経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が長年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 世界経済はインフレ基調、地政学リスクの高まり、各国における金融政策・通商政策の動向等を背景に不確実性が増しております。特に、中東情勢の緊迫化に伴う原油・エネルギー価格の高騰や、米国の追加関税の動きなど、当社グループの事業活動に影響を及ぼし得る外部要因が複合的に存在しており、引き続き注視が必要な状況にあります。 このような環境下、当社の主要な取引先である自動車業界においては、市場環境及び技術動向の変化により自動車メーカー各社がEV戦略を見直す動きが顕著になってきており、サプライヤーに求められる要件も変化が見られるものの、依然として高い技術力や品質、コスト競争力が求められる状況にあります。 (3) 経営方針 当社グループは、中期経営計画(2025~2027年度)に基づき、足元の厳しい事業環境を踏まえ、「自動車生産台数だけに頼らない経営推進」という方針を掲げ、需要変動下でも安定的に収益を確保できる組織構造への転換を最優先課題として位置付け、取り組みを進めております。 (4)対処すべき課題 1.事業戦略 ①商品戦略 当社の強みである金属・樹脂の高度な複合成形技術を活かし、市場ニーズを的確に捉えた高付加価値品を創出します。注力商品のADAS(先進運転支援システム)関連部品やバスバーに加えて、既存の商品及び技術特性を活かし、より幅広い領域に目線を広げ、新たな商品をスピーディに開発、提供していくことで、お客様の信頼感を高め、シェア拡大を目指していきます。 ②地域・顧客戦略 北米、中国、インドの3つを重点地域とし、日系に加えて海外自動車メーカーへの拡販を念頭に、それぞれの市場や環境に即した施策を実施することで収益拡大を目指します。 北米では、米国Big3への拡販体制を強化するとともに、米国の追加関税政策等の動向を見極めながら、生産再配置の検討を進めていきます。 中国では、中華系メーカーへの一層の拡販に注力します。設計開発から生産、販売に至るまでを現地で完結できる体制整備を進め、現地のスピードに追従するとともに、現地材採用等による原価低減と高付加価値品による差別化により、競争力を高めていきます。 インドは将来的な高い成長が期待される重要な地域です。当社は、市場の拡大を取り込むため、同地域への投資を積極的に進めていきます。現在プネ地区に第2工場建設を進めており、生産能力の増強による更なる事業規模の拡大を目指していきます。 ③収益構造改革 中期経営計画の3ヶ年において「収益構造改革」による売上の伸長と収益構造の改善を両輪で推し進め、持続的な成長に向けた事業基盤の整備にスピード感をもって取り組みます。主要な方策として、製造現場に留まらず間接部門を含めた全社的な生産性向上を目指します。開発・生産準備・量産に至る一連の業務プロセスの見直しと標準化、部門横断での連携強化、適正なリソース配分により収益力改善を進めます。 2.医療機器事業の展開 当社グループでは、自動車部品の開発で培った金属加工技術を活かして、医療機器事業を展開しております。パイオラックス メディカル デバイスでは患者の体に対する負担の少ない低侵襲治療を目指しており、国内外の市場ニーズを捉えた商品の開発・製造・販売を通じて事業拡大を図っております。 3.サステナビリティに関する取組 当社グループは、「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」というパーパスに基づき、心弾む未来の実現に向けて全てのステークホルダーと協力することで、持続可能な社会に貢献していきます。 当社グループでは、「PIOLAX ESG Vision 2030」のもと、サステナビリティにおける重点方策を定めて活動しています。「環境」では、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、2030年にCO₂排出量46%削減(2019年比)を目標にロードマップに基づく施策を着実に実行しています。「社会」は、当社では、社員は会社の重要な経営資源であり、大切な財産であると考え、「人材」ではなく「人財」と表現しています。多様な人財が安心して活躍できる職場づくりを推進します。「ガバナンス」は、取締役会の実効性向上等を通じた経営のモニタリング機能強化によりステークホルダーの信頼向上に努めていきます。 4.資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取り組みは以下の3件です。 1.3年間累計で自己株式取得300億円 2.3年間の1株当たり年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が長年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 世界経済はインフレ基調、地政学リスクの高まり、各国における金融政策・通商政策の動向等を背景に不確実性が増しております。特に、中東情勢の緊迫化に伴う原油・エネルギー価格の高騰や、米国の追加関税の動きなど、当社グループの事業活動に影響を及ぼし得る外部要因が複合的に存在しており、引き続き注視が必要な状況にあります。 このような環境下、当社の主要な取引先である自動車業界においては、市場環境及び技術動向の変化により自動車メーカー各社がEV戦略を見直す動きが顕著になってきており、サプライヤーに求められる要件も変化が見られるものの、依然として高い技術力や品質、コスト競争力が求められる状況にあります。 (3) 経営方針 当社グループは、中期経営計画(2025~2027年度)に基づき、足元の厳しい事業環境を踏まえ、「自動車生産台数だけに頼らない経営推進」という方針を掲げ、需要変動下でも安定的に収益を確保できる組織構造への転換を最優先課題として位置付け、取り組みを進めております。 (4)対処すべき課題 1.事業戦略 ①商品戦略 当社の強みである金属・樹脂の高度な複合成形技術を活かし、市場ニーズを的確に捉えた高付加価値品を創出します。注力商品のADAS(先進運転支援システム)関連部品やバスバーに加えて、既存の商品及び技術特性を活かし、より幅広い領域に目線を広げ、新たな商品をスピーディに開発、提供していくことで、お客様の信頼感を高め、シェア拡大を目指していきます。 ②地域・顧客戦略 北米、中国、インドの3つを重点地域とし、日系に加えて海外自動車メーカーへの拡販を念頭に、それぞれの市場や環境に即した施策を実施することで収益拡大を目指します。 北米では、米国Big3への拡販体制を強化するとともに、米国の追加関税政策等の動向を見極めながら、生産再配置の検討を進めていきます。 中国では、中華系メーカーへの一層の拡販に注力します。設計開発から生産、販売に至るまでを現地で完結できる体制整備を進め、現地のスピードに追従するとともに、現地材採用等による原価低減と高付加価値品による差別化により、競争力を高めていきます。 インドは将来的な高い成長が期待される重要な地域です。当社は、市場の拡大を取り込むため、同地域への投資を積極的に進めていきます。現在プネ地区に第2工場建設を進めており、生産能力の増強による更なる事業規模の拡大を目指していきます。 ③収益構造改革 中期経営計画の3ヶ年において「収益構造改革」による売上の伸長と収益構造の改善を両輪で推し進め、持続的な成長に向けた事業基盤の整備にスピード感をもって取り組みます。主要な方策として、製造現場に留まらず間接部門を含めた全社的な生産性向上を目指します。開発・生産準備・量産に至る一連の業務プロセスの見直しと標準化、部門横断での連携強化、適正なリソース配分により収益力改善を進めます。 2.医療機器事業の展開 当社グループでは、自動車部品の開発で培った金属加工技術を活かして、医療機器事業を展開しております。パイオラックス メディカル デバイスでは患者の体に対する負担の少ない低侵襲治療を目指しており、国内外の市場ニーズを捉えた商品の開発・製造・販売を通じて事業拡大を図っております。 3.サステナビリティに関する取組 当社グループは、「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」というパーパスに基づき、心弾む未来の実現に向けて全てのステークホルダーと協力することで、持続可能な社会に貢献していきます。 当社グループでは、「PIOLAX ESG Vision 2030」のもと、サステナビリティにおける重点方策を定めて活動しています。「環境」では、2050年カーボンニュートラルの達成に向け、2030年にCO₂排出量46%削減(2019年比)を目標にロードマップに基づく施策を着実に実行しています。「社会」は、当社では、社員は会社の重要な経営資源であり、大切な財産であると考え、「人材」ではなく「人財」と表現しています。多様な人財が安心して活躍できる職場づくりを推進します。「ガバナンス」は、取締役会の実効性向上等を通じた経営のモニタリング機能強化によりステークホルダーの信頼向上に努めていきます。 4.資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取り組みは以下の3件です。 1.3年間累計で自己株式取得300億円 2.3年間の1株当たり年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、社会・経済の正常化が進み、景気は緩やかな回復傾向が継続しました。一方で、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済においても、米国の関税政策をめぐる不確実性による景気回復の鈍化や、中東をはじめとした終わりの見えない地域紛争を背景とした地政学リスクの高まりなどにより、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、前年同期比で生産台数及び販売台数がともに減少したことに加え、サプライチェーンや生産体制の見直し、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフト、米国自動車市場の伸び悩みなど、依然として厳しい状況が続いております。 このような需要環境のもと、当社グループは、お取引先からのニーズを的確に捉え、日系のお取引先に加え非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進いたしました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して4,049百万円減少し、101,415百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して21,587百万円増加し、35,271百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して25,637百万円減少し、66,144百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度における売上高は62,045百万円(前期比2.1%減)、営業利益は1,470百万円(前期比38.3%減)、経常利益は1,453百万円(前期比57.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21百万円の損失(前年同期は1,792百万円の利益)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 (自動車関連等) グローバルでの拡販活動を継続的に推進してまいりましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は56,770百万円と前期比△1,407百万円(△2.4%)の減収となりました。一方利益面におきましては、収益改善活動をグループ一丸となって推進いたしましたものの、日系自動車メーカーの減産に伴う限界利益の減少等により、営業利益は2,368百万円と前期比△727百万円(△23.5%)の減益となりました。 (医療機器) 拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,274百万円と前期比101百万円(2.0%)の増収となりました。一方利益面におきましては、合理化活動を推進いたしましたものの、労務費等の増加により、営業利益は278百万円と前期比△49百万円(△15.0%)の減益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益763百万円及び減価償却費4,436百万円、短期借入れによる収入26,170百万円等の収入要因があり、自己株式の取得による支出23,979百万円及び有形固定資産の取得による支出9,565百万円等の支出要因により、前連結会計年度末と比較して7,462百万円(前期末比24.7%減)減少し、当連結会計年度末には22,773百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は3,003百万円(前期比63.0%減)となりました。前連結会計年度と比較して減少した主な要因は、売上債権の増加等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は7,561百万円(前期は3,340百万円の収入)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、有形固定資産の取得による支出の増加及び定期預金の払戻による収入の減少等によるものであります。 なお、営業活動により得られたキャッシュ・フローと投資活動により使用したキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは△4,557百万円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は3,137百万円(前期比51.5%減)となりました。前連結会計年度と比較して減少した主な要因は、短期借入れによる収入の増加等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比自動車関連等57,20698.2%医療機器5,299102.8%合計62,50698.6% (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(2)受注実績 当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の販売実績等を参考とした見込み生産を行っているため、該当事項はありません。(3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比自動車関連等56,77097.6%医療機器5,274102.0%合計62,04497.9% (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.単独で売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末時点での状況を基礎に連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与えるような項目・事象について見積りを行ないますが、これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる基準を設定して継続的に実施しております。なお、当連結会計年度末におきましては、材料の供給問題・価格高騰、経済活性化に伴う輸送コストの増加やエネルギーコストの高騰等による影響について、翌連結会計年度以降も一定の影響が継続するという前提に基づいて、足元の実績をもとに当初の事業計画値に反映し会計上の見積りとしております。しかし実際の結果は、見積りには不確実性が伴うため、これらの見積りとは異なる場合があります。 (固定資産の減損処理) 当社グループは原則として、事業用資産については管理会計上の区分を基にグルーピングを実施し、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行って、減損兆候の判定に基づき、必要に応じて帳簿価額を回収可能価額まで減損しております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 (投資有価証券の減損処理) 当社グループは、保有する有価証券について、市場価格のない株式等以外のものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損にあっては、個別銘柄毎にその回復可能性を総合的に検討し実施しております。将来、株式の市況又は投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は58,140百万円となり、前連結会計年度末と比較して6,258百万円減少しました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、現金及び預金の減少等によるものであります。固定資産は43,275百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,208百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、建物及び構築物の増加等によるものであります。 この結果、総資産は101,415百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,049百万円減少いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は33,541百万円となり、前連結会計年度末と比較して21,323百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、短期借入金の増加等によるものであります。固定負債は1,729百万円となり、前連結会計年度末と比較して264百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、繰延税金負債の増加等によるものであります。 この結果、負債合計は35,271百万円となり、前連結会計年度末と比較して21,587百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は66,144百万円となり、前連結会計年度末と比較して25,637百万円減少となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、自己株式の増加等によるものであります。 この結果、自己資本比率は63.9%(前連結会計年度末は85.8%)となりました。 2)経営成績 当連結会計年度において、世界経済は金融引き締めの長期化や地政学的緊張の影響で先行き不透明感が継続しました。金融市場では金利水準の高止まりを背景に資産価格の変動が大きく、不安定な状況が続きました。日本経済は物価上昇の影響を受けつつも、賃上げや内需の回復により緩やかな持ち直しが続きました。自動車業界においては、EV需要の伸びの鈍化、中国メーカーの台頭、ソフトウェア定義車両(SDV)への対応等により競争環境が一層激化しております。当社グループの主要な取引先である日系自動車メーカーでは、グローバルにおける販売不振や中国市場でのシェア低下を背景に、電動化戦略の見直しや協業強化の動きが見られ、当社グループにおいても依然として厳しい事業環境が継続しております。 このような状況のもと、当社グループにおいては、取引先のニーズを確実に捉え、日系自動車メーカーにとどまらず、非日系の自動車メーカーに対してもグローバルで拡販活動を推進しましたが、主要取引先の減産の影響を受け、売上高は62,045百万円(前年同期は63,351百万円、2.1%減)と前期比△1,306百万円の減収となりました。セグメント別では、自動車関連等は米国や中国をはじめ新興国市場においても積極的な拡販活動を実施しましたが、売上高は56,770百万円(前年同期は58,178百万円、2.4%減)と前期比△1,407百万円の減収となりました。医療機器は、積極的な拡販等により、売上高は5,274百万円(前年同期は5,172百万円、2.0%増)と前期比101百万円の増収となりました。 利益面においては、一層の合理化の推進と構造改革による変動費および固定費の削減に取り組みましたが、主要取引先の減産による限界利益の低下、直材費を中心とする変動費および労務費等のコスト上昇の影響を受け、営業利益は1,470百万円(前年同期は2,382百万円、38.3%減)と前期比△912百万円の減益となりました。セグメント別では、自動車関連は、2,368百万円(前年同期は3,095百万円、23.5%減)と前期比△727百万円の減益となりました。医療機器は、278百万円(前年同期は328百万円、15.0%減)と前期比△49百万円の減益となりました。 経常利益は1,453百万円(前年同期は3,402百万円、57.3%減)と前期比△1,948百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、海外子会社の減損損失計上等により21百万円の損失(前年同期は1,792百万円の利益)となりました。 3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、当社グループの資金につきましては、グループ全体でも月商売上高の4ヶ月以上の現金同等物を有しており、主として換金が容易であるため充分な流動性をもって事業活動を行っておりますが、今後不測の事態が生じた場合には、コミットメントラインの実行と併せ、固定費の圧縮等に努め、挽回策を講じていく所存であります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 世界経済はインフレの緩和傾向が見られるものの、各国における金融引き締めの継続や地政学的リスクの高まりを背景に、成長の減速と不確実性の高まりが懸念されます。当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)の進展、異業種からの参入などにより、100年に一度の大変革期と言われております。近年は電動化や自動運転技術の発展に伴い、中国系メーカーや新興メーカーの存在感が増大し、日系メーカーは苦戦を強いられる状況が続いております。一方で、原材料や電力料をはじめとしたエネルギーコスト、労務費の上昇により、厳しい経営環境が継続しております。 自動車部品の製造・販売をコア事業とする当社グループは、これまで自動車の生産台数の増加とともに成長してきました。しかし、世界的な生産台数の伸びの鈍化や主要取引先の生産台数低迷、開発スピードの短縮とコスト競争の激化、技術動向の変化に伴う自動車部品に対する要求の変化により、ビジネスモデルの変革を迫られている状況にあります。当社グループにおいては、「自動車生産台数だけに頼らない、自ら成長を切り開く経営」を経営方針とし、商品戦略では、当社の強みである金属と樹脂のノウハウを活かした高付加価値品の創出に取り組んでまいります。地域戦略では、重点地域を中心にグローバルでの拡販活動と成長期待のある領域への積極的な投資を通じて事業成長を目指してまいります。併せて、合理化に加え、変動費の徹底した管理や生産再配置、人員の最適化による固定費の削減、適正価格の実現に向けた取り組みなどにより、利益の確保を図ってまいります。 なお、2024年11月に資本政策を見直し、資本効率の改善を目的に、3年累計で30,000百万円の自己株式取得、2026年度まで1株当たり年間配当金92円以上の目標を掲げております。 c.資本の財源及び資金の流動性資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための費用等の販管費が主な内容であります。 投資活動については、新規対応・自動化及び生産性向上等を目的とした設備投資と金型投資及び国内リニューアル投資が主な内容となります。財務政策 当社グループは、運転資金及び設備資金とも営業キャッシュ・フローを源泉とする内部資金により充当することを基本方針としております。 一方で、資本効率の向上を目的とした機動的な資本政策の実行及び突発的な資金需要に対応するため、主要取引金融機関との間で総額31,500百万円のコミットメントラインを設定しております。当連結会計年度末においては、このうち24,000百万円の借入を実行しておりますが、当該借入は主として自己株式の取得等の資本政策上の施策に充当したものであります。 なお、当社グループの通常の運転資金及び設備資金は内部資金で賄われており、当該借入の実行後においても、未使用枠を含め十分な流動性及び財務の柔軟性を確保しております。 d.経営上の目標の達成・進捗状況 当社は、2026年5月12日に中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の見直しを公表しております。 当社を取り巻く経営環境は、主要な日系自動車メーカーにおける生産台数の低迷に加え、原材料価格やエネルギー価格の上昇等の影響を受け、厳しい状況が継続しております。このような環境下において、当社は拡販の推進やコスト構造の見直し等の諸施策を実施しており、その効果の一部は顕在化しつつあります。 しかしながら、既存事業の成長による収益力の回復については、中期経営計画策定当初の想定と比較して、一定の時間を要する見通しであります。こうした不確実性の高い事業環境を踏まえ、従来の自動車生産台数の回復を前提としたシナリオを見直し、足元の事業環境に即した達成確度の高い目標を再定義するとともに、その着実な実行を図るべく、中期経営計画の見直しを行いました。 なお、中期経営計画の中で、2026年度は連結売上高63,000百万円、連結営業利益1,500百万円、最終年度である2027年度は連結売上高65,000百万円、連結営業利益2,500百万円の達成を目標としております。
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が永年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、インフレ率の上昇や金利の引き上げ、米国追加関税政策や地域紛争等の地政学リスクが及ぼす世界情勢への影響が懸念されております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格の高騰や中国経済の成長の鈍化等の要因から不透明感が継続しております。 (3) 経営方針 これまで当社は、自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。ファスナー部品、燃料系部品、駆動系部品、開閉機構部品の4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトいたします。 (4)対処すべき課題 ①商品戦略 当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。特に注力していく商品として、先進運転技術(ADAS)関連商品やバッテリー、eアクスル向けのバスバーなどがあり、新真岡工場(栃木県)を中心とした大型成形機の導入など、設備投資も積極的に進めてまいります。 ②地域・顧客戦略 地域別にメリハリをつけ、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進めていきます。海外では、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。米国では、生産体制見直しと製造現場における省人化の推進、中国では現地自動車関連メーカーの開発スピードに負けない体制づくり、特に成長が期待できるインドでは、生産能力増強のため、第2工場の建設を計画し、ADAS関連商品など付加価値の高い商品への参入を行ってまいります。 ③組織改革 当社は事業部の壁を超え、迅速で柔軟な事業展開ができる体制の構築を目指しております。その実現のため、これまでの4つの商品群からなるSBU(戦略的ビジネスユニット)制を廃止し、2025年4月から機能別の体制へ改編をすることとしました。経営環境が大きく変化する中、機能別の体制を敷くことにより、戦略立案と実行、意思決定の迅速化や適正なリソース配分の実現を加速させ、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。 ④医療機器事業の展開 子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイスは、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。 ⑤サステナビリティに関する取組 「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」をパーパスに掲げ、利益を追求するだけでなく、当社のステークホルダーの方々と協力し、社会への貢献を目指しております。 当社ではサステナビリティ課題の解決に向け、2030年に向けたビジョン「PIOLAX ESG Vision 2030」を掲げ、重点方策を定め、KPIに落とし込んで活動を継続しております。脱炭素社会と循環型社会を目指した企業活動、安心して働ける活気ある職場づくり、公正・公平な取引と信頼関係の向上、ガバナンス強化による安定した組織運営をESG Visionに掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取組を、中長期的な視点で着実に実行してまいります。 ⑥資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取組は以下の3件です。 1.3年間における累計自己株式取得300億円 2.3年間における年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 企業理念 当社グループは1933年に「加藤発條製作所」として創業し、自動車や電気通信向けの精密金属ばねの生産からスタートしました。1969年には樹脂製の自動車用ファスナー類の開発・製造に事業拡大、1990年代には医療機器分野に進出する等、金属と樹脂の両方に精通した独自の製品開発と製造技術を強みに、新たな製品開発と販路拡大により成長を続け、広く産業や社会に貢献してまいりました。 当社グループがこの先も持続的に成長・発展していくため、創業90周年を機に新しい企業理念「パイオラックス ウェイ」を策定しました。これまで金属や樹脂をはじめ、あらゆる素材の「弾性(Elasticity)」を追求した製品の開発・販売を行ってきましたが、それに加えて人や社会、サステナビリティなどさまざまな可能性を追求し、新しい価値を創造することで、すべてのステークホルダーの期待に応えるとともに飛躍を目指してまいります。当社が永年培ってきたコアコンピテンスである技術の力で、人・モノ・社会をつなぎ、より豊かで安全快適な未来を実現することを経営の基本方針としております。 <パイオラックスグループ企業理念「パイオラックス ウェイ」>[パーパス]人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する[ビジョン]新しい価値の創造 -弾性を創造するパイオニアからその先へ-[バリュー]1.パイオニアを志し、挑戦と変化を続ける2.最良を目指し、熱意と信頼を以て協調する3.創造性を尊び、自由にしなやかに発想する <社是> 至誠・協力・奉仕 (2) 経営環境 当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、部品メーカー同士のコラボレーション、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、インフレ率の上昇や金利の引き上げ、米国追加関税政策や地域紛争等の地政学リスクが及ぼす世界情勢への影響が懸念されております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格の高騰や中国経済の成長の鈍化等の要因から不透明感が継続しております。 (3) 経営方針 これまで当社は、自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。ファスナー部品、燃料系部品、駆動系部品、開閉機構部品の4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトいたします。 (4)対処すべき課題 ①商品戦略 当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。特に注力していく商品として、先進運転技術(ADAS)関連商品やバッテリー、eアクスル向けのバスバーなどがあり、新真岡工場(栃木県)を中心とした大型成形機の導入など、設備投資も積極的に進めてまいります。 ②地域・顧客戦略 地域別にメリハリをつけ、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進めていきます。海外では、日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。米国では、生産体制見直しと製造現場における省人化の推進、中国では現地自動車関連メーカーの開発スピードに負けない体制づくり、特に成長が期待できるインドでは、生産能力増強のため、第2工場の建設を計画し、ADAS関連商品など付加価値の高い商品への参入を行ってまいります。 ③組織改革 当社は事業部の壁を超え、迅速で柔軟な事業展開ができる体制の構築を目指しております。その実現のため、これまでの4つの商品群からなるSBU(戦略的ビジネスユニット)制を廃止し、2025年4月から機能別の体制へ改編をすることとしました。経営環境が大きく変化する中、機能別の体制を敷くことにより、戦略立案と実行、意思決定の迅速化や適正なリソース配分の実現を加速させ、企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。 ④医療機器事業の展開 子会社の㈱パイオラックス メディカル デバイスは、IVR(血管内治療)からスタートしましたが、消化器に使用する内視鏡治療、脳外科用の整形分野へと業容を拡大し、血管や管腔を利用し身体になるべく傷をつけずに治療する「低侵襲治療」に取り組んでおります。大学病院等との共同研究により、商品企画力・営業力の強化を図りつつ、高齢化社会のニーズを捉え、「人に優しい弾性材料」で作られた医療用具の開発・製造・販売を推進してまいります。 ⑤サステナビリティに関する取組 「人と社会を技術でつなぎ、心弾む未来を実現する」をパーパスに掲げ、利益を追求するだけでなく、当社のステークホルダーの方々と協力し、社会への貢献を目指しております。 当社ではサステナビリティ課題の解決に向け、2030年に向けたビジョン「PIOLAX ESG Vision 2030」を掲げ、重点方策を定め、KPIに落とし込んで活動を継続しております。脱炭素社会と循環型社会を目指した企業活動、安心して働ける活気ある職場づくり、公正・公平な取引と信頼関係の向上、ガバナンス強化による安定した組織運営をESG Visionに掲げ、持続可能な社会の実現に向けた取組を、中長期的な視点で着実に実行してまいります。 ⑥資本政策の見直し 当社グループでは、資本効率を改善し、企業価値を向上させるために2024年11月に資本政策を大幅に見直しました。2025年3月期~2027年3月期の3ヵ年における主な取組は以下の3件です。 1.3年間における累計自己株式取得300億円 2.3年間における年間配当金92円以上、連結配当性向100%の継続 3.㈱佐賀鉄工所との業務提携基本契約変更 今後も資本効率を意識した経営を実践してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度のわが国経済は、社会・経済の正常化が進み景気は緩やかな回復傾向が継続しましたが、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、経済活動が活発になる中、終わりの見えない地域紛争などの地政学的リスクの高まりなど、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、一部の自動車メーカーの不正問題による生産・出荷停止の影響により生産台数が減少し、また、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフトなど、依然として厳しい状況が続いております。 このような需要環境のもと当社グループといたしましては、お取引先からのニーズを確実に捕捉し、日系のお取引先に加え非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進いたしました。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して15,951百万円減少し、105,464百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して211百万円増加し、13,683百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して16,162百万円減少し、91,781百万円となりました。b.経営成績当連結会計年度における売上高は63,351百万円(前期比1.9%減)、営業利益は2,382百万円(前期比49.9%減)、経常利益は3,402百万円(前期比39.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,792百万円(前期比55.3%減)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 (自動車関連等) 米国や中国をはじめ新興国市場等にグローバルに拡販活動を積極的に推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は58,178百万円と前期比△1,623百万円(△2.7%)の減収となりました。一方利益面においては、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による限界利益の減少や労務費上昇等により、営業利益は3,095百万円と前期比△2,789百万円(△47.4%)の減益となりました。 (医療機器) 拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,172百万円と前期比423百万円(8.9%)の増収となりました。一方利益面においては、増収による限界利益の増加に加え、合理化活動を推進した結果、営業利益は328百万円と前期比283百万円(631.3%)の増益となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益3,402百万円及び減価償却費4,353百万円等の収入要因があり、有形固定資産の取得による支出4,552百万円及び配当金の支払額3,472百万円等の支出要因により、前連結会計年度末と比較して5,486百万円(前期末比22.2%増)増加し、当連結会計年度末には30,236百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は8,124百万円(前期比2.9%減)となりました。前連結会計年度と比較して減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益の減少等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は3,340百万円(前期は8,573百万円の使用)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、定期預金の払戻による収入の増加及び有形固定資産の取得による支出の減少等によるものであります。 なお、営業活動により得られたキャッシュ・フローと投資活動により使用したキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは11,465百万円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は6,469百万円(前期比37.8%増)となりました。前連結会計年度と比較して増加した主な要因は、自己株式の取得による支出の増加等によるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績(1)生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比自動車関連等58,22796.9%医療機器5,152106.3%合計63,38097.6% (注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(2)受注実績 当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、原則として一部の確定受注や過去の販売実績等を参考とした見込み生産を行っているため、該当事項はありません。(3)販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比自動車関連等58,17897.3%医療機器5,172108.9%合計63,35198.1% (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.単独で売上高の10%を超える主な相手先が存在しないため、「最近2連結会計年度の10%を超える主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合」の記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、期末時点での状況を基礎に連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与えるような項目・事象について見積りを行ないますが、これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる基準を設定して継続的に実施しております。なお、当連結会計年度末におきましては、材料の供給問題・価格高騰、経済活性化に伴う輸送コストの増加やエネルギーコストの高騰等による影響について、翌連結会計年度以降も一定の影響が継続するという前提に基づいて、足元の実績をもとに当初の事業計画値に反映し会計上の見積りとしております。しかし実際の結果は、見積りには不確実性が伴うため、これらの見積りとは異なる場合があります。 (固定資産の減損処理) 当社グループは原則として、事業用資産については管理会計上の区分を基にグルーピングを実施し、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行って、減損兆候の判定に基づき、必要に応じて帳簿価額を回収可能価額まで減損しております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 (投資有価証券の減損処理) 当社グループは、保有する有価証券について、市場価格のない株式等以外のものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損にあっては、個別銘柄毎にその回復可能性を総合的に検討し実施しております。将来、株式の市況又は投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。 (繰延税金資産) 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。なお、詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は64,398百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,664百万円減少しました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、現金及び預金や売掛金の減少等によるものであります。固定資産は41,066百万円となり、前連結会計年度末と比較して13,287百万円減少いたしました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、投資有価証券の減少等によるものであります。 この結果、総資産は105,464百万円となり、前連結会計年度末と比較して15,951百万円減少いたしました。(負債) 当連結会計年度末における流動負債は12,218百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,776百万円増加いたしました。前連結会計年度末と比較して増加した主な要因は、未払金の増加等によるものであります。固定負債は1,464百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,564百万円減少いたしました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、繰延税金負債の減少等によるものであります。 この結果、負債合計は13,683百万円となり、前連結会計年度末と比較して211百万円増加いたしました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は91,781百万円となり、前連結会計年度末と比較して16,162百万円減少となりました。前連結会計年度末と比較して減少した主な要因は、利益剰余金の減少等によるものであります。 この結果、自己資本比率は85.8%(前連結会計年度末は87.5%)となりました。 2)経営成績 当連結会計年度における、わが国の経済は、社会・経済の正常化が進み、景気は緩やかな回復傾向が継続しましたが、エネルギー価格や物価の高止まり、金融資本市場の変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、経済活動が活発になる中、終わりの見えない地域紛争などの地政学的リスクの高まりによって、経済の先行きは不透明な状況が続いております。 当社グループの主要なお取引先である自動車業界につきましては、一部の自動車メーカーの不正問題による生産・出荷停止の影響により生産台数が減少し、また、中国自動車市場における日系自動車メーカーの販売低迷や急速なEV化へのシフトなど、依然として厳しい経営環境が続いております。 このような需要環境のもと、当社グループといたしましては、お取引先からのニーズを確実に捕捉し、日系のお取引先に加え、非日系のお取引先にもグローバルに拡販活動を継続的に推進しましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による影響を大きく受け、売上高は63,351百万円(前年同期は64,551百万円、1.9%減)と前期比△1,200百万円の減収となりました。セグメント別では、自動車関連事業は米国や中国をはじめ新興国市場等にグローバルに拡販活動を積極的に推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産の影響を受け、売上高は58,178百万円(前年同期は59,802百万円、2.7%減)と前期比△1,623百万円の減収となりました。医療機器事業は、拡販を積極的に推進いたしました結果、売上高は5,172百万円(前年同期は4,749百万円、8.9%増)と前期比423百万円の増益となりました。 一方利益面におきましては、より一層の合理化を推進いたしましたが、主要取引先である日系自動車メーカーの減産による限界利益の減少や労務費の上昇等により、営業利益は2,382百万円(前年同期は4,756百万円、49.9%減)と前期比△2,373百万円の減益となりました。セグメント別では、自動車関連等事業は、3,095百万円(前年同期は5,885百万円、47.4%減)と前期比△2,789百万円の減益となりました。医療機器事業は、328百万円(前年同期は44百万円、631.3%増)と前期比283百万円の増益となりました。 また経常利益は3,402百万円(前年同期は5,650百万円、39.8%減)と前期比△2,247百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,792百万円(前年同期は4,013百万円、55.3%減)と前期比2,220百万円の減益となりました。 3)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 なお、当社グループの資金につきましては、単体及びグループ全体でも月商売上高の6ヶ月以上の現金同等物を有しており、主として換金が容易であるため充分な流動性をもって事業活動を行っておりますが、今後不測の事態が生じた場合には、コミットメントライン21.5億円の実行と併せ、固定費の圧縮等に努め、挽回策を講じていく所存であります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 世界的なインフレや地政学リスクが高まる中、米国の保護主義政策や中国の経済対策が世界経済に与える影響が懸念されています。当社の主要な取引先である自動車業界においては、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の加速、異業種の自動車業界への参入など、100年に一度の大変革期と言われております。また、中国市場では中国系自動車メーカーの台頭による、日系自動車メーカーの販売不振が続いております。原材料や電力料をはじめとした各種エネルギー価格などのコストの高騰等の要因、為替の動向など、経営環境は不透明感が継続しております。 自動車関連をコア事業とする当社は、これまで自動車の生産台数の増加と共に成長してまいりました。4つの商品群からなる事業部体制の下、これらの商品に注力した経営を行ってまいりました。しかし、自動車を構成する部品の変化、生産台数の伸びの鈍化、開発スピードの加速、そして様々なコストの増加など、事業環境の変化に対応するため、自動車生産台数に頼らない経営方針へシフトすることを決定いたしました。今後は、当社の強みである技術と開発力を活かし、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。また、市場成長が期待できる地域へ積極的な投資を進め、海外では日系以外の海外自動車メーカーへの拡販を推進してまいります。コスト高への対策としては、更なる合理化と併せ、価格転嫁も継続してまいります。 グローバル供給体制の最適化に向け、現地生産、現地調達も推進してまいります。 2024年11月に資本政策を見直し致しました。資本効率を改善し、企業価値を向上させるため、中期経営計画(2024~2026年度)の中で、3年累計自己株式取得300億円、3年間配当金92円以上維持を掲げております。 c.資本の財源及び資金の流動性資金需要の主な内容 当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための費用等の販管費が主な内容であります。 投資活動については、新規対応・自動化及び生産性向上等を目的とした設備投資と金型投資及び国内リニューアル投資が主な内容となります。財務政策 当社グループは現在、運転資金・設備資金とも内部資金で充当しております。 また、不足が生じた場合に備えて、21.5億円のコミットメントラインを設定しております。 d.経営上の目標の達成・進捗状況 2024年度は、連結売上高633億円、連結営業利益23億円となり、2024年度目標としておりました連結売上高635億円、連結営業利益24億円に対し、減収減益となりました。 2025年度につきましては、日本経済は、2024年度に引き続き、エネルギー価格の高騰や物価上昇等による個人消費や経済活動への影響が懸念されます。世界経済では景気停滞や中国経済の減速、地域紛争等による地政学リスクの長期化、原材料費、エネルギー価格の高止まりが見込まれるなど、先行き不透明な状況が継続すると予想されます。このような環境下の中で業績予想といたしましては、内外カーメーカーに対するグローバル拡販の更なる推進を図る一方で、全社一丸となって合理化活動を推進することにより、連結売上高630億円、連結営業利益29億円を見込んでおります。 今後は電動化の推進により、当社製品群の一部である燃料系部品等の売上が減少することが想定されますが、それを補うべく、既存商品群の枠を超え、自動車市場の動向に追従した高付加価値製品の創出に取り組んでまいります。