1803

清水建設(1803)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 建設事業が主力
    清水建設グループは、建設事業を核として収益を上げています。ビルやインフラの建設工事を直接請け負うだけでなく、子会社を通じて道路舗装や設備工事も手掛けており、幅広い建設ニーズに対応しています。工事の一部をグループ会社に発注することで、効率的な事業運営を行っています。
  • 開発事業による収益拡大
    建設事業で培ったノウハウを活かし、土地や建物の賃貸借、開発プロジェクトも手掛けています。自社で開発した物件の賃貸収入や、開発に伴う建設工事の受注を通じて、収益源の多様化を図っています。これにより、建設市場の変動リスクを一部ヘッジしています。
  • 多角的な関連事業
    建設資機材の販売・リース、建設機械のレンタル、グループ会社への資金貸付、さらにはPFI事業(公共施設の建設・維持管理・運営)など、建設事業に付随する様々な事業を展開しています。これらの事業は、建設事業を側面から支え、グループ全体の収益安定化に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 当社建設事業
    清水建設グループの最も主要な事業セグメントであり、建築工事や土木工事を直接手掛けています。2023年度の売上高は1兆3,667億円、営業利益は564億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。国内を中心に、オフィスビル、商業施設、工場、インフラなど多岐にわたる建設プロジェクトを遂行しています。
  • 当社投資開発事業
    不動産の開発や賃貸借を通じて収益を得る事業です。2023年度の売上高は530億円、営業利益は168億円を計上しており、建設事業に次ぐ規模でグループの収益に貢献しています。自社開発物件の賃貸収入や、土地・建物の売買などが主な収益源であり、建設事業との連携により事業シナジーを生み出しています。
  • 道路舗装事業
    日本道路株式会社が中心となって展開する事業で、道路の舗装工事や維持管理などを手掛けています。2023年度の売上高は1,508億円、営業利益は98億円と、グループ内で重要な位置を占めています。社会インフラの整備・維持に貢献しており、安定した公共投資に支えられた事業基盤を持っています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ConstructionBusinessOfTheCorporation 地域 13,667 564 4.1%
RealEstateBusinessOfTheCorporation 地域 531 169 31.8%
RoadConstructionAndPavingWork 事業 1,508 99 6.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|799 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社142社及び関連会社23社で構成され、建設事業、開発事業及び各事業に附帯関連する事業を営んでおります。建設事業……… 当社及び日本道路㈱、あおみ建設㈱、日本ファブテック㈱、丸彦渡辺建設㈱、第一設備工業㈱、㈱シミズ・ビルライフケア等が営んでおり、当社は工事の一部を関係会社に発注しております。開発事業……… 当社及び清水総合開発㈱等が営んでおり、当社は一部の関係会社と土地・建物の賃貸借を行い、また建設工事を受注しております。その他の事業… 建設資機材の販売及びリース事業を㈱ミルックスが営んでおり、当社は建設資機材の一部を購入・賃借しております。建設機械のレンタル事業を㈱エスシー・マシーナリが営んでおり、当社は一部の建設機械を賃借しております。当社及び関係会社等への資金貸付事業をシミズ・ファイナンス㈱等が営んでおります。公共施設等の建設・維持管理・運営等のPFI事業を多摩メディカルキャンパス㈱等が営んでおります。 このほか、北米における当社グループの事業活動の統括をシミズ・アメリカ社が行っております。 各事業と報告セグメントとの関連は、次のとおりであります。 当社グループは、当社における建設事業、投資開発事業及び日本道路㈱が営む事業を主要な事業としており、報告セグメントは、当社の建設事業を「当社建設事業」、当社の投資開発事業を「当社投資開発事業」、日本道路㈱が営む事業を「道路舗装事業」としております。また、当社が営んでいるエンジニアリング事業、グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業及び日本道路㈱を除く子会社が営んでいる各種事業は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、「セグメント情報」において「その他」に含めております。 事業の系統図は次のとおりであります。なお、関係会社の一部は、複数の事業を行っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
請負契約にスライド条項等を含め、労務賃金・建設物価の変動を反映する努力をしているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
3次元自由曲面ガラスファサードや材料噴射型3Dプリンティング技術などの独自技術を持つ。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:倫理・法令違反リスク / 安全・環境事故リスク / 技術・品質リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

清水建設は長年の歴史と実績を持つ大手ゼネコンであり、ブランド力や信頼性は一定程度存在する。しかし、特定の特許技術や強力なブランドによる価格決定力は限定的であり、競合他社との差別化は主に技術力や実績に依存している。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設プロジェクトは、一度契約が締結されると、顧客が他の建設会社に変更する際のコストや手間が大きい。設計の変更、工程の遅延リスク、追加費用の発生などが考えられるため、一定のスイッチングコストは存在する。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業界では、サプライヤー、下請け業者、設計事務所などとの長年の協力関係が重要となる場合がある。しかし、清水建設固有の強力なネットワーク効果が、競合他社に対する明確な優位性となっているとは言えない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模な建設プロジェクトにおいては、資材調達、重機、熟練労働者の確保などで規模の経済が働く可能性がある。また、長年の経験による効率的な施工ノウハウもコスト削減に寄与する可能性があるが、競合も同様のメリットを持つ。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

清水建設は日本を代表する大手ゼネコンの一つであり、大規模プロジェクトの遂行能力、豊富な資金力、広範な事業基盤を持つ。これにより、中小企業では参入が難しい大型案件の受注や、リスク分散が可能となっている。

  • 総合的な事業展開力
    清水建設グループは、建設事業を中核に、開発事業、PFI事業、資機材販売・リースなど多岐にわたる事業を展開しています。これにより、建設業界の景気変動リスクを分散し、安定した収益基盤を構築しています。グループ内の連携により、顧客に対してワンストップで多様なサービスを提供できる強みがあります。
  • 強固なグループ連携
    子会社136社、関連会社22社からなる広範なグループネットワークを有しています。建設工事の一部を関係会社に発注したり、資機材をグループ会社から購入・賃借したりすることで、グループ全体での効率化とシナジー効果を追求しています。これにより、コスト競争力や供給安定性を高めています。
  • 技術と品質への信頼
    長年の建設実績と「顧客第一」「品質確保」の事業姿勢により、高い技術力と品質管理体制を確立しています。技術・品質委員会の設置やQMS(品質マネジメントシステム)の適切な運用を通じて、重大な事故や不具合の発生を未然に防ぎ、顧客からの信頼を維持・向上させています。これは、新たな受注獲得にも繋がる重要な競争優位性です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • スマートイノベーションカンパニーへの変革
    清水建設は、2030年を見据えた長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」において、「スマート イノベーション カンパニー」を目指す姿としています。これは、建設事業の枠を超え、多様なパートナーとの共創を通じて、時代を先取りする新たな価値を創造し、持続可能な未来社会の実現に貢献するというものです。
  • SDGs達成への貢献
    イノベーションを通じて、安全・安心でレジリエントな社会、健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会、地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現に貢献することを掲げています。具体的には、強靭なインフラ構築、ICTを活用したまちづくり、再生可能エネルギーの普及などを通じて、社会課題の解決を目指しています。
  • 収益構造の転換と目標設定
    2030年度には連結経常利益2,000億円以上を目指し、収益構造の転換を図ります。事業別では建設事業65%、非建設事業35%、地域別では国内75%、海外25%の構成を想定しており、非建設事業や海外事業の拡大を通じて、収益の多様化と安定化を図る戦略です。中期経営計画〈2024‐2026〉では、「超建設」のマインドセットで経営基盤強化と事業戦略を実行します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) シミズグループの中長期的な経営方針当社は、1887年に相談役としてお迎えした渋沢栄一翁の教えである道徳と経済の合一を旨とする「論語と算盤」を「社是」とし、この考え方を基に、「真摯な姿勢と絶えざる革新志向により 社会の期待を超える価値を創造し 持続可能な未来づくりに貢献する」ことを「経営理念」として定めております。当社は、2030年を見据えたシミズグループの長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」を定めるとともに、その実現に向けて、2024年5月に、当社は、「中期経営計画〈2024‐2026〉」を策定しました。 「SHIMZ VISION 2030」■目指す姿『スマート イノベーション カンパニー』建設事業の枠を超えた不断の自己変革と挑戦、多様なパートナーとの共創を通じて、時代を先取りする価値を創造(スマート イノベーション)し、人々が豊かさと幸福を実感できる、持続可能な未来社会の実現に貢献します。 ■シミズグループが社会に提供する価値イノベーションを通じた価値の提供により、SDGsの達成に貢献します。①安全・安心でレジリエント※1な社会の実現地震や巨大台風、豪雨などの自然災害リスクが高まる中、生活と事業を災害から守ることが求められております。強靭な建物・インフラの構築を通じて、安全・安心でレジリエントな社会の実現に貢献していきます。・強靭な社会インフラの構築・建物・インフラの長寿命化・防災・減災技術の普及・ecoBCP※2の普及※1 レジリエント:強くしなやかで復元力がある※2 ecoBCP:平常時の節電・省エネ(eco)対策と非常時の事業継続(BCP)対策を両立する施設・まちづくり ②健康・快適に暮らせるインクルーシブ※な社会の実現高齢化や人口減少、都市化などの急速な社会変化が進む中、誰もが安心して快適に暮らせる社会が求められております。人に優しい施設やまちづくりを通じて、健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会の実現に貢献していきます。・ICTを活用したまちづくり・ユニバーサルデザインの普及・Well-beingの提供・人類の活躍フィールドの拡大(海洋、宇宙へ)※インクルーシブ:すべての人が社会の一員として参加できる ③地球環境に配慮したサステナブル※な社会の実現地球温暖化や森林破壊、海洋汚染などが深刻化する中、次世代に豊かな地球を残すことが求められております。環境負荷低減を目指す企業活動を通じて、地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現に貢献していきます。・再生可能エネルギーの普及 ・省エネ・創エネ、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化の推進・事業活動におけるCO2排出量削減・自然環境と生物多様性の保全※サステナブル:地球環境を保全しつつ持続的発展が可能な ■ビジョンの達成に向けて3つのイノベーションの融合により、新たな価値を創造するスマート イノベーション カンパニーを目指します。①事業構造のイノベーションビジネスモデルの多様化とグローバル展開の加速、及び、グループ経営力の向上 ②技術のイノベーション建設事業の一層の強化に向けた生産技術の革新と未来社会のメガトレンドに応える先端技術の開発 ③人財のイノベーション多様な人財が活躍できる“働き方改革”の推進と社外人財との“共創”による「知」の集積 ■目指す収益構造スマート イノベーション カンパニーへの進化により、2030年度に連結経常利益2,000億円以上を目指します。連結売上利益の構成は、事業別では、建設65%、非建設35%、地域別では、国内75%、海外25%を想定しております。 「中期経営計画〈2024‐2026〉」■位置付け及び基本方針社是「論語と算盤」及び経営理念を体現し、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」で示した目指す姿を実現するための実行計画として中期経営計画〈2024‐2026〉を位置付けるとともに、役員・従業員一人ひとりが新たなマインドセット「超建設※」を共有し、本中期経営計画を実践することとしました。中期経営計画〈2024‐2026〉の基本方針は、前中期経営計画〈2019‐2023〉の振返りにより浮き彫りとなった諸課題をふまえ、「持続的成長に向けた経営基盤の強化」としました。この基本方針及びそれに基づく事業展開は、「超建設」のマインドセットの下、レジリエント・インクルーシブ・サステナブルな社会の実現に象徴される「お客様・社会への提供価値」を常に念頭において実践してまいります。※超建設:当社グループにおいて大切にしてきた価値を基礎とし、既存の事業や組織の枠を超えて、お客様や社会の本質的なニーズや課題を積極的に探究しつつ、建設をはじめとするあらゆる事業を通じて、お客様や社会に新しい価値を提供し、その結果、当社グループも共に成長していくという考え方 ■経営基盤の強化中期経営計画〈2024‐2026〉を構成する第一の柱として「経営基盤の強化」を挙げております。経営基盤のコアである人財と組織力の成長と、当社グループ内の諸機能の連携を強化することによりサステナビリティ経営の進化を図ることを通じ、戦略実行力の向上を目指します。 ①人財と組織力の成長当社グループは、人財の成長を支援する仕組みを整備することによって「挑戦し共創する多様な人財」を育成し、そうした人財が経営戦略・事業戦略の実現に貢献するとともに、経営が更なる人財の成長機会・基盤を提供することで、従業員の自己実現と自律的なキャリア形成を可能にします。それらが好循環の原動力となり、経営基盤のコアである「人財の力・組織カルチャー・マネジメント力」を強化することで、経営戦略・事業戦略の実現と、人財・従業員の自己実現・自律的なキャリア形成を推進していきます。 ②機能連携の強化によるサステナビリティ経営の進化企業の社会的責任と事業機会の探究を両立しながら環境・社会・経済の全てで持続可能性を実現するサステナビリティ経営を体現します。これに向けて、重要視する機能としてマーケティング、技術開発・知的財産、デジタル、グローバル化、サプライチェーン、グループ経営の6つを特定し、全社横断でそれらの連携を強めて戦略実行力を強化することにより、企業の社会的責任と事業機会探究の両面でサステナビリティ経営の進化を目指します。 ■非財務KPI中期経営計画〈2024‐2026〉では、経営基盤の強化で掲げた「人財と組織力の成長」及び「機能連携の強化によるサステナビリティ経営の進化」をふまえ、従業員のエンゲージメント・多様性・専門性に加え、ESGの観点で選定した合計9つの指標を設定し、PDCAサイクルによるモニタリングを実施します。 ■事業戦略中期経営計画〈2024‐2026〉における事業戦略では、各事業セグメントの成長段階と位置付けの整理に基づき、各事業に応じた戦略の方向性を策定し、事業ポートフォリオの充実を図ってまいります。 ①更なる収益力向上を目指す事業:建設事業(建築・土木)当社グループの建設事業は、「高収益な事業体質への転換」及び「ものづくりの魅力を追求できる生産体制の再構築」の2つの方向性を目指して重点施策を構成し、技術・品質の追求と収益力向上に取り組みます。同時に、建設業界が共通に抱える課題にも挑戦を続け、持続可能な建設業の実現を目指します。また、社会ニーズに照らし、建築・土木事業における今後の有望マーケットとしてリニューアル、環境、防災・減災、原子力発電関連、伝統・最先端の木質建築、スマートシティ、国土強靭化、インフラ更新、再生可能エネルギー関連施設等を見定め、着実に対応力強化を図っていきます。 ②収益拡大と安定化を目指す事業:不動産開発事業、エンジニアリング事業両事業は事業規模拡大のフェーズにあり、成長と同時に収益の安定化を目指し、技術・ノウハウの蓄積と深化による成長軌道の維持及び発展領域への挑戦に努めます。不動産開発事業では取組みアセットの多様化、既存ビルのバリューアップ事業、アイマーク、S・LOGI、VIEQU等のグループ不動産ブランド価値の向上、グループ内連携による不動産バリューチェーン拡大等に注力してまいります。エンジニアリング事業では、再生可能エネルギー・GX、先端・戦略製品の生産施設、DX、環境浄化等の成長分野における受注拡大に注力するとともに、洋上風力のトップランナーとして、発電施設EPC事業とSEP船運用事業で収益安定化・受注拡大を目指します。 ③スケール化を目指す事業:グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業これらの事業が手掛ける市場は、今後サステナビリティの観点で拡大・多様化が期待されることから、成長ドライブ加速のための投資を継続します。グリーンエネルギー開発事業では、再エネの電源開発と電力小売、そしてHydro Q-BiC等の水素活用技術の開発・実装に注力してまいります。建物ライフサイクル事業では、建物のライフサイクルを通じ、当社グループ全体で一貫したサービス提供と、DX、GXニーズに対応した付加価値の向上を図り、お客様の大切な不動産の価値を高め、長寿命化を実現するソリューションパートナーを目指します。 ④ビジネスモデルの確立を目指す事業:フロンティア事業フロンティア領域として、宇宙開発、海洋開発、自然共生の3分野で、それぞれ技術開発と事業モデルの確立・収益化を目指し、成長投資を継続します。宇宙開発においては、小型ロケット打上げ事業をはじめとした宇宙輸送関連事業の収益化、高精度衛星測位サービス QuartetS(カルテットエス)の事業化及び月資源利用・月面構造物建設等の研究開発を推進します。海洋開発では、浮体構造物やその係留に関する設計・施工技術の確立を進めるとともに、浮体式建築の市場創出に向けた活動を推進します。自然共生については、北海道の大規模ハウスによるイチゴ栽培をはじめとした地域農業の再生・地方創生への貢献に努めます。 ■グローバル展開海外拠点の経営自立化を重点的に推進し、エリアごとの事業機会・リスク・収益性を見究め、進出国に根差した持続的・安定的な事業展開を図る中で収益力強化を目指すとともに、拠点経営を支える人財、ガバナンス、国内外の連携及びローカルパートナーとの連携促進・M&Aを含むグローバルなプラットフォームを進化させ、東アジア・東南アジア、西南アジア・アフリカ、北米の主要エリアで、更なる飛躍を目指します。 ■業績目標及び財務KPI経営基盤強化と事業戦略・グローバル展開の着実な取組みにより、収益力向上と持続的成長に向けた堅固な足場を再構築します。 ■キャッシュアロケーション3年間で稼得する営業キャッシュフローに加え、賃貸不動産や政策保有株式の着実な売却を通して得たキャッシュを、持続的成長に向けた投資と、積極的・継続的な株主還元に振り向け、更なる企業価値の向上に努めてまいります。 ■資本コストや株価を意識した経営の実現資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、中期経営計画〈2024‐2026〉に定めた事業戦略、成長投資、資本政策、株主還元などを着実に実行することにより、株主資本コストを上回る収益力の確保・維持に加え、持続的成長期待の創出を推進することで、企業価値向上とPBRの早期改善を目指してまいります。 「中期経営計画〈2024‐2026〉」の詳細については、下記URLよりご参照ください。https://www.shimz.co.jp/company/about/strategy/index.html#sec4 (2) 経営環境2025年度の当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の分析」に記載のとおりであります。2026年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善や堅調な企業収益等を背景に、内需を中心とした緩やかな回復が継続することが期待されますが、中東情勢や米国の通商政策を巡る動向、金融資本市場の変動等の影響を受けるおそれがあります。建設業界においては、防災・減災、国土強靭化の推進等を背景に公共投資は堅調な推移が見込まれますが、海外経済の不確実性が民間設備投資に与える影響や建設コストの上昇傾向の継続に加え、担い手不足の一層の進行等の懸念材料もあり、動向を引き続き注視する必要があります。 (3) 対処すべき課題■中期経営計画〈2024‐2026〉の達成に向けた取組み「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」を基本方針に掲げ、「事業戦略」「グローバル展開」の着実な実行と、「資本政策・成長投資」の積極的な推進により、社会の期待を超える価値の提供並びに中長期的な企業価値の向上を目指しております。本計画の最終年度となる2026年度も、これまで全社を挙げて実践してきた収益力向上や品質確保の取組みを更に力強く推し進め、本計画で掲げた目標の達成に向けて取り組んでまいります。 ①経営基盤の強化経営基盤の強化のうち「人財と組織力の成長」においては、競争力の源泉を「人」と捉え、「挑戦し、共創する多様な人財の確保・育成」に向けた「人財マネジメント体系の再構築」を推進しております。その施策の一つとして、従業員の働く意欲を高め、切磋琢磨する風土を育みながら一人ひとりの学びと成長を促し、組織の活性化と生産性向上につなげていくことを目的に、2026年4月から、役割や職責を重視したメリハリのある賃金体系の整備を含む、新しい人事制度を導入しました。今後も、従業員一人ひとりの働く意欲の向上や主体的な能力開発を促進しながら、従業員と会社が健全な緊張感の中で互いに成長する関係性を構築してまいります。 また、「機能連携の強化によるサステナビリティ経営の進化」においては、中期経営計画で重要視する6つの機能(マーケティング、技術開発・知的財産、デジタル、グローバル化、サプライチェーン、グループ経営)について、既存の組織や機能の枠組みを越えた連携を積極的に推進しております。具体的には、部門横断でのDX戦略推進を通じたDXによる経営・事業推進体制の強化や、グループシナジーの更なる増大に向けたM&Aの検討・実行など、今後も柔軟かつスピード感ある機能連携を目指し、企業の社会的責任の遂行と事業機会の探究を両立したサステナビリティ経営を実践してまいります。 ②事業戦略事業戦略の柱である建設事業の収益力の更なる向上と建設以外の事業も含めた事業戦略の確実な実行により、事業ポートフォリオの充実を図ってまいります。a.建設事業(更なる収益力向上を目指す事業)収益力向上に向けて、受注前審査の厳格化による採算性を重視した受注判断と受注量管理による消化体制の確保、精度の高い施工計画を実現するフロントローディングの推進等による生産プロセス改革、半導体関連施設やデータセンターといった先端分野を含む有望マーケットへの対応力強化等を通じて、高収益な事業体質への転換に継続して取り組んでおり、その成果が着実に表れてきております。また、ものづくりの基本となる技術・品質・安全の確保と原価・工程管理の精度向上や ICT・AIの積極的な活用を通じた技術開発の推進による生産性向上、コスト圧縮、グループ全体の収益力向上や施工体制強化に資するM&Aの実行等により、建設事業の競争力を一層高めてまいります。b.不動産開発、エンジニアリング事業(収益拡大と安定化を目指す事業)不動産開発事業においては、変化する事業環境に柔軟に対応すべく、シミズグループの技術と総合力の活用により最適なポートフォリオの構築を目指し、安定的な収益を生み出す事業展開を継続しております。また、新たな成長分野への挑戦による事業領域拡大と取組みアセットの多様化(取得物件のバリューアップ事業や冷凍冷蔵倉庫、ラグジュアリーホテルへの取組み等)や非上場オープン・エンド型の私募リート「清水建設プライベートリート投資法人」の活用による資金調達と新規物件への再投資を含むグループ内連携による不動産バリューチェーンの拡大など、資本効率の向上と不動産開発事業の更なる成長を図ってまいります。エンジニアリング事業においては、再生可能エネルギー、医薬・食品・半導体関連等の先端・戦略製品の生産施設、DXソリューション、環境浄化の成長分野への取組みに注力し、事業規模の拡大を図っております。また、自社で保有する世界最大級の自航式SEP船「BLUE WIND」を活用し、2023年度以降、富山県入善沖、北海道石狩湾新港における洋上風車建設工事に続き、台湾にて3案件の傭船を実施し、大型風車施工の実績を蓄積してまいりました。今後、国内の洋上風力案件も視野に、引き続きSEP船の最適稼働に取り組み、洋上風力EPC(設計・調達・施工)のトップランナーを目指します。c.グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業(スケール化を目指す事業)グリーンエネルギー開発事業においては、再エネアセット(太陽光、風力、水力など)の着実な積み上げと蓄電池事業の拡大による再生可能エネルギー発電事業の着実な成長に取り組んでおります。引き続き、再生可能エネルギー発電所で発電した「グリーン電力」の供給や、グリーン電力の環境価値を証書化した「グリーン電力証書」の提供など、お客様のニーズに応じたソリューションの提供拡大に取り組んでまいります。また、建物ライフサイクル事業においては、建設マーケットにおけるリニューアル市場の拡大を見据え、2024年10月に新設した「ライフサイクル推進室」を中心として、シミズグループ全体による一貫したソリューション提供力の強化を目指し、その取組みを強く推し進めております。d.フロンティア事業(ビジネスモデルの確立を目指す事業)フロンティア領域における成長投資の継続により、宇宙開発事業における小型ロケット打上げをはじめとした宇宙輸送関連事業の推進や海洋開発事業における浮体設計・施工技術(構造体・係留)の確立に向けた研究開発等の推進を通じて、ビジネスモデル確立への挑戦を継続しております。 ③グローバル展開グローバル展開においては、現地法人の経営の自立性を高め、当社直轄の拠点には拠点を会社組織とみなすカンパニー制を導入し、お客様のニーズに現地で迅速に対応できる体制の整備を図ってまいりました。引き続き、拠点経営の自立化を軸として、各国・地域に根差した持続的・安定的な事業展開を推進します。また、事業領域の拡大と収益力の強化を目的としたアライアンスやM&Aも加速させております。2024年度にはアジアと北米で2社の内装工事会社をグループに迎え入れました。引き続き、M&Aなどによる事業展開の加速を通じて、現地ニーズに即した市場開拓と事業機会の創出を図ります。 ④資本政策・成長投資業績、財務KPI、非財務KPIの目標に対する2025年度の実績は以下のとおりであります。 成長投資については、中期経営計画〈2024‐2026〉の期間中における計画値3,600億円に対し、2026年3月末時点で2,350億円の実績となりました。また、別枠として設定した「更なる企業価値向上に向けた投資枠(M&Aなど)」は897億円の実績となりました。事業の着実な推進により営業キャッシュフローを増加させるとともに、賃貸不動産等の売却や政策保有株式の縮減を継続し、創出したキャッシュを持続的成長に向けた投資、株主のみなさまへの還元に配分してまいります。 2026年1月に、土木事業及び洋上風力事業分野の強化を目的とした「あおみ建設㈱」の子会社化を、また2026年3月には、米軍基地工事や外資系企業発注のITインフラ工事の対応力強化を目的に「American Engineering Corporation (Okinawa)」の子会社化を決定しております。これらの取組みは、本計画で示した「建設事業の外部成長戦略」及び「エンジニアリング領域の拡大」を具体化するものであります。当社グループは引き続き、グループ一体で更なるシナジーを実現し事業拡大を推進することにより、収益基盤の多様化と競争力の強化を加速してまいります。 ■政策保有株式に関する方針・縮減状況 ①政策保有株式に関する方針当社は、営業政策上の必要性がある場合、主に「取引先との信頼関係の維持・強化」の目的で、政策保有株式として取引先の株式を保有しております。主要な政策保有株式については、取締役会が保有によって得られる当社の利益と取得額、株価変動リスク等を総合的に勘案して取得の可否を判断しております。また、保有株式については、毎年、個別銘柄毎に、保有に伴うコストやリスク、営業上の便益等の経済合理性を総合的に勘案のうえ、取締役会にて保有の必要性を検証しており、検証の結果、保有意義が希薄化した株式については、取引先との信頼関係を確認しながら、売却を進めております。なお、保有意義及び経済合理性が認められる場合でも、政策保有株式の縮減目標達成のため、取引先との信頼関係や市場環境を考慮しつつ、売却のための交渉を進めております。 ②政策保有株式の縮減状況当社は、2024年11月12日開催の取締役会において設定した政策保有株式の縮減目標(2026年3月末までに連結純資産の20%以下、2027年3月末までに10%以下)の達成に向け、取引先と交渉を重ねてまいりました。株価の上昇もあり、2026年3月末時点では、政策保有株式残高の連結純資産に対する比率は24.4%と、前連結会計年度末に比べ微減に留まりましたが、取引先と売却について合意できた銘柄を残高から除いた場合の比率は9.1%となっております。2025年度に売却した上場株式の銘柄数は39銘柄(一部売却を含む)、売却額は1,091億円で、その結果、2018年度から2025年度までに売却した上場株式の銘柄数は120銘柄(一部売却を含む)、売却額は3,178億円となりました。また、上場株式の銘柄数は、2018年3月末時点の187銘柄から、2026年3月末時点では93銘柄へと減少しております。なお、中東情勢をはじめ、当社を取り巻く経営環境は不透明さを増していることから、一部銘柄の売却については、取引先と協議のうえ、2027年度及び2028年度にかけて行うこととしております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) シミズグループの中長期的な経営方針当社は、1887年に相談役としてお迎えした渋沢栄一翁の教えである道徳と経済の合一を旨とする「論語と算盤」を「社是」とし、この考え方を基に、「真摯な姿勢と絶えざる革新志向により 社会の期待を超える価値を創造し 持続可能な未来づくりに貢献する」ことを「経営理念」として定めております。当社は、2030年を見据えたシミズグループの長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」を定めるとともに、その実現に向けて、2024年5月に、当社は、「中期経営計画〈2024‐2026〉」を策定しました。 「SHIMZ VISION 2030」■目指す姿『スマート イノベーション カンパニー』建設事業の枠を超えた不断の自己変革と挑戦、多様なパートナーとの共創を通じて、時代を先取りする価値を創造(スマート イノベーション)し、人々が豊かさと幸福を実感できる、持続可能な未来社会の実現に貢献します。 ■シミズグループが社会に提供する価値イノベーションを通じた価値の提供により、SDGsの達成に貢献します。①安全・安心でレジリエント※1な社会の実現地震や巨大台風、豪雨などの自然災害リスクが高まる中、生活と事業を災害から守ることが求められております。強靭な建物・インフラの構築を通じて、安全・安心でレジリエントな社会の実現に貢献していきます。・強靭な社会インフラの構築・建物・インフラの長寿命化・防災・減災技術の普及・ecoBCP※2の普及※1 レジリエント:強くしなやかで復元力がある※2 ecoBCP:平常時の節電・省エネ(eco)対策と非常時の事業継続(BCP)対策を両立する施設・まちづくり ②健康・快適に暮らせるインクルーシブ※な社会の実現高齢化や人口減少、都市化などの急速な社会変化が進む中、誰もが安心して快適に暮らせる社会が求められております。人に優しい施設やまちづくりを通じて、健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会の実現に貢献していきます。・ICTを活用したまちづくり・ユニバーサルデザインの普及・Well-beingの提供・人類の活躍フィールドの拡大(海洋、宇宙へ)※インクルーシブ:すべての人が社会の一員として参加できる ③地球環境に配慮したサステナブル※な社会の実現地球温暖化や森林破壊、海洋汚染などが深刻化する中、次世代に豊かな地球を残すことが求められております。環境負荷低減を目指す企業活動を通じて、地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現に貢献していきます。・再生可能エネルギーの普及 ・省エネ・創エネ、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化の推進・事業活動におけるCO2排出量削減・自然環境と生物多様性の保全※サステナブル:地球環境を保全しつつ持続的発展が可能な ■ビジョンの達成に向けて3つのイノベーションの融合により、新たな価値を創造するスマート イノベーション カンパニーを目指します。①事業構造のイノベーションビジネスモデルの多様化とグローバル展開の加速、及び、グループ経営力の向上 ②技術のイノベーション建設事業の一層の強化に向けた生産技術の革新と未来社会のメガトレンドに応える先端技術の開発 ③人財のイノベーション多様な人財が活躍できる“働き方改革”の推進と社外人財との“共創”による「知」の集積 ■目指す収益構造スマート イノベーション カンパニーへの進化により、2030年度に連結経常利益2,000億円以上を目指します。連結売上利益の構成は、事業別では、建設65%、非建設35%、地域別では、国内75%、海外25%を想定しております。 「中期経営計画〈2024‐2026〉」■位置付け及び基本方針社是「論語と算盤」及び経営理念を体現し、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」で示した目指す姿を実現するための実行計画として中期経営計画〈2024‐2026〉を位置付けるとともに、役員・従業員一人ひとりが新たなマインドセット「超建設※」を共有し、本中期経営計画を実践することとしました。中期経営計画〈2024‐2026〉の基本方針は、前中期経営計画〈2019‐2023〉の振返りにより浮き彫りとなった諸課題をふまえ、「持続的成長に向けた経営基盤の強化」としました。この基本方針及びそれに基づく事業展開は、「超建設」のマインドセットの下、レジリエント・インクルーシブ・サステナブルな社会の実現に象徴される「お客様・社会への提供価値」を常に念頭において実践してまいります。※超建設:当社グループにおいて大切にしてきた価値を基礎とし、既存の事業や組織の枠を超えて、お客様や社会の本質的なニーズや課題を積極的に探究しつつ、建設をはじめとするあらゆる事業を通じて、お客様や社会に新しい価値を提供し、その結果、当社グループも共に成長していくという考え方 ■経営基盤の強化中期経営計画〈2024‐2026〉を構成する第一の柱として「経営基盤の強化」を挙げております。経営基盤のコアである人財と組織力の成長と、当社グループ内の諸機能の連携を強化することによりサステナビリティ経営の進化を図ることを通じ、戦略実行力の向上を目指します。 ①人財と組織力の成長当社グループは、人財の成長を支援する仕組みを整備することによって「挑戦し共創する多様な人財」を育成し、そうした人財が経営戦略・事業戦略の実現に貢献するとともに、経営が更なる人財の成長機会・基盤を提供することで、従業員の自己実現と自律的なキャリア形成を可能にします。それらが好循環の原動力となり、経営基盤のコアである「人財の力・組織カルチャー・マネジメント力」を強化することで、経営戦略・事業戦略の実現と、人財・従業員の自己実現・自律的なキャリア形成を推進していきます。 ②機能連携の強化によるサステナビリティ経営の進化企業の社会的責任と事業機会の探究を両立しながら環境・社会・経済の全てで持続可能性を実現するサステナビリティ経営を体現します。これに向けて、重要視する機能としてマーケティング、技術開発・知的財産、デジタル、グローバル化、サプライチェーン、グループ経営の6つを特定し、全社横断でそれらの連携を強めて戦略実行力を強化することにより、企業の社会的責任と事業機会探究の両面でサステナビリティ経営の進化を目指します。 ■非財務KPI中期経営計画〈2024‐2026〉では、経営基盤の強化で掲げた「人財と組織力の成長」及び「機能連携の強化によるサステナビリティ経営の進化」をふまえ、従業員のエンゲージメント・多様性・専門性に加え、ESGの観点で選定した合計9つの指標を設定し、PDCAサイクルによるモニタリングを実施します。 ■事業戦略中期経営計画〈2024‐2026〉における事業戦略では、各事業セグメントの成長段階と位置付けの整理に基づき、各事業に応じた戦略の方向性を策定し、事業ポートフォリオの充実を図ってまいります。 ①更なる収益力向上を目指す事業:建設事業(建築・土木)当社グループの建設事業は、「高収益な事業体質への転換」及び「ものづくりの魅力を追求できる生産体制の再構築」の2つの方向性を目指して重点施策を構成し、技術・品質の追求と収益力向上に取り組みます。同時に、建設業界が共通に抱える課題にも挑戦を続け、持続可能な建設業の実現を目指します。また、社会ニーズに照らし、建築・土木事業における今後の有望マーケットとしてリニューアル、環境、防災・減災、原子力発電関連、伝統・最先端の木質建築、スマートシティ、国土強靭化、インフラ更新、再生可能エネルギー関連施設等を見定め、着実に対応力強化を図っていきます。 ②収益拡大と安定化を目指す事業:不動産開発事業、エンジニアリング事業両事業は事業規模拡大のフェーズにあり、成長と同時に収益の安定化を目指し、技術・ノウハウの蓄積と深化による成長軌道の維持及び発展領域への挑戦に努めます。不動産開発事業では取組みアセットの多様化、既存ビルのバリューアップ事業、アイマーク、S・LOGI、VIEQU等のグループ不動産ブランド価値の向上、グループ内連携による不動産バリューチェーン拡大等に注力してまいります。エンジニアリング事業では、再生可能エネルギー・GX、先端・戦略製品の生産施設、DX、環境浄化等の成長分野における受注拡大に注力するとともに、洋上風力のトップランナーとして、発電施設EPC事業とSEP船運用事業で収益安定化・受注拡大を目指します。 ③スケール化を目指す事業:グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業これらの事業が手掛ける市場は、今後サステナビリティの観点で拡大・多様化が期待されることから、成長ドライブ加速のための投資を継続します。グリーンエネルギー開発事業では、再エネの電源開発と電力小売、そしてHydro Q-BiC等の水素活用技術の開発・実装に注力してまいります。建物ライフサイクル事業では、建物のライフサイクルを通じ、当社グループ全体で一貫したサービス提供と、DX、GXニーズに対応した付加価値の向上を図り、お客様の大切な不動産の価値を高め、長寿命化を実現するソリューションパートナーを目指します。 ④ビジネスモデルの確立を目指す事業:フロンティア事業フロンティア領域として、宇宙開発、海洋開発、自然共生の3分野で、それぞれ技術開発と事業モデルの確立・収益化を目指し、成長投資を継続します。宇宙開発においては、小型ロケット打上げ事業をはじめとした宇宙輸送関連事業の収益化、高精度衛星測位サービス QuartetS(カルテットエス)の事業化及び月資源利用・月面構造物建設等の研究開発を推進します。海洋開発では、浮体構造物やその係留に関する設計・施工技術の確立を進めるとともに、浮体式建築の市場創出に向けた活動を推進します。自然共生については、北海道の大規模ハウスによるイチゴ栽培をはじめとした地域農業の再生・地方創生への貢献に努めます。 ■グローバル展開海外拠点の経営自立化を重点的に推進し、エリアごとの事業機会・リスク・収益性を見究め、進出国に根差した持続的・安定的な事業展開を図る中で収益力強化を目指すとともに、拠点経営を支える人財、ガバナンス、国内外の連携及びローカルパートナーとの連携促進・M&Aを含むグローバルなプラットフォームを進化させ、東アジア・東南アジア、西南アジア・アフリカ、北米の主要エリアで、更なる飛躍を目指します。 ■業績目標及び財務KPI経営基盤強化と事業戦略・グローバル展開の着実な取組みにより、収益力向上と持続的成長に向けた堅固な足場を再構築します。 ■キャッシュアロケーション3年間で稼得する営業キャッシュフローに加え、賃貸不動産や政策保有株式の着実な売却を通して得たキャッシュを、持続的成長に向けた投資と、積極的・継続的な株主還元に振り向け、更なる企業価値の向上に努めてまいります。 ■資本コストや株価を意識した経営の実現資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、中期経営計画〈2024‐2026〉に定めた事業戦略、成長投資、資本政策、株主還元などを着実に実行することにより、株主資本コストを上回る収益力の確保・維持に加え、持続的成長期待の創出を推進することで、企業価値向上とPBRの早期改善を目指してまいります。 「中期経営計画〈2024‐2026〉」の詳細については、下記URLよりご参照ください。https://www.shimz.co.jp/company/about/strategy/index.html#sec4 (2) 経営環境2025年度の当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の分析」に記載のとおりであります。2026年度の日本経済は、雇用・所得環境の改善や堅調な企業収益等を背景に、内需を中心とした緩やかな回復が継続することが期待されますが、中東情勢や米国の通商政策を巡る動向、金融資本市場の変動等の影響を受けるおそれがあります。建設業界においては、防災・減災、国土強靭化の推進等を背景に公共投資は堅調な推移が見込まれますが、海外経済の不確実性が民間設備投資に与える影響や建設コストの上昇傾向の継続に加え、担い手不足の一層の進行等の懸念材料もあり、動向を引き続き注視する必要があります。 (3) 対処すべき課題■中期経営計画〈2024‐2026〉の達成に向けた取組み「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」を基本方針に掲げ、「事業戦略」「グローバル展開」の着実な実行と、「資本政策・成長投資」の積極的な推進により、社会の期待を超える価値の提供並びに中長期的な企業価値の向上を目指しております。本計画の最終年度となる2026年度も、これまで全社を挙げて実践してきた収益力向上や品質確保の取組みを更に力強く推し進め、本計画で掲げた目標の達成に向けて取り組んでまいります。 ①経営基盤の強化経営基盤の強化のうち「人財と組織力の成長」においては、競争力の源泉を「人」と捉え、「挑戦し、共創する多様な人財の確保・育成」に向けた「人財マネジメント体系の再構築」を推進しております。その施策の一つとして、従業員の働く意欲を高め、切磋琢磨する風土を育みながら一人ひとりの学びと成長を促し、組織の活性化と生産性向上につなげていくことを目的に、2026年4月から、役割や職責を重視したメリハリのある賃金体系の整備を含む、新しい人事制度を導入しました。今後も、従業員一人ひとりの働く意欲の向上や主体的な能力開発を促進しながら、従業員と会社が健全な緊張感の中で互いに成長する関係性を構築してまいります。 また、「機能連携の強化によるサステナビリティ経営の進化」においては、中期経営計画で重要視する6つの機能(マーケティング、技術開発・知的財産、デジタル、グローバル化、サプライチェーン、グループ経営)について、既存の組織や機能の枠組みを越えた連携を積極的に推進しております。具体的には、部門横断でのDX戦略推進を通じたDXによる経営・事業推進体制の強化や、グループシナジーの更なる増大に向けたM&Aの検討・実行など、今後も柔軟かつスピード感ある機能連携を目指し、企業の社会的責任の遂行と事業機会の探究を両立したサステナビリティ経営を実践してまいります。 ②事業戦略事業戦略の柱である建設事業の収益力の更なる向上と建設以外の事業も含めた事業戦略の確実な実行により、事業ポートフォリオの充実を図ってまいります。a.建設事業(更なる収益力向上を目指す事業)収益力向上に向けて、受注前審査の厳格化による採算性を重視した受注判断と受注量管理による消化体制の確保、精度の高い施工計画を実現するフロントローディングの推進等による生産プロセス改革、半導体関連施設やデータセンターといった先端分野を含む有望マーケットへの対応力強化等を通じて、高収益な事業体質への転換に継続して取り組んでおり、その成果が着実に表れてきております。また、ものづくりの基本となる技術・品質・安全の確保と原価・工程管理の精度向上や ICT・AIの積極的な活用を通じた技術開発の推進による生産性向上、コスト圧縮、グループ全体の収益力向上や施工体制強化に資するM&Aの実行等により、建設事業の競争力を一層高めてまいります。b.不動産開発、エンジニアリング事業(収益拡大と安定化を目指す事業)不動産開発事業においては、変化する事業環境に柔軟に対応すべく、シミズグループの技術と総合力の活用により最適なポートフォリオの構築を目指し、安定的な収益を生み出す事業展開を継続しております。また、新たな成長分野への挑戦による事業領域拡大と取組みアセットの多様化(取得物件のバリューアップ事業や冷凍冷蔵倉庫、ラグジュアリーホテルへの取組み等)や非上場オープン・エンド型の私募リート「清水建設プライベートリート投資法人」の活用による資金調達と新規物件への再投資を含むグループ内連携による不動産バリューチェーンの拡大など、資本効率の向上と不動産開発事業の更なる成長を図ってまいります。エンジニアリング事業においては、再生可能エネルギー、医薬・食品・半導体関連等の先端・戦略製品の生産施設、DXソリューション、環境浄化の成長分野への取組みに注力し、事業規模の拡大を図っております。また、自社で保有する世界最大級の自航式SEP船「BLUE WIND」を活用し、2023年度以降、富山県入善沖、北海道石狩湾新港における洋上風車建設工事に続き、台湾にて3案件の傭船を実施し、大型風車施工の実績を蓄積してまいりました。今後、国内の洋上風力案件も視野に、引き続きSEP船の最適稼働に取り組み、洋上風力EPC(設計・調達・施工)のトップランナーを目指します。c.グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業(スケール化を目指す事業)グリーンエネルギー開発事業においては、再エネアセット(太陽光、風力、水力など)の着実な積み上げと蓄電池事業の拡大による再生可能エネルギー発電事業の着実な成長に取り組んでおります。引き続き、再生可能エネルギー発電所で発電した「グリーン電力」の供給や、グリーン電力の環境価値を証書化した「グリーン電力証書」の提供など、お客様のニーズに応じたソリューションの提供拡大に取り組んでまいります。また、建物ライフサイクル事業においては、建設マーケットにおけるリニューアル市場の拡大を見据え、2024年10月に新設した「ライフサイクル推進室」を中心として、シミズグループ全体による一貫したソリューション提供力の強化を目指し、その取組みを強く推し進めております。d.フロンティア事業(ビジネスモデルの確立を目指す事業)フロンティア領域における成長投資の継続により、宇宙開発事業における小型ロケット打上げをはじめとした宇宙輸送関連事業の推進や海洋開発事業における浮体設計・施工技術(構造体・係留)の確立に向けた研究開発等の推進を通じて、ビジネスモデル確立への挑戦を継続しております。 ③グローバル展開グローバル展開においては、現地法人の経営の自立性を高め、当社直轄の拠点には拠点を会社組織とみなすカンパニー制を導入し、お客様のニーズに現地で迅速に対応できる体制の整備を図ってまいりました。引き続き、拠点経営の自立化を軸として、各国・地域に根差した持続的・安定的な事業展開を推進します。また、事業領域の拡大と収益力の強化を目的としたアライアンスやM&Aも加速させております。2024年度にはアジアと北米で2社の内装工事会社をグループに迎え入れました。引き続き、M&Aなどによる事業展開の加速を通じて、現地ニーズに即した市場開拓と事業機会の創出を図ります。 ④資本政策・成長投資業績、財務KPI、非財務KPIの目標に対する2025年度の実績は以下のとおりであります。 成長投資については、中期経営計画〈2024‐2026〉の期間中における計画値3,600億円に対し、2026年3月末時点で2,350億円の実績となりました。また、別枠として設定した「更なる企業価値向上に向けた投資枠(M&Aなど)」は897億円の実績となりました。事業の着実な推進により営業キャッシュフローを増加させるとともに、賃貸不動産等の売却や政策保有株式の縮減を継続し、創出したキャッシュを持続的成長に向けた投資、株主のみなさまへの還元に配分してまいります。 2026年1月に、土木事業及び洋上風力事業分野の強化を目的とした「あおみ建設㈱」の子会社化を、また2026年3月には、米軍基地工事や外資系企業発注のITインフラ工事の対応力強化を目的に「American Engineering Corporation (Okinawa)」の子会社化を決定しております。これらの取組みは、本計画で示した「建設事業の外部成長戦略」及び「エンジニアリング領域の拡大」を具体化するものであります。当社グループは引き続き、グループ一体で更なるシナジーを実現し事業拡大を推進することにより、収益基盤の多様化と競争力の強化を加速してまいります。 ■政策保有株式に関する方針・縮減状況 ①政策保有株式に関する方針当社は、営業政策上の必要性がある場合、主に「取引先との信頼関係の維持・強化」の目的で、政策保有株式として取引先の株式を保有しております。主要な政策保有株式については、取締役会が保有によって得られる当社の利益と取得額、株価変動リスク等を総合的に勘案して取得の可否を判断しております。また、保有株式については、毎年、個別銘柄毎に、保有に伴うコストやリスク、営業上の便益等の経済合理性を総合的に勘案のうえ、取締役会にて保有の必要性を検証しており、検証の結果、保有意義が希薄化した株式については、取引先との信頼関係を確認しながら、売却を進めております。なお、保有意義及び経済合理性が認められる場合でも、政策保有株式の縮減目標達成のため、取引先との信頼関係や市場環境を考慮しつつ、売却のための交渉を進めております。 ②政策保有株式の縮減状況当社は、2024年11月12日開催の取締役会において設定した政策保有株式の縮減目標(2026年3月末までに連結純資産の20%以下、2027年3月末までに10%以下)の達成に向け、取引先と交渉を重ねてまいりました。株価の上昇もあり、2026年3月末時点では、政策保有株式残高の連結純資産に対する比率は24.4%と、前連結会計年度末に比べ微減に留まりましたが、取引先と売却について合意できた銘柄を残高から除いた場合の比率は9.1%となっております。2025年度に売却した上場株式の銘柄数は39銘柄(一部売却を含む)、売却額は1,091億円で、その結果、2018年度から2025年度までに売却した上場株式の銘柄数は120銘柄(一部売却を含む)、売却額は3,178億円となりました。また、上場株式の銘柄数は、2018年3月末時点の187銘柄から、2026年3月末時点では93銘柄へと減少しております。なお、中東情勢をはじめ、当社を取り巻く経営環境は不透明さを増していることから、一部銘柄の売却については、取引先と協議のうえ、2027年度及び2028年度にかけて行うこととしております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ5.8%増加し2兆578億円となりました。 利益については、営業利益は前連結会計年度に比べ67.1%増加し1,186億円、経常利益は70.7%増加し1,223億円、親会社株主に帰属する当期純利益は91.8%増加し1,266億円となりました。 セグメントの業績は、以下のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。また、報告セグメントの利益は、連結財務諸表の作成にあたって計上した引当金の繰入額及び取崩額を含んでおりません。なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。) (当社建設事業) 売上高は、前連結会計年度に比べ7.0%増加し1兆4,774億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ60.7%増加し906億円となりました。 (当社投資開発事業) 売上高は、前連結会計年度に比べ0.8%減少し531億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ0.8%減少し167億円となりました。 (道路舗装事業) 売上高は、前連結会計年度に比べ2.5%増加し1,683億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ7.0%増加し105億円となりました。 (その他) 当社が営んでいるエンジニアリング事業、グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業及び子会社(日本道路㈱を除く)が営んでいる各種事業の売上高は、前連結会計年度に比べ1.5%減少し4,892億円となりましたが、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ22.4%増加し305億円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況については、営業活動により416億円資金が増加しましたが(前連結会計年度は1,590億円の資金増加)、投資活動により68億円資金が減少し(前連結会計年度は78億円の資金増加)、財務活動により1,205億円資金が減少した結果(前連結会計年度は711億円の資金減少)、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末に比べ836億円減少し3,544億円となりました。 ③ 生産、受注及び販売の状況 当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建設事業及び開発事業では、「生産」を定義することが困難であり、また、子会社が営んでいる事業には、「受注」生産形態をとっていない事業もあるため、当該事業においては生産実績及び受注実績を示すことはできません。 また、当社グループの主な事業である建設事業では、請負形態をとっているので、「販売」という概念には適合しないため、販売実績を示すことはできません。 このため、「生産、受注及び販売の状況」については、記載可能な項目を「① 経営成績の状況」においてセグメントの業績に関連付けて記載しております。 なお、参考のため当社単体の事業の状況は次のとおりであります。 a. 受注(契約)高、売上高、及び次期繰越高期別種類別前期繰越高(百万円)当期受注(契約)高(百万円)計(百万円)当期売上高(百万円)次期繰越高(百万円) 第123期 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 建設事業 建築工事1,684,5891,048,3142,732,9041,099,2901,633,614土木工事674,183228,689902,873282,673620,200計2,358,7721,277,0043,635,7771,381,9632,253,814開発事業等66,864127,215194,080119,55674,523合計2,425,6371,404,2203,829,8571,501,5192,328,337 第124期 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 建設事業 建築工事1,633,6141,450,5923,084,2061,190,8921,893,314土木工事620,200353,965974,165298,723675,442計2,253,8141,804,5584,058,3721,489,6152,568,757開発事業等74,52393,617168,14199,92868,212合計2,328,3371,898,1764,226,5131,589,5442,636,969 (注) 1 前期以前に受注したもので、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注(契約) 高にその増減額を含んでおります。したがって当期売上高にもかかる増減額が含まれております。 2 開発事業等は、投資開発事業、エンジニアリング事業、グリーンエネルギー開発事業及び建物ライフサイクル事業等であります。 b. 受注工事高の受注方法別比率 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。期別区分特命(%)競争(%)計(%)第123期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築工事62.038.0100土木工事14.385.7100第124期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築工事47.752.3100土木工事8.891.2100 (注) 百分比は請負金額比であります。 c. 売上高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)第123期自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 建設事業 建築工事108,853990,4361,099,290土木工事165,372117,300282,673計274,2261,107,7371,381,963開発事業等772118,784119,556合計274,9981,226,5211,501,519第124期自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 建設事業 建築工事80,7671,110,1241,190,892土木工事183,042115,680298,723計263,8101,225,8051,489,615開発事業等3,77096,15899,928合計267,5801,321,9631,589,544 (注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 第123期野村不動産㈱BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S キオクシア㈱キオクシア岩手第2製造棟工事 ㈱西武リアルティソリューションズSMFLみらいパートナーズ㈱エミテラス所沢 PT PLN(インドネシア 国有電力会社)アサハン第3水力発電所Lot-Ⅰ (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構相鉄・東急直通線、新横浜駅他 第124期㈱テレビ朝日TOKYO DREAM PARK IT tower TOKYO(同)IT tower TOKYO 中央日本土地建物㈱ミタマチテラス ベトナム高速道路公社ビンカイン橋 長野県令和元年度 春近発電所大規模改修工事 d. 次期繰越高(2026年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)建設事業 建築工事258,2081,635,1061,893,314土木工事411,637263,805675,442計669,8451,898,9112,568,757開発事業等5,30362,90868,212合計675,1491,961,8202,636,969 (注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。三菱地所㈱大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業(TOKYO TORCH)Torch Tower(B棟)新築工事 日本橋一丁目中地区市街地再開発組合日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業C街区新築工事 豊海地区市街地再開発組合豊海地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事 フィリピン共和国政府マニラ地下鉄 CP101工区建設工事 東日本高速道路㈱東京外かく環状道路本線トンネル(南行)大泉南工事 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 経営成績の分析 2025年度の日本経済は、堅調な企業収益等を背景とした雇用・所得環境の改善の下、内需を中心に景気の緩やかな回復が継続しましたが、国内における物価上昇の継続や国際情勢の不安定化に伴う景気の下押しリスクが、企業活動と国民生活に広く影響を及ぼしました。 建設業界においては、防災・減災、国土強靭化等をはじめとする公共投資が底堅く推移するとともに、民間設備投資の持ち直しの動きが見られましたが、供給面では、建設資材・エネルギー価格の高止まりや、人手不足に伴う労務費の上昇等による影響がありました。 このような状況の下、当社グループの売上高は、開発事業等売上高が減少したものの、完成工事高が増加したことにより、前連結会計年度に比べ5.8%増加し2兆578億円となりました。 利益については、国内建築工事の工事採算の改善などにより完成工事総利益が増加したことなどから、営業利益は前連結会計年度に比べ67.1%増加し1,186億円、経常利益は前連結会計年度に比べ70.7%増加し1,223億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益を計上したことなどから、前連結会計年度に比べ91.8%増加し1,266億円となりました。 セグメントの業績は、以下のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。また、報告セグメントの利益は、連結財務諸表の作成にあたって計上した引当金の繰入額及び取崩額を含んでおりません。なお、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。) (当社建設事業) 売上高は、前連結会計年度に比べ7.0%増加し1兆4,774億円となり、セグメント利益は、工事採算の改善により前連結会計年度に比べ60.7%増加し906億円となりました。 なお、セグメント情報の当社建設事業における完成工事総利益に、引当金の繰入額及び取崩額を含めるなどの調整を行った当社個別の完成工事総利益は、前連結会計年度に比べ44.3%増加し1,575億円となりました。 (当社投資開発事業) 売上高は、前連結会計年度に比べ0.8%減少し531億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ0.8%減少し167億円となりました。 (道路舗装事業) 売上高は、前連結会計年度に比べ2.5%増加し1,683億円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ7.0%増加し105億円となりました。 (その他) 当社が営んでいるエンジニアリング事業、グリーンエネルギー開発事業、建物ライフサイクル事業及び子会社(日本道路㈱を除く)が営んでいる各種事業の売上高は、前連結会計年度に比べ1.5%減少し4,892億円となりましたが、セグメント利益は、国内及び海外の建設子会社において、工事採算が改善したことなどから、前連結会計年度に比べ22.4%増加し305億円となりました。 ② 財政状態の分析 当連結会計年度末の資産の部は、受取手形・完成工事未収入金等の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,301億円増加し2兆6,543億円となりました。 当連結会計年度末の負債の部は、工事損失引当金は減少しましたが、支払手形・工事未払金等や預り金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ529億円増加し1兆6,532億円となりました。 連結有利子負債の残高は5,674億円となり、前連結会計年度末に比べ239億円減少しました。 当連結会計年度末の純資産の部は、自己株式の取得や連結子会社である日本道路株式会社の株式を追加取得したことにより非支配株主持分が減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ772億円増加し1兆11億円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.7ポイント上昇し36.8%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況については、営業活動により416億円資金が増加しましたが、投資活動により68億円、財務活動により1,205億円それぞれ資金が減少した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末に比べ836億円減少し3,544億円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益1,933億円の計上などにより416億円の資金増加となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、保有株式の売却を行いましたが、賃貸事業をはじめとする事業用固定資産の取得や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得などにより68億円の資金減少となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、日本道路㈱株式の取得や借入金の返済などにより1,205億円の資金減少となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの資金需要の主なものは、建設事業における工事代金の立替金や販売費及び一般管理費などの営業活動に伴う支出、不動産開発事業における賃貸事業用資産の取得などの設備投資に伴う支出であります。これらの資金需要に対し、自己資金に加え、金融機関からの借入金やノンリコース借入金などの有利子負債を活用することにより、必要資金の調達を行う方針であります。 また、当社グループは、2024年5月に策定した「中期経営計画〈2024‐2026〉」において、持続的成長に向けた投資として、2024年度から3年間で人財、生産性向上・研究開発、不動産開発、グリーンエネルギー開発、新規事業などに3,600億円の投資を計画しており、加えて、M&Aなどの更なる企業価値向上に向けた投資も計画しております。これらの資金需要に対しては、事業の着実な推進により営業キャッシュフローを増加させるとともに、賃貸不動産等の売却や政策保有株式の縮減を継続し、創出したキャッシュにより、必要資金の調達を行う方針であります。 なお、財務体質の健全性を維持するため「中期経営計画〈2024‐2026〉」では、自己資本比率を35%以上、負債資本倍率(D/Eレシオ)を1.0倍以内、また、中長期的(次期中期経営計画期間中)には、自己資本比率40%以上、負債資本倍率(D/Eレシオ)を0.7倍程度とすることを財務上のKPIとして設定しております。 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日時点の状況をもとに種々の見積りを行っておりますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがあります。当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (工事契約における収益認識)当社グループは、工事契約について、期間がごく短い工事を除き、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識しており、履行義務の充足に係る進捗度の見積りは、工事原価総額に対する発生原価の割合に基づき算定しております。収益の認識にあたり、工事原価総額の変動は、履行義務の充足に係る進捗度の算定に影響を与えるため、期末日における工事原価総額を合理的に見積る必要がありますが、工事は一般に長期にわたることから、建設資材単価や労務単価等が請負契約締結後に想定を超えて大幅に上昇する場合など、工事原価総額の見積りには不確実性を伴うため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (固定資産の減損)当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しておりますが、市況の変動などにより前提条件に変更があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2024年5月に策定した「中期経営計画〈2024‐2026〉」の2年目である2025年度の実績は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 倫理・法令違反リスク
    建設業界は、建設業法、独占禁止法など多くの法的規制を受けています。もし清水建設グループがこれらの法令に違反した場合、罰金や事業停止などの行政処分、さらには企業イメージの失墜により、業績や企業評価に深刻な影響が出る可能性があります。社是「論語と算盤」に基づき、企業倫理行動規範の制定や内部通報制度の整備でリスク低減を図っています。
  • 安全・環境事故リスク
    建設現場では、人身事故や環境事故が発生する可能性があります。これらの事故が発生した場合、多額の修復費用や工事の遅延、刑事・行政処分が発生し、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。安全・環境委員会の設置やCOHSMS(建設業労働安全衛生マネジメントシステム)の運用を通じて、事故の発生防止に努めています。
  • 担い手不足リスク
    建設業界全体で技能労働者の高齢化が進んでおり、若年層の入職が少ない状況です。このままでは、将来的に生産体制に支障をきたし、事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。清水建設グループは、賃金水準の向上、週休二日推進、技能者訓練施設の活用などにより、担い手の確保と育成に取り組んでいます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,716 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループは、事業活動の遂行において直面し、あるいは事業活動の中で発生し得るさまざまなリスクを認識し、的確な管理を行うことによって、その発生の可能性を低下させるとともに、発現した場合の損失を最小限にとどめることにより、事業の継続的・安定的発展に努めております。中期経営計画〈2024‐2026〉においても「サステナビリティ経営の進化」を掲げ、「リスクヘッジとリスクテイクの徹底」を図っております。 なお、リスクとは、以下の観点から、当社グループの経営において経営目標の達成を阻害する要因すべてを指します。・当社グループに直接又は間接に経済的損失をもたらす可能性のあるもの・当社グループ事業の継続を中断・停止させる可能性のあるもの・当社グループの信用を毀損し、ブランドイメージを失墜させる可能性のあるもの (1)リスク管理体制及び管理プロセス 当社グループは、リスク管理規程に基づき、社長が委員長を務めるリスク管理委員会の主導の下、以下に示すリスク管理プロセスを毎年度実行し、管理体制の更なる改善・強化を図っております。また、関連するリスクや課題が広範囲に及び、かつ流動的で変化が激しいことを認識した上で、必要に応じてリスクの追加や、管理体制・対応方針等の見直しを実施しております。・リスク管理計画の策定(Plan)a.リスクの評価とリスクマップへの反映:すべてのリスクに対し、経営への影響度及び事象の発生頻度を評価し、リスクマップを作成・更新しております。b.「主なリスク」の抽出:リスクマップに基づき、当社グループの経営及び事業活動に特に重要な影響を及ぼす可能性があると判断されたリスクを「主なリスク」として抽出しております。c.「重点リスク管理項目」の選定:「主なリスク」の中から、日常的に管理・モニタリングすべき項目として、全社の「重点リスク管理項目」を定めて各部門の運営計画に反映させております。・リスク対応の実施(Do)リスクが発現した場合、当該リスクの主管部門・部署へ伝達し、迅速かつ的確に対応するとともに、必要に応じて機能別会議・委員会を招集して対応策・再発防止策を審議・決定しております。・リスクの管理状況のモニタリングと是正・改善措置(Check・Act)リスク管理委員会において、「重点リスク管理項目」をはじめとする、本社部門、各事業部門及びグループ会社における機能別のリスク管理状況を定期的(年2回)にモニタリングし、必要に応じて是正・改善措置を指示するとともに、新たなリスクへの対応を図り、その対応状況を取締役会に定期的(年2回)に報告しております。 (2)リスクの影響度と発生頻度の評価当社グループでは、「経営への影響度」と「事象の発生頻度」の二軸で構成される「リスクマップ」を、主管部門・部署の評価に基づき作成・更新しております。「経営への影響度」は、人的被害、財物損害、信用失墜、利益損失、賠償責任の観点で、各リスクが発現した場合に、当社の経営、事業活動に与える損失の大きさを、定量的な要素だけでなく、定性的な要素も加味し、総合的に評価しております。「発生頻度」は、各リスクが発現する可能性を、毎年起こる恐れがある事象、数年ごとに起こる恐れがある事象、10年に一度起こる恐れがある、もしくは当社が未だ経験していない事象に分けて評価しております。なお、当該リスクを評価する際には、過去の事例を考慮し、当社に与え得る最も大きな事象を対象としております。 (3)主なリスク有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクには、次のようなものがあります。ただし、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点で予見しがたいリスクが顕在化し、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、こうしたリスク管理体制の下、下記に掲げる対応策を適宜実施することにより、リスクの回避又は軽減を図ることで、経営への影響の低減に努めております。 主なリスクの概要主な対応策・取組み頻度影響度①倫理・法令違反リスク当社グループの主な事業分野である建設業界は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法、さらには安全・環境、労働、ハラスメント関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、当社グループにおいて違法な行為があった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 社是「論語と算盤」を拳々服膺し、グループ全体で倫理意識の涵養とコンプライアンスの徹底を図っております。(主な取組み)・「企業倫理行動規範」の制定・各種法令等に適切に対応するための関連規程類・社内体制の整備・企業倫理委員会(委員長:社長)、企業倫理室の設置、内部通報制度(相談連絡先:企業倫理相談室、ハラスメント相談窓口、外部相談窓口、グループ会社相談窓口等)、内部監査体制の整備等、コンプライアンス推進体制の構築・経営幹部向け企業倫理研修の定期的実施(グループ会社幹部含む)・全従業員へのコンプライアンス研修(eラーニング含む)を毎年実施・独占禁止法順守プログラムや行動規準等の整備、独占禁止法違反行為に対する再発防止策の継続実施・社内媒体(社内報・法務ニュース等)を通じた啓発・グループ会社も当社に準じてこれらの取組みを実施低~中中~大 主なリスクの概要主な対応策・取組み頻度影響度②安全・環境事故リスク施工段階における人身事故、環境事故・不具合、環境関連法令等違反が発生した場合には、その修復に多大な費用負担や工程遅延の発生、刑事・行政処分等による事業上の制約を受けることにより、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 「安全第一」「人命尊重」「環境汚染の防止」「生物多様性保全」の基本姿勢を社内で共有し、安全と環境への意識向上を図っております。(主な取組み)・安全・環境委員会の設置・建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)の運用、安全衛生管理基本方針の制定、全社安全衛生計画の策定・EMS(環境マネジメントシステム)の適切な運用、環境基本方針の策定・事故・不具合事例のフィードバック、全社水平展開、PDCAの実施低~中中~大③技術・品質リスク技術・品質面での重大事故・不具合が発生し、重大な契約不適合となった場合には、その修復に多大な費用負担や施工遅延の発生、信用の毀損等により、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 「顧客第一」「品質確保」の事業姿勢を社内で共有し、品質管理の更なる強化を図っております。(主な取組み)・技術・品質委員会の設置・品質管理を所掌する組織の設置・QMS(品質マネジメントシステム)の適切な運用・品質不具合事例のフィードバック、全社水平展開、PDCAの実施低~中中~大 主なリスクの概要主な対応策・取組み頻度影響度④担い手不足リスク建設業の担い手である技能労働者の高齢化が進んでおり、団塊世代が大量離職するまでに、新規入職者の増加による世代交代が進まない場合、生産体制に支障をきたし、事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。 官民連携のうえ、担い手の確保・育成、処遇改善、建設業界の魅力向上等に取り組んでおります。(主な取組み)・適正な請負代金と工期の確保・協力会社を通じた技能労働者の賃金水準の向上、社会保険加入促進・週休二日推進・協力会社への入職支援、優良技能者の表彰・手当支給、多能工化支援・技能者訓練施設(清水匠技塾)を活用した、技能者の適応・定着教育の実施・女性の活躍推進・建設業の魅力をPRする広報活動・外国人材の適正な活躍推進・建設キャリアアップシステムの普及・推進・省人化工法・建設ロボットの開発・採用、ICTの活用を含む生産性向上の取組み・改正建設業法に基づく技能労働者の処遇改善に向けた、労務費・材料費等の内訳を明示した見積書の活用推進高大⑤建設資材価格及び労務単価の変動リスク建設資材価格や労務単価等が、請負契約締結後に予想を超えて大幅に上昇し、それを請負金額に反映することが困難な場合には、建設コストの増加につながり、損益が悪化する可能性があります。 厳格な受注前審査の実施、見積提出時における業務範囲の明確化等により、リスクの低減に努めております。工事請負契約の締結にあたっては、契約条件に労務賃金・建設物価の変動に基づく請負代金の変更に関する規定(スライド条項等)を含めた契約の徹底に努めております。高中⑥国際情勢の変化等に伴うリスク諸外国における政治・経済情勢、為替、租税制度や法的規制等に著しい変化が生じた場合や、テロ・戦争・暴動等の発生、資材価格の高騰、資材の不足・欠品及び労務単価の著しい上昇や労務需給のひっ迫があった場合には、国内外の事業や経営状況に影響を及ぼす可能性があります。 海外事業展開にあたって、事業機会とともにカントリーリスク等も踏まえて地域や国を絞り込み、必要な対策を図っております。また国内の建設事業等においても、特定の国・地域へのサプライチェーンの過度な依存を見直し、リスクの分散と最適化を図っております。(主な取組み)・コンサルの活用等によるテロ対策の実施・腐敗防止の取組み・サプライチェーン体制の見直し低大 主なリスクの概要主な対応策・取組み頻度影響度⑦長時間労働リスク建設業界全体においては、慢性的な人手不足が課題となっており、特に繁忙期においては、作業負荷が特定の従業員に集中することで、長時間労働が発生するリスクがあります。こうした状況が継続する場合には、従業員の安全や健康に悪影響を及ぼすだけでなく、モチベーションや生産性の低下、人財の流出等、当社の事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 確実な労務・勤怠実態の把握と改善を目的に、システムの導入等、労務管理体制を整備するとともに、産業保健スタッフの充実、作業所への巡回面談の実施等、従業員一人ひとりに対してのきめ細やかなメンタルヘルスのフォロー体制を構築しております。また、過重労働を回避するため、フロントローディングや柔軟な働き方の推進、ワークシェアやアウトソーシング、デジタル化等による業務の効率化と平準化、加えて、適正工期の確保に向けた活動にも継続して取り組んでおります。さらに、エンゲージメントの定期的な評価、作業所閉所実績・休暇取得状況等をモニタリングし、職場環境を適正に把握したうえで、更なる改善を進めております。中~高中~大⑧受注・契約に係るリスク請負契約に著しく厳しい条件、又は不明確な条項が含まれる場合、当社が想定する収益を下回る結果となる可能性があります。 国内外の建設事業において全社会議体を通じて案件取組方針や契約条件の精査を行い、適切な条件での請負契約締結に努めております。また、改正建設業法に則った発注者への情報提示方法等の社内周知と対応の徹底に努めております。(主な取組み)・受注戦略・方針に関する全社会議体での審議・大型案件取組み時の審査体制の強化・契約リスク管理部署の設置中~高中~大⑨建設市場の動向によるリスク国内外の景気後退等により民間設備投資が縮小した場合や、財政健全化等を目的として公共投資が減少した場合には、今後の受注動向に影響を及ぼす可能性があります。 取締役会で建設事業の受注見通し、案件量を毎月フォローし、執行役員会議・事業部門長会議等において適宜必要な対策を指示しております。2030年を見据えた長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」において収益構造の転換を掲げ、中期経営計画〈2024‐2026〉によって各事業に応じた成長戦略を実行しております。中大 主なリスクの概要主な対応策・取組み頻度影響度⑩保有資産等に係るリスク当社グループでは不動産開発事業、PFI事業、再生可能エネルギー事業等への投資や、自社使用の固定資産・DX関連投資等の戦略的な設備投資を進めております。市況の低迷や金融市場の変動、諸物価や人件費の上昇等、関連する事業環境に著しい変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 事業投資については、企業体力に見合ったリスクの範囲内で事業を行うよう毎年度投資計画を策定するとともに、個別案件の取組みにおいては、投資取組基準に基づき、出口戦略(投資の回収計画)も含めて計画的に投資を行っております。また、取締役会で各事業の進捗状況、投資残高、事業ポートフォリオ、時価評価を定期的にフォローし、必要な対策を図っております。低大⑪サイバーリスク標的型メール、ランサムウェア、マルウェアによるウイルス感染、不正アクセス等のサイバー攻撃の被害にあった場合、システム停止、生産活動の停止、法的責任の発生、財務的損失、ブランドイメージの毀損等により、事業活動や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 DX委員会を設置し、情報セキュリティに関する事項を審議し、必要な対策を図っております。(主な取組み)・従業員対象の標的型メール訓練の定期的な実施・社外公開サーバーの脆弱性診断・外部委託によるウイルスの常時監視・未知のマルウェア対策の実施・サイバーBCP対策要綱の策定低大⑫機密情報等漏洩リスク事業活動において取得した機密情報等が漏洩した場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 「プライバシー・ポリシー」の制定や個人情報保護規程等の整備、全社個人情報保護管理者の設置により、個人情報の適切な管理を実施するとともに、情報セキュリティリスクに対応するため、各種取組みを実施しております。(主な取組み)・「情報セキュリティガイドライン」の適宜見直し・「情報セキュリティハンドブック」の配布、デジタルサイネージを利用した啓発・情報セキュリティeラーニング、情報セキュリティ監査の定期的実施・日本シーサート協議会への加盟とCSIRT体制によるインシデント対応・情報セキュリティアセスメントの実施中中~大 主なリスクの概要主な対応策・取組み頻度影響度⑬自然災害・感染症リスク地震、津波、風水害、火山噴火等の自然災害や、感染症の世界的流行が発生した場合は、当社グループが保有する資産や従業員に直接被害が及び、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。災害規模が大きな場合には、受注動向の変化・建設資材価格の高騰・電力エネルギー供給能力の低下等で事業環境が変化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 BCP委員会を設置し、BCPの継続的見直しや訓練計画の決定及び実施状況のフォローを行っております。(主な取組み)・首都直下地震、南海トラフ地震等の巨大地震を想定した震災訓練の定期的な実施・風水害発生時の行動基準の策定、風水害に関する従業員向け研修(eラーニング)の実施及び風水害を想定した訓練の実施・火山災害発生時の対応方針の策定、理解促進施策(eラーニング、ハンドブック)の展開、並びに富士山噴火を想定した訓練の実施・災害時情報共有システムの整備・非常用電源の確保、備蓄品の拡充・データセンターのバックアップ体制の構築低大⑭気候変動リスク気候変動の物理的影響として、平均気温の上昇や気象災害が頻発・激甚化した場合、事業の根幹である建設現場の操業に影響を及ぼす可能性があります。脱炭素社会・自然共生社会への移行に向けて、建築物の新築時や土地改変、自然資源由来の材料使用等に対する各種規制が強化された場合、新規建設需要が縮小する可能性があります。また、カーボンプライシングやネイチャーポジティブ(自然再興)達成に向けたオフセット取引に関する制度の動向によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。 2020年よりTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言、2024年よりTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく財務情報開示を行うにあたり、気候変動や自然関連のリスクと機会を分析し、対応を検討しております。それらは、サステナビリティ委員会(委員長:社長)で審議・決定し、取締役会で事業戦略との整合性を確認しております。(主な取組み)・新規着工する国内工事現場の使用電力の100%グリーン電力化・環境、人権に配慮した木材利用のため、2030年に外国産合板(非認証材)型枠使用ゼロを目標として掲げ、協力会社と協働高中 主なリスクの概要主な対応策・取組み頻度影響度⑮法令の新設・改廃等に係るリスク社会や時代の変化により、新たな法規制の制定や法令の改廃等があった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。 事業活動に影響を及ぼす法令の新設・改廃等について適切に対応するため、関連規程・規則を整備し、各種会議体・イントラネット等を用いた社内周知、社内教育・研修(eラーニングを含む)を実施しております。中大⑯金融市場の変動によるリスク国内外の金融情勢・経済情勢の悪化により、金融市場が機能不全に陥った場合、資金調達の制約や調達コストの上昇を招く可能性があります。また、金利水準の急激な上昇、為替相場の大幅な変動等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 主要取引金融機関に対する適宜必要な情報開示等を通じ、当社事業への理解を深めてもらい、緊密な関係を維持・強化しております。また、コミットメントライン枠やスポット借入枠を設定し、緊急時の流動性を確保しております。低大⑰投資有価証券の価格変動リスク投資有価証券の時価が著しく下落した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 毎年、個別銘柄毎に、株式保有に伴うコストやリスク、営業上の便益等の経済合理性を総合的に勘案のうえ、取締役会にて、保有の必要性を検証しており、検証の結果、保有意義が希薄化した株式については、取引先との信頼関係を確認しながら、売却を進めております。なお、保有意義及び経済合理性が認められる場合でも、政策保有株式の縮減目標達成のため、取引先との信頼関係や市場環境を考慮しつつ、売却のための交渉を進めております。低中 2026年度の重点リスク管理項目「主なリスク」の中から、日常的に管理・モニタリングすべき項目として、下記の6項目を2026年度の「重点リスク管理項目」と定め、各部門の運営計画に反映し、管理状況を定期的にモニタリングしております。1. 倫理・法令違反リスク2. 安全・環境事故リスク3. 技術・品質リスク4. 長時間労働リスク5. 受注・契約に係るリスク6. 機密情報等漏洩リスク・サイバーリスク

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