事業の概要
- 水産物卸売事業ヨンキュウグループは、四国・九州の漁業協同組合や養殖業者から養殖魚を仕入れ、主に全国の中央卸売市場の荷受会社に販売しています。天然魚や加工品(ハマチフィーレなど)も取り扱い、幅広い水産物を供給することで収益を上げています。
- 餌料・飼料販売事業養殖業者向けに、養殖魚用の生餌、配合飼料、モイストペレットなどを販売しています。グループ内のマグロ養殖事業を行う日振島アクアマリン有限責任事業組合へも餌料・飼料を供給しており、養殖事業と連携したビジネスモデルを構築しています。
- 養殖事業と小売事業グループ会社の日振島アクアマリン有限責任事業組合でマグロ養殖、株式会社西日本養鰻でウナギ養殖を行い、自社で生産した魚を販売しています。また、株式会社最上鮮魚は鮮魚小売店や飲食店を運営し、消費者への直接販売も手掛けています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 鮮魚の販売事業この事業は、主に養殖魚や天然魚、加工品(ハマチフィーレなど)を全国の中央卸売市場の荷受会社に販売しています。最新年度の売上高は約288.4億円で、グループ全体の売上を大きく牽引する主力事業ですが、営業利益は約0.7億円と利益率は比較的低めです。
- 餌料・飼料の販売事業養殖業者向けに、養殖魚用の生餌や配合飼料などを販売しています。この事業の最新年度の売上高は約160.4億円で、鮮魚販売事業に次ぐ規模ですが、営業利益は約14.9億円と非常に高く、グループの収益の大部分を稼ぎ出す「稼ぎ頭」と言えます。
- その他の事業マグロ養殖、ウナギ養殖、人工ふ化事業、一般貨物運送事業、鮮魚小売業、飲食店などが含まれます。これらの事業は、グループ全体のバリューチェーンを補完し、多角的な収益源を確保しています。特に人工ふ化事業は高収益性を持つとされています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| SaleBusinessOfTheFreshFish | 地域 | 288 | 1 | 0.3% |
| SaleBusinessOfTheBaitChargesFeed | 地域 | 160 | 15 | 9.3% |
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3【事業の内容】 当社グループは、当社(株式会社ヨンキュウ)、連結子会社4社(株式会社海昇、四急運輸株式会社、日振島アクアマリン有限責任事業組合及び株式会社西日本養鰻)及び持分法適用関連会社1社(株式会社最上鮮魚)により構成しており、その事業内容は水産物卸売事業、一般貨物運送事業、マグロ養殖事業、ウナギ養殖事業及び鮮魚小売業であります。 当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントの関連は、次のとおりであります。 なお、下記の3部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 (1) 鮮魚の販売事業 当社及び株式会社海昇は、四国及び九州の漁業協同組合・養殖業者等から養殖魚を仕入れし、主に全国中央卸売市場の荷受会社に販売しております。また、天然魚やハマチフィーレ等の加工品の販売も行っております。 天然稚魚は、国内はもとより海外からも仕入れし、養殖業者等に販売しております。 人工ふ化事業では、タイの人工ふ化稚魚を生産し、養殖業者等に販売しております。 日振島アクアマリン有限責任事業組合では、マグロ養殖事業を行っており、当社との間でマグロの幼魚や成魚の取引が発生しております。 株式会社西日本養鰻は、ウナギの養殖及び販売を行っております。 株式会社最上鮮魚は、鮮魚小売、飲食店を営んでおります。(2) 餌料・飼料の販売事業 当社及び株式会社海昇は、養殖業者等に対し、養殖魚用の生餌・配合飼料・モイストペレット等を販売しております。また、子会社の日振島アクアマリン有限責任事業組合への餌料・飼料の取引が発生しております。(3) その他の事業 四急運輸株式会社は、一般貨物運送事業を営んでおり、一部当社の生餌の購入及び鮮魚の販売に係る運送を担当しております。 [事業の系統図] 以上で述べた事業を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注) 株式会社最上鮮魚は、持分法適用関連会社であります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 養殖魚の生産量と販売価格には密接な関係があり、供給過剰の場合には販売価格は低下。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 人工ふ化事業におけるタイのふ化・育成の研究並びに生産・販売は高収益性事業。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:経営成績の季節的変動と価格変動 / 自然災害、環境汚染、病気による被害 / 法的規制の強化や新たな規制の導入
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ヨンキュウ(9955)は卸売業であり、特許やブランド力に依存するビジネスモデルではない。特定の規制ライセンスや独占的IPも確認できないため、無形資産による競争優位性は低いと判断される。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
卸売業という性質上、顧客が他の卸売業者に乗り換える際の直接的な金銭的損失は小さいと考えられる。しかし、長年の取引で築かれた信頼関係や、特定のサプライヤーとの強固な関係性が、一定のスイッチング・コストを生み出している可能性はある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
卸売業は基本的にBtoBビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は期待できない。顧客が増えることでサービスの価値が向上するような構造ではない。
コスト優位★★☆☆☆
卸売業においては、仕入れ交渉力や物流効率がコスト競争力に影響する。ヨンキュウが長年の事業活動で培ったサプライヤーとの関係性や、効率的な物流網を持っている可能性はあるが、それが業界平均を大きく上回るレベルかは不明。
規模の経済★★★☆☆
卸売業は規模の経済が働きやすい業界である。ヨンキュウが特定のニッチ市場で一定のシェアを確保し、効率的なオペレーションを行っている場合、その規模が競争優位性につながる可能性がある。ただし、業界全体での寡占度は低いと推測される。
- 垂直統合と多角化ヨンキュウグループは、水産物の仕入れから卸売、養殖(マグロ、ウナギ)、餌料・飼料の販売、さらには運送、鮮魚小売、飲食店まで、水産関連の幅広い事業を手掛けています。これにより、各事業間の連携を強化し、安定した供給と収益源の多角化を図っています。
- 人工ふ化事業による高収益性タイの人工ふ化稚魚の生産・販売は、高収益性の事業として位置付けられています。自社で稚魚を生産することで、養殖業者への安定供給と高い利益率を確保し、グループ全体の収益向上に貢献しています。
- 強固な顧客基盤と物流網四国・九州の漁業協同組合や養殖業者との長年にわたる関係性により、安定した仕入れルートを確立しています。また、グループ会社の四急運輸株式会社が運送を担うことで、生餌の購入や鮮魚の販売における物流を効率化し、顧客への安定供給を支えています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 高収益事業の強化と効率化人工ふ化事業や加工事業の生産性・収益性向上、マグロ・ウナギ養殖事業の生産性向上と販路開拓を目指しています。また、在庫の適正化、計画的な販売・供給、債権の早期回収、コスト削減、品質・安全管理の徹底、物流効率化により、収益性の高い経営基盤を確立します。
- 組織力と顧客関係の強化首都圏を中心とした量販店や外食産業への販売を強化し、販路を拡大します。コーポレート・ガバナンスの強化、人材育成、社員の意識改革・能力開発を通じて営業力を高めます。また、生産者や市場関係者との関係を強化し、バランスの取れた経営を目指します。
- 持続可能な成長と海外展開売上の大半を占める鮮魚販売と餌料・飼料販売事業に注力し、グループ連携による相乗効果で収益向上を図ります。水産資源の持続的利用や環境配慮の取り組みを継続し、三崎加工場の新設移転やEU向け輸出認定取得により、加工事業を強化し米国・EUへの輸出を推進します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針 当社グループでは、以下の経営課題に積極的に取り組み、グループ全体で更なる成長を目指してまいります。①.収益性の高い経営基盤の確立を目指す。 ・付加価値の高い人工ふ化事業、加工事業の生産性及び収益性の向上を図る。 ・マグロ・ウナギ養殖事業では、生産性の向上、販路開拓及び取引先との良好な関係の構築を目指す。 ・生産者との関係強化・推進を図り、餌料・飼料の販路拡大を目指す。 ・在庫の適正化を推進し、計画的な販売・安定供給に努める。 ・計画的な鮮魚出荷及び餌料・飼料の販売推進により、債権の早期回収を図る。 ・事業の効率化推進(コスト削減、品質管理の徹底、安全管理体制の強化及び物流の効率化を図る。)②.組織力の強化を図る。 ・首都圏を中心とした量販店・外食等への販売推進を強化する。 ・コーポレート・ガバナンスの強化に努める。 ・人材を育成し、営業力の強化を図る。(社員の意識改革、能力開発に取り組む。)③.顧客との関係強化、推進を図る。 ・バランスのとれた経営の実現に向け、顧客(生産者・市場関係者等)との関係強化に努める。 (2) 経営戦略等 当社グループでは、売上高全体の約99%を「鮮魚の販売事業」及び「餌料・飼料の販売事業」の両事業が占めており、両事業の属する業界の動向並びに経営成績が連結決算に大きく影響いたします。 そのため、当該事業における方針や施策に注力し、また、グループが一体となって効率的な経営推進、グループ間連携による相乗効果を更に高め、収益向上に努めてまいります。また、「安定的な収益確保と持続的成長」を目指し、提携取引先と協働し水産資源の持続的利用や環境に配慮した取り組みを継続いたします。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループを取り巻く水産業界の動向や市場の価格動向などにより、当社グループの経営成績が大きく変動することから、中長期的な目標数値は設定しておりませんが、当連結会計年度における当初目標数値及びその達成状況は下記のとおりです。 連結売上高:450億円(達成率105.9%)、連結経常利益:26億円(達成率84.4%) なお、2026年3月末の株価純資産倍率(PBR)は、0.85倍となっております。 (4) 経営環境 当社グループを取り巻く水産業界は、海外においては、健康志向の高まりや新興国の経済成長を背景として、水産物消費は一貫して拡大している一方で、国内においては、消費者ニーズの多様化などにより国民一人あたりの魚類消費量は減少傾向にあり、経営環境は厳しい状況が継続しております。また、本年2月28日に米国・イスラエルによってイラン軍事衝突が勃発し、更なる諸物価の上昇が国民生活へ深刻な影響を及ぼすと懸念されております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 わが国の漁業・養殖業は、就業者数の減少、海洋環境の変化、水産資源の減少などにより生産量は減少傾向が継続しております。特に養殖業においては養殖コストの大部分を占める餌代の高止まりにより採算性が悪化し、さらに中東情勢の緊迫化を背景に燃料や資材費等の高騰も重なり経営環境は一段と厳しい状況となっています。 このような状況の中、当社グループは、取引先や消費者の皆様からの幅広いニーズにお応えするために、引き続き「安定的な収益確保と持続的な成長」を目指してまいります。 その具体的施策として、近年では三崎加工場の新設移転や食品安全システム(FSSC)22000の認証取得などにより、加工事業の強化を図ってまいりました。昨年は、本社及び三崎加工場でEU向け輸出水産食品取扱施設認定(EUHACCP)を取得し、資本業務提携先などを通じて米国向けのほか新たにEU向けの輸出も推進しております。さらに、今後は本社加工場の新設移転なども計画しており、引き続き鮮魚加工事業の強化・拡大を図ってまいります。 また、高コスト体質を抱えた生産者の経営安定化や水産資源の持続的利用、健全な漁場環境の保持を目指して提携取引先と協力のうえ配合飼料の低魚粉化や配合飼料原料の多様化についても引き続き推進してまいります。 近年、水産資源の枯渇が懸念される中で、養殖業は食糧確保の切り札ともみなされています。当社グループは、養殖業へのトータルサポートや、水産エコラベル(MEL認証)の取得などにより、水産資源の持続的利用や環境保護にも取り組み、安全・安心な美味しい魚の安定供給を追求し、事業活動を通じて「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも貢献してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針 当社グループでは、以下の経営課題に積極的に取り組み、グループ全体で更なる成長を目指してまいります。①.収益性の高い経営基盤の確立を目指す。 ・付加価値の高い人工ふ化事業、加工事業の生産性及び収益性の向上を図る。 ・マグロ・ウナギ養殖事業では、生産性の向上、販路開拓及び取引先との良好な関係の構築を目指す。 ・生産者との関係強化・推進を図り、餌料・飼料の販路拡大を目指す。 ・在庫の適正化を推進し、計画的な販売・安定供給に努める。 ・計画的な鮮魚出荷及び餌料・飼料の販売推進により、債権の早期回収を図る。 ・事業の効率化推進(コスト削減、品質管理の徹底、安全管理体制の強化及び物流の効率化を図る。)②.組織力の強化を図る。 ・首都圏を中心とした量販店・外食等への販売推進を強化する。 ・コーポレート・ガバナンスの強化に努める。 ・人材を育成し、営業力の強化を図る。(社員の意識改革、能力開発に取り組む。)③.顧客との関係強化、推進を図る。 ・バランスのとれた経営の実現に向け、顧客(生産者・市場関係者等)との関係強化に努める。 (2) 経営戦略等 当社グループでは、売上高全体の約99%を「鮮魚の販売事業」及び「餌料・飼料の販売事業」の両事業が占めており、両事業の属する業界の動向並びに経営成績が連結決算に大きく影響いたします。 そのため、当該事業における方針や施策に注力し、また、グループが一体となって効率的な経営推進、グループ間連携による相乗効果を更に高め、収益向上に努めてまいります。また、「安定的な収益確保と持続的成長」を目指し、提携取引先と協働し水産資源の持続的利用や環境に配慮した取り組みを継続いたします。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループを取り巻く水産業界の動向や市場の価格動向などにより、当社グループの経営成績が大きく変動することから、中長期的な目標数値は設定しておりませんが、当連結会計年度における当初目標数値及びその達成状況は下記のとおりです。 連結売上高:450億円(達成率105.9%)、連結経常利益:26億円(達成率84.4%) なお、2026年3月末の株価純資産倍率(PBR)は、0.85倍となっております。 (4) 経営環境 当社グループを取り巻く水産業界は、海外においては、健康志向の高まりや新興国の経済成長を背景として、水産物消費は一貫して拡大している一方で、国内においては、消費者ニーズの多様化などにより国民一人あたりの魚類消費量は減少傾向にあり、経営環境は厳しい状況が継続しております。また、本年2月28日に米国・イスラエルによってイラン軍事衝突が勃発し、更なる諸物価の上昇が国民生活へ深刻な影響を及ぼすと懸念されております。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 わが国の漁業・養殖業は、就業者数の減少、海洋環境の変化、水産資源の減少などにより生産量は減少傾向が継続しております。特に養殖業においては養殖コストの大部分を占める餌代の高止まりにより採算性が悪化し、さらに中東情勢の緊迫化を背景に燃料や資材費等の高騰も重なり経営環境は一段と厳しい状況となっています。 このような状況の中、当社グループは、取引先や消費者の皆様からの幅広いニーズにお応えするために、引き続き「安定的な収益確保と持続的な成長」を目指してまいります。 その具体的施策として、近年では三崎加工場の新設移転や食品安全システム(FSSC)22000の認証取得などにより、加工事業の強化を図ってまいりました。昨年は、本社及び三崎加工場でEU向け輸出水産食品取扱施設認定(EUHACCP)を取得し、資本業務提携先などを通じて米国向けのほか新たにEU向けの輸出も推進しております。さらに、今後は本社加工場の新設移転なども計画しており、引き続き鮮魚加工事業の強化・拡大を図ってまいります。 また、高コスト体質を抱えた生産者の経営安定化や水産資源の持続的利用、健全な漁場環境の保持を目指して提携取引先と協力のうえ配合飼料の低魚粉化や配合飼料原料の多様化についても引き続き推進してまいります。 近年、水産資源の枯渇が懸念される中で、養殖業は食糧確保の切り札ともみなされています。当社グループは、養殖業へのトータルサポートや、水産エコラベル(MEL認証)の取得などにより、水産資源の持続的利用や環境保護にも取り組み、安全・安心な美味しい魚の安定供給を追求し、事業活動を通じて「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも貢献してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度は、イラン軍事衝突勃発により中東地域からの原油供給停滞が長期化する懸念が高くなり、各種資材調達の困難や諸物価の上昇が続き個人消費への圧迫を一層強めております。 養殖業界におきましては、気候変動による温暖化の影響により赤潮の発生や海水温の上昇等によるリスク増大、また、配合飼料など原材料価格の高止まり等により、経営環境は厳しい状況が続いております。 こうした状況の中、当社グループの「鮮魚の販売事業」は、魚価が引き続き高値で推移したため増収となりました。また、「餌料・飼料の販売事業」も、生餌の販売数量が増加し増収となりました。 利益面については、養鰻事業が国内需要低迷の中にあって、国産鰻の荷余り感および中国等からの安価な活鰻輸入によって販売価格が一層下落して営業赤字となっております。一方、従前からの中核事業は堅調な業績で推移し、中でも生餌の販売数量増加により連結営業利益は増益となりました。しかし、受取配当金の減少と持分法による投資損益が前年同期は利益であったものが当期は損失となって押し下げ要因となり、連結経常利益は微増にとどまりました。なお、投資有価証券売却益は特別利益に計上いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は476億76百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益は18億69百万円(前年同期比20.9%増)、経常利益は21億94百万円(前年同期比4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億84百万円(前年同期比167.4%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。セグメントの名称2025年3月期連結会計年度売上高(百万円)2026年3月期連結会計年度売上高(百万円)対前年同期比較金額差異(百万円)増減率(%)鮮魚の販売事業28,84431,4662,6219.1餌料・飼料の販売事業16,04016,2051651.0その他の事業23017.6合 計44,88747,6762,7886.2(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 「鮮魚の販売事業」は、売上高は314億66百万円(前年同期比9.1%増)、セグメント利益は2億20百万円(前年同期比194.9%増)となりました。 「餌料・飼料の販売事業」は、売上高は162億5百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益は16億94百万円(前年同期比13.8%増)となりました。 「その他の事業」は、売上高は3百万円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は1百万円(前年同期比19.0%増)となりました。 なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。 (資産) 当連結会計年度末における流動資産合計は389億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億74百万円増加いたしました。 固定資産合計は163億46百万円となりました。 この結果、資産合計は552億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億51百万円増加いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債合計は97億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億52百万円増加いたしました。 固定負債合計は47億76百万円となりました。 この結果、負債合計は145億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億28百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は407億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億23百万円増加いたしました。 この結果、自己資本比率は73.7%(前連結会計年度末は74.2%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は225億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億99百万円増加いたしました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は26億60百万円(前連結会計年度は22億28百万円の収入)となり、これは主に税金等調整前当期純利益の計上等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は32億60百万円(前連結会計年度は13億13百万円の使用)となり、これは主に投資有価証券の売却による収入等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は8億20百万円(前連結会計年度は2億33百万円の使用)となり、これは主に長期借入金の返済による支出等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)鮮魚の販売事業(千円)13,734,1978.4餌料・飼料の販売事業(千円)368,443△15.6報告セグメント計(千円)14,102,6417.6その他(千円)--合計(千円)14,102,6417.6 (注)1.「鮮魚の販売事業」は加工品、人工ふ化、マグロ養殖事業及びウナギ養殖事業の生産実績、「餌料・飼料の販売事業」はモイストペレットの生産実績であります。2.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値で記載しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)鮮魚の販売事業13,658,8777.8118,05986.0餌料・飼料の販売事業368,397△15.62,049△2.2報告セグメント計14,027,2757.1120,10883.2その他----合計14,027,2757.1120,10883.2 (注) 「鮮魚の販売事業」は加工品、人工ふ化、マグロ養殖事業及びウナギ養殖事業の受注実績、「餌料・飼料の販売事業」はモイストペレットの受注実績であります。 c.商品仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)鮮魚の販売事業(千円)24,745,27514.9餌料・飼料の販売事業(千円)13,667,335△2.2報告セグメント計(千円)38,412,6118.1その他(千円)--合計(千円)38,412,6118.1 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)鮮魚の販売事業(千円)31,466,8349.1餌料・飼料の販売事業(千円)16,205,9931.0報告セグメント計(千円)47,672,8286.2その他(千円)3,21117.6合計(千円)47,676,0396.2 (注)1.相手先別販売実績において、総販売実績に対する当該割合が10%を超える相手先はありません。2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 まず、当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績ですが、売上高は476億76百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益は18億69百万円(前年同期比20.9%増)、経常利益は21億94百万円(前年同期比4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億84百万円(前年同期比167.4%増)であります。 売上面につきましては、「鮮魚の販売事業」では、魚価が引き続き高値で推移したため増収となりました。また、「餌料・飼料の販売事業」も、生餌の販売数量が増加し増収となりました。 利益面につきましては、養鰻事業が国内需要低迷の中にあって、国産鰻の荷余り感および中国等からの安価な活鰻輸入によって販売価格が一層下落して営業赤字となっております。一方、従前からの中核事業は堅調な業績で推移し、中でも生餌の販売数量増加により連結営業利益は増益となりました。しかし、受取配当金の減少と持分法による投資損益が前年同期は利益であったものが当期は損失となって押し下げ要因となり、連結経常利益は微増にとどまりました。なお、投資有価証券売却益は特別利益に計上いたしました。 次に、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載しておりますが、当社グループを取り巻く水産業界の動向や市場の価格動向などにより、当社グループの経営成績が大きく変動することから、中長期的な目標数値は設定しておりません。 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。(売上高) 当連結会計年度における売上高は476億76百万円となり、前連結会計年度に比べ27億88百万円(6.2%)増加しており、セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 セグメントの名称2025年3月期連結会計年度金 額(百万円)2026年3月期連結会計年度金 額(百万円)対前年同期比較差異分析金額差異(百万円)増減率(%)数量要因(百万円)価格要因(百万円)鮮魚の販売事業28,84431,4662,6219.1△2,0324,654餌料・飼料の販売事業16,04016,2051651.01,437△1,271その他の事業23017.6--合計44,88747,6762,7886.2-- (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。 (販売費及び一般管理費) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は40億68百万円となり、前連結会計年度に比べ2億92百万円(7.7%)費用が増加しております。これは主に売上運賃の増加及び貸倒引当金の計上等によるものであります。 (営業利益) 当連結会計年度における営業利益は18億69百万円となり、前連結会計年度に比べ3億23百万円(20.9%)増加しており、セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。セグメントの名称2025年3月期連結会計年度金 額(百万円)2026年3月期連結会計年度金 額(百万円)対前年同期比較金額差異(百万円)増減率(%)鮮魚の販売事業74220145194.9餌料・飼料の販売事業1,4881,69420513.8その他の事業△16△44△27△164.8合計1,5461,86932320.9 (注)「その他の事業」のそれぞれの金額には、連結上の消去又は全社の利益が含まれております。 (経常利益) 当連結会計年度における経常利益は21億94百万円となり、前連結会計年度に比べ89百万円(4.3%)増加しております。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 投資有価証券売却益34億89百万円を特別利益へ計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は37億84百万円となり、前連結会計年度に比べ23億68百万円(167.4%)増加しております。 次に当社グループの財政状態ですが、当連結会計年度末の資産合計は552億91百万円で前連結会計年度末に比べ29億51百万円(5.6%)増加し、負債合計は145億10百万円で前連結会計年度末に比べ10億28百万円(7.6%)増加し、純資産合計は407億80百万円で前連結会計年度末に比べ19億23百万円(4.9%)増加いたしました。 この結果、自己資本比率は73.7%(前連結会計年度末は74.2%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しており、また、当連結会計年度における金融機関からの借入状況は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表 借入金等明細表」に記載しております。 次に当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金及び設備資金は、内部資金または増資や借入れにより資金調達することにしております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
事業リスク
- 季節性と価格変動リスク鮮魚販売事業は年末年始や稚魚の池入れ時期に売上が増加するなど、季節的な変動があります。また、養殖魚の生産量と販売価格は密接に関係しており、供給過剰による価格低下や、自然災害による供給不足が販売数量や利益率に影響を与える可能性があります。
- 自然災害と病気のリスク台風、津波、赤潮などの自然災害や、養殖魚の病気による大量死は、マグロ養殖やウナギ養殖事業に甚大な被害をもたらす可能性があります。特に高収益の人工ふ化事業においても、病気による斃死は経営成績に大きな影響を与えるリスクがあります。
- 法的規制と品質問題食品安全基本法や食品衛生法など、食品に関する様々な法的規制の強化や新たな規制の導入は、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、食品の安全性に関する品質問題が発生した場合、企業イメージの低下や売上の減少など、経営成績に大きな影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績の変動要因並びに季節性について 当社グループの経営成績は季節的変動があり、特にグループ全体での売上高比率の約6割を占める「鮮魚の販売事業」における業界動向、価格動向が当社の経営成績に影響を与える可能性があります。 また、季節要因につきましても、「鮮魚の販売事業」は年末・年始及び稚魚の池入時期(上半期)に販売数量が増え、売上高が増加する傾向となっております。また、「餌料・飼料の販売事業」では養殖魚の産卵後から年末の出荷時期(第2~第3四半期)にかけて給餌率が高くなり、売上高が増加する傾向となっております。 利益面は、特に稚魚の販売時期が集中する上半期に利益が増加する傾向となっております。 (2) 収益構造について 当社グループの収益構造は、基本的には「販売数量×1キログラム当たりの一定幅マージン」で利益を確保する仕組みとなっており、最も重要なポイントは販売数量をいかに増やすかにかかっております。 しかしながら、養殖魚の生産量と販売価格には密接な関係があり、供給過剰の場合には販売価格は低下し、また供給不足の場合には価格は上昇する傾向となっております。 そのため、価格変動が大きい場合等には販売数量、マージン幅にも影響を及ぼし、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。 また、当社では人工ふ化事業において、主にタイを中心にふ化・育成の研究並びに生産・販売を行っております。当事業は高収益性の事業であり、もし仮に病気による斃死などの予想し得ない事態が生じた場合には、当事業においても当社の経営成績に影響を与える可能性があります。 また、マグロ養殖事業では、台風や津波等による自然災害、海の環境汚染・赤潮発生等によって、養殖中のマグロへの被害(大量死)、養鰻事業では、稚魚(シラス)の不漁などにより仕入価格が高騰し、生産コストの上昇や病気による斃死などの予想し得ない事態が生じた場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (3) 自然災害等のリスクについて 当社グループを取り巻く養殖業界では、台風や津波等による自然災害、また環境汚染・赤潮発生等によって、養殖業界全体に大規模な被害が生じる可能性もあり、被害状況によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法的規制等について 当社グループの事業に適用される「食品安全基本法」、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(通称、JAS法)」、「製造物責任法」等のさまざまな規制・規則が存在しており、これらの法的規制の強化や新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの経営成績に影響を受ける可能性があります。 また、当社グループでは食品の安全性について、独自の安全管理体制のもと万全の体制で取り組んでおりますが、今後、当社固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる品質問題等が生じた場合においても、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (5) 売上債権等の貸倒リスクについて 当社グループでは、当該リスクに対し与信管理の厳格化及び貸倒引当金の適正な引当等の対応策を講じておりますが、著しい魚価の低下、養殖魚の斃死等による在庫棄損が生じた場合には、当該生産者にあっては貸倒リスクが高まる可能性があり、被害状況によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 (6) 減損会計適用の影響によるリスクについて 当社グループの事業資産の価値(時価)が大きく下落したり、収益性の低下等で投資額の回収が見込めなくなった場合においては、減損処理を行うことで経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。