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オイレス工業(6282)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

機械 機械

事業の概要

  • 一般軸受機器事業
    自動車や産業機械に使われる「オイルレスベアリング」などの軸受機器を開発・製造・販売しています。これは、潤滑油なしで使える特殊な軸受で、メンテナンスの手間を減らし、環境負荷も低減する技術です。国内外の子会社と連携し、グローバルに製品を提供しています。
  • 自動車軸受機器事業
    自動車産業向けに特化した軸受機器を製造・販売しており、同社の売上の約50%を占める主力事業です。自動車の電動化や自動運転といった技術革新(CASE)に対応した製品開発にも力を入れ、将来の需要変化に備えています。
  • 構造・建築機器事業
    橋梁や建築物の免震・制震装置、窓の開閉装置などを手掛けています。特に免震・制震装置は、地震の揺れを吸収・軽減する重要な役割を担い、社会インフラの安全に貢献しています。オイレスECO(株)が建築機器の開発から保守まで一貫して行っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 一般産業用軸受部門
    この部門は、自動車以外の様々な産業機械向けにオイルレスベアリングなどの軸受機器を製造・販売しています。売上高は148.3億円、営業利益は11.33億円で、国内外の子会社が特定製品の製造販売や地域販売を担い、グローバルに展開しています。
  • 自動車用軸受部門
    自動車産業向けに特化した軸受機器を提供しており、同社の最大の稼ぎ頭です。売上高は338.04億円、営業利益は33.63億円と、全体の約半分を占めています。自動車の電動化や自動運転といった技術革新に対応した製品開発に注力し、市場の変化に対応しています。
  • 構造機器部門
    橋梁や建築物に使用される支承や免震・制震装置などを手掛けています。売上高は113.11億円、営業利益は19.56億円です。公共投資事業の動向に影響を受ける可能性がありますが、事業収益性の強化や新たな市場創出を目指し、製品開発に取り組んでいます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
GeneralIndustrialBearingDivision 地域 148 11 7.6%
AutomotiveBearingDivision 事業 338 34 9.9%
StructuralDivision 事業 113 20 17.3%
ArchitecturalDivision 事業 59 4 6.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,069 文字
3【事業の内容】当企業グループは、連結財務諸表提出会社(オイレス工業株式会社)及び子会社15社により構成されており、一般軸受機器、自動車軸受機器、構造機器、建築機器の製造販売を行っております。上記の企業グループの営む主な事業内容と各社の当該事業における位置づけは、次のとおりであります。なお、次の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。セグメント主要製品連結財務諸表提出会社及び各社の位置づけ一般軸受機器および自動車軸受機器オイルレスベアリング等連結財務諸表提出会社が開発、製造及び販売を行っており、ユニプラ(株)、ルービィ工業(株)、(株)リコーキハラ及びオーケー工業(株)は特定製品の製造販売を、オイレス西日本販売(株)及びオイレス東日本販売(株)は特定地域における販売を行っております。また、Oiles America Corporation は北米市場における特定製品の製造販売を、Oiles Deutschland GmbH はヨーロッパ市場における特定製品の販売を、Oiles Czech Manufacturing s.r.o.はヨーロッパ市場における特定製品の製造販売を、上海自潤軸承有限公司及び自潤軸承(蘇州)有限公司は中国市場等における特定製品の製造販売を、Oiles (Thailand) Company Limited は東南アジア市場における特定製品の製造販売を、Oiles India Private Limitedはインド市場における特定製品の製造販売を行っております。構造機器支承、免震・制震装置等連結財務諸表提出会社が開発、製造及び販売を行っており、ユニプラ(株)、(株)リコーキハラ及びルービィ工業(株)は特定製品の製造販売を、(株)免震エンジニアリングは免震・制震装置のスペックイン活動及び設計・保守業務を行っております。建築機器ウィンドウオペレーター環境機器住宅用機器等オイレスECO(株)が開発、製造、販売、工事並びに保守を行っております。その他伝導機器類等上記以外の機器類オイレス西日本販売(株)及びオイレス東日本販売(株)が伝導機器類の仕入販売を行っております。 以上の企業集団等について事業系統図を示すと次のページのとおりであります。 (注)1.瓯依鐳斯貿易(上海)有限公司は2025年9月30日付で清算いたしました。 2.Oiles Brasil Limitadaは2025年10月15日付で清算いたしました。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
グローバルな競争激化と原材料価格高騰により値下げ要求が続く
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
摩擦・摩耗・潤滑のトライボロジー技術とダンピング(振動制御)技術
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:景気後退による需要減少 / 原材料の価格上昇及び調達 / 為替レートの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

オイレス工業は、軸受、摺動材分野で長年の実績と高い技術力を有しており、特に無潤滑軸受や自己潤滑性軸受における独自の開発力は一定の評価を得ている。しかし、特許やブランド力が圧倒的というよりは、技術力に裏打ちされた信頼性が中心であり、無形資産としての強固な優位性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の製品は、自動車部品、産業機械、半導体製造装置など、高い信頼性が求められる分野で使用されることが多い。一度採用された製品は、性能評価や設計変更に多大なコストと時間がかかるため、顧客は容易に他社製品へ切り替えにくい。特に、特殊な仕様やカスタム品の場合、スイッチング・コストは高くなる傾向がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増すようなネットワーク効果を生み出す構造ではない。個々の製品の性能や信頼性が評価されるBtoBビジネスが中心である。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の生産ノウハウや材料開発により、一定のコスト競争力は有していると考えられる。しかし、特殊材料や高精度加工を要する製品も多く、汎用品と比較して構造的なコスト優位性は限定的。競合他社も同様の技術を持つ場合があり、価格競争に陥る可能性も否定できない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

軸受・摺動材市場において、オイレス工業はニッチながらも主要プレイヤーの一つであり、特定の製品群では一定のシェアを確保している。しかし、グローバルな大手メーカーと比較すると、絶対的な規模や市場支配力は限定的。業界全体が成熟しており、効率規模の優位性は中程度。

  • 独自のトライボロジー技術
    同社は「摩擦」「摩耗」「潤滑」に関する「トライボロジー技術」を核としています。これにより、オイルレスベアリングのような、潤滑油なしで高い性能を発揮する製品を開発し、競合他社との差別化を図っています。この技術は、製品の長寿命化やメンテナンスフリー化に貢献しています。
  • 免震・制震技術と実績
    構造機器事業では、地震の揺れを軽減する免震・制震装置において高い技術力と実績を持っています。公共投資事業における需要に支えられ、橋梁や建築物など社会インフラの安全・安心に貢献しています。専門子会社が設計・保守まで手掛けることで、顧客の信頼を得ています。
  • グローバルな生産・販売体制
    北米、欧州、アジアなど世界各地に製造・販売拠点を展開しており、連結売上高の38.0%を海外が占めています。これにより、各地域の市場ニーズに合わせた製品供給や、自動車メーカーの海外進出に合わせた現地生産体制を構築し、国際競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針当企業グループは、『オイルレスベアリングの総合メーカーとして世界のリーダーとなり、技術で社会に貢献する』をグループの経営理念としており、一貫性をもって持続的な成長を目指しております。創業から脈々と続く「技術で社会に貢献する」理念は、当企業グループの普遍的な価値観であります。軸受機器事業において省エネや環境負荷低減の実現、構造機器事業において世界に対して「安心・安全」を提供、建築機器事業において排煙や換気により「安心・安全」や「快適さ」を提供しております。当企業グループの事業そのものは高い社会貢献性を持ち、「技術で社会に貢献する」経営理念を具現します。わたしたちは、持続可能な社会を実現することは当企業グループの企業価値向上につながるという信念をもち、トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)とダンピング(振動制御)の2つのコア技術のたゆまぬ探求と、社会の持続的な発展に貢献するという飽くなき挑戦を続けてまいります。 ①事業への取り組みグローバルな市場創造企業として、他社の追従を許さない性能を持つ独自の製品開発をおこない、お客さまの課題を革新的に解決し、お客さまと共に世界初・世界一を実現するための技術や製品の提供を続けます。そのために、お客さまや社会からの期待に応える高い品質水準と生産性向上をおこないます。②社会とのかかわり企業価値の創出は、さまざまなステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であります。ステークホルダーとの適切な協働に努めるとともに、その期待に応えてまいります。③サステナビリティへの対応サステナビリティはESGを含む長期的に重要な経営要素として積極的かつ能動的な活動を進めます。④人的資本対応の強化人材は「人的資本」であり、企業価値創出の中核は人的資本にあります。企業価値向上を実現する人材戦略を経営戦略と連動して推進します。 (2)経営戦略等当企業グループは、持続的な成長や中長期的な企業価値の創出を実現するため、経営理念に則った長期ビジョンや中長期の経営方針・経営戦略を策定し、計画で定めた成長目標の実現に向けて、グループ全体で取り組んでまいります。当企業グループでは、“2030年のありたい姿”として長期ビジョン「OILES 2030 VISION」を掲げ、2024年度を起点とする”中期経営計画2024-2026”を策定いたしました。OILES 2030 VISION『サステナブルな社会の実現を、摩擦・摩耗・振動の技術+Xで貢献する』 中期経営方針2024-20261.次世代の飛躍成長を実現するために成長市場へ経営資源を全力投球2.業務改革と生産技術の追求によって全部門が生産性を向上する3.すべてのステークホルダーに貢献する企業価値向上4.資本効率性を意識した財務運営 事業ごとの中期戦略等は以下のとおりです。(一般軸受機器)半導体製造装置等の成長性の高い分野への注力に加え、再生可能エネルギー市場への戦略製品の投入、積極展開をおこなっております。半導体製造装置等のエレクトロニクス分野においては、国内産業力強化が進む中国市場において非日系顧客を含む受注獲得を積極的に推し進めております。再生可能エネルギー分野では、北米市場においては水力発電所のメンテナンス需要の増加、インド・中国市場においては新設の揚水発電所建設による需要増加に対応すべく受注活動の強化をはかっております。(自動車軸受機器)EVの普及や自動運転化に対応した製品開発と積極投資をおこない、新規案件の獲得を目指します。中国やインドといった成長市場を中心に受注拡大をはかっており、特に非日系顧客を中心に新規受注を拡大するべくグローバルで営業活動を展開しております。また拡大が見込まれる車載装置の電動化の潮流を的確に捉え、電動化に伴う新用途の開拓と新製品の開発、スペックインを積極的に推し進めてまいります。(構造機器)増加するインフラリニューアル、及び都市再開発や都市型データセンターへ採用される大型製品のシェア拡大をはかるとともに、人手不足等により物件が遅延、減少する中においても、売上・シェアを拡大するために市場創造型の新しい試みに積極的に挑戦してまいります。また、大型製品の需要に対応すべく足利工場の再編に取り組んでおり、今年度は新出荷棟の完成を見込んでおります。(建築機器)建築着工床面積の減少や労務費、資材等の原価が高騰する中においても、建築物の長寿命化要求の高まりとともに拡大するリニューアル市場、リフォーム市場への活動を強化することにより、収益性の向上に取り組んでまいります。(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当企業グループは、売上高営業利益率と自己資本当期純利益率(ROE)を経営指標として重視します。売上高営業利益率は事業の利益水準を明確化するため、ROEは資本収益性を意識した経営を実践するため、重要な経営指標としております。なお、この両指標を高めることで、企業価値向上が図れるものと考え、売上高営業利益率は15%以上、自己資本当期純利益率は10%以上を目指しております。当連結会計年度における売上高営業利益率は10.1%であり、自己資本当期純利益率は6.4%でした。引き続きこれらの目標が達成されるように取り組んでまいります。(4)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題成長戦略を支え企業の持続的成長を支えるには事業部門の成長に加え、非財務資本のさらなる進化が重要との認識のもと、経営基盤の高度化を重点課題としております。特に、人的資本への取り組みとしては、従業員エンゲージメントが高まるよう人材育成やダイバーシティの推進、ワークライフバランス、健康経営の推進等に積極的に取り組んでおります。2024年10月には、従業員意識調査(年1回)も開始し、従業員エンゲージメントの推移や施策の効果を測定していくことで、実効性の高い施策を実行してまいります。サステナビリティ課題への取り組みでは、当企業グループは2030年度までにCO2総排出量を2013年度比46%削減という目標を2021年に定め、これに続いて2023年度からは当企業グループ全体で「2050年カーボン・ニュートラル」の実現を目標とし、積極的な設備投資を通じた自社設備によるCO2排出量削減のみならず、環境負荷低減を実現する製品や技術を社会に提供するという本業での環境対応についても、バイオマスプラスチック軸受の製品化や、電気自動車、再生可能エネルギー、水素エネルギー分野などに向けた取り組みの強化を通じて推進しています。当社の技術や製品が地球環境に貢献できる可能性は高いと考え、技術・製品開発を進めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針当企業グループは、『オイルレスベアリングの総合メーカーとして世界のリーダーとなり、技術で社会に貢献する』をグループの経営理念としており、一貫性をもって持続的な成長を目指しております。創業から脈々と続く「技術で社会に貢献する」理念は、当企業グループの普遍的な価値観であります。軸受機器事業において省エネや環境負荷低減の実現、構造機器事業において世界に対して「安心・安全」を提供、建築機器事業において排煙や換気により「安心・安全」や「快適さ」を提供しております。当企業グループの事業そのものは高い社会貢献性を持ち、「技術で社会に貢献する」経営理念を具現します。わたしたちは、持続可能な社会を実現することは当企業グループの企業価値向上につながるという信念をもち、トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)とダンピング(振動制御)の2つのコア技術のたゆまぬ探求と、社会の持続的な発展に貢献するという飽くなき挑戦を続けてまいります。 ①事業への取り組みグローバルな市場創造企業として、他社の追従を許さない性能を持つ独自の製品開発をおこない、お客さまの課題を革新的に解決し、お客さまと共に世界初・世界一を実現するための技術や製品の提供を続けます。そのために、お客さまや社会からの期待に応える高い品質水準と生産性向上をおこないます。②社会とのかかわり企業価値の創出は、さまざまなステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であります。ステークホルダーとの適切な協働に努めるとともに、その期待に応えてまいります。③サステナビリティへの対応サステナビリティはESGを含む長期的に重要な経営要素として積極的かつ能動的な活動を進めます。④人的資本対応の強化人材は「人的資本」であり、企業価値創出の中核は人的資本にあります。企業価値向上を実現する人材戦略を経営戦略と連動して推進します。 (2)経営戦略等当企業グループは、持続的な成長や中長期的な企業価値の創出を実現するため、経営理念に則った長期ビジョンや中長期の経営方針・経営戦略を策定し、計画で定めた成長目標の実現に向けて、グループ全体で取り組んでまいります。当企業グループでは、“2030年のありたい姿”として長期ビジョン「OILES 2030 VISION」を掲げ、2024年度を起点とする”中期経営計画2024-2026”を策定いたしました。OILES 2030 VISION『サステナブルな社会の実現を、摩擦・摩耗・振動の技術+Xで貢献する』 中期経営方針2024-20261.次世代の飛躍成長を実現するために成長市場へ経営資源を全力投球2.業務改革と生産技術の追求によって全部門が生産性を向上する3.すべてのステークホルダーに貢献する企業価値向上4.資本効率性を意識した財務運営 事業ごとの中期戦略等は以下のとおりです。(一般軸受機器)半導体製造装置等の成長性の高い分野への注力に加え、再生可能エネルギー市場への戦略製品の投入、積極展開をおこなっております。半導体製造装置等のエレクトロニクス分野においては、国内産業力強化が進む中国市場において非日系顧客を含む受注獲得を積極的に推し進めております。再生可能エネルギー分野では、北米市場においては水力発電所のメンテナンス需要の増加、インド・中国市場においては新設の揚水発電所建設による需要増加に対応すべく受注活動の強化をはかっております。(自動車軸受機器)EVの普及や自動運転化に対応した製品開発と積極投資をおこない、新規案件の獲得を目指します。中国やインドといった成長市場を中心に受注拡大をはかっており、特に非日系顧客を中心に新規受注を拡大するべくグローバルで営業活動を展開しております。また拡大が見込まれる車載装置の電動化の潮流を的確に捉え、電動化に伴う新用途の開拓と新製品の開発、スペックインを積極的に推し進めてまいります。(構造機器)増加するインフラリニューアル、及び都市再開発や都市型データセンターへ採用される大型製品のシェア拡大をはかるとともに、人手不足等により物件が遅延、減少する中においても、売上・シェアを拡大するために市場創造型の新しい試みに積極的に挑戦してまいります。また、大型製品の需要に対応すべく足利工場の再編に取り組んでおり、今年度は新出荷棟の完成を見込んでおります。(建築機器)建築着工床面積の減少や労務費、資材等の原価が高騰する中においても、建築物の長寿命化要求の高まりとともに拡大するリニューアル市場、リフォーム市場への活動を強化することにより、収益性の向上に取り組んでまいります。(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当企業グループは、売上高営業利益率と自己資本当期純利益率(ROE)を経営指標として重視します。売上高営業利益率は事業の利益水準を明確化するため、ROEは資本収益性を意識した経営を実践するため、重要な経営指標としております。なお、この両指標を高めることで、企業価値向上が図れるものと考え、売上高営業利益率は15%以上、自己資本当期純利益率は10%以上を目指しております。当連結会計年度における売上高営業利益率は10.1%であり、自己資本当期純利益率は6.4%でした。引き続きこれらの目標が達成されるように取り組んでまいります。(4)経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題成長戦略を支え企業の持続的成長を支えるには事業部門の成長に加え、非財務資本のさらなる進化が重要との認識のもと、経営基盤の高度化を重点課題としております。特に、人的資本への取り組みとしては、従業員エンゲージメントが高まるよう人材育成やダイバーシティの推進、ワークライフバランス、健康経営の推進等に積極的に取り組んでおります。2024年10月には、従業員意識調査(年1回)も開始し、従業員エンゲージメントの推移や施策の効果を測定していくことで、実効性の高い施策を実行してまいります。サステナビリティ課題への取り組みでは、当企業グループは2030年度までにCO2総排出量を2013年度比46%削減という目標を2021年に定め、これに続いて2023年度からは当企業グループ全体で「2050年カーボン・ニュートラル」の実現を目標とし、積極的な設備投資を通じた自社設備によるCO2排出量削減のみならず、環境負荷低減を実現する製品や技術を社会に提供するという本業での環境対応についても、バイオマスプラスチック軸受の製品化や、電気自動車、再生可能エネルギー、水素エネルギー分野などに向けた取り組みの強化を通じて推進しています。当社の技術や製品が地球環境に貢献できる可能性は高いと考え、技術・製品開発を進めております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における当企業グループを取り巻く経済環境は、物価上昇の圧力が継続する中、国内では設備投資が底堅く推移し、個人消費も緩やかな回復基調を維持しました。一方、海外では通商政策をめぐる不確実性や中国経済の減速に加え、中東情勢の緊張の高まりを背景とした地政学的リスクの増大などにより、世界経済の先行きは引き続き予断を許さない状況が続いております。このような環境の中、当企業グループでは長期ビジョンとして「OILES 2030 VISION」、この長期ビジョンに向かう2024年度を起点とする“中期経営計画2024-2026”の2年目にあり、市場ニーズを捉えた高付加価値製品を提供することによる収益改善、その成長を支える社内基盤の整備や新たな価値創造につながる+Xの取り組みを進めております。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。(a)財政状態当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ6,067百万円増加し、99,429百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ2,295百万円増加し、18,812百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ3,771百万円増加し、80,616百万円となりました。(b)経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高は68,964百万円(前期比2.0%増)、営業利益は6,958百万円(前期比0.2%増)、経常利益は7,239百万円(前期比1.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,009百万円(前期比20.6%減)となりました。セグメントの実績は次のとおりであります。一般軸受機器セグメントの売上高は15,949百万円(前期比7.5%増)、セグメント利益は1,668百万円(前期比47.2%増)となりました。自動車軸受機器セグメントの売上高は34,221百万円(前期比1.2%増)、セグメント利益は3,394百万円(前期比0.9%増)となりました。構造機器セグメントの売上高は11,235百万円(前期比0.7%減)、セグメント利益は1,306百万円(前期比33.2%減)となりました。建築機器セグメントの売上高は5,765百万円(前期比2.9%減)、セグメント利益は464百万円(前期比18.6%増)となりました。なお、地域に関する情報のうち顧客の所在地を基礎とした売上高は、日本向けが42,054百万円(連結売上高に占める割合は61.0%)、北米向けが6,310百万円(同9.1%)、欧州向けが3,638百万円(同5.3%)、アジア向けが16,395百万円(同23.8%)、その他の地域向けが566百万円(同0.8%)となり、海外向けの合計は前期の25,696百万円(同38.0%)より4.7%増加し、26,909百万円(同39.0%)となりました。②キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減営業活動によるキャッシュ・フロー8,77310,6511,877投資活動によるキャッシュ・フロー△2,447△4,468△2,020財務活動によるキャッシュ・フロー△6,893△3,0963,796現金及び現金同等物の期末残高24,96628,3893,423 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,423百万円増加し、28,389百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,877百万円増加し10,651百万円となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,141百万円、減価償却費3,436百万円、売上債権の減少額871百万円、仕入債務の減少額668百万円、法人税等の支払額1,859百万円などであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ2,020百万円増加し4,468百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出5,670百万円、投資有価証券の売却による収入1,837百万円などであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ3,796百万円増加し3,096百万円となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,276百万円、配当金の支払額2,687百万円、自己株式の取得による支出2,462百万円、自己株式の処分による収入2,015百万円などであります。③生産、受注及び販売の実績(a)生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)一般軸受機器16,138108.3自動車軸受機器34,190100.3構造機器11,24199.3建築機器5,76497.0報告セグメント計67,335101.6その他1,951114.9合計69,287102.0(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(b)受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)一般軸受機器16,348106.73,081114.9自動車軸受機器34,477102.81,317124.2構造機器8,43462.19,86077.9建築機器5,902108.5820120.0報告セグメント計65,16396.015,07988.2その他1,61388.137267.6合計66,77795.815,45287.6(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.金額は販売価格によっております。(c)販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)一般軸受機器15,949107.5自動車軸受機器34,221101.2構造機器11,23599.3建築機器5,76597.1報告セグメント計67,172102.0その他1,791104.2合計68,964102.0(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)財政状態(資産合計)当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ6,067百万円増加し、99,429百万円となりました。その主な要因は次のとおりであります。流動資産は、現金及び預金3,353百万円の増加、仕掛品691百万円の減少、受取手形及び売掛金608百万円の減少などにより、合計で1,059百万円の増加となりました。固定資産は、有形固定資産2,849百万円の増加、無形固定資産101百万円の増加、投資有価証券1,109百万円の増加などにより、合計で5,007百万円の増加となりました。(負債合計)当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ2,295百万円増加し、18,812百万円となりました。その主な要因は次のとおりであります。流動負債は、1年内返済予定の長期借入金1,095百万円の減少、納期遅延補償損失引当金1,087百万円の増加、未払法人税等567百万円の増加などにより、合計で27百万円の増加となりました。固定負債は、長期借入金1,447百万円の増加、繰延税金負債459百万円の増加などにより、合計で2,268百万円の増加となりました。(純資産合計)当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ3,771百万円増加し、80,616百万円となりました。これは利益剰余金2,330百万円の増加、その他有価証券評価差額金670百万円の増加、退職給付に係る調整累計額750百万円の増加などによるものであります。 (b)経営成績構造機器、建築機器事業における物件の工期遅れ等による影響もあり、売上高は前連結会計年度に比べ2.0%増加し68,964百万円、営業利益は前連結会計年度に比べ0.2%増加し6,958百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、上記のほか、法人税等合計の2,095百万円などにより5,009百万円となりました。セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。(一般軸受機器)エレクトロニクス分野の半導体関連装置において、国内および中国向けの需要が堅調に推移したことに加え、国内外における再生可能エネルギー向け案件の受注が好調であったことから、前期を上回る売上高、利益となりました。この結果、一般軸受機器の売上高は15,949百万円(前期比7.5%増)、セグメント利益は1,668百万円(前期比47.2%増)となりました。今後については、成長性の高い半導体市場に関連する製造装置を中心に戦略製品の投入を進め、さらなる成長が期待される再生可能エネルギー向けにおいては製品展開を強化し積極的な事業活動を推進してまいります。(自動車軸受機器)通商政策の影響などにより自動車市場を取り巻く不確実な環境が続きましたが、非日系自動車メーカー向けを中心に新規顧客の獲得及び採用拡大に注力しました。その取り組みが奏功し、中国では新エネルギー車向けの売上が伸長したほか、インドにおいても市場成長に加え、新規案件の立ち上げなどが業績に寄与しました。この結果、自動車軸受機器の売上高は34,221百万円(前期比1.2%増)、セグメント利益は3,394百万円(前期比0.9%増)となりました。今後については、多様化するパワートレインやニーズに対応した製品開発と投資を推し進めるとともに、インドおよび中国の成長市場を中心に非日系自動車メーカー向けの拡販、新規案件の獲得を推し進めてまいります。(構造機器)橋梁向け製品においては鉄道や一般道路、建築向け製品においては都市再開発物件やロジスティクスセンターを中心に売上を獲得した一方で、物件の期ズレや性能試験設備不具合に対する設備復旧、社外設備を使用した出荷対応費用の計上があり、前期を下回る売上高、利益となりました。この結果、構造機器の売上高は11,235百万円(前期比0.7%減)、セグメント利益は1,306百万円(前期比33.2%減)となりました。今後については、橋梁向け製品は耐震補強・補修工事に、建築向け製品はデータセンター向けなどにも、スペックインするために製品ラインナップを拡充し、売上拡大を目指し取り組んでまいります。(建築機器)ビル向け製品では回復の動きが見られたものの、前期から引き続き低調な市況の影響を受け、住宅向け製品は持ち直しの動きが鈍化し、前期を下回る売上高となりました。一方で、販管費削減の効果により、前期を上回る利益となりました。この結果、建築機器の売上高は5,765百万円(前期比2.9%減)、セグメント利益は464百万円(前期比18.6%増)となりました。今後については、建築着工床面積の減少や労務費、資材等の原価が高騰する中においても、建築物の長寿命化要求の高まりとともに拡大するリニューアル市場、リフォーム市場への活動を強化してまいります。②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要、②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当企業グループは現在、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金の活用を基本としております。事業計画に基づく資金需要に対し内部資金が不足することとなった場合は、金利動向等の調達環境を考慮のうえ、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。当企業グループの資金需要は、営業活動については、生産活動のための製造費(主に製品を生産するための材料仕入等)、受注・販売活動のための販売費、新たな製品の開発や既存製品の改良開発等をおこなうための研究開発費が主な内容となっております。投資活動については、事業伸長・生産性向上を目的とした生産設備等固定資産の取得が主な内容となっております。今後の資本的支出の予定につきましては、急成長を続けるグローバルな市場ニーズに迅速かつ柔軟に対応できる体制を整え、成長戦略を加速するため、必要な設備投資や研究開発投資を継続しておこなってまいります。③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択、適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。見積りにつきましては、過去の実績や状況を踏まえた合理的な判断を基礎としておこなっていますが、この見積りは不確実性が伴うため実際の結果と異なる場合があり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。当企業グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しています。

事業リスク

  • 景気変動による需要減少
    同社の製品は自動車や産業機械、建築物などに幅広く使われているため、世界経済や日本の景気後退、経済成長の減速が起こると、製品の需要が減少し、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に自動車産業への依存度が高い点がリスクとなります。
  • 原材料価格の高騰と調達
    鋼材、銅合金、樹脂などの主要原材料の価格は、需給バランスや為替レートの変動により大きく変動します。また、一部の原材料は調達先が限られるため、価格高騰や調達難が発生した場合、生産コストが増加し、利益を圧迫する可能性があります。価格転嫁が追いつかない場合、業績に影響が出ます。
  • 特定産業への高い依存度
    自動車関連の売上が全体の50.0%を占めており、自動車産業の動向に業績が大きく左右されるリスクがあります。CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)といった技術革新や産業構造の変化、市場需要の変動が、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,073 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。(1)経済・金融市場動向に関するリスク①景気後退による需要減少のリスク当企業グループの製品は、自動車をはじめ各種産業機械や建築・建設物等に多く採用されております。世界や我が国の景気後退や経済成長の減速という事態が発生した場合、製品需要すなわちこれらの生産台数や着工件数が減少し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ②原材料の価格上昇及び調達リスク当企業グループ製品の主要材料である鋼材、銅合金、樹脂系原料等は、需給バランス、為替レート変動等に伴い市場価格が変動することがあり、また一部調達先が限定されるものもあります。昨今、世界的な原材料費高騰、関税政策、国際紛争による材料調達のリスクの顕在化に加え、潜在的には経済安全保障にかかる材料調達リスクがあります。当企業グループは、原材料価格の市場変動及び原材料調達リスクに柔軟に対応するべくサプライチェーンを見直し、生産の合理化、高品質な原材料をタイムリーかつ必要数を入手するための調達先の分散化の検討、代替材料の選定等による原価低減施策を講じております。これに加え、競合他社の価格動向に注視しつつ販売価格へ適切に反映することにより影響の軽減を図っておりますが、予測を超えて市場価格に急激な変化が生じた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。③為替レートの変動リスク当企業グループは外貨建取引から発生する為替変動により影響を受ける可能性があります。また、連結財務諸表作成にあたって在外子会社の外貨建財務諸表を円換算いたしますが、在外子会社の外貨項目の価値が変動しない場合でも、為替相場の変動により当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。なお、個別の外貨建取引においては、原材料の現地調達化を図ることや、通貨スワップ契約によるリスクヘッジ等により、為替レート変動の影響を抑制するように努めておりますが、予測を超える変動が生じた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④国際税務リスク当企業グループはグローバルに製造・販売拠点を有しており、在外子会社とも相互に取引を行っております。取引については適切な価格で行っておりますが、当該国の税制の改廃や税務当局との見解の相違等により、予期せぬ税負担が生じた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。なお、当企業グループは、各国の租税法制に準拠して納税しており、国際税務に関しては、専門家の助言を受けながら適切な租税管理に努めておりますが、予測を超えて各国の租税法制に急激な変化が生じた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業戦略及び戦略に関わる外部環境に関するリスク①海外事業展開に伴うリスク当企業グループは、自動車メーカーの海外進出に合わせ現地生産体制を敷いており、北米、欧州、アジアに製造・販売拠点を有しております。その結果、海外向けの売上高は連結売上高の39.0%を占めておりますが、当企業グループの製品を製造・販売している各国の景気後退やそれに伴う製品需要の縮小、あるいは海外各国における政治・社会・経済体制の変動により、影響を受ける可能性があります。特に、近年のウクライナあるいは中東地域での紛争などのような地政学的リスクについてはその影響の大きさから重要なリスクとして認識しており、当企業グループは、経営企画部と在外子会社を所管する事業部が連携し、在外子会社との緊密な情報交換及び継続的モニタリング、各国の動向把握・分析によりリスクの極小化を図ります。しかしながら、当企業グループの製品を製造・販売している各国の景気あるいは政治・社会・経済体制に予想を超える急激な変動が生じた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。②特定業種(自動車産業向け)への高依存度リスク当企業グループにおける自動車関連売上高は全体の49.6%を占めております。これまで、製品の優位性、新規用途での採用拡大及び、グローバル展開等により比較的安定的な業績を確保してまいりましたが、自動車産業そのものを変革するCASE(Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化))、新規事業者の参入、産業構造変化に伴う構成部品の変動に加え、自動車市場の需要動向に大きな変化が起こった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。当企業グループでは、CASEをはじめとした自動車産業の将来を見据え新規開発を進めておりますが、今後はさらにその先を目指して技術領域を拡大し、開発速度を加速することで、変革に対応してまいります。 ③価格競争リスク当企業グループの主力販売先であります自動車業界をはじめとして、すべての業界におきましてグローバルで競争が激しく、また、原材料価格高騰や人件費上昇等の影響もあり、これまで以上に厳しい状況にあります。当企業グループは、技術的優位性のある高品質製品の開発、顧客が抱える課題を共に解決する提案型技術営業の充実による付加価値の提供、製品ラインナップの充実等により、顧客満足を獲得してまいります。しかしながら、今後新興国メーカー等の台頭による低価格品の伸長に起因した顧客からの値下げ要求がある場合、あるいは原材料価格高騰や人件費上昇を自社のコストダウンと価格転嫁で十分にカバーできない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④知的財産権リスク当企業グループは、持続的成長に向けた重要課題(マテリアリティ)の一つとして「社会課題の解決に資する先進的な製品・技術の開発・提供」を掲げており、「摩擦」「摩耗」「潤滑」にかかわるトライボロジー技術と、ダンピング(振動制御)技術の二つのコア技術の研究開発活動を通じ、国内外において特許権、商標権及びその他の知的財産権を出願しております。これらは事業活動を優位に運ぶための参入障壁となる一方、特許等の権利満了に伴い他社が参入してくるリスクも内在しております。当企業グループは、技術開発又は製品開発により周辺特許も含めた新たな特許等を取得し、他社の参入を排除していきますが、売上高に占める割合が高い製品について他社の参入を許した場合は、当企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当企業グループが第三者の知的財産権を侵害したとして第三者から訴えられた場合、係争費用のみならず、損害賠償の支払や製造販売の差し止めが発生するおそれがあり、その結果、市場そのものを失う場合には、当企業グループの事業展開、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに備え、当企業グループでは、製品開発段階から知的財産管理規程に従い第三者の知的財産権の侵害可能性、新たな発明等の権利化の可能性等について十分な調査・検討を行っております。また、ノウハウについては秘密情報管理規程に基づいた適切な保護、管理を徹底しております。 ⑤公共投資縮減のリスク当企業グループにおける構造機器事業の売上高は、全体の16.3%となっております。当事業に係る売上は、我が国の公共投資事業の予算額等に影響を受ける可能性があります。当企業グループは、事業収益性等により公共投資額の影響を受けにくい体制への強化、橋梁・建築に加え、新たに柱となる市場の創出を目指し、製品開発に取り組んでおります。 (3)業務運営に関するリスク①品質不適合発生によるリスク当企業グループの製品は、高精度・省力化を必要とする多くの機械・産業分野や最終製品で使用され、自動車の他、鉄道車両、水車・水門、橋梁等の社会基盤分野や様々なビルの免震・制震装置、一般住宅にも幅広く採用されております。当企業グループは、あらゆる顧客・市場の要求に適合する品質保証体制とするために国内外各社の事業において、国際品質マネジメント規格(ISO9001又はIATF16949)を取得しています。さらに、当企業グループの顧客が要求する固有の品質基準等に対応する管理を徹底しております。製品開発においては、初期段階から研究開発・生産技術・製造・営業などの部署がそれぞれの視点から品質課題を抽出し、過去の社内外の品質トラブル情報なども活用して解決するという手法を取り入れており、新製品として発売するまでの段階においても、製品設計・工程設計のデザインレビューにより品質面の検証をおこないリスクの極小化を図っております。しかしながら、製品に未知の重大な欠陥が存在し、当該欠陥に起因する事故、リコール及び顧客の生産停止等の事態が発生した場合、当企業グループの社会的信用の低下等につながり、また、補償により多額の支出が生じた場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当企業グループはグローバルな製造物責任保険に加入しておりますが、損害賠償等の損失を十分にカバー出来るとは限りません。 ②設備に関するリスク当企業グループは、世界各地に製造・販売拠点を有しており、市場需要と既存設備の能力を考慮し、計画的な生産により製品の安定供給に努めております。生産に必要な設備については、それぞれの生産品目に適合するように調整し、定期的なメンテナンスに加え、生産・製造技術の革新に常に取り組んでおりますが、これらの設備の中には稼働後一定の年数を経て更新時期を迎えるものが順次発生します。安定生産を継続する上で設備投資を実施し、老朽設備の更新を順次進めておりますが、不測の設備故障や火災、自然災害により生産設備の稼働が停止すると製品供給が滞るおそれがあり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対応するため、事業影響予測のもとに適正な設備冗長性を備えた生産体制の実現に向け、計画的な重要設備の更新を進めてまいります。 ③環境リスク当企業グループは、持続的成長に向けた重要課題(マテリアリティ)の一つとして「環境対応」を掲げており、「オイレスグループ環境方針」を定め、地球環境保全に向けて環境負荷の低減と水環境の配慮に努めております。また、当企業グループでは、地球温暖化、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染等に関する環境法令及びその他の要求事項を遵守するため、ISO14001に沿った環境マネジメントシステムを構築し推進しております。しかしながら、想定外の事態が発生した場合には、何らかの法的若しくは社会的責任を負う事態が生じるおそれがあります。その場合、対応費用の発生及び当企業グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。加えて、気候変動問題については、2020年の政府宣言にもあるとおり、「2050年カーボンニュートラル」が世界的潮流となっております。地球温暖化に起因する災害発生により当企業グループの事業に被害が生じるリスクがあることに加え、脱炭素社会の実現に向けて世界が進む中では、企業としての環境対応の取組みが不十分である場合、顧客からの信頼を失い、顧客のサプライチェーンから当企業グループが排除される可能性があります。また、ESG対応を重視する株主・投資家等からの信頼を失う可能性もあります。かかる認識のもと、当企業グループでは、製品や技術という本業で環境負荷低減に貢献することはもちろんのこと、CO₂排出量削減など当企業グループ各社での環境対応も継続して推進してまいります。CO₂排出量削減については、2030年度までにCO₂総排出量を2013年度比46%削減するという環境目標を定めております。なお、前述の環境目標に続くものとして、当企業グループ全体で「2050年カーボン・ニュートラル」を実現することを2023年度からの環境目標として設定しております(CO₂総排出量の対象は、Scope1及びScope2)。 ④労務・人材リスク当企業グループは、「人材は企業価値の源泉」との考えのもと、人的資本に対する積極的な投資をおこない、人材確保及び人材育成、ダイバーシティを推進しています。多様なバックグラウンドを持つ人材がその能力や個性を最大限に発揮できるよう働きやすい企業風土を作り出すことによって、従業員一人ひとりの会社への貢献意欲を高め、当企業グループの事業推進力につなげています。しかしながら、生産年齢人口の減少に加え、労働市場環境により優秀な人材が確保できない場合、人材不足により技能が適切に伝承されない場合、有能な人材が流出する場合、また人的資本投資及びその効果が十分でなかった場合には、新規技術開発が停滞するなど企業成長が抑制され、当企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このような状況の下、当企業グループは、経営、技術開発、製造、営業その他の機能において優秀な人材の確保に努めており、人材獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しております。そして、従業員エンゲージメント向上に資するための環境を整備し、そのための投資も積極的に進めております。 ⑤情報セキュリティリスク当企業グループは、研究開発、生産、販売等に関する機密情報に加え、お客様や従業員の個人情報を保有しております。これらの情報管理につきましては各種情報の取扱規程による情報管理、社員教育等を実施し、また、情報セキュリティに関する国際規格ISO27001:2013を取得して情報セキュリティシステムの安定的運用に努めております。これらの機密情報、個人情報の漏洩によるリスクのほか、サイバー攻撃などによる不正アクセス、自然災害、事故、コンピューターウイルスその他の要因により情報システムに重大な障害が発生した場合、当企業グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。情報セキュリティリスクが高まっている昨今の状況を踏まえ、当企業グループでは、ネットワークの冗長化、重要データのバックアップ、複数のデータセンターによる保管及びインシデント検知システムの導入等により、セキュリティ体制の更なる強化を図るとともに、全役職員を対象にセキュリティ教育・訓練を継続的に実施するなど、総合的なサイバーセキュリティ対策を推進しています。(4)法的手続・災害等のイベント性のリスク①法的リスク国内、海外を問わず、独禁法、安全保障貿易管理、贈収賄等、当企業グループの事業に関連する法令・規制は多岐にわたっています。これらの法令等へのコンプライアンスの徹底が十分でなく適用法令等の違反が発生した場合、あるいは過去に行った事業活動に対して法令違反を問われることがあった場合には、処罰、処分その他の制裁、あるいは社会的信用やイメージの毀損により当企業グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当企業グループでは、「オイレスグループ企業行動憲章」「オイレスグループ企業行動規範」及び「オイレスグループコンプライアンス実行の手引き」に加え、役員及び従業員に対する各種研修等を通じ、これらの法令等へのコンプライアンスの徹底を図っております。 ②災害・感染症・テロ等の事業継続に影響を及ぼす事象のリスク当企業グループは、日本国内はもとより、米州、欧州、アジアに製造・販売拠点を有しておりますが、これらの事業拠点において、大規模地震・水害・火災等の災害、感染症の世界的蔓延(パンデミック)、企業に対するテロ攻撃、紛争による政情不安が発生した場合には、原材料調達及び物流網への影響、あるいは生産設備や人的資源等の経営資源に被害が生じ、サプライチェーンが寸断され製品の供給停止が起きることで、当企業グループの事業継続に大きな障害を与えることがあります。こうしたリスク事象の発生頻度は高くはありませんが、万一事象が発生した場合には、当企業グループの経営成績と財政状態に大きな影響を及ぼすことになります。かかるリスク事象に対して、当企業グループは、大規模地震等の不測の事態が発生した場合の対策として事業継続計画(BCP)を策定して、有事の際の行動計画にしたがって災害から早期に復旧し製品を安定して供給するべく、減災あるいは調達先の分散化の検討、代替材料の選定など事前対策等を進めております。また、現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は一定の収束をしていますが、いわゆるパンデミックリスクについては、今後も従業員の健康と安全の確保と事業継続への影響を踏まえ、有事の対応が出来る体制を継続いたします。なお、自然災害等に因る被害については、保険により補償される部分もありますが、その全てが補償される訳ではありません。テロ対策も含めて重要な経営課題として対応には万全を期してまいりますが、リスクを完全に回避することは困難であります。

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