経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下の通りです。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図っています。 (2)重視する経営指標当社は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ㈱が、子会社・関連会社および投資先を投資ポートフォリオとして統括するマネジメント体制の下、保有株式価値の増大を通じてNAV(Net Asset Value:保有株式価値-調整後純有利子負債で算出(注1))を中長期的に最大化することを目指しています。また、これを支えるための財務方針として、財務の安定性を確保するという観点から、ソフトバンクグループ㈱のLTV(Loan to Value:調整後純有利子負債÷保有株式価値で算出(注1)。保有資産に対する負債の割合)を金融市場の平時は25%未満、異常時でも35%を上限として管理するとともに、今後2年分の社債償還資金以上の手元流動性を確保しています。 (注1)保有株式価値および調整後純有利子負債は、いずれもアセットバック・ファイナンスにおける満期決済金額または借入金を除いています。また、調整後純有利子負債の算出からは、当社のうち、上場子会社であるソフトバンク㈱(同社子会社を含む)およびArm、ならびにSVF1、SVF2、LatAmなど独立採算で運営される事業体に帰属する有利子負債および現預金等(債券投資を含む)を除いています。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社は、情報技術の発展によって社会やライフスタイルが変革する「情報革命」を主要な成長機会として確実に捉え、長きにわたり人々の幸せに貢献していきたいと考えています。そのためには、社会ニーズの変化をいち早く捉え、今後の牽引役となるテクノロジーやビジネスモデルに合わせてグループの構成を最適化しながら自己変革を繰り返していくことが不可欠です。パソコン、インターネット、ブロードバンド、スマートフォンと変遷してきた「情報革命」の中心は、現在、AI(人工知能)へと移行しています。とりわけ近年の生成AIの進化は、自然言語処理や創造的コンテンツの生成にとどまらず、その活用領域をソフトウエア開発、業務自動化、ロボティクスなどへと広げ、各産業に大きな変革をもたらしています。今後、AIはさらに高度な推論能力や自律性、汎用性を備えた方向へ進化し、その先には人類の叡智を大きく超えるASI(Artificial Super Intelligence:人工超知能)の実現に至ると確信しています。このような時代の転換期において、当社は人類の進化のためにASIを実現することを使命に掲げて新たな自己変革のさなかにあります。具体的には、AIモデル、AIチップ、AIインフラ(AIデータセンターやそれに必要な電力)、フィジカルAIの各領域において積極的に投資・事業活動を行っています。こうした取り組みによって成長機会を確実に捉えるとともに、「群戦略」という独自の組織戦略の下、各グループ会社・投資先が刺激を与え合いながらそれぞれの事業の拡大やビジネスモデルの進化を実現することで、当社の保有株式価値の増大、ひいてはNAVの中長期的な最大化を目指しています。 「群戦略」とは「群戦略」は、特定の分野において優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ多様な企業群が、それぞれ自律的に意思決定を行いつつも、資本関係と同志的結合を通じてシナジーを創出しながら共に進化・成長を続けていくことを志向するものです。ソフトバンクグループ㈱は、戦略的投資持株会社として、群を構成する各企業の意思決定に影響を与えつつも、自律性を重んじ、出資比率は過半にこだわらず、ブランドの統一を志向しません。こうした多種多様な企業でグループを構成することにより、柔軟に業容を変化・拡大させ、長期にわたり成長を続けることを目指しています。 (4)経営環境および優先的に対処すべき課題OpenAIによる2022年11月の対話型生成AIサービス「ChatGPT」公開を契機に世界的に加速したAIの普及と進化は、当期においても一段と進展しました。AIは、ソフトウエア開発、顧客対応、データ分析、業務自動化など、さまざまなデジタル領域で活用が広がるとともに、ロボットや自動運転をはじめとする現実世界(フィジカル空間)の自動化・自律化へと用途を急速に広げています。こうした中、AIモデルの性能向上の競争はさらなる激化を見せています。生成AIの開発と普及で先行するOpenAI、高い推論能力や安全性を強みとするAnthropic PBC、そして強固な計算基盤とエコシステムを持つGoogle LLCなどがしのぎを削っています。そして、AI分野における競争は、生成AIの高度化に伴う実用化(推論)需要の急増を受け、計算処理を担うAIチップ、それらを大規模に稼働させるためのAIインフラ、さらにはAIの「体」となるフィジカルAIに至るまで、AIの進化を支える基盤全体へと広がっています。あわせて、AI関連投資の大型化が進む中、投資機会を的確に捉えるために、必要な投資資金を機動的に調達することも重要になっています。また、AIの普及は、AIに対する社会からの信頼を育みながら、社会・環境が持続可能な形で進めることが不可欠であり、AIを開発・提供・活用する企業にとって「責任あるAI」への取り組みが重要課題となっています。このような経営環境の下、当社は前述の中長期的な経営戦略を推し進める上で、「AIの進化を加速させるための積極的な投資と既存投資先の価値拡大」「財務方針の堅持」「サステナビリティの推進」の3つを重要課題と位置付け、以下の通り重点的に取り組んでいます。 a.AIの進化を加速させるための積極的な投資と既存投資先の価値拡大(a)AIモデルAIモデルとは、大量のデータを学習することで文章・画像・音声などを生成したり、質問への回答や複雑な問題の分析・推論を行ったりする、AIの中核をなすシステムです。AIモデルの性能向上が、産業全体のイノベーションを牽引しています。当社が出資するOpenAIは、「AGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)が全人類に利益をもたらすようにする」という使命の下、生成AIの先駆けとなったAIモデル開発企業であり、「ChatGPT」やAPI(外部サービスにAI機能を組み込むための接続の仕組み)を通じて、個人向けから企業向けに至るまで多角的に事業を展開しています。継続的なモデル性能の向上に加え、マルチモーダル対応(文字・音声・画像など複数の形式への対応)の進化により、文章生成、ソフトウエア開発、データ分析など幅広い領域で高い実用性を実現しています。そのユーザー基盤は急速に拡大しており、「ChatGPT」の週間アクティブユーザー数(注2)は、2025年3月の5億人から2026年2月には9億人超へと、1年足らずで2倍近い水準に成長しました。このように、OpenAIは卓越した技術力と大規模で急成長中のユーザー基盤を兼ね備えており、AIが未来をかたちづくる決定的な力になりつつある中、当社は同社が今後もAI分野における中核的な存在であり続けると確信しています。こうした認識の下、当社は2024年9月の初回出資を皮切りに同社への追加出資を重ねており、当期末時点における累計投資額は346億米ドルとなりました。さらに2026年2月に新たに300億米ドルの追加出資を決定し、同年4月にはそのうち第1トランシェとして100億米ドルの出資を実行しました。これらの出資を通じて、同社の研究開発の加速およびエコシステム(同社のAIモデルを活用するサービスや企業が集まる生態系)の拡大を後押しするとともに、長期的なパートナーシップを強化しています。 (注2)出所:OpenAIブログポスト(2025年3月31日付および2026年2月27日付) (b)AIチップAIチップとは、AIの学習や推論を高速かつ効率的に処理するための半導体の総称であり、AIの進化を支える重要な基盤技術の一つです。近年、AIの活用は学習中心から大規模な推論へと移行し、複数のモデルやタスクを組み合わせて自律的に動くエージェント型AIの普及に伴い、これを制御・管理するCPUの重要性が高まっています。CPUは、GPUやアクセラレーターと役割を分担しながら、システム全体の制御やデータ処理、複雑なワークロードの管理において不可欠な役割を担っています。この領域で重要な位置を占めるのが、当社子会社であるArmです。Armは、半導体IPを中核とするコンピュートプラットフォームのグローバルリーダーであり、そのCPUアーキテクチャは高い性能と優れた電力効率を兼ね備えています。AIワークロードへの対応を強化した最新世代アーキテクチャ「Armv9」やコンピュート・サブシステムの提供により、顧客が高性能かつ電力効率に優れたAIチップを迅速に開発・展開できるよう支援しています。2026年3月、ArmはAIデータセンター向けCPU「Arm AGI CPU」を発表しました。これは、Armのプラットフォームを自社設計チップへと拡張するものであり、同社のコンピュートプラットフォームの進化における重要な一歩です。同チップは、AI推論の大規模化やエージェント型AIの普及に伴い拡大するデータセンター向けCPU需要に対応するものです。高い処理性能に加え、大規模環境での拡張性や電力・コスト効率を重視して設計されています。Meta Platforms, Inc.は本チップの共同開発パートナーであり、自社データセンターへの広範な導入を計画しています。当社はArmがAI時代の計算基盤を支える中核技術の担い手になっていくと確信しています。こうした認識の下、当社はArmを当社の中長期戦略を推し進める上での中核子会社に位置付け、同社を通じてAI時代の計算基盤の進化をリードしていきます。 (c)AIインフラAIモデルの高度化と推論需要の拡大が進む中、AIデータセンターと電力供給の整備・確保は、AI産業全体の成長を左右する重要な要素となっています。AIモデルやAIチップが進化しても、それらを安定的かつ大規模に稼働させるAIインフラが確保されなければ、AIの活用拡大には限界が生じます。そのため、当社はAIインフラをAIの進化を支える重要な領域の一つと位置付けています。こうした中、2025年1月、当社は、OpenAIのために米国内で新たなAIインフラを構築する「Stargate Project」をOpenAIなどと共同で発表しました。その一環として、2026年1月には当社子会社のEnergy GlobalがOpenAIと戦略的パートナーシップを締結し、テキサス州ミラム郡における1.2GW規模のAIデータセンター計画において、電力・通信接続設備などを備えたデータセンター用の建屋(パワードシェル)の建設を進めています。また、2026年3月、米国エネルギー省(DOE)および米国商務省(DOC)は、当社、Energy GlobalおよびAEP Ohio(米電力大手American Electric Power Company, Inc.傘下の地域電力会社)とともに、オハイオ州パイクトンの「PORTS Technology Campus」において10GW規模の発電設備と10GW規模のAIデータセンターを開発する官民連携プロジェクトを発表しました。このうち9.2GW規模の発電設備の整備計画は、日米政府間の合意に基づく総額5,500億ドル規模の「戦略的投資イニシアティブ」の対象の一つです。さらに、2026年5月、当社はフランスにおいて5GW規模のAIデータセンターを開発・運営することを発表しました。フランスにおける高性能な計算資源へのアクセスを拡大することで、急速に成長するAI分野をサポートすることを目的としたもので、当社は、Energy Globalおよびその他の戦略的パートナーとともに本プロジェクトを推進していきます。当社は、これらのプロジェクトに多額の資金を要することを踏まえ、外部資金を活用することで自己資金負担を抑制しつつ、AIの活用拡大を支えるインフラの構築を着実に推し進めていきます。 (d)フィジカルAIフィジカルAIとは、ロボットや自動運転車などの自律マシンが、現実の世界を認識、理解して、複雑な行動ができるようになることで、当社は、同領域をAIの進化を支える重要な領域の一つであると捉えています。AIモデルがデジタル空間で知的な判断や最適化を実現する一方で、フィジカルAIはそれらをフィジカル空間の動作へと具現化し、幅広い産業分野で具体的な価値を創出します。この分野での取り組みを加速するため、当社は、前期から当期にかけて、グループ内で複数のエンティティに分散していたロボティクス関連投資のうち約20社を中間持株会社(ロボHD)の傘下に集約しました。これにより、各投資の技術、人材、事業基盤を必要に応じて横断的に連携させ、シナジー創出を最大化する体制を整えています。さらに、2025年10月、当社はABBのロボティクス事業を買収する最終契約を締結しました。同事業は、50カ国以上に展開する強固な販売チャネルと幅広い顧客基盤、そして累計50万台を超えるロボット出荷実績を誇り、高い信頼性と性能を備えた製品・ソリューションを世界規模で提供しています。本買収は2026年後半に完了する見込みです。当社は、ABBのロボティクス事業を含むグループ内のロボティクス関連投資を結集し、AIとロボットの融合を通じて、フィジカルAIの普及と進化をリードしていきます。 b.財務方針の堅持当社は、「(2)重視する経営指標」の通り、ソフトバンクグループ㈱のLTVを金融市場の平時は25%未満、異常時でも35%を上限として管理するとともに、2年分の社債償還資金以上の手元流動性を確保することを財務方針として掲げています。当期においては、OpenAIへの大型投資に加えて、Ampere買収を行いましたが、当期末のLTVは資産の資金化や保有株式価値の上昇により前期末から改善し、手元流動性も前期末と同水準を維持しました。来期においても、引き続きAIの進化を加速させるために積極的に投資を行っていく予定であり、その中でも最大の投資案件は2026年2月に決定したOpenAIへの300億米ドルの追加出資です。本追加出資に必要な資金の調達を主な目的として同年3月に総借入限度額400億米ドルのブリッジファシリティ契約を締結しました。来期は、本ブリッジファシリティの長期資金への借り換えや返済に優先的に取り組んでいきます。上記の財務方針に沿ってLTVを適切にコントロールしつつ、資産の資金化や負債調達も活用し、これらの対応を着実に進めていきます。 c.サステナビリティの推進当社は、社会の持続的な発展と当社の中長期的な成長の両立を実現するために、企業活動においてサステナビリティを推進することが重要だと考えています。こうした考えの下、サステナビリティに関するリスクおよび機会を認識した上で、それぞれのリスクの軽減と機会の追求に取り組んでいます。当社は、優先して取り組むべきサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を特定し、特に優先度の高い(a)責任あるAI、(b)気候変動、(c)人的資本について目標・アクションプランを設定した上で、継続的に取り組み、その状況をモニタリングしています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の本有価証券報告書の提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下の通りです。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループとなることを目指すとともに、企業価値の最大化を図っています。 (2)重視する経営指標当社は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ㈱が、子会社・関連会社および投資先を投資ポートフォリオとして統括するマネジメント体制の下、保有株式価値の増大を通じてNAV(Net Asset Value:保有株式価値-調整後純有利子負債で算出(注1))を中長期的に最大化することを目指しています。また、これを支えるための財務方針として、財務の安定性を確保するという観点から、ソフトバンクグループ㈱のLTV(Loan to Value:調整後純有利子負債÷保有株式価値で算出(注1)。保有資産に対する負債の割合)を金融市場の平時は25%未満、異常時でも35%を上限として管理するとともに、今後2年分の社債償還資金以上の手元流動性を確保しています。 (注1)保有株式価値および調整後純有利子負債は、いずれもアセットバック・ファイナンスにおける満期決済金額または借入金を除いています。また、調整後純有利子負債の算出からは、当社のうち、上場子会社であるソフトバンク㈱(同社子会社を含む)およびArm、ならびにSVF1、SVF2、LatAmなど独立採算で運営される事業体に帰属する有利子負債および現預金等(債券投資を含む)を除いています。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社は、情報技術の発展によって社会やライフスタイルが変革する「情報革命」を主要な成長機会として確実に捉え、長きにわたり人々の幸せに貢献していきたいと考えています。そのためには、社会ニーズの変化をいち早く捉え、今後の牽引役となるテクノロジーやビジネスモデルに合わせてグループの構成を最適化しながら自己変革を繰り返していくことが不可欠です。パソコン、インターネット、ブロードバンド、スマートフォンと変遷してきた「情報革命」の中心は、現在、AI(人工知能)へと移行しています。とりわけ近年の生成AIの進化は、自然言語処理や創造的コンテンツの生成にとどまらず、その活用領域をソフトウエア開発、業務自動化、ロボティクスなどへと広げ、各産業に大きな変革をもたらしています。今後、AIはさらに高度な推論能力や自律性、汎用性を備えた方向へ進化し、その先には人類の叡智を大きく超えるASI(Artificial Super Intelligence:人工超知能)の実現に至ると確信しています。このような時代の転換期において、当社は人類の進化のためにASIを実現することを使命に掲げて新たな自己変革のさなかにあります。具体的には、AIモデル、AIチップ、AIインフラ(AIデータセンターやそれに必要な電力)、フィジカルAIの各領域において積極的に投資・事業活動を行っています。こうした取り組みによって成長機会を確実に捉えるとともに、「群戦略」という独自の組織戦略の下、各グループ会社・投資先が刺激を与え合いながらそれぞれの事業の拡大やビジネスモデルの進化を実現することで、当社の保有株式価値の増大、ひいてはNAVの中長期的な最大化を目指しています。 「群戦略」とは「群戦略」は、特定の分野において優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ多様な企業群が、それぞれ自律的に意思決定を行いつつも、資本関係と同志的結合を通じてシナジーを創出しながら共に進化・成長を続けていくことを志向するものです。ソフトバンクグループ㈱は、戦略的投資持株会社として、群を構成する各企業の意思決定に影響を与えつつも、自律性を重んじ、出資比率は過半にこだわらず、ブランドの統一を志向しません。こうした多種多様な企業でグループを構成することにより、柔軟に業容を変化・拡大させ、長期にわたり成長を続けることを目指しています。 (4)経営環境および優先的に対処すべき課題OpenAIによる2022年11月の対話型生成AIサービス「ChatGPT」公開を契機に世界的に加速したAIの普及と進化は、当期においても一段と進展しました。AIは、ソフトウエア開発、顧客対応、データ分析、業務自動化など、さまざまなデジタル領域で活用が広がるとともに、ロボットや自動運転をはじめとする現実世界(フィジカル空間)の自動化・自律化へと用途を急速に広げています。こうした中、AIモデルの性能向上の競争はさらなる激化を見せています。生成AIの開発と普及で先行するOpenAI、高い推論能力や安全性を強みとするAnthropic PBC、そして強固な計算基盤とエコシステムを持つGoogle LLCなどがしのぎを削っています。そして、AI分野における競争は、生成AIの高度化に伴う実用化(推論)需要の急増を受け、計算処理を担うAIチップ、それらを大規模に稼働させるためのAIインフラ、さらにはAIの「体」となるフィジカルAIに至るまで、AIの進化を支える基盤全体へと広がっています。あわせて、AI関連投資の大型化が進む中、投資機会を的確に捉えるために、必要な投資資金を機動的に調達することも重要になっています。また、AIの普及は、AIに対する社会からの信頼を育みながら、社会・環境が持続可能な形で進めることが不可欠であり、AIを開発・提供・活用する企業にとって「責任あるAI」への取り組みが重要課題となっています。このような経営環境の下、当社は前述の中長期的な経営戦略を推し進める上で、「AIの進化を加速させるための積極的な投資と既存投資先の価値拡大」「財務方針の堅持」「サステナビリティの推進」の3つを重要課題と位置付け、以下の通り重点的に取り組んでいます。 a.AIの進化を加速させるための積極的な投資と既存投資先の価値拡大(a)AIモデルAIモデルとは、大量のデータを学習することで文章・画像・音声などを生成したり、質問への回答や複雑な問題の分析・推論を行ったりする、AIの中核をなすシステムです。AIモデルの性能向上が、産業全体のイノベーションを牽引しています。当社が出資するOpenAIは、「AGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)が全人類に利益をもたらすようにする」という使命の下、生成AIの先駆けとなったAIモデル開発企業であり、「ChatGPT」やAPI(外部サービスにAI機能を組み込むための接続の仕組み)を通じて、個人向けから企業向けに至るまで多角的に事業を展開しています。継続的なモデル性能の向上に加え、マルチモーダル対応(文字・音声・画像など複数の形式への対応)の進化により、文章生成、ソフトウエア開発、データ分析など幅広い領域で高い実用性を実現しています。そのユーザー基盤は急速に拡大しており、「ChatGPT」の週間アクティブユーザー数(注2)は、2025年3月の5億人から2026年2月には9億人超へと、1年足らずで2倍近い水準に成長しました。このように、OpenAIは卓越した技術力と大規模で急成長中のユーザー基盤を兼ね備えており、AIが未来をかたちづくる決定的な力になりつつある中、当社は同社が今後もAI分野における中核的な存在であり続けると確信しています。こうした認識の下、当社は2024年9月の初回出資を皮切りに同社への追加出資を重ねており、当期末時点における累計投資額は346億米ドルとなりました。さらに2026年2月に新たに300億米ドルの追加出資を決定し、同年4月にはそのうち第1トランシェとして100億米ドルの出資を実行しました。これらの出資を通じて、同社の研究開発の加速およびエコシステム(同社のAIモデルを活用するサービスや企業が集まる生態系)の拡大を後押しするとともに、長期的なパートナーシップを強化しています。 (注2)出所:OpenAIブログポスト(2025年3月31日付および2026年2月27日付) (b)AIチップAIチップとは、AIの学習や推論を高速かつ効率的に処理するための半導体の総称であり、AIの進化を支える重要な基盤技術の一つです。近年、AIの活用は学習中心から大規模な推論へと移行し、複数のモデルやタスクを組み合わせて自律的に動くエージェント型AIの普及に伴い、これを制御・管理するCPUの重要性が高まっています。CPUは、GPUやアクセラレーターと役割を分担しながら、システム全体の制御やデータ処理、複雑なワークロードの管理において不可欠な役割を担っています。この領域で重要な位置を占めるのが、当社子会社であるArmです。Armは、半導体IPを中核とするコンピュートプラットフォームのグローバルリーダーであり、そのCPUアーキテクチャは高い性能と優れた電力効率を兼ね備えています。AIワークロードへの対応を強化した最新世代アーキテクチャ「Armv9」やコンピュート・サブシステムの提供により、顧客が高性能かつ電力効率に優れたAIチップを迅速に開発・展開できるよう支援しています。2026年3月、ArmはAIデータセンター向けCPU「Arm AGI CPU」を発表しました。これは、Armのプラットフォームを自社設計チップへと拡張するものであり、同社のコンピュートプラットフォームの進化における重要な一歩です。同チップは、AI推論の大規模化やエージェント型AIの普及に伴い拡大するデータセンター向けCPU需要に対応するものです。高い処理性能に加え、大規模環境での拡張性や電力・コスト効率を重視して設計されています。Meta Platforms, Inc.は本チップの共同開発パートナーであり、自社データセンターへの広範な導入を計画しています。当社はArmがAI時代の計算基盤を支える中核技術の担い手になっていくと確信しています。こうした認識の下、当社はArmを当社の中長期戦略を推し進める上での中核子会社に位置付け、同社を通じてAI時代の計算基盤の進化をリードしていきます。 (c)AIインフラAIモデルの高度化と推論需要の拡大が進む中、AIデータセンターと電力供給の整備・確保は、AI産業全体の成長を左右する重要な要素となっています。AIモデルやAIチップが進化しても、それらを安定的かつ大規模に稼働させるAIインフラが確保されなければ、AIの活用拡大には限界が生じます。そのため、当社はAIインフラをAIの進化を支える重要な領域の一つと位置付けています。こうした中、2025年1月、当社は、OpenAIのために米国内で新たなAIインフラを構築する「Stargate Project」をOpenAIなどと共同で発表しました。その一環として、2026年1月には当社子会社のEnergy GlobalがOpenAIと戦略的パートナーシップを締結し、テキサス州ミラム郡における1.2GW規模のAIデータセンター計画において、電力・通信接続設備などを備えたデータセンター用の建屋(パワードシェル)の建設を進めています。また、2026年3月、米国エネルギー省(DOE)および米国商務省(DOC)は、当社、Energy GlobalおよびAEP Ohio(米電力大手American Electric Power Company, Inc.傘下の地域電力会社)とともに、オハイオ州パイクトンの「PORTS Technology Campus」において10GW規模の発電設備と10GW規模のAIデータセンターを開発する官民連携プロジェクトを発表しました。このうち9.2GW規模の発電設備の整備計画は、日米政府間の合意に基づく総額5,500億ドル規模の「戦略的投資イニシアティブ」の対象の一つです。さらに、2026年5月、当社はフランスにおいて5GW規模のAIデータセンターを開発・運営することを発表しました。フランスにおける高性能な計算資源へのアクセスを拡大することで、急速に成長するAI分野をサポートすることを目的としたもので、当社は、Energy Globalおよびその他の戦略的パートナーとともに本プロジェクトを推進していきます。当社は、これらのプロジェクトに多額の資金を要することを踏まえ、外部資金を活用することで自己資金負担を抑制しつつ、AIの活用拡大を支えるインフラの構築を着実に推し進めていきます。 (d)フィジカルAIフィジカルAIとは、ロボットや自動運転車などの自律マシンが、現実の世界を認識、理解して、複雑な行動ができるようになることで、当社は、同領域をAIの進化を支える重要な領域の一つであると捉えています。AIモデルがデジタル空間で知的な判断や最適化を実現する一方で、フィジカルAIはそれらをフィジカル空間の動作へと具現化し、幅広い産業分野で具体的な価値を創出します。この分野での取り組みを加速するため、当社は、前期から当期にかけて、グループ内で複数のエンティティに分散していたロボティクス関連投資のうち約20社を中間持株会社(ロボHD)の傘下に集約しました。これにより、各投資の技術、人材、事業基盤を必要に応じて横断的に連携させ、シナジー創出を最大化する体制を整えています。さらに、2025年10月、当社はABBのロボティクス事業を買収する最終契約を締結しました。同事業は、50カ国以上に展開する強固な販売チャネルと幅広い顧客基盤、そして累計50万台を超えるロボット出荷実績を誇り、高い信頼性と性能を備えた製品・ソリューションを世界規模で提供しています。本買収は2026年後半に完了する見込みです。当社は、ABBのロボティクス事業を含むグループ内のロボティクス関連投資を結集し、AIとロボットの融合を通じて、フィジカルAIの普及と進化をリードしていきます。 b.財務方針の堅持当社は、「(2)重視する経営指標」の通り、ソフトバンクグループ㈱のLTVを金融市場の平時は25%未満、異常時でも35%を上限として管理するとともに、2年分の社債償還資金以上の手元流動性を確保することを財務方針として掲げています。当期においては、OpenAIへの大型投資に加えて、Ampere買収を行いましたが、当期末のLTVは資産の資金化や保有株式価値の上昇により前期末から改善し、手元流動性も前期末と同水準を維持しました。来期においても、引き続きAIの進化を加速させるために積極的に投資を行っていく予定であり、その中でも最大の投資案件は2026年2月に決定したOpenAIへの300億米ドルの追加出資です。本追加出資に必要な資金の調達を主な目的として同年3月に総借入限度額400億米ドルのブリッジファシリティ契約を締結しました。来期は、本ブリッジファシリティの長期資金への借り換えや返済に優先的に取り組んでいきます。上記の財務方針に沿ってLTVを適切にコントロールしつつ、資産の資金化や負債調達も活用し、これらの対応を着実に進めていきます。 c.サステナビリティの推進当社は、社会の持続的な発展と当社の中長期的な成長の両立を実現するために、企業活動においてサステナビリティを推進することが重要だと考えています。こうした考えの下、サステナビリティに関するリスクおよび機会を認識した上で、それぞれのリスクの軽減と機会の追求に取り組んでいます。当社は、優先して取り組むべきサステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を特定し、特に優先度の高い(a)責任あるAI、(b)気候変動、(c)人的資本について目標・アクションプランを設定した上で、継続的に取り組み、その状況をモニタリングしています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当期における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。 なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものです。 (1)財政状態及び経営成績の状況1.当期末現在、OpenAIへの累計投資額346億米ドル、公正価値796億米ドル、累計投資利益450億米ドル◆ OpenAIへの投資の状況(当期末現在) (単位:十億米ドル)投資額(注1)公正価値累計投資利益前期当期累計2.232.434.679.645.0 2.2026年2月、OpenAIに対して新たに300億米ドルの追加出資をコミット◆ OpenAIへの投資実績および予定(本有価証券報告書提出日現在) (単位:十億米ドル) 投資額(注1)実行(予定)時期実績予定2025年3月期投資額合計 (a)2.2- 2025年3月にコミットした追加出資30.0- 第1クロージング7.5-2025年4月 第2クロージング22.5-2025年12月その他2.4- 2026年3月期投資額合計 (b)32.4- 2026年3月末現在の累計投資額 (c)=(a)+(b)34.6- 2026年2月にコミットした追加出資(d)10.020.0 第1トランシェ10.0-2026年4月 第2トランシェ-10.0(注2)2026年7月 第3トランシェ-10.0(注2)2026年10月累計投資額 (c)+(d)44.620.0 3.業績ハイライト◆ 投資利益7兆2,865億円(前期の投資利益:3兆7,011億円)- OpenAIへの出資に係る投資利益6兆7,304億円(439億米ドル)- 持株会社投資事業の投資利益2,181億円(OpenAIへの出資に係る投資利益2,649億円を含む)- SVF事業の投資利益6兆6,386億円(OpenAIへの出資に係る投資利益6兆4,655億円を含み、当社子会社への投資に係る投資利益を含まない)。活動開始来累計利益(注3)はSVF1で242億米ドル、SVF2で218億米ドル。SVF2はプラスに転換※Armやソフトバンク㈱などの子会社は連結されるため、株式の公正価値の変動は連結損益計算書に計上せず ◆ 税引前利益6兆1,349億円(前期比4兆4,302億円増加)- 販売費及び一般管理費4兆209億円(前期比9,965億円増加)- 財務費用7,718億円(前期比1,902億円増加)- SVFの外部投資家持分の増加額5,346億円:SVF2で4,897億円を計上 ◆ 親会社の所有者に帰属する純利益5兆23億円(前期比3兆8,489億円増加)- 法人所得税5,029億円- 非支配持分に帰属する純利益6,297億円 4.負債の借り換え・返済、大型投資のために様々な負債調達・資産資金化を機動的に実行◆普通社債(ソフトバンクグループ㈱)- 国内普通社債1兆1,200億円を発行の一方、5,000億円を満期償還- 外貨建普通社債42億米ドル相当を発行の一方、28億米ドル相当を満期償還(注4)- 当期末以降の2026年4月、外貨建普通社債35億米ドル相当を発行。2026年4月に借り入れたブリッジローンの一部返済に充当したほか、来期に満期を迎える外貨建普通社債12億米ドル相当の償還に充当予定(注5) ◆ハイブリッド社債(ソフトバンクグループ㈱)- 国内ハイブリッド社債2,000億円を発行の一方、1,770億円を初回任意償還日に期限前償還- 外貨建ハイブリッド社債29億米ドル相当を発行(注6)- 当期末以降の2026年4月、国内ハイブリッド社債4,180億円を発行。2026年6月に初回任意償還日を迎える国内ハイブリッド社債4,050億円の借り換え資金に充当予定 ◆ブリッジローン- 2025年4月、総額150億米ドルのブリッジローンを組成。OpenAIへの投資のために85億米ドル、Ampere買収のために65億米ドルの借入をそれぞれ実行。満期である2026年4月までに全額返済完了- 2026年3月、総借入限度額400億米ドルのブリッジファシリティ契約を締結。当期末以降の同年4月、主にOpenAIへの投資資金として総額200億米ドルの借入を実行。同月にこのうち25億米ドルを返済済 ◆保有資産の資金化- Tモバイル株式:同株式75.4百万株を162.5億米ドルで売却したほか、同株式を利用した先渡売買契約により16.4億米ドルを資金化- ドイツテレコム株式:同株式を利用したカラー取引の決済および同株式の全売却により27.4億米ドルを資金化(注7)- NVIDIA株式:同株式32.1百万株(資産運用子会社の保有分を含む)を58.3億米ドルで売却- Arm株式:同株式を利用したマージンローンで115億米ドルを増額借入- ソフトバンク㈱株式:同株式を利用したマージンローンで4,000億円を増額借入 5.自己株式の取得および消却- 2024年8月に取締役会で決議した最大5,000億円の自己株式取得については、当社株式の価格上昇の影響等により、累計3,303億円(42,033,200株)の自己株式を取得して2025年8月に期間満了- 2025年10月31日、上記の取締役会決議に基づき取得した自己株式の総数と同数の自己株式(42,033,200株)を消却 6.株式分割投資家の皆様がより当社株式へ投資しやすい環境を整え、投資家層のさらなる拡大を図るため、2025年12月31日を基準日として、同日(同日は株主名簿管理人の休業日につき、実質は2025年12月30日)最終の株主名簿に記載または記録された株主の所有する当社普通株式を、1株につき4株の割合をもって分割(注1)間接出資分を含み、売却額をネットして表示しています。(注2)OpenAI株式の上場が合理的に見込まれる場合には、実行時期が前倒しとなる可能性があります。(注3)外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。(注4)発行額は米ドル建22億米ドルおよびユーロ建17億ユーロの合計額であり、償還額は米ドル建9.1億米ドルおよびユーロ建16.1億ユーロの合計額です。ユーロから米ドルへの換算は当期末日のレートを使用しています。以下本項にて同じです。(注5)発行額は米ドル建15億米ドルおよびユーロ建17.5億ユーロの合計額であり、償還額は米ドル建6.7億米ドルおよびユーロ建4.4億ユーロの合計額です。(注6)米ドル建20億米ドルおよびユーロ建7.5億ユーロの合計額です。(注7)①カラー取引の現物決済における、ドイツテレコム株式の公正価値と、借入返済額およびデリバティブ決済額との差額20.1億米ドル、②保有するドイツテレコム株式の全売却7.3億米ドルの合計です。 <2025年3月にコミットしたOpenAIへの追加出資が完了>ソフトバンクグループ㈱は、2025年3月31日にコミットしたOpenAIへの最大400億米ドル(2025年8月に最大410億米ドルに引き上げ)の追加出資(以下「2025年追加出資」)に関し、第2クロージングにおける225億米ドルの出資をSVF2を通じて2025年12月に実行しました。これにより、2025年追加出資が外部投資家へのシンジケーションを含めて全て完了し、SVF2のOpenAIに対する累計出資額は346億米ドルとなりました。 ◆ 2025年追加出資の概要 第1クロージング(完了)第2クロージング(完了)プレマネー評価額2,600億米ドル出資額100億米ドル310億米ドルシンジケーション出資額410億米ドルのうち110億米ドルはシンジケーションにより外部投資家が出資当社出資額75億米ドル225億米ドル(注8)当社出資時期2025年4月2025年12月当社出資元SVF2(注8)間接出資分を含みます。 <2026年2月にOpenAIへの追加出資をコミット>当社は、2026年2月27日、OpenAIによる資金調達ラウンドにSVF2を通じて参加し、300億米ドルの追加出資を行うこと(以下「2026年追加出資」)について同社と最終契約を締結しました。2026年追加出資の完了により、当社のOpenAIに対する累計出資額は646億米ドル、持分比率は約13%(注9)となる見込みです。 ◆ 2026年追加出資の概要(本有価証券報告書提出日現在) 第1トランシェ(完了)第2トランシェ(予定)第3トランシェ(予定)プレマネー評価額7,300億米ドル当社出資額100億米ドル100億米ドル100億米ドル当社出資時期2026年4月1日2026年7月1日2026年10月1日当社出資元SVF2(注9)持分比率は、①発行済みかつ流通している全ての優先株式および普通株式(2026年2月にOpenAIから発表された総額1,220億米ドルの資金調達ラウンドに関連した優先株式が全て発行されることを前提とする)、②付与済みおよび付与確約済みの株式報酬、ならびに③OpenAIの持分証券に転換可能な発行済みおよび発行確約済みの証券を基礎として算定しています。ただし、非営利団体であるOpenAI Foundationが保有するワラント、OpenAIまたはその子会社が自己株式として保有する株式、およびOpenAIの取締役会が承認した株式報酬制度に基づく未発行株式は算定の基礎に含みません。 <PayPayがNasdaq Global Select Marketへ上場>①取引概要2026年3月12日、PayPay㈱(以下「PayPay」)は同社普通株式を対象とした米国預託株式(ADS)の新規公開(以下「本新規公開」)によりNasdaq Global Select Marketへの上場を果たしました。本新規公開においては、PayPayが39.3百万ADS(追加購入オプション行使による8.2百万ADSを含む)の新規発行(以下「本新規発行」)を行うとともに、SVF2が同23.9百万ADSの売出し(以下「本売出し」)を行いました。本新規公開の結果、SVF2のPayPayに対する持分比率は、34.00%から28.49%に減少しました。 ②連結財務諸表への主な影響本新規公開後も、当社の子会社である、ソフトバンク㈱、LINEヤフー㈱、および両社の共同持株会社であるBホールディングス㈱、ならびにSVF2のPayPayに対する持分比率の合計は90.7%であり、同社は引き続き当社の子会社です。このため、本新規発行および本売出しによる売却益相当額は連結損益計算書に計上せず、売却益相当額114,266百万円(注10)のうち親会社の所有者に帰属する81,462百万円を連結財政状態計算書の「資本剰余金」に計上しました。また、連結キャッシュ・フロー計算書において、財務活動によるキャッシュ・フローの「非支配持分からの払込による収入」に本新規発行による手取金96,291百万円(引受手数料控除後)を、「その他」に本売出しによる手取金57,564百万円(同)をそれぞれ計上しました。(注10)本新規発行により当社持分が希薄化して生じた持分変動影響額を含みます。 為替換算レート2025年3月期2026年3月期1米ドル第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期期中平均レート156.53円150.26円151.32円152.95円145.19円147.50円154.04円156.48円期末日レート 149.52円 159.88円 a.連結経営成績の状況 (単位:百万円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率 売上高7,243,7527,798,650554,8987.7%A売上総利益3,754,2034,016,139261,9367.0% 投資損益 持株会社投資事業3,413,821218,111△3,195,710△93.6%B SVF事業387,5846,638,6116,251,027-C その他△100,298429,774530,072-D投資損益合計3,701,1077,286,4963,585,38996.9% 販売費及び一般管理費△3,024,409△4,020,928△996,51932.9%E 財務費用△581,559△771,790△190,23132.7%F 為替差損益27,055△271,009△298,064-G デリバティブ関連損益(投資損益を除く)△2,034,029204,3332,238,362-H SVFの外部投資家持分の増減額△491,898△534,613△42,7158.7%I その他の損益354,251226,277△127,974△36.1% 税引前利益1,704,7216,134,9054,430,184259.9% 法人所得税△101,613△502,929△401,316394.9%J純利益1,603,1085,631,9764,028,868251.3% 非支配持分に帰属する利益449,776629,705179,92940.0% 親会社の所有者に帰属する純利益1,153,3325,002,2713,848,939333.7% 包括利益合計1,082,3486,767,2525,684,904525.2% 親会社の所有者に帰属する包括利益666,2376,098,7565,432,519815.4% 以下、連結損益計算書の主要な科目および特筆すべき科目に関する概要を記載します。 A 売上高ソフトバンク事業およびAIコンピューティング事業はいずれも増収となりました。詳細は「b. セグメントの業績概況」の「(c)ソフトバンク事業」および「(d)AIコンピューティング事業」をご参照ください。 B 持株会社投資事業の投資損益持株会社投資事業の投資利益は218,111百万円となりました。これは主に、Tモバイル株式で656,838百万円、アリババ株式で169,742百万円の投資損失を計上した一方、NVIDIA Corporation(以下「NVIDIA」)株式で339,092百万円(注1)、Intel Corporation(以下「Intel」)への出資で278,566百万円、OpenAIに対して追加出資する権利(フォワード契約に該当、以下「OpenAIフォワード契約」)で264,920百万円(注2)の投資利益を計上したことによるものです。詳細は「b. セグメントの業績概況(a)持株会社投資事業」をご参照ください。 C SVF事業の投資損益SVF事業の投資利益は6,638,611百万円となりました。その内訳は、SVF1で39,424百万円の利益、SVF2で6,511,392百万円の利益、LatAmで43,111百万円の利益、その他で44,684百万円の利益です。SVF1の投資利益は、一部の公開投資先の株価が下落した一方、投資先の売却による利益を計上したほか、直近取引における評価額上昇などを反映して未公開投資先の公正価値が増加したことによるものです。SVF2の投資利益は、主にOpenAIの出資に係る投資利益を6,465,523百万円計上したことによるものです。詳細は「b. セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。 D その他の投資損益その他の投資利益は429,774百万円となりました。主に、ロボHDが保有するSkild AI, Inc.などの投資先の公正価値の増加によるものです。 主にB~Dの結果、投資損益合計は7,286,496百万円の利益となりました。 E 販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費が前期比996,519百万円増の4,020,928百万円となりました。ソフトバンク事業において、主にスマートフォン契約の獲得やコマースサービスの既存顧客の継続利用促進に伴う販売関連費の増加により前期比179,384百万円増加しました。また、AIコンピューティング事業において、主に将来の成長を支える次世代技術の開発に伴い研究開発費が増加した結果、前期比213,613百万円増加しました。さらに、「その他」に含まれるEnergy Globalにおいて、株式報酬(現金決済型として会計処理)の公正価値が増加したことなどにより、同社の販売費及び一般管理費が前期比368,307百万円増加しました。 F 財務費用ソフトバンクグループ㈱(注3)の支払利息が前期比158,665百万円増の602,430百万円となりました。これは主に、前期にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済が進み(当第1四半期に全ての決済完了)、同契約に係る支払利息計上額が減少した一方、2024年9月にタームローンによる借入、2025年4月にブリッジローンによる借入をそれぞれ実行したことにより、シンジケートローンに係る支払利息が増加したことに加え、発行残高の増加に伴い普通社債およびハイブリッド社債に係る支払利息が増加したことによるものです。 G 為替差損益主にソフトバンクグループ㈱と国内の資金調達子会社の米ドル建負債(子会社からの借入や外貨建普通社債など)および米ドル建現預金・貸付金について、前者が後者を上回っていたことから、期末日為替換算レートが前期末に比して円安となったことにより為替差損271,009百万円(純額)を計上しました。なお、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど機能通貨が外貨(主に米ドル)の在外子会社・関連会社の純資産については、期末日為替換算レートが前期末に比して円安となったことにより円換算後の価値が増加しましたが、そのプラス影響は為替差損益には含まれず、連結財政状態計算書の資本の部の「その他の包括利益累計額」に在外営業活動体の為替換算差額の増加額1,086,987百万円として計上されています。 H デリバティブ関連損益(投資損益を除く)アリババ株式を利用した先渡売買契約に係るデリバティブ関連利益142,779百万円を計上しました。なお、当第1四半期末までに、アリババ株式を利用した全ての先渡売買契約の決済が完了しました。 I SVFの外部投資家持分の増減額SVFの外部投資家持分の増加額は534,613百万円となりました。これは主に、SVF2で投資利益6,853,744百万円(SVF2単体ベース)を計上したことに伴い、SVF2外部投資家持分が489,749百万円増加したことによるものです。 主にA~Iの結果、税引前利益は前期比4,430,184百万円増加の6,134,905百万円の利益となりました。 J 法人所得税法人所得税は502,929百万円となりました。当期税金費用を540,776百万円計上した一方で、繰延税金費用を利益方向に37,847百万円計上したことによるものです。当期税金費用は、主にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴いソフトバンクグループ㈱において158,838百万円計上したほか、ソフトバンク㈱などの事業会社で329,693百万円計上しました。繰延税金費用(利益)は、一部の投資有価証券の投資利益に対し繰延税金負債を計上したことに伴い費用を計上したものの、主にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済に伴う、前期末にアリババ株式および関連するデリバティブに対して計上していた繰延税金負債の取り崩しの影響が上回りました。なお、上記のソフトバンクグループ㈱の当期税金費用には、グローバル・ミニマム課税に関して見積もったトップアップ課税61,857百万円が含まれています。 主にA~Jの結果、親会社の所有者に帰属する純利益は前期比3,848,939百万円増加の5,002,271百万円の利益となりました。 (注1)ソフトバンクグループ㈱および資産運用子会社が保有していたNVIDIA株式を当第3四半期に全て売却したことによる投資利益の合計です。(注2)OpenAIフォワード契約をソフトバンクグループ㈱からSVF2に移管したことに伴い、移管合意日までの当該契約の公正価値の増加額を計上したものです。なお、2025年12月に当該契約による出資が完了しました。(注3)ソフトバンクグループ㈱の支払利息には、資金調達を行う100%子会社の支払利息が含まれています。 b.セグメントの業績概況当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定や業績の評価を行うための区分を基礎としています。当第3四半期に新たに「AIコンピューティング事業」を設けました。当期末現在、「持株会社投資事業」、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「AIコンピューティング事業」の4つを報告セグメントとしています。 報告セグメントの概要は以下の通りです。 セグメント名称主な事業の内容主な会社報告セグメント 持株会社投資事業・ソフトバンクグループ㈱およびその子会社による投資事業 ソフトバンクグループ㈱SoftBank Group Capital Limitedソフトバンクグループジャパン㈱ソフトバンクグループオーバーシーズ合同会社SB Northstar LP ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業・SVF1、SVF2およびLatAmによる投資事業SB Investment Advisers (UK) LimitedSoftBank Vision Fund L.P.SB Global Advisers LimitedSoftBank Vision Fund II-2 L.P.SBLA Latin America Fund LLC ソフトバンク事業・コンシューマ事業:個人顧客を対象としたモバイルサービスおよびブロードバンドサービスの提供・エンタープライズ事業:法人顧客を対象としたモバイルサービスやソリューションサービスの提供・ディストリビューション事業:法人顧客を対象としたICTサービス商材の提供・メディア・EC事業:メディア・広告やコマースサービスの提供・ファイナンス事業:決済、金融サービスの提供 ソフトバンク㈱LINEヤフー㈱PayPay㈱ AIコンピューティング事業・半導体のIP、チップおよび関連テクノロジーのデザイン・半導体チップの開発および販売・ソフトウエアツールの販売および関連サービスの提供 Arm Holdings plcAmpere Computing Holdings LLCGraphcore Limitedその他・太陽光発電所の開発・建設・運営およびデータセンターの開発・建設・ロボティクス関連事業・福岡ソフトバンクホークス関連事業 Energy Global, LPSilver Bands 4 (US) Corp.(注1)福岡ソフトバンクホークス㈱(注1)ロボティクス関連投資を保有する中間持株会社です。 (a)持株会社投資事業◆ Tモバイル株式で6,568億円、アリババ株式で1,697億円の投資損失を計上した一方、NVIDIA株式で3,391億円、Intelへの出資で2,786億円、OpenAIフォワード契約に係るデリバティブで2,649億円の投資利益を計上し、当事業の投資利益は2,181億円に◆ セグメント利益は、デリバティブ関連利益(投資損益を除く)1,925億円を計上した一方、財務費用6,456億円、為替差損2,820億円を計上した結果、4,721億円の損失に <事業概要>当事業では、主にソフトバンクグループ㈱が、戦略的投資持株会社として直接または子会社を通じて投資活動を行っています。当事業は、ソフトバンクグループ㈱、SoftBank Group Capital Limited、ソフトバンクグループジャパン㈱、ソフトバンクグループオーバーシーズ合同会社および資産運用子会社であるSB Northstarのほか、投資または資金調達を行う一部の子会社で構成されています。当事業の投資損益は、ソフトバンクグループ㈱が、直接または子会社を通じて保有する投資の投資損益により構成されています。ただし、子会社からの受取配当金および子会社株式に係る減損損失などの子会社株式に関連する投資損益を含みません。当事業を構成する会社が保有する投資先は、IntelやTモバイルなどであり、そのほとんどがFVTPLの金融資産として認識されるものです。FVTPLの金融資産に該当する投資は、四半期ごとに公正価値を測定し、その変動額を「投資損益」として連結損益計算書に計上しています。 資産運用子会社の上場株式や社債等への投資SB Northstarはソフトバンクグループ㈱の余剰資金を用いて上場株式や社債等の取得および売却を行っています。当期における資産運用子会社の投資利益(債券投資による受取利息を含む)は2,447億円(活動開始来の累計投資損失:7,209億円)(注1)、当期末の投資残高は1兆4,366億円(うち、社債:1兆2,671億円)です。社債は主に残存年数が短い投資適格債に投資しています。同社における持分は、ソフトバンクグループ㈱が67%、ソフトバンクグループ㈱代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が33%をそれぞれ間接的に保有しています。孫 正義の持分は非支配持分として同社の投資損益から差し引かれるため、投資損益の67%が親会社の所有者に帰属する純利益に影響を与えます。ソフトバンクグループ㈱が同社に対しファンド存続期間(12年+延長2年)満了時に債権を保有し、その債権に返済不能分が発生した場合、持分比率に応じて孫 正義は損害額を補償します。(注1)累計投資損失は、受取配当金や債券投資による受取利息を含む一方、SB NorthstarからSB Investment Advisers (US) Inc.子会社のSPAC3社への投資の影響を含みません。 <業績全般> (単位:百万円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率 投資損益3,413,821218,111△3,195,710△93.6%A販売費及び一般管理費△131,856△125,1966,660△5.1% 財務費用△531,252△645,592△114,34021.5%B為替差損益19,257△281,961△301,218- デリバティブ関連損益(投資損益を除く)△2,041,830192,5232,234,353- その他の損益66,111170,033103,922157.2% セグメント利益(税引前利益)794,251△472,082△1,266,333- A 投資利益:218,111百万円受取配当金を除く投資損益の主な内訳は以下の通りです。・2025年10月に、ソフトバンクグループ㈱および資産運用子会社が保有するNVIDIA株式を全株売却しました。期首から売却までの株価上昇により投資利益を合計339,092百万円計上しました。・Intelに対する出資契約(フォワード契約に該当)を2025年8月に締結し、同年9月に出資を実行しました。当該出資契約締結以降の株価上昇により投資利益278,566百万円を計上しました。・ソフトバンクグループ㈱が保有していたOpenAIフォワード契約をSVF2に移管しました。当該契約の移管合意日までの公正価値の変動について、投資利益264,920百万円を計上しました。・ドイツテレコム株式を利用したカラー取引の現物決済および同社株式の全売却を行いました。期首から現物決済および売却までの株価下落により投資損失31,867百万円を計上しました。・アリババ株式の株式先渡売買契約の現物決済を行いました。現物決済を行った株式について期首から現物決済までの株価下落により投資損失169,881百万円を計上しました。・保有するTモバイル株式の一部を売却しました。売却した株式について期首から売却までの株価下落により投資損失572,143百万円を計上しました。また、当期末に保有するTモバイル株式について期首からの株価下落により投資損失84,695百万円を計上しました。 B 財務費用:645,592百万円(前期比114,340百万円増加)ソフトバンクグループ㈱(注1)のグループ外への支払利息が前期比158,665百万円増の602,430百万円となりました。これは主に、前期にアリババ株式を利用した先渡売買契約の現物決済が進み(当第1四半期に全ての決済完了)、同契約に係る支払利息計上額が減少した一方、2024年9月にタームローンによる借入、2025年4月にブリッジローンによる借入をそれぞれ実行したことにより、シンジケートローンに係る支払利息が増加したことに加え、発行残高の増加に伴い普通社債およびハイブリッド社債に係る支払利息が増加したことによるものです。(注1)ソフトバンクグループ㈱の支払利息には、資金調達を行う100%子会社の支払利息が含まれています。 (参考情報)資産運用子会社の当社連結財政状態計算書への影響 (単位:百万円) 2026年3月31日 現金及び現金同等物7,756 投資有価証券(a)344,344 担保差入有価証券(b)1,092,249 投資残高小計(a)+(b)1,436,593 うち、社債1,267,137 デリバティブ金融資産31 貸付金(注1)799,400 その他20,049 資産合計2,263,829 有利子負債801,937 借入有価証券1,365 その他2,000 負債合計805,302 Delaware子会社からの出資(注2)1,971,699 ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への現金出資相当額39,786 ソフトバンクグループ㈱からDelaware子会社への貸付相当額(ソフトバンクグループ㈱からの運用委託金)1,912,020 孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額19,893A利益剰余金△768,888B為替換算差額255,716 純資産1,458,527C(注1)ソフトバンクグループ㈱への貸付金(グループ内取引のため連結上消去)(注2)当社の子会社であるDelaware Project 1 L.L.C.、Delaware Project 2 L.L.C.およびDelaware Project 3 L.L.C.(以下「Delaware子会社」)から資産運用子会社であるSB Northstarへの出資額 (非支配持分の計算) (単位:百万円)孫 正義からDelaware子会社への現金出資相当額19,893A非支配持分損益(累計)(注3)△256,204 為替換算差額94,924 非支配持分(孫 正義の持分)△141,387D(注3)表中Bの3分の1 (純資産(上記C)に対する持分) (単位:百万円)ソフトバンクグループ㈱の持分1,599,914 非支配持分(孫 正義の持分)△141,387D純資産1,458,527C 当事業の主な有利子負債およびリース負債 借入者種別当期末連結財政状態計算書残高ソフトバンクグループ㈱借入金3兆9,607億円社債8兆1,704億円リース負債65億円コマーシャル・ペーパー1,857億円 資金調達を行う100%子会社Arm株式を利用した借入(マージンローン)3兆1,685億円ソフトバンク㈱株式を利用した借入(マージンローン)1兆1,965億円Tモバイル株式を利用した先渡売買契約(カラー契約)2,592億円 SB Northstar有価証券を利用した借入(プライムブローカレッジローン)8,019億円(注)資金調達を行う100%子会社およびSB Northstarによる借入はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。 (b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業◆ SVF1:活動開始来累計の投資額872億米ドルに対しリターン1,114億米ドル、利益は242億米ドル- 当期の投資利益は8億米ドル(503億円):CoupangやDiDiなどの公開投資先の株価が下落した一方、投資先の売却による利益を計上したほか、直近取引における評価額上昇などを反映した未公開投資先の公正価値が増加◆ SVF2:活動開始来累計の投資額969億米ドルに対しリターン1,187億米ドル、利益は218億米ドルのプラスへ転換- 当期の投資利益は447億米ドル(6兆8,537億円):OpenAIに係る投資利益は合計421億米ドル(6兆4,655億円) (2026年3月31日現在;単位:十億米ドル) 活動開始来累計損益のうち当期分(注1) 投資額リターン損益当期当第4四半期 SVF1 エグジットした投資48.371.623.31.60.3 エグジット前の投資38.939.20.3△0.9△4.5 受取利息/配当金-0.60.60.0- 合計87.2111.424.2 SVF2 エグジットした投資10.86.5△4.3△0.8△0.3 エグジット前の投資86.1112.025.944.124.3 受取利息/配当金-0.20.20.10.0 合計96.9118.721.8 (注)当第3四半期よりパフォーマンスを純額で示すため、従来「投資額」および「リターン」に含めて表示していた株式交換等の影響を控除して表示しています。また、従来別掲していたデリバティブは「エグジットした投資」および「エグジット前の投資」に含めて表示しています。 (注)公開投資先は証券取引所および店頭市場で取引される株式を、未公開投資先は公開投資先に該当しない投資先を指します。リターンおよび投資損益は外部投資家持分および税金等の控除前のグロスの金額です。リターンは、「エグジットした投資」については売却額を、「エグジット前の投資」については公正価値を、「受取利息または配当金」については各受領額を指します。以下同じです。(注1)「エグジットした投資」の損益のうち当期分は、当期にエグジットした投資の売却額から投資額を差し引いた金額です。 <事業概要>当事業の業績には、主にSVF1、SVF2およびLatAmの投資および事業活動の結果が含まれています。 当事業の主なファンドの概要2026年3月31日現在 AIを活用した成長可能性の大きな企業へ投資し、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指しています。SVF1の投資期間は終了しましたが、固定分配やファンド運営関連費用への充当を目的に出資コミットメント総額の残額が留保されています。 SVF1SVF2LatAm主なリミテッド・パートナーシップSoftBank Vision Fund L.P.SoftBank Vision Fund II-2 L.P.SBLA Latin America Fund LLC出資コミットメント総額986億米ドル1,392億米ドル78億米ドル 当社:331億米ドル(注1)外部投資家:655億米ドル当社:1,366億米ドル外部投資家(MgmtCo):26億米ドル(注2)当社:74億米ドル外部投資家(MgmtCo):4億米ドル(注2)運営会社SBIA(当社英国100%子会社)SBGA(当社英国100%子会社)投資期間2019年9月12日に終了運営会社の裁量により決定存続期間2029年11月20日まで(SBIAに最大2回の1年延長オプションあり)2032年10月4日まで(SBGAに最大2回の1年延長オプションあり)(注1)SVF1への当社の出資コミットメントは、Arm株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。(注2)SVF2およびLatAmには当社経営陣による共同出資プログラムが導入されており、経営陣の投資エンティティであるMgmtCoが参画しています。当社連結財務諸表上、MgmtCoの出資持分は外部投資家持分として扱われています。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記46.関連当事者(1)関連当事者との取引 a.配当受領権制限付き共同出資プログラム」をご参照ください。 SVFの借入SVF1、SVF2およびLatAmは、レバレッジの活用や手元流動性の確保などを目的として、ソフトバンクグループ㈱にはノンリコースの借入を独自に行うことがあります。このような借入には、例えばリターンの向上およびリミテッド・パートナーへの分配を目的とした保有資産を活用するアセットバック・ファイナンスがあります。 投資先の公正価値評価SVF1、SVF2およびLatAmはIFRS第13号「公正価値測定」に従い、SBIA Global Valuation PolicyおよびInternational Private Equity and Venture Capital Valuation Guidelines(IPEVガイドライン)に基づいて、毎四半期末日の投資先の公正価値を算定しています。公開投資先のうち、証券取引所で取引される株式については相場価格を用いて、店頭市場で取引される株式については相場価格および観察可能なその他のインプットを単一もしくは複数用いて公正価値を算定しています。未公開投資先の公正価値算定については、公開類似企業の情報を用いたマーケット・アプローチ、予想される将来キャッシュ・フローを用いたインカム・アプローチに加えて、直近の資金調達ラウンドや類似取引の価格を用いた取引事例法などの評価手法を単一もしくは複数用いています。 <業績全般> (単位:百万円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率投資損益(注1)434,9036,991,8716,556,968- SVF11,022,97150,301△972,670△95.1% SVF2△561,6566,853,7447,415,400- LatAm8,11043,11135,001431.6% その他△34,52244,71579,237-販売費及び一般管理費△62,169△50,95511,214△18.0%財務費用△40,244△164,895△124,651309.7%SVFの外部投資家持分の増減額(注2)△491,898△534,613△42,7158.7%その他の損益44,390203,193158,803357.7%セグメント利益(税引前利益)△115,0186,444,6016,559,619-(注1)SVFによる当社子会社(主にPayPayおよびロボHD)への投資に係る投資損益は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業のセグメント利益において「投資損益」に含まれますが、連結上消去し、連結損益計算書上の「投資損益-SVF事業」には含まれません。(注2)「SVFの外部投資家持分の増減額」は、各ファンドの投資損益から、①SBIAがSVF1から受領する管理報酬および成功報酬、②SBGAがSVF2から受領する管理報酬および業績連動型管理報酬、③SBGAがLatAmから受領する管理報酬、業績連動型管理報酬および成功報酬、④各ファンドの営業費用およびその他の費用を控除した金額をもとに算出された外部投資家に帰属する損益です。詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記7.ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業(2)SVFの外部投資家持分」をご参照ください。 SVFの外部投資家持分の増減額SVFの外部投資家持分の増加額は534,613百万円となりました。これは主に、SVF2で投資利益6,853,744百万円(SVF2単体ベース)を計上したことに伴い、外部投資家持分の増加額489,749百万円を計上したことによるものです。SVF2には配当受領権制限付き共同出資プログラムが導入されており、当社代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義が支配するMgmtCoが普通出資持分の17.25%を保有しています。MgmtCoの出資に係る配当受領権は、SVF2 LLC(注1)の投資成果が一定水準に達するまで利益配当が制限され、その後段階的に解除されます。前期末時点では投資成果が低迷していたため、当該共同出資にかかる外部投資家持分の計上額は零でした。当期末時点においては投資成果が大幅に改善しましたが、その投資成果は上記の一定水準に届かなかったため成果分配は計上されず、出資元本相当額の外部投資家持分が計上されました。(注1)SVF2 LLC(SVF II Investment Holdings LLC)はSVF2の傘下に設立された当社の子会社であり、共同出資プログラムの対象となる投資を間接的に保有しています。 投資の状況2026年3月31日現在 SVF1(単位:十億米ドル)合計(下記①+②+③) 累計投資銘柄数累計投資額累計リターン累計損益(注1) 9487.2111.424.2 ①エグジットした投資 銘柄数 投資額 売却額 累計損益(注1) 損益のうち当期分 当期当第4四半期一部エグジット-7.313.25.9 2.20.3全部エグジット4241.058.417.4 △0.6-合計4248.371.623.3 1.60.3 ②エグジット前の投資(当期末に保有する投資)(注2) 銘柄数 投資額 公正価値 累計損益(注4) 損益のうち当期分 当期当第4四半期公開投資(注3)1619.013.5△5.5 △2.4△3.8未公開投資3619.925.75.8 1.5△0.7合計5238.939.20.3 △0.9△4.5 ③投資先からの利息および配当金 利息および配当金累計損益 損益のうち当期分 当期当第4四半期合計 0.60.6 0.0-(注)当第3四半期より、パフォーマンスを純額で示すため、従来「銘柄数」、「投資額」および「リターン」に含めて表示していた株式交換および現物配当の影響を控除して表示しています。また、従来別掲していたデリバティブは「エグジットした投資」および「エグジット前の投資」に含めて表示しています。(注1)外部投資家持分および税金等の控除前(注2)投資先の公開/未公開の区分は、当期末時点の状態に基づいています。(注3)公開株式には店頭市場で取引されているDiDi Global Inc.およびGetaround, Inc.への投資を含みます。(注4)当社からSVF1への移管が決定されていたものの実行されなかった投資について、移管の取りやめを決定するまでの期間に発生した損益は含めていません。 SVF2(単位:十億米ドル)合計(下記①+②+③) 累計投資銘柄数累計投資額累計リターン累計損益(注1) 30996.9118.721.8 ①エグジットした投資 銘柄数 投資額 売却額 累計損益(注1) 損益のうち当期分 当期当第4四半期一部エグジット-3.22.7△0.5 △0.10.1全部エグジット347.63.8△3.8 △0.7△0.4合計3410.86.5△4.3 △0.8△0.3 ②エグジット前の投資(当期末に保有する投資)(注2) 銘柄数投資額公正価値累計損益 損益のうち当期分 当期当第4四半期公開投資217.98.40.5 1.8△0.4未公開投資25478.2103.625.4 42.324.7合計27586.1112.025.9 44.124.3 ③投資先からの利息および配当金 利息および配当金累計損益 損益のうち当期分 当期当第4四半期合計 0.20.2 0.10.0(注)当第3四半期より、パフォーマンスを純額で示すため、従来「銘柄数」、「投資額」および「リターン」に含めて表示していたロボHDへの移管、WeWork Inc.への財務サポートおよび株式交換の影響を控除して表示しています。また、従来別掲していたデリバティブは「エグジットした投資」および「エグジット前の投資」に含めて表示しています。(注1)外部投資家持分および税金等の控除前(注2)投資先の公開/未公開の区分は、当期末時点の状態に基づいています。 LatAm当期末現在、LatAmは累計投資額76億米ドルに対し累計リターンは68億米ドルとなり、活動開始来累計損失は8億米ドルとなりました。当期においては、投資利益3億米ドルを計上しました。 資金の状況2026年3月31日現在SVF1 (単位:十億米ドル) 合計当社外部投資家出資コミットメント(A)98.633.165.5拠出額(注1)(B)87.229.957.3 拠出額返還額(再コール不可)(C)55.914.341.6 拠出額残高(注2)(D)=(B)-(C)31.315.615.7コミットメント残額(E)=(A)-(B)11.43.28.2(注)SVF1への当社の出資コミットメントは、Arm株式を活用した約82億米ドル相当の支払義務履行分(全該当株式を拠出済み)のほか、SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される25億米ドルを含みます。(注1)払込み後に投資計画の変更等によりリミテッド・パートナーへ返還された金額を差し引いています。(注2)当期末現在、外部投資家の拠出額残高の157億米ドルのうち、38億米ドルはプリファード・エクイティ出資です。 SVF2(単位:十億米ドル) 合計出資コミットメント(A)139.2拠出額(B)99.6コミットメント残額(C)=(A)-(B)39.6(注)コミットメント残額には再コール可能な払込資金返還額を含みます。 (参考:2026年3月31日現在 出資コミットメントの内訳)出資コミットメント総額139.2 共同出資プログラムの対象外の投資への当社エクイティ出資13.6 SVF2 LLCへの当社プリファード・エクイティ出資110.6 SVF2 LLCへの当社エクイティ出資12.4 SVF2 LLCへのMgmtCoエクイティ出資2.6(注)当期末現在、MgmtCoによる出資額の支払いは実施されていません。 当期末現在、LatAmに対する出資コミットメント総額は78億米ドル、拠出額は77億米ドルです。 (c)ソフトバンク事業主にファイナンス事業、エンタープライズ事業およびコンシューマ事業が増益となったことにより、セグメント利益は前期比6.5%増加 (単位:百万円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高6,544,2757,040,875496,6007.6%セグメント利益(税引前利益)906,309965,00258,6936.5%減価償却費及び償却費△739,874△775,601△35,7274.8%投資損益△25,07413,95339,027-財務費用△81,453△93,582△12,12914.9%その他の損益20,63110,201△10,430△50.6% <事業概要>当事業の業績には、ソフトバンク㈱および同社子会社が主に日本国内で行っているモバイルサービスの提供や携帯端末の販売、ブロードバンドサービスや広告サービス、コマースサービスの提供などの事業活動の結果が含まれています。「Beyond Carrier」戦略の下、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」といったインターネットサービスや、キャッシュレス決済サービス「PayPay」などのAI・IoT・FinTechを含む最先端テクノロジーを活用したビジネスの展開を通じ、通信以外の領域の拡大を目指しています。 <業績全般>セグメント利益は、前期比58,693百万円(6.5%)増加の965,002百万円となりました。これは主に、ファイナンス事業、エンタープライズ事業およびコンシューマ事業が増益となったことによるものです。主力事業であるコンシューマ事業が増益となったのは、主にモバイルサービス売上がスマートフォン契約数の増加により引き続き増収となったほか、携帯端末の平均単価の上昇により物販売上が増加したことによるものです。エンタープライズ事業が増益となったのは、企業のデジタル化が加速する中でクラウドサービスの売上が拡大したことなどによるものです。ファイナンス事業が増益となったのは、主にPayPayおよびPayPayカード㈱の決済取扱高の拡大に伴う手数料収入の増加や、PayPayカード㈱のリボ払い残高などの金融残高およびPayPay銀行㈱のローン残高の拡大に伴う金利収入の増加により増収となったことに加え、業務委託費や販売促進費などの効率化により、収益性が改善したことによるものです。一方、メディア・EC事業は減益となりました。これは主に、LINE MAN CORPORATION PTE. LTD.などの子会社化に伴い、企業結合に伴う再測定益を計上(上表「その他の損益」に計上)した一方で、アスクル㈱の売上がシステム障害の影響により減少したことや、前期に複数の子会社に係る支配喪失利益を計上(上表「その他の損益」に計上)した反動があったことによるものです。 (d)AIコンピューティング事業◆ Armの増収により、売上高(米ドルベース)は前期比9.5%増(円ベースでは同8.5%増)◆ セグメント利益は、前期比1,264億円悪化。将来の成長を支える次世代技術の開発に伴い、研究開発費が増加。加えて、Ampereの買収完了に伴う業績の取り込みや取得関連費用の計上による影響 (単位:百万円) 3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高590,301640,30950,0088.5%セグメント利益(税引前利益)△10,891△137,266△126,375-減価償却費及び償却費(注1)△97,255△107,125△9,87010.1%投資損益△20,4415,60726,048-財務費用△2,604△5,556△2,952113.4%その他の損益13,86228,99915,137109.2%(注1)減価償却費及び償却費には、Arm買収時に行った取得原価配分により計上した無形資産の償却費が、当期は58,010百万円、前期は63,715百万円含まれています。 <事業概要>当事業では、Arm、AmpereおよびGraphcore Limitedなどの半導体関連子会社がASI(Artificial Super Intelligence:人工超知能)の実現に向けてグループの半導体ビジネスの強化に取り組んでいます。Armのテクノロジーは、スマートフォン、データセンター向けサーバー、IoT、自動車などの多種多様な製品に採用されており、高い性能と優れた電力効率を両立するコンピュートプラットフォームを提供しています。当第4四半期において、Armは設立以来初となる自社設計シリコンチップ「Arm AGI CPU」を発表しました。本製品は、クラウドサービスやエージェント型AIのワークロードに最適化されたデータセンター向けCPUです。この発表は、同社のコンピュートプラットフォームが従来のIPライセンスやコンピュート・サブシステム(CSS)の提供から、自社設計シリコンチップの領域へと拡張することを意味し、戦略的な大きな転換点となります。これにより、Armのエコシステム全体におけるさらなるイノベーションの加速が期待されます。Ampereは、Armのコンピュートプラットフォームを活用した、AIコンピューティング向けの高性能かつ省エネルギーなCPUの設計に特化しています。Graphcore Limitedは、AIに特化した半導体チップの設計・開発において実績を有しています。これらの半導体関連子会社は、AIコンピューティングの将来を見据え、引き続き研究開発への投資を継続していきます。あわせて、半導体IP、チップおよび関連技術として提供される新たなコンピュートプラットフォームを含む新技術の開発を進めることで、顧客による次世代製品の開発を可能にしていきます。なお、前期より、当社100%子会社とArmは、技術ライセンスおよび設計サービスに関する契約(以下、本項目において「本契約」)を締結しています。本契約に基づき、当社100%子会社はArmの半導体IPのライセンス供与を受けるとともに、将来の新技術創出を目的とした共同研究開発に係る設計サービスの提供を受けています。当事業では、本契約に係る当社100%子会社とArmの取引はセグメント内取引となるため消去されています。 <業績全般>売上高 当事業の売上は主に米ドル建であることから、本項では米ドルベースの実績を記載しています。 (単位:百万米ドル)3月31日に終了した1年間 2025年2026年増減増減率売上高(米ドルベース)3,8624,2283669.5% 売上高は、前期に比べ366百万米ドル(9.5%)増加しました。この主な要因は、Armの各ビジネスユニット「エッジAI」(スマートフォン・家電・IoT等)・「クラウドAI」・「フィジカルAI」(自動車・ロボティクス等)におけるロイヤルティー収入の増加です。エッジAIにおいては、最新世代テクノロジー「Armv9」やCSSを採用したCPUのスマートフォンへの搭載が進み、チップ当たりのロイヤルティー単価が上昇したことが寄与しました。クラウドAIでは、データセンターにおけるCPU需要拡大を背景に、Google AxionやAWS Graviton、NVIDIA Vera Rubinプラットフォームに搭載されるArmベースCPUの出荷増加が成長に寄与しました。フィジカルAIでは、自動運転車両向け電子機器へのArm技術の採用拡大が収益を牽引しました。 セグメント利益セグメント利益は、前期に比べ126,375百万円悪化し、137,266百万円の損失となりました。これは主に、将来の成長を支える次世代技術の開発に伴い、研究開発費が増加したことによるものです。また、当期においてAmpereの買収が完了し、同社の業績を当社の連結業績に取り込んだことに加え、取得関連費用を計上したことも、セグメント利益の悪化要因となりました。 <技術開発>当期、当事業においてArmおよびライセンシー企業が行った技術開発に関する主な発表は以下の通りです。なお、各技術開発の詳細については、発表各社のウェブサイトに掲載されているプレスリリースをご参照ください。 ・Armは、自動車向けコンピュート・サブシステム(CSS)「Arm Zena CSS」の技術詳細を発表(2025年6月)。「Arm Zena CSS」は、「Armv9」を基盤とした、AI対応車両向け初の事前統合・事前検証済みプラットフォーム。Armの仮想プラットフォームと組み合わせることで、ソフトウエアとハードウエアの同時開発が可能となり、AI対応車両の開発期間を従来よりも1年間短縮可能 ・Armは、モバイルコンピューティングデバイス向けコンピュート・サブシステム(CSS)「Arm Lumex CSS」の技術詳細を発表(2025年9月)。「Arm Lumex CSS」は、最新の「Armv9」技術を基盤とするArmの最高性能CPUに加え、GPUやシステムIPを統合。これにより顧客企業は、AIデバイスの市場投入を一段と迅速化し、フラッグシップスマートフォンや次世代PCでのAI体験を加速させることが可能 ・Amazon Web Services, Inc.は、最新の「Armv9」ベースのカスタムサーバーチップ Graviton5を発表。192個のArmベースCPUコアを搭載し、前世代比で最大25%の性能向上を実現(2025年12月) ・Rivian Automotive, Inc.は、最新の「Armv9」ベースの自動運転向け第3世代カスタムチップRAP1を発表。Armと緊密に協業して開発され、高い演算性能と電力効率に加え、車載向けの安全性要件にも対応(2025年12月) ・Samsung Electronics Co., Ltd.は、「Arm Lumex CSS」を採用したフラッグシップモバイルチップExynos 2600を発表。前世代比で最大39%のCPU性能向上と電力効率の向上により、高性能なオンデバイスAIを実現(2025年12月) ・Armは、自社設計シリコンチップ「Arm AGI CPU」を発表(2026年3月)。同製品は、最大136コアの「Neoverse V3」アーキテクチャを採用し、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited(TSMC)の3nmプロセスで製造、消費電力300Wでx86比同一ラック当たり約2倍の性能密度を実現。これにより、データセンター領域における提供価値をIPライセンス・CSSからシリコンチップ供給へと拡張。Meta Platforms, Inc.と共同開発し、OpenAI、SAP SEなどのパートナー企業とともに商用展開を進める c.財政状態の状況1.投資資産の状況◆ SVFの投資(FVTPL)(注1)の帳簿価額は23兆4,957億円(前期末比12兆848億円増加)(注2)OpenAI株式の帳簿価額は12兆7,255億円(796億米ドル)(前期末比12兆2,351億円(763億米ドル)の増加) ◆ 投資有価証券の帳簿価額は4兆2,646億円(前期末比3兆7,754億円減少)(注2)- Tモバイル株式の帳簿価額は3,358億円(主に売却により前期末比3兆683億円減少)- NVIDIA株式およびドイツテレコム株式については全売却により当期末残高は零に- Intel株式の帳簿価額は6,135億円(2025年9月の20億米ドルの出資に加え、株価が上昇) 2.財務活動に伴う負債の増減◆ ソフトバンクグループ㈱の有利子負債は12兆3,168億円(前期末比3兆7,315億円増加)- 借入金残高は3兆9,607億円(前期末比2兆1,853億円増加):OpenAIへの追加出資およびAmpere買収を目的とした借入を実行。当該借入の当期末残高は合計1兆9,177億円(120億米ドル)- 社債残高は8兆1,704億円(前期末比1兆5,020億円増加):国内社債および外貨建社債を合計9,990億円相当償還した一方で、国内社債および外貨建社債を合計2兆3,717億円相当発行 ◆ 資金調達を行う100%子会社の有利子負債は4兆6,243億円(前期末比1兆1,626億円増加)(注2)- 借入金残高は4兆3,651億円(前期末比1兆9,013億円増加):ドイツテレコム株式を利用したカラー取引に係る借入金を同社株式で全て返済したことに伴い返済時点において借入金が29億米ドル減少した一方、Arm株式を利用した借入(マージンローン)を115億米ドル、ソフトバンク㈱株式を利用した借入(マージンローン)を4,000億円それぞれ増額- 株式先渡契約金融負債残高は2,592億円(前期末比7,386億円減少):Tモバイル株式を利用した先渡売買契約の新規締結により2,592億円(16億米ドル)計上した一方、アリババ株式を利用した全ての先渡売買契約を現物決済したことに伴い決済時点において9,830億円(67億米ドル)減少 3.資本の増減◆ 資本合計で前期末比6兆5,154億円の増加- PayPayの本新規公開に伴う本新規発行および本売出しによる売却益相当額1,143億円のうち、親会社の所有者に帰属する815億円を資本剰余金に計上- 親会社の所有者に帰属する純利益5兆23億円を計上し、利益剰余金が増加 ◆ 親会社の所有者に帰属する持分比率(自己資本比率)は当期末29.0%(前期末は25.7%) (注1)「SVFの投資(FVTPL)」には、SVFが保有する当社の子会社への投資(主にPayPayおよびロボHD)および当社から移管後引き続き持分法を適用している投資(後者は「持分法で会計処理されている投資」に計上)を含みません。(注2)期末日の対米ドルの為替換算レートが前期末に比して6.9%円安となったことによる帳簿価額の増加を含みます。 (単位:百万円) 2025年3月31日2026年3月31日 増減 増減率資産合計45,013,75660,749,54715,735,79135.0%負債合計31,060,73040,281,1159,220,38529.7%資本合計13,953,02620,468,4326,515,40646.7% (a)資産 (単位:百万円) 2025年3月31日2026年3月31日 増減 現金及び現金同等物3,713,0285,362,1501,649,122 営業債権及びその他の債権3,008,1443,302,622294,478 デリバティブ金融資産111,25844,221△67,037 その他の金融資産1,485,8772,135,608649,731A棚卸資産198,291240,17941,888 その他の流動資産365,880730,821364,941 売却目的保有に分類された資産550,440-△550,440B流動資産合計9,432,91811,815,6012,382,683 有形固定資産2,830,1853,446,559616,374C使用権資産857,961921,61263,651 のれん5,781,9317,314,5321,532,601D無形資産2,414,5622,469,84355,281 契約獲得コスト383,022439,26556,243 持分法で会計処理されている投資502,995739,274236,279 SVFの投資(FVTPL)11,410,92223,495,70612,084,784E SVF16,467,6026,265,581△202,021 SVF24,094,25716,320,92312,226,666 LatAm849,063909,20260,139 投資有価証券8,040,0684,264,641△3,775,427Fデリバティブ金融資産168,248327,547159,299 その他の金融資産2,767,6253,701,668934,043G繰延税金資産207,987273,59165,604 その他の非流動資産215,3321,539,7081,324,376H非流動資産合計35,580,83848,933,94613,353,108 資産合計45,013,75660,749,54715,735,791 主な科目別の増減理由科目前期末からの主な増減理由流動資産 A その他の金融資産資産運用子会社において、NVIDIA株式を売却した一方で、社債(主に残存年数が短い投資適格債)の取得を行ったことなどにより、313,983百万円増加しました。 B 売却目的保有に分類された資産前期末において、2025年4月に決済日が到来するアリババ株式を利用した先渡売買契約のうち、現物決済に使用することを前期末までに決定していた同社株式533,818百万円(35.7億米ドル)を「投資有価証券」から「売却目的保有に分類された資産」へ振り替えていましたが、当該現物決済が完了したことにより減少しました。 非流動資産 C 有形固定資産Energy Globalにおいて、太陽光発電所設備の取得などにより、399,566百万円増加しました。 D のれんAmpere買収に関する取得原価の配分(Purchase Price Allocation)が完了していないため、取得対価1,017,579百万円と、支配獲得日の資産および負債の純額との差額1,078,644百万円を、暫定的にのれんとして計上しました。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記8.企業結合」をご参照ください。 科目前期末からの主な増減理由E SVFの投資(FVTPL)・SVF2の帳簿価額が12,226,666百万円増加しました。米ドルベースでは747億米ドル増加しました(注1)。これは投資の売却およびロボHDへの移管により24億米ドル減少した一方、既存投資先への追加投資および新規投資により448億米ドル、当期末に保有する投資先の公正価値増加により323億米ドルそれぞれ増加したことによるものです。・上記の帳簿価額の増加額のうち、OpenAI株式の帳簿価額の増加額は12,235,109百万円です。米ドルベースでは763億米ドル増加しました(当期末残高は12,725,548百万円(796億米ドル))。これは主に追加出資により6,786,361百万円(445億米ドル)、公正価値増加により4,928,655百万円(319億米ドル)、為替変動影響額により535,011百万円増加したことによるものです。・SVF1の帳簿価額が202,021百万円減少しました。米ドルベースでは41億米ドル減少しました(注1)。これは当期末に保有する投資先の公正価値増加により7億米ドル増加した一方、投資の売却により48億米ドル減少したことによるものです。 なお、これらのSVFの投資については、期末日の対米ドルの為替換算レートが前期末に比して6.9%円安となったことによる帳簿価額の増加を含みます。詳細は「(1)財政状態及び経営成績の状況 b.セグメントの業績概況(b)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」をご参照ください。 F 投資有価証券・Tモバイル株式の帳簿価額が3,068,273百万円減少しました(当期末残高は335,796百万円)。これは同社株式75.4百万株を売却したことに加えて、同社株価が下落したことによるものです(参考:1株当たり、2025年3月末の266.71米ドルから2026年3月末には210.03米ドルに下落)。・ドイツテレコム株式の帳簿価額は、株式の全売却により1,121,969百万円減少し、当期末残高は零になりました。・アリババ株式の帳簿価額が1,015,606百万円減少しました(当期末残高は9,498百万円)。これは主に同社株式を利用した全ての先渡売買契約を現物決済したことによるものです。・NVIDIA株式の帳簿価額は、株式の全売却により311,566百万円減少し(資産運用子会社が保有するNVIDIA株式を除く)、当期末残高は零になりました。・Intel株式の帳簿価額が、前期末時点においては零でしたが、当期末時点においては613,522百万円になりました。これは2025年9月に20億米ドルの出資を実行したことに加え、その後の株価が上昇したことよるものです。・PayPay銀行㈱の債券等の資産運用商品の帳簿価額が前期末比503,020百万円増加しました(当期末残高は1,250,076百万円)。・ロボHDの保有する投資の帳簿価額が前期末比469,476百万円増加しました(当期末残高は727,877百万円)。 なお、これらの投資有価証券については、期末日の対米ドルの為替換算レートが前期末に比して6.9%円安となったことによる帳簿価額の増加を含みます。 G その他の金融資産LINE Bank Taiwan LimitedおよびPayPay銀行㈱の銀行業の貸出金が合計658,080百万円増加しました。 H その他の非流動資産・米国における発電所およびAIインフラ建設に関連した資産の取得にかかる前渡金を「有形固定資産の前渡金」として678,726百万円(42億米ドル)計上しました。・Energy Globalが「リースインセンティブ」を582,962百万円(36億米ドル)計上しました。詳細は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記13.その他の流動資産およびその他の非流動資産」をご参照ください。 (注1)米ドルに対する現地通貨相場の変動影響を含みます。(別掲)エンティティ別の現金及び現金同等物連結上の現金及び現金同等物は前期末比1兆6,491億円増加の5兆3,622億円となりました。詳細については「(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 (単位:百万円) 2025年3月31日2026年3月31日 増減持株会社投資事業1,596,2582,812,0401,215,782 ソフトバンクグループ㈱1,251,6672,523,8411,272,174 資金調達を行う100%子会社97,62216,213△81,409 SB Northstar1,3287,7566,428 その他245,641264,23018,589ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業134,096333,258199,162 SVF130,314106,51876,204 SVF229,265153,695124,430 LatAm4,4977,1272,630 SBIA、SBGA、SBLA Advisers Corp.70,02065,918△4,102ソフトバンク事業1,435,5251,438,7993,274 ソフトバンク㈱293,429249,537△43,892 LINEヤフー㈱268,132240,123△28,009 PayPayおよび子会社(注1)369,223363,081△6,142 その他(注1)504,741586,05881,317AIコンピューティング事業328,193492,849164,656 Armおよび子会社311,795439,814128,019 その他(注2)16,39853,03536,637その他(注2)218,956285,20466,248合計3,713,0285,362,1501,649,122(注)連結消去後の金額です。(注1)銀行子会社(PayPay銀行㈱およびLINE Bank Taiwan Limited)の現金及び現金同等物の当期末残高は合計330,862百万円です。(注2)当第3四半期に報告セグメントとして「AIコンピューティング事業」を新設したことに伴い、前期末について遡及修正して表示しています。 (b)負債 (単位:百万円) 2025年3月31日2026年3月31日 増減 有利子負債5,629,6487,251,6301,621,982 リース負債165,355184,66619,311 銀行業の預金1,795,9652,550,998755,033 営業債務及びその他の債務3,036,3493,616,646580,297 デリバティブ金融負債840,469137,858△702,611Aその他の金融負債5,94039,94434,004 未払法人所得税444,180182,506△261,674 引当金54,04779,29625,249 その他の流動負債629,717790,004160,287 流動負債合計12,601,67014,833,5482,231,878 有利子負債12,376,68217,433,4865,056,804 リース負債741,665793,78452,119 SVFの外部投資家持分3,652,7973,746,39693,599Bデリバティブ金融負債104,197549,000444,803Cその他の金融負債199,284450,847251,563 引当金155,436216,52761,091 繰延税金負債924,3921,443,678519,286 その他の非流動負債304,607813,849509,242 非流動負債合計18,459,06025,447,5676,988,507 負債合計31,060,73040,281,1159,220,385 主な科目別の増減理由科目前期末からの主な増減理由有利子負債の内訳は次ページの(別掲)をご参照ください。流動負債 A デリバティブ金融負債・アリババ株式を利用した全ての先渡売買契約を現物決済したことに伴い、同契約に係るデリバティ