2109

DM三井製糖(2109)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 砂糖事業が主体:DM三井製糖グループは、連結子会社20社と持分法適用関連会社10社からなる計31社を中心に事業を展開しています。その中でも、原料糖、精製糖、てん菜糖、砂糖関連商品、機能性食品の製造販売を行う「砂糖事業」が主要な収益源となっています。この事業は、国内外の幅広い顧客に砂糖製品を提供しており、グループ全体の売上の大部分を占めています。
  • ライフ・エナジー事業:食品香味料、食品用天然色素、寒天、栄養療法食品、嚥下障害対応食品などの製造販売を手掛けています。この事業は、健康志向の高まりや高齢化社会の進展に対応した製品を提供することで、人々の生活の質向上に貢献しています。特に、ニュートリー株式会社が開発・販売する栄養療法食品や嚥下障害対応食品は、医療・介護分野で重要な役割を担っています。
  • 不動産事業:不動産の賃貸と太陽光発電による電気の供給・販売を行っています。DM三井製糖ホールディングス株式会社が中心となり、保有する不動産を有効活用して賃料収入を得るとともに、再生可能エネルギー事業にも参画しています。この事業は、安定的な収益源としてグループ全体の経営基盤を支える役割を担っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 砂糖事業(Sugar Business):DM三井製糖グループの主要な収益源であり、売上高は1,512.95億円、営業利益は117.47億円と、グループ全体の大部分を占めています。精製糖、砂糖関連商品、機能性食品の製造・販売を国内外で行っており、北海道糖業や石垣島製糖などの子会社がビート糖や原料糖を生産し、国内外の市場に供給しています。
  • ライフ・エナジー事業(Life Energy Segment):売上高は250.71億円、営業利益は12.63億円です。食品香味料、食品用天然色素、寒天、栄養療法食品、嚥下障害対応食品などの製造販売を手掛けており、DM三井製糖のグループ事業開発・研究開発部門や、ニュートリー株式会社が中心となって事業を展開しています。健康志向の高まりに対応した製品を提供し、成長を目指しています。
  • 不動産事業(Real Estate Business):売上高は24.18億円、営業利益は8.29億円です。DM三井製糖ホールディングスが中心となり、不動産の賃貸や太陽光発電による電気の供給・販売を行っています。この事業は、安定した収益を確保し、グループ全体の経営基盤を支える役割を担っており、資産の有効活用を通じて収益貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SugarBusiness 地域 1,513 117 7.8%
LifeEnergySegment 事業 251 13 5.0%
RealEstateBusiness 地域 24 8 34.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,150 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社を含め、連結子会社17社及び持分法適用関連会社10社の計28社を中心に事業を行っており、原料糖、精製糖及びてん菜糖並びに砂糖関連商品、機能性食品の製造販売等の「砂糖事業」を主体としております。また、食品香味料、食品用天然色素、寒天、栄養療法食品及び嚥下障害対応食品等の製造販売等の「ライフ・エナジー事業」並びに不動産の賃貸及び太陽光発電による電気の供給・販売を中心とした「不動産事業」を行っております。 各事業における、当社、連結子会社及び持分法適用関連会社の主要な事業の内容は、以下の通りであります(※印は持分法適用関連会社)。事業区分はセグメントの区分と同一であります。事業区分当社、連結子会社及び持分法適用関連会社主要な事業の内容砂糖事業DM三井製糖㈱精製糖、砂糖関連商品及び機能性食品の製造・販売北海道糖業㈱ビート糖及び機能性食品等の製造・販売スプーンシュガー㈱砂糖の包装・荷役・製袋、加工糖の製造生和糖業㈱原料糖の製造・販売㈱ディーツーモンドシュガー・カンパニー持株会社石垣島製糖㈱原料糖の製造・販売鳳氷糖㈱氷砂糖の製造・販売日糖産業㈱紙袋・合成樹脂製品の製造・販売関門製糖㈱砂糖の製造加工SIS'88 Pte Ltd精製糖コンシューマーパック事業Asian Blending Pte Ltd加工糖等の販売SIS MIDDLE EAST INVESTMENT L.L.C精製糖コンシューマーパック事業Asian Blending LIMITED LIABILITY COMPANY加工糖等の製造南西糖業㈱ ※原料糖の製造・販売宮古製糖㈱ ※原料糖の製造・販売箱崎ユーティリティ㈱ ※蒸気・電気等の供給事業甲南ユーテイリテイ㈱ ※蒸気・電気等の供給事業新東日本製糖㈱ ※砂糖の製造加工関西製糖㈱ ※砂糖の製造加工Kaset Phol Sugar Ltd. ※原料糖の製造・販売中糧糖業遼寧有限公司 ※精製糖の製造・販売遼寧長和制糖有限公司 ※精製糖及び加工糖の製造・販売ライフ・エナジー事業DM三井製糖㈱グループ事業開発及び研究開発㈱タイショーテクノス食品添加物等の製造・販売北海道糖業㈱バイオ事業(発酵製品、工業製品及び医薬品の製造、加工並びに販売)ニュートリー㈱栄養療法食品及び嚥下障害対応食品などの開発、製造及び販売㈱YOUR MEALライフスタイルサポート事業、宅配弁当事業サクラ食品工業㈱ ※食品等の製造・販売不動産事業DM三井製糖㈱不動産の賃貸及び太陽光発電による電気の供給・販売明糖倉庫㈱発券倉庫、構内荷役、運搬ナカトラ不動産㈱不動産賃貸 [事業の系統図] 当社、連結子会社及び持分法適用関連会社の主な事業の系統図は、以下の通りであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原料糖や原材料及び商品仕入価格の変動等を製商品価格に適切に反映できない場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
国内砂糖事業は政府の農業政策と「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等の法令に基づく制度の中で行われている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:食の安全性に関する問題発生 / 農業政策・通商政策の変更 / 原料糖及び原材料・商品の調達価格変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

DM三井製糖は、長年培ってきた製糖技術とブランド力を持つが、食品業界全体として代替可能な商品が多く、強力な無形資産による差別化は限定的。特許や商標による独占的な優位性は低い。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

業務用顧客にとっては、品質や供給安定性が重視されるため、一定のスイッチングコストが存在する。しかし、家庭用製品においては、価格やブランドによる代替が容易であり、顧客の乗り換え障壁は高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

製糖業は、ネットワーク効果が働きにくい産業である。製品の利用が増えることで、その製品の価値が向上するような、プラットフォーム型ビジネスとは異なり、ネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大規模な生産設備への投資は必要だが、原料調達や製造プロセスにおけるコスト優位性は、競合他社との差別化要因としては限定的。規模の経済によるコスト削減効果は存在するものの、圧倒的ではない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

日本国内における製糖事業では、一定の規模を持つ企業であり、原料調達や物流において規模の経済が働く可能性がある。しかし、グローバルな競争環境においては、さらなる規模の拡大が求められる。

  • 多様な砂糖製品の供給力:DM三井製糖グループは、精製糖、氷砂糖、ビート糖、原料糖など多岐にわたる砂糖製品を製造・販売しています。国内では北海道、鹿児島県、沖縄県に国産糖製造会社を有し、海外ではシンガポール、タイ、中国などアジアを中心に事業を展開しており、国内外の多様なニーズに対応できる供給体制を構築しています。
  • 食品安全への取り組み:食の安全性を最優先し、ISOやFSSCなどの国際規格を取得・活用した生産・品質管理体制を整備しています。「DM三井グループ調達方針」をサプライヤーに周知し、フードディフェンスを強化することで、顧客からの信頼獲得と維持に努めています。これにより、製品の品質に対する高い評価と安定した供給能力を維持しています。
  • グローバルな事業展開:国内の砂糖消費量が減少傾向にある中で、ASEAN、中国、中東といった経済成長が著しい地域での砂糖需要増加に対応するため、海外事業を積極的に拡大しています。シンガポールの連結子会社やタイ・中国の持分法適用関連会社を通じて、グローバルな供給網と販売チャネルを構築し、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは「姿かたちを変えながら一生に寄り添い、幸せの時を広げる。」を企業理念として掲げております。「おいしい」「たのしい」「うれしい」など、人が生きている幸せを実感するときにそばにいることを事業活動の目標とし、その事業の源である自然への感謝を忘れずに、その恵みを様々な姿かたちにして広く社会に届け、幸せの時が広がる未来にずっと貢献できる企業グループを目指してまいります。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループでは、2027年3月期から2030年3月期までを対象とする新中期経営計画2030「DM三井グループ2.0 ~変革による価値創造、次の成長ステージへ~」を策定し、連結売上高2,200億円、キャッシュ創出力を表すEBITDA230億円、ROIC(投下資本利益率)9%以上、ROE(自己資本当期純利益率)9%以上を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として掲げております。 (3)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題等当社グループは、砂糖事業が売上高の約80%以上を占め、緩やかな景気回復が業務用需要を中心として安定販売を下支えしているものの、国内の砂糖消費量は、少子高齢化に伴う人口減や甘味需要の多様化を受け漸減傾向にあり、業界再編が進行している状況にあります。国内経済においては、賃上げ定着や雇用改善などを受けた社会経済活動の活発化や、インバウンド需要の継続的な増加が期待されております。企業としてもDXを通じた業務効率化、環境保全対応や人材育成への投資といった成長機会が創出されている一方、地政学的リスクの長期化や原材料価格や光熱費の高止まりなどを受け、当社グループを取り巻く環境は日々刻々と変化し複雑化するなど、依然として先行きを見通し難い状況が続いております。このような状況下、当社グループは、2027年3月期から2030年3月期までを対象とする新中期経営計画2030「DM三井グループ2.0 ~変革による価値創造、次の成長ステージへ~」を策定いたしました。新中期経営計画では、3つの変革として「ビジネスモデルの変革」「経営基盤の変革」「サステナビリティ経営の変革」を掲げることにより、これまで以上に当社グループの変革に拍車をかけ、人と社会の幸せの ちからとなる新たな価値を創造し続けることで、次なる成長ステージへと歩みを進めてまいります。「ビジネスモデルの変革」につきましては、砂糖事業の構造改革と更なる収益力の強靭化、ライフ・エナジー事業の領域拡大と成長加速により、事業ポートフォリオを再構築してまいります。国内砂糖事業につきましては、業界トップシェア企業として、競争力の維持・強化に向けた変容推進を図ってまいります。2026年9月末(予定)に生産終了を公表した九州地区のグループ生産拠点再編を完遂し、関東地区における和田製糖㈱との業務提携などとともに、国内砂糖生産体制をより一層盤石なものとしてまいります。国内全域をカバーするサプライチェーンにおいては、AIを活用した業務効率化などにより、生産・販売・物流改革を推進いたします。持続可能な国内砂糖事業を支える基盤の強化として、環境保全に配慮した技術等を積極的に採用するとともに、当社グループが掲げる人権方針及び調達方針に基づいた原材料調達や設備投資を実施してまいります。一方、当社グループのコアビジネスである国内砂糖事業においても構造改革を断行し、成長領域であるライフ・エナジー事業や、グループの事業拡大をサポートするコーポレート部門への適切な経営資源配分を進めてまいります。事業基盤の強化とポートフォリオの拡充を両立すべく、グループ全体での業務効率化も併せて実施してまいります。海外事業につきましては、全世界的な地政学的リスクは増しているものの、堅調な経済成長を持続する東南アジア・中東・中国を中心として、エリアごとの市場動向や需要に応じた事業モデルの変革を推進してまいります。東南アジア(タイを除く)・中東エリアでは、シンガポールのSIS’88 Pte Ltd(連結子会社)が保有するアラブ首長国連邦(UAE)のリパック(詰め直し・包み直し)拠点や、Asian Blending Pte Ltd(連結子会社)のベトナムにおける製造拠点の本格稼働により、現地における同社の高いブランド力を活かした市場戦略に基づく生産体制を構築してまいります。中国エリアでは、中糧糖業遼寧有限公司(持分法適用関連会社)を中心に、砂糖消費大国における巨大市場を取り込むべく、その成長を継続させてまいります。また、タイエリアでは、Kaset Phol Sugar Ltd.(持分法適用関連会社)を通じ、安定操業の確保による業績改善により、グループ収益に貢献してまいります。海外事業全体としてガバナンス体制を強化し、国内事業で培った当社グループの強みである安全安心な生産ノウハウや研究開発力など、グループ総合力を発揮してまいります。ライフ・エナジー事業につきましては、循環モデルの高速・高度化、内製成長、機能・技術・販路拡大を補完するM&Aを掛け合わせることで、その領域拡大と成長加速を実現してまいります。これまでの糖やタンパク質に関する長年の知見やノウハウを活かしたスポーツニュートリションの確立・拡大や介護分野であるシニアニュートリションの開拓の他、両領域を融合したアクティブシニア層向け事業の拡大を推進いたします。ライフ・エナジー事業では、当社がグループ全体の事業開発及び研究開発を管掌し、以下の通り、グループ各社がそれぞれの強みを活かして新商品・新事業を継続的に創出し続けることで、グループ事業の拡大に貢献してまいります。ニュートリー㈱(連結子会社)は、嚥下サポート、栄養素補給や流動食といった高品質商品と、医療・介護従事者からの信頼に基づくマーケットアクセスを通じて、商品開発力と他社協業を含む販路拡大を目指してまいります。㈱タイショーテクノス(連結子会社)は、保存料、天然色素、寒天・ゲルなどの幅広い食品素材を扱うフードサイエンス企業として、食品の機能性開発や製剤開発についての専門技術を活用してまいります。㈱YOUR MEAL(連結子会社)は、冷凍弁当宅配サブスクリプションサービスを通じて、スタートアップ企業文化を背景とする高い機動力とマーケティング力により、更なる新規商品及び事業開発を加速させてまいります。北海道糖業㈱(連結子会社)は、幅広い微生物の培養技術と製糖で培われた精製技術を駆使し、高い品質管理のもとで顧客ニーズに沿った受託生産を行い、収益性を高めてまいります。また、サクラ食品工業㈱(持分法適用関連会社)は、ポーション容器等の開発・製造を通じて、事業開発機能を強化してまいります。「経営基盤の変革」につきましては、当社グループの変革による価値創造の実現を目指し、人的資本の拡充を進めてまいります。人事戦略につきましては、人材に関わるデータ、KPI分析による組織力向上、リーダーシップの強化、心身の健康と安全を第一とする環境の実現を基軸に、ビジネストランスフォーメーションを実現する人材の獲得と育成、挑戦・協働・感謝にあふれる組織文化の醸成、そして、個の力の最大化と自律的成長の支援という3つの戦略軸を通じて、経営基盤の変革を目指してまいります。更には、新基幹システムの構築及びデジタル技術・AI等を活用した業務プロセス改善による組織そのものの創造性・効率性も併せて向上させてまいります。「サステナビリティ経営の変革」につきましては、当社グループを取り巻く事業環境に合わせて重要課題を再定義のうえ、KPI(評価指標)を設定し課題解決に取り組むことにより、持続可能な社会実現へ貢献してまいります。また、当社グループのサステナビリティ基本方針である「5つの「寄り添い」で持続可能な社会の実現を目指す」のもと、サステナビリティ経営の変革を推進してまいります。詳細につきましては、「2サステナビリティに関する考え方及び取り組み」をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは「姿かたちを変えながら一生に寄り添い、幸せの時を広げる。」を企業理念として掲げております。「おいしい」「たのしい」「うれしい」など、人が生きている幸せを実感するときにそばにいることを事業活動の目標とし、その事業の源である自然への感謝を忘れずに、その恵みを様々な姿かたちにして広く社会に届け、幸せの時が広がる未来にずっと貢献できる企業グループを目指してまいります。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標当社グループでは、2027年3月期から2030年3月期までを対象とする新中期経営計画2030「DM三井グループ2.0 ~変革による価値創造、次の成長ステージへ~」を策定し、連結売上高2,200億円、キャッシュ創出力を表すEBITDA230億円、ROIC(投下資本利益率)9%以上、ROE(自己資本当期純利益率)9%以上を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として掲げております。 (3)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題等当社グループは、砂糖事業が売上高の約80%以上を占め、緩やかな景気回復が業務用需要を中心として安定販売を下支えしているものの、国内の砂糖消費量は、少子高齢化に伴う人口減や甘味需要の多様化を受け漸減傾向にあり、業界再編が進行している状況にあります。国内経済においては、賃上げ定着や雇用改善などを受けた社会経済活動の活発化や、インバウンド需要の継続的な増加が期待されております。企業としてもDXを通じた業務効率化、環境保全対応や人材育成への投資といった成長機会が創出されている一方、地政学的リスクの長期化や原材料価格や光熱費の高止まりなどを受け、当社グループを取り巻く環境は日々刻々と変化し複雑化するなど、依然として先行きを見通し難い状況が続いております。このような状況下、当社グループは、2027年3月期から2030年3月期までを対象とする新中期経営計画2030「DM三井グループ2.0 ~変革による価値創造、次の成長ステージへ~」を策定いたしました。新中期経営計画では、3つの変革として「ビジネスモデルの変革」「経営基盤の変革」「サステナビリティ経営の変革」を掲げることにより、これまで以上に当社グループの変革に拍車をかけ、人と社会の幸せの ちからとなる新たな価値を創造し続けることで、次なる成長ステージへと歩みを進めてまいります。「ビジネスモデルの変革」につきましては、砂糖事業の構造改革と更なる収益力の強靭化、ライフ・エナジー事業の領域拡大と成長加速により、事業ポートフォリオを再構築してまいります。国内砂糖事業につきましては、業界トップシェア企業として、競争力の維持・強化に向けた変容推進を図ってまいります。2026年9月末(予定)に生産終了を公表した九州地区のグループ生産拠点再編を完遂し、関東地区における和田製糖㈱との業務提携などとともに、国内砂糖生産体制をより一層盤石なものとしてまいります。国内全域をカバーするサプライチェーンにおいては、AIを活用した業務効率化などにより、生産・販売・物流改革を推進いたします。持続可能な国内砂糖事業を支える基盤の強化として、環境保全に配慮した技術等を積極的に採用するとともに、当社グループが掲げる人権方針及び調達方針に基づいた原材料調達や設備投資を実施してまいります。一方、当社グループのコアビジネスである国内砂糖事業においても構造改革を断行し、成長領域であるライフ・エナジー事業や、グループの事業拡大をサポートするコーポレート部門への適切な経営資源配分を進めてまいります。事業基盤の強化とポートフォリオの拡充を両立すべく、グループ全体での業務効率化も併せて実施してまいります。海外事業につきましては、全世界的な地政学的リスクは増しているものの、堅調な経済成長を持続する東南アジア・中東・中国を中心として、エリアごとの市場動向や需要に応じた事業モデルの変革を推進してまいります。東南アジア(タイを除く)・中東エリアでは、シンガポールのSIS’88 Pte Ltd(連結子会社)が保有するアラブ首長国連邦(UAE)のリパック(詰め直し・包み直し)拠点や、Asian Blending Pte Ltd(連結子会社)のベトナムにおける製造拠点の本格稼働により、現地における同社の高いブランド力を活かした市場戦略に基づく生産体制を構築してまいります。中国エリアでは、中糧糖業遼寧有限公司(持分法適用関連会社)を中心に、砂糖消費大国における巨大市場を取り込むべく、その成長を継続させてまいります。また、タイエリアでは、Kaset Phol Sugar Ltd.(持分法適用関連会社)を通じ、安定操業の確保による業績改善により、グループ収益に貢献してまいります。海外事業全体としてガバナンス体制を強化し、国内事業で培った当社グループの強みである安全安心な生産ノウハウや研究開発力など、グループ総合力を発揮してまいります。ライフ・エナジー事業につきましては、循環モデルの高速・高度化、内製成長、機能・技術・販路拡大を補完するM&Aを掛け合わせることで、その領域拡大と成長加速を実現してまいります。これまでの糖やタンパク質に関する長年の知見やノウハウを活かしたスポーツニュートリションの確立・拡大や介護分野であるシニアニュートリションの開拓の他、両領域を融合したアクティブシニア層向け事業の拡大を推進いたします。ライフ・エナジー事業では、当社がグループ全体の事業開発及び研究開発を管掌し、以下の通り、グループ各社がそれぞれの強みを活かして新商品・新事業を継続的に創出し続けることで、グループ事業の拡大に貢献してまいります。ニュートリー㈱(連結子会社)は、嚥下サポート、栄養素補給や流動食といった高品質商品と、医療・介護従事者からの信頼に基づくマーケットアクセスを通じて、商品開発力と他社協業を含む販路拡大を目指してまいります。㈱タイショーテクノス(連結子会社)は、保存料、天然色素、寒天・ゲルなどの幅広い食品素材を扱うフードサイエンス企業として、食品の機能性開発や製剤開発についての専門技術を活用してまいります。㈱YOUR MEAL(連結子会社)は、冷凍弁当宅配サブスクリプションサービスを通じて、スタートアップ企業文化を背景とする高い機動力とマーケティング力により、更なる新規商品及び事業開発を加速させてまいります。北海道糖業㈱(連結子会社)は、幅広い微生物の培養技術と製糖で培われた精製技術を駆使し、高い品質管理のもとで顧客ニーズに沿った受託生産を行い、収益性を高めてまいります。また、サクラ食品工業㈱(持分法適用関連会社)は、ポーション容器等の開発・製造を通じて、事業開発機能を強化してまいります。「経営基盤の変革」につきましては、当社グループの変革による価値創造の実現を目指し、人的資本の拡充を進めてまいります。人事戦略につきましては、人材に関わるデータ、KPI分析による組織力向上、リーダーシップの強化、心身の健康と安全を第一とする環境の実現を基軸に、ビジネストランスフォーメーションを実現する人材の獲得と育成、挑戦・協働・感謝にあふれる組織文化の醸成、そして、個の力の最大化と自律的成長の支援という3つの戦略軸を通じて、経営基盤の変革を目指してまいります。更には、新基幹システムの構築及びデジタル技術・AI等を活用した業務プロセス改善による組織そのものの創造性・効率性も併せて向上させてまいります。「サステナビリティ経営の変革」につきましては、当社グループを取り巻く事業環境に合わせて重要課題を再定義のうえ、KPI(評価指標)を設定し課題解決に取り組むことにより、持続可能な社会実現へ貢献してまいります。また、当社グループのサステナビリティ基本方針である「5つの「寄り添い」で持続可能な社会の実現を目指す」のもと、サステナビリティ経営の変革を推進してまいります。詳細につきましては、「2サステナビリティに関する考え方及び取り組み」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要(1)当連結会計年度の経営成績の分析 当社は、2025年4月1日付で、DM三井製糖㈱(連結子会社)を吸収合併すると同時に、当社の商号を「DM三井製糖ホールディングス㈱」から「DM三井製糖㈱」に変更いたしました。 当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や、旺盛なインバウンド需要などを背景に緩やかな回復基調を示しているものの、物価上昇の長期化、不安定な国際情勢、米国の政策動向、中東情勢の緊迫化等地政学リスクの高まりによる影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。 このような状況下、当社グループは、「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」の最終年度として、グループ全体の成長戦略「グループビジネスモデルの変革」と「経営資源の再配分」のもと、グループ内事業の最適化を図ることで、①国内砂糖事業の強靭化、②海外事業の拡大、③ライフ・エナジー事業の成長、④グループの持つ研究開発力の集積・強化、⑤持続可能な社会実現への貢献、の5つの柱を実現すべく、各種施策を推進してまいりました。 砂糖事業 海外粗糖相場は、1ポンド当たり18セント後半から始まり、直後にブラジル通貨のレアル高などの影響により、19セント半ばまで上昇いたしました。その後は、ブラジルやインドにおけるサトウキビ生産量の改善や、世界的な供給増加見通しを受け、一時は13セント台後半にまで下落したものの、中東情勢の緊迫化による原油価格の大幅上昇を受けて海外粗糖相場も連れ高となり、15セント半ばで当連結会計年度末を迎えました。また、国内市中相場は、1キログラム当たり249円~251円で始まりましたが、海外粗糖相場が軟調に推移していることなどの影響を受け、241円~243円で当連結会計年度末を迎えております。 国内では、家庭用販売において、食品全般の継続的な値上げに伴う消費者マインドの低迷が主な足かせとなりました。業務用販売は、大阪・関西万博開催に伴う特需や、秋以降の調味料需要が好調でありましたが、11月に出荷価格引き下げを実施したことによる販売単価下落の影響を受けました。また、コスト面では、エネルギー価格の高騰に起因する海上運賃、包装資材及び物流費などの高止まりを、原材料の安定調達にて吸収した一方で、新基幹システム構築に係るコンサルティング費用や製造費用などが増加いたしました。なお、当社と和田製糖㈱との業務提携契約に基づく同社からの生産受託が本格稼働し、グループ収益に貢献しております。 海外では、シンガポールのSIS’88 Pte Ltd(連結子会社)傘下における、アラブ首長国連邦(UAE)及びベトナムに所在する新生産拠点の稼働により、販売量が回復いたしました。 以上の結果、砂糖事業は、売上高152,201百万円(前連結会計年度比0.6%増)、営業利益11,440百万円(前連結会計年度比2.6%減)となりました。 期中の砂糖市況 海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり) 始値 18.89セント 高値 19.63セント 安値 13.61セント 終値 15.51セント 国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋キログラム当たり) 始値 249円~251円 終値 241~243円 ライフ・エナジー事業 ㈱タイショーテクノス(連結子会社)のフードテック事業における食品添加物や食用色素の販売が好調さを見せ、北海道糖業㈱(連結子会社)のバイオ事業(発酵製品の製造等)が前連結会計年度並みに推移いたしました。また、㈱YOUR MEAL(連結子会社)のアスリートや健康的な体型を目指す層への栄養強化食等の活力健康食品事業が、宅配弁当やオンライン販売を中心に伸長し、ニュートリー㈱(連結子会社)の栄養療法食品事業でも、嚥下サポート製品など一部が堅調でありましたが、当該2社の広告宣伝費や倉庫保管料等の販売費及び一般管理費増加による影響を受けました。 以上の結果、ライフ・エナジー事業は、売上高25,348百万円(前連結会計年度比1.1%増)、営業利益1,007百万円(前連結会計年度比20.3%減)となりました。 不動産事業 岡山地区・神戸長田地区の他、当社本店ビル「Mita S-Garden」(東京都港区芝)などの国内各地に有する不動産賃貸物件は順調に稼働しております。その一方で、複数物件の修繕費に加え、リース投資資産に係る貸倒引当金繰入額などの販売費及び一般管理費が増加したことにより、売上高2,552百万円(前連結会計年度比5.5%増)、営業利益461百万円(前連結会計年度比44.4%減)となりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は180,102百万円(前連結会計年度比0.7%増)、営業利益は12,909百万円(前連結会計年度比6.7%減)となりました。 営業外損益においては、フィンゴリモド「FTY720」の開発権及び販売権の許諾に基づく受取ロイヤリティーの減少や、海外関連会社における損益悪化を主因とした持分法による投資損失の計上等があり、経常利益は12,640百万円(前連結会計年度比12.7%減)となりました。また、賃貸用不動産売却による固定資産処分益があったものの、SIS’88 Pte Ltd(連結子会社)及びその傘下に関するのれん及び無形固定資産につき、回収可能性を見直したことによる、関連固定資産に関する減損損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は3,961百万円(前連結会計年度比37.1%減)となりました。 (2)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析 当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社グループでは適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。 (3)経営上の目標指標に関する分析 当連結会計年度を最終年度とした「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」における経営上の目標指標につきましては、新型コロナウイルス感染症や、海外粗糖相場の軟調推移を受けた販売単価下落の影響等により、連結売上高2,000億円の目標には今一歩及ばず、1,801億円となりました。しかし、国内砂糖事業の強靭化を中心とした重要施策の推進により営業収益力が着実に向上した結果、目標とした連結営業利益及び持分法投資損益の合計額125億円と、キャッシュ創出力を表すEBITDA目標額の175億円につきましては計画期間中に達成し、当連結会計年度末において各々128億円、199億円となりました。また、ROE(自己資本当期純利益率)7%以上を目標指標として掲げており、当連結会計年度のROEは3.5%となりました。これは主として、海外連結子会社及びその傘下に関するのれん及び無形固定資産につき、回収可能性を見直したことにより、関連固定資産に関する減損損失を計上したことによるものであります。 配当金額につきましては、引き続き株主の皆様に対する利益の還元を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、将来の成長に向けた事業展開と、経営基盤強化のための内部留保の充実にも配慮しつつ、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としております。その上で、年間配当金額は、連結配当性向が100%を超えない限り、最低配当金額として1株当たり60円の配当を実施することとし、都度の経営環境を総合的に勘案し、現金配当と機動的な資本政策を組み合わせた総還元性向50%を目処とした株主還元を行ってまいりました。 (4)キャッシュ・フローの状況の分析 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動で12,343百万円増加、投資活動で5,309百万円減少、財務活動で19,157百万円減少したことにより、前連結会計年度末に対して11,983百万円減少し、28,116百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は12,343百万円(前連結会計年度は資金の増加22,592百万円)となりました。 これは主に税金等調整前当期純利益7,416百万円、減価償却費5,620百万円、減損損失6,320百万円等による資金の増加があった一方で、法人税等の支払8,294百万円等による資金の減少があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は5,309百万円(前連結会計年度は資金の減少5,635百万円)となりました。 これは主に工場設備等に係る有形固定資産の取得による支出5,620百万円等による資金の減少があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は19,157百万円(前連結会計年度は資金の減少1,693百万円)となりました。 これは主に短期借入れによる収入9,267百万円、長期借入れによる収入1,000百万円等による資金の増加があった一方で、短期借入金の返済による支出9,703百万円、長期借入金の返済による支出1,400百万円、社債の償還による支出10,000百万円、自己株式の取得による支出3,843百万円、配当金の支払4,133百万円等による資金の減少があったことによるものであります。 (資本の財源及び資金の流動性) 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は37,560百万円となっております。 生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)砂糖事業(百万円)120,03693.4ライフ・エナジー事業(百万円)11,62891.2合計(百万円)131,66593.2 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。(2)仕入実績 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)砂糖事業(百万円)27,588103.6ライフ・エナジー事業(百万円)4,732104.8合計(百万円)32,320103.7 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 (3)受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社以下同じ)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。(4)販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)砂糖事業(百万円)152,201100.6ライフ・エナジー事業(百万円)25,348101.1不動産事業(百万円)2,552105.5合計(百万円)180,102100.7 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)三井物産㈱28,68216.023,90413.3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な判断に基づき、会計上の見積りを行っております。(2)財政状態 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比20,241百万円減少し181,955百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は、次の通りであります。①流動資産 流動資産は、前連結会計年度末比12,630百万円減少し86,058百万円となりました。これは主として、現金及び預金の減少11,680百万円、売掛金の減少944百万円等があったことによるものであります。②固定資産 固定資産は、前連結会計年度末比7,611百万円減少し95,896百万円となりました。これは主として、機械装置及び運搬具の減少1,267百万円、のれんの減少3,495百万円、その他無形固定資産の減少2,174百万円、退職給付に係る資産の増加1,359百万円、繰延税金資産の減少1,092百万円等があったことによるものであります。③負債 負債は、前連結会計年度末比15,495百万円減少し67,359百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の減少684百万円、未払法人税等の減少3,076百万円、社債の減少10,000百万円等があったことによるものであります。④純資産 純資産は、前連結会計年度末比4,746百万円減少し114,595百万円となりました。これは主として、資本剰余金の増加80百万円、利益剰余金の減少4,008百万円、その他有価証券評価差額金の増加535百万円、退職給付に係る調整累計額の増加851百万円、非支配株主持分の減少2,139百万円等があったことによるものであります。(3)経営成績 当連結会計年度における経営成績の概要につきましては、「経営成績等の状況の概要(1)当連結会計年度の経営成績の分析」に記載しております。なお、連結損益計算書の主要項目ごとの主な増減要因等は、次の通りであります。①売上高 売上高は、前連結会計年度比1,317百万円増加し180,102百万円となりました。これは主として、砂糖事業の売上高の増加905百万円等があったことによるものであります。②営業利益 営業利益は、前連結会計年度比931百万円減少し12,909百万円となりました。これは主として、砂糖事業において新基幹システム構築に係るコンサルティング費用および製造費用などの増加や、不動産事業における貸倒引当金繰入額などの増加があったことによるものであります。③経常利益 経常利益は、前連結会計年度比1,842百万円減少し12,640百万円となりました。これは主として、受取ロイヤリティーの減少や、持分法による投資損失の計上があったことによるものであります。④親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度は減損損失の増加等を主因として、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比2,525百万円減少し7,416百万円となりました。 法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比2,334百万円減少し3,961百万円となりました。 (4)キャッシュ・フロー キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要(4)キャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。

事業リスク

  • 食の安全性と信頼性:品質上の問題が発生した場合、顧客からの信頼を失い、売上の減少、製品の回収費用、生産停止など、業績に大きな影響が出る可能性があります。DM三井製糖グループは、ISOやFSSCなどの規格を活用し、食品安全管理を徹底していますが、予期せぬ問題発生のリスクは常に存在します。
  • 農業政策と市場変動:砂糖事業は売上の大半を占め、政府の農業政策や通商政策(EPA、FTA、TPPなど)の影響を強く受けます。安価な海外製品の輸入増加や国内砂糖消費量の減少は、売上の低下や固定資産の減損につながる可能性があります。国内の砂糖産業を支える「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」の変更もリスク要因です。
  • 原材料価格と為替変動:砂糖事業の主力である輸入原料糖は、外貨建ての相場商品であり、為替変動やエネルギー価格、地政学的リスク、主要生産国の天候などにより市況が大きく変動します。これらの価格変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、原価率の上昇や利益率の悪化を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,844 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下に記載いたします。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)食の安全性に関する事項 当社グループで品質上の重大な問題等が発生した場合においては、顧客の信頼喪失、売上低下、生産の停止や製品の回収、管理体制の強化や対策のための費用の発生を含め、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、安全安心な製品を安定的に供給するための生産・品質管理体制を整備し、「DM三井グループ調達方針」を定めております。当該方針をサプライヤーへ周知するとともに、品質上の重大な問題を未然に防ぐため、ISOやFSSCなどの規格を取得・活用し、マネジメントシステムを効果的に運用することで、食品安全の強化並びに製品・サービス品質及び顧客満足度を向上、フードディフェンスを強化しております。また、食品事故が発生した場合を想定し、最小限の被害に抑えるための行動マニュアルや情報管理マニュアルを整備し、品質事故対応訓練を定期的に実施しております。 (2)農業政策等の事業環境に関する事項 当社グループは、砂糖事業が売上高の大半を占め、北海道・鹿児島県・沖縄県に国産糖製造会社を有しております。その結果、砂糖事業を取り巻く環境の変化や、農業政策・通商政策の影響を受けやすい事業構造にあります。また、国内の砂糖消費量は、人口減や甘味需要の多様化等により漸減傾向にあります。国内砂糖事業は、政府の農業政策と「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(※)等の法令に基づく制度の中で行っております。今後の政府の農業政策の変更、EPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)・TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の動向により、海外から砂糖を使用した安価な製品が輸入される場合や、将来的に安価な精製糖が輸入される場合には、売上の減少や固定資産の減損リスクなど当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは日頃より不断の情報収集に努め、想定に応じた影響度の把握と対策を常に検討しております。一方、堅調な経済成長が持続するASEAN・中国・中東では砂糖需要が増加傾向にあるため、シンガポールの連結子会社や、タイ及び中国の持分法適用関連会社を通じて海外砂糖事業の拡大を図ってまいります。地政学的リスクを注視しつつ、原料糖調達ルートの多様化やグローバルな事業展開を進めることで国内の農業政策の変化による影響を分散し、長期安定的な成長に向けた体制を構築してまいります。(※)甘味資源作物の価格調整措置を通じて、国内の農家所得等の安定及び精製糖メーカーを含む関係事業の健全な発展の実現を目的とする法律。輸入される原料糖よりもコストの高い国産原料糖を生産する国内の砂糖産業を支えるため、農林水産省による需給調整のもと、精製糖メーカーが、海外から原料糖を輸入する際、輸入価格に上乗せして調整金を支払う義務などを負っている。 (3)原料糖及び原材料・商品の調達並びに製商品の販売に関する事項 当社グループは、主力である砂糖事業において、輸入原料糖が外貨建ての相場商品であり、為替変動リスクの他、エネルギー価格の上昇や地政学的リスクの増大、主要生産国であるブラジルやタイ、オーストラリア等の天候やサトウキビの生育状況などによって市況が大きく変動する場合があります。また、北海道・鹿児島県・沖縄県の国産糖製造会社では、天候等の気象条件が、ビート(てん菜)及びサトウキビの収穫量や品質に大きな影響を与える場合があります。ライフ・エナジー事業においても、機能性食品素材、栄養療法食品や食品添加物などの原材料や商品の仕入に関し、為替や原料費、輸送コスト等の変動リスクを有しております。原料糖や原材料及び商品仕入価格の変動等を製商品価格に適切に反映できない場合や、製商品価格改定の間にタイムラグが生じた場合には、原価率の上昇など当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは社内規則に基づき、担当部門における役職員への適切な権限付与、取引区分の明確化などにより、リスク管理を徹底しております。また、日頃より不断の情報収集に努め、適時適切に価格反映を実施するなど、想定に応じた影響度の把握と対策を常に検討しております。 (4)気候変動に関する事項 当社グループは国内外にて事業活動を行っており、気象災害激甚化による工場など生産設備への被害、原料糖及び原材料・商品の調達への影響等を受ける場合があります。製品生産面に予想を超える事態が発生し、流通面への支障が長期間にわたった場合、売上低下などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、製造・加工・販売の過程において多くのエネルギーを消費しており、炭素税導入といった低炭素社会への移行に際して生じる影響を大きく受けることから、気候変動を重要なリスクと認識しております。気候変動への対応の詳細につきましては、「2サステナビリティに関する考え方及び取り組み(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)」をご参照ください。(5)事業投資に関する事項 当社グループは、成長戦略の一環として、国内外における事業投資を推進しております。M&Aに際しては、対象となる企業について詳細なデューデリジェンスを実施し、リスク回避に努めております。一方で、その後の偶発債務の発生、または、各国における政策・制度の急激な変更、廃止や地政学的リスクの顕在化等の環境変化により、対象会社の事業運営に支障をきたす事態等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、投資に伴って計上するのれん及び無形固定資産につきましては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しております。ただし、対象となる事業において将来の収益力が低下した場合には、減損処理が必要となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。重要な事業投資につきまして、十分な事前協議を行った上で、経営会議を経て取締役会にて決定しております。投資後、各社への経営幹部人材の派遣、取締役会等の重要会議への出席や定期的な経営管理により、事業価値の向上に努めております。 (6)人材確保及び育成に関する事項 当社グループは、積極的な事業投資を推進しております。労働市場を巡る環境の変化を受け、人材獲得競争が激化し、国内外において、必要な人材の確保及び育成を計画通り実施することが困難となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かねてより、労働安全衛生を最優先とした職場環境整備や、個々人の価値観を尊重する働き方・環境の実現、従業員エンゲージメントの向上を図りながら、適正な人材の確保、定着に尽力しております。当社グループの持続的な成長を実現させていくためにも、より一層ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進してまいります。人材確保及び育成への対応の詳細につきましては、「2サステナビリティに関する考え方及び取り組み(3)人的資本」をご参照ください。 (7)地震・台風・豪雨等に起因する大規模自然災害及び感染症拡大に関する事項 当社グループは国内外で事業展開しており、地震・台風・豪雨等に起因する大規模自然災害の発生により、原料糖の調達や製品の生産・流通が困難となる可能性があります。また、感染症の拡大に伴う行動制限政策等により、需要が低迷し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業継続計画(BCP)を策定の上、定期的な見直しや訓練を実施しております。大規模自然災害下や感染症拡大下での、従業員の安全衛生と製品の安定供給を最優先とした事業運営を維持するため、確実な感染症対策を含む高度な衛生基準のもと、生産継続を確保する体制を整備しております。 (8)情報システム及びセキュリティに関する事項 当社グループは、近年、国内外で巧妙化・悪質化しているサプライチェーンの脆弱性を突いたサイバー攻撃により、基幹システム等が停止した場合には事業活動の広範囲にわたる中断を招くおそれがあります。また、個人情報や機密情報の漏えいが発生した場合には社会的信用の失墜や損害賠償請求等を招き、当社グループの業績及び財務状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、情報システムに関するセキュリティ体制の強化を経営の重要課題と位置付け、技術的・組織的な対策を総合的に講じるとともに、継続的な強化に努めております。社内ネットワークにつきましては、標的型攻撃対策として、不正アクセス対策やマルウェア対策に加え、認証・認可基盤を整備し、デバイス管理、ID管理、従業員教育を実施しております。さらに、インシデント発生に備え、サイバーBCP(事業継続計画)の策定を推進するとともに、迅速な対応・復旧体制の整備を図っております。加えて、サプライチェーン全体でのセキュリティ確保に向けて、業務委託先を含めた管理体制の強化にも努めております。

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