事業の概要
- 総合建設業淺沼組グループは、日本国内だけでなく、グアムや東南アジア地域で建築工事と土木工事を幅広く手掛ける総合建設業が主力です。建物の新築や改修、高速道路や橋梁の建設・メンテナンスなど、社会のインフラを支える多様なプロジェクトに携わっています。海外子会社を通じて、東南アジアでの建物塗装・修繕や建設工事も展開しており、国際的な事業展開が特徴です。
- 不動産関連事業建設事業に加えて、不動産関連事業も手掛けています。具体的には、損害保険代理業務や生命保険の募集業務、アジア・オセアニア地域での不動産事業、さらには一般廃棄物最終処分場や斎場、学校給食センターなどの公共施設の運営・維持管理(PFI事業)も行っています。これにより、建設以外の安定的な収益源も確保しています。
- PFI事業の展開PFI事業とは、公共施設の建設、運営、維持管理を民間の資金やノウハウを活用して行う事業手法です。淺沼組グループは、桜井市立学校給食センターや小田原市斎場などのPFI事業を通じて、長期的な安定収益を得ています。この事業は、公共性の高いプロジェクトに貢献しつつ、長期契約による安定した収益基盤を築くビジネスモデルと言えます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 建設事業淺沼組グループの主力事業であり、建築と土木の二つの分野で構成されています。売上高は1413.7億円、営業利益は143.56億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。日本国内だけでなく、グアムや東南アジア地域でも展開しており、建物の新築・改修、高速道路や橋梁の建設・メンテナンスなど、幅広い工事を手掛けています。
- エンジニアリング事業この事業は、建設事業を補完する形で、特定の専門技術やサービスを提供するものと推測されます。売上高は222.91億円、営業利益は27.25億円であり、建設事業に次ぐ規模の収益を上げています。具体的な内容は明記されていませんが、建設プロジェクトにおける電気・設備工事や建物メンテナンス、あるいは特定の技術を要する工事請負などが含まれる可能性があります。
- その他事業(不動産・PFI等)有価証券報告書の「その他」に分類される事業で、不動産関連事業やPFI事業(公共施設の運営・維持管理)などが含まれます。具体的な売上や利益の数値はセグメント情報に記載されていませんが、損害保険代理業務、アジア・オセアニアでの不動産事業、斎場や給食センターの運営など、多岐にわたる事業を展開しており、グループの安定的な収益基盤を支える役割を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Construction | 事業 | 1,414 | 144 | 10.2% |
| Engineering | 事業 | 223 | 27 | 12.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社9社、関連会社2社で構成され、建築、土木及びその他の事業を行っております。 当社グループの事業に係る位置付け及びセグメント情報との関連は次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメント情報に記載された区分と同一であります。 (建築及び土木) 当社は総合建設業を営んでおります。 (主な関係会社)SINGAPORE PAINTS & CONTRACTOR ………PTE. LTD. 東南アジア地区における建物塗装・修繕工事請負業EVERGREEN ENGINEERING & ………CONSTRUCTION PTE. LTD. 東南アジア地区における(増改築)建設工事請負業、電気・設備工事業、建物メンテナンス業THAI ASANUMA CONSTRUCTION ………CO.,LTD. タイ王国における高速道路や橋梁等のメンテナンス事業AND B.V. ………2025年日本国際博覧会のオランダ・パビリオンの設計・施工・保守、撤去、その他附帯業務 (その他) 当社は不動産関連事業を行っております。 (主な関係会社)淺沼建物㈱ ………………………………… 損害保険の代理業務並びに生命保険の募集業務、その他附帯業務ASANUMA CONSTRUCTION LTD., ……………INTERNATIONAL アジア・オセアニア地区における不動産事業長泉ハイトラスト㈱ ……………………… 一般廃棄物最終処分場の運営及び維持管理、その他附帯業務宇都宮郷の森斎場㈱ ……………………… 宇都宮郷の森斎場の運営及び維持管理、その他附帯業務桜井給食ファシリティーズ㈱……………… 桜井市立学校給食センターの施設整備及び維持管理、その他附帯業務小田原斎場PFI㈱………………………… 小田原市斎場の施設整備及び維持管理、その他附帯業務THAI ASANUMA HOLDINGS CO.,LTD. ……… タイ王国における工事用材料の調達及び販売業務EVERGREEN ENGINEERING & ………CONSTRUCTION PTE. LTD. 東南アジア地区における建物メンテナンス事業 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) PFI事業…公共施設等の建設、運営及び維持管理等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う事業手法。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 国内及び海外において、施工品質及び請負金額に関して激しい競争に直面しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業法、建築基準法、国土利用計画法、都市計画法、宅地建物取引業法など多数の法令に基づく規制。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:国内外情勢や経済動向等の外部経営環境 / 市況変動(資材調達価格、為替、資金) / 災害(震災、台風、火災、水害、テロ)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
建設業であり、特定のブランド力や特許による無形資産の優位性は限定的。長年の実績はあるが、それが直接的な価格決定力や顧客ロイヤルティに結びつくとは言い難い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
建設プロジェクトは、一度契約すると途中で変更するのはコストやスケジュールの観点から困難。しかし、発注側が複数の建設会社を比較検討する余地はあり、スイッチングコストが非常に高いとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
建設業において、ネットワーク効果が直接的な競争優位性につながる場面は少ない。特定の業界団体への所属はあるが、それが参入障壁や顧客囲い込みに大きく寄与するわけではない。
コスト優位★★☆☆☆
建設業は規模の経済が働きやすいが、淺沼組単独での圧倒的なコスト優位性は見出しにくい。資材調達や建設技術において、効率化によるコスト削減努力は行われていると推測される。
規模の経済★★★☆☆
中堅ゼネコンとして一定の事業規模を有しており、大規模プロジェクトの受注能力がある。これにより、より多くの案件を獲得し、収益基盤を安定させる可能性がある。
- 長年の実績と信頼淺沼組は「仕事が仕事を生む」という創業理念のもと、誠実なモノづくりに専心し、長年にわたり高品質な建設工事を提供してきました。これにより、顧客や社会からの厚い信頼を獲得しており、これが次の仕事へと繋がる強固な基盤となっています。特に、施工の安全性や品質に対する高い評価は、競争の激しい建設業界において大きな優位性となります。
- 国内外での事業展開日本国内だけでなく、グアムや東南アジア(シンガポール、タイなど)にも事業を展開しており、地域分散によるリスク軽減と新たな市場機会の獲得を図っています。海外子会社を通じて、現地のニーズに合わせた建設工事やメンテナンス事業を展開することで、グローバルな視点での成長を目指しています。
- 多角的な事業ポートフォリオ建築・土木といったコア事業に加え、不動産関連事業やPFI事業など、多角的な事業を展開しています。特にPFI事業は、公共施設の長期的な運営・維持管理を通じて安定した収益をもたらし、建設市場の変動リスクを緩和する役割を果たしています。これにより、特定の事業に依存しない安定した経営基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 創業理念に基づく堅実経営淺沼組は「和の精神」「誠意・熱意・創意」という創業理念と「仕事が仕事を生む」という信念を経営の根幹に据えています。社会の安全・安心・快適の増進に貢献し、技術力・知力・感性を磨き、現場・現物・現人主義を貫くことで、堅実な経営を継続し、顧客・協力会社、株主、社員の満足度向上を目指しています。
- 中期3ヵ年計画の推進2024年度から2026年度までの中期3ヵ年計画を推進しており、「国内コア事業の強化」「リニューアル事業の強化」「人材の獲得・確保・育成」「DX推進」「ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化」「環境・社会への貢献」の6つのテーマを掲げています。各テーマには具体的なKPI(重要達成度指標)を設定し、計画達成に向けて取り組んでいます。
- 持続可能な社会への貢献長期ビジョンとして「地球環境・社会への貢献に邁進する企業」を掲げ、2010年度から「エコフレンドリーASANUMA21」を推進し、CO2排出量削減目標を設定しています。2030年度までにスコープ1+2で1990年度比75%削減、スコープ3カテゴリ11で2021年度比15%削減を目指し、SBT認定の取得にも取り組むことで、脱炭素社会の実現に貢献します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 創業理念・経営方針・長期ビジョン ① 創業理念 当社グループの創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」は、創業者である淺沼幸吉の「仕事が仕事を生む」という事業に対する信念を実現するために創業以来変わることなく受け継がれてきたものです。この信念は、立派な仕事をすることで会社の信用が生まれ、その信用こそが次の仕事をいただく最大の資本になるという信念を意味することばです。 ② 経営方針「仕事が仕事を生む」の信念の下、誠実なモノづくりに専心します。・社会の安全・安心・快適の増進に貢献します。・技術力・知力・感性を磨きます。・現場・現物・現人主義を貫きます。・堅実経営に徹します。 ③ 長期ビジョン 創業140年(2032年)時点でのありたい姿として「顧客・協力会社、株主、社員の満足度の向上、および地球環境・社会への貢献に邁進する企業」を長期ビジョンとして掲げています。淺沼組は、あらゆる方々に支えられて事業を営んでいます。仕事を任せてくださるお客様、現場の施工をともに担う協力会社様、当社を応援してくださっている株主様、そして会社を動かす社員。これら全てのステークホルダーに満足していただき、「淺沼組で良かった」と思っていただける事業活動を行う会社でありたいと考えます。また同時に、地球の一員として、社会の一員として、地球環境と社会のより良い未来を創る企業を目指しております。 (2) 経営環境 当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益が概ね堅調に推移し、雇用・所得環境の改善等により緩やかな景気の回復基調が続きました。一方で、米国の外交・通商政策の動向に加え、中東情勢の緊迫化を背景に、エネルギー価格の変動や供給網に与える影響等、景気の先行きは不透明感を増しており、予断を許さない状況が続いております。 次期の見通しにつきましては、建設投資全体については引き続き底堅く推移し、前年度比で増加するものと予想されます。しかしながら、不安定な国際情勢を背景とした資材価格の高騰や供給網の混乱による建設資材の納期遅延、さらには景気の不透明感の高まりを背景とした設備投資の抑制等のリスクも孕んでおります。また、建設技能労働者不足の深刻化や時間外労働規制への対応負担もあり、建設業界を取り巻く環境は今後も慎重な見極めが必要な局面が続くものと予想されます。 (3) 中期3ヵ年計画及びエコフレンドリーASANUMA21 当社グループは2024年度を初年度とする「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」を推進しておりますが、中期3ヵ年計画における3年間で注力することとして「6つのテーマ」を掲げており、それぞれにKPIを設定しております。2026年度は「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」の最終年度となります。3ヵ年で注力することとして選定した6つのテーマ毎に2026年度末時点でのKPIを定めておりますが、残りの1年間で計画を確実に達成できるよう、引き続き施策を遂行して参る所存です。なお計画の詳細につきましては、2024年5月14日に公表いたしました「「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」の策定に関するお知らせ」をご参照ください。また、2010年度より全社的な地球温暖化防止対策としてスタートさせた「エコフレンドリーASANUMA21」では、持続可能な社会の実現に向け、長期目標を見据えたCO2削減目標の設定をしており、サステナビリティ推進委員会では、TCFD提言への取組み等のサステナビリティ活動を推進しています。そして、英国で設立された国際的な環境非営利団体であるCDP「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project)」の気候変動質問書に対し回答した結果、昨年度に引き続き「B」スコア評価を得ました。更なる高評価を得られるよう、様々な取組みを強化していきます。 また、2025年11月に当社グループのGHG(温室効果ガス)排出削減目標が、国際的イニシアティブであるSBTi(Science Based Targets initiative)より科学的根拠に基づくものとして評価され、SBT認定を取得いたしました。これに伴い、非財務KPIであるCO₂排出量総量削減率を、より厳しい内容に更新いたしました。当社グループは、今後も気候変動への対応をはじめとする環境課題への取り組みを強化し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを一層加速してまいります。 ① 中期3ヵ年計画(2024~2026年度)A 6つのテーマとKPI(重要達成度指標) テーマ財務・非財務KPI2025年度実績1国内コア事業の強化建築・土木事業のより戦略的・効率的な展開を図る顧客満足度スコア※180点以上(直近2期平均)80.6点(2024年度・2025年度平均)2リニューアル事業の強化前中期3ヵ年計画にて旗揚げ・強化した国内・海外リニューアル事業のレベルアップ連結営業利益におけるリニューアル営業利益 40%以上49.2%3人材の獲得・確保・育成より活力ある組織となるためにエンゲージメントスコア70点以上※272.8点4DX推進快適・効率的な業務の実現労働1時間あたりの売上総利益※3 6,000円以上7,287円5ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化全てのステークホルダーに安心していただくために重大な法令違反件数0件0件死亡災害0件1件6環境・社会への貢献自然・社会の一員としてCO2排出量総量削減率※4Scope1+2△15.8%(2023年度比)Scope3△9.4%(2023年度比)算出中(算出の上、当社ウェブサイトに開示予定)※1:竣工時に受領する顧客満足度アンケートの回答及び工事成績評定を点数化※2:全社員を対象としたストレスチェックにおけるエンゲージメントに関わる質問項目に対し、4段階中上位2つを回答した割合を点数化(スコア70点は当該割合が70%以上)※3:売上総利益(連結)÷全社員の労働時間(個別)※4:Scope1+2、Scope3は2023年度比の削減率。2030年度・2050年度目標達成に向けた指標。 B 主な経営指標 中期3ヵ年計画の最終年度である2026年度の目標を、売上高1,755億円、営業利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益51億円とし、2026年度における営業利益率を4.4%、自己資本利益率(ROE)は10.3%とします。 C 株主還元 効果的な投資への資金を確保しつつ、前中期3ヵ年計画での配当基準である「配当性向70%以上」を維持し、更に、株式を購入しやすい環境とすべく、2024年8月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施し、2025年3月期より中間配当制度を導入しました。配当額については、本中期3ヵ年計画の最終年度の2026年度に45.00円を計画しております。 ② エコフレンドリーASANUMA21A 長期計画2050年を見据えたCO2排出量削減目標を設定対象単位基準年度目標年度年度排出量2035削減率Scope1+2①総排出量(STB認定)t-CO2202325,0179,256▲63%Scope1+2(建設工事のみ対象)②総排出量t-CO222,2058,216原単位t-CO2/億円※15.75.8Scope3③総排出量(SBT認定)t-CO22023999,942624,964▲37.5%Scope3カテゴリ11(自社設計+他社設計)④総排出量t-CO2641,933401,208 ※:完工高1億円当たりの排出量 B 基本方針・脱炭素化の推進 ~脱炭素社会の実現に向けて~・資源の循環 ~循環型社会の実現に向けて~・自然・社会との共生 ~自然・社会との共生をめざして~
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 創業理念・経営方針・長期ビジョン ① 創業理念 当社グループの創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」は、創業者である淺沼幸吉の「仕事が仕事を生む」という事業に対する信念を実現するために創業以来変わることなく受け継がれてきたものです。この信念は、立派な仕事をすることで会社の信用が生まれ、その信用こそが次の仕事をいただく最大の資本になるという信念を意味することばです。 ② 経営方針「仕事が仕事を生む」の信念の下、誠実なモノづくりに専心します。・社会の安全・安心・快適の増進に貢献します。・技術力・知力・感性を磨きます。・現場・現物・現人主義を貫きます。・堅実経営に徹します。 ③ 長期ビジョン 創業140年(2032年)時点でのありたい姿として「顧客・協力会社、株主、社員の満足度の向上、および地球環境・社会への貢献に邁進する企業」を長期ビジョンとして掲げています。淺沼組は、あらゆる方々に支えられて事業を営んでいます。仕事を任せてくださるお客様、現場の施工をともに担う協力会社様、当社を応援してくださっている株主様、そして会社を動かす社員。これら全てのステークホルダーに満足していただき、「淺沼組で良かった」と思っていただける事業活動を行う会社でありたいと考えます。また同時に、地球の一員として、社会の一員として、地球環境と社会のより良い未来を創る企業を目指しております。 (2) 経営環境 当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益が概ね堅調に推移し、雇用・所得環境の改善等により緩やかな景気の回復基調が続きました。一方で、米国の外交・通商政策の動向に加え、中東情勢の緊迫化を背景に、エネルギー価格の変動や供給網に与える影響等、景気の先行きは不透明感を増しており、予断を許さない状況が続いております。 次期の見通しにつきましては、建設投資全体については引き続き底堅く推移し、前年度比で増加するものと予想されます。しかしながら、不安定な国際情勢を背景とした資材価格の高騰や供給網の混乱による建設資材の納期遅延、さらには景気の不透明感の高まりを背景とした設備投資の抑制等のリスクも孕んでおります。また、建設技能労働者不足の深刻化や時間外労働規制への対応負担もあり、建設業界を取り巻く環境は今後も慎重な見極めが必要な局面が続くものと予想されます。 (3) 中期3ヵ年計画及びエコフレンドリーASANUMA21 当社グループは2024年度を初年度とする「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」を推進しておりますが、中期3ヵ年計画における3年間で注力することとして「6つのテーマ」を掲げており、それぞれにKPIを設定しております。2026年度は「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」の最終年度となります。3ヵ年で注力することとして選定した6つのテーマ毎に2026年度末時点でのKPIを定めておりますが、残りの1年間で計画を確実に達成できるよう、引き続き施策を遂行して参る所存です。なお計画の詳細につきましては、2024年5月14日に公表いたしました「「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」の策定に関するお知らせ」をご参照ください。また、2010年度より全社的な地球温暖化防止対策としてスタートさせた「エコフレンドリーASANUMA21」では、持続可能な社会の実現に向け、長期目標を見据えたCO2削減目標の設定をしており、サステナビリティ推進委員会では、TCFD提言への取組み等のサステナビリティ活動を推進しています。そして、英国で設立された国際的な環境非営利団体であるCDP「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(Carbon Disclosure Project)」の気候変動質問書に対し回答した結果、昨年度に引き続き「B」スコア評価を得ました。更なる高評価を得られるよう、様々な取組みを強化していきます。 また、2025年11月に当社グループのGHG(温室効果ガス)排出削減目標が、国際的イニシアティブであるSBTi(Science Based Targets initiative)より科学的根拠に基づくものとして評価され、SBT認定を取得いたしました。これに伴い、非財務KPIであるCO₂排出量総量削減率を、より厳しい内容に更新いたしました。当社グループは、今後も気候変動への対応をはじめとする環境課題への取り組みを強化し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを一層加速してまいります。 ① 中期3ヵ年計画(2024~2026年度)A 6つのテーマとKPI(重要達成度指標) テーマ財務・非財務KPI2025年度実績1国内コア事業の強化建築・土木事業のより戦略的・効率的な展開を図る顧客満足度スコア※180点以上(直近2期平均)80.6点(2024年度・2025年度平均)2リニューアル事業の強化前中期3ヵ年計画にて旗揚げ・強化した国内・海外リニューアル事業のレベルアップ連結営業利益におけるリニューアル営業利益 40%以上49.2%3人材の獲得・確保・育成より活力ある組織となるためにエンゲージメントスコア70点以上※272.8点4DX推進快適・効率的な業務の実現労働1時間あたりの売上総利益※3 6,000円以上7,287円5ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化全てのステークホルダーに安心していただくために重大な法令違反件数0件0件死亡災害0件1件6環境・社会への貢献自然・社会の一員としてCO2排出量総量削減率※4Scope1+2△15.8%(2023年度比)Scope3△9.4%(2023年度比)算出中(算出の上、当社ウェブサイトに開示予定)※1:竣工時に受領する顧客満足度アンケートの回答及び工事成績評定を点数化※2:全社員を対象としたストレスチェックにおけるエンゲージメントに関わる質問項目に対し、4段階中上位2つを回答した割合を点数化(スコア70点は当該割合が70%以上)※3:売上総利益(連結)÷全社員の労働時間(個別)※4:Scope1+2、Scope3は2023年度比の削減率。2030年度・2050年度目標達成に向けた指標。 B 主な経営指標 中期3ヵ年計画の最終年度である2026年度の目標を、売上高1,755億円、営業利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益51億円とし、2026年度における営業利益率を4.4%、自己資本利益率(ROE)は10.3%とします。 C 株主還元 効果的な投資への資金を確保しつつ、前中期3ヵ年計画での配当基準である「配当性向70%以上」を維持し、更に、株式を購入しやすい環境とすべく、2024年8月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を実施し、2025年3月期より中間配当制度を導入しました。配当額については、本中期3ヵ年計画の最終年度の2026年度に45.00円を計画しております。 ② エコフレンドリーASANUMA21A 長期計画2050年を見据えたCO2排出量削減目標を設定対象単位基準年度目標年度年度排出量2035削減率Scope1+2①総排出量(STB認定)t-CO2202325,0179,256▲63%Scope1+2(建設工事のみ対象)②総排出量t-CO222,2058,216原単位t-CO2/億円※15.75.8Scope3③総排出量(SBT認定)t-CO22023999,942624,964▲37.5%Scope3カテゴリ11(自社設計+他社設計)④総排出量t-CO2641,933401,208 ※:完工高1億円当たりの排出量 B 基本方針・脱炭素化の推進 ~脱炭素社会の実現に向けて~・資源の循環 ~循環型社会の実現に向けて~・自然・社会との共生 ~自然・社会との共生をめざして~
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益が概ね堅調に推移し、雇用・所得環境の改善等により緩やかな景気の回復基調が続きました。一方で、米国の外交・通商政策の動向に加え、中東情勢の緊迫化を背景に、エネルギー価格の変動や供給網に与える影響等、景気の先行きは不透明感を増しており、予断を許さない状況が続いております。当社グループの主たる事業である建設業界におきまして、公共建設投資は、国土強靱化のための対策等に牽引され底堅く推移いたしました。一方、民間建設投資における民間住宅投資に関しては、省エネ基準適合義務化等に伴う前年度の駆け込み需要の反動により弱含みしたものの、建設投資全体としては概ね堅調に推移しました。しかしながら、建設資材価格の高止まりや慢性的な労務需給の逼迫に加え、中東情勢の緊迫化も加わり、諸情勢の動向に一層の注視を要する状況となりました。このような状況の中、当社グループは「中期3ヵ年計画(2024~2026年度)」をスタートさせてから2年が経過しました。3年間で注力する「6つのテーマ」を選定しており、その一つである「国内コア事業の強化」では、受注時利益率の確保や作業所における4週8閉所、施工体制の確保等、様々な視点で戦略的な受注の獲得に努める「選別受注」を一層強化することで、利益率や品質の確保に寄与しております。また、「リニューアル事業の強化」では、環境配慮や人の健康の促進に資する建築をリニューアル事業における付加価値と位置づけ、土や木材などの自然素材に着目した研究を重ねております。これらを現代建築に積極的に取り入れることで、脱炭素やSDGsへの貢献とともに、デザイン性および事業付加価値の向上を図っております。その成果として、当社独自技術である「還土(かんつち)ブロック」および「立体木摺(きずり)土壁」は特許を取得し、複数の賞も受賞いたしました。今後も当社の強みを活かし、さらなる強化を図ってまいります。「人材の獲得・確保・育成」では、構造的な人手不足が続く中、当年度の採用人数は前年度比30名増加の85名を獲得(新卒・中途計)。更には、処遇面の改善や、新入社員研修の拡充に加え、全社員向けDXやコンプライアンス等の個別テーマでの研修実施等、社員の確保や育成に資する人的資本強化施策も多く推進してまいりました。一方、「ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化」において、誠に遺憾ながら、当社の作業所にて死亡災害が1件発生いたしました。当社グループでは本件を重く受け止め、社員・協力会社の方々からの意見聴取を通じた原因究明を行い、その結果を踏まえた再発防止対策書を監督官庁に提出しております。併せて、全作業所への事案共有と安全確保の徹底を指示するとともに、当該現場においては管理体制の強化等の是正措置を速やかに実施し、類似現場への注意喚起も行いました。今後も安全教育の強化を含め、実効性ある再発防止策に継続的に取り組んでまいります。 その他の施策についても着実に推進することで、さまざまな社会環境の変化に対応し、変化の激しい経営環境の下でも経営課題を的確に捉え、全役職員一丸となってさらなる企業価値の向上を目指してまいります。 当社グループにおきましては、当連結会計年度の受注高は2,171億5千5百万円となり、前連結会計年度比20.2%の増加となりました。 売上高につきましては、1,752億9千4百万円となり、前連結会計年度比5.0%の増加となりました。 損益に関しましては、売上総利益につきましては、195億9千2百万円(前年同期比8.9%増)となりました。また、営業利益及び経常利益につきましては、それぞれ、営業利益72億1千1百万円(前年同期比5.0%増)、経常利益70億4千8百万円(前年同期比7.7%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、51億8千1百万円(前年同期比10.4%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(建 築) 受注高は1,812億8千2百万円(前年同期比16.9%増)、売上高は1,422億6千6百万円(前年同期比0.6%増)となり、セグメント利益は154億4千7百万円(前年同期比7.6%増)となりました。(土 木) 受注高は358億7千2百万円(前年同期比40.5%増)、売上高は292億5千2百万円(前年同期比31.2%増)となり、セグメント利益は30億5千4百万円(前年同期比12.1%増)となりました。 また、「その他」の事業につきましては、売上高37億7千6百万円(前年同期比12.9%増)、セグメント利益8億1千3百万円(前年同期比26.7%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は184億1千4百万円(前連結会計年度は51億8千4百万円の資金の増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益の増加及び、売上債権の減少によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は7億9千9百万円(前連結会計年度は7億8千4百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は110億1千6百万円(前連結会計年度は9億1千3百万円の資金の減少)となりました。これは主に短期借入金の返済及び、配当金の支払によるものであります。 以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、68億1千4百万円増加し、当連結会計年度末には236億4千7百万円(前連結会計年度比40.5%の増加)となりました。 ③ 生産、受注及び売上の状況a.受注実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)建 築155,097181,282土 木25,52635,872合計180,624217,155(注) 当社グループでは建設事業以外では受注生産を行っておりません。 b.売上実績セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)(百万円)建 築141,370142,266土 木22,29129,252その他3,3443,776合計167,005175,294(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。 なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。 建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高期別区分前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築工事143,675143,828287,503134,318153,185土木工事32,77625,50658,28220,95737,325計176,451169,334345,786155,275190,511当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築工事153,185172,786325,972130,144195,828土木工事37,32535,41072,73627,96444,772計190,511208,197398,708158,108240,600(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。 b.受注工事高の受注方法別比率 工事受注方法は、特命と競争に大別されます。期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築工事50.050.0100.0土木工事27.073.0100.0当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築工事64.435.6100.0土木工事37.262.8100.0(注) 百分比は請負金額比であります。 c.完成工事高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築工事11,545122,772134,318土木工事12,0918,86520,957計23,637131,638155,275当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築工事14,056116,087130,144土木工事16,47211,49127,964計30,529127,579158,108(注)1 完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。 前事業年度センコーグループホールディングス株式会社(仮称)センコーグループホールディングス東大阪第2PDセンター建設工事フジテック株式会社フジテック株式会社(仮称)品質ラボ計画株式会社タカラレーベン(仮称)レーベン鶴岡上畑町新築工事関東地方整備局R5綾瀬川左岸大曽根地先堤防護岸整備工事 当事業年度白岡ロジスティクス開発特定目的会社(仮称)T-LOGI白岡新築工事大正デベロップメント特定目的会社(仮称)大阪市大正区平尾冷凍冷蔵物流計画 新築工事株式会社長谷工総合開発・株式会社長谷工コーポレーション(仮称)神戸市中央区港島南町三丁目計画新築工事福島地方環境事務所令和6年度浪江町特定帰還居住区域被災建物等解体撤去等及び除染等工事(その2) 2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が、100分の10以上の相手先はありません。 d.次期繰越工事高(2026年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)建築工事47,553148,274195,828土木工事26,14518,62644,772計73,699166,901240,600(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。 沖縄防衛局シュワブ(R6)厚生施設等新設建築工事2028年3月完成予定株式会社サンケイビル(仮称)仙台市青葉区一番町オフィス開発計画2027年4月完成予定住友不動産株式会社(仮称)錦糸町太平計画新築工事2027年6月完成予定独立行政法人都市再生機構西日本支社06-泉北竹城台一丁団地後工区F棟建築その他工事2027年9月完成予定太陽工機株式会社DMG MORI 長岡新工場新築工事2026年10月完成予定枚方市上下水道局中宮浄水場~春日受水場間口径800㎜以下送水管更新工事2029年10月完成予定関西高速鉄道株式会社なにわ筋線西本町駅部土木工事2028年3月完成予定 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績) 当連結会計年度における経済環境につきましては、公共建設投資は、国土強靱化のための対策等に牽引され底堅く推移いたしました。一方、民間建設投資における民間住宅投資に関しては、省エネ基準適合義務化等に伴う前年度の駆け込み需要の反動により弱含みしたものの、建設投資全体としては概ね堅調に推移しました。しかしながら、建設資材価格の高止まりや慢性的な労務需給の逼迫に加え、中東情勢の緊迫化も加わり、諸情勢の動向に一層の注視を要する状況となりました。 そのような環境の中、当社グループにおける受注活動につきましては、官庁工事、民間工事ともに受注を伸ばし、前期比増の2,171億5千5百万円となり、計画値である1,975億円を約196億円上回ることができました。 売上高につきましては、提出会社においては工事が順調に進捗したこと、海外子会社が堅調に推移したことにより、計画値を6億9千4百万円上回る1,752億9千4百万円となりました。 損益に関しましては、売上総利益が195億9千2百万円となり、計画値を3億4千7百万円下回りました。営業利益および経常利益はそれぞれ72億1千1百万円、70億4千8百万円となり、営業利益は計画値を3億3千8百万円下回り、経常利益は計画値を3億2千1百万円下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は計画値を1億8千1百万円上回る51億8千1百万円となりました。業績数値につきましては、ほぼ計画通りという結果となりました。 なお、自己資本利益率(ROE)は前連結会計年度比0.8ポイント増の10.9%となり、計画値を上回ることができました。 (セグメントごとの経営成績) 建築部門の経営成績は、受注高が前連結会計年度比16.9%増の1,812億8千2百万円となりました。これは国内民間工事で大型物件を受注したことが主な要因です。 売上高につきましては、前連結会計年度比0.6%増の1,422億6千6百万円となりました。これは、国内リニューアル工事における前年度の大型工事完成によります。セグメント利益は前連結会計年度比7.6%増の154億4千7百万円となりました。これは選別受注による利益率の向上などによります。 土木部門の経営成績は、受注高が前連結会計年度比40.5%増の358億7千2百万円となりました。これは民間工事で大型受注が相次いだことによります。 売上高につきましては、前連結会計年度比31.2%増の292億5千2百万円となりました。これは、工事が順調に進捗したことなどによります。セグメント利益は前連結会計年度比12.1%増の30億5千4百万円となりました。これは選別受注による利益率の向上などによります。 (財政状態) 当連結会計年度末における財政状態は、資産合計が1,181億7千6百万円となり、前連結会計年度比29億3千5百万円の増加となりました。これは債権の回収が進み、受取手形・完成工事未収入金等が51億1千7百万円減少した一方、現金及び預金が70億5千7百万円増加したことなどによります。 負債合計は、679億7千万円となり、前連結会計年度比11億3千1百万円の減少となりました。これは主に短期借入金が73億円減少したことなどによります。 純資産合計は、502億5百万円となり、前連結会計年度比40億6千7百万円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払などの結果、利益剰余金が17億9千4百万円増加したことなどによるものです。 この結果、連結自己資本比率は42.1%となり、前連結会計年度末から2.4ポイント増加しました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、68億1千4百万円増加し、当連結会計年度末では236億4千7百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益の増加及び、売上債権の減少により、営業活動によるキャッシュ・フローが184億1千4百万円となった一方、有形固定資産の取得による支出により、投資活動によるキャッシュ・フローが7億9千9百万円の減少、短期借入金の返済及び、配当金の支払により、財務活動によるキャッシュ・フローが110億1千6百万円減少したことによるものです。 当社グループにおける主な資金需要は、建設事業における工事施工に要する工事費、販売費及び一般管理費ならびに技術開発・ICT関連の設備投資や新領域関連の投資資金です。 運転資金については、金融機関からの借入金及び社債の発行により調達しており、設備投資資金等については、内部留保等の自己資金でまかなっております。 当社は中期3ヵ年計画において、資金投入計画と共に株主還元計画を打ち出しており、競争力の維持・強化のための成長投資と株主還元のバランスを取る方針としております。株主配当につきましては、中期3ヵ年計画において連結配当性向を70%以上としており、2026年3月期の配当は1株当たり45円、連結配当性向70.0%としました。また、次期の配当につきましても引き続き連結配当性向70%以上を維持する計画としております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額にその結果が反映されております。 これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じ見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なることがあります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
事業リスク
- 外部経営環境の変動日本、グアム、東南アジアで建設事業を展開しており、各国の政治・経済動向、天災、テロ、疫病の発生・蔓延などにより、工事需要が大幅に減少する可能性があります。また、工事代金が高額で工期が長期にわたるため、取引先の信用不安が生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
- 競争激化と市況変動国内外の建設市場において、施工品質や請負金額に関して激しい競争に直面しています。既存の建設会社に加え、設備会社やプラント会社との競争も激化しており、競争環境の変化は経営に影響を与える可能性があります。また、主要資材価格や労務価格の高騰、為替変動も事業運営や収益に影響を及ぼす可能性があります。
- 災害・安全品質リスク事業地が日本全国および海外に広がり、屋外での作業が多いため、大規模な震災、台風、火災、水害などの災害が発生した場合、工事の遅延や追加費用が発生し、経営に重大な影響を与える可能性があります。また、施工中の事故や施工後の契約不適合が発生した場合、顧客からの信頼失墜や補償費用発生により、業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見し難いリスクも存在します。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 当社グループにおいては建設事業を中心とする事業の内容に鑑み、次のようなリスクが存在しております。 (1) 国内外情勢や経済動向等の外部経営環境に関わるリスク① 外部経営環境に関わるリスク 当社グループは、日本、グアム及び東南アジアで建設事業を展開しており、工事需要は、各国の政治動向、経済動向、天災または悪天候、テロや地域紛争、戦争、疫病の発生・蔓延等により大幅に減少する可能性があります。 また、当社グループの取引は、取引ごとの請負代金が大きく、工事の着工から完成引渡しまでの期間が長期に亘るため、工事代金の受領前に取引先の競争環境や事業環境が大幅に変化し、信用不安が生じた場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。② 競争環境に関わるリスク 当社グループは、国内及び海外において、施工品質及び請負金額に関して激しい競争に直面しております。国内では、既存の建設会社との競争に加え、設備会社やプラント会社との競争、海外では、各国及び日本の海外子会社との競争が激化しております。上述のように、現在の当社グループの競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。③ PFI事業に関わるリスク 当社グループは、その他の事業としてPFI事業を行っていますが、運営期間が最長2036年までと長期に亘っております。事業運営の間に上述のように、競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市況変動に関わるリスク① 資材調達価格等に関わるリスク 当社グループの建設事業は、各工事業者、資材業者等の多数の協力会社の提供するサービスに一定程度依存しており、武力紛争や地政学的緊張の拡大などによって主要資材価格や労務価格が高騰した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。② 為替変動に関わるリスク 当社グループは、日本国外においても事業を展開しており、外貨建により、収益の一部を受領し、費用の一部を支払っております。これら為替変動による収支変動を軽減する目的で、収入で得た外貨は外貨建の支出に充当することを基本としておりますが、当社連結財務諸表において海外工事の外貨建ての財務諸表金額は日本円に換算されるため、当社連結財務諸表は日本円と各通貨間の為替相場変動の影響を受けます。為替相場の変動により、当社グループの事業、財務状況及び業績に影響が及ぶ可能性があります。③ 資金・金融市場に関わるリスク 当社グループは、建設工事の施工時に多額の立替を必要としており、その資金需要に応じる為に金融機関や市場からの資金調達を行う可能性があります。当社グループの資金調達能力や資金調達コストについては、資金・金融市場の動向や当社グループの信用力の変動等により、資金調達の制約や資金調達コストの上昇を招く可能性があります。 (3) 災害に関わるリスク 当社グループの事業地は日本全国及び海外に亘り、かつ屋外が主であり、各地域によりそれぞれの特性があります。そのため、各地域において大規模な震災や台風、火山の噴火等が発生した場合もしくは当該施工現場において火災や水害、テロ攻撃等の災害が発生し、工事の遅延や追加費用が発生した場合、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (4) 安全品質環境に関わるリスク① 安全に関わるリスク 当社グループでは、施工中の安全性の確保のため、日々様々な取組みを実施しておりますが、事故を発生させてしまった場合、当社グループの施工の安全性に対する顧客の信頼及び社会的評価が失墜するだけでなく、死傷した作業員や第三者への補償等に対応しなければならないことから、当社グループの業績に極めて深刻な影響を与える可能性があります。なお、施工事故に伴う各種損害の軽減、並びに被災者への確実な賠償を行う目的で、現在業界水準と同程度の補償額・補償範囲の損害賠償保険に加入しております。② 品質に関わるリスク 当社グループでは、施工物件の品質性の確保のため、日々様々な取組みを実施しておりますが、施工後の物件に契約不適合が発生した場合、当社グループの施工の品質性に対する顧客の信頼及び社会的評価が失墜するだけでなく、契約不適合責任による顧客や第三者への補償等に対応しなければならないことから、当社グループの業績に極めて深刻な影響を与える可能性があります。 (5) 法的規制・訴訟に関わるリスク 当社グループの事業は、様々な側面において、国際的な規制並びに政府及び地方自治体レベルの法令及び規則に基づく規制に服しております。これらの規制の変化等により、当社グループの事業がさらに規制され、また、大幅な費用の増加が必要となる可能性があります。① 法的規制に関わるリスク 当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、国土利用計画法、都市計画法、宅地建物取引業法、品質確保法、建設リサイクル法、産業廃棄物法、独占禁止法その他諸外国の類似の法令等の定めに基づき事業を行っておりますが、これらに変更が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、コンプライアンス体制の充実を図っておりますが、これらの法令に違反した場合、行政処分などにより、業績、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。② 訴訟に関わるリスク 当社グループは事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、係争中の事案においては、当社グループの主張や予測と相違する結果となった場合には、追加的な支出や引当金の計上により業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) IT(情報システム)、顧客情報の取り扱いに関わるリスク 当社グループは、業務の多くを情報システムに依存しております。コンピュータ・プログラムの不具合やコンピュータ・ウイルス等のサイバー攻撃によって情報システムに様々な障害が生じた場合には、重要なデータの喪失に加えて、建設施工に支障が生じる等、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。また、情報システムを支える電力、通信回線等のインフラに大規模な障害が発生した場合、当社グループの業務に重大な支障をきたす可能性があります。 また、当社グループが保有する個人情報が取り扱い不備または不正アクセス等により漏洩した場合には、当社グループの事業、またはシステムに対する社会的評価が傷つけられ、顧客及び市場の信頼が低下して、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 人材・労務に関わるリスク 当社グループの事業運営には、各取引の施工、運営に関連して法律上要求される国家資格を始めとする各種の資格や技能を有する人材の確保が必要ですが、当社グループの従業員がその業務に必要なこれらの資格や技能を取得するまでには相応の期間を要することから、当社グループが想定する人員体制を必要な時期に確保できない場合には、当社グループの事業運営が影響を受ける可能性があります。 また、当社グループの従業員は労働組合に所属しておりますが、当社グループの従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 新型感染症拡大に関するリスクについて 新型感染症が拡大した場合の当社グループへの影響につきましては、国内外における経済活動の制約等から以下のリスクが想定されます① 新型感染症の収束が長引くことに伴う経済活動の減速・停滞により、建設投資の先送りや中止・抑制など建設需要が落ち込むことにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 感染拡大が収まらない場合、経済活動の制約措置が講じられ、建設中の工事物件の施工停止等に伴う完成工事高の減少や工事原価の増加により完成工事粗利益が減少し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 経済活動の停滞により、協力会社において業績悪化や事業継続に支障が発生した場合、施工労務者不足等、当社グループにおける施工能力が低下することにより当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④ 世界的な経済活動の停滞によるサプライチェーンの混乱により建設資材の調達に支障が出ることで、調達価格の上昇や工事進捗の遅延等が発生し、工事原価が膨らむことにより当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。