事業の概要
- 工作機械の製造販売: エンシュウグループは、主に工作機械の製造と販売を行っています。これは、金属などを加工するための機械で、自動車部品や航空機部品などを作る工場で使われます。日本国内だけでなく、アメリカ、タイ、インドネシア、中国、インドにも販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
- 輸送機器部品の受託加工: 二輪車や四輪車のエンジン部品、駆動部品などの精密な加工を請け負っています。特にヤマハ発動機株式会社からの受託加工が多く、同社の生産活動を支える重要な役割を担っています。ベトナムの子会社でも二輪車エンジン部品の加工を行っており、海外でも部品加工事業を展開しています。
- 関連サービスと不動産賃貸: 工作機械の販売だけでなく、システムインテグレーションサービスも提供しており、顧客の生産ライン全体の最適化を支援しています。また、グループの一部の事業として不動産賃貸も行っており、安定的な収益源の一つとなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 工作機械関連事業: この事業は、金属加工に使う工作機械の製造と販売が主な内容です。日本国内だけでなく、アメリカ、タイ、インドネシア、中国、インドといった海外の子会社を通じて販売活動を展開しており、グローバルな市場で事業を行っています。2025年3月期の売上は約98.69億円でしたが、営業利益はマイナス11.26億円と赤字でした。
- 部品加工関連事業: この事業では、二輪車や四輪車のエンジン部品や駆動部品などの精密な加工を請け負っています。特にヤマハ発動機株式会社からの受託加工が多く、安定した取引関係を築いています。ベトナムの子会社でも二輪車のエンジン部品加工を行っており、海外でも展開しています。2025年3月期の売上は約119.45億円で、営業利益は3.71億円と黒字を計上しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MachineToolsRelated | 事業 | 99 | -11 | -11.4% |
| PartsProcessingRelatedReportableSegment | 事業 | 119 | 4 | 3.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社10社で構成され、工作機械の製造販売並びに輸送機器部品の受託加工を主な事業内容とし、更に各事業に関連するその他のサービス等の事業活動を展開しております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメント情報等の報告セグメントと同一の区分であります。 工作機械関連事業当社にて製造販売するほか、連結子会社ENSHU(USA)CORPORATION、ENSHU(Thailand)Limited、PT.ENSHU INDONESIA、遠州(青島)機床商貿有限公司、ENSHU INDIA PRIVATE LIMITEDにて販売を行い、エンシュウコネクティッド株式会社にてシステムインテグレーションサービスを展開しております。また連結子会社BANGKOK ENSHU MACHINERY Co.,Ltd.、遠州(青島)機床製造有限公司にて製造、販売サポート業務を行っております。なお、ENSHU GmbHは現在清算手続き中であります。 部品加工関連事業当社にて二輪車・四輪車等のエンジン・駆動部品等の受託加工を主に行っております。なお、受託加工の主な取引先は関連当事者であるヤマハ発動機株式会社であります。また、連結子会社ENSHU VIETNAM Co.,Ltd.にて二輪車のエンジン部品の受託加工を行っております。 その他不動産賃貸事業であります。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 工作機械関連事業は競合メーカーが多く、価格競争により販売価格が低下する傾向にあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 顧客共同での開発型ビジネスや、特定の加工技術(ホーニング加工機、レーザクラッド加工機) |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
会社が挙げる主要リスク:市場動向によるリスク / 特定取引先への依存のリスク / 為替レートの変動によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
エンシュウは工作機械メーカーであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開情報からは確認できない。汎用的な技術開発は行っているが、他社との明確な差別化要因となる無形資産は現時点では見当たらない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
工作機械は初期投資が大きく、導入後のオペレーションや保守メンテナンスのノウハウ蓄積により、顧客が他社製品へ乗り換える際の学習コストや手間は一定程度存在する。しかし、技術革新の速さや価格競争力により、乗り換え障壁はそれほど高くないと考えられる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
工作機械の製造・販売事業において、ユーザー数の増加が製品・サービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に発生しない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、個々の機械の性能や顧客サポートが重要となる。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造業としての経験や効率化努力により、一定のコスト管理能力は有していると考えられる。しかし、グローバルな競合と比較して、構造的に圧倒的なコスト優位性を確立しているという明確な証拠は乏しい。為替変動の影響も受ける可能性がある。
規模の経済★★★☆☆
エンシュウは中堅の工作機械メーカーであり、特定のニッチ分野や国内市場においては一定のシェアと生産規模を有している可能性がある。しかし、グローバルな大手工作機械メーカーと比較すると、規模の経済による圧倒的な優位性は限定的である。業界内での地位は確立している。
- グローバルな販売・製造網: エンシュウグループは、日本、アメリカ、タイ、インドネシア、中国、インドに販売拠点を、タイと中国に製造拠点を持ち、世界各地の顧客に製品とサービスを提供できる体制を構築しています。これにより、特定の地域に依存せず、多様な市場ニーズに対応できる可能性があります。
- 部品加工の専門技術と実績: 二輪車・四輪車のエンジンや駆動部品といった精密な部品加工において長年の経験と技術を有しています。特にヤマハ発動機株式会社との長年の取引実績は、その技術力と信頼性の証であり、安定した事業基盤の一端を担っていると考えられます。
- システムインテグレーション能力: 単に工作機械を販売するだけでなく、顧客の生産システム全体を最適化するシステムインテグレーションサービスを提供しています。これにより、顧客の課題解決に深く関わり、単なる製品提供にとどまらない付加価値を提供することで、顧客との長期的な関係構築に繋がる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針◆長期ビジョンMake a New Enshu for the World's manufacturing私たちは3つの挑戦により、世界のモノづくりに貢献します1. 社員一人一人が新しいモノづくりに挑戦します2. 常により高いレベルの品質とコストに挑戦します3. 3事業のシナジー発揮に挑戦します(部品加工事業、工作機械事業、SIer&IoT事業) (2) 経営環境及び対処すべき課題日本工作機械工業会(日工会)の発表によると、当連結会計年度の受注総額は1兆7,205億円(前期比14%増)と、外需を中心に増加しており、工作機械業界は回復基調で推移しました。一方で、原材料価格の高騰や市場環境の不透明感の影響を受け、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような環境のもと、当社グループは、2025年3月期を初年度とする5か年の中期経営計画「Make a New Enshu」を策定し、売上高重視から利益額重視への転換を基本方針として、採算性を重視した受注やコスト構造の見直しを進めるとともに、部品加工事業の拡大強化及び工作機械事業における新市場の開拓に取り組んでおります。部品加工関連事業につきましては、主力製品である大型二輪車用部品及び自動車関連部品の仕事量が中長期的に不透明な状況にあることを踏まえ、収益基盤の多様化及び生産体制の強化を重要な課題としております。これに対応するため、工作機械事業で培ったノウハウを活かした新たなモノづくりの提案により受注拡大を図るとともに、特に生産性向上やロス改善による原価低減を軸として、原材料価格等の高騰に対する適切な価格転嫁を進め、安定的な収益確保に努めております。さらに、自社工場における自動化及び省人化を推進し、労働力人口の減少という社会的課題への対応を図るとともに、工作機械事業及びSIer&IoT事業とのシナジーを活かした高効率なモノづくりの実現を目指しております。工作機械関連事業につきましては、市況の不透明感が続く中、将来の成長に向け、安定的な収益基盤の確立を目的とした事業構造の転換を重要課題としております。中期経営計画の施策として、既に公表しておりますとおり、①システム工作機械、②顧客共同での開発型機械製造、③レーザー加工システム事業、④SIer&IoT事業、⑤保守サービス事業の5事業を柱とした事業構造への変革を引き続き推進し、新市場の開拓と付加価値の向上に取り組んでまいります。これらの課題に対しては、中期経営計画に基づき着実かつ迅速に対応し、収益性の向上及び財務体質の改善を図ってまいります。 (3) 中期経営計画の進捗状況について[中期経営計画の基本方針]①「売上高重視から利益額重視へ」不変ですが、より一層の徹底を図ります②「ROE5%の達成」を図ります ◆部品加工事業戦略部品加工事業では、仕事量の拡大及び収益力向上に向けた取り組みを計画どおり進めております。2025年3月期は一時的に利益が減少しましたが、2026年3月期においては、収益改善施策の効果により営業利益は計画を上回る水準となりました。① 売上拡大:経営資源を重点的に投入し、仕事量の拡大に向けて計画どおり受注活動を進めております。② 収益力の向上:生産性・品質向上活動による原価低減が進展しております。今後は、不採算ライン解消にも着手していきます。 ③ 事業シナジー創出:SIer&IoT事業との協業によるAMRや自動外観検査装置、加工ラインでの切削監視など順次具現化を進めております。今後の新規取り込みラインでも、工作機械部門と協業した機能開発も進めてまいります。 ◆工作機械事業戦略工作機械事業においては、売上高重視から利益額重視への方針に基づき、採算性を重視した受注を進めた結果、2026年3月期においては売上規模が縮小しておりますが、足元では顧客を選定した重点的な活動により、システム工作機械を中心に受注は回復基調にあります。これに対応するため、仕事量に応じた生産体制への構造改革を実施するとともに、売上が拡大している部品加工事業や、SIer&IoT事業を担うエンシュウコネクティッドへの人員再配置を行うなど、事業環境に応じた経営資源の最適配分を進め、現行の売上規模においても利益を確保できる体制への転換を図っております。また、利益率改善に向けた「5事業への転換」についても、計画どおり進捗しております。 ① システム工作機械:顧客を選定し重点的な活動を行った結果受注が拡大しております。② 顧客共同での開発型機械製造:2025年度に量産を開始した歯科加工機は、高い加工精度が評価され、出荷が順調に推移しております。また、BEVモーター向け自動化対応実証機を納入しています。半導体向け専用加工機についても、顧客との共同開発を進めております。 ③ レーザー加工システム事業:新たに開発した自動車向けレーザー加工専用機を納入しました。引き続き非自動車向けを含めた引合へ対応してまいります。④ SIer&IoT事業:人手不足を背景とした自動化ニーズの高まりを受け、自動車業界を中心にDX化・自動化案件の受注が拡大しております。⑤ 保守サービス事業:既存設備の保全、改造、更新需要の増加を受け、サービス体制の強化及びサービス起点での営業活動を進めております。 ◆中期経営計画 財務目標 直近時点での実績及び今後の計画 2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期計画2028年3月期計画2029年3月期計画全社売上(営業利益率)218億円(△3.2%)192億円(2.0%)221億円(3.6%)-250億円(4%)部品加工事業売上(営業利益率)119億円(3.1%)123億円(6.0%)126億円(5.2%)-170億円(5%)工作機械事業売上(営業利益率)98億円(△11.4%)67億円(△6.0%)94億円(1.1%)-80億円(2%)ROE△20.4%2.3%2.3%-5%
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針◆長期ビジョンMake a New Enshu for the World's manufacturing私たちは3つの挑戦により、世界のモノづくりに貢献します1. 社員一人一人が新しいモノづくりに挑戦します2. 常により高いレベルの品質とコストに挑戦します3. 3事業のシナジー発揮に挑戦します(部品加工事業、工作機械事業、SIer&IoT事業) (2) 経営環境及び対処すべき課題日本工作機械工業会(日工会)の発表によると、当連結会計年度の受注総額は1兆7,205億円(前期比14%増)と、外需を中心に増加しており、工作機械業界は回復基調で推移しました。一方で、原材料価格の高騰や市場環境の不透明感の影響を受け、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような環境のもと、当社グループは、2025年3月期を初年度とする5か年の中期経営計画「Make a New Enshu」を策定し、売上高重視から利益額重視への転換を基本方針として、採算性を重視した受注やコスト構造の見直しを進めるとともに、部品加工事業の拡大強化及び工作機械事業における新市場の開拓に取り組んでおります。部品加工関連事業につきましては、主力製品である大型二輪車用部品及び自動車関連部品の仕事量が中長期的に不透明な状況にあることを踏まえ、収益基盤の多様化及び生産体制の強化を重要な課題としております。これに対応するため、工作機械事業で培ったノウハウを活かした新たなモノづくりの提案により受注拡大を図るとともに、特に生産性向上やロス改善による原価低減を軸として、原材料価格等の高騰に対する適切な価格転嫁を進め、安定的な収益確保に努めております。さらに、自社工場における自動化及び省人化を推進し、労働力人口の減少という社会的課題への対応を図るとともに、工作機械事業及びSIer&IoT事業とのシナジーを活かした高効率なモノづくりの実現を目指しております。工作機械関連事業につきましては、市況の不透明感が続く中、将来の成長に向け、安定的な収益基盤の確立を目的とした事業構造の転換を重要課題としております。中期経営計画の施策として、既に公表しておりますとおり、①システム工作機械、②顧客共同での開発型機械製造、③レーザー加工システム事業、④SIer&IoT事業、⑤保守サービス事業の5事業を柱とした事業構造への変革を引き続き推進し、新市場の開拓と付加価値の向上に取り組んでまいります。これらの課題に対しては、中期経営計画に基づき着実かつ迅速に対応し、収益性の向上及び財務体質の改善を図ってまいります。 (3) 中期経営計画の進捗状況について[中期経営計画の基本方針]①「売上高重視から利益額重視へ」不変ですが、より一層の徹底を図ります②「ROE5%の達成」を図ります ◆部品加工事業戦略部品加工事業では、仕事量の拡大及び収益力向上に向けた取り組みを計画どおり進めております。2025年3月期は一時的に利益が減少しましたが、2026年3月期においては、収益改善施策の効果により営業利益は計画を上回る水準となりました。① 売上拡大:経営資源を重点的に投入し、仕事量の拡大に向けて計画どおり受注活動を進めております。② 収益力の向上:生産性・品質向上活動による原価低減が進展しております。今後は、不採算ライン解消にも着手していきます。 ③ 事業シナジー創出:SIer&IoT事業との協業によるAMRや自動外観検査装置、加工ラインでの切削監視など順次具現化を進めております。今後の新規取り込みラインでも、工作機械部門と協業した機能開発も進めてまいります。 ◆工作機械事業戦略工作機械事業においては、売上高重視から利益額重視への方針に基づき、採算性を重視した受注を進めた結果、2026年3月期においては売上規模が縮小しておりますが、足元では顧客を選定した重点的な活動により、システム工作機械を中心に受注は回復基調にあります。これに対応するため、仕事量に応じた生産体制への構造改革を実施するとともに、売上が拡大している部品加工事業や、SIer&IoT事業を担うエンシュウコネクティッドへの人員再配置を行うなど、事業環境に応じた経営資源の最適配分を進め、現行の売上規模においても利益を確保できる体制への転換を図っております。また、利益率改善に向けた「5事業への転換」についても、計画どおり進捗しております。 ① システム工作機械:顧客を選定し重点的な活動を行った結果受注が拡大しております。② 顧客共同での開発型機械製造:2025年度に量産を開始した歯科加工機は、高い加工精度が評価され、出荷が順調に推移しております。また、BEVモーター向け自動化対応実証機を納入しています。半導体向け専用加工機についても、顧客との共同開発を進めております。 ③ レーザー加工システム事業:新たに開発した自動車向けレーザー加工専用機を納入しました。引き続き非自動車向けを含めた引合へ対応してまいります。④ SIer&IoT事業:人手不足を背景とした自動化ニーズの高まりを受け、自動車業界を中心にDX化・自動化案件の受注が拡大しております。⑤ 保守サービス事業:既存設備の保全、改造、更新需要の増加を受け、サービス体制の強化及びサービス起点での営業活動を進めております。 ◆中期経営計画 財務目標 直近時点での実績及び今後の計画 2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期計画2028年3月期計画2029年3月期計画全社売上(営業利益率)218億円(△3.2%)192億円(2.0%)221億円(3.6%)-250億円(4%)部品加工事業売上(営業利益率)119億円(3.1%)123億円(6.0%)126億円(5.2%)-170億円(5%)工作機械事業売上(営業利益率)98億円(△11.4%)67億円(△6.0%)94億円(1.1%)-80億円(2%)ROE△20.4%2.3%2.3%-5%
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における経済は、円安に伴う原材料価格の上昇、米中対立の影響による供給網の分断、さらには主要国における関税政策への懸念が強まるなど、先行き不透明な状況が続きました。このような情勢の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、工作機械関連事業部門において減収となった一方、部品加工関連事業部門において増収となった結果、19,218百万円(前期比12.2%減)となりました。損益につきましては、本社及び現地法人において収益改善に取り組んだ結果、営業利益は380百万円(前期は営業損失705百万円)、経常利益は242百万円(前期は経常損失943百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は236百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,261百万円)となり、前年に比べ損益は大きく改善いたしました。当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ171百万円増加し29,983百万円(前期末比0.6%増)となりました。このうち流動資産は199百万円減少し15,050百万円(前期末比1.3%減)となり、固定資産は384百万円増加し14,874百万円(前期末比2.7%増)となりました。流動資産の減少の主な要因は、現金及び預金が736百万円増加したものの、商品及び製品が634百万円、電子記録債権が560百万円減少したことによります。固定資産の増加の主な要因は、投資その他の資産が640百万円増加したことによります。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて85百万円減少し19,347百万円(前期末比0.4%減)となりました。このうち流動負債は851百万円減少し8,569百万円(前期末比9.0%減)となり、固定負債は765百万円増加し10,778百万円(前期末比7.6%増)となりました。流動負債の減少の主な要因は、電子記録債務が475百万円、短期借入金が235百万円減少したことによります。固定負債の増加の主な要因は、長期借入金が615百万円増加したことによります。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて256百万円増加し10,635百万円(前期末比2.5%増)となりました。増加の主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益236百万円を計上したことによるものであります。 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 工作機械関連事業部門工作機械関連事業部門におきましては、国内及び北米、インド等が前期比で減収となった結果、売上高は6,756百万円(前期比31.5%減)となりました。損益面では、構造改革の効果及び経費削減施策等により赤字が大幅に縮小し、セグメント損失(営業損失)は407百万円(前期は営業損失1,126百万円)となりました。 部品加工関連事業部門部品加工関連事業部門におきましては、国内主要顧客向けの仕事量増加を背景に、売上高は12,390百万円(前期比3.7%増)となりました。損益面におきましては、仕事量が増加する中、現場主導による生産性向上活動を通じた費用削減に努めた結果、セグメント利益(営業利益)は738百万円(前期比98.5%増)となりました。 その他部門その他事業の部門におきましては、不動産賃貸事業により、売上高は70百万円(前期と同額)となり、セグメント利益(営業利益)は49百万円(前期比0.0%減)となりました。 ② 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)工作機械関連事業4,827△46.8部品加工関連事業13,0744.6その他――合計17,902△17.0 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。2.金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)工作機械関連事業8,47620.74,43363.4部品加工関連事業12,5751.04,7324.1その他70―――合計21,1228.19,16526.2 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)工作機械関連事業6,756△31.5部品加工関連事業12,3903.7その他70―合計19,218△12.2 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)ヤマハ発動機株式会社8,00036.68,41843.8 ③キャッシュ・フローの状況営業活動の結果獲得した資金は1,412百万円(前期比6.7%減)となりました。これは主として減少要因である仕入債務の減少額455百万円を、減価償却費990百万円、売上債権の減少額393百万円及び棚卸資産の減少額368百万円等が上回ったことによります。投資活動の結果使用した資金は531百万円(前期比60.5%減)となりました。これは主として有形固定資産の取得によるものです。財務活動の結果使用した資金は186百万円(前期比10.7%増)となりました。これは主として借入れによる収入、社債の発行による収入を、借入金の返済による支出、社債の償還による支出、配当金の支払額等が上回ったことによるものです。これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて715百万円増加し5,057百万円(前期末比16.5%増)となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工作機械関連事業の製品製造のための材料費、外注費、人件費等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。設備投資資金や長期運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としており、短期運転資金の調達につきましては、金融機関からの短期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金、リース債務及び社債を含む有利子負債の残高は11,868百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,057百万円となっております。 (2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
事業リスク
- 自動車業界の市場変動リスク: 工作機械関連事業は、自動車業界の設備投資に大きく依存しており、電気自動車への移行(電動化)やCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)といった技術革新が、内燃機関部品の需要減少に繋がり、業績に影響を与える可能性があります。また、景気変動による設備投資の増減も、受注や販売価格に敏感に影響します。
- 特定取引先への高い依存度: 部品加工関連事業では、ヤマハ発動機株式会社への売上依存度が高く、2025年3月期には売上高全体の36.6%を占める見込みです。そのため、ヤマハ発動機株式会社の事業方針や生産計画の変更が、エンシュウグループの業績に直接的かつ大きな影響を与える可能性があります。
- 自然災害による生産停止リスク: エンシュウグループの生産拠点が静岡県に集中しているため、南海トラフ巨大地震のような大規模な自然災害が発生した場合、生産活動が中断し、多額の復旧費用が発生する可能性があります。これにより、業績に甚大な影響が及ぶリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場動向によるリスク当社グループの工作機械関連事業の受注は顧客の設備投資活動に直接結びついているため、市場の景気動向に対して極めて敏感であり、民間設備投資、特に主要顧客である自動車業界の設備投資の増減の影響を大きく受けます。その上、好況時と不況時の変動も大きく、不況時は需給関係により販売価格が低下する傾向にあります。また、当社グループが得意としている自動車業界は、EVシフトの見直しや、HV(ハイブリッド車)・ICE(内燃機関)の再評価、自動化ニーズの高まりを背景に、構造変化が想定され、顧客・社会のニーズは大きく変化しています。当社は自動化・DX関連商材による提案型営業を継続しつつ、共同開発型機械等の実績を積み重ね、収益力の向上を目指してまいりますが、引続き自動車業界の市場動向は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (2) 特定取引先への依存のリスク当社グループの部品加工関連事業においては、ヤマハ発動機株式会社への売上(受託加工)依存度が高い割合となっていますので、同社の事業方針は当社グループの業績に強い影響を与える可能性があります。最近の同社向販売実績及び売上高全体に占める割合は、次のとおりであります。相手先2024年3月期2025年3月期2026年3月期販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)ヤマハ発動機㈱9,51739.58,00036.68,41843.8 (3) 為替レートの変動によるリスク当社グループの全社の海外売上高比率は2026年3月期で25.2%となっております。決済は主に円建でありますが、USD建及びEUR建等の取引もあり為替レートの変動によるリスクを有しております。円建取引の増加や為替予約により影響を少なくするよう努力しておりますが、大幅な為替レートの変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (4) 金利変動によるリスク当社グループの借入金依存度(借入金の総資産に対する割合)は、2026年3月期で38.3%となっております。当社グループでは将来の金利変動によるリスク回避を目的として、借入金の一部を金利スワップにより固定金利としておりますが、金利変動の影響を受ける可能性があります。 (5) 資金調達に係るリスク当社グループは、借入金依存度が相応に高いことから、金融機関の融資姿勢の変化等によって資金調達が困難になるリスクがあります。また、シンジケートローンにつきましては、契約内容に一定の財務制限条項等が付されている場合があり、当該事由に抵触した場合には当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。 (6) 競合によるリスク当社グループの工作機械関連事業は競合するメーカーが多く、価格競争により販売価格が低下する傾向にあります。特に汎用工作機械分野では競合メーカー製品との競合等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (7) 特定の原材料及び部品の供給業者への依存当社グループの工作機械関連事業は製品の製造に使用する原材料及び部品等について、当社グループ外の多数の供給業者から調達しています。一部については特定の供給業者に依存しており、需給状況、災害等の要因によっては納期遅延、コストアップ等の影響が生じることがあります。原材料価格の高騰等は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (8) 棚卸資産の評価損に関するリスク当社グループでは、「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用しており、販売目的の棚卸資産の収益性を期末において評価し、収益性が低下していると判断される場合には評価損を計上することになります。このため、当社グループの棚卸資産について、需給関係による販売価格の低下やシステム工作機械における追加費用の発生により収益性が低下していると判断し評価損を計上する場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (9) 品質に関するリスク当社グループは、製品の品質には万全を期しておりますが、工作機械関連事業のシステム工作機械においてはオーダーメイド方式のため、より高度な品質管理が求められており、追加費用が発生する可能性があります。また、部品加工関連事業においても、予期しない品質トラブルにより多額の改修費用及び補償費用が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループといたしましては、海外拠点を含めて、品質の維持・向上を最優先課題として取り組んでおります。 (10) 自然災害等のリスク当社グループは地震等の自然災害の発生により生産拠点が損害を受ける可能性があります。被害の影響を最小限に抑えるため、建物・設備などの耐震対策、防火対策等の予防策を順次進めていますが、万一、予想される南海トラフ巨大地震が発生した場合、当社グループの生産拠点が静岡県内に集中していることもあり、操業の中断、多額の復旧費用等、当社グループの業績が大きな影響を受ける可能性があります。 (11) 情報セキュリティに関するリスク顧客情報や機密情報の漏洩等の防止は、会社の信用維持、円滑な事業運営にとって、必要不可欠の事項といえます。当社グループにおいては、社内規程の制定、社内教育、情報セキュリティシステムの構築等の措置を講じていますが、万一、情報漏洩等の事態が発生した場合、当社グループの信用低下、顧客等に対する損害賠償責任が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。