事業の概要
- 通貨処理機の提供グローリーは、金融機関や流通店舗、遊技施設、海外市場向けに、お金を数えたり、識別したりする機械(通貨処理機)や、お客様自身が操作する機械(セルフサービス機器)を製造・販売し、その後のメンテナンスまで一貫して行っています。これにより、現金を取り扱う様々な場所での業務効率化と正確性を支えています。
- 電子決済・生体認証近年では、現金だけでなく、電子決済サービスや、指紋や顔などを使った本人確認技術(生体認証ソリューション)も提供しています。これは、キャッシュレス化が進む社会のニーズに対応し、より安全で便利な取引環境を構築することを目指しています。
- ロボットSI・DX支援さらに、ロボットを活用したシステム構築(ロボットSI)や、企業のデジタル変革(DX)を支援するサービスも手掛けています。これにより、人手不足の解消や業務の自動化を促進し、顧客企業の生産性向上に貢献することで収益を上げています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 海外市場売上収益2,100.51億円、営業利益84.86億円と、グローリーグループで最も大きな収益源です。世界各地で通貨処理機やセルフサービス機器の製造・販売・保守を行っており、グローバルな事業展開が特徴です。多様な国や地域でのニーズに対応し、事業を拡大しています。
- 流通・交通市場売上収益697.91億円、営業利益98.08億円を計上しています。スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店、鉄道やバスなどの交通機関向けに、現金処理機やセルフサービス機器を提供しています。店舗の効率化や顧客サービスの向上に貢献しています。
- 金融市場売上収益544.32億円、営業利益86.64億円のセグメントです。銀行や信用金庫などの金融機関に対し、現金自動預け払い機(ATM)や窓口での通貨処理機、次世代店舗向けの遠隔接客サービスなど、幅広いソリューションを提供し、金融機関の業務効率化と顧客体験の向上を支援しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FinancialMarket | 事業 | 544 | 87 | 15.9% |
| RetailAndTransportationMarket | 事業 | 698 | 98 | 14.1% |
| AmusementMarket | 地域 | 277 | 85 | 30.7% |
| OverseasMarket | 事業 | 2,101 | 85 | 4.0% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(グローリー株式会社)、子会社82社及び関連会社5社により構成されており、主に「金融市場」「流通・交通市場」「遊技市場」「海外市場」の4つのセグメントに対し、通貨処理機・セルフサービス機器の製造・販売・保守、電子決済サービス、生体認証ソリューション、ロボットSI等の提供を行っております。当社グループの事業に係る当社と主要な関係会社の位置付け及び事業区分との関連は、次のとおりであります。 金融市場流通・交通市場遊技市場海外市場その他国内グローリー㈱○○○○○グローリープロダクツ㈱○○○○〇グローリーナスカ㈱ ○ 北海道グローリー㈱○○ ○海外光栄電子工業(蘇州)有限公司 ○ GLORY (PHILIPPINES), INC. ○ Sitrade Italia S.p.A. ○ Glory Global Solutions (International) Ltd. ○ Glory Global Solutions (France) S.A.S. ○ Glory Global Solutions Inc. ○ Glory Global Solutions (Singapore) Pte. Ltd. ○ Acrelec Group S.A.S. ○ Flooid Midco Limited ○ 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 紙幣・硬貨の計数、搬送、集積等の媒体処理技術(メカトロ技術)、認識・識別技術、顔認証技術等のバイオメトリクス関連技術 |
|---|---|
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:キャッシュレス化の急速な進展 / 海外事業展開における地政学的リスク / 戦略投資における減損損失の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
グローリーは現金処理機分野で長年の実績と一定のブランド認知を持つが、特許や独占的IPによる明確な優位性は限定的。技術革新は進むものの、参入障壁を築くほどの無形資産は現時点では弱い。
スイッチングコスト★★★☆☆
金融機関や流通業など、現金管理の重要性が高い顧客基盤を持つ。導入済みの現金処理機システムは、運用・保守を含めると顧客の業務プロセスに深く組み込まれており、他社製品への切り替えには相応のコストとリスクが伴う。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
現金処理機は個々の顧客の利用が中心であり、ユーザー数の増加が直接的に製品やサービスの価値を高めるネットワーク効果は発生しない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の製造ノウハウによる一定の生産効率は存在するが、競合他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を持つとは言えない。グローバルな価格競争力は限定的。
規模の経済★★★★☆
現金処理機、両替機、硬貨計数機などの分野で、国内市場において高いシェアを誇る。特に金融機関向け市場では寡占的な地位を確立しており、規模の経済による効率的な事業運営が可能。
- 多様な市場での実績グローリーは「金融市場」「流通・交通市場」「遊技市場」「海外市場」という多岐にわたる市場で事業を展開しており、それぞれの市場で通貨処理機や関連ソリューションを提供しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。
- グローバルな事業展開国内だけでなく、海外にも多数の子会社や関連会社を持ち、積極的に事業を展開しています。特に海外市場は売上収益2,100億円超と最大のセグメントであり、世界各地での販売・保守ネットワークを通じて、国際的な競争力を高めています。
- 技術と顧客基盤の融合長年培ってきた通貨処理技術やセルフサービス機器のノウハウに加え、電子決済や生体認証、ロボットSIといった新技術を取り入れています。これにより、既存の強固な顧客基盤に対し、時代の変化に合わせた新たなソリューションを提供できる点が強みです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 企業理念と価値観の追求グローリーは「求める心とみんなの力」を結集し、安心・確実な社会の発展に貢献するという企業理念を掲げています。この理念と、変化する事業環境に対応するために見直された「私たちの価値観」に基づき、グループ全体の企業価値向上を目指しています。
- 新たな収益源の獲得2026中期経営計画では、「新たな収益源の獲得」を基本方針の一つとしています。特にリテール、金融、飲食の3市場に注力し、店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するソリューションビジネスを新たな事業の柱とすることを目指し、遠隔接客やモバイルオーダーなどのサービスを推進しています。
- コア事業の収益拡大とDX推進通貨処理機事業などの既存のコア事業においても、新たな機会を獲得し収益拡大を図ります。同時に、ROIC(投下資本利益率)経営の推進や社内DXの加速を通じて、経営管理を強化し、タイムリーな経営判断と業務効率化を図ることで、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、経営の基本方針として、「企業理念体系」を制定し、「企業理念」、「私たちの価値観」を定めております。これらを踏まえ、グループ全体の企業価値向上を実現するために、一人ひとりが個性を発揮してお客様の期待に応え、私企業としての利益を追求するとともに、社会の公器として社会に貢献してまいります。 《企業理念》私たちは「求める心とみんなの力」を結集し、セキュア(安心・確実)な社会の発展に貢献します 「求める心」には、「顧客、社会のニーズに不屈の精神で挑戦し、不可能を可能にしていく」という思いが込められております。そして、「求める心」を共有した「みんなの力」が結束してはじめて偉大な仕事ができるという、いつの時代も変わることのないグローリーの原点を表しております。 《私たちの価値観》「私たちの価値観」は企業理念の実現のために、当社グループが大切にする考え方であり、当社グループで働くすべての人々の行動や判断の基準となるものです。 キャッシュレス化や金融機関の店舗数減少など、当社グループを取り巻く事業環境は目まぐるしく変化しております。このような環境のなか、当社グループが持続的に成長し続けるために、2026中期経営計画の策定に合わせ、当社グループの価値観と行動の原点である、企業理念体系の見直しを実施し、新たに「私たちの価値観」を定めました。 (2) 経営環境経営環境につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、すべてのステークホルダーの皆様との良好な関係に基づく企業価値向上を目指し、自己資本当期純利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、総資産利益率(ROA)、営業利益、売上収益、新領域事業売上収益の向上を目標とする経営を実践してまいります。 (4) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題長期ビジョン及び中期経営計画当社グループは、2018年3月に創業100周年を迎え、次代を築くために10年後のありたい姿を描いた以下の『長期ビジョン2028』を定めました。 グローリーグループ長期ビジョン2028 『人と社会の「新たな信頼」を創造するリーディングカンパニーへ』Confidence Enabled 当社グループは、長期ビジョンの実現に向けた第3ステップとして、2024年4月からの3ヶ年を計画期間とする『2026中期経営計画』に取り組んでおります。本計画では、“GLORY TRANSFORMATION 2026 ~お客様と共に未来を創造するグローリー ~”をコンセプトに、「新たな収益源の獲得」、「コア事業の収益拡大」、「経営マネジメントの強化」「リスクマネジメントの強化」の4つを基本方針とし、世界最高品質の製品群とソフトウェアプラットフォームを融合し、店舗DXをサポートする企業となることを目指して、以下の重点施策を推進しております。 方針1:新たな収益源の獲得本方針では、当社グループの強みである顧客基盤や技術等を活かし、お客様の収益力強化に貢献するソリューションビジネスを新たな事業の柱として確立することを目指しております。特に、リテール、金融、飲食の3市場に狙いを定め、新領域事業の収益拡大を加速すべく、以下の施策を実施しております。リテール市場においては、店舗DXと売上拡大に貢献するソリューションの拡充や、Flooidグループが提供する小売業向けクラウドソリューションであるユニファイド・コマース・プラットフォームを活用した顧客層の拡大に注力いたします。金融市場においては、次世代店舗の実現に向け、店舗運営の効率化に貢献する遠隔接客サービスをはじめとする新たなソリューションの提供を推進いたします。 飲食市場においては、人手不足と人件費高騰を背景とするDXの動きを追い風に、セルフサービスキオスクやモバイルオーダーサービスなど、次世代型飲食店舗創出プラットフォームの提供によるソリューション事業を展開してまいります。 方針2:コア事業の収益拡大本方針では、通貨処理機事業等のコア事業において、新たな機会の獲得による事業成長及び収益拡大を図ってまいります。リテール市場では、セルフ型つり銭機と新技術を掛け合わせ、人手不足対応や顧客サービスの向上に寄与するソリューションを提案してまいります。また、「UBIQULAR™」を始めとする各種ソリューションの販売を強化し、リカーリング売上の拡大を図ります。金融市場では、多様化する店舗形態に対応し、アシストセルフ機等の省人化ニーズに応える製品の販売拡大に取り組むとともに、新興国におけるシェア拡大を進めてまいります。 方針3:経営マネジメントの強化本方針では、経営管理の強化、経営資源の適正な確保・分配、サステナビリティへの取組み強化を推進してまいります。具体的には、収益力の向上を目指したROIC経営を推進するとともに、社内におけるDX推進を加速し、タイムリーな経営判断に活用できるデータの整備及び可視化や業務の抜本的効率化を図ってまいります。また、グループ再編を含む組織改革の推進や人材育成、社員エンゲージメントの向上に取り組むとともに、カーボンニュートラル実現や人権方針に基づく活動を推進し、持続的な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。 方針4:リスクマネジメントの強化本方針では、急激な外部環境変化に備えたBCP(事業継続計画)の改善やサイバーセキュリティの強化を推進してまいります。特に、お客様への安定的な製品供給を行うため、当社グループ全体の適正な在庫水準の見直し・確保を行うとともに、地政学的リスク、自然災害の発生等各種リスクの軽減・低減及び事業の継続・早期復旧を可能とする体制の充実に努めてまいります。また、サイバーセキュリティ対策強化のため、情報システム及び人的リソースの拡充を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、経営の基本方針として、「企業理念体系」を制定し、「企業理念」、「私たちの価値観」を定めております。これらを踏まえ、グループ全体の企業価値向上を実現するために、一人ひとりが個性を発揮してお客様の期待に応え、私企業としての利益を追求するとともに、社会の公器として社会に貢献してまいります。 《企業理念》私たちは「求める心とみんなの力」を結集し、セキュア(安心・確実)な社会の発展に貢献します 「求める心」には、「顧客、社会のニーズに不屈の精神で挑戦し、不可能を可能にしていく」という思いが込められております。そして、「求める心」を共有した「みんなの力」が結束してはじめて偉大な仕事ができるという、いつの時代も変わることのないグローリーの原点を表しております。 《私たちの価値観》「私たちの価値観」は企業理念の実現のために、当社グループが大切にする考え方であり、当社グループで働くすべての人々の行動や判断の基準となるものです。 キャッシュレス化や金融機関の店舗数減少など、当社グループを取り巻く事業環境は目まぐるしく変化しております。このような環境のなか、当社グループが持続的に成長し続けるために、2026中期経営計画の策定に合わせ、当社グループの価値観と行動の原点である、企業理念体系の見直しを実施し、新たに「私たちの価値観」を定めました。 (2) 経営環境経営環境につきましては、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、すべてのステークホルダーの皆様との良好な関係に基づく企業価値向上を目指し、自己資本当期純利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、総資産利益率(ROA)、営業利益、売上収益、新領域事業売上収益の向上を目標とする経営を実践してまいります。 (4) 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題長期ビジョン及び中期経営計画当社グループは、2018年3月に創業100周年を迎え、次代を築くために10年後のありたい姿を描いた以下の『長期ビジョン2028』を定めました。 グローリーグループ長期ビジョン2028 『人と社会の「新たな信頼」を創造するリーディングカンパニーへ』Confidence Enabled 当社グループは、長期ビジョンの実現に向けた第3ステップとして、2024年4月からの3ヶ年を計画期間とする『2026中期経営計画』に取り組んでおります。本計画では、“GLORY TRANSFORMATION 2026 ~お客様と共に未来を創造するグローリー ~”をコンセプトに、「新たな収益源の獲得」、「コア事業の収益拡大」、「経営マネジメントの強化」「リスクマネジメントの強化」の4つを基本方針とし、世界最高品質の製品群とソフトウェアプラットフォームを融合し、店舗DXをサポートする企業となることを目指して、以下の重点施策を推進しております。 方針1:新たな収益源の獲得本方針では、当社グループの強みである顧客基盤や技術等を活かし、お客様の収益力強化に貢献するソリューションビジネスを新たな事業の柱として確立することを目指しております。特に、リテール、金融、飲食の3市場に狙いを定め、新領域事業の収益拡大を加速すべく、以下の施策を実施しております。リテール市場においては、店舗DXと売上拡大に貢献するソリューションの拡充や、Flooidグループが提供する小売業向けクラウドソリューションであるユニファイド・コマース・プラットフォームを活用した顧客層の拡大に注力いたします。金融市場においては、次世代店舗の実現に向け、店舗運営の効率化に貢献する遠隔接客サービスをはじめとする新たなソリューションの提供を推進いたします。 飲食市場においては、人手不足と人件費高騰を背景とするDXの動きを追い風に、セルフサービスキオスクやモバイルオーダーサービスなど、次世代型飲食店舗創出プラットフォームの提供によるソリューション事業を展開してまいります。 方針2:コア事業の収益拡大本方針では、通貨処理機事業等のコア事業において、新たな機会の獲得による事業成長及び収益拡大を図ってまいります。リテール市場では、セルフ型つり銭機と新技術を掛け合わせ、人手不足対応や顧客サービスの向上に寄与するソリューションを提案してまいります。また、「UBIQULAR™」を始めとする各種ソリューションの販売を強化し、リカーリング売上の拡大を図ります。金融市場では、多様化する店舗形態に対応し、アシストセルフ機等の省人化ニーズに応える製品の販売拡大に取り組むとともに、新興国におけるシェア拡大を進めてまいります。 方針3:経営マネジメントの強化本方針では、経営管理の強化、経営資源の適正な確保・分配、サステナビリティへの取組み強化を推進してまいります。具体的には、収益力の向上を目指したROIC経営を推進するとともに、社内におけるDX推進を加速し、タイムリーな経営判断に活用できるデータの整備及び可視化や業務の抜本的効率化を図ってまいります。また、グループ再編を含む組織改革の推進や人材育成、社員エンゲージメントの向上に取り組むとともに、カーボンニュートラル実現や人権方針に基づく活動を推進し、持続的な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。 方針4:リスクマネジメントの強化本方針では、急激な外部環境変化に備えたBCP(事業継続計画)の改善やサイバーセキュリティの強化を推進してまいります。特に、お客様への安定的な製品供給を行うため、当社グループ全体の適正な在庫水準の見直し・確保を行うとともに、地政学的リスク、自然災害の発生等各種リスクの軽減・低減及び事業の継続・早期復旧を可能とする体制の充実に努めてまいります。また、サイバーセキュリティ対策強化のため、情報システム及び人的リソースの拡充を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社グループは当連結会計年度より、従来の日本基準に替えてIFRS会計基準を適用しており、前連結会計年度の数値をIFRS会計基準に組み替えて比較分析を行っております。 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策による不透明感が継続するなか、一部地域に足踏みが見られ、期後半には中東情勢が緊迫化しましたが、全体としては緩やかな回復基調となりました。日本経済においては、物価上昇が続きましたが、企業収益や雇用情勢の改善を背景に、設備投資や個人消費に持直しの動きが見られました。当社グループを取り巻く事業環境は、国内外での人件費高騰や人手不足に伴う省人化及び業務効率化のニーズが継続し、セルフ型製品への需要が堅調に推移いたしました。こうした状況のなか、当社グループは、2024年4月からの3ヶ年を計画期間とする『2026中期経営計画』に基づき、“GLORY TRANSFORMATION 2026 ~お客様と共に未来を創造するグローリー ~”をコンセプトに、世界最高品質の製品群とソフトウェアプラットフォームを融合し、お客様の店舗DXをサポートする企業を目指し事業活動に取り組んでまいりました。海外市場につきましては、金融市場では、米州において、省人化や業務効率化ニーズに対応した製品・サービスへの堅調な需要を背景に、主要製品の販売が増加いたしました。リテール市場では、欧米において、製品・サービスへの需要が堅調で、大手グローバルリテーラーへの導入が着実に進み、販売が増加いたしました。一方、Flooidグループの売上収益は、特定顧客へのソフトウェアのライセンス販売により売上収益が一時的に増加した前期に比べ、減少いたしました。飲食市場においても、セルフサービスキオスクをはじめとしたAcrelecグループの販売が、一部の商談の延伸により減少いたしましたが、海外市場全体としましては、売上収益、営業利益ともに過去最高を更新いたしました。なお、当社グループは、戦略実行の一層の加速を目的に、2025年11月にAcrelec社を完全子会社化いたしました。国内市場につきましては、金融市場では、大口受注があった前期の反動により、販売が減少いたしました。また、流通・交通市場及び遊技市場においては、新紙幣対応に伴う製品の更新や改造作業が増加した前期の反動により販売が減少いたしました。しかしながら、全ての市場において、新紙幣対応がなかった2023年3月期の売上収益を上回りました。これらの結果、当連結会計年度の売上収益は、339,582百万円(前期比 7.9%減)となりました。このうち、製品及び商品売上収益は、214,314百万円(前期比 9.2%減)、保守売上収益は、125,268百万円(前期比 5.6%減)でありました。利益につきましては、営業利益は、29,752百万円(前期比 29.2%減)、税引前利益は、24,657百万円(前期比 28.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、15,388百万円(前期比 37.2%減)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (金融市場)主要製品である「オープン出納システム」及び窓口用「紙幣硬貨入出金機」の販売は、大口受注により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。この結果、当セグメントの売上収益は、37,062百万円(前期比 31.9%減)、営業利益は、3,909百万円(前期比 50.3%減)となりました。 (流通・交通市場)主要製品である「レジつり銭機」及び警備輸送会社向け「売上金入金機」の販売は、新紙幣対応により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。また、新紙幣発行に伴う改造作業の一巡により、保守売上収益も減少いたしました。この結果、当セグメントの売上収益は、57,637百万円(前期比 17.3%減)、営業利益は、0百万円(前期比 100.0%減)となりました。 (遊技市場)主要製品である「カードシステム」及び周辺機器である「両替機」の販売は、新紙幣対応により販売が高水準であった前期と比べ、減少いたしました。また、新紙幣発行に伴う改造作業の一巡により、保守売上収益も減少いたしました。この結果、当セグメントの売上収益は、21,088百万円(前期比 23.2%減)、営業利益は、5,123百万円(前期比 33.7%減)となりました。 (海外市場)米州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<GLRシリーズ>」の販売、及びリテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI-Xシリーズ>」の販売は順調でありましたが、保守売上収益が減少し、売上収益は、98,979百万円(前期比 1.9%減)となりました。欧州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<GLRシリーズ>」の販売は低調でありましたが、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI-Xシリーズ>」の販売は好調であり、売上収益は、100,070百万円(前期比 11.2%増)となりました。アジアでは、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI-Xシリーズ>」の販売は順調でありましたが、「紙幣入金整理機」の販売は低調であり、売上収益は、17,041百万円(前期比 11.1%減)となりました。また、Acrelecグループの売上収益は、32,768百万円(前期比 1.3%減)でありました。Flooidグループの売上収益は、10,773百万円(前期比 11.1%減)でありました。この結果、当セグメントの売上収益は、216,091百万円(前期比 2.9%増)、営業利益は、21,107百万円(前期比 17.1%増)となりました。 その他の事業セグメントにつきましては、売上収益は、7,703百万円(前期比 10.0%増)、営業損益は、388百万円の損失(前期は 313百万円の損失)となりました。 また、当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。資産は、前連結会計年度末に比べ6,822百万円増加し、452,489百万円となりました。主な要因は、棚卸資産4,207百万円の減少、及び、その他の流動資産2,716百万円、のれん及び無形資産2,521百万円、繰延税金資産1,673百万円の増加であります。なお、その他の流動資産の増加は、主に前払費用の増加であります。負債は、前連結会計年度末に比べ5,488百万円減少し、234,035百万円となりました。主な要因は、その他の流動負債5,318百万円の増加、及び、従業員給付4,656百万円、社債及び借入金3,641百万円、その他の金融負債2,610百万円の減少であります。なお、その他の流動負債の増加は、主に契約負債の増加であり、その他の金融負債の減少は、主に非支配株主に係る売建プット・オプションの行使による減少であります。資本は、前連結会計年度末に比べ12,310百万円増加し、218,454百万円となりました。主な要因は、その他の資本の構成要素のうち、在外営業活動体の換算差額13,039百万円の増加であります。この結果、自己資本比率は48.2%(前連結会計年度末は46.1%)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,426百万円減少し、50,042百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、42,780百万円の収入となりました(前期は51,310百万円の収入)。これは、主に税引前利益24,657百万円、減価償却費及び償却費20,394百万円、棚卸資産の減少7,586百万円等の資金の増加があった一方、法人所得税の支払7,136百万円等による資金の減少があったためであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、6,758百万円の支出となりました(前期は9,825百万円の支出)。これは、主にその他の金融資産の売却による1,305百万円の収入があった一方、製品の製造に係る金型・治工具類にかかる有形固定資産の取得による4,492百万円の支出、無形資産の取得による3,856百万円の支出等があったためであります。 以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは36,022百万円の収入となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、38,984百万円の支出となりました(前期は24,918百万円の支出)。これは、主に自己株式の取得による13,481百万円の支出、Acrelec Group S.A.S.株式の追加取得による7,024百万円の支出、配当金の支払い6,410百万円等の支出があったためであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の生産実績のうち、当社及び主な海外連結子会社の金額を記載しております。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)金融市場(百万円)11,90058.2流通・交通市場(百万円)19,42171.2遊技市場(百万円)2,63350.4海外市場(百万円)41,479106.5報告セグメント計(百万円)75,43582.1その他(百万円)91681.7合計(百万円)76,35182.1 (注) 金額は当社及び主な海外連結子会社の製造原価によっております。 b.受注実績当社グループの製品は、大部分が見込生産であるため、受注高及び受注残高の記載は省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)金融市場(百万円)37,06268.1流通・交通市場(百万円)57,63782.7遊技市場(百万円)21,08876.8海外市場(百万円)216,091102.9報告セグメント計(百万円)331,87991.8その他(百万円)7,703110.0合計(百万円)339,58292.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 (経営成績等の概要) 当連結会計年度における事業環境は、国内市場においては新紙幣発行に伴う製品更新や改造作業の終息による反動減の影響が見られた一方、国内外において人手不足及び賃金上昇を背景としたセルフ化・効率化ニーズが継続し、需要は総じて底堅く推移しました。このような環境の下、当社グループは、海外事業の拡大及び収益構造の変革に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上収益は3,395億円(前期比7.9%減)、営業利益は297億円(前期比29.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は153億円(前期比37.2%減)となりました。 (売上収益及び利益の増減要因) 当連結会計年度における売上収益は、海外市場においては増加したものの、主として国内市場における新紙幣発行に伴う特別需要の反動減により、全体としては減少しました。営業利益についても、売上収益の減少に加え、各種費用の増加等の影響により減益となりました。主な要因は以下のとおりであります。 ・国内市場における新紙幣発行に伴う製品更新や改造作業の終息による売上収益の減少 ・海外子会社における販売費及び一般管理費の増加一方で、海外市場における売上拡大や米国における原価率の改善が、利益の下振れ抑制に寄与しました。 成長エンジンと位置付ける海外事業は、売上収益、利益の両面において当社グループの成長を牽引する中核的な役割を担うまでに拡大しております。海外売上収益は2,160億円となり、積極的なM&Aの推進により事業領域の拡大を図るとともに、買収企業との統合を通じたシナジーの創出が進展した結果、7期連続で過去最高を更新しました。また、海外営業利益についても拡大し、営業利益全体に占める比率は約7割となりました。こうした状況を踏まえ、海外事業の収益基盤は一層強化されているものと認識しております。 (中期経営計画の進捗状況) 当社グループは、「2026中期経営計画」期間(2025年3月期から2027年3月期)において、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、総資産利益率(ROA)、営業利益、売上収益、及び新領域事業売上収益を重要な経営指標として設定しております。中期経営計画の2年目にあたる当期においては、上記の図に示すとおり、新領域事業売上収益は計画に対しやや未達となったものの、その他の指標については、いずれも目標を達成しました。 (企業価値向上への取り組み) 当社の株価純資産倍率(PBR)は1倍を大きく下回る状況が継続しておりましたが、その要因として、キャッシュレス決済の普及に伴う当社事業の将来性や、成長ドライバーと位置付ける海外事業の成長進捗に対する懸念、ならびに海外投資家による保有見直し等があったものと考えております。一方、足元では、海外事業及び新領域事業の成長、収益性の改善、ならびに株主還元の強化等の取り組みの進展により、2026年3月末時点のPBRはおよそ1倍まで改善いたしました。 企業価値の向上は、当社グループにとって最も重要な経営課題の一つであり、今後も、海外事業及び新領域事業のさらなる成長、株主還元の強化、ならびに中期経営計画における財務目標である自己資本利益率(ROE)、及び投下資本利益率(ROIC)の改善に継続的に取り組んでまいります。 当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題と位置付け、「将来の事業成長への投資、財務体質の維持・強化を図りつつ、安定した配当を継続すること」を基本方針としております。「2026中期経営計画」期間(2025年3月期から2027年3月期)においては、「2024年3月期の配当金額(1株につき年間106円)を基準とした累進配当」及び「株主資本配当率(DOE)3%以上」を目標として掲げておりましたが、海外事業及び新領域事業における成長の進展ならびに収益性の改善を踏まえ、株主還元の一層の強化を図るため、2026年3月期及び2027年3月期においては、新たに総還元性向100%以上*を目標として追加いたしました。また、2027年3月期については、株主資本配当率(DOE)を従来の「3%以上」から「4%以上」へ引き上げることとしました。次期中期経営計画期間においては、さらなる株主資本配当率(DOE)の向上を目指してまいります。 *総還元性向については、親会社の所有者に帰属する当期利益から、事業再編費用、減損損失及び関係会社売却損益等を除外して算出します。 また、2025年5月13日の取締役会において、自己株式の取得及び消却を決議し、2026年3月31日までに取得した自己株式の累計は、株式総数 3,676,100株、株式の取得価額の総額 13,481,005,600円となりました。配当と合わせた総還元性向は126.4%となっております。(当決議に基づき2026年5月13日までに取得した累計は、株式総数 4,039,700株 株式の取得価額の総額 14,999,917,400円であり、当取得を含めた総還元性向は136.2%となります。)なお、当該決議に基づき取得した自己株式は、2026年6月30日に全数を消却する予定です。さらに、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 40.後発事象」に記載のとおり、2026年5月15日開催の取締役会において、自己株式の取得(取得価額の上限:120億円/取得株式の上限:400万株)を決議しております。当該決議に基づき取得した自己株式につきましては、2027年6月30日に全数を消却する予定です。 さらに、「利益配分に関する基本方針」の変更を踏まえ、「2026中期経営計画」におけるキャッシュ・アロケーションについても見直しを行いました。当社グループの資金の主な使途は、設備投資、戦略投資(M&A等)及び株主還元であり、これらについては営業キャッシュ・フローを主たる原資としつつ、必要に応じて外部資金を活用しております。こうした方針のもと、借入金の返済額を当初計画から200億円減額する一方で、株主還元を300億円増額するなど、資本効率の向上を意識した配分へと転換しております。なお、これらの取り組みは、現時点において概ね計画どおりに進捗しております。 当社グループは、資本効率の向上及び収益体質の強化を通じた企業価値の向上を重要な経営課題と認識し、各事業領域において収益拡大と効率性改善に向けた取り組みを推進しております。 自己資本利益率(ROE)の改善に向けては、分子である親会社の所有者に帰属する当期利益の向上と、分母である自己資本の適正化の両面から取り組んでおります。当期利益の向上については、売上収益及び収益性の向上に取り組んでおります。売上収益については、人手不足や人件費の上昇を背景としたセルフ化需要等の拡大を踏まえ、コア事業である貨幣処理機の更なる販売拡大を推進しております。また、新領域事業においては、AcrelecグループやFlooidグループを中核として収益拡大を図っており、Acrelecでは主要顧客向けセルフサービスキオスクの販売拡大、Flooidでは営業体制の強化による新規顧客開拓の加速に注力しております。これらの取り組みにより、ソリューション提供力を強化し、中長期的な収益基盤の拡大を進めております。利益面では、原価率の改善に継続して取り組むとともに、コスト上昇分の適切な販売価格への転嫁を進めております。加えて、オペレーションの効率化や構造改革の推進等により、収益性の向上を図っております。 一方、自己資本の適正化に向けては、株主還元の強化に加え、資本構成の最適化を進めることで、資本効率の向上に取り組んでおります。 次に、投下資本利益率(ROIC)の改善に向けては、自己資本利益率(ROE)の改善施策と同様に、売上収益の拡大と収益性の向上に加え、投下資本の効率化に取り組んでおります。売上収益及び収益性の向上については前述の施策を着実に実行することで推進しております。一方、投下資本(有利子負債及び純資産)の効率化に向けては、事業ポートフォリオの最適化を進めております。具体的には、収益改善の見通しが低いロボットSI事業及び中国事業からの撤退を実施するとともに、決済中継事業については改善スキームを策定のうえ、その実行を進めております。また、生体画像認識事業においては流通・交通市場等での市場拡大を推進しており、国内DXビジネスについても人的リソースの強化により成長を加速しております。さらに、棚卸資産や売掛債権の圧縮等を通じた運転資本の改善に取り組むとともに、株主還元の強化により資本水準の適正化を図っております。これらにより、資産のスリム化と資本回転率の向上を図り、投下資本利益率(ROIC)の継続的な向上に取り組んでおります。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析a. 財務戦略の基本的な考え方当社グループは、財務の安全性を維持しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。財務の安全性の維持に関しては、信用格付(R&I)「A」以上の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。同時に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで負債の活用を進めることにより、資本コストの低減及び資本効率向上にも努めてまいります。設備投資及び事業投資に関しては、長期ビジョン2028達成に向けた企業価値の向上に資する成長のための投資を積極的に推進してまいります。これらの方針のもと、2024年4月より新たにスタートした2026中期経営計画の3年間累計では総額500億円の投資を計画しており、その内200億円を新領域事業への機動的な戦略投資(M&A等)とDX基盤整備やコア事業の生産性向上に向けた投資に充当する計画であります。2026中期経営計画期間において、戦略的投資が114億円、DX基盤整備やコア事業の生産性向上を目的とした設備投資が158億円、総額272億円を実施しました。 なお、各年度の設備投資は減価償却費の範囲内とすることを原則とし、財務の安全性を維持し、妥当な水準の手元流動性を確保してまいります。 b. 経営資源の配分に関する考え方当社グループは、適正な手元現預金の水準について検証を実施しております。2026中期経営計画期間、イベントリスク耐性を十分に備えるべく、売上収益の約2ヵ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、企業価値向上に資する戦略投資及び株主還元に配分するように考えております。 c. 資金需要の主な内容当社グループの資金需要は、コア事業に係る資金支出では、部品・原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費(賃借料、手数料、人件費など)などがあります。また、長期ビジョン2028に掲げる事業ドメインの拡大に向けた戦略投資に係る資金支出は、新領域事業の創出・拡大に向けた業務提携及びM&Aなどがあります。 d. 資金調達当社グループの事業活動維持及び拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部留保資金及び外部調達を有効に活用しております。コア事業の基盤強化を目的とした設備投資には、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を活用することを基本とし、戦略投資については、設備投資に配分後の営業キャッシュ・フローを充当することを基本とした上で、資金調達手段の多様化、資本コストの低減、資本効率向上を企図し、金融機関からの借入れや社債発行等有利子負債も積極的に活用しております。また、調達環境の急変時に当面の運転資金を確保できるよう、コミットメントラインを設定しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要経営課題と認識しており、当社グループの本報告書提出時点におけるR&Iの格付は「A(安定的)」となっております。また、主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実現可能と認識しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。 (3) 並行開示情報「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第3編から第6編までを除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、以下のとおりであります。なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく監査を受けておりません。 ① 要約連結貸借対照表 (単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)資産の部 流動資産218,308218,401固定資産 有形固定資産46,06246,485無形固定資産112,619104,169投資その他の資産59,82675,594固定資産合計218,508226,249資産合計436,816444,650負債の部 流動負債111,698119,385固定負債93,44885,682負債合計205,146205,068純資産の部 株主資本176,223166,744その他の包括利益累計額54,68272,245非支配株主持分764591純資産合計231,670239,582負債純資産合計436,816444,650 ② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書要約連結損益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高369,017340,111売上原価202,665182,825売上総利益166,351157,286販売費及び一般管理費129,587134,268営業利益36,76423,018営業外収益3,6322,454営業外費用10,3916,328経常利益30,00419,144特別利益7031,207特別損失1,269664税金等調整前当期純利益29,43819,688法人税等11,8819,836当期純利益17,5579,851非支配株主に帰属する当期純利益388210親会社株主に帰属する当期純利益17,1699,641 要約連結包括利益計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)当期純利益17,5579,851その他の包括利益合計△1,31717,695包括利益16,24027,547(内訳) 親会社株主に係る包括利益15,86227,205非支配株主に係る包括利益378342 ③ 要約連結株主資本等変動計算書前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額非支配株主持分純資産合計当期首残高171,80055,989870228,660会計方針の変更による累積的影響額△5,513――△5,513会計方針の変更を反映した当期首残高166,28755,989870223,147当期変動額9,936△1,307△1068,522当期末残高176,22354,682764231,670 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (単位:百万円) 株主資本その他の包括利益累計額非支配株主持分純資産合計当期首残高176,22354,682764231,670当期変動額△9,47917,563△1727,911当期末残高166,74472,245591239,582 ④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書 (単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)営業活動によるキャッシュ・フロー45,75237,125投資活動によるキャッシュ・フロー△7,911△4,735財務活動によるキャッシュ・フロー△21,275△35,352現金及び現金同等物に係る換算差額△5701,535現金及び現金同等物の増減額(△は減少)15,996△1,426現金及び現金同等物の期首残高35,17351,468連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)299―現金及び現金同等物の期末残高51,46850,042 ⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)(連結の範囲の変更)当社の連結子会社であったグローリーAZシステム株式会社及びグローリーメカトロニクス株式会社は、当社の連結子会社であるグローリーシステムクリエイト株式会社を存続会社とする吸収合併により消滅したため、連結の範囲から除外しております。なお、存続会社であるグローリーシステムクリエイト株式会社は、合併後にグローリーテクニカルソリューションズ株式会社に商号変更しております。また、当社の米国連結子会社であったRevolution Retail Systems, LLC及びその子会社2社は、当社の米国連結子会社であるGlory Global Solutions Inc. を存続会社とする吸収合併により消滅したため、連結の範囲から除外しております。持分法適用関連会社であった株式会社Showcase Gigは株式を追加取得したため、連結の範囲に含めております。Acrelec Holding Middle East Ltd他2社は清算したため、連結の範囲から除外しております。 (持分法適用の範囲の変更)持分法適用関連会社であった株式会社Showcase Gigは株式の追加取得により連結の範囲に含めたため、持分法適用の範囲から除外しております。 (連結子会社の決算日の変更)決算日が12月31日であったAcrelec Group S.A.S.他22社は、決算日を3月31日に変更しております。この決算期変更に伴い、2024年1月1日から2024年3月31日までの損益は利益剰余金の増減として調整しております。 (会計方針の変更)(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っております。なお、当会計方針の変更による連結財務諸表への影響はありません。また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しております。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。なお、当会計方針の変更による前連結会計年度の連結財務諸表への影響はありません。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)(連結の範囲の変更)ACRELEC CANADA INC. は新たに設立したため、連結の範囲に含めております。Glory Global Solutions (Shanghai) Co.,Ltd. 他1社は清算したため、連結の範囲から除外しております。Glory Global Solutions Ltd.、Glory Global Solutions (Topco) Ltd.、Glory Global Solutions (Midco) Ltd.及びGlory Global Solutions (Holdings) Ltd.は、Glory Global Solutions (International) Ltd. を存続会社とした吸収合併により、Flooid Topco Limited 他5社は、Flooid Midco Limited を存続会社とした吸収合併によりそれぞれ消滅しております。 (会計方針の変更)(研究開発費の計上区分の変更)当社は、当連結会計年度より、従来、売上原価に計上していた研究開発費を、販売費及び一般管理費に計上する方法に変更しております。キャッシュレス決済の普及や世界的な金融機関の店舗統廃合など、当社を取り巻く事業環境が大きく変化している中、当社グループは、『2026中期経営計画』において収益力の向上を目指したROIC経営を推進し、資本コストを意識した運営を徹底しております。その中で、従来の通貨処理機にソフトウェアプラットフォームを融合させることによるDXビジネスの成長を掲げ、コア事業におけるハードウェア開発から新領域事業における新価値創造に向けた新たなサービス・ソリューション開発まで一貫して推進することを目指しており、そのための組織改革として開発部門の組織体制を変更し、当連結会計年度より本格的に運用を開始しております。当該会計方針の変更は、この組織体制の変更を反映すべく、売上原価並びに販売費及び一般管理費の範囲を見直したことによるものであります。当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。この結果、遡及適用を行う前と比べて、前連結会計年度の連結貸借対照表は、投資その他の資産が1,043百万円増加し、流動資産が6,316百万円、固定負債が888百万円、株主資本が4,383百万円それぞれ減少しております。また、前連結会計年度の連結損益計算書は、売上原価が10,168百万円減少し、販売費及び一般管理費が8,541百万円増加し、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益はそれぞれ1,627百万円増加しております。また、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、利益剰余金の前連結会計年度の期首残高は5,513百万円減少しております。 (4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報IFRS会計基準により作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.初度適用」に記載のとおりであります。 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)(のれん)日本基準ではのれんはその効果が及ぶ期間にわたって償却しておりましたが、IFRS会計基準では移行日以降の償却は行っておりません。この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて販売費及び一般管理費が8,785百万円減少しております。 (退職後給付)日本基準では、確定給付制度の数理計算上の差異及び過去勤務費用について、「その他の包括利益累計額」として認識し、その後、将来の一定期間にわたり純損益として認識しておりました。一方、IFRS会計基準では、数理計算上の差異は発生時に「その他の包括利益」として認識し、直ちに「利益剰余金」へ振り替え、過去勤務費用は発生時の純損益として認識しております。この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「売上原価」が1,502百万円、「販売費及び一般管理費」が1,798百万円それぞれ増加しております。 (リース)日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRS会計基準では、借手のリースについてファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類せず、リース取引について「使用権資産」及び「リース負債」を認識しております。この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「使用権資産」が8,910百万円、「リース負債」が8,897百万円それぞれ増加しております。 (税効果)日本基準からIFRS会計基準への調整に伴い一時差異が発生したこと及び繰延税金資産の回収可能性を再検討したこと等により、「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」の金額を調整しております。また、未実現損益の消去に伴う税効果について、日本基準では売却元の税率を使用していましたが、IFRS会計基準では売却先の税率を使用して算定しております。この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて「繰延税金資産」が18,850百万円増加し、「繰延税金負債」が925百万円減少しております。
事業リスク
- キャッシュレス化の進展デジタル通貨の発行など、世界的にキャッシュレス化が急速に進むと、現金処理機への依存度が高いグローリーの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。新領域事業の拡大で対応していますが、その成長がキャッシュレス化の速度に追いつかない場合、収益が減少するリスクがあります。
- 地政学リスクと為替変動海外事業を積極的に展開しているため、戦争や紛争、追加関税などの国際情勢の変化(地政学的リスク)や、予想を超える為替・金利の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、知的財産の侵害リスクも海外展開における課題です。
- 戦略投資の成果不確実性企業価値向上を目指し、企業買収などに伴う戦略投資を積極的に行っていますが、事業環境の変化などで期待通りの成果が得られない場合、「のれん」や「顧客関係資産」の減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。これは連結総資産の約24%を占める大きなリスクです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
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3 【事業等のリスク】当社グループでは、リスク管理委員会を中心に、重点領域を設定して対策強化を行うとともに、これらの情報については取締役会に報告する体制としております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。 (1) リスクマネジメント体制当社は、社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、当社グループのリスク管理体制の維持・強化を進めております。 (2) リスク管理プロセスリスク管理活動については、下記のPDCAを回すことでリスクの特定と評価を行っております。洗い出されたリスクを、影響度と発生可能性の二軸で評価し、リスクの対応策を「回避」「低減」「移転」「受容・保有」の4種から選択します。重要リスクと特定した事項について、主管部門を中心に平時における予防措置を講じるとともに、危機発生時に迅速に対応できる体制の確保・向上に努めており、リスク管理委員会では、その結果に基づき、諸対策について審議しております。また、その概要については、定期的に取締役会に報告しております。 (3) 事業等のリスク リスク分類リスク項目リスク内容事業環境キャッシュレス化の急速な進展/現金処理機への高い依存当社グループは、ソフトウェアプラットフォームやDMP事業などのDX分野を含む新領域事業の拡大に取り組んでおりますが、新領域事業が成長するまでの間に、デジタル通貨の発行など急激なキャッシュレス化がグローバルに、また短期間に進展した場合には、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、長期成長ストーリーにおいて、リテール・金融及び飲食市場を注力市場とし、ソフトウェアプラットフォームの提供によりお客様の店舗DXのサポートを行うことで、店舗トータルソリューションを推進してまいります。海外事業展開当社グループは、海外市場への事業展開を積極的に行っておりますが、戦争や紛争の発生、高率の追加関税など国際情勢の変化による事業活動への影響を含む地政学的リスクに加えて、予想の範囲を超える為替相場や金利の変動、知的財産の侵害等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、世界各地で高まる地政学的リスクの影響を低減する中長期的な事業戦略と生産戦略の立案と推進、また為替相場の変動に備えた為替ヘッジ施策、未来創造と事業収益に直結した知的財産活動により、事業展開を進めてまいります。各国の法令・各種規制当社グループは、事業活動を行っている国及び地域において、事業の許認可や輸出入規制のほか、環境関連規制・セキュリティ規制・デジタル規制を含む技術に関する法令等の適用を受けております。これらの法令の改廃や新設等がなされ、対応が遅れた場合、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、各国法規制の動向を調査のうえ、かかる規制等の適用を受ける業務の特定、リスク評価と対応策の実施ならびに社員教育を進めてまいります。戦略投資当社グループは、中長期にわたる持続的な企業価値向上を目的として、コア事業の拡大及び新領域事業創出に向けて積極的に経営資源を投入しております。2026年3月期末現在、企業買収に伴い発生した「のれん」及び「顧客関係資産」の金額は、それぞれ連結総資産の17.4%(78,656百万円)及び7.0%(31,771百万円)を占めており、事業環境の変化等により期待した成果が得られない場合には減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。また、持分法適用会社となった投資先が事業計画を達成できない場合には、持分法による投資損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、戦略投資委員会規程に基づき、投資先の事業を取り巻く環境の評価を定期的に実施し、取締役会等において報告を行うことで、投資後の管理を確実に行い、投資時のシナリオに沿った成長戦略の推進を行っております。 サプライチェーン当社グループは、調達先の多様化を進めておりますが、天災、戦争、紛争等によりサプライヤーの生産活動が停止した場合や、特定の部品や原材料等、世界的な需給バランスの崩れにより、納期遅延が発生した場合は、生産に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、インフレーション等により部品・原材料の価格が高騰した場合には、原価が上昇し、業績に影響を与える可能性があります。さらに、BCPを目的とした部材確保が結果的に過剰在庫となり、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、経済安全保障を考慮した調達先の確保、入手性の高い部品・原材料への切替えや、緊急時における適正在庫の精度向上など、安定的な生産が可能な方策を進めております。事業環境人材の確保当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、多様な国籍、価値観、専門性等を持つ従業員が働いております。当社グループの中長期的な成長は、これらの人材に大きく依存していることから、優秀な人材、特に新領域事業拡大に必要なDX人材等の確保・育成が中長期的に計画どおり進まなかった場合、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、競争力の源泉となる人的資本の充実を人材戦略の目標に掲げ、社員エンゲージメントの向上策として、個人と会社の成長が実感できる人材育成と健康経営を中心とした働きやすさの向上や、ダイバーシティの推進、人権の尊重に取り組むことにより、DXを中心とした人材の確保・育成に注力してまいります。 リスク分類リスク項目リスク内容事業運営知的財産権当社グループは、当社グループ製品による第三者の重要な知的財産権の侵害を防止するとともに、第三者により当社の知的財産権を侵害されないよう他社製品、他社サービスの継続的な調査を行っておりますが、新たなサービスを提供する中で、当社グループのような研究開発型企業においては、他社との知的財産紛争が生じる可能性があります。このような事態が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、知的財産部門と事業部門が連携し、知的財産における当社の市場ポジションを示す“IPランドスケープ”を実施することにより、第三者の知的財産権の調査を通して、知的財産紛争発生のリスク低減を図っております。情報セキュリティ当社グループは、顧客等の個人情報や機密情報の漏洩等の防止は、必要不可欠の事項と捉え、規程の制定、社内教育の徹底、情報セキュリティシステム構築等の措置を講じていますが、情報漏洩等の事態が発生した場合、当社グループの信用低下につながるだけでなく、顧客等に対する損害賠償責任が発生するおそれがあります。また、当社グループの事業活動において、情報システムの重要性が高まっており、不正アクセスによる事業活動の停止リスクも増大しております。 <対応策>当社グループは、グループCISOを中心に情報セキュリティガバナンス体制を構築し、社員教育の徹底、システムの刷新や運用状況のモニタリング等の対策を継続・強化しております。 ソリューションの品質当社グループは、金融機関や流通店舗、飲食店舗において、現金の取扱い等、安定的な運用が強く求められていることから、信頼性の高いソリューションを提供することに注力しております。しかしながら、デジタル技術やネットワーク技術の活用、ソリューションの高度化に伴う不確実要因など、想定外の品質問題の発生もあり得るため、これらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <対応策>当社グループは、品質管理システムに基づき、品質及び安全性の設計・検証を徹底しております。また、保守サービスにおいても、遠隔監視や定期点検により問題発生の未然防止に努めております。品質問題が発生した場合や法規に抵触する可能性のある不具合が発生した場合は、迅速に品質マネジメント担当役員に情報が届くシステムを設定し、対応に遅れが出ないようにしております。 資金調達当社グループは、事業活動の資金を内部資金及び金融機関からの借入れや社債の発行等により調達しております。主に日本、米州、欧州において政策金利の引上げや、格付機関による当社信用格付けの引下げ等が生じた場合には、資金調達コストが増加し、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、資金繰り計画を適時に更新するとともに、銀行借入れや社債発行など資金調達の多様化を進めることにより、流動性リスクの低減を図っております。環境気候変動当社グループは、気候変動問題を重要な経営課題と認識し、環境負荷低減に向けた取組みを推進しておりますが、各国における法規制や社会的要請が予測を超えて強化され、「移行リスク」が高まった場合、省エネ/再エネ設備への追加投資や炭素税・排出権取引の導入等によるエネルギー調達コストの増加、さらには販売機会の損失や企業ブランドの毀損により、当社グループの業績や企業価値に影響を与える可能性があります。また、気候変動の進行により台風・豪雨等の自然災害が激甚化し、「物理的リスク」が高まった場合、自社工場及び従業員の被災や部品調達先の操業停止等の影響を受け、当社グループの事業活動が制限され、業績に影響を与える可能性があります。 <対応策>当社グループは、「温室効果ガス排出量の削減」をサステナビリティの最重要課題として特定し、国際基準(SBT)に基づくグローバル規模での温室効果ガス排出量の削減目標を掲げ、2050年度の「CO2排出量実質ゼロ(スコープ1・2)」の実現に向けた取組みを推進しております。さらに、バリューチェーンにおける環境負荷(スコープ3)についても、削減目標を設定し、継続的な削減に取り組んでおります。また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に沿った気候関連情報の開示に引き続き取り組むとともに、国際的なサステナビリティ開示の動向を踏まえ、情報開示の充実を図ってまいります。 リスク分類リスク項目リスク内容内部統制内部統制当社グループでは、法令遵守及び不正防止を目的とした内部統制体制を整備しておりますが、役職員による法令違反や不正行為が発生した場合、社会的信用の低下や事業活動への影響が生じる可能性があります。特に、業務の高度化・多様化に伴い、内部統制が十分に機能しない場合には、不正の早期発見が困難となるリスクがあります。 <対応策>当社グループでは3ラインモデルの考え方を活用し、事業部門による自律的なリスク管理(第一線)、管理部門等による方針策定・モニタリング(第二線)、及び内部監査部門による独立した評価(第三線)から成る内部統制体制の構築を進めております。