1813

不動テトラ(1813)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 土木事業の展開
    不動テトラグループは、土木工事を主要な事業内容としています。これは、道路や橋、港湾などの社会インフラを建設・整備する仕事で、子会社の高橋秋和建設株式会社と連携しながら、工事の受発注を行っています。社会の基盤を支える重要な役割を担っています。
  • 地盤改良工事
    地盤改良事業では、建物を建てる前や災害対策として、軟弱な地盤を強くする工事を行っています。株式会社ソイルテクニカやFudo Construction Inc.など複数の子会社がこの事業を担っており、当社から建設機械を借りて作業を進めることもあります。安全な社会づくりに不可欠な技術を提供しています。
  • ブロック事業とその他
    消波ブロックや根固めブロックといった、波の力を弱めたり、川底の浸食を防いだりするコンクリートブロックの鋼製型枠を貸し出す事業も行っています。また、福祉商事株式会社が保険代理業などのサービスを提供し、グループ全体の事業活動をサポートしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 土木事業
    土木工事の施工を主な内容とし、296.38億円の売上高と5.59億円の営業利益を計上しています。これは社会インフラの整備・維持に貢献する基盤事業であり、グループの中核を担っています。既存領域での差別化や環境関連事業の強化を通じて、事業規模の拡大を目指しています。
  • 地盤改良事業
    地盤改良工事の施工等を行い、371.17億円の売上高と33.95億円の営業利益を上げており、グループの稼ぎ頭となっています。民間事業の拡大やエネルギー関連施設など成長市場への展開、海外事業の安定化に注力し、持続的な発展を図っています。
  • ブロック事業
    消波・根固ブロック用鋼製型枠の賃貸等を行っており、26.45億円の売上高と0.63億円の営業利益を計上しています。安定的黒字化を目指し、3Dプリンタを活用した新事業モデルの模索や、洋上風力発電事業への参画など、収益源の多様化に取り組んでいます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CivilEngineeringBusiness 地域 296 6 1.9%
SoilImprovementBusiness 地域 371 34 9.1%
BlockBusiness 地域 26 1 2.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|391 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社8社、関連会社1社で構成され、土木事業、地盤改良事業及びブロック事業を主な事業内容としている。(土木事業) 当社、高橋秋和建設㈱が土木工事の施工を行っており、両社は相互に工事の発注又は受注を行っている。(地盤改良事業) 当社、㈱ソイルテクニカ、Fudo Construction Inc.、愛知ベース工業株式会社、日本土質試験センター株式会社、Advanced Geosolutions Inc.、興洋建設工業株式会社が地盤改良工事の施工等を行っており、㈱ソイルテクニカは当社より建設機械を賃借している。(ブロック事業) 当社、㈱三柱が消波・根固ブロック用鋼製型枠の賃貸等を行っている。(その他事業) 福祉商事㈱が保険代理等のサービスの提供を行っており、当社グループ各社はこれらのサービスを受けている。 事業の系統図は次のとおりである。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
建設資材・労務費等の高騰を請負代金に反映することが困難な場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自の技術とノウハウを有する分野を中心に研究開発活動を行っている。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:建設市場の変動 / 少子高齢化による担い手不足 / 建設資材・労務費等の価格変動・調達困難
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

不動テトラは建設業であり、特許やブランドといった無形資産による競争優位性は限定的。特定の技術やノウハウは存在するが、それが参入障壁となるほどの強固なものではないと判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

建設プロジェクトにおいては、発注者と受注者の間で長期的な関係性が構築される場合がある。しかし、プロジェクトごとに最適な業者を選定する自由度も存在するため、スイッチングコストは中程度と評価。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業において、顧客とのネットワークは重要だが、不動テトラ固有の強力なネットワーク効果は確認できない。公共事業や大手ゼネコンとの関係性は存在するものの、それが排他的な優位性とは言えない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

建設業は一般的に規模の経済が働きやすいが、不動テトラ単独で顕著なコスト優位性を築いているとは考えにくい。資材調達や施工効率において、同業他社との大きな差はないと推測される。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高は直近3期で横ばいだが、建設業においては一定の規模を持つことで、大規模プロジェクトの受注機会が増え、経営の安定性が高まる。他社と比較して、中堅規模の企業として一定の地位を確立している。

  • 社会資本整備への貢献
    不動テトラグループは、社会資本の整備・維持に特化しており、政府の国土強靭化計画やインフラ老朽化対策といった公共事業を主なターゲットとしています。これにより、安定的な需要が見込まれる市場で事業を展開し、社会貢献と事業成長を両立させています。
  • 多様な事業領域と技術力
    土木、地盤改良、ブロックの3つの主要事業が相互に連携し、海から陸まで幅広い分野で独自の技術を提供しています。特に地盤改良技術は、軟弱地盤の多い日本において重要な役割を果たし、競争優位性につながっています。
  • 海外展開とリスク分散
    東南アジアや米国といった海外でも事業を展開しており、国内市場の変動リスクを分散しています。現地の政治・経済情勢や法規制の変化に対応しながら、グローバルな視点で事業機会を捉え、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 経営理念と持続的成長
    不動テトラグループは「豊かで安全・安心な国土づくりに貢献する」を使命とし、土木、地盤改良、ブロックの3事業の協調を通じて持続的な成長を目指しています。この理念に基づき、2027年度に売上高800億円以上、営業利益率5%以上を目標とする長期計画を推進しています。
  • ESG経営と資本効率の追求
    環境・社会・ガバナンス(ESG)を重視した経営を実践し、サステナビリティに関する基本方針を策定しています。また、資本コストを意識した財務戦略を実行し、2026年度にはROE9.0%の達成を目指すことで、企業価値の向上を図っています。
  • 人的資本経営とDX推進
    従業員の働きやすさと働きがいを追求し、人材の確保・育成・最適配置を通じて人的資本の最大化を目指しています。同時に、DX(デジタルトランスフォーメーション)投資を積極的に行い、生産性の向上や新たな技術導入により、事業基盤の強化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものである。 (1) 経営の基本方針当社グループは国土づくりを通じて社会に貢献し続けるという使命をステークホルダーの皆様に広くご理解いただき、それに向けた価値観、目標を当社グループ内で共有するため、以下の通り経営理念を定めている。 <経営理念> Mission (使 命): 豊かで安全・安心な国土づくりに貢献します Value (価値観): あらゆる変化を進化に換えて未来に向かって歩み続けます Vision (目 標): 世代を超えて生き続ける独自の技術を提供します また、この経営理念を実現すべく、「土木、地盤改良、ブロックの3事業が協調し、海に陸に、持続的な成長を目指します」を経営方針としている。 (2) 経営環境及び対処すべき課題今後のわが国経済につきましては、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな景気回復が続くことが期待されるものの、海外情勢の動向や物価・金利の変動等が実体経済に与える影響について、引き続き注視していく必要がある。 今後の建設業界におきましては、公共投資は、政府の「国土強靱化」に向けた継続的な防災・減災対策やインフラ老朽化対策等により、引き続き底堅く推移するものと予想される。民間投資につきましても、脱炭素化やデジタル化、成長分野に対する企業の設備投資意欲は底堅く、建設需要全体としては総じて安定的に推移することが見込まれる。 一方で、供給面におきましては、資機材価格や労務費等のコスト動向が引き続き不透明であることに加え、建設技能者の高齢化や将来的な担い手不足への対応が急務となっている。今後の建設業界においては、これらの課題に対応し持続的な成長を図るため、DX(デジタルトランスフォーメーション)投資等を通じた生産性の向上や、適正な工期設定および請負代金への確実な価格転嫁、さらには処遇改善を通じた魅力ある業界づくりなど、事業基盤の強化に向けた取り組みが引き続き求められていくものと思われる。 このような状況の下、当社グループは、2027年度に「売上高800億円以上、営業利益率5%以上」の目標を掲げた長期計画の最終段階となる「収穫・実現」のフェーズと位置付けた「中期経営計画(2024〜2026年度)」に取り組んでいる。この中期経営計画の基本方針・目標と、その2年目にあたる当期の結果は以下のとおりである。 (3) 目標とする経営指標 <長期目標> 2017年度2027年度売上高(既存分野)628億円800億円(新規分野)―+α営業利益率 5.9%5.0%以上 ◆前中期経営計画の成長・拡大に引き続き、更なる経営資源への投資、収益基盤の多様化に取り組む。 <中期経営計画(2024~2026年度)の概要と経営目標> ○基本方針基本方針①新規事業の創出と事業領域の拡大建設産業のライフサイクル・長期化を踏まえ、事業ポートフォリオマネジメントの高度化から、事業領域の拡大、新規事業の創出を目指す。 基本方針②経営理念を基盤としたESG(環境・社会・ガバナンス)経営の実践経営理念に基づき新たに制定した「サステナビリティに関する基本方針」に沿って、優先的に取り組む重点施策(マテリアリティ)を特定。各施策でKPIを設定・管理しESG経営を実践する体制を構築する。(サステナビリティ基本方針)不動テトラグループは経営理念に基づき、さまざまな社会基盤の整備を通じて豊かで安心・安全な国土づくりを促進し、持続可能な社会の実現を目指します 基本方針③資本コストを意識した経営の実践事業成長の実現に資する財務戦略・資本戦略を実行。資本コストを意識し、事業ポートフォリオの高度化を図るなど持続的成長を追求することで、最終年次の2026年度にはROE9.0%の達成を目指す。 基本方針④人的資本経営の推進従業員の働きやすさ(ウェルビーイング)、働きがい(エンゲージメント)を追求し、魅力ある会社、選ばれる会社の実現。人材採用、人材育成、最適配置を通じて、人的資本の最大化、企業価値の向上を目指す。 ○経営目標(連結ベース) 項目目標2024年度実績2025年度実績 ①業績目標3ヵ年累計営業利益120億円以上31億77百万円59億19百万円 ②資本効率目標2026年度自己資本当期純利益率(ROE)9%以上6.6%12.3% ③株主還元目標配当性向40%程度60円以上41.3%60円39.0%予定115円予定 ○全社数値目標(連結ベース) (単位:億円) 前中期経営計画実績 (3ヵ年累計)新中期経営計画実績計画2024年度2025年度2026年度2024年度2025年度2026年度受注高2,071750765775723796750売上高2,052715745780696817810営業利益96304248325948営業利益率4.7%4.2%5.6%6.2%4.6%7.2%5.9%ROE6.3~7.1%6%8%9%6.6%12.3%8.2% ○セグメント別の事業方針と戦略事業セグメント 新中期経営計画(2024~2026年度)事業方針事業戦略土木事業新たな挑戦へのリ・スタート~成長路線に向けた事業基盤の強化~ ①事業規模拡大・既存領域における差別化戦略・リニューアル事業への積極的参画・環境関連事業の強化(研究開発・調査・設計・施工体制整備)②積極的成長投資・自社独自技術の開発促進(差別化戦略)・環境性能及び作業性能の高い作業船新造による他社との差別化・業務提携、M&A及び関連会社との連携強化を積極的に推進③生産性向上・DXソリューションの積極的取り組み・生産性と安全性を向上させるための新技術導入・社員の意識改革による時間管理の最適化④人的投資・施工要員の確保と離職率低減・人材育成・教育研修の充実・中堅・若手技術者の育成強化(早期戦力化)地盤改良事業・必要な経営資源への投資と展開による事業の持続的発展・社会課題解決による存在意義向上と地盤を礎とした新たな領域の拡大①民間事業の拡大・民間事業への重点営業・改善/開発された工法(リソイルProなど)による営業展開・グループ会社(愛知ベース工業等)との連携強化による建築市場の拡大②成長市場への展開と事業領域の拡大・新たに開発する工法による市場の創出・エネルギー関連施設など拡大市場への売込み強化・バイオマス混合CPによるカーボンニュートラル市場への事業展開③海外事業の安定化・AGIとの連携強化によるアメリカでの受注拡大・アジアでのローカル人材の育成による体制強化④社内体制・システムの効率化・ICT技術による業務効率化、DXの推進などブロック事業・安定的黒字化を目指した事業の再構築・既存事業にとらわれない各種施策や新規事業への取り組み①事業モデルの変換と収益源の確保・3Dプリンタなどをベースとした事業の模索(製品・施工)・環境配慮型コンクリートなどをベースとした事業の模索(材料)・他企業との業務提携の拡大・促進、洋上風力発電事業への参画②分野別シェアの維持・拡大・ICT技術を活用した老朽化対策需要の取込・高波浪領域での競争力強化、河川・砂防市場でのシェアアップ・防衛関連プロジェクトへの参画・海外展開(ライセンス事業の拡充・ODA案件の取込)③収益力の向上・市場規模に見合う型枠保有適正化 -事業規模に即した適正な要員体制、設備投資水準 -物価高を反映した適正な賃貸料の追求(賃料アップ)④ESG経営を意識した企業価値向上・施策:ブルーカーボン・グリーンインフラ関連事業への取組推進 (産学共同事業への参画、民間企業・漁協等との協業) 以上のように、長期目標及び新中期経営計画を実現するため、様々な課題への対応と持続的成長に向けて掲げた方針に取り組み、投資と株主還元を両立させながら、更なる企業価値の向上を目指していく。 なお、前連結会計年度に判明した従業員による架空発注等の事案に関して、当社は社内調査委員会から調査報告書を受領し、再発防止策詳細実行計画を策定し、その実行に取り組んだ。当連結会計年度においては、その実効性をより高めるべく、2025年8月6日に特別委員会を設置し、追加の調査を進め、同委員会から同年11月28日付調査報告書を受領した。当社は、この特別委員会の調査報告書を真摯に受け止め、同年12月26日付をもって追加の再発防止策詳細実行計画を策定・公表した。同追加計画は、今後不適切行為を発生させないことを目的に、全役職員の意識改革、企業風土改革、内部統制とガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底を図るものであり、その遂行を力強く推進しているところである。当社グループの役員・社員一人ひとりが各種施策に積極的に取り組み、誠実にコンプライアンスを実践することにより、社会からの信頼回復と企業価値の向上に努める。また、再発防止策の実効性をより確実なものとするためにも、社員の処遇改善、働きやすさ並びに働きがいを追求し、社員が健康で安心して働けるよう、人的資本経営と健康経営を進める。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものである。 (1) 経営の基本方針当社グループは国土づくりを通じて社会に貢献し続けるという使命をステークホルダーの皆様に広くご理解いただき、それに向けた価値観、目標を当社グループ内で共有するため、以下の通り経営理念を定めている。 <経営理念> Mission (使 命): 豊かで安全・安心な国土づくりに貢献します Value (価値観): あらゆる変化を進化に換えて未来に向かって歩み続けます Vision (目 標): 世代を超えて生き続ける独自の技術を提供します また、この経営理念を実現すべく、「土木、地盤改良、ブロックの3事業が協調し、海に陸に、持続的な成長を目指します」を経営方針としている。 (2) 経営環境及び対処すべき課題今後のわが国経済につきましては、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな景気回復が続くことが期待されるものの、海外情勢の動向や物価・金利の変動等が実体経済に与える影響について、引き続き注視していく必要がある。 今後の建設業界におきましては、公共投資は、政府の「国土強靱化」に向けた継続的な防災・減災対策やインフラ老朽化対策等により、引き続き底堅く推移するものと予想される。民間投資につきましても、脱炭素化やデジタル化、成長分野に対する企業の設備投資意欲は底堅く、建設需要全体としては総じて安定的に推移することが見込まれる。 一方で、供給面におきましては、資機材価格や労務費等のコスト動向が引き続き不透明であることに加え、建設技能者の高齢化や将来的な担い手不足への対応が急務となっている。今後の建設業界においては、これらの課題に対応し持続的な成長を図るため、DX(デジタルトランスフォーメーション)投資等を通じた生産性の向上や、適正な工期設定および請負代金への確実な価格転嫁、さらには処遇改善を通じた魅力ある業界づくりなど、事業基盤の強化に向けた取り組みが引き続き求められていくものと思われる。 このような状況の下、当社グループは、2027年度に「売上高800億円以上、営業利益率5%以上」の目標を掲げた長期計画の最終段階となる「収穫・実現」のフェーズと位置付けた「中期経営計画(2024〜2026年度)」に取り組んでいる。この中期経営計画の基本方針・目標と、その2年目にあたる当期の結果は以下のとおりである。 (3) 目標とする経営指標 <長期目標> 2017年度2027年度売上高(既存分野)628億円800億円(新規分野)―+α営業利益率 5.9%5.0%以上 ◆前中期経営計画の成長・拡大に引き続き、更なる経営資源への投資、収益基盤の多様化に取り組む。 <中期経営計画(2024~2026年度)の概要と経営目標> ○基本方針基本方針①新規事業の創出と事業領域の拡大建設産業のライフサイクル・長期化を踏まえ、事業ポートフォリオマネジメントの高度化から、事業領域の拡大、新規事業の創出を目指す。 基本方針②経営理念を基盤としたESG(環境・社会・ガバナンス)経営の実践経営理念に基づき新たに制定した「サステナビリティに関する基本方針」に沿って、優先的に取り組む重点施策(マテリアリティ)を特定。各施策でKPIを設定・管理しESG経営を実践する体制を構築する。(サステナビリティ基本方針)不動テトラグループは経営理念に基づき、さまざまな社会基盤の整備を通じて豊かで安心・安全な国土づくりを促進し、持続可能な社会の実現を目指します 基本方針③資本コストを意識した経営の実践事業成長の実現に資する財務戦略・資本戦略を実行。資本コストを意識し、事業ポートフォリオの高度化を図るなど持続的成長を追求することで、最終年次の2026年度にはROE9.0%の達成を目指す。 基本方針④人的資本経営の推進従業員の働きやすさ(ウェルビーイング)、働きがい(エンゲージメント)を追求し、魅力ある会社、選ばれる会社の実現。人材採用、人材育成、最適配置を通じて、人的資本の最大化、企業価値の向上を目指す。 ○経営目標(連結ベース) 項目目標2024年度実績2025年度実績 ①業績目標3ヵ年累計営業利益120億円以上31億77百万円59億19百万円 ②資本効率目標2026年度自己資本当期純利益率(ROE)9%以上6.6%12.3% ③株主還元目標配当性向40%程度60円以上41.3%60円39.0%予定115円予定 ○全社数値目標(連結ベース) (単位:億円) 前中期経営計画実績 (3ヵ年累計)新中期経営計画実績計画2024年度2025年度2026年度2024年度2025年度2026年度受注高2,071750765775723796750売上高2,052715745780696817810営業利益96304248325948営業利益率4.7%4.2%5.6%6.2%4.6%7.2%5.9%ROE6.3~7.1%6%8%9%6.6%12.3%8.2% ○セグメント別の事業方針と戦略事業セグメント 新中期経営計画(2024~2026年度)事業方針事業戦略土木事業新たな挑戦へのリ・スタート~成長路線に向けた事業基盤の強化~ ①事業規模拡大・既存領域における差別化戦略・リニューアル事業への積極的参画・環境関連事業の強化(研究開発・調査・設計・施工体制整備)②積極的成長投資・自社独自技術の開発促進(差別化戦略)・環境性能及び作業性能の高い作業船新造による他社との差別化・業務提携、M&A及び関連会社との連携強化を積極的に推進③生産性向上・DXソリューションの積極的取り組み・生産性と安全性を向上させるための新技術導入・社員の意識改革による時間管理の最適化④人的投資・施工要員の確保と離職率低減・人材育成・教育研修の充実・中堅・若手技術者の育成強化(早期戦力化)地盤改良事業・必要な経営資源への投資と展開による事業の持続的発展・社会課題解決による存在意義向上と地盤を礎とした新たな領域の拡大①民間事業の拡大・民間事業への重点営業・改善/開発された工法(リソイルProなど)による営業展開・グループ会社(愛知ベース工業等)との連携強化による建築市場の拡大②成長市場への展開と事業領域の拡大・新たに開発する工法による市場の創出・エネルギー関連施設など拡大市場への売込み強化・バイオマス混合CPによるカーボンニュートラル市場への事業展開③海外事業の安定化・AGIとの連携強化によるアメリカでの受注拡大・アジアでのローカル人材の育成による体制強化④社内体制・システムの効率化・ICT技術による業務効率化、DXの推進などブロック事業・安定的黒字化を目指した事業の再構築・既存事業にとらわれない各種施策や新規事業への取り組み①事業モデルの変換と収益源の確保・3Dプリンタなどをベースとした事業の模索(製品・施工)・環境配慮型コンクリートなどをベースとした事業の模索(材料)・他企業との業務提携の拡大・促進、洋上風力発電事業への参画②分野別シェアの維持・拡大・ICT技術を活用した老朽化対策需要の取込・高波浪領域での競争力強化、河川・砂防市場でのシェアアップ・防衛関連プロジェクトへの参画・海外展開(ライセンス事業の拡充・ODA案件の取込)③収益力の向上・市場規模に見合う型枠保有適正化 -事業規模に即した適正な要員体制、設備投資水準 -物価高を反映した適正な賃貸料の追求(賃料アップ)④ESG経営を意識した企業価値向上・施策:ブルーカーボン・グリーンインフラ関連事業への取組推進 (産学共同事業への参画、民間企業・漁協等との協業) 以上のように、長期目標及び新中期経営計画を実現するため、様々な課題への対応と持続的成長に向けて掲げた方針に取り組み、投資と株主還元を両立させながら、更なる企業価値の向上を目指していく。 なお、前連結会計年度に判明した従業員による架空発注等の事案に関して、当社は社内調査委員会から調査報告書を受領し、再発防止策詳細実行計画を策定し、その実行に取り組んだ。当連結会計年度においては、その実効性をより高めるべく、2025年8月6日に特別委員会を設置し、追加の調査を進め、同委員会から同年11月28日付調査報告書を受領した。当社は、この特別委員会の調査報告書を真摯に受け止め、同年12月26日付をもって追加の再発防止策詳細実行計画を策定・公表した。同追加計画は、今後不適切行為を発生させないことを目的に、全役職員の意識改革、企業風土改革、内部統制とガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底を図るものであり、その遂行を力強く推進しているところである。当社グループの役員・社員一人ひとりが各種施策に積極的に取り組み、誠実にコンプライアンスを実践することにより、社会からの信頼回復と企業価値の向上に努める。また、再発防止策の実効性をより確実なものとするためにも、社員の処遇改善、働きやすさ並びに働きがいを追求し、社員が健康で安心して働けるよう、人的資本経営と健康経営を進める。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものである。 (1) 財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べて7,020百万円増加し、71,168百万円となった。主な変動要因は、契約資産の増加などによるものである。負債合計は、前連結会計年度末と比べて3,153百万円増加し、32,627百万円となった。主な変動要因は、運転資金の確保を目的とした短期借入金の増加などによるものである。純資産合計は、剰余金の配当により減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことで前連結会計年度末と比べて3,867百万円増加し、38,541百万円となった。 (2) 経営成績の状況 ①事業全体の状況当期におけるわが国経済は、継続的な賃上げ等による雇用・所得環境の改善や旺盛なインバウンド需要を背景に、個人消費や企業の設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移した。一方で、国内における物価上昇の継続や金利の動向に加え、ウクライナや中東地域等における地政学的リスクの長期化、さらには米国の通商・経済政策の動向に起因する世界経済の下振れ懸念も存在しており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いている。建設業界においては、民間投資は、好調な企業収益を背景に、データセンターやエネルギー関連施設、経済安全保障や環境・カーボンニュートラル対応に向けた設備投資が堅調に推移した。公共投資についても、「国土強靱化」に向けた防災・減災対策、インフラ老朽化対策等により底堅く推移し、建設需要全体としては高水準な環境が継続した。 一方で供給面においては、時間外労働の上限規制適用や労働人口の減少に伴う協力会社の労務逼迫、それに伴う人件費の上昇や、一部建設資材価格の高止まりといった構造的な課題が継続している中で、適切な施工体制の構築やコスト上昇への対応が求められるなど、事業環境は依然として厳しさの残る状況で推移した。このような環境下、当社グループは中期経営計画(2024~2026年度)の「収穫・実現」フェーズとして、収益性の向上に全社を挙げて取り組んだ。その結果、当連結会計年度の業績は、期首の業績予想を大きく上回り、売上高は81,700百万円(前期比17.5%増)と増収となり、営業利益は5,919百万円(前期比86.3%増)と、大幅な増収増益となった。経常利益は6,124百万円(前期比81.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,461百万円(前期比102.6%増)とそれぞれ増益となった。 ②セグメント情報に記載された区分ごとの状況 (土木事業)受注高は、29,652百万円(前期比3.5%増)と増加し、売上高は、大型繰越工事が着実に進捗し、33,739百万円(前期比18.9%増)と増収となった。利益面では、増収となったものの、予定していた採算性を確保できず、280百万円セグメント利益(前期比49.9%減)となった。 (地盤改良事業)受注高は、国土強靭化策など良好な受注環境が続いていることから、47,600百万円(前期比13.8%増)と増加し、売上高は、通期にわたり高稼働が継続したことにより、46,135百万円(前期比17.4%増)と増収となった。利益面では、当社の独自工法適用工事が大きく採算性を確保したことにより、7,164百万円のセグメント利益(前期比111.0%増)となった。 (ブロック事業)受注高は、型枠賃料の単価適正化の効果もあり、2,445百万円(前期比7.3%増)と増加したが、売上高は、納品時期の遅れ等もあり、2,329百万円(前期比12.0%減)と減収となった。利益面では、販売費及び一般管理費の削減により、69百万円のセグメント利益(前期比10.9%増)となった。 ③受注高・売上高・営業利益 (単位:百万円)年 度 別前連結会計年度当連結会計年度 自 2024年4月1日自 2025年4月1日比 較 増 減至 2025年3月31日至 2026年3月31日 期首手持ち受注高土木事業56,47756,748271地盤改良事業15,76318,5432,780ブロック事業677309△368全社計72,23675,1832,947受注高土木事業28,65529,652997地盤改良事業41,83447,6005,765ブロック事業2,2782,445167全社計72,27679,5827,306売上高土木事業28,38433,7395,355地盤改良事業39,28346,1356,853ブロック事業2,6472,329△318全社計69,55781,70012,143営業利益土木事業559280△279地盤改良事業3,3957,1643,769ブロック事業63697全社計3,1775,9192,742次期繰越受注高土木事業56,74852,661△4,087地盤改良事業18,31520,0071,692ブロック事業309425116全社計74,95573,065△1,890 ※1 全社計には3セグメント以外のその他事業及び連結調整が含まれるため、3セグメントの合算値と全社計は一致していない。 2 当連結会計年度前に外貨建てで受注した海外工事で、当連結会計年度中の為替変動により、外貨額を円貨に換算した金額が増減した場合については、期首手持ち受注高に反映している。 3 受注高、売上高については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。 4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりである。なお、当連結会計年度における国土交通省に対する売上実績は、総売上実績に対する割合が10%未満のため記載を省略している。 相 手 先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)国土交通省7,79711.2-- (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,302百万円の支出超過(前連結会計年度は621百万円の収入超過)となった。主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費などのプラス要因があった一方、売上拡大に伴う売上債権及び契約資産等の増加に加え、仕入債務や契約負債の減少、法人税等の支払額の増加が響き、支出超過となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより1,294百万円の支出超過(前連結会計年度は6,500百万円の支出超過)となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による減少があったものの、短期借入金の増加などにより3,648百万円の収入超過(前連結会計年度は5,334百万円の収入超過)となった。以上より、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比べて43百万円増加し、10,422百万円となった。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資金需要のうち主なものは、土木事業における工事資金、並びに地盤改良及びブロック事業における地盤改良機械、ブロック型枠等の設備投資資金である。これらの財源は内部資金(営業キャッシュ・フロー)及び金融機関からの借入を基本としている。 なお、運転資金(工事立替金等)の急激な変動や突発的なリスクに機動的に対応するため、複数の金融機関とシンジケーション方式のコミットメントライン契約を締結しており、手元流動性と合わせて十分な資金流動性を確保している。 (5) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び判断が行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。また、見積りにあたっては過去の経験やその時点の状況に応じて妥当と考えられる様々な要素に基づき行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがある。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。

事業リスク

  • 建設市場の変動リスク
    政府の建設投資規模や重点分野、発注時期の変動は、当社の業績に直接影響を及ぼす可能性があります。社会インフラ整備に依存する事業モデルのため、常に需要動向をリサーチし、事業領域の拡大に努める必要があります。
  • 担い手不足とコスト高騰
    少子高齢化による建設業界の労働力不足は深刻化しており、十分な人材を確保できない場合、事業活動に支障をきたす恐れがあります。また、建設資材や労務費の急激な高騰を請負代金に転嫁できない場合、利益を圧迫するリスクがあります。
  • 自然災害と感染症
    大規模な自然災害が発生した場合、工事の中断や施設の損壊により、多額の費用が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症のパンデミックは、受注減少や工事遅延、コスト上昇を招き、事業活動に大きな影響を与えるリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,039 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業に係るリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は、以下のようなものがある。 これらはリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めていく。 なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものである。(1) 市場及び事業に関するリスク ①建設市場の変動当社グループは社会資本の整備・維持に係る事業を主なターゲットとしており、政府建設投資の規模やその重点投資分野の変動または、政府及び地方公共団体等の発注内容や発注時期の変動等により、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、常に将来の需要動向をリサーチし、顧客のニーズ等への対応に注力することでシェアの拡大を図るとともに、必要に応じて人材・設備などの経営資源の適正配分を行うこととしている。また、得意とする「防災・減災」分野に加えて「維持補修」分野など今後有望視される市場への参入など、事業領域の拡大にも努めている。 ②少子高齢化の進展等による担い手不足少子高齢化が想定を超え進行しており、建設業界への就労人口の減少が一層深刻化していくことが予想されるなか、十分な担い手を確保できない場合には事業活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、中長期的な視点に立って経営・事業を支える人材を計画的に獲得すべく、新卒および中途採用を強化している。併せて、働き方改革の推進や多様な働き方に対応する制度などの充実を進め、「働きやすさ」と「働きがい」が両立できる魅力のある安心して働くことができる会社を目指し、人材の確保、定着と離職防止に努めている。また、社員教育については継続的に内容を検討し、さらなる質の向上、充実を図っている。(前記「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」(3)人的資本・多様性に関する取組 参照)また各事業部門においては、ICTの開発・利用促進を通じて担い手不足への対応も同時に進めている。 ③建設資材・労務費等の価格変動・調達困難建設資材価格・労務費等の急激な高騰により、工事原価の上昇を招く可能性があるが、これを請負代金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、購買部門が工事の受注検討や施工計画の段階から参画し、適正な調達価格で安定した調達を図ることができるよう努めている。 ④取引先の信用不安当社グループは国及び地方自治体等から発注される公共事業を主なターゲットとしているが、受注形態(元請・下請区分)により契約先の顧客は50%強が民間建設会社となる。従って、これらの会社が信用不安に陥り、債権の回収遅延や貸倒れが発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。また、顧客のみならず協力業者や共同施工会社が信用不安に陥った場合にも、施工進捗の遅れや共同企業体メンバーからの出資債権の未回収、債務の負担から、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、取引先の与信管理については、日常的には信用情報を収集し、受注にあたっては信用調査機関からの調査書を基に社内審査を徹底するとともに、ケースに応じて債権に保証を付保する等の手段を講じ、信用リスクの回避に努めている。 ⑤製品の欠陥品質管理には万全を期しているが、工事目的及び商品について契約不適合責任などにより多額の損害賠償請求等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、品質マネジメントシステムにより事業活動における営業、設計、購買、施工の各段階で継続的改善を図るとともに、工法別作業マニュアルに基づき、工事現場での品質管理を徹底している。また、内部監査部門が適宜監査を実施することにより契約不適合発生の防止に努めている。 (2) 金融・政治・経済に関するリスク ①資金調達及び為替変動金融危機が発生したり、急激な市場変動により業績が悪化した場合には、資金の調達に支障が出たり、調達コストが上昇し、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、複数年度にわたるコミットメントライン契約を結ぶことなどにより、上記リスクが発生した場合でも、適正な手元流動性を確保し、財政状況の健全化を維持できるよう努めている。また、海外取引から発生する為替変動リスクに対しては必要に応じて為替予約等によりリスクの低減に努めている。 ②海外事業当社グループは、主に東南アジア及び米国で事業を展開しているが、現地の政治・経済情勢、法規制に著しい変化が生じた場合や戦争・紛争・テロが発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、危険度が高いとされている国、地域の工事の受注については、予め、リスクの評価・分析を行い、受注を決定している。また、受注後においては、海外危機管理マニュアルに基づき、現地での医療リスクの回避やテロ・災害時の緊急避難体制について、危機管理会社への委託や海外安否確認システムを導入するなどにより、有事に備えた体制を構築し、社員ほか現地での従事者の安全を図っている。 (3) 事故・災害・環境問題に関するリスク ①事故及び災害一般的に建設現場は、特定の期間に多様な会社の人材や機械が混在しながら作業するという特性から、他の産業に比べて事故及び災害の発生率が高いというリスクがあり、重大な事故及び災害が発生した場合には、工事の中断、発注官公庁からの指名停止等の行政処分に加えて社会的な評価の低下にもつながり、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、安全部門が中心となり、安全週間等の運動、各拠点の安全衛生大会、本社幹部パトロール等、定期的な安全衛生環境活動の実施をはじめ、若手の段階から安全衛生教育・啓蒙活動を継続的に実施し、事故及び災害の発生防止に努めている。 ②自然災害大規模な自然災害の発生により施工中の工事目的物が被災し、その修復や作業中断による工期の延長等により相応の費用が発生した場合や、社会インフラや会社施設に甚大な被害が及び長期にわたり事業が中断した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、後者に対しては事業継続計画を策定し、国からの災害時の基礎的事業継続力評価の認定を受けるとともに、非常時に事業の早期復旧を可能とする体制を整備し、定期的な訓練、備蓄や諸施設の耐震化、社内情報の外部データセンターへの保管などを行い、有事への備えを進めている。 ③気候変動脱炭素社会への移行に向けて、工事施工時に排出される温室効果ガス排出量の規制や炭素税が導入された場合、事業活動の抑制によるコスト増加等の業績への影響や、気候変動の物理的影響として、平均気温の上昇、気象災害の頻発、激甚化が継続した場合、事業活動に影響を及ぼす可能性がある。このため、CO2排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指し、CO2削減に向けた技術開発、環境配慮船舶の建造・改造、省燃費運転の励行や燃費効率の高い建機・省エネ機器の採用及び、資機材の運搬距離の短縮・運搬方法の改善、施工工法の変更等に取り組んでいる。またオフィス活動においても、自社保有施設を中心に使用電力について再生可能エネルギーを利用した電力へと移行する取り組みを進めている。なお、当社は、2023年2月に気候関連財務情報開示タスクフォース(以下TCFD)への賛同を表明し、気候変動課題への対応についてTCFDの提言に則った開示を行っている。(前記「2.サステナビリティに関する考え方及び取組」(2)気候変動に関する取組参照) ④感染症等感染症(パンデミック)が発生し事業活動に制限を受ける事態となった場合には、受注の減少、工事進捗の遅れ、コスト上昇などにより業績に影響を及ぼす可能性がある。当社グループでは、新型コロナウイルス等の感染症に対して、政府等のガイドライン運用はもちろん、自社の集団感染防止マニュアルを策定、運用し感染拡大を防止する体制を整備している。工事現場を除くオフィス勤務者については、在宅勤務、時差出勤の推進など、感染リスク低減による社員の安全を確保しつつ事業を継続する体制としている。また、工事現場においては、協力会社を含めた社員の安全を確保しつつ施工を継続する体制としているが、施工中の現場内で感染症が発生した場合には現場が長期にわたり中断するなどの影響を受けることから、感染症対策の徹底を図った施工体制としている。 (4) 法的規制及び法令違反等に関するリスク当社グループの事業は、建設業法、労働安全衛生法等多数の法的規制を受けているが、これらの法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等がなされた場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、関係部署による法改正等の動向をモニタリングし、事前に法改正等に向けた対応方針の策定と当社グループとサプライチェーンへの具体策の展開に向けた体制を整備している。また、法令等の改廃に伴う各種要領やマニュアルの整備と定期的な見直しを行い、説明会等を通じ当社グループ及び協力会社への浸透を図っている。万一これらの法令等に違反する事態が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性がある。このため、法令遵守と企業倫理の追求を経営の最重要課題の一つと位置づけ、コンプライアンス体制の充実を図るとともに、関係法令の遵守と意識の向上を目的とした研修会を継続的に実施し、コンプライアンスマニュアルを作成、配布するなどにより教育、啓蒙活動を拡充している。また、当社グループ及び当社の協力会社の役員及び社員並びにこれらであった者を対象とした、外部窓口を有した実効性のある企業倫理ヘルプラインを設置し、法令遵守と企業倫理に関する通報、相談を適切に受付けることにより、法令等違反行為の早期発見と是正を図ることができる体制を整備している。

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