減価償却費347百万円、投資有価証券評価損845百万円、前受金の増加262百万円、法人税等の支払額2,130百万円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、4,329百万円(前連結会計年度は2,968百万円の使用)となっております。主な要因としましては、定期預金の預入による支出3,400百万円、投資有価証券の取得による支出4,611百万円、投資有価証券の償還による収入3,900百万円、有形固定資産の取得による支出289百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により使用した資金は、1,447百万円(前連結会計年度は1,345百万円の使用)となっております。主な要因としましては、配当金の支払いによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)建築システム事業(百万円)7,782116.5測量土木システム事業(百万円)7,566110.4ITソリューション事業(百万円)759118.0投資事業(百万円)--合計(百万円)16,108113.6 (注) 金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b.商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)建築システム事業(百万円)167112.1測量土木システム事業(百万円)23787.1ITソリューション事業(百万円)--投資事業(百万円)--合計(百万円)40595.9 c.受注実績当社グループは、主にパッケージソフトウエアの開発及び販売を行っており、個別受注に基づく製品の生産の割合が少ないため記載を省略しております。 d.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)建築システム事業(百万円)8,032116.3測量土木システム事業(百万円)7,861109.7ITソリューション事業(百万円)759118.0投資事業(百万円)--合計(百万円)16,653113.2 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当該将来に関する事項については、取締役会で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。a.経営成績等1) 財政状態(資産)当連結会計年度末における総資産は、36,816百万円となり、前連結会計年度末より3,772百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金の増加によるものであります。(負債)負債合計は6,737百万円となり、前連結会計年度末より795百万円増加しました。主な要因は、未払法人税等及び前受金の増加によるものであります。(純資産)純資産は30,078百万円となり、前連結会計年度末より2,976百万円増加しました。これに伴い、自己資本比率は81.7%となっております。 2) 経営成績(売上高)当連結会計年度における日本経済は、諸外国の施策による影響や資源・エネルギー価格の高騰、物価高の影響が続いており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。建設業界では、人手不足や長時間労働の課題に加え、人件費や資材価格の高騰、働き方改革による残業時間上限規制への対応が求められており、積極的なDXやデジタル化への投資が行われています。このような環境の下、当社グループ(当社及び連結子会社)における当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高16,653百万円(前年同期比13.2%増)となりました。当連結会計年度においては、建築基準法改正への対応、国土交通省が推進するi-ConstructionやBIM/CIM原則適用といった国策への対応に加え、製品の価格改定による単価改善効果もあり、過去最高の売上高となりました。ストックビジネスである保守サービスの売上高につきましても堅調に契約数を伸ばしております。選挙関連の売上高につきましても、昨年度は2024年10月に行われた衆議院選挙の出口調査システムにかかわる売上を計上しておりますが、今年度は2025年7月に行われた参議院選挙、2026年2月に行われた衆議院選挙の売上を計上しており、増収増益となっております。なお、セグメント別売上高につきましては、後述しております。 (営業費用)当連結会計年度の営業費用は、前年同期比757百万円増加の9,389百万円となっております。これは主に、人件費の増加、経営統合にかかる調査及びコンサルティング費用の増加等によるものであります。また、当社の特徴としましては費用に占める人件費の割合が高く、営業費用の62.7% (前年同期は64.9%)を占めております。 (営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の営業利益は、前年同期比1,178百万円増加の7,263百万円となっております。営業外損益では、営業外収益が220百万円となり、経常利益は前年同期比1,272百万円増加の7,483百万円となっております。 特別損益では、保有しております投資有価証券に係る売却益161百万円、評価損845百万円を計上しております。法人税等2,487百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比123百万円増加の4,313百万円となっております。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に挙げておりますとおり、当社グループの今後の成長と発展のためには、人材への投資が重要であると認識しております。そのために、採用、育成及び教育に注力してまいります。 b.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高の分析)全体の売上高としまして、前年度14,717百万円、当年度16,653百万円となっており、当年度は前年同期比13.2%増加しております。建築システム事業の売上高が1,127百万円、測量土木システム事業の売上高が692百万円、ITソリューション事業の売上高が116百万円増加したことによります。(建築システム事業)当連結会計年度における建築システム事業の売上高は、前年同期比1,127百万円増加の8,032百万円となっております。2025年4月に施行の建築基準法改正に対応した法改正対応プログラム関連製品の販売が大幅に伸長しました。 営業費用は、前年同期比465百万円増加の4,850百万円となっております。その結果、営業利益は、前年同期比661百万円増加の3,181百万円となっております。(測量土木システム事業)当連結会計年度における測量土木システム事業の売上高は、前年同期比692百万円増加の7,861百万円となっております。国土交通省が推進するi-Constructionへの対応、また、新たな3次元表現技術である3DGSの読込への対応を行ったことによる関連製品の売上が順調に推移しました。営業費用は、前年同期比439百万円増加の4,170百万円となっております。その結果、営業利益は前年同期比252百万円増加の3,691百万円となっております。(ITソリューション事業)当連結会計年度におけるITソリューション事業の売上高は、前年同期比116百万円増加の759百万円となっております。これは、先述の選挙における実施規模の差による影響であります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報1) キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2事業の状況 4(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。2) 資金需要当社グループにおける資金使途としましては、主たる事業が建築・測量・土木ソフトウエアの開発及び販売であることから、開発部門及び営業部門の人件費が中心となる営業費用、配当金や税金の支払いなどとなっております。また2025年度から2027年度を対象とする中期経営計画において、市場深堀やイノベーションの新規市場開拓を目標にさらなる成長に向け努めており、目標達成のためのCVC投資、また事業拡大を先導するためのR&D投資も行ってまいります。3) 将来投資将来を見据え、次のような投資を検討の上、行ってまいります。・建築、測量、土木が揃う「当社グループの強み」が活きるビジネスへの投資・BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)、CIM(コンストラクション インフォメーション モデリング/マネジメント)の推進につながる投資・「メーカー」としての更なる成長のため、開発力の向上、新研究開発への投資4) 財政政策当社グループでは、現在、運転資金及び設備投資資金、CVC投資資金、R&D投資資金につきましては、内部資金で賄うこととしております。自己株式取得につきましては、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能にするため、必要と判断した場合、市場環境、当社の財政状態を鑑みながら行ってまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2025年度から2027年度を対象とする中期経営計画において、ROEを目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として新たに定めました。リソースの最適な配分により、更なる売上の増加、また収益の向上を目指し、各事業においてバリューチェーンを見直すことで、投入するリソースと利益水準を改善してまいります。