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ストライダーズ(9816)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • 不動産事業
    ストライダーズグループは、子会社のトラストアドバイザーズを中心に、レジデンス(居住用賃貸物件)の管理、ビルマネジメント、賃貸仲介、不動産売買、家賃保証、内装工事など多岐にわたる不動産関連サービスを提供しています。これにより、安定した賃料収入や不動産取引による収益を主な収入源としています。
  • ホテル事業
    成田ゲートウェイホテルや倉敷ロイヤルアートホテルなどのホテルを保有・運営し、宿泊や飲食サービスを提供することで収益を得ています。インバウンド需要の回復や国内観光の活性化を背景に、ホテル運営による売上を追求しています。
  • 投資事業
    STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE. LTD.などを通じて、アジア圏を中心とした国内外の企業やスタートアップへの投資を行っています。M&Aやベンチャー投資を通じて、キャピタルゲインや配当収入を狙う事業モデルです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 不動産事業
    このセグメントは、レジデンス事業、ビルマネジメント、賃貸仲介、不動産売買、家賃保証、内装事業など、多岐にわたる不動産関連サービスを提供しています。最新年度の売上高は64.17602億円、営業利益は2.51315億円と、グループの主要な収益源となっています。
  • ホテル事業
    このセグメントは、ホテルの保有・運営管理を行っており、宿泊や飲食サービスを提供しています。最新年度の売上高は11.37032億円ですが、営業利益は-0.30473億円と赤字であり、収益性の改善が課題となっています。
  • 投資事業
    このセグメントは、アジア圏を中心とした投資事業を展開しており、国内外の上場・未上場企業への投資を行っています。最新年度の売上高は0.02億円と小規模で、営業利益は-0.21268億円と赤字であり、今後の投資成果が注目されます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
RealEstateBusinessSegmentReportableSegment 地域 64 3 3.9%
HotelBusinessSegmentReportableSegment 地域 11 -0 -2.7%
InvestmentReportableSegment 事業 0 -0 -1,063.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|618 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社(株式会社ストライダーズは事業投資・グループ経営管理)と子会社7社及び関連会社2社により構成されており、不動産事業、ホテル事業及び投資事業を主な事業として行っております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。事業の内容と関係会社の状況は、以下の通りであります。なお、次の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 [事業の内容] 事業区分事業内容取扱会社不動産事業・レジデンス事業、ビルマネジメント事業、 賃貸仲介事業、不動産売買事業・家賃保証事業・内装事業㈱トラストアドバイザーズ㈱東京アパートメント保証㈱日本橋TAKUMIホテル事業・ホテルの保有・運営管理成田ゲートウェイホテル㈱㈱倉敷ロイヤルアートホテル投資事業・アジア圏を中心とした投資事業STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE. LTD.M&Aグローバル・パートナーズ㈱OMUSUBI CAPITAL VCCその他・特許の先行技術調査・企業再生再編事業㈱みらい知的財産技術研究所 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
ホテル事業において資材・サービス価格高騰、人件費増加を適正なサービス価格へ転嫁できない可能性。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
不動産事業は宅地建物取引業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律等に基づく免許が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:不動産事業における法的規制等に関するリスク / ホテル事業における自然災害のリスク / 投資事業におけるカントリーリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ストライダーズの事業内容(不動産賃貸・管理、不動産仲介等)において、特許やブランド力、規制ライセンス等による明確な無形資産の優位性は確認できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

不動産賃貸・管理事業においては、既存の賃借人との契約関係や、新たな物件探し・契約の手間を考慮すると、一定のスイッチング・コストが存在する可能性がある。しかし、その程度は限定的と判断される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ストライダーズの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は発生しない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産業界において、ストライダーズが他社と比較して構造的に低いコストで物件を取得・管理・運営できるような優位性は見られない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

不動産賃貸・管理事業は規模の経済が働く側面があるが、ストライダーズの現在の事業規模や市場シェアを考慮すると、業界全体に対して最適化された少数寡占を形成するほどの優位性は限定的である。

  • 多角的な事業展開
    不動産、ホテル、投資の3つの事業を主軸とすることで、特定の市場変動リスクを分散し、安定した収益基盤の構築を目指しています。各事業が持つ強みを活かし、相互に連携することでシナジー効果を高める戦略です。
  • 地域創生への貢献
    ホテル事業では「地域創生・地域活性化」をテーマに掲げ、地域の魅力を引き出す空間づくりや観光資源との連携を推進しています。これにより、地域社会との共生を図りながら、持続的な事業成長を目指しています。
  • アジア投資ネットワーク
    投資事業においては、数年にわたる南・東南アジア地域への投資を通じて、ファンド運営に関する知見と海外投資家とのネットワークを構築しています。これにより、成長著しいアジア市場での新たな投資機会を捉えることが可能です。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 企業理念と挑戦
    企業理念として「挑戦する個人・企業を応援し、すべてのステークホルダーと感動体験を共有し、より良い世界を創造する」を掲げています。この理念のもと、不動産、ホテル、投資の3事業を主軸に、挑戦者と共に成長し、持続的な企業価値向上を目指しています。
  • 事業ポートフォリオ強化
    前期に実施した事業ポートフォリオの見直しを経て、不動産、ホテル、投資の3事業を中核とする事業会社体制へと移行しました。今後は各事業の収益基盤を強化し、グループ全体としての戦略的な連携を推進することで、再編後の基盤強化と成長戦略の両立を図ります。
  • DXと人材育成
    不動産事業ではDX化の推進と賃貸管理サービスのラインナップ強化により高付加価値サービスを提供し、ホテル事業では運営効率の見直しと柔軟なプライシング戦略を策定します。また、人的資本経営を重視し、柔軟かつ能動的に変化に対応できる人材の育成と外部専門人材との連携を進め、新たな事業機会の創出を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針「挑戦する個人・企業を応援し、すべてのステークホルダーと感動体験を共有し、より良い世界を創造する」ことを企業理念に掲げ、‘Stride with Challengers(挑戦者達と共に闊歩する)’というコーポレートスローガンを合言葉に、子会社7社及び関連会社2社から構成される当社グループでは不動産、ホテル、投資の3事業を主軸として、企業活動を展開しております。不動産事業は「豊かな居住空間の実現」を、ホテル事業は「地域創生・地域活性化」を、投資事業は「アジアの投資家・スタートアップとの連携」を重要テーマに掲げ、また親会社である当社が日本とアジアをつなぐゲートウェイとしての役割を担いながら、これら3つの事業領域のそれぞれの事業が持つ強みを活かし、時代の変化や社会課題に対応した柔軟な事業展開を進めることにより、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、共にシナジーをより高めてまいります。さらに当社グループでは、事業を通じてスポーツ、アート、日本の伝統文化の発展を支援することで、経済だけでなく社会の活性化にも寄与していく所存であります。他方で、サステナブルな循環型社会への移行が求められる中、企業には社会の一員としての責任ある役割が問われております。また、経営環境の不確実性が高まり変化の激しい時代を迎える中、企業価値の源泉としての「人材」の重要性は一段と高まっており、当社グループにおいても人的資本経営への取り組みが重要な経営課題であると認識しております。こうした認識のもと、柔軟かつ能動的に変化へ対応できる人材の育成に加え、外部の専門人材やパートナーとの連携を進めてまいります。当社グループは、これらの取り組みを通じて既存事業の価値をさらに高めるとともに、新たな事業機会の創出にも取り組み、今後も企業理念の実現に向けて挑戦と成長を続けてまいります。 (2) 経営戦略当社グループは、前期に実施した事業ポートフォリオの見直しを経て、不動産、ホテル、投資の3事業を中核とする事業会社体制へと移行いたしました。本年度はこの新たな体制のもと、各事業の収益基盤の強化を図るとともに、グループ全体としての戦略的な連携を推進してまいりました。今後も、当社グループは再編後の基盤強化と成長戦略の両立を図りながら、持続的な企業価値向上を目指してまいります。 こうした全社戦略を受けて、主軸となる各事業の事業戦略は以下の通りとなります。不動産事業の中核であるレジデンス事業においては、「豊かな居住空間の実現」を掲げ、居住用賃貸物件の管理戸数を着実に拡大しながら、安定した収益基盤の構築に取り組んでまいりました。今後はDX化のさらなる推進と、賃貸管理サービスのラインナップ強化を通じて、より付加価値の高いサービスを提供してまいります。加えて、リフォームや原状回復・リノベーションといった空室物件を再生する機能をグループ内で内製化・拡張することで、収益機会の取り込みと、これまで蓄積してきた賃貸管理ノウハウとの相乗効果を図り、柔軟かつ高付加価値なサービス提供を目指してまいります。ホテル事業においては、「地域創生・地域活性化」をテーマに、地域の魅力を引き出す空間づくりと観光資源との連携を通じて、地域社会との共生を図る運営を推進しております。また、インバウンド需要の回復や国内観光の多様化、さらには会議・研修等の法人需要の再拡大を見据え、運営を実施してまいりました。成田ゲートウェイホテルでは運営効率の見直しと柔軟なプライシング戦略の策定に取り組んでおり、外部委託に依拠した費用構造から自社運営によるサービス品質と収益性の同時向上を目指してまいります。2024年5月から業務支援を開始しておりますホテル・アローレについては、当社グループが「地域創生」コンセプトのもとで運営する第二の中核拠点として位置づけており、地域文化と調和した宿泊体験の提供、ならびに周辺地域の事業者・自治体との協創を通じ、収益性の改善と企業価値向上の両立を目指してまいります。当社グループのホテル・地域創生事業は、それぞれの地域に根差し、その地域に活力を生み、多様なステークホルダーの協創の場となる空間の形成を目指しております。今後、成田、加賀、熊本といったそれぞれ特色の異なる地域において、これらの拠点が協創拠点としての役割を担い、地域社会に持続的な価値を提供できるよう取り組みを進めてまいります。投資事業においては、これまで数年にわたり南・東南アジア地域への投資を通じて、ファンド運営に関する知見の蓄積や海外投資家とのネットワーク構築を積極的に進めてまいりました。シンガポールを拠点とする「Omusubi Venture Fund I」のファーストクローズを完了し、南・東南アジアのスタートアップを対象とした投資活動を本格的に開始しております。また、国内においても不動産・ホテル分野へのインバウンド投資需要が高まる中、当社グループが投資家と案件をつなぐファシリテーターとしての役割を果たすことで、主力事業である不動産・ホテル事業との相乗効果の創出を図ります。これらの取り組みを通じ、経済的価値の創出にとどまらず、日本の伝統文化の発信や地域活性化にも貢献してまいります。 (3) 経営環境わが国経済は、個人消費やインバウンド需要の回復により緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学リスクの高まりや、これに伴う資源価格・エネルギーコストの変動、米国の通商政策をはじめとする海外の政策動向、為替・金利環境の変化など、先行き不透明な外部環境が続いております。当社グループは、価格体系の見直し、人材投資、AI技術の活用を通じた業務革新により、こうした変化に柔軟に対応し、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。こうしたなか、当社グループの不動産事業、とりわけ主力のレジデンス事業については、賃貸管理を中心とした安定的な運営を継続しております。首都圏のマンション価格上昇や金利動向の変化といった市況変化の影響は限定的であり、市場は概ね安定して推移しております。また、一都三県を主要な営業エリアとすることで住宅需要も堅調に推移しており、現時点では家賃や稼働率に関する大きなリスクは顕在化しておりません。今後も需要動向を注視しつつ、安定収益の確保に努めてまいります。ホテル・地域創生事業については、歴史的な円安等を背景に、インバウンド観光需要はコロナ禍前を上回る水準まで回復しております。一方で、訪日外国人の消費行動の変化や地域ごとの需要の偏在といった新たな課題も顕在化しており、その対応は一層高度化・複雑化しております。また、慢性的な人手不足が続く中で、オペレーションの効率化や従業員のマルチタスク化など、サービス提供体制そのものの見直しが不可欠となっております。当社グループとしても、これらの変化に柔軟かつ機動的に対応すべく、体制の再構築と業務改革に取り組んでまいります。また、投資事業については、依然として不透明な要素は残るものの、南・東南アジアのベンチャーキャピタル市場は徐々に回復基調にあります。加えて、円安の進行や各国との景気格差を背景に、日本国内の不動産・ホテル等への海外企業・投資家の関心は今後さらに高まっていくものと見込んでおり、当社グループはこうした投資需要を取り込むことで、事業機会の拡大につなげてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① グループ経営管理の強化機動的な事業展開を可能にするために、7社の連結子会社より構成されたグループ会社の経営状況の適時な把握に努めるほか、グループの経営管理を強化すべく、事業執行権限の見直しと業務報告体制の整備を実施してまいります。また、グループ間の資金管理を一元化等することで、より効率的な事業基盤を確立してまいります。② 内部経営資源の有効活用迅速かつ効果的な経営判断をする為に、グループ情報の共有化や幹部間による情報交換等、グループ間のコミュニケーション体制を確保してまいります。また、社員研修等によるグループ共通人材の育成に注力することにより、グループ間の連携強化とグループシナジーを追求してまいります。③ 内部統制・コンプライアンス体制の構築会社法・金融商品取引法を踏まえた内部統制の整備については、グループ各社において、業務プロセスの文書化、可視化によるルール整備を進めております。また、コンプライアンスにつきましても、当社グループの企業行動憲章や社員行動規範等をグループ内で周知徹底するとともに、社員研修等による教育を実施しております。④ 外部経営資源の積極的な活用当社グループの持続的な発展に向け、当社の企業理念等に適合するM&Aやエクイティ投資に加え、地域の金融機関を含む幅広い内外の企業・機関との提携を積極的に推進してまいります。これにより、外部経営資源の有効活用を図り、事業成長と企業価値の向上を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針「挑戦する個人・企業を応援し、すべてのステークホルダーと感動体験を共有し、より良い世界を創造する」ことを企業理念に掲げ、‘Stride with Challengers(挑戦者達と共に闊歩する)’というコーポレートスローガンを合言葉に、子会社7社及び関連会社2社から構成される当社グループでは不動産、ホテル、投資の3事業を主軸として、企業活動を展開しております。不動産事業は「豊かな居住空間の実現」を、ホテル事業は「地域創生・地域活性化」を、投資事業は「アジアの投資家・スタートアップとの連携」を重要テーマに掲げ、また親会社である当社が日本とアジアをつなぐゲートウェイとしての役割を担いながら、これら3つの事業領域のそれぞれの事業が持つ強みを活かし、時代の変化や社会課題に対応した柔軟な事業展開を進めることにより、持続的な成長と企業価値の向上を目指し、共にシナジーをより高めてまいります。さらに当社グループでは、事業を通じてスポーツ、アート、日本の伝統文化の発展を支援することで、経済だけでなく社会の活性化にも寄与していく所存であります。他方で、サステナブルな循環型社会への移行が求められる中、企業には社会の一員としての責任ある役割が問われております。また、経営環境の不確実性が高まり変化の激しい時代を迎える中、企業価値の源泉としての「人材」の重要性は一段と高まっており、当社グループにおいても人的資本経営への取り組みが重要な経営課題であると認識しております。こうした認識のもと、柔軟かつ能動的に変化へ対応できる人材の育成に加え、外部の専門人材やパートナーとの連携を進めてまいります。当社グループは、これらの取り組みを通じて既存事業の価値をさらに高めるとともに、新たな事業機会の創出にも取り組み、今後も企業理念の実現に向けて挑戦と成長を続けてまいります。 (2) 経営戦略当社グループは、前期に実施した事業ポートフォリオの見直しを経て、不動産、ホテル、投資の3事業を中核とする事業会社体制へと移行いたしました。本年度はこの新たな体制のもと、各事業の収益基盤の強化を図るとともに、グループ全体としての戦略的な連携を推進してまいりました。今後も、当社グループは再編後の基盤強化と成長戦略の両立を図りながら、持続的な企業価値向上を目指してまいります。 こうした全社戦略を受けて、主軸となる各事業の事業戦略は以下の通りとなります。不動産事業の中核であるレジデンス事業においては、「豊かな居住空間の実現」を掲げ、居住用賃貸物件の管理戸数を着実に拡大しながら、安定した収益基盤の構築に取り組んでまいりました。今後はDX化のさらなる推進と、賃貸管理サービスのラインナップ強化を通じて、より付加価値の高いサービスを提供してまいります。加えて、リフォームや原状回復・リノベーションといった空室物件を再生する機能をグループ内で内製化・拡張することで、収益機会の取り込みと、これまで蓄積してきた賃貸管理ノウハウとの相乗効果を図り、柔軟かつ高付加価値なサービス提供を目指してまいります。ホテル事業においては、「地域創生・地域活性化」をテーマに、地域の魅力を引き出す空間づくりと観光資源との連携を通じて、地域社会との共生を図る運営を推進しております。また、インバウンド需要の回復や国内観光の多様化、さらには会議・研修等の法人需要の再拡大を見据え、運営を実施してまいりました。成田ゲートウェイホテルでは運営効率の見直しと柔軟なプライシング戦略の策定に取り組んでおり、外部委託に依拠した費用構造から自社運営によるサービス品質と収益性の同時向上を目指してまいります。2024年5月から業務支援を開始しておりますホテル・アローレについては、当社グループが「地域創生」コンセプトのもとで運営する第二の中核拠点として位置づけており、地域文化と調和した宿泊体験の提供、ならびに周辺地域の事業者・自治体との協創を通じ、収益性の改善と企業価値向上の両立を目指してまいります。当社グループのホテル・地域創生事業は、それぞれの地域に根差し、その地域に活力を生み、多様なステークホルダーの協創の場となる空間の形成を目指しております。今後、成田、加賀、熊本といったそれぞれ特色の異なる地域において、これらの拠点が協創拠点としての役割を担い、地域社会に持続的な価値を提供できるよう取り組みを進めてまいります。投資事業においては、これまで数年にわたり南・東南アジア地域への投資を通じて、ファンド運営に関する知見の蓄積や海外投資家とのネットワーク構築を積極的に進めてまいりました。シンガポールを拠点とする「Omusubi Venture Fund I」のファーストクローズを完了し、南・東南アジアのスタートアップを対象とした投資活動を本格的に開始しております。また、国内においても不動産・ホテル分野へのインバウンド投資需要が高まる中、当社グループが投資家と案件をつなぐファシリテーターとしての役割を果たすことで、主力事業である不動産・ホテル事業との相乗効果の創出を図ります。これらの取り組みを通じ、経済的価値の創出にとどまらず、日本の伝統文化の発信や地域活性化にも貢献してまいります。 (3) 経営環境わが国経済は、個人消費やインバウンド需要の回復により緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学リスクの高まりや、これに伴う資源価格・エネルギーコストの変動、米国の通商政策をはじめとする海外の政策動向、為替・金利環境の変化など、先行き不透明な外部環境が続いております。当社グループは、価格体系の見直し、人材投資、AI技術の活用を通じた業務革新により、こうした変化に柔軟に対応し、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。こうしたなか、当社グループの不動産事業、とりわけ主力のレジデンス事業については、賃貸管理を中心とした安定的な運営を継続しております。首都圏のマンション価格上昇や金利動向の変化といった市況変化の影響は限定的であり、市場は概ね安定して推移しております。また、一都三県を主要な営業エリアとすることで住宅需要も堅調に推移しており、現時点では家賃や稼働率に関する大きなリスクは顕在化しておりません。今後も需要動向を注視しつつ、安定収益の確保に努めてまいります。ホテル・地域創生事業については、歴史的な円安等を背景に、インバウンド観光需要はコロナ禍前を上回る水準まで回復しております。一方で、訪日外国人の消費行動の変化や地域ごとの需要の偏在といった新たな課題も顕在化しており、その対応は一層高度化・複雑化しております。また、慢性的な人手不足が続く中で、オペレーションの効率化や従業員のマルチタスク化など、サービス提供体制そのものの見直しが不可欠となっております。当社グループとしても、これらの変化に柔軟かつ機動的に対応すべく、体制の再構築と業務改革に取り組んでまいります。また、投資事業については、依然として不透明な要素は残るものの、南・東南アジアのベンチャーキャピタル市場は徐々に回復基調にあります。加えて、円安の進行や各国との景気格差を背景に、日本国内の不動産・ホテル等への海外企業・投資家の関心は今後さらに高まっていくものと見込んでおり、当社グループはこうした投資需要を取り込むことで、事業機会の拡大につなげてまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① グループ経営管理の強化機動的な事業展開を可能にするために、7社の連結子会社より構成されたグループ会社の経営状況の適時な把握に努めるほか、グループの経営管理を強化すべく、事業執行権限の見直しと業務報告体制の整備を実施してまいります。また、グループ間の資金管理を一元化等することで、より効率的な事業基盤を確立してまいります。② 内部経営資源の有効活用迅速かつ効果的な経営判断をする為に、グループ情報の共有化や幹部間による情報交換等、グループ間のコミュニケーション体制を確保してまいります。また、社員研修等によるグループ共通人材の育成に注力することにより、グループ間の連携強化とグループシナジーを追求してまいります。③ 内部統制・コンプライアンス体制の構築会社法・金融商品取引法を踏まえた内部統制の整備については、グループ各社において、業務プロセスの文書化、可視化によるルール整備を進めております。また、コンプライアンスにつきましても、当社グループの企業行動憲章や社員行動規範等をグループ内で周知徹底するとともに、社員研修等による教育を実施しております。④ 外部経営資源の積極的な活用当社グループの持続的な発展に向け、当社の企業理念等に適合するM&Aやエクイティ投資に加え、地域の金融機関を含む幅広い内外の企業・機関との提携を積極的に推進してまいります。これにより、外部経営資源の有効活用を図り、事業成長と企業価値の向上を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度のわが国経済は、個人消費やインバウンド需要の回復を背景に緩やかな持ち直しを見せる一方、中東での紛争激化などの地政学的リスクの継続や資源価格の上昇により、依然として不透明な外部環境が続いています。当社グループでは、価格体系の見直しや業務の効率化に加え、人材投資およびAI活用の推進を通じて収益力の強化を図り、変化の激しい経営環境に柔軟かつ機動的に対応しながら、持続的な成長を目指してまいります。このような経済状況下、当社グループ(当社及び連結子会社)では、こうした足元のマクロ経済環境に注視しつつ、日本とアジアをつなぐゲートウェイとしての役割を担うという経営方針の下、継続して変化に対応できる会社体制の再構築を行い、中長期では再現性のある成長を実現する組織体制の構築に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の業績は売上高8,213百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益197百万円(前年同期比314.7%増)、経常利益247百万円(前年同期比191.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益205百万円(前年同期比372.2%増)となりました。セグメントの業績は、次のとおりであります。 <不動産事業>不動産事業につきましては、株式会社トラストアドバイザーズにおいてマンションオーナー向けのリーシング及び賃貸管理とマンション建物の受託管理を行うレジデンス事業、ならびにマンションオーナーの購入・売却ニーズに対応する不動産売買事業を、株式会社東京アパートメント保証において家賃保証事業を営んでおります。レジデンス事業は、前年同期比でサブリース賃貸借契約の賃料水準に大きな変化はありませんでしたが、管理戸数物件の増加を要因として空室率が上昇したことにより前年と比べ家賃収入が減少となったのに対し、不動産売買事業においては、マンションオーナーの購入・売却ニーズを着実に取り込み、取扱件数の増加や案件採算の改善が進んだことから、売上高及び営業利益ともに前年同期比で増加いたしました。さらにレジデンス事業の周辺サービスである家賃保証事業につきましては、事業規模の拡大及び収益性の安定化が進展したことにより、前年同期比で増収増益を達成しております。その結果、当連結会計年度の不動産事業の売上高は、レジデンス事業の周辺サービスの拡充を主要因として、6,850百万円(前年同期比6.7%増)となり、営業利益は312百万円(前年同期比24.4%増)となりました。 <ホテル事業>ホテル事業につきましては、現在、成田空港エリアで成田ゲートウェイホテル、倉敷美観地区エリアで倉敷ロイヤルアートホテルを運営しております。成田ゲートウェイホテル株式会社は、訪日外国人旅行者の増加などインバウンド需要の拡大という外部環境の追い風を受け、稼働率及び販売可能客室1室あたり売上はいずれも前四半期の平均を上回る水準で推移いたしました。こうした要因には、訪日外国人観光客の増加を背景としたインバウンド需要の回復、プライシング戦略による適切な価格設定を行ったことが挙げられます。一方で、業務委託費・人件費・動力光熱費の高騰に加え、当連結会計年度下半期に発生した中東米国情勢の地政学的リスクや中国団体のキャンセルなどインバウンド需要を大きく押し下げる要因がありましたが、当連結会計年度においては、前年同期比を上回る売上となり増収増益となりました。株式会社倉敷ロイヤルアートホテルが所在する岡山県倉敷市では、歴史的街並みが残る美観地区を中心とした倉敷地区ならではの観光資源を背景に、国内外から安定した観光需要を獲得しております。こうした立地特性を活かし、団体営業の強化による安定的な集客を図るとともに、多様な国・地域からの訪日外国人観光客の誘客を進めることで、特定市場への依存を抑えた需要構造を構築しております。また、アートや文化をテーマとしたホテルコンセプトと地域資源を掛け合わせることで、倉敷滞在の付加価値を高め、観光需要の裾野拡大と収益性の向上を両立させております。これらの取り組みが奏功し、需要変動リスクの低減と収益基盤の安定化が進み、当連結会計年度においては、前年同期比を上回る売上となり、結果的に増収増益となりました。こうした両ホテルの業績を合算した結果、成田ゲートウェイホテルプライシング戦略と倉敷ロイヤルアートホテルの観光需要の拡大により、セグメント全体では増収増益、当連結会計年度のホテル事業の売上高は1,311百万円(前年同期比15.2%増)となり、営業利益は98百万円(前年同期は営業損失30百万円)となりました。 <投資事業>当社グループの投資事業につきましては、M&Aグローバル・パートナーズ株式会社において国内投資事業を、STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.において海外投資事業を営んでおります。当連結会計年度におきましては、世界的な経済・金融市場の先行き不透明感が継続する環境下、新規投資に関しては引き続き慎重なスタンスを維持しつつ、国内市場における成長余地の見極めを進めてまいりました。具体的には、中小企業の事業承継ニーズや、インバウンド需要の回復を背景とした観光関連分野を中心に、情報収集及び案件の精査を継続しております。また海外投資においては、国内に加え、南・東南アジア及び欧州を対象地域とし、スタートアップ投資を中心に検討を進めております。特に、アグリテック、ヘルステック、エンターテインメントといった分野に注目し、将来的な成長性や事業シナジーの観点から投資機会の探索を行ってまいりました。M&Aグローバル・パートナーズ株式会社においては、当社が2025年6月16日に完了した第三者割当増資において取得した資金を活用し、地方観光地におけるヴィラ型宿泊施設の建設・運営を行う新規事業への投資を進めております。STRIDERS GLOBAL INVESTMENT PTE.LTD.においては、シンガポールを拠点にこれまでの投資を基盤としたファンド組成を進行させており、2026年3月5日には、経営として参画しているOmusubi Capital VCCにて、同社が運営するOmusubi Venture Fund Iは、このたびファーストクローズを完了し、初回投資を実行しております。この結果、当連結会計年度の投資事業の売上高は61百万円(前年同期比2,962.4%増)となり、営業利益は27百万円(前年同期は営業損失21百万円)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は3,561百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円増加しました。これは主に関係会社短期貸付金が200百万円増加した一方で、現金及び預金が130百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は1,954百万円となり、前連結会計年度末に比べ46百万円減少しました。これは主に長期貸付金が150百万円減少したこと等によるものであります。この結果、総資産は5,516百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円増加しました。(負債)当連結会計年度末における流動負債は1,085百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円増加しました。これは主に契約負債が44百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が22百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は1,617百万円となり、前連結会計年度末に比べ373百万円減少しました。これは主に長期借入金307百万円、繰延税金負債76百万円が減少したこと等によるものであります。この結果、負債合計は2,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ332百万円減少しました。(純資産)当連結会計年度末における純資産は2,814百万円となり、前連結会計年度末に比べ350百万円増加しました。これは主に第三者割当増資により資本金と資本剰余金を92百万円ずつ、親会社株主に帰属する当期純利益205百万円を計上したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は、50.9%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ131百万円減少しました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は286百万円(前年同期は258百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益201百万円、減価償却費108百万円を加算要因とした一方で、法人税等の支払額63百万円などが減算要因となったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は263百万円(前年同期は859百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出69百万円、出資金の払込による支出109百万円及び関係会社短期貸付けによる支出200百万円により使用された一方で、長期貸付金の回収による収入150百万円により獲得されたこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は170百万円(前年同期は783百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による収入199百万円、株式の発行による収入184百万円があった一方で、長期借入金の返済550百万円、配当金の支払い40百万円による資金の支出があったこと等によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループでは、生産を行う事業形態ではないため、記載しておりません。 b.受注実績当社グループでは、受注販売を行う事業形態ではないため、記載しておりません。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)不動産事業(千円)6,839,2296.6ホテル事業(千円)1,310,75615.3投資事業(千円)61,2482,962.4報告セグメント計(千円)8,211,2348.7その他(千円)2,400△99.0合計(千円)8,213,6345.5 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10未満であるため記載しておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績及び財政状態の状況に関する分析・検討内容当連結会計年度は、前年度に表明した「選択と集中」及び「地域創生」を中核とする中期方針のもと、グループ全体として実行フェーズへと本格的に移行した1年となりました。社会情勢の落ち着きと国内外の旅客需要の回復基調を背景に、不動産・ホテル・投資の各事業領域において、収益基盤の質的転換に向けた具体的な施策を着実に推進してまいりました。とりわけ、当連結会計年度末日後における倉敷ロイヤルアートホテルの事業譲渡、加賀地区における新たなホテル「ホテル・アローレ」の物件取得、ならびにOmusubi Venture Fund Iのファーストクローズ完了等は、当該方針の具現化を象徴する成果と位置づけております。あわせて、ガバナンス面においては監査等委員会設置会社への移行後も内部統制の高度化に継続的に取り組み、ホールディングスとしての統括機能と各事業会社の自律的執行機能の適切なバランスの維持・強化を図ってまいりました。翌連結会計年度におきましては、引き続きグループガバナンス体制及び経営基盤を整備しつつ、外部環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できる持続可能な経営体制の確立を目指してまいります。中長期的な企業価値の向上を見据え、経営判断の質とスピードの両立を図るとともに、コーポレート・ガバナンスの実効性を一層高めるべく、取締役会の監督機能と業務執行の分離を徹底し、透明性の高い意思決定と説明責任を重視した経営体制の運営を継続してまいります。さらに、将来の不確実性を見据えたリスクマネジメント体制の高度化にも取り組み、変化を先取りし適応する企業文化の醸成を通じて、経営の持続可能性を高めてまいります。なお、翌連結会計年度より、従来の「ホテル事業」を中核としつつ周辺領域へと拡張した取り組みを「ホテル・地域創生事業」として再定義し、報告セグメント名称を変更する予定であります。 不動産セグメントの主力であるレジデンス事業は、安定した市場環境のもと堅調に推移しており、当連結会計年度においては空室率が上昇し減収減益になったものの、レジデンス事業の周辺サービスの拡充に伴い前年同期比で増収増益を達成いたしました。翌連結会計年度においても大きな市況変動は想定しておらず、引き続き一都三県を中心とした首都圏全域において管理戸数の拡大を進めることで、安定収益の確保と持続的な成長の実現を図ってまいります。また、周辺サービスである家賃保証事業は、事業規模の拡大及び収益性の安定化に伴い、不動産事業の収益源の新たな柱になりつつあります。今後は既存のレジデンス事業とのシナジーを一層深化させ、より効率的かつ付加価値の高いサービス提供を図ることで、グループ全体の収益基盤強化に寄与していくものと見込んでおります。加えて、当連結会計年度においては、リフォーム及び空室再生機能を担うグループ会社として株式会社日本橋TAKUMIを設立し、不動産事業のバリューチェーンを内製化・拡張する取り組みに着手いたしました。翌連結会計年度より稼働させることで、原状回復・リノベーション領域における収益機会の取り込みと、レジデンス事業との連携による稼働率の維持・向上を同時に推進してまいります。業界全体の課題であるデジタルトランスフォーメーションに関しても、顧客の潜在ニーズを取りこぼすことがないよう、引き続き業界を率先して取り組んでまいります。 ホテルセグメントの中核である成田ゲートウェイホテルでは、当連結会計年度において客室稼働率及び客室平均単価ともに前年を上回る水準で推移し、インバウンド需要の堅調な回復及び柔軟なプライシング戦略が奏功いたしました。また、運営オペレーションにおいては、空港送迎シャトルバスの自社運営化(2026年4月開始、自社車両及び自社雇用ドライバーによる運行体制への移行)、ならびにホテル直営カフェ「GATE CAFE」の直営化を実施し、外部委託に依拠した費用構造から自社運営によるサービス品質と収益性の同時向上へと転換を図っております。これら内製化施策は当連結会計年度末をもって概ね完了しており、翌連結会計年度においては内製化の効果を見込んでおります。なお、成田空港の機能拡張計画により、当該地域は千葉県内でも成長が最も期待されるエリアと位置づけられ、空港関連を中心とした工事需要の増加及び地元金融機関・企業との連携の進展が見込まれております。当ホテルにおきましても、地域発展の機会を着実に取り込むべく、外部連携を一層強化してまいります。同じくホテルセグメントの倉敷ロイヤルアートホテルでは、当連結会計年度の前半において集客が平常水準に回復し、宴会需要も回復基調を示したことにより、前年同期比で増収となりました。一方、グループ全体の「選択と集中」の方針に基づき、当連結会計年度末日後である2026年5月1日付にて、当該ホテルの事業を株式会社アイコニア・ホスピタリティへ譲渡することを決定し、同日付にて譲渡を完了しております。当該譲渡により得られる資金は、成田圏を中心とした成長投資、ならびに加賀地区における新規ホテル「ホテル・アローレ」の物件取得・運営原資へと機動的に再配分する方針であります。「ホテル・アローレ」は、当社グループが「地域創生」コンセプトのもとで運営する第二の中核拠点として位置づけており、地域文化と調和した宿泊体験の提供、ならびに周辺地域の事業者・自治体との協創を通じ、収益性の改善と企業価値向上の両立を目指してまいります。あわせて、熊本地区においてもヴィラホテルの組み入れに向けた検討を進めており、翌連結会計年度以降、地域創生セグメントの拠点ポートフォリオを段階的に拡充してまいります。当社グループのホテル・地域創生事業は、それぞれの地域に根差し、その地域に活力を生み、多様なステークホルダーの協創の場となる空間の形成を目指しております。今後、成田、加賀、熊本といったそれぞれ特色の異なる地域において、これらの拠点が協創拠点としての役割を担い、地域社会に持続的な価値を提供できるよう取り組みを進めてまいります。 投資セグメントのStriders Global Investment Pte. Ltd.では、当連結会計年度中に、シンガポールを拠点とする「Omusubi Venture Fund I」のファーストクローズを完了し、南・東南アジアのスタートアップを対象とした投資活動を本格的に開始いたしました。当社内におけるファンド運営ノウハウは着実に蓄積されつつあり、翌連結会計年度においては当該ファンドの規模拡大及び新規投資案件の組成・実行を進めてまいります。また、当社が持つ海外投資家ネットワークを活用し、当社グループの事業領域である不動産やホテル等を対象とした、日本国内へのインバウンド投資のファシリテートにも引き続き注力してまいります。 他方、財政状態の状況につきましては、資本効率を考慮した上で長期借入金を返済した結果、総負債は前連結会計年度末に比べ332百万円減少し、2,702百万円となった一方で、本業における利益計上や第三者割当増資に伴う増加がこれを上回り、純資産は前連結会計年度末に比べ350百万円増加し、2,814百万円となりました。また、長期借入金の返済により現金及び預金は減少したものの、総資産は前連結会計年度末に比べ18百万円増加の5,516百万円となりました。 経営方針、経営戦略ならびに経営上の目標の達成状況を把握するための客観的な指標等につきましては、当社グループでは事業の規模拡大と収益力の向上のために「売上高」と「営業利益」を採用しております。また、その他の指標等については、以下のとおりとなっております。 a.自己資本比率について当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は50.9%となり、前連結会計年度末の44.8%より、6.1ポイント増加いたしました。これは、財政状態の状況において先述したとおり、当連結会計年度末における純資産が2,814百万円と前連結会計年度末に比べ350百万円増加し、また、総資産は5,516百万円と前連結会計年度末に比べ18百万円増加したことによります。当社グループとしましては、今後も資本効率に留意しながら、経営環境の変化に応じ、バランスの取れた自己資本の水準を維持してまいります。 b.デットエクイティレシオについて当社グループの当連結会計年度末におけるデットエクイティレシオ(有利子負債/自己資本)は0.60倍となり、前連結会計年度末の0.80倍から0.20ポイント低下しております。これは、当連結会計年度において長期借入金を307百万円返済したことに起因するものであります。今後も、財務の健全性と機動的な資本政策の両立を図りながら、適切なデットエクイティレシオの維持に努めてまいります。 c.自己資本利益率について当社グループの当連結会計年度末における自己資本利益率は7.8%となり、前連結会計年度末の1.8%より6.0ポイント上昇いたしました。これは、経営成績の状況において先述したとおり、親会社株主に帰属する当期純利益が205百万円(前年同期比372.2%増)であったことによります。当社グループでは、市場における投資家の期待リターンを踏まえ、自己資本利益率10%を中期的な目標値として、収益性の向上及び資本効率の改善に取り組んでまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは286百万円の獲得となり、前連結会計年度比で27百万円の収入の増加となりました。これは、株式会社トラストアドバイザーズの営業活動によるキャッシュ・フローの増加と、成田ゲートウェイホテルの設備投資に伴う減価償却費の増加が主要因であります。当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは263百万円の支出となり、前連結会計年度比で595百万円の支出の減少となりました。これは、株式会社ホテル・アローレに対する業務支援の際に生じた貸付金の支出を主要因としております。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは170百万円の使用となり、前連結会計年度比で953百万円の減少となりました。これは、資本効率を考慮した上で長期借入金を返済したことを主要因としております。こうした結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,980百万円となり、前連結会計年度比で131百万円減少しております。 当社グループのキャッシュ・フローは、主に事業会社における営業活動からの安定的な資金創出を基盤としており、これにより運転資金をはじめとする通常の資金需要を賄っております。加えて、企業価値の向上に資する成長投資については、グループ各社において金融機関から資金調達を実施する方針を取っており、機動的な対応を可能とするため、主要取引金融機関との良好かつ継続的な関係を構築・維持し、必要に応じた資金調達を可能とする体制を整えております。資金運営においては、自己資本比率やデットエクイティレシオ等の財務指標に基づいた健全性の確保を基本方針としており、調達手段の多様化・長期化を視野に入れた柔軟な財務戦略を推進しております。また、手元資金については、短期的な安全性と中長期的な成長機会を両立させる適切な水準の維持に努めており、余剰資金は安定的な株主還元や戦略的投資の原資として有効に活用してまいります。今後も引き続き、事業特性や外部環境の変化を踏まえながら、キャッシュ・フローの安定性と資金流動性の確保を両立し、財務基盤の強化と資本効率の向上に努めてまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える見積り及び仮定が必要になります。経営者はこれらの見積り及び仮定について、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積り及び仮定に基づく数値には特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 不動産市場の変動
    不動産事業は、法的規制の変更、競争激化、賃料収入の減少、礼金・更新料制度の変更、不動産市況の悪化などのリスクに直面しています。これらの要因により、入居率の低下や売買価格の下落が発生し、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • ホテル運営の課題
    ホテル事業は、自然災害、資材・サービス価格の高騰、人件費の増加、人材確保の困難さ、新たなパンデミックの流行、食中毒などの衛生問題といったリスクを抱えています。これらの事象が発生した場合、営業停止や費用増加、顧客離れにより、収益性が悪化する可能性があります。
  • 投資事業の不確実性
    投資事業は、投資先の経済情勢、法的規制、政治的要因、通貨変動などのカントリーリスク、および事業投資全般に伴う経済情勢の影響を受けます。投資先の業績悪化や投資環境の変化により、投資回収が困難になったり、損失が発生したりする可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,453 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 不動産事業に関するリスク① 法的規制等に関するリスクについて当社グループの不動産事業については、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが不動産事業者として、「宅地建物取引業法」及び「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等に基づく免許を受け、事業展開しており、当該法令の法的規制等を受けております。当社グループではこれらの法的規制等を遵守するよう努めておりますが、法令違反が発生した場合や今後、これらの法令の改廃や新たな法的規制等が設けられる場合には事業活動に制約を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競争環境の激化当社グループの不動産事業については、新規参入等により競合他社が他業種と比べ多く存在し、不動産分野においてはIT技術、とりわけAIエージェントを活用した新しいサービスが次々に開発されるなど、技術革新も進んでいます。当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズにおいても、こうした競合環境の中、新しい取り組みを進め、顧客満足を高めるサービスを展開しておりますが、競争激化により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 賃料収入の減少当社グループの不動産事業では、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが不動産オーナーから借上げた賃貸不動産を入居者へ転貸し、入居者から得られる賃料収入を収入源としております。賃貸不動産に対するニーズは景気の変動に影響を受けやすく、今後、経済情勢の悪化や都心部からの人口流出などにより、入居率が低下した場合、賃料収入が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 礼金・敷引金・更新料制度の変更・廃止当社グループの不動産事業では、当社連結子会社である株式会社トラストアドバイザーズが、賃貸不動産入居者との賃貸借契約において、新規入居時に礼金や敷引金を、契約更新時に更新料を設定し、礼金・敷引金・更新料を受領しています。これは不動産業界の一般的な慣行であり、最高裁判所の判決では一定の条件のもとで更新料の有効性等が認められておりますが、仮に上記金銭を返還しなければならなくなった場合、もしくは将来、これら金銭を受領することができなくなった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 不動産市況の悪化当社グループの不動産事業において、不動産に関連する税制改正や金融機関の融資姿勢の変化など、不動産投資にマイナスの影響が出る事象が発生し、不動産取引が低迷した場合、不動産売買事業における販売額・件数等が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) ホテル事業に関するリスク① 自然災害近い将来、その発生の切迫性が指摘される大規模地震や、気候変動の影響により猛威を振るう水災害等、我が国における自然災害の発生リスクは年々高まりを見せております。当社グループのホテル事業において、仮に大規模地震や台風等の自然災害が発生した場合、当社グループの所有する建物、施設等に損害を及ぼし、一時的な営業停止による売上減や修復のための費用負担が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 資材・サービス価格の高騰、人件費の増加世界的なサプライチェーンの分断や急激な円安、我が国の物価上昇と歩調を合わせた賃上げ、さらには過重労働の解消に向けた政策的な取り組みが、あらゆる資材・サービス価格、人件費などを急速に押し上げ、ホテル業界に限らず、事業運営を圧迫する状況が続いております。こうした状況下で、適正なサービス価格への転嫁を実現できない場合には、ホテル事業の採算が悪化し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 必要な人材を確保できないリスク新型コロナウイルス感染症の影響により長期の停滞を余儀なくされた我が国のホテル業界においてはその間、他業界への人材の流出が起こり、正常化後も依然として、人材の空洞化が顕著な状況にあります。こうした適正な人員確保が難しい状況は、インバウンド需要の急速な高まりや旺盛な内需の取り込みを阻害する要因となり、大幅な収益機会のロスにつながる可能性が懸念されます。 ④ 新型コロナウイルス感染症に代わる、新たなパンデミックの流行世界経済は新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機の克服に際し、科学技術は飛躍的進歩を遂げた一方で、気候変動による生態系の変化は、新型コロナウイルス感染症に続く第2、第3のパンデミックを引き起こす危険を常に孕んでおります。こうした新型コロナウイルス感染症に代わる、新たなパンデミックが世界的に流行した場合、再び遠距離移動や団体行動の制限が起きることが十分に予想され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えられます。 ⑤ 食中毒等、食の安全性に関する問題当社グループのホテル事業では、レストラン、宴会場等において食事や飲料を提供しており、衛生管理に係るマニュアルの整備や従業員に対する教育指導の徹底等、衛生管理体制の強化に努めておりますが、万が一、食中毒や食品衛生上の問題が発生した場合、一定期間の営業停止等の処分を受ける可能性がある他、イメージの低下等により顧客離れが起こり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 投資事業に関するリスク① 投資先のカントリーリスク等当社グループの投資事業においては次に掲げる特有のリスクが考えられ、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。イ.経済情勢や競合他社の活動状況ロ.予測しえない法律や規則の施行・制定、税制の変更ハ.戦争、疾病、テロ、デモ等による社会的混乱ニ.不利な政治的要因の発生ホ.通貨価値や為替相場の変動 (4) その他のリスク① 事業投資に関連したリスク当社グループは、グループ全体の発展のために事業投資を行っており、さまざまな投資形態を採用し、国内外で上場・未上場を問わず投資対象を選定しております。そのため、国内外の経済情勢等の影響を受け、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、投資先企業に対して派遣した当社役職員が損害賠償請求等をされた場合、当社グループに使用者責任及び当該賠償金額を負担する義務が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 風評被害当社グループの事業に対して、悪質なデマや誹謗中傷がSNSをはじめとする情報媒体等を介して行なわれた場合、当社グループ全体の健全な事業活動の運営に支障を来たし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 個人情報漏洩のリスク当社グループは、個人情報保護法により定められた個人情報の漏洩防止に努めるべく、個人情報の管理体制を整備しております。しかしながら、情報化社会における昨今の個人情報を取り巻く環境は年々複雑さを増しており、予期せぬ事態により個人情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の低下や当該漏洩事件に対応するために発生する費用等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 新株予約権による株式の希薄化リスク当社グループは役員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。新株予約権の権利行使が行われた場合、当社株式が新たに発行され、当社株式価値が希薄化する可能性があります。 ⑤ 財務制限条項に関するリスク当社グループは、一部の借入契約において一定の財務制限条項が設定されています。これらに抵触した場合、期限の利益を喪失し、借入金の一括返済等を求められる可能性があり、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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