経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040 ありたい姿」と「長期経営計画 2030」当社グループは、「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」をスローガンに掲げ、「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたコア・アセット』と『新たなコア・アセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」ことを使命としています。これらを踏まえた2040年時点でのありたい姿を「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」と定義し、グループ一丸となり社会的課題を解決していくことを目指します。 「長期経営計画 2030」は、「2040 ありたい姿」を見据え、中間地点である2030年までの戦略と具体的取組みを示したものです。 「長期経営計画 2030」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力ドメインは、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。この「長期経営計画 2030」の実現に向け、2025年度から2029年度を対象期間とする「中期経営計画 2030」を策定し、具体的な施策や経営目標を定めています。 ②「中期経営計画 2030」1)基本方針「中期経営計画 2030」は、「長期経営計画 2030」の最終段階として、持続的成長に向けてやりきる中期経営計画と位置付けています。「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」領域へ絞り、これまで培ってきたセラミックスや無機材料などのコア・アセットを軸とした新しい事業の創出に加え、強みである内燃機関事業の更なる強化に取り組んでまいります。また、これらを通じた事業ポートフォリオの最適化を支えるべく、経営基盤の更なる改革を強力に推進してまいります。 2)経営目標セラミックスを基盤としたドメインに注力し、持続的な成長に向けトップラインを伸ばすこと及び自動車関連事業・SPE事業等への成長投資により、稼ぐ力を向上させることによって、以下の目標値を目指してまいります。 ※1 EBITDA:営業利益+減価償却費+減損損失 ※2 営業利益及びその関連項目は、M&A案件の取得原価の資産及び負債への配分(PPA)並びにその償却費を一定の前提で想定した値 なお、この目標値には、2025年9月に株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結したスパークプラグ事業・排気センサ事業についても、一定の仮定のもと、含めています。 3)重点課題■自動車関連事業xEV含むパワートレインの多様化により、内燃機関製品の貢献領域としては、新車組付け用・補修用製品市場ともに堅調な需要が継続する見通しです。このような状況のもと、グローバルでのシェア拡大、補修用製品市場での貴金属プラグ需要増加への対応、補修用製品の商材拡大に取り組んでまいります。加えて、2025年9月1日付けで公表した「株式会社デンソーのスパークプラグ事業および排気センサ事業の譲受に関するお知らせ」にも記載の通り、当社は内燃機関製品の供給責任を果たすべく、株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結しました。現在は、国内外の競争法当局によるクリアランスその他の法令上必要となる関係当局の許認可等の取得等に向けて対応しています。 ■コンポーネント・ソリューション事業・SPE事業生成AI活用などに伴う半導体需要の拡大による半導体製造装置市場の成長が見込まれる中、メモリ市場・ロジック市場ともにエッチング装置の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社グループのコア・アセットであるセラミック技術の活用による製品の差別化や生産能力の拡大、在庫の適正化や設備稼働率向上など、市場変動に強い生産体制の構築に取り組んでまいります。 ・窒化ケイ素事業世界的なBEV化の遅れにより、短期的な需要は低迷しているものの、中長期的には窒化ケイ素を利用した電気自動車(EV)等のモーター用軸受けに使用される「窒化ケイ素セラミックボール」やパワー半導体に用いる「窒化ケイ素放熱基板」の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社は2025年6月に窒化ケイ素関連の製品群を有する東芝マテリアル株式会社(現:株式会社Niterra Materials)の株式を取得しました。両社のシナジーにより材料や製造手法で更なる差別化を図るとともに、当社グループの強みである内燃機関事業で構築した新車組付け用製品の販売チャネルの有効的な活用に取り組んでまいります。 ■経営基盤の強化・人材ポートフォリオの最適化セラミックスを中心とした成長、新規事業へのリソース集中と内燃機関事業の更なる強化を通じた事業ポートフォリオの最適化に向け、その実現をグローバルで支えるべく、「適時適切・適所適材」な人材ポートフォリオの構築に取り組んでまいります。そのために、「多様で主体的な人材がNiterraウェイを体現する」ことを優先課題とし、「Niterraタレントマネジメント」をグローバルで展開してまいります。具体的には、「Niterraウェイ」の浸透や、グループ内のコアポジションについて共通指標に基づきグレーディングを設定する「グローバルグレーディング」、従業員自らの意思によるグループ内のコアポジションへの異動を可能とする「グローバルジョブポスティング」の整備を進めています。 4)キャッシュ・アロケーションと株主還元注力ドメインである「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」へ集中的にキャッシュを充当することで持続的な成長を支えることを基軸とすると同時に、株主還元の充実も図ってまいります。株主還元については、DOE指標の導入による安定的な配当をベースとしつつ、利益成長も考慮した配当方針に加え、事業投資や人的資本への投資、研究開発費等も含め資本配分を総合的に考慮した上で、適正資本水準を超過する部分については、自己株式の取得も検討してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040 ありたい姿」と「長期経営計画 2030」当社グループは、「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」をスローガンに掲げ、「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたコア・アセット』と『新たなコア・アセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」ことを使命としています。これらを踏まえた2040年時点でのありたい姿を「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」と定義し、グループ一丸となり社会的課題を解決していくことを目指します。 「長期経営計画 2030」は、「2040 ありたい姿」を見据え、中間地点である2030年までの戦略と具体的取組みを示したものです。 「長期経営計画 2030」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力ドメインは、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。この「長期経営計画 2030」の実現に向け、2025年度から2029年度を対象期間とする「中期経営計画 2030」を策定し、具体的な施策や経営目標を定めています。 ②「中期経営計画 2030」1)基本方針「中期経営計画 2030」は、「長期経営計画 2030」の最終段階として、持続的成長に向けてやりきる中期経営計画と位置付けています。「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」領域へ絞り、これまで培ってきたセラミックスや無機材料などのコア・アセットを軸とした新しい事業の創出に加え、強みである内燃機関事業の更なる強化に取り組んでまいります。また、これらを通じた事業ポートフォリオの最適化を支えるべく、経営基盤の更なる改革を強力に推進してまいります。 2)経営目標セラミックスを基盤としたドメインに注力し、持続的な成長に向けトップラインを伸ばすこと及び自動車関連事業・SPE事業等への成長投資により、稼ぐ力を向上させることによって、以下の目標値を目指してまいります。 ※1 EBITDA:営業利益+減価償却費+減損損失 ※2 営業利益及びその関連項目は、M&A案件の取得原価の資産及び負債への配分(PPA)並びにその償却費を一定の前提で想定した値 なお、この目標値には、2025年9月に株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結したスパークプラグ事業・排気センサ事業についても、一定の仮定のもと、含めています。 3)重点課題■自動車関連事業xEV含むパワートレインの多様化により、内燃機関製品の貢献領域としては、新車組付け用・補修用製品市場ともに堅調な需要が継続する見通しです。このような状況のもと、グローバルでのシェア拡大、補修用製品市場での貴金属プラグ需要増加への対応、補修用製品の商材拡大に取り組んでまいります。加えて、2025年9月1日付けで公表した「株式会社デンソーのスパークプラグ事業および排気センサ事業の譲受に関するお知らせ」にも記載の通り、当社は内燃機関製品の供給責任を果たすべく、株式会社デンソーとの間で事業譲渡契約を締結しました。現在は、国内外の競争法当局によるクリアランスその他の法令上必要となる関係当局の許認可等の取得等に向けて対応しています。 ■コンポーネント・ソリューション事業・SPE事業生成AI活用などに伴う半導体需要の拡大による半導体製造装置市場の成長が見込まれる中、メモリ市場・ロジック市場ともにエッチング装置の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社グループのコア・アセットであるセラミック技術の活用による製品の差別化や生産能力の拡大、在庫の適正化や設備稼働率向上など、市場変動に強い生産体制の構築に取り組んでまいります。 ・窒化ケイ素事業世界的なBEV化の遅れにより、短期的な需要は低迷しているものの、中長期的には窒化ケイ素を利用した電気自動車(EV)等のモーター用軸受けに使用される「窒化ケイ素セラミックボール」やパワー半導体に用いる「窒化ケイ素放熱基板」の需要が高まる見通しです。このような状況のもと、当社は2025年6月に窒化ケイ素関連の製品群を有する東芝マテリアル株式会社(現:株式会社Niterra Materials)の株式を取得しました。両社のシナジーにより材料や製造手法で更なる差別化を図るとともに、当社グループの強みである内燃機関事業で構築した新車組付け用製品の販売チャネルの有効的な活用に取り組んでまいります。 ■経営基盤の強化・人材ポートフォリオの最適化セラミックスを中心とした成長、新規事業へのリソース集中と内燃機関事業の更なる強化を通じた事業ポートフォリオの最適化に向け、その実現をグローバルで支えるべく、「適時適切・適所適材」な人材ポートフォリオの構築に取り組んでまいります。そのために、「多様で主体的な人材がNiterraウェイを体現する」ことを優先課題とし、「Niterraタレントマネジメント」をグローバルで展開してまいります。具体的には、「Niterraウェイ」の浸透や、グループ内のコアポジションについて共通指標に基づきグレーディングを設定する「グローバルグレーディング」、従業員自らの意思によるグループ内のコアポジションへの異動を可能とする「グローバルジョブポスティング」の整備を進めています。 4)キャッシュ・アロケーションと株主還元注力ドメインである「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」へ集中的にキャッシュを充当することで持続的な成長を支えることを基軸とすると同時に、株主還元の充実も図ってまいります。株主還元については、DOE指標の導入による安定的な配当をベースとしつつ、利益成長も考慮した配当方針に加え、事業投資や人的資本への投資、研究開発費等も含め資本配分を総合的に考慮した上で、適正資本水準を超過する部分については、自己株式の取得も検討してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の状況① 経営成績当連結会計年度における世界経済は、地政学的リスクの緊迫化やインフレ圧力の継続により、総じて足踏み状態となりました。米国においては、雇用情勢の悪化に加え、関税コストの価格転嫁の進行に伴うインフレ圧力から、消費財を中心に個人消費が鈍化しました。欧州においては、ユーロ圏では良好な雇用・所得環境が継続したことによる底堅い消費活動を受けて、景気に持ち直しの動きが見られたものの、英国では輸出の減少や雇用の不振により景気の停滞感が見られました。中国においては、外需がアジア向けを中心に増勢を維持した一方、買い替え補助金などの政策効果の低減や雇用環境の悪化により、景気が停滞しました。わが国経済においては、米国の通商政策による影響が一巡するなか、製造業を中心に底打ちの兆しがあり、景気は緩やかに回復しました。当社グループの主要な事業基盤である自動車業界における内燃機関搭載車の生産は、前年比では若干の減少となりました。中国において電気自動車生産の増加が継続する一方で、内燃機関搭載車の生産は引き続き軟調に推移しています。半導体製造装置業界では、旺盛な生成AI需要を背景とした最先端ロジック及びメモリ市場での生産能力の拡大が継続しています。その結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は7,312億7百万円(前連結会計年度比12.0%増)、営業利益は1,381億58百万円(前連結会計年度比6.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,128億92百万円(前連結会計年度比21.9%増)となりました。売上収益営業利益率(営業利益/売上収益)は前連結会計年度19.9%に対して1.0ポイント低下し18.9%となりました。親会社所有者帰属持分利益率(親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分)は前連結会計年度末の14.1%から15.7%と1.5ポイント上昇し、基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の466円34銭から570円43銭と104円09銭増加しました。 セグメント別の業績は次のとおりです。セグメントの名称 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 売上収益営業利益又は営業損失(△)売上収益営業利益又は営業損失(△)自動車関連(百万円)542,800134,198587,505135,302コンポーネント・ソリューション(百万円)103,074△6,290130,742△4,580その他(百万円)7,9041,75113,7667,436調整額(百万円)△787-△806- 当連結会計年度より報告セグメント区分を変更しており、前年同期比較については、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。 <自動車関連>当事業における販売は、新車組付け用製品において米国・欧州・中国・日本を始めとしたグローバル全体で伸長したほか、補修用製品においても堅調に推移しました。この結果、当事業の売上収益は5,875億5百万円(前連結会計年度比8.2%増)、営業利益は1,353億2百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。 <コンポーネント・ソリューション>SPE事業において生成AI関連用途や先端ロジック半導体向けの販売が引き続き堅調に推移したことに加え、当連結会計年度から連結子会社としたNiterra Materialsの寄与により、増収となりました。一方で、Niterra Materialsの株式取得に伴う取得原価の資産及び負債への配分(PPA)により識別された償却費の影響に加え、CAIRE社の酸素濃縮器事業における事業環境の変化等による収益見込みの低下に伴う減損損失を計上しました。この結果、当事業の売上収益は1,307億42百万円(前連結会計年度比26.8%増)、営業損失は45億80百万円(前連結会計年度は62億90百万円の営業損失)となりました。 <その他>その他の事業については、売上収益は137億66百万円(前連結会計年度比74.2%増)、固定資産の売却等により営業利益は74億36百万円(前連結会計年度比324.5%増)となりました。 ② 財政状態資産合計は、1兆2,211億1百万円であり、前連結会計年度末比2,301億34百万円(23.2%)増加しました。これは、主に棚卸資産の増加、子会社の取得によりのれん及び無形資産並びに有形固定資産が増加したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 現金及び現金同等物208,192 187,747 △20,444 営業債権及びその他の債権147,551 172,165 24,614 棚卸資産183,932 217,748 33,816 有形固定資産219,974 265,650 45,676 のれん及び無形資産44,221 162,153 117,931 使用権資産9,872 11,747 1,874 その他177,221 203,888 26,666 資産合計990,966 1,221,101 230,134 負債合計は、4,498億46百万円であり、前連結会計年度末比1,336億2百万円(42.2%)増加しました。これは、主に社債及び借入金が増加したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 有利子負債167,835 255,356 87,521 未払法人所得税22,041 26,652 4,610 繰延税金負債2,332 19,873 17,540 その他の負債124,034 147,964 23,929 負債合計316,243 449,846 133,602 資本合計は、7,712億55百万円であり、前連結会計年度末比965億32百万円(14.3%)増加しました。これは、主に自己株式の取得により減少した一方、当期利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。これらにより1株当たり親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末の3,399円43銭から3,910円20銭となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して為替相場の変動による換算差額66億54百万円と売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額4億30百万円を加算した純額で204億44百万円減少し、1,877億47百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)132,921109,384投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△34,246△165,531財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△70,99528,616現金及び現金同等物の期末残高(百万円)208,192187,747 <営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から235億36百万円減少の1,093億84百万円となりました。これは、主に棚卸資産が増加したことによるものです。<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から1,312億85百万円増加の1,655億31百万円となりました。これは、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことによるものです。<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は709億95百万円の支出に対し、286億16百万円の収入となりました。これは、主に借入れにより収入が増加したことによるものです。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。 ④ 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)自動車関連630,811+14.9コンポーネント・ソリューション125,719+25.1合計756,530+16.5 (注) 1 金額は売価換算により計算されています。2 生産高には委託生産高を含んでいます。 ⑤ 受注実績自動車関連の製品のうち、新車組付用は自動車メーカーの生産計画を基準とし、また、補修用は自動車の稼動台数、その他市場の動向、過去の販売実績、代理店の意向等を勘案してそれぞれほぼ確実な見込み生産を行っています。コンポーネント・ソリューションの製品の大部分は注文生産品であり、その受注状況は次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)コンポーネント・ソリューション98,56539.127,590+43.3合計98,56539.127,590+43.3 ⑥ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称売上収益(百万円)前年同期比(%)自動車関連587,505+8.2コンポーネント・ソリューション129,935+27.0その他13,766+74.2合計731,207+12.0 (注) 金額は外部顧客への売上収益を示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。当社グループが採用した重要な会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (7) 見積り及び判断の利用」に記載しています。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容経営成績等の状況に関する分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載しています。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループは円滑な事業運営を支えるための運転資金の確保、及び持続的な成長の実現を目的とした他社との連携やM&A、設備投資等、将来の機動的な投資活動を可能にするための中長期的資金への計画的準備を図ることにより、安定的経営と変化への対応に備えることを財務方針としています。そのため、資金計画に基づく当座資金の維持管理をはじめ、債権債務・棚卸資産の効率性を上げるための継続的取り組みを行うとともに、投資リスク軽減のための決裁規程等の整備、経営会議等の各種組織運営に注力しています。資金調達の方法としては、内部留保資金の他、短期資金需要に対しては銀行借入、コマーシャルペーパー発行等による調達を行っています。また中長期的資金需要に対しては銀行借入やシンジケート・ローン等を通じた間接金融及び社債発行等の直接金融による調達に加え、必要に応じてエクイティファイナンスも検討します。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040年 ありたい姿」の再定義と「2030 長期経営計画」当社グループは、2020年に「2040年 ありたい姿」からバックキャストし、そのマイルストーンと なる2030年をターゲットにした長期経営計画「2030 長期経営計画日特BX」を策定しました。しかしながら、前中期経営計画(2021~2024年度)以降、経営環境の変化は目まぐるしく、持続可能な成長を遂げるには、企業固有のアセットを経営課題に合わせ再構成し、自社の競争力を高めていく必要があります。当社グループが経営を通じて、過去から蓄積してきた技術・アセットを軸としながらも新たな価値創造を実現し、社会課題を解決する姿勢を明確にすべく、これまで「2040年 ありたい姿」としていた「“Beyond ceramics, eXceeding imagination”『セラミックスのその先へ、想像のその先へ』」を新たに「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」へと改定しました。また、当社グループの使命として「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたアセット』と『新たなアセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」と定義し、そのスローガンを「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」とし、グループ一丸となり社会課題を解決していくことを目指します。「2030 長期経営計画」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力領域は、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。また、「2030 長期経営計画」の実現に向けた具体的な施策や経営目標を定めるため、2025年度から2029年度を対象期間とする新たな中期経営計画の策定を進めています。 ②前中期経営計画(2021~2024年度)の振り返り前中期経営計画は、「2030 長期経営計画 日特BX」における2021年度から2024年度までの4年間で「変えるために、壊す。」「変わるために、創る。」をスローガンに、組織を変革する期間との位置付けとしていました。以下の基本方針及び重点課題を掲げ、各種の取組を実行してまいりました。 <基本方針>「既存事業」と「新規事業」が独立しながら、両輪で走る <重点課題>成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化前中期経営計画の総括は以下のとおりです。 (定量目標の達成状況)初年度からの新型コロナウイルス感染の再拡大や半導体供給不足による自動車生産台数への影響、またロシア・ウクライナ情勢の長期化や原材料価格の高騰など、不透明な事業環境が続きました。しかしながら、自動車関連事業においては、補修用製品の販売が好調に推移したことやインフレに対応した価格転嫁を実行したことに加え、円安へ進行したことによる利益押上げもあり、継続して収益性を向上することができました。また、成長・新規事業領域と位置付けるセラミック事業においては、半導体関連の事業が市場での生産調整の影響を受けつつも、事業規模を拡大したことなどにより、売上収益、営業利益及び資本効率性指標について目標値を1年前倒しで達成することができました。 2020年度 中期経営計画(2016~2020年度)最終年度実績・・・2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度実績2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度目標売上収益 (億円)4,275 6,5296,000営業利益 (億円)473 1,2961,000営業利益率11% 20%17%以上非内燃事業売上収益 (億円)889 1,1401,500ROIC6% 11%10%ROE9% 14%13% (重点課題の成果と課題)■成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進・成長事業及び新規事業については、売上収益の規模が2020年度より約28%向上しました。SPE事業においてはセラミック素材技術により高まる要求性能に応え、旺盛な半導体需要を着実に捉えています。また、2024年11月には、東芝マテリアル社の株式の取得(子会社化)を決定し、将来的に電気自動車向けに市場の拡大が見込まれる窒化ケイ素を利用したモーター用軸受けのセラミックボールやパワー半導体用の窒化ケイ素放熱基板等での事業成長を目指しています。一方で、不採算事業や不採算製品からの撤退も実行し、収益構造を改善しました。・2021年4月には社内カンパニー制への移行と一部事業部門の分社化を実施しました。事業部門、事業サポート部門、コーポレート部門の各組織において権限と責任を明確にし、独立自営の体制のもと、機動的な意思決定の実現と収益性の可視化による更なる成長を推進します。・事業ポートフォリオの転換に不可欠な人材ポートフォリオの転換を実現するため、成長事業・新規事業への人材の積極的な転換に取り組むとともに、「自律創造人材」の育成・創出を推進しました。 ■ ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化・ROICを用いた事業別の目標管理・事業ポートフォリオマネジメントの仕組みの構築・運用に加え、グローバル戦略本部を中心に監理対象銘柄入りの決定や格付の基準を定める等、財務規律を明確化することで、経営資源の最適配分の実現に向けた取組を加速しました。 ③優先的に取り組む経営課題当社グループの理念体系であるNiterraウェイの重要な要素であるCSR・サステナビリティ憲章にも謳われているように、当社グループは持続可能な社会の実現に寄与することで、企業価値を向上していくことを目指しています。そのために、社会的課題の解決により「地球を輝かせる」ことが最も重要な経営課題と考え、社会的課題解決・人的資本・経営基盤の3つの枠組みで具体的取組を推進します。具体的には、Niterraグループならではの特殊な技術と発想を活かし、多様な技術の組み合わせを通じた社会的課題解決への貢献と再生可能・循環可能なソリューションの提供に取り組みます。また、それを支える人的資本への取組としては、Niterraウェイを体現する多様な人材が個を活かしていきいきと働くことができる仕組みの拡充を図ります。多様な人材は、主体的に動き未来を切り開く人材・より高度な課題に対し専門性を持って新たな価値を創造できる人材と定義し、その育成に取り組みます。更にこれらを実現するため、迅速な意思決定を支え、外部環境の変化に対応した戦略的なリスクコントロールを可能にするグローバルな経営基盤を構築していきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営基本方針当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高めることを基本としています。 (2) 中長期的な経営方針①「2040年 ありたい姿」の再定義と「2030 長期経営計画」当社グループは、2020年に「2040年 ありたい姿」からバックキャストし、そのマイルストーンと なる2030年をターゲットにした長期経営計画「2030 長期経営計画日特BX」を策定しました。しかしながら、前中期経営計画(2021~2024年度)以降、経営環境の変化は目まぐるしく、持続可能な成長を遂げるには、企業固有のアセットを経営課題に合わせ再構成し、自社の競争力を高めていく必要があります。当社グループが経営を通じて、過去から蓄積してきた技術・アセットを軸としながらも新たな価値創造を実現し、社会課題を解決する姿勢を明確にすべく、これまで「2040年 ありたい姿」としていた「“Beyond ceramics, eXceeding imagination”『セラミックスのその先へ、想像のその先へ』」を新たに「“特殊な”技術と発想で社会的課題を解決し、『地球を輝かせる企業』となる」へと改定しました。また、当社グループの使命として「『これまで培ってきたセラミックスを中心としたアセット』と『新たなアセット』を取り込み、異なる資源を繋ぎ、最小限の資源を徹底的に使い抜き、再生・循環ソリューションを社会に提供する」と定義し、そのスローガンを「“ceramics and Beyond, eXceeding imagination”『セラミックスとその先へ、想像のその先へ』」とし、グループ一丸となり社会課題を解決していくことを目指します。「2030 長期経営計画」では、引き続き、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいりますが、自動車関連事業で得た収益を源泉として、当社グループのコア・アセットやセラミックス素材技術と親和性のある隣接領域へリソースを集中し、新たな事業領域の拡大を目指します。具体的な注力領域は、「モビリティ」「半導体」「環境・エネルギー」とし、いずれもセラミックス技術を活用していく方針です。また、「2030 長期経営計画」の実現に向けた具体的な施策や経営目標を定めるため、2025年度から2029年度を対象期間とする新たな中期経営計画の策定を進めています。 ②前中期経営計画(2021~2024年度)の振り返り前中期経営計画は、「2030 長期経営計画 日特BX」における2021年度から2024年度までの4年間で「変えるために、壊す。」「変わるために、創る。」をスローガンに、組織を変革する期間との位置付けとしていました。以下の基本方針及び重点課題を掲げ、各種の取組を実行してまいりました。 <基本方針>「既存事業」と「新規事業」が独立しながら、両輪で走る <重点課題>成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化前中期経営計画の総括は以下のとおりです。 (定量目標の達成状況)初年度からの新型コロナウイルス感染の再拡大や半導体供給不足による自動車生産台数への影響、またロシア・ウクライナ情勢の長期化や原材料価格の高騰など、不透明な事業環境が続きました。しかしながら、自動車関連事業においては、補修用製品の販売が好調に推移したことやインフレに対応した価格転嫁を実行したことに加え、円安へ進行したことによる利益押上げもあり、継続して収益性を向上することができました。また、成長・新規事業領域と位置付けるセラミック事業においては、半導体関連の事業が市場での生産調整の影響を受けつつも、事業規模を拡大したことなどにより、売上収益、営業利益及び資本効率性指標について目標値を1年前倒しで達成することができました。 2020年度 中期経営計画(2016~2020年度)最終年度実績・・・2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度実績2024年度 中期経営計画(2021~2024年度)最終年度目標売上収益 (億円)4,275 6,5296,000営業利益 (億円)473 1,2961,000営業利益率11% 20%17%以上非内燃事業売上収益 (億円)889 1,1401,500ROIC6% 11%10%ROE9% 14%13% (重点課題の成果と課題)■成長事業及び新規事業への投資・人材ポートフォリオ転換の促進・成長事業及び新規事業については、売上収益の規模が2020年度より約28%向上しました。SPE事業においてはセラミック素材技術により高まる要求性能に応え、旺盛な半導体需要を着実に捉えています。また、2024年11月には、東芝マテリアル社の株式の取得(子会社化)を決定し、将来的に電気自動車向けに市場の拡大が見込まれる窒化ケイ素を利用したモーター用軸受けのセラミックボールやパワー半導体用の窒化ケイ素放熱基板等での事業成長を目指しています。一方で、不採算事業や不採算製品からの撤退も実行し、収益構造を改善しました。・2021年4月には社内カンパニー制への移行と一部事業部門の分社化を実施しました。事業部門、事業サポート部門、コーポレート部門の各組織において権限と責任を明確にし、独立自営の体制のもと、機動的な意思決定の実現と収益性の可視化による更なる成長を推進します。・事業ポートフォリオの転換に不可欠な人材ポートフォリオの転換を実現するため、成長事業・新規事業への人材の積極的な転換に取り組むとともに、「自律創造人材」の育成・創出を推進しました。 ■ ROIC経営による稼ぐ力の更なる強化・ROICを用いた事業別の目標管理・事業ポートフォリオマネジメントの仕組みの構築・運用に加え、グローバル戦略本部を中心に監理対象銘柄入りの決定や格付の基準を定める等、財務規律を明確化することで、経営資源の最適配分の実現に向けた取組を加速しました。 ③優先的に取り組む経営課題当社グループの理念体系であるNiterraウェイの重要な要素であるCSR・サステナビリティ憲章にも謳われているように、当社グループは持続可能な社会の実現に寄与することで、企業価値を向上していくことを目指しています。そのために、社会的課題の解決により「地球を輝かせる」ことが最も重要な経営課題と考え、社会的課題解決・人的資本・経営基盤の3つの枠組みで具体的取組を推進します。具体的には、Niterraグループならではの特殊な技術と発想を活かし、多様な技術の組み合わせを通じた社会的課題解決への貢献と再生可能・循環可能なソリューションの提供に取り組みます。また、それを支える人的資本への取組としては、Niterraウェイを体現する多様な人材が個を活かしていきいきと働くことができる仕組みの拡充を図ります。多様な人材は、主体的に動き未来を切り開く人材・より高度な課題に対し専門性を持って新たな価値を創造できる人材と定義し、その育成に取り組みます。更にこれらを実現するため、迅速な意思決定を支え、外部環境の変化に対応した戦略的なリスクコントロールを可能にするグローバルな経営基盤を構築していきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 経営成績等の状況① 経営成績当連結会計年度における世界経済は、米国及び欧州では、年度前半においては、サービス業を中心に景気を押し上げ緩やかな回復基調を見せたものの、年度後半においては生産コストの増加や外需の低迷が企業収益回復への重石となりました。また、米国政府の関税政策により、景気の先行きに不透明感が増しています。中国においては、年度前半より内外需要ならびに不動産市場の低迷が続き景気は停滞しています。年度後半においても、外需低迷などを背景に景況感は依然として低迷していることに加え、米国の関税引き上げの影響が大きなリスク要因となっています。わが国経済においては、年度前半ではインバウンド需要の拡大を背景に、企業収益は高水準で推移しました。年度後半においては、半導体需要の回復に加え、為替相場の円安圏での推移が下支えとなり、企業収益は好調に推移しています。当社グループの主要な事業基盤である自動車業界における新車生産は、一部地域において持ち直しの動きを見せたものの、前年比で減少する結果となりました。中国においては、電気自動車の伸長による増加は見られましたが、内燃機関搭載車の生産は引き続き軟調です。半導体製造装置業界では、生成AIを中心とする半導体需要が高まりを見せる一方で、依然として米中対立を起点とする地政学的リスクなどが懸念されています。その結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は6,529億93百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は1,296億60百万円(前連結会計年度比20.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は926億25百万円(前連結会計年度比12.1%増)となりました。売上収益営業利益率(営業利益/売上収益)は前連結会計年度17.5%に対して2.3ポイント上昇し19.9%となりました。親会社所有者帰属持分利益率(親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分)は前連結会計年度末の13.8%から14.1%と0.4ポイント上昇し、基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の409円47銭から466円34銭と56円88銭増加しました。 セグメント別の業績は次のとおりです。セグメントの名称 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 売上収益営業利益又は営業損失(△)売上収益営業利益又は営業損失(△)自動車関連(百万円)505,355121,245538,894140,856セラミック(百万円)95,028678100,92839新規事業(百万円)6,663△14,5176,052△12,987その他(百万円)8,1771847,9041,751調整額(百万円)△738-△787- 当連結会計年度より報告セグメントの管理区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の報告セグメント区分に組み替えた数値で比較しています。 <自動車関連>当事業は、新車組付け用製品の販売は中国市場での内燃機関搭載車両の生産台数減少に加え、欧米においても顧客での生産調整が続いたことによる落ち込みを見せたものの、補修用製品の販売は引き続き好調であったことから前年比で増加しました。また、インフレに対応した価格転嫁の実施と円安への進行がさらに売上収益を押し上げ、営業利益についても増益となりました。この結果、当事業の売上収益は5,388億94百万円(前連結会計年度比6.6%増)、営業利益は1,408億56百万円(前連結会計年度比16.2%増)となりました。 <セラミック>当事業は、SPE事業での販売については生成AI関連の需要増を背景に緩やかに回復しました。セラミック事業全体では、収益性の改善に時間を要していますが、前年比で売上収益は増加する結果となりました。この結果、当事業の売上収益は1,009億28百万円(前連結会計年度比6.2%増)、営業利益は39百万円(前連結会計年度比94.2%減)となりました。 <新規事業>新規事業については、売上収益は60億52百万円(前連結会計年度比9.2%減)、営業損失は129億87百万円(前連結会計年度は145億17百万円の営業損失)となりました。 <その他>その他の事業については、売上収益は79億4百万円(前連結会計年度比3.3%減)、固定資産の売却等により営業利益は17億51百万円(前連結会計年度比851.3%増)となりました。 ② 財政状態資産合計は、9,909億66百万円であり、前連結会計年度末比152億46百万円(1.6%)増加しました。これは、主にのれん及び無形資産並びに棚卸資産、有形固定資産が減少した一方、現金及び現金同等物並びに営業債権及びその他の債権が増加したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 現金及び現金同等物180,684 208,192 27,507 営業債権及びその他の債権141,403 147,551 6,147 棚卸資産189,627 183,932 △5,694 有形固定資産224,336 219,974 △4,362 のれん及び無形資産50,302 44,221 △6,081 使用権資産11,429 9,872 △1,557 その他177,934 177,221 △712 資産合計975,719 990,966 15,246 負債合計は、3,162億43百万円であり、前連結会計年度末比211億75百万円(6.3%)減少しました。これは、主に社債及び借入金が減少したことによるものです。 前連結会計年度当連結会計年度増減額 (百万円)(百万円)(百万円) 有利子負債190,840 167,835 △23,004 未払法人所得税17,972 22,041 4,068 繰延税金負債4,118 2,332 △1,785 その他の負債124,488 124,034 △453 負債合計337,419 316,243 △21,175 資本合計は、6,747億22百万円であり、前連結会計年度末比364億22百万円(5.7%)増加しました。これは、主に当期利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。これらにより1株当たり親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末の3,181円33銭から3,399円43銭となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して為替相場の変動による換算差額2億23百万円を加算し、売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額3億95百万円を控除した純額で275億7百万円増加し、2,081億92百万円となりました。 前連結会計年度当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)118,179132,921投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△92,157△34,246財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△57,450△70,995現金及び現金同等物の期末残高(百万円)180,684208,192 <営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から147億42百万円増加の1,329億21百万円となりました。これは、主に棚卸資産の増減により収入が減少した一方、税引前利益が増加したことによるものです。<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から579億10百万円減少の342億46百万円となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出の減少並びに定期預金の純減による収入が増加したことによるものです。<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から135億45百万円増加の709億95百万円となりました。これは、主に長期借入れによる収入が増加した一方、短期借入金の純減による支出並びに社債の償還による支出が増加したことによるものです。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。 ④ 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)自動車関連544,769+6.0セラミック98,133+7.4新規事業6,494+23.3合計649,397+6.3 (注) 1 金額は売価換算により計算されています。2 生産高には委託生産高を含んでいます。 ⑤ 受注実績自動車関連の製品のうち、新車組付用は自動車メーカーの生産計画を基準とし、また、補修用は自動車の稼動台数、その他市場の動向、過去の販売実績、代理店の意向等を勘案してそれぞれほぼ確実な見込み生産を行っています。セラミックの製品の大部分及び新規事業の製品は注文生産品であり、その受注状況は次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)セラミック64,570+8.219,245+12.6新規事業6,303+39.83△90.0合計70,874+10.419,248+12.5 ⑥ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称売上収益(百万円)前年同期比(%)自動車関連538,894+6.6セラミック100,141+6.2新規事業6,052△9.2その他7,904△3.3合計652,993+6.3 (注) 金額は外部顧客への売上収益を示しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。当社グループが採用した重要な会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (7) 見積り及び判断の利用」に記載しています。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容経営成績等の状況に関する分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載しています。 ③ 資本の財源及び資金の流動性について当社グループは円滑な事業運営を支えるための運転資金の確保、及び持続的な成長の実現を目的とした他社との連携やM&A、設備投資等、将来の機動的な投資活動を可能にするための中長期的資金への計画的準備を図ることにより、安定的経営と変化への対応に備えることを財務方針としています。そのため、資金計画に基づく当座資金の維持管理をはじめ、債権債務・棚卸資産の効率性を上げるための継続的取り組みを行うとともに、投資リスク軽減のための決裁規程等の整備、経営会議等の各種組織運営に注力しています。資金調達の方法としては、内部留保資金の他、短期資金需要に対しては銀行借入、コマーシャルペーパー発行等による調達を行っています。また中長期的資金需要に対しては銀行借入やシンジケート・ローン等を通じた間接金融及び社債発行等の直接金融による調達に加え、必要に応じてエクイティファイナンスも検討します。