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日本特殊陶業(5334)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

ガラス・土石製品 建設・資材

事業の概要

  • 自動車関連製品
    スパークプラグやグロープラグ、各種センサーといった自動車部品の製造販売が主力です。国内では自社製造に加え、子会社への製造委託も行い、海外ではブラジルでの一貫生産や、北米、中国、東南アジア、欧州の子会社での組立・販売を通じてグローバルに展開しています。自動車産業のサプライチェーンに深く組み込まれ、世界中の自動車メーカーや補修市場に製品を供給しています。
  • セラミック製品
    工作機械用の切削工具、産業用セラミック製品、半導体製造装置用製品、ICパッケージなどの半導体部品、さらには医療用酸素濃縮装置といった幅広い製品を手掛けています。国内では自社および子会社が製造販売を行い、海外ではCAIRE Inc.が一貫生産を担うほか、海外販売子会社を通じてグローバルに顧客へ製品を届けています。
  • 新規事業への注力
    燃料電池などの環境エネルギー分野に関する製品の製造販売にも力を入れています。国内では森村SOFCテクノロジー株式会社が固体酸化物形燃料電池(SOFC)の製造販売を行っており、海外の販売子会社を通じてこれらの新規事業製品を顧客に提供しています。将来の成長ドライバーとして、環境技術分野への投資と事業拡大を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車関連製品事業
    スパークプラグ、グロープラグ、自動車用各種センサーなどの自動車部品の製造販売が中心です。当期売上高は3,228.56億円、営業利益は711.34億円と、同社グループの収益の大部分を占める稼ぎ頭です。国内での製造販売に加え、北米、中国、東南アジア、欧州など世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
  • 半導体・セラミック技術製品事業
    半導体製造装置用製品やICパッケージなどの半導体部品、工作機械用の切削工具、産業用セラミック製品、医療用酸素濃縮装置などを扱っています。半導体技術製品の売上高は356.35億円で営業利益は-47.44億円、セラミック技術製品の売上高は209.95億円で営業利益は0.47億円、技術セラミック製品全体では売上高566.31億円で営業利益は-46.97億円となっています。半導体市場の変動に影響を受けやすい特性があります。
  • 新規事業
    燃料電池などの環境エネルギー分野に関する製品の製造販売を行っています。具体的な売上高や営業利益の記載はありませんが、将来の成長を見据えた投資分野として位置づけられています。森村SOFCテクノロジー株式会社での固体酸化物形燃料電池(SOFC)の製造販売など、環境技術分野での事業拡大を目指しています。
FY2016 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AutomotiveComponents 事業 3,229 711 22.0%
SemiconductorTechnicalCeramics 事業 356 -47 -13.3%
CeramicsTechnicalCeramics 事業 210 0 0.2%
TechnicalCeramics 事業 566 -47 -8.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,172 文字
3 【事業の内容】当企業集団は日本特殊陶業㈱(以下「当社」)、子会社62社、関連会社14社で構成され、自動車関連事業並びにコンポーネント・ソリューション事業に関する製品の製造販売等を主な事業内容としています。当社グループの事業に係る位置付けの概要は次のとおりです。なお、当連結会計年度より、報告セグメント区分を変更しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.セグメント情報」をご覧ください。<自動車関連> 当事業は、スパークプラグ、グロープラグ、自動車用各種センサをはじめとした自動車部品の製造販売を行っています。 国内では当社が製造販売を行っています。また、当社から㈱日特スパークテックWKS・セラミックセンサ㈱をはじめとした国内子会社へ原材料・部品を支給して製造委託を行うなどして、完成品及び半製品・組立部品として購入した上で販売しています。海外ではNiterraブラジル㈲でスパークプラグの一貫生産と販売を行っている他、Niterra North America㈱をはじめとする北米、中国・韓国及び東南アジア、欧州の海外製造販売子会社・関連会社において当社から部品及び原材料を購入して完成品を組立、各地域で販売を行っています。また、Wells Vehicle Electronics, L.P.では自動車関連品の一貫生産と販売を行っています。更には、各海外工場で製造した半製品・部品の一部を、当社をはじめ各製造拠点で組立部品としても活用しています。 一方、上記の海外製造販売子会社及びNiterra EMEA㈲をはじめとした海外販売子会社は、当社及び上記海外製造子会社から完成品を仕入れ、各地域において顧客への販売を行っています。<コンポーネント・ソリューション>当事業は、工作機械用の切削工具、産業用セラミック製品、半導体製造装置用部品、ICパッケージをはじめとした半導体部品、燃料電池、窒化ケイ素関連製品及び医療用酸素濃縮装置等の製造販売を行っています。 国内では当社、㈱NTKセラテック、㈱Niterra Materialsをはじめとした子会社が製造販売を行っています。また、当社からNTKセラミック㈱をはじめとした国内子会社・関連会社へ原材料・部品を支給して製造委託を行うなどして、完成品及び半製品・部品として購入した上で販売しています。海外ではCAIRE Inc.が一貫生産と販売を行っている一方、Niterra North America㈱をはじめとした海外販売子会社は、当社及び上記製造子会社から完成品を仕入れ、各地域において顧客へ販売を行っています。<その他>日特アルファサービス㈱にて福利厚生サービスを行っています。 上記事項の概略は、次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
主要製品に使用する貴金属の価格高騰に対し、原価低減や価格転嫁等の施策を検討
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
スパークプラグやセンサ、半導体製造装置用部品などの高度な技術開発と安定量産体制
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:世界情勢・為替変動に関するリスク / 事業環境に関するリスク / 製品品質に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

NGKスパークプラグは世界トップクラスのシェアを誇り、自動車メーカーからの高い信頼を得ている。長年のブランド構築と技術開発により、他社が容易に模倣できない強力なブランド力と技術的優位性を確立している。特に高性能・高耐久性スパークプラグ分野での特許技術は競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車メーカーにとって、スパークプラグはエンジン性能や燃費に直結する重要な部品であり、サプライヤー変更には車両設計レベルでの検証や認証が必要となる。一度採用されたサプライヤーは、品質と信頼性から継続的に採用される傾向があり、スイッチングコストは高いと考えられる。しかし、競合他社も技術開発を進めており、絶対的なロックイン効果とは言えない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

スパークプラグの製造・販売において、ネットワーク効果は直接的には見られない。製品の価値は個々の性能に依存し、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高める構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウとスケールメリットにより、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社の生産効率向上により、絶対的なコスト優位性を維持することは容易ではない。特に新興国メーカーの台頭はコスト圧力を高める要因となりうる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

スパークプラグ市場において、世界有数の生産能力と販売網を有しており、一定の規模の経済は働いている。しかし、市場全体としては複数の大手メーカーが存在する寡占市場であり、絶対的な支配力を持つレベルではない。特にアフターマーケットでの競争は激しい。

  • グローバルな生産販売網
    売上の約80%が海外市場であることからもわかるように、世界中に製造・販売拠点を展開しています。これにより、各地域の市場ニーズに合わせた製品供給や、為替変動リスクの分散、地政学リスクへの対応力を高めています。特に自動車関連製品では、主要な自動車生産地域を網羅し、安定的な供給体制を構築しています。
  • 多角的な製品ポートフォリオ
    自動車関連製品だけでなく、セラミック製品や新規事業製品といった幅広い分野で事業を展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを軽減し、異なる産業分野の成長機会を取り込むことが可能です。特に半導体部品や医療機器など、成長が見込まれる分野への展開は、将来の収益安定化に寄与する可能性があります。
  • 長年の技術蓄積と品質管理
    スパークプラグなどの自動車部品で培われた精密なセラミック技術や品質管理ノウハウは、同社の強みです。世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しており、高い信頼性を確保しています。これにより、顧客からの信頼を獲得し、競争の激しい市場において優位性を保っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040 ありたい姿」と「長期経営計画 2030」当社グループは、「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」をスローガンに掲げ、「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたコア・アセット』と『新たなコア・アセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」ことを使命としています。これらを踏まえた2040年時点でのありたい姿を「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」と定義し、グループ一丸となり社会的課題を解決していくことを目指します。 「長期経営計画 2030」は、「2040 ありたい姿」を見据え、中間地点である2030年までの戦略と具体的取組みを示したものです。 「長期経営計画 2030」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力ドメインは、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。この「長期経営計画 2030」の実現に向け、2025年度から2029年度を対象期間とする「中期経営計画 2030」を策定し、具体的な施策や経営目標を定めています。 ②「中期経営計画 2030」1)基本方針「中期経営計画 2030」は、「長期経営計画 2030」の最終段階として、持続的成長に向けてやりきる中期経営計画と位置付けています。「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」領域へ絞り、これまで培ってきたセラミックスや無機材料などのコア・アセットを軸とした新しい事業の創出に加え、強みである内燃機関事業の更なる強化に取り組んでまいります。また、これらを通じた事業ポートフォリオの最適化を支えるべく、経営基盤の更なる改革を強力に推進してまいります。 2)経営目標セラミックスを基盤としたドメインに注力し、持続的な成長に向けトップラインを伸ばすこと及び自動車関連事業・SPE事業等への成長投資により、稼ぐ力を向上させることによって、以下の目標値を目指してまいります。 ※1 EBITDA:営業利益+減価償却費+減損損失 ※2 営業利益及びその関連項目は、M&A案件の取得原価の資産及び負債への配分(PPA)並びにその償却費を一定の前提で想定した値 なお、この目標値には、2025年9月に株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結したスパークプラグ事業・排気センサ事業についても、一定の仮定のもと、含めています。 3)重点課題■自動車関連事業xEV含むパワートレインの多様化により、内燃機関製品の貢献領域としては、新車組付け用・補修用製品市場ともに堅調な需要が継続する見通しです。このような状況のもと、グローバルでのシェア拡大、補修用製品市場での貴金属プラグ需要増加への対応、補修用製品の商材拡大に取り組んでまいります。加えて、2025年9月1日付けで公表した「株式会社デンソーのスパークプラグ事業および排気センサ事業の譲受に関するお知らせ」にも記載の通り、当社は内燃機関製品の供給責任を果たすべく、株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結しました。現在は、国内外の競争法当局によるクリアランスその他の法令上必要となる関係当局の許認可等の取得等に向けて対応しています。 ■コンポーネント・ソリューション事業・SPE事業生成AI活用などに伴う半導体需要の拡大による半導体製造装置市場の成長が見込まれる中、メモリ市場・ロジック市場ともにエッチング装置の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社グループのコア・アセットであるセラミック技術の活用による製品の差別化や生産能力の拡大、在庫の適正化や設備稼働率向上など、市場変動に強い生産体制の構築に取り組んでまいります。 ・窒化ケイ素事業世界的なBEV化の遅れにより、短期的な需要は低迷しているものの、中長期的には窒化ケイ素を利用した電気自動車(EV)等のモーター用軸受けに使用される「窒化ケイ素セラミックボール」やパワー半導体に用いる「窒化ケイ素放熱基板」の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社は2025年6月に窒化ケイ素関連の製品群を有する東芝マテリアル株式会社(現:株式会社Niterra Materials)の株式を取得しました。両社のシナジーにより材料や製造手法で更なる差別化を図るとともに、当社グループの強みである内燃機関事業で構築した新車組付け用製品の販売チャネルの有効的な活用に取り組んでまいります。 ■経営基盤の強化・人材ポートフォリオの最適化セラミックスを中心とした成長、新規事業へのリソース集中と内燃機関事業の更なる強化を通じた事業ポートフォリオの最適化に向け、その実現をグローバルで支えるべく、「適時適切・適所適材」な人材ポートフォリオの構築に取り組んでまいります。そのために、「多様で主体的な人材がNiterraウェイを体現する」ことを優先課題とし、「Niterraタレントマネジメント」をグローバルで展開してまいります。具体的には、「Niterraウェイ」の浸透や、グループ内のコアポジションについて共通指標に基づきグレーディングを設定する「グローバルグレーディング」、従業員自らの意思によるグループ内のコアポジションへの異動を可能とする「グローバルジョブポスティング」の整備を進めています。 4)キャッシュ・アロケーションと株主還元注力ドメインである「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」へ集中的にキャッシュを充当することで持続的な成長を支えることを基軸とすると同時に、株主還元の充実も図ってまいります。株主還元については、DOE指標の導入による安定的な配当をベースとしつつ、利益成長も考慮した配当方針に加え、事業投資や人的資本への投資、研究開発費等も含め資本配分を総合的に考慮した上で、適正資本水準を超過する部分については、自己株式の取得も検討してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040 ありたい姿」と「長期経営計画 2030」当社グループは、「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」をスローガンに掲げ、「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたコア・アセット』と『新たなコア・アセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」ことを使命としています。これらを踏まえた2040年時点でのありたい姿を「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」と定義し、グループ一丸となり社会的課題を解決していくことを目指します。 「長期経営計画 2030」は、「2040 ありたい姿」を見据え、中間地点である2030年までの戦略と具体的取組みを示したものです。 「長期経営計画 2030」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力ドメインは、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。この「長期経営計画 2030」の実現に向け、2025年度から2029年度を対象期間とする「中期経営計画 2030」を策定し、具体的な施策や経営目標を定めています。 ②「中期経営計画 2030」1)基本方針「中期経営計画 2030」は、「長期経営計画 2030」の最終段階として、持続的成長に向けてやりきる中期経営計画と位置付けています。「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」領域へ絞り、これまで培ってきたセラミックスや無機材料などのコア・アセットを軸とした新しい事業の創出に加え、強みである内燃機関事業の更なる強化に取り組んでまいります。また、これらを通じた事業ポートフォリオの最適化を支えるべく、経営基盤の更なる改革を強力に推進してまいります。 2)経営目標セラミックスを基盤としたドメインに注力し、持続的な成長に向けトップラインを伸ばすこと及び自動車関連事業・SPE事業等への成長投資により、稼ぐ力を向上させることによって、以下の目標値を目指してまいります。 ※1 EBITDA:営業利益+減価償却費+減損損失 ※2 営業利益及びその関連項目は、M&A案件の取得原価の資産及び負債への配分(PPA)並びにその償却費を一定の前提で想定した値 なお、この目標値には、2025年9月に株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結したスパークプラグ事業・排気センサ事業についても、一定の仮定のもと、含めています。 3)重点課題■自動車関連事業xEV含むパワートレインの多様化により、内燃機関製品の貢献領域としては、新車組付け用・補修用製品市場ともに堅調な需要が継続する見通しです。このような状況のもと、グローバルでのシェア拡大、補修用製品市場での貴金属プラグ需要増加への対応、補修用製品の商材拡大に取り組んでまいります。加えて、2025年9月1日付けで公表した「株式会社デンソーのスパークプラグ事業および排気センサ事業の譲受に関するお知らせ」にも記載の通り、当社は内燃機関製品の供給責任を果たすべく、株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結しました。現在は、国内外の競争法当局によるクリアランスその他の法令上必要となる関係当局の許認可等の取得等に向けて対応しています。 ■コンポーネント・ソリューション事業・SPE事業生成AI活用などに伴う半導体需要の拡大による半導体製造装置市場の成長が見込まれる中、メモリ市場・ロジック市場ともにエッチング装置の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社グループのコア・アセットであるセラミック技術の活用による製品の差別化や生産能力の拡大、在庫の適正化や設備稼働率向上など、市場変動に強い生産体制の構築に取り組んでまいります。 ・窒化ケイ素事業世界的なBEV化の遅れにより、短期的な需要は低迷しているものの、中長期的には窒化ケイ素を利用した電気自動車(EV)等のモーター用軸受けに使用される「窒化ケイ素セラミックボール」やパワー半導体に用いる「窒化ケイ素放熱基板」の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社は2025年6月に窒化ケイ素関連の製品群を有する東芝マテリアル株式会社(現:株式会社Niterra Materials)の株式を取得しました。両社のシナジーにより材料や製造手法で更なる差別化を図るとともに、当社グループの強みである内燃機関事業で構築した新車組付け用製品の販売チャネルの有効的な活用に取り組んでまいります。 ■経営基盤の強化・人材ポートフォリオの最適化セラミックスを中心とした成長、新規事業へのリソース集中と内燃機関事業の更なる強化を通じた事業ポートフォリオの最適化に向け、その実現をグローバルで支えるべく、「適時適切・適所適材」な人材ポートフォリオの構築に取り組んでまいります。そのために、「多様で主体的な人材がNiterraウェイを体現する」ことを優先課題とし、「Niterraタレントマネジメント」をグローバルで展開してまいります。具体的には、「Niterraウェイ」の浸透や、グループ内のコアポジションについて共通指標に基づきグレーディングを設定する「グローバルグレーディング」、従業員自らの意思によるグループ内のコアポジションへの異動を可能とする「グローバルジョブポスティング」の整備を進めています。 4)キャッシュ・アロケーションと株主還元注力ドメインである「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」へ集中的にキャッシュを充当することで持続的な成長を支えることを基軸とすると同時に、株主還元の充実も図ってまいります。株主還元については、DOE指標の導入による安定的な配当をベースとしつつ、利益成長も考慮した配当方針に加え、事業投資や人的資本への投資、研究開発費等も含め資本配分を総合的に考慮した上で、適正資本水準を超過する部分については、自己株式の取得も検討してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の状況① 経営成績当連結会計年度における世界経済は、地政学的リスクの緊迫化やインフレ圧力の継続により、総じて足踏み状態となりました。米国においては、雇用情勢の悪化に加え、関税コストの価格転嫁の進行に伴うインフレ圧力から、消費財を中心に個人消費が鈍化しました。欧州においては、ユーロ圏では良好な雇用・所得環境が継続したことによる底堅い消費活動を受けて、景気に持ち直しの動きが見られたものの、英国では輸出の減少や雇用の不振により景気の停滞感が見られました。中国においては、外需がアジア向けを中心に増勢を維持した一方、買い替え補助金などの政策効果の低減や雇用環境の悪化により、景気が停滞しました。わが国経済においては、米国の通商政策による影響が一巡するなか、製造業を中心に底打ちの兆しがあり、景気は緩やかに回復しました。当社グループの主要な事業基盤である自動車業界における内燃機関搭載車の生産は、前年比では若干の減少となりました。中国において電気自動車生産の増加が継続する一方で、内燃機関搭載車の生産は引き続き軟調に推移しています。半導体製造装置業界では、旺盛な生成AI需要を背景とした最先端ロジック及びメモリ市場での生産能力の拡大が継続しています。その結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は7,312億7百万円(前連結会計年度比12.0%増)、営業利益は1,381億58百万円(前連結会計年度比6.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,128億92百万円(前連結会計年度比21.9%増)となりました。売上収益営業利益率(営業利益/売上収益)は前連結会計年度19.9%に対して1.0ポイント低下し18.9%となりました。親会社所有者帰属持分利益率(親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分)は前連結会計年度末の14.1%から15.7%と1.5ポイント上昇し、基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の466円34銭から570円43銭と104円09銭増加しました。 セグメント別の業績は次のとおりです。セグメントの名称 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 売上収益営業利益又は営業損失(△)売上収益営業利益又は営業損失(△)自動車関連(百万円)542,800134,198587,505135,302コンポーネント・ソリューション(百万円)103,074△6,290130,742△4,580その他(百万円)7,9041,75113,7667,436調整額(百万円)△787-△806- 当連結会計年度より報告セグメント区分を変更しており、前年同期比較については、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。 <自動車関連>当事業における販売は、新車組付け用製品において米国・欧州・中国・日本を始めとしたグローバル全体で伸長したほか、補修用製品においても堅調に推移しました。この結果、当事業の売上収益は5,875億5百万円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益は1,353億2百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。 <コンポーネント・ソリューション>SPE事業において生成AI関連用途や先端ロジック半導体向けの販売が引き続き堅調に推移したことに加え、当連結会計年度から連結子会社としたNiterra Materialsの寄与により、増収となりました。一方で、Niterra Materialsの株式取得に伴う取得原価の資産及び負債への配分(PPA)により識別された償却費の影響に加え、CAIRE社の酸素濃縮器事業における事業環境の変化等による収益見込みの低下に伴う減損損失を計上しました。この結果、当事業の売上収益は1,307億42百万円(前連結会計年度比26.8%増)、営業損失は45億80百万円(前連結会計年度は62億90百万円の営業損失)となりました。 <その他>その他の事業については、売上収益は137億66百万円(前連結会計年度比74.2%増)、固定資産の売却等により営業利益は74億36百万円(前連結会計年度比324.5%増)となりました。 ② 財政状態資産合計は、1兆2,211億1百万円であり、前連結会計年度末比2,301億34百万円(23.2%)増加しました。これは、主に棚卸資産の増加、子会社の取得によりのれん及び無形資産並びに有形固定資産が増加したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 現金及び現金同等物208,192 187,747 △20,444 営業債権及びその他の債権147,551 172,165 24,614 棚卸資産183,932 217,748 33,816 有形固定資産219,974 265,650 45,676 のれん及び無形資産44,221 162,153 117,931 使用権資産9,872 11,747 1,874 その他177,221 203,888 26,666 資産合計990,966 1,221,101 230,134 負債合計は、4,498億46百万円であり、前連結会計年度末比1,336億2百万円(42.2%)増加しました。これは、主に社債及び借入金が増加したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 有利子負債167,835 255,356 87,521 未払法人所得税22,041 26,652 4,610 繰延税金負債2,332 19,873 17,540 その他の負債124,034 147,964 23,929 負債合計316,243 449,846 133,602 資本合計は、7,712億55百万円であり、前連結会計年度末比965億32百万円(14.3%)増加しました。これは、主に自己株式の取得により減少した一方、当期利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。これらにより1株当たり親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末の3,399円43銭から3,910円20銭となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して為替相場の変動による換算差額66億54百万円と売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額4億30百万円を加算した純額で204億44百万円減少し、1,877億47百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)132,921109,384投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△34,246△165,531財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△70,99528,616現金及び現金同等物の期末残高(百万円)208,192187,747 <営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から235億36百万円減少の1,093億84百万円となりました。これは、主に棚卸資産が増加したことによるものです。<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から1,312億85百万円増加の1,655億31百万円となりました。これは、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことによるものです。<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は709億95百万円の支出に対し、286億16百万円の収入となりました。これは、主に借入れにより収入が増加したことによるものです。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。 ④ 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)自動車関連630,811+14.9コンポーネント・ソリューション125,719+25.1合計756,530+16.5 (注) 1 金額は売価換算により計算されています。2 生産高には委託生産高を含んでいます。 ⑤ 受注実績自動車関連の製品のうち、新車組付用は自動車メーカーの生産計画を基準とし、また、補修用は自動車の稼動台数、その他市場の動向、過去の販売実績、代理店の意向等を勘案してそれぞれほぼ確実な見込み生産を行っています。コンポーネント・ソリューションの製品の大部分は注文生産品であり、その受注状況は次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)コンポーネント・ソリューション98,56539.127,590+43.3合計98,56539.127,590+43.3 ⑥ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称売上収益(百万円)前年同期比(%)自動車関連587,505+8.2コンポーネント・ソリューション129,935+27.0その他13,766+74.2合計731,207+12.0 (注) 金額は外部顧客への売上収益を示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。当社グループが採用した重要な会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (7) 見積り及び判断の利用」に記載しています。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容経営成績等の状況に関する分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載しています。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループは円滑な事業運営を支えるための運転資金の確保、及び持続的な成長の実現を目的とした他社との連携やM&A、設備投資等、将来の機動的な投資活動を可能にするための中長期的資金への計画的準備を図ることにより、安定的経営と変化への対応に備えることを財務方針としています。そのため、資金計画に基づく当座資金の維持管理をはじめ、債権債務・棚卸資産の効率性を上げるための継続的取り組みを行うとともに、投資リスク軽減のための決裁規程等の整備、経営会議等の各種組織運営に注力しています。資金調達の方法としては、内部留保資金の他、短期資金需要に対しては銀行借入、コマーシャルペーパー発行等による調達を行っています。また中長期的資金需要に対しては銀行借入やシンジケート・ローン等を通じた間接金融及び社債発行等の直接金融による調達に加え、必要に応じてエクイティファイナンスも検討します。

事業リスク

  • 世界情勢と為替変動
    売上の約80%が海外市場であるため、米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学リスクや、各国の景気減速、物流混乱、燃料価格高騰、法令・規制変更が、需要や供給に大きな影響を与える可能性があります。また、米ドルやユーロなど主要通貨に対する円の変動は、製品の価格競争力や海外子会社の業績に直接影響を及ぼします。
  • 自動車産業の電動化
    自動車関連事業は、自動車メーカーの生産計画に大きく左右されます。特に、世界的なエネルギー政策や環境規制の進展による自動車産業の電動化は、内燃機関車の減少につながる可能性があり、想定を超える速度で進んだ場合、主力事業の収益に深刻な影響を与える可能性があります。長寿命プラグの普及も補修市場の成長を抑制する要因です。
  • 原材料調達と価格変動
    主要原材料や重要な工程委託において、代替品や代替ルートの確保が困難なものがあるため、仕入先の事故や廃業、国際的な規制変更などにより、安定調達に支障をきたすリスクがあります。特に、主要製品に使用される貴金属の需給逼迫による価格高騰が続いた場合、原価が上昇し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,985 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績は、今後起こり得る様々な要因に影響を受ける可能性があり、事業展開上のリスク要因と考えられる主な事項は以下のとおりですが、これらを認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 世界情勢・為替変動に関するリスク当社グループは、売上の約80%が海外市場であり、海外生産の展開も合わせて国際的な事業運営を行っているため、経営成績は世界的な政治・経済情勢の変化の影響を大きく受けます。米中対立の激化、ロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢の長期化等の地政学リスクの高まりに加え、中国等の諸外国の景気減速懸念、物流の混乱や燃料価格の高止まり、法令・規制の変更等、関税影響等、事業環境変化が当社グループ又はその顧客の需給に影響を与える可能性があります。当社グループでは、国際情勢や重要な法規制の改正等の動向をモニタリングし、当社グループへの影響を把握しています。さらに、米ドル、ユーロ等主要通貨に対する日本円の変動は、当社グループの製品の価格面での競争力に影響を及ぼす他、連結海外子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。当社グループでは、短期的な為替変動に対して機動的な為替予約等によりリスクヘッジを図る一方、主要通貨の変動及び事業への影響についてはモニタリングを行い、必要に応じて事業への影響を軽減する対策を検討しています。(2) 事業環境に関するリスク自動車関連事業の新車組付用製品の販売量は、自動車メーカーの生産計画による影響を受けます。また、補修用スパークプラグの販売に関しては、潜在的成長性を有する発展途上の国々における需要が期待できる反面、先進国では長寿命プラグの採用を指向する傾向にあり、販売量の拡大が継続しない可能性があります。また、世界各国のエネルギー政策や環境規制の進展は、自動車産業の電動化を加速させる可能性があり、内燃機関車の減少につながる変化が当社グループの想定を超えて進捗した場合には、経営成績に影響を与えることがあります。コンポーネント・ソリューション事業における半導体部品や半導体製造装置用製品は、移動体通信機器や半導体製造装置をはじめとする情報通信産業・機械等設備産業の事業環境により影響を受けます。また、半導体市場の需要の変動、景気減速等は、コンポーネント・ソリューション事業の成長を抑制する可能性があります。当社グループは、事業活動の進捗状況を執行役員・カンパニープレジデント会でモニタリングし、必要に応じて事業への影響を軽減する対策を検討しています。(3) 製品品質に関するリスク当社グループは調達先を含めて各生産拠点において世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造していますが、全ての製品について欠陥が無く、将来においてリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。特定の製品に直接的・間接的に起因する市場クレームが発生した場合、当該製品を回収し、顧客とともに当該製品に変更を施し、または対策費用の支出による場合も含め、財政的な負担を負わなければならないだけでなく、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質保証体制の強化に常に取り組むとともに、品質問題の予防に向け、製品品質のみならず、すべての業務において品質の向上を意識した取り組みを進めてまいります。(4) 技術開発に関するリスク当社グループが提供する製品市場は、技術の急速な進展及びニーズの変化や新興勢力との差別化をその特徴とし、新技術及び新製品の開発においては、短期間での開発、安定した量産に対応する製法の構築のために、市場への導入に先立って設備投資を行うことが必要とされます。このような新製品は、開発資源の増大や競合他社による新技術の開発の結果、想定していた新規性やコスト面での優位性を有しなくなったり、既存の製品の市場性を低下させたりすることで、経営成績に影響を与えることがあります。当社グループでは、開発速度を上げるようオープンイノベーションを推進し、外部技術との連携を図る仕組みも整備しています。 (5) 知的財産に関するリスク当社グループは、事業戦略と連動した知的財産への投資を行うことによって、既存事業の競争力の強化に加えて、新規事業の創出や将来の競争優勢性の獲得につながる知的財産活動を推進し、企業価値の向上に努めています。一方、当社グループは、事業活動を進めていくに際して、第三者の知的財産権の侵害により係争となることやライセンス費用又は和解費用を負担することが生じると、経営成績に影響を与える可能性があります。それらのリスクを抑えるため、開発段階から量産段階における第三者の知的財産権調査と、各種契約の知財条項の適否確認に注力しています。また、当社製品の模倣品が新興国を中心に出回っています。こうした模倣品は購入された方の安全を脅かす可能性もありますので、世界各国の税関・行政機関等とも連携して摘発・排除活動を実施しています。(6) 調達に関するリスク当社グループは、適時・適量の原材料・部品の確保を前提とした生産体制をとっていますが、主要原材料・重要な工程委託の中には代替品あるいは代替ルートの確保が困難なものが存在しており、仕入先における事故、廃業、あるいは海外調達品の場合は当事国間の規制変更や各国の輸出規制の強化等により、安定調達に支障をきたすリスクがあります。当社グループでは、複数購買を推進し、サプライヤーとの連携を密にしながら、リスク低減に努めています。また、主要製品に使用する貴金属等が世界的な需給逼迫により価格高騰が続く場合、経営成績に影響を与えることがあります。当社グループでは、原価低減や価格転嫁等の施策を行い、その影響を軽減する対策を都度検討しています。さらに、昨今のサプライチェーンに関する社会的課題に鑑み、各種法令の遵守徹底とともに、人権や環境などに配慮した責任ある調達活動を推進するのに加え、 デジタルツールを活用し、調達リスクの管理や仕入先との適正な取引管理に取り組んでいます。(7) 自然災害・感染症に関するリスク当社グループは生産及び研究開発拠点を東海地方に集中配置しており、同地域での大地震や風水害等の自然災害による直接的な被災リスクを抱えています。加えて、これら自然災害や感染症の大流行によってサプライチェーンの寸断や主要顧客の生産調整が発生した場合、操業の低下を招き、経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに備え、当社グループは事業継続計画(BCP)を策定し、自然災害を想定した設備対応と訓練、感染予防策等の準備、取引先との連携による安定調達・供給網の維持に努めています。有事には社長を本部長とする緊急対策本部を立ち上げ、初動・復旧対応を実行する体制を整備しています。(8) 環境に関するリスク当社グループは、環境リスクの中でも特に気候変動への対応に世界的な関心が高まる中、気候変動リスクへの対応を重要な経営課題であると認識しています。気候変動リスクには、自然災害の深刻化や慢性化等の物理的リスクのほか、炭素税導入や環境規制強化等の移行リスクがあり、いずれも当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、こうしたリスク認識を踏まえて、2030年を見据えた「エコビジョン2030」を策定しました。その中で「気候変動への対応」を重要課題とし、2050年に向けてカーボンニュートラルを目指すことを表明するとともに、社内炭素税と社内環境ファンドの導入等によりCO2削減の取り組みを強化しています。(9) 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業の円滑かつ効率的な遂行のため、ITシステムを利用していますが、システムの高度化・複雑化によって利便性が向上する一方で、ITインフラのシステムダウン、不正アクセス、コンピュータウイルス感染等により、生産や販売等の基幹システムの不具合、故障・停止が発生した場合、または経営及び事業に関する重要情報及び個人データ等の機密情報が漏えいした場合には、経済被害だけでなく、企業価値の失墜につながり、企業経営に大きな損害を与える可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクに対し、組織面では「ITセキュリティ委員会」およびITセキュリティに関する事故対応チーム「CSIRT」を中心にグループ横断的な管理体制を整備し、技術面ではセキュリティ水準の継続的な向上と監視体制の強化をグローバルに推進しています。また、機密管理を含めた情報セキュリティの社員教育も推進しています。 (10) 人材確保に関するリスク当社グループは、持続的な成長を担う人材の確保・育成に努めていますが、各分野で必要とする専門性を持つ人材や組織を先導する人材を適切に配置できない場合や人材の獲得競争の激化や従業員の退職等によって十分な人材の確保ができなかった場合は事業活動が停滞し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、キャリア採用により専門性を持つ人材の確保を進めるとともに、スキルマップを活用した従業員の保有スキルの可視化や社内公募による社内人材の流動性確保、またリーダー育成・配置にあたっては、経営層をメンバーとする経営会議で育成プログラムやコアポジションの人材配置を計画的に進めています。(11) コンプライアンスに関するリスク当社グループは、事業を遂行する上で各種の法令・規制等の適用を受けていますが、これらが変更された場合や見解の相違があった場合、また予見できない新たな法令・規制等が設けられた場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは継続的なコンプライアンスの実践に努めていますが、独占禁止法違反、その他に関する諸外国を含めた法令・規制違反の可能性に関連して、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続の当事者となる可能性があります。当社グループでは、役員、従業員に対して教育プログラムを設定し、コンプライアンス意識の醸成に努めるとともに、コンプライアンス違反行為またはそのおそれのある行為の通報や相談の窓口として社内外に内部通報窓口を設置し、早期対応、未然防止に向けた活動を推進しています。また、当社グループは、税務コンプライアンスを遵守するため、各国・地域の税務に関する法令・規則に従い、適時かつ適切な税務申告と納税を行っています。(12) 事業投資に関するリスク当社グループは、事業戦略の一環として、既存事業の拡大や新たな事業への進出等を目的として他社との事業提携・資本提携及び企業買収等を行うことがあります。これらの意思決定に際しては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っていますが、期待した収益や成果を充分に得られず、非金融資産の減損等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、重要な投資に対してはモニタリングを行い、必要に応じて投資計画改善の対策を検討しています。(13) 人権侵害に関するリスク当社グループ又はサプライチェーン上の人権侵害又はその兆候・課題に対して、適切な対応が取られていない場合、顧客との取引停止や行政罰等のペナルティ、またブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。当社グループは、強制労働・児童労働、差別・ハラスメント等、あらゆる形態の非人道的・搾取的労働慣行や行為を当社の事業及びサプライチェーンから排除するため、人権方針を従業員に周知し、人権尊重の取り組みを推進しています。また、当社グループ及び取引先に対する人権デュー・デリジェンスの実施、役員・従業員に対する人権教育、取引先への人権啓発などの取り組みを進めています。

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