5988

パイオラックス(5988)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 自動車部品製造販売:パイオラックスは、自動車の内装や外装に使われる工業用ファスナー(結束具)や精密ばねの製造販売を主力事業としています。国内外の子会社が製造を担い、主に日産自動車や他の自動車メーカー、関連会社に製品を供給することで収益を得ています。グローバルな生産・販売体制を構築しており、世界中の自動車産業を支える重要な役割を担っています。
  • 医療機器事業:自動車部品事業に加え、子会社である株式会社パイオラックス メディカル デバイスが医療に関する製品の製造販売も行っています。これにより、事業の多角化を図り、自動車産業以外の分野でも収益源を確保しています。ただし、売上規模は自動車関連事業に比べて小さいです。
  • グローバル展開と連携:日本国内だけでなく、米国、英国、韓国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシアなど世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。また、自動車用ボルトメーカーとの業務提携を通じて、製品ラインナップの強化や国際的な協力関係の構築も目指しており、事業基盤の強化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 自動車関連事業:パイオラックスの主力事業であり、売上高581.78億円、営業利益30.95億円を計上しています。自動車の内装・外装に使われる工業用ファスナーや精密ばねの製造販売が主な内容です。国内外の子会社が製造を担い、主に日産自動車や他の自動車メーカー、関連会社に製品を供給しており、同社の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 医療機器事業:自動車関連事業に次ぐ事業で、売上高51.72億円、営業利益3.28億円を計上しています。株式会社パイオラックス メディカル デバイスが医療に関する製品の製造販売を行っています。自動車産業以外の分野で収益源を確保し、事業の多角化を進める上で重要な役割を担っていますが、規模は自動車関連事業に比べて小さいです。
  • グローバルな事業展開:自動車関連事業は日本だけでなく、米国、英国、韓国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシアなど世界各地に製造・販売拠点を持ち、グローバルに展開しています。これにより、世界中の自動車メーカーに製品を供給できる体制を構築しており、地域ごとの市場特性や需要に対応しながら事業を拡大しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AutomobilRelated 事業 582 31 5.3%
Medical 事業 52 3 6.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,064 文字
3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社15社(うち国外10社)、関連会社1社で構成され、自動車関連製品の製造販売を主な内容とし、これに関連するサービス事業活動を展開しております。 当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。(自動車関連等) 自動車関連等の主な製品は、工業用ファスナー(車の内装及び外装の結束具)及び精密ばねであり、当社が製造販売するほか、国内においては㈱パイオラックス エイチエフエス、㈱ピーエヌエス、㈱パイオラックス九州、㈱ケーアンドケーが製造を担当し、主に当社経由で日産自動車㈱、他の自動車会社及び関連会社、その他に販売しております。また、㈱ケーエッチケー販売は、当社より製品を仕入れ、国内の小口の得意先に対する販売を担当しております。海外においては、パイオラックス コーポレーションが米国ジョージア州で自動車部品を製造し、販売しております。英国ではパイオラックス リミテッドが英国ランカシャー州で自動車部品を製造し、販売しております。韓国ではパイオラックス株式会社が韓国仁川広域市で自動車部品を製造し、販売しております。タイ国ではパイオラックス(タイランド)リミテッドがタイ国ラヨン県で自動車部品を製造し、販売しております。中国では東莞百楽仕汽車精密配件有限公司が中国広東省で自動車部品を製造しており、武漢百楽仕汽車精密配件有限公司が中国湖北省で自動車部品を製造しており、百奥来仕(中国)投資有限公司が中国上海市で中国における販売拠点として活動しております。インド国ではパイオラックス インディア プライベート リミテッドがインド国アーンドラ・プラデーシュ州で自動車部品を製造し、販売しております。メキシコ国ではパイオラックス メキシカーナがメキシコ国ヌエボレオン州で自動車部品を製造しております。インドネシア共和国ではピーティー パイオラックス インドネシアがインドネシア共和国西ジャワ州で自動車部品を製造し、販売しております。なお、2025年10月1日付で㈱パイオラックス ビジネスサービスを㈱ケーエッチケー販売へ吸収分割し、当社へ吸収合併しております。(医療機器) ㈱パイオラックス メディカル デバイスが医療に関する製品を製造し、販売しております。 以上の企業集団等の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。注1.2025年10月1日付で㈱パイオラックス ビジネスサービスを㈱ケーエッチケー販売へ吸収分割し、当社へ吸収合併しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
サプライヤー間の競争激化により、原材料費等の増加を製品価格に転嫁しにくい。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
工業用ファスナーや精密ばねの製造技術、特にEV化に伴う締結部品の変化・進化への対応。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自動車産業の動向 / 特定取引先への依存 / 海外事業に潜在するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

パイオラックスは、精密ばね・金属部品の分野で長年の実績と技術蓄積がある。特に自動車部品や医療機器分野でのニッチな技術力は、一定の無形資産となり得るが、特許やブランド力が突出しているわけではない。特定の顧客との信頼関係は存在するものの、明確なIPや規制ライセンスによる参入障壁は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

自動車部品や医療機器などの分野では、部品メーカーの変更は、設計変更、認証取得、品質検証などに多大な時間とコストを要するため、顧客にとってスイッチング・コストは一定程度存在する。しかし、パイオラックスの製品が代替困難なほどユニークなものでない場合、顧客は他のサプライヤーへの移行を検討する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

パイオラックスの事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増大するネットワーク効果を直接的に生み出すものではない。BtoBの部品供給ビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは性質が異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

長年の製造ノウハウによる効率化や、特定の自動化設備への投資により、一定のコスト競争力は維持していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社も同様の効率化を進めている可能性があり、構造的な圧倒的コスト優位性を持っているとは断定しにくい。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

精密ばね・金属部品市場において、パイオラックスは一定のシェアを有しているが、グローバルで見ると多数の競合が存在する。特定のニッチ市場では強みを持つ可能性があるものの、業界全体を代表するような規模の経済による寡占的な地位を確立しているとは言えない。

  • グローバルな生産・販売網:パイオラックスは、日本を含む世界10カ国以上で自動車部品の製造・販売拠点を展開しており、これにより主要な自動車メーカーの生産拠点に近い場所で製品を供給できる強みがあります。この広範なネットワークは、顧客への迅速な対応と安定供給を可能にし、競争優位性を生み出しています。
  • 主要自動車メーカーとの関係:長年にわたり日産自動車をはじめとする日系自動車メーカーを主要な取引先としており、安定した取引関係を築いています。これは、製品の品質や技術力が評価されている証拠であり、新規参入企業にとっては模倣が難しい参入障壁となっています。ただし、特定取引先への依存度が高いというリスクも抱えています。
  • 多様な製品と技術力:工業用ファスナーや精密ばねといった自動車の基幹部品を製造しており、その技術力は自動車の安全性や快適性に貢献しています。また、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)といった自動車産業の変革に対応した高付加価値製品の開発にも注力しており、将来の需要変化に対応できる技術基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が長年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 世界経済はインフレ基調、地政学リスクの高まり、各国における金融政策・通商政策の動向等を背景に不確実性が増しております。特に、中東情勢の緊迫化に伴う原油・エネルギー価格の高騰や、米国の追加関税の動きなど、当社グループの事業活動に影響を及ぼし得る外部要因が複合的に存在しており、引き続き注視が必要な状況にあります。 このような環境下、当社の主要な取引先である自動車業界においては、市場環境及び技術動向の変化により自動車メーカー各社がEV戦略を見直す動きが顕著になってきており、サプライヤーに求められる要件も変化が見られるものの、依然として高い技術力や品質、コスト競争力が求められる状況にあります。 (3) 経営方針 当社グループは、中期経営計画(2025~2027年度)に基づき、足元の厳しい事業環境を踏まえ、「自動車生産台数だけに頼らない経営推進」という方針を掲げ、需要変動下でも安定的に収益を確保できる組織構造への転換を最優先課題として位置付け、取り組みを進めております。 (4)対処すべき課題 1.事業戦略 ①商品戦略 当社の強みである金属・樹脂の高度な複合成形技術を活かし、市場ニーズを的確に捉えた高付加価値品を創出します。注力商品のADAS(先進運転支援システム)関連部品やバスバーに加えて、既存の商品及び技術特性を活かし、より幅広い領域に目線を広げ、新たな商品をスピーディに開発、提供していくことで、お客様の信頼感を高め、シェア拡大を目指していきます。 ②地域・顧客戦略 北米、中国、インドの3つを重点地域とし、日系に加えて海外自動車メーカーへの拡販を念頭に、それぞれの市場や環境に即した施策を実施することで収益拡大を目指します。 北米では、米国Big3への拡販体制を強化するとともに、米国の追加関税政策等の動向を見極めながら、生産再配置の検討を進めていきます。 中国では、中華系メーカーへの一層の拡販に注力します。設計開発から生産、販売に至るまでを現地で完結できる体制整備を進め、現地のスピードに追従するとともに、現地材採用等による原価低減と高付加価値品による差別化により、競争力を高めていきます。 インドは将来的な高い成長が期待される重要な地域です。当社は、市場の拡大を取り込むため、同地域への投資を積極的に進めていきます。現在プネ地区に第2工場建設を進めており、生産能力の増強による更なる事業規模の拡大を目指していきます。 ③収益構造改革 中期経営計画の3ヶ年において「収益構造改革」による売上の伸長と収益構造の改善を両輪で推し進め、持続的な成長に向けた事業基盤の整備にスピード感をもって取り組みます。主要な方策として、製造現場に留まらず間接部門を含めた全社的な生産性向上を目指します。開発・生産準備・量産に至る一連の業務プロセスの見直しと標準化、部門横断での連携強化、適正なリソース配分により収益力改善を進めます。 2.医療機器事業の展開 当社グループでは、自動車部品の開発で培った金属加工技術を活かして、医療機器事業を展開しております。パイオラックス メディカル デバイスでは患者の体に対する負担の少ない低侵襲治療を目指しており、国内外の市場ニーズを捉えた商品の開発・製造・販売を通じて事業拡大を図っております。 3.サステナビリティに関する取組 当社グループは、「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」というパーパスに基づき、心弾む未来の実現に向けて全てのステークホルダーと協力することで、持続可能な社会に貢献していきます。 当社グループでは、「PIOLAX ESG Vision 2030」のもと、サステナビリティにおける重点方策を定めて活動しています。「環境」では、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、2030年にCO₂排出量46%削減(2019年比)を目標にロードマップに基づく施策を着実に実行しています。「社会」は、当社では、社員は会社の重要な経営資源であり、大切な財産であると考え、「人材」ではなく「人財」と表現しています。多様な人財が安心して活躍できる職場づくりを推進します。「ガバナンス」は、取締役会の実効性向上等を通じた経営のモニタリング機能強化によりステークホルダーの信頼向上に努めていきます。 4.資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取り組みは以下の3件です。 1.3年間累計で自己株式取得300億円 2.3年間の1株当たり年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が長年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 世界経済はインフレ基調、地政学リスクの高まり、各国における金融政策・通商政策の動向等を背景に不確実性が増しております。特に、中東情勢の緊迫化に伴う原油・エネルギー価格の高騰や、米国の追加関税の動きなど、当社グループの事業活動に影響を及ぼし得る外部要因が複合的に存在しており、引き続き注視が必要な状況にあります。 このような環境下、当社の主要な取引先である自動車業界においては、市場環境及び技術動向の変化により自動車メーカー各社がEV戦略を見直す動きが顕著になってきており、サプライヤーに求められる要件も変化が見られるものの、依然として高い技術力や品質、コスト競争力が求められる状況にあります。 (3) 経営方針 当社グループは、中期経営計画(2025~2027年度)に基づき、足元の厳しい事業環境を踏まえ、「自動車生産台数だけに頼らない経営推進」という方針を掲げ、需要変動下でも安定的に収益を確保できる組織構造への転換を最優先課題として位置付け、取り組みを進めております。 (4)対処すべき課題 1.事業戦略 ①商品戦略 当社の強みである金属・樹脂の高度な複合成形技術を活かし、市場ニーズを的確に捉えた高付加価値品を創出します。注力商品のADAS(先進運転支援システム)関連部品やバスバーに加えて、既存の商品及び技術特性を活かし、より幅広い領域に目線を広げ、新たな商品をスピーディに開発、提供していくことで、お客様の信頼感を高め、シェア拡大を目指していきます。 ②地域・顧客戦略 北米、中国、インドの3つを重点地域とし、日系に加えて海外自動車メーカーへの拡販を念頭に、それぞれの市場や環境に即した施策を実施することで収益拡大を目指します。 北米では、米国Big3への拡販体制を強化するとともに、米国の追加関税政策等の動向を見極めながら、生産再配置の検討を進めていきます。 中国では、中華系メーカーへの一層の拡販に注力します。設計開発から生産、販売に至るまでを現地で完結できる体制整備を進め、現地のスピードに追従するとともに、現地材採用等による原価低減と高付加価値品による差別化により、競争力を高めていきます。 インドは将来的な高い成長が期待される重要な地域です。当社は、市場の拡大を取り込むため、同地域への投資を積極的に進めていきます。現在プネ地区に第2工場建設を進めており、生産能力の増強による更なる事業規模の拡大を目指していきます。 ③収益構造改革 中期経営計画の3ヶ年において「収益構造改革」による売上の伸長と収益構造の改善を両輪で推し進め、持続的な成長に向けた事業基盤の整備にスピード感をもって取り組みます。主要な方策として、製造現場に留まらず間接部門を含めた全社的な生産性向上を目指します。開発・生産準備・量産に至る一連の業務プロセスの見直しと標準化、部門横断での連携強化、適正なリソース配分により収益力改善を進めます。 2.医療機器事業の展開 当社グループでは、自動車部品の開発で培った金属加工技術を活かして、医療機器事業を展開しております。パイオラックス メディカル デバイスでは患者の体に対する負担の少ない低侵襲治療を目指しており、国内外の市場ニーズを捉えた商品の開発・製造・販売を通じて事業拡大を図っております。 3.サステナビリティに関する取組 当社グループは、「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」というパーパスに基づき、心弾む未来の実現に向けて全てのステークホルダーと協力することで、持続可能な社会に貢献していきます。 当社グループでは、「PIOLAX ESG Vision 2030」のもと、サステナビリティにおける重点方策を定めて活動しています。「環境」では、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、2030年にCO₂排出量46%削減(2019年比)を目標にロードマップに基づく施策を着実に実行しています。「社会」は、当社では、社員は会社の重要な経営資源であり、大切な財産であると考え、「人材」ではなく「人財」と表現しています。多様な人財が安心して活躍できる職場づくりを推進します。「ガバナンス」は、取締役会の実効性向上等を通じた経営のモニタリング機能強化によりステークホルダーの信頼向上に努めていきます。 4.資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取り組みは以下の3件です。 1.3年間累計で自己株式取得300億円 2.3年間の1株当たり年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、社会・経済の正常化が進み、景気は緩やかな回復傾向が継続しました。一方で、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済においても、米国の関税政策をめぐる不確実性による景気回復の鈍化や、中東をはじめとした終わりの見えない地域紛争を背景とした地政学リスクの高まりなどにより、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、前年同期比で生産台数及び販売台数がともに減少したことに加え、サプライチェーンや生産体制の見直し、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフト、米国自動車市場の伸び悩みなど、依然として厳しい状況が続いております。 このような需要環境のもと、当社グループは、お取引先からのニーズを的確に捉え、日系のお取引先に加え非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進いたしました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して4,049百万円減少し、101,415百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して21,587百万円増加し、35,271百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して25,637百万円減少し、66,144百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度における売上高は62,045百万円(前期比2.1%減)、営業利益は1,470百万円(前期比38.3%減)、経常利益は1,453百万円(前期比57.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21百万円の損失(前年同期は1,792百万円の利益)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 (自動車関連等) グローバルでの拡販活動を継続的に推進してまいりましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は56,770百万円と前期比△1,407百万円(△2.4%)の減収となりました。一方利益面におきましては、収益改善活動をグループ一丸となって推進いたしましたものの、日系自動車メーカーの減産に伴う限界利益の減少等により、営業利益は2,368百万円と前期比△727百万円(△23.5%)の減益となりました。 (医療機器) 拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,274百万円と前期比101百万円(2.0%)の増収となりました。一方利益面におきましては、合理化活動を推進いたしましたものの、労務費等の増加により、営業利益は278百万円と前期比△49百万円(△15.0%)の減益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益763百万円及び減価償却費4,436百万円、短期借入れによる収入26,170百万円等の収入要因があり、自己株式の取得による支出23,979百万円及び有形固定資産の取得による支出9,565百万円等の支出要因により、前連結会計年度末と比較して7,462百万円(前期末比24.7%減)減少し、当連結会計年度末には22,773百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は3,003百万円(前期比63.0%減)となりました。前連結会計年度と比較して減少した主な要因は、売上債権の増加等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は7,561百万円(前期は3,340百万円の収入)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加及び定期預金の払戻による収入の減少等によるものであります。 なお、営業活動により得られたキャッシュ・フローと投資活動により使用したキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは△4,557百万円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は3,137百万円(前期比51.5%減)となりました。前連結会計年度と比較して減少した主な要因は、短期借入れによる収入の増加等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比自動車関連等57,20698.2%医療機器5,299102.8%合計62,50698.6% (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(2)受注実績 当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の販売実績等を参考とした見込み生産を行っているため、該当事項はありません。(3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比自動車関連等56,77097.6%医療機器5,274102.0%合計62,04497.9% (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.単独で売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末時点での状況を基礎に連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与えるような項目・事象について見積りを行ないますが、これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる基準を設定して継続的に実施しております。なお、当連結会計年度末におきましては、材料の供給問題・価格高騰、経済活性化に伴う輸送コストの増加やエネルギーコストの高騰等による影響について、翌連結会計年度以降も一定の影響が継続するという前提に基づいて、足元の実績をもとに当初の事業計画値に反映し会計上の見積りとしております。しかし実際の結果は、見積りには不確実性が伴うため、これらの見積りとは異なる場合があります。 (固定資産の減損処理) 当社グループは原則として、事業用資産については管理会計上の区分を基にグルーピングを実施し、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行って、減損兆候の判定に基づき、必要に応じて帳簿価額を回収可能価額まで減損しております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 (投資有価証券の減損処理) 当社グループは、保有する有価証券について、市場価格のない株式等以外のものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損にあっては、個別銘柄毎にその回復可能性を総合的に検討し実施しております。将来、株式の市況又は投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は58,140百万円となり、前連結会計年度末と比較して6,258百万円減少しました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、現金及び預金の減少等によるものであります。固定資産は43,275百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,208百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、建物及び構築物の増加等によるものであります。 この結果、総資産は101,415百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,049百万円減少いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は33,541百万円となり、前連結会計年度末と比較して21,323百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、短期借入金の増加等によるものであります。固定負債は1,729百万円となり、前連結会計年度末と比較して264百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、繰延税金負債の増加等によるものであります。 この結果、負債合計は35,271百万円となり、前連結会計年度末と比較して21,587百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は66,144百万円となり、前連結会計年度末と比較して25,637百万円減少となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、自己株式の増加等によるものであります。 この結果、自己資本比率は63.9%(前連結会計年度末は85.8%)となりました。 2)経営成績 当連結会計年度において、世界経済は金融引き締めの長期化や地政学的緊張の影響で先行き不透明感が継続しました。金融市場では金利水準の高止まりを背景に資産価格の変動が大きく、不安定な状況が続きました。日本経済は物価上昇の影響を受けつつも、賃上げや内需の回復により緩やかな持ち直しが続きました。自動車業界においては、EV需要の伸びの鈍化、中国メーカーの台頭、ソフトウェア定義車両(SDV)への対応等により競争環境が一層激化しております。当社グループの主要な取引先である日系自動車メーカーでは、グローバルにおける販売不振や中国市場でのシェア低下を背景に、電動化戦略の見直しや協業強化の動きが見られ、当社グループにおいても依然として厳しい事業環境が継続しております。 このような状況のもと、当社グループにおいては、取引先のニーズを確実に捉え、日系自動車メーカーにとどまらず、非日系の自動車メーカーに対してもグローバルで拡販活動を推進しましたが、主要取引先の減産の影響を受け、売上高は62,045百万円(前年同期は63,351百万円、2.1%減)と前期比△1,306百万円の減収となりました。セグメント別では、自動車関連等は米国や中国をはじめ新興国市場においても積極的な拡販活動を実施しましたが、売上高は56,770百万円(前年同期は58,178百万円、2.4%減)と前期比△1,407百万円の減収となりました。医療機器は、積極的な拡販等により、売上高は5,274百万円(前年同期は5,172百万円、2.0%増)と前期比101百万円の増収となりました。 利益面においては、一層の合理化の推進と構造改革による変動費および固定費の削減に取り組みましたが、主要取引先の減産による限界利益の低下、直材費を中心とする変動費および労務費等のコスト上昇の影響を受け、営業利益は1,470百万円(前年同期は2,382百万円、38.3%減)と前期比△912百万円の減益となりました。セグメント別では、自動車関連は、2,368百万円(前年同期は3,095百万円、23.5%減)と前期比△727百万円の減益となりました。医療機器は、278百万円(前年同期は328百万円、15.0%減)と前期比△49百万円の減益となりました。 経常利益は1,453百万円(前年同期は3,402百万円、57.3%減)と前期比△1,948百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、海外子会社の減損損失計上等により21百万円の損失(前年同期は1,792百万円の利益)となりました。 3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、当社グループの資金につきましては、グループ全体でも月商売上高の4ヶ月以上の現金同等物を有しており、主として換金が容易であるため充分な流動性をもって事業活動を行っておりますが、今後不測の事態が生じた場合には、コミットメントラインの実行と併せ、固定費の圧縮等に努め、挽回策を講じていく所存であります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 世界経済はインフレの緩和傾向が見られるものの、各国における金融引き締めの継続や地政学的リスクの高まりを背景に、成長の減速と不確実性の高まりが懸念されます。当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)の進展、異業種からの参入などにより、100年に一度の大変革期と言われております。近年は電動化や自動運転技術の発展に伴い、中国系メーカーや新興メーカーの存在感が増大し、日系メーカーは苦戦を強いられる状況が続いております。一方で、原材料や電力料をはじめとしたエネルギーコスト、労務費の上昇により、厳しい経営環境が継続しております。 自動車部品の製造・販売をコア事業とする当社グループは、これまで自動車の生産台数の増加とともに成長してきました。しかし、世界的な生産台数の伸びの鈍化や主要取引先の生産台数低迷、開発スピードの短縮とコスト競争の激化、技術動向の変化に伴う自動車部品に対する要求の変化により、ビジネスモデルの変革を迫られている状況にあります。当社グループにおいては、「自動車生産台数だけに頼らない、自ら成長を切り開く経営」を経営方針とし、商品戦略では、当社の強みである金属と樹脂のノウハウを活かした高付加価値品の創出に取り組んでまいります。地域戦略では、重点地域を中心にグローバルでの拡販活動と成長期待のある領域への積極的な投資を通じて事業成長を目指してまいります。併せて、合理化に加え、変動費の徹底した管理や生産再配置、人員の最適化による固定費の削減、適正価格の実現に向けた取り組みなどにより、利益の確保を図ってまいります。 なお、2024年11月に資本政策を見直し、資本効率の改善を目的に、3年累計で30,000百万円の自己株式取得、2026年度まで1株当たり年間配当金92円以上の目標を掲げております。 c.資本の財源及び資金の流動性資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための費用等の販管費が主な内容であります。 投資活動については、新規対応・自動化及び生産性向上等を目的とした設備投資と金型投資及び国内リニューアル投資が主な内容となります。財務政策 当社グループは、運転資金及び設備資金とも営業キャッシュ・フローを源泉とする内部資金により充当することを基本方針としております。 一方で、資本効率の向上を目的とした機動的な資本政策の実行及び突発的な資金需要に対応するため、主要取引金融機関との間で総額31,500百万円のコミットメントラインを設定しております。当連結会計年度末においては、このうち24,000百万円の借入を実行しておりますが、当該借入は主として自己株式の取得等の資本政策上の施策に充当したものであります。 なお、当社グループの通常の運転資金及び設備資金は内部資金で賄われており、当該借入の実行後においても、未使用枠を含め十分な流動性及び財務の柔軟性を確保しております。 d.経営上の目標の達成・進捗状況 当社は、2026年5月12日に中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の見直しを公表しております。 当社を取り巻く経営環境は、主要な日系自動車メーカーにおける生産台数の低迷に加え、原材料価格やエネルギー価格の上昇等の影響を受け、厳しい状況が継続しております。このような環境下において、当社は拡販の推進やコスト構造の見直し等の諸施策を実施しており、その効果の一部は顕在化しつつあります。 しかしながら、既存事業の成長による収益力の回復については、中期経営計画策定当初の想定と比較して、一定の時間を要する見通しであります。こうした不確実性の高い事業環境を踏まえ、従来の自動車生産台数の回復を前提としたシナリオを見直し、足元の事業環境に即した達成確度の高い目標を再定義するとともに、その着実な実行を図るべく、中期経営計画の見直しを行いました。 なお、中期経営計画の中で、2026年度は連結売上高63,000百万円、連結営業利益1,500百万円、最終年度である2027年度は連結売上高65,000百万円、連結営業利益2,500百万円の達成を目標としております。

事業リスク

  • 自動車産業の動向への依存:売上の90%以上が自動車産業向けであり、特に日系自動車メーカーの生産販売動向に大きく左右されます。中国やタイでの販売低迷、EVシフトの加速、米国追加関税政策などが業績に影響を与える可能性があります。自動車産業の構造変化や競争激化は、収益性の低下につながるリスクがあります。
  • 特定取引先への高い依存度:日産自動車グループへの販売比率が高いため、日産自動車グループの生産販売動向が直接的に業績に影響を及ぼします。特定の顧客に依存しすぎると、その顧客の業績悪化や方針変更が自社の経営に大きな打撃を与える可能性があります。取引先の多角化が重要な課題です。
  • 海外事業と為替変動リスク:北米、欧州、アジアなど広範な地域で事業を展開しているため、各国の政治・経済情勢、予期せぬ法律・規制の変更、地政学リスク、貿易摩擦などが業績に影響を与える可能性があります。また、海外事業の収益は円換算されるため、為替レートの変動が連結業績や財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,274 文字
3【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業展開上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 当社は、これらのリスクの存在を認識した上で、その回避及び顕在化した場合の対応に努める所存であります。 なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において、当社グループ及び当社経営者が判断したものであります。(1) 自動車産業の動向 当社グループの売上高は90%超が自動車産業向けで、特に日系自動車メーカーの生産・販売動向に大きく影響を受ける可能性があります。近年は電動化の加速と新興EVメーカーの台頭(中国等)、アジアでのEV普及、米国の関税・法規制等政策変更に伴う需要変動、各国における複数パワートレイン併存等、事業環境の構造変化が進展しています。併せて、原材料・物流・エネルギー等のコスト上昇が継続しており、当社の調達・収益性に影響を及ぼす可能性があります。 当社は、電動化・自動運転・カーボンニュートラル等が進展する中で、特に電動化による従来の燃料系・駆動系部品の中長期的な需要減少リスクを認識しております。これに対応するため、EV・HEV対応等成長領域への対応を強化してまいります。開発体制を再編し、各事業部に属していた開発部門を「商品開発本部」に統合し、全社横断で高付加価値商品の開発、ラインアップ拡充、市場投入を加速するとともに、生産技術の高度化や開発プロセスの最適化、デジタル活用により、開発スピードとコスト競争力の向上を図っております。(2) 特定取引先への依存 当社グループは、日産自動車株式会社、そのグループ会社及びサプライヤーへの販売比率が相対的に高く、同グループの生産・販売計画、調達方針、価格・品質・納期要請等の変動が当社業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは依存リスクの低減に向け、2025年4月に商品群別の事業部制を廃止し機能別組織へ改編しました。横断的な連携の下で戦略立案・意思決定の迅速化、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販、開発初期からの参画や高付加価値化、需要変動に応じた柔軟な生産体制の整備を進めております。これらにより影響の低減を図っておりますが、外部環境や取引先方針の変化により、当社業績及び財政状態に影響が生じる可能性を完全に排除するものではありません。 (3) 品質関連 当社グループは、国際的な品質マネジメントの枠組みに基づき製品の品質確保に取り組んでおりますが、設計・製造・物流・使用環境等の要因により不具合が発生する可能性を完全には排除できません。不具合が発生し、当社製品が販売先である自動車メーカーのリコール等に関連する場合には、回収・代替・選別・是正措置費用、取引先への補償、ライン停止等に伴う費用や信用毀損が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社では、品質保証体制の強化を目的に、2026年6月に品質保証本部(品質保証部、品質監理室)を再編します。品質監理機能を業務監査部に統合し、品質保証本部を廃止します。今後も、品質マネジメントシステムに沿った保証体制を強化することで、品質をさらに向上させてまいります。(4) 海外事業に潜在するリスク 当社グループは北米・欧州・アジアで事業を展開しており、各国・地域における法令・規制の変更(関税・輸出管理・制裁等)、政治・経済情勢の変動、税制・移転価格等の取扱い、社会不安・治安悪化・感染症、貿易摩擦や物流制約等により、事業活動の停滞、追加コストの発生、レピュテーションへの影響が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスク低減に向け、現地子会社のガバナンス、コンプライアンス体制の強化、サプライチェーンの強化、現地調達の拡大等を進めております。 (5) 知的財産保護 当社グループは、特許・意匠・商標の出願及び維持、営業秘密の管理、契約に基づく取り決め等により、自社の技術及びブランドを保護する取り組みを行っています。しかしながら、第三者による不正利用や分析・類似技術の独自開発、当社権利の無効・非侵害の主張、国・地域ごとの権利行使の制約等により、侵害の申し立てや係争の発生、設計変更・供給停止・ライセンス費用の発生等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、出願前の先行技術調査や権利の有効性確認、アクセス権限管理・情報分類・NDA運用等による営業秘密の管理、共同開発時における成果物の帰属及びライセンス条件の明確化、侵害の監視、警告・交渉及び必要に応じた権利行使、クロスライセンスの活用、従業員教育の継続的実施に取り組んでいます。 (6) 原材料の価格高騰・調達難 当社グループは、主要原材料及び一部部品を外部から調達しており、国際市況の変動、需給逼迫、サプライヤーの操業停止・事故、物流の混乱や通商・制裁等の政策変更、ならびに地政学リスクにより、価格の上昇や調達遅延・不足が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらの影響低減に向け、現地調達の拡大、調達先との安定的な取引関係維持等に努めています。 (7) 物流の混乱と物流費高騰 当社グループは、地政学的緊張や異常気象等に伴う輸送の混乱及び燃料費の上昇等により、調達・生産・販売に遅延や追加費用が発生し、海外で事業展開している当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 物流費高騰への対策として、当社グループは物流合理化をさらに強化してまいります。 (8) 環境規制 自動車部品業界は、広範囲な環境その他の法的規制の適用を受けております。燃費、安全性及び生産工場からの汚染物質レベル等規制が広範囲にわたっております。その規制の変更等により、規制を遵守するための費用が発生する可能性があることから、常に情報収集及び法規対応に取り組んでおります。 (9) 人財の確保 当社グループの持続的成長には、有能な人財の採用・育成・定着が不可欠であり、労働市場における人財獲得競争の激化、少子高齢化による労働力人口の構造変化、働き方・価値観の多様化、ならびに先端技術へのスキル移行の加速により、必要な人財を適時に確保できない、あるいは育成が遅延する場合には、研究開発・生産性・品質・事業推進に影響が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、「パイオラックスグループ人財基本方針」の下、重点人財の計画的採用、ダイバーシティの推進、働きやすい職場環境づくりを進めております。 (10) 自然災害、感染症等 当社グループは、国内外での地震・台風・洪水・土砂災害等の自然災害や、感染症の拡大等により、原材料調達・生産・物流・販売活動に支障が生じ、操業停止・納期遅延・追加費用の発生のリスクがあります。また、従業員の就業制約やサプライヤー拠点の停止等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、事業継続計画(BCP)の整備に取り組み、従業員の安全確保・衛生管理、危機管理体制の適切な見直し等を進め、発生防止と発生時の影響低減に取り組んでおります。 (11) 情報セキュリティ関連 当社グループは、情報システムに様々なセキュリティ対策を講じておりますが、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、情報システム等に障害が生じた場合や、企業情報及び個人情報等が社外に流出した場合は、事業活動の停滞や社会的信用の低下等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは年々多様化、巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、情報システム部門が中心となり、情報セキュリティレベル向上の取組を進めております。サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、定期的な教育・訓練を通じ、従業員の情報セキュリティに対する意識レベルの向上に努めております。 (12) 為替レートの変動 当社グループは海外売上・調達を有しており、為替変動により、当社グループの業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。 当社は、将来における為替相場の変動に伴うリスクの軽減を図るため、為替予約等のヘッジ等の対策を通じ、影響の低減を図っております。しかしながら、急激な相場変動や各国制度変更等により、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性を完全に排除するものではありません。 (13) 気候変動等による影響 気候変動が事業に与える影響について、シナリオ分析を通じてリスクと機会を特定し、対策を実施しておりますが、対応の不足や遅れにより以下のリスクが顕在化する可能性があります。 ①気候変動によるリスク(移行リスク) 短中期においては、製造工程の脱炭素化に向けた設備投資、各国の環境規制への対応コスト、カーボンニュートラル達成に向けたエネルギーコスト等の増加リスクがあります。中長期においては、炭素税の導入やエネルギー転換による原材料費、輸送費の高騰、自動車業界におけるCASE動向、特に電動化の加速による既存製品の受注減等のリスクがあります。(物理リスク) 中長期においては、異常気象によるサプライチェーンの分断、工場・倉庫の操業停止、修繕コストの増加、エネルギー供給の不安定化等のリスクがあります。②リスクへの対応策(移行リスク) 短中期におけるリスクへの対応策として、生産性向上を目指した真岡工場リニューアルや徹底した省エネ施策等に取り組んでおります。中長期においては、環境配慮原材料の採用、地産地消化による調達コストの削減、環境配慮型製品の開発推進を実施しております。(物理リスク) 地産地消化の拡大による在庫コストの圧縮、サプライチェーンの多極化や原材料の標準化による安定調達、工場や倉庫のレジリエンス強化に向けたインフラ整備等を実施しております。

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