8306

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

銀行業 銀行

事業の概要

  • グローバル金融サービス
    三菱UFJフィナンシャル・グループは、銀行、信託銀行、証券業務を中核に、クレジットカード、貸金、リース、資産運用など多岐にわたる金融サービスを世界中で展開しています。これにより、個人から法人まで幅広い顧客の多様な金融ニーズに応え、収益を上げています。
  • グループ一体の総合金融
    顧客の様々な金融ニーズに対応するため、既存の業態の枠を超え、グループ一体となって金融商品・サービスを提供する「グループ融合型」の組織体制を構築しています。これにより、各子会社が連携し、一元的な戦略のもと事業を推進することで、顧客への包括的な価値提供とグループ全体の収益力向上を目指しています。
  • 多様な収益源
    銀行業務による預金・貸出金利息収入、信託銀行業務による資産運用・管理手数料、証券業務による株式・債券取引手数料など、多様な金融サービスから収益を得ています。これにより、特定の事業に依存せず、安定した収益基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • リテール・デジタル事業本部
    個人顧客向けの銀行業務、信託銀行業務、証券業務、クレジットカード・貸金業務などを担当しています。ウェルスナビ株式会社や三菱UFJ不動産販売株式会社もこのセグメントに含まれ、デジタル技術を活用した顧客体験の向上と、長期的な顧客関係構築による「Life Time Value」の最大化を目指しています。
  • グローバルコマーシャルバンキング事業本部
    国内外の法人顧客に対し、銀行業務、信託銀行業務、証券業務など、幅広い金融サービスを提供しています。特に、GCIB(グローバル・コーポレート&インベストメントバンキング)と市場一体のビジネスモデルを強化し、資本効率の高いビジネス推進とクロスセル(複数商品の販売)による収益力向上を図っています。
  • その他事業
    リース業務、資産運用業務、その他金融サービスなど、上記以外の多様な事業が含まれます。Japan Digital Design株式会社もこのセグメントに属し、新たな事業ポートフォリオ構築や新規ビジネス開発を通じて、高成長・高採算ポートフォリオの創出を目指しています。これにより、グループ全体の収益源の多様化と成長を追求しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|543 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社345社及び持分法適用関連会社55社で構成され、「世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ」を目指し、銀行業務、信託銀行業務、証券業務を中心に、クレジットカード・貸金業務、リース業務、資産運用業務、その他業務を行っております。当社グループの、各報告セグメント(「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一)における主要な関係会社の位置づけ等は以下のとおりであります。 *1 各社の該当する主な報告セグメントに◎を記載 なお、当社グループでは、お客さまの様々な金融ニーズに対応するため、既存の業態の枠を超え、グループ一体となって金融商品・サービスを提供するグループ融合型の組織体制を構築しており、グループ各社の連携のもと一元的に戦略を定め事業を推進する事業本部制度を導入しております。 (注) 指名・ガバナンス委員会は、会社法上の指名委員会であります。 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
金融業界の競争激化、他業種からの参入加速、利鞘拡大の困難さ。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
金融機関に対する法規制、監督当局の承認、金融商品取引法等の規制。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:資本余力低下/リスクアセット増加 / 外貨流動性リスク / 与信費用増加
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 14 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

三菱UFJFGは、長年にわたり築き上げてきた「信頼」と「ブランド力」が最大の無形資産。国内最大級の顧客基盤と、グローバルネットワークは、新規参入障壁となる。特に、法人向け金融サービスにおける長年の実績と、個人向けサービスにおけるブランド認知度は、他社が容易に模倣できない強みである。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

銀行取引は、口座開設、給与振込、ローン、投資信託など多岐にわたり、顧客が他の金融機関へ乗り換えるには手間とコストがかかる。特に、法人顧客においては、長年の取引関係や融資実績に基づく信頼関係が強固なスイッチング・コストを形成している。個人顧客においても、給与振込口座や住宅ローンなどの変更は容易ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

銀行業においては、直接的なネットワーク効果は限定的である。顧客が増えることでサービスの質が向上するわけではなく、むしろインフラ維持コストが増大する可能性がある。ただし、決済システムやATM網といったインフラの共有は間接的なメリットを生む可能性があるが、明確なネットワーク効果とは言えない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

メガバンクとして、規模の経済によるコスト優位性は存在するが、他のメガバンク(三井住友FG、みずほFG)との間に決定的なコスト差を生み出すほどの優位性は見出しにくい。IT投資や人員コストなど、一定の固定費負担は大きい。ただし、効率化の取り組みは継続的に行われている。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

日本の銀行業界は、三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFGの3メガバンクによる寡占状態が続いており、強固な効率規模のモートを形成している。この3社で国内の貸出金・預金シェアの大部分を占めており、新規参入や中小銀行の台頭は極めて困難である。特に、グローバル展開においても、この規模は大きなアドバンテージとなる。

  • 広範なネットワーク
    三菱UFJフィナンシャル・グループは、国内外に広範なネットワークと多様なソリューションを有しており、これを最大限に活用することで、顧客の多様なニーズに対応しています。このネットワークは、経済的価値だけでなく社会的価値も追求する上で重要な強みとなります。
  • 総合金融グループとしての信頼
    銀行、信託銀行、証券など、幅広い金融サービスを一つのグループ内で提供できる総合力は、顧客からの信頼獲得に繋がります。これにより、顧客は複数の金融機関を利用する手間なく、一貫したサービスを受けることができ、グループ全体の顧客基盤強化に貢献しています。
  • 強固な顧客基盤
    国内リテール顧客基盤の強化を重点戦略の一つとしており、カスタマーエクスペリエンスの向上を通じて、顧客満足度を高め、長期的な関係構築を目指しています。これにより、顧客の「Life Time Value(生涯価値)」を最大化し、安定した収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「成長」を追求する中期経営計画
    現在の3年間を「成長」を取りにいく期間と位置付け、収益力向上とROE(自己資本利益率)の改善を目指しています。AIなどのデジタル技術の発展やクリーンエネルギーへの転換といったメガトレンドを捉え、広範なネットワークと多様なソリューションを最大限に活用し、社会をリードする存在となることを目指しています。
  • 成長戦略の進化と企業変革の加速
    中期経営計画の柱として、「成長戦略の進化」と「企業変革の加速」を掲げています。国内ではリテール顧客基盤の強化や法人×WMビジネスの強化、海外ではGCIB・市場一体ビジネスモデルの進化やアジアプラットフォームの強靭化を通じて収益力を高めます。同時に、スピード改革、人的資本の拡充、システム開発リソースの増強、AI・データ基盤の強化により経営基盤を強化し、変化に対応できる企業体質を目指します。
  • 経済的価値と社会的価値の両立
    地政学リスクやグローバル化の揺り戻しといった「分断」が顕在化する時代において、広範なネットワークと多様なソリューションの「つなぐ」機能を最大限に発揮し、経済的価値だけでなく社会的価値も追求しています。資産運用立国への貢献やGX(グリーントランスフォーメーション)起点でのバリューチェーン支援を通じて、持続可能な社会の実現にも貢献することを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針わが国は少子高齢化や人口減少等の構造的課題を抱える中、足元ではAIを始めとしたデジタル技術の発展と日常への浸透、データ利活用の高度化による社会・経済構造の転換、人々の働き方や価値観の多様化といったメガトレンドは加速しています。加えて、地政学リスクの高まりやグローバル化の揺り戻しといった「分断」の顕在化、円金利の上昇等、当社を取り巻く経営環境は大きく変化しています。こうした中、日本を含む世界各国における政策がマクロ経済や金融市場に与える影響を見極める必要があります。当社は、こうした状況を正しく読み解いたうえで、当社の広範なネットワークや多様なソリューションが持つ「つなぐ」機能を最大限発揮し、新しい時代において社会をリードする存在でありたいと考えています。一昨年度からの3年間を対象とした今中期経営計画を、当社を取り巻く経営環境が大きく変わる機会を捉えて「成長」を取りにいく3年間と位置付け、その結果として収益力向上やROEの改善、そして当社のパーパスである「世界が進むチカラになる。」を実現することを通じて、お客さま・株主・社員を始めとする全てのステークホルダーの期待に応えてまいります。今中期経営計画では、前中期経営計画における取り組みを発展させ、成長戦略を進化させながら、社会課題解決への貢献にも取り組み、それらを支える企業変革を加速させてまいります。地政学リスクやグローバル化の揺り戻しといった分断が顕在化する時代において、当社の広範なネットワークや多様なソリューションが持つ「つなぐ」機能を最大限発揮することで、経済的価値のみならず社会的価値も追求し、パーパス(世界が進むチカラになる。)の実現をめざします。 (2) 経営環境当連結会計年度の金融経済環境でありますが、世界経済は、米国のトランプ政権の予測困難な政策運営が、関税政策等を通じて世界各国に様々な形で影響を与え続けたほか、ロシア・ウクライナ情勢やイランを巡る中東情勢などの地政学リスクが強く意識される展開となり、年度を通じて不確実性が高い状況が続きました。他方で、AI関連投資に象徴される世界の経済・社会構造の変化を促す経済活動が加速したほか、各国の政府・中央銀行が景気・物価の安定に向けて手を尽くしたことで、景気の極端な減速は避けられ、経済は全体として底堅さを保ちました。わが国では、様々な逆風を受けつつも、堅調な企業業績や人手不足等を背景に、賃上げの勢いが継続したほか、政府が「強い経済」の実現に向けた投資拡大を後押しする姿勢を見せる中、設備投資の増加も続き、景気は緩やかな回復基調を維持しました。金融情勢に目を転じますと、株価は、2025年度初に米国の関税政策に起因する不透明感の高まりを受けて調整した後、振れを伴いつつも総じて堅調に推移しましたが、2025年度終盤の中東情勢の緊迫化等を受け、2025年度末にかけて軟調となりました。金利については、欧米では、中央銀行が昨年度に続き断続的な利下げを実施する中でも、各国政府の拡張的な財政政策への思惑などから、長期金利は全体として高水準で推移しました。わが国では、短期金利は、日本銀行による2025年12月の利上げに伴い上昇しました。長期金利は、日本銀行による漸進的な利上げと国債買入額の段階的な減額に加え、政府の財政政策を巡る市場の見方などを背景として、上昇基調で推移しました。ドル円相場は、日米金利差の縮小が進む中においても、わが国政府の積極財政が意識されたことなどから総じて円安基調で推移し、2025年度終盤には中東情勢の緊迫化に伴うドル買いの動きもあり、160円近傍まで円安が進みました。 (3) 対処すべき課題今中期経営計画を「成長」を取りにいく3年間とするために、中期経営計画の3本柱として「成長戦略の進化」、「社会課題の解決」、「企業変革の加速」を定め、それぞれにおいて主要戦略の策定や優先課題の特定を行いました。「成長戦略の進化」は、国内ではリテール顧客基盤の強化によりLife Time Valueの最大化を図るとともに、法人×WMビジネスモデルを通じて承継ビジネスを強化いたします。海外では、GCIB・市場一体ビジネスモデルの進化による収益力向上、Partner Bankとの連携強化によるアジア成長の取り込みに取り組んでまいります。加えて、資産運用立国実現への貢献に向けた取り組みやGX起点でのバリューチェーン支援を通じてお客さまへの提供価値の向上と事業基盤の強化を図るとともに、中長期的な成長に向けて新たな事業ポートフォリオ構築にも挑戦していきます。「社会課題の解決」は、経済的価値とともに社会的価値を追い求めていくことが今後の企業価値向上の鍵であるとの認識のもと、「持続可能な社会」、「活力溢れる社会」、「強靭な社会」という3つの軸で10個の優先課題を選定し、課題解決に向けた取り組みを推進していきます。「企業変革の加速」は、リスク管理やコンプライアンスの更なる向上に努めつつ、スピード改革を始めとするカルチャー改革の加速や、人的資本の拡充、システム開発リソースの増強、AI・データ基盤の強化といった経営基盤の強化に取り組んでまいります。当社グループは、お客さま、社員、株主等、ステークホルダーの安全確保を最優先とし、社会機能の維持に不可欠な金融インフラとして、事業者の資金繰り支援等の施策を通じ、お客さま・社員・株主をはじめとする全てのステークホルダーの皆さまの期待に応えてまいります。 (A) 成長戦略の進化主要戦略主な取組内容1. 国内リテール顧客基盤の強化・ カスタマーエクスペリエンスの進化を通じて、お客さま満足度を改善。長きにわたる関係を構築し、Life Time Valueの最大化をめざす2. 法人×WMビジネス強化・ 法人起点・個人起点の双方からのアプローチにより、多様なソリューションを提供していく3. GCIB・市場一体ビジネス モデルの強化・ プライマリー機能とセールス&トレーディング機能の相互連携、クロスセル、ディストリビューションの強化を通じて、GCIB・市場一体で資本効率の高いビジネスモデルを推進する4. アジアプラットフォームの強靭化・ Partner Bankとの連携強化、「アジア×デジタル」の取り組み拡大等を通じて、第2のマザーマーケットであるアジアに強靭なプラットフォームを構築する5. 資産運用立国実現への貢献・ インベストメントチェーン全体でお客さまの資産形成支援に取り組み、資産運用立国の実現に貢献する6. GX起点でのバリューチェーン支援・ GXプロジェクトの共創やトランジション支援等、ファイナンスに留まらない経営課題解決型ソリューションを提供し、お客さまのGX投資を促進していく7. 新たな事業ポートへの挑戦・ お客さま・社会の課題や新技術の進展を踏まえた新規ビジネス開発により、新事業セグメント、次世代ビジネスモデルに取り組み、高成長・高採算ポートフォリオを創出する (B) 社会課題の解決目指す社会優先課題主な取組内容持続可能な社会1. カーボンニュートラル社会の実現エンゲージメント、トランジション支援の加速2. 自然資本・生物多様性の再生自然依存・影響低減に向けたソリューション提供3. 循環型経済の促進循環型経済への移行に向けた技術や投資の支援活力溢れる社会4. 産業育成、イノベーション支援成長資金の供給と運用対象の拡大5. 少子高齢化への対応資産・事業承継サポート、投資・資産形成促進6. 金融サービスへのアクセス拡大生活に根ざすサービス提供、金融包摂への貢献7. 人的資本重視の経営社員が活き活きと活躍できる環境の提供強靭な社会8. 人権尊重サプライチェーン全体の人権デューデリジェンス強化9. 安心・安全なサービスの提供サイバー対策、オペレーショナルレジリエンス強化10. 強固な企業ガバナンスの発揮お客さまの最善の利益に資する業務運営の徹底 (C) 企業変革の加速主要戦略主な取組内容1. スピード改革の加速・ 変化をリードするために自ら考え、決断し、直ちに行動に移していくカルチャーの浸透・定着をめざす2. 人的資本の拡充・ 事業戦略との同期を加速し、社員一人ひとりがプロ度を高め、活き活きと活躍し、お客さま・社会に貢献するグローバル金融グループをめざす3. システム開発リソースの増強・ システム投資額の引き上げに向けたリソース増強に取り組むとともに、戦略的な案件への投資金額・比率の上昇を図る4. AI・データ基盤の強化・ AI推進機能やBusiness Intelligenceの強化等を通じて、データ利活用を推進する・ 生成AI等の新技術活用やインテリジェンスの向上により、技術探索を強化していく (4) 目標とする経営指標本中期経営計画では、中期経営計画の最終年度である2026年度の財務目標及び中長期ROE目標を以下のとおり設定しております(2026年5月公表)。 〔ROE目標・資本運営ターゲット〕 〔ROE目標達成に向けた3つのドライバー〕 〔中長期ROE目標〕 *1 MUFG定義ROE*2 Morgan Stanleyの持分法適用決算期の変更影響額除き*3 東証定義ROE。金融指標の前提は以下のとおり 本邦政策金利:1%程度、米国FF金利:3%台半ば、日経平均株価(2026年度末):5万円台半ば、 ドル円(2026年度末):150円台前半*4 普通株式等Tier1比率。2029年3月末に適用される規制に基づく試算値。その他有価証券評価差額金を除く*5 社内管理上の連結業務純益*6 親会社株主に帰属する当期純利益*7 リスク・アセット*8 前提条件は以下のとおり 本邦政策金利:1%程度、政策保有株式の削減による売却益:無し
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針わが国は少子高齢化や人口減少等の構造的課題を抱える中、足元ではAIを始めとしたデジタル技術の発展と日常への浸透、データ利活用の高度化による社会・経済構造の転換、人々の働き方や価値観の多様化といったメガトレンドは加速しています。加えて、地政学リスクの高まりやグローバル化の揺り戻しといった「分断」の顕在化、円金利の上昇等、当社を取り巻く経営環境は大きく変化しています。こうした中、日本を含む世界各国における政策がマクロ経済や金融市場に与える影響を見極める必要があります。当社は、こうした状況を正しく読み解いたうえで、当社の広範なネットワークや多様なソリューションが持つ「つなぐ」機能を最大限発揮し、新しい時代において社会をリードする存在でありたいと考えています。一昨年度からの3年間を対象とした今中期経営計画を、当社を取り巻く経営環境が大きく変わる機会を捉えて「成長」を取りにいく3年間と位置付け、その結果として収益力向上やROEの改善、そして当社のパーパスである「世界が進むチカラになる。」を実現することを通じて、お客さま・株主・社員を始めとする全てのステークホルダーの期待に応えてまいります。今中期経営計画では、前中期経営計画における取り組みを発展させ、成長戦略を進化させながら、社会課題解決への貢献にも取り組み、それらを支える企業変革を加速させてまいります。地政学リスクやグローバル化の揺り戻しといった分断が顕在化する時代において、当社の広範なネットワークや多様なソリューションが持つ「つなぐ」機能を最大限発揮することで、経済的価値のみならず社会的価値も追求し、パーパス(世界が進むチカラになる。)の実現をめざします。 (2) 経営環境当連結会計年度の金融経済環境でありますが、世界経済は、米国のトランプ政権の予測困難な政策運営が、関税政策等を通じて世界各国に様々な形で影響を与え続けたほか、ロシア・ウクライナ情勢やイランを巡る中東情勢などの地政学リスクが強く意識される展開となり、年度を通じて不確実性が高い状況が続きました。他方で、AI関連投資に象徴される世界の経済・社会構造の変化を促す経済活動が加速したほか、各国の政府・中央銀行が景気・物価の安定に向けて手を尽くしたことで、景気の極端な減速は避けられ、経済は全体として底堅さを保ちました。わが国では、様々な逆風を受けつつも、堅調な企業業績や人手不足等を背景に、賃上げの勢いが継続したほか、政府が「強い経済」の実現に向けた投資拡大を後押しする姿勢を見せる中、設備投資の増加も続き、景気は緩やかな回復基調を維持しました。金融情勢に目を転じますと、株価は、2025年度初に米国の関税政策に起因する不透明感の高まりを受けて調整した後、振れを伴いつつも総じて堅調に推移しましたが、2025年度終盤の中東情勢の緊迫化等を受け、2025年度末にかけて軟調となりました。金利については、欧米では、中央銀行が昨年度に続き断続的な利下げを実施する中でも、各国政府の拡張的な財政政策への思惑などから、長期金利は全体として高水準で推移しました。わが国では、短期金利は、日本銀行による2025年12月の利上げに伴い上昇しました。長期金利は、日本銀行による漸進的な利上げと国債買入額の段階的な減額に加え、政府の財政政策を巡る市場の見方などを背景として、上昇基調で推移しました。ドル円相場は、日米金利差の縮小が進む中においても、わが国政府の積極財政が意識されたことなどから総じて円安基調で推移し、2025年度終盤には中東情勢の緊迫化に伴うドル買いの動きもあり、160円近傍まで円安が進みました。 (3) 対処すべき課題今中期経営計画を「成長」を取りにいく3年間とするために、中期経営計画の3本柱として「成長戦略の進化」、「社会課題の解決」、「企業変革の加速」を定め、それぞれにおいて主要戦略の策定や優先課題の特定を行いました。「成長戦略の進化」は、国内ではリテール顧客基盤の強化によりLife Time Valueの最大化を図るとともに、法人×WMビジネスモデルを通じて承継ビジネスを強化いたします。海外では、GCIB・市場一体ビジネスモデルの進化による収益力向上、Partner Bankとの連携強化によるアジア成長の取り込みに取り組んでまいります。加えて、資産運用立国実現への貢献に向けた取り組みやGX起点でのバリューチェーン支援を通じてお客さまへの提供価値の向上と事業基盤の強化を図るとともに、中長期的な成長に向けて新たな事業ポートフォリオ構築にも挑戦していきます。「社会課題の解決」は、経済的価値とともに社会的価値を追い求めていくことが今後の企業価値向上の鍵であるとの認識のもと、「持続可能な社会」、「活力溢れる社会」、「強靭な社会」という3つの軸で10個の優先課題を選定し、課題解決に向けた取り組みを推進していきます。「企業変革の加速」は、リスク管理やコンプライアンスの更なる向上に努めつつ、スピード改革を始めとするカルチャー改革の加速や、人的資本の拡充、システム開発リソースの増強、AI・データ基盤の強化といった経営基盤の強化に取り組んでまいります。当社グループは、お客さま、社員、株主等、ステークホルダーの安全確保を最優先とし、社会機能の維持に不可欠な金融インフラとして、事業者の資金繰り支援等の施策を通じ、お客さま・社員・株主をはじめとする全てのステークホルダーの皆さまの期待に応えてまいります。 (A) 成長戦略の進化主要戦略主な取組内容1. 国内リテール顧客基盤の強化・ カスタマーエクスペリエンスの進化を通じて、お客さま満足度を改善。長きにわたる関係を構築し、Life Time Valueの最大化をめざす2. 法人×WMビジネス強化・ 法人起点・個人起点の双方からのアプローチにより、多様なソリューションを提供していく3. GCIB・市場一体ビジネス モデルの強化・ プライマリー機能とセールス&トレーディング機能の相互連携、クロスセル、ディストリビューションの強化を通じて、GCIB・市場一体で資本効率の高いビジネスモデルを推進する4. アジアプラットフォームの強靭化・ Partner Bankとの連携強化、「アジア×デジタル」の取り組み拡大等を通じて、第2のマザーマーケットであるアジアに強靭なプラットフォームを構築する5. 資産運用立国実現への貢献・ インベストメントチェーン全体でお客さまの資産形成支援に取り組み、資産運用立国の実現に貢献する6. GX起点でのバリューチェーン支援・ GXプロジェクトの共創やトランジション支援等、ファイナンスに留まらない経営課題解決型ソリューションを提供し、お客さまのGX投資を促進していく7. 新たな事業ポートへの挑戦・ お客さま・社会の課題や新技術の進展を踏まえた新規ビジネス開発により、新事業セグメント、次世代ビジネスモデルに取り組み、高成長・高採算ポートフォリオを創出する (B) 社会課題の解決目指す社会優先課題主な取組内容持続可能な社会1. カーボンニュートラル社会の実現エンゲージメント、トランジション支援の加速2. 自然資本・生物多様性の再生自然依存・影響低減に向けたソリューション提供3. 循環型経済の促進循環型経済への移行に向けた技術や投資の支援活力溢れる社会4. 産業育成、イノベーション支援成長資金の供給と運用対象の拡大5. 少子高齢化への対応資産・事業承継サポート、投資・資産形成促進6. 金融サービスへのアクセス拡大生活に根ざすサービス提供、金融包摂への貢献7. 人的資本重視の経営社員が活き活きと活躍できる環境の提供強靭な社会8. 人権尊重サプライチェーン全体の人権デューデリジェンス強化9. 安心・安全なサービスの提供サイバー対策、オペレーショナルレジリエンス強化10. 強固な企業ガバナンスの発揮お客さまの最善の利益に資する業務運営の徹底 (C) 企業変革の加速主要戦略主な取組内容1. スピード改革の加速・ 変化をリードするために自ら考え、決断し、直ちに行動に移していくカルチャーの浸透・定着をめざす2. 人的資本の拡充・ 事業戦略との同期を加速し、社員一人ひとりがプロ度を高め、活き活きと活躍し、お客さま・社会に貢献するグローバル金融グループをめざす3. システム開発リソースの増強・ システム投資額の引き上げに向けたリソース増強に取り組むとともに、戦略的な案件への投資金額・比率の上昇を図る4. AI・データ基盤の強化・ AI推進機能やBusiness Intelligenceの強化等を通じて、データ利活用を推進する・ 生成AI等の新技術活用やインテリジェンスの向上により、技術探索を強化していく (4) 目標とする経営指標本中期経営計画では、中期経営計画の最終年度である2026年度の財務目標及び中長期ROE目標を以下のとおり設定しております(2026年5月公表)。 〔ROE目標・資本運営ターゲット〕 〔ROE目標達成に向けた3つのドライバー〕 〔中長期ROE目標〕 *1 MUFG定義ROE*2 Morgan Stanleyの持分法適用決算期の変更影響額除き*3 東証定義ROE。金融指標の前提は以下のとおり 本邦政策金利:1%程度、米国FF金利:3%台半ば、日経平均株価(2026年度末):5万円台半ば、 ドル円(2026年度末):150円台前半*4 普通株式等Tier1比率。2029年3月末に適用される規制に基づく試算値。その他有価証券評価差額金を除く*5 社内管理上の連結業務純益*6 親会社株主に帰属する当期純利益*7 リスク・アセット*8 前提条件は以下のとおり 本邦政策金利:1%程度、政策保有株式の削減による売却益:無し
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要(財政状態及び経営成績の状況)当連結会計年度の業績につきましては、以下のとおりとなりました。資産の部につきましては、当連結会計年度中186,180億円増加して、当連結会計年度末残高は4,317,315億円となりました。主な内訳は、貸出金1,337,994億円、現金預け金900,455億円、有価証券857,147億円となっております。負債の部につきましては、当連結会計年度中166,020億円増加して、当連結会計年度末残高は4,079,873億円となりました。主な内訳は、預金・譲渡性預金2,570,407億円となっております。損益の状況につきましては、経常収益は前連結会計年度比9,908億円増加して、146,208億円となりました。主な内訳は、資金運用収益が87,239億円、役務取引等収益が26,663億円となっております。また、経常費用は前連結会計年度比2,501億円増加して、112,106億円となりました。主な内訳は、資金調達費用が57,178億円、営業経費が34,895億円となっております。この結果、経常利益は前連結会計年度比7,407億円増加して、34,101億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比5,642億円増加して、24,272億円となりました。 (セグメント別の状況)当連結会計年度における主な報告セグメントの営業純益は、リテール・デジタル事業本部で前連結会計年度比78億円増加して2,859億円、法人・ウェルスマネジメント事業本部で前連結会計年度比1,100億円増加して4,080億円、コーポレートバンキング事業本部で前連結会計年度比704億円増加して7,070億円、グローバルコマーシャルバンキング事業本部で前連結会計年度比504億円減少して3,876億円、受託財産事業本部で前連結会計年度比170億円増加して1,525億円、グローバルCIB事業本部で前連結会計年度比1,194億円増加して5,803億円、市場事業本部で前連結会計年度比6,224億円増加して△355億円となりました。なお、当連結会計年度において、事業本部間の粗利益・経費の配賦方法を変更しております。前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の算定方法に基づいた数値で比較をしております。 (キャッシュ・フローの状況)キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、コールマネー等の減少や借用金(劣後特約付借入金を除く)の減少などにより、前連結会計年度比230,708億円支出が増加して、230,644億円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入が増加したことなどにより、前連結会計年度比46,609億円収入が増加して、44,739億円の収入となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が増加したことなどにより、前連結会計年度比2,887億円支出が増加して、11,498億円の支出となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比190,499億円減少して900,455億円となりました。 当連結会計年度末の連結自己資本比率(バーゼルⅢ:国際統一基準)は、普通株式等Tier1比率12.47%、Tier1比率14.95%、総自己資本比率16.85%となりました。 ① 国内・海外別収支国内・海外別収支の内訳は次のとおりであります。当連結会計年度の資金運用収支・信託報酬・役務取引等収支・特定取引収支・その他業務収支の合計は国内が44,292億円で前年度比7,780億円の増益、海外が33,505億円で前年度比4,227億円の増益となり、合計では59,444億円で前年度比11,251億円の増益となりました。 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)資金運用収支前連結会計年度2,872,4101,585,5881,581,4462,876,551当連結会計年度2,885,9251,728,2751,607,9493,006,251うち資金運用収益前連結会計年度4,892,2835,828,6462,253,2108,467,719当連結会計年度5,506,3085,574,9282,357,2968,723,940うち資金調達費用前連結会計年度2,019,8734,243,058671,7635,591,167当連結会計年度2,620,3823,846,653749,3475,717,688信託報酬前連結会計年度153,376―8,980144,395当連結会計年度173,319―10,207163,112役務取引等収支前連結会計年度1,156,108949,949160,2371,945,821当連結会計年度1,302,8591,111,314187,3672,226,805うち役務取引等収益前連結会計年度1,583,9371,138,860362,6862,360,111当連結会計年度1,763,1261,312,002408,7742,666,354うち役務取引等費用前連結会計年度427,828188,910202,449414,289当連結会計年度460,266200,688221,406439,548特定取引収支前連結会計年度109,135340,621△4,501454,258当連結会計年度67,752278,55916,843329,467うち特定取引収益前連結会計年度177,374430,178153,293454,258当連結会計年度213,990423,957204,555433,392うち特定取引費用前連結会計年度68,23889,556157,795―当連結会計年度146,238145,397187,711103,924その他業務収支前連結会計年度△639,89251,59213,417△601,716当連結会計年度△626232,40112,948218,827うちその他業務収益前連結会計年度419,415292,946206,381505,980当連結会計年度421,443351,464107,260665,646うちその他業務費用前連結会計年度1,059,307241,354192,9641,107,697当連結会計年度422,069119,06294,312446,819 (注) 1 「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(海外店を除く。以下、「国内連結子会社」という。)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下、 「海外連結子会社」という。)であります。2 「資金調達費用」は金銭の信託運用見合費用を控除して表示しております。3 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。 ② 国内・海外別資金運用/調達の状況(ⅰ)国内国内における資金運用/調達の状況は次のとおりであります。当連結会計年度の国内の資金運用勘定平均残高は前年度比151,736億円減少して2,637,578億円となりました。利回りは0.33ポイント上昇し2.08%となり、受取利息合計は55,063億円で前年度比6,140億円増加となりました。資金調達勘定平均残高は前年度比115,720億円減少して2,479,128億円となりました。利回りは0.27ポイント上昇し1.05%となり、支払利息合計は26,203億円で前年度比6,005億円増加となりました。 種類期別平均残高利息利回り金額(百万円)金額(百万円)(%)資金運用勘定前連結会計年度278,931,4674,892,2831.75当連結会計年度263,757,8635,506,3082.08うち貸出金前連結会計年度90,319,4401,488,7441.64当連結会計年度91,633,4421,705,1651.86うち有価証券前連結会計年度82,017,4902,806,8953.42当連結会計年度81,592,0472,992,4913.66うちコールローン及び買入手形前連結会計年度1,405,1119,3790.66当連結会計年度1,918,44317,4580.91うち買現先勘定前連結会計年度6,023,54239,7800.66当連結会計年度4,943,23679,0191.59うち債券貸借取引支払保証金前連結会計年度2,489,14634,4181.38当連結会計年度2,399,29444,1561.84うち預け金前連結会計年度90,848,291219,4280.24当連結会計年度76,464,073427,2940.55資金調達勘定前連結会計年度259,484,8832,019,8730.77当連結会計年度247,912,8182,620,3821.05うち預金前連結会計年度180,094,625386,3650.21当連結会計年度181,066,459586,1160.32うち譲渡性預金前連結会計年度1,963,4403,1320.15当連結会計年度2,831,06315,7500.55うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度5,728,36715,0140.26当連結会計年度6,285,97037,4190.59うち売現先勘定前連結会計年度21,857,649536,0172.45当連結会計年度23,137,829658,4132.84うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度924,64110,3811.12当連結会計年度1,070,1327,6490.71うちコマーシャル・ペーパー前連結会計年度43,5561670.38当連結会計年度58,9373970.67うち借用金前連結会計年度39,447,700501,4761.27当連結会計年度30,897,441533,1061.72 (注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の連結子会社については、月末毎の残高等に基づく平均残高を利用しております。2 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。 (ⅱ)海外海外における資金運用/調達の状況は次のとおりであります。当連結会計年度の海外の資金運用勘定平均残高は前年度比107,552億円増加して1,120,814億円となりました。利回りは0.77ポイント低下し4.97%となり、受取利息合計は55,749億円で前年度比2,537億円減少となりました。資金調達勘定平均残高は前年度比101,066億円増加して1,160,435億円となりました。利回りは0.69ポイント低下し3.31%となり、支払利息合計は38,466億円で前年度比3,964億円減少となりました。 種類期別平均残高利息利回り金額(百万円)金額(百万円)(%)資金運用勘定前連結会計年度101,326,1895,828,6465.75当連結会計年度112,081,4195,574,9284.97うち貸出金前連結会計年度48,825,1193,088,4106.32当連結会計年度53,055,8832,962,8375.58うち有価証券前連結会計年度12,376,692468,0193.78当連結会計年度13,584,943462,1573.40うちコールローン及び買入手形前連結会計年度771,79229,6293.83当連結会計年度744,34524,2263.25うち買現先勘定前連結会計年度14,981,666782,4135.22当連結会計年度13,985,593569,1744.06うち債券貸借取引支払保証金前連結会計年度2,583,120127,4804.93当連結会計年度2,825,058115,4544.08うち預け金前連結会計年度15,259,950665,5254.36当連結会計年度21,083,313819,3623.88資金調達勘定前連結会計年度105,936,8954,243,0584.00当連結会計年度116,043,5353,846,6533.31うち預金前連結会計年度53,397,1381,838,3743.44当連結会計年度57,518,0651,633,9392.84うち譲渡性預金前連結会計年度14,725,293713,5954.84当連結会計年度15,749,729622,3623.95うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度63,3153,1564.98当連結会計年度128,0595,0063.90うち売現先勘定前連結会計年度16,075,844903,3915.61当連結会計年度16,369,224719,3664.39うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度50,16110,70321.33当連結会計年度45,0414,80910.67うちコマーシャル・ペーパー前連結会計年度3,066,830145,4074.74当連結会計年度3,645,177148,1054.06うち借用金前連結会計年度3,102,95689,0382.86当連結会計年度2,768,06884,7403.06 (注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、一部の連結子会社については、月末毎の残高等に基づく平均残高を利用しております。2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。 (ⅲ)合計 種類期別平均残高利息利回り(%)小計(百万円)相殺消去額(△)(百万円)合計(百万円)小計(百万円)相殺消去額(△)(百万円)合計(百万円)資金運用勘定前連結会計年度380,257,65636,661,792343,595,86410,720,9292,253,2108,467,7192.46当連結会計年度375,839,28338,524,821337,314,46111,081,2372,357,2968,723,9402.58うち貸出金前連結会計年度139,144,55915,294,700123,849,8584,577,154419,1274,158,0273.35当連結会計年度144,689,32615,413,956129,275,3694,668,003453,8184,214,1853.25うち有価証券前連結会計年度94,394,18313,260,70381,133,4803,274,9151,589,7401,685,1742.07当連結会計年度95,176,99113,121,97182,055,0193,454,6481,618,2151,836,4322.23うちコールローン及び買入手形前連結会計年度2,176,9031,159,9871,016,91639,0095,63133,3773.28当連結会計年度2,662,7891,203,7111,459,07741,68510,95630,7282.10うち買現先勘定前連結会計年度21,005,2082,605,58318,399,624822,19374,643747,5504.06当連結会計年度18,928,8302,946,85015,981,980648,19377,569570,6243.57うち債券貸借取引支払保証金前連結会計年度5,072,266256,9094,815,357161,899810161,0893.34当連結会計年度5,224,353153,2325,071,120159,6105,026154,5833.04うち預け金前連結会計年度106,108,2413,765,008102,343,233884,954133,205751,7490.73当連結会計年度97,547,3875,458,31892,089,0681,246,656159,5071,087,1481.18資金調達勘定前連結会計年度365,421,77826,200,249339,221,5296,262,931671,7635,591,1671.64当連結会計年度363,956,35427,741,737336,214,6166,467,036749,3475,717,6881.70うち預金前連結会計年度233,491,7634,097,893229,393,8702,224,740116,6102,108,1290.91当連結会計年度238,584,5254,901,986233,682,5382,220,055133,2882,086,7670.89うち譲渡性預金前連結会計年度16,688,73314,96516,673,768716,7279716,7174.29当連結会計年度18,580,79322,04718,558,745638,11254638,0573.43うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度5,791,6821,142,7054,648,97718,1704,82113,3480.28当連結会計年度6,414,0291,260,2015,153,82842,4259,37433,0510.64うち売現先勘定前連結会計年度37,933,4942,594,49935,338,9941,439,40975,1141,364,2953.86当連結会計年度39,507,0532,351,24537,155,8071,377,77977,2321,300,5463.50うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度974,803275,305699,49721,08465820,4262.92当連結会計年度1,115,174122,648992,52512,4591,14011,3181.14うちコマーシャル・ペーパー前連結会計年度3,110,38710,9973,099,389145,57439145,5344.69当連結会計年度3,704,11437,8273,666,287148,50389148,4144.04うち借用金前連結会計年度42,550,65717,460,57325,090,084590,515431,276159,2380.63当連結会計年度33,665,51018,615,00015,050,510617,846482,927134,9190.89 (注) 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。 ③ 国内・海外別役務取引の状況国内及び海外の役務取引等収支の状況は次のとおりであります。当連結会計年度の国内の役務取引は、役務取引等収益が17,631億円で前年度比1,791億円の増収、役務取引等費用が4,602億円で前年度比324億円増加した結果、役務取引等収支では、前年度比1,467億円増加して13,028億円となりました。海外の役務取引は、役務取引等収益が13,120億円で前年度比1,731億円の増収、役務取引等費用が2,006億円で前年度比117億円増加した結果、役務取引等収支では、前年度比1,613億円増加して11,113億円となりました。この結果、役務取引等収支合計では前年度比2,809億円増加して22,268億円となりました。 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)役務取引等収益前連結会計年度1,583,9371,138,860362,6862,360,111当連結会計年度1,763,1261,312,002408,7742,666,354うち為替業務前連結会計年度164,59818,4433,656179,385当連結会計年度170,12518,7523,595185,282うちその他商業銀行業務前連結会計年度275,904583,95628,262831,598当連結会計年度324,968692,05730,722986,303うち信託関連業務前連結会計年度268,19131,04912,349286,891当連結会計年度293,99548,41314,806327,601うち保証業務前連結会計年度126,71656,65635,267148,105当連結会計年度128,16866,15434,128160,194うち証券関連業務前連結会計年度132,212107,15730,591208,778当連結会計年度151,101108,55133,641226,010役務取引等費用前連結会計年度427,828188,910202,449414,289当連結会計年度460,266200,688221,406439,548うち為替業務前連結会計年度25,19323,18375547,622当連結会計年度27,46119,75866946,549 (注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。2 「その他商業銀行業務」には、預金・貸出業務、代理業務、保護預り・貸金庫業務等を含んでおります。3 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。 ④ 国内・海外別特定取引の状況(ⅰ)特定取引収益・費用の内訳国内及び海外の特定取引収支の状況は次のとおりであります。当連結会計年度の国内の特定取引は、特定取引収益が2,139億円で前年度比366億円の増収、特定取引費用が1,462億円で前年度比779億円増加した結果、特定取引収支では、前年度比413億円減少して677億円となりました。海外の特定取引は、特定取引収益が4,239億円で前年度比62億円の減収、特定取引費用が1,453億円で前年度比558億円増加した結果、特定取引収支では、前年度比620億円減少して2,785億円となりました。この結果、特定取引収支合計では前年度比1,247億円減少して3,294億円となりました。 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)特定取引収益前連結会計年度177,374430,178153,293454,258当連結会計年度213,990423,957204,555433,392うち商品有価証券収益前連結会計年度155,429175,08267,959262,552当連結会計年度170,192263,40533,576400,021うち特定取引有価証券収益前連結会計年度3,7082,4432175,933当連結会計年度5,4218,210―13,632うち特定金融派生商品収益前連結会計年度7,170252,65385,104174,719当連結会計年度18,632152,332170,965―うちその他の特定取引収益前連結会計年度11,066―1211,054当連結会計年度19,74471419,738特定取引費用前連結会計年度68,23889,556157,795―当連結会計年度146,238145,397187,711103,924うち商品有価証券費用前連結会計年度4,11955,91460,033―当連結会計年度6,51121,30327,814―うち特定取引有価証券費用前連結会計年度―217217―当連結会計年度――――うち特定金融派生商品費用前連結会計年度64,11933,41197,531―当連結会計年度139,726124,079159,882103,924うちその他の特定取引費用前連結会計年度―1212―当連結会計年度―1414― (注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。 (ⅱ)特定取引資産・負債の内訳(末残)国内及び海外の特定取引の状況は次のとおりであります。当連結会計年度末の国内の特定取引資産は、前年度比126,660億円増加して315,837億円、特定取引負債は、前年度比132,319億円増加して281,853億円となりました。海外の特定取引資産は、前年度比25,252億円増加して115,206億円、特定取引負債は、前年度比7,110億円増加して68,378億円となりました。 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)特定取引資産前連結会計年度18,917,7348,995,3601,770,17526,142,919当連結会計年度31,583,77111,520,6023,109,03539,995,337うち商品有価証券前連結会計年度5,022,5734,331,31416,3419,337,546当連結会計年度6,116,9766,046,58252,31312,111,244うち商品有価証券派生商品前連結会計年度164,17186,87112,448238,594当連結会計年度219,88131,83821,054230,666うち特定取引有価証券前連結会計年度107,74623,036―130,783当連結会計年度133,70169,549―203,250うち特定取引有価証券派生商品前連結会計年度15,895――15,895当連結会計年度10,2634,348―14,611うち特定金融派生商品前連結会計年度11,225,8504,490,3081,644,69214,071,466当連結会計年度22,950,0905,339,2592,975,46125,313,888うちその他の特定取引資産前連結会計年度2,381,49663,82996,6932,348,633当連結会計年度2,152,85829,02460,2062,121,676特定取引負債前連結会計年度14,953,3896,126,8071,717,59419,362,603当連結会計年度28,185,3776,837,8962,984,55532,038,719うち売付商品債券前連結会計年度3,941,7861,258,647―5,200,433当連結会計年度4,204,2571,594,912―5,799,169うち商品有価証券派生商品前連結会計年度66,48537,47611,91092,052当連結会計年度115,51730,96921,149125,337うち特定取引有価証券派生商品前連結会計年度19,76650―19,817当連結会計年度30,8452―30,848うち特定金融派生商品前連結会計年度10,925,3504,828,4761,705,68414,048,143当連結会計年度23,828,6095,211,1322,963,40626,076,336うちその他の特定取引負債前連結会計年度―2,156―2,156当連結会計年度6,148879―7,027 (注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。 ⑤ 国内・海外別預金残高の状況○ 預金の種類別残高(末残) 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)預金合計前連結会計年度180,646,43152,047,6604,181,342228,512,749当連結会計年度186,270,37958,360,3165,191,449239,439,246うち流動性預金前連結会計年度135,735,65025,693,1401,937,725159,491,065当連結会計年度133,932,83429,381,2191,956,271161,357,781うち定期性預金前連結会計年度33,930,26826,218,2502,221,31157,927,208当連結会計年度38,846,44428,877,9823,205,58864,518,838うちその他前連結会計年度10,980,512136,26922,30511,094,475当連結会計年度13,491,100101,11429,58813,562,627譲渡性預金前連結会計年度1,687,80715,706,44220,23817,374,010当連結会計年度3,238,41014,388,79225,71917,601,483総合計前連結会計年度182,334,23867,754,1034,201,581245,886,760当連結会計年度189,508,78972,749,1085,217,168257,040,730 (注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。2 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金3 定期性預金=定期預金+定期積金4 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。 ⑥ 国内・海外別貸出金残高の状況(ⅰ)業種別貸出状況(末残・構成比) 業種別前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)国内(除く特別国際金融取引勘定分)74,695,378100.0078,001,095100.00製造業10,937,14414.6413,125,09616.82建設業949,1511.27957,0831.23卸売業、小売業6,146,1928.237,494,0199.61金融業、保険業6,469,1608.667,485,0249.59不動産業、物品賃貸業14,141,37918.9315,715,35720.15各種サービス業3,529,7774.732,798,0113.59その他32,522,57043.5430,426,50239.01海外及び特別国際金融取引勘定分46,740,755100.0055,798,395100.00政府等436,6750.93526,1620.94金融機関15,529,53333.2320,820,39537.32その他30,774,54665.8434,451,83761.74合計121,436,133―133,799,490― (注) 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。 (ⅱ)特定海外債権等残高 期別国別金額(百万円)前連結会計年度ロシア30,416ラオス6,287セネガル4,034ミャンマー2,780エジプト1,485エチオピア148ケニア52合計45,204(資産の総額に対する割合)(0.01%)当連結会計年度ロシア19,276ラオス5,019セネガル3,751ミャンマー3,163エジプト190アルゼンチン12合計31,414(資産の総額に対する割合)(0.00%) (注) 特定海外債権等は、国内銀行連結子会社の特定海外債権引当勘定の引当対象とされる債権、並びに当該引当勘定の引当対象国に対する海外連結子会社の債権のうち、当該引当勘定の引当対象に準ずる債権であります。 ⑦ 国内・海外別有価証券の状況○ 有価証券残高(末残) 種類期別国内海外相殺消去額(△)合計金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)国債前連結会計年度33,041,0661,441,153―34,482,219当連結会計年度27,064,7081,553,015―28,617,723地方債前連結会計年度2,855,624――2,855,624当連結会計年度3,013,779――3,013,779社債前連結会計年度2,900,326――2,900,326当連結会計年度2,834,782――2,834,782株式前連結会計年度4,883,4002,301461,6344,424,067当連結会計年度5,257,2221,468499,9194,758,772その他の証券前連結会計年度31,550,93910,920,6891,008,49541,463,132当連結会計年度34,845,10412,289,415644,78146,489,738合計前連結会計年度75,231,35612,364,1441,470,12986,125,371当連結会計年度73,015,59713,843,8991,144,70185,714,795 (注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。2 「相殺消去額」とは、連結会社間の内部取引等に係る消去額合計であります。3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。 (自己資本比率等の状況) (参考) 自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。 当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク相当額の算出においては標準的方式と簡易的方式を採用しております。 また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。 連結自己資本比率(国際統一基準) (単位:億円、%) 2026年3月31日1. 連結総自己資本比率(4/7)16.852. 連結Tier1比率(5/7)14.953. 連結普通株式等Tier1比率(6/7)12.474. 連結における総自己資本の額202,7365. 連結におけるTier1資本の額179,8406. 連結における普通株式等Tier1資本の額150,0227. リスク・アセットの額1,202,8178. 連結総所要自己資本額96,225 持株レバレッジ比率(国際統一基準) (単位:%) 2026年3月31日1. 持株レバレッジ比率4.94 (生産、受注及び販売の実績)「生産、受注及び販売の実績」は、銀行持株会社としての業務の性格上、該当する情報がないため記載しておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性がありますので、ご留意ください。 当連結会計年度の連結業務粗利益は、前連結会計年度比11,251億円増収の59,444億円となりました。海外における買収案件の収益貢献に加えて、円金利上昇影響の取り込みや利ざや改善、前年の債券ポートフォリオ組替えによる収益改善効果も含めた資金利益の増加や、国内外の手数料収入の増加による役務取引等利益の増加、また前年の債券ポートフォリオの組替えによる売却損計上の反動によりその他業務利益が増加したことによるものです。営業費は、海外における買収の影響に加えて、成長に向けた資源投入やインフレ影響等もあり、前連結会計年度比3,391億円増加の35,672億円となりました。この結果、連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、前連結会計年度比7,860億円増益の23,772億円となりました。 与信関係費用総額は、前年に計上した海外での大口の貸倒引当金戻入の反動を主因に、前連結会計年度比で2,471億円増加の3,558億円となりました。株式等関係損益は、前年の政策保有株式の大口売却益の反動を主因に、前連結会計年度比で1,065億円減少の4,860億円となりました。また、持分法による投資損益は、Morgan Stanleyの業績好調を主因に、前連結会計年度比で2,485億円増加の8,455億円となりました。以上の結果、経常利益は前連結会計年度比7,407億円増益の34,101億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比5,642億円増益の24,272億円となりました。 当社グループは、総合金融グループの強みを発揮するため、グループ各社が緊密な連携のもと、一元的に戦略を定め事業を推進する事業本部制を導入しています。各事業本部は、お客さまの幅広いニーズにお応えするため、グループ各社それぞれの強みを融合させた戦略の立案や施策の運営を行っています。当連結会計年度における事業本部別の事業の取組みは次のとおりです。 (リテール・デジタル事業本部)新サービスブランド「エムット」のリリースに伴い、口座・カード等の顧客基盤は着実に拡大。将来成長に向けた基盤強化等の投資により経費が増加したものの、円金利上昇やコンシューマーファイナンス領域の業容拡大等により収益が増加し、営業純益は2,859億円とほぼ横ばいとなりました。 (法人・ウェルスマネジメント事業本部)円金利の上昇による資金収益や好調な株式市況を捉えた資産運用収益の増加に加え、資本戦略課題を捉えたイベントファイナンスの取り込み等により、ソリューション収益も増加し、営業純益は1,100億円の増益となりました。 (コーポレートバンキング事業本部)金利環境の変化を捉えたプライシング運営に加え、活況な市況を背景にM&A等のコーポレートアクションの捕捉により、ファイナンス機会を取り込み、資金収益が伸長しました。また、グループ総合力を発揮したソリューション機能の提供やリスクテイク力の深化を通じ非金利収益も増加、営業純益は704億円の増益となりました。 (グローバルコマーシャルバンキング事業本部)Bank of Ayudhya Public Company Limited(以下、「クルンシィ(アユタヤ銀行)」という。)は、利下げ影響による粗利減少をTIDLOR Holdings Public Company Limitedの連結化や非金利収益増加でカバー。PT Bank Danamon Indonesia Tbk(以下、「ダナモン銀行」という。)は、貸出・預金の積み上げに加え、PT Mandala Multifinance Tbkとの合併による業績取り込みにより増益。事業本部全体の営業純益は504億円の減益ながら、クルンシィ(アユタヤ銀行)決算期変更影響*1除きでは増益となりました。*1 2024年度よりクルンシィ(アユタヤ銀行)の決算期間を1-12月から4-3月へ変更したことに伴い、2024年度は15か月分の営業純益を計上(影響額約800億円) (受託財産事業本部)資産運用事業では、オルタナティブ運用収益が伸長したほか、国内投信への資金純流入が継続し増収となりました。また、資産管理事業では、国内外での高付加価値サービスの複合提供が進展し、年金においても確定拠出年金ビジネスが伸長したことから、営業純益は170億円の増益となりました。 (グローバルCIB事業本部)資産回転型モデルの進化を進展させながら、実需に紐付くデジタルインフラやエネルギー案件等の戦略領域に経営資源を投入。結果、貸出の量・質の双方の改善と、手数料収益の大幅な伸長、及び効率的な経費運営を同時に達成し、営業純益は1,194億円の増益となりました。 (市場事業本部)セールス&トレーディング業務では、為替・株式・金利市場の変動が拡大する中、その動きを的確に捉え、お客さまとの取引を着実に拡大し、高水準の収益を確保しました。トレジャリー業務では、前年度に将来の利回り改善を目的として含み損のある債券を売却した反動もあり、営業純益は6,224億円の大幅な増益となりました。 主要な財務指標の推移は、以下のとおりであります。 当連結会計年度における主な項目は、以下のとおりであります。 前連結会計年度(A)(億円)当連結会計年度(B)(億円)前連結会計年度比(B-A)(億円)資金運用収益①84,67787,2392,562資金調達費用(金銭の信託運用見合費用控除後)②55,91157,1761,265信託報酬③1,4431,631187うち信託勘定償却④△0△00役務取引等収益⑤23,60126,6633,062役務取引等費用⑥4,1424,395252特定取引収益⑦4,5424,333△208特定取引費用⑧―1,0391,039その他業務収益⑨5,0596,6561,596その他業務費用⑩11,0764,468△6,608連結業務粗利益(=①-②+③+⑤-⑥+⑦-⑧+⑨-⑩)⑪48,19359,44411,251営業経費(臨時費用控除後)⑫32,28135,6723,391連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前=⑪+④-⑫) 15,91123,7727,860その他経常費用のうち一般貸倒引当金繰入額(△は戻入益)⑬―△200△200連結業務純益(=⑪-⑫-⑬) 15,91123,9738,061その他経常収益⑭16,97519,6832,708うち株式等売却益 6,7906,047△742うち償却債権取立益 1,122967△154資金調達費用(金銭の信託運用見合費用)⑮010営業経費(臨時費用)⑯△620△776△155その他経常費用(一般貸倒引当金繰入額控除後)⑰6,81210,3293,517うち与信関係費用 3,1434,8061,662うち株式等売却損 3541,002648うち株式等償却 509183△325臨時損益(=⑭-⑮-⑯-⑰) 10,78210,128△654経常利益 26,69434,1017,407特別損益 △1,188△880308うち減損損失 △1,415△678736うち子会社清算損益 ―181181うち段階取得に係る差損益 △58208266うち関連会社株式売却益 477―△477うち持分変動損益 △235△19737うちシステム統合関連費用 ―△310△310税金等調整前当期純利益 25,50633,2217,715法人税等(△) 6,0917,6161,524非支配株主に帰属する当期純利益(△) 7851,332547親会社株主に帰属する当期純利益 18,62924,2725,642 ① 経営成績の分析(ⅰ) 主な収支連結業務粗利益は前連結会計年度比11,251億円増加して59,444億円となりました。資金運用収支は、円金利上昇影響の取り込みや利ざや改善、前年の債券ポートフォリオ組替えによる収益改善効果も含めた資金利益の増加を主因に、同1,296億円増加しました。役務取引等収支は、国内外のソリューション、融資関連や受託財産業務、資産運用ビジネスを中心に各種手数料収入が増加したことで同2,809億円増加しました。その他業務収支は前年の債券ポートフォリオ組替えに伴う売却損の反動により同8,205億円増加しました。営業経費(臨時費用控除後)は、海外における買収影響や成長に向けた資源投入、インフレ影響等を主因に同3,391億円増加しました。この結果、連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前)は、同7,860億円増加し、23,772億円となりました。 前連結会計年度(A)(億円)当連結会計年度(B)(億円)前連結会計年度比(B-A)(億円)資金運用収支 28,76530,0621,296資金運用収益①84,67787,2392,562資金調達費用(金銭の信託運用見合費用控除後)②55,91157,1761,265信託報酬③1,4431,631187うち信託勘定償却④△0△00役務取引等収支 19,45822,2682,809役務取引等収益⑤23,60126,6633,062役務取引等費用⑥4,1424,395252特定取引収支 4,5423,294△1,247特定取引収益⑦4,5424,333△208特定取引費用⑧―1,0391,039その他業務収支 △6,0172,1888,205その他業務収益⑨5,0596,6561,596その他業務費用⑩11,0764,468△6,608連結業務粗利益(=①-②+③+⑤-⑥+⑦-⑧+⑨-⑩)⑪48,19359,44411,251営業経費(臨時費用控除後)⑫32,28135,6723,391連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前・信託勘定償却前=⑪+④-⑫) 15,91123,7727,860 (ⅱ) 与信関係費用総額与信関係費用総額は、前年に計上した海外での大口の貸倒引当金の戻入の反動を主因に、前連結会計年度比2,471億円増加し、3,558億円となりました。 前連結会計年度(A)(億円)当連結会計年度(B)(億円)前連結会計年度比(B-A)(億円)信託報酬のうち信託勘定償却①△0△00その他経常費用のうち一般貸倒引当金繰入額(△は戻入益)②―△200△200その他経常費用のうち与信関係費用③3,1434,8061,662貸出金償却 2,8962,525△371個別貸倒引当金繰入額 ―2,0232,023その他の与信関係費用 24625610その他経常収益のうち貸倒引当金戻入益④768―△768その他経常収益のうち償却債権取立益⑤1,122967△154その他経常収益のうち偶発損失引当金戻入益(与信関連)⑥4420△24その他経常収益のうちその他の与信関係費用⑦12058△62与信関係費用総額(=①+②+③-④-⑤-⑥-⑦) 1,0873,5582,471 (ⅲ) 株式等関係損益株式等関係損益は、前年の政策保有株式の大口売却益の反動を主因に、前連結会計年度比1,065億円減少し、4,860億円となりました。 前連結会計年度(A)(億円)当連結会計年度(B)(億円)前連結会計年度比(B-A)(億円)株式等関係損益 5,9254,860△1,065その他経常収益のうち株式等売却益 6,7906,047△742その他経常費用のうち株式等売却損 3541,002648その他経常費用のうち株式等償却 509183△325 ② 財政状態の分析(ⅰ) 貸出金(銀行勘定+信託勘定)貸出金は、国内店や海外店での増加を主因に、前連結会計年度末比123,508億円増加し、1,352,949億円となりました。 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)貸出金残高(末残)1,229,4401,352,949123,508うち国内店*752,807789,06736,259 うち住宅ローン142,750144,9852,235うち海外店351,568428,32176,753うち国内子会社〔アコム〕12,70513,501795うち国内子会社〔三菱UFJニコス〕1,2071,461254うち海外子会社〔クルンシィ(アユタヤ銀行)〕64,30372,0677,764うち海外子会社〔MUFGバンク(中国)〕9,9599,263△695うち海外子会社〔MUFGバンク(ヨーロッパ)〕14,00720,4246,416うち海外子会社〔ダナモン銀行〕16,14017,7771,636 * 持株会社、MUFG Americas Holdings Corporation、並びにクルンシィ(アユタヤ銀行)向け貸出金を除いております。 ○銀行法及び再生法に基づく債権の状況当社グループの銀行法及び再生法に基づく債権(正常債権除く)は、前連結会計年度末比697億円減少し、14,607億円となりました。不良債権比率は、同0.15ポイント低下し、0.96%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が同29億円増加、危険債権が同261億円減少、要管理債権が同465億円減少しました。 銀行法及び再生法に基づく債権の状況 部分直接償却後 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)破産更生債権及びこれらに準ずる債権3,0073,03729危険債権6,9326,670△261要管理債権5,3644,899△465三月以上延滞債権178122△55貸出条件緩和債権5,1864,776△409小計15,30414,607△697正常債権1,358,0581,502,127144,068債権合計1,373,3621,516,734143,371 不良債権比率1.11%0.96%△0.15% ○銀行法及び再生法に基づく債権のセグメント情報(正常債権を除く)地域別セグメント情報 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)国内7,8676,742△1,125海外7,4377,865428アジア4,9184,772△145インドネシア511449△61シンガポール63△2タイ3,8273,972144その他573346△226米州1,2402,056816欧州、中近東他1,2781,036△242合計15,30414,607△697 (注) 「国内」「海外」は債務者の所在地により区分しております。 業種別セグメント情報 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)国内7,8676,742△1,125製造業2,9772,283△693建設業6253△9卸売業、小売業842815△26金融業、保険業1671△165不動産業、物品賃貸業274167△106各種サービス業659483△175その他389168△221消費者2,4932,767273海外7,4377,865428金融機関14954△94商工業4,9215,492571その他2,3662,317△48合計15,30414,607△697 (注) 「国内」「海外」は債務者の所在地により区分しております。 (ⅱ) 有価証券満期保有目的の債券は前連結会計年度末比27,403億円増加し、その他有価証券は同35,353億円減少しました。 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)満期保有目的の債券232,721260,12527,403その他有価証券613,217577,864△35,353国債211,812133,468△78,344地方債3,0991,664△1,435短期社債―――社債16,31812,718△3,599株式35,40437,3591,954その他の証券346,581392,65446,072 (注) 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。 (ⅲ) 繰延税金資産繰延税金資産の純額は、前連結会計年度末比725億円増加し、3,195億円の負債となりました。2行合算の発生原因別では、繰延税金資産は繰延ヘッジ損益などが増加し、同2,850億円増加して14,146億円となりました。また、繰延税金負債は、その他有価証券評価差額金が増加し、同682億円増加して10,794億円となりました。 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)繰延税金資産の純額△3,920△3,195725 (注) 連結財務諸表上の繰延税金資産から繰延税金負債を差引いたものです。 発生原因別内訳(2行合算) 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)繰延税金資産11,29514,1462,850貸倒引当金2,1122,103△8有価証券有税償却3,8173,976159その他有価証券評価差額金127△4繰延ヘッジ損益4,3746,4272,053その他5,2025,962760評価性引当額(△)4,2224,331109繰延税金負債10,11210,794682その他有価証券評価差額金6,1917,6771,486その他3,9203,116△804繰延税金資産の純額1,1833,3512,168 (注) 「2行合算」とは、株式会社三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行株式会社の単体数値の単純合計を示しております。 (ⅳ) 預金(2行合算)預金(2行合算)は、国内の個人預金、法人預金その他、海外店がそれぞれ増加した結果、前連結会計年度末比101,758億円増加し、2,261,435億円となりました。 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)預金2,159,6772,261,435101,758うち国内個人預金936,188942,1625,974うち国内法人預金その他862,325910,52048,194うち海外店353,830399,32645,495 (注)1 「2行合算」とは、株式会社三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行株式会社の単体数値の単純合計を示しております。 2 譲渡性預金、特別国際金融取引勘定分、並びに2行間の一部預金を除いております。 (ⅴ) 純資産の部純資産の部合計は、利益剰余金が前連結会計年度末比13,047億円、その他の包括利益累計額合計が同6,562億円、それぞれ増加した結果、同20,160億円増加の237,441億円となりました。 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)純資産の部合計217,281237,44120,160株主資本合計162,604173,57710,972資本金21,41521,415―資本剰余金―――利益剰余金148,456161,50313,047自己株式△7,266△9,341△2,075その他の包括利益累計額合計42,59849,1616,562うちその他有価証券評価差額金13,27116,7203,449うち為替換算調整勘定31,98237,1155,132非支配株主持分12,07714,7012,623 ③ セグメント別の状況「(1) 経営成績等の状況の概要 (セグメント別の状況)」に記載しております。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析「(1) 経営成績等の状況の概要 (キャッシュ・フローの状況)」に記載しております。 ⑤ 自己資本比率(国際統一基準)総自己資本比率は、前連結会計年度末比1.98ポイント低下し16.85%となりました。また、Tier1比率は、同1.69ポイント低下し14.95%、普通株式等Tier1比率は、同1.71ポイント低下し12.47%となりました。 前連結会計年度末(A)(億円)当連結会計年度末(B)(億円)前連結会計年度末比(B-A)(億円)総自己資本比率(=①÷④) 18.83%16.85%△1.98%Tier1比率(=②÷④) 16.65%14.95%△1.69%普通株式等Tier1比率(=③÷④) 14.18%12.47%△1.71%総自己資本の額①201,450202,7361,285Tier1資本の額②178,048179,8401,791普通株式等Tier1資本の額③151,692150,022△1,670リスク・アセットの額④1,069,3041,202,817133,512総所要自己資本額(=④×8%) 85,54496,22510,681 (注) 自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づく平成18年金融庁告示第20号に定められた算式に基づき算出しております。 (3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社が連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 経済悪化による影響
    日本および世界の経済が悪化した場合、保有する有価証券の市場価格下落、取引先の業績悪化による不良債権増加、与信関係費用の増加、市場取引の収益減少、外貨資金流動性の悪化、調達コスト増加、リスクアセット増加など、多岐にわたる悪影響が生じる可能性があります。特に、グローバルな金利変動や金融市場の混乱は、収益力低下や金融商品の価値下落に直結します。
  • 外的要因による事業停止
    紛争、テロ、自然災害(地震、風水害、感染症流行など)といった外的要因により、社会インフラに障害が発生し、店舗、ATM、システムセンターなどの施設が被災する可能性があります。これにより、業務の全部または一部が停止・遅延したり、人的資源の損失が発生したりすることで、事業継続に支障が生じ、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • サステナビリティに関するリスク
    気候変動への対応や情報開示が不十分と見なされた場合、企業価値の毀損に繋がる可能性があります。脱炭素社会への移行に関する政策変更や技術革新、市場の変化に対応できない場合、またはそのように見なされた場合、事業活動や顧客の財務状況に影響を与え、与信ポートフォリオ管理にも悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|18,890 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループは、各種のリスクシナリオが顕在化した場合の影響度と蓋然性に基づき、その重要性を判定しており、今後約1年間で最も注意すべきリスク事象をトップリスクとして特定しています。2026年3月の当社リスク委員会において特定されたトップリスクのうち、主要なものは以下のとおりです。当社グループでは、トップリスクを特定することで、それに対しあらかじめ必要な対策を講じて可能な範囲でリスクを制御するとともに、リスクが顕在化した場合にも機動的な対応が可能となるように管理を行っています。また、経営層を交えてトップリスクに関し議論することで、リスク認識を共有した上で実効的対策を講じるように努めています。 主要なトップリスクリスク事象リスクシナリオ(例)資本余力低下/リスクアセット増加・ グローバルに金利が上昇した場合の債券評価損の拡大等による資本運営への影響。外貨流動性リスク・ 市況悪化による外貨流動性の枯渇又はコストの大幅な増加。与信費用増加・ グローバルベースで実体経済が急速に失速することに伴う与信費用増加。・ 与信集中業種等における信用悪化に伴う与信費用増加。業務継続リスク・ 自然災害、紛争、テロ、感染症等の外的要因による、当社グループの業務の全部又は一部への障害及び対応費用増加。ITリスク・ サイバー攻撃による顧客情報の流出、サービス停止及び評判悪化等。・ システム障害発生による補償費用支払及び評判悪化等。サードパーティリスク・ 委託先のセキュリティ対策不足による顧客情報や機密データの漏洩等。・ 自然災害や感染症等を受けた委託先の業務停止に伴う、当社グループにおけるサービス停止や遅延等。気候変動に関するリスク・ 気候変動に関するリスクへの対応や開示が不十分であると見做されることによる当社グループの企業価値の毀損。・ 取引先への影響を通じた当社グループの与信ポートフォリオ管理・運営への影響。 当社及び当社グループの事業その他に関するリスクについて、上記トップリスクに係る分析を踏まえ、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項は、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。 外部環境等に関するリスク 1.本邦及び世界の経済の不透明性・悪化のリスク本邦及び世界の経済は、主要国における金融政策や財政政策の変更及び主要国の財政状態、主要な市場における産業や通商政策の変更、為替レートの急速かつ大幅な変動、世界的なインフレ、デフレやスタグフレーション、不動産市況の動向、銀行、ノンバンク、証券会社、保険会社及び投資ファンドその他の金融仲介機関等の金融機関に対する不安や懸念及び金融業界の動向、世界的な地政学リスク、国際的な商品供給や貿易活動の停滞や変化、市場環境、規制環境あるいは事業環境の急速かつ大幅な変化等の要因から先行き不透明な状況です。本邦及び世界経済が悪化した場合、当社グループには、保有する有価証券等の市場価格の下落による損失、取引先の業績悪化等による不良債権及び与信関係費用の増加、市場取引の相手先の信用力低下等による収益減少、外貨資金流動性の悪化、外貨資金調達コストの増加、リスクアセットの増加等が生じる可能性があります。また、各国の中央銀行の金融政策の変更によるグローバルな金利低下等に伴う資金収益力の低下等により、当社グループの収益力が低下する可能性があります。更に、経済活動の停滞による企業の新規投資や商取引の減少、個人消費の落ち込み、先行き不透明な金融市場での投資意欲減退、お客様の預かり資産減少などが生じる可能性があります。また、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動により金融市場の混乱・低迷、世界的な金融危機が生じた場合等には、当社グループが保有する金融商品の価値が下落し、適切な価格を参照できない状況が生じ、又は金融市場の機能不全が生じ、当社グループが保有する金融商品において減損若しくは評価損が生じる可能性があります。これらにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。 2.外的要因(紛争・テロ・自然災害等)に関するリスク紛争(深刻な政情不安を含みます。)、テロ、国家間対立やこれに起因する経済制裁、地震・風水害・感染症の流行等の自然災害等の外的要因により、社会インフラに障害が発生し、当社グループの店舗、ATM、システムセンターその他の施設が被災し、又は業務の遂行に必要な人的資源の損失、又はその他正常な業務遂行を困難とする状況が発生することで、当社グループの業務の全部又は一部が停止又は遅延するおそれ、あるいは事業戦略上の施策や市場・規制環境の変化への対応が計画どおり実施できないおそれがあります。また、これらの事象に対応するため、予防的なものも含めた追加の費用等が発生するおそれがあります。加えて、これらの事象により当社グループや取引先が事業を行っている市場に混乱が生じるおそれがあります。これらにより、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響が生じる可能性があります。また、当社グループは、自然災害のなかでも特に地震(津波を含みます。)による災害リスクにさらされており、首都圏等当社グループの事業基盤が集中している地域において大規模な地震が発生した場合には、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響が生じる可能性があります。当社グループでは、このような災害等のリスクに対し、各国当局の規制等を踏まえた業務継続態勢を整備し、訓練等を通じた検証を行うことにより、常にオペレーショナル・レジリエンス(紛争、テロ(含むサイバーテロ)、自然災害等の事象が発生しても、重要な業務を継続できる総合的な能力)の強化を図っておりますが、必ずしもあらゆる事態に対応できるとは限りません。 3.サステナビリティに関するリスク昨今、環境・社会課題の顕在化や持続可能な環境・社会の実現に向けた取組みに対する認識の高まりに伴い、当社グループに対する社会的な期待は一層高まってきております。当社グループでは、「MUFG環境方針」及び「MUFG人権方針」を定め、適用ある各法域の法令に基づいて、主要3子会社(株式会社三菱UFJ銀行(以下、「三菱UFJ銀行」という。)、三菱UFJ信託銀行株式会社(以下、「三菱UFJ信託銀行」という。)及び三菱UFJ証券ホールディングス株式会社(以下、「三菱UFJ証券ホールディングス」という。))の法人のお客さま向け与信及び債券・株式引受において、「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」を適用し、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認しています。当社グループは、気候変動について、当社が採用した情報開示に関する基準や適用ある法令に沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充、ガバナンスの強化に取り組んでおり、また、気候変動に関する取組み、持続可能な環境・社会の実現に向けた取組みを進めております。 サステナビリティに関する各取組みや情報開示は、関連する規制や市場等の動向を踏まえて進めていく必要がありますが、これらの変化のタイミングと影響は予測が困難であり、実施した各取組みや情報開示が不十分又は不適切であると見做された場合、各取組みや情報開示が当社の想定どおり進捗しないあるいは批判の対象となった場合、規制の変更、政策の多様化や市場の変化に十分に対応できない場合、又はそのように見做され、社会に対する責任を十分に果たしていないと見做された場合などには、当社グループの企業価値の毀損に繋がるおそれがあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、気候変動については、脱炭素社会への移行に関する政策変更、技術革新、市場の嗜好変化等に起因する移行リスク、気候変動それ自体による資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断などに起因する物理的リスクが存在します。これらの気候変動に関するリスクにより、当社グループの事業活動が直接的に影響を受け、又は、当社グループのお客さまの事業や財務状況に影響を及ぼし、お客さまへの影響を通じて当社グループの与信ポートフォリオ管理・運営に影響を与える等により当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 戦略及び出資先に関するリスク 4.競争、ビジネス戦略等に関するリスク金融業界では、新たな技術の進展や規制緩和等に伴い、電子決済領域など、他業種から金融業界への参入が加速しており、今後も競争環境は益々厳しさを増す可能性があります。また、当社グループは、収益力増強のためにグローバルベースで様々なビジネス戦略を実施しておりますが、競合相手である他のグローバル金融機関による統合・買収・戦略的提携の進展等に伴い、競争が激化してきております。そうした中、以下に述べるものをはじめとする様々な要因が生じた場合には、これら戦略が功を奏しない、当初想定していた結果をもたらさない、又は変更を余儀なくされ、こうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。・ 預金残高の維持・成長が想定どおりに進まないこと。・ 取引先への貸出ボリュームの維持・増大が想定どおりに進まないこと。・ 貸出についての利鞘拡大が想定どおりに進まないこと。・ 当社グループの保有する金融資産の価値が予想以上に大きく変動すること。・ 当社グループが想定している手数料収入を維持できない、あるいは目指している手数料収入の増大が想定どおりに進まないこと。・ デジタルトランスフォーメーション戦略や新技術の採用の遅れ等により次世代の金融サービス提供が想定どおりに進まないこと。・ 顧客や市場の新たな商品やサービスに対する需要が想定より急速に増加することにより、当社グループの金融商品やサービスに対する需要が低下すること。・ 効率化を図る戦略が想定どおりに進まないこと。・ 現在実施中又は今後実施する事業ポートフォリオの見直し、システム統合及び効率化戦略等が想定どおり進捗せず、顧客やビジネスチャンスの逸失若しくは想定を上回る費用が生じること。・ 必要な人材を確保・育成できないこと。・ 必要な外貨流動性を確保できないこと。・ 本邦及び諸外国の法規制により、金融機関以外の事業者への投資の機動性や積極性が制限されること。・ 当社グループや、業界全体に対する信用不安の高まりによる預金流出で流動性が不足すること。 5.業務範囲拡大・海外事業展開に伴うリスク当社グループは、業務範囲の拡大や海外事業の展開、経営戦略や業務運営に関する施策をグローバルに実施しており、これらに伴う新しくかつ複雑なリスクにさらされる場合があります。当社グループでは、かかるリスクに対応するために子会社等も含めた当社グループ全体の内部統制システム及びリスク管理システムや法規制対応体制構築、必要な人材の確保・育成に努めておりますが、必ずしもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループを目指し、その戦略的施策の一環として、近年では主に米国、欧州やインドを含むアジア環太平洋地域で買収・出資・資本提携等を実施しており、今後もグローバルに買収・出資・資本提携等を行う可能性があります。(既存の重要な海外子会社としては、Bank of Ayudhya Public Company Limited及びPT Bank Danamon Indonesia Tbkがあります。また、近年実施した主な買収・出資には、アジア環太平洋地域における資産運用会社やインベスターサービス会社の買収やノンバンク金融機関への出資があります。)しかしながら、政治や社会情勢の不安定化、経済の停滞、金融市場の変動、監督当局の不承認、法令・会計基準の変更、当社グループの意図とは異なる相手先の戦略や財務状況の変化、相手先の属する地域特性・業界・経営環境の想定外の変化等により、買収・出資・資本提携等が当社グループの想定どおり進展せず、若しくは変更・解消され、又は想定どおりのシナジーその他の効果を得られない可能性や、買収・出資・資本提携等に際して取得した株式や買収・出資・資本提携等により生じたのれん等の無形固定資産の価値が毀損する可能性があります。これらの結果、当社グループの事業戦略、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。買収・出資に伴う当社グループののれん等の無形固定資産の状況については、本有価証券報告書の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照下さい。更に業務範囲の拡大が予想どおりに進展しない場合、当社グループの業務範囲拡大への取組みが奏功しないおそれがあります。 6.モルガン・スタンレーとの戦略的提携に関するリスク当社は、モルガン・スタンレーの普通株式(転換直後の当社保有議決権比率22.4%、2026年3月末時点では23.9%)及び償還型優先株式(無議決権)を保有するとともに、日本における証券業務について合弁会社を共同運営するほか、米州におけるコーポレートファイナンス業務において提携する等、モルガン・スタンレーと戦略的提携関係にあります。当社は、今後も戦略的提携関係の深化を図っていく予定ですが、社会・経済・市場・金融環境の変化や人員、商品、サービスにおける協働又は合弁会社の運営・管理体制や事業戦略の構築・実施が想定どおりにいかない場合等においては、期待したとおりのシナジーその他の効果を得られない可能性があります。モルガン・スタンレーとの戦略的提携関係が解消された場合には、当社グループの事業戦略、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社はモルガン・スタンレーの支配株主ではないため、同社の事業等を支配し、また同社に関する決定をすることはできません。モルガン・スタンレーが当社グループの利益に合致しない決定を独自に行う場合、結果として想定した戦略的提携の目的が達成できない可能性があります。更に、当社はモルガン・スタンレーに対して大規模な投資を行っているため、同社の財政状態又は経営成績が悪化した場合、当社グループは多額の投資損失を被る可能性があります。当社は、モルガン・スタンレーの議決権の23.9%(2026年3月末時点)を保有するとともに、同社に取締役を2名派遣しております。これらにより、モルガン・スタンレーは当社の持分法適用関連会社となっております。そのため、当社は、モルガン・スタンレーの損益の持分比率相当割合を持分法投資損益として認識しています。また、モルガン・スタンレーの流通株式の増減に伴って当社の同社に対する持分比率が増減した場合には持分変動損益を認識する場合もあることから、当社グループの業績は、モルガン・スタンレーの業績動向及び同社に対する持分比率変動の影響を受けることになります。 自己資本に関するリスク 7.自己資本比率等に関するリスク(1) 自己資本比率等の規制及び悪化要因当社グループ及び銀行子会社には、バーゼルⅢに基づく自己資本比率及びレバレッジ比率に関する規制が適用されております。また、2022年4月28日に金融庁は、自己資本比率規制に関する告示の一部改正を公布し、当社グループには2024年3月末より最終化されたバーゼルⅢが適用されております。レバレッジ比率に関する規制について、2022年11月11日に金融庁は、日本銀行に対する預け金の額を総エクスポージャーの額から除外する現在の時限的措置を存置した上での要求水準の引き上げを公表し、2024年4月からその要求水準は引き上げられております。また、当社グループは、金融安定理事会(FSB)によりグローバルなシステム上重要な金融機関(G-SIB)に指定されており、2023年3月末より、当社グループを含むG-SIBsを対象に、レバレッジ比率の要求水準に対する上乗せ措置が導入されています。当社グループ又は銀行子会社の自己資本比率及びレバレッジ比率が各種資本バッファーを含め要求される水準を下回った場合、金融庁から社外流出額の制限、業務の停止等を含む様々な命令を受ける可能性があります。また、当社グループ内の一部銀行子会社には、米国を含む諸外国において、現地における自己資本比率等の規制が適用されており、要求される水準を下回った場合には、現地当局から様々な命令を受けることになります。当社グループ及び銀行子会社の自己資本比率及びレバレッジ比率に影響を与える要因には以下のものが含まれます。・ 債務者及び株式・債券の発行体の信用力の悪化に際して生じうるポートフォリオの変動・ 調達している資本調達手段の償還・満期等に際して、これらを同等の条件で借り換え又は発行することの困難性・ 有価証券ポートフォリオの価値の低下・ 為替レートの不利益な変動・ 自己資本比率等の規制の不利益な改正・ 繰延税金資産計上額の減額・ その他の不利益な事象の発生 (2) グローバルなシステム上重要な金融機関(G-SIBs)に対する規制当社グループを含むG-SIBsは、他の金融機関より高い資本水準が求められていますが、今後更に高い資本水準を求められる可能性があります。 (3) 破綻時における総損失吸収力(TLAC)規制 FSBが2015年11月に公表した「グローバルなシステム上重要な銀行の破綻時の損失吸収及び資本再構築に係る原則」及び2017年7月に公表した「グローバルなシステム上重要な銀行の内部総損失吸収力に係る指導原則」を踏まえ、本邦では2019年3月期より当社グループを含むG-SIBsに対して一定比率以上の損失吸収力等を有すると認められる資本・負債(以下、「外部TLAC」という。)を確保することが求められ、確保した外部TLACはグループ内の主要な子会社に一定額以上を配賦すること(以下、「内部TLAC」という。)になっています。また、規制で要求される水準は2022年3月期から引き上げられており、2024年4月1日より総エクスポージャーべースの外部TLAC比率に係る水準も引き上げられました。当社グループ内では、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下、「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」という。)が主要な子会社として指定されています。当社グループは、外部TLAC比率又は本邦における主要な子会社に係る内部TLAC額として要求される水準を下回った場合、金融庁から社外流出額の制限を含め、様々な命令を受ける可能性があります。外部TLAC比率及び内部TLAC額は、自己資本比率等の規制に係る上記(1)~(2)に記載する様々な要因により影響を受けます。当社グループは、要求されるTLACの確保のため、適格な調達手段の発行を進めておりますが、TLACとして適格な調達手段の発行及び借り換えができない場合には、外部TLAC比率及び内部TLAC額として要求される水準を満たせない可能性があります。 8.為替リスク当社グループはグローバルにビジネスを展開しており、外貨建ての金融資産及び負債を保有しています。為替レートの変動により、それらの資産及び負債の円貨換算額も変動します。当社グループでは、通貨毎の資産と負債の額の調整やヘッジを行っておりますが、変動を相殺できない場合、当社グループの自己資本比率、財政状態及び経営成績は、為替レートの変動により、悪影響を受ける可能性があります。海外における保有資産及び負債の状況については、本有価証券報告書の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご覧下さい。 信用リスク(信用供与先の財務状況悪化等により損失を被るリスク) 9.貸出業務に関するリスク貸出業務は当社グループの主要業務の一つとなっています。当社グループは、担保や保証、クレジットデリバティブ等を用いて信用リスクの削減に取り組んでおりますが、借り手が期待どおりに返済できない場合、又は当社グループが借り手の返済能力の悪化に対して、又はその可能性を予測して講じた措置が不適切又は不十分である場合には、将来、追加的な与信関係費用が発生する可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼし、自己資本の減少につながる可能性があります。なお、与信関係費用、銀行法及び金融再生法に基づく開示債権の状況については、本有価証券報告書の「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」、クレジットデリバティブ取引については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (デリバティブ取引関係)」をご参照下さい。当社グループの与信関係費用及び不良債権は、主要な市場における産業や通商政策の変更、新興国を含む国内外の景気の悪化、資源価格等の物価の変動(地政学的な状況の変化に起因するものを含みます)、不動産価格や株価の下落、新興国通貨安、金利上昇、貸出先の業界内の競争激化等による業績不振等により増加する可能性があります。 (1) 貸倒引当金の状況当社グループは、貸出先の状況、担保の価値及び経済全体に関する前提及び見積りに基づいて、貸倒引当金を計上しておりますが、経済情勢全般の悪化や個別貸出先の業績悪化等により追加の貸倒引当金を計上せざるを得なくなったり、担保の価値又は流動性が低下したり、実際の貸倒れが貸倒引当金を上回ることにより、追加的な与信関係費用が発生したりする可能性があります。また、貸倒引当金の計上に関する規制や指針が変更され、貸倒引当金の計上の際に用いる評価方法に変更が生じた結果として、貸倒引当金を追加で計上しなければならなくなる可能性もあります。2026年3月末基準における当社の連結貸借対照表上の貸倒引当金額は12,299億円でした。貸倒引当金の計上については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。 (2) 特定業種等への貸出その他の与信の集中当社グループは、貸出その他の与信に際しては、特定の業種、特定の与信先への偏りを排除すべくポートフォリオ分散に努めておりますが、不動産業種及び金融業種向けの与信は、相対的に割合が高い状況にあり、これらの業種等の業績悪化の影響を受けやすい状況にあります。個々の与信先の状況や、業界特有の動向、新興国を含む各国の国情については継続的にモニタリング・管理を実施しておりますが、国内外の景気動向(気候変動や主要な市場における産業・通商政策の変更、地政学リスクによる影響を含みます。)や不動産・資源価格・外国為替等の金融市場の動向等によっては、想定を上回る信用力の悪化が生じる可能性があります。 (3) 貸出先への対応当社グループは、回収の効率・実効性その他の観点から、貸出先に債務不履行等が生じた場合においても、当社グループが債権者として有する法的な権利のすべてを必ずしも実行しない場合がありえます。また、当社グループは、それが合理的と判断される場合には、貸出先に対して債権放棄又は追加貸出や追加出資を行って支援をすることもありえます。かかる貸出先に対する支援を行った場合は、当社グループの貸出残高が大きく増加し、与信関係費用が増加する可能性や追加出資に係る株価下落リスクが発生する可能性もあります。 10. 他の金融機関との取引国内外の金融機関(銀行、ノンバンク、証券会社、保険会社及び投資ファンドその他の金融仲介機関等を含みます。)の中には、資産内容の劣化及びその他の財務上の問題が存在している可能性があり、今後悪化する可能性やこれらの問題が新たに発生する可能性もあります。こうした金融機関の財政的困難が継続、悪化又は発生すると、それらの金融機関の流動性及び支払能力に問題が生じるだけでなく、金融システムに問題が生じ金融業や経済全般へ波及するおそれもあります。また、以下の理由により当社グループに悪影響を及ぼす可能性があります。・ 当社グループは、一部の金融機関へ信用を供与しております。・ 当社グループは、一部の金融機関の株式を保有しております。・ 問題の生じた金融機関が貸出先に対して財政支援を打ち切る又は減少させるかもしれません。その結果、当該貸出先の破綻や、当該貸出先に対して貸出をしている当社グループの不良債権の増加を招くかもしれません。・ 経営破綻に陥った金融機関に対する支援に当社グループが参加を要請されるおそれがあります。・ 政府が経営を支配する金融機関の資本増強や、収益拡大等のために、規制上、税務上、資金調達上又はその他の特典を当該金融機関に供与するような事態が生じた場合、当社グループは競争上の不利益を被るかもしれません。・ 預金保険の基金が不十分であることが判明した場合、当社グループの支払うべき預金保険の保険料が引き上げられるおそれがあります。・ 金融機関の破綻又は政府による金融機関の経営権取得により、金融機関に対する預金者及び投資家の信任が全般的に低下する、又は金融機関を取巻く全般的環境に悪影響を及ぼすおそれがあります。・ 金融業及び金融システムに対する否定的・懐疑的なマスコミ報道(内容の真偽、当否を問いません。)により当社グループの評判、信任等が低下するおそれがあります。 政策投資株式リスク(保有する株式の株価下落により損失を被るリスク) 11.保有株式に係るリスク当社グループは政策投資目的で保有するものを含め市場性のある株式を大量に保有しており、2026年3月末基準の保有時価合計は約3.7兆円、その簿価は約1.0兆円となっています。株価変動リスクの抑制の観点も踏まえ、「政策保有に関する方針」において政策保有株式の削減を基本方針としており、計画的に売却を進めております。なお、政策保有株式に対しては、トータル・リターン・スワップ等をヘッジ手段として部分的にヘッジを行うことで、株価変動リスクの削減に努めております。しかしながら、株価が下落した場合には、保有株式に減損又は評価損が発生若しくは拡大する可能性があります。また、自己資本の算出にあたり、保有株式の含み損益を勘案していることから、株価が下落した場合には、自己資本比率等の低下を招くおそれがあります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。なお、当社グループが保有する政策投資株式の状況については、本有価証券報告書の「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」をご参照下さい。 市場リスク(金利、有価証券の価格、為替などの変動により損失を被るリスク) 12.市場業務に伴うリスク当社グループは、デリバティブを含む様々な金融商品を取り扱う広範な市場業務を行っており、大量の金融商品を保有しています。これにより、例えば、国内外の金融政策の変更等により内外金利が低下した場合、当社グループが保有する国債等の再投資利回りが低下する可能性があります。また、長短金利差が縮小する場合、資金利益が減少する可能性があります。一方、内外金利が上昇した場合、当社グループの保有する大量の国債等に売却損や評価損が発生したり、調達コストが増加したりする可能性があります。また、円高となった場合は、当社グループの外貨建て投資の財務諸表上の価値が減少し、売却損や評価損が発生する可能性があります。加えて、株価が下落した場合、当社グループが保有する株式等の価値が減少し、売却損や評価損が発生する可能性があります。当社グループでは、このような内外金利、為替レート、有価証券等の様々な市場の変動により損失が発生するリスクを市場リスクとして管理しておりますが、計算された市場リスク量は、その性質上、実際のリスクを常に正確に反映できるわけではなく、またこのように示されたリスク量を上回る損失が実現する可能性もあります。なお、当社グループが保有する有価証券残高の状況については、本有価証券報告書の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(有価証券関係)」をご参照下さい。 資金流動性リスク(資金繰りがつかなくなる、又は通常より高い金利での調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク) 13.当社グループの格下げ、外部要因に伴うリスク当社グループでは、資金流動性リスク管理上の指標を設定する等、適正な資金流動性の確保に努めておりますが、格付機関による当社グループの格下げや金融システム不安、金融市場混乱等の外部要因により、調達コストの増加、調達余力の減少、担保の追加拠出、又は顧客からの信用低下等を起因に一定の取引を行うことができなくなる等の悪影響を受けるおそれがあり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、2026年3月末時点のデリバティブ取引及び信用格付に基づいて、当社及びその主要3子会社(三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行及び三菱UFJ証券ホールディングス)の格付が全て1段階格下げされたと仮定した場合、合計で約238億円、全て2段階格下げされたと仮定した場合、合計で約1,494億円のデリバティブ取引に関する追加担保をMUFG及びその主要3子会社が提供する必要があったと推定されます。 オペレーショナルリスク(内部管理上の問題や外部要因により損失が発生するリスク) 14.不公正・不適切な取引その他の行為が存在したとの指摘や、これらに伴う処分等を受けるリスク当社グループは、事業を行っている本邦及び海外における法令、規則、政策、自主規制等を遵守する必要があり、国内外の規制当局による検査、調査等の対象となっております。当社グループはコンプライアンス・リスク管理態勢及びプログラムの強化に継続して取り組んでおりますが、かかる取組みが全ての法令等に抵触することを完全に防止する効果を持たない可能性があります。当社グループが、マネー・ローンダリング、経済制裁への対応、贈収賄・汚職防止、金融犯罪その他の不公正・不適切な取引に関するものを含む、適用ある法令及び規則を遵守できない場合、あるいは、社会規範・市場慣行・商習慣に反するものとされ、顧客視点の欠如等があったものとされる場合には、罰金、課徴金、懲戒、評価の低下、業務改善命令、業務停止命令、許認可の取消しを受ける可能性があります。また、当社グループが顧客やマーケット等の信頼を失い、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響が生じる可能性があります。将来、当社グループが戦略的な活動を実施する場面で当局の許認可を取得する際にも、悪影響を及ぼすおそれがあります。また、当社グループは、為替業務に関して、当局から情報提供要請を受けており、同要請に協力するとともに、一部の当局との間では制裁金の支払いに合意しました。上記に関連して、当社グループは、他金融機関とともに、複数の民事訴訟の被告となっております。今後、関係当局より更なる制裁金支払の処分等を受け、又は関係当局との間で新たな和解金の支払合意を行うなどの可能性を含め、新たな展開又は類似の事象により、当社グループに重大な財務上その他の悪影響が生じる可能性があります。加えて、当社の子会社である三菱UFJ銀行及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券等に対して、銀証間における銀証連携ビジネス、法人関係情報の管理等において、不適切な顧客情報の共有や登録金融機関による有価証券関連業の禁止に反する不適切な勧誘等があったとして、2024年6月14日、証券取引等監視委員会は内閣総理大臣及び金融庁長官に対して行政処分の勧告・公表を行いました。これらに関し、同年6月24日、三菱UFJ銀行及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券等に対して、金融商品取引法第51条の2・第51条に基づく業務改善命令、当社及び三菱UFJ銀行に対して、銀行法第52条の31・第24条に基づく報告徴求が、金融庁より発せられました。同年7月19日、当社、三菱UFJ銀行及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券等は、業務改善命令及び報告徴求に基づき、業務改善計画等を含む報告書を金融庁に提出しました。当社、三菱UFJ銀行及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券等は、これらの行政処分等に基づく対応を継続中です。また、三菱UFJ銀行は、元行員による貸金庫からのお客さま資産の窃取事案に関し、2024年12月16日に金融庁より銀行法第24条に基づく報告徴求を受け、2025年1月16日に報告徴求に基づき、再発防止策等を含む報告書を金融庁に提出し、今回策定した再発防止策等の徹底を継続しております。 15.情報紛失・漏洩に係るリスク当社グループは、国内外の法規制に基づき、顧客情報や個人情報を適切に取り扱うことが求められております。当社グループでは、顧客情報や個人情報を多く保有しており、情報の保管・取扱いに関する規程類の整備、システム整備を実施し、管理態勢高度化に取組んでおりますが、不適切な管理、外部からのサイバー攻撃その他の不正なアクセス、若しくはコンピュータウイルスへの感染等により、顧客情報や個人情報等の紛失・漏洩を完全には防止できない可能性があります。その場合、罰則や行政処分の対象となるほか、顧客に対する損害賠償等、直接的な損失が発生する可能性があります。加えて、顧客の信頼を失う等により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性、並びにこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。 16.システム、サイバー攻撃等に関するリスク当社グループのシステム(業務委託先等の第三者のシステムを含みます。)は、事業を行う上で非常に重要な要素の一つであり、リモートワークや非対面チャネルを通じた業務の拡大やデジタル戦略を推進している中で特に重要性が高まっており、適切な設計やテストの実施等によりシステム障害等を未然に防止し、セキュリティ面に配慮したシステムの導入に努めています。しかしながら、システム障害や日々高度化が進む種々のサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染、人為的ミス、機器の故障、通信事業者やクラウドサービス事業者等・業務委託先その他の第三者の役務提供の瑕疵、オープンソースソフトウェア・外部ライブラリその他のソフトウェア供給網に起因する脆弱性又は障害、AIや量子技術等の新技術の進展への不十分な対応等を完全には防止できない可能性があります。加えて、AIや量子技術等の新技術を悪用したサイバー攻撃その他のセキュリティ上の脅威、詐欺、なりすましその他の不正行為等が発生する可能性があります。また、すべてのビジネス要件や金融機関に対する規制強化の高まりからくる規制要件に対応するシステムの機能強化への要請を十分に満たせない可能性や、市場や規制の要請に応えるために又は当社グループのシステムに接続している第三者のシステムの変更に伴い必要なシステム構築や更新がその作業自体の複雑性、新技術(AI、量子技術、デジタル資産、その他のブロックチェーン技術を利用した製品やサービスなど)に関する規制の不確実性等から計画どおりに完了しない可能性があります。そのほか、インシデント報告や第三者のサービスやシステムの使用に関連するリスク等を始めとする事象についての規制強化や市場の期待の高まりを受けて、当社グループのサイバーセキュリティリスクの管理に係るフレームワークやその実践が不十分であると見做される可能性もあります。これらの事由により、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じ、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生する可能性、当社グループの信頼が損なわれ又は評判が低下する可能性、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。 17.テロ支援国家との取引に係るリスク当社グループは、イラン・イスラム共和国(以下、「イラン」という。)等、米国国務省が「テロ支援国家」と指定している国における法主体又はこれらの国と関連する法主体との間の取引を実施しております。また、当社の銀行子会社はイランに駐在員事務所を設置しております。米国法は、米国人が当該国家と取引を行うことを、一般的に禁止又は制限しております。更に、米国政府及び年金基金をはじめとする米国の機関投資家が、イラン等のテロ支援国家と事業を実施する者との間で取引や投資を行うことを規制する動きがあるものと認識しております。このような動きによって、当社グループが米国政府及び年金基金をはじめとする機関投資家、あるいは規制の対象となる者を、当社グループの顧客又は投資家として獲得、維持できない結果となる可能性があります。加えて、社会的・政治的な状況に照らして、上記国家との関係が存在することによって、当社グループの評判が低下することも考えられます。上記状況は、当社グループの財政状態、経営成績及び当社の株価に対して悪影響を及ぼす可能性があります。なお、米国政府による対イラン制裁措置により、米国人の関与するイランとの取引の禁止などが実施されています。更に、2018年5月の米国によるイランに関する包括的共同行動計画(Joint Comprehensive Plan of Action)からの離脱後に発令された大統領令により、広範なイラン関連取引や活動について、関与した非米国人に対して二次制裁を適用し得るものとされています。当社グループでは、二次制裁を含む米国による措置が適用されるリスクの増加を受けて、今後とも当該リスクのモニタリングと対応策を実施してまいります。更に、米国証券取引所に登録している企業(米国外企業を含みます。)には、特定のイラン関連の取引の開示が引き続き義務づけられています。本邦においても、イランの拡散上機微な核活動・核兵器運搬手段開発に関与する者に対する資産凍結等の措置が実施されています。当社グループでは、これらの規制を遵守するための態勢の改善に努めています。しかしながら、かかる態勢が適用される規制に十分対応できていないと政府当局に判断された場合には、何らかの規制上の措置の対象となる可能性があります。なお、これに関連する処分等については、「14.不公正・不適切な取引その他の行為が存在したとの指摘や、これらに伴う処分等を受けるリスク」をご参照下さい。 18.規制変更のリスクグローバルな金融サービス提供者として、当社グループの事業は国内外の法律、規則、政策、会計基準、実務慣行及び解釈、並びに国際的な金融規制等の継続的な変更のリスクにさらされております。主要な金融機関は、新技術、地政学上の変化、環境・社会・ガバナンス上の懸念、巧妙化する犯罪活動への対策の必要性、システムのセキュリティ確保の必要性、及び国際金融セクターに関するその他の懸念事項を背景とする、より厳しい法律、規制及び基準等への対応を迫られています。また、金融業界における不祥事やリスク管理の不備、金融機関の破綻に関する事案を受け、社内のコンプライアンス・リスク管理体制の強化を求める動きも強まっています。当社グループに適用される法律、規制及び基準等は複雑で、多くの場合、これらを当社グループのビジネスに適用するに際しては、解釈を伴う決定が必要となります。法律、規則、政策、会計基準、実務慣行、解釈の変更及びその影響は、より多くの経営資源の投入のみならず、経営にも影響を与え、場合によっては経営戦略を変更せざるを得なくなるおそれがあります。第三者への委託により実施するものを含むコンプライアンスのプログラムやシステムについては、必要な強化を計画どおりに実施できなくなる可能性も出てきます。また、当社グループに適用される法律や規制への対応が不十分な場合、罰金、警告、レピュテーションの悪化、業務改善及びその他の行政命令、営業の強制的停止、将来の戦略的イニシアチブに規制当局から承認が得られないこと、深刻な場合としては営業認可の取消を受ける場合等、当社グループの財政状況及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 19. 消費者金融業務に係るリスク当社グループは、消費者金融業に従事する子会社や関連会社を有すると同時に消費者金融業者に対する貸出金を保有しており、消費者金融業における事業環境や規制環境の変化により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。消費者金融業に関しては、いわゆるみなし弁済を厳格に解するものを含め、過払利息の返還請求をより容易にする一連の判例が出され、これらに伴い過払利息の返還を求める訴訟が引き続き発生しております。当社グループでは、消費者金融業に従事する子会社や関連会社における過払利息の返還による費用負担のほか、当社グループが貸出金を保有する消費者金融業者の業績悪化による追加的な与信費用が発生する可能性があり、消費者金融業に不利な新たな司法上の判断や規制強化がある場合には追加的な費用負担が発生する可能性もあります。 20.評判に関するリスク 当社グループは、本邦及び国際金融市場においてG-SIBに指定されており、世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループを目指しております。当社グループのビジネスはお客さまのみならず、地域社会、国際社会等からの信頼と信用の下に成り立っています。そのため、当社グループの評判は、お客さま、投資家、監督官庁、及び社会との関係を維持する上で極めて重要です。MUFG Wayや行動規範等を踏まえ、評判リスクの適切な管理に努めておりますが、規制及び市場環境が急速に変化し、多様化する中で、各種法令等の趣旨に反するおそれのある取引や事業活動などを防止できず、又はこれらに適切に対処することができなかった場合で、大規模な報道に繋がり得るなど世論の注目が高いときや規制当局の関心が高いときなどにおいて、当社グループは、現在又は将来のお客さま及び投資家を失うこととなり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があり、企業価値を毀損する可能性があります。 21.サードパーティに関するリスク 当社グループは、国内外において様々な金融業務やその付随業務を行っており、各種金融サービスの提供、システムの構築、メンテナンス、その他の業務の一部について、外部事業者やサービス提供者(サードパーティ)のサービスやシステムを使用し、また業務の一部をサードパーティに委託しております。急速なデジタル化の進展を背景に、サードパーティへの依存度が高まる中、当社グループは、MUFGサードパーティリスク管理規程等に沿って、サードパーティのリスク評価やモニタリングを実施し、サードパーティに係るリスクの適切な管理に努めております。しかし、これらの対策にもかかわらず、サードパーティへのサイバー攻撃、サードパーティによる情報漏洩やデータの不正利用や法令等への抵触の問題、不正行為などにより、結果として当社グループの信頼が損なわれる可能性、当社グループが行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があるほか、サードパーティのシステム障害や自然災害等に起因するサービスの停止や遅延により、当社グループの業務に支障が生じる可能性があります。 22.AIの開発・提供・利用に関するリスク 当社グループは、業務効率化、お客さまへのサービス提供価値の向上、高度なリスク管理その他の目的のため、AIの開発・提供・利用を進めております。AIの適切かつ安心・安全な活用に向け、方針・規程類の整備や管理態勢の高度化等に取り組んでおりますが、AIの活用に際し、不正確若しくは不適切な出力又は偏りを含む結果が生じる可能性、利用方法の不備その他の事由により意図しない判断又は処理が行われる可能性があります。また、学習データ・入力情報・出力情報又は外部事業者が提供するモデル・システム若しくはサービスに起因した情報漏洩、権利侵害、AIを悪用したサイバー攻撃等が生じる可能性があります。更に、特定の外部事業者・クラウド基盤・モデル等への依存が高まることにより、外部の事案発生時に当社グループの業務やシステムの運営が困難になる可能性があります。加えて、国又は地域で異なるAI関連法規制の整備・変更等のような規制環境の不確実性への対応が十分に行えない可能性があります。これらの事由により、意図しない判断、情報紛失・漏洩、権利侵害、システム不具合やサイバー攻撃、外部への依存・集中及び規制変更等に関する既存のリスクが増幅され、当社グループの事業、財政状態又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

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