経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)基本方針当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。社是「限りなき進歩と創造」経営信条一. 信用を重んじ確実を旨とする一. 技術を通じて国家社会に貢献し一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築くそのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題今後の世界経済および日本経済は、中東情勢の悪化の長期化や為替動向、継続的なインフレの影響などにより、景気の先行きが一層不透明になると考えています。このような状況を踏まえ、当社グループでは、2030年度を最終年度とする5カ年の新中期経営計画「飛躍2030」を策定し、取り組みを開始しました。最終年度には、売上高120,000百万円、営業利益36,000百万円を目指し、全社員一丸となって事業拡大に努めてまいります。新中期経営計画の詳細については、当社ホームページ(https://fusokk.co.jp/)をご参照ください。次期の売上高は、主に半導体市場の成長に伴う需要増加を背景に、増収を見込んでいます。営業利益については、継続的な物価上昇に伴う各種コストの増加が想定されるものの、販売数量の増加や販売価格の見直しにより、増益を見込んでいます。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、営業利益の増加に伴い、それぞれ増加する見込みです。前述のとおり世界経済の先行きは依然として不透明ですが、原料資材の確保に努めると同時に、原材料や製造コストの上昇に対しては、原価低減や販売価格の適正化を進めることで収益への影響を最小化できるよう取り組んでまいります。 〇連結業績計画および当期実績比較(単位:百万円) 2025年度実績2026年度計画増減額売上高76,92685,8008,873営業利益18,85024,3005,449経常利益19,57324,5004,926親会社株主に帰属する当期純利益14,31116,6002,288償却前営業利益29,78737,0007,212 〇ライフサイエンス事業連結業績計画(単位:百万円) 2025年度実績2026年度計画増減額売上高35,41136,400988営業利益5,3085,500191償却前営業利益6,9467,300353 〇電子材料事業連結業績計画(単位:百万円) 2025年度実績2026年度計画増減額売上高41,51449,4007,885営業利益15,92621,7005,773償却前営業利益25,02132,4007,378 <中期経営計画>当社は、2021年5月に2025年度を最終年度とする中期経営計画 “FUSO VISION 2025”を発表しており、2025年度終了時点における経営方針における成果は、下記のとおりとなりました。 ①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応2021年5月の当初計画の売上高・営業利益等の目標を2022年度に達成したため、2023年5月に最終年度(2025年度)の経営目標を変更しました。変更目標に対する達成率は下記の表のとおりです。 (単位:百万円) 2025年度実績(最終年度)FUSO VISION2025年度目標達成率当初計画売上高76,92685,00090.5%58,000営業利益18,85019,00099.2%14,000償却前営業利益29,78730,00099.3%20,000海外売上高比率55.1%50.0%達成50.0%未達成となった原因は、2023年度に半導体市況がパンデミック特需の反動とPC・スマホ需要の低迷などにより世界的にマイナス成長となり、電子材料事業で売上高、営業利益ともに落ち込んだことです。翌年度には市況は回復しましたが影響をカバーしきれず売上高は9.5%の乖離となりましたが、営業利益目標は、ほぼ達成することができました。 ②新規事業・分野への投資・挑戦2件のCVC(Corporate Venture Capital)ファンドへの出資を通じて、ファンドの理念に基づく各種産業の発展への貢献と、当社の新規事業の開発促進を目指しました。 [CVCファンドへの出資実績] ・食に関連するCVC「Future Food Fund(フューチャーフードファンド)」 ・素材・化学分野に特化した投資活動を行うユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(UMI) ③持続的成長を支える経営基盤の強化経営基盤の強化に向けて、2024年 5月には東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を踏まえ、①収益力の向上、②市場への的確な情報提供によるβ値の低減、③持続的な成長に向けた投資機会の見極めと資本コストを意識した資金調達の実施に取り組み、継続したROE10%以上の確保を目指す方針としています。中期経営計画の5年間の内2023年度を除き、ROE10%以上を確保しています。 2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度ROE15.4%17.4%9.1%11.7%12.9% <新中期経営計画>当社は、前中期経営計画において生産体制や組織の見直しや大型の設備投資もおこない、当社の事業分野において大きな成長機会を迎えていることから、2026年5月に2030年度を最終年度とする中期経営計画「飛躍2030」を発表しました。 [長期ビジョン]・グローバルニッチトップ企業として進化する・FUSOの技術で未来を支える・新事業創造に向けて限りなく挑戦する・「FUSOと出会えて良かった」を届ける [新中期経営計画“飛躍2030”概要]<経営上の目標の達成状況を判断するための指標等>当社グループは、将来の成長に向けた設備投資を行いながら、設備投資の採算性を考慮したうえで、営業利益と償却前営業利益を重要経営指標としています。また、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」として、ROIC13%以上を目指し経営を進めていきます。 (単位:百万円) 2025年度実績2030年度目標CAGR売上高76,926120,0009.3%営業利益18,85036,00013.8%償却前営業利益29,78756,70013.7% <事業戦略と価値向上に向けた全体構想> <新中期経営計画のリスクと機会>新中期経営計画の実現に向けたリスクと機会は下記の通りです。中東情勢などの地政学リスクについては将来予測の全てを織り込むことが難しいため、現時点で織り込んでおりませんが、監視・評価・対策を適時的確におこなうガバナンス体制を構築します。 <新中期経営計画の実現へ向けた管理体制>新中期経営計画の実現に向けた管理は、経営企画部が主幹となる企業価値向上委員会が統括します。同委員会は下部委員会としてサステナビリティ委員会、内部統制委員会を持ち、下部委員会および各部門から出された計画達成への推進策やリスクの報告を受けます。推進策と報告されたリスクは委員会の中で評価され、課題解決に向けた協議をおこない次回開催の委員会まで管理することにより実効性を高める仕組みとなっています。 [ガバナンス体制図(2026年4月以降)] <対処すべき課題>当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。 (ライフサイエンス事業)国内市場では、食品用途の販売は一定の堅調さは保っているものの、競争は一段と厳しさを増しています。工業用途や日用品用途での需要は一部回復傾向が見られましたが、全体としては低調な結果となりました。またインバウンド需要の落ち込みによりビタミンC類の販売も力強さに欠け、医薬品ビジネスも厳しい状況にあります。海外市場では、欧州向けのリンゴ酸や米国でのグルコン酸類でのシェアが回復したほか、中国を始めとするアジア地域を含め総じて堅調に推移しましたが、海外メーカーとの競争は一層の厳しさを増しています。中東情勢の不安定な状況による原材料の調達や輸送コストなどへの影響には迅速に対応してまいります。事業部全体でより綿密な連携が取れるよう、2026年度から組織体制を一部刷新し、事業戦略と海外運営における意思決定の迅速化を図り、調達から出荷まで業務の効率化を実現します。また、国内外のお客様や研究機関との連携を深め、新たな価値創造に繋げるために、2026年2月には東京研究所を拡張し、充実した実験・分析スペースとテストキッチンを備えました。販売面では、既存ビジネスに加えて、飼料や農薬用途などの新規用途開拓を進めます。また、海外リンゴ酸ビジネスにおいて、引き続き新規取引先の販売を強化して物量を増やし、事業全体で利益が最大化できるよう事業運営を進めます。海外では、米国の連結子会社PMP Fermentation Products, Inc.において、設備投資(2027年7月操業開始予定)を行っています。今後も拡大が見込まれる米国内のグルコン酸類の需要に応えられるよう、安定した供給体制を構築していきます。中国では日持ち向上剤や水産加工品向け品質改良剤といった製剤の拡販に努め、タイからは需要の高まる周辺国にもビジネスを展開していきます。今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、市場のニーズにいち早く応えることで、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。 (電子材料事業)半導体市場はAIやデータセンター向けの旺盛な需要が全体をけん引し、大きく成長しました。また、従来の微細化の進展や高積層化に加えて、先端パッケージ技術など後工程でも高性能化が進み、CMP(化学的機械的平坦化)の用途拡大が進んでいます。このような背景を踏まえ各社の需要に応えることで、2025年度は当初想定以上の超高純度コロイダルシリカの出荷量を達成しています。拡大する需要や、新たに創出される需要の増加に対応するため、積極的な設備投資を進めています。2024年10月には京都事業所の新設備、また2025年8月には鹿島事業所に追加設備(Ⅱ期)が完成しました。なお、鹿島事業所の既存設備(Ⅰ期)については、既に高水準で稼働しています。さらに、半導体市況は今後も継続的な成長が見込まれることから、2026年3月には京都事業所に追加の設備増強を実施することを決定いたしました。2029年2月に設備の完工を予定しており、現生産能力の2割増となる見通しです。これら設備増設による生産能力増強に加えて、高濃度・高効率生産品目の拡充を進め、設備面および製品面の両側面から供給能力を強化してまいります。研究開発では、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では、微細化や高集積化が一層進展しており、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさや硬さ、表面修飾を施した粒子などの製品開発を続けています。また、半導体研磨用途以外にも、低誘電材用途やトナー外添剤用途など、様々な用途に貢献できる特徴的な材料の研究開発を進めています。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)基本方針当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。社是「限りなき進歩と創造」経営信条一. 信用を重んじ確実を旨とする一. 技術を通じて国家社会に貢献し一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築くそのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題今後の世界経済および日本経済は、中東情勢の悪化の長期化や為替動向、継続的なインフレの影響などにより、景気の先行きが一層不透明になると考えています。このような状況を踏まえ、当社グループでは、2030年度を最終年度とする5カ年の新中期経営計画「飛躍2030」を策定し、取り組みを開始しました。最終年度には、売上高120,000百万円、営業利益36,000百万円を目指し、全社員一丸となって事業拡大に努めてまいります。新中期経営計画の詳細については、当社ホームページ(https://fusokk.co.jp/)をご参照ください。次期の売上高は、主に半導体市場の成長に伴う需要増加を背景に、増収を見込んでいます。営業利益については、継続的な物価上昇に伴う各種コストの増加が想定されるものの、販売数量の増加や販売価格の見直しにより、増益を見込んでいます。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、営業利益の増加に伴い、それぞれ増加する見込みです。前述のとおり世界経済の先行きは依然として不透明ですが、原料資材の確保に努めると同時に、原材料や製造コストの上昇に対しては、原価低減や販売価格の適正化を進めることで収益への影響を最小化できるよう取り組んでまいります。 〇連結業績計画および当期実績比較(単位:百万円) 2025年度実績2026年度計画増減額売上高76,92685,8008,873営業利益18,85024,3005,449経常利益19,57324,5004,926親会社株主に帰属する当期純利益14,31116,6002,288償却前営業利益29,78737,0007,212 〇ライフサイエンス事業連結業績計画(単位:百万円) 2025年度実績2026年度計画増減額売上高35,41136,400988営業利益5,3085,500191償却前営業利益6,9467,300353 〇電子材料事業連結業績計画(単位:百万円) 2025年度実績2026年度計画増減額売上高41,51449,4007,885営業利益15,92621,7005,773償却前営業利益25,02132,4007,378 <中期経営計画>当社は、2021年5月に2025年度を最終年度とする中期経営計画 “FUSO VISION 2025”を発表しており、2025年度終了時点における経営方針における成果は、下記のとおりとなりました。 ①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応2021年5月の当初計画の売上高・営業利益等の目標を2022年度に達成したため、2023年5月に最終年度(2025年度)の経営目標を変更しました。変更目標に対する達成率は下記の表のとおりです。 (単位:百万円) 2025年度実績(最終年度)FUSO VISION2025年度目標達成率当初計画売上高76,92685,00090.5%58,000営業利益18,85019,00099.2%14,000償却前営業利益29,78730,00099.3%20,000海外売上高比率55.1%50.0%達成50.0%未達成となった原因は、2023年度に半導体市況がパンデミック特需の反動とPC・スマホ需要の低迷などにより世界的にマイナス成長となり、電子材料事業で売上高、営業利益ともに落ち込んだことです。翌年度には市況は回復しましたが影響をカバーしきれず売上高は9.5%の乖離となりましたが、営業利益目標は、ほぼ達成することができました。 ②新規事業・分野への投資・挑戦2件のCVC(Corporate Venture Capital)ファンドへの出資を通じて、ファンドの理念に基づく各種産業の発展への貢献と、当社の新規事業の開発促進を目指しました。 [CVCファンドへの出資実績] ・食に関連するCVC「Future Food Fund(フューチャーフードファンド)」 ・素材・化学分野に特化した投資活動を行うユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(UMI) ③持続的成長を支える経営基盤の強化経営基盤の強化に向けて、2024年 5月には東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を踏まえ、①収益力の向上、②市場への的確な情報提供によるβ値の低減、③持続的な成長に向けた投資機会の見極めと資本コストを意識した資金調達の実施に取り組み、継続したROE10%以上の確保を目指す方針としています。中期経営計画の5年間の内2023年度を除き、ROE10%以上を確保しています。 2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度ROE15.4%17.4%9.1%11.7%12.9% <新中期経営計画>当社は、前中期経営計画において生産体制や組織の見直しや大型の設備投資もおこない、当社の事業分野において大きな成長機会を迎えていることから、2026年5月に2030年度を最終年度とする中期経営計画「飛躍2030」を発表しました。 [長期ビジョン]・グローバルニッチトップ企業として進化する・FUSOの技術で未来を支える・新事業創造に向けて限りなく挑戦する・「FUSOと出会えて良かった」を届ける [新中期経営計画“飛躍2030”概要]<経営上の目標の達成状況を判断するための指標等>当社グループは、将来の成長に向けた設備投資を行いながら、設備投資の採算性を考慮したうえで、営業利益と償却前営業利益を重要経営指標としています。また、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」として、ROIC13%以上を目指し経営を進めていきます。 (単位:百万円) 2025年度実績2030年度目標CAGR売上高76,926120,0009.3%営業利益18,85036,00013.8%償却前営業利益29,78756,70013.7% <事業戦略と価値向上に向けた全体構想> <新中期経営計画のリスクと機会>新中期経営計画の実現に向けたリスクと機会は下記の通りです。中東情勢などの地政学リスクについては将来予測の全てを織り込むことが難しいため、現時点で織り込んでおりませんが、監視・評価・対策を適時的確におこなうガバナンス体制を構築します。 <新中期経営計画の実現へ向けた管理体制>新中期経営計画の実現に向けた管理は、経営企画部が主幹となる企業価値向上委員会が統括します。同委員会は下部委員会としてサステナビリティ委員会、内部統制委員会を持ち、下部委員会および各部門から出された計画達成への推進策やリスクの報告を受けます。推進策と報告されたリスクは委員会の中で評価され、課題解決に向けた協議をおこない次回開催の委員会まで管理することにより実効性を高める仕組みとなっています。 [ガバナンス体制図(2026年4月以降)] <対処すべき課題>当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。 (ライフサイエンス事業)国内市場では、食品用途の販売は一定の堅調さは保っているものの、競争は一段と厳しさを増しています。工業用途や日用品用途での需要は一部回復傾向が見られましたが、全体としては低調な結果となりました。またインバウンド需要の落ち込みによりビタミンC類の販売も力強さに欠け、医薬品ビジネスも厳しい状況にあります。海外市場では、欧州向けのリンゴ酸や米国でのグルコン酸類でのシェアが回復したほか、中国を始めとするアジア地域を含め総じて堅調に推移しましたが、海外メーカーとの競争は一層の厳しさを増しています。中東情勢の不安定な状況による原材料の調達や輸送コストなどへの影響には迅速に対応してまいります。事業部全体でより綿密な連携が取れるよう、2026年度から組織体制を一部刷新し、事業戦略と海外運営における意思決定の迅速化を図り、調達から出荷まで業務の効率化を実現します。また、国内外のお客様や研究機関との連携を深め、新たな価値創造に繋げるために、2026年2月には東京研究所を拡張し、充実した実験・分析スペースとテストキッチンを備えました。販売面では、既存ビジネスに加えて、飼料や農薬用途などの新規用途開拓を進めます。また、海外リンゴ酸ビジネスにおいて、引き続き新規取引先の販売を強化して物量を増やし、事業全体で利益が最大化できるよう事業運営を進めます。海外では、米国の連結子会社PMP Fermentation Products, Inc.において、設備投資(2027年7月操業開始予定)を行っています。今後も拡大が見込まれる米国内のグルコン酸類の需要に応えられるよう、安定した供給体制を構築していきます。中国では日持ち向上剤や水産加工品向け品質改良剤といった製剤の拡販に努め、タイからは需要の高まる周辺国にもビジネスを展開していきます。今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、市場のニーズにいち早く応えることで、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。 (電子材料事業)半導体市場はAIやデータセンター向けの旺盛な需要が全体をけん引し、大きく成長しました。また、従来の微細化の進展や高積層化に加えて、先端パッケージ技術など後工程でも高性能化が進み、CMP(化学的機械的平坦化)の用途拡大が進んでいます。このような背景を踏まえ各社の需要に応えることで、2025年度は当初想定以上の超高純度コロイダルシリカの出荷量を達成しています。拡大する需要や、新たに創出される需要の増加に対応するため、積極的な設備投資を進めています。2024年10月には京都事業所の新設備、また2025年8月には鹿島事業所に追加設備(Ⅱ期)が完成しました。なお、鹿島事業所の既存設備(Ⅰ期)については、既に高水準で稼働しています。さらに、半導体市況は今後も継続的な成長が見込まれることから、2026年3月には京都事業所に追加の設備増強を実施することを決定いたしました。2029年2月に設備の完工を予定しており、現生産能力の2割増となる見通しです。これら設備増設による生産能力増強に加えて、高濃度・高効率生産品目の拡充を進め、設備面および製品面の両側面から供給能力を強化してまいります。研究開発では、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では、微細化や高集積化が一層進展しており、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさや硬さ、表面修飾を施した粒子などの製品開発を続けています。また、半導体研磨用途以外にも、低誘電材用途やトナー外添剤用途など、様々な用途に貢献できる特徴的な材料の研究開発を進めています。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和を背景に全体として緩やかな成長を維持しましたが、金融政策の転換局面や地政学リスクの影響により、回復の足取りには地域差が認められました。米国は企業活動や政府支出に支えられ底堅く推移した一方、高金利の影響から雇用や消費の伸びは鈍化しました。中国は不動産市場の調整により内需が低調となる中、輸出が下支えとなり一定の成長を確保しました。日本は企業収益の改善を背景に緩やかな回復基調を維持しましたが、物価上昇が個人消費に影響を及ぼしました。このような情勢の下、当社グループは、持続可能な成長を目指し、国内外での事業拡大と効率的な運営体制の構築を推進しました。営業面では、海外拠点との連携強化や製品管理・販売体制の効率化を促進し、現地生産や技術サポートを活用した市場拡大に取組みました。生産面では安全操業・安定生産を継続しつつ、鹿島事業所において超高純度コロイダルシリカの新製造設備の稼働を開始し、新設備の立上げを通じた生産能力の向上に取り組むと同時に、顧客からの認証取得に向けた対応を進めました。また、これらの生産体制強化と並行して、中長期的な事業継続および従業員の就業環境改善を見据え、大阪工場の耐震補強工事ならびに鹿島事業所の分析棟の新設工事を進めました。さらに、今後の需要拡大に備え、京都事業所における超高純度コロイダルシリカの生産設備の新設、ならびに米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.におけるグルコン酸ナトリウムの増設投資を決定しました。研究開発にも一層力を入れ、東京研究所の増床を実施するとともに、研究開発体制の強化を図りました。ライフサイエンス事業部でコート果実酸や食品添加物製剤といった高付加価値品、電子材料事業部で半導体の微細化・多層化・高性能化といった技術的課題に対応できる製品開発、中空シリカ等の新製品開発にそれぞれ注力し、多様な分野での事業展開を進めました。 a. 財政状態(資産の部)当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ11,423百万円増加し、78,476百万円となりました。これは主に、現金及び預金、受取手形及び売掛金、商品及び製品、未収消費税等の増加によるものです。特に現金及び預金の増加が大きく、設備投資や長期借入金の返済等の支出はありますが、収益の増加により大きく増加しました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ669百万円減少し、73,780百万円となりました。これは主に鹿島事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備Ⅱ期建設工事の完成に伴い建物及び構築物、機械装置及び運搬具等が増加しましたが、完成に伴う建設仮勘定の減少、減価償却費の計上が大きく、全体で減少しました。以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ10,754百万円増加し、152,256百万円となりました。(負債の部)当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,354百万円増加し、19,844百万円となりました。これは主に、設備関係未払金は減少しましたが、長期借入金の内、1年以内返済予定の金額を固定負債から流動負債へ振替したことによる増加、利益の増加に伴う未払法人税等の増加によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ3,768百万円減少し、15,195百万円となりました。これは主に、前述の長期借入金の流動負債への振替によるものです。以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ2,413百万円減少し、35,039百万円となりました。(純資産の部)当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,167百万円増加し、117,216百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、円安に伴う海外子会社の剰余金の換算による為替換算調整勘定の増加によるものです。 b. 経営成績当連結会計年度の売上高は、76,926百万円(前連結会計年度比10.7%増、7,424百万円増)となりました。利益面では、営業利益は18,850百万円(同16.1%増、2,620百万円増)、経常利益は19,573百万円(同18.2%増、3,011百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,311百万円(同23.1%増、2,688百万円増)となりました。売上高、営業利益は、後述の各セグメントの要因により増収増益となりました。経常利益は営業利益の増加に加え、為替差益の増加により増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加に加え、投資有価証券売却益の発生により増益となりました。当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。なお、当連結会計年度より、従来「電子材料および機能性化学品事業」としていた報告セグメントの名称を「電子材料事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。(ライフサイエンス事業)ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が35,411百万円(前連結会計年度比2.4%減、876百万円減)、営業利益は5,308百万円(同0.4%増、18百万円増)となりました。国内市場では食品・飲料用途における果実酸類の需要は堅調に推移しましたが、医薬品や日用品用途の需要が軟化しました。海外市場では中国市場の低迷に伴う厳しい競争環境下、リンゴ酸のシェアアップや米国の市場拡大に取組み、アジアや米国を中心に販売が増加した一方、欧州での販売は伸び悩みました。その結果、売上高は前連結会計年度を下回りました。営業利益は、売上は減少した一方で、前期の鹿島事業所の定期修繕の長期化によるコスト増加要因が解消されたことに加え、原材料価格の低下や海外子会社の収益寄与により、前連結会計年度を上回り減収増益となりました。 (電子材料事業)電子材料事業の業績は、外部顧客に対する売上高が41,514百万円(前連結会計年度比25.0%増、8,301百万円増)、営業利益は15,926百万円(同20.9%増、2,755百万円増)となりました。半導体市場の需要は堅調に推移し、特にAI用途を中心に拡大しました。主力製品である超高純度コロイダルシリカは、旺盛な需要に対して安定供給に努めた結果、販売数量が増加しました。売上高は、円高の影響による減少はありましたが、特にアジア向けの販売数量の増加により、前連結会計年度を上回りました。営業利益は、京都事業所や鹿島事業所の新規製造設備の稼働に伴い、減価償却費や立ち上げ費用が増加しましたが、売上増加、生産拡大による効果が寄与し、前連結会計年度を上回り増収増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益および減価償却費の発生により取得した資金を有形固定資産の取得、法人税等の支払、配当金の支払等に充てた結果、前連結会計年度末に比べ8,659百万円増加し、37,896百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果取得した資金は、24,793百万円(前連結会計年度は22,701百万円の取得)となりました。これは主に、法人税等の支払に対して、税金等調整前当期純利益による収入および減価償却費の発生による収入があったためです。売上債権、仕入債務等の運転資金の増加、法人税等の支払額の増加等、支出は増加しましたが、税金等調整前当期純利益による収入および減価償却費の増加による収入増加が大きく、前連結会計年度に対して収入が増加しました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、11,069百万円(前連結会計年度は20,538百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。継続してきた大型設備投資が完成し、有形固定資産の取得による支出が減少したため、前連結会計年度に対して支出が減少しました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、5,905百万円(前連結会計年度は2,409百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済、配当金の支払によるものです。増配による配当金の支払額の増加、長期借入金の返済が始まり、前連結会計年度に対して支出が増加しました。③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比ライフサイエンス25,240,828千円△2.8%電子材料45,070,61529.0合計70,311,44315.4(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。b.受注実績当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比ライフサイエンス35,411,140千円△2.4%電子材料41,514,88325.0合計76,926,02310.7(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。2.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)FUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co.,Ltd.8,994,25412.910,674,92413.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。 ② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。a. 経営成績等の状況 経営成績の分析(ライフサイエンス事業)「Ⅰ.海外ビジネス拡大」「Ⅱ.国内シェア確保」「Ⅲ.新生産体制・効率化」「Ⅳ.FFAビジネスの面拡大」の各テーマに取り組みました。Ⅰ.海外ビジネス拡大Ⅰ-1.リンゴ酸類前連結会計年度比25%以上の物量増加、アジア市場でのシェア拡大、エジプト、ポルトガル、北欧、メキシコ等の新規取引先への販売強化、物量増加による操業度向上によるコストダウンによる収益性向上を目標として取り組みを進めました。その結果、新規顧客の獲得、既存市場でのシェアアップにより前連結会計年度比20%物量が増加しました。また、時間当たりの生産量増加への取り組みを進めコストダウンによる競争力強化に努めました。 Ⅰ-2.グルコン酸類(PMP Fermentation Products, Inc.)米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.において、2023年度に完成した設備増強による製造能力を活用し、安定供給体制の構築、顧客とのアライアンス強化により、米国内でのさらなるシェア拡大、物量の3%増加を目指しました。その結果、新主発酵槽を活用した交互運転の開始による安定操業、コストダウン効果に加え、農業用途への営業強化等の施策も行い、前年比10%物量が増加しました。今後、さらなる需要の拡大が見込まれるため、結晶缶等を増設する設備投資を決定し、引き続き供給能力の強化を行ってまいります。 Ⅰ-3.アジア(海外子会社)中国市場においては、中国子会社である青島扶桑精製加工有限公司において、FFA製品※の製造ラインを拡充し供給力を拡大するとともに、顧客ニーズに応じた新製品の上市、積極的な展示会の出展、情報発信を行いFFA製品※の販売拡大を目指しました。その結果、FFA製品※の生産能力は約1.5倍に拡大し、米飯向け等の新製品の上市、展示会を通した新規案件も約200件獲得し、中国市場において販売は増加しました。東南アジア市場においては、タイ子会社であるFUSO(THAILAND) CO., LTD.を中心に日本、中国との連携を深め、有機酸類の販売強化、ベトナム市場で果実酸販売増、FFA製品※を含めて、機能性製品やコート果実酸等の拡販を目指しました。その結果、飲料用途では大口先の不振はありましたが、リンゴ酸の販売は前連結会計年度比増加し、グルコン酸亜鉛の販売も好調に推移し、東南アジア市場の販売は増加しました。※食品添加物製剤(Formulation of Food Additives)、食品素材・食品添加物製剤(Formulation of Food Materials and Food Additives)、機能性食品素材・食品添加物(Functional Food Material and Food Additive)、機能性果実酸(Functional Fruits Acid)の商品群をFFAと総称しています。Ⅱ.国内シェア確保Ⅱ-1.果実酸類リンゴ酸においては、タイムリーな価格改定とシェアの最適化を行い、利益の最大化を目指すとともに、飼料、農業用途等の新規用途の開拓を行いました。その結果、価格改定は浸透し、販売物量も増加しました。原料価格の低下や稼働率向上による原価低下の効果もあり、利益率は改善しました。クエン酸においては、大手飲料メーカーの入札案件を確実に獲得し、物量の増加を目指すとともに、顧客ごとの競争優位性を分析、把握し、利益率の向上を目指しました。その結果、販売価格は軟調に推移しましたが、販売物量は大手家庭用品向けを中心に増加しました。 Ⅱ-2.ビタミンC類他ビタミンCにおいては、需要増に対応できる安定的な供給体制の構築を進めるとともに、メインユーザーへの販売強化、その他用途の需要取り込み、一般用・医療用医薬品への提案促進による販売増加を目指しました。その結果、サプリ向けの新規顧客は獲得できましたが、大手顧客において販売物量が減少し、前年に対して売上高が減少しました。フマル酸においては、主要用途において需要減少が見込まれる中、価格対応によって物量の確保を目指しました。その結果、海外向けの販路の開拓を進めるとともに、国内大口顧客において物量を確保することができました。 Ⅲ.新生産体制・効率化安全・環境対応、安定操業、保全体制の充実により、供給体制の強化を図りました。 Ⅲ-1.大阪工場リンゴ酸設備の耐震補強工事の実施、新事務所棟の建設準備を進め、設備の老朽化対応を行い、供給体制の強化を目指すとともに、多能工化を進め省力化による効率化、コストダウンを目指しました。その結果、リンゴ酸設備の耐震工事は予定通り完成し、新事務所棟の建設も決定しました。また、各製造ラインにおいて研修、教育を実施し多能工化を推進しました。 Ⅲ-2.鹿島事業所マレイン酸タンク等の定期修繕対応、有機酸設備の老朽化対応に取り組むとともに、拡大する電子材料事業対応と合わせて新分析棟の建設準備を進めました。その結果、定期修繕は予定通り完了し、リンゴ酸、フマル酸の生産量は増加しました。老朽化対応はコンディションベースで優先順位をつけて年度を分散して実施していきます。また、新規保全システムの導入により、設備保全体制のDX化を推進しました。新分析棟は建設を決定し、今後の両事業の生産拡大に対応できる体制構築を進めます。 Ⅳ.FFAビジネスの面拡大営業開発強化とグローバル展開により販売強化を行いました。営業開発強化においては、コート果実酸、米飯向け製剤、酸化防止製造、褐変防止製剤等の製品力を活かして、顧客ニーズを捉えて採用数の加速を目指しました。また、高純度有機酸「アプリシャス」の内製化が完了し、本格採用に向けた活動を始動しました。その結果、一部用途において需要の減退の影響があった製品はありましたが、着実に数量の増加につなげています。高純度有機酸「アプリシャス」は、2026年度本格稼働の目途をつけて販売拡大を目指す体制構築を実施しました。グローバル展開においては、中国市場、タイ市場において現地子会社を中心に日本を含めた連携を強化し、中国市場においては、日持ち向上剤、無リン保水剤等、タイ市場においては日持ち向上剤、歩留まり向上剤等、各市場、ユーザーニーズの特性に合わせた商品群の開発、販売を強化しました。その結果、中国市場、タイ市場ともに新規採用が大きく増加し、着実に販売を増加させています。 ライフサイエンス事業の経営成績は、外部顧客に対する売上高は、前連結会計年度に比べ876百万円減少し35,411百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ18百万円増加し、5,308百万円となりました。売上高は、リンゴ酸の国内外の売上増加、海外子会社の円安効果を含めた増収の増加要因はありますが、日本においては、日用品、医薬品用途の需要減少、原料価格低下に伴う販売価格低下、シェア確保のための価格対応等の減少要因、海外市場においては中国経済の低迷の影響による競争環境激化の影響による価格対応等により、前連結会計年度比で減少しました。営業利益は、売上減少の影響はあるものの、前期の鹿島事業所の定期修繕の長期化によるコストアップの影響が解消されたこと、原料価格低下によるコストダウン、海外子会社の収益が円安効果を含めて貢献し、前連結会計年度比で増加し、減収増益となりました。引き続き、既存製商品では特に海外市場での販売力の強化、拡大を図り、シェアの拡大に努め、新商品の開発、拡販を世界的に進めるとともに、生産効率の向上を図り、業績の拡大を目指します。 (電子材料事業)「Ⅰ.半導体市場需要回復への対応」「Ⅱ.新生産体制の早期確立」「Ⅲ.外部環境変化への迅速・柔軟な対応」「Ⅳ.次世代製品開発」の各テーマに取り組みました。Ⅰ.半導体市場需要回復への対応Ⅰ-1.最先端技術への対応、新規需要の取り込み半導体の最先端技術は、ナノメートルからオングストロームへ進化し、顧客の要求事項の高度化は継続し、より高純度な製品が求められています。また、AI半導体等によるプロセス構造の変化により新たな半導体製造プロセスにおける新規の需要が増加し、当社製品である「超高純度コロイダルシリカ」の必要性も高まっています。加えて、中国市場において国家戦略に基づき半導体市場の成長は継続し、需要は大きく増加しています。このような状況下、当社は品質向上への技術的取り組みを進め、粒度分布制御技術により、粗大粒子や微粒子を低減した製品ラインナップの拡充、新規製造プロセスに対応した製品開発を行いました。その結果、重要なユーザー向けの最先端製造プロセスで採用されました。引き続き、次期製造プロセスにおける要求事項の確認を進め、最先端技術への対応を継続して取り組んでまいります。また、中国市場においては、拡大する需要に対し、情報収集を継続するとともに、営業を強化し、売上は増加しました。 Ⅰ-2.各顧客の需要予測に基づく生産・在庫・出荷調整半導体市場の2025年度の需要は、2024年度を上回って推移することが予測され、2030年度まで拡大が継続することを見込んでいました。このような状況下、当社主力製品の「超高純度コロイダルシリカ」の半導体市場での需要予測の調査を進めるとともに、顧客各社の需要を確認し需要量の確定を行い、次期の投資判断、費用負担について顧客との合意形成を進めました。その結果、半導体市場は好調なAI需要に牽引され、先端半導体の生産量が増加し、当社顧客においても使用量、在庫量の増加により、当社製品の販売量が増加しています。今後も、AI需要、CMPプロセスの継続的な増加、微細化が牽引してさらなる需要の増加を予測しています。当社顧客の需要予測においても、2030年度まで年平均8~10%の成長率が予測されています。その需要予測に対応するため、2026年3月に投資額400億円の超高純度コロイダルシリカ新規設備投資を京都事業所に建設することを決定しました。2029年2月操業開始を予定しており、稼働後には2025年度比で生産能力が2割増加する予定です。また、各顧客に対して長期信頼関係の構築を継続するとともに、新規設備投資に対する費用負担について合意を得て、2026年度以降は5~10%の価格改定を予定しています。 Ⅱ.新生産体制の早期確立Ⅱ-1.鹿島(Ⅰ期・Ⅱ期)京都新ライン稼働・認定当社は増加する需要に対応するため、超高純度コロイダルシリカの新設備の建設を行ってきました。2023年度には鹿島事業所に鹿島Ⅰ期設備が完成、2024年度には京都事業所に新製造ラインが完成、2025年度には鹿島事業所に鹿島Ⅱ期設備が完成しました。新製造設備の製品の採用に際しては、顧客の認定が必要のため、早期認定に努めてまいりました。その結果、鹿島Ⅰ期設備に関しては、認定が完了し2024年度末よりフル稼働となり、稼働率向上が2025年度の利益増に貢献しています。京都事業所新製造ラインに関しては、想定より早期に認定が進捗し、2025年度末よりフル操業を行える体制に移行しています。鹿島Ⅱ期設備に関しては、早期認定に向けて活動を開始しています。引き続き、新設備をフル活用して、安定供給を継続してまいります。また、2026年3月に京都事業所に新設備の建設を決定し、さらなる供給力の強化を進めてまいります。 Ⅱ-2.高濃度化及び高生産性製品の拡充半導体需要の増加に伴う当社製品の需要増加に対応するため新製造設備の建設を進めるとともに、より効率的な生産品目への移行により、さらなる供給力の向上に努めました。高濃度化、生産性の高い品目の開発を進め、ラインナップを拡充し、顧客への提案、認定を継続しました。その結果、全生産量に占める比率が向上し、効率化が進展しました。引き続き、開発を進め製品ラインナップを拡充し、既存品目から移行を進め、さらなる効率化を目指します。 Ⅲ.外部環境変化への迅速・柔軟な対応半導体市場が成長する中、日本経済は、円安、インフレが継続しています。また、サプライチェーンの安定化、米中対立の影響等の各課題に対して取り組みました。円安、インフレに伴うコストアップに対しては、生産の効率化や購入量増加に伴うコストダウン等の自助努力によるコストアップの吸収を図るとともに、各顧客に対して価格転嫁を実施してきました。2025年度に関しては、大きな価格変動が少なく、価格をほぼ維持することができました。次期設備投資に関する価格転嫁に対しては、顧客の合意を得て、着実に設備投資を実施してまいります。サプライチェーンリスクへの対応としましては、超高純度コロイダルシリカの主原料である金属ケイ素の安定調達のため購入国の分散に取り組みました。複数の国からテスト購入を実施し、使用可能性について検証を実施しました。その結果、購入先を複数化することができました。引き続き、必要量の安定調達、価格の安定に取り組んでまいります。米中の貿易摩擦等の外部環境の影響は、相互関税の直接的な影響はなく、半導体製品の輸出入規制による直接的な影響もありませんでした。今後も、米中の貿易摩擦、中東情勢等の外部環境のリスクに対して、情報収集に努め、早期の対応の実施により業績への影響を最小化できるよう努めてまいります。 Ⅳ.次世代製品開発超高純度コロイダルシリカのCMP用途の開発としては、半導体の次世代製造プロセスであるA16、A14世代向けの要求事項に適した開発を継続し、認定活動、サンプルワークを継続するとともに、最先端品、高レート・高生産性品の開発を進めました。また、新規材料、新規用途品の開発を行い、複数社からの引き合いを獲得するとともに用途探索を継続しています。中空サブミクロンシリカ(ミラリカ™)は低誘電剤用途向け中心に複数社のサンプルワークを継続し、2026年度量産化に向けて、製造ラインの構築を進めています。また、展示会への出展を通じて、新規製品のアピール、新規顧客の開拓を進めています。 電子材料事業の経営成績は、外部顧客に対する売上高は前連結会計年度に比べ8,301百万円増加し、41,514百万円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ2,755百万円増加し、15,926百万円となりました。半導体市場は、PC・スマートフォン向け等の需要は低調に推移しましたが、引き続きAI半導体向けの需要が好調に推移しました。加えて、中国市場の需要も大きく伸び、超高純度コロイダルシリカの販売数量は大幅に増加し、売上高は前連結会計年度比で増加しました。営業利益は、鹿島事業所、京都事業所の新設備稼働に伴う減価償却費の増加、製造ライン増加に伴う固定費の増加、資材価格の上昇等のコストアップ要因はありましたが、売上高増加の効果に加え、新規設備を含む製造稼働率上昇による増産効果、生産効率化によるコストダウン効果により、前連結会計年度比で増加し、増収増益となりました。半導体の需要は、中長期的に成長が続くことが予測されています。最先端半導体への技術対応、需要の増加に対応した製販体制の早期構築に対応する必要があります。引き続き、最先端分野へ対応した製品開発、供給能力の強化等、各課題への対応を継続し、業績の拡大を目指します。 (売上高)前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業は減少しましたが、電子材料事業の増加が大きく、7,424百万円増加し、76,926百万円となりました。 (営業利益)前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業は微増、電子材料事業の増加が大きく、2,620百万円増加し、18,850百万円となりました。 (経常利益)当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ402百万円増加し、879百万円となりました。これは主に、受取利息の増加に加え、為替差益が前連結会計年度に比べ338百万円増加したためです。営業外費用は、前連結会計年度に比べ11百万円増加し、156百万円となりました。これは主に、投資事業組合運用損が増加したためです。経常利益は、営業利益の増加に加え、上記要因により前連結会計年度に比べ3,011百万円増加し、19,573百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ96百万円増加し、193百万円となりました。これは主に、固定資産売却益は減少しましたが、政策保有株式の売却に伴う投資有価証券売却益が184百万円増加したためです。特別損失は、前連結会計年度に比べ153百万円減少し、238百万円となりました。これは主に、固定資産除却損が減少したためです。法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額は、税金等調整前当期純利益の増加により法人税等合計で前連結会計年度に比べ571百万円増加し、5,216百万円となりました。経常利益の増加に加え、特別損益の増加により、税金等調整前当期純利益は増加しました。法人税等は増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて2,688百万円増加し、14,311百万円となりました。財政状態の分析財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。b. 資本の財源および資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度において新たな長期借入は行っていません。当連結会計年度末の長期借入金の残高は、2025年度に完成した鹿島事業所超高純度コロイダルシリカ製造設備の投資資金約200億円に対し、2023年度に銀行より長期借入で調達した200億円の内、31億円を返済した残り169億円です。当連結会計年度に実施した設備投資に係る資金の財源は、前述の長期借入金と自己資金を充当しています。当社グループの成長のためには、増加が見込まれる需要に対応した継続した設備投資、最先端技術に対応した研究開発投資が重要と認識しています。投資に関しては、自己資金を中心に、必要に応じて外部調達により実行いたします。株主還元についても重要と認識しています。今後の成長投資と株主還元のバランスを取り、最適な資本構成による資本コストの最適化を考慮して、資金の配分を決定してまいります。 c. 経営成績に重要な影響を与える要因「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ5,247百万円増加し、29,787百万円となりました。減価償却費は、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業、電子材料事業ともに増加し、全体で増加しました。ライフサイエンス事業においては、大阪工場のリンゴ酸設備の耐震工事、その他の更新工事によるものです。電子材料事業においては2024年度途中に完成した京都事業所の新規製造設備の償却が通年で影響したこと、2025年度に完成した新規製造設備の償却開始によるものです。営業利益は、前述のとおりライフサイエンス事業、電子材料事業で減価償却費の増加額以上に増加したため、全体で償却前営業利益が前連結会計年度比で増加しました。総資産回転率は0.52回で、前連結会計年度に比べ僅かですが向上しました。総資産は、進めてきた大型設備投資が完成し、固定資産は前連結会計年度末に比べ微減でしたが、好調な収益による現金及び預金の増加により流動資産が増加し、全体で増加しました。総資産は増加しましたが、売上高の増加が上回り、総資産回転率は向上しました。ROE(自己資本利益率)は12.9%で、前連結会計年度に比べて向上しました(前連結会計年度は11.7%)。分母である純資産は利益の計上により増加しましたが、分子である親会社株主に帰属する当期純利益が増加したためです。今後も新規製造設備の本稼働に伴い、減価償却費の増加によるコストアップが想定されていますが、収益性の向上により、継続的にROE(自己資本利益率)の向上を目指します。自己資本比率は77.0%で前連結会計年度より向上し、引き続き水準以上の安全性は確保できています。利益の増加により純資産が増加し、自己資本比率は向上しました。今後も、増加が見込まれる需要に対応するための継続的な大型設備投資や研究開発投資が成長の源泉であり、投資を継続するためにも、一定水準以上の純資産の厚みが必要であると考えています。最適な資本のバランスの維持を意識しつつ、資本コストを意識した最適な資金調達の検討を行います。投資計画、還元政策を考慮し、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)基本方針当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。社是「限りなき進歩と創造」経営信条一. 信用を重んじ確実を旨とする一. 技術を通じて国家社会に貢献し一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築くそのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題今後の世界経済および日本経済は、米国の関税政策による影響、地政学リスクの顕在化、為替動向、継続的なインフレの余波など、景気の先行きが一層不透明になると見ています。このような状況のもと、当社グループは、海外事業展開を推進するとともに、安全操業、安定生産を継続し、研究開発、品質保証、販売の体制強化、新規製造設備の着実な立ち上げによる供給力の強化に取り組みます。2025年度の売上高は、半導体市場の成長に伴う当社製品の需要増加を見込み、増収の計画です。営業利益は、円高の進行、原料・エネルギー価格の高止まり、新規設備の稼働開始に伴う減価償却費等の費用増加により、減益を見込んでいます。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少に加え、円高の進行に伴う為替差損の計上を見込み、それぞれ減益となる見込みです。 〇連結業績計画および当期実績比較(単位:百万円) 2024年度実績2025年度計画増減額売上高69,50172,7003,198営業利益16,23014,000△2,230経常利益16,56113,800△2,761親会社株主に帰属する当期純利益11,6229,400△2,222償却前営業利益24,53925,500960 〇ライフサイエンス事業連結業績計画(単位:百万円) 2024年度実績2025年度計画増減額売上高36,28735,850△437営業利益5,2895,400110償却前営業利益6,8597,100240 〇電子材料および機能性化学品事業連結業績計画(単位:百万円) 2024年度実績2025年度計画増減額売上高33,21336,8503,636営業利益13,17111,100△2,071償却前営業利益19,69220,7001,007 <中期経営計画>当社は、2021年5月7日に2025年度を最終年度とする中期経営計画 “FUSO VISION 2025”を発表し、2023年5月11日に、最終年度(2025年度)の経営目標を変更いたしました。当連結会計年度においては、ライフサイエンス事業で販売数量が増加し、電子材料事業で半導体市況の回復の影響を受けたことで、前連結会計年度と比較して売上高が17.9%増加、営業利益が46.4%増加するなど、大きな成長を遂げました。中期経営計画の最終年度である2025年度の計画は、前述のとおり、当連結会計年度(2024年度)と比較して、売上高の増加は見込まれるものの、大型設備投資による償却費の増加が予想されるため、営業利益は減益となる見込みです。2025年度の計画と中期計画最終年度の比較は下記のとおりです。 (単位:百万円) FUSO VISION2025年度目標2025年度計画増減額売上高85,00072,700△12,300営業利益19,00014,000△5,000償却前営業利益30,00025,500△4,500 2025年度の計画は、市況の影響もあり、中期経営計画を下回る見込みですが、当社は経営方針として掲げた「既存事業における拡大する需要の取り込みと着実な対応」「新規事業・分野への投資・挑戦」「持続的成長を支える経営基盤の強化(SDGsへの取り組み)」に沿って、引き続き施策を実行してまいります。中期経営計画の詳細および、中期経営計画の見直しに関する詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://fusokk.co.jp/fusovision2025)をご参照ください。 1.中期経営計画の概要名称 :中期経営計画“FUSO VISION 2025”サブテーマ:社会課題の解決に貢献するFUSOであるために期間 :2021年度~2025年度(5ヶ年の中期計画)経営目標 :売上高850億円、営業利益190億円、償却前営業利益300億円経営方針 :①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応②新規事業・分野への投資・挑戦③持続的成長を支える経営基盤の強化(SDGsへの取組み) 2.目指す企業像「限りなき進歩と創造」の先にあるもの、当社グループが目指す企業像としては、その特定の分野で輝く数多くの金メダル製品と様々な価値観・アイデアを持つ社員がそれぞれの持ち場で活き活きと働き、社会に貢献し続けられる体力のある企業、そのような未来を思い描き下記の通り設定しました。 ・グローバルニッチトップを追求する FUSO ・人々の暮らしの豊かさの向上・持続的な未来に貢献し続ける FUSO ・現状に満足することなくInnovationに挑戦し続ける FUSO ・既存事業に続く成長性ある第3の柱構築で倒れない強い企業である FUSO <対処すべき課題>当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。 (ライフサイエンス事業)国内市場では、食品用途の販売は引き続き堅調であり、工業用途や日用品用途での販売も回復傾向にあります。海外市場では、欧州向けのリンゴ酸や米国での有機酸でシェアが回復したほか、中国を始めとするアジア地域を含め総じて堅調に推移しましたが、海外メーカーとの競争は一層の厳しさを増しています。2025年度はライフサイエンス事業部に国際部を新設して海外子会社5社を管轄することになりました。これにより販売管理や製品の一括管理を実現させ、ライフサイエンス事業利益を最大化できるよう各社との連携を図ります。新規開発品につきましても現地製造、技術サポートを進め、海外での拡販を目指すとともに、既存品についても国内外で生産体制の見直しを図り、効率的な事業運営を進めます。また鹿島事業所内に完成した高純度有機酸“アプリシャス”の拡販に努め、早期の安定生産、新規顧客の獲得に努めてまいります。販売面では、営業担当者を増員するとともに、重点推進分野を絞り込んだチーム編成をおこないます。製品開発や海外業務の経験者をバランスよく配置し、それぞれの専門性や国際的な視点を最大限に活用できるよう営業体制を充実させ、これまで取り組んできたFFA(※)の販売数量拡大をグローバル市場で取り組みます。オンラインデジタルマーケティングにも力を入れ、商品開発に携わる方々に当社製品の認知を広げるとともに、タイムリーな情報発信・フォローを行うことで、売上増加を図ります。今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、市場のニーズにいち早く応えることで、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。※果実酸の特徴を活用したビジネス (電子材料および機能性化学品事業)半導体市場は、在庫調整が一巡し、AI用途を中心に需要が回復しました。半導体の高性能化は、トランジスタ素子を形成する前工程を中心に進展していましたが、近年ではアドバンストパッケージ(※)に代表される後工程が主流となっています。さらに、中国市場では旺盛な設備投資に牽引される形で半導体市場の拡大が進みました。このような背景を踏まえ、各社の需要に応えることで、2024年度の出荷数量は大幅に増加しました。この需要回復と新たに創出される需要の増加に対応するため、2023年4月に完成した鹿島事業所の新設備は、2024年度末にはフル稼働状態となりました。また、2024年10月に完成した京都事業所の新設備も稼働を開始しました。さらに、2025年7月には鹿島事業所でさらなる追加設備の完成を予定しています。これにより、生産能力は2022年度比で1.5倍以上に強化される見込みです。設備増設による生産能力増強に加えて、高濃度・高効率生産品目の拡充を進め、設備面および製品面の両側面から供給能力を強化しました。サプライチェーンリスクへの対応としては、主要原材料の調達国の分散化や複数購買化を検討・実施しており、原材料調達リスクの低減を継続的に進めています。一方で、米中半導体摩擦やトランプ政権の相互関税の影響など、半導体産業を取り巻く世界情勢には依然として先行き不透明感があります。これらの課題に対しては、情報収集を続けながら必要な対策を講じていく方針です。研究開発では、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では、微細化や高集積化が一層進展しており、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさや硬さ、表面修飾を施した粒子などの製品開発を続けています。また、半導体研磨用途以外にも、高速通信社会や化粧品用途などに貢献できる特徴的な材料の研究開発を進めています。※複数のICチップを効率的に組み合わせることで、通信速度や電力効率を向上させる技術 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1)基本方針当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。社是「限りなき進歩と創造」経営信条一. 信用を重んじ確実を旨とする一. 技術を通じて国家社会に貢献し一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築くそのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題今後の世界経済および日本経済は、米国の関税政策による影響、地政学リスクの顕在化、為替動向、継続的なインフレの余波など、景気の先行きが一層不透明になると見ています。このような状況のもと、当社グループは、海外事業展開を推進するとともに、安全操業、安定生産を継続し、研究開発、品質保証、販売の体制強化、新規製造設備の着実な立ち上げによる供給力の強化に取り組みます。2025年度の売上高は、半導体市場の成長に伴う当社製品の需要増加を見込み、増収の計画です。営業利益は、円高の進行、原料・エネルギー価格の高止まり、新規設備の稼働開始に伴う減価償却費等の費用増加により、減益を見込んでいます。経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少に加え、円高の進行に伴う為替差損の計上を見込み、それぞれ減益となる見込みです。 〇連結業績計画および当期実績比較(単位:百万円) 2024年度実績2025年度計画増減額売上高69,50172,7003,198営業利益16,23014,000△2,230経常利益16,56113,800△2,761親会社株主に帰属する当期純利益11,6229,400△2,222償却前営業利益24,53925,500960 〇ライフサイエンス事業連結業績計画(単位:百万円) 2024年度実績2025年度計画増減額売上高36,28735,850△437営業利益5,2895,400110償却前営業利益6,8597,100240 〇電子材料および機能性化学品事業連結業績計画(単位:百万円) 2024年度実績2025年度計画増減額売上高33,21336,8503,636営業利益13,17111,100△2,071償却前営業利益19,69220,7001,007 <中期経営計画>当社は、2021年5月7日に2025年度を最終年度とする中期経営計画 “FUSO VISION 2025”を発表し、2023年5月11日に、最終年度(2025年度)の経営目標を変更いたしました。当連結会計年度においては、ライフサイエンス事業で販売数量が増加し、電子材料事業で半導体市況の回復の影響を受けたことで、前連結会計年度と比較して売上高が17.9%増加、営業利益が46.4%増加するなど、大きな成長を遂げました。中期経営計画の最終年度である2025年度の計画は、前述のとおり、当連結会計年度(2024年度)と比較して、売上高の増加は見込まれるものの、大型設備投資による償却費の増加が予想されるため、営業利益は減益となる見込みです。2025年度の計画と中期計画最終年度の比較は下記のとおりです。 (単位:百万円) FUSO VISION2025年度目標2025年度計画増減額売上高85,00072,700△12,300営業利益19,00014,000△5,000償却前営業利益30,00025,500△4,500 2025年度の計画は、市況の影響もあり、中期経営計画を下回る見込みですが、当社は経営方針として掲げた「既存事業における拡大する需要の取り込みと着実な対応」「新規事業・分野への投資・挑戦」「持続的成長を支える経営基盤の強化(SDGsへの取り組み)」に沿って、引き続き施策を実行してまいります。中期経営計画の詳細および、中期経営計画の見直しに関する詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://fusokk.co.jp/fusovision2025)をご参照ください。 1.中期経営計画の概要名称 :中期経営計画“FUSO VISION 2025”サブテーマ:社会課題の解決に貢献するFUSOであるために期間 :2021年度~2025年度(5ヶ年の中期計画)経営目標 :売上高850億円、営業利益190億円、償却前営業利益300億円経営方針 :①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応②新規事業・分野への投資・挑戦③持続的成長を支える経営基盤の強化(SDGsへの取組み) 2.目指す企業像「限りなき進歩と創造」の先にあるもの、当社グループが目指す企業像としては、その特定の分野で輝く数多くの金メダル製品と様々な価値観・アイデアを持つ社員がそれぞれの持ち場で活き活きと働き、社会に貢献し続けられる体力のある企業、そのような未来を思い描き下記の通り設定しました。 ・グローバルニッチトップを追求する FUSO ・人々の暮らしの豊かさの向上・持続的な未来に貢献し続ける FUSO ・現状に満足することなくInnovationに挑戦し続ける FUSO ・既存事業に続く成長性ある第3の柱構築で倒れない強い企業である FUSO <対処すべき課題>当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。 (ライフサイエンス事業)国内市場では、食品用途の販売は引き続き堅調であり、工業用途や日用品用途での販売も回復傾向にあります。海外市場では、欧州向けのリンゴ酸や米国での有機酸でシェアが回復したほか、中国を始めとするアジア地域を含め総じて堅調に推移しましたが、海外メーカーとの競争は一層の厳しさを増しています。2025年度はライフサイエンス事業部に国際部を新設して海外子会社5社を管轄することになりました。これにより販売管理や製品の一括管理を実現させ、ライフサイエンス事業利益を最大化できるよう各社との連携を図ります。新規開発品につきましても現地製造、技術サポートを進め、海外での拡販を目指すとともに、既存品についても国内外で生産体制の見直しを図り、効率的な事業運営を進めます。また鹿島事業所内に完成した高純度有機酸“アプリシャス”の拡販に努め、早期の安定生産、新規顧客の獲得に努めてまいります。販売面では、営業担当者を増員するとともに、重点推進分野を絞り込んだチーム編成をおこないます。製品開発や海外業務の経験者をバランスよく配置し、それぞれの専門性や国際的な視点を最大限に活用できるよう営業体制を充実させ、これまで取り組んできたFFA(※)の販売数量拡大をグローバル市場で取り組みます。オンラインデジタルマーケティングにも力を入れ、商品開発に携わる方々に当社製品の認知を広げるとともに、タイムリーな情報発信・フォローを行うことで、売上増加を図ります。今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、市場のニーズにいち早く応えることで、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。※果実酸の特徴を活用したビジネス (電子材料および機能性化学品事業)半導体市場は、在庫調整が一巡し、AI用途を中心に需要が回復しました。半導体の高性能化は、トランジスタ素子を形成する前工程を中心に進展していましたが、近年ではアドバンストパッケージ(※)に代表される後工程が主流となっています。さらに、中国市場では旺盛な設備投資に牽引される形で半導体市場の拡大が進みました。このような背景を踏まえ、各社の需要に応えることで、2024年度の出荷数量は大幅に増加しました。この需要回復と新たに創出される需要の増加に対応するため、2023年4月に完成した鹿島事業所の新設備は、2024年度末にはフル稼働状態となりました。また、2024年10月に完成した京都事業所の新設備も稼働を開始しました。さらに、2025年7月には鹿島事業所でさらなる追加設備の完成を予定しています。これにより、生産能力は2022年度比で1.5倍以上に強化される見込みです。設備増設による生産能力増強に加えて、高濃度・高効率生産品目の拡充を進め、設備面および製品面の両側面から供給能力を強化しました。サプライチェーンリスクへの対応としては、主要原材料の調達国の分散化や複数購買化を検討・実施しており、原材料調達リスクの低減を継続的に進めています。一方で、米中半導体摩擦やトランプ政権の相互関税の影響など、半導体産業を取り巻く世界情勢には依然として先行き不透明感があります。これらの課題に対しては、情報収集を続けながら必要な対策を講じていく方針です。研究開発では、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では、微細化や高集積化が一層進展しており、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさや硬さ、表面修飾を施した粒子などの製品開発を続けています。また、半導体研磨用途以外にも、高速通信社会や化粧品用途などに貢献できる特徴的な材料の研究開発を進めています。※複数のICチップを効率的に組み合わせることで、通信速度や電力効率を向上させる技術 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクと政策転換が不確実性を増大させる中、地域ごとに成長に差があるものの、全体として底堅さを維持しました。米国では政策金利の引下げもあり景気は堅調でしたが、新政権の関税政策が消費や投資に下押し圧力をかけました。中国では景気刺激策が実施されたものの、供給過剰や不動産市場の停滞が景気回復の妨げとなりました。日本経済においては、賃金上昇による個人消費の拡大や訪日外国人旅行者数の増加を背景に緩やかな回復を維持しましたが、物価上昇や製造業の弱含みが課題となりました。このような情勢の下、当社グループは成長を継続するため、中期経営計画で掲げた各種施策を着実に実行しました。具体的には、新規顧客の開拓・既存顧客との関係強化・価格改定、原料資材の安定確保などの営業・購買活動を強化しました。また、2024年4月に発足した生産本部を中心に、生産活動の強化・安定化に取り組みました。同時に、将来の生産能力拡大に向けた準備も進めており、鹿島事業所Ⅰ期工事は本稼働を開始したほか、京都事業所でも新規製造設備が稼働を開始しており、鹿島事業所のⅡ期工事も順調に進行中です。さらに、グループ内従業員の交流強化によるシナジー創出や鹿島事業所における事務所棟の新設による就業環境の改善、新製品の開発、研究開発体制の強化など、新たな施策も着実に推進しています。 a. 財政状態(資産の部)当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,081百万円減少し、67,052百万円となりました。これは主に、商品及び製品は増加しましたが、大型設備投資の完成に伴う未収消費税の還付により、その他の流動資産が減少したためです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ8,843百万円増加し、74,449百万円となりました。これは主に、京都事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備増設工事の完成に伴い建物及び構築物、機械装置及び運搬具、無形固定資産が増加したほか、鹿島事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備Ⅱ期建設工事の進捗により建設仮勘定が計上されたため、建設仮勘定の減少が限定的になったためです。以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ7,761百万円増加し、141,502百万円となりました。(負債の部)当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,032百万円増加し、18,489百万円となりました。これは主に、京都事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備建設工事代金の支払に伴い設備関係未払金は減少しましたが、長期借入金の内、1年以内返済予定の金額を固定負債から流動負債へ振替したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ3,294百万円減少し、18,963百万円となりました。これは主に、前述の長期借入金の流動負債への振替によるものです。以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ1,262百万円減少し、37,453百万円となりました。(純資産の部)当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9,023百万円増加し、104,048百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。b. 経営成績当連結会計年度の売上高は69,501百万円(前連結会計年度比17.9%増、10,531百万円増)となりました。営業利益は16,230百万円(同46.4%増、5,146百万円増)、経常利益は16,561百万円(同39.4%増、4,678百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,622百万円(同39.3%増、3,279百万円増)となりました。売上高、営業利益は、後述の各セグメントの要因により増収増益となりました。経常利益は、為替差益が減少しましたが、営業利益の増加により、増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に移転補償金が発生したため特別利益が減少し、固定資産除却損により特別損失が増加しましたが、経常利益の増加により、増益となりました。当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。(ライフサイエンス事業)ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が36,287百万円(前連結会計年度比6.3%増、2,144百万円増)、営業利益は5,289百万円(同6.2%減、347百万円減)となりました。国内市場では、食品用途の需要は引き続き堅調であり、工業用途や医薬品・日用品用途での需要が回復しました。海外市場では、欧州・東南アジア向けのリンゴ酸や米国での有機酸で需要を取り込んで増加したほか、中国を始めとするアジア地域でも堅調に推移しました。円安による在外子会社の売上高増加の効果も加わり、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、シェアアップのための価格是正に加えて、円安による輸入価格やエネルギー価格の上昇等のコストアップ要因や、定期修繕を例年より長期間実施したことによる生産量の減少の影響もあり、前連結会計年度を下回り、増収減益となりました。 (電子材料および機能性化学品事業)電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が33,213百万円(前連結会計年度比33.8%増、8,386百万円増)、営業利益は13,171百万円(同74.8%増、5,637百万円増)となりました。半導体市場は、在庫調整が一巡し、用途による濃淡はあるものの、AI用途を中心に需要は回復しました。半導体市場の回復により主力製品である超高純度コロイダルシリカの販売数量が増加したことに加え、コストアップ要因に対する販売価格改定や円安効果により、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、鹿島事業所の新規製造設備の本稼働に伴う減価償却費や立ち上げに係る費用の増加によるコストアップの影響がありましたが、売上増加による影響が大きく、前連結会計年度を上回り増収増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益および減価償却費の発生により取得した資金を有形固定資産の取得、法人税等の支払、配当金の支払等に充てた結果、前連結会計年度末に比べ246百万円減少し、29,237百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果取得した資金は、22,701百万円(前連結会計年度は7,061百万円の取得)となりました。これは主に、法人税等の支払に対して、税金等調整前当期純利益による収入および減価償却費の発生による収入があったためです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、20,538百万円(前連結会計年度は18,576百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が発生したためです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、2,409百万円(前連結会計年度は17,663百万円の取得)となりました。これは主に、配当金の支払によるものです。③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比ライフサイエンス25,977,739千円0.6%電子材料および機能性化学品34,945,69521.6合計60,923,43411.7(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。 b.受注実績当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比ライフサイエンス36,287,718千円6.3%電子材料および機能性化学品33,213,80833.8合計69,501,52717.9(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。2.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)FUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co.,Ltd.--8,994,25412.93.前連結会計年度のFUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co.,Ltd.に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。 ② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。a. 経営成績等の状況 経営成績の分析(ライフサイエンス事業) 主要製商品群、新規製商品群ごとにテーマを定め、取り組みを進めました。1.重点製品1-1.リンゴ酸類 国内においては、輸入品の動向を注視し適正価格での販売維持、液体品の拡販に努めました。その結果、食品向けは堅調に推移し、工業用途(メッキ・洗浄剤等)で販売数量が25%増加しました。また、2025年2月からは価格改定を実施しました。海外においては、アジア市場でのシェア維持、需要回復による数量増、戦略的価格対応による欧米での物量奪回、新規販売国での販売網の強化および営業展開に取り組みました。その結果、販売価格は円換算後で10%、ドル建てでは15%低下しましたが、海外市場でのシェアを回復し、ドイツ、スペイン、アメリカ、マレーシア、タイで販売が拡大しました。 1-2.クエン酸類 国内においては、市況価格の動向に迅速に対応してシェアの拡大に努めるとともに、価格改定により失った顧客への営業を強化して、大手飲料、大口洗剤メーカー向け販売数量回復を目指しました。その結果、販売価格は10%低下しましたが、販売数量は7%増加し、シェアを回復しました。大手飲料向けでは入札不調もあり厳しい状況は継続しましたが、大口洗剤メーカー向けでは販売数量が20%増加し、シェアが回復しました。 クエン酸の調達手段を増加させるため、タイのクエン酸メーカーとの関係を強化し、重点的に販売を強化しました。その結果、新規採用が増加しました。また、主に半導体洗浄用途で使用される高純度クエン酸の内製化、販売強化を進めました。製造設備は鹿島事業所内に2024年10月に完成し、早期事業化のための対応を行っています。 1-3.グルコン酸類 国内においては、工業用途でのシェア拡大、価格スプレッドの確保に努めました。その結果、価格是正により販売価格は20%上昇しましたが、大型公共工事の減少により販売数量は10%減少して、売上高は減少しました。売上原価は仕入価格の上昇に加え、円安の影響もあり30%コストアップとなり、利益率は低下しました。 海外においては、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.の拡大した生産能力を活かすため、柔軟に価格対応を行い販売数量の回復を目指しました。その結果、利益は横ばいでしたが、販売数量は35%、シェアは10%それぞれ増加し、大幅に回復しました。1-4.フマル酸・マレイン酸・ビタミンC類(フマル酸・マレイン酸) 大手顧客のシェア維持に努めるとともに、需要が縮小傾向にある製紙、塗料、住設業界での大口顧客をターゲットにして販売数量の増加を目指しました。その結果、製紙、塗料、住設業界の需要は低調に推移しましたが、入浴剤等の大口顧客でのシェアは確保しました。価格面では原料価格に連動した販売価格上昇に加え、スプレッドの改善を実施し、利益率の改善に努めました。 (ビタミンC類) 医薬品用途向けに増産および外注による供給体制の強化に取り組み、メインユーザー向けには着実に需要を取り込み、販売増を目指しました。また、医薬品用途の水平展開を図るとともに、飲料用途等の一般用途の提案を促進しました。その結果、供給体制は、当社で増産を推進するとともに、OEMで補完する体制を構築し、販売面では需要が増加する医薬品用途や飲料向けで販売数量が大幅に増加しました。2.次世代製品2-1.FFAビジネス※ コート果実酸、米飯向け製剤、酸化防止製剤、褐変防止製剤等の新製品販売拡大、粉末酢酸、易溶化フマル酸、グルテンフリー食品向け製剤等の新製品の上市、ストレスフリー製剤ビジネスの拡大を目指しました。また、大阪工場のFFA設備をフル活用して、利益の最大化を目指しました。その結果、新製品群は後述の通り、新製品の上市、新規採用が増加しました。大阪工場のFFA設備も稼働率が向上しています。 ※食品添加物製剤(Formulation of Food Additives)、食品素材・食品添加物製剤(Formulation of Food Materials and Food Additives)、機能性食品素材・食品添加物(Functional Food Material and Food Additive)、機能性果実酸(Functional Fruits Acid)の商品群をFFAと総称しています。 2-2.コート果実酸・応用製剤 FFA製品へ分類されるコート果実酸や日持ち向上剤、酸化・褐変防止剤、マスキング剤、ストレスフリー製剤等の応用製剤の開発拡販に注力しました。コート果実酸は、目標への進捗は低い状況ではありますが、製品ラインナップを拡充し、採用も徐々に増加しています。日持ち向上剤のランチフレッシュRも目標に達していませんが、国内で採用が進み、海外でも販売が増加しています。酸化・褐変防止剤では、変色防止剤のキプカロンFR-T、酸化防止剤のオキシナジーは着実に採用が増加しています。ストレスフリー製剤も採用が進み、用途も芝、イネ以外への用途拡大を図っています。 ライフサイエンス事業の経営成績は、外部顧客に対する売上高は、前連結会計年度に比べ2,144百万円増加し36,287百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ347百万円減少し、5,289百万円となりました。 売上高は、クエン酸類の国内販売価格の低下や製紙、塗料用途向け製品の需要が低調で推移しましたが、リンゴ酸の海外市場のシェア回復による増加、医薬品用途のビタミンCの増加、国内工業用途の需要一部回復、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.の米国グルコン酸市場のシェア回復、円安の効果による輸出、海外子会社の円換算増加も合わせて、前連結会計年度比で増加しました。 営業利益は、シェア回復による販売数量増加、高収益のビタミンC類の販売増加によるプラス効果はあるものの、円安による仕入価格の高騰、シェア回復のための価格是正、鹿島事業所の定期修繕を例年より長期間実施したことによる生産量の減少の影響もあり、前連結会計年度比で減少し、増収減益となりました。 引き続き、既存製商品では特に海外市場での販売力の強化、拡大を図り、シェアの維持、拡大に努めるとともに、新商品の開発、拡販を進め、業績の拡大を目指します。 (電子材料および機能性化学品事業) 「1-1.販売 成長を続ける半導体市場への対応」「1-2.生産・技術増産/安定生産/設備技術/品質」、「1-3.製品開発」「2.機能材料セグメント」、「3.外部環境変化への対応」の各テーマに取り組みました。1-1.販売 成長を続ける半導体市場への対応 半導体市場は、2023年に一時的な調整局面を迎えたことにより遅れが生じたものの、長期的には成長が継続し、毎年10%程度の成長が見込まれています。需要の拡大に応えることができる販売体制、生産能力、技術開発体制の拡充に取り組みました。各顧客に対して長期の需要予測を確認し、顧客・製品別の製造ライン戦略を確定するとともに、コスト上昇要因毎に丁寧な価格改定を実施しました。 1-2.生産・技術増産/安定生産/設備技術/品質 生産能力の拡充として、2023年度に完成した鹿島事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備の顧客認定を進め、2024年度末からはフル稼働を開始しました。2024年度に完成した京都事業所の超高純度コロイダルシリカ新設備は、早期の顧客認定を目指し、顧客、製品別に戦略を作成し対応を行っています。2025年度に完成予定の鹿島事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備の工事も計画通り順調に進捗しています。 安定生産への対応としては、計画的に設備修繕を進めるとともに、市場動向に合わせた生産計画を立案し実行しました。その結果、修繕計画を予定通り行うことで安定生産に寄与し、需要増に対応して、当初計画より10%の増産を達成しました。また、鹿島事業所、京都事業所の新設備においても安定稼働への対応の準備を進めました。 品質対応としては、粗大粒子数低減プロセスの確立等、最先端半導体製造プロセスの品質要求への対応に取り組み、粗大粒子数低減グレードを開発し、顧客評価へ進みました。 設備技術対応としては、設備の省エネルギー化、環境対応、省力化、自動化を検討し、構想を立案し、実施に向けた精査を進めました。 1-3.製品開発 生産効率が高く、顧客ニーズを満たす高付加価値の製品群として高濃度コロイダルシリカの開発を進めました。その結果、高濃度・高生産性品目の製品ラインナップを拡充させ従来比1.5倍の効率化を達成しました。複数グレードで顧客への提案を開始し、評価が進展しています。 最先端CMP向けコロイダルシリカの開発においては、継続的に取り組みを進めました。Beyond2nm世代の技術課題克服に向け顧客と綿密に連携し、顧客要望を踏まえた製品開発を実施し、次世代向け要求事項に対応した製品のサンプルワークを開始しました。 SiC等の新素材向け砥粒に対応した新コンセプト粒子の開発においては、コンセプト設計段階から製品開発段階へと進展し、砥粒の性能検証を実施しています。 2.機能材料セグメント シリカ機能性材料の用途、素材毎に開発を進めました。 トナー外添剤用途の製品であるナノパウダーは、新規顧客の開拓を行い、新たな顧客で採用に向けた評価が継続しています。低誘電材用途の製品では、中空サブミクロンシリカの開発を行い、採用に向けた顧客評価が継続し、量産化に向けた設備投資の検討を行っています。その他にも化粧品、医療、バイオ等の新規用途開発にも取り組み、化粧品用途では顧客の評価が開始されました。 中長期的な市場開拓テーマとしては、多孔質シリカ・シリカナノシート・コアシェルシリカ等の新技術の市場探索を展示会等を通じて実施しています。 3.外部環境変化への対応 半導体市場が回復する中、日本経済は、円安、労働市場の逼迫によりインフレが継続しています。このような環境下で、各部門で課題に取り組みました。 物流・購買の課題としては、半導体市場の回復による出荷量、生産量が増加し、それに対応した生産能力増強に伴い調達量が大幅に増加し、購買価格、エネルギー価格はインフレに伴い高値が継続しています。また、米中対立等によるサプライチェーンリスクも懸念されます。主要原料である金属ケイ素は、調達リスク低減を目指し、調達ルートの分散の検討、品質の確認等に取り組みました。その他の原料、資材においてもサプライヤーとの連携により安定調達に努めるとともに、使用量の削減、複数購買を進めサプライチェーンリスクの低減に努めました。増加する販売数量への対応としては、出荷拠点を拡充し、出荷能力の増強を図りました。 BCP対応としては、京都事業所、鹿島事業所の新設備が立ち上がり、2拠点、3工場の供給体制が確立、増強されました。鹿島事業所の新設備の顧客認定も進み、量産ステージへ移行しています。前述の購買対応等を含めBCPの体制強化を進めています。 2030年を見据えた中長期の需要予測に基づき、次期投資計画の検討を行い、さらなる成長を目指します。 電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、外部顧客に対する売上高は前連結会計年度に比べ8,386百万円増加し、33,213百万円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ5,637百万円増加し、13,171百万円となりました。 半導体市場は、PC・スマートフォン向け等の需要は低調に推移しましたが、AI半導体向けの需要が好調で超高純度コロイダルシリカの販売数量は大幅に増加しました。円安の効果やコストアップに伴う価格改定の効果も合わせて、売上高は前連結会計年度比で増加しました。 営業利益は、鹿島事業所、京都事業所の新設備稼働に伴う減価償却費の増加、製造ライン増加に伴う固定費の増加、資材価格の上昇等のコストアップ要因はありましたが、円安を含む売上高の増加の効果に加え、新規設備を含む製造稼働率上昇による増産効果、生産効率化によるコストダウン効果により、前連結会計年度比で増加し、増収増益となりました。 半導体の需要は、中長期的に成長が続くことが予測されています。最先端半導体への技術対応、需要の増加に対応した製販体制を構築する必要があります。引き続き、最先端分野へ対応した製品開発、供給能力の強化等、課題への対応を継続し、業績の拡大を目指します。 (売上高)前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業、電子材料および機能性化学品事業ともに増加したため、10,531百万円増加し、69,501百万円となりました。 (営業利益)前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業では減少しましたが、電子材料および機能性化学品事業の増加が大きく、5,146百万円増加し、16,230百万円となりました。 (経常利益)当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ475百万円減少し、477百万円となりました。これは主に、受取利息は増加しましたが、為替差益が前連結会計年度に比べ595百万円減少したためです。営業外費用は、前連結会計年度に比べ7百万円減少し、145百万円となりました。これは主に、長期借入金にかかる支払利息が増加しましたが、投資事業組合運用損が減少したためです。経常利益は、上記要因はあったものの、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ4,678百万円増加し、16,561百万円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ95百万円減少し、97百万円となりました。これは主に、固定資産売却益が増加しましたが、前連結会計年度に計上された移転補償金の収入の影響がなくなったためです。特別損失は、前連結会計年度に比べ322百万円増加し、391百万円となりました。これは主に、固定資産除却損が増加したためです。法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額は、税金等調整前当期純利益の増加により法人税等合計で前連結会計年度に比べ981百万円増加し、4,644百万円となりました。特別損益は減少しましたが、経常利益の増加により、税金等調整前当期純利益は増加しました。法人税等は増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて3,279百万円増加し、11,622百万円となりました。 財政状態の分析財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。b. 資本の財源および資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度において新たな長期借入は行っていません。当連結会計年度末の長期借入金の残高は、2025年度完成予定の鹿島事業所超高純度コロイダルシリカ製造設備の投資資金200億円に対し、2023年度に銀行より長期借入で調達した200億円です。当連結会計年度に実施した設備投資に係る資金の財源は、前述の長期借入金と自己資金を充当しています。 c. 経営成績に重要な影響を与える要因「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ6,295百万円増加し、24,539百万円となりました。減価償却費は、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業で減少しましたが、電子材料および機能性化学品事業で増加し、全体で増加しました。これは電子材料および機能性化学品事業の鹿島事業所、京都事業所の新規製造設備の本稼働によるものです。営業利益は、前述のとおりライフサイエンス事業で減少しましたが、電子材料および機能性化学品事業で減価償却費の増加額以上に増加したため、全体で償却前営業利益が前連結会計年度比で増加しました。総資産回転率は0.51回で、前連結会計年度に比べ向上しました。設備投資に伴う固定資産の増加により総資産が増加したものの、売上高の増加が上回ったためです。ROE(自己資本利益率)は11.7%で、前連結会計年度に比べて向上しました(前連結会計年度は9.1%)。分母である純資産は利益の計上により増加しましたが、分子である親会社株主に帰属する当期純利益が増加したためです。今後も新規製造設備の本稼働に伴い、減価償却費の増加によるコストアップが想定されていますが、収益性の向上により、継続的にROE(自己資本利益率)の10%以上の達成を目指します。自己資本比率は73.5%で前連結会計年度より向上し、引き続き水準以上の安全性は確保できています。利益の増加により純資産が増加し、自己資本比率は向上しました。今後も、増加が見込まれる需要に対応するため、継続的な設備投資や研究開発投資が成長の源泉であり、投資を継続するためにも、一定水準以上の純資産の厚みが必要であると考えています。今後も、最適な資本のバランスの維持を意識しつつ、資本コストを意識した最適な資金調達の検討を行います。投資計画、還元政策を考慮し、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。