9987

スズケン(9987)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 医薬品卸売が中核
    スズケンは、医療用医薬品や診断薬、医療機器などを病院や薬局に販売する「医薬品卸売事業」を主力としています。これは、医薬品をメーカーから仕入れ、全国の医療機関に安定的に供給する役割を担うもので、売上高の大部分を占める基盤事業です。地域子会社を通じて全国展開しており、医療現場に不可欠な存在です。
  • 多角的なヘルスケア事業
    医薬品卸売に加え、自社で医療用医薬品や医療機器の研究開発・製造・販売を行う「ヘルスケア製品開発事業」も展開しています。これにより、単なる流通だけでなく、製品そのものの価値創造にも関与しています。また、保険薬局や介護サービスを提供する「地域医療介護支援事業」も手掛け、地域住民の健康と生活を多方面からサポートしています。
  • メーカー支援と新領域
    スペシャリティ医薬品(特殊な医薬品)の流通受託や、医薬品メーカーの物流受託、デジタルヘルスケアサービスなど、メーカー支援や新たな医療関連サービスも提供しています。これは、医薬品流通で培ったノウハウを活かし、メーカーの課題解決や医療現場の効率化に貢献することで、収益源の多様化を図るビジネスモデルです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医薬品卸売事業
    スズケンの最大の稼ぎ頭であり、売上高2兆2631.35億円、営業利益319.16億円を計上しています。当社および複数の子会社(サンキ、アスティス、翔薬など)が、医療用医薬品、診断薬、医療機器・材料などを全国の医療機関に販売しています。これは、医療現場への安定供給を担う中核事業です。
  • 地域医療介護支援事業
    売上高943.99億円、営業利益12.91億円の規模で、保険薬局の運営(ユニスマイルなど)や介護サービスの提供(サンキ・ウエルビィ、エスケアメイトなど)を行っています。地域に密着した医療と介護の連携を支援し、高齢化社会におけるニーズに応える事業です。
  • ヘルスケア製品開発事業
    売上高116.76億円、営業利益19.16億円を計上しており、医療用医薬品や診断薬、医療機器・材料の研究開発、製造、販売を手掛けています(三和化学研究所、ケンツメディコなど)。自社で製品を開発・製造することで、医薬品卸売事業との相乗効果を生み出し、新たな価値創造を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ThePharmaceuticalDistributionBusiness 地域 22,631 319 1.4%
TheHealthcareProductDevelopmentBusinessReportableSegment 地域 117 19 16.4%
TheCommunityHealthcareAndNursingCareSupportBusinessReportableSegment 地域 944 13 1.4%
TheSpecialtyDrugContractDistributionBusinessReportableSegment 地域 64 8 13.2%
TheHealthcareRelatedServicesBusiness 地域 243 10 4.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|679 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社は、㈱スズケン(当社)、子会社38社及び関連会社10社により構成されており、医薬品等の販売、医薬品・医療機器等の製造販売、保険薬局・介護サービス、スペシャリティ医薬品流通受託、医薬品メーカー支援サービス及びこれらに付随する事業を営んでおります。事業の内容と当社及び当社の関係会社の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。 事業区分主要な会社主な事業内容医薬品卸売事業当社、㈱サンキ、㈱アスティス、㈱翔薬、㈱スズケン沖縄薬品、ナカノ薬品㈱、㈱スズケン岩手、㈱エス・ディ・ロジ医療用医薬品・診断薬、医療機器・医療材料等の販売ヘルスケア製品開発事業医療用医薬品製造㈱三和化学研究所医療用医薬品、診断薬、医療機器・材料の研究開発・製造・販売医療機器・材料製造ケンツメディコ㈱地域医療介護支援事業保険薬局㈱ユニスマイル保険薬局・介護サービスの提供介護サンキ・ウエルビィ㈱、㈱エスケアメイト医療介護支援㈱メディケアコラボスペシャリティ医薬品流通受託事業㈱エス・ディ・コラボ(注)スペシャリティ医薬品のメーカー支援業務医療関連サービス等事業外部ロジスティクス中央運輸㈱、㈱エス・ディ・コラボ(注)(医薬品メーカー物流受託)医薬品メーカー物流受託などのメーカー支援サービス、デジタルヘルスケアサービス等の提供その他㈱コラボスクエア (注) ㈱エス・ディ・コラボは、2026年4月1日付で会社分割し、㈱コラボクリエイトを設立しております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
薬価基準の毎年改定による販売価格低下、メーカーの営業戦略による割戻金・販売報奨金の圧縮
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品医療機器等法及び関連法令による営業拠点開設、医薬品等販売の許可・登録・指定・免許
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法的規制による事業への影響 / 医療保険制度改革による業績への影響 / 価格未決定取引による業績への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

スズケンは医療用医薬品卸売事業を主軸としており、長年の事業運営で培われた製薬会社との信頼関係や、医療機関へのアクセスといった無形資産は存在する。しかし、特許やブランド力といった強力な無形資産は限定的であり、スコアは低い。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療機関は、医薬品の安定供給、品質、納期、そして担当者との関係性などを重視するため、取引先の変更には一定のスイッチングコストが発生する。特に地域密着型の医療機関では、長年の取引関係が重視される傾向がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医薬品卸売業において、ネットワーク効果はほとんど見られない。顧客(医療機関)が増えることで、サービスの価値が直接的に向上する構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

医薬品卸売業は、規模の経済による効率化や、物流網の最適化によるコスト削減が競争力の源泉となりうる。スズケンは全国的な物流網を有しており、一定の効率性は期待できるが、他社との圧倒的なコスト差を生み出すほどの優位性は現時点では不明瞭。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

医薬品卸売業界は、大手数社による寡占が進んでおり、スズケンは業界トップクラスの売上高を誇る。全国的な物流網と、多数の医療機関との取引実績は、規模の経済による効率性と、市場における一定の支配力を示唆する。

  • 全国規模の流通ネットワーク
    スズケンは、全国に広がる営業拠点と子会社群(サンキ、アスティス、翔薬など)を通じて、医療用医薬品や医療機器を安定的に供給できる強固な流通ネットワークを持っています。これは、医薬品が生命関連商品であるため、迅速かつ確実な供給が求められる医療現場において、非常に重要な競争優位性となります。
  • 多岐にわたる事業ポートフォリオ
    医薬品卸売を中核としつつも、医薬品・医療機器の製造販売、保険薬局・介護サービス、スペシャリティ医薬品流通受託など、幅広いヘルスケア関連事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを低減し、医療・介護分野の多様なニーズに対応できる総合力が強みとなっています。
  • 長年の信頼と顧客基盤
    医療機関や保険薬局、医薬品メーカーとの長年にわたる取引を通じて築き上げてきた信頼関係は、スズケンの重要な資産です。医薬品の安定供給やきめ細やかなサービス提供により、強固な顧客基盤を構築しており、これが新規参入者に対する参入障壁となっています。特に、価格未決定取引といった業界特有の商習慣に対応できる体制も強みです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「健康創造事業体」への進化
    スズケンは、創業の精神を受け継ぎ「健康創造」を事業領域と定め、医療と健康に関わる分野で社会貢献を目指しています。現在は「第3の創業期」と位置づけ、既存の「卸」の概念を超えた「次世代卸」への進化を図り、様々な社会課題の解決と社会コストの低減に貢献する「健康創造事業体」の実現を目指しています。
  • 収益構造の多様化と付加価値創出
    主力である医薬品卸売事業において、従来のマージンビジネスに加え、機能提供に対するフィービジネス(サービスの事業化)に挑戦します。安定供給の効率化を図りつつ、顧客の課題解決に資するサービスには適切な対価をいただくことで、収益構造の多様化と高付加価値化を目指します。
  • 事業ポートフォリオの再設計と経営基盤強化
    医薬品卸売事業を中核としつつ、既存事業の進化と外部企業との連携(アライアンス)を通じて事業構造を再構築します。また、中期経営計画を実現するため、次世代を担う人材の育成やDX分野の専門人材の確保、グループ横断での人材活用、多様な人材が活躍できる環境整備を進め、持続的成長を支える経営基盤を強化します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループでは、「世のため、人のため」「お得意さまに学ぶ」という創業のこころを受け継ぎ、事業領域を「健康創造」と定め、医療と健康に関わる分野で、事業を通して世の中のお役に立つことを会社経営の基本方針としております。当社グループのお得意さまは、医療機関、保険薬局、医薬品メーカーさまだけでなく、医療・介護に従事される方々、患者さま、さらには、地域住民、地域社会にまで広がっており、これまで築き上げてきたお得意さまとの信頼関係を「伝統資産」と位置づけ、「社会課題の解決」と「社会コストの低減」に貢献する新しい価値を創造し続けることが当社グループの存在意義(パーパス)となります。当社グループは、今を「第3の創業期」と位置づけ、各事業で培ってきた機能や協業企業のサービスを組み合わせ、新たな価値を提供する「機能総体」の発想により、様々な社会課題の解決と社会コストの低減に貢献する「健康創造事業体」を実現し、企業価値向上と持続的な成長を目指してまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画(以下、「本中計」)において、下記の定量目標を掲げております。<主要財務指標>■長期目標〔5年後(2031年3月期)〕項 目期 間目 標連結売上高2031年3月期3兆円以上ROE8.0%以上 ■上記長期目標達成に向けた本中計における主要経営指標(2027年3月期~2029年3月期)項 目期 間目 標連結売上高2029年3月期2.7兆円以上ROE各年度資本コスト(6.0%)以上の水準2029年3月期7.0%以上経常利益率2029年3月期連結:1.5%以上卸売事業セグメント:1.0%以上投資3カ年累計600億円以上(M&A・戦略投資等は機動的に実施)株主還元各年度配当:安定的な配当の継続(2029年3月期までにDOE3.0%へ)総還元性向:100%を基準として実施政策保有株式の縮減2029年3月期連結純資産額の10.0%以下 ■サステナビリティへの取組み(前中期経営計画からの取組みを継続推進)項 目目 標ECO2排出量(Scope1+2)2030年度(2031年3月期):2020年度比40%削減(2026年3月期実績:69,397t-CO2 約21%削減)S女性管理職比率2030年度(2031年3月期):20%以上(2026年3月期実績:15.2%)男性育児休業取得率毎年100%継続(2026年3月期実績:100.0%)Gコンプライアンス研修受講率毎年100%必須(前中計期間実績:100.0%) (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、下記中期経営計画を策定し推進しております。 [本中計のテーマ]第3の創業「健康創造事業体」を目指して~ 既存の「卸」の概念を超えた“次世代卸”への進化 ~ [本中計のスローガン]Change makes Challenge環境の変化を成長のチャンスと捉え、積極的に挑戦し続けるChallenge makes Changeその挑戦が、スズケングループの未来を切り拓く※本スローガンは、当社グループが変化へ挑戦する姿勢を表したものであり、以下に記載する重点施策および経営指標の達成に向け邁進してまいります。 [本中計の重点施策](1)次世代卸への進化(2)事業ポートフォリオの再設計(3)経営基盤の強化 (1)次世代卸への進化主力である医薬品卸売事業におきましては、従来のマージンビジネスに加え、機能によるフィービジネス(機能の事業化)に挑戦してまいります。次世代卸へと進化すべく、安定供給を担保しつつ受注納品プロセスの更なる効率化を目指すとともに、顧客の課題解決に資するサービスについては、価値に見合った対価をいただくことで、収益構造の多様化と付加価値創出を図ります。 (2)事業ポートフォリオの再設計当社グループは、医薬品卸売事業を中核としながら、既存事業の進化と外部企業とのアライアンスを通じた事業構造の進化に取り組みます。環境の変化に適応できるよう従来の事業の枠組みにとらわれず、当社グループが有する機能やアセットを組み合わせ、より付加価値の高い事業モデルへの転換を図ります。 (3)経営基盤の強化本中計を実現するためには、それを担う人材の育成が不可欠であると認識しています。このため、次世代の経営を担う人材の計画的な育成に加え、デジタル、データ解析などDX分野における専門性を備えた人材の育成・確保を強化してまいります。また、グループ横断での人材活用や部門間連携を強化するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境整備を通じて、持続的な成長を支える経営基盤の強化を図ります。 また、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」を重要な経営課題と認識し、その対応方針を2023年11月に開示のうえ、各種施策を推進しております。足元ではPBRは1倍の水準へ改善しているものの、資本コストや将来の成長性を十分に織り込んだ水準にあるとは認識しておらず、引き続き改善の余地があるものと考えております。本中計は、資本コストを上回る収益性を安定的に創出し、企業価値を持続的に向上させることを最上位の経営課題として設計されています。本中計を着実に推進・達成していくことで、PBRをさらに向上させ、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」に継続的に応えてまいります。 ※中期経営計画の詳細につきましては、下記当社ホームページをご参照ください。https://www.suzuken.co.jp/ir/strategy/
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループでは、「世のため、人のため」「お得意さまに学ぶ」という創業のこころを受け継ぎ、事業領域を「健康創造」と定め、医療と健康に関わる分野で、事業を通して世の中のお役に立つことを会社経営の基本方針としております。当社グループのお得意さまは、医療機関、保険薬局、医薬品メーカーさまだけでなく、医療・介護に従事される方々、患者さま、さらには、地域住民、地域社会にまで広がっており、これまで築き上げてきたお得意さまとの信頼関係を「伝統資産」と位置づけ、「社会課題の解決」と「社会コストの低減」に貢献する新しい価値を創造し続けることが当社グループの存在意義(パーパス)となります。当社グループは、今を「第3の創業期」と位置づけ、各事業で培ってきた機能や協業企業のサービスを組み合わせ、新たな価値を提供する「機能総体」の発想により、様々な社会課題の解決と社会コストの低減に貢献する「健康創造事業体」を実現し、企業価値向上と持続的な成長を目指してまいります。 (2)目標とする経営指標当社グループは、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画(以下、「本中計」)において、下記の定量目標を掲げております。<主要財務指標>■長期目標〔5年後(2031年3月期)〕項 目期 間目 標連結売上高2031年3月期3兆円以上ROE8.0%以上 ■上記長期目標達成に向けた本中計における主要経営指標(2027年3月期~2029年3月期)項 目期 間目 標連結売上高2029年3月期2.7兆円以上ROE各年度資本コスト(6.0%)以上の水準2029年3月期7.0%以上経常利益率2029年3月期連結:1.5%以上卸売事業セグメント:1.0%以上投資3カ年累計600億円以上(M&A・戦略投資等は機動的に実施)株主還元各年度配当:安定的な配当の継続(2029年3月期までにDOE3.0%へ)総還元性向:100%を基準として実施政策保有株式の縮減2029年3月期連結純資産額の10.0%以下 ■サステナビリティへの取組み(前中期経営計画からの取組みを継続推進)項 目目 標ECO2排出量(Scope1+2)2030年度(2031年3月期):2020年度比40%削減(2026年3月期実績:69,397t-CO2 約21%削減)S女性管理職比率2030年度(2031年3月期):20%以上(2026年3月期実績:15.2%)男性育児休業取得率毎年100%継続(2026年3月期実績:100.0%)Gコンプライアンス研修受講率毎年100%必須(前中計期間実績:100.0%) (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、下記中期経営計画を策定し推進しております。 [本中計のテーマ]第3の創業「健康創造事業体」を目指して~ 既存の「卸」の概念を超えた“次世代卸”への進化 ~ [本中計のスローガン]Change makes Challenge環境の変化を成長のチャンスと捉え、積極的に挑戦し続けるChallenge makes Changeその挑戦が、スズケングループの未来を切り拓く※本スローガンは、当社グループが変化へ挑戦する姿勢を表したものであり、以下に記載する重点施策および経営指標の達成に向け邁進してまいります。 [本中計の重点施策](1)次世代卸への進化(2)事業ポートフォリオの再設計(3)経営基盤の強化 (1)次世代卸への進化主力である医薬品卸売事業におきましては、従来のマージンビジネスに加え、機能によるフィービジネス(機能の事業化)に挑戦してまいります。次世代卸へと進化すべく、安定供給を担保しつつ受注納品プロセスの更なる効率化を目指すとともに、顧客の課題解決に資するサービスについては、価値に見合った対価をいただくことで、収益構造の多様化と付加価値創出を図ります。 (2)事業ポートフォリオの再設計当社グループは、医薬品卸売事業を中核としながら、既存事業の進化と外部企業とのアライアンスを通じた事業構造の進化に取り組みます。環境の変化に適応できるよう従来の事業の枠組みにとらわれず、当社グループが有する機能やアセットを組み合わせ、より付加価値の高い事業モデルへの転換を図ります。 (3)経営基盤の強化本中計を実現するためには、それを担う人材の育成が不可欠であると認識しています。このため、次世代の経営を担う人材の計画的な育成に加え、デジタル、データ解析などDX分野における専門性を備えた人材の育成・確保を強化してまいります。また、グループ横断での人材活用や部門間連携を強化するとともに、多様な人材が能力を発揮できる環境整備を通じて、持続的な成長を支える経営基盤の強化を図ります。 また、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」を重要な経営課題と認識し、その対応方針を2023年11月に開示のうえ、各種施策を推進しております。足元ではPBRは1倍の水準へ改善しているものの、資本コストや将来の成長性を十分に織り込んだ水準にあるとは認識しておらず、引き続き改善の余地があるものと考えております。本中計は、資本コストを上回る収益性を安定的に創出し、企業価値を持続的に向上させることを最上位の経営課題として設計されています。本中計を着実に推進・達成していくことで、PBRをさらに向上させ、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」に継続的に応えてまいります。 ※中期経営計画の詳細につきましては、下記当社ホームページをご参照ください。https://www.suzuken.co.jp/ir/strategy/
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況a 財政状態の状況( 資 産 )当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ419億34百万円増加し1兆1,557億66百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。流動資産は前連結会計年度末に比べ320億73百万円増加いたしました。これは主に、有価証券が139億50百万円、商品及び製品が15億28百万円減少したものの、現金及び預金が140億40百万円、受取手形及び売掛金が300億55百万円増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ98億60百万円増加いたしました。これは主に、投資その他の資産が2億44百万円増加したものの、有形固定資産が60億51百万円、無形固定資産が35億64百万円増加したことによるものであります。 ( 負 債 )当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ333億42百万円増加し7,397億53百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。流動負債は前連結会計年度末に比べ339億37百万円増加いたしました。これは主に、独占禁止法関連損失引当金が30億90百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が300億4百万円増加したことによるものであります。固定負債は前連結会計年度末に比べ5億94百万円減少いたしました。これは主に、繰延税金負債が5億1百万円増加したものの、固定負債のその他(主に預り敷金)が10億50百万円減少したことによるものであります。 ( 純資産 )当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ85億91百万円増加し4,160億12百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。株主資本は前連結会計年度末に比べ53億62百万円増加いたしました。これは主に、剰余金の配当の支払が70億98百万円、自己株式の取得による減少が260億3百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益を381億36百万円計上したことによるものであります。その他の包括利益累計額は前連結会計年度末に比べ32億21百万円増加いたしました。これは主に、退職給付に係る調整累計額が31億29百万円増加したことによるものであります。 b 経営成績の状況当連結会計年度においては、米国政権の政策動向の不確実性など、複合的な要因による外国為替相場の変動、電力・エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価高が引き続き進展しております。また、政策的な賃金上昇に加えて、いわゆる「2024年問題」に代表される「働き手不足」が進展し、様々なコストが上昇する一方で、価格転嫁が十分に見通せないこと、期末に顕在化した中東情勢の緊迫化に伴う原油価格や製品調達への影響が見通せないことなど、国内景気や企業収益については先行き不透明な状況が続いております。 そのようななか、当社グループは、当期を最終年度とする中期経営計画を策定しており、本中計の実践を通じて、グループが「One Team」となって健康創造事業体への変革を進め、変化するヘルスケアエコシステムに新たな「解」と「希望」を送り続ける存在として新たな価値を創出し、さらなる企業価値の向上と社会課題の解決に貢献することを目指し、2032年の当社創立100周年に向け、本中計期間は「既存事業の変革」と「新たな成長事業の準備」を主なテーマと位置づけて取り組んでまいりました。 当連結会計年度における「既存事業の変革」については、多様な企業との協業を通じ、希少疾病薬や再生医療等製品を含むスペシャリティ医薬品の流通モデルの強化やMS(※1)の活動による新たな収益モデル構築に取り組んでまいりました。具体的には、医療流通プラットフォームの構築に向けて、スペシャリティ医薬品トレーサビリティシステムである「キュービックス」を全国の地域中核病院などへ導入し、医薬品の流通品質向上に取り組んでおり、スペシャリティ医薬品流通において、国内への新規参入や新製品の上市を目指す製薬企業のご要望にお応えするとともに、新薬を待ち望む患者さまに確実に医薬品をお届けできる流通基盤の強化に努めた結果、期末時点で全国597軒のお得意さまにおいて、合計710台が稼働しており、がん拠点病院の半数以上、国立大学病院の8割程度に導入が進んでおります。今後、「キュービックス」の更なる導入を進めることに加えて、周辺サービスとの連携など機能拡充により、より精度の高いデータの取得や、流通在庫の可視化、在庫、消費データを用いた需要予測などにも取り組んでまいります。流通基盤の強化に向けた取り組みとしては、2024年4月より、埼玉県草加市に、最新のロボット技術を駆使した自動化・省人化を実現する卸物流拠点に、製造業務受託・メーカー物流エリアを併設した、業界初のコンセプトを持つ「首都圏物流センター」を構築し、本稼働しております。加えて、2025年5月に中部圏をカバーする新たな物流拠点「中部圏物流センター(仮称)」の構築に向け、愛知県春日井市との間で売買契約を締結し、物流センター用地(2027年10月着工予定)を取得いたしました。今後、「首都圏」「中部圏」両センターをはじめとする当社グループの物流網を最大活用し、自動化による効率化をはじめ、輸配送コストの低減、GDP基準(※2)に準拠した品質面、CO2排出量の削減などの環境面、災害時におけるBCP対応のより一層の強化など、さまざまな効果の実現を目指してまいります。今後もスズケングループは、「既存事業の変革」を実現する新たな取り組みを順次導入・具体化してまいります。 「新たな成長事業の準備」については、既に提携している企業とともに、新たな流通チャネル構築や、協業によるデジタルヘルス事業の構築を加速させ、革新的なサービスや情報ビジネスを推進し、製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さまへの新たな価値の提供に取り組んでおります。具体的には、医療・介護従事者向けのポータルサイトである「コラボポータル」(※3)のサービス提供を開始し、当社グループが保有するさまざまなサービスや情報の発信に加え、お得意さまと当社グループ、製薬企業、さらには多職種・専門スタッフをつなぐ機能、協業企業のデジタルヘルスサービスを統合的にお届けする機能などを搭載し、医療・介護現場へデジタルヘルスサービスを安心・安全にご利用いただける環境づくりに取り組んでまいりました。加えて、「コラボポータル」を展開する「㈱コラボスクエア」と医療・介護に特化したソーシャル医療・介護連携プラットフォーム「メディカルケアステーション(MCS)」(※4)を展開する「エンブレース㈱」の統合 (2026年4月1日付)を決定・実施いたしました。本中計期間の取り組みを通じて、当社と44万人(ID)以上の医療・介護従事者との「新たなつながり」が生まれており、今後、医薬品卸としてお取引いただいている全国の約16万軒のお得意さまとの「つながり」と、新たに構築した44万人以上の医療・介護従事者「個」との「つながり」とを組み合わせたマーケティング支援など、情報による新たな収益事業にスピードを上げて取り組んでまいります。更に、2026年2月には、「最先端テクノロジーで医療現場を持続可能に」をミッションに、2022年4月に創業したヘルステックスタートアップである「㈱medimo」を完全子会社化いたしました。深刻化する医療従事者不足という構造的課題を背景に、生成AIをコア技術とした音声入力・自動要約による医療文書作成SaaS「medimo」(※5)を提供・展開し、2024年4月の提供開始以降、全国累計で1,000軒以上の医療機関において導入・活用がなされております。今後、日本の医療の持続可能性を支えるインフラとなることを目指し、更なる中長期的な成長を見据えております。 急速な少子高齢化の進行により、医療需要が増大する一方で医療従事者の確保がますます困難となり、医療提供体制そのものの持続可能性が深刻な危機に直面しております。こうした構造的課題の中、2024年4月から医師への時間外労働規制が適用され、医療現場では限られた人的資源で医療の質と量を維持するための抜本的な生産性向上が求められております。今後も、スズケングループは協業するさまざまな企業と共に、社会課題の解決に向け、生成AIなどの新たな技術とリアルのインフラを高度に融合させた取り組みを加速させ、安心・安全なヘルスケアプラットフォームを構築し、「健康創造事業体」の実現を目指してまいります。 リスクマネジメントに関しては、ランサムウェア被害の多発など、高度化・重大化する情報セキュリティリスクへの対応に向け、2025年4月1日付で、取締役会の下部機構である「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」傘下の実務委員会として「情報セキュリティ実務委員会」を新設いたしました。今後、当社グループにおける一元的なセキュリティ水準の把握・統制と強化を一層推進してまいります。 株主還元方針については、2023年5月に開示した株主還元方針を2023年11月10日に改定・強化し、安定的な配当の継続を基本とし、中期経営計画の最終年度である2026年3月期までの3年間平均において、総還元性向100%以上の株主還元を実施することにより株主還元の充実を図るとともに、既存事業の強化や新規事業の創出に向けた投資を行うことで企業価値と資本効率の向上を目指してまいりました。上記方針を踏まえ、2025年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づき自己株式の取得を決議し、取得総数:4,458,800株、取得総額:259億99百万円の自己株式を取得した結果、配当金(総額:68億77百万円)と合わせて、2026年3月期の単年度総還元性向は86.2%、また、2024年3月期からの3年間平均総還元性向は98.1%となりました。 当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与し、増収となりました。利益面では、引き続き適正利益の獲得と、販管費の見直しと抑制に取り組んでまいりましたが、医薬品等の仕入価格の上昇に加え、外部委託費などインフレ傾向に起因する営業費が増加したことなどにより、営業利益においては減益となりました。一方で、経常利益においては、持分法による投資利益(10億30百万円)が寄与(前期は6億36百万円の持分法による投資損失)したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益においては、政策保有株式(投資有価証券)の縮減(連結11銘柄)を実施し、特別利益として投資有価証券売却益(155億81百万円)を計上したことなどが寄与し、増益となりました。その結果、売上高は2兆4,866億47百万円(前期比3.6%増)、営業利益は363億74百万円(前期比2.0%減)、経常利益は397億44百万円(前期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は381億36百万円(前期比10.6%増)となりました。 ※1 MS(Marketing Specialist):医薬品卸売業の営業担当者のこと。医療機関・保険薬局等を訪問し、医薬品の紹介、商談、情報の提供や収集を行います。 ※2 GDP(Good Distribution Practice):医薬品の適正流通基準のこと。医薬品の市場流通における流通経路の管理保証、医薬品の完全性の保持、更に偽造医薬品が正規流通経路へ流入することの防止を図ることを目的としております。 ※3 コラボポータル:当社完全子会社である「㈱コラボスクエア」が運営する、当社グループが保有するさまざまなサービスを提供する「ソリューション機能」をはじめ、当社グループの営業担当者やMRさま、専門スタッフの皆さまなどがチャットや動画などを活用して、遠隔でお得意さまと接点を持つことが可能になる「コミュニケーション機能」、さらにはAmazonビジネスとの連動による「購買機能」などをワンストップで提供するデジタルヘルスサービスの総合ポータルサイトです。SSO(Single Sign On:一度のユーザー認証によって複数のシステムの利用が可能になる仕組み)やデータ連携を採用し、アクセス性を高めることで医療・介護現場の業務効率化にも寄与します。 ※4 メディカルケアステーション(MCS):誰でも簡単に利用できるタイムライン形式による非公開型医療介護連携SNSで、タブレット、スマートフォン、パソコンなど多様な端末に対応しています。強固なセキュリティのもとで院内や施設内はもちろん、外出先からでも必要な情報へ簡単にアクセスし、共有が可能。医師やコメディカル、介護職、患者さまとそのご家族が職種や立場を超えてつながる地域包括ケア・多職種連携を実現します。 ※5 医療文書作成SaaS「medimo」:診察時の会話から生成AIが高精度なカルテ案を自動作成。医療用語に対応した音声認識技術により、医療現場の働き方改革と業務効率化に貢献します。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(医薬品卸売事業)医療用医薬品市場は、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の新薬などが寄与したことにより、伸長したものと推測しております。そのようななか、売上高は、新型コロナウイルス関連商材(治療薬・診断薬その他)売上が前年よりも落ち込んだものの、医療用医薬品市場が伸長したことに加え、スペシャリティ医薬品等の新薬の寄与などにより2兆4,010億13百万円(前期比3.8%増)となりました。営業利益は、2024年4月に改訂された流通改善ガイドラインへの取り組み、および物流委託費をはじめ医薬品流通に係る様々なコストが高ぶれする状況下においても、引き続き販売費及び一般管理費の見直しと抑制に取り組んだものの、医薬品等の仕入価格の上昇を十分に補うに至らず、314億67百万円(前期比1.4%減)となりました。 (ヘルスケア製品開発事業)売上高は、医薬品製造事業における二次性副甲状腺機能亢進症治療薬ウパシタ静注透析用シリンジや、持続型赤血球造血刺激因子製剤ダルベポエチンアルファBS注が伸長したものの、薬価改定の影響などにより減収となりました。営業利益は、減収に加え、経口投与可能な選択的ソマトスタチンアナログ受容体(SSTR)2作動薬であるPaltusotine(※6)の開発進展による研究開発費の増加などにより、減益となりました。これらの結果、売上高は516億36百万円(前期比1.9%減)、営業利益は8億30百万円(前期比56.6%減)となりました。 ※6 Paltusotine(パルツソチン):選択的SSTR2作動薬であり、外科的処置で効果が不十分な場合または外科的処置が選択肢とならない成人先端巨大症の治療において、米国で承認された世界初の1日1回経口投与可能な低分子の治療薬です。本剤は、Crinetics社により、先端巨大症患者および神経内分泌腫瘍に伴うカルチノイド症候群患者に1日1回経口投与の治療選択肢を提供するため、探索および設計されました。先端巨大症および下垂体性巨人症を対象として、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されています。 (地域医療介護支援事業)売上高は、保険薬局事業において、閉局により運営店舗数が減少した結果、処方箋受付枚数が減少したことによりわずかながら減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の適正化に努めた結果、増益となりました。これらの結果、売上高は939億37百万円(前期比0.5%減)、営業利益は15億49百万円(前期比20.0%増)となりました。 (スペシャリティ医薬品流通受託事業)売上高は、既受託医薬品の市場伸長に加えて、新規受託医薬品も増加したことにより大幅な増収となりました。営業利益は、増収効果に伴い、増益となりました。これらの結果、売上高は4,361億円(前期比47.6%増)、営業利益は11億55百万円(前期比36.5%増)となりました。 ※7 スペシャリティ医薬品流通受託事業:希少疾患治療薬など、一般的な流通経路とは異なる、より厳格な品質管理と流通管理が必要な医薬品の流通を医薬品メーカーから受託する事業です。医療機関への販売・納入など、実際の流通機能は当社グループの「医薬品卸売事業」が担うことから、売上高はほとんどが「医薬品卸売事業」との内部取引となります。 (医療関連サービス等事業)売上高は、外部ロジスティクス事業におけるメーカー物流の受託増などにより増収となりました。営業利益は、デジタルヘルス事業の収益性改善などにより増益となりました。これらの結果、売上高は429億64百万円(前期比1.8%増)、営業利益は12億76百万円(前期比21.6%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ130億37百万円増加し1,316億4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は335億66百万円(前期は650億79百万円の支出)となりました。この主な要因は、売上債権の増加300億34百万円、投資有価証券売却益155億22百万円、法人税等の支払168億21百万円があったものの、税金等調整前当期純利益542億93百万円、仕入債務の増加300億4百万円、減価償却費123億41百万円があったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果獲得した資金は128億17百万円(前期比75億61百万円減)となりました。この主な要因は、有価証券の取得による支出164億95百万円、有形固定資産の取得による支出150億64百万円、無形固定資産の取得による支出27億84百万円があったものの、有価証券の売却及び償還による収入310億円、投資有価証券の売却及び償還による収入210億45百万円があったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は333億36百万円(前期比21億47百万円増)となりました。この主な要因は、自己株式の取得による支出260億3百万円、配当金の支払70億95百万円があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)ヘルスケア製品開発事業22,889102.5医療関連サービス等事業――合計22,889100.6 (注) 金額は、製造原価によっております。 b 商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)医薬品卸売事業医療用医薬品2,049,709103.9診断薬86,87389.3医療機器・医療材料73,701105.2その他43,680107.9計2,253,965103.4ヘルスケア製品開発事業36,957103.0地域医療介護支援事業61,246100.1スペシャリティ医薬品流通受託事業434,785147.6医療関連サービス等事業38,395101.5小計2,825,349108.3セグメント間消去△531,914136.4合計2,293,435103.3 (注) 金額は、仕入価額によっております。 c 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)ヘルスケア製品開発事業8,889112.61,622116.0セグメント間消去△3,82291.4△2―合計5,067121.21,620115.9 d 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)医薬品卸売事業医療用医薬品2,168,041104.2診断薬96,65493.6医療機器・医療材料79,999106.1その他56,317101.8計2,401,013103.8ヘルスケア製品開発事業51,63698.1地域医療介護支援事業93,93799.5スペシャリティ医薬品流通受託事業436,100147.6医療関連サービス等事業42,964101.8小計3,025,652108.1セグメント間消去△ 539,004135.2合計2,486,647103.6 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度におきましては、医薬品卸売事業をコア事業とする事業体から健康創造事業体への転換に向け、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「For your next heartbeat ~未来に向けた鼓動を創ろう~」に基づき、引き続き「既存事業の構造改革」と「新規事業の創出(新領域へのチャレンジ)」の両面から取り組んでまいりました。医薬品卸売事業におきましては、利益重視に向けた社員の意識改革や製品価値に基づく価格交渉の徹底に加え、「コラボポータル」「納品予定アプリ」「発注提案アプリ」の展開などデジタルツールの活用およびバックヤード機能の強化を推進いたしました。これにより、効率的かつ効果的な営業体制を構築するとともに、キュービックスシステムの展開により高額医薬品の廃棄ロス削減に寄与するなど、お得意先の課題解決に向けた提案活動を実践し、顧客満足度および生産性の向上に努めてまいりました。ヘルスケア製品開発事業におきましては、医薬品製造事業において、「ウパシタ静注透析用シリンジ」や「ダルベポエチンアルファBS注」などの重点製品への取り組みを推進いたしました。また、アボット社が展開する持続グルコース測定器「FreeStyleリブレ」および関連商品の国内におけるコ・プロモーションによる共同販促に取り組むとともに、先端巨大症・下垂体性巨人症を対象としたSK-5307(paltusotine)の開発など、新規製剤の開発にも注力してまいりました。地域医療介護支援事業におきましては、保険薬局事業において不採算店舗の閉局および譲渡を進めるとともに、デジタルツールの活用による業務効率化や機能強化メニューの開発に取り組み、生産性の向上に努めてまいりました。スペシャリティ医薬品流通受託事業におきましては、国内における一社流通受託のさらなる獲得に向け、インフラ整備やGDPスペシャリストの育成・配置を進め、グローバル水準に対応した品質管理体制および提案力の強化に取り組んでまいりました。医療関連サービス等事業におきましては、メーカー物流事業において製薬企業のニーズに対応するための設備投資を積極的に実施するとともに、デジタルヘルス事業の育成を推進いたしました。なかでも、デジタルヘルスケアの領域におきましては、コラボポータルの展開に注力し、完全子会社のエンブレース㈱が展開するメディカルケアステーションとのID連携を行ったことなどにより、44万人以上の医療・介護従事者との繋がりを構築することができました。また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応方針に基づき、両利き経営による利益の最大化に加え、財務・資本戦略として政策保有株式の縮減や自己株式の取得などを通じた株主還元の強化により、資本の最適化に取り組んでまいりました。その結果、2026年3月期のROEは9.3%まで上昇し、3年間の平均総還元性向は98.1%となりました。一方で、政策保有株式の売却益を除いたベースではROEは6.5%にとどまっており、さらなる収益性の改善が必要であると認識しております。今後は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標(3)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、2027年3月期を初年度とする3カ年の新中期経営計画を着実に推進・達成していくことで、企業価値をさらに向上させ、証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」においても継続的に応えてまいります。以上を踏まえ、当社グループが「One Team」となって中期経営計画を推進し、「健康創造事業体」への転換を早期に実現することで、変化するヘルスケアエコシステムに新たな「解」と「希望」を送り続ける存在として新たな価値を創出し続け、さらなる企業価値の向上と社会課題の解決に貢献してまいりたいと考えております。 ② 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの運転資金需要のうち主なものは、買掛金の支払や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、営業・物流・情報基盤の強化および新たな事業領域の拡大等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。運転資金は自己資金を基本としており、投資はフリーキャッシュフローの範囲内を基本としております。ただし、有事における緊急的な措置としてコミットメントラインも保持しております。なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,316億4百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析を行っております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、それらについて継続して評価を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。a 収益の認識当社グループの中心である医薬品卸売事業の売上高については、販売価格が未決定のものが一部含まれており、決定予測価格を合理的に見積り売上計上しておりますが、価格決定時において売上高の修正を行う場合があります。価格決定の早期化と合理的な予測価格による売上計上に努めておりますが、価格決定までの期間が長期化し、決定価格が予測価格を大幅に下回った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。b 貸倒引当金当社グループは、受取手形及び売掛金等の債権の貸倒れに備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し回収不能見込額を計上しております。お得意さまの財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。c 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性がないと考えられる金額は、評価性引当額を計上しております。将来の課税所得及び実現可能性の高い継続的なタックスプランニングにより評価性引当額の必要性を検討しております。過去に計上した繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産を取崩しております。一方、計上額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合は、繰延税金資産を計上しております。d 退職給付退職給付債務及び退職給付費用の見積りは、退職給付に関する会計基準等に準拠して行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があり、将来認識される退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

事業リスク

  • 法的規制と薬価改定
    医薬品卸売事業は、「医薬品医療機器等法」などの法的規制を厳しく受けており、許可や登録の状況が業績に影響を与える可能性があります。また、医療用医薬品の価格(薬価)は毎年改定され、大半の品目で引き下げられる傾向にあるため、販売価格の低下が収益を圧迫するリスクがあります。政府の医療保険制度改革も業績に影響を与える可能性があります。
  • 業界特有の商習慣
    医薬品卸売業界には、価格が未決定のまま医薬品を納入し、後から価格交渉を行う「価格未決定取引」という特異な商習慣があります。当初の見積もりよりも決定価格が低下した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、医薬品メーカーからの割戻金や販売報奨金がメーカーの戦略により圧縮されるリスクも存在します。
  • 固定資産の減損と債権貸倒
    スズケンは多くの事業用固定資産を保有しており、将来的な収益性の低下や市場価格の下落により、減損損失が発生する可能性があります。また、取引先の信用状況悪化や経済環境の変動(物価上昇など)により、債権の貸倒れが発生し、業績や財政状態に影響を与えるリスクがあります。特に、多数の医療機関との取引があるため、個別のリスク管理が重要となります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,002 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業リスクを記載しております。当社グループは、リスク発生の可能性を認識し、発生の回避に努めるとともに発生した場合は迅速かつ適切な対応に努める方針であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社グループの事業等に関する全てのリスクを網羅したものではありません。 (1)医薬品卸売業界のリスク ① 法的規制について<リスク解説>医薬品卸売事業では、全国に営業拠点を設けて、事業を展開しております。営業拠点の開設及び医薬品等の販売に際しては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)及び関連法令により規制を受けており、営業拠点の所在地の都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び免許を受けた後、事業活動を行っております。これらの許可等の状況により、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>医薬品卸売事業では、各社の薬事担当部署が中心となり、各営業拠点の新規出店の際には、必要な許可等の要件確認や申請手続きを行っております。また、出店後は従業員に対し継続的な教育指導等を実施し、許可業者として法令を遵守した活動を行っております。 ② 医療保険制度改革について<リスク解説>医薬品卸売事業における主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されております。薬価基準は、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」として厚生労働大臣が告示するもので、保険診療で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。薬価基準は医薬品の実勢納入価格を薬価に反映させることを目的に毎年改定され、大半の品目の薬価が引き下げられております。このため、医薬品卸売事業の業績は、薬価改定後の販売価格低下等の影響を受けることがあります。国民医療費は高齢化の進展等により増加傾向にあります。政府は全世代型の持続可能な社会保障制度の構築に向け、医療保険制度改革等に取り組んでおり、その内容によっては医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>薬価の頻回改定の影響を受け、メーカーの経営は厳しくなり、アローアンスが縮小されていることから、当社としては卸機能の適正評価を依頼し、固定的なリベートへの移行を交渉しております。また、高利益品目の販売に注力し、収益性の改善にも努めております。アローアンスは、製品の拡売から市場調査・疾患啓発等MS行動に対するものに代わっていくと想定されます。当社グループとしては、デジタルで医療機関を結び、当社グループが持つ医療・介護従事者専用ポータルサイトである「コラボポータル」を活用した企画をメーカーに提案することで、アローアンスの減少抑制に取り組んでおります。 ③ 特有の商習慣について a 価格未決定取引について<リスク解説>医薬品卸売事業では、医薬品を価格未決定のまま医療機関等に納入し、その後医薬品卸売業者と医療機関等の間で価格交渉を始めるという特異な取引形態があります。これは、医薬品が生命関連商品であるがゆえ、納入停滞が許されないという事情から生まれた習慣であります。医薬品卸売事業においては、期中の決算では合理的な見積りによる決定予測価格で売上計上しております。決定した価格が当初予測していた価格に比べ低下する場合、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。なお、本決算では該当年度分の価格未決定はありません。<リスク対応>取引価格の決まっていないお得意さまとの価格交渉については、毎月上長がお得意さまとの交渉状況をシステムを通して確認・指導を行う等の対応を実施しております。また、取引価格の決定に際しては、決定価格をシミュレーションするシステムを利用することにより、適正な売上、利益確保の状況を上長が確認し、価格水準の適正化を図るとともに、価格決裁プロセスについても明確にしております。 b 割戻金及び販売報奨金について<リスク解説>当業界では、医薬品メーカーから医薬品卸売業者に割戻金と販売報奨金が支払われます。割戻金は仕入金額等に対して設定される割戻率によって支払われ、販売報奨金はメーカーと卸間で取り決められた販売数量、納入軒数等の達成によって支払われます。割戻金及び販売報奨金は、仕入価格の引き下げ効果があり、売上総利益に影響を与えるため、これらの獲得に努めておりますが、メーカーの営業戦略等による割戻金及び販売報奨金の圧縮の進展により、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>厚生労働省により策定された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を踏まえ、医薬品メーカーと医薬品等の安全かつ安定供給を継続するための流通経費や卸機能の適切な評価に基づいた価格体系の構築に向けて取り組んでおります。また、当社グループが展開している各事業の経営資源とこれまで提携してきた協業企業とともに、新たな流通チャネル構築等による新しいソリューション開発を加速させることにより、地域医療へ貢献し、医薬品メーカーの課題解決を図るとともに、収益モデルの確立に向けて取り組んでおります。 c 製薬メーカーの取引卸絞込みについて<リスク解説>製薬メーカーは、薬価防衛の必要性から過度な価格競争の防止、市場実勢価格の下落を抑制、流通コスト(契約管理・物流調整・需給調整等)の削減、スペシャリティ製品への対応(厳格な温度管理・トレーサビリティ確保・適正使用管理)、リベート・アロアンスの整理を行うため、取引卸の絞込みを検討しております。<リスク対応>流通品質の向上(温度管理・トレーサビリティ・緊急配送体制等)、製品価値(価格)の統制力強化、流通受託事業の確立、サプライチェーンの高度化(在庫平準化・需要予測)を進め、選ばれる卸になるよう努めております。 (2)スズケングループのリスク ① 固定資産の減損について<リスク解説>当社グループは、事業用の様々な固定資産を保有しており、これらの資産については、今後の収益性の低下、市場価額の著しい下落により、将来キャッシュ・フローが生み出せない場合は、減損損失の計上が必要になり、各事業の業績に影響を与えるリスクがあります。 <リスク対応>設備投資にあたっては、投資によって得られるリターン、発生するコストなど投資回収の採算性を評価し投資の意思決定を行っております。また、設備投資後は、業績進捗について毎期モニタリングを実施するとともに、業績評価を行い、採算性の悪化が見込まれるため今後のキャッシュ・フローの獲得が期待できない場合には、速やかに業績向上に向けた戦略の立案を実施し、その実行に取り組んでおります。なお、将来の投資効果が見出せないと判断した場合は、撤退も検討します。 ② 債権の貸倒について<リスク解説>お得意さまに対する債権については、お得意さまの信用状況等に応じて、一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権は個別に回収可能性を見積り、貸倒引当金を計上しております。しかし、外国為替相場の変動、電力・エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価上昇等の影響によりお得意さまの経営環境が変動した場合には、実際の貸倒額が当初の見積りを上回る可能性があり、その場合、当社グループの各事業の業績および財政状態に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>当社グループでは、各営業拠点に、与信管理および債権管理を担う管理部門を配置しており、当該管理部門は本社管理部門と連携しながら、営業部門から一定の独立性を保った運用を行うことで牽制機能を確保しております。具体的には、信用状況に変化があった際には、アラート機能を活用して営業現場に注意喚起を促すとともに、現場で収集した不安情報については、レポートライン基準に則り、本社管理部門に報告するよう徹底しております。本社管理部門は、各営業拠点の管理部門への支援・指導を行うバックアップ機能を担っております。これらの体制に加え、グループ会社の管理部門とも連携した継続的なモニタリングを行うことにより、債権リスクの早期把握および低減に努めております。 ③ 新薬の開発について<リスク解説>医薬品製造事業では、新薬候補品の研究開発には多額の費用と長い年月が必要であり、その過程で当初期待した有効性が証明できなかったり、予期せぬ副作用が発現した等の理由により研究開発を断念・遅延する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても、新薬が実際に上市となるまでには様々な不確実性が存在します。その様な理由により当初の期待を達成できなかった場合には、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>自社創薬のみでなく、開発パイプラインの導出入あるいは他社協業などのアライアンス活動を通じてポートフォリオ管理を図っております。 ④ 品質問題について<リスク解説>医薬品製造事業において、医療用医薬品、体外診断用医薬品及び医療機器は、医薬品医療機器等法その他の国内外の法規制の下で製造しております。しかし、使用する原材料、製造プロセス等で製品の品質に懸念が発生した場合、製品の回収や販売の停止等により、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>製品の品質を確保するため、原材料、製造プロセスの社内監査等を行い品質保証体制の強化に努めております。 ⑤ 副作用問題について<リスク解説>医薬品製造事業では、医療用医薬品、体外診断用医薬品及び医療機器について、予期せぬ副作用や健康被害等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>副作用情報等を収集した場合は、速やかに評価、検討し、必要に応じ行政当局へ報告するとともに、必要な安全対策を速やかに実施いたします。 ⑥ 保険薬局事業について<リスク解説>保険薬局事業においては、医療機関が発行する処方箋に基づき、薬歴管理、服薬指導、服薬期間中のフォローアップを含む調剤サービスを提供しております。今後、薬価改定や調剤報酬改定、医療保険制度改革の動向によっては、収益性や事業環境に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、調剤過誤防止の徹底に努めておりますが、重大な調剤過誤が発生した場合には、社会的信用の低下や損害賠償請求等により、業績および企業価値に影響を及ぼすリスクがあります。<リスク対応>当社グループでは、「患者のための薬局ビジョン」の実現に向け、在宅医療への対応強化、医療・介護多職種との連携推進、ジェネリック医薬品の使用促進等を通じ、店舗特性に応じた施策を展開し、調剤報酬改定や医療保険制度改革への対応を進めております。また、調剤過誤防止に向けて、鑑査システムや自動調剤機器の導入を推進するとともに、インシデント・アクシデント事例の分析および再発防止策の全店舗共有を徹底しております。加えて、医薬品安全使用に関する業務手順書の遵守、医療安全研修の継続実施、高度な薬学的知識の習得に向けた教育体制の強化を通じ、薬剤師の資質向上と安全かつ継続的な薬物療法を支える体制を構築しております。 ⑦ システムトラブルについて<リスク解説>当社グループは、営業活動、商品管理をはじめ、その事業運営は、コンピュータシステム及びそのネットワークに多くを依拠しております。大規模なシステムトラブルが発生した場合、各事業の業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>受注から納品業務に関わる基幹系システムの各種障害対応手順に基づき、トラブル時に対応できる体制をとり、迅速な原因究明と影響度の把握により、早期の復旧に努めてまいります。また、システム安定稼働のため、定期的にシステムの使用状況と業務量を監視し、必要に応じて予防対策を実施するとともに、障害時に備えた想定訓練を実施しております。さらに、万が一基幹系システムが停止した場合でも、受注から納品に関わる業務が継続できるように、代替できるシステムを稼働させております。 ⑧ 個人情報保護について<リスク解説>当社グループは、事業活動を通じて顧客情報をはじめとする多数の個人情報を取得・利用しております。これらの個人情報の管理にあたっては、細心の注意を払い情報セキュリティの強化および従業員の情報管理意識の向上に継続的に取り組んでおりますが、万一、個人情報の漏えい、滅失または不正利用等が発生した場合には、社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生、行政指導・罰則等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。<リスク対応>当社グループでは、個人情報保護規程および情報セキュリティ管理規程等の社内規程に基づき、個人情報の適切な取扱いと管理体制の整備・運用を徹底しております。具体的には、定期的な従業員教育・研修の実施、社外へのメール送信時における上長確認とシステムによる二重チェック体制の運用、外部からの不正アクセスを防止するためのセキュリティ対策の強化、不審な挙動を検知・遮断する仕組みの導入等を講じております。 今後も、情報セキュリティを取り巻く環境変化やリスクの高度化を踏まえ、管理体制および技術的対策の継続的な見直しと強化を図り、個人情報の保護に万全を期してまいります。 (3)その他のリスク ① 自然災害等について<リスク解説>当社グループは、大規模な自然災害や事故等により、営業拠点及び物流拠点が深刻な被害を被った場合、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。<リスク対応>大規模自然災害が発生した際には、BCP手順書に基づき速やかに災害対策本部を設置し、社員の安否や営業拠点および物流拠点の被災状況を確認するとともに、事業継続のための適切な対応がとれる体制を構築しております。また、災害時でも安定した医薬品供給体制を維持するために、免震構造を採用した物流センターの構築や本社および主要拠点への非常用発電機の設置、受注から納品に関わる業務が継続できるように、本社以外の拠点にて代替できるシステムを稼働させております。加えて、グループ会社を含めた安否確認合同訓練やBCP対応訓練等、定期的な訓練を実施し、BCP対応力の向上に努めております。

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