有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「北越グループ企業理念」のもと、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「北越グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益に加え、資本効率、財務健全性の観点からROE、ネットD/Eレシオを重要な経営指標として位置付け、これらの向上を通じて、企業価値の持続的な拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた最終ステップとして2026年4月より「中期経営計画 2030」をスタートさせました。「中期経営計画 2030」では、事業ポートフォリオシフトの加速、競争力強化による優位性の確立、サステナビリティ経営による価値創造の3つを基本方針としております。事業ポートフォリオシフトの加速については、輸出拡大の加速のための洋紙輸出営業本部、新規事業開発専門の組織として新規事業開発室をそれぞれ設置し、体制を整えております。今後も紙パルプの事業基盤に、環境経営、新規商品開発及びM&Aなどによる事業領域の拡大を加えて強力に推進していくことにより、継続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の緊張が依然として継続する中、主要国における金融政策や通商政策を巡る不透明感も相まって、先行きの不確実性が高い状況が続いております。加えて、資源・エネルギー価格の変動や為替相場の不安定な動きなどが、各国経済や企業活動に影響を及ぼしております。このような環境下、国内紙パルプ産業においては、デジタル化の進展や人口構造の変化を背景とした需要構造の変化が引き続き進むとともに、エネルギー・原材料価格の高止まりや物流費の上昇、人手不足の深刻化など、引き続き厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフトの加速当社グループは、北米のパルプ事業や欧州の機能材事業などを展開しており、それらの強化を図るとともに、輸出製品の販売拡大も進め、事業ポートフォリオシフトを積極的に実行してまいりました。「中期経営計画 2030」では、主にパッケージング事業の拡大、白板紙再構築、輸出の拡大、戦略投資の4つの分野に注力してまいります。パッケージング事業の拡大については、伸長している包材事業の受注拡大に対応するため、グループ内製化や新商品開発等、生産能力の拡張を図ります。また、食品用高機能紙容器「ハロパック」の拡販・収益化を推進します。白板紙再構築については、食品一次容器やトレーディングカード等の成長分野への製品シフトを推進します。また、生産拠点の見直しにより、新潟工場及び関東工場で最適な生産体制の構築を検討してまいります。輸出の拡大については、2026年4月に新設した洋紙輸出営業本部のもと、安定した需要と十分な市場規模を有する海外市場への販売強化に取り組みます。具体的には、米国やインドをターゲットに、洋紙輸出比率を2025年度の27%から2030年度には38%まで高める方針であります。戦略投資については、2026年4月に新設した新規事業開発室のもと、当社グループの将来の持続的成長を支える新規事業の開拓を進めます。具体的には、機能材分野や紙加工分野などをターゲットに、国内外のM&A案件を検討してまいります。これらを通じて事業ポートフォリオの最適化を加速し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。 ロ 競争力強化による優位性の確立当社グループは、国内紙パルプ業界をリードする環境競争力を有する製品をお客様に提供することにより、多くのご支持をいただいております。今後も「中期経営計画 2030」においてさらなる企業価値の向上を果たし、国内紙パルプ業界において揺るぎない地位の確立を目指し、既存事業の基盤強化と、環境事業への取り組みを重点戦略として推進してまいります。既存事業の基盤強化としては、当社グループのコア事業である洋紙事業のコスト競争力の徹底強化と品質確保、国内シェア拡大など、競争力強化を図ることで業界優位のポジション確立を目指すと共に、国内最大規模の基幹工場である新潟工場の高効率操業を活かしつつ、併せて製品全般について適時かつ適正な価格改定のアクションをとってまいります。また、当社は2024年5月に大王製紙㈱との戦略的業務提携基本契約を締結し、生産技術、製品物流、原材料購買におけるコストダウン施策において一定の収益改善効果を発現してきています。具体的には、当社において提携1年目である2024年度に13億円、2年目の2025年度には30億円を上回る収益改善効果を積み上げております。また、2026年3月には戦略的業務提携の深化を公表しており、両社が対等な資本関係を構築することで取り得る施策の範囲を拡大し、企業価値の一層の向上を目指してまいります。環境事業の取り組み推進については、当社グループが先進的に進めてきた燃料転換や省エネ活動、CO2削減などの環境投資に加え、排出量取引制度への対応や、国内外CCS事業、紙・パルプの再生可能資源としての価値創造、北米の広大な森林資源の活用などを将来の新たな事業として位置付けて取り組みを進め、成長させてまいります。特に国内CCS事業については、紙パルプ業界で唯一の参画企業であり、これまでの環境事業への取り組みを活かして積極的に推進していきます。 ハ サステナビリティ経営による価値創造当社グループは、「Vision 2030」に掲げる「環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ」の実現に向けて、サステナビリティを競争力の源泉と位置づけております。その中核となるのが、環境経営戦略の実践、人的資本経営、コーポレートガバナンスの強化であります。(a) 環境経営戦略の実践当社は、「北越グループ ゼロCO2 2050」の達成に向けて、CO2排出量削減を着実に進めるとともに、環境負荷の低い輸送や生産体制の構築を推進しております。例えば、鉄道貨物輸送を活用したモーダルシフトの拡大や、異業種とのラウンドマッチング輸送の開始など、物流面でのCO2排出量削減を具体的に進めております。さらに、CDPでは、フォレスト、水セキュリティの両分野で最高評価の「A」、気候変動で「A-」と、全ての分野で最上位のリーダーシップレベルを獲得するなど、当社の環境対応は外部からも高く評価されております。今後も、燃料転換やCCS事業、環境配慮型製品の展開など、環境事業の可能性を広げ、社会のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。(b) 人的資本経営当社は、社員一人ひとりが能力を発揮できる環境を構築することこそが、組織の創造性と競争力の源泉であると考えております。そのため、多様な人材の活躍を後押しし、働きがいのある職場づくり、健康経営、安全衛生活動に取り組んでおります。また、株式給付信託(従業員持株会処分型)の導入や、持株会奨励金の引き上げを通じて、従業員が自らの成長を企業価値の向上として実感できる仕組みも整えてまいりました。加えて、人権方針のもと、サプライチェーンも含めた人権尊重の取り組みを進め、外部環境の変化に柔軟に対応できるレジリエントな組織を構築してまいります。(c) コーポレートガバナンスの強化当社は、経営の監督と執行の役割を明確にし、透明性と実効性を高めることで、意思決定のスピードと質を両立させてまいります。取締役の任期短縮や、会長 グループCEOと社長 COOによる経営体制への移行もその一環であります。こうしたガバナンスの強化を通じて、資本効率を意識した経営を徹底し、稼ぐ力の最大化と企業価値の向上を実現してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「北越グループ企業理念」のもと、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「北越グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益に加え、資本効率、財務健全性の観点からROE、ネットD/Eレシオを重要な経営指標として位置付け、これらの向上を通じて、企業価値の持続的な拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた最終ステップとして2026年4月より「中期経営計画 2030」をスタートさせました。「中期経営計画 2030」では、事業ポートフォリオシフトの加速、競争力強化による優位性の確立、サステナビリティ経営による価値創造の3つを基本方針としております。事業ポートフォリオシフトの加速については、輸出拡大の加速のための洋紙輸出営業本部、新規事業開発専門の組織として新規事業開発室をそれぞれ設置し、体制を整えております。今後も紙パルプの事業基盤に、環境経営、新規商品開発及びM&Aなどによる事業領域の拡大を加えて強力に推進していくことにより、継続的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の緊張が依然として継続する中、主要国における金融政策や通商政策を巡る不透明感も相まって、先行きの不確実性が高い状況が続いております。加えて、資源・エネルギー価格の変動や為替相場の不安定な動きなどが、各国経済や企業活動に影響を及ぼしております。このような環境下、国内紙パルプ産業においては、デジタル化の進展や人口構造の変化を背景とした需要構造の変化が引き続き進むとともに、エネルギー・原材料価格の高止まりや物流費の上昇、人手不足の深刻化など、引き続き厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフトの加速当社グループは、北米のパルプ事業や欧州の機能材事業などを展開しており、それらの強化を図るとともに、輸出製品の販売拡大も進め、事業ポートフォリオシフトを積極的に実行してまいりました。「中期経営計画 2030」では、主にパッケージング事業の拡大、白板紙再構築、輸出の拡大、戦略投資の4つの分野に注力してまいります。パッケージング事業の拡大については、伸長している包材事業の受注拡大に対応するため、グループ内製化や新商品開発等、生産能力の拡張を図ります。また、食品用高機能紙容器「ハロパック」の拡販・収益化を推進します。白板紙再構築については、食品一次容器やトレーディングカード等の成長分野への製品シフトを推進します。また、生産拠点の見直しにより、新潟工場及び関東工場で最適な生産体制の構築を検討してまいります。輸出の拡大については、2026年4月に新設した洋紙輸出営業本部のもと、安定した需要と十分な市場規模を有する海外市場への販売強化に取り組みます。具体的には、米国やインドをターゲットに、洋紙輸出比率を2025年度の27%から2030年度には38%まで高める方針であります。戦略投資については、2026年4月に新設した新規事業開発室のもと、当社グループの将来の持続的成長を支える新規事業の開拓を進めます。具体的には、機能材分野や紙加工分野などをターゲットに、国内外のM&A案件を検討してまいります。これらを通じて事業ポートフォリオの最適化を加速し、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。 ロ 競争力強化による優位性の確立当社グループは、国内紙パルプ業界をリードする環境競争力を有する製品をお客様に提供することにより、多くのご支持をいただいております。今後も「中期経営計画 2030」においてさらなる企業価値の向上を果たし、国内紙パルプ業界において揺るぎない地位の確立を目指し、既存事業の基盤強化と、環境事業への取り組みを重点戦略として推進してまいります。既存事業の基盤強化としては、当社グループのコア事業である洋紙事業のコスト競争力の徹底強化と品質確保、国内シェア拡大など、競争力強化を図ることで業界優位のポジション確立を目指すと共に、国内最大規模の基幹工場である新潟工場の高効率操業を活かしつつ、併せて製品全般について適時かつ適正な価格改定のアクションをとってまいります。また、当社は2024年5月に大王製紙㈱との戦略的業務提携基本契約を締結し、生産技術、製品物流、原材料購買におけるコストダウン施策において一定の収益改善効果を発現してきています。具体的には、当社において提携1年目である2024年度に13億円、2年目の2025年度には30億円を上回る収益改善効果を積み上げております。また、2026年3月には戦略的業務提携の深化を公表しており、両社が対等な資本関係を構築することで取り得る施策の範囲を拡大し、企業価値の一層の向上を目指してまいります。環境事業の取り組み推進については、当社グループが先進的に進めてきた燃料転換や省エネ活動、CO2削減などの環境投資に加え、排出量取引制度への対応や、国内外CCS事業、紙・パルプの再生可能資源としての価値創造、北米の広大な森林資源の活用などを将来の新たな事業として位置付けて取り組みを進め、成長させてまいります。特に国内CCS事業については、紙パルプ業界で唯一の参画企業であり、これまでの環境事業への取り組みを活かして積極的に推進していきます。 ハ サステナビリティ経営による価値創造当社グループは、「Vision 2030」に掲げる「環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ」の実現に向けて、サステナビリティを競争力の源泉と位置づけております。その中核となるのが、環境経営戦略の実践、人的資本経営、コーポレートガバナンスの強化であります。(a) 環境経営戦略の実践当社は、「北越グループ ゼロCO2 2050」の達成に向けて、CO2排出量削減を着実に進めるとともに、環境負荷の低い輸送や生産体制の構築を推進しております。例えば、鉄道貨物輸送を活用したモーダルシフトの拡大や、異業種とのラウンドマッチング輸送の開始など、物流面でのCO2排出量削減を具体的に進めております。さらに、CDPでは、フォレスト、水セキュリティの両分野で最高評価の「A」、気候変動で「A-」と、全ての分野で最上位のリーダーシップレベルを獲得するなど、当社の環境対応は外部からも高く評価されております。今後も、燃料転換やCCS事業、環境配慮型製品の展開など、環境事業の可能性を広げ、社会のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。(b) 人的資本経営当社は、社員一人ひとりが能力を発揮できる環境を構築することこそが、組織の創造性と競争力の源泉であると考えております。そのため、多様な人材の活躍を後押しし、働きがいのある職場づくり、健康経営、安全衛生活動に取り組んでおります。また、株式給付信託(従業員持株会処分型)の導入や、持株会奨励金の引き上げを通じて、従業員が自らの成長を企業価値の向上として実感できる仕組みも整えてまいりました。加えて、人権方針のもと、サプライチェーンも含めた人権尊重の取り組みを進め、外部環境の変化に柔軟に対応できるレジリエントな組織を構築してまいります。(c) コーポレートガバナンスの強化当社は、経営の監督と執行の役割を明確にし、透明性と実効性を高めることで、意思決定のスピードと質を両立させてまいります。取締役の任期短縮や、会長 グループCEOと社長 COOによる経営体制への移行もその一環であります。こうしたガバナンスの強化を通じて、資本効率を意識した経営を徹底し、稼ぐ力の最大化と企業価値の向上を実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループにおきましては、世界的なパルプ市況の軟化や、国内洋紙の内需減退の継続及び輸出市況の軟化による販売数量の減少等により、減収減益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。売 上 高287,736百万円(前連結会計年度比5.9%減)営 業 利 益7,539百万円(前連結会計年度比61.8%減)経 常 利 益11,271百万円(前連結会計年度比39.9%減)親会社株主に帰属する当期純利益7,299百万円(前連結会計年度比53.0%減) 主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。 紙パルプ事業紙パルプ事業につきましては、洋紙・パルプの販売数量減少により、減収減益となりました。品種別には、洋紙につきましては、国内販売は、需要の減少が継続していることにより、塗工紙等を中心に販売数量は減少し、輸出販売においても販売数量の減少と販売価格の低迷により減収となりました。板紙につきましては、価格改定を実施したことにより増収となりました。グレード別には、特殊白板紙は、価格改定を実施したものの、需要低迷により販売数量が減少し、減収となりました。高級白板紙は、トレーディングカード用途の需要が堅調で、新規案件の受注もあり販売数量が増加し、価格改定を実施したことも加わり、増収となりました。コート白ボールは、食品・菓子向けは需要低迷により、販売数量は減少したものの、拡販努力と価格改定を実施したことにより、増収となりました。段ボール原紙は、採算性の高い薄物強化芯等の拡販により、販売数量は増加し、増収となりました。機能材につきましては、機能紙分野においては、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は、自動車やAI関連需要の続伸で販売数量が増加し、特殊紙・情報用紙分野においては、主に輸出販売におけるタック関連等加工原紙等で販売数量が増加したことにより、増収となりました。パルプにつきましては、海外市場におけるパルプ価格の下落及び販売数量の減少により、減収となりました。以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高261,384百万円(前連結会計年度比6.7%減)営業利益5,963百万円(前連結会計年度比67.3%減) パッケージング・紙加工事業パッケージング・紙加工事業につきましては、液体容器の価格改定及び販売数量の増加等により、増収増益となりました。 この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高17,437百万円(前連結会計年度比4.7%増)営業利益558百万円(前連結会計年度比144.0%増) その他木材事業、建設業、運送・倉庫業、古紙卸業をはじめとするその他事業につきましては、主に建設業において外部受注が増加したことにより、増収となりましたが、損益面におきましては、運送・倉庫業のコストアップにより、減益となりました。この結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高8,914百万円(前連結会計年度比1.1%増)営業利益647百万円(前連結会計年度比24.4%減) 総資産は、前連結会計年度末に比べて1,691百万円増加し、420,574百万円となりました。これは主として、現金及び預金が2,478百万円、電子記録債権が2,118百万円、商品及び製品が2,533百万円、原材料及び貯蔵品が3,860百万円、有形固定資産が6,183百万円、投資有価証券が38,058百万円、退職給付に係る資産が7,643百万円それぞれ増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が3,198百万円、関係会社株式が59,971百万円それぞれ減少したことによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べて14,814百万円増加し、167,827百万円となりました。これは主として、有利子負債が8,377百万円、繰延税金負債が6,529百万円それぞれ増加したことによるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べて13,122百万円減少し、252,747百万円となりました。これは主として、その他有価証券評価差額金が9,477百万円、退職給付に係る調整累計額が3,595百万円それぞれ増加した一方で、自己株式が6,512百万円、持分法適用会社の持分法適用除外及び資本剰余金への振替等により利益剰余金が29,032百万円減少したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて1,272百万円増加し、26,421百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は10,192百万円(前連結会計年度比75.1%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益11,525百万円、減価償却費13,833百万円、売上債権の減少額1,842百万円、利息及び配当金の受取額2,833百万円、支出の主な内訳は、退職給付に係る資産の増加額7,635百万円、棚卸資産の増加額5,406百万円、法人税等の支払額6,013百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は3,279百万円(前連結会計年度は18,816百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出2,381百万円、投資有価証券の取得による支出2,984百万円、有形固定資産の取得による支出16,690百万円、収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入7,387百万円、関係会社株式の売却による収入12,331百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は6,254百万円(前連結会計年度は19,121百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入18,205百万円、社債の発行による収入15,000百万円、支出の主な内訳は、短期借入金の減少額7,202百万円、長期借入金の返済による支出17,599百万円、配当金の支払額4,051百万円、自己株式の取得による支出10,986百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社及びAlberta-Pacific Forest Industries Inc.の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。 区分生産高(t)前年同期比(%)紙洋紙1,013,58797.4板紙362,64998.7合計1,376,23697.7パルプ1,454,88097.6 b. 受注実績当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)紙パルプ事業261,38493.3パッケージング・紙加工事業17,437104.7その他8,914101.1合計287,73694.1 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)新生紙パルプ商事㈱36,66912.035,23012.2国際紙パルプ商事㈱19,4196.418,6116.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の分析 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月期)当連結会計年度(2026年3月期)連結業績予想(2026年3月期)売上高305,718287,736292,000営業利益19,7277,5398,000経常利益18,75911,27110,000親会社株主に帰属する当期純利益15,5297,2996,000 当連結会計年度においては、パルプ市況の世界的な軟化に加え輸出販売の数量減少や価格低下により、過去最高売上高を記録した前年からは減収となり、海外売上高比率も34.4%に減少いたしました。利益においては、生産効率改善の他、原燃料価格低下がありましたが、上記事由による減益影響や固定費増加により、営業利益は減益となりました。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法による投資利益を計上したものの、営業利益の減益影響が大きく、減益となりました。なお、上表記載の連結業績予想(2025年10月28日開示)との比較においては、売上高はパルプ販売の数量減少や価格低下により乖離しましたが、営業利益は生産効率改善や原燃料価格低下があり概ね連結業績予想並みの結果となりました。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は持分法による投資利益の増加等により連結業績予想を上回りました。 b.財政状態の分析当連結会計年度末の流動資産合計は、現金及び預金及び棚卸資産が増加し、9,844百万円増加しました。固定資産合計では、減価償却費を上回る設備投資を実施した一方、関係会社株式を売却したことで投資その他の資産が減少し、8,152百万円減少しました。負債合計は、有利子負債や繰延税金負債が増加したことにより、14,814百万円増加しました。純資産合計においては、自己株式の取得や持分法適用会社の持分法適用除外等により13,122百万円の減少となりました。以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は59.9%と前連結会計年度より3.4ポイント低下しておりますが、財政状態の健全性は引き続き維持できているものと認識しております。 c.キャッシュ・フローの分析営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益の減少及び法人税等の支払い増加により、前連結会計年度から30,739百万円減少し10,192百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、各種設備投資を実施した一方、関係会社株式の売却収入により3,279百万円の支出に抑えられました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債は増加したものの、自己株式取得の支出や配当金の支払いにより、6,254百万円の支出となりました。以上から、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から1,272百万円増加の26,421百万円となっております。 d.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの取扱商品は市況商品が多く、需給動向や市場価格等の影響を大きく受けます。国内印刷情報用紙事業においては、構造的な需要減退が継続しており、市販パルプ事業は、世界的な需給バランスに加え、投機的な市場価格形成の影響が発生することから、大きな価格変動が生じます。当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されております。また国内事業においては輸入原燃料を多用しており、為替変動リスクだけでなく、各国の通商政策や地政学的リスクも、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。かかる認識の下、当社グループは事業ポートフォリオシフトに注力しており、取扱商品及び販売市場の拡充及び分散、特に輸出を含めた海外売上高比率の向上等による為替リスク軽減等に努めております。 e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。運転資金につきましては主にコマーシャル・ペーパーや短期借入金にて調達しており、いずれも調達枠には十分な余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら調達手段を選択しております。安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。なお、当社グループでは財務健全性を維持しつつ、有利子負債の有効活用により、財務レバレッジの改善に努め、資本コスト低減を進めてまいります。 (単位:百万円) 2025年3月期(前期)2026年3月期(当期)有利子負債残高88,97297,350現預金残高27,64430,123ネット有利子負債残高61,32867,227自己資本265,052251,816ネットD/Eレシオ0.23倍0.27倍 また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」といいます。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」といいます。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めてまいります。 R&IJCR短期格付a-1―(長期)発行体格付AA f.当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、全てのステークホルダーと共に持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2030年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2030」を2020年5月に策定いたしました。その企業グループイメージの実現に向けた第2ステップとして、2023年4月より「事業ポートフォリオシフト」「競争力強化」「サステナビリティ(ESG)活動推進」を基本方針とした「中期経営計画 2026」に取り組んできました。最終年度となる当連結会計年度は中期経営計画には届きませんでしたが、前連結会計年度における営業利益は197億円を計上しており中期経営計画を概ね達成いたしました。 (単位:億円) 中期経営計画 2026(2026年3月期)2026年3月期(実績)売上高3,3002,877営業利益20075経常利益240112親会社株主に帰属する当期純利益20072ROE8.0%2.8%EBITDA390261 2026年4月からは「事業ポートフォリオシフトの加速」「競争力強化による優位性の確立」「サステナビリティ経営による価値創造」を基本方針とした「中期経営計画 2030」をスタートしております。本計画は長期経営ビジョン「Vision 2030」の実現に向けた最終ステップとなる重要な計画と認識しております。基本方針1つ目として、持続的成長に向け戦略投資による新規事業開拓の他、パッケージング事業拡大、白板紙再構築、輸出拡大を柱に事業構造の転換を加速します。基本方針2つ目は、既存事業の基盤強化と環境事業の推進を柱に収益を追求します。基本方針3つ目は、環境経営戦略の実践、人的資本経営、コーポレートガバナンス強化を経営へ直結させることで企業価値の最大化を図ります。上記基本方針に掲げる環境関連については、2021年に制定した「北越グループサステナビリティ基本方針」の下、「北越グループ ゼロCO2 2050」に挑戦すると共に、長期的な重要課題に積極的・能動的に取り組んでおります。2025年はCDPスコアにおいて、フォレスト分野に加え水セキュリティ分野でも最高評価のA評価となり、気候変動分野のA-評価と共に全ての分野で最上位のリーダーシップレベルを獲得いたしました。また、CCS事業につきましては、東新潟地域における事業の実現を目指しております。引き続き、サステナビリティ推進本部を中心に環境課題への対応を含めたサステナビリティ活動を推進し、企業価値の向上を図ります。 また、2024年5月に大王製紙㈱と戦略的業務提携を開始以降、生産技術、原材料購買、製品物流の各分野において積極的に活動しており、2年目となる当連結会計年度においても提携効果を発現し、収益改善に寄与しました。2026年3月には戦略的業務提携を深化させるべく、戦略的業務提携に関する覚書を締結しました。取り得る施策の具体的な範囲を拡大し、中長期的な企業価値向上に資する取り組みを推進してまいります。 g.主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容紙パルプ事業のセグメント売上高は261,384百万円と前連結会計年度比6.7%の減少となり、セグメント利益は5,963百万円となりました。当該セグメントの売上高は連結売上高の90.8%を占めております。また当該セグメントの資産は総資産の94.4%を占め、当該セグメントの財政状態及び経営成績が連結財政状態及び経営成績に大きな影響を与えるものと考えております。当連結会計年度においては、国内での紙需要減退による販売数量減少に加え、輸出市況の弱含みから販売数量は減少し、紙販売数量合計は前年を下回りました。また、国内販売価格については、洋紙は前年に改定した価格を維持し、白板紙は価格改定により上昇しましたが、洋紙輸出販売価格についてはドル建値低下と円高進行により低下しました。利益面では、生産効率改善に努め、円高進行や原油価格低下による原燃料価格低下のコストダウンもありましたが、販売数量減少及び販売価格低下の影響が大きく減益となりました。カナダにおける市販パルプ事業では、世界的なパルプ市況軟化による販売数量及び販売価格の低下に加え、修繕費負担が増加する年度だったことから、減収減益となりました。2026年4月には、事業環境の大きな変化に対応するため、新たに洋紙輸出営業本部を新設し、国内事業と海外事業の競争力強化を同時に推進する体制を再構築しました。米国市場の販売強化やカスタマイズ商品への対応を図り、洋紙販売数量における輸出比率及び当社グループの海外売上高比率を高めてまいります。当該セグメントの売上高及び収益力を安定かつ強化するべく、引き続き事業ポートフォリオシフトに取り組んでまいります。 パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は17,437百万円と前連結会計年度比4.7%の増加となり、セグメント利益は558百万円となりました。当該セグメントの国内事業においては、液体容器の価格改定や食品一次容器の新規受注増加等から増収となりました。利益面では、上記事由や加工設備増強による外注加工費減少等により、増益となりました。また、中国における紙加工事業においては、有利品種の販売増加や生産コスト削減に取り組んだことにより増収増益となりました。引き続き、紙パルプ事業セグメント内の板紙事業と連携し当社グループの素材開発・原紙生産から製品まで一貫生産できる強みを活かし、需要増加が期待される紙容器・包材等のパッケージング事業に注力してまいります。 その他事業のセグメント売上高は8,914百万円と前連結会計年度比1.1%の増加となり、セグメント利益は647百万円となりました。当該セグメントは木材事業、建設業、輸送・倉庫業、古紙卸業等の多岐に亘っております。主に建設業において外部受注が増加したこと等から増収となりましたが、物流費等のコスト上昇により減益となりました。引き続き、当社グループが有する経営資源の有効活用を目的に安定した利益確保に努めてまいります。 ② 次期の見通し我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復の継続が期待されるものの、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格高騰と原油由来製品の供給不安により景気変動リスクが増大しており、先行きの不確実性は高まっております。次期の見通しにつきましては、輸出販売の数量増加を計画し、パルプ市況回復による販売数量増加及び価格上昇により、売上高は増収を見込んでおります。利益面では、上記事由による増益が見込まれるものの、原油高及び円安による原燃料価格上昇のコストアップ影響が大きく、減益を予想しております。当社グループは、「北越グループサステナビリティ基本方針」に掲げる持続可能な社会の実現に貢献すべく、新たにスタートさせた「中期経営計画 2030」の基本方針に則した事業活動を推進し、企業価値向上を目指してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「北越グループ企業理念」のもと、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「北越グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第2ステップとして2023年4月より「中期経営計画 2026」をスタートさせました。「中期経営計画 2026」では、事業ポートフォリオシフト、「コスト」「環境」「安全」にかかる競争力強化及びサステナビリティ(ESG)活動推進の3つを基本方針としております。更に、より一層サステナビリティ活動を推進するために、2025年4月にサステナビリティ推進本部を新設いたしました。今後も基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、更なる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の不安定化などの地政学リスクに加え、主要国の政治情勢や政策運営に対する不確実性が一層高まっており、サプライチェーンの混乱や為替の急激な変動などの先行きリスクを抱えております。国内紙パルプ産業においては、デジタル化の進展や少子高齢化などによる需要構造の変化に加え、世界情勢の不安定化を背景にしたエネルギー・原材料価格の高止まりなど、厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフト当社グループは北米のパルプ事業や欧州の機能材事業に進出するなど、グローバルな事業展開を目指すとともに、国内では段ボール原紙事業の開始やプラスチック代替素材の商品開発などにより、事業ポートフォリオシフトを積極的に進めてまいりました。また、2025年4月には、需要特性に適応した敏速な推進体制を構築するため、洋紙・白板紙国内営業本部及び国際営業本部を洋紙営業本部と白板紙営業本部に再編し、品種別販売競争力を強化する組織体制を整えました。その他、セルロースナノファイバーの活用など新規商品の開発や、既存商品の用途拡大等による高付加価値商品への注力、並びにM&Aによる新規事業への進出など、将来の中核となる新たな事業を開拓することにより、事業ポートフォリオシフトを加速し、更なる持続的成長を目指します。 ロ 競争力強化当社グループは、30年以上前から環境問題を経営課題と捉え、業界の中でも先陣を切ってそれらの課題解決のための設備投資を実行し、競争優位な位置をキープしております。更に「中期経営計画 2026」においては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による先進的CCS(二酸化炭素回収・貯留)事業化への取組みにも参画しております。引き続き2030年の北越グループ環境目標の達成を目指し、気候変動問題解決に向けた改善努力を積み重ね、環境競争力を更に強化してまいりますコスト競争力について、当社は近年の原燃料のコストアップをカバーすべく昨年8月に洋紙・白板紙、9月に機能材の価格改定を公表いたしましたが、一方で外部環境の変化にあわせた最適生産体制による生産効率の向上、安価原料の導入等により、生産・販売部門のコスト競争力の更なる強化を目指しております。このような当社の経営努力による環境競争力、コスト競争力強化を基盤とした安定的経営が評価され、株式会社格付投資情報センターは、一昨年、当社格付の方向性を「A-」(安定的)から「A-」(ポジティブ)に上げ、昨年は更に「A」(安定的)へ格付を上げました。また、昨年5月からスタートした大王製紙株式会社との戦略的業務提携基本契約は、生産技術、製品物流、原材料購買などの各部会、更に下部組織である各分科会の交流が活発に行われており、製造コスト、輸送コスト面等で想定を上回る効果を上げております。特に輸送コスト面では、製品のラウンド輸送やチップ専用船の相互活用など具体的なアクションもスタートしており、両社間の交流を更に深め、収益体質の改善、強化を進めてまいります。安全競争力については、2020年度からスタートした「hSA25(hokuetsu Safety Action 2025)」計画が、第3期となる最終年度を迎えますので、目標の達成に向けて設備の安全対策を着実に実施してまいります。 ハ サステナビリティ(ESG)活動推進詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「北越グループ企業理念」のもと、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「北越グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第2ステップとして2023年4月より「中期経営計画 2026」をスタートさせました。「中期経営計画 2026」では、事業ポートフォリオシフト、「コスト」「環境」「安全」にかかる競争力強化及びサステナビリティ(ESG)活動推進の3つを基本方針としております。更に、より一層サステナビリティ活動を推進するために、2025年4月にサステナビリティ推進本部を新設いたしました。今後も基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、更なる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の不安定化などの地政学リスクに加え、主要国の政治情勢や政策運営に対する不確実性が一層高まっており、サプライチェーンの混乱や為替の急激な変動などの先行きリスクを抱えております。国内紙パルプ産業においては、デジタル化の進展や少子高齢化などによる需要構造の変化に加え、世界情勢の不安定化を背景にしたエネルギー・原材料価格の高止まりなど、厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフト当社グループは北米のパルプ事業や欧州の機能材事業に進出するなど、グローバルな事業展開を目指すとともに、国内では段ボール原紙事業の開始やプラスチック代替素材の商品開発などにより、事業ポートフォリオシフトを積極的に進めてまいりました。また、2025年4月には、需要特性に適応した敏速な推進体制を構築するため、洋紙・白板紙国内営業本部及び国際営業本部を洋紙営業本部と白板紙営業本部に再編し、品種別販売競争力を強化する組織体制を整えました。その他、セルロースナノファイバーの活用など新規商品の開発や、既存商品の用途拡大等による高付加価値商品への注力、並びにM&Aによる新規事業への進出など、将来の中核となる新たな事業を開拓することにより、事業ポートフォリオシフトを加速し、更なる持続的成長を目指します。 ロ 競争力強化当社グループは、30年以上前から環境問題を経営課題と捉え、業界の中でも先陣を切ってそれらの課題解決のための設備投資を実行し、競争優位な位置をキープしております。更に「中期経営計画 2026」においては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による先進的CCS(二酸化炭素回収・貯留)事業化への取組みにも参画しております。引き続き2030年の北越グループ環境目標の達成を目指し、気候変動問題解決に向けた改善努力を積み重ね、環境競争力を更に強化してまいりますコスト競争力について、当社は近年の原燃料のコストアップをカバーすべく昨年8月に洋紙・白板紙、9月に機能材の価格改定を公表いたしましたが、一方で外部環境の変化にあわせた最適生産体制による生産効率の向上、安価原料の導入等により、生産・販売部門のコスト競争力の更なる強化を目指しております。このような当社の経営努力による環境競争力、コスト競争力強化を基盤とした安定的経営が評価され、株式会社格付投資情報センターは、一昨年、当社格付の方向性を「A-」(安定的)から「A-」(ポジティブ)に上げ、昨年は更に「A」(安定的)へ格付を上げました。また、昨年5月からスタートした大王製紙株式会社との戦略的業務提携基本契約は、生産技術、製品物流、原材料購買などの各部会、更に下部組織である各分科会の交流が活発に行われており、製造コスト、輸送コスト面等で想定を上回る効果を上げております。特に輸送コスト面では、製品のラウンド輸送やチップ専用船の相互活用など具体的なアクションもスタートしており、両社間の交流を更に深め、収益体質の改善、強化を進めてまいります。安全競争力については、2020年度からスタートした「hSA25(hokuetsu Safety Action 2025)」計画が、第3期となる最終年度を迎えますので、目標の達成に向けて設備の安全対策を着実に実施してまいります。 ハ サステナビリティ(ESG)活動推進詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループにおきましては、国内紙需要の減退が継続し、原燃料をはじめとするコストアップはあったものの、輸出販売における数量及び価格上昇、海外子会社におけるパルプの販売価格の上昇等により、増収増益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。売 上 高305,718百万円(前連結会計年度比2.9%増)営 業 利 益19,727百万円(前連結会計年度比29.2%増)経 常 利 益18,759百万円(前連結会計年度比5.6%増)親会社株主に帰属する当期純利益15,529百万円(前連結会計年度比85.1%増) 主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。 紙パルプ事業紙パルプ事業につきましては、輸出販売における数量及び価格上昇、海外子会社におけるパルプの販売価格の上昇等により、増収増益となりました。品種別には、洋紙につきましては、価格改定の実施により、全般的に販売価格が上昇しました。国内販売は、需要の低迷等により、販売数量が減少しましたが、輸出販売は、販売数量が増加し、増収となりました。板紙につきましては、販売数量は増加し、増収となりました。グレード別には、特殊白板紙及びコート白ボールは、食品の持ち帰り用途向けが堅調に推移したことや、大手出版社で表紙用途向けに新規採用されたこと等拡販に注力したことにより、販売数量は増加し、高級白板紙は、店頭POP用途向けや各種はがき用途の需要が減少し、販売数量は減少しました。段ボール原紙は、需要低迷により、販売数量は減少したものの、輸出販売における価格上昇により、増収となりました。機能材につきましては、機能紙分野においては、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙の需要は回復基調が続き、特殊紙・情報用紙分野においては、コンビニエンスストア向けの食品包装材は需要が低迷したものの、OCR用紙で官庁向け大型案件の受注及び、圧着ハガキ用紙の拡販に注力したことにより、増収となりました。パルプにつきましては、海外子会社において販売価格の上昇等により、増収増益となりました。以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高280,243百万円(前連結会計年度比2.7%増)営業利益18,251百万円(前連結会計年度比33.4%増) パッケージング・紙加工事業パッケージング・紙加工事業につきましては、紙容器・包材事業の受注拡大等により、増収となりましたが、損益面におきましては、加工原紙の高騰や外注加工費の負担増加等により、減益となりました。 この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高16,655百万円(前連結会計年度比6.1%増)営業利益228百万円(前連結会計年度比18.9%減) その他木材事業、建設業、運送・倉庫業、古紙卸業をはじめとするその他事業につきましては、主に木材事業において外部受注が増加により、増収となりましたが、損益面におきましては、物流費の高騰等により、減益となりました。この結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高8,818百万円(前連結会計年度比5.1%増)営業利益856百万円(前連結会計年度比1.1%減) 総資産は、前連結会計年度末に比べて3,189百万円増加し、418,882百万円となりました。これは主として、現金及び預金が5,504百万円、商品及び製品が1,532百万円、有形固定資産が5,477百万円それぞれ増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が9,290百万円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べて10,215百万円減少し、153,012百万円となりました。これは主として、有利子負債が15,389百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が1,294百万円、未払法人税等が3,702百万円それぞれ増加したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べて13,405百万円増加し、265,870百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が11,344百万円、為替換算調整勘定が3,246百万円それぞれ増加した一方で、その他有価証券評価差額金が1,411百万円減少したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて3,008百万円増加し、25,148百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は40,932百万円(前連結会計年度比83.4%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益21,538百万円、減価償却費13,142百万円、売上債権の減少額9,108百万円、利息及び配当金の受取額2,487百万円、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額1,766百万円、未払消費税等の減少額1,198百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は18,816百万円(前連結会計年度は15,494百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出3,571百万円、有形固定資産の取得による支出17,653百万円、定期預金の預入による支出2,481百万円、収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入7,145百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は19,121百万円(前連結会計年度は3,801百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの減少額7,000百万円、長期借入金の返済による支出16,990百万円、配当金の支払額3,373百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入8,000百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社及びAlberta-Pacific Forest Industries Inc.の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。 区分生産高(t)前年同期比(%)紙洋紙1,040,575100.3板紙367,59078.8合計1,408,16693.6パルプ1,490,432103.0 (注) 当連結会計年度において、板紙の生産実績に著しい変動がありました。これは、前連結会計年度において、連結子会社であった星輝投資控股有限公司の株式を一部譲渡したことに伴い、同社の完全子会社である江門星輝造紙有限公司を連結の範囲から除外したことによるものであります。 b. 受注実績当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)紙パルプ事業280,243102.7パッケージング・紙加工事業16,655106.1その他8,818105.1合計305,718102.9 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)新生紙パルプ商事㈱36,35612.236,66912.0国際紙パルプ商事㈱19,6276.619,4196.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の分析 (単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月期)当連結会計年度(2025年3月期)連結業績予想(2025年3月期)売上高297,056305,718310,000営業利益15,26719,72720,000経常利益17,75718,75921,000親会社株主に帰属する当期純利益8,38715,52916,000 当連結会計年度においては、輸出販売の数量増加やパルプ販売価格上昇により、売上高は過去最高額を更新し、海外売上高比率は37.2%に増加いたしました。 利益においては、原燃料や物流費のコストアップがありましたが、上記事由による増収効果により、営業利益は増益となりました。経常利益は、持分法による投資損失を計上したものの、為替差益等が加わり増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に計上した特別損失の解消に加え投資有価証券売却益もあり増益となりました。 なお、上表記載の連結業績予想(2024年11月14日開示)との比較においては、経常利益は持分法による投資損失の計上等により乖離したものの、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益は概ね連結業績予想並みの結果となりました。 b.財政状態の分析当連結会計年度末の流動資産合計は、現金及び預金が増加した一方、前連結会計年度末日の休日要因により売上債権が減少し、392百万円減少しました。固定資産合計では、投資その他の資産は減少しましたが、減価償却費を上回る設備投資を実施したことにより、3,582百万円増加しました。負債合計は、仕入債務が増加した一方、有利子負債が15,389百万円減少したことにより、10,215百万円減少しました。純資産合計においては、利益剰余金の増加に加え、為替換算調整勘定の増加により13,405百万円の増加となりました。以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は63.3%と前連結会計年度より2.7ポイント上昇しており、財政状態の健全性は引き続き維持できているものと認識しております。 c.キャッシュ・フローの分析営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益の増加、及び必要運転資金の減少により、前連結会計年度から18,611百万円増加し40,932百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、各種設備投資の実施や定期預金の預入により、18,816百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを有利子負債返済に充当したことや配当金の支払い等により、19,121百万円の支出となりました。以上から、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から3,008百万円増加の25,148百万円となっております。 d.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの取扱商品は市況商品が多く、需給動向や市場価格等の影響を大きく受けます。国内印刷情報用紙事業においては、構造的な需要減退が継続しており、市販パルプ事業は、世界的な需給バランスに加え、投機的な市場価格形成の影響が発生することから、大きな価格変動が生じます。当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されております。また国内事業においては輸入原燃料を多用しており、為替変動リスクだけでなく、各国の通商政策や地政学的リスクも、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。かかる認識の下、当社グループは事業ポートフォリオシフトに注力しており、取扱商品及び販売市場の拡充及び分散、特に輸出を含めた海外売上高比率の向上等による為替リスク軽減等に努めております。 e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。運転資金につきましては主にコマーシャル・ペーパーや短期借入金にて調達しており、いずれも調達枠には十分な余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら調達手段を選択しております。安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。なお、当社グループでは財務健全性を維持しつつ、有利子負債の有効活用により、財務レバレッジ改善を努め、資本コスト低減を進めてまいります。 (単位:百万円) 2024年3月期(前期)2025年3月期(当期)有利子負債残高104,36288,972現預金残高22,14027,644ネット有利子負債残高82,22261,328自己資本251,709265,052ネットD/Eレシオ0.33倍0.23倍 また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」といいます。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」といいます。)から格付を取得しております。2024年11月にはR&Iより、事業ポートフォリオ改革の成果により収益源の分散が事業・地域の両面で進み、収益力・キャッシュ・フロー創出力の底堅さが増していることが評価され、(長期)発行体格付がA-からAへと格上げとなりました。引き続き、格付の維持向上に努めてまいります。 R&IJCR短期格付a-1―(長期)発行体格付AA f.当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、全てのステークホルダーと共に持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2030年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2030」を2020年5月に策定いたしました。その企業グループイメージの実現に向けた第2ステップとして、2023年4月より「事業ポートフォリオシフト」「競争力強化」「サステナビリティ(ESG)活動推進」を基本方針とした「中期経営計画 2026」に取り組んでおります。2年目となる当連結会計年度の進捗状況は下表のとおりです。 (単位:億円) 中期経営計画 2026(2026年3月期)2025年3月期(実績)売上高3,3003,057営業利益200197経常利益240187親会社株主に帰属する当期純利益200155ROE8.0%6.0%EBITDA390328 上記に加え、2021年に制定した「北越グループサステナビリティ基本方針」の下、「北越グループ ゼロCO2 2050」に挑戦すると共に、長期的な重要課題に積極的・能動的に取り組んでおります。2024年はCDPスコアにおいて、フォレスト分野では最高評価のA評価、気候変動分野はA-評価、水セキュリティ分野はA-評価となり、全ての分野で最上位のリーダーシップレベルを獲得いたしました。また、CCS事業につきましては、前年のJOGMEC「先進的 CCS 事業の実施に係る調査」に引き続き、2024年9月にはJOGMEC「先進的 CCS 事業に係る設計作業等」を共同受託し、2030年の東新潟地域における事業の実現を目指しております。2025年4月には、サステナビリティ活動に特化した組織として、サステナビリティ推進本部を設置いたしました。今後は、当該本部を中心に環境課題に関する取り組みを含めたサステナビリティ活動を推進し、企業価値を高めてまいります。 また、2024年5月に大王製紙株式会社と戦略的業務提携を開始以降、生産技術、原材料購買、製品物流の各分野において積極的に活動しております。初年度となる当連結会計年度においても提携効果を発現し、増益に寄与しました。両社共通の経営課題である「競争力強化」「事業ポートフォリオの変革」の解決に向けて、中長期的な企業価値向上に資する取り組みを推進してまいります。 g.主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容紙パルプ事業のセグメント売上高は280,243百万円と前連結会計年度比2.7%の増加となり、セグメント利益は18,251百万円となりました。当該セグメントの売上高は連結売上高の91.7%を占めております。また当該セグメントの資産は総資産の94.9%を占め、当該セグメントの財政状態及び経営成績が連結財政状態及び経営成績に大きな影響を与えるものと考えております。当連結会計年度においては、国内では紙需要減退により販売数量は減少しましたが、輸出販売の数量増加により、紙販売数量合計は前年を上回りました。また、国内販売価格については、再生産可能な利益を確保することを目的に価格改定に取り組み、輸出販売価格については円安進行により上昇しました。一方、円安進行による原燃料や国内外物流費のコストアップ影響は大きく、生産効率改善にも努めましたが減益となりました。カナダにおける市販パルプ事業では、工場の余剰電力を販売する売電収益は減少したものの、国際的なパルプ市況の回復や販売数量の増加により、増収増益となりました。2025年4月には、複雑化する顧客ニーズに的確に対応すべく取り扱い商品毎に組織を再編し、洋紙営業本部、白板紙営業本部、機能材営業本部の3営業本部体制としました。当該セグメントの売上高及び収益力を安定かつ強化するべく、引き続き事業ポートフォリオシフトに取り組んでまいります。 パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は16,655百万円と前連結会計年度比6.1%の増加となり、セグメント利益は228百万円となりました。当該セグメントの国内事業においては、食品一次容器の新規受注増加や液体容器の価格改定等から増収となりました。利益面では、新規受注商品の外注加工費の増加や円安進行による輸入原材料のコストアップ等により、減益となりました。また、中国における紙加工事業においては、販売数量増加や生産コスト削減に取り組んだことにより増収増益となりました。パッケージング事業の一層の成長を目指し、2025年4月の組織改定にて、紙パルプ事業セグメント内の白板紙事業との連携を強める体制としました。また、加工内製化に向けた設備投資も完了しており、当社グループの素材開発・原紙生産から製品まで一貫生産できる強みを活かし、需要増加が期待される紙容器・包材等のパッケージング事業に注力してまいります。 その他事業のセグメント売上高は8,818百万円と前連結会計年度比5.1%の増加となり、セグメント利益は856百万円となりました。当該セグメントは木材事業、建設業、輸送・倉庫業、古紙卸業等の多岐に亘っております。主に再生可能エネルギー向け燃料チップ販売が増加したこと等から増収となりましたが、物流費等のコスト上昇により減益となりました。引き続き、当社グループが有する経営資源の有効活用を目的に安定した利益確保に努めてまいります。 ② 次期の見通し我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復の継続が期待されるものの、米国の通商政策の影響による景気変動リスクや長期化する地政学的リスク等による不確実性は高まっております。次期の見通しにつきましては、輸出販売の数量増加を計画する一方、輸出販売価格の低下や国内紙販売の数量減少により、売上高は減収を見込んでおります。利益面では、円高及び原油安による原燃料価格低下のコストダウンが見込まれるものの、修繕費負担が増加する年度であることから営業利益は減益を予想しております。経常利益は持分法による投資損益の回復により増益、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の減少により減益を計画しております。当社グループは、「北越グループサステナビリティ基本方針」に掲げる持続可能な社会の実現に貢献すべく、最終年度に入った「中期経営計画 2026」の基本方針に則した事業活動を推進し、企業価値向上を目指してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「北越グループ企業理念」のもと、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「北越グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取り組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第2ステップとして2023年4月より「中期経営計画 2026」をスタートさせました。「中期経営計画 2026」では、事業ポートフォリオシフト、「コスト」「環境」「安全」にかかる競争力強化及びサステナビリティ(ESG)活動推進の3つを基本方針としております。さらに基本方針の1つである事業ポートフォリオシフトを加速するため、2024年4月より国際営業本部及び新規事業部を新設しました。今後も基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻に加え中東情勢の混迷や、世界的なインフレの継続、中国や欧米を中心とした景気後退懸念など、一段と不確実性が高まっております。国内紙パルプ産業においては、デジタル化の進展、ニューノーマルの定着等によるマーケット構造の変化に印刷・情報用紙等の需要縮小など、一段と厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフト当社グループは、創業100周年以降、グローバルな事業展開を目指し、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.におけるパルプ事業、フランスのBernard Dumas S.A.S.における機能材事業へ進出するとともに、国内では2020年より段ボール原紙事業への進出やプラスチック代替素材の商品開発など、着実に事業ポートフォリオシフトを進めました。また、2015年より営業生産を開始した中国の白板紙事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、中国国内における経済活動の停滞等を踏まえ、今後の事業環境の見通しを総合的に勘案し、2024年3月に中国の製紙業界等に精通している、泰盛(香港)国際控股有限公司へ株式の一部譲渡を行いました。2024年4月、既存の洋紙・白板紙営業本部から洋紙・白板紙国内営業本部及び国際営業本部へ組織を再編し、国内事業と海外事業の競争力強化を推進する体制を構築しました。また、事業ポートフォリオシフトをさらに加速させるため、事業投資本部をCFOの直下に新規事業部として再編するとともに、洋紙・白板紙事業及び機能材事業による収益の確保、段ボール原紙事業における付加価値の高い薄物強化芯の開発・販売の推進、カップ事業におけるグループ協業による脱プラ・減プラを目的とした紙容器案件の深掘りを行い、事業ポートフォリオシフトを加速し、さらなる成長を目指します。 ロ 競争力強化当社グループは、国内紙パルプ業界をリードする環境競争力を有する製品をお客様に提供することにより、多くのご支持をいただいております。「中期経営計画 2026」では企業価値の向上を果たすため環境競争力を含めた3つの競争力の強化を推進します。「コスト競争力の強化」においては、最適生産体制による有利購買やリスク分散を目的とした複数購買や国内需要動向を注視した中でパルプ販売に注力しております。2024年1月に発生した能登半島地震においては、一部の銘柄を新潟工場から紀州工場へ移抄し生産を行うなど、BCP(事業継続計画)の観点からも事業継続の強化を図るとともに、新潟工場において、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務プロセスの効率化を推進するなどさらなる競争力の強化を追求いたします。「環境競争力の強化」においては、CO2排出量の削減にむけ、当社グループは、重油からガスへの燃料転換、木質バイオマスボイラーの導入、高効率回収ボイラーの導入、これら3つの対策を基軸として競争力の強化を図り、2023年度、国際的な非営利団体CDPの「気候変動」の分野において最上位レベルのリーダーシップレベルに位置する「A-」を2年連続で獲得するとともに、「フォレスト」の分野において「B」を獲得いたしました。引き続きGX(グリーントランスフォーメーション)の推進によるグループ全体のCO2排出量の削減や社有林などの育成及び管理によるCO2吸収量の確保、さらには現在、新潟県で先進的CCS(二酸化炭素回収・貯留)事業開始に向けた取り組みを推進するなど、気候変動問題への対応を加速させ、当社グループの環境競争力の強化を図ります。「安全競争力の強化」においては、安全に関する国際規格ISO45001を活用した工学的安全対策の継続により災害リスクの低減化を図るとともに、作業者一人ひとりが安全行動を実践するための諸施策を実行することにより安全衛生活動の強化を推進します。 さらに当社は、2024年5月15日に大王製紙株式会社との間で戦略的業務提携基本契約を締結しました。現時点では、提携効果の発現により、生産技術、原材料購買、製品物流の分野において、3年後の2026年度に30億円程度の営業利益増加を目標とするとともに、中長期的には、新技術等の共同研究やエネルギー転換、DX推進、森林資源活用等のテーマについても検討を行い、業務提携における競争力強化を図ります。 ハ サステナビリティ(ESG)活動推進詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「北越グループ企業理念」のもと、紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「北越グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取り組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第2ステップとして2023年4月より「中期経営計画 2026」をスタートさせました。「中期経営計画 2026」では、事業ポートフォリオシフト、「コスト」「環境」「安全」にかかる競争力強化及びサステナビリティ(ESG)活動推進の3つを基本方針としております。さらに基本方針の1つである事業ポートフォリオシフトを加速するため、2024年4月より国際営業本部及び新規事業部を新設しました。今後も基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻に加え中東情勢の混迷や、世界的なインフレの継続、中国や欧米を中心とした景気後退懸念など、一段と不確実性が高まっております。国内紙パルプ産業においては、デジタル化の進展、ニューノーマルの定着等によるマーケット構造の変化に印刷・情報用紙等の需要縮小など、一段と厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフト当社グループは、創業100周年以降、グローバルな事業展開を目指し、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.におけるパルプ事業、フランスのBernard Dumas S.A.S.における機能材事業へ進出するとともに、国内では2020年より段ボール原紙事業への進出やプラスチック代替素材の商品開発など、着実に事業ポートフォリオシフトを進めました。また、2015年より営業生産を開始した中国の白板紙事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、中国国内における経済活動の停滞等を踏まえ、今後の事業環境の見通しを総合的に勘案し、2024年3月に中国の製紙業界等に精通している、泰盛(香港)国際控股有限公司へ株式の一部譲渡を行いました。2024年4月、既存の洋紙・白板紙営業本部から洋紙・白板紙国内営業本部及び国際営業本部へ組織を再編し、国内事業と海外事業の競争力強化を推進する体制を構築しました。また、事業ポートフォリオシフトをさらに加速させるため、事業投資本部をCFOの直下に新規事業部として再編するとともに、洋紙・白板紙事業及び機能材事業による収益の確保、段ボール原紙事業における付加価値の高い薄物強化芯の開発・販売の推進、カップ事業におけるグループ協業による脱プラ・減プラを目的とした紙容器案件の深掘りを行い、事業ポートフォリオシフトを加速し、さらなる成長を目指します。 ロ 競争力強化当社グループは、国内紙パルプ業界をリードする環境競争力を有する製品をお客様に提供することにより、多くのご支持をいただいております。「中期経営計画 2026」では企業価値の向上を果たすため環境競争力を含めた3つの競争力の強化を推進します。「コスト競争力の強化」においては、最適生産体制による有利購買やリスク分散を目的とした複数購買や国内需要動向を注視した中でパルプ販売に注力しております。2024年1月に発生した能登半島地震においては、一部の銘柄を新潟工場から紀州工場へ移抄し生産を行うなど、BCP(事業継続計画)の観点からも事業継続の強化を図るとともに、新潟工場において、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務プロセスの効率化を推進するなどさらなる競争力の強化を追求いたします。「環境競争力の強化」においては、CO2排出量の削減にむけ、当社グループは、重油からガスへの燃料転換、木質バイオマスボイラーの導入、高効率回収ボイラーの導入、これら3つの対策を基軸として競争力の強化を図り、2023年度、国際的な非営利団体CDPの「気候変動」の分野において最上位レベルのリーダーシップレベルに位置する「A-」を2年連続で獲得するとともに、「フォレスト」の分野において「B」を獲得いたしました。引き続きGX(グリーントランスフォーメーション)の推進によるグループ全体のCO2排出量の削減や社有林などの育成及び管理によるCO2吸収量の確保、さらには現在、新潟県で先進的CCS(二酸化炭素回収・貯留)事業開始に向けた取り組みを推進するなど、気候変動問題への対応を加速させ、当社グループの環境競争力の強化を図ります。「安全競争力の強化」においては、安全に関する国際規格ISO45001を活用した工学的安全対策の継続により災害リスクの低減化を図るとともに、作業者一人ひとりが安全行動を実践するための諸施策を実行することにより安全衛生活動の強化を推進します。 さらに当社は、2024年5月15日に大王製紙株式会社との間で戦略的業務提携基本契約を締結しました。現時点では、提携効果の発現により、生産技術、原材料購買、製品物流の分野において、3年後の2026年度に30億円程度の営業利益増加を目標とするとともに、中長期的には、新技術等の共同研究やエネルギー転換、DX推進、森林資源活用等のテーマについても検討を行い、業務提携における競争力強化を図ります。 ハ サステナビリティ(ESG)活動推進詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループにおきましては、前年度に実施した国内紙販売における価格改定効果があったものの、国際的なパルプの販売価格の下落の影響もあり、売上高は減収、営業利益は減益となり、経常利益は、主に持分法による投資利益の改善により増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当社の連結子会社である星輝投資控股有限公司の株式一部譲渡等に伴う特別損失の計上及び関連した法人税等合計の減少により、増益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。売 上 高297,056百万円(前連結会計年度比1.4%減)営 業 利 益15,267百万円(前連結会計年度比11.7%減)経 常 利 益17,766百万円(前連結会計年度比54.9%増)親会社株主に帰属する当期純利益8,396百万円(前連結会計年度比0.9%増) 主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。 紙パルプ事業紙パルプ事業につきましては、国内紙販売価格の改定効果があったものの、パルプの販売価格の下落、原燃料価格高騰等により、減収減益となりました。品種別には、洋紙につきましては、国内販売向けは、広告媒体及び通販カタログの電子化による需要の減少に加え、新潟工場の落雷及び地震に伴う操業停止があり、販売数量は減少したものの、前年度に実施した価格改定により、増収となりました。板紙につきましては、前年度に価格改定を実施したことにより、増収となりました。グレード別には、特殊白板紙及びコート白ボールは、個人消費支出減少の影響からパッケージ用途向け需要が低迷し、販売数量は減少しましたが、高級白板紙は、店頭POP用途向けの需要が一部で回復し、食品用途向けが堅調に推移したことで、販売数量は増加しました。段ボール原紙は、需要低迷により、販売数量は減少しました。機能材につきましては、機能紙分野においては、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙の需要が回復し、特殊紙・情報用紙分野においては、圧着ハガキ用紙の拡販及びコンビニエンスストア向けの食品包装材の拡販に注力したほか、価格改定に取り組んだことにより、増収となりました。パルプにつきましては、海外子会社において前年の貨車供給不足の解消に伴い、販売数量は前年度を上回ったものの、販売価格の下落により、減収となりました。以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高272,972百万円(前連結会計年度比2.2%減)営業利益13,681百万円(前連結会計年度比15.0%減) パッケージング・紙加工事業パッケージング・紙加工事業につきましては、輸入原紙の高騰によるコストアップ要因はあったものの、価格改定効果や紙容器・包材事業の受注拡大等により、増収増益となりました。 この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高15,697百万円(前連結会計年度比14.2%増)営業利益282百万円(前連結会計年度は3百万円の営業損失) その他木材事業、建設業、運送・倉庫業、古紙卸業をはじめとするその他事業につきましては、主に木材事業において外部受注が増加したことにより、増収増益となりました。この結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高8,387百万円(前連結会計年度比0.4%増)営業利益866百万円(前連結会計年度比24.7%増) 総資産は、前連結会計年度末に比べて27,185百万円増加し、415,629百万円となりました。これは主として、現金及び預金が4,076百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が1,157百万円、商品及び製品が1,423百万円、原材料及び貯蔵品が1,665百万円、投資有価証券が9,654百万円、退職給付に係る資産が6,919百万円それぞれ増加したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べて733百万円増加し、163,228百万円となりました。これは主として、有利子負債が636百万円増加したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べて26,451百万円増加し、252,401百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が4,928百万円、その他有価証券評価差額金が6,733百万円、為替換算調整勘定が10,483百万円、退職給付に係る調整累計額が4,749百万円それぞれ増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて4,076百万円増加し、22,140百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は22,320百万円(前連結会計年度は1,746百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益5,869百万円、減価償却費12,864百万円、関係会社株式譲渡損4,469百万円、関係会社債権放棄損2,603百万円、貸倒引当金の増加額2,733百万円、利息及び配当金の受取額2,283百万円、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額3,079百万円、法人税等の支払額5,301百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は15,494百万円(前連結会計年度比21.5%増)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出13,494百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は3,801百万円(前連結会計年度比81.0%増)となりました。支出の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの減少額3,000百万円、長期借入金の返済による支出8,700百万円、社債の償還による支出10,000百万円、配当金の支払額3,035百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入7,000百万円、社債の発行による収入15,000百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。 区分生産高(t)前年同期比(%)紙洋紙1,037,43896.3板紙466,59787.3合計1,504,03693.3パルプ1,446,465101.9 b. 受注実績当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)紙パルプ事業272,97297.8パッケージング・紙加工事業15,697114.2その他8,387100.4合計297,05698.6 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)新生紙パルプ商事㈱35,01711.636,35612.2国際紙パルプ商事㈱20,6156.819,6276.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の分析 (単位:百万円) 前連結会計年度(2023年3月期)当連結会計年度(2024年3月期)連結業績予想(2024年3月期)売上高301,204297,056296,000営業利益17,28815,26714,500経常利益11,47117,76616,000親会社株主に帰属する当期純利益8,3258,3966,500 当連結会計年度の売上高は、主に国際的なパルプ価格下落、中国紙市場における需要低迷の影響から、前年比減収となり、海外売上高比率も35.9%に減少いたしました。利益においては、国内では前年からの国内紙製品価格改定効果が通年寄与し増益となったものの、海外においては上記事由により減益となったことから、営業利益は減益となりました。経常利益は持分法による投資利益の改善により増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、中国白板紙事業に関わる株式の一部譲渡等に伴う特別損失の計上及び関連した法人税等合計の減少により、増益となりました。なお、上表記載の連結業績予想(2024年3月15日開示)との比較においては、売上高及びいずれの利益水準も連結業績予想値を上回りました。 b.財政状態の分析当連結会計年度末の流動資産合計は、流動性預金及び棚卸資産の増加により、9,104百万円増加し、固定資産合計は、連結除外した中国白板紙事業に関わる資産が減少した一方、減価償却費を上回る設備投資を実施したことや、市場株価高騰により投資有価証券及び退職給付に係る資産が増加したことから、18,081百万円増加しました。一方、負債合計は、有利子負債が636百万円増加したこと等により733百万円増加しました。純資産合計においては、利益剰余金の増加に加え、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整累計額の増加等により26,451百万円の増加となりました。以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は60.5%と前連結会計年度より2.6ポイント上昇しており、財政状態の健全性は引き続き維持できているものと認識しております。 c.キャッシュ・フローの分析営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、売上債権等の必要運転資金の増加額が前年より縮小したことから、前連結会計年度1,746百万円から20,573百万円増加し22,320百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、各種設備投資を実施した結果、15,494百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により3,801百万円の支出となりました。以上から、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から4,076百万円増加の22,140百万円となっております。 d.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの取扱商品は市況商品が多く、需給動向や市場価格等の影響を大きく受けます。国内印刷情報用紙事業においては、構造的な需要減退が継続しており、市販パルプ事業は、世界的な需給バランスに加え、投機的な市場価格形成の影響が発生することから、大きな価格変動が生じます。当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されております。また国内事業においては輸入原燃料を多用しており、為替変動リスクだけでなく、原材料やエネルギー産出国における国家間の通商動向や地政学的リスクも、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。かかる認識の下、当社グループは事業ポートフォリオシフトに注力しており、取扱商品及び販売市場の拡充及び分散、特に輸出を含めた海外売上高比率の向上等により為替リスク軽減等に努めております。 e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。運転資金につきましては主にコマーシャル・ペーパーや短期資金にて調達しており、いずれも調達枠には十分な余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。なお、当社グループでは財務健全性を維持しつつ、有利子負債の有効活用により、財務レバレッジ改善を努め、資本コスト低減を進めてまいります。 (単位:百万円) 2023年3月期(前期)2024年3月期(当期)有利子負債残高103,725104,362現預金残高18,06322,140ネット有利子負債残高85,66282,222自己資本225,209251,646ネットD/Eレシオ0.38倍0.33倍 また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めていく方針です。 R&IJCR短期格付a-1―(長期)発行体格付A-A f.当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、全てのステークホルダーと共に持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2030年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2030」を2020年5月に策定いたしました。その企業グループイメージの実現に向けた第2ステップとして、2023年4月より「事業ポートフォリオシフト」「競争力強化」「サステナビリティ(ESG)活動推進」を基本方針とした「中期経営計画 2026」に取り組んでおります。初年度となる当連結会計年度の進捗状況は下表のとおりです。 (単位:億円) 中期経営計画 2026(2026年3月期)2024年3月期(実績)売上高3,3002,970営業利益200152経常利益240177親会社株主に帰属する当期純利益20083ROE8.0%3.5%EBITDA390316 上記に加え、2021年に制定した「北越グループサステナビリティ基本方針」の下、「北越グループ ゼロCO2 2050」に挑戦すると共にサステナビリティ活動を推進し、長期的な重要課題に積極的・能動的に取り組んでおります。2023年は前年に引き続きCDPスコア気候変動分野でA-評価を獲得し、新たにフォレスト分野ではB評価を獲得いたしました。また、2023年8月、JOGMECの「先進的 CCS 事業の実施に係る調査」を共同受託しており、2030年の東新潟地域における先進的CCS事業の実現を目指す等、環境課題に関する取り組みを推進してまいります。また、2024年5月に大王製紙株式会社と戦略的業務提携基本契約を締結いたしました。両社共通の経営課題である「競争力強化」「事業ポートフォリオの変革」の解決に向けて、生産技術、原材料購買、製品物流の各分野において、中長期的な企業価値向上に資する取り組みを積極的に推進してまいります。 g.主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容紙パルプ事業のセグメント売上高は272,972百万円と前連結会計年度比2.2%の減少となり、セグメント利益は13,681百万円となりました。当該セグメントの売上高は連結売上高の91.9%を占めております。また当該セグメントの資産は総資産の94.2%を占め、当該セグメントの財政状態及び経営成績が連結財政状態及び経営成績に大きな影響を与えるものと考えております。当連結会計年度においては、国内での紙需要減少に加え、新潟工場における落雷及び能登半島地震による一時的な操業停止の影響から、洋紙、白板紙、段ボール原紙の販売数量は前年を下回りました。一方、前年に実施した各種紙製品の価格改定効果が国内事業の増収に寄与し、円安進行等のコストアップを吸収することができたことで増益となりました。カナダにおける市販パルプ事業では、前年の現地鉄道貨物の運行制限が解消し販売数量は増加したものの、世界的なパルプ価格の低下により減収減益となりました。中国白板紙事業では、経済活動の回復遅れにより需要減少が続いたことから一段の減収減益の結果となりました。なお、同事業については中長期的な事業環境等を総合的に判断した結果、事業ポートフォリオシフト方針に基づき、2024年3月に一部株式を譲渡し、連結範囲から除外しております。当該セグメントの売上高及び収益力を安定かつ強化するべく、引き続き事業ポートフォリオシフトに継続的に取り組んでまいります。 パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は15,697百万円と前連結会計年度比14.2%の増加となり、セグメント利益は黒字回復し、282百万円となりました。当該セグメントの国内事業においては、円安進行による輸入原材料等のコストアップは続いたものの液体容器の価格改定効果があったこと、また、脱プラスチック等の問題からやコンビニエンスストア向け食品一次容器の受注が増加したこと等により増収増益となりました。また、中国における紙加工事業においては、経済活動の回復遅れにより厳しい事業環境が続いておりますが、販売数量増加や生産コスト削減に取り組んだことにより増収増益となりました。当社グループの素材開発・原紙生産から製品まで一貫生産できる強みを活かし、需要増加が期待される紙容器・包材等のパッケージング事業に注力してまいります。 その他事業のセグメント売上高は8,387百万円と前連結会計年度比0.4%の増加となり、セグメント利益は866百万円となりました。当該セグメントは木材事業、建設業、輸送・倉庫業、古紙卸業等の多岐に亘っております。主に再生可能エネルギー向け燃料チップ販売が増加したこと等から増収増益となりました。引き続き、当社グループが有する経営資源の有効活用を目的に安定した利益確保に努めてまいります。 ② 次期の見通し我が国経済は、経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の回復や所得環境の改善による個人消費の持ち直し等が期待される一方、長期化する地政学的リスク、国内外金融市場変動、国内物価上昇懸念等による不確実性は高まっております。次期の見通しにつきましては、輸出販売数量の増加やパルプ販売価格の上昇等により売上高は増収を見込んでおります。利益面では、当連結会計年度から続く原燃料価格の高騰が継続するものの、パルプ販売価格上昇やコスト改善が見込まれることから、営業利益及び経常利益は増益を予想しております。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損失の減少等により増益を計画しております。当社グループは、「北越グループサステナビリティ基本方針」に掲げる持続可能な社会の実現に貢献すべく、2年目に入った「中期経営計画 2026」の基本方針に則した事業活動を推進し、併せて、大王製紙株式会社との戦略的業務提携を推進し迅速に効果を発現することで、企業価値向上を目指してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、板紙、機能紙、パッケージング・紙加工及び投資事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取り組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第2ステップとして2023年4月より「中期経営計画 2026」をスタートさせました。「中期経営計画 2026」では、事業ポートフォリオシフト、「コスト」「環境」「安全」にかかる競争力強化及びサステナビリティ(ESG)活動推進の3つの基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢や金融資本市場の変動等の影響により、引き続き不透明な状況が続いております。国内紙パルプ産業においては、原燃料価格の高騰が続くとともに、テクノロジーを駆使したデジタル化の一層の進展による印刷・情報用紙の構造的需要減少等が重なり、厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフト当社グループは北米のパルプ事業や欧州の機能材事業に進出するなど、グローバルな事業展開を目指すとともに、国内では段ボール原紙事業の開始やプラスチック代替素材の商品開発などにより、事業ポートフォリオシフトを積極的に進めてまいりました。引き続き「中期経営計画 2026」においても、顧客ニーズを捉えた環境配慮型製品、セルロースナノファイバーの活用など新規商品の開発や、既存商品の用途拡大等による高付加価値商品への注力、並びにM&Aによる新規事業への進出など、将来の中核となる新たな事業を開拓することにより、事業ポートフォリオシフトを加速し、更なる持続的成長を目指します。 ロ 競争力強化当社グループは、国内紙パルプ業界をリードする環境競争力を有する製品をお客様に提供することにより、多くのご支持をいただいております。今後「中期経営計画 2026」において企業価値の向上を果たし、国内紙パルプメーカーの中で揺るぎない地位の確立を目指すため、次の取り組みを推進してまいります。「コスト競争力の強化」・新設したプロフィットマネジメント室による最適生産体制の推進・有利購買やリスク分散を目的とした原材料及び調達先の多様化・ITシステム投資強化による業務効率化「環境競争力の強化」・重油代替燃料の導入検討等によるCO2排出量の削減・CO2ゼロ・エネルギー比率の向上や廃棄物類の有効活用に向けた設備投資・環境優位商品のブランディング「安全競争力の強化」・安全衛生活動「hSA25(hokuetsu Safety Action 25)」の完遂・安全対策及び職場環境改善投資の拡大・人的資本経営の推進 ハ サステナビリティ(ESG)活動推進詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、板紙、機能紙、パッケージング・紙加工及び投資事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取り組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、グローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第2ステップとして2023年4月より「中期経営計画 2026」をスタートさせました。「中期経営計画 2026」では、事業ポートフォリオシフト、「コスト」「環境」「安全」にかかる競争力強化及びサステナビリティ(ESG)活動推進の3つの基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢や金融資本市場の変動等の影響により、引き続き不透明な状況が続いております。国内紙パルプ産業においては、原燃料価格の高騰が続くとともに、テクノロジーを駆使したデジタル化の一層の進展による印刷・情報用紙の構造的需要減少等が重なり、厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 事業ポートフォリオシフト当社グループは北米のパルプ事業や欧州の機能材事業に進出するなど、グローバルな事業展開を目指すとともに、国内では段ボール原紙事業の開始やプラスチック代替素材の商品開発などにより、事業ポートフォリオシフトを積極的に進めてまいりました。引き続き「中期経営計画 2026」においても、顧客ニーズを捉えた環境配慮型製品、セルロースナノファイバーの活用など新規商品の開発や、既存商品の用途拡大等による高付加価値商品への注力、並びにM&Aによる新規事業への進出など、将来の中核となる新たな事業を開拓することにより、事業ポートフォリオシフトを加速し、更なる持続的成長を目指します。 ロ 競争力強化当社グループは、国内紙パルプ業界をリードする環境競争力を有する製品をお客様に提供することにより、多くのご支持をいただいております。今後「中期経営計画 2026」において企業価値の向上を果たし、国内紙パルプメーカーの中で揺るぎない地位の確立を目指すため、次の取り組みを推進してまいります。「コスト競争力の強化」・新設したプロフィットマネジメント室による最適生産体制の推進・有利購買やリスク分散を目的とした原材料及び調達先の多様化・ITシステム投資強化による業務効率化「環境競争力の強化」・重油代替燃料の導入検討等によるCO2排出量の削減・CO2ゼロ・エネルギー比率の向上や廃棄物類の有効活用に向けた設備投資・環境優位商品のブランディング「安全競争力の強化」・安全衛生活動「hSA25(hokuetsu Safety Action 25)」の完遂・安全対策及び職場環境改善投資の拡大・人的資本経営の推進 ハ サステナビリティ(ESG)活動推進詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループにおきましては、主に当年度に実施した国内販売向けの価格改定及び輸出販売向けの価格上昇の影響で増収となったものの、原燃料価格の高騰等により、営業利益は減益となりました。さらに、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法による投資損失を計上したこと等により、減益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。売 上 高301,204百万円(前連結会計年度比15.1%増)営 業 利 益17,288百万円(前連結会計年度比15.5%減)経 常 利 益11,471百万円(前連結会計年度比61.1%減)親会社株主に帰属する当期純利益8,325百万円(前連結会計年度比60.7%減) 主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。 紙パルプ事業紙パルプ事業につきましては、主に当年度に実施した国内販売向けの価格改定及び輸出販売向けの価格上昇の影響で増収となりましたが、損益面におきましては、原燃料価格の高騰等により、減益となりました。品種別には、洋紙につきましては、国内販売向けは、当年度に2回の価格改定を実施したことにより、増収となりました。また当期下期には、国内旅行やイベントが再開したことにより、パンフレットなどの用途が回復し、販売数量を伸ばしました。輸出販売向けについても、販売価格の上昇により、前年度を上回りました。板紙につきましては、洋紙同様に、当年度に価格改定を実施したことにより、増収となりました。数量面では、品種によってばらつきはあるものの前年度を上回る結果となりました。グレード別には、特殊白板紙及びコート白ボールは、国内販売向けでは、ファストフードの持ち帰り用途向けが堅調に推移したほか、医薬品、菓子及び玩具用途向けで販売数量が前年度を上回った一方で、輸出販売向けでは、市況の軟化等により、販売数量が減少する結果となりました。高級白板紙は、カードゲーム用途向けが減少し、店頭POP用途も振るわず前年度を下回りました。段ボール原紙は、国内販売向けについては、当年度に価格改定を実施し、また、新潟県を中心に順調に販売数量を拡大しており、輸出販売向けについても前年度を上回る販売数量となりました。機能材につきましては、機能紙分野については、新型コロナウイルス感染症拡大により中国全土で厳格なゼロコロナ政策が実施されたことで需要が急減し、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙を中心に前年度を下回りました。特殊紙・情報用紙分野については、国内での人流回復を背景にコンビニエンスストア向けの食品包装材の拡販に注力したほか、価格改定に取り組んだことにより、前年度を上回りました。パルプにつきましては、海外子会社において、貨車供給不足に起因した減産の影響で販売数量は前年度を下回ったものの、販売価格の上昇により、前年度を上回りました。以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高279,109百万円(前連結会計年度比16.3%増)営業利益16,092百万円(前連結会計年度比16.4%減) パッケージング・紙加工事業パッケージング・紙加工事業につきましては、国内パッケージ事業は、液体容器用輸入原紙の大幅な価格高騰を製品値上で転嫁しきれず厳しい状況で推移しましたが、戦略商品を以て事業領域拡大に取り組んできたコンビニエンスストア向け各種包材及び各種食品加工メーカー向け包材事業の着実な増販により、液体容器事業の不振をカバーし増収増益に転じました。 この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高13,740百万円(前連結会計年度比1.0%増)営業損失(△)△3百万円(前連結会計年度は71百万円の営業損失) その他木材事業、建設業、運送・倉庫業、古紙卸業をはじめとするその他事業につきましては、主に木材事業において外部受注が増加したことにより、増収となりましたが、損益面におきましては、主として運送・倉庫業のコストアップにより減益となりました。以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高8,355百万円(前連結会計年度比4.4%増)営業利益694百万円(前連結会計年度比8.6%減) 総資産は、前連結会計年度末に比べて11,488百万円増加し、388,444百万円となりました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産が15,078百万円、原材料及び貯蔵品が5,946百万円、投資その他の資産その他に含まれる差入保証金が4,004百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が12,212百万円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べて2,512百万円増加し、162,494百万円となりました。これは主として、有利子負債が4,637百万円、電子記録債務が1,481百万円それぞれ増加した一方で、未払法人税等が1,094百万円、退職給付に係る負債が1,854百万円それぞれ減少したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べて8,975百万円増加し、225,950百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が3,873百万円、為替換算調整勘定が4,275百万円それぞれ増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて12,212百万円減少し、18,063百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は1,746百万円(前連結会計年度比91.3%減)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益13,757百万円、減価償却費11,854百万円、持分法による投資損失8,609百万円、仕入債務の増加額2,074百万円、支出の主な内訳は、売上債権の増加額15,973百万円、棚卸資産の増加額5,960百万円、法人税等の支払額7,450百万円、供託金の預入による支出4,000百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は12,753百万円(前連結会計年度比673.8%増)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出12,515百万円、収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入1,047百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は2,099百万円(前連結会計年度比89.1%減)となりました。支出の主な内訳は、短期借入金の減少額8,427百万円、長期借入金の返済による支出27,324百万円、配当金の支払額4,380百万円、収入の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの増加額7,000百万円、長期借入れによる収入31,380百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。 区分生産高(t)前年同期比(%)紙洋紙1,077,81496.3板紙534,26489.2合計1,612,07893.9パルプ1,419,95691.7 b. 受注実績当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)紙パルプ事業279,109116.3パッケージング・紙加工事業13,740101.0その他8,355104.4合計301,204115.1 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)新生紙パルプ商事㈱32,33012.435,01711.6国際紙パルプ商事㈱19,1567.320,6156.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績の分析 前連結会計年度(2022年3月期)(百万円)当連結会計年度(2023年3月期)(百万円)連結業績予想(2023年3月期)(百万円)売上高261,616301,204300,000営業利益20,45517,28812,000経常利益29,51411,4718,000親会社株主に帰属する当期純利益21,2068,3253,000 当連結会計年度においては、行動制限の緩和等により経済活動の正常化が進む中、当社では国内紙製品の価格改定に取り組み、加えて世界的なパルプ・紙製品の価格の上昇もあり、売上高は過去最高記録を更新いたしました。また、売上高に占める海外売上高比率は40.3%となりました。一方、地政学リスクの顕在化及び急激な円安進行による原燃料価格の高騰により、営業利益は過去最高益を記録した前年からは減益となりました。また、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、持分法による投資損失の計上等により減益となりました。 財政状態の分析当連結会計年度末の流動資産合計は、現金及び預金は減少したものの、製品及び原燃料価格の上昇により売上債権及び棚卸資産が増加し10,466百万円増加しました。また、固定資産合計は、減価償却費を上回る設備投資を実施したこと等により1,022百万円増加しました。一方、負債合計は、必要運転資金の増加に伴い有利子負債が4,637百万円増加したこと等により2,512百万円増加しました。純資産合計においては、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加等により8,975百万円の増加となりました。以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は58.0%と前連結会計年度より0.6ポイント上昇しており、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。 キャッシュ・フローの分析営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、売上債権や棚卸資産が増加し、必要運転資金が増加したことから、前連結会計年度20,186百万円から18,439百万円減少し1,746百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、各種設備投資を実施した結果、12,753百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金等は増加したものの、配当金の支払い等により2,099百万円の支出となりました。以上から、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から12,212百万円減少の18,063百万円となっております。なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延等の不測の事態に備え、近年の現金及び現金同等物残高は高水準としておりましたが、当会計年度末において適正水準に戻しております。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、次のとおりであります。当社グループの取扱商品は市況商品が多く、需給動向や市場価格等の影響を大きく受けます。国内の印刷情報用紙事業は、構造的な需要減退は継続しており、国内外の市販パルプ事業は、世界的な需給バランスに加え、投機的な市場価格形成の影響が発生することから、大きな価格変動が生じます。当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあります。原材料やエネルギー産出国の経済動向や各国間通商問題、各国通貨の為替変動等が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。かかる認識の下、当社グループは事業ポートフォリオシフトに注力しており、取扱商品の拡充及び分散、また、輸出を含めた海外売上高比率の向上等により為替リスク軽減等に努めております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。運転資金につきましては主にコマーシャル・ペーパーや短期資金にて調達しており、いずれも調達枠には十分な余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。 2022年3月期(前期)2023年3月期(当期)有利子負債残高99,088百万円103,725百万円現預金残高30,275百万円18,063百万円ネット有利子負債残高68,812百万円85,662百万円自己資本216,252百万円225,209百万円ネットD/Eレシオ0.32 0.38 また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めていく方針です。 R&IJCR短期格付a-1―(長期)発行体格付A-A 当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。当社グループは、全てのステークホルダーと共に持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2030年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2030」を策定し、その企業グループイメージの実現に向けた第一ステップとして、2020年4月より「事業ポートフォリオシフト」「海外事業拡充」「国内事業強化」「ガバナンス経営強化」「SDGs活動推進」を基本方針とした「中期経営計画 2023」に取り組んでまいりました。連結経営指標につきましては、前連結会計年度において売上高を除く全ての項目を実現しており、最終年度となる当連結会計年度においては、売上高及び営業利益を実現いたしました。2023年4月からは「事業ポートフォリオシフト」「競争力強化」「サステナビリティ(ESG)活動推進」を基本方針とした「中期経営計画 2026」をスタートしております。当社の長期経営ビジョン「Vision 2030」の実現に向けて、事業基盤を強固にする中核的計画と位置付けております。また、2021年に制定した「北越グループサステナビリティ基本方針」の下、「北越グループ ゼロCO2 2050」に挑戦すると共にサステナビリティ活動を推進し、長期的に優先して取り組むべき重要課題に積極的・能動的に取り組んでまいります。当社は、2021年よりTCFDに賛同、2022年にはCDPスコア気候変動分野でA-評価を獲得しており、今後も積極的な情報開示に努め、気候変動に関する取り組みを推進してまいります。 中期経営計画2023(2023年3月期)2023年3月期(実績)売上高2,800億円3,012億円営業利益150億円172億円経常利益200億円114億円親会社株主に帰属する当期純利益150億円83億円ROE7.0%3.8%EBITDA350億円242億円 主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。紙パルプ事業のセグメント売上高は279,109百万円と前連結会計年度比16.3%の増加となり、セグメント利益は16,092百万円となりました。当該セグメントの売上高は連結売上高の92.7%を占めております。また当該セグメントの資産は総資産の95.3%を占めていることから、当該セグメントの財政状態及び経営成績が連結財政状態及び経営成績に大きな影響を与えます。当連結会計年度において、国内事業では原燃料価格や物流経費の高騰、急激な円安進行等のコストアップが継続したことから、再生産可能な利益を確保することを目的に、国内の洋紙、白板紙をはじめとする各種紙製品の価格改定を複数回実施いたしました。また、輸出を除く国内販売数量については、需要環境は厳しかったものの当社の持つ環境優位性を積極的にアピールすること等により、販売数量は前年を上回りました。これらにより、国内事業の売上高は増収となったものの、コストアップを十分に吸収するには至らず、減益となりました。また、カナダにおける市販パルプ事業では、新型コロナウイルス感染症の影響により現地鉄道貨物の運行制限が生じ販売数量は減少したものの、世界的に好調であったパルプ市況に支えられ、販売価格が高騰したことから増収増益となりました。一方、中国における白板紙事業では、ゼロコロナ政策による経済活動の制限等により、紙需要が減少したことから減収減益と厳しい結果となりました。当該セグメントの売上高及び収益力を安定かつ強化するべく、事業ポートフォリオシフトに継続的に取り組んでまいります。 パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は13,740百万円と前連結会計年度比1.0%の増加となり、セグメント損失は3百万円となりました。当該セグメントの国内事業においては、原材料等のコストアップにより液体容器の価格改定を複数回実施いたしました。また、脱プラスチック等の問題からやコンビニエンスストア向け食品一次容器の受注が増加したこと等により増収増益となりました。一方、中国における紙加工事業においては上海ロックダウン等の影響が大きく、減収減益となりました。当社グループの素材開発・原紙生産から製品まで一貫生産できる強みを活かし、需要増加が期待される紙容器等のパッケージング事業に注力してまいります。 その他事業のセグメント売上高は8,355百万円と前連結会計年度比4.4%の増加となり、セグメント利益は694百万円となりました。当該セグメントは木材事業、建設業、輸送・倉庫業、古紙卸業等の多岐に亘っております。再生可能エネルギー向け燃料チップの販売が増加したこと等から増収となるものの、輸送事業のコストアップ等により減益となりました。引き続き、当社グループが有する経営資源の有効活用を目的に安定した利益確保に努めてまいります。 ② 次期の見通し我が国経済は、経済活動の正常化により、緩やかな景気回復が期待される一方、長期化が予想されるロシア・ウクライナ情勢、金融資本市場の変動等の影響による下振れリスクも懸念されます。次期の見通しにつきましては、当連結会計年度に実施しました国内価格改定の効果が期を通じて寄与することから売上高は増収を見込んでおります。一方、利益面では洋紙の国内需要は減少加速が予想されることや市販パルプ価格が下落基調にあることに加え、原燃料価格の上昇が予想されることから、営業利益は減益を予想しておりますが、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、持分法による投資利益の改善等により増益を計画しております。当社グループは、「北越グループサステナビリティ基本方針」に掲げる持続可能な社会の実現に貢献すべく、新たにスタートさせた「中期経営計画 2026」の基本方針に則した事業活動推進により、企業価値向上を目指してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、白板紙、機能紙、パッケージング・紙加工及び投資事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取り組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループでは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略新型コロナウイルス感染症の影響は、国内外の紙・パルプ需要減退及び需要構造転換のスピードを加速させており、また足元では世界情勢の不安定化などによる原燃料価格の高騰などが続いておりますが、当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、さらなるグローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。その「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第1ステップとして2020年4月より「中期経営計画 2023」をスタートさせました。「中期経営計画 2023」では、事業ポートフォリオシフト、海外事業拡充、国内事業強化、ガバナンス経営強化及びSDGs活動推進の5つの基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、新型コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ情勢の影響等により、非常に不透明な状況となっております。国内紙パルプ産業については、これらの要因による世界的な経済活動の停滞及び緊張感の高まりに加え、原燃料価格の高騰及び国内需要動向の急激な変化等により、厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 環境競争力強化当社グループでは、従来から原材料の調達から紙製品の生産、使用・廃棄に至るまでライフサイクル全体でのCO2排出量の削減に取り組んでおり、業界に先駆けて、CO2の発生が少ないガスを使用した高効率タービンの導入や、バイオマス燃料への転換など、この25年間で約500億円のCO2削減投資を実施してまいりました。その結果、現在当社の紙製品は、70%のCO2ゼロ・エネルギーで生産されており、この環境優位性が当社グループの競争力の源泉となっております。 さらに当社グループは、将来目指すべき環境ビジョンを明確化するため、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦する「北越グループ ゼロCO2 2050」を策定し、環境競争力の強化を推進しております。 具体的には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づくリスクや機会のシナリオ分析を行うことにより、当社グループの事業活動や収益等に与える影響を経営課題の一つとして認識した上で、気候変動対策を経営戦略に反映させております。 また、当社は国土交通省が制定し公益社団法人鉄道貨物協会が運用するエコレールマーク取組企業に、また当社商品の「洋紙」がエコレールマーク商品にそれぞれ認定されるなど、鉄道貨物輸送の活用によるCO2排出量の低減と生産物流の効率改善に取り組んでおります。当社グループはこれからも社会のカーボンニュートラルの実現と、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みに貢献してまいります。 ロ 事業ポートフォリオシフト 当社グループは、「中期経営計画 2023」において基本方針にかかげた事業ポートフォリオシフトを推進するため、2020年4月より新たに段ボール原紙事業を開始いたしました。新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、インターネットを利用した宅配需要の高まりに呼応し、通販向け段ボール需要が増加しており、段ボール原紙の生産量は順調に数量を拡大しております。今後は採算性の高い薄物原紙、電子部品や建材用など中芯以外の用途開発を進め、収益のさらなる改善を目指します。 また新潟工場における家庭紙事業につきましては、営業生産に向けて、当社が長年培ってきた高品質・低コスト・高効率操業の知見と技術を活かし、準備を進めているところであります。 当社グループは、段ボール原紙事業と家庭紙事業を新たな収益事業に育成することにより、事業ポートフォリオシフトをさらに推進してまいります。 ハ 海外事業拡充 当社グループは、グローバルな経済環境の中で、積極的に海外事業を推進し、カナダのパルプ事業、中国の白板紙事業及び中国とフランスの機能材事業を軌道に乗せることにより、当社グループの業績拡大を図ってまいりました。 カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.におけるパルプ事業は、国際的なパルプ価格の回復による北米向けのパルプ販売が堅調に推移したこと、回収ボイラー熱回収設備導入工事等による売電事業や物流体制の強化などにより、当社グループの連結売上高及び収益を大きく下支えをしております。 中国の江門星輝造紙有限公司における白板紙事業は、生産効率を高めるとともにコータードライヤーのノズル改造工事を実施し、品質・コスト改善に注力しております。 フランスのBernard Dumas S.A.S.におけるバッテリーセパレータ、中国の東拓(上海)電材有限公司におけるチップキャリアテープ等の機能材事業は、前年を上回る販売を達成しており、Bernard Dumas S.A.S.においては、ロシア・ウクライナ情勢による原材料価格の高騰、東拓(上海)電材有限公司においては、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めつつ海外事業を推進してまいります。 ニ 国内事業強化当社グループの国内事業は、従来からの構造的な印刷・情報用紙の需要減少や新型コロナウイルス感染症による国内経済停滞の影響に加え、2021年秋頃からの原燃料価格の急騰や物流費の高騰などにより、非常に厳しい事業環境を迎えております。そのため、印刷・情報用紙をはじめとする全品種について、2022年1月以降、価格改定を実施いたしました。 さらに当社は国内需給バランスの適正化と、新潟、紀州両工場の高効率操業及びコストダウンを進めて競争力強化を図るため、2022年6月に新潟工場2号抄紙機を停機いたしました。 ホ コーポレートガバナンス及びサステナビリティの取り組みについて 当社グループは「グループ企業理念」及び「グループ行動規範」を実現することにより、全てのステークホルダーの皆様に信頼される企業グループとなることを目指し、コーポレートガバナンス及びサステナビリティの取り組みを強化してまいりました。 当社は、2022年4月より東京証券取引所の新市場区分「プライム市場」に移行・上場いたしました。プライム市場上場会社には独立社外取締役を3分の1以上選任することなど、より高いガバナンス水準が要求されており、プライム市場にふさわしいコーポレートガバナンス体制の構築に取り組んでおります。 また、グループリスクマネジメント活動においては、リスク対象範囲の拡大、リスクマップの見直し、「グループリスクマネジメント基本規程」の改定等さらなるリスク低減、回避に向けた取り組みを推進しました。コンプライアンス活動においては労働基準法や競争法(独占禁止法)に関する研修を開催し、グループ全体のコンプライアンス体制の強化を図りました。 サステナビリティの推進につきましては、2021年12月に、「グループサステナビリティ基本方針」を制定するとともに、「グループサステナビリティ基本規程」を改定し、従来のCSR活動を財務と非財務の両面から推進するサステナビリティ活動へ進化させる体制へ移行いたしました。特に、ダイバーシティについては、「グループダイバーシティ基本方針」を策定し、ダイバーシティ委員会で明確化した中核人材における多様性の確保などの重要課題の解決に向けた取り組みを進めております。また、労働安全衛生に関する国際規格である「ISO 45001」の認証取得や健康経営優良法人の認定など第三者認証についても積極的に取得しております。引き続き、当社グループの事業における重要度及び社会からの要請・期待を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)の特定を行い、サステナビリティ推進目標に反映させた取り組みを進めてまいります。 当社グループは、コーポレートガバナンスの強化とサステナビリティの推進により、「グループ行動規範」を遵守し、企業理念に掲げる世界の人々の豊かな暮らしへの貢献を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針① 会社の経営の基本方針当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、白板紙、機能紙、パッケージング・紙加工及び投資事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。 また、「グループ企業理念」に掲げる「自然との共生」を達成するため、原料から製品に至るまでの環境へのあらゆる影響を最小限にとどめることにより、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に「北越グループサステナビリティ基本方針」を制定しております。特に環境については、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦するなど、気候変動問題に対する取り組みを積極的かつ能動的に推進してまいります。 ② 目標とする経営指標当社グループでは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。 ③ 中長期的な会社の経営戦略新型コロナウイルス感染症の影響は、国内外の紙・パルプ需要減退及び需要構造転換のスピードを加速させており、また足元では世界情勢の不安定化などによる原燃料価格の高騰などが続いておりますが、当社グループは長期経営ビジョン「Vision 2030」に基づき、さらなるグローバル企業としての持続的な成長を目指してまいります。その「Vision 2030」における企業グループイメージは、環境経営を基軸として、持続可能な社会の発展に貢献する企業グループ、多様な労働力と最新技術を活用し、時代に適応した新たな事業領域に挑戦する企業グループ、夢・希望・誇りが持てる働きがいのある企業グループであります。 また、長期経営ビジョン「Vision 2030」の企業グループイメージ実現に向けた第1ステップとして2020年4月より「中期経営計画 2023」をスタートさせました。「中期経営計画 2023」では、事業ポートフォリオシフト、海外事業拡充、国内事業強化、ガバナンス経営強化及びSDGs活動推進の5つの基本方針を柱とする経営施策を迅速かつ強力に推進することにより、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 経営環境認識世界経済は、新型コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ情勢の影響等により、非常に不透明な状況となっております。国内紙パルプ産業については、これらの要因による世界的な経済活動の停滞及び緊張感の高まりに加え、原燃料価格の高騰及び国内需要動向の急激な変化等により、厳しい事業環境が継続しております。 ② 対処すべき課題イ 環境競争力強化当社グループでは、従来から原材料の調達から紙製品の生産、使用・廃棄に至るまでライフサイクル全体でのCO2排出量の削減に取り組んでおり、業界に先駆けて、CO2の発生が少ないガスを使用した高効率タービンの導入や、バイオマス燃料への転換など、この25年間で約500億円のCO2削減投資を実施してまいりました。その結果、現在当社の紙製品は、70%のCO2ゼロ・エネルギーで生産されており、この環境優位性が当社グループの競争力の源泉となっております。 さらに当社グループは、将来目指すべき環境ビジョンを明確化するため、2050年までにCO2排出実質ゼロに挑戦する「北越グループ ゼロCO2 2050」を策定し、環境競争力の強化を推進しております。 具体的には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づくリスクや機会のシナリオ分析を行うことにより、当社グループの事業活動や収益等に与える影響を経営課題の一つとして認識した上で、気候変動対策を経営戦略に反映させております。 また、当社は国土交通省が制定し公益社団法人鉄道貨物協会が運用するエコレールマーク取組企業に、また当社商品の「洋紙」がエコレールマーク商品にそれぞれ認定されるなど、鉄道貨物輸送の活用によるCO2排出量の低減と生産物流の効率改善に取り組んでおります。当社グループはこれからも社会のカーボンニュートラルの実現と、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みに貢献してまいります。 ロ 事業ポートフォリオシフト 当社グループは、「中期経営計画 2023」において基本方針にかかげた事業ポートフォリオシフトを推進するため、2020年4月より新たに段ボール原紙事業を開始いたしました。新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、インターネットを利用した宅配需要の高まりに呼応し、通販向け段ボール需要が増加しており、段ボール原紙の生産量は順調に数量を拡大しております。今後は採算性の高い薄物原紙、電子部品や建材用など中芯以外の用途開発を進め、収益のさらなる改善を目指します。 また新潟工場における家庭紙事業につきましては、営業生産に向けて、当社が長年培ってきた高品質・低コスト・高効率操業の知見と技術を活かし、準備を進めているところであります。 当社グループは、段ボール原紙事業と家庭紙事業を新たな収益事業に育成することにより、事業ポートフォリオシフトをさらに推進してまいります。 ハ 海外事業拡充 当社グループは、グローバルな経済環境の中で、積極的に海外事業を推進し、カナダのパルプ事業、中国の白板紙事業及び中国とフランスの機能材事業を軌道に乗せることにより、当社グループの業績拡大を図ってまいりました。 カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.におけるパルプ事業は、国際的なパルプ価格の回復による北米向けのパルプ販売が堅調に推移したこと、回収ボイラー熱回収設備導入工事等による売電事業や物流体制の強化などにより、当社グループの連結売上高及び収益を大きく下支えをしております。 中国の江門星輝造紙有限公司における白板紙事業は、生産効率を高めるとともにコータードライヤーのノズル改造工事を実施し、品質・コスト改善に注力しております。 フランスのBernard Dumas S.A.S.におけるバッテリーセパレータ、中国の東拓(上海)電材有限公司におけるチップキャリアテープ等の機能材事業は、前年を上回る販売を達成しており、Bernard Dumas S.A.S.においては、ロシア・ウクライナ情勢による原材料価格の高騰、東拓(上海)電材有限公司においては、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めつつ海外事業を推進してまいります。 ニ 国内事業強化当社グループの国内事業は、従来からの構造的な印刷・情報用紙の需要減少や新型コロナウイルス感染症による国内経済停滞の影響に加え、2021年秋頃からの原燃料価格の急騰や物流費の高騰などにより、非常に厳しい事業環境を迎えております。そのため、印刷・情報用紙をはじめとする全品種について、2022年1月以降、価格改定を実施いたしました。 さらに当社は国内需給バランスの適正化と、新潟、紀州両工場の高効率操業及びコストダウンを進めて競争力強化を図るため、2022年6月に新潟工場2号抄紙機を停機いたしました。 ホ コーポレートガバナンス及びサステナビリティの取り組みについて 当社グループは「グループ企業理念」及び「グループ行動規範」を実現することにより、全てのステークホルダーの皆様に信頼される企業グループとなることを目指し、コーポレートガバナンス及びサステナビリティの取り組みを強化してまいりました。 当社は、2022年4月より東京証券取引所の新市場区分「プライム市場」に移行・上場いたしました。プライム市場上場会社には独立社外取締役を3分の1以上選任することなど、より高いガバナンス水準が要求されており、プライム市場にふさわしいコーポレートガバナンス体制の構築に取り組んでおります。 また、グループリスクマネジメント活動においては、リスク対象範囲の拡大、リスクマップの見直し、「グループリスクマネジメント基本規程」の改定等さらなるリスク低減、回避に向けた取り組みを推進しました。コンプライアンス活動においては労働基準法や競争法(独占禁止法)に関する研修を開催し、グループ全体のコンプライアンス体制の強化を図りました。 サステナビリティの推進につきましては、2021年12月に、「グループサステナビリティ基本方針」を制定するとともに、「グループサステナビリティ基本規程」を改定し、従来のCSR活動を財務と非財務の両面から推進するサステナビリティ活動へ進化させる体制へ移行いたしました。特に、ダイバーシティについては、「グループダイバーシティ基本方針」を策定し、ダイバーシティ委員会で明確化した中核人材における多様性の確保などの重要課題の解決に向けた取り組みを進めております。また、労働安全衛生に関する国際規格である「ISO 45001」の認証取得や健康経営優良法人の認定など第三者認証についても積極的に取得しております。引き続き、当社グループの事業における重要度及び社会からの要請・期待を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)の特定を行い、サステナビリティ推進目標に反映させた取り組みを進めてまいります。 当社グループは、コーポレートガバナンスの強化とサステナビリティの推進により、「グループ行動規範」を遵守し、企業理念に掲げる世界の人々の豊かな暮らしへの貢献を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年度は業界全体で需要が大きく落ち込みましたが、当年度は持ち直しの動きがでてきており、洋紙、白板紙で販売数量が増加したことと、パルプの販売価格の上昇により、増収増益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。売 上 高261,616百万円(前連結会計年度比17.6%増)営 業 利 益20,455百万円(前連結会計年度は1,701百万円の営業利益)経 常 利 益29,514百万円(前連結会計年度比202.5%増)親会社株主に帰属する当期純利益21,206百万円(前連結会計年度比49.6%増) なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態及び経営成績に影響を及ぼしています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載しております。 主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。 紙パルプ事業紙パルプ事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、前年度は業界全体で需要が大きく落ち込みましたが、当年度は持ち直しの動きが出てきており、増収増益となりました。品種別には、洋紙につきましては、全体的に前年度を上回る結果となり、当年度下期には、緊急事態宣言解除により旅行用パンフレットの受注が戻り、年度末セール用のチラシ等が拡大しました。また、輸出においても、世界的に新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、経済活動が回復したことにより前年度を上回りました。板紙につきましては、洋紙同様に、前年度を上回る結果となりました。グレード別には、特殊白板紙及びコート白ボールは、国内では、食品一次容器、持ち帰り用食品関連容器及びレトルト食品向けの箱用途において堅調に推移しましたが一方で、海外では中国にて販売数量が減少する結果となりました。高級白板紙は、化粧品及び医薬品向けで前年度同様に低調であったものの、店頭POP用途、各種カード類向けが増加したことにより、前年度を上回りました。また、段ボール原紙は、2020年4月より営業生産を始めておりますが、当年度は順調に数量を拡大しており前年度を上回りました。機能材につきましては、機能紙分野においては、車載用バッテリーセパレータ、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙及び研磨原紙等が堅調に推移し、機能紙全体で前年度を上回りました。情報用紙分野は、テレワークの定着等、新型コロナウイルス感染症の影響から総じて低調に推移しました。パルプにつきましては、新型コロナウイルス感染症からの海外の経済活動の回復に伴い、販売価格の上昇となり、前年度を上回りました。以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高240,002百万円(前連結会計年度比20.7%増)営業利益19,241百万円(前連結会計年度は673百万円の営業利益) パッケージング・紙加工事業パッケージング・紙加工事業につきましては、情報メディア分野の事業譲渡や液体容器の形状変更による受注減少等により、減収減益となりました。 この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高13,609百万円(前連結会計年度比12.8%減)営業損失(△)△71百万円(前連結会計年度は89百万円の営業利益) その他木材事業、古紙卸業、建設業、運送・倉庫業をはじめとするその他事業につきましては、外部受注の増加はあった一方で、一部事業の営業が終了したこと等により減収となりました。損益面においては、各種コストダウン効果等により増益となりました。以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。売上高8,004百万円(前連結会計年度比1.0%減)営業利益759百万円(前連結会計年度比132.6%増) 総資産は、前連結会計年度末に比べて13,880百万円増加し、376,956百万円となりました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産が11,095百万円、電子記録債権が1,431百万円、商品及び製品が4,885百万円、原材料及び貯蔵品が3,757百万円それぞれ増加した一方で、減価償却等により有形固定資産が11,066百万円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べて7,674百万円減少し、159,981百万円となりました。これは主として、有利子負債が14,903百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が2,788百万円、未払法人税等が3,293百万円、繰延税金負債が1,700百万円それぞれ増加したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べて21,555百万円増加し、216,974百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が18,724百万円、為替換算調整勘定が2,581百万円それぞれ増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて428百万円増加し、30,275百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は20,186百万円(前連結会計年度比15.0%減)となりました。 収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益27,358百万円、減価償却費13,213百万円、減損損失7,855百万円、仕入債務の増加額2,849百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益5,861百万円、固定資産除売却益6,111百万円、売上債権の増加額11,586百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は1,648百万円(前連結会計年度比91.6%減)となりました。 支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出775百万円、有形固定資産の取得による支出12,918百万円、収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入11,291百万円、事業譲渡による収入1,500百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は19,187百万円(前連結会計年度は4,358百万円の収入)となりました。支出の主な内訳は、短期借入金の減少額4,133百万円、長期借入金の返済による支出5,372百万円、社債の償還による支出20,000百万円、配当金の支払額2,352百万円、収入の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの増加額3,000百万円、社債の発行による収入10,000百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。 区分生産高(t)前年同期比(%)紙洋紙1,118,900114.9板紙598,805117.0合計1,717,705115.6パルプ1,547,745111.0 b. 受注実績当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)紙パルプ事業240,002120.7パッケージング・紙加工事業13,60987.2その他8,00499.0合計261,616117.6 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)新生紙パルプ商事㈱30,31413.632,33012.4国際紙パルプ商事㈱18,3108.219,1567.3 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績の分析 前連結会計年度(2021年3月期)(百万円)当連結会計年度(2022年3月期)(百万円)連結業績予想(2022年3月期)(百万円)売上高222,454261,616260,000営業利益1,70120,45518,000経常利益9,75629,51425,000親会社株主に帰属する当期純利益14,17221,20621,000 当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響等により低迷した需要の一定回復があり、各種製品の販売量増加により増収となりました。なお、輸出販売の増加や海外子会社の復調もあり、連結売上高に占める海外売上高比率は37.8%となりました。収益面では、原燃料価格上昇によるコストアップもありましたが、輸出販売価格やパルプ販売価格が上昇したことにより営業利益は増益となりました。経常利益においても外貨建資産に関する為替差益の増加等により増益となりました。特別損失として国内外生産設備の一部に関する減損損失を計上いたしましたが、特別利益として固定資産売却益等もあり、親会社株主に帰属する当期純利益も増益となりました。連結業績予想に対してはいずれも上回る結果となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益においては過去最高益を更新しました。当社グループでは「中期経営計画 2023」の基本方針に則り、事業ポートフォリオの拡充及び国内事業強化の一環として新潟工場6号抄紙機転抄による段ボール原紙事業開始、競争力強化を目的とした新潟工場2号抄紙機の停機、また2023年12月営業生産に向けて新潟工場の家庭紙事業の準備を進めております。引き続き事業構造転換を進め、中長期的な持続的成長を目指してまいります。 財政状態の分析当連結会計年度末の流動資産合計は、売上高増加により売上債権や棚卸資産が増加し20,288百万円増加しました。また、固定資産合計は、設備投資額は減価償却費とほぼ同額でしたが有形固定資産売却と減損処理等により6,407百万円減少しました。一方、負債合計は、仕入債務等が増加したものの有利子負債の減少等により7,674百万円減少し、純資産合計においては、利益剰余金や為替換算調整勘定の増加等により21,555百万円の増加となりました。以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は57.4%と前連結会計年度より3.7ポイント上昇しており、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。 キャッシュ・フローの分析営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益は増加したものの売上債権や棚卸資産が増加したこと等により、前連結会計年度23,760百万円から3,574百万円減少し20,186百万円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、各種設備投資を実施した一方、有形固定資産売却や事業譲渡による収入により1,648百万円の減少に抑えられました。財務活動によるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー資金を有利子負債返済に充当したことから19,187百万円の減少となりました。現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から428百万円増加の30,275百万円となっております。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、次のとおりであります。当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高く、需給動向や市場価格等の影響を大きく受けます。国内の印刷情報用紙事業は、一部に新型コロナウイルス感染症の影響等による需要落ち込みからの反動はあったものの、構造的な需要減退は継続しております。また、市販パルプ価格は、新型コロナウイルス感染症の影響等による世界的な物流機能低下で一部地域では需給バランスが崩れ、加えて、一部の投機的な市場価格形成の影響により、大きな価格変動が生じています。当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあります。世界的な新型コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ情勢による経済的不確実性、各国間通商問題の動向や各国通貨の為替変動等が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。かかる認識の下、事業ポートフォリオシフトに注力しており、取扱商品及び販売市場の拡充及び分散、また、輸出強化による為替リスク軽減等に努めております。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。運転資金につきましては主に短期資金にて調達しており、短期資金調達枠には十分な調達余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。 2021年3月期(前期)2022年3月期(当期)有利子負債残高113,991百万円99,088百万円現預金残高29,846百万円30,275百万円ネット有利子負債残高84,144百万円68,812百万円自己資本194,702百万円216,252百万円ネットD/Eレシオ0.43 0.32 また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めていく方針です。 R&IJCR短期格付a-1―(長期)発行体格付A-A 当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。当社グループは、全てのステークホルダーと共に持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2030年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2030」を策定し、その企業グループイメージの実現に向けた第一ステップとして、2020年4月より「事業ポートフォリオシフト」「海外事業拡充」「国内事業強化」「ガバナンス経営強化」「SDGs活動推進」を基本方針とした「中期経営計画 2023」に取り組んでおります。「中期経営計画 2023」の連結経営指標につきましては最終年度における2023年3月期目標値のみを設定しておりますが、下表のとおり「中期経営計画 2023」2年目となる当連結会計年度において、売上高を除き1年前倒しで全て実現する結果となりました。また、当社グループはこの度、より長期的な企業価値向上の観点から「グループサステナビリティ基本方針」を制定しました。既に掲げている「北越グループ ゼロCO2 2050」の挑戦を方針に組み入れ、これまでのCSR活動を財務と非財務の両面から推進するサステナビリティ活動へ進化させ、長期的に優先して取り組むべき重要課題に積極的・能動的に取り組んでまいります。また当社は2021年よりTCFDに賛同しており、より積極的な情報開示に努め、気候変動に関する取り組みを推進してまいります。 中期経営計画2023(2023年3月期)2022年3月期(実績)売上高2,800億円2,616億円営業利益150億円204億円経常利益200億円295億円親会社株主に帰属する当期純利益150億円212億円ROE7.0%10.3%EBITDA350億円432億円 主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。紙パルプ事業のセグメント売上高は240,002百万円と前連結会計年度比20.7%の増加となり、セグメント利益は19,241百万円となりました。当該セグメントの売上高は連結売上高の91.7%を占めております。また当該セグメントの資産は総資産の94.9%を占めていることから、当該セグメントの財政状態及び経営成績が連結財政状態及び経営成績に大きな影響を与えます。洋紙事業の販売量は国内・輸出共に、新型コロナウイルス感染症の影響等で需要が縮小した前連結会計年度を上回る結果となりました。国内の白板紙事業においては、容器向け等の販売量を伸ばした一方、中国における白板紙事業は年度後半に需要が落ち込み販売量が減少しました。事業ポートフォリオシフトの一環として開始した段ボール原紙事業は2年目となり、販売量を倍増させ増収となりました。カナダのパルプ市販事業においては、販売量は微増だったものの、市況は世界的に堅調だったことから価格が上昇し増収増益となりました。機能材事業においては、電子部品運搬用チップキャリアテープ原紙や研磨原紙、また、フランスにおける車載用バッテリーセパレータでも前連結会計年度を上回り堅調に推移しました。当該セグメントの売上高及び収益力を強化するべく、事業ポートフォリオシフトに継続的に取り組み、併せて環境経営を推進することにより環境負荷の低い当社製品販売を強化してまいります。 パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は13,609百万円と前連結会計年度比12.8%減少し、セグメント損失は71百万円となりました。当該セグメントにおいては、化粧品包装向け美粧紙などのパッケージング事業では増収となったものの、ビジネスフォーム印刷・情報メディア事業を譲渡したことと、主力事業である液体容器事業の形状変更による受注減少等により減収減益となりました。プラスチック問題等を起因として需要増加が期待される紙容器等のパッケージング事業を伸ばしながら、当社グループの原紙・素材の開発から製品まで一貫生産できる強みを活かして、販売拡充に注力してまいります。 その他事業のセグメント売上高は8,004百万円と前連結会計年度比1.0%の減少となりました。セグメント利益につきましては759百万円となりました。当該セグメントは木材事業、古紙卸業、建設業、輸送・倉庫業等の多岐に亘っております。自動車教習所及びゴルフ練習場経営からの事業撤退による減収要因はありましたが、建設業における外部受注や再生可能エネルギー向け燃料チップの受注が増加したこと、運送事業における単価改定もあり、減収ながらも増益となりました。引き続き、当社グループが有する経営資源の有効活用を目的に安定した利益確保に努めてまいります。 ② 次期の見通し我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の対策に万全を期し社会経済活動の回復が期待される一方、ロシア・ウクライナ情勢の影響等による下振れリスクも懸念されます。紙パルプ業界においては、燃料価格上昇の影響は避けられず、また、国内洋紙需要の減退は続くと判断しております。次期の見通しにつきましては、当連結会計年度に実施しました価格改定の効果が期を通じて寄与し、パルプ市況は堅調に推移すると期待できる一方、それらを上回る原燃料価格の上昇が想定されます。当社グループは、「グループサステナビリティ基本方針」に掲げる持続可能な社会の実現に貢献すべく、「中期経営計画 2023」の基本方針である「事業ポートフォリオシフト」「海外事業拡充」「国内事業強化」「ガバナンス経営強化」「SDGs活動推進」に基づく企業活動を加速し、併せて「グループ環境目標2030」に基づく環境経営を推進し、企業価値向上を目指してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。