有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 (1)経営理念当社グループは、1873年に抄紙会社として創立以降、「森林」を核とした事業を展開し、発展させ、グローバル企業へと成長しました。次の経営理念の下、変わり続ける時代のニーズを充足し、新しい未来を支えるモノづくりを、そして持続可能な社会の発展を目指して、王子グループは進み続けます。 「革新的価値の創造」当社グループが今後大きく飛躍していくためには、イノベーションが不可欠です。画期的な新製品の開発と、それを導く研究・技術開発、また、組織の仕組みや従業員一人ひとりの行動に変革が求められています。斬新な発想で「チャレンジングなモノづくり」を行い、社会の潜在ニーズを充足していきます。 「未来と世界への貢献」当社グループは多種多様な事業を抱え、アジア、北米、南米、欧州、オセアニアに事業拠点をもつグローバル企業へと成長しました。今後もグローバル展開を通じ、あらゆる国、地域、社会に「革新的価値」を提供し、新しい未来を創造する企業であり続けます。 「環境・社会との共生」森林資源を核とする資源循環は、当社グループの基盤です。国内外に保有する広大な社有林の多方面での活用、各製造現場における環境負荷低減策の追求などを通じ、当社グループの事業そのものが持続可能な社会に貢献できるよう、取り組みを発展させていきます。 (2)パーパス(存在意義) 「森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていく」 健全に育て管理された森林は、二酸化炭素を吸収、固定するだけではなく、洪水緩和、水質浄化等の水源涵養、防災という機能の他に、生物多様性や人間の癒し、健康増進等にも貢献する効果があります。そして、森林資源を活かした木質由来の製品は、その原料が再生可能であり、化石資源由来のプラスチックフィルムや燃料等を置換えていくことができます。1933年から1938年の間、当社社長を務めた藤原銀次郎は「木を使うものは、木を植える義務がある」と説き、現在では「持続可能な森林経営」や「再生可能な資源の循環的利用」は当社グループの「強み」となっています。森林を健全に育て管理し、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、地球の温暖化や環境問題に取り組み、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていきます。 (3)長期ビジョン・中期経営計画当社グループは、2030年までの長期ビジョンとして「成長から進化へ」をグループ基本方針とし、「環境問題への取り組み -Sustainability-」、「収益向上への取り組み -Profitability-」、「製品開発への取り組み -Green Innovation-」の3つの柱を掲げ、企業価値の向上に取り組むことにより、2030年までに連結売上高2.5兆円以上を目指し、また、2030年度に2018年度対比で温室効果ガス排出量70%以上の削減などを目標とする「環境行動目標2030」を達成し、企業価値の向上と社会への貢献をしていくことを目指してまいりました。この長期ビジョンのマイルストーンとして策定した2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画(2024年度目標 連結営業利益1,500億円以上、連結純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)1,000億円以上<安定的に1,000億円以上を継続> 等)につきましては、原燃料価格や人件費、物流費等の高騰など厳しい事業環境の中、価格改定や事業構造の見直しを進めてまいりましたが、その取り組みが不十分であったことに加え、ニュージーランドのPan Pac社のサイクロン被災の影響もあって、2024年度連結営業利益677億円、親会社株主に帰属する当期純利益462億円と、計画を大きく下回りました。厳しい事業環境、不透明な国際情勢においても、企業の社会的・経済的価値を持続的に増大させることができる企業グループに進化していくため、目指す姿への道筋を見直し、新たに「長期ビジョン2035」、「中期経営計画2027」 を策定しました。資本効率を意識したBS経営へ転換すること、また成長性のある新たな事業領域に進出していくことを基本方針とし、資本効率向上やポートフォリオ転換といった取り組みを進めてまいります。 ①長期ビジョン2035 新たな長期ビジョンでは「サステナビリティへの貢献」を掲げ、「資本効率向上」、「ポートフォリオ転換」、「サステナビリティ促進」を基本方針とし、企業価値の最大化と社会課題の解決に向けた取り組みを通じて、サステナビリティに貢献する企業グループとなることを目指します。 ・資本効率向上 投資基準を厳格に定め、非コア資産の売却など資産のスリム化を進め、コア事業に経営資源を集中することで、資本効率・収益性の高い資産構成に進化させていきます。2024年11月に公表した保有株式の縮減計画(政策保有株式に加え、当社グループ会社の退職給付債務に対し積立超過となっている退職給付信託拠出株式を見直すこととし、2024年度から2027年度までに総額700億円を縮減)については、より踏み込んだ検討を進め、2024年度から2030年度までに総額1,200億円(政策保有株式 850億円、退職給付信託株式 350億円)縮減することを計画します。さらに、自己資本と有利子負債のバランスを見直し(ネットD/Eレシオ1.0倍以内)、成長投資と株主還元の充実を図ります。配当性向は2025年度から50%とします。また、2024年度から2026年度末までに1,000億円の自己株式を取得することを、2024年12月に公表しましたが、さらに500億円追加し、2024年度から2027年度までに1,500億円取得します。 ・ポートフォリオ転換 印刷用紙などの需要の減退が進む中、成長性のある事業やエリアへの進出を加速します。サステナブルな木質由来でリサイクル性も高い紙の強みを活かし、プラスチック包装から代替可能な紙包装などの新製品を拡充し、環境に配慮したいお客様の需要に応えてまいります。また、木質から付加価値の高い新たな素材を生み出す木質バイオマスビジネスを推進し、将来的には多くの製品を事業化し、当社グループの新たな柱に育てていきます。高い経済成長が見込まれるインドや東南アジアでの事業拡大を継続します。一方で、不採算事業の撤退基準を厳格化し、健全で強靭な事業ポートフォリオへの転換を実現します。 (木質バイオマスビジネス・サステナブル素材開発の取り組み) 創業当時から紙づくりや森づくりで培ってきた多様なコア技術と、国内外に保有する豊富な森林資源を活用することにより、当社グループならではの新たな価値を創造し、社会的課題を解決するためにイノベーションを推進しています。木質由来の新素材として、セルロースナノファイバー(CNF)は、現在技術面で様々な試みを進めており、化粧品や塗料用途、卓球ラケットなどで実用化されたほか、フィルター事業製品の全熱交換エレメントへの採用、天然ゴムやポリカーボネートとの複合材の開発や燃料電池部材の開発など、新しい用途の探索や実用化を進めており、さらにCNFの新たな機能開発に取り組んでいます。また、セルロース素材を効果的に活用するため、大型の自動車用内装材などに使われるセルロース樹脂ペレットの商品化を進めています。さらに脱炭素化を目的として、木質由来の「糖液」や「エタノール」の製造に取り組んでいます。木質由来の糖液は、バイオマスプラスチックや合成繊維等の様々なバイオものづくりの基幹原料としてニーズの拡大が見込まれ、木質由来のエタノールは、持続可能な航空燃料(SAF)や基礎化学品製造の原料として期待されています。王子製紙㈱米子工場内に製紙工場のインフラを活用した国内最大級の木質由来糖液のパイロット製造設備を導入し、将来の事業化に向け実証試験を開始しました。2025年3月には木質由来エタノールのパイロット製造設備を立ち上げています。今後は量産化設備の設置に向けて操業条件や製造コストの最適化を行い、既存の製紙工場をバイオものづくり工場へ転換するとともに、バイオものづくり製品の社会実装に注力してまいります。さらに今般、原料に木質バイオマスを採用し、PFAS不使用(有機フッ素化合物を含まない)で、さらなる微細化を実現する次世代半導体向けEUV(極端紫外線)用バイオマスレジストの製品開発も進めています。 医薬・ヘルスケア分野については、木材の主要成分を利用することで、動物由来に依存する課題を回避できる医薬品の開発に取り組んでいます。2024年7月には、王子ファーマ㈱が「第一種医薬品製造販売業許可」と「第二種医薬品製造販売業許可」を取得しました。2025年2月には、医薬品事業の幅を広げるため、希少疾患であるホモシスチン尿症治療薬の国内における後発医療用医薬品の製造販売承認申請を行いました。また、創薬における動物実験の回避や再生医療の促進を目指し、細胞培養基材の開発にも注力しています。さらに、医薬品や化粧品、食品向けに幅広く使用されている薬用植物「甘草(カンゾウ)」についても大規模栽培技術を確立し、輸入品に依存せずに国産化することで、高いトレーサビリティと安全・安心を確保した持続可能なビジネスを進めていきます。 さらなるサステナブル素材として、ポリ乳酸のラミネート紙やポリ乳酸フィルムなどの商品化を進めています。2024年5月にポリ乳酸合成のベンチプラントが運転を開始し、今般、世界に先駆けて木質(非可食原料)由来のポリ乳酸の製造技術を確立しています。また、現行の紙リサイクルシステムでも再生が容易な紙コップ原紙を開発しています。なお、当社グループでは、主に焼却処分(サーマルリサイクル)されていた、プラスチックラミネート加工が施された使用済の紙コップやアルミ付きの紙容器を回収し、効率的に繊維(パルプ)分を回収するシステムを開発しました。紙コップ・紙容器の製造者や消費者と連携し、段ボールやペーパータオル等へのマテリアルリサイクルに取り組み、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に貢献していきます。 ・サステナビリティ促進当社は、石炭使用量ゼロに向けた燃料転換、再生可能エネルギーの利用拡大による温室効果ガス排出量削減や、植林地を取得・拡大し、有効活用することにより森林による二酸化炭素純吸収量の拡大を進めてまいりました。2025年5月に、新たに2040年をターゲットにした「環境行動目標2040」を公表しました。2040年度までに温室効果ガス排出量を2018年度対比で50%削減、50%相当分を当社が保有する森林により吸収固定することで、2040年度にスコープ1、2の正味ゼロ・カーボン化を目指します。 また、当社グループの事業の核は、大切な財産である「森林」です。森林を適切に育て、管理することは、二酸化炭素の吸収固定や生物多様性保全、水源涵養、土壌保全等、森林が持つ様々な公益的機能を高めることにつながり、森林資源を活用した製品群は、化石資源由来の素材・製品を置き換えていくことが可能です。当社は国内社有林の経済価値評価を実施し、2024年9月に価値総額が年間約5,500億円に達するという結果を公表しました。自然資本会計の時代へ向け、これからもネイチャーポジティブ経営を進化させてまいります。 環境行動目標20401.気候変動問題への対応非化石エネルギー利用量の拡大による温室効果ガスの削減を行い、自社林の森林保全・植林を通じた森林の温室効果ガス吸収効果と合わせ、2040年度のスコープ1、2のネット・ゼロ・カーボン化を達成する。※※ 森林吸収による排出量相殺に上限は考慮しない (1) スコープ1、2 GHG排出量削減 2040年度に2018年度対比で排出量50%削減 2040年度に2018年度排出量の50%相当分を森林により吸収固定①エネルギー消費量削減・エネルギー消費原単位1%/年以上削減②購入電力非化石比率100%・2040年度 購入電力非化石比率100%※ ※ 証書利用を含む③石炭使用量ゼロ・2040年度 石炭使用量ゼロ④低炭素水素等の導入開始・水素、アンモニア、e-methane(合成メタン)等 (2)スコープ3 GHG排出量削減・カテゴリー4 チップ船からの排出量 2018年度対比40%削減 2.ネイチャーポジティブの推進持続可能な森林経営を推進して森林の多面的機能を高めるとともに、生態系を保全・回復する取り組みを継続・拡大し、世界のネイチャーポジティブの達成に貢献する。 (1) 豊かな森づくり①持続可能な森林経営・森林破壊ゼロの継続・サプライヤーデューデリジェンス 1回/年以上・自社森林認証取得率100%と森林認証製品の拡充 (2) 生物多様性保全・バリューチェーンを含めた事業活動において自然への重要な依存と影響を特定し、生態系に配慮した事業活動を通して生物多様性の損失を回避する。- 天然林再生面積 (2018-2040) 5,000ha以上- 郷土樹種植栽本数(2018-2040) 900千本以上- 緑の回廊設置面積(2018-2040) 6,000ha以上・先住民族を含む地域社会や環境NPOと協力して、稀少動植物の保護・育成や生態系の保全・回復に取り組む。・プラスチック汚染の防止に向け、環境配慮型紙パッケージ製品や生分解性・バイオマス素材の研究開発を推進する。 3.サーキュラーエコノミーの推進と汚染物質削減資源の循環的利用を推進して社会のサーキュラーエコノミー移行へ貢献するとともに、環境負荷低減に継続して取り組む。 (1) サーキュラーエコノミーの推進①廃棄物の有効利用率維持、向上・国内:99%以上、海外:95%以上②古紙利用の推進・国内:段原紙古紙利用率90%以上③取水総量の削減・2018年度対比10%以上の削減④高水リスク地域におけるステークホルダーエンゲージメント実施・年1回以上実施⑤再生可能な森林資源を用いた、木質由来糖液をはじめとする化石資源代替素材の製造技術の確立と商用化 (2) 汚染物質削減①排水汚濁負荷の削減(測定対象会社当たり)・BOD,COD,SS総量 2018年度対比20%削減②大気汚染負荷の削減(測定対象会社当たり)・SOx総量 2018年度対比 50%削減・NOx総量 2018年度対比 10%削減・VOC排出原単位 2018年水準の維持 4.ステークホルダーエンゲージメント環境や社会に配慮した調達の拡充に取り組み、脱炭素社会に貢献する製品を製造するとともに、環境法規制を遵守した事業活動を推進する。 (1) サプライヤーマネジメントの推進・第三者機関監査も含めたサプライヤーマネジメント体制を強化し、人権や環境に配慮した調達を行う。 - サプライヤー人権・環境デューディリジェンス 1回/年 実施 (2) 環境事故ゼロ、製造物責任事故ゼロ・環境法令違反、製造物責任事故をゼロとする。 ②中期経営計画2027 2025年度から2027年度を対象とする「中期経営計画2027」は、「長期ビジョン2035」 実現に向けた基盤を固める準備期と位置づけ、資本効率の改善に重点を置いた取り組みを進めます。 ・財務戦略 長期ビジョンの資本効率向上の取り組みは、中期経営計画期間中に集中的に実施します。非コア資産の売却や資本コストを意識したハードルレートを適用した投資の厳選により、資産管理を厳格化します。配当性向引き上げ、自己株式取得実施により自己資本をコントロールし、借入も活用することで資本構成の見直しを進めます。これらの取り組みを通じて、成長投資や研究開発のための継続的な資金確保と株主還元強化を両立し、強固な財務基盤を構築します。 ・事業戦略 外部環境の変化によるコスト高の着実な価格転嫁、製造拠点の安定操業及び競争力強化、グループ営業体制の強化、高付加価値品へのシフトなどを通じて、既存事業の収益力を強化し、2024年度に落ち込んだ利益率の立て直しを図ります。また、低収益事業については撤退を含めた構造改革を断行し、サステナブルパッケージなどの戦略事業や、高い経済成長が見込まれるインド・東南アジアなどの戦略エリアに成長投資を集中させることで、事業ポートフォリオの転換を推進します。将来の進化に向けた研究開発投資も継続して実行していきます。 これらの取り組みを通じて資本効率向上を実現し、2027年度にROE8%、連結営業利益1,200億円、親会社株主に帰属する当期純利益800億円を達成します。将来的には、木質バイオマスビジネスなど新事業の拡大により、さらなる利益の拡大及びROE10%を目指します。 中期経営計画 数値目標 (事業別の取り組み) 報告セグメントの業績をより適切に評価するため、2025年度第1四半期から、従来「その他」に区分していたサステナブルパッケージング事業及び液体紙容器事業につきましては「生活産業資材」に区分を変更し、また、従来各報告セグメントに配賦していた当社におけるグループ本社費用は、各セグメントには配賦せず「その他」に含めて表示する方法に変更します。このため、事業別の取り組みについては、区分変更後の報告セグメント別に記載しています。(a) 生活産業資材・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、サステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業)国内市場では、当社グループが持つ多様なパッケージング製品の品揃えを活かし、グループ連携を強化してお客様の期待に応えることで、販売拡大に努めます。生産体制の効率化や原紙加工一貫生産化を進めるとともに、M&Aや生産拠点再編により、需要に見合った最適生産体制の構築を進めます。海外市場のうち東南アジアでは、当社の多様な生産拠点が連携し、お客様に最適化したソリューションを提供することでさらなる販売拡大を目指します。段ボール需要の伸びが期待されるインドでは、さらなる事業拡大を目指すとともに、他の包装資材の拡大も進めてまいります。一方で、ニュージーランドでは、事業環境の変化を受け、2024年12月に段ボール原紙製造設備を1台停止し、2025年6月にさらに1台停止予定です。ヨーロッパでは、脱プラスチック包装の分野で最先端の原料加工技術を保有するフィンランドのWalki社、液体紙包装紙や充填機を製造販売するイタリアのIPI社を中心に、サステナブルパッケージをグローバルに拡大してまいります。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業) 王子ネピア㈱では、マーケティング戦略を通じて「nepia」ブランドのより一層の醸成を図るとともに、「人と地球に、ここちいい。」、人々のくらしと環境に寄り添う製品づくりを行っています。 家庭紙事業では、2024年7月に敏感肌に優しい“デリケートケアトイレットロール”という新しいコンセプトの「からだ想いのトイレットロール」、10月にコンパクト設計でフタつきのウェットティシュ「ネピア wetomo」を発売、2025年3月からはティシュの枚数や厚みをそのままにボックスティシュの箱サイズコンパクト化を進めています。今後も、お客様に寄り添う製品づくりを通じて、事業拡大を目指してまいります。 紙おむつ事業では、2024年度に国内の子供用おむつの生産販売を終了しました。国内では、今後も需要の拡大が予想される大人用おむつに注力していきます。介護・看護の現場に寄り添い、介護・看護をする人・受ける人双方から信頼される製品を供給してまいります。 2025年3月に、王子グループ初のスキンケア製品である洗顔ソープ「ネピア 鼻セレブSKINLISMモイストクリアバー・モイストクレンジングバー」を発売しました。今後も様々なスキンケア製品の発売を計画しており、スキンケアを事業の新たな柱に育ててまいります。 (b) 機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業)サステナブル素材及び製品の開発を進めるとともに、市場ニーズを先取りし、お客様の期待に応える製品やサービスを迅速に提供します。また、今後も市場拡大が期待されるような新たな事業領域で高付加価値製品を展開することにも積極的に取り組んでいます。国内では、高機能なサステナブル製品の積極的な開発に継続的に取り組んでいます。2023年に王子エフテックス㈱から販売開始した、非フッ素タイプの耐油紙「O-hajiki(オハジキ)」や、農業用紙製マルチシート「OJIサステナマルチ」は、高い評価をいただいており、今後も販売拡大に努めてまいります。また、王子エフテックス㈱滋賀工場で、電動車のモーター駆動制御装置のコンデンサに用いられるポリプロピレンフィルムの生産設備増設を進め、2025年1月に4台目の製造設備が稼働しました。今後も需要の動向を見極め、生産体制の増強や高品質化への取り組みを進めてまいります。海外では、感熱製品の世界市場での拡販と印刷・加工を含めた競争力強化を進めています。より高品質で付加価値の高い感熱紙やラベル製品を開発し、製品の差別化を通じて、既存市場での競争力強化、成長市場での販売拡大を目指してまいります。 (c) 資源環境ビジネス(パルプ事業、植林・木材加工事業、エネルギー事業)「総合パルプメーカー」として世界的なパルプ事業の拡大・強化に加え、植林・木材加工事業、再生可能エネルギー事業等の拡大に注力しています。また、持続可能な森林の育成・拡大を推進し、その豊富な森林資源を活用して、様々な新しい価値を生み出してまいります。パルプ事業では、事業基盤強化のため、海外主要拠点での戦略的収益対策を継続して実施しています。また、国内では、成長性のある溶解パルプ事業で増産・拡販を進めるとともに、高付加価値品の生産拡大による収益力向上を図っています。植林事業では、国内外に保有する社有林において、森林を適切に管理し持続可能な資源活用を図るとともに、森林の成長性向上にも取り組んでいます。2024年7月にはウルグアイにおいて3.5万haの植林地を取得しました。また、2025年3月には森林アセットマネジメント会社New Forests社との提携により、森林投資ファンド「Future Forest Innovation ファンド」を設立しました。本ファンドを通じて、約7万haの植林地の取得を目指しています。「海外植林地面積を40万haへ拡大」という目標に向けて、持続可能な森林資源の取得を推進します。エネルギー事業では、既存のバイオマス発電事業に加えた新たな再生可能エネルギー事業として、社有林地を活用した風力発電事業の検討を進めています。また、国内外の拠点を活かし、エネルギー事業の拡大に合わせたバイオマス燃料の調達・販売強化を進めてまいります。 (d) 印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業)需要動向を見極め、引き続きコストダウンを徹底すると同時に、保有するパルプ生産設備・バイオマス発電設備等の資産を最大限有効活用し、当社グループ全体としての最適生産体制再構築等を通じて、収益力・競争力の強化に取り組んでいます。構造的な環境変化から、2024年2月には新聞・印刷用紙生産設備1台、2025年3月には塗工紙・微塗工紙生産設備1台を停止しました。また、王子製紙米子工場では、既存のパルプ生産設備に連続工業プロセスを導入し、高品質な溶解パルプの生産を行っています。今後も、需要に見合った生産体制の最適化を進め、キャッシュフロー経営を徹底していくとともに、森林資源と既存事業のリソースを有効活用したポートフォリオ転換により、カーボンニュートラルな社会の実現へ貢献してまいります。 (e) その他(商事、物流、エンジニアリング、不動産事業、他)当社グループは持続可能な社会の構築に貢献すべく、サステナブルな素材である木質資源の有効活用や新規事業の開発を推進し、新しいビジネスモデルの創出に取り組んでいます。2025年3月に、製薬業界向け微結晶セルロースの製造、販売をグローバルに事業展開する、インドのChemfield社を買収しました。パルプ事業の下流工程にあたる同社を王子グループに加えることで、パルプ加工品の製造販売一貫体制を確立し、高付加価値事業にビジネスを拡大してまいります。また、資産スリム化の取り組みとして、賃貸不動産の売却検討を進めてまいります。 ③王子グループマーク・タグライン 長期ビジョンに示される変革への決意を発信し、グループ全体の一体感を醸成、変革を遂行するため、グループマーク・タグラインを一新しました。国内会社は2025年10月から、海外会社は2026年1月から順次運用開始予定です。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 (1)経営理念当社グループは、1873年に抄紙会社として創立以降、「森林」を核とした事業を展開し、発展させ、グローバル企業へと成長しました。次の経営理念の下、変わり続ける時代のニーズを充足し、新しい未来を支えるモノづくりを、そして持続可能な社会の発展を目指して、王子グループは進み続けます。 「革新的価値の創造」当社グループが今後大きく飛躍していくためには、イノベーションが不可欠です。画期的な新製品の開発と、それを導く研究・技術開発、また、組織の仕組みや従業員一人ひとりの行動に変革が求められています。斬新な発想で「チャレンジングなモノづくり」を行い、社会の潜在ニーズを充足していきます。 「未来と世界への貢献」当社グループは多種多様な事業を抱え、アジア、北米、南米、欧州、オセアニアに事業拠点をもつグローバル企業へと成長しました。今後もグローバル展開を通じ、あらゆる国、地域、社会に「革新的価値」を提供し、新しい未来を創造する企業であり続けます。 「環境・社会との共生」森林資源を核とする資源循環は、当社グループの基盤です。国内外に保有する広大な社有林の多方面での活用、各製造現場における環境負荷低減策の追求などを通じ、当社グループの事業そのものが持続可能な社会に貢献できるよう、取り組みを発展させていきます。 (2)パーパス(存在意義) 「森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていく」 健全に育て管理された森林は、二酸化炭素を吸収、固定するだけではなく、洪水緩和、水質浄化等の水源涵養、防災という機能の他に、生物多様性や人間の癒し、健康増進等にも貢献する効果があります。そして、森林資源を活かした木質由来の製品は、その原料が再生可能であり、化石資源由来のプラスチックフィルムや燃料等を置換えていくことができます。1933年から1938年の間、当社社長を務めた藤原銀次郎は「木を使うものは、木を植える義務がある」と説き、現在では「持続可能な森林経営」や「再生可能な資源の循環的利用」は当社グループの「強み」となっています。森林を健全に育て管理し、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、地球の温暖化や環境問題に取り組み、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていきます。 (3)長期ビジョン・中期経営計画当社グループは、2030年までの長期ビジョンとして「成長から進化へ」をグループ基本方針とし、「環境問題への取り組み -Sustainability-」、「収益向上への取り組み -Profitability-」、「製品開発への取り組み -Green Innovation-」の3つの柱を掲げ、企業価値の向上に取り組むことにより、2030年までに連結売上高2.5兆円以上を目指し、また、2030年度に2018年度対比で温室効果ガス排出量70%以上の削減などを目標とする「環境行動目標2030」を達成し、企業価値の向上と社会への貢献をしていくことを目指してまいりました。この長期ビジョンのマイルストーンとして策定した2022年度から2024年度を対象とする中期経営計画(2024年度目標 連結営業利益1,500億円以上、連結純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)1,000億円以上<安定的に1,000億円以上を継続> 等)につきましては、原燃料価格や人件費、物流費等の高騰など厳しい事業環境の中、価格改定や事業構造の見直しを進めてまいりましたが、その取り組みが不十分であったことに加え、ニュージーランドのPan Pac社のサイクロン被災の影響もあって、2024年度連結営業利益677億円、親会社株主に帰属する当期純利益462億円と、計画を大きく下回りました。厳しい事業環境、不透明な国際情勢においても、企業の社会的・経済的価値を持続的に増大させることができる企業グループに進化していくため、目指す姿への道筋を見直し、新たに「長期ビジョン2035」、「中期経営計画2027」 を策定しました。資本効率を意識したBS経営へ転換すること、また成長性のある新たな事業領域に進出していくことを基本方針とし、資本効率向上やポートフォリオ転換といった取り組みを進めてまいります。 ①長期ビジョン2035 新たな長期ビジョンでは「サステナビリティへの貢献」を掲げ、「資本効率向上」、「ポートフォリオ転換」、「サステナビリティ促進」を基本方針とし、企業価値の最大化と社会課題の解決に向けた取り組みを通じて、サステナビリティに貢献する企業グループとなることを目指します。 ・資本効率向上 投資基準を厳格に定め、非コア資産の売却など資産のスリム化を進め、コア事業に経営資源を集中することで、資本効率・収益性の高い資産構成に進化させていきます。2024年11月に公表した保有株式の縮減計画(政策保有株式に加え、当社グループ会社の退職給付債務に対し積立超過となっている退職給付信託拠出株式を見直すこととし、2024年度から2027年度までに総額700億円を縮減)については、より踏み込んだ検討を進め、2024年度から2030年度までに総額1,200億円(政策保有株式 850億円、退職給付信託株式 350億円)縮減することを計画します。さらに、自己資本と有利子負債のバランスを見直し(ネットD/Eレシオ1.0倍以内)、成長投資と株主還元の充実を図ります。配当性向は2025年度から50%とします。また、2024年度から2026年度末までに1,000億円の自己株式を取得することを、2024年12月に公表しましたが、さらに500億円追加し、2024年度から2027年度までに1,500億円取得します。 ・ポートフォリオ転換 印刷用紙などの需要の減退が進む中、成長性のある事業やエリアへの進出を加速します。サステナブルな木質由来でリサイクル性も高い紙の強みを活かし、プラスチック包装から代替可能な紙包装などの新製品を拡充し、環境に配慮したいお客様の需要に応えてまいります。また、木質から付加価値の高い新たな素材を生み出す木質バイオマスビジネスを推進し、将来的には多くの製品を事業化し、当社グループの新たな柱に育てていきます。高い経済成長が見込まれるインドや東南アジアでの事業拡大を継続します。一方で、不採算事業の撤退基準を厳格化し、健全で強靭な事業ポートフォリオへの転換を実現します。 (木質バイオマスビジネス・サステナブル素材開発の取り組み) 創業当時から紙づくりや森づくりで培ってきた多様なコア技術と、国内外に保有する豊富な森林資源を活用することにより、当社グループならではの新たな価値を創造し、社会的課題を解決するためにイノベーションを推進しています。木質由来の新素材として、セルロースナノファイバー(CNF)は、現在技術面で様々な試みを進めており、化粧品や塗料用途、卓球ラケットなどで実用化されたほか、フィルター事業製品の全熱交換エレメントへの採用、天然ゴムやポリカーボネートとの複合材の開発や燃料電池部材の開発など、新しい用途の探索や実用化を進めており、さらにCNFの新たな機能開発に取り組んでいます。また、セルロース素材を効果的に活用するため、大型の自動車用内装材などに使われるセルロース樹脂ペレットの商品化を進めています。さらに脱炭素化を目的として、木質由来の「糖液」や「エタノール」の製造に取り組んでいます。木質由来の糖液は、バイオマスプラスチックや合成繊維等の様々なバイオものづくりの基幹原料としてニーズの拡大が見込まれ、木質由来のエタノールは、持続可能な航空燃料(SAF)や基礎化学品製造の原料として期待されています。王子製紙㈱米子工場内に製紙工場のインフラを活用した国内最大級の木質由来糖液のパイロット製造設備を導入し、将来の事業化に向け実証試験を開始しました。2025年3月には木質由来エタノールのパイロット製造設備を立ち上げています。今後は量産化設備の設置に向けて操業条件や製造コストの最適化を行い、既存の製紙工場をバイオものづくり工場へ転換するとともに、バイオものづくり製品の社会実装に注力してまいります。さらに今般、原料に木質バイオマスを採用し、PFAS不使用(有機フッ素化合物を含まない)で、さらなる微細化を実現する次世代半導体向けEUV(極端紫外線)用バイオマスレジストの製品開発も進めています。 医薬・ヘルスケア分野については、木材の主要成分を利用することで、動物由来に依存する課題を回避できる医薬品の開発に取り組んでいます。2024年7月には、王子ファーマ㈱が「第一種医薬品製造販売業許可」と「第二種医薬品製造販売業許可」を取得しました。2025年2月には、医薬品事業の幅を広げるため、希少疾患であるホモシスチン尿症治療薬の国内における後発医療用医薬品の製造販売承認申請を行いました。また、創薬における動物実験の回避や再生医療の促進を目指し、細胞培養基材の開発にも注力しています。さらに、医薬品や化粧品、食品向けに幅広く使用されている薬用植物「甘草(カンゾウ)」についても大規模栽培技術を確立し、輸入品に依存せずに国産化することで、高いトレーサビリティと安全・安心を確保した持続可能なビジネスを進めていきます。 さらなるサステナブル素材として、ポリ乳酸のラミネート紙やポリ乳酸フィルムなどの商品化を進めています。2024年5月にポリ乳酸合成のベンチプラントが運転を開始し、今般、世界に先駆けて木質(非可食原料)由来のポリ乳酸の製造技術を確立しています。また、現行の紙リサイクルシステムでも再生が容易な紙コップ原紙を開発しています。なお、当社グループでは、主に焼却処分(サーマルリサイクル)されていた、プラスチックラミネート加工が施された使用済の紙コップやアルミ付きの紙容器を回収し、効率的に繊維(パルプ)分を回収するシステムを開発しました。紙コップ・紙容器の製造者や消費者と連携し、段ボールやペーパータオル等へのマテリアルリサイクルに取り組み、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に貢献していきます。 ・サステナビリティ促進当社は、石炭使用量ゼロに向けた燃料転換、再生可能エネルギーの利用拡大による温室効果ガス排出量削減や、植林地を取得・拡大し、有効活用することにより森林による二酸化炭素純吸収量の拡大を進めてまいりました。2025年5月に、新たに2040年をターゲットにした「環境行動目標2040」を公表しました。2040年度までに温室効果ガス排出量を2018年度対比で50%削減、50%相当分を当社が保有する森林により吸収固定することで、2040年度にスコープ1、2の正味ゼロ・カーボン化を目指します。 また、当社グループの事業の核は、大切な財産である「森林」です。森林を適切に育て、管理することは、二酸化炭素の吸収固定や生物多様性保全、水源涵養、土壌保全等、森林が持つ様々な公益的機能を高めることにつながり、森林資源を活用した製品群は、化石資源由来の素材・製品を置き換えていくことが可能です。当社は国内社有林の経済価値評価を実施し、2024年9月に価値総額が年間約5,500億円に達するという結果を公表しました。自然資本会計の時代へ向け、これからもネイチャーポジティブ経営を進化させてまいります。 環境行動目標20401.気候変動問題への対応非化石エネルギー利用量の拡大による温室効果ガスの削減を行い、自社林の森林保全・植林を通じた森林の温室効果ガス吸収効果と合わせ、2040年度のスコープ1、2のネット・ゼロ・カーボン化を達成する。※※ 森林吸収による排出量相殺に上限は考慮しない (1) スコープ1、2 GHG排出量削減 2040年度に2018年度対比で排出量50%削減 2040年度に2018年度排出量の50%相当分を森林により吸収固定①エネルギー消費量削減・エネルギー消費原単位1%/年以上削減②購入電力非化石比率100%・2040年度 購入電力非化石比率100%※ ※ 証書利用を含む③石炭使用量ゼロ・2040年度 石炭使用量ゼロ④低炭素水素等の導入開始・水素、アンモニア、e-methane(合成メタン)等 (2)スコープ3 GHG排出量削減・カテゴリー4 チップ船からの排出量 2018年度対比40%削減 2.ネイチャーポジティブの推進持続可能な森林経営を推進して森林の多面的機能を高めるとともに、生態系を保全・回復する取り組みを継続・拡大し、世界のネイチャーポジティブの達成に貢献する。 (1) 豊かな森づくり①持続可能な森林経営・森林破壊ゼロの継続・サプライヤーデューデリジェンス 1回/年以上・自社森林認証取得率100%と森林認証製品の拡充 (2) 生物多様性保全・バリューチェーンを含めた事業活動において自然への重要な依存と影響を特定し、生態系に配慮した事業活動を通して生物多様性の損失を回避する。- 天然林再生面積 (2018-2040) 5,000ha以上- 郷土樹種植栽本数(2018-2040) 900千本以上- 緑の回廊設置面積(2018-2040) 6,000ha以上・先住民族を含む地域社会や環境NPOと協力して、稀少動植物の保護・育成や生態系の保全・回復に取り組む。・プラスチック汚染の防止に向け、環境配慮型紙パッケージ製品や生分解性・バイオマス素材の研究開発を推進する。 3.サーキュラーエコノミーの推進と汚染物質削減資源の循環的利用を推進して社会のサーキュラーエコノミー移行へ貢献するとともに、環境負荷低減に継続して取り組む。 (1) サーキュラーエコノミーの推進①廃棄物の有効利用率維持、向上・国内:99%以上、海外:95%以上②古紙利用の推進・国内:段原紙古紙利用率90%以上③取水総量の削減・2018年度対比10%以上の削減④高水リスク地域におけるステークホルダーエンゲージメント実施・年1回以上実施⑤再生可能な森林資源を用いた、木質由来糖液をはじめとする化石資源代替素材の製造技術の確立と商用化 (2) 汚染物質削減①排水汚濁負荷の削減(測定対象会社当たり)・BOD,COD,SS総量 2018年度対比20%削減②大気汚染負荷の削減(測定対象会社当たり)・SOx総量 2018年度対比 50%削減・NOx総量 2018年度対比 10%削減・VOC排出原単位 2018年水準の維持 4.ステークホルダーエンゲージメント環境や社会に配慮した調達の拡充に取り組み、脱炭素社会に貢献する製品を製造するとともに、環境法規制を遵守した事業活動を推進する。 (1) サプライヤーマネジメントの推進・第三者機関監査も含めたサプライヤーマネジメント体制を強化し、人権や環境に配慮した調達を行う。 - サプライヤー人権・環境デューディリジェンス 1回/年 実施 (2) 環境事故ゼロ、製造物責任事故ゼロ・環境法令違反、製造物責任事故をゼロとする。 ②中期経営計画2027 2025年度から2027年度を対象とする「中期経営計画2027」は、「長期ビジョン2035」 実現に向けた基盤を固める準備期と位置づけ、資本効率の改善に重点を置いた取り組みを進めます。 ・財務戦略 長期ビジョンの資本効率向上の取り組みは、中期経営計画期間中に集中的に実施します。非コア資産の売却や資本コストを意識したハードルレートを適用した投資の厳選により、資産管理を厳格化します。配当性向引き上げ、自己株式取得実施により自己資本をコントロールし、借入も活用することで資本構成の見直しを進めます。これらの取り組みを通じて、成長投資や研究開発のための継続的な資金確保と株主還元強化を両立し、強固な財務基盤を構築します。 ・事業戦略 外部環境の変化によるコスト高の着実な価格転嫁、製造拠点の安定操業及び競争力強化、グループ営業体制の強化、高付加価値品へのシフトなどを通じて、既存事業の収益力を強化し、2024年度に落ち込んだ利益率の立て直しを図ります。また、低収益事業については撤退を含めた構造改革を断行し、サステナブルパッケージなどの戦略事業や、高い経済成長が見込まれるインド・東南アジアなどの戦略エリアに成長投資を集中させることで、事業ポートフォリオの転換を推進します。将来の進化に向けた研究開発投資も継続して実行していきます。 これらの取り組みを通じて資本効率向上を実現し、2027年度にROE8%、連結営業利益1,200億円、親会社株主に帰属する当期純利益800億円を達成します。将来的には、木質バイオマスビジネスなど新事業の拡大により、さらなる利益の拡大及びROE10%を目指します。 中期経営計画 数値目標 (事業別の取り組み) 報告セグメントの業績をより適切に評価するため、2025年度第1四半期から、従来「その他」に区分していたサステナブルパッケージング事業及び液体紙容器事業につきましては「生活産業資材」に区分を変更し、また、従来各報告セグメントに配賦していた当社におけるグループ本社費用は、各セグメントには配賦せず「その他」に含めて表示する方法に変更します。このため、事業別の取り組みについては、区分変更後の報告セグメント別に記載しています。(a) 生活産業資材・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、サステナブルパッケージング事業、液体紙容器事業)国内市場では、当社グループが持つ多様なパッケージング製品の品揃えを活かし、グループ連携を強化してお客様の期待に応えることで、販売拡大に努めます。生産体制の効率化や原紙加工一貫生産化を進めるとともに、M&Aや生産拠点再編により、需要に見合った最適生産体制の構築を進めます。海外市場のうち東南アジアでは、当社の多様な生産拠点が連携し、お客様に最適化したソリューションを提供することでさらなる販売拡大を目指します。段ボール需要の伸びが期待されるインドでは、さらなる事業拡大を目指すとともに、他の包装資材の拡大も進めてまいります。一方で、ニュージーランドでは、事業環境の変化を受け、2024年12月に段ボール原紙製造設備を1台停止し、2025年6月にさらに1台停止予定です。ヨーロッパでは、脱プラスチック包装の分野で最先端の原料加工技術を保有するフィンランドのWalki社、液体紙包装紙や充填機を製造販売するイタリアのIPI社を中心に、サステナブルパッケージをグローバルに拡大してまいります。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業) 王子ネピア㈱では、マーケティング戦略を通じて「nepia」ブランドのより一層の醸成を図るとともに、「人と地球に、ここちいい。」、人々のくらしと環境に寄り添う製品づくりを行っています。 家庭紙事業では、2024年7月に敏感肌に優しい“デリケートケアトイレットロール”という新しいコンセプトの「からだ想いのトイレットロール」、10月にコンパクト設計でフタつきのウェットティシュ「ネピア wetomo」を発売、2025年3月からはティシュの枚数や厚みをそのままにボックスティシュの箱サイズコンパクト化を進めています。今後も、お客様に寄り添う製品づくりを通じて、事業拡大を目指してまいります。 紙おむつ事業では、2024年度に国内の子供用おむつの生産販売を終了しました。国内では、今後も需要の拡大が予想される大人用おむつに注力していきます。介護・看護の現場に寄り添い、介護・看護をする人・受ける人双方から信頼される製品を供給してまいります。 2025年3月に、王子グループ初のスキンケア製品である洗顔ソープ「ネピア 鼻セレブSKINLISMモイストクリアバー・モイストクレンジングバー」を発売しました。今後も様々なスキンケア製品の発売を計画しており、スキンケアを事業の新たな柱に育ててまいります。 (b) 機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業)サステナブル素材及び製品の開発を進めるとともに、市場ニーズを先取りし、お客様の期待に応える製品やサービスを迅速に提供します。また、今後も市場拡大が期待されるような新たな事業領域で高付加価値製品を展開することにも積極的に取り組んでいます。国内では、高機能なサステナブル製品の積極的な開発に継続的に取り組んでいます。2023年に王子エフテックス㈱から販売開始した、非フッ素タイプの耐油紙「O-hajiki(オハジキ)」や、農業用紙製マルチシート「OJIサステナマルチ」は、高い評価をいただいており、今後も販売拡大に努めてまいります。また、王子エフテックス㈱滋賀工場で、電動車のモーター駆動制御装置のコンデンサに用いられるポリプロピレンフィルムの生産設備増設を進め、2025年1月に4台目の製造設備が稼働しました。今後も需要の動向を見極め、生産体制の増強や高品質化への取り組みを進めてまいります。海外では、感熱製品の世界市場での拡販と印刷・加工を含めた競争力強化を進めています。より高品質で付加価値の高い感熱紙やラベル製品を開発し、製品の差別化を通じて、既存市場での競争力強化、成長市場での販売拡大を目指してまいります。 (c) 資源環境ビジネス(パルプ事業、植林・木材加工事業、エネルギー事業)「総合パルプメーカー」として世界的なパルプ事業の拡大・強化に加え、植林・木材加工事業、再生可能エネルギー事業等の拡大に注力しています。また、持続可能な森林の育成・拡大を推進し、その豊富な森林資源を活用して、様々な新しい価値を生み出してまいります。パルプ事業では、事業基盤強化のため、海外主要拠点での戦略的収益対策を継続して実施しています。また、国内では、成長性のある溶解パルプ事業で増産・拡販を進めるとともに、高付加価値品の生産拡大による収益力向上を図っています。植林事業では、国内外に保有する社有林において、森林を適切に管理し持続可能な資源活用を図るとともに、森林の成長性向上にも取り組んでいます。2024年7月にはウルグアイにおいて3.5万haの植林地を取得しました。また、2025年3月には森林アセットマネジメント会社New Forests社との提携により、森林投資ファンド「Future Forest Innovation ファンド」を設立しました。本ファンドを通じて、約7万haの植林地の取得を目指しています。「海外植林地面積を40万haへ拡大」という目標に向けて、持続可能な森林資源の取得を推進します。エネルギー事業では、既存のバイオマス発電事業に加えた新たな再生可能エネルギー事業として、社有林地を活用した風力発電事業の検討を進めています。また、国内外の拠点を活かし、エネルギー事業の拡大に合わせたバイオマス燃料の調達・販売強化を進めてまいります。 (d) 印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業)需要動向を見極め、引き続きコストダウンを徹底すると同時に、保有するパルプ生産設備・バイオマス発電設備等の資産を最大限有効活用し、当社グループ全体としての最適生産体制再構築等を通じて、収益力・競争力の強化に取り組んでいます。構造的な環境変化から、2024年2月には新聞・印刷用紙生産設備1台、2025年3月には塗工紙・微塗工紙生産設備1台を停止しました。また、王子製紙米子工場では、既存のパルプ生産設備に連続工業プロセスを導入し、高品質な溶解パルプの生産を行っています。今後も、需要に見合った生産体制の最適化を進め、キャッシュフロー経営を徹底していくとともに、森林資源と既存事業のリソースを有効活用したポートフォリオ転換により、カーボンニュートラルな社会の実現へ貢献してまいります。 (e) その他(商事、物流、エンジニアリング、不動産事業、他)当社グループは持続可能な社会の構築に貢献すべく、サステナブルな素材である木質資源の有効活用や新規事業の開発を推進し、新しいビジネスモデルの創出に取り組んでいます。2025年3月に、製薬業界向け微結晶セルロースの製造、販売をグローバルに事業展開する、インドのChemfield社を買収しました。パルプ事業の下流工程にあたる同社を王子グループに加えることで、パルプ加工品の製造販売一貫体制を確立し、高付加価値事業にビジネスを拡大してまいります。また、資産スリム化の取り組みとして、賃貸不動産の売却検討を進めてまいります。 ③王子グループマーク・タグライン 長期ビジョンに示される変革への決意を発信し、グループ全体の一体感を醸成、変革を遂行するため、グループマーク・タグラインを一新しました。国内会社は2025年10月から、海外会社は2026年1月から順次運用開始予定です。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 ① 経営成績に関する説明中期経営計画の最終年度にあたる当連結会計年度におきましては、2024年4月に、「収益向上への取り組み-Profitability-」の一環として、世界に先駆けて環境規制が進む欧州においてパッケージング事業の基盤を構築することを目的に、包装・包装廃棄物規制に関連したリサイクル及び脱プラスチックの分野で最先端の原材料加工技術を保有するWalki 社( 本社: フィンランド) の買収を完了しました。「環境問題への取り組み-Sustainability-」につきましては、その一環として、「環境行動目標2030」に掲げる「気候変動問題への対応」に向けた取り組みの一つとして植林地の拡大を進めており、2024年7月にウルグアイにおいて3.5万haの植林地を取得しました。また、再生可能エネルギーの利用拡大による温室効果ガスの削減や、早生樹の植林による二酸化炭素純吸収量の拡大など、環境問題への対応に継続して取組んでいます。「製品開発への取り組み -Green Innovation-」につきましては、石油由来の燃料やプラスチックに置き換わる「木質由来の新素材」の開発のため、王子製紙米子工場内に国内最大級の木質由来糖液のパイロット製造設備を導入し、将来の事業化に向け実証試験を開始しました。また、2025年3月には木質由来エタノールのパイロット製造設備を立ち上げています。紙づくり・森づくりで培った多様なコア技術をベースに、サステナブル素材・製品をはじめとした木質由来の新製品・新素材等の開発・早期事業化を進め、「森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていく」企業として、社会へ貢献してまいります。3つの柱に取組む一方で、当社グループは、事業環境の変化に対応するため事業ポートフォリオの転換の一環として子会社株式の売却や低収益事業の見直し・撤退を進めています。最適生産体制の構築等を通じた既存事業の深化、海外パッケージング事業やサステナブル製品等の有望事業の伸長を図り、事業価値を高めてまいります。 このような取り組みの中、当連結会計年度の売上高は、Walki社の買収・連結子会社化や、サイクロン被災の影響により生産を停止していたニュージーランドのPan Pac社が段階的に復旧し、2024年11月には全ての生産ラインが稼働再開したこと等により、前期を1,530億円(9.0%)上回る18,493億円となり、海外売上高比率は前期を5.9ポイント上回る40.8%となりました。営業利益は、海外でのパルプ市況良化や、販売数量の増加はあったものの、物流費や人件費等のコスト上昇等により、前期を49億円(△6.8%)下回る677億円となりました。経常利益は、外貨建債権債務の評価替えによる為替差損の発生等により、前期を174億円(△20.3%)下回る686億円となりました。税金等調整前当期純利益は、経常利益の減益に加え、特別損失にニュージーランドにおける段ボール原紙事業の見直し等に伴う事業構造改善費用108億円等を計上したものの、特別利益に政策保有株式等の売却に伴う投資有価証券売却益262億円や退職給付信託拠出株式の見直しに伴う退職給付信託返還益85億円等を計上したことにより、前期を68億円(8.7%)上回る844億円になりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期を46億円(△9.1%)下回る462億円となりました。 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」、「機能材」、「資源環境ビジネス」、「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメントは、「その他」としています。 各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。生活産業資材・・・・・段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、 家庭紙事業、紙おむつ事業機能材・・・・・・・・特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業資源環境ビジネス・・・パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業印刷情報メディア・・・新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業その他・・・・・・・・商事、サステナブルパッケージング事業、物流、エンジニアリング、不動産事業、 液体紙容器事業 他 ○生活産業資材当連結会計年度の売上高は前期比4.3%増収の8,327億円、営業利益は同60.1%減益の85億円となりました。国内事業では、白板紙や包装用紙は需要回復により、売上高は前年に対し増収となりました。また、紙おむつの売上高は、大人用おむつは新規顧客獲得により前年に対し増収となりましたが、子供用おむつが2024年9月をもって国内事業から撤退したことを受け減収となりました。海外事業では、段ボール原紙は為替影響等により、段ボールは東南アジアにおける更なる事業拡大の一環としてベトナムで新工場を立ち上げたこと等により、売上高は前年に対し増収となりました。 連結売上高:8,327億円(前期比4.3%増収)連結営業利益:85億円(前期比60.1%減益) ○機能材当連結会計年度の売上高は前期比3.9%増収の2,364億円、営業利益は同6.3%増益の96億円となりました。国内事業では、特殊紙は戦略商品である通販向けヒートシール紙、非フッ素耐油紙等の拡販や、半導体関連の需要回復、価格修正等により、売上高は前年に対し増収となりました。感熱紙は堅調な需要により、売上高は前年に対し増収となりました。海外事業では、緩やかな需要回復により、売上高は前年に対し増収となりました。 連結売上高:2,364億円(前期比3.9%増収)連結営業利益:96億円(前期比6.3%増益) ○資源環境ビジネス当連結会計年度の売上高は前期比9.1%増収の3,923億円、営業利益は同55.8%増益の305億円となりました。国内事業では、パルプ事業は溶解パルプ市況の良化、円安影響により増収となりましたが、エネルギー事業において販売電力量が減少し、売上高は前年に対し減収となりました。海外事業では、サイクロンの影響により停止していたニュージーランドのPan Pac社の復旧が進んだことにより、売上高は前年に対し増収となりました。 連結売上高:3,923億円(前期比9.1%増収)連結営業利益:305億円(前期比55.8%増益) ○印刷情報メディア当連結会計年度の売上高は前期比2.1%減収の2,932億円、営業利益は同48.7%減益の86億円となりました。国内事業では、新聞用紙、印刷・情報用紙は需要の減少傾向が継続しており、売上高は前年に対し減収となりました。海外事業では、江蘇王子製紙において、生産効率の向上に伴う生産量増加により、売上高は前年に対し増収となりました。 連結売上高:2,932億円(前期比2.1%減収)連結営業利益:86億円(前期比48.7%減益) ○その他当連結会計年度の売上高は前期比33.8%増収の4,228億円、営業利益は同58.4%増益の92億円となりました。2024年4月に、脱プラスチックの分野で最先端の原料加工技術を保有するフィンランドのWalki社を子会社化したことなどにより、増収となりました。 連結売上高:4,228億円(前期比33.8%増収)連結営業利益:92億円(前期比58.4%増益) ② 生産、受注及び販売の実績(a) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)生活産業資材877,3724.6機能材221,8012.2資源環境ビジネス323,0216.8印刷情報メディア292,8650.2報告セグメント計1,715,0613.9その他94,963480.0計1,810,0248.6 (注)1.セグメント間取引については相殺消去前の数値によっています。2.金額は、販売価格によっており、自家使用分を含んでいます。 (b) 受注実績当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。 (c) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。 セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)生活産業資材761,6113.8機能材221,4053.8資源環境ビジネス345,45211.0印刷情報メディア228,922△2.6報告セグメント計1,557,3924.3その他291,87143.8計1,849,2649.0 (注)セグメント間取引については相殺消去しています。 ③ 財政状態当連結会計年度末の総資産は、企業価値向上の取り組みの一環として実施した保有株式売却等により投資有価証券が200億円、退職給付に係る資産が93億円減少した一方で、Walki社の買収・連結子会社化やウルグアイにおける植林地の取得等により、前連結会計年度末に対し1,925億円増加し、26,350億円となりました。負債は、M&Aや植林地取得に伴う有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に対し1,554億円増加し、15,022億円となりました。純資産は、資本効率性の改善と株主還元の充実を図るために自己株式の取得を実施し、純資産を圧縮する一方、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に対し372億円増加し、11,328億円となりました。上記の結果、ネットD/Eレシオ(純有利子負債残高/純資産残高)は0.7倍となりました。なお、自己株式の取得につきましては、2027年度までに1,500億円を取得する計画であり、その一環として2025年12月までに500億円を取得することとしています。当連結会計年度におきましては、293億円の自己株式を取得しました。 ④ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、655億円(前連結会計年度末は625億円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に対して1,085億円収入が減少し、944億円(前連結会計年度は2,029億円の収入)となりました。主なキャッシュの内訳は、税金等調整前当期純利益に減価償却費を加えた金額1,735億円(前連結会計年度は1,571億円)、売上債権の減少111億円(前連結会計年度は175億円の減少)及び仕入債務の減少215億円(前連結会計年度は168億円の増加)、法人税等の支払額374億円(前連結会計年度は136億円の支払い)です。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等がある一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出や子会社株式の取得による支出等により、1,549億円の支出(前連結会計年度は1,180億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等がある一方で、借入金等の調達等により、610億円の収入(前連結会計年度は849億円の支出)となりました。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金や研究開発費等です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資、品質改善・省力化・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等です。今後も海外事業や有望な事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資等を積極的に行っていく予定であり、また、「環境行動目標2040」の達成に向けた取り組みも進めていきます。資本効率性の改善と株主還元に関しては、配当性向を2025年度より50%に引き上げるとともに、長期的な企業価値向上に向けた成長投資に備えるための資金需要を勘案しつつ、財務の健全性が維持できる範囲において自己株式の取得を実施することとしています。資金の外部調達は、営業活動によるキャッシュ・フローと資金需要の見通し、金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断し実施しています。財務の健全性は、主にネットD/Eレシオを用いて管理しています。総資産効率向上と財務ガバナンス強化を目的として、国内主要子会社とはキャッシュ・マネジメント・システムを導入することで資金の一元管理を行い、海外子会社においても2025年2月にマレーシアで新たにキャッシュ・マネジメント・システムを導入するなど、同一地域内のグループ各社間で資金融通を行った上で、余剰となった資金は随時当社に集約し、現金及び現金同等物の保有は必要最小限に留めています。なお、不測の事態に備え、主要取引行とコミットメントライン契約等を締結しています。 ⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 (1)企業集団の経営戦略 当社グループは、「革新的価値の創造」、「未来と世界への貢献」、「環境・社会との共生」を経営理念とし、「領域をこえ 未来へ」向かって、中長期的な企業価値向上に取り組んでいます。これらの経営理念の下、「森のリサイクル」、「紙のリサイクル」、「水のリサイクル」という、バリューチェーンを通じた3つの資源循環を引き続き推進し、事業を通じて社会に対し価値を提供していくことで、真に豊かな社会の実現に貢献していきます。また、企業存続の根幹である「安全・環境・コンプライアンス」を経営の最優先・最重要課題と認識しており、労働災害リスクの撲滅、環境事故の防止、企業としての社会的責任を果たすための法令遵守等、経営層から世界中の従業員まで確実に浸透させる取り組みを続けていきます。 近年の経営環境は大きくかつ急速に変化していますが、変わり続ける時代のニーズを充足し、新しい未来を支えるモノづくりを行い、持続可能な社会の発展を目指していきます。現在取り組んでいる2019年度から2021年度を対象とする中期経営計画では、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」をグループ経営戦略の基本方針に据え、「持続可能な社会への貢献」を通じて連結営業利益1,000億円以上を安定的に継続するグローバルな企業集団を目指すにあたり、これまでと同様、事業の選択と集中を進め、当社グループ全体としての最適生産体制を築くと同時に、成長が見込まれる有望事業の強化や新しい軸となり得る新規事業の創出に取り組んでいきます。一方で、経営環境の変化には迅速かつ的確に対応していきます。これまで、世界情勢、国内情勢を機敏に察知し、先回りして様々なアクションを取りながら、多彩なポートフォリオを築いてまいりました。幅広く展開している事業の領域、地域の領域、そのそれぞれが補完し合い、相乗効果を生み、さらなる成長を追求できるよう、これまで以上に強靭で外部環境に対する耐性を持った事業ポートフォリオの構築を推し進めていきます。 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は内外経済を下振れさせており、当社グループにつきましても、国内外で印刷用紙を中心に足元で需要が落ち込んでいます。今後は緩やかに回復するものと思われますが、引続き、グループ経営戦略に沿った諸施策を着実に推し進め、収益力の強化、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。 なお、当中期経営計画の最終年度である2021年度の経営数値目標は以下のとおりです。 2021年度経営目標連結営業利益海外売上高比率ROEネットD/Eレシオ※1,500億円以上40%10.0%0.7倍(2018年度実績を維持)※ネットD/Eレシオ=純有利子負債残高/純資産 「国内事業の収益力アップ」では、国内需要の変化に応じて生産体制再構築や保有設備の有効活用等によって資本効率化を図る一方、有望事業に経営資源を集中し、キャッシュを稼ぐ力を強化いたします。「海外事業の拡充」では、既存拠点からの有機的拡大や事業、拠点間シナジーの創出を進めていきます。また、「イノベーションの推進」では環境・社会ニーズに対応した新事業・新製品の開発推進と早期事業化を図り、これらの取り組みを通して「持続可能な社会への貢献」を進めていきます。 具体的には以下の取り組みを行っています。 (a)生活産業資材・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業) 海外においては、事業基盤をより強固なものとするため、マレーシアで段ボール原紙マシンの増設(2021年4月稼働予定)とエネルギー供給及び用排水設備更新を進めています。また、2019年7月にベトナムで5箇所目、2020年2月にカンボジアで3箇所目、2020年3月にインドで4箇所目の段ボール工場が稼働し、インドネシアでは初となる段ボール工場(2020年中稼働予定)の建設を進めています。さらに、ニュージーランドでは、クライストチャーチ市にある段ボール工場の新設・移転を進めています(2021年上期稼働予定)。今後も、東南アジア・インド・オセアニアにおける事業展開をさらに進めるために、既存の現地拠点からの有機的拡大を図っていきます。 国内では、段ボール需要の伸びが特に大きいと期待される関東において国内最大規模の段ボール工場を船橋地区で建設(2020年7月より営業生産開始予定)を進めるとともに、段ボール原紙についても製造設備の停機・移設等により生産体制の再構築を実施し、国内需要の構造的な変化に対応しています。また、グループ全体のパッケージングに関する研究開発を一元的に担うパッケージング推進センターを中心に、段ボール原紙・白板紙・包装用紙から段ボール・紙器・製袋まで一貫した製造・販売・製品開発・提案等のトータルパッケージングを推進しています。その具体的な取り組みの一つとして、次世代の包装ソリューションとして包装資材の削減や省人化、配送費削減などにつながる「OJI FLEX PACK’AGE」の提供及びその包装資材である連続段ボールシート「らくだん」の販売を開始しました。 また、2019年12月に石塚硝子株式会社と紙容器関連事業に協同で取り組み、本事業に参入することを決定しました。経営資源及びノウハウを相互に活用して、本事業の基盤強化及び新製品開発による新たな領域への進出を図るとともに、世界的な環境意識の高まりを背景に拡大する紙素材のニーズに対応していきます。 全国に広がる販売チャネルと素材・加工一貫による提案力を軸に幅広く事業を拡大し、競争力・収益力の向上を図っていきます。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業) 家庭紙事業では、森林認証を取得した環境配慮型製品や「鼻セレブ」に代表される高品質製品を取り揃えた製品展開により、一層の「ネピア」ブランドの価値向上に努めています。また、昨年開始した三菱製紙株式会社との家庭紙合弁事業では、同社八戸工場の充実したインフラや東北地区で初となる家庭紙事業拠点の立地を生かした拡販と物流合理化等を進めています。さらに2020年7月から中国の家庭紙原紙製造設備、2020年8月からその原紙を活用した関東地区の新加工拠点が稼働する予定となっており、首都圏での拡販を進めて市場プレゼンスを高めるとともに、今後も安定した需要が期待される家庭紙事業の拡大を図っていきます。 紙おむつ事業の子供用分野では、国内外の統一ブランドとして展開しており、2020年5月にリニューアルを行った「Genki!(ゲンキ!)」の拡販に加えて、新技術で赤ちゃんの快適性を追求した最高品質のブランド「Whito(ホワイト)」で高品質・高価格帯市場を開拓することにより、おむつ事業においても「ネピア」ブランドの価値向上に努めていきます。中国では「Genki!(ゲンキ!)」に加え「Whito(ホワイト)」の販売を開始し拡販に努めており、マレーシアでは2拠点での製造販売を展開しています。さらにインドネシアでは合弁会社での販売に加え、2020年1月に現地紙おむつ工場が稼働することで、コスト競争力の確保と事業基盤の強化を図るなど、周辺国を含めて一層の事業拡大を図っています。大人用紙おむつについては、高齢化が進むわが国の介護現場が抱える課題を解決する商品の開発を続けていきます。 (b)機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業) 東南アジアでの中心事業である感熱紙・粘着紙については、原反生産・販売の川上事業をより強固で確実なものとするため、マレーシアで感熱紙・粘着紙の加工・印刷及び販売を行う川下事業会社のM&Aにより素材加工一体型ビジネスを推し進め、エンドユーザーニーズを適時的確に把握し、事業領域の拡大を図っています。 また、ブラジルでは南米での旺盛な感熱紙需要に対応するため、生産能力をほぼ倍増とする設備増強・増設工事を行うことを決定しました(2021年12月完成予定)。今後も東南アジア・南米・中東・アフリカ等の新興国市場の経済発展に伴って拡大する需要に応じて、これまで培ってきた「抄紙」や「紙加工(塗工・粘着)」、「フィルム製膜」といった当社グループの強みであるコア技術を梃子に新たな事業エリアの拡大を図っていきます。 国内については、生産体制の継続的な見直し等により、競争力・収益力を高めることで既存事業の基盤を強化しています。具体的には2019年11月にノーカーボン紙事業について、生産・販売を三菱製紙株式会社へ完全移管することを決定しました。これは、需要構造の変化や電子化によるノーカーボン紙市場の縮小が続く中、同事業の生産及び販売を三菱製紙株式会社へ集約することで、王子グループでは経営資源の選択と集中を進め、生産性の向上及び競争力の強化を図るものです。一方、三菱製紙株式会社でもシェア拡大と収益性の改善を見込んでいます。 特殊紙事業においては、脱プラスチック化の対応として紙トレー・容器・ストロー等に使用される各種素材の提案を進めています。このほかセルロースを他素材と組み合わせた複合素材や耐熱性・低誘電性に優れた耐熱ガラスペーパーなどの開発を行っており、引き続き様々な分野のニーズに応えるべく新製品の開発・普及を進めていきます。 今後も、コア技術と新素材との融合により、高機能・高付加価値製品の迅速な開発を継続し、また、研究開発型ビジネスのたゆまざる追求により、電気自動車用コンデンサフィルムの拡販等の新たな事業領域の拡大に取り組んでいきます。 (c)資源環境ビジネス(パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業) パルプ事業では、パルプ市況の変動に耐え得る事業基盤を強化するため、主要拠点において戦略的収益対策を継続して実施しています。ニュージーランドでは、当社グループのノウハウや操業管理手法等を導入・活用し、操業の安定化及び効率化対策に取り組み、ブラジルでは製造設備の最新鋭化等による継続的な収益対策を進めています。国内の溶解パルプ事業ではレーヨン用途向け製品に加えて、医療品材料や濾過材用途等の高付加価値品の生産を開始し、事業拡大を進めています。 エネルギー事業では、さらなる事業拡大を進めており、三菱製紙株式会社との合弁事業によるバイオマス発電設備が2019年に稼働しました。さらに、伊藤忠エネクス株式会社と合弁で徳島県にバイオマス発電設備を建設することを決定し、2022年の稼働に向けて準備を進めています。また、エネルギー事業の拡大にあわせバイオマス燃料事業の強化を進めており、国内では、未利用木材資源を活用した燃料用チップの生産拡大、海外では、インドネシアやマレーシアにおける燃料用パーム椰子殻の調達増に向けた取り組みを行っています。 木材加工事業では、アジア・オセアニア地域を中心に製材製品や木材加工品の仕入販売及び生産能力増強に取り組んでいます。また、中国・東南アジアに設立した販売拠点で、パルプ・木材製品等の拡販を進めています。 2019年11月に原料調達コストの削減を目的として製紙事業の主原料である輸入木材チップについて、中越パルプ工業株式会社並びに三菱製紙株式会社と3社で共同調達を開始しました。これにより、チップ船の効率的な運用、直接貿易の拡大、調達先の最適化、業務の効率化などによるコスト削減を進めていきます。 (d)印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業) 国内では、ICT化の進展等に伴う事業環境の変化を見極めつつ、生産性・稼働率の向上等を図るべく洋紙マシンの停止や段ボール原紙マシンへの改造による最適生産体制の構築及び保有設備の有効活用を進め、国際競争力の強化を進めるとともにキャッシュ・フローの増大を図っていきます。また、交錯輸送の解消によるコストダウン等、三菱製紙株式会社との業務提携効果を早期に発現させ、競争力・収益力の向上を図っていきます。 また、中国では数少ない紙パルプ一貫生産体制の強みを最大限に活かしたコストダウンを継続して行い、さらなる競争力強化に取り組んでいます。 (e)イノベーションの推進と持続可能な社会の実現に向けた取り組み 当社グループは、経営理念の一つである「環境・社会との共生」の下、環境経営の推進を掲げ、環境と調和した企業活動を展開しています。柔軟かつ効率的な研究開発活動を充実させ、新たなニーズの探索に取り組み、イノベーションの推進による新製品・新事業の創出を通じて、真の豊かさと持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。 次世代素材として幅広い産業に応用が期待されているセルロースナノファイバー(CNF)については、これまで、CNFスラリーの「アウロ・ヴィスコ」がカーケミカル用品の増粘剤や生コンクリートの圧送先行剤として採用されてきました。加えて、2018年にオランダで開催された世界最大級の化粧品原料展でシルバー賞を受賞した「アウロ・ヴィスコCS」を、2019年4月に製品化しました。そして、2019年10月には「東京モーターショー」の環境省ブースにて、CNFとポリカーボネートを複合した樹脂ガラスが自動車部品として展示されました。この複合材は、無機ガラスに比べて軽量なため、自動車重量の大幅な低減効果が期待されています。さらに、当社独自の技術開発により実現したCNFシート「アウロ・ヴェール」が2020年2月に卓球ラケット用素材に採用されました。これらの用途で採用されたスラリー、複合樹脂、シートの他に、有機溶剤に分散可能なCNFパウダーも多様なCNFのラインアップに加え、今後もより幅広い分野での用途開発を進め、CNF実用化を牽引し、市場普及を積極的にリードしていきます。 海洋プラスチック問題への対応として世界中でプラスチックに替わる紙製品の需要が高まっているなか、地球環境に配慮した素材・製品開発に積極的に取り組んでいます。素材の開発においては、生分解性プラスチックとパルプの複合材、再生循環型の包装材料、耐水性・耐熱性を持ったパルプ製トラベラーリッド等の開発を加速し、採用間近の製品も出てきています。プラスチックストローの代替では、耐水性を有するストローの原紙が国内ストローメーカーに採用されました。また、水蒸気と酸素の両方に対してバリア性を有する紙素材「SILBIO BARRIER」は、多くの引き合いに対応し、製品化を進めながら、さらなる機能向上にも取り組んでいます。そして、市場においては、Nestlé Group製品のパッケージ素材に当社グループ紙製品がプラスチック代替として、タイに続き日本でも採用されました。今後もパッケージ素材のサプライヤーとして、地球環境へ配慮した取り組みに貢献していきます。 パルプを原料としたプラスチックの製造についても目下開発中です。従来の石油を原料としたプラスチックから、持続可能なバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックに置き換えることにより、化石燃料由来のCO2排出を抑制し、地球温暖化防止に貢献することを目指していきます。一般的なバイオマスプラスチックはトウモロコシなどの可食原料から製造されますが、当社グループのバイオマスプラスチックは非可食である樹木由来のパルプを原料とすることで食品資源との競合を無くし、持続可能な社会にさらに深く貢献していきます。 土木分野においては、従来から仮設資材に利用されていた鋼材や木材の代替として、人と環境に優しく、取扱いが容易な紙素材を活用した仮設施工の生産性向上技術である「KAMIWAZA」を清水建設株式会社と共同開発しました。引き続き、紙素材を活用した新たなソリューションを進めていきます。 また、木質成分の1つであるヘミセルロースにおいては、当社グループの独自技術により抽出・精製した「加水分解キシラン」を上市し、化粧品原料素材として高い評価を受け、2019年1月に製品化しています。さらに、ヘミセルロースを化学的に変化させた新規の「硫酸化ヘミセルロース(既存の医薬品原料であるポリ硫酸ペントサンナトリウムの類似物質)」を医薬品として開発することを進めています。医薬事業への参入に向けた取り組みを加速するため、2020年4月に「王子ファーマ株式会社」を設立し、大学や製薬企業とのコラボレーションを推進しています。 水処理技術の分野では、長年培ってきた用水製造・排水処理技術を活かし、競争力のある水処理システムを実用化しています。当社水処理システムはタイの工業団地で稼働しているほか、新たにミャンマー最大手のビール会社の用水製造設備や、2020年竣工予定のミャンマーの大型複合施設の生活用水製造設備並びに排水処理設備でも採用されました。排水処理設備、工業用水設備、生活用水製造設備の全てにおいて、IoT技術を活用した遠隔監視機能を組み込むことができ、より最適な水処理設備の運用をサポートしています。これからも水処理システムの技術革新を進めながら普及拡大を目指し、国内外の水環境改善に貢献していきます。 今後も地球温暖化対策、生物多様性保全、環境配慮型製品の提供等も含め、地球環境に配慮した取り組みを進めていくとともに、持続可能な森林経営を推進し、木材原料をはじめとする原材料の責任ある調達に努めていきます。 また、中長期的な企業価値向上を図り、持続的発展を遂げるため、多様な人材が活躍できるよう働き方改革とダイバーシティの推進に取り組んでいきます。 多様なステークホルダーとの信頼関係を構築しながら、経営の効率性、健全性及び透明性を確保し、企業価値の向上と社会から信頼される会社を実現するため、コーポレートガバナンスの充実を経営上の最重要課題の一つと位置づけ、継続的に強化に努めていきます。 当社グループはこれらの諸施策を通して、社会に様々な価値を提供し、持続可能な開発目標(SDGs)達成の貢献をすると共に、常に時代のニーズを先取りし、イノベーションに挑戦して、持続的に成長する企業グループを目指していきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 (1)企業集団の経営戦略 当社グループは、「革新的価値の創造」、「未来と世界への貢献」、「環境・社会との共生」を経営理念とし、「領域をこえ 未来へ」向かって、中長期的な企業価値向上に取り組んでいます。これらの経営理念の下、「森のリサイクル」、「紙のリサイクル」、「水のリサイクル」という、バリューチェーンを通じた3つの資源循環を引き続き推進し、事業を通じて社会に対し価値を提供していくことで、真に豊かな社会の実現に貢献していきます。また、企業存続の根幹である「安全・環境・コンプライアンス」を経営の最優先・最重要課題と認識しており、労働災害リスクの撲滅、環境事故の防止、企業としての社会的責任を果たすための法令遵守等、経営層から世界中の従業員まで確実に浸透させる取り組みを続けていきます。 近年の経営環境は大きくかつ急速に変化していますが、変わり続ける時代のニーズを充足し、新しい未来を支えるモノづくりを行い、持続可能な社会の発展を目指していきます。現在取り組んでいる2019年度から2021年度を対象とする中期経営計画では、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」をグループ経営戦略の基本方針に据え、「持続可能な社会への貢献」を通じて連結営業利益1,000億円以上を安定的に継続するグローバルな企業集団を目指すにあたり、これまでと同様、事業の選択と集中を進め、当社グループ全体としての最適生産体制を築くと同時に、成長が見込まれる有望事業の強化や新しい軸となり得る新規事業の創出に取り組んでいきます。一方で、経営環境の変化には迅速かつ的確に対応していきます。これまで、世界情勢、国内情勢を機敏に察知し、先回りして様々なアクションを取りながら、多彩なポートフォリオを築いてまいりました。幅広く展開している事業の領域、地域の領域、そのそれぞれが補完し合い、相乗効果を生み、さらなる成長を追求できるよう、これまで以上に強靭で外部環境に対する耐性を持った事業ポートフォリオの構築を推し進めていきます。 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は内外経済を下振れさせており、当社グループにつきましても、国内外で印刷用紙を中心に足元で需要が落ち込んでいます。今後は緩やかに回復するものと思われますが、引続き、グループ経営戦略に沿った諸施策を着実に推し進め、収益力の強化、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。 なお、当中期経営計画の最終年度である2021年度の経営数値目標は以下のとおりです。 2021年度経営目標連結営業利益海外売上高比率ROEネットD/Eレシオ※1,500億円以上40%10.0%0.7倍(2018年度実績を維持)※ネットD/Eレシオ=純有利子負債残高/純資産 「国内事業の収益力アップ」では、国内需要の変化に応じて生産体制再構築や保有設備の有効活用等によって資本効率化を図る一方、有望事業に経営資源を集中し、キャッシュを稼ぐ力を強化いたします。「海外事業の拡充」では、既存拠点からの有機的拡大や事業、拠点間シナジーの創出を進めていきます。また、「イノベーションの推進」では環境・社会ニーズに対応した新事業・新製品の開発推進と早期事業化を図り、これらの取り組みを通して「持続可能な社会への貢献」を進めていきます。 具体的には以下の取り組みを行っています。 (a)生活産業資材・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業) 海外においては、事業基盤をより強固なものとするため、マレーシアで段ボール原紙マシンの増設(2021年4月稼働予定)とエネルギー供給及び用排水設備更新を進めています。また、2019年7月にベトナムで5箇所目、2020年2月にカンボジアで3箇所目、2020年3月にインドで4箇所目の段ボール工場が稼働し、インドネシアでは初となる段ボール工場(2020年中稼働予定)の建設を進めています。さらに、ニュージーランドでは、クライストチャーチ市にある段ボール工場の新設・移転を進めています(2021年上期稼働予定)。今後も、東南アジア・インド・オセアニアにおける事業展開をさらに進めるために、既存の現地拠点からの有機的拡大を図っていきます。 国内では、段ボール需要の伸びが特に大きいと期待される関東において国内最大規模の段ボール工場を船橋地区で建設(2020年7月より営業生産開始予定)を進めるとともに、段ボール原紙についても製造設備の停機・移設等により生産体制の再構築を実施し、国内需要の構造的な変化に対応しています。また、グループ全体のパッケージングに関する研究開発を一元的に担うパッケージング推進センターを中心に、段ボール原紙・白板紙・包装用紙から段ボール・紙器・製袋まで一貫した製造・販売・製品開発・提案等のトータルパッケージングを推進しています。その具体的な取り組みの一つとして、次世代の包装ソリューションとして包装資材の削減や省人化、配送費削減などにつながる「OJI FLEX PACK’AGE」の提供及びその包装資材である連続段ボールシート「らくだん」の販売を開始しました。 また、2019年12月に石塚硝子株式会社と紙容器関連事業に協同で取り組み、本事業に参入することを決定しました。経営資源及びノウハウを相互に活用して、本事業の基盤強化及び新製品開発による新たな領域への進出を図るとともに、世界的な環境意識の高まりを背景に拡大する紙素材のニーズに対応していきます。 全国に広がる販売チャネルと素材・加工一貫による提案力を軸に幅広く事業を拡大し、競争力・収益力の向上を図っていきます。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業) 家庭紙事業では、森林認証を取得した環境配慮型製品や「鼻セレブ」に代表される高品質製品を取り揃えた製品展開により、一層の「ネピア」ブランドの価値向上に努めています。また、昨年開始した三菱製紙株式会社との家庭紙合弁事業では、同社八戸工場の充実したインフラや東北地区で初となる家庭紙事業拠点の立地を生かした拡販と物流合理化等を進めています。さらに2020年7月から中国の家庭紙原紙製造設備、2020年8月からその原紙を活用した関東地区の新加工拠点が稼働する予定となっており、首都圏での拡販を進めて市場プレゼンスを高めるとともに、今後も安定した需要が期待される家庭紙事業の拡大を図っていきます。 紙おむつ事業の子供用分野では、国内外の統一ブランドとして展開しており、2020年5月にリニューアルを行った「Genki!(ゲンキ!)」の拡販に加えて、新技術で赤ちゃんの快適性を追求した最高品質のブランド「Whito(ホワイト)」で高品質・高価格帯市場を開拓することにより、おむつ事業においても「ネピア」ブランドの価値向上に努めていきます。中国では「Genki!(ゲンキ!)」に加え「Whito(ホワイト)」の販売を開始し拡販に努めており、マレーシアでは2拠点での製造販売を展開しています。さらにインドネシアでは合弁会社での販売に加え、2020年1月に現地紙おむつ工場が稼働することで、コスト競争力の確保と事業基盤の強化を図るなど、周辺国を含めて一層の事業拡大を図っています。大人用紙おむつについては、高齢化が進むわが国の介護現場が抱える課題を解決する商品の開発を続けていきます。 (b)機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業) 東南アジアでの中心事業である感熱紙・粘着紙については、原反生産・販売の川上事業をより強固で確実なものとするため、マレーシアで感熱紙・粘着紙の加工・印刷及び販売を行う川下事業会社のM&Aにより素材加工一体型ビジネスを推し進め、エンドユーザーニーズを適時的確に把握し、事業領域の拡大を図っています。 また、ブラジルでは南米での旺盛な感熱紙需要に対応するため、生産能力をほぼ倍増とする設備増強・増設工事を行うことを決定しました(2021年12月完成予定)。今後も東南アジア・南米・中東・アフリカ等の新興国市場の経済発展に伴って拡大する需要に応じて、これまで培ってきた「抄紙」や「紙加工(塗工・粘着)」、「フィルム製膜」といった当社グループの強みであるコア技術を梃子に新たな事業エリアの拡大を図っていきます。 国内については、生産体制の継続的な見直し等により、競争力・収益力を高めることで既存事業の基盤を強化しています。具体的には2019年11月にノーカーボン紙事業について、生産・販売を三菱製紙株式会社へ完全移管することを決定しました。これは、需要構造の変化や電子化によるノーカーボン紙市場の縮小が続く中、同事業の生産及び販売を三菱製紙株式会社へ集約することで、王子グループでは経営資源の選択と集中を進め、生産性の向上及び競争力の強化を図るものです。一方、三菱製紙株式会社でもシェア拡大と収益性の改善を見込んでいます。 特殊紙事業においては、脱プラスチック化の対応として紙トレー・容器・ストロー等に使用される各種素材の提案を進めています。このほかセルロースを他素材と組み合わせた複合素材や耐熱性・低誘電性に優れた耐熱ガラスペーパーなどの開発を行っており、引き続き様々な分野のニーズに応えるべく新製品の開発・普及を進めていきます。 今後も、コア技術と新素材との融合により、高機能・高付加価値製品の迅速な開発を継続し、また、研究開発型ビジネスのたゆまざる追求により、電気自動車用コンデンサフィルムの拡販等の新たな事業領域の拡大に取り組んでいきます。 (c)資源環境ビジネス(パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業) パルプ事業では、パルプ市況の変動に耐え得る事業基盤を強化するため、主要拠点において戦略的収益対策を継続して実施しています。ニュージーランドでは、当社グループのノウハウや操業管理手法等を導入・活用し、操業の安定化及び効率化対策に取り組み、ブラジルでは製造設備の最新鋭化等による継続的な収益対策を進めています。国内の溶解パルプ事業ではレーヨン用途向け製品に加えて、医療品材料や濾過材用途等の高付加価値品の生産を開始し、事業拡大を進めています。 エネルギー事業では、さらなる事業拡大を進めており、三菱製紙株式会社との合弁事業によるバイオマス発電設備が2019年に稼働しました。さらに、伊藤忠エネクス株式会社と合弁で徳島県にバイオマス発電設備を建設することを決定し、2022年の稼働に向けて準備を進めています。また、エネルギー事業の拡大にあわせバイオマス燃料事業の強化を進めており、国内では、未利用木材資源を活用した燃料用チップの生産拡大、海外では、インドネシアやマレーシアにおける燃料用パーム椰子殻の調達増に向けた取り組みを行っています。 木材加工事業では、アジア・オセアニア地域を中心に製材製品や木材加工品の仕入販売及び生産能力増強に取り組んでいます。また、中国・東南アジアに設立した販売拠点で、パルプ・木材製品等の拡販を進めています。 2019年11月に原料調達コストの削減を目的として製紙事業の主原料である輸入木材チップについて、中越パルプ工業株式会社並びに三菱製紙株式会社と3社で共同調達を開始しました。これにより、チップ船の効率的な運用、直接貿易の拡大、調達先の最適化、業務の効率化などによるコスト削減を進めていきます。 (d)印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業) 国内では、ICT化の進展等に伴う事業環境の変化を見極めつつ、生産性・稼働率の向上等を図るべく洋紙マシンの停止や段ボール原紙マシンへの改造による最適生産体制の構築及び保有設備の有効活用を進め、国際競争力の強化を進めるとともにキャッシュ・フローの増大を図っていきます。また、交錯輸送の解消によるコストダウン等、三菱製紙株式会社との業務提携効果を早期に発現させ、競争力・収益力の向上を図っていきます。 また、中国では数少ない紙パルプ一貫生産体制の強みを最大限に活かしたコストダウンを継続して行い、さらなる競争力強化に取り組んでいます。 (e)イノベーションの推進と持続可能な社会の実現に向けた取り組み 当社グループは、経営理念の一つである「環境・社会との共生」の下、環境経営の推進を掲げ、環境と調和した企業活動を展開しています。柔軟かつ効率的な研究開発活動を充実させ、新たなニーズの探索に取り組み、イノベーションの推進による新製品・新事業の創出を通じて、真の豊かさと持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。 次世代素材として幅広い産業に応用が期待されているセルロースナノファイバー(CNF)については、これまで、CNFスラリーの「アウロ・ヴィスコ」がカーケミカル用品の増粘剤や生コンクリートの圧送先行剤として採用されてきました。加えて、2018年にオランダで開催された世界最大級の化粧品原料展でシルバー賞を受賞した「アウロ・ヴィスコCS」を、2019年4月に製品化しました。そして、2019年10月には「東京モーターショー」の環境省ブースにて、CNFとポリカーボネートを複合した樹脂ガラスが自動車部品として展示されました。この複合材は、無機ガラスに比べて軽量なため、自動車重量の大幅な低減効果が期待されています。さらに、当社独自の技術開発により実現したCNFシート「アウロ・ヴェール」が2020年2月に卓球ラケット用素材に採用されました。これらの用途で採用されたスラリー、複合樹脂、シートの他に、有機溶剤に分散可能なCNFパウダーも多様なCNFのラインアップに加え、今後もより幅広い分野での用途開発を進め、CNF実用化を牽引し、市場普及を積極的にリードしていきます。 海洋プラスチック問題への対応として世界中でプラスチックに替わる紙製品の需要が高まっているなか、地球環境に配慮した素材・製品開発に積極的に取り組んでいます。素材の開発においては、生分解性プラスチックとパルプの複合材、再生循環型の包装材料、耐水性・耐熱性を持ったパルプ製トラベラーリッド等の開発を加速し、採用間近の製品も出てきています。プラスチックストローの代替では、耐水性を有するストローの原紙が国内ストローメーカーに採用されました。また、水蒸気と酸素の両方に対してバリア性を有する紙素材「SILBIO BARRIER」は、多くの引き合いに対応し、製品化を進めながら、さらなる機能向上にも取り組んでいます。そして、市場においては、Nestlé Group製品のパッケージ素材に当社グループ紙製品がプラスチック代替として、タイに続き日本でも採用されました。今後もパッケージ素材のサプライヤーとして、地球環境へ配慮した取り組みに貢献していきます。 パルプを原料としたプラスチックの製造についても目下開発中です。従来の石油を原料としたプラスチックから、持続可能なバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックに置き換えることにより、化石燃料由来のCO2排出を抑制し、地球温暖化防止に貢献することを目指していきます。一般的なバイオマスプラスチックはトウモロコシなどの可食原料から製造されますが、当社グループのバイオマスプラスチックは非可食である樹木由来のパルプを原料とすることで食品資源との競合を無くし、持続可能な社会にさらに深く貢献していきます。 土木分野においては、従来から仮設資材に利用されていた鋼材や木材の代替として、人と環境に優しく、取扱いが容易な紙素材を活用した仮設施工の生産性向上技術である「KAMIWAZA」を清水建設株式会社と共同開発しました。引き続き、紙素材を活用した新たなソリューションを進めていきます。 また、木質成分の1つであるヘミセルロースにおいては、当社グループの独自技術により抽出・精製した「加水分解キシラン」を上市し、化粧品原料素材として高い評価を受け、2019年1月に製品化しています。さらに、ヘミセルロースを化学的に変化させた新規の「硫酸化ヘミセルロース(既存の医薬品原料であるポリ硫酸ペントサンナトリウムの類似物質)」を医薬品として開発することを進めています。医薬事業への参入に向けた取り組みを加速するため、2020年4月に「王子ファーマ株式会社」を設立し、大学や製薬企業とのコラボレーションを推進しています。 水処理技術の分野では、長年培ってきた用水製造・排水処理技術を活かし、競争力のある水処理システムを実用化しています。当社水処理システムはタイの工業団地で稼働しているほか、新たにミャンマー最大手のビール会社の用水製造設備や、2020年竣工予定のミャンマーの大型複合施設の生活用水製造設備並びに排水処理設備でも採用されました。排水処理設備、工業用水設備、生活用水製造設備の全てにおいて、IoT技術を活用した遠隔監視機能を組み込むことができ、より最適な水処理設備の運用をサポートしています。これからも水処理システムの技術革新を進めながら普及拡大を目指し、国内外の水環境改善に貢献していきます。 今後も地球温暖化対策、生物多様性保全、環境配慮型製品の提供等も含め、地球環境に配慮した取り組みを進めていくとともに、持続可能な森林経営を推進し、木材原料をはじめとする原材料の責任ある調達に努めていきます。 また、中長期的な企業価値向上を図り、持続的発展を遂げるため、多様な人材が活躍できるよう働き方改革とダイバーシティの推進に取り組んでいきます。 多様なステークホルダーとの信頼関係を構築しながら、経営の効率性、健全性及び透明性を確保し、企業価値の向上と社会から信頼される会社を実現するため、コーポレートガバナンスの充実を経営上の最重要課題の一つと位置づけ、継続的に強化に努めていきます。 当社グループはこれらの諸施策を通して、社会に様々な価値を提供し、持続可能な開発目標(SDGs)達成の貢献をすると共に、常に時代のニーズを先取りし、イノベーションに挑戦して、持続的に成長する企業グループを目指していきます。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計方針に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計上の見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を総合的に勘案して合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社は、特に以下の会計上の見積りが、当社の連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えています。 (a)固定資産の減損 当社グループは、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産等について、資産又は資産グループの減損の兆候の有無を判定しています。資産又は資産グループが減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産又は資産グループの回収可能価額の見積りを行っています。資産又は資産グループの回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回るものについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該損失を減損損失として認識しています。使用価値の算定にあたっては、資産又は資産グループの経済的残存使用年数や将来キャッシュ・フロー、割引率等について、一定の仮定に基づいています。当社グループは、これらの仮定は経営者の最善の見積りと判断により決定しており適切であると考えていますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、将来の連結財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。 (b)繰延税金資産の回収可能性 当社グループは、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の繰越税額控除について、それらに係る税金の額から将来の会計期間において回収が見込まれない税金の額を控除して繰延税金資産を計上しています。この計上は、経営者の最善の見積りと判断により決定しており適切であると考えていますが、将来の事業計画等状況の変化や関連法令の改正・公布によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、将来の連結財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。 (c)退職給付費用及び退職給付に係る負債 当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、連結会計年度末における見込額に基づき、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を計上しています。退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上の仮定に基づいて算出しています。この仮定には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれています。当社グループは、これらの仮定は経営者の最善の見積りと判断により決定しており適切であると考えていますが、経済状況の変化による割引率や死亡率等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、将来の退職給付費用及び退職給付に係る負債に影響を与える可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期を含む仮定に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表(1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。 ②経営成績に関する説明 当社グループは、2019年度から2021年度を対象とする中期経営計画において、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」をグループ経営戦略の基本方針に据え、「持続可能な社会への貢献」を通じ、連結営業利益1,000億円以上を安定的に継続するグローバルな企業集団を目指しています。 このような基本方針のもと、国内事業では、需要の構造的な変化に対応すべく、生産体制の再構築を行うことで資本の効率化を進める一方、有望事業には経営資源を集中し、キャッシュを稼ぐ力の強化に取り組みました。また、海外事業では、海外拠点数の拡大に加え、既存のインフラを活用した新事業の展開等、既存拠点からの有機的拡大を図るとともに、事業・拠点間のシナジー創出を進めました。 当連結会計年度の売上高は、国内事業では価格の修正効果等がありましたが、海外事業でパルプ市況の軟化影響等があり、前期を434億円(△2.8%)下回る15,076億円となりました。なお、当社グループの海外売上高比率は、前期を2.1ポイント下回る29.9%となりました。 営業利益は、国内事業では増益だったものの、海外事業は減益となり、前期を41億円(△3.7%)下回る1,061億円となりました。 営業外損益は、持分法による投資利益の減少等により、前期に対し130億円の減益となり、経常利益は前期を171億円(△14.4%)下回る1,013億円となりました。 特別損益は、減損損失の減少等により、前期に対し244億円の増益となり、税金等調整前当期純利益は前期を73億円(+8.1%)上回る981億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を62億円(+11.9%)上回る582億円となりました。 なお、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は内外経済を下振れさせており、当社グループにつきましても、国内外で印刷用紙を中心に足元で需要が落ち込んでいます。今後は緩やかに回復するものと思われますが、引続き、グループ経営戦略に沿った諸施策を着実に推し進め、収益力の強化、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」、「機能材」、「資源環境ビジネス」、「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメントは、「その他」としています。 各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。 生活産業資材・・・・・ 段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、 家庭紙事業、紙おむつ事業 機能材・・・・・・・・ 特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業 資源環境ビジネス・・・ パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業 印刷情報メディア・・・ 新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業 その他・・・・・・・・ 不動産事業、エンジニアリング、商事、物流 他 ○生活産業資材 当連結会計年度の売上高は、前期比0.7%増収の6,861億円、営業利益は、製品の価格修正効果により、同82.7%増益の409億円となりました。 国内事業では、段ボール原紙・段ボールは食品・通販向け等が堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。白板紙は国内・輸出販売共に販売量が前年に対し減少しました。包装用紙は、国内販売は自動車用や輸出関連製品の需要減により、販売量が前年に対して減少しました。輸出販売は前年に対し減少しました。紙おむつは、子供用おむつは国内販売が減少しましたが、輸出販売は販売量が前年に対し増加しました。大人用おむつは、販売量が前年に対し減少しました。家庭紙は王子製紙株式会社春日井工場の火災による操業停止等の影響により、販売量が前年に対し減少しましたが、売上高は価格修正効果により前年に対し増加しました。 海外事業では、段ボール原紙は、東南アジアにおいて販売量が前年に対し増加しましたが、売上高は市況軟化の影響により減少しました。オセアニアでは販売量が前年に対し減少しました。段ボールは、東南アジアでは飲料・加工食品関連を中心に堅調に推移しました。オセアニアでは販売量が前年に対しほぼ横ばいでした。紙おむつは、中国ではWhitoの拡販及びECサイトでの販売好調、マレーシアでは自社ブランド品の浸透、インドネシアでは拡販の継続により、それぞれ販売量が前年に対し大幅に増加しました。 連結売上高: 6,861億円(前期比 0.7%増収)連結営業利益: 409億円(前期比 82.7%増益) ○機能材 当連結会計年度の売上高は、前期比4.2%減収の2,147億円、営業利益は一部製品の減販影響等により、同16.4%減益の154億円となりました。 国内事業では、特殊紙の国内販売は新製品開発・新規顧客開拓を進めましたが、電子・工業部門向け等が低調に推移し、販売量が前年に対し減少しました。輸出販売は、中国・韓国経済の減速影響等により、販売量が前年に対し減少しました。感熱紙は、堅調に推移し販売量が前年に対し増加しました。 海外事業では、感熱紙は、欧州・東南アジアにおいて販売量が前年に対し減少しましたが、北米・南米では販売量が前年に対し増加しました。 連結売上高: 2,147億円(前期比 4.2%減収)連結営業利益: 154億円(前期比 16.4%減益) ○資源環境ビジネス 当連結会計年度の売上高は、前期比12.5%減収の2,856億円、営業利益はパルプ市況軟化の影響等により、同55.4%減益の288億円となりました。 国内事業では、パルプ事業は販売量が前年並みでした。エネルギー事業は青森県八戸市においてエム・ピー・エム・王子エコエネルギー株式会社がバイオマス発電設備を稼働したことにより、売電量が前年に対し増加しました。 海外事業では、パルプ事業は販売量が前年に対し増加しましたが、売上高は市況軟化の影響等により減少しました。 連結売上高: 2,856億円(前期比 12.5%減収)連結営業利益: 288億円(前期比 55.4%減益) ○印刷情報メディア 当連結会計年度の売上高は、前期比3.4%減収の2,927億円、営業利益は製品の価格修正効果等により、同161億円増益の113億円となりました。 国内事業では、新聞用紙は発行部数減及び頁数減の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。印刷・情報用紙は需要減の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。 海外事業では、江蘇王子製紙有限公司が印刷用紙の販売量を伸ばしましたが、売上高は市況軟化の影響等により減少しました。 連結売上高: 2,927億円(前期比 3.4%減収)連結営業利益: 113億円(前期は48億円の連結営業損失) ○その他 当連結会計年度は、売上高はエンジニアリング事業及び不動産事業の減収により前期比1.6%減収の2,894億円、営業利益は、同8.8%減益の90億円となりました。 連結売上高: 2,894億円(前期比 1.6%減収)連結営業利益: 90億円(前期比 8.8%減益) ③生産、受注及び販売の実績(a)生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)生活産業資材728,6170.5機能材200,278△4.7資源環境ビジネス210,029△13.1印刷情報メディア269,358△6.6報告セグメント計1,408,283△3.9その他9,0512.3計1,417,335△3.8(注)1.生産高は自家使用分を含めて記載しています。2.金額は販売価格によるものであり、消費税及び地方消費税を含みません。 (b)受注実績 当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。 (c)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)生活産業資材631,6060.6機能材200,709△4.1資源環境ビジネス239,667△11.5印刷情報メディア251,837△2.2報告セグメント計1,323,820△3.0その他183,787△1.0計1,507,607△2.8(注)1.セグメント間取引については相殺消去しています。2.上記の金額には、消費税及び地方消費税を含みません。 ④財政状態 当社グループは、2019年度から2021年度を最終年度とする中期経営計画に取り組んでおり、2021年度の経営数値目標の達成に向けて、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」を積極的に実施するとともに、政策保有株式の売却等を進めて有利子負債を圧縮し、財務基盤の強化を進めています。その結果、当期の純有利子負債残高(有利子負債-現金及び現金同等物等)は4,973億円となり、前連結会計年度末に対して376億円減少し、ネットD/Eレシオ(純有利子負債残高/純資産残高)は0.6倍、ROEは8.5%となりました。引き続き、中期経営計画の各戦略を着実に遂行し、経営数値目標の達成を目指していきます。 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に対して661億円減少し、18,853億円となりました。流動資産は、前連結会計年度末が金融機関の休日だった影響等による受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に対して330億円減少し、固定資産は、有形固定資産の取得、及び当社グループのIFRS適用会社がIFRS第16号「リース」の適用によって使用権資産を認識した影響等により増加しましたが、投資有価証券の売却、及び有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末に対して331億円減少しました。なお、有形固定資産の取得は、セグメント別には、生活産業資材ではGS Paperboard & Packing Sdn.Bhd.の段ボール原紙マシンの増設等により増加し、また、資源環境ビジネスでは王子グリーンエナジー徳島株式会社のバイオマス発電設備設置等により増加しました。 負債は、IFRS第16号「リース」の適用によってリース負債を認識した影響による増加がありましたが、前連結会計年度末が金融機関の休日だった影響等による支払手形及び買掛金の減少、及び有利子負債の減少等により、前連結会計年度末に対して823億円減少し、10,536億円となりました。 純資産は、円高による為替換算調整勘定やその他有価証券評価差額金が減少しましたが、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して163億円増加し、8,317億円となりました。 ⑤キャッシュ・フローの状況 当社グループでは、市場が縮小している新聞・印刷情報用紙事業では、生産体制再構築等によってコスト削減を徹底し、キャッシュ・フローの確保を図る一方、需要の伸びが期待できる国内事業や海外の経済発展が見込まれる地域へ投資を行い、ポートフォリオの拡充を図っています。 当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に減価償却費を加えたキャッシュ・インが1,615億円(前連結会計年度は1,603億円)となり、法人税等の支払い等を含めた合計は、前連結会計年度に対して161億円収入が減少し、1,245億円の収入(前連結会計年度は1,406億円の収入)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出が増加しましたが、投資有価証券の売却による収入の増加等により、前連結会計年度に対して18億円支出が減少し、648億円の支出(前連結会計年度は666億円の支出)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローの支出の主な内容は、既存分野における設備維持・更新、品質改善、生産性向上、安全及び環境のために必要な投資の他、中期経営戦略に掲げている成長戦略投資である王子グリーンエナジー徳島株式会社のバイオマス発電設備設置、GS Paperboard & Packaging Sdn.Bhd.の段ボール原紙マシン増設等に関する支出によるものです。 営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリー・キャッシュ・フローは主として有利子負債の圧縮、配当金の支払い等に充当し、その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは581億円の支出(前連結会計年度は455億円の支出)となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に対して4億円減少し、824億円となりました。 ⑥資本の財源及び資金の流動性に係る情報(a)資金需要の主な内容 当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金(製品製造のための原燃料の購入・製造費や人件費、製品の輸送・保管費等)や研究開発費等が主な内容です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資や品質改善・省力化・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等が主な内容です。今後も海外事業や有望な事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく予定であり、所要資金の調達については、自己資金と外部調達との最適なバランスを検討し実施していきます。 (b)財務政策営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローは配当及び投資資金に充当し、有利子負債残高を適正水準に保ちながら、不足資金については借入金やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等による資金調達を行い、余剰資金については有利子負債の削減に充当します。なお、長期借入金や社債等の長期資金については、中期経営計画に基づく資金需要見通しや金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断して実施することとしています。当社は、主要連結子会社との間でグループファイナンスを行い、資金の一元管理を行うことにより、運転資金の効率的な運用を図っています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響に備えて、従来から締結している取引銀行との貸出コミットメントライン契約に加え、現預金残高の積み上げにより一定程度の手許流動性を確保しています。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 (1)企業集団の経営戦略 当社グループは、「革新的価値の創造」、「未来と世界への貢献」、「環境・社会との共生」を経営理念とし、「領域をこえ 未来へ」向かって、中長期的な企業価値向上に取り組んでいます。 この経営理念の下、2018年度を最終年度とする中期経営計画では経営目標として、「連結営業利益1,000億円」、「有利子負債残高7,000億円以下」を掲げ、「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」をグループ経営戦略の基本方針に据え、経営目標の達成に向けて取り組んできました。「海外事業の拡大」では、パッケージング事業を中心とした製造拠点数の拡大や生産能力増強・効率化、東南アジアにおける新規分野への進出を中心に取り組み、「国内事業の集中・進化」においては、コストダウンや生産体制の再構築等による収益力向上に加え、当社グループのコア技術を用いた高機能・高付加価値製品の開発、バイオマス発電等エネルギー事業の拡大、三菱製紙株式会社との資本・業務提携等を実行してきました。「財務基盤の強化」については、上記施策による営業キャッシュ・フローの改善に加え、政策保有株式や遊休資産等の売却を進め有利子負債の圧縮に努めました。これらの諸施策により、営業利益は1,102億円、有利子負債残高は6,206億円(有利子負債残高から現金及び現金同等物等を控除した純有利子負債残高は5,350億円)と、それぞれ経営目標を達成しました。 2019年度から2021年度を最終年度とする中期経営計画では、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」、「持続可能な社会への貢献」をグループ経営戦略の基本方針に据え、連結営業利益1,000億円以上を安定的に継続するグローバルな企業集団を目指していきます。 「国内事業の収益力アップ」では、国内需要の変化に応じて生産体制再構築や保有設備の有効活用等によって資本効率化を行う一方、有望事業に経営資源を集中し、キャッシュを稼ぐ力を強化します。「海外事業の拡充」では、既存拠点からの有機的拡大や事業、拠点間シナジーの創出を進めます。また、「イノベーションの推進」では環境・社会ニーズに対応した新事業・新製品の開発推進と早期事業化を図り、持続可能な社会への貢献を進めていきます。 なお、具体的には以下の取り組みを行っています。 2021年度経営目標連結営業利益海外売上高比率ROEネットD/Eレシオ※1,500億円以上40%10.0%0.7倍(2018年度実績を維持)※ネットD/Eレシオ=純有利子負債残高/純資産 (a)生活産業資材・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業) 海外においては、事業基盤をより強固なものとするため、マレーシアで段ボール原紙マシンの増設(2021年4月稼働予定)とエネルギー供給及び用排水設備更新、既存の段ボール製造2工場の生産能力増強を進めています。さらに、インドで4箇所目(2020年3月稼働予定)、ベトナムでは5箇所目(2019年7月稼働予定)、カンボジアでは3箇所目(2020年1月稼働予定)となる段ボール工場の建設を進めています。また、インドネシアで初となる段ボール工場を現地企業グループと合弁で建設しています(2020年稼働予定)。今後も、東南アジア・オセアニアにおける事業展開をさらに進めるために、既存の現地拠点からの有機的拡大を図っていきます。 国内では、段ボール需要の伸びが特に大きいと期待される関東の船橋地区に国内最大規模の段ボール工場の新設を決定しました(2020年4月より順次稼働予定)。また、グループ全体のパッケージングに関する研究開発を一元的に担うパッケージング推進センターを中心に、新製品の開発・販売や板紙・包装用紙から段ボール・紙器・製袋に加え包装機械販売・メンテナンスまでのトータルパッケージングを推進します。全国に広がる販売チャネルと素材・加工一貫による提案力を軸に幅広く事業を拡大し、競争力・収益力の向上を図っていきます。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業) 家庭紙事業では、森林認証を取得した環境配慮型製品や「鼻セレブ」に代表される高品質製品を取り揃えた製品展開により、一層の「ネピア」ブランドの価値向上に努めています。また、三菱製紙株式会社と合弁で進めている家庭紙事業は2019年4月に生産を開始しました。三菱製紙株式会社八戸工場の充実したインフラの活用や東北地区で初となる家庭紙事業の拠点獲得により拡販と物流合理化等を進めます。中国においても2020年7月に家庭紙原紙製造設備が稼働します。こうした取り組みにより競争力を強化するとともに、今後も安定した需要が期待される家庭紙事業の拡大を図ります。 紙おむつ事業の子供用分野では、国内外の統一ブランドとして展開する「Genki!(ゲンキ!)」の拡販に加えて、新技術で赤ちゃんの快適性を追求した最高品質のブランド「Whito(ホワイト)」により高品質・高価格帯市場を開拓することで、「ネピア」全体のブランド価値を向上させていきます。中国では現地販売チームを発足させ拡販体制を強化し、マレーシアでは2拠点での製造販売を展開しています。さらにインドネシアでは合弁会社での販売に加え、2020年3月に現地紙おむつ工場が稼働します。周辺国を含めて一層の事業拡販を図っていきます。大人用紙おむつについては、高齢化が進むわが国の介護現場が抱える課題を解決する商品の開発を続けていきます。 (b)機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業) 東南アジアでの機能材事業は、感熱紙・粘着紙等の川上事業を中心に展開してきましたが、マレーシアの粘着製品の印刷・加工・販売会社、感熱紙・ノーカーボン紙の加工・販売会社を基点にエンドユーザーニーズを適時的確に把握し、川下事業を中心にさらなる拡大を図っています。ミャンマーでは食品等の消費財向けラベルの拡販とフィルム等消費財向け軟包装事業を展開しています。ブラジルでは感熱紙の生産能力を増強し南米の旺盛な感熱紙需要に対応しています。今後も東南アジア・南米・中東・アフリカ等の新興国市場の経済発展に伴って拡大する需要に応じて、新たな事業エリアの拡大を図っていきます。 国内については、生産体制の継続的な見直し等により、競争力・収益力を高めることで既存事業の基盤強化を図るとともに、これまで培ってきた「抄紙」や「紙加工(塗工・粘着)」、「フィルム」等の当社グループのコア技術と新素材との融合により、高機能・高付加価値製品を迅速に開発・提供していきます。また、研究開発型ビジネスのたゆまざる追求により、電気自動車用コンデンサフィルム等、新たな事業領域の拡大に取り組んでいきます。 (c)資源環境ビジネス(パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業) パルプ事業では、パルプ市況の変動に耐え得る事業基盤を強化するため、主要拠点において戦略的収益対策を継続して実施しています。ニュージーランドでは、当社グループのノウハウや操業管理手法等を導入・活用し、操業の安定化及び効率化対策に取り組み、ブラジルでは製造設備の最新鋭化等による継続的な収益対策を進めています。国内ではレーヨン用途向け製品に加えて、医療品材料や濾過材用途等の高付加価値品の生産を開始し、事業拡大を進めています。 エネルギー事業については、さらなる事業拡大を進めており、三菱製紙株式会社との合弁事業によるバイオマス発電設備が2019年7月に稼働します。さらに、新たに伊藤忠エネクス株式会社と合弁で徳島県にバイオマス発電設備を建設することを決定し、2022年の稼働に向けて準備を進めています。また、エネルギー事業の拡大にあわせバイオマス燃料事業の強化を進めており、未利用の国内木材資源を活用した燃料用チップの生産をさらに拡大するため、2018年11月には北海道に新たな燃料用チップ生産会社を設立しました。海外では、インドネシアやマレーシアにおける燃料用パーム椰子殻の調達増に向けた取り組みも行っています。 木材加工事業では、アジア・オセアニア地域を中心に製材製品や木材加工品の仕入販売及び生産能力増強に取り組んでいます。また、中国・東南アジアに設立した販売拠点で、パルプ・木材製品等の拡販を進めています。 (d)印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業) 国内では、ICT化の進展等に伴う事業環境の変化を見極めつつ、生産性・稼働率の向上等を図るべく需要に即した最適生産体制の構築及び保有設備の有効活用を進め、国際競争力の強化を進めるとともにキャッシュ・フローの増大を図っていきます。また、交錯輸送の解消によるコストダウン等、三菱製紙株式会社との業務提携効果を早期に発現させ、競争力・収益力の向上を図ります。 また、中国では数少ない紙パルプ一貫生産体制の強みを最大限に活かしたコストダウンを継続して行い、さらなる競争力強化に取り組んでいます。 (e)イノベーションの推進と持続可能な社会の実現に向けた取り組み 当社グループは、経営理念の1つである「環境・社会との共生」の下、環境経営の推進を掲げ、環境と調和した企業活動を展開しています。機動的かつ効率的な研究開発活動、新たなニーズの探索に取り組み、イノベーションの推進による新製品・新事業の創出を通じて、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。 次世代素材として幅広い産業に応用が期待されているセルロースナノファイバー(CNF)については、CNFスラリーの「アウロ・ヴィスコ」がカーケミカル用品の増粘剤及び生コンクリートの圧送先行剤として採用され、また、2018年にオランダで開催された世界最大級の化粧品原料展でシルバー賞を受賞した「アウロ・ヴィスコCS」は、化粧品業界から高い評価を受け2019年4月に製品化しました。当社独自の技術開発により実現したCNF連続透明シートや有機溶剤に分散可能なCNFパウダーに加え、ポリカーボネート樹脂とCNFの複合材を他社に先駆けて開発し、今後もより幅広い分野での用途開発を進めていきます。 海洋プラスチック問題への対応としては、地球環境に配慮した素材・製品開発に積極的に取り組んでいます。生分解性プラスチックとパルプの複合材、紙コップ蓋、プラスチックストローの代替品に適した耐水性を有する原紙等の開発を加速しています。水蒸気と酸素の両方に対してバリア性を有する紙素材「SILBIO BARRIER」は、既にサンプル提供を開始し、さらなる機能追加に取り組んでいます。 また、当社グループの独自の技術を活用して木質成分の1つであるヘミセルロースの有効活用を進めています。既に化粧品に採用され、現在は医薬品用原薬の実用化に向けた開発も進めています。さらに、医薬品等への実用化に向けた取り組みをより強化するため、北海道大学とライフサイエンス分野の研究組織を設置しました。 水処理技術の分野では、長年培ってきた用水製造・排水処理技術を活かし、競争力のある水処理システムを実用化しています。さらに、タイの工業団地で採用された当社の水処理システムにはIoT技術を活用した遠隔監視機能を導入し、最適な運用をサポートしています。水処理システムの技術革新を進めながら普及拡大を目指し、国内外の水環境改善に貢献していきます。 今後も地球温暖化対策、生物多様性保全、環境配慮型製品の提供等も含め、地球環境に配慮した取り組みを進めていくとともに、持続可能な森林経営を推進し、木材原料をはじめとする原材料の責任ある調達に努めていきます。 また、多様な人材が活躍できるよう働き方改革とダイバーシティの推進に取り組みます。 (f)三菱製紙株式会社との資本業務提携 国内外の競争当局の許認可取得を終え、2019年3月29日に三菱製紙株式会社からの第三者割当による新株式の発行に係る払込み及び同社株主からの同社株式の取得を完了しました。これにより当社グループの同社に対する議決権比率は33.00%となり、同社は当社の持分法適用会社となりました。両社はこれまで情報用紙分野での業務提携をはじめとして、共同バイオマス発電事業や家庭紙合弁事業を立ち上げる等業務提携の範囲を拡大してきましたが、本資本提携によって、これまでの特定の事業における単発的な協業関係に留まらない、幅広い分野における協業関係を強化していきます。 当社グループはこれらの諸施策を通して、常に時代のニーズを先取りし、イノベーションに挑戦し、持続的に成長する企業グループを目指していきます。 (2)会社の支配に関する基本方針 当社は、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます。)を下記(Ⅰ)のとおり定めています。また、2017年6月29日開催の第93回定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、有効期限を当該定時株主総会終結から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとして、下記(Ⅲ)に定める特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(注4)に関する対応方針(買収防衛策)(以下、「本方針」といいます。)を継続しています。(注)1.特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、または(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。(注)2.議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1.の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、または(ⅱ)特定株主グループが、注1.の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当該買付者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。(注)3.株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項または同法第27条の2第1項に規定する株券等を意味します。(注)4.上記のいずれの買付行為についても、予め当社取締役会が同意したものを除きます。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。 (Ⅰ)会社の支配に関する基本方針の内容 上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、大規模買付行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資する買付提案等に基づくものであれば、当社はこれを一概に否定するものではありません。かかる提案等については、買付けに応募するかどうかを通じ、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものと考えています。 他方、当社グループが企業価値・株主共同の利益の向上を図っていくためには、当社グループが展開する様々な事業分野において、グループ経営戦略の基本方針である「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」、「持続可能な社会への貢献」を中長期的に推進していく必要があり、また、民間企業で国内最大の森林保有者である当社グループにとって、持続可能な森林経営を行い、中長期的に森林の公益的価値の維持・向上を図ることが、社会的責任の一つであると認識しています。したがって、当社への大規模買付行為に際し、株主の皆様が適切な判断を行うためには、当該買付者に関する適切な情報等の提供及び代替案の検討機会を含めた検討期間の確保がなされることが必要不可欠であると考えます。 しかし、当社株式の買付け等の提案においては、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないものも想定されます。また、買付目的や買付け後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性があるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。 このような大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。(Ⅱ)会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み 当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)企業集団の経営戦略」に記載の施策を実施しています。 これらの取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるためのものであることから、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。(Ⅲ)会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(a)本方針導入の目的 当社取締役会は、上記(Ⅰ)の基本方針に基づき、以下のとおり、当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対して大規模買付ルールの遵守を求めることとしています。大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。また、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合にも、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。 (b)大規模買付ルールの設定 当社株主全体の利益のため、大規模買付行為は、以下に定める大規模買付ルールに従って行われるものとします。この大規模買付ルールとは、(ⅰ)事前に大規模買付者から当社取締役会に対して十分な情報が提供され、(ⅱ)当社取締役会による一定の評価期間が経過した後(株主意思確認総会(後記(c)ホ.に定義します。以下同じ。)が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)に大規模買付行為を開始する、というものです。 具体的には、まず、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び取締役会としての意見形成のために十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。その項目は別紙1記載のとおりです。 大規模買付情報の具体的内容は、大規模買付行為の内容によって異なることもあり得るため、大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示していただきます。当社は、この意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると考えられる場合、十分な大規模買付情報が揃うまで追加的に情報提供をしていただくことがあります。当社取締役会は、大規模買付行為の提案があった事実は、速やかに情報開示します。また、当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。 次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供が完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を、取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)とします。当社取締役会は、大規模買付情報の提供が完了した事実及び取締役会評価期間については、速やかに開示します。大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後(株主意思確認総会が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)にのみ開始されるものとします。 取締役会評価期間中、当社取締役会は外部専門家の助言を受けながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、取締役会としての意見を開示します。必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。また、当社取締役会は、特別委員会に大規模買付情報を提供し、その評価・検討を依頼します。特別委員会は、独自に大規模買付情報の評価・検討を行い、本方針に従い当社取締役会がとるべき対応について勧告を行います。当社取締役会は、特別委員会の勧告を踏まえ、これを最大限尊重しつつ、本方針に従った対応を決定します。(c)大規模買付行為がなされた場合の対応方針イ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合 大規模買付者が意向表明書を提出しない場合、大規模買付者が取締役会評価期間の経過前に大規模買付行為を開始する場合、大規模買付者が大規模買付ルールに従った十分な情報提供を行わない場合、その他大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会は、当社株主全体の利益の保護を目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。当社取締役会は、対抗措置の発動を決定するに先立ち、特別委員会に対抗措置の発動の是非を諮問しその勧告を受けるものとします。特別委員会の勧告を最大限尊重しつつ、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にした上で、当社取締役会は対抗措置の発動を決定します。 具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することとなります。具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要は、原則として別紙2記載のとおりとします。なお、新株予約権を発行する場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件や取得条件とする等、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条件を設けることがあります。 今回の大規模買付ルールの設定及びそのルールが遵守されなかった場合の対抗措置は、当社株主全体の正当な利益を保護するための相当かつ適切な対応であると考えていますが、他方、このような対抗措置により、結果的に、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。大規模買付ルールを無視して大規模買付行為を開始することのないように予め注意を喚起します。ロ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合 大規模買付ルールは、当社の経営に影響力を持ち得る規模の当社株式の買付行為について、当社株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、このような買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、現に経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。大規模買付ルールが遵守されている場合、原則として、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止しようとするものではありません。 しかしながら、例外的に、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守していても、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合であると、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にし、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会が判断したときには、上記(c)イ.で述べた大規模買付行為を抑止するための措置をとることがあります(ただし、株主意思確認総会が開催された場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。 対抗措置をとることを決定した場合には、適時適切な開示を行います。具体的には、以下の類型に該当すると認められる場合には、原則として、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するものと考えます。(ⅰ)次の①から④までに掲げる行為等により株主全体の利益に対する明白な侵害をもたらすような買収行為を行う場合①株式を買い占め、その株式について会社側に対して高値で買取りを要求する行為②会社を一時的に支配して、会社の重要な資産等を廉価に取得する等会社の犠牲のもとに買収者の利益を実現する経営を行うような行為③会社の資産を買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為④会社経営を一時的に支配して会社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為(ⅱ)強圧的二段階買収(最初の買付条件よりも二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは二段階目の買付条件を明確にしないで、公開買付け等の株式買付けを行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する客観的な蓋然性のある買収行為を行う場合(ⅲ)次の①から③までに該当する事由のいずれかが存在し、それにより、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性がある場合①大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等が著しく不合理または不適当であること②大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等について環境保全・コンプライアンスやガバナンスの透明性の点で重要な問題を生じる客観的な蓋然性があること③大規模買付者に関する情報開示が当社の株主保護の観点から見て十分かつ適切になされない客観的な蓋然性があることハ.対抗措置発動後の停止 当社取締役会は、本方針に従い対抗措置をとることを決定した後でも、(ⅰ)大規模買付者が大規模買付行為を中止した場合や、(ⅱ)対抗措置をとる旨の決定の前提となった事実関係等に変動が生じ、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらさずかつ当社株主全体の利益を著しく損なわないと判断される場合には、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の停止を決定することがあります(ただし、株主意思確認総会が開催されて、対抗措置の発動の停止についても決議がなされている場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。対抗措置として、例えば新株予約権を無償割当てする場合において、権利の割当てを受けるべき株主が確定した後に、大規模買付者が大規模買付行為の撤回を行う等の事情が生じ、特別委員会の勧告を踏まえ、対抗措置の発動が適切でないと取締役会が判断したときには、新株予約権の効力発生日までの間は新株予約権の無償割当てを中止し、また新株予約権の無償割当て後、行使期間の開始までの間においては当社が無償で新株予約権を取得して、対抗措置の発動を停止することができるものとします。 このような対抗措置の発動の停止を行う場合には、特別委員会が必要と認める事項とともに速やかな情報開示を行います。ニ.特別委員会の設置及び検討 本方針において、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否か、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するかどうか、そして大規模買付行為に対し対抗措置をとるべきか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動を停止するべきか否かの判断に当たっては、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保するため、当社は、取締役会から独立した組織として、特別委員会を設置し、当社取締役会はその勧告を最大限尊重するものとします。特別委員会の委員は3名とし、社外取締役、社外監査役、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者を対象として選任するものとします。なお、特別委員会規程の概要、特別委員会委員の氏名及び略歴は、それぞれ別紙3、4のとおりです。 取締役会は、対抗措置の発動、株主意思確認総会の開催もしくは不開催または発動の停止を決定するときは、必ず特別委員会に対して諮問し、その勧告を受けるものとします。特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得たり、当社の取締役、監査役、従業員等に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めたりしながら、審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告を行います。取締役会は、対抗措置を発動するか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動の停止を行うか否かの判断に当たっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。ホ.株主意思の確認手続き 当社取締役会が、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置を発動するか否かの判断にあたり、株主意思の確認手続きを経るべきであると判断した場合、当社取締役会は、株主の意思を確認するための株主総会(以下、「株主意思確認総会」といいます。)を開催することがあり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守し、かつ、大規模買付行為が上記(c)ロ.(ⅲ)の類型に該当することのみを理由として対抗措置を発動する場合には、株主意思確認総会の開催が著しく困難な場合を除き、必ず株主意思確認総会を開催し、対抗措置を発動するか否かについての株主意思の確認を行います。また、株主意思確認総会の開催にあたり、当社の企業価値・株主共同の利益が損なわれないようにするため、当社株主に対し、当該株主意思確認総会における議決権行使に関する勧誘を行うことがあります。株主意思確認総会の招集手続き及び議決権行使方法は、法令及び当社定款に基づく定時株主総会または臨時株主総会の招集手続き及び議決権行使方法に準ずるものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かに関する株主意思確認総会の決議に従うものとします。(d)当社株主の皆様・投資家の皆様に与える影響等 本方針に基づく対抗措置の発動によって、当社株主の皆様(大規模買付者を除きます。)が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定していませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。 対抗措置として考えられるもののうち、新株予約権の無償割当てを行う場合には、当社取締役会で別途定めて公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式数に応じて新株予約権が割り当てられますので、当該基準日における最終の株主名簿に記録される必要があります。また、新株予約権を行使して株式を取得するためには、所定の期間内に一定の金額の払込みを完了していただく必要があります。ただし、当社が新株予約権を当社株式と引き換えに取得できる旨の取得条項に従い新株予約権の取得を行う場合には、当社取締役会が当該取得の対象とした新株予約権を保有する株主の皆様は、金銭の払込みを要することなく、当社による新株予約権取得の対価として、当社株式の交付を受けることができます。これらの手続きの詳細については、実際に新株予約権を発行または取得することとなった際に、法令及び金融商品取引所規則に基づき別途お知らせします。 なお、いったん新株予約権の無償割当てを決議した場合であっても、当社は、上記(c)ハ.に従い、新株予約権の無償割当ての効力発生日までに新株予約権の無償割当てを中止し、または新株予約権の無償割当ての効力発生日後新株予約権の行使期間の初日の前日までに新株予約権を無償にて取得する場合があります。これらの場合には、当社株式の株価に相応の変動が生じる可能性があります。例えば、新株予約権の無償割当てを受けるべき株主が確定した後(権利落ち日以降)において、当社が新株予約権を無償取得して新株を交付しない場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化は生じませんので、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った投資家は、株価の変動により損害を被るおそれがあります。(e)大規模買付ルールの有効期限 2017年6月29日開催の第93回定時株主総会において、本方針の継続について株主の皆様のご承認が得られたため、本方針の有効期間は、当該定時株主総会の日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとし、以後も同様とします。なお、当社取締役会は、本方針を継続することを決定した場合、その旨を速やかにお知らせします。また、当社取締役会は、株主全体の利益保護の観点から、会社法及び金融商品取引法を含めた関係法令の整備・改正等を踏まえ、本方針を随時見直していく所存です。 本方針は、その有効期間中であっても、株主総会において本方針を廃止する旨の決議が行われた場合または当社取締役会により本方針を廃止する旨の決議が行われた場合は、その時点で廃止されるものとします。また、当社取締役会は、本方針の有効期間中であっても、株主総会での承認の趣旨の範囲内で本方針を修正する場合があります。(Ⅳ)本方針が会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについての取締役会の判断及びその判断に係る理由 以下の理由により、本方針は、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。(a)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること 本方針は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しています。(b)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること 本方針は、上記(Ⅲ)(a)「本方針導入の目的」にて記載したとおり、当社株券等に対する買付け等がなされた際に、当該買付け等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。(c)合理的な客観的発動要件の設定 本方針は、上記(Ⅲ)(c)「大規模買付行為がなされた場合の対応方針」にて記載したとおり、大規模買付行為が大規模買付ルールを遵守していない、あるいは大規模買付ルールを遵守していても株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす買収である場合や株主に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合等、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。(d)株主意思を重視するものであること 当社は、本方針の継続について株主の皆様のご意思をご確認させていただくため、株主総会において、議案としてお諮りしています。株主総会において、本方針の継続の決議がなされなかった場合には、速やかに廃止されることになり、その意味で、本方針の消長及び内容は、当社株主の合理的意思に依拠したものとなっています。(e)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと 上記(Ⅲ)(e)「大規模買付ルールの有効期限」にて記載したとおり、本方針は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株券等を大量に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本方針を廃止することが可能です。従って、本方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役任期は1年間であり、本方針はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。(別紙1) 大規模買付情報 1.大規模買付者及びそのグループ(ファンドの場合は組合員その他の構成員を含む。)の情報。(1)名称、資本関係、財務内容(2)(大規模買付者が個人である場合は)国籍、職歴、当該買収提案者が経営、運営または勤務していた会社またはその他の団体(以下、「法人」という。)の名称、主要な事業、住所、経営、運営または勤務の始期及び終期(3)(大規模買付者が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、主要な事業、設立国、ガバナンスの状況、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人またはその財産に係る主な係争中の法的手続き、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名(4)(もしあれば)過去5年間の犯罪履歴(交通違反や同様の軽微な犯罪を除く。)、過去5年間の金融商品取引法、会社法(これらに類似する外国法を含む。)に関する違反等、その他コンプライアンス上の重要な問題点の有無2.大規模買付行為の目的、方法及びその内容(取得の対価の価額・種類、取得の時期、関連する取引の仕組み、取得の方法の適法性、取得の実現可能性を含む。)。3.当社株式の取得の対価の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに取得に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジー及びその算定根拠を含む。)。4.大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含む。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含む。)。5.大規模買付行為後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策。6.大規模買付行為後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者(ステークホルダー)に関する方針。7.必要な政府当局の承認、第三者の同意等、大規模買付行為の実行に当たり必要な手続きの内容及び見込み。大規模買付行為に対する、独占禁止法その他の競争法並びにその他大規模買付者または当社が事業活動を行っているか製品を販売している国または地域の重要な法律の適用可能性や、これらの法律が大規模買付行為の実行に当たり支障となるかどうかについての考え及びその根拠。8.その他当社取締役会または特別委員会が合理的に必要と判断して要請する情報。 (別紙2) 新株予約権の概要 1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件 取締役会で定める基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てる。なお、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えて募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合と、新株予約権の無償割当てを行う場合とがある。 2.新株予約権の目的である株式の種類及び数 新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式数を上限とする。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割または株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。 3.発行する新株予約権の総数 新株予約権の割当総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式の数を上限として、取締役会が定める数とする。取締役会は、割当総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の割当てを行うことがある。 4.各新株予約権の払込金額 無償(金額の払込みを要しない。) 5.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額 各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とする。 6.新株予約権の譲渡制限 譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとする。 7.新株予約権の行使条件 議決権割合が20%以上の特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがある。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。 8.新株予約権の行使期間等 新株予約権の行使期間、取得条項その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとする。なお、取得条項については、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがある。 (別紙3) 特別委員会規程の概要 1.特別委員会は、大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保することを目的として設置される。 2.特別委員会の委員は3名とし、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、(ⅰ)当社社外取締役、(ⅱ)当社社外監査役、または(ⅲ)社外の有識者のいずれかに該当する者の中から、当社取締役会が選任する。ただし、社外の有識者は、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者とし、別途当社取締役会が定める善管注意義務条項等を含む契約を当社との間で締結した者でなければならない。 3.特別委員会委員の任期は、選任後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、当社取締役会の決議により別段の定めをした場合はこの限りではない。 4.特別委員会は、取締役会の諮問を受けて、以下の各号に記載される事項について審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告する。なお、特別委員会の各委員は、こうした審議・決議にあたっては、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うものとし、自己または当社の経営陣の個人的利益を図ることを目的としてはならない。①大規模買付行為に対する対抗措置の発動の是非②大規模買付行為に対する対抗措置発動の停止③株主意思確認総会の開催の要否④その他当社取締役会が判断すべき事項のうち、当社取締役会が特別委員会に諮問した事項 5.特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得ることができる。 6.特別委員会は、必要な情報収集を行うため、当社の取締役、監査役、従業員その他特別委員会委員が必要と認める者の出席を求め、特別委員会が求める事項に関する説明を要求することができる。 7.特別委員会の決議は、原則として、特別委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行う。ただし、やむを得ない事由があるときは、特別委員会委員の過半数が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行う。(別紙4) 特別委員会委員の氏名及び略歴 特別委員会の委員は、以下の3名です。 奈良 道博(なら みちひろ) 略歴1946年5月17日生まれ1974年4月 弁護士登録2014年6月 当社取締役 現在に至る。※奈良道博氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 髙田 稔久(たかた としひさ) 略歴1954年1月8日生まれ1976年4月 外務省入省2010年8月 ケニア駐箚特命全権大使2010年10月 ケニア兼エリトリア兼セーシェル兼ブルンジ駐箚特命全権大使2013年1月 ケニア兼エリトリア兼セーシェル兼ブルンジ兼ソマリア駐箚特命全権大使2013年8月 臨時本省事務従事(沖縄担当)2015年5月 ニュージランド兼クック兼サモア駐箚特命全権大使2016年6月 ニュージランド兼クック兼サモア兼ニウエ駐箚特命全権大使2017年3月 ニュージランド兼クック兼ニウエ駐箚特命全権大使2018年10月 退官2019年6月 当社取締役 現在に至る。※髙田稔久氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 辺見 紀男(へんみ のりお) 略歴1957年6月13日生まれ1989年4月 弁護士登録2018年6月 当社監査役 現在に至る。※辺見紀男氏は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 (1)企業集団の経営戦略 当社グループは、「革新的価値の創造」、「未来と世界への貢献」、「環境・社会との共生」を経営理念とし、「領域をこえ 未来へ」向かって、中長期的な企業価値向上に取り組んでいます。 この経営理念の下、2018年度を最終年度とする中期経営計画では経営目標として、「連結営業利益1,000億円」、「有利子負債残高7,000億円以下」を掲げ、「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」をグループ経営戦略の基本方針に据え、経営目標の達成に向けて取り組んできました。「海外事業の拡大」では、パッケージング事業を中心とした製造拠点数の拡大や生産能力増強・効率化、東南アジアにおける新規分野への進出を中心に取り組み、「国内事業の集中・進化」においては、コストダウンや生産体制の再構築等による収益力向上に加え、当社グループのコア技術を用いた高機能・高付加価値製品の開発、バイオマス発電等エネルギー事業の拡大、三菱製紙株式会社との資本・業務提携等を実行してきました。「財務基盤の強化」については、上記施策による営業キャッシュ・フローの改善に加え、政策保有株式や遊休資産等の売却を進め有利子負債の圧縮に努めました。これらの諸施策により、営業利益は1,102億円、有利子負債残高は6,206億円(有利子負債残高から現金及び現金同等物等を控除した純有利子負債残高は5,350億円)と、それぞれ経営目標を達成しました。 2019年度から2021年度を最終年度とする中期経営計画では、「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」、「持続可能な社会への貢献」をグループ経営戦略の基本方針に据え、連結営業利益1,000億円以上を安定的に継続するグローバルな企業集団を目指していきます。 「国内事業の収益力アップ」では、国内需要の変化に応じて生産体制再構築や保有設備の有効活用等によって資本効率化を行う一方、有望事業に経営資源を集中し、キャッシュを稼ぐ力を強化します。「海外事業の拡充」では、既存拠点からの有機的拡大や事業、拠点間シナジーの創出を進めます。また、「イノベーションの推進」では環境・社会ニーズに対応した新事業・新製品の開発推進と早期事業化を図り、持続可能な社会への貢献を進めていきます。 なお、具体的には以下の取り組みを行っています。 2021年度経営目標連結営業利益海外売上高比率ROEネットD/Eレシオ※1,500億円以上40%10.0%0.7倍(2018年度実績を維持)※ネットD/Eレシオ=純有利子負債残高/純資産 (a)生活産業資材・産業資材(段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業) 海外においては、事業基盤をより強固なものとするため、マレーシアで段ボール原紙マシンの増設(2021年4月稼働予定)とエネルギー供給及び用排水設備更新、既存の段ボール製造2工場の生産能力増強を進めています。さらに、インドで4箇所目(2020年3月稼働予定)、ベトナムでは5箇所目(2019年7月稼働予定)、カンボジアでは3箇所目(2020年1月稼働予定)となる段ボール工場の建設を進めています。また、インドネシアで初となる段ボール工場を現地企業グループと合弁で建設しています(2020年稼働予定)。今後も、東南アジア・オセアニアにおける事業展開をさらに進めるために、既存の現地拠点からの有機的拡大を図っていきます。 国内では、段ボール需要の伸びが特に大きいと期待される関東の船橋地区に国内最大規模の段ボール工場の新設を決定しました(2020年4月より順次稼働予定)。また、グループ全体のパッケージングに関する研究開発を一元的に担うパッケージング推進センターを中心に、新製品の開発・販売や板紙・包装用紙から段ボール・紙器・製袋に加え包装機械販売・メンテナンスまでのトータルパッケージングを推進します。全国に広がる販売チャネルと素材・加工一貫による提案力を軸に幅広く事業を拡大し、競争力・収益力の向上を図っていきます。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業) 家庭紙事業では、森林認証を取得した環境配慮型製品や「鼻セレブ」に代表される高品質製品を取り揃えた製品展開により、一層の「ネピア」ブランドの価値向上に努めています。また、三菱製紙株式会社と合弁で進めている家庭紙事業は2019年4月に生産を開始しました。三菱製紙株式会社八戸工場の充実したインフラの活用や東北地区で初となる家庭紙事業の拠点獲得により拡販と物流合理化等を進めます。中国においても2020年7月に家庭紙原紙製造設備が稼働します。こうした取り組みにより競争力を強化するとともに、今後も安定した需要が期待される家庭紙事業の拡大を図ります。 紙おむつ事業の子供用分野では、国内外の統一ブランドとして展開する「Genki!(ゲンキ!)」の拡販に加えて、新技術で赤ちゃんの快適性を追求した最高品質のブランド「Whito(ホワイト)」により高品質・高価格帯市場を開拓することで、「ネピア」全体のブランド価値を向上させていきます。中国では現地販売チームを発足させ拡販体制を強化し、マレーシアでは2拠点での製造販売を展開しています。さらにインドネシアでは合弁会社での販売に加え、2020年3月に現地紙おむつ工場が稼働します。周辺国を含めて一層の事業拡販を図っていきます。大人用紙おむつについては、高齢化が進むわが国の介護現場が抱える課題を解決する商品の開発を続けていきます。 (b)機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業) 東南アジアでの機能材事業は、感熱紙・粘着紙等の川上事業を中心に展開してきましたが、マレーシアの粘着製品の印刷・加工・販売会社、感熱紙・ノーカーボン紙の加工・販売会社を基点にエンドユーザーニーズを適時的確に把握し、川下事業を中心にさらなる拡大を図っています。ミャンマーでは食品等の消費財向けラベルの拡販とフィルム等消費財向け軟包装事業を展開しています。ブラジルでは感熱紙の生産能力を増強し南米の旺盛な感熱紙需要に対応しています。今後も東南アジア・南米・中東・アフリカ等の新興国市場の経済発展に伴って拡大する需要に応じて、新たな事業エリアの拡大を図っていきます。 国内については、生産体制の継続的な見直し等により、競争力・収益力を高めることで既存事業の基盤強化を図るとともに、これまで培ってきた「抄紙」や「紙加工(塗工・粘着)」、「フィルム」等の当社グループのコア技術と新素材との融合により、高機能・高付加価値製品を迅速に開発・提供していきます。また、研究開発型ビジネスのたゆまざる追求により、電気自動車用コンデンサフィルム等、新たな事業領域の拡大に取り組んでいきます。 (c)資源環境ビジネス(パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業) パルプ事業では、パルプ市況の変動に耐え得る事業基盤を強化するため、主要拠点において戦略的収益対策を継続して実施しています。ニュージーランドでは、当社グループのノウハウや操業管理手法等を導入・活用し、操業の安定化及び効率化対策に取り組み、ブラジルでは製造設備の最新鋭化等による継続的な収益対策を進めています。国内ではレーヨン用途向け製品に加えて、医療品材料や濾過材用途等の高付加価値品の生産を開始し、事業拡大を進めています。 エネルギー事業については、さらなる事業拡大を進めており、三菱製紙株式会社との合弁事業によるバイオマス発電設備が2019年7月に稼働します。さらに、新たに伊藤忠エネクス株式会社と合弁で徳島県にバイオマス発電設備を建設することを決定し、2022年の稼働に向けて準備を進めています。また、エネルギー事業の拡大にあわせバイオマス燃料事業の強化を進めており、未利用の国内木材資源を活用した燃料用チップの生産をさらに拡大するため、2018年11月には北海道に新たな燃料用チップ生産会社を設立しました。海外では、インドネシアやマレーシアにおける燃料用パーム椰子殻の調達増に向けた取り組みも行っています。 木材加工事業では、アジア・オセアニア地域を中心に製材製品や木材加工品の仕入販売及び生産能力増強に取り組んでいます。また、中国・東南アジアに設立した販売拠点で、パルプ・木材製品等の拡販を進めています。 (d)印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業) 国内では、ICT化の進展等に伴う事業環境の変化を見極めつつ、生産性・稼働率の向上等を図るべく需要に即した最適生産体制の構築及び保有設備の有効活用を進め、国際競争力の強化を進めるとともにキャッシュ・フローの増大を図っていきます。また、交錯輸送の解消によるコストダウン等、三菱製紙株式会社との業務提携効果を早期に発現させ、競争力・収益力の向上を図ります。 また、中国では数少ない紙パルプ一貫生産体制の強みを最大限に活かしたコストダウンを継続して行い、さらなる競争力強化に取り組んでいます。 (e)イノベーションの推進と持続可能な社会の実現に向けた取り組み 当社グループは、経営理念の1つである「環境・社会との共生」の下、環境経営の推進を掲げ、環境と調和した企業活動を展開しています。機動的かつ効率的な研究開発活動、新たなニーズの探索に取り組み、イノベーションの推進による新製品・新事業の創出を通じて、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。 次世代素材として幅広い産業に応用が期待されているセルロースナノファイバー(CNF)については、CNFスラリーの「アウロ・ヴィスコ」がカーケミカル用品の増粘剤及び生コンクリートの圧送先行剤として採用され、また、2018年にオランダで開催された世界最大級の化粧品原料展でシルバー賞を受賞した「アウロ・ヴィスコCS」は、化粧品業界から高い評価を受け2019年4月に製品化しました。当社独自の技術開発により実現したCNF連続透明シートや有機溶剤に分散可能なCNFパウダーに加え、ポリカーボネート樹脂とCNFの複合材を他社に先駆けて開発し、今後もより幅広い分野での用途開発を進めていきます。 海洋プラスチック問題への対応としては、地球環境に配慮した素材・製品開発に積極的に取り組んでいます。生分解性プラスチックとパルプの複合材、紙コップ蓋、プラスチックストローの代替品に適した耐水性を有する原紙等の開発を加速しています。水蒸気と酸素の両方に対してバリア性を有する紙素材「SILBIO BARRIER」は、既にサンプル提供を開始し、さらなる機能追加に取り組んでいます。 また、当社グループの独自の技術を活用して木質成分の1つであるヘミセルロースの有効活用を進めています。既に化粧品に採用され、現在は医薬品用原薬の実用化に向けた開発も進めています。さらに、医薬品等への実用化に向けた取り組みをより強化するため、北海道大学とライフサイエンス分野の研究組織を設置しました。 水処理技術の分野では、長年培ってきた用水製造・排水処理技術を活かし、競争力のある水処理システムを実用化しています。さらに、タイの工業団地で採用された当社の水処理システムにはIoT技術を活用した遠隔監視機能を導入し、最適な運用をサポートしています。水処理システムの技術革新を進めながら普及拡大を目指し、国内外の水環境改善に貢献していきます。 今後も地球温暖化対策、生物多様性保全、環境配慮型製品の提供等も含め、地球環境に配慮した取り組みを進めていくとともに、持続可能な森林経営を推進し、木材原料をはじめとする原材料の責任ある調達に努めていきます。 また、多様な人材が活躍できるよう働き方改革とダイバーシティの推進に取り組みます。 (f)三菱製紙株式会社との資本業務提携 国内外の競争当局の許認可取得を終え、2019年3月29日に三菱製紙株式会社からの第三者割当による新株式の発行に係る払込み及び同社株主からの同社株式の取得を完了しました。これにより当社グループの同社に対する議決権比率は33.00%となり、同社は当社の持分法適用会社となりました。両社はこれまで情報用紙分野での業務提携をはじめとして、共同バイオマス発電事業や家庭紙合弁事業を立ち上げる等業務提携の範囲を拡大してきましたが、本資本提携によって、これまでの特定の事業における単発的な協業関係に留まらない、幅広い分野における協業関係を強化していきます。 当社グループはこれらの諸施策を通して、常に時代のニーズを先取りし、イノベーションに挑戦し、持続的に成長する企業グループを目指していきます。 (2)会社の支配に関する基本方針 当社は、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます。)を下記(Ⅰ)のとおり定めています。また、2017年6月29日開催の第93回定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、有効期限を当該定時株主総会終結から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとして、下記(Ⅲ)に定める特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(注4)に関する対応方針(買収防衛策)(以下、「本方針」といいます。)を継続しています。(注)1.特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、または(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。(注)2.議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1.の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、または(ⅱ)特定株主グループが、注1.の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当該買付者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。(注)3.株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項または同法第27条の2第1項に規定する株券等を意味します。(注)4.上記のいずれの買付行為についても、予め当社取締役会が同意したものを除きます。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。 (Ⅰ)会社の支配に関する基本方針の内容 上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、大規模買付行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資する買付提案等に基づくものであれば、当社はこれを一概に否定するものではありません。かかる提案等については、買付けに応募するかどうかを通じ、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものと考えています。 他方、当社グループが企業価値・株主共同の利益の向上を図っていくためには、当社グループが展開する様々な事業分野において、グループ経営戦略の基本方針である「国内事業の収益力アップ」、「海外事業の拡充」、「イノベーションの推進」、「持続可能な社会への貢献」を中長期的に推進していく必要があり、また、民間企業で国内最大の森林保有者である当社グループにとって、持続可能な森林経営を行い、中長期的に森林の公益的価値の維持・向上を図ることが、社会的責任の一つであると認識しています。したがって、当社への大規模買付行為に際し、株主の皆様が適切な判断を行うためには、当該買付者に関する適切な情報等の提供及び代替案の検討機会を含めた検討期間の確保がなされることが必要不可欠であると考えます。 しかし、当社株式の買付け等の提案においては、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないものも想定されます。また、買付目的や買付け後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性があるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。 このような大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。(Ⅱ)会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み 当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)企業集団の経営戦略」に記載の施策を実施しています。 これらの取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるためのものであることから、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。(Ⅲ)会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(a)本方針導入の目的 当社取締役会は、上記(Ⅰ)の基本方針に基づき、以下のとおり、当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対して大規模買付ルールの遵守を求めることとしています。大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。また、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合にも、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。 (b)大規模買付ルールの設定 当社株主全体の利益のため、大規模買付行為は、以下に定める大規模買付ルールに従って行われるものとします。この大規模買付ルールとは、(ⅰ)事前に大規模買付者から当社取締役会に対して十分な情報が提供され、(ⅱ)当社取締役会による一定の評価期間が経過した後(株主意思確認総会(後記(c)ホ.に定義します。以下同じ。)が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)に大規模買付行為を開始する、というものです。 具体的には、まず、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び取締役会としての意見形成のために十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。その項目は別紙1記載のとおりです。 大規模買付情報の具体的内容は、大規模買付行為の内容によって異なることもあり得るため、大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示していただきます。当社は、この意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると考えられる場合、十分な大規模買付情報が揃うまで追加的に情報提供をしていただくことがあります。当社取締役会は、大規模買付行為の提案があった事実は、速やかに情報開示します。また、当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。 次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供が完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を、取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)とします。当社取締役会は、大規模買付情報の提供が完了した事実及び取締役会評価期間については、速やかに開示します。大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後(株主意思確認総会が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)にのみ開始されるものとします。 取締役会評価期間中、当社取締役会は外部専門家の助言を受けながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、取締役会としての意見を開示します。必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。また、当社取締役会は、特別委員会に大規模買付情報を提供し、その評価・検討を依頼します。特別委員会は、独自に大規模買付情報の評価・検討を行い、本方針に従い当社取締役会がとるべき対応について勧告を行います。当社取締役会は、特別委員会の勧告を踏まえ、これを最大限尊重しつつ、本方針に従った対応を決定します。(c)大規模買付行為がなされた場合の対応方針イ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合 大規模買付者が意向表明書を提出しない場合、大規模買付者が取締役会評価期間の経過前に大規模買付行為を開始する場合、大規模買付者が大規模買付ルールに従った十分な情報提供を行わない場合、その他大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会は、当社株主全体の利益の保護を目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。当社取締役会は、対抗措置の発動を決定するに先立ち、特別委員会に対抗措置の発動の是非を諮問しその勧告を受けるものとします。特別委員会の勧告を最大限尊重しつつ、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にした上で、当社取締役会は対抗措置の発動を決定します。 具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することとなります。具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要は、原則として別紙2記載のとおりとします。なお、新株予約権を発行する場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件や取得条件とする等、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条件を設けることがあります。 今回の大規模買付ルールの設定及びそのルールが遵守されなかった場合の対抗措置は、当社株主全体の正当な利益を保護するための相当かつ適切な対応であると考えていますが、他方、このような対抗措置により、結果的に、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。大規模買付ルールを無視して大規模買付行為を開始することのないように予め注意を喚起します。ロ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合 大規模買付ルールは、当社の経営に影響力を持ち得る規模の当社株式の買付行為について、当社株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、このような買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、現に経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。大規模買付ルールが遵守されている場合、原則として、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止しようとするものではありません。 しかしながら、例外的に、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守していても、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合であると、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にし、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会が判断したときには、上記(c)イ.で述べた大規模買付行為を抑止するための措置をとることがあります(ただし、株主意思確認総会が開催された場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。 対抗措置をとることを決定した場合には、適時適切な開示を行います。具体的には、以下の類型に該当すると認められる場合には、原則として、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するものと考えます。(ⅰ)次の①から④までに掲げる行為等により株主全体の利益に対する明白な侵害をもたらすような買収行為を行う場合①株式を買い占め、その株式について会社側に対して高値で買取りを要求する行為②会社を一時的に支配して、会社の重要な資産等を廉価に取得する等会社の犠牲のもとに買収者の利益を実現する経営を行うような行為③会社の資産を買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為④会社経営を一時的に支配して会社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為(ⅱ)強圧的二段階買収(最初の買付条件よりも二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは二段階目の買付条件を明確にしないで、公開買付け等の株式買付けを行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する客観的な蓋然性のある買収行為を行う場合(ⅲ)次の①から③までに該当する事由のいずれかが存在し、それにより、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性がある場合①大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等が著しく不合理または不適当であること②大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等について環境保全・コンプライアンスやガバナンスの透明性の点で重要な問題を生じる客観的な蓋然性があること③大規模買付者に関する情報開示が当社の株主保護の観点から見て十分かつ適切になされない客観的な蓋然性があることハ.対抗措置発動後の停止 当社取締役会は、本方針に従い対抗措置をとることを決定した後でも、(ⅰ)大規模買付者が大規模買付行為を中止した場合や、(ⅱ)対抗措置をとる旨の決定の前提となった事実関係等に変動が生じ、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらさずかつ当社株主全体の利益を著しく損なわないと判断される場合には、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の停止を決定することがあります(ただし、株主意思確認総会が開催されて、対抗措置の発動の停止についても決議がなされている場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。対抗措置として、例えば新株予約権を無償割当てする場合において、権利の割当てを受けるべき株主が確定した後に、大規模買付者が大規模買付行為の撤回を行う等の事情が生じ、特別委員会の勧告を踏まえ、対抗措置の発動が適切でないと取締役会が判断したときには、新株予約権の効力発生日までの間は新株予約権の無償割当てを中止し、また新株予約権の無償割当て後、行使期間の開始までの間においては当社が無償で新株予約権を取得して、対抗措置の発動を停止することができるものとします。 このような対抗措置の発動の停止を行う場合には、特別委員会が必要と認める事項とともに速やかな情報開示を行います。ニ.特別委員会の設置及び検討 本方針において、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否か、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するかどうか、そして大規模買付行為に対し対抗措置をとるべきか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動を停止するべきか否かの判断に当たっては、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保するため、当社は、取締役会から独立した組織として、特別委員会を設置し、当社取締役会はその勧告を最大限尊重するものとします。特別委員会の委員は3名とし、社外取締役、社外監査役、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者を対象として選任するものとします。なお、特別委員会規程の概要、特別委員会委員の氏名及び略歴は、それぞれ別紙3、4のとおりです。 取締役会は、対抗措置の発動、株主意思確認総会の開催もしくは不開催または発動の停止を決定するときは、必ず特別委員会に対して諮問し、その勧告を受けるものとします。特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得たり、当社の取締役、監査役、従業員等に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めたりしながら、審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告を行います。取締役会は、対抗措置を発動するか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動の停止を行うか否かの判断に当たっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。ホ.株主意思の確認手続き 当社取締役会が、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置を発動するか否かの判断にあたり、株主意思の確認手続きを経るべきであると判断した場合、当社取締役会は、株主の意思を確認するための株主総会(以下、「株主意思確認総会」といいます。)を開催することがあり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守し、かつ、大規模買付行為が上記(c)ロ.(ⅲ)の類型に該当することのみを理由として対抗措置を発動する場合には、株主意思確認総会の開催が著しく困難な場合を除き、必ず株主意思確認総会を開催し、対抗措置を発動するか否かについての株主意思の確認を行います。また、株主意思確認総会の開催にあたり、当社の企業価値・株主共同の利益が損なわれないようにするため、当社株主に対し、当該株主意思確認総会における議決権行使に関する勧誘を行うことがあります。株主意思確認総会の招集手続き及び議決権行使方法は、法令及び当社定款に基づく定時株主総会または臨時株主総会の招集手続き及び議決権行使方法に準ずるものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かに関する株主意思確認総会の決議に従うものとします。(d)当社株主の皆様・投資家の皆様に与える影響等 本方針に基づく対抗措置の発動によって、当社株主の皆様(大規模買付者を除きます。)が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定していませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。 対抗措置として考えられるもののうち、新株予約権の無償割当てを行う場合には、当社取締役会で別途定めて公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式数に応じて新株予約権が割り当てられますので、当該基準日における最終の株主名簿に記録される必要があります。また、新株予約権を行使して株式を取得するためには、所定の期間内に一定の金額の払込みを完了していただく必要があります。ただし、当社が新株予約権を当社株式と引き換えに取得できる旨の取得条項に従い新株予約権の取得を行う場合には、当社取締役会が当該取得の対象とした新株予約権を保有する株主の皆様は、金銭の払込みを要することなく、当社による新株予約権取得の対価として、当社株式の交付を受けることができます。これらの手続きの詳細については、実際に新株予約権を発行または取得することとなった際に、法令及び金融商品取引所規則に基づき別途お知らせします。 なお、いったん新株予約権の無償割当てを決議した場合であっても、当社は、上記(c)ハ.に従い、新株予約権の無償割当ての効力発生日までに新株予約権の無償割当てを中止し、または新株予約権の無償割当ての効力発生日後新株予約権の行使期間の初日の前日までに新株予約権を無償にて取得する場合があります。これらの場合には、当社株式の株価に相応の変動が生じる可能性があります。例えば、新株予約権の無償割当てを受けるべき株主が確定した後(権利落ち日以降)において、当社が新株予約権を無償取得して新株を交付しない場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化は生じませんので、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った投資家は、株価の変動により損害を被るおそれがあります。(e)大規模買付ルールの有効期限 2017年6月29日開催の第93回定時株主総会において、本方針の継続について株主の皆様のご承認が得られたため、本方針の有効期間は、当該定時株主総会の日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとし、以後も同様とします。なお、当社取締役会は、本方針を継続することを決定した場合、その旨を速やかにお知らせします。また、当社取締役会は、株主全体の利益保護の観点から、会社法及び金融商品取引法を含めた関係法令の整備・改正等を踏まえ、本方針を随時見直していく所存です。 本方針は、その有効期間中であっても、株主総会において本方針を廃止する旨の決議が行われた場合または当社取締役会により本方針を廃止する旨の決議が行われた場合は、その時点で廃止されるものとします。また、当社取締役会は、本方針の有効期間中であっても、株主総会での承認の趣旨の範囲内で本方針を修正する場合があります。(Ⅳ)本方針が会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについての取締役会の判断及びその判断に係る理由 以下の理由により、本方針は、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。(a)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること 本方針は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しています。(b)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること 本方針は、上記(Ⅲ)(a)「本方針導入の目的」にて記載したとおり、当社株券等に対する買付け等がなされた際に、当該買付け等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。(c)合理的な客観的発動要件の設定 本方針は、上記(Ⅲ)(c)「大規模買付行為がなされた場合の対応方針」にて記載したとおり、大規模買付行為が大規模買付ルールを遵守していない、あるいは大規模買付ルールを遵守していても株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす買収である場合や株主に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合等、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。(d)株主意思を重視するものであること 当社は、本方針の継続について株主の皆様のご意思をご確認させていただくため、株主総会において、議案としてお諮りしています。株主総会において、本方針の継続の決議がなされなかった場合には、速やかに廃止されることになり、その意味で、本方針の消長及び内容は、当社株主の合理的意思に依拠したものとなっています。(e)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと 上記(Ⅲ)(e)「大規模買付ルールの有効期限」にて記載したとおり、本方針は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株券等を大量に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本方針を廃止することが可能です。従って、本方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役任期は1年間であり、本方針はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。(別紙1) 大規模買付情報 1.大規模買付者及びそのグループ(ファンドの場合は組合員その他の構成員を含む。)の情報。(1)名称、資本関係、財務内容(2)(大規模買付者が個人である場合は)国籍、職歴、当該買収提案者が経営、運営または勤務していた会社またはその他の団体(以下、「法人」という。)の名称、主要な事業、住所、経営、運営または勤務の始期及び終期(3)(大規模買付者が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、主要な事業、設立国、ガバナンスの状況、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人またはその財産に係る主な係争中の法的手続き、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名(4)(もしあれば)過去5年間の犯罪履歴(交通違反や同様の軽微な犯罪を除く。)、過去5年間の金融商品取引法、会社法(これらに類似する外国法を含む。)に関する違反等、その他コンプライアンス上の重要な問題点の有無2.大規模買付行為の目的、方法及びその内容(取得の対価の価額・種類、取得の時期、関連する取引の仕組み、取得の方法の適法性、取得の実現可能性を含む。)。3.当社株式の取得の対価の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに取得に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジー及びその算定根拠を含む。)。4.大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含む。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含む。)。5.大規模買付行為後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策。6.大規模買付行為後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者(ステークホルダー)に関する方針。7.必要な政府当局の承認、第三者の同意等、大規模買付行為の実行に当たり必要な手続きの内容及び見込み。大規模買付行為に対する、独占禁止法その他の競争法並びにその他大規模買付者または当社が事業活動を行っているか製品を販売している国または地域の重要な法律の適用可能性や、これらの法律が大規模買付行為の実行に当たり支障となるかどうかについての考え及びその根拠。8.その他当社取締役会または特別委員会が合理的に必要と判断して要請する情報。 (別紙2) 新株予約権の概要 1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件 取締役会で定める基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てる。なお、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えて募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合と、新株予約権の無償割当てを行う場合とがある。 2.新株予約権の目的である株式の種類及び数 新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式数を上限とする。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割または株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。 3.発行する新株予約権の総数 新株予約権の割当総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式の数を上限として、取締役会が定める数とする。取締役会は、割当総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の割当てを行うことがある。 4.各新株予約権の払込金額 無償(金額の払込みを要しない。) 5.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額 各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とする。 6.新株予約権の譲渡制限 譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとする。 7.新株予約権の行使条件 議決権割合が20%以上の特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがある。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。 8.新株予約権の行使期間等 新株予約権の行使期間、取得条項その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとする。なお、取得条項については、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがある。 (別紙3) 特別委員会規程の概要 1.特別委員会は、大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保することを目的として設置される。 2.特別委員会の委員は3名とし、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、(ⅰ)当社社外取締役、(ⅱ)当社社外監査役、または(ⅲ)社外の有識者のいずれかに該当する者の中から、当社取締役会が選任する。ただし、社外の有識者は、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者とし、別途当社取締役会が定める善管注意義務条項等を含む契約を当社との間で締結した者でなければならない。 3.特別委員会委員の任期は、選任後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、当社取締役会の決議により別段の定めをした場合はこの限りではない。 4.特別委員会は、取締役会の諮問を受けて、以下の各号に記載される事項について審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告する。なお、特別委員会の各委員は、こうした審議・決議にあたっては、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うものとし、自己または当社の経営陣の個人的利益を図ることを目的としてはならない。①大規模買付行為に対する対抗措置の発動の是非②大規模買付行為に対する対抗措置発動の停止③株主意思確認総会の開催の要否④その他当社取締役会が判断すべき事項のうち、当社取締役会が特別委員会に諮問した事項 5.特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得ることができる。 6.特別委員会は、必要な情報収集を行うため、当社の取締役、監査役、従業員その他特別委員会委員が必要と認める者の出席を求め、特別委員会が求める事項に関する説明を要求することができる。 7.特別委員会の決議は、原則として、特別委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行う。ただし、やむを得ない事由があるときは、特別委員会委員の過半数が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行う。(別紙4) 特別委員会委員の氏名及び略歴 特別委員会の委員は、以下の3名です。 奈良 道博(なら みちひろ) 略歴1946年5月17日生まれ1974年4月 弁護士登録2014年6月 当社取締役 現在に至る。※奈良道博氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 髙田 稔久(たかた としひさ) 略歴1954年1月8日生まれ1976年4月 外務省入省2010年8月 ケニア駐箚特命全権大使2010年10月 ケニア兼エリトリア兼セーシェル兼ブルンジ駐箚特命全権大使2013年1月 ケニア兼エリトリア兼セーシェル兼ブルンジ兼ソマリア駐箚特命全権大使2013年8月 臨時本省事務従事(沖縄担当)2015年5月 ニュージランド兼クック兼サモア駐箚特命全権大使2016年6月 ニュージランド兼クック兼サモア兼ニウエ駐箚特命全権大使2017年3月 ニュージランド兼クック兼ニウエ駐箚特命全権大使2018年10月 退官2019年6月 当社取締役 現在に至る。※髙田稔久氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 辺見 紀男(へんみ のりお) 略歴1957年6月13日生まれ1989年4月 弁護士登録2018年6月 当社監査役 現在に至る。※辺見紀男氏は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
MD&A(経営者による分析)
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計方針に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載のとおりです。②経営成績に関する説明 当社グループは、「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」を2016-2018年度中期経営計画におけるグループ経営戦略の基本方針に据え、国内事業では、既存事業の集約化・効率化、及び蓄積技術・ノウハウを活かした新規有望事業の展開加速を図るとともに、海外事業では、既存拠点の設備増強、M&Aによる新規拠点の獲得を進め、進出地域と事業分野のさらなる拡大を図ってきました。 この取り組みの下、当連結会計年度の売上高は、海外事業の事業規模拡大やパルプ販売価格の上昇の影響、国内事業の価格修正効果等により増収となり、前期を651億円(+4.4%)上回る15,510億円となりました。「海外事業の拡大」は着実に進捗し、当社グループの海外売上高比率は、前期を+1.0ポイント上回る32.0%となりました。 営業利益は、国内事業、海外事業ともに増益となり、前期を394億円(+55.7%)上回る1,102億円となり、2016-2018年度中期経営計画の経営目標である連結営業利益1,000億円を達成しました。国内事業では、原燃料価格の高騰が減益要因となったものの製品の価格修正効果やコストダウン効果等が増益に寄与しました。また、海外事業では、事業規模拡大やパルプ販売価格上昇の影響等によって増益となり、海外所在会社合計で前期を300億円(+64.4%)上回る765億円の営業利益となりました。 営業外損益は、三菱製紙株式会社が当社の持分法適用会社になったことに伴って発生した負ののれん相当109億円を持分法による投資利益に計上した影響等により前期に対し130億円の増益となり、経常利益は、前期を524億円(+79.5%)上回る1,184億円となりました。 特別損益は、特別損失として当社の連結子会社である王子製紙株式会社の洋紙事業の固定資産に係る減損損失を296億円計上しました。日本での印刷用紙の需要は、ICT化の進展による構造的な減少が続いています。このような状況において、王子製紙株式会社では、日々あらゆる分野でのコストダウンに取り組みながら、再生産可能な収益確保のため、2019年1月より印刷用紙の価格修正を実施しましたが、現在の事業環境を踏まえ、将来の収益見込等を保守的に見積り、回収可能性を慎重に検討した結果、当連結会計年度において減損を実施することが適切であると判断しました。その他の特別損失として平成30年7月豪雨や台風、平成30年北海道胆振東部地震による災害損失が37億円発生したこと等もあり、特別利益として退職給付信託返還益112億円の計上があったものの、特別損益は、前期に対し266億円の減益となりました。 その結果、税金等調整前当期純利益は、前期を258億円(+39.7%)上回る908億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を158億円(+43.5%)上回る520億円となりました。 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」、「機能材」、「資源環境ビジネス」、「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメントは、「その他」としています。なお、第1四半期連結会計期間より、社内管理区分を見直した結果、一部の事業について報告セグメントの区分を変更しており、前年比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。 各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。 生活産業資材・・・・・ 段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、 包装用紙・製袋事業、家庭紙事業、紙おむつ事業 機能材・・・・・・・・ 特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業 資源環境ビジネス・・・ パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業 印刷情報メディア・・・ 新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業 その他・・・・・・・・ 不動産事業、エンジニアリング、商事、物流 他 ○生活産業資材当連結会計年度は、売上高は、前期比4.6%増収の6,812億円、営業利益は、製品の価格修正効果により、同312.2%増益の224億円となりました。国内事業では、段ボール原紙・段ボールは、台風等の影響により青果物向けが低調に推移しましたが、食品・通販向け等が堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。白板紙は、国内販売はほぼ前年並みであり、輸出販売は東南アジア向けを中心に、販売量が前年に対し増加しました。包装用紙は、平成30年7月豪雨による工場操業停止影響等もあり、国内販売は販売量が前年に対し減少しましたが、輸出販売は東南アジア向けの販売増もあり販売量が前年に対し増加しました。紙おむつは、子供用・大人用ともに、販売量が前年に対し増加しました。家庭紙は、堅調に推移し、販売量が前年に対し増加しました。海外事業では、段ボール原紙は、東南アジア、オセアニアにおいて、販売価格の上昇により売上高が前年に対し増加しました。段ボールは、東南アジアでは、飲料・加工食品関連を中心に販売が堅調に推移しました。オセアニアでは、オーストラリアにおける新工場稼働やニュージーランドにおける農産物向け需要の伸び等により、販売量が増加しました。紙おむつは、新興国での需要伸長を背景に、マレーシアにおける自社ブランド品の浸透、インドネシアにおける配荷店舗の拡大、中国におけるネピアの知名度を活かした日本からの輸出品の拡販により、販売量が前年に対し大幅に増加しました。 連結売上高: 6,812億円(前期比 4.6%増収)連結営業利益: 224億円(前期比 312.2%増益) ○機能材当連結会計年度は、売上高は、前期比1.5%増収の2,241億円、営業利益は、拡販努力による販売量の増加影響が原燃料価格高騰の影響をカバーしましたが、同1.1%減益の184億円となりました。国内事業では、国内販売向けは、特殊紙は、新製品開発・新規顧客開拓を進めましたが、平成30年北海道胆振東部地震による工場操業停止影響等により、販売量が前年に対し減少しました。感熱紙は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。粘着製品は、感熱タック紙を中心に、販売量が前年に対し増加しました。輸出販売向けは、特殊紙は、価格修正効果等により売上高が前年に対し増加しました。海外事業では、新たにグループ入りしたマレーシアのTele-Paper (M) Sdn. Bhd.が業績拡大に寄与したほか、感熱紙は全ての地域において販売が好調でした。特に東南アジア、南米等の新興諸国においては、販売量が前年に対し大幅に増加しました。 連結売上高: 2,241億円(前期比 1.5%増収)連結営業利益: 184億円(前期比 1.1%減益) ○資源環境ビジネス当連結会計年度は、売上高は、前期比9.4%増収の3,265億円、営業利益は、同65.9%増益の646億円となり、パルプ販売価格上昇の影響により、前年に対し大幅な増収・増益を達成しました。国内事業では、パルプ事業は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。木材加工事業は、好調であり、販売量が前年に対し増加しました。エネルギー事業は、堅調に推移し、売電量がほぼ前年並みでした。海外事業では、パルプ事業は、堅調に推移し、販売量がほぼ前年並みでした。木材加工事業は、中国向けを中心に販売が好調であり、販売量が前年に対し増加しました。 連結売上高: 3,265億円(前期比 9.4%増収)連結営業利益: 646億円(前期比 65.9%増益) ○印刷情報メディア当連結会計年度は、売上高は、前期比0.8%減収の3,029億円、営業利益は、原燃料価格の高騰等の影響により、同37億円減益の△48億円の損失となりました。国内事業では、新聞用紙は、発行部数減及び頁数減の影響等により、販売量が前年に対し減少しました。印刷・情報用紙は、販売量はほぼ前年並みでした。売上高は、第3四半期まで市況軟化影響もありましたが、第4四半期から実施した価格修正効果等により、ほぼ前年並みとなりました。海外事業では、中国における印刷用紙の販売価格上昇の影響により、売上高が前年に対し増加しました。 連結売上高: 3,029億円(前期比 0.8%減収)連結営業損失(△): △48億円(前期は12億円の連結営業損失) ○その他当連結会計年度は、売上高は商事及び物流等の収入により前期比6.2%増収の2,942億円、営業利益は、同12.4%増益の98億円となりました。 連結売上高: 2,942億円(前期比 6.2%増収)連結営業利益: 98億円(前期比 12.4%増益) ③生産、受注及び販売の実績(a)生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)生活産業資材725,0475.8機能材210,0581.9資源環境ビジネス241,6806.4印刷情報メディア288,3082.1報告セグメント計1,465,0944.6その他8,849△1.9計1,473,9444.6(注)1.生産高は自家使用分を含めて記載しています。2.金額は販売価格によるものであり、消費税及び地方消費税を含みません。 (b)受注実績 当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。 (c)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)生活産業資材627,7884.3機能材209,2422.7資源環境ビジネス270,71310.3印刷情報メディア257,557△2.4報告セグメント計1,365,3023.8その他185,6898.6計1,550,9914.4(注)1.セグメント間取引については相殺消去しています。2.上記の金額には、消費税及び地方消費税を含みません。 ④財政状態 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に対して94億円減少し、19,514億円となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金等の増加により、前連結会計年度末に対して484億円増加し、固定資産は、前連結会計年度末に対して578億円減少しました。固定資産のうち、有形・無形固定資産は固定資産の減損損失等の影響で766億円減少し、投資その他の資産は三菱製紙株式会社との資本業務提携によって、同社の株式を議決権比率33.00%まで取得した影響等により188億円増加しました。 負債は、支払手形及び買掛金が増加しましたが、有利子負債が268億円減少した影響等により、前連結会計年度末に対して148億円減少し、11,360億円となりました。有利子負債残高は、2016-2018年度中期経営計画の経営目標7,000億円に対し、6,206億円となりました。なお、有利子負債残高から現金及び現金同等物等を控除した純有利子負債残高は、5,350億円となり、前連結会計年度末に比し527億円減少しました。 純資産は、円高による為替換算調整勘定や株価の変動によるその他有価証券評価差額金が減少したものの、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して54億円増加し、8,154億円となりました。 (注)『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、前連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっています。 当社グループは、2018年度を最終年度とする中期経営計画で掲げた経営目標「連結営業利益1,000億円」「有利子負債7,000億円」の達成に向けて、海外事業や新規事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく一方で、政策保有株式や遊休資産等の売却を進めて有利子負債の圧縮に努め、財務基盤の強化に取り組んで来ました。その結果、当期の連結営業利益は1,102億円、有利子負債残高は6,206億円と目標を達成し、ROEは7.7%、ネットD/Eレシオは0.7倍となりました。 2019年度から2021年度を最終年度とする新しい中期経営戦略では、「連結営業利益1,500億円以上」「海外売上高比率40%」「ROE10.0%」「ネットD/Eレシオ現状維持」をグループの経営目標に定め、資金計画としては、引き続き有利子負債残高を適正な水準に保ちつつ、営業キャッシュ・フローを配当、国内事業の収益力アップ及び海外事業の拡充等に充て、経営目標の達成を目指していきます。 ⑤キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に減価償却費を加えたキャッシュ・インが1,603億円(前連結会計年度は1,369億円)となり、法人税等の支払い等を含めた合計は、前連結会計年度に対して174億円収入が増加し1,406億円の収入(前連結会計年度は1,232億円の収入)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出が増加した一方で、固定資産の取得による支出の減少や投資有価証券の売却による収入の増加などにより、前連結会計年度に対して74億円支出が減少し、666億円の支出(前連結会計年度は740億円の支出)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローの支出の主な内容は、既存分野における設備維持・更新、品質改善、生産性向上、安全及び環境のために必要な投資の他、成長戦略投資としてGS Paperboard & Packaging Sdn.Bhd.の段ボール原紙マシン増設、江蘇王子製紙有限公司の家庭紙原紙マシン設置等に関する支出によるものです。 営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリー・キャッシュ・フローは主として有利子負債の圧縮に充当し、その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは455億円の支出(前連結会計年度は418億円の支出)となり、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末に対して268億円減少し、6,206億円となりました。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に対して245億円増加し、828億円となりました。 ⑥資本の財源及び資金の流動性に係る情報(a)資金需要の主な内容 当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金(製品製造のための原燃料の購入・製造費や人件費、製品の輸送・保管費等)や研究開発費等が主な内容です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資や品質改善・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等が主な内容です。今後も海外事業や新規事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく予定であり、所要資金の調達については、自己資金と外部調達との最適なバランスを検討し実施していきます。 (b)財務政策営業活動を通じて獲得したキャッシュ・フローは配当及び投資資金に充当し、有利子負債残高を適正水準に保ちながら、不足資金については借入金やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等による資金調達を行い、余剰資金については有利子負債の削減に充当します。なお、長期借入金や社債等の長期資金については、経営計画に基づく資金需要見通しや金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断して実施することとしています。当社は、主要連結子会社との間でグループファイナンスを行い、資金の一元管理を行うことにより、運転資金の効率的な運用を図っています。
経営方針・経営戦略
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)企業集団の経営戦略当社グループは、「革新的価値の創造」、「未来と世界への貢献」、「環境・社会との共生」を経営理念とし、「領域をこえ 未来へ」向かって、中長期的な企業価値向上に取り組んでいます。この経営理念の下、「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」をグループ経営戦略の基本方針に据え、下記の経営目標を掲げています。 2018年度経営目標連結営業利益有利子負債残高1,000億円7,000億円これを実現するため、具体的には以下の取り組みを行っています。 (a)生活産業資材・産業資材(段ボール原紙事業、段ボール加工事業、白板紙・包装用紙事業、紙器・製袋事業)海外では、東南アジア・インド・オセアニアを中心に事業拡大を進めています。2016年9月にはマレーシアの段ボール製造販売会社であるDazun Paper Industrial Company Sdn.Bhd.の買収を完了しました。また、ミャンマーで2番目となる工場では段ボール、軟包装及び紙コップ事業の準備を進めており、2017年中に営業運転を開始する予定です。オーストラリアにおいても、2017年10月の営業運転開始に向けて、段ボール工場の新設を進めています。今後も東南アジア等を中心に拠点を拡大していくとともに、東南アジア・インド・オセアニア地域全体の連携を深めて製造・販売ネットワークを活性化し、収益力を強化していきます。国内では素材・加工一体型ビジネスをさらに推進するとともに、M&Aによる段ボール加工の事業拡大、生産性向上・競争力強化施策による全事業分野の基盤強化を推し進め、No.1総合パッケージングメーカーを目指します。また、中越パルプ工業株式会社との資本・業務提携施策として推し進めてきた製袋事業の協業に関して、2016年5月に中間持株会社であるO&Cペーパーバッグホールディングス株式会社を設立しました。生産体制の合理化等によって国内の事業基盤を盤石なものとしたうえで、海外において両社の既存拠点を基点として事業拡大を積極的に進め、製袋事業を成長させていきます。さらに、安定した需要が期待できる高級白板紙の生産合弁会社として設立したO&Cアイボリーボード株式会社では、2017年8月の営業生産開始に向けて準備を鋭意進めています。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業)家庭紙事業では、森林認証を取得した環境配慮型商品や「鼻セレブ」に代表される高品質商品をはじめとした商品展開により、一層の「ネピア」ブランドの価値向上を目指していきます。また、三菱製紙株式会社と合弁でエム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ株式会社を設立し、三菱製紙株式会社八戸工場構内で家庭紙の製造事業を行うことについて、2017年4月に合意しました。東北地区で初めてとなる家庭紙事業の拠点獲得による物流コスト削減等を通じた家庭紙事業の競争力強化を進めるとともに、今後も安定した需要が期待される家庭紙事業の拡大を進めていきます。紙おむつ事業の子供用分野では、国内外の統一ブランドとして展開する「Genki!(ゲンキ!)」に加え、「Whito(ホワイト)」を新たに発売しました。「Whito」は、テープ型からパンツ型まで揃えた、王子史上最高品質のブランドです。紙おむつ吸収体の表面にプレスした溝が、「吸収性」、「通気性」、「フィット性」の3性能を飛躍的に向上させる独自技術で、業界初となる「3時間用(こまめにおむつを替える時の短時間用)」と「12時間用(お出かけ時や睡眠時などの長時間用)」を開発し、用途によって使い分ける新習慣を提案します。2017年2月にベビー専門店のアカチャンホンポで先行販売を開始したところ、早くもリピート購入いただくなど販売は順調に伸長しています。今秋には全国一斉に展開し、品質志向の高い顧客をターゲットに高価格市場を開拓していきます。また、国内では2016年にはテープ型、パンツ型ともに加工機を増設することで供給能力も拡大しました。中国をはじめとする海外への日本からの輸出も一層の強化を図ります。海外ではマレーシア2拠点での製造販売、インドネシアの合弁会社における販売を実施しており、インドネシアでの製造開始も予定しています。大人用の「ネピアテンダー」においても、介護現場が抱える課題を解決する商品の開発を続けていきます。 (b)機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業)東南アジアでの機能材事業は、感熱紙・粘着紙などの川上事業を中心に展開してきましたが、2016年5月にマレーシアで印刷・加工製品を製造販売するHyper-Region Labels Sdn.Bhd.及びその関連会社の株式の60%を取得し、川中・川下事業にも参入しました。さらに、マレーシアで感熱紙・ノーカーボン紙等の製造販売を行うTele Paper (M) Sdn.Bhd.の株式取得も進めています。これらの拠点を基点として川中・川下事業を拡大していくことにより、エンドユーザーのニーズを適時適確に把握し、川上・川中・川下事業が一体となって新規事業開拓や新製品開発を強化していきます。ミャンマーではウイスキーラベルへの展開や食品・飲料及び生活消費財メーカー向けフィルム等の軟包装事業の準備を進めており、2017年中に営業生産を開始する予定です。また、ブラジルでは南米での感熱紙の旺盛な需要に対応するため、Oji Papéis Especiais Ltda.における約10%の生産能力増強を進めています。今後も、さらなる海外事業の拡大に取り組んでいきます。国内については、生産体制再構築を進めて競争力を高めるとともに、光拡散部材や熱可塑性複合繊維等の脱「紙」製品の開発、 EV・HEV用コンデンサフィルムや光学機能性フィルム等の新たな付加価値の創造に基づく既存製品の高度化により、新たな事業領域への展開を進めていきます。 (c)資源環境ビジネス(パルプ事業、エネルギー事業、木材事業)パルプ事業では、パルプ市況の変動に耐え得る事業基盤を構築するため、主要拠点にて戦略的収益対策を実施しています。2014年に買収したニュージーランドのOji Fibre Solutions (NZ) Ltd.では、当社グループのノウハウや操業管理手法等を導入・活用し、操業の安定化及び効率化対策に取り組み、ブラジルのCelulose Nipo-Brasileira S.A.では製造設備の最新鋭化等による継続的な収益対策を進めています。また、江蘇王子製紙有限公司では2017年末稼働予定のドライパルプマシンの増設を進めています。その他、2014年に稼働した溶解パルプ製造設備ではレーヨン用途向け製品の生産に加えて、食料添加剤・医療品材料等の高付加価値品の開発も鋭意進めています。新規ビジネスについても展開を加速させています。電力事業については、2015年度までに3基のバイオマス発電設備を稼働させ、水力発電設備の更新工事、電力小売り事業等を行っています。水力発電については、更新を計画した15カ所のうち、これまでに10カ所で工事が完了しました。また、三菱製紙株式会社と共同で、同社八戸工場構内に設備を設置し、2019年にバイオマス発電事業を開始する予定です。電力事業の拡大とともに、未利用の国内木材資源を活用した燃料用チップの生産設備の増強やインドネシアでのパーム椰子殻の調達拡大を進めるなど、エネルギー事業向け燃料事業の拡大も進めています。木材事業では、近年、インドネシア・ミャンマーで木材加工工場を稼働させ、ニュージーランドでも製材工場のリニューアルを行うなどアジア・オセアニア地域を中心に生産能力の増強に取り組んでいます。また、中国・インドネシア・ベトナムの販売会社を通じてパルプ、燃料、木材加工事業等の幅広い分野で商社機能の強化を推し進めています。 (d)印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業)事業環境を見極めつつ、適宜、生産体制再構築を実施しており、王子製紙株式会社では2016年の富岡工場7号抄紙機の停止に続き、2017年にも春日井工場4号抄紙機を停止します。需要に即した最適生産体制の構築等を通じてコスト構造を継続的に見直し、国際競争力の強化を進めるとともにキャッシュ・フローの増大を図っていきます。また、江蘇王子製紙有限公司では、中国では数少ない紙パルプ一貫生産体制の強みを最大限に生かしコストダウンを進めた結果、紙事業は2016年度通期で営業利益黒字化を達成しました。また、2016年度下期においては紙事業とパルプ事業を合わせた同社全体でも営業利益の黒字化を達成しています。2017年末稼働予定のドライパルプマシンの増設を進めるパルプ事業との両輪でさらなる競争力強化を図り、紙事業・パルプ事業ともに営業利益の黒字安定化を目指します。 (e)研究開発の強化次世代素材として幅広い産業に応用が期待されているセルロースナノファイバー(CNF)をはじめとして、水処理技術等、グループ内の関連部門と連携を密にとりながらイノベーション推進本部を中心に機動的かつ効率的な研究開発活動を実施し、革新的価値創造に取り組んでいます。特にCNFについて、2016年12月に当社独自技術であるリン酸エステル化CNFスラリーの製造実証プラントが稼働し、さらに、当社しか実現していない透明連続シート生産の設備を2017年度後半に世界に先駆けて導入します。これらの設備導入により、製造エネルギー低減効果の検証や量産技術の確立に取り組むとともに、実用化段階のユーザーに対するサンプル提供規模を拡大し、2017年5月に提供を開始したCNF増粘剤「アウロ・ヴィスコ」をはじめ、CNF透明シート「アウロ・ヴェール」、自由に成形加工可能なCNF透明シート「アウロ・ヴェール3D」など新たな可能性を創造し、幅広い用途へ応用展開していくことでCNFの市場活性化に貢献していきます。また、薬用植物「甘草(かんぞう)」の栽培研究によって、第17改正日本薬局方に定める薬効成分含量を満たす短期栽培技術を日本で初めて開発しました。この当社栽培の「甘草」は株式会社アルビオンの化粧品原料として実用化される見通しがついています。今後、漢方薬等の医薬品原料としての販売を目指すとともに、医薬部外品や甘味料等の原料化も視野に、新規ビジネスの柱の一つとして注力していきます。 (f)環境経営民間企業で国内最大の森林保有者である当社グループは、環境経営の推進を掲げ、環境と調和した企業活動を展開しています。持続可能な森林経営を推進すると同時に、環境負荷ゼロに向けた取り組み、木材原料をはじめとする原材料についての責任ある調達を続けていきます。 当社グループは、これらの諸施策を通じて、革新的価値を創造し続けるグローバルな企業グループを目指していきます。 (2)会社の支配に関する基本方針 当社は、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます。)を下記(Ⅰ)のとおり定めています。また、2017年6月29日開催の第93回定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、有効期限を当該定時株主総会終結から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとして、下記(Ⅲ)に定める特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(注4)に関する対応方針(以下、「本方針」といいます。)を継続しています。注1.特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、または(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。注2.議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1.の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、または(ⅱ)特定株主グループが、注1.の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当該買付者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。注3.株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項または同法第27条の2第1項に規定する株券等を意味します。注4.上記のいずれの買付行為についても、予め当社取締役会が同意したものを除きます。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。 (Ⅰ)会社の支配に関する基本方針の内容 上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、大規模買付行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資する買付提案等に基づくものであれば、当社はこれを一概に否定するものではありません。かかる提案等については、買付けに応募するかどうかを通じ、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものと考えています。 他方、当社グループが企業価値・株主共同の利益の向上を図っていくためには、当社グループが展開する様々な事業分野において、グループ経営戦略の基本方針である「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」を中長期的に推進していく必要があり、また、民間企業で国内最大の森林保有者である当社グループにとって、持続可能な森林経営を行い、中長期的に森林の公益的価値の維持・向上を図ることが、社会的責任の一つであると認識しています。したがって、当社への大規模買付行為に際し、株主の皆様が適切な判断を行うためには、当該買付者に関する適切な情報等の提供及び代替案の検討機会を含めた検討期間の確保がなされることが必要不可欠であると考えます。 しかし、当社株式の買付け等の提案においては、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないものも想定されます。また、買付目的や買付け後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性があるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。 このような大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。(Ⅱ)会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み 当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、以下の施策を実施しています。 これらの取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるためのものであることから、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。 (Ⅲ)会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(a)本方針導入の目的 当社取締役会は、上記(Ⅰ)の基本方針に基づき、以下のとおり、当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対して大規模買付ルールの遵守を求めることとしています。大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。また、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合にも、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。 (b)大規模買付ルールの設定 当社株主全体の利益のため、大規模買付行為は、以下に定める大規模買付ルールに従って行われるものとします。この大規模買付ルールとは、(ⅰ)事前に大規模買付者から当社取締役会に対して十分な情報が提供され、(ⅱ)当社取締役会による一定の評価期間が経過した後(株主意思確認総会(後記(c)ホ.に定義します。以下同じ。)が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)に大規模買付行為を開始する、というものです。 まず、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び取締役会としての意見形成のために十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。その項目は別紙1記載のとおりです。 大規模買付情報の具体的内容は、大規模買付行為の内容によって異なることもあり得るため、大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示していただきます。当社は、この意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると考えられる場合、十分な大規模買付情報が揃うまで追加的に情報提供をしていただくことがあります。当社取締役会は、大規模買付行為の提案があった事実は、速やかに情報開示します。また、当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。 次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供が完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を、取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)とします。当社取締役会は、大規模買付情報の提供が完了した事実及び取締役会評価期間については、速やかに開示します。大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後(株主意思確認総会が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)にのみ開始されるものとします。 取締役会評価期間中、当社取締役会は外部専門家の助言を受けながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、取締役会としての意見を開示します。必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。また、当社取締役会は、特別委員会に大規模買付情報を提供し、その評価・検討を依頼します。特別委員会は、独自に大規模買付情報の評価・検討を行い、本方針に従い当社取締役会がとるべき対応について勧告を行います。当社取締役会は、特別委員会の勧告を踏まえ、これを最大限尊重しつつ、本方針に従った対応を決定します。(c)大規模買付行為がなされた場合の対応方針イ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合 大規模買付者が意向表明書を提出しない場合、大規模買付者が取締役会評価期間の経過前に大規模買付行為を開始する場合、大規模買付者が大規模買付ルールに従った十分な情報提供を行わない場合、その他大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会は、当社株主全体の利益の保護を目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。当社取締役会は、対抗措置の発動を決定するに先立ち、特別委員会に対抗措置の発動の是非を諮問しその勧告を受けるものとします。特別委員会の勧告を最大限尊重しつつ、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にした上で、当社取締役会は対抗措置の発動を決定します。 具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することとなります。具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要は、原則として別紙2記載のとおりとします。なお、新株予約権を発行する場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件や取得条件とする等、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条件を設けることがあります。 今回の大規模買付ルールの設定及びそのルールが遵守されなかった場合の対抗措置は、当社株主全体の正当な利益を保護するための相当かつ適切な対応であると考えていますが、他方、このような対抗措置により、結果的に、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。大規模買付ルールを無視して大規模買付行為を開始することのないように予め注意を喚起します。 ロ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合 大規模買付ルールは、当社の経営に影響力を持ち得る規模の当社株式の買付行為について、当社株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、このような買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、現に経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。大規模買付ルールが遵守されている場合、原則として、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止しようとするものではありません。 しかしながら、例外的に、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守していても、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合であると、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にし、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会が判断したときには、上記(c)イで述べた大規模買付行為を抑止するための措置をとることがあります(ただし、株主意思確認総会が開催された場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。 対抗措置をとることを決定した場合には、適時適切な開示を行います。具体的には、以下の類型に該当すると認められる場合には、原則として、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するものと考えます。 (i)次の①から④までに掲げる行為等により株主全体の利益に対する明白な侵害をもたらすような買収行為を行う場合①株式を買い占め、その株式について会社側に対して高値で買取りを要求する行為②会社を一時的に支配して、会社の重要な資産等を廉価に取得する等会社の犠牲のもとに買収者の利益を実現する経営を行うような行為③会社の資産を買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為④会社経営を一時的に支配して会社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為(ⅱ)強圧的二段階買収(最初の買付条件よりも二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは二段階目の買付条件を明確にしないで、公開買付け等の株式買付けを行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する客観的な蓋然性のある買収行為を行う場合(ⅲ)次の①から③までに該当する事由のいずれかが存在し、それにより、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性がある場合①大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等が著しく不合理または不適当であること②大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等について環境保全・コンプライアンスやガバナンスの透明性の点で重要な問題を生じる客観的な蓋然性があること③大規模買付者に関する情報開示が当社の株主保護の観点から見て十分かつ適切になされない客観的な蓋然性があること ハ.対抗措置発動後の停止 当社取締役会は、本方針に従い対抗措置をとることを決定した後でも、(ⅰ)大規模買付者が大規模買付行為を中止した場合や、(ⅱ)対抗措置をとる旨の決定の前提となった事実関係等に変動が生じ、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらさずかつ当社株主全体の利益を著しく損なわないと判断される場合には、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の停止を決定することがあります(ただし、株主意思確認総会が開催されて、対抗措置の発動の停止についても決議がなされている場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。対抗措置として、例えば新株予約権を無償割当てする場合において、権利の割当てを受けるべき株主が確定した後に、大規模買付者が大規模買付行為の撤回を行う等の事情が生じ、特別委員会の勧告を踏まえ、対抗措置の発動が適切でないと取締役会が判断したときには、新株予約権の効力発生日までの間は新株予約権の無償割当てを中止し、また新株予約権の無償割当て後、行使期間の開始までの間においては当社が無償で新株予約権を取得して、対抗措置の発動を停止することができるものとします。 このような対抗措置の発動の停止を行う場合には、特別委員会が必要と認める事項とともに速やかな情報開示を行います。 ニ.特別委員会の設置及び検討 本方針において、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否か、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するかどうか、そして大規模買付行為に対し対抗措置をとるべきか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動を停止するべきか否かの判断に当たっては、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保するため、当社は、取締役会から独立した組織として、特別委員会を設置し、当社取締役会はその勧告を最大限尊重するものとします。特別委員会の委員は3名とし、社外取締役、社外監査役、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者を対象として選任するものとします。 取締役会は、対抗措置の発動、株主意思確認総会の開催もしくは不開催または発動の停止を決定するときは、必ず特別委員会に対して詰問し、その勧告を受けるものとします。特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得たり、当社の取締役、監査役、従業員等に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めたりしながら、審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告を行います。取締役会は、対抗措置を発動するか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動の停止を行うか否かの判断に当たっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。なお、特別委員会規程の概要、特別委員会委員の氏名及び略歴は、それぞれ別紙3、4のとおりです。 ホ.株主意思の確認手続き 当社取締役会が、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置を発動するか否かの判断にあたり、株主意思の確認手続きを経るべきであると判断した場合、当社取締役会は、株主の意思を確認するための株主総会(以下、「株主意思確認総会」といいます。)を開催することがあり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守し、かつ、大規模買付行為が上記(c)ロ.(ⅲ)の類型に該当することのみを理由として対抗措置を発動する場合には、株主意思確認総会の開催が著しく困難な場合を除き、必ず株主意思確認総会を開催し、対抗措置を発動するか否かについての株主意思の確認を行います。また、株主意思確認総会の開催にあたり、当社の企業価値・株主共同の利益が損なわれないようにするため、当社株主に対し、当該株主意思確認総会における議決権行使に関する勧誘を行うことがあります。株主意思確認総会の招集手続き及び議決権行使方法は、法令及び当社定款に基づく定時株主総会または臨時株主総会の招集手続き及び議決権行使方法に準ずるものとし、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かに関する株主意思確認総会の決議に従うものとします。 (d)当社株主の皆様・投資家の皆様に与える影響等 本方針に基づく対抗措置の発動によって、当社株主の皆様(大規模買付者を除きます。)が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定していませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。 対抗措置として考えられるもののうち、新株予約権の無償割当てを行う場合には、当社取締役会で別途定めて公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式数に応じて新株予約権が割り当てられますので、当該基準日における最終の株主名簿に記録される必要があります。また、新株予約権を行使して株式を取得するためには、所定の期間内に一定の金額の払込みを完了していただく必要があります。ただし、当社が新株予約権を当社株式と引き換えに取得できる旨の取得条項に従い新株予約権の取得を行う場合には、当社取締役会が当該取得の対象とした新株予約権を保有する株主の皆様は、金銭の払込みを要することなく、当社による新株予約権取得の対価として、当社株式の交付を受けることができます。これらの手続きの詳細については、実際に新株予約権を発行または取得することとなった際に、法令及び金融商品取引所規則に基づき別途お知らせします。 なお、いったん新株予約権の無償割当てを決議した場合であっても、当社は、上記(c)ハ.に従い、新株予約権の無償割当ての効力発生日までに新株予約権の無償割当てを中止し、または新株予約権の無償割当ての効力発生日後新株予約権の行使期間の初日の前日までに新株予約権を無償にて取得する場合があります。これらの場合には、当社株式の株価に相応の変動が生じる可能性があります。例えば、新株予約権の無償割当てを受けるべき株主が確定した後(権利落ち日以降)において、当社が新株予約権を無償取得して新株を交付しない場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化は生じませんので、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った投資家は、株価の変動により損害を被るおそれがあります。 (e)大規模買付ルールの有効期限 2017年6月29日開催の第93回定時株主総会において、本方針の継続について株主の皆様のご承認が得られたため、本方針の有効期間は、当該定時株主総会の日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとし、以後も同様とします。なお、当社取締役会は、本方針を継続することを決定した場合、その旨を速やかにお知らせします。また、当社取締役会は、株主全体の利益保護の観点から、会社法及び金融商品取引法を含めた関係法令の整備・改正等を踏まえ、本方針を随時見直していく所存です。 本方針は、その有効期間中であっても、株主総会において本方針を廃止する旨の決議が行われた場合または当社取締役会により本方針を廃止する旨の決議が行われた場合は、その時点で廃止されるものとします。また、当社取締役会は、本方針の有効期間中であっても、株主総会での承認の趣旨の範囲内で本方針を修正する場合があります。 (Ⅳ)本方針が会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについての取締役会の判断及びその判断に係る理由 以下の理由により、本方針は、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。 (a)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること 本方針は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しています。 (b)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること 本方針は、上記(Ⅲ)(a)「本方針導入の目的」にて記載したとおり、当社株券等に対する買付け等がなされた際に、当該買付け等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。 (c)合理的な客観的発動要件の設定 本方針は、上記(Ⅲ)(c)「大規模買付行為がなされた場合の対応方針」にて記載したとおり、大規模買付行為が大規模買付ルールを遵守していない、あるいは大規模買付ルールを遵守していても株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす買収である場合や株主に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合等、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。 (d)株主意思を重視するものであること 当社は、本方針の継続について株主の皆様のご意思をご確認させていただくため、株主総会において、議案としてお諮りしています。株主総会において、本方針の継続の決議がなされなかった場合には、速やかに廃止されることになり、その意味で、本方針の消長及び内容は、当社株主の合理的意思に依拠したものとなっています。 (e)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと 上記(Ⅲ)(e)「大規模買付ルールの有効期限」にて記載したとおり、本方針は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株券等を大量に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本方針を廃止することが可能です。従って、本方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役任期は1年間であり、本方針はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。(別紙1) 大規模買付情報 1.大規模買付者及びそのグループ(ファンドの場合は組合員その他の構成員を含む。)の情報。(1)名称、資本関係、財務内容(2)(大規模買付者が個人である場合は)国籍、職歴、当該買収提案者が経営、運営または勤務していた会社またはその他の団体(以下、「法人」という。)の名称、主要な事業、住所、経営、運営または勤務の始期及び終期(3)(大規模買付者が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、主要な事業、設立国、ガバナンスの状況、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人またはその財産に係る主な係争中の法的手続き、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名(4)(もしあれば)過去5年間の犯罪履歴(交通違反や同様の軽微な犯罪を除く。)、過去5年間の金融商品取引法、会社法(これらに類似する外国法を含む。)に関する違反等、その他コンプライアンス上の重要な問題点の有無 2.大規模買付行為の目的、方法及びその内容(取得の対価の価額・種類、取得の時期、関連する取引の仕組み、取得の方法の適法性、取得の実現可能性を含む。)。3.当社株式の取得の対価の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに取得に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジー及びその算定根拠を含む。)。4.大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含む。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含む。)。5.大規模買付行為後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策。6.大規模買付行為後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者(ステークホルダー)に関する方針。 7.必要な政府当局の承認、第三者の同意等、大規模買付行為の実行に当たり必要な手続きの内容及び見込み。大規模買付行為に対する、独占禁止法その他の競争法並びにその他大規模買付者または当社が事業活動を行っているか製品を販売している国または地域の重要な法律の適用可能性や、これらの法律が大規模買付行為の実行に当たり支障となるかどうかについての考え及びその根拠。8.その他当社取締役会または特別委員会が合理的に必要と判断して要請する情報。 (別紙2) 新株予約権の概要 1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件 取締役会で定める基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てる。なお、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えて募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合と、新株予約権の無償割当てを行う場合とがある。 2.新株予約権の目的である株式の種類及び数 新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式数を上限とする。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割または株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。 3.発行する新株予約権の総数 新株予約権の割当総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式の数を上限として、取締役会が定める数とする。取締役会は、割当総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の割当てを行うことがある。 4.各新株予約権の払込金額 無償(金額の払込みを要しない。) 5.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額 各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とする。 6.新株予約権の譲渡制限 譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとする。 7.新株予約権の行使条件 議決権割合が20%以上の特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがある。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。 8.新株予約権の行使期間等 新株予約権の行使期間、取得条項その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとする。なお、取得条項については、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがある。 (別紙3) 特別委員会規程の概要 1.特別委員会は、大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保することを目的として設置される。 2.特別委員会の委員は3名とし、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、(i)当社社外取締役、(ⅱ)当社社外監査役、または(ⅲ)社外の有識者のいずれかに該当する者の中から、当社取締役会が選任する。ただし、社外の有識者は、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者とし、別途当社取締役会が定める善管注意義務条項等を含む契約を当社との間で締結した者でなければならない。 3.特別委員会委員の任期は、選任後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、当社取締役会の決議により別段の定めをした場合はこの限りではない。 4.特別委員会は、取締役会の諮問を受けて、以下の各号に記載される事項について審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告する。なお、特別委員会の各委員は、こうした審議・決議にあたっては、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うものとし、自己または当社の経営陣の個人的利益を図ることを目的としてはならない。①大規模買付行為に対する対抗措置の発動の是非②大規模買付行為に対する対抗措置発動の停止③株主意思確認総会の開催の要否④その他当社取締役会が判断すべき事項のうち、当社取締役会が特別委員会に諮問した事項 5.特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得ることができる。 6.特別委員会は、必要な情報収集を行うため、当社の取締役、監査役、従業員その他特別委員会委員が必要と認める者の出席を求め、特別委員会が求める事項に関する説明を要求することができる。 7.特別委員会の決議は、原則として、特別委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行う。ただし、やむを得ない事由があるときは、特別委員会委員の過半数が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行う。(別紙4) 特別委員会委員の氏名及び略歴 特別委員会の委員は、以下の3名です。 奈良 道博(なら みちひろ) 略歴1946年5月17日生まれ1974年4月 弁護士登録2014年6月 当社取締役 現在に至る。※奈良道博氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 寺坂 信昭(てらさか のぶあき) 略歴1953年4月9日生まれ1976年4月 通商産業省入省2009年7月 原子力安全・保安院院長2011年8月 退官2015年6月 当社取締役 現在に至る。※寺坂信昭氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 北田 幹直(きただ みきなお) 略歴1952年1月29日生まれ1976年4月 検事任官2012年1月 大阪高等検察庁検事長2014年1月 退官2014年3月 弁護士登録2014年6月 当社監査役 現在に至る。※北田幹直氏は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
対処すべき課題
3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)企業集団の経営戦略当社グループは、「革新的価値の創造」、「未来と世界への貢献」、「環境・社会との共生」を経営理念とし、「領域をこえ 未来へ」向かって、中長期的な企業価値向上に取り組んでいます。この経営理念の下、「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」をグループ経営戦略の基本方針に据え、下記の経営目標を掲げています。 2018年度経営目標連結営業利益有利子負債残高1,000億円7,000億円これを実現するため、具体的には以下の取り組みを行っています。 (a)生活産業資材・産業資材(段ボール原紙事業、段ボール加工事業、白板紙・包装用紙事業、紙器・製袋事業)海外では、東南アジア・インド・オセアニアを中心に事業拡大を進めています。2016年9月にはマレーシアの段ボール製造販売会社であるDazun Paper Industrial Company Sdn.Bhd.の買収を完了しました。また、ミャンマーで2番目となる工場では段ボール、軟包装及び紙コップ事業の準備を進めており、2017年中に営業運転を開始する予定です。オーストラリアにおいても、2017年10月の営業運転開始に向けて、段ボール工場の新設を進めています。今後も東南アジア等を中心に拠点を拡大していくとともに、東南アジア・インド・オセアニア地域全体の連携を深めて製造・販売ネットワークを活性化し、収益力を強化していきます。国内では素材・加工一体型ビジネスをさらに推進するとともに、M&Aによる段ボール加工の事業拡大、生産性向上・競争力強化施策による全事業分野の基盤強化を推し進め、No.1総合パッケージングメーカーを目指します。また、中越パルプ工業株式会社との資本・業務提携施策として推し進めてきた製袋事業の協業に関して、2016年5月に中間持株会社であるO&Cペーパーバッグホールディングス株式会社を設立しました。生産体制の合理化等によって国内の事業基盤を盤石なものとしたうえで、海外において両社の既存拠点を基点として事業拡大を積極的に進め、製袋事業を成長させていきます。さらに、安定した需要が期待できる高級白板紙の生産合弁会社として設立したO&Cアイボリーボード株式会社では、2017年8月の営業生産開始に向けて準備を鋭意進めています。 ・生活消費財(家庭紙事業、紙おむつ事業)家庭紙事業では、森林認証を取得した環境配慮型商品や「鼻セレブ」に代表される高品質商品をはじめとした商品展開により、一層の「ネピア」ブランドの価値向上を目指していきます。また、三菱製紙株式会社と合弁でエム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ株式会社を設立し、三菱製紙株式会社八戸工場構内で家庭紙の製造事業を行うことについて、2017年4月に合意しました。東北地区で初めてとなる家庭紙事業の拠点獲得による物流コスト削減等を通じた家庭紙事業の競争力強化を進めるとともに、今後も安定した需要が期待される家庭紙事業の拡大を進めていきます。紙おむつ事業の子供用分野では、国内外の統一ブランドとして展開する「Genki!(ゲンキ!)」に加え、「Whito(ホワイト)」を新たに発売しました。「Whito」は、テープ型からパンツ型まで揃えた、王子史上最高品質のブランドです。紙おむつ吸収体の表面にプレスした溝が、「吸収性」、「通気性」、「フィット性」の3性能を飛躍的に向上させる独自技術で、業界初となる「3時間用(こまめにおむつを替える時の短時間用)」と「12時間用(お出かけ時や睡眠時などの長時間用)」を開発し、用途によって使い分ける新習慣を提案します。2017年2月にベビー専門店のアカチャンホンポで先行販売を開始したところ、早くもリピート購入いただくなど販売は順調に伸長しています。今秋には全国一斉に展開し、品質志向の高い顧客をターゲットに高価格市場を開拓していきます。また、国内では2016年にはテープ型、パンツ型ともに加工機を増設することで供給能力も拡大しました。中国をはじめとする海外への日本からの輸出も一層の強化を図ります。海外ではマレーシア2拠点での製造販売、インドネシアの合弁会社における販売を実施しており、インドネシアでの製造開始も予定しています。大人用の「ネピアテンダー」においても、介護現場が抱える課題を解決する商品の開発を続けていきます。 (b)機能材(特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業)東南アジアでの機能材事業は、感熱紙・粘着紙などの川上事業を中心に展開してきましたが、2016年5月にマレーシアで印刷・加工製品を製造販売するHyper-Region Labels Sdn.Bhd.及びその関連会社の株式の60%を取得し、川中・川下事業にも参入しました。さらに、マレーシアで感熱紙・ノーカーボン紙等の製造販売を行うTele Paper (M) Sdn.Bhd.の株式取得も進めています。これらの拠点を基点として川中・川下事業を拡大していくことにより、エンドユーザーのニーズを適時適確に把握し、川上・川中・川下事業が一体となって新規事業開拓や新製品開発を強化していきます。ミャンマーではウイスキーラベルへの展開や食品・飲料及び生活消費財メーカー向けフィルム等の軟包装事業の準備を進めており、2017年中に営業生産を開始する予定です。また、ブラジルでは南米での感熱紙の旺盛な需要に対応するため、Oji Papéis Especiais Ltda.における約10%の生産能力増強を進めています。今後も、さらなる海外事業の拡大に取り組んでいきます。国内については、生産体制再構築を進めて競争力を高めるとともに、光拡散部材や熱可塑性複合繊維等の脱「紙」製品の開発、 EV・HEV用コンデンサフィルムや光学機能性フィルム等の新たな付加価値の創造に基づく既存製品の高度化により、新たな事業領域への展開を進めていきます。 (c)資源環境ビジネス(パルプ事業、エネルギー事業、木材事業)パルプ事業では、パルプ市況の変動に耐え得る事業基盤を構築するため、主要拠点にて戦略的収益対策を実施しています。2014年に買収したニュージーランドのOji Fibre Solutions (NZ) Ltd.では、当社グループのノウハウや操業管理手法等を導入・活用し、操業の安定化及び効率化対策に取り組み、ブラジルのCelulose Nipo-Brasileira S.A.では製造設備の最新鋭化等による継続的な収益対策を進めています。また、江蘇王子製紙有限公司では2017年末稼働予定のドライパルプマシンの増設を進めています。その他、2014年に稼働した溶解パルプ製造設備ではレーヨン用途向け製品の生産に加えて、食料添加剤・医療品材料等の高付加価値品の開発も鋭意進めています。新規ビジネスについても展開を加速させています。電力事業については、2015年度までに3基のバイオマス発電設備を稼働させ、水力発電設備の更新工事、電力小売り事業等を行っています。水力発電については、更新を計画した15カ所のうち、これまでに10カ所で工事が完了しました。また、三菱製紙株式会社と共同で、同社八戸工場構内に設備を設置し、2019年にバイオマス発電事業を開始する予定です。電力事業の拡大とともに、未利用の国内木材資源を活用した燃料用チップの生産設備の増強やインドネシアでのパーム椰子殻の調達拡大を進めるなど、エネルギー事業向け燃料事業の拡大も進めています。木材事業では、近年、インドネシア・ミャンマーで木材加工工場を稼働させ、ニュージーランドでも製材工場のリニューアルを行うなどアジア・オセアニア地域を中心に生産能力の増強に取り組んでいます。また、中国・インドネシア・ベトナムの販売会社を通じてパルプ、燃料、木材加工事業等の幅広い分野で商社機能の強化を推し進めています。 (d)印刷情報メディア(新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業)事業環境を見極めつつ、適宜、生産体制再構築を実施しており、王子製紙株式会社では2016年の富岡工場7号抄紙機の停止に続き、2017年にも春日井工場4号抄紙機を停止します。需要に即した最適生産体制の構築等を通じてコスト構造を継続的に見直し、国際競争力の強化を進めるとともにキャッシュ・フローの増大を図っていきます。また、江蘇王子製紙有限公司では、中国では数少ない紙パルプ一貫生産体制の強みを最大限に生かしコストダウンを進めた結果、紙事業は2016年度通期で営業利益黒字化を達成しました。また、2016年度下期においては紙事業とパルプ事業を合わせた同社全体でも営業利益の黒字化を達成しています。2017年末稼働予定のドライパルプマシンの増設を進めるパルプ事業との両輪でさらなる競争力強化を図り、紙事業・パルプ事業ともに営業利益の黒字安定化を目指します。 (e)研究開発の強化次世代素材として幅広い産業に応用が期待されているセルロースナノファイバー(CNF)をはじめとして、水処理技術等、グループ内の関連部門と連携を密にとりながらイノベーション推進本部を中心に機動的かつ効率的な研究開発活動を実施し、革新的価値創造に取り組んでいます。特にCNFについて、2016年12月に当社独自技術であるリン酸エステル化CNFスラリーの製造実証プラントが稼働し、さらに、当社しか実現していない透明連続シート生産の設備を2017年度後半に世界に先駆けて導入します。これらの設備導入により、製造エネルギー低減効果の検証や量産技術の確立に取り組むとともに、実用化段階のユーザーに対するサンプル提供規模を拡大し、2017年5月に提供を開始したCNF増粘剤「アウロ・ヴィスコ」をはじめ、CNF透明シート「アウロ・ヴェール」、自由に成形加工可能なCNF透明シート「アウロ・ヴェール3D」など新たな可能性を創造し、幅広い用途へ応用展開していくことでCNFの市場活性化に貢献していきます。また、薬用植物「甘草(かんぞう)」の栽培研究によって、第17改正日本薬局方に定める薬効成分含量を満たす短期栽培技術を日本で初めて開発しました。この当社栽培の「甘草」は株式会社アルビオンの化粧品原料として実用化される見通しがついています。今後、漢方薬等の医薬品原料としての販売を目指すとともに、医薬部外品や甘味料等の原料化も視野に、新規ビジネスの柱の一つとして注力していきます。 (f)環境経営民間企業で国内最大の森林保有者である当社グループは、環境経営の推進を掲げ、環境と調和した企業活動を展開しています。持続可能な森林経営を推進すると同時に、環境負荷ゼロに向けた取り組み、木材原料をはじめとする原材料についての責任ある調達を続けていきます。 当社グループは、これらの諸施策を通じて、革新的価値を創造し続けるグローバルな企業グループを目指していきます。 (2)会社の支配に関する基本方針 当社は、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」といいます。)を下記(Ⅰ)のとおり定めています。また、2017年6月29日開催の第93回定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、有効期限を当該定時株主総会終結から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとして、下記(Ⅲ)に定める特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(注4)に関する対応方針(以下、「本方針」といいます。)を継続しています。注1.特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、または(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。注2.議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1.の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、または(ⅱ)特定株主グループが、注1.の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当該買付者及びその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。注3.株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項または同法第27条の2第1項に規定する株券等を意味します。注4.上記のいずれの買付行為についても、予め当社取締役会が同意したものを除きます。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。 (Ⅰ)会社の支配に関する基本方針の内容 上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、大規模買付行為であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資する買付提案等に基づくものであれば、当社はこれを一概に否定するものではありません。かかる提案等については、買付けに応募するかどうかを通じ、最終的には株主の皆様にご判断いただくべきものと考えています。 他方、当社グループが企業価値・株主共同の利益の向上を図っていくためには、当社グループが展開する様々な事業分野において、グループ経営戦略の基本方針である「海外事業の拡大」、「国内事業の集中・進化」、「財務基盤の強化」を中長期的に推進していく必要があり、また、民間企業で国内最大の森林保有者である当社グループにとって、持続可能な森林経営を行い、中長期的に森林の公益的価値の維持・向上を図ることが、社会的責任の一つであると認識しています。したがって、当社への大規模買付行為に際し、株主の皆様が適切な判断を行うためには、当該買付者に関する適切な情報等の提供及び代替案の検討機会を含めた検討期間の確保がなされることが必要不可欠であると考えます。 しかし、当社株式の買付け等の提案においては、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないものも想定されます。また、買付目的や買付け後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性があるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。 このような大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。(Ⅱ)会社の支配に関する基本方針の実現に資する取り組み 当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、以下の施策を実施しています。 これらの取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるためのものであることから、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。 (Ⅲ)会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(a)本方針導入の目的 当社取締役会は、上記(Ⅰ)の基本方針に基づき、以下のとおり、当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、大規模買付者に対して大規模買付ルールの遵守を求めることとしています。大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。また、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合にも、当社取締役会として一定の措置を講じる方針です。 (b)大規模買付ルールの設定 当社株主全体の利益のため、大規模買付行為は、以下に定める大規模買付ルールに従って行われるものとします。この大規模買付ルールとは、(ⅰ)事前に大規模買付者から当社取締役会に対して十分な情報が提供され、(ⅱ)当社取締役会による一定の評価期間が経過した後(株主意思確認総会(後記(c)ホ.に定義します。以下同じ。)が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)に大規模買付行為を開始する、というものです。 まず、大規模買付者には、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び取締役会としての意見形成のために十分な情報(以下、「大規模買付情報」といいます。)を提供していただきます。その項目は別紙1記載のとおりです。 大規模買付情報の具体的内容は、大規模買付行為の内容によって異なることもあり得るため、大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書をご提出いただくこととします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示していただきます。当社は、この意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付します。なお、当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると考えられる場合、十分な大規模買付情報が揃うまで追加的に情報提供をしていただくことがあります。当社取締役会は、大規模買付行為の提案があった事実は、速やかに情報開示します。また、当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示します。 次に、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付情報の提供が完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を、取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)とします。当社取締役会は、大規模買付情報の提供が完了した事実及び取締役会評価期間については、速やかに開示します。大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後(株主意思確認総会が開催される場合には、当該株主意思確認総会が終了した後)にのみ開始されるものとします。 取締役会評価期間中、当社取締役会は外部専門家の助言を受けながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、取締役会としての意見を開示します。必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。また、当社取締役会は、特別委員会に大規模買付情報を提供し、その評価・検討を依頼します。特別委員会は、独自に大規模買付情報の評価・検討を行い、本方針に従い当社取締役会がとるべき対応について勧告を行います。当社取締役会は、特別委員会の勧告を踏まえ、これを最大限尊重しつつ、本方針に従った対応を決定します。(c)大規模買付行為がなされた場合の対応方針イ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合 大規模買付者が意向表明書を提出しない場合、大規模買付者が取締役会評価期間の経過前に大規模買付行為を開始する場合、大規模買付者が大規模買付ルールに従った十分な情報提供を行わない場合、その他大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会は、当社株主全体の利益の保護を目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。当社取締役会は、対抗措置の発動を決定するに先立ち、特別委員会に対抗措置の発動の是非を諮問しその勧告を受けるものとします。特別委員会の勧告を最大限尊重しつつ、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にした上で、当社取締役会は対抗措置の発動を決定します。 具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することとなります。具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要は、原則として別紙2記載のとおりとします。なお、新株予約権を発行する場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件や取得条件とする等、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条件を設けることがあります。 今回の大規模買付ルールの設定及びそのルールが遵守されなかった場合の対抗措置は、当社株主全体の正当な利益を保護するための相当かつ適切な対応であると考えていますが、他方、このような対抗措置により、結果的に、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。大規模買付ルールを無視して大規模買付行為を開始することのないように予め注意を喚起します。 ロ.大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合 大規模買付ルールは、当社の経営に影響力を持ち得る規模の当社株式の買付行為について、当社株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、このような買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、現に経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。大規模買付ルールが遵守されている場合、原則として、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為を阻止しようとするものではありません。 しかしながら、例外的に、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守していても、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合であると、弁護士、財務アドバイザー等の外部専門家の意見も参考にし、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会が判断したときには、上記(c)イで述べた大規模買付行為を抑止するための措置をとることがあります(ただし、株主意思確認総会が開催された場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。 対抗措置をとることを決定した場合には、適時適切な開示を行います。具体的には、以下の類型に該当すると認められる場合には、原則として、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するものと考えます。 (i)次の①から④までに掲げる行為等により株主全体の利益に対する明白な侵害をもたらすような買収行為を行う場合①株式を買い占め、その株式について会社側に対して高値で買取りを要求する行為②会社を一時的に支配して、会社の重要な資産等を廉価に取得する等会社の犠牲のもとに買収者の利益を実現する経営を行うような行為③会社の資産を買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為④会社経営を一時的に支配して会社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為(ⅱ)強圧的二段階買収(最初の買付条件よりも二段階目の買付条件を不利に設定し、あるいは二段階目の買付条件を明確にしないで、公開買付け等の株式買付けを行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する客観的な蓋然性のある買収行為を行う場合(ⅲ)次の①から③までに該当する事由のいずれかが存在し、それにより、当社の社会的信用を含めた企業価値が著しく毀損しまたは当社の株主に著しい不利益を生じさせる客観的な蓋然性がある場合①大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等が著しく不合理または不適当であること②大規模買付者による支配権取得後の経営方針や事業計画等について環境保全・コンプライアンスやガバナンスの透明性の点で重要な問題を生じる客観的な蓋然性があること③大規模買付者に関する情報開示が当社の株主保護の観点から見て十分かつ適切になされない客観的な蓋然性があること ハ.対抗措置発動後の停止 当社取締役会は、本方針に従い対抗措置をとることを決定した後でも、(ⅰ)大規模買付者が大規模買付行為を中止した場合や、(ⅱ)対抗措置をとる旨の決定の前提となった事実関係等に変動が生じ、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらさずかつ当社株主全体の利益を著しく損なわないと判断される場合には、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の停止を決定することがあります(ただし、株主意思確認総会が開催されて、対抗措置の発動の停止についても決議がなされている場合には、当社取締役会は、当該株主意思確認総会の決議に従った決定を行うものとします。)。対抗措置として、例えば新株予約権を無償割当てする場合において、権利の割当てを受けるべき株主が確定した後に、大規模買付者が大規模買付行為の撤回を行う等の事情が生じ、特別委員会の勧告を踏まえ、対抗措置の発動が適切でないと取締役会が判断したときには、新株予約権の効力発生日までの間は新株予約権の無償割当てを中止し、また新株予約権の無償割当て後、行使期間の開始までの間においては当社が無償で新株予約権を取得して、対抗措置の発動を停止することができるものとします。 このような対抗措置の発動の停止を行う場合には、特別委員会が必要と認める事項とともに速やかな情報開示を行います。 ニ.特別委員会の設置及び検討 本方針において、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否か、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかである場合や当社株主全体の利益を著しく損なう場合に該当するかどうか、そして大規模買付行為に対し対抗措置をとるべきか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動を停止するべきか否かの判断に当たっては、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保するため、当社は、取締役会から独立した組織として、特別委員会を設置し、当社取締役会はその勧告を最大限尊重するものとします。特別委員会の委員は3名とし、社外取締役、社外監査役、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者を対象として選任するものとします。 取締役会は、対抗措置の発動、株主意思確認総会の開催もしくは不開催または発動の停止を決定するときは、必ず特別委員会に対して詰問し、その勧告を受けるものとします。特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得たり、当社の取締役、監査役、従業員等に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めたりしながら、審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告を行います。取締役会は、対抗措置を発動するか否か、その判断にあたり株主意思確認総会を開催するか否か、及び発動の停止を行うか否かの判断に当たっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものとします。なお、特別委員会規程の概要、特別委員会委員の氏名及び略歴は、それぞれ別紙3、4のとおりです。 ホ.株主意思の確認手続き 当社取締役会が、特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置を発動するか否かの判断にあたり、株主意思の確認手続きを経るべきであると判断した場合、当社取締役会は、株主の意思を確認するための株主総会(以下、「株主意思確認総会」といいます。)を開催することがあり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守し、かつ、大規模買付行為が上記(c)ロ.(ⅲ)の類型に該当することのみを理由として対抗措置を発動する場合には、株主意思確認総会の開催が著しく困難な場合を除き、必ず株主意思確認総会を開催し、対抗措置を発動するか否かについての株主意思の確認を行います。また、株主意思確認総会の開催にあたり、当社の企業価値・株主共同の利益が損なわれないようにするため、当社株主に対し、当該株主意思確認総会における議決権行使に関する勧誘を行うことがあります。株主意思確認総会の招集手続き及び議決権行使方法は、法令及び当社定款に基づく定時株主総会または臨時株主総会の招集手続き及び議決権行使方法に準ずるものとし、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かに関する株主意思確認総会の決議に従うものとします。 (d)当社株主の皆様・投資家の皆様に与える影響等 本方針に基づく対抗措置の発動によって、当社株主の皆様(大規模買付者を除きます。)が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定していませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。 対抗措置として考えられるもののうち、新株予約権の無償割当てを行う場合には、当社取締役会で別途定めて公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式数に応じて新株予約権が割り当てられますので、当該基準日における最終の株主名簿に記録される必要があります。また、新株予約権を行使して株式を取得するためには、所定の期間内に一定の金額の払込みを完了していただく必要があります。ただし、当社が新株予約権を当社株式と引き換えに取得できる旨の取得条項に従い新株予約権の取得を行う場合には、当社取締役会が当該取得の対象とした新株予約権を保有する株主の皆様は、金銭の払込みを要することなく、当社による新株予約権取得の対価として、当社株式の交付を受けることができます。これらの手続きの詳細については、実際に新株予約権を発行または取得することとなった際に、法令及び金融商品取引所規則に基づき別途お知らせします。 なお、いったん新株予約権の無償割当てを決議した場合であっても、当社は、上記(c)ハ.に従い、新株予約権の無償割当ての効力発生日までに新株予約権の無償割当てを中止し、または新株予約権の無償割当ての効力発生日後新株予約権の行使期間の初日の前日までに新株予約権を無償にて取得する場合があります。これらの場合には、当社株式の株価に相応の変動が生じる可能性があります。例えば、新株予約権の無償割当てを受けるべき株主が確定した後(権利落ち日以降)において、当社が新株予約権を無償取得して新株を交付しない場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化は生じませんので、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った投資家は、株価の変動により損害を被るおそれがあります。 (e)大規模買付ルールの有効期限 2017年6月29日開催の第93回定時株主総会において、本方針の継続について株主の皆様のご承認が得られたため、本方針の有効期間は、当該定時株主総会の日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとし、以後も同様とします。なお、当社取締役会は、本方針を継続することを決定した場合、その旨を速やかにお知らせします。また、当社取締役会は、株主全体の利益保護の観点から、会社法及び金融商品取引法を含めた関係法令の整備・改正等を踏まえ、本方針を随時見直していく所存です。 本方針は、その有効期間中であっても、株主総会において本方針を廃止する旨の決議が行われた場合または当社取締役会により本方針を廃止する旨の決議が行われた場合は、その時点で廃止されるものとします。また、当社取締役会は、本方針の有効期間中であっても、株主総会での承認の趣旨の範囲内で本方針を修正する場合があります。 (Ⅳ)本方針が会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについての取締役会の判断及びその判断に係る理由 以下の理由により、本方針は、上記(Ⅰ)の会社の支配に関する基本方針に沿うとともに、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。 (a)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること 本方針は、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しています。 (b)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること 本方針は、上記(Ⅲ)(a)「本方針導入の目的」にて記載したとおり、当社株券等に対する買付け等がなされた際に、当該買付け等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。 (c)合理的な客観的発動要件の設定 本方針は、上記(Ⅲ)(c)「大規模買付行為がなされた場合の対応方針」にて記載したとおり、大規模買付行為が大規模買付ルールを遵守していない、あるいは大規模買付ルールを遵守していても株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす買収である場合や株主に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収である場合等、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。 (d)株主意思を重視するものであること 当社は、本方針の継続について株主の皆様のご意思をご確認させていただくため、株主総会において、議案としてお諮りしています。株主総会において、本方針の継続の決議がなされなかった場合には、速やかに廃止されることになり、その意味で、本方針の消長及び内容は、当社株主の合理的意思に依拠したものとなっています。 (e)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと 上記(Ⅲ)(e)「大規模買付ルールの有効期限」にて記載したとおり、本方針は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株券等を大量に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本方針を廃止することが可能です。従って、本方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社の取締役任期は1年間であり、本方針はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。(別紙1) 大規模買付情報 1.大規模買付者及びそのグループ(ファンドの場合は組合員その他の構成員を含む。)の情報。(1)名称、資本関係、財務内容(2)(大規模買付者が個人である場合は)国籍、職歴、当該買収提案者が経営、運営または勤務していた会社またはその他の団体(以下、「法人」という。)の名称、主要な事業、住所、経営、運営または勤務の始期及び終期(3)(大規模買付者が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、主要な事業、設立国、ガバナンスの状況、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人またはその財産に係る主な係争中の法的手続き、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名(4)(もしあれば)過去5年間の犯罪履歴(交通違反や同様の軽微な犯罪を除く。)、過去5年間の金融商品取引法、会社法(これらに類似する外国法を含む。)に関する違反等、その他コンプライアンス上の重要な問題点の有無 2.大規模買付行為の目的、方法及びその内容(取得の対価の価額・種類、取得の時期、関連する取引の仕組み、取得の方法の適法性、取得の実現可能性を含む。)。3.当社株式の取得の対価の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに取得に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジー及びその算定根拠を含む。)。4.大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含む。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含む。)。5.大規模買付行為後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策。6.大規模買付行為後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者(ステークホルダー)に関する方針。 7.必要な政府当局の承認、第三者の同意等、大規模買付行為の実行に当たり必要な手続きの内容及び見込み。大規模買付行為に対する、独占禁止法その他の競争法並びにその他大規模買付者または当社が事業活動を行っているか製品を販売している国または地域の重要な法律の適用可能性や、これらの法律が大規模買付行為の実行に当たり支障となるかどうかについての考え及びその根拠。8.その他当社取締役会または特別委員会が合理的に必要と判断して要請する情報。 (別紙2) 新株予約権の概要 1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件 取締役会で定める基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てる。なお、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えて募集新株予約権を引き受ける者の募集を行う場合と、新株予約権の無償割当てを行う場合とがある。 2.新株予約権の目的である株式の種類及び数 新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式数を上限とする。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割または株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。 3.発行する新株予約権の総数 新株予約権の割当総数は、当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式の数を上限として、取締役会が定める数とする。取締役会は、割当総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の割当てを行うことがある。 4.各新株予約権の払込金額 無償(金額の払込みを要しない。) 5.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額 各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とする。 6.新株予約権の譲渡制限 譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとする。 7.新株予約権の行使条件 議決権割合が20%以上の特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがある。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。 8.新株予約権の行使期間等 新株予約権の行使期間、取得条項その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとする。なお、取得条項については、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがある。 (別紙3) 特別委員会規程の概要 1.特別委員会は、大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性を担保することを目的として設置される。 2.特別委員会の委員は3名とし、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、(i)当社社外取締役、(ⅱ)当社社外監査役、または(ⅲ)社外の有識者のいずれかに該当する者の中から、当社取締役会が選任する。ただし、社外の有識者は、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者とし、別途当社取締役会が定める善管注意義務条項等を含む契約を当社との間で締結した者でなければならない。 3.特別委員会委員の任期は、選任後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、当社取締役会の決議により別段の定めをした場合はこの限りではない。 4.特別委員会は、取締役会の諮問を受けて、以下の各号に記載される事項について審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告する。なお、特別委員会の各委員は、こうした審議・決議にあたっては、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うものとし、自己または当社の経営陣の個人的利益を図ることを目的としてはならない。①大規模買付行為に対する対抗措置の発動の是非②大規模買付行為に対する対抗措置発動の停止③株主意思確認総会の開催の要否④その他当社取締役会が判断すべき事項のうち、当社取締役会が特別委員会に諮問した事項 5.特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得ることができる。 6.特別委員会は、必要な情報収集を行うため、当社の取締役、監査役、従業員その他特別委員会委員が必要と認める者の出席を求め、特別委員会が求める事項に関する説明を要求することができる。 7.特別委員会の決議は、原則として、特別委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行う。ただし、やむを得ない事由があるときは、特別委員会委員の過半数が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行う。(別紙4) 特別委員会委員の氏名及び略歴 特別委員会の委員は、以下の3名です。 奈良 道博(なら みちひろ) 略歴1946年5月17日生まれ1974年4月 弁護士登録2014年6月 当社取締役 現在に至る。※奈良道博氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 寺坂 信昭(てらさか のぶあき) 略歴1953年4月9日生まれ1976年4月 通商産業省入省2009年7月 原子力安全・保安院院長2011年8月 退官2015年6月 当社取締役 現在に至る。※寺坂信昭氏は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。 北田 幹直(きただ みきなお) 略歴1952年1月29日生まれ1976年4月 検事任官2012年1月 大阪高等検察庁検事長2014年1月 退官2014年3月 弁護士登録2014年6月 当社監査役 現在に至る。※北田幹直氏は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。