7122

近畿車輛(7122)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 鉄道車両製造販売
    近畿車輛グループは、主に鉄道車両の製造と販売を手掛けています。新幹線や通勤電車、地下鉄車両など、多種多様な鉄道車両を国内外の鉄道会社に提供しており、これがグループの売上の大半を占める主力事業です。車両製造には、子会社が補助業務を担い、海外子会社が海外案件の獲得拠点となるなど、グループ全体で事業を推進しています。
  • 不動産賃貸事業
    鉄道車両関連事業に加えて、不動産の賃貸も行っています。これは、グループが保有する不動産を他社に貸し出すことで賃料収入を得る事業であり、安定的な収益源の一つとなっています。鉄道車両事業とは異なる性質を持つため、事業リスクの分散にも寄与していると考えられます。
  • グループ連携による事業展開
    当社グループは、親会社である近畿日本鉄道株式会社を含む子会社4社と連携し、事業を展開しています。例えば、子会社は車両製造の補助業務や海外案件獲得の拠点となり、また、親会社には鉄道車両や部品を販売するなど、グループ内での協力体制を構築することで、効率的な事業運営と収益の最大化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 鉄道車両関連事業
    この事業は、近畿車輛グループの主要な収益源であり、売上高294.4億円、営業利益7.45億円を計上しています。主に鉄道車両の製造・販売を手掛けており、国内だけでなく、米国やカナダを中心とした海外市場でも事業を展開しています。子会社が車両製造の補助業務や海外案件獲得の拠点となるなど、グループ全体でこの事業を推進しています。
  • 不動産賃貸事業
    鉄道車両関連事業に次ぐもう一つの事業セグメントで、売上高8.16億円、営業利益7.05億円を計上しています。これは、グループが保有する不動産を賃貸することで収益を得る事業です。鉄道車両事業とは異なる性質を持つため、事業ポートフォリオの多様化とリスク分散に貢献していると考えられます。
  • セグメント構成と収益性
    近畿車輛グループは、鉄道車両関連事業と不動産賃貸事業の二つのセグメントで構成されています。鉄道車両関連事業が売上高の大部分を占める主力事業である一方、不動産賃貸事業は売上規模は小さいものの、比較的高い営業利益率を確保しており、安定的な収益基盤を形成しています。これにより、グループ全体の収益安定化に寄与しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
RollingStockBusinessReportableSegment 地域 294 7 2.5%
LeaseOfRealEstateBusinessReportableSegment 地域 8 7 86.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|512 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社5社及びその他の関係会社で構成され、鉄道車両関連事業及び不動産賃貸事業に事業活動を展開しております。当社グループの事業に関わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分となっております。 鉄道車両関連事業(6社)当社が鉄道車両を製造するにあたり、車両製造に関わる補助業務を子会社の㈱ケーエステクノスに委託しております。 また、米国及びカナダを中心とした海外案件獲得の拠点である子会社のKINKISHARYO International, L.L.C.、KI-PISCATAWAY LLC及びKINKISHARYO INTERNATIONAL CANADA INC.に対しては受注車両の構体などを納入し、RAIL TRANSIT CONSULTANTS,INC.は当社及びその子会社の技術エンジニアリング業務を行っております。 不動産賃貸事業(1社)不動産賃貸事業は当社が事業活動を展開しております。 上記のほか、当社は、その他の関係会社である近畿日本鉄道㈱に鉄道車両及び同部品などを販売しております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
メーカー間の競争激化により価格低減に取り組む必要に迫られているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
鉄道車両は多品種少量生産で、多くの熟練工社員による手作業での組み立て技術が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:鉄道車両専業メーカーであり需要動向に左右される / 原材料価格高騰や調達遅延、追加費用発生リスク / 製品の品質に起因する事故やクレームによるコスト
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

特許や技術力は存在するが、他社との明確な差別化やブランド力による価格決定力は限定的。鉄道車両分野での長年の実績は無形資産となりうるが、競争環境は激しい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

鉄道車両の導入には高い初期投資とインフラ整備が必要であり、一度導入した車両メーカーを変更する際の切り替えコストは一定程度存在する。しかし、新規参入の余地はある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄道車両製造にはネットワーク効果は基本的に見られない。プラットフォームや共通規格の普及は限定的。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大量生産によるコスト削減効果は期待できるが、競合他社も同様の取り組みを行っており、構造的なコスト優位性は確立されていない。為替変動の影響も受ける。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

鉄道車両分野における国内有数のメーカーであり、一定の生産規模を持つ。しかし、グローバル市場での圧倒的なシェアや寡占状態とは言えない。海外展開も進めている。

  • オーダーメイド製造技術
    近畿車輛は、鉄道事業者ごとの細かな仕様に基づいたオーダーメイドの鉄道車両製造を得意としています。これは、多品種少量生産体制を可能にする熟練工による高い技術力に支えられており、顧客の多様なニーズに応えることで、他社との差別化を図っています。特に「優れたデザイン力」や「高品質な溶接技術」は、同社の強みとして挙げられます。
  • 品質マネジメント体制
    公共輸送を担う鉄道車両の製造において、同社はISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得し、厳格な品質管理体制を構築しています。確かな設計・製造技術と信頼性の高い品質管理は、顧客からの信頼獲得に繋がり、安定的な受注に貢献していると考えられます。常に新しい技術開発にも取り組み、品質向上に努めています。
  • グローバルな事業展開
    米国やカナダに海外案件獲得の拠点を持ち、海外市場での受注拡大に注力しています。特に米国案件では「バイアメリカン条項」への対応や、欧州主導の世界標準技術・規格への対応など、国際的な競争環境の中で事業を展開しています。これにより、国内市場だけでなく、海外市場での成長機会も追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「我々は、常に誠意と熱意を持って、優れた技術と創造力を発揮し、豊かで快適な人間環境の実現に貢献します。」を企業理念として掲げ、創業以来、人と物の移動手段の近代化のために鉄道車両製造に携わってまいりました。また、「サステナビリティ」理念を制定し、当社の社会的責任とその姿勢を明確にしております。「サステナビリティ」理念は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 考え方」に記載しております。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の見通しといたしましては、短期的には中東情勢の緊迫化による資源供給の混乱がもたらす原材料不足、物価の上昇が懸念され、当社グループにおいても受注車両の製造工程への影響と、原材料やエネルギー価格の高騰などによる製造原価の上昇が考えられます。一方、中期的には省エネルギー化、CO2削減などに向けた鉄道分野へのGX対応要請や、多様なニーズに対応するための旅客サービス向上を背景に、国内市場では鉄道事業者による車両新造の需要があり、また、海外市場では納入実績のある鉄道事業者で車両新造の計画が動き出しています。長期的には、国内市場では少子化に伴う鉄道利用者数の減少が予測されますが、鉄道は持続可能かつ必要不可欠な公共交通手段として重要な役割を果たすことが期待され、鉄道事業者では省人化に向けた開発と投資をすでに活発化させています。海外市場では人口動態等から継続した車両新造などの需要が見込まれます。こうした状況にあって、当社グループでは、DXや製造設備改良によるものづくりの変革により生産性を高め、製造における再生可能エネルギー電力の使用などにより持続可能な企業活動を推進し、国内案件はもとより大型海外案件であるカイロ地下鉄向け電車やロサンゼルス郡都市交通局向け電車の最終組立工事などの受注済案件を着実に遂行してまいります。また、デザイン力や製造技術力を活かし、環境面も考慮した社会のニーズに応える最適仕様の車両を提案し、案件獲得と収益の確保に努めてまいります。また、当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、内部統制の整備、運用を強化し財務報告の信頼性を確保してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「我々は、常に誠意と熱意を持って、優れた技術と創造力を発揮し、豊かで快適な人間環境の実現に貢献します。」を企業理念として掲げ、創業以来、人と物の移動手段の近代化のために鉄道車両製造に携わってまいりました。また、「サステナビリティ」理念を制定し、当社の社会的責任とその姿勢を明確にしております。「サステナビリティ」理念は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1) 考え方」に記載しております。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の見通しといたしましては、短期的には中東情勢の緊迫化による資源供給の混乱がもたらす原材料不足、物価の上昇が懸念され、当社グループにおいても受注車両の製造工程への影響と、原材料やエネルギー価格の高騰などによる製造原価の上昇が考えられます。一方、中期的には省エネルギー化、CO2削減などに向けた鉄道分野へのGX対応要請や、多様なニーズに対応するための旅客サービス向上を背景に、国内市場では鉄道事業者による車両新造の需要があり、また、海外市場では納入実績のある鉄道事業者で車両新造の計画が動き出しています。長期的には、国内市場では少子化に伴う鉄道利用者数の減少が予測されますが、鉄道は持続可能かつ必要不可欠な公共交通手段として重要な役割を果たすことが期待され、鉄道事業者では省人化に向けた開発と投資をすでに活発化させています。海外市場では人口動態等から継続した車両新造などの需要が見込まれます。こうした状況にあって、当社グループでは、DXや製造設備改良によるものづくりの変革により生産性を高め、製造における再生可能エネルギー電力の使用などにより持続可能な企業活動を推進し、国内案件はもとより大型海外案件であるカイロ地下鉄向け電車やロサンゼルス郡都市交通局向け電車の最終組立工事などの受注済案件を着実に遂行してまいります。また、デザイン力や製造技術力を活かし、環境面も考慮した社会のニーズに応える最適仕様の車両を提案し、案件獲得と収益の確保に努めてまいります。また、当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、内部統制の整備、運用を強化し財務報告の信頼性を確保してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復が続く一方、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響やアメリカの通商政策をめぐる動向に加え、中東情勢の混乱による景気下振れリスクが増大し、先行きに不透明感を増すうちに推移しました。こうした状況の中で、当連結会計年度の当社グループ(当社及び連結子会社)における業績は、売上高が371億円(前連結会計年度売上高302億5千7百万円)と前年同期と比べ68億4千2百万円の増収となりました。主な増収の要因は、国内向車両が増加したことによるものです。営業損失は2億3千4百万円(前連結会計年度営業利益2億3千2百万円)と前年同期と比べ4億6千7百万円の減益となりました。営業外収益は6億4千8百万円(前連結会計年度営業外収益4億2千8百万円)と前年同期と比べ2億1千9百万円の増加となり、営業外費用は2億2千万円(前連結会計年度営業外費用3億2千1百万円)と前年同期と比べ1億円の減少となりました。営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は4億2千7百万円(前連結会計年度1億7百万円)となり、経常利益は1億9千2百万円(前連結会計年度経常利益3億3千9百万円)と前年同期と比べ1億4千7百万円の減益となりました。また、当連結会計年度は、資本効率の向上を目的とした政策保有株式縮減のため、当社が保有する投資有価証券の一部を売却したことにより9億6千1百万円を投資有価証券売却益として特別利益に計上しております。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15億7千万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純利益5億6千万円)と前年同期と比べ10億1千万円の増益となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。鉄道車両関連事業西日本旅客鉄道株式会社向電車及び近畿日本鉄道株式会社向電車等により、売上高は362億5千2百万円(前連結会計年度売上高294億4千万円)と前年同期と比べ68億1千1百万円の増収となりました。営業利益は2億7千6百万円(前連結会計年度営業利益7億4千5百万円)と前年同期と比べ4億6千8百万円の減益となりました。不動産賃貸事業東大阪商業施設及び所沢商業施設を中心に売上高は8億4千7百万円(前連結会計年度売上高8億1千6百万円)となりました。営業利益は7億4千2百万円(前連結会計年度営業利益7億5百万円)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)鉄道車両関連事業37,466111.1合計37,466111.1 ②受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)鉄道車両関連事業31,537155.5113,22696.0合計31,537155.5113,22696.0 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)鉄道車両関連事業36,252123.1不動産賃貸事業847103.9合計37,100122.6 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 前連結会計年度相手先販売高(百万円)割合(%)近畿日本鉄道株式会社5,88719.5西日本旅客鉄道株式会社4,75515.7New Jersey Transit(ニュージャージー交通局)4,31714.3Los Angeles County Metropolitan Transportation Authority(ロサンゼルス郡都市交通局)3,91012.9 当連結会計年度相手先販売高(百万円)割合(%)西日本旅客鉄道株式会社9,43125.4近畿日本鉄道株式会社7,57320.4 (2) 財政状態(資産)当連結会計年度末の資産合計は、729億3千7百万円(前連結会計年度末588億3千5百万円)と141億2百万円の増加となりました。流動資産は主に現金及び預金の増加により、518億1千9百万円(前連結会計年度末396億8千7百万円)と121億3千2百万円の増加となりました。固定資産は主に投資有価証券の時価変動による増加により、211億1千7百万円(前連結会計年度末191億4千8百万円)と19億6千9百万円の増加となりました。(負債)当連結会計年度末の負債合計は、369億8千2百万円(前連結会計年度末252億2千3百万円)と117億5千9百万円の増加となりました。流動負債は短期借入金が減少したものの、主に契約負債の増加により、328億4千6百万円(前連結会計年度末205億1千4百万円)と123億3千2百万円の増加となりました。固定負債は主に退職給付に係る負債が減少したことにより、41億3千6百万円(前連結会計年度末47億9百万円)と5億7千3百万円の減少となりました。(純資産)当連結会計年度末の純資産合計は、359億5千5百万円(前連結会計年度末336億1千1百万円)と23億4千3百万円の増加となりました。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。 鉄道車両関連事業当連結会計年度末のセグメント資産は、573億6千6百万円(前連結会計年度末528億5千1百万円)と45億1千5百万円の増加となりました。 不動産賃貸事業当連結会計年度末のセグメント資産は、14億6千7百万円(前連結会計年度末14億8千2百万円)と1千5百万円の減少となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、168億4千3百万円(前連結会計年度末62億9千1百万円)と105億5千2百万円の増加となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が11億5千4百万円となり、主に契約負債の増加により、156億3千万円の収入(前連結会計年度48億5千8百万円の支出)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により、5億5千8百万円の支出(前連結会計年度5億7千6百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金の返済による支出により、43億3千5百万円の支出(前連結会計年度1千4百万円の支出)となりました。 (資本の財源及び資金の流動性についての分析)当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、売上債権の回収までに必要な資金については金融機関からの借入による短期資金調達やコミットメント契約の利用により流動性を維持しております。一方、設備資金など長期的な資金については、国内外での資金調達について、市場金利動向や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、金融機関からの借入による長期借入金により流動性を維持しております。当社グループの当連結会計年度末の資金は、前年同期と比べ105億5千2百万円増加し168億4千3百万円となりました。当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、契約負債が増加したことなどにより204億8千9百万円収入が増加し156億3千万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加したものの投資有価証券の売却による収入により1千7百万円支出が減少し5億5千8百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済による支出により43億2千1百万円支出が増加し43億3千5百万円の支出となりました。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 鉄道車両需要の変動
    鉄道車両関連事業が売上の大半を占めるため、新製車両の需要動向に業績が大きく左右されるリスクがあります。経済情勢の変化により受注競争が激化したり、厳しい条件での受注となったりした場合、収益性が悪化する可能性があります。また、景気変動による原材料価格の高騰や部品調達の遅延も、業績に影響を与える要因となります。
  • 製品品質と事故リスク
    公共輸送を担う鉄道車両の製造において、品質に起因する事故や不具合が発生した場合、多額の損害賠償や訴訟費用が発生するリスクがあります。鉄道システムの一部であるため、当社単独では予測できない事故やクレームが発生する可能性も否定できません。これは、企業の信頼性やブランドイメージにも大きな影響を及ぼす可能性があります。
  • 熟練工の技術継承
    鉄道車両は多品種少量生産であり、多くの熟練工が手作業で組み立てています。少子高齢化や団塊の世代の退職が進む中で、将来を支える優秀な若年層の人材確保が困難になるリスクがあります。熟練技術の継承が滞れば、生産能力の低下や品質の維持が難しくなり、結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,366 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 事業の特性当社グループは、鉄道車両関連事業の売上高が連結売上高の大宗を占める実質的な鉄道車両専業メーカーであり、新製車両の需要の動向に左右されやすい事業構成となっております。経済情勢等の影響により受注競争が激化し、安定的に受注できなかった場合や厳しい条件での受注となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。また、鉄道車両関連事業は、個別契約に基づき受注するオーダーメイドの案件が多く、受注から納車までの期間が数年に及ぶため、当初想定できなかった著しい景気変動や経済情勢の変動等による原材料の価格高騰や調達部品の納入遅延、あるいは設計変更や工程変更等による想定外の追加費用の発生するおそれがあり、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。国内案件においては、社会の高度化と顧客からの車両品質向上の要求が強まる一方で、メーカー間の競争の激化によりさらなる価格低減に取り組む必要に迫られております。海外案件においては、欧州主導の世界標準の鉄道技術及び規格等に対応しなければならないなか、業界の寡占化、グローバル化が進んでおり、受注に際してはこれらの会社との競合があり、厳しい競争になります。さらに米国案件においては、バイアメリカン条項により70%以上を米国内で調達する必要があります。また、仕様・規格の制約上、主要機器の多くは欧州のメーカーを選択することになります。以上のリスクに対処するため、受注に際しましては、契約締結前に価格、仕様、納期、収支等について十分な社内検討を行っており、社内常勤役員全員が出席する会議で討議、決定することとしております。案件の製造開始後の工程・収支管理につきましても、同様の会議を通じて問題の共有化と対策の早期実施を図っております。また、従前より「優れたデザイン力」、「高品質な溶接技術」等の特徴や技術を活かした製品づくりを推し進めておりますが、入札指名や随意契約の指名を受けるために、さらなる利点を追求し、当社グループの望む評価の確保とその向上に努め、受注の獲得に注力してまいります。(2) 製品の品質当社グループは、公共輸送を担う鉄道車両の製造を請け負っており、顧客の要求仕様を十分に満たした上でさらに社内で確立した厳しい基準を適用することで品質確保と信頼性の向上に努めております。しかし、鉄道車両は鉄道システムの一部であり当社単独では予想しえない事故や不具合が発生した場合、また品質に起因する事故あるいはクレームやリコールにより損害賠償や訴訟費用等の多額のコストが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。以上のリスクに対処するため、当社は、製品の品質確保に向けて、ISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得して、確かな設計・製造技術、信頼のおける品質管理体制を築いているほか、常に新しい技術開発の推進に全社をあげて取り組んでおります。(3) 人材確保鉄道車両は、鉄道事業者ごとの仕様に基づき発注され、車両数も限定的であります。従って、大量生産でなく多品種少量生産となっており、多くの熟練社員がほぼ手作業で製品を組み立てております。これらの技術力は一朝一夕に伝承されるものではなく、教育・訓練を充実させて技術伝承に努めております。少子高齢化と団塊の世代の退職が進むなか、将来を支える優秀な若年層の人材確保が年々難しくなっており、人材が確保できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。以上のリスクに対処するため、訓練センターを設置し若年層の技量アップを図り、社員が働きやすい環境の整備を進め現有社員の流出を防ぐとともに採用活動を通じて安定した人材確保に努めております。 (4) 資金調達・金利変動当社グループは、資金の調達が必要な場合、キャッシュ・フローの将来見通しを勘案して低金利の資金調達に努めておりますが、金融市場の動向や調達金利の上昇が当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼすリスクがあります。以上のリスクに対処するため、メインバンク、準メインバンクより安定的な資金を調達するとともに、他の金融機関からも幅広く資金を調達しております。(5) 為替の変動当社は外貨建て取引の比率が半分近くになる場合があり、為替の動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。以上のリスクに対処するため、為替の動向を考慮しながら適宜為替予約等のリスクヘッジに努めております。(6) 大規模災害等地震・台風等の大規模災害や感染症の流行等が起こった場合には、当社グループの業績に直接的又は間接的に影響を及ぼすリスクがあります。以上のリスクに対処するため、激甚災害やトラブルに備えてBCPを策定するほか、地震等の大規模災害に備えて耐震補強工事や定期点検、非常時訓練等を実施しております。台風等による損失につきましては、一定の範囲で損害保険を付しております。また、従業員の安否確認の集計、会社からの指示などの連絡手段としての安否確認システム導入、水や食料の備蓄などを進めております。感染症の流行等への対策につきましては、社員の感染や部品調達の停滞等により生産工程に影響が出るおそれがあるため、感染拡大防止のための取り組みを社員・協力会社をあげて実施してまいります。

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